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タイトルを書くと誰かがストーリーを書いてくれるスレ part7

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299 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2020/10/09(金) 23:47:49.74 ID:FkQLCUDQ0
>>299 続き

  彼はそれを知って喜んでいた。彼は彼女がお気に入りで、現在住む部屋も彼女を一方的に見られるからだった。手元には無数の写真があり、無防備な姿がさらけ出されている。ベッドに寝転がって薄着でポテトチップスを食べている姿、風呂上がりすっぴんで風に当たる姿、おもちゃを使って喘ぐ姿。中にはカメラ目線のものですら。私は当然そのことを知らなかったしどこからかのぞかれるとも思っていないから、その姿を恥知らずながら見せつけていたわけだ。私を撮っている人の眼には、誰にも見せない私の秘部が映っているはずだった。恥ずかしい、知られるなら信用している人であってほしいものだ、しかしそれでも勝手につかまれたその私が実際の姿かもしれない。俺は喜んでそれを撮っていたが、ふと、この姿を撮っているのは俺なのだろうかと思った。俺が撮っているのは俺の求めているものであって、俺の力で切りとったものではないだろう。圧倒的人工的構成。それは、カメラ目線でありながら、こちらに気づいていないあの女の不自然さにもつながる。
 あの女はおれを知らないだろう、事実前述のあの女の語りはあの女の語りではなく、形式的にこの作者があの女の語りを借りて語ったものであるからだ。一方で俺の語りはある程度俺の語りだが、あの女の語りなどは俺じゃなく作者が便宜的に俺の語りを則ったに過ぎない。話を戻そう、その自覚のないカメラ目線の前では、俺は面食らった。あのような底抜けのイノセントな目がかつてあったか? ない。あの眼には、盗撮のエロティシズムの代わりに、俺の垢だらけの酸味がかった汚い顔が投影されているのだ。だから彼女の眼が逆説的にイノセントなのだ。垢の塊があの中に入れば、そのほかは一切無垢なのだ。眼の中で、俺たちの正体が現れるのだ!
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