このスレッドは1000レスを超えています。もう書き込みはできません。次スレを建ててください

真・恋姫無双【凡将伝Re】4

Check このエントリーをはてなブックマークに追加 Tweet

349 :一ノ瀬 ◆lAEnHrAlo. [saga]:2020/07/02(木) 21:31:48.25 ID:JiI9QVaH0
ぺきり、と骨の鳴る音が響く。

「うんとこどっこいしょ、と」

身体を精一杯伸ばし、固定する。背に暖かで柔らかい感触を感じながら精一杯伸びをする。
両腕を伸ばし、背に背を預けて星のやらかくもしっかりした身体に身を預ける。
はい、絶賛ストレッチ中な二郎ですこんばんわ。
ちょっと離れたとこでは斗詩と猪々子が二人組でストレッチをしてます。
まあ、袁家軍では割と一般的な準備運動だったりするのだが、特別ゲストの秋蘭は奇異なものを見るような、何とも言えない視線でこちらを見ている。

いや、そりゃあね?秋蘭みたいにいきなり身体をトップギアに入れられる人はいいよ?
でも俺なんて凡人なんだから、こうやってストレッチしてアップせんと実力をきっちり発揮できないわけで。
いや、まあ。多分この場でそんなものが必要なのは俺だけだと思うけどね?
何にせよこれから万夫不当の恋の相手をせんといかんのだ。斗詩と猪々子が文句ひとつ言うでなく付き従ってくれるのがありがたい。
しかしまあ、これで三人とも討死したら袁家崩壊だよなあとか益体もないことを考えていたら、ストレッチに付き合ってくれてる星が問うてくる。

「しかし主よ。てっきり水関に穴熊を決め込むと思っていたのだが。
 それにいくら万夫不当と言っても相手は黄巾だろう?精兵で圧殺すればよいのではないか?」

ふむ。そういやそこんとこロクに説明もしてなかったな。だというのについてきてくれる斗詩と猪々子に感謝だ。
……秋蘭も無関心を装ってるけど興味津々って感じか。
まあ、いいや。別に知られても問題はなかろう。多分。

「まず、だ。水関に反董卓連合の将兵全員を収容するのは無理だ。これが一点」

流石に十数万の兵を収容できないのだ。それに土に埋もれてるしな。門扉のとこだけ掘り起こしたのよ。

「そして水関の時と同じく野戦築城をしてはいるが完成には程遠い。つか、無理」

「ほう。それはどうしてか聞いても?」

「うん。ぶっちゃけ工兵隊は攻城兵器にかかりっきり。母流龍九商会から技師とか呼んでるけどなあ」

だって、攻城兵器。あれ、真桜がやり過ぎたのだ。でかいのよ。水関の門扉を通らないから一旦分解せんといかんの。ぜーんぶ。
それを再起動して実戦テストしてとか、万全を期したらどんだけ時間がかかるやら。
いや、時間をかけるのはいいのだが、流石に領地を放り出して参加している諸侯が文句の一つでも言おうというものである。
そして、最大の理由。

「なあ、今一番やられたら不味いのは何か、分かるか?」

さて、と小首を傾げる星の髪をわしゃ、と掻き交ぜて。

「一番怖いのは。恋が単騎で特攻してくることだ。それも夜陰に紛れて本陣を衝かれると、どうしようもない」

それだけは避けたかった。だから水関に籠らずに陣を布く。あくまで軍と軍の戦いに持ち込む。
これでも万が一に備えてはいる。麗羽様の本陣には流琉と華佗を。
美羽様のとこには凪と張魯さんを配している。
即死でなければ救ってみせるという張魯さんのお言葉が頼もしいのだ。
そして、いよいよ始まる。

「始まったか」

喧噪が風に乗って聞こえる。
いよいよだ。いよいよ軍と軍がぶつかり合っている。戦法は曹家軍と孫家軍。戦線を支えてくれるであろう勢力である。

「ほう、四万弱、か。出し惜しみはないと見える」

鷹の目、とはこういうことなのだろう。
秋蘭、流石の眼力である。

ともあれ、まずは歩兵のぶつかり合いだ。
その喧噪を聞きながら俺は入念にアップを再開する。
なに、数の上ではどうあれ、曹家軍と孫家軍ならば支えるだろうさ。いや、支えてくれないと困るんだけんども。
俺にゃ無理だけどね!倍の兵と真正面からぶち当たるとか。

そんなことを思いながら
俺は入念にアキレス腱を伸ばすのであった。
1014.51 KB Speed:0.6   VIP Service SS速報VIP 更新 専用ブラウザ 検索 全部 前100 次100 最新50 続きを読む

スポンサードリンク


Check このエントリーをはてなブックマークに追加 Tweet

荒巻@中の人 ★ VIP(Powered By VIP Service) read.cgi ver 2013/10/12 prev 2011/01/08 (Base By http://www.toshinari.net/ @Thanks!)
respop.js ver 01.0.4.0 2010/02/10 (by fla@Thanks!)