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真・恋姫無双【凡将伝Re】4
	- 364 :一ノ瀬 ◆lAEnHrAlo. [saga]:2020/07/06(月) 22:15:15.42 ID:ST1CGF8G0
-  「ちぇすとおおおおおおおおおおおお!」 
 
 全力での俺の一撃。脳天目がけて三尖刀を振り下ろす。文字通りの全力全開の一撃。その一撃を恋は難なく躱す。身をよじるだけで。
 うん、知ってた。
 
 「ちぇいぃ!」
 
 地面に三尖刀を叩きつけた反動を利用してもう一撃食らわす。横薙ぎの一撃。
 
 「秘剣、燕返し!」
 
 流石に三撃を同時展開なんていう人間離れした剣技なんて俺にはない。これが精いっぱい。
 無理やりな軌道での連撃は、だが恋には届かない。バックステップ一つ。なんつー超反応だよ!
 全力の一撃であったので俺の身体は今度こそ完全に流れてしまった。
 
 「……覚悟」
 
 ゆらり、と身を揺るがして恋が奉天画戟を振り上げる。このままでは間違いなく脳天からばっさりであろう。
 が。
 
 「斬山刀、斬山斬!」
 
 恋の死角に回り込んでいた猪々子がその大刀を渾身の力で振り下ろす。
 一か八かの大振りの一撃。
 
 「――!」
 
 サイドステップ一つ。恋の身には届かず、斬山刀は大地を抉る。
 豪快に土煙が巻き起こり、視界が妨げられる。そしてそれを煙幕代わりに離脱しようとする猪々子を恋は逃がさず追撃。流石、速い!
 
 「はぁっ!」
 
 だが、土煙は猪々子の離脱用じゃあない。奉天画戟を振りかぶる恋に迫る斗詩をこそ隠すためなのだ。
 裂帛の気合いを響かせて双剣を振るう。
 
 「やったか!」
 
 確かに斗詩の双剣が恋の身体を捉えた……と見えたのだが、間一髪、紙一重で躱す。
 
 「しぃっ!」
 
 だが、斗詩の攻撃は連撃、そして相手を追い込む運足の妙が持ち味。更に舞うが如く追撃を加える。躱す恋の動きは斗詩とは対照的に野生の獣を思わせる。
 
 「くっ!」
 
 舞いながら、双剣の軌道を捻じ曲げ、恋の体幹部分。回避しづらい部位に斬撃を次々と繰り出すのだが、少しずつ恋が対応し始める。
 流石の斗詩の連撃が勢い弱まってくる。あの連撃は無酸素運動を続けるものだからそれほど長く続けることはできない。
 だが、それで十分。斗詩は確実に獲物を追い込んでいる。
 既に恋の死角を押さえた!五臓六腑に気合いを込めて、迸る裂帛の咆哮。
 
 「ちぇすとおおおおおおおおおおおおおお!」
 
 俺が全力の一撃を振るう。完全に入ったと思ったのだが。
 
 「これが当たらんのか!」
 
 二の太刀も躱されてしまった。ぐぬう。
 
 「どっせーい!」
 
 猪々子によって再び抉られる大地。そして巻き起こる土煙。その中から斗詩が接近して連撃を加える。
 次々と死角に回り込み攻撃を加える俺たちの動きはまさに三位一体。そのコンビネーションは恋を少しずつ、少しずつ追い詰めていく。無論、一度でもしくじれば即死につながるという危険極まりない綱渡りなのではあるが。
 
 「うし!」
 
 思わず歓声を漏らしてしまう。
 紅い筋が一筋恋の身体に刻まれている。糸のように細いそれは確かに一撃が届いたという証。斗詩の双剣が届いたのだ。
 
 「いける!」
 
 恋に向けて幾度三尖刀を振るったか分からない。だが、今度は届く。その確信がある。
 ここぞとばかりに斗詩が死力を尽くして恋を追い詰める。もう一筋、今度は恋の脇腹に紅い筋が。
 
 「殺った!」
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