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真・恋姫無双【凡将伝Re】4

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374 :一ノ瀬 ◆lAEnHrAlo. [saga]:2020/07/09(木) 21:49:32.82 ID:cRY7Feyw0
「なかなか、やるわね……」

くすり、と口に笑みを浮かべて曹操は薄く笑う。
戦場が供する喧騒を楽曲が如く、その音色を掌(たなごころ)の上で弄ぶ曹操。その讃辞は無論目前の敵兵に向けてのものではない。曹家一万、孫家五千。対するは五万という圧倒的な兵力を前に曹操は既に勝ちを確信している。
例えばこれを賈駆や董卓が率いていたならば話は別であるが、曹操自ら指揮をする曹家軍にとって数なぞ全く意味をなさない。少数を以って大軍を翻弄、撃破するその用兵の冴え。
それはこの瞬間は余技に過ぎない。

「楽しませてくれるものね……」

その視線の先にあるのは孫家軍である。
曹家軍一万と孫家軍五千。対する敵軍は五万。いささか兵数の差が大きすぎる。故に義勇軍を後詰、そして寡兵である孫家軍への編入を提案したのだが。

「お断りしますぅ」

陸遜に拒否されてしまった。曰く。義勇軍、我知らず。故に不要、と。

まあ、実にもっともな話ではあるのだが。
あるのだが。

「兵は孫家に押し付けて関羽だけ引っ張って来ようと思ったのだけれどもね」

そして関羽は客将として腕を振るうのだ。そして曹家軍の精兵を率いる喜びを知る。そしてこの自分の用兵の冴え。その命に従い、その指揮に心服するのだ。そのはずだったのだ。
それを。

「よくも台無しにしてくれたわね……」

だからこれは意趣返し。
曹操が相対するのは孫家軍。勿論直接矛を交える愚は犯さない。だから。
数十、数百の単位で孫家軍に敵軍を誘導しているだけである。陣の綻びそうな所に、陣形を維持する急所に、或いは伝令の通り道に兵を置く。
無論それは弱兵によるものではあるが、曹操が振るうそれは苛烈にして執拗。兵の逐次投入と波状攻撃の何が違うかと言うと、要は費やす兵数である。そしてそれは半ば無尽蔵に目の前にあるのだ。

「まだまだいくわよ?どこまで凌げるか、楽しみね」

不敵に笑い、曹操は戦場を支配する。そう、曹操によって戦場は支配されつつあった。

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