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真・恋姫無双【凡将伝Re】4

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412 :一ノ瀬 ◆lAEnHrAlo. [saga]:2020/07/27(月) 22:08:21.59 ID:z2f4tQkH0
◆◆◆

「一刀、済まなかったな」

詫びる言葉。歩み寄りの言葉。
いくらか湿り気のある言葉。

「いや、いいんだ。それより、よかったな。霞と翠が仲直りできて、さ」

……一触即発、紆余曲折あったものの、馬超の、張遼との面会は最上の結果であったと言っていいだろう。

「お蔭で、父上の言葉を聞けた。そりゃ、さ。霞には思う所がないわけじゃない。でも、一刀が言った通り、父上はきっとそんなことを望んでないと思うんだ」

――万里を駆けよ。

その、馬騰の遺言はようやく愛娘に伝わったのである。

「一刀が言った、さ。憎しみは何も生まないって、こういうことなのかな。
 一刀の言う通り、確かに霞が死んでも父上が帰ってくるわけじゃあないし……」

未だ煩悶としている馬超だが、それでいいと北郷一刀は思うのである。だって。

「うん、そうだな。翠はそうやって笑ってる方が可愛いよ」

こんなにも馬超は輝いているのだ。鬱屈としていた先刻とはまるで別人がごとく。

「な、なななな!そ、か、可愛いとか、何を言うんだ!」

慌てふためく馬超を見て北郷一刀は思うのである。馬家軍を率いると言っても、やはりというか、年頃の少女なのだなあ、と。
そして思うのだ。きっと彼女の父たる馬騰もそのように、笑っている姿をこそ願っていたのではないか、と。

色々と抗議の声を上げる馬超と戯れながら、思う。皆がこのように笑えるならば、それはきっと素敵なことだろう、と。

◆◆◆
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