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真・恋姫無双【凡将伝Re】4
	- 643 :一ノ瀬 ◆lAEnHrAlo. [saga]:2021/02/11(木) 20:40:35.43 ID:aefmmWR50
-  「あら可愛い」 
 
 くすり、と笑った関羽の表情を見て発したのは率直な思い。もしくは賛美の言葉。
 
 「な、なにを言うのですか!」
 
 「ん?いや、笑顔、さ。
 いつもこう、眉間に皺を寄せた、こわーい顔ばっかりだったからさ。
 笑った顔がこう、ね。可愛いなと思ったのさ」
 
 かあ、と更に上気する頬の熱さを自覚してしまう。
 
 「まあ、いいや。とりあえず飯だ飯。ここ、旨いんだよなー」
 
 美味さ、安さ、早さのバランスが高いレベルで結実していると力説されて関羽は戸惑う。
 
 「んー。旨い!」
 
 汁物と付け合せをいかにも美味しそうに食べる姿に関羽は違和感を覚える。
 
 「貴方のような立場ならばもっと美味しいものをいくらでも食べられるでしょうに」
 
 ずず、と汁をすする紀霊が、ん?とばかりに応える。
 
 「まあ、あれだよ。市中視察ってやつだな。洛陽はまだまだ治安に不安があるからな。こういったとこで実際の空気を感じとかんとな。
 いざというときに判断を誤るからな」
 
 勿論報告書はあるけどやはり自分の目で見ないとな、と笑う紀霊に関羽はなんだか後ろめたさを感じる。
 
 「それにまあ、宮廷料理みたいのは確かに美味いけどさ。こういうのが性に合ってるのさ」
 
 貧乏性なんだよ多分。と笑うその顔。
 そこには劉備のようなカリスマも、北郷一刀のような魅力もない。だのになぜ胸に響くのか。
 
 「まあ、あれだ。不思議に思うかもしれんけどさ。
 こういう庶民の食事は富裕層にとっては好奇の対象だからな。別に俺だけが嬉々として食ってるわけじゃないと思うぞ。
 いや、心底楽しく食ってるのは俺くらいか。むむむ……」
 
 あれこれと能天気に話す紀霊。
 ふと気づくとその話に引き込まれている。
 
 「ですから、星があそこまでメンマに拘るのは解せないと思うのです」
 
 「然り。メンマがいかんとは言わん。だが、そこに拘泥するのは星の可能性を狭めているのではないかと俺も危惧していた」
 
 方向性は、ともかく、だが。
 
 「そういや、なんで関羽は劉備に従ってるのん?」
 
 「それは無論、桃香様の尊い理想に感動したからです」
 
 不意に問われても関羽は戸惑うことも狼狽えることもない。
 それは、関羽にとって。とっても大事な。神聖なものである。
 
 「ふうん……?」
 
 だから、その神聖なモノに胡乱な視線を向ける紀霊に苛立ちを覚える。
 
 
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