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真・恋姫無双【凡将伝Re】4

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656 :一ノ瀬 ◆lAEnHrAlo. [saga]:2021/02/18(木) 21:28:20.71 ID:i0brLQaa0
さて、反董卓連合。その一連の軍事行動を経て袁家内で最も声望が高まったのは郭嘉である。当主たる袁紹を補佐し、最上の戦果を挙げたのだからして。
本来……と言うかその役割には沮授が充てられるというのが大方の予想であった。
袁家を牛耳る立場にある紀霊の義兄弟。そして「あの」不敗の田豊の秘蔵っ子なのだ。当然参軍するのは沮授であろうと思われていたのだ。
だが参軍したのは郭嘉。
いや、北方、匈奴への備えを考えれば沮授が南皮にあって備えるというのは実に妥当ではあったのだが、それは後知恵というものである。

「まあ、ねーちゃんと師匠の相手を稟ちゃんさんにさせるのも酷だろうよ」

どこかの自称凡人の言である。

そんな事情もあったのかもしれない。
ともかく、郭嘉は見事にやり遂げて見せたのだ。もっとも、彼女は諸侯軍の誅滅が果たせなかったことが若干心残りだったようであるが。
そして、その郭嘉は現在。
親友たちと歓談していた。

「しかし、まさか稟がなあ。よくぞまあ、鼻血を吹かなかったものだ」

趙雲は感慨深げに頷く。いや、実際心配していたのだ。いざ、ことに及ぶ段において、だ。

「そですねー。少なくとも二郎さんは血の海の中で欲情するような性癖はないようですし〜」

程立もうんうん、とばかりに頷く。

「ふ、二人とも!私をなんだと思っているのですか!」

さしもの郭嘉も声を荒げる。が。

「などと説得力に欠けることを言っており」
「稟ちゃんは可愛いですね〜」

その無垢なる怒りはどこにも届かず、いいようにからかわれていた。
ひとしきりそのようなやりとりを終えた後。

「……で、実際、よくもまあ乗り切ったものだと思うのだが」

興味津々といった風に趙雲が尋ねる。
む、と口ごもる郭嘉。そして、ぽつり、と。

「その、二郎殿が、ですね。
あまりに痛々しくて。その、なんとかお慰めしたいと。その一心でしたので……」

見ていられなかった、と漏らす郭嘉を流石に茶化すことは出来ない。
なんとなれば、彼の傷心については彼女らにしても、心を揺らしていたのだからして。

「ですから、その。
あまり、常のようにその行為を……あ、あの。あのような行為。
はしたなくも甘美でそれでいて苦痛すら悦びに変換されるそのような行為。荒々しくも優しい二郎殿。そして……!」

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