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真・恋姫無双【凡将伝Re】4

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761 :一ノ瀬 ◆lAEnHrAlo. [saga]:2021/05/15(土) 22:18:27.89 ID:JSqAUlv+0
◆◆◆

悪くない人生だった、と韓浩は思う。

――韓浩の一番古い記憶は激痛を伴うものである。
炎で照らされ、男にのしかられ、腰を振られる。そんなものが一番古い記憶である。
激痛に助けを求めようと横を見れば、母親がありえない角度の首で。そして同じく男がその身体の上で腰を振っている。それが匈奴なのか、只の野盗だったのか、今となっては昔のことである。

そして当時では実にありふれた光景である。

自分は幸運であったと韓浩は思う。
男は殺され、女子供は犯され、攫われ、売られるのが世の定め。そこを救われたのだ。
そして、重ねて自分は幸運であったと韓浩は思う。

身よりのない女子など、身体を売るくらいしか生計を建てる手段はなかったであろう。
計数処理が得意であったことが活きて、紀家軍にもぐりこむことができたのだ。多くの出会いがあり、別れがあった。
そしてまた、繰り返すのだ。さよならだけが人生さ、とはこのことか。なるほど、たった今。腑に落ちた。

「ここまでの専横を許したのはわが身の不徳、無能故。だが、毒婦を親友と誤認する主の認識については諌めるものである。我が身と血をもって――」

どすり、と鈍い音。吹き出る血潮。喉にその剣を貫いて、更に首を切り裂く。
ごぼ、と口から血を吐きながら更に言の葉を紡ごうとする。

「む……、い……!」

場を沈黙が支配し。
そして韓浩の死に顔は満足そうな笑みを浮かべていた。
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