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真・恋姫無双【凡将伝Re】4

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971 :一ノ瀬 ◆lAEnHrAlo. [saga]:2022/01/17(月) 21:12:49.43 ID:4lqDpJYF0
「朱里、朱里よ。お前、それ。
それ、マジか?」

「え?は、はい。確かな情報です。五虎将は紀霊、顔良、文醜。それに星さんと白蓮さんとのことですが……」

「なんだよ、それ!くっそ!畜生!そんなの、ありかよ!」

激昂する北郷一刀に、諸葛亮は何と言葉をかけたものかと戸惑う。
諸葛亮の知恵をもってしも彼が何故これほどまでに荒れているのかが分からないのだからして。

「朱里……!」

「はい!」

搾りだしたような主の声に諸葛亮は応える。

「朱里。朱里は諸葛孔明、だよな……」

「はい。そうです……?」

戸惑ったような諸葛亮と目も合わせず、北郷一刀は声を絞り出す。

「紀霊――魔王。奴は俺と同じかもしれない。――いや、きっとそうなんだろう。
 くそ!なんで気づかなかった!阿蘇阿蘇(アソアソ)!母流龍九(ボルタック)商会!ヒントはあったじゃないか!
 あったんだよ朱理!」

苦悩に吠える北郷一刀に諸葛亮は数瞬戸惑い、まぶたを閉じる。
そして数秒後、刮目し微笑する。

「なるほど。分かりました。今、理解しました。全てを。
 紀霊。それこそが発端にして元凶。
言わばこの世の歪み……。つまり、ご主人様の敵……」

くすくす、と諸葛亮は笑う。それまでの憂いを帯びた笑みではなく、満面の笑み。晴れ晴れとした笑み。

「朱里?」

その変貌に戸惑う声に諸葛亮は応える。
笑みを浮かべたままに。

「ご主人様。ご安心を。一切、お任せくださいな」

くすり、と諸葛亮は笑う。笑みを深める。深く、深く。より深く。
そして浮上し、破顔する。

「見ぃつけた……」

その言葉は闇に散じて、誰の耳にも届くことはなかった。
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