【アズールレーン】 黒青の空

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93 : ◆rDMPFYnrzE [saga]:2019/12/04(水) 18:57:23.67 ID:/pT5YGo8o

指揮官「馬鹿なことをするもんじゃない、赤城……! すぐ、戻るんだ……!」

赤城「いいえ、あそこにはもう戻りません。指揮官様も、ここに戻る必要はありません」
赤城「私がお連れしますわ……二人だけの場所へ」スゥッ

ボゥッ!

指揮官「ッ!? 方陣……!? 赤城、何を!」

赤城「少しだけ眠って頂きます。騒がれるのは本意ではありませんから」

指揮官「やめろ、赤城……考え直……」

赤城「そうそう、これは処分させて頂きます。何らかの形で加賀に伝わるとも限りませんから」ゴゥッ!

指揮官(呪符が、灰に……)
指揮官「……赤……城……」ガクッ

赤城「お休みなさい、指揮官様」

94 : ◆rDMPFYnrzE [saga]:2019/12/04(水) 18:57:50.40 ID:/pT5YGo8o

………………

…………

……

指揮官「……くっ……ここは……」
指揮官(真っ暗だ……高窓からの月明かり以外には、何もない……)
指揮官(廃倉庫かどこか、か?)

赤城「お目覚めですか? 指揮官様」

指揮官「!? 赤城、ここは一体……!」ジャラッ
指揮官(首輪!? 椅子に、繋がれて……)

赤城「申し訳ありません。暫くの間、動けないように拘束致しましたわ」
赤城「本来ならもっと快適な環境を用意したいのですけど……それはもう少しだけ待って下さい」
赤城「捜索の手が緩む頃に、遠く遠く……誰も知らない場所へ行きましょう」

指揮官「赤城……何故だ。何故こんな真似を……」

95 : ◆rDMPFYnrzE [saga]:2019/12/04(水) 18:58:17.05 ID:/pT5YGo8o

赤城「何故、と仰られるのですか? 指揮官様。分かりきっているじゃありませんか」
赤城「指揮官様と結ばれるために、赤城はここに居るのです!」

指揮官「まさか本当に、それだけの為に……?」

赤城「好きです。大好きです。愛しています、誰よりも!!」
赤城「指揮官様の為なら私は何だってしますわ。何を敵に廻したっていい!!」
赤城「例え世界が滅びようと、最後まで指揮官様のお傍にいると決めたのですから!!」

指揮官「……俺の、せいなのか。赤城……」

赤城「はい?」

指揮官「俺がもっと早く、規則について伝えていれば……いや、お前たちと触れ合おうなんて、最初から考えなければ……」

赤城「いいえ! いいえ指揮官様! 同じことですわ!」
赤城「貴方様が規則に従おうと! どれだけ私達から距離を置こうと!」
赤城「私は貴方様に、どうしようもなく惹かれていた!!」

96 : ◆rDMPFYnrzE [saga]:2019/12/04(水) 18:58:44.29 ID:/pT5YGo8o

赤城「一目惚れでした……」
赤城「始めてお会いしたその時から、運命を感じていました」
赤城「指揮官様と結ばれるのは、私しかいない! 私と結ばれるのは、指揮官様しかありえない!」
赤城「そう信じて、今までずっと生きてきたのです!!」

指揮官「すまない、赤城……本当に、すまない……」

赤城「謝らないで下さい。私達にはもう、何も関係ないのですから」
赤城「もうあそこには戻らない。指揮官様も、どこにも行かせたりしない」スッ
赤城「愛し合いましょう、指揮官様……今までの分まで、ずっと」シュル……

指揮官「待て、赤城……止めるんだ……!」

赤城「指揮官様……赤城は、ずっとこの時だけを……」

ブルルン……

97 : ◆rDMPFYnrzE [saga]:2019/12/04(水) 18:59:11.01 ID:/pT5YGo8o

指揮官「……? この音……どこかで……」

赤城「……偵察機? まさか!?」バッ

ズガァァァン!!

赤城「くっ!」

指揮官(建物が……倉庫が、爆撃された?)

赤城「随分と手荒な真似をしてくれるわね……指揮官様に怪我があったら、どう責任を取るつもりだったのかしら?」


ザッ

加賀「手加減はした。偵察機で中の様子を確認した上での爆撃だ、当たりはしないという確信もあった」

指揮官「……加賀!?」

加賀「すまない、指揮官。遅くなった」

98 : ◆rDMPFYnrzE [saga]:2019/12/04(水) 18:59:38.29 ID:/pT5YGo8o

ロング・アイランド「指揮官さん〜! 大丈夫なの!?」

アマゾン「助けに来たぞ!」

指揮官「お前たちまで……来てくれたのか!?」

ロング「うわわ! な、なんで上半身裸なの!?」

アマゾン「……あ、ある意味間一髪だったって感じか……?」アセアセ


赤城「……妙に早いお着きじゃないの。一体どうしてここが分かったの?」

加賀「鈴早がいち早く姉様の目的を察知してな。杞憂だと信じたい気持ちを抑えて、指揮官の足取りを徹底的に辿ってくれた」

ベルファスト「ベルファストです。加賀様、何もこのような時にまで、律儀にコードネームを使う必要はございませんよ」

指揮官「ベルファストまで……」

99 : ◆rDMPFYnrzE [saga]:2019/12/04(水) 19:00:05.53 ID:/pT5YGo8o

加賀「後は密林が指揮官の自宅を中心に数十里程の範囲内で廃棄された施設を洗い出し、私と長島で虱潰しに偵察機を飛ばして捜索したと言う訳だ」

アマゾン「アマゾンだ」

ロング「ロング・アイランドなの〜」

赤城「……変に正確だと思ったら……忌々しいメイドね」ギリッ

ベル「お褒めに預かり恐悦至極に存じます」

加賀「姉様……どうしてこのような事をなさったのです」

赤城「おかしな事を言うものね、加賀。貴女が常々言っている事じゃないの」
赤城「公平も正義も強者に許された特権だと。私が指揮官様を得るために、自分の正義を通すことのどこに矛盾があるの?」

加賀「……それは戦場における正義です。戦線を離れた指揮官に適用していい論理ではない」

赤城「同じよ。望むものを手に入れるために生きるなら、全ては等しく戦場よ」

100 : ◆rDMPFYnrzE [saga]:2019/12/04(水) 19:00:32.52 ID:/pT5YGo8o

ベル「では赤城様は、軍の正義に著しく反すると知りながら今回の誘拐に至ったと?」

赤城「お硬い頭では理解出来ないのかしら。規則、規律と縛られて生きて、それで本当に幸せと言えるの?」
赤城「この胸に生まれた気持ち一つさえ自由にならずに、どうして生きていると言えるの?」
赤城「私達にだって心はある。それなのに、好きな人と添い遂げる自由さえ無いというの!?」

ロング「……少しだけ、分かる気持ちは……あるの」

赤城「私には出来ないわ。こんな想いを抱えたまま、ただ生きるなんて出来やしない」
赤城「この望みさえ叶うのなら、何を捨てようと私は構わない!」


アマゾン「私達は、人の願いより生まれ落ちた!!」

101 : ◆rDMPFYnrzE [saga]:2019/12/04(水) 19:00:59.90 ID:/pT5YGo8o

赤城「ッ!」

アマゾン「平和な海を取り戻すために……より良い世界を創り上げていくために。私達はその想いを一身に受け、船の記憶より建造される」
アマゾン「そうして生まれた私達は、役目を果たすために衣食住さえも保証され、国の支援の中で安住を約束される。言うなれば、あの港全てが人の想いの結晶だ」
アマゾン「その想いに報いる事も忘れて、ただ己の望みに耽溺することがお前の正義だと言うのか!!」

赤城「好きでこんな力を持って生まれてきた訳じゃないわ!!」
赤城「役目の為に心を殺して生きろと言うなら、家畜と何が違うというの!?」
赤城「だったら初めから心なんて与えなければ良い! こんな形で生まれて来る事自体が間違いなのよ!」

ロング「それは違うの!!」

102 : ◆rDMPFYnrzE [saga]:2019/12/04(水) 19:01:27.51 ID:/pT5YGo8o

ロング「確かに、私もお仕事は嫌いだし……よくサボっては、指揮官さんに叱られもしたの……」
ロング「でも大体は拳骨ひとつで終わらせてくれたよ! 玩具もゲームも取り上げられはしなかった!」
ロング「決まりごとさえ守っていれば、私達も自由でいることを守って貰えたの!」

赤城「……そんな下らないことと一緒にしないで。趣味と生き方はまるで違う話だわ」
赤城「本当の望みが叶わないのなら、縛られた中での小さな自由が何だと言うの」

ロング「私も、指揮官さんが居なくなるのは凄く悲しかった……」
ロング「ずっと一緒にいたくて、こっそり付いていこうかと思うこともあったの」

赤城「だったら……」

ロング「出来なかった。私にはそんな残酷な道は選べなかったの」
ロング「だって、かけがえのない物は、気付けばたくさん傍にあったんだもの!!」

103 : ◆rDMPFYnrzE [saga]:2019/12/04(水) 19:01:54.15 ID:/pT5YGo8o

ロング「私は欲張りだから……お部屋にあるものも、次から次へと大事になっちゃって……それでよくベルファストに叱られたりもするんだけど……」
ロング「あそこで生まれて感じた事も、皆と過ごした思い出も、指揮官さんとも比べられないくらい唯一無二の大事なものだったの」
ロング「赤城は違うの? 捨てたくないもの、他の何にも代えられないもの、母港にたくさんあったんじゃないの?」
ロング「それとも、赤城は……あそこで生まれたお陰で、指揮官さんと出会えた事さえ、間違いだったと思うの?」

赤城「……それは……」

加賀「姉様……」

赤城「ッ! ……加、賀……」

アマゾン「……私達は、ルールの中で生きている。それは信頼と言い換えてもいい」
アマゾン「規律を守る事によって生まれる信頼。規律を守る限り、私達は自由を保証されるという信頼」
アマゾン「お前は今回、私達の信頼を裏切り、乱心した。それは変えようのない事実だ」
アマゾン「だが、今ならまだ間に合う! お前はまだ引き返せるんだ!」
アマゾン「今の環境に納得が行かないなら変えればいい! 交渉でも嘆願書でも何でも手伝おう!」
アマゾン「帰ろう、赤城! 皆の所に!」

104 : ◆rDMPFYnrzE [saga]:2019/12/04(水) 19:02:21.03 ID:/pT5YGo8o

赤城「……私の願いが聞き届けられるまでに、どれだけの時間が掛かるの?」
赤城「今の環境が変わるまでに、指揮官様は生きていられるの?」
赤城「私達が人と結ばれても許されるまでに、戦いは終わるの!?」
赤城「現に指揮官様の訴えは届かなかった。不幸にも片腕を失いもした!」
赤城「迂遠な道で筋を通した所で、そこに指揮官様が居てくれなければ何の意味も無いじゃない!」

赤城「……私は信頼なんていらない」
赤城「仲間も、思い出も、帰る場所もいらない!」
赤城「指揮官様さえいれば、他に何もいらないッ!!」ゴォッ!


アマゾン「……探せば良かったんだ。生き方なんて……」
アマゾン「どうしようもなく狂ってしまうくらいなら、私達を頼れば良かったんだ」グスッ

ポン

加賀「……有難う。密林」

アマゾン「アマゾンだ……」ゴシゴシ

ベル「艤装の活性化を確認。来ます!」

アマゾン「――赤城ぃぃぃいいいーー!!!!」

105 : ◆rDMPFYnrzE [saga]:2019/12/04(水) 19:02:48.27 ID:/pT5YGo8o

爆炎が踊る。轟音が歌う。

悪い夢にせめてもの彩りを加えるかのように。

月明かりだけが照らす闇に沈んだ廃工場は、彼女が命を乗せて放つ輝きで、真昼と見紛う程に眩かった。

やがて崩れた倉庫の屋根越しに登る朝日が、黒青の空に白光を僅かに滲ませる頃。

――全ての決着がついた。

106 : ◆rDMPFYnrzE [saga]:2019/12/04(水) 19:03:15.48 ID:/pT5YGo8o

………………

…………

……


赤城「…………」ドサァッ

ロング「ひぃ、ひぃ……つ、強すぎるの……」ゼェゼェ

アマゾン「空母一隻で、この数相手にまさかここまでやるとは……」ハァハァ

加賀「限界を超えた動きだったな……だが、ここまでだ」ゼェハァ

ベル「えぇ、そのようです……赤城様。お覚悟を」フゥー


赤城「…………」
赤城「指揮官様……」ズルッ

ベル「ッ! 止まりなさい! さもなければ……」

加賀「待ってくれ!!」

ベル「加賀様! しかし……!」

加賀「……艤装は破壊された。姉様は、もう……」
加賀「だから、お願いだ。待ってくれ……」

ベル「…………」

107 : ◆rDMPFYnrzE [saga]:2019/12/04(水) 19:03:42.16 ID:/pT5YGo8o

赤城「指揮官様……指揮官様」ズルッ……

指揮官「…………」

赤城「好きです。大好きです。愛しています――何よりも」

指揮官「…………」

赤城「こんな想いを抱えてなんて、生きてはいけない……いっそ自刃してしまう方が、幸せだとも思いました……」
赤城「……本当は、諦めるために来たのです」
赤城「命を絶つ前にお顔を見たいと思ったのです。指揮官様を最後に一目、この目に焼き付けてから消えようと……」

指揮官「…………」

赤城「でも……どうしてかしら。何故かしら。以前と何も変わらず、ただそこに居るだけの指揮官様を見た時……私の中で、何かが弾けました」
赤城「添い遂げたくて、自分だけのものにしたくて……それ以外に何も考えることが出来ませんでした」

108 : ◆rDMPFYnrzE [saga]:2019/12/04(水) 19:04:09.78 ID:/pT5YGo8o

赤城「ふ、ふふ……浅ましいこと。天女に焦がれて羽衣をくすねた所で、卑劣な輩の行く末なんて分かりきっていた筈なのに」

指揮官「……赤城……」

赤城「指揮官様……それでも、一つだけ我儘が許されるなら……」
赤城「もし、この赤城を……ほんの僅かでも、哀れんで下さるのなら……」

赤城「嘘でもいい。最後に一度だけ、私を愛していると――」スッ


ドガァァァン!!


指揮官「ッ!?」

ロング「指揮官さん!? 赤城!?」

109 : ◆rDMPFYnrzE [saga]:2019/12/04(水) 19:04:37.09 ID:/pT5YGo8o

加賀「姉様!?」

アマゾン「馬鹿者、ベルファスト!! 何故撃った!?」

ベル「あれ以上近づければ、御主人様に何をするか分かりませんでした。危険です」

アマゾン「近すぎる!! 指揮官に当たったらどうするつもりだ!!」

ベル「この距離であれば外しはしません。ですが……確かに軽率でした。申し訳ございません」ペコッ

ロング「指揮官さん、指揮官さん!!」

指揮官「心配するな……俺は、問題ない」

ロング「良かった……え? それって……」

加賀「……姉様の、片腕……」

110 : ◆rDMPFYnrzE [saga]:2019/12/04(水) 19:05:03.83 ID:/pT5YGo8o

朝日が差し込む。縋るように伸ばされた片腕は、光の中で少しずつ輪郭を失い、やがて消えていった。

同時に、その袖の下から何かがひとつ転がり落ちる。

それは、後生大事に持っていたにしては、あまりにも粗末な――

111 : ◆rDMPFYnrzE [saga]:2019/12/04(水) 19:05:30.86 ID:/pT5YGo8o

指揮官「……これは、プラスチックの……パック? 何故こんな物を……」

加賀「……その容器は、お前が姉様に贈ったものだそうだ」

指揮官「俺がこれを……?」

加賀「それ自体が贈り物だったという訳ではない。本来は団子が入っていたらしい」
加賀「二年前の、長期休暇の前日……お前が団子をくれたのだと、私に嬉しそうに語っていた」

指揮官「!? あの時の……!」

加賀「お前から贈られた物は他にも数多くあった。だが不思議なことに、姉様はそれが一番のお気に入りだったように思う」
加賀「……今にして思えば、兵器として生まれた私達に人としての情をくれるお前の姿を、その使い捨ての容器に重ねていたのかも知れないな……」

指揮官「……赤城……」

112 : ◆rDMPFYnrzE [saga]:2019/12/04(水) 19:05:58.09 ID:/pT5YGo8o



指揮官「……簡単に捨ててしまえる想いなら、どんなに楽だっただろうな……」



………………

…………

……

113 : ◆rDMPFYnrzE [saga]:2019/12/04(水) 19:06:24.84 ID:/pT5YGo8o

―― 母港・面会室 ――

指揮官「…………」

コンコン ガチャ

エンタープライズ「失礼する」

指揮官「あぁ……お前か、エンタープライズ」

エンプラ「久しいな、指揮官。いや……元指揮官とお呼びするべきか」

指揮官「その方が良いだろうな。私用ならともかく、業務中はまずいだろう」

エンプラ「そうだな。少し馴染まないが……どうにか努力しよう」

指揮官「少し辛抱させてしまうが」

エンプラ「構わないさ。こちらこそ数日もの間、拘束して申し訳ない」
エンプラ「なにしろ表向きは恙無く合同演習を終わらせなければならなかったものでな……」

指揮官「分かっている。気にしていない」

114 : ◆rDMPFYnrzE [saga]:2019/12/04(水) 19:06:51.72 ID:/pT5YGo8o

指揮官「……お前たちには、本当に苦労をかけたな。俺のせいで、すまなかった」

エンプラ「今回の件は完全にこちらの落ち度だ。既に一般人である貴方を巻き込んでしまったのは私達なのだから」
エンプラ「責は全てこちらにある。本当に申し訳ない」
エンプラ「だから貴方は気に病まないでくれ、元指揮官」

指揮官「だが俺の不誠実な対応が、赤城をあそこまで狂わせてしまった」

エンプラ「二年もの猶予があった。元指揮官、二年もだ」
エンプラ「その間、赤城の心を癒やしてやれなかったのは、傍に居たはずの私達だ」
エンプラ「支えになってやれなかった結果がこれだ。私達こそ大いに恥じるべきなんだ」

指揮官「そんな事は……無いと思う。お前たちはきっと一生懸命やったのだと信じている」

エンプラ「有難う。ならばこちらも同じ言葉を返させて貰うよ」

指揮官「……気を遣わせたな。すまない」

115 : ◆rDMPFYnrzE [saga]:2019/12/04(水) 19:07:18.40 ID:/pT5YGo8o

指揮官「……俺の為に動いてくれた皆は、どうしている?」

エンプラ「独断で動いたのは確かだが、結果として惨事を未然に食い止めた。お咎めはないよ」
エンプラ「ベルファストは……自ら謹慎を申し出たが。やむを得ない理由があったとはいえ、赤城にとどめを刺した自分が無罪放免は許されないと主張してな」

指揮官「ベルファストらしいな……」

エンプラ「ロング・アイランドとアマゾンも相変わらずだ。少し気落ちした様子は見られるが……きっと乗り越えてくれる」
エンプラ「二人から伝言だ。”TVからいつでも指揮官さんの視線を感じてるからね〜”と“チョコを奢ってくれるという約束はいつか守れ!”との事だ」

指揮官「……別にあいつだけを観ている訳ではないが。チョコの件は完全に忘れていた」

エンプラ「約束を反故にするのは感心しないな。私にも奢ってくれるというなら、今の失言は聞かなかったことにしよう」

指揮官「はは……高い口止め料だな」

116 : ◆rDMPFYnrzE [saga]:2019/12/04(水) 19:07:45.48 ID:/pT5YGo8o

エンプラ「加賀は……流石に塞ぎ込んでいるな」

指揮官「……無理もない。目の前で姉を失ったのだから」

エンプラ「だが、五航戦の二人が甲斐甲斐しく付き添ってやっている。加賀自身もそれを好ましく思ってはいるようだから、良くなることを信じている」

指揮官「そうか……本当に有り難いことだな」

エンプラ「……それで、元指揮官の処遇についてなのだが」

指揮官「うん」

エンプラ「先程も言ったとおり、今回の件は完全にこちらの落ち度だ」
エンプラ「故にメディカルチェックの後、すぐに解放される手筈になってはいるが……もう元の住まいには戻れないだろう」

指揮官「あれだけの騒ぎの後だ、当然だな」

117 : ◆rDMPFYnrzE [saga]:2019/12/04(水) 19:08:12.08 ID:/pT5YGo8o

エンプラ「それで、元指揮官が望むのであれば、軍の方でそちらの身柄を保護するか、或いは今度こそ誰の目も届かない住まいを探し出して提供するか、提案しているのだが……」

指揮官「不祥事の隠蔽の為に、手元で飼われるか世捨て人になるか選べということか」

エンプラ「……そう取られてしまっても仕方ないだろう。事実、上の方では過激な声もあると聞いている」
エンプラ「だが元指揮官に不義理な真似は許さないと、加賀を始めとしたKAN-SENの皆が交渉した結果がこの選択肢なんだ。その気持ちは汲んでやって欲しい」

指揮官「……そう言われたら、俺には感謝することしか出来ないじゃないか」
指揮官「心配しなくても良い。どの道、今度こそ誰も知らない土地へ旅立とうと考えていた所なんだ」
指揮官「軍が探してくれるというなら、喜んでその提案に乗るさ」

エンプラ「分かった。そう伝えておこう」

118 : ◆rDMPFYnrzE [saga]:2019/12/04(水) 19:08:39.60 ID:/pT5YGo8o

エンプラ「……さて、それじゃ私もそろそろお暇しようと思う。現在着任している貴方の後輩には、まだまだ補佐が必要だからな」

指揮官「……上手くやれているか?」

エンプラ「あぁ。彼女は優秀だよ。今や最重要拠点と化しているこの施設で、力不足と自覚しながらなんとか業務をこなしている」
エンプラ「私達の事もよく気にかけてくれているしな。少し、貴方に似ている」

指揮官「それは良かった。本当に、そう思う」
指揮官「……俺に似ているというのは、その人に失礼な気もするが」

エンプラ「私なりの最大級の好意の示し方だよ」

119 : ◆rDMPFYnrzE [saga]:2019/12/04(水) 19:09:06.98 ID:/pT5YGo8o

エンプラ「では元指揮官。私はこれで――」

指揮官「エンタープライズ。最後に一つだけ、教えて欲しい事がある」

エンプラ「なんだ?」

指揮官「お前たちは……心なんて無いほうが良かったと思うか?」

エンプラ「…………」

指揮官「……いや、済まない。忘れてくれ」

エンプラ「思った事がない、というと嘘になる」

指揮官「……!」

エンプラ「だが私は――心があるからこそ、誰かの想いを背負って戦うことが出来るのだと思う」

120 : ◆rDMPFYnrzE [saga]:2019/12/04(水) 19:09:34.09 ID:/pT5YGo8o

指揮官「例えそれが報われない想いかも知れないとしてもか?」

エンプラ「元指揮官……いや、敢えてこう呼ぼう。指揮官」
エンプラ「私達は確かに悩みもする。苦しみも悲しみもする。時には涙も流すだろう」
エンプラ「それでも私達が力を振るうことが出来るのは、そこに願いがあるからだ」

指揮官「願い……?」

エンプラ「明日は良い日でありますように。少しでも幸せでありますように」
エンプラ「そんな小さな願いを、普段の生活から僅かでも感じ取る事がある」
エンプラ「その度に思うんだ。この暖かな日々を守るためなら、例えこの体がいくら傷ついても構わないだろうと」

指揮官「…………」

エンプラ「私達の力は強大だ。ただ命令を遂行するだけの人形であれば、徒に戦禍を広げることにも躊躇いはしなかっただろう」
エンプラ「だから私達は心に委ねるんだ。己の力の矛先を、決して過たないように」
エンプラ「――守りたいものの為に、力を振るえるように」

121 : ◆rDMPFYnrzE [saga]:2019/12/04(水) 19:10:01.59 ID:/pT5YGo8o

エンプラ「指揮官。結末はどうあれ、赤城は心を持って生まれて、貴方を慕うことが出来てきっと幸せだった。私はそう思う」

指揮官「……強いな、お前は。俺はまだ、そこまで気丈にはなれないようだ」

エンプラ「失くしたものを忘れろとは言わない」
エンプラ「だが同時に憶えていて欲しい。貴方が守ってきた物もまた、この世界に息づいているのだと」

指揮官「……あぁ、忘れない。絶対に」

エンプラ「それは良かった。私もその中の一人なのだからな」
エンプラ「では、今度こそ……さようなら、指揮官」スッ

ガチャ

指揮官「あぁ。元気でな、エンタープライズ」

バタン

………………

…………

……

122 : ◆rDMPFYnrzE [saga]:2019/12/04(水) 19:10:28.58 ID:/pT5YGo8o

―― 波止場 ――

指揮官「…………」
指揮官「今度こそ、一人だけでの旅立ちだな」

指揮官「ただでさえ忙しい重要拠点の業務に加えて、今回の事件だ」
指揮官「暫くは激務に追われるんだろうな……合同演習もどうなった事やら」

ボォーー

指揮官「っと……もう出発か」
指揮官「急がねばな」

123 : ◆rDMPFYnrzE [saga]:2019/12/04(水) 19:10:55.60 ID:/pT5YGo8o

指揮官「……不思議だな」
指揮官「こうして離れていく岸を観るのは、今回で二度目だと言うのに」
指揮官「あの時とはまるで見え方が違う」
指揮官「……本当の意味で、永遠の別れのようだ」

スゥー

指揮官「……? なんだ?」
指揮官「向こうから飛んでくるこれは……」

パシッ

指揮官「……これは、加賀の式?」
指揮官「裏になにか文字があるな」クルッ

【達者でな。指揮官】

指揮官「……不器用な奴だな、本当に」
指揮官「お前も、幸せにな。加賀」

124 : ◆rDMPFYnrzE [saga]:2019/12/04(水) 19:11:22.33 ID:/pT5YGo8o

………………

…………

……

―― 孤島 ――


指揮官「…………」
指揮官(妙だ)

指揮官(事前に確認した地図でも、ここが軍に紹介された土地であることに違いはない)
指揮官(だが、人が居ない。あまりにも人の気配がしなさすぎる)
指揮官(それなのに、生活の痕跡は残っている……つい先程まで、確かに誰かが居たかのようだ)

指揮官(ここまで俺を送ってくれた船も、今では完全に無人と化している)
指揮官(俺が降り立つまでは間違いなく人が乗っていたはずなのに……何故?)

125 : ◆rDMPFYnrzE [saga]:2019/12/04(水) 19:11:49.59 ID:/pT5YGo8o

―― 指揮官宅 ――

指揮官(ここが軍によって俺に与えられた家……の筈だが)
指揮官(荷物は確かに届いているように見える)
指揮官(だが何故だ? ここに来るまでに誰一人として遭遇しなかった)
指揮官(幾ら何でも無人島という筈がない。何故だ。何故……)

「ようこそいらっしゃいました、御主人様」

指揮官(聞き覚えのある声が、背後からする)
指揮官(だがそれは本来、ここで聞くことは有り得ない筈の声だ)
指揮官(嫌な予感に体が凍りついて、動かすことが出来ない)

「今回は母港から直接お送りするという形でしたので、航行先を割り出すのは容易でした」
「故に先回りすることも可能だったという事です。驚かせてしまい申し訳ありません」

126 : ◆rDMPFYnrzE [saga]:2019/12/04(水) 19:12:16.73 ID:/pT5YGo8o

指揮官「ベルファスト……お前、どうしてここに……」

「最重要拠点の処理件数の数、合同演習の後始末、赤城様の件……」
「これら全てを並列に処理しなければならない母港に、細かい情報の操作が行き届く筈がございません」
「増して自ら謹慎を申し出た者が、既に母港内に居ないなどと……気づく頃には、既に足取りを追うことなど不可能でしょう」
「赤城様の使った手を参考にさせて頂きました」

指揮官「…………」

「この島の有様でしたら、ご心配には及びません。彼らはちゃんと穏やかに暮らしています」
「むしろ消えてしまったのは――御主人様の方なのですから」

指揮官「俺の、方……?」

127 : ◆rDMPFYnrzE [saga]:2019/12/04(水) 19:12:44.20 ID:/pT5YGo8o

「……二年前のあの日、セイレーンが残したキューブを一目みた時に、私は直感で分かりました」
「これは限定的ながらも、願いを具現化する特別な物体であるのだと」
「その時は上層部へサンプルとして収奪されるよりは、御主人様の為になるのならと思い、懐へ仕舞い込んでしまったのですが……こうして役に立つなんて、思いも寄りませんでした」

「ここは御主人様が住まう世界とは似て非なる空間……私達KAN-SENが、というよりはセイレーンが持つ力の一端により、産み出された空間です」
「御主人様にも耳慣れた言葉で言うなら……鏡面海域の応用、といった所でしょうか」
「見た目こそは元の世界と何も変わりはしませんが、ここで生きている人は私と御主人様の二人だけ」
「そしてただの人間である御主人様には、逃走は能わず。破壊は叶わず。完全に閉じた空間で御座います」

「ですがご安心下さい。御主人様を傷つける意図はございません」
「寧ろこの世界では、病魔も傷害も……老化でさえも、御主人様を脅かす事はありません」
「このキューブが生み出した世界は、御主人様の為だけの世界なのですから」

128 : ◆rDMPFYnrzE [saga]:2019/12/04(水) 19:13:11.33 ID:/pT5YGo8o

指揮官(聞いてはいけない言葉だと、頭の中では理解していた)
指揮官(だが、一欠片の信頼が、否定して欲しいとの想いが、その言葉を紡いでいた)

指揮官「……どうして、こんな真似を……?」

「御主人様が欲しかったからです」
「他の何を捨ててでも、御主人様と一緒になりたかったからです」

「あぁぁ……どれほど、どれほどこの日を夢見た事でしょう……」
「もう御主人様には、何も残されていません。軍を離れ、仲間との繋がりを断ち、俗世からも切り離された御主人様には、私しかおりません」
「貴方様は、これで正真正銘、私だけの御主人様です」
「そして私も、御主人様だけのメイドです」

129 : ◆rDMPFYnrzE [saga]:2019/12/04(水) 19:13:38.33 ID:/pT5YGo8o

指揮官(麻痺したように働かない頭で、それでも背後へ振り返る)
指揮官(ぶつかり合う視線の先では、金色に濁った瞳が歓喜に打ち震えていた)

「御主人様はもうどこにも行けません。誰に遭うこともありません」
「ここで私と共に、安寧に身を委ねる他ないのです」
「ご安心下さい。これからは私が、御主人様の全てをお世話させて頂きます」
「食事も、睡眠も、入浴も、洗濯も、排泄も、交合も――何もかも。全て完璧に、他ならないこの私がお世話致しますから」

指揮官(熱に浮かされたその表情をどこか他人事のように眺めながら、脳の片隅で自らを責める声を聞いていた)
指揮官(これは、罰なのだと)
指揮官(彼女たちと共に戦うことから逃げ、何も成せずに無能を晒し、自分だけ安全な生活を望んだ、愚かな男への報いなのだと)

130 : ◆rDMPFYnrzE [saga]:2019/12/04(水) 19:14:05.70 ID:/pT5YGo8o

先達の徳行は、私にとってはまさに青天の霹靂だった。

そうだ、欲しい物があるというのに、なにを我慢する必要があったのだろう。

枷より解き放たれた心は豪炎となった翼を広げ、黒青の空へと堕ちていった。

甘い痺れが走る手足を激情のままに動かし、柔らかな頬を両手で包み込む。

その瞳に灯された感情は、恐怖と、諦念と――ほんの僅かな、安堵。その色を見て取り、私は確信する。戦うことに疲れた彼を守るための判断は、やはり間違っていなかったのだと。

自身よりも大きく、しかし遥かに非力な体をしっかりと抱き締める。今度こそ、もう何処にも行かせない。二度と離しはしない。

「御主人様。好きです。大好きです。愛しています――心より」

――永遠に。

131 : ◆rDMPFYnrzE [saga]:2019/12/04(水) 19:14:32.80 ID:/pT5YGo8o


………………

…………

……


132 : ◆rDMPFYnrzE [saga]:2019/12/04(水) 19:14:59.65 ID:/pT5YGo8o


―― 反応消失 ――

―― 実験結果 / 不明瞭 ――

―― 記録停止 ――


133 : ◆rDMPFYnrzE [saga]:2019/12/04(水) 19:15:26.53 ID:/pT5YGo8o



―― ………… ――



134 : ◆rDMPFYnrzE [saga]:2019/12/04(水) 19:15:53.70 ID:/pT5YGo8o


―― 余剰情報 / 確認 ――

―― 再生を開始します ――


135 : ◆rDMPFYnrzE [saga]:2019/12/04(水) 19:16:21.21 ID:/pT5YGo8o


―― ??? ――

ピュリファイアー「―――っぷはぁ!!」ザバァ!

オブザーバー「あら、ようやくお目覚め? いい夢は見られたかしら、寝坊助さん」

ピュリ「……お前、自分であんな事しておいて、よくもまぁそんな口が利けるなぁ?」

オブザーバー「命令を無視したのはあなたの方よ。この世界では特異個体と番号Aの推移を見守るだけだと言ったでしょう」
オブザーバー「口を縫い合わせていないだけ優しいと思いなさい」

ピュリ「チッ! ……それで、どーなったの? 実験の方は」

オブザーバー「異例の結果を生み出したわ。あまり歓迎できない決着で……ね」
オブザーバー「特異個体は、よりにもよってあなたが置いてきたキューブの力を限定的ながら解放。願望が歪に具現化された鏡面海域を生み出して、この世界から消えたわ」
オブザーバー「データを取れたのはほんの一瞬だけ、ね」

ピュリ「なんでー? 生み出したのが鏡面海域なら追っかけて引きずり出せばいーじゃん」

136 : ◆rDMPFYnrzE [saga]:2019/12/04(水) 19:16:48.78 ID:/pT5YGo8o

オブザーバー「無駄よ。歪に、と言ったでしょう。あの娘が生み出した空間は、通常の世界とは位相が完全にズレている」
オブザーバー「最早私達でさえ流動を続ける座標の特定は不可能。言葉通り永遠に、彼女たちは二人だけで孤立した世界を漂うのでしょうね」

ピュリ「うげー……つまんなさそー」

オブザーバー「えぇ、本当に。誰かさんが余計なことをしなければ良かったのにね」

ピュリ「なーんか珍しく怒ってない? はいはい分かりましたよーごめんなさいでしたー」

オブザーバー「謝罪はいらないわ。行動で示してくれるなら、それで十分」

ピュリ「にしても不思議だよねー。特異個体と言っても別に何かが壊れてるって訳でもないし、どちらかというと完全に近いスペックだったんでしょ?」
ピュリ「なのにどうしてちょっとタガが外れたくらいであんなにも荒れちゃうんだろ」

137 : ◆rDMPFYnrzE [saga]:2019/12/04(水) 19:17:15.55 ID:/pT5YGo8o

オブザーバー「それを調べるための実験だったのよ」
オブザーバー「本来、感情の抑制さえ行われていないフルスペックの存在は、”特異点”の下でしか生まれてこない」
オブザーバー「にも関わらず、生まれてしまった特異個体。それが通常の人間による運用で、どこまで出来るのかを見守るはずだったのだけど……」
オブザーバー「藪をつついて蛇を出してしまったお陰で、不完全燃焼で終わったわね」

ピュリ「また話が振り出しに戻っちゃったよ」
ピュリ「別にいいじゃん。結局、あれだけ自我が剥き出しの個体全てを運用してみせてる“特異点”が異常すぎるってだけでファイナルアンサーでしょー?」

オブザーバー「えぇ、最後まで実験を続けられたのなら、その説の裏付けになったでしょうね」

ピュリ「めちゃくちゃ根に持ってんじゃん! もーうっせーな!」
ピュリ「ちょっと体動かしてくるわ。誰かさんに邪魔されたせいでフラストレーション溜まってるからな!」シュンッ


オブザーバー「私の中では、とても興味のあるタスクだったもの。意地悪もしたくなるわ」

138 : ◆rDMPFYnrzE [saga]:2019/12/04(水) 19:17:42.43 ID:/pT5YGo8o

オブザーバー「……さて。この世界での記録は、本当にこれでお終い」
オブザーバー「本来ならこれは、観測を終えた取るに足らない観察日記」
オブザーバー「数多に繰り返される実験の一つとして、ただ埋もれていくだけの物語に過ぎないものだけど」

オブザーバー「もしこの記録が、何かの偶然で……或いは必然で、誰かの目に触れる事があるのなら」

オブザーバー「小さな願いをよすがに傷つき」
オブザーバー「叶わぬ未来に心を壊し」
オブザーバー「それでも歩んでいく彼女たちの姿を、これを見ている誰かが――あなたが、憶えていてくれると言うのなら」

オブザーバー「またいつか、何処かでお会いしましょう?」

139 : ◆rDMPFYnrzE [saga]:2019/12/04(水) 19:18:09.14 ID:/pT5YGo8o

―― 記録映像 / 終了 ――

―― 情報転送 / 遮断 ――

―― 端末 / 機能停止 ――

―― 実行を終了します ――
140 : ◆rDMPFYnrzE [saga]:2019/12/04(水) 19:18:47.05 ID:/pT5YGo8o
最後まで読んで頂き、本当に有難うございました
141 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/12/04(水) 19:22:00.75 ID:oBGEEdpK0

指揮官に救いは無かったよ…
142 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/12/06(金) 02:10:50.93 ID:qk/phZPy0
いいねえ…
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