【安価】「異世界に来た」

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1 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2020/01/05(日) 04:05:53.99 ID:akQB2XUN0

平凡な日常というのは惰性で日々を過ごし、生きる意味を見い出せない者からしたら退屈この上なく、生活する為の作業をひたすらに繰り返すだけなのだ。

でも

今自分の置かれている状況を鑑みて、その惰性で生きた日々を有難く思う日が来るとは思いもしなかった。



●●



「はぁはぁ…!はぁはぁ…!!」



手に持った得物を倒れている生き物に突き刺す。何度も、何度も。鈍い感触。初めての感覚。
多かれ少なかれ幼い頃に小さい生き物を殺した経験は誰しもあるだろう。


だが、大型となれば話は別だ。流石に犬や猫くらいのサイズの生き物を殺したという奴は中々居ない。


殺した事があると言う奴が居るならば、そいつは異常者だ。
だが、今回に限っては俺は違う。
何故ならこれは、そうせざるを得ないからだ。



「はぁ……はぁ……!し、死んだ…のか…?」



誰がその問いに答えるでも無く、一目瞭然だ。
先程まで虫の息だったその生き物は、完全に息絶えている。



「……や、やった……」



力無く言葉を吐き、安心感から脱力してその場に尻もちを着く。
緊張で強ばった身体の力を抜き、息を整えて、先程殺した生き物を見る。



「…殺した……いや、殺せた……んだな」



改めて身体が、手が震える。それも当然、つい先日までただの一般人だった俺が、今は命のやり取りをしているのだから。



「はは…怖ぇ……怖ぇよ…くそ…」



泣き言が溢れてくるが、そんな事を言った所で何も変わらない。俺は手を握り締め、自分の置かれている状況を身体に染み込ませる。
覚悟を決めたつもりだったが、流石にまだ切り替えるには経験が足りないみたいだ。



「…っ!」



背後の茂みが揺れる音がした。俺は咄嗟に刺したままの死体から得物を抜き取り、身構える。
増援かもしれない、だが、やるしかない。


●●



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