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【モバマス】凛・藍子「1・2・3で飛び込め!」

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10 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/03/30(月) 11:31:48.15 ID:yM5jXK+DO
せめて、タイトルにポケモンコラボとつけてくれ
11 : ◆7P/ioTJZG. [saga]:2020/03/30(月) 21:03:47.64 ID:2RRuOz/a0
>>10
すみません、配慮不足でした



凛「サルノリ……? このポケモンの名前?」
??「ああ、す、すみません! うちのサルノリが勝手にぶつかっちゃって……」
??「この子、駅に来るのが初めてなんです。だからついはしゃいじゃったみたいで……」
サルノリ「サルー!」
凛「そうなんだ」
凛「実は私もここに来るのは初めてでさ。アンタ……この地方のトレーナー?」
??「はい、そうです! あ、自己紹介が遅れましたね」
藍子「私、藍子っていいます! 出身はシュートシティです」
12 : ◆7P/ioTJZG. [saga]:2020/03/30(月) 21:04:43.36 ID:2RRuOz/a0
凛「私は凛だよ」

凛「ねえ藍子、この地方のどこかにポケモン研究所……みたいな施設ってある?」

藍子「ポケモン研究所……ですか。聞いたことないですね」

凛「え……? もしかしてそんな施設はないとか……?」

藍子「そのポケモン研究所って場所に、何かご用があるのでしょうか?」

凛「ああ、私ね、ポケモン図鑑みたいなのがあったらもらいたいなと思って」

藍子「ポケモン図鑑ですか? それなら……」
13 : ◆7P/ioTJZG. [saga]:2020/03/30(月) 21:05:25.60 ID:2RRuOz/a0
ピッ

ウィィン

藍子「これのことでしょうか」

凛「え……!?」

凛「それがこの地方のポケモン図鑑なの……!?」

藍子「はい。といっても図鑑以外の機能もありますけれど」

藍子「これはスマホロトムといって、色々と便利な機能がついているアイテムなんです。ポケモン図鑑はその中のアプリケーションの一つですね」

凛「スマホロトム……? アプリケーション……?」
14 : ◆7P/ioTJZG. [saga]:2020/03/30(月) 21:06:10.65 ID:2RRuOz/a0
藍子「うーんと……要するに、これがポケモン図鑑ってことです!」

凛「そ、そうなんだ……」

凛(科学の力ってすごいなぁ……)

藍子「もしかして、スマホロトムをお持ちではないのでしょうか……?」

凛「そうなんだ。私は別の地方……アイマスっていう所から来たんだけど」

藍子「そうでしたか! そういうことでしたら、この近くにスマホショップがあるので、よければご案内しましょうか?」

凛「い、いいの?」

藍子「はい、これも何かの縁ですし!」
15 : ◆7P/ioTJZG. [saga]:2020/03/30(月) 21:07:09.54 ID:2RRuOz/a0
1時間後

凛「へえ……これがスマホロトム……」

凛「本当にロトムが中に入っているんだ」

藍子「これがポケモン図鑑のアプリケーションですよ」

凛「」ポチッ

パッ

ウィィン
16 : ◆7P/ioTJZG. [saga]:2020/03/30(月) 21:07:42.77 ID:2RRuOz/a0
凛「起動した……!」

凛「……?」

凛(これは……ポケモンのシルエット?)

凛(見たこともないポケモンのシルエットがずらりと並んでいる)

凛(私の持っている図鑑とは違うな)

凛「ねえ、これはどういうことなの?」

藍子「あ、この図鑑はですね……」

藍子「最初からガラルに生息しているポケモンのデータが全て入っているんです!」
17 : ◆7P/ioTJZG. [saga]:2020/03/30(月) 21:09:00.74 ID:2RRuOz/a0
凛「え、そうなの……!?」

凛「その、出会ったポケモンをどんどん記録していく機械なんじゃ……」

藍子「いえ、既に何年か前に凄腕のトレーナーさんが全てのポケモンのデータを収集しきってしまったらしいんですよ」

藍子「ただ、図鑑にはロックがかかっていて、ポケモンと出会うことで初めてロックが解除されて、データが解禁されるという仕組みになっているんです」

藍子「たとえばこんな風に……」スチャッ

サルノリ こざるポケモン くさタイプ
スティックでリズムを刻むと、草花を元気にするパワーが音波になって広がる
このスティックはサルノリの群れが暮らす森に生えている木の枝が独自の変化を遂げたもの

藍子「なので図鑑を手に入れたら、実際にガラルを巡っていってシルエットの答え合わせをしていくような感じですね!」
18 : ◆7P/ioTJZG. [saga]:2020/03/30(月) 21:10:00.02 ID:2RRuOz/a0
凛「な、なるほど……」

凛「じゃあ、この状態ではデータは何もないんだね」

藍子「そうですね」

凛(なるほど、結局は直接ポケモンに接触しないとデータが集まらないわけだ)

藍子「もしかして、この地方のポケモン図鑑を完成させるために遠い場所から来られたんですか?」

凛「うん、そうなんだ」

凛「私の知り合いがポケモン博士なんだけど……その人のためにデータ収集をしようと思って」
19 : ◆7P/ioTJZG. [saga]:2020/03/30(月) 21:10:47.35 ID:2RRuOz/a0
藍子「へえ……それは珍しいですね」

凛「?」

藍子「この地方に来るトレーナーさんは、だいたいがポケモンバトルを目当てにされているって聞いたことがあるので」

藍子「ガラルではポケモンバトルがとても盛んなんです」

凛「まあ、それもあるかな。実はここに来る前にガラルで修行していたトレーナーとバトルしてさ」

凛「コテンパンに負けちゃったんだ。やっぱり、ガラルのトレーナーはみんな強いのかな」

藍子「そうかもしれないですね。ところでそのトレーナーさんって――」
20 : ◆7P/ioTJZG. [saga]:2020/03/30(月) 21:11:19.64 ID:2RRuOz/a0
ガシャン!

凛「!」

ドン! ドン!! ドン!!

ワー キャー

藍子「な、なんですか!?」

『な、なんだこのポケモン!?』

『急に出てきやがって……くそ、すばしっこい!』

凛「あっちの方か!」
21 : ◆7P/ioTJZG. [saga]:2020/03/30(月) 21:12:16.89 ID:2RRuOz/a0
タタタ

ザングース「ザングゥ!」

藍子「な、なんですか、あのポケモン……」

凛(あれは……ザングース)

凛(かなり気が立っているみたいだ)

ザングース ネコイタチポケモン ノーマルタイプ
普段は4本足で行動するが、怒ると後ろ足で立ち前足のツメが飛び出す
ハブネークとは先祖から続くライバルだ

『ザングースなんてこの辺にはいないんじゃないのか!?』
22 : ◆7P/ioTJZG. [saga]:2020/03/30(月) 21:12:53.05 ID:2RRuOz/a0
ザングース「ザング……」ギロッ

『ひ、ひいっ!』

ザングース「ザングー!」バッ

『うわあ、やめ――』

凛「ゲッコウガ!」ポン

ガンッ

ゲッコウガ「ゲコ」

バシィ
23 : ◆7P/ioTJZG. [saga]:2020/03/30(月) 21:13:26.39 ID:2RRuOz/a0
ザングース「ザングゥ……」ザッ

ザングース「ザングー!」

藍子「凛さん!?」

凛(ここは公共の施設だからあんまり派手なことはできないな)

凛「ゲッコウガ、一撃で仕留めるよ!」

ゲッコウガ「ゲコ!」

藍子「あぶな――」
24 : ◆7P/ioTJZG. [saga]:2020/03/30(月) 21:14:05.36 ID:2RRuOz/a0
ズバッ

藍子「……!?」

『……!?』

ザングース「ザング……」

バタッ

藍子(今のは……いったい……)

『……す、すげえ。攻撃が、見えなかった』
25 : ◆7P/ioTJZG. [saga]:2020/03/30(月) 21:14:41.87 ID:2RRuOz/a0
ゲッコウガ「ゲコ」シュタッ

凛「ふう……」

凛「……!」

パチパチパチパチ

『すげえー!!』

『あんなに危険なポケモンを一瞬で……!』

『助かったよ、ありがとうー!!』

凛「あ、ああ、どうも……」

凛(だいぶ目立っちゃったな……)
26 : ◆7P/ioTJZG. [saga]:2020/03/30(月) 21:15:18.63 ID:2RRuOz/a0
藍子「あ、あの」

藍子「今のは……攻撃、したんですか?」

凛「うん。『つばめがえし』だよ」

藍子「つばめがえしって、あんなに素早く放てるんですか……?」

凛「まあ……そうだね」

藍子「……す、すごい……!」

藍子「すごいです、凛さん!」
27 : ◆7P/ioTJZG. [saga]:2020/03/30(月) 21:16:06.35 ID:2RRuOz/a0
凛「いや、それほどでも……」

藍子「あ、あの、私、凛さんを見込んでお願いがあるのですが……!」

凛「……?」

ザワザワザワザワ

凛「……けっこう騒がしくなってきたね」

凛「場所を変えようか」

藍子「あ、はい!」
28 : ◆7P/ioTJZG. [saga]:2020/03/30(月) 21:16:48.60 ID:2RRuOz/a0
30分後

??「ええ!? その場にいたトレーナーが退けたぁ!?」

駅員「ああ、そうだよ」

??「で、そのザングースは……?」

駅員「こちらで預かっているよ。どう対応するかはまだ決めてないけど」

??「でしたら、どうか私たちにもそのザングースを見せていただけませんか……?」

駅員「うーん、そう言われてもなあ」
29 : ◆7P/ioTJZG. [saga]:2020/03/30(月) 21:17:42.61 ID:2RRuOz/a0
駅員「さっきもらった『都探偵事務所』って名刺もなんか胡散臭いし……」

駅員「そもそもこのザングース、どこから出てきたのかもわからないんだよなあ……」

駅員「……ん? もしかしてあのポケモンって君達の……」

??「ち、違います!」

駅員「違うならいいや。ていうかしつこいよ、これ以上居座るなら警察呼ぶよ?」

??「うう……」

??「み、都さん、今日はいったん帰りましょうよ〜」

都「さくら殿……そ、そうですね……」

バタン
30 : ◆7P/ioTJZG. [saga]:2020/03/30(月) 21:18:48.09 ID:2RRuOz/a0
都「はあ、また追い出されちゃった……」

さくら「まあ、この状況でしたら怪しまれるのも無理はなさそうですもんねぇ」

都「……だがさくら殿よ、おかしいとは思わないか?」

都「先日はキルクスタウンにクリムガンが出たと聞く。あの時は泉さんが対処してくれたが」

都「本来の生息地から遠く離れているはずのポケモンが突然、しかも暴徒化して各地の町に現れている」

都「これは何か事件の匂いがする……このガラルに恐ろしい危機が迫っている! 私はそう思わざるを得ない!」

さくら「そ、そうですね!」

都「よし! そうと決まればいったん帰って資料を整理するぞ!」
31 : ◆7P/ioTJZG. [saga]:2020/03/30(月) 21:19:42.87 ID:2RRuOz/a0


藍子「あの、このガラル地方ではですね、ジムチャレンジというものがあるんです」

藍子「ガラル各地のジムを渡ってバッジを集め、全てのバッジを集められた人はトーナメントに出場できるんです」

藍子「さっきガラル地方ではポケモンバトルが盛んだと言いましたけど、そのジムチャレンジに参加するトレーナーがとても多いんですね」

藍子「そのトーナメントに出られるだけでもすごいんですけど、トーナメントを勝ち抜いたらチャンピオンと戦うことができるんです!」

凛「へえ……」

凛(基本的なシステムはアイマスと同じみたいだね)
32 : ◆7P/ioTJZG. [saga]:2020/03/30(月) 21:20:54.71 ID:2RRuOz/a0
藍子「実は私もジムチャレンジに参加しようと思ってシュートシティに来たのですが」

藍子「実はサルノリをもらったのもつい一週間前で……なんというか、あまり自信がないんです」

サルノリ「サルー」ショボーン

藍子「そこでぜひ、凛さんにコーチをお願いしたいんです!」

凛「コ、コーチ……?」

藍子「さっきの凛さんのバトル、とてもかっこよかったです。私もああなりたいって思いました」

藍子「もしよければ……お願いできませんか!?」ペコッ
33 : ◆7P/ioTJZG. [saga]:2020/03/30(月) 21:21:43.91 ID:2RRuOz/a0
凛「う、うーん……」

凛(コーチか……ポケモンを捕まえるのを手伝ったことはあるけど)

凛(バトルを教えるっていうのは経験がないな)

凛(まあ、でも……)

凛「そのジムチャレンジって、ガラルの色んな町に行くんだよね」

藍子「はい、そうです」

凛(なるほど……藍子についていったら、自然と図鑑も埋まっていくかもしれない)

凛(どのみちどこに行けばいいかわからなかったんだし)
34 : ◆7P/ioTJZG. [saga]:2020/03/30(月) 21:22:33.95 ID:2RRuOz/a0
凛「……うん、いいよ。私でよければ」

藍子「ほ、本当ですか!? ありがとうございますっ!」

サルノリ「サルー!」

藍子「そうと決まれば……」

藍子「あの、実はこの町に最初のジムがあるんです!」

凛「え、この町に?」

藍子「はい。ジムチャレンジに挑む人が、必ず初めに訪れることになる――シュートジムです」

藍子「そのジムに挑戦するために、まずは私に稽古をつけてくれませんか!?」
35 : ◆7P/ioTJZG. [saga]:2020/03/30(月) 21:28:07.36 ID:2RRuOz/a0
今回はここまでです
まだこの先は何も考えてないので、ゆっくり更新していこうと思います
描写ではわかりにくいですが、凛はガラル図鑑とアイマスで持ってた図鑑の両方を使います。ここは何かしら次回から区別をつけようかと
その他、何かあればこちらまで→@idontlikeYANKEE

スレタイがややこしいのは本当申し訳ないです、以後気を付けます…

ここまで読んでいただき有難うございました
36 : ◆7P/ioTJZG. [saga]:2020/04/04(土) 22:43:21.70 ID:CntRc1EX0
投下します



凛「それじゃあ、藍子の今の力量を見ておきたいから、軽く模擬戦をしてみようか」

藍子「は、はい! よろしくお願いします!」

凛「よし。ゲッコウガ、よろしく」ポン

ゲッコウガ「ゲコ」

藍子「サルノリ、お願い!」ポン

サルノリ「サルー!」

凛「まずはこっちから攻撃してみるよ。うまく指示を出して避けてみて」

藍子「はい!」
37 : ◆7P/ioTJZG. [saga]:2020/04/04(土) 22:44:06.26 ID:CntRc1EX0
凛「ゲッコウガ、みずしゅりけん!」

ゲッコウガ「ゲコ」シュババ

藍子「わ、わ……サルノリ、躱して!」

サルノリ「サルッ」ヒョイョイ

凛「もう一回いくよ!」

ゲッコウガ「ゲコッ」シュババ

サルノリ「サルッ!」バシィ

凛「一発喰らったけど……うん、いい身のこなしだね」

凛「じゃあ次、攻撃してみて!」

藍子「は、はい!」
38 : ◆7P/ioTJZG. [saga]:2020/04/04(土) 22:44:37.29 ID:CntRc1EX0
藍子「サルノリ、えだづき!」

サルノリ「サルー!」バッ

凛(……なるほど、あのスティックで攻撃するんだね)

サルノリ「サルッ!」

バシィ!

藍子「……」

凛「……」

ゲッコウガ「……」
39 : ◆7P/ioTJZG. [saga]:2020/04/04(土) 22:45:07.01 ID:CntRc1EX0
ピシ ピシ

藍子「へっ?」

ポキッ

サルノリ「サル!?」

凛「……!?」

ゲッコウガ「ゲコ……!?」

藍子「ス……スティックが折れちゃったああ!?」
40 : ◆7P/ioTJZG. [saga]:2020/04/04(土) 22:46:00.85 ID:CntRc1EX0
凛「レベル差がありすぎて攻撃が通じなかったみたいだね」

凛「ま、まあ、そんなに気にしないで……」

藍子「うう……」ガックシ

サルノリ「サルー……」ガックシ

凛「ところで、サルノリのスティックは大丈夫なの?」

藍子「あ、それは大丈夫です……予備のスティックがたくさんあるので」

藍子「はあ……でもこんなことになるなんて……」

凛「……」
41 : ◆7P/ioTJZG. [saga]:2020/04/04(土) 22:46:40.73 ID:CntRc1EX0
凛「そうだね、一通り動きを見てみての感想だけど、攻撃力はまだまだみたいだね」

凛「でも身のこなしは悪くなかったよ。みずしゅりけんもうまく躱していたし」

藍子「あ、ありがとうございます!」

凛「まずはサルノリの特徴を理解して、この身軽さを活かせられるバトルスタイルを確立することが目標だね」

凛「よし……少し休んだら、再開しようか」

藍子「はい! よろしくお願いします!」

サルノリ「サルー!」
42 : ◆7P/ioTJZG. [saga]:2020/04/04(土) 22:48:10.15 ID:CntRc1EX0
その後 シュートジム

藍子「ふぅっ……」

凛「準備はいい?」

藍子「はい!」

藍子「ずっと憧れだったジムの中に初めて入るんで、ドキドキしているんです……!」

凛「まあ、私もバトルを教えるのは初めてだったからどこまで通用するのかわからないけど……」

凛「あまり気負わないようにね」

藍子「はい、ありがとうございます!」

凛「よし、じゃあ入ってみようか」
43 : ◆7P/ioTJZG. [saga]:2020/04/04(土) 22:49:39.32 ID:CntRc1EX0
ガラッ

藍子「わあ……ジムの中ってこんな風になってるんだ……!」

シュートジム受付「こんにちは!」

藍子「あ、あの、ジムチャレンジを申し込みたいのですが……!」

シュートジム受付「はい、わかりました! ではお名前と出身をお願いします」

藍子「はい。シュートシティの藍子です!」

シュートジム受付「……はい、藍子さんですね。この度はジムチャレンジへのご参加、ありがとうございます!」ペコリ

シュートジム受付「ジムチャレンジでは、ガラル地方の各地に点在しているジムへ挑戦していただき、ジムリーダーを倒すことでバッジを集めてもらいます」

シュートジム受付「バッジはこの金のリングに嵌め込む形となっておりますので、そのリングもお渡ししますね。失くさないようお願いします」

シュートジム受付「そしてこちらがジムチャレンジャー用のユニフォームになります。あちらに更衣室がございますので、ユニフォームに着替えてからチャレンジに臨むようにしてください」
44 : ◆7P/ioTJZG. [saga]:2020/04/04(土) 22:51:23.86 ID:CntRc1EX0
シュートジム受付「ジムバッジを8つ全て集められたトレーナーは、ナックルシティで行われるトーナメントバトルにエントリーすることができます。このトーナメントを勝ち抜くことで、チャンピオンへの挑戦権を得られます」

シュートジム受付「ただし、ジムチャレンジを始めてから一定の期間内にバッジをすべて集められなかった場合、トーナメントに参加できるのは来年以降になるので気を付けてください」

シュートジム受付「また、ジムチャレンジ初挑戦のトレーナーは、例外なくまずはこのシュートジムからスタートしてもらいます」

シュートジム受付「なので早速ジムチャレンジをすることもできますが……」

藍子「はい、お願いします!」

シュートジム受付「はい、わかりました!」

〜お着替え中〜

シュートジム受付「それでは奥のドアから先へお進みください!」

凛「藍子、頑張ってね」

藍子「はい、ありがとうございます!」

タッタッタッ……
45 : ◆7P/ioTJZG. [saga]:2020/04/04(土) 22:52:18.25 ID:CntRc1EX0

シュートジム受付「……ところでお連れ様は、ジムチャレンジは既にお申し込みされておりますか?」

凛「え、私? いや、まだだけど……」

シュートジム受付「あ、そうなんですか! ではご一緒にどうでしょう?」

凛(そうだな……ガラルのトレーナーともバトルしてみたいし)

凛「……じゃあ、私も。アマミタウンの凛、です」

シュートジム受付「……はい、ありがとうございます! こちらがジムバッジ用のリングとユニフォームです」

シュートジム受付「あ、それと……ジムチャレンジに挑めるのは一度にお一人だけとなります」

ジムチャレンジ受付「観戦をご希望の場合は、この先にあるスタジアムへどうぞ!」

凛「スタジアム……?」
46 : ◆7P/ioTJZG. [saga]:2020/04/04(土) 22:53:07.21 ID:CntRc1EX0

??「ええ、そうよ」

凛「……?」

??「ガラル地方のポケモンバトルはスポーツのようなもの……時には大勢の人がジムバトルを見に来ることもあるわ。そんな時のために、各地のジムには巨大なスタジアムを設けているの」

??「ジムチャレンジに来たトレーナーには、そこで戦ってもらうわけ。まあ、シュートジムは最初のジムだから基本的にチャレンジ中は無観客だけどね」

夏美「挨拶が遅れましたね。シュートジムのジムリーダー、夏美です」ペコリ

凛(この人が……ガラルのジムリーダー)

凛「凛です。どうも」ペコリ
47 : ◆7P/ioTJZG. [saga]:2020/04/04(土) 22:53:57.59 ID:CntRc1EX0
夏美「……もしかして、別の地方から来られたトレーナーかしら?」

凛「そうだよ。アイマス地方から来たんだ」

夏美「あら、やっぱりそうだったのね」

凛(……!)

夏美「なんでわかったんだろ、って顔してるわね。私、ジムリーダーになる前はCAをやっていたの。アイマスにも何度か訪れたことがあるわ」

夏美「アイマスはいい所ね。自然が豊かだし、ポケモンの生息数も膨大だから――」

夏美「……あら、話をしている場合じゃなかった。チャレンジャーがいるんだったわ」

夏美「……じゃあ準備してくるわ。またね」
48 : ◆7P/ioTJZG. [saga]:2020/04/04(土) 22:55:10.22 ID:CntRc1EX0

ガラッ

ジムトレーナー女「ようこそ、チャレンジャー!」

藍子「!」

ジムトレーナー女「各地のジムではジムリーダーと戦う前に我々ジムトレーナーと戦ったり、そのジムならではのギミックを解いてもらったりするんだけど……」

ジムトレーナー女「シュートジムはシンプルイズベスト! 私とこの先にいる男のトレーナー、2人のトレーナーと連続でバトルしてもらいます」

ジムトレーナー女「そしてシュートジムは……ひこうタイプのジム! いくよ、ツツケラ!」ポン

ツツケラ「ツッツー!」

ツツケラ きつつきポケモン ひこうタイプ
秒間16連打で木を突き穴をほる
開けた穴は餌を仕舞う貯蔵庫や巣に使う
49 : ◆7P/ioTJZG. [saga]:2020/04/04(土) 22:55:54.93 ID:CntRc1EX0

藍子「いくよ、サルノリ!」ポン

サルノリ「サルー!」

…………………………

ジムトレーナー男「つつく!」

ココガラ「ココー!」

サルノリ「サルー♪」ヒョイ

藍子「いい感じだよ、サルノリ!」

藍子「えだづき!」

サルノリ「サルー!」
50 : ◆7P/ioTJZG. [saga]:2020/04/04(土) 22:56:35.46 ID:CntRc1EX0

バシィ

ココガラ「ココー」バタンキュー

藍子「や、やった……!」

ジムトレーナー男「くっ……戻れ、ココガラ!」

ジムトレーナー男「さすがだな……だがこの先のジムリーダーはもっと手強いぞ!」

ジムトレーナー男「さあ、先へ進むがいい」

藍子「この先に……ジムリーダーが……!」

ガコン

藍子「……」
51 : ◆7P/ioTJZG. [saga]:2020/04/04(土) 22:57:55.41 ID:CntRc1EX0

ウィィーン

藍子「あわわ……」

藍子「床が動いてる……!」

藍子「あの先にあるのは……スタジアム?」

バッ

藍子「……!」

藍子(ここが……スタジアム……!)

藍子(私、今からこの舞台に立つんだ……!)

凛「藍子!」

藍子「……! 凛さん!」
52 : ◆7P/ioTJZG. [saga]:2020/04/04(土) 22:58:56.23 ID:CntRc1EX0

凛「ひこうタイプのジム……相性は悪かったはずだけど、よくここまで来れたね」

藍子「ふふ、これも凛さんの特訓のおかげです!」

夏美「ようこそ、シュートジムへ」ザッ

藍子「!」

藍子(向こう側から人が……!)

夏美「ジムリーダーの夏美です、よろしくお願いします」ペコリ

藍子「よ……よろしくお願いしますっ」

凛(ジムリーダーもユニフォームで戦うんだ)

夏美「まずはジムチャレンジに参加してくれてありがとうございます。そして、よくここまで辿り着きましたね」
53 : ◆7P/ioTJZG. [saga]:2020/04/04(土) 22:59:44.21 ID:CntRc1EX0

夏美「他のジムもそうなんだけど、ジムリーダーとのバトルはこのスタジアムで行います。今日はお客さんは一人だけだけど、もしかしたらたくさんの人に囲まれてバトルする機会がどこかで巡ってくるかもしれないわね」

夏美「さて、私はひこうタイプのエキスパートなんですけど……」

夏美「見たところ、道中はサルノリしか戦っていませんでしたね」

藍子「はい。私はサルノリだけで挑ませてもらいます」

夏美「……なるほど」

夏美「では私も一匹で相手させていただきます」
54 : ◆7P/ioTJZG. [saga]:2020/04/04(土) 23:00:31.81 ID:CntRc1EX0

夏美「……準備はいいかしら?」キッ

凛(……目付きが変わった。ジムリーダーを名乗るだけあって、かなりの腕前なんだろう)

藍子「はい!」

夏美「私は最初のジムを担当していることもあって、自然と伸びしろがあるトレーナーとないトレーナーの区別がつくようになったわ。あなたは……どちらかしら?」

夏美「では……ドローンロトム、お願いします」

ブーン……

凛(へえ、あれにもロトムが入っているんだ)

サッ
55 : ◆7P/ioTJZG. [saga]:2020/04/04(土) 23:01:17.19 ID:CntRc1EX0

ドローンロトム『3……』

藍子「……」ゴクリ

ドローンロトム『2……』

夏美「……」

ドローンロトム『1……』

ドローンロトム『バトル・スタート!!』

藍子「いくよ、サルノリ!」ポン

サルノリ「サルー!」

夏美「アオガラス!」ポン

アオガラス「カァーッ!」

*アオガラス カラスポケモン ひこうタイプ
足で小石を投げたりロープを敵に巻きつけるなど、道具をあつかう知恵をもつ
厳しい戦いをくぐり抜けて相手の力量を正確に判断する力が身についた

56 : ◆7P/ioTJZG. [saga]:2020/04/04(土) 23:02:11.40 ID:CntRc1EX0
凛(……へえ)

凛(スタジアムは障害物が何も無い広いフィールドなんだね)

凛(アイマスではジムリーダーが思い思いにジムを改良していたみたいだけど、ガラルではそうじゃないみたい)

凛(小細工は通用しないってことだね)

藍子「サルノリ、えだづき!」

夏美「躱して!」

サルノリ「サルー!」バッ

アオガラス「カァー」ヒョイ
57 : ◆7P/ioTJZG. [saga]:2020/04/04(土) 23:02:50.06 ID:CntRc1EX0
藍子「もう一回!」

サルノリ「サルー!」

ヒョイ ヒョイ

藍子「うっ……まだまだ……!」

凛(なかなか当たらないな……相手もかなりのスピードの持ち主だ)

夏美「……」

夏美「ついばむ!」
58 : ◆7P/ioTJZG. [saga]:2020/04/04(土) 23:03:19.17 ID:CntRc1EX0
アオガラス「カァーッ!」

藍子「躱して!」

サルノリ「サルッ」ヒョイ

夏美「逃がさないわよ!」

アオガラス「カァ!」

藍子(追撃が……!)

ゴツンゴツンゴツン

サルノリ「サルッ……!」
59 : ◆7P/ioTJZG. [saga]:2020/04/04(土) 23:04:02.71 ID:CntRc1EX0

藍子「ああっ、サルノリ……!」

凛「くっ……一撃であのダメージか」

凛「相性の悪さもあるだろうけど、やっぱりまだサルノリのレベルが足りなかったのか……」

サルノリ「サルー……」フラフラ

夏美「あと一息……ってところかしら」

藍子「あ、ああ……ど、どうすれば……」

凛「藍子、焦っちゃダメだ!」
60 : ◆7P/ioTJZG. [saga]:2020/04/04(土) 23:04:35.04 ID:CntRc1EX0

夏美「……」

藍子「え、えだづき!」

サルノリ「サルー……」ヨロッ

夏美「……そんな状態での攻撃なんて」

アオガラス「カァ!」

バクッ

夏美「攻撃とは程遠いわね」
61 : ◆7P/ioTJZG. [saga]:2020/04/04(土) 23:05:23.90 ID:CntRc1EX0

アオガラス「カァ」

ポーイ

藍子「……!」

凛(スティックが……放り投げられた……)

アオガラス「カァ!」

ゴツン!

サルノリ「サルー……」

バタンキュー
62 : ◆7P/ioTJZG. [saga]:2020/04/04(土) 23:06:20.04 ID:CntRc1EX0
藍子「……!」

ドローンロトム『サルノリ、戦闘不能! サルノリ、戦闘不能!』

ドローンロトム『勝者、ジムリーダー・夏美!』

凛(……強い。パワーもスピードも敵わなかった)

夏美「アオガラス、お疲れ様」シュゥゥ

夏美「……少しジムチャレンジを甘く見ていたみたいね」

夏美「私を倒せないと、この先には進めないわよ。……出直してきてちょうだい」

藍子「……」
63 : ◆7P/ioTJZG. [saga]:2020/04/04(土) 23:07:05.60 ID:CntRc1EX0

サルノリ「サルーッ」

凛「藍子、元気出して」

藍子「……」

凛「まあ、レベル差は歴然だったし……また特訓し直そう。ジムリーダーまではたどり着けたんだし」

藍子「……」

凛(参った……かなり落ち込んじゃってるな)

サルノリ「サルーッ」キーッ

凛(サルノリの方はかなり気が立ってる。よっぽど悔しかったのかな)

凛「まあ、今日はもう遅いし……また明日、再挑戦できるように頑張ろう」

藍子「……」

凛「……今日は色々とありがとう。それじゃ、おやすみ」
64 : ◆7P/ioTJZG. [saga]:2020/04/04(土) 23:07:52.86 ID:CntRc1EX0
その夜

藍子(……)

藍子(……)グスン

藍子(……わかってる。バトルだから、勝つ人もいれば負ける人もいるのはわかってる)

藍子(でも……悔しい。自分が情けないよ)

藍子(……やっぱり私、トレーナーとしての才能がないのかな……)
65 : ◆7P/ioTJZG. [saga]:2020/04/04(土) 23:08:29.64 ID:CntRc1EX0

藍子(こんな思いをするぐらいなら……)グスン

藍子(……)

藍子「サルノリ……」

藍子「今日はごめんね……私のせいで……」

藍子「……やっぱり私、ジムチャレンジ、諦めようかな……」グスン

サルノリ「……」
66 : ◆7P/ioTJZG. [saga]:2020/04/04(土) 23:09:22.49 ID:CntRc1EX0


翌日

テーテレテー テーレテレテー

凛(……ん?)

凛(スマホロトムに着信が……)

凛「もしもし……」

藍子『り、凛さん! 大変なんです!』

凛「藍子……どうしたの?」

藍子『サルノリが……いなくなっちゃったんです!』
67 : ◆7P/ioTJZG. [saga]:2020/04/04(土) 23:11:17.37 ID:CntRc1EX0
今回はここまでです
*が付いてるやつが凛が図鑑で読み取った情報、ということで

次回はまた来週ぐらいですかね
読んでいただき有難うございました
68 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/04/04(土) 23:18:42.20 ID:gN9U7UrF0
乙 Lv.差もあるけど初ジムが相性最悪って運無いね...
一匹だと厳しいしでんきとかいわの相性いいポケモン捕まえたいね
69 : ◆7P/ioTJZG. [saga]:2020/04/11(土) 21:44:11.23 ID:QoJR3cDH0
投下します
70 : ◆7P/ioTJZG. [saga]:2020/04/11(土) 21:44:51.98 ID:QoJR3cDH0
シュートシティ

凛「私は西側を探すよ。藍子は東側をお願い」

藍子「は、はい!」

タタタ

凛「西側……」

凛「……とはいえ」

ブティック店員『いらっしゃいませー、店内タイムセール中でーす!』

ヘアサロン店員『あら、あの子、とてもキレイな髪をしているわね……』

電話ボックス『もしもしー、こちらアルセウス製薬の者ですが――』

カップル『ねえねえ、あっちのカフェでお茶でもしない?』

サラリーマン『ええっと、スボミーインってどっちだっけ……』
71 : ◆7P/ioTJZG. [saga]:2020/04/11(土) 21:45:45.59 ID:QoJR3cDH0
凛(……ただでさえ広い町なのに、二人がかりで探すのは無理があるな……)

凛「よし、ムクホーク」ポン

ムクホーク「ムクホー」

凛「ムクホーク、町のどこかで緑色の小柄なポケモンを見かけたら、私に教えてほしいんだ」

ムクホーク「ムクホー!」バサッバサッ

凛「よし……あっちの路地も探してみるか」

1時間後

ムクホーク「ムクホー」ショボン

凛「見つからない……」

凛(ていうかこの町、広すぎる……)

凛(こんな広い町であの小柄なポケモンを見つけろっていう方が無理なんじゃ……)
72 : ◆7P/ioTJZG. [saga]:2020/04/11(土) 21:46:38.46 ID:QoJR3cDH0
テーテレテー テーレテレテー

凛「ん? ……もしもし」

藍子『あ、凛さん! サルノリ、見つかりました!』

凛「本当に? どこにいたの?」

藍子『それが……』



藍子「……あ! 凛さん! こっちです!」

夏美「あら、あなたは昨日の」
73 : ◆7P/ioTJZG. [saga]:2020/04/11(土) 21:47:44.94 ID:QoJR3cDH0
凛「藍子。それに夏美さん」

凛「聞いたよ。夏美さんが連れてきたんだって」

夏美「そうなの。朝、ジムの前に立っていてね。一匹でジムに挑戦しようとしてきたのかしら、と思って」

夏美「そんなに昨日負けたのが悔しかったのかしら。根性のあるポケモンね」

サルノリ「サルー! サルー!」

藍子「サルノリ……」

夏美「……」

夏美「ねえ、藍子ちゃん」
74 : ◆7P/ioTJZG. [saga]:2020/04/11(土) 21:49:07.33 ID:QoJR3cDH0
夏美「サルノリ、すごく悔しそうな目をしていたわ。今すぐにでも再挑戦させてくれ、って顔に書いてあった」

夏美「なのにあなたは真っ先にジム周辺を探そうとせず、違う場所を探していた」

夏美「もしあなたとサルノリが同じ気持ちだったなら、こうはならなかったはずじゃないかしら?」

藍子「……!」

夏美「ポケモントレーナーなら、ちゃんとポケモンと対話しなさい。ポケモンはトレーナーが思い通りに使役するだけの存在でもなければ、いつもあなたの行動に100%同意してくれる従順な存在でもない。まずはあなたがポケモンに耳を傾けることで、ポケモンもあなたに心を開いてくれるものよ」

夏美「しっかり対話して……それでまた私に挑戦したいって思ったなら、ジムで待っているわ」
75 : ◆7P/ioTJZG. [saga]:2020/04/11(土) 21:50:55.70 ID:QoJR3cDH0
夏美「それじゃあね。それと、凛ちゃんの挑戦もいつでも受け付けているからね」ペコリ

スタスタ

藍子「サルノリ……」

サルノリ「サルー!」

サルノリ「サル! サル! サルーッ!」

藍子「……」

藍子「……うん、そうだよね。このままじゃ終われないよね」

藍子「……凛さん!」
76 : ◆7P/ioTJZG. [saga]:2020/04/11(土) 21:52:02.55 ID:QoJR3cDH0
凛「!」

藍子「ごめんなさい。私、昨日は一度負けただけでジムチャレンジを諦めようとしていました。でもサルノリを見ていたら……やっぱり諦めきれなくなりました」

藍子「こんな私ですけど……また、特訓をお願いできますか!?」

凛「……うん。わかった」

凛「その意気だよ。今度は私も手抜きしない。絶対に夏美さんを倒そう!」

藍子「……はい!」
77 : ◆7P/ioTJZG. [saga]:2020/04/11(土) 21:52:37.59 ID:QoJR3cDH0
翌日 ジムチャレンジ受付最終時間

夏美「……」

夏美「来たわね」

ザッ ザッ

藍子「夏美さん……」

夏美「待っていた甲斐があったわ」

夏美「ここへ来たということは……トレーナーとしての覚悟ができたということね」
78 : ◆7P/ioTJZG. [saga]:2020/04/11(土) 21:53:16.92 ID:QoJR3cDH0
藍子「はい」

藍子「夏美さん。もう一度……勝負を挑ませてください!」

夏美「ふふ、望むところよ」

夏美「ところで、前はサルノリ一匹で挑んできたけれど……どう? あれから手持ちは増えたのかしら」

藍子「いいえ、増えていません」

夏美「!」

藍子「私はサルノリと一緒に、あなたを倒します!」
79 : ◆7P/ioTJZG. [saga]:2020/04/11(土) 21:53:53.56 ID:QoJR3cDH0
夏美「……そう。ならいいわ」

夏美「ドローンロトム、よろしく」

凛(藍子……)

凛(大丈夫。きっと勝てるよ。サルノリを信じて……!)

サッ

ドローンロトム『3……』

ドローンロトム『2……』

ドローンロトム『1……』

ドローンロトム『バトル・スタート!!』
80 : ◆7P/ioTJZG. [saga]:2020/04/11(土) 21:54:24.94 ID:QoJR3cDH0
藍子「サルノリ、お願い!」ポン

サルノリ「サルー!」

夏美「アオガラス!」ポン

アオガラス「カァーッ!」

藍子(前回と同じくアオガラス……)

藍子(大丈夫。特訓してきたことを忘れないように……!)

藍子「サルノリ、えだづき!」
81 : ◆7P/ioTJZG. [saga]:2020/04/11(土) 21:55:28.54 ID:QoJR3cDH0
サルノリ「サルッ!」

バシィ

アオガラス「カアッ!」

夏美(……へえ。以前よりも威力もスピードも上がっている)

夏美(単にレベルが上がったから、だけが理由じゃないようね)


………………………………………………

凛『まずはサルノリのメインの技、えだづきを特訓しようか』

藍子『はい!』
82 : ◆7P/ioTJZG. [saga]:2020/04/11(土) 21:56:29.83 ID:QoJR3cDH0
凛『そうだな……サルノリ、とりあえず何回か素振りしてみて』

サルノリ『サルッ』ブゥン

藍子『ど、どうですか?』

凛『……』

凛『サルノリ。スティックを力任せに振ったらダメだよ。精度も落ちるし、スティックにも負担が大きい』

凛『こう、何というか……重力に任せるというか……うーん、うまく説明できないな』

凛『とにかく、余計な力を入れずに振る。そこから始めようか』

サルノリ『サルッ』

………………………………………………
83 : ◆7P/ioTJZG. [saga]:2020/04/11(土) 21:57:11.14 ID:QoJR3cDH0
夏美「今度はこっちからいくわよ! ついばむ!」

アオガラス「カアー!」

藍子「スティックでガードして!」

サルノリ「サルッ!」

ガキン

夏美「まだまだッ!」

ゴツン ゴツン ゴツン

アオガラス「カアーッ!」

バシィ

サルノリ「サルッ……!」ズザァ

藍子(押し返された……!)

藍子(でもこれでいいんだ!)
84 : ◆7P/ioTJZG. [saga]:2020/04/11(土) 21:57:52.93 ID:QoJR3cDH0
………………………………………………

凛『藍子、ポケモンに道具を持たせられることは知ってる?』

藍子『はい!』

凛『じゃあ、ジム戦でもサルノリに何か持たせてみようか』

凛『相手はひこうタイプ……サルノリには不利なタイプだね。前のバトルも、一発の攻撃で体力をギリギリまで削られていた』

凛『だからこれを持たせてみようか』ヒョイ

藍子『これは……?』

………………………………………………
85 : ◆7P/ioTJZG. [saga]:2020/04/11(土) 21:58:39.15 ID:QoJR3cDH0
サルノリ「サルッ!」パクッ

シュィィィン

藍子「よし!」

夏美「なるほど……オボンの実ね」

夏美「でも持ち直したところで、私が有利なのは変わらないわよ!」

アオガラス「カアッ!」

凛(……いや)

凛(それは違うよ、夏美さん。持ち直したことが起点になるんだ……!)
86 : ◆7P/ioTJZG. [saga]:2020/04/11(土) 21:59:18.66 ID:QoJR3cDH0

藍子「上に躱して!」

サルノリ「サルッ」ヒョイ

藍子「そのまま……アクロバット!!」

サルノリ「サルーッ!」

バシィ

アオガラス「カアッ……!」

夏美「!!」

夏美「アクロバット……いつの間にそんな技を……!」
87 : ◆7P/ioTJZG. [saga]:2020/04/11(土) 22:00:30.35 ID:QoJR3cDH0
………………………………………………

凛『……とはいえ、えだづきだけでアオガラスと渡り合うには厳しいね』

凛『そうだ。藍子、これを使ってみてよ』

藍子『これは……?』

凛『これは技マシン。中にデータが記録されていて、すぐに新しい技を覚えられるんだ』

凛『そしてこの技マシンに記録されていているのは『アクロバット』。この技には特殊な効果があって……』

凛『バトル中に持たせていた道具がなくなった時、威力が倍になる技なんだ』
88 : ◆7P/ioTJZG. [saga]:2020/04/11(土) 22:01:13.63 ID:QoJR3cDH0

藍子『持たせていた道具がなくなった時……』

凛『そう。つまり?』

藍子『つまり? ……ああ!』

………………………………………………


夏美(なるほど……オボンの実はサルノリの耐久力を上げるためだけじゃない)

夏美(この技を発動するためのイグニッションだったのね……!)

藍子「もう一回!」
89 : ◆7P/ioTJZG. [saga]:2020/04/11(土) 22:01:49.53 ID:QoJR3cDH0

サルノリ「サルーッ!」

バシィ

アオガラス「カアッ!」

凛「よし……段々とペースを掴んできた」

凛「その調子だよ、藍子!」

夏美「ついばむ!」

アオガラス「カアッ!」
90 : ◆7P/ioTJZG. [saga]:2020/04/11(土) 22:02:20.76 ID:QoJR3cDH0

藍子「スティックでガードして!」

サルノリ「サルッ!」ガキン

藍子「アクロバット!」

サルノリ「サルーッ!」

バシィ

夏美「うっ……いい切り返しね……!」

夏美「お返しよ、アオガラス!」

アオガラス「カアーッ!」
91 : ◆7P/ioTJZG. [saga]:2020/04/11(土) 22:03:29.73 ID:QoJR3cDH0

ゴツン

サルノリ「サルッ……!」ズザァ

藍子「サルノリ……!」

凛(サルノリの体力は次で尽きる……)

凛(でもアオガラスもあと一撃が決まれば……!)

夏美「藍子ちゃん……やるじゃない」

夏美「えだづきの強化にオボンの実、アクロバット。戦術も素晴らしいわ。2日前とは見違えるくらい強くなっている」
92 : ◆7P/ioTJZG. [saga]:2020/04/11(土) 22:04:33.89 ID:QoJR3cDH0

夏美「だけど一つだけ欠点があるとすれば……」

サルノリ「サルッ……!」ヨロッ

藍子「……!」

夏美「アクロバットは体全体を大きく使う技。その分リターンも大きいわ」

夏美「そんな技を連発していたから……もう攻撃を躱す体力もないんじゃないかしら?」

藍子「うっ……」

凛「藍子……!」
93 : ◆7P/ioTJZG. [saga]:2020/04/11(土) 22:05:17.60 ID:QoJR3cDH0

夏美「苦手なタイプのポケモンで挑もうとしてくるガッツは素敵だったけど……これで終わりね」

夏美「アオガラス、ついばむ!」

アオガラス「カアッー!!」

藍子「……サ、サルノリッ!」

サルノリ「サルッ……」

ガキン

ピシッ
94 : ◆7P/ioTJZG. [saga]:2020/04/11(土) 22:06:03.72 ID:QoJR3cDH0

藍子「!!」

ペキッッ

凛「……!」

藍子「あっ……」

夏美「……攻撃の要であるスティックも失ったようね」

夏美「とどめよ!」

アオガラス「カアー!」

凛「……!」
95 : ◆7P/ioTJZG. [saga]:2020/04/11(土) 22:06:45.89 ID:QoJR3cDH0

グワッ

藍子(……!)

藍子「サルノリ、スティックでアオガラスの口を塞いで!!」

サルノリ「……!」

サルノリ「サルー!」

ガツン

アオガラス「カアッ……!?」

夏美「なっ……!?」
96 : ◆7P/ioTJZG. [saga]:2020/04/11(土) 22:07:20.39 ID:QoJR3cDH0
藍子「そしてえだづき!!」

サルノリ「サルーッ!!」

バシィ

アオガラス「カアッ……!」

夏美「……!」

ドサッ

アオガラス「カアッ……」バタンキュー
97 : ◆7P/ioTJZG. [saga]:2020/04/11(土) 22:07:51.35 ID:QoJR3cDH0

ドローンロトム『アオガラス戦闘不能! アオガラス戦闘不能!』

藍子「……!」

ドローンロトム『勝者、チャレンジャー・藍子!』

藍子「……や」

藍子「やった……」

藍子「勝った……!」
98 : ◆7P/ioTJZG. [saga]:2020/04/11(土) 22:08:41.20 ID:QoJR3cDH0
藍子「やったああーー!!」

サルノリ「サルッ……!」グッ

凛「藍子……!」

凛「……はあ、心臓が止まるかと……」

藍子「サルノリ、よく頑張ったね……! ありがとう……!」

夏美「……」

夏美「折れたスティックの片方を使ってアオガラスの攻撃を防いで 、片方のスティックで攻撃……」

夏美「普通ならうろたえてしまう場面で、そんな瞬時の判断ができるなんて……」
99 : ◆7P/ioTJZG. [saga]:2020/04/11(土) 22:09:35.70 ID:QoJR3cDH0
夏美「……いえ、これは油断した私の負けね」

夏美「……見事だったわ。知識も実力も、咄嗟の閃きも」

夏美「あなたならきっと、この先のジムチャレンジも勝ち抜いていける。そんな気がするわ」

夏美「でも……スティックが折れてサルノリは大丈夫なの?」

藍子「はい、予備はたくさんあるので!」

夏美「ふふ、そう。じゃあこれ、ジムチャレンジをクリアした証。フライトバッジよ、受け取って」

藍子はフライトバッジを手に入れた!

夏美「それからこの技マシンも……サルノリは覚えられないけど、いつか役に立つ機会が来るかもしれないから」

藍子は技マシン『ついばむ』を手に入れた!
100 : ◆7P/ioTJZG. [saga]:2020/04/11(土) 22:10:19.61 ID:QoJR3cDH0
夏美「今日はしっかり休んで、サルノリを労ってあげてね。さて……」

バッ

夏美「次はあなたの番ね、凛ちゃん!」

凛「え、でももう今日はチャレンジの時間は終わったんじゃ……」

夏美「そんなことはもういいわ。私は今、あなたと戦いたいの!」

夏美「……待ってるわよ」

凛「……」コクリ
101 : ◆7P/ioTJZG. [saga]:2020/04/11(土) 22:11:43.36 ID:QoJR3cDH0

藍子「凛さん!」

凛「藍子、おめでとう」

藍子「ありがとうございます! これも凛さんに鍛えていただいたおかげです!」ペコリ

凛「ううん。たしかに道具を持たせたり技マシンを使うように考えたのは私だけど……」

凛「スティックが折れたときはもうダメかと思った。でもあんな応用ができるなんてね」

藍子「えへへ……始めて特訓した時もスティックが折れたじゃないですか。そのことを思い出して、そしたら閃いちゃいました」

藍子「でもこれで自信が持てました。凛さん、これからもコーチ、よろしくお願いします!」ペコリ

凛「ううん。こちらこそ」

凛「じゃあ、次は私の番だね」ザッ
102 : ◆7P/ioTJZG. [saga]:2020/04/11(土) 22:14:39.16 ID:QoJR3cDH0
今回はここまでです

ちなみにジムチャレンジは藍子がメインなので凛が挑んでいる時は手短or省略して書きます
その分活躍の場は設ける予定なのでご心配なく

次回はまた1週間後ぐらいですね
読んでいただき有難うございました
103 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/04/11(土) 22:24:21.20 ID:d9R/Ky+K0
乙 凛相手なら容赦なくダイマックスとか来るかな?とか思ったが凛戦はじっくりやらんのか...
まあ藍子がメインならしょがないね
104 : ◆7P/ioTJZG. [saga]:2020/04/19(日) 00:06:27.98 ID:OQLWsWhk0
投下します



シュートジム スタジアム

藍子(駅でザングースと戦っているのは見ていたけど)

藍子(凛さんが誰かとバトルするのを見るのは初めてだな)

夏美「今日はもう遅いし、1対1、お互いに自慢のポケモンで短期決戦といきましょ!」

凛「1対1だね……わかったよ」

夏美「じゃあいくわよ!」
105 : ◆7P/ioTJZG. [saga]:2020/04/19(日) 00:07:00.40 ID:OQLWsWhk0
ドローンロトム『3……』

ドローンロトム『2……』

ドローンロトム『1……』

ドローンロトム『バトル・スタート!』

凛「ゲッコウガ!」ポン

夏美「ドデカバシ、いくわよ!」ポン

ゲッコウガ「ゲコ」

ドデカバシ「ドデー!」

*ドデカバシ おおづつポケモン ノーマル・ひこうタイプ
体内のガスをクチバシの中で爆発させ、大岩も粉々にする木のタネを発射
番いが仲睦まじく、結婚式に連れてこられることも
106 : ◆7P/ioTJZG. [saga]:2020/04/19(日) 00:07:38.00 ID:OQLWsWhk0
凛(ドデカバシ……?)

凛(さっきと違うポケモンだ。どうやら私の実力に合わせてきたみたいだね)

凛(……気をつけていこう)

凛「みずしゅりけん!」

ゲッコウガ「ゲコ!」シュババ

夏美「ドデカバシ、タネマシンガン!」

ドデカバシ「ドデー!」バババ
107 : ◆7P/ioTJZG. [saga]:2020/04/19(日) 00:08:12.30 ID:OQLWsWhk0
バチィ!

夏美「一発ごとの威力は同じくらいだけど……」

夏美「撃ち合いならドデカバシの勝ちね!」

バババ

ゲッコウガ「ゲコッ!」バチィ

藍子「ああ、ゲッコウガ!」

凛(っ……いきなり5回連続で攻撃してきた)
108 : ◆7P/ioTJZG. [saga]:2020/04/19(日) 00:08:52.59 ID:OQLWsWhk0
凛「ゲッコウガ、狙いを絞らせないで接近するよ!」

ゲッコウガ「ゲコ!」ダダダ

夏美「もう一度タネマシンガン!」

ドデカバシ「ドデー!」バババ

ゲッコウガ「ゲコ!」

ゲッコウガ「ゲコッ」バッ

凛(また5回攻撃……)

凛(まさか……スキルリンク!)

スキルリンク
連続攻撃技を必ず最高回数で出すことができる
109 : ◆7P/ioTJZG. [saga]:2020/04/19(日) 00:09:24.95 ID:OQLWsWhk0
ゲッコウガ「ゲコッ!」バチィ

夏美「怯んだわね! ドデカバシ、突っ込んで!」

凛「ゲッコウガ!」

ゲッコウガ「ゲコ」ズバッ

ドデカバシ「ドデ……」

夏美「……! つばめがえし……!」

夏美「あの一瞬で立て直してくるなんて、よく鍛えられているわね!」
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