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【モバマス】凛・藍子「1・2・3で飛び込め!」

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553 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/07/11(土) 23:32:48.00 ID:6QQ4+vbW0
>>552
マイナーリーグのジムまで登場させたら大変そうだがバージョンで変化がある
ジムだけならちと千夜や久川姉妹が一緒のジムとか?
554 : ◆7P/ioTJZG. [saga]:2020/07/12(日) 21:16:38.45 ID:xIyPPKpo0
バージョン違いとか考えたことなかったですけどラテラルのジムなんかはだりーな↔なつきちみたいな感じで分かれてたら面白そうだなと感じました
ちなみにジムリーダーは全員タイプも確定させてます。これから登場するうちの一人は最初の方にさらっと名前だけ出てきてたりして

では投下していきます
555 : ◆7P/ioTJZG. [saga]:2020/07/12(日) 21:17:07.45 ID:xIyPPKpo0

李衣菜「いきなりだけど痺れさせちゃうよ! ゼブライカ、でんじは!」

ゼブライカ「ゼブ!」バリリ

ドラメシヤ「ドラッ!?」ビリリ

藍子「!」

李衣菜「よし、決まった!」

ドラメシヤ「ドラ……」ビリビリ

李衣菜「痺れて動けないみたいだね……ゼブライカ!」
556 : ◆7P/ioTJZG. [saga]:2020/07/12(日) 21:18:04.35 ID:xIyPPKpo0

ゼブライカ「ゼブ……」ザッザッ

藍子(! あの動き……大技がくる!)

李衣菜「ワイルドボルトでぶっとばしちゃえ!!」

ゼブライカ「ゼブ!!」ドドドド

ドラメシヤ「!!」

凛(……すごいスピードだ。これは大ダメージだっただろうね……)

凛(……マヒしていれば、ね)
557 : ◆7P/ioTJZG. [saga]:2020/07/12(日) 21:18:36.18 ID:xIyPPKpo0

藍子(……)フッ

ズドォォン

シュゥゥ……

李衣菜「へへ、まずは先制か――」

身代わり人形「」コロンッ

李衣菜「な!?」
558 : ◆7P/ioTJZG. [saga]:2020/07/12(日) 21:19:09.38 ID:xIyPPKpo0

藍子「本物はこっちですよ! ドラメシヤ!」

ドラメシヤ「ドラ!」

藍子「おどろかす!」

ドラメシヤ「ドラ!」バァッ

ゼブライカ「ゼブ!?」

ドラメシヤ「ドララwww」ケケケ

李衣菜「い、いつの間に!? でんじはを受けたはずなのに……」
559 : ◆7P/ioTJZG. [saga]:2020/07/12(日) 21:19:49.98 ID:xIyPPKpo0

李衣菜「……なるほど。クラボの実かラムの実を持っていたんだね。だからみがわりで攻撃を躱すことができた」

藍子「その通りです! まんまと引っかかってくれましたね!」

李衣菜「……へへ、もしかしてうまく嵌めたとでも思ってる?」

藍子「……!?」

ゼブライカ「ゼブ……」ズザァ

李衣菜「マヒ対策をされてるなんて想定済みだよ。みがわりはちょっと意外だったけど……そのおかげで反動ができた!」
560 : ◆7P/ioTJZG. [saga]:2020/07/12(日) 21:20:40.85 ID:xIyPPKpo0

李衣菜「ゼブライカ、ニトロチャージ!!」

ゼブライカ「ゼブ!!」ゴォォ

ドゴォッ

ドラメシヤ「ドラッ……!」

藍子「ドラメシヤ!」

李衣菜「逆境をひっくり返すのもロックだよね!」

凛(……さすがジムリーダー。切り返しが早いな)

凛(マヒ対策やみがわりも、何度も通用する戦法じゃない……ここからが勝負だよ、藍子)
561 : ◆7P/ioTJZG. [saga]:2020/07/12(日) 21:21:08.96 ID:xIyPPKpo0

李衣菜「ゼブライカ、でんじは!」

藍子「躱して、ドラメシヤ!」

ドラメシヤ「ドラ!」ササッ

李衣菜「もう一回!」

藍子「躱して!」

ドラメシヤ「ドラ!」
562 : ◆7P/ioTJZG. [saga]:2020/07/12(日) 21:21:45.72 ID:xIyPPKpo0

藍子「……っ」

藍子(防戦一方だ……でも仕方ない……)

藍子(ドラメシヤはまだひ弱なポケモン……強い技も覚えていないし、守りが固いわけでもない)

ドラメシヤ「ドラ!」ササッ

藍子(だからこうやって逃げ続けるしかない。逃げ続けて、相手を疲れさせるのがドラメシヤの役割。観客のみんなもそう思っているはず)

藍子(本当はジムチャレンジの舞台で出すようなポケモンじゃないのかもしれない……)

ドラメシヤ「ドラ!」ササッ
563 : ◆7P/ioTJZG. [saga]:2020/07/12(日) 21:22:37.19 ID:xIyPPKpo0

『どうした!? 攻撃する気がないなら交代しろー!』

『そもそもドラメシヤなんかでだりーなに勝とうだなんて舐めすぎだろー!』

ブーブー

凛(……予想通りの反応だ)

凛(みんなドラメシヤを相手に優越感に浸っている。攻撃もろくにできないポケモンだって薄々感づいているから)

凛(そしてそんな観客の思いは……確実に李衣菜の心理にも影響している……!)

ドラメシヤ「ドラ……」サッ
564 : ◆7P/ioTJZG. [saga]:2020/07/12(日) 21:23:03.33 ID:xIyPPKpo0

カツン

ドラメシヤ「!」

藍子「……! スタジアムの壁……いつの間にあんな所まで……!」

李衣菜「追い詰めたよ、ドラメシヤ。もう逃げられないね」

李衣菜「いくよ、ゼブライカ。思いっきり助走をつけて!」

ゼブライカ「ゼブ!」パカラッパカラッ

李衣菜「一気に決めるよ! ワイルドボルト!!」

ゼブライカ「ゼブ!!」
565 : ◆7P/ioTJZG. [saga]:2020/07/12(日) 21:23:37.60 ID:xIyPPKpo0

ドドドドドド

藍子「……!」

ドドドドド

藍子「ドラメシヤ……ギリギリまで引き付けて……!」

ドラメシヤ「ドラ……!」

ドドドド

藍子「今だっ!」
566 : ◆7P/ioTJZG. [saga]:2020/07/12(日) 21:24:33.36 ID:xIyPPKpo0

ドラメシヤ「ドラッ!」

スッ

ゼブライカ「!?」

李衣菜「なっ!?」

ススゥゥ……

『なにいっ!?』

『ゼブライカの身体を……すり抜けたァ!?』
567 : ◆7P/ioTJZG. [saga]:2020/07/12(日) 21:25:05.93 ID:xIyPPKpo0

ゼブライカ「!!」

李衣菜「しまった……止まれない!!」

ズドォォォォォン

李衣菜「ゼ……ゼブライカッ!」

ゼブライカ「ゼブ……」フラフラ

バタンキュー

ドローンロトム『ゼブライカ戦闘不能! ゼブライカ戦闘不能!』
568 : ◆7P/ioTJZG. [saga]:2020/07/12(日) 21:26:16.83 ID:xIyPPKpo0

凛(よし……うまくいった!)

藍子「やりましたね、ドラメシヤ!」

ドラメシヤ「ドララー」ケケケ

李衣菜「……そうか、そうだった……なんで気づかなかったんだろう、私……」

李衣菜「ドラメシヤはゴーストポケモンだし、そりゃ壁やポケモンをすり抜けたりするよね……」

凛(……そう。李衣菜もたぶん気づこうと思えば気づけた)

凛(だけど観客の熱に呑まれて気づけなかった。スタジアムのみんなが、李衣菜が優勢だと決めてかかっていたから)

凛(ドラメシヤのこと、舐めていたね)
569 : ◆7P/ioTJZG. [saga]:2020/07/12(日) 21:27:19.30 ID:xIyPPKpo0

ブーブー

『お……おい、ジムチャレンジャー! マジメに戦いやがれー!!』

『こんなの勝負といえるかー!』

『そうだそうだ!これはジムチャレンジなんだぞ! 正々堂々と戦えよ!!』

藍子「……正々堂々……ですか」

藍子「これが私とドラメシヤの戦い方です! 正々堂々とした……私たちなりの戦い方です!」

『うるせー!! 俺達はそんなバトルを見に来たんじゃねえ!!』

『何が熱くてロックなバトルよ……呆れたわ』

『ドラメシヤを引っ込めろー!』
570 : ◆7P/ioTJZG. [saga]:2020/07/12(日) 21:30:01.20 ID:xIyPPKpo0

藍子「……!」

李衣菜「ちょっと、みんな……!」

ブーブーブーブー

凛(……まあ、こうなるだろうとは思っていたよ)

凛(ダイマックスバトルっていう文化もあるぐらいだし、それだけガラルのみんなは派手なジムバトルを期待しているっていうことだ)

凛(でも藍子は覚悟してこの戦法を使ったんだ。この反応はちゃんと受け止めないといけないし……批判に負けちゃいけない)

凛(……藍子はきっと大丈夫だろう。それより心配なのは……)
571 : ◆7P/ioTJZG. [saga]:2020/07/12(日) 21:30:41.34 ID:xIyPPKpo0

ドラメシヤ「ド……ドラ……」

藍子「……ドラメシヤ、大丈夫だよ。私が全部受け止めるから……気にしないで」

ドラメシヤ「……!」


『〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜』


『〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜』


『〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜』
572 : ◆7P/ioTJZG. [saga]:2020/07/12(日) 21:31:21.67 ID:xIyPPKpo0

ドラメシヤ「……!!」


『〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜』


『〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜』


『〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜』


李衣菜「みんな! 落ち着いて! いくらなんでも言いすぎじゃないの!?」

李衣菜「たしかに私は負けたけど……ズルをされて負けたわけじゃない! これも立派な作戦だよ!」
573 : ◆7P/ioTJZG. [saga]:2020/07/12(日) 21:31:48.70 ID:xIyPPKpo0

李衣菜「それにまだ勝負はついてないし――」

ドラメシヤ「ド……ドラ……」

藍子「……ドラメシヤ?」

ドラメシヤ「ドラッ……!」ピューッ

藍子「えっ……ドラメシヤ!?」

藍子「待って、ドラメシヤ……どこに行くの!?」
574 : ◆7P/ioTJZG. [saga]:2020/07/12(日) 21:32:31.82 ID:xIyPPKpo0

凛(!!)ダッ

李衣菜「あ……あ……」

李衣菜「ちゅ……中止! 今回のジムバトルは中止、ノーコンテストってことで! えっと、こういう時どうすれば……」

李衣菜「と、とにかく! 藍子ちゃん、ドラメシヤを追いかけよう!」タタタ

藍子「は、はいっ!」タタタ

『え……ちょっと、だりーな!?』

『中止ってなんだよ中止って! 初めて聞いたぞおい!』

ワーワーワーワー
575 : ◆7P/ioTJZG. [saga]:2020/07/12(日) 21:33:05.78 ID:xIyPPKpo0


ラテラルタウン ジム前

タッタッタッタ……

藍子「はあ……はあ……みなさん、見つかりましたか……!?」

凛「ううん……遺跡の方には何もなかった……」

李衣菜「私もほりだしもの市の辺りで聞き込みをしたんだけど……」

藍子「うう……ドラメシヤ……どこに行っちゃったの……?」
576 : ◆7P/ioTJZG. [saga]:2020/07/12(日) 21:33:42.33 ID:xIyPPKpo0

李衣菜「藍子ちゃん……ごめんなさい! 私がちゃんとみんなを説得させていれば……」

藍子「……李衣菜ちゃん」

凛「李衣菜は悪くないよ。謝るべきなのは……心ない言葉を投げかけた人たちだ」

李衣菜「それはそうだけど……」

李衣菜「……あっ。あれ……」

凛「……?」


藍子「……! ドラメシヤ!」
577 : ◆7P/ioTJZG. [saga]:2020/07/12(日) 21:34:29.12 ID:xIyPPKpo0

藍子「……と、あれは……むつみさん?」

タタタタ

むつみ「……あっ! 凛さんに藍子さん! お久しぶりですね!」

凛「むつみ、そのドラメシヤは……」

むつみ「ああ。さっきジムの方から急に飛び出してきて……誰かのポケモンかと思って預かっていたら、私のポケモン達と仲良くなっちゃったみたいで……」

ドラメシヤ「ドララー♪」

パッチラゴン「パッチチー♪」
578 : ◆7P/ioTJZG. [saga]:2020/07/12(日) 21:35:45.91 ID:xIyPPKpo0

むつみ「ふふ、ドラゴンポケモン同士、気が合うのかな」

凛(!? これは……ポケモン!?)

*パッチラゴン かせきポケモン でんき・ドラゴンタイプ
古代ではたくましい下半身で無敵だったが、餌の植物を食べつくしてしまい絶滅した
この姿が本来の姿であったかどうかは未だ疑わしい

藍子「ドラメシヤ! よかった……もう、心配したんだよ……!」

藍子「……無理をさせちゃってごめんね……ごめんね……!」ギュッ

ドラメシヤ「ドラ……」

むつみ「この子、藍子さんのポケモンだったんですね。見つかってよかったです」
579 : ◆7P/ioTJZG. [saga]:2020/07/12(日) 21:36:50.52 ID:xIyPPKpo0

むつみ「……ところでこのドラメシヤ、とても怯えた様子だったのですが……何かあったのでしょうか?」

凛「うん、実は――」

カクカクシカジカ

むつみ「……なるほど。そうだったんですか……」

むつみ「私もガラル地方の人たちは派手なバトルを好みがちだと感じます。たしかに藍子さんのやり方は気に入らなかったのかもしれませんが……いくらなんでもやりすぎです」

むつみ「ドラメシヤが負担を感じるのも、無理もないでしょう……」
580 : ◆7P/ioTJZG. [saga]:2020/07/12(日) 21:37:48.65 ID:xIyPPKpo0

凛「……ともかく、むつみが預かっていてくれて助かったよ。ありがとう」

むつみ「いえいえ、私はただ出くわしただけですので」

李衣菜「ドラメシヤ……本当にごめんなさい。大した慰めにならないかもしれないけど……」

李衣菜「ドラメシヤと藍子ちゃんとのコンビネーション、すごくロックだったよ」

ドラメシヤ「ドラー」

李衣菜「……藍子ちゃん。もしよかったらまた明日、もう一回ジムに挑戦してくれないかな。今日ひどいことを言っていた人たちは、私が何とかしておくから」

李衣菜「あんな仕打ちを受けて、怖いかもしれないけど……どうか、ジムチャレンジはやめないでほしいんだ」
581 : ◆7P/ioTJZG. [saga]:2020/07/12(日) 21:38:39.87 ID:xIyPPKpo0

藍子「……わかりました。ありがとうございます」ペコリ

藍子「私も……せっかくダイマックスバンドがあるんです。明日はみんなが大好きな、派手なバトルをしたいと思います!」

李衣菜「藍子ちゃん……!」

李衣菜「……わかった。明日、待ってるね……!」

凛(……)

凛(やっぱり、スタジアムでのデビュー戦があんな感じだったら、誰でもいい気はしないよね)

凛(これが藍子にとってもドラメシヤにとっても、トラウマにならなかったらいいんだけど……)
582 : ◆7P/ioTJZG. [saga]:2020/07/12(日) 21:43:22.14 ID:xIyPPKpo0
今回は以上です。普通にジムバトルする予定だったのに気づいたらこんなことになってました
ポリゴン2に害悪戦法でボコボコにされたからってことにしておきます

ドラメシヤの戦い方は試行錯誤した結果、「すりぬけ」の応用でポケモンや技をすり抜けられるって特徴を持たせました
当分はこんな感じで頑張ってもらいます

ここまで読んでいただきありがとうございました
583 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/07/12(日) 22:34:29.74 ID:kHAkqR280
乙 初見のカセキメラはそりゃ驚くよ...しかし化石復元のウカッツ博士枠は一体誰なんだろうか?
584 : ◆7P/ioTJZG. [saga]:2020/07/20(月) 00:09:48.64 ID:s10PoP7/0
ウカッツ博士枠は未定オブ未定です
では投下します
585 : ◆7P/ioTJZG. [saga]:2020/07/20(月) 00:11:05.92 ID:s10PoP7/0

翌日 ラテラルジム

藍子「……」ザッ

李衣菜「藍子ちゃん! 待っていたよ!」

藍子「李衣菜さん……お待たせしました」

藍子「今日こそ……よろしくお願いします!」

ザワザワザワザワ

『あのチャレンジャー……まだズルい手を隠してるんじゃないか?』ブツクサブツクサ

『あんな奴にジムバッジ渡していいのかよ……』ブツクサブツクサ
586 : ◆7P/ioTJZG. [saga]:2020/07/20(月) 00:11:50.07 ID:s10PoP7/0

凛(……まだああ言ってる人たちもいるけど……)

凛(昨日よりは、みんな落ち着いているように見えるな)

李衣菜「バトルは昨日の続きから……私はゼブライカが倒されてるから、まずは藍子ちゃんが一歩リードしているって状況かな。あと2匹を倒せたら藍子ちゃんの勝ち、ってことで」

藍子「はい、わかりました」

李衣菜「それじゃあ改めて……」

李衣菜「エレキでロックなバトル、見せちゃうよ!」

ドォン

ジムリーダーの李衣菜が勝負をしかけてきた!
587 : ◆7P/ioTJZG. [saga]:2020/07/20(月) 00:12:22.82 ID:s10PoP7/0

李衣菜「いくよ、ゴローニャ!」ポン

ゴローニャ「ゴロー!」

藍子「ゴローニャ……だったらこっちはバチンキーで!」ポン

バチンキー「バチ!」

ゴローニャ「ゴロ……」バチバチ

凛(……? あのゴローニャ……見たことない姿をしている)

凛(あれもリージョンフォームなのかな……)

*ゴローニャ メガトンポケモン いわ・でんきタイプ
アローラのすがた
帯電した大岩を発射して攻撃する
機嫌を損ねると全身から放電し、雷鳴のような声でほえる
588 : ◆7P/ioTJZG. [saga]:2020/07/20(月) 00:12:52.32 ID:s10PoP7/0

凛(アローラのすがた……)

凛(アローラ地方にもリージョンフォームのポケモンがいるってことか……へえ……)

李衣菜「ゴローニャ、かみなりパンチ!」

ゴローニャ「ゴロ!!」ダッ

藍子「ダブルアタックです!」

バチンキー「バチ!」ブゥン

ダァンッ!!
589 : ◆7P/ioTJZG. [saga]:2020/07/20(月) 00:13:22.33 ID:s10PoP7/0

『おお……今日は真っ向勝負でいくみたいだな』

『……い、いや、騙されるな! あのバチンキーだって何をしてくるかわからない……!』

ザワザワザワ

藍子(……まだ昨日のことを引きずっている人もいる)

藍子(またドラメシヤで戦うのは……ドラメシヤにとってもよくないかもしれない)

藍子(ドラメシヤ……今はゆっくり休んでいて。私なら、大丈夫)

藍子「バチンキー!」

バチンキー「バチ!」グググ
590 : ◆7P/ioTJZG. [saga]:2020/07/20(月) 00:13:48.29 ID:s10PoP7/0

ダァンッ

藍子(すごいパワーだ……長期戦になる前に倒さないと!)

藍子「いやなおと!」

バチンキー「バチ!」ォォォン

ゴローニャ「ゴロッ……!」

李衣菜「いいね! ロックな音、響いてるよ!」

藍子「ダブルアタック!」
591 : ◆7P/ioTJZG. [saga]:2020/07/20(月) 00:14:16.69 ID:s10PoP7/0

李衣菜「じゃあこっちは……ハードローラー!!」

ゴローニャ「ゴロ!!」ギュン

ゴロゴロゴロゴロ

バチンキー「バチッ……!」グググ

ドッ

バチンキー「!!」ドドドド

ズドォン
592 : ◆7P/ioTJZG. [saga]:2020/07/20(月) 00:14:48.04 ID:s10PoP7/0

藍子「! バチンキー!」

凛(押し負けたか……!)

李衣菜「追撃だよ! ロックブラスト!」

ゴローニャ「ゴロ!」

ドン ドン ドン

藍子「3発……バチンキー、打ち返して!」

バチンキー「バチ!」

ガキンッ ガキンッ ガキンッ
593 : ◆7P/ioTJZG. [saga]:2020/07/20(月) 00:15:28.96 ID:s10PoP7/0

李衣菜「おおっ、ハードローラーを受けた直後なのに……やるじゃん!」

李衣菜「……でも、ちょっと惜しかったなあ」

藍子「……えっ? 惜しかった……?」

ヒュン

藍子「!」

ドゴオッ

バチンキー「!!」ズザァ

李衣菜「もう攻撃は終わったと思ったでしょ? でも音楽ってね、休符の時間も演奏の一部なんだよ!」

藍子「……! 時間差での攻撃……!」
594 : ◆7P/ioTJZG. [saga]:2020/07/20(月) 00:16:01.15 ID:s10PoP7/0

李衣菜「そういうこと! ゴローニャ、トドメのハードローラー!!」

ゴローニャ「ゴロ!!」

ゴロゴロゴロゴロ

藍子「……!」

藍子「バチンキー、受け止めて!」

バチンキー「バチッ……!」

グググググ
595 : ◆7P/ioTJZG. [saga]:2020/07/20(月) 00:16:31.55 ID:s10PoP7/0

『おお……バチンキー、今度は耐えてるぜ!』

『『しんりょく』のおかげですかねー。しかしそれはつまりバチンキーの体力が残りわずかだということ……』

『いいぞーだりーなー! そのまま押し切れー!』

バチンキー「バチ……!」

ダァンッ

ゴローニャ「ゴロッ」ズザァ

バチンキー「バチッ……」ズザァ
596 : ◆7P/ioTJZG. [saga]:2020/07/20(月) 00:17:26.17 ID:s10PoP7/0

李衣菜「次で決着が着きそうだね」

李衣菜「バチンキー、もう限界が近いけど……どうする? ダイマックス、使っちゃう?」

藍子「……いえ、このままいきます!」

李衣菜「そうこなくっちゃ! ゴローニャ、かみなりパンチ!」

ゴローニャ「ゴロ!」ダッ

藍子「ダブルアタック!」

バチンキー「バチ!!」

ドゴオッ
597 : ◆7P/ioTJZG. [saga]:2020/07/20(月) 00:18:30.89 ID:s10PoP7/0

ゴローニャ「ゴロッ……」

藍子「よし……特性のおかげで力では勝っている!」

李衣菜「ならこれはどう!? ロックブラスト!」

藍子「跳ね返します!」

バチンキー「バチ!」

ドン ドン ドン

バチンキー「バチ」

藍子(まだだ……油断するな、私)
598 : ◆7P/ioTJZG. [saga]:2020/07/20(月) 00:18:59.79 ID:s10PoP7/0

ヒュン

藍子「4発目!」

バチンキー「バチ!」ドンッ

ゴローニャ「……」

藍子「……」

李衣菜「……」

ゴローニャ「――」グッ

藍子「5発目――」
599 : ◆7P/ioTJZG. [saga]:2020/07/20(月) 00:19:32.01 ID:s10PoP7/0

李衣菜「ハードローラー!!」

ゴローニャ「ゴロッ!!」

ゴロゴロゴロゴロ

『ほう、5回目が来ると見せかけて……か』

『こりゃ決まったな』

ゴロゴロゴロゴロ

藍子「……裏をかいたつもりだったんでしょうが」

藍子「私は予想済みです! バチンキー!」
600 : ◆7P/ioTJZG. [saga]:2020/07/20(月) 00:19:59.15 ID:s10PoP7/0

バチンキー「バチ!!」

ドンッ

バチンキー「バチィィ……!!」

ダァンッ

『なっ、跳ね返した!?』

ゴローニャ「ゴロッ」スタッ

李衣菜「やるね! でもこれで――」
601 : ◆7P/ioTJZG. [saga]:2020/07/20(月) 00:20:44.46 ID:s10PoP7/0

藍子「バチンキー!」

李衣菜「えっ!?」

バチンキー「バチ」ダッ

李衣菜「そんな……今攻撃を受けたばかりなのに!?」

藍子「ダブルアタック――2発目です!!」

バチンキー「バチ!!」

ドゴオッ
602 : ◆7P/ioTJZG. [saga]:2020/07/20(月) 00:21:11.39 ID:s10PoP7/0

ゴローニャ「ゴロッ……!」

ドドォン

李衣菜「ゴ、ゴローニャ!!」

ゴローニャ「〜〜」バタンキュー

ドローンロトム『ゴローニャ戦闘不能! ゴローニャ戦闘不能!』

『なっ、何だ今の!?』

『ダブルアタック……2回同時攻撃でやっとハードローラーを跳ね除けたはずじゃ……!』
603 : ◆7P/ioTJZG. [saga]:2020/07/20(月) 00:21:40.62 ID:s10PoP7/0

李衣菜「……もしかして……」

藍子「はい、そうです」

李衣菜(!! 片方のバチだけ傷が深い……)

李衣菜「……まさか、さっきの時間差攻撃をもう自分達のものに……?」

藍子「はい。見よう見まねでしたけど……うまくいってよかったです!」

李衣菜「……すごい。すごいよ、藍子ちゃん!」

李衣菜「藍子ちゃん、最ッ高にロックだよっ!」
604 : ◆7P/ioTJZG. [saga]:2020/07/20(月) 00:22:17.22 ID:s10PoP7/0

李衣菜「だから私も……最高にロックなポケモンで挑ませてもらうね!」

李衣菜「いっけー、ストリンダー!」ポン

ストリンダー「ストッ!!」

ストリンダー パンクポケモン でんき・どくタイプ
ハイなすがた
胸の突起を掻きむしり電気を起こすとき、あたりにギターのような音が響く
常にケンカ腰で気が短い

凛(最後の相手は……ストリンダー。でんき・どくタイプか)
605 : ◆7P/ioTJZG. [saga]:2020/07/20(月) 00:22:44.25 ID:s10PoP7/0

凛(まずいな……藍子の手持ちはほとんど相性が悪い……)

凛(それに相手はまだダイマックスを使ってきていない。藍子……ミスは一度もできないよ)

李衣菜「ストリンダー……私のエース、バンドでいえばバンマスってところかな?」

李衣菜「今度は簡単には倒されないからね! ハイパーボイス!」

ストリンダー「スト!!」

ジャァァァァァン

バチンキー「バチッ……!」

藍子(うっ……! すごい音……!)
606 : ◆7P/ioTJZG. [saga]:2020/07/20(月) 00:23:11.26 ID:s10PoP7/0

藍子「バチンキー、気をつけて!」

藍子「地面に向かってたたきつける!」

バチンキー「バチ!」ドゴォッ

『地面を叩きつけて飛び上がったぞ!』

『……そうか、ストリンダーの背後に回るつもりじゃな!』

藍子(後ろからなら、あの音の攻撃はあまり届かないはず……)

藍子「バチンキー、ダブルアタック!」
607 : ◆7P/ioTJZG. [saga]:2020/07/20(月) 00:23:45.54 ID:s10PoP7/0

バチンキー「バチ!!」

李衣菜「……」

李衣菜「効かないよ」

パシッ

藍子「!? 片手で受け止めた……!?」

李衣菜「ダストシュート!」

ストリンダー「……」

ストリンダー「スト!!」グワッ
608 : ◆7P/ioTJZG. [saga]:2020/07/20(月) 00:24:15.39 ID:s10PoP7/0

ドドドドドド

藍子「バ……バチンキー!!」

凛「バチンキーが……あんな高さまで打ち上げられた……!」

凛(威力が上がってるはずのバチンキーの攻撃を片手で受け止めたし……あのストリンダー、相当強い……!)

ドザァッ

バチンキー「バチ……」バタンキュー

ドローンロトム『バチンキー戦闘不能! バチンキー戦闘不能!』

李衣菜「いいね、ストリンダー! ロックだよ!」

ストリンダー「ストッ!」
609 : ◆7P/ioTJZG. [saga]:2020/07/20(月) 00:24:54.22 ID:s10PoP7/0

藍子「バチンキー……ゆっくり休んでね」シュゥゥ

藍子「……」チャキッ

藍子「ストリンダー……とても強力なポケモンだ」

藍子「でもあれを越えないと、私はこの先に進めない……」

藍子「……初めてのジム戦が相性の悪い相手でごめんね。でも……きっと勝てる。私も頑張るから……

藍子「……頑張って、サニーゴ!」ポン

サニーゴ「サニ!」
610 : ◆7P/ioTJZG. [saga]:2020/07/20(月) 00:27:08.06 ID:s10PoP7/0
次回、VS李衣菜、決着っ
相性の悪いサニーゴはどこまでストリンダーと渡り合えるのか…?

ここまで読んでいただきありがとうございました
611 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/07/20(月) 00:38:38.70 ID:xZbB4u+A0
乙 今回の時間差や前回の『すりぬけ』といい藍子の戦い方どんどん洗練されてくな
612 : ◆7P/ioTJZG. [saga]:2020/07/25(土) 22:40:21.11 ID:fG6jhgSr0
投下します
613 : ◆7P/ioTJZG. [saga]:2020/07/25(土) 22:41:10.51 ID:fG6jhgSr0

李衣菜「! みずタイプのサニーゴ……!」

李衣菜「苦手なタイプで挑みに来るなんて……いい度胸してるじゃない! ロックだね!」

藍子「あ、ありがとうございます」

李衣菜「でももっとロックなのは私の方! ストリンダー、オーバードライブで痺れさせちゃって!」

ストリンダー「ストッ!!」

ジャァァァァァン

藍子「っ……!」

サニーゴ「サニッ……!」バリリリリ
614 : ◆7P/ioTJZG. [saga]:2020/07/25(土) 22:42:06.49 ID:fG6jhgSr0

『おいおい、こりゃ直撃だぜ!』

『あれは耐えられなさそうですわね』

李衣菜「どう!? これが私達のロックだよ!」

シュゥゥ……

サニーゴ「……サ、サニッ!」

李衣菜「……耐えてる!?」

李衣菜「す、すごい。ずいぶんタフなサニーゴなんだね!」

藍子「ええ、このためにサニーゴは特訓してきたんですから!」
615 : ◆7P/ioTJZG. [saga]:2020/07/25(土) 22:42:59.20 ID:fG6jhgSr0

…………………………

ナックルシティ ポケモンセンター


『とくぼうゼミ開講中! あなたのポケモンの守りを固めます! 受講生募集中!
 ※ただし人気ゼミにつき、お一人様一匹のみの参加とさせていただきます。』


凛「へえ、ポケモンの能力を強化するゼミ……か」

凛「で、このゼミに誰を参加させようか相談したいってわけだね」
616 : ◆7P/ioTJZG. [saga]:2020/07/25(土) 22:43:54.46 ID:fG6jhgSr0

藍子「はい、そうなんです。一匹しか参加させられないみたいなので」

凛「うーん……」

凛「……ポケモンを強化する方向性としては、得意な能力をさらに伸ばしていく方法もあれば、苦手な能力を補わせていく方法もあるんだけど」

凛「たとえば私の手持ち……ドリュウズだったら、得意なスピードとパワーを上げていくか、はがねタイプということを活かして守りを固めるか、って感じだね」

藍子「ふんふん」メモメモ

凛「ただ、方向性を決める上で気を付けなきゃいけないのは、何か捨てる部分を作らないといけないって所かな」

凛「スピードとパワーを上げるなら守りを捨てないといけないし、守りを固めるならスピードやパワーは据え置きになっちゃうし」
617 : ◆7P/ioTJZG. [saga]:2020/07/25(土) 22:44:45.58 ID:fG6jhgSr0

藍子「ふんふん」

凛「それにトレーナーやポケモンそれぞれのバトルスタイルもあるし……まずは藍子がどんな方向性で手持ちを組み立てたいか決めていかないとね」

凛「さっきの話に戻るけど、藍子は得意な所を伸ばしたい? それとも苦手を克服したい?」

藍子「そうですね……得意な能力を伸ばしていきたいです!」

凛「じゃあ、スピードもパワーもあるバチンキーは今回のゼミは見送りだね」

凛「マホミルは特防がかなり高いけど、長く逃げ回れるスピードや体力もある。候補としては有りだと思うな」

凛「ドラメシヤはどんな風に進化していくのか想像がつかないから……考えるのはもう少ししてからでもいいと思う」
618 : ◆7P/ioTJZG. [saga]:2020/07/25(土) 22:45:31.33 ID:fG6jhgSr0

藍子「じゃあ候補としては……マホミルかサニーゴですかね」

凛「そうなるね。それで、サニーゴについてなんだけど」

凛「私も特訓の相手をしていて感じたんだけど、やっぱりサニーゴは岩タイプだからスピードはあまりないんだ。それはつまり、相手の攻撃を躱すことも上手くないっていうこと」

凛「だから実際のバトルでは、まず相手から一発喰らうのが前提の戦いになると思う」

凛「相手の攻撃を受ける必要がある……ということは、守りを固めておくことに越したことはないと思うんだ」
619 : ◆7P/ioTJZG. [saga]:2020/07/25(土) 22:46:38.70 ID:fG6jhgSr0

藍子「……なるほど。つまり凛さんはサニーゴに参加してもらうのがいいと考えているんですね」

藍子「相手から攻撃を受けてからの戦い……なんだか難しそうです」

凛「うん。藍子にとってもサニーゴにとっても、慣れが必要になる戦法じゃないかな」

凛「けど、こういう戦法もあるんだって知っていること、そして使いこなせることは、他のトレーナーを一歩リードできる力になると私は思うな」

藍子「……わかりました。じゃあこのゼミにはサニーゴに参加してきてもらいます!」


……………………………………
620 : ◆7P/ioTJZG. [saga]:2020/07/25(土) 22:47:10.03 ID:fG6jhgSr0

藍子「私のサニーゴ……出会った時も、大勢の攻撃をたった一匹で受け止めていたんです」

藍子「打たれ強さには自信がありますよ!」

藍子「……反撃です! サニーゴ、アクアブレイク!」

サニーゴ「サニッ!」バシュゥ

李衣菜「ストリンダー!」

ストリンダー「ストッ……」グググ

ドゴオッ
621 : ◆7P/ioTJZG. [saga]:2020/07/25(土) 22:47:49.02 ID:fG6jhgSr0

ストリンダー「ストッ……!」

李衣菜「……ひゅーっ、すごいパワーだ!」

李衣菜「藍子ちゃんのサニーゴ、かなりはりきってるね!」

はりきり
攻撃力が上がるが命中率は下がる

李衣菜「負けてられないね! ストリンダー、オーバードライブ!!」

ストリンダー「スト!!」ジャァァァァァン

サニーゴ「サニッ……!」バリリリリ
622 : ◆7P/ioTJZG. [saga]:2020/07/25(土) 22:48:20.55 ID:fG6jhgSr0

藍子「サニーゴ!」

サニーゴ「サニッ!」バシィ

藍子「よし……アクアブレイク!」

サニーゴ「サニ!」バシュゥ

ストリンダー「ストッ……」

ドゴオッ

李衣菜「まだまだ! オーバードライブ!!」

ストリンダー「ス……ストッ!!」ジャァァァァァン
623 : ◆7P/ioTJZG. [saga]:2020/07/25(土) 22:49:10.94 ID:fG6jhgSr0

藍子「アクアブレイク!」

サニーゴ「サニッ!」

バシュゥ

ズバァァァン

『……あのストリンダーに真正面から挑むなんて、あのチャレンジャー、命知らずすぎる……』

『しかもサニーゴ、まだまだ戦えそうじゃねえか……水タイプだぜ? とっくに倒れててもおかしくねえのに』
624 : ◆7P/ioTJZG. [saga]:2020/07/25(土) 22:49:55.55 ID:fG6jhgSr0

『……いいぞー!』

『!』

『なかなかガッツのあるチャレンジャーじゃねえか! いけいけー!』

『サニーゴがんばれー! ストリンダーもがんばれー!』

ワァァァァァァ

藍子「……!」

藍子(少しずつだけど……私を応援してくれる声が大きくなってきた……!)
625 : ◆7P/ioTJZG. [saga]:2020/07/25(土) 22:50:35.78 ID:fG6jhgSr0

李衣菜「スタジアムの皆も盛り上がってきたみたいだね!」

李衣菜「それじゃあ……藍子ちゃん」

藍子「は、はい」

李衣菜「ここからは……私、もっとド派手に、ロックに攻めさせてもらうよ!」

李衣菜「ストリンダー!」シュゥゥ

藍子(! これは……ダイマックス!)
626 : ◆7P/ioTJZG. [saga]:2020/07/25(土) 22:51:26.93 ID:fG6jhgSr0

李衣菜「ほらほら、藍子ちゃんも!」

藍子「は、はい! サニーゴ、戻って!」シュゥゥ

コォォォォォ……

李衣菜「……へへっ、藍子ちゃんとのバトル、すごく楽しい! どんどん情熱が沸き上がってくるよ!」

グンッ

李衣菜「だから私はその情熱を……勝利へ向かって解き放つよ! ストリンダーと一緒に!」

李衣菜「いくぜっ、キョダイマックス!!」ブゥンッ
627 : ◆7P/ioTJZG. [saga]:2020/07/25(土) 22:52:27.67 ID:fG6jhgSr0

藍子「サニーゴ、ダイマックス……で……すっ!」ブゥンッ

カッ

ズドォォォォォン

ストリンダー「ズドォ゙ォ゙ォ゙ォ゙ォ゙」ドォォォォン

サニーゴ「サニィィィィ!!」ドォォォォン

藍子「……!」

藍子「これが……ダイマックス……!」

『出たー!! だりーなの本気のキョダイマックスだー!!』

ドワァァァァァァァ
628 : ◆7P/ioTJZG. [saga]:2020/07/25(土) 22:53:40.00 ID:fG6jhgSr0

凛(ここからダイマックスバトルか……)

凛(……李衣菜のストリンダー、やっぱりサニーゴより一回り大きいし、四足歩行になっている。あれもキョダイマックスなのか)

凛(ダイマックスとキョダイマックス……違いは何なんだろうか)

李衣菜「ストリンダー、ド派手にいくよ!」

ストリンダー「ズドォ゙ォ゙ォ゙ォ゙」ググッ

藍子「させません! ええっと……ダイロック!」

サニーゴ「サニィィィ」グワッ

ゴゴゴゴゴ
629 : ◆7P/ioTJZG. [saga]:2020/07/25(土) 22:54:16.91 ID:fG6jhgSr0

ストリンダー「ズド!!」カッ

凛(あれは……電気で作られたギター……!?)

ブゥンッ

ドゴォォォォ

藍子「そんな、ダイロックが粉々に……!」

李衣菜「これで終わりだァ! ストリンダー……キョダイカンデン!!」

ストリンダー「ズドォ゙ォ゙ォ゙ォ゙ォ゙!!」ブゥンッ
630 : ◆7P/ioTJZG. [saga]:2020/07/25(土) 22:55:08.27 ID:fG6jhgSr0

サニーゴ「!!」

ドゴォォォォォォォン

藍子「サ、サニーゴっ……!」

藍子「――うあっ」

藍子(スタジアムが眩しくて見えない……サニーゴは……!?)

シュゥゥゥ……

サニーゴ「……サ……」

サニーゴ「サ……ニ……」ググッ

藍子「サニーゴっ!」
631 : ◆7P/ioTJZG. [saga]:2020/07/25(土) 22:55:48.17 ID:fG6jhgSr0

李衣菜「……! 倒しきれなかった……か」

『お、おお……あんな攻撃を受けても倒れないなんて』

『なんだあのサニーゴ、不死身か?』

『だがもうフラフラだ。次で終いでしょうな』

凛(……今の攻撃……)

凛(とんでもない威力だった。地面をへこませるぐらいの電気エネルギーによる攻撃……)

凛(普通なら水タイプのポケモンは一撃で倒されるだろうね……でも藍子のサニーゴは)
632 : ◆7P/ioTJZG. [saga]:2020/07/25(土) 22:56:31.63 ID:fG6jhgSr0

サニーゴ「サ……ニッ……」

李衣菜「! そうか……きあいのハチマキ!」

きあいのハチマキ
持たせるとひんしになりそうな技を受けてもHPを残して耐えることがある

藍子「……サニーゴ。苦しい思いをさせてごめんね。でももう少し、踏ん張って……!」

藍子「ダイストリーム!」

サニーゴ「サニィィィィ!」グワッ

ドォォォォン
633 : ◆7P/ioTJZG. [saga]:2020/07/25(土) 22:57:12.62 ID:fG6jhgSr0

ストリンダー「ズド……」

李衣菜「ス、ストリンダー!」

ストリンダー「……ズドォ゙ォ゙ォ゙ォ゙!!」グググッ

李衣菜「……よし、まだまだいけるね!」

李衣菜(とは言っても、ストリンダーも次の一撃で終わり……かな)

李衣菜「なら最後にもう一発、最高にロックな技をお見舞いしてあげる!」

藍子「!」
634 : ◆7P/ioTJZG. [saga]:2020/07/25(土) 22:58:14.65 ID:fG6jhgSr0

李衣菜「ストリンダー……キョダイカンデン!!」

ストリンダー「ズド」ブゥンッ

李衣菜「うらぁああああ!!!」

ストリンダー「ズドォ゙ォ゙ォ゙ォ゙ォ゙!!!」

ドゴォォォォォォォン

藍子「……うっ……」

サニーゴ「サニッッ――」

オオオオオオンン
635 : ◆7P/ioTJZG. [saga]:2020/07/25(土) 22:59:13.63 ID:fG6jhgSr0

『……これは決まったな』

『さすがに耐えられないわな。しかしあのサニーゴ……よく踏ん張ったよ』

『トレーナーがもっと対策でもしてたらねえ。さて、帰りますか』

凛「待って」

『……? なに、アンタ』

凛「勝負は……まだ終わっていないよ」
636 : ◆7P/ioTJZG. [saga]:2020/07/25(土) 22:59:48.59 ID:fG6jhgSr0

『はあ? あれだけの攻撃を受けきれる体力はもうサニーゴには残ってなかっただろ――』

『……!? ちょ、ちょっと、アレ……!』

『……なにぃ!?』


サニーゴ「サニッ……」グググ


『こ、こらえてやがる……!?』
637 : ◆7P/ioTJZG. [saga]:2020/07/25(土) 23:00:48.39 ID:fG6jhgSr0

李衣菜「はあ……はあ……そんな……! 全身全霊の攻撃だったのに……!?」

藍子「……ありがとう、サニーゴ。最後にあと少し、力を貸して……!」

藍子「サニーゴ……ダイストリーム!!」

サニーゴ「サニ……」グワッ

サニーゴ「サニィィィィィ!!」

ストリンダー「……!」

ズバァァァン
638 : ◆7P/ioTJZG. [saga]:2020/07/25(土) 23:01:28.34 ID:fG6jhgSr0

李衣菜「うわあっ!?」

ストリンダー「ズドッ……」

ストリンダー「ズドォ゙ォ゙ォ゙ォ゙ォ゙!!」

ドゴォォォォォン

李衣菜「……!!」

バシュウッ

ドサッ

ストリンダー「スト……」バタンキュー

李衣菜「そ、そんな……」
639 : ◆7P/ioTJZG. [saga]:2020/07/25(土) 23:02:13.08 ID:fG6jhgSr0

ドローンロトム『ストリンダー戦闘不能! ストリンダー戦闘不能!』

ドローンロトム『勝者……チャレンジャー・藍子!!』

ワアアアアァァァァ

藍子「っ……か、勝った……!」

バシュウゥ

サニーゴ「サニ……」

藍子「サニーゴ!」

ガバッ
640 : ◆7P/ioTJZG. [saga]:2020/07/25(土) 23:03:12.05 ID:fG6jhgSr0

藍子「サニーゴ……よく頑張ったね、ありがとう……!」

李衣菜「……お疲れ様、ストリンダー」

李衣菜「……どうやら私の魂より、藍子ちゃんの魂の方がロックに輝いたみたいだね」

李衣菜「うん、すごくいいバトルだった! 私もたくさん刺激をもらえたよ」

藍子「いえ……頑張ったのは私のポケモン達です」

李衣菜「そんなに縮こまらなくていいんだよ。サニーゴがあんなにでんき技を受けても倒れなかったのは、藍子ちゃんを信じていたからなんだから!」

李衣菜「ポケモンにここまで信じてもらえるトレーナーって、すごくロックだと思うな、私」
641 : ◆7P/ioTJZG. [saga]:2020/07/25(土) 23:05:11.47 ID:fG6jhgSr0

藍子「……!」

李衣菜「そんな藍子ちゃんには、ハイ、これ!」

藍子はエレキバッジを手に入れた!

李衣菜「それからこの技マシンを見たら……今日のバトルのことを思い出してほしいな」

藍子は技マシン「10まんボルト」を手に入れた!

藍子「李衣菜さん……ありがとうございました!」

李衣菜「へへ、敬語はもういいよ。これからもジムチャレンジ、頑張ってね!」

李衣菜「それと……またバトルしようね!!」

グッ
642 : ◆7P/ioTJZG. [saga]:2020/07/25(土) 23:06:44.61 ID:fG6jhgSr0

…………………………

凛「お疲れ様、藍子。……いいバトルだったよ」

藍子「ありがとうございます! でも今日、一番頑張ってくれたのは……」

サニーゴ「サニ」

藍子「サニーゴですね!」

凛「……ふふ、そうだね」

むつみ「……あっ、凛さん! 藍子さん!」

凛「あ、むつみ」

藍子「ここで会ったってことは……も、もしかして、さっきのバトル、見ていたんですか!?」
643 : ◆7P/ioTJZG. [saga]:2020/07/25(土) 23:07:45.09 ID:fG6jhgSr0

むつみ「はい、バッチリ見させていただきました!」

むつみ「いやあ……まさに手に汗握るバトル! 素晴らしかったです! まるで化石を傷つけず掘り出す時のような緊張感があって――」

むつみ「いや、私の例えはいいんでした……それよりも、少し気になることがあったんですが」

藍子「?」

むつみ「あの強力なストリンダーの攻撃を、一度ならず二度も受けきるなんて……サニーゴにいったい何があったのでしょう?」

凛「ああ。藍子はサニーゴにきあいのハチマキを持たせていたんだ。きっとそのおかげだろうね」
644 : ◆7P/ioTJZG. [saga]:2020/07/25(土) 23:08:36.59 ID:fG6jhgSr0

藍子「はい! でもまさか二回もハチマキに助けられるなんて……正直、私もドキドキしてました」

むつみ「へえ……きあいのハチマキってすごいアイテムなんですね! 私も今度使ってみようかな!」

藍子「あ、あはは……」

藍子(……う、うーん、まさかほりだしもの市でむつみさんから譲ってもらった化石と交換した、なんて言えないなあ……)

チラッ
645 : ◆7P/ioTJZG. [saga]:2020/07/25(土) 23:09:33.56 ID:fG6jhgSr0

藍子(……い、言わない方がいいですよね?)

凛(……うん……別にいいんじゃないかな)

むつみ「どうかしました?」

凛「あ、いや、なんでも。それじゃ私は今からジムに挑んでくるから……」

藍子「あ、そうでしたね! 私もポケモン達を回復させたらすぐ応援に向かいます!」

むつみ「そうでしたか。では私はこれにて。またどこかでお会いしたら、よろしくお願いします!」

藍子「はい! むつみさん、お元気で!」

凛「元気でね」
646 : ◆7P/ioTJZG. [saga]:2020/07/25(土) 23:12:51.04 ID:fG6jhgSr0
※きあいのハチマキが二回連続で発動したのは主の実体験です。たまにはこんな主人公補正があってもいいよね

今回は以上です。読んでいただきありがとうございました

647 : ◆7P/ioTJZG. [saga]:2020/07/25(土) 23:13:41.28 ID:fG6jhgSr0
ラテラルタウン編はもちっとだけ続くんじゃよ
648 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/07/25(土) 23:15:01.60 ID:qEWWFK4Q0
乙 むつみちゃんがほりだしもの市できあいのハチマキ手に入れようとしたら
化石と交換って言われて察しちゃう可能性が...
649 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/07/26(日) 14:43:33.75 ID:KfNRnv8w0

>>646
自分はゴルゴ所長のオクタンがきあいのハチマキで数々の逆転劇起こしてたの思い出したな
650 : ◆7P/ioTJZG. [saga]:2020/07/31(金) 23:30:11.29 ID:yQgjJmTf0
>>649
ポケモンサンデー懐かしい…主もリアタイで見てました
あのオクタンは印象深いですよねー

投下します。
651 : ◆7P/ioTJZG. [saga]:2020/07/31(金) 23:30:51.33 ID:yQgjJmTf0

その後――

凛「ふうっ……」

藍子「凛さん、お疲れ様です! きょうもすごいバトルでしたね!」

凛「藍子もお疲れ様。これでお互いに4つ目のバッジだね」

藍子「はい! ここまで順調にバッジを集められているのも凛さんのおかげです。ありがとうございます」ペコリ

藍子「次のジムは……ここから北にあるアラベスクタウンですね」
652 : ◆7P/ioTJZG. [saga]:2020/07/31(金) 23:31:25.69 ID:yQgjJmTf0

凛「この町……もしかして森の中にあるのかな」

藍子「そうみたいでね。……なるほど、この先のルミナスメイズの森を通って町に向かうみたいです」

藍子「森の中にある町……どんな雰囲気の町なんでしょう」

??「あっ、凛さん! 藍子さん!」

凛「!」

藍子「あっ、都さん!」

都「お久しぶりです!」ペコリ

藍子「こちらこそ、お久しぶりですっ」
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