小美浪あすみ「仕方ねーな。アタシがひと肌脱いでやる」

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1 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2020/07/04(土) 03:41:54.97 ID:ybIwhY18O
「ん? どした、後輩」

もしも俺に。
古橋文乃のような文章力があれば。
もしも俺に。
緒方理珠のような計算力があれば。
もしも俺に。
武元うるかのような魅力があれば。
もしも俺に。
桐須真冬のような美しさがあれば。

「気にすんなよ。お前はよくやってるさ」

果たして、そうだろうか。
俺は上手くやれているだろうか。
天賦の才に囲まれて、埋もれて、息もままならず窒息しているだけではないのか。

「チアノーゼは見られない。落ち着いて、ゆっくり息をしろ。吐くほうを優先するんだ」

ふと我に返ると、どうしようもなく焦る。
天才達への憧憬が募り、自分に失望する。
そして気づくのだ。俺は天才ではないと。

「大丈夫。お前にゃアタシが居る。平気だ」

そうして過呼吸の発作を起こした俺に寄り添ってくれたのは、小美浪あすみ先輩だった。

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