開拓者「安価で町などを作る」

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242 :ラストまで進められそうにないので今晩はここまで  ◆CpUz7d.S3o [saga]:2020/07/15(水) 23:25:16.64 ID:pD60WqZ9o
サキュバス「そんなことより! 大変よ!」

諜報員V「お探しの貴族の居場所が分かったぞ」

開拓者「しかし現れないところを見ると……無事ではなさそうだな」

諜報員V「ああ。未開拓地を転々としている武装集団に連れ去られたのを確認した」

開拓者「狙いは身代金か?」

諜報員V「彼の父親に、特に何か要求された様子はない」

開拓者「引っかかるな……。どこかを根城にしているわけではなく、未開拓地を移動しているのか」

家政婦「あたしをそこに案内してください」

開拓者「お、おい危険だぞ」

家政婦「別に接触はしませんよ。ただ、どの程度の戦力なのか確認してくるだけです」

開拓者「まさか戦うとは俺も思ってない。見に行くだけでも危険だ」

諜報員V「素晴らしい。貴女の主人を思う気持ちに感服した……」

諜報員V「行かせてあげてくれ。俺たち諜報員が家政婦さんを守る」

開拓者「頼むぞ……。家政婦まで失ったら、俺の責任は重い」
243 :ラストまで進められそうにないので今晩はここまで  ◆CpUz7d.S3o [saga]:2020/07/15(水) 23:34:30.68 ID:pD60WqZ9o
修正>>241


●ステータス
対応力Lv.8
速攻Lv.5
特殊Lv.7


家政婦「まだ間違えてました! ごめんなさい!」

開拓者「やはり管理しづらいな、このステータスは!」

家政婦「強さのバランスは取れているんですけどね……」

開拓者「こんなにミスが多くて大丈夫か? このステータスで敵に勝てるかどうか決まるんだろう?」

家政婦「きっと、軍の人はもっとしっかり管理してますよ」
244 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/07/15(水) 23:44:53.14 ID:sHn9yFWKO
おつ
245 : ◆CpUz7d.S3o [saga]:2020/07/16(木) 21:04:56.85 ID:a+VBZdR7o
亜熱帯の町、カフェテリア。

開拓者「……ううむ」

町長「どうしました? お悩みですか」

開拓者「ちょっと、他の仕事でな」

開拓者(というのは嘘で、理工学者のオーバーテクノロジーの出どころについても悩んでいる)

開拓者(まあその件は後で地底都市に確認に行くからいいんだが……)

開拓者(それよりも問題だらけなのが屋敷の仕事の方だ)

開拓者(貴族を誘拐した犯人の目的は何なのか、魔界林とは一体何なのか)

開拓者(亜人たちがどこから来たか、それを連れてきたあの家政婦が何者か)

開拓者(先日屋敷内に現れた人影は誘拐犯でいいのか)

開拓者(そして、警備用のチームのはずなのに、明らかに攻撃を想定したステータス計算になっているのはなぜなのか)

開拓者(今週でそのすべてが明らかになる……事はなさそうだな)
246 : ◆CpUz7d.S3o [saga]:2020/07/16(木) 21:09:28.48 ID:a+VBZdR7o
開拓者「さて、これでメンバーのスカウトと特訓も最後だな」

開拓者「正確には、特訓の仕事は最後ではないのだが、まあいい」


安価↓1、2、3 警備員をスカウトする(職業、武器、戦法、特技、種族など)か、鍛えます(兵員を指定)
247 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2020/07/16(木) 21:09:38.20 ID:9dWmGlMbo
近接チームの増強にジャッカル獣人
248 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/07/16(木) 21:15:22.32 ID:uk4WAMiUo
暗所でも超音波で地形や動物を把握できる蝙蝠有翼人
249 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/07/16(木) 21:20:13.04 ID:GzPBrYTk0
相手のターゲティングを自分に向ける術を極めた(ドM)重装戦士
250 : ◆CpUz7d.S3o [saga]:2020/07/16(木) 23:03:53.88 ID:a+VBZdR7o
開拓者「地底都市から帰ったその足で、またも魔界林に来てしまった」

開拓者「世界観がぐちゃぐちゃだ」

ジャッカル獣人「グルル……」

開拓者「狼獣人の亜種のような魔物が現れたな」

開拓者「どうせ攻撃パターンは同じだ! かかってこい!」

ジャッカル獣人「ガオオ!!」バッ

開拓者「何!? 狼獣人の直線的な猛攻とは違う!」

開拓者「くっ、背後に……やられる!」

その時、全身を鎧で固めた大男が間に割って入った。

重装戦士「私が相手だ!」

ジャッカル獣人「ガルルルッ」シュッ シュッ

重装戦士「いいぞ! もっとだ!」


ジャッカル獣人「ガウッ、ガルル……!」ガンッ ガンッ

重装戦士「どうやら落ち着いたようだね」

開拓者「まだ攻撃を続けているが」

重装戦士「申し遅れた。私は重装戦士。攻撃のターゲットを引き受け、攻撃を受け止め続ける戦いを得意としている」

開拓者「趣味じゃないのか?」

重装戦士「まるで私が変態だとでも言いたげだね。あくまで仕事として攻撃を受けているんだよ」

開拓者「今は何かの任務の最中か?」

重装戦士「いや、プライベートさ」

開拓者「プライベートでなぜ危険地帯に? 修行か?」

重装戦士「いや。ただ、この盾と鎧で衝撃を受け止める感触を忘れないためにね」

開拓者「やっぱり変態じゃないか」
251 : ◆CpUz7d.S3o [saga]:2020/07/16(木) 23:05:35.63 ID:a+VBZdR7o
ジャッカル獣人「ガルルッ!!」ジタバタ

重装戦士「はっはっは、暴れん坊め」

開拓者「万が一逃げ出して人を襲ったら大変だ。気をつけよう」

開拓者は魔界林から魔物を連れ帰る際、街道を通らず、道なき道を踏破している。

街道を横切るとき、人に見られないようにすることに苦戦していた。


開拓者「おや、家政婦。もう帰っていたのか」

蝙蝠人「男の人が3人……」

開拓者「また新しい人を連れてきたのか」

重装戦士「この子の目はどうしたんだ?」

家政婦「彼女は夜行性の有翼人で、もともと目がないんです」

サキュバス「私も夜行性だけど、目が見えるタイプの有翼人よ」

重装戦士「なるほど、それは失礼なことを聞いてしまった」

蝙蝠人「気にしてないよ」

開拓者「この子は戦えるのか?」

家政婦「高い所から石を投げるだけでも十分な戦力になりますよ」

蝙蝠人「真っ暗闇なら、わたししか動けない。敵の人、何もできない」

開拓者「体は強くなさそうだ、無理はするなよ」

重装戦士「そこで私の出番だ! すべての攻撃は私が受け止めてみせよう!」
252 : ◆CpUz7d.S3o [saga]:2020/07/16(木) 23:18:09.17 ID:a+VBZdR7o
●兵員
・ジャッカル獣人……骨格が人間でそれ以外がジャッカルの魔物。狼獣人に比べて変則的な動きをするが戦法は大体同じ。スピード型近接1
・蝙蝠人……夜行性の有翼人の中でも特に暗所に適応した種。目が見えない代わりに音波で広範囲を視ることができる。制空1(探知能力:暗所での戦いで強くなる)
・重装戦士U……盾と鎧で守りを固めた戦士。催眠術の一種で敵の攻撃を強制的に自分に向ける。攻められるのが好き。囮2

●ステータス
対応力Lv.8
速攻Lv.6
特殊Lv.9


レトリバー「ワンッ」パタパタ

ジャッカル獣人「?」

狼獣人「ワウッ、ガウッ」

ジャッカル獣人「ガオオ……」

開拓者「狼獣人が通訳を引き受け、仲良くなったようだ」


家政婦「開拓者さん。貴族の方をさらった武装集団について話があります」

開拓者「無事に情報を集めてこれたんだな」

心理学者「その話、私も交ぜてもらっていいか?」

開拓者「ああ。もし救出作戦を実行するなら、お前の軍師としての働きが必要だ」

家政婦「あたしが探ってきた、武装集団のステータスはこうなってます」

対応力Lv.7
速攻Lv.6
特殊Lv.3
防衛Lv.1

開拓者「……全てにおいて俺たちのチームが上回っているな」

心理学者「早まるな。施設の防衛力を考慮した方がいい」

家政婦「とりあえず、戦闘についての説明をしますね」
253 : ◆CpUz7d.S3o [saga]:2020/07/16(木) 23:41:13.54 ID:a+VBZdR7o
開拓者「ああ」

家政婦「ここではじめて、防衛力をいくつかに分けた意味がでてきます」

家政婦「お二人とも、戦闘は先制攻撃を仕掛けた側がペースを握る、ということは分かりますね?」

心理学者「当然の真理だ」


家政婦「まず、攻撃側が隙のない安定した陣形で攻めてきた場合、防御側はどうにかしてその陣形を崩す必要があります」

家政婦「そこで登場するのが『速攻』です。強力な兵員を先頭に猛攻を仕掛けて、陣形を崩すことでペースを奪えます」

心理学者「陣形を崩すほどの攻撃ができず、ペースを奪えなかったらどうなる?」

家政婦「防御側が圧倒的な不利になりますね」


開拓者「では攻撃側が速攻をかけてきたら、こちらの防御も崩されてしまうわけだ」

家政婦「そこで役に立つのが『特殊』な戦闘員です」

家政婦「速攻型陣形は兵種ごとの連携が取りづらく対応力が欠けていますから、慣れない攻撃に弱いんです」

開拓者「逆に言えば、攻撃側が特殊な攻め方をしてきても、防御側が『対応力』で上回れば勝てるということだな」


家政婦「まとめると」

対応力→速攻→特殊→対応力 (攻撃側→防御側)

家政婦「こうなります」

開拓者「だからバランス良く上げた方がよかったのか。納得した」

開拓者「しかし、攻撃側が圧倒的に有利だな。相手の弱点さえ分かっていれば楽勝だ」

心理学者「そこで出てくるのが施設の防衛力だな?」

家政婦「はい。防御側だけが防衛力の恩恵を受けられるんです」
254 : ◆CpUz7d.S3o [saga]:2020/07/16(木) 23:48:46.40 ID:a+VBZdR7o
●開拓者軍ステータス
対応力Lv.8 速攻Lv.6 特殊Lv.9 防衛Lv.0

●武装組織ステータス
対応力Lv.7 速攻Lv.6 特殊Lv.3 防衛Lv.1


家政婦「せっかくですから、開拓者さんが攻めるときの陣形を決めてみませんか?」

開拓者「いや、俺は戦略には疎い」

心理学者「そう言わず、さあ。直感で選んでもいい」

開拓者「軍師が戦略を素人に丸投げするな」

開拓者(対応力で攻めるなら、相手は速攻+防衛が高くないとほぼ負け確定)

開拓者(速攻をかけるなら、相手は特殊+……ん?)

開拓者「まさか」


1.バランスの取れた陣形で攻める
2.強い兵種を先頭にして攻める
3.特殊な戦力を活かして攻める

安価↓1選択
255 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2020/07/16(木) 23:52:41.75 ID:9dWmGlMbo
3
256 : ◆CpUz7d.S3o [saga]:2020/07/17(金) 00:02:58.72 ID:iv/1e854o
開拓者「どういう攻め方をしても勝てるだろ」

心理学者「ほう、君も気づいたか」

家政婦「大正解です!」

家政婦「では……一番安全に勝てそうな、特殊な戦法を中心に据えて攻め込みましょう」

心理学者「唯一のネックは人質の存在だ」

家政婦「あたしが無事を確認しました。彼らは貴族に手を出せませんよ」

開拓者「何?」


開拓者「これより、俺たちの雇い主である貴族の奪還戦を決行する!」

エルフゲリラ「いよいよだね」

アラクネ「本当に戦うんだ……。緊張してきた……」

開拓者「目標は無血での勝利!」

有翼人「難しそー」

蝙蝠人「わたしたちはサポート役だね」

開拓者「作戦概要は心理学者から説明する」

心理学者「武装集団が現在いるのは、放棄された鉱山だ。周囲に柵があり、柵の内側に隠れる場所はない」

心理学者「敵は銃を持っている。正面からの突入にはリスクが伴う。そこでまずは―――」
257 : ◆CpUz7d.S3o [saga]:2020/07/17(金) 19:55:36.50 ID:iv/1e854o
チームが完成!

称号:亜人変人大集合

●兵員
・レトリバー……猟犬。人懐っこいが敵はきちんと見分ける。追跡1
・狼獣人……骨格が人間でそれ以外が狼の魔物。犬と話せて連携が取れる。スピード型近接1(犬ブースト:犬の兵員がいると強くなる)
・ジャッカル獣人……骨格が人間でそれ以外がジャッカルの魔物。狼獣人に比べて変則的な動きをするが戦法は大体同じ。スピード型近接1
・アラクネU……下半身が蜘蛛の女性。種族の技のほかに、八本の脚を活かした格闘術を習得した。捕縛1・工作0.5・多脚格闘0.5
・エルフゲリラU……一般的なエルフゲリラよりも罠の扱いに長ける。工作2
・心理学者……敵の心理を読み解き戦略を立て、罠や待ち伏せの指示を行う。計略1
・有翼人アーチャー……背中に羽根が生えた女の子。昔から弓道を習っているらしい。制空1
・サキュバス……背中に蝙蝠型の羽根が生えた女性。主に男性の精神を操ることに長ける。対男性交渉1
・妖怪狸……幻術を操り敵を翻弄する。幻術1
・アイアンゴーレム……全身が鉄でできた人型の魔物。この個体は背中から中に入り操縦できる。搭乗ゴーレム1
・蝙蝠人……夜行性の有翼人の中でも特に暗所に適応した種。目が見えない代わりに音波で広範囲を視ることができる。制空1(探知能力:暗所での戦いで強くなる)
・重装戦士U……盾と鎧で守りを固めた戦士。催眠術の一種で敵の攻撃を強制的に自分に向ける。攻められるのが好き。囮2

●兵種ごと
スピード型近接3(最大2) 工作2.5(最大2) 捕縛1 追跡1 計略1 制空2(最大1) 対男性交渉1(特殊) 多脚格闘0.5(特殊) 幻術1(特殊) 搭乗ゴーレム1(特殊) 囮2(特殊)

●ステータス
対応力Lv.8
速攻Lv.6
特殊Lv.9



悪党A「おいリーダー! いい加減こいつどうにかしろよ!」

貴族「ひ、ひいっ! わ、我輩に手を出したらタダでは済まないぞ! 分かっているんだろうな!?」

リーダー「分かってる」

悪党B「でももう連れてきて半月経ったぞ」

悪党C「何も利用価値がねぇんだから、もういいだろ」

リーダー「でもな、そんなことをしたら俺たちはおしまいなんだよ」

悪党D「おーい!! 敵襲だー!!」

悪党E「まさか王国軍に嗅ぎつけられたか!? 最悪だ!」
258 : ◆CpUz7d.S3o [saga]:2020/07/17(金) 20:05:35.57 ID:iv/1e854o
アイアンゴーレム「キィィィン」

開拓者(俺もチームの一員だが、まさか前線に送り込まれるとは思わなかった)

重装戦士「はっはっは! かかってきたまえ!」

悪党A「な、なんだ!? 鉄の化け物をなんとかしたいのに……!」

悪党B「鎧の野郎に攻撃しちまう!」

重装戦士「実にいい攻撃だな! 気持ちいいくらいだ!」

開拓者「よし、正面ドアはゴーレムでふさいだぞ」


悪党C「一旦退くぞ! 敵の正体がつかめない!」

悪党D「リーダー! 行きましょう!」

リーダー「…………」

悪党C「リーダー?」

リーダー「ケヒャヒャヒャ……!」ドロドロ

悪党D「うああああ! リーダーが笑いながら溶けた!!」

悪党C「おい、視界が真っ黒だ! 何も見えない!」

悪党D「ちょっ、脚を掴むなっ、倒れる!!」

妖怪狸「ヒヒッ……」
259 : ◆CpUz7d.S3o [saga]:2020/07/17(金) 20:11:16.72 ID:iv/1e854o
サキュバス「ここでゆっくりしていきなさいよ」ナデ

悪党E「は、はい……」


リーダー「畜生……! なんだよ、この化け物集団……!」

有翼人「みんなー! こっちに逃げたよー!」

レトリバー「ワオーン!!」

リーダー「い、犬?」

ザッ ザッ

狼獣人「ガルル……!」

ジャッカル獣人「ゴルル……!」

リーダー「くっ……!」

開拓者「おい、貴族を回収した。退却するぞ」

蝙蝠人「坑道の中に一人逃げたよ」

開拓者「放っておけ。おい、お前。」

リーダー「……!」

開拓者「どういうつもりか知らんが、二度とこんな真似はするんじゃないぞ」
260 : ◆CpUz7d.S3o [saga]:2020/07/17(金) 20:12:08.63 ID:iv/1e854o
貴族「化け物だぁあああ!!」

重装戦士「なんと無礼な!」

心理学者「ついに言ってしまったな」

開拓者「獣人二匹は例外だが、他は言葉の通じるれっきとした人間だ」

家政婦「そうです。エルフさんとアラクネさんを中心に、彼らも別邸の改築に協力してくれました」

開拓者「そういえばいつの間にか完成していたな」

貴族「そ、そうなのか……。すまなかった。今の発言は取り消させてくれないか?」

有翼人「いいよー。みんなもいいよね?」

エルフゲリラ「初めて会って混乱したんだろう? 今回は水に流すよ」

蝙蝠人「わたしは同じ有翼人からも言われたことあるから……」

サキュバス「別にどうってことないわ」

アラクネ「……!」がーん

心理学者「彼女とは後で私が話しておく」

開拓者「頼んだ」

レトリバー「ワン! ワン!」

ワー ギャー

開拓者「外が騒がしいな……あいつらは!」

悪党A「さっきと同じようにはいかねぇぞ化け物ども!」

悪党B「本気で相手してやる。出てこいやぁ!」

リーダー「この屋敷は包囲した! 降参して貴族を引き渡せ!」
261 : ◆CpUz7d.S3o [saga]:2020/07/17(金) 20:16:39.10 ID:iv/1e854o
狼獣人「ガウウ……」

重装戦士「一階に侵入されてしまった。この私がいたというのに……!」

家政婦「窓を破って入ってきましたから、仕方ありません」

開拓者「空を飛んで近くの町に助けを呼びに行けないか?」

有翼人「無理かも。外に銃を持った悪党が何人か残ってる」

開拓者「鳥撃ち用のショットガンだな。あれは避けられん」

貴族「頼む! 一階で持ちこたえてくれよ……!」

開拓者「俺もゴーレムに乗って支援に向かおう」

心理学者「いや、行かない方がいい」

開拓者「なぜだ? 重装戦士もなぜ残っている」

心理学者「一階は罠だらけだ。邪魔になる」

開拓者「なるほどな」


妖怪狸「キゥゥ……」

悪党C「捕まえたぞクソだぬき! もう幻は見せられねぇな!」

悪党D「気をつけろ、ドアを開けるたびに死角から刃物が飛んでくる」

悪党E「ぐあっ! 網踏んじまった!」

悪党D「じっとしてろ、糸を切る」

アラクネ「行きます! 回転連続蹴り!」クルルルル

悪党D「ぎゃあああ!!」

アラクネ「おいで、狸ちゃん」

エルフゲリラ「やっと三人片付いたが……まずいね。敵は三人一組で別行動している。外から梯子で上の階に行く敵もいた」

アラクネ「ええっ、それじゃ上のみんなが危ない……!」

エルフゲリラ「獣人たちが頑張ってくれるといいが……」
262 : ◆CpUz7d.S3o [saga]:2020/07/17(金) 20:17:21.37 ID:iv/1e854o
二階。

レトリバー「ワン! ワン!」

ジャッカル獣人「グルルッ!(狼獣人と引き離された!)」

悪党F「3対1だ! 人間の底力見せてやんよ!」

悪党G「リーダーたちは先に上へ行ってくれ!」


三階。

心理学者「もうそこの階段まで来ている!」

開拓者「なぜだ? なぜここまで苦戦している」

家政婦「敵は……隙のない攻めをしています。打ち破れる可能性があるのは獣人たちとエルフゲリラさんとアラクネさんだけ……」

開拓者「奴らの対応力はLv.7で、俺たちの速攻はLv.6で防衛力無し……」

開拓者「なるほど、普通に戦ったら負けるわけだ」

貴族「な、なに!? では我輩はまた奴らの手に落ちるしかないというのか!?」

開拓者「ここから逆転する手は無いのか?」

家政婦「優秀な軍師がいれば、あるいは……」

心理学者「すでに私の策は崩されている……」

開拓者「急襲だったから仕方ないな」
263 : ◆CpUz7d.S3o [saga]:2020/07/17(金) 20:19:18.86 ID:iv/1e854o
開拓者「残念だ。もっと強力な戦力を用意しておけば……」

家政婦「……ちょっと、外しますね」

ガチャッ パタン

開拓者「何をする気だ?」

ワー ドッ ゴッ ギャー

開拓者「……」

貴族「……」

ガチャッ

開拓者(悪党たちが廊下に倒れており、家政婦は男の襟をつかみ引きずっている)

開拓者(その男は、武装集団のリーダーだ)

リーダー「ち、畜生……バカな……」

家政婦「お掃除、終わりました」

貴族「……す、素晴らしい!」

開拓者「……。貴族の警備、家政婦一人で良かっただろ」

家政婦「いえ、そんなことはありません……。だいぶ人数が減ってたから、なんとかなったんです」

家政婦「パンチが運よく顎に入ったんです!」
264 : ◆CpUz7d.S3o [saga]:2020/07/17(金) 20:22:06.36 ID:iv/1e854o
開拓者「で、お前たちの目的だが」

リーダー「そんなもんねぇよ」

開拓者「は?」

リーダー「俺たちの仮のアジトにその貴族が迷い込んできたんだよ」

リーダー「で、胸倉つかんで突き飛ばしたらよ……そいつはあの大資産家の息子だって言うじゃねぇか」

リーダー「そんな大物を怒らせたら王国軍が出てきて俺たちは殺される……」

リーダー「だからずっと隠していたし、お前らから奪い返して口封じをしようと思ったんだよ」

開拓者「そんな嘘でごまかせると思ったのか?」

リーダー「ほら。そういう反応になるだろ。だから帰したくなかったんだよ」

心理学者「今の話は本当か?」

貴族「ま、迷い込んだだと? わがいはいがそんなミし、ミスをするはずが」

心理学者「目が泳ぎ、手も震え、顔も引きつり、全身で動揺を表現している」

開拓者「では本当にこの悪党の言うことが正しかったのか」

リーダー「第一、俺たちが悪党っていうのもてめぇらの決めつけだろ」

リーダー「俺たちは、王国の町に住むことを許されていないんだ」

開拓者「そうか、お前たちは辺境民か」


有翼人「えー、帰しちゃったの!?」

開拓者「ああ。同情してしまってな……」

開拓者「仕事が一段落したらあいつらに開拓を教えに行くつもりだ。略奪をしなくても生きていけるように」

貴族「我輩が良いと言ったから良いのだ!」

家政婦「少し臆病だけれど寛大な人でもあるんですね」
265 : ◆CpUz7d.S3o [saga]:2020/07/17(金) 20:28:06.55 ID:iv/1e854o
夜。

開拓者と貴族、家政婦、そして警備チームの面々は一つの長テーブルを囲んでディナーを楽しんだ。

開拓者「ふう、これでこの仕事も終わりか」

開拓者「一時はどうなるかと思ったが」

アラクネ「……で、で、で」フラフラ

蝙蝠人「どうしたの?」

アラクネ「で、出たの……」

エルフゲリラ「侵入者か?」

アラクネ「ひぃ! き、来たぁ!!」

開拓者(急いでドアを振り返ると、そこには青白い肌の男が!)

幽霊「デ、テ、イ、ケ……」

有翼人「キャアアア! お化けぇえええ!」

蝙蝠人「えっ、何? 何かいるの? 探知できない!」

アラクネ「と、飛んで逃げるなら私も連れてってー!!」

サキュバス「間違いない、私が見たのはこの人よ!」

幽霊「ミ、チ、ヅ、レ」

貴族「ぎぃやぁあああ! 我輩はまだ死にたくないぃいいい!」ダダダッ

エルフゲリラ「ま、待つんだ! 外はもう暗くて足元が悪い!」

レトリバー「ワンッ! ワンッ!」

心理学者「置いていかないでくれ!」

幽霊「コ、コ……ワ、ガ、ヤ、シ、キ……」

幽霊「デテイケェー!!」
266 : ◆CpUz7d.S3o [saga]:2020/07/17(金) 20:31:24.91 ID:iv/1e854o
アラクネ「怖いので仕事は辞めます……」

有翼人「ウチもお化け屋敷はいや!」

貴族「我輩もこんな邸宅には住めん! 引っ越すぞ!」

心理学者「チームが散り散りになってしまった……」


開拓者(こうして、犬と妖怪狸と魔物を残して、みんないなくなってしまった)

開拓者「事実上のチーム解散だな」

家政婦「警護する人もいなくなりましたからね……」

開拓者「お前は主人を追いかけなくていいのか?」

家政婦「えっ。彼は別に主人ではないです」

開拓者「何? 貴族が市長に依頼してお前が派遣されたんじゃなかったか?」

家政婦「はい。あたしの所属は湖畔の楽園なので、ここに住まないならもう他人ですよ」

開拓者「ドライだな……」

家政婦「あとできっちり給料をいただかないと」

開拓者「俺も報酬をもらっていなかったな……」

家政婦「まずは市長に報告しに行きましょう」

狼獣人「ガウッ」

ジャッカル獣人「ゴウッ」

アイアンゴーレム「キィィィン」

開拓者「こいつらはどうしようか……」



おわり
267 : ◆CpUz7d.S3o [saga]:2020/07/17(金) 20:39:53.58 ID:iv/1e854o
警備チーム編について。

今回のシステムは計画者が王国軍の要塞を作る話の実験です。
一回試しておいて本当によかったと思います。ミスだらけ。

最初に犬が選ばれたのでスカウト安価に種族も指定できると書き足したらすごいことに。
回収していない謎については後ほど。
268 : ◆CpUz7d.S3o [saga]:2020/07/17(金) 20:43:33.43 ID:iv/1e854o
〜 依頼D 〜

開拓者「安価で恋人を作る」
269 : ◆CpUz7d.S3o [saga]:2020/07/17(金) 20:48:00.35 ID:iv/1e854o
市長「給料は私が責任をもって請求しておきます」

開拓者「よろしく頼んだ」

家政婦「では、家に帰りましょうか?」

開拓者「ああ。急いで戻ろう」

市長「まさか、あのお化け屋敷に戻られるんですか?」

開拓者「いや、他の町に家があるんだ」

家政婦「あたしたち、一つ屋根の下に住んでいるんです」

市長「な、なんですと?」



2週間前に戻る。

フォトジェニックな町と不思議な料理の依頼を終わらせた直後、開拓者は友人に会っていた。

開拓者「奇遇だな。まさか城塞の都でお前に会うとは」

船員「ラッキーだったぜ。ちょうど開拓者さんに耳よりな話を持ってるところだったんだよ」

開拓者(こいつは船員。釣り仲間で、とある魔性の女にひっかけられた被害者仲間でもある)

開拓者(花畑島の開拓……王国の開拓者としての最後の仕事で、親しくなった労働者の一人だ)
270 : ◆CpUz7d.S3o [saga]:2020/07/17(金) 20:49:30.82 ID:iv/1e854o
船員「開拓者さん、次の開拓で妻を見つけるって言ってたよな」

開拓者「ああ。それは叶わぬ夢になったがな」

開拓者「王に解雇された今の俺はフリーター同然だ。結婚はさらに遠のいた」

船員「そんな友人に朗報だ。いい仕事の話があるんだ」

開拓者「仕事か……。あいにく多忙なんだ」

船員「ま、聞くだけ聞いてくれよ」

船員「花畑島の近くに、新しく無人島になった島があるんだよ」

船員「まだ使える建物もあるし、若者たちでその島を再開拓しようって企画があって、参加者を募集していたんだ」

船員「住み込みの開拓を通じて人脈の輪を広げる……と銘打ってるけど、実際のところ、男女の出会いの場だ」

船員「開拓しながら女の子と交流もできる。まさに、開拓者さんにぴったりの仕事だろ?」

開拓者「若者が集まるのなら、俺は浮くんじゃないか?」

船員「30代の女性も来るからそんなことないと思うぞ」

開拓者「ふむ……それなら」

船員「あっ、でも開拓者さん多忙って言ってたよな。じゃあ住み込みは無理か」

開拓者「大丈夫だ! 他の仕事の時だけは島を離れるが、それで良ければ参加しよう!」

開拓者(この機会を逃すわけにはいかない!!)

開拓者(下心があるのは当然だが、これが唯一まともな開拓の仕事だからな!!)

船員「よっしゃ! それは心強いな。開拓者さんがいれば俺たちも大助かりだ」

開拓者(む? もしや担がれたか? 面倒な作業をすべて押し付けて若者だけでいちゃつくつもりじゃなかろうな?)

開拓者(……いや、そんなことは無いはずだ。友人を信じよう)
271 : ◆CpUz7d.S3o [saga]:2020/07/17(金) 20:52:46.16 ID:iv/1e854o
1週目

称号:家屋と家畜が残された無人島
ランク:集落

●開拓地
・無人島……最近まで人が住んでいたのでまだ使える建物が残っている。
・家(古びている)……人が寝泊まりできる唯一の家。増築できそうだ。
・牧場(使用不可)……家畜は逃げ出してしまった。
・畑(荒廃)……大量の雑草と岩が散乱している。

●ステータス
第一次産業Lv.0
第二次産業Lv.0
第三次産業Lv.0


船員「ついたぞ、開拓者さん」

開拓者「花畑島からも見えていた小さな島……ここが今回の開拓地か」

船員「花畑島の開拓前からこの島には集落があったんだ」

船員「一か月前までここには老夫婦が住んでた。その二人が最後の住人だ」

開拓者「老夫婦はどうなったんだ?」

船員「心配しなくても生きてるよ。今は花畑島のホームにいるぜ」

開拓者「それなら安心だ」


船員「集まったのは俺と開拓者さんも併せて6人」

船員「その6人でのんびりと、畑をたがやしたり、牧場を大きくしたり、家を改築したり、舟屋を建てたり……」

船員「そして最終的に村を完成させて王国の地図に載せるのが目標だ」

開拓者「それだけでいいのか?」ガシッ

船員「クワと工具セットを持つにはまだ早いぞ。みんなが来るまで待ってまず顔合わせを」

開拓者「ええい、止めるな! 慣れないことばかりさせられてうっぷんが溜まっていたんだ!」

開拓者「さあ、開拓だ!!」

開拓者「行くぞ、うおおおおおおおおお!!!!」ドドドドドド


開拓作業をします(修繕するもの、作る家具、植えるもの)

自動↓1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、、、、、,,,,,,,,__________________
272 : ◆CpUz7d.S3o [saga]:2020/07/17(金) 20:53:38.57 ID:iv/1e854o
村が完成!

称号:開拓者が一日でやってくれました
ランク:村

●開拓地
・牧場島……のどかな開拓ライフを送れる。
・小道……歩きやすく整えられた道がある。
・家V……全員でテーブルを囲めるリビング、キッチン、そして全員の個室がある。二階にはテラスと来客用のベッドルーム。
・牧場……家畜たちは帰ってきた。
・畑……雑草と岩は完全に取り除かれ、一面がしっかりと耕されている。
・舟屋……ここから船員が各地に船を出せる。

●ステータス
第一次産業Lv.2
第二次産業Lv.0
第三次産業Lv.0


開拓者「よし、一旦ここらで止めておくか」

船員「人間重機かよ」

開拓者「俺は開拓者だぞ」

開拓者「開拓を得意とする俺は、村くらいなら一人で作ることができる」

船員「開拓終わらせてどうすんだよ」

開拓者「心配するな。町を作るには労働者たち……色々な職業の力が必要だ」

開拓者「6人で力を合わせて、立派な町を作っていこうじゃないか」

船員「だからもう目標の村は作り終わってるんだよ」

開拓者「なんだと? 開拓はこれからが本番だろう」

船員「結婚相手を探しに来たってことを忘れたのか?」

開拓者「忘れてはいないが……そうか、開拓はメインではないのか……」
273 : ◆CpUz7d.S3o [saga]:2020/07/17(金) 21:14:42.20 ID:iv/1e854o
開拓者「船員が残りの4人を迎えに行ってそろそろ2時間経つが……」

開拓者「おっと、船が見えた。到着だな」


※とりあえず安価で1名だけ作ってみます

安価↓1 年齢

安価↓2 職業

安価↓3 性格か趣味
274 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/07/17(金) 21:18:02.20 ID:rGAzjptO0
26
275 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/07/17(金) 21:19:59.00 ID:mh4d1PHDO
画家
276 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/07/17(金) 21:20:03.11 ID:gHy9NO5w0
気弱で引っ込み思案
277 : ◆CpUz7d.S3o [saga sage]:2020/07/21(火) 22:55:03.88 ID:uvupkADyo
明日再開を予定しています。
278 : ◆CpUz7d.S3o [saga]:2020/07/22(水) 22:55:38.87 ID:MwXcScgHo
船員「ただいま。みんな、彼が開拓者さんだ」

男性「初めまして。よろしくお願いします」ペコリ

女性A「本物を見るのははじめてかも」

女性B「ん。やっぱり」

開拓者「船旅ご苦労だった。とりあえず荷物をおろして座らないか?」

開拓者「飲み物を持ってくる。皆、飲みたいものはあるか?」

女性C「あっ。あたしが持って参りますので、開拓者さんは座っていてください」

開拓者「いいのか?」


船員「じゃあ、改めて軽く自己紹介だな」

船員「俺は船乗りのセイン。この島の近くにある癒しの花園に住んでる。趣味は釣りだ。よろしくな!」

開拓者(そのまんまじゃないか)

女性A「うん、よろしくね」


【NAME:セイン JOB:船員 AGE:29 HOMETOWN:癒しの花園 HOBBY:釣り】


開拓者(名前を名乗る流れなのか? 開拓では肩書きで呼ぶのが当たり前だが、やはりノリが違うな)

大学生「俺は学問の都に住んでる大学生です。大学の友達からはダイちゃんって呼ばれてるんで、できればみんなもそう呼んでくれると嬉しいです」

女性C「ダイさん、ですね。よろしくお願いします」

大学生「ははは、硬いですよ」


【NAME:ダイ JOB:大学生・モデル AGE:22 HOMETOWN:学問の都 HOBBY:旅行】


女性A「あっ。名乗りづらかったらあだ名でもいいんだね……」

大学生「そうですね。俺はモデルの仕事もしてますから、あだ名ですいません」

女性B「全然いいよ〜」
279 : ◆CpUz7d.S3o [saga]:2020/07/22(水) 22:56:33.27 ID:MwXcScgHo
女性A「……」

大学生「右回りだから次、あなたですよ」

女性A「そ、そっか。えっと……」

画家「私は、エソラってペンネームで画家として活動してます」


【NAME:エソラ JOB:画家 AGE:26 HOMETOWN:緑の町 HOBBY:カフェめぐり】


画家「出身は緑の町です。緑色以外にもいろんな風景を描きたいな、と思っています……」

開拓者(緑の町はカントリーでボタニカルな農業の町だ。この町は建物まで緑色に塗っている)

女性C「風景画がご専門なのですか?」

画家「そ、それだけじゃないです。人物でも、食べ物でも何でも描きますよ」

画家「あ、でも、開拓に来たからにはちゃんと働きます……! よろしくお願いします!」

船員「おう。女の子たちはあんまり無理しなくていいからな」


女性C「次はあたしですね」

家政婦「あたしはフリーの家政婦です。今は湖畔の楽園と呼ばれる町で働いています」


【NAME:家政婦 JOB:メイド(付き人派遣サービス) AGE:25 HOMETOWN:湖畔の楽園 HOBBY:掃除】


家政婦「呼び方は家政婦で構いません」

開拓者(貴族の屋敷を作る仕事の依頼人だ。こいつも参加していたのか……)

大学生「ニックネームとか、趣味とかないですか?」

家政婦「ニックネームをつけられたこと……ないですね。趣味は……掃除です」

画家「お掃除を楽しめるのって、うらやましいです」

開拓者(この家政婦は謎が多い)

開拓者(若い女性でありながら妙に防衛に詳しい上に、)

開拓者(どこからか、下半身が蜘蛛の人間や、背中に翼が生えた人間を連れてくる……)
280 : ◆CpUz7d.S3o [saga]:2020/07/22(水) 22:58:13.49 ID:MwXcScgHo
開拓者「俺のことはみんな知っているんじゃないのか?」

家政婦「はい。最近まで知りませんでしたが……」

船員「王国の有名人だよな」

画家「ごめんなさい。私は世間のことに疎くて……」

開拓者「では名乗っておこう。俺は開拓者だ。呼ばれ慣れているから開拓者と呼んでくれ」


【NAME:開拓者 JOB:開拓業 AGE:36 HOMETOWN:住所不定 HOBBY:大人の遊び】


開拓者「最近までは王国の専属だったが、現在はフリーの開拓者としていくつかの仕事を並行して進めている」

家政婦「この綺麗な家も開拓者さんが作ってくれたんですよね?」

開拓者「ああ。少し気合が入ってしまってな。外の畑も耕してしまった」

大学生「仕事のできる男ですね。憧れます」

開拓者「趣味は畑仕事と日曜大工だ(嘘)」

画家「筋金入りの開拓者なんですね」


開拓者(さて、あと一人だが、この女性も見覚えがあるんだよな……)

女性B「最後はわたしだね〜」

大学生「あの、あなたは『生産者』さんですよね?」


【NAME:生産者 JOB:農林業、畜産業、漁業の教育および支援 AGE:30 HOMETOWN:北風の村 HOBBY:たき火】


生産者「わたしは生産者じゃないんだけど、そう言う人もいるよ」

大学生「やっぱり。来るときから気になってたんですよ!」

開拓者「有名なのか?」

船員「王国各地の村で、生産者を教育したり、植えるものを助言したりしてる人だっけか?」

大学生「はい。旅先でよく噂を聞いてます」
281 : ◆CpUz7d.S3o [saga]:2020/07/22(水) 23:03:30.66 ID:MwXcScgHo
開拓者「ほう、まだ若いのに優秀な女性だな。よろしく頼む」

生産者「む〜。わたしのこと知らんぷりして〜」

開拓者(生産者は子供っぽく頬を膨らませた)

開拓者「あ、お前まさか!」

生産者「やっと気づいたの? お兄ちゃんのバカ」

開拓者「20年ぶりじゃないか! 元気だったか!?」

画家「えっ、い、妹さん……?」

船員「聞いてないぞ!?」

開拓者「ああ、正確には妹ではないんだ。血のつながりも戸籍上のつながりも全く無い」

開拓者「ただ幼少期から16の頃まで寝食を共にしてきただけの赤の他人だ」

生産者「おさがりを着て毎晩隣で寝てた他人だね〜」

大学生「そんな他人いませんよ」

家政婦「家族の形は多様ですね」


船員「よし、これで全員の紹介は終わったな」

船員「みんなでこの村をもっと住みやすく、楽しい場所に変えていこうな」

画家「はいっ。プロの方の足を引っ張らないように頑張ります……!」

生産者「よし。じゃあ二階に行って自分の部屋を決めようか?」

大学生「家政婦さん、荷物持ちますよ」

家政婦「いえ、ダイさんの荷物をあたしが運びますよ」
282 : ◆CpUz7d.S3o [saga]:2020/07/22(水) 23:16:05.54 ID:MwXcScgHo
1週目

称号:あつまれ牧場島 〜 男女6人開拓物語

●開拓地
・牧場島……のどかな開拓ライフを送れる。
・癒しの花園……王国各地の傷ついた人々が集まる町。モダンでおしゃれな観光地としても知られる。

●住民
・船員……癒しの花園で働く船乗りの男。開拓地を転々とする開拓者にとって数少ない友人である。
・大学生……学問の都から来た品のいい青年。学業のかたわらモデルの仕事もしている。
・画家……緑の町から来た気弱な女性。
・生産者……20年ぶりに再会した開拓者の妹分。各地の村で第一次産業の振興をする仕事をしている。
・家政婦……湖畔の楽園から来た素朴なメイド。謎が多い。


こうして、男女6人の共同生活が始まった。

開拓者はこの島から、仕事のために亜熱帯の町や湖畔の楽園、そしてもう一か所の仕事場所へ通う。

この間、開拓者は開拓事務所を留守にしている。

依頼人が開拓者に会えないため、ついにしばらくの間、新規の依頼が入ってくることはなくなった。


開拓者「しかし、共同生活と言っても、何をすればいいんだ?」

開拓者「開拓は大体終わらせてしまったからな……」

コンコン

開拓者「ん? 入っていいぞ」

大学生「失礼します。ダイです」

開拓者「お前か」

開拓者(ふむ、カジュアルながらきちんとして見えるコーディネートだ。さすがはモデルだな)

開拓者(顔もいいし、いかにも女にモテそうだ。属性でいうとやはりクールだろう)

大学生「ご友人でも女の子でもなくてすいませんね」

開拓者「別に構わん、意外だっただけだ。何か用か?」

大学生「俺……実は、開拓者のファンなんです」

開拓者「ん?」

大学生「いや、実際にどういう人なのかは全然知らなかったんですけどね」

大学生「俺、旅行が好きで、いろんな町に行ったことがあるんですよ」

大学生「そしたら、開拓者という人が、短期間で魅力的な町をいくつも作って回っているということを知って……勝手に憧れていたんです」

開拓者「なるほどな。実際会ってみてどうだ?」

大学生「思ったより若くて話しやすそうでした。もっと髭がフサフサで寡黙なおじさんを想像してましたから」

開拓者「なんだそりゃ」
283 : ◆CpUz7d.S3o [saga]:2020/07/22(水) 23:20:18.93 ID:MwXcScgHo
大学生「これから開拓のこと、いろいろ学ばせてもらいます。それじゃまた夕食で」

ガチャ バタン

開拓者「いけ好かない男だと思っていたが……なんだ、見どころのある奴じゃないか」

開拓者「そうか。俺も誰かと話に行けばいいのか。交流が目的だからな」


安価↓1 話す相手を選択(船員、画家、生産者、家政婦)
284 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/07/22(水) 23:20:44.50 ID:bsI2zALq0
画家
285 : ◆CpUz7d.S3o [saga]:2020/07/22(水) 23:54:41.18 ID:MwXcScgHo
開拓者(一階のテラスで画家が早速絵を描いていた)

開拓者「見てもいいか?」

画家「あっ、開拓者さん……」

開拓者(画家は緑の町出身らしく、装いもカントリーだ)

開拓者(ちょっと目線を合わせるのが苦手なようだが、初日で緊張しているだけだろうか?)

開拓者(正直、外見は参加者の中で一番タイプだ……)

開拓者「海と畑を描いているのか」

画家「海、あんまり描く機会がないので……」

開拓者「まあ緑の町じゃあな」

開拓者「画家はどうして開拓に参加しようと思ったんだ?」

画家「……。似合いませんよね」

開拓者「別にそんなことは無いぞ」

画家「みなさん、すごい方ばかりですし……私は場違いです」

開拓者「すごい、か……。俺も、俺以外は開拓の素人が集まると思っていたな」

画家「そうです。ダイくんは高学歴ですし、セインさんも家政婦さんもプロの方で……」

開拓者「いや、少なくとも船員は大した奴じゃないぞ」

画家「そ、そうですか……」

開拓者「……町ではどうだか知らんが、少なくとも開拓地では職業に貴賎なしだ」

開拓者「画力も立派なスキルだ。もう少し自信を持っていい」

画家「はい……」

開拓者(わずかに画家との仲が深まったような気がする)

開拓者(画家は5人の中で最も俺との心の距離が遠い。仲良くなるには根気が要りそうだ)
286 : ◆CpUz7d.S3o [saga]:2020/07/23(木) 00:06:56.65 ID:NPI5anM1o
船員「みんなで畑を改良しよう!」

開拓者「俺はしっかり耕したぞ」

船員「ダイくんの発案で、カカシを作ったり、畑に何か植えたりしようって話になったんだよ」

大学生「生産者さん、この畑で育てるなら何がいいと思いますか?」

生産者「暖かいけど乾燥してるからオリーブとブドウかな〜。開拓者はどう思う?」

開拓者「同感だな。花畑島での需要が多い作物だ」

開拓者(基本的に人前でお兄ちゃん呼びはしないらしい。安心した)

家政婦「農業は未経験なので、何をすればいいかわかりません……」

大学生「俺も同じくです」

画家「私も……」

開拓者「思うようにやってみればいいんじゃないか? 分からないことがあったら俺か生産者に相談してくれ」


開拓者(船員はオリーブとブドウの苗を真面目に運んでいる)

開拓者(家政婦は畑のわきで草刈りをしている。鎌の扱いが驚くほど上手い)

開拓者(生産者は丘の上にのぼりたいと言って、動きやすい服装に着替えに行った。なぜ今のぼるんだ)

開拓者(画家は大学生と一緒にクワを振っている。もう耕したんだが……)
287 : ◆CpUz7d.S3o [saga]:2020/07/23(木) 00:08:21.53 ID:NPI5anM1o
開拓者(さて、畑仕事は俺の得意とする分野だ)

開拓者(頼れる男っぷりをアピールしよう)


1.船員と一緒に苗を運ぶ
2.家政婦と一緒に草を刈る
3.生産者を追いかける
4.画家・大学生と一緒にクワを振る

安価↓1選択
288 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/07/23(木) 00:09:25.21 ID:BvLlxbHDO
4
289 : ◆CpUz7d.S3o [saga]:2020/07/23(木) 01:11:54.98 ID:NPI5anM1o
大学生「よっ! よっ!」ザクッ ザクッ

画家「えいっ! えーい!」ザクッ ザクッ

開拓者「畑はもう十分耕したぞ」

大学生「はい。でもやっぱり開拓と言えばクワじゃないですか」

開拓者「そんなことは無いと思うが」

画家「クワが振れないと開拓に参加する資格はありません……」

開拓者「そんなことは無いと思うが」

大学生「でも俺たち、クワを振りたいんです」

開拓者「それなら仕方ないな。俺が振り方を教えよう」


30分ほど、開拓者たちは特に意味のない作業をした。

家政婦は草刈りに熱中して畑から離れたところまでひたすら草を刈り進んでいた。

そんな一同を生産者は上から見ていた。

船員「あれ? 俺しか働いてなくね?」
290 : ◆CpUz7d.S3o [saga]:2020/07/23(木) 01:14:32.39 ID:NPI5anM1o
画家「難しい……」

開拓者「コツをつかんでも結局は筋力が無いとな」

大学生「エソラさん、クワを振る姿をスケッチしてみたらどうですか? 何か掴めるかもしれないです」

開拓者「俺がクワを振り下ろしてる写真ならちょうど持ってるぞ」

画家「写真……」ピクッ

開拓者「どうした?」

画家「描きます」ザザザッ

大学生「デッサンですね。おおー早い早い」

画家「できました!」

開拓者「写真よりも躍動感が増しているな」

画家「ありがとうございます」ニコリ

開拓者(嬉しそうだ。写真にライバル意識があるのか?)


大学生「ご指導ありがとうございました」

画家「そろそろセインさんの手伝いに行かなくちゃ」

開拓者(二人との仲が少し深まった気がする)
291 : ◆CpUz7d.S3o [saga]:2020/07/23(木) 01:51:30.26 ID:NPI5anM1o
生産者「ただいま〜」

大学生「うわっ、生産者さん、服が土だらけじゃないですか」

生産者「心配させてごめんね。ちょっと遠くまで行ってきちゃった」

開拓者(冒険好きなところは30歳になっても変わっていないようだ)

開拓者(最初は気づかなかったが、喋り方のアクセントも、身にまとう雰囲気も何も変わっていない)

開拓者(生産者を見ているとノスタルジックな気分になる)

開拓者(写真家の言っていたのはこれか。画家はカントリーだしな)

大学生「洗わなくて大丈夫ですか?」

生産者「いいよ。こんなのいつもの事だから」

開拓者「生産者は今、各地で農業を教えているんだったな?」

生産者「うん。漁業も畜産も教えてるよ」

開拓者「漁業もか?」

生産者「あれから勉強したからね〜」

開拓者「成長したな……林に火を放っていた頃が懐かしい」

生産者「あーそういうこと言っちゃう? 開拓者はおっぱいを目で追いかける癖は治った?」

開拓者「この話はやめよう」

大学生「降参早いですね……」


開拓者「ところで何しに行ってたんだ?」

生産者「探索だよ。開拓地をよく知っておくのは基本、って団長さんから教わったの忘れちゃった?」

開拓者「忘れてはいない。町を作るのなら俺もそうしたさ」

生産者「あ〜」

生産者「開拓者、クビになっちゃったもんね」

開拓者「うぐっ」
292 : ◆CpUz7d.S3o [saga]:2020/07/23(木) 01:53:43.35 ID:NPI5anM1o
開拓者「妹が丘にのぼっていたのも地形を把握するためか」

開拓者「俺も村の外を探索しておいた方がいいな」

丘を越え、村の反対側に降りた。

開拓者「おや、誰かいるぞ」


安価↓1選択 そこにいたのは(船員、大学生、画家、生産者、家政婦)
293 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/07/23(木) 01:57:47.16 ID:gSK5tin0o
船員
294 : ◆CpUz7d.S3o [saga]:2020/07/23(木) 23:44:32.60 ID:NPI5anM1o
船員「よっ」

開拓者「お前も探索か?」

船員「いやぁ、釣りだ」

開拓者「こんな小さな池じゃ美味い魚は釣れないんじゃないか?」

船員「いいんだよ。釣れさえすれば」

開拓者「そういうものか」

船員「なあ、開拓者さん。どうだ? 誰狙いだ?」

開拓者「まだ数日だが……今のところ、気になっているのは画家だな」

船員「一番接点がない所に行ったなー」

開拓者「単純に好みの顔というのもあるが、放っておけなくてな」

開拓者「ただでさえ自信がないタイプなのに、他の二人の存在がさらに自信を奪っている」

船員「まあ、農作業や家事じゃあ敵わないよな……」

開拓者「お前も気にかけてやってくれ」

船員「わかった。でも、構いすぎも良くないと思うぜ」

開拓者「そうか?」

船員「男子がみんなでエソラちゃん一人に構ってたら、二人は気分良くないだろ」

開拓者「確かにそうだ」

船員「それに、あんまりガツガツいくとあの子は引きそうだと思う」

開拓者「ああ、あり得るな」

開拓者「しつこい男は大抵誰でも嫌うんじゃないか?」

船員「そうかもな」
295 : ◆CpUz7d.S3o [saga]:2020/07/23(木) 23:48:49.95 ID:NPI5anM1o
開拓者がリビングで休憩していると、玄関から家政婦がたくさんの荷物を抱えて入ってきた。

家政婦「ただいま戻りました」

開拓者「おお。すごい荷物だな」

家政婦「シェアハウスを飾るための小物や家具を買ってきました」

家政婦「よいしょ、っと」ドサッ

開拓者(長袖シャツと長ズボンの上にエプロンをつけた彼女は、女性陣の中で最も特徴のない人物に見える)

開拓者(ナチュラルな飾らない魅力……というよりは飾り慣れてない雰囲気がするな)

開拓者(しかし家事をする際の動きはさすがに素早く丁寧で、洗練されている)

開拓者「屋敷の方のデザインもしないといけないのに大変だな」

家政婦「あちらはもうアラクネさんとエルフさんに任せています」

開拓者「職務放棄か?」

家政婦「いいじゃないですか。本当はあたしが警備チームの編成をするつもりだったんですから」

開拓者「そういえばそうだったな」

開拓者(謎の人脈……そして謎の警備への自信……)

開拓者「一つ確認なんだが……お前は普通の人間だよな?」

家政婦「普通ってなんですか?」

開拓者「ちょっと他人と違うパーツが付いているとか……袖をめくるとウロコがあったりしないか?」

家政婦「ありませんよ……」


開拓者「一人でその荷物を運んできたのか?」

開拓者「まさか水中で呼吸ができたりは」

家政婦「しません。ちゃんとセインさんに送ってもらいました」

家政婦「小物はエソラさんと二人で選んだんですよ。ついでにお茶もしてきました」

開拓者「ほう。お前が誘ったのか?」

家政婦「はい。こちらから歩み寄らないと、関係性が築けないと思ったので」

家政婦「最悪、居心地が悪くていなくなってしまうかもしれないですし……」

開拓者「ああ、お前も心配していたのか……」
296 : ◆CpUz7d.S3o [saga]:2020/07/23(木) 23:54:31.93 ID:NPI5anM1o
開拓者(誰かをデートに誘うにはまだ早いが、何かの用事を兼ねて一緒に出かけることは可能か……)

開拓者(俺も家政婦のように、誰かを誘ってみるとしよう)

開拓者(行き先は……レストランでいいな)

開拓者(ん? どういうわけか、行く町によっては新たな出会いがありそうな予感がする)


1.花畑島
2.高原の環境都市
3.城塞の都

安価↓1 行き先選択


1.画家
2.生産者
3.家政婦

安価↓2 誘う相手選択(デートは女性しか誘えません)
297 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/07/23(木) 23:55:13.05 ID:g1dqsL/H0
2
298 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/07/23(木) 23:55:21.62 ID:+N7ODkAAo
2
299 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/07/23(木) 23:55:35.15 ID:BvLlxbHDO
1
300 : ◆CpUz7d.S3o [saga]:2020/07/24(金) 00:38:53.19 ID:JrLinrQyo
ミス、アルファベットにしていませんでした
安価の秒数を見ると、意図的に選んだわけではなさそうなので改めて選択



A.画家
B.生産者
C.家政婦

安価↓1 誘う相手選択
301 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2020/07/24(金) 00:40:39.71 ID:9kL7GCzFo
B
302 : ◆CpUz7d.S3o [saga]:2020/07/25(土) 19:10:39.92 ID:xP+SLu73o
開拓者「生産者、明日時間があったら高原の町に行かないか?」

生産者「ん〜? デートのお誘い?」

開拓者「積もる話もあるだろう」

生産者「いいよ。あの町のごはん美味しいしね」



翌日。

船と飛行機を乗り継いで、二人は高原の町へと移動した。

広大な水田と野菜畑、果樹園、牧場、薬草園を有するこの町は、食の都に次ぐ王国の穀倉地帯である。

また、エコロジーをテーマにした遊園地や、新鮮な食材を使ったレストランが観光客に人気で、

観光農園の町、高原の環境都市などとも称されている。


生産者「月並みだけど、空気がおいしい〜」

開拓者「環境の維持に全力を注いだからな」

生産者「あ、ここもお兄ちゃんが作った町なんだ」


病弱な姫が療養するための町を作るよう指示された開拓者は、ひたすら自然環境を守る開拓を行った。

王国トップクラスの環境学者を育て、山の民の意識改革を行い、ある程度の工業開発も可能にしたうえで、全く工業を育てなかった。

その過剰なまでの取り組みにより、王国で最もおいしい空気と水が維持されている。

※高原開拓の詳しい様子は http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1476533102/


開拓者「レストラン、予約しておいて正解だったな」

生産者「うーん、美味しい。これは一流シェフの腕だけじゃないね」

開拓者「農作物の量では食の都に劣るが、質はこちらが上だ」
303 : ◆CpUz7d.S3o [saga]:2020/07/25(土) 19:18:33.02 ID:xP+SLu73o
開拓者「食の都で思い出したが、お前はあの開拓のあと開拓団に帰ったよな?」

生産者「うん」

開拓者「それからどのくらい開拓団にいたんだ?」

生産者「開拓団はすぐ無くなったよ」

開拓者「何?」

生産者「お兄ちゃんの活躍でわたしたち開拓民の社会的地位も認められたでしょ?」

生産者「王国に村を接収されることもなくなったし、各地を転々として暮らす理由が無いじゃない」

開拓者「それもそうか。じゃあ定住したんだな」

生産者「人それぞれだね〜」

生産者「わたしはオレンジの村に移り住んでから勉強して、学問の都のバイオ大学で勉強して、今の仕事をはじめてから5年かな〜」

開拓者「団長はどうしてるんだろうか?」

生産者「わたしも知らない」

開拓者「担当者の爺さんやお前みたいに、どこかでひょっこり会えればいいんだが」

開拓者(その後も俺たちは思い出話や、仕事の話などをたっぷりとした)


ウェイトレス「お皿をお下げいたします」

開拓者「ああ、頼む」

ウェイトレス「あ、あなたは! 開拓者のおじさま!」

生産者「知り合い〜?」

開拓者「いや」

ウェイトレス「あら、この姿では分からなくて当然でござったわ」ドロン

開拓者(胸の前で手を組むと、ウェイトレスの姿は一瞬だけ煙に包まれ……)
304 : ◆CpUz7d.S3o [saga]:2020/07/25(土) 19:21:11.73 ID:xP+SLu73o
姫「おじさま! お久しぶりでござるわね」

開拓者「姫様……! なぜレストランに……」


【NAME:姫 JOB:忍者 AGE:16 HOMETOWN:高原の環境都市 HOBBY:逃走】


生産者「なんで!? 忍者なんで!?」

開拓者「ああ、混乱するよな……」

姫「わらわはこの高原の町で療養し、健康となり、そして修行を重ね、一人前の忍者になったでござるのよ!」

開拓者「姫様、そんな話し方でしたか……?」

姫「忍者には忍者にふさわしいマナーがあるでござるわ。ニンニン」

生産者「結局忍者なんで!?」

開拓者「いろいろあってな、この町にはニュー忍者の里という裏の顔がある」

開拓者「姫の護衛として忍者を鍛えたつもりだったんだ。まさか姫様が忍者になるとは思わなかった」

姫「父上には怒られてしまいましたわね、でござる」

開拓者「あの時は大変でした。姫様本人に弁解していただいていなければ、私は拷問を受けて死んでいたことでしょう」

生産者「お兄ちゃんも王女様も面白いね〜」

ザザッ

忍者教官「……見参!」

開拓者「うおっ、忍者!?」

忍者教官「……ご無沙汰でござる、開拓者殿」

忍者教官「……時に、姫様を見なかったでござるか?」

生産者「王女様なら今ここに、あれ?」

ウェイトレス「それでは失礼いたします」ペコリ

忍者教官「……お待ちを。拙者の目はごまかせませんぞ」

姫「っ、ここで捕まるわけにいきませんわ!」

姫「逃げるが三計、如かずにござる!」ダッ

忍者教官「……姫様の護衛は我らの職務! 決して逃がしはしません」ダッ

開拓者「……。よく分からないことを言って逃げていったな」

生産者「逃げるのが好きなのかな〜」
305 : ◆CpUz7d.S3o [saga]:2020/07/25(土) 19:23:25.98 ID:xP+SLu73o
開拓者(姫と忍者の乱入こそあったものの、妹と久しぶりに水入らずの時間を過ごせた)

開拓者(20年の空きがあっても案外、関係は変わらないものなのだな)


船員「よし、ついたぜ」

生産者「楽しかった〜。ありがとうね、開拓者」

開拓者「ああ、また機会があったらよろしくな」

姫「素敵な島でござるわね」

船員「いつの間にか知らない女の子が乗ってた! 密航者か!?」

開拓者「姫様!?」

姫「共同生活、楽しそうね。わらわも混ぜていただけないでござるかしら!」

生産者「わたしはいいけど〜……」

開拓者「困ります。姫様、お戻りいただかないと、今頃高原では姫様が行方不明で大騒ぎになっていることでしょう」

開拓者(最悪、俺が誘拐したことにされる気がする!)

姫「問題ありませんでござるの。分身を残してきましたから」

姫「ではわらわはお先に家に入らせていただきますわね。ニン!」

船員「ひ、姫!? どういうことだよ開拓者さん!」

開拓者「あとで説明する……」
306 : ◆CpUz7d.S3o [saga]:2020/07/25(土) 19:26:39.67 ID:xP+SLu73o
●住民
・姫(忍者V)……国王の娘。かつては病弱だったが療養を経て立派な忍者になってしまった。スピード型近接2・工作1.5(変化の術:特殊Lvが1増える)


大学生「この方は、王様の娘さんですよね……知ってますよ」

姫「否。わらわは姫の姿に化けているだけのしがないクノイチでござる……」

家政婦「なんて強い忍者……! ぜひチームに誘いたいです」

開拓者「貴族を守るために王女に戦わせるのか……」


開拓者(姫は色素の薄い金髪の美少女で、王族らしいノーブルな雰囲気を持つ)

開拓者(が、しかし、首から下は忍装束だ……)

開拓者(写真家の言っていた出会い、最後の一人が姫ということか)


画家「王女様もこちらに住まわれるのですか……?」

船員「姫が暮らせるように準備しましょう、みんなで!」

家政婦「急ぎ、調度品を揃えに行って参ります」

姫「みな、堅苦しゅうござる!」

姫「わらわのことは一人の居候の忍者として接しなさい、でござる」

開拓者「わ、分かった」

開拓者(普通に接しろと言われても失礼なことは言えないしな……面倒な客人であることに変わりはない)
307 : ◆CpUz7d.S3o [saga]:2020/07/25(土) 19:34:13.79 ID:xP+SLu73o
1週目結果

画家 26歳 #カントリー 交流0(初期値)→★★
1.緑の町から来た気弱な女性。他の参加者の優秀さに気おくれしている。

生産者 30歳 #ノスタルジック 交流★★(初期値)→★★★
1.20年ぶりに再会した開拓者の妹分。村の農業などを支援する仕事をしている。

家政婦 25歳 #ナチュラル 交流★
1.湖畔の楽園から来たメイド。あまり自分のことを語りたがらない。

姫 16歳 #ノーブル 交流★
1.国王の娘。かつては病弱だったが療養を経て立派な忍者になってしまった。

大学生 22歳 #クール 交流★(初期値)→★★
1.学問の都から来た品のいい青年。旅行が趣味であり、町を作る開拓者に憧れを抱いている。

船員 29歳 #エネルギッシュ 交流★★★★★
1.癒しの花園で働く船乗りの男。開拓地を転々とする開拓者にとって数少ない友人である。


※目標について※
船員は前回の開拓でも交流しているため、最初から交流が★5個分溜まっています。
開拓者が恋人を作るには彼の★の数を超える必要があります。
複数人が超えていた場合、もっとも高い人物のエンディングになります。
★が同数の場合、どうにかします。


〜住民の声〜
画家「みなさん、気を使っていただきありがとうございます……」
大学生「あの開拓者さんと生産者さんから学べるなんて夢みたいですよ」
308 : ◆CpUz7d.S3o [saga]:2020/07/25(土) 19:49:19.84 ID:xP+SLu73o
2週目

●住民
・船員……交流★★★★★
・大学生……交流★★
・画家……交流★★
・生産者……交流★★★
・家政婦……交流★
・姫……交流★


2週目前半。

船員「リフォーム大作戦だ!」

開拓者「何? 俺の作った家にケチをつけるのか?」

船員「いや、家自体は悪くないんだけど、内装はもっとオシャレになると思うんだよ」

家政婦「あたしの買ってきた家具に問題があるんですか?」

画家「もしかして私のセンスが悪い……?」

船員「だからそういう事じゃないんだって!」

大学生「今日はみんなで工作して、暮らしに彩りを与えようっていう企画です」

生産者「DIYってやつだね〜」

姫「材料にどこにあるのでござるかしら?」

船員「……やべぇ」

家政婦「仕方ありませんね……。材料調達から始めましょう」

開拓者「俺にとってはいつも通りだな」
309 : ◆CpUz7d.S3o [saga]:2020/07/25(土) 19:56:35.69 ID:xP+SLu73o
開拓者(家政婦は林に木材の調達に向かった)

開拓者(画家はテーブル作りに挑戦している)

開拓者(生産者と大学生は庭先で石を積み上げている。窯作りか?)

開拓者(姫は……一体、何を作っているんだ?)

開拓者(船員は町へ釘などを買い足しに行ったため、島を留守にしている)


1.家政婦の手伝いをする
2.画家のサポートをする
3.生産者と大学生の作業に加わる
4.姫の様子を見る

安価↓2選択
310 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/07/25(土) 19:57:17.40 ID:u7602rex0
311 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/07/25(土) 19:57:34.92 ID:FMwIaEIe0
2
312 : ◆CpUz7d.S3o [saga]:2020/07/25(土) 20:19:49.70 ID:xP+SLu73o
画家「……」トントン

開拓者(画家は集中して釘を打っている。だがその手つきは危なっかしい)

開拓者(生産者も家政婦もいない今、俺が見ていなければ)

画家「ふぅ……」

開拓者「がんばってるな」

画家「開拓者さん。ご自分のDIYの方はいいんですか?」

開拓者「俺は日ごろからいろいろ作っているからな」

画家「開拓者さんから見て、私の動き、合ってましたか?」

開拓者「初心者にしてはかなり上手いと思うぞ」

画家「そ、そうですか?」

開拓者「本当だ。だが少し、ケガのリスクが高い持ち方をしていたのが気になった」

画家「ええっ」

開拓者「画家は指が大事だろう? 正しい持ち方をした方がいい」

画家「で、でしたら教えてください」

開拓者は画家の後ろから手を握り、指を打ちにくい持ち方と姿勢を教えた。

開拓者「材料をしっかり固定することが大事だ。あとは力の加減も大事だぞ」

画家「は、はいぃ……」

開拓者「どうした?」

画家「ちょっと……暑いです」

開拓者「おっと、すまん。密着しすぎてしまったな……」

画家「い、いえ! 教えてくれてありがとうございました」

画家「さすが開拓者さんです。私、なんだか上手くなったような気がします!」

開拓者「そ、そうか。良かった」

画家「は、はい」

二人はそわそわしながらテーブルを作った。

開拓者(画家との仲が深まった、か? 嫌われてなければいいのだが……)
313 : ◆CpUz7d.S3o [saga]:2020/07/25(土) 20:25:50.77 ID:xP+SLu73o
生産者「お皿を焼いたよ〜」

大学生「俺のは割れちゃいました……」

家政婦「木材、余りましたね」

船員「玄関先の丸太の山、あれ全部家政婦ちゃんが伐ったのか……?」

画家「このテーブル、少しガタガタしますね……」

開拓者「手作りの証拠だ。気になるならあとで調整しておくぞ」

姫「」

開拓者「ところで姫は何を作ったんだ?」

姫「残念でしたわね! それは今しがた作った身代わりでござる!」

画家「あれっ、本当だ!」

船員「やべぇ、どう見ても偽物なのに意識の外にあって気づかなかった……!」
314 : ◆CpUz7d.S3o [saga]:2020/07/25(土) 20:38:32.83 ID:xP+SLu73o
2週目、後半。

開拓者「―――というわけで、大学の仕事と屋敷の警備の仕事は昨日で終わった」

船員「家政婦ちゃんは昨日の夜帰ってきたけど、開拓者さんは何してたんだ?」

開拓者「別の仕事だ」

船員「まだ仕事があったのか……!」

開拓者「まあ、あと一つか二つだ。大した負担じゃない」

船員「話を聞いてると、開拓者さんって結構頻繁に危ない目にあってるよな」

開拓者「ああ」

船員「開拓者さんの嫁になる女性は只者じゃないんだろうな……」

開拓者「どうしてそうなる?」

船員「単純に、開拓者さんが何の変哲もない人と結婚するとは思えないというのもあるけど、」

開拓者「心外だな」

船員「開拓についていける女性は心身ともにタフなんだろうなってさ」

開拓者「それは俺も考えていた。万が一の時、俺には妻を守り切れる自信が無いからな」

開拓者「無理そうなら町に残ってもらおうと思っている」

船員「まあ、それが現実的だよな」

開拓者「さびしい思いをさせてしまうがな……」
315 : ◆CpUz7d.S3o [saga]:2020/07/25(土) 20:40:40.83 ID:xP+SLu73o
開拓者「ふう、すっかり帰りが遅くなってしまった」

開拓者「ん? リビングの灯りがついている」


開拓者の帰りを待っていたのは

1.画家
2.生産者
3.家政婦
4.姫と大学生

安価↓2選択
316 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/07/25(土) 20:42:47.70 ID:5nkrdN930

317 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/07/25(土) 20:43:31.63 ID:fXbgZETDO
4
318 : ◆CpUz7d.S3o [saga]:2020/07/25(土) 21:08:57.60 ID:xP+SLu73o
開拓者「ただいま。おや、珍しい組み合わせだな」

大学生「おかえりです」

姫「ニン」

大学生「あいさつをニンで済ませるんすか?」

姫「ニンニン」

大学生「ニンは一回!」

開拓者「ずいぶん打ち解けたんだな……」

大学生「姫さん面白いんですよ。王族とは思えないくらい」

大学生「本当は姫を自称しているだけの忍者じゃないんですか?」

開拓者「残念ながら忍者を自称している本物の姫なんだ」

大学生「とにかく楽しい人なので、ついこんな時間まで話し込んでしまいましたよ」

姫「夜は忍びの時間よ。まだ余裕ですわ。ふわぁ……」

開拓者「眠気で喋り方が戻ってるぞ」

大学生「忍者とか結構好きなんで、東洋にも旅行してみたいんですけどね」

姫「わたくしも一度は行きたい、忍びの総本山!」

開拓者「あっちは情勢が危ないからな……」

開拓者「もともと忍者が王国にやってきたのも、忍者の里が滅ぼされたからだと言っていたな」

姫「あっ、そうですわ! おじさまはフリーの開拓者でしたわね!」

姫「開拓者よ。東の地に忍びの里を作って参れ!(低音)」

開拓者「お断りします」

姫「危険は承知よ。立ちふさがる敵は皆わたくしが倒しますわ!」

大学生「おー、姫さんカッコいいっす!」

開拓者「無茶だと思うがな……」

三人は夜遅くまで忍者トークをして過ごした。
319 : ◆CpUz7d.S3o [saga]:2020/07/25(土) 21:11:08.73 ID:xP+SLu73o
船員「よう、友人。聞いて驚け」

船員「実は俺……デートしたんだ!」

開拓者「何!? 誰とだ!?」

船員「……ダイくんと」

開拓者「……男か」

船員「それが案外楽しかったんだ。湾岸要塞に行ってな、二人で軍艦を見てきた」

開拓者「女ウケしない場所だな」

船員「つまり何が言いたいかというと、女の子とデートするなら女の子が喜びそうな町がいいぜ」

開拓者「何を当たり前のことを」
320 : ◆CpUz7d.S3o [saga]:2020/07/25(土) 21:13:27.30 ID:xP+SLu73o
開拓者(俺は仕事柄、女性が楽しめそうな町にたくさんの心当たりがある)

開拓者(これは大きなアドバンテージなのではないか?)

開拓者(勇気を出してデートに誘ってみよう)

開拓者(……女性を誘うのにわざわざ勇気を出す年齢ではないな)


1.花畑島
2.湖畔の楽園
3.フォトジェニックな町

安価↓2 行き先選択


A.画家
B.生産者
C.家政婦
D.姫

安価↓4 誘う相手選択(デートは女性しか誘えません)
321 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2020/07/25(土) 21:15:10.07 ID:5nkrdN93o
322 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/07/25(土) 21:15:23.15 ID:m8C4MArM0
3
323 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/07/25(土) 21:16:48.42 ID:u7602rex0
324 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/07/25(土) 21:16:52.99 ID:fXbgZETDO
A
325 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/07/25(土) 21:16:55.65 ID:5nkrdN930
B
326 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/07/25(土) 21:17:05.64 ID:wJj66SRQ0
C
327 : ◆CpUz7d.S3o [saga]:2020/07/25(土) 23:04:22.12 ID:xP+SLu73o
開拓者「なあ画家、ちょっと話があるんだが」

画家「な、なんですか? 私が何か……」

開拓者「いや、別に何かを注意するわけじゃない」

開拓者「俺は最近、『絵になる町』を作ったんだ」

開拓者「もし良かったら、その町に遊びに行かないか?」

画家「私と、ですか?」

開拓者「俺と二人じゃ嫌か?」

画家「いえ、そんなこと無いです。行きましょう!」


フォトジェニックな町は二週間と少し前に、城塞の都のはずれに作られた新しい人気観光地だ。

都会人の理想とする、動物とのふれあい、田舎のごちそう、田園風景などが楽しめる。

若い写真家が旗振り役になったことで、写真撮影をメインにした観光客が数多い。


画家「わぁ、素敵な町……! 町……?」

開拓者「町としてはまだ開発中だな」

画家「すごいです……これを一人で?」

開拓者「一人ではないが、たしか4人くらいだったか」

画家「早速スケッチしてもいいですか?」

開拓者「絵になるスポットは田園だけじゃないんだ。まずは見てまわ」

コック「いらっしゃいませー!!! 新商品、ナットーナンはいかがですかー!!??」

開拓者「声がでかい!」

コック「って、開拓者さんじゃないですか! 後ろの方は彼女さんですか?」

画家「い、いえ」

開拓者「彼女は俺の仕事仲間だ。お前と似たようなものだ」

開拓者「で、ナットーナンってなんだ?」

コック「ゆでタコの納豆詰めの中身をレッドナンの中に詰めてみたんです。味見どうぞ!」

画家「ん。変わったお味……」

開拓者「無理しなくていいぞ。こいつの作る料理のうち半分はハズレなんだ」
328 : ◆CpUz7d.S3o [saga]:2020/07/25(土) 23:22:09.70 ID:xP+SLu73o
開拓者と画家は絵になる風景を見て回った。

画家「この教会の下描きに着色してみます」

開拓者「完成が楽しみだな」

写真家「あれ? 絵を描いてる人がいる。写真の方が早いのに」

画家「……」ピクッ

写真家「あっ、開拓者さん! 来るのが早かったですね」

開拓者「いや、今日は開拓に来たわけじゃないんだ」

写真家「ああ、デートですか」

写真家「ほら、アタシの予言した通り! カントリーでセンチメンタルな可愛いお姉さんと出会いましたね!」

開拓者「センチメンタルなのか?」

写真家「はい、雰囲気に出てます。そういえばセンチメンタルとノスタルジックはやっぱり別々ですね」

開拓者「ほらみろ」

写真家「はじめまして。アタシはインスタント・フォトグラファー。インスタントカメラでエモーショナルな写真を撮る写真家です!」

パシャッ ジー

写真家「お近づきのしるしに、どうぞ」

画家「いりません。ただの写真じゃないですか」

写真家「んっ?」ピクッ

画家「私は画家です。特に風景画と静物画、人物画をよく描きます」

写真家「画家さんでしたか。でもこの時代に風景画は流行らないと思いますよ」

画家「絵は芸術作品です……。そのまま切り取っただけの写真なんかと一緒にしないでください」

写真家「写真は芸術じゃないだなんて古臭いですねー。美しい風景はそのままで美しいんですよ」

コック「あわわ……バチバチだ」

開拓者「お前はなぜついてきたんだ?」
329 : ◆CpUz7d.S3o [saga]:2020/07/25(土) 23:37:08.23 ID:xP+SLu73o
画家「写真家さんは属性を知ってますか?」

写真家「はい、知ってますけど? あなたこそ知ってるんですか?」

画家「この教会の属性は?」

写真家「エレガント。なんですか、このテスト?」

画家「時間さえあれば、写真よりもエレガントな絵を描けます」

写真家「それって捏造ですよね? 時間をかけていいならアタシもベストショットが出せますよ」

写真家「開拓者さんは写真と絵、どちらが好きですか?」

開拓者(俺に振るのか……)

開拓者「どちらにもいい所はある……が、俺は画家の方が好きだな」

画家「……!」パァッ

写真家「えー。納得できない」

開拓者「……そうだ、写真家。貯水池の写真を持っているか?」

写真家「ありますけど」スッ

開拓者「なあ、画家。この場所をホラーな雰囲気で描いてみてくれ」

画家「ホラーですか……。苦手ですけど、やってみます」


開拓者(俺の予想通りだった。写真では『言われてみれば…』程度だった、貯水池のダークな雰囲気を画家は見事に強調してみせた)

開拓者(半分まで描いたところで、画家は怖くなって筆を止めた)

画家「も、もう無理です……」

開拓者「この貯水池は俺も近づけない……」

写真家「ひいっ」

開拓者「時間をかけてもこの恐怖は撮れないんじゃないか?」

写真家「認めましょう……。絵には絵の良さがあります!」

画家「やったっ……」


開拓者(画家は帰りも機嫌が良かった。やはり写真をライバル視しているようだ)
330 : ◆CpUz7d.S3o [saga]:2020/07/25(土) 23:44:00.32 ID:xP+SLu73o
2週目結果

画家 26歳 #カントリー 交流★★→★★★★
1.緑の町から来た気弱な女性。他の参加者の優秀さに気おくれしている。
2.写真家に対抗意識を燃やし、いつになく積極性を見せた。

生産者 30歳 #ノスタルジック 交流★★★
1.20年ぶりに再会した開拓者の妹分。村の農業などを支援する仕事をしている。

家政婦 25歳 #ナチュラル 交流★
1.湖畔の楽園から来たメイド。あまり自分のことを語りたがらない。

姫 16歳 #ノーブル 交流★→★★
1.国王の娘。かつては病弱だったが療養を経て立派な忍者になってしまった。
2.もともと体が弱かったためか、手に入れた自分の強さにやや酔っているようだ。

大学生 22歳 #クール 交流★★→★★★
1.学問の都から来た品のいい青年。旅行が趣味であり、町を作る開拓者に憧れを抱いている。

船員 29歳 #エネルギッシュ 交流★★★★★
1.癒しの花園で働く船乗りの男。開拓地を転々とする開拓者にとって数少ない友人である。
2.船員らしく船が好き。大学生と二人で軍艦を見に行きテンションが上がったという。


〜住民の声〜
画家「ごめんなさい、私、動物は触れないので描くだけにします……」
姫「ダイさんを忍者修行にお誘いしたら、やんわり断られましたでござるわ」
331 : ◆CpUz7d.S3o [saga]:2020/07/25(土) 23:52:47.35 ID:xP+SLu73o
3週目

●住民
・船員……交流★★★★★
・大学生……交流★★★
・画家……交流★★★★
・生産者……交流★★★
・家政婦……交流★
・姫……交流★★


船員「釣り大会しようぜ!」

姫「セインさんが勝つための提案でござるじゃない!」

開拓者「恥ずかしくないのか?」

船員「何かみんなでレクリエーションしたいと思って考えたんだよ」

船員「この島で他にできることがあるか?」

生産者「それ、エソラちゃんが参加できないよ」

大学生「魚もダメですか?」

画家「生きてなければ……」

開拓者「ダメだな。では大会は中止ということで」

画家「だ、大丈夫です。私は調理を担当するので、みなさんで楽しんでください」

家政婦「ここはお言葉に甘えましょうか?」

大学生「そうですね」

家政婦「魚が多いときはあたしも手伝うので、遠慮なく呼んでください」
332 : ◆CpUz7d.S3o [saga]:2020/07/25(土) 23:58:58.99 ID:xP+SLu73o
開拓者(生産者と船員は船に乗って沖で大物を狙うようだ)

開拓者(仲のいい姫と大学生は二人並んで釣るようだ。歳が比較的近いというのもあるのだろうな)

開拓者(家政婦は、画家が手持ち無沙汰にならないよう、最初は釣れたらすぐに家に持っていくらしい)

開拓者(画家は家の中で魚を待っている)


1.生産者と船員の沖釣りに参加する
2.姫と大学生と一緒に行動する
3.家政婦と並んで釣る
4.あえて一人で釣る

安価↓2選択
333 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2020/07/26(日) 00:02:35.82 ID:c4MnYVvSo
1
334 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/07/26(日) 00:02:57.72 ID:rZ2OEdLP0
3
335 : ◆CpUz7d.S3o [saga]:2020/07/26(日) 21:33:25.96 ID:l2cq8O86o
開拓者「隣いいか?」

家政婦「いいですけど、ここ、釣れませんよ。場所を変えようと思ってました」

開拓者「そうか。ならば俺がいい場所を探してやろう」

家政婦「急ぎましょう。エソラさんを待たせてますし」


二人は島の沿岸を周り、釣る場所を探す。

開拓者「……お前と二人きりになるタイミングが意外と無かったな」

家政婦「あたしに聞きたいことがあるんですよね」

開拓者「気づいていたか」

家政婦「自分のことを話していない自覚はあります」

家政婦「質問いいですよ。一つだけなら何でも正直に答えますよ」

開拓者「一つか……」

開拓者「では、お前がこの開拓に参加した理由はなんだ?」

家政婦「え、動機?」

家政婦「そんなことでいいんですか? 一つですよ?」

開拓者「正直に言うと、いろいろ気になっていることは多いが、あまり話したくないことなんだろう」

開拓者「もうしばらく共同生活を続ける以上、無理に聞き出して空気を悪くしたくない」

家政婦「気が利きますね」

開拓者「まあな。最近は特に心掛けているぞ」

家政婦「……あたしが開拓に参加した理由は、仕えたい人を見つけられるかもしれないと思ったからです」

開拓者「なるほど、あの貴族は失格か」

家政婦「当たり前じゃないですか……」
336 : ◆CpUz7d.S3o [saga]:2020/07/26(日) 21:36:55.31 ID:l2cq8O86o
開拓者「しかし、湖畔の町のメイド派遣サービスにいるのなら、顧客は絶えないんじゃないか?」

家政婦「大抵、一泊二日の観光客向けの貸し出しなんです」

家政婦「特に、あたしはB級メイドなので、中長期の仕事はあまりないんですよ」

開拓者「A級メイドは、あの人間味の無いお世話ロボットみたいなメイドたちか……」

家政婦「C級以下はカフェで働くか、戦闘訓練をしていますね」

開拓者「お前は仕えるならどんな人がいいんだ?」

家政婦「長く仕えられる人がいいですね」

家政婦「過去に仕えた人と対立する羽目は、もうゴメンですから……」

開拓者「おっ、そこの岩礁がいいんじゃないか。魚から姿を隠せる」

家政婦「あの……槍はありませんか?」

開拓者「槍?」

家政婦「海に入って魚を突いてこようかと」

開拓者「危ないし、使うなら槍じゃなくモリだ……」

開拓者(家政婦は魚を何匹か手づかみで捕獲すると、急いで画家のもとへ持っていった)

開拓者(画家を待たせたくないと言っていたが、ずぶ濡れで帰ると気を遣わせるだろ……)


船員「大漁大漁っ!!」

生産者「マグロ釣ってきたよ〜」

大学生「さすが、プロはスケールが違います」

姫「わらわとダイさんのサバが小魚に見えるでござるものね」

画家「こんな大きな魚、どこから手を付ければ……」

家政婦「あたしがやりますよ」スッ

生産者「お〜、上手〜」

開拓者「刃物を使わせたら右に出る者はいないな」
337 : ◆CpUz7d.S3o [saga]:2020/07/26(日) 21:47:50.17 ID:l2cq8O86o
3週目後半。

開拓者「雨か……外で作業はできんな」

開拓者「大学生以外、私用で出払っているから家も静かだ……」

開拓者「ん? お前も残っていたのか」


リビングにいたのは

1.画家
2.家政婦と大学生
3.姫
4.生産者

安価↓2選択
338 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/07/26(日) 21:51:34.99 ID:uJfleNiI0
3
339 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/07/26(日) 21:55:25.46 ID:bgN09Zxa0
1
340 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2020/07/26(日) 21:57:51.16 ID:c4MnYVvSo
4
341 : ◆CpUz7d.S3o [saga]:2020/07/26(日) 23:26:17.99 ID:l2cq8O86o
開拓者「今日は花畑島にスケッチに行くんじゃなかったか?」

画家「この天気ですから……」

開拓者「やめておいて正解だな」

画家「開拓者さんは、雨は嫌いですか?」

開拓者「そうでもないな。どちらかというと日照りの方が困る」

画家「植物が枯れちゃうからですね」

開拓者「ああ。そういう地域の開拓はなかなか大変だ」

画家「やっぱり、いろんな環境の土地に行くんですね」

開拓者「そうだな。放っておいても町ができるような土地を開拓する機会はあまりない」

開拓者「砂漠、雪山、熱帯雨林、そうした極端な気候の土地に行かされることが多いな」

画家「きっと、素敵な景色が広がってるんでしょうね……楽しそう」

画家「あっ、ごめんなさい。楽しそうだなんて、大変な仕事なのに……」

開拓者「いや、楽しいぞ。俺も楽しくなければこんなキツくて割に合わない仕事はしていない」

画家「みなさん、自分の仕事に誇りを持っているんですね」

開拓者「お前は好きで絵を描いているんじゃないのか?」

画家「私は……プロじゃないんです。好きなだけなんです」

開拓者「何? そうだったのか、そんなに上手いのに意外だな」

画家「上手い人はいっぱいいますから、絵画の世界で活躍できるのは一握り……」

開拓者「聞いたことはあるな。美術展に作品を出し、画商に目をつけてもらい、初めてプロとしての仕事が生まれると」
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