開拓者「安価で町などを作る」

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342 : ◆CpUz7d.S3o [saga]:2020/07/26(日) 23:29:23.35 ID:l2cq8O86o
画家「私も、もう26歳です」

画家「そろそろ夢を諦めて……結婚するか、父と兄の仕事を助けるか……しないといけません」

画家「私、この開拓に参加すれば、畑仕事に慣れたり、動物を克服できたり……」

画家「あわよくば、素敵な男性に出会えるかもと思ってたんです……」

画家「何言ってるんだろう、私」

画家「……ふ、不純ですよね。開拓を汚して、ごめんなさい」

開拓者「不純なものか」

開拓者「俺だって似たような理由でここにいるんだからな」

画家「えっ……?」

開拓者「この島の開拓は俺には役不足だ。目的は開拓ではなく、コミュニケーションにある」

開拓者「結果、妹と再会できたし、俺を慕っているらしい若者にも会えた」

開拓者「せっかく縁ができたんだ」

開拓者「お前が今後どうしたいのかは分からないが、俺にできることなら協力するから、遠慮なく頼ってくれ」

画家「……ありがとうございます」

画家「で、でしたら……あの…………。…………」ソワソワ

開拓者「……」

画家「わ、私と…………」

開拓者「……」

ガチャッ

船員「ただいまー!」

画家「ひゃっ!?」ビクン

船員「いやー、やっと雨やんだな!」

開拓者「貴様ぁ!」

船員「ど、どうした友人! らしくない剣幕だぞ!?」

画家「ほっ……」
343 : ◆CpUz7d.S3o [saga]:2020/07/26(日) 23:31:36.33 ID:l2cq8O86o
ある日。

生産者「ただいま〜」

画家「楽しかったー」

大学生「ん? おかえりなさい」

家政婦「お土産です。どうぞ」

開拓者「トウモロコシ? どこに行っていたんだ」

家政婦「スイートコーンの村です」

画家「生産者さんのお誘いで、女子会をしたんですよ」

生産者「わたしが作った自慢の村を紹介できて良かったよ〜」

大学生「えー、いいっすね。俺も誘って欲しかったです」

開拓者「女子会だって言ってただろ」

開拓者「姫は誘わなかったのか?」

生産者「列車に忍者がいたって言って、途中で飛び降りちゃった」

開拓者「無事なのか……?」

スタッ

姫「この通り、無事ですわ!」

画家「よ、よかった……心配したんですよ!」

大学生「天井に穴が……」

開拓者「いつの間にか忍者屋敷に改造されている……」
344 : ◆CpUz7d.S3o [saga]:2020/07/26(日) 23:43:39.31 ID:l2cq8O86o
開拓者「自分で作った町を自慢する、か」

開拓者「したと言えばしたが、高原では姫の乱入で、先週は写真家と画家の口喧嘩で、それどころじゃなかったな」

開拓者「俺も自信のある町に誰かを連れて行ってみるか」


1.芸術と娯楽の町
2.妖怪と雪山レジャーの町
3.砂漠のカジノシティ

安価↓2 行き先選択


A.画家
B.生産者
C.家政婦
D.姫

安価↓4 誘う相手選択(デートは女性しか誘えません)
345 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/07/26(日) 23:44:44.53 ID:vvq22gSwO
3
346 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/07/26(日) 23:49:42.06 ID:bgN09Zxa0
3
347 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/07/26(日) 23:51:05.11 ID:BsQxUbRDO
348 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/07/26(日) 23:52:15.85 ID:ZRLf3EG4O
B
349 : ◆CpUz7d.S3o [saga]:2020/07/30(木) 23:15:56.66 ID:F0otELN7o
開拓者「明日、砂漠の町に行くんだが、お前も来ないか?」

生産者「いいよ〜」

開拓者「まさか二つ返事とは思わなかった」

生産者「暇だからね〜」


開拓者と生産者は、共同生活を営む牧場島から遠く離れた、国境に近い砂漠にやってきた。

二人は鉄道馬車に乗っていた。馬車を引いているのはラクダだ。

開拓者「砂漠の町は1、2年前に俺が作った町でな」

開拓者「それ以来、一度も訪れていなかった。久しぶりに様子を見に行くついでにお前にも感想を聞こうと思ったんだ」

生産者「別に言い訳しなくてもいいよ、デートでしょ?」

開拓者「俺はそういうつもりじゃないぞ」

生産者「ん〜?」チラッ

開拓者「どうした、窓の外に何かあったか?」

生産者「広ーい農園が見えるけど、ちょっと変じゃない?」

生産者「オアシスにしては広すぎるし、地下水路で水を引いたのでも無いよね?」

生産者「なんだか気候がおかしいよ」

開拓者「よく気づいたな」

生産者「どうやったの? お兄ちゃんでも気候は変えられないと思うけど」

開拓者「冒険者が、その……超常的な存在を発見したんだ。そいつに頼んで緑化してもらった」

生産者「へ〜。その人に会いたいな〜」

開拓者「今後接触しない約束と引き換えに引き受けてくれたんだ。もう会えない」

生産者「え〜、残念」

※砂漠開拓の詳しい様子は →http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1454661413/
350 : ◆CpUz7d.S3o [saga]:2020/07/30(木) 23:19:35.99 ID:F0otELN7o
砂漠を越え、大農園の先に見えてくるのは、ピラミッドの上に備え付けられた巨大な砲台。

このランドマークは、凄腕の武道家が集まり、王国軍の駐屯地も有している砂漠の町の防衛能力の高さを誇示している。

温暖で過ごしやすくいつでもカジノを楽しめる砂漠の町は、富裕層の別荘地としても人気だ。

ついたあだ名が、世界一安全なカジノシティ。


ヒーローA「諸君! 観光は楽しんでいるかな?」

ヒーローB「お金を使いすぎないよう、くれぐれも気を付けたまえよ!」

生産者「はーい。すごいねこの町、ヒーローが見回りしてるんだ」

開拓者「彼らはまだ弱い方だぞ。この町は一般人の強さのアベレージも高い」

開拓者「どこにでもいそうな中年女性ですら、鋭い突きや蹴りを放つこともある」

生産者「あっ、見て。学校。あの動き、なんていうんだっけ?」

開拓者「四股だな。道着を着た子供たちが四股を踏んでいる」

開拓者「女の子もいるな。相撲がスポーツ化しているのか……?」

生産者「お兄ちゃんがいた頃は違ったの?」

開拓者「学校で武道を教えてはいなかったはずだ。俺が呼んだ強者たちの影響が形を変えて広がっているようだ」


開拓者「町の風景もかなり変わっているな」

生産者「高級店がいっぱいだね〜」

開拓者「開拓直後はもっと粗削りな雰囲気の町だったが、洗練されている」

開拓者「そういえば経営学を教えて、銀行も作っていたな。需要に応じて新しい事業を立ち上げる土台が整っていたわけか」

生産者「お兄ちゃん、そういう町作りもできるようになったんだ」

生産者「成長したね〜」

開拓者「当たり前だろ」
351 : ◆CpUz7d.S3o [saga]:2020/07/30(木) 23:24:54.23 ID:F0otELN7o
開拓者「さて、ではカジノに」

生産者「はいストップ」ガシッ

開拓者「何をする」

生産者「お兄ちゃんは賭け事になると勝つまでやめないタイプだから、ダメ」

開拓者「……あれから何年経ったと思っているんだ? 俺は成長したんだ」

生産者「嘘をつくときの顔してる。成長してないね〜」

開拓者「だ、だが、カジノに行かなければこの町に来た意味がない!」

生産者「カジノの周りでパフォーマンスもやってるし、バーもあるから十分楽しめるよ」

生産者「お兄ちゃんが作ったのはカジノじゃなくって町でしょ?」

開拓者「ぐっ……」

生産者「わたし、高級ホテルに泊まりたいな〜」

開拓者「カジノで遊ぶより高くつくぞ」

生産者「一緒に泊まる?」

開拓者「それは駄目だろ」

生産者「二室借りると高いじゃない」

開拓者「駄目なものは駄目だ。倫理的に」

生産者「倫理観なさそうなのに〜」


開拓者(俺たちはパフォーマンスを見たり、高い酒を飲んだり、イルミネーションを見て和やかなひと時を過ごした)

開拓者(その結果……)

生産者「もーあるけない〜〜」

開拓者「30にもなって酔いつぶれて背負われて、みっともないな」

生産者「のみすぎた……ごめんなさい」

生産者「……お兄ちゃんの背中、なつかし〜……。いいにおい〜〜」

開拓者「加齢臭じゃないか?」

生産者「そんなことないよ〜〜」

生産者「……おもくない〜?」

開拓者「いや、全然軽いぞ」

生産者「そう〜……?」

開拓者(酒に酔ってへろへろになった妹を放っておけず、結局同室に泊まった)

開拓者(少しだけ、ドキドキしてしまった)

開拓者(しょうがないだろう……血のつながりは無いんだからな)
352 : ◆CpUz7d.S3o [saga]:2020/07/30(木) 23:31:15.28 ID:F0otELN7o
城塞の都のレストラン。

船員「男子会!!」

開拓者「なぜここなんだ」

船員「人がいないから貸し切りできるだろ」

大学生「コックさん、すいませんね」

コック「屋台よりは儲かるから大丈夫だよ!」

船員「オムビーフマウンテンと、ゆでダコの納豆詰め、それと地衣じゃがと……」

開拓者「馬鹿、頼みすぎだ! オムビーフマウンテンだけでちょうどいいぞ」

大学生「ドリンクはみんな魚介青汁でOKですか?」

開拓者「目に見えた地雷を踏むのか!?」


船員「さて……男子会を開いたのはお前らに質問があるからだ」

船員「ぶっちゃけ、みんなは誰狙いだ?」

大学生「合コンですか?」

開拓者「お前、船の上でも聞いてきただろ」

船員「気が変わってないかと思ってさ」

開拓者「俺は今のところ、変わらずに画家だな」

大学生「見てて思うんですけど、開拓者さんのそれは、恋心より親心って感じじゃないですか?」

開拓者「どういう意味だ?」

船員「俺も同感。悪いとは言わないけど、開拓者さんがエソラちゃんに一方的に与えてるだけに見えるぜ」

開拓者「俺は楽しい時間をもらっているぞ」
353 : ◆CpUz7d.S3o [saga]:2020/07/30(木) 23:36:41.63 ID:F0otELN7o
開拓者「俺は言ったからな。お前らの番だぞ」

船員「俺は生産者さんだな。一つ年上だけどおっとりして可愛いんだよなー。あとエロい」

開拓者「お前、兄の前でよくそんなことが言えたな」

大学生「保護者ですか?」

開拓者「保護者だ」


船員「最後、ダイくんは誰が好きだ?」

大学生「6人の中だと、開拓者さんですかね」

開拓者「う、うおおっ!?」ササッ

船員「だ、ダイくん。別に趣味は否定しないが、開拓者さんはゲイやオネエに強烈なトラウマがあるんだ。許してやってくれ」

大学生「ご、誤解ですって!」

大学生「そもそも俺、恋愛目当てで参加してないんですよ!」

船員「マジで?」

開拓者「そうだな……大学生くらいイケメンなら、ここで恋人を探す必要もないだろう」

船員「あー、納得。彼女いっぱいいそうだもんな」

大学生「いやいや、一人もいませんよ」

大学生「勉強に専念してるので」

船員「そういや聞いてなかったけど、ダイくんってどこ大学?」

大学生「学問の都のセントラル大学理学部、惑星環境科学科です」

開拓者「すごいことを研究しているんだな……」

大学生「まだ習ってるだけですよ。それに、勉強したいことと少し違いましたし」

船員「それ、どういうことを勉強するんだ?」

大学生「いろいろです。天文学に、気象学に、あとは岩石のことや植生のこととか」

開拓者「ほう。俺たちにも関係がある分野だな」

そして話が逸れたまま、男三人で2時間ほどお喋りを続けた。
354 : ◆CpUz7d.S3o [saga]:2020/07/30(木) 23:41:23.94 ID:F0otELN7o
3週目結果

画家 26歳 #カントリー 交流★★★★→★★★★★
1.緑の町から来た気弱な女性。他の参加者の優秀さに気おくれしている。
2.写真家に対抗意識を燃やし、いつになく積極性を見せた。
3.画家として生き続けるのを諦めかけている。開拓者に何かを頼もうとした。

生産者 30歳 #ノスタルジック 交流★★★→★★★★
1.20年ぶりに再会した開拓者の妹分。村の農業などを支援する仕事をしている。
2.今なお開拓者のことを誰よりもよく分かっている。

家政婦 25歳 #ナチュラル 交流★→★★
1.湖畔の楽園から来たメイド。あまり自分のことを語りたがらない。
2.仕えていた人と対立した過去があるらしい。

姫 16歳 #ノーブル 交流★★
1.国王の娘。かつては病弱だったが療養を経て立派な忍者になってしまった。
2.もともと体が弱かったためか、手に入れた自分の強さにやや酔っているようだ。

大学生 22歳 #クール 交流★★★
1.学問の都から来た品のいい青年。旅行が趣味であり、町を作る開拓者に憧れを抱いている。
2.現在恋人はおらず、学業に専念している。専門は惑星環境科学。

船員 29歳 #エネルギッシュ 交流★★★★★
1.癒しの花園で働く船乗りの男。開拓地を転々とする開拓者にとって数少ない友人である。
2.船員らしく船が好き。大学生と二人で軍艦を見に行きテンションが上がったという。


〜住民の声〜
家政婦「姫様とお近づきになりたいんですけど、何を話せばいいものか……」
生産者「迷惑かけてごめんね。わたし酔って変なこと言ってなかった?」
355 : ◆CpUz7d.S3o [saga]:2020/07/30(木) 23:52:16.96 ID:F0otELN7o
4週目

●住民
・船員……交流★★★★★
・大学生……交流★★★
・画家……交流★★★★★
・生産者……交流★★★★
・家政婦……交流★★
・姫……交流★★


生産者「そろそろ作物を収穫しないとね〜」

家政婦「もうですか? 早いですね」

開拓者「開拓用の特別な肥料を使っているからな。味は劣るから調理が大事だ」

船員「みんな、聞いてくれ」

画家「は、はい」

姫「ニン」

船員「明日、ダイくんの誕生日なんだ」

開拓者「ほう、知らなかったな」

船員「気を遣わせると思って黙ってたんじゃねーかな」

船員「せっかくだから俺たちでお祝いしないか?」

画家「いいですね!」

生産者「だったら、収穫したものでごちそうを作ろうか?」

家政婦「料理はあたしに任せてください!」

姫「皆、思い出に残る宴にするでござるわよ!」

開拓者「とんとん拍子で決まったな」

船員「ダイくんが帰ってくるのは明日だ。早速、準備に取り掛かろうぜ!」
356 : ◆CpUz7d.S3o [saga]:2020/07/30(木) 23:54:11.88 ID:F0otELN7o
開拓者(生産者はブドウの収穫に向かった。今日から何か作るのか?)

開拓者(家政婦はプレゼントを買いに出かけるらしい)

開拓者(画家は乳しぼりに挑戦するようだ。大丈夫か……?)

開拓者(姫と船員は室内を飾り付けている。忍者風にならないか不安だ)


1.生産者の収穫を手伝う
2.家政婦と一緒にプレゼントを選びに行く
3.画家の様子を見に行く
4.姫と船員の作業に加わる

安価↓2選択
357 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/07/30(木) 23:55:56.31 ID:XSW3o9t60
4
358 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/07/30(木) 23:56:02.35 ID:qbihHV9DO
3
359 : ◆CpUz7d.S3o [saga]:2020/07/31(金) 00:50:36.53 ID:FYEMmiQGo
牛「ブモォー」

画家「お、お邪魔しまーす……」ソローリ

開拓者「画家、大丈夫か? 生産者から聞いたぞ」

画家「あ、開拓者さん……」

開拓者「お前、動物が苦手と言っていなかったか?」

画家「はい……。恥ずかしながら、全然ダメで……」

画家「牛は私より大きいので、怖いんです」

開拓者「犬と猫はどうだ?」

画家「噛んだり引っかいたりしそうで怖いです」

開拓者「魚は噛まないぞ?」

画家「暴れるのでダメです……」

開拓者「イモムシは?」

画家「む、虫は気持ち悪いです!」

開拓者「鳥も暴れたりつついたりするから無理か」

開拓者「前から思っていたんだが、よく緑の町で生きていけたな」

画家「私もそう思います……」

開拓者「小さい頃はどうしていたんだ?」

画家「昔から、動物に触れる機会が少なかったので……」

開拓者「俺には想像ができない環境だ」

画家「開拓者さんは幼少期から開拓団にいたから慣れてるんですよね」

画家「私もそうだったら慣れたのかな……」
360 : ◆CpUz7d.S3o [saga]:2020/07/31(金) 01:09:13.08 ID:FYEMmiQGo
開拓者「そうだな。でも今からでも慣れることはできる」

開拓者「試しに牛に触ってみろ」

画家「えっ、でも……」

開拓者「何かあったら俺が、いや、何かあることはない」

開拓者は牛をポンポンと軽く叩いた。

開拓者「おとなしい牛だ。そっと触れてみろ」

画家「……はい」

ちょんっ

牛「……?」

開拓者「手のひらで」

開拓者は画家の手首を持ち、そっと牛の側面に押し付けた。

牛「……」

開拓者「そのまま撫でてみろ」

画家「ほ、本当に大丈夫ですか……?」

開拓者「牛は信じなくていい。俺を信じればいい」

画家「……はい」

牛「モー」ヌッ

牛が振り向いた。

画家「きゃあっ!」

牛「モー」サッ

怖がらせたことが分かると、牛はすぐに正面に向き直った。

開拓者「な。大丈夫だったろ」
361 : ◆CpUz7d.S3o [saga]:2020/07/31(金) 01:10:35.45 ID:FYEMmiQGo
家政婦「ただいま戻りました。……何してるんですか?」

開拓者「牛タッチだ」

家政婦「ああ、動物に慣れる訓練ですか」

開拓者「画家にとっては大きな一歩だ」

家政婦「あたしもその相談を受けたんですけどね」

開拓者「何かアドバイスしたのか?」

家政婦「魚を全然克服させてあげられなかったので、あたしの先生を紹介しようと思ったんですけど」

開拓者「メイド学校の先生か?」

家政婦「いえ、指導者と呼ばれている先生です」

開拓者「あいつか。だがあいつは今……」

家政婦「はい……。先生は今、ご都合が悪いですよね」

画家「よし、30秒。新記録……!」

生産者「乳しぼり終わった〜?」

画家「あっ」

開拓者「俺も忘れてたな……」


翌日。

船員「ハッピー、バースデー!!」

大学生「うわっ、えっ!? 俺、誕生日教えましたっけ!?」

船員「悪い。この間、レストランで手帳のカレンダーが見えてしまったんだ」

大学生「あー、仕方ないです。気を遣わせてしまいましたね」

生産者「ううん。ちょうど収穫祭をしようと思ってたところだったんだよ〜」

家政婦「誕生日パーティ用の料理に変わっただけです。お気になさらず」

開拓者「半分くらいはこの島の食材でできたケーキもあるぞ」

生産者「レーズンと牛乳とバターくらい?」

姫「わらわがクリームでダイさんを描いたでござるのよ!」

開拓者(これ、大学生を描いていたのか。驚くほど下手だ……)

画家「わ、私が搾った牛乳を使ってます」

大学生「エソラさん、牛に触れたんですか? すごい、おめでとうございます!」
362 : ◆CpUz7d.S3o [saga]:2020/07/31(金) 01:26:51.35 ID:FYEMmiQGo
家政婦「ダイさんへのプレゼントを用意しました」

大学生「開けてみていいですか?」

ガサゴソ

大学生「いいタオルのセット!」

家政婦「いくつあっても困らないと思いまして」

大学生「本当その通りです! 旅行先に持っていきますよ」

姫「わらわも用意したでござるよ。ニン!」

ガサゴソ

大学生「……忍装束?」

姫「ここに刺繍もしましたでござるわよ」

姫「ダイさんもこれを着て一緒に忍者になりなさいでござる!」

大学生「あはは、今度の旅行は高原の町でもいいかもしれませんね」

船員「あれ、ものすごいプレミアがつくんじゃ……」

生産者「急だったのによく用意できたね?」

姫「いつも人に配れるように荷物に入れてるでござるのよ」

開拓者「すまん。俺たちは用意できなかったんだ」

生産者「ごめんね〜」

船員「もっと早く言えばよかったな」

大学生「いいですよ。いつも色々してもらってますから」

画家「私、今何か描きましょうか?」

大学生「では、今度旅行に行くときについてきてもらって、俺の絵を……なんてね」

大学生「写真をもとに描いてもらうことってできます?」

画家「もちろん。では、いつか描きますね。約束です」

大学生「今日はみなさん、本当にありがとうございました」

大学生「このメンバーから祝ってもらったこと、俺、たぶん一生忘れないと思います」
363 : ◆CpUz7d.S3o [saga]:2020/07/31(金) 01:32:12.65 ID:FYEMmiQGo
早朝。

開拓者「よし、仕事の日だ」

船員「船を出す準備できたぜ。まだ仕事終わらないのか?」

開拓者「あと少しで終わる。今が正念場だ」


お弁当を片手に、開拓者を呼び止めたのは

1.画家
2.生産者
3.家政婦
4.姫

安価↓2選択
364 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2020/07/31(金) 01:34:01.03 ID:EYujv5yOo
2
365 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/07/31(金) 01:44:22.95 ID:SJqedtWjo
2
366 : ◆CpUz7d.S3o [saga]:2020/08/01(土) 20:21:03.70 ID:Swh41KkOo
生産者「おーい、開拓者〜」

船員「ん? 呼んでるぞ」

開拓者「どうした?」

生産者「今日もお仕事でしょ? はい、お弁当」

開拓者「おお。そういえば今朝からキッチンに灯りがついていたな」

開拓者「ありがとう」

生産者「苦手なものはなかったよね」

開拓者「ああ」

船員「うらやましいぜ。生産者さんってたしか名産品を使った料理のプロデュースもしてるんだろ?」

船員「絶対うまいぞ、それ」

生産者「あとで感想聞かせてね〜」


翌日。

開拓者「帰った。生産者はいるか?」

生産者「いるよー」

開拓者「弁当、すごく美味かったぞ」

生産者「腕を上げたでしょ〜」

開拓者「そりゃあな。お前、昔はなんでも丸焼きにしてただろ」

開拓者「しかし変だな。どこか懐かしい味がした」

生産者「覚えてる? 開拓団の保母のおばさん。あの人の味を研究して再現したの」

開拓者「そうか……これが俺にとっての『実家の味』だったか」

生産者「気に入ったなら、これから毎日作ってあげてもいいよ〜」

開拓者「そういう提案は俺じゃなく、将来の旦那にしてあげろよ」

生産者「ん〜。いい人いないんだよね〜」
367 : ◆CpUz7d.S3o [saga]:2020/08/01(土) 20:24:21.07 ID:Swh41KkOo
開拓者「お前も村を転々としているなら、やはり浮気されたりするのか?」

生産者「それはマシな方」

生産者「仕事の引退を迫られたこともあったし、」

生産者「わたしを村に定住させるために、誘拐して閉じ込めて、無理やり子供を作らせようとする村もあったよ〜。こわかったな〜」

開拓者「外道が。滅ぼしてやろうか……!」

生産者「お兄ちゃんこそもういい歳でしょ?」

開拓者「俺もな……王の直属の部下だから、財力があると誤解されて、金目当ての女ばかり寄ってきた」

開拓者「仕事であまり家に帰ってこないのも都合がいいんだろうな」

生産者「それで普通の恋愛ができなくなって、風俗にハマったんだね……」

開拓者「なんで知ってるんだ!!」

生産者「あれ? 当たった?」

開拓者「やられた……」


生産者「まともな人もいたけど、みんな、わたしから離れていくんだよね」

開拓者「おそらく、家庭的でおっとりした女性が好きな男は、お前の活動的で好奇心旺盛なところを快く思わないんだろうな」

生産者「でも、自分の性格を曲げてまで一緒にいられないよ」

生産者「一番波長が合う男性は、開拓者かも?」

開拓者「それは兄妹だからだろ」

生産者「血のつながった兄弟でも仲の悪い人たちはいるよ〜」

開拓者「では、俺たちは幸運だったな」

生産者「……そうかな〜」

生産者「お兄ちゃんじゃない開拓者と出会えたらよかったのにな」

開拓者「どういう意味だ……?」
368 : ◆CpUz7d.S3o [saga]:2020/08/01(土) 20:26:28.56 ID:Swh41KkOo
※現在の交流の★数

・画家……交流★×6
・生産者……交流★×5
・船員……交流★×5
・大学生……交流★★★
・家政婦……交流★★
・姫……交流★★
369 : ◆CpUz7d.S3o [saga]:2020/08/01(土) 20:28:31.35 ID:Swh41KkOo
共同生活の終わりもあと数日に迫った。

画家「1か月、あっという間でしたね……」

船員「まだ数日残ってるし、やり残したことは今のうちにやっておこうな」

大学生「一つ提案なんですけど、最後にみんなでどこかに旅行に行きませんか?」

大学生「大学だと、卒業前に仲間と卒業旅行に行くっていう文化があるんですよ」

画家「それは楽しそうですね」

姫「ちょうどいいものがあるでござるますわ! じゃん!」

開拓者「これ、開拓候補地カタログじゃないか!」

開拓者「どこから持ってきたんだ?」

姫「あら? 普通に王宮からでござるわよ」

家政婦「姫さんは顔パスですからね」

姫「いえ、窓からこっそり侵入しましたでござるけれど」

開拓者「なんてことを……」


船員「いろんな土地の情報が載ってる。面白いな」

画家「大丈夫ですか……? 見たら何かの罰を受けてしまいませんか……?」

姫「王国は開拓をやめましたから、こんなのは機密文書でもなんでもないでござるでしょう?」

生産者「むしろここにある方が自然だね〜」
370 : ◆CpUz7d.S3o [saga]:2020/08/01(土) 20:33:45.97 ID:Swh41KkOo
開拓者「気になる土地はあったか?」

画家「この、疎林と四季林で絵を描いてみたいです」

開拓者「どちらも開拓が難しい土地だな……」

家政婦「そうなんですか? 住みやすそうな風景に見えますが」

生産者「まあね〜。行ってみれば分かると思うよ〜」

生産者「あれ? 密林が残ってるのは意外だね?」

開拓者「そういえば熱帯を開拓したことは無かったな」

船員「へえ、この地峡と干拓地って土地はいい港町になりそうだな」

船員「ってこれ、運河建設も干拓もまだ計画段階なのか。やっぱり機密文書だったんじゃ……」

生産者「洞穴群だって。洞窟の中じゃ農業できないね〜」

姫「ふ、吹雪のやまない土地、北限!?」

姫「こんな場所を開拓させようとしていただなんてパパは鬼畜でござる!」

大学生「うーん、行くならこの日没浜ですね」

大学生「でも、ここってまだ町はないんですよね?」

開拓者「ああ。開拓候補地だからな」

大学生「それじゃ、旅行には向いてませんね」

姫「はっ、確かに!」
371 : ◆CpUz7d.S3o [saga]:2020/08/01(土) 20:37:50.06 ID:Swh41KkOo
開拓者(結局、安全性を考えて、旅行先は大きな都市になった)

開拓者(だが、遠くの町にも行ってみたいとは皆思っていたようだった)

開拓者(最後のデートには遠くの町を選んでみるか)


1.地衣の都
2.亜熱帯の町
3.孤島の町

安価↓2 行き先選択


A.画家
B.生産者
C.家政婦
D.姫

安価↓4 誘う相手を選択(デートは女性しか誘えません)
372 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/08/01(土) 20:38:46.83 ID:2FMVzmQ/0
3
373 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/08/01(土) 20:39:04.91 ID:z/xOhhVIO
kskst
374 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/08/01(土) 20:41:09.40 ID:YiNQ7DvsO
A
375 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/08/01(土) 20:41:19.65 ID:LjW8gUGDO
A
376 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/08/01(土) 20:43:47.80 ID:YO+H2uJI0
↓2がkskになってるみたいだから行き先安価は2で
377 : ◆CpUz7d.S3o [saga]:2020/08/02(日) 01:00:24.81 ID:vkDwoDkDo
画家「あ、あの……開拓者さん……」

開拓者「どうした、画家?」

画家「先日の件でお話が……」

開拓者「先日? 何かあったか?」

画家「私の将来について、開拓者さんはご自分を頼るようおっしゃってくださいましたよね……?」

開拓者「ん? ああ、確かに言ったぞ」

開拓者「もう日数も少ないが、何か頼みたいことがあるのか?」

画家「……はい」

画家「わ、私と……」

画家「ゴクリ…………で、デート、していただけませんか?」

開拓者「お安いご用だ」ニッ

開拓者「では、どこへ行こうか? 行き先は決まっているのか?」

画家「いいえ……」

開拓者「では、亜熱帯の町はどうだろうか?」

開拓者「俺が最近、仕事で訪れた町でな。町民の気風がよく、のんびりと観光できる町だ」

開拓者「今の季節ならそこまで暑くないはずだ」

画家「で、では、そ、そこにしましょう」

開拓者「そう緊張しなくていい」


家政婦「あんなに引っ込み思案だった彼女が自分から誘うようになるとは……」

大学生「恋は人を変えるんですね」

姫「でもなんでエソラさんがおじさまに惚れたのか分からないでござるわ」

家政婦「二人で過ごす時間が多かったのと、苦手を克服できたのが大きいのでは?」

大学生「人が誰かに恋するのに理由なんてないんじゃないですかね?」
378 : ◆CpUz7d.S3o [saga]:2020/08/02(日) 01:13:50.59 ID:vkDwoDkDo
亜熱帯の町は、サトウキビ栽培や国際的な競争のために、王国が植民地として支配していた地域の町だ。

現在は一応、本土にある町と同じ権利が与えられているものの、国の支援がほとんど無く様々な面で発展が遅れている。

交通の便の悪さもその一つだ。

亜熱帯の町への移動には、実際の距離以上に時間がかかる。


船内。

画家「思ったより遠いですね……」

開拓者「すまんな。ただ、遠いからこそ気候が違うし、珍しいものもみられる」

開拓者「野生の植物も、料理も、人の服装も違うぞ」

画家「楽しみです。画用紙は多めに持参しました」

開拓者「最後の旅行に間に合わせないといけないから、思う存分描く時間はないかもしれない」

画家「大丈夫。下描きだけちゃんと描いて、着色は記憶を頼りにします」


町に到着した開拓者たちはまず町長を訪ねた。

町長「またいらっしゃっていただき光栄です」

町長「お連れの女性は?」

開拓者「今、別の仕事で、6人で同じ家に住んでいるんだ」

開拓者「今日は二人で観光に来た」

画家「素敵な町ですね。活気があって、私みたいなよそ者にも親切で、温かい町です」

画家「特にあのサトウキビ畑、ぜひキャンバスに収めたいです」

開拓者「町長……悪気はないんだ」

町長「いえ、客人が喜ぶのならなんでも構いませんよ」

画家「えっ? 私、何かまずいことを……」

開拓者「ああ、この町は好きでサトウキビ栽培を始めたわけじゃないんだ」

町長「今でも町を支える産業の一つです。気を悪くしてはいませんよ」
379 : ◆CpUz7d.S3o [saga]:2020/08/02(日) 01:25:00.20 ID:vkDwoDkDo
町長に頼んで宿を確保した二人は、まっすぐ大学へと向かった。

開拓者「2週間前と様子は変わっていないな」

画家「亜熱帯総合大学? なぜ大学へ?」

開拓者「ここの学食が美味いんだ」


画家「あっ、この炒め物美味しい」

開拓者「だろう。このメニューには俺は関わっていないからな。純粋にこの町の食文化のレベルの高さがうかがえる」

画家「このメニューには、ですか?」

開拓者「そういえば言っていなかったか。この大学の建築には俺が関わっている」

画家「そ、そうだったんですか!? そっか、ここが……」

画家「絵になる町を作ったのもすごいですけど、この大学もすごい仕事です」

開拓者「いや、まあ、普段はもっと大きな町を作っているわけなんだが……」

画家「そうでした!」

開拓者「お前の住んでいる緑の町も、俺が作った町だしな」

画家「えっ、それは初耳です……!」

開拓者「言ってなかったか?」

画家「私は聞いてませんよ! と、ということは私はずっと前から開拓者さんのお世話になっていたんですね」

画家「不自由なく生活できるのも、絵を描いていられたのも開拓者さんのおかげ……」

開拓者「それは大げさだ」

開拓者「俺が世話するのは苗を植えるところまで。それを枯らすも大樹に育てるも、町民の働き次第だ」

開拓者「感謝するべきは、お前のご両親、そして身の回りの人々に対してだな」
380 : ◆CpUz7d.S3o [saga]:2020/08/02(日) 01:29:08.86 ID:vkDwoDkDo
開拓者「大学の事務局にも絵が飾られているんだな」

開拓者「画家に会ってから、絵を気に留めるようになった」

画家「興味を持ってくれて、私もうれしいで…す………あれ?」

開拓者「この絵がどうかしたのか?」

画家「うそ……。そんなわけ……」

画家「これ、私が描いた絵です……」

開拓者「な、何? よく似た絵ではないのか?」

画家「間違いないです。どうして知らない町に……?」

開拓者「心当たりはないのか?」

画家「……帰ったら父に聞いてみます。何か知っているかも」

開拓者「な、なんか妙な展開になってきたな……」


ほのぼのとするどころでは無くなってしまった開拓者たちだが、気を取り直して、町の各地で絵を描いたり、タピオカを飲んだりしながら、他愛もないおしゃべりをした。

開拓者「この町は夜景が明るくない分、星がきれいに見えるな」

開拓者「絵に描くのは、暗いから無理か」

画家「はい。でも、綺麗な景色は、見るだけでも楽しめます」

開拓者「それもそうか」

画家「……。開拓者さんは、本当にすごい人です」

開拓者「あらためてどうした?」

画家「素直にそう思っただけです。開拓者さんは、時代に名を残す傑物です。……私とは、比較できないほどに」

開拓者「そうだ。俺は客観的に見て、とても優れた仕事をしてきた男だ」

開拓者「だが、そんなに褒めちぎってくれるのはお前と町長くらいだ……」

画家「ええ? みなさん、見る目がないですね」

開拓者「そうだな。だから珍しくこうして褒められるととても嬉しい」
381 : ◆CpUz7d.S3o [saga]:2020/08/02(日) 01:35:37.76 ID:vkDwoDkDo
開拓者「しかし、一つだけ訂正させてもらおう」

開拓者「前にも言ったが、自分を卑下するな。お前にはお前の長所がある」

画家「……はい」

開拓者「……。少なくとも俺は、お前を下には見ていない」

開拓者「俺に気を遣う必要はないんだ。無理に褒めちぎらなくていいんだぞ」

画家「ち、違います! 私が、開拓者さんをすごいと思っているのは本当で……」

画家「でも、だからこそ、私は……」

開拓者「気を遣っているのか」

画家「だめですか……?」

開拓者「本当に俺のことを考えてくれるのなら、壁を作らないで欲しいがな」


画家(二人きりになれるのはこれが最後かもしれない)

画家「だ、だったら、今、はっきり言います」

画家「分不相応なのはわかっていますけれど……」

画家「わ、私は、開拓者さんの事が好きです」

画家「男女のお付き合いが、したい、です……」

画家「……」

開拓者「そうか……」

開拓者は画家をそっと抱き寄せた。

開拓者「俺もだ」

そして、口づけを交わした。
382 : ◆CpUz7d.S3o [saga]:2020/08/02(日) 01:39:31.94 ID:vkDwoDkDo
恋人ができました!

称号:10歳差の初々しい二人 〜 自信のない恋心

●恋人
・画家……交流★×7

●住民
・船員……交流★★★★★
・大学生……交流★★★
・生産者……交流★★★★★
・家政婦……交流★★
・姫……交流★★



開拓者「俺は、お前の世話を焼きすぎたかもしれないな」

開拓者「自分でも、これが恋心なのか、親心なのかわからなくなってしまった」

画家「恋心で、あって欲しいです」

開拓者「俺はそれを確かめたい」

画家「……それなら、私が、開拓者さんに、私を好きにさせてみせます」

開拓者「期待しているぞ」
383 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/08/02(日) 01:45:18.01 ID:XOsdjuI1O
えんだあああ
384 : ◆CpUz7d.S3o [saga]:2020/08/02(日) 01:45:57.26 ID:vkDwoDkDo
二人は牧場島へ帰った。

画家「間に合ったかな……?」

家政婦「はい。出発は明日ですね」

開拓者「結局、どこに行くことに決まったんだ?」

大学生「ここから一番近い大都市ということで、日光林州の州都です」

船員「そこってどんな町だったっけな」


王都から7時の方角にある日光林州は温暖な地方であり、開拓者が最後に作った町である癒しの花園と、今いる牧場島もこの州に位置している。

そんな日光林州の州都は……

『◎◇の都』と呼ばれている。


安価↓1 ◎に入る文字

安価↓2 ◇に入る文字
385 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2020/08/02(日) 01:46:48.18 ID:CB8vOthxo
386 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/08/02(日) 01:51:30.75 ID:fIqiFout0
387 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/08/02(日) 07:46:49.78 ID:ajpe/4hu0
乙乙
388 : ◆CpUz7d.S3o [saga]:2020/08/02(日) 23:40:31.80 ID:vkDwoDkDo
日光林州の州都は、かつてこの土地が王国では無かったころの、今は無き国の首都として栄えた歴史のある大都市だ。

しかし現在、州都の中では経済力、人口ともに下から数えた方が早い。

その主な理由は台地の上という町の立地の悪さである。

大昔は交通の要衝であったものの、今では海沿いの道もしくは海路の方が利便性が高くなってしまったのだ。


大学生「主産業は農業、鉄鋼、観光」

大学生「年中温暖で過ごしやすい気候から、『常春の都』と呼ばれています」

生産者「コーヒー豆やお茶の葉の生産量が多い州で、近くに喫茶の町もあるよ〜」

開拓者「この地域はあまり開拓に来たことが無いな」

大学生「州全体としてはそれなりに栄えているんですよ」

大学生「あまり競争を好まない気風も影響していると言われてますね」

姫「一年中、春だなんて、不思議でござるわね?」

大学生「この辺りは、冬は温暖で、夏は雨が多くて暑い気候なんですけど、」

大学生「常春の町は標高が高いので、夏も気温が上がりにくいんです」

船員「さすがは現役の惑星環境学科だな」

画家「どこかから音楽が聞こえる……」

大学生「常春の都といえば音楽と芸術。王国の支配下に入ってからは歌劇や宗教画の文化が根付きましたけど、」

大学生「気楽に楽しむのが元々の文化って感じがします。だって町の人が普通に演奏してるんですよ」

ギターおじさん「ヘイッ!」

画家「へ、へい」
389 : ◆CpUz7d.S3o [saga]:2020/08/02(日) 23:42:55.91 ID:vkDwoDkDo
その後、一行は自然と3つのグループに分かれて散策していた。

開拓者は船員と土産物屋を見て回っていた。

船員「にしても変だな。常春の都なのに花が全然咲いてない」

開拓者「年中暖かいとはいえ、花の咲く季節じゃないからな」

開拓者「だが、今夜は花火が上がるらしいぞ。特に何の記念日でもないらしいが……」

船員「いいな、花火! 恋愛といえば花火だよな!」

開拓者「……そうか?」

船員「俺が見た恋愛ものの小説や劇には、その半分以上に花火のシーンがあったんだよ」

開拓者「今までいくつ見たことがあるんだ?」

船員「えーと、1、2……両手の指で数えられるくらいだな」

開拓者「全然見ていないじゃないか」
390 : ◆CpUz7d.S3o [saga]:2020/08/02(日) 23:51:16.98 ID:vkDwoDkDo
大学生×姫……交流★★★★


ワァァァァ

大学生「闘技場か……」

姫「戦闘に興味があるでござるのですか?」

大学生「いや、正直、血生臭いのは苦手です」

姫「それは不健康でござるわね」

大学生「……ひょっとしてですけど、姫さんがよく言ってる『健康』って、『強さ』の事を言ってるんですか?」

姫「それ以外にないでござるでしょ?」

姫「……強くないと、パパにも隊長にも迷惑をかけてしまうわ」

大学生(家出して、勝手に動き回ってる方が迷惑をかけると思うけどなぁ……)

大学生「姫さん、ちょっと真面目な話をしてもいいですか?」

姫「説教は嫌でござるよ」

大学生「じゃあやめときます。一般人の俺が王族に偉そうな事は言えないんで」

姫「……分かってるわ。いつまでも逃げて隠れて忍んではいられないって」

姫「……わたくしには一国の王女として、パパに決められた家に嫁ぎ、役割を全うする責任があるから」

大学生「逃げることも時には必要だと、俺は思いますよ」

大学生「俺にとっての旅行も似たようなものですし」

大学生「社会に出たら、自由に旅に出るのは難しいですからね」

大学生「だからまあ……捕まるまでは自由でいてもいいんじゃないですか」

姫「だったら、捕まらなければいいでござるのね」


大学生「それにしてもちょっと意外だな。この町で人と人の戦いを見世物にしているなんて」

姫「普段はしていないでござると思うわ。大会があるからその予選じゃないかしら?」

大学生「大会?」

姫「王国最強の人を決める、戦闘大会でござるよ」
391 : ◆CpUz7d.S3o [saga]:2020/08/02(日) 23:55:05.72 ID:vkDwoDkDo
船員×家政婦…交流★★★★


家政婦は宿で荷物の番をしていた。

船員「よっ。疲れたから先に戻ってきた」

家政婦「開拓者さんは?」

船員「エソラちゃんたちと合流したそうだったぜ」

家政婦「セインさんは、結局恋人を作れませんでしたね」

船員「うっせ。……一番過ごした時間が長かったのは家政婦ちゃんだったかもな」

家政婦「いつも買い出しに付き合ってくださいましたからね」

船員「仕える人を探してるなら、俺に仕えてみないか?」

家政婦「悪くないですけれど、保留させてください」

船員「まあな、その強さを活かすなら俺よりもっといい男はいっぱいいるもんな」

船員「つーか、思ったよりいい返事をもらえてびっくりしたぜ」

家政婦「あなたは、あたしの過去を知っても受け入れてくれたので」

船員「傭兵やってたって話か。ただ者じゃないとは思ってたし、別に驚きもしなかったな」

家政婦「上手く隠せていると思っていたのですが……」

船員「みんな気づいてると思うぞ」

家政婦「いえ、流石にそんなことはありません」

家政婦「あたしが、人を殺したことがあると聞いて、何も思わないはずが……」

船員「平和な世の中で暮らしてきたエソラちゃんとダイくんには刺激が強いかもしれないか」

家政婦「……あたしは正体を明かした方がいいんでしょうか?」

家政婦「それとも、皆さんを騙したまま、明るくお別れした方がいいんでしょうか」

船員「みんなを裏切っているようで気分が悪いなら、言っちゃった方がいいと思うぜ」

船員「開拓者さんと生産者さんなら受け入れてくれるだろ」
392 : ◆CpUz7d.S3o [saga]:2020/08/02(日) 23:56:35.10 ID:vkDwoDkDo
家政婦「―――ということなんです。あたしの正体は人殺しでした。騙していてごめんなさい……」

生産者「やった〜。予想があたったよ〜」

開拓者「嘘だろ……? お前、その異常な戦闘力を隠せていると思っていたのか……?」

家政婦「あの、職業については、何も思わないんですか?」

開拓者「ああ。俺もお前と同じ無戸籍民だったからな」

生産者「拾われたのが開拓団じゃなく傭兵団だったら、わたしも家政婦ちゃんみたいになってたかもね〜」

生産者「別に、好きで傭兵になったわけじゃないんでしょ?」

開拓者「少なくともお前は傭兵団を離れて、生き方を変えようとしている。違うか?」

家政婦「はい」

画家「……」チラッ

家政婦「あっ」

画家「す、すいません……聞いてしまいました」

家政婦「……」

画家「私、安心しました。家政婦さん、包丁も鎌もすごく扱うのが上手かったじゃないですか」

画家「ほぼ同い年なのに、私と全然違ってすごいと思ってて……」

画家「同年代の女性がみんな、家政婦さんくらい刃物の扱いが上手いわけじゃないんですね……!」

開拓者「家政婦の腕が標準であってたまるか」

家政婦「包丁の扱いについては先生に教わったので、傭兵の技ではないのですが」

家政婦「家事のスキルに不安があるのなら、あたしが教えましょうか?」

画家「ぜ、ぜひお願いします!」

家政婦「しかし、もう共同生活は終わってしまいましたね」

画家「それなら、私の家に来ていただけませんか?」

開拓者(家政婦がやけに防衛に詳しいのも、傭兵団にいたのが理由だったか)

開拓者(結局、亜人種とのつながりについては分からなかったな)

開拓者(まあいい。開拓を続けていれば、いずれまた亜人と出会うこともあるだろう)
393 : ◆CpUz7d.S3o [saga]:2020/08/03(月) 00:05:51.57 ID:sN5U5TTfo
生産者×開拓者……交流★★★★★


生産者「……困ったな〜」

生産者(わたしも、もう若くないから当然わかるよ)

生産者(この『好き』は、家族への『好き』とは違うってこと)

生産者(こんな気持ちになるなら、再開しない方がよかったのかな……)

開拓者「……」


生産者の目の前で、開拓者が居眠りをしていた。

椅子に座って休憩しているうちに、ついまどろんでしまったのだ。

他の面々は宿の近くの売店に出かけている。


開拓者「……」

生産者(わたしと開拓者は、社会的にも、遺伝学的にも、他人で、ただの幼馴染……)


開拓者の隣に、生産者が腰を落とした。


開拓者「……」

生産者(兄妹であることを示す根拠はどこにもない……)


生産者の顔が、開拓者の顔に近づく。


開拓者「……」

生産者(王国には家族でもキスをする文化があるから、何も悪くない……)


それは王国のすでに古くなり廃れた文化であり、しかも開拓団にそんな文化は無かったという内心の声を聞き流し、生産者は目を閉じた。


開拓者「……」

生産者「……」
394 : ◆CpUz7d.S3o [saga]:2020/08/03(月) 00:07:24.67 ID:sN5U5TTfo
そして、触れる寸前で離れた。


生産者(だめだよ、わたし)

生産者(何も根拠はなくても、主観的には兄妹なんだから)

生産者(それに……もう若くないから、当然わかるよ)


画家「ジュース買ってきました」

生産者「ありがと〜」

画家「あれ? 開拓者さん、寝てる?」

開拓者「起きてるぞ!」ガバッ

画家「寝落ちしてた人の反応だ……!」

開拓者「起きたから火はつけるな……ん? 団長はどこだ? 妹は?」

画家「しかもしっかり昔の夢を見てます……!」

開拓者「懐かしいにおいがしたんだが……夢か」

画家「どんな夢を見てたんですか?」

開拓者「俺と妹が寝ているところに、開拓団の団長が『とっとと起きないと焼くぞ』と脅してくる夢だ」

画家「では、その悪夢をスケッチ」

開拓者「するなするな」


生産者(……開拓者とエソラちゃんが惹かれあってるってこと)
395 : ◆CpUz7d.S3o [saga]:2020/08/03(月) 00:09:54.99 ID:sN5U5TTfo
ヒュルルルルル... ドン!! ドドン!!


開拓者「花に例えられる、炎の芸術、花火……」

船員「一瞬しか見れないのが残念だよな」

大学生「花の咲かない時期は、週に二、三回、晴れた日に、こうして夜空に花を咲かせると聞きました」

生産者「いつでも春らしくしようと工夫するなんて、常春の都らしいね〜」

姫「あれを忍術に活かせないでしょうか……でござる」

家政婦「砲撃みたいで、鳥肌が立ちます」

開拓者「画家は楽しめているか?」

画家「大変です、開拓者さん……!」

画家「あっという間に消えるので、スケッチもできませんし記憶もできません……!」

大学生「今だけは描くことを忘れて楽しんだらどうですか?」

船員「花火師が空というキャンバスに描く刹那のアートを……」

生産者「うわー、キザだね〜」

開拓者「こんなこともあろうかと、インスタントカメラを持ってきておいたんだ」

開拓者「写真に収めて、それを絵に描けばいいだろう?」

画家「カメラにはこんなメリットがあったんですね……」
396 : ◆CpUz7d.S3o [saga]:2020/08/03(月) 00:11:50.01 ID:sN5U5TTfo
大学生「カメラがあるなら、記念写真を撮りましょうか?」

開拓者「そうだな。画家、カメラにはもう一つのメリットがある」

開拓者「それは、絵の素人でもスイッチ一つで風景を記録できることだ」

船員「姫さんは写って大丈夫なのか?」

姫「忍者にも、姿を残したい日もあるでござるのよ」

船員「そういうことじゃないんだけどな……」

生産者「誰がシャッターを切るの〜?」

家政婦「あたしがやります。ボタンを押したあと、素早くそちらに移動すればいいんですよね」

開拓者「無茶だろ……」

姫「分身に任せればいいでござるわ。分身の術!」

姫(分身)「みなさん、並んでくださいまし。口角をあげるおまじないでござるよ!」

姫(分身)「わらわに続けて……はい、ニンニン!」

開拓者「ニンニン!」

画家「ニンニン!」



おわり
397 : ◆CpUz7d.S3o [saga]:2020/08/03(月) 00:14:59.00 ID:sN5U5TTfo
最終結果

画家 26歳 #カントリー 交流★×7
1.緑の町から来た気弱な女性。他の参加者の優秀さに気おくれしている。
2.写真家に対抗意識を燃やし、いつになく積極性を見せた。
3.画家として生き続けるのを諦めかけている。開拓者に何かを頼もうとした。
4.農業・畜産の盛んな町の出身でありながら、生き物に触れる機会のない幼少期を過ごした。
5.引っ込み思案だった彼女だったが、自ら開拓者をデートに誘い、告白し、自分のことを好きにさせてみせると決意した。

生産者 30歳 #ノスタルジック 交流★★★★★
1.20年ぶりに再会した開拓者の妹分。村の農業などを支援する仕事をしている。
2.今なお開拓者のことを誰よりもよく分かっている。
3.波長の合う男性と出会いたい。今のところ開拓者が一番波長が合うようだ。
(4.王国には家族同士でもキスをする文化があると言い、開拓者とのキスを試みた。)

家政婦 25歳 #ナチュラル 交流★★
1.湖畔の楽園から来たメイド。あまり自分のことを語りたがらない。
2.仕えていた人と対立した過去があるらしい。
(3.その正体は傭兵団の一員。開拓者が所属していた開拓団と同じ、無戸籍民の集団であるようだ。)
(4.傭兵としての生き方を捨て、その戦闘能力で大事な人を守る存在として生きようとしている。)

姫 16歳 #ノーブル 交流★★
1.国王の娘。かつては病弱だったが療養を経て立派な忍者になってしまった。
2.もともと体が弱かったためか、手に入れた自分の強さにやや酔っているようだ。
(3.忍者をしているのは王女としての人生からの逃避行動でもある。)
(4.王や近衛兵を二度と心配させないために、何があってもケガも病気もしない究極の健康を求めている。)

大学生 22歳 #クール 交流★★★
1.学問の都から来た品のいい青年。旅行が趣味であり、町を作る開拓者に憧れを抱いている。
2.現在恋人はおらず、学業に専念している。専門は惑星環境科学。
(3.本当に興味があるのは開拓ではなく冒険かもしれない。しかし現実的に冒険をする自信はない。)
(4.学んだ知識を活かして、開拓や冒険をサポートできる職業に就けないかと考えている。)

船員 29歳 #エネルギッシュ 交流★★★★★
1.癒しの花園で働く船乗りの男。開拓地を転々とする開拓者にとって数少ない友人である。
2.船員らしく船が好き。大学生と二人で軍艦を見に行きテンションが上がったという。
(3.世界をまたにかける貿易船に乗るという夢を追いかけると、開拓者のように結婚が遠のくことを気にしている。)


〜住民の声〜
画家「開拓者さん……私の家に、来てくれませんか?」
姫「しばしのお別れでござるでしてよ! ドロン!」
大学生「どこか開拓するときはぜひ俺も呼んでくださいね」
398 : ◆CpUz7d.S3o [saga]:2020/08/03(月) 00:24:21.56 ID:sN5U5TTfo
今晩は投下だけ。明日から最後の依頼編です。

恋愛編について。

こちらは案だけあった「安価で農村と美味いメシを作る」の恋愛部分を抜き出したものです。
この編だけはシステムのお試しではなく、開拓者にそろそろいい思いをさせてあげたいというテーマでした。

ついでに過去作で作った町を登場させようとしました。これがマズかった。
町のどこを訪れるかとどんなイベントを起こすかを考えるのがすごく大変でした。もっと行動を安価にゆだねても良かったかもしれません。

安価を踏めなかったレスも含めると、生産者派の人も割といたのでしょうか?
399 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2020/08/03(月) 00:35:15.59 ID:Y+dxy8dOo

まぁ生産者の人となりに興味あったのと最終的に画家に決まるにしてもあまり早く決まってもなぁと
400 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/08/03(月) 00:36:09.29 ID:/tWEDqEDO
乙です
401 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/08/03(月) 04:59:15.47 ID:qm4UWGhGo
乙〜
生産者派だったけど安価の時間合わないのと画家派すごかったから正直半分行く前に無理だなって思った
402 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/08/03(月) 06:09:26.21 ID:bkvPKRtI0

自分は画家派だったけど、むしろ最終的に生産者が恋人になると思ってドキドキしてた
403 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/08/03(月) 09:39:38.82 ID:7VUAvy3fo
生産者派だけど大体>>401に同じくっす
404 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/08/03(月) 14:44:41.04 ID:Y+dxy8dOo
後、家政婦に関しては設定に興味あるけどコレは何か重要過ぎて攻略進めなくても別の形明かされると思えた
姫はまぁ立場以前に犯罪だし
405 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/08/03(月) 22:42:16.34 ID:qm4UWGhGo
家政婦はそもそも生産者以上に可能性無かったから派閥出来る以前の問題かなって
姫にいたっては登場遅い初期値低いで魅力見出すのも難しかったし
406 : ◆CpUz7d.S3o [saga sage]:2020/08/04(火) 19:12:57.97 ID:tJreqHoyo
>>401
やはり安価で作ったキャラは強かった。
どのキャラも安価で作っていればもっとバラけたのでしょうか……

>>402
実際、>>371で生産者が選ばれていたら★6で画家と並ぶという僅差でした。
ただし初期値が画家★0と生産者★2で差があるので今考えるとフェアじゃなかったですね。

>>404
スレ立て前は恋人になるかならないかで設定が変わるキャラだったのですが、警備チーム編で亜人を連れてきたことで一気にただ者ではなくなってしまいました。
姫は★5を超えても恋愛にはならず一方的に惚れられる予定でした。
407 : ◆CpUz7d.S3o [saga sage]:2020/08/04(火) 19:17:17.75 ID:tJreqHoyo
今回はかなりしくじった感があるのですが、思いつきで自分の首を絞めてしまった部分が多く、
まとめると、
―――――――――――――――――――――――――――――――――
開拓に同行できそうな恋人候補を3人用意した。全員★1個で開始予定。

『警備チームを作る』で先に家政婦を出してみようと思いつく。

安価要素を増やすため>>194でキャラの性格を決めてもらう。センチメンタル・ノーブル・ダークが選ばれたらそれらしい過去作のキャラを追加してみようと急に思いつく。

見事にセンチメンタルとノーブルが選ばれてしまい、用意していたキャラのうち2人が消える。

妹分・家政婦・忍者姫だと大学生以外全員が開拓者の関係者になってしまうが、家政婦は今更消せない。

安価でもう一人作ってみることを思いつく。

内気なキャラ登場。家事と戦闘は得意だがそれ以外のことになると全く自信がなくなるという家政婦のキャラ付けが変更される(一部かぶったので)。

いっそ全員安価キャラにしようかとも思ったが、ここで>>194がネックになる。

男3人、女4人でバランスが悪いがもはや誰も消せない。最初から姫がいるのも不自然なので高原に行ったら出てくることにする。忍者だけに隠れキャラ。

初対面の引っ込み思案な10歳差の異性と、仕事仲間と、幼少期一緒に育った家族が、全員交流★1なのは不自然だと思い、差をつけてしまう。

結局、姫もすぐに登場する。
―――――――――――――――――――――――――――――――――
素直に用意してたキャラで始めるか、3人全員安価で作るかした方がよかったですね……
408 : ◆CpUz7d.S3o [saga]:2020/08/04(火) 19:18:28.74 ID:tJreqHoyo
〜 依頼E 〜

開拓者「安価で強い男を作る」
409 : ◆CpUz7d.S3o [saga]:2020/08/04(火) 19:22:46.52 ID:tJreqHoyo
二か月前にさかのぼる。

開拓者「亜熱帯の町に大学を作ってほしい、か」

開拓者「一応、気に留めておくか」

開拓者「さて、では写真家のもとへ行こう」

弟子「開拓者って人、いるか!」

開拓者「また客人か。開拓者は俺のことだが」

弟子「頼む! オレを弟子にしてくれ!」

開拓者「弟子ということは、開拓者志望か。残念だがもう王国は開拓を――」

弟子「オレは……最強の男になりたいんだ」

開拓者「頼む相手を間違えていないか?」

弟子「師匠は人を鍛えるのが得意だって聞いたぜ」

弟子「めちゃくちゃ強い武道家やめちゃくちゃ強い忍者を鍛えたことがあるんだろ?」

開拓者「まだ師匠と呼ぶな。そして誰に聞いたんだ」

開拓者「確かに、俺は開拓地でいつも労働者教育を行ってきたし、盗賊や野獣に負けない程度には強い」

開拓者「しかしお前はすでに強そうに見えるが」

弟子「まだ足りねぇんだ」

弟子「マフィアにさらわれたオレの妹を連れ戻すには!」

開拓者「警察や軍には知らせたのか?」

弟子「何もしてくれやしないんだ、オレたちには」

開拓者「ふむ……」

弟子「頼む! 指示さえしてくれれば、どんな過酷な修行でも一人で乗り越えてやるから!」

開拓者「指示だけならば時間はかからないな……」

開拓者(何よりこの男……すごくいい体をしている。素晴らしい原石だ。こいつは強くなるぞ)

開拓者(個人への教育は初めてだが、挑戦したくなるほどの魅力がこの男にはある)

開拓者「……俺の修行は厳しいぞ。覚悟しろ」

弟子「……! 師匠! よろしくお願いします!」
410 : ◆CpUz7d.S3o [saga]:2020/08/04(火) 19:27:18.49 ID:tJreqHoyo
1週目

称号:端っこの都の端っこ

●開拓地
・貧民街……町の厄介者たちが不法占拠している区域。彼らを強引に追い出しても、行き場のない彼らはまた集まってくる。

●住民
・弟子……最強の男を目指す青年。才能はあるが最強には程遠い。
・ごろつき……無限沸きするザコ敵のような人々。
・下っ端……貧民街の住民から金を巻き上げて暮らしている組織の一員。


開拓者(ここは州都の中で最も栄えていない町、端っこの都)

開拓者(つまり城塞の都よりもさびれていることになるが、実は都心部だけ見るとそうでもない)

開拓者(この町で一番の問題点は、郊外にある貧民街の存在だ)

開拓者(王国の端の州では最も近代的であるこの町には、住んでいた土地を追われた流れ者や、無戸籍の捨て子、そして王国各地の無法者などが集まってくる)

弟子「師匠、怪我は無いか?」

開拓者「ああ。軽く散策してきたが、本当に治安が悪いな」

開拓者「ちょっと歩くだけでごろつきとエンカウントする。もっとも俺の敵ではないがな」

弟子「さすがは師匠。オレの見込んだ通りの強者だぜ」

開拓者「さて、お前の妹はどこの連中にさらわれたんだ?」

弟子「貧民街を支配するマフィア、残酷組だ」

開拓者「頭の悪そうな名前の団体だな……」

弟子「でも実力は本物だ」

弟子「残酷三人衆の一人、残酷格闘家には貧民街の誰も勝ったことがねぇんだ」

開拓者「あとの二人についても教えてくれ」

弟子「残酷剣士って奴がいる。剣が無ければ大したことないけど、とにかく弱いものイジメが好きなクソ野郎だ」

弟子「もう一人の方は何も知らねぇ」

開拓者「剣士か……。ということは肉弾戦だけでは厳しいかもしれんな」
411 : ◆CpUz7d.S3o [saga]:2020/08/04(火) 19:31:36.32 ID:tJreqHoyo
開拓者「指示の前に、まずはお前の実力を見せてくれ」

弟子「師匠と戦えばいいのか?」

開拓者「ああ、かかってこい!」

弟子「よっしゃ……いくぞオラァ!」


1週目

●スキル
筋力T……全力で殴れば大人を気絶させることができる。
フットワークT……スポーツをしている人と同程度。
体幹T……同世代の男性に比べて明らかに筋肉質。
精神力T……多少の苦しみは我慢できる。
動体視力T……ザコの攻撃なら余裕で見切れる。

●ステータス
攻撃力Lv.1
耐久力Lv.1
リーチLv.1

●総評
治安の悪い貧民街でチームなどに入らず一人で生きていけるほどの強さを持った青年。
現状はちょっと強いケンカ野郎に過ぎないが、大きなポテンシャルを秘めている。


開拓者「くっ……腕を痛めてしまった」

弟子「や、やりすぎたか?」

開拓者「いや、これでいいんだ。今の一戦でお前の強さは大体わかった」

開拓者「鍛えているのは分かったが、技が何も身についていない状態だな」


開拓者(この仕事は要するに、いつもやっている労働者教育を一人に対して行うようなものだ)

開拓者(開拓と違い、教えた内容のすべてを弟子一人が身に着ける)
412 : ◆CpUz7d.S3o [saga]:2020/08/04(火) 19:33:59.98 ID:tJreqHoyo
開拓者(普通のトレーニングをしてもいいし、敵に合わせた対策もありだな)

開拓者(それとも、武器を与えるか? 魔法や特殊能力の類も、上手くいく予感がする)

開拓者(余裕があれば、彼が真面目に生きていけるように職業訓練をしてもいいかもしれない)


安価↓1、2 特訓内容を指示します(上げる能力を直接指定してもOK)
413 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/08/04(火) 19:35:10.16 ID:s+aRjttxo
動体視力を鍛える
414 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/08/04(火) 19:37:08.79 ID:M23HUmwHo
気功法を教える
415 : ◆CpUz7d.S3o [saga]:2020/08/04(火) 20:13:13.77 ID:tJreqHoyo
開拓者「まずは武道の基本を教えよう」

開拓者「本職ではないから間違っているかもしれないが」

開拓者「基本……それは『気』を知ることだ」

弟子「気? 気功ってやつか?」

開拓者「ああ。体内を循環するエネルギーだ。これを自在に制御することで、肉体の限界を超えた強さを手に入れることができる」

開拓者「と、俺は思っている」

弟子「すげぇ! 師匠、気功が使えるのか!」

開拓者「かなり初歩だがな」

開拓者「まあ、初歩だけでも体調を整えるのには使えるぞ」


開拓者「深呼吸し、体内の気の流れを見つけるんだ」

弟子「スゥーーーー」

開拓者「目を閉じて、精神を研ぎ澄ます」

弟子「ハァーーーー」

開拓者「……寝るなよ」

弟子「……やべぇ、ちょっと眠くなってた」
416 : ◆CpUz7d.S3o [saga]:2020/08/04(火) 20:26:53.66 ID:tJreqHoyo
弟子「気がどこにあるのか全然わからねぇよ……」

開拓者「俺が次に来るときまでに見つけておけ」シュッ

パシッ

弟子「いきなり殴んのか。何すんだよ」

開拓者「よし、反射神経も十分だな」

開拓者「攻撃が見えさえすればしっかりと対応できることが分かった」

開拓者「次は動体視力を鍛える方法を教える」

弟子「それで強くなれるのか?」

開拓者「まあ、剣士への対策だな」

開拓者「相手の動きがはっきりと分かれば、武器を持った相手も恐れるに足らない」

開拓者「というわけで、高速で動くものを目で追う訓練をするんだ」

弟子「鳥を見るとかか?」

開拓者「自分の拳を動かして、それを目で追うだけでもいい。結構疲れるぞ」

弟子「お、おおっ、マジで目に来るな」ブン ブン

開拓者「それをたくさんやっておくといい。ただ、自分の体だと次にどう動くかわかるからあまり良くないかもしれんな」

弟子「だったら、羽虫とか使えるんじゃないか?」

開拓者「いいアイデアだ。そうだな、そんな具合に自分でも工夫してトレーニングするといいと思うぞ」
417 : ◆CpUz7d.S3o [saga]:2020/08/04(火) 20:42:49.83 ID:tJreqHoyo
下っ端A「よぉよぉそこのおっさん、見ねえ顔だな」

下っ端B「ちゃんと俺らに生活税払ってるか?」

開拓者「また沸いてきたな」

弟子「待て開拓者さん。そいつらは倒しちゃいけねぇ」

下っ端A「倒すだと?」

下っ端B「俺たち残酷組に手を出すとどうなるか知らねぇようだ」

開拓者「こいつらが残酷組か。ごろつきとの違いが分からないな」シュッ

下っ端A「ぐはぁ!?」


下っ端B「覚えてやがれ!」ダダダッ

弟子「お、おい! 残酷組の幹部が来るぞ!」

開拓者「別に俺が倒してもいいんじゃないか?」


ザッ

残酷剣士「おやおや、誰かと思えば大物ではないですか」

残酷格闘家「違うぞ兄貴。元・大物だぜ」

残酷剣士「ええそうですね弟よ。今は無職でしたね?」

開拓者「フリーの開拓者をしている」

残酷格闘家「ぎゃははは! そりゃ無職ってことじゃねぇか!」

開拓者「お前は今、多くのフリーターと自営業者を敵に回したぞ」

残酷剣士「貴方は立場を分かっていないようだ」

残酷剣士「国王の庇護を受けていない貴方にわたくしたちが何をしようともリスクはないのです」

残酷格闘家「身ぐるみはがして全財産を搾ってやるよ、クソジジイ♪」

開拓者「なめられたものだな……」

開拓者は上着を脱ぎ捨て、両の拳を構えた。

開拓者「さあ、一人ずつかかってこい」クイックイッ

残酷格闘家「まとめてかかってこい、じゃねぇのかよ」

残酷剣士「いいですよ。一対一で構いません」

残酷剣士「わたくしと貴方の、残酷なまでの力の差というものを思い知らせてあげましょうか!」
418 : ◆CpUz7d.S3o [saga]:2020/08/04(火) 20:44:34.50 ID:tJreqHoyo
開拓者(残酷格闘家の強さは見た目で大体わかった)

開拓者(背中の筋肉が特に発達しており、拳にはトゲのついた金具をつけている)

開拓者(殺傷性の高いパンチが奴の武器だろう)

残酷剣士「フッフッフ、苦しむ準備はお済みですか?」

開拓者(こいつの武器は、剣というよりはノコギリだな)

開拓者(あまり武器として強いとは思えない。宣言通り、相手を苦しめるのが目的だろう)

残酷剣士「フフッ」バッ!!

開拓者(しかし、速い!)

開拓者はノコギリ剣をしゃがんで避け、残酷剣士に組み付き、投げ倒した。

残酷剣士「くっ……!」スルッ

開拓者(今の衝撃で剣を手放さないか! そして、離脱も上手い……)

開拓者「よし、弟子」

開拓者「逃げるぞ!!」

弟子「はあっ!?」

残酷剣士「フッハッハッハ! 恐れをなして敵前逃亡ですか!」

残酷格闘家「ぎゃははははは! この町にいる限り俺たちからは逃げられねぇぞ!」


弟子「ふざけるな! なんでダサい真似を……もうてめえなんか師匠じゃねぇ……!」

開拓者「さっきの一戦で奴らの実力は分かった」

弟子「えっ……」

開拓者「お前の目的は、妹を助け出すことだろう?」

開拓者「案ずるな。最後に笑うのは俺たちだ」
419 : ◆CpUz7d.S3o [saga]:2020/08/04(火) 20:49:59.55 ID:tJreqHoyo
2週目

●スキル
筋力T……全力で殴れば大人を気絶させることができる。
フットワークT……スポーツをしている人と同程度。
体幹T……同世代の男性に比べて明らかに筋肉質。
精神力T……多少の苦しみは我慢できる。
動体視力U……高速で通り過ぎる列車に乗っている人の顔がはっきりと見える。
反射神経T……見えさえすれば大抵の攻撃は余裕で避けられる。
気功T……体内の『気』を操り、体の調子を整える。

●ステータス
攻撃力Lv.1
耐久力Lv.1
リーチLv.1

●総評
優れた身体能力と、人並み外れた動体視力を持つ青年。
指先まで感覚が研ぎ澄まされており、戦闘より球技の方が向いている。


弟子「師匠、久しぶり!」ダンッ ダンッ

開拓者「お前は何をしているんだ?」

弟子「バスケだよ」ポイッ バスッ

ごろつきA「ナイッシュー!」

ごろつきB「ちくしょう……ほらよ、金だ」

弟子「よっしゃ、晩飯代ゲット!」

開拓者「スポーツで金を奪い合っているのか……」

弟子「殴り合いのケンカよりよっぽどいいだろ?」
420 : ◆CpUz7d.S3o [saga]:2020/08/04(火) 20:55:01.93 ID:tJreqHoyo
開拓者「奴らの実力はこんなものだな」


敵1:残酷剣士
ノコギリ型の剣・強い握力・回避上手
●ステータス
攻撃力Lv.3
耐久力Lv.2
リーチLv.2

敵2:残酷格闘家
体幹が強い・拳にトゲ付き金具をつけている
●ステータス
攻撃力Lv.3
耐久力Lv.5
リーチLv.1


開拓者「今までの開拓で出会ったり鍛えたりした強者と比べると、てんで大したことのない連中だ」

弟子「でも師匠は負けたよな」

開拓者「よく頑張った方だろう? 俺は戦闘が専門ではないんだ」


安価↓1、3 特訓内容を指示します(上げる能力を直接指定してもOK)
421 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/08/04(火) 20:57:27.64 ID:M23HUmwH0
槍の扱い
422 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/08/04(火) 20:57:40.01 ID:6VfExhw70
精神力を鍛える
423 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/08/04(火) 20:58:18.17 ID:tMXPZMjDO
座禅で精神力を鍛える
424 : ◆CpUz7d.S3o [saga]:2020/08/04(火) 21:24:37.17 ID:tJreqHoyo
開拓者「お前のために武器を買ってきたぞ」

弟子「これは、槍!? すげぇ高そうな……」

開拓者「王国軍も採用している伝統の槍だ」

開拓者「いいか? 槍というのは白兵戦において最強の武器だ」

開拓者「比較的軽く経済的。そして何よりリーチの長さにおいて圧倒的に有利だ」

弟子「今は拳銃とかあるだろ?」

開拓者「弓や銃、装甲車両、それと魔法は確かに強いが、本人の身体能力が活かせないからな」

開拓者「肉体の強さを最大限に活かせる武器、それが槍だ!」


開拓者「驚いた……軽く教えただけなのに、ここまで使いこなせるとは」

弟子「そんなにか?」シュバババ

開拓者「やはりすごい才能だ」

開拓者「もう職には困らないな。王国軍でも町の警察でも採用間違いなしだろう」
425 : ◆CpUz7d.S3o [saga]:2020/08/04(火) 21:26:00.66 ID:tJreqHoyo
開拓者と弟子は並んで座禅を組んでいた。

弟子「なんだこれ?」

開拓者「東の地域に伝わる精神統一の修行だ」

弟子「気功とは違うのか?」

開拓者「俺も詳しくないが、近いところはあるんじゃないか?」

開拓者「そうだな……体に流れるエネルギーを感じるのではなく、心を安定させることに集中するんだ」

弟子「普通に体動かすより難しいな……」

開拓者「さあ、私語は禁物だ。黙して、座禅に取り組もう」

弟子「……」

開拓者「……」


数時間後……。

弟子「……」

開拓者「……」

残酷格闘家「兄貴! 先週の逃げ足野郎を見つけたぜ!」

開拓者「……さらばだ弟子! また来週!」ダダダッ

残酷格闘家「寝てるかと思ったら起きてやがった!」

弟子「……」


一時間後。

弟子「……あれ? 師匠がいねぇ」
426 : ◆CpUz7d.S3o [saga]:2020/08/04(火) 21:36:52.33 ID:tJreqHoyo
3週目

●スキル
筋力T……全力で殴れば大人を気絶させることができる。
フットワークT……スポーツをしている人と同程度。
体幹T……同世代の男性に比べて明らかに筋肉質。
精神力U……精神攻撃に強い耐性を持つ。
動体視力U……高速で通り過ぎる列車に乗っている人の顔がはっきりと見える。
反射神経T……見えさえすれば大抵の攻撃は余裕で避けられる。
気功T……体内の『気』を操り、体の調子を整える。
槍術T……標準的な王国兵と遜色なく槍を使いこなせる。

●ステータス
攻撃力Lv.2
耐久力Lv.2
リーチLv.3

●総評
槍術家U。
ピンチにも動じず、正確に突きを繰り出すことができる。
相手の突きを的確にかわすことにも優れ、槍術の試合なら負けることはそうそう無い。



開拓者「おい、弟子、こっちだ」コソコソ

弟子「師匠! なんで先週は勝手に帰ったんだよ」

開拓者「残酷組の連中に見つかったんだ」

開拓者「また見つかる前に、さっさと特訓するぞ」

弟子「なあ。結局、座禅は何の役に立つんだ?」

開拓者「残酷催眠術師が出てきた時だ」

弟子「最後の一人だけそんな変な奴なのか」
427 : ◆CpUz7d.S3o [saga]:2020/08/04(火) 21:40:11.70 ID:tJreqHoyo
弟子「あとはひたすら槍の特訓をすればいいんじゃないのか?」

開拓者「万が一の時、手元に槍が無かったらどうする?」

開拓者「それに、武器を破壊するのに長けた者もいるからな」

開拓者「武器がない状態でも強くなることは重要だぞ」


安価↓1、2 特訓内容を指示します(上げる能力を直接指定してもOK)
428 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/08/04(火) 21:41:06.69 ID:M23HUmwHo
気を得物に伝える術
429 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/08/04(火) 21:41:36.14 ID:4MEAcDU20
柔道の修行をさせる
430 : ◆CpUz7d.S3o [saga sage]:2020/08/06(木) 22:58:17.05 ID:1Czd8Aneo
二日連続空いてすいません。明日再開します。
431 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/08/06(木) 22:58:36.78 ID:enXxwgE7O
了解
432 : ◆CpUz7d.S3o [saga]:2020/08/07(金) 20:46:18.86 ID:YqrdLLoIo
王国の東部に、異国出身の民が集まってできた町があった。

誰もがもっと東から来た民で、王国人から見たら区別がつかないとは言え、出身地はみんなバラバラ。

しかし彼らには一つだけ共通点があった。

『王国ではみんな仲良く助け合おう』の理念のもと、その共通の文化を町の通称とした。

ここはオリエンタルでエネルギッシュな―――

同じ釜の飯を食べる町。



開拓者「ずいぶん久しぶりにやって来たな」

弟子「旨そうなにおいがする街だ」

開拓者「ここは東洋街。間違ってもここで暴れるんじゃないぞ」

開拓者「この街には、素手での戦闘に長けた武道家が大勢集まっている」

開拓者「彼らに素手で太刀打ちできる者は、王国には50人くらいしかいない」

弟子「結構多いな」

開拓者「王国軍の精鋭と、砂漠の町の武道家の中で最強級の面々を合わせたらそのくらいはいる」

開拓者「さて、どこを探せばいいか」キョロキョロ

ムエタイ「お困りですか?」

開拓者「ああ。人を探している。武道家だ」

ムエタイ「武道家の知り合いなら多くいますから、案内しますよ」

開拓者「ありがとう。親切な一般人に出会えてよかった」

弟子「一般人がクソ強そうなんだけど」
433 : ◆CpUz7d.S3o [saga]:2020/08/07(金) 20:58:55.20 ID:YqrdLLoIo
柔道家「どうも。お久しぶりです」

開拓者「今日はこの弟子に柔道を教えたくて来たんだ」

弟子「この人に教わるのか? 町の人たちより弱そうだけど」

開拓者「確かに体格は良くないが、それを覆す強さが柔道にはある」

開拓者「先週、俺が残酷剣士を投げた、あの技も柔道の技だ」

柔道家「まあ、体格がいいに越したことはありませんが」


ダンッ!

開拓者「一本!」

弟子「いっつ……! 柔道強いじゃねぇか!」

開拓者「武道のぶの字しか知らないお前ではな」

弟子「槍さえ使えりゃ……」

柔道家「ぶ、武器はやめてくれ!」

弟子「掴まれたら一巻の終わりだな。ヒット&アウェイを心掛けてもう一戦だ!」

開拓者「お前は何をしに来たのかわかってるか?」

弟子「ごめん、勝つために来たわけじゃなかったな」

柔道家「ではもう一度、型の稽古をしましょう」

柔道家「正しい型で投げるので、正しい受け身を取れば全く痛くありません」
434 : ◆CpUz7d.S3o [saga]:2020/08/07(金) 20:59:24.80 ID:YqrdLLoIo
力士「おお、やってるやってる」

カンフースター「受け身はどんな武道家にも一般の方にも有用な技術ですよ」

テコンドー「柔道を選んだのはいい判断だ。俺と同じくらい初心者への指導に慣れてるからな」

弟子「なんかぞろぞろ集まってきたぞ」

開拓者「彼らも武道家だ。以前の開拓では世話になった」

テコンドー「いや俺のは違うよ。スポーツだから」

力士「私がやっているのも違いますね。儀式ですから」

カンフースター「ただのスタントマンです」

開拓者「世界チャンプと横綱と耐久力お化けが何を言うか。いらない謙遜はやめろ」

カンフースター「事実、町の2トップに比べると我々の武道なんてお遊びでしょうし」

弟子「まだ強い奴がいるのか?」

開拓者「その内の一人に今から会いに行く」


開拓者「邪魔するぞ」

老師「いらっしゃい」

弟子「……! この爺さん、強い」

開拓者「気づいたか」

弟子「見た目はさっきの柔道家さんよりよっぽど弱そうだけど、強い気を感じる……」

老師「いいえ。どこにでもいる、健康体操が好きな老人ですよ」

開拓者「その謙遜は流行っているのか?」

開拓者「突然だが、この男に気功を教えてやってくれないか?」

老師「あなたの頼みなら、と、言いたいところですが……」

老師「青年。君はなぜ強くなりたいのですか?」

弟子「さらわれた妹を助け出すためだ。だからマフィアを倒すための強さが要るんだ!」

老師「それだけですか? 他の理由を隠していませんか?」

弟子「……すげぇな。気功を極めると人が何考えてるか読めるのかよ」

老師「いいえ、邪念を感じただけです」

開拓者「……弟子、何か隠しているなら今教えてくれ」

弟子「もう、隠せないか」
435 : ◆CpUz7d.S3o [saga]:2020/08/07(金) 21:03:03.67 ID:YqrdLLoIo
弟子「オレは皇国に村を滅ぼされて、それから妹と二人でギリギリ生きてきた」

弟子「強くなりたい理由は……皇国への敵意……復讐心なのかもしれない」

開拓者「自分でもわからないのか?」

老師「そういうものですよ。感情というものは」

弟子「……オレは、王国と皇国の間にある村で暮らしていたんだ」

開拓者「どの大国もほとんど放置している地域だな」

開拓者「その地域に昔からいる有力者が治めていることになっている……要するに小国の中のさらに辺境と呼ぶべきか」

開拓者「お前はそういう場所に住んでいたんだな」

弟子「まあ、そうなんだろうな……? オレもよく分かってねぇ」

弟子「とにかく、村の生き残りはオレと妹だけ。オレが妹をどれだけ大事に思っているか、分かってくれるよな?」

開拓者「なるほどな……」

カンフースター「話は聞かせてもらいました」

柔道家「我々も、皇国に地元を征服された仲間なんですよ」

力士「皇国軍の攻撃から生き延び、あるいは迫りくる危機から逃れるため、家族を連れて王国へ移り住んできたのです」

テコンドー「俺たちからも頼む。老師さん、彼を鍛えてあげてくれ!」

老師「……手に入れた強さを、悪しきことに使わないと約束できますか?」

弟子「ああ!」

開拓者「俺も約束しよう。落ち着いたら弟子には職業訓練を行い、安定した生活が送れるようにする」

老師「では、私の技を伝授しましょう」

老師「明日の正午過ぎ、道場へ来てください」

開拓者(こうして、弟子の武道の修行が始まった)

開拓者(来週、どれほど強くなっているだろうか……)
436 : ◆CpUz7d.S3o [saga]:2020/08/07(金) 21:04:03.84 ID:YqrdLLoIo
4週目

●スキル
筋力T……全力で殴れば大人を気絶させることができる。
フットワークT……スポーツをしている人と同程度。
体幹T……同世代の男性に比べて明らかに筋肉質。
精神力U……精神攻撃に強い耐性を持つ。
動体視力U……高速で通り過ぎる列車に乗っている人の顔がはっきりと見える。
反射神経T……見えさえすれば大抵の攻撃は余裕で避けられる。
LVUP! 気功U……体内の『気』を操り戦う。気は武器にも伝播する。
槍術T……標準的な王国兵と遜色なく槍を使いこなせる。
NEW! 柔道T……投げ技、絞め技に特化した武道。東洋のレスリング。

●ステータス
攻撃力Lv.2→3
耐久力Lv.2→3
リーチLv.3

●総評
気功槍術家U。
精神を統一して放つ鋭い突きは、防御されても強い衝撃を与える。
仮に槍を手放しても、隙をついて絞め落とす戦法で勝利を狙える。



開拓者「修行の調子はどうだ?」

弟子「自信あり。座禅や動体視力を鍛える特訓も続けてるよ」

弟子「聞いてくれよ。実は、武器に――」

ざわざわ

開拓者「……あれは!」

残酷剣士「フフフフフッ!」ザクッ ザクッ

子供「」

母親「もう……やめてぇ……!!」

残酷剣士「金を払えなければどうなるか! これは見せしめなんですよ!」

通行人「お、お前止めて来い」

ごろつき「俺にもああなれって言うのかよ……」

弟子「子供、か……?」

開拓者「バラバラ死体を作る現場に居合わせてしまったか……」

残酷剣士「おやぁ? 貴方たちは先日の」

残酷剣士「まあいいでしょう。さあ、次は母親、貴方の番ですよ」ガシッ

母親「やだ、嫌だ、助けて……!」

残酷剣士「地獄でお子さんがお待ちですよ。フッフッフ……!」

弟子「……おい」

残酷剣士「はい?」

弟子「残酷組は後でまとめて潰すつもりだったけど、気が変わった」

弟子「てめえだけは今ここでぶっ潰す!」
437 : ◆CpUz7d.S3o [saga]:2020/08/07(金) 21:07:51.98 ID:YqrdLLoIo
※戦闘の勝敗について
スキルとステータスを見て、勝ち目がありそうなら勝ちます


開拓者(頑張れ、弟子。今のお前なら勝てない相手ではない!)

しかし開拓者の予想と違い、怒りに燃える弟子の連続の突きは、残酷剣士にひらりとかわされる。

残酷剣士「遅いですねぇ」

弟子「くっ……当たれ!」

弟子は敵の動きが見えているが、敵もまた槍の動きが見えているのだ。

開拓者(槍術の練度の低さが問題か……。だが、リーチのおかげで残酷剣士は防戦一方だ)


下っ端「処刑の邪魔をするな!」

弟子を背後から攻撃しようとする下っ端たちを、先ほどまで見ているだけだった観衆が食い止めた。

通行人「邪魔はお前らだ!」

ごろつき「下っ端どもは任せろ!」


激しい連続攻撃はスタミナを消耗する。

弟子の動きが鈍った隙を、残酷剣士は見逃さなかった。

残酷剣士「もらった!」

首を狙ったノコギリ剣の突き。

それを、弟子は落ち着いて、槍を手放しつつしゃがんで回避し、残酷剣士に組み付き、柔道の技を使い地面に倒す。

残酷剣士(この男、師と同じ技を……!)

開拓者(ここまでは俺の戦いと一緒だ。ここからどうする?)

素早く離脱し立ち上がる残酷剣士と、素早く槍を拾う弟子。

弟子(チャンス!)

立ち上がったばかりの残酷剣士は、体勢を崩していた。

残酷剣士は回避が間に合わないと判断し、ノコギリ剣で穂先を受け流す。

残酷剣士(残念でしたね、その程度の突きでは簡単に防御が間に合う。そしてわたくしの強靭な握力は絶対に剣を手放さない!)
438 : ◆CpUz7d.S3o [saga]:2020/08/07(金) 21:09:45.07 ID:YqrdLLoIo
その瞬間、残酷剣士の視界が回転した。

残酷剣士(何が起きた……?)

地面に横たわる残酷剣士の剣へ、再び槍の一撃が当たる。

ボキッと嫌な音がした。

残酷剣士「ギッ……」

残酷剣士の肘と肩が外れた音だ。

残酷剣士「グァアアア!!」

ごろつき「おい、とどめは刺さないのか?」

弟子「オレはそういうのは禁止されてる」

ごろつき「じゃあ勝手にやらせてもらうぜ」

背後を振り返らず、開拓者と弟子はその場を後にした……。


弟子「よっしゃあ! 残酷三人衆、一人撃破!」

開拓者「さっきの技はなんだったんだ?」

弟子「武器に気を流したんだよ」

弟子「そうすると、オレの筋力と槍の重さの合計よりも強い威力の突きになるんだ」

開拓者「しかし、なぜあいつは槍を受け流そうとして吹っ飛んだんだ?」

弟子「オレは剣を弾き飛ばそうと思って剣を狙ったんだけど、」

弟子「剣を手放さなかったから、体ごと持っていかれたみたいだ」

開拓者「その次は剣を手放さなかった代わりに、脱臼した、と」

弟子「どんだけ握力強いんだよ」

開拓者「剣での攻撃より直接握力で攻撃される方が恐いな」
439 : ◆CpUz7d.S3o [saga]:2020/08/07(金) 21:14:19.37 ID:YqrdLLoIo
開拓者「さて、最後の指導になるが……俺に教えられることはもう無さそうだな」

弟子「先週みたいに、何を習得すれば強くなれるか、教えてくれるだけで十分だよ」


安価↓1、3 特訓内容を指示します(上げる能力を直接指定してもOK)
440 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/08/07(金) 21:14:44.86 ID:kklzvPiRo
警備チーム編の獣人達とスパーリングさせる
441 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/08/07(金) 21:16:20.06 ID:FmlZ6SKIO
kskst
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