【シャニマス】P「よし、楽しく……」-noctchill編- 【安価】

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29 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2020/07/09(木) 12:50:04.06 ID:xyo68LAY0
では>>30
30 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/07/09(木) 12:53:13.14 ID:qXGCrnZR0
2
31 : ◆cZ7028HXpE [sage]:2020/07/09(木) 13:42:51.09 ID:t2tWcQxrO
>>30
荒らしかよ
32 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2020/07/09(木) 15:37:34.47 ID:xyo68LAY0
>>28

>>1です。

あ、おっしゃっていることがわかったかもしれません。いくつ下の安価を採用するか書くようにすれば良いということですかね。そうします。
33 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2020/07/09(木) 15:41:18.20 ID:xyo68LAY0
P(透には悪いが、ここは円香に応えることにしよう)

P「ああ、時間ならあるぞ」

円香「わかりました。それでは、私は事務所に残りますね」

P(透に連絡しておこう)

P『すまない。別件があるから、今日は無理だ』

P『またの機会に埋め合わせするから、堪忍な』

P(これで、よし……)
34 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2020/07/09(木) 15:49:25.52 ID:xyo68LAY0
P(その後、noctchillの全員が事務所に帰ってきて――)


透「プロデューサー」

P「あ、ああ、おかえり、透」

透「また今度、ね」

P「すまん。頼む」

透「いいよ、別に」

透「それじゃ、私は帰るから」

小糸「あっ、透ちゃん待って!」

雛菜「やは〜私も透先輩と帰る〜」

雛菜「あれ〜? 円香先輩は帰らないの〜?」

円香「うん、私は用事があるから、少しここに残る」

雛菜「そっか〜、じゃあね〜。ばいば〜い」フリフリ

小糸「ま、まま、またね! 円香ちゃん」

透「もしかして別件って……」ボソッ

小糸「透ちゃん……?」

透「ううん。なんでもない。帰ろ」

小糸「そ、そうだね」

円香「……」


P(――という感じで、今に至る)

P(今は、事務所には俺と円香の2人だけだ。はづきさんはもうあがっているし)

P(社長は、今日一日仕事で席を外している)

P(気まずいな……)

円香「あの」

P「うぉわっ!」

円香「うわっ、びっくりした」

円香「女子高生相手に何キョドってるんですか? アイドルのプロデューサーともあろうお人が」

円香「もしかして、女の子と手をつないだこともなかったりして。ミスター・童貞」

P「……言ってくれるな。久々にキレちまったよ……」

円香「あ、そういうのいいんで」

P「そ、そうか」
35 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2020/07/09(木) 15:51:34.88 ID:xyo68LAY0
円香「……」

円香「……さすがに今のは言いすぎでした」

円香「ごめんなさい」

P「いや、いいんだって。いつもの円香だろ」

円香「……何それ」

P「それで、話って、なんだ?」

円香「……いま、この事務所に私たち以外の人はいますか?」

P「いないな」

円香「じゃあ別にいいか。いえ、他の人にはあまり聞かれたくないので」

P「安心しろ。聞き耳立ててるやつはいない」

円香「……」
36 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2020/07/09(木) 16:02:56.53 ID:xyo68LAY0
P「……ソロでの仕事を増やして欲しい、か」

P「円香からそういった提案があるとは、正直意外だったよ」

P「まあ、プロデューサーとしては、アイドル業に積極的になったのは嬉しいぞ」

円香「ええ、まあ……」

P(相変わらずの態度ではあるが)

P「一つ、聞いてもいいか?」

円香「なんでしょうか」

P「noctchillとして活動することに嫌気がさしたとか、そういうのはあるか?」

P「一応、聞いておきたくてな」

円香「そういうのはないです。別に」

P「なら良かった。お前ら仲良しだろうし、いらん心配だったかな」

P「それにしても、ソロの仕事、ね」

P「具体的にこうしたいっていうのはあるのか?」

円香「特には……あ、いえ、そうですね」

P「?」

円香「役者、とか」

P「お、……おお! そうか! 円香はそういうのがやりたいのか」

円香「ええ。演技を少し磨きたいですね」

P「いやぁ、なんだか、こう、ようやくプロデューサーとして円香に接することができたみたいで嬉しいよ」

円香「何を言ってるんだか。あなたは最初から私のプロデューサーでしょう?」

P「それもそうだな。いや、嬉しくてつい、な」

P「わかった。そういうことなら、頑張って仕事を見つけてみよう」

P「ただ、無理はさせたくないし、とりあえずいまの段階では円香はあくまでもアイドルとして売り出していくというのはOKか?」

円香「はい。それは大丈夫です」

P「そうか。まあ、あくまでもアイドルだから、こういうのがNGとかあったら、円香からも言ってくれよ。もちろん、事務所として、あるいはプロデューサーである俺として事前に設定することもあるけどさ」

円香「わかりました。どんだけ心配性なんですか。あとおせっかい」

P「だって……だって、なあ……」

円香「ニヤニヤしててキモい」

P「うぐっ、女子高生に言われると刺さるな……」
37 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2020/07/09(木) 16:07:13.30 ID:xyo68LAY0
円香「それでは、帰りますので」

P「ああ、気をつけてな。仕事が片付かなくて送っていってやれないが」

円香「この時間なら気にする必要もないでしょ。もしかして、優男アピールですか? それなら遠慮しておきます」

P「はは、そうか。わかった。じゃあな」

円香「ええ」

タッタッタッ

ガチャ

バタン

P「……」

P「円香も変わった……な」
38 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2020/07/09(木) 16:11:16.02 ID:xyo68LAY0
P(それから、円香の要望どおり、俺は円香に役者としての仕事がまわってくるよう努めた)

P(もちろん、円香自身もオーディションに参加しながら)

P(そうして、チョイ役ではあるが仕事がくるようになった)

P(円香もそれを淡々とこなしている)

P(俺は素直に感心していた)

P(円香が仕事を楽しんでくれればいいな、と思った)

P(態度は相変わらずだけど)

P(新人役者の円香としての仕事には、俺もマネージャー的な役割でついていった)

P(自然と、円香と過ごす時間は長くなっていった)
39 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2020/07/09(木) 16:21:40.95 ID:xyo68LAY0
〜事務所〜

P「円香、円香はいるか?」

円香「連呼しなくても……ここにいますが、何ですか」

P「脇役だが準レギュラー的な仕事だぞ!」

円香「……そうですか」

P「ああ!」

円香「受けますので、その仕事。はい、もういいでしょ」

P「わかった! それじゃ先方にはそう連絡しておくよ!」ダダダ

円香「全く……ミスター・高燃費」

雛菜「あは〜、円香先輩、ニヤニヤしてて気持ち悪〜い」

円香「なっ! 何言って……」

雛菜「な〜んて、ニヤニヤしてるのはうそ〜」

円香「っ!」

雛菜「でも、なんかしあわせ〜って感じの顔だった〜」

円香「気のせいだから。ほんと」

雛菜「え〜? そうかなぁ」

円香「そうなの」

雛菜「じゃあ、そういうことにしといてあげるね〜」

円香「……ったく」
40 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2020/07/09(木) 16:29:36.36 ID:xyo68LAY0
雛菜「あ、見てみて〜」

円香「何?」

雛菜「いま雛菜が読んでる雑誌にね、ほら」

円香「……浅倉」

雛菜「そ〜透先輩が載ってるんだ〜」

雛菜「こうしてみると、透先輩ってやっぱかっこいいし綺麗〜」

円香「はいはい、よかったわね」

雛菜「え〜なんか円香先輩感じわる〜い」

円香「感じ悪くて結構」

雛菜「でもね〜」

雛菜「透先輩って、最近はアイドルの仕事よりも1人の仕事のほうを楽しみ〜にしてる感じがするな〜」

雛菜「円香先輩もそうだよ〜」

雛菜「雛菜はね、そういうの、少し寂しいな〜って思ったり〜」

円香「……別に私は」

雛菜「やは〜。先輩たちがnoctchillを避けてるとかいうつもりじゃないから安心して〜」

円香「!」

雛菜「雛菜はね、雛菜がしあわせ〜って思えることだけでいいの。noctchillのみんなでお仕事するのはしあわせ〜」

雛菜「先輩たちがそれぞれソロで仕事してても、2人ともしあわせ〜に思ってるなら、別に雛菜はしあわせ〜って感じ」

雛菜「ちょっと寂しいけどね〜」

円香「……ありがと」ボソッ

雛菜「ん〜?」

円香「ううん、なんでもない」
41 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2020/07/09(木) 16:38:31.72 ID:hSWD7z19O
〜某市街地、雑誌の撮影〜

P「透はこの雑誌によく呼ばれるようになったよなー」

透「ふふっ、イェーイ」

P「円香に続いて透も……徐々にソロでの活動が増えてきているな」

透「ねえ、プロデューサー」

P「なんだ?」

透「撮影終わったらさ、あそこ、いきたい」

P「あそこって?」

透「ほら、さっき通りすがりに見かけた公園」

P「あぁ、ジャングルジムのあったところな」

透「! そう。行きたいな」

P「わかった。じゃあ、撮影が終わったら行こう」

透「うんっ」
42 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2020/07/09(木) 16:42:32.57 ID:hSWD7z19O
撮影後。

P「ジャングルジムは……」

透「使用禁止、って書いてあるね」

P「危険だから撤去するってことなのかな」

透「……」

P「登りたかったか?」

透「うん……」

P「それは、残念だったな」

P「まあ、でも、せっかく来たんだ。いい天気だし、そこのベンチに座ってゆっくり休まないか?」

P「あれなら、アイス買ってこようか? すぐそこにコンビニあるし」

透「……一番高いやつ」

P「え?」

透「アイス。そのコンビニで一番高いやつ買ってきて。それ食べたい」

P「……本当にいいのか?」

透「いいから。早く買ってきて」

P「わかった」
43 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2020/07/09(木) 16:45:49.68 ID:hSWD7z19O
P「おまたせ」

透「一番高いやつは?」

P「お望みどおり、ほれ」ドカッ

透「……」

透「……ふふふふっ、な、なにこれ……」プルプル

P「だから、一番高いのを買ってきたんだ」

P「1リットルアイスな」

透「あははははっ、や、やられたよ、プロデューサー」

P「ああ、正直、俺も笑いをこらえるのが大変だった」

P「どうする? 食うか? 一応普通のアイスも買ってきたけど」

透「ううん、いい。腹いせにそれ全部食べてやるから」

P「無理するなよ」
44 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2020/07/09(木) 16:48:32.43 ID:hSWD7z19O
透「んん゛〜」

透「あ゛〜」

P「どうした?」

透「頭痛い……」

P「まあ、あれだけアイス食ったらな……」

P「腹壊さないか心配だ」

透「そのときはプロデューサーにおなかさすってもらう」

P「なっ」

透「してくれないの?」

P「……透は、いいのかよ」

透「ふふ、変なの。私がお願いしてるのに」

P「わかった。じゃあ、痛くなったら言ってくれ」

透「うん、そうする」
45 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2020/07/09(木) 16:56:32.26 ID:hSWD7z19O
透「樋口」

P「?」

透「樋口、最近ソロでの仕事増えたよね」

P「それは透もだろう」

透「でも、樋口が一番仕事してる」

透「テレビでも時々見るようになった」

P「まあ、まだまだ駆け出しとはいえ役者もやってるわけだからな」

P「そのために個別にそのためのレッスンやオーディションを受けてるよ」

P「あいつも成長したよ……あ、こう言ってたって円香には言うなよ。何言われるかわかったもんじゃないし」

透「言わないよ。いや、なんていうか」

透「なんで樋口が自分からソロで仕事するようになったのかな、って」

透「樋口って、私が心配でアイドルになったようなものでしょ」

P「それは……、あいつもこの世界の仕事が楽しくなってきたとかじゃないのか?」

透「それがないとは言えないけど、でもどうかな」

透「他に理由がある気がする」

P「そう、なのか?」

透「うん。私の勘」

P「透と円香は付き合い長いから妙に信憑性があるなそれは」
46 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2020/07/09(木) 17:08:29.57 ID:hSWD7z19O
透「はあ……」

P「どうした。でっかいため息なんてついて」

透「んー」

透「ジャングルジム、登りたいなって」

P「使用禁止だしそれは……」

透「「てっぺん」、目指したくて」

P「……」

透「今はまだ、登ってる途中だけど」

透「今度こそ、目が覚めないうちに、登りたい」

透「それで、もう一度一緒に……」

P「透?」

透「ねえ、プロデューサー」グイィッ

P「う、うわぁっ」ヨロッ

P(って、近っ!)

P(透に胸倉を掴まれるような形でひっぱられ、いまにも唇が触れてしまいそうなくらいに顔が向き合っている)

P(透の綺麗な顔立ちから、目が離せない。透の視線から、逃れられない)

P(捕獲されたような、そんな感じ)

透「プロデューサーは、さ」

P(透の吐息を感じる。声に熱を感じる)

透「いま、目の前に誰が見えてる?」

P「そんなの、透に決まって……」

透「そういうことじゃなくて、ね?」

透「……答えて」

P「……」


1.「円香が見えてる」
2.「透が見えてる」
3.黙秘する。

選択肢↓2
47 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/07/09(木) 17:09:08.66 ID:t/xkHBGYO
2
48 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/07/09(木) 17:11:07.96 ID:ar3jQIoYo
3
49 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2020/07/09(木) 18:04:34.28 ID:hSWD7z19O
P「……」

透「……」

P「……」

透「……なんで」

透「なんで、答えてくれないの」ポロ

透「どうして……」

P「透……」

透「グスッ……やっぱ、駄目なのかな」


透「……僕、待ってたんだけどな」


P「!」

透「帰るね。今日はもう無理みたい」

P「と、透!」

透「……」

透「……さよなら」

P「……」
50 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/07/09(木) 18:08:23.52 ID:Unw7TiCV0
透はアイドルやめそうだな
51 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2020/07/09(木) 18:10:23.02 ID:hSWD7z19O
数日後。

〜ドラマの撮影所〜

P「……」

P(透……)


透『……僕、待ってたんだけどな』


P「……」

「――ぇ、――いてます?」

P(あの子は……)

「ちょっと!」

P「っ! あ、ああ、すまん――」

P「――円香」

円香「だから、もう撮影終わったって」

P「え? 早くないか?」

円香「普通だと思います。どっかの誰かさんがぼーっとしていただけかと」

P「あ、あはは……そう、かもな。しっかりしないとな、俺」

円香「まったく……」
52 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2020/07/09(木) 18:17:05.73 ID:hSWD7z19O
円香「何か気にかかることでもあったんですか」

P「お、円香もとうとう俺に気を遣ってくれるようになったのか……!」

円香「……しくった。やっぱり今のナシで」

円香「会話が続かないからと言って、あなたに優しくするような言い方をしたのを全力で後悔しています」

P「はは、それでも、会話が続くようにしてくれってことだよな」

円香「っっ!///」

円香「……うっさい! もう話しかけないでもらえますか」

P「話しかけてきたのはそっちなんだよなぁ……」

P「さ、じゃあ、帰るか。円香はもう家に直帰か?」

円香「それもいいですが」

円香「スタジオで息がつまりそうなんで、お台場にでも連れてってください」

円香「風通しの良いところに行きたい……」

P「わかった。行こうか」
53 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2020/07/09(木) 18:31:35.67 ID:hSWD7z19O
〜お台場付近〜

P「天気もいいし、夕方で景色もいい。来て正解だったな、円香」

円香「ええ……まあ」

P「……いい風だな」

円香「はい」

円香「気持ちいい……」

P「……」

円香「目的」

P「え?」

円香「ここに来た、目的。実は、もう1つあるんです」

円香「いま私が出てるドラマ、今度、私が演じる女の子と主人公の男の子が、ここで2人で歩くんです」

円香「まあ、お話としては、主人公の恋愛相談に乗ってあげるっていうありきたりなもので」

円香「私は脇役ですから、アドバイスをしていい人を演じるんです」

円香「ちょうど、ここで」

P「おしゃれなレストランだな」

円香「夜はバーにもなるとか」

P「いい店だ」

円香「入りましょう」

P「……はい?」

円香「だから、入りましょう、と言いました」

円香「疲れたアイドルのケアくらい、したらどうです、“プロデューサーさん?”」

P「そ、そうだな。まあ、ちょうどいいし入るか。もちろん奢るから安心してくれ」

円香「ええ。遠慮なく」
54 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2020/07/09(木) 18:38:29.80 ID:hSWD7z19O
P「なんていうか、俺なんかでごめんな」

円香「?」

P「いや、こういう店は、かっこいいやつとかおしゃれなやつと一緒に来たいもんじゃないか?」

P「それこそ、か、彼氏、とか」

円香「プロデューサーがアイドルに恋愛を勧めるんですか?」

P「い、いや! そうじゃないぞ。と言うか、それは困る」

円香「言ってることが滅茶苦茶……」

円香「まあ、最近はもう諦めてますので」

P「諦めてる?」

円香「あなたと、こうして長く過ごすこと」

P「そ、そうか……」

P「前だったらこんなことはあり得なかったよな……円香、俺のこと嫌いだったろ?」

円香「そうですね。正直嫌いでした」

P「言ってくれるなぁ……」

円香「あ、いまも嫌いかも」

P「……」

円香「さすがに嘘です。そんな悲しそうな顔しないで」

P「そんな顔してたか? 俺」

円香「この世のすべてに絶望したような顔をしていました。どんだけ悲しかったんですか、ミスター・思春期」

P「これだけ長く同じ時間を過ごしてるアイドルから実は嫌われてましたとかめちゃくちゃ辛いだろ」

円香「そうかもしれませんね」

P「そうだよ」
55 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2020/07/09(木) 18:41:41.45 ID:hSWD7z19O
P「そういや、ドラマの撮影で使うんだっけか、ここ」

円香「ええ」

円香「なので、あなたには練習台になってもらおうかと」

P「えーっと、円香は主人公の男の子の恋愛相談に乗ってあげるんだよな?」

円香「そうですね」

円香「ふふっ……何か私に相談したいことはありますか? ミスター・発情期」

P「せめてそこは思春期のままでいさせてくれ……!」

P「相談、ね……」

P「恋愛相談じゃないかもしれないが、いいか?」

円香「構いません。聞くだけ聞いてあげます」

P「いやこれ相談なんだよな?」
56 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2020/07/09(木) 18:53:38.16 ID:hSWD7z19O
P「……随分昔にさ、知り合った人がいて」

P「その人とは、ある種の絆みたいなものがあって」

P「そのうち離れ離れになって。俺はその人との思い出すら忘れちゃって」

P「でも、相手はずっと覚えていて」

P「それで、気づかないうちに再会してるんだけど、結局俺は最後までその人には応えられなくて」

P「……答え、られなくて」

P「傷つけて……しまったんだ」

円香「……」

P「……ごめんな、こんな話聞かせて。わけわかんないよな」

円香「……あなたは」

円香「あなたは、どうしたいんですか」

P「どうって……どうすることもできないよ……」

P「何が最善手か、わからなくなってしまったんだ」

円香「はぁ……」

P「いい年した大人が呆れるよな、こんなこと言って」

円香「そうですね。呆れて何も言えなくなりそう」

P「……」

円香「……」

円香「忘れちゃえばいいんじゃないですか」

P「え?」

円香「結局、あなたはずっと思い出せなかった、そういうことで」

円香「それなら、いままでと、同じでしょ。少なくとも表面上は」

円香「私はいま、アイドルとして、役者として前を向いて生きているつもり」

円香「そんな私のプロデューサーには、一緒に前を向いておいて欲しい」

円香「……一緒に、歩んで欲しい」

円香「そう思います」

P「円香……」
57 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2020/07/09(木) 18:57:53.24 ID:hSWD7z19O
円香「いま、あなたの目には、誰が映ってるんですか」

円香「私ですか。それとも……」

P「……」

P「……っ、俺は」

P/円香「……わからない(ですよね)」

P「え」

円香「私、あなたという人間が分かってきた気がします」

円香「不本意ですが。非常に、不本意ですが」

P「な、何も二度言わなくても……」

円香「向けてあげます」

円香「私が、無理やりにでもあなたを私が向くのと同じほうに」

円香「だから、もう昔のことなんて忘れて」

円香「私を、見て」
58 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2020/07/09(木) 19:01:28.60 ID:hSWD7z19O
P(それから、円香は役者として成長を続けた。一流の女優といっても良いくらいだ)

P(もちろん、アイドルとしてのnoctchillも健在だ。依然として人気は高い)

P(283プロには、事務員が数名新たに雇用されるようになった。まあ、事務所としてもお金を持つようになってきたから、ブラック同然の体制を変えようとしてのことだろう)

P(俺は、円香の専属プロデューサーになることを決めた。noctchillのプロデューサーには、人員補填で少しばかり暇になったはづきさんが就くこととなった)

P(最近は、デスクワーク以外の時間のほとんどは円香と過ごしている)

P(それが日常になった)
59 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2020/07/09(木) 19:13:05.96 ID:hSWD7z19O
〜283プロが購入したプライベートビーチ〜

円香「ここが」

P「あの社長、実はこういうのに憧れてたんじゃ……」

円香「いいの? 私たちが使っちゃって」

P「社長も円香が事務所の看板だからって、利用者第1号の座を譲ってくれたんだ。まあ、遠慮しなくていいんじゃないか?」

円香「そう」

P「じゃあ俺はさっそく……」ガサゴソ

円香「……パソコン?」

円香「嘘でしょ。ここまで来て仕事なんてするつもり?」

P「いや、だって日焼けしたくないし……」

円香「そういうのは、いっぱしの俳優にでもなってから言ってください」

円香「……わ、私のような」ゴニョゴニョ

P「お、円香が自画自賛するなんて珍しいな」

円香「っ/// そ、そこは聞こえてないフリするところでしょ、ミスター・ラノベ主人公」

円香「せっかくのオフに仕事なんてさせないから」

円香「あ、あなたは……いっぱしのプロデューサーではあるんだから……」

円香「ここに連れてきたのは、過労死させないためでもあるんです」

P「そ、そんなに働いてるのか? 俺って」

円香「いまにも倒れそうですよ」

P「それは大変だ……」

円香「それに、言ったでしょ」

P「?」


円香「私を見て、って」ダキッ


P「っ!?」

円香「心配かけないで。お願い」ギュッ

P「わ、わかった。わかったって。ごめん」

円香「……なら許す」パッ

P「よ、よーし、仕事道具全部しまっちゃうぞー!」ゴソゴソ

P「ほら、手ぶらになった」

円香「あー、なんかあなたに抱きついたらベトベトしますね。一回シャワー浴びてきます」

P「うぐっ……もう駄目だ立ち直れない」

円香「ふふっ、冗談なのに」

円香「……」

円香「……一緒に浴びる?」


END.
60 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2020/07/09(木) 19:13:48.94 ID:hSWD7z19O
樋口円香のエンディングが1つクリアされました。

冒頭に戻ります。
61 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2020/07/09(木) 19:15:05.67 ID:hSWD7z19O
〜Pの自宅〜

ピピピピッ、ピピピピッ、ピピピピ……

P「……っ」

P「……朝か」


P「いってきます。……って、まあ一人暮らしなんだけどな」

P「よし! 今日も一日頑張るか!」


〜駅前〜

P(事務所まであと少しだが……)

P「っ、暑いな、まったく……」

P「そうだ」


1.我慢できん……とりあえずコンビニに入ろう。
2.急いで事務所に行けばクーラーの効いた部屋が待っている!
3. 路地を歩けば涼しいかな……?

選択肢↓3

(一旦ここまで)
62 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/07/09(木) 19:16:36.96 ID:ar3jQIoYo
63 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/07/09(木) 19:17:07.56 ID:Unw7TiCV0
3
64 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/07/09(木) 19:17:13.41 ID:StxXtORQO
3
65 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/07/09(木) 19:20:56.30 ID:xur/1qVco
たんおつ
66 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/07/09(木) 19:24:52.30 ID:vuCU5hBDO
次は雛菜来ないかな
67 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2020/07/09(木) 22:17:53.67 ID:bzmO8MFY0
P(路地を歩けば涼しいかな……?)

P(よし、入社直後に開拓したルートを行くことにしよう)
68 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2020/07/09(木) 22:24:41.71 ID:bzmO8MFY0
〜事務所付近のとある路地〜

P「ここを曲がって真っ直ぐ行けば……!」

ドンッ

P「うわぁっ!」

「ぴゃっ!?」

P「あ、危ない!」ガシッ

P「すみません! 大丈夫ですか? お怪我は……」

「あ、はい。だ、大丈夫で――って、プロデューサーさん?」

P「え、小糸じゃないか」

小糸「あ、はい。わたしです」

P「ごめんな。ぶつかっちゃって」

小糸「い、いえ。私も、前をよく見てませんでしたから」

P「小糸はいつもこの道を通って事務所に行くのか?」

小糸「あ、えと、普通は人通りの多いほうの道で来るんですけど」

小糸「き、気分転換が、したくて」

P「ははっ、そうか」

P「俺は涼しいかなと思ってこの道にしたんだよ」

小糸「あ、それわかります! 確かに涼しいんですよね! この道」

P「ああ、こっちのルートにして正解だった」

P「小糸にも会えたしな」

小糸「ぴゃぅっ! な、なな、何を言うんですか、もうっ」

P「よし、じゃあ事務所に向かうか」

小糸「あ、待ってくださーい!」
69 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2020/07/09(木) 22:29:04.96 ID:bzmO8MFY0
〜事務所〜

P「おはようございます」

小糸「お、おはようございますっ! ……あっ、円香ちゃんだ」

円香「おはよう、小糸」

円香「それに……」

円香「……ハァ」

P「さすがにひどくないか?」

円香「まだ何も言ってませんが」

P「言わずとも伝わることってあるんだぞ」

円香「そういう高度なコミュニケーションもとれたんですね。覚えておきます」

P「はいはい。よろしくな」

P「仕事はじめる前にコーヒーでも飲むか……」
70 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2020/07/09(木) 22:32:03.22 ID:bzmO8MFY0
P「ひ〜か〜りあつ〜めて〜ひ〜びけとお〜くへ♪」カチャカチャ

P「む〜す〜んだ〜き〜ず〜な〜し〜んじて〜♪」コポポポポ

円香「気味の悪い鼻歌を歌いながらコーヒー淹れるのやめてくれますか?」

P「気味の悪いって……お前らの歌だぞ」

円香「ええ。ですから、私たちの大切な歌に傷がつくので、やめてほしいと言ってます」

P「ひどい……その「私たち」にはプロデューサーである俺は入ってないのかよ」

円香「それは……」

P「……ははっ、そこで言い返さないあたり、円香は優しいな」

円香「なっ……!! さっきからサビの同じ箇所しか歌ってない人に言われたくありません!」

P「正直、スマンカッタ。あ、いや、歌詞とんじゃってな」

円香「最低」

P「じゃあ、今度はバッチリ歌詞覚えて歌うから、な?」

円香「結構です。これからレッスンまでの間、宿題をやるので、静かにしていてください」

P「わかった。そうするよ」


小糸「あっ、ぷ、プロデューサーさんっ。コーヒー、淹れてるんですか?」ピョコ

P「そうだぞ。飲むか?」

P「あ、でも、これブラックだし、小糸はそういうの苦手かも……?」

小糸「ひ、人を見た目で判断してもらっては困ります! わ、わわ、私は大人ですから、それぐらい余裕ですっ!」

P「はは、じゃあ、ブラックでついじまうぞ?」

小糸「望むところです!」

P(すぐに入れられるように砂糖とミルクを用意しておいてあげよう……)
71 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2020/07/09(木) 22:37:36.19 ID:bzmO8MFY0
小糸「にがい〜」ウヘェ

P「知 っ て た」

P「ほら、砂糖とミルクあるから、入れとけ」

小糸「い、いえ! それには及びませんっ」グビッ

P「あ、おいそんな一気に飲んだら……」

小糸 ゴクッゴクッ

小糸 ゴクンッ

小糸「……」

小糸 サーッ

P(やばい……小糸の顔がみるみる青ざめていく)

P「大丈夫か?」

小糸「……」

小糸 フルフル

小糸「ちょっと、そこで横になってます……」

P「ああ、お大事にな……」
72 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2020/07/09(木) 22:41:55.58 ID:bzmO8MFY0
透「あ、樋口。それに小糸ちゃんも。来てたんだ」

円香「うん……って、これから一緒にレッスンあるでしょ」

小糸「……ソウダヨ」

透「あれ、そうだったっけ」

円香「じゃああんたなんでここに来たの」

透「ふふっ、ひみつ」

円香「……何それ」

透「あ、そうだ。樋口、ちょっとそこでジャンプしてみてよ」

円香「は? なんで」

透「小銭欲しくて」

円香「最初からお金貸してっていいなさいよ……」

円香「いくら必要なの?」

透「あ、くれるんだね」

円香「あげるんじゃない、貸すの。で、いくら?」

透「150円」

円香「ジュース1本ぶんくらいだけど」

透「うん。それでいい」

透「さっき飲み物買いにコンビニ入ったんだけどさ」

透「財布、忘れちゃってて」

円香「いい加減学びなさいよ」

透「コーヒーの匂いがする。もしかして、プロデューサーいる?」

円香「……いる」

透「うわ、樋口、すごい顔」

円香「話しかけたいならそうすれば?」

透「そうだね。そうする」


透「プロデューサー、おはよ」

P「お、透か。おはよう」

透「コーヒー、淹れてるんだね」

P「ああ、見ての通りな」

P「飲むか?」

透「いや、いらない。熱いの苦手っていったでしょ」

P「はは、そうだったかもな」

透「プロデューサーって、記憶力あんまりよくなかったりする?」

P「いや、そんなことはないと思うけど」

透「……」

P「透?」


1.もしかして、怒ってるのか?
2.俺の顔に何かついてるか?
3.アイスコーヒーなら好きなのか?

選択肢↓2
73 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/07/09(木) 22:51:56.98 ID:ar3jQIoYo
74 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/07/09(木) 22:54:22.07 ID:xur/1qVco
1
75 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2020/07/09(木) 23:20:27.99 ID:bzmO8MFY0
P「もしかして、怒ってるのか?」

透「!」

透「うん。そう。激おこ、かな」

P「激おこって今日日聞かないな……」

透「ふふっ、そうかも」

P「って、怒ってないだろ、透」

透「それは、ほら。笑いながら怒る人的な」

P「おもしろおじさん路線でいくのか……」

透「コーヒーさ」

透「アイスで飲みたいから、貰っておく。で、冷蔵庫で冷やす」

P「レッスン開始までに冷えるか?」

透「うーん。氷入れまくればいいかな」

P「薄まっちまうぞ」

透「確かに。じゃあ、レッスン終わった後に飲むね」

P「そうしときな」

透「間違って飲んじゃ駄目だよ」

P「間違えないって、俺は。まあ、事務所の冷蔵庫だからみんな使うし、心配ならラップに名前かいておけばいいんじゃないか?」

透「わかった。そうする」
76 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2020/07/09(木) 23:23:23.75 ID:bzmO8MFY0
円香「何話してたの?」

透「うん。まあね」

円香「楽しそうな顔」

透「楽しかったからね」

円香「……飲み物」

透「?」

円香「飲み物、買いに行くんじゃなかったの」

透「あ」

透「ふふっ、忘れてた」

円香「もう」

透「じゃ、買ってくる」

円香「いってらっしゃい」


P「よ〜し、じゃあ仕事すっか」

円香「いちいち報告しなくていいので。どうかご静粛に」

P「わ、わかったよ。ごめんな」

円香「……」

小糸「プロデューサーサンガンバッテクダサイ」コゴエ
77 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2020/07/09(木) 23:25:00.20 ID:bzmO8MFY0
ガチャ

タ、タ、タ、タ

雛菜「やは〜おはようございます〜」

小糸「ひ、雛菜ちゃ……ヴッ、お、おはようっ」

円香「……」

P「おはよう雛菜。よし、これでnoctchillの全員が揃ったな」

雛菜「プロデューサーに小糸ちゃん、それに円香先輩も〜」

雛菜「プロデューサーは、今日もお仕事?」

P「ああ、もちろん。アイドルのプロデュースに精を出してるところだ」

円香「まだ働いてないでしょ」ボソッ

P「そ、それは言うなって……」

雛菜「あは〜プロデューサーと円香先輩、なかよし〜って感じ〜?」

雛菜「じゃあ、雛菜もプロデューサーと仲良し〜ってする〜」

P「ひ、雛菜、近いって……」

円香「仕事、しなくていいんですか。ミスター・社会人(仮)」

P「そ、そうだな。悪いな雛菜、また後でな」

雛菜「うんっ、またあとでね〜プロデュ〜サ〜」

円香「……」ムスッ

小糸「……ま、円香ちゃん?」

円香「なあに?」ナデナデ

小糸「アッ、ううぅ〜いまは触らないで……」

円香「えっ……触らないでって言われた……?」

雛菜「みんなたのしそ〜」
78 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2020/07/09(木) 23:26:21.44 ID:bzmO8MFY0
数時間後

P(今日のnoctchillはレッスン漬けだったよな)

P(あいつらのことだから心配しなくてもいいかもしれないけど……)


1.まあでも、様子を見に行くか!
2.仕事で疲れたし昼寝でもしよう。
3.休憩がてらはづきさんと話すか。

選択肢↓2
79 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/07/09(木) 23:26:46.03 ID:/3RPBhDO0
1
80 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/07/09(木) 23:28:14.57 ID:V8Wc7ZIN0
1
81 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2020/07/10(金) 00:14:33.74 ID:jN173XsT0
P(まあでも、様子を見に行くか!)

P(いま向かえば、ちょうどあいつらも昼休みだろう)
82 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2020/07/10(金) 00:27:41.00 ID:jN173XsT0
〜レッスン場〜

P「お、やってるな」

ワンツーワンツー

P(なんていうんだろうな……授業参観にきた親の気持ちっていうのが、わかったような気がする)

ジャアキュウケイニシマショー

アリガトウゴザイマス!!

P「午前の部は終わったみたいだな」


P「よう、お疲れ様」

小糸「あっ、プロデューサーさん!」

透「来てくれたんだ」

雛菜「やは〜、またプロデューサーに会えた〜。しあわせ〜」

円香「……」

P「午前にやる分の仕事を片付けて、見に来たんだよ。レッスンの様子が気になってな」

P「これから昼休みだろう? みんな飯はどうするんだ?」

小糸「わ、わたしはお弁当持って来てますよ」

雛菜「雛菜も〜」

円香「……」

透「……あ、昼ごはん、ないわ。ふふっ」

透「お弁当、お弁当、1人飛ばして、ご飯抜き」

P「いやいや、あれだけ動いたんだから、きちんと食べなきゃ駄目だぞ?」

透「じゃあ、奢ってよ、プロデューサー」

P「それでたかるのかよ……まあいいけどさ」

雛菜「え〜透先輩ずる〜い。雛菜もプロデューサーとご飯食べた〜い」

小糸「雛菜ちゃん……それだとお弁当が無駄になっちゃうよ」

雛菜「う〜」

透「二人で抜けちゃおっか。プロデューサー」

P「さすがにこの状況で透一人をひいきすることはできないよ」

透「えー」

円香「……」

P「円香は、昼飯どうするんだ?」

円香「……チッ」

P「し、舌打ち……」

小糸「円香ちゃん……えと、その、プロデューサーさん」

小糸「円香ちゃんは、今日お弁当を持ってくるの忘れちゃったみたいなんです」

P「そうだったのか」

円香「……」

P「……」

円香「……」グー

円香「!」

円香「っ///」

P「はは、黙ってても答えは出たな」

P「よし、じゃあ俺の分も含めて、テイクアウトで調達してこよう」

P「みんなは休憩スペースで待っててくれ」
83 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2020/07/10(金) 00:33:59.25 ID:jN173XsT0
〜休憩スペース〜

P(さて、と)

P(どこに座ろうかな)

P(テーブルが小さいのばかりだから2:2にわかれちゃってるな)


1.透と円香が座っているところ。
2.小糸と雛菜が座っているところ。
3.あえてぼっちを選択。
84 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2020/07/10(金) 00:34:31.61 ID:jN173XsT0
安価指定忘れました

選択肢↓2
85 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/07/10(金) 00:45:25.78 ID:hxHQHjlq0
2
86 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2020/07/10(金) 01:10:10.42 ID:jN173XsT0
あ、83で書く予定だった安価指定を84に書いたってことになってますかね。時間かかってもアレなんで、とりあえず>>85を採用します。
87 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2020/07/10(金) 01:18:21.98 ID:jN173XsT0
P「よいしょっと」

雛菜「やは〜プロデューサー来てくれた〜」

雛菜「一緒にご飯食べよ〜」

P「ああ、そうだな」

P「2人は弁当か。いいな、そういうの。懐かしい感じがするよ」

雛菜「プロデューサー、なんだかそれ、おじさんみた〜い」

小糸「ちょっと雛菜ちゃん!」

P「あはは……まあ、お前たちにとっては、俺はおじさんかもな」

小糸「わ、私は、まだまだ若いと思いますよ!」

小糸「それに……」

小糸「うう、な、なんでもありません……」

P「? そうか」

雛菜「プロデューサーは雛菜たちくらいの頃ってどんなだったの〜?」

ガタッ!

雛菜「ん〜?」

P「特にこれといって話すようなエピソードはないな

雛菜「え〜」

エッ

P「そうだな……あの頃は……」


P「いまに比べると旧世代って感じがするな。今思えば、だけどさ」

P「スマホはまだ出始めで全然流行ってなかったし、雛菜たちみたいな女子高生はみんなガラケーにたくさんのストラップをぶら下げてたよ」

P「LINEじゃなくてメールだしな。早いんだぞー、打つのが。タッチパネルじゃなくてボタンだから、押す回数だって結構あるのに、こう、カチカチカチってな」

88 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2020/07/10(金) 01:22:53.98 ID:jN173XsT0
雛菜「そうなんだ〜。全然わからな〜い」

P「まあ、そうだよな。いまどき、小学生でもスマホ持ってる子いるもんな」

小糸「あ、あの!」

P「どうした? 小糸」

小糸「プロデューサーさんは、高校生の頃……好きな人とかいたんですか?」

雛菜「やは〜それ気になる〜」

小糸「もしかして、か、かかっ、彼女、とか、いました?」

P「それは……」


1.彼女がいたと答える。
2.彼女がいなかったと答える。
3.気になってる子はいたと答える。

選択肢↓1
89 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/07/10(金) 01:23:57.08 ID:ht50ho6Ro
3
90 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2020/07/10(金) 01:49:52.72 ID:jN173XsT0
P「気になってる子は、いたよ」

小糸「ど、どんな子か、聞いてもいいですか」

P「うーん、そうだなぁ」

P「というか、あまり思い出せないんだよな。これが」

小糸「そ、そうですか……」

P「どうも高校時代とかその辺がな……」

雛菜「ガラケーの話とか、あんなに覚えてたのに〜?」

P「あ、確かに。それもそうだな」

P「余計に不思議だ……」

小糸「いえ、無理に聞こうってわけじゃないですし、わたしこそ変なこと聞いちゃってごめんなさい」

P「いや、いいんだよ。こうして楽しく話せてるわけだからな」

P「逆に聞くけど、小糸や雛菜はどうなんだ? その、学校で、異性とかいるだろうけど」

小糸「ぴゃっ!? わ、わわ、わたしですか……?」

P「やっぱりそういうお年頃なのかなって」

小糸「そもそも、アイドルに恋愛はご法度じゃないですかっ」

P「まあ、そうだけどさ」

P「それこそ、気にするのは自由なわけだし、何も好きな人がいちゃいけないなんて言ってないぞ?」

P「付き合うのは、確かにアイドルとしては問題あるけどな」

雛菜「雛菜はそういうの、よくわかんな〜い」

P「そうなのか?」

雛菜「雛菜は雛菜がしあわせ〜であればいいの」

P「はは、雛菜らしいな」

小糸「わ、わたしは……」

小糸「き、ききき、きっ、気になる、人、なら、います……//////」

小糸「あ、あうっ……」

雛菜「やは〜小糸ちゃん顔真っ赤だね〜。かわい〜」

P「どんな人なんだ?」

小糸「そっ、それは秘密ですよ!」

P「お、そうか。まあ、無理に聞こうってんじゃないからさ」

P「みんな楽しそうな高校生活ってとこなのかね」

雛菜「だね〜」

小糸「うぅ……」
91 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2020/07/10(金) 01:52:05.60 ID:jN173XsT0
P「おっ、やべっ、もうこんな時間か」

P「それじゃあ、俺は戻るから。お前ら午後も頑張れよ!」

雛菜「うん、がんばるね〜」

小糸「お仕事頑張ってくださいね!」

透「あ、行っちゃった……」

円香「……」
92 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2020/07/10(金) 01:53:32.49 ID:jN173XsT0
P(昼休みはnoctchillのレッスンを観に行って、小糸と雛菜と一緒に昼飯を食べた)

P(高校時代に思いを馳せるなんて、それこそ思いもしなかったな)

P(……よし、楽しく過ごせたぞ)

P(って、俺に言ってどうするんだろうな)

P(……仕事するか)
93 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2020/07/10(金) 01:56:58.05 ID:jN173XsT0
P(もう少しであいつらも帰って来る頃だな)

ヴーッヴーッ

P「……? LINEか」

P「透から、だな」


透『いまそっちに向かうとこ』

透『このあと』

透『みんなが解散したあと、時間ある?』

透『よかったら、話したい』

透『他のみんなには内緒で』


P(何か込み入った事情があるのか?)

P(他のみんな……っていうのはnoctchillのメンバーのこと、だよな)

P(どう返信したものか……)

P(あの3人を撒くんだよな)

P「……」

ガチャ

P(え、もう来たのか?)

P(ど、どうしよう)

小糸「お疲れ様です!」

P「あ、あぁ、小糸か……お疲れ」

小糸「プロデューサーさん、もしかして疲れてますか?」

P「え? あ、いや、そういうわけじゃないぞ。気にしないでくれ」

小糸「それならいいんですけど……」

小糸「あ、あの!」

小糸「このあと、時間、ありますか?」

P「へ?」

小糸「プロデューサーさんに……その、相談したいことがあるんです」

P(こ、これは……)


1.透に応える。
2.小糸に応える。
3.2人とも断る。

選択肢↓3

(とりあえずここまで)
94 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/07/10(金) 02:22:53.88 ID:B0JhdQqDO
2

小糸ルートですな
95 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/07/10(金) 02:59:06.98 ID:LoD+LTrEo
2
96 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/07/10(金) 06:47:36.16 ID:lOi7bHqz0
2
97 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2020/07/10(金) 11:51:51.04 ID:iv8a+1sQO
P(透には悪いが、ここは小糸に応えることにしよう)

P「ああ、時間ならあるぞ」

小糸「わ、わかりました。それじゃ、わたしは事務所に残りますね」

P(透に連絡しておこう)

P『すまない。別件があるから、今日は無理だ』

P『またの機会に埋め合わせするから、堪忍な』

P(これで、よし……)
98 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2020/07/10(金) 11:57:28.64 ID:iv8a+1sQO
P(その後、noctchillの全員が事務所に帰ってきて――)


透「プロデューサー」

P「あ、ああ、おかえり、透」

透「また今度、ね」

P「すまん。頼む」

透「……うん。いいよ、別に」

透「それじゃ、私は帰るから」

円香「では、私もこれで」

雛菜「やは〜私も透先輩と帰る〜」

雛菜「あれ〜? 小糸ちゃんは帰らないの〜?」

小糸「う、うん! わたしは用事があるから、ここに残るね」

雛菜「そっか〜、じゃあね〜。ばいば〜い」フリフリ

小糸「みんな! ……ま、まま、またね!」

透「もしかして別件って……」ボソッ

小糸「透ちゃん……?」

透「ううん。なんでもない。帰ろ」

雛菜「うん〜〜〜〜???」
円香「……」


P(――という感じで、今に至る)

P(今は、事務所には俺と小糸の2人だけだ。はづきさんはもうあがっているし)

P(社長は、今日一日仕事で席を外している)

P(さて……)

小糸「プロデューサーさん!」

P「うぉわっ!」

小糸「ぴゃぅ!! ご、ごめんなさい。驚きましたか?」

P「いや……大丈夫」

小糸「それで……あの……」

P「そうだ、話があるんだよな」

P「遠慮せずに言ってくれ」
99 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2020/07/10(金) 12:11:18.68 ID:iv8a+1sQO
P「え? 俺のオフ?」

小糸「は、はいっ。次はいつなのかなって」

P(小糸の相談……なんだよな?)

P「次の日曜とかは休みだけど」

小糸「それなら……」

小糸「わ、わわ、わたしと……!」

小糸「でっ、で、で……」

P「?」

小糸「でー、……〜〜ディズニーランドに!」

小糸「……行って、欲しいなって」

P「お、おう……」

小糸「ごめんなさい。迷惑ですよね」

小糸「プロデューサーさんだって、疲れてるのに」

小糸「連れ回すようなこと……」

P「い、いや、迷惑なんてことはないぞ」

P「小糸がわがまま言うのは珍しいと思ってな」

小糸「ぴゃっ、や、やっぱりわがまま……ですよね」

P「はは、いつも人一倍努力して頑張ってるんだ。それくらいいいよ」

P「むしろ、小糸のそういう一面がわかって安心した」

P「俺の方こそ、小糸には無理をさせてないか心配があったからな」
100 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2020/07/10(金) 12:18:23.04 ID:iv8a+1sQO
P「……行こうか。じゃあ」

小糸「えっ、いいんですか?」パァッ

P「普段頑張ってる小糸へのご褒美だ」

小糸「や、やった! ありがとうございます! プロデューサーさん」

小糸「で、でも、あれですよね。もうアイドルだし、変装とかしないと駄目ですよね! 任せてください!」

P「いや、小糸はちっちゃいしわからないだろ」

小糸「〜〜〜っ! もう!」

小糸「そんなこと言うプロデューサーさんなんて嫌いです!」

P「ははっ、小糸に嫌われるのは辛いな」

小糸「えっ……いや」

小糸「……うそだもん」ボソッ
101 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2020/07/10(金) 12:26:17.36 ID:iv8a+1sQO
〜夢と魔法の王国〜

P「いやぁ、久しぶりすぎるな」

P「学生の時以来……いや、それも高校の時か?」

小糸「わたしも久しぶりです。ずっとお勉強ばっかりだったから」

P「そうか。じゃあ、今日は楽しまないとな」

小糸「は、はい! よろしくお願いしますね、プロデューサーさん!」
102 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2020/07/10(金) 12:30:47.34 ID:iv8a+1sQO
P「ファストパスとかうまくやれば結構乗れるもんだな」

P「感覚を取り戻してきた」

小糸「プロデューサーさんは、結構ここには来てたんですか?」

P「小さい頃はしょっちゅう来てた気がするけど……成長するとともに頻度が、な」

P「ずっと好きで通い続けてるような人もいるらしいけどな」

小糸「そ、そうなんですか」

小糸「あ、そろそろお昼ご飯食べませんか? あそことかで」

P「そうだな。そうしようか」
103 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2020/07/10(金) 12:34:54.97 ID:iv8a+1sQO
P「お、小糸の頼んだやつ、うまそうだな」

小糸「食べたいんですか?」

P「え? いや、悪いよ。俺なんかより成長期の小糸が食べた方が良いだろ」

小糸「成長期……」

小糸「……」

小糸 チンマリ

小糸「ぴゃぅ」

P「わ、わるい、下手すりゃセクハラだよな今のは」

P「すまん」

小糸「い、いいんです……」
104 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2020/07/10(金) 12:42:10.76 ID:iv8a+1sQO
小糸「……あ」

小糸「でも……あげちゃいます!」

小糸「はいっ、プロデューサーさん」

P(こ、これは……)

P(いわゆる、「あーん」というやつ!)

P「あ、あーん」パクッ

小糸「あ、食べてくれた……」

P「うん」モキュモキュ

P「……」ゴクッ

P「うまい」

小糸「えへへ」

小糸「プロデューサーさんはわたしがいないとだめだめですもん!」

小糸「だから食べさせてあげますね」

P「全部そうする気か!?」

P(小糸に飼われるという生活……)

P(あ、アリ……なのか?)
105 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2020/07/10(金) 12:48:08.87 ID:iv8a+1sQO
P「食った食った」

小糸「そうですね! わたしもおなかいっぱいです」

P「あ」

小糸「?」

P「あそこのカップル、キスしてんなって」

小糸「ぴゃ!? き、きき、キスですかぁ?」

P「ほら、あそこ」

小糸「み、見ちゃだめですって」

P「それもそうか」

P「高校生くらいかなあの子たちは」

P「はは、青春ってやつだ」

小糸「……」
106 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2020/07/10(金) 12:52:48.59 ID:iv8a+1sQO
小糸「プロデューサーさんは」

P「?」

小糸「いま、彼女さんとか……いるんですか?」

P「え? いないよ。仕事が恋人になりつつあるな」

P「まあ、その仕事が楽しいから、いいんだけどさ」

小糸「じゃあ、いない……んですよね?」

P「そうだよ」

小糸「……、よかった」
107 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2020/07/10(金) 13:10:32.90 ID:iv8a+1sQO
小糸「わあっ! パレード!」

小糸「綺麗ですね! プロデューサーさん!」

P「そうだな。小さい頃は見るの好きだったけど、いつのまにかパレードの時間はアトラクションが空く時間っていう認識になっちゃったしな」

小糸「むっ!」

小糸「それって、わたしが小さい子みたいってことですか?」

P「あ、いや、そういうつもりじゃないよ」

小糸「えへへ、冗談ですっ」

小糸「……」

P「……」

P「綺麗、だな」

小糸「はい」

P「夢と魔法とは……あながち嘘じゃないのかもな」

小糸「プロデューサーさんは」

P「?」

小糸「プロデューサーさんは、わたしに……わたしたちに、夢を見せてくれました」

小糸「アイドルという夢」

小糸「こんなに楽しくていいのかなって、なっちゃうくらい」

小糸「でも……夢は、いつか覚めちゃいますよね」

小糸「プロデューサーさんの、プロデュースっていう魔法が解けたらやだな……」

小糸「って思っちゃいました」

108 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2020/07/10(金) 13:13:35.07 ID:iv8a+1sQO
ミナサマ、トーキョーディズニーランドハヘイエンジカントナリマシタ

P「もうそんな時間か」

小糸「すっかり遅くなっちゃいましたね」

小糸「でも、最後まで楽しめました!」

P「ああ、そうだな」

P「……帰ろうか」

小糸「っ、そうですね」
109 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2020/07/10(金) 13:18:57.25 ID:iv8a+1sQO
P「……」トコトコ

小糸「……」テテテテ

P「……」トコトコ

小糸「……」テテテテ

P(か、会話が……)

P(閉園時間になると知るやいなや、小糸のテンションは下がっていく一方のように思える)

P(もっとここにいたかったのかな)

小糸「ぷ、プロデューサーさん、歩くの、ちょっと早いです」

P「あ、すまん。早歩きになっちまってたか」ピタッ

小糸 テテテテ

小糸「えいっ、へへ、追いつきました」

小糸「……」

小糸「もうすぐ出口ですね」

P「あ、ああ……」

小糸「……」

小糸「しゃ、写真!」

小糸「写真撮りましょう! プロデューサーさん」
110 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2020/07/10(金) 13:26:09.45 ID:iv8a+1sQO
小糸「ここがいいです!」

P「お、いい感じだな」

小糸「ここに乗れば……っしょっと!」

小糸「えへへ、プロデューサーさんと同じ目線です」

P「小糸が急に大きくなった」

小糸「これで小さい子とは言わせませんよ!」

P「それはごめんって、ほんと」

小糸「撮りましょうか」

カシャ

小糸「……グスッ」

小糸「プロデューサーさんっ、ちょっとこっち向いてください!」

P「え?」クルッ


チュッ


P「」

小糸「グズッ……夢なら、覚めないでほしいなって」

小糸「魔法なら、とけないでほしいなって」

小糸「こ、こうすれば、大丈夫かなって」

小糸「……」

小糸「わたしは……」

小糸「うっ…… グズッ、ぷ、プロデューサーさんのことが」

小糸「だいすきです」
111 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2020/07/10(金) 13:31:54.40 ID:iv8a+1sQO
P(あれから……)


小糸『お返事は、いまはいいです』

小糸『アイドルにこんなこと……許されませんよね』

小糸『だから、いまはいいです』

小糸『……』

小糸『嘘です。本当は……』

小糸『本当は、プロデューサーさんの返事を聞くのが怖いだけ』

小糸『でも、いま聞いたら、だめになっちゃうかもしれないから』

小糸『……』

小糸『気持ちを伝えられてよかったです』


P(というわけで、小糸の気持ちを知ったまま、保留ということになった)
112 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2020/07/10(金) 13:34:36.16 ID:iv8a+1sQO
〜某市街地、雑誌の撮影〜

P「透は雑誌の仕事増えたよなー」

透「ふふっ、イェーイ」

P「俺が仕事とって来なくてもオファーくるんだもんなぁ」

透「ねえ、プロデューサー」

P「なんだ?」

透「撮影終わったらさ、あそこ、いきたい」

P「あそこって?」

透「ほら、さっき通りすがりに見かけた公園」

P「あぁ、ジャングルジムのあったところな」

透「……そう。行きたいな」

P「わかった。じゃあ、撮影が終わったら行こう」

透「うん」
113 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2020/07/10(金) 13:37:07.41 ID:iv8a+1sQO
撮影後。

P「ジャングルジムは……」

透「……使用禁止、って書いてあるね」

P「危険だから撤去するってことなのかな」

透「……」

P「登りたかったか?」

透「うん……」

P「それは、残念だったな」

P「まあ、でも、せっかく来たんだ。いい天気だし、そこのベンチに座ってゆっくり休まないか?」

P「あれなら、アイス買ってこようか? すぐそこにコンビニあるし」

透「……一番美味しそうなやつ」

P「え?」

透「アイス。そのコンビニで一番美味しそうなやつ買ってきて。それ食べたい」

P「……俺の感覚で選んじゃっていいのか?」

透「いいから。早く買ってきて」

P「わかった」
114 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2020/07/10(金) 13:40:26.75 ID:iv8a+1sQO
P「おまたせ」

透「一番美味しそうなやつは?」

P「お望みどおり、ほれ」

透「……ハーゲンダッツ」

P「これなら喜ぶかなって」

P「安直かとも思ったんだがな」

透「ううん。ありがと、プロデューサー」

透「プロデューサーに感謝しながら食べる」

P「俺が作ったわけじゃないけどな」
115 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2020/07/10(金) 13:48:31.93 ID:iv8a+1sQO
透「小糸ちゃん」

P「?」

透「小糸ちゃん、最近いきいきしてる」

P「それは透もだろう」

透「そういうことじゃなくて、さ」

透「前は無理してるって感じ、あったけど。いまは楽しそう」

P「……」

P「小糸は……頑張りすぎているほどに頑張ってるんだよ」

P「他の3人の実力を知ってるから。仲間外れにならないようにってさ」

P「でも、いまは、迷いなく自分が上を目指すために頑張れてる。良い傾向だよ」

透「なんていうか」

透「なんで小糸ちゃんは変われたのかなって」

透「まるで、見てほしい人がいるみたいな」

P「それは……、noctchillのファンとかか?」

透「それもそうだけど」

透「他にいる気がする」

P「……そう、なのか?」

透「うん。私の勘」

P「……」

P「お前ら4人は付き合い長いから……妙に信憑性があるなそれは」
116 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2020/07/10(金) 14:07:26.98 ID:jN173XsT0
透「はあ……」

P「どうした。でっかいため息なんてついて」

透「んー」

透「ジャングルジム、登りたいなって」

P「使用禁止だしそれは……」

透「でも登っちゃう」

透「よいしょっと」

P「……」

透「……」

透「「てっぺん」、目指したくて」

透「今はまだ、登ってる途中だけど」

透「目が覚めないうちに、登りたい」

透「それで、もう一度一緒に……」

P「透?」

透「ねえ、プロデューサー」

P「なんだ?」

P(壊れるかもしれないし危ないぞ――)

P(――と心のなかでは思ったが、なぜかそれが口に出せない)

P(透の綺麗な顔立ちから、目が離せない。透の視線から、逃れられない)

P(捕獲されたような、そんな感じ)

透「思い出して欲しいんだ」

P(切望するような眼差しに釘付けになる)

透「一緒に、登ってくれる?」

P「俺みたいな大人が登るのは……」

透「そういうことじゃなくて、ね?」

透「……答えて」

P「……」


1.「それはできない。できないよ、透」
2.「……もう撤去されちゃうし、登るか」
3.沈黙。

選択肢↓2
117 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/07/10(金) 14:22:38.16 ID:cRsK0vQMO
118 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/07/10(金) 14:44:24.09 ID:9qoAu7YZo
2
119 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2020/07/10(金) 18:44:41.24 ID:jN173XsT0
P「……もう撤去されちゃうし、登るか」

P「遊具も遊んでもらったほうが嬉しいだろ」

透「……やった」

P「近くで見ると結構大きいんだな、このジャングルジム」

P「てっぺんでの景色には期待できそうだ」

P「よい、しょっと……」

透「……」

P「どうした? やっぱり登るのやめるか?」

透 フルフル

P「ま、俺は登っちまうけどな」

P「透が登らないとしても、代わりに景色を見てきてやる」


P『俺が、行くからさ!』


P「っ!」

P「……いまのって」

カンッカンッ

P「あ、おい、透!」

透「なにしてるの、プロデューサー」

透「登らないなんて、言ってないから」

透「置いていっちゃうよ」

P「……ははっ」

P「待てよ、俺も行くからさ」
120 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2020/07/10(金) 18:54:52.75 ID:jN173XsT0
P「ふぅ」

透「なんか」

透「普通だね。景色」

P「まったくな」

P「確かに普段とは違う目線の高さだけど、まあ、それだけって感じだ」

P「……まあ、でも」

P「登ってよかった」

透「!」

透「うん。私も、そう思う」

透「これが、てっぺんなんだ」

透「登れたんだ、私」

P「でも、夢なんかじゃないぞ」

P「夢はいつか覚めるものだけど」

P「これは現実だ。俺たちが生きてる人生なんだよ」

P「だから、消えてなくなりなんてしないさ」

P「透、言ってたよな」

P「登っても登ってもてっぺんに着かないって」

透「……!」

P「人生でもさ、登り続けるジャングルジムはあるんだよ」

P「でもそれは、てっぺんがないんじゃなくて」

P「てっぺんがたくさんあるだけなんだ」

P「1つてっぺんにたどり着けば、そこをスタートにした別のてっぺんがある」

P「WINGはゴールであると同時にスタートでもある」

P「目的はあるところから先で手段にもなる」

P「そういうことなんだ」

透「プロデューサー……」

P「俺は、そんなジャングルジムを登るお前らについて行って、支えてやるのが仕事なんだよ」
121 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2020/07/10(金) 18:59:51.71 ID:jN173XsT0
P「あのときから何も変わってないさ」

P「一緒に登っていこう」

透「うん……、グスッ」

透「思い出してくれたんだ」

P「少し時間がかかっちまったけどな」

透「グスッ……ほんと、待たせすぎ」

透「でも、嬉しいな――」


透「――僕」


P「そうだよな。あのときはそうやって言ってた」

透「こういうキャラでいってみる?」

P「そうしたいのか?」

透「……いや、いいよ」

透「大切にしておきたいんだ」

透「僕と、プロデューサーの、2人だけの秘密ってことで」

P「はは、そうか」

P「じゃあ、そういうことで」

透「うん」
122 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2020/07/10(金) 19:02:10.30 ID:jN173XsT0
透「でも、あれだね」

透「プロデューサーは、私1人と登ってくれるわけじゃないんだよね」

P「?」

透「いいよ、別に」

透「まあ、そういうこともあるか」

透「これからも、noctchillをよろしくね」

P「おう、任せとけ」
123 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2020/07/10(金) 19:06:17.68 ID:jN173XsT0
数年後。

P(noctchillは、グループとしての活動を継続しているものの、高校卒業を期に各々がソロで動くことが増えていった)

P(皆、大学に進学した)

P(特に、小糸は芸能活動と勉強を両立して、都内の有名な大学に進学できた)

P(いまは、クイズ番組に出ないことはないくらいの、インテリ系アイドルとして、小糸はテレビに出演している)

P(そして……)
124 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2020/07/10(金) 19:13:13.39 ID:jN173XsT0
〜Pの自宅〜

ピピピピッ、ピピピピッ、ピピピピ……

P「……っ」カチッ

P「……」

P「……まだ5分寝れるだろ」

P「zzzZZZ」


「――て、あ――すよ!」

P「んぅぅ、うるさい……」

「おこ――すよ! も――」

バサアッ

P「うわっ!」

「もう! 二度寝しちゃ駄目です! 朝なんですから――」

小糸「――起きてください! Pさん!」

P「布団はがさないでくれよ〜」

小糸「布団返しちゃったらまた寝ちゃうじゃないですか〜!」

小糸「朝ごはん、せっかく作ったのに冷めちゃいます!」

P「わ、わかった……起きるよ」

小糸「そ、それでいいんです!」

小糸「わたしがいないとだめだめですね! Pさんは」
125 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2020/07/10(金) 19:16:56.84 ID:jN173XsT0
P「……」モキュモキュ

P「……」ゴクッ

P「……」

P「小糸もそろそろ4年生か」

小糸「そ、そうですけど……」

P「進路はどうするんだ?」

小糸「Pさん……な、なんだかお父さんみたいです」

P「まあおじさんではあるからな」

小糸「……まだまだかっこいいですよ」ボソッ

P「ありがとう」

小糸「ぴゃっ!? そそ、そこは聞き流してくれればいいんです!」

P「そういうもんか」

小糸「そうですよ」
126 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2020/07/10(金) 19:23:45.31 ID:jN173XsT0
小糸「とりあえず……いまのお仕事が続けられたらなって」

P「そうか」

P「それなら、いままでどおり俺も小糸のプロデューサーとして頑張るよ」

小糸「そ、それから……」

小糸「うぅ」

P「どうした? 腹でも痛いか?」

小糸「ち、違います!」

P「体調管理には気をつけろよ」

小糸「わかってますよ。Pさんこそ、外食は控えてください!」

小糸「Pさんの体に何かあったら……わ、わたし……泣いちゃいますよ!」

P「ごめんって。気をつけるから。な?」ナデナデ

小糸「ふわぁっ……って、ごまかされませんよ!」

小糸「この前Pさんのお財布にラーメン屋さんのレシートがたくさん入ってました!」

小糸「ご、ごはんならわたしが頑張って作りますから……その」

小糸「もう少し、わたしのことも考えてください」

P「小糸をないがしろにしてたわけじゃないんだ」

P「ごめん。ちゃんと気をつける」

P「その代わり、小糸に何か作ってもらおうかな」

小糸「!」パァッ

小糸「ま、任せてください! 余裕です!」

P「ありがとう、小糸」
127 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2020/07/10(金) 19:33:16.78 ID:jN173XsT0
P「ごちそうさまでした」

小糸「ごちそうさまでした!」

小糸「わたし食器洗っちゃうので、Pさんはお仕度しててください」

P「あ、ああ……」

P(テキパキと家事をこなす小糸を見て)

P(なぜか、自然と言葉に出た)

P「結婚しようか」

小糸「ぴゃい!? い、いま、なんて」

P「え、あ」

P「本音がつい、な?」

小糸「も、もも、もう一度お願いします」

P「ああ」

P「結婚してくれ、小糸」

小糸「っ!!」

小糸「Pさんっ!」ダキッ

P「うおっ」

小糸「わたし……わたし……」グスッ

小糸「……い、いいんですね? もう逃げられませんよ!」

P「逃げないよ」

P「ずっと、小糸のそばにいるさ」

小糸「わたし、ずっと不安だったんです」

小糸「プロデューサーさんには……Pさんには気持ちを伝えたけど、それでよかったのかなって」

小糸「でも、Pさんが好きで好きで仕方なくて……!」

小糸「こんな、お家に通っちゃったりなんかして……」

小糸「都合のっ、ズビッ……良い、おんなだって……思われたらどうしようって……」

小糸「ずっと泣いてて……」

小糸「もう、安心していいんですよね」

P「もちろんだ」

P「小糸は普段から言ってるだろう? 俺は小糸がいないとだめだめだって」

P「その通りだよ」

P「俺には、小糸がいないと駄目なんだ」

小糸「〜〜〜〜!」

小糸「かっ、顔!」

小糸「いまわたしの顔見ちゃ駄目です!」

P「な、なんでだよ」

小糸「嬉しすぎて変な顔してます!」

P「余計に見たくなってきたんだが」

小糸「だ、駄目ですってば〜!」
128 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2020/07/10(金) 19:40:27.47 ID:jN173XsT0
小糸「あ、でも」

小糸「アイドル、引退しないといけないんですかね」

P「あ、その辺考えてなかった……」

小糸「もうっ、嬉しいですけど、そこは考えてくださいよ! ……えへへっ」

小糸「“プロデューサーさん!”」


P「それじゃ、仕事行ってくるから」

小糸「はい! わたしは2限があるので、合鍵で閉めておきますね」

P「ああ、頼んだ」

小糸 ニコニコ

P「はは、嬉しそうだな、小糸」ナデナデ

小糸「こ、子ども扱いしないでください!」

P「いいじゃないか。俺は嬉しいよ、そういう小糸がそばにいてくれて」

小糸「あぅ……そういうことを言うのは反則だと思います……」

P「じゃ、行ってきます」

小糸「……」

小糸「ま、待って!」

P「え?」クルッ


チュッ


小糸「えへへ、いってらっしゃいってことです!」

小糸「それから……」

小糸「……帰ってきたら、つづき、しましょう」
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