マリー「ここではあなたの学校より、人生がもうちょっと複雑なの」

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48 : ◆t8EBwAYVrY [saga]:2020/07/21(火) 23:18:14.86 ID:FFORXh+c0
 ――・・・

マリー「黒森峰への果たし状、処分しておいてちょうだい」

祖父江「よろしいのですか?」

マリー「私達にはまだ早いわ。今、試合を組んでも得られるものはない」

祖父江「承知しました」

 扉<ガチャ!

安藤「あの野郎!頭にくる!」ズンズン

マリー「どうしたの安藤。ずいぶん怖い顔して」

安藤「アンタんとこの副官サマだよ!私が絵を描いてたら――」

マリー「あなたが絵を・・・?」

安藤「押田をしつけてくれ!じゃなきゃ私が頭をカチ割ってやるぞ!」

マリー「まあ落ち着きなさい。興奮しすぎよ」

安藤「落ち着いてられっか!なあ、私はアンタの右腕だよな!?」

マリー「その通りよ」

安藤「だろ!?だったらアンタの代わりにアイツを殴ってやる!なんなら榴弾でぶっ飛ばしてもいいぞ!」

マリー「そうコトを荒げないでちょうだい。祖父江、あなたはどう思う?」

祖父江「・・・まあ・・・押田様は少々外部の者に当たりが強いかと・・・」

安藤「少々!?邪魔になるから外部生はチームをやめろとまで言われたんだぞ!」

 安藤「まあそれはこの際どうでもいい。私達は絶対にやめないからな」

 安藤「問題は人を見下す態度だ!なんだあの物言い!失礼だぞ!私達は犬か!?」

 安藤「あいつの根性を叩き直す許可をくれ・・・!」

マリー「わかったわ。押田には私から話しておく。あなたは少し休みなさい」

安藤「っ・・・そうさせてもらう。あいつをしつけてくれ。早くな!」ズンズン

 扉<ガチャ バタン

マリー「・・・ねえ、絵って?あの子何か描いてるの?」

祖父江「さあ、知りません」
49 : ◆t8EBwAYVrY [saga]:2020/07/21(火) 23:34:27.13 ID:FFORXh+c0




 ――・・・

 ☆《 安藤が描いたよくわかんない油絵 》☆

安藤「どうだ?」

マリー「・・・創造力をかき立てる作品ね」

安藤「それっていい意味なのか?」

マリー「・・・」

安藤「アンタらはどう思う?この絵、すごいかな」

砂部「・・・す、素敵だと思います」

祖父江「・・・私の部屋に飾るかと訊かれたら・・・飾りませんが・・・いいと思いますよ」

マリー「オリジナリティーはあるわね」

安藤「いくらで売れるかな?」

マリー「えっ、お金取るつもりなの」

安藤「前に聖グロからしょーもない絵買ってただろ。これならいくらで売れると思う?」

マリー「・・・お腹すいちゃったからオヤツにしましょ」

安藤「おい、ちょっと待てよ。いくらで売れるんだよ。なあ。ちょっと」
50 : ◆t8EBwAYVrY [saga]:2020/07/21(火) 23:37:13.28 ID:FFORXh+c0
 ――・・・

マリー「押田、あなた外部生の子達に当たりがキツイそうね」ラスク モグモグ

押田「はっ・・・そうでしょうか」

 安藤「・・・」コーヒー フーフー

マリー「そういった意見が寄せられているわ」ゴクン

押田「私は別段そんなつもりはないのですが」

マリー「無意識なのね厄介だわ」

押田「しかしマリー様、外様モンキーどもに礼儀をわきまえる必要などないのではないでしょうか」

マリー「そういう考え方ではダメ。外部生の子達とも仲良くやっていく努力をなさい」

押田「そ、それは無理な話です!あんな猿山連合軍、意思疎通が出来るとは思えません!」

マリー「無意識でこれなんだもんねぇ」

安藤「マリー、もっと厳しく言ってやれ」

押田「キミは黙っていてくれないかな。我々は高貴な会話をしているんだ」

マリー「押田、そういうところよ」

押田「マリー様も早々にこんな連中を切り捨てた方がいいです!邪魔な外部生どもと手を切るべきです!」

マリー「あなた、私の夢が何なのか理解していないわね」

押田「!?」

マリー「私の夢は内部生と外部生を一つにまとめて、全国の強豪相手に勝てるチームにすることよ」

 マリー「外部生の子達にも敬意を払いなさい。あの子達は仲間なの」

押田「しかし・・・」

マリー「外部生の子達と一緒にやれないようなら、私は戦車に乗らないわ。わかったわね」

押田「・・・・・・はい・・・」

安藤「ぷぷぷ、怒られてやんの」ヤ〜イヤ〜イ

押田「ぐぬっ・・・!」メラメラ
51 : ◆t8EBwAYVrY [saga]:2020/07/21(火) 23:38:58.64 ID:FFORXh+c0
 ――・・・

安藤「隊長、朝だぞ。起きた起きた」カーテン シャー

マリー「うぅ〜ん・・・ふわぁ〜・・・おはおう安藤」ネムネム

安藤「はい、おはよ。こっち来な」グイ

マリー「むにゃむにゃ」アクビィ〜

安藤「そら、着替えだ着替え」ヌギヌギ

マリー「ふわ〜・・・ありがとう」グイグイ

安藤「次は歯磨き」ガシガシ

マリー「はりはほう」ガシガシ

安藤「朝食」アーン

マリー「あひがほう」モグモグ

安藤「筆記用具と教科書持って、はい、授業行くぞ」スタスタ

マリー「はぁ〜い」ポテポテ

 祖父江「すっかり慣れた手つきですわね・・・」

 砂部「私達の仕事が減って楽になりましたね」
52 : ◆t8EBwAYVrY [saga]:2020/07/21(火) 23:46:35.45 ID:FFORXh+c0
 ――・・・

安藤「・・・なあ、二人に折り入って頼みがあるんだが・・・」

砂部「私達に?」

祖父江「安藤さんが頼みごとなんて珍しいですね。何かお困りですか?」

安藤「実は・・・この前の試験、赤点を取ってしまって・・・その・・・勉強を教えてほしくって・・・」

砂部「まあ、それは大変」

マリー「ちょっと安藤、どうして私に教えを請わないの」

安藤「マリーは勉強苦手そうだし・・・」

マリー「んマッ、心外」

祖父江「いいですよ。私達にわかるところならお教えしましょう」

安藤「よかった!実は受験組には私の他に赤点取ったヤツが5,6人いるんだ。みんな面倒を見てやってほしい」

祖父江「えっ、そんなに」

砂部「それはまずいですね・・・悪い成績が続くようでは戦車道を控えないといけないかもしれません」

 押田「ははは!何人も赤点がいるんじゃあ戦車道など!」ガラ

安藤「むっ、そうゆうエスカレーター組はどうなんだ押田」


押田「私一人だ」キリッ


押田「おねがいしまぁす!」ズァッ!

安藤「わはははははは!」

マリー「おばかさんばっかりね」ヤレヤレ
53 : ◆t8EBwAYVrY [saga]:2020/07/21(火) 23:50:34.30 ID:FFORXh+c0
今回はここまでで
54 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/07/22(水) 00:08:50.50 ID:1BCd7hj20
押田ってのはクズだな
55 : ◆t8EBwAYVrY [saga]:2020/07/22(水) 23:27:25.27 ID:b0KeTadH0
 ――・・・

押田「マリー様!進級おめでとうございます!」

マリー「あなたもね」

押田「私が2年になれたのもマリー様のおかげです!」

砂部「マリー様、進級祝いのモンブランをお持ちいたしました」

マリー「わぁいモンブラン♪マリーモンブランだいすき♪」

祖父江「行列のできる人気店の限定メニューです。味わってお食べください」

押田「ささっ、マリー様、フォークをどうぞ」スッ

マリー「ありがとう♪それじゃあ、いっただっきま――」

 安藤「栗もーらいっ」ヒョイパク

マリー「Σ(・ω・)!」

押田「あ、安藤貴様ァ!な、なんちゅうことをするんだ!」

安藤「うん、美味い」モグモグ

マリー「(・ω・)・・・」

マリー「(;ω;)ジワ・・・」

砂部「ま、マリー様!お気をたしかに!」ササッ

祖父江「だ、大丈夫です!また買ってきますから!」
56 : ◆t8EBwAYVrY [saga]:2020/07/22(水) 23:36:17.80 ID:b0KeTadH0




 ――・・・街中

安藤「もしもし?・・・ああ、隊長は離れたところにいる。今は私一人だよ。ああ、わかった。じゃあ7時半に」ピッ

マリー「どう?砂辺ピリピリしてた?」

安藤「ああ、アンタの誕生日パーティーの準備真っ最中だ」

マリー「毎年盛大にやってくれるのよ。私に隠れてるつもりでね」

安藤「6時半には寮に戻るぞ。買い物に付き合ってやれるのはそれまでの間だけだ」

マリー「わかってるわかってる〜♪」

安藤「ブランドものの店ばかり渡り歩いてるが何も買ってないな」

マリー「ん〜っ・・・隊長らしい素敵なアイテムが欲しかったのだけど、どれもピンとこなくてねぇ〜」

安藤「ふーん。ま、たしかに隊長らしい装飾品はある方がいいかもな。威厳が出て」

マリー「でしょ?やっぱりアイテムがあった方がカッコイイわよね〜!」

安藤「まあ、マリーじゃ威厳は出なさそうだがな」

マリー「むーっ、バカにしてるでしょ」

安藤「ははは、悪い悪い」

マリー「むむむーっ」ポカポカ

安藤「すまんすまん、叩くな叩くな」ハハハ
57 : ◆t8EBwAYVrY [saga]:2020/07/22(水) 23:37:51.77 ID:b0KeTadH0
 ・ ・ ・

 ――・・・BC自由学園舞踏ホール

 <♪〜♪♪〜

 \ワイワイガヤガヤ/ \ペチャクチャペチャクチャ/ \ニギニギヤカヤカ/

外部生A「・・・すげぇ・・・」アゼン

外部生B「隊長の誕生日会に呼ばれたんだよね?貴族のパーティーじゃないの・・・これ」

外部生C「エスカレーター組の連中はさも当たり前のようにおしゃべりしてるし・・・」

安藤「・・・」キョロキョロ

外部生A「お、さすがの安藤クンも豪華な舞踏会には挙動不審になるか?」

安藤「いや・・・あいつが・・・押田がいないと思って・・・」

外部生A「そりゃ妙だな。隊長の側近がいないなんて」

安藤「・・・ちょっと見てくる」


 ・ ・ ・

 ――・・・押田の部屋

 扉<コンコン

安藤「おーい押田くん、いるか〜?」

 扉<・・・・・・

 扉<グスン・・・

安藤「どうした?・・・泣いてるのか?」

 扉<ヒック・・・

安藤「入るぞ」ガチャ
58 : ◆t8EBwAYVrY [saga]:2020/07/22(水) 23:40:18.56 ID:b0KeTadH0
押田「!・・・グスン・・・勝手に入ってくるんじゃない」

安藤「なんだ生理痛か」

押田「ほうっておいてくれ!私なんかに構うな・・・」グス・・・

安藤「おいおいどうした。いつもの減らず口は?様子がヘンだぞ」

押田「もう終わりだ・・・・・・私はマリー様にお仕えする資格などない・・・」ポロポロ

安藤「落ち着けって押田。そんなメソメソしたら綺麗な顔が台無しじゃないか。・・・何があった」

押田「・・・マリー様への誕生日プレゼントを紛失してしまった・・・・・・もうおしまいだ・・・」

安藤「なんだって?」

押田「一週間も前に用意しておいたのに・・・当日になって紛失していることに気づいたんだ・・・」ポロポロ

 押田「マリー様に会わす顔がない・・・副隊長失格だ・・・人間としても失格・・・私なんかいないほうがいい・・・もう学校中退する」

安藤「なにバカなこと言ってんだ。ほら行くぞ。もうパーティーはじまってるんだから」グイ

押田「安藤・・・探してくれないか?」グスン

安藤「・・・私に頼み事か?お嬢様のアンタが」

押田「お金なら出す!いくらでもいい!青と金のリボンでラッピングしたこれくらいの包みだ!探してくれ!」

安藤「・・・なんだと」

押田「学校のどこかにはあるはずなんだ!いくらならやってくれる?言い値で払うから!」

安藤「いい加減にしろ。金を払うだと?私を見損なうな・・・!」

押田「安藤・・・」

安藤「仲間だったら素直に頼れ。お前にはガッカリだ・・・無くしたもんは自分で探すんだな」

 扉<バタン!

押田「安藤!・・・・・・私を見捨てないでくれ・・・!」グスン


 扉<・・・ガチャ

安藤「じゃあいくら払う?」

押田「っ!・・・・・・ひねくれもの・・・」
59 : ◆t8EBwAYVrY [saga]:2020/07/22(水) 23:42:18.51 ID:b0KeTadH0
 ・ ・ ・

マリー「あら、安藤どこに行ってたの?これからビンゴ大会がはじまるのよ」

安藤「隊長、押田くんが言いたいことがあるんだとさ」

押田「ま、マリー様・・・実は・・・マリー様への誕生日プレゼントを紛失してしまいまして・・・」モジモジ

マリー「んマッ」

押田「申し訳ございません!不名誉除隊だろうと甘んじてお受けいたします!誠に申し訳ございませんでした!」ガバッ

マリー「私がそんなことであなたをチームから追い出すと思っているのかしら?」

押田「っ!・・・」

マリー「いつか改めてプレゼントしてちょうだい。今日は私の誕生日、湿っぽい顔なんてダメよ」

押田「マリー様・・・!」

マリー「これからも私の大切な騎士でいてちょうだい」ニコッ

押田「っ・・・はいッ!押田ルカ、一生マリー様にお仕えいたします!」

マリー「さ、ビンゴが始まるわ。はい、カード持って。安藤も」

安藤「はいよ。・・・ウチの大将は器がデカイのか脳天気なのか・・・」ヤレヤレ


 ・ ・ ・

祖父江【マリー様お誕生日ビンゴ大会の特賞賞品はみごとマリー様が当てられました〜!】

砂部【はい、特賞はフランスの名曲『さくらんぼの実る頃』のレコードです。ビンテージ物ですよ】

マリー「やったー」ブイ

押田「さっすがマリー様!

安藤「イカサマ無しのガチで当てるからすごいんだよなぁ・・・」
60 : ◆t8EBwAYVrY [saga]:2020/07/22(水) 23:44:51.48 ID:b0KeTadH0
 ・ ・ ・

エクレール「マリーさん、お誕生日おめでとうございますですわ」

マリー「わざわざ来ていただいてありがとう。どうかしら、マジノの仕上がり具合は」

エクレール「隊長に就任してからというもの、苦労の毎日ですわ。でもそれはあなたも同じことでしょう?」

マリー「そうね。ウチも一筋縄ではいかないもの」

エクレール「お互い努力しましょう。全国大会で相対することとなっても手加減はいたしませんわ」

マリー「ええ、もちろん」

 ・ ・ ・

ダージリン「お誕生日おめでとう、BCの新隊長さん」

マリー「ありがとう」

ダージリン「代々、聖グロとBCは友好的な関係を築いてきたわ。先代までは幾度となく合同練習を行ってたわね」

マリー「ええ」

ダージリン「でも隊長があなたに代わってからは一度も一緒に練習していない・・・手の内を見せないためかしら?」

マリー「やることがいっぱいでして」

ダージリン「両校の関係を白紙に戻す気なのかと思いましたが、こうしてパーティーに招待されたということは友好関係は継続ということでよろしいのね?」

マリー「当然ですわ。これからもよろしく、ダージリンさん」

ダージリン「こちらこそ」

マリー「友好のしるしとして・・・こちらを」スッ

 《☆安藤が描いたよくわかんない絵☆》

ダージリン「まあ、なんとも前衛的な油絵ね・・・」

マリー「貴校に譲渡しようかと。高名な方が描かれた貴重な作品ですわ」

ダージリン「へえ・・・」

マリー「受け取ってくださるわね?我々の友好のしるしとして」

ダージリン「もちろん、喜んでいただくわ」

マリー「1万1000ユーロで」

ダージリン「えっ、お金とるの」

マリー「友好的な値段でしょう?」ニコッ

ダージリン「・・・」
61 : ◆t8EBwAYVrY [saga]:2020/07/22(水) 23:47:23.57 ID:b0KeTadH0
 ・ ・ ・

 吹奏楽部<♪!♪〜♪〜

マリー「安藤、この曲を知ってる?」

安藤「トムとジェリーの曲だろ」

マリー「フフっ」

押田「なっ・・・このクラシックの名曲を知らんのか!」

安藤「音楽ってのは踊れなきゃ音楽じゃないんだよ。おーい指揮者」ガタッ

押田「んな!?なにをするつもりだ!演奏の途中だぞ!」

安藤「もっとノリノリで楽しく踊れる曲を演奏してくれよ」

 指揮者「踊れる曲ですと?・・・」

安藤「アースウィンド&ファイアーの『Boogie Wonderland』とか出来ない?」

 指揮者「おお!いいですとも!皆の衆!いくぞ〜、3、2、3、2、1・・・」カッカッカッ


 吹奏楽部<♪ッ♪ッ♪ッ♪♪ッ ♪〜♪♪♪ッ♪〜♪〜♪〜♪♪〜

マリー「あら、激しい曲ね」

安藤「ほらほら隊長、座ってないで立って立って」スック

マリー「ふふ、あの安藤がダンスのお誘いかしら」

安藤「みんなもホラ!隊長の誕生日だぞ!踊ろうじゃないか!ほらほら!」

 内部生A「・・・たしかに・・・」

 内部生B「マリー様と一緒に踊れる機会なんてもうないかも・・・!」

 内部生C「わたくしも踊りますわ!」

  外部生A「安藤がそこまで言うなら・・・!」

  外部生B「せっかくだから私も!」

  外部生C「同じ阿呆なら踊らにゃ損々!」

 吹奏楽部<♪〜♪♪〜 ♪♪♪♪〜♪〜♪〜

安藤「はっははは!どうだ?楽しいだろう?」♪〜

マリー「ええ、とっても」♪〜
62 : ◆t8EBwAYVrY [saga]:2020/07/22(水) 23:48:18.59 ID:b0KeTadH0
押田「マリー様・・・」

安藤「お姫様、お手を」スッ

押田「!・・・な、なにを言うんだ君は!・・・わ、私はいい」

安藤「そんなこと言わずに。みんな楽しそうに踊ってるぞ」

押田「・・・わ、私は踊るのは苦手なんだ・・・」

安藤「いいんだよ、リズムに合わせて動けば」

押田「で、でも・・・」

安藤「ほら」グイ

押田「わ!わっ!」

安藤「隊長、押田くんも踊るってさ」♪〜

マリー「あら、いらっしゃいルカ」♪〜

押田「ま、マリー様・・・私、うまく踊れてますか?」♪〜

マリー「楽しかったらそれでいいのよ」♪〜

押田「!・・・それなら・・・大丈夫ですね」♪〜

安藤「はっははは、高貴なお嬢様でもダンスは苦手か」♪〜

押田「う、うるさいやい!」♪〜

安藤「ハハハハ」♪〜

マリー「ふふふ」♪〜

押田「・・・はは・・・ハハハ」♪〜
63 : ◆t8EBwAYVrY [saga]:2020/07/22(水) 23:49:59.51 ID:b0KeTadH0




 ――・・・夜

マリー「うふふふ、今日は楽しかった〜」ピョンピョン

安藤「ほれ、もう寝る時間だろ。ベッドに入った入った」

マリー「はーい」ピョンコ モフ

安藤「枕の位置これでいいか?」バフバフ

マリー「ええ。ありがとう安藤」

安藤「どういたしまして。アンタの世話も慣れたもんだよ」

マリー「もうすぐ夏の全国大会の抽選会ね。私が隊長に就任して初めての公式大会だわ」

安藤「努力の成果が試されるな」

マリー「なんとしても勝たなくちゃね」

安藤「そんなアンタにOGのアズミ先輩から誕生日プレゼントだ」スッ

マリー「手紙?」

安藤「読み上げるぞ。『前略マリー隊長へ。がんばってるかしら?隊長にもなると気苦労も多いでしょうけど、無理しないでね』」

 安藤「『戦車道の一番の武器は信頼と友情。それを覚えておきなさい』」

 安藤「『もしも内部生と外部生が真に協力し合い、一体となったら・・・』」

マリー「・・・」

安藤「『・・・』の意味はなんだと思う?『さいきょう』って意味さ」

マリー「ふふふ、私達が最強、ね」クスクス

安藤「あんたならやれるさ。受験組もエスカレーター組も一つにまとめて、きっと最強のチームを作れるよ」

マリー「ありがとう。最高の誕生日プレゼントだわ」

安藤「・・・じゃあ、そろそろ私も寝るよ。手紙、枕元に置いておくからな」

マリー「おやすみ、レナ」

安藤「・・・誕生日おめでとう、マリー様」
64 : ◆t8EBwAYVrY [saga]:2020/07/22(水) 23:50:25.45 ID:b0KeTadH0
今回はここまでで
65 : ◆t8EBwAYVrY [saga]:2020/07/23(木) 10:18:09.65 ID:/xkiWyYx0




 ――・・・戦車道全国大会抽選会当日

マリー「ハンチングにしてみようかしら」スッ

押田「お似合いですマリー様」

安藤「ダメダメ、昔の漫画家みたいだ」

マリー「ん〜、どの衣装で行こうか迷っちゃうわね」コレモイイ アレモイイ

安藤「どれでもいいじゃん。たかが抽選会で・・・」

押田「なにを言う。全国の強豪と顔を合わせるのだぞ。結果次第で我らの勝ち進める確率も――」

マリー「こんなのどうかしら。赤いドレス」シャランラ〜☆

押田「ぅおあキレイですマリー様!」

マリー「う〜ん、でもやっぱりいつもの制服が一番かしら♪」シャルンッ☆

押田「ほあぁ美しいマリー様!」

安藤「やれやれ、付き合ってられないや」

マリー「いい機会だわ。安藤、抽選会には押田が付き添ってくれるから、あなたはオフにしなさい」

安藤「丸一日休みか」

マリー「大会本番までに外部生の子達もまとめあげておいてちょうだい」

安藤「わかってるよ。マリーも一回戦で強豪校を引き当てるんじゃないぞ」

マリー「・・・ちょっと緊張する」

安藤「初戦から黒森峰やプラウダを相手にはしたくないもんな」

押田「安藤ォ!マリー様にプレッシャーを与えるな!」

マリー「・・・やっぱ行くのやめよかな」

押田「マリー様ァ!」
66 : ◆t8EBwAYVrY [saga]:2020/07/23(木) 10:19:22.54 ID:/xkiWyYx0
 ――・・・

外部生A「よ、安藤」

安藤「見つかった?」

外部生A「いや、まだだよ。青と金のリボンで包装された包みだろ?」

安藤「ああ、この学園艦のどこかにはあるはずなんだ」

外部生A「学校の敷地内はくまなく探したよ。みんなでね」

安藤「人数を増やしてくれ。念のため船底も頼む。誰かが拾って持ってっちまったかもしれない」

外部生A「わかった。だけど一体何の包みなんだい?そんなに大事な物?」

安藤「私のじゃないよ」

 安藤(押田が紛失した隊長へのプレゼント・・・どこにあるんだろうな)





 ――・・・戦車道全国大会対戦抽選会場

押田「――!」

マリー「・・・」

押田「・・・マリー様・・・」

マリー「どうやら初戦から大物を相手にすることになってしまったようね」


 司会【あーっと!聖グロリアーナが引いたクジは10番!よって9番のクジを引いたBC自由学園との試合が確定しましたー!】

ダージリン「よろしくね、マリーさん」

マリー「まあ怖い」


押田(我が校の戦車では聖グロの防御力を貫通するのは至難の業・・・かなりの難局だ・・・)

ダージリン「手加減はいたしませんわ。あなた達が相手でもね」

マリー「押田、帰るわよ」

押田「えっ・・・でもまだ残りの抽選結果が・・・」

マリー「興味ないわ。帰るの」

押田「わ、わかりました」

マリー「それでは、ごきげんよう」

ダージリン「ええ、ごきげんよう・・・」
67 : ◆t8EBwAYVrY [saga]:2020/07/23(木) 10:31:00.76 ID:/xkiWyYx0
 ――・・・

安藤「くそっ・・・全然見つからない・・・押田のやつどこにやったんだよまったく・・・」

 携帯<オーパッキャマラードー♪パッキャマラード♪パオパオパー♪

安藤「あ、電話」ピ

マリー【安藤、今何をしてるの?】

安藤「探し物。そっちは?抽選会終わったのか?」

マリー【ええ】

安藤「一回戦の相手は?」

マリー【聖グロリアーナよ】

安藤「・・・そうか」

マリー【ええ】

安藤「・・・・・・」

マリー【今から出かけない?押田と3人で】

安藤「・・・わかった。校門まで行くよ」

マリー【待ってるわ】Pi

安藤「・・・聖グロか」
68 : ◆t8EBwAYVrY [saga]:2020/07/23(木) 10:31:57.74 ID:/xkiWyYx0




 <ヒュオオオォォォ〜〜〜ッ

マリー「いい景色ね〜」ンー

安藤「よせマリー!戻ってこい!」

押田「マリー様!危ないですよ!落ちたらどうするんですか!」

マリー「二人もこっちに来なさい。素晴らしい眺めが見れるわ」

安藤「来いったって・・・」


 ――・・・―― 《 凱旋門 》 ――・・・――


安藤「凱旋門の上だぞ。そんな端っこに行ったら危ないだろ」

押田「落っこちないうちに早く戻ってきてくださいマリー様ァ!」

マリー「やーよ。二人が来てくれるまで帰らないから」

押田「ま、マリー様・・・」

安藤「押田くん、行けよ」

押田「君こそ行ったらどうなんた安藤くん!」

 マリー「らんらららん」♪〜

押田「ああっ!マリー様!そんなとこで踊っちゃダメです!危ないっ!」

安藤「くっ・・・仕方ない。こうなったらやぶれかぶれだ。私は行くぞ」グッ

押田「あ、安藤・・・!」

安藤「お前も来い。ふたりで行かないとダメなんだから」

押田「し、しかし・・・」

 マリー「押田〜、待ってるわよ〜」

押田「っ!・・・〜っ・・・ええい、ままよっ!」グッ
69 : ◆t8EBwAYVrY [saga]:2020/07/23(木) 10:33:20.19 ID:/xkiWyYx0
押田「あ、安藤!しっかり手を握っててくれよ!」ブルブル

安藤「そんなにひっつくんじゃない。歩きづらいだろ」

押田「す、すまん・・・」ブルブル

安藤「ほら、隊長、ご要望通り来たぞ」ジリジリ

マリー「待ちくたびれたわ。見てごらんなさい、この眺めを」

安藤「眺めなんて――」


 ―――――・・・・・・ ・ ・ ・  ・  ・  ・   ・   ・   ・  ・  ・  ・ ・ ・ ・・・・・・―――――


安藤「――・・・たしかに荘厳だ」

押田「学園艦をこんな場所から見たのは初めてだが・・・これほど美しいとは・・・」

マリー「私ね、この場所けっこう気に入ってるの」

安藤「・・・」

マリー「内部生と外部生を一つのチームにまとめて勝利を得られたなら、この門を凱旋してパレードするのが夢なの」

押田「マリー様・・・」

マリー「あなた達がいなきゃ、その夢は叶わないわ。がんばってね」

安藤「アンタもがんばるんだよ」ビシッ

マリー「あうっ」

押田(・・・マリー様の夢・・・そうだ、私はもっとマリー様の右腕に相応しい人間にならねばならない。いや、私達は・・・)

安藤(BCを統一か・・・無理だと思ってたけど・・・こいつなら・・・マリーなら出来るかもな・・・)


押田(もっと強く。もっと気高く・・・)

安藤(私も・・・マリーの夢を叶えてやりたい)


押田(私達は・・・)

安藤(私達なら・・・)
70 : ◆t8EBwAYVrY [saga]:2020/07/23(木) 10:33:52.12 ID:/xkiWyYx0
http://uploader.sakura.ne.jp/src/up174255.jpg
71 : ◆t8EBwAYVrY [saga]:2020/07/23(木) 10:34:43.02 ID:/xkiWyYx0
 マリーのおなか<グウゥ〜

マリー「――おなかすいちゃった。帰りましょっか」

安藤「そうだな」

押田「安藤くん」スッ

安藤「?」

押田「歩くの怖いからまた手を握ってくれ」

安藤「・・・仕方ないな」

マリー「じゃあ私も〜♪」

安藤「おい、なんで私と押田の間にマリーが入るんだ。捕らえられた宇宙人みたいだぞ」

マリー「わーい」ブランブラン

押田「ま、マリー様!揺らさないで!こっ、怖いっ!」

安藤「やはりこんなのが隊長じゃ頼りないかもしれない・・・」
72 : ◆t8EBwAYVrY [saga]:2020/07/23(木) 10:35:39.84 ID:/xkiWyYx0




 ――・・・

安藤「――だから言ってるじゃないか。フランス映画の最高傑作は『最強のふたり』だって」

押田「一般認知度を加味してもジャン・レノの『レオン』が至高ということは目に見えているだろう。これだから一般ピーポーは」ヤレヤレ

安藤「なんだと〜!隊長、アンタはどっちがいいと思う?」

押田「そんなこと訊くまでもないだろう。ね、マリー様」

マリー「どっちが上かなんて決められないわ。どちらも素晴らしい、それでいいじゃないの」

安藤「か〜っ!これだからお嬢様は!」

押田「さすがマリー様!寛大です!」


 <ザワザワ・・・ドヤドヤ・・・

マリー「あら、噴水の前が騒々しいわね」

 <コノヤロー! ナニヲー!

安藤「・・・なんだか穏やかじゃないな。行ってみよう」
73 : ◆t8EBwAYVrY [saga]:2020/07/23(木) 10:36:05.32 ID:/xkiWyYx0
内部生A「やはり貴様達の仕業だったんだな!この盗人どもめ!」

外部生A「違うって言ってるだろ!決めつけるんじゃない!」

 内部生B「我々の敷地に無断で入っておいてその言い草はなんだ!」

 外部生B「お前達だって寮に押し入ってきただろう!」

  内部生C「なにをー!」

  外部生C「なんだとー!」

 \ワーワー!/ \ナメンジャネエゾー!/ \フザケンジャアリマセンワー!/


押田「きみたち、まちたまいー!」ザッ

安藤「何を言い争っているんだ」ザッ

内部生A「押田様!マリー様!お帰りなさいませ」

外部生A「安藤!聞いてくれ、こいつらが――」

内部生A「押田様、ごらんください!外部生の連中がこれを隠し持っていたのですよ!」

押田「!・・・これは・・・」

安藤「青と金のリボンで包まれた・・・包み・・・これって」
74 : ◆t8EBwAYVrY [saga]:2020/07/23(木) 10:37:20.70 ID:/xkiWyYx0
内部生B「これは押田様がマリー様への誕生日プレゼントとして用意なさっていたものですよね」

内部生C「外部生の奴らがこの包みを持って、寮に入ってゆくのを目撃したんです!」

押田「なっ・・・やっぱり外部生が持っていたのか!」

 安藤「――・・・やっぱり?」

外部生A「違うと言ってるだろう!私達は安藤に頼まれてこの包みを探していたんだ!」

外部生B「戦車倉庫の奥で見つけたから、安藤さんが帰ってきたら報告しようと持ち帰ったんだ」

外部生C「そしたら内部生の連中が我々の寮に押し入って奪っていったんだ!盗人はお前達の方だ!」

内部生A「嘘を言うな!最初からお前達が隠していたんだろう!」

安藤「・・・」

マリー「あなた達、少し落ち着きなさい」

内部生A「!・・・マリー様」

マリー「押田、この包みは戦車倉庫の奥にあったそうだけど、心当たりはあるのかしら?」

押田「そ、そういえば・・・誕生日当日の朝連までは確かに持っていましたが、そこで置き忘れていたのかも・・・」タラ〜

マリー「それから?」

押田「・・・安藤に探してほしいと頼みました・・・外部生の者達が言っていることは本当です・・・」

外部生A「ほれみろ!」

内部生A「なっ・・・そ、それは本当ですか押田様」

押田「・・・」コクリ

内部生A「っ・・・我々の勘違いだったとは・・・」

外部生A「盗人呼ばわりされたんだ!謝ってもらいたいね!」

安藤「押田」


安藤「『やっぱり』・・・あんたそう言ったよな?」

押田「!」
75 : ◆t8EBwAYVrY [saga]:2020/07/23(木) 10:38:05.33 ID:/xkiWyYx0
安藤「外部生が包みを持っていたと聞いて、第一声が『やっぱり』・・・我々が盗んだと、そう思っていたのか」

押田「・・・い、いや・・・」

安藤「私に探してくれと頼んだのは、外部生の誰かが盗んだと思っていたからだったのか」

押田「・・・そういうことでは――」

安藤「見下げ果てられたものだな・・・こんなことじゃ一緒に戦うなんて無理な話だ」

押田「・・・!」

安藤「・・・試合はあんた達だけでやるんだな。行こうみんな」

押田「!?・・・な・・・待て!どういうことだ!?」

安藤「あんた達とはやっていけない・・・私達はチームを抜ける」

押田「っ!・・・安藤待て。待ってくれ・・・安藤・・・・・・安藤!」


マリー「・・・」
76 : ◆t8EBwAYVrY [saga]:2020/07/23(木) 10:39:05.57 ID:/xkiWyYx0




 ――・・・

押田「本日の戦車道訓練を開始する」

内部生A「押田様・・・外部生の者達が見当たりませんが・・・」

内部生B「一回戦まで日が無いのに合同練習が全然できていません。このままでは・・・」

押田「・・・」

内部生C「あの一件以来、外部生とのコンタクトは一切無いままです。大丈夫なのでしょうか」

押田「試合には来てくれるはずだ。多分・・・」

内部生A「・・・」


砂部「統一どころか決定的に分裂してしまうとは・・・」

祖父江「マリー様、このままでは試合などできません。どうするおつもりですか?」

マリー「ん〜、今日のティラミスは絶品ね〜♪」

祖父江「ま、マリー様!ケーキを食べている場合では・・・」

マリー「ガトーショコラも食べよ〜っと」ルンルン

祖父江「・・・ダメだこりゃ」

砂部「このチーム、どうなっちゃうんでしょう・・・」
77 : ◆t8EBwAYVrY [saga]:2020/07/23(木) 10:40:05.28 ID:/xkiWyYx0
 ――・・・

安藤「よーし、トレーニングはここまで。食事にしよう」

外部生A「あー疲れた!戦車無しの基礎練習でも疲れるな」

外部生B「しっかしエスカレーター組のお嬢様どもめ、謝罪に来る気配がない」

外部生C「箱入り娘は頭の下げ方もわからないらしい」

外部生D「私達が試合に参加したくて譲歩すると思っているんだな」

外部生E「舐められているんだ。頭にくるな・・・」

安藤「・・・向こうが土下座でもしない限り、私達は試合に参加しない」

外部生A「わかっているよ安藤。全員でそう決めたんだ。ここで引き下がるわけにはいかない」

外部生B「これは私達の誇りをかけた問題です。妥協する必要はありませんよ」

安藤「・・・」


 ――・・・

安藤「――そこでアタシは言ってやったのさ。『私はやらない。そんなフリフリな服着るもんか』ってな」

外部生A「ははは、やるじゃないか。さすがだ安藤」ハッハッハ

 押田「あ、安藤くん・・・!」

安藤「!」

押田「あの・・・・・・少し話したいんだが・・・」

安藤「購買に行こう。なんか飲みたい気分だ」ザッ

外部生A「・・・あ、ああ」

押田「お、おい安藤くん・・・!」


外部生A「・・・いいのか?彼女、謝ろうとしたんじゃないのか?」

安藤「・・・」


マリー「・・・」
78 : ◆t8EBwAYVrY [saga]:2020/07/23(木) 10:41:11.29 ID:/xkiWyYx0




 ――戦車道全国大会一回戦当日――

蝶野「BC自由学園の選手の方、試合開始まで10分ですが準備はよろしいですか?」

押田「も、もう少しで整うのでご心配なく」

蝶野「10分後に待機できていなかったら試合放棄と見なしますよ」

 内部生A「ど、どうしましょう押田様・・・外部生の連中会場に来てませんよ」

 内部生B「まさか本番もボイコットするなんて・・・」

 押田「やむを得ない・・・我々だけでやるしかない。なんとか乗り切ろう。BCの・・・マリー様のために!」

  内部生達『マリー様のために!』

内部生C「ところで押田様、マリー様はどこにおられるのですか?」

押田「え・・・?」

内部生C「今朝から一度もお見かけしておりませんが、誰かご存じなのでしょうか」

押田「・・・」

内部生A「・・・そういえば私も見かけていませんわ」

内部生B「朝、学園艦を出発した時も見かけませんでしたね・・・」

内部生C「・・・これはもしや・・・行方不明ということでは・・・」

 内部生A「なっ!?」

  内部生B「なッ・・・!」


押田「ぬゎんだってえぇーーー!?」
79 : ◆t8EBwAYVrY [saga]:2020/07/23(木) 10:58:20.69 ID:/xkiWyYx0
 ――・・・

安藤「ほい、Aのスリーカード」パサッ

外部生A「ゲッ・・・また安藤の勝ちか」

安藤「はっははは、すまんなキミ達。今日は私の日らしい」ハッハッハ

外部生B「ちぇーっ、安藤さんには勝てないや」

外部生C「でもいいんですか?今日は大会本番なのに戦車倉庫でダラダラしてて・・・」

安藤「・・・」

外部生D「奴らだけで一回戦を突破できるかどうか・・・」


 電話<Prrr・・・

外部生A「あ、電話」

安藤「私が出る」ガチャ

 安藤「もしもし?」

押田【安藤!大変だ!すぐにみんなを集めてくれ!】

安藤「電話口で謝るつもりか?」

押田【それどころじゃないんだ!マリー様が・・・マリー様が行方不明なんだ!】

安藤「・・・なんだって?」

押田【朝から誰も見てないんだ!学園艦を探さなければ!君達も手を探してくれ!】

安藤「落ち着け。そんなに慌てて――」

押田【キミもマリー様のお世話をしていたなら知っているだろう!あの方が一人でいなくなるなど・・・どんなことになるかしれない!】

安藤「・・・たしかに。わかった。後で合流しよう」ガチャ

外部生A「どした?」

安藤「隊長が消えた。皆、探しに行くぞ」
80 : ◆t8EBwAYVrY [saga]:2020/07/23(木) 10:59:20.71 ID:/xkiWyYx0
 ――・・・

外部生A「隊長ぉー!どこにいるんだー!」オーイ

外部生B「東側にはいませんでした」

外部生C「こっちもダメ!」

外部生D「どこにもいない・・・あのオトボケ隊長のことだから誘拐されてても不思議じゃない」

外部生E「も、もしかしてヤバいんじゃ・・・」ゴクリ

安藤「くそっ・・・どこに行ったんだ」


押田「安藤!」タタタ

安藤「!・・・見つかったか?」

押田「いや・・・手がかりもなにもない・・・」

 内部生A「キミたち!なにか心当たりは!?マリー様の居そうな場所!」

  外部生A「そう言われても・・・朝に点呼してないのか?」

 内部生B「どうだろう・・・みんな緊張してて覚えてなくて・・・」

  外部生B「誰か最後に隊長を見かけた者は?」

 内部生C「昨夜はモンブランを食べてらしたのに・・・」

  外部生C「とにかく手分けして探そう。それしかない!」

押田「安藤・・・もしマリー様が攫われでもしていたら・・・私・・・私・・・」

安藤「落ち着け。滅多なことは考えるな。ほら、探しに行こう」


・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
・・・・・・・・・・・
・・・・・・
・・・
・・
81 : ◆t8EBwAYVrY [saga]:2020/07/23(木) 11:00:11.09 ID:/xkiWyYx0

・・
・・・
・・・・・・
・・・・・・・・・・・
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・


安藤「クソッ・・・もうすっかり日が暮れてしまった」

押田「・・・これだけ探しても見つからないなんて・・・」

安藤「学園艦の外となったら探しようがないぞ・・・」

押田「しかしマリー様が行きそうな場所はあらかた探した・・・もう我々の目の届かない所へと行ってしまわれたのか・・・」

安藤「私達の目の届かない場所・・・」


安藤「 あ 」


押田「?・・・どうした安藤」

安藤「あ〜・・・・・・そうか・・・そういうことか」ポリポリ

押田「!?・・・な、何だ?なにかわかったのか?」

安藤「おーい皆、もう大丈夫だ。捜索は中止してくれ」

 外部生A「なんだ安藤、見つかったのか!?」

 内部生A「ほ、本当ですか!?ま、マリー様はどこに!?」

安藤「安心してくれ。無事に隊長を連れて帰ってくると約束するよ。君達は休んでくれていいよ」

内部生A「!?・・・ど、どういうことなんですか!?」

安藤「戦車を一輌借りていく。押田、行くぞ」

押田「?・・・どこへ・・・?」

安藤「決まってる。あの場所だ」
82 : ◆t8EBwAYVrY [saga]:2020/07/23(木) 11:00:45.23 ID:/xkiWyYx0




 ソミュア<ギャラギャラギャラ

安藤「もう夜になっちゃったな」

押田「・・・そろそろどこに向かっているか教えてくれてもいいじゃないか。本当にマリー様の居場所がわかったのか?」

安藤「私を信じろって」

押田「無茶を言うな」

 ソミュア<ギャラギャラギャラ・・・

安藤「ゲッ・・・渋滞だ。公道はこれだからヤなんだよな」

押田「歩道が空いているではないか。行け」

安藤「アホなこと言うな」

押田「なにをゆうちょうな。早くマリー様のところへ行かねばならないのに混雑する道を通るヤツがあるか!」

安藤「うるへー!私が操縦してんだ!黙ってろ!」

押田「なにをー!」

安藤「なんだー!」

 ソミュア<・・・・・・
83 : ◆t8EBwAYVrY [saga]:2020/07/23(木) 11:01:29.33 ID:/xkiWyYx0
安藤「・・・」

押田「・・・」


押田「・・・・・・」

安藤「・・・っ」

 ガコンッ

 ソミュア<ガロロロォン・・・!


 ソミュア<ギャラギャラギャラ!

押田「・・・公道はずいぶん混んでるな」

安藤「どけってんだ。ソミュアのお通りだぞ」ガコッ

 ソミュア<ギャラギャラギャラ!


 公用車<プップー! ププーッ!

安藤「お出ましだな。逃げ切れるかどうか100ユーロ賭けよう」

押田「・・・」

安藤「どうする?」

押田「乗った」

 ソミュア<ブオォン!ギャラララララ!
84 : ◆t8EBwAYVrY [saga]:2020/07/23(木) 11:02:07.69 ID:/xkiWyYx0
押田「絶好調だな」

安藤「ああ」

 ソミュア<ギャラララララ!

 公用車<ブオオォ――・・・


安藤「ハッハッハ!どうだ撒いてやったぞ!」

 公用車B<ブオン!

安藤「!?」

 ソミュア<キキィーッ! ギギギ・・・!


安藤「っ・・・くそっ」

押田「言うこと無しだな」


 公用車B<ガチャ

文科省役人「戦車から降りたまえ!キーを手に持って降りるんだ!」


安藤「・・・うまく切り抜けたら100ユーロ」

押田「キミが負けるよ」

安藤「じゃあ200だ」

押田「乗った」
85 : ◆t8EBwAYVrY [saga]:2020/07/23(木) 11:03:00.30 ID:/xkiWyYx0
 ソミュア<ガパッ

安藤「話を聞いてください」

役人「言い訳をするんじゃない。両手を頭の上に置きたまえ」

 公用車A<ブロロロ・・・ ガチャ

戦車道連盟会長「やれやれ・・・会合の帰りに面倒な現場に出くわしたもんじゃな」ドッコイセ

安藤「待ってください。これにはワケが――」

役人「口を閉じるんだ。もう一人車内にいるだろう。早く出てきなさい。このメガネには熱探知機能もあるんだ」

連盟会長「公道であんなスピードを出してはいかんだろう」

安藤「だから話を――」

役人「ソミュアの中のもう一人!いい加減にしないと廃校にするぞ!早く降りてくるんだ!」

安藤「降りられないんだよ!彼女は重体なんだ!」

役人「!?・・・何を言っている」

安藤「妊娠してるんだよ!8ヶ月目なんだ!見てみろ!」

連盟会長「なっ・・・まさか」バッ

 ソミュア<ノゾキコミッ

 押田「――うう・・・ハァ、ハァ・・・ううぅ・・・」

連盟会長「こりゃ大変だ!お腹が膨らんだ生徒がおるぞ!」

安藤「ホラみろ!」

役人「!・・・な・・・そんな」
86 : ◆t8EBwAYVrY [saga]:2020/07/23(木) 11:03:44.79 ID:/xkiWyYx0
安藤「なんだってんだ!遊びで戦車走らせてたと思ったのか!?病院に連れてくとこだったんだよ!破水してるんだ!こんなトコでグズグズしてたらどんどん危なくなる!」

 押田「うぅ・・・お腹痛い・・・!」

連盟会長「こりゃまずそうだ。辻くん、君もその目で確かめたまえ」

 ソミュア<ノゾキコミッ

役人「・・・ほ、本当だ。どうしましょう・・・?」

安藤「よーしいいだろう、考えてくれ。ゆっくりな。ただしダンナにはアンタから説明してくれよ。もし母子に何かあったらアンタのせいだ。ホラ考えろ!」

役人「・・・!」

 押田「ううう!痛いイタタタタタタ!アタタタタタ!」グウゥ〜!

安藤「あァ!?考えろ考えろ!」

 押田「ああ〜〜〜!おなかいたいよぉ〜〜〜!」ジタバタジタバタ

安藤「もう片足出てるかもしれないぞ!」


役人「〜〜〜っ!・・・行け!急いだ方がいい!」

 安藤「・・・ヘッ」

役人「君、どこに向かってたんだ?」

安藤「救急外来」

役人「では我々が先導しよう。未来ある子供達のためだ。会長の車は後方を」

連盟会長「う、うむ!がんばるんだぞ君達!」

 公用車A<バタム 公用車B<バタム
87 : ◆t8EBwAYVrY [saga]:2020/07/23(木) 11:04:10.94 ID:/xkiWyYx0
安藤「・・・・・・ふぅ、うまくいったな」

押田「にっ、にっ、妊娠だと!?誰が妊婦さんだ!」ポカポカ

安藤「ハッハハハ、そう膨れるな。名演だったぞ」ハハハ

押田「私が妊娠なんてっ!そもそも私は男性とふれあったことすら――」

安藤「わざわざクッションを服に入れて、オスカー女優も真っ青だな」ハハハ

押田「そ、それよりも!それよりもだっ!今は一刻も早くマリー様のもとへ行かねばならんのだ!早く出発しろ!」

安藤「いい大人が二人してダマされてたな。200ユーロ儲かった」フフ

押田「馬鹿言うな!賭け金が高すぎる!」

安藤「ムードを変えてお祝いだ。ソミュアにコンポを積んでて正解だったな」

 CDコンポ<ガチャッ ♪〜【EARTH WIND & FIRE:SEPTEMBER】

押田「いいか!私のおかげで助かったんだぞ!そこんとこ忘れるな!」

安藤「なあ押田クン、『先導しよう。未来ある子供達のためだ』だとさ。この先我々がどうなる見物だな」ハハハ

押田「まったく・・・野蛮人はこれだから」

安藤「待ってろよマリー、今迎えに行くからなー!」オーッ!
88 : ◆t8EBwAYVrY [saga]:2020/07/23(木) 11:12:28.15 ID:/xkiWyYx0





マリー「ずいぶん遅かったわね」


安藤「やっぱりここだったか」

押田「マリー様!こんなところに・・・!」


 ――・・・―― 《 凱旋門 》 ――・・・――


マリー「あんまりあなた達が来ないからここに家を建てちゃおうかと思ったわ」

安藤「まったく、振り回してくれるよな」

押田「遅くなり申し訳ありません」

マリー「ほんと、待ちくたびれちゃったわ」

押田「・・・面目次第もございません・・・マリー様・・・その・・・私達――」

安藤「わかってるよ隊長。あんたの言いたいことは・・・」

マリー「・・・」

押田「マリー様・・・」
89 : ◆t8EBwAYVrY [saga]:2020/07/23(木) 11:13:05.16 ID:/xkiWyYx0
マリー「今回の教訓は?」

押田「・・・・・・仲間を疑わない・・・でしょうか?」

マリー「ちがう」

押田「・・・ケンカしない?」

マリー「ちがう」

押田「で、では・・・」

マリー「きちんと謝ること」

押田「!」

マリー「間違いは誰にだってあるわ。人間だもの。肝心なのは自分の非を認めて、ちゃんと謝ること」

押田「・・・・・・はい」

安藤「まったくだ」

マリー「あなたもよ安藤」

安藤「え”っ」

マリー「合同練習サボったでしょ」

安藤「あれはこいつらが謝りにこないから・・・」

マリー「意地張って謝る機会を与えもしなかった。わざと無視したりイジワルして」

安藤「で、でも――」

マリー「間違いを許して受け止めてあげられるくらいの余裕をもちなさい。嫌がらせはダメ」

安藤「・・・・・・はい」

マリー「んっ」
90 : ◆t8EBwAYVrY [saga]:2020/07/23(木) 11:19:10.89 ID:/xkiWyYx0
押田「安藤・・・すまなかった」ザッ

安藤「!」

押田「・・・君や外部生の者達に対する大変失礼な言動の数々・・・お詫びさせてくれ。申し訳なかった。どうか許してほしい」

安藤「・・・」

押田「この通りだ」

安藤「・・・・・・はぁ・・・わかってるよ。君が我々にチームを抜けろだとか言っていたのも、全部マリーに勝利を捧げるためだ。わかってる」

押田「・・・」

安藤「だがあまりにヒドイ言動もあったぞ。そこは反省してくれ。いいな」

押田「・・・善処する」

安藤「それと・・・私もすまなかった。無視したりして・・・意地になってたんだ。ゆるしてくれるか?」

押田「ああ、いいとも」

安藤「・・・」

押田「・・・」

安藤「・・・〜〜っ!ああ〜っ、なんかムズガユイな!君に頭を下げられるとヘンな感じだ」カイカイ

押田「なっ・・・人が真剣に謝っているのに!君というヤツは!」

安藤「ははは、そうやって吠えている方が君らしいよ」

マリー「ふふふ、それは言えてるかもね」

押田「むう・・・」
91 : ◆t8EBwAYVrY [saga]:2020/07/23(木) 11:20:49.39 ID:/xkiWyYx0
マリー「じゃあ仲直りも済んだところで、コレ、開けてもいいかしら?」スッ

押田「あっ、金と青の包み・・・それは――」

安藤「押田からの誕生日プレゼント。まだ開けてなかったのか」

マリー「楽しみにとっておいたの♪押田、開けてもいいかしら?」

押田「は、はいっ。ど、どうぞ」

マリー「なにがでるかな♪なにがでるかな♪」ビリビリ

安藤「あーあー派手に破いちゃって・・・」

マリー「んマッ、これは――」


押田「“扇子”です。本場のフランスでは贈り物として扱われているそうで・・・」

安藤「ピンクのファーが付いた派手な扇子だな・・・成金趣味っぽい・・・」

マリー「いいわ〜!いいっ!気に入ったわ♪」

安藤「え”っ」

マリー「隊長らしいアイテムが欲しかったところなの。試合でも使うわね♪」

押田「よろこんでもらえて光栄です!」
92 : ◆t8EBwAYVrY [saga]:2020/07/23(木) 11:30:31.20 ID:/xkiWyYx0
安藤「試合と言えば・・・一回戦のことなんだが・・・」

押田「我々の試合放棄ということで不戦敗となってしまいました・・・」

マリー「いいわ。あんな状態で戦っても意味がないもの」

安藤「おっしゃるとおりで」

押田「戦わずして聖グロリアーナに勝利を譲ることになろうとは・・・」

マリー「悔しい気持ちはわかるわ。でもね、これを見て」ピラ

安藤「なんだこれ?お金?・・・それも大金じゃないか!」

マリー「安藤が描いた油絵、ダージリンに1万1000ユーロで買ってもらったの」

安藤「ほ、ホントに!?」

押田「あんなラクガキを・・・!?」

マリー「安藤が描いたと知らずにね。ちょっとスカっとしたでしょう?今頃、聖グロの玄関先に飾られてるかもしれないわ。フフフ」

安藤「・・・ふふ、確かに笑えるな。マリー様にゃ勝てないや」

押田「・・・私は罪悪感でいっぱいです」

マリー「試合では負けたけど勝負では勝ったというところかしら」フフフ

押田「しかし・・・全国の強豪に勝つというマリー様の夢が・・・」

マリー「まだ私達にはチャンスがあるわ。それも年内にね」

押田「・・・?」

安藤「無限軌道杯か」

マリー「そう。今度こそ私達、BC自由学園の凱旋よ。この門を笑顔でくぐりましょう」

安藤「頼りにしてるよ、隊長」ポン

押田「全力を尽くします、マリー様」

マリー「んっ」


マリー「それじゃあ、帰りましょっか♪」
93 : ◆t8EBwAYVrY [saga]:2020/07/23(木) 11:31:06.33 ID:/xkiWyYx0
http://uploader.sakura.ne.jp/src/up174257.jpg
94 : ◆t8EBwAYVrY [saga]:2020/07/23(木) 11:31:57.88 ID:/xkiWyYx0
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
・・・・・・・・・・・・
・・・・・・・・
・・・・・
・・・
・・


 ――無限軌道杯 一回戦――

蝶野【大洗女子学園の勝利!】


 ・ ・ ・

みほ「楽しい試合をありがとうございました!」

マリー「こちらこそ。まるで革命が起きたかのようなすごい試合だったわ。次は絶対革命鎮圧してあげるけどね」

麻子「マカロンもっと食べてもいいかな!」

マリー「もっちろん♪好きなだけお食べなさい」バサッ

 大洗一同『はぁ〜〜〜い!』


押田「戦った相手にも敬意を忘れない、さすがマリー様!」

安藤「はぁ・・・勝利の凱旋が出来るのはまだ先になりそうだ・・・」

押田「気負うな安藤くん。いいじゃないか、勝てなくたって」

安藤「あ?」

押田「見ろ、マリー様のあの幸せそうなお顔を」

 マリー「ふふふ♪」

安藤「・・・」

押田「マリー様が幸せなら、私は満足だ」

安藤「・・・はいはい。そうだな。アンタらにはかなわんよ」

 安藤(まあ・・・私もだがな)
95 : ◆t8EBwAYVrY [saga]:2020/07/23(木) 11:39:05.57 ID:/xkiWyYx0
マリー「安藤〜、押田〜、あなた達もいらっしゃ〜い。大洗の皆さんと交流を深めるのよ〜♪」

安藤「負けた相手にあんな笑顔で仲良くできるなんて、やっぱマリーって大物なのかバカなのか区別がつかんな」

押田「んなっ!?キサマ安藤ぉ!マリー様を愚弄するな!キサマはいつまでたっても無礼なヤツだな!」

安藤「なんだと!敵に騙されて身内を攻撃したお前には言われたくない!」

押田「そ、それはすまなかったって言ってるだろう!済んだことを掘り返すな!」

安藤「いいやこの件はいつまででも引き合いに出させてもらうぞ!謝罪も込めてランチでもおごってもらわにゃ割にあわんからな!」

押田「セコイことを言うな!いやしんぼっ!」

安藤「なんだとケチッ!」

 押田「やいの!」

 安藤「やいの!」

 \ヤイノヤイノヤイノヤイノヤイノヤイノ!/


みほ「あの〜・・・マリーさん、お二人がケンカしてるみたいですけど・・・」

マリー「いいのよ。いつものことだから」モグモグ

沙織「いつもなの!?」

優花里「なんだか面白い学校ですね、BC自由学園って」

華「ケンカするほど仲が良いということですね」

みほ「いいんですか?放っておいて・・・」


マリー「ここではあなたの学校より、人生がもうちょっと複雑なの。仲直りだったらいつでもできるけど♪」


 〜fin〜
96 : ◆t8EBwAYVrY [saga]:2020/07/23(木) 11:39:36.91 ID:/xkiWyYx0
 〜おまけ〜

 《☆安藤が描いたよくわかんない絵☆》

ダージリン「・・・」コウチャ スス・・・

オレンジペコ「あ、ダージリン様。新しい絵画を購入されたんですか?」

ダージリン「そうよ。ペコ、とても前衛的な油絵だと思わない?」

オレンジペコ「えぇっと・・・ちょっと私には難解ですね」

ダージリン「んっふ、そう。まあこの絵の味を読み取るには相応の芸術性が無いと難しいわね」

オレンジペコ「へえ」

ダージリン「1万1000ユーロで買ったの」

オレンジペコ「はあ」

ダージリン「きっとフランスの名のある画家が描いた名作よ。私くらいになればわかるの」

オレンジペコ「あっ、隅っこのほうに何か書いてますよ」

ダージリン「えっ」

オレンジペコ「【BC自由学園 安藤レナ作】・・・って・・・」

ダージリン「・・・」

オレンジペコ「・・・」


ダージリン「んっふ」

 〜おしまい〜
97 : ◆t8EBwAYVrY [saga]:2020/07/23(木) 11:56:16.69 ID:/xkiWyYx0
これにて完結です。ここまで読んでくれた方ありがとうございました
この作品はフランス映画『最強のふたり』を基に作られておりますので、映画を見てからだと飲み込みやすいと思います

>>70>>90に貼った画像はこちらの方( https://www.pixiv.net/users/12637631 )に描いていただきました

>>6に貼った画像はこちらの方( https://www.pixiv.net/users/2798146 )に描いていただきました
 また、>>6の画像が見れないとの報告をいただきましたので張り直します

http://uploader.sakura.ne.jp/src/up174258.jpg
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