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【咲安価】京太郎「清澄の探索者」【ADV】
	- 448 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/09/12(土) 18:04:10.28 ID:BCgqNlNKo
-  2 
 村の外からきた余所者と一緒に隠れた作業はしないかな
- 449 : ◆copBIXhjP6 [saga]:2020/09/12(土) 18:14:47.76 ID:Kflr5bFp0
-  いや。柊さんは小佐目山で俺たちどころか家族にも言えないような事をしていたんだぞ? 
 その現場を見られるなどもっての外だろう。三人組にその意図があったかどうかはわからないにしても、遭遇はしていないだろう。
 いわんや手を組んでいるなどとは到底考えられない。
 
 京太郎「それにしても小佐目山、一気にきな臭くなってきたぜ」
 
 
 【2日目 18:30】 旅館・別館 2階 大浴場
 
 
 京太郎「大分のぼせてきたな...」
 
 時計を見ると、湯船に浸かり始めてからもう40分は経っている。
 そのうち脳みそが茹で上がりそうだ...考え事も次で最後だろうか。
 
 
 1. 気になること(4/5)
 2. 風呂から上がる
 
 
 ↓1
- 450 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/09/12(土) 18:28:52.95 ID:hREWcwsPo
-  2 
- 451 : ◆copBIXhjP6 [saga]:2020/09/12(土) 18:46:24.46 ID:Kflr5bFp0
-  京太郎「いやー、ダメだ。暑くて敵わねえ」 
 
 諦めて、ザバッと音を立てながら湯船を出た。軽くシャワーを浴びて身体を拭く。
 脱衣所の扇風機をつけると何とも形容し難いノスタルジーをが感じられた。
 え、そこまで年食ってないだろうって?それはご愛嬌というやつだ。
 瓶のコーヒー牛乳の自販機があればなお完璧だったななどと、
 どうにもならないことを考えながら持ってきた着替えを着た。
 
 
 再び暖簾をくぐって浴場を出た。ひんやりした廊下の空気が肌に心地いい。
 
 京太郎「20分後に飯か。また怒られないようにしないとな」
 
 
 【2日目 18:40】 旅館・別館 2階 大浴場前
 
 どうする?
 持ち物:>>287
 周囲 :何もない
 人  :誰もいない
 
 1. 移動する
 ・旅館を出る
 ・旅館内場所指定(地図参照)
 
 
 2. さぐる
 ・内容指定(成功再判定)
 ・辺りを見渡す
 【探索(京太郎)】× 8 = 40
 
 3. 自由安価
 
 旅館内移動は基本的に時間を消費しませんが
 状況により、自然と思われる場合には別途10分消費します
 
 ↓2
- 452 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/09/12(土) 18:48:03.40 ID:mF8c+OT10
-  1 食堂へ行く 
- 453 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/09/12(土) 18:49:32.97 ID:hREWcwsPo
-  ↑ 
- 454 : ◆copBIXhjP6 [saga]:2020/09/12(土) 18:53:32.49 ID:Kflr5bFp0
-  >>453 
 >>314 やその他描写にあるように夜は部屋食(203号室)です
 一応確認なんですが、食堂へ行っても大丈夫ですか?
 そういう意図無く食堂選択だったらごめんなさい
- 455 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/09/12(土) 19:02:44.75 ID:hREWcwsPo
-  他の宿泊客と交流出来るかなと思ったけど他の宿泊客も部屋食っていう設定なら203に変更したい 
 けど安価連取りになるから↑としたので>>452さんの意見優先でお願いします
 
- 456 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/09/12(土) 19:06:23.20 ID:mF8c+OT10
-  >>454 
 それなら203へ行きます
- 457 : ◆copBIXhjP6 [saga]:2020/09/12(土) 19:08:52.55 ID:Kflr5bFp0
-  >>455-456 
 了解です。
 やっぱり選択安価は連取りナシってちゃんと決めたほうが良いのかな?
 過疎ってるときとかはコンマとかは別にしても
 
 203で書いてます。少々お待ちを
- 458 : ◆copBIXhjP6 [saga]:2020/09/12(土) 19:15:35.38 ID:Kflr5bFp0
-   【2日目 18:40】 旅館・本館 2階 203号室 
 
 
 朝方竹井先輩を呼びに来た以来に部屋へ足を踏み入れると、既に他の面子は和を除いて揃っていた。
 そこには、雑魚寝から起床した時の汚部屋の姿はそこにはなかった。いやそうであってくれないと困るが。
 
 京太郎「ういーっす。あれ、和はいないのか」
 
 優希「お!来たな京太郎!」
 
 京太郎「元気だなお前は。こちとら朝からあっちこっち歩き回って、騒ぐ元気もないぜ...」
 
 優希「なんかバカにしてるみたいでムカつくじょ」イラッ
 
 久「あら須賀くん、随分お風呂長かったのね?」
 
 久「一体何してたのかしら...」ププ
 
 まこ「えっ、マジか京太郎」ドンビキ
 
 京太郎「旅館の大浴場でするわけないでしょうが!」
 
 京太郎「っていうか染谷先輩絶対わかってますよね?!」
 
 まこ「昼間はおぬしがおらんから、優希がうるさくてな」
 
 まこ「騒がしくて敵わんかった。仕返しじゃ」ハハッ
 
 咲「二人がいたらもっとうるさくなると思いますけどね」
 
 優希「え、咲ちゃんなんか辛辣...?」
 
 久「...なーんか最近和も咲も、言葉にトゲが多くなってきたわよね」
 
 まこ「それだけお互いを信頼してるってことじゃろ...多分」
 
 
 
 どうする?
 持ち物:>>287
 人  :咲、優希、まこ、久
 
 1. 移動する
 ・旅館を出る
 ・旅館内場所指定(地図参照)
 
 
 2. さぐる
 ・内容指定(成功再判定)
 ・辺りを見渡す
 【探索(京太郎)】× 8 = 40
 
 3. 自由安価
 
 4. 夕飯まで時間を潰す
 
 
 ↓2
- 459 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/09/12(土) 19:30:37.30 ID:hREWcwsPo
-  旅館待機組に他の宿泊客見かけなかったか質問 
- 460 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/09/12(土) 19:32:28.04 ID:mF8c+OT10
-  ↑+カードゲームでもやろうかな? 
- 461 : ◆copBIXhjP6 [saga]:2020/09/12(土) 19:55:19.81 ID:Kflr5bFp0
-  京太郎「うーん......こっちかな?」 
 
 まこ「おう京太郎、本当にそれでええんか?」
 
 まこ「後悔してもわしゃ知らんぞ?」
 
 京太郎「こっちだな」シュパッ
 
 京太郎「おっし!俺の勝ちッ!」バサッ
 
 優希「ぎゃー!強すぎだじぇ!!」
 
 まこ「麻雀もこのくらいできればええんじゃけどな」アチャー
 
 久「なに白々しいこと言ってんのよ!あんた戦犯じゃない!?」ムガー
 
 咲「バレバレでしたね...」
 
 ご覧の通り、俺たちはババ抜きに興じている最中なんだが、
 竹井先輩がなんかわからんけどめっちゃ悔しがってるな...
 それはそうと無事一位抜けできたので、先程から聞こうと思っていたことを話してみる。
 
 京太郎「なあみんな、ここに他の団体が泊まってるの知ってるか?」
 
 久「あーその話ね」
 
 京太郎「?」
 
 久「みんなにね、宿帳のこと話したのよ。そしたら...」
 
 優希「私が探検にいってきたんだじぇ!!」
 
 まこ「わしもついて行かされたがの...」ヤレヤレ
 
 京太郎「はは、お疲れ様でした...でもなんでだ?」
 
 優希「『ずっと泊まってるのに会ってないなんておかしい』って、私の中の探偵精神が疼いたんだじぇ...」
 
 京太郎「探偵精神ってなんだよ...」
 
 京太郎「でもでかした!なんか分かったか?」
 
 
 (【探索(優希)】+【探索(まこ)】× 0.5)× 8 = 80
 
 ↓1 ?
 ↓2 ?
- 462 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/09/12(土) 19:59:06.50 ID:SXGn5ZvO0
-  あ 
- 463 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/09/12(土) 20:01:39.39 ID:hREWcwsPo
-  ん 
- 464 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/09/12(土) 20:10:33.23 ID:+xcADfhr0
-  あ 
- 465 : ◆copBIXhjP6 [saga]:2020/09/12(土) 20:44:52.57 ID:Kflr5bFp0
-  おまたせしましたー 
 
 ?:50/80→成功!
 ?:39/80→成功!
 コンマもいいが、それにしても優希は探索強い(確信)
 
 優希「もちろんだじぇ!」
 
 優希「...オッホン」
 
 優希は全く似合わない咳払いをすると、いつもより低いトーンで話し始めた。
 この珍事にこれは真面目に聞かなければと、こちらも自然と背筋が伸びる。
 
 
 優希「まず大学生のほうから。こっちは簡単だったじぇ」
 
 優希「京太郎と咲ちゃんが出かけてからすぐ、たまたま1階に下りてたんだ」
 
 優希「そしたら、男三人組が食堂でご飯食べてたんだじょ」
 
 優希「筋肉ムキムキのやつと細いやつ、金髪のヤンキーだったな」
 
 京太郎「咲と夕方に見た連中と外見も同じだ...」
 
 優希「10分か20分くらいで食べ終わって、部屋に戻るところだった」
 
 優希「隠れて追いかけたら、あいつら別館に泊まってたんだじぇ。それも一番奥の」
 
 そういえば、別館の大浴場前の廊下に階段があった。あの上か。
 館内地図を広げると、別館3階の一番奥には317号室と書かれている。
 
 優希「そうそう、そこだ」
 
 優希「それから1時間くらいして、今度は玄関から外に出ていくのを見かけた」
 
 優希「三人ともでっかいリュックしょってたじぇ」
 
 京太郎「でかいリュック...行き先は?」
 
 優希「追いかけられなかったんだじぇ。一人で出歩くなって言われてたし...」
 
 優希「とにかく、ここまでが大学生のほうだじぇ」
- 466 : ◆copBIXhjP6 [saga]:2020/09/12(土) 20:45:23.69 ID:Kflr5bFp0
-  優希「次に会社員のほうだじょ」 
 
 優希「二人はどこでも見かけなかったから、染谷先輩と片っ端から部屋を見ていったんだじぇ」
 
 まこ「そしたら一部屋だけ、”鍵がかかっとる”ところがあってな」
 
 京太郎「”かかってる”?”開いてる”じゃなくてですか?」
 
 まこ「ああ。他は全部空き部屋で、みんな開いとったわ」
 
 優希「それで、その一つだけ鍵がかかってる部屋の中を覗いたんだじぇ」
 
 京太郎「ちょっと待て...覗いた?普通、鍵が締まってれば扉は開かないじゃないか」
 
 優希「これだから京太郎は犬なんだじぇ?頭が堅いじょ!」
 
 京太郎「...ああ、そうだな。それで、どうやったんだ?」イラッ
 
 まこ「...窓じゃ。その部屋は1階だった」
 
 まこ「一度外に出て、建物を回り込んでその部屋――101号室――の前まで行った」
 
 まこ「そして中を見ると......」
 
 優希「中には荷物が散乱してた。女物が二人分だったから、多分会社員の人たちだじぇ」
 
 優希「普通に人が泊まってるみたいだった」
 
 優希「でも部屋は明かりもついてないし...」
 
 優希「......残ってる食べ物にハエが集ってたじょ」
 
 優希「まるで、部屋を残して人だけが消えちゃったみたいだった......」
 
 優希「これが、私と染谷先輩が今日調べたことだじぇ」
 
 京太郎「...」
 
 咲「前に読んだ話で、こんなのあったな...」
 
 久「うーむ、怪しいわねえ」
 
 まこ「そうじゃろう?だがわしにはこれ以上はわからんかった」
 
 まこ「何か他に気づくことがあればよかったんだが...」ウーム
 
 京太郎「いえいえ、大丈夫ですよ。ありがとうございました」
 
 人目を避けるような動きをする3人の大学生。大きなバッグを持って出かけていったが行先不明。
 そして、煙のように忽然と消えた2人の会社員...どちらも、まだ分からないことばかりだ。
 
 京太郎「優希もありがとう。俺もそれ調べてみるよ」
 
 優希「次は私も連れてくんだじぇ!確かにここはなんか胡散臭いからな!」
 
 
 話が終わると、俺以外のみんなはババ抜きに戻っていた。
 手持ち無沙汰になってしまった俺は、適当にお茶を飲んでみたり、余ったジョーカーをいじったりしていた......
- 467 : ◆copBIXhjP6 [saga]:2020/09/12(土) 20:47:19.91 ID:Kflr5bFp0
-  時間かかって申し訳ないです。更に一旦席外します。 
- 468 : ◆copBIXhjP6 [saga]:2020/09/12(土) 23:41:32.77 ID:Kflr5bFp0
-  明日休みなので、人がいれば0時くらいから再開します 
 いなければふて寝です
- 469 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/09/12(土) 23:46:29.67 ID:CD2fLW260
-  一応いる 
- 470 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/09/12(土) 23:53:11.09 ID:SXGn5ZvO0
-  待機してます 
- 471 : ◆copBIXhjP6 [saga]:2020/09/13(日) 00:04:50.70 ID:WRGaJxMo0
-  ありがとうございます! 
 というわけでぼちぼち再開します
- 472 : ◆copBIXhjP6 [saga]:2020/09/13(日) 00:06:02.66 ID:WRGaJxMo0
-   【2日目 19:00】 旅館・本館 2階 203号室 
 
 
 それから数分してノックが部屋に響いた。戸を開けると、主人と女将が沢山の料理を引っさげている。
 
 女将「おまたせしました。今日は洋食ですよー」
 
 京太郎「ありがとうございます。そういえば和のやつ、まだ戻ってないな」
 
 主人「原村様ならお電話の最中ですよ」
 
 京太郎「電話?」
 
 咲「あ、そういえば和ちゃんが『親に連絡する』って言ってたんだった」
 
 咲「みんなに伝えてって頼まれてたのに忘れちゃった...」アハハ
 
 久「咲...」
 
 まこ「おぬし...」
 
 優希「やっぱり残念な子だじぇ」
 
 咲「みんなしてなんでそんなこと言うの!?」
 
 京太郎「いつものことだろうが」
 
 
 みんなで手分けしながら料理を並べていると、やがて和が帰ってきた。
 
 和「ごめんなさい、遅れてしまいました」ガチャ
 
 久「あらおかえりなさい。お父さんと電話?」
 
 和「はい...あ、電話お貸しいただいてありがとうございました」
 
 女将「いいのよ、でもずいぶん長かったわね」
 
 優希「のどちゃんのお父さんは過保護なんだじぇ!」
 
 和「そう...なんでしょうか?世間的にはそうかもしれません」
 
 女将「あら、大変ねぇ」
 
 まこ「しかし家庭の事情もあるしのう。デリケートな話じゃ」
 
 久「もう...みんなすぐ話が逸れるんだから」
 
 久「ほら、食べましょ?お腹空いちゃったわ」
 
 主人「それでは、またお下げしに参りますので」
 
 咲「おねがいしまーす」
 
 バタン
 
 まこ「さて、全員揃ったの。そんじゃあ手を合わせて...」
 
 全員「いただきまーす!」
 
- 473 : ◆copBIXhjP6 [saga]:2020/09/13(日) 00:11:01.53 ID:WRGaJxMo0
-  〜〜〜〜〜〜 
 
 和「なんですかそれ。絶対ありえませんよ」キッパリ
 
 京太郎「そうは言ってもなぁ...」モグモグ
 
 和がやけに「情報共有は基本だ」とか「そんなことより今日の話を聞かせろ」と押してくるので、
 今日あったこと、さっき優希と染谷先輩が言ったこと、風呂で考えていたことをかいつまんで話した。
 それでこの有様である。無限にも思える説教じみた何かを聞きながら、目の前のマッシュドポテトに箸を伸ばすが...これうまいな。
 
 和「『霎伝』の内容自体はわかりますが、雨の神なんて居るわけないじゃないですか」
 
 和「それを須賀君は神様がオカルトを授けたとか、信仰を正すためにとか...」
 
 和・久「「そんなオカルトありえません!」」
 
 和「先輩!!」
 
 久「ごめんなさい、せっかくの決めゼリフだからつい...」
 
 まこ「必殺技じゃの」
 
 優希「特撮観てると意味もなく燃えてくるアレだじぇ」
 
 そんな和に対する周りの野次はうるさい。これと似たようなやり取りもこの20分で3回目だ。
 
 和「はぁ...」
 
 和「まあ、それはともかくです」
 
 和「あなたの推論はちょっと突飛すぎると思います」
 
 和「死体遺棄もそうですし、注意を逸らすためというのもそうです」
 
 和「真実と推測は別ですから、それを弁えないと足元を掬われますよ」
 
 京太郎「ああ、肝に銘じておくよ」
 
 和「真面目に聞いているんですか?!」
 
 優希「のどちゃん、やけに熱心だじぇ」
 
 まこ「日中もずっとそわそわしとったからのう」
 
 久「なんだかんだで、須賀君のこと心配なのよ」
 
 優希「ホントに京太郎か?多分咲ちゃんだろ」
 
 和「別にそういうわけではありません!」
 
 和「大体皆さんも皆さんですよ!ゆーきも勝手に人の後をつけたりしたら...」ガミガミ
 
 和は妙に行儀が良く、話しながら食べるということをしないので、ちっともその皿からは食事が減っていない。
 結局この後、早くしなければ食事の時間が終わってしまうと和が飯を食べ始めるまで叱責は続いた。
 「今日は晴れてるから星が綺麗だね」とか「ビリヤードは姿勢が肝心だ」とかみんなが雑談している間も、
 ついに俺がその輪に入ることは叶わなかった。
- 474 : ◆copBIXhjP6 [saga]:2020/09/13(日) 00:12:59.64 ID:WRGaJxMo0
-   【2日目 20:00】 旅館・本館 2階 203号室 
 
 
 ガチャ
 
 主人「お食事の片付けに参りました」
 
 久「ごちそうさまでした、今日も美味しかったです」
 
 主人「ええ、お粗末さまでした」
 
 京太郎「あれ、女将さんはどちらに?」
 
 主人「女将は今は別のお部屋の片付けに行っていますよ」
 
 京太郎「へえ、そうなんですか」
 
 
 どうする?
 持ち物:>>287
 人  :咲、優希、まこ、久、主人
 
 1. 移動する
 ・旅館を出る
 ・旅館内場所指定(地図参照)
 
 
 2. さぐる
 ・話をする(内容安価)
 (【交渉(久)】+【交渉(京太郎)】× 0.5)× 8 = 92(当たり障りのない話なら自動成功)
 ・内容指定(成功再判定)
 ・辺りを見渡す
 (【探索(優希)】+【探索(京太郎)】× 0.5)× 8 = 84
 
 3. 自由安価
 
 
 ↓2
- 475 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/09/13(日) 00:18:41.72 ID:mP4jAPQW0
-  優希を連れて101号室へ 
- 476 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/09/13(日) 00:19:26.57 ID:G01JO+/r0
-  ↑ 
- 477 : ◆copBIXhjP6 [saga]:2020/09/13(日) 00:37:41.16 ID:WRGaJxMo0
-  京太郎「優希、ちょっと調べ物をしたいんだけど...」 
 
 優希「分かってるじぇ。この片岡優希さまに来てほしいってことだろ?」
 
 京太郎「お前果てしなくウザいな...」ハァ
 
 優希「流石に池田には負けるけどな!」
 
 
 【2日目 20:00】 旅館・本館 1階 廊下 101号室前
 
 
 優希「ここだじぇ」
 
 京太郎「なるほど...確かに鍵もかかってる」ガチャガチャ
 
 扉を観察すると、よくある一般的な錠前がついている。鍵穴はギザギザで、恐らく両脇の凸凹した鍵を差し込むのだろう。
 一般にシリンダー錠と――より詳しくはディスクタンブラー錠というらしいが――呼ばれるものだ。
 たった数センチのこれが、部屋の中と外を隔てている。
 
 京太郎「...なあ優希、ヘアピンとか持ってるか?」
 
 優希「持ってるじぇ?でもなんで......まさか京太郎」
 
 優希「まずいじょ!ここは帳場も近いし、ご主人が帰ってきたらバレちゃうじぇ!」
 
 優希「だいたいお前、ピッキングなんてしたことあるのか?!」
 
 京太郎「いやない。だから少しやったら諦めるよ」
 
 京太郎「で、どうなんだ?」
 
 優希「...しょうがないじぇ」スッ
 
 京太郎「お、サンキュ。これをこうして......」グイグイ
 
 京太郎「こんな感じか?」
 
 曲げたヘアピンを手に入れた!
 
 優希「絶対やめたほうがいいじぇ...」
 
 
 どうする?
 持ち物:>>287
 人  :誰もいない
 
 1. 移動する
 ・101号室の外に回る
 ・旅館を出る
 ・旅館内場所指定(地図参照)
 
 2. さぐる
 ・内容指定(成功再判定)
 ・辺りを見渡す
 (【探索(優希)】+【探索(京太郎)】× 0.5)× 8 = 84
 ・ピッキングする(10分)
 【探索(優希)】+【探索(京太郎)】= 12
 
 3. 自由安価
 
 
 ↓2
- 478 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/09/13(日) 00:40:51.46 ID:mP4jAPQW0
-  女将さんが片付けてるかと思ったが… 
 1度だけ運試ししてみよう
 
 2 ピッキング
- 479 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/09/13(日) 00:49:49.41 ID:5Grb0hPpo
-  2 ピッキングチャレンジ 
- 480 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2020/09/13(日) 00:50:41.55 ID:G01JO+/r0
-  2部屋の中に人がいるかどうか聞き耳を立てる 
 主人の言った別の部屋がここの可能性もあるかもなんで
- 481 : ◆copBIXhjP6 [saga]:2020/09/13(日) 00:52:55.08 ID:WRGaJxMo0
-  先に持ち物更新です 
 
 持ち物
 
 ・携帯電話
 俺のケータイ。最近スマホにした。
 この村は圏外なので持っていても意味ないような気がするけど、現代人のたしなみというやつだ。
 
 ・腕時計
 旅行の時は身につけている腕時計。
 普段学校に行くときはかったるいので着けないのが男子高校生。
 
 ・旅館の地図
 泊まっている旅館の館内地図。これがあればもう迷わない...よな?
 http://imgur.com/laCzxEN
 
 ・懐中電灯
 俺の部屋にあった懐中電灯。おそらく防災条例か何かで必置なのだろう。
 古く見えるが、電池は多分大丈夫。
 
 ・小佐目村の地図(仮)
 この村の簡単な地図。やけに手書きっぽく雑に見えるが目の錯覚である。
 榎田と柊の家の位置が分かっていない。榎田宅が分かるまで更新するのは面倒くさい。
 http://imgur.com/a/XtEPVnC
 
 ・電子メモ帳
 神楽神社の縁台下に落ちていた電子メモ帳。
 充電が切れているようで、これっぽっちも動く気配がない。
 
 ・曲げたヘアピン
 優希から貰ったヘアピンを曲げたもの。
 相当頑張れば、補正なしの【探索】くらいでピッキングできるかもしれない。
- 482 : ◆copBIXhjP6 [saga]:2020/09/13(日) 01:08:21.29 ID:WRGaJxMo0
-  2. ピッキング:41/12→失敗! 
 これ設定する時12は高すぎるかな?とか思いましたが大丈夫そうですね
 
 【2日目 20:10】 旅館・本館 1階 廊下 101号室前
 
 京太郎「......」ガチャガチャガチャ
 
 優希「......どうだ?」
 
 京太郎「...ダメだ、開かない」
 
 京太郎「でももう少し頑張ればいけるか――」
 
 
 がしゃん、がしゃん
 
 その時、音が少しずつ近づいてくるのに気づいた。遠くから聞こえてきたそれは食堂の隣を通る。
 刹那に俺と優希はヘヤピンをポケットに突っ込み、平静を装った。
 
 女将「...あら、何やってるの?」
 
 京太郎「...え?ああ、すみません」
 
 優希「特に何もしてないじぇ。適当にボーッとしてただけだじょ」
 
 女将「...でも、なんでこんなところで?」
 
 女将「まさか.....」
 
 食器の入ったカゴを持った女将が詰め寄ってくる。まずい、勘付かれたか...!
- 483 : ◆copBIXhjP6 [saga]:2020/09/13(日) 01:09:20.44 ID:WRGaJxMo0
-  女将「...若いって良いわねぇ」 
 
 京太郎「...え?」
 
 女将「あら、誤魔化さなくてもいいのよ?」
 
 優希「え、あ、いやなにを...」
 
 その時、同じような音を立てて誰かが階段を下りてきた。主人だ。
 
 主人「よっこいせっと...ふぅ...ん?何やってるんだ?」
 
 女将「いやねえ?この子たちがお熱いことしてるから」
 
 主人「ああ、それはお邪魔を......若いんですから、今を大切に生きてくださいね」
 
 京太郎「いや、だから違いますってばー!!」
 
 なんとも恥ずかしい誤解を残したまま、二人は食堂の方へ入っていき、やがて台所へ消えていった。
 食堂と台所を結ぶ扉が閉まると、再び俺たちの周りには静寂が漂った。
 
 京太郎「優希...言っとくが俺は、お前みてえなチンチクリンに興味はねーぞ!」
 
 優希「こ、こっちだって願い下げだじぇ!」
 
 京太郎(恥ずかしい...恥ずかしすぎる...恥ずかしすぎるが...)
 
 京太郎「...でも、なんとかやり過ごせたみたいだな」
 
 優希「そうだな...めっちゃ疲れた気分だじょ」
 
 京太郎「さっき、何か手応えがあった気がするんだ」
 
 京太郎「もう一回くらいやったらできるかも?」
 
 優希「なーに言ってんだじぇ...」
 
 
 どうする?
 持ち物:>>287
 人  :誰もいない
 
 1. 移動する
 ・101号室の外に回る
 ・旅館を出る
 ・旅館内場所指定(地図参照)
 
 2. さぐる
 ・内容指定(成功再判定)
 ・辺りを見渡す
 (【探索(優希)】+【探索(京太郎)】× 0.5)× 8 = 84
 ・ピッキングする(10分)
 【探索(優希)】+【探索(京太郎)】= 12
 
 3. 自由安価
 
 
 ↓2
- 484 : ◆copBIXhjP6 [saga]:2020/09/13(日) 01:10:03.32 ID:WRGaJxMo0
-  持ち物は>>481 です...あんま意味ないけど 
 安価下
- 485 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/09/13(日) 01:24:13.72 ID:mP4jAPQW0
-  一度失敗した判定に再挑戦する場合はコンマ+10の補正があるんじゃなかったけ? 
 あるならもう一回くらいピッキングチャレンジしたい
- 486 : ◆copBIXhjP6 [saga]:2020/09/13(日) 01:29:43.64 ID:WRGaJxMo0
-  あ、そうでした 
 
 【探索(優希)】+【探索(京太郎)】+ 10 = 22
 
 ↓1 連取り可で
- 487 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/09/13(日) 01:35:03.90 ID:mP4jAPQWo
-  頼むぞ 
- 488 : ◆copBIXhjP6 [saga]:2020/09/13(日) 01:35:46.44 ID:WRGaJxMo0
-  2. ピッキング:90/22→失敗......? 
 
 
- 489 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/09/13(日) 01:36:23.08 ID:G01JO+/r0
-  2ピッキング 
- 490 : ◆copBIXhjP6 [saga]:2020/09/13(日) 01:37:06.24 ID:WRGaJxMo0
-   
 
 「よし、開いたぞ」
 
 
 なるべく音を立てないように扉を開く。結局かなり...20分くらい、時間がかかってしまった。
 
 部屋に入った俺たちを最初に出迎えたのは、夕飯前の証言どおりそこらに散らばったままの衣類。
 
 それから、机の上の飲み物から沸いたボウフラだった。
 
 
 「むぐっ...ちょっと臭いじぇ...腐りかけてるのか」
 
 
 比較的涼しいとはいえ、モノが腐らないほど寒いわけでもない。
 
 日当たりもいいし、口をつけたものなら一日半もあればこうなってもおかしくない。
 
 
 「それもいいんだが、何か手がかりを探さないとな...」
 
 
 おそらくここに泊まっていたのは二人組の会社員――堂島と米本だろう。
 
 しかしそれを裏付けるものがあってもいい...そう思って、カバンが置いてあるあたりを探ろうとかがむ。
 
 
- 491 : ◆copBIXhjP6 [saga]:2020/09/13(日) 01:37:52.56 ID:WRGaJxMo0
-   
 
 「――――――!!」
 
 
 一瞬、後ろから声にならぬ悲鳴のようなものを聞いた。いや、聞いたのかどうかは自分にも分からない。
 
 だがそれはどうでもいいことだ。なぜならその次の瞬間、
 
 
 「京太郎!にげ――――」
 
 
 優希の声は不自然に途絶えた。鈍い音がする、すぐ前のことだ。
 
 
 「ん、どうした?......」
 
 「おい、優希――――」
 
 
- 492 : ◆copBIXhjP6 [saga]:2020/09/13(日) 01:38:23.35 ID:WRGaJxMo0
-   
 
 俺は優希の方へ振り向いた。いや訂正。振り向かなかった。
 
 さらに厳密に言うならば、「振り向こうとした」が正しいだろう。
 
 しかし、振り向かなかったというのもまた正しい。何故ならまさに振り向こうとしたその瞬間――
 
 
- 493 : ◆copBIXhjP6 [!red_res saga]:2020/09/13(日) 01:39:02.22 ID:WRGaJxMo0
-   
 
 ――俺の意識は、鈍い感覚とともに途切れたのだから。
 
 
 
 BADEND:「招かれざる客」
 
 
- 494 : ◆copBIXhjP6 [saga]:2020/09/13(日) 01:41:29.78 ID:WRGaJxMo0
-  というわけで、最初のエンディングを見事京太郎死亡ENDが飾った所で今日はここまでです。 
 
 次回は>>477 くらいからコンティニューします。
 
 感想意見質問等お待ちしてます
 
 それではみなさま、おやすみなさい
- 495 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/09/13(日) 01:43:09.80 ID:mP4jAPQW0
-  乙 
 これは判定失敗したからBADになったの?それとも成功してても部屋に入ったらBADだったの?
- 496 : ◆copBIXhjP6 [saga]:2020/09/13(日) 02:14:52.95 ID:WRGaJxMo0
-  >>495 
 詳しくは次回投下前にまとめて書こうと思いますが、
 実は今回は>>479 の段階でBADはほぼ決定でした。
 しかし最後の判定に成功すれば、もう幾分か情報を得ることができました。
- 497 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/09/13(日) 12:02:33.43 ID:qrhbI/aYO
-  デスペナ無しだっけ?無しなら今後も無茶できるけど 
- 498 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/09/13(日) 12:06:09.00 ID:QcrY0Nc00
-  乙 
- 499 : ◆copBIXhjP6 [saga]:2020/09/13(日) 15:04:15.42 ID:WRGaJxMo0
-  >>497 
 デスペナはないです。成功すれば良いことあるかもしれないし
 失敗してもBADENDから得られる情報もあるので、積極的に無理させちゃってください。
 何も得るものがないとわかりきっているのに無意味に殺すのはNGですけどね!
 
 
 練習で短編書いたので供養します
- 500 : ◆copBIXhjP6 [saga]:2020/09/13(日) 15:05:41.04 ID:WRGaJxMo0
-  「...」カチッカチッ 
 
 「......こっちか」カチッ
 
 「......あ、ツモった」ツモ!リーヅモドラドラ!
 
 合同合宿。参加できなかった俺は、一人部室でネト麻に耽っていた。
 今頃みんなは消灯してガールズトークにでも勤しんでいる頃だろうか――
 スクリーンの右下に映る" 23:41 "の表示を一瞥し、思わず溜息が漏れる。
 なぜこんな時間に部室に居るのかって?そりゃあ......
 
 「......言えねえよ、こんなこと.........」
 
 俺は今朝、両親に「今日は合宿だから泊まりだ」と宣言して家を出た。実際そのための荷物もカバンに入れてきている。
 一人仲間外れなのが悔しいから?言い辛いから?「男子一人だから宿泊はできない」で十分誤魔化せる話だ。
 なら何故なのか。その問いに対して、俺は合理的な答えを持たないままだった。
 
 「うげっ、親倍...」
 
 オーラス、一着を維持していた所に親倍放銃。言うまでもなくラス転落だ。
 今日の戦績はラス3割半の三着4割強、二着1割半にトップ1割弱。少し前に比べれば連対率は相当上がった。
 しかし、下位卓でこの有様では練習に連れていけないのも当然であると理解している。
 
 「...辛いな」
 
 辛い。確かに周りの仲間に置いていかれるのは辛い。
 しかしそれ以上に、努力が報われていないのではないかという気持ちが一番俺自身を苦しめていた。
 今まで十数年の人生で、飛び抜けてできるものは無いにしても人並み程度にはこなしてきた。
 努力すれば相応の結果は残せる――そう思っていた。
 記憶を掘り返せば、確かにいつも誰かは居た。算数のドリルが出来ない奴、三段の跳び箱が跳べない奴、他人と上手く話せない奴。
 彼らは必ずしも努力を怠っていたわけでなく、むしろ「普通」のそれより努力していることのほうが多かった。
 ならなんでできないんだろう?あの頃はただ、純粋にそう思っていたんだ。
- 501 : ◆copBIXhjP6 [saga]:2020/09/13(日) 15:06:59.12 ID:WRGaJxMo0
-  「......帰ろう。電源消さなきゃ」 
 
 本校舎へ行く。駐輪場に行く。自転車の鍵を外す。漕いで家へ帰る。往路と同じ、逆再生のような復路。
 違うのは空の色くらいだ。ライトさえつければ何も難しいことじゃない。
 慣れた手つきで――本当は本物の牌にも慣れたいところだが――パソコンの電源を落とす。ショートカットキーも覚えたくらいだ。
 荷物をまとめる。食事と筆記具くらいしか入っていないリュックと、対照的に衣類でパンパンのボストンバック。開けた頻度は反比例している。
 本当は、少なくとも今日は帰らないつもりだった。ああ見栄を切ってしまった手前、帰っては余計両親の目を訝しめることになる。
 しかしこうして独り顔も知れない相手と麻雀をしているうちに哀愁に浸ってしまい、そもそもこの部屋に居るだけでその気持ちは一層増していくのだ。
 せめて、実際の卓を囲んで麻雀ができればと思った。たとえ弱くても、不甲斐なさこそあれど寂しさを覚えることはない。
 珍しく俺がいくらでも使える状況だと言うのに、皮肉にも麻雀は四人でする遊びなのだ。
 
 
 カバンを持とうとして、はたと思い立ち壁の時計を見る。今にも短針と長針は一致しようとしていた。
 それを何をするでもなくただボーッと眺める。3,2,1....
 
 瞬間、時計が消え去った。
 
 
 「...! ブレーカーでも落ちたか?」
 
 消えたのは時計だけではない。この部室も、自分の体さえも一瞬にして消失した。
 すなわち天井に煌々と輝いていた蛍光灯、その明かりが一瞬にしてなくなったのである。
 俺は特に何もしていない。外はいい天気だし落雷停電でもないだろう。
 この学校――本校舎ならいざ知らず旧校舎――にも、電源の一元管理などという情報社会じみたものはない。
 自然と俺の他に誰かが居て、余程電気を使ったか漏電させたか、そのどちらかだろうと思い至った。しかし誰が?
 つい一時間前にトイレに立った時のことを思い出す。他に人が居るような気配はこの建物にはなかった上に、
 外を見ればいつも一番遅くまで残業をする先生が坂を下りていた。となればこの学校全体でも俺以外に人の居る可能性は低い。
 どちらにしても、俺はこれから帰ろうとしていたところだ。電気がつかなくたって別に何か困るわけではないが...
 ただ明日の朝来た人が困るだろうし、ブレーカーを上げるだけ上げてから帰路へ就いても悪くはないだろう。
 
 そういえば、今日は快晴だから月明かりくらいは入っても良さそうなものだが、やけに暗いな。
 足元もおぼつかない。ライトをつけようと携帯電話のロックを開けると......
 
 「24:01...こんな設定だったかな」
 
 画面の中央には確かに、そうでかでかと書いてあった。深夜のテレビくらいでしか見ない表現だ。
 設定をいじった覚えは全く無い。しかし何かの不注意か別の要因――アップデートとか――でそうなったのかもしれないし、あまり気にしなかった。
 それ以上に俺の気を引いたのは、右上に小さく表示された「3%」の文字だ。頼むから学校を出るまで耐えてくれ――
- 502 : ◆copBIXhjP6 [saga]:2020/09/13(日) 15:08:31.38 ID:WRGaJxMo0
-   
 
 ――その時、背後の暗闇から身体を貫くような視線を感じた。
 
 
 「!!」
 
 咄嗟にライトをつけ後ろを振り返る。当然そこには誰もおらず、ただ虚空とその後ろの壁があるだけだった。
 壁にかけられた点数表の文字が浮かぶ。親の倍満24000点......何という追い打ちだろうか。
 大きく溜息を吐いて、リュックをひょいと背負う。どうせ明日も来るのだからと、ボストンバッグは置いていくことにした。
 
 観音開きの大きな扉を開けて廊下へ出た。窓があるはずなのだが、やはりそこも暗闇に包まれている。
 携帯のあまり強いとは言えないライトを頼りに歩きながら、ブレーカーの位置を思い出す......
 一階、旧校舎入り口の近くだったか。分電盤と書いてある、中を見た試しがないあの小扉だろう。
 
 目的地に向かって歩みを進める度、床が軋む音だけが響く。これが怖くて堪らなかった。
 小学生の頃、同級生たちの間ではホラー小説が流行っていたがくだらないと思っていたし、
 今年もそろそろ怪談番組が放送され始め、友達の中ではその話をしきりにするやつもいるが、それにも大して興味はない。
 要はおばけとか心霊現象とかそういう類のものを信じていないのだ。和のように非科学的なものを全て否定するわけではないが。
 それでも暗闇や静寂、あるいは逆に物音。不気味な存在には人並みの恐怖を抱かずにはいられない。部室で感じたアレもそれを増長させる。
 理性は視線など気のせいだと理解しているにもかかわらず、それ以外の何かがそれは飲めぬと否定し続けていた。
 
 
 カツ....カツ......
 
 
 ああ、俺の精神は相当参っているらしい。あたかも、誰かが歩いてくるかのような音が聞こえる。
 しかも音源は近づいてくるみたいだ。階段を小走りで下り、両足を一階の床に付けた所で......
 
 「誰だッ!!」
 
 ライトを後ろ――階段の上に向けるが、果たして白い壁のみが照らされていた。
 
 「...とっととブレーカー上げて、帰ろう」
- 503 : ◆copBIXhjP6 [saga]:2020/09/13(日) 15:10:12.64 ID:WRGaJxMo0
-  旧校舎の入り口。その少し逸れた所に、金属製の小さな扉と「分電盤 B-1」と書かれたプレートがあった。 
 取っ手を掴み中を開けると、電力計や配線の束の他に殆どのスペースを占めるブレーカーを認める。
 
 「......あれ」
 
 漏電遮断器、過電流遮断器......物騒な名前のものがいくらか並んでいるが、それらに異常はない。
 ただ「主幹電源」と書かれた大きなスイッチが切られていた。
 
 「誰かが切ったのか?なんで......いたずらか」
 
 きっと、俺が気付かなかっただけで旧校舎にはまだ誰かがいたんだ。それで、
 俺の存在に気づいていたどうかは知らないが、ちょっとしたいたずらのつもりでこの電源を切って帰ったんだ。
 俺の思考回路はそう結論づけた。これは否定のしようがない真実である。
 
 「まったく、困ったやつもいたもんだ...む?」
 
 その瞬間、ずっと手元を照らしていたライトが消えた。携帯の電源がついに尽きたということだ。
 仕方ないので手探りで主幹電源に手を掛け、カチッという音を立ててスイッチが上げる。
 同時に点滅しながら徐々に廊下の照明がついていく。やっと帰れると思って、俺はあることに気づいた。
 
 「あ、そういえば部室の電気がついたままなのか。消しに行かないとな」
 
 やれやれと立ち上がると、壁には背中から蛍光灯で照らされた俺の影が投射されている。
 
 
 ――その後ろの、背の高い影も。
 
 
 カンッ
- 504 : ◆copBIXhjP6 [saga]:2020/09/13(日) 15:11:51.11 ID:WRGaJxMo0
-  今日は19時くらいから本編やりたい所存です 
- 505 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/09/13(日) 15:45:03.54 ID:mP4jAPQWo
-  りょーかい 
- 506 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/09/13(日) 19:06:41.33 ID:s3qsrRdLo
-  待機 
- 507 : ◆copBIXhjP6 [saga]:2020/09/13(日) 19:25:54.20 ID:WRGaJxMo0
-  遅れてすみません! 
 初ENDおめでとうございます。やっとホラーな部分を出せて嬉しい>>1です。
 
 BADENDについて:
 
 1. いくつのシチュエーションを想定しており、踏み抜くとBADEND
 2. 明らかにヤバい状況で判定失敗するとBADEND
 です。
 しかし「ただ死ぬだけのEND」にはしたくないので、毎回何かしらの情報が判明するようにします。
 また1.の場合でも、判定によってはやり過ごせるようにします。
 死にペナはありませんので、是非無茶しまくってください。
 
 
 今回のENDについて:
 
 今回引っかかったポイントは
 
 ・101号室を探っているのを旅館の人に見られた
 
 というところでした。つまり1番のタイプになります。
 初回のピッキングに成功していれば、次の判定(隠れる)に成功することでやり過ごすことができました。
 
 BADEND前後の描写が京太郎のアレと関係しているため、それを示すために一つくらい絶対踏み抜く
 ENDがあっても良いかなということで設置された経緯があります。
 
 
 本編再開します。
- 508 : ◆copBIXhjP6 [saga]:2020/09/13(日) 19:27:27.40 ID:WRGaJxMo0
-   部屋の鍵を開け、中へ入る。 
 
 突如途切れる優希の声
 
 そして―――
 
 京太郎「―――!」
 
 後頭部のあたりで、棒のようなものの風切り音が聞こえる。まもなく襲うであろう激痛に思わず――
 ――痛く、ない......?
 
 
 優希「――――、返事しろ京太郎!おい!!」
 
 京太郎「......あれ、優希...」
 
 朦朧としていた意識がはっきりしてきた途端、頬に冷たさを感じる。
 どうやら俺は地面に倒れ込んで、頭を押さえていたようだ。上から動揺した優希が覗き込んでいる。
 
 京太郎「あれ..優希、俺何してた?」
 
 優希「何って...」
 
 優希「鍵穴にヘアピン突っ込んだ途端に固まって、と思ったらいきなり地面に頭抱えてうずくまったんだじぇ」
 
 またか。しかも俺と優希が殺される。というか、あれは本当に幻覚だったんだろうか。
 幻覚というよりは俺にはむしろ――
 
 優希「...京太郎?」
 
 京太郎「......慣れないことするもんじゃないな」
 
 鍵穴には、まだ真っ直ぐになったピンが差さったままになっていた。
- 509 : ◆copBIXhjP6 [saga]:2020/09/13(日) 19:28:03.31 ID:WRGaJxMo0
-   【2日目 20:00】 旅館・本館 1階 廊下 101号室前 
 
 どうする?
 持ち物:>>481
 人  :誰もいない
 
 1. 移動する
 ・101号室の外に回る
 ・旅館を出る
 ・旅館内場所指定(地図参照)
 
 2. さぐる
 ・内容指定(成功再判定)
 ・辺りを見渡す
 (【探索(優希)】+【探索(京太郎)】× 0.5)× 8 = 84
 ・ピッキングする(10分)
 【探索(優希)】+【探索(京太郎)】= 12
 
 3. 自由安価
 
 
 ↓2
- 510 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/09/13(日) 19:30:46.97 ID:KxHMI+/m0
-  101号室の外に回る 
- 511 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/09/13(日) 19:39:04.42 ID:s3qsrRdLo
-  とりあえず↑ 
 
 これ死ぬ前の情報ってどういう処理になるの?同じようにピッキングして旅館の人に見つかって襲われるタイミングで背後に警戒とかして備えられる?出来るなら犯人の顔とか見れそうだけど
- 512 : ◆copBIXhjP6 [saga]:2020/09/13(日) 19:56:31.05 ID:WRGaJxMo0
-  >>511 
 前回の情報は京太郎は知っています。内容が内容なだけにあまり本人(優希)や
 他の人には話さないほうが良いだろうと思ってはいますが、安価で選択すれば情報共有もできます。
 当然、それに基づいて対策を取ることも可能です。
 
 
 【2日目 20:10】 小佐目村 旅館前 101号室外
 
 
 こっそり靴を履き外に出ると、陽の完全に落ちた外の空気は、昼間より一層の冷たさを持っていた。
 旅館の外周を回り込んで部屋の外へ行く。壁と壁の間、人目につかないところだ。
 
 優希「せっかくの旅館なのに、ここじゃあ景色も何もないじぇ」
 
 京太郎「でも、俺も中学の時の修学旅行そんな感じだったぜ」
 
 京太郎「泊まってる部屋の窓、向かいの建物の室外機しか見えなかった」
 
 優希「そりゃ部屋が埋まってるんだからしょうがないじょ。でもここは今スカスカだろ」
 
 窓の前に立って中を覗く。しかし部屋の中は当然照明もついておらず真っ暗だ。
 
 優希「前見た時は昼間だったからよく見えたけど...全然見えないな」
 
 
 どうする?
 持ち物:>>481
 周囲 :旅館
 人  :誰もいない
 
 1. 移動する
 ・旅館に入る
 ・場所指定
 (【行動(京太郎)】+【行動(優希)】× 0.5)× 8 = 64(まだ行ったことのない場所)
 
 2. さぐる
 ・内容指定(成功再判定)
 ・辺りを見渡す
 (【探索(優希)】+【探索(京太郎)】× 0.5)× 8 = 84
 
 3. 自由安価
 
 
 ↓2
- 513 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/09/13(日) 20:08:45.57 ID:s3qsrRdLo
-  2 辺りを見渡す 
- 514 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/09/13(日) 20:15:47.41 ID:H5mbA+qKo
-  ↑ 
- 515 : ◆copBIXhjP6 [saga]:2020/09/13(日) 20:26:27.04 ID:WRGaJxMo0
-  2. 辺りを見回す:41/84→成功! 
 
 京太郎「窓の周りなんかに何かあったりはしないか......」
 
 その時、がちゃがちゃという音と人の足音が建物の中からした。
 音は連絡通路から聞こえはじめ、すぐ隣の食堂横へと移動しているようだ。
 
 京太郎(さっきの「幻覚」からして、女将さんが戻ってきたんだな...)
 
 
 【2日目 20:10】 小佐目村 旅館前 101号室外
 
 どうする?
 持ち物:>>481
 周囲 :旅館
 人  :誰もいない
 
 1. 移動する
 ・旅館に入る
 ・場所指定(旅館内直接指定も可)
 (【行動(京太郎)】+【行動(優希)】× 0.5)× 8 = 64(まだ行ったことのない場所)
 
 2. さぐる
 ・内容指定(成功再判定)
 ・辺りを見渡す
 (【探索(優希)】+【探索(京太郎)】× 0.5)× 8 = 84
 
 3. 自由安価
 
 
 ↓2
- 516 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/09/13(日) 20:37:54.04 ID:H5mbA+qKo
-  懐中電灯で室内をさぐる 
- 517 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/09/13(日) 20:46:02.49 ID:K9Pye+o7o
-  ↑ 
- 518 : ◆copBIXhjP6 [saga]:2020/09/13(日) 21:03:57.21 ID:WRGaJxMo0
-  懐中電灯を使う 
 
 
 京太郎「...あっ」
 
 そういえば、とポーチの中をまさぐると懐中電灯を見つけた。
 昨晩部屋から持ち出したままだった。これを使えば多少は見えるようになりそうだ。
 
 優希「お!でかしたじぇ!」
 
 京太郎「さて、これでどうかな」カチッ
 
 窓越しに室内が照らされる。パッと見で分かるのは散乱した衣類と、ハエが集った飲みかけのコップ。
 ついさっき見た「幻覚」の内容と一致する。
 
 京太郎(やっぱりあの「幻覚」は「幻覚」じゃないんだ...)
 
 京太郎(俺は、予想通り確かに「未来」を見ている)
 
 京太郎(やっぱりこれは「雨の神」に与えられたものなのか...?)
 
 優希「京太郎、ボーッとしてないであっちの方照らせ」
 
 京太郎「ああ、すまんすまん」
 
 
 (【探索(優希)】+【探索(京太郎)】× 0.5)× 8 = 84
 
 ↓2
- 519 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/09/13(日) 21:07:26.18 ID:K9Pye+o7o
-  ん 
- 520 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/09/13(日) 21:12:03.73 ID:o52g+0ODO
-  はい!! 
- 521 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/09/13(日) 21:18:04.87 ID:K9Pye+o7o
-  優希の探索ステータス様々だな 
- 522 : ◆copBIXhjP6 [saga]:2020/09/13(日) 21:32:03.56 ID:WRGaJxMo0
-  ごめんなさい、ちょっと今矛盾見つけちゃったっぽくって 
 必死に設定とタイムライン見返してます
 
 修正上げるので少々お待ちを
- 523 : ◆copBIXhjP6 [saga]:2020/09/13(日) 21:58:46.70 ID:WRGaJxMo0
-  いろいろ考えましたが、今後のシナリオの方を修正することにしました。 
 過去の分についてはこれで影響ないはずです。
 とりあえず再開です
- 524 : ◆copBIXhjP6 [saga]:2020/09/13(日) 22:02:53.42 ID:WRGaJxMo0
-  73/84→成功! 
 
 
 部屋の端、コンセントのあたりに光が当たった。充電器のようなものが刺さっている。
 携帯電話用だろうか。俺はそう思ったのだが...
 
 優希「むむ、あの充電器......」
 
 京太郎「...は?」
 
 優希「京太郎、咲ちゃんと神社で変な物拾ったって言ってたよな?」
 
 京太郎「...ああ、これか」
 
 持っていた電子メモ帳を見せる。優希はじっとメモ帳のジャックを眺めた後、部屋の中のそれと見比べた。
 
 優希「あのケーブル、このメモ帳用じゃないか?」
 
 京太郎「え、マジで?!」
 
 目を凝らすが、さっぱりそうとは分からない。目良すぎだろ。
 
 京太郎「凄いな...でも、これ見たの夕飯のときの一瞬だったよな」
 
 京太郎「なんでわかったんだ?」
 
 優希「ちょっと見覚えがあったのと...勘だじぇ!」
 
 こいつ...いつも赤点ばかりだけど、思わぬ所で思わぬ特技を見せたな。
 それからしばらく室内を照らしていたが、めぼしいものは見つからなかった。
 
 優希「でもあのケーブル、夏あたりにどこかで見た気が...」
 
 
 【2日目 20:20】 小佐目村 旅館前 101号室外
 
 どうする?
 持ち物:>>481
 周囲 :旅館
 人  :誰もいない
 
 1. 移動する
 ・旅館に入る
 ・場所指定(旅館内直接指定も可)
 (【行動(京太郎)】+【行動(優希)】× 0.5)× 8 = 64(まだ行ったことのない場所)
 
 2. さぐる
 ・内容指定(成功再判定)
 ・辺りを見渡す
 (【探索(優希)】+【探索(京太郎)】× 0.5)× 8 = 84
 
 3. 自由安価
 
 
 ↓2
- 525 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/09/13(日) 22:15:05.59 ID:mP4jAPQW0
-  その辺の石でなるべく音を出さないように窓を割る 
 タオルとかハンカチとか服の上から叩けば音は小さくなるのかな?
- 526 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/09/13(日) 22:26:31.38 ID:xaIozh8mo
-  ↑ 
- 527 : ◆copBIXhjP6 [saga]:2020/09/13(日) 22:36:04.03 ID:WRGaJxMo0
-  うーん...想定してなかったので調べたんですけど、ガスバーナーとかで焼くと 
 小さい音で割れるらしいんですが、そうでもないと結構音出そうなんですよね。
 流石にすぐそこの部屋でバリバリ音出たら気づくでしょうし...
 まあひょっとしたらってこともあるので、
 
 ((【行動(優希)】+【行動(京太郎)】)/ 2 = 5
 
 で成功したらOKということにします。
 
 
 やる場合は同時に成否判定、やらない場合は同時に行動再指定
 
 ↓2
- 528 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/09/13(日) 22:43:17.32 ID:mP4jAPQW0
-  やめとくか。充電ケーブルは早いとこ欲しいしもっと夜中にピッキングしてみるかマスターキーでもパクるか 
- 529 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/09/13(日) 22:54:41.30 ID:9aZ9S06Zo
-  やめる 
 大学生達の部屋(317) へ
- 530 : ◆copBIXhjP6 [saga]:2020/09/13(日) 23:20:38.89 ID:WRGaJxMo0
-  1. 317号室へ 
 
 京太郎「今はこれ以上わかりそうにないな...優希、撤退だ」
 
 優希「了解だじぇ」
 
 音を立てないよう静かに歩く。しかし玄関は必ず通らなければならないわけであって、
 やはり帳場に立っていた主人と出くわしてしまった。
 
 主人「こんな時間にお出かけですか?」
 
 京太郎「あはは、ちょっと夜風に当たりに散歩へ」
 
 優希「星が出てて綺麗だったじぇ。名前は全然分からなかったけどな!」
 
 主人「ははあ、なるほど......」
 
 主人はじーーーっとこちらを見て、何かを悟ったように、
 
 主人「いいですねえ、青春だ」
 
 主人「若いんですから、今を大切に生きてくださいね」
 
 京太郎「そういうんじゃないですよ!第一こいつみたいなチンチクリンに興味ないですし!」
 
 優希「こ、こっちだって願い下げだじぇ!」
 
 という話をして、全く同じような会話を繰り返しているということに、はたと気がついた。
 ......いや、「未来」を見たのなら繰り返しているというのはおかしいのだが。
 
 主人「まあそれはそれとして、別に治安が悪いというわけではないのですが」
 
 主人「坂や崖が多いですから、あまり夜中に出歩かないほうがよろしいですよ」
 
 優希「はーいだじぇ」
- 531 : ◆copBIXhjP6 [saga]:2020/09/13(日) 23:21:05.91 ID:WRGaJxMo0
-  そう生返事を言って主人と別れた後、俺たちは連絡通路を通って別館へたどり着いた。 
 数時間前に入った大浴場の前を横切り、軋む階段を上っていく。
 そこで俺は例え予め部屋番号を知っていなかったとしても、大学生たちの部屋は判っただろうなと思った。
 3階に辿り着くと、それだけで若者らしい騒ぎ声が聞こえてきたのだ。
 
 京太郎「うへぇ...こん中に入っていくのか?」
 
 優希「まだ入ると決まったわけじゃないじぇ」
 
 
 【2日目 20:30】 旅館・別館 3階 廊下 317号室前
 
 
 どうする?
 持ち物:>>481
 人  :誰もいない
 
 1. 移動する
 ・旅館を出る
 ・場所指定
 (【行動(京太郎)】+【行動(優希)】× 0.5)× 8 = 64(まだ行ったことのない場所)
 
 2. さぐる
 ・内容指定(成功再判定)
 ・辺りを見渡す
 (【探索(優希)】+【探索(京太郎)】× 0.5)× 8 = 84
 
 3. 自由安価
 
 4. インターホンを鳴らす
 
 
 次で最後の安価(「辺りを見渡す」以外)にします
 
 ↓2
- 532 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/09/13(日) 23:32:11.83 ID:mP4jAPQW0
-  316号室に忍び込んで会話を盗み聞き 
- 533 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/09/13(日) 23:36:41.67 ID:8dJyIAJJo
-  ↑ 
- 534 : ◆copBIXhjP6 [saga]:2020/09/13(日) 23:56:01.07 ID:WRGaJxMo0
-   【2日目 20:30】 旅館・別館 3階 廊下 316号室 
 
 
 やはり優希と染谷先輩の話の通り――今思うと昨晩もそうなのだが――空き部屋は鍵が開いているようだ。
 隣の316号室も、すんなり俺と優希を受け入れた。
 
 部屋は、俺たちが泊まっている本館の部屋とは大分勝手が違っていた。
 冷蔵庫やテレビの他にも家具が充実しており、何故か書物机まで置いてあった。
 
 優希「こっちは私たちと比べて豪華な感じだじぇ」
 
 京太郎「広さも結構違うし...スイートルームみたいなもんか」
 
 旅館の部屋の格付けをなんと呼ぶのかは知らないが、大分高そうな部屋であった。
 
 さて、そうしている間にも隣からは大声が響いて――はいない。流石にかすかには聞こえるが、
 部屋のランクにふさわしいくらいの防音はなされているようである。
 
 京太郎「でも、聞き耳を立てれば普通に聞こえそうだ」
- 535 : ◆copBIXhjP6 [saga]:2020/09/13(日) 23:57:17.04 ID:WRGaJxMo0
-  というところででそんな隣室の様子はまた次回。 
 今日はここで切らせていただきます。
 
 感想意見質問等お待ちしてます。マジでモチベ上がります。
 
 みなさま、お付き合い頂きありがとうございました。
- 536 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/09/14(月) 03:38:54.47 ID:lv/ficd0o
-  乙! 
- 537 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/09/14(月) 08:20:29.95 ID:gyHs155eo
-  乙です 
- 538 : ◆copBIXhjP6 [sage saga]:2020/09/14(月) 18:38:56.07 ID:x83SBBDT0
-  諸事情で今日はお休みします 
 明日はいつも通り19時くらいから始める予定です
- 539 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/09/14(月) 19:03:06.07 ID:gyHs155eo
-  りょーかい 
- 540 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/09/14(月) 19:05:34.59 ID:T2aoy2zO0
-  タコスかわいい  
 短編の京太郎の後ろの影の正体はいずれ分かるんかな?
- 541 : ◆copBIXhjP6 [saga]:2020/09/15(火) 19:09:58.32 ID:szjQhzzy0
-  >>540 
 >>500-503は自分が練習で書いただけなので、本編とは全く関係ありません。
 更にぶっちゃけると背の高い影も考えゼロです。すまぬ。
 
 研究発表会なるものに行ってきたんですが、質問者がウザすぎてロン(物理)したくなりました。
 鬱憤晴らしに本編開始です。
- 542 : ◆copBIXhjP6 [saga]:2020/09/15(火) 19:11:10.67 ID:szjQhzzy0
-  あと>>534は 
 
 【2日目 20:30】 旅館・別館 3階 廊下 316号室
 ↓
 【2日目 20:30】 旅館・別館 3階 316号室
 
 です
 
- 543 : ◆copBIXhjP6 [saga]:2020/09/15(火) 19:12:57.04 ID:szjQhzzy0
-   【2日目 20:30】 旅館・別館 3階 316号室 
 
 
 「講義に出れないとまずいな...秋学期始まったばかりなのに......」
 
 「ああ、あの教授単位厳しいらしいね」
 
 「ギャハハハ!!大変だな!俺はアレ取ってねえけど」
 
 「向坂くんの学科、あれ必修じゃなかった?」
 
 「」
 
 「向坂はバカだからな...俺より成績いいのが腹立つが」
 
 「あー、山下くんそういえば英文法落としちゃったんだっけ」
 
 「再履修入れたけどな。北村は楽勝なんだろ?羨ましい」
 
 「あはは、線形が不可ギリギリだったけどね」
 
 
 優希「こいつら単位が落ちるとか落ちないとか、バカみたいな話してるな」
 
 京太郎「お前だって数T落としそうなくせによく言うぜ」
 
 隣から三人の話し声が聞こえてくる。向坂、山下、北村...宿帳にあった名前と一致する。
 そんな与太話を10分近く続けるので俺も優希も飽き飽きしていたが、
 もう切り上げようかという所である一人――向坂と呼ばれる男――が話を切り出した。
 
 
 「そういえば昨日の昼過ぎの人だけどよ...」
 
 「まだ言ってるのか。やっぱり気になるんだな」
 
 「結構好みっぽかったしな!」
 
 「そんなこと言って、心配なんでしょ?」
 
 「お前案外女々しいよな」
 
 「バカ!そんなんじゃねえよ!俺らがあそこであん...」ムガムガ
 
 「ちょっと!そんな大声で言ったらダメだって!」
 
 「誰かが聞いてるかもしれんぞ」
 
 「...ブハーッ!、そんな奴いねーだろ?」
 
 「もしもってこともあるし...」
 
 
 そうやって潜めはじめた大学生の声は次第に消えていった。どう考えてもやましい事を話しているようだ。
 こちらもそれを聞き逃すまいと、自然に耳が壁についた。
 
 優希「内緒話なんて小手先のことを...この優希ちゃんアイの前には無意味だじぇ!」
 
 京太郎「......それを言うならイヤーだろ」
 
 
 (【探索(優希)】+【探索(京太郎)】× 0.5)× 8 = 84
 
 ↓2
- 544 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/09/15(火) 19:17:46.66 ID:1B0U+Qg30
-  たあっ 
- 545 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/09/15(火) 19:34:41.70 ID:4LSMW+dB0
-  は 
- 546 : ◆copBIXhjP6 [saga]:2020/09/15(火) 20:09:45.51 ID:szjQhzzy0
-  70/84→成功! 
 
 
 「チッ...ああ、心配だよ。あの山のあたり、ええと...」
 
 「神楽山?」
 
 「そうそう。あんな所で焦りまくって、明らかにイジョーじゃん?」
 
 「誰かに追っかけられてるみたいだったしよ...」
 
 「一目惚れか」「一目惚れだね」
 
 「ちげーっつーの!...まあだから――「向坂」――なんだよ?」
 
 「お前、だからといって助けちゃマズいだろ」
 
 「そうだよ。仮にも僕らのやってることは...あのー...」
 
 「違法行為ってやつだな」
 
 「むぐ、そうはっきり言わないでよ」
 
 「北村、お前今更何言ってんだ...まあともかくだ」
 
 「発覚すれば警察沙汰だし、大学にも居られない。俺たちは終わりだよ」
 
 「申し訳ないが、あのまま行き倒れてくれるなら...」
 
 「でもあんな状況だぜ、気づかなかったかもしれないだろ?!」
 
 「それだけで見捨てるなんてひでーじゃねえか!」
 
 
 向坂の悲壮な叫びが小さく聞こえる。一方、山下と北村は随分冷酷な言い草である。
 ともかく、この三人が何らかのヤバいことに手を染めているのは確かみたいだ。
 
 優希「こいつら何してんだ...いや、それよりも」
 
 優希「話に出てくるの女の人、やっぱり...」
 
 京太郎「101号室のどちらか、かな」
 
 優希「私もそう思うじょ」
 
 彼らの話に出てくるのが女性会社員二人組、堂島と米本のどちらかだとすればだ。
 遭遇したのは神楽山周辺のようだから、あのメモ帳はひょっとすると...
 
 その後大学生たちは――向坂はぶつくさ言い続けていたが――、元の世間話に戻ったようだった。
 
 
 【2日目 20:40】 旅館・別館 3階 廊下 317号室前
 
 
 どうする?
 持ち物:>>481
 人  :山下、北村、向坂(隣室)
 
 1. 移動する
 ・旅館を出る
 ・場所指定
 (【行動(京太郎)】+【行動(優希)】× 0.5)× 8 = 64(まだ行ったことのない場所)
 
 2. さぐる
 ・内容指定(成功再判定)
 ・辺りを見渡す
 (【探索(優希)】+【探索(京太郎)】× 0.5)× 8 = 84
 
 3. 自由安価
 
 
 判定コンマが【探索】= 84を越えると...?
 
 ↓2
- 547 : ◆copBIXhjP6 [saga]:2020/09/15(火) 20:10:24.71 ID:szjQhzzy0
-  ああもう! 
 
 【2日目 20:40】 旅館・別館 3階 廊下 317号室前
 ↓
 【2日目 20:40】 旅館・別館 3階 316号室
 
 に訂正。安価は↓2
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