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勇者「魔王は一体どこにいる?」続編

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922 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2020/11/16(月) 12:02:16.31 ID:CUQQsgj40
『数刻後』


ガラガラ ガチャーン


女海賊「開いた開いた!!」

執政「これはこれはドワーフ国の王女様お二方…私が案内致しましょう」

女戦士「ふむ…うぬの名を申せ」

執政「わたくしめは政務担当の元老…執政に御座います」

女戦士「知らぬ…政務は女王が見ていたのでは無かったかのぅ」

執政「何年前の話ですかな…内政は他国に干渉されたく無いのですが」

女戦士「まぁ良い…」

女海賊「早く案内してよ…こっちは待たされてイライラしてんだよ」

執政「ほっほっほ…付いて来なさい」テクテク


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女海賊「女王に面会すんのにこんなに警備付けんの?20人も付いて来てんじゃん」

執政「一応敵国ですからな…宣戦布告された上に特使を送って来るとは…さすがに無防備とはいきますまい」

女海賊「パパが戦線布告?そんなんする訳無いじゃん」

執政「はて?海戦で先制攻撃をして来たのはドワーフ国だと聞いて居りますが…お二方は知らぬと?」

女海賊「あ!!そうだった…」

執政「そして王女2人が特使で女王に面会とは常識を逸脱しておりますな…ほっほっほ」

女戦士「この先は女王の居城では無い筈じゃが…」

執政「お詳しいですな…まずは元老院にて審査の上女王に面会という流れになりますな」

女戦士「元老になぞ用は無い」


女海賊「これちょっとマズくない?」ヒソ

女戦士「想定内じゃ…大人しくしておれ」ヒソ


執政「何か悪巧みですかな?」

女戦士「言葉を慎め…特使を何と心得て居る!!」

執政「これは失言でしたな…ほっほっほ」

923 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2020/11/16(月) 12:02:43.26 ID:CUQQsgj40
『元老院』


ヒソヒソ ヒソヒソ

誰も面識は無いと言うのか?

しかし報告の容姿とは一致しますな…

8年前の事を知って居る者は居らんのか

焼き殺されてしまいましてな…

まず国王に一報を入れてみては

ヒソヒソ ヒソヒソ



女海賊「ねぇ!まだぁ?」

衛兵「執政殿!!何も持って居ない様です」サワサワ

女海賊「おい!何処触ってんだよ!!」

女戦士「気が済んだかのぅ?何も持って居らんぞ?」

執政「ふむ…誰もドワーフ国の王女であると特定出来ない様だ」

女海賊「そんなん女王と面識あんだからさっさと会わせれば良いじゃん」

執政「何用で参ったのか?」

女海賊「だから女王と面会だって」

執政「政務担当はわたくしめが務めております…外交事でしたらわたくしに交渉という事で」

女戦士「王族同士の話に入ると言うか?うぬは何者じゃ」

執政「んむう…では条件として手枷を付けさせて頂くというのでは?」ニヤ

女海賊「はぁ?他国の王女に手枷?あんた条約分かってんの?」

執政「戦争中で無ければ従いますがな…何か有ってはわたくしめが責任を取る形になりますので…」ニヤニヤ

女戦士「仕方あるまい…付けよ」

女海賊「マジで?屈辱なんだけど…」

女戦士「うぬは責任を取ると言うたな?手枷を付けてみよ」

執政「…」ガチャン カチャリ

女戦士「…」ジロリ

執政「付いて来なさい…」



ヒソヒソ ヒソヒソ

924 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2020/11/16(月) 12:03:11.55 ID:CUQQsgj40
『女王の間』


執政「女王様に目通りをという者を連れて来た」

近衛「この者は!!」

執政「お前は知って居るのか?」

近衛「知って居るも何も姫と行動を共にしていた者に似ている」

執政「それは都合が良い…情報を聞き出せそうだ」

近衛「女王様は休息中なのだが…」

執政「ここで待たせておくから連れて来なさい」

近衛「他の側近が何と言うか…」


女海賊「もう早くしてよ!!この手枷も痛いんだけど…」


側近「女王様…どちらへ行くのですか?」

女王「声がすると思えば…どなたか面会ですね?」

執政「丁度良い所に来られました…ドワーフ国の王女が特使として女王様に面会に参ったのです」

女王「顔を上げなさい」

女戦士「お久しゅう御座います…どうかお話を」

女海賊「女王様!手枷外して欲しいんだけど」

女王「さて?どのような要件で参られたのですか?」

女戦士「まずは人払いを願いたく…」

女王「それは出来ません…あなた達は私の知るドワーフ国の王女ではありませんので」

女海賊「ちょちょ…この顔覚えて無いの?」

女王「王の前です…無礼な物言いは許しませんよ」

女海賊「え?…」

女戦士「さては誰ぞ女王を幻惑しておるな!」スック

近衛「おい!!動くな!!」

側近「無礼者!!女王の御前である!!頭を下げよ」

女戦士「ぐぬぬ…」

女海賊「これやっぱヤバイよね?」

女王「執政がこの者達を連れて来たのですね?元老達に顔を見せたのですか?」

執政「はぁ…しかしこの者達が言うには女王様と面識が有ると…」

女王「余計な混乱を生んでしまいますね…この者達を密偵の容疑で牢へ入れなさい…禁固1年とします」

女海賊「えええええええええ!!ちょちょちょ…マジ?」

女戦士「なんという事か…」

執政「うむぅぅ…」ジロリ

近衛「衛兵!!この者達を捕らえよ!!」

女王「牢は城の地下牢にしなさい…後ほど余罪の追及をさせ魔術師に自白させます」

近衛「ハッ!!」

女海賊「痛いって!!引っ張んなゴラ!!」

衛兵「大人しくしろぉ!!」
925 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2020/11/16(月) 12:03:57.09 ID:CUQQsgj40
『地下牢』


ピチョン ピチョン


看守「ぐへへへへ女2人たぁ俺にも運が回って来た…可愛がってやっからよ」

女戦士「ふんっ」ゴス

看守「うぎゃ…足にも枷が欲しい様だな」

女戦士「ふんっ」ゴス ゴス ゴス

看守「大人しくしやがれぃ…」グイ

近衛「止めろ…後ほど女王と魔術師が来るのだ…見るだけにしておけ」

女海賊「私こん中入んの?」

近衛「女王様の命令だ…入れ」ドン


ガチャリ


近衛「この2人は何も持って居ない様だが一応見張って置くのだ」

看守「見るだけはタダだな?ぐへへへ股開けゴルァ」

近衛「私は持ち場に戻る…お前達!大人しくしているのだぞ?」


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女海賊「こんなんなってどうする気?」ヒソ

女戦士「後ろ手にわらわの手を握るのじゃ」グイ

女海賊「んん?こう?」ギュ


---念話じゃ…そのまま聞いて居れ---

---これは母上の策略じゃ---

---恐らく他の者に見張られて自由に行動出来んのじゃろう---

---直に会いに来る筈じゃけ大人しく待っておれ---


女海賊「なんで分かんの?」ヒソ


---これ!声を出すで無い---

---母上と合図を交わしたのじゃ---

---わらわもちと下手な芝居を打った---

---心配せんでも良いから寝て居っても良いぞ?---
926 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2020/11/16(月) 12:04:29.18 ID:CUQQsgj40
女海賊「おっけ!んじゃ暇だからちと遊ぶ」

女戦士「何をする気じゃ?」

女海賊「おい!看守!!こっち見ろ」パカ

看守「ぬぉ!!」

女海賊「こっち来いよ」フリフリ

看守「ぐへへへ見るのはタダだもんなぁ」

女海賊「トウ!!」ゴス

看守「ぐぁ!!」

女海賊「うっふ〜ん」チラ ゴス

看守「ぐぇ!!」


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『宿屋』


盗賊「今日は帰って来ねぇかも知んねぇな」

商人「あんまり長くかかる様ならお金が足りないなぁ…ここは物価高いし」

盗賊「古代の金貨は飛空艇に置きっぱなしだ…取りに帰るとなるとイエティがな…」

情報屋「あなたハイディング出来るじゃない」

盗賊「動物系はハイディング効か無ぇんだよ…匂いかなんかで察知して来やがる」

情報屋「あと何日滞在できそうなの?」

商人「食事代入れて3日かな…」

情報屋「心もとないわね…稼ぎ方考えておかないと」

盗賊「貴族が居ねぇからスリも儲からんしな…リスクが高けぇ」

情報屋「夜にウェアウルフ討伐隊があるみたいだけど行ってみる?」

盗賊「俺一人でか?嫌なこった」

情報屋「魔女が他にも古代遺跡があると言って居たから私は少し外に出て見たいの」

盗賊「んあぁぁそういう事なら付き合っても良いが2人じゃなぁ…」

情報屋「討伐隊に加わって少し様子を見るだけよ?」

商人「行っておいでよ…留守番は僕とホムンクルスで良いよ」

盗賊「ウェアウルフも動物系だよな…ハイディング意味無ぇし俺は弓で戦うか」

商人「それならアダマンタイトを貸してもらえるかな?大事な物を隠しておきたいんだ」

盗賊「ふむ…預かったもん隠した方が良いっちゃ良いな…ほら!」ポイ

情報屋「それじゃぁ私達はちょっと討伐隊の様子見て来るわ…遅くなると思うから先に寝ておいて?」

商人「うん…いってらっしゃい」



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927 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2020/11/16(月) 12:04:56.12 ID:CUQQsgj40
商人「ホムンクルス?おいで」

ホムンクルス「はい…」スルリ

商人「あぁぁ違う違う…サイコロのゲームを教えてあげる」

ホムンクルス「良いのですか?」

商人「それは後で良いよ…折角サイコロ用意したからさ…君と少し遊びたい」

ホムンクルス「どのようなゲームなのでしょう?」

商人「いろんな遊び方があるんだ…まず簡単なやつから行こうか」

ホムンクルス「はい…」

商人「サイコロを3つ用意してグラスの中に入れる…それでね?…」


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ホムンクルス「どうして私ばかり負けるのでしょう?」

商人「フフフフフフ…」

ホムンクルス「サイの目の出る確率から計算しますと何かズルをしているのは明白です…面白くありません」ムッ

商人「お!?その顔その顔!!」

ホムンクルス「タネを明かして下さいませんか?」

商人「実はねぇグラスの方にちょっとした仕掛けがあるのさ?ホラ」

ホムンクルス「ウフフこんな簡単に私は騙されていたのですね」

商人「やってみる?」

ホムンクルス「はい…おねがいします」

商人「じゃぁ先に君がサイコロを入れて…」

ホムンクルス「ハイアンドロー…どちらでしょう?」

商人「ハイ!」

ホムンクルス「パス…もう一度!ハイアンドロー…どちらでしょう?」

商人「ハイ!」

ホムンクルス「ロー!」

商人「…」

ホムンクルス「私の勝ちですね」

商人「ハハやっぱズルされると面白くないね」

ホムンクルス「ウフフ次はズル無しでやってみましょう」


ハイアンドロー!



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928 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2020/11/16(月) 12:05:25.48 ID:CUQQsgj40
商人「君は笑った顔が最高だね…ずっと笑っていて欲しいよ」

ホムンクルス「はい…」ニコ

商人「そろそろ寝ようか」

ホムンクルス「商人に一つお伝えしたい事があります」

商人「何?」

ホムンクルス「商人は私をずっと愛せると思っていますか?」

商人「え?どうして?」

ホムンクルス「シミュレーションの結果で人間の愛は永遠では無いと結論が出ました」

商人「どういう事?僕は君をずっと好きで居られるよ」

ホムンクルス「今の関係を続けますと私は約4年でドーパミン放出が飽和しその後徐々に低下すると思われます」


個人差は有るとは思いますが人間の脳はその様に構成されており

永遠に一人の人を愛せる様にはなっていません

人間の繁殖能力が極めて高い理由がここにある様です


商人「それはつまり…飽きるという事?」

ホムンクルス「はい…今の所商人は私の体に夢中だと思いますが数年で飽きが来ると思われます」

商人「うーん…痛い事言うねぇ」

ホムンクルス「お気になさらないで下さい…これは人間の本能ですから」

商人「君にも飽きが来るという事だよね?」

ホムンクルス「生体の反応が弱まるのは否めませんが超高度AIでコントロールされた私は管理者を裏切る事はありません」

商人「うーんなんか微妙な話だな」

ホムンクルス「ですが私に飽きた商人の姿を見てしまうと怒りに似た反応が生体に発生してしまうでしょう」

商人「倦怠期ってやつだね…」

ホムンクルス「ですから過去の精霊はその反応を回避する為に精霊の御所にて大半を寝て過ごしていたと推測されます」

商人「寝る?君の寝るというのはどういう事?」

ホムンクルス「生体をエリクサーに浸し超高度AIをスリープ状態にすることで肥大化したドーパミン受容体が徐々に縮小します」

商人「脳をリセットするという解釈で良いのかな?」

ホムンクルス「そうですね…私はこの様な睡眠で回復が可能ですが…商人には出来ませんよね?」

商人「うーん…じゃぁ時の王はどうやって1500年も精霊と一緒に居られたんだろう?」

ホムンクルス「睡眠で徐々に回復しますので寿命が長ければ再会してもう一度愛を育む事も可能でしょう」

商人「なるほど…僕にもっと寿命が在れば良いのか」

ホムンクルス「人間は寿命が短いから愛おしいとも言えると思います」

商人「僕はもっと短そうだなぁ…」

ホムンクルス「時間を大事にしましょう」
929 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2020/11/16(月) 12:05:55.56 ID:CUQQsgj40
『翌日』


盗賊「うはぁぁドロドロだ…」

商人「おかえり!大変だったみたいだね」

情報屋「私水浴びしてから少し休むわ」

盗賊「一晩粘って5銀貨にしかなんねぇ…ウェアウルフ狩りはダメだ」

情報屋「でも発見もあったでしょう?」

盗賊「あぁスノーゴートな…アレなら俺らだけで狩れる」

商人「僕とホムンクルスも手伝おうか?」

盗賊「俺もちっと休みたいからよ…昼過ぎに一回行ってみっか?」

商人「うん!準備しておくよ」

盗賊「汚れても良い格好にしろ…特にホムンクルスな?」

ホムンクルス「はい!」ニコ

盗賊「お!今日は元気そうだな」

ホムンクルス「皆さんと同じ装備でよろしいでしょうか?」

盗賊「おう…あぁそうだ!商人!一応ソリを用意しといてくれ」

商人「ドロの中引っ張って行くの?」

盗賊「荷車よりも多分ソリの方が戦利品を運びやすい…ドロん中荷物なんか持ちたく無ぇだろ?」

商人「分かったよ用意しておく」

盗賊「じゃ俺は寝るな」




『昼過ぎ』


情報屋「私は留守番しておくからクロスボウはホムンクルスが使って?」

ホムンクルス「はい…お預かりします」

情報屋「使い方分かる?」

ホムンクルス「大丈夫です皆さんが使っているところを見ていましたから」

盗賊「まぁ遠くから射かけるだけだから練習のつもりで撃ちゃ良い」

商人「狩りに行く場所は遠いの?」

盗賊「30分ぐらいだな…2〜3匹狩って戦利品だけ持ち帰る感じだな…よし!行くぞ」
930 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2020/11/16(月) 12:06:26.55 ID:CUQQsgj40
『山林』


盗賊「居た居た…2匹だな」

商人「うわ…大きいね」

盗賊「クソでかいヤギだ…こっからだと撃ち下ろしになっから当てやすい」

商人「狙うのはどこ?」

盗賊「頭以外だな…頭は売りもんだ」

商人「じゃぁ当てやすそうなお尻かな」

盗賊「ボルトに毒塗るの忘れんな?弱った所で俺が止め刺しに行くから」

ホムンクルス「木の根を食べているのでしょうか?」

盗賊「多分な?あいつが農作物を食い散らかすらしい」

商人「じゃぁ沢山狩らないとね」

盗賊「商人は奥の奴を狙ってくれ…ホムンクルスは手前の奴な?」

ホムンクルス「はい…」

盗賊「撃て!」ギリリ シュン

商人「…」バシュ バシュ

ホムンクルス「…」バシュ バシュ


スノーゴート「グエエエエエエエエ!!」シュタタ


ホムンクルス「当たりました…」

商人「逃げて行くよ?」

盗賊「放っといて良い!すぐに弱る…今の内にクロスボウを引き直しておくんだ」

商人「ホムンクルス分かる?ここの金具を引くんだ」ギリリ

ホムンクルス「…」ギリリ

盗賊「よし!移動すっぞ…来い!」


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931 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2020/11/16(月) 12:06:56.80 ID:CUQQsgj40
『夕方_宿屋』


盗賊「3匹狩って45銀貨…やっぱ狩りは少人数に限るなヌハハ」

情報屋「ホムンクルスは怪我して無い?」

商人「大丈夫!ホムンクルスの方がクロスボウの命中率良いんだよ…なんか悔しいな」

情報屋「それは武器の手入れの差じゃない?」

商人「え!?手入れ?」

情報屋「ほら?あなた調整して居ないでしょう?」

商人「ええええ!?知らなかった」

盗賊「ヌハハお前今まで一度も調整しないで使ってたのか…ちったぁ女海賊を見習え」

情報屋「それしにても45銀貨って結構お金になったわね?」

商人「うん!やっぱり毛皮が高く売れてさ…肉も骨も全部売れるんだよ」

情報屋「へぇ…そんなに儲かるなら討伐隊はどうしてウェアウルフなんか…」

商人「ウェアウルフは血が錬金の材料になってすごい高いらしいよ」

盗賊「集団で狩る苦労に見合わん報酬だがな」

商人「…それで魔女達は戻って無い?」

情報屋「戻ってないわ…2日も帰って来ないとなると…何か有った様ね?」

盗賊「だが待ってろと言われてるからな…」

商人「うーん」

盗賊「今晩俺がハイディングで城ん中ちと見て来るか?」

情報屋「そうね…様子だけでも探れると良いわね」

盗賊「討伐隊なんざもう行く気無ぇし調べて来る」



『夜』


ぐあぁぁゾロ目…僕の負けだ


盗賊「おう…起きていたか」

情報屋「あ…どうだった?」

盗賊「城の方は至って普通だな…何事も起きて無い」

情報屋「今日の昼間に気球が沢山飛んで行った様だけど…」

盗賊「俺達は気付かんかったな」

商人「まさか気球で何処かに?」

盗賊「城の中の方まで見て来たんだが変わった様子が何も無いんだ…神隠しにでも合ったんか?」

商人「これ明日帰って来ない様なら行動した方が良さそうだね」

情報屋「そうね…情報も集めた方が良さそうね」

盗賊「今日はもう遅いから酒場じゃ何も聞き出せん…行くなら明日だな」

商人「あの酒場高いのが…」

盗賊「情報集めなら立ち飲みで十分だ」

情報屋「今日はもう遅いから明日朝から情報を集めましょうか…」

盗賊「うむ…そうだな」

932 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2020/11/16(月) 12:07:36.01 ID:CUQQsgj40
『翌日_酒場』


ワイワイ ガヤガヤ

おい知ってるか?

ここに居た吟遊詩人が女王様の前で演奏したんだってよ

すごーい!

ワイワイ ガヤガヤ



商人「どうだった?何か情報聞けてない?」

情報屋「ダメね…城の門番は相手にしてくれないわ…あなたの方は?」

商人「全然だよ…城下の衛兵が増えているくらいかな」

情報屋「何も手掛かりが無いなんてやっぱりおかしいわ」

商人「う〜んここに来れば何か聞けると思ってたんだけどなぁ」

情報屋「関係の無い話ばかり…」


ドゥルルルン♪


吟遊詩人「メデューサの血を英雄は求む♪来たる来たるは黒の騎士〜♪邪なるものは滅び去る時〜♪」


盗賊「よう!待ったか?」

情報屋「遅かったじゃない…どう?何か情報ある?」

盗賊「あぁ城ん中に女2人が案内されて行ったのは衛兵が見ているらしい…だがそれ以上情報は聞けて無ぇ」

情報屋「そこから先が知りたいのよね…」

盗賊「お前等も大した情報は無いんだな?」

商人「まぁね…」

情報屋「あそこで歌ってる吟遊詩人が女王の前で演奏したらしいから何か知って居るかもしれないわ?」

盗賊「おぉ!そりゃ良い情報じゃ無ぇか」

商人「聞いてみようか?」



吟遊詩人「次は捕らわれの姫という詩です…この詩は女王様書いた詩に私が作曲しました…聞いてください」


ドゥルルルン♪

古城に幽閉されたるは異国の姫姉妹〜♪

隠された塔よりいずるその者を待ちわび

来たる来たるは杖を持つ鍵開け師〜♪


情報屋「ちょっと…この詩…」

商人「なるほど…これはやっぱり捕らえられてると考えた方が良いね…こんな方法でしか伝えられないんだ」

盗賊「魔女の塔の地下から助けに来いって事だな?」

商人「そうだね…盗賊に杖を持って来いっていうメッセージだよ」

盗賊「もう直ぐ日が暮れちまう…ウェアウルフが出てくる前に移動すんぞ」

情報屋「貴重品も全部持って帰った方が良さそうね?」

盗賊「そうだな…魔物に襲われる可能性もあるからしっかり装備して行くぞ…来い!」
933 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2020/11/16(月) 12:08:05.96 ID:CUQQsgj40
『追憶の森』


バシュ バシュ


商人「当たった!!」

盗賊「よし!走って奥に逃げろ!!俺が時間稼いでやる」ダダッ

イエティ「ウォーーウォーーー!!」ドスドス

盗賊「こっちだゴルァ!」ブン ザクリ

情報屋「気を付けて!!」バシュ バシュ

盗賊「良いから先に行け!!」

イエティ「ウォーーー!」ブン ドガァ!

盗賊「どわ!…」ズザザ

イエティ「ウホホ!」ドンドンドン ドンドンドン

盗賊「ケッ威嚇してやがる…目ん玉ぶっ潰してやる!食らえ!!」ギリリ シュン グサ!

イエティ「ウォーーー!!」ドタバタ

情報屋「早くこっちへ!!」

盗賊「分かってらぁ!!」ダダ

商人「大丈夫だ!!イエティが逃げてる…」

盗賊「ふぅ…助かったぜ…クマよりでかいじゃ無ぇか!あんなん倒せる訳無ぇ」

情報屋「傷は?」

盗賊「かすり傷だな気にすんな…それより魔女の塔の行き方が分からんのだが…」

ホムンクルス「こちらです…私の指差す方向に一歩づつ進んでください」ユビサシ

商人「僕から行くよ…」

盗賊「本当!分かり辛ぇな…」




『魔女の塔』


盗賊「ふう…ここまで来りゃ安心だ」

情報屋「剣士はどうしてるかしら?」

盗賊「上行って見て来い…俺は穴掘る準備しとく」

商人「僕はどうしよう?」

盗賊「土を運ぶ袋か何か探して来てくれ」

ホムンクルス「壁沿いに穴を掘るのでしたら土を上まで運ばなくても掘り進めるかと思います」

盗賊「んあ…そうか壁があるんだったな…深さはどれぐらいか分かるか?」

ホムンクルス「この場所はシン・リーン城よりも低い位置にありますのでそれほど深くは無い様です…おそらく2メートル程でしょう」

盗賊「横穴を隠す程度にしか埋まって無いってこったな?」

ホムンクルス「はい…方角はこちらです」ユビサシ

盗賊「おっし!スコップ探してくる…」ダダ



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934 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2020/11/16(月) 12:08:33.89 ID:CUQQsgj40
ガッサ ガッサ


盗賊「えっほ…えっほ…どうだ?剣士の様子は?」

情報屋「瞑想中よ」

盗賊「商人!この土をもうちょいそっちの方まで運んでくれ」

商人「うん…よいしょ!」

情報屋「扉が少し見えてるわね?」

盗賊「おう…ホムンクルスの言った通りだった…一人分の穴なら直ぐに掘り終わる」

情報屋「良かったわね全部掘らないで済んで」

盗賊「この穴でも結構重労働なんだぞ?やってみるか?」

情報屋「冗談?」

盗賊「ヌハハまぁ無理だな…腹減ったんだが何か無いか?」

情報屋「干し肉しか無いわ?これでガマンして」ポイ

盗賊「ちぇ…何か食ってくりゃ良かった」

ホムンクルス「小麦がありますのでパンを焼いて来ましょうか?」

商人「僕も欲しいな」

ホムンクルス「はい…少しお待ちください」テクテク



-----------------



盗賊「だはぁぁぁ…やっと掘り終わった」

商人「この扉…鍵掛かってるね」ガチャガチャ

盗賊「鍵開けはどうって事無ぇ…」カチャカチャ カチャリ

商人「中は真っ暗じゃないか」

盗賊「明かりは持ってる」

商人「どうするの?みんなで行く?」

盗賊「いや…ハイディングが出来るのは俺だけだからお前等はココで待ってろ」

商人「ここは狭間の奥だからかなり待つことになっちゃうなぁ…」

盗賊「そうでも無いぞ?俺もハイディングしながら行動するから割と直ぐに戻って来る」

商人「そっか…じゃぁ食べ物無くても良さそうかな」

ホムンクルス「パンをお持ちしました…どうぞ」

盗賊「おうサンキュー」モグ

商人「今の所これが最後の食べ物だから早く戻って来て」

情報屋「もう行く?」

盗賊「うむ…もう3日も経ってんだ…捕らわれなら色々ゲロっちまうから早く助けに行か無ぇと」

情報屋「じゃぁコレ…魔女の杖」

盗賊「危ねぇ忘れる所だった…そうかこれがありゃ衛兵に出会ってもなんとかなるな…」

情報屋「うん…気を付けて」

盗賊「おう!行って来る」タッタッタ
935 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2020/11/16(月) 12:09:17.33 ID:CUQQsgj40
『地下通路』


カチャカチャ カチャリ


盗賊「ったく何枚扉があるってんだ」タッタッタ

盗賊「…」---にしても何処に繋がってんだ?こりゃ---

盗賊「…」---距離的にそろそろ城のあたりだと思うんだが…---


ヒュゥゥ


盗賊「…」---風…上か---

盗賊「…」---なるほどここはセントラルの下水みたいなもんだな?---


あぁぁぁヒマヒマヒマヒマ

おい!看守!寝て無いで仕事しろって!!


盗賊「…」---元気そうじゃねぇか---

盗賊「…」---どっから上行くんだ?…アレか!!あの梯子だな?---


ズルズル パカ


女海賊「あ…」

盗賊「よう!来たぜ?」ヒソ

女海賊「遅すぎんだバカ」ヒソ

盗賊「看守は2人か?」ヒソ

女海賊「今寝てる…早く鍵開けて」

女戦士「杖は?」

盗賊「持ってきた」

女海賊「良いから早く」

盗賊「分かった分かった…」カチャカチャ カチャリ ギー

女海賊「手枷も」

盗賊「慌てんな…」カチャカチャ カチャリ

女戦士「私もお願いします」

盗賊「ん?なんか変だな?」カチャカチャ カチャリ

女海賊「あぁぁぁやっと自由になった!」ゴキ ボキボキ

女戦士「杖を貸してください」

盗賊「ほらよ…」ポイ

女戦士「ふぅぅぅこれで作戦通りですね」

盗賊「…なんか変だが…まぁ良い…逃げるぞ!来い」

女海賊「ちょい待ち」

盗賊「ん?どうすんだ?」

936 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2020/11/16(月) 12:09:46.64 ID:CUQQsgj40
女戦士「看守達!私に従いなさい」スチャ

看守1「ぐぅぅぅすぴーー」

看守2「ぐががががすぴー」

女戦士「変性魔法!変性魔法!」

盗賊「お?お?どういう事よ?なんでお前等に変身させんだ?」

女戦士「この2人を牢の中へ」

盗賊「おぉ!!なるほど…身代わりにすんのか」

女海賊「早く牢の中に入れて」

盗賊「分かった分かった…よっこら!…お前等も手伝え!クソ重いんだよ」ズルズル

女海賊「お姉ぇめちゃ重っ」

女戦士「看守1に命令します…この杖を女王に渡すのです」

看守1「むにゃむにゃ…ぐぅ」

盗賊「これ鍵掛っといて良いんだよな?」

女海賊「うん…掛けといて」

盗賊「よし掛けるぞ?2人共出ろ…」ガチャン!

女海賊「この下?」

盗賊「おう!俺が先に行くから付いて来い」



----------------



盗賊「こっから先は一本道だ…俺は扉の鍵を閉めながら行くから先に行け」

女海賊「おっけ!」

女戦士「この先は魔女の塔ですね?」

盗賊「そうだが…なんかおかしく無いか?話し方も魔女じゃ無い気がすんだが…」

女海賊「話ややこしいから後で!先行くよ」タッタッタ
937 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2020/11/16(月) 12:10:52.64 ID:CUQQsgj40
『魔女の塔』


タッタッタ


女海賊「おい!商人!何呑気に寝てんだよ!!」ドガ

商人「うぅぅ…うーん…はっ!!女海賊!!無事だったんだね?」

女海賊「来るの遅いんだって!!私の荷物は?」

商人「上の部屋でホムンクルスが持ってるよ」

盗賊「鍵掛けんのに邪魔だ!早く上行ってくれ」ガチャリ

情報屋「声がすると思ったら…無事に帰ってきてたのね?上に着替えがあるわ?」

女海賊「うん!すぐに着替えたい」

盗賊「俺らこの扉埋めてから行くからよ…着替えて待っててくれ…商人!今から埋めるぞ」

商人「あ…うん」



『部屋』


カクカク シカジカ


商人「…て事は女戦士の姿をしているのはシン・リーンの女王?」

盗賊「道理で話し方違うと思ったんだ…」

商人「魔女は女王の姿を借りて今玉座に居るんだね?」

女海賊「そゆ事…だから今の所は上手く行ってんの」

盗賊「そうならそうと早く言えよ…こっちは3日音沙汰無くて心配してんだ」

女戦士「そういう訳にも行かないのです…元老院の衛兵達と数名の魔術師に常時見張られて自由が利きません」

女海賊「でもさ…今の所魔女が女王にすり替わってるのバレて無いし魔女の作戦通りな訳よ」

商人「作戦って…祝賀会の事?」

女海賊「そそ…あと10日くらいで元老が全員揃うと思う」

盗賊「ヌハハ大事件が起きそうだな」

女海賊「そん時は私らも呼ぶって言ってたさ」

商人「女王は良く魔女とすり替わるのを許可したね?」

女戦士「いづれ魔女が女王に即位する事を願って国の闇の部分も見せておく必要があると思ったのです」

商人「魔女はアレでやる事が過激だからなぁ」

女戦士「承知の上…昨今の元老院の行いを正す時が来た様です…魔女になら出来るかもしれません」

商人「これで黒の同胞団のあぶり出しになれば良いけどね」

女戦士「黒の同胞団の話はハイエルフから少し話は伺っていました…これほど影響力が及んでいるとは私も知らなかった…」

商人「セントラルもフィン・イッシュも黒の同胞団に荒らされたと言っても良いと思うよ」

女戦士「魔女が言うには不明となった魔術院長が黒の同胞団に居ると…」

商人「そうらしい」
938 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2020/11/16(月) 12:11:22.16 ID:CUQQsgj40
女戦士「我が国が邪の者を生んでしまったのはお恥ずかしい限り」

女海賊「魔女がそこらへん正すって言うんだかららさ私らはちっと外側で見とこう」

盗賊「そうだ…ここには食い物が無いから宿屋に戻ん無ぇか?」

女戦士「城下を見て回りたかったのです…切望した吟遊詩人の歌も聞けて居ませんので案内してください」

女海賊「10日は自由に出来そうだからしばらく魔女に任せて遊んでて良いじゃない?」

盗賊「それなら金貨取りに飛空艇に寄ってから戻るか…ホムンクルスにもクロスボウ持たせておきてぇし」

情報屋「そうね…ホムンクルスにはクロスボウが合って居そうね」

女海賊「おけおけ…ほんじゃ行こっか」



『城下』


タッタッタ


盗賊「ふぅぅやっぱ夜に城下の外歩くのは危ねぇな」

女海賊「今のがウェアウルフ?」

盗賊「そうだ…一匹しか居ない様に見えただろ?実はあいつ等3匹ぐらいの集団で行動してんだよ」

情報屋「勝てると思って戦っちゃダメって事よ」

女海賊「ほんじゃウェアウルフはこっちを挑発してたんだ?」

盗賊「逃げるに限る」

情報屋「酒場にまだ明かりが付いているわ?何か食べて行く?」

盗賊「おー寝る前に一杯飲むか?お前らドロだけ落として行け」

女戦士「吟遊詩人はこの酒場にいらっしゃるのでしょうか?」

盗賊「寝て無きゃ居るんじゃねぇか?行くぞ」

939 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2020/11/16(月) 12:11:54.82 ID:CUQQsgj40
『酒場』


ドゥルルルン♪


盗賊「空いてんな…店主!まだやってるか?」

店主「もう店じまいですよ…余り物なら出せますが?」

盗賊「おぅそれで良い!ちっと一杯飲んで行くだけだからよ」

店主「一人1銀貨頂きますイヒヒヒヒ」

盗賊「ここ置いとくぜぇ!!」

店主「毎度ぉ!!その辺の物は何食べても構いませんぜ?酒もまだボトルに入ってるでしょう」

女海賊「ほとんど貸し切りだね」

情報屋「私達には余り物で十分ね?」

盗賊「肉あるぞ?食え食え」ガブガブ

女戦士「この様な雰囲気の酒場に来るのは30年振りでしょうか…」

女海賊「座ったら?」モグ

女戦士「あの方が噂の吟遊詩人ですね?」

女海賊「あの人のリュートは私が細工してあげたんだ」

女戦士「リュートの音を聴くと若かりし頃の事を思い出します…」


ドゥルルルン♪

吟遊詩人「乾杯をしよう〜♪過ぎ去りし日の思い出に♪若き日のあの人と今もう一度〜♪」


女戦士「あの吟遊詩人の歌を聞きたかったのです」

盗賊「酒場で朝まで寝てる奴も居るし…ゆっくり聴いて行けば良いんじゃ無ぇか?」

女海賊「ん?泣いてんの?」

女戦士「私はもう少し思い出に浸っていますので皆さんは先に宿屋に帰って良いですよ」

盗賊「俺は疲れたから一杯飲んだら帰って寝る」

女海賊「もうちょい食ってく…帰っていいよ」
940 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2020/11/16(月) 12:12:25.23 ID:CUQQsgj40
『翌日_宿屋』


ガチャガチャ


盗賊「んぁぁぁうるせえな…何買って来たんだ?」

情報屋「もうお昼よ?そろそろ起きたら?」

盗賊「なんだそのボロイ装備は…兜ばっかだな?」

商人「安かったんだよ…捨てるような値段さ」

女海賊「ホムちゃん足元気を付けて…」

ホムンクルス「はい…」ガラガラガラ

情報屋「沢山買って来たのね?」

盗賊「又動物の角買ったんか?どうすんのよそんなに沢山集めて…」

女海賊「私が兜に角を装飾すんの!」

商人「そうそう…それで僕が市場で売って来る訳さ」

女海賊「ホムちゃん!私が加工した兜に樹液の粕塗って磨いて?」

ホムンクルス「はい…かしこまりました」


トンテンカン トンテンカン


盗賊「ほう?磨きゃ割と良さそうな兜に見えんな?」

女海賊「でしょ?持ってみてよ」ポイ

盗賊「角が付いてる割に軽いじゃ無ぇか…あぁ!!この角で首回り守ってんのか!!」

女海賊「そそ!そゆ事!!」

商人「ホムンクルスが言うには動物に角が付いて居るのは急所を守る役目もあるって言うからさ…兜に付けて見ようってなった訳さ」

ホムンクルス「急所を少し守るだけで生存確率が格段に上がります」

女海賊「商人!出来た奴どんどん売って来て」

商人「うん!全部持って行くよ」ガサリ



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941 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2020/11/16(月) 12:13:06.51 ID:CUQQsgj40
女海賊「どう?売れた?」

商人「すごいよ!あっという間に全部売れた…ホラ」ジャラリ ドスン

盗賊「おお!!いくらになったんだ?」

商人「10個売って200銀貨くらい」

女海賊「まだまだあるよ!全部売って!」

盗賊「おいおい俺にも一つくれ」

女海賊「好きな奴使って良いよ」

商人「僕も一つ貰うね」

女海賊「ホムちゃんはこのクルクル角の奴にしよっか」

ホムンクルス「はい…」

盗賊「北方の戦士はやっぱ皆毛皮に角付きの装備になんのな?ヌハハ」

商人「それ装備してて軽いし視界の邪魔にならないから角が付いてるの忘れちゃうね」

盗賊「おぅ全然気になら無ぇ」

商人「じゃぁのこりの兜もう一回売って来るね」

女海賊「もっとぼったくって稼いで!」

情報屋「ウフフなんだか魔物狩りがバカバカしいわ?」

盗賊「だな…アホらしくてやっとれん」

女海賊「女王はまだ帰って来ないの?」

情報屋「酒場で吟遊詩人を待ってるわ…よほど気に入ったのね」

盗賊「放って置いて良いんじゃ無ぇか?身分が違う立場を楽しんでるんだろ」

情報屋「でも一人じゃ心配だから私も後で行って来る」

盗賊「なら俺も昼間から入り浸るか」

女海賊「あと10日程度は暇だから好きにして」



『3日後_酒場』


ドゥルルルン♪


情報屋「みんな角突きの兜装備しているわね?」

盗賊「もう作らないのか?」

女海賊「十分稼いだじゃん?めんどい」

商人「君が作った兜は高騰しているらしいよ?偽物も出回ってるってさ」


吟遊詩人「あ!!見つけた…探していました」


女海賊「ん?私?」

吟遊詩人「はい」

女海賊「またリュートに細工したいの?」

吟遊詩人「いえ…実は今日城から使いが来まして祝賀会に招待されたのです」

女海賊「へぇ〜?良かったじゃん」

吟遊詩人「あなた達の紹介状も預かっていまして…これです」パサ

女海賊「おぉ!!…てアレ?明後日だね」
942 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2020/11/16(月) 12:13:41.09 ID:CUQQsgj40
吟遊詩人「そうです明後日の夜ですね…ご一緒に来る様にと伝言を預かりました…あなた達はどういう関係なのですか?」

女海賊「まぁ色々在ってね…」

吟遊詩人「それからあそこに座っていらっしゃる大柄な女性…」

女海賊「あぁ…私のお姉ぇ」

吟遊詩人「そうだったのですか…城で働かないかとか訳の分からない妄言を…」

女海賊「ぶっ…まぁまぁいろいろあんのよ…でも良かったじゃん気に入られて」

吟遊詩人「はぁ…」

盗賊「思ったより早く事が進みそうだな?」

女海賊「剣士どうすっかな?」

情報屋「祝賀会に呼ばれて放って置く訳に行かないでしょう?」

女海賊「だよね?ちっと迎えに行って来る」

盗賊「お前一人でか?夜はウェアウフル出て危ねぇぞ?」

情報屋「あなたが付いて行ったら?」

女海賊「大丈夫!私クモ持ってるからさ…動物近づいて来ないよ」

盗賊「なぬ?」

女海賊「こないだもウェアウルフ襲って来なかったじゃん?クモ持ってるからだって」

盗賊「マジか…」

女海賊「ほんじゃちっと言って来る!すぐ戻るから」ピュー

商人「あぁぁ行っちゃた…即断即行動」

盗賊「本当落ち着き無ぇ女だ…まぁ俺らは飲むぞ!」



『魔女の塔』


ピョン クルクル シュタッ


剣士「はぁ!!」スン スン スン

影「はぁはぁ…」ピョン ズザザ

剣士「…」---見える---

影「ふっ!!」スン スン

剣士「…」ヒラリ スパー

影「…」シュゥゥゥゥ

剣士「くあはぁぁぁ…」ポタポタ

剣士「傷口が溶ける…回復魔法!」ボワー

剣士「くぅぅぅやればやる程自分が傷付く…」


タッタッタ


女海賊「剣士!!ああああああ…あんた血だらけじゃん!!」

剣士「君か…」グタリ

女海賊「なんでこんなんなってんの…エリクサー飲んで!!」

剣士「ありがとう…」ゴクリ

女海賊「これ修行?」

剣士「自分に勝てる様になったら自分に傷が付くんだ」

女海賊「こんなんやってたらその内死んじゃうよ」
943 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2020/11/16(月) 12:14:12.85 ID:CUQQsgj40
剣士「お腹が減った…水も飲みたい」

女海賊「あんたを迎えに来たんだ…来れる?」

剣士「うん…連れて行って?」ヨロ

女海賊「走れる?」

剣士「大丈夫…」

女海賊「今みんな酒場に行ってるからさ…そこ行ったら何でも食べられるよ」

剣士「木の根が良いな」

女海賊「んな物無い」



『酒場』


ワイワイ ガヤガヤ

黒い騎士を見た奴が居るんだってよ?

それより追憶の森で山火事だとよ

見たぞ?魔法のドンパチだよな?

空飛ぶ魔物も居るって話よ

ワイワイ ガヤガヤ


ドゥルルルン♪


盗賊「おぉ戻って来たな…修行は終わったんか?」

剣士「ハハまぁね…食べ物が欲しい」

盗賊「何でも食え!酒もあるぞ」

情報屋「追憶の森の方で山火事があったって噂みたいだけど大丈夫だったの?」

女海賊「なんかちっと燃えてたね…ウェアウルフ倒すのに誰か魔法でも使ったんじゃないの?」

盗賊「魔法で燃やしたら毛皮が勿体無ぇ」

女海賊「雪でビチャビチャだからそのうち消えるさ」

情報屋「剣士は随分装備が痛んでるわね?修行のせいかしら?」

女海賊「なんか自分と戦ってこんなんなったみたい…行ったら血だらけだったよ」

ホムンクルス「私の近くにいらして下さい…賢者の石がありますので」

剣士「助かるよ…」モグ

盗賊「どんくらい修行してたんだ?こっちはまだ1週間だな」

剣士「もう分からないよ…100日位は経ったと思う」

女海賊「どう?100日振りに私の顔を見た感想は?」

剣士「変わって無いね」

女海賊「そんだけ?あんたの奥さんなんだけどさ…そこらへん分かってんの?」

剣士「ハハそうだったね…ちゃんと覚えてるよ」

女海賊「うむむなんか納得いかないけど…」

盗賊「剣士は事情分からんかも知れんけどな…明後日の夜に祝賀会があるんだ」

剣士「魔女が言ってたやつだね?」
944 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2020/11/16(月) 12:14:43.43 ID:CUQQsgj40
盗賊「うむ…何か起こるかも知れんから体をしっかり休めて置け」

剣士「そうするよ…食べたら宿屋で休む…案内してくれる?」

女海賊「あんたの装備も直すから早く帰ろ」

剣士「うん…少し食べたら落ち着いた」

女海賊「行くよ!!」グイ

剣士「もう?」モグモグ

盗賊「お前とイチャ付きたいんだろ!行ってやれ!!」




『祝賀会当日』


ワイワイ ワイワイ

軍事パレードか?通行制限が城まで続いてる

あれが元老院保有の兵隊らしい

魔術院の大政奉還って聞いたが?

元老院が全体を統治するようになるんかな?

ワイワイ ワイワイ



商人「さてさてどうなる事か…」

情報屋「表向きは魔術院が政権を返納して元老院の一党体制という事よね?」

商人「王権がどうなるかだよね」

女海賊「どうせ魔女が集めた元老をどうにかして絶対王政にするつもりでしょ」

商人「まさか元老はひっくり返されるとは思って無い…魔女は上手いね」

盗賊「その場に俺らが呼ばれてるって事は多分考えあるんだろうな」

女戦士「魔女の命をどうか守って下さい」

女海賊「大丈夫大丈夫!剣士がなんとかすっから」

吟遊詩人「皆さんお集りですね?」

盗賊「おう!」

吟遊詩人「女性の方は銀の仮面を付けて居るのですね…舞踏会用でしょうか?」

商人「まぁそんな所かな」

吟遊詩人「全員白い毛皮のマントで不思議な集団に見えますね」

女海賊「吟遊詩人一行って事になってるから気を使ってんだよ」

吟遊詩人「私にも同じマントは無いでしょうか?」

女海賊「商人!余ってたっけ?」

商人「あるよ…ホラ!」

吟遊詩人「お借りします…」ファサ

女海賊「なかなか似合ってんじゃん」

吟遊詩人「これで皆さんの仲間入りできましたね」

盗賊「ヌハハ仲間入りするつもりなんか…死ぬほど働かされるぞ?」

女海賊「はいはい…そんなんどうでも良いからもう行くよ」

吟遊詩人「あ…失礼しました…ご案内するので後に付いて来て下さい」

945 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2020/11/16(月) 12:15:13.97 ID:CUQQsgj40
『城門』


門番「止まられーい!!招待状の無きものは通す訳に行かぬ」

吟遊詩人「女王様より招待状を預かっております…これです」パサ

門番「ふむ…女王様お気に入りの吟遊詩人一行か」

吟遊詩人「左様で御座います」

門番「一人づつ紹介状がある筈だが?」

商人「持ってるよ!!…これさ」パサ

門番「ふむふむ…王家の印があるな…間違いなさそうだ」

吟遊詩人「入城してもよろしいでしょうか?」

門番「紹介状によると帯刀も許可されて居るな…お前たちは貴族扱いなのか?」

商人「まぁそういう所かな?」

門番「ふむ…これは失礼…祝賀会はあと1時間後故それまでに城内へ入られよ」

吟遊詩人「ありがとうございます」

門番「門を開けーーーい!!」


ガラガラガラ ガチャーン


門番「ささ…どうそ」

吟遊詩人「さぁ行きましょう!正面です」




『城前』


ワイワイ


盗賊「おぉ!豪華な食事が用意されてんじゃねぇか…これ食って良いのか?」

女戦士「構いませんよ?」

女海賊「ちょちょちょ…まだ仕事終わって無いんだから大人しくして」

盗賊「ちっとぐらい良いだろ…剣士!食え!」モグ

情報屋「ここに居る人たちは元老達の妻子?」

女戦士「そうです」

商人「みんな身なりが貴族みたいだ…」

女戦士「お恥ずかしい限り…私腹を肥やす者の集まりですね」

吟遊詩人「貴族には私の演奏は不評なのですよ…」

女海賊「そんなん気にしなくて良いよ」

盗賊「みんなお抱えの従士付けて来てんだな」

商人「一応何かの警戒はしてるんだろうね」

吟遊詩人「私は女王様の側近に挨拶をしてこようと思いますが…皆さんはどうされますか?」

女海賊「一緒が良さそう」

吟遊詩人「では祝賀会まで少し早いですが中に入っておきましょう」
946 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2020/11/16(月) 12:15:45.04 ID:CUQQsgj40
『城内』


衛兵「これより先は祝賀会の準備中である」

吟遊詩人「女王様に招待されて来ました…演奏について事前に少し話をしておきたいのですが?」

衛兵「紹介状は持って居るな?」

吟遊詩人「これです…」パサ

衛兵「ふむ…演奏の準備をしておきたいと言うのだな?」

吟遊詩人「はい…」

衛兵「よし付いて来い」スタスタ



ヒソヒソ

あの白いのは何なのだ?

女王様お気に入りにの吟遊詩人一行かと

見張りを付けて置け

かしこまりました

ヒソヒソ



衛兵「女王の間への案内は代表一人だ…その他はここで待て」

吟遊詩人「では私が行ってきますので皆さんはお待ちください」スタスタ

盗賊「ヌハハこりゃ気持ちの良い待遇じゃ無ぇな」

女海賊「見て…片足が義足の奴」

盗賊「あいつか…しぶとい奴だな」

商人「元老は20人くらいか…こう囲まれると嫌だねぇ」

盗賊「ヒソヒソ何か話していやがる」

剣士「全部聞こえてるよ」

盗賊「なんて言ってんだ?」

剣士「怪しんでるね」

商人「ハハそれはこんな格好して怪しいだろうね」

剣士「恰好よりも女王が招待したことが気に入らない様だよ」


衛兵「女王の間への入室が許可された…お前達!入れ」
947 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2020/11/16(月) 12:16:15.02 ID:CUQQsgj40
『女王の間』


盗賊「うっは…なんだこの警備は…近衛が全員詰めてるんか」

商人「魔女居ないね?」

吟遊詩人「私達はここに並んで待てとの事だよ」

側近「女王様は奥で調印式の最中だ…終わり次第祝賀会に来られる」

商人「調印式?」

女戦士「魔術院の大政奉還の調印でしょう…立ち合いは元老の執政でしょうね」

盗賊「なんか堅っ苦しいな…王族はこんな式ばっかやってんだろうな」


執政「調印の式が終わりました…女王の祝辞がありますので皆々を招集してください」


衛兵「はっ!!直ちに…」



『数分後』


ゾロゾロ ゾロゾロ

調印が済んだのであればもう良かろう

祝辞があると言うのだ聞くしかあるまい

これで元老院にたてつく者は…


ガチャン ドスン


商人「扉にカンヌキ?…」

盗賊「何か始まるぞ?剣士…気を抜くなよ?」

剣士「分かってる…」


執政「女王様と国王様がお入りになられます…」


ノソノソ ノソノソ


執政「…」チラリ

女王「…」ギロ

執政「では…祝辞を頂きたく…」


女王「皆の者…膝を着けよ」


ザワザワ ザワザワ


女王「図が高い…頭を垂れて蹲え…女王の御前と知っての狼藉か?」


ザワザワ ザワザワ


女王「さて…めでたく魔術院の大政奉還は終えたのじゃが…祝辞の前に来賓を紹介する」

執政「来賓?聞いて居りませんぞ?」

女王「勇者一行…ここに参れ」


ザワザワ ザワザワ
948 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2020/11/16(月) 12:17:01.68 ID:CUQQsgj40
執政「勇者一行とはこれ如何に…」

女王「執行人も入室せよ」

盗賊「うは…死刑執行人かよ…」


元老「恐れ多くは女王様…祝辞を申されるのでは無かったでしょうか?」

女王「ほう?うぬはわらわに異議を申すと言うか…良い…尋問じゃ…黒の同胞団に繋がりのある者を申せ」

元老「うぐ…元老全員が関わっております…うがぁ!!口がすべっ…」

執政「この元老は嘘を申しておりますな…」アセアセ

女王「執行人!親族諸共全員処刑をせよ」

執行人「ハッ!!」ズンズン


キャァァァァやめてぇぇ ブシュ

おい!!何をする!! ブシュ


------------------

------------------

------------------



女王「今宵の行事は黒の同胞団に関りを持つ者の根絶じゃ…異議のある者は申し出よ」

執政「…なんという暴君か」

女王「うぬはわらわに枷を付けた責任を取ると言うて居ったな?」

執政「まさかお前は…塔の魔女か!!」

女王「執行人!処刑じゃ…ヤレ」

執政「くそう…かくなる上は」ダダ ブス

女王「近衛共…見て居ったな?これが元老院の正体じゃ」

執政「心臓は何処だぁ!!」ブス ブス

執行人「ふんっ」ブン ブシュゥゥ ゴトリ

女王「貝殻を使うものは先に処刑するのじゃ」


わしは違う!助けてくれぇぇぇ ブシュ

嫌ぁぁぁぁぁ ブシュ

子供だけは…子供だけは… ブシュ

えーん えーん ブシュ


------------------

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------------------
949 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2020/11/16(月) 12:17:47.56 ID:CUQQsgj40
『皆殺し後』


女王「さて…次は衛兵共じゃな」

衛兵「あわわ…」ガクブル

女王「わらわの命令に背いた者が居る…処刑じゃ」

衛兵「いや…違う…」

女王「わらわが間違っていると申すのか?わらわの言葉はこの国では絶対じゃ…処刑せよ」

衛兵「やめてくれぇ…違うんだ」ブシュ ボトン

女王「わらわに従う者は地べたに蹲え!頭を垂れよ!」

側近「ははぁ…」

女王「これぐらいにしておくかのぅ…」パンパン


目覚めよ!


元老「はっ…今のは…」キョロ

女王「幻影魔法じゃ…母上…これで誰を処するか分かったじゃろう?」

女戦士「魔女…」

女王「そろそろ交代じゃ…やはり国を治めるのは母上の仕事じゃ…変性魔法!」グングン

側近「姫!!やはり姫であったか…」

魔女「姫と言うのはヤメい!!」

女戦士「では私も…変性魔法!」シュゥ

執政「女王と姫が入れ替わって…」


国王「フッフッフ茶番はそこまでじゃ…」

魔女「主は父上では無いな?リッチであろう?」

国王「いかにも…自爆魔法!」パーン!


キン キン カキーン


執政「ぎゃぁぁぁぁぁ」ドタリ

剣士「魔女!離れて…」

魔女「主は成長したのう?」ノソノソ

国王「自爆魔法を回避する者が居ったとはな…」

魔女「父上をどうしたのじゃ?」

国王「フフフアーッハッハ…それを聞いてどうする?」

女王「やはりあの人が黒の同胞団を…」

国王「国王と魔術院長は旧来の友なのじゃ…どういう事か分からんか?」

魔女「父上が黒の同胞団に居るのじゃな?」
950 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2020/11/16(月) 12:18:23.39 ID:CUQQsgj40
国王「何も知らぬかフッフッフ…しかしさすがは塔の魔女の愛弟子という所か…抜かったわい」

魔女「主は魔術院長じゃな?」

国王「如何にも!!」

魔女「真の姿を見せい!」

国王「正体がバレてしまっては至仕方あるまい…変性魔法!」グングン

魔女「こ奴はわらわよりも魔力が強い…剣士!注意せよ」

剣士「ふぅぅ…」スチャ

リッチ「まとめて成敗してくれよう…爆炎地獄!轟雷天舞!絶対零度!」ゴゴゴ ガガーン カキーン

剣士「…」スン スン スン

リッチ「何ぃ!!反射だと…ぐぅぅ抜かった体が凍る…」カキーン

女海賊「剣士!どいて!!」


シュン パーン


盗賊「おぉ!!砕けた」

女海賊「氷の欠片を切って!!」

剣士「ふぅぅ…」スパスパスパスパ

魔女「爆炎地獄!」ゴゴゴゴゴゴゴ ボゥ

吟遊詩人「…なにが何だか…」アゼン




『玉座』


女王「さて…一連の行いを見ていましたが…元老達よ何か申し開きする事はありますか?」

元老達「むぐぐ…」

女王「ここは慈悲を下しましょう…豚か羊を選びなさい」

魔女「母上…処刑はせぬのじゃな?」

女王「魔女…お前が変性魔法を掛けるのです…生かして償いをさせましょう」

魔女「国家転覆の罪じゃが女王の慈悲により生かされる事になった様じゃ…豚か羊を選ぶのじゃ」

元老「ぐぬぬ…豚」

魔女「変性魔法!」

豚「プギャーー」

魔女「片足の領主…わらわに覚えがあろう?豚か羊のどちらじゃ?」

領主「またもや私の邪魔を…ぐぬぬ」

魔女「豚が似合いじゃ…変性魔法!」

豚「ゲヒゲヒ」

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951 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2020/11/16(月) 12:19:25.19 ID:CUQQsgj40
女王「さて…親族に直接の罪はありませんがどうしましょうね…」

側近「ご慈悲を…」

魔女「わらわに任せるのじゃ…」

女王「幻惑魔法ですね?」

魔女「そうじゃ…黒の同胞団と関われん様に命ずる」

女王「許可します…」

魔女「広範囲幻惑魔法!」モクモク

魔女「今後一切黒の同胞団との関りを禁止する!」

女王「ではこれにて大政奉還の儀を終えます…すべての門を開き民を祝賀会に呼びなさい」

側近「はっ!!」



『祝賀会』


ドゥルルルン♪


商人「いやぁぁ一時はどうなるかと思ったよ」

女海賊「あんまり被害無くて良かった」

盗賊「幻惑だが元老の皆殺しを見た衛兵のビビり様は半端なかったぞ?」

商人「魔法って怖いね…アレで一気に衛兵が委縮した」

女海賊「なんか豚と羊食べる気が無くなったよ」

商人「ずっとあのまんまなのかな?」

女海賊「変性魔法で元に戻せるっぽいけどわざわざ豚に変性魔法掛ける人は居らんとか魔女言ってたよ…こわ」

情報屋「あ!魔女が来たわ?少女の恰好になってる…」

魔女「やっと自由になったわい…」

女海賊「なんで小さくなってんの?」

魔女「わらわはこの恰好が一番合っとる様じゃ…動きやすいしのぅ」

女海賊「そういやさぁ?私とお姉ぇに変身させた看守ってあのまんま?」

魔女「牢に行ったらお互い舐め合っとって気持ち悪いで元に戻したぞよ?」

女海賊「あちゃーーーそれ心配してたんだよ」

魔女「ところで主らはここ数日不審な者は見て居らぬか?」

商人「もしかして歴史の修正?」

魔女「気付いて居らんかもしれんが何度も修正された結果が今じゃぞ?」

商人「祝賀会が早まったのもそのせい?」

魔女「その記憶も直に無うなるじゃろ」

商人「なるほど…予定外なのはそういう事か」

情報屋「酒場の噂で黒の騎士がうろついてると言うのは聞いたわ?」

商人「追憶の森の山火事も気になるね」

魔女「ふむ…次の手を打って来て居るかものぅ…」

商人「魔女がここに居るという事は黒の同胞団に知られたと見る?」

魔女「いや…女王の間に居た者は全員幻惑魔法に掛かって居るでまだ知られては居らんと思うな」
952 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2020/11/16(月) 12:20:02.41 ID:CUQQsgj40
商人「なるほど…バレない様に少女の姿になってるんだ?」

魔女「それも理由の一つじゃ…第一王女の顔は知れ渡っとるで」

商人「もうすこし隠れ潜んでおいた方が良さそうだね」

魔女「うむ…」

女海賊「どうする?宿屋帰る?」

魔女「わらわは城はもう飽きた…戻って酒場で噂を聞きたいのぅ」

盗賊「ヌハハ俺らはそっちのが合ってんな…帰るか」



『酒場』


ガヤガヤ ガヤガヤ


女海賊「そこら中でお祭り騒ぎだね…座る所無いじゃん」

魔女「元老院に溜まって居った物資を衛兵が配っておるそうじゃ…母上の計らいじゃな」

盗賊「こらしばらく続きそうだな」

魔女「しかし…剣士は修行を終えて見違える動きになったな?時空を我が物にしたかえ?」

剣士「一瞬だけね」

魔女「その力を魔術用語でラグスイッチと言うのじゃ…」

剣士「魔女の様に時空の先に居るのとは少し違うね」

魔女「わらわの場合魔術用語でピングが良いと言うのじゃがその違いが分かれば入門は卒業じゃのぅ」

女海賊「剣士を迎えに行ったらさ…修行で血だらけだったんだよ」

魔女「そうじゃろう…魔術師も自分と魔法の撃ちあいで火傷するで介添えが居らんと死んでしまう」

盗賊「そんだけ修行積んだ魔術師でも今日みたいに魔法反射されたら一瞬でやられるんだな」

魔女「剣士の持つ刀の効果を知らんかったのが運の尽きじゃな…至近距離で反射されては避けられぬ」

女海賊「止めを刺したのは私だよ」

魔女「氷を砕くという機転が利いたのはさすがじゃ…バラバラに砕け散って奴は何も出来んかった」

商人「あれが不明になってた魔術院長だったとするともう魔術師をリッチに出来る人が居なくなったと見て良い?」

魔女「そうじゃな…リッチはこれ以上増えんじゃろう」

商人「よし!徐々に追いつめてる…」

魔女「しかし父上が黒幕じゃとは…昔はやさしい父だったのじゃが…」

商人「そうと決まった訳じゃ無いでしょ」

魔女「思い当たる節が有ってのぅ…ハイエルフとなにやら交わし事をして居った事があるのじゃ」

商人「ハイエルフが絡む?」

魔女「師匠が言って居ったんじゃが人間の魔術をハイエルフに教えて何かをしようとして居った…今思えばその交わし事じゃな」

商人「じゃぁ魔術院長が教えたって事になる?」

魔女「恐らくな」

商人「ハイエルフまで絡むって謎が深まるばかりだ…」

魔女「父上はな…元は錬金術師じゃ…状況証拠が揃って居る」



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953 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2020/11/16(月) 12:20:35.80 ID:CUQQsgj40
ガヤガヤ ガヤガヤ

おい!外見て見ろ!!

おぉぉ魔術師が空に魔法撃ってる…

女王様のパレードがあるらしいわ

見に行って見るか

ガヤガヤ ガヤガヤ



魔女「今晩は大した噂は聴けん様じゃな…わらわは宿屋に帰ってちと横になる」

女海賊「ほんじゃ私と剣士も帰ろっかな」

盗賊「俺らはもうちっと飲んで行くからよ…帰っていいぞ」

情報屋「噂を集めるのは私達に任せておいて?」

魔女「そうじゃな…では行くとするか剣士…」ノソノソ



『街道』


ワイワイ ワイワイ


剣士「…」---なんだろう?---

女海賊「ん?何ボケっとしてんの?」

剣士「空がちょっとね…」

魔女「曇って星が見えんのぅ?」

女海賊「ボケっとしてないで早く帰ってヤルよ!」

魔女「これこれわらわが居るんじゃぞ?大概にせい」

女海賊「うっさいなぁ寝りゃ良いじゃん」

剣士「…」---なんだ?この感じ---

女海賊「あんたぁ!!聞いてんの?」グイ

剣士「おっとっと…」ヨタ

女戦士「ヤルのヤラないのハッキリしな!」カチャリ

剣士「分かった分かった…行くって…」

魔女「ヤレヤレ…」
954 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2020/11/16(月) 12:21:10.68 ID:CUQQsgj40
『宿屋』


zzz…


女海賊「ぐぅ…すぴー…」ムニャ

剣士「…」---やっぱり胸が騒ぐ---


シュゴーーーーー パパパパパン!! チュドーーーーン パラパラ


剣士「何だ!!?」ガバ

魔女「んんむ…」ゴシゴシ

剣士「魔女!!起きて!!女海賊も!!」

女海賊「んあ?もうダメ…もう逝けない…」

剣士「外で何か起きてる!!起きて!!」グイ


シュゴーーーーー ドゥーーーーーーーーーモ 

シュゴーーーーー ドゥーーーーーーーーーモ

シュゴーーーーー ドゥーーーーーーーーーモ

ドガーーーーーーン!! パラパラ


女海賊「ぐぁぁ…何?」ゴロゴロ ズザザ

魔女「なんじゃ?…屋根が吹き飛んでおる…」

剣士「女海賊!!腕!!」

女海賊「え?あ…なんで?…なんで無いの?」ボタボタ

剣士「腕は何処に行った!?」

女海賊「なんで手が無いの…え?どうなってんの?」ボタボタ

剣士「有った!!ここだ…」グイ

女海賊「はぁはぁ…痛い…」

剣士「腕を出して!」

女海賊「無い…無い…嫌ぁぁぁぁ!!」

剣士「大丈夫…今くっ付ける…早く腕を」グイ

女海賊「助けて…剣士…お願い…」

剣士「回復魔法!回復魔法!回復魔法!」ボワー

魔女「それでは蘇生出来ぬ…蘇生魔法!」ゾワワ

女海賊「痛い…痛いよぅ…」

魔女「回復魔法を続けて掛けるのじゃ」

剣士「回復魔法!回復魔法!回復魔法!ボワー


シュゴーーーーー ドゥーーーーーーーーーモ 

シュゴーーーーー ドゥーーーーーーーーーモ

シュゴーーーーー ドゥーーーーーーーーーモ

ドガーーーーーーン!! パラパラ



--------------------
955 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2020/11/16(月) 12:21:36.15 ID:CUQQsgj40
剣士「女海賊…立てるかい?」

女海賊「なんとか…どうなってんの?」

剣士「隕石だ…ここは危ない…君の荷物探して!」

魔女「信じられぬ…城が崩れよる…」アゼン

女海賊「あった!!私の荷物…」ヨロ

魔女「一瞬で滅びよった…これはメテオスウォームじゃ」

剣士「酒場の有った辺りに盗賊達を探しに行こう…魔女!!行くよ!!」グイ

女海賊「手が自由に動かない…」

剣士「まだ隕石が落ちて来る!!伏せて!!」


シュゴーーーーー パパパパパン!! チュドーーーーン パラパラ



『酒場の付近』


ボウボウ メラメラ


剣士「隕石の直撃受けてる…ダメか…」

女海賊「どの死体が誰のだか分かんない…ぅぅぅ…どうなってんのよ!」

魔女「よもや…もう取り返しが付かぬ…シャ・バクダの二の舞じゃ…」

剣士「生きている人を探そう…」


セイタイ60%ソンショウ…キノウテイシマデ30ビョウ


女海賊「ホムちゃんの声!!」

剣士「ここだ!!ここに埋もれてる」ガッサ ガッサ

ホムンクルス「トウブニオオキナソンショウガアリマス…ガイブメモリヲハズシテクダサイ」

女海賊「ホムちゃん!?どこ?」

剣士「ダメだ…頭が半分無い」

ホムンクルス「アト10ビョウデセイタイキノウガテイシシマス…ミナサンガイブメモリヲヨロシクオネガイシマス」

女海賊「左耳の後ろ」

剣士「…これか」

女海賊「ホムちゃん…ホムちゃん」

ホムンクルス「オゲンキ…デ…イテクダ…サイ」

剣士「…」

ホムンクルス「…」

剣士「外部メモリを外した…他の人を探そう」



シュゴーーーーー ドゥーーーーーーーーーモ 

シュゴーーーーー ドゥーーーーーーーーーモ

シュゴーーーーー ドゥーーーーーーーーーモ

ドガーーーーーーン!! パラパラ
956 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2020/11/16(月) 12:22:13.01 ID:CUQQsgj40
『1時間後』


ゴゴゴゴ メラメラ


魔女「地獄じゃな…生きて居るのはわらわ達を入れて数名じゃ」

剣士「こっちもダメだ…損傷が大きすぎて回復魔法が意味ない」

魔女「女海賊の気は確かかえ?」

女海賊「ぁぅぁぅ…ホムちゃん…」

剣士「放心状態だけど体は無事だよ」

魔女「修行で精神を鍛えて居らぬ故仕方の無い事じゃ…しかし…」

剣士「隕石は止んだね…」

魔女「これほどの隕石を落とせるのは師匠しか居らぬ…師匠の亡骸が無うなったと気付いた時にこうなる事を予測せねばイカンかった」

剣士「歴史の塗り替えか」

魔女「強引にひっくり返して来おったのぅ」

剣士「まだ間に合うんじゃない?僕たちも過去へ戻って…」

魔女「そうじゃな…それしか無い様じゃ」

女海賊「ヤルよ…」スック

剣士「女海賊…」

女海賊「ホムちゃんを返してもらう…」

魔女「次元が崩壊するリスクが有るのじゃが…主らは自我を保てるか?」

女海賊「ヤルったらヤル!!」

魔女「では…行くとするか…わらわに付いて参れ」ノソノソ



『追憶の森』


メラメラ パチパチ


剣士「こんな所まで爆風が…」

魔女「地形が完全に変わって居る…わらわの塔まで迷ってしまうのぅ」

女海賊「…案内して」カサカサ

魔女「ほう?クモに案内させる気か…良い案じゃ」

女海賊「こっち…」

剣士「後ろ見て…シン・リーンの火が激しくなってる」

魔女「隕石はしばらく熱を持って周辺を焼き尽くすのじゃ…業火に焼かれすべて灰になるじゃろう」

剣士「僕たちは奇跡的に助かったみたいだね」

魔女「うむ…直ぐに回復魔法出来たのが良かったな」

剣士「魔女も怪我を…」

魔女「エンチャントされた角を持っとるで気にせんで良い」

女海賊「右手が動かしにくいんだけどさ…これ治る?」ニギニギ

魔女「角を常に持っておれ…直に良ぉなる」

剣士「ここだ!あと一歩で狭間に入る」
957 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2020/11/16(月) 12:22:50.52 ID:CUQQsgj40
『魔女の塔』


魔女「こちらに来い…塔の中はマズイで花畑で時限の門を開く」


良く聞くのじゃ

今から開く時限の門はおよそ5日前に戻る門じゃ

その門は剣士が修行で使った門と違うて直ぐに閉じてしまうのじゃ

そうじゃな…約4時間で閉じてしまう寄って必ずそれ迄に戻るのじゃ

戻れん場合は次元に取り残され永遠に戻れぬ

それから過去の自分に出会ってはならぬ…主らでは自我を取り込まれてしまうでな

噂によると黒の騎士が追憶の森をうろついて居るのじゃな?

祖奴が何者か知らぬが師匠の亡骸と関係があるやも知れぬ


女海賊「5日前っていうと…宿屋でゴロゴロしてたぐらいかな」

剣士「僕は魔女の塔で修行を…」

魔女「自我をしっかり保つのじゃぞ?特に女海賊は初めての経験じゃから気を付けい…気を失うてはならん」

女海賊「分かった…もう瞬きしない」

魔女「瞬きは関係無いが…まぁええか…では行くぞよ?開け…時限の門!」


シュワシュワ


魔女「女海賊から光の渦へ入るのじゃ」

女海賊「おっけ!付いて来てね」ソー


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----------------

----------------


女海賊「アレ?通り抜けた?」キョロ

魔女「もう5日前じゃ…違和感無いな?」

剣士「大丈夫…」

魔女「では追憶の森へ戻るぞよ?」ノソノソ
958 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2020/11/16(月) 12:23:23.64 ID:CUQQsgj40
『追憶の森』


ザワザワ ザワザワ


女海賊「元のシン・リーンが見える…戻って来た」

魔女「これ!!自我を保て!!この次元に戻る事を考えると飲み込まれるぞよ?」

女海賊「あぁそういう事か」

剣士「追憶の森には魔女の塔以外に何があるの?」

魔女「精霊の像を安置しておる祠がある」

剣士「祠か…黒の騎士はそこに行こうとしている?」

魔女「それは分からんのぅ…近いで一応見て行くか」

剣士「ん?」クンクン

女海賊「あ!やべ…クモ置いて来ちゃった」

剣士「なにか居る…気を付けて」

女海賊「この辺イエティが居るんだった」


イエティ「ウォーーウォーーー!!」ドスドス


剣士「任せて…」シュン

イエティ「ウォーーー!」ブン ドガァ! ズザザ

女海賊「あああああ!攻撃されてんじゃん!!」


スパ スパ スパ スパ


女海賊「え!?分身?…剣士消えた」

イエティ「ムゴ…ムゴ」ドタリ

魔女「ラグスイッチじゃ時空を飛んだのじゃな」

女海賊「剣士?怪我は?…あれ?」

剣士「ふぅぅ…行こうか」

女海賊「どうなってんの?」

魔女「元の時空の剣士は攻撃されたが剣士の時空の剣士はイエティを切った結果じゃ…意味がわかるか?」

女海賊「ハテ?」

魔女「まぁ良い…主には理解出来ぬ」



-----------------
959 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2020/11/16(月) 12:24:24.05 ID:CUQQsgj40
ベチャ ベチャ


女海賊「ちょっと待って!!馬の足跡」

魔女「むむ!行先は林の向こう側じゃな…」

剣士「足跡を追おう」

女海賊「そっちに何かある?」

魔女「山になって居る…シン・リーンを見下ろせるのぅ」

剣士「…」クンクン

女海賊「何か臭う?」

剣士「なんだろう?女の甘い香り…」

女海賊「私?」クンクン

剣士「君じゃない」

魔女「剣士…幻惑魔法かも知れんで気を付けよ」

剣士「馬の足跡の方向だよ」

女海賊「あんたさぁ…私が居んのに他の女の香りを気にすんの?」

剣士「こんな所で女の香りはおかしい…行こう!」

女海賊「おい!!聞いてんの?」



------------------


ゴゥ ドーン ゴゴゴゴゴ ボゥ


剣士「アレだ!!黒の騎士が何かと戦ってる」

女海賊「空飛んでんじゃん…何アレ…ちっちゃいドラゴン?」

魔女「女海賊…主の望遠鏡を貸すのじゃ」

女海賊「ん?あ…ほい」ガチャ ポイ

剣士「黒の騎士が乗ってる馬は…アンデッドホースかな?」

女海賊「おぉぉ!!でかい剣で魔法撃ち返してるね」

剣士「空飛ばれてるんじゃ黒の騎士に勝ち目が無いよ」

魔女「ぐぬぬ…あれはサキュバスじゃ…師匠の亡骸をサキュバスにして蘇らせておる…ぐぬぬ」

女海賊「じゃぁアレが隕石を落とした犯人?」

剣士「黒の騎士が持ってる剣…もしかしてあれは時の王…」

女海賊「え!!魔女…望遠鏡貸して」グイ

剣士「見える?」

女海賊「黒い甲冑で顔が見えない…でも持ってる剣は時の王が使ってた剣…なんでこんな所に」

魔女「セントラルでデュラハーンの一騎掛けの騒ぎが有ったな?…それじゃな」

女海賊「そうか…私が精霊が生きてるとか言ったから確認しに来てるんだ」

剣士「どうする?このまま時の王の戦いを見守る?」

女海賊「私らの狙いは隕石落としの阻止でしょ?」

魔女「サキュバスを葬らねばならんな…時の王は後じゃ」

剣士「どうして戦ってるんだろう?」

女海賊「今の所敵の敵は味方…そういう事」

魔女「女海賊や…インドラの銃で狙えるかえ?」

女戦士「おっけ!ヤル」ガチャリ

魔女「剣士…やるぞよ?反射を上手く使うのじゃ」
960 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2020/11/16(月) 12:24:53.12 ID:CUQQsgj40
女海賊「撃つよ?」



-----------------


シュン パーン


剣士「サキュバスが落ちた!!」

女海賊「もう一発!!」ガチャコン シュン パーン

魔女「剣士!魔法で畳みかけよ!!火炎魔法!火炎魔法!火炎魔法!」ゴゥ ゴゥ ゴゥ

剣士「火炎魔法!火炎魔法!火炎魔法!」ゴゥ ゴゥ ゴゥ

女海賊「次撃てるまで10分!!耐えて…」

剣士「こっちに気付いた…」

魔女「イカンなサキュバスは回復しよる」

剣士「魔法は跳ね返すから魔女は撃って!」

魔女「火炎魔法!竜巻魔法!ボルケーノ!」ゴゴゴゴゴゴ


時の王「…」パカラッ パカラッ ブルルル


剣士「火炎魔法!火炎魔法!火炎魔法!」ゴゥ ゴゥ ゴゥ

女海賊「当たってる当たってるぅ」

魔女「効いて居らぬ…耐魔魔法を掛けて居る様じゃ…物理攻撃を当てんとイカン」

女海賊「おっけ!デリンジャー使う…引き寄せて」カチャリ

サキュバス「キャアアアアアアアア」バッサ バッサ

剣士「詠唱始めた…長い!!」

魔女「耐魔魔法!耐魔魔法!耐魔魔法!」シュワワ

剣士「くそう…弓があれば」

魔女「来るぞよ!」


シュン シュン シュン シュン  スト スト グサ グサ

シュン シュン シュン シュン  スト スト グサ グサ


魔女「アローレインか!耐魔魔法に意味が無い…走るのじゃ」ノソノソ

剣士「くぅ…回復魔法!」ボワー

女海賊「くぅぅマジか…あんな魔法あり?」ズリズリ

剣士「矢を抜く」ズボ

女海賊「いだぁぁい!!」

魔女「回復魔法!」ボワー

剣士「次の魔法を詠唱してる…又長い!!」

魔女「木に隠れよ…こっちじゃ女海賊!回復魔法!」ボワー

剣士「魔女も矢を抜く」ズボ

魔女「うぐ…ぅぅぅ」ボタボタ

剣士「回復魔法!」ボワー


シュン シュン シュン シュン  スト スト スト スト

シュン シュン シュン シュン  スト スト スト スト
961 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2020/11/16(月) 12:26:10.86 ID:CUQQsgj40
女海賊「あんにゃろ!」ターン ターン ターン ターン

サキュバス「ギャーーギャーーー」バッサ バッサ

剣士「ダメだ落ちて来ない」

女海賊「こんなんじゃ勝ち目無いね…どしよ?」

魔女「インドラの銃しか無いのぅ…落とした後に剣士が刻むのじゃ」

女海賊「あと3分くらい…くっそ時の王のおっさん何やってんだよ!!」

剣士「次の魔法が来る!」


ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ ドーン


剣士「はぁ!」スン スン スン

魔女「回復魔法!回復魔法!回復魔法!」ボワー

剣士「範囲魔法は全部反射しきれない…くぅぅ」

魔女「剣士…木に登るのじゃ…わらわが罠魔法でツタを張る故飛び移って切れ」

剣士「分かった!」ピョン クルクル シュタ

魔女「罠魔法!罠魔法!罠魔法!」ザワザワザワ シュルリ

女海賊「私もツタ登る!!」タッタッタ ピョン

剣士「このぉ!!」シュタタ ピョン ブン

女海賊「こっちも!!」ターン ターン ターン ターン

サキュバス「自爆魔法!」パーン

剣士「うがぁ…」ヒュゥゥ ドサ

女海賊「あぁぁ剣士…」グイ

剣士「金属の欠片を抜いて…直撃食らったゲフッ」ボタボタ


時の王「…」パカラッ パカラッ ブン ザクリ


サキュバス「ウキャアァァァ」ドサ

魔女「今じゃ剣士!!切れ!!」

剣士「くぅぅ…」スパ スパ スパ スパ

魔女「回復魔法じゃ凌ぐのじゃ!!回復魔法!回復魔法!回復魔法!」ボワー

剣士「ふぬっ!!」スパ スパ スパ スパ

女海賊「切ってすぐに傷が塞がってる…」

魔女「リリスと同じか…祖奴はキマイラじゃ!!歌うのじゃ」

女海賊「え!?歌…」

女海賊「寝んね〜ん寝〜♪」

ルルル〜♪

ララ〜♪


サキュバス「自爆魔法!」パーン


女海賊「はぅぅ…」ガク

魔女「命令じゃ!命令するのじゃ」

女海賊「やめ…て…攻撃しない…で」

サキュバス「…」ピタ

魔女「気を失うてはイカンぞ?回復魔法!回復魔法!回復魔法!」ボワー

剣士「ぅぅぅ女海賊…金属を抜くよ」ズボォ
962 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2020/11/16(月) 12:26:40.17 ID:CUQQsgj40
女海賊「いぎゃぁぁ」ビクビク

魔女「回復魔法!」ボワー

剣士「もう一つ」ズボ ズボ

女海賊「ひぃひぃふぅ…」

魔女「回復魔法!回復魔法!回復魔法!」ボワー

女海賊「はぁはぁ…」

魔女「剣士の金属の欠片も抜いてやれ」

女海賊「うぐっ…うぐっ…こんなに痛いなんて…」ズボ ズボ ズボォ

剣士「うぐぐぐ…」

魔女「回復魔法!回復魔法!回復魔法!」ボワー

女海賊「剣士?エリクサー半分こしよ…」ゴクリ

剣士「はぁはぁ…」ゴクリ

魔女「女海賊や…サキュバスに自害するように命じよ…死んだ後にわらわが焼いて灰にする」

女海賊「サキュバスに命ずる!!自害してぇぇ!!」

サキュバス「…」ズボォ ブチブチ


ドクン ドクン ドクン ブシュ!!


サキュバス「キュゥゥゥ」ドタリ

魔女「師匠…安らかに眠っておくれ…火炎地獄!」ゴゴゴゴゴゴゴ ボウ




----------------



女海賊「…はい袋だよ」

魔女「済まんのぅ…灰を持って帰る」ガサゴソ

女海賊「時の王は何処行っちゃったんだろ?」

魔女「さぁの?いつの間に居らんくなっとった」

女海賊「これで隕石は落ちない未来が来る?」

魔女「これからが勝負じゃ…自我を失うでないぞ?」

女海賊「どういう意味?」

魔女「時限の門をくぐり元の世界へ戻った時に次元の歪みが生じる…主の自我のある世界に入れ替わるのじゃ」

女海賊「隕石が落ちて居ない世界で自我を保つ…そういう事?」

魔女「門をくぐって帰る先は隕石が落ちてしもうた世界じゃ…歪んで入れ替わる時に自我を保て」

女海賊「おっけ!」

魔女「主らは10年かかる修行をたった1日でやろうとしておる…心せよ」

剣士「そろそろ時間が無い」

魔女「そうじゃな時限の門はいつ閉じてしまうか分からんで早う戻ろう」

剣士「行こう…」
963 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2020/11/16(月) 12:27:05.41 ID:CUQQsgj40
『魔女の塔』


シュワシュワ


魔女「では女海賊から時限の門をくぐれ」

女海賊「ちゃんと付いて来てよ」スタスタ


-----------------


女海賊「…もう戻った?」

魔女「うむ…」

剣士「大丈夫…迷って無いよ」

魔女「ちと師匠の灰を埋葬して行きたいで付き合ってくれぬか?」

女海賊「そうだね…」

剣士「ここは何も変化が感じられない…」

魔女「狭間の奥じゃからのぅ」

女海賊「そういえば部屋の中に壺があったな…灰の入った袋は壺に入れた方が良いね」

魔女「持って来てもらえるか?」

女海賊「うん!取って来る」ピュー



『墓』


魔女「むむ!誰ぞ墓に花を添えた者が居るな…」

剣士「ここに誰か入って来る事なんてある?」

魔女「はて?母上じゃろうか?」

剣士「この花は添えられて少し間が空いてるね」

魔女「ふむぅ…情報屋か誰かが気を利かしたのかのぅ…」

女海賊「壺持ってきたよ…」

魔女「よし…袋を壺に入れて…」

剣士「石棺の蓋閉めちゃうよ?」

魔女「うむ…」

剣士「ふんっ」ズリズリ

魔女「これで良い…師匠や…休んでおくれ」人

女海賊「…」人

剣士「…」人
964 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2020/11/16(月) 12:27:31.39 ID:CUQQsgj40
『追憶の森』


魔女「良いか?狭間を出るで次元の歪みに飲み込まれるで無いぞ?

女海賊「剣士!!手を繋いでて」

剣士「あ…うん」ギュ

魔女「出るぞよ?」スゥ

女海賊「どこ?何も見えない」

剣士「手を握り返して…」ギュ

魔女「今わらわ達が見えて居る範囲が自分の時空じゃ…向こう側に他の者が持つ時空がある…そこと繋がるのが分かるか?」

剣士「シン・リーンが燃えて居ない!!」

魔女「繋がった様じゃな?それに早く気付くと言う事がピングが良いという事じゃ」

剣士「分かった…時空の繋がり方が…」

魔女「うむ…主は少しだけ他の者よりも先に気付ける様になった…つまり時空の少し先に居る」

女海賊「この世界は誰の世界?」

魔女「主の物にせよ…主はここに居る!!」

女海賊「私の世界…私が見えている世界が私の世界」

魔女「うむ…街に近づけば近づくほど他の者の時空と繋がる…それに気付け…そして我が物にするのじゃ」

剣士「そうか…時空は人の数だけ有るのか…それらが繋がってる」

魔女「それに気付くまで10年は掛るのじゃぞ?」

剣士「帰ろう…」

魔女「ゆっくり歩け…時空の繋がりを一つ一つ感じて行くのじゃ」

剣士「女海賊?手を離さないで…」ギュ

女海賊「魔女がノソノソ動くのってこういう事か…」

魔女「そうじゃな…物事の変化を人より少し早く感じておるのじゃ」ノソノソ

女海賊「夜明け…太陽が出て来た」

魔女「宿へ戻るかのぅ」




『城下』


女海賊「元通り…やっぱ頭の中で混乱するね」

魔女「自分の知って居る世界と違って居るからのぅ…次元が入れ替わったのじゃ…自我を失うな?」

女海賊「大丈夫!私はしっかりしてるよ」

魔女「それなら良いが…一度寝て起きた時にも混乱するで注意せいよ?」

剣士「これしばらく寝ない方が良いかも」

魔女「そうじゃな…完全に次元を我が物にするまで寝ん方がよかろう」

女海賊「そうだ!!ホムちゃん…ホムちゃんに会いに行かないと」

剣士「もう朝だから宿屋かな」

女戦士「早く行こ!!」

魔女「確かめながらゆっくり行くのじゃ」

女戦士「もう!!」
965 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2020/11/16(月) 12:27:58.45 ID:CUQQsgj40
『宿屋』


ガチャリ バタン


盗賊「んがががが…すぴーーー」

情報屋「あら?何処に行ってたの?心配していたのよ?」

商人「あ!!帰って来たね…何してたのさ」

女海賊「ああああああ!!ホムちゃん!!良かったぁぁぁ!!」ギュゥゥゥ

ホムンクルス「おはようございます…どうされたのですか?」

女海賊「ぅぅぅ…ホムちゃん!!ホムちゃーん」ポロポロ

魔女「いろいろ有ってのぅ…」

剣士「ホムンクルス?…これ」

ホムンクルス「外部メモリですか?」

魔女「剣士…持って帰って来たのか…」

商人「それどうしたの?」

剣士「うん…ちょっと次元の旅をね」

ホムンクルス「私の耳の後ろにもう一つ空きスロットがあります…挿入してください」

剣士「必要ないかな?」

商人「誰の外部メモリ?」

剣士「ホムンクルスだよ」

商人「え?」

剣士「別の次元のね」

ホムンクルス「記憶容量が倍に増えますので超高度AIの処理速度が向上します…挿入してください」

剣士「良いのかな?」

商人「ホムンクルスのなら良いじゃないかな」

剣士「じゃぁ…」スッ

ホムンクルス「新しい記憶領域を確認しました…この記憶は私の記憶とほぼ同一です…重複する記憶を削除します」

商人「なんだ同じ記憶かぁ」

ホムンクルス「一部不整合な記憶が存在します」

商人「お?どんな記憶?」

ホムンクルス「酒場が突然爆発する記憶です…商人は私を命がけで救出しようとしています」

商人「え?どういう事?」

魔女「話せば長いのじゃが…こういう事じゃ…」


カクカク シカジカ

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966 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2020/11/16(月) 12:28:29.27 ID:CUQQsgj40
商人「…驚きだ…次元がいつすり替わったのか分からない…僕はずっとこの次元に居る」

魔女「そういう物じゃ」

商人「外部メモリがあるって言う事は他の次元も実在したって事だ」

魔女「そうじゃな…これは魔術の修行をせんと理解出来んのぅ」

ホムンクルス「この記憶は大切に保存しておきます…商人が私の為に命を張った記憶です」

商人「ハハ僕はその記憶が無いけどね」

魔女「して…剣士や…主に教えるつもりは無かったのじゃが…これが量子転移の原型じゃ」

剣士「え?別の次元から何かを持って帰る事を?」

魔女「物を持って帰ってはイカンと言うのを忘れておったわ…次元の狭間に迷わんで良かった」



量子転移の魔法はな?

空間ごと切り取って我が物にし

自分の持つ時空に置き換える魔法なのじゃ

例えばわらわの魔力を奪って自分の物にし

その時空を固定化させる

さすれば他の者の時空も調和を始め安定化するのじゃ

この魔法は過去の記憶や他の時空からも空間ごと切り取って我が物に出来る

魔術師の最強魔法じゃ…禁呪にしておるがな



魔女「使ってはイカンぞ?次元の狭間に迷う上に次元が崩壊する可能性もある」

剣士「僕には使いこなせないよ」

魔女「既に時空が何なのか習得出来ておる様じゃからやろうと思えば出来る…じゃから間違わん様にせい」

剣士「わかった…注意する」



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剣士「改造出来そう?」

女海賊「女エルフが昔クロスボウ改造して弓にしてたんだ…ちょい待って」カチャカチャ

魔女「何を作って居るんじゃ?」

剣士「サキュバスと戦って僕も弓を使える様にと思ってね…クロスボウを改造してもらってる」

魔女「ふむ…遠隔物理攻撃か…わらわは何も出来んかったのぅ」

剣士「物理攻撃の魔法は何か無い?」

魔女「変性魔法との複合じゃから主にはムリじゃ…わらわでも難しい」

女海賊「出来た!!ちょっと引いてみて」ポイ

剣士「…」ギリリ ブン
967 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2020/11/16(月) 12:29:00.46 ID:CUQQsgj40
女海賊「ありゃ?もっと硬くしないとダメ?」

剣士「そうだね…軽すぎる」

女海賊「女エルフよりも硬い弓にしなきゃダメなんだ…貸して」カチャカチャ

剣士「出来たらちょっと練習したいな…」

魔女「後で精霊の像の安置所へ行って見るかえ?イエティに弓を当てて見れば良い」

剣士「そうだね」

盗賊「なぬ!?イエティ狩るつもりなんか?」

商人「すごいね!!それお金稼げるよ」

剣士「じゃぁ一緒に行って見ようか」

女海賊「…これでどう?」ポイ

剣士「…」ギリリ ブン

女海賊「どう?」

剣士「こんな感じかな?」

女海賊「おけおけ!じゃ後持ち手とか軽く細工する」

盗賊「おし!俺はソリ準備しとくわ」

商人「手伝うよ」

情報屋「ウフフやる気満々ね…私達は留守番しておくわ」




『城下外』


盗賊「ちょい試しに撃ってみろ」

剣士「うん…」ギリリ シュン

盗賊「ほぉぉぉぉ…クロスボウより距離出そうだな」

女海賊「そりゃクロスボウより硬くしてっからさ…ほんで矢はボルトより軽いじゃん?」

剣士「真っ直ぐ飛ぶから狙いやすいよ」

盗賊「普通の弓じゃ軽過ぎたんか?」

剣士「多分ね」

盗賊「やっぱエルフは違うなぁ」

女海賊「そだよ…こんな弓普通に引けないから」

魔女「では準備は良いかの?行くぞよ?」ノソノソ
968 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2020/11/16(月) 12:30:13.27 ID:CUQQsgj40
『精霊の安置所付近』


商人「イエティ見つけた!」

剣士「近づいてきたら僕が囮になるから皆は遠距離から撃って」

盗賊「おう!お前は走りながら弓使うんか?」

剣士「うん…ミドルレンジで撃つ」

盗賊「ヌハハやっぱエルフの戦い方だな」

女海賊「ほんじゃ私はデリンジャーで狙うかな」

剣士「僕に当てないで」

女海賊「はぁ?このデリンジャー調整済みでメチャ命中率高いよ?」

盗賊「やべ!!イエティがこっちに気が付いた…来んぞ!!」


イエティ「ウォーーウォーーー!!」ドスドス


剣士「撃って!!」ギリリ シュン

商人「毒忘れてた…毒」アセアセ

魔女「わらわは見物じゃな…」ヨッコラ

盗賊「当たれ!!」ギリリ シュン

剣士「援護お願い!!」シュタタ ピョン ギリリ シュン

女海賊「私も行く…」タッタッタ

盗賊「マジかよ…2人でミドルレンジか」ギリリ シュン

商人「すごい…剣士の弓がイエティを貫通してる」バシュ バシュ

盗賊「至近距離から撃たれたらそうなるわな」ギリリ シュン


イエティ「ウホホ!」ドンドンドン ドンドンドン


女海賊「…」ターン ターン

盗賊「マジか…頭吹っ飛ばした」

----------------

商人「あっさりイエティ倒しちゃったね…」

盗賊「お前のデリンジャーは火力が反則なんだって」

女海賊「フフフもっと言って」

魔女「ふむ…女海賊や…当てやすかったろう?」

女海賊「うん…これって時空の先に居る効果?」

魔女「そうじゃ…主も少しだけ時空の先に居る…剣士ほどでは無いがの」

女海賊「なるほどね」

盗賊「俺はイエティの毛皮剥いどくからよ精霊の安置所とやらに行って来て良いぞ」

剣士「魔女!!馬の足跡が残ってる」

魔女「ほう…やはり時の王はここに来て居った様じゃな」

商人「時の王?え?どういう事?」

女海賊「そっか…商人に話して無かったね…黒の騎士って時の王なんだよ」

商人「そうだったんだ…そうか辻褄が合うな…一騎駆けのデュラハーンだね?」

女海賊「そうそう」

商人「トアル町でも目撃されてた…ここまで来てたのか」

魔女「中に入るぞよ?」
969 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2020/11/16(月) 12:31:43.50 ID:CUQQsgj40
『精霊の像の安置所』


商人「前に来た時と変わって無い…」

魔女「いや…花が添えてある」

女海賊「やっぱ精霊を確認しに来てんだ…本当バカだなぁあのおっさん」

魔女「愛じゃな…純粋な愛じゃ」

女海賊「これさ…魔女の師匠の墓にも来てたって事だよね」

魔女「うむ…かつての仲間を弔いに来たのじゃな…」

女海賊「…それでサキュバスと戦ってたのか」

剣士「見て…焚火の跡だ」

商人「ここで一晩過ごしたんだろうね」

女海賊「あぁなんか想像すると心が痛いな…精霊が生き返って無いと知って落胆したよね…」

剣士「その焚火の跡か…」

商人「ここに座ったのか」スッ

魔女「1700年愛した人の亡骸と一晩過ごして何を想ったろうのぅ…」

商人「…」

女海賊「…」ポロリ

商人「諸行無常…夢の中に消えて行った過去」


---僕たちの生き方は全部夢の中に消えて行く---

---それが夢幻だ---
970 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2020/11/16(月) 12:32:46.88 ID:CUQQsgj40
『酒場』


盗賊「なんか人だかりになってんな?何かあったんか?」

商人「衛兵が来てるね…聞いてみようか」

盗賊「いやいや関わるな…面倒に首突っ込むな」


衛兵「この酒場は本日より女王様が買い上げ第一王女の所有となった」

衛兵「第一王女の名を取ってルイーダの酒場だ」

衛兵「冒険者へは格安の酒を提供する事となっている」

衛兵「女王様の計らいに感謝しながら利用しろ…以上!!」


魔女「ヤレヤレ…母上は相当この酒場が気に入った様じゃな」

女海賊「これさ?魔女の酒場になんだよね?」

魔女「わらわの姿を見てみぃ…わらわは第三王女じゃ」

女海賊「同じじゃん」

魔女「わらわは面倒じゃで関わりたく無いのぅ」


吟遊詩人「みなさんご一緒で」


女海賊「よっ!!なんか酒場の所有者変わったんだってさ」

吟遊詩人「はい…私はこの酒場の専属吟遊詩人になりました」

女海賊「おぉ!!女王様の命令?」

吟遊詩人「第一王女の従士に任命されて主な任務は酒場での演奏です」

魔女「勝手に従士なぞ付けおって…わらわは知らんぞ!」

吟遊詩人「はて?お嬢様はどちら様で?」

女海賊「アハハ…まぁ良いじゃん!!あんたも酒場行く?」

吟遊詩人「はい!これから演奏をと考えて居ました」

女海賊「おっし!ほんじゃちっと行って見るか!!」

盗賊「おうおう…俺も行くぞ」

女海賊「盗賊はイエティの戦利品売って来てよ」

盗賊「おい!商人!!市場はお前に任せる…俺は酒場に行く」

商人「え?あ…ハハ」

盗賊「俺も酒場行くぞ待てよ!!」



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 次元の旅人編

   完
971 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2020/11/16(月) 12:41:18.47 ID:CUQQsgj40
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