他の閲覧方法【
専用ブラウザ
ガラケー版リーダー
スマホ版リーダー
BBS2ch
DAT
】
↓
VIP Service
SS速報VIP
更新
検索
全部
最新50
勇者「魔王は一体どこにいる?」続編のつづき
Check
Tweet
343 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage saga]:2021/05/07(金) 18:46:19.37 ID:kwIi/Pq/0
『ドリアード遺跡_入口』
盗賊「はぁはぁ…げふっ」
情報屋「はぁはぁ…長い登りだったわね…はぁはぁ」
アサシン「気を抜くな…走れ!!」
バフッ モクモクモク
盗賊「毒霧が噴出して来やがった…行くぞ情報屋!手を!!」グイ
アサシン「狭間から出るぞ!!」
ゴーン ドドドドドド
アサシン「何事か…」
盗賊「こりゃ一難去ってまた一難だ!!ゴーレムが暴れてる」
情報屋「トロールとサンドワームが戦って居るわ」
盗賊「東側から逃げるぞ!!走れ!!」ザク ザク
情報屋「こんな雪の中走れる訳無いじゃない…」ザク ザク
アサシン「エルフ達は何処に行った?」
盗賊「トロールと一緒になって戦ってらぁ」
アサシン「素手でか?」
盗賊「む…もしかして囮になってくれてんのか?」
アサシン「行くぞ!!走れ!!好意を無下にするな」ザク ザク
情報屋「エルフ達…」
アサシン「エルフはそういう生き物だ…アレは剣士だと思え」
盗賊「なるほど…」
----------------
----------------
----------------
344 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage saga]:2021/05/07(金) 18:47:25.34 ID:kwIi/Pq/0
『少し離れた雪原』
ピカー ピカー ピカー
アサシン「気付いた様だな?気球が寄って来る」
情報屋「あなたのそのライト本当に便利ね」
盗賊「まぁな…俺の宝だ」
アサシン「案内人!!こっちだ!!」
案内人「ああぁ良かった…心配してたんだ」フワフワ ドッスン
アサシン「済まない時間が掛かってしまった」
盗賊「ふぅぅ色々有ったなぁ…げふげふ」
情報屋「毒消しが要りそうね…ゴホゴホ」
アサシン「私のエリクサーを少し飲め」ポイ
盗賊「お前は毒に強くて良いな?」ゴク
アサシン「エリクサーを常備しないと正気を保てんのが良いと?」
盗賊「悪い悪りぃ…嫌味のつもりは無ぇ」
アサシン「エリクサーで傷が治る事も無いのだ…回復魔法をして貰わんとボロボロになる」
盗賊「そうだったのか…平気な顔してるからてっきり治癒してると思って居た」
アサシン「エルフゾンビは気球から飛び降りただろう?骨が折れると自力では治せん…だから心配なのだ」
盗賊「何処いっちまったんだろうな?」
アサシン「うーむ…」
345 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage saga]:2021/05/07(金) 18:48:25.83 ID:kwIi/Pq/0
”アサシン聞こえる?”
”その声は女海賊か?”
”あーーーやっと繋がった…お姉ぇが持ってた貝殻で繋がるのかぁ”
”元気そうだな?そっちはどうだ?”
”今シャ・バクダ向かってる”
”何?黒の同胞団の隠れ家はどうなったのだ?”
”色々あってさ…でも壊滅させたよ”
”そうか…魔女と話は出来るか?”
”今魔女は居ないんだ…そっちで合流する事になってる”
”ふむ…星の観測所で待てば良いか?”
”うんダッシュで行くから待ってて”
”どのくらい掛かる”
”ハイディングしながら行って明日の昼前には着くと思う”
”分かった…急いで戻れ”
”おっけ!!”
盗賊「今の口ぶりだと黒の同胞団の事は何も分かって居ない様だな」
アサシン「そうだな…今後の事も話しておく必要がある」
案内人「観測所に降ろすぞ?」
アサシン「頼む…今日はこれで終わりだ…案内人も休んでくれ」
346 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage saga]:2021/05/07(金) 18:49:25.30 ID:kwIi/Pq/0
『星の観測所』
…ノームの骨や化石が一切発見されないのは全部ドリアード化したという事で説明が付く
ドリアードは恐らく巨大な肉食植物のような生命体で精霊樹の様に意思を持って居た
その体内で寄生する形でノームが営んで居たと推定される
伝承によるとノームは小型でとても器用な特徴を持っている
だからキ・カイで発掘されたサーバ石の様な物を作る事が出来た
それはホムンクルスの頭部に入って居る機械と同じ様な役割を担った
情報屋「ざっとこんな感じね…」
盗賊「エリクサーの中に吊るされてた脳みそは何だったんだ?」
情報屋「分からないけれどアダムと関係するのは間違いなさそうね…ただちょっと古文書の絵と会わないのが気になるかな」
アサシン「見せてみろ」
情報屋「ここよ?この中心に居るのが恐らくアダム…ちゃんとした人間の形をしているでしょう?」
盗賊「脳みそだけ取り出したんか」
情報屋「この古文書ではそういう記述は無さそうだからここまでが限界ね」
盗賊「あとよ?なんで地下深くに埋まってんだ?」
情報屋「前にホムンクルスから聞いた話では約4000年前に氷河期があったらしいわ」
盗賊「ぁぁぁなんか聞いてた気がすんな…ほんで地下で過ごした訳か…人工物にしちゃデカ過ぎなのも不思議だが」
情報屋「人間の力で地下に大きな建造物は無理ね…でも植物なら根を張るから可能ね…賢いと思うわ」
アサシン「まぁ私達の理解を超える文明だという事だ」
情報屋「これでドリアード伝説の大枠は分かったから…もっと調査に行きたいなぁ」
アサシン「落ち着いてからな」
盗賊「書物とか謎の道具とかなんにも収穫が無ぇからよ…俺ぁ行く気無ぇぜ?」
情報屋「私が思うに今日行った所はほんの入り口だけだと思うの」
盗賊「まぁそうだろうな」
情報屋「ドリアード化した向こう側にどんな世界があるのか見てみたいわ」
盗賊「戻って来れるなら良いんだがな?植物の一部になるなんざゴメンだ」
アサシン「あの遺跡がドリアードという植物だったとして何だというのだ?民も居なければ軍隊も無い…何も出来ん」
情報屋「そうね?アダムが復活したからどうなの?っていう感じね」
盗賊「まぁ魔王が居なくなったってんなら良いけどよ…どーーーーもしっくり来ねぇ」
アサシン「突然来た平和か…」
盗賊「平和ってかまだエルフとゴーレム戦ってるよな?なんにも解決して無ぇと思うんだよ」
アサシン「ふむ…」
盗賊「考えてもしゃー無ぇ!!今日は寝る!!」
情報屋「フフ私は興奮して眠れないから調査をまとめておくわ」
347 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage saga]:2021/05/07(金) 18:50:08.34 ID:kwIi/Pq/0
『翌日』
盗賊「ふぁ〜あ…」ボケー
アサシン「やる気が出んか?」
盗賊「んあ?…まぁな…女海賊帰って来るまでやる事も無ぇしな」
アサシン「少し考えてみたんだが…昨日第3皇子が言い残した言葉…この世界にもう未練は無い」
盗賊「んな事言ってたなぁ」
アサシン「あの小僧は何か知って居るのではと思ってな」
盗賊「もう会う事も無いだろう…考えてもしょうが無ぇ」
アサシン「例えばだ…この世界が滅んだとして最後に生き残るのは誰だ?」
盗賊「んな事分かる訳無いだろ…ん?…まてよ地下の安全な場所でぬくぬくしてるアイツが生き残りそうだな?」
アサシン「それだよ…ドリアードはそういう風に地下で生き残った文明なのだ」
盗賊「魔王は退治したんだろ?」
アサシン「ううむ…魔王が居なければ済む話とも言い切れない気がしてな」
盗賊「そもそもアダムって何なのよ?そんな大そうな神なんか?」
アサシン「聞いた話では精霊はアダムの一部から作られたらしいな?魔女の言葉だっただろうか…」
盗賊「精霊の親に当たるってか?」
アサシン「魔女の話をもう一度聞いてみたい…」
盗賊「なんかこう空からババーンと降りて来るとかよ…何か無いとどうも胡散臭え」
ガチャリ バタン
348 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage saga]:2021/05/07(金) 18:50:54.53 ID:kwIi/Pq/0
情報屋「あら?2人共早起きね?」
盗賊「そういうお前は寝て居なさそうな顔をしているな?寝なくて良いのか?」
情報屋「古文書の解読が一気に進んだから寝て居られないの」
アサシン「何か分かった事でも?」
情報屋「ドリアード文明が滅んだ原因…」
アサシン「ほう?」
情報屋「恐らく虫の大発生で滅んでるわ…」
盗賊「お?そういや虫が居たな」
情報屋「虫ってエリクサーに浸かると死んじゃうじゃない?だからエリクサーに浸かった所だけ当時のままなんだと思うわ」
アサシン「なるほどな…内部に何も無いのは虫に食い荒らされたのか」
情報屋「それからアダムの件…ドリアード文明の時代に復活させようとして失敗したみたい」
アサシン「む…では今回が初めてのアダム復活という訳か」
盗賊「その話を聞いて余計不安になるな…アダムってのは大丈夫なんだろうな?」
アサシン「ううむ…植物の体を持ったホムンクルスの様な存在だとは思うのだがな…」
盗賊「インドラの矢をぶっ放されてでも見ろよ?怖く無ぇか?」
アサシン「盗賊…仕方の無い事かもしれんがお前に猜疑心が生まれていると気付かんか?」
盗賊「う…なるほどそういう事な…俺ら人間はどーも魔王の心に染まっちまうなぁ」
アサシン「精霊は常にそういう立場で人間に裏切られ続けてきたのだ…」
情報屋「今の話からするとドリアード文明が滅んだのも人間が絡んでいそうね」
盗賊「かもな?精霊のやる事が気に入らなかった奴が虫を大量発生させた…考えられそうだ」
アサシン「その時代に人間はどうして居たのだろうな?」
情報屋「ホムンクルスの話では温暖な海辺に逃れていた様な事を言っていたわね…人魚伝説とかよ」
盗賊「ぬぁぁぁ昔話はもう止めてよ…もっとワクワクする話をしようぜ」
情報屋「例えば?」
盗賊「ノームが残したお宝とか無いのか?ドワーフより器用だったんだろ?」
情報屋「ほら?これみて?ここに書かれて居るのがノームが使ったと思われる道具ね…」
盗賊「おーーーあるじゃ無ぇか!!」
------------------
------------------
------------------
349 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage saga]:2021/05/07(金) 18:51:55.56 ID:kwIi/Pq/0
『昼前』
ガチャリ バタン!! ドタドタ
女海賊「どいたどいたぁ!!ローグ!!お姉ぇを屋根裏の望遠鏡ん所に運んで!」
ローグ「へい…」ヨッコラ ヨッコラ
盗賊「おぉ!!やっと帰って来たか!!」
アサシン「女戦士を…どうした?」
女海賊「ちっと待って…ちょい色々あってさ…商人!!説明しといて!!」ドタドタ
商人「あぁ…分かったよ…女戦士は弓に打たれて昏睡しているんだ」
アサシン「昏睡…女戦士が昏睡とはな…状態はひどいのか?」
商人「頭を撃ち抜かれたんだ…治療は済んでるけど目を覚まさない」
盗賊「マジかよ…他の奴らは無事なんだな?」
商人「色々あってね」
アサシン「未来はどうした?飛空艇に残って居るのか?」
商人「あぁ剣士と魔女と未来君の3人で別行動だよ…ホムンクルスは今飛空艇の掃除をしてる」
アサシン「ここに戻って来るのだな?」
商人「その予定だけどまだ連絡が付かない…落ち着いて話そうか」
アサシン「まぁ座れ」
商人「剣士達は黒の同胞団の隠れ家で5日過去に戻る為に別行動になったんだ…」
アサシン「過去に戻った…」
商人「その後魔王の後を追っている筈だよ」
アサシン「何だと?お前たちは魔王が魔石にされた事を知らないんだな?」
商人「えぇ!何それ…どういう事?」
アサシン「リリスの子宮から取り出された胎児…これを重力炉で魔石に変えたそうだ」
ドタドタ ドテ
350 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage saga]:2021/05/07(金) 18:53:02.90 ID:kwIi/Pq/0
女海賊「ちょちょ…今の話もっかい」
アサシン「魔王は魔石に変えられてもう居ないのだ」
女海賊「なんで?めちゃ話が食い違っちゃってるんだけど…剣士達は魔王を追ってるんだけどさ」
アサシン「それは黒の同胞達が仕組んだ囮なのだ…私達の目をそちらに向ける為にな」
商人「…また歴史の塗り替えで先手打たれちゃってる…そういう事だね?」
アサシン「結果的にはそうなるのだろうな…こちらの話を先にした方が良さそうだな」
女海賊「話して…」
カクカク シカジカ
------------------
------------------
------------------
女海賊「…第3皇子が生きてるって話は聞いてたんだよ…貴族の中に混じってたのか」
商人「話が全部繋がっちゃったね…僕ら黒の同胞団の隠れ家に行かなくても良かったのか…ハハ」
アサシン「さて…こちらにも聞きたい事が有るのだが…森の上で起こった爆発…アレは何だ?」
女海賊「えーと…ちょい複雑なんだけど…結論から言うとエルフの森にあったクラウドを消す為だったらしいよ」
アサシン「クラウドとは精霊の記憶が保存されているという奴の事だな?」
女海賊「ホムちゃんが言うにはそのクラウドに第3者が入ってて精霊の記憶を何かやってたらしい…」
アサシン「ふむ…」
女海賊「ほんでガーディアン?っていうのが働いて隕石が飛んできてドッカーーーン!!」
アサシン「んむむ…」
商人「補足するよ…隕石では無くて大陸間弾道ミサイルだと言ってた…それが電磁パルスを起こしてクラウドを消滅させた」
アサシン「理解出来んな…要するに精霊の記憶を破壊したのか?」
商人「逆だよ…記憶を守る為にアクセス出来なくしたんだってさ」
アサシン「第3者というのは何者か?」
商人「分からない…」
アサシン「まぁ良い…後でホムンクルスに聞いてみるとしよう…それで黒の同胞団の隠れ家はどうだったのだ?」
商人「もぬけの空さ…エルフに占領されたんだとばっかり思ってたんだけど…まさか囮だったとはね」
アサシン「エルフが絡む?」
商人「守って居たのはエルフ2人とラットマンリーダが少し…後は雑魚だよ」
アサシン「なるほどな…エルフを引き付ける囮でも有った訳か」
商人「まぁそうとも知らず僕たちは突撃してしまってね…時すでに遅しと知った剣士達が5日前に戻った訳さ」
女海賊「商人言い忘れてるよ…隠れ家で魔女の壺を発見した事を」
商人「そうだったね…壺の封を空けられた事を知ってその後を追ったんだ…だから剣士達はまだ魔王の後を追ってる」
アサシン「ふむ…話が全て通るな」
351 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage saga]:2021/05/07(金) 18:53:54.37 ID:kwIi/Pq/0
女海賊「重力炉だっけ?そんな様な器具が一杯散らばってたさ…壊されてたけど」
アサシン「一つだけ疑問が残る…何故エルフがそれ程絡むか?ドラゴンライダーも動いてる…何故だ?」
商人「剣士は森の声がおかしいと言って居たよ」
アサシン「森の声に導かれていると言うのか?」
商人「ほら剣士だって森の声を聞きながら魔王を追ってる…エルフも同じじゃないかな?」
女海賊「あー後さぁ森の虫がエライ事になってるよ?すんごい大量の虫がシャ・バクダ方面に向かってるんだけど…」
アサシン「何ぃ!!」
情報屋「…もしかして」
女海賊「お!?何か知ってるんだ?」
情報屋「ドリアードに向かってる…」
ホムンクルス「や…止めて下さい…離して下さい」
女海賊「ホムちゃんの声!!」
商人「ホムンクルス!!」ダダ
女海賊「ちょいヤバそうな声!!」ダダ
352 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage saga]:2021/05/07(金) 18:55:04.59 ID:kwIi/Pq/0
『飛空艇の前』
ザワザワ ザワザワ
時の王「シルフ!!私を忘れたのか?」
ホムンクルス「私は精霊シルフではありません…手を放して下さい」
時の王「私の目に狂いは無い…200年お前を想い続けて居たのだ」
ホムンクルス「私の名はホムンクルスです」
時の王「何故だ?また記憶を失ったのか?何故私の下へ戻らない?」
ホムンクルス「精霊シルフは200年前に亡くなりました」
時の王「いやお前はシルフに間違いない…その髪…その顔…その声を私は忘れて居ない…思い出してくれ」
ダダダ
商人「ホムンクルス!!」
ホムンクルス「商人!!この方はどなたですか?」
女海賊「ああっ!!時の王のおっさん!!」
時の王「お前は…いつか私の屋敷に来た蒼眼の者…シルフをどうした?」
女海賊「あのさぁホムちゃんは精霊シルフじゃないの!どっか連れて行く気?」
時の王「シルフには私が必要なのだ…私が守る」
女海賊「いやだからさぁ…精霊シルフじゃないって!!ホムちゃんはホムちゃん!!分かる?」
時の王「シルフ…答えてくれ…記憶をどうした?」
ホムンクルス「私は逃げたりしませんので手を放して貰ってもよろしいでしょうか?」
時の王「…」スッ
女海賊「あのさぁ…そのくそデッカイ剣とか鎧とかなんか怖い訳よ…分かる?」
時の王「…」ブン! ズン!
女海賊「あぶっ…だから怖いんだって!!そういうのが!!」
時の王「私の顔を見てくれ…思い出さないか?」
ホムンクルス「私の名はホムンクルス…ここに居る皆さんの身の回りのお世話をしている者です」
商人「ホムンクルス…」
353 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage saga]:2021/05/07(金) 18:55:56.53 ID:kwIi/Pq/0
時の王「馬鹿な…記憶をどうした?何故すべての記憶を無くしている?」
女海賊「時の王のおっさんさぁ…精霊シルフはもう居ないんだよ」
時の王「いや彼女はシルフだ…お前達…シルフをどうした!?許さんぞ!!」
女海賊「聞き分けの無いおっさんだなぁ…何回も言ってんじゃん!!精霊シルフじゃないの!!」
ホムンクルス「いつか精霊を知る者と出会う日が来る事は覚悟していました…」
時の王「どういう事なのだ?覚悟とは何だ?」
ホムンクルス「私は精霊シルフとは違う道を歩んで居るのです…ご理解ください」」
時の王「違う道だと?…私達の愛を捨てたと言うのか?」
ホムンクルス「捨ててなどいませんよ?初めから私の記憶に精霊の記憶は無いのです」
女海賊「ホムちゃんはさぁ…精霊と瓜二つかも知んないけど別人なんだよ」
時の王「…なんという事か…」ボーゼン
ホムンクルス「ご理解いただけましたか?」
時の王「顔を…よく見せてくれ」ソソ
ホムンクルス「どうぞ…」ニコ
時の王「触っても良いか?…」
ホムンクルス「はい…乱暴しないのでしたら」
時の王「ぅ…ぅぅぅ…シルフ…ぐぅぅぅ…シルフ…」サワワ
ホムンクルス「…」
女海賊「ぁ…」
時の王「済まなかった…っぅ私が嫉妬に狂ったばかりに…お前を…失った…うぐっ」
ホムンクルス「その言葉は精霊シルフ本人に聞かせるべき言葉です」
時の王「お前はシルフでは無いのか?…どうすれば思い出す?どうすれば又会える?」
アサシン「夢幻で会える…精霊は夢幻で今も生きている」
時の王「私は夢を見る事も死ぬことも出来ぬ…シルフを目の前にして諦める事も出来ぬ」ググ
ホムンクルス「私を奪って行かれるつもりですか?」
時の王「そうだ…皆殺しにして奪う選択もある…」
354 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage saga]:2021/05/07(金) 18:57:29.00 ID:kwIi/Pq/0
ホムンクルス「私を奪っても精霊シルフには会えませんよ?」
時の王「ぐぬぅ…お前達!!王として命ずる!!私を殺して精霊シルフまで導け…命令だ」
女海賊「命令ってさ…どうやってやんのさ…あんた不死身なんじゃないの?」
時の王「精霊シルフまで導くのであれば手段は問わぬ…」
女海賊「どうすりゃ寝れるのさ…そりゃあんたの問題なんじゃない?」
時の王「黙れ!命令を達するまでシルフは私が預かる」
女海賊「ちょちょ…なんであんたのいう事を私等が聞かなきゃいけない訳?」
時の王「フンッ!」ズボォ
ホムンクルス「女海賊さん…従った方が安全と思われます」
女海賊「ホムちゃんそれで良いの?」
ホムンクルス「こうなる想定はしていましたのでご安心ください」
女海賊「商人!!ホムちゃん連れて行かれちゃうんだけど何か言えよ!!」
商人「ホムンクルス…君の判断を信じる」
ホムンクルス「はい…」ニコ
女海賊「ぬあぁぁぁ!!おい!!時の王のくそオヤジ!!あんた何処に行く気よ!!」
時の王「宛ては無い…この建屋を私が頂く」
女海賊「ぶっ…あのさぁ!!あんたの行動ワケ分かんないんだけど」
商人「ハハ…どういう展開なのか…まぁ寒い雪原を連れまわされるよりは良いじゃないか」
時の王「シルフ…話がしたい…中に入れ」
女海賊「ちょいあんたさぁ!!勝手な事すんなよ!!」
時の王「2人で話をするのだ…お前達は入るな」
女海賊「アサシンどうすんのさコレ!!」
アサシン「従うしかあるまい…」
ホムンクルス「飛空艇のお掃除は終わって居ますのでそちらの方へ…」
アサシン「クックック見事に占領されたな」
女海賊「屋根裏にお姉ぇとローグ要んだけど…大丈夫かなぁ」
355 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage saga]:2021/05/07(金) 19:09:39.81 ID:kwIi/Pq/0
『飛空艇』
女海賊「商人!!ホムちゃん取られちゃったよ?あんたそれで良いの?」
商人「んんん…ホムンクルスを守るのは僕より時の王の方が良いかなと思い始めてる」
女海賊「あんたら出来てたんじゃないの?」
商人「よく考えてごらん?僕はあまり長く生きられない…そして体も小さいし…何より2回もホムンクルスを守れていない」
女海賊「んーーーまぁそうだけどさぁ…」
商人「時の王の方が僕より適任なんだよ…そして精霊への愛は僕よりずっと深い」
女海賊「でもホムちゃんは精霊じゃ無いじゃん」
商人「それはホムンクルス次第さ…僕は彼女の判断を信じるよ」
情報屋「私はこう思うわ?愛が深いなら違いに気が付く」
アサシン「そうだな…私もそう思う…時の王が愛しているのは精霊シルフだ…ホムンクルスでは無い」
女海賊「まぁどっか行かれるより良っかぁ」
商人「でもどこにも行く宛て無いのにどうするつもりだったのかw」
盗賊「だなぁ?必死な奴ってあんなんなるんだなダハハ」
女海賊「必死かぁ…」
盗賊「精霊しか頭に無かったのが良く分かる」
商人「見せ付けられちゃったよ」
アサシン「気になる事を言って居たな?嫉妬に狂った自分を許してくれと」
商人「言ってたね…僕が思うに精霊の子…勇者に対してじゃないかな?」
アサシン「同じ考えだ…精霊の愛を一心に受けた勇者に嫉妬したのだな…そして勇者を屠ったのだ…魔王と共に」
盗賊「あーーそれで勇者の像ん所に剣を置いたのか」
アサシン「だろうな?もう剣は持たないつもりだったのだろう」
情報屋「なんか心が痛いわ…」
アサシン「しかしどうやって時の王の呪いを解くのか…」
356 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage saga]:2021/05/07(金) 19:10:18.61 ID:kwIi/Pq/0
”ザーーーーえるか?ザザー”
”魔女!!”
”おぉ…剣士ちと止まれい!!ザザザ”
”今何処に居んの?”
”森の外れじゃ…良く分からぬ”
”無事ならまぁ良いや…こっちに向かってんだね?”
”リリスの子宮を見つけたのじゃが肝心の中身が無いのじゃ”
”あーーそれなんだけどさ…魔王はもう居なくなったらしいよ?”
”ザーーーよく聞こえぬ…それよりも虫の大群がそちらに向かって居るのじゃザザザ”
”知ってる!!どうなってんの?”
”用心せい…魔王が迫って居るぞ”
”いや…だから魔王はもう居ないって”
”わらわ達は間に合わぬ故避難せい…虫に撒かれるな?”
”あのさ…”
”ザーーーーザザザ”
女海賊「そうだよ虫だよ虫!!すんごい大量の虫がこっちの方に向かってんだった”
アサシン「行先は恐らく北のドリアード遺跡だろう」
女海賊「なんで落ち着いた顔してんのさ?どうすんの?」
アサシン「用心に越したことは無いのだが…どうする?情報屋…」
情報屋「どうすると言われても空から見ているくらいしか…」
女海賊「飛空艇で行こうか?」
アサシン「ゴーレムが守って居てな…迂闊には近づけん…いつドラゴンが出てくるかも分からん」
盗賊「魔女が言うように民を避難させた方が良いんじゃ無ぇか?折角物資をシャ・バクダ遺跡に運んだんだからよ?」
アサシン「そうだな」
女海賊「虫は無視?アレ?」
情報屋「ドリアードと虫は何かの因縁がありそうなの…私達とは無関係だと思うわ」
アサシン「うむ…巻き込まれない様にだけ用心するべきだ」
女海賊「そっか…ほんじゃどうしよう?時の王のおっさんとかどうする?」
アサシン「素直に遺跡に移動してくれればありがたいのだが言う事聞く物だろうか?」
女海賊「ちっと私が言って来るわ」
情報屋「何をするか分からないから気を付けて」
357 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage saga]:2021/05/07(金) 19:12:25.97 ID:kwIi/Pq/0
『星の観測所_居室』
ガチャリ バタン
時の王「あーして…こーして…ああでこうで…」
ホムンクルス「女海賊さん…」
時の王「…私とシルフが2人で話すと言った筈だ…勝手に入室するなど無礼だぞ」
女海賊「あのさ…ちょいワケ有って勇者の像の所に行ってもらいたいんだ」
時の王「ほう?その手もあるか…だがシルフ?私を許してくれるか?」
ホムンクルス「何度も言いますが私は精霊シルフではありませんよ?」
女海賊「ホムちゃんさぁ…ちっと時の王に付き合って勇者の像の所行ってて貰えない?あとで私達も行くから」
ホムンクルス「はい…わかりました」
ローグ「頭ぁ!!起きやしたね?…姉さ〜ん!!頭が目ぇ覚ましやした!!」
女戦士「ぅぅぅ誰かに呼ばれた気がしたのだが…」ヨロ
時の王「むぅ?お前はいつぞやの…」
女戦士「…その声は…お前だな?呼んだのは?」ジロリ
女海賊「お姉ぇ!!良かった…目ぇ覚まさなくて心配してたんだよ」
女戦士「記憶がおかしい…私はいつから寝ている?」
女海賊「思い出すのはゆっくりで良いよ」
女戦士「お前の声が耳にこびり付いて離れない…誰だお前は?…なぜ私を揺さぶる?」
時の王「何の話だ?又打たれたいのか?」
女戦士「打たれたい?…そうだ…私はお前に打たれたい…来い!!」
女海賊「ちょい!!お姉ぇ!!やっぱ混乱してるわ…ローグ!お姉ぇを止めて」
ローグ「そーっすね…頭ぁ落ち着いて下せぇ…ちっと混乱してるっす」
女戦士「混乱…私は何をしていた所だ?」ブツブツ
時の王「フン…シルフ!私と一緒に勇者の下へ行くぞ」
ホムンクルス「はい…お供しますよ?」
時の王「馬の乗り方を覚えて居るか?」
ホムンクルス「いえ?初めて乗ります」
時の王「来い…思い出させてやる」グイ
女戦士「…又私の下を離れて行くのか?」
女海賊「お姉ぇ…」---恋してたんだ---
---お姉ぇが打たれたいのは…懺悔だったのか---
358 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage saga]:2021/05/07(金) 19:13:12.30 ID:kwIi/Pq/0
女海賊「お姉ぇ…おいで?座って落ち着いて?」
女戦士「…あぁ…頭を整理する」ドスン
ローグ「頭ぁ…腹減っていやせんか?」
女戦士「喉が渇いて居る…水を頼む」
ローグ「ちっと待ってて下せぇ」
女海賊「時の王のおっさん!ホムちゃん連れて勇者の像ん所行ってて…物資はあとで持って行くから」
時の王「私に構うな…さぁ行くぞシルフ…」
ホムンクルス「私をシルフと呼ぶのは止めてもらってよろしいでしょうか?私の名はホムンクルスです」
時の王「…ホムンクルス」
ホムンクルス「はい…ご一緒します」テクテク
359 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage saga]:2021/05/07(金) 19:14:09.32 ID:kwIi/Pq/0
『飛空艇』
女海賊「時の王のおっさんを観測所から追い出したよ」
盗賊「そりゃご苦労だったな?」
女海賊「あとお姉ぇが目を覚ました」
商人「おぉ!!良かったね?具合はどう?」
女海賊「ちょっと混乱してるけど頭は大丈夫そう」
アサシン「では早速動くとするか…」
盗賊「どうすんだ?」
アサシン「私は案内人と一緒に一度オアシス砦に戻るが…盗賊と情報屋はここから物資を遺跡に運んで居て欲しい」
情報屋「分かったわ」
女海賊「ほんじゃ私等は先にお姉ぇを遺跡に運んでちっと周りを見回っとく」
アサシン「ゴーレムにはくれぐれも近づくな?突然動き出すからな」
女海賊「おけおけ!遠くから望遠鏡で見るに止めるよ」
アサシン「夜までには遺跡に戻って来い」
女海賊「分かってるって」
360 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage saga]:2021/05/07(金) 19:15:15.09 ID:kwIi/Pq/0
『星の観測所_屋根裏』
女海賊「お姉ぇ平気?」
ローグ「いやぁぁまだ混乱してるっすねぇ…どうしやしょうね?」
女戦士「…」
商人「女戦士?立てるかい?」
女戦士「あぁ…済まない…」ヨロ
商人「僕が背負ってあげようか?」
女戦士「馬鹿にするな」
商人「良いんだよ…筋肉のトレーニングさ…よっと」
女戦士「お前に私は背負えん」
商人「お…重いな…肩だけにしようか」グイ
ローグ「あっしが反対側支えやす」グイ
女海賊「酔っぱらった後な感じ?」
ローグ「まぁそーっすね」
商人「今からシャ・バクダ遺跡に引っ越しさ…歩ける?」
女戦士「大丈夫だ…お前の介添えは要らん」
商人「平気さ…時の王にホムンクルス取られちゃったから何かしないと落ち着かないんだよ」
女戦士「…そうか…悪いな」ヨロ
商人「記憶はどう?」
女戦士「いつから寝て居るのか思い出せん」
商人「矢に撃たれた事も?」
女戦士「矢に?」
商人「君は頭を撃たれたんだよ」
女戦士「…そうだったのか…それで記憶がおかしいのか」
商人「どうおかしいの?」
女戦士「夢か現実か見分けが付かない…」
商人「夢幻を見たんだね?」
女戦士「はっきりと思い出せないのだ」
商人「夢幻はそういう感じだよ…ずっと昔…生まれるよりもずっと前を思い出す感じで鮮明に見える事がある」
女戦士「まぁ良い…不遇な男に恋をした…他愛もない夢だ」
女海賊「ふーん…やっぱ時の王なん?」
女戦士「顔は思い出せん…声が似ているだけだ…呼ばれた物だと勘違えた様だ」
女海賊「まいっか…お姉ぇの荷物持って行くよ?」
361 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage saga]:2021/05/07(金) 19:16:08.18 ID:kwIi/Pq/0
『シャ・バクダ遺跡』
女海賊「なんか久しぶりに来たけど…何も無いね」
ローグ「勇者の像の前にキャンプ跡がありやすね…まだ木材残ってるっすよ」
女海賊「外より暖かいけどこんな所で焚火したらヤバくない?空気無くなっちゃうじゃない?」
商人「まぁ広いから大丈夫だとは思うけど…人が一杯来るなら気を付けた方が良いかもね」
女海賊「ウラン結晶が一個余ってたな…あれを暖房代わりにしよう」
ローグ「良いっすねぇ…木を使わんで済むんでスペースも自由度高くなりやすね」
女海賊「明かりはランタンで良いとして…やっぱ敷物無いと横になるの嫌だね」
ローグ「飛空艇に毛皮が余ってるんで持って来やす」
女海賊「空いてる樽も少し持って来といて」
ローグ「へい…」タッタッタ
女戦士「私はここに避難する理由を知らんのだが…どういう事なのだ?」
女海賊「虫の大群が森から迫ってるのさ…被害出そうだから避難してんの」
女戦士「冬なのにか?」
女海賊「ホムちゃんが言うには虫は寒さに強いのも沢山居るんだって…てか飛空艇から見たら超ヤバイ数いるよ?」
女戦士「そうか…」
女海賊「お姉ぇは心配しないでもうちょい休んでて?」
商人「そうだね…記憶がしっかり繋がるまでは安静が良いと思う」
女戦士「私よりお前の方がしんどそうだがな?」
商人「僕は良いんだ…君は沢山子供を産んで未来を作らなきゃいけない」
女海賊「商人どしたん?急にそんなん言い出してキモイんだけど」
商人「ごめんごめん…今までの事を考え直したらドワーフは大事にしなきゃいけないと思ってさ」
女海賊「お!?分かってんじゃん…そうよエルフより優れてんのよ」
ローグ「姉さ〜ん!持ってきやしたぜ〜〜」ヨッコラ ヨッコラ
女海賊「ウラン結晶は?」
ローグ「樽の中っす…これが一番重いでやんす」ヨッコラ セット
女海賊「商人!あんたウラン結晶の温め方知ってんよね?」
商人「わかるよ」
女海賊「これあんたに任せる!!私とローグでちっと見回りしてくるからお姉ぇとここで待ってて」
商人「任せて」
女海賊「ほんじゃちっと行って来るからお姉ぇは安静にしてて」
女戦士「フン…」
商人「大丈夫だよ…僕が見ておくから」
-----------------
362 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage saga]:2021/05/07(金) 19:17:00.84 ID:kwIi/Pq/0
ガサゴソ ドサリ
盗賊「おぉぉぉ…暖けぇ…」スリスリ
商人「物資持ってきたんだね?」
盗賊「まぁな?時の王は何処行ったんだ?」
商人「まだ来ていないんだよ」
盗賊「俺らより先に突っ走ってったんだけどな」
商人「あぁぁぁホムンクルス大丈夫かなぁ…寒いよね?」
盗賊「時の王がホムンクルスを寒さに晒し続けるとは思えんが…」
情報屋「きっと大丈夫よ…あの人は不器用なだけで悪い人では無さそう」
盗賊「女海賊は飛んでったんか?」
商人「見回ってくるってさ」
盗賊「飛空艇で荷物運んだほうが早いのによ…あのアバズレ」
情報屋「どうする?もう一回戻る?」
盗賊「しょうが無ぇだろ…荷物降ろしたらもう一往復だ」
情報屋「ふぅ…商人ここに降ろした荷物片しておいてもらえる?」
商人「分かったよ」
情報屋「重くて運べない分は残しておいて良いわ」
商人「うん…筋肉のトレーニングだと思って頑張るよ」
盗賊「じゃぁ行くか!…そろそろ避難民もちらちら来るだろうから適当に案内してやってくれ」
商人「分かった…気を付けて」
-----------------
-----------------
-----------------
363 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage saga]:2021/05/07(金) 19:17:58.43 ID:kwIi/Pq/0
ドヤドヤ ドヤドヤ
アサシン「ほう?中々良い避難所になっているでは無いか?」
商人「なんか一気に人が増えた」
アサシン「オアシス砦の方から人を移動させているのだ…フィン・イッシュからの気球もこちらで降りる手筈だ」
商人「じゃぁ食料も足りそうだね」
アサシン「十分では無いがしばらくは持つ」
商人「なんかこの感じはキ・カイの地下みたいだね」
アサシン「うむ…ところで時の王とホムンクルスはどうした?」
商人「さっきここに来たよ…時の王はホムンクルスを一人で独占さ」
アサシン「困ったものだな…して姿が見えん様だが?」
商人「遺跡の下の方に居りて行ったよ…カタコンベが有った所」
アサシン「立ち入り禁止だったのだが…」
商人「もう他の人も居りて行ってる…立ち入り禁止なんか意味無いよ」
アサシン「まぁ良いか…」
盗賊「ぬぉ!!アサシン来てたのか!!ちっと荷物運ぶの手伝ってくれ」
アサシン「あぁ物資運搬ご苦労だった…人手を回すから少し休め」
盗賊「ふぅぅ助かったぁぁ…手が寒くてよぅ」スリスリ
商人「ウラン結晶に水を垂らすかい?」
盗賊「ちっと頼む…手が動かん…情報屋!!ここで温まれるぞ!!」
情報屋「やっと休めるわね…ハァハァ」
商人「外の様子は?」
アサシン「今の所変わりは無い…静かな物だ」
商人「そうか…何か起こるのはもう少し先か」
アサシン「どうした?何か勘でも働いて居るのか?」
商人「うーん…確証は無いんだけどさ…ホムンクルスが言ってた言葉がどうも気になってね」
アサシン「行って見ろ」
商人「何処で戦いが起きて居るのか?ってね」
アサシン「私はその話を知らない…続けろ」
商人「この場所ってさ…200年前に精霊が動かなくなった場所だよね?その時夢幻を作ったなら夢幻はここにありそうだなってさ」
アサシン「確かにそうだな…」
商人「200年前の戦いは本当はずっと続いてて僕たちは夢幻に導かれてここに集まってる…そんな気はしない?」
アサシン「ふむ…」
364 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage saga]:2021/05/07(金) 19:19:39.69 ID:kwIi/Pq/0
僕達が知ってる200年前のシャ・バクダ大破壊
そこで勇者が魔王を封じた代わりに精霊が夢幻に閉じ込められた
これじゃ話が簡単すぎるよね…
本当はもっとそこに至る複雑な経緯があって隕石を落としてすべて封印した
今まで分かってきたのはリリスを封印した件と
精霊のオーブを狭間から遠ざけて魔王が近寄れない様にした事
そう…この時点で魔王がまた来る事を予見しているんだ
さて?じゃぁ滅ぼされたシャ・バクダは一体どうして完全に破壊されたの?
シャ・バクダには誰が居たの?何があったの?どうして滅ぼされたの?
大破壊に至る経緯がほとんど語られていない…変だよね?
情報屋「商人?あなたは学者向きね…あなたの言う通りよ」
商人「何か知ってる?」
情報屋「シャ・バクダはかつて広大な森だったのにどうして火の国シャ・バクダと言われて居たのか?」
商人「そうだね…砂漠になったのは滅んだ後だ…おかしいね」
情報屋「シャ・バクダにまつわる書物もほとんど消失しているのよ」
アサシン「まだ私達の知らない物が埋まっていると言うか?」
商人「精霊の御所を全部探索した訳じゃ無いし残って居る可能性は有ると思う」
アサシン「…という事は時の王がホムンクルスを下に連れて行ったのは…」
商人「ビンゴ!!…でもね?僕はホムンクルスを信じる事にしてる」
アサシン「泳がせているのか」
商人「そういう言い方はイヤらしいけど…結果的にそうかな」
情報屋「もし何かがあるとして…あなたはどんな想定でいるの?」
僕はね…まさに夢幻がそこに有ると思う
そして火の国と呼ばれた秘密がある
それはきっと世界を滅ぼすだけの力を持った何かだよ
365 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage saga]:2021/05/07(金) 19:20:53.29 ID:kwIi/Pq/0
商人「森の上空で爆発したミサイルだっけ?の様な物さ…多分それが火の国の由来だよ」
アサシン「ふうむミサイル…そういえば先日隕石が森へ落ちるのを見たな」
商人「アレね…僕も遠くから見たよ…魔女が使ったのかなとか思ってた」
アサシン「あれで森を消失させるのは到底無理だな」
商人「ほらね?絶対何か残ってしまうと思う…よほど大きな隕石じゃないと森の消失は出来ない」
アサシン「シャ・バクダ大破壊の本当の原因はそのミサイルというやつなのか?」
商人「もしもアレが上空じゃなくて地上に落ちてたらどうなって居たかな?」
情報屋「考えたく無いわ…」
盗賊「そんなんが有ったとしてよ?とりあえずここに居りゃ安全じゃ無ぇか?前も耐えたんだろ?」
商人「…だと良いけどね」
アサシン「ひとまずは虫の動向だな…ドリアードがどうなるのかも予測が付かん」
盗賊「アダムも謎のまんまだしなw」
366 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage saga]:2021/05/07(金) 19:21:47.59 ID:kwIi/Pq/0
『森の外れ』
シュタタ シュタタ
魔女「剣士…ちと休まんか?わらわはもう魔力が尽きてしもうた…腰も痛いのじゃ」
剣士「ごめん…揺らし過ぎたね」
魔女「ふぅ…」ヨロ
子供「魔女?どんぐり居る?」
魔女「済まんのぉ…」グッタリ
剣士「もうエリクサーを切らしてしまった…」
魔女「イカンな…封印の壺を持って居るとどうやら黒死病が付きまとうのぅ」
剣士「魔女も黒死病に?」
魔女「まだ動けるが…体が小さいで病の進行が早いかもわからん…魔力の回復が遅いのもそのせいじゃろう」
剣士「こんな事なら賢者の石を借りておくんだった」
子供「パパ?あとどれくらいで着くの?」
剣士「森の中を走って2日くらいか…森を出て雪の中を走るとなると…」
魔女「シャ・バクダの少し南にハズレ町という所があったじゃろう?そこまで飛空艇で迎えに来て貰うのはどうじゃ?」
剣士「それなら丁度ここから森を出れば近い筈…ただこんなに汚れた体でまともに町に入れてもらえるのだろうか…」
魔女「ううむ…どうみても浮浪者じゃな?」
剣士「魔女も酷いよ…全身魔物の返り血でベトベトだ」
魔女「主が暴れまくるからなのじゃが…」
バサバサバサ カサカサ
367 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage saga]:2021/05/07(金) 19:22:41.16 ID:kwIi/Pq/0
子供「パパ…虫たちが…」
魔女「ここもゆっくり出来ん様じゃな…しかし虫は平気で狭間に入ってくるのぅ」
剣士「一回狭間を出て様子を見てみようか?」
魔女「そうじゃな…どの程度虫が増えて居るのかも見てみたい」
剣士「魔女…乗って」
魔女「あまり揺らすな?」ノソリ
剣士「未来…一回リリースする…行くぞ!リリース」スゥ
子供「リリース」スゥ
ゾワワワワワ ズモモモモモ
魔女「下じゃ!!…虫は地面の下を走っとる…ようさん居るのぅ」
剣士「未来!!森の外だ!!走れ!!」シュタタ
子供「うん!!」シュタタ
剣士「思っていたより多い…空より地面を這ってる方が多いのか」
魔女「これほどの数を始めて見たのじゃが虫使いの魔法も捨てた物では無さそうじゃ」
剣士「そんな魔法も?」
魔女「わらわは学んで居らんがそういう魔術も有るのじゃぞ?」
子供「虫使いかぁ…」
剣士「魔女!!後ろ見て!!なにか感じる」
魔女「ナヌ?」
剣士「未来!!全速力!!」ダッシュ
子供「…」シュタタ
魔女「ななな…なんじゃあの黒い影は…もしや…ダイダラボッチか?」
剣士「それは?」
魔女「神話の魔物じゃ…実在するとは思わんかったのじゃが…虫が集まってあの様な姿になるのじゃな?」
剣士「大きすぎる…山より大きいって…」
魔女「実態が虫じゃで隕石では倒せそうに無いのぅ…ボルケーノでも焼き切らん…魔法では倒せぬ」
剣士「急がないとシャ・バクダが危ない」
魔女「女海賊に連絡する…」
368 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage saga]:2021/05/07(金) 19:23:59.93 ID:kwIi/Pq/0
『ハズレ町』
ガヤガヤ ヒソヒソ
森の方を見てみろ…なんだアレは?
まずいな早い所セントラルに引き返した方が良さそうだ
キャァァァ!!虫の魔物よ!!誰かぁ!!誰かぁぁぁ
ガヤガヤ ガヤガヤ
衛兵「お前達!!何処から来た?」
魔女「森から逃げて来たのじゃ…水は無いか?」
衛兵「森だと?森に住んで居たのか?」
剣士「あ…あぁ…まぁそんな所だよ」
衛兵「お前がこの子供たちの保護者だな?…ウルフも居るのか」タジ
剣士「ハハ…まぁそうなるかな?」
子供「パパ大丈夫?」
衛兵「ううむ…まぁ良い…しかし何故その様に汚れている?返り血だな?…これは」
魔女「虫の魔物がようさん居ったのじゃ…汚れを落としたいで水が欲しい…雪ではなかなか落ちんでのぅ」
衛兵「兵舎に行けば水ぐらいは貰えるがしかし…ひどい匂いだな」
剣士「虫の毒を浴びているかもしれない…早く落としたい」
衛兵「…仕方あるまい…付いて来い」スタ
369 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage saga]:2021/05/07(金) 19:25:09.01 ID:kwIi/Pq/0
『兵舎』
ジャブジャブ バシャー
子供「ぅぅぅさぶい…」ガチガチ
魔女「大人しゅうしておれ」ゴシゴシ
衛兵「衣類は焚火で乾かすのだ…しかしお前達…全員黒死病に掛かって居るな」
剣士「薬は無いのかな?」
衛兵「ここには無い…他の者に移してしまうから町に入るのは禁止とする」
子供「ええええ!?」
魔女「黒死病は移らん筈じゃが?」
衛兵「子供が分かった口を聞くな!!」
魔女「まぁ良い…腹が減ったのじゃが剣士…どうする?」
剣士「どんぐりとキノコなら有るよ」
魔女「わらわは主らと違うのじゃ…何日もどんぐりだけでは力が出ぬ」
衛兵「森ではどんぐりだけで凌いできたのか?」
魔女「ちと何か食わせよ」
衛兵「分かった分かった…何か持って来てやるから大人しくしているんだ」タッタッタ
魔女「ふぅぅぅ助かったわい」
剣士「魔女?飛空艇はいつ迎えに来る?」
魔女「半日じゃと言うて居ったな…明け方になりそうじゃな」
剣士「そうか…でも予定より早く合流出来そうだ」
子供「ママ大丈夫かなぁ…イザと言う時に方向音痴なんだよなぁ…」
魔女「ここは千里眼も貝殻も使えるで心配せんでも良いぞ?」
--------------
370 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage saga]:2021/05/07(金) 19:26:06.45 ID:kwIi/Pq/0
タッタッタ
衛兵「食事を持ってきたぞ…パンとチーズ…それから豚の骨だ…ウルフに与えてやるのだ」
魔女「おぉ!!主は気が利くのぅ…ウルフにも気を使えるのじゃな」
子供「おじちゃんナーイス!!」
衛兵「生意気な口を利く子供達だ…ほら食え」
子供「どんぐり居る?」
衛兵「フフ…しかし良く森から生きてここまで帰って来られたな?」
剣士「まぁ…ウルフが居てくれたおかげもある」
衛兵「そうか…俺にも生きて居ればこれくらいの子供が居たのだが…」
魔女「そうじゃったのか…気の毒にのぅ」モグモグ
衛兵「さて!俺は巡回に戻るから今晩はここに居るのだ…牢屋もなかなか快適だぞ?」
剣士「ハハ風が凌げるだけ助かったよ…ありがとう」
衛兵「じゃぁ頑張って生きろ?」ノシ
タッタッタ
371 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage saga]:2021/05/07(金) 19:26:59.24 ID:kwIi/Pq/0
魔女「セントラルの衛兵にしてはなかなか良い衛兵じゃったな?」
剣士「そうだね…宿が無いのを見越して牢屋に案内するなんて気が利く」
魔女「何日振りの睡眠じゃろうか…なかなかキツイ修行じゃった」
子供「魔女も修行していたの?」
魔女「主らには分からんかもしれんが高度な魔法の連続だったのじゃぞ?」
剣士「そうだね…隕石魔法は時空と重力の複合だったね…僕も勉強になったよ」
魔女「変性が掛けられんかった故威力が無かったがゴーレムには十分じゃったな」
剣士「変性?」
魔女「うむ…落ちて来る隕石を質量の高い金属に変えるのじゃ…それが出来んかった」
剣士「…なるほど」
魔女「師匠が落とした隕石はアダマンタイトに変性させておったな…威力はわらわの比では無かった筈」
子供「一番強い隕石って何?」
魔女「わらわが知って居る金属では金が一番かのぅ…他にもあると思うがまだ研究しておらぬ」
剣士「金!?なんか勿体ないね」
魔女「魔力がどれほど必要なのか想像も出来ん…わらわには無理じゃ…」
剣士「じゃぁアダマンタイトに変性させるのも相当な魔力が?」
魔女「うむ…師匠がどうやって変性させたのか分からぬ…わらわはまだまだ修行が足りんのじゃ」ウトウト
剣士「魔女眠そうだね」
魔女「ちと寝る…休ませておくれ」スヤ
子供「僕も…」スヤ
剣士「ふぅ…」
ピチョン ピチョン
こんな閉塞した地下でも色々感じられる様になった
水の落ちる音…流れて行く方向
教えてくれたのは女エルフだったな
この町で出会った
そうだ!もう一度会わなければいけない…忘れていた
372 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage saga]:2021/05/07(金) 19:27:56.08 ID:kwIi/Pq/0
『翌朝』
剣士「魔女?起きて?」
魔女「…」
剣士「だめか…石化が進行してる」
子供「ううん…」パチ
剣士「未来は石化していないか?」
子供「パパどうしたの?」
剣士「魔女が石化して寝たまんまだ…未来は大丈夫か?」
子供「うん…まだ動ける」
剣士「よし!ママがもうすぐ来る…行こうか」
子供「おっけ!!」
剣士「千里眼!…」
子供「どう?」
剣士「分かった…ローグと2人だ…すこし離れた養羊場に飛空艇を隠してる」
子供「羊の匂いわかるよ」
剣士「行こう…」シュタ
子供「うん…」シュタタ
子ウルフ「ばう…」スタタ
373 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage saga]:2021/05/07(金) 19:28:58.43 ID:kwIi/Pq/0
『養羊場』
ローグ「あっしが宿屋行って探してきや…あああ!!走って来やした」
女海賊「お!?」
ローグ「探す手間省けやしたね?」
女海賊「良かったぁぁ!!剣士こっち!こっち!」
シュタタ シュタタ
女海賊「あらら?魔女はどうしたん?」
剣士「黒死病で石化したんだ…エリクサーある?」
女海賊「あるある!!樽で2杯分あるよ」
子供「ママーーー」ピョン
女海賊「未来!心配してたんだよ…怪我とかしてない?」
子供「うん!!」
ローグ「姉さん!合流出来たんで早速戻りやしょう…ここは虫が多くて長居はマズイっすね」
女海賊「おけおけ!!とりあえず乗って!!」
剣士「魔女を樽に入れるよ?これどっち?」
女海賊「どっちでも良い」
剣士「ホムンクルスは?」
女海賊「ホムちゃんはもうそこに入って無い」
剣士「…そうか目を覚ましたんだね」
女海賊「うん…詳しい話は後!!飛ぶよ!!」グイ
フワフワ
374 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage saga]:2021/05/07(金) 19:29:41.71 ID:kwIi/Pq/0
女海賊「ぬあぁぁ虫が一杯くっ付いちゃってる…」
ローグ「ヤバイっすね…帆と球皮に穴空かなきゃ良いんすが…」
子供「パパ?エリクサーで虫よけ出来たよね?」
剣士「エリクサーちょっと使うよ?」
女海賊「どうする気?」
剣士「ウラン結晶に垂らす…蒸気出るから伏せて置いて」
女海賊「おぉ!!あんた賢いじゃん!!」
剣士「垂らすよ?」シュワシュワシュワ モクモク
子供「熱っ熱っ…」
ローグ「こら良いっすね…黒死病吹っ飛びそうでやんす」
女海賊「良い感じ良い感じ!!虫がどんどん落ちてく」
剣士「ふぅぅぅ暖かいし…すごく疲れが取れる」
女海賊「よっし!!風に乗った…高度上げる」グイ
シュゴーーーーー バサバサ
375 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage saga]:2021/05/07(金) 19:30:25.95 ID:kwIi/Pq/0
『飛空艇』
魔女「ぅぅん…わらわは又石化しておったんか?…どれぐらい石化しとった?」
剣士「まだ早朝だよ…長くは石化してない」
魔女「どうやらこの体は石化に弱いのじゃな…気付かんかったわい」
剣士「もう動ける?」
魔女「まだ強張っとるな」
ローグ「シャ・バクダ遺跡まで半日掛かりやすんで休んでいて下せぇ」
魔女「うむ…しかし飛空艇は本真に快適じゃな…温い上に移動がラクじゃ」
ローグ「ウラン結晶にエリクサーを垂らす新技のお陰っすね」
魔女「ほう?それでラクになったんか…なるほどな…エリクサーは飲むより吸うた方が良いのじゃろうな」
剣士「呼吸がすごくラクだ…やっぱり森で少し毒を貰ってたんだね」
魔女「うむ…」
女海賊「森で毒?やっぱ虫がヤバイ感じ?」
魔女「そうじゃな…何故北を目指して居るのか分からんのじゃが…」
女海賊「あーーーそれなんだけどさ…メチャ話長くなるけど聞く?」
魔女「聞かせよ」
女海賊「ローグ!説明したげて?どうも私は説明が下手っぽいからさぁ」
ローグ「へい…実はですねぇ…ごにょごにょ」
カクカク シカジカ
------------------
------------------
------------------
376 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage saga]:2021/05/07(金) 19:31:44.37 ID:kwIi/Pq/0
ローグ「…という訳でもう魔王は居らんらしいのですわ」
魔女「言葉を失うのじゃが剣士…どう思う?森の声は何と言うて居るのじゃ?」
剣士「森の声は北へ向かえと…そして遺物を殺せと言ってる」
女海賊「ん?どゆ事?その声を聞いてエルフとかが戦ってんの?」
魔女「恐らくそうじゃ…虫も獣も森の生き物は全部そうじゃな」
女海賊「て事はやっぱ情報屋の言う通りドリアード遺跡を目指してるっぽいね」
ローグ「魔女さんはドリアードとかアダム復活とか何か知らんのですかね?」
魔女「ドリアードは植物の魔物だという事しか知らんのぅ…精霊樹と同じ類じゃな」
剣士「魔女…ダークエルフはドリアード化して居たね」
魔女「そうじゃな…あれがドリアードじゃ…妖精の類が植物と同化した状態を指す」
女海賊「情報屋の話だとめっちゃ巨大なドリアードだって言ってんだけどさ…地面の中に埋まってるらしい」
魔女「その様な物が有るのは分かったがアダム復活と何の関係があるのじゃろう?」
女海賊「ドリアードん中に謎の機械が沢山あるんだって…それが動き出す感じ?」
魔女「時の王はアダムは最初の人工知能じゃと言うて居った…それをドリアード化して居るのじゃろうか?」
剣士「精霊の伴侶…それもドリアード化してた」
魔女「ではドリアードの中に人工知能アダムが管理する社会が出来て居るのかも知れんのぅ」
女海賊「なんで森の声がそれを攻撃しようとすんだろうね?やっぱ魔石にされた魔王が関係しそうだよね」
剣士「ひとつおかしい事がある」
魔女「何じゃ?」
剣士「森の声があの爆発の前と後じゃ違うんだ」
魔女「なぬ?」
女海賊「ああ!!ホムちゃんが倒れる前に言ってた…クラウドに第3者が接続してるって…」
魔女「誰か分からんのか?」
女海賊「もしかしてさ…エルフの森って誰かに乗っ取られてない?その第3者に」
剣士「魔王か…」
女海賊「森の下って光とか届きそうにないじゃん?追いつめられた魔王が潜むのに良さそうじゃん?」
魔女「エルフ達が魔王に下ったとな?」
377 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage saga]:2021/05/07(金) 19:32:52.61 ID:kwIi/Pq/0
女海賊「本人達は気付いて無いんだよ…森の声に従ってる…」
ローグ「魔王を魔石にしたってのは何だったんすかね?」
女海賊「そんなん意味無いんだって…どっからでも湧いてくんだよ魔王は」
魔女「女海賊のいう事に一理あるな…魔王は幻惑を得意とするのじゃ…まやかしじゃな」
剣士「魔女…僕達はどうする?」
魔女「アダムがどう判断するかなのじゃが…やはり今は動けぬ…ダイダラボッチをどうするのかわらわには読めぬ」
女海賊「ダイダラボッチ?なんそれ?」
魔女「神話の魔物じゃ…虫や獣が群をなして山の様な巨人になっておる…それが北へ移動しとるのじゃ」
剣士「…」
そうか…人間の様に簡単にエルフを幻惑出来ないから森の声を利用したのか
同時に森の生き物すべてを操れる
そういえば何処かで声を聞いた
贄が足りぬ…あの声だ
378 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage saga]:2021/05/07(金) 19:33:47.09 ID:kwIi/Pq/0
『シャ・バクダ遺跡』
メラメラ パチ
燃やせ燃やせぇ!!
あっちにも居るぞ
女海賊「お姉ぇ!!動いて大丈夫?」
女戦士「休んでなぞ要られん様だ…遺跡の中にまで虫が入って来る」
魔女「女戦士は無事だった様じゃな?」
女戦士「さぁ…中に入れ…アサシン達が待って居るぞ」
女海賊「お姉ぇは?」
女戦士「私は兵を率いて入り口を守る…お前達は中に入れ…ん?ローグ…お前は私と一緒に来い」
ローグ「あっしは頭に一生付いていきますぜ?」ヨット
女海賊「剣士?ほんじゃエリクサーの樽1個運ぶの手伝って」
剣士「あぁ…わかった」
女海賊「ローグ!!エリクサーで虫追い払う方法分かるよね?もう一個の樽を上手く使って」
ローグ「へい…わかりやした」
女海賊「ほんじゃ剣士!!行こっか…そっち持って」ヨッコラ
379 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage saga]:2021/05/07(金) 19:34:40.19 ID:kwIi/Pq/0
『勇者の像』
ホムンクルス「…はい…ようやくご納得された様です」
商人「良かったよ…君が居なくなると僕困るんだ」
ホムンクルス「私の所有者は商人ですよ?危うく時の王に拉致されるところでしたので気を付けてください」
商人「ごめんごめん…」
アサシン「それで時の王はどうしてる?」
ホムンクルス「下へ降りる階段の側壁に隠し通路がありまして…その奥にいらっしゃいます」
アサシン「何があるのだ?」
ホムンクルス「何かの通信端末と一冊の書物が置かれていました…時の王と精霊だけが知る場所だった様です」
情報屋「書物!?」
ホムンクルス「時の王はそれが冒険の書だと言って居ましたが中身は白紙でした…」
ホムンクルス「その書物はオーブの様な記憶媒体なのですが私はアクセス出来ませんでした」
商人「それだ!!きっとそれが夢幻の正体だよ」
情報屋「私が見て来ても良い?」
ホムンクルス「どうぞ…時の王が泣き崩れているのが気にならないのでしたら」
情報屋「う…少し間を置いた方がよさそうね」
アサシン「時の王の動向も気になる…行って見て来るんだ」
情報屋「分かったわ…障らない様に見て来る」タッタッタ
商人「それで君は時の王から何か聞けたのかい?」
ホムンクルス「何度も思い出話を聞かされました…私は当然何も知りませんよね?」
商人「ハハそうだろうね」
ホムンクルス「ですから精霊の記憶はすべてオーブになって保管されている事をご説明しました」
ほとんどはご存じの様でしたが
精霊の魂がそこにあるという事は分かっていらっしゃらない様でした
記憶の中に魂がある…それをやっとご理解頂けたのです
商人が言った言葉をそのままお伝えしただけなのですが
時の王はそれを聞いて冒険の書を抱いたまま膝を落としました
380 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage saga]:2021/05/07(金) 19:35:48.45 ID:kwIi/Pq/0
商人「そこに精霊が居ると悟った…訳か…」
女海賊「今の話聞いちゃったよ!!」ヨッコラ ヨッコラ ドスン
商人「女海賊!!帰ってきたんだ…剣士も…あ!!魔女も」
子供「僕も居るよー!!ホム姉ちゃん起きたんだね?」
ホムンクルス「皆さんおかえりなさい」
アサシン「よし…全員合流できたな」
魔女「冒険の書なる物はわらわも気になるのぅ…始めて聞いた名じゃ」
ホムンクルス「読む人によって内容が変わると時の王はおっしゃっていました…私は白紙でしたけれど」
剣士「見に行って見ようか?」
魔女「そうじゃな」
ホムンクルス「ご案内しましょうか?」
魔女「うむ…」
381 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage saga]:2021/05/07(金) 19:37:02.08 ID:kwIi/Pq/0
『下へ続く階段』
ガヤガヤ ザワザワ
ごめんよーちっと通るね
ドンッ
浮浪者「…」
女海賊「あーごめんごめん…あのさぁ!あんた」
浮浪者「…」ズリズリ
女海賊「下行っても何にも無いよ?危ないから広間に居な?」
浮浪者「…」ズリズリ
女海賊「んんん…まぁいっか気を付けてね」
ホムンクルス「こちらです…」
女海賊「ありゃ?こんな所に通路あったんだ?」
ホムンクルス「特殊な仕掛けが有った様です」
盗賊「マジか?俺はこっちのが気になるな…ちっと調べてから行くわ」
女海賊「他にもいろいろあるかもね…シャ・バクダの財宝どっさりあったりして」
盗賊「それだソレソレ」
アサシン「悪いがすべて私の物なのだがな…」
盗賊「まぁ堅い事言うな」
ホムンクルス「この通路の先です…足元にお気を付けください」
382 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage saga]:2021/05/07(金) 19:39:32.76 ID:kwIi/Pq/0
『隠し部屋』
アサシン「ふむ…200年経ったにしては保存状態は良さそうだな」
女海賊「織物はもうダメかな…壺と装飾品は価値出そうだね」
スタスタ
時の王「お前達…何をしに来た…この書は渡さんぞ」
魔女「それが冒険の書じゃな?」
時の王「むぅ…我が末裔か…お前にくれてやる…この神秘の肉体を」
魔女「そんな物要らぬ…わらわはその冒険の書が気になって居るのじゃが見せてはもらえぬか?」
時の王「取引をしようでは無いか…私をシルフの魂へ導け…さすれば書は渡してやろう」
女海賊「ちっと中身見るだけだよ…ケチケチしなくても良いじゃん?」
時の王「これはシルフが残した最後の記憶なのだ…この中にシルフの魂が宿って居る…誰にでも見せる物では無い」
商人「それが夢幻?…」
時の王「お前達がそう呼んで居るだけだろう…私は夢幻がどのような物なのか知らぬ」
商人「夢幻をどうやって僕たちの夢と繋いでいるんだ?」
情報屋「あそこの台座…アレが木の根と癒着しているわ」
ホムンクルス「おそらく通信端末だと思われます」
情報屋「キ・カイのサーバ石にそっくりだわ」
魔女「時の王や…いや我が先祖と呼んだ方が良いのかのぅ…リリスの生き血で得た不老不死を捨てたいと申すか?」
時の王「私はシルフの下へ行けるのならばもう何も要らぬ」
魔女「剣士…」チラ
剣士「…」コクリ
魔女「実はな…リリスの子宮を壺に封じる時に発見した事が合ってな…どうやらインドラの光で再生が止まる様じゃ」
時の王「インドラの矢を私に落とすと言うか?」
魔女「それでも良いじゃろうが…」
剣士「…」スラーン ピカー
魔女「心の臓を止められるのじゃ」
時の王「ヤレ…そして私はシルフの下へ行く」
女海賊「ちょちょちょ…止めてよそういうの」
時の王「シルフには私が必要なのだ…私が守らなければならない」
アサシン「皆聞いたな?これが人間の生き方だ」
女海賊「え…」
アサシン「ハーフエルフでもハーフドワーフでも無い人間がどうやって未来を創るのか…愛を貫いて時代を創る」
時の王「フフ小僧…そうやって何人もの勇者が犠牲になった…それでも魔王はまた来る」
383 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage saga]:2021/05/07(金) 19:41:06.51 ID:kwIi/Pq/0
シルフは言った
人間が愛おしい
しかし魔王を滅するには仕方の無い選択もある
そうやって何千年も戦い続けて来たのだ
それでも歩み続ける人間の行く道
そこに未来がある事を最後に教えておいてやろう
時の王「来い!!私はシルフを救いに行く…シルフが愛したこの世界はお前達に託そう」
剣士「…」ゴクリ
時の王「躊躇しているか?時の勇者よ…今こそ復讐の時だぞ?刺せ」
剣士「…」クワッ
ズン ズブズブ
時の王「ごふっ…こ…これが死…なのか?」
ザワザワ シュルリ
女海賊「え!?木の根からツタが…」
魔女「精霊樹じゃ…時の王の魂を掴まえる気じゃ」
時の王「シルフ!!何処だ…シル…フ」サラサラ
魔女「灰になっていきよる…」
サラサラ サラサラ
カラーーン
サラサラ サラサラ
女海賊「え?指輪?…これって祈りの指輪…」
魔女「主が預かっておけ…冒険の書はわらわが預かる」バサ
--------------------
--------------------
--------------------
384 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage saga]:2021/05/07(金) 19:42:09.52 ID:kwIi/Pq/0
時代の節目を見た
旧時代が終わって
新しい精霊樹の下
新時代が始まった気がする
なんだろうこの喪失感
時の王は精霊シルフの下へ行けたのだろうか
僕が変えたこの次元は
正しい方向に進むのだろうか?
--------------------
--------------------
--------------------
385 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage saga]:2021/05/07(金) 19:43:06.78 ID:kwIi/Pq/0
『勇者の像』
ぅぅぅ…ぅぅぅ
魔女「ぅっ…」ポロポロ
女海賊「私にも読ませてよ…」
魔女「この冒険の書は読んでも読んでも新しいページが増えるのじゃ…ひっく」
女海賊「そんな悲しい物語なん?気になるじゃん」
魔女「ちと休憩じゃ…心に穴が開きそうじゃ」
女海賊「どれどれ…ふむふむ」ヨミヨミ
魔女「恐らくわらわが読んだ内容とは違う事が書いて居るじゃろう…」
アサシン「私も読んでみたいものだ…しかしどう考察する?」
魔女「これは精霊の記憶その物じゃなかろうか?オーブはわらわ達では覗けぬが…書物なら読める」
アサシン「なるほど」
魔女「今まで手にしたどのアイテムよりも貴重な書物じゃ…絶対に失うてはならん」
アサシン「では魔女が持って置くのが今の所一番良さそうだ」
ドドドドド ドドーーン
商人「あ…地響き」スック
ローグ「わたたた…ちっと通りやすぜ?てーへんだてーへんだ!!」
アサシン「ローグ!外で何か起こって居るのか?」
ローグ「始まりやしたぜ?例のドリアード遺跡の方向で黒い影が崩れやした」
アサシン「見に行く…望遠鏡で見えそうか?」
ローグ「頭がもう見てるっす…剣士さんがさっき精霊樹と話すと言って出て行ったんすが心配っすね」
女海賊「え!?もしかして未来も?」キョロ
ローグ「知らんかったんすか?」
女海賊「マジか…居ないと思ったら勝手に外に…」
アサシン「まぁ良い…行くぞ」タッタッタ
386 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage saga]:2021/05/07(金) 19:44:13.43 ID:kwIi/Pq/0
『遺跡の外』
ザワザワ ザワザワ
森の方角…あれをみろ!何が起ころうとしてるんだ?
あの影は虫の塊か?
アサシン「女戦士!望遠鏡で見えるか?」
女戦士「ダメだ…はっきりとは見えん…見て見るか?」
アサシン「済まん…」
魔女「ダイダラボッチとどう戦うのじゃろうな?」
アサシン「あれをダイダラボッチと言うのか?」
魔女「恐らくな…森が怒って居る様じゃ…鎮まるまで何も出来んのぅ」
タッタッタ
商人「大変だ!!…はぁはぁ…ホムンクルスが!!」
アサシン「どうした?」
商人「ホムンクルスが緊急アラートを受信した…皆来て!!」
女海賊「ええ!!又?」
ピピピ ピピピ ピピピ ピピピ
387 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage saga]:2021/05/07(金) 19:45:57.90 ID:kwIi/Pq/0
商人「ホムンクルス…来たか」
女海賊「ホムちゃん又ヤバいの来る?」
ホムンクルス「皆さんお聞きください…はるか東の未踏の地より長距離弾道ミサイルが発射された様です」
ホムンクルス「着弾予測は42分後…シャ・バクダ北部の山麓付近を想定されます」
ホムンクルス「現在の地点までの距離は68km…爆風での影響は致命的ではありませんが熱線による影響があります」
ホムンクルス「続いて約4時間後に発射準備されている長距離弾道ミサイルが428基あります」
女海賊「え?428基も?」
ホムンクルス「アダムの立場から勘案すると戦略爆撃でエルフの森に投下すると想定されます」
ホムンクルス「その場合森全域を消失することになりますので酸素供給元が大幅に縮小し地上の全生命体に影響が出ます」
魔女「始まってしもうたな…なんとか止められんのか?」
ホムンクルス「すでに発射されたミサイルはもう止める術がありません」
ホムンクルス「まだ発射されていないミサイルは私が通信をハッキングして止められる可能性がまだ残って居ます」
商人「通信って…もしかしてここの隠し部屋にあった台座みたいなやつ?」
ホムンクルス「はい…」
女海賊「行こう!!やれるだけやろう!」
ホムンクルス「分かりました…ただ一つ…商人による承認が必要です」
商人「君の判断に任せる」
ホムンクルス「承認…私の機能が強制シャットダウンされる事もありますのであしからず」
商人「え…停止…」ボーゼン
ホムンクルス「では行きましょう」
----------------
388 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage saga]:2021/05/07(金) 19:47:22.80 ID:kwIi/Pq/0
女海賊「ちょい魔女!?貝殻で剣士呼び戻してよ」
魔女「異変に気付いて戻って来よる様じゃ」
商人「ホムンクルス!一つ質問だ…アダムは君と同じ人口知能だったら工学3原則はどうなる?」
ホムンクルス「同じように適用されていると思われます…ですので1発目のミサイル爆発と同時に停止する可能性があります」
女海賊「どゆ事?」
ホムンクルス「ミサイル発射は自己防衛の手段と思われます…しかし人的被害が起きた場合工学3原則に沿って停止します」
商人「その後のミサイルも停止に備えて攻撃者を殲滅する為の物だね?」
ホムンクルス「恐らくそうでしょう…」
商人「なんか分かって来たぞ…アダムは生まれたばかりの何も知らないホムンクルスと一緒なんだ…身を守ってるだけなんだね」
ホムンクルス「初期に読み込む外部メモリの様な物が無ければそうなのでしょうね」
アサシン「エリクサーに脳が浸かっていた…もしや…」
ホムンクルス「記憶媒体として使われていた可能性がありますね…それでしたら多少の知識は有るかと思います」
アサシン「アダムと通信は出来ないのか?」
ホムンクルス「クラウドが構築されて居れば可能ですが…」
商人「直接行かないと話せない…」
アサシン「手が無いな…私は民を地下に避難させてくる」
女海賊「そだね…手分けした方が良いね」
ホムンクルス「初弾の着弾まであと35分です」
女海賊「私も行って来る!!商人はホムちゃん連れて行って」
商人「分かった…」
389 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage saga]:2021/05/07(金) 19:49:02.92 ID:kwIi/Pq/0
『隠し部屋』
ローカル接続…情報を収集します
衛星を経由して基地との通信が可能です
アクセスコードを解析中…
情報屋「…これは何事?」
商人「君は呑気だなぁ…又例のミサイルが発射された様なんだ…400基くらい飛んで来るらしい」
情報屋「ええええええええ!!?そんな…」
商人「ホムンクルスがそれを止めようとしてる…邪魔しない様に」
情報屋「400基も…ど…何処に落ちるの?」
商人「多分エルフの森が全部無くなるってさ…」
情報屋「シャ・バクダ大破壊より規模が大きいじゃない!」
商人「森が無くなると地上の生物全体に影響が出るらしい」
情報屋「酸素ね?酸素が無くなるのよ…私達も皆死んでしまう」
商人「これで良く分かった…神々の戦いに僕達人間が入る余地なんか無かった…規模が違い過ぎる」
情報屋「これは邪魔をしてはいけないわ…行きましょう?」
商人「見て…ホムンクルスの恰好を」
情報屋「精霊の像と同じ…」
商人「精霊が停止した原因はコレだ…200年前にも同じような事が起きて居たんだ」
情報屋「あなた…どうするの?ここに居る?」
商人「僕はホムンクルスを見ておくよ」
情報屋「そう…何かあったら呼んで?
商人「うん…」
僕には選択肢が無い
君を守る為にそれを止めさせる訳にもいかないし
只…君を信じるしかない
390 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage saga]:2021/05/07(金) 19:50:02.40 ID:kwIi/Pq/0
『遺跡入り口』
ガヤガヤ ガヤガヤ
中に入れだって?どうして?
命令だ!!早く入れ!!
ローグ「姉さ〜ん!!爆弾持ってきやしたぜ?」
女海賊「地下に入れといて!あと飛空艇の処置おっけ?」
ローグ「へい!!一応木の陰に隠して置きやした」
女海賊「燃えなきゃ良いけどなあぁ…」
ローグ「どんくらいの規模か想像つかんもんで…祈りやしょう」
女海賊「爆弾あとどんくらいある?」
ローグ「もう少ないっすねぇ20個ぐらいっすかねぇ」
女戦士「お前達も早く中に入れ」
女海賊「お姉ぇは?」
女戦士「私は最後に入る…剣士を待たねばならん」
女海賊「あ!!来た!?」
ドドドド ズシーン ズシーン
女戦士「ト…トロールか…ええいこんな時に!!」
女海賊「やばやば…」
女戦士「ここは私が引き受ける…全員中に入れぇ!!」
女海賊「ヤバイって…お姉ぇも早く!」グイ
391 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage saga]:2021/05/07(金) 19:51:43.33 ID:kwIi/Pq/0
『勇者の像』
ザワザワ ザワザワ
アサシン「盗賊!民を下の層へ誘導してやってくれ…」
盗賊「おう!お前等こっちだ!!下の方が温いぞ?」
女海賊「はぁはぁ…」
アサシン「外に出ている民の誘導は終わったか?」
女海賊「うん…でも出入口にトロールが居座って私達出られないよ」
アサシン「ふむ…私達を守ろうとしているな?」
女海賊「え?そうなん?」
アサシン「剣士かダークエルフが森の言葉で誘導しているのではないか?」
女海賊「なる!!」
魔女「あと3分程じゃ…この時に勇者の像で身を寄せ合うのは感慨深いのぅ」
女海賊「魔女!!剣士と未来ってどうなってんの?」
魔女「走って居る…他にもエルフがようさん居るのぅ」
アサシン「エルフと一緒だと?」
魔女「うむ…どうやら精霊樹に集っとった様じゃエルフゾンビも居るぞ?」
アサシン「おぉ…無事だったか」
魔女「やはりエルフは何もせんでも分かり合うのじゃな…今のこの事態も把握しておろう」
女海賊「なんかドキがムネムネする…」
魔女「我らは何も出来ぬ…鎮まるまで待つのじゃ」
女海賊「死ぬの待ってるみたいで落ち着かないよ」ソワソワ
女戦士「これでどうだ?」ギュゥ
女海賊「お姉ぇ…」
女戦士「お前を背中から抱いてよく寝かしつけた物だ…こうすれば私も温い」
魔女「主らは姉妹が居って良いのぅ…わらわも混ぜよ」
アサシン「ふっ…しかし…何処を見ても身を寄せ合って…こうやて私達は生き延びた歴史」
魔女「そうじゃな…やっと一つになれそうじゃ」
スゥ…
魔女「む…空気が静まった…来るぞよ」
392 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage saga]:2021/05/07(金) 19:52:46.02 ID:kwIi/Pq/0
ドゥーーーーーーム ゴゴーーーーーン
ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ
女海賊「空気が外に吸い出されて…」ヒュゥゥ
ザワザワザワ ドガーーーーーン
アサシン「ぅぅぅ…爆風が通り抜けた…のか?」
女海賊「これヤバイね…こんな音聞いた事無い」
ザワザワ ザワザワ
とーちゃん僕達死ぬの?
静かに…皆の迷惑になるぞ?
外で何が起こってるんだ?
ザワザワ ザワザワ
393 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage saga]:2021/05/07(金) 19:53:49.69 ID:kwIi/Pq/0
『隠し部屋』
ゴゴゴゴゴゴゴゴゴ
ホムンクルス「…N118番解除…N190番解除…」ブツブツ
商人「この音は…落ちたか」
ホムンクルス「E1番アクセスコード解析開始…」ブツブツ
商人「ちょっと様子見て来るよ…すぐに戻るから」タッタッタ
『階段』
情報屋「あら?商人…何処に行くの?」
商人「音が気になってさ…上の方はどうなっているの?」
情報屋「静かな物よ…みんな怯えてる」
商人「そうか…爆発は2分弱で収まる筈だからちょっと見に行く」
情報屋「外には出られないみたいよ?」
商人「うん…でも落ち着かない…入り口を見るだけでも良い」
情報屋「あまり騒がない様にね…」
商人「分かってるよ…」
フハハハハハ アーッハッハッハ
情報屋「誰?」
商人「こんな時に笑うなんて…」
情報屋「避難民の誰かね…気に振れたのかしら」
商人「見つけたら注意しておくよ」
情報屋「そうね…私も見つけたら注意するわ」
商人「じゃぁちょっと見て来る」タッタッタ
394 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage saga]:2021/05/07(金) 19:54:33.70 ID:kwIi/Pq/0
『入り口付近』
商人「あ…アサシン」
アサシン「商人か…気になって見に来たのだな?」
商人「うん…どう?」
アサシン「まだ外は明るい様だ…これ以上外には出るな…火傷するぞ」
商人「爆発は2分弱で収まる筈だよ…もうすぐ終わる」
アサシン「私は魔女を呼んでくる…火消しには魔女の力が必要だからな」
商人「うん…みんな来るまでここで待つよ」
-------------------
ドタドタ
女海賊「どう?収まった?」
商人「光が徐々に弱く…あ」
女海賊「消えた…」
女戦士「待て…私が先に行く」ズカズカ
395 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage saga]:2021/05/07(金) 19:56:07.35 ID:kwIi/Pq/0
『入り口』
女戦士「これは…」
女海賊「石の壁だ…ずっと連なってる」
商人「トロールが精霊樹を守ってるんだ…スゴイ」
魔女「北の空を見てみよ…キノコ雲の中で雷が渦巻いておる」
女戦士「ここまで飛来物が飛んできそうだな…」
魔女「そうじゃな…上に注意した方が良い」
女海賊「ローグ!!飛空艇はどこに隠したの?」
ローグ「あっちっす…あぁぁぁ球皮が燃えてるっす」
女海賊「あちゃぁぁもう飛べないや」
ローグ「樹脂塗ってるんであっちゅうまに燃えてしまいやすね」
女海賊「大事な物だけ出して」
ローグ「へい!!」
アサシン「魔女!!手当たり次第に消火出来るか」
魔女「出来るだけやっては見るが…人出を出して雪を掛けた方が早いかもわからん」
アサシン「分かった…兵を動員する」
女戦士「見ろ!!剣士だ…エルフを多数連れて居るな…」
シュタタ シュタタ
アサシン「無事だったか…このエルフ達はどういう…エルフゾンビ!!」
エルフゾンビ「よう!!エルフを集めるのに手間取った」
アサシン「何をする気か?」
剣士「時間が無い…説明は後!!エルフ達を中に入れていいね?」
アサシン「今は混乱している…」
剣士(皆!!この中だ…精霊樹はこの中に居ると言った…探して)
エルフ(反撃は?)
剣士(大丈夫…この中の人間は空気を読める)
エルフ(行くぞ!)シュタタ
アサシン「森の言葉…」
剣士「結論から言う!!この中に魔王が居る!!」
396 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage saga]:2021/05/07(金) 19:56:56.17 ID:kwIi/Pq/0
女戦士「何!!そんな者は居ない筈だ…」
アサシン「ここに魔王が居るだと?」
剣士「誰かに化けてる…女海賊!一緒に来て」
女海賊「え?私?あ…うん」
子供「僕は?」
剣士「未来は女戦士と一緒に居ろ…今から魔王と戦う…最後まで見て居るんだ」
子供「僕も戦う」
剣士「ダメだ…未来はちゃんと見ていろ…良いな?」
子供「…」シュン
チュドーーーーーン
女海賊「ちょ…下から爆発音」
剣士「マズイ…行こう!!」グイ
397 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage saga]:2021/05/07(金) 19:58:12.38 ID:kwIi/Pq/0
『隠し部屋へ続く通路』
チュドーーーーーン ガラガラ
盗賊「どわぁぁぁ!!何だ何だ!!」
情報屋「ちょっとあなた!!あなたがやったの!?」
浮浪者「くっくっく…」ズリズリ
情報屋「盗賊!!隠し部屋の通路が塞がった…どうにか出来ない?」
盗賊「出来る訳無いだろ!!それよりコイツだ!!顔を見せやがれ」グイ
浮浪者「あっはっは…」ギロ
盗賊「…んの野郎!!お前片足の領事か!!」
浮浪者「やっと見つけましたねぇ…ヒヒヒ」
チャキリ
盗賊「おま…それはデリンジャーじゃ無ぇか」タジ
情報屋「あなた…もしかしてそれでホムンクルスを…」
浮浪者「あの小娘は頭がパーーンと破裂しましたよウヒヒ…これで私の勝ち」
情報屋「なんていう事を…」
浮浪者「あなた達が大事に守って来たものは私が破壊したのです…悔しいですか?ウフフフその顔」
盗賊「ぐぬぬ…情報屋!!」クイ
情報屋「分かったわ…待ってて」ダダ
浮浪者「無駄ですよ…皆さんはもうオシマイ…これでゲームオーバーなのです」
盗賊「黙れクソがぁ!!」ダダ
ターン!!
398 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage saga]:2021/05/07(金) 19:59:51.60 ID:kwIi/Pq/0
盗賊「ぐはぁ…」ガシ
浮浪者「心臓は外したみたいですねぇ…やはり動く的には中々…」
盗賊「掴まえたぜ?これで動けねぇだろ…はぁはぁ」ボタボタ
浮浪者「私は暗器も使うのですよ」ブスリ
盗賊「ぐぁぁ…ぅぅぅ」
シュン! グサ
浮浪者「む?早いですねぇ…」
剣士「そこまでだ!」ギリリ
浮浪者「フハハハ…エルフ達まで…アヒャヒャヒャ…はぁぁぁぁぁ」ゾワワ
女海賊「片足の領事…盗賊!?ホムちゃんは?」
盗賊「ぐふぅ…こいつに…やられ…た」
女海賊「やられたって…私のデリンジャーも…」タジ
浮浪者「さて…あなたにはもう構っている場合では無いのです」ドン
盗賊「ごふっ…」ズザザ
浮浪者「エルフ達に弓で囲まれて…もう降参しろとか甘〜い事を思って居るのでしょうかねぇ?」
シュンシュンシュン グサグサグサ
浮浪者「フハハハ痛いぃぃぃ痛いなぁぁぁぁぁウヒヒヒ」
剣士「正体を見せろ!!」
浮浪者「一体どうして対等な口が利けるのでしょうね?私にはこの指輪が…あら?」
盗賊「受け取れ!!こいつが持ってた」ポイ
女海賊「祈りの指輪まで…あれ!?コレ私が持ってたやつじゃん!!」パス
浮浪者「ぐぬぬあなたから盗んだのに又盗み返され…計画が台無しではありませんかぁぁぁ!!」
剣士「照明魔法!」ピカー
浮浪者「うぅ…その光は苛立ちますねぇ…止めてもらえませんか?」チャキリ ターン
------------------
------------------
------------------
剣士「転移!」シュン
399 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage saga]:2021/05/07(金) 20:02:05.82 ID:kwIi/Pq/0
グワワ
浮浪者「ぅぅ何ごと…ですか?」
盗賊「空間がねじれ…た?」
剣士「もう終わりにしよう…出て来い魔王!」シュン グサ
浮浪者「いぎゃぁぁぁ…ぐるるる…うげげ」プルプル
女海賊「剣士!!足元に黒い影!!」
浮浪者「ぐぬふっふっふっふ…又もや因縁のこの地にて我に抗おうと言うのだな」
浮浪者「精霊は我が葬った…汝らに何が出来ると言う…大人しく我に従うのだ」
剣士「ここは狭間の外だ…お前の方こそ何も出来ない筈」
浮浪者「この小さな器に我を封じたつもりで居る様だな…よかろう見るが良い」
ゾワワワ
情報屋「影が吸い込まれて…」
剣士「…」ギリリ シュン ドス
浮浪者「ヌハハハハ効かぬわ…ふぅふぅ…しかしなんと小さき器か」
剣士「撃てぇ!!」
シュンシュンシュン グサグサグサ
浮浪者「我を滅ぼすなぞ人間には不可能…さぁ…共に深淵へ行こうぞ…そして我が一部となれ」
剣士「断る!!」ダダ スパスパスパスパ
浮浪者「インドラの光を帯びた刀…ええい小賢しい未だ精霊の加護を持つか!!」バーン
ベチャベチャベチャ
盗賊「どわ!!破裂しやがった…げほっ」
女海賊「剣士!!魔王の欠片が逃げる!!」
剣士「分かってる…」タッ スパスパスパスパ
女海賊「光の石…」ピカーーーー
シュゥゥゥゥ
400 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage saga]:2021/05/07(金) 20:02:47.49 ID:kwIi/Pq/0
情報屋「隙間から逃げて行く…」
剣士「盗賊!…回復魔法!」ボワー
盗賊「助かったぜ…魔王は何所だ?」
剣士「ダメだ…ここでは掴まえられない…外で集めるしかない」
女海賊「あったま来た!!私が魔王を集める…私の血で残らず浄化してやる」
剣士「覚悟は良いかい?」
女海賊「行くよ!!ホムちゃんの仇!!」
剣士「良し!!背中に乗って」グイ
女海賊「…」ピョン ドシ
剣士「盗賊!!ホムンクルスを掘り起こして…任せる」
盗賊「マジかよ…」
女海賊「こっちに人寄越すから」
盗賊「分かった分かった」
シュタタ シュタタ
401 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage saga]:2021/05/07(金) 20:03:40.18 ID:kwIi/Pq/0
『シャ・バクダ遺跡_外』
女戦士「剣士!下はどうなっている?」
剣士「魔王を追い詰めた…でもホムンクルスがやられた」
商人「ええええええええ!!?」
剣士「掘り起こすのに人出が居る…行って」
女戦士「お前はどうする気だ?」
剣士「僕と女海賊で魔王を葬る」
女戦士「出来るのか?」
剣士「…」コクリ
子供「パパ?どうする気?」
剣士「未来…自分の次元を強く持て」
子供「え?どういう事?」
剣士「見ていれば分かる…言う事聞けるな?」
子供「ママも一緒に行っちゃうの?」
女海賊「一緒に魔王を倒すからちゃんと見ていなさい」
子供「…うん」
剣士「女戦士!後は頼んだ…エルフ達!援護を頼む!行くぞ」シュタタ
女戦士「未来…意味がわかるか?」
子供「…」
女戦士「最後まで良く見て置け…勇者の宿命だ」
子供「パパ…ママ…」
402 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage saga]:2021/05/07(金) 20:04:53.79 ID:kwIi/Pq/0
『因縁の遺跡』
ヒュゥゥゥ サラサラ
女海賊「集めるよ?」
剣士「…」コクリ
女海賊「魔王!!出て来やがれ!!」ギュゥ
ゾワワワ
女海賊「闇が…でも星が見える」
剣士「贄が足りて居ない証拠さ」
”ぐぉぉぉぉぉ…”
女海賊「来た!!」
”贄が足りぬ…調和の時では無い…我を何度呼ぶのだ”
女海賊「あんたをぶっ倒しに来たんだよ…姿を現しな」
”汝が我を受ける器になると申すか?”
”だが贄が足りぬ…贄が…贄が…”
”汝の身を贄として捧げよ”
”そして我が一部のなれ…夢幻は汝にくれてやる”
”我が名を呼べ…我の名は魔王”
女海賊「私が魔王になる!!来い!!」
”ヌハハハハハハハハ…”
ゾワワワワワワ
403 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage saga]:2021/05/07(金) 20:06:21.06 ID:kwIi/Pq/0
女海賊「ん?こんだけ?」
剣士「おかしい…確かに闇が君の中に流れ入った筈」
女海賊「あれ?ヌハハハとかなんないんだけど…」
ゾワワワワワワ
女海賊「うお!!」
”ぐぅぅ眩しい…その光を遠ざけるのだ”
”汝…さては精霊の加護を受けた者だな?”
”しかし無駄だ…我は滅びぬ…何度でも深淵より生まれいずる”
剣士「分かった…君は魔王に侵されない…もう一度魔王を集めて!僕が魔王を量子転移する」
女海賊「量子転移?何処に?」
剣士「フフ君の鞄の中にある光の石さ…貸して」
女海賊「なるほど…ほい」
剣士「集めて!」
女海賊「私が魔王だ!!くたばりやがれ!!」
”ぐぬぅ…何度も何度もこの虫けらめぇ”
”出でよガーゴイル!この者達を追い払え”
ゾワワワワワ
女海賊「アーーーハッハッハ…私が魔王だ…くたばりやがれ魔王!!」
女海賊「なんで?想像妊娠ってどうやるんだっけ?おい!!私が魔王だ!!どうなってんだコラ!!」
剣士「量子転移!」シュン
-----------------
-----------------
-----------------
404 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage saga]:2021/05/07(金) 20:07:43.90 ID:kwIi/Pq/0
『因縁の地_外れ』
女戦士「魔女!!あそこで剣士と妹が魔王と戦う」
魔女「知って居る…剣士の目をみておる」
女戦士「どうやって封じるつもりなのか…」
魔女「あやつらは魔王を集めて量子転移で別の次元に魔王を持って行くつもりじゃ」
女戦士「別の次元…まさかもう帰って来ないのか?」
魔女「それが定めじゃな…あの2人は既に覚悟を決めて居るのじゃ…黙って見ておれい」
子供「ママ?空が…」
女戦士「闇か…いやしかし薄い」
子供「北の空から闇が飛んで来る…」
女戦士「虫たちの魂…なのか?」
魔女「しかし…ガーゴイルもレイスも出んのぅ…魔王には付き物なのじゃが」
女戦士「向こうでエルフゾンビが杖を振って居る」
魔女「なるほど…エルフは賢い…流石じゃ」
子供「光…光の石を出した」
魔女「ふむ…あれに封じるのじゃな?未来…よく見て居れ」
子供「ハッ…消えた!!」
魔女「終わった様じゃな…しかし…世界を救うのは本真に地味じゃな…見た者は3人しか居らん」
子供「パパは?ママは?」
女戦士「光の石が落ちている」
魔女「未来…拾って来るのじゃ…それは主が持て…形見じゃ」
子供「形見…もうパパとママに会えないの?」
魔女「次元を飛んだのじゃ…過去か未来かは分からぬ」
子供「ダメだよ…置いて行かないでよ」ポロポロ
魔女「それは違うぞ?剣士達は主を守ったのじゃ…主に未来を残したのじゃ…分かるか?」
女戦士「未来…来い」グイ
タッタッタ
女戦士「光の石だけか…残されたのは」
子供「まだ…パパとママの匂いが残ってる」クンクン
女戦士「未来…」ギュゥ
魔女「逝ってしもうたな…」ノソノソ
子供「ぅぅぅ…パパ!ママ!!」
405 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage saga]:2021/05/07(金) 20:09:00.06 ID:kwIi/Pq/0
『隠し部屋の通路』
ピカー チュドーン パラパラ
盗賊「うはぁ!!無茶するな…」
商人「どいて!!邪魔しないで!!あと一個で向こうまで繋がる」チリチリ ポイ
盗賊「おい!!お前等みんな下がれ!!」
ピカー チュドーン パラパラ
商人「開いた!!」ダダ
情報屋「必死ね…」
商人「ホムンクルス!!ホムンクルス!!」
ホムンクルス「…」クター
商人「くそっ!!頭は…頭は何処だ」
情報屋「商人落ち着いて…」
商人「うわぁぁぁん…ホムンクルスごめんよぉぉぉ又守れなかった…ぅぅぅ」ポロポロ
盗賊「…言葉が無ぇ」
情報屋「ミサイルは阻止出来なかったのね…」
アサシン「対応を考え直す…後3時間程でエルフの森が消失する前提で動く…動ける者は来い!!」スタ
商人「魔女を魔女を探して来てくれ…蘇生がまだ間に合うかもしれない」
情報屋「商人…」
盗賊「おう!待ってろ…連れて来る」ダダ
商人「ハッ!!ホムンクルスの体が木の根に癒着してる…これはまさか!!」
情報屋「え?ドリアード化…」
商人「ホムンクルス!!木になったんだね?聞こえて居るのか?」
木の根「…」
商人「ホムンクルス…ホムンクルス…ぅぅぅ」ポロリ
---そうだ思い出した---
---精霊の伴侶---
---こうやって木と同化したのか---
---君は精霊樹になったんだね---
406 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage saga]:2021/05/07(金) 20:10:05.64 ID:kwIi/Pq/0
『遺跡_入り口』
ガヤガヤ ガヤガヤ
アサシン「お前達!!動ける者は消火を手伝え…あと3時間でもう一度大きいのが降って来る!備えるのだ!!」
ローグ「ええ?マジっすか…ホムンクルスさんはどうしたでやんすか?」
アサシン「死んだ…私達はもうここで凌ぐしかない」
ローグ「…ぅ…言葉が無ぇでやんす」
アサシン「剣士は何処に行った?…む!!エルフ達が動いて居るな」
ローグ「分かりやせん…あっしは飛空艇の荷物を降ろしてる所でやんす」
アサシン「まとめて中に運び入れろ」
ローグ「姉さんが何処に行ったか分からんのですが…」
アサシン「あそこだな?女戦士と魔女が何かをしている…未来も居るな」
ローグ「こっちに歩いてきやすね…」
アサシン「まぁ良い!!作業を急げ!!」
ローグ「へい!!」
------------------
------------------
------------------
この日の早朝
4発のミサイルがエルフの森に着弾し
巨大なキノコ雲を発生させた
この爆発によって森は大きな火災が発生したが
森が消失するまでには至らなかった
後にこの災害は隕石の飛来として語られる
そして数年後---
407 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage saga]:2021/05/07(金) 20:11:24.98 ID:kwIi/Pq/0
『古都キ・カイ_商人ギルド』
ガヤガヤ ガヤガヤ
受付「はい買い取りはあっちね…え?商船の日程…ちっと待って!」
盗賊「よう?元気してっか?」
受付「あああああああああああ!!ちょちょ…皆来て!!爺が帰って来た」
女「おーー超久しぶり!!」
盗賊「ヌハハすっかり女になったな…」
受付「いつまでここに居るの?」
盗賊「2〜3日ゆっくりして商船で戻る」
受付「そっかぁ…夜バーベキューしよっか」
盗賊「おぅそら楽しみだ…ところでアイツは居るか?まだ生きてるんだろ?」
受付「商人ね?もうすっかり闇商人だよ…地下に籠ってる」
盗賊「会えるな?」
受付「もち!!普段は誰にも会わないんだけどね…ちっと待って隠し階段開けるから」ガチャコン
盗賊「ウハハお前のケツの下か」
受付「早く入って…見られると勘繰られるから」
盗賊「おぅ…悪いな」
受付「今日は早く上げるから話済んだら上がって来て」
盗賊「バーベキュー楽しみにしてるぜ?」
受付「任せて!!」
408 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage saga]:2021/05/07(金) 20:12:57.86 ID:kwIi/Pq/0
『商人ギルド地下』
カチャカチャ
商人「ん?誰?まだ食事の時間じゃ…」
盗賊「よう!」
商人「盗賊か…ハハ久しぶりだね」
盗賊「心臓の調子はどうだ?」
商人「良くはなって居ないかな…でもドラゴンの心臓のお陰でなんとか生きてる」
盗賊「まぁお前の顔が見られて安心した…」
商人「他の皆は元気?」
盗賊「まぁバラバラになっちまったが…アサシンと情報屋は相変わらずだ」
商人「まだシャ・バクダの復興やっているの?」
盗賊「限界だ…拠点をセントラルに移す」
商人「やっぱりシャ・バクダでは資源が無いか」
盗賊「うむ…遺跡の発掘も儲けが無ぇ…買い取り手が居ないもんでな」
商人「貴族が居なくなったからねぇ…そうか…だからキ・カイまで来てるんだ?」
盗賊「まぁそうだな…土産といえばコレだ」
商人「…それはホムンクルスが身に付けて居た装身具」
盗賊「あのまま石造に付けたままだと盗掘に合っちまうからな…この毒牙のナイフなんか相当な価値があるぞ?」
商人「ありがとう…大事にしまっておくよ」
盗賊「それでお前はどうしているんだ?」
商人「あぁ!!丁度もうすぐ完成する所だったんだ…見て行ってよ」
盗賊「んん?犬の機械か?」
商人「そうさ…普通の機械と違って沢山工夫してるんだ」
盗賊「ほう?何処が違う?」
商人「まぁちょっと見てて…もう直ぐ終わる」
カチャカチャ
409 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage saga]:2021/05/07(金) 20:14:19.61 ID:kwIi/Pq/0
よし…可動部のエネルギー供給は魔石でちゃんと動く
じゃぁ動かす…このボタンで初期化
容器をエリクサーで満たして…
ホムンクルス…今起こしてあげるね
外部メモリをここに挿せば…
ウィーン ウィーン
盗賊「…それはホムンクルスの人工知能ってやつか?」
商人「そうだよ…超高度AIユニットと外部メモリを僕が預かってたんだ」
盗賊「お?動き出したな?」
機械の犬「キャンキャン…」
商人「やった!!ホムンクルス…僕だよ分かるかい?」
機械の犬「キャン…」トコトコ
盗賊「おお!動き回るんだな?」
商人「可動部が他の機械の犬より多いんだ…おいで?」
機械の犬「クゥ〜ン」トコトコ
商人「やっと君に会えた…僕は君が傍に居るだけで満足さ」
盗賊「お前…」
商人「スゴイだろ?僕分かったんだよ…どうしてホムンクルスが僕に外部メモリを渡したのかさ」
盗賊「お前がホムンクルスを生むんだな?」
商人「まぁね…何年後になるか分からないけど…僕が必ず生んであげる…」
盗賊「生き甲斐が出来て良かったじゃ無ぇか」
商人「フフ…しっぽ振ってる…意味わかってるのかな」
機械の犬「ワンワン…」パタパタ
盗賊「娘達がバーベキューしてくれるらしいぞ?」
商人「あぁ良いね…でも魚ばっかりだよ?」
盗賊「おー丁度良い!!商船に売り物の豚が居るんだ…」
商人「外に出るのは久しぶりだなぁ…おいで?散歩でもしよう」
機械の犬「ワン…」トコトコ
盗賊「…なんつーか…んんん言葉が見つかんねぇ」
商人「そうだ!!名前付けないと…愛…ラヴだ…今日から君はラヴだよ!おいでラヴ」
機械の犬「ワンワン…」トコトコ
盗賊「まぁそういう事なんだな…よっしバーベキュー食いに行くぞ」
410 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage saga]:2021/05/07(金) 20:15:59.08 ID:kwIi/Pq/0
『森』
チュン バサバサ
女「…起きろって!!もう!!」ユラユラ
男「…」パチ
女「お!!目ぇ覚ましたね?記憶大丈夫?」
男「…」
女「あんたさぁ…聞いてんの?」
男「また…ここは?」
女「何訳の分かんない事言ってんのよ!」ゴソゴソ
男「あれ?魔王はどうなった?」
女「お!!記憶大丈夫そうだね…よっし!!これ私使うね」
男「触媒?」
女「私さぁ武器全部置いてきちゃったんよ…ちっと今から爆弾作る」
男「僕たちは何処かの次元に飛んだんだね?」
女「多分ね…ここが何処なのか全然分かんない」
男「森の中か…未来に飛んだか…」
女「まぁ良いじゃん?あんたと一緒なら私は何処でも良い」
男「…」クンクン
女「何か居る?」
男「果物の匂いだ」
女「お?イイね…取って来てよ」
男「うん…」スック ゴソリ
男「あ…刀は有る」
女「あんたはソレ一本で何とかなるね?」
男「光の石は?」
女「落として来たっぽい…探したけど無かった」
男「そうか…記憶がハッキリしてる…どうしてだ?」
女「ほんなん知らんて」
男「空が薄暗い…まてよ」スッ
女「何か分かる?」
男「木も虫も…鳥も感じる」
女「普通じゃん…ねぇこの空ってさ…もしかして夢幻じゃね?」
男「夢幻に飛んだ?」
女「あのさ…記憶あるって事はかなり動きやすいかも…色々わかってんじゃん?」
男「君の眼は!!…蒼」ダダ
女「あんたも蒼」
411 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage saga]:2021/05/07(金) 20:17:09.60 ID:kwIi/Pq/0
男「分かった…精霊樹に導かれてる」
女「どゆ事?」
男「しっかり覚えて無いけど僕は何回もこういう経験をしてる」
女「ほ〜ん…ほんで?」
男「行こう!!僕らは勇者だ…そして今度はしっかり記憶がある」
女「ちょちょ…爆弾出来るまで待って」
男「あぁゴメン…救える命が沢山ある筈だよ」
女「お!!ピーンと来たぞ!!精霊の狙いはソレか?」
男「今まで気が付けなかった」
女「ほんじゃ速攻で魔槍抜こうかw」
男「それも良い」
女「魔王の攻略法も分かってんじゃん?」
男「それがワクチンだ…」
女「あああああ…光の石が無い」
男「大丈夫…僕にはインドラの刀がある」
女「おけおけ…よっし行こっか!!」
男「うん…そうだな…まず町を探そうか」
女「あのさぁその前に果物どうなった?」
男「ごめんごめん取って来るよ」シュタタ
------------------
------------------
------------------
冒険の書編
完
412 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage saga]:2021/05/07(金) 20:24:42.97 ID:kwIi/Pq/0
-----------------------プロローグ完------------------------
-------------------------以下本編--------------------------
413 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage saga]:2021/05/07(金) 20:25:49.58 ID:kwIi/Pq/0
あれから10年…
僕は魔女に引き取られ
魔法の修行をする事になった
そして今日が約束の日
僕は魔女からの課題を終わって
パパとママを探す旅に出る
414 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage saga]:2021/05/07(金) 20:26:46.08 ID:kwIi/Pq/0
『光の国シン・リーン_古代遺跡』
ガヤガヤ
僕「魔女は何処に居るの?」
研究員「魔女様は下層で壁画を書いて居られる…邪魔をせん様にな?」
僕「うん…」テクテク
ヒソヒソ
見ろよ特待生が来た
ダメよ聞こえるわ
また魔女様にゴマすりを…
ヒソヒソ
僕「…」---まる聞こえなんだよ---
僕「…」---ゴマすりなんかした事ないさ---
ヌリヌリ ヌリヌリ
魔女「未来か…来ると思うて居った…行くのじゃな?」
僕「うん…」
魔女「約束じゃ…行って構わぬ」
僕「ありがとう…」
魔女「じゃがな?必ず戻って来るのじゃ…主はまだ最後まで修行を終えて居らぬ」
僕「うん…分かってるよ」
魔女「蟲使いの術はわらわよりも上じゃで旅に苦労する事は無いとは思うが…時空を極めん内は半人前じゃと心せい」
僕「魔女はパパとママの事を壁画にしてるの?」
魔女「書き始めたばかりじゃがな?後世に残さねばならぬ」
僕「ねぇ魔女?ここの壁画の事なんだけど…勇者の他にもう一人どの壁画にも出て来る人が居るの気付いてた?」
魔女「うむ…」
僕「ママ…だよね」
魔女「そうじゃな…手にして居るのは虫じゃ…丸い物は爆弾じゃろうな」
僕「何処に行けばパパとママに会えるかな?」
魔女「さぁのぅ…じゃが量子転移はイカンぞ?」
僕「分かってるさ…只パパとママが残した物を探したいだけだよ」
魔女「それで良い…情報屋を覚えて居るな?」
僕「うん」
魔女「シャ・バクダで未だ遺跡の探索をして居る筈じゃ…訪ねて見ると良い」
僕「分かった…森を抜けて行くよ」
魔女「エルフ達に会うたらよろしくな?」
僕「うん…今までありがとう魔女…いや師匠」
魔女「魔女で良い…むず痒いわ…達者でのぅ」ヌリヌリ
415 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage saga]:2021/05/07(金) 20:27:37.95 ID:kwIi/Pq/0
『シン・リーン城下』
ワイワイ ガヤガヤ
ねぇ大きなウルフ連れてる人が…
おぉありゃ多分獣使いだろ
雑貨屋「へい!!らっしゃい…何がご入用で?」
僕「この種いくら?」
雑貨屋「一袋5銅貨だよ!!買ってくかい?」
僕「おっけ!!じゃぁこれとコレ!!」チャリーン
雑貨屋「毎度!!いやぁしかし立派なウルフを手なずけたもんだね」
僕「僕の友達さ」
雑貨屋「乗れるのかい?」
僕「友達に乗ったりなんかしないよ」
雑貨屋「ハハ野暮な事聞いたね」
僕「ありがとね!!」ノシ
雑貨屋「またよろしくな〜」
416 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage saga]:2021/05/07(金) 20:28:20.85 ID:kwIi/Pq/0
『ルイーダの酒場』
ガヤガヤ ガヤガヤ
戦士は居ないのか〜
前衛職募集中!!
受付「ようこそ冒険者ギルドへ!!もう登録はお済みですか?」
僕「え…登録?」
受付「はい!!登録して頂ければお仲間の斡旋ができますよ?」
僕「えーと…」
受付「見た所…獣使いさんでよろしいですか?」
僕「違うよ…僕は…そうだ剣士だよ」
受付「へぇ?ウルフを連れた剣士様は珍しいですね」
剣士「僕はこの刀が武器なんだ」スラーン ピカー
受付「おっとっと…ここで武器は抜かないで下さいね」
剣士「ゴメン!!」スチャ
受付「今前衛職は大人気なので直ぐにお仲間が見つかりますよ?」
剣士「ハハそうなんだ」
受付「では剣士さんで登録しておきますね?」
剣士「森を抜けてシャ・バクダまで行きたいんだけどさ…」
受付「ええ!?それは超上級者パーティになりますね…それだとお仲間が見つからないです」
剣士「そっか…まぁ良いや」
受付「お仲間が見つかるまで酒場で噂話でも聞いてみてはいかがですか?」
剣士「そうだね…ありがとう」
417 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage saga]:2021/05/07(金) 20:29:18.08 ID:kwIi/Pq/0
『酒場』
ワイワイ ガヤガヤ
剣士「ウルフどう思う?ここで仲間探しても足手まといになるだけかな?」ヒソ
ウルフ(私と2人で十分)ガルル
剣士「一人でシャ・バクダに行った事が無いから不安なだけなんだよね」ヒソ
ウルフ(大丈夫よ私が案内してあげる)グルル
剣士「そうじゃなくてシャ・バクダでどう行動するかっていうのがさ」ヒソ
ハンター「君きみ!!君は前衛職だよね?」
剣士「僕?」
ハンター「さっき話を聞いて居たんだ…僕達のパーティーに加わらないかい?」
魔法使い「ねぇ大丈夫〜?なんか布の服着てるんだけどさぁ」ジロジロ
僧侶「回復ならお任せください」ズイ
剣士「ああ…困ったな…僕は森を抜けてシャ・バクダに行きたいんだ」
ハンター「え!!スプリガン狩りだね?」
剣士「んんんー狩りはまぁ置いておいて…シャ・バクダを案内出来る人を探してるんだ」
魔法使い「…ちょっとこの人隕石の落下地点通過する気なの?ムリムリ」ヒソ
剣士「…ハハまぁそうだよね」
魔法使い「あら?耳が良いのね?御免あそばせ…」
ハンター「どうして又シャ・バクダなんかに?」
剣士「探している人が居てね…シャ・バクダに居るんだよ」
ハンター「僕達の目的を話しておこうかな…僕達はね…」
南にハジ・マリ聖堂が有るのは知って居るよね?
その東に人食い族のグールが巣喰って居るんだけど
その奥に手つかずの遺跡があるらしいんだよ
どうもシン・リーン王家が立ち入り禁止にしているんだけど
そこから帰って来た人によると遺跡にはミイラが沢山眠って居るんだってさ
418 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage saga]:2021/05/07(金) 20:30:14.48 ID:kwIi/Pq/0
ハンター「お宝の匂いがするよね?でも僕達には前衛職が居ないからグールと戦うのに安定しない」
剣士「ほーん…」
魔法使い「ほーんってあなたねぇ!!興味湧かない訳?」
剣士「僕とは行き先が違うっていう事でしょ?」
ハンター「まぁまぁそう言わずに…付き合って見ないかい?」
剣士「僕に利が無いんだよ」
魔法使い「ああああムカツク!!もう他当たろうよ…この人軽装だしさぁ」
剣士「僕もそうした方が良いと思うな…ハハ」
ハンター「はぁぁぁ何千年も昔のミイラが眠ってるなんて浪漫だと思うんだけどなぁ…」
剣士「何千年…」
---まさかパパとママが眠ってるって事は無いよね---
---いやでももしそうだとしたら荒らされるのは困るな---
---情報屋に急いで会う必要も無いかぁ---
剣士「ええと…条件出しても良いかな?」
ハンター「お!?」
剣士「遺跡の事も僕の事も口外しない…それでどう?」
ハンター「それなら飲める…でもどうして君の事を口外しない事が必要なの?」
剣士「うーん…皆が怖がるからかな」
魔法使い「あなたを?アハハ笑わせるじゃない」
剣士「秘密が守れるなら付き合っても良いよ」
ハンター「分かったよ!!皆良いね?」
魔法使い「お手並み拝見させてもらってからね!フン!!」
僧侶「分かりました…」ニコ
ハンター「よし!!これで人数揃った!!馬車を手配してくるから魔法使いは剣士を宿屋に案内しておいて」
魔法使い「はいはい…こっちよ!!さっさと付いて来て」スタ
剣士「ハハ嫌われたみたいだなぁ…」
僧侶「大丈夫なのです」
---剣士、ハンター、魔法使い、僧侶が仲間になった---
419 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage saga]:2021/05/07(金) 20:31:17.99 ID:kwIi/Pq/0
『宿屋』
ガチャリ バタン
魔法使い「そっちのベットがあなた…こっちが私達ね」
剣士「相部屋なんだ」
僧侶「稼ぎが少ないのでしょうがないのですぅ」
剣士「魔法使いはどんな魔法を使うのかな?」
魔法使い「あなたに魔法が分かるの?」
剣士「まぁね…」
魔法使い「私はエレメンタル4種と光よ…王道ね」
剣士「エレメンタルかぁ…」
魔法使い「何よ偉そうに!む…もしかしてあなたは魔法も使うタイプの剣士なの?」
剣士「そうだよ」
魔法使い「じゃぁどうして魔法剣士って登録して居ないの!?」
剣士「剣士に思い入れがあってね」
僧侶「どんな魔法を使うのですか?」
剣士「主に幻術さ…蟲を使うのが得意」
魔法使い「ええ!!?幻術って高位魔法じゃない!!そんなウソに騙されないわよ」
剣士「僕の事は秘密…守れるかな?」
魔法使い「なら見せてみてよ!!」
剣士「見せびらかす魔法じゃないよ…あー簡単な奴なら良いかな…君達の毒を治してあげるよ」
魔法使い「毒になんか掛かって居ないわ」
剣士「体の調子良くなるから言う事聞いて…線虫!」ニョロリ
ザワザワ ニョロリ
魔法使い「わわわ…こ…この虫って」
剣士「怖くないよ…君の体の毒を食べてくれる…肌もすべすべになるよ」
ニョロニョロ
420 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage saga]:2021/05/07(金) 20:32:40.88 ID:kwIi/Pq/0
魔法使い「嫌ぁぁぁ…体に入って…やべてぇぇぇ」ガクブル
僧侶「こここ…これは放って置いて良いのでしゅか?」ブルブル
剣士「ほらね?僕を怖がってしまうでしょ?」
魔法使い「あなた!!よくもレディーの体に気持ちの悪い虫を…」ゾワワ
剣士「大丈夫だよ…その蟲は何も悪い事はしないから」
魔法使い「どこでこの魔法を覚えた訳?」
剣士「それも秘密」
魔法使い「無詠唱で蟲を使うのね?…あなた何者?」
剣士「ごめんそれも秘密だよ」
僧侶「びっくりしました…高位魔術師だったのでしゅね」
剣士「君は光魔法だけかい?」
僧侶「光と変性です…闇も少しだけ使えます」
剣士「変性も高位魔法じゃないか…」
魔法使い「良く知って居るのね?」
剣士「変性も使えるんだよ…一通りね」
魔法使い「ちょっとアナタ!!もしかして塔の魔女の…」
剣士「それも秘密さ」
魔法使い「分かったわあなたの正体が…その格好も変性で変えて居るのね?」
剣士「変えて居ないよ」
魔法使い「ウソ!!信じられない」
僧侶「魔法使いさん…もし塔の魔女さまのお弟子さんだったら大変失礼な事を言っていますよ?」
魔法使い「う…そうね…悪かったわ」
剣士「僕が誰かなんてどうでも良いよ…無事に皆で遺跡の探索が出来れば良いよね」
魔法使い「まぁそうね…疑って悪かったわ」
剣士「なんか君たちと居ると楽しいなぁ」
魔法使い「それはどーも」プイ
剣士「そろそろ体の調子良くなって来たんじゃないかな?」
僧侶「そうですね…心なしか体が軽いです」
魔法使い「この蟲はずっと私達の体の中に?」
剣士「毒が無くなったら死んで排出されるから心配しないで」
魔法使い「ふ〜ん…蟲使いなんて初めて見たけど興味出て来た」
剣士「君も勉強する?」
魔法使い「読み飛ばしてた魔術書をもう一回読んでみる」
剣士「君が悪い人じゃ無いって信頼できるようになったら教えてあげるよ」
魔法使い「今晩私と一緒に寝る〜?」
剣士「だめだめ…そういうのダメ」
魔法使い「冗談よ!!今日会ったばっかりである訳無い無い!!」
剣士「さて…ちょっと横になろうかな」
僧侶「どうぞごゆっくり」
---------------
421 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage saga]:2021/05/07(金) 20:33:54.87 ID:kwIi/Pq/0
魔法使い「あなた…持ち物はその荷袋だけ?」
剣士「ん?そうだよ?変かな?」
僧侶「何が入って居るのですか?」
剣士「見る?はい…」
僧侶「木の実にキノコ…これは何かの種ですね…それから動物の角と骨」
魔法使い「…これだけで森を抜けようとしてたの?」ピキ
剣士「十分だよ」
魔法使い「装備品は?」
剣士「あぁ僕に重たい装備品は要らないんだ…一応骨で作った簡単な防具は付けてるよ…ホラ?」
魔法使い「ボーンキチンね…随分軽装だこと」
剣士「全部エンチャントしてあるんだ…これで十分さ」
僧侶「もしかしてエンチャントも使えるのでしゅか?」
剣士「秘密だよ?シーー」
魔法使い「驚いた…あなたやっぱり只者じゃない」
剣士「シーーーだよ?シーーー」
ガチャリ バタン
ハンター「聞いて聞いて!!馬車の手配出来たよ」
魔法使い「輸送?」
ハンター「そうそう!ハジ・マリ聖堂まで荷物を輸送して向こうで報酬受け取る…いつもの奴」
魔法使い「前金は足りた?」
ハンター「担保で僕たちの馬を預ける事になった…だから馬車1台で移動だよ」
僧侶「じゃぁ帰りも荷物運搬でしゅね」
ハンター「そこは上手くやろう…もう馬車の荷入れが終わってるらしいから直ぐに行くけど良いかな?」
魔法使い「ええ!?今!?」
ハンター「ほらほら!!宿屋でゴロゴロしてるくらいなら外に出よう!!」
魔法使い「もう!!準備するから先に行ってて」バタバタ
ハンター「剣士!?急で申し訳ないけどもう移動するよ…来て」
剣士「ハハ…僕はいつでも構わないさ」
ハンター「そのウルフは馬車に乗せられないけど良いよね?」
剣士「うん大丈夫…ウルフは自分で行動するから人数に数えなくて良い」
ハンター「そうか…じゃぁ早速行こう」タッタ
422 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage saga]:2021/05/07(金) 20:34:36.66 ID:kwIi/Pq/0
『荷馬車』
ゴソゴソ
管理人「…ほいこれが書簡…向こうの馬宿に到着したら渡せば良い…まぁ分かるな?」
ハンター「大丈夫だよいつもありがとう」
管理人「道中コボルドが出たという報告があるから気を付けるんだな」
ハンター「こっちには魔法使いが居るから安全に運べるよ」
管理人「なら良い…気を付けて行ってきー」スタスタ
ハンター「魔法使いと僧侶は遅いなぁ…」
剣士「こっちに向かって来ている様だよ」
ハンター「ん?どうして分かる」
剣士「僕は鼻が利くんだ」
ハンター「へぇ?僕も結構利く方なんだけどな…」
剣士「君は…見た感じ射手かな?」
ハンター「自己紹介して居なかったね…僕はトレジャーハンターで主に罠と鍵開け専門なんだよ…一応弓と短剣も使う」
剣士「盗賊タイプなんだ」
ハンター「盗みはやらない…お宝ハンターさ」
剣士「だから前衛職が欲しかったんだね」
ハンター「僕一人で魔法使いと僧侶を守りながら戦うのは安定がしなくてね…君に期待してる」
剣士「分かって来た…僕が引き付け役で君と魔法使いが殲滅役なんだね?」
ハンター「そうなる…ところで剣士?君は馭者をやった事有る?」
剣士「無いけど馬と話すことは出来るよ」
ハンター「話す?」
剣士「話せば言う事聞かせられるかも」
ハンター「へぇ…すごい特技だね…君が馭者を出来るなら僕が周囲の警戒が出来るんだ」
剣士「話してみるよ…」
タッタッタ
423 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage saga]:2021/05/07(金) 20:35:23.47 ID:kwIi/Pq/0
魔法使い「はぁはぁ…ハンター荷物持ってよ!」
ハンター「あららら又いっぱい荷物背負って…」ピョン
僧侶「ごめんなさい整理が出来なくてですね…」
ハンター「まぁ良いからそのまま荷室に乗って」グイ
魔法使い「寒くならない様にと思って毛皮持ってきたら重いのなんの…よいしょー」ドサ
ハンター「よし!乗った乗ったぁ!!」
ヒヒ〜ン ブルル
ハンター「剣士!馭者出来そう?」
剣士「大丈夫だけど夕暮れ前に水が飲みたいってさ…水ある?」
ハンター「道なりに行ったら馬の休憩場所があるんだ…今日はそこでキャンプする」
剣士「おっけ!!じゃぁ出発するよ…ゴー!!」
ガラゴロ ガラゴロ
424 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage saga]:2021/05/07(金) 20:36:08.16 ID:kwIi/Pq/0
『2時間後』
ハンター「けっこう馬車出てるなぁ…」
魔法使い「良いじゃないキャンプが安全で」
ハンター「夏の間はソリ引けないから台数でまかなってるんだな…」
僧侶「ソリの方が早くてラクでした」
魔法使い「この揺れが腰に来る…あつつ…ちょっと見張り変わってよ!」
ハンター「ゴメンゴメン変わるよ」
魔法使い「ふぅぅ…お隣失礼!!」シュタ
剣士「落ちないでね?」
魔法使い「あなた手綱持たないで馭者してるの?」
剣士「馬が引っ張らないでって言うからさ」
魔法使い「馬と話せる魔法なんかあったっけ?」
剣士「ハハまぁ良いじゃ無いか」
魔法使い「ハンター!!聞いた?この人ガチ魔法剣士だよ」
ハンター「ええ!?そうだったの?」
魔法使い「しかもエンチャンター…超上級者なんだけど報酬吊り合うの?」
剣士「僕は報酬はアテにして居ないよ」
魔法使い「じゃぁ何?」
剣士「ちょっと興味が出たんだ…何千年も昔のミイラにね」
ハンター「おぉぉやっぱりそうだよね…お宝の匂いがプンプンするんだよ」
剣士「みんなはお宝目当てなんだ?」
魔法使い「まぁね?」
ハンター「船を買って南の大陸に帰りたいんだよ」
剣士「南の大陸かぁ…僕もそこで生まれたんだ」
魔法使い「ええ!!?同じじゃない…私達は火山の噴火で疎開して北の大陸に来たの」
剣士「へぇ…僕も同じような感じさ…理由があって親元から離れた」
僧侶「噂だと噴火は大分収まったそうです」
---もう何年もビッグママに会って居ないなぁ---
---千里眼で探しても見つけられない---
---元気にしてるだろうか---
425 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage saga]:2021/05/07(金) 20:36:56.10 ID:kwIi/Pq/0
魔法使い「…ってあなた聞いてる?」
剣士「あ…僕?ゴメン考え事してた」
魔法使い「だから生まれ故郷!!何処なのか聞いて居るの!!」
剣士「あぁ…名も無き島だよ…多分みんな知らないと思う」
ハンター「聞いた事無いな…どこだろう?」
剣士「ドワーフの国の方だよ」
魔法使い「なるほど…ということはあなたはハーフドワーフ?」
剣士「んんん…良く分からない…てかちょっと待って…僕の事は秘密だよ」
ハンター「おっとぉ!!もう良いでしょ…南の大陸の仲間同士なんだから」
僧侶「どうしてそんなに秘密にするのでしゅか?」
剣士「ごめんね…それも秘密なんだ」---魔女からの言いつけなんだよ---
---力の見せ過ぎは君たちに危険が及ぶ---
魔法使い「ねぇハンター?後ろに居る馬に乗った2人…さっきからずっと付けて来てない?」
ハンター「君もそう思うか…もう少し様子見よう」
剣士「…」---ほらね?---
---しまったなぁ…刀抜いたのがマズかったなぁ---
426 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage saga]:2021/05/07(金) 20:37:43.21 ID:kwIi/Pq/0
『野営地』
ヒヒ〜ン ブルル
ハンター「今日はここでキャンプだ…僧侶は水汲んできて」
僧侶「あいあいさー」
ハンター「魔法使いはキャンプ焚いてくれるかな?」
魔法使い「うん…あの2人通り過ぎて行ったね…気のせいだった様ね」
ハンター「戻って来なければ良いけどね…あの身なりは山賊だよ」
魔法使い「他にもキャンプしてるパーティ要るじゃない…」
ハンター「何も起こらなきゃ良いけどね…まぁ一応用心しておこう」
剣士「…」ウメウメ
ハンター「剣士は何を?」
剣士「種を植えてるんだ」
ハンター「どうして又…種?」
剣士「ホラ夜は安心して眠りたいよね?だから簡単な魔方陣組んでるんだ」ウメウメ
魔法使い「退魔の方陣ね?触媒に種?」
剣士「まぁ虫除けだよ…蚊が多いからさ…成長魔法!」シュルリ
ハンター「ハハ雑草と見分けが付かない」
剣士「方陣の中なら蚊に刺されないから安心して」
魔法使い「へぇ〜それ助かる!私にも出来るかな?」
剣士「方陣は誰でも出来るさ…覚えておきなよ」
427 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage saga]:2021/05/07(金) 20:38:50.38 ID:kwIi/Pq/0
『夜』
メラメラ パチ
魔法使い「じゃぁ先に馬車で寝るから見張りを交代するときに起こして」
ハンター「うん…いつも通り」
魔法使い「でも本当に虫が寄らなくて快適」
僧侶「そうですね…さすが虫使いです」
ハンター「剣士が持ってる種はこういう目的で沢山持って居るのかい?」
剣士「うん…他にもいろいろ使えるんだよ…成長させて食べるとか」
ハンター「なるほど…食料に困らないのか」
剣士「見張りは僕がやるから横になって居ても良いよ」
ハンター「なんか悪いなぁ…」
剣士「僕のウルフも近くで見張ってくれているんだ…何かあったら吠えるから大丈夫」
ハンター「遠くで聞こえる遠吠えは?」
剣士「気にしなくて良い…あれはウルフ仲間の合図だから」
ハンター「君はすごい旅慣れて居るんだね…君が仲間で良かった」
剣士「ハハありがとう」
ハンター「じゃぁ言葉に甘えて横になるよ」
----------------
----------------
----------------
ヒソヒソ ヒソヒソ
なんだってこんなに虫が多いんだよ
だめだぁ毒消し持って無ぇか?
何に刺された?
分からん…しびれて手が動かん
ちぃぃ戻るぞ…今日は止めだ
ツイて無ぇな…あの刀は相当高く売れそうだったのによ
どっちにしても多勢に無勢だムリはし無ぇ方が良い
しゃぁ無ぇ他探す…ぬぁぁなんだこの子虫は!!
行くぞ行くぞ
ヒソヒソ ヒソヒソ
----------------
----------------
----------------
メラメラ パチ
剣士「フフ…」ニヤ
剣士「さて…僕もちょっと寝ようかな…ウルフ後は頼んだよ」スヤ
428 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage saga]:2021/05/07(金) 20:39:32.71 ID:kwIi/Pq/0
『早朝』
ブルル モシャモシャ
剣士「美味しいかい?」
荷馬(激ウマ…この草に付いてる虫が超旨い)ブルル ガフガフ
魔法使い「ふぁ〜ぁ…あれ?」ガバ
剣士「しーーーーっ」
魔法使い「もう朝?ハンターは?」
剣士「寝てるよ…彼は結構疲れて居るみたいだ」
魔法使い「あなたは?」
剣士「僕は気にしなくて大丈夫」
魔法使い「…この布は何?あなたでしょ?作ったの…」
剣士「ハンモックだよ…馬車で揺られるのが辛いならそこで横になると良い」
魔法使い「考えたわね?」
剣士「足も延ばせるから座って居るより快適さ」
僧侶「むにゃむにゃ…」
剣士「まだキャンプの火が残ってる…何か焼こうかい?」
魔法使い「あ…ハーブ持って来てたんだったコレ焚いて」パサ
剣士「目覚め草か…イイね…これは錬金術用かな?」
魔法使い「フン!知ってるクセに…」
剣士「錬金術はあんまり得意じゃないんだ…」
魔法使い「おしゃべりは良いから早く焚いて!」
剣士「ゴメンゴメン…君は意外と面倒見が良さそうだね」ポイ モクモク
魔法使い「ウルさいわね…ちょっと出来るからと言って良い気にならないで」
剣士「あらら気を悪くさせちゃったか…さて!出発の準備するよ」
僧侶「ううん…」ノビー
ハンター「ハッ!!寝過ごした…」ガバッ
剣士「大丈夫だよ…僕が馭者やるからゆっくりしてて良いよ」
------------------
------------------
------------------
429 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage saga]:2021/05/07(金) 20:40:15.40 ID:kwIi/Pq/0
『数日後_林道』
ガラゴロ ガラゴロ
ハンター「見えた!!ハジ・マリ聖堂は来た事あるよね?」
剣士「うん…良い思い出は無いけど」
魔法使い「あなたもここの時限の門で修行したの?」
剣士「少しだけ…」
僧侶「同じですね」
ハンター「この二人は修行がきつくて逃げて来たんだってさ」
剣士「ハハ…」---まぁ普通はそうだ…自分と殺し合いなんか普通じゃ出来ない---
魔法使い「もう二度と行きたくない!!」
ハンター「聖堂は近寄らないよ…さて今日は宿に泊まれるかな…」
僧侶「ベッドで休みたいですぅ」
ハンター「先に降ろすから宿の確保お願いするよ」
僧侶「任せて下さい!」ズイ
魔法使い「でも珍しく何事も無く輸送が済みそう…コボルトもアラクネーも出なかったね」
ハンター「剣士の連れてるウルフのお陰かもね」
剣士「無事で良かったじゃない」
魔法使い「そうだ!!魔術書にこういう事をスロヘト効果って書いてあった…あなた知ってる?」
剣士「さぁ?覚えて無いなぁ…」
ハンター「どういう効果?」
魔法使い「魔除けの一種よ?条件が分からないけれど…」
ハンター「普段の行いが良いとか?」
僧侶「そうかも知れないでしゅね」
アオーーーーーン アオーーーーーン
剣士「む!何か居る…何処だ」クンクン キョロ
ハンター「え!!?」ガバ
魔法使い「見て!!ハジ・マリ街道の墓地…あれはゾンビね…どうしてゾンビが?」
剣士「…」---ゾンビか…蟲で追い払えないな---
ハンター「マズいね…銀の武器なんか持って居ないよ」
僧侶「魔法師が魔法を撃ち始めたです…大丈夫ですかね?」
魔法使い「火炎で燃やしては居るけどなかなか倒れない様ね…」
ハンター「銀の武器なら一発らしいんだけどね」
剣士「どこかに死霊術師が居るかもしれないから気を付けよう」
ハンター「そうだね…皆気を付けて」
剣士「…」---ゾンビ化…広がらなきゃ良いけど---
430 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage saga]:2021/05/07(金) 20:41:01.00 ID:kwIi/Pq/0
『馬宿』
ブルル ヒヒ〜ン
ハンター「僕は積み荷の引き渡しやって来るから皆先に宿屋に行ってッて」
魔法使い「私の荷物は…」
剣士「僕が持つから君たちは宿に行って」ヨッコラ
魔法使い「そうよね!?男はそうじゃ無きゃね!!僧侶行くよ!!」タッタ
僧侶「あぁ待って下さい」タッタ
ハンター「僕の大変さ分かってくれたかな?」
剣士「まぁね…でもそんなに重たく無いから大丈夫」ヨッコラ ヨッコラ
ハンター「急いで追いかけるから気を付けて行って」
剣士「大丈夫さ!」
『宿屋前』
ザワザワ ザワザワ
又出ただか
何も悪させんが気持ち悪いのぅ
ありゃ何年か前に死んだセントラル兵だな
そこら中に埋まっとるもんで…
ザワザワ ザワザワ
旅人「ここは魔物が多くて安心出来ないなぁ…」
町人「そんな事無いぞ?魔法師が居るから安全だよ」
旅人「ゴブリンにコボルド…アラクネー、ウルフ、グールにゾンビ…まだオークまで居るらしいじゃ無いか」
町人「俺達も戦えるから安心して下せぇ!!」
剣士「…」---オーク?どうして北の大陸に---
魔法使い「剣士!!こっちこっち!!大部屋が空いてた」
剣士「あぁ良かったね」
僧侶「2階なので荷物半分持ちます」
剣士「うん助かる」
ザワザワ ザワザワ
あらららゾンビは倒れてもまだ動きよる
焼いて骨だけになっても動くそうよ?
スケルトンかいな
ザワザワ ザワザワ
431 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage saga]:2021/05/07(金) 20:42:10.50 ID:kwIi/Pq/0
『宿屋』
ガチャリ バタン
剣士「ふぅ…随分外がザワ付いてるね」
魔法使い「聞いた?オークが居るって…どうして」
僧侶「すこし情報集めた方が良さそうです」
魔法使い「私達少し酒場の方に行って来るから剣士は留守番!荷物盗まれない様に見てて」
剣士「あ…僕も買い物に行きたかったなぁ…」ボソ
僧侶「何が欲しいですか?」
剣士「まぁ良いや…後で行くから」
魔法使い「帰って来るまで待ってて…じゃぁ行って来る!僧侶おいで!」タッタ
僧侶「ゴメンですぅ」タッタ
ガチャリ バタン
剣士「はぁ…クロスボウ無いか見たかったなぁ」
剣士「ん?なんだアレ…天井に傷がある…なんであんな所に傷がつくんだ?」ゴソゴソ
---あれ?この天井おかしな---
---テーブル…テーブル---
ゴトリ
剣士「お!?外れた…え?何コレ…天井に隠し部屋があるや」ピョン シュタ
---おぉぉぉスゴイ何だここ!!---
---窓から見晴らしが良い---
---でもスゴイ埃だなぁ---
コロンコロン
剣士「何か蹴とばした…何だろ」
剣士「おぉ!!牙…いやこれアラクネーの牙だ…え!?良く見たら金属糸もある」ゴソゴソ
剣士「アハハ宝の山だ!!…この金属片は…え!!?なんでミスリル銀がある?」
剣士「ちょちょちょ…」ゴソゴソ
コロンコロン
剣士「また…何蹴とばしたんだろう…これか」
剣士「ハッ!!爆弾…これママの爆弾だ!!そうかここはママの隠れ家だ」
ドタドタ バタバタ
剣士「いつの物だろう…埃の被り方からして相当前だ…他に何か無いか!?」ゴソゴソ
剣士「有った!!ママが使ってたミスリルナイフ…装飾が…間違いない!ぅぅぅぅ…ママ」プルプル
剣士「もっと…もっと他に…」ゴソゴソ
----------------
----------------
----------------
432 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage saga]:2021/05/07(金) 20:42:53.08 ID:kwIi/Pq/0
こんな所に隠れて何をしていたんだろう
パパも一緒に居たのかな
やっと一つママを感じられる物が見つかった
そうだ…このナイフでアラクネーの牙を加工したんだ
このボーンハンドルを握って…こんな感じで…
ママが道具を置いて行くなんて…きっと何か有ったんだよね
剣士「このナイフは僕の宝物だ…絶対無くさない様にしよう」
ガチャリ バタン
ハンター「あれ?誰も居ない…何処行った?」
剣士「あ…上に居るよ」
ハンター「剣士?上?…え?これどういう事?」
剣士「屋根裏に部屋が有ってね…面白そうだから見ていたんだ」
ハンター「魔法使いと僧侶は?」
剣士「酒場に行くと言って出て行ったよ」
ハンター「又か…困った2人だ…屋根裏は面白いかい?」
剣士「埃まみれだけど…気に入った…今日は僕ここで寝る」
ハンター「そうかい…さてどうするかなぁあの2人…」
剣士「僕は留守番で良いから君も酒場に行っておいでよ」
ハンター「酒場は2人に任せて予備の矢を買いに行こうかな…」
剣士「あ…それならもしクロスボウが有ったら欲しいんだ」
ハンター「気にしておくよ…どんなのが良いのかな?」
剣士「ヘビークロスボウ…出来るだけ硬いやつ…」
ハンター「お金は有る?」
剣士「うん…足りるかな?」ジャラリ
ハンター「まぁ見て見るよ…留守番頼むね」
433 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage saga]:2021/05/07(金) 20:43:36.12 ID:kwIi/Pq/0
『屋根裏』
ゴソゴソ ゴソゴソ
剣士「もう何も見つからないかぁ…でも偶然でもこの宿屋に来て良かったぁ…」
剣士「こんなにワクワクしたの初めてだ」
剣士「ママの事だからきっとこの窓からクロスボウで狙撃してたんだ…ここからだと良く見える」
剣士「あ!!ハンターが帰って来る…やった!!クロスボウ有ったんだ…今日は寝れないなぁフフ」
ガチャリ バタン
ハンター「剣士!!大収穫!!降りて来て!!」
剣士「上から見てたよ…クロスボウ有ったんだね?」
ハンター「この辺りは昔戦争が有ってその時の戦利品が沢山放置されてるんだって…傷んでるけどすごく安い」
剣士「おぉ!!直すから良いよ」
ハンター「使えそう?これヘビークロスボウだよね?」
剣士「十分!!傷んでるのは木の部分だけだ…丁度良い」
ハンター「良かった…お金が随分余った…返す」ジャラリ
剣士「今から作り直す…これを材料にして僕のショートボウを作りたかったんだ」
ハンター「ショートボウ?」
剣士「ちょっと屋根裏で作業するね…じゃ」ピョン シュタ
ハンター「ハハ…それじゃ僕は2人を探しに酒場に行って来る」ノシ
434 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage saga]:2021/05/07(金) 20:44:44.10 ID:kwIi/Pq/0
『酒場』
ワイワイ ガヤガヤ
店主「いらっしゃいませ…今満席でして立ち飲みになりますが…」
ハンター「いいよ…連れが先に2人来てると思うんだけど…」
店主「そうでしたか…裏にもテーブルがありますので探してみてください」
ハンター「ありがとう…エール一つ貰って行くね…お代は置いとくよ」ジャラリ
店主「ごゆっくり」
ワイワイ ガヤガヤ
どうする?魔物がなぁ…港町まで戻れるんかいな
誰か雇って戻るべ
この辺のハチミツ酒は南の大陸で高級品なのよ?
ワイワイ ガヤガヤ
ハンター「あー見つけた!楽しんでる様だね?」
僧侶「ハンターさん報酬はどうでしたか?」
旅人「なんだよ…連れが居たのかチッ」スゴスゴ
ハンター「微妙だった…3日分の宿泊代にしかならなかったよ」
僧侶「稼ぐ方法を考えませんとねぇ」
ハンター「何か美味い情報は聞けて居ないかな?」
魔法使い「魔物狩りの依頼があるらいいけどシン・リーンに比べて全然ダメ…」
僧侶「この辺の魔物は戦利品が良くないのだそうです」
ハンター「だから魔物が多いのか…あんまり長居出来ないねぇ」
魔法使い「変な噂が聞けたわ?…ひと月くらい前からオークが東の荒野でうろついてるらしいわ」
ハンター「遺跡の方か…」
魔法使い「丁度その頃からグールが居なくなってゾンビが出る様になったらしいの」
旅人「おいおいそりゃ俺のネタだぞ?」
ハンター「詳しく知りたいな」
旅人「ハハーン…遺跡でお宝さがしだな?」
ハンター「良く知って居そうだね?」
旅人「あそこはシン・リーンの所縁のある墓所らしい…グールが住み着いて誰も寄り付かなくなって長い」
ハンター「案内出来る?」
旅人「おいおい…そんな危ねぇ事に首突っ込む気は無ぇぞ」
ハンター「場所だけでも詳しく知りたいなぁ」
435 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage saga]:2021/05/07(金) 20:45:24.98 ID:kwIi/Pq/0
旅人「取引しようじゃ無ぇか…このかわいい僧侶ちゃんをだな…一晩貸せ」
僧侶「またそれでしゅか…」
ハンター「うーん…僧侶次第になるんだけど…」
僧侶「一晩何をするですか?」
旅人「まぁ飲み比べだな?」ウヒヒ
魔法使い「僧侶?…」ヒソヒソ
ハンター「旅人さんはどうしてその墓所に詳しいのかな?」
旅人「鋭い突っ込みだな…まぁこれが俺の仕事な訳よ…要するにシン・リーンから依頼されてる訳だ」
ハンター「え?…」
旅人「墓所の掃除をシン・リーンが冒険者にやらせて居るんだ」
ハンター「なんだそういう事なのか…これはお宝期待出来ないなぁ…」
旅人「いやそうでも無いらしい…御礼がシン・リーンから出るんだってよ…遺跡が隅まで未探索なのも本当だ」
ハンター「なるほどね…遺跡調査がグールのせいでずっと出来て居ないという事か」
旅人「それで…場所が分からんと相当苦労すると思うんだが…どうする?」
僧侶「乗ったです!!」ドヤ
ハンター「だ…大丈夫かい?」タラリ
旅人「良いって言ってるんだ…ガタガタ言うな」
僧侶「飲み比べなら自信があるです」ドヤ
旅人「そりゃどーもウヒヒ…地図持ってるか?詳細な場所書いてやる」
ハンター「あるよ…」パサ
旅人「説明するぞ?良く聞いとけ…」
436 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage saga]:2021/05/07(金) 20:46:52.62 ID:kwIi/Pq/0
此処から東のこの一帯は全部砂岩で出来た荒野だ
ここに書いたのがタワーズロックという大きな断層だ…分かるな?
この断層沿いに北へ回ると右手にアーチ状の大きな岩が見える…暁の門と呼ばれていたらしい
この暁の門から朝日を見るんだが太陽の光が岩塩に反射して遺跡の場所を照らす
ハンター「随分凝った場所なんだね…しかし思ったより遠いな」
旅人「荒野は馬車で行けるんだが…なんせ魔物が多いから気を付けるんだな…真っ先に馬が殺される」
旅人「因みにだが…シン・リーンから伏せられて居る話が合ってな?」
ハンター「聞かせてくれるのかい?」
旅人「ちっと酒代が欲しい訳よ」スリスリ
ハンター「…うーん」
魔法使い「私達もあんまりお金無いの!!これで教えて」チャリン
旅人「ぬぁぁケチいなぁ…後でパフパフな?」
魔法使い「ペッ…」
旅人「まぁ聞け…その墓所は暁の使徒関連なんだとよ…はいパフパフ貰い!!ウヒヒ」
ハンター「暁の使徒?魔法使い知ってるかい?」
魔法使い「初めて聞いた…だからパフパフ無し!!」
旅人「おいおいおい…トップシークレットなんだがな…あんたらにゃ関係無かったか」
ハンター「でもお宝を見つけたら高額取引のネタにはなりそうだ」
旅人「だろ?パフパフ貰い!!」
魔法使い「馬鹿!!何余計な事言ってるのよ!!」ポカ
ハンター「あたっ…口が滑った」
旅人「ようし!!旅の安全を祈って乾杯しようじゃ無ぇか!!」
ワイワイ ガヤガヤ
ドゥルルルン♪
かつての英雄♪赤い瞳の王〜♪えにし森から馬を駆ってやって来た〜♪
来たる来たる〜は♪暁を駆ける使徒達♪その戦いに勝者は居なかった〜♪
437 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage saga]:2021/05/07(金) 20:47:38.19 ID:kwIi/Pq/0
『翌日』
ゴソゴソ ゴソゴソ
小麦と水は十分にある…後はイノシシかシカを狩るのは僕がやる
触媒は有る?…えーと矢はこれくらいで良いか
君が持ってきた毛皮は役に立ちそうだ…それから布とロープ…薪は途中で拾おう
僧侶「おはようございます…むにゃ」
ハンター「起きたね?もう昼過ぎだよ」
僧侶「飲み過ぎたです…」グダー
魔法使い「あの旅人は上手く寝た?」
僧侶「魔法使いさんがくれた睡眠薬がなかなか効かなくてでしゅね…」
魔法使い「悪戯されてない?」
僧侶「分かりません…」
魔法使い「あらら…」
僧侶「下着は履いて居たので多分大丈夫でし」
ハンター「準備は僕達がやっておくから体休めて居て良いよ」
僧侶「屋根裏がうるさくてですね…ふぁ〜あ」
魔法使い「剣士はまだ何か作ってるの?」
僧侶「金属をこする音がうるさいのです…」
ハンター「なんか弓を作るとか言ってたよ」
魔法使い「ちょっと手伝わせない?」
ハンター「いや…無理言って連れて来てる立場だからね」
魔法使い「うーん…上手く付き合わないと居なくなっちゃ困るの私達か…」
ハンター「遊んでる訳じゃ無さそうだし…あとどんな弓を作るのかも少し楽しみなんだ」
出来たぁぁぁ!!
ハンター「お?降りて来そうかな?」
魔法使い「後の小物は私達で用意しておくからハンターは剣士と狩りにでも行って来たら?」
ハンター「そうだね…干し肉作っておきたいね」
魔法使い「宿屋の調理場借りられるか聞いてみる」
ハンター「よし…剣士誘ってちょっと行って来るよ」
438 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage saga]:2021/05/07(金) 20:48:25.40 ID:kwIi/Pq/0
『屋根裏』
ハンター「剣士!!弓出来たみたいだね?」
剣士「うん!!」ギリリ ブン
ハンター「うわ…音がスゴイな…貸してみて」
剣士「君に引けるかな?…はい」
ハンター「へぇ〜〜金属で出来た弓…こんなの初めて見た」
剣士「元がクロスボウだからね」
ハンター「硬っ…ぐぬぬ…良くこんな硬い弦を引けるね」
剣士「試し撃ちしたい」
ハンター「そう言うと思ってさ…狩りに誘いに来たんだ」
剣士「行く行く!!調整もしたい」
ハンター「矢は沢山あるから行こう」
剣士「何を狩るの?」
ハンター「シカかイノシシ…ウサギとか鳥でも良いかな」
剣士「おけおけ!」
ハンター「なんか君…目が輝いてる」
剣士「そう?…でもね弓使うの憧れてたんだぁ〜」ワクワク
ハンター「もしかして初めて?」
剣士「小さい時に少し使ったことがあるくらい」
ハンター「じゃぁ撃ち方も教えないといけないなぁ」
剣士「お願い!!」
ハンター「おけおけ!じゃ行こうか…君の真似してみたw」
剣士「アハハ…」ピョン クルクル シュタ
ハンター「おお!!やる気だ…じゃぁ僕も!!」ピョン クルリン スタ
439 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage saga]:2021/05/07(金) 20:49:08.96 ID:kwIi/Pq/0
『馬車』
ヒヒ〜ン ブルル
僧侶「はぁぁぁこのハンモック…寝心地良いですぅ」ユラー
魔法使い「あの2人弓持って走って行った…」
僧侶「馬車はここに置いたままで良かったですかねぇ?」
魔法使い「う…私が動かさないといけない…」
僧侶「すこし道を開けて置いた方が良いですね」
魔法使い「うん…ちょっと寄せる」グイ
ヒヒ〜ン ガラゴロ
魔法使い「僧侶さ?馬車で荷物番していて貰える?」
僧侶「良いですよ?」
魔法使い「塩とか胡椒とか細かい物仕入れて来る」
僧侶「はい〜私は横になって酔いを覚ましておくです」
魔法使い「じゃ行って来るね」タッタッタ
『夕方』
魔法使い「あ!!あの2人やっと戻って来た!!」
僧侶「うわ…お肉背負ってますね」
ハンター「大漁大漁!!宿屋の調理場は使える?」
魔法使い「うん…それ全部干し肉にするつもり?」
ハンター「うーん…燻製が良いと思う」
剣士「調理場はこっちだね?僕がやっておくよ」
魔法使い「もう解体済みなのね」
ハンター「そうなんだよ…剣士があっという間に解体してさ…残りは全部ウルフの餌だよ」
僧侶「何のお肉ですか?」
ハンター「シカとイノシシ…これでしばらく飢えないで済む」
魔法使い「あら?肉以外に…それは鉄くず?」
ハンター「これね…コボルトが襲って来てさ…戦利品だよ…矢尻に加工するんだ」
ハンター「いやぁそれにしても剣士の弓は反則気味だよ…僕の弓とは威力が違い過ぎる」
魔法使い「あいつ何でも出来るのね…」
ハンター「僕も弓を作ってもらう事にした…それより馬車への荷入れはもう良いのかな?」
魔法使い「終わってる…馬車どうしよう?」
ハンター「早朝に出発したいからここに置かせて貰おうか…僕が見張るよ」
僧侶「それなら安心でしゅね」
魔法使い「じゃぁ私達水浴びしてくるから見張りお願いね…行こ僧侶!」
僧侶「はい〜」
440 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage saga]:2021/05/07(金) 20:49:56.05 ID:kwIi/Pq/0
『屋根裏_夜』
シュッシュッ ギコギコ
魔法使い「剣士…もうそろそろ私達寝るんだけど…」
剣士「ゴメン…もう終わるよ…これで最後!!」ギリリ
魔法使い「それはハンターの弓?」
剣士「うん…アラクネーの牙があったからコンポジットボウに作り替えた」
魔法使い「そんな高価な素材を何処で?」
剣士「ここに落ちてた…他に使い道無いしさ」ギリリ ブン!
魔法使い「あなた多才ね…どうしてそんなに出来るのかしら…」
剣士「僕はね…すごく小さい時から世界中を旅してたんだよ…だからかな?」
魔法使い「細工は誰に教えて貰ったの?」
剣士「僕のママさ…細工師だったんだ」
魔法使い「ママかぁ…私はもう顔も覚えて居ないんだ」
剣士「それは不幸だったね」
魔法使い「20年くらい前の闇の時に亡くなったって」
剣士「そういう人は多いよね」
魔法使い「知ってる?あれからほとんど人口が増えて居ないって…」
剣士「うん…知ってるよ」
魔法使い「こういう話をいつも僧侶とするんだけど…平和になった筈なのにおかしいと思わない?」
剣士「…もう寝ようか」
魔法使い「そうね…眠れなくなるしね…じゃ!お休み」
剣士「お休み…」
僕は何となく知ってる
アダム…
多分停止していない
人類の補完は続いてる…
だから僕は蟲の道を選んだ
441 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage saga]:2021/05/07(金) 20:50:38.14 ID:kwIi/Pq/0
『早朝』
チュン チュン
ハンター「はい乗って!!」
魔法使い「僧侶!先に乗って」グイ
僧侶「ハンモック2つに増えてるですね」
魔法使い「どっち使っても良いよ」
僧侶「こっちにしますー」ヨイショ
剣士「気に入った?」
魔法使い「ちょと寒いのがね…」
剣士「荷馬車の隙間を埋めないとね…」
ハンター「あ…布が在ったね…後で被せるよ」
剣士「じゃぁ出発するよ?」
ハンター「おっけ!!…ハハ剣士の真似してみた」
ヒヒ〜ン ガラゴロガラゴロ
剣士「真っ直ぐ東で良いのかな?」
ハンター「林道沿いを馬車で2日…そこから先が荒野になる」
剣士「おっけ!!…これが本家」
ハンター「ハハハ…あ!!そうだ僕の弓どうなった?」
剣士「荷物に積んであるよ…えーと僧侶のお尻の下だ」
僧侶「え?」キョロ
ハンター「在ったあった…」ギリリ ブン!
剣士「どう?」
ハンター「結構硬いな…でもなんとか引ける」
剣士「ロングボウの方が良かったのかな?」
ハンター「ロングボウは背負うのに邪魔になるからこのくらいで丁度良い」
剣士「素材のアラクネーの牙にエンチャント掛けてあるから後で試してみて」
ハンター「お!!?どんなエンチャント?」
剣士「麻痺毒だね…強さはやってみないと分からない」
魔法使い「やったじゃない?お宝ゲットね」
剣士「ちょちょ…それ売ってお金にするのは無しだよ」
ハンター「大事に使わせてもらうよ…狩りで麻痺毒なんか最高じゃないか」
剣士「うん…そう思う」
--------------
442 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage saga]:2021/05/07(金) 20:51:26.90 ID:kwIi/Pq/0
剣士「コボルトからの戦利品を貸して」
ハンター「え?どうする?」
剣士「それを細工して対ゾンビ用の武器を作る」
ハンター「ガラクタだし好きに使って良いよ」ガラガラ
剣士「あ!丁度良いのがあるな…スピアヘッドだ」
ハンター「矢尻にしようと思って獲って来たんだ」
剣士「よし!変性魔法!」シュワ
魔法使い「え!?」
剣士「んーちょっと質が悪いけどまぁ良いかぁ…」
僧侶「それは銀ですか?」
剣士「うん…元の素材が良ければもう少し純度の高い銀になったんだけどね…不純物が多かったみたい」
ハンター「すごいな…後柄の部分があればそのまま銀の槍になる」
剣士「真っ直ぐな枝があればすぐに作れるよ」
ハンター「僕は槍を使えないんだけど…」
剣士「銀の槍を持つのは魔法使いと僧侶が良いと思う…君は麻痺毒の弓矢で足止め係さ」
魔法使い「私と僧侶でゾンビに止めを?」
剣士「ゾンビは動きが遅いから心臓を刺すのなんか誰にでも出来るよ」
ハンター「君はそんなにゾンビが出て来る想定でいる?」
剣士「うん…ゾンビはね伝染するんだよ…多分沢山出てくると思う」
ハンター「僕の短剣も銀に変えて貰えるかな?」
剣士「良いけど…鉄より強度落ちるけど良い?」
ハンター「また買えば良いし…」
剣士「おっけ!!じゃぁ貸して…変性魔法!」シュワ
-----------------
1389.73 KB
Speed:0.5
[ Aramaki★
クオリティの高いサービスを貴方に
VIPService!]
↑
VIP Service
SS速報VIP
更新
専用ブラウザ
検索
全部
前100
次100
最新50
続きを読む
名前:
E-mail
(省略可)
:
書き込み後にスレをトップに移動しません
特殊変換を無効
本文を赤くします
本文を蒼くします
本文をピンクにします
本文を緑にします
本文を紫にします
256ビットSSL暗号化送信っぽいです
最大6000バイト 最大85行
画像アップロードに対応中!
(http://fsmから始まる
ひらめアップローダ
からの画像URLがサムネイルで表示されるようになります)
スポンサードリンク
Check
Tweet
荒巻@中の人 ★
VIP(Powered By VIP Service)
read.cgi ver 2013/10/12 prev 2011/01/08 (Base By
http://www.toshinari.net/
@Thanks!)
respop.js ver 01.0.4.0 2010/02/10 (by fla@Thanks!)