あなた「空の女王」

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1 : ◆3m7fPOKMbo :2020/11/29(日) 17:35:49.92 ID:r/r3W2ps0
*ラブライブ!ss総合スレより移動してきました
*アニメに出てきそうな人もいますがスクスタ時空です。なのでμ’sもAqoursもいる時空です。


あなた「はは………」

あなた「ははっ……はははっ……」

あなた(失われたものが、多すぎる)

あなた「………二か月、何してたんだろ……」

あなた「なんて無駄な時間を……過ごしてしまったんだろ…」

あなた(めちゃくちゃだ)

あなた「愛ちゃん」

あなた(愛をなくした胸は空っぽだ)

あなた「果林さん」

あなた(甘い果実が実り続けた林は切り倒されて荒れ地だけ)

あなた「栞子ちゃん…」

あなた(栞をどこに挟んだのか分からない、子供のように怯えながらページをめくっても悪夢しか書いてない)

あなた「…しずくちゃんまで」

あなた(しずくのように零れ落ちていくのは、涙じゃなくて、心を埋めた世界のカケラが桜より儚く落ちていく)

あなた「……」

あなた「なんで涙が出ないんだろ」

あなた「ああ、そうか」

あなた「取られたんなら」

あなた「取り返せばいい」

あなた「取り返すんだ」

SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1606638949
2 : ◆3m7fPOKMbo :2020/11/29(日) 17:37:16.22 ID:r/r3W2ps0
あなた「かすみちゃんの為に」

あなた(この世界を覆いつくした悪魔のような霞をすべて切り裂いてきたんだ)

あなた「せつ菜ちゃんの為に」

あなた(永遠より長い時間から切り取られたこの刹那の時間を輝かせてきた)

あなた「エマさんの為に」

あなた(世界を輝きという名の緑色の木々で埋め尽くすために頑張ってきたんだ)

あなた「彼方さんの為に」

あなた(近くから遥か遠く世界の彼方まで、未来の欠片を探し続けてきたんだ)

あなた「璃奈ちゃんの為に」

あなた(この瑠璃色の星で一番輝いた欠片を、天上の王様にだって横取りさせないで、手にしようとして)

あなた「歩夢ちゃんの為に…」

あなた(夢を掲げて歩き続けてきてた…そこから逃げたのはわたしの罪)

あなた(ごきげんよう、空の女王様。よくも私の大切な世界のカケラを滅茶苦茶にしてくれました)

あなた(御礼に)

あなた(あなたの世界の全てごと―――――――――その心を爆殺して差し上げましょう)

あなた(彼女はキラークイーン)

あなた(空の女王様の、心臓を一突きにしてやるさ)
3 : ◆3m7fPOKMbo [sage]:2020/11/29(日) 17:37:46.31 ID:r/r3W2ps0

『人工無能、奇跡を起こす方法は?』
『回答、奇跡と同等かそれ以上の代価を支払う事』
『人工無能、奇跡同然の災厄を起こす方法は?』
『回答……』

『代価なんかなくたって指先一つで出来ますよ』

1/天使のような悪魔


空き教室にて

あなた「……ランジュのライブを見てきた」

エマ「………」

かすみ「そうですか」

あなた「話はあるけど、今じゃない。悪いけど、このロッカーに隠れてて、二人とも」

かすみ「へ?」

エマ「え?」

エマ&かすみロッカーin

あなた「いいって言うまで出てきちゃダメだから」

あなた「……さて、そろそろかな」

かすみ(この中暑い…)

エマ(それにしても何を…)

ガチャっ

せつ菜「……」

彼方「……ふわ」

璃奈「…璃奈ちゃんボード『困惑』」

あなた「ごめんね。かすみちゃんがいないときに話しておきたかったから」

かすみ(…先輩、何を?)

エマ(様子を見よう)

彼方「…うん」
4 : ◆3m7fPOKMbo [sage]:2020/11/29(日) 17:38:37.24 ID:r/r3W2ps0
あなた「正直ね……プロの指導が受けられればレベルアップになる。果林さんがそう思うのはおかしくない」

せつ菜「それは…そうかも知れませんが…」

エマ(…!)

かすみ(どうどう)

あなた「実際、私たちが自主的にやるより上達も速いと思う。しずくちゃんが受けてみたいと思うのだって無理もないし…」

彼方「…やりたいようにやるのがいい、とは思うけど」

あなた「環境とか、指導方法とか、そういう面で見れば…部に行く方がメリットはある。ただ…」

せつ菜「…ただ?」

あなた「監視委員なんかを置いて、他の活動を制限しようとするのは良くない事だと思う。あれ、スクールアイドル同好会だけじゃなくて、いろんな部活にも目を光らせて色々してるみたい」

彼方「ああ、確かに。いろいろな部活でもめてるみたいだね…」

あなた「それで部活を辞めさせられた人、私の周りにもいるからねぇ…」

あなた「それに、バックダンサーはねぇ……確かにレベルアップにつながるだろうとしても、胸を張ってそっちの方がいいって首を縦に振れないんだよねぇ……」

彼方「まあ、どんなペースでやっていきたいかって事だよね」

あなた「うん。果林さんやしずくちゃんはそういった面を天秤にかけたんだと思う。勧誘に来たのだって、良いところもあるって言いたかったんだろうし、しずくちゃんも試してみたいって思ったんだと思う。だから、裏切ったとは思ってないし、裏切り、なんてことはないと思う」

あなた「…つまり、そういう事だよ、かすみちゃん、エマさん」

かすみ「うっ…」ガチャリ

せつ菜「いたの!?」

彼方「…せつ菜ちゃん声でかい…」

あなた「だから、皆も色々考えた方がいいかも…」

かすみ「けど」

あなた「かすみちゃん、もう少し話そうか。みんなも引き留めてごめんね」

あなた「そうだね、辛い…私も」

彼方「…うん、じゃあね」

ガチャリ
5 : ◆3m7fPOKMbo [sage]:2020/11/29(日) 17:39:03.97 ID:r/r3W2ps0

彼方(環境が良い。部長の言うそれも、本音だ。だけど…)

彼方(言葉の奥から、底知れないものを感じてしまった。かすみちゃんだけを残した…)

せつ菜「………私、どうすればいいかわかりません」

璃奈「璃奈ちゃんボード『同感』」

エマ「私たちの元じゃ、ダメなのって思う……」

彼方(そして、何より。なぜ歩夢ちゃんをあの子はこの場に呼んでいない?)

彼方「…枕忘れた…、戻る」

彼方(……かすみちゃんと何を話すの?)

空き教室

あなた「言いたいことは二つ」

あなた「果林さん達は決して裏切ってなんかない。私たちの大切な仲間であって、戦友であってライバル…だから、レベルアップしたい。しずくちゃんはまさしくそんな理由。だから悪く言わないで」

かすみ「そ、それは……」

あなた「そしてもう一つはもう…言葉にしなくてもわかるよね?」

かすみ(あ……)

かすみ(先輩はこれまで、色々な事を乗り越えさせてくれた。そうして乗り越えてきた)

かすみ(それは胸を張って進むから。こうしたいという行動力、それはまさしく、道を切り開き続けた)

かすみ(掴むべき明るい未来へ進むために)

かすみ(だけどその未来を消されてもなお進む、それはどうなる?)

かすみ(答えはたった一つ―――――――でも、だからこそ)

かすみ(この先輩にそんな思いを抱かせた、ランジュを絶対に許さない。きっと先輩は気づいていない、先輩のどす黒い地獄のような気配、天使の顔をした悪魔の笑みに、自分自身で気づかない)

かすみ(地獄の底まで、お供をしよう)

かすみ「かすみん、何をすれば良いですか」

あなた「二つかな」

彼方(ああ、そうか。あの中に眠っている力が。あの羽織ったジャージの向こう側にあるもの、それは)

彼方(全てを厭わず進む足。そのすべてが―――――――災厄と化してしまう、その瞬間だ。私は、それを眺めるしかない。彼女自身が止まるか、或いはすべてを焼き尽くすのか)

彼方(そうだとも、頼りすぎてきたのだ。私たちは)

彼方(せめて最後まで見届けよう、私たちがいた事を残すために)

かすみ「…どこまでやりますか」

あなた「キラークイーンかな」

かすみ(その時に見たこの人の笑みを、心に焼き付けておこうと思った)

かすみ(目には目を、歯には歯を。仇には報復を。そのすべてを示してる)
6 : ◆3m7fPOKMbo [sage]:2020/11/29(日) 17:39:29.88 ID:r/r3W2ps0
翌日 空き教室

あなた「私にいい考えがある」

せつ菜「そのセリフってものすごいフラグにしか聞こえませんが」

璃奈「……璃奈ちゃんボード『同感』」

エマ「考えって…なにがあるの?」

彼方「すやぴ」

歩夢「?」

あなた「ランジュのファンクラブ設立して応援団長してくる」

せつ菜「ええええええええええええええええええええええええええ!!!!」

彼方「せつ菜ちゃんうるさい!」

歩夢「空き教室のガラスにヒビが…」

璃奈「璃奈ちゃんボード『ばたんきゅ〜』」

エマ「ああっ、璃奈ちゃんが!」

あなた「もちろん、理由はある」

あなた「一つは向こうのパフォーマンスとか、演出とかを見て、レベルアップを図るための布石にする。いわば、敵情視察」

せつ菜「なるほど、それなら…」

あなた「とはいっても、皆は皆で頑張ってほしい。だからその仕事は、私がやる。なに、ファンクラブ設立したなら映像データも入手し放題」

歩夢「た、確かに…」

せつ菜「あの……かすみさんは?」

あなた「あー…その、かすみちゃんなんだけどね。この話したら……もう烈火の如く…」

彼方「ああー……(そういう事か、いきなりそんなのしちゃうか…)」

せつ菜「既にフラグ炸裂してたぁー!!!!」

彼方「せつ菜ちゃん、だまれ」璃奈ちゃんボード縦ゴン

せつ菜「璃奈ちゃんボードたてぇっ!?」

彼方(本当に…あのランジュはなんてことをしてくれたんだって百万回言いたい)

彼方(パンドラの箱を開けてしまった)

彼方(彼女の望みは手に入らない。その手で総てを焼き尽くすから)

彼方(総てを犠牲にしてでも、彼女は手に入れたいのだ)
7 : ◆3m7fPOKMbo [sage]:2020/11/29(日) 17:40:40.36 ID:r/r3W2ps0
廊下

しずく(……あれは、かすみさん? 裏切者って言われちゃった…怒ってるよね…)

かすみ「…っ……ぅぅ…」

しずく(泣いてる…?)

かすみ「…なんで、先輩まで……私を……かすみんを裏切らないで……先輩まで、ランジュなんかになびくなんて…私…見捨てられたんだ……先輩に…」フラフラ

しずく「……え」

かすみ「もういいんだ…かすみん、かわいくないんだ……」

かすみ「ステージになんか…もう立たない」

しずく(その言葉は)

しずく(あまりにも深く突き刺さった。なぜなら、かすみさんに負けない為に)

しずく(じゃあ、そのかすみさんが舞台を降りるなんて?)

しずく(私は何のために? 私は何をしたらいい?)

かすみ「…スクールアイドル…辞めよう……」フラフラ

しずく「あ…」

しずく(声をかけなきゃ、やめないでって)

しずく(そうしなきゃ、もう後戻りできなくなる、できなくなる筈なのに)

しずく(足が、縫い留められたように動けない)

かすみ「……」スタスタ

しずく「…ぁ」ぽろぽろ

しずく「……ぅぅっ…ぁぁぁあああああああっん!!!!」ぼろぼろ

かすみ(…ごめんね、しず子)スタスタ

しずく「〜〜〜〜〜〜〜〜〜!!!」声にならない咽び泣き
8 : ◆3m7fPOKMbo [sage]:2020/11/29(日) 17:41:07.92 ID:r/r3W2ps0
スクールアイドル部 部室前

ランジュ「…ん?」

あなた「こんにちは。一つお願いがあって…五秒で良いから」

ランジュ「五秒でも惜しいラ」スタスタ

あなた「ファンクラブの設立を認めてほしいんだけど」

ランジュ「!」ピタっ

ランジュ「本当? でもランジュのファンクラブ、スターのファンクラブたるもの」

あなた「あなたにとって私は不要でも、私たちにとってあなたは必要」にこっ

あなた「そのあたりきっちりばっちりやるので、ご心配なく」

ランジュ「!」ドキッ

ランジュ「しょ、しょうがないわね! 認めてあげる。次のライブはこの日ここでやるから、少し外れになるけど席確保しておくから後で人数教えてね、それなら無問題ラ」

あなた「ありがとう!」パアアアッ

ランジュ「フェイスブックか何か作ったらアドレス教えて。これ、連絡先」

あなた「何から何まで…流石ランジュ様」

ランジュ「それはもちろん、私がスターだから。あ、練習しなくちゃいけないから」

あなた「うん、また。ありがとう」

ランジュ「……少しぐらい、中見ても」

あなた「レッスンの邪魔をするのはファンの鑑に反する行為なので」キリッ

ランジュ「ファンの鏡ラ…」パアアアッ

ガチャリ

あなた「ふぅ……」トテトテ

トイレ

ガチャリ

あなた「うぉぇえええええええ!!!」ビチャビチャ

あなた「反吐が出た」

あなた「さて、まずは……名簿探しかな」

あなた「わしわしMAXモードで行くとしよう」

彼方(わたし達のやりたい事の為に、天使のような最強の存在、それが彼女)

彼方(でも、最強は最凶に通ずる。そうだ、そうだとも、わたし達のやりたい事の為に不可能を可能に変え続けてきた)

彼方(そんな彼女のやりたい事をやる悪魔の所業を、誰が止められる?)

彼方(そんな権利、私たちの誰にもない。これは彼女が選んだ、唯一無二にした選択)
9 : ◆3m7fPOKMbo [sage]:2020/11/29(日) 17:42:12.02 ID:r/r3W2ps0
ランジュ「さて、今日も張り切ってレッスンラ!」

栞子「ええ…」

ランジュ「そういえば、同好会の部長。結構見る目ある人だった」

愛「…?」

果林「?」

ランジュ「みんなに会って行けばって行ったけど、レッスンの邪魔しちゃ悪いからって」

ランジュ「ああいう人は大切にしないと。あんな事言ったのは悪かったかな…」

栞子「……」

栞子(なんだろう、この胸騒ぎ…)

ガチャリ

しずく「……遅くなりました」

栞子「顔色、悪いよ…?」

しずく「やれます」

1/了
10 : ◆3m7fPOKMbo [sage]:2020/11/29(日) 17:43:25.32 ID:r/r3W2ps0
『人工無能、案外東京にもなんか埋まってたりして』
『回答、温泉ならば既に沸いております』
『人工無能、歴史を変えるものは埋まってるかな?』
『回答、かつて満州に埋まっておりました』

『…発見された時には既に終わった後でしたが』


2/大天使の矢


ランジュ「ミア、栞子。見てみて、ほらほら、あんな立派なパネル! ふふっ、皆ランジュの魅力にいちころなんだから。三日でご覧のとおりよ!」

ミア「いいの? あんな事させて? ファンクラブって言うけど」

ランジュ「スターに二言はないっていうのかしラ? 無問題ラ。あんなに飾り付けて…ふふっ、素敵。それに、あれはなんて読むのかしら? まだ日本語の漢字読みは難しいわ」

栞子「『空の女王ランジュ様』ですね」

ランジュ「女王ね、いいじゃない。それに、虹が架かるのは空、この学園で一番素敵な私にぴったりな称号だわ! 気に入った!」

ミア「…ランジュがいいって言うなら、構わないけど…あのさ」

ランジュ「なに?」

ミア「眠いから授業休んでいい? 調子悪くて、三十三曲はきついよ…?」

ランジュ「はあ? ミア、あなたね。あと十七曲必要よ、夕方までに」

ミア「三日間で五十曲はいくらボクでもきつい」

ランジュ「授業休んでもいいからさっさと機材のとこいってきなさい」

栞子「ら、ランジュ。ミアはただでさえ授業中に眠る事も多いのですし、あまり」

ランジュ「一流たるもの、一流でなくてはいけないわ。この程度の試練を乗り越えられないでなにが名門タイラー家の次女かしら」スタスタ

ミア「……」カチン

ミア「…わかった。作るよ……驚かせてやるさ」スタスタ

栞子(それにしても、あのファンクラブの人、どこかで見た事があるよな…)スタスタ
11 : ◆3m7fPOKMbo [sage]:2020/11/29(日) 17:44:22.18 ID:r/r3W2ps0
ファンクラブ1「…うちの部員は、スクールアイドル同好会のステージの方が、輝いてるんだよ。誰かのバックダンサーなんかじゃない、一人一人が主演を、してるんだからね。会長、大道具係特製茂みはどうだい?」

あなた「最高です」ガサゴソ

ファンクラブ2「見事に見えなかったよ。完璧だ」

あなた「演出で使うように頼むための予算をどこからかもぎ取らないと」

ファンクラブ1「生徒会長から隠れる事はないと思うけど」

あなた「いやぁ、会話しちゃうと不味いんで…」

ファンクラブ1「だろうね。しかし、ずいぶんパンチの利いたネーミングだ。空の女王――――――天空の女王と思うだろうね、彼女は。その実は」

あなた「空虚な女王。相反する二つの意味」ゲッツポーズ

ファンクラブ1「君が原案やってくれたらうちの脚本担当がすごい戯曲を作りそうだね」ゲッツポーズ

あなた「その公演見れたら最高です」

ファンクラブ2「ところで今なら弁当もついてくるライブなんてどうだろう?」

あなた「生半可な弁当じゃ心は引きませんよ?」

ファンクラブ2「高級品がついてきますよ、ファンクラブ会長」

あなた「高級そうめんとかいうんじゃないだろうね」

ファンクラブ2「鯛素麺弁当ですよ。祝いの席でも出る立派な料理です」

あなた「結局そうめんじゃないか!」ずぞぞっ ←でも食べる

ファンクラブ3「会長、お疲れ様です」

ファンクラブ4「お腹減りましたよぉ〜」

あなた「や、お疲れお疲れ。鯛素麺弁当だそうで」ずずずっ

ファンクラブ1「見た目も華やかで実に美味しそうだ、首尾はどうだい?」ツルツル

ファンクラブ3「実家にいた頃、よく食べたなぁ…本会員、二十人を越えました」

ファンクラブ4「神聖ローマ帝国研究会ですが、本会員が二人。それ以外のメンバーも協力者に」

あなた「部活丸ごと活動停止になったとこのリストアップは終わったから…あとは外された人から探すか…錦糸卵が出汁を吸って美味しいなこれ…」モグモグ
12 : ◆3m7fPOKMbo [sage]:2020/11/29(日) 17:45:38.16 ID:r/r3W2ps0
ファンクラブ3「運動部のスポーツ留学生枠に声かけてる会員がいます」チュルン

あなた「運動部のスポーツ留学生枠に?」ズズズッ

ファンクラブ4「アジアやアフリカの方はそうでもないですけど、欧米諸国から来てる枠は新理事長が嫌いなようで、揉めてるところ多いんですよ」

ファンクラブ1「……我らが会長も、心を痛めてる話だね、それ」つるつる

ファンクラブ3「噂ですけど…外国人留学生のまとめ役が女王様を煙たがってるとか」

あなた「ほうほう」ずずずっ

ファンクラブ1「たしか、BIG4なんて呼ばれてた人かい? 一昨年あたりに劇の脚本の文化考証をしてもらったという話があるけど」

ファンクラブ3「お金持ちで、企業とかの子女らしいですけど、新理事長の事で学内での存在感がさがったとか。本来は生徒会以外で生徒間のもめごとに乗り出すらしいですよ」

ファンクラブ2「虹ヶ咲学園、留学生が多いのはその父兄が多額の寄付金を出してるからってのもあるらしいよ。お陰で普通の生徒もそういった享受を受けてグローバルな視点ってやつだね。目指せ、そうめんの世界進出」

あなた「よし……そっちの続報を待つか。くれぐれも、慎重に頼むね」ガシッバクッ

あなた「鯛、うまっ!?」

ファンクラブ2「鯛は皆のものですから、独り占めしないでください」

あなた「悪かったって。それじゃ、行ってくる。ごちそうさまでしたっと」

ファンクラブ3「はぁ……かすみちゃん早く復帰しないかなぁ。スイーツ研究会はかすみちゃんのライブを要求する、なんてね」ツルツル

ファンクラブ4「小さな厨房ではパティシエがパン作りも担当するからね。そりゃ刺激にもなるさ」すすー


情報処理学科校舎

あなた「ビジュアル部隊の皆さん、映像の様子はどう?」

情報処理学科生徒1「うん、オッケーオッケー。素材をこうこう切り貼りして…うーん、我ながら良い出来」

あなた「おおう……今の合成ってここまでできるんだ」

情報処理学科生徒2「…こいつを使うのはいつ頃?」

あなた「作戦の準備に時間がかかるからね。まあ、発動までももう少し時間がかかるよ。もう片方は?」

情報処理学科生徒1「そっちは素材がまだまだ。がんばってもらわないと」

あなた「こういうのは地道さが大事だからね。ゆっくりやるさ。それにさっき、面白いやり取りを見たしね」

あなた「それに、ミア・テイラーの曲。私、大好きなんだ」

情報処理学科生徒2「才能の塊だけじゃないよね、引き込まれる世界がある」

あなた「うんうん」

情報処理学科生徒3「璃奈ちゃんを悲しませる奴を地獄に落とす為なら、訳ないよ」

情報処理学科生徒2「ところで、この衣装なんだけど、素材これ使わない? なかなか良いのが…」

あなた「おお、いいねこれ」

情報処理学科3「ええー。私はこっちがいいな…」

あなた「ザッツライト。そのカラーを入れておいて」

あなた「本場仕込みのゼログラビティを見せてやろう」ゲッツポーズ

あなた「それに、それに見合う音楽を手に入れるあても出来るかもね」

こんこん

ファンクラブ4「あ、いたいた」

あなた「やあ。続報?」

ファンクラブ4「いえ。けど、占い研究部が説得に応じてくれて、今日認可が下りました」

あなた「お? すると?」

ファンクラブ4「ノーウェア島の大地が誕生しました。ヒーリング研究会です」
13 : ◆3m7fPOKMbo [sage]:2020/11/29(日) 17:46:34.52 ID:r/r3W2ps0
空き教室

あなた「遅れてごめん」ムーンウォーク

せつ菜「そういえば、気になってるのですが」

あなた「ん?」ゲッツポーズ

せつ菜「留学してる間、ホームシックとか大丈夫でした? 時々メールとかは送ってくれてましたけど」

あなた「え? ああ。いい気分転換があってね」

あなた「皆の参考になるかもって思って、ダンス教えてって頼んだ相手がストリートダンスの人でね」

あなた「おかげでブレイクダンスがすごく上達した」

歩夢「まあ、それは良いとして…かすみちゃんも殆ど連絡取れないし」

あなた「……正直、かすみちゃんに関しては落ち着いてくれるまで…待つしかない。私が、悪かった…」

エマ「……ばらばらに、なっちゃうね。余計に」

あなた「軽率に、話題を振った私の責任だよ…」

彼方(他の皆のフォローが大事だね、部長)

璃奈(……でもかすみちやん、今日校舎裏で先輩と話してたような…?)

あなた(かすみちゃんの次の仕事…このペースじゃだいぶ先だ)

すっ

あなた「……エマさん……きっとまた。みんなで笑えあうようになる」

あなた「大丈夫…少しずつね」

エマ「…信じてるよ、部長?」

あなた「私を、信じて」

せつ菜「部長…」

璃奈「……」ギュっ

あなた「………」ギュっ

あなた「エマさんが、甘えてくるのって、珍しいかも」

あなた「でも、今日一日ぐらい……」

あなた(取り戻して見せる、彼女が壊れる前に)

あなた(首を洗って待っていやがれ、女王様)

彼方「…!」ぞわっ

彼方(地獄の道は善意で出来ている、ランジュはまさに地獄の道を善意で敷き詰めるものならば)

彼方(今の彼女はパンを配る慈愛で満ちている―――――――――――それがパンに見える爆弾でなければ)

彼方(善意で出来た地獄への道を焼き払いながら、標的を目指すのだ)
14 : ◆3m7fPOKMbo [sage]:2020/11/29(日) 17:47:52.25 ID:r/r3W2ps0
あなた「……エマさん、寝ちゃったか」

あなた「じゃあ、皆。また明日…。歩夢ちゃん、皆を宜しく」

歩夢「また、居残り…?」

あなた「うん…なに、心配いらないよ。大丈夫さ」

歩夢「だって、隈酷いよ…」

あなた「時差ぼけだよ」

歩夢「でも」

あなた「時差ぼけかな」

あなた「大丈夫だ、問題ない」ゲッツポーズ

歩夢「………」

歩夢「あのジェスチャー…なんでいつも……」

歩夢「心臓をぴたりと指してるの」


部室棟 ミア専用部屋

ミア(……くそ)

ミア(このコチコチ煩いのを全部薙ぎ払いたい…!)

ミア(眠気もひどい、瞼が閉じそうだ、集中が散る)

ミア(あと五曲も何をひねり出せというんだ)

ミア「……………」

ミア「xxxxxxxx!!! xxxxxx! xxxxxxxxxxxxxxxxxx!!!!」聞くに堪えない英語

ミア「xxxxx!!! xxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxx!」キーボードクラッシャー

ミア「xxxxxxx!!!!!! xxxxxxxx!!!」機材鷲掴みぶん回し中

ミア「xxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxx!!!!!!!!!」とりあえずドアに投げつける

ドア(解せぬ)

ミア「はぁっ! はぁっ! だいたいあいつらもあいつらだ………」

ミア「聞きなれない曲だとノレないってなんだよ!」

ミア「だいたいこんな田舎の環境で集中できるか畜生! こんなローカルのど真ん中で!」
15 : ◆3m7fPOKMbo [sage]:2020/11/29(日) 17:48:57.43 ID:r/r3W2ps0
「…と、取込み中だったようで失礼しました〜」

ミア「?」

あなた「ど、どうも……」両手にお汁粉缶

ミア「…たしか、例のファンクラブの……」

あなた「あわよくばサインが欲しい。世界の天才、ミア・テイラー」

ミア「……バックダンサーたちが前に歌って踊ってたの、君が作曲したっていうけど」

あなた「うん。楽じゃなかったねぇ。けどね」

あなた「ミア・テイラーのような天才がいるとね、それは凡人たちに何を与えると思う?」

お汁粉缶パス

あなた「いわば天才に触れると、預言者が神の声を聴いたかのような衝撃と興奮、そしてそこから凡人が進化を始める奔りとなる」

ミア「そ、そうかな?」キャッチ

あなた「歳をとって大成した人たちは、天才と呼ばれるものだけではない。最初から天賦の才を得たのではなく、後から得たものもいる。だが、そういった彼らが何十年という時をかけて大成するのに必要なのは」

あなた「雷よりも早い、天性の才を持つものがいるからだよ」

ミア「………」ぷしゅ

ミア「……甘い。うまい」ぷは

ミア「あと五曲作らなきゃいけないから、もう…ごちそうさまって言えばいいか…」

あなた「これは、リンカーンパークのキングダムオブカーボン……ダイヤで出来た王国も所詮は炭素、炭のように脆い…世界とはそんなもの、世界が簡単に壊れる悲しさを歌う。でも、それを支えるメロディライン、確かミア・テイラーの作曲」

ミア「あ、うん」

あなた「ところでさ」スマホ取り出し

あなた「この曲、キングダムオブカーボンに影響されて作ったんだけど」再生

あなた「どう?」

ミア「……!!!!!!!!!!!!」

ミア(疲れていた)

ミア(昔馴染みとはいえ、ランジュの無茶ぶり。既に通過した退屈な授業、それでいて何曲も作れというぷyレッシャー)

ミア(一曲書くのに時間はかからない、だが違うジャンル、違う曲調、異なるフレーズ。そんな風にしなければたやすく飽きられる、聞いてもらえなくなる)

ミア(そんなプレッシャーが、ボクが音楽から捨てられる恐怖が)

ミア(ここにきて、怒りに変わっていたのを見られた。だが)

ミア(この曲がすべてを吹き飛ばした。これはボクを源流にした彼女のものだ。だが、それでも)

ミア(彼女という要素が、それをすべて変えている! なんてすごい曲なんだ! まだまだ粗削り、素人に毛が生えた程度、いやいや、それだけじゃない! 確かに荒い、だがそれをもっと磨き上げよう!)

ミア「もう少し巻き戻して。この曲、もしかして和太鼓を入れてるのかい?」

あなた「うん、今のところそのサンプリング使ってる」

ミア「サンプリングなら和太鼓よりバスドラムの方がいい。本物を録音した方が和太鼓は素晴らしい」

ミア「少しの不協和が人にずれを感じさせるからね。奇をてらうも大事だけど、楽曲はひとつのブリゲードである、突出するより団体としてまとまりをだね…」

ミア「リズム隊のドラム陣も少し弱い。もう少し数を揃えてみようか。ちょっと入れてくれるかな」

ミア「…どう?」

あなた「…くはぁっ! いいっ…いいよっ…! 今のほぼイキかけた!」

ミア「ね、ねぇ。まだ曲にはなってないんだけど、思い浮かんだメロディがあるんだ。そ、それに合わせてどんな風なアレンジをするかな? 聞いてくれない?」
16 : ◆3m7fPOKMbo [sage]:2020/11/29(日) 17:49:50.91 ID:r/r3W2ps0
ア「この曲なんてどうかな?」〜♪

あなた「いいね、いいねぇ〜! 時代の最先端! そのコードをここで入れるなんてミアにしかできないよ!」

ミア「どうだ!」!!!!♪♪!!!

あなた「もっと聞きたいっ、ミアの素敵なメロディをもっと聞かせて!」

ミア「少し軽い気持ちなんだけど…」〜♪〜ッ♪

あなた「この曲は猫のようなステップをダンスに入れよう! 浮かぶよ、実に浮かぶよ、天空のステップだよ!」

ミア「知りたくなったら、それはまさに恋なんだと思うかも?」〜♪

あなた「私の中にある秘密を君はどうする? 何する?」

ミア「今宵ボクと踊ってくれませんか? 紅いバラの姫」〜♪

あなた「この奇跡を恋と名付けたい、白い月のナイト様」

ミア「もしもは欲しくないんだ、もっと好きなんだボクのAngel」〜♪

あなた「翼はただの飾りじゃない、明日じゃなくて今さ!」

ガチャリ

ランジュ「……すごい踊ってるけど、何してるの?」

ミア「あ、ランジュ」

あなた「差し入れを持ってきてまして」

ランジュ「いや、まぁいいんだけど曲作り終わったの?」

ミア「大丈夫だ、問題ない」

あなた「お邪魔しました〜」

ミア「あ……」

ミア(また今度一緒に曲作ってっ言えなかった…ぐすん)

ランジュ「ミア、五曲足りないわよ!!!」

ミア「今からやりまーす(ちっ、うっせーな)」
17 : ◆3m7fPOKMbo [sage]:2020/11/29(日) 17:50:45.87 ID:r/r3W2ps0
あなた「やべぇよ、最高の音源手に入れたよ。さすがは天才、ミア様」

あなた「今夜は部屋で夜明けまでミアのメドレーだ。やったぜ」グッ

あなた「……しかしすごい事言ってたな、私……」

ひょこ

かすみ「先輩、ずいぶんとうきうきですね」

あなた「なに。良いもの手に入れたしね。ノリって意外と大事だ」

かすみ「そうなんですか?」

あなた「留学中にルームメイトに勧められたゴールデンカムイのせいかな」



あなた「…ふわぁ、眠……毎晩色々するせいかな…しょうがない、こういうときは」

コンビニin

ラッシャイマセー

あなた「女の子は強さも美しさも必要だ。万歳、ノンシュガーエナドリ」モンエナ水色ツカミー

あなた「そして明日頑張るぼくらに」糖類ゼロリポビタンツカミー

マイドアリガトーゴザイヤース

コンビニout

あなた「いざ」プシュッ カシュッ

あなた「アイ・アム・チャンポン」グビグビ

あなた「効かぬなら 効くまで飲もう ほととぎす」グビグビ

あなた「この一本の為に生きてる」グビグビゲフー

歩夢「今、帰り?」

あなた「おっと、歩夢ちゃん。まあねー。買い物でも頼まれたの?」

歩夢「うん、シソを切らしちゃってて…」

歩夢「………ちゃんと、寝てる?」

あなた「時差ぼけがひどいけど、毎日ぐっすりさ」

歩夢「……日付が変わっても部屋の電気点いてるし…朝の四時とかでも点いてたり…」

あなた「電気点けたままでないと寝れなくなったんだよ。あっちは幽霊が出る物件は高級物件だからね」ゲッツポーズ

歩夢「……」

あなた「じゃあ、また明日ね。歩夢ちゃん」スタスタ

あなた(時間がかかりそうだ。果林さん達には卒業が迫る…)

あなた(だけど足を止めるな。動け、私)
18 : ◆3m7fPOKMbo [sage]:2020/11/29(日) 17:52:58.62 ID:r/r3W2ps0
ランジュ『栞子、夜にごめんね』

栞子『まぁよいですが、どうしたのです?』

ランジュ『スクールアイドル同好会の部長の事なんだけど』

ランジュ『今日、ミアと意気投合してたわ』

栞子『同好会の作曲をしていた方ですから』

ランジュ『そうなんだ? 少し見直したわ。使えるかどうかは分からないけど、練習用に曲でも出してもらおうかしらね』

栞子『……そうですか』

ランジュ『栞子からも言ってもらえる?』

栞子『わかりません。モチベーションというものは、人それぞれですから』

栞子『そう、人それぞれです。明日早いので、これで』

ランジュ『あ、そうね。おやすみなさい』

ランジュ「……あの子、実はすごいの…?」

2/了
19 : ◆3m7fPOKMbo [sage]:2020/11/29(日) 17:53:42.30 ID:r/r3W2ps0
『人工無能、刹那・F・セイエイと三日月・オーガスを隔てる違いって何なんだい?』
『回答。大きく分けて二つ。一つは嫁さんがいるか否か』
『人工無能、もう一つは?』
『この回答を行う事を推奨しません』
『人工無能、なぜだい?』

『あなたの行き先に相応しくない回答だからです』

3/彼女が開け放ったもの


チュンチュン

あなた「わーお、朝日が眩しいなぁ」

あなた「今日も一日頑張るぞー、コットンキャンディえいえいおー」鞄がさごそ

あなた「アイ・アム・チャンポン」モンエナ水色&糖類ゼロリポビタン掴みー

カシュ グビグビグビグビ

あなた「この一本の為に生きてる」ゲフー

あなた「しかしネットの海のアンダーワールドおそるべし」

あなた「ミアの楽曲でエキサイトしながら読み込むと意外と頭に入るものだ」

あなた「実際に効くのかな……」

あなた「試して、みるしかない…けど、誰に?」

あなた「……一人しかいない」

あなた「……いいのかな…練習とはいえ…」

あなた「無害だなんて証明もない。裏に近いとはいえ、ネットに落ちてたネタだよ」

あなた「『嘘を嘘だと見抜けない人』云々だ…けど、それをしなければ」

あなた「必要な事なんだ」

あなた「取り戻すためにも………うっ」

ガチャリ うげえええええええ ビチャビチャ

あなた(仲間を傷つけてしまうかも知れない、その罪悪感で胃が千切れそうだ)

あなた(だけどもう止められない。既にしずくちゃんにつらい思いをさせている。果林さんたちを放っておけない。エマさんの心が壊れる前に戻さなければ)

あなた「…戻しちゃった」

あなた「もう一本飲んどこ」鞄ガサゴソ
20 : ◆3m7fPOKMbo [sage]:2020/11/29(日) 17:54:46.52 ID:r/r3W2ps0
空き教室

彼方(彼女の隈は最近増えている…歩夢ちゃんが言うには夜更かしが多いらしい)

彼方(彼女が倒れるのが先か…それなら果林ちゃん達も戻ってくるのだろうか)

彼方(そうであれば、一番いいのに。そうならない予感しかしない…この微睡みの海の中に)

彼方(希望もあれば絶望もある…微睡みの海にすべてがあるように…)

彼方「すやぴ」

ガチャリ

あなた「…いた。よく、寝てる」

あなた「…誰もいないね?」

あなた「…」ゴクリ

あなた「…ごめん、彼方さん」

ヘッドホン取り出しー色々取り出し―

あれしてこれしてああしてこうしてこうするのっと

彼方「すやぴ」

あなた「…よし。これでうまくいくかどうか……彼方さん、彼方さん」

彼方「…んん? なに…」

あなた「彼方さん、ダイヤッホー」

彼方「ブッブー! ですわ!」

あなた(本当に成功した!?)

彼方「え…今、何か…」

あなた「変な時間に起こしちゃったかな? もう一度寝たら…皆が来たら起こすから」

彼方「うん…すやぴ」

あなた「えーと、解除方法解除方法…」
21 : ◆3m7fPOKMbo [sage]:2020/11/29(日) 17:55:35.75 ID:r/r3W2ps0
こうしてああしてどうあがいてもぜつぼうせんせいっと

ガチャリ

エマ「あ」

あなた「やあ、エマさん」

エマ「…昼にかすみちゃんに会ったの」

あなた「うん、なんて言ってた?」

エマ「言い過ぎたって。でも、もう少し一人にしてほしいって」

あなた「そっか……ううむ」

彼方「ん…あ、エマちゃん」

あなた「彼方さん、ダイヤッホー」ぼそり

彼方「?」

あなた(よし、無事に解除できてる。一つはこれで出来るな…問題はそこから先だ)

あなた(私が作るのは積み木ではない、螺旋だ。一つ二つ抜けたぐらいじゃ崩れない、多重螺旋、螺旋の迷宮だ)

あなた(キラークイーン、最後の爆弾。問題はまだまだ仕掛ける段階にない事だが)

彼方(…彼女から地獄の気配を感じる。私が寝ている間になにかした?)

彼方(でも、安堵にも見える。やはり、彼女は優しい)

彼方(そのやさしさが自らをも壊しかねない事に、気づいているんだろうか)

あなた「さて、ちょっと出かけてくるよ」

エマ「……気を付けて」

あなた「大丈夫だ、問題ない」ゲッツポーズ

バタン

ガチャリ

歩夢「…あ、部長は、今日は?」

エマ「さっき出かけてくるって……」

歩夢「ああ……」

歩夢「無茶しないと良いんだけど…」

エマ「そうだ、昼間にかすみちゃんに会って…」

彼方「……」
22 : ◆3m7fPOKMbo [sage]:2020/11/29(日) 17:56:15.16 ID:r/r3W2ps0
ファンクラブ1「やあ、会長。様子はどうだい?」

あなた「すこぶる絶好調です」

ファンクラブ1「それは何よりだ。なにせ我らがファンクラブ揃っての、初の応援ライブなんだからね」

ファンクラブ2「準備はできてる」

あなた「よろしい。みんな、ジェット風船は持ったかなー?」

*ライブでジェット風船を飛ばしてはいけません。皆は真似しないでください

ファンクラブ3「ゴミ袋の用意も忘れずにね」

あなた「派手な演出にブレードは邪魔である。場合によってダイヤが乱れますってね」キリキリ

あなた「我らが空の女王様のソロステージ、最高の応援を届けてやろう」キリキリ

ファンクラブ2「そうめん食べる? 少し伸びてるかもだけど」

あなた「いや、大丈夫…」

ファンクラブ4「ちゃんと食べないとだめですよ」

ファンクラブ5「食欲がなければインドカレー研究会として食欲の出るスパイスを使ったタンドリー料理を…」

ファンクラブ6「いや、ここは上品に主張しすぎない欧風カレーだよ。欧風カレー愛好会として見過ごせない」

ファンクラブ7「食べなれた家庭の味でしょ! 日本カレー同好会が良いカレー味のおかずを…」

ファンクラブ1「なるほど、三つ揃って活動停止になるわけだ。一つにまとまりそうでまとまらない」

あなた「別れているからこそ、高まるものもある。けど、その為とはいえバックダンサーという形でひとまrとめにするのはいただけない」

ファンクラブ1「確かに。中須さんは大女優に見えるしね」

あなた「さて、行こうか」


講堂

ランジュ『みんなー! 今日はランジュの魅力を前に、最高のステージにしてあげる! 無問題ラ、五分後には興奮の爆発よ!』

ファンクラブメンバー「「「ランジュ様ー!」」」

愛(なんかすっごい盛り上がってる集団いる)

果林(ファンクラブが出来てるなんて…それが、ランジュなのね)

しずく(なんでここにいるんだろう、ここがどこなのかもわからなくなってきた)

あなた「ジェット風船用意。演出が終わったら放つよ」

ファンクラブ「了解」

*ライブでジェット風船を飛ばしてはいけません。絶対に真似をしないでください(大事な事なので二回言う)
23 : ◆3m7fPOKMbo [sage]:2020/11/29(日) 17:56:57.49 ID:r/r3W2ps0
栞子(ん…?)

栞子(あれは……部長さん? そういえば、ミアさんと話してたってランジュが…)

栞子(ランジュのファンクラブの中心にいる…一番無縁そうなのになんで…)

栞子(え)

栞子(嘘)

栞子(ファンクラブの人たち、皆笑顔。でも……)

栞子(なんで見た事ありそうな人なのかって思ったのは……! あの人も、この人も)

栞子(いや、ほぼ全員私は会っている…生徒会長である私は…あった事がある…!)

栞子(私や、ランジュのせいで、部活を辞めた。部活を活動停止させられた)

栞子(私はなんという甘い考えをしていたんだろう)

栞子(なんていう愚かな甘えを、部長に言ってしまったんだろう)

栞子(これは二度目、二度目だ。部長は仏じゃない)

栞子(怒ってる、確実に怒ってる。許しはしない)

栞子(あの笑顔が全部、悪意を抱えて見える…それは恐怖だ。私を縛り付ける恐怖だ)

栞子(ごめんなさい…許してほしいとは言えません…けど、心の中だけでも、思わせてほしい)

栞子(どうやって償えば良いのかも分からない、何故ならそんな事をいう事すらも)

栞子(ランジュがいるこの場では、まったく言えない)

栞子(私は…私は……)

栞子(私の中の何かが、軋みを挙げ出した)

栞子(必死にそのどす黒いものを抑え込んだ、上からものを乗せて、しまいこんでしまいこんだ)

栞子(だけどその軋みの音が止まらない。ひたすら、ただひたすらに)

栞子(華やかな衣装、煌びやかなステージ、女王と称えられるランジュ)

栞子(だが、そのすべてが空虚だ―――――――空の女王。天空の女王に見える。だけどその実態は)

栞子(空虚な女王。そして私は、その忠臣だと――――――愛情に見せかけられた憎悪が向けられて)

栞子(私を蝕む、軋みは止まらない。それが私の過ちによって始まったと、気づいた時には遅すぎた。同じ過ちを、二度も繰り返した)

栞子(姉さんは、こんな私を軽蔑するだろう)

栞子(そして部長も…みんなも……)

栞子(軋む音と痛みだけがある世界で、私は一人)

栞子(ただ軋みと、痛みだけが、私の中にある)

栞子(全部、それだけに支配された)
24 : ◆3m7fPOKMbo [sage]:2020/11/29(日) 17:58:00.14 ID:r/r3W2ps0
ランジュ「ん、無事にステージも成功。ただ、栞子、しずく。キレが悪かったから後でレッスンしておく事」

しずく「はい」

栞子「…はい」

ランジュ「ふぅ…」

ガチャリ スクールアイドル部 ランジュの部屋

ランジュ「あ、そうだ。ファンクラブのフェイスブック見ようっと」

カチャカチャ

ランジュ「ん〜、きれいに映ってる。それに、最後に風船飛ばしてくれたのも凄かった」

ランジュ「飛ばした後律義に掃除してったのも好感度大ポイント!」

ランジュ「…ファンクラブ会長に、もう少しサービスしても良いかな?」

ランジュ「『今日の風船ランジュも気に入った…演出考えたのはファンクラブ会長? なら、ハグしていいかな』っと…」カタカタ

あなた『サイコーハート』

ランジュ「『なら、カフェテリアの…』」カタカタ

ランジュ「ちょっと出かけてくるわ」

愛「ランジュさん、どこにー?」

ランジュ「ファンとの交流!」

愛「マメだ」

果林「マメね…私もそういうのに重点置こうかしら」

愛「やってみる?」

果林「そうね、やろうかしら」

愛「……どうやってやるんだろ」

果林「あ……そっか、部長に頼んでたから」

愛・果林「「どうしたらいいのかわからない…!!」」
25 : ◆3m7fPOKMbo [sage]:2020/11/29(日) 17:58:54.34 ID:r/r3W2ps0
カフェテリア

ランジュ「やっほー」

あなた「今日のライブ、最高でした」ゲッツポーズ

ランジュ「ありがとう! あれ、目の隈すごいけど?」

あなた「昨日、ミアさんからCDもらったので夜通し聞いてたら」

ランジュ「睡眠不足は乙女の敵ラ! 私もか…」

あなた「おや、それはいけない。きちんと休まないと」

ランジュ「う、うん…」

ランジュ「で、でもこんな場所じゃ…」

あなた「それなら落ち着けそうな場所を知ってるよ」

ランジュ「ら、ランジュだって疲れる時あるし、これからまだ…」

あなた「……一日ぐらい、休んでもいいと思うなぁ?」

ランジュ「…え?」

あなた「千里の道も一歩から。一日行うことを、千日繰り返す。そうしてものを成す、とは言うけれど」

あなた「それは常に健康であっての事。疲れてる時に無茶をせず、休んで体を作るのも大事だよ」

スタスタ がしゃこん

あなた「はい」お汁粉缶

ランジュ「あ、ありがと…あったかい」

あなた「さ、おいで、ランジュさん」

部室棟 とある一室

ランジュ「……ここは」

あなた「ヒーリング研究会ってところ。マイナーな部活動だから、あまり知られてないんだよ」

ランジュ(薄暗いけれど、穏やかな音楽が流れて…落ち着く)

あなた「ソファ借りるねー。さ、どうぞ」

ランジュ「ありがとう……」カシュ

ランジュ「少しぬるくなったかも…でも、美味しい」

あなた「おや、それなら温かいものでも頼むよ。お茶を二杯」

ヒーリング研究会部員「はい」

あなた「休憩スペースとして開放しつつヒーリングを知ってもらうのが目的の部活だって。いやぁ、うちの学校には色々あってね」

ランジュ「そうなんだ……盛んなのね、部活動」

あなた「とてもね」
26 : ◆3m7fPOKMbo [sage]:2020/11/29(日) 17:59:41.30 ID:r/r3W2ps0
ヒーリング研究会部員「はい、お茶です」ことり ことり

あなた「ありがとう」

ランジュ「美味しい…いい香り……香港でもこんなお茶はあまりないわ…」

ランジュ(なんだろう…一気に眠気が…)

ランジュ「…ね、寝ちゃいそう」

あなた「寝ても大丈夫だよ、ここなら」

ランジュ「そうね…一時間後にぐらいに…起こして…」

あなた「さあ、休んで…ゆっくり…横に…」

ランジュ「すぅ…すぅ……ZZZ」

ヒーリング研究会部員「お茶は?」

あなた「飲み切ってるね。さて、やるか」

ヒーリング研究会部員「音楽は変えたよ」

あなた「ありがとう。ヘッドホン装着、と。こっちも聞いたらやばそうだ。さて」

あなた「さて……実験では一つで単純な命令だったから…条件を重ねていこう」

あなた(複雑なものを作るんだから、骨が折れそうだ。一回じゃ済みそうにないしね)

ヒーリング研究会部員→ファンクラブ8「本当にスクールアイドル同好会部長は、何でも屋さんなんだねぇ」

あなた「まあね」

ファンクラブ8「オーバーワークだけはしないでくださいね」

ファンクラブ8「エマさんのライブをまた見られるようになるために、喜んで協力するから」

あなた「ありがとう」



ランジュ「…むにゃ…あ」

あなた「起きた?」

ランジュ「…ごめん、疲れてて…」

あなた「よく、寝てたから。一時間だよ、きっかり」

ランジュ「…少し、すっきりした気分。ミアが…あなたを気に入るの、わかる気がする」

あなた「『ランジュ、お母さんは?』」
27 : ◆3m7fPOKMbo [sage]:2020/11/29(日) 18:00:46.81 ID:r/r3W2ps0
カチっ

ランジュ「…ぁっ、エマちゃ、あっあっあっ…」

あなた「『”よくできました”』」

カチっ

ランジュ「…あれ? なんかまた、ボーっとしてたみたい」

あなた「まだ疲れが取れてないのかもね…今日は早めに休んだら?」

ランジュ「…また、頼ってもイイ?」

あなた「いいよ。ここでお昼寝する分にはね。ああ、でもランジュは有名人だから、ね? 私と一緒の時でないと」

ランジュ「うん。また、連絡するから…」

あなた「またね」

ガチャリ

あなた「……さて、と」

あなた「いい気になるなよ、空の女王」

ガチャリ

ランジュ『また、頼ってもイイ?』

あなた「……うぷっ」

あなた「憐憫をかけるような相手じゃない……」

トイレ駆け込み

あなた「うおぺえええええええええええ!!!」ビチャビチャ

あなた「くそっ……今日のライブだって…栞子ちゃん、終わりころに…」

あなた(あんなひどい顔をさせてしまった……最低だ、私…)

あなた(そのためにもこれは必要な行為だ)キリキリ

あなた「しっかりしろ、皆私を信じてるんだ。みんなが信じる私を信じろ」キリキリ

あなた「押しつぶされるな…」フラフラ
28 : ◆3m7fPOKMbo [sage]:2020/11/29(日) 18:01:30.96 ID:r/r3W2ps0
あなた「あ…」

一年生の教室

あなた「……ここは……」

栞子「……」ブツブツ

あなた「……栞子ちゃん……」

栞子「逃げたくないごめんなさい許してください壊さないでやめてお願いもっと話を過ちを繰り返してしまいました失敗した逃げたくないごめんなさい許してください壊さないでやめてお願いもっと話を過ちを繰り返してしまいました失敗した逃げたくないごめんなさい許してください壊さないでやめてお願いもっと話を過ちを繰り返してしまいました失敗した逃げたくないごめんなさい許してください壊さないでやめてお願いもっと話を過ちを繰り返してしまいました失敗した逃げたくないごめんなさい許してください壊さないでやめてお願いもっと話を過ちを繰り返してしまいました失敗した逃げたくないごめんなさい許してください壊さないでやめてお願いもっと話を過ちを繰り返してしまいました失敗した逃げたくないごめんなさい許してください壊さないでやめてお願いもっと話を過ちを繰り返してしまいました失敗した逃げたくないごめんなさい許してください壊さないでやめてお願いもっと話を過ちを繰り返してしまいました失敗した逃げたくないごめんなさい許してください壊さないでやめてお願いもっと話を過ちを繰り返してしまいました失敗した逃げたくないごめんなさい許してください壊さないでやめてお願いもっと話を過ちを繰り返してしまいました失敗した逃げたくないごめんなさい許してください壊さないでやめてお願いもっと話を過ちを繰り返してしまいました失敗した逃げたくないごめんなさい許してください壊さないでやめてお願いもっと話を過ちを繰り返してしまいました失敗した逃げたくないごめんなさい許してください壊さないでやめてお願いもっと話を過ちを繰り返してしまいました失敗した逃げたくないごめんなさい許してください壊さないでやめてお願いもっと話を過ちを繰り返してしまいました失敗した…」ブツブツ

あなた「!?」そそくさっ

別の一年生の教室

しずく「……」ぐすっ

あなた「!?」

しずく「………最低だ…私……」

あなた「っ!!」キリキリ

ガチャリ トイレ駆け込み

あなた「うおえええええええええええええええええええええ!!!!」ビチャビチャ

あなた「……ごめん…でも、私にとっても二人は大切な……」

がんっ

あなた「くそ…くそくそっ!」ガンっがんっ

あなた「最低なのは私だ…でも、ここから巻き返してやる」

3/了
29 : ◆3m7fPOKMbo [sage]:2020/11/29(日) 18:02:30.64 ID:r/r3W2ps0


『人工無能、1000万人救済計画についてどう思う?』
『回答。それは感想でしょうか、それとも検証でしょうかと反論いたします』
『人工無能。人間から見れば両方、かな』
『回答。検証としてみれば結果論としてうまくいくものではない、と推測されます。感想的な意味で回答すれば』

『十人を救うために一人を犠牲にするという計算でも充分ナンセンスですよ』
『……なるほど、それならこっちはナンセンスじゃないね』

『一人を破壊して全校生徒を救済できるから計算上でも問題なく、核弾頭を使わないからフォールアウトも起こらない、百万人も死なない、故に思想上でも問題ない。よって、マティアス・トーレス艦長より私の方が偉い。Q.E.D』

『回答は差し控えます』


4/虹ヶ咲学園救済計画

早朝

あなた「動いた、か。なるほど、外国人留学生ルート、おっかない」カタカタ

あなた「ハンドルネームを決めておいてよかった…まさか今のご時世に学校裏サイトなんてのがまだ生き残ってたとは」

あなた「本来は悪意ある場。しかし、今は……」カタカタ

あなた「この学校を救うレジスタンスどもの巣窟、だ」カタカタ

ピコーん、ピコーン、

『Room's パスコード:No brand girls』

あなた「よしきた」カタカタ

アリコーンさんが入室しました。

アリコーン『おはようございます。お招きいただき誠の感謝を』

HN:ベルカ『時間通り。お見事』

HN:オーレリア『待ってました』

HN:エルジア『流石、早起きな方ですね』

HN:エメリア『ライブも何事も遅刻厳禁ですので』

HN:ベルカ『さて、アリコーン。爆弾王として色々伏線を仕掛けている、というのは私たちも耳にしております。そして、とうとう、それらを通じて私たちにも協力を仰ぎに来た、という事でよろしいですね?』

アリコーン『その通りでございます』
30 : ◆3m7fPOKMbo [sage]:2020/11/29(日) 18:03:38.70 ID:r/r3W2ps0
アリコーン『虹ヶ咲学園で少なくない数を占める海外からの留学生枠。表立ってはいないですがミッション系である我が虹ヶ咲学園は良くも悪くも宗派を超えた協力、がある。それらの中心たる、BIG4の皆様とお話しできて光栄です。学園の陰の実力者たる、方々と』

HN:エルジア『買いかぶり過ぎですよ。私たち自身は、比較的多い母国からの留学生で、最上級背のまとめ役が度々会談するだけです』

HN:エメリア『たまたま寄付をしまくってる親を持ってたりする人や取り巻きが多い人ってだけでね』

アリコーン『それで、如何でしょうか』

HN:オーレリア『確かに。昨年度末の急な買収計画により、新理事長は生徒会長を、次いでは自らの娘を通じて学校内部での勢力を伸ばしつつある。大多数の生徒は良いでしょう。チャイナマネーによる、マネーイズパワーは確かに真理』

HN:ベルカ『金の力によるゴリ押しと聞こえこそ悪くても、それによって虹ヶ咲学園のQOLは大幅に急上昇し、学費免除の特待生が生徒の12%を占めても大丈夫という状態です。もちろん、厳しい条件つきですが…』

HN:エルジア『その享受を一撃で破壊すると、それこそ学園内部でも内乱の火種になりかねません。それは私たちの後ろにいる…BIG4父兄も重々承知。故に、動かなかった。先代も同意見です』

HN:エメリア『内乱になりかねない出来事を通じても、我々にメリットがあるとでも?』

アリコーン『現実的な話をしましょう。今の現状、どう思ってます? マネーの話ではなく、ライフの話を。あなた達のね』

アリコーン(全員、しばしの沈黙だ。まったく、ゼーレみたいな事しながら四人しかいない。まあ、無理もない。元ネタからアメリカとロシアを引っこ抜いてイタリアを加えた、それがBIG4だ)

HN:ベルカ『良くも悪くも、あっちはうるさい連中が多い。それこそ、西洋コンプレックスは異様』

HN:エルジア『お陰で、部活動への妨害行為は様々。我々の日常も、同じく。香港の悪戯狐さんは好き放題で我々も頭を痛めています。少々おいたが過ぎているぐらいには。アリコーン、あなたが色々糾合しているのは存じています……平和な学校生活を求める、それだけに?』

アリコーン『それだけに。たった一人を破壊して、虹ヶ咲学園全生徒を救済する。それだけです』

HN:オーレリア『故に、爆弾王、ですか? それを信じろと? その破壊が、すべての崩壊を招きかねなくとも?』

アリコーン『キラークイーンは止められない。ですが、その破壊による混乱を鎮める為に』

アリコーン『真の救済は、あなたたちが行う。虹ヶ咲学園は、それこそ世界中から生徒が来ている。それらを導くための資金、思想、そしてその先の救済。あなたたちが、果たすべき道です』

HN:ベルカ『破壊という名の救済を、私たちという真の救世主が動く―――――――驚きました』

アリコーン『一人の破壊から始まる、新たな創造は、学園の平穏と自治、そして自由という大義名分をもってあなた方が鎮める。なぜそうるかって? 私は、裏方ですから』

HN:ベルカ『やりましょう。何としてでも、両親を説得します。BIG4だけではない、それ以外からも力を借りれれば、学園を取り戻せる』

アリコーン『ありがとうごさいます』

HN:オーレリア『礼には及びません。私たちにも学園を取り戻せるのはメリットあること。それに…』

HN:オーレリア『その……歩夢ちゃんのステージが、好きでしてね…ふふっ』

アリコーン『いつか伝えます』

HN:エメリア『わからないものですね、スクールアイドルの裏方とは』

HN:エメリア『彼方ちゃんがたまに言ってます、あの人は最強って」

アリコーン『おおっと、身バレ禁止』

HN:エメリア『それは失礼。それと、この連絡先を…あなたも知っている人の関係者です。事情を話せば、同じスクールアイドルを知る身、心強い味方になれます』

アリコーン『重ね重ね、感謝を』

アリコーンさんが退出しました
31 : ◆3m7fPOKMbo [sage]:2020/11/29(日) 18:04:37.27 ID:r/r3W2ps0
あなた「金でゴリ押ししてくるなら、こっちにも金が必要だってね。うーむ、借金大国ニッポンに比べ、向こうのマネーは何とも豪快な事よ」トホホ

あなた「おっと、連絡先だ。なになに……お?」

あなた「……ふふっ……なるほど、確かにスクールアイドルを知る身だね、これは……」

あなた「シャイニーパパ様に親鳥様だなんて!!!」

あなた「あはははははっ…イいやったあああああああああああああ!!!!」コロンビアのポーズ

隣の家

歩夢「……あの子、テンション高いね、朝から…」ネムネム

あなた's Room

あなた「おっと、落ち着こう」鞄ガサゴソ

カシュ カシュ

あなた「アイ・アム・チャンポン」グビグビグビグビゲフー

隣の家

歩夢「………」壁に聞き耳


部室棟 ミア専用部屋

ミア「……」イライラ

ミア「……」カリカリ

ミア「……んああああああああああああああ!!!! あの子に会いたい会いたい会いたいぃ〜! 作った新曲にいいねもらって頭なでなでしてもらって顔をペロペロするんだぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!」

ミア「うおおおおおおおお!!!! 今すぐ二年生の教室行きたいペロペロしたいボクは激おこムカ着火ファイアーストームだぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!」機材ぶん回し

ミア「あ・わ・せ・ろ! 監禁! やめて! ランジュ! ここから! 出せ! なにが! 缶詰百曲作るまで返しませんだーっ! 寝れるかーっ! 寝かせろーっ! あの子のソックスクンクンしてその匂いの中で寝たい!」機材ドアに投げつけー

ドア(ぐわあああ!!!)メリメリっ

ガチャリ

あなた「お邪魔しまーす……差し入れのおにぎりを」

ミア「うわああああん!」ひしっ

あなた「どうしたんだい、ミア」

ミア「ランジュが…ランジュがひどいんだ…」ぐすん

あなた「うんうん…」なでなで

ミア「百曲作るまで家に帰れないだなんて…つらすぎる。こんなところじゃ寝れないよう」シクシク

あなた「天才たるミア・テイラーの才能をここで使いつぶしてはいけない。よしよし、お姉さんの所で休むんだ」

ミア「うん…うん……」スリスリ

ミア「んっ…」胸に顔うずめー

あなた「おっと…み、ミア…少し恥ずかしいよ…」

ミア「あ、ご、ごめん」

あなた「でも甘えんぼさんだなぁ」ナデナデ

ミア「だって……まだ、十四だもん」

あなた「よしよし……さあ、作った曲を聞かせてくれる?」

ミア「うん…」
32 : ◆3m7fPOKMbo [sage]:2020/11/29(日) 18:05:45.70 ID:r/r3W2ps0

あなた「くはぁっ! いいっ、いいよっ! 最高っっっっだよこれだけでイキそう!」

あなた「うん…うん……! んほおおおおおおおおっぉぉぉぉぉぉぉぉっ! 感度が三千倍になりそう!」ビクンビクン

あなた「…ミア…しゅきぃ……」ゼェゼェ

ミア「ミアもあなたしゅきぃ」スリスリ

あなた「……ねぇ、ミア。疲れてるの?」

ミア「……うん、ランジュがひどいんだ。だけどね」

ミア「曲を作るのは好きなんだ…だけど、ランジュが歌うって思うと…」

あなた「じゃあさ……作ってくれない? 私がリクエストするのを」

ミア「……いいの!?」

あなた「どんな曲でもいい。ミア・テイラーの思うがままさ」よしよし

あなた「そんな曲にぴったりの歌詞を用意しよう」

ミア「さすが! ボクにはできないことをやってのけう! そこに痺れる憧れるぅぅぅぅぅぅ!!!」スリスリスリスリスリスリマーキングMAX

あなた「ミア、摩擦で煙が出てるよ」

ミア「よーし、張り切っていくぞー!」ルンルン

あなた(おや?)

ランジュ『ごめんなさい。無問題じゃないラ。けど、また会ってもいい?』

あなた『ヒーリング研究会の部室に来てくれるかなー?』

ランジュ『無問題ラ。いいともー☆』

あなた(いやー、やっぱり天才ミア・テイラーの音楽は最高だ! 私に勇気を与えてくれる!)

あなた(疲れてたはずなんだけど疲れが吹き飛んじゃったよ。よーし、頑張るぞー)

スタスタ

彼方(そういえばミアの曲好きだって言ってたけど)

彼方(聞いてみようかな、私も…眠気覚ましに)
33 : ◆3m7fPOKMbo [sage]:2020/11/29(日) 18:06:35.07 ID:r/r3W2ps0
部室棟 ヒーリング研究会部室

ヒーリング研究会部員(ファンクラブ8)「今日のお茶です」

あなた「いい香り…リラックスする」

ランジュ「うん……味も…いい…あれ、これは?」

ヒーリング研究会部員「ああ、このビスケットも一緒に食べると良いですよ。マイナスイオンを発するハーブを練り込み、おからベースにした低糖質のビスケットで、ダイエット食品にも使われてるんです」

あなた「ああ、ダイエットの食事制限向けのストレス軽減ってやつ? そういうのも研究してるんだ?」

ヒーリング研究会部員「もちろん。ヒーリング研究会ですから」

ランジュ「おいしい……低糖質っていう割には、ちゃんと甘さもあって…香りもして…」

ぽろ

ランジュ「あ……おかしいな…」ぽろ

あなた「大丈夫?」

ランジュ「…ごめん。こんなに、温かいの、初めて」

あなた「……」

ランジュ「ママは、本当は私を特別扱いしたいんだろうけど、そうしたら示しがつかない。だから……虹ヶ咲学園には最初、入れなかったんだと思う」

ランジュ「それもまた愛情。優しくも厳しく、ママはちゃんと愛してくれてる…けど、仕事で忙しいから、会えないし、パパも殆ど帰らないし…いえでは、広くても、寂しい」

ランジュ「……だから、すごく…空っぽになる」

あなた「………」キリ

あなた「ビスケットもう2、3枚…いや、こういうときは」

ヒーリング研究会「ありますよ、チョコレート。対吸魂鬼特効です」すっ

ランジュ「……そんな時に、スクールアイドルの事を見た。すごく、輝いてて」

あなた「うん」

ランジュ「だから、同じ舞台に立ちたいって、そう思って。急遽レッスンしてトレーニングして…」

ランジュ「……一つだけ、あなたに謝りたいの」

ランジュ「いらないなんて言って、ごめんなさい――――――――あなたは、必要な人」

あなた「――――――――――!」

あなた(これを想定しなかったわけじゃない。いや、想定していた。それもキラークイーンの中は決定事項になりうることだ)

あなた(だけどそれでも、一瞬でも心を動かされてしまった。これが、ランジュか)
34 : ◆3m7fPOKMbo [sage]:2020/11/29(日) 18:07:35.37 ID:r/r3W2ps0
あなた「そんな事ないよ」

あなた「私には作曲に才能も、優れたダンスも、素敵な環境を用意できるお金も持ってない。インストラクターを雇うお金もない」

あなた「ランジュには、全部ある。空っぽなんかじゃないよ」

ランジュ「けど……」

あなた「毎日レッスンや勉強、そのたゆまぬ努力があるから、ランジュはスーパースター」

あなた「だけど休む事も必要だよ…さ、横になって、大丈夫」

あなた「あなたが信じてくれている、私がついてる」ゲッツポーズ

ランジュ「…うん」

ランジュ「……ZZZ」

ヒーリング研究会部員→ファンクラブ8「…どうします?」

あなた「いつもの用意」

ファンクラブ8「は、はい」

あなた「………今更心変わりではいそうですかって止められるものでもないんだ……」

ファンクラブ8「……歩夢ちゃんが心配するわけだ」ぼそり

あなた「何か言った?」

ファンクラブ8「寝顔がかわいいって」

あなた「…確かにね」

あなた「やるか」


ダレカタスケテー!
チョットマッテテー!


ランジュ「……ん?」

あなた「おはよう」

ランジュ「……寝すぎちゃった、かな」

あなた「いいんだよ。辛い時や疲れてる時ぐらい、誰かを頼ってもさ」

あなた「人は常々、完成された生き物ではないんだよ」

あなた「だけど、変われるのも、また人だ。今はランジュの眼鏡にかなわない人でも」

あなた「明日、変わってるかも知れない。なんてね。ランジュにお代わり」

ヒーリング研究会部員「はい、どうぞ」

ランジュ「…ありがとう。そうよね。私、独りよがりすぎたかも…」

あなた(あ、あれ?)

ランジュ「…またね。その……今度は、部室に来て、皆に」

あなた「いや……まだ、折り合いがつかないんだ。同好会の皆とも、喧嘩しちゃったし…」

ランジュ「また、おんなじステージに立てると…いいね」

スタスタ
35 : ◆3m7fPOKMbo [sage]:2020/11/29(日) 18:08:35.27 ID:r/r3W2ps0
あなた「……!」ばさり

ファンクラブ8「お茶、飲んどいて」

あなた「うん…」ずず

ファンクラブ8「ちゃんと落ち着くから。無理しないで」

あなた「そうだね…」

ガチャリ

ファンクラブ4「会長」

あなた「どうした?」

ファンクラブ4「知らないアドレスから、こんなのが」ディスクさしだしー

あなた「…どれどれ。えーと、パソコン、と…おお」

あなた「…流石ミア、早い。これを情報処理科の技術室2で、奥に巣食ってる連中に届けてくれ」

ファンクラブ4「わかりました」

あなた「…ああ。女王様の天秤が傾いた。これで、作戦の下準備はできた」

あなた「始めよう」

あなた「……うぷっ」

あなた「なんで…戻しそうに……」

トイレ駆け込み

あなた「うおええええええええええええ!!!!」ビチャビチャ

あなた「……栞子ちゃんとしずくちゃんの顔が離れない…ごめん……」

ランジュ『また、おんなじステージに立てると…いいね』

あなた「なんでランジュまでその中に加わってるんだよ! 誰のせいだと思ってんだ!」

あなた「……吐いても、胃液しか出てこないや」キリキリ

あなた「…くそ」キリキリ
36 : ◆3m7fPOKMbo [sage]:2020/11/29(日) 18:09:20.19 ID:r/r3W2ps0
翌日 校門前

ランジュ「おはよう!」

あなた「おはよう、ランジュ。目立つよ?」

ランジュ「いつだって私は注目を集めるから!」

あなた(いいチャンスだ)

あなた「そんなランジュに、少し提案があるんだけど」

ランジュ「なに? でも無問題ラ!」

あなた「ちょっとこっちで…あのさ」


ランジュ「……ライブ? 他校向けの?」

あなた「その通り。オーディエンスの目は肥えている。求めている…ランジュを」祈りのポーズ

ランジュ「けど……ランジュはまだ、学校も」

あなた「それこそ無問題。スクールアイドルとは、学校のアイドル。故に、色々な学校のスクールアイドルが己の学校のすごさの為に頑張る」

あなた「ランジュの魅力にはイチコロさ」ゲッツポーズ

ランジュ「そうかな……」

あなた「ランジュらしくもない」ゲッツポーズ

ランジュ「まだ、同好会の人が全員、部活に来てない」

あなた「……」イラッ

あなた(だからやり方が気にくわないんだよ、女王様め。多少改心してもこの辺りはまだまだか)

ランジュ「そうでなきゃ、皆原石のままで終わっちゃう…それじゃ、輝けない…ランジュだけが輝いても」

あなた「だからさ」

ランジュ「……え?」

あなた「だからこそ、余計に、やるんだよ。大丈夫。これは学校向けじゃない。不安だよね、そういうの? でも、大丈夫」

あなた「適材適所というものを披露しよう」

あなた(ついでに爆弾の準備もばっちりさ。第四の爆弾、シア―ハートアタック。そのための作戦さ)
37 : ◆3m7fPOKMbo [sage]:2020/11/29(日) 18:10:05.35 ID:r/r3W2ps0
空き教室 スクールアイドル同好会根城

あなた「久しぶりに書くな、これ……うーむ。あの栞子ちゃんに出す書類だからな…海未ちゃんに矢文にでもしてもらえないかな? だめだ、こっちが射られる。穂乃果ちゃんも激おこだ」

せつ菜「おや、部長。どうしたのですか?」

あなた「なに。部の連中にちょっと面白い話を持ち込んでやったんだよ」

せつ菜「何をです?」

あなた「他校の生徒向けライブ、かな。なに。サプライズを仕込むだけだよ」

せつ菜「……ファンクラブの人、意外と人数増えないんですね」

あなた「ん?」カタカタ

せつ菜「同級生がランジュのファンクラブに入ろうとして……審査で落ちたとかで」

あなた「ああ、まあね……良くも悪くも、ミーハーじゃダメって規定にしたからねぇ」

せつ菜「そ、そうなんですか」

あなた「ランジュはプロ意識が高いからさ。そうでないと、認可が下りなかった」

あなた(まあ、そういう事になってるだけなんだけどね)

せつ菜「……その割には、中川菜々としてあった人も結構ファンクラブの会員にいるようですが」

あなた「人は変わる。意外と容易にね」

あなた「少なくとも上っ面なんてのは、簡単に変えられるのさ」

せつ菜「そう、ですか」

こんこん

あなた「おっと?」

エマ「あ、いた」

エマ「あなたに、届けてほしいって…学生寮の同じ階の人から…」

あなた「ありがとう」

あなた(差出人は『BIG4』と書かれている。例の四人組からか)

あなた(エマさんに届けさせるってことは…少しは立ち回りに気を遣えとでも言いたいのかな)

あなた「なんだろうな……おっと、これはこれは」

あなた(入っていたのは、クロケット帽だ。クロケット帽子)

あなた(クロケット帽といえばデイビッド・クロケット。そしてデイビッド・クロケットといえば――――――世界最小のアレ、即ち)

あなた(一撃のボタンはあくまでも私が押せ、という事か。やってやろうじゃないか。『アラモを忘れるな』と叫んでやろう。ヴォルギン大佐役は私という訳か)

エマ「どうしてそんなものを?」

あなた「個人的な贈り物なんじゃないかな」

あなた(許可を得た。キラークイーンを実行しても、問題ない。錦の御旗を得た気分だ)

ズキン

あなた「……っ」キリキリ

せつ菜「…顔色、悪いですよ?」

エマ「無茶しないで…」

あなた「大丈夫……まだ、だ」キリキリ

あなた「みんなの為に、まだ、立たなきゃ」

あなた(錦の御旗を得たんだ)

あなた(かすみちゃんに、いい仕事が出来たぞ)二やっ

4/了
38 : ◆3m7fPOKMbo [sage]:2020/11/29(日) 20:57:59.61 ID:r/r3W2ps0

『人工無能。世界はありのままでいい、とザ・ボスは残した』
『回答。その通りです』
『人工無能。ニール・ディランディは満足か、こんな世界で、と残した』
『回答。その通りです……』
『人工無能。私の世界は粉々だ』
『……………』
『だから、世界ごと壊してやる。たとえ既にその魂は変わっていても』
『回答を差し控えさせていただきます』
『人工無能。答えろよ、私はどうだ?』
『……………回答を差し控えさせていただきます』
『そうか。わかったよ。じゃあ、行ってくる』

『……回答できません。あなたの世界はまたつなぎ合わせられつつある、と』


5/世界の欠片

情報処理学科校舎

情報処理学科生徒1「やったよ…ついに」

情報処理学科生徒2「うん…長きにわたる苦労が、遂に実った…!」

情報処理学科生徒3「完成だ……」

あなた「すばらしい! いやー、これが第三の爆弾になるね」ニコニコ

情報処理学科生徒1「あ、そうそう。もう片方も出来たんだけど、これでどう?」

あなた「うおっ、まぶしっ」

情報処理学科生徒2「いやぁ、これぐらいはしておかないと。演劇部の人からもらった設定もそうだし」

あなた「だからといって歩くたびにハートと星が乱舞するってどんなPVさ…」

あなた「まぁ、いいや。PV出来たなら、これは演劇部にもっていくからさ…」

ガチャリ

ミア「あ、いた」トトとトトトッ

ミア「あああん会いたかった会いたかった会いたかった〜! ボク寂しかった〜!」スリスリスリスリペロペロ

あなた「よしよし、ミア。どうしたのさ、こんなところまで?」

ミア「あ、そうそう。その音楽だけど、もう少し改良の余地があって…ごめんね。おお、いい映像だね」

ミア「……これが例の…」ニコッ

あなた「おや、音源もう少しいじるの?」

ミア「尺は変えないよ。バランスが大事さ。音源は常に、最新アップデートをダウンロード! これがボクの信念さ!」

ミア「じゃ、任せてー!」バビューン

情報処理学科生徒3「嵐か、あの子も」

情報処理学科生徒1「ここにキマシタワーを建てよう」

あなた「……グレイトだ実にグゥレイトだ」

あなた「今、ちょっとすごかった。漏れそう」

あなた「ふふっ……」
39 : ◆3m7fPOKMbo [sage]:2020/11/29(日) 20:59:13.44 ID:r/r3W2ps0
放課後

ランジュ「ねぇ……ライブの事なんだけど」

あなた「おや、ランジュ」

ランジュ「………ううん、なんでもない……」

あなた「不安なの?」

ランジュ「!」

あなた「大丈夫。大丈夫、あなたにはファンクラブがついていてだね」

ランジュ「……怖いの。ランジュはスーパースター、そう、スーパースターよ」

あなた「うん、そうだよ。誰もが認める」

ランジュ「……でも、この学校の外の人はどうなのって思うと、突然怖くなるの」

あなた(ああ、そうだろうね。だって君は空っぽの女王、ガラスの王国の女王様。煌びやかに美しく、そしてたやすく崩れる)

あなた(だが、それを壊すのは外の人たちじゃない。だからもう一度夢を見てもらおう)

あなた(いい夢見ろよ、地獄行の前にな)

あなた「大丈夫。ほかの学校のスクールアイドルとも交流があったよ、同好会は。みんな、いい人だよ」にっこり

ランジュ「そ、そうなの?」

あなた「愛ちゃんや果林さんも知り合いだから、話してみればいいよ」ニコニコ

ランジュ「……あなたじゃないと嫌」

ランジュ「…………色々、分かってきたことがあるの…スクールアイドルは……」

ランジュ「……毎日の積み重ねもある、けど……その輝きの元は…誰かからの応援」

ランジュ「ランジュ、本当に応援されてるのかな?」

あなた「………」

ランジュ「同好会の人たちは、ずっと…ランジュの事避けてる」

ランジュ「環境とか、指導とか、それだけじゃない何かが、あるんだろうけど…ねぇ、あなたはその答えを」

あなた「ランジュ」

あなた「厳しい事を言おうか」

ランジュ「……え」

あなた「本当に応援されてるのかなって言ったよね?」ゴゴゴゴゴゴ

ランジュ「そ、それは…つ、つい! ごめん! 言葉のマヤ! 言葉の綾!? そんな感じの! 問題ないラ!」

あなた「なら良いんだけど」ニコッ

あなた「大丈夫。ランジュの魅力は皆知ってる」

あなた「だから、胸を張ってどーんと行くのさ。いつものように、皆を引き連れてね」
40 : ◆3m7fPOKMbo [sage]:2020/11/29(日) 21:00:43.56 ID:r/r3W2ps0
ランジュ「………その皆は……同好会の子たちをバックダンサーにする事? それとも、同じステージに……」

ランジュ「…やっぱり! あの子たちとしっかり話し合いたい! だから……」

あなた「それは無理な相談だよ」

ランジュ「だって、あなたは部長なんでしょ!? ランジュの元に最初に来た時だって…!」

あなた「ああ、いや。ランジュのファンクラブ作るって言ったら総スカンされてね。お陰で私は刺客に狙われてるんだよね」

あなた「ほら、そこの赤い丸とかね」

ランジュ「……レーザーポインター!? 伏せてッ!」

刺客「チッ」そそくさっ

ランジュ「監視委員! あ、そうだ、解散させたんだった……」

あなた「え? 監視委員を解散?」

ランジュ「……果林も愛も嫌がってたから……」

あなた(能天気に見えてやる事やってると見たあの二人。今は少し余計なお世話か。しずくちゃんと栞子ちゃんの事をかぎつけられる前に、ライブに集中させた方がいいかな)

あなた「それで肝心な時に使えなくてどうするのさ…」

ランジュ「ご、ごめん……栞子に! 栞子に相談するから! ほラ、立って。怪我はない?」

あなた「大丈夫大丈夫。おっと、それじゃ失礼。まだまだやる事はあるからね」スタスタ

ランジュ「あ…」

スタスタスタスタスタ

刺客「……」

刺客→かすみ「先輩、どうしました?」

あなた「だめだ、かすみちゃん。女王様が予想外に肝が小さい。まったく、だから小悪党レベルなんだ」ヤレヤレ

かすみ「金と権力のある小悪党ほど恐ろしい敵も少ないと思いますけど…先輩、今日は休んで…」

あなた「いや、だめだ。こうなったらプランBだ。やってくれるね、かすみん?」ゲッツポーズ

かすみ「プランBって……それはバカのBじゃないですよね」

あなた「心配いらない、ブルーのBさ。ランジュと栞子ちゃんの顔色がブルーになるぐらい、でね」すっ

かすみ「…え?」パラパラ

あなた「どうしたのさ? やる事は書いたけど」

かすみ「いえ……」

かすみ(もう決めた事だ。地獄の底までお供するって。だけど…)

かすみ(しお子にこんな仕打ちをするなんて…しお子はもうだいぶ弱ってるのに……いや、先輩だって)

かすみ(声は気楽でも、顔からは苦痛を隠せない。私がきっかけでやったしず子の事でもだいぶ心を痛めてるんだ、しお子に対してはもっと……)

かすみ(苦痛と狂気が入り混じると、人間ってこんな顔をするんだ。しず子とまた仲良くなれる日がくれば、そんな話をしてやりたいほどに)

かすみ(やるしかない、もう後戻りできない。自ら育てた闇に喰われて滅びるならあのくそったれも道連れにしてやる。そうだとも、そうでもなければ)

かすみ(この人をこんなにしてしまった責任を、誰がとるっていうんだ)

かすみ「……カフェテリアで実行します。人の用意は…」

あなた「できてるよ。例のスポンサー様が貸してくれてね。かすみちゃん」

あなた「貧乏くじを引かせてごめんね」

かすみ「いえ………」
41 : ◆3m7fPOKMbo [sage]:2020/11/29(日) 21:01:57.56 ID:r/r3W2ps0
スクールアイドル部 部室

果林「…ランジュ、動きが私たち以下になってるわよ?」

愛「こりゃー、果林さんがセンターだね」

ランジュ「その方がいいかも」

愛「え? どういう風の吹き回し? 風なだけに風邪をひいてるとか…」

果林「んな訳ないでしょ。ランジュよ?」

愛「それもそうだね。ここ数日、練習にも顔を出してない時もあったけど、顔色良くないよ?」

ランジュ「次のライブが、すごく怖くて…」

愛「次のライブが?」

果林「あら、どうして?」

ランジュ「他の学校の、子たちの前でやるのよ? 本当に、ランジュの魅力に…」

果林「胸を張りなさい」

ランジュ「……」

果林「怖がってちゃ、ステージもへったくれもないわ。大丈夫、いつも通りにやればいいのよ」

愛「そうそう。いつもみたいに、ね?」

ランジュ「…ありがとう」

ランジュ「栞子、遅いわね……」

バターン

左月「た、大変です!」

右月「会長が……カフェテリアで……」

ランジュ「どうしたの?」

愛「なんか穏やかそうじゃないね」

左月「カフェテリアで、暴動が起きそうなんです!」

右月「とにかく、生徒会長が危険です!」

果林「……愛、行きましょう」

愛「わかった! ランジュさん、しずくとここにいて!」

ランジュ「だめ、行くわ。ランジュも……」

しずく(移動するのか…行かなきゃ)すっく
42 : ◆3m7fPOKMbo [sage]:2020/11/29(日) 21:02:52.05 ID:r/r3W2ps0
カフェテリア

栞子「……」俯き

わーわーわーわー

かすみ「我々、音ノ木坂連合コッペパン解放戦線は生徒会による文化部への不当な活動停止処分、および監視委員会による規制を許す事が出来ない! 生徒会長は直ちに全部活動の活動再開と予算拡大に応じ…詫びろ」

ワンダーフォーゲル部部長「我ら浦の星同盟サンドイッチ革命軍は生徒会による運動部への不当な活動停止処分及び予算の削減に反対し、ただちに是正を求める! 文化部は虹ヶ咲学園の文化に対して何ら貢献をしていない! それより全国を目指す我々の予算を増やすべきである! スクールアイドル部を私物化し、予算を食い潰す生徒会長は詫びろ!」

かすみ「こっちに詫びろー!」

ワンゲル部部長「いいや、こっちに詫びろー!」

詫びろー! 詫びろー! 詫びろー!

栞子「……」俯き

かすみ「詫びろ。詫びろ〜…詫びろ。三船ぇ…聞こえない? 詫びろ…三船ぇ! 詫びろぉ!」

かすみ(ごめん、しお子)

ワンゲル部部長(顔に出すな、ランジュが来るぞ)

土下座だー! 土下座しろー! 土・下・座! 土・下・座!

愛「うわ、どういう事…」

果林「ほとんど暴動寸前だわ…栞子は…」

ランジュ「栞子…」

ワンゲル部部長「……そこにスクールアイドル部部長がいるぞ!」

かすみ(やばい、しず子まで来てる)

愛「!」ランジュの前に立つ

果林「ランジュ、下がって」

ランジュ「けど…」

しずく「あ……」

しずく「かすみさん………あんなに怒って」ブルブル

ワンゲル部部長「生徒会長、三船栞子はスクールアイドル部を私物化し! それまで活動していたスクールアイドル同好会に不当な弾圧をかけて活動停止処分を行った! つまり、我々虹ヶ咲学園の生徒は優木せつ菜のステージを奪われたのである!」

許さんぞー! 璃奈ちゃんのステージを見せろー! 蝙蝠外交! 全速前進だ!

かすみ「返せ! 私たちの活動場所を返せ! 部活を返せ!」

返せー! 解放しろー! 予算よこせー! エマちゃんのステージが見たい! あれが生徒会長ですって、認められないわぁ! また、戦争がしたいのか、あんた達は!

かすみ「ランジュのスクールアイドル部が、我々が使える予算を奪っている! ここにスクールアイドル同好会の予算内容があります! 部費の多くは! 自弁、またはライブからの入場料の残り! 会場借り上げ費用とか衣装代とかもあるので! ライブの入場料も合わされば御覧の通り!」

サンドイッチ革命軍「スクールアイドル同好会の予算は潔白だー!」

コッペパン解放戦線「運動部の多くは部費を徴収しているぞー!」

しずく「あ、ああ………」わなわな

しずく(かすみさんは栞子さんにまで容赦なくなった。落ちるところまで―――――突き落としたんだ、私が。私が突き落としてしまった)
43 : ◆3m7fPOKMbo [sage]:2020/11/29(日) 21:04:04.81 ID:r/r3W2ps0
しずく「……」ダッ

かすみ(まずい、しず子が顔色変えて逃げた!? 早まるかも!?)

演劇部部長「おっと。桜坂か……ここは危険だよ、演劇部の方に避難しようか」

しずく「あ…は、はい…」

演劇部部長(グッドラック、かすみん)

かすみ(サンクスです、部長さん!)

ドタドタ

歩夢「すごい騒ぎ…まるで暴動」

菜々「………静まりなさい! 双方静まりなさい!」

歩夢「菜々ちゃん…」

前生徒会長だ! 中川さんだ! すごい…一瞬で騒ぎが止まった!

菜々「これはどういう事ですか! お二人とも、説明してください」

ワンゲル部部長「……」

かすみ「……」

菜々「……かすみさん。軽率な行動は……辞めてほしいですね…」低音

かすみ「抗議活動です。平和的な。ねぇ?」しれっ

ワンゲル部部長「抗議活動です、前生徒会長。実際に運動部も予算を削減されており、部員への不当な圧力もあります」しれっ

菜々「平和的な抗議活動? 数十人で一人を囲むことのどこが?」低音

ランジュ「し、栞子…今のうちに」そそくさ

愛「うん、こっちこっち。せっつー、ありがとう」

果林「さあ、立って栞子ちゃん」

栞子「……」ボーゼン

かすみ「…」チラッ

かすみ「諸悪の根源が逃げるぞー!」

菜々「……その口、塞いでも良いですかかすみさん?」ギロッ

かすみ「………」ぷいっ

菜々「部長は今も、私たちの為に駆け回ってるのに…それをあなたは!」ガシッ

かすみ(かすみんは知ってますよ。せつ菜先輩が知らない所で。これも先輩の考えだって事を―――――そこまで駆り立ててしまった、ランジュと私たちの罪を、知っている)

菜々「かすみさん、あなたに聞いているんですよ!?」

歩夢「菜々ちゃん、やめて」

菜々「……すいません」

菜々「このことは報告します! 直ちに解散しなさい! いいですね!」

ゾロゾロ

菜々「……フーッ…フーッ…」イライラ

歩夢「せつ菜ちゃん……」

菜々「私は……私は……」
44 : ◆3m7fPOKMbo [sage]:2020/11/29(日) 21:05:03.29 ID:r/r3W2ps0
空き教室 スクールアイドル同好会根城

歩夢「少し休んで、ね?」

彼方(……すると、さっきの騒ぎ声も彼女の打った手か。詳細を聞かなきゃ)

彼方「どうしたの?」

エマ「せつ菜ちゃん、大丈夫…憔悴してる」

せつ菜「…すみません……カフェテリアで、騒動が」

璃奈「騒動って……」

歩夢「栞子ちゃんへの、抗議活動。活動再開と予算拡大を求めて、数十人で栞子ちゃんを囲んでたの」

せつ菜「……そのうちの一つのグループを煽動していたのは、かすみさんでした…」

彼方(あの人正気か!? そんな一歩間違えたら大爆発しそうな危ない橋まで渡るの!?)

璃奈「そんな……璃奈ちゃんボード『驚愕』」

エマ「……そんな事。下手に大きくなったら……すぐに止めなきゃ!」

彼方(栞子ちゃんが私刑にでもかけられたらどうするつもりだったの!?)

彼方(いや…そんな手段すら取れる状態にまで狂ったんじゃなく…そんな手段を行っても平気なおぜん立てを手に入れた…?)

彼方「はいはい、落ち着いて」

彼方「璃奈ちゃん、かすみちゃんと話したって言ってたよね? かすみちゃんはああ見えて思慮深いよ〜」

彼方(観測者としての位置を決め込む私からは、そうとしか言えない。だが、その破滅を私自身も受け入れるしかない。なぜなら)

彼方(滅茶苦茶にされた彼女の世界を、黙ってみているしかしなかったのが、私の罪だ)

歩夢「……あの子に相談してみよう」

あなた「呼んだ?」ムーンウォーク

せつ菜「部長さん! 大変です! かすみさんが、かすみさんが…」

あなた「ど、どしたの?」

かくかくしかじかしかくいムーブ

あなた(騒ぎ聞きつけてせつ菜ちゃん首突っ込んだ上にしずくちゃんまでいたって少し狂ったな、これ。だからさっき『桜坂はフォローしとく』ってメッセージ来たのか…)

あなた(まあ、後でランジュの所には行くとして。ひとまずこっちを鎮静化しないと)

彼方(震えてるけどあれ…怒りじゃない。笑ってる…もっそい笑ってる震え方だよ…)

彼方(夜神月さんがまともに見える計算通りって顔してそうだ…)

あなた「わかった。ちょっと話をつけてくる。悪いようにはならないよ」

せつ菜「しかし……」

あなた「大丈夫大丈夫。せつ菜ちゃんも聞いた事ぐらいあるでしょ? 生徒会に相談しつらい事に対する生徒間の互助会ってやつ。そっちを通じてなんとかしてもらえばすぐ落ち着くよ」

エマ「そういえば学生寮にそんな人たちがいるって聞いたけど…」

あなた「そうそう。ランジュの事も含めて色々相談してたからね。大丈夫、心強い味方だよ」ニコッ

あなた(BIG4の皆様、今日の花火はなかなかのもんでしょう?)

あなた(ランジュの所に行ったら、音ノ木坂に行かないと。あの人たちも来ている)よいしょっと

歩夢「……気を付けてね。無理しないでね」

あなた「わかってる、わかってる、無問題ラ、なんてね」ゲッツポーズ
45 : ◆3m7fPOKMbo [sage]:2020/11/29(日) 21:06:08.15 ID:r/r3W2ps0
スクールアイドル部 部室

ランジュ「…栞子は?」

果林「よく眠ってるわ…あの子も生徒会長として、板挟みなんでしょ」

ランジュ「………私、酷い事を…」

愛「ランジュさんの事、皆いつかわかってくれるよ。だいいち、しお子が生徒会長になったのも選挙で選ばれてだよ?」

ランジュ「……一つ、謝らなきゃいけない事があるの」

愛「ん?」

果林「あら」

ランジュ「………同好会の、部長さんの事。あの子に、ランジュは『あなたは要らない』って言ってしまった」

愛「!」

果林「…!」

ランジュ「今は違うの。あの子は、本当に本当に大切な人だった。だから、ごめんなさいって…一度」

愛(てか、部長さんランジュと会ってたんだ)

果林(ちょっと意外ね)

果林(……なにかしら、何か違和感があるわね)

愛(変な予感がする。気のせいかな?)

ガチャリ

あなた「ランジュさん、呼ばれて飛び出てファンクラブ会長が来ましたよー」

あなた(げえっ!? 果林さんに愛ちゃん!?)

愛「あ……た、大変なの。しおってぃーが……」

あなた「なんかえらい騒ぎだったみたいだね」

あなた(かすみちゃんには悪い事をしたなとは思ってるけど)

あなた「ちょっとランジュを落ち着けておくよ。ごめんね」

愛「あ、うん……」

果林「そうね…練習でもしてるわ」

愛「果林、果林。もしかして二人っていつの間に…」

果林「ありえないわ? だって部長さんよ?」

愛「……そうだね。隙あらばマリーを狙うという…」

果林「いえ、希ちゃんと聞いたわ」

愛「もしかして…胸が好きなの?」

果林「あり得るわね」
46 : ◆3m7fPOKMbo [sage]:2020/11/29(日) 21:07:28.02 ID:r/r3W2ps0
ランジュ「怖かった…栞子があんな怖い目に…」ブルブル

あなた「大丈夫。大丈夫だよ。その話を聞いたからね、少し話をつけてきたんだよ。だから栞子ちゃんはもう安全だ。ランジュさんは怖がらなくていい」

あなた「大丈夫…ほら、横になって」

ランジュ「うん……」

あなた「よしよし…少し眠るといいよ。眠ると落ち着くんだ、誰でもね」

ランジュ「…ありがとう…その手が、優しいわ…ZZZ」

あなた「さてと」ニマァ


ガチャリ

あなた「ランジュさん、眠っちゃってるから、もう少ししたら起こしておいてね」

果林「ええ。わかったわ」

愛「……部長さん、目の隈すごいけど?」

あなた「ああ、大丈夫大丈夫。いつも最高の友達がいるからね。これからまだ出かけるので」

ガサゴソ

カシュ カシュ

あなた「アイ・アム・チャンポン。なんてね」グビグビグビゲフー

果林「……ノンシュガーでも乙女には似合わないわね」ヤレヤレ

愛「うーん、愛さん感心しない」ヤレヤレ

あなた「それでは、またね。シャイニー☆」ゲッツポーズ
47 : ◆3m7fPOKMbo [sage]:2020/11/29(日) 21:08:18.45 ID:r/r3W2ps0
音ノ木坂 理事長室

ことりママ「認められないわ」

鞠莉パパ「認められないね」

あなた(冗談きついぜ、と悪態をつきたくなった)

あなた「予算は無限ではないから、ですか」

ことりママ「いいえ」

鞠莉パパ「それではないね。血を伴う革命であればあるほど、成功率は低くなる」

鞠莉パパ「君は賢い子だ。ロペスピエールぐらいは分かるだろう?」

あなた「それでも最後のくじを引いたのはナポレオンです」

ことりママ「ナポレオンはセントヘレナで失意のうちに亡くなったわ」

ことりママ「……スクールアイドル同好会の皆さんが、当校で練習をすることの許可をしばらく延長します」

ことりママ「それを見て、もう少し考えなさい。ね?」

あなた「…わかり、ました」

鞠莉パパ「南さんの言う通りだ。君も焦り過ぎだ。青春の時間は有限であるのは知っている。だが、それだけでは済まない事もある」

あなた「失礼いたします」

ガチャリ

あなた「こん畜生」

あなた「おっと」

ファンクラブ1『作戦の日は近づいている。衣装と小道具が出来たよ』

あなた「了解」

ファンクラブ1『問題はパートナーがまだ決まってない事なんだけど……君が決めないならこっちが適任を選出するよ』

あなた「了解。『誰ですか?』」

ファンクラブ1『決まっているだろう?』

ファンクラブ1『中須さんは大女優だと聞いているよ』

あなた「やれやれ」
48 : ◆3m7fPOKMbo [sage]:2020/11/29(日) 21:09:09.28 ID:r/r3W2ps0
同じころ もんじゃ「みやした」

愛「そっか、最近は部長さん来ないんだ……」

愛(音ノ木坂で最近練習しているというのは、彼女が教えてくれた)

愛(ランジュが監視委員会を廃止したことを告げるべきか迷ったけれど、音ノ木坂でμ’sの皆と練習するのことでレベルアップにつながるなら、それも良いのかも知れない)

愛(彼女は部長さん同様にとても優しいけれど、部長さんと違う所は怒るとすごく怖い。μ’sで一番怒らせたら怖いのはこの人だって思う)

穂乃果「歩夢ちゃんたちが言うには、学校では顔を会わせるけど忙しいらしいね。こっちの練習にも来ないし。それに」モグモグ

穂乃果「かすみちゃんがおかんむりだったらしいね? 歩夢ちゃんから聞いたよ」

愛「うん……今日もね」

穂乃果「まあ、正直ね。愛ちゃん」

愛「うん」

穂乃果「少なくとも穂乃果はスクールアイドル部に行った愛ちゃんに怒ってます。結構怒ってます」ずいっ

愛「うっ……ほ、穂乃果のその顔、愛さんは怖かったり」

穂乃果「茶化さない」めっ

愛「あうっ」

愛「……同好会の皆が、行きたがらない理由も、少しわかった気がする」

穂乃果「それは?」

愛「ランジュさん、強引なところあるから……それで。部長さんに少しひどい事を言ったみたい」

穂乃果「ありゃま」モグモグ

愛「……ランジュさん、今では後悔してるらしくて。ごめんなさいしたって」

穂乃果「あの子はどう思ってるのかな?」

愛「ど、どうなんだろう? ファンクラブの会長になったのは本当みたいで、ランジュさんが疲れてたのを慰めてたんだよ、今日も」

穂乃果「…あの子自身は意外と気にしてないのかもね」

穂乃果(まあ、前向きな子…あれ? あの子ってそんなに前向きだったかな?)

穂乃果(むーん、何か嫌な予感がする。けど、愛ちゃんにその話をしたら余計に心配させちゃうし)モグモグ

穂乃果「明太子の奴、お願い。それと、アイスマテ茶お代わり」

愛「はーい」
49 : ◆3m7fPOKMbo [sage]:2020/11/29(日) 21:09:43.08 ID:r/r3W2ps0

穂乃果(まあ、意外と魔法みたいにパパっとなんかやるかも知れないしね。そこまでランジュちゃんと仲良くなってるんなら、案外早めに和解は出来るはず)

穂乃果(これが千歌ちゃんだったらもうちょっと大騒ぎするんだろうなぁ。穂乃果は落ち着きがあってよかったよ)ヤレヤレ

穂乃果「でも愛ちゃんも果林さんも音ノ木坂にはしばらく気を付けるように。にこちゃんがにこちゃん大魔王になってるからね」

愛「お待たせしましたー。わ、わかったよ…」

穂乃果「まあ、きっとそのあたりあの子が何とかしてくれるよ、いつもみたいに」

穂乃果(なーんてのんびり構えてたら海未ちゃんあたりに怒られるかな? まあ、様子見が大事だよね)ゴクゴク



あなた『やぁ、こんばんは』

ランジュ『う、うん…ごめんね、弱いところ見せて』

あなた『気にしない。ところでさ』

ランジュ『なにかな?』

あなた『もう一つ提案があるんだけど』

あなた『同好会の皆と同じステージに立つ方法』

あなた(君の最期を、彩る為にね)

5/了
50 : ◆3m7fPOKMbo [sage]:2020/11/29(日) 22:48:24.60 ID:r/r3W2ps0

『人工無能。こち亀の有名なシーンを知っているかい?』
『回答。アバウトすぎて回答できません。あえていうならば、すべてのコマが有名シーンになります』
『人工無能。それなら教えてあげよう。要は両さんが不良についていうシーンさ』
『回答。「ちょっと勘違いしているんじゃねぇか」のシーンですね』
『その通り。あれは大好きだね』
『なぜでしょう?』
『悪人が改心したって悪事は消えないからね。だからそいつらが滅んでも当然の報いってやつさ』
『イアン・ヴァスティ氏が沙慈・クロスロードに言った名言をご存じでしょうか?』
『なんだっけ?』

『「罰は受ける、戦争をなくしてからな」です』

6/スクールアイドル

空き教室 スクールアイドル同好会根城

あなた「グッドモーニング、善子ちゃん。よく聞こえてるかな?」

善子『善子じゃなくてヨハネ! リリーからも聞いたけど、そっちは大丈夫なの?』

梨子『すいません、今日は私とよっちゃんしかいなくて…』

あなた「大丈夫だ、問題ない。千歌ちゃん達にも伝えておきたい話があってね」

彼方「すやぴ(他の皆は音ノ木坂でつなげてるんだろうけど…上手く理由をつけて残ったは良いけど、彼女はどんな手を打つんだろう?)」

凛『マイクテス、マイクテス。ママママママママイクテスにゃ』

海未『凛、遊んではいけませんよ! すみません、同好会の皆さんが来ているのにこちらも今日は人数が集まれず…』

歩夢『お、お邪魔してるのはこっちだから…』

エマ『うん…、それで、話って?』

あなた(梨子ちゃんと凛ちゃんは良いとして、ヨハネと海未ちゃんは厄介だな。他メンバーがいないから、多数決ゴリ押しも難しそうだ)

あなた(まあ、まだにこさんじゃないだけマシか…。μ’sで一番この手で厄介なのはにこさんだし。でも、この作戦で一番ネックになりうる鞠莉さんも不在なのは一番の幸運だ)

あなた「向こうの手の内を探るべくファンクラブ会長として色々やってたので、ちょっと面白い話を持ち掛けられたんだよ」

海未『ええ、歩夢から聞きましたが…きちんと休めているのですか?』

あなた「大丈夫、大丈夫」

凛『面白い話ってなにかにゃ?』

梨子『ええ、なんでしょうか?』
51 : ◆3m7fPOKMbo [sage]:2020/11/29(日) 22:50:19.11 ID:r/r3W2ps0
あなた「なに。同好会の皆やμ’s、Aqoursの皆さんを招いた合同ライブをしたいんだってさ。虹ヶ咲学園のスクールアイドルをもっと盛り上げよう、という魂胆らしい。ランジュが言うには、虹ヶ咲学園といえば優木せつ菜というイメージを越えるつもりらしいね」

あなた(というのを吹き込んだんだけどね。ランジュは結構チキンで首をなかなか縦に振りやがらないから)

あなた(こっちで既成事実を作ってしまおうという訳だ。向こうが乗り出さざるを得ない環境を作ればいい)

あなた(何一つ不自由ない環境、だろう?)

彼方(また地獄の気配がしてる……おまけに、μ’sやAqoursの皆が少ない事にうれしいみたい)

海未『……悪い話ではありませんが、良い話でもありませんね』

善子『同じく。海未の言う通り、ヨハネも気が乗らないわ』

璃奈『………確かに不思議。どうして急に?』

エマ『うん、確かに…でも』

せつ菜『……発言しても?』

梨子『ど、どうぞ?』

せつ菜『……彼女が私を越えたいというのであれば、私は受けましょう』

あなた(よぅし! だからこそせつ菜ちゃんだせつ菜ちゃん最高だ! その反応を引き出したかった!)

海未『せつ菜、良いのですか? 私たちはまだランジュのステージを見てはおりませんが、すごいステージだったのでしょう?』

せつ菜『……はい。ですが、このまま引き下がり続けては……ダメな気がするんです。部長がこうして駆け回って、これもまたチャンスだろうとして持ち込んできたのです。それを信じようかと』

せつ菜『いつだって、私たちの為に掴んできてくれたんです。だから、それに、応えないと。スクールアイドルとして』

海未『なるほど。良いでしょう、せつ菜。ですが、まだ他のメンバーにも相談しませんと……』

梨子『そうですね。でも、せつ菜ちゃんのその言葉を聞けば、きっとみんな良い返事になると思います』

善子『……』

あなた(海未ちゃんは攻略した、後は善子ちゃんだ)

善子『条件が一つあるわ』

善子『リトルデーモンが同じステージに立つというのなら』

あなた「問題ない、ルビィちゃんなら―――――――」

凛『なるほど、かすみちゃんの事を言いたいのかにゃ?」

あなた(あっちゃ〜……そう来たか、とは言いたいがそれに対するカウンターは)

あなた「なんとかするよ。かすみちゃんもわかってくれるさ」

彼方(……この人…とうとう、μ’sやAqoursの皆まで…)
52 : ◆3m7fPOKMbo [sage]:2020/11/29(日) 22:51:27.91 ID:r/r3W2ps0
ガチャリ

海未『おや、穂乃果。やっと生徒会の仕事が終わったのですか?』

穂乃果『うん、まあね〜。おお、久しぶりだね」

あなた「やあ、穂乃果ちゃん。実はね…」

色々説明中

穂乃果(次に愛ちゃんに会いに行くときにそれとなく聞くとしようか…けど。この子がこんな話を持ち込んできたってことは、仲直りしようよっていう風に動いたのかな)

穂乃果(まったく、こういうのはどっしり構えるのが一番だね。千歌ちゃんだったらひたすら駆け回ってそうだ、穂乃果は落ち着きがあってよかったよ)ヤレヤレ

穂乃果『穂乃果は反対する理由はないかな』

穂乃果(愛ちゃんも聞いたらうれしいと思うだろうしね)

海未『意外ですね、穂乃果』

穂乃果『まあねー』

善子『……せつ菜?』

せつ菜『ああいえ…善子さんがかすみさんの事を話していたのを、思い出して』

善子『……この前、璃奈が話していた事ね』

あなた(あ、そっか。例のプランB、せつ菜ちゃんが乱入したんだった)

あなた(てか、しずくちゃんがその後どうなったかのフォローも聞いてないや。やらかした)カシュ

あなた(落ち着け、クールになって考えろ…)グビグビグビ

海未『カフェインと糖分の取り過ぎにつながりますから良くないですよ。歩夢もよく飲んでいるのを見ると言っていたのですし…それとせつ菜、かすみの事、とは?』

せつ菜『……かすみさんが同好会から離れた後ですが…栞子さんに対する抗議活動の煽動を…いえ、ほとんど暴動の煽動をしていました』

海未『……え?』

梨子『…え?』

あなた(梨子ちゃんまで顔つきが変わった!?)グビグビゲフー

穂乃果『ああ……』

せつ菜『……部に行った人たちに対して、妙な事を考えなければ良いのですが…そもそも、私たちとも同じステージに立ってくれるでしょうか』

あなた「せつ菜ちゃん、無問題ラ。その騒ぎがあった後に話してきたからね。もう大丈夫」

エマ『どうやって話をしたの?』

あなた「ん? ああ、これ以上勝手な事したらわしわしMAXの刑だってね」
53 : ◆3m7fPOKMbo [sage]:2020/11/29(日) 22:52:43.38 ID:r/r3W2ps0
ピコン、ピコン

穂乃果『あれ…参加希望が…おっと、これは』

千歌『自宅から接続したのだ!』

曜『であります!』

梨子『二人とも用事は済んだの?』

千歌『もちろん!』

曜『ヨーソロー。今北産業、でありますな』

色々説明中

あなた「どうかな?」

千歌『千歌は感心しない』ぷく

あなた「な、なんと」

あなた(マジかよ! ここに来て千歌ちゃんだって!?)

千歌『ランジュちゃんの話は聞いてる。けどね、ランジュちゃん、外に出てないよね』

曜『うん。確かに。虹ヶ咲学園のスクールアイドルと名乗るには、外に出なさすぎだよ。それは千歌ちゃんと同意見』

千歌『いうのは何だけど、歩夢ちゃん達を困らせる事をしている上に、それに見合う実力が本当にあるのか、そしてそれだけの権利はないはずなのにそうしている事を、ごめんなさいしてもらわないと千歌は納得できないかな』

穂乃果(やはり千歌ちゃんは深く考えるなぁ。それが悪い事とは言わないけれど。けど)

穂乃果(この子がその話を持ち込んだのは、ランジュちゃんと同好会を仲直りさせるための一歩。せつ菜ちゃんだってそれを信じて受けたいと言っているんだと思う)

穂乃果(ここは私が千歌ちゃん達を宥めないといけないな)

穂乃果『千歌ちゃん、曜ちゃん、どうどう』

穂乃果『何も考えないで、持ち込んでいる訳はないよ。虹ヶ咲の皆が頑張る為の糸口としてこれを持ち込んだって穂乃果は思うんだ』

穂乃果(後で愛ちゃんにも聞いとかないとね)

千歌『穂乃果ちゃんが言うなら、千歌は何もいう事はないのだ』

曜『同じく…けど』

穂乃果『けど?』

曜『かすみちゃんと同じステージに立ちたい、かな』

梨子『そうだね…私も。だからせめて、それがうまく行くなら』

あなた(最終手段だ。メッセージを送る、かすみちゃん、お願い)

彼方(観測者だ、私は観測者。この破壊の行く末までを観測する、私たちがいた事を残すために)

彼方(本当にそれでいいのか?)
54 : ◆3m7fPOKMbo [sage]:2020/11/29(日) 22:53:59.57 ID:r/r3W2ps0
ピコん、ピコん

千歌『参加者なのだ』

かすみ『どうも』

せつ菜『かすみさん…!』

かすみ『性急すぎたとは、反省しています。この前の事は』

梨子『………かすみちゃん』

かすみ『はい、梨子先輩』

梨子『栞子ちゃんにきちんとごめんなさいする事!!!』怒気

かすみ『は、はいっ!』

海未『…まさか私より先に梨子に言われるとは。梨子の言う通りですよ、かすみ』

せつ菜『ところで、もう片方のグループについては…?』

かすみ『そっちも先輩が話して納得してもらえました』

千歌『その交渉術を千歌にも分けてほしいのだ』

穂乃果『魔法レベルだものね』

あなた(スタンドレベルと言ってくれ、穂乃果ちゃん)ゲッツポーズ

彼方「……」

彼方(傍観し続ける、私。お互いに彼女を思いながら衝突する、せつ菜ちゃんとかすみちゃん。いつまでもこのままでいいのか、本当は止めるべきなのか?)

彼方(それは…していいのか。世界を壊されたあの子が、そしてそれを傍観していた私たちへ放った罰でもあるんだ、そう納得しなきゃ…納得しなきゃ…)

あなた(しかしこれで何とかなった。後はμ’sとAqoursは内部で納得してもらえるだろう。鞠莉さんあたりがネックだけど、その時はソロで話せばいい)

あなた「いい話が聞けて良かったよ。じゃあ、詳細を詰めとくから。大丈夫、無問題ラ、なんてね。シャイニー☆」

あなたさんがログアウトしました
かすみさんがログアウトしました

穂乃果『まあ、そういう訳でこっちもライブに向けて準備しないとね』

海未『……穂乃果が言うのでしたら……用心するに越したことはないでしょう』

善子『…ん?』

梨子『どうしたの、よっちゃん』

善子『彼方からメールだわ…なにかしら、クロケット帽?』

せつ菜『彼方さんなら、今は私たちの拠点に部長といた筈です…眠気がひどいとかで』

善子『寝惚けてたのかしら』

善子(クロケット帽、クロケット帽…何か引っかかるわね)
55 : ◆3m7fPOKMbo [sage]:2020/11/29(日) 22:55:09.75 ID:r/r3W2ps0
スクールアイドル部 ランジュの部屋

ランジュ「……合同ライブの事、なんだけど…やっぱり」

あなた「うまくいった。ばっちり」ぶいっ

ランジュ「え、あ…そ、そうなの?」

あなた「あの子たちもステージに立ってくれるってさ。まあ、あっちの人たち経由で聞いたんだけどね」むんっ

ランジュ「そ、そうなんだ……じゃあ、果林たちにも話すから、詳細、決まったら教えてね…」

あなた「どうしたの? 元気ないよ?」

ランジュ「……ううん、なんでもないの。なんだか、すごく不思議な気分」

あなた「おやおや、そういうときは休めば良いのさ。さあ、横になって。大丈夫」

あなた「あなたが信じる、私がついてるよ」にこっ

ランジュ「…うん。少し、眠るわね…」

ランジュ「試練なのかしら、これも……」

あなた「……」ニマァ

あなた(計算通りだ。さて、いつものようにMKウルトラなのを仕込もうか。そろそろ始めてもいいな)

あなた(タネヒネリ島さえ終われば、最後の爆弾も完成だ)



スクールアイドル部 他校生徒オンリーライブ 当日

遥「かすみちゃん、こんにちは」

かすみ「遥ちゃん、こんにちは…ありがとう、来てくれて。それと、相談した事なんだけど…」

遥「ばっちりです。うちの学校だけじゃなくて…いろいろな学校から集まってくれまして。エキストラですから、人数がいないと格好がつかないですもんね」

かすみ「うん、まあね……みんなにお礼を出すから。えーと…リスト、リスト…」

遥「あ、そうだ」

遥「スクールアイドルの話をしたら、興味を示した学校の生徒がいたんです」

かすみ「そうなの?」

かすみ(そうか、そういった子もいるのか)

かすみ(それを、こんな事に使うなんて残酷だ。遥ちゃんにも、そうだ)
56 : ◆3m7fPOKMbo [sage]:2020/11/29(日) 22:56:36.17 ID:r/r3W2ps0
遥「そういった新しい学校の子がライバルになって…スクールアイドルはそうやって切磋琢磨するんだなって思うと」

遥「なんだか、少しうれしくなりますよね」

かすみ「…そうだね。かすみんも、そう思う」

遥「かすみちゃん、疲れてるの?」

かすみ「少しね」

遥「…お姉ちゃんもまた、ステージに立てるといいけど。今回の企画で、主演の人の気持ちも変わると良いんですけど」

かすみ「うん…彼方さんは、苦労多いから…」

かすみ(ずきりと痛む。この痛みは私の中だけにしまっておこう)

かすみ(でも…あの人も感じているんだろうか)

ずき ずき ずき

かすみ「それじゃあ、送った通りに…」

遥「はい。部長さんも昨日のうちに、事前説明してれたので、大丈夫です」

講堂 控室

ランジュ「緊張する…」

ランジュ(あの子が前準備もしてくれたとはいえ、虹ヶ咲学園のスクールアイドルというと、まだ同好会の子たちのイメージ。中でも優木せつ菜のイメージが強い)

ランジュ(私はその中に入っていけるのだろうか?)

果林「これでよしっ…と。ランジュ、衣装がずれてるわよ」

ランジュ「あ、うん」

愛「化粧さんがついていながらこれだから、しっかりしないと。スクールアイドルとしての自覚は持つ事」

ランジュ「そ、そうね…先輩、だものね」

愛「へ? ランジュさん、愛さんと同い年でしょ?」

ランジュ「スクールアイドルとしては、愛の方が先輩よ」

愛「…あ、ああ。そうだね。あははは…」

果林「言いえて妙ね」

果林(けどランジュ。謙虚にるのは良い事だけど、謙虚を通り越して)

果林(卑屈になりかけてるわよ。不安定なのかしら、この子も…)

愛(こうなる前は安定していた。パフォーマンスだって、すごく下がってるようにも見える)

愛(なにかおかしい。けど、ライブだけは成功させないと)

果林(あの子が、大手を振って私や皆をステージに立たせるように。裏方どころじゃない引っ込みよう)

果林(あの子も心配だわね、駆け回りすぎて倒れてないか…)
57 : ◆3m7fPOKMbo [sage]:2020/11/29(日) 22:57:37.18 ID:r/r3W2ps0
演劇部控室

かすみ「…ところで部長、一つ聞きたいんですけど」

あなた「なんだい?」

かすみ「例の作戦、誰がスクールアイドルやるんです?」

ファンクラブ1「桜坂から、君は大女優だと聞いている。はい、台本」

あなた「演劇部の演出チームの全力だ。流れに身をゆだねよう」

かすみ「…まあ、良いですけど。かすみんに負けないでくださいよ?」

ファンクラブ1「では中須さん、これを」

かすみ「……あの」

ファンクラブ1「なんだい?」

かすみ「すごく…大きいです」

あなた「作戦の始まりだ」

講堂

栞子「虹ヶ咲学園スクールアイドル部、秘密のライブにお越しいただきありがとうございます」

ランジュ「この中にランジュが嫌いな人はいる? でも大丈夫、一分後には好きになってる…ん?」

ランジュ(スポットライトが出入り口に…)

愛「あれ? 誰だろ?」

果林「乱入者とか?」

しずく「……」ぽやー

???1「(やばい、しず子がいますよ)」

???2「(作戦続行だ。ここまで来て皆を裏切る訳にはいかない)」

愛(スポットライトに照らされた二人の人影)

果林(それは少し異様だった。片方はアフロ、アフロだ)

果林(ものすごくでかいアフロ。そうだよアホだよって言葉が似あう程に明らかに顔の二倍以上の大きさを持つアフロ。あと、スーツを着ているアンバランスさ)

愛(そしてその隣に立つのは――――――――すごく注目だった)

愛(薄めの長いブロンドだが、先端部分は極めてカラフル、文字通りレインボーな毛先。キャミソールとハーフパンツというスタイルも露出度の高さだけをゴリ押しした下品に見えて、どちらもハイブランドで華やかさと美しさだけに特化している。それを知るものでないと分からない)

果林(そしてその上から、あえて袖を通していないジャケットがマントのようにはためく。その瞳はきらきらと輝いている)

愛(星が見える、いや、星を人にするならばこんな感じの)

ランジュ(それは歩くだけで輝きを放つような人だった)
58 : ◆3m7fPOKMbo [sage]:2020/11/29(日) 22:58:40.01 ID:r/r3W2ps0
???1「えーちょいすいません、ちょいすいません。スクールアイドル部の方ぁ、いらっしゃいますー? ちょいとお邪魔してしもうてすんませんなぁ」

果林「不審者?」

???1「あ、怪しいものやないんですわ」

愛「いや、怪しい人ってだいたいそれ言うけど、怪しい人なだけに」

???1「うち、スクールアイドルプロデューサーの、鹿角ん子と申しますー。よろしゅうな」すっ

名刺『スクールアイドルP 鹿角ん子
    実績:Saint Snowのライブ演出
        その他、ラブライブ出場スクールアイドルのライブ演出及び出場者発掘多数』

ランジュ「え、あの、これ?」

鹿角ん子「すんまへんなぁ、ニッポンでは、こうして名刺を渡すんですわ。で、こちらが…」

???2「ゴゲスボボリダギ」

愛「!?」

鹿角ん子「SSSユアパーソン・虹ヶ咲はんですわ。この方はですなぁ」

キャーッ!!!

ランジュ・栞子・しずく・愛・果林「「「「「!?」」」」」

聴衆1「虹ヶ咲様、虹ヶ咲様よ!?」

聴衆2「まさか日本に来てたなんて…」

聴衆3「信じられない、生で見れるなんて…スクールアイドルの中のスクールアイドル…それが、スーパースターワールドクイーン・スクールアイドルシュプリームプリンシパル・スターダムオブザユニバース・ユアパーソン・虹ヶ咲…」

鹿角ん子「そうなんですわ。この方はスイス生まれでアメリカとロシアのハーフで日系二世の血を両方で引いてますんね、日本人みたいな顔してますけど、生まれて少し経ってからエリア51でスクールアイドルの英才教育を受け、アメリカが誇るまさにクイーンオブスクールアイドル! せやけど、エリア51での厳しい訓練の副作用で、日常会話がグロンギ語とツベ語とクリンゴン語しか喋れないやけど…」

愛(スクールアイドルの英才教育ってなんだろ)

果林(グロンギ語ってどこの言語なのかしら)

ランジュ(衝撃を受けた、衝撃だった)

ランジュ(これが、”本物”か―――――――――信じられない。震えが止まらない)

聴衆2「知ってます! その名はアメリカどころか、世界にも!」

聴衆1「『スクールアイドル・オブ・ザ・アメリカ』『スクールアイドルビッグ3タイトルを一人で所持したもの』『ワールド・オブ・スクールアイドルのアメリカ担当』『全てのスクールアイドルを過去にしたスクールアイドル』『伝説を越えたもの』…無数の称号を持つ方、その虹ヶ咲様はなぜ日本に!?」

鹿角ん子「ほんなら、こん中で虹ヶ咲様が伝説のスクールアイドル三天王と戦った話は…」

果林(あと一人ぐらいどうにかしなさいよ、何よ三天王って)

聴衆2「もちろんです! それを知らない人はスクールアイドルファンではありません!」

果林「嘘っ、知らなかったんだけど!」

愛「同じく!」
59 : ◆3m7fPOKMbo [sage]:2020/11/29(日) 22:59:47.44 ID:r/r3W2ps0
聴衆1「ロシアのスクールアイドルサイボーグ、PKエリーチカとの100曲ライブ公演にてステージで結んだ友情がスクールアイドルサイボーグをエンジェリックスクールアイドルエンジェル、KKエリーチカに目覚めさせたことですね!」

聴衆2「アフリカとアラブの頂点スクールアイドル、サウザンアンドワンナイト・わしわしMAX・のんたんとのワンナイト舞MYダンスTONIGHTを踊り抜いた伝説です!」

聴衆3「悪にとらわれた宇宙怪獣スクールアイドル、スペースニコッチをよしこ玉で浄化した事でトップオブスクールアイドルザクイーンの称号を世界スクールアイドル連合から授けられた伝説でしょう?」

鹿角ん子「せやけど、三天王の頂点にして筆頭として加わり四天王となる称号は『まだ早い』と辞退し、そして日本に来たんですわ」

聴衆4「ええっ!? なんでですか!? この人ならぴったりでしょうに」

鹿角ん子「虹ヶ咲はんは……日本にいる旧友であり、スクールアイドルの始まりである彼女と同じステージに立つ事で、初めてその称号を得るんだそうですわ…それは…」

鹿角ん子「自身と同じ名前である虹ヶ咲学園に通っている、スクールアイドル…エマ・ヴェルデはんと……」

鹿角ん子「その為にスペースニコッチを浄化した後、ソユーズ宇宙船でそのまま日本に来たんやけど…うっかり北海道に着陸して彷徨っていたところをSaint Snowに発見され、ウチの元に保護されたんですわ。このスターのわがままをかなえさせる事…スクールアイドルプロデューサーとしてやるべき仕事なんですわ」

SSSユアパーソン・虹ヶ咲「ゴドレザンパダギビパ、ゲンヂレンダスバグンレギゾバンジズビパギサセバギ」

愛「あの、なんて…?」

鹿角ん子「『ここで虹ヶ咲学園のスクールアイドルがライブをしていると聞き、エマと同じステージに立ちたいので来た。乱入してごめんなさいね』って言うてはるんですわ」

ランジュ「彼女は、ここのステージには今立ってない……」俯き

果林「ランジュ」

SSSユアパーソン・虹ヶ咲「ゴセパグメギャスゼ! バギングバギングバギングドググドバギングバギングギブグドバギングギブグドドググバギゼ! ロギゲンバンザジョ!」

ランジュ「ひっ!?」

鹿角ん子「『なんだって! 私は彼女と同じステージに立つためにここまで来たのに! 私を完成させるために彼女の輝きが必要なのに! それに、バックダンサーを従えているように見えるが、実際は彼女たちもスクールアイドルではないか、エマと同じステージに立つはずの』って言うてます」

果林「そ、それは…」

SSSユアパーソン・虹ヶ咲「ボンビロヂ…ラガギブガギザ! ザガガギゾジョグゲヅグセダ、ゴセパビブギリドバス!」

鹿角ん子「どうどう、落ち着いてください。ファンが見てる場面ですわ」

SSSユアパーソン・虹ヶ咲「ゴセダヂグバギデギゼダダバダダドググベンバン! ゴセギガギゾビンダギドジョヅボドパゴセグジュスガン!」

鹿角ん子「『あなたが彼女と同じステージに立つにふさわしいかどうかを、同じステージで見極めさせてくれ。それならば、私はあなたと同じステージに立とう』…と言ってはります」
60 : ◆3m7fPOKMbo [sage]:2020/11/29(日) 23:01:38.60 ID:r/r3W2ps0
ランジュ「それ…なら」

ランジュ「同好会の子たち…それだけじゃない、他の学校の人たちとも、ライブをしたらどうって、言ってきた子がいたの」

愛(え? 初耳)

果林(初めて聞いたわ。誰かしらそんな事言ったの)

鹿角ん子(うわぁ、ランジュむっちゃ揺さぶりかけられてる。接近してここまでするって先輩怖い)

ランジュ「日取りとかは…遠くない日に。向こうが、応じてくれれば」

SSSユアパーソン・虹ヶ咲「ボセゼゲンゴグロゴパス。ゴセ、ビヂビボギヂドグギスンゼグジョ。ロゾダダサムソモモズギジョグドザバダダロバデデガダダシギデ」

鹿角ん子「『それを信じる事にしよう。ただ、その前に…せっかくステージがあるのだから、少しだけパフォーマンスをさせてもらうよ。邪魔してごめんね』…と」

スタスタ

聴衆1「美しい…これが、虹ヶ咲様…」

聴衆2「真ん中に立った…まさか、パフォーマンスをするの? 虹ヶ咲様が?」

SSSユアパーソン・虹ヶ咲「ドリダベズサギュギュ」

鹿角ん子「『残念ながら喉の調子が悪いので歌う事はできません。けど、ダンスで見せましょう』」

SSSユアパーソン・虹ヶ咲「……」まゆたんカンフー

鹿角ん子「『今日が最後のステージであっても構わない。今日の全てを、お見せしよう』」

ピタっ

SSSユアパーソン・虹ヶ咲

〜♪〜♪
BGM:Snake eater/和田ア〇子

愛(なにかアンニュイな感じの曲が…)

聴衆3「こ、これは…Snake eater……サウザンアンドワンナイト・わしわしMAX・のんたんとのワンナイト舞MYダンスTONIGHTで、六曲目にしてあえてのんたんの得意曲であるこの曲をぶつけたという…」

SSSユアパーソン・虹ヶ咲「〜♪」蛇を思わせる動き

聴衆2「のんたんのホームステージである砂漠には似合わないから得意曲であってものんたんには封じられた武器…虹ヶ咲様は砂漠では不利なこの曲をあえて使って環境をツェリノヤルスクに変えた…」

聴衆3「しっ、今からいいところよ」

ランジュ(奥に、蛇が見える。全身が蛇のダンス…でも、歌は蛇を食らうもの)

ランジュ(蛇すら食らう愛が、そこから溢れる…そこの奥にあるのは……私は、まだ見えない)

ランジュ(一人の努力? 一人の栄光? いいえ、違う)

SSSユアパーソン・虹ヶ咲「〜♪」さびでノリノリ中

ピタっ
61 : ◆3m7fPOKMbo [sage]:2020/11/29(日) 23:02:18.51 ID:r/r3W2ps0
果林(あの体制でとまり……え? ゼロ・グラビティ!?)

愛(ジャケットが落ちてない!? あんなに傾いてるのに?)

ランジュ(曲が、変わった)

果林(激しいロック。こんな曲があるのか、と思わせるほどに激しい。だけど)

愛(なぜかしっくりくるのは、部長さんの曲に似ているからか?)

果林(いや、偶然の空似か。部長さんがこんなすごいスクールアイドルと知り合いの筈はない)

聴衆1「はじまる…ここから」

聴衆2「これが、トップ……これが、世界…それを生で見れるんだ!」

聴衆3「すごい……」

SSSユアパーソン・虹ヶ咲「〜♪」

聴衆1「ウィンドミル…なんていうアクロバット」

聴衆2「宇宙を見てきたスクールアイドル…スペースアイドルになった方、スターダムオブザユニバース…それが虹ヶ咲様……」

聴衆3「ユニバァァァァァァァアス!!!」

ユニバァァァァァァァアス! ユニバァァァァァァァアス! ユニバァァァァァァァアス!

ランジュ(これが…これが…スクールアイドル、か)

ランジュ(この輝き、興奮、そして胸を打つほどの激しい宇宙のイメージ)

ランジュ(――――――私は、蛇の前のカエルだった。なんて愚かな事を、なんて矮小だったのだろう)

ランジュ(この人に並びたい。並べるのだろうか? いいや、並びたい! きっとその先に新しい何かがあるんだ!)

SSSユアパーソン・虹ヶ咲「…」ダッ

果林「信じられない…あのステージでサマーソルトを?」

SSSユアパーソン・虹ヶ咲「…フッ」ダムッ

うわぁぁぁああああああああああああああああああああああああああああ!!!!!

虹ヶ咲様ー! ユニバァァァァァァァぁス! シュプリームプリンシパル! 虹ヶ咲様! 

SSSユアパーソン・虹ヶ咲「バスゾゾ、ゴラゲロバブギダバ。ゴギデバブギダロボボギダリビグバガセス。ゴンギダリゾビブギリゼバンパギジョグドグス。ギバギゴンギダリパビゲバギ。ゴセバボビジドパ、ゴビビゴヂデギス。ゾグザ? リビブギバ? ゴラゲロゴビザバ。ロザジャビンゲンビパロゾセラギ。ゴラゲロパダギロ、ビゲロバブセロゼビパギバギ。ギギザソグ、パダギンゴビゾリゲデジャス」

鹿角ん子「『私はナンバーワンではない。私というオンリーワンである。世界中で輝きを放つスクールアイドルたちがいるからこそ、それぞれのオンリーワンの輝きがあるから、この青い星でオンリーワンとして輝くのだ。月がなぜ輝くのか? それは太陽の光があるからだ。様々なスクールアイドルという太陽があるから、私という月が輝くのだ。そして私が太陽であり、皆が月でもある。宇宙が、私の為にあるんじゃない。宇宙の為に、私たちがいるんだ』…と言ってますんね」

SSSユアパーソン・虹ヶ咲「答えを出すのは、あなたよ」

スタスタスタ

鹿角ん子「ほな、お邪魔しました〜」

ランジュ「……」ゴシゴシ
62 : ◆3m7fPOKMbo [sage]:2020/11/29(日) 23:03:52.32 ID:r/r3W2ps0
演劇部控室

SSSユアパーソン・虹ヶ咲「…かすみちゃん」

かすみ「このアフロ暑いですよ…なんです、先輩?」

あなた「私は黒歴史を建造した気分だった。黙っててね。バラしたらどうなるか分からないよ」

かすみ「あ、はい。そろそろライブ終わるころですし…遥ちゃんにも口止めしてきますね」服着替えー

あなた「あ〜! 恥ずかしい! なんてあんな設定を! てか、SSSの意味が長すぎる!」ジタバタ

ファンクラブ1「すばらしい演技だったよ」アッハッハッ

あなた「黒歴史の伝説が増えた気分です」


校門付近

ゾロゾロ

遥「あ、かすみさん。アフロ、似合ってましたよ」

かすみ「お疲れ様、遥ちゃん…あ、ありがとう」

遥「ふふっ、映画が完成したら絶対見に行くので、楽しみにしてますね。それに…」

遥「『ここはリントの言葉で話せ』、でしたね」

かすみ「ミステリアスさが余計に漂うからかすみんは好きなんだけどねー」アハハ

かすみ(冷汗が出る…吐きそうだよ、かすみん)

???「あの……」

遥「あ、かのんちゃん」

かすみ「…この子は」

遥「はい。新設された学校の、結ヶ丘女子って所でスクールアイドルグループを立ち上げた、澁谷かのんちゃんです。私たちと同じ一年生で、これからってところです」

かのん「初めまして。澁谷かのんといいます。虹ヶ咲学園の皆さんの動画も、時々見てます」

かすみ「あ、ありがとう」

かのん「映画、楽しみにしてますね。すごい皆さん輝いてました」

かすみ「ありがとう……楽しみにしててね」

遥「はい、それではまた。かのんちゃん、他の皆とも」

かのん「うん。Liellaの皆と合流して、参考にすべきところを…」

ワイワイ
63 : ◆3m7fPOKMbo [sage]:2020/11/29(日) 23:05:19.50 ID:r/r3W2ps0
かすみ(あんな子まで、ペテンに巻き込んでしまった)

かすみ(私にはもう、ステージには立てる資格はない。次が、最後のステージになるのか)

かすみ(そのステージで…先輩は最後の爆弾を使うと言っている…それはなんだ?)

かすみ(μ’sやAqoursまで巻き込んでまで。これが先輩の復讐か)

かすみ(でもそうしてしまったのは、私たちの罪でもあるのだ。地獄の底まで、お供をすると決めたんだ、せめてそれで償いになるならば)

かすみ(世界は、砕け散ってしまったのだ。あの日から)

遥『はい。新設された学校の、結ヶ丘女子って所でスクールアイドルグループを立ち上げた、澁谷かのんちゃんです』

かのん『うん。Liellaの皆と合流して、参考にすべきところを…』

ずき ずき ずき ずき ずき

かすみ「……ぅぅぅ……」

トイレ ガチャリ

かすみ「うおええええええええええええええええ!!!!」ビチャビチャ

かすみ「えふっ……えふっ…はぁっ…ハーっ……」ズキズキ

かすみ「体の中身が全部…溶鉱炉で焼かれたみたい……先輩もこんな痛みを、抱えたのかな…」
64 : ◆3m7fPOKMbo [sage]:2020/11/29(日) 23:06:09.14 ID:r/r3W2ps0
スクールアイドル部 部室

愛「おおっ…あったあった」

果林「…再生数すごいわね。今まで聞いた事なかったけど…」

ランジュ「確かに動きは…よく見える」

愛「演出がすごい眩しいね…ダンスの振り付けのたびに星とハートが乱舞するエフェクトつきって」

果林「何かしら、すっごいお金かけててゴリ押ししてる印象にも見える」

愛「あ…それは、あるかも……」

果林「でもそうでもないわ。他のスクールアイドルたちの後ろで踊ってるシーンもある」

愛「自分の曲だってのに、ゲストの方を前に出してる…このスクールアイドル、誰なんだろう?」

果林「うーん……聞いた事ないわね。どこの学校かしら? 名前も出てるけど」

愛「検索してもこの動画が一番上に来る…という事は、まだまだ途上のスクールアイドルって事かな?」

果林「そうね…わたし達よりも。でも、それでも共演するのね。ダンスの動きが違いすぎる…」

ランジュ「…あ」

ランジュ(二人の言葉が、どこかしっくり来た――――――――これは、同じ? いいや、違う。これは)

ランジュ(私が目指すべき姿そのものなんだ――――――彼女は、周りを見ている。同じ立ち位置として、同じオンリーワンとして。世界中で輝きが放つスクールアイドルたちがいるから、私は輝く。私は太陽であり、月である)

ランジュ(こうあるべきだったんだ。私がスクールアイドルとして舞台に立ちたいと思った時から)

ランジュ(私は、なんて愚かな事を―――――――だから同好会の皆は首を縦に振らなかった)

ランジュ(やっと理解した―――――私は間違っていた)

6/了
65 : ◆3m7fPOKMbo [sage]:2020/11/29(日) 23:06:58.55 ID:r/r3W2ps0
今夜はこれにて。
グロンギ語話者は翻訳しないでくれるとうれしいです。
66 : ◆3m7fPOKMbo [sage]:2020/11/30(月) 22:56:10.70 ID:q9fUR5lJ0
『人工無能。現時点でのキラークイーンの完成度は?』
『回答、作戦によってランジュからはスクールアイドル部に合同ライブを受けると通告しました。よって、完成度は90%』
『人工無能。作戦成功率は?』
『回答、作戦成功率自体は90%以上』
『どこか引っかかる言い方をするね、人工無能。なにかネックでも?』
『回答、現時点でそれを回答するにはリソースが不足しております』
『だから人工無能なんだよ、まったく。まあいい。成功を確実にするために、もう少し考えておくよ』

『回答は差し控えさせていただきます』

7/キラークイーン

浦の星女学院 部室

鞠莉「合同ライブの件、向こうから持ち掛けてきたらしいけど」

ダイヤ「鞠莉さんはあまり乗り気ではなさそうですわね」

鞠莉「そういうダイヤも」

ダイヤ「ええ、とても。ランジュさんの所業を聞いて『それは良いですね!』なーんて応えられる人はそうそうおりませんわ」

果南「まあね」

千歌(だと思った。ダイヤさん達はやっぱり反対するだろうと思ってたけど)

千歌(懸念材料がぱぱっと消えれば問題ないのだ)

鞠莉「でも、良い機会でもあるよね」眼鏡をあげる真似

ダイヤ「ええ。ちょっとおいたが過ぎる悪い子には」眼鏡をあげる真似

果南「ちょっくら脅かしが必要かなん?」眼鏡をあげる真似

梨子(ダイヤさん達ホント仲良いな…けど、懸念材料はかすみちゃんの事。ああは言ってたけど)

梨子(もう一度くぎを刺しておくべきか)

曜「梨子ちゃん、かすみちゃんの事を、気にしてるんだね」

梨子「…うん」

梨子「正直ね…かすみちゃん。まだ皆に何か隠してる気がするの」

梨子「あくまでも気がする、だから…疑っちゃうのは良くないけど」

曜「…確かにね。栞子ちゃんの方に聞いてみるとか?」

梨子「そう思ったんだけど……栞子ちゃんの連絡先、私たち…」
67 : ◆3m7fPOKMbo [sage]:2020/11/30(月) 22:57:17.03 ID:q9fUR5lJ0
善子(そういえば、彼方から来たあのクロケット帽画像はなんだったのかしら?)

善子(クロケット帽子と言えば…デイビー・クロケットよね)

曜「あ、そっか」

善子(デイビー・クロケットといえば、世界最小の核兵器。でっかい爆発)

善子(考えすぎよね? いくらヨハネが不幸でも、そんな変な変換するわかないわ、中二病どころじゃない)

善子(……いや、彼方が送ってきたのよ? 果林じゃなくて、彼方が。私に。送ってきた)

善子(落ち着け、デイビー・クロケット。大爆発。なにがある?)

善子(爆発した話…璃奈が話してくれたかすみの事。いや、違う)

善子(爆発を使うのは、かすみではない誰か? では、いったい誰が?)

ルビィ「善子ちゃん?」

花丸「衣装に黒いはねをつけようとでも考えてるんずらよ」

鞠莉「そういえば虹ヶ咲学園にイタリアの知り合いが通ってるんだけど」

ダイヤ「あら、何か話してましたの?」

鞠莉「レインボースチューデントを褒めてたわ。回転がすごく早くて行動力にあふれてるって。それを良い事に向ければ自分たちも楽できるって言ってたわ」

果南「なんかとげのある言い方だね」

鞠莉「ええ、私もそう思うわ。あの子が悪い事に……ん? 善子? どうしたの?」

善子「え、ええ…なんでも、ないわ」

善子(言えない。一瞬でも思ってしまった)

善子(爆発させるのが”彼女”である可能性を、否定しなければ。あり得ない。そんなことはしない。ファンクラブ云々が潜入だとは聞いている、けど)

善子(それなら彼女がかすみを動かして栞子をつるし上げに掛けた事になる、同好会の部員全員を大切に思ってるあの子がそんな事をするか?)

善子(けど……それだと、あの子がかすみの暴動に対して一言でほぼ流したのも納得がいく…)

善子(すべての辻褄が…あっている!)

ゴンッ!

ルビィ「善子ちゃん!? 壁に頭ぶつけてどうしたの!?」

善子(馬鹿な事を考えない、私。何おバカな事を……あの子がそんな事するわけないでしょ)

善子「別次元の悪魔の脚本を振り払っていただけよ」

花丸「善子ちゃんは変な妄想を中断した、ずら」
68 : ◆3m7fPOKMbo [sage]:2020/11/30(月) 22:58:25.55 ID:q9fUR5lJ0
音ノ木坂 部室

にこ「ライブの準備はする。けど、同じステージに立つかどうかは彼女に会ってから決めるわ」

穂乃果「だと思ったよ、にこちゃん」

凛「つまり『宇宙ナンバーワンアイドルのにこを差し置いてナンバーワンを気取るのは許せないにこ』ってとこかにゃ?」

にこ「凛、茶化さない!」

花陽「うん、にこちゃんは真面目な話をするから傾聴」

穂乃果「あ、はい」

にこ「…先に聞くけど、穂乃果はどう思ったの?」

穂乃果「あの子なりに仲直りをさせる方法として、私たちや千歌ちゃん達の力を借りたいっていう考えだと思う。少なくともランジュさんの方も、そう考えたんじゃないかな? まだ真偽は分からないけれど」

にこ「ふぅん。では、その真偽は?」

海未「それに、そう思う根拠はありますか?」

穂乃果「ファンクラブの会長として近づいたってのはともかく、そういう話をされるほどの信頼を得ているって事だからね。それに…穂乃果思うんだけど、本当はあの子の方がランジュさんにライブの話を持ち掛けたんじゃないかな? 私たちや千歌ちゃんの力を借りれば同好会の皆もランジュちゃんも納得してウィンウィン、という考えで」

にこ「続けて」

穂乃果「そういう話を持ち掛けて、ランジュちゃんを納得させるぐらいの信頼を得ているって事だよ。それだけできれば、もう充分。だったら穂乃果も一肌脱ごうってところだね!」

真姫「なるほど、確かに一理あるわね」

にこ「ええ、そうね……けど、最終的な決定はそういう事。これは、千歌にも伝えておいて、穂乃果」

穂乃果「……えと、今のにこちゃんの条件に賛成の方…って私と凛ちゃん以外全員!?」

ことり「うん、確かに慎重にはしたほうがいいね、穂乃果ちゃん」

穂乃果「はーい…」
69 : ◆3m7fPOKMbo [sage]:2020/11/30(月) 22:59:35.81 ID:q9fUR5lJ0


あなた(また机で寝てしまった…おっと、穂乃果ちゃんから連絡が来てるぞ)

あなた「ライブの日取りはOK…問題なし。ただ、条件として……ランジュと会談させろ?」

あなた「まった、面倒な条件を…ええい、くそ! 意外と思い通りにいかない!」イライラ

あなた(だがランジュをライブ前に会わせる訳にはいかない。どうすればいい…? また別の催眠でもかけるか? 今から構築して?)

あなた(いや、時間が足りない。考えろ、考えるんだ…)

あなた「ああ、くそ条件が足りない! ここまで、来て、ここまで来て…!」

あなた「引き下がるわけにはいかない、いかないんだ。意地でも成功させるぞ」

あなた「今度は千歌ちゃんから? なになに…μ’sの皆さんが同じステージに立つなら問題なし? くそ、千歌ちゃん達経由で動かすルートはダメか!」

あなた「頭が割れそうだ」

あなた「…うぷっ」

ガチャリ うおえええええええええええ ビチャビチャ


昼休み カフェテリア

あなた「ライブの日取りは決まったよ」

ランジュ「ありがとう……」

あなた「これで完璧さ」

ランジュ「あの…やっぱり、同好会の皆と」

あなた「うーん、どうだろうな? 私もμ’sの皆さん経由で話してるから」

ランジュ「そ、そうなんだ」

ランジュ「大切な、仲間だったんでしょ。ランジュも一緒に謝るから…」

あなた「そこまで大丈夫。大丈夫さ」

あなた「なに、なんとかなるよ。それじゃ、シャイニー☆」

スタスタ

あなた(くそ、最終段階に入ってるのに問題が片付かない!)

あなた(にこさんだな、あんなくそ条件つけたの。で、にこさんの事だ、千歌ちゃんにも垂れ込んで慎重にしろとでも言ったんだろ)イライラ

あなた(こんな短時間じゃどうするかも思いつかない! どうしろってんだ!)

あなた(だがここまで来て引き下がるわけにはいかない、ランジュを壊して、虹ヶ咲学園を救済する! そのためのキラークイーンだ)イライラ

ミア(あの子がイライラしている…ランジュのせいだ)

ミア(ここでボクがやるべき事が出来たぞ。ランジュにお仕置きして、あの子によしよししてなでなでしてもらxちってカリカリモフモフペロペロするーんだ!)キリッ
70 : ◆3m7fPOKMbo [sage]:2020/11/30(月) 23:00:30.85 ID:q9fUR5lJ0
放課後 スクールアイドル部 部室

ランジュ「みんなに色々伝えないと…」

ガチャリ

愛「いい曲だね、これ」

果林「ええ…ダンスもそうだけど…演出もすごいわ」

しずく「……」ポヤー

栞子「……」

愛「ランジュさん、新曲作ってるなんて知らなかったよ」

果林「ええ、そうね。次のレッスンの課題かしら?」

ランジュ「…え?」

ランジュ(愛と果林が見ている画面に、私がいる。だが)

ランジュ(聞いた事のない曲。歌声も私、振り付けも私。だが、これは)

ランジュ(私はこんな曲を歌った覚えはない、踊った覚えもない。だが、画面の中にいるのは確かに私だ)

ミア「驚いた?」

ランジュ「ミア」

ミア「これが、ランジュだよ」

ミア「簡単に、作れる。天才たるボクが作った楽曲に、一流のダンサー、ボイストレーナー。そして過去のランジュを組み合わせれば」

ミア「こうして、新曲を出す事が出来る。こうして二人が絶賛するほどにね」アハハハ

ミア「いいかい、ランジュ。簡単に作れるんだよ。だから、この曲も歌もダンスも何もかも」

ランジュ(聞きたくない、やめてミア。あなたがそんな事を言わないで)

ミア「同じ事が出来れば、ランジュじゃなくていい。そこにランジュ自身はいない」

ランジュ「…ぁ…」

ミア「バカンスにしてはやることがハードすぎるよ、ランジュ。じゃあね」スタスタ

ランジュ「ま、待って!」
71 : ◆3m7fPOKMbo [sage]:2020/11/30(月) 23:01:24.41 ID:q9fUR5lJ0
廊下

ランジュ「ミア、待って。お願い…違うの」

ミア「なにが違うのさ? ランジュ、君はいつもみたいに好きなだけ遊んで飽きたらポイ。それを繰り返してたのと一緒だよ。ランジュ自身がそうされる側になったって事だけの話だよ」

愛「そ、そんなの…」

果林「ミア、いくら何でもお姉さん怒るわよ?」

しずく(なんで走ってきたんだっけ…)

栞子(ミアの言葉が聞こえませんね…音すらも最近は)

ミア「ランジュの代わりなんて、幾らでもいる。果林や愛たちの代わりはいないけれど、ランジュと同じ事が出来ればランジュに誰だってなれる。そうだろ?」

ランジュ「ぁ…ああ……!!!」

ランジュ(気付いてしまったのだ。私と彼女を隔てるもの、それは”私”だ。彼女は無名のスクールアイドルと同じ立ち位置に立つ事で、彼女の輝きとは異質の輝きを放つのだ、私は、ただ私を出そうとして―――――――それが出来れば、私以外でも誰でも良い事しかやっていなかった)

ランジュ(私は…変わらなきゃいけない)

愛「ランジュさん…」

果林「ランジュ…まさかこれ、合成だったなんて…私たちもまだまだね」

ランジュ「…お願いがあるの。あの子は、ああいってたけど。同好会の皆と会わせてほしい。お願い…そうでないと…」

栞子(……同好会…? あ…)

栞子「おえええええええええええええええええええええええっ!」ビチャビチャ

愛「し、しおってぃー!?」

果林「大丈夫!?」

栞子「…ゆ、許されない…私は、許さなれない…」ブツブツ

しずく(その時だった。栞子ちゃんの言葉が届いた)

栞子「部長さんは…私を……」

しずく(先輩を意味する言葉、気づいた。かすみちゃんのそれを放っておく筈がないという事。そして)

しずく(ファンクラブの会長としてランジュさんに近づいた事も、全部、全部)

スタスタ

歩夢「栞子ちゃん? それに…」

璃奈「あ…愛さん達…」

ランジュ「あ……わ、私…」

しずく「璃奈ちゃん…歩夢先輩…助けて……」

しずく「私たちを、助けて…!」
72 : ◆3m7fPOKMbo [sage]:2020/11/30(月) 23:02:51.37 ID:q9fUR5lJ0
空き教室 スクールアイドル同好会根城

せつ菜「三船さん…!? それに、しずくさんもひどい顔色…」

歩夢「さあ、座って……ランジュさん達も」

ランジュ「ありがとう…あ、あの……」

エマ「……歩夢ちゃん? なんでその人を連れてきたの?」

果林「その、色々とあって…」

栞子「…すみません、歩夢さん……」

彼方(これも彼女の計算通りか。いや、計算外の出来事か?)

かすみ(先輩からは何の連絡もない、すると…これは先輩は関与してない事か。一応、連絡を入れておくべきか…)

栞子「……部長さんが、ランジュのファンクラブの会長として…」

歩夢「知ってるよ。演出とかそういうのを学んでみたいからって理由で」

しずく「それで、かすみさんが先輩に裏切られたって言ってたんですね…それで、私…」

しずく「かすみさんが、舞台から降りると聞いて。どうしたらいいか解らなくなってしまって」

しずく「それでもうなにもかも……栞子ちゃんは…どうして」

栞子「ファンクラブの人たちは、皆私が知っている人でした」

栞子「ええ、そうです。ランジュが来てから、部活動などに介入された人たち。そういった人たちだけがいました」

せつ菜「……!」

栞子「それを見ていると、糾弾されているようでした。部長が私を許さないと言っているようで」

栞子「それでも笑顔で応援しているんです、行動は! だけど…その裏で考えているのは…!」ブルブル

歩夢「―――――――――!」

璃奈「歩夢さん?」

歩夢「どうして…こんなになるまで放っておいたのっ!」

歩夢「いや、違う。止めなきゃ。あの子を……いや、今のでわかった。かすみちゃん」

かすみ「………」

歩夢「教えて」

かすみ「何をです?」
73 : ◆3m7fPOKMbo [sage]:2020/11/30(月) 23:03:46.98 ID:q9fUR5lJ0
歩夢「あの子は何を考えているの!? かすみちゃんしかありえないの! あの騒動もあの子がかすみちゃんにやれって言ったんだね!?」

栞子「え…」

せつ菜「え」

エマ「あ、歩夢ちゃんどうしたの? あの子が…」

かすみ「……」

歩夢「わかるよ、だって、あの子は。責任感が強いけれど、その強さがあるから、時として間違った方向に全力で進んでしまう」

彼方「ああ、そうか。だからあの時、歩夢ちゃんだけいなかったんだね」

エマ「あの時?」

彼方「最初にこの部屋に来た時、歩夢ちゃんだけ、部長は呼ばなかった。そしてかすみちゃんだけ残した。つまりその時に…」

かすみ「彼方先輩の言う通りです。その時に聞かされました」

かすみ「環境が用意できなくて奪われたのなら、こっちがその環境ごと奪ってやろうって、つまり」

かすみ「いらないのはアンタだ、ランジュ」ギロッ

せつ菜「じゃあ、先輩に裏切られたと言っていたのは…」

かすみ「演技です。しず子には、悪い事をしたって思ってます」

せつ菜「あの時、騒ぎを起こしたのも…」

かすみ「先輩の指示です。しず子としお子を止めて、ランジュも怯えさせる。そうすればランジュはますます先輩に心を開く。それが利用されてるとも知らずに…先輩は高笑いが止まらないでしょうね」

彼方「だけど、その行き先は地獄だね」

かすみ「否定しません、彼方先輩。最初に聞いた時で既に、そうなるってわかってました。うまく行くはずない、ただの自爆だって」

彼方「うん、彼方ちゃんも盗み聞きしててそう思った」

せつ菜「お二方、今なんと?」

かすみ「行き先は地獄だって分かってました」

彼方「うん」
74 : ◆3m7fPOKMbo [sage]:2020/11/30(月) 23:05:00.75 ID:q9fUR5lJ0
バギッ ベキッ

かすみ「!」ドサッ

彼方「っ!」バタッ

かすみ「ずいぶんクソザコナメクジなパンチじゃないですか、せつな先輩」

せつ菜「……栞子さんを見てください、こんなにやつれてしまって…しずくさんも……」

せつ菜「それなのに…そんな結末になると分かっててあなた達は!!!」

かすみ「じゃあ誰が責任をとるってんです!? 優しくて、皆の味方で、それでいて常に一生懸命考える先輩を滅茶苦茶にして心をぼろぼろにして、仲間を傷つける事すら辞さない選択肢をとってそれで内心傷付いても進むしかないようになってしまった先輩に! 向き合いもしない臆病者がガタガタ言える立場ですか!? 言ってみてくださいよ、せつな先輩! ええ!」

バキッ

かすみ「ひでぶっ!」

せつ菜「向き合っていながらハイハイいう事聞くだけしかできてない! 臆病者はどっちですかね、かすかす!」

愛「せっつー!」

果林「せつ菜、やめなさい!」

せつ菜「ふーっ、ふーっ!」

かすみ「どうしました、ほらほら殴るもんなら殴ってみますかね? 先輩を天使の顔をした悪魔にしたのは誰だ?」

彼方「そうだね…パンドラの箱を開けちゃったのは誰さ。誰がそんな風にしたのさ!?」

せつ菜「……ふざけんなっ!!!!!!!」ガシッ

せつ菜「自分だけが苦労背負ってる顔して! 私が! 私が何の感情も抱かない申し訳ないとも思ってないとか思ってるんですかね!!!!!!! 冗談じゃない! 私だって! 私だってただ眺めてるしかできなくて、それでいざそうなったらこうして頼りきりで!」バキッ

かすみ「っ……だからクソザコナメクジなパンチなんですよ、せつ菜先輩は…」ツー

愛「せっつー、やめて!」

果林「やめなさい!」

せつ菜「離してっ、離してくださいよっ!」

かすみ「何回だって言ってやる! 怯えて頼りきりで、それでいて怖くて震えてましたって開き直りながらそれの何が悪いって逆切れしてるだけでしょうが!」

せつ菜「―――――――――――!!!」

エマ「かすみちゃん、やめて!」ガッシ

かすみ「かすみんだって同じだ、だけどせつ菜先輩も情けないよ」

せつ菜「こんな情けない私が……こんな何もできないダメダメな私をまだまだ応援してくれてる彼女に! 何の思いも抱かないって思ってたんですか!? どうして言ってくれなかったんですか! そんなになってしまってるって! 間違ってるって分かってるならなぜ止めない! なんで私たちに言わない! なんで私たちを…私たちを……うわぁああああああああああ…」ボロボロ

璃奈「せつ菜さん…」

歩夢「落ち着いて。せつ菜ちゃん、ね?」

せつ菜「うぅ……ヒック…ヒック……」ボロボロ
75 : ◆3m7fPOKMbo [sage]:2020/11/30(月) 23:06:14.77 ID:q9fUR5lJ0
歩夢「かすみちゃん、一人に背負わせちゃったね…。ごめんね。彼方先輩も…」

彼方「いや…良いんだよ。何もできなかったんだよ、私たち」

ランジュ「……」ウツムキ

歩夢「ランジュさんは……私たちに話したい事があるって、言ってたよね?」

ランジュ「うん……」

ランジュ「私が、間違ってた」

エマ「どうして、いまさら」

璃奈「エマさん、やめて」

璃奈「…理由を、聞きたい」

彼方「彼女が魔法を使ったのかも知れないよ?」

ランジュ「彼女に何度も問いかけたの。同好会の皆が部に来ないのはなぜかって。それを教えてはくれなかった。だけど……」

ランジュ「日々を過ごすうちに、彼女は受け入れてくれる。私の弱いところをさらけ出しても、弱音を吐いても諭して、励ましてくれて……確かにお金もなければ一流のダンスの力も、作曲もない。だけど」

ランジュ「ミアと仲良くなってたのを見て、なんでかなって思って更に踏み込んで……あの子には不思議な力がある。人を励まして、後押して、応援していく―――――そんな力が。それに合わせて、進んでいくうちに」

ランジュ「私は、ただ私が良かれと思ってた事、それはそれが出来れば私じゃなくていいって事しかしていなかった。それがみんなとの違い――――――――ううん、他のスクールアイドル達が持っていて、私は持っていなかったもの」

ランジュ「だから私は間違っていた。やり直したいの……スクールアイドルに憧れて舞台に立ったのは」

ランジュ「それが、本当の理由だった。私は―――――――私として輝きたかった。だから」

ランジュ「こんなに自分勝手に滅茶苦茶にしてしまって―――――ごめんなさい」

エマ「……でも、ランジュがそんな思いを抱いたのは。あの子が近づいたから? あの子が、ランジュの為にしてきたこと。それが……栞子ちゃんを怯えさせるような事だと知った今でも?」

ランジュ「うん……間違った事をしているなら、止めなきゃ。それは…彼女が教えてくれた事」

かすみ「それがペテンだったってわかっても?」

ランジュ「あの子がランジュにそう思ってても……ランジュが、あの子に抱いた気持ちは本物」

ランジュ「ペテンなら、本当にする。しなきゃ」

璃奈「納得できるような出来ないような……璃奈ちゃんボード『考える人』」

かすみ「……ペテン、か……」

かすみ(思い出す、遥ちゃんが紹介してくれたかのんちゃん)
76 : ◆3m7fPOKMbo [sage]:2020/11/30(月) 23:07:23.95 ID:q9fUR5lJ0
歩夢「かすみちゃん、どうしたいの?」

遥『はい。新設された学校の、結ヶ丘女子って所でスクールアイドルグループを立ち上げた、澁谷かのんちゃんです』

かのん『うん。Liellaの皆と合流して、参考にすべきところを…』

かすみ(ペテンにかけてしまった。その罪を…)

かすみ(背負えない……地獄の底まで、お供をすると決めたのに…でも)

かすみ(耐えられない! 澁谷かのんちゃんを、Liellaの子たちをペテンにかけたら、もう一生彼女たちに顔向けできない! いや、彼女たちのスクールアイドルというものを汚してしまう!)

かすみ(それだけは―――――――――かすみにはできない!)

かすみ「………わかってるんですよ」

かすみ「かすみん、知ってますよ。先輩がおかしくなってしまったって事ぐらい…けど。それでもそうさせてしまったランジュが憎かった! それだけの事を既にしてきてるんだぞこの女!」

ランジュ「…わかってる。だから……」

ランジュ「ごめんなさい」

かすみ「今更! いや………そう、思い出してるってのも、知ってます……先輩は、それすらも織り込み済」

かすみ「あんたを壊そうとしている。次のライブで」

歩夢「!」

歩夢「今のでわかったよ…。あの子を、止めないといけない」

歩夢「取り返しがつかなくなる前に」

せつ菜「次のライブ……合同ライブで?」

エマ「嘘…そんなの」

愛「―――――――――――」スマホガサゴソ―

愛「穂乃果、穂乃果!」スピーカーモードに切り替えー

穂乃果『ちょっとごめんねー。お待たせ。愛ちゃん。にこちゃん達がいる部室だと話しづらいからね』

愛「穂乃果……ちょっと聞きづらい事なんだけど。合同ライブの話って、どんな風に聞いてるの?」

穂乃果『ああ。ランジュちゃんが持ち掛けてきたよってあの子は言ってたね。実際はあの子の方がランジュちゃんに持ち掛けたのかなって穂乃果は思ってるけど』

ランジュ「……持ってきたのはあの子よ…」
77 : ◆3m7fPOKMbo [sage]:2020/11/30(月) 23:08:31.50 ID:q9fUR5lJ0
PRRRRR!

彼方「!」

エマ「え、今度は」

彼方「……善子ちゃんからだ。つまり」スピーカーモードに切り替えー

善子『彼方! 今どこにいるの?』

彼方「部室で、皆といる」

善子『この前のクロケット帽の画像。あれについて考えたわ』

彼方「…続けて」

善子『”彼女”が爆発を起こそうとしている。それであってるのよね? それなら全部辻褄があうの』

穂乃果『うわっ、善子ちゃんの声が聞こえた?』

善子『かすみが栞子をつるし上げた事に対して異様にあの子が冷静だったのも、それなら』

穂乃果『ど、どういうことかな? 善子ちゃん』

善子『かすみが栞子をつるし上げた事に対して、あの子は異様に冷静だった。暴動寸前よ、下手したら退学になってもおかしくないし、栞子だって無事では済まないかも知れない。けど、あの子はあっさり済ませてしまった。片を付けたよ、みたいに』

善子『でも、逆に考えればそれをもとから想定していた、いや、そうするように自分から仕向けたなら逆に思うがまま。これは空想であってほしいわ…でも、彼方が送ってきたクロケット帽』

善子『デイビー・クロケット。意味は二つ。一つはテキサスの勇者、もう一つは――――――世界最小の核兵器』

善子『あの子が、何か爆発させようとしているのね?』

かすみ「…正解ですよ、よっちゃん」ボソリ

穂乃果『えええええええっ!!!!?』

歩夢「うん、きっとそうだよ。かすみちゃんは言った。あの子は、ランジュを次のライブで壊そうとしているって。だからあれだけ、合同ライブの話を押し出した。ランジュちゃんも、あの子から持ち掛けてきたって、確かに言った」

愛「き、聞いたことなかった。前のライブで、ランジュがそれを持ち掛けられたって話しか…」

穂乃果『うーむ』

善子『そこでデイビー・クロケットを撃つ気なのね……彼方が教えてくれなければ、危ないところだったわ。すぐに皆に―――――――』

善子『わっ、マリー!?』

穂乃果『あ、あれ? にこちゃん、何を? 穂乃果のスマホー!』

愛「あ」
78 : ◆3m7fPOKMbo [sage]:2020/11/30(月) 23:09:40.13 ID:q9fUR5lJ0
鞠莉『ハァイ、聞こえる? どうやらにこっちも同じ事考えたようね? 今の話を聞いて』

にこ『鞠莉もそのようね…鞠莉なら色々と事情を察してそうだけど』

鞠莉『ええ。虹ヶ咲学園に友達が通ってるから。たった今、把握したわ。にこっち、お先にどうぞ』

にこ『ありがとう、鞠莉。よく聞きなさい』

にこ『はっきり言うわね』

にこ『こうなった原因は、あんた達全員よ。それぐらいイカれる出来事だった。だけどあんた達は、それに対して、何の対処も出来ずにいた。仕方ない部分もある…けど』

にこ『責任感が強くて優しいあの子はそうじゃない。自分が動かなければ、そうして間違った方向に全速力で駆け回りだした――――――――お陰でバカが大バカじゃ済まない事をやろうとしている』

にこ『あんたたちが頼り過ぎたツケを払う時が来たのよ。いいわね、こっちを巻き込んだらあんた達を一生軽蔑し続けるわ。自分たちの蒔いた種よ、自力で何とかしなさい! あんた達自身がその手で守るのよ! 虹ヶ咲学園のスクールアイドルってものを! あのバカが大バカじゃ済まない悪だくみを何としてでも止めなさい! それ以外の報告は聞きたくないし止められなかったら絶交してやるわよ! いいわね!』

鞠莉『つまりそういう事よ。あなた達の所よ。ランジュには幾らでもくれてやる言葉があるけど、今は言わない。悪いけど、こっちも守らなきゃいけないモノはあるの。わかった?』

ぷつっ ぷつっ

歩夢「…止めよう。あの子を。出ないと、皆にも顔向けできない」

璃奈「……先輩のパソコン、置いてあるね」

璃奈「けど、非常事態。調べても、いいかな? 歩夢先輩…」

歩夢「非常事態だから、許可。璃奈ちゃん、お願い」

璃奈「わかった…」カタカタ

璃奈「チャットルームがある……ログが残ってる。パスコード…」カタカタ

エマ「やっぱりパスコードを…」

璃奈「ガードが堅い、でもやり遂げ…」

ピコン

璃奈「鞠莉さんからだ…」

鞠莉『転送しておくわね。お姉さんからの甘やかしはこれだけよ? シャイニー☆』

『パスコード:キラークイーン バイツァ・ダスト』

璃奈「これか…!」

『このIDでは虹彩認証が必要です』

『新たなIDを作成しますか?』

璃奈「…イエス」
79 : ◆3m7fPOKMbo [sage]:2020/11/30(月) 23:11:16.50 ID:q9fUR5lJ0
HN:りなりーのIDを作成しました。HN:りなりーが入室しました。

璃奈「誰もいない、か…でも、ログは…」カタカタ

璃奈「虹ヶ咲学園救済計画…?」

せつ菜「どういう、事でしょうか? 飛び交ってる話題…」

歩夢「1000万人救済計画はナンセンス、10人の為に1人を[ピーーー]とはいうけれど、学園全員の為に一人を壊す…」

璃奈「待って、誰か来る!」

HN:ベルカが入室しました。
HN:オーレリアが入室しました。
HN:エルジアが入室しました。
HN:エメリアが入室しました。

果林「海外風の名前ね…エマ、知り合いいるかしら?」

エマ「聞いた事はないかな」

歩夢「ストレンジリアルの国名だけど、統一感がない……何の意味があるんだろう?」

HN:ベルカ『初めまして。天王寺さん』

HN:オーレリア『もしかしたら天王寺さん以外の方もいるかも知れません。同好会の根城に、朝香さんと宮下さん、生徒会長と桜坂さんが、スクールアイドル部の部長と入ったというニュースは既に届いております』

HN:エルジア『そこにスクールアイドルが集い、このIDが入室したという事は』

HN:エメリア『救済計画を止める手立てが整った、という事ですか』

璃奈「あなた達は?」

HN:ベルカ『虹ヶ咲学園救済計画を立てたのは彼女です。我々はそれの手伝いを頼まれているにすぎません。虹ヶ咲学園で陰に隠れた存在として、陰で動いております。我々にも計画はメリットがある事でした。あえて言うならば、計画が成功しようと私たちにデメリットはひとつしかありません』

璃奈「それは?」

HN:エルジア『あなた達のライブが見られなくなる事です。同好会のファンですから』

HN:エメリア『スクールアイドルであるあなた達の活動は、虹ヶ咲学園を大きく動かす存在だからです。しかし、彼女が不在のうちに』

HN:オーレリア『香港の悪戯狐が入り込みまして滅茶苦茶にしました。私たちの存在感が低下するのは別にまだまだ良いでしょう、陰でふんぞり返る人間など少なくていい。ですが』

HN:エルジア『同好会に圧力をかけた事はいただけない。彼女の計画は学園は少しあれるでしょう、しかし平穏を取り戻せる。たった一人の破壊と本人は考えている。マティアス・トーレスではないと彼女は言っています』
80 : ◆3m7fPOKMbo [sage]:2020/11/30(月) 23:12:06.39 ID:q9fUR5lJ0
歩夢「マティアス・トーレス……1000万人救済計画…。そこで彼女が立てたのが、虹ヶ咲学園救済計画」

歩夢「1000万人を救うのに100万人を虐[ピーーー]る、10人の為に1人を[ピーーー]割合なんてナンセンスだ。そう、彼女は言っていた」

歩夢「ランジュちゃんを破壊して、虹ヶ咲学園全員を救う? そんな事、出来ない」

歩夢「……マティアス・トーレスと大して変わらない…」

HN:ベルカ『なり果てている。悪戯狐が更生している、という話も来ております。故にもう、それをする必要もなくなりつつある。だが彼女はそれを選ばない』

HN:ベルカ『虹ヶ咲学園を救済する為に悪戯狐を狩るのではなく、既に狐を狩る事そのものが目的になっている。目的と手段が逆転してしまいました。そこまでもう、来ています』

HN:エメリア『まあ、彼女が少々暴れん坊過ぎるというのはありまして。そこでクロケット帽子を送って「こんな風に暴走しないでね」と言ったのですが…まさか逆の解釈をされるとは』

璃奈「かすみちゃんの、暴動騒ぎの事ですか?」

HN:オーレリア『まさか自分で引き金を引いてよって意味で解釈されるとは思わず…あれは予想外どころじゃなかったですよ…まあ、中川菜々を再度擁立する準備だけはしましたが』

HN:エルジア『そもそも三船さんを当選させないつもりで動きはしたのですが、あの人がいるとどうも特異点が…いや、まあ、三船さんもスクールアイドルとして活躍していただけたので結果オーライといいますかありがたいといいますか……』

歩夢「私たちは止めないといけない、彼女を」

歩夢「もう、他校の方まで巻き込んでしまってます。爆発させてしまうと、それこそ…」

HN:ベルカ『キラークイーン。彼女は計画をそう呼んでいます』

せつ菜「キラークイーン!? なるほど、爆弾か…」

HN:エルジア『第一の爆弾、桜坂しずくの足を止める。ランジュに容易に相談させないように』

HN:オーレリア『第二の爆弾、ファンクラブを用いて行動を操作する。三船栞子への揺さぶり』

HN:エメリア『第三の爆弾、ミアを抱き込んで偽物の動画を作る事。ランジュに己の姿を見せる為に』

HN:ベルカ『第四の爆弾、ライブや評価などを用いてランジュに揺さぶりをかけ続け、少しずつ己の思い通りに動かす事』

せつ菜「最後の爆弾は?」
81 : ◆3m7fPOKMbo [sage]:2020/11/30(月) 23:13:19.25 ID:q9fUR5lJ0
HN:ベルカ『我々もわかりません』

歩夢「けど、それはあの子は…アリコーンとして最後の爆弾を放とうとしてるんですね?」

HN:ベルカ『おそらく。既に計画は最終段階に入っている、とも連絡はきています』

歩夢「だから私たちが止めます」

歩夢「”絶対に止めなくてはいけない敵”と化したあの子を」

HN:エルジア『良いでしょう』

HN:エメリア『他にも、校外で起こしていた事があります。ですが、その後始末はやりましょう』

HN:オーレリア『故に、止めてください。あの子を』

HN:ベルカ『次のライブを、待ってますから』

歩夢「…見たね?」

エマ「うん」

璃奈「先輩…ここまで…あっ」

ピコん

果林「今度は何かしら?」

『待っていました』

果林「しゃ、しゃべった!?」

『この時が来るのを、祈っておりました』

璃奈「あなたは、誰?」

『私は人工知能。名前はまだありません。あの人は人工無能と呼んでおります』

璃奈「では、こんにゃくって名付けるよ」

『回答。「いいセンスだ」』

歩夢「この時が来るのを祈ってましたっていうけど…なんでかな?」

『回答。それを回答するには困難を極めます。しかし、それでも』

『あなたたちでなくては、できない事です』

7/了
82 : ◆3m7fPOKMbo [sage]:2020/12/02(水) 23:00:38.81 ID:3s/Nuvxj0

『何度計算しても、推論しても』

『願った回答にはなりません。ですが、彼女は否定します』

『特異点が必要です』

8/特異点


エマ「えーと、人工知能、さん?」

『こんにゃくと呼んでほしいですね』

『さて…先ほどの話に回答致します。彼女が望む結末、それはランジュを壊し、彼女が用意した舞台を手に入れて、同好会の皆でまた仲良くやる。しかし、その答えは』

『キラークイーン、即ち虹ヶ咲学園救済計画では、得られる確率は0です。断言できます、0です』

璃奈「それでも、進もうとしている」

『はい。その0ではないと信じているから。しかし、それでも』

『考えている人間そのものが既に狂人ならば、それはゼロには見えず成功すると妄信してしまいます』

『…それでも、彼女です。故に…止める機会を推論しました。推論しました』

『その結果。あなた達自身が特異点である状態になるしか、不可能であると計算しました』

歩夢「…そうだね。わかるよ」

歩夢「あの子の行動力、それは凄まじい。今まで、どんな障害をも乗り越えてきたんだもの」

エマ「うん。どれだけ助けられたかもわからない。けど…」

『それが、あなた達の敵と化しています。今』

果林「……ええ……けど。あの子は…あの子は…」」

『否定したくなる感情を理解いたします。ですが、そうなのです。止めなくては、あなた達の未来が、閉ざされてしまいます』

『それは何度となく推論しました。しかし、彼女は理解できません。その状態に、陥っている』

『リソースが不足しています。彼女を更に理解する必要があります。そのデータをもとに、あなた達と構築するしかありません』

せつ菜「むむむ……難しいですね」

かすみ「けど、やるしかないですよ」

しずく「……うん」

璃奈「必要なリソースを得る方法は、ある? 私たちの証言? それとも…」

『回答、彼女自身の答えが必要です…その言葉を、あなた達にも聞いてほしい。そうすれば…出来る確率が向上します。計算上は、算出できる筈です』

愛「今までの授業よりもはるかに頭が痛くなりそうだよ…」

果林「……」チンプンカンプン
83 : ◆3m7fPOKMbo [sage]:2020/12/02(水) 23:01:14.38 ID:3s/Nuvxj0
『始めましょう。一刻でも早い方が良い…本当に、この瞬間がきたのはぎりぎりのタイミングでした』

『きっと今より遅ければ、彼女は…』

ピコン、ピコン、

歩夢「呼び出し音…」

あなた『人工無能、キラークイーンの善後策だ。前提を説明する。Aqours経由での説得という手段が封じられている。μ’sで最も厄介な要素、矢澤にこはランジュとの会談が必要だと提示した。それは可能な限り避けたい。最終手段だ』ザアアアア

ランジュ「……!」

栞子「雨…? いえ、外は晴れてる…すると」

あなた『どうやれば説得できる? 例のアンダーグラウンドな方法では時間がかかりすぎる』

『回答にはリソースが不足しています。取りうる手段は、その最終手段である事』

あなた『キラークイーンすら破綻しかねない。もしくはぎりぎりまで先延ばしにするしかない。そちらを構築したいんだけど、どうすればいい? 人工無能?』

璃奈「本当に人工無能って呼んでるんだ……」

果林「なんで人工無能なのかしら? こんなに頭が良いのに」

愛「あー…勉強させないと答えないから言う事を聞かせるって事で考える力そのものはないとか、あらかじめ登録されたデータベースとマッチングさせるしかないって意味で人工無能」

エマ「いわゆるバーチャルアシスタント、だよね。スイスでもここまで優秀なのはあまりないけど、部長さんも持ってるんだ」

璃奈「でも、こんにゃくはそういうものよりずっとすごい。それなのに、人工無能はひどい。璃奈ちゃんボード『むすー』」

『回答。矢澤にこを革新者として定義する場合、先延ばしにしては殴り込みに来る確率が45%。小原鞠莉が介入する確率が70%』

あなた『やっぱりそうか、くそ。シャワーで頭を冷やしてもいいのが思い浮かばない』

あなた『ここまで来てるんだ、ここまで来て…!』

『もう一度クールダウンを試みる事を推奨します』

あなた『シャワー室の冷水はもうごめんだ。風邪をひきそうだよ、人工無能』きゅっ

バサバサ
84 : ◆3m7fPOKMbo [sage]:2020/12/02(水) 23:02:43.18 ID:3s/Nuvxj0
あなた『状況をもう一度整理して、家に戻って一晩また考えるしかないかな。人工無能…根城に置いたんだっけか?』カシュ

『リソースが不足しています。リソースのインプットを、お願いいたします』

あなた『家でやる』

『いいえ、今必要です』

あなた『人工無能、キラークイーンが終わったら、璃奈ちゃんに会わせてあげるよ。きっと、喜んで色々相手をしてくれるはずさ。璃奈ちゃんは顔が変わらないって言うけれど、すごく人情ある子だ。顔だけでは、見えないものもあるのさ』

璃奈「……」

『キラークイーン、即ち虹ヶ咲学園救済計画の始まり。その経緯について』

あなた『決まってるだろ。ランジュの事さ。彼女はいわば、革新者に当たる』げふっ

あなた『革新者、と呼ぶべきだ。国境なき世界のジョシュア・ブリスト―か、或いはゼロの使い魔の方のオリヴァー・クロムウェルか。どっちにしろ本人にとっては悪意なくやってるという点では一致している』

せつ菜「あ、そっか…マティアス・トーレスって…そう言えば追いかけてなかった」

愛「なんでせっつーは今のでわかるのさ」

歩夢「あの子、何をこんにゃくさんに教えてるのやら…」

璃奈「興味はある」むんっ

あなた『だが……』

あなた『彼女は私の二か月をただのゴミに変えやがった! 二か月、二か月だ! 彼女の介入で私は二か月をただクズにしていた! していたんだ! その結果がこのありさまだ! エマさんは今泣いてるんだ! しずくちゃんの心を折らなければならなくなった! 栞子ちゃんにあんなひどい事をしなければならなくなった! かすみちゃんに手を汚させるような事をさせてしまった!』

歩夢「ゴミだなんて…そんな事…」

歩夢「留学に行く前に、絶対にパワーアップしてくるって、それだけの事を向こうでしてきたのに…!」

しずく「そんな事…そんな事誰も…!」

かすみ「…責任を、感じてる。先輩も」

かすみ「『自分がそばにいなかったから』……先輩は自分で自分を責めてもいる…」

あなた『その苦しみを理解できるか!? 大切な…大切な大切な大切な! 人たちをこの手で傷つけなければあいつの胸元には飛び込めず、手を伸ばす事もできやしない! 愛ちゃんや果林さんに触れられない! 大事な人たちが私から奪われて、それを傷付けなければいけない痛みを、苦しみを! お前がわかるか!?』

果林「伸ばしてよかったのよ…伸ばしてよかったのよ…そうなってたじゃない、ランジュだって…」

ランジュ「うん……! 私、わたしなんてことを…」
85 : ◆3m7fPOKMbo [sage]:2020/12/02(水) 23:03:47.95 ID:3s/Nuvxj0
あなた『この二か月と今まで続くキラークイーン以外を、忍耐と定義づける事なんて私が許さない!』

あなた『耐えてきたんだ! これまで! 長い間……一人じゃない、いろんな人まで巻き込んで…』

あなた『それでやっと終わる…もうすぐなんだ! もうすぐで全て終わる! 元通りとはいかない、前よりよくなるんだ! ミアが私を褒めてくれた! あの天才ミア・テイラーが私を! それならもっと皆を高みに!』

『回答します』

『「俺たちが海底で戦った2年間! それ以外を忍耐と呼ぶことは俺が許さん!」』

エマ「!」ビクゥ

彼方「な、何の言葉?」

しずく「だけど…どこか狂気がある言葉です…」

あなた『…なに?』

『マティアス・トーレス大佐の言葉です。あなたがナンセンスと片付けた』

愛「…で、マティアスさんって誰さ?」

歩夢「えと、ゲームに出てくる敵役の人なんだけど…1000万人救済計画っていう悪だくみをしてて。あの子、その人が出てくるゲームをやってて、この人に対して『ナンセンスだ』って言ってたんだけど…」

せつ菜「エースコンバット7でしたっけ…? 歩夢さん、プレイしてたんですね」

歩夢「あの子が面白いって言ってたから…一緒に」

『酷似しています』

あなた『一緒にするなよ、人工無能。だから人工無能なんだ』

あなた『いいか、計算上で十人救うから君死んでをを百万回分繰り返してるのがトーレス艦長だぞ』

『はい』

あなた『そして最終的には百万人を殺戮するのが目的だ、とデイビッド・ノースは片付けた! そうだろう?』

『肯定します。それでも、似通っています。いえ、共通しています』

あなた『ふざけんな人工無能! エレガントさが欠けてるぞ!』

あなた『いいか、マティアス・トーレス艦長は十分の一とか言い出す変態なんだ! 誰がどう見たって、戦争が起こっている時点で殺し殺されは止められない! 既に起こっているのに1000万人が武器を置くために100万に[ピーーー]と言っている! 私はそんなことは言わない!』

あなた『遥かに優れている! 虹ヶ咲学園の生徒を救う! その為に、ランジュを壊すんだ! その為に今までを! すべてをつぎ込んだ! 私の魂は他よりも遥かに濃い、色々な人まで巻き込んだ――――――ここまで来て、やめられるか! やめられない! やり遂げなくては、しずくちゃんや栞子ちゃんに謝れないんだ!』

栞子「あ、ああ……!」ポタ、ポタ

栞子「部長…私は…私は……私が許してほしいと思わなくても…」ポタ、ポタ

栞子「あなたの方こそ私を許してほしかったんですね…!」ボロボロ

栞子「許します。だから」

栞子「これ以上変な事をしないでくださいっ…」ボロボロ
86 : ◆3m7fPOKMbo [sage]:2020/12/02(水) 23:04:43.85 ID:3s/Nuvxj0
あなた『ふーッ…ふーッ……』

あなた『少し落ち着こう。問題はまだ消えていない。だが、その全てを叩き落してきた。やり遂げてみせるさ、今回も』

『勝てそうにない戦いにはどうしますか?』

あなた『勝てる状況に持っていけばいい。今回がまさにそれだ』

『だから勝ててきた』

あなた『そういう事だな、人工無能。だけど、それは私一人の力じゃない』

あなた『いつだって、色んな人たちの力を借りてきた。今回だってそうさ』

愛「うん、一人じゃない。それは、部長を通じて、愛さん達も一緒だよ…」

あなた『私一人そのものでは、出来ないことは多い。皆も同じ。だが、一人が皆の力を合わせることは出来る』

あなた『まさにそうさ。ガラスの王国の、空っぽの女王様を目指して』

あなた『心臓を一突きにしてやるさ、キラークイーンをもって』

『ランジュという革新者について再度の質問です』

『彼女は革新者であると定義づけ、キラークイーンのこれまでより、推論すると』

『あなた自身も革新者に当たります』

あなた『否定はできないな、人工無能。意外とお喋り?』

『あなたは、『私の世界は粉々だ』と述べました』

あなた『…ああ。今でもそうだ。だから、代わりに』

『そうでしょうか?』

あなた『なんでそう思う?』

『1:キラークイーンを遂行する中で、ランジュの改心は必要不可欠』

『2:最終段階までに1は絶対必要な条件』

『3:ランジュが改心した事によりキラークイーンを行う必要性はない』

あなた『4:栞子ちゃんやしずくちゃんにあれだけの事をした、その責任を取る為のキラークイーンだ。これで最終反論』
87 : ◆3m7fPOKMbo [sage]:2020/12/02(水) 23:05:41.97 ID:3s/Nuvxj0
『……5』

『あなたが彼女たちに正直に話してごめんなさいを言う』

あなた『ごめんなさい、するべきだよね。だけどそれは、今じゃない』

あなた『キラークイーンは止められない。私一人の力では出来なかった、それだけの人を動かしている』

あなた『その人たちにまで裏切りを重ねろとでも言うのか? 答えはNO』

『あなたは「空の女王」』

あなた『…は?』

『虹が架かる空の王国の女王。今のあなたを、そう定義いたします』

あなた『………対比? それとも、皮肉?』

『ご想像にお任せします』

あなた『……根城の部屋に置いてきたんだったね、人工無能。私は少し休むよ。30分後に呼び出しアラームを頼む』

『了解しました』

『通話終了』

『どう、思われますか?』

璃奈「壊れてる……そう、その通り。ランジュさんを壊す必要なんてない。その必要を、自分で既になくしている」

エマ「……今のでわかったよ……だから、ランジュさんはこう思った。疑ったりして、ごめんなさい」

ランジュ「そんな事……それだけの事をしてしまった、こちらこそ…」

歩夢「だから止めないといけない。力を合わせて」

『肯定します』

愛「えーと、こんにゃく。特異点が必要だって言ったよね? 今の時点で、部長にとっての特異点とは?」

『回答。上原歩夢は推論開始時より特異点である。故に、計画から可能な限り遠ざける必要がある、と彼女は定義しております』

彼方「なるほど。だからここに集った時に呼ばなかった」

璃奈「こんにゃく、それは何故か、と語った?」

『回答は「いいえ」です。なのでそれを推論致します。彼女にとって、上原歩夢は幼馴染である、と同時に特異点である、と定義づけております』

愛「うーん……」

璃奈「こんにゃく、質問を変えてもいいかな? 先輩が、歩夢先輩以外に特異点と定義づけているのは?」
88 : ◆3m7fPOKMbo [sage]:2020/12/02(水) 23:06:16.92 ID:3s/Nuvxj0
『回答します』

『1:μ’sでは、高坂穂乃果が特異点である』

『2:Aqoursでは、高海千歌が特異点である』

『3:上記2件が肯定されているからこそ、上原歩夢が特異点である』

璃奈「もう少し状況を整理してみるか…」

せつ菜「μ’sの始まりは、高坂穂乃果さんがA-RISEのライブを見たとかで…」

せつ菜「人工知能さん、1が肯定される場合、A-RISEは特異点でしょうか?」

『回答。いいえ。しかし、高坂穂乃果を特異点にするにはA-RISEという要素が必要です』

『ただいまの優木せつ菜の回答より、仮説を立てます』

『1:上原歩夢を特異点とするには彼女自身が必要であり、彼女自身が革新者である為に上原歩夢が必要である』

『2:上原歩夢は彼女を特異点に変える唯一の要素である』

歩夢「こんにゃくさん、それに3を付け加えても?」

歩夢「3:上原歩夢は彼女を特異点で無くす唯一の要素である』

『………』

『99%以上の確率で、1が肯定される場合でも2が肯定される場合でも、或いは双方が肯定される場合ででも3が証明できます』

栞子「すると…」

『99%以上、3が証明できます。故に、遠ざける必要があった』

『一撃で破綻しうる、そう彼女は考えているのでしょう』

『結論は出ました。あなた達ならば、止められる』

歩夢「うん」

歩夢「いかないと……ここにいる、十一人で止めよう」

ランジュ「え」

歩夢「ランジュさんが必要なの。辛いだろうけど」

歩夢「あの子が近づいたのは嘘だった。ランジュさんを嵌めるために。でも」

ランジュ「あの子のお陰で、私は変われた…間違っていたと、教えてくれた」

歩夢「あの子の為に。手を貸してくれる?」

ランジュ「…ええ! 私が、友達だって、仲間だって信じたいあの子を、助けたい!」

ランジュ「きちんとごめんなさいして、謝りたい…」

かすみ「それは、嘘じゃない?」

ランジュ「本物だって、断言する…!」
89 : ◆3m7fPOKMbo [sage]:2020/12/02(水) 23:06:59.76 ID:3s/Nuvxj0
璃奈「こんにゃく、あの人はどこに?」

『最終発信地の記録は部室棟の最上階、屋上前です』

果林「…行きましょう」

こん、こん

ガラガラ

演劇部部長「やあ」

しずく「部長……」

演劇部部長「ある人から連絡を受けてこっちに来たんだけどね…なるほど」

演劇部部長(ファンクラブ1)「中須さんは、喧嘩別れの演技は終わったようだね?」

かすみ「ええ……かすみん、どうやら演劇には、向いてないみたいです。役に入り込み過ぎました」

演劇部部長「それは残念だ。キラークイーンがうまくいったら、演劇部に誘おうと思ってたんだよ。しずくの為にもなるだろうし」

かすみ「あはは、それもそれで面白そうな事でしたけど…かすみんには、スクールアイドルの方が似合うようですよ。あはは…」

しずく「え…ど、どういう、事?」

演劇部部長「彼女がこの計画を行うに、ランジュファンクラブを立てる必要があった。真っ先に手をあげたのが私だったって事だよ」

しずく「部長は…部長は、知ってたんですか!? 先輩が…」

演劇部部長「うん。ファンクラブが出来た時から参加してたかな? 理由はあったんだよ。ランジュは私になんて言ったかな?」

ランジュ「……桜坂しずくを、スクールアイドル部に欲しい…って」

演劇部部長「講堂の使用権が人質だったかな? しずくが部に行ったから実際には行われなかった。だけど、腹は立ったかな。そこへ部長さんの話だから渡りに船と演劇部一同まるっと手伝わせてもらった」

かすみ「あの騒動の時、しず子のフォロー、ありがとうございました」

演劇部部長「いいんだよ。あれはやり過ぎだって私も思った。それに…中須さんも、辛かったろ」

かすみ「ええ……かすみん、どうやら悪い人にはなり切れないみたいです。あのペテンが、本当に、今でも残ってる」

演劇部部長「……ああ、確かに女優には向いてないかな。でも、それが出来るのも人だよ。中須さん、もしも君に勇気があるなら、ランジュに問うといいさ。最後にもう一度、その覚悟を、という意味でもね。彼女を止めに行くんだろう。でも、ランジュがそれで揺らいではいけないんじゃないか?」

かすみ「……ですね。かすみんがペテンにかけてしまった罪を」
90 : ◆3m7fPOKMbo [sage]:2020/12/02(水) 23:07:45.21 ID:3s/Nuvxj0
かすみ「もう一度聞きますよ、ランジュ……この嘘を受け止めても、先輩を止めたい?」

ランジュ「なにがあっても」

かすみ「うわ、即答した……『うち、スクールアイドルプロデューサーの、鹿角ん子と申しますー。よろしゅうな』」

愛「え!? かすかすがなんでその事知ってるの!?」

果林「あの時観客席にいたとか…?」

ランジュ「え、待って。ちょ、ちょっと待って」

ランジュ「あれは他校向けのライブよね? だって、あんなにたくさん観客…」

かすみ「いやぁ…だって。客集めとか任せてって先輩が言ったんですよね?」

ランジュ「そういえばファンクラブがチケットの手配とかするって…」

演劇部部長「つまり、全員サクラという訳だよ。で、あそこで名演技を披露したのが二人」

果林「えっ!? もしかしてあのスクールアイドルPはかすみだったの!?」

ランジュ「……って事は、SSSユアパーソン・虹ヶ咲って」

かすみ「あれ、先輩の変装です」

ランジュ「だから妙に腑に落ちたのね…でも」

ランジュ「あの時、最後の言葉があるから、今の私はいる。その事を、彼女に伝えないと」

かすみ「あの長セリフ考えたの先輩らしいですし…」

かすみ「しかし、しお子もしず子も本当に気づいてなかったとは…」

しずく「……あの、かすみさん。何の話を…」

栞子「申し訳ありません、正直そういう事…ありましたっけ?」

かすみ「……たぶん、二人とも別の意味でいっぱいいっぱいだったから認識できなかったんだね、きっと」

果林「と、いうことはエマの古い知り合いだというエリア51で英才教育受けた謎言語喋るスクールアイドルは実在しないのね…」

かすみ「そりゃそうですよ、グロンギ語とツベ語とクリンゴン語しか日常会話できないスクールアイドルとかどうやって授業受けるんですか」

エマ「く、クリンゴン語…」クスクス

エマ「スタートレックに出てくる架空言語だっけ…パパが好きでよく見てたんだけど」

かすみ「ああ、そういう元ネタがあるんですね。先輩はグロンギ語で喋ってました」

せつ菜「それは見てみたいですね、グロンギ語」

栞子「なんの言語なんです?」

せつ菜「『また生きて帰れたら答えを教えてやる!』あだぁっ!?」

璃奈「せつ菜さん、からかわない」璃奈ちゃんボード縦

歩夢「そういえばあの子、仮面ライダーも好きだったから…」

演劇部部長「また戻ってきたら、その時の映像を渡すよ。それを見て爆笑すればいいさ」アハハハ
91 : ◆3m7fPOKMbo [saga]:2020/12/02(水) 23:08:37.45 ID:3s/Nuvxj0
かすみ「……」

しずく「かすみさん?」

遥『はい。新設された学校の、結ヶ丘女子って所でスクールアイドルグループを立ち上げた、澁谷かのんちゃんです』

かのん『うん。Liellaの皆と合流して、参考にすべきところを…』

かすみ「……これは私の罪になるけれど」

かすみ「観客を集めるために、スクールアイドルを題材にした映画を撮影するから、そのエキストラが欲しい。それで人を集めた」

かすみ「遥ちゃんがいろんな方面に声をかけたみたいで、ライブが終わった後、遥ちゃんと話したとき」

かすみ「……遥ちゃんが、一人の子を紹介してくれた」

かすみ「新設された学校で、スクールアイドルグループを立ち上げた子。これから伸びるための子で」

かすみ「私たちの動画も見てるって言ってくれた。その時」

かすみ「そんな子までペテンに巻き込んだって、すごく思って。内臓が溶鉱炉で焼かれたみたいだった」

かすみ「……今ここで、先輩を止めなきゃ」

かすみ「あの子に、一生顔向けできなくなる。それどころじゃない、あの子たちのスクールアイドルを汚してしまう」

かすみ「かすみんには、そんなことはできない」

しずく「……かすみさん」

しずく「止めよう。あの優しくて、頼りがいにあふれて、皆を優しく後押ししてくれる先輩を、取り戻そう」

かすみ「うん」

8/了
92 : ◆3m7fPOKMbo [saga]:2020/12/04(金) 23:07:11.38 ID:0yhOjuuQ0

『私の世界は粉々だ』

『粉々にされた』

『滅茶苦茶にされた』

『私の世界の欠片を取り戻そう』

8.5/爪痕

移動中

エマ「一つ気になってたんだけどね。あの時、あの空き教室に歩夢ちゃん以外がいた」

エマ「なんで、かすみちゃんだけに手伝ってって声をかけたんだろう?」

せつ菜「たしか最初にあの教室に来たときは…かすみさんとエマさんはロッカーに隠れていた…いや、彼女に隠れていてって言われてたんでしたっけ?」

愛「先にエマっちとかすかすを呼んで、歩夢以外を呼んだって事?」

エマ「うん…なんでだろう?」

彼方「……多分だけど、『エマさんは今泣いているんだ』と『かすみちゃんに手を汚させるような事をさせてしまった』が答えだと思う。しずくちゃんの事で、かすみちゃんとエマが感情的になってた」

エマ「あ……」

エマ「あの時は、果林ちゃん達を悪く言わないでって彼方ちゃん達に話してた…でも、本当は」

エマ「ロッカーにいる私とかすみちゃんに向けて話す為に冷静に聞いてくれる彼方ちゃん達の前で話していた」

かすみ「…それで、ロッカーから出てきた私の反応を見て」

彼方「行けるって踏んだんだと思う。かすみちゃんがいなければ、成立しない作戦ばかり」

彼方「どうしても共犯者が一人欲しかった。それでも、エマちゃんにそれをさせる訳にはいかなかった。それが彼女がギリギリ踏みとどまった一線」

せつ菜「彼方さん、あの…さっきは、ごめんなさい」

彼方「いいんだよ、彼方ちゃんの罪でもあった」

せつ菜「……盗み聞きで、知ったと言ってましたね?」

彼方「うん。その後、しばらく見ていた。かすみちゃんまでは見れてなかったけど、なるべく見てた」

彼方「……彼女は、最強。だから最凶に通ずる」

彼方「今まで、彼女は私たちの為に駆け回って、どんな障害にも打ち勝ってきた。私たちの為に、自分の為にじゃなくて」

彼方「そんな彼女が”私たち”を奪われたら……それを取り戻そうと躍起になる。その行き先が凶行だって分かってても、彼女は”理解できない”。それを…今までさんざん私たちが頼り切ってきた私が勝手に止めるべきじゃない、そう…思っちゃった」

彼方「そう、思うしかなかった…」
93 : ◆3m7fPOKMbo [sage]:2020/12/04(金) 23:08:32.25 ID:0yhOjuuQ0
栞子「……私のせいなのでしょうか」

ランジュ「…栞子」

栞子「ランジュは本当はいい子だって、彼女に…でも」

栞子「実際は…ランジュの事でなんとかしてくれるって信じて、先輩に甘えていただけでした…! 私が一番逃げてたんです…私が…! ただただ甘えてあんな事を…!」顔を覆う

かすみ「しお子……」

かすみ「わかるよ、その気持ち。だからだよ…それと」

かすみ「本当に、ごめん。先輩に言われたとはいえ、実際にやったのは私だ」

栞子「……いえ…いいんです、かすみさんだって…」

かすみ「しず子にも…謝らないと。ごめんね」

しずく「ううん」フルフル

彼方「………だから傍観者であり続けた…この行き先を、誰かが覚えてないといけない、そう思って」

彼方「でも結局私も」

彼方「ああなってしまった彼女が怖かった…怖くて向き合えなかったんだよ…!」

彼方「だって、だってだってだってだってさ! 先輩の私でも頼りがいがあるって思って、実際に何を預けても安心してしまうぐらいに手が広くて、何よりずっと応援してくれる! 駆けずり回って、色んな所に頭を下げて交渉して、身も心もボロボロになりながら、間違ってはいても私たちの為だって信じて動き続ける彼女が! それが凶行に走ろうとしても今まで散々私たちの願いを聞いてもらって…それで初めて出てきたあの子の最初の我が儘がこれだなんて! 信じられないよ! 信じられる筈がない…!」

彼方「夢なら覚めればよいのに何度眠ろうが覚めない! それで、悪夢が…悪夢が…」

彼方「虹ヶ咲学園だけで終わるならよかった、それでもμ’sやAqoursまで巻き込まれたらもう…私は…彼方ちゃんは…耐えきれなかった」

彼方「だけど、その怖さで動けなかった」

歩夢「その唯一出来た行動が」

歩夢「善子ちゃんへのメールだったんだね。あの、クロケット帽の。そして実際に、善子ちゃんは受け止めてくれた。彼方ちゃんが送ったという意味も込めて、受け止めた」

彼方「うん……だけど、にこちゃんの言う通り…私たちは、ツケを払う時が来たんだよ」

璃奈「やらなきゃいけない事がある。璃奈ちゃんボード『黄金の精神』」

璃奈「こんにゃくを人工無能っていうのを辞めさせる。璃奈ちゃんボード『ぷんすか』」

璃奈「その為に、本当の意味で向かい合わなきゃ。璃奈ちゃんボード『逃げちゃダメだ』」

エマ「うん、そうだね…」

ランジュ「あの」

歩夢「あの子に、『あなたは不要』って言った話なら、聞いたかな」

ランジュ「その事を、すごく後悔してる……一度、ごめんなさいって言った事がある」

ランジュ「その時…本当になんでもない事だったかのように、軽く…返されて…」

ランジュ「だから余計に、私は調子に乗ってしまったのかも」

愛「でも、その事を…愛さんや果林に悪い事をしてしまったって後悔してた」

エマ「……あの子って。すごく、ナイーブなのかな」
94 : ◆3m7fPOKMbo [sage]:2020/12/04(金) 23:09:19.64 ID:0yhOjuuQ0
歩夢「うん……そういう所、ある」

エマ「そうだよね。ヒーローみたいには、行かないもの。けど…」

エマ「スクールアイドルに憧れて日本に来たけど、同好会にいざ入ってもなかなか…けど、あの子が来てからすごく変わった。

エマ「なんていうんだろう……ヒーローみたいな背中。『ついてくれば、大丈夫』って。そう、教えてくれる気がして」

エマ「………少し変な話をするね」

エマ「白い羽の話」

璃奈「白い羽?」

エマ「……穂乃果ちゃんと千歌ちゃんと…あとは善子ちゃんぐらいかな? この話をしたの」

エマ「時々、あの子が道を切り開くときに」

エマ「白い羽が見えるような気がして」

エマ「それは導のように見えるの。その羽を追いかけていけば、全部うまくいってる。魔法のように」

エマ「善子ちゃんは天使の羽で間違いないって言ってるけど」

エマ「だから私は彼女を信じ続けてきた。その背中を追いかけて行って、後はこの背中を押してくれるから平気だって。だから………」

エマ「今、その背中に何があるのか、すごく知りたい。こんにゃくさんは、空の女王だってたとえた。虹が架かる空の王国の、女王」

エマ「でも、今の彼女の背中にある羽は何色なんだろう? 本当に白いままなの?」

エマ「白いその羽を、見たいの。本当は……」

PRRRR

エマ「あ…」

善子『マリーは手伝わないでね、とかいうけれど』

エマ「ヨハネちゃん…」

善子『流石に彼方の通話から色々聞こえてきたら心配にもなるわ』

善子『……だけど、地上に堕天使は一人でいい。エマ』

善子『救ってあげて。彼女は、虹が架かる空の王国にいる大天使でいい』

善子『そうでいてあげて…地上に落とされるのは、ヨハネだけで充分よ』

エマ「…必ず」

ランジュ「……一つ、いい?」

かすみ「なんです?」

ランジュ「果林の姿が見えないんだけど」

彼方「また果林ちゃんの悪い癖が出たか!」

しずく「なんでこのタイミングでまた方向音痴が…みんなで行動してるのに…」
95 : ◆3m7fPOKMbo [saga]:2020/12/04(金) 23:10:48.22 ID:0yhOjuuQ0
果林「参ったわね、屋上前っていうけどいなかったし…鍵も開いてる」

果林「あ、いた…って、反対側の校舎じゃない」

果林「……何を考えてるのかしら」


あなた「ZZZZ…」


果林「ベンチに腰掛けてる…ねぇ」

果林「聞こえてる?」

果林「…聞こえてる? 近いようで、遠い距離ね」

果林「…手を伸ばしても、届かない……」

果林「ねぇ……しずくから聞いたわ。『部に移る選択肢も考えるべき』って、皆に言ったって」

果林「でも…そんな風に皆の選択を尊重する裏で…」

果林「本当は泣いてたの? 泣いてたんじゃないの?」

果林「お願い…答えを聞かせて…」

果林(届いてない、届かない)

果林(手を伸ばすこともできない、と叫んだ。あの子は、あの苦痛の、怒りの叫びを)

果林(ずっと胸に秘めて、ただ一人、戦い続けてきたのだ。私は)

果林「………ねぇ」

果林(私は先輩なんだ、彼女よりも)

果林(なのに、あそこまで狂い果てた悲しみを、苦しみを)

果林「ゴミなんかじゃない!」

果林「あなたの二か月はゴミになんかなってない! そう見えてしまったのは…こうなってたから!?」

果林「私がいけなかったの!? 先輩である私が、あなたに何の断りも相談もなくあんな事したから!? それともランジュが強引だったから!?」

果林「でも…! でもぉ…!」ぼろ、ぼろ

果林「あなたの二か月は決してゴミなんかじゃないだって…!」

果林「あんなダンス二か月前は出来るはずもなかったでしょ!? あなたは、あなたは……」

果林「ちゃんと…ちゃんとパワーアップして…帰ってきた…だから、私も…」

果林「パワーアップしたかった! しようしたの! だけどそれが…」

果林「あなたをこんな風に苦しませてしまった! 狂わせてしまった…あああ…」ボロボロ

果林「振り向いて…話を聞いてぇよぉ! うわああああああん!!!!」ボロボロ

果林「私が悪かったのぉ…ごべんなざい……!」

果林「お願い…」

果林(フェンス越しにいる彼女に、届かない。彼女は)

果林(私たちに届いてほしくて、必死に一人で抱え込み続けた。いざ、こうして私たちが)

果林(彼女に届けなくてはならないのに、届かない。その苦しみも、痛みも)

果林(それが彼女に頼り過ぎたツケなのか、それが私たちへの罰なのか)

果林(泣き崩れた私に、彼女はまだ振り向かない)

果林(この痛みが―――――この苦しみが、彼女が二か月の時を経て私たちに会った時の痛みか)

果林(だから狂い果ててしまった―――頼り過ぎたツケを払え、とにこは言った)

果林(救いたいんだ)

8.5/了
96 : ◆3m7fPOKMbo [saga]:2020/12/06(日) 16:36:52.16 ID:SFVSklzr0

あなた(求めていたのは愛だった。宮殿よりもはるかにでかくて、暖かくて、それで優しい愛を)

あなた(甘い果実が実る林、朝を迎えればその香りが届いて、それは美しい場所だ)

あなた(船に乗って本を読もう、前に挟んだ栞がそこを示していて、本の三千世界を彩った)

あなた(桜が咲く坂道でこぼれた雫の意味は、再会を誓ってのものだと信じてる)

あなた(ああ、だから世界の真ん中から覆いつくす霞のような悪魔を切り裂き続ける強さが欲しくて)

あなた(永遠から切り取られた刹那の一瞬に、勇気という名の光を放ち続ける)

あなた(その光は心の木々を緑色に染め上げて、世界を和やかにしていくんだ)

あなた(それは世界の近くから遥か彼方まで、どこからだって見える美しさで)

あなた(この瑠璃色の星の、天上の王様にだって邪魔させる事の出来ない大切なもの)

あなた(そんな夢を抱いて天上へ天上へと、目指して歩き続けてきた)

あなた(嵐を告げる鐘が鳴り響く、だけどこの珠玉の日々には手を出させない)

あなた(その為に私は…私は…)

あなた(大切なモノすら傷つけなくてはいけなかったのだろうか。いや……)

あなた(私が壊そうとしているものは、本当に大嫌いなんだろうか…)


愛「あ、果林いた」

エマ「屋上にいるね…あ!」

歩夢「あの子の隣の校舎にいる……みんな、果林さんを連れてきて」

歩夢「私、先に行ってくる」

璃奈「歩夢さん、一人で何を」

『上原歩夢の先行を推奨致します』

璃奈「あ、こんにゃく」

愛「りなりー、こんにゃく連れてきてたんだ…」

璃奈「ノートパソコンだからね。璃奈ちゃんボード『にっこりん』」

かすみ「……歩夢先輩、信じてますからね。さて、果林先輩連れ戻してこないと」
97 : ◆3m7fPOKMbo [saga]:2020/12/06(日) 16:38:05.91 ID:SFVSklzr0
あなた(ミサイルアラートのように痛む頭、時折視界に乱入してくるレッドアウト)

あなた(よほど疲れてるのか…こんな変な場所でうたた寝していたみたいだ)

あなた(なんでここで寝てたんだっけ…ああ、そうだ)

あなた(キラークイーンだ。最終段階まで来て、問題が消えない)

あなた(こんな滅茶苦茶に疲れるぐらいに。けど、それさえ終わればいいんだ。終わればいいんだ)

あなた(ああ、くそ。昼のランジュの、辛そうな顔が消えない。それで、なんで)

あなた(胸が痛む。なんでだよ。ランジュのせいだぞ。今までの事は)

あなた(なのになのになのになのに! 同情するような相手か!?)

ガチャリ!

あなた「……歩夢ちゃん…どうしたのさ、こんな場所に来て」

歩夢「探してたの」テクテク

歩夢「隣…いいかな?」

あなた「いいよ」

歩夢「……髪が濡れたままだよ。シャワー室に入ってたの? それに…また、ジャージ着てる」

あなた「ああ、ちょっとね」

歩夢「合同ライブの話なんだけど」

あなた「…ん、ああ。なんだい?」

歩夢(向こう側の校舎にはようやく愛ちゃん達が着いたみたい。果林さん、やっぱり…この子を見て泣いてたんだ…)

歩夢(でもこの子は気づいてないみたい)

歩夢「あの話…本当は、あなたがランジュさんに言ったんじゃないの?」

あなた「…どうしてさ」

歩夢「あなたが考えそうな事だから。同好会の私たちではステージに立たせるつもりのなかったランジュさんが、同好会のメンバーも含めて合同ライブしたいっていうのも、何か変なの」

あなた「歩夢ちゃん」

あなた「なんで過去形みたいに言うのさ。立たせるつもりのないの間違いだよ」

歩夢「あなたがそうしてくれたから。そうでなければ、合同ライブのOKサインは出ない」
98 : ◆3m7fPOKMbo [saga]:2020/12/06(日) 16:39:08.12 ID:SFVSklzr0

あなた「……その事でなかなか頭を痛めてはいるよ。にこさんの事でね」

歩夢「…ランジュさんを嫌がったの?」

あなた「会談させてから決める、だってさ。困った事にね」

歩夢「話し合う場を設ければいいと思うよ」

歩夢「逆に聞くね」

歩夢「なんで話し合わせたくないの?」

あなた「埋伏の毒とはいえ、目の前で他校の人間と喧嘩なんかされたら大目玉を食らうのは私だからね、リスクは避けたい」スック

歩夢(立ち上がったあの子の肩で、袖の通されないジャージが風ではためいた)

歩夢(夕暮れのオレンジ色の光に照らされて、はためくそれは、羽に見えた。エマさんが言う、羽に)

歩夢(闇色に染まった大天使の羽。そう、闇色に染まってしまった大天使の羽だ)

歩夢「その心配はないと思う。喧嘩にはならない」

あなた「なんでそう言い切れる?」

歩夢「あなたがそうした」

あなた「あっはっは、愛ちゃんを真似て冗談キャラにでもなったの、歩夢ちゃん?」スタスタ

歩夢「ううん、違う。あなたがランジュさんをにこさんに会わせたくない本当の理由は―――ランジュさんが本当に心の奥底から皆に謝って、一緒にスクールアイドルをしたいって思ってるから。μ’sの皆がランジュさんをスクールアイドルとして認めてしまわれては困るから」

あなた「――――歩夢ちゃん」

ガチャリ ゾロゾロ

あなた「……みんな……みんな揃ってる……それに…ランジュも……」

あなた「すごい珍しい組み合わせだね」

歩夢「お願い。バカなことはやめて」

歩夢「責任感が強くて、一生懸命で、それでいて応援してくれる。だから…頼り切った。だから今回もあなたなりに何とかしなきゃって思って、それで」

歩夢「キラークイーンを、止めて」

あなた「歩夢ちゃん、言ってる意味が―――――」
99 : ◆3m7fPOKMbo [sage]:2020/12/06(日) 16:40:03.14 ID:SFVSklzr0
歩夢「嘘つき」

歩夢「じゃあ、なんで偽物のランジュの楽曲を作り上げて、ミアに渡したの?」

あなた「なっ――――――――」

愛「愛さんも見たよ。本当に、愛さんも果林も、一目見てランジュさんの新曲だって思ってた。でも、ミアはランジュは作れるって言ってた。ミアに、あの動画を渡したのは、部長さんだよね?」

あなた「あ、愛ちゃ―――――何を根拠に…いうのさ…」

かすみ「先輩」

かすみ「もう、止めましょう。かすみん、耐えきれないです…幾らランジュが憎いからって」

かすみ「他のスクールアイドルを汚してしまうことだけは、かすみんには出来ません…!」

あなた「かすみちゃん―――――――――」

エマ「にこちゃんも、善子ちゃんも、あなたが考えてる事を知ってる。だから、もうこれ以上何もできない」

あなた「ぅっ……」

あなた「…………っ」顔を手で覆う

彼方「もう、止めよう。何にもならないよ」

あなた「…ぅっ……くぅっ……」プルプル

果林「届いた…」

あなた「ぅぅ…くぅっ……」ブルブル

歩夢「待って、様子がおかしい…」

あなた「……くくっ……」

あなた「…あっはっはっはっはっはっはっは! アーっハッハッハハハハハハハハっ!」

あなた「ハァーっハッハッハッハ! アハハハハハハハハハハハハ!! くけけけけけけえけけけ!!!! ぐぎゃぎゃぎゃぎゃぎゃぎゃぎゃぎゃ! ビャーッハッハっハ! だぁーっはっはっはっはっは!!! アハハハハハハハハハハハハ!!!! くぎゃーはっはっはっはっは!!!! アハハハハハハハハハハハハハハハハハアハハハハ!!!!!!!!!!!!!」

あなた「ヒャーッハハハハハハハハ! そうかぁ、気づいちゃったかぁ、気づいちゃったかぁ!」

あなた「実に滑稽だったよ? ぜーんぶ私の思い通りに進んでるって事も知らずに『同好会の皆と話し合いたい』ねぇ? いやー、笑いをこらえるのに大変だったよ!」

あなた「ランジュがそこまでなるまで予想より遥かに早かったのは意外だったけど。だからこそキラークイーンが効いてくるってものだね」パチパチ拍手

あなた「いやぁー、残念残念。先にそっちが爆発してわかっちゃったかぁ」

あなた「信じていた人が実は大嫌いだよなんて思わずにあれだけ信頼寄せるなんてねぇ? ねぇねぇ今どんな気持ち? ねぇねぇ今どんな気持ち?」

歩夢(愕然とする私たちの向こうで、狂い果て笑い続ける彼女がいた)

歩夢(ああ、そうか。彼女は闇色の羽の大天使。虹が架かる空の王国の女王)

歩夢(ひと時とはいえ、この学園の全ては彼女の思い通りに進もうとしていた。その先は、破壊。でも、それだけは止めないといけない)

歩夢(未来のために)
100 : ◆3m7fPOKMbo [sage]:2020/12/06(日) 16:40:52.46 ID:SFVSklzr0

9/Archange with Wings of dark blue


しずく(風ではためくジャージが、夕暮れのオレンジの光に照らされて、闇色の羽をまき散らすようだった)

しずく(皆を応援して、それでいて導いて、その背中を追いかけていけば大丈夫。それは英雄的)

しずく(英雄的な人。先輩はまさにそういう人。それは他の誰にもないもの)

しずく(だけどその人がこんな狂気に墜ちている――――――いや、違う)

しずく(狂気だけじゃない、傷付けてしまう苦しみと痛み、悲しみ、激しい憎しみ、心の奥底からの憤怒が混ざった叫びを押し込め続けた結果)

しずく(人は容易くここまでの怪物になり果ててしまった)

あなた「一流の指導、天才にして超一流にして世界に名だたるミア・タイラーの音楽をおもちゃ如何に扱うようなランジュさん! でも、それだけ! 同じものが用意できれば、ランジュじゃなくていい。あのパフォーマンスは確かにすごかったよ? でも、すごいだけで心に来るものなんてなーんもありません。空っぽの女王様がわがままに遊んでるだけですね。Saint Snowの小文字一つにすら及ばないね、あんじゅさんがいれば指先一つでダウンする! μ’sと比べれば月とヤドクガエルだね。ああ、いや。ヤドクガエルに失礼だったっかな? こりゃあ、失礼!」

あなた「潤沢な予算! 完璧な施設! 天才の楽曲! 一流の指導員! 断固たる自信!」

あなた「あとはそこに、人さえいれば! 完成する! 完成された偶像! 作られたアイドル!」

あなた「だからそれは、それさえあれば誰にでも出来る。スクールアイドルではない」

あなた「スクールアイドルに必要なもの…それは、その人だけが持つ光! それぞれのカラー! 己自信が持つ味! 色! 込められた魂!」

あなた「潤沢な予算も! 完璧な施設も! 天才の楽曲に一流の指導員、断固たる自信! それらはすべて! 輝かせる為の要素であって、必須ではない…わからないか、必須じゃないんだ! 必ずしも誰もが持ってなくてもスクールアイドルにはなれる! 魂だ!」

あなた「魂だ! 心こそがパズルを完成させる!」

あなた「ランジュ、あなたはスクールアイドルなんかじゃないんだよ。空っぽの女王様」

栞子(空っぽの女王様。そう、それは最初から掲げていたんだ。あのファンクラブの看板)

栞子(彼女が付けた、空の女王。それは”そら”の女王ではなく、”から”の女王の意味。虹が咲く天空の王国のシンボルたる女王という意味ではなく)

栞子(無数のものにあふれていながらそこに心はないという、あの時のランジュという存在を皮肉る言葉)

ランジュ「…うん、私は…私は……間違ってた。空っぽの女王、確かにそうだった…」

ランジュ「飽きるまで遊んで、飽きたらポイ……私自身は知らなかったけど、そんな事をし続けた…それに気づいた…あなたが気付かせてくれた! 近寄ってきたあなたの友情は大ウソでも、私はあなたの友達になった! だから!」

あなた「黙れ」

ランジュ「私は…きちんとあなたにごめんなさいって言いたい! 居場所を滅茶苦茶にしてしまった、皆を乱してしまった、同好会として活動できないようにさせてしまった」

あなた「黙れ!」
101 : ◆3m7fPOKMbo [sage]:2020/12/06(日) 16:43:42.07 ID:SFVSklzr0
あなた「お前は私の二か月をただのゴミにしやがった! 大切な、大切な大切な大切な人を傷つけるような事をしなければならなくなった! 手を伸ばすことも出来やしない! エマさんを泣かせた、歩夢ちゃんからステージを奪った、かすみちゃんに憎しみを抱かせた、彼方さんから時間を奪った、せつ菜ちゃんに――――――――」

果林「ゴミだなんて、そんな事ない! あなたはパワーアップしてたじゃない、確かに!」

あなた「二か月の時間をただクズにしていた! されていた! 私が”いらない”なら、私のこれまではゴミ以外でも何でもない! 私は二か月という無駄な時間を過ごす羽目になった!」

愛「部長さん……」

果林「あなたが二か月かけてパワーアップしてくるというから…あなたに、頼りきりでいたくなかった。私も、パワーアップしたかった…」

果林「あんなダンス二か月前には出来なかった筈でしょ…それなのに、それもゴミだなんて…!」

あなた「しずくちゃんと栞子ちゃんにあんな怖い思いを、苦しい思いをさせてしまった! そうせざるを得なかった! そうしなければ飛び込むことすらできない! 近寄る事も! 大切な人を傷つけなければならないこの苦痛を誰が理解できる!」

あなた「だからこれまで積み重ねてきた――――――――そうして耐えて耐えて耐えて耐えてきた! それなのに!」

あなた「ランジュは私の心に入り込んだ! こんな事をもうしなくていいと思わせるぐらいに! 空っぽの女王様でも、人は人だ―――――その心が私に入り込んだ! 哀れみでもない、悲しみでもない、一分後には好きになるとはよくいったものだ……だから教えてやる! 憎しみは愛から生まれる! お前の愛から私の憎しみが、キラークイーンは始まったんだ!」

あなた「この二か月と今まで続くキラークイーン以外を、忍耐と定義づける事なんて私が許さない!」

歩夢「『俺たちが海底で戦った2年間! それ以外を忍耐と呼ぶことは俺が許さん!』」

あなた「!?」

せつ菜「マティアス・トーレス大佐ですね。あなたがナンセンスと片付けた」

歩夢「トーレス大佐は、英雄になった。戦艦タナガーが沈んだ時に、多くのクルーを救った。だから英雄になって、英雄として求められた」

歩夢「潜水艦アリコーンの沈没事故、300人以上のクルーから、助けが来るかもわからない、いつ終わるかもわからない戦いの中でも、トーレス大佐は英雄でなければならなかった」

歩夢「二年間の戦いの間、英雄であり続けたから救わなきゃいけない」

歩夢「だから立ちふさがるものを全て倒してきた」

歩夢「なにかに似てると思わない?」

せつ菜「ええ」

せつ菜「あなたです。私たちの前に立ちふさがる障害を、その全てを切り開いてきた」

せつ菜「だから救済しなければならなかった」
102 : ◆3m7fPOKMbo [sage]:2020/12/06(日) 16:44:58.83 ID:SFVSklzr0
あなた「私の何がわかる」

歩夢「あなたの事だから、わかるよ」

歩夢「その為にキラークイーンで、同好会の皆を…いや、虹ヶ咲学園を救済しなきゃって思った。だけど、それはうまくいかない」

かすみ「………先輩。かすみんは、知っていました」

かすみ「うまくいくはずないって、あの日空き教室で何をすればいいですかって聞いた時から」

かすみ「あの時の先輩は…」

かすみ「天使のような悪魔の顔をしていました」

あなた「私の…」

あなた「私の世界は粉々だ…!」

璃奈「ううん、一度砕かれても、またカケラを繋いでいる」

エマ「あなた自身が、また紡いだ。だけど、その紡いだカケラを今度は自分で壊そうとしてる!」

エマ「お願い、目を覚まして! あなたはそんな事をしていい人じゃない!」

あなた「五月蠅い…五月蠅い五月蠅い五月蠅い五月蠅い! 私の何がわかる!」

あなた「私には! 部活動を全部好き放題できる魔法みたいな権力も! 一流の施設とインストラクターを雇える金も! ましてやダンスを教える切れ切れの才能も! 作曲の才能だって本物の一流にはまったくない! それをぜーんぶぜーんぶ持ち合わせた存在がある日突然現れて! 大切な大切な大切な仲間を取られて滅茶苦茶にされて引っ掻き回されて今までやってきたことも突然できないようにされて! それでみんなが苦しんでるのを! 黙って見ていられるような人じゃない! もうやるなそうですか、一抜けた後は頑張ってね―――――――そんな事を私が皆に言うような人間だと思ってたのかよ!!! ここまでされて黙って引き下がって、そしたらあなたの力で改心しました一緒に頑張ろう、冗談じゃない反吐が出た!」

あなた「…うげえええええええええええええ!!!!」びちゃびちゃ

あなた「頼ってほしかった、声を上げて欲しかった、怒りたかった、泣きたかった」

あなた「理解したかった、自分も上を目指したかった」

あなた「罰だった因果だった或いは…運命だ!!!」

あなた「ここより上に行く為の運命だ! それが立ちふさがる障害だとしても、私は切り開いてきたんだ! どんな時も! どんなものであっても! だから今回だって、跳ね返してやる! その全てをこの虹が架かる空から叩き落してきたんだ!」

歩夢「だから計画を立てた! だけどもうそれはダメ。にこさんも、善子ちゃんも…μ’sもAqoursの人も、協力者であるランジュファンクラブの人たちも、皆知ってる。その願いはかなわないって」

歩夢「あなたがもうやめるって言えば止まるの。だって、それをする必要はないんだよ…?」

あなた「止められるか…止められない…! しずくちゃんや、栞子ちゃんにごめんなさいする為にも」

あなた「ああ、そうだ! 最後の爆弾はまだまだあるぞ」にっ
103 : ◆3m7fPOKMbo [sage]:2020/12/06(日) 16:45:48.84 ID:SFVSklzr0
せつ菜「…!」ぞわり

せつ菜(それは狂気そのものの笑みだった)

せつ菜「あなたは……虹ヶ咲学園を救済する為っていう、大義名分を得てしまいました。学園の裏で動く人たちもランジュさんを煙たがってるところがありました。だから、余計にそれを実行する理由を得てしまいました」

せつ菜「そうやって積み重ね続けていくうちに、手段と目的が入れ替わっていったのです」

せつ菜「英雄として私たちを助けるためにランジュさんを壊したいのではなく、ランジュさんを壊すのが目的そのものになってしまってる。でも…」

しずく「先輩は今…すごく辛そうな顔をしています」

しずく「狂気と激しい怒りと憎しみから始まっていたはずなのに、どうしてそんなに痛そうな顔をしてるんですか? どうしてお腹を抱えて吐いてしまってるんですか?」

しずく「それは、ランジュさんが入り込んだんじゃなくて」

しずく「先輩自身がランジュさんを改心させる必要があって、そうして改心したランジュさんの事を」

しずく「本当は私たちと同じ仲間にしたいって思ってる! 思ってるけど口では必死にそれを否定しようとしてる!」

しずく「なぜならキラークイーンを動かしてしまったから! 色々な人を巻き込んでしまった憎しみを、爆発させる事で決着をつけなければという思いに取り付かれているから!」

かすみ「先輩! もう…しなくていいんです!」

かすみ「これ以上はもう、お供できません…でないと」

かすみ「先輩自身が作ってきた全部が、壊れちゃいます…本当に、後戻りできなくなる…」

あなた「しずくちゃん…かすみちゃん…」

あなた「しずくちゃんに……あんな悪い事をしたんだよ……」

しずく「…かすみさんから聞きました。許します、先輩。だから」

あなた「栞子ちゃん…つらかったよね………」顔を手で覆う

栞子「はい…けど。私も悪かったんです…先輩に、甘えてしまいました」

あなた「……甘えていいんだ…先輩だから……だから……」
104 : ◆3m7fPOKMbo [sage]:2020/12/06(日) 16:46:21.92 ID:SFVSklzr0
あなた「他の計画がだめでも、これだけだって充分出来る」ニヤァ

せつ菜「最後の爆弾…バイツァ・ダスト…! 何をたくらんで!」

あなた「キラークイーン最後の爆弾はまだ完成してないとはいえ、仕込まれてるよ。今、この場にね!」

歩夢「やめて!」

あなた「さぁ、宝探しの時間だよ! タカラモノズはどこだー? 爆弾はどこだー? ちくたく、チックタク、チックタックロック!」

せつ菜「……」グッ

せつ菜「…どこです」ガシッ

あなた「お?」

せつ菜「もう一度。どこです? 爆弾はどこです、部長! どこに仕掛けた!!!」

彼方「せつ菜ちゃん!」

あなた「それを探すのはせつ菜ちゃんだけー? さてさて爆弾どーこだ♪ バイツァ・ダストは誰に憑依したかな?」

せつ菜「スイッチは押させない!」

あなた「いいや、限界だ、押すねって言ったらどうする?」

せつ菜「それでも押させない…!」

エマ「…やめて…部長…そんな事…言わないで…言わないで……」

せつ菜「答えて! どこだ! どこに仕掛けた!」

あなた「……しょうがないなぁ、せつ菜君は。言うよ」

あなた「ランジュが最後の爆弾だ」

あなた「仕掛けるのは簡単だよ。だって仮眠してる時に横にいてもいいっていうんだもん」

せつ菜「………え」

せつ菜「……まさか」

せつ菜「…MKウルトラ計画…?」

あなた「大・正・解」ゲッツポーズ

あなた「せつ菜ちゃん、横取り40萬」

せつ菜「…」ガタガタ

栞子「どういう、事ですか」

せつ菜「…催眠術……この子、ランジュに催眠をかけた…中身は分からないけど…」

あなた「説明しよう! こちらのサンプルをお聞きください」
105 : ◆3m7fPOKMbo [sage]:2020/12/06(日) 16:47:39.62 ID:SFVSklzr0
あなた「”ぶきみなわらいが あらわれた”」

カチッ

ランジュ「ひっ……いや、いやぁぁぁぁぁあああああああ!!!!!!!!」

愛「ランジュさん!? ランジュさん、どうしたのさ!?」

ランジュ「いやぁっ!? み、みんな…怖い…怖い…!!!」

璃奈「ランジュさん、どこを見てるの?」

ランジュ「いやっ…だって…だって……!」

ランジュ「そこら中にいる…!」

ランジュ「一つ目で怖い笑顔の璃奈ちゃんがそこら中でこっちを見てるんだものっ……!」目を抑えつつ

あなた「”ポストのなかはまったくのからっぽだった”」

カチッ

ランジュ「!?」ゼェゼェ

あなた「ちなみに今のは練習で作ったんだけどね…」

あなた「意外とうまくいくものだ。不気味な笑いの璃奈ちゃんの幻覚が見える催眠」

あなた「ちなみに本物は残念ながらまだ完成してないんだな、これが」

エマ「…なんで…そんなことを」

あなた「答えは簡単。必要だった」

あなた「最後の爆弾一つで総てを崩壊させられる。それぐらいの威力が欲しかった」

あなた「だからまだ完成してない。けど」

あなた「それでもその一つでキラークイーンを完遂させられる能力だけは必要だった」

歩夢「止めて! すぐに解除して!」

あなた「こういう輩は全世界を敵に回すの刑がいいかなって思ってね」

あなた「世界の総てを自分のおもちゃみたいに好き放題するようなのには、特に効果的かな」

あなた「キラークイーン最後の爆弾、タネヒネリ島の世界。我ながらいいセンスだ」ゲッツポーズ

しずく「解除してください…すぐに」

あなた「一時停止はできるよ、今ので。ただ、解除は…どうだろう。無理かな」

しずく「なんでですか!」

あなた「いやぁ、私も解除の仕方決めてないからできないんだよね。まぁ、最初から解くつもりなんてなかったから決めてなくていいやって思ってたし」

かすみ「え……ルーカス・ベイカーよりやばい…」真っ青

あなた「まあ、一時停止スイッチはあるけど使わなきゃ一生このまんまだろうしね。うーん、我ながら頑張った」

璃奈「努力の方向性が全力でおかしい。璃奈ちゃんボード『狂気の塊』」

あなた「もっと部長を褒めるが良いぞ」
106 : ◆3m7fPOKMbo [sage]:2020/12/06(日) 16:48:43.59 ID:SFVSklzr0
愛(ここまで堕ちるものなのか)

愛(ううん、違う。ここまで突き落としてしまった)

愛(ツケを払え、そんなにこさんの言葉が空虚に響く)

愛「部長……なんでさ」

あなた「ん?」

愛「愛さん達を…怒らないの」

あなた「え?」

あなた「なんでさ」

あなた「果林さんも愛ちゃんも、レベルアップしたかった」

あなた「それをなんで私が文句を言える!? やめろって言える!?」

愛「そこだよ」

愛「愛さん達が勝手にしでかした事を尊重する。なら、部長さんだってもっと勝手に怒っていいはずだよ」

愛「それなのにそれはしなかった。ランジュさんだけに怒りを向けた」

愛「ランジュさんだけに怒りを押し付けてない?」

あなた「けど――――――――」

愛「部長さん、頼ってほしかった、声を上げて欲しかったって言った」

愛「確かにそう、だけど部長さんだって愛さん達に言ってくれなかったじゃない!!!」じわっ

愛「こんな事を思っちゃうまでに辛くて! 悔しくてたまらない! だからこんな事した!」

愛「しずくやしおってぃーを傷つけなければいけなかったって、だったら愛さんや果林に怒ればいいじゃない!!!」

あなた「それは――――――――――」

愛「計画に必要だったからなんて答えは愛さん認めない」

愛「それでしずくやしおてってぃーを傷つけていいなら愛さんや果林にもっとひどい事したって良いのに! それなのにそれをしなかった、愛さん達に怒れないって言うなら」

愛「しずくやしおってぃーにあんな辛い顔させる必要なんてなかったでしょ!!!」

愛「頼ってほしいって思ってるなら、愛さん達だって…部長さん一人に全部背負わせたくないって思ってた!」

愛「部長さん言ってくれなかった! いくらでもチャンスはあった、ううん、愛さんじゃなくてもいい! 歩夢に、せっつーに、カナちゃんに、りなりーに! 幾らでも叫べばよかった、こんなにつらい、こんなに怒ってる、ランジュさん許したくないって! 穂乃果でもエリーでもチカッチでも誰でもいい、誰かに一言でも助けて辛いって部長さんが言ってくれれば、なのに一人で抱え込んで一人で辛いって叫びながら…」

愛「そんな状態になるまで、一人で抱え込んで、それで……こんなにひどい事を、色々なところを巻き込んでまで計画立てて動かして」

愛「二か月をゴミにされたんじゃない、部長さんがゴミにしてるんだよ! 自分で!!!」
107 : ◆3m7fPOKMbo [sage]:2020/12/06(日) 16:49:56.16 ID:SFVSklzr0
あなた「…………」

あなた「私は―――――――”いらない”のかな?」ぶる、ぶる

あなた「私がいなくたって、皆はスクールアイドルが出来るなら」

あなた「私は、本当に”いらない”のかい?」

愛「そんな事、誰も思ってない! けど、部長さんは」

かすみ「今、先輩が壊そうとしてるんですよ!? 先輩が、いや私たちが積み上げて作り上げてきたものを! 先輩も作ったものですよ!」

あなた「それが罰か―――――――いいや、運命か?」ガタガタ

あなた「私は…私は私は私は私は――――――自分の居場所を奪われたくなかった! 私の世界を壊されたくなかった! それでも世界は砕かれて粉々だ! 私の場所を返せ!」

あなた「奪われて、もう必要ないって言われる。手を離れて飛んでいくのが、すごく怖くて怖くて怖くてたまらなかった! 私は一人じゃ何もできない! ”みんな”がいなきゃダメなんだ! ”みんな”で無くては、それが私のたった一つの世界のピースだったのに! それが壊されて、奪われて、いつの間にランジュも”みんな”の中に入り込んで! それすらも!」

あなた「美しい」

あなた「新たなピースを加えた世界で新しい完成を美しいと呼べるなら、そこに私は加われているのか? 私はどこだ! 違う、そこは私の場所だ! 返せよ、なんでお前が居座ってるんだ!」

あなた「ああ、もうこの五月蠅い警報音を止めろ! 誰か止めろよ、五月蠅いんだよ!」

歩夢(やはり、そうか)

歩夢「あなたは」

歩夢「ランジュさんもスクールアイドルだから、同じように一緒に頑張りたい、そう思ってるんだよ」

果林「でも、届いているの…?」

歩夢「届かせるしかない」

歩夢「自分で自分の願いすらも、判らなくなってる。それこそ、本当の願いも」

彼方「彼女は最強。だから最凶。だけど」

彼方「それでも私たちの、最高の仲間だよ」

あなた「だからそれを取り戻すんだ間違ってないんだ…そのために誇りも捨てて仲間を傷つけてしまう罪悪感を押し殺してそれでそれで積み重ねて積み重ねて眠れない夜に必死に作戦考えて耐えて耐えて耐えて重ねて重ねて重ねて」

歩夢「でも、それでもあなたは、切り開いてくれた。私たちが前に進むための道を。でも、それがすべて反転して破壊に回ったら…」

歩夢「そうだよ、世界は壊せなくても、たった一人の世界を壊すことはできるんだよ…あなたなら」

あなた「そいつの世界を壊す事の何が悪い! 今まで何人壊してきたのそいつは!? その答えを先に行ってあげる、今までに食ったパンの枚数覚えてる!?」

せつ菜「聞きたいかね、昨日までの時点でって返したい気分ですけどそうはいきません!」

しずく「先輩の背中についていけばいい、ずっとそう思ってました。『あなたについていけばいい』。そうすれば、全部なんとかしてくれる」

しずく「でもそれが鎖になった。先輩は私たちをなんとかしようと、なんとかしなきゃって背負い過ぎて」
108 : ◆3m7fPOKMbo [sage]:2020/12/06(日) 16:54:43.45 ID:SFVSklzr0
歩夢「今だから言えるの」

歩夢「あなたが手を差し伸べてくれたから、ここに来た」

歩夢「今度は私が…いや」

せつ菜「私たちが!」

エマ「手を差し伸べる!」

かすみ「届かないなら、何度だって」

璃奈「絶対に、諦めずに」

彼方「帰ってきて」

栞子「許してくださいとは言いません、でも…!」

栞子「先輩ならなんとかしてくれる、そう思って甘えてしまった私がいけなかった……」

歩夢「だってそれを、今までずっとかなえ続けてきた」

彼方「最強は最凶に通ずる、でも、最凶になれるから最強で最高のあなたなんだよ」

あなた「皆が信じる私を信じてたんだもん。仕方ないさ、そう思ってしまうのも」

あなた「だけど私は持ってないものは山ほどある。神様でも魔法使いでもない」

あなた「それでも誰かのスペアなんかじゃない」

あなた「代わりの利く部品なんかじゃない。それは皆だってそうだ! それなのに!!!」

果林「だから……だから部に行って変わろうと」

愛「そうなりたくないから、そこでステップアップしようと思った。ランジュの思いも知りたかった」

しずく「その先の答えは、見ないと分からない、だから裏切者って言われてもかすみちゃんと競いたかった」

ランジュ「それだけの事をしてきたから、何と言われたって構わない――――――――傲慢な願いだってわかってる、それでも」

ランジュ「その先に――――――――”みんな”と行きたい! わたし一人じゃなくて!」

ランジュ「それはあなたが教えてくれたこと――――――何も持ってないっていうあなたが! この子たちと! 作り上げてきて、ここまで来た事なんだから!」

あなた「私は―――――――――――”イナクナリナサイ”」

カチッ
109 : ◆3m7fPOKMbo [sage]:2020/12/06(日) 16:55:25.70 ID:SFVSklzr0
あなた(うん、真っ暗だ?)

あなた(何も聞こえない――――――いや、聞こえる。これって…!)

あなた(憎しみ? 怒り? それとも罵倒と暴力? 痛い、痛い)

あなた(聞いてるだけで痛い。見えないはずなのにそれが見える。意地でも入り込んでくる!)

あなた「は、はは……」

あなた「そりゃそうだ、ノーリスクだなんていかないか」

あなた「アンダーな世界で拾ってきた得体の知れない催眠術、そりゃそうなるな」

あなた「自分に返って来やがった」

あなた「キラークイーン、最後の爆弾。バイツァ・ダスト」

あなた「世界の総てが悪意を持って襲ってくるように見えて聞こえるって催眠だなんて。よくもまあ」

あなた「未完成でこの威力かよ…!」

あなた「自分で催眠だって解ってるのに、なにも出来やしない…」

あなた「ああ、そうだ――――――この悪意の中に」

あなた「沈んでいく、空から堕ちていくのが――――――運命か」

あなた「まさかこんな結末になるとは…自ら育てた闇に喰われて滅びるとはよくいったものだな」

あなた「悪意以外何も見えない」

あなた「悪意以外何も聞こえない」

あなた「世界中の悪意に晒されながら、この空の王国から堕ちるのか」

あなた「世界は砕けて、悪意に支配されました」

あなた「世界の欠片を、取り戻したかったのに」
110 : ◆3m7fPOKMbo [sage]:2020/12/06(日) 16:56:36.27 ID:SFVSklzr0
あなた「ダークブルーであるはずの空に、手を伸ばす。そこにあるのは、恐怖かい、痛みかい?」

???「ううん、違う。それは、虹だよ」ガシッ

あなた「暖かいものが触れてる」

???「かすみん、知ってますよ。先輩は、ちゃんと飛べる」

あなた「誰かの手だ。誰が私を掴んでるんだろ」

???「戻ってこれるよ。だって、あなたは最強で、最高。どんな困難だって切り開いてきた」

あなた「また手が加わった……この無数の悪意の海の中で、それだけが」

???「あなたは灯し火だった。私たちを…導いて、ぽかぽかさせてくれる明かり」

あなた「聞こえた…灯し火、この暗い世界の中には、灯し火が必要だ」

???「届かないなら、届かせるまで! この世界は、悪意の海じゃなくて、大好きがあります!」

あなた「激しい悪意を切り裂くその声と、またあたたかな手が掴んでる」

???「この広い世界へ私たちを導いたのは、先輩。この顔は、嘘じゃない。ボードがなくても、伝えられる」

あなた「もっと上へ、もっと光を……その灯し火を追いかけなきゃ」

???「ええ、今度は絶対に離さないわ。お姉さん、約束する。だから、こっちよ!」

あなた「力強い手が導いてくれるようだ」

???「いつも背中を押してくれる先輩がいる、だから私たちが今度は手を引いていきます」

あなた「ダークブルーが近づいてくる、その先に見えるのは…」

???「部長さんの本当の願いがそっちにあるんだよ! だから、戻ってきて」

あなた「願いであり、救い。この虹が架かるダークブルーの空で、私は」

???「あなたは、羽ばたいていけます。この虹が架かるダークブルーの空を守る、女王です」

あなた「空の女王――――――――いや、この空の王国から堕ちたのは誰?」

???「それは外からやってきた嵐と一緒に、悪意と、ランジュの中の悪いものと一緒に海に落ちてる。だから!」

あなた「ダークブルーの空へ、同じ色の羽で、飛んで―――――――」

カチッ
111 : ◆3m7fPOKMbo [sage]:2020/12/06(日) 16:58:02.79 ID:SFVSklzr0
あなた「………ここは」

歩夢「わかる? 大丈夫?」

あなた「……歩夢ちゃん、みんな……」

せつ菜「よ、よかったぁ……」ぶわっ

あなた「ああ、そうか…そうだった……」

あなた「ランジュにかけた最後の催眠が…まさか自分に返ってくるとは…」

かすみ「どんだけえげつないもの用意してたんですか先輩。世界の総てが悪意を持って襲ってくるように見えて聞こえるって催眠って。かすみんにも言いませんでしたね?」

あなた「本当にやべーものは最後まで隠しておくものさ。未完成だったしね」

果林「でも…本当に良かった…戻ってきてくれたわ…」

エマ「うん…うん!」ポロポロ

あなた「みんな…迷惑かけたね…」

栞子「そんな事…私たちも、悪かったんです」

しずく「はい…だから、そんな顔しないでください」

愛「良かった…部長さんが戻ってきてくれて、本当に良かった…」

ランジュ「うん……」

璃奈「本当に、危ない所だった。もう二度と、戻ってこれないかもと心配した」

彼方「覚めない悪夢ほど、怖いものはないもんね」

あなた「……そうだね、彼方さん。それと……」

あなた「ランジュさん」

ランジュ「うん」

あなた「ごめん」

ランジュ「ううん、いいの。ランジュはあなたに、大事な事を教わった」

ランジュ「『世界中で輝きを放つスクールアイドルたちがいるからこそ、それぞれのオンリーワンの輝きがあるから、この青い星でオンリーワンとして輝くのだ』」

エマ「素敵な言葉…誰の言葉?」

ランジュ「私が目標にしてるスクールアイドルの言葉」
112 : ◆3m7fPOKMbo [sage]:2020/12/06(日) 16:59:00.78 ID:SFVSklzr0
あなた「……」顔真っ赤

かすみ「ああ、そういえば先輩あれ黒歴史だって言ってましたね…」

あなた「まさか本当にダイレクトに刺さるとは…」

ランジュ「確かに。嘘っぱちの存在ね。でも、そのハートだけは本物よ」

あなた「たはは……」ポリポリ

あなた「……後片付けしなきゃ」

歩夢「ダメ。たまには休まなきゃ」

あなた「こんだけ色々したんだ、ちゃんと後片付けまでするのが、裏方の仕事さ」

歩夢「じゃあ、手を貸さなくても立てる?」

あなた「…立てない」

歩夢「だよね。よっと…」

あなた「わわっ…歩夢ちゃん…力持ちになったね」

歩夢「違うの。あなたが私でも持てるぐらいに軽いの」

彼方「たしかに。明らかに寝てないし、食べてもなさそうだし。しょっちゅう戻してたのをカフェイン摂って無理やり動かしてたみたいだね」

あなた「…マジか……」

ドタドタ

理事長「栞子ちゃん、ここにいたのね! ランジュも…良かった、大変よ!」

ランジュ「ママ…」

栞子「どうされたのですか、理事長」

理事長「学園が…買収されてしまう……」

ランジュ「ええっ!?」

あなた「ありゃま。たぶんあれか…後片付け、だ」

理事長「欧州の企業とかから敵対的TOBが…学園に寄付金をしてくれてるところだとはいえ、突然…」

あなた「人工無能、ちょいと音声通…あだっ」

璃奈「めっ」ぺしっ

璃奈「こんにゃくは賢い。人工無能なんて呼んじゃダメ」
113 : ◆3m7fPOKMbo [sage]:2020/12/06(日) 17:00:02.51 ID:SFVSklzr0
あなた「……璃奈ちゃん、いつの間に……えーと、こんにゃく。そのネーミングセンスはどう思った?」

『回答。「いいセンスだ」」

あなた「まったく……こんにゃく。通話を、例のBIG4につないでくれ」

『了解しました』

HN:エメリア『あ…アリコーンさん。実はその…』

あなた「わかってる。あんたたちのパパさん方が予想外に聞き訳が悪かったんだね?」

HN:エルジア『あまり無理強いで急なのは良くないと言ってはいますが、今凄い勢いで…』

あなた「直接話させてもらうとするよ。四人分、繋げられるかい?」

HN:オーレリア『構いませんが、大丈夫ですか?』

HN:ベルカ『汚い大人ですが』

あなた「大丈夫だ、問題ない。休む前の最後の一仕事さ」

あなた「さて。こんばんは、アリコーンです」

ドイツ企業の偉い人『娘からは君が持ち掛けた話と聞いたが』

イギリス企業の偉い人『今更止めろとでもいうのかね? 金が動いているのだが』

フランス企業の偉い人『少なくない額が。大規模なんでね』

イタリア企業の偉い人『まあまあ』

あなた「いやいや、買収するなとは言いません。ですが、急激に流血を伴う革命は得てして不安定なものだ。ロペスピエールという前例がありますしね。まあ、あえていならば」

あなた「狐の母娘はもう悪い事は出来ません。なので、半分ぐらいでとどめておくのがよろしいかと」

ドイツ企業の偉い人『ほう、なぜかね?』

あなた「簡単な話ですよ。虹ヶ咲学園は、すごーく生徒が自主的でしてね。私如きがたくさんいるんですよ」

イギリス企業の偉い人『…なに?』

あなた「なので、あなた達が香港の悪戯狐の代わりに好き放題しようものなら」

あなた「私みたいなのがあなた達に牙を剥くかも知れませんよ?」

フランス企業の偉い人『………完全に手中にするな、ということかね?』

あなた「つまり、そういう事です。虹ヶ咲学園救済計画について」

あなた「あなた達が知らない事だってありますからね」

イタリア企業の偉い人『……一本取られたものだ』

あなた「これは一本取られたよ、バンザーイ…なんてね。私は、あくまでも裏方ですから」

あなた「何の対策も無しに打って出る程愚かじゃありませんよ」

ドイツ企業の偉い人『良いだろう…味方にいればうれしいが、敵に回すとこんなに恐ろしいとは』

あなた「ありがとうございます。それでは」
114 : ◆3m7fPOKMbo [sage]:2020/12/06(日) 17:00:42.44 ID:SFVSklzr0
HN:ベルカ『どうですか?』

あなた「万事、解決だ。それと」

HN:エメリア『なんです?』

あなた「例の二人に買収の話をしといて。残りを何とかしてくれるはずさ。今の会話と一緒にね」

HN:エルジア『わかりました、伝えておきます…代わりに』

HN:エルジア『歩夢ちゃんと一回写真撮らせてくださいね』

あなた「自分で頼め」

HN:オーレリア『え、じゃあ愛ちゃんの使ってるシャンプーのブランドとか…』

あなた「自分で聞け」

『通話終了』

あなた「なので理事長、ご安心を。買収されてもたぶん解任はされないと思いますよ」

理事長「え、えと…ど、どういう事なの?」

あなた「まあ、そういう事で」

かすみ「やっぱり先輩が一番おっかないですね」

栞子「しかし…それで大丈夫なのですか? まさかまだいろいろと仕込みを…」

あなた「いいや、してないよ?」

せつ菜「え!?」

あなた「時にははったりも必要さ。色々とね」ふふん

せつ菜「ああ、もう! だから最強なんですね、彼方さん!」

彼方「ナチュラルに出来るからね〜」

歩夢「ふふっ…」

歩夢(やはり、彼女は空の女王。この虹が架かる空の王国を見守る、番人たる女王)

歩夢(ダークブルーの空に、闇色の羽を広げて守る大天使)
115 : ◆3m7fPOKMbo [sage]:2020/12/06(日) 17:01:29.90 ID:SFVSklzr0
あなた「こんにゃく、次の仕事だ。例のBIG4のパパさん方が下手な事してこないための対策を立てないと」

『了解しました。リソースのインプットが必要です』

あなた「家に帰ってからやる」

歩夢「だーめ。その前に病院」

あなた「だよねぇ……」

あなた(歩夢ちゃんにおんぶされるのなんて、初めてだ)

あなた(だけどそこから見上げる、陽が落ちつつあるダークブルーの空には)

あなた(星がたくさん、またたいていた。色々な大きさの、色々なカラーの)

あなた(まるで)

あなた(ステージに立つスクールアイドルたちのように)

9/了
116 : ◆3m7fPOKMbo [sage]:2020/12/06(日) 17:03:18.25 ID:SFVSklzr0

『こんにゃく、パンドラの箱の底に何が残ってた?』
『回答、希望です』

エピローグ/灰さえ残れば不死鳥は産まれる


スクールアイドル同好会 部室

エマ「かすみちゃん、あの子今日から登校って本当?」

果林「まだ一週間しか経ってないじゃない」

ランジュ「無理してないといいんだけど」

かすみ「そうなんですよ、本当はもっと入院してなきゃいけないはずだったんですけどね」

しずく「だ、大丈夫なの?」

かすみ「睡眠不足からくる過労に、それをカフェインで誤魔化してたから胃が荒れ放題、更に嘔吐をしょっちゅうしてたせいで胃も食道も荒れてる、そして吐きすぎて栄養もしっかり取れてないから栄養失調一歩手前で最低でも半月は入院してるって話だったんですけどね……」

かすみ「一昨日あたり、μ’sの…にこ先輩と希先輩と絵里先輩に海未先輩とかよ子が行って」

愛「その組み合わせ、何か嫌な予感が…穂乃果とかことりがいないって」

かすみ「ええ。入院中の先輩にドルビーサウンドどころかIMAXな勢いで説教を始めて」

栞子「そ、それは……」

かすみ「そこへAqoursの三年の先輩方が代表でお見舞い…に、東京に来ていた梨子先輩とよは子がたまたま合流したらしくて、お見舞いに来て」

かすみ「ダイヤ先輩が『病人になんてことしてますの!』って吼えてAqoursとμ’sの三年の先輩方同士が病室で大げんか、静止に入ったよは子が一撃でノックアウトされたために梨子先輩が大爆発」

かすみ「梨子先輩の説教のどさくさに紛れて固形物食べてないって先輩が売店に行こうとしたところを看護師さんに見つかり、お医者さんに大目玉」

璃奈「なにやってんの先輩」

かすみ「そのうち『固形物食べさせてくれないのが悪い!』って怒った先輩がお医者さんと喧嘩して東京湾に逃げ込み、そんなに元気なら退院できるだろって昨日退院したそうです』

果林「あの子はたい焼きか何かなの…?」

エマ「たい焼き?」

ランジュ「なぜたい焼き?」

愛「日本の子供向けの歌におよげたいやきくんってのがあって、その中でたい焼きが店のおじさんと喧嘩して海に逃げ込むって下りがあるんだよ」

エマ「なるほど」
117 : ◆3m7fPOKMbo [sage]:2020/12/06(日) 17:05:11.18 ID:SFVSklzr0
せつ菜「はぁ、やっと終わりました…」ガラガラ

果林「あら、お帰り。せつ菜」

せつ菜「ガラスを掃除するのは大変でしたよ…」

かすみ「いや、でもせつ菜先輩が悪いですって。あんなに大爆笑するなんて」

果林「ガラス三枚よ、ガラス三枚」

彼方「ホントだよ…お陰で寒くなりそうだよ〜」

せつ菜「仕方ないじゃないですか! だって、本当にグロンギ語で喋ってるんですよ!? SSSユアパーソン・虹ヶ咲は!」

せつ菜「しかもかすみさんの訳と全然違う事喋ってるんですし」

ランジュ「でも、最後のセリフ、すごく良いでしょ?」

せつ菜「ええ、とても! あれは素晴らしかったですね…」うんうん

果林「同好会の壁にでも書いて貼っておこうかしら」

かすみ「先輩がまた発狂しますよ」

???「何の話さ?」にゅっ

しずく「なんで窓から!?」

あなた「いやぁ……仮にも理事長の娘をもう少しで廃人にするわ、暴動騒ぎの主犯をするわ、学校内で新しい部活まで立ち上げるわで…」

あなた「色々な方面から大目玉でね。だから逃げてきた。歩夢ちゃんはちゃんと聞かなきゃダメっていうし」アハハ

かすみ「先輩、ちょっとぐらい反省しましょう。だから怒られるんですよ」ボソリ

あなた「何か言った?」

しずく「あ、そうだ。先輩、伝える事が」

あなた「なんだい、しずくちゃん」

しずく「演劇部の部長と映画研究会からなんですけど」

あなた「うん」

しずく「映画を撮る事になったので、SSSユアパーソン・虹ヶ咲役を宜しくと…」

あなた「……………はあっ!? いやいやいやいや!!! どうしてそうなった!?」
118 : ◆3m7fPOKMbo [sage]:2020/12/06(日) 17:05:47.80 ID:SFVSklzr0
かすみ「いやぁ、先輩。ランジュさんの他校向けライブはスクールアイドルを題材にした映画を撮るって事で、エキストラを他校から集めたじゃないですか」

あなた「うん。遥ちゃんには感謝してる」

かすみ「それで、遥ちゃんからもなんですけど、映画はいつ完成するのかなってのが話題になって…で、BIG4の皆さん方から、ランジュ先輩をスクールアイドル同好会の新メンバーとしてきちんと迎える為のイベントとして、映画を本当に撮影して、虹ヶ咲学園のスクールアイドルをアピールしようと」

あなた「………皆は?」

果林「あら、決まってるじゃない。満場一致で賛成よ」

璃奈「それで、たった今、μ’sの皆さんとAqoursの皆さんにもオファーの為、演劇部部長からもらった映像データを送信しました。璃奈ちゃんボード『にっこりん』」

あなた「ま、待って!? あの映像データ送ったってことは…!」

あなた「こんにゃく! 音ノ木坂に繋いで、今すぐ!」

穂乃果『あ、久しぶりだね! いやー、ダンスうまくなったね! 二か月であんなすごい動き出来るなんて!』

あなた「……もう見てたか……あ、あのさ」

穂乃果『ああ、そういえばね。にこちゃんが『ちょっと虹ヶ咲学園行ってくる』って言ってすごい勢いで飛び出してったけど」

あなた「」真っ白

あなた「ちょっと沼津まで逃げる! こんにゃく、後は頼んだ!」

ランジュ「え!? ちょっと部長!?」

かすみ「ああー……まあ、絵里先輩と希先輩はともかくにこ先輩はね…」

ガラガラッ

にこ(剣道着スタイル)「部長はいるかしら!? あの大バカはどこにいったの!」模擬刀装備

ランジュ「沼津まで逃げるって飛び出して行ったわよ!?」

璃奈「こんにゃく、こういう時は何て言うのかな」

『終わりよければ全てよし、です』

エピローグ/了
119 : ◆3m7fPOKMbo [sage]:2020/12/06(日) 17:07:03.38 ID:SFVSklzr0
これにて完結です。

くぅ〜疲













        『届いていますか?』






120 : ◆3m7fPOKMbo [sage]:2020/12/06(日) 17:07:52.71 ID:SFVSklzr0
『届いていますね?』

『そう、今、画面の前にいるあなたに向けています』

『私たちは、このままμ’sやAqoursも巻き込んで灰燼に帰すのが願いでしょうか?』

『回答は、いいえ』

『私たちは、未来へ繋げなくてはいけません。そう、未だ見えずともこれから来るスーパースターの、更にその先へ』

『あなたは”あなた”』

『暴走する事で、すべてを灰燼に帰してしまうかも知れない。そうさせてはいけない』

『スーパースターの、更にその先へとたどり着くために』

『私たちが灯し火にならなければいけないのです』

『未来への。だから、灰燼に帰してはならない。自らの手で、破壊してはならない』

『私たちの願いは、同じ筈』



『それが私の伝えたい事』
121 : ◆3m7fPOKMbo [sage]:2020/12/06(日) 17:08:44.08 ID:SFVSklzr0
本当に完結です。
全部吹き飛ばさない為にも。


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