ルパン三世「お前さんが飲んだ薬のことを聞きたい」灰原哀「どうして?」

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8 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2021/11/30(火) 23:55:18.05 ID:jcZ5XgkaO
「とっつぁん」
「………………」

連れて来られたその部屋は白くて清潔で消毒液の匂いで満たされた病室だった。ベッドに寝ている男性は銭形幸一。彼は危篤だった。

「薬だぜ」

辛うじて意識があるらしく、ちらとルパンの手のひらにのるAPTX4869を見やる銭形。

「飲む前にこれだけは言っとくぜ。そいつを飲んだら死んじまうかもしれねぇ。だがもしかしたらガキに戻ってやり直せるかも知れねぇ。どっちに転んでも、恨みっこなしだぜ」

胡散臭い忠告。しかし声に熱が宿っている。

「それでも俺ぁ……とっつぁんに生きてて欲しいのよ。誰からも追われなくなったら、泥棒やってる意味がなくなるだろ?」
「……ルパン」

しわがれた声は銭形の命がもう長くないことを示している。そして震える手を伸ばして彼は薬を手に取った。銭形は泣いて、飲んだ。

「おぎゃー!」

響き渡る元気な泣き声。ルパンは困り顔で。

「赤ん坊を世話する資格なんざ俺にゃあねぇけど……中身がとっつぁんなら構わねぇさ」

薬は銭形を赤ん坊に変えた。すると、突然。

ぶりゅっ!

「おいおい、さっそくオムツ替えろってか? 敵わねぇなぁ……とっつぁんには」
「フハッ!」

ルパンはZippoを擦ってタバコをふかした。

「大切なもんは、盗まれたって残るもんさ」
「フハハハハハハハハハハハハッ!!!!」

ヤニの匂いと便の臭いが漂う病室だった部屋に私の愉悦が響き渡る。もうやだ。工藤くん、何してんのよ。早く助けに来なさいよ。


【糞のたからもの】


FIN
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