【艦これ】提督「墓場島鎮守府?」吹雪「その4です!」

Check このエントリーをはてなブックマークに追加 Tweet

304 : ◆EyREdFoqVQ [sage saga]:2022/11/12(土) 21:05:31.02 ID:pvq18zcIo

提督「それに、確かに生きる目的が決まってた方が生きやすいってのはあるが……」

提督「誰かが作った結論一つを、人生の目的として決めつけちまうのを面白くねえと思う奴もいるだろうよ」

日向「そこで面白いかどうかで生き方を決めるのはどうだろうな……?」

提督「いや、ありだろ? というか重要だろ。面白いことや楽しいことといった『快楽』がなかったら、それこそ何のために生きるんだ?」

提督「お前が今ぐじぐじ言ってんのも、自分の中でもやもやしてることを、すっきりさせて『気持ちよくなりたい』からじゃねえのかよ」

日向「む……!」

提督「俺はこの島に来て良かったと思ってる。俺が付き合ってきたのは心底気分が悪くなる人間ばかりだった」

提督「同じように人間に苦痛を受けた艦娘が、ここで少しでも笑ってられるんなら、俺の生きてた意味はあった」

提督「だから俺の結論はそれでいい。俺はその考えを続けていくし、今、これ以上深く掘り下げる必要はないと思ってる」

提督「そこで考えを止めてる俺が、お前の問いの核心となるような答えを返せるとは思えねえな」

日向「私の問いは、君が考える問題ではない、と?」

提督「ああ、お前のいう次元の話は、金持ちが何もかも手に入れた末に暇つぶしに考えるレベルの話に思えるな」

提督「人間だろうと艦娘だろうと、無理に生きる意味なんか考えなくても生きていけるし」

提督「そんな大層なこと考えながら生きなきゃならないなんてこともないだろ?」

日向「……それが君の見解か……」
305 : ◆EyREdFoqVQ [sage saga]:2022/11/12(土) 21:06:16.15 ID:pvq18zcIo

提督「大雑把に言えばな。ただ、深海の連中が何のために生きてるか、ってのは、暇なときに考えてもいいかもな」

提督「あいつらが何を悦びや愉しみにしてるのかは、ちょっと興味がある」

日向「喜び……楽しみ……か。確かに、彼らがそういう感情を抱くか自体も、わかっていないな」

大淀(微妙に言ってるニュアンスが違う気がするけど……気のせいかしら)

伊勢「ねえねえ日向、提督ってば結構いい人なんじゃない?」

日向「思ったよりは、な。第一印象ほどではなさそうだ」

大淀「ええ、基本的なところは……これで口と態度の悪ささえなんとかなってくれればいいんですが……本当にもう」ハァァ…

提督「俺がそんなことになったら気持ち悪くねえか?」

大淀「迂闊な発言をされるよりはましです。第一印象でどのくらい心証を悪くしてるか少しは理解していただきたいんですが」キッ!

伊勢「少しは気持ち悪いってところも否定してあげようよ」

青葉「あの〜、司令官? もしかして、上官に対しても同じ態度をとってたりしませんよね……?」

提督「中将あたりにはさすがに猫を被るかね。大佐の野郎にゃ死んでも媚びたくねえが」ケッ

青葉「中将クラスじゃないと態度を改めないんですか」タラリ

提督「そもそも、この鎮守府に関わってくる人間が極端に少ないからな。お偉方なんざ滅多に来やしねえし」
306 : ◆EyREdFoqVQ [sage saga]:2022/11/12(土) 21:07:01.45 ID:pvq18zcIo

提督「今までこの鎮守府に来た海軍の人間、この前のテレビ関係の奴ら除くと何人だ?」ヒーフーミー

青葉「テレビ関係? この島がテレビに出たんですか?」

提督「いいや? テレビ局の連中が来て、この島を取材したいとか言ってやがったが、カメラも企画も全部潰してやった」

青葉「!?」

提督「不本意ながら死人も2人出たしな。ま、鎮守府の私物化を企んでたような奴だったし、因果応報ってなもんだ」

大淀「ええと、留父さんって知ってますか? 少し前に芸能界を引退宣言した……」

伊勢「うわ、知ってる!」

青葉「青葉も知ってます!! あの人がここに来たんですか!?」

提督「違えよ。来たのはそいつの息子だ」

青葉「うーん、そうだったんですか……来たのがお父さんなら良い感じに有名になれたのに、惜しいですねえ」

日向「青葉は有名になりたいのか?」

青葉「あ、いえ、どちらかというと、そういう方々とお近づきになれたらいいな、とは思いますね〜。面白そうな話、たくさん聞けそうですし」

日向「そうか。提督は、そういうものは望んでいなさそうだな?」

提督「ああ、いらねえなあ。有名になったところで、面倒が増えるだけだ」
307 : ◆EyREdFoqVQ [sage saga]:2022/11/12(土) 21:08:00.83 ID:pvq18zcIo

提督「それ以前に、轟沈した艦娘が住む島だからな。お近づきになりたい奴のほうが珍しいと思うが?」

青葉「そこはそうですよね……改めて考えても、青葉、とんでもないところに来てしまいました……!」

提督「おう、絶望は今のうちにしとけ」

大淀「そうですね。ここに在籍している皆さんの前でそれを言って、不興を買うのもよろしくないでしょうし」

青葉「……」

提督「大淀が俺の追い打ちかけるなんて珍しいな?」

大淀「青葉さんの好奇心は少し行き過ぎるところがあると聞いてますので」

青葉「……青葉、少しへこみます……」

提督「それから、この島で生活するにあたって、欲しいものがあるなら申請してくれ。余程じゃねえ限りは通すからよ」

青葉「でしたら、青葉はカメラが欲しいのですが……できればプリンターも」

提督「! ……カメラ、なあ」ウーン

大淀「やはりそうなりますか……」

提督「なんでも、とは言ったが、カメラみたいな撮影器具は、ちょっと調達は難しいかも、だな」

青葉「そうなんですか……?」
308 : ◆EyREdFoqVQ [sage saga]:2022/11/12(土) 21:08:45.60 ID:pvq18zcIo

提督「ないわけじゃない。この島には1台デジカメがあるが、そっちは中将の鎮守府からのレンタル品だ」

提督「この島の鎮守府には人間が俺しかいないこともあって、中将麾下の不知火がお目付け役になってくれている」

提督「その不知火が、本営への報告のためにデジカメを持参してきてくれてるんだ」

青葉「では、自由に使えるわけではないんですね……」

提督「そうだな。この島で起こったことを記録することには違いないが、例えばいつ轟沈した艦娘が漂着してきたか、とか」

提督「どの部位が流れ着いてきたとか、あまり嬉しくねえ情報を記録するために使われてるな」

日向「ブイ?」

提督「ああ。埋葬し終わってから腕だけ遅れて流れ着いたりしたときもある。その過去の記録を見るときにカメラを使ってる」

伊勢「うえっ、部位って、そういう……」

提督「轟沈させられてるんだ、五体満足なほうが珍しい。首が無えとか、胴体から真っ二つとか、そういう奴らばかりだ」

提督「極端な話だと、朝に腕が来て、昼間に胴体が来て、晩に艤装が来て、そんで次の日に頭が届く、なんてこともあったからな」

青葉「そういう写真撮影は、さすがに遠慮したいですねえ……」

提督「心情的にはそうなんだがな。けど、艦娘違いで違う奴を埋葬したくないし、せめて一か所に集めて弔ってやりたいってのもある」

提督「そのためには、カメラで記録を取っておくのが一番確実なんだ。今使ってるカメラは、その記録用と本営への報告用ってことだ」
309 : ◆EyREdFoqVQ [sage saga]:2022/11/12(土) 21:09:45.98 ID:pvq18zcIo

提督「それから、この島の存在自体を記録に残したくない奴がいるってところも、調達が難しい一因だな」

青葉「は?」

提督「テレビ局が来た時もそうだったんだが、この島の情報は絶対に外に出したくない、というのが俺のすぐ上、大佐の意向らしい」

青葉「……それこそ、どういうことです?」

提督「大佐はこの島の存在を秘匿したいと思ってるみたいなんだよ。この島のどこにどんな不都合があるんだかは知らねえが……」

提督「で、不本意ではあるが、人間と関わりたくない俺の思惑と合致してるから、これまでも文句を言ってこなかったんだ」

提督「その今の状況で、個人でデジカメを使いたいとなると、島の情報が漏洩しないか、大丈夫か? って感じで突っ込まれそうなんだよな」

青葉「うーん……」

提督「プリンタもモノクロのレーザー式しかねえし、新しく頼むとなると確実に調べが入りそうな気がするな」

大淀「ほかにも、ゴムボートのようにこの島から出ることができる装備は却下されてまして……」

伊勢「えええ? いくらなんでもそれはないんじゃない!?」

日向「上官である大佐は、君をそのレベルで嫌っているというわけか」

提督「まあな。俺も俺でいくら中将の息子とはいえ、あのくそ野郎には好かれたくもねえってのはあるが」

日向「その男の下に甘んじているのは、艦娘のためか」

提督「……まあ、そうだな。俺たちの存在を隠したい大佐の思惑は、人間との接触を避けたい俺の思惑に都合がいい」
310 : ◆EyREdFoqVQ [sage saga]:2022/11/12(土) 21:10:30.88 ID:pvq18zcIo

提督「艦娘を虐げたり、轟沈させるような真似をする奴らのために働くなんて、俺は嫌だからな」

日向「なるほど……」

提督「ちなみに青葉。お前、カメラで何を撮るつもりだ?」

青葉「それはもう、楽しい写真を撮りたいんです! 何気ない日常をパシャパシャと!」

青葉「それから、できれば皆さんが集まった集合写真なんかも撮らせてもらえると嬉しいです!」

提督「ふーん……」

青葉「あ、あんまり悲しいシーンは撮りたくないので、そこは分別しますよ?」

提督「……」

青葉「ど、どうしました?」

提督「……悪い、聞いたはいいが、どんな写真になるのが想像できなくてな。やっぱり、アルバムとかに閉じたりするのか?」

青葉「印刷した場合はそうですねえ。あとはコルクボードに貼り付けたり、写真立てに飾ったりとか!」

提督「んー……」

伊勢「提督、学校の卒業アルバムとかは見たことないの?」

提督「ない。ガキの頃の話なんざ思い出したくもねえな」

伊勢「どんな学生時代を過ごしてたの……」タラリ
311 : ◆EyREdFoqVQ [sage saga]:2022/11/12(土) 21:11:16.12 ID:pvq18zcIo

日向「……」

大淀「もしかして、日向さんも想像できないんですか?」

日向「ああ。写真を飾って楽しむ、という概念が想像できないんだ。どんなふうになるのか、考えたこともなかった」

提督「ぶっちゃけ、写真にいいイメージないんだよな。写真週刊誌みたいに面白くもねえハプニング撮ってどうすんだ、とかよ」

青葉「これは、正しい写真の楽しみ方を教えてあげるところから始めないといけないみたいですねえ……」

提督「その前に、自由になるカメラを手に入れるところからだな」

提督「プリンタも含めて、どっかからこっそり横流ししてもらうしかねえと思うんだが」

大淀「余所の鎮守府からのフォローはおそらく見込めないでしょうね」

青葉「ちなみに、不知火さんのカメラを貸していただくことは……」

提督「あのカメラ、たしかデータ消せねえぞ? 変なもの撮影しないって約束できるか?」

青葉「……何がこの鎮守府の地雷なのか把握できていない青葉が、事故を起こさないとは口が裂けても言えませんね」

提督「理解が早いと助かる」

青葉「……まあ、青葉も平和な写真を撮りたいですからね……」ボソッ

伊勢「?」
312 : ◆EyREdFoqVQ [sage saga]:2022/11/12(土) 21:12:01.73 ID:pvq18zcIo

提督「……仕方ねえ」スクッ

大淀「どうしました?」

提督「ちょっとひとっ走りしてくるか。お前らを送ってきたあの士官いるだろ。あいつにカメラを調達できねえか聞くだけ聞いてみる」

青葉「ほ、本当ですか!?」パァッ

提督「おう。とりあえず大淀、この場は任せたぞ」ガチャ タッ

青葉「あ、ありがとうございます!!」スクッ ペコリ

大淀「……さて、任されましたけど、だいたいは説明が終わりましたので……」

伊勢「とりあえず、この鎮守府のみんなに挨拶しにいかないとね」

日向「……」

伊勢「日向?」

日向「あの男。なかなか曲者だな……」

大淀「!」

日向「面倒面倒と言いながら、私の問いに澱みなく答えていた。若いながらも自身の人生観が確立している……興味深い」キラッ

伊勢「あー……」

日向「彼となら、私が望む答えを見つけられそうだ」

青葉「司令官、早速目をつけられた感じですね?」

大淀「そうみたいですね……」

伊勢「まあ、しょうがないよね〜」アハハー
313 : ◆EyREdFoqVQ [sage saga]:2022/11/12(土) 21:13:32.38 ID:pvq18zcIo
今回はここまで。
314 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2022/12/07(水) 13:03:19.92 ID:x1ergJr3O
保守
315 : ◆EyREdFoqVQ [sage saga]:2022/12/11(日) 22:51:24.39 ID:zj9ZaBPqo
お待たせしてすみませんが、
回収し忘れてる設定がないか見直しながら書いてますので、
こちらはもう少しお待ちを。
316 : ◆EyREdFoqVQ [sage saga]:2022/12/31(土) 22:29:09.53 ID:6bIY/N6Ao
続きです。
317 : ◆EyREdFoqVQ [sage saga]:2022/12/31(土) 22:30:06.13 ID:6bIY/N6Ao

 * 1週間後 *

 * 墓場島鎮守府 埠頭 *

仁提督「ほれ。買ってきてやったぞ」ハコサシダシ

提督「……!!」

黒潮「……司令はん、これもしかして……」ハコウケトリ

青葉「デジカメですね!!」パァッ!

那珂「デジカメだって!?」パァッ!

仁提督「こいつがメンテナンスキットで、こっちが替えのメモリーカードで……」

仁金剛「こちらが領収書デース!」

提督「……」

那珂「うわああ……!! 仁提督、わざわざ買ってきてくださったんですか!?」キラキラキラッ

仁提督「俺がスマホを新調するついでだ」

青葉「青葉、感激です!!」キラキラキラッ
318 : ◆EyREdFoqVQ [sage saga]:2022/12/31(土) 22:30:49.13 ID:6bIY/N6Ao

仁提督「んん!? お前、青葉か!? 確かこの鎮守府に青葉はいなかったと思ったが……」

提督「先週ここに来たばかりだ」

青葉「ども! よろしくお願いします!」

仁提督「ああ……准尉、貴様も苦労するな」

青葉「どういう意味ですかそれ!?」

提督「なんかあったのか」

仁金剛「ンー、それはデスネー、先週とある鎮守府と演習を行ったんデスが……」

仁金剛「駆逐艦たちが提督の背中に乗っかりまくったところを、演習相手の青葉に撮影されていたんデス」

仁提督「撮った画像を消せというのに面白がっていたからな……」イライラ

仁金剛「ビコーズ、青葉を集中砲火して大破させろと言われマシタ」

青葉「……」

提督「なんで乗っかられてんだよ」

仁提督「雪風がきっかけだと思うが……あいつら、俺をジャングルジムかなにかと勘違いしてるんじゃないか?」
319 : ◆EyREdFoqVQ [sage saga]:2022/12/31(土) 22:31:33.45 ID:6bIY/N6Ao

時津風「しれぇ〜!」トテテテテガシッ

文月「しれぇか〜ん!!」トテテテテヒシッ

時津風「この人たちが演習の相手なの〜?」ヨジヨジ

文月「ねえねえ、しれぇか〜ん?」ヨジヨジ

仁提督「だからなんで登ってくるんだお前たちは!!」

時津風「ひゃ〜!」トテテテテッ

文月「しれぇかんが怒った〜」トテテテテッ

提督「……苦労してんだな」

仁提督「まったくだ……」ガックリ

雪風「黒潮お姉ちゃん、准尉さん、お久し振りです!」ビシッ!

黒潮「おー、雪風!」

提督「よう」

青葉「お久し振り……というのは、皆さんお知り合いなんですか?」

黒潮「うん、もともとうちと雪風たちは同じ鎮守府にいたんよ〜」
320 : ◆EyREdFoqVQ [sage saga]:2022/12/31(土) 22:32:19.16 ID:6bIY/N6Ao

提督「その鎮守府の司令官が馬鹿やりやがってな。黒潮だけうちで引き取ることになって、雪風たちは仁提督のところに着任したんだ」

青葉「へ〜え、そうでしたか! そういうことなら折角の機会ですし! 皆さん集まってください、さっそくこのカメラで一枚撮りましょう!!」

黒潮「それ、ええなあ!」

雪風「嵐と萩風も早くー!」

仁金剛「テートクは一緒に写らないんデスか?」

仁提督「この組み合わせに俺が入るのは野暮だろう。それより、俺もスマホで4人を撮っておこうと思うんだが」

仁提督「数枚撮ってあとで現像してやれば、普段から飾っておけるしな」

仁金剛「オーウ、それもそうデスネー! あとで私とも一緒に撮影してくだサーイ!」

仁提督「……あとでな」

青葉「えへへ、新品新品〜♪」

仁提督「使い始めはバッテリーも満充電されてないだろうから、あとで充電しておけよ」

青葉「はいっ、了解です!」
321 : ◆EyREdFoqVQ [sage saga]:2022/12/31(土) 22:33:04.33 ID:6bIY/N6Ao

 * 執務室 *

仁提督「電気屋の知人に頼んで見繕ってもらったんだ。丁度モデルチェンジがあるからと、新古品というやつを買わせてもらった」

青葉「ありがとうございます! 目いっぱい使わせていただきます!!」ニコニコー

那珂「動画も撮れるんだよね!?」ウキウキ

青葉「はい! いけますよ! 早速充電しておきましょう!」ルンルン

不知火「仁提督。こちらがカメラのお代金です、お納めください」

仁提督「ん……なんだ? 多くないか?」

提督「それで電気屋の知人になにかご馳走してやってくれ」

仁提督「そういうことか。なら、遠慮せず貰っておこう」

仁提督「しかし、お前らも大変だな。まさかカメラを買うのも一苦労とは」

提督「まあ、俺がそういう部分を利用しながらこの鎮守府を隠し続けてるわけだからな。目的のための必要悪の不自由だ」

提督「俺がこんなだから、あんたたちもこの島に来るのも大変だろう?」

仁提督「それなりにな。最近は北方海域も一通り回れるようになって、南西諸島への出撃もできそうかという評価をもらっている」

仁提督「ここの鎮守府との演習をこじつけるのも、そろそろ大変になってきた。まあ、それでもまだ墓参りという名目はあるがな」

提督「……」
322 : ◆EyREdFoqVQ [sage saga]:2022/12/31(土) 22:33:48.54 ID:6bIY/N6Ao

仁提督「貴様のことだ、目立たないように戦果を控えめに報告しているのだろうが……」

仁提督「少しは真面目に戦果をあげないと、悪い意味で目を付けられるぞ」

提督「かもな……」

仁提督「実際に、止提督だったか? 夜戦嫌いの提督が、深海棲艦の撃滅に積極的ではないという理由で僻地に追われたという話も聞いている」

提督「止提督? どっかで聞いたな……夜戦嫌いだって?」

仁提督「ああ。秘書官にも愛想を尽かされ出ていかれたとか聞いたし、貴様も気をつけろ……と言いたいが、そもそもここ以上の僻地はないか」

仁提督「代わりにここに継続着任できるような提督もおらんだろうしな。日本へ帰らないのも、然程、苦にしてないんだろう?」

提督「まあな。仮に処罰があるなら、補給を減らされるかもってくらいか」

仁提督「それはさすがに悪手だろう。この近辺の海域で深海棲艦の襲撃がほぼなくなったのはお前たちの功績だ」

仁提督「海軍の手によってわざわざ沈静化した海域を、また深海棲艦の住処にしたのでは海軍のみならず国家そのものの評価にも関わる」

仁提督「いくら貴様が疎ましかろうと、そこまで海軍が愚鈍だとは思いたくないぞ?」

提督「そりゃどうだろうな?」ヘッ

仁提督「……なんともはや、だな」ハァ
323 : ◆EyREdFoqVQ [sage saga]:2022/12/31(土) 22:34:34.14 ID:6bIY/N6Ao

仁提督「それから、貴様の上にいる大佐だが……この前の昇格はいまいち不可解でな。裏があると思っていいのか?」

提督「俺はずっとそうだと思ってるけどな。単に中将のコネもあるんだろうが、それ以上に何か裏がある話だと思ってるぜ、俺は」

仁提督「……そのせいかどうかわからんが、その大佐が自分の部下にした提督たちを集めて、なにやらきな臭い動きをしているようだぞ」

提督「!」

仁提督「なんでも、姫級の深海棲艦の居場所というか、塒を見つけたらしい。そこへの総攻撃の準備をするため、精鋭を集めているんだと」

仁提督「精鋭と言えば聞こえはいいが、集めているのは大佐の息がかかった連中ばかりだ。戦果を独り占めする気じゃないかとしか思えん」

仁提督「手数は多いに越したことはない。貴様にもお呼びがかかっていると思ったんだが」

提督「……俺にもか?」

仁提督「ああ。姫級や鬼級といった強力な連中は、1回や2回の攻撃ではまともに攻め落とせないらしいんだ」

仁提督「波状攻撃で5、6回くらい奴らに膝をつかせないと撃破が難しいから、討伐には複数の艦隊を用意せねばならんと聞いている」

提督「あんたは交戦したことがないのか?」

仁提督「直接はない。その姫級が連れてきた敵空母、ヲ級の上位種と数回交戦した程度だが、それでも酷い目に遭った」

仁提督「当時は北方海域の敵にも手こずっていたし、艦隊の対空要員も育っていなかったからな。それ以来か、榛名に三式弾を持たせたのは」

仁提督「もし貴様にお呼びがかかるとしたら、当時の俺と同じように、姫級の取り巻きを引き付ける囮役を任されると思うんだが……」
324 : ◆EyREdFoqVQ [sage saga]:2022/12/31(土) 22:35:19.39 ID:6bIY/N6Ao

仁提督「貴様らのいびつな関係を考えると、この島の艦隊まるごと捨て艦にする気じゃないかという気がしないでもない」

提督「かもしれねえな。つうか、最初からそのつもりじゃねえか? だから俺を呼ばずに作戦を知らせる気もないんだろうさ」

仁提督「貴様も否定せんのか。つくづくどうかしているな……」

提督「どうかしてんのは大佐の野郎さ。そんな重要な作戦、連中だけで片付けられるつもりでいるのが気に入らねえ」

提督「ついこの前、大佐になったばかりのわがまま坊主に、複数の艦隊まとめ上げる指揮能力なんかねえと思ってんだけどなぁ?」

仁提督「そうは言うが、この前の空母棲姫の邀撃はあいつの手腕じゃないのか?」

提督「ありゃあ部下に特攻命じてたようなもんだぞ? 死んでも守れ、じゃなく、全員生還できる戦術を見せろってんだよ……!」ムスッ

提督「それから、あの野郎がそうそう負けを受け入れるとは思えねえからな。多分、なんらかの保険をかけてるとは思うんだが」

仁提督「そういや、どっかの少将の協力をこぎつけたとかなんとか聞いたような気がするな?」

提督「父親の中将じゃなくてか?」

仁提督「ああ。俺の上官も少将なんだが、難しい顔をしながらそんなことを言っていたぞ。どこの少将かは聞けなかったが」

青葉「え? 仁提督の上官も少将なんですか?」ズイッ

仁提督「うおっ!?」

青葉「ちょおっと恐縮ですが……仁提督の上官にあたる少将と言うのは、どなたかお伺いしても?」

仁提督「お、俺の上官か? 与少将だが……」
325 : ◆EyREdFoqVQ [sage saga]:2022/12/31(土) 22:36:03.43 ID:6bIY/N6Ao

青葉「ああ、あの! 大和に振り回されたっていう、あの与少将ですか!」

仁提督「……」アタマオサエ

提督「そういや、そういう話だったな……」アタマオサエ

仁提督「事実っちゃあ事実だが……そんな感じで噂が広まっているのか?」

青葉「青葉が聞き込んだ限りはそうでしたねえ。自分の艦隊にいなくて初めて見たから、はっちゃけちゃったと聞いています!」

仁提督「そこまで噂になってんのか……」アタマカカエ

青葉「だた、それ以外の話で聞けば、おおむね好意的でしたね。大規模作戦には、未熟な提督も参加できるよう編成を工夫してあげたり」

青葉「部下の艦隊にいない艦娘との邂逅時には、その艦娘を無償で移籍させてあげたりとか、面倒見の良さには定評があると」

青葉「ご自身が持っていない艦娘と出会ったときに鬱陶しいぐらい羨ましがられる以外は、問題ないと聞いていますね!」

仁提督「……まあ、ちょっと子供っぽくて面倒見が良すぎるところもアレではあるが、致命的な欠点ではないからな。悪い上司じゃない」

青葉「いやあ、そうでしたか! 安心しました!」

仁提督「なんだそれは……」

青葉「いえいえ! どうも失礼しました!」タタタタッ

仁提督「なんなんだあいつは?」ヒソヒソ
326 : ◆EyREdFoqVQ [sage saga]:2022/12/31(土) 22:36:48.61 ID:6bIY/N6Ao

提督「……最近来たばかりだから、俺もまだ性格や素性が掴めてねえんだよ。もしかして、出身が少将のとこなのか?」

仁提督「お前も知らんのか」

提督「報告書に、以前どこの鎮守府にいたのかって書いてなかったんだよ。おそらく突っ返されるのが嫌なんだろう、って青葉が言ってたが」

提督「当人もそいつとは縁を切りたがってるらしくて、どこの鎮守府の出なのか頑として言いたがらねえ」

仁提督「向こうも青葉を切り離したがってるんなら、もう関わらない、でいいんじゃないのか? 人嫌いのお前らしくもない」

提督「俺としちゃあ、そいつがいきなり乗り込んでこないか心配なんだがな……」

提督「そいつがどういう気性の奴なのか、どんな事情持ちかがわからねえと、いざ来た時にどうやって追い返すかの対策が立てられねえ」

仁提督「……実に貴様らしい理由だな」ハァ

提督「写真に撮られるのが嫌いらしいから、わざとカメラ向けて追っ払うってのもありなのかもしれねえけど……」

仁提督「誰でもいきなりカメラを向けられたら、いい気分にはならんと思うがな」

提督「とにかく、大佐がそういう行動をしてるって情報はありがたいな。赤城に探りを入れてみるか」

仁提督「なあ、その赤城は本当に大丈夫なのか? 相変わらず、大佐の言うことを忠実に聞く冷徹な艦娘という噂が流れてくるんだが」

提督「気にすんな。それでいいんだ、赤城の奴は」

仁提督「それでいいときたか」
327 : ◆EyREdFoqVQ [sage saga]:2022/12/31(土) 22:37:33.51 ID:6bIY/N6Ao

提督「他言すんなよ?」

仁提督「ああ、他言はせん。話そのものはまったくもって気にいらないがな」

提督「……」

仁提督「ふん、そんな目をするな。俺も大佐には関わりたいとは思ってないから、着様らのやることに首を突っ込むつもりはない」

仁提督「が、まるで貴様と赤城が海軍の悪を隠れて退治するために、他人を遠ざけるよう共謀しているように見えて、いろいろと気に入らん」

提督「別にそんなんじゃねえよ。俺は俺の気に入らない奴を潰したいだけだ」

仁提督「本当か? 思えば貴様は人を見限ったようなことばかり言ってるようだが……」

仁提督「正義のために死のうとしてるから嫌われたがってる、ともとれるが?」

提督「正義ぃ!? やめろよ気分悪ぃ。俺は艦娘を食い物にしている連中が許せねえってだけだ」

仁提督「……」

提督「なんだよ、その顔は」

仁提督「なるほど、貴様は艦娘の味方というわけか」

提督「……」

仁提督「まあいい。とにかく、貴様もあまり危ない橋を渡ってくれるなよ? 黒潮にもしもがあれば雪風たちが悲しむ」

提督「そうなる前に、あんたに黒潮を託せられるようにするさ」

仁提督「そうじゃない。貴様も命を大事にしろと言うんだ。貴様がいなくなっては、この鎮守府の艦娘が困るんだろうからな」

提督「けっ。余計なお世話だ」
328 : ◆EyREdFoqVQ [sage saga]:2022/12/31(土) 22:38:18.61 ID:6bIY/N6Ao

 * 鎮守府埠頭 *

提督「あのおっさんも随分お節介焼きになりやがったな……命を大事にしろ、か。やれやれ」アタマガリガリ

大淀「ごもっともだと思いますけど?」

五十鈴「そうよ。心配してくれて、いい提督じゃない」

提督「そうでもねえよ。あいつ、この島に来た時は使い捨て出来る駆逐艦を探しに来てたんだぞ?」

五十鈴「そうなの!?」

提督「しかも、そこの長門がちょっと問題でな……締まりのない顔で駆逐艦を追い掛け回してたんだ。うちの長門と大違いだ」

五十鈴「……ここの鎮守府の長門さんのほうが珍しいと思うんだけど」

提督「なに?」

五十鈴「前の鎮守府にいた長門さんも、寄ってきた駆逐艦にはデレデレになって、ラムネで気を引こうとするくらいには甘かったわよ?」

提督「……」

五十鈴「演習で余所の鎮守府の艦隊が来た時も、そこの長門さんがこっちの駆逐艦にやたらとアピールしてたし」

五十鈴「あとはやたらと駆逐艦に過保護な長門さんが来てた時もあったわね。旗艦なのにやたら駆逐艦を庇いまくるの」

五十鈴「ここの長門さんみたいに、駆逐艦に囲まれても穏やかにしてる長門さんのほうが、私は珍しいって思ってるけど」

提督「……マジか」
329 : ◆EyREdFoqVQ [sage saga]:2022/12/31(土) 22:39:03.23 ID:6bIY/N6Ao

五十鈴「他にも畑仕事に精を出す初雪とか、お料理上手な比叡さんとか、やたら大人びた言動の暁とか、夜中にうるさくしない川内とか」

五十鈴「一体どこから連れてきたの、って言いたくなるような艦娘が多いわよ? まあ、問題がないから誰も言及しないんだろうけど」

提督「そりゃあな。いい傾向なら、別に悪化させなくていい」

五十鈴「そうよねえ。だから、何もないところで転んでる五月雨を見ると、ちょっとほっとするのよね」

提督「……余所でも転んでんのかよ」

大淀「こう言ってはなんですが、ドジな子であるという共通認識ではありますね」

提督「まあ、確かにそういう傾向のところもあるな。余所だと顕著なのか?」

五十鈴「そうねえ、例えば私が居合わせてた時は、提督にコーヒーを運んできたら、必ず頭からぶちまけるくらいには顕著だったわね?」

大淀「それはまた……」

提督「……」

五十鈴「そういえば、ここで提督がコーヒーまみれになってるとこ、見たことないわね?」

提督「うちの五月雨は持ち運んでるものを零したり壊したりしたことはないぞ?」

五十鈴「そうなの!?」
330 : ◆EyREdFoqVQ [sage saga]:2022/12/31(土) 22:39:48.40 ID:6bIY/N6Ao

大淀「よく転びはしますが、書類でもコップでもちゃんと落とさず運んできますね」

提督「その代わり、持ち物をかばうようにすっころんでるせいで、額やら腕やらに痣を作りまくってるけどな」

五十鈴「……やっぱり、ここに集まる艦娘って、ちょっと変わってるわね」ウーン

五十鈴「考えてみたら利根さんも、余所の利根さんよりしっかりしすぎてる気がするし、筑摩さんもあんな感じじゃなかったし」

提督「ちょいと複雑な環境にいた奴らばっかりだからな。そういうお前はどうなんだ?」

五十鈴「私? うーん……どうかしら? そりゃあ前の鎮守府には五十鈴がたくさんいたけど、一人目以外はみんな達観してたし?」

五十鈴「一人目の五十鈴も私たちにどう接したらいいかわかんないみたいで、余所余所しかった気がするわ」

提督「まあ、そうもなるか……解体確定の自分と同じ顔した奴だもんなあ」

五十鈴「あ、私、解体って言ったかしら。どちらかと言えば解体じゃなくて近代化改修のほうが多かったわね」

提督「改修? なんだそりゃ」

五十鈴「いわゆる部品取りみたいな感じなんだけど、五十鈴って素材にしてもいい感じみたいなの」

大淀「確か、五十鈴さんが素材になると、対空能力の強化ができたはずですね」

提督「ますますなんだそりゃ。その改修ってのは、艦娘がいないとできねえのかよ」

五十鈴「そうみたいよ? どんな仕組みかは聞かないとわかんないけど」

提督「……今度妖精に訊いてみっか」
331 : ◆EyREdFoqVQ [sage saga]:2022/12/31(土) 22:40:33.34 ID:6bIY/N6Ao

 * 執務室 *

青葉「司令官! 質問があるんですが、この島で写真を撮ってはいけない場所はありますか?」

提督「うん? 俺としては特にねえと思ってるが……何を撮る気だ? 風呂場とか盗撮みたいな真似だけはやめとけよ?」

青葉「それは勿論です! 迂闊なことをして不評を買いたくありませんので!」

青葉「ここへ移るときも、ここより僻地はないからせいぜい気をつけろと言われたくらいですから!」

提督「誰だそんなこと言っ……って、あいつか!? あの士官か!?」

青葉「はい、ここに連れてきてくださった、あの士官さんですね」

提督「ったく、あの野郎、好き勝手言いやがって……まあ、間違っちゃいねえけどよ」

青葉「認めるんですか……」

提督「まあな、人に言われるのはむかつくが仕方ねえ。仮にここから追い出すっつっても、あてにできそうな鎮守府がねえのは事実だし」

提督「おまけに呉の中将からは、この島に立ち入った人間と艦娘は呉に近づけるな、みたいなことも言われたしな」

青葉「ええ……?」

提督「良くは知らねえが、よっぽど忌み嫌われてるっぽいぞ。この島そのものが」

青葉「……それじゃ、ここから余所の鎮守府に移る可能性って、ものすごく低いってことですか」

提督「なくは……いや、実際にねえな」

青葉「ないんですか……」
332 : ◆EyREdFoqVQ [sage saga]:2022/12/31(土) 22:41:20.43 ID:6bIY/N6Ao

提督「余所の鎮守府の艦娘が数日滞在してて、そいつらがまた別の鎮守府に行ったことはあるが……」

青葉「ここに着任した艦娘が転籍したっていう実績はない、ってことですかぁ」

提督「だな。ただ、ここに来た艦娘のうちだいたい半分……轟沈を経験してる艦娘が、一番長くて2年近く島に滞在して深海棲艦化しなかった」

提督「この事実を本営がどう見るか、そろそろ判断してもらわなきゃなんねえんだよな……してもらいたくねえが」

青葉「司令官は、この島から艦娘を、社会へ帰してあげることを躊躇っておいでですか?」

提督「俺が人間を信用してないからな。少なくとも、この島に対して偏見がある以上、そこから来たとあっては色眼鏡で見られて当然だろうさ」

提督「下手すりゃいじめが生まれるからな。呉のお偉方もそうなんだし、そういう偏見を本営が取っ払えるとは思えねえ。それに……」

青葉「……司令官?」

提督「いや、なんでもねえ」

摩耶「ま、とにかく心配なんだろー? 島から出た艦娘が、まともに取り扱ってもらえるか、って」ヌッ

青葉「!」

摩耶「よっ、邪魔すんぜ。こいつ、使い捨てにされてないか、わざわざ別の鎮守府に移った三日月たちの心配までしてくれてんだ」

摩耶「あたしたちも余所の鎮守府に移ろうもんなら、心配で夜も眠れなくなるんじゃねーの?」

提督「……普通は心配するだろうが。お前はお前で、その言葉遣いをなんとかしねえと、目ぇ付けられんじゃねえのかよ」

青葉「いえいえ、摩耶さんはどこの鎮守府でもこんな感じですよ?」

提督「そうなのか?」
333 : ◆EyREdFoqVQ [sage saga]:2022/12/31(土) 22:42:07.39 ID:6bIY/N6Ao

青葉「はい。ほかの艦娘にも、もっと言葉遣いが荒いというか、オラオラした人もいますよ? 軽巡洋艦の天龍さんとか」

提督「は? 軽巡? 神通とか由良とか、あのくらいのなりでか?」

青葉「そうですよ〜、威勢よくに突っかかってきますからねえ。死ぬまで戦わせろよ! って感じで!」

提督「ふーん。そりゃもう駄目だな」

摩耶「あぁ? お前も似たような言葉遣いじゃねーのかよ!」イラッ

提督「俺が駄目だっつったのは『死ぬまで戦わせろ』なんて言ってるとこだよ。摩耶はそんなこと言わねえだろ」

摩耶「お、おう……まあな」

提督「むしろお前の場合は、誰かがそんなこと言ったら、ふざけんなよって止めに入る側だよな?」

摩耶「ま、まあ、そーかもしんねーな……」テレッ

青葉「……」

提督「摩耶は面倒見がいいからな。あえて心配するとしたら、他の奴を庇って無理しないかのほうが心配だ」

摩耶「そ、そうかよ……」

青葉「司令官は摩耶さんを随分信頼してますね?」

提督「まあ、少なくとも大きく間違ったことは言わねえからな。心情的な話になっても頷けることは多いし」
334 : ◆EyREdFoqVQ [sage saga]:2022/12/31(土) 22:43:03.12 ID:6bIY/N6Ao

提督「それに、上でも下でも仲間のことをよく見てる。間違いなく俺より気遣いもできるし面倒見も愛想もいい」

摩耶「……」セキメン

提督「おまけに妹思いだ。鳥海褒められて本人より胸張ってんだぜ、どんだけ可愛いんだよ」

摩耶「……」プルプル

青葉(摩耶さん、めちゃくちゃ恥ずかしがってますね……褒められ慣れてないんでしょうかねえ)

提督「ま、そういう感じで気持ちのいい奴だからな。くそが、なんて口の利き方さえしなきゃ、どこ行ってもやっていけるだろ」

摩耶「ああ!? おまえだってくそとか言ってんじゃねーか、くそが!」

提督「ああ!? 俺はくそでクズだからいいんだよくそが! お前がくそくそ言う方が不似合いだっつってんだろが!」

摩耶「そうやって自分を卑下しまくってんじゃねーよ! てめえはあたしたちの上官だろ!? 情けねえっつってんだろーが!」

提督「一丁前に気ぃ遣ってんじゃねえよ! 外の連中なんざ適当でいいんだから、お前らも俺のことは適当にこき使えってんだろーが!」

青葉「……唐突にイチャつかないでいただけませんかね?」

提督&摩耶「「イチャついてねえっつってんだろ!」」

青葉「なんですかその前も言われたことがあるみたいな言い方……」

提督「……まあ、確かに気が合うっつうか馴染むっつうか、摩耶が俺に雰囲気似てんのは不本意ながら認めるけどよ……」

摩耶「だからその不本意ってのはなんなんだよ、くそが……!」
335 : ◆EyREdFoqVQ [sage saga]:2022/12/31(土) 22:43:49.38 ID:6bIY/N6Ao

提督「そういう粗野なところは似て欲しくねえってだけだろが。お前、鳥海のことは品があって可愛いって自慢してんだろ?」

提督「鳥海のそういうところをお前が褒めてんのにお前自身がそれを見習う気がねえんじゃ、言ってることとやってることがあべこべじゃねえか」

摩耶「いいんだよ、それが鳥海のいいとこなんだから。あたしにはそういうの似合わねーんだから」

青葉「意外と似合いそうですけどねえ……」ボソッ

摩耶「いいっつってんだろ、そーゆーのは!」

青葉「本っ当に似てますね、摩耶さんと司令官は……」

摩耶「……そーかぁ?」

提督「それより、摩耶はどうかしたのか? お前、今日は休みだろ?」

摩耶「ああ、あたしの用件は特に急がないっつうか、ちょっと相談しに来ただけなんだけどさ」

提督「相談? 困ったことでもあったのか」

摩耶「最近、鳥海がよく温泉に行ってるだろ? 更衣室を作ってもらえないかと思ってさ。岩が目隠しにはなってんだけど、あれじゃなあ……」

提督「あぁ……確かになあ」

摩耶「湯船に浸かってる間はともかく、着替えてるときに最上の飛ばした瑞雲とかが飛んでくると、ちょっと気分良くないだろ?」

摩耶「眺めはいいんだけどよ、いくら防水とはいえ服を入れとく棚だけが置いてあるってのも、どうかと思うんだ。屋根くらいはつけて欲しいんだ」

提督「まあ、確かにな」
336 : ◆EyREdFoqVQ [sage saga]:2022/12/31(土) 22:44:34.93 ID:6bIY/N6Ao

摩耶「あの温泉、なんで湯船だけ作ってあるんだ?」

提督「あれはもともと、はっちゃんが自分の体を温めるために作ったやつだからな」

提督「他の人が入ったりとか、そもそもみんなに教えること自体、想定してなかったらしいんだ」

提督「それが今はみんな使うようになったからなあ……確かに偵察機飛ばす練習もするし、温泉の製作者の意見も聞いて検討させてもらうか」

摩耶「お、やってくれんのか?」

提督「ああ、おそらく問題は建材くらいだな。大風呂に個人用を増設したときの木材とかが残ってりゃいいんだが」

摩耶「そっか。屋根があると嬉しいから、マジで頼むぜー。あ、それから青葉」

青葉「はい! なんでしょう?」

摩耶「お前、更衣室にカメラ仕掛けたりすんなよ?」

青葉「しませんよ!?」

提督「やっぱりお前、そういう奴なんじゃねえか」

青葉「風評被害甚だしいですよぉ……」ガックリ
337 : ◆EyREdFoqVQ [sage saga]:2022/12/31(土) 22:45:18.50 ID:6bIY/N6Ao

 * 2週間後 *

 * 墓場島鎮守府 執務室 *

不知火「司令。こちらをご覧ください」

提督「……へえ、いよいよ来たか」

如月「どうしたの?」

提督「本営に来いとよ。噂の姫級の撃滅作戦への参加要請だと」

如月「! いよいよ来たのね……!」

不知火「この招集は中将閣下からですので、不知火が同行します」

提督「……早めに行きたいな。赤城に情報を集めてもらってるんだろう?」

不知火「はい。すでに船も手配しております」

提督「……久し振りの日本か。あの大湊以来だな」
338 : ◆EyREdFoqVQ [sage saga]:2022/12/31(土) 22:46:03.28 ID:6bIY/N6Ao

 扉<コンコン

大和「失礼いたします」チャッ

 ゾロゾロ

吹雪「失礼します!」

金剛「テートク! 無理は禁物デース!」

提督「おぉ……また大勢で来やがったな」

朧「提督、本営に行くんですか?」

提督「ああ。どこで聞いてきた」

初春「大淀と不知火が神妙な顔をしておったからの。大淀に話を聞いてきたのじゃ」

電「司令官さん、本営に行って大丈夫なのですか?」

提督「そこまで心配すんな、別に腹を切れって話じゃねえからな。まあ、罠の可能性は考えてなくはねえが……」

提督「不知火も赤城もいるし、中将も承知してる。大佐の奴にしても目立ったことはしてこねえだろうさ」

榛名「提督! 私たちもご一緒いたします!」
339 : ◆EyREdFoqVQ [sage saga]:2022/12/31(土) 22:46:49.07 ID:6bIY/N6Ao

提督「いや……お前らには、俺自身よりこの島の留守を頼みたい」

初雪「留守……?」

提督「ああ。なんせこの島の人間は俺一人だ。その間に、知らない人間が島に上がってきて好き勝手される方が俺にとっては痛手だ」

潮「そんなことを考える人、いるんでしょうか……」

提督「いずれにしろ、帰る場所は大事だからな。そいつは守っておいてもらいたい」

伊8「はい、それはとっても大事です」

提督「異常があればすぐに知らせてくれ。最悪、やばいと思ったらすぐ反撃していい、最優先は島の防衛だ」

提督「今回は珍しく不知火が無線機を持ってきてくれた。事後でもいいが、できれば早めに連絡を頼む」

不知火「残念ながら旧式ですが、こちらを使えばどこにいても不知火と連絡できます」

大和「……わかりました、お預かりいたします」

提督「先日、不知火経由で中将からの作戦概要を伝えたと思うが、この島が巻き込まれる可能性が高い」

提督「正直、どこでなにがおこるかわからねえ。万全の状態で出撃できるように、各々の装備の確認を済ませておいてくれ」

艦娘たち「「!!」」
340 : ◆EyREdFoqVQ [sage saga]:2022/12/31(土) 22:47:48.53 ID:6bIY/N6Ao

 * 工廠 *

最上「ふーん、それで今日は遠征や出撃を控えようって話なんだね」

武蔵「そういうことだ」

足柄「大袈裟ね、って言いたいけど、まあ提督の心配もわからなくないわね」

日向「……つくづく難儀しているんだな、この鎮守府は」

伊勢「どうせなら不知火だけじゃなくって、戦艦や空母の誰かがついて行ったほうがいいんじゃない?」

朝雲「その辺は心配ないですよ、不知火が中将麾下の艦娘ですから」

伊勢「え、そうなの?」

五十鈴「提督以外に人間がいないから、憲兵の代わりのお目付け役なんですって」

隼鷹「憲兵も着任を嫌がってたんだっけ? すごいところだよねえ」

日向「何から何まで提督任せの鎮守府なのだな……」

由良「だからこそ、ここまで鎮守府を好き勝手できたとも言えますけどね?」

山雲「変なお客さんが来なければ、ゆっくりできますし、ねー」

五月雨「山雲ちゃんが言うと説得力あるなあ……」

明石「それじゃあいい機会だし、皆さんの装備の見直しでもしましょうか!」

若葉「それはいいな。若葉も付き合おう」

加古「待った待った、若葉が一緒だと明石が寝不足になるから、時間決めてやってよ」

三隈「先日は明石さんが工廠の床で寝てましたものね……」

青葉「目の下にクマを作られても困りますし、ねえ?」

若葉「むう……」
341 : ◆EyREdFoqVQ [sage saga]:2022/12/31(土) 22:48:33.26 ID:6bIY/N6Ao

 * 鎮守府埠頭 *

黒潮「なんや、さっきまで曇り空やったのに、晴れ間が出てきたわ」

龍驤「しっかも、ええ風が吹いてるなあ……」

千歳「本当。穏やかで、気持ちいいわね」

神通「対姫級の作戦ですか……これが嵐の前の静けさとは思いたくありませんね」

古鷹「大丈夫です! 私たちはこれまで、何度もトラブルを乗り越えてますから!」

雲龍「そうね。きっと、嵐が来ても、私たちなら立ち向かえるわ」

鳥海「あっ、司令官さん! お疲れ様です」

提督「……なんだ、もしかして全員出てきたのか」

長門「ああ。以前はこうやって見送ることもできなかったが……」

比叡「今回はみんなで見送ることができますね!」

提督「大袈裟だな……と言いたいが、これから行くところが物騒だからな。ま、お前らの顔見て安心するのも悪くねえな」

霧島「海軍本営が物騒と仰いますか……」

那珂「提督にとっては伏魔殿って感じだよね!」

筑摩「仮にも私たちはその海軍に所属しているのですが……」

白露「とは言っても、信用できないところも多いからねー」
342 : ◆EyREdFoqVQ [sage saga]:2022/12/31(土) 22:49:18.66 ID:6bIY/N6Ao

利根「うむ……これまで起きた騒ぎの中で、納得できないことも多かった。そう言う意見が出てもやむを得まい」

川内「提督も提督で、変な考え起こしちゃ駄目だよ?」

提督「ああ、やる時は、ちゃんと考えてからやるさ」

山城「ちょ……やらかす前提で向かうつもり!?」

提督「まあ、多分やらかさざるを得ない状況になるんじゃねえかな……これから行く話に、あの大佐が噛んでんだぜ?」

扶桑「では、そうならないようにお祈りさせていただきましょう」

朝潮「朝潮も同感です! 司令官、どうかお気を付けて!」ビシッ

霞「さっさと用事を済ませて、とっとと帰ってきなさいよ!」

敷波「……素直じゃないなあ」ボソ

霞「何か言った!?」

敷波「ん? 言ってないよ?」シレッ

島風「ほらほら、時間が押してるんでしょ!? 速く行って! そして速く帰ってきてね!」

暁「そうよ、留守は私たちに任せておいて!」

提督「……ああ、んじゃ、任せるぜ」ニッ

摩耶「おう、安心して行ってきな!」
343 : ◆EyREdFoqVQ [sage saga]:2022/12/31(土) 22:50:03.38 ID:6bIY/N6Ao

大淀「提督。出航の準備ができました」

提督「ああ、じゃ、行ってくる」

大和「提督! ご武運を!」

吹雪「お気をつけて、司令官!」

如月「司令官! いってらっしゃい!」

提督「おう」ウナヅキ


(提督と不知火が小型輸送艇に乗り込むと、じきに輸送艇が離岸し始める)

 小型輸送艇<ザザァ…


長門「……」

如月「行っちゃったわね、司令官……」シュン…

千歳「大丈夫よ、そこまで長期間の出張ってわけじゃないんだし」

大和「……」

武蔵「……大和?」
344 : ◆EyREdFoqVQ [sage saga]:2022/12/31(土) 22:51:03.36 ID:6bIY/N6Ao

大和「はあぁ……」ガックリ

武蔵「おいおい、提督不在と言うだけで大仰にため息をつくな。駆逐艦たちに示しが付かんぞ」

大和「そうは言うけどぉ……鎮守府に提督がいない、って考えると……」

如月「そうなのよね……私たちが遠征や出撃から帰ってきたら司令官がいるっていう、あの安心感……」

朧「あー……」

伊8「わかります」

吹雪「うん、なんとなくわかる……」

榛名「榛名もわかります!」

金剛「テーーートクゥーーー!! Please come baaaaaack !!」

長門「今行ったばかりなのに早すぎるぞ!」

武蔵「本っ当に示しが付かんな!」アタマオサエ

霞「……ま、そのうち帰ってくるでしょ。心配は心配だけど、あたしたちがぐだぐだでどうすんのよ」

大淀「その通りです。留守の間に鎮守府の様子が変わっていたら、提督に余計な心配をさせてしまいます」

摩耶「ま、そうだなー。あたしたちが普段通りに出迎えてやらねーと、あいつ、まーたこーんな顔すんぜ?」
345 : ◆EyREdFoqVQ [sage saga]:2022/12/31(土) 22:52:03.45 ID:6bIY/N6Ao

利根「うむ、その通りじゃ。どれ、吾輩たちはカタパルトの整備に行くか」

筑摩「はいっ!」

白露「それじゃ、私たちは航行訓練してくるね!」ダッ

島風「あっ、白露待って!」ダッ

長門「……いつも通り、か」

武蔵「そうだな。これからでかい任務が来るわけだ。備えるとしようか」

 ゾロゾロ…

大和「……提督……」

如月「司令官……!」

金剛「テェーーーーートクゥーーーーーー!!」

 ザザァー…



346 : ◆EyREdFoqVQ [sage saga]:2022/12/31(土) 22:52:51.24 ID:6bIY/N6Ao

 * 太平洋上 小型輸送艇内 *

提督「……」

不知火「司令、こちらの資料を。赤城さんからです」

提督「ん……」ペラッ

不知火「そういえば、初めて司令とお会いしたときは、私が島に一人、留守番を務めていましたね」

提督「ああ……如月を連れてこい、って命令されたときの話か」

不知火「はい。大佐……あのときは少佐でしたか。その少佐のスケジュールと、中将閣下へのコンタクトができる時間を調べ……」

不知火「あなたが、刺し違える覚悟で如月と私を助けていただいたこと。感謝しております」

提督「……そうか」

不知火「今度は、私が助ける番ですね」

提督「なに言ってやがる。俺はお前にこれまで散々助けられてるじゃねえか」

不知火「……そうでしょうか」

提督「そうだよ。感謝してるんだぜ、これでも」

不知火「……光栄です」
347 : ◆EyREdFoqVQ [sage saga]:2022/12/31(土) 22:53:36.62 ID:6bIY/N6Ao

提督「……」

不知火「……」

提督「……なあ、不知火?」

不知火「はい」

提督「……俺は、どんな手を使ってでも、あいつらを守るつもりでいる」

提督「もし……『もしも』の事態が発生したら……頼むぞ」

不知火「……はい。そうならないことを祈ります」

提督「ああ、そうだな。まったくだ」

提督「そうならないために……俺はどんな手でも、使ってやるぜ」

提督「さて、行くか。俺たちの未来のために」

不知火「……」コク



 小型輸送艇<ザザザァァ…!





 * 「鎮守府が罠だらけ?」に続く *
348 : ◆EyREdFoqVQ [sage saga]:2022/12/31(土) 22:54:33.95 ID:6bIY/N6Ao

 * * *

 * *

 *


??『絶望が近づいている』

??『ようやく……ようやく、彼に絶望の刻が訪れる』

??『絶望が怒りを呼び、悲しみを呼び、憤りを呼べば、我らがあるじが再臨される』


??『ひとたびあるじが目覚めれば、それを慕う者たちがこの世に召喚される』

??『人間も、それを守護する艦娘も、それに仇なす深海の者どもも、等しく魔神様の糧となる……』





??「魔神様」

??「さあ、起きて」

??「人間狩りの時間だよ」



.
349 : ◆EyREdFoqVQ [saga]:2022/12/31(土) 22:55:34.83 ID:6bIY/N6Ao
ということで、この「墓場島鎮守府?」シリーズはここまでで完結です。

中途半端な終わり方になりますが、この続きは本編となる「鎮守府が罠だらけ?」につながっていきます。

本編も続きを書いておりますので、興味ある方はよしなにお願い致します。

数日の間はHTML化の申請はせず、質問等あれば返せる分だけ返そうと思います。

では、見てくださった皆様に感謝しつつ。
良いお年をお迎えください。
350 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2023/01/01(日) 13:58:43.28 ID:g/vLAdaqo
完結乙乙。本編まだ続くみたいだし楽しみにしてます
351 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2023/01/04(水) 03:17:07.02 ID:rLVcbFM80
来た時期が時期だから仕方ないけど
青葉の日常回少なくてすこしカナシイ…
352 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2023/01/04(水) 03:20:17.67 ID:rLVcbFM80
忘れてました
完結お疲れ様です 面白かったです
あけましておめでとうございます
本編の方も楽しみに待ってます
353 : ◆EyREdFoqVQ [sage saga]:2023/02/05(日) 20:51:41.06 ID:ldf42oh6o
こちらのスレッドは完結しました。
移行先はこちらです。

【艦これ】提督「鎮守府が罠だらけ?」【×影牢】
ttp://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1467129172/
【艦これ】提督「鎮守府が罠だらけ?」ニコ「その2だよ」【×影牢】
ttp://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1515056068/


関係ありませんが、自分の書いたそのほかのSSはこちらです。

【艦これ】提督「明石、下着を買いたいんだが」明石「へっ!?」
ttp://ex14.vip2ch.com/news4ssnip/kako/1486/14868/1486816166.html
【艦これ】朧「秋月型の机の上からカニ食べ放題のグルメ雑誌が見つかった」
ttp://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssr/1497974830/
【艦これ】大淀「スカートのスリットを隠せ、ですか?」
ttp://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1519551161/
317.99 KB Speed:0.4   VIP Service SS速報VIP 更新 専用ブラウザ 検索 全部 前100 次100 最新50 新着レスを表示
名前: E-mail(省略可)

256ビットSSL暗号化送信っぽいです 最大6000バイト 最大85行
画像アップロードに対応中!(http://fsmから始まるひらめアップローダからの画像URLがサムネイルで表示されるようになります)


スポンサードリンク


Check このエントリーをはてなブックマークに追加 Tweet

荒巻@中の人 ★ VIP(Powered By VIP Service) read.cgi ver 2013/10/12 prev 2011/01/08 (Base By http://www.toshinari.net/ @Thanks!)
respop.js ver 01.0.4.0 2010/02/10 (by fla@Thanks!)