高木さん「うん。西片とお幸せに、だって」西片「っ……からかわれても、困るよ」

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1 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2022/12/25(日) 02:04:44.36 ID:5WLZequMO
「ごめん、西片。おまたせ」

校門の前で待っていたオレに小走りで駆け寄り謝罪を口にする高木さん。季節はすっかり冬で彼女の吐息は白かった。オレも同じく。

「ううん、全然気にしてないよ」

白い吐息と共に吐き出すのは真っ赤な嘘で。

「じゃあ、帰ろうか」
「うん」

高木さんと並んで帰路につきながら考える。
どうしてオレは一緒に帰っているんだろう。
別に付き合っているわけでもないのに彼女の用事が終わるのを待ってまでどうして、と。

「西片、やっぱり怒ってる?」
「え? いや、怒ってはないよ」
「じゃあ、退屈だったとか?」

退屈。たしかにオレは退屈だった。しかしただ退屈なら余程マシというもので、待っている間、オレは葛藤していた。待つか帰るか。高木さんは用事が終わるまでオレに待っていて欲しい頼んでいたが、正直帰りたかった。

「ほんとごめんね。無理に引き止めるつもりはなかったんだけどさ」

嘘だ。真っ白な吐息は真っ赤な嘘に染まっている。だって高木さんはオレにこう言ったのだ。「ラブレター貰ったから返事をしてくるね」と。だからオレに選択肢などなかった。

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