【艦これ】提督「鎮守府が罠だらけ?」ニコ「その3だよ」【×影牢】

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869 : ◆EyREdFoqVQ [sage saga]:2025/06/08(日) 20:55:15.87 ID:pU/6M1Kuo
と言うことで今回はここまで。
870 : ◆EyREdFoqVQ [sage saga]:2025/07/06(日) 22:10:36.48 ID:so9g0Gzpo
短いですが、続きです。
871 : ◆EyREdFoqVQ [sage saga]:2025/07/06(日) 22:11:21.79 ID:so9g0Gzpo

 * 別の会議室 *

 扉<コンコン ガチャ

提督「邪魔すんぞ。ここでいいのか?」

暁「あっ、司令官! ごきげんようです!」

ビスマルク「あら、提督。X提督との話は終わったの?」

提督「おう、いたか暁。で、お前は……ビスマルクだったか。あの船に大勢艦娘が集まってたとき以来か? 一緒にクイーンもいたよな?」

ビスマルク「ええ。あなたに会うのはこれが2度目かしら」

暁「司令官、お変わりないみたいね?」ニコッ

提督「ああ。お前たちも元気そうで何よりだ。で、お前の後ろにくっついてるのが……」

ヴェールヌイ「……」ギュ

提督「ヴェルニイ……? いや、響だったか?」

暁「ヴェールヌイ、よ。でも、響は、響って呼んであげたほうがいいみたい」

ヴェールヌイ「……」ペコリ

暁「再会できたのはいいんだけど、それ以来ずっとこんな感じで……」
872 : ◆EyREdFoqVQ [sage saga]:2025/07/06(日) 22:12:06.54 ID:so9g0Gzpo

ビスマルク「行方不明の姉を探し出せたんだもの。無理もないと言えばそうよね」

提督「……まあ、徐々に慣らしてくしかねえかなあ、こういうのは。それで、暁? 俺に話があるって訊いたんだが」

暁「ええ、ちょっとごめんなさい。響、少しの間、司令官とふたりでお話しさせてくれる?」

ヴェールヌイ「……」

暁「お願い。ね?」

ヴェールヌイ「……」ジッ

提督「……」

暁「大丈夫よ。司令官は、暁が記憶を取り戻すまで、暁のことを保護してくれてたんだから」

ヴェールヌイ「……」ウツムキ

暁「ビスマルクさんと一緒に待っててくれる?」

ヴェールヌイ「……わかった」

 クルッ スタスタ…

ビスマルク「それじゃ、あとは任せて頂戴。提督、暁をお願いね」クルッ タタタッ

 扉<パタム

暁「……」

提督「大丈夫なのか、響は」

暁「今の状態は、大丈夫とは言えないわね。少しでも立ち直ってくれるといいんだけど」
873 : ◆EyREdFoqVQ [sage saga]:2025/07/06(日) 22:12:51.88 ID:so9g0Gzpo

暁「それはそうと、お待たせしてごめんなさい、司令官。肝心の、聞きたいこと……なんだけど」

提督「ああ、なんだ?」

暁「正直、聞くのが怖いんだけど……」ウツムキ

提督「……」

暁「I提督の鎮守府が襲撃されたときのことなんだけど……あの襲撃があったときって、他の鎮守府との連携が滞っていたみたいなの」

暁「そうなった理由が……誰かが、I提督への支援を妨害してたから、って、聞いて……」

提督「……」

暁「それで、その妨害をしていた人が……海外の泊地へ移動中、あの島の近海で行方不明になった、って聞いて……」

暁「もしかして、それに司令官が、何か知ってるんじゃないか……関わってるんじゃないか、って」

提督「……」

暁「……ごめんなさい。そんなこと訊かれても、司令官も困るわよね」

暁「仮に暁がその真相を知ったとしても、何もできることなんかないんだし……」

提督「……暁は、何が起こっていたのかを知りたいのか?」

暁「……そう、だと思うんだけど。よく考えたら、私もどうしたいのか……わからなく、なっちゃった……」ウツムキ

提督「……」
874 : ◆EyREdFoqVQ [sage saga]:2025/07/06(日) 22:13:37.97 ID:so9g0Gzpo

暁「暁は……」

提督「……」

暁「暁は、多分、I提督を……私たちの鎮守府をあんな風にした人たちがどうなったのか、単純に結末を知りたいんだと思う」

暁「それを知って、私は……」

提督「……」

暁「私は……安心したいんだと思うわ。I提督を苦しめた人が、いなくなったことを、確かめたいっていうか、確信したいんだと思う」

提督「そうか。ならどうして、そんなに思いつめたような顔をするんだ?」

暁「それは……だって、よくない事じゃない? 人が行方不明になって……いなくなったことを安心するなんて」

暁「良かったと思ってるのと、同じことじゃない。その人にだって家族がいるんだもの、そんなの、よくない事だと思うわ……!」フルフル

提督「そいつの家族が、悲しまなければいいのか?」

暁「……もう、司令官は意地悪だわ。そんな単純なことじゃないわ」

提督「……」

暁「……」シュン…

提督「ま、なんにせよだ。そいつらがいなくなった事実に変わりはない」

暁「それは、そう、なんだけど、ね……」

提督「……」
875 : ◆EyREdFoqVQ [sage saga]:2025/07/06(日) 22:14:21.67 ID:so9g0Gzpo

暁「……」

提督「簡単に割り切れない、ってか。考え方がおとなになるってのも、考え物だな」

暁「……どう受け止めたらいいか、何がいいのかわからないの。悲しい事故なんだろうけれど、どうしても……」

提督「まあ、そうだな。真相なんて知れば知るほど悲しくなるだけだしな」ボソッ

暁「真相……?」

提督「ああ。どうする、暁? 俺は、お前には事の真相を知る権利があると思ってる」

提督「本当に胸糞悪い、反吐の出るような話だが……I提督の鎮守府への支援がなぜ妨害されたのか、俺はお前に話すことができる」

暁「……!」

提督「知りたいか? それとも、聞かなかったことにするか?」

暁「……嫌な、話なのね?」

提督「ああ。知ったら人を嫌いになりそうな話だ」

暁「……」

提督「……」

暁「……司令官。教えて」

提督「……」
876 : ◆EyREdFoqVQ [sage saga]:2025/07/06(日) 22:15:06.13 ID:so9g0Gzpo

暁「知らないほうが幸せなのかもしれないけど……暁は、知らんぷりしてちゃいけない気がするの」

提督「そうか。わかった、なら耳を貸せ。あまりでかい声で話したい話じゃない」

暁「わ、わかったわ……」

 *

暁「……」

提督「……」

暁「そ、そんな……そんな理由で、I提督が……」

提督「そう思えば、事故に遭ってざまあみろとも思うだろ?」

暁「ざ、さま……そういうこと言っちゃ駄目よ!」

提督「そうか? 俺はともかく、暁は当事者だ。お前がそいつに恨み言や憎まれ口を言っても、それが普通だと思うけどな」

暁「そ、そんなの……エレガントじゃないじゃない」

提督「エレガントでなくていいだろ。そもそもそいつのやってることがエレガントでもなんでもねえ」

提督「悪いことは悪い、って、びしっと言ってやるのも、大人の対応って奴じゃねえか。優しくするだけが大人じゃねえぞ」

暁「そうかもしれないけど……ねえ、その人は、海軍内とかで罰することはできなかったの?」

提督「一応、手遅れではあったが救援には出向いたこともあって、海軍からの処罰とかは特になかったみたいだな」
877 : ◆EyREdFoqVQ [sage saga]:2025/07/06(日) 22:15:51.30 ID:so9g0Gzpo

暁「それが遅くなったのが故意だったとしても……?」

提督「金も時間もかけて救援に行った奴が、救援が遅かったからって理由で罰を与えられたんじゃ、その次から救援に行く奴がいなくなっちまう」

提督「故意かどうか確かめる術もない以上、上はそいつに罰を科すことはできなかったのさ」

暁「ああ……それもそうね」ウツムキ

提督「……なあ、暁? もう一回耳を貸せ」ヒソッ

暁「?」

提督「その船には、Q中将の話してた、I提督の両親を殺した奴も囚人として乗っててな……」ヒソヒソ

暁「え……!?」

提督「俺たちも見つけられなかったって扱いで行方不明にはしているが、あいつらは全員、俺たちメディウムが始末した」ヒソヒソ

暁「……っ!!」ガタッ

提督「……」

暁「し、しれ……っ、しれ……!」プルプル

提督「内緒だぞ」シー

暁「で、でも! それって……!」

提督「海軍の中にも、そいつらを許せない人間がいたってことさ」ヒソッ

暁「……!!」
878 : ◆EyREdFoqVQ [sage saga]:2025/07/06(日) 22:16:37.66 ID:so9g0Gzpo

提督「法に従えば、そいつらの命は保障されるべきだろう。それを良しとしない人間がいて、人間の法の外にいる俺たちに、手を下させた」

提督「俺もQ中将の話を聞いて、少なからず共感してたからな。そいつらをメディウムに任せたのは事実だ」

暁「そう……そう、なんだ……」

提督「……」

暁「それじゃ今頃、その人たちもあのお花畑を歩いてるのかしら……」

提督「いいや、そうはなってない。メディウムの手にかかった人間たちは、あの世に行くことはできない」

暁「えっ? ど、どういうこと……?」

提督「メディウムは、殺した相手の肉体と魂を好きにできるんだ。だから、あの船に乗っていた連中が、あの花畑に行くことはない」

暁「……そう……」

提督「……悪いニュースじゃないだろう? 随分寂しそうな笑顔だな」

暁「そうね……正直に言えば、安心したわ。でも、本当なら、あの人たちもあの世に行くはずだったんでしょう?」

暁「I提督を困らせた人たちが、司令官たちのおかげで、そうなったことを……I提督のところに行けなくなったことを、私は喜んでるんだもの」

暁「それって、ひどいと思わない? 暁は、ずるいんだわ……綺麗ごとばかり言って、本当は……」メヲフセ

提督「いや、それをずるいって言うのは、ちょっと違うんじゃねえか?」

暁「で、でも……!」
879 : ◆EyREdFoqVQ [sage saga]:2025/07/06(日) 22:17:21.48 ID:so9g0Gzpo

提督「そこは素直に安心した、で終わってりゃいいんだよ。お前だけじゃなく、お前の好きな人たちまで酷い目にあわせた奴らだぞ?」

提督「お前は自分がレディーとして高潔でありたいって思ってるようだが、いくらなんでも無理しすぎだ。そこまで高い理想は体に毒だぞ?」

暁「う……」ションボリ

提督「そうやって悩みすぎて壊れて欲しくねえんだよ、妥協だって必要なんだ。なあ、お前もそう思うだろ? 川内」ミアゲ

暁「えっ!?」

 天井の通気口<ガタッ

提督「ったく、なんてところに隠れてやがる」

 天井の通気口<ガパッ

川内「えへへ、見つかっちゃったかあ」モゾモゾ

暁「そ、そんなところに隠れてたの!?」

 クルン ストッ!

川内「川内参上! なんちゃって。提督、いつから気付いてたの?」

提督「ビスマルクたちが出てってすぐくらいだな」

川内「えー? それじゃほぼ最初からじゃない!」

提督「こちとら侵入者を迎撃する罠を管理統括する魔神様だぞ。嫌でも気付けるんだ、見くびってもらっちゃ困る」

川内「まったくもう……まあ、それはそれでいいんだけどさ」チラッ

暁「!」
880 : ◆EyREdFoqVQ [sage saga]:2025/07/06(日) 22:18:06.69 ID:so9g0Gzpo

川内「暁がここまで落ち込むような、I提督の救援の妨害の理由って、なにさ? ひそひそ声だから聞き取れなかったんだけど」ズイッ

提督「……」

川内「あれ? ちょっと提督、私だってあの時の当事者なんだよ? なんで黙っちゃうの!?」

提督「お前の場合は教えた後に何するかわかんねえからな。なまじ行動力あるだけに、あまり迂闊に言いたくねえ」

川内「ひっどーい! なにそれ!?」

提督「……ったく、しょうがねえ。耳貸せ、耳。いいか?」ガシッ

川内「なんて肩を掴むのさ。私、そこまで血の気多くないよ?」

提督「いいから黙って聞け。いいか、お前のいた鎮守府がああなったのは、簡単に言えば、I提督にフラれた馬鹿の逆恨みだ」ボソボソ

川内「へぇ……」ビキビキッ

暁「ピエッ」

川内「……提督。島の近海だっけ? そいつ探して殺ってくるね」ハイライトオフ

提督「っだああ! じっとしてろ! やっぱ掴んでて正解だったんじゃねえか!」オサエツケ

川内「正解じゃないよ!? 行かせてよ!」ジタバタ

提督「そいつはもう始末したんだよ……俺たちメディウムが!」ボソッ

川内「……!」

提督「天国にも地獄にも行けないようにしてやった。だからもう手出し無用だ」

川内「なぁんだ、そっか。残念。私が引導を渡したかったんだけどなぁ」
881 : ◆EyREdFoqVQ [sage saga]:2025/07/06(日) 22:19:06.41 ID:so9g0Gzpo

提督「気持ちはわかるが我慢しな。ったく、どこが血の気が多くない、だ」

暁「本当、どうなるかと思ったわ……」ホッ…

川内「えへへ、ごめんね?」ハイライトオン

提督「まあ、川内の気持ちはわかるけどよ……むしろ、暁の反応のほうが、俺としちゃ心配だな」

川内「暁はそいつらに頭にきたりとかしてないの?」

暁「うーん、悲しいとは思ったけど……そもそも、暁はあまり怒りたくないの」

提督「怒りたくない?」

暁「ほら、司令官が以前、自暴自棄になってた時があったじゃない? あのとき暁が怒ってから、みんなに怖がられちゃって……」シュン…

提督「ああ、確かにあの時は……全員ブルッてたな」

暁「だから暁は怒らないようにしたいし、怒るのはやめたいの。みんなに怯えられるレディーなんて、良くないわ」

川内「そんなに怖かったの?」

提督「迫力はあったな。あ、興味本位で怒らせようとすんのはやめろよ?」

川内「やらないよ。今は今で、暁を怒らせるようなことをしたら、響が黙ってないだろうからね」

提督「ああ……確かに」

暁「そうね、響は心配よね。一回、お姉ちゃんらしく叱ってみようかしら……」

川内「そのほうがいいかもね。あ、叱るよりは、暁が優しく諭せば、聞いてくれそうじゃない?」

暁「優しく諭す……そうね。それが一番、暁らしいかも!」グッ
882 : ◆EyREdFoqVQ [sage saga]:2025/07/06(日) 22:19:51.33 ID:so9g0Gzpo

川内「それにしても、I提督もひどい災難だよね。まあまあよくありそうな愛憎劇とはいえ、そんなことに巻き込まれるなんて……」

提督「こんなこと、よくあってたまるかよ。巻き込まれたお前たちだってたまったもんじゃねえだろが」

川内「それはそうだけどね……ねえ、この話、これまで誰に話したの?」

提督「うちの艦娘なら大和とかル級とか、計画に手伝ってもらった一部だな。あとはメディウムたちだ」

提督「うちの連中以外なら、お前と暁以外にはしてねえよ。響に話すかどうかは任せるぜ」

川内「そっか。じゃあ、島に近づかなきゃ、この話は広まらないってことだね」

提督「まあ、そうだな。俺たちも、こんな話はそう誰かに話すこともねえだろうし、徐々に忘れるだろうさ」

川内「ん、わかった。それにしても、提督も大変だね、やることが多くて」

提督「まあな。次から次と、休む間もねえ」

川内「あはは、でも、楽しそうだよ?」

提督「……そうか?」

川内「うん。提督の次の話し合いは海軍が相手かあ……大変だろうけど、頑張ってね」

提督「ありがとな。川内も、悪いが暁たちのことは頼んだぜ」
883 : ◆EyREdFoqVQ [sage saga]:2025/07/06(日) 22:21:14.72 ID:so9g0Gzpo
というわけでここまで。
この次のシーンまでは書いているけど、その続きが……。
難産続きでスレも跨ぎそう。もうしばらくお付き合いください。
884 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2025/07/07(月) 01:21:44.10 ID:VLQv44b10
舞ってるで
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