【艦これ】提督「鎮守府が罠だらけ?」ニコ「その3だよ」【×影牢】

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902 : ◆EyREdFoqVQ [sage saga]:2025/08/18(月) 23:58:36.25 ID:Qx5bHHluo

提督「うーん……そうだな。しょうがねえ、もうひとつ嫌な話をしてやるか」

大将「ま、まだあるのか?」

提督「中将に伝えなきゃいけない話があるんだ。いまこの場で話してもいいか?」

中将「む……な、なにかね?」

提督「ここに来るとき与少将から聞いたんだが、ついさっき駐日イギリス大使から、俺たちにコンタクトを取りたいって話が来たんだと」

中将「! 本当かね」

提督「ああ、詳細はこの後で与少将に確認するが、ことの次第によっては、日本政府よりそっちを先に相手しないといけなくなるかもな」

大将「な、なんだと!?」ガタッ!

提督「俺たちは、組織の話がクリアにならない限りは、日本政府との話も保留にしたいんだよ」

提督「この話は、俺たちの身の安全を保証してもらう話なんだ。その話が進まない限りは、政府と話し合いなんかしてもしょうがねえ」

提督「仮に政府が組織の存続に一枚噛んでいたとしても、海軍が無関係ってわけでもないし、疎かにしていい話でもない」

提督「俺たちは話ができるほうに話をしに行く。普通だろ?」

大将「元帥殿! 提督がここまで来ているというのに、我らが足を引っ張ったとあっては、政府との信頼関係を疑われます!」

祢大将「数多くの艦娘を束ねる海軍をさておいて、他国が深海棲艦との交渉権を得たとなると、国家の権威失墜にもつながるな」

武大将「交渉決裂よりまずい結果になってしまうんじゃないか?」

和中将「そ、それはいかん……! げ、元帥閣下!!」
903 : ◆EyREdFoqVQ [sage saga]:2025/08/18(月) 23:59:21.19 ID:Qx5bHHluo

元帥「……」

提督「まあ、元帥がなかなかうんと言わねえ理由もそれなりにわかってるんだ」

提督「一番は、艦娘を使った実験を行っていたこと。元帥も含めて知らない奴が多いようだが、実態が暴かれたら相当やばいと思ってる」

提督「これが明るみに出て、海軍が艦娘からの協力を取り付けられなくなったり、造反でもされたりしたら人類は終わりだ」

大将「ぬう……!」

提督「それから、深海棲艦に話が伝わった場合は、更に敵意をむき出しにして襲ってくるだろう。国内の拠点が攻撃される可能性も増えそうだ」

武大将「おや? 君が知っている、イコール深海棲艦たちも知っている、じゃないのかね?」

提督「悪いがそこは俺もわからない。深海棲艦は群れ同士での交流が少ないみたいで、聞いた感じ、余所は余所、ってとこが多いらしい」

提督「だから、実際にはこの話もあまり広まってはいないんじゃないかって推測してる。あの弾丸をあちこちで使っていたりしたら話は別だがな」

武大将「……君がその話を誰かに伝えたりはしていないのかい?」

提督「それはない。島の外にいる深海棲艦とは話す機会がまだねえんだ。調べるにしても、まさか白旗振りつつ訊きに行くわけにもいかねえよな?」

武大将「それはそうだねえ……」

提督「ほかには……そうだな、その拠点が国内に複数個所あるせいで、そのあちこちに俺を案内しなきゃいけなくなりそう、ってのもあるか?」

H大将「複数拠点あるだと……!?」

提督「ここに何人か協力者がいるんだ。全員が常々一か所に固まってるわけじゃねえはずだ」

提督「俺が把握してる拠点以外に、他にも何カ所かに研究施設がありそうだってのは俺の予想だが、ない話じゃないだろう」
904 : ◆EyREdFoqVQ [sage saga]:2025/08/19(火) 00:00:05.52 ID:12crbRCYo

提督「あとは、このネタにメディアがどういう反応を示すか、だな。ただでさえこういうスキャンダルはマスコミの大好物だ」

提督「あることないこと脚色されて事態の収集に追われそうだし、一部の人間からは非人道的だと批判を浴びるだろう」

提督「最後にもうひとつ。元帥……あんた、今更ながら、これの開発をよしとしたこと、後悔してんだろ?」

提督「艦娘の力を借りることなく、人間の手で深海棲艦を打ち倒せる力と言えば、確かに魅力的な話だからな」

元帥「……」

提督「おそらく、この話のトップはJ少将だ」

全員「「……!」」ザワ…!

提督「確かあいつは、それまで厳秘情報だった艦娘の存在を、世間に公表するときの会見の席にも座ってたよな?」

提督「そのくらい周囲からの評判が良かったJ少将からの強い進言とプレゼンがあったからこそ、元帥は信用してその口車に乗ったんだろう」

提督「ただ、元帥は、深海棲艦の武器化の話までは聞いてても、艦娘の深海化の話までは聞いていなかった。反応からして、そうなんだろ?」

元帥「……」

提督「ここからは俺の憶測にすぎないが、仮に艦娘が戦えなくなった時の次善の策とか、そういう感じで、J少将から提案されたんだろうな」

提督「深海棲艦の遺骸を使う、外法の技術だ。外に漏れれば間違いなく深海棲艦から恨みを買うだろうし」

提督「罰当たりな行為ゆえに賛同できない大将たちがいるからと、実用化できるまで極秘に研究を進めたい……そんな感じで提言されたと思ってる」

提督「効果も証明されているとあって、放棄するには惜しい技術。戦況など総合的に見て、J少将が責任を負う形で内密に進めさせたんだろう」

祢大将「……」

提督「だが、それでもあんたはこの計画に疑いを持っていた。迷い、躊躇っていた。J少将の望む通りに動こうとしなかった」
905 : ◆EyREdFoqVQ [sage saga]:2025/08/19(火) 00:00:51.26 ID:12crbRCYo

提督「だからJ少将はしびれを切らして、大将ふたりと俺を使って、あんたを動かそうとした……動かざるを得ない状況を作ろうとした」

H大井「……それが、その結果が、あの島で起こったことだって言うんですか!?」

提督「そうだ。俺が深海棲艦と通じていて、轟沈した艦娘とともに海軍に対するクーデターを企んでいる、ということにして……」

提督「J少将は俺に大将ふたりをけしかけ、俺がやったかのように見せかけてふたりを暗殺。あとは俺を始末して証拠を隠滅、捏造する」

提督「深海棲艦の武器化に反対するふたりを消し、俺が深海棲艦のスパイだったと危機感を持たせることで……」

提督「自分の推し進めている武器化の実用化こそが、今後進むべき最善の道だとアピールしたかったんだろう」

提督「島にいた艦娘の大半は轟沈経験艦。深海棲艦になる恐れのある艦娘なら、素材にしてしまえば口封じもできて一石二鳥」

提督「それが当初、J少将が思い描いていたシナリオだろうな」

H大井「……」ギリッ

提督「そういえば、H大将。あんた、あの時は大井を連れてきてなかったな。どうしてだ?」

H大将「大井はその時、遠征に向かわせていた。それで連れてくることができなかったんだ」

提督「なるほど。もしかしたら、秘書艦不在もJ少将が狙ってたのかもしれねえな。下手にかばわれて暗殺し損ねたら計画が台無しだ」

提督「大将とH大将両方の秘書艦が不在なんてないだろうから、戦場に向かいそうな大将の秘書艦の武蔵より、大井が不在の隙を狙うのも理にかなってるな」

大将「あいつは、そこまで考えて計画していたというのか?」

提督「考えてたと思うぜ? 誘導もえらく手際が良かっただろ? 相当入念に計画してたはずだ」

大将「むう……」
906 : ◆EyREdFoqVQ [sage saga]:2025/08/19(火) 00:01:36.16 ID:12crbRCYo

提督「……ま、そうやっていろいろ企んでたJ少将だが、結果的には、溶岩に飲まれて焼け死んだ」

提督「事情を知っているであろう直属の部下だったK大佐も、開発者の一人だったZ提督も、同じく火の海に消えた」

提督「そいつらの思惑とは無関係だったかもしれない海軍の人間を、大勢道連れにしてな」

将官たち「……」

提督「海底火山の噴火は自然現象だ。事故としか処理できねえ」

提督「ただ、その自然現象に巻き込まれた理由が、深海棲艦の武器化に賛同しない大将ふたりを暗殺するためだと知れたら、どう思う……?」

艦娘たち「……!!」

提督「J少将があれだけの大人数を引き連れて行ったのも、俺がふたりを殺した犯人だっていう証人になってもらうため」

提督「そしてJ少将自身が怪しまれないため、自分に後ろめたいことがないことを大勢にアピールしたかったためだな」

提督「そこに祢大将たちが巻き込まれなかったのは、こっちの大将たちと同調して動いてなかったからだろう」

祢大将「私たちが大将たちに詳しく話を聞けなかったのが、逆に良かったと?」

提督「単に人数が多いと騙すのが大変とか、誘う理由がなかったとか、都合が合わないとかいろいろ考えられるが、それも含めての話だと思ってる」

提督「あとは、仮に今回の暗殺がうまくいった場合、武大将みたいに深海棲艦との対話を肯定してる上官が、この事件を機に意見を変えたりもするだろう」

提督「そうなるようなら、当然、それに追随する者も多いはず。そういう狙いがあるなら、わざとふたりだけを狙うのも効果的だ」

提督「反発している人間を全員一気に始末したら、それはそれで怪しまれるだろうし」

武大将「なるほどねえ……」

提督「ま、それよりかは、さっき言った、深海棲艦の武器化に反対していたってところが、標的にされた一番の理由だと思ってるけどよ」

大将「……」
907 : ◆EyREdFoqVQ [sage saga]:2025/08/19(火) 00:02:21.88 ID:12crbRCYo

提督「それから、俺の情報がこの場に行き渡っていないのも、俺が死んだ後にいくらでも脚色できるから、ってのもあるだろうな」

提督「俺が不審人物であればあるほど、大将殺しの罪を擦り付けやすいし、悪い奴なら良心も痛まねえって意味でも利用しやすい」

提督「そもそもあの島自体、大佐が自分に都合よく邪魔者を隔離幽閉するために確保してた島だ」

提督「連絡手段を断って放置して、野垂れ死ねばそれでよし。死んだら深海棲艦に罪を擦り付けてしまえばいい」

提督「あの島の妖精たちが、島に来る人間はみんないがみ合ってたって憤ってたくらいだ。おかげで俺も最初は追い出してやるって言われたぜ」

中将「そういえば、大佐が君に責任を押し付け、儂もろともあの島で泊地棲姫に始末させようと企んでいたことがあったな」

提督「……中将、それを自分で言うなよ。切なくなるだろ?」

中将「フフ……それもそうだな」

将官たち「……」

艦娘たち「……」

提督「長話が過ぎたな。いい加減、話を戻すか。俺のふたつの要求を……」

元帥「良い」

提督「!」

将官たち「!」

艦娘たち「!」

元帥「提督。君の提案をすべて受け入れよう」

将官「元帥閣下!?」

和中将「組織の存在を、認めるというのですか!?」

将官「い、いけません閣下……!!」
908 : ◆EyREdFoqVQ [sage saga]:2025/08/19(火) 00:03:05.74 ID:12crbRCYo

元帥「詳細を調査するための日程は……明後日、○月○日までに連絡する。中将」

中将「はっ」

元帥「貴官がこれまで行っていた任務は、与少将……いや、与中将が引き継ぐ手筈だったな」

中将「はっ、その通りです」

元帥「では、期日までに彼女に連絡しよう。貴官の最後の仕事になるが、その旨、与中将に伝えてくれ」

中将「承知しました」ケイレイ

元帥「……」ウツムキ

提督(……観念したってか。こっちは一安心だな)

将官「なんでこんなことに……」

将官「も、もうだめだ……おしまいだ」ガクッ

艦娘「司令官!?」

 ザワザワ…

大将「おい、何人かうなだれているが……」

H大将「そいつらが、組織とつながりのある将官だったということか」

提督「その辺は推して知るべし、だな」

和中将「なんと……そんなことが、本当だったのか!?」
909 : ◆EyREdFoqVQ [sage saga]:2025/08/19(火) 00:03:51.06 ID:12crbRCYo

祢大将「……」

武大将「ショックなのはわかるが、祢大将が押し黙ってると怖いからやめて欲しいんだがねえ」

宇大将「やれやれ……ここまでの話を俺が知らされていないとは。どうやって隠し通していたんだ?」

武大将「宇大将は仕方ないんじゃないか? 南西海域の深海棲艦の鎮圧で手一杯だったんだろう? なかなかこちらに身を向けられなかったと聞いてるよ」

H大将「南西海域?」

宇大将「ああ、某国の空母が深海棲艦に沈められて以来、深海棲艦がますます活発に動き始めているのでな」

提督「空母……? もしかしてあいつら、まだ懲りてねえのか?」

武大将「うん? 何か、心当たりがあるのかい?」

提督「東アジアか東南アジアの海賊やらが、うちの領海っつうか島に攻めてきてたんだよ。それでその辺の深海棲艦が刺激されてんじゃねえのか?」

提督「俺たちの島は、日本とパラオを線で結んで中間地点あたりにある。そいつらがうちの島を侵略目的で目指せば、ちょうどその辺通るはずなんだ」

提督「泊地棲姫に攻め込まれたあたりから、海軍内のスパイの活動も活発化してただろ。この島に手を出そうって考えてる奴らがいるせいだろうな」

宇大将「……それが事実なら、お前たちと因果関係がないとは言えんか」アタマオサエ

武大将「一気に無関係ではなくなったねえ……」

H大井「あの、それはそれとして、提督? くだんの組織が危険であることは理解できますが、さすがに少し、荒療治が過ぎたのではないかと」

提督「そうか? この空気を見る限り、このくらい言わなきゃずーっとなあなあになってたとしか思えねえんだけど」

提督「それに、研究を続けさせたいなら、深海棲艦とは徹底的に敵対するって言えばいいんだよ。それならあいつらも落ち込まずに済んだろ」

大将「そんな判断できるわけがなかろう! そうなったらそうなったで、お前たちが世界中に今の話をばらまく気でいたんだろう!?」
910 : ◆EyREdFoqVQ [sage saga]:2025/08/19(火) 00:04:35.09 ID:12crbRCYo

提督「まあな。俺たちも死にたくねえし、だったら俺たちが何を考えてるかを知らせるのは大事だろ?」

武大将「そんなことされたら、世界中からクレームやらが殺到して、海軍の面子は丸潰れになるだろうねえ……」

武大将「きみは最初から、選択しようのない選択肢を押し付ける気だったんだね?」

提督「俺が悪いみたいな言い方するなよ。こうやって付け込まれる原因を作ったのは海軍だろ」

提督「武器化の話も、洗脳ツールのときみたいに発覚した時点で根っこからがっつり潰してりゃ良かったんだ」

大将「ぐ……それはそうだが」

提督「ま、今回の話は、J少将が計画したクーデターみたいなもんだったから、防ぎようもねえのは俺もわかってるさ」

提督「それでも俺に文句を言うのは筋が違うだろ」

武大将「……もしかして、他にもこの手の情報を持ってたりするのかな、きみは」

提督「それはどうだかな? 俺たちはうちにちょっかい出してきた連中のことくらいしか話せないんだ。俺しか知らない話なんて、ほかにあるか?」

武大将「イギリス大使が動いてたという話も、都合が良すぎないか?」

提督「それは俺も知らねえよ。単純にあっちの間諜が優秀なだけじゃねえの?」

H大将「……」

大将「……おい、H大将もどうした。何を悩んでいるんだ?」

H大将「ん? ああ。あいつらが……あの組織とつながっていた者たちが、どうしてそうしていたのかを考えていた」

提督「んなもん、だいたいは金か昇進のためだろ?」

H大将「ほかは知らんが、J少将は自分の仕事にプライドを持っていた。金銭や名誉欲で動くような男には思えなくてな」

提督「……」
911 : ◆EyREdFoqVQ [sage saga]:2025/08/19(火) 00:05:21.67 ID:12crbRCYo

H大将「それで以前、J少将が酒の席で言っていたことを思い返していたんだ」

H大将「あいつは、本来、海を守るべく結成された我々が、深海棲艦相手に手も足も出ないのが悔しいと言っていてな」

H大将「艦娘に生かされている今の状況に、忸怩たる思いしかない、と」

提督「……ああ、確かにそういう話もあったな」

H大将「おそらく、J少将が、深海棲艦の武器化を研究させたのも、艦娘に頼らずに自分たちが戦える手段を欲しがったからだろう」

H大将「その思いが強かったからこそ、俺や大将といった深海棲艦の武器化を批判する者を、始末しようと考えた……」

大将「あの行動が、あいつの正義からくるものだったと?」

H大将「私はそう思っている。艦娘と協力する道を取った俺たちのことも憂いていたとしたら、そうなってしまったのも合点がいく」

H大将「この戦争が、艦娘と深海棲艦との自作自演である可能性はないのか、とも疑っていたくらいだ」

H大将「あいつは、その頃から艦娘に不信感を抱いていたのかもしれん」

提督「じゃあ、J少将の理想は、艦娘が現れる以前の、人間が海を守る世界だった、ってことか?」

H大将「……そうかもしれんな」

大将「そんなことを言っても、人間は深海棲艦と戦えないんだぞ? 艦娘がいなくなったらどうなるか、あいつだってわかっているはずだ!」

提督「だとすると、マジで時雨の言う通りだってことか」

H大将「? どういう意味だ?」

提督「艦娘を深海棲艦に作り変える研究の本来の目的が、海軍から艦娘を追い出すため、って話だ」

大将たち「!?」

艦娘たち「!?」
912 : ◆EyREdFoqVQ [sage saga]:2025/08/19(火) 00:06:06.29 ID:12crbRCYo

大将「ま、待て待て! どういう意味だ!? 海軍から、艦娘を追い出すだと!?」

提督「J少将は自分の活躍の場を奪った艦娘が邪魔だった。だから艦娘を海軍で扱えない理由を作りたかった」

提督「例えばだが、一般人の目の前で艦娘が深海棲艦へ変異するようなことがあれば、艦娘は危険だから運用するな、って話になるよな?」

提督「海軍の訓話にも、轟沈した艦娘は深海棲艦になるから運用するなって話がくらいだ。深海棲艦がどれだけ恐ろしいかは語るまでもない」

提督「それをどうにか人為的に引き起こして、艦娘の運用をやめろ、艦娘を追放しろ、という世論に持っていきたかったんじゃねえか?」

将官「そ、そんなことは考えていないぞ!!」

提督「お前らのことじゃねえよ、J少将の話だ」

大将「……J少将は、それほどまでに艦娘の存在を疎んでいたということか」

提督「ここまでやったんだ、そうとしか思えねえ。自分が戦えないことが嫌だったって話で、それで艦娘を逆恨みしたとしたら辻褄も合う」

提督「そもそも、深海棲艦の武器化を調査、開発していたのはZ提督や大佐の一味で、J少将はそんな考えを持っていなかった」

提督「J少将が関与していたその組織では、艦娘の深海化しか研究していなかったんだ」

提督「深海棲艦の武器化の話を大佐から引き継いだのも、艦娘と深海棲艦双方の数を減らすことができて都合がいいからとも考えられるし」

提督「そもそも深海棲艦の鹵獲も普通にリスクが高すぎる。J少将がやってた研究が有効活用できるって点でも丁度良かったんだろう」

大将「ではもし、深海棲艦の武器化の話がなかったら、どこかで艦娘の深海棲艦化を引き起こそうとしていたということか……?」

提督「多分な。海軍が艦娘を運用できないようにして、海を自分たちの仕事場に……海軍以前の海上自衛隊に戻りたかったんだろうさ」

大将「それほど艦娘の存在を疎んでいたということか」

提督「そういうことだと俺は思ってる。自作自演を疑ってたってのも、艦娘が深海棲艦と変わらない存在だと思っていたからだろ?」
913 : ◆EyREdFoqVQ [sage saga]:2025/08/19(火) 00:06:51.79 ID:12crbRCYo

提督「それに、あいつほど極端じゃなくても、深海棲艦との戦いが艦娘に頼りっきりの現状を良くないと思ってる人間は、少なからずいるよな」

H大将「……ああ。確かに、今の艦娘に依存した戦況は健全とはいいがたい。それは私も同意する」

H大井「H提督!?」

H大将「提督の言う通り、深海棲艦との戦いに関しては艦娘に任せっきりだ。深海棲艦の前に立つのも、迎撃するのも、傷付いて帰ってくるのも艦娘だ」

H大将「果たしてこの現状を協力と呼んでいいものだろうか? 本来、奴らのような外敵の矢面に立つのは我々ではなかったか?」

H大将「ここにいる人間はみな、自らの手で海と人を守ろうと、志を持って、誇りを持って、この制服に袖を通したんではないのか?」

全員「……」

H大将「もっとも、艦娘を指揮する提督となり得る人材が枯渇した状況にある最近では、残念ながら全員がその限りではないようだが……」

H大将「そういった民間や艦娘に頼らざるを得ない現状も含めて、J少将は、今の状況がたまらなく嫌で、恥ずかしいと思っていたんだろう」

艦娘たち「……」

H大将「しかしだ。だからと言って、艦娘を追放しようなどと言う考えは肯定されるべきではない」

H大将「艦娘は人間ではないのだろうが、間違いなく人の心を持っている。人間ではないからと人間ではない扱いをすれば……」

H大将「艦娘は人間を疑い、人間を恐れ、人間を嫌う存在になるだろう。たとえ艦娘の前でなくても、我々が人の心を失ってはいかんのだ」

H大井「H提督……!」

H大将「現に、最初は人間であったとしても、人扱いされず蔑ろにされたがために、人間の味方を辞めてしまった存在もここにいるしな」

提督「……」

和中将「この男が、ですか……?」
914 : ◆EyREdFoqVQ [sage saga]:2025/08/19(火) 00:07:36.23 ID:12crbRCYo

H大将「そうだ。今の提督は、艦娘と深海棲艦の味方だろう?」

提督「おい、妖精が抜けてるぞ?」ニヤリ

H大将「……ああ、そうだったな」フフッ

和中将「待て。提督は……お前は人間の味方を辞めたのなら、人間の敵だというのだろう? それなのに、人間と和平交渉するのか……?」

提督「ああ。艦娘や深海棲艦、妖精たちの今後のためにな。文句あんのか」

和中将「……わからん。なぜ、お前はそんな平和的な解決を望むんだ? 深海棲艦は人間の敵ではないのか?」

提督「敵対しなくていいって奴もいるんだよ。人間だって、友好的な国だけじゃなく敵対してる国もあるだろが」

和中将「いや、そもそも深海棲艦とは話が通じるのか?」

提督「……おいおい、理解が周回遅れにもほどがあるぞ」アタマオサエ

和中将「曽大佐は話ができないと判断したから、その報復に年寄りにされたのだろう!?」

提督「……」

和中将「どうやって年寄りにしたんだ。それも深海棲艦の力か!?」

提督「……」ウンザリ

祢大将「和中将。君の話は後にしたまえ」

和中将「は、はっ……! 申し訳ありません」

提督「……ったく、今更俺に興味持つなっつうの。島に近づきすらしたくねえくせによ」

中将「彼は確か、あの島の昔話も知っていたはずだな?」

祢大将「はい。だからこそ彼のことを蛇蝎のごとく忌み嫌って、関わらないようにしていました」
915 : ◆EyREdFoqVQ [sage saga]:2025/08/19(火) 00:08:21.21 ID:12crbRCYo

祢大将「それに、彼は自らが艦長を務めていた護衛艦を深海棲艦に沈められています。深海棲艦には恨み骨髄であったのは間違いありません」

提督「それでかよ。ったく……面倒臭え」

祢大将「提督、和中将に関しては私が面倒を見よう。しかし、海軍全体の君に関する情報の欠落度合いは見過ごせない」

祢大将「一度、君にはこれまでの経緯と、君の目的を改めて海軍の上層部に説明して欲しいものだが……」

提督「本当に面倒臭え……」ゲンナリ

祢大将「君が海軍の信用を得るためには必要なことだと思うが?」

提督「それを面倒だと思うくらいは俺の自由だろ。何も知らない相手にうちの連中の事情を説明するとなると、本っ当に面倒なんだからよ……」

祢大将「それほど面倒なことしか起きていないということかね?」

提督「そうだな。うちの艦娘、まともに着任した奴のほうが少ねえし……多分きっと、これからもそうなんだろうな」

提督「あの島は、轟沈した艦娘が流れ着く島だ。人の世界の悪いもんばっかり引き寄せてる、人の世の業の吹き溜まりみたいな場所だ」

提督「そんな場所に住んでる俺がこの場に出てきて文句言ってんのは、人間が艦娘や深海棲艦に対して調子に乗り過ぎたせいだとでも思ってくれ」

祢大将「……まるで自分を災厄の塊のように言うのだな」

提督「俺はそうだと思ってるけどな。そもそも、あんたたちは俺が人間どころかまともな生物じゃないって知ってんだろ?」

祢大将「……」

秘書「……」

中将「君は、少し自分を卑下しすぎではないかね?」

提督「ん?」

中将「君は、君自身を悪者にしたがっているようだが、君がいたから助かった艦娘がいる。君がいたから深海棲艦との対話ができているのだ」

中将「君が過去に何を企んでいたかは我々にはわからないし、君の判断の良し悪しを裁くことも儂にはできん」

中将「だが、儂は君がこうして我々に手を貸してくれていたことに、感謝しているよ。君が何者であってもな」ニコ…

提督「……そんな大層なもんじゃねえけどな」アタマガリガリ

中将「さて。大事なのはこれからだな。約束は、果たされなければならん」

大将たち「「……」」
916 : ◆EyREdFoqVQ [sage saga]:2025/08/19(火) 00:09:06.00 ID:12crbRCYo
ということで、今回はここまで。
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