安価とコンマで異世界転生!その9

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1 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2023/07/27(木) 19:10:09.24 ID:OBKHdnwUo
〜前回までのあらすじ〜
異世界に転生した男は仲間を募り、
世界を救うことを目標に行動する
仲間が突如救世主や魔王の力に目覚めたり、
彼も多くの神を奉ずる教団を創立したりしているが、実際に神の奇跡を代行することができる
現在は極北の地にいるとされるフェニックスの素材を手に入れるため、出発の準備をしている段階だ

SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1690452608
2 : ◆cUhskXlNTw :2023/07/27(木) 19:14:30.58 ID:OBKHdnwUo
中華「という訳で、バナナが余ったのさ」

男「理解したぜ」


男はそう言いながら、
スライムを容器に入れたまま並べる


中華「この前見たときは変わりはないね」

男「そうだな。このうちのどれにバナナを与えるか……考えよう」


>>下1……どのスライムに与える?
1.回復スライム
2.レインボースライム
3.氷スライム
4.牛スライム
3 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2023/07/27(木) 19:33:13.35 ID:J0STBQIx0
3
4 : ◆cUhskXlNTw :2023/07/27(木) 20:47:51.95 ID:OBKHdnwUo
中華「前回はどの子に与えたんだい?」

男「氷スライムだな」

中華「じゃ、今回も氷スライムにしよう」

男「よし、分かった」


男は蓋を回し開け、
専用の容器から氷スライムを出した


氷スライム「ヒュー……」
5 : ◆cUhskXlNTw :2023/07/28(金) 00:09:56.06 ID:wGdoAaDdo
中華「ほら、バナナだよー」


彼は早速持っていたバナナをスライムの前に置く
しかし、スライムはその場から動かない


氷スライム「……?」

男「皮剥いてみるか」


男が皮を剥くと、豊潤なフルーツの香りが漂い、
氷スライムもそれに反応を示す


氷スライム「コーッ……」
6 : ◆cUhskXlNTw :2023/07/28(金) 00:14:18.14 ID:wGdoAaDdo
のそっとした動きでバナナに近付き、
ゆっくりと体内にバナナを取り込んでいく
最初はいつもの氷スライムだったが、
バナナを取り込みきる頃には全身黄色になっていた


中華「すごい!バナナスライムだ!」

男「ちゃんと、触ると冷たいな」

中華「じゃあ、バナナシャーベットスライムだね!」

男「そうかもな。切り取ってみるか」

ぶりっ子「バナナシャーベットですかぁ!?」

怪盗「食べたいです!」

男「ど……どっから来たし」
7 : ◆cUhskXlNTw :2023/07/28(金) 01:37:17.76 ID:wGdoAaDdo
本日はここまでです
ありがとうございました
8 : ◆cUhskXlNTw :2023/07/28(金) 19:02:49.37 ID:wGdoAaDdo
どこからか現れた女性陣に困惑しつつも、
男は中華に調理器具を借りてスライムの端を切断した


氷スライム「ヒョ!」

男「悪いな」

中華「どんな味なんだろう?」

ぶりっ子「食べていいですかぁ?」

男「え……勇気あるな。どうぞ」


切断されたスライムのさらに切れ端を取って、
ぶりっ子に渡した
そしてそのまま彼女は冷えたゼリー状のそれを口に運んだ


怪盗「どんな味ですか?」

ぶりっ子「>>下1」
9 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2023/07/28(金) 19:20:45.19 ID:UZ/a9GsDO
バナナ味のグミを食べてるようで歯ごたえが凄い…と言うよりこの切れ端まだ生きてる?!
10 : ◆cUhskXlNTw :2023/07/29(土) 00:47:59.50 ID:+KWACSgKo
ぶりっ子「バナナ味のグミを食べてるようで歯ごたえが凄い…と言うよりこの切れ端まだ生きてる?!」

中華「なんだって!?今すぐ吐き出したほうがいい!」

男「ほら、ここだ」


男は空になったスライムの容器をぶりっ子に差し出す


ぶりっ子「い……嫌ですぅ……なんか吐き出す所なんて見られたくありませぇん……」

怪盗「分かりますけど……」
11 : ◆cUhskXlNTw :2023/07/29(土) 02:08:02.50 ID:+KWACSgKo
それから三人は固唾を飲んでぶりっ子を見守り、
一分ほどかけてぶりっ子はスライムを嚥下した


ぶりっ子「はぁーっ……はぁ……」

男「こりゃダメだな。うまいこと使えるかと思ったんだが」

ぶりっ子「いえ……でも味自体は悪くなかったですよぉ。ちゃんとほぐしたり、生気がなくなるように処理すればいいと思いますぅ」

中華「そうかい?参考にしよう」
12 : ◆cUhskXlNTw :2023/07/29(土) 02:08:54.54 ID:+KWACSgKo
本日はここまでです
ありがとうございました
13 : ◆cUhskXlNTw :2023/07/29(土) 19:15:07.96 ID:+KWACSgKo
中華はなにやらメモをつけている
男はスライムを容器にしまった
その頃にはもうバナナの色は抜け落ちていた


男「そろそろ寝るかな……」

ぶりっ子「そうですねぇ。あー焦りましたぁ」

怪盗「そうですか?では、おやすみなさい!」


その場は解散し、みな部屋に戻って寝た
14 : ◆cUhskXlNTw :2023/07/29(土) 19:32:27.79 ID:+KWACSgKo
?翌日・陰週金曜日?


男「あーよく寝た」

中華「疲れも大体取れたね」

氷魔「……今日も頑張っていきましょう……」

やる気「なんかみんな、やたら活力に満ちてるっすね……」


>>下1……なにをしよう?(フェイズ・朝)
1.資金集め!
2.買い物!
3.海神教団の信者を集める!
4.ギルドの依頼を受ける!
5.図書館に行く!
6.占いの館に行く!
7.錬金術師を訪ねる!
8.教団本部を訪ねる!
9.鑑定質屋に行く
10.北の果てを目指す
11.大魔王ベリアルについて調べる
12.自由安価
15 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2023/07/29(土) 19:39:53.50 ID:Rtt1lzjX0
11
16 : ◆cUhskXlNTw :2023/07/30(日) 02:01:01.52 ID:l6bKYI0Xo
ぶりっ子「北を目指す前に、ベリアルとやらについて調べてみませんかぁ?」

怪盗「なにかあるんですか?」

ぶりっ子「フェニックスの骨から作られた武器は、魔王に特効です。その手がかりを得た途端、男さんに妨害を仕掛けてきたということは……」

狙撃少女「明確な悪意を向けている可能性が高いですね。対策……とまではいかなくても、最低限情報は欲しいところです」

男「そうだな。幸い、この城下町には巨大な図書館がある」
17 : ◆cUhskXlNTw :2023/07/30(日) 02:29:42.07 ID:l6bKYI0Xo
本日はここまでです
ありがとうございました
18 : ◆cUhskXlNTw :2023/07/30(日) 19:42:12.50 ID:l6bKYI0Xo
一行のひとまずの目的は決まり、
図書館に向かうこととなった
いつものように聳え立つ図書館の入り口を抜け、
一階の書庫へとやってくる


中華「でも、大魔王に関する文献なんてあるのかなぁ?」

氷魔「……どうでしょうか……」

やる気「各地の伝承を集めたコーナーはあるらしいんすけど、そういうのは難しいかもしれないっすね」
19 : ◆cUhskXlNTw :2023/07/30(日) 20:24:24.83 ID:l6bKYI0Xo
ぶりっ子「そもそも、一階の書庫にあるんでしょうかぁ?」

怪盗「流石に魔導書コーナーにはないでしょうけど……ああいう胡散臭い本の中にあるような気もしますね」


そう話しあっていると、
一行の近くを司書が横切った


狙撃少女「お……丁度いいですね、聞きましょう」

司書「はい?いかがなさいました?」

男「ベリアル……大魔王について調べたいのですが、そういった本の置いてある場所を知りませんか?」

司書「>>下1」
20 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2023/07/30(日) 20:35:39.48 ID:G6LFs/j80
ベリアルのことは、過去の
どういう文献にもいっさい
記載されていないんですよ
21 : ◆cUhskXlNTw :2023/07/31(月) 01:43:45.06 ID:vcd2ReUdo
司書「ベリアルのことは、過去のどういう文献にもいっさい記載されていないんですよ」

中華「へぇ、そうなんですね」


と、行き詰まったかに思える状況
しかし、そこには不自然な点があった


男「……じゃあ、あなたはなぜそれを知っている?」

司書「おっと……ふふ、どうしてでしょうね」
22 : ◆cUhskXlNTw :2023/07/31(月) 01:48:21.74 ID:vcd2ReUdo
そう言い捨てると、彼女は逃げ出した


氷魔「……待ちなさい……!」

やる気「逃げてもろくなことにならないっすよー」


複雑怪奇に入り組んだ図書館だが、
人数と速度で負けていては、
逃げることは不可能だった


司書「……!」

狙撃少女「私の射線に入りましたね」


彼女はスリングショットから殺傷能力の低い鉄球を射出するとともに、司書の脚に当てた
23 : ◆cUhskXlNTw :2023/07/31(月) 01:49:19.94 ID:vcd2ReUdo
本日はここまでです
ありがとうございました
24 : ◆cUhskXlNTw :2023/07/31(月) 18:42:41.69 ID:vcd2ReUdo
ぶりっ子「捕まえましたぁ」


倒れた彼女をぶりっ子が組み敷いて捕えた


怪盗「……では、喋ってもらうとしましょうか?」

男「妙な真似をすれば、お互い苦しむだけだ……大人しく質問には答えてもらうぞ」

中華「そうだね……なぜあなたは、ベリアルについて知っているんだい?」

司書「>>下1」
25 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2023/07/31(月) 19:21:12.66 ID:f2q5orq50
ベリアルによって作られたオリジナルの司書のコピーなのですよ
26 : ◆cUhskXlNTw :2023/07/31(月) 19:29:16.22 ID:vcd2ReUdo
司書「ベリアルによって作られたオリジナルの司書のコピーなのですよ」

氷魔「……え……じゃあ……元の方は……?」

司書「さぁ……そこまでは存じ上げておりません。知る必要もないかと思ったので」

やる気「他の司書もコピーになってるんすか?」


信じたくはないが、その可能性もあると思い、
やる気は彼女に質問を投げ掛けた


司書「いいえ。私の知る限りでは……」
27 : ◆cUhskXlNTw :2023/07/31(月) 19:39:22.98 ID:vcd2ReUdo
ぶりっ子「ということは、元の方はベリアルにとって利用価値があったか……あるいは、殺害しなければならない人だったってことですよねぇ」

怪盗「司書ですから、その知識に理由を求めることは簡単でしょう。しかし……他の司書が無事なのは、一体?」

狙撃少女「とにかく、この司書モドキの身元を洗って……オリジナルの行方を探ることはできるかもしれませんね」

男「そうだな。じゃあこいつをギルドハウスまで持っていくか」


方針は決まったが、問題はあった


中華「でも、端から見れば犯罪だよ?どうするの?」

氷魔「……氷空魔法……」

司書「っ!」
28 : ◆cUhskXlNTw :2023/08/01(火) 01:57:21.08 ID:hZwEjxf8o
司書はなにか言おうとしたが、
固まって動かなくなった


やる気「なんすか、それ」

氷魔「……空間ごと凍らせました……これで……一見すれば凍らされたようには見えません……」

ぶりっ子「不思議ですよねぇ、空間ごと凍らせると氷が見えなくなるの」

怪盗「ともかく、これで堂々と背負ってればぐったりした人を介抱してるだけに見えそうです」
29 : ◆cUhskXlNTw :2023/08/01(火) 02:40:04.05 ID:hZwEjxf8o
本日はここまでです
ありがとうございました
30 : ◆cUhskXlNTw :2023/08/01(火) 19:40:16.87 ID:hZwEjxf8o
それから一行はダクトを通って図書館を脱出し、
司書のコピーをギルドハウスに連れて帰った


狙撃少女「まだ気絶してますね」

男「前回と同じように、地下にでもぶちこむか」


一行は彼女をロープでぐるぐる巻きにして、
地下空間に置いた
もし目覚めても、かつて紅い鬼神がいた空間へと繋がる場所以外には行けないはずであり、そこからは微妙に屍臭のようなものがするので、通常の神経なら向かうのを断念するはずだ
31 : ◆cUhskXlNTw :2023/08/01(火) 19:44:27.46 ID:hZwEjxf8o
中華「彼女は……人間なのだろうか?魔物なのだろうか?」

氷魔「……そのどちらとも言い難い存在……の可能性もあります……」

やる気「確かめてみるっすか」

ぶりっ子「へ?」


やる気はドアノブ型の生命体を取り出すと、
司書のコピーの腹部に装着した


やる気「これで開いて内臓を見れば、なんか分かるかもしれないっすよ」

怪盗「なっ……なな……わっ、私は見ませんからね!」

狙撃少女「そうですか?私は見ますが」

やる気「じゃ、確認してみるっすよ」


彼はドアノブを捻り、引き開けた


>>下1……司書のコピーの内臓がある場所の様子
32 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2023/08/01(火) 19:52:10.07 ID:C0ynERjDO
人形やぬいぐるみみたいに綿が詰められている
よく見たら綿のような魔翌力の塊だった
33 : ◆cUhskXlNTw :2023/08/01(火) 20:22:32.61 ID:hZwEjxf8o
そこには、真っ白な綿が詰まっていた


男「ほぉ……どうやら、生物学的に人間ではないようだな」

中華「そうだね……人形?」

氷魔「……ふむ……一見すれば綿ですが……これは綿ではありませんね……」

やる気「そうなんすか?」

氷魔「……これは……魔翌力の塊ですね……これを動力としているのか……内臓の仕事をさせているのか……」
34 : ◆cUhskXlNTw :2023/08/02(水) 19:19:08.05 ID:rJfsH7lLo
すみません寝落ちしました


やる気「よく分かんないもん見ちゃったっすねー」

司書コピー「っ!」


彼がそのドアノブを捻り、
開いたそれを閉めると同時に、
司書のコピーである女性は縛られたまま飛び退いた


ぶりっ子「もしかして……起きてましたぁ?」

司書「……起きてましたよ」
35 : ◆cUhskXlNTw :2023/08/02(水) 19:38:39.81 ID:rJfsH7lLo
怪盗「辱しめちゃいましたかね」

司書コピー「……ただただ、辛いです」

狙撃少女「あなたは、自分がなんなのか知らなかったのですか?」

司書コピー「そうです。私は……作られた存在であっても、人間ではあると信じていました」

男「………………」

司書コピー「だが、実際は……魔翌力が詰まっただけの木偶人形。畜生にも及ばぬ存在だったのです。……笑いなさい」

男「その苦しみこそが、お前が人間の心を持つことの証明じゃないか?」

司書コピー「心があるからなんなのだと言うのですか!?心で私の体は人間のものになるのですか!?否、ありえないことだ!」
36 : ◆cUhskXlNTw :2023/08/02(水) 20:48:28.62 ID:rJfsH7lLo
男「幸いにして、それを知るのは俺たちとお前だけだ。お前に人の心があるなら、社会がお前を人間として受け入れる。……人間にしてくれるんだ」

中華「そうは言うけれど、人の心があるから、理屈じゃ納得できない辛さを感じるんだよ」

男「……そうだな」

司書コピー「大体、こんな情けかけてなんになるんですかね」

氷魔「……いや……[ピーーー]のも憚られますし……あわよくば穏便に社会に帰したいので……」

司書コピー「もし本人が生きていたら、どうすればいいんですか?どちらかといえば……私はもう死にたい」
37 : ◆cUhskXlNTw :2023/08/03(木) 00:47:51.72 ID:kGQsxyw5o
本日はここまでです
ありがとうございました
38 : ◆cUhskXlNTw :2023/08/03(木) 19:08:03.38 ID:kGQsxyw5o
やる気「もう拘束解いてもよくないっすか?」

ぶりっ子「敵対してくる可能性は低いですが……自殺とかしかねませんよぉ」

男「俺たちの言うことなど、とても信じられないだろうが……君がよりよい精神状態に戻れるよう、尽力するつもりだ」

司書コピー「…………」

男「だから、まずは君のコピー元の名前や、住んでいた場所について教えてくれ」

司書コピー「>>下1」

1.分かりました
2.嫌です
3.自由安価
39 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2023/08/03(木) 19:26:17.58 ID:bWH4crubO
2.…嫌です…
40 : ◆cUhskXlNTw :2023/08/03(木) 20:35:43.76 ID:kGQsxyw5o
司書コピー「…嫌です…」

怪盗「うーん……やっぱり、そうですよね」

狙撃少女「どうしましょうか……」

男「なんとしてでも、今から君には生きる希望を持ってもらう!あらゆる手を尽くすぞ!」

司書コピー「………………」

男「まず第一に言っておくが、生まれつき存在を許されないような生命は存在しない!いいな!」
41 : ◆cUhskXlNTw :2023/08/03(木) 20:57:47.77 ID:kGQsxyw5o
中華「じゃあ僕、ご飯作ってくるね」

男「いいのか?ありがとう」

中華「こういうのは僕の仕事だから、さ」


そう言って彼は厨房へと向かっていった


氷魔「……私たちで見張っているのであれば……拘束を解いてもよさそうですね……」

やる気「なら、縄も外すっすよ」

司書コピー「………………」
42 : ◆cUhskXlNTw :2023/08/04(金) 03:06:13.96 ID:2rmEyRENo
本日はここまでです
ありがとうございました
43 : ◆cUhskXlNTw :2023/08/04(金) 18:54:43.15 ID:2rmEyRENo
それからしばらく重たい空気が場を覆ったが、
ぶりっ子が突如話を切り出した


ぶりっ子「あの、趣味とかないんです?」

司書コピー「生後何ヵ月だと思ってるんですか?あるわけないですよ」

ぶりっ子「ああいえ、そんな大それたものじゃなくて……なんか、これをやってると楽しい!とか、これをしてると落ち着くとか……ないですか?」

司書コピー「>>下1」
44 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2023/08/04(金) 19:32:49.59 ID:OfMaG6xw0
…本、特に神話系の書物とかは読んでた、と思う
45 : ◆cUhskXlNTw :2023/08/04(金) 20:08:23.01 ID:2rmEyRENo
司書コピー「…本、特に神話系の書物とかは読んでた、と思う」

怪盗「なるほど……」


そう言って氷魔の方を笑顔で向く


氷魔「……なんでこっち見るんですか……」

狙撃少女「そういう本も持ってそうじゃないですか」

氷魔「……ないこともないですが……探してきます……」
46 : ◆cUhskXlNTw :2023/08/05(土) 04:49:25.92 ID:4Q8LLmAno
男「……俺にも、なにかできることは……」

やる気「焦っても始まらないっすよ。俺っちもなんか用意できる訳じゃないから、説得力ないっすが」

男「そうかもな。ありがとう」

ぶりっ子「いろいろと娯楽を教え込むのもいいですが、居場所をあげるのが大事だと思います」

怪盗「そうなんですか?」

ぶりっ子「断言します。この子のような子に、とても心当たりがあるので」
47 : ◆cUhskXlNTw :2023/08/05(土) 04:50:45.67 ID:4Q8LLmAno
本日はここまでです
ありがとうございました
48 : ◆cUhskXlNTw :2023/08/05(土) 18:51:30.00 ID:4Q8LLmAno
そうはっきりと彼女は言いきる
精神が成熟し始めていれば、
つらい現実から目をそらすこともできるが、
不幸にも司書のコピーは生まれたての存在だった


氷魔「……持ってきましたよ……神話にも……関係しています……」


一冊の本を携えて氷魔は帰ってきた
そのタイトルは>>下1と書いてあった
49 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2023/08/05(土) 19:39:47.78 ID:6CJQ0UvJo
天地創造紀
50 : ◆cUhskXlNTw :2023/08/05(土) 20:11:17.99 ID:4Q8LLmAno
天地創造紀と書いてあった


怪盗「おお、がっつり神話系ですね!」

氷魔「……はい……他にも神話関係の本はありましたが……一番神話らしいのがこれでした……」


氷魔は司書のコピーにその本を手渡す
彼女は少し躊躇って、その後に本を受け取った
そして、読み始めた
そうすれば、辛い現実や取り囲んでいる得体の知れない人間たちから意識だけは逃れられるためだ
51 : ◆cUhskXlNTw :2023/08/06(日) 03:45:05.80 ID:a/iIQTcmo
それから、中華もまた戻ってきた
両手に皿を持ち、
特有の食欲をそそる匂いを漂わせながら、
地下空間へと降りてきた


中華「急ぎだけど、出来は悪くないはずさ」


その皿に乗せられていたのは、
狐色が美しい餃子たちだった


狙撃少女「おお……美味しそうですね」
52 : ◆cUhskXlNTw :2023/08/06(日) 03:48:25.67 ID:a/iIQTcmo
本日はここまでです
ありがとうございました
53 : ◆cUhskXlNTw :2023/08/06(日) 19:04:24.34 ID:a/iIQTcmo
司書コピー「お腹は空いています。しかし……」

中華「もしかして、中華料理は苦手?」

司書コピー「……いえ、なぜ私が空腹を感じるのか、不思議なだけです」

男「なぜ、と言われてもな。生き物ならみんなそうだろ?」

司書コピー「もういいです……熱っ!」


箸が出ていたにもかかわらず、
彼女はなんと素手で餃子を食べようとした
出来立てのそれはかなりの高温だったため、
それなりの衝撃があった


中華「大丈夫!?えーっと……箸は使える?」

司書コピー「箸は苦手です……」

やる気「じゃあフォーク持ってくるっすよ」
54 : ◆cUhskXlNTw :2023/08/06(日) 20:37:22.13 ID:a/iIQTcmo
やる気は慌ただしく地上への階段を上っていった


氷魔「……大丈夫ですか……氷あげますよ……」

司書コピー「え……?どこから出したの……?」


あわや火傷となりかねないその手を冷やす
恐らく、その場で魔法を使って出したのだろう
55 : ◆cUhskXlNTw :2023/08/06(日) 20:41:16.94 ID:a/iIQTcmo
やる気「持ってきたっすよ」


階段を滑るように降りて戻ってきた
そして、そのままフォークを手渡す


司書コピー「では……」


彼女は恐る恐るといった様子で、
フォークで餃子を挟んで口に運んだ


ぶりっ子「どうですか?」

司書コピー「>>下1」
56 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2023/08/06(日) 21:17:11.48 ID:vMvwMIj2O
…味が、感じられないみたいです…
57 : ◆cUhskXlNTw :2023/08/06(日) 23:19:04.25 ID:a/iIQTcmo
司書コピー「…味が、感じられないみたいです…」

中華「なっ、なんだって!?」

司書コピー「腹を満たすことはできるのですが……」

怪盗「こりゃ困りましたね。欲求をトリガーにするのが一番丸いと思っていましたが……」

狙撃少女「できるなら、私の舌をあげたいくらいです……」


絶望的な空気が場を覆った
しかし、それは大声にかき消される


男「それだ!」

狙撃少女「え?」

男「舌をくれてやればいい……いや、内臓をくれてやればいいんだ!」
58 : ◆cUhskXlNTw :2023/08/06(日) 23:22:44.53 ID:a/iIQTcmo
氷魔「……なにを……言っているのですか……?」

やる気「そりゃあそんなことできたらまるっと解決っすけど……できるんすか?」

男「分からん」

ぶりっ子「なんなんですかぁ、もう……」

男「とにかく、まだ夜じゃない。……いや、夜だって構わないが……君を連れていきたい場所がある」

司書コピー「……好きにすればいいじゃないですか。どうせ抵抗なんてできないんですし」
59 : ◆cUhskXlNTw :2023/08/07(月) 03:14:02.13 ID:O3+m1V4Co
本日はここまでです
ありがとうございました
60 : ◆cUhskXlNTw :2023/08/07(月) 19:54:20.65 ID:O3+m1V4Co
夕暮れの頃、一行は司書コピーを連れて、
先日訪れたばかりの錬金術師の家に来ていた


錬金術師「なにさ、随分深刻そうな顔をして……なんか知らない人いるし」

怪盗「実は、頼みごとがあってきたのですよ」

錬金術師「頼み?ふぅん、言ってみてよ」

狙撃少女「ここにいる彼女の内臓……舌などを、作れるだけ作って欲しいのです」


と、司書のコピーを指して頼んだ
61 : ◆cUhskXlNTw :2023/08/07(月) 19:59:26.94 ID:O3+m1V4Co
錬金術師「私は医者じゃないぞ?」

中華「存じています」

錬金術師「……はぁ、なるほどね」


彼女は司書のコピーの肉体を観察し、
触って確信に至った


氷魔「……少なくとも……体の作りは人間のものではありません……しかし……命はあります……そして……野生の魔物や動物とも違います……」

男「なので、錬金術師の専門分野かと思い……こうして訪ねた。どうか、彼女を救ってはくれないだろうか?」

錬金術師「>>下1」
62 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2023/08/07(月) 20:59:58.93 ID:ZfVUgF680
例え味がしなくても魔翌力を持った生物の血肉を食べ続ければあるいは
63 : ◆cUhskXlNTw :2023/08/08(火) 01:24:59.13 ID:SpYOYWcio
錬金術師「例え味がしなくても魔翌力を持った生物の血肉を食べ続ければあるいは」

やる気「どうにかなるんすか!?」

錬金術師「まぁ、そういう事例もあるとだけ言っておこう。君たちのようなことを試みた人間は非常に少ないからね」

ぶりっ子「ありがとうございます!」

錬金術師「感謝なんてしなくてもいいさ。私は聞かれたから答えただけで、なんか行動したわけじゃない」
64 : ◆cUhskXlNTw :2023/08/08(火) 02:10:23.52 ID:SpYOYWcio
本日はここまでです
ありがとうございました
65 : ◆cUhskXlNTw :2023/08/08(火) 18:31:57.58 ID:SpYOYWcio
司書コピー「私も、人間の体になれるんですか?」

錬金術師「や、やめてよ。そんな目でこっちを見ても別に保証できないよ?」

司書コピー「…………」


何を思ったか、じっと錬金術師を見つめている
夕陽の破片が眼に写り込んで、
不思議な雰囲気を放っている


錬金術師「わ……話題を変えようか。先日から錬金に取り組んでいた薬品がついに完成したのだよ」

怪盗「おお!どんなやつですか!?」

錬金術師「いろいろと作れるのだがね、手始めに>>下1を作った」
66 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2023/08/08(火) 19:43:10.40 ID:F3vw6u+q0
塗り薬タイプの薬を三種作ってみた!
67 : ◆cUhskXlNTw :2023/08/08(火) 20:35:25.30 ID:SpYOYWcio
錬金術師「塗り薬タイプの薬を三種作ってみた!」

狙撃少女「三種も!?」

錬金術師「薬師の類ではないが、錬金術でもやはり薬の製作は基礎にして王道だ。ノウハウは相応にあるのでね」


そう行って彼女は三つの瓶をテーブルに置いた
それぞれ赤、青、緑色である


男「それで、どのように違うんだ?」
68 : ◆cUhskXlNTw :2023/08/08(火) 20:41:20.35 ID:SpYOYWcio
錬金術師「まず、この青いやつだが……即効性が高い。応急処置に向いているが、大怪我には少々効き目が薄いな、まぁクイックポーションとでも名付けよう」


そうして瓶の蓋を開ける
小気味の良い音と共に、爽やかな香りがする


中華「へぇー」


みんなで暫く眺めたのちに、蓋を閉めた


錬金術師「で、次はこれ。緑色のやつだな」
69 : ◆cUhskXlNTw :2023/08/09(水) 18:57:41.85 ID:G5GejK1uo
すみません寝落ちしました


彼女は緑色の瓶を置く
先ほどのものとは違い、
蓋とコルクで厳重に閉じられている


氷魔「……危険な薬品ですか……?」

錬金術師「漏れたら困るからね。さっきのは戦闘中にでも使いやすいように蓋は簡単に外せるようにしてあるだけさ」

やる気「そりゃそうっすね」

錬金術師「こっちも治療目的で使う薬だ。飲み薬で、効きは遅い。ただ、薬効の広さ、治癒力共にクイックポーションの比ではない」

ぶりっ子「万能薬ですかぁ?」

錬金術師「そんな大それたもんじゃない。まぁ……妙な病気でもちょっと進行を遅らせるくらいは期待してもいいけどね」
70 : ◆cUhskXlNTw :2023/08/09(水) 19:02:17.03 ID:G5GejK1uo
怪盗「いや、すごくないですか?」

錬金術師「すごいのはドラゴンの糞だ。キミはこれについて言及すると嫌そうな顔をするが……」

怪盗「触れないで下さい」

錬金術師「はっはっは。誰にでも触れて欲しくない事情はあるものだな。これは超回復ポーションとでも呼ぼうか。さて、最後にこれだ」


先ほどまでと同じように、
一度瓶を持ち上げて、再びテーブルに置く


狙撃少女「軽傷に対する回復、そして重傷でも回復できるポーション……最後がそれですね」

錬金術師「ああ、こいつはなんと>>下1だ」
71 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2023/08/09(水) 19:20:05.76 ID:GuT0L4n40
全ての身体機能を一時的に停止させて仮死状態にする薬
仮死状態であるうちは完全に死ぬことはない
口内接種だけでなく粘膜接種でも効果があるから厄介な敵を封じるのにも、怪我や病気で死にかけの味方の急場を凌ぐのにもここぞというときに使うといい
72 : ◆cUhskXlNTw :2023/08/10(木) 03:32:03.16 ID:EpLppwK2o
錬金術師「全ての身体機能を一時的に停止させて仮死状態にする薬だ」

男「え?」

錬金術師「言った通りだ。仮死状態であるうちは完全に死ぬことはない」

中華「死んだふりに使えばいいのかな?」

錬金術師「口内接種だけでなく粘膜接種でも効果があるから厄介な敵を封じるのにも、怪我や病気で死にかけの味方の急場を凌ぐのにもここぞというときに使うといい
ぞ」

氷魔「……すごいですね……」

錬金術師「こいつだけはなかなか頑張ったぞ。ま……前二つに比べればあまり量が用意できなかったから、慎重に使ってくれたまえ」
73 : ◆cUhskXlNTw :2023/08/10(木) 03:32:36.27 ID:EpLppwK2o
本日はここまでです
ありがとうございました
74 : ◆cUhskXlNTw :2023/08/10(木) 20:34:45.55 ID:EpLppwK2o
すみません遅れました


やる気「そっすね、大事にするっすよ」

錬金術師「正直前者二つはあっという間にできたが、こいつはさっきまで作業していたよ」


それから一行は錬金術師に感謝を述べ、
ギルドハウスに帰ることにした


中華「魔翌力を持った生物の肉を食わせなきゃいけないんだよね?僕、買ってくるよ」

ぶりっ子「みんなでいかないんですかぁ?」

中華「普通の店じゃなくて問屋だから。大所帯で行っても迷惑だからね」
75 : ◆cUhskXlNTw :2023/08/10(木) 20:45:33.59 ID:EpLppwK2o
一行は中華と別れ、ギルドハウスに帰ってきた


ぶりっ子「という訳で、私があなたの部屋まで案内しますよ!」

司書コピー「……あ、はい」


ぶりっ子はぐいぐいと手を引き、
屋敷の奥へと彼女を連れていった


怪盗「気合入ってますねー」

狙撃少女「なにかあるんですかね?」


>>下1……何しよう?
1.氷魔の部屋を訪ねる
2.やる気の部屋を訪ねる
3.ぶりっ子の部屋を訪ねる
4.酪農少女の部屋を訪ねる
5.怪盗の部屋を訪ねる
6.狙撃少女の部屋を訪ねる
7.司書コピーの部屋を訪ねる
8.スライムをいじる
9.読書(誰がなんの本を読むかも)
10.自由安価
76 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2023/08/10(木) 21:11:56.81 ID:hWG6oQaDO
7
77 : ◆cUhskXlNTw :2023/08/11(金) 01:13:59.41 ID:o8jIdc8Do
男「ぶりっ子ー?」


屋敷の奥に進みながら呼び掛ける
すると、なぜか後ろから彼女は現れた


ぶりっ子「なんですかぁ?」

男「うわっ!どっから来た!?」

ぶりっ子「ここ、入り組んでるんでぇ、多分男さんが迷ってたんだと思いますよぉ」

男「そうか?……でさ、司書のコピーはどこの部屋にいるんだ?」

ぶりっ子「あー、一つ前の曲がれるとこ曲がって三番目の右側ですぅ」

男「分かった。ありがとう」
78 : ◆cUhskXlNTw :2023/08/11(金) 02:41:13.23 ID:o8jIdc8Do
それから男は司書コピーがいる部屋までやってきた
どうやらドアは開けっ放しのようだ


司書コピー「……なんですか」

男「いや……様子見に来ただけだけど」

司書コピー「そうですか」


彼女は最低限の家具が置かれた部屋の、
ベッドの上で体育座りをしている


男「しかし、ドアが開いていて助かったよ」
79 : ◆cUhskXlNTw :2023/08/11(金) 02:49:59.58 ID:o8jIdc8Do
本日はここまでです
ありがとうございました
80 : ◆cUhskXlNTw :2023/08/11(金) 19:37:52.07 ID:o8jIdc8Do
司書コピー「私は憂鬱です」

男「手厳しいね」

司書コピー「当たり前でしょう。……私はこの通りです。帰ってはいかがですか?」

男「そう固いこと言うなって」

司書コピー「そもそも、あなたたちはなにがあってベリアルのことを調べていたんですか」

男「なんか俺ベリアルにいたずらされてさぁ。夢の中に封印されそうになったんだよね」
81 : ◆cUhskXlNTw :2023/08/11(金) 20:34:25.08 ID:o8jIdc8Do
司書コピー「……強いんですね、アホみたいな顔してるのに」

男「はぁ!?」

司書コピー「なんですか?」

男「いや……なんか急に直球の罵倒してきたから」

司書コピー「褒めたんですが、あなたを褒めるのは癪なので」

男「つっても別に俺の力で抜けた訳じゃないんだよなぁ。ありゃ運だ」

司書コピー「じゃあただのアホみたいな顔の人ですね」

男「叩くぞ」
82 : ◆cUhskXlNTw :2023/08/12(土) 04:41:52.63 ID:51p7BuCao
司書コピー「でも実際、オーラはありませんね」

男「なんの資格もないからな」

司書コピー「資格?」

男「魔王でも救世主でもない。中華ややる気はそれらを持っているが」

司書コピー「……魔王、いるんですか」

男「二人とも魔王だ」

司書コピー「それなら、ベリアル様に狙われもしますね」
83 : ◆cUhskXlNTw :2023/08/12(土) 04:47:37.50 ID:51p7BuCao
本日はここまでです
ありがとうございました
84 : ◆cUhskXlNTw :2023/08/12(土) 18:44:40.78 ID:PWWhN4UfO
男「魔王を狙っているのか?ベリアルは」

司書コピー「……薄々勘づいてそうなのではっきり言いますが、そうです」


それなりに話していると体勢を楽にしたりするものだが、司書のコピーは体育座りのまま固まっている


男「そうか……大魔王を名乗るくらいだし、魔王を平伏させるくらいはやらないとな」

司書コピー「そうですね」

男「ベリアルってどんな奴だ?」

司書コピー「……さぁ、会ったことないので」

男「ふぅん……じゃあ、ベリアルの配下にキミを産み出した奴がいるってことか。そいつについて教えてくれないか?なんもメリットないけど」

司書コピー「>>下1」
85 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2023/08/12(土) 19:36:17.24 ID:3u7Him8yO
淫魔…だったと思う。魔法使い風の…
86 : ◆cUhskXlNTw :2023/08/12(土) 21:11:15.29 ID:PWWhN4UfO
司書コピー「淫魔…だったと思う。魔法使い風の…」

男「んー?いや、違うか……?」

司書コピー「はい……?」

男「淫魔って沢山いるのか?」

司書コピー「どうでしょうか」

男「俺を夢に封じ込めようとしたのも淫魔なんだ。倒したけど」

司書コピー「まぁ……よく見る種族ではないので、本当に倒せたなら困るでしょうね」
87 : ◆cUhskXlNTw :2023/08/13(日) 02:39:58.41 ID:k21vaDjto
男「そうなのか、それはいい」

司書コピー「……随分長居するんですね」

男「中華が買い物したから、夕飯がまだなんだよね」

司書コピー「魔王に厨房やらせてるんですか」

男「魔王になる前から中華の鉄人だし」

司書コピー「料理というものもよく分かりません。食事とは血肉を喰らうのみの行為ではないのですか」

男「キミならいずれ分かる。大半の人間は、食事に特別な意義を見いだしているからね」
88 : ◆cUhskXlNTw :2023/08/13(日) 04:00:50.80 ID:k21vaDjto
本日はここまでです
ありがとうございました
89 : ◆cUhskXlNTw :2023/08/13(日) 18:38:47.99 ID:k21vaDjto
・男
【筋力】124【HP】68【素早さ】200【MP】114【顔面】30(神の力)【歌唱力】74【料理】111【中華料理】97【画力】26【加護】13
【刀術】・閃火斬(火属性武器でのダメージに+6、それ以外の武器では+3)
『平凡人』(戦闘能力以外を最低保証50)
『魔法の才能』(魔法習得難易度易化)
『多芸』(感覚系ステータス+20)
『万能通訳』、『降神術』(神の依り代に適性)
『マグネリレーション』(定期的な巡り合わせ)
武器:レジストソード(攻撃翌翌翌力3.5、魔法生物特効)
防具:ミレニアムアーマー
習得魔法:火魔法 上級火魔法 氷魔法 上級氷魔法 闇魔法 風魔法 上級風魔法 回復魔法 光魔法 マナ電流互換 着火魔法 照明魔法 耳鼻咽喉キャンセラレーション 海割りの奇跡
所持:麻薬(1回分)"人は空を羽ばたけるのか?"鳥人間強制改造本ドラゴンキラー(ドラゴン系にダメージ増)、上級氷魔導書、13時間時計、魔王のデモウイルス、サファイアの原石、厨二っぽい太刀(攻撃翌翌翌力3、炎属性)、ベヒーモスの角剣
(経験値10/40……レベル31)

・中華
【筋力】133【素早さ】191【HP】43【MP】75【中華料理】112【顔面】76【加護】10【運命力】29【求心力】33
『救世主の資格』(【運命力】と【求心力】追加)
『魔王の資格』
『器用』(回数で壊れるアイテムを一回多く使え、罠や精密機械などに関するコンマ判定にボーナスが付く)
武器:デモンズスピア(攻撃翌翌翌力4)
防具:ミレニアムアーマー
装飾品:銀の腕輪(筋力+5)
習得魔法:火魔法 上級火魔法 上級水魔法 上級光魔法 マナ電流互換 着火魔法 照明魔法 回復魔法
所持:危険な国三選、13時間時計
(経験値22/38……レベル29)

・氷魔【筋力】162【HP】??+36【MP】177【素早さ】151【料理】37【歌唱力】27【ダンス】1【顔面】37【加護】20
『消費MP1/2』、『ポリシーブレイク』
『究極氷魔法』消費【MP】:240(120)
『メルティング』、『氷魔法上位混合』
武器:ホークワンド(魔法ダメージ+5)
防具:ミスローブ
装飾品:冷却懐中時計(氷ダメージ+5)
習得魔法:極大氷魔法 氷空魔法 水魔法 超上級水魔法 上級風魔法 超上級回復魔法 マナ電流互換改 着火魔法 照明魔法 洗濯魔法 水質検査魔法
所持:異性にモテる為の本(所持継続一日以上で【顔面】+5) 雷の魔導書、13時間時計
(経験値12/47……レベル38)

・やる気
【筋力】157【HP】57【MP】129 【素早さ】174【顔面】36【加護】20
『[ピーーー]気』(殺せると思った相手へのダメージ二段階上昇)
『魔王の資格(80%)』(不完全ながら能力値上昇、魔物の言語が分かる)
武器:スパイラルランス
防具:ミレニアムアーマー
習得魔法:超上級水魔法 土魔法 回復魔法 着火魔法 照明魔法 マナ電流互換改 洗濯魔法 水質検査魔法 闇魔法 上級闇魔法 天候操作魔法 ジャミングウェイブ 解錠魔法
所持:氷の上なら狙った場所に届くカーリングストーン爆弾
(経験値0/36……レベル27)

・ぶりっ子
【筋力】122 【HP】??+32【MP】140【素早さ】102【料理】73【歌唱力】44【ダンス】51【加護】10
【顔面】58
『誘惑』(【顔面】以下の【MP】の生物をたまに行動阻止)
『やりくり術』(アイテム値段を二割引)
『ドジっ子』(ランダム攻撃の対象から外れ、【顔面】+10)
『毒手』(攻撃を命中させた相手に永続スリップダメージ)
『従者式格闘術』(後出しでかばいダメージ上昇)
『風より速く動く術』
武器:ドラゴンキラー
防具:ソードブレイカー 緋色の法衣(炎や熱系の魔法や攻撃の無力化+魔法だった場合魔翌翌翌力吸収 )
習得魔法:水魔法 上級水魔法 氷魔法 上級氷魔法 光魔法 回復魔法 マナ電流互換 着火魔法 照明魔法
必殺技:ぴゅん太郎
所持:化粧品(試供品)、13時間時計
(経験値30/39……レベル30)

・怪盗
【HP】??+1
【筋力】120
【MP】136
【素早さ】355
【歌唱力】53
『盗む』
武器:丁半槌
防具:ソードブレイカー
習得魔法:上級火魔法 風魔法 回復魔法
所持:アダマンタイトの曲刀、雷の力を吸収する杖
(経験値6/34……レベル25)

・狙撃少女
【筋力】122【MP】137【素早さ】??+4
武器:守人のパチンコ(攻撃翌翌翌力3.5、攻撃前に属性魔法を使用して属性付加可能、三発)
習得魔法:水魔法 光魔法
所持:スパークナイフ(攻撃翌翌翌力2.5、雷属性)アンチオールスナイパー(攻撃翌翌翌力8、一発)
(経験値11/39……レベル30)

【所持アイテム】竜毒血清、毒竜管、人造人間の子宮、金属、不思議な赤石、銀の鎖鎌、危険物の魔導書(乙種)人間サイズの蛇の胴体パーツ、邪教典、硫酸の入った瓶、筋トレメソッド本、13時間時計×3、純金小判×5 レア珍獣の生息地(本) 忘却されるまで封印した機械(本)、無限に重なる葉っぱ、ホームセンターの便利グッズ紹介本 回復スライム、氷スライム レインボースライム 探し物の位置を指し示すコンパス(『4回』、不良品)、牛スライム、文字を書き込んだら対になるものに文字が浮かび上がる一対の巻物、壊れたものを何でも直すレンチ、黄金の番人像、世界樹の露(三回分)、なんでも開けるドアノブ型生命体、クイックポーション、超回復ポーション、仮死薬
【ギルドの資金】80361475
90 : ◆cUhskXlNTw :2023/08/13(日) 18:44:10.88 ID:k21vaDjto
司書コピー「なんてお節介な人なんでしょうね、あなたは」

男「お節介でけっこう、お節介焼かずに後悔してきたからな」

司書コピー「あなた、いくつなんですか?」

男「うーん?……どうだったかな……」


元の世界での年齢を答えたいが、
今の肉体は明らかにその頃よりも若々しい


司書コピー「……変な人」

男「それより、味覚がないと言っていたが……他にない感覚はあるか?」

司書コピー「>>下1」
91 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2023/08/13(日) 18:49:02.40 ID:ih/fN4bDO
熱いとか冷たいとかの感覚も無いでしょうね

食べた時味覚だけでなくそれも感じなかったので
92 : ◆cUhskXlNTw :2023/08/13(日) 19:59:26.58 ID:k21vaDjto
司書コピー「熱いとか冷たいとかの感覚も無いでしょうね」

男「そうなのか?」

司書コピー「食べた時味覚だけでなくそれも感じなかったので」

男「でも、餃子取り落としてたってことは……反射作用が起きるくらいの感覚は持ってるってことだ」

司書コピー「ああ、そうかもしれませんね」

男「もしそうなら、十分治していけそうだな」
93 : ◆cUhskXlNTw :2023/08/14(月) 04:06:46.78 ID:jLehYTywo
と、話していると料理の匂いがする
どうやら、中華がもう夕食を作り終えたようだ


司書コピー「……夕飯ですか」

男「そうだ。勿論、来てもらうぞ」

司書コピー「はい……」


観念したような面持ちで、
彼女は男と一緒に食堂へと向かった
94 : ◆cUhskXlNTw :2023/08/14(月) 04:10:13.06 ID:jLehYTywo
本日はここまでです
ありがとうございました
95 : ◆cUhskXlNTw :2023/08/14(月) 19:27:12.66 ID:jLehYTywo
二人が食堂に出てくると、
やはりというべきか、本日は肉料理であった


酪農少女「あれ、男さんまた知らない女連れ込んだんですか?」

男「その言い方はよすんだ!」

司書コピー「……いい人ぶってましたけど、そういう人なんですね」

男「いや、違う!これは誤解だ!」

酪農少女「あれ……なんか変なこと言っちゃいましたかね」
96 : ◆cUhskXlNTw :2023/08/14(月) 19:47:16.98 ID:jLehYTywo
中華「食材が急ごしらえなもんでね、条件に当てはまるのが肉しかなかったんだよ」

氷魔「……それで……これだけ用意できるのですから……すごいですよ……」

やる気「そっすね、匂いだけで腹減ってきたっすよ」

ぶりっ子「いつもお腹減ってるじゃないですかぁ」

怪盗「確かに?」

狙撃少女「ふふ、でもその気持ちも分かりますけどね」


と、楽しそうに一行は話している
それを側で聞いている司書のコピーにとっては、不思議なことだった


司書コピー(どうして、こんなに楽しそうなんでしょう?)
97 : ◆cUhskXlNTw :2023/08/14(月) 20:43:57.20 ID:jLehYTywo
不可解な顔をする彼女をよそに、一行は夕食を始めた


酪農少女「それで、結局その方は一体……?」

男「あー……なんて言ったらいいか。センシティブな話なんだが……」

酪農少女「やっぱり、そういう……?」

中華「ふふっ」

男「違う!断じて違う!なんとか言ってやってくれ!」

司書コピー「>>下1」
98 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2023/08/14(月) 20:48:02.07 ID:1Twy7Xzqo
無理やり(身体の)中を覗かれました
99 : ◆cUhskXlNTw :2023/08/15(火) 03:46:37.90 ID:PbCEUtrDo
司書コピー「無理やり(身体の)中を覗かれました」

酪農少女「うわぁ……」

男「おい!意味が変わってくるだろ!?」

氷魔「……純粋というのは……恐ろしいですね……」

男「遠い目をするなっ!助けてくれ!」

やる気「たまにはいいんじゃないすか?」
100 : ◆cUhskXlNTw :2023/08/15(火) 18:29:20.08 ID:zqAYZLzsO
すみません寝落ちしました


といったように、
和気あいあいと夕食を摂ることができた
司書のコピーは終始無表情であったが、
男をからかったりできるほどの元気はあった


ぶりっ子「今日はもう遅いですねぇ」

怪盗「そうですね、みんなで片付けをして早く寝ちゃいましょう」
101 : ◆cUhskXlNTw :2023/08/15(火) 18:33:30.87 ID:zqAYZLzsO
全員で夕食の後片付けをし、
今夜もいつもと同じくらいの時間に就寝した


?翌日・陽週日曜日?

男が起きて広間に降りれば、
なんだかそわそわした様子で司書のコピーがいた


男「……まだいてくれたのか、よかった」

司書コピー「行くあてがないので。司書のふりしててもあなた達にはバレますし」
102 : ◆cUhskXlNTw :2023/08/15(火) 18:46:21.98 ID:zqAYZLzsO
狙撃少女「それだけにしては、なんだか落ち着きがないような気がしますが」


得物を掃除しながら、彼女はそう口を挟んだ


司書コピー「え……」

狙撃少女「あぁ、すいません。ただの勘ですから、お気になさらず」

男「鋭いなぁ。……ま、なんか言いたいこととか頼みとかあったら言ってくれ」

司書コピー「……そうですね、考えておきます」
103 : ◆cUhskXlNTw :2023/08/15(火) 19:13:17.33 ID:zqAYZLzsO
それからしばらくすると、
全員がロビーに集まってきた


中華「それで、今日はどうするのかな?」

氷魔「……うーん……人数も増えましたからね……」

やる気「待ってるのも意味ないし、さっさと出発しちゃうのもアリっすよね」


>>下1……なにをしよう?(フェイズ・朝)
1.資金集め!
2.買い物!
3.海神教団の信者を集める!
4.ギルドの依頼を受ける!
5.図書館に行く!
6.占いの館に行く!
7.錬金術師を訪ねる!
8.教団本部を訪ねる!
9.鑑定質屋に行く
10.北の果てを目指す
11.自由安価
104 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2023/08/15(火) 19:18:24.68 ID:MxsfoRwKo
10
105 : ◆cUhskXlNTw :2023/08/16(水) 03:59:38.19 ID:wWi1Onhto
男「じゃ、目指すか!極北!」

ぶりっ子「ついに、ですねぇ」

怪盗「長い旅になりそうです……」

狙撃少女「国の一つや二つ跨ぐのとは訳が違いますからね」

司書コピー「……え、私も行くんですか?」

男「そりゃそうだろ。内部情報を逐次出してくれることに期待してるぞ」

司書コピー「えぇー……」
106 : ◆cUhskXlNTw :2023/08/16(水) 04:02:16.31 ID:wWi1Onhto
本日はここまでです
ありがとうございました
107 : ◆cUhskXlNTw :2023/08/16(水) 19:08:40.75 ID:wWi1Onhto
それから数時間後
一行は手配した大人数用馬車の中にいた


中華「そういえば御者さん」

御者「ん?どうした」

中華「今日の日暮れ前ぐらいには、どこまで行けそうかな?」

御者「あーそうだな。……時期も悪くない、高原の国まではいけそうだ」
108 : ◆cUhskXlNTw :2023/08/16(水) 19:11:31.43 ID:wWi1Onhto
男「高原の国?」

氷魔「……まぁ……そのままの国です……」

ぶりっ子「自然が豊かで、水が綺麗なんですが……空気が薄くて、田舎っぽいとこですよぉ」

やる気「そういや、行ったことないっすねー」


一方、中華はまだ御者と話を続けていた


中華「実は僕たち、魔獣の肉に用があって……高原の国で魔獣の目撃報告とかありませんかね?」

御者「>>下1」
109 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2023/08/16(水) 19:37:04.65 ID:l6+IXlEXo
目玉が沢山ついた怪鳥が、色々見境無く襲っているとは聞いたな
110 : ◆cUhskXlNTw :2023/08/16(水) 20:44:57.93 ID:wWi1Onhto
御者「目玉が沢山ついた怪鳥が、色々見境無く襲っているとは聞いたな」

中華「だってさ、それ倒せればいい肉が取れるよ」

司書コピー「そうですか……」


彼女はなんだか気まずそうな顔だ
どう対応したらいいのか分からないのかもしれない
あるいは気持ちに整理がついていないのかもしれない


怪盗「怪鳥ですかぁ……飛ぶやつは厄介ですねぇ」
111 : ◆cUhskXlNTw :2023/08/17(木) 03:50:21.94 ID:5QsyoR9eo
本日はここまでです
ありがとうございました
112 : ◆cUhskXlNTw :2023/08/17(木) 21:00:35.33 ID:EAPokqsvO
本日から里帰りですが、あまりにも田舎すぎてほぼ常に圏外なので明後日まで更新できなさそうです
すみません
113 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2023/08/17(木) 22:09:08.20 ID:YPrzLp3t0
了解
114 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2023/08/17(木) 22:45:06.27 ID:98r/hPSjo
ごゆっくり
115 : ◆cUhskXlNTw :2023/08/19(土) 19:36:36.86 ID:qrLpvXe7o
それから数時間して、
太陽が分かりやすく傾き始めた頃合いに、
一行は高原の国の中心部に降ろされた


狙撃少女「早速、怪鳥の情報を集めましょう」

男「そうだな……どこで集めようか?」

氷魔「……この国は……とにかく酒場が多いです……なので……酒場を当たるのがよいかと……」

やる気「へぇ、そうなんすね」
116 : ◆cUhskXlNTw :2023/08/19(土) 20:12:08.42 ID:qrLpvXe7o
彼女の言葉を参考に、周りを見渡せば、
視界に入るだけでも複数軒の酒場があった


ぶりっ子「なんでこんなにぃ?」

氷魔「……あまり娯楽のない土地柄なのと……酒神信仰が理由とされています……」


適当な酒場に狙いを定め、一行は暖簾をくぐった


怪盗「おやっさーん!私達、怪鳥を討伐しにきたんですけどどこにいるか知りませんかー!?」

マスター「>>下1」
117 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2023/08/19(土) 21:35:45.14 ID:Y4/jED3o0
少し向こうの谷に巣を作ってるよ
118 : ◆cUhskXlNTw :2023/08/20(日) 02:35:50.36 ID:oQwupHqoo
マスター「少し向こうの谷に巣を作ってるよ」

狙撃少女「よし、なら早速巣を急襲ですね!」

マスター「おいおい、死ぬ気か?谷は奴のフィールドだぜ」

狙撃少女「私がいれば大丈夫です。羽が生えた生き物は全て、私の獲物に過ぎません」

男「巣を安全に制圧できれば、卵もあるかもしれないな」
119 : ◆cUhskXlNTw :2023/08/20(日) 02:39:10.43 ID:oQwupHqoo
本日はここまでです
ありがとうございました
120 : ◆cUhskXlNTw :2023/08/20(日) 19:33:38.75 ID:oQwupHqoo
中華「卵……料理に使いたいね。有精卵だったらダメだけど」

氷魔「……もし卵があるとするなら……複数体いるということですよ……」

やる気「確かにそうっすね。沢山いたら処理に困るっすよ」


彼らはてっきり怪鳥が一羽のみかと思っていたが、
そうではない可能性が浮上した


ぶりっ子「なんか、弱点とかないんですかぁ?その鳥」

マスター「>>下1」
121 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2023/08/20(日) 20:02:33.27 ID:j8DzLeTqo
激しい光が出るものは嫌がるな
嫌がるくらいに留まるがね
122 : ◆cUhskXlNTw :2023/08/20(日) 21:07:59.03 ID:oQwupHqoo
マスター「激しい光が出るものは嫌がるな


怪盗「ほぉ、みなさん光魔法とか照明魔法使えますよね」

狙撃少女「そうですね、これは役に立つかもしれません」

マスター「嫌がるくらいに留まるがね」

男「だが、不意打ちには十分使えそうだな。光は拡散するし多くいても隙は作れそうだ」
123 : ◆cUhskXlNTw :2023/08/21(月) 03:24:40.88 ID:UgmVhaAJo
本日はここまでです
ありがとうございました
124 : ◆cUhskXlNTw :2023/08/21(月) 19:59:35.82 ID:UgmVhaAJo
それから一行は店主に別れを告げ、
怪鳥が住むとされる谷の方角へと歩きだした


中華「空気が薄いのが少し心配だ」

氷魔「……確かに……いつもの感覚で動き回ると……思わぬ墓穴を掘ることになりかねませんね……」

やる気「あー、そうかもしれないっすね。俺っちは戦闘スタイル的に気を付けるっふよ」
125 : ◆cUhskXlNTw :2023/08/21(月) 20:24:48.62 ID:UgmVhaAJo
様々なことを考えながら、曲がりくねった、
しかしながらきれいに示された高原の道を歩いていく


ぶりっ子「……今の、聞こえましたぁ?」


向こうから響く大きな鳥の声に、
彼女は鋭敏に反応した


怪盗「近づいてきましたね」


一行は息を殺して、怪鳥の谷に辿り着く
そこを覗き込み、怪鳥の姿を探す


>>下1……怪鳥は何匹いた?
126 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2023/08/21(月) 20:27:52.47 ID:b/h27lhCo
2匹
127 : ◆cUhskXlNTw :2023/08/22(火) 01:17:10.86 ID:PpifOqMfo
狙撃少女「……ふむ、巣が一つ、怪鳥が二羽です」


持ち前の優れた視力で状況を把握し、素早く伝えた


男「もしや、つがいかもな」

中華「得られる物が増えて、戦いの苦難もまた増えたね」

氷魔「……こういう敵は……意外と初めてかもしれません……」
128 : ◆cUhskXlNTw :2023/08/22(火) 01:19:55.53 ID:PpifOqMfo
やる気「フェニックスも一応鳥っすからね、ちょっとは練習になるんじゃないっすか?」

ぶりっ子「確かに、そうかもしれませんねぇ」

狙撃少女「では、正々堂々戦いますか?」

怪盗「え?どういうことですか?」

狙撃少女「あちらは気付いていませんから、私が一発撃ち込んで不意打ちが可能です」

男「うーん……出し惜しみするほうがよくないような気がする」
129 : ◆cUhskXlNTw :2023/08/22(火) 02:31:34.21 ID:PpifOqMfo
本日はここまでです
ありがとうございました
130 : ◆cUhskXlNTw :2023/08/22(火) 19:24:09.15 ID:PpifOqMfo
狙撃少女「では、お任せを」


彼女は匍匐の体制となり、スコープで怪鳥を狙い、
その引き金は確かに引かれた


中華「よしっ!」


下1コンマ下一桁×5.5……狙撃のダメージ
131 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2023/08/22(火) 19:32:38.80 ID:krHqHfPCo
ビューティフォー
132 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2023/08/22(火) 20:00:49.40 ID:uH9gIiRX0
>> 131
0×5.5はエグ過ぎちゃうん?
133 : ◆cUhskXlNTw :2023/08/22(火) 20:35:44.17 ID:PpifOqMfo
55ダメージ!狙撃少女がレベルアップ!


彼女が放った弾丸は、
空間を引き裂くような轟音と共に、
知覚不可能なスピードで怪鳥を貫いた


怪鳥「キィ……!」


短く断末魔を上げ、巣の中で絶命した


狙撃少女「……調子がいいです。完全に急所を当てました」

氷魔「……あんな威力では……急所でなくても死んでいそうですが……」
134 : ◆cUhskXlNTw :2023/08/22(火) 21:00:34.34 ID:PpifOqMfo
しかし、その威力と射程は轟音とのトレードオフである
当然、もう一羽の怪鳥はこちらに気付く
狙撃少女のライフルは一発しか装填できないため、
全身の目をぎょろぎょろとさせながら怒りに任せて飛んでくるそれを撃ち落とすことはできない


怪鳥「キィエエエエエエ!!!」

やる気「おっ、ついに来たっすね!」

怪盗「やつはこっちに向かってくる必要があります。この戦い、まだこちらがイニシアチブを握っていますよ!」
135 : ◆cUhskXlNTw :2023/08/23(水) 00:09:06.88 ID:JXEyLqvlo
本日はここまでです
ありがとうございました
136 : ◆cUhskXlNTw :2023/08/23(水) 19:16:57.74 ID:JXEyLqvlo
男「つまり、迎撃だな!」

中華「それなら僕だね、上級光魔法!」

怪盗「キィッ……!?」


多くの眼を持つその怪鳥は、
どうしても激しい閃光が苦手だった


氷魔「……どの程度効くでしょうか……」


>>下1コンマ下一桁×4……魔法のダメージ
137 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2023/08/23(水) 19:24:56.45 ID:xC9QZ6wgo
太陽拳
138 : ◆cUhskXlNTw :2023/08/23(水) 19:46:12.77 ID:JXEyLqvlo
20ダメージ!中華がレベルアップ!


彼が放った閃光は怪鳥を覆うように浴びせられ、
怪鳥はバランスを崩す
しかし、どうにか一行のいる崖上までは飛行してきた


怪鳥「キィィィン……」

やる気「よし、あと一息っすね!」

ぶりっ子「あんなやつ、さっさと撃ち落としちゃいましょう!」
139 : ◆cUhskXlNTw :2023/08/24(木) 19:54:50.56 ID:ANnuBiHZo
すみません寝落ちしました


氷魔「……では……私が撃ち落としましょう……」

怪盗「冷凍保存とは、ありがたいですね」

氷魔「……確かにそうですね……では……きちんと凍らせなければいけませんねっ……極大氷魔法……!」


手を翳せば、その軌跡をなぞるように大空は氷塊で覆われた


>>下1コンマ÷2……魔法の威力
140 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2023/08/24(木) 19:59:11.98 ID:ZU2P47iIo
はい
141 : ◆cUhskXlNTw :2023/08/24(木) 20:18:39.16 ID:ANnuBiHZo
49ダメージ!


狙撃少女「お見事です」


空中で音もなく凍りついたその怪鳥は、
一瞬のタイムラグを置いて一行の目の前に落下した
音まで凍りつくような雰囲気だったため、
氷塊が地面に叩きつけられた音がいやに大きく感じられた


男「よし、後はもう一羽の死体と卵を回収するだけだな」
142 : ◆cUhskXlNTw :2023/08/24(木) 20:44:48.12 ID:ANnuBiHZo
中華と狙撃少女がレベルアップしました!
中華はレベルが30になるので一つ上のテーブルです

>>下1コンマ……中華の成長
>>下2コンマ……狙撃少女の成長

?中華料理人の成長テーブル?
01?40で全能力+6
41?60で習得『料理習熟・地』
61?80で習得『戦飯』
81?90で上記全て
それ以上またはゾロ目で何かが起こる

?狙撃少女の成長テーブル?
01?20で筋力+4
21?40でHP+2
41?60でMP+4
61?80で素早さ+2
81?90で全能力+3
143 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2023/08/24(木) 20:57:09.94 ID:lOHTalHU0
144 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2023/08/24(木) 20:57:53.79 ID:IKZdQuBDO
はい
145 : ◆cUhskXlNTw :2023/08/24(木) 21:20:33.24 ID:ANnuBiHZo
狙撃少女の【素早さ】??+6

中華がリロールです!
中華くんはやたらリロール率が高いですね


>>下1コンマ……中華の成長


?中華料理人の成長テーブル?
01?30で全能力+15
41?60で『神格』
それ以上またはゾロ目で何かが起こる
146 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2023/08/24(木) 21:46:42.80 ID:ZU2P47iIo
ヌッ
147 : ◆cUhskXlNTw :2023/08/24(木) 22:35:19.80 ID:ANnuBiHZo
さらに再判定です!
連チャンすればするほど世界と設定のスケール感の最大値が上昇して大変なことになります


?中華料理人の成長テーブル?
01?25で全能力+30
26?50で『神格』
51?70で『始祖六柱転身体』
71?90で『創造者』
それ以上またはゾロ目で何かが起こる
148 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2023/08/24(木) 22:35:46.35 ID:Ti5qdEjkO
突き抜けて行け
149 : ◆cUhskXlNTw :2023/08/25(金) 01:04:11.74 ID:kNrW2Pjao
中華「そうだね……!?」


いつかのような現象が起こる
何の前触れもなく、雲もなさげなのに、
彼は突如轟雷に打たれた


氷魔「……は……」

やる気「生きてるっすか!?」

ぶりっ子「いや、これどっかでぇ……」

怪盗「まさか、怪鳥の祟り!?」

狙撃少女「見た目はなかなか醜悪でしたしね」
150 : ◆cUhskXlNTw :2023/08/25(金) 01:05:57.04 ID:kNrW2Pjao
本日はここまでです
ありがとうございました
151 : ◆cUhskXlNTw :2023/08/25(金) 19:10:41.19 ID:kNrW2Pjao
・男
【筋力】124【HP】68【素早さ】200【MP】114【顔面】30(神の力)【歌唱力】74【料理】111【中華料理】97【画力】26【加護】13
【刀術】・閃火斬(火属性武器でのダメージに+6、それ以外の武器では+3)
『平凡人』(戦闘能力以外を最低保証50)
『魔法の才能』(魔法習得難易度易化)
『多芸』(感覚系ステータス+20)
『万能通訳』、『降神術』(神の依り代に適性)
『マグネリレーション』(定期的な巡り合わせ)
武器:レジストソード(攻撃翌力3.5、魔法生物特効)
防具:ミレニアムアーマー
習得魔法:火魔法 上級火魔法 氷魔法 上級氷魔法 闇魔法 風魔法 上級風魔法 回復魔法 光魔法 マナ電流互換 着火魔法 照明魔法 耳鼻咽喉キャンセラレーション 海割りの奇跡
所持:麻薬(1回分)"人は空を羽ばたけるのか?"鳥人間強制改造本ドラゴンキラー(ドラゴン系にダメージ増)、上級氷魔導書、13時間時計、魔王のデモウイルス、サファイアの原石、厨二っぽい太刀(攻撃翌力3、炎属性)、ベヒーモスの角剣
(経験値10/40……レベル31)

・中華
【筋力】133【素早さ】191【HP】43【MP】75【中華料理】112【顔面】76【加護】10【運命力】29【求心力】33
『救世主の資格』(【運命力】と【求心力】追加)
『魔王の資格』
『神格』
『器用』(回数で壊れるアイテムを一回多く使え、罠や精密機械などに関するコンマ判定にボーナスが付く)
武器:デモンズスピア(攻撃翌力4)
防具:ミレニアムアーマー
装飾品:銀の腕輪(筋力+5)
習得魔法:火魔法 上級火魔法 上級水魔法 上級光魔法 マナ電流互換 着火魔法 照明魔法 回復魔法
所持:危険な国三選、13時間時計
(経験値22/38……レベル29)

・氷魔【筋力】162【HP】??+36【MP】177【素早さ】151【料理】37【歌唱力】27【ダンス】1【顔面】37【加護】20
『消費MP1/2』、『ポリシーブレイク』
『究極氷魔法』消費【MP】:240(120)
『メルティング』、『氷魔法上位混合』
武器:ホークワンド(魔法ダメージ+5)
防具:ミスローブ
装飾品:冷却懐中時計(氷ダメージ+5)
習得魔法:極大氷魔法 氷空魔法 水魔法 超上級水魔法 上級風魔法 超上級回復魔法 マナ電流互換改 着火魔法 照明魔法 洗濯魔法 水質検査魔法
所持:異性にモテる為の本(所持継続一日以上で【顔面】+5) 雷の魔導書、13時間時計
(経験値12/47……レベル38)

・やる気
【筋力】157【HP】57【MP】129 【素早さ】174【顔面】36【加護】20
『殺 る気』(殺せると思った相手へのダメージ二段階上昇)
『魔王の資格(80%)』(不完全ながら能力値上昇、魔物の言語が分かる)
武器:スパイラルランス
防具:ミレニアムアーマー
習得魔法:超上級水魔法 土魔法 回復魔法 着火魔法 照明魔法 マナ電流互換改 洗濯魔法 水質検査魔法 闇魔法 上級闇魔法 天候操作魔法 ジャミングウェイブ 解錠魔法
所持:氷の上なら狙った場所に届くカーリングストーン爆弾
(経験値0/36……レベル27)

・ぶりっ子
【筋力】122 【HP】??+32【MP】140【素早さ】102【料理】73【歌唱力】44【ダンス】51【加護】10
【顔面】58
『誘惑』(【顔面】以下の【MP】の生物をたまに行動阻止)
『やりくり術』(アイテム値段を二割引)
『ドジっ子』(ランダム攻撃の対象から外れ、【顔面】+10)
『毒手』(攻撃を命中させた相手に永続スリップダメージ)
『従者式格闘術』(後出しでかばいダメージ上昇)
『風より速く動く術』
武器:ドラゴンキラー
防具:ソードブレイカー 緋色の法衣(炎や熱系の魔法や攻撃の無力化+魔法だった場合魔翌力吸収 )
習得魔法:水魔法 上級水魔法 氷魔法 上級氷魔法 光魔法 回復魔法 マナ電流互換 着火魔法 照明魔法
必殺技:ぴゅん太郎
所持:化粧品(試供品)、13時間時計
(経験値30/39……レベル30)

・怪盗
【HP】??+1
【筋力】120
【MP】136
【素早さ】355
【歌唱力】53
『盗む』
武器:丁半槌
防具:ソードブレイカー
習得魔法:上級火魔法 風魔法 回復魔法
所持:アダマンタイトの曲刀、雷の力を吸収する杖
(経験値6/34……レベル25)

・狙撃少女
【筋力】122【MP】137【素早さ】??+6
武器:守人のパチンコ(攻撃翌力3.5、攻撃前に属性魔法を使用して属性付加可能、三発)
習得魔法:水魔法 光魔法
所持:スパークナイフ(攻撃翌力2.5、雷属性)アンチオールスナイパー(攻撃翌力8、一発)
(経験値11/39……レベル30)

【所持アイテム】竜毒血清、毒竜管、人造人間の子宮、金属、不思議な赤石、銀の鎖鎌、危険物の魔導書(乙種)人間サイズの蛇の胴体パーツ、邪教典、硫酸の入った瓶、筋トレメソッド本、13時間時計×3、純金小判×5 レア珍獣の生息地(本) 忘却されるまで封印した機械(本)、無限に重なる葉っぱ、ホームセンターの便利グッズ紹介本 回復スライム、氷スライム レインボースライム 探し物の位置を指し示すコンパス(『4回』、不良品)、牛スライム、文字を書き込んだら対になるものに文字が浮かび上がる一対の巻物、壊れたものを何でも直すレンチ、黄金の番人像、世界樹の露(三回分)、なんでも開けるドアノブ型生命体、クイックポーション、超回復ポーション、仮死薬
【ギルドの資金】80361475
152 : ◆cUhskXlNTw :2023/08/25(金) 19:13:29.68 ID:kNrW2Pjao
心配していると、中華はゆっくりと起き上がった
以前にはなかった、妙な雰囲気を纏っている


男「……前にもあったな、こんなこと」

中華「そうだね。でも……うーん、なにがあったのか分からないや」


彼も不思議がっていたところ、
男の脳内に興奮した声が響く


海神「ね、ねぇ!あの人、神様になっちゃったよ!?」

男「………………はぁ!?マジ!?」
153 : ◆cUhskXlNTw :2023/08/25(金) 19:15:32.99 ID:kNrW2Pjao
氷魔「……なんですか……急に……」

男「あ……すまん。海神サマが、すごいこと言うもんで」

やる気「なんか分かったんすか?」

男「信じがたいが……中華、神になったみたいだぞ」

中華「えっ!?僕が!?」


一同は盛大に驚いた
本人も含め、ただただ心の整理ができていない
一行が落ち着くのには数分を要した
154 : ◆cUhskXlNTw :2023/08/25(金) 19:17:54.97 ID:kNrW2Pjao
とりあえず必要な食材を引き上げ、
やる気がその怪力で全てを運ぶこととなった
近くの街への帰り道、一息つくと、みな喋りだした


ぶりっ子「なんの神になったんですかぁ?」

中華「なんの神なんだろうね?」

ぶりっ子「あっ、分からないんですねぇ」

怪盗「でも、大方の予想は付きますね」

狙撃少女「中華料理の神、でしょうね」
155 : ◆cUhskXlNTw :2023/08/25(金) 20:29:42.37 ID:kNrW2Pjao
一行が街に戻ってきたとき、あることに気付いた


男「……どこで調理するんだ?」

中華「あー、考えてなかったね」

氷魔「……いつもは……ギルドハウスに帰って調理すればよかったですが……」

やる気「まぁ、普通に宿とか?」


>>下1……どこで調理する?
1.キッチン付きの宿
2.酒場の厨房を借りる
3.自由安価
156 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2023/08/25(金) 20:54:59.83 ID:qbVp8zcvo
2
157 : ◆cUhskXlNTw :2023/08/26(土) 03:16:54.70 ID:WkcbmiDeo
本日はここまでです
ありがとうございました
158 : ◆cUhskXlNTw :2023/08/26(土) 19:33:20.25 ID:WkcbmiDeo
ぶりっ子「マスターさーん」


大きな怪鳥を調理するとなったとき、
どうしても宿のキッチンでは規模が足りない
ここは飲食店の厨房を借りるべきだろう


マスター「ん……ん!?本当に狩ってきたのか」

怪盗「で、こいつの肉食べようと思うんですけど……厨房貸してくれませんか?」

マスター「あー……だが、タダって訳にもいかねぇな。他にも客はいるし」
159 : ◆cUhskXlNTw :2023/08/26(土) 20:40:57.04 ID:WkcbmiDeo
中華「それなら、今日だけの特別メニューってことで、どうですか?怪鳥コース」

マスター「うーん……料理できるやつはいるかい?」

狙撃少女「それなら、彼は神です」

マスター「?」

男「ああいえ、なんでもありません。彼は料理人ですよ」

マスター「それならいい。その量じゃ人手が足りねぇからな」
160 : ◆cUhskXlNTw :2023/08/27(日) 01:06:27.88 ID:C33Agiv4o
中華「やった!」

氷魔「……よかったです……さぁ……適当な席に座ってください……」

司書コピー「……そうですね」


そうして一行は思い思いの席に座っていく
が、男は呼び止められた


中華「男も料理できるでしょ?」

男「……え?もしかして俺も行くの?」

中華「人手はあればあるだけいいからね。ほら、行こう」


こうして、ゆっくりしていようとした男も厨房へと引きずりこまれていくのであった
161 : ◆cUhskXlNTw :2023/08/27(日) 01:07:00.45 ID:C33Agiv4o
本日はここまでです
ありがとうございました
162 : ◆cUhskXlNTw :2023/08/27(日) 19:16:24.62 ID:C33Agiv4o
それからというもの、酒場は大騒ぎだった
祝杯を上げる者、怪鳥を倒した経緯を聞く者、
ひたすら怪鳥の肉を貪る者もいた
一方、男と中華はただひたすら厨房で調理をしていた


男「これだけの量を調理するのは流石に初めてだぞ」

中華「あはは、ごめんね。無理やり連れてきちゃってさ」

男「……いや、いいさ。話しておいたほうがいいこともあるしな」
163 : ◆cUhskXlNTw :2023/08/27(日) 19:19:34.23 ID:C33Agiv4o
中華「え?」

男「そう深刻な話じゃない。大事な話ではあるが……『神格』についてだな」

中華「ああ、まだよく分かってないんだ」

男「一応、神という肩書が保証する最低限の奇跡というものはある。だが、なにかを成したいと思うなら、信仰を集めることが大切だ」

中華「信仰……かぁ」

男「そうだ。……ここにきて、本物の現人神を教団の神に加えることも検討しなきゃならない」

中華「いくら神が実在するからって、さすがに胡散臭いよねー」
164 : ◆cUhskXlNTw :2023/08/27(日) 19:23:28.17 ID:C33Agiv4o
男「相変わらず謙虚だなぁ。……ま、おおよそ中華の言った通りだ。実際に神の力を分かりやすく行使し、また見せつけるレベルにならなければ神であることを教団としてアピールしづらい」

中華「信仰を集める近道に入るために、最低限自力で信仰を集めなきゃいけないんだね」

男「そうそう。ま、幸いしばらくは旅だ。なんらかの力を示せる機会はやってくるだろうさ。なんなら、今作ってるこれでもいいしな」


そう言って、切られた鶏肉を指す


中華「バカ騒ぎの宴席にシェフがご挨拶ってのは野暮だね。男も分かってるでしょ?」

男「まぁな。冗談だ」
165 : ◆cUhskXlNTw :2023/08/27(日) 19:36:03.12 ID:C33Agiv4o
夜も更ける頃、ようやく宴はお開きになった


マスター「よし!後片付けは全部俺がやるから、もう帰りな!」

中華「おっ、太っ腹ー」

マスター「太っ腹はお前さんたちだ。ずっと料理してたんだろ?結局夕飯は食ったのか?」

男「中華は延々と料理し続けそうだったから、俺が説得して無理やり食わせた」

マスター「それならいい。宿は取ってるのか?」

男「……あっ」

マスター「まさか、宿がないのか?それなら……>>下1」
166 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2023/08/27(日) 19:45:15.48 ID:FZmHpMKIo
このメモの宿に行け
俺の名前を出せば融通してくれる
167 : ◆cUhskXlNTw :2023/08/28(月) 03:55:48.26 ID:pTfH5v4no
本日はここまでです
ありがとうございました
168 : ◆cUhskXlNTw :2023/08/28(月) 19:50:23.39 ID:pTfH5v4no
マスター「このメモの宿に行け」


メモには宿の名前と、その場所が記されていた


中華「ふむ?」

マスター「俺の名前を出せば融通してくれる」

男「それはありがたいですね。どうもありがとうございます」

マスター「気にするな。肉は安く提供したが、結局は原価なしの丸儲けだ」
169 : ◆cUhskXlNTw :2023/08/28(月) 21:03:10.55 ID:pTfH5v4no
それから一行は、メモに記された宿へと向かった
宿は村の外れにあり、そのわりには大きい宿だ


氷魔「……夜分遅くに失礼します……」

ホテルマン「いかがなさいましたか?」

やる気「勿論、泊まりにきたっすよ。でっかい酒場のおやっさんから言われたんす」

ホテルマン「そうでございましたか。では、しばしお待ちを」
170 : ◆cUhskXlNTw :2023/08/29(火) 02:37:33.85 ID:sxTquA9qo
本日はここまでです
ありがとうございました
171 : ◆cUhskXlNTw :2023/08/29(火) 19:31:48.98 ID:sxTquA9qo
ぶりっ子「本当にあっさり通りましたねぇ」


待っていると、ホテルマンが鍵を持って戻ってきた


ホテルマン「こちら、部屋の合鍵となっております」

怪盗「ありがとうございますー」


一行は鍵を受け取り、その部屋へと向かった
番号はキーに記されていた


>>下1……部屋の内装
172 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2023/08/29(火) 19:33:57.04 ID:LjfOMeCu0
何故か天井や壁が緑一色の部屋
173 : ◆cUhskXlNTw :2023/08/29(火) 21:01:07.60 ID:sxTquA9qo
その部屋に入った瞬間、みなが目を疑い驚愕した
もっとも、司書のコピーだけは生気があるのかないのか分からないような顔で佇んでいたが
そこはあまりにも緑色だった
壁は勿論、天井に至るまでもがとにかく緑だった
どこか不気味だが、目にはいいだろう


狙撃少女「変わった部屋ですね」

男「そうだけど……変すぎないか?」

中華「とはいえ、かなり広いよ。みんな泊まれそうだ」

氷魔「……そうですね……この人数で泊まれる部屋は貴重です……」
174 : ◆cUhskXlNTw :2023/08/30(水) 03:46:38.34 ID:ZhOQuTcAo
確かに視覚的には強烈なものを感じるが、
置かれているベッドやアメニティもしっかりとしたものだった
おそらくはただそういったコンセプトの部屋というだけなのだろう


ぶりっ子「騒いだせいで眠いですぅ……」

怪盗「明日に響くのも嫌なんで、さっさと寝ちゃいましょう」

狙撃少女「いや、風呂入ってないじゃないですか。順番にシャワー浴びてからですよ」
175 : ◆cUhskXlNTw :2023/08/30(水) 03:48:13.10 ID:ZhOQuTcAo
本日はここまでです
ありがとうございました
176 : ◆cUhskXlNTw :2023/08/30(水) 19:38:03.40 ID:ZhOQuTcAo
全員はいそいそとシャワーを浴び、
泥のように眠りについた


司書コピー「………………」


しかし、司書のコピーは眠ってはいなかった
全員が疲れて眠りこけているだろう今なら、
どこかへと逃げられると考えたのだ
彼女はなるべく音を立てないように動き、
部屋の入口であるドアに手を掛け、開く
その向こうには>>下1がいた
177 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2023/08/30(水) 19:59:45.40 ID:DcWeoY0Co
178 : ◆cUhskXlNTw :2023/08/30(水) 20:22:49.85 ID:ZhOQuTcAo
男「………………」


そこには男が立っていた
彼は真顔で真っ直ぐ司書のコピーを見つめていた


司書コピー「ひぃぃ!?」

男「なにこそこそしてるんだ?」

司書コピー「あ、あなたこそ……」

男「俺か?ちょっとトイレにな」

司書コピー「この部屋にもあるじゃないですか」

男「なんか詰まった」
179 : ◆cUhskXlNTw :2023/08/30(水) 20:29:25.98 ID:ZhOQuTcAo
司書コピー「それは……災難ですね」

男「お前もトイレか?」

司書コピー「はい」

男「そっか」


彼女は男とすれ違い、部屋を出る
しかしその瞬間、後ろから肩を掴まれる


司書コピー「ぴぃ!?」

男「下手な嘘つくなよ。トイレに行くつもりなら詰まってるの知ってるだろ」
180 : ◆cUhskXlNTw :2023/08/31(木) 01:27:21.81 ID:zJkKpPFVo
司書コピー「………………」

男「で、脱走か?」

司書コピー「……そうですけど」

男「行くあてがないんじゃなかったのか?」

司書コピー「……そうですね。それは本当です」

男「……そうか。今日のところは大人しく着いてきてもらおうか。まだ俺たちの目的は達成されていないしな。だが……」

司書コピー「なんですか……」

男「いい傾向だ」
181 : ◆cUhskXlNTw :2023/08/31(木) 03:04:19.73 ID:zJkKpPFVo
本日はここまでです
ありがとうございました
182 : ◆cUhskXlNTw :2023/08/31(木) 20:17:38.05 ID:zJkKpPFVo
すみません遅れました


彼女に男の真意は分からなかった
心に不可解なものを残したまま、
観念してベッドで眠りにつくことになった


?翌日・陽週月曜日?


中華「うわっ」


中華はなにかに驚いたような声をして目覚めた
まるで悪夢でも見たかのようだ
183 : ◆cUhskXlNTw :2023/08/31(木) 20:43:30.09 ID:zJkKpPFVo
氷魔「……どうしたんですか……?」

中華「びっくりしたんだ。自分の部屋じゃなくて、なんか真緑の部屋だったから……」

やる気「あー、あるっすよね。遠征なんかの一日目で錯覚するやつ」

ぶりっ子「よりにもよってこの真緑の部屋ですからねぇ」


一行の目的地にはまだほど遠く、
素早く準備をしてチェックアウトした


怪盗「これからどこへ向かえばいいんでしょうか?」
184 : ◆cUhskXlNTw :2023/08/31(木) 20:53:25.95 ID:zJkKpPFVo
狙撃少女「地図によれば、この国の商業都市が割と近くにありますね」

男「なるほど、そこでなら移動用の馬車も手配しやすいだろう」


とりあえず村を出て、
意外にもあまり高低差のない街道を歩んでいく


中華「あれ、なんか落ちてない?」


半刻ほど歩いた後、彼がなにかを見つける
そこに落ちていたのは>>下1だった
185 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2023/08/31(木) 22:54:59.22 ID:Bcv1Igfu0
綿、若干魔翌力も感じる程度
186 : ◆cUhskXlNTw :2023/09/01(金) 01:56:18.41 ID:zKg3cL2go
本日はここまでです
ありがとうございました
187 : ◆cUhskXlNTw :2023/09/01(金) 19:17:53.77 ID:zKg3cL2go
そこには、綿の塊が落ちていた
変わった綿花でも辺りに生えているのかと思ったがそんなことはなかった


氷魔「……綿……でしょうか……魔翌力も感じます……」

ぶりっ子「まさか」

怪盗「見たところ、どうやら司書コピーさんの中に入っていたものと同じようですが」

司書コピー「え……」
188 : ◆cUhskXlNTw :2023/09/01(金) 22:00:39.17 ID:zKg3cL2go
彼女は複雑な顔をしている
そもそも、なぜ綿が落ちているのか理解できていない
もっとも、それはこの場の全員がそうだった


狙撃少女「司書コピーさんの肉体を構築した存在が、近くにいるのかもしれませんね」

男「高原だし見通しはいいが、見当たらないな」

中華「残念だけど、今は進むしかなさそうだ」
189 : ◆cUhskXlNTw :2023/09/02(土) 01:02:54.78 ID:6kzTepnjo
本日はここまでです
ありがとうございました
190 : ◆cUhskXlNTw :2023/09/02(土) 18:47:37.23 ID:6kzTepnjo
それから注意深く街道を進んだが、
結局それらしい人影もなかったどころか、
一切人間や魔物には遭遇しなかった
そうして一行は商業都市に辿り着いた


氷魔「……もしかしたら……彼女の肉体を造った人物は……この街にいるかもしれませんね……」

男「聞いた所によればそいつは淫魔らしい。人の多い場所にいるのは自然だな」

やる気「じゃあ、馬車呼ぶ前に聞き込みでもするっすかね」
191 : ◆cUhskXlNTw :2023/09/02(土) 20:43:15.87 ID:6kzTepnjo
商業都市というだけあって、
近くには多くの商店が立ち並んでいる
特にメインストリートともなれば活気も凄まじい
一行はその中にある雑貨店に目を付けた


店主「野生動物、小型の魔物から身を守る!かんしゃく玉はいらんかねー?」

ぶりっ子「すみませぇん」

店主「あいよ!」

ぶりっ子「私たちは旅の者なんですけどぉ……この辺で淫魔の目撃情報とかありませんかぁ?」

店主「>>下1」
192 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2023/09/02(土) 20:47:36.83 ID:+vgXWr6L0
淫魔の目撃はあんまり聞かないな。何か起こったのかい?
193 : ◆cUhskXlNTw :2023/09/03(日) 04:08:32.48 ID:40vLx7cWo
店主「淫魔の目撃はあんまり聞かないな。何か起こったのかい?」

怪盗「確実なことは言えないんですが……近くの街道で淫魔の痕跡らしきものを発見しまして」

店主「そりゃあ大変だな。で、そいつになにか用があると見える」

狙撃少女「流石ですね……実際、用があるのです。ですが、あなたがいないと思われるならば、ここにはいないのだと私たちも思います」

店主「それなら、いい話があるぜ」

男「いい話?」
194 : ◆cUhskXlNTw :2023/09/03(日) 04:17:47.58 ID:40vLx7cWo
本日はここまでです
ありがとうございました
195 : ◆cUhskXlNTw :2023/09/03(日) 19:46:52.06 ID:40vLx7cWo
そう言うと、彼は一行を店先から店内へと誘導した
一行は不思議に思いつつ、彼に着いていく


店主「うちは動物や魔物に対抗するためのアイテムを数多く取り揃えていてね」

中華「へえ」

店主「こっちに淫魔に対抗するためのアイテムもあるのさ」

氷魔「……もしかして……それ……ですか……?」


氷魔はある品物を指して彼に問う


店主「ご名答。こいつが淫魔への対策アイテムである>>下1だ!」
196 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2023/09/03(日) 19:51:59.70 ID:34jIw8t2o
とろける濃厚牛乳
197 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2023/09/03(日) 19:56:51.63 ID:pNnibSSqO
認識外の手鏡

効果:堕落した者の昔の姿を直視させる魔道具。 魔に堕ちた者に数回向かい合わされば人格が元に戻る

(身体は戻らない)
198 : ◆cUhskXlNTw :2023/09/03(日) 20:56:40.94 ID:40vLx7cWo
店主「とろける濃厚牛乳だ!」

氷魔「……はんっ……」

店主「その心底馬鹿にしたような顔をやめてくれ!」

やる気「実際、効力あるんすか?」

店主「寝る前に枕元に置いておけば、取り憑かれることはなくなるぞ!」

ぶりっ子「それはありがたいですねぇ」

氷魔「……迷信ですけど……気休めにはなるでしょうね……」
199 : ◆cUhskXlNTw :2023/09/04(月) 01:17:15.29 ID:fOB4/8DQo
怪盗「して、いくらなのですか?」


彼女は置かれていた値札を持ち、覗き込む
そこには、日本円に換算して一瓶280円と書かれていた


狙撃少女「高くないですか?」

店主「うちにある牛乳で一番濃厚で高級なやつだからね。他にも牛乳はあるが……なるべく濃厚な奴に効果があると言われているよ」

男(うさんくさいな……)
200 : ◆cUhskXlNTw :2023/09/04(月) 01:18:01.49 ID:fOB4/8DQo
本日はここまでです
ありがとうございました
201 : ◆cUhskXlNTw :2023/09/04(月) 19:24:11.77 ID:fOB4/8DQo
とはいえ折角情報を貰ったのだから、
情報代として買っておくのも悪くないだろう
結局そう判断して牛乳を3瓶買った


【ギルドの資金】80360595


店主「毎度あり!」

中華「情報、ありがとうございましたー」


そう言って一行は商店を去った
202 : ◆cUhskXlNTw :2023/09/04(月) 20:32:04.14 ID:fOB4/8DQo
それから移動用の馬車を呼び、
とにかく北に向かって進んでほしいと頼んだ


御者「話は聞いてるぜ。なんか極北を目指してる奴らがいるってな」

氷魔「……ええ……大切な用事がありまして……」

御者「ま、詮索はしねぇさ。色んな人が使うしな」


そうして一行はその大きな馬車に乗り込んだ
203 : ◆cUhskXlNTw :2023/09/05(火) 01:23:34.91 ID:adrLKeexo
本日はここまでです
ありがとうございました
204 : ◆cUhskXlNTw :2023/09/05(火) 18:40:07.51 ID:adrLKeexo
そして、御者と先日のことについて話し、
特に怪鳥を倒した話は大変盛り上がった


司書コピー(……みんな、特に私を警戒していない)


一方で彼女はただ一人黙っていた
相変わらずの無表情である


司書コピー(ということは、男は私の行動をみんなに共有していない?)

司書コピー(なぜ……?)
205 : ◆cUhskXlNTw :2023/09/05(火) 18:54:56.19 ID:adrLKeexo
その訳を聞こうかとも思ったが、
彼女はそうすることはできなかった
ある種の恐怖はきちんと備わっていたためだ


やる気「そろそろ高原も終わりっすかね」

御者「そうだな」


かなり急な勾配の坂を下っていく


ぶりっ子「夜までには大体どこまでいけそうですかぁ?」

御者「>>下1」
206 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2023/09/05(火) 19:47:38.84 ID:s+KywxBlo
船が出る港町にはつくぞ
207 : ◆cUhskXlNTw :2023/09/06(水) 01:25:29.89 ID:41dxxM+jo
御者「船が出る港町にはつくぞ」

怪盗「それはいいですね。ちゃんと宿なんかも取れそうです」

御者「ああ、真緑の部屋に泊まったんだって?」

狙撃少女「ええ……なんだったんでしょうか、あれ」

御者「さぁな。目に優しい部屋を目指したんじゃないか?あるいはVIPルームとか」

男「あれがVIP?」

御者「すごい建築家の考えることってのは一般人にゃ分からんもんさ」
208 : ◆cUhskXlNTw :2023/09/06(水) 01:27:46.18 ID:41dxxM+jo
本日はここまでです
ありがとうございました
209 : ◆cUhskXlNTw :2023/09/06(水) 18:47:28.23 ID:41dxxM+jo
日が沈みかける頃、一行は港町に着いた
先日の反省を生かして手際よく宿を取ると、一行は港へと向かった


中華「すみませーん」

船乗り「ん?」


そこには立派な帆船とそこから降りてきた船乗りがいた


氷魔「……さらに北の大陸に渡りたいのですが……明日船は出るのでしょうか……」

船乗り「そうだな……>>下1」
210 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2023/09/06(水) 19:26:00.50 ID:w50xEmUZo
夜明け前に出る予定だ
211 : ◆cUhskXlNTw :2023/09/06(水) 19:47:33.12 ID:41dxxM+jo
船乗り「夜明け前に出る予定だ」

やる気「あー……宿取らなくてもよかったかもしれないっすね」

船乗り「仮眠だけでも宿でしておくといいぜ。そのほうが船酔いのリスクも減るしな」

ぶりっ子「そうですかぁ?それならいいんですけどねぇ」

船乗り「それよりチケットだな。本当は今日の昼までしか売ってなかったんだが……少々割り増しになるが一人2500も払えば乗せてやれるぜ」
212 : ◆cUhskXlNTw :2023/09/06(水) 20:46:47.64 ID:41dxxM+jo
男「合計二万か。まぁいいだろう」


【ギルドの資金】80340595


船乗り「これにはカラクリがあってな。他の賑わってる街からここまで馬車で来ると……大体この時間になるんだ。昼に出ていることが前提だがな」

怪盗「ひぃー……せこいですね」

船乗り「原則昼までしか売らないのもマジだからな。夕方に訪ねてくる沢山の旅人にチケットが売れないとなればお互いに損なんだ」
213 : ◆cUhskXlNTw :2023/09/07(木) 02:27:35.35 ID:tbuXQ2jAo
本日はここまでです
ありがとうございました
214 : ◆cUhskXlNTw :2023/09/07(木) 18:52:49.74 ID:O3+lKPR4O
一行はチケットを受けとるとその場を去り、
とった宿へと戻ってきた


中華「じゃ、早めの夕食にしちゃおうか」


彼はそう言って備え付けのキッチンで手早く料理を始める
先日倒した怪鳥の肉は、
氷魔がある程度冷凍して保管してあった


狙撃少女「こういうの、旅って感じがしますね」

氷魔「……そうですね……以前から……遠出の回数は増えていますが……」
215 : ◆cUhskXlNTw :2023/09/07(木) 20:42:08.68 ID:tbuXQ2jAo
それから三十分ほどで中華は調理を終え、
大部屋の巨大なテーブルで食事を始めた


やる気「そういえば、魔翌力のある食材を出し始めてもう三日になるっすね」

ぶりっ子「どうしても肉が多くなるんですよねぇ……」

怪盗「なんか体に変化とか起きました?」

司書コピー「……え?私?」

怪盗「そりゃそうですよ」

司書コピー「>>下1」
216 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2023/09/07(木) 20:45:00.98 ID:YNclr5Us0
心なしか身体が温かくなったような…?
217 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2023/09/07(木) 21:19:25.67 ID:i2pU8xWa0
218 : ◆cUhskXlNTw :2023/09/08(金) 01:44:48.70 ID:lUDyJbJUo
司書コピー「心なしか身体が温かくなったような…?」

狙撃少女「そうですか、それはよいことですね」


おもむろに彼女の二の腕を掴みながら、
確かめるようにして狙撃少女はそう話す


司書コピー「なな、なんですか!」

狙撃少女「確かめようかと思ったのですよ」
219 : ◆cUhskXlNTw :2023/09/08(金) 01:47:17.07 ID:lUDyJbJUo
司書コピー「そう……それでどうでした?」

狙撃少女「そういえば司書コピーさんに一回も触ったことないので分かりませんでした」

男「ははは、なんだそりゃ」

狙撃少女「でも、冷たくはありませんでしたよ」

中華「そうなのかい?まぁ僕も触ったことないから分からないけど」

氷魔「……温度を感じる能力が……目覚めてきているのかもしれないですね……」
220 : ◆cUhskXlNTw :2023/09/08(金) 01:50:55.33 ID:lUDyJbJUo
本日はここまでです
ありがとうございました
221 : ◆cUhskXlNTw :2023/09/08(金) 19:41:17.78 ID:lUDyJbJUo
それから食事を終えて三時間ほど仮眠を取り、
一行は船着き場へと戻った


先日は無料だったが、
当然今回は宿代を払うこととなった

【ギルドの資金】80332595


船乗り「おっ、もうすぐ船が出るぜ。ぼちぼち乗り込みな」


先ほどの船乗りはまだ港にいたようだ
222 : ◆cUhskXlNTw :2023/09/09(土) 04:37:15.11 ID:bnTxC1X1o
やる気「どもっす」


大きな桟橋から船に乗り込み、出港を待つ
すると鐘のような音が鳴り、
船員が点呼のようにそれぞれ掛け声をあげると、
そのまま船は大海原へと漕ぎ出した


ぶりっ子「船は久しぶりですねぇ」

怪盗「夜の潮風は趣があって気持ちいいですね。なんだか特別な気分になれます」
223 : ◆cUhskXlNTw :2023/09/09(土) 04:59:53.73 ID:bnTxC1X1o
本日はここまでです
ありがとうございました
224 : ◆cUhskXlNTw :2023/09/09(土) 19:54:45.27 ID:bnTxC1X1o
それから男は一人甲板で海を眺めていた


海神『ねぇ!泳ごうよ!』

男「……え?泳げるわけないじゃん」


脳内に突如響き渡る海神の声
今彼がいるのは海の上なので、
当然彼女もイキイキしている


海神『ケチだなあ』

男「ここ現実だから服濡れるし置いてかれたら死ぬし」
225 : ◆cUhskXlNTw :2023/09/09(土) 20:52:57.30 ID:bnTxC1X1o
船乗り「……あんた、誰と話してんだい?」


彼が話しているのを聞いていた船乗りの一人が、
不審がって話しかけてくる


男「ああ、すまん。……こう言って信じてもらえるかは分からないが、俺の中にいる海神様と話していたんだ」

船乗り「海神?」

男「俺たちは海神を信仰する教団の……なんと言ったらいいのか。裏の代表みたいなものだ」

船乗り「ああ、元からなのか」
226 : ◆cUhskXlNTw :2023/09/09(土) 20:59:57.29 ID:bnTxC1X1o
男「やっぱり信じられないか」

船乗り「ああいや、そうじゃない」

男「ん?」

船乗り「海から話しかけられたって船乗りが忽然と失踪しちまうことがあるんだ」

男「そんなことがあるのか」

船乗り「あぁ……これ以上被害が出ても困るんでな、心配になって確認したんだ」
227 : ◆cUhskXlNTw :2023/09/10(日) 03:12:14.59 ID:bV9A3b3Jo
男「ありがとう。だが、見ての通り心配には及ばないさ」

船乗り「ああ。縁起でもない話を聞かせて悪かった。良い旅を」


そう言って彼は業務へと戻っていった


男「……海神。なんか心当たりあるか?」

海神『一番ありえるのだとセイレーンかなぁ?単体を標的にするのは珍しいけどね』

男「そうか……どうにかしてやりたいな」
228 : ◆cUhskXlNTw :2023/09/10(日) 03:55:39.80 ID:bV9A3b3Jo
本日はここまでです
ありがとうございました
229 : ◆cUhskXlNTw :2023/09/10(日) 19:25:06.73 ID:bV9A3b3Jo
海神『それならやっぱり私におまかせ、だよ!』

男「なにかできるのか?」

海神『ごく少人数なら水面に浮かしておくことができるよ!水中での呼吸も保証できるし』

男「それはすごいな。正体がなんであれ十分に戦えそうだ」

海神『でしょでしょ?船が向こうに着くまでに情報集めしようよ』

男「そうだな。それがいいな……」
230 : ◆cUhskXlNTw :2023/09/11(月) 00:37:45.55 ID:9qL2aNX3o
中華「あれ?どこ行ってたの?」

男「ああ、ちょっと海見てたんだけど海神が話しかけてきて」

狙撃少女「なんて言ってたんですか?」

男「……まぁいろいろあって海に潜む魔物を倒そうって話になった」

氷魔「……いるんですか……そんなのが……」

男「ああ、船乗りが失踪するらしい」
231 : ◆cUhskXlNTw :2023/09/11(月) 00:58:00.86 ID:9qL2aNX3o
本日はここまでです
ありがとうございました
232 : ◆cUhskXlNTw :2023/09/11(月) 19:27:45.38 ID:9qL2aNX3o
男たちは情報を集めるため、船長を訪ねた


船長「うん?どうされたかな?」


船長室では彼がちょうど航海日誌を書いているところだった 


やる気「実は……」


一行は海に潜み船乗りを失踪させる魔物を倒したいのでなにか情報はないかと彼に聞いた


船長「ふむ……>>下1」
233 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2023/09/11(月) 19:33:00.00 ID:EIO9KH3B0
あの海峡の「人食い岩」を
抜けられるかがポイントだ
234 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2023/09/11(月) 19:33:55.04 ID:x3tgnErFO
一応、船幽霊の類いかと見当は付けている。セイレーンだと話すより先に唄声が聞こえるからな
235 : ◆cUhskXlNTw :2023/09/12(火) 00:01:53.15 ID:gTdmqaIro
船長「あの海峡の「人食い岩」を抜けられるかがポイントだ」


彼はそう言って海図の一点を指差した
小さく点のようなものがいくつか描かれており、
それらのことを指しているのだとわかる


ぶりっ子「へぇー……で、そこ通るんですかぁ?」

船長「忌々しいことに、どこから出ても最短航路だとこの近辺を通過することが多いのだ」

怪盗「ほほー……じゃあぶちのめしちゃいますか、怪異!」
236 : ◆cUhskXlNTw :2023/09/12(火) 00:04:18.24 ID:gTdmqaIro
船長「できるなら君たちの責任でぜひお願いしたい……ところなのだが……」

狙撃少女「なにか事情があるのですか?」

船長「なに、この怪異のせいで船員が減って損害がかなりひどく……謝礼を出すことができんのだ」

男「謝礼なら要らないです。俺たちはその化物の肉に興味があるんですよ」

船長「人魚でも食べて不死になろうというのかね?」

中華「いえ、魔翌力を持った生物の肉が必要なのです。なるべく継続的に……旅を続けながら」
237 : ◆cUhskXlNTw :2023/09/12(火) 00:36:35.06 ID:gTdmqaIro
本日はここまでです
ありがとうございました
238 : ◆cUhskXlNTw :2023/09/12(火) 18:53:23.59 ID:gTdmqaIro
氷魔「……では……そこを通るのは……いつですか……?」

船長「順調にいけば今晩の予定だ。時化の季節でもないしな」

やる気「なるほど……」

船長「それまではゆっくり船旅を楽しんでくれたまえ。期待しているよ」


彼に激励の言葉をかけられ、一行は船長室を後にした
239 : ◆cUhskXlNTw :2023/09/12(火) 20:28:26.24 ID:gTdmqaIro
それからまた全員は自由行動となった
まだ朝なので夜まではかなり時間があるだろう


男「いい風だなぁ……」


>>下1……何しよう?
1.中華に会いに行く
2.氷魔に会いに行く
3.やる気に会いに行く
4.ぶりっ子に会いに行く
5.怪盗に会いに行く
6.狙撃少女に会いに行く
7.自由安価
240 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2023/09/12(火) 20:37:48.47 ID:gBn6jEyqO
7. 看板下に行く
241 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2023/09/12(火) 23:15:17.37 ID:JegzYLIA0
>>240
すみません。看板下じゃなく甲板下です
242 : ◆cUhskXlNTw :2023/09/13(水) 00:00:41.65 ID:X6Bip1mwo
男「もう少し見て回るか」


男は自分のいる甲板から下り、下甲板へと移動した
それなりに大きな船なので、
多くの船員が行き交っている
特にここでは釣りをしている者が多く見られた
釣竿とはそんなに丈夫なものなのだろうか、
と男は思った


やる気「だあらっしゃあぁぁぁーーっ!!!」
243 : ◆cUhskXlNTw :2023/09/13(水) 00:48:29.17 ID:X6Bip1mwo
本日はここまでです
ありがとうございました
244 : ◆cUhskXlNTw :2023/09/13(水) 19:04:49.00 ID:X6Bip1mwo
誰から釣竿を借りたのか、やる気が釣りをしている
ちょうど大物を釣り上げたようだ
全長は一メートルほどあり、そこで跳ねている


男「すごいなぁ……」


と余所見をしながら歩いていると、
人にぶつかってしまった


男「おっと、すみません!」


>下1……あなたがぶつかった相手
245 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2023/09/13(水) 19:20:16.51 ID:bOgZyy8+O
偽図書員と同じ人形
246 : ◆cUhskXlNTw :2023/09/14(木) 00:08:50.22 ID:mIqfIhUVo
人形「……いえ、大丈夫です」

男「………………いつ着替えた?」

人形「はい?」

男「お洒落に興味を持つようになったのか?それはよいことだ」

人形「な……なんですかあなたは?理解できません……」

男「記憶喪失か?いや、これじゃまるで……」


まるで別人だと彼が思ったその時
そこにいる彼女の奥から同じ体格、顔立ちのあなたのよく知る服装のヒトガタが現れた
247 : ◆cUhskXlNTw :2023/09/14(木) 02:16:05.68 ID:mIqfIhUVo
司書コピー「……!?」


彼女もあなたを認識したとともに、
そこにいる存在がなんなのか理解した
自分自身とは意外と分からないものだが、
その点彼女は正確だった


人形「……なんですか」

男「こう言っては失礼だが、なんか企んでないか?君」

人形「えっ」
248 : ◆cUhskXlNTw :2023/09/14(木) 03:09:15.38 ID:mIqfIhUVo
本日はここまでです
ありがとうございました
249 : ◆cUhskXlNTw :2023/09/14(木) 19:15:20.06 ID:mIqfIhUVo
少し迷惑そうにしていただけの彼女の目が変わる
そして、なにかを察知したようで逃げ出した


男「おい、船上で逃げた所でいずれ捕まるだけだろう」

人形「ちっ……」

司書コピー「ふんっ」

人形「な……お……お前は……」


司書のコピーは逃げようとする人形に不意打ちで重いボディブローを叩き込み、
なんと一撃で気絶させてしまった


男「……よかったのか?」

司書コピー「さぁ。でもこうするしかなかったように思われますね」
250 : ◆cUhskXlNTw :2023/09/14(木) 20:48:54.61 ID:mIqfIhUVo
彼女はそう言い残してその場を去ろうとする


男「話を聞かなくていいのか?」

司書コピー「聞きたくありません」


引き止めたが、彼女はやはり去っていった
人間味が出てきたことは前進なのかもしれない
251 : ◆cUhskXlNTw :2023/09/14(木) 20:58:38.91 ID:mIqfIhUVo
それから男は人形を自分たちの船室まで連れて帰った
たまたま船室には誰もいなかったが、
不意を突かれてピンチになることはないだろうと確信していた


人形「……ん……」

男「目覚めたようだな」

人形「お前は……!」

男「君がどういった存在なのかは既に知っている。俺が知りたいのは君の目的だ」

人形「言うものか……」

男「言わないなら、君は残酷な真実を知ることになる。そんなことは俺もしたくないんだ。言ってくれ」

人形「>>下1」
252 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2023/09/14(木) 21:03:12.13 ID:xkFwHIyG0
…船を壊せ。船底まで行けばそれで良いと言われた

火口までの正規ルートは一本しかないのだから
253 : ◆cUhskXlNTw :2023/09/15(金) 02:06:30.47 ID:BouMd8iMo
本日はここまでです
ありがとうございました
254 : ◆cUhskXlNTw :2023/09/15(金) 18:16:23.95 ID:StTpEW5kO
人形「…船を壊せ。船底まで行けばそれで良いと言われた」

男「どういうことだ?」

人形「さぁ、私には分からない。ただ……」

男「ただ?」

人形「『火口までの正規ルートは一本しかないのだから』とも言われた」


非常に謎めいた発言だが、
火口というのは何かしらのヒントになるだろう
255 : ◆cUhskXlNTw :2023/09/15(金) 22:09:35.79 ID:BouMd8iMo
男「そうか、情報ありがとう」

人形「ふん……」

男「じゃ」


彼は手短に別れを告げてその場を去ろうとする
船室のドアに手をかけると人形から話しかけられた


人形「……え?解放するのか?」

男「船底さえ守りゃいいんだろう。それに気をつければお前なんて怖かないね」

人形「だが……殺さないのか?」
256 : ◆cUhskXlNTw :2023/09/15(金) 22:12:05.93 ID:BouMd8iMo
男「なんか嫌な予感がするんだよ」

人形「へ?」

男「船底までいけば船が壊れるってんだろ?で、君はなにも知らされていないと」

人形「そうだけれど」

男「……小突いたら爆発しそうだ。君、爆弾人形なんじゃないか?」

人形「……爆弾……人形……?」

男「そうだよ。だってありえないだろ。なにも方法を知らないなんてな」
257 : ◆cUhskXlNTw :2023/09/15(金) 22:17:07.23 ID:BouMd8iMo
人形「私は……私は人形なのか?」

男「……さぁな。だがベリアルって奴の策謀で君の体に爆弾が埋め込まれてる可能性が高いって話だ」

人形「そ、そんな!これまでの私の人生は一体……」

男「そう思うなら、船底には近寄らないことだ。そこで君は死ぬことになる」

人形「……ふざけるなッ!馬鹿にするのも大概にしてくれ!私が……私がそんなおぞましいモノだって証拠がどこにあるっていうんだ!?」

男「……見せてやることはできるさ……ただ、君じゃ多分耐えられないだろうな……」
258 : ◆cUhskXlNTw :2023/09/16(土) 03:57:44.01 ID:8fXLIJCVo
本日はここまでです
ありがとうございました
259 : ◆cUhskXlNTw :2023/09/16(土) 20:25:21.54 ID:63TUpu/lO
すみません遅れました


人形「……本当に、そうなのか……?」

男「脅しておいてなんだが、絶対そうって訳じゃないぞ。そういうことする奴に心当たりがあるってだけだ」

人形「だったら、はっきりさせてくれませんか?」

司書コピー「それだけはお勧めしないです」


彼女は意を決した表情で船室に入ってきた


人形「……お前は」

司書コピー「私はあなたのようなものです。見て分かるでしょう?」

男「……知りたいというならその意志は尊重する。それでも自分がなんなのか知りたいなら、言うといい」

人形「>>下1」
260 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2023/09/16(土) 20:29:56.98 ID:V47nKs8tO
………そ、そこまで言うなら、はっきりさせよう。 貴方が言うように、私が人間なのか、人形なのか。

そ、それではっきりするなら私は……
261 : ◆cUhskXlNTw :2023/09/16(土) 21:22:25.90 ID:63TUpu/lO
人形「………そ、そこまで言うなら、はっきりさせよう。 貴方が言うように、私が人間なのか、人形なのか。」


彼女は絞り出すような声で語る
すっかり憔悴しており、瞳孔が震えている


司書コピー「本当にいいのですか?あなたは……本当に……」

人形「そ、それではっきりするなら私は……」

男「わかった。だが、取り乱して暴れるようなことだけはしてくれるなよ」
262 : ◆cUhskXlNTw :2023/09/16(土) 22:17:45.83 ID:8fXLIJCVo
彼はそう言って例のドアノブを取り出した


司書コピー「おぞましい……」

男「そんなこと言うなよ、こいつが傷つくだろ?」

司書コピー「……理解できません」

男「実はこいつ生き物なんだよ、それじゃあいくぞ」


男は人形の肉体にそれを接着し、ひねり開ける
やはり中には魔翌力の籠った綿が詰まっていた


>>下1……爆弾は入っていたか
263 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2023/09/16(土) 22:33:05.92 ID:RwB3wMWf0
爆薬は入ってはいなかったが、1枚の札があり綿が異様に火薬臭い
264 : ◆cUhskXlNTw :2023/09/17(日) 04:07:41.71 ID:W8rj5CzAo
本日はここまでです
ありがとうございました
265 : ◆cUhskXlNTw :2023/09/17(日) 19:26:44.07 ID:W8rj5CzAo
人形「こ……これが……!」

男「おとなしくしておけ。だが……これは……」


そこに爆薬とおぼしき物体は入っていなかった
しかし、一枚の札が入っていた


司書コピー「なんでしょうか、そのお札」

男「分からんが……嫌な予感がするな。それになんだか綿が火薬臭いぞ」

人形「結局……爆弾なのか!?私は!?」
266 : ◆cUhskXlNTw :2023/09/17(日) 19:48:32.18 ID:W8rj5CzAo
人形は不安に耐えきれず叫び出しまったが
男は至って冷静だった


男「ほぼ100パーセントそうだ」

人形「そ……そんな……」

男「なにが悪さしてるかといえば多分この札なんだが……触れたらドカンの可能性もある。迂闊に手出しはできないと言っておこう」

人形「は……はは……」

男「おっと、早まるなよ。俺以外ならどうにかできるかもしれないからな。仲間を呼んでくるから待っていろ」


男はそう言って船室を出た


>>下1……誰を呼ぶ?
1.中華
2.氷魔
3.やる気
4.ぶりっ子
5.怪盗 
6.狙撃少女
267 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2023/09/17(日) 19:56:31.45 ID:+Ytk2oyy0
3.やる気
268 : ◆cUhskXlNTw :2023/09/17(日) 20:13:54.77 ID:W8rj5CzAo
やる気「いやー釣った釣った……うぉわあ!」

男「やる気!助けてくれ!」


魚を持ち運ぶ彼の前に男が突如現れる
やる気は思わず魚を取り落としそうになる


やる気「な、なんすか!?」

男「実はこれこれこういうことで……」

やる気「よく分からないっすが、とにかく行くっすよ!」
269 : ◆cUhskXlNTw :2023/09/18(月) 01:07:34.03 ID:YDgr1xVMo
男はやる気を船室まで連れてきた
そして人形の腹に取り付けたドアノブを再び回す


男「とにかくこの札を見てくれ」

やる気「うえっ」

男「どうだ?なにか分かったりしないか?」

やる気「実家で見たことあるっすよこれ……」

男「となると……」

やる気「呪爆札っすね、まぁ要するに遠隔起動できる起爆剤っす」

人形「……実質、爆弾か」

やる気「遠隔起爆できるんで、高性能な爆弾っすね」
270 : ◆cUhskXlNTw :2023/09/18(月) 01:25:13.84 ID:YDgr1xVMo
本日はここまでです
ありがとうございました
271 : ◆cUhskXlNTw :2023/09/18(月) 20:30:45.27 ID:YDgr1xVMo
すみません遅れました


人形「……はっはっは」

男「再度言うが自棄にはなるなよ。どうだやる気、これ、取り出せそうか?」

やる気「うーん……確実に、とはいかないっすけど、手はあるっす」

男「だ、そうだ。やるぞ」

人形「え?私の意思は?」

男「死にたければ助かった後に死ぬんだな。上級氷魔法っ!」


男は魔法で人形の手足を拘束した
272 : ◆cUhskXlNTw :2023/09/18(月) 21:02:35.03 ID:YDgr1xVMo
やる気「暗闇にしてくれるっすか?」

男「分かった」


男は備え付けられているタンスで窓の光を遮った


やる気「よし……行くぞっ!」


彼は目を光らせて魔王の力を解き放ち、
勢いよく札を掴んだ


人形「えっ!?」

やる気「こいつを魔物に変えるッ!!」


彼がそう叫ぶと札はみるみるうちに姿を変えていく


>>下1……どんな魔物になった?
273 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2023/09/18(月) 21:07:31.80 ID:iVpvKQ7ZO
鎖に雁字がらみなっている蜘蛛
274 : ◆cUhskXlNTw :2023/09/19(火) 01:37:45.38 ID:PXlR5SLJo
本日はここまでです
ありがとうございました
275 : ◆cUhskXlNTw :2023/09/19(火) 19:18:21.59 ID:PXlR5SLJo
蜘蛛「ジャァァッー!」

やる気「はああああっ!!」


彼は鎖で絡め取られた蜘蛛をがっちりと掴み、
人形の体外へと引きずり出した


男「おおっ!」

やる気「ちゃりゃあああああッ!!」


そのまま全力で蜘蛛を握りつぶす
鎖が変形する奇妙な音が鳴り響く
276 : ◆cUhskXlNTw :2023/09/19(火) 19:42:52.58 ID:PXlR5SLJo
すると轟音を立てて蜘蛛が爆発する
しかしやる気はその爆風をも握り潰してしまった
鎖の欠片だけがその勢いのまま部屋中に飛び散る


男「つっ」


凄まじい勢いで飛んできたので、
かすっただけでも怪我にはならないが痛かった


人形「な……なんなんですか……あなた……」

やる気「丁寧なフリをどうも。俺は魔王だ」

人形「っ!」
277 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2023/09/19(火) 20:04:32.71 ID:S5Gu1NknO
ま、魔王様って何人もいんの!?
278 : ◆cUhskXlNTw :2023/09/19(火) 21:01:19.76 ID:PXlR5SLJo
>>277
安価は取ってませんでしたがなんかいい感じなので採用します


人形「ま、魔王様って何人もいんの!?」

男「いるな」

やる気「正確には魔王の資格を持つ者だ。その力を行使できるので実質的には魔王だろう」

人形「へ、へぇ?……」

男「救世主とか魔王とか、そういうのって実質的に存在しているだけで今は資格を持つ者が世界に散らばっているだけだそうだ」
279 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2023/09/19(火) 21:14:53.47 ID:yHzcnpC+0
>>278 すみません。 勘違いしてました
280 : ◆cUhskXlNTw :2023/09/20(水) 18:18:58.35 ID:bgDMdBTyO
すみません寝落ちしました


やる気「……とても精神的に疲れた。また海でも見に行くよ」

男「ごめんな、呼びつけて」

やる気「いいってことよ。戦闘以外で役に立てるのは貴重だからな」


そう言って彼は船室のドアを開けて去っていった
281 : ◆cUhskXlNTw :2023/09/20(水) 18:21:20.87 ID:bgDMdBTyO
男が動かしたタンスを元の位置に戻していると、
人形が話しかけてきた
ふとそちらを見ると、
司書のコピーはもういなくなっていた


人形「あの」

男「どうした?」

人形「私、思い出せないんだ。私はこれまで十数年生きてきたように思っているのに、その記憶がないんだ」

男「……忘れろ、そのことも」
282 : ◆cUhskXlNTw :2023/09/20(水) 18:26:23.51 ID:bgDMdBTyO
人形「……分かってるよ、本当のことぐらい。さっき見せつけられたから」

男「もう考えるな」

人形「嫌だね。でもどうしたらいいのか分からない。……どうしてか涙も出ない」

男「………………」


船室は重い空気に支配された
しかし、それを打ち払うように人が入ってきた


>>下1「うぇぇぇぇ……」


どうやら船酔いがきついようだ


入ってきたのは
1.中華
2.氷魔
3.ぶりっ子
4.怪盗
5.狙撃少女
6.司書コピー
283 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2023/09/20(水) 18:31:55.17 ID:98rIolQ20
284 : ◆cUhskXlNTw :2023/09/20(水) 20:28:05.19 ID:05yKmE03o
ぶりっ子「うぇぇぇぇ……」


彼女は嗚咽を漏らしながら船室に入ってきた
そしてあなたと人形を見て固まる


男「……船酔いか?」

ぶりっ子「……ナンパしたんですか?」

男「違う!最近なんかみんな俺のこと誤解してないか!?」

人形「無理やり連れ込まれました……」

ぶりっ子「うーわ……」

男「それはそうなんだけど……」

ぶりっ子「えっ本当なんですか!?……うーわ……」
285 : ◆cUhskXlNTw :2023/09/21(木) 00:47:59.18 ID:JX3uCvjmo
本日はここまでです
ありがとうございました
286 : ◆cUhskXlNTw :2023/09/21(木) 19:55:37.15 ID:JX3uCvjmo
男「前もやったわこういうの!」

人形「再犯ですか」

男「ぐぉぉぉぉっ!!!」

ぶりっ子「……で、真面目に誰なんですかぁ?」

男「司書コピーの仲間か……同じ種族?まぁそんな感じだ。顔とかそっくりだろ」

ぶりっ子「そうですねぇ」
287 : ◆cUhskXlNTw :2023/09/21(木) 20:29:55.25 ID:JX3uCvjmo
男「……丁度いい。彼女のこれからについて話し相手になってくれないか?」

ぶりっ子「えっ、私ですかぁ?」

男「適任だろう?……どうしてとは言わないが、覚えはあるはずだ」

ぶりっ子「……そう、かもしれませんねぇ」

人形「?」

男「そういう訳だ。後は二人でしっぽり頼むぞ」


彼は具体的なことは何一つ言わないまま、
船室を後にしてしまった
288 : ◆cUhskXlNTw :2023/09/22(金) 01:10:30.92 ID:fr86GrkIo
ぶりっ子「強引ですねぇ……」

人形「そうだね」

ぶりっ子「で、これからのことってなんなんですかぁ?」

人形「いや、別にこれからについて話していた訳じゃないんだけれど……」

ぶりっ子「え?」

人形「私がなんなのか……ということです」

ぶりっ子「あぁ、なるほど」
289 : ◆cUhskXlNTw :2023/09/22(金) 01:29:37.31 ID:fr86GrkIo
本日はここまでです
ありがとうございました
290 : ◆cUhskXlNTw :2023/09/22(金) 19:59:28.37 ID:fr86GrkIo
人形「……知っているんですね?」

ぶりっ子「そうですけど……」


彼女は後ろを向き、窓を眺めて話しだす


人形「私は彼にそんなことは忘れろと言われました」

ぶりっ子「あらら……そりゃ随分ひどい話ですねぇ」

人形「……そうなのでしょうか?」

ぶりっ子「ええ」
291 : ◆cUhskXlNTw :2023/09/22(金) 20:25:25.76 ID:fr86GrkIo
人形「言うことが違いますね」

ぶりっ子「当たり前です、人間みんな意見が合わなくて当然ですからねぇ」

人形「……人間、ですか」

ぶりっ子「自分が人間か、というのは自分の心持ち次第ですよ。尤も、考えなければ気にしなくても済むから、男さんはああ言ったのでしょうけれど」

人形「誰かにそんなこと言われたところで……」

ぶりっ子「……ふふ、私も実はあなたのような存在なんですよ」

人形「え?」
292 : ◆cUhskXlNTw :2023/09/23(土) 03:30:01.83 ID:FsHeFSL5o
ぶりっ子「私のこの体、母親の腹から産まれたものじゃないってことですよ」

人形「……よく、言えますね」

ぶりっ子「言いたくないですよ。でも、最近向き合うことができました」

人形「なぜですか?私にはそれが必要だ」


彼女は縋るような目でぶりっ子を見る
『それ』の指すところは広いが、
ぶりっ子は淀みなく話を続ける


ぶりっ子「それでも私はここにいていいからです。私は、受け入れられている」
293 : ◆cUhskXlNTw :2023/09/23(土) 03:43:14.17 ID:FsHeFSL5o
本日はここまでです
ありがとうございました
294 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2023/09/23(土) 07:14:25.74 ID:cbTNqVueO
295 : ◆cUhskXlNTw :2023/09/23(土) 19:04:49.51 ID:z11wuvaIO
人形「……私にそれはあるの?」

ぶりっ子「探せばいくらでもありますよ」

人形「例えばどこに?」


そう聞かれると難しいので彼女は頭をひねった
そうしてからまた話し始める


ぶりっ子「ここです」

人形「船ですか?」

ぶりっ子「ここで働きたいって言えば、それなりの対応はしてもらえるんじゃないでしょうか。船長さんはいい人ですよ」
296 : ◆cUhskXlNTw :2023/09/23(土) 19:34:46.74 ID:z11wuvaIO
人形「あはは……それなんですけど、実は私密航してて……」

ぶりっ子「えぇっ!?」

人形「存在がバレたらアウトなんですよ」

ぶりっ子「……じゃ、私と謝りに行きましょう!」

人形「なんでですか!?」

ぶりっ子「あなたみたいな精神状態の人が悪いことしたら、もっと悪い方向に進んで行くんですよ!心にしこりを残さないように、絶対謝るべきです!」
297 : ◆cUhskXlNTw :2023/09/23(土) 20:57:12.97 ID:FsHeFSL5o
人形「わ、分かった!分かりましたから!引っ張らないでぇ!」


ぶりっ子はかなり強引に彼女を船長室まて連れてきた
そして丁寧にノックをすると入るよう中から声がした


船長「おお、お嬢さん。いかがしたかね?」

ぶりっ子「こっちの子の話なんですけどぉ……ほら、言える?無理そうなら私から伝えておきますけど」

人形「……いや、言うよ」

ぶりっ子「流石です!さぁどうぞ!」

人形「私、密航してました。理由もひどいものです。……本当に、すみませんでした!」


そう言って頭を下げる
船長は驚いた顔をしてそれを見ている


船長「>>下1」
298 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2023/09/23(土) 21:07:07.68 ID:4D43GjA10
密告か!? それよりも怪我とか無かったか!? 下手な事してたら出航前に死んでたぞ
299 : ◆cUhskXlNTw :2023/09/24(日) 03:45:30.10 ID:xMFj44N/o
本日はここまでです
ありがとうございました
300 : ◆cUhskXlNTw :2023/09/24(日) 18:49:36.11 ID:Dfu0fJL1O
船長「密告か!? それよりも怪我とか無かったか!?」

人形「え……いや……そんな」

船長「下手な事してたら出航前に死んでたぞ」

ぶりっ子「ほらね、そんな気負わなくていいんですよぉ」

人形「……まぁ、ヤバい奴との関係はもう切れたと思うんで、大丈夫です」

船長「……それならいいんだ」
301 : ◆cUhskXlNTw :2023/09/24(日) 18:54:43.58 ID:Dfu0fJL1O
人形「……でも私、もう行くとこなくて」

船長「ふむ」

人形「一応密航したし……償いも兼ねて、ここで働かせて欲しいです」

船長「そうか……だが、海の仕事はかなりハードだ。肉体的に追い詰められる仕事が多いだろう」

人形「はい」

船長「見たところ君は華奢な部類のようだが……それでもやれるなら、歓迎しよう」

人形「……やらせてください。たとえなんだってやります」
302 : ◆cUhskXlNTw :2023/09/25(月) 02:23:29.59 ID:8fHYz2jGO
船長「そうかい?じゃあ夕食の配膳を手伝ってくれるかな。みんな早く食べたがるから、配膳を進んでしてくれる人がいないんだ」

人形「分かりました!お任せ下さい!」


そう言って彼女は船長に連れられ、
食堂へと向かっていった


ぶりっ子「よかったですねぇ……」

司書コピー「そうですね」

ぶりっ子「ひょわぁっ!?どこにいたんですかぁ!?」

司書コピー「ずっと見てましたよ」


どこがずれたその返事に、ぶりっ子は恐怖を覚えた
303 : ◆cUhskXlNTw :2023/09/25(月) 02:31:10.66 ID:8fHYz2jGO
本日はここまでです
ありがとうございました
304 : ◆cUhskXlNTw :2023/09/25(月) 18:56:57.85 ID:Zd/bKOuIO
夕食の準備がなされていることからも分かる通り、
今はもう夕暮れである
人食い岩を通過するのは今晩であり、
その時は刻々と迫ってきている


男「綺麗な夕焼けだけど、なんか不吉にすら見えてくるなぁ」


>>下1……何しよう?
1.中華に会いに行く
2.氷魔に会いに行く
3.やる気に会いに行く
4.ぶりっ子に会いに行く
5.怪盗に会いに行く
6.狙撃少女に会いに行く
7.司書のコピーに会いに行く
8.人形に会いに行く
305 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2023/09/25(月) 19:06:53.49 ID:Ki/+y0gWO
7.司書コピー
306 : ◆cUhskXlNTw :2023/09/25(月) 20:48:27.17 ID:nHuVh/1+O
司書コピー「……人をつけ回して何の用ですか」

男「君も人形をつけ回してたじゃないか」

司書コピー「………………」


無言で睨まれる
センシティブな問題に対して臆さず物を言いすぎたようだ


男「すまんすまん。で、どう思う?あいつのこと」

司書コピー「それが私にどう関係するというのですか」

男「関係しかないだろ?」
307 : ◆cUhskXlNTw :2023/09/25(月) 23:27:04.24 ID:pGC3bnKvO
司書コピー「いいんじゃないですか?彼女が望むなら、私がなにか言うこともありません」

男「……」


彼女はとても葛藤しているが、
なぜ人形はあんなにもあっさりと道を決められたのか
男はそれがなぜか分からなかったので問いかけた


司書コピー「私が面倒くさい女だって言いたいんですか?」


しかし、これも地雷だった


男「いや、そういう訳じゃなくて……」


そんなことを聞く時点で面倒くさい女だろう、と言いたい気持ちをぐっと堪えて男は会話を続ける
308 : ◆cUhskXlNTw :2023/09/25(月) 23:31:48.71 ID:99uJk/lFO
司書コピー「……助けてあげよう、みたいな気持ちはありました。でも……多分それは余計なお世話だったんです」

男「それはないと思うが」

司書コピー「人形さんはそう思っていないでしょうね。でも……多分私がなにかしなくても結果は変わらなかった。結局私は怯えているだけだった」

男「………………」

司書コピー「とんだ道化です、私は。なぜ……なぜ、私はこんなにも……」


彼女の表情はほとんど変わらないが、
冷や汗を流して蹲る


男「それ以上はいけない。戻れなくなるぞ」

司書コピー「……あなたはなぜ、昨晩の私の脱走を否定しなかったのですか?なぜ、それなのに気遣う?」
309 : ◆cUhskXlNTw :2023/09/25(月) 23:46:18.37 ID:A6ACs4v0O
本日はここまでです
ありがとうございました
310 : ◆cUhskXlNTw :2023/09/26(火) 21:00:27.26 ID:wxPe/yuBo
すみません遅れました


男「脱走しても行く場所がないとか言ってた君が、脱走するつもりになったってことは……それだけ人間社会に希望が持てたってことだろう」

司書コピー「っ!」

男「……素直になれてないだけなんだよ、君は……でもそれでいい。俺たちは、君が素直になれるまで君の面倒を見る」

司書コピー「………………」

男「どうだ?やってみたいことはできたか?」

司書コピー「>>下1」
311 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2023/09/26(火) 21:05:48.65 ID:CPvtlAg60
本物の司書さんを見つけて仲良くなってみたい
312 : ◆cUhskXlNTw :2023/09/26(火) 22:03:12.14 ID:wxPe/yuBo
司書コピー「本物の司書さんを見つけて仲良くなってみたい」

男「素晴らしいことじゃないか」

司書コピー「本当にそう思う?」

男「ああ。なにかやりたいことが出来たなら大丈夫だ。目的があって、感情がある。人間それで十分なんだ」

司書コピー「そうなんですか?」

男「……少なくとも俺はそう思う。じゃあいい図書館のある街に出会えることを願って旅を続けようじゃないか」
313 : ◆cUhskXlNTw :2023/09/27(水) 00:13:38.67 ID:EcR6C65Jo
司書コピー「いつもいる城下町より大きな図書館がある街ってあるんですか?」

男「うーん……俺はあまり世界に詳しくないからなぁ。まぁどっかにはあるんじゃないか」

司書コピー「適当ですね」

男「ギルドを始めてからはよく言われるようになったよ」

司書コピー「昔は真面目だったんですか?」

男「理由もなく、な」
314 : ◆cUhskXlNTw :2023/09/27(水) 00:51:56.35 ID:EcR6C65Jo
本日はここまでです
ありがとうございました
315 : ◆cUhskXlNTw :2023/09/27(水) 18:25:23.55 ID:HEeET/PXO
二人で話し込んでいるともう夜になっていて、
真上には月が浮かんでいる


船長「おお、甲板にいたか」

男「船長。もしや……」

船長「ああ、人食い岩が見えてきたぞ」


彼は船の先の方に立つと、一点を指す
そこに人食い岩があるのだ


>>下1……人食い岩とはどんなものか
316 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2023/09/27(水) 18:31:45.88 ID:KKYCXZSEo
剣山のように海から何本も鋭く突き出している岩
317 : ◆cUhskXlNTw :2023/09/27(水) 20:36:04.77 ID:EcR6C65Jo
そこはまるで剣山のようだった
釘のように鋭利な岩が海面から大量に突き出している


男「自殺者が出そうな岩だなぁ……」

船長「この岩々の隙間には魔物が住むと言われていましてな。いつも我々はこの付近を航行するとき、みな船内に籠るのだ」

男「……じゃあ船長も入っては?」

船長「はっはっは。みなさんなら倒せると信じておりますからな」


彼がそう言うとギルドの仲間たちも集まってきた


中華「信用しすぎですよ。そんな完璧な集まりじゃないんですから」
318 : ◆cUhskXlNTw :2023/09/27(水) 22:21:00.56 ID:EcR6C65Jo
船長「まぁそう言うな。だが、魔物に魅入られてしまった者は船の中にいても忽然と姿を消してしまうのだ」

氷魔「……それが……ここというわけですね……」

船長「そうだ。だからここを航行するときはいつもひやひやするのだよ」


しかし岩の間からはなかなか何も出てこない
それでも警戒し続けるしかない
319 : ◆cUhskXlNTw :2023/09/27(水) 22:36:22.66 ID:EcR6C65Jo
本日はここまでです
ありがとうございました
320 : ◆cUhskXlNTw :2023/09/28(木) 19:28:03.36 ID:EqGGF/JIo
やる気「居るなら出てこいッ!!」


彼は船から身を乗り出して岩々に叫ぶ
すると、岩から奇妙な音が聞こえてきた


ぶりっ子「……なんですかこの音!?」

怪盗「なにか素早い生き物が岩と岩の間を猿みたいに跳ね回ってます!」


ゴムのように岩の間を移動していたそれは、
ついに船にまで飛びかかってきた


>>下1……人食い岩に潜む魔物の正体
321 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2023/09/28(木) 20:14:50.53 ID:Y5kFa9WPO
322 : ◆cUhskXlNTw :2023/09/28(木) 22:20:34.42 ID:EqGGF/JIo
猿「キキーッ!!」


そこから出てきたのは本当に猿だった
船に降り立ったそれを見て、一行は息を飲んだ
やはりただの猿にしか見えないからだ


狙撃少女「……猿?」

船長「どうやらそのようだが……」

男「こんな海上に猿が生息できるわけがない。なにかカラクリがあるぞ」

中華「どうする?こいつ」
323 : ◆cUhskXlNTw :2023/09/28(木) 22:25:17.34 ID:EqGGF/JIo
氷魔「……むやみやたらに殺害するのは……気が引けます……」

やる気「確かにそうだな」

男「……仕方ない。航海に支障のないよう、早めに終わらせるしかないか」

船長「どうかしたのか?」

男「錨を降ろしてくれませんか?」

船長「なぜだ?」

男「探索します。この岩の群れの中を」

船長「まさか泳いで行くつもりか!?」


流石の船長も驚きを隠せないようだ
しかし、男にそのつもりはない


男「いえ、水上は歩けます」
324 : ◆cUhskXlNTw :2023/09/29(金) 02:32:21.00 ID:8JgbhIGNo
本日はここまでです
ありがとうございました
325 : ◆cUhskXlNTw :2023/09/29(金) 19:39:54.12 ID:61jKKfLdO
海神『私の出番だね!?』

男「そうだな。行くぞっ」


男は船から飛び降りて着水する
その体は海に沈むことはなく、
アメンボのように立っている


船長「……理屈は分からんが、とにかく行けそうだな」

やる気「錨を降ろすなら俺も手伝おう」
326 : ◆cUhskXlNTw :2023/09/29(金) 22:27:03.51 ID:8JgbhIGNo
男「みんなも降りてくるといい。今なら海神様の力で浮けるぞ!」

ぶりっ子「なんでもありですねぇ……っと!」

怪盗「いよっ!」

狙撃少女「海の上でもちゃんと狙撃できるでしょうか……」


口々に感想や懸念を言いながら、
ギルドの面々は全員海上へと降りてきた
327 : ◆cUhskXlNTw :2023/09/30(土) 02:19:32.14 ID:C7yCJDFio
男「なんか……声反響しないか?」


どうやら、人食い岩は普通の岩石ではないようで、
岩石群の中を歩く者の声がそれぞれによく反響する


中華「そうだね……他に猿はいなさそうだけど」

氷魔「……ちなみに……さっきの猿は……船長さんが預かってくれるそうです……」

やる気「船長には助けられっ放しだな」
328 : ◆cUhskXlNTw :2023/09/30(土) 03:49:13.22 ID:C7yCJDFio
ぶりっ子「……あっ、見てください、あれ」


彼女が指す先には、人一人が入っていけそうなほどの洞穴の入り口があった
岩の一つがくり貫かれたようになっており
そこから入っていけそうだ


怪盗「なにかありそうですね。お宝とかあるんじゃないですか?」

狙撃少女「屍のほうが沢山ありそうですが……」

男「入ってみれば分かることだ。ただ、警戒は十分にな」
329 : ◆cUhskXlNTw :2023/09/30(土) 04:34:02.31 ID:C7yCJDFio
本日はここまでです
ありがとうございました
330 : ◆cUhskXlNTw :2023/09/30(土) 19:49:27.66 ID:C7yCJDFio
洞穴の入り口に体をねじ込むと、
地下へと繋がる梯子がそこにはあった


中華「困ったね、こりゃ。完全に航海の予定狂わせちゃうかも」


予定外の冒険の予感に、中華がそう漏らす


氷魔「……そうですね……そのときは……賠償金でも払いましょう……」


一行はゆっくりと梯子を下っていく


>>下1……その先の空間はどうなっていたか
331 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2023/09/30(土) 21:03:16.67 ID:krjWibD80
牢屋の様な鉄格子付き(開錠済み)の空洞が26ヶ所と地底湖みたいな泉が有在った
332 : ◆cUhskXlNTw :2023/10/01(日) 03:50:46.88 ID:/ExdaVkRo
本日はここまでです
ありがとうございました
333 : ◆cUhskXlNTw :2023/10/01(日) 20:01:16.15 ID:X0pL8F+1O
やる気「……広いっすねー」


そこは大きなトンネルのようになっていて
大量の空洞が空いていてそこには鉄格子がかかっていた


ぶりっ子「牢屋……?」

怪盗「でも、なんにもいないですし、鍵開いてますよー」


手癖の悪い彼女は鍵に類する物を見るやいなやとりあえずいじり始める
334 : ◆cUhskXlNTw :2023/10/01(日) 20:05:21.86 ID:X0pL8F+1O
狙撃少女「……この先、開けてるみたいですよ?行ってみませんか」

男「そうだな」


大量の空洞がある空間をまっすぐ歩き
そこに開けた空間へとたどり着いた
それは広大な地底湖であり、非常に透き通っているがあまり降りたくはないと思わせる不気味さがあった


中華「……さて、どうしようか?」
335 : ◆cUhskXlNTw :2023/10/01(日) 21:04:07.98 ID:X0pL8F+1O
狙撃少女「んー……誰かいますね」


ライフルのスコープを望遠鏡代わりにしていた彼女がなにかを発見した


氷魔「……水上に……ですか……?」

狙撃少女「そうですね」

やる気「一体どんなやつだ?いかにも魔物らしいなら警戒しなければならないが……」

狙撃少女「>>下1」
336 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2023/10/01(日) 21:25:59.61 ID:gupVilJH0
数十センチ程の小人?ですね
337 : ◆cUhskXlNTw :2023/10/02(月) 01:02:10.99 ID:yi0nMgPno
狙撃少女「数十センチ程の小人?ですね」

ぶりっ子「小人?」

狙撃少女「えぇ、そりゃ皆さんには見えないはずですよ。スナイパーのレンズを通さなければ見えません」

怪盗「どうしてこんな所に……?」

男「まぁ聞けば分かるだろう。小人なら軽いから水上に浮けるってことなのかな」


そういったことを考えながら身を翻し
空中で前転しながら着水する


中華「戦闘にはなるかもしれないから用心したほうがいいね」
338 : ◆cUhskXlNTw :2023/10/02(月) 01:03:30.63 ID:yi0nMgPno
本日はここまでです
ありがとうございました
339 : ◆cUhskXlNTw :2023/10/02(月) 19:16:01.71 ID:yi0nMgPno
一行は地底湖に着水した
湖だが、どうにも塩っぽいために海神の力が及んでいるようだ


氷魔「……こっちですね……?」

狙撃少女「はい」


最初は本当にいるのかと思われたが、
近付けばその姿が見えてきた


小人「!!!」

やる気「ん?」

小人「ひぃぃぃーっ!」


そこにいた小人は、一行に気付くや否や水面を疾走し一直線に逃げ始めた
340 : ◆cUhskXlNTw :2023/10/02(月) 20:33:17.33 ID:yi0nMgPno
ぶりっ子「敵意はなさそうですねぇ」

怪盗「分析してる場合ですか!?追いかけましょう!」

男「……思ったより速いぞ!?」


小人は滑走するように移動しており
走っても走っても距離は縮まらない


中華「埒があかないね!手分けして包囲しよう!」

氷魔「……そうですね……」
341 : ◆cUhskXlNTw :2023/10/03(火) 00:35:07.66 ID:5pr54CEco
しかし湖は非常に広く、数人程度では高速で動き回る小人を包囲することは容易ではなかった


やる気「海神様の力でなんとかなったりしないか?」

男「うーん……どう?」

海神『えっ、無茶振り!?』

男「あぁ、無理かぁ」

海神『いえ、やりますよ!やりますとも!』
342 : ◆cUhskXlNTw :2023/10/03(火) 00:50:27.91 ID:5pr54CEco
本日はここまでです
ありがとうございました
343 : ◆cUhskXlNTw :2023/10/03(火) 19:09:00.62 ID:5pr54CEco
男「無茶しないでくれよ」

海神『ふんぬぬぬぬ……』


彼女がなにやら唸り始めると、
水面もまたうねり始める


ぶりっ子「んっ?」

海神『そこですねぇーーっ!!』


その叫びとともに小人が走っていた水面が急に渦巻き
渦潮となって小人を捕らえてしまった
344 : ◆cUhskXlNTw :2023/10/03(火) 20:51:01.48 ID:5pr54CEco
小人「うわあぁぁぁぁ!!」

男「よし!みんな早く捕まえてくれ!」


そう言う男はと言えば、海神の奇跡を発生させるための魔翌力の支払いが嵩んできたために少々具合が悪そうだ


怪盗「お任せあれっ!」


彼女は右足で渦潮に飛び込みつつ小人を捕らえ
左足で跳ねて離脱する
345 : ◆cUhskXlNTw :2023/10/03(火) 20:54:06.65 ID:5pr54CEco
それから一行は捕まえた小人を湖のほとりに運んだ


小人「や……やめて……くれ……」

狙撃少女「待って下さい。私たちはあなたに危害を加えるつもりはありません」

小人「……そうなのか?」

男「あぁ。なぜ逃げたんだ?人間にトラウマでもあるのか?」

小人「>>下1」
346 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2023/10/03(火) 20:55:52.68 ID:45YjCwDtO
そうです
347 : ◆cUhskXlNTw :2023/10/04(水) 01:03:28.20 ID:8JzQckKVo
小人「そうです」

中華「そりゃ同族が悪いことをしたね」

小人「我々小人族はただこの地底湖で暮らしていただけなんだけど……何十年も前にこの近海で行方不明が多発するってんで濡れ衣を着せられ、乱獲されたんだ」

氷魔「……ひどい話ですね……あの牢獄はそのために……」

小人「もはや小人はほとんどこの地底湖には残っちゃいないけど……なんだってここを訪ねた?」
348 : ◆cUhskXlNTw :2023/10/04(水) 01:03:59.40 ID:8JzQckKVo
本日はここまでです
ありがとうございました
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