【シャニマス×ダンガンロンパ】シャイニーダンガンロンパv3 空を知らぬヒナたちよ【安価進行】Part.2

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302 : ◆vqFdMa6h2. [saga]:2023/10/11(水) 20:42:39.98 ID:ykeZP2M20

真乃「にちかちゃん、ただいま。あさひちゃんに本を渡してきたよ」

にちか「おかえり、芹沢さんはなんて?」

真乃「『ちょっと時間はかかるけど頑張って解読するっす』って協力してくれるみたいだよ」

にちか「そっか……」

(しかし、本当に何故彼女はあの本を読み解くことが出来るんだろう……)

真乃「この部屋の調査はもう大丈夫?」

にちか「あー、うん。一通りは見終わった……と思う」

真乃「それじゃあ後は【超研究生級のドクターの才能研究教室】だけだね」

にちか「あ……それと、ちょっと気になることができたから【超研究生級の料理研究家の才能研究教室】も観てもいい?」

真乃「ほわ……? うん、大丈夫だよ」

にちか「ありがとう、同じ階だし、まずは先にそっちに行こう!」

303 : ◆vqFdMa6h2. [saga]:2023/10/11(水) 20:48:44.43 ID:ykeZP2M20
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【超研究生級の料理研究家の才能研究教室】

芹沢さんが床下で見つけたガスボンベの出どころは言うまでもなくこの部屋だ。
犯人が何の目的であのガスボンベを持ち出したのか、ちゃんと確かめないと。

恋鐘「あ、にちかに真乃! 調査ん進み具合はどがん?」

にちか「恋鐘さん……! ぼちぼちですかねー、恋鐘さんはここで何を?」

恋鐘「今回の事件に関与しとる儀式の中で、霧子はこん部屋の包丁ば使おうとしとった! 凛世の死にもなんか関係があるかもしれんと思って調べにきたとよ」

真乃「儀式に包丁……」

にちか「ああ、人形の胸に刃物を突き立てるってやつですね」

恋鐘「……たとえ作り物でも、大事な友達と同じ姿のしとるのを刺すのは悪趣味が過ぎるたい」

やっぱり恋鐘さんは儀式自体にも色々と思うところがありそうだな。
恋鐘さんは生徒会に所属していたメンバーでも唯一私たちの味方になってくれる存在だ。
彼女の話は聞いておいた方が良さそうだな。

304 : ◆vqFdMa6h2. [saga]:2023/10/11(水) 20:50:26.67 ID:ykeZP2M20
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【恋鐘に聞き込み】

にちか「恋鐘さん、あの……昨晩の儀式のことについて聞いても良いですか?」

恋鐘「うんうん、よかよ!」

にちか「恋鐘さんは儀式の時、樋口さんの才能研究教室の見張りについてたって幽谷さんから聞きました。何かそこで変なものとか見てないです?」

恋鐘「うーん、特に何も見んかったばい。深夜11時ぐらいに甜花に儀式の中止を聞いて、そこから合流して……そのまま寝とったしね……」

にちか「なるほど……恋鐘さんが儀式に協力したのってそれくらいですか?」

恋鐘「ううん! うちは見張りの一つにもう一個大事な準備をしとる!」

真乃「ほわっ……大事な準備ですか……?」

恋鐘「やっぱり儀式といえば、それ専用の格好ばしちょらんと! うちが霧子の体に合わせて儀式用の服を設えたたい!」

にちか「儀装束ってことですか……?」

恋鐘「うんうん! 頭から被るフードのついた、マント見たいな……」

真乃「ローブ、かな……?」

恋鐘「そい〜〜〜!」

(儀式用のローブ……それを恋鐘さんが作った?)

にちか「それって幽谷さんにお願いされて作ったんですか?」

恋鐘「ううん、うちが儀式に必要だと思ったけん勝手にやっただけばい」

おかしい……恋鐘さんは儀式には基本的に反対の立場だったはずだ。
そんな彼女が儀式に必要だろうからと、わざわざ自主的にそんな儀式のための道具を作ったりするものだろうか?
恋鐘さんがやけに上機嫌に話しているところを見ても、その装束はただの装束で収まらない何かがあるんじゃない……?

コトダマゲット!【儀装束】
〔恋鐘が儀式のために縫い合わせた霧子専用の装束〕
305 : ◆vqFdMa6h2. [saga]:2023/10/11(水) 20:52:25.30 ID:ykeZP2M20
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【ガスボンベ】

この部屋が開放された直後、大量のカセットコンロをこの戸棚の中に見た。
事件現場の床下に落ちていたガスボンベは多分このカセットコンロから取り外して持っていったものだろう。
扉を開けてみると案の定。コンロから外されたボンベが栗拾いかというぐらいの様相で転がっている。

その一つを試しに手に取ってみた。
これも同じだ。床下に転がっていたガスボンベと同じように容器の一部分がくり抜かれて穴が空いている。
違うのはそこに【ガムテープで蓋をされている】点だ。
何かが漏れ出さないように、閉じ込めているといった感じだ。

にちか「恋鐘さん、このガスボンベって元からこうでした?」

恋鐘「ん……? な、なんね……こんな細工、部屋が開放された直後はなかったはずたい」

にちか「まあ、ですよねー……」

今回の事件において、犯人が講じた策の一つであるのはまず間違いないだろう。

真乃「……にちかちゃん、他のガスボンベはどう?」

にちか「え? ああ、うん……今手に取ったもの以外にも、ほぼ全部のガスボンベが同じ状態になってるみたいだけど、どうしたの?」

真乃「……なにか、変じゃないかな。わざわざ犯人は細工をしたガスボンベをここに残していったの?」

にちか「あー、確かに……必要以上に、細工を仕組んだボンベを作っちゃって余らせちゃった……とか?」

真乃「うーん……そんなうっかり屋さんなのかな、今回の犯人って……」

確かに真乃ちゃんの指摘の通りだと思った。
何かトリックにガスボンベを使ったとしても、わざわざその証拠を残す意味はない。
戸棚にこれだけのガスボンベを残していった犯人の狙いって一体……?

コトダマアップデート!【ガスボンベ】
〔床下に転がっていた可燃性ガスの多量のガスボンベ。元は恋鐘の才能研究教室にあったもので、料理用のガスコンロの一パーツ。容器には穴が開いており、ガスが漏れ出るようになっていた。才能研究教室に残されていたガスボンベも同様の細工がされている〕
306 : ◆vqFdMa6h2. [saga]:2023/10/11(水) 20:53:43.90 ID:ykeZP2M20
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【ダストシュート】

部屋の床から天井までを一直線に貫くダストシュート。
確かこれは1階の厨房とも直結していたはずだ。
儀式の最中は学園内に生徒会の見張りがついていたけど、ここをよじ登ってくれば4階に上がることができたんじゃない?
訝しみながら私はその扉を開けた。

にちか「くっさ…………くない?」

部屋が開放された直後は、生ごみの匂いが充満していたはずのダストシュート。
扉を開けたわずかな時間でもその悪臭が鼻腔にこびりついたのをよく覚えている。

だけど、今はまるで【そんな匂いはしない】。拍子抜けした気分だ。

恋鐘「に、にちか? 何でそがん場所調べとるん?」

にちか「ああ、いや……このダストシュートって1階から4階まで直結してるじゃないですか。ここを伝って登れば生徒会の監視の目を逃れて4階に侵入ができたんじゃないかな〜と思って」

真乃「にちかちゃん、それはないんじゃないかな……そもそも、夜時間の間って食堂自体は入れなかったよね?」

にちか「……あ」

恋鐘「流石にダストシュートは事件に関係しとらんよ、気にしすぎたい!」

にちか「あ、あはは! ですよねー! すみません、今すぐ閉めますー!」

しまった……完全に校則のことを失念していた。
恥ずかしくなって慌ててその扉を閉めようと、ノブに手をかけた。
307 : ◆vqFdMa6h2. [saga]:2023/10/11(水) 20:54:40.33 ID:ykeZP2M20

真乃「……? どうしたの?」

……でも、私の目はダストシュートの柱の中に異様な光景を捉えた。

にちか「……お茶っ葉?」

ダストシュートの四角形の枠組みいっぱいに貼られたネット。
その上には大量の茶葉が、ハンモックに揺られるようにして並べられていたのである。

にちか「こ、恋鐘さん……これ見てください! これ、何なんですか?」

恋鐘「ふぇ〜?」

恋鐘さんは作業を止め、私の元へ。
一緒になって首を伸ばし、ダストシュートの中を覗き込む。

恋鐘「ん〜、にちかの言う通りお茶っ葉みたいやね。誰かが臭い消しのために敷いたとやろか」

にちか「臭い消し?」

恋鐘「うん〜! お茶っ葉に含まれとるポリフェノールは、生ごみとかの悪臭を取り除く効果があるたい。ほら、おかげで全然今は臭わんとやろ?」

なるほど、ダストシュートから悪臭がしないのはこのお茶っ葉のおかげだったんだ……
これもある種の生活の知恵ということだろうか。
でも、そんな面倒を誰が一体?

にちか「これやったのって恋鐘さんではない感じです?」

恋鐘「うん、うちじゃなかよ。誰か気の利いた人が、みんな嫌な思いをせんようにやってくれたんだと思うばい」

(……純粋な優しさでやったことなんだったら、いいけどどこか引っかかるな)

(一応、頭に入れておこうかな)

308 : ◆vqFdMa6h2. [saga]:2023/10/11(水) 20:58:05.20 ID:ykeZP2M20
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真乃「にちかちゃん、この部屋で調べることは片付いた?」

にちか「うん……大体は」

(芹沢さんが床下から見つけ出したガスボンベ、それはやっぱりこの部屋から持ち出されたものでその裏も取れたけど)

(……さっき空き教室で見つけた消火シート、この部屋で見つからなかったんだよな)

(うーん……新品を一応確認しておきたかったけど、しょうがないか)

にちか「とりあえず、最後の部屋を見に行こっか! 最後は……幽谷さんの才能研究教室だったよね」

真乃「うん……灯織ちゃんの言ってたこと、検証しに行こうか……っ!」

(灯織ちゃんが見た異様な光景……確かめないと)

309 : ◆vqFdMa6h2. [saga]:2023/10/11(水) 20:59:17.38 ID:ykeZP2M20
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【超研究生級のドクターの才能研究教室】

にちか「おお……なるほど」

真乃「これは……相当だね」

死体発見現場に到着が遅れるほどのもの、灯織ちゃんは一体何を見たのかと思っていたけれど、入った瞬間に納得。
棚は乱暴に開け放たれ、中の薬品や手当のための道具も床に散乱している。
強盗でも入ってきたかのような惨状がそこにあった。

にちか「元々こんなんじゃなかったはずだよね……?」

真乃「ちょっと薬品を元通りに並べてみようか。何か持ち出されたものがあるかもしれない」

にちか「そうだね……」

私と真乃ちゃんは二人でチマチマ薬を元通りに並べていった。
棚には薬ごとにプレートがついており、それを見ればどの容器の薬をどこにしまうべきなのか、専門的な知識がなくともわかるのだ。

……一通り作業が終わった。

にちか「……ないね。 何も抜き取られたもの」

真乃「ほわっ……こっちの怪我の手当ての道具も、不備はないよ。多少数が減ってたりはするけど……」

にちか「散々荒らしておいて、何も持ち出してない……? 一体何のためにあんな暴れ散らしたわけ……?」

コトダマゲット!【超研究生級のドクターの才能研究教室】
〔事件前後で大きく荒らされていた。何者かが部屋に踏み込んで荒らしまわったものと思われるが、貯蔵されている薬や手当ての道具に欠落はなにもなく、持ち出された様子もない〕
310 : ◆vqFdMa6h2. [saga]:2023/10/11(水) 21:01:15.36 ID:ykeZP2M20
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【キーンコーンカーンコーン……】


モノクマ『出航だーーーーーーッッッ! オレ、もう待てねえよ! ディープブルーなミステリーの海がオレたちを待ってるんだッ!』


モノクマ『どんな宝物が待ってるんだろうなッ! どんな奴と出会うんだろうなッ! いつの時代も海は冒険と希望に満ちているッ!』


モノクマ『野郎ども、漕ぎ出す準備はできてるか? オレらはみんな一つ。学級裁判という船で大会に漕ぎ出すクルーなんだ!』


モノクマ『ヨーソローッ! 船に乗り遅れたくなければ中庭の裁きの祠に急げーーーー!』


プツン


真乃「時間が来たみたいだね……」

にちか「うん……」

捜査が終わって胸の中に残るもの。それは【不安】だ。
意識すればするほど手足が重たく、空気が緩くなっていく呪いのようなもの。

しかも今回ばかりはその不安がかなり異質だ。
自分たちの命がまな板の上に乗せられていることもそうなのだけど、それ以上に今回は共に戦う仲間たちが信頼できないというところにある。
生徒会と私たちの対立した構図は結局そのまま学級裁判にも持ち込まれることになる。

真乃「……」

(……流石に、心細い)

アナウンスを聞いてから、唾が飲み込めなかった。
311 : ◆vqFdMa6h2. [saga]:2023/10/11(水) 21:02:26.69 ID:ykeZP2M20

真乃「にちかちゃん、手を借りても良い?」

にちか「え、何……?」

そんな私の様子を見かねてか、真乃ちゃんは私の手を取った。
暖かく柔らかい手のひらに包まれて、解きほぐされていく。

真乃「大丈夫、なんて勝手なことは言えないけど……私はにちかちゃんと一緒に戦うからね」

(……!)

最初の学級裁判のことを思い出す。
ルカさんを手にかけて、学級裁判で勝ち抜くために武器を取ったあの日のこと。
私はたった一人で曲がりなりにも戦い尽くして、逃げずに立ち向かっていた。

その時のことを思えば、今はまだ楽なものだ。
すぐ隣には私のことを信頼し、共に戦ってくれる存在がいる。
手が震えれば、握ってくれる友達がいる。

にちか「……あ〜っ、もう!」

ばちん!と大きな音を立てて自分の頬を叩く。
鬱屈とした空気を勢いに任せて自分から退かせた。

にちか「やろう! 二人で! 絶対に今回の裁判も勝つからね!」

真乃「ふふ……そうだね! 頑張ろう、むんっ!」

312 : ◆vqFdMa6h2. [saga]:2023/10/11(水) 21:06:20.11 ID:ykeZP2M20
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【中庭 裁きの祠】

裁きの祠では生徒会の人たちが一塊になる一方で、芹沢さんは熱心に例の書物を読み進めていた。
噴水の縁に腰掛けて、文字を目で追いながら首と指も動かしている。

にちか「芹沢さん、どう? 何かわかった……?」

あさひ「んー……面白い話はいっぱいあるっすけど今回の事件に関係あるかどうかはわかんないっす」

あさひ「自分が死んだことに気づかずに好敵手を求め続ける戦場の亡霊、罠で殺した狐が養子に取り憑いて家の人間を食い殺すお話……」

真乃「やっぱり、物騒なものが多いんだね……」

あさひ「……なにか気になるものがあったら、また言うっすよ」

(……しかし、本当にこの子は読めてるんだな)

(どういう教養なんだろ……)

芹沢さんとのやりとりを遠巻きにじっと見つめている生徒会。
私は近づいて幽谷さんに食ってかかった。

にちか「あの、学級裁判は公平な場所なので……くれぐれもよろしくお願いしますよ」

霧子「うん……もちろん……! みんなで真実を突き止めるために協力するよ……」

恋鐘「霧子……」

ガラス珠みたいな瞳が真っ直ぐにこちらを見つめる。
底知れぬものに接している感覚、自分の足元から何かが伝ってくるような嫌悪感だ。
でも、この裁判はそれを踏み越えねば真実に辿り着けない。
私は息をひとつ飲んでから、差し出された手のひらを手に取った。


313 : ◆vqFdMa6h2. [saga]:2023/10/11(水) 21:07:15.81 ID:ykeZP2M20

円香「……ねえ」

透「ん? どした?」

円香「私もあんたたちが生き残るために協力するから……その、見てて」

円香「……いや、別に見てなくていい。自分が感じるままに感じてくれればそれでいいから」

透「あー……イエス」

全員が集まったタイミングを見計らってか、祠中に地響きが走る。
これまでの2回と同じように、その発信源は中央の噴水で、
モノクマの顔をした不気味な彫刻はまた、明日とも明後日とも言えぬ場所を指差して、水中に沈んだ。
それと引き換えにして干上がる噴水、割れる滝壺。
エレベーターが大きく口を開けて私たちを出迎えた。

樹里「……行くぞ」

甜花「三度目の正直……仏の顔も三度まで……三寒四温……朝三暮四……」

愛依「大丈夫、うちらには霧子ちゃんがついてるから」

霧子「……」

全員がエレベーターに乗り込んだところで、

ガコン!

下降が始まった。
314 : ◆vqFdMa6h2. [saga]:2023/10/11(水) 21:08:53.61 ID:ykeZP2M20

エレベーターの中にも、不自然な距離感が生じた。

身を寄せ合うようにしている生徒会の人たち。
一人壁の端で顔を伏せる樋口さん。
揺れる籠の中で酔いもお構いなしに本を読み進める芹沢さん。
そして、不安と同様に震える私と真乃ちゃん。

裁判はこれで三度目になるのに、今の私たちは今までのどの場面よりもバラバラで、脆い。
お互いの間にある信頼という言葉がぼやけて、ぶれてしまっている。
その靄に呑まれて、彼女は命を落とした。

私たちにはその責任があるんだろうと思った。
誰もが不安で苦しむ中で、自分だけが救われようとしたせいで、その軌道に乗れなかったはみ出しものが割を食う。

だからこれから始まる裁判は彼女への贖罪の意味も兼ねている。
他の人を救うことができなかった無力な私たちが罪を濯ぐための戦い。
この戦いは生き残ること以上に、彼女へと捧ぐための戦いなのである。

チーン!

そしてエレベーターは目的地に辿り着く。
315 : ◆vqFdMa6h2. [saga]:2023/10/11(水) 21:12:21.85 ID:ykeZP2M20

モノクマ「来たね……ぬるりと」

モノタロウ「ようこそキサマラ! 突き出しはきゅうりの浅漬けだよ!」

モノファニー「当裁判場はワンドリンク制になっているわ。お好きな飲み物を注文してから席についてちょうだいね」

モノダム「勝利ノ美酒カ、敗北ノ苦汁……モシクハ、絶望ノ辛酸ダヨ」

モノタロウ「えっ?! 絶望って辛いの?!」

モノクマ「そんなわけあるかい! 絶望は甘々の甘ちゃんだよ!」

モノクマ「身をひたし、心を堕とす……ああ、なんと甘美な響き……!」
316 : ◆vqFdMa6h2. [saga]:2023/10/11(水) 21:13:52.17 ID:ykeZP2M20

にちか「……ねえ、灯織ちゃん」

灯織「どうしたの、にちか? もう裁判始まっちゃうよ?」

にちか「ううん……4日前の晩のこと……まだ覚えてるかな」

灯織「4日前……」

にちか「前回の裁判が終わって私が話したこと……覚えてくれてるかなって」

灯織「誰かを信じたいと思うのなら、真実に向き合うのを諦めちゃダメ。にちかがめぐるから受け継いだものだよね?」



灯織「だから私は霧子さんに、自分の中の自我を教えてもらって……本当に守りたいものに気づけたんだよ」




灯織「にちかには感謝してるんだ。にちかがいなければ……この境地には辿り着けなかった」

にちか「……違う、そうじゃないよ灯織ちゃん。今あなたが立っているのは境地でも何でもない」

にちか「まだ道の途中だよ……! 何の真実にも辿り着いていない……!」

にちか「先の見えないコロシアイに疲れ果てたからって、コロシアイからの離脱という分かりやすい逃げ道に縋ってるだけ……! 結局結論を他人に委ねてるんだよ!」

灯織「……言いたいことはそれだけ?」

にちか「灯織ちゃん……!?」

灯織「裁判が始まるよ、早く席に着いて」

真乃「にちかちゃん、灯織ちゃん……」

317 : ◆vqFdMa6h2. [saga]:2023/10/11(水) 21:15:41.43 ID:ykeZP2M20

そして私たちは席に着く。
不揃いな足取りで、壇上に登って周りを見た。
まるで視線が合わない。
それぞれが別の場所を見つめていて、これからの航行が真っ直ぐとは進まないことを予期しているようだった。

超研究生級の大和撫子、杜野凛世。
彼女はこの学園での生活に誰よりも不安を抱いていた少女だった。
はじめは私たちのことも信用できずにこもり気味だったのを、必死に歩み寄ってどうにか私たちの方を見てもらうことができた。

一番の功労者は有栖川さんと西城さんだった。
同じ時間を共に過ごして、同じだけの汗を流した。
その経験が、凍りついていた彼女の心を溶かしてくれたのだと思う。

でも、有栖川さんは志半ばで命を落とし、西城さんは杜野さんの手を離して、生徒会に依存してしまった。
遺された彼女の失意はどれほどのものだったろうと思う。

そんな彼女を殺した人間が、この中にいる。
318 : ◆vqFdMa6h2. [saga]:2023/10/11(水) 21:16:30.33 ID:ykeZP2M20

生徒会が発足して以来すっかり不穏な空気に満ちた学園生活でついに起きてしまった惨劇。
私たちはその原因も理由も結果も、全部を明らかにしなくちゃいけない。
それが私たちの責任なんだから。

この学級裁判には沢山のものがかかっている。

私たちの命。
仲間との信頼。
これから先の未来。

全部全部、取り返すんだ……



319 : ◆vqFdMa6h2. [saga]:2023/10/11(水) 21:17:08.60 ID:ykeZP2M20





________果てのない悪意から。





320 : ◆vqFdMa6h2. [saga]:2023/10/11(水) 21:19:16.82 ID:ykeZP2M20

長くなりましたが、三章捜査パートがここまでで終わりです。
次回更新より学級裁判パートになるので、お力を貸していただけますと幸いです。

更新は14(土)の21:00〜ぐらいを予定しています。
よろしくお願いします。
321 : ◆vqFdMa6h2. [saga]:2023/10/14(土) 20:58:22.43 ID:ZqKIrmTz0
【コトダマ】

‣【モノクマファイル4】
〔今回の被害者は【超研究生級の大和撫子】杜野凛世。死体は全体に渡って激しく燃焼されており、死体の損壊は著しい。生存者から消去法的に被害者は杜野凛世であるものと判定した。
死体発見現場は4階空き教室の中央の部屋。
死亡推定時刻は午前0時ごろ〕

‣【死体発見時の状況】
〔第一発見者はにちか、真乃、あさひの三人。4階への階段を上っている最中にあさひが焦げ臭い匂いをかぎ取って死体発見に至った。ほかに異臭は誰も嗅いでいない。三人で同時に死体を目撃した時に死体発見アナウンスが鳴った〕

‣【緑の物体】
〔凛世の死体の腹部に食い込んでいた緑色の物体。ガムが引っ付いたような見た目だが、実際のところ肉体にかなり食い込んでいるらしい〕

‣【死体の握っていた金具】
〔凛世の焼死体が左手に握りしめていた金属製の何か。筒のような形状をしているが、片手に握り込めるほどに小さい。凛世のものなのか犯人のものなのかは不明〕

‣【死体のポーズ】
〔凛世の死体は拝むように四肢を曲げた状態で発見された。霧子曰く、焼死体は死後硬直が進みやすく自然に捻じ曲がってこのポーズになった可能性が高い。凛世は焼かれている時、拘束の一切をされていなかったようだ〕

‣【死体の下敷きになっていた金具】
〔凛世の死体の下に落ちていた金具。指でつまめるほどの小さなもので、熱と体重で変形してしまっている〕

‣【ルカの人形】
〔死体の近くに転がっていたバラバラになったルカの人形。元々くっついていたはずの接合部には融解が揺られ、熱を与えられたものと見られる〕

‣【空き教室の紙片】
〔儀式を行った空き教室の中に落ちていた紙片。これまでにコロシアイで命を落としてきたメンバーの名前が書いてある〕
322 : ◆vqFdMa6h2. [saga]:2023/10/14(土) 20:59:37.30 ID:ZqKIrmTz0

‣【屍者の書】
〔モノクマたちに提示された今回の動機。転校生として、これまでに犠牲になった生徒たちを復活させるための儀式の工程が書いてある。

『屍者の書〜転校生を呼び込むための蘇りの手順〜』
『1.絶命してしまった仲間の依代を用意します。難しい場合は本人の死体が最も理想的ですが、姿を模して作った人形で構いません。その人形の中に魂がそのまま入るのではなく、その器を最小に本当の肉体を再臨させるのでご心配なく』
『2.復活させたい仲間の死体の胸部に刃物を突き立てます。奥深くに突き刺さるまで復活の呪文を絶えず唱えるようにしてください。
・黄泉に眠りし御霊よ 我が呼びかけに答えよ
今再び肉体を宿し 現生に縋り叫べ」
『3.刃が深くまで突き刺さったら、この蘇りの書を燃やして灰とした後に、死体に振りかけてください。
そのうえで最後の呪文を唱えてください
・理に縛られず 均衡を破りたまえ
我が心身を賭して 汝の縁を取り戻さん』

なお、なぜか屍者の書は死体の傍に落ちていた〕

‣【円香の証言】
〔円香は事件の昨々晩より超研究生級のストリーマーの才能研究教室で監禁状態にあった。事件当時も同様であり、霧子と死体発見までずっと一緒にいたためお互いのアリバイの証人となっている〕

‣【霧子の証言】
〔屍者の書を用いた蘇りの儀式を昨晩実行する予定だったが、顛末は以下の通りとなった。
午後10時生徒会のメンバーが4階に集結。儀式を霧子が実行し、4階の警備に甜花がついた。円香の才能研究教室、一階女子トイレにそれぞれ恋鐘と愛依が監視につき、寄宿舎は樹里が見張った。灯織と透は校内の巡回を行った。
午後10時半儀式を実行に移そうとしたところで霧子が屍者の書を紛失していたことに気づく。生徒会メンバーを急いで招集。
午後11時儀式の中止を決定。生徒会メンバーはそれぞれの個室で休息をとる〕

‣【床下の小太刀】
〔儀式が行われた教室の床下に転がっていた小太刀。超研究生級の大和撫子の才能研究教室から持ち出されたものらしく、同じものは二つとない特殊なつくりのもののようだ。刀身に血は付着していない〕

‣【ガスボンベ】
〔床下に転がっていた可燃性ガスの多量のガスボンベ。元は恋鐘の才能研究教室にあったもので、料理用のガスコンロの一パーツ。容器には穴が開いており、ガスが漏れ出るようになっていた。才能研究教室に残されていたガスボンベも同様の細工がされている〕

323 : ◆vqFdMa6h2. [saga]:2023/10/14(土) 21:00:25.05 ID:ZqKIrmTz0

‣【空き教室(中央)の燭台】
〔死体発見現場となった空き教室の燭台の火は何者かによって消されていた。燭台はにちかが一人じゃ背伸びをしてもギリギリ届かないぐらいの高さにある〕

‣【3Dプリンター】
〔甜花の才能研究教室に設置されていた3Dプリンター。作成した3Dモデルを読み込んで立体物をプリントできるほか、横付けされたスキャナーを使うことでその場で立体物のコピーを行うこともできる。プリントには合成樹脂を素材として用いているため、熱には弱い〕

‣【ショーケース】
〔超研究生級の大和撫子に所蔵品を納めているショーケースはいずれも鍵がついていない。誰でも簡単に所蔵品を持ち出せる状態にあったようだ〕

‣【凛世の帯】
〔事件現場の手前の空き教室の扉に噛ませてあった凛世の着物の帯。殺害当時、凛世の衣服ははだけていたものと思われる。帯の大部分は空き教室の中に入っており、注目してみない限りは外から気づかないようになっていた〕

‣【手前側の空き教室の血痕】
〔死体発見現場の隣室、階段側の空き教室に滴り落ちていた血痕。これを零した人物は部屋を出てから、死体発見現場である中央の空き教室に向かったものと思われる〕

‣【古今呪儒撰集】
〔凛世の才能研究教室に所蔵されていた、伝奇やオカルトな噂話を収集した古書。事件の前後で何者かによって持ち出されており、事件現場の隣の空き教室にて発見された。古語文体で書かれた本であり、難解。読めるのは凛世とあさひのみ〕

‣【消火シート】
〔事件現場の隣室の空き教室で発見された消火シート。全面に黒い煤、体液、白い凝固物が認められ大きく汚れている〕

‣【儀装束】
〔恋鐘が儀式のために縫い合わせた霧子専用の装束〕

‣【超研究生級のドクターの才能研究教室】
〔事件前後で大きく荒らされていた。何者かが部屋に踏み込んで荒らしまわったものと思われるが、貯蔵されている薬や手当ての道具に欠落はなにもなく、持ち出された様子もない〕
324 : ◆vqFdMa6h2. [saga]:2023/10/14(土) 21:01:27.03 ID:ZqKIrmTz0
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【学級裁判 開廷!】




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325 : ◆vqFdMa6h2. [saga]:2023/10/14(土) 21:03:16.31 ID:ZqKIrmTz0


モノクマ「これより学級裁判のルールの説明をいたします」


モノクマ「学級裁判では殺人の実行犯であるクロとそれ以外のシロとに分かれて、オマエラの中に潜むクロは誰か?を話し合ってもらいます」


モノクマ「無事クロの生徒を指摘できればクロだけがおしおき。もし間違った生徒をクロとしてしまった場合には……」


モノクマ「それ以外のシロ全員がおしおきになって、全員を欺いたクロはこの学園から卒業となります!」


モノクマ「はぁ……毎度毎度これ言うのも疲れるんだよね。同じセリフを繰り返すたびに、ボクってなんなんだろうって。こんな仕事ただのスピーカーだってできるじゃんね」

モノファニー「大変! お父ちゃんが仕事にやりがいが感じられずやる気をなくしてるよ!」

モノタロウ「この国の40%の若者が就労後に仕事へのやりがい・モチベーションを感じられないことを原因に休職、離職すると言われているあの由々しき問題をオイラたちは目の当たりにしているんだね!」

モノダム「職業選択ノ自由……ソレガ広ク保証サレテイルガユエノ悩ミ、ダネ」
326 : ◆vqFdMa6h2. [saga]:2023/10/14(土) 21:04:23.80 ID:ZqKIrmTz0

霧子「まず最初に謝らせてください……私はあれだけみんなの力を借りて、コロシアイからの離脱を誓ったのに……」

霧子「その宣言を守ることができませんでした……」

愛依「霧子ちゃんは悪くないよ! 悪いのは……凛世ちゃんを手にかけた犯人なんだから!」

甜花「そ、そう……! 平和を望む生徒会の考えも、行動も、間違ってたなんて……間違ってる!」

(あー、あー。みんなして幽谷さんのフォローに回っちゃってもう……)

(そんなに教祖様の表情が曇るのが嫌ですか、そうですか……)

にちか「誰が悪いとか、そういうのは後回しにしません? 犯人を突き止めることが第一ですよね?」

あさひ「そうっすね、わたしたちの中の誰かが間違いなく凛世ちゃんを殺して……その死体をまっ黒焦げになるまで焼いたんっすよ」

灯織「……許せません。そんな蛮行を働いた人間に、私たちは屈するわけには行かない」

あさひ「そうそう、いい表情になってきたっすよ! 学級裁判は論理だけでなく、感情を真正面からぶつけ合う場所でもあるっす」

あさひ「犯人を許せないと思う気持ちは……燃えれば燃えているほどいいっす」

芹沢さんの学級裁判をゲームとして楽しもうとする趣向には賛同できないけど、彼女の強引に議論をリードする働きには期待できる。
とはいえ、彼女も味方ではないのだから、あまりついて行きすぎると真実を見失いかねないのがネックなのだけど。

霧子「それじゃあいつも通り議論を始めましょう……凛世ちゃんの殺害現場で見つけたもの、感じたもの……」

霧子「みんなで話し合ってみようね……」

327 : ◆vqFdMa6h2. [saga]:2023/10/14(土) 21:05:37.40 ID:ZqKIrmTz0
---------------------------------------------
【ノンストップ議論開始!】

コトダマ
‣【モノクマファイル4】
‣【屍者の書】
‣【凛世の帯】
‣【死体のポーズ】
‣【死体発見時の状況】

真乃「今回の事件は異質です……」

真乃「死体は一眼で【誰かが分からない】ほどに焼かれており、激しい損壊状態にありました」

樹里「そんなことできるやつに人の心なんかねーよ」

樹里「凛世の苦しみを考えたことあんのかよ!?」

透「じゃあ犯人は本当に人の心がなかったのかもね」

円香「それ、私のことでも言いたいわけ?」

透「違うよ、樋口はもっと……別のものがない」

愛依「もしかして、転校生?」

愛依「霧子ちゃんが儀式で復活させようとしてたみんなが」

愛依「【甦って】凛世ちゃんを殺しちゃったとか!」

樹里「ば、バカやろー! んなもんあるわけねーだろ!」


【正しいコトダマで矛盾する発言を論破しろ!】

↓1
328 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2023/10/14(土) 21:23:58.02 ID:0i6dC99P0
[蘇って]に[屍者の書]
329 : ◆vqFdMa6h2. [saga]:2023/10/14(土) 21:31:54.09 ID:ZqKIrmTz0

にちか「それは違くないですかー?!」

【BREAK!】

にちか「今回の事件、提示されてた動機はかなり異色……狙いが正直今でもちゃんとはわかってないですけど」

にちか「【屍者の書】、これを用いた復活の儀式がこの事件の中心にはあります」

霧子「私が生徒会のみんなに協力してもらって、夏葉さんの復活を目指したんだ……」

愛依「今回の動機は使っていいのか、悪いのかもわかんなくて……霧子ちゃんの判断に全部お任せしたんだよね」

樹里「儀式のための準備とかも、全部霧子の言いつけ通りにやったんだったな」

透「そこまで準備はやったけど……」

真乃「儀式は中止になっちゃったんですよね……?」

霧子「うん、私が屍者の書を紛失してしまったから……鍵付きのお部屋である超研究生のストリーマーの才能研究教室。そこに私は屍者の書を保管してたんだ」

霧子「鍵は甜花ちゃんからもらった一つだけで私以外に出入りはできない……部屋の中には身動きの取れない円香ちゃんだけ……」

愛依「はー、木を隠すなら森の中とはよく言ったもんだ」

樹里「ぜってー誤用だろ……」

330 : ◆vqFdMa6h2. [saga]:2023/10/14(土) 21:33:50.58 ID:ZqKIrmTz0

霧子「それなのに、儀式をいざ始めようと言う時になると……隠しておいた場所に死者の書の姿はなくなっていたの……」

円香「一応言っておくけど、私は何も見ていない。監禁も長く続いて意識が朦朧としてたからね」

にちか「さっきも思ったんですけど……随分とあっさりと儀式を止めちゃったんですね?」

にちか「私たちの行動を制限して、邪魔されないように厳戒態勢まで引いていたのに……もっと屍者の書を血眼になって探したりとかしなかったんですか?」

霧子「うん……屍者の書を探そうとすることは、他のみんなを疑うことになるでしょう……?」

霧子「誰かを疑うことは軋轢を生じさせる。生まれた溝は広がると……最後には、傷になる……」

霧子「それに、生徒会ができてからはみんな夜にもパトロールに出てくれて体力を使ってしまっていたから……休憩をたまにはとってほしくて……」

(……なんか妙なんだよな。ここ最近の幽谷さんのカルト教祖っぷりは猛烈な勢いだったのに)

(この儀式に関してはまるで無頓着というか……自分のいる役職的にやらないといけない、やったほうがいい……だからやった、みたいな)

(彼女にこの儀式へのこだわりってあったんだろうか……?)

灯織「では、焦点となるのはやはり【屍者の書の行方】でしょうか。霧子さんが不手際で失くすなんてことはまずないでしょうし、どなたかが持ち出したものと考えるのが自然です」

透「でも、そんな隙なんて……なくね?」

甜花「儀式を行う夜時間になってからは……全部、幽谷さんにお任せだったもんね……」

恋鐘「あとの生徒会のみんなは学校の各地に散らばって警戒体制を強いとったとよ」

恋鐘「もし屍者の書を抜き取るんならお互いの監視の目ば抜けんといかん!」

真乃「かなり難易度としては高そうだね……」

(生徒会は夜時間の度私たちの行動をきつく縛り上げるような規則を押し付けてきていた)

(そんな中で、4階まで近づけた人間ってだいぶ限られるよね)

にちか「まずは誰に持ち出すことが可能だったのか、そこから絞っていきましょうよ」

331 : ◆vqFdMa6h2. [saga]:2023/10/14(土) 21:35:02.63 ID:ZqKIrmTz0
------------------------------------------------

【ノンストップ議論開始!】

コトダマ
‣【屍者の書】
‣【ショーケース】
‣【ルカの人形】
‣【円香の証言】
‣【緑の物体】

恋鐘「霧子の大事な本を奪ったん誰〜〜〜?!」

恋鐘「今ならみんな怒らんけん名乗り出んね!」

樹里「……まあ、それは出るわけないとして」

樹里「アタシは【円香がやった】と思うぜ」

樹里「アイツはそもそも黒幕側の人間」

樹里「それに生徒会への敵対心を剥き出しにしてだろ!」

樹里「円香が屍者の書を隠しちまったんだ!」

透「屍者の書を隠してたのも」

透「樋口はずっといたのも」

透「同じ【ストリーマーの才能研究教室】……だしね」


【正しいコトダマで矛盾する発言を論破しろ!】

↓1
332 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2023/10/14(土) 21:37:23.42 ID:Ijl2NHTt0
【円香の証言】>【円香がやった】
333 : ◆vqFdMa6h2. [saga]:2023/10/14(土) 21:39:48.97 ID:ZqKIrmTz0

にちか「それは違くないですかー?!」

【BREAK!】

にちか「いやいや、何言ってるんですか?! 樋口さんにだけは出来ないのは明らかでしょ?!」

にちか「あなたたちですよね?! 樋口さんを監禁して身動きを封じてたのって!」

真乃「そ、そうです……! 樋口さんには体の自由がなかったから……屍者の書を持ち出すことなんてできなかったはずです!」

樹里「いや、そうとも限らねーだろ。円香に関しては体に自由がなくとも、屍者の書を持ち出すための方法があったはずだぜ」

円香「……は?」

樹里「おい、モノクマーズ! 円香はアンタらにとってのなんだったっけ?」

モノタロウ「腹を痛めて産んでくれたお母ちゃん!」

モノファニー「運動会でアルミに巻いたおにぎりを持ってきてくれたお母ちゃん!」

モノダム「保育園帰リニスーパーデ、ソフビ人形ヲ買ッテクレタオ母チャン」

円香「そんな記憶はない……!!」

樹里「とにかく、モノクマーズと円香の関係性は並みならぬものなんだよ。たとえ円香自身が拘束されていたとしても」

恋鐘「モノクマーズたちを手足のように動かせば、屍者の書を持ち出すことができるってことばい!?」

愛依「そっか……シンシュツキボツなモノクマーズなら扉の鍵も関係ないし……邪魔されずに持ち出すことができるね!」
334 : ◆vqFdMa6h2. [saga]:2023/10/14(土) 21:40:59.79 ID:ZqKIrmTz0

あさひ「いや、どうっすかね……それはちょっと無いんじゃないっすか?」

霧子「あさひちゃん……?」

あさひ「モノクマーズが円香ちゃんの味方だったとして、監禁状態にある円香ちゃんの命令をモノクマーズがなんでも聞いてたらそれって不公平じゃないっすか?」

あさひ「ほら、わたしたちの中には【明確な黒幕が一人いる】じゃないっすか。彼女は黒幕だからと言って何かモノクマたちを使って優位な条件のもと動いてるっす?」

円香「いや……他の参加者と同じ条件だね。どういう意図かは知らないけど殺す殺されるの緊迫した関係に自分も混ざって、内側から私たちを観測している」

あさひ「そうなんすよ! 自分が有利になるためにモノクマたちを使ってなんかいないっす!」

あさひ「円香ちゃんが黒幕の側の人間でも、自分だけが一方的になるようなことはしない……モノクマーズを使ったりはしないと思うんっすよね」

透「おーい、そこんとこどうなーん」

モノクマ「芹沢さんはつくづくボクのことを理解してくれてるなぁ。そうなんだよ、一人だけが強力な武器を持ってても興醒めだからね」

モノクマ「もしモノクマーズを自分の有利のためだけに動かそうとしても、それはもっと上の権限……【黒幕の権限で停止させてもらっていた】だろうね」

モノクマ「樋口さんは現場管理者であると同時にコロシアイの参加者なんだから。彼女だけ強くてニューゲームってわけにはいかないんだよ」

あさひ「……らしいっす!」

樹里「了解。納得したよ」
335 : ◆vqFdMa6h2. [saga]:2023/10/14(土) 21:44:32.46 ID:ZqKIrmTz0

灯織「しかし、そうなると一体どなたが屍者の書を持ち出したのでしょうか……」

愛依「儀式の時に4階にいたんって、霧子ちゃんと円香ちゃんと甜花ちゃんだけっしょ?」

透「……じゃあ候補はもう一人だけじゃん」

甜花「えと……そ、それって……」

真乃「甜花ちゃんに……なるよね……?」

甜花「ひぃん……! し、知らない……甜花は知らないよ……」

甜花「幽谷さん万歳! 幽谷さん万歳!」

(この狼狽っぷりが全てを物語っているような気もするけど……)

霧子「甜花ちゃん、落ち着いて深呼吸……反論は落ち着かないと出来ないよ……?」

甜花「ひっひっふー……ひっひっふー……」

(暴き出してやるか……彼女の信仰心の虚さを……!)

336 : ◆vqFdMa6h2. [saga]:2023/10/14(土) 21:47:00.57 ID:ZqKIrmTz0
------------------------------------------------

【ノンストップ議論開始!】

コトダマ

‣【霧子の証言】
‣【死体発見時の状況】
‣【3Dプリンター】
‣【空き教室の紙片】
‣【古今呪儒撰集】


霧子「儀式の時に4階にいたのは……」

霧子「実行役の私と……」

円香「監禁されてた私」

甜花「階段を警備してた【甜花だけ】……」

甜花「で、でも甜花じゃ……ないよ?」

甜花「研究教室のただ一つの鍵は幽谷さんの生徒会に入る時に渡したもん……」

甜花「【鍵がなくちゃお部屋には入れない】……」

甜花「甜花にはそもそも屍者の書を持ち出すことはできないの……!」

透「霧子ちゃんにお願いして入れてもらうんじゃダメなの?」

透「あっち向いてる時に、シュバっと」

霧子「昨日は【誰も部屋に招き入れてない】はずだよ……」


【正しいコトダマで矛盾する発言を論破しろ!】

↓1
337 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2023/10/14(土) 21:54:27.38 ID:Ijl2NHTt0
【3Dプリンター】>【鍵がなくちゃお部屋には入れない】
338 : ◆vqFdMa6h2. [saga]:2023/10/14(土) 21:58:09.90 ID:ZqKIrmTz0

にちか「それは違くないですかー!?」

【BREAK!】

にちか「超研究生級のストリーマーの才能研究教室。その扉の鍵はただ一つ……それは間違いありません」

真乃「私とにちかちゃん、それに甜花ちゃんであの部屋を最初に訪れた時にモノクマーズの子から聞いたんです」

甜花「そう……! だから鍵を幽谷さんに渡した時点で甜花にはあの部屋に入れない……!」

にちか「でも、そうはならないんですよ」

甜花「ひぃん……?!」

樹里「おいおい! 唯一の鍵を霧子が握ってるんだったらどうやっても解錠なんかできねーだろ? 言ってることがめちゃくちゃだろ!」

にちか「鍵がなければ【作れば】いいんですよ」

愛依「鍵を作る……?! そっか、円香ちゃんなら黒幕側の人間だから……」

モノクマ「だーかーらー! ボクらは一人だけが有利になるような加担の仕方はしないって!」

真乃「3Dプリンターを使って鍵を複製したんです。あのプリンターの横にはスキャナーがついていて、複製をするだけなら読み込ませて終わりなので数十分で完成です」

にちか「甜花さんが生徒会に加わったのは儀式の前の日のこと、それまでは鍵は甜花さんが握っていましたし自由に出来たはずですよ」

霧子「そ、そうなの……? 甜花ちゃん……?」

甜花「あ、あうぅ……」
339 : ◆vqFdMa6h2. [saga]:2023/10/14(土) 21:58:52.98 ID:ZqKIrmTz0

透「……ステイ」

甜花「あ、浅倉さん……?」

透「甜花ちゃんはうちら生徒会の仲間だからさ、そんな大事なのが裏切ったとはやっぱ思えんくて」

透「一肌、脱ぎますか……」

霧子「わ……! ふふ……!」

愛依「だよね……うちもそう思う! 霧子ちゃんの考えを理解してくれた他にない絆の仲間なんだもん!」

愛依「生徒会の一員として、甜花ちゃんを守ってみせる!」

甜花「み、みんな……ありがとう……」

(なんか妙な展開になってきたぞ……!?)

甜花「幽谷さんマンセー! 幽谷さんマンセー!」

(あんな怪しいのに気づかないなんて……どこまでも信仰は人を盲目にさせるな……)

(しょうがない、冷や水ぶっかけて……冷静に戻してやる!)


透『さ、魅せますか……』
甜花『幽谷さんは日本一……!』
愛依『甜花ちゃんは無実だよ……!』

340 : ◆vqFdMa6h2. [saga]:2023/10/14(土) 21:59:40.98 ID:ZqKIrmTz0
---------------------------------------------
【パニック議論開始!】

コトダマ
‣【霧子の証言】
‣【古今呪儒撰集】
‣【屍者の書】
‣【円香の証言】
‣【3Dプリンター】

透「3Dプリンターで鍵作るのもさ」
甜花「甜花は生徒会のメンバーだから……
愛依「甜花ちゃんは生徒会の中では一番新参だけど……!」

透「ちょっと手間じゃん」
甜花「幽谷さんを裏切ったりしない……!」
愛依「霧子ちゃんのことを本気でリスペクトしてたよ!」

透「専門的な技術とかさ、そーゆーの」
甜花「研究教室の鍵を渡したのが【忠誠心の現れ】だから……!」
樹里「それに、霧子を裏切ったとしてどうすんだよ」

円香「【スキャンするだけ】だって真乃は言ってたけど」
甜花「幽谷さん万歳! 幽谷さん万歳!」
樹里「屍者の書を甜花はどう使うつもりだったんだ?」

透「あー……なんかこう、鍵にはコピーできないギミックがあったとか」
甜花「流石幽谷さん……甜花たちじゃ不可能なことも平然とやってのける……」
恋鐘「甜花は【儀式を妨害したかった】と?」

円香「適当な……」
甜花「そこに痺れる……憧れる……!」
恋鐘「そいやったら、言ってくれたらよかったとに……」


【正しいコトダマで矛盾する発言を論破しろ!】

↓1
341 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2023/10/14(土) 22:07:26.45 ID:Ijl2NHTt0
【屍者の書】>【忠誠心の現れ】
342 : ◆vqFdMa6h2. [saga]:2023/10/14(土) 22:13:31.93 ID:ZqKIrmTz0

甜花「屍者の書を幽谷さんが取られちゃったのは事実だけど……それを甜花がやった、っていう証拠は……ないよね?」

甜花「甜花が裏切った証拠なんかないんだから……!!」

(直接この証拠をぶつけても、忠誠心の否定にはならないか……)

(甜花さんの忠誠心の薄弱さを示すには……彼女の行動の不審な点を突くのが一番だ……!!)

---------------------------------------------
【パニック議論開始!】

コトダマ
‣【霧子の証言】
‣【古今呪儒撰集】
‣【屍者の書】
‣【円香の証言】
‣【3Dプリンター】

透「3Dプリンターで鍵作るのもさ」
甜花「甜花は生徒会のメンバーだから……
愛依「甜花ちゃんは生徒会の中では一番新参だけど……!」

透「ちょっと手間じゃん」
甜花「幽谷さんを裏切ったりしない……!」
愛依「霧子ちゃんのことを本気でリスペクトしてたよ!」

透「専門的な技術とかさ、そーゆーの」
甜花「研究教室の鍵を渡したのが【忠誠心の現れ】だから……!」
樹里「それに、霧子を裏切ったとしてどうすんだよ」

円香「【スキャンするだけ】だって真乃は言ってたけど」
甜花「幽谷さん万歳! 幽谷さん万歳!」
樹里「屍者の書を甜花はどう使うつもりだったんだ?」

透「あー……なんかこう、鍵にはコピーできないギミックがあったとか」
甜花「流石幽谷さん……甜花たちじゃ不可能なことも平然とやってのける……」
恋鐘「甜花は【儀式を妨害したかった】と?」

円香「適当な……」
甜花「そこに痺れる……憧れる……!」
恋鐘「そいやったら、言ってくれたらよかったとに……」


【正しいコトダマで矛盾する発言を論破しろ!】

↓1
343 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2023/10/14(土) 22:20:57.07 ID:0i6dC99P0
【忠誠心の現れ】に【霧子の証言】
344 : ◆vqFdMa6h2. [saga]:2023/10/14(土) 22:22:52.90 ID:ZqKIrmTz0

にちか「聞き逃さないぞー!」論破!

【BREAK!】

にちか「甜花さんの生徒会に対する忠誠心……ちょっとそれって怪しくないですか?」

樹里「な、なんてことを言い出すんだよ! あいつは生徒会に加入してすぐに夜の監視にも参加してくれたし……」

愛依「霧子ちゃんの話も一際真面目に聞いてたよ! うちらよりもよっぽどチューセー心もあったって!」

にちか「そう見せてただけですよ。だって考えてみてくださいよ、今回の事件の被害者……誰でしたっけ?」

霧子「誰って……凛世ちゃんだよね……?」

にちか「じゃあその【杜野さんはどうして4階に行くことができた】んですか? 4階には忠誠心の高さで定評のある甜花さんが見張りについてたんですよね?」

甜花「あっ……!」

真乃「4階に上がる階段は一つだけ。そこを見張っている甜花ちゃんとはどうしたって出会しちゃいますよね……っ」

真乃「そんな中で、空き教室の中まで入り込めた理由は一つしかありません……」

にちか「甜花さんが生徒会の言いつけを破って、杜野さんを通したんですよ……!」

甜花「ひぃん……!?」
345 : ◆vqFdMa6h2. [saga]:2023/10/14(土) 22:24:35.88 ID:ZqKIrmTz0

灯織「そ、そんな……どうして、そんなことを……」

にちか「決まってるよ、甜花さんは生徒会の人間として儀式を実行したいなんか思ってなかったんでしょ」

にちか「むしろその逆、儀式の邪魔をするために生徒会に潜り込んだスパイだったんだ!」

甜花「す、スパイ……そうやって言われるとなんだか……」



甜花「か、かっこいい……!」



甜花「007……ゴールデンアイ……画面を4分割しての殴り合いが楽しいんだよね……にへへ」

愛依「え、ってことはマジなん?! 甜花ちゃん……生徒会には内側から邪魔をするために入ってきたん……?!」

灯織「……信じていたのに、どうしてそんなことをしたんですか!」

甜花「どうしてもこうしてもない……よ? 甜花たちは、甦りの儀式で一度死んだ人を呼び起こすのには反対で……」

甜花「でも、どれだけ説得をしても耳を貸してくれないから……強硬策に踏み切るしかなかったんだ……」

円香「……ちょっと待って、甜花『たち』?」

にちか「ああ、それは私とか真乃ちゃんも儀式には反対だったから_____」



甜花「ううん……そうじゃない、そうじゃないよ」



(……え?)

甜花「甜花はね、4階の階段の警備をしてたけど……杜野さんがきたら通すけど、七草さんや櫻木さんがやってきても通しはしなかったよ……」

透「ん……?」

灯織「それってつまり……甜花さんは凛世と共謀関係にあったということですか……?」

にちか「えっ……?! な、なにそれ……?!」

甜花「うん……風野さんのいう通り。甜花が生徒会に入ったのは【杜野さんにお願いされたから】なんだ……」

甜花「生徒会が発足して色んな人が活動をし始めた頃……甜花が研究教室で、ゲームをしてたらね……?」
346 : ◆vqFdMa6h2. [saga]:2023/10/14(土) 22:26:15.89 ID:ZqKIrmTz0
◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆

ピンポーン

凛世「お楽しみのところ、失礼致します……」

甜花「も、杜野さん……? どうしたの……? 何か、用事……?」

凛世「はい……ですが……ここでは生徒会の方々の目がございます……よろしければ、中でお話を……」

甜花「あ、えと……うん……入って……!」

カチャ……

甜花「あ……ご、ごめんね……コーラぐらいしか用意がなくて……」

凛世「いえ……お構いなく……それより、本題に移っても良いでしょうか……」

甜花「う、うん……どうしたの……?」

凛世「甜花さんは、今の生徒会の動きに対してどう思われておりますか……?」

甜花「生徒会……うーん……みんなで生き残るっていう目的はいいし、甜花も同じ意見だけど……」

甜花「夜時間の行動に制限があって、監視までしてるのは……ちょっと、やりすぎ……かも……?」

凛世「……それに加えて、生徒会は今朝屍者の書を手にいたしました」

甜花「復活の儀式……だよね? 甜花は……一度死んじゃったみんなにもう一度会えるのなら嬉しい……けど……」

甜花「甦った人は……どう思うのかな……とは、ちょっと悩む……かも」

甜花「甜花に託して逝ったなーちゃんは……喜ぶと同時にちょっと、モヤモヤもしちゃうんじゃないかな……」

凛世「やはり……そう思われますか……」
347 : ◆vqFdMa6h2. [saga]:2023/10/14(土) 22:28:16.62 ID:ZqKIrmTz0

凛世「甜花さん……折りいって頼みがございます……」

甜花「え……?」

凛世「生徒会の内側に入り、儀式を止めてはいただけませんでしょうか……?」

甜花「え、ええ……? な、なんで……甜花が……?」

凛世「甜花さんには、交渉の材料があるからです……」

凛世「甜花さんの才能研究教室……その扉の鍵……生徒会は喉から手が出る程に欲しいのではないかと……」

甜花「え……やだ……この部屋は甜花のパラダイス、なんだけど……」

凛世「そこをなんとかお願いできませんか……生徒会が儀式のために必要とする要件がこの部屋には揃っているのです……」

凛世「他の人が入ってくることのない鍵付きの扉、そして精巧な立体物を作れる3Dプリンター……どれも儀式には欠かせぬものです……」

甜花「……」

凛世「凛世は、このまま夏葉さんが骸より呼び起こされ、尊厳を踏み躙ることを黙ってみていられないのです……」

凛世「夏葉さんが最後に何を思い、果てて行ったのか……それは一番甜花さんが理解しているものと思います……」

甜花「……!」

甜花「それって……もしかして、甜花を……【脅してる】……?」

凛世「そう捉えられても、構いません……」

甜花「……」

甜花「……分かった」

凛世「甜花さんが聡くいらっしゃって、何よりです……」

◆◇◆◇◆◇◆◇◆
348 : ◆vqFdMa6h2. [saga]:2023/10/14(土) 22:29:27.63 ID:ZqKIrmTz0

甜花「完全に杜野さんとは協力関係だったわけじゃないよ……甜花は、杜野さんの言葉に従う以外の選択肢がなかったから……」

甜花「でも……生徒会を崩壊させるのは、他の人のためにもなると思って……屍者の書の奪還を、実行したんだ……」

樹里「なんだか妙だとは思ったんだよな。甜花は変に図太いところがあるし、霧子の話も真正面から聞いている様子じゃなかったのに急に力になりたいなんて言い出したから」

愛依「うちはてっきり、霧子ちゃんの気持ちが届いたんだとばっかり……まさかうちらの気持ちを利用した計画だったなんて思わんかった……」

にちか「ちょ、ちょっと……甜花さんを悪人みたいに言うのはおかしいでしょ?! 悪いのはそっち……生徒会だよ!」

にちか「こっちの承諾も得ないで、勝手に権限を振り回すような真似をして……! 挙げ句の果てには勝手に死者蘇生?! ふざけてんのはそっちじゃないですかー!」

真乃「にちかちゃん、落ち着いて……! 今の論点はそこじゃないよ……!」

真乃「今の甜花ちゃんのお話、【変なところが一つあった】はずだよ。その疑問を明らかにしないと……」

にちか「……え?」

甜花「へ……?」

恋鐘「って甜花が一番キョトンとしとるばい!」

透「肝座ってんね。ポーカフェーイス」

灯織「真乃……? 何のこと……? 甜花さんはまだ私たちに何か隠してることがあるの?」

真乃「食い違いは必ずしも嘘をつこうとして生まれるものだけじゃないと思うんだ……本人も知らないうちに、事実と認識の間にズレが生まれちゃうことだって……あるはずだよ……」

(無意識のうちに生まれた食い違い……?)

(それって、何のことなの……?)

349 : ◆vqFdMa6h2. [saga]:2023/10/14(土) 22:30:32.70 ID:ZqKIrmTz0
---------------------------------------------

【ノンストップ議論開始!】

コトダマ
‣【3Dプリンター】
‣【消火シート】
‣【緑の物体】
‣【円香の証言】
‣【屍者の書】

甜花「甜花はありのままを全部話したよ……?」

甜花「【杜野さんにお願い】されて、甜花は生徒会に入ったんだ……」

愛依「甜花ちゃんは霧子ちゃんの言葉に本当にキョーカンしたわけじゃなかった……」

愛依「【霧子ちゃんの言葉が響かないなんておかしい】んじゃん?!」

甜花「杜野さんが共謀相手に甜花を選んだのは」

甜花「甜花の持つ【才能研究教室が理由】……」

透「鍵付きの部屋」

透「人形を作るための3Dプリンター」

透「儀式に使う道具を、【交渉材料にした】んだ」

甜花「甜花は有栖川さんを手にかけた過去があるから」

甜花「杜野さんの言葉には【従うしかなかった】んだ……」

真乃「やっぱり……甜花ちゃんの言葉は、少しおかしいよ」

真乃「落ち着いて、事実と言葉とを聞き比べてみて……っ!」


【正しいコトダマで矛盾する発言を論破しろ!】

↓1
350 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2023/10/14(土) 22:50:01.38 ID:9bitK4Uq0
【屍者の書】→【交渉材料にした】
351 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2023/10/14(土) 22:53:05.40 ID:27Ln3HX90
【交渉材料にした】に【屍者の書】
352 : ◆vqFdMa6h2. [saga]:2023/10/14(土) 22:55:28.56 ID:ZqKIrmTz0
正答が出たところで本日はここまで。
捜査の時からでしたが、3章の裁判は結構長めです……
暫くお付き合いいただければと思います。

明日10/15(日)も21:00ごろより再開予定です
よろしくお願いします。
353 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2023/10/14(土) 23:13:10.76 ID:9bitK4Uq0
乙乙
354 : ◆vqFdMa6h2. [saga]:2023/10/15(日) 20:46:45.44 ID:FB/qxYdo0

にちか「それは違くないですかー?」論破!

【BREAK!】

にちか「甜花さん、生徒会に潜入したのは杜野さんにお願いされたからなんですよね?」

甜花「うん……甜花が独断でやったわけじゃないよ……?」

にちか「儀式で使う道具が備わっている才能研究教室を甜花さんが持っていたから。それを引き合いに出した……」

にちか「そこがおかしいんだね、真乃ちゃん」

恋鐘「どがん意味? 鍵付きのドアも、3Dプリンターも実際生徒会は儀式のために使うたばい!」

真乃「だからこそだよ……! だって凛世ちゃんは私やにちかちゃん、あさひちゃんと条件は一緒だったから……」

真乃「屍者の書は【読む間も無く、生徒会に取り上げられてしまった】……儀式で何が必要になるかなんて、知っていたはずがないよ……っ!」

灯織「そうか……私たち生徒会にはすぐに内容の共有がなされたからその違和感に気づかなかったんだ……」

あさひ「内容の占有をされたことの方が問題なんっすけどね。ずるいっすよ」
355 : ◆vqFdMa6h2. [saga]:2023/10/15(日) 20:48:46.76 ID:FB/qxYdo0

甜花「そっか……そういえば、甜花もあの段階じゃまだ儀式に何が必要かは知らなかった……なんで気づかなかったんだろ……」

愛依「どーやって凛世ちゃんは屍者の書の中身を知ったんだろ……」

円香「普通に考えればどなたかがリークをしたんでしょうね。凛世に屍者の書の中身を話したんです」

霧子「それって……甜花ちゃんみたいに、本当は協力したくないのに……生徒会に所属していた人がいるってこと……?」

(……! それって……!)



恋鐘「……」



(恋鐘さんが、杜野さんに……? でも、どうして……?)
356 : ◆vqFdMa6h2. [saga]:2023/10/15(日) 20:50:22.21 ID:FB/qxYdo0

樹里「あ、アタシじゃねーぞ?! 凛世とは仲が良かったと思うけど……これはこれ、それはそれだ!」

(恋鐘さんは口を開こうとする気配はない。今はまだ、内通を伏せておくつもりなんだ)

透「アイム・イノセント」

(口にすれば、幽谷さんからの信頼を失ってしまうからなのかな)

灯織「私も違います! 私は心から霧子さんのために……!」

(……だとしたら、ここはまだ私も触れないでおこう。必ずしもこの議論に必要な情報じゃないしね)

愛依「うちも知らない! うちは生徒会に入ってからは接触をしてないよ!」

(今はこの問題を置いておいて先に進もう)

にちか「いや、リークした人が誰かは今重要じゃないです! 今は話すべきなのは、儀式を邪魔した杜野さんと甜花さんの共謀ですよ!」

にちか「甜花さん、あなたは生徒会から屍者の書を奪取してから……杜野さんと何を謀ったんですか?」

甜花「そ、そんなこと言われても……甜花はただ、儀式を邪魔しようっていうだけで……」

真乃「それじゃあ、実際甜花ちゃんがどんなふうに儀式を邪魔しようと動いて……凛世ちゃんとの間でどんな行動を起こしたのか、詳細に説明してもらえるかな……?」

あさひ「屍者の書を盗み出した……それだけじゃないっすよね? だって甜花ちゃんは仮にも生徒会のメンバーだったわけっす」

あさひ「隠し持ったまま生徒会と合流なんて、とてもじゃないけど出来ないっすよね」

灯織「うん……私たちがあの夜に甜花さんに実際接している限りでも、そんな違和感を感じた場面はなかったかな」

甜花「わかった……思い出せる範囲で、話させてもらうね……」

甜花「儀式の夜の、甜花の行動……!」

357 : ◆vqFdMa6h2. [saga]:2023/10/15(日) 20:52:04.86 ID:FB/qxYdo0
------------------------------------------------
【ノンストップ議論開始!】

コトダマ
‣【モノクマファイル4】
‣【円香の証言】
‣【死体の握っていた金具】
‣【空き教室(中央)の燭台】
‣【凛世の帯】

甜花「儀式の夜に、甜花が見張りについてたのは」

甜花「【4階の階段】……!」

霧子「見張りの配置はみんなで相談して決めたよね……」

樹里「甜花が名乗り出て、階段についたんだったっけな」

甜花「儀式が実際始まるってなった時……」

甜花「幽谷さんが一度月岡さんの才能研究教室に向かったから……フリーになったんだ……」

透「儀式に使う【包丁を取りに行った】からだね」

甜花「その隙に甜花が自分の才能研究教室の扉を開けて」

甜花「屍者の書を持ち出したんだ」

甜花「そのまま、【手前の空き教室】に行って」

甜花「甜花を待ってた杜野さんに手渡し……!」

甜花「えと……【それだけ】、だよ……?」

愛依「儀式には屍者の書が必要不可欠だもんね!」

恋鐘「屍者の書を甜花から凛世に横流しする計画やったとね!」


【正しいコトダマで矛盾する発言を論破しろ!】

↓1
358 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2023/10/15(日) 21:04:11.20 ID:o9n1er9i0
【それだけ】に【凛世の帯】
359 : ◆vqFdMa6h2. [saga]:2023/10/15(日) 21:08:01.83 ID:FB/qxYdo0

甜花「その帯は……何……?」

甜花「えっと、甜花……それは知らないや……ご、ごめんなさい……」

(この帯は杜野さんの行動の不可解さを示すもので、甜花さんが何かをした可能性を示すものではない……)

(もっと、明確に……杜野さん単独の行動でないとわかる、不可解な行動の証拠が現場に残っていなかったかな……)


------------------------------------------------

【ノンストップ議論開始!】

コトダマ
‣【モノクマファイル4】
‣【円香の証言】
‣【死体の握っていた金具】
‣【空き教室(中央)の燭台】
‣【凛世の帯】

甜花「儀式の夜に、甜花が見張りについてたのは」

甜花「【4階の階段】……!」

霧子「見張りの配置はみんなで相談して決めたよね……」

樹里「甜花が名乗り出て、階段についたんだったっけな」

甜花「儀式が実際始まるってなった時……」

甜花「幽谷さんが一度月岡さんの才能研究教室に向かったから……フリーになったんだ……」

透「儀式に使う【包丁を取りに行った】からだね」

甜花「その隙に甜花が自分の才能研究教室の扉を開けて」

甜花「屍者の書を持ち出したんだ」

甜花「そのまま、【手前の空き教室】に行って」

甜花「甜花を待ってた杜野さんに手渡し……!」

甜花「えと……【それだけ】、だよ……?」

愛依「儀式には屍者の書が必要不可欠だもんね!」

恋鐘「屍者の書を甜花から凛世に横流しする計画やったとね!」


【正しいコトダマで矛盾する発言を論破しろ!】

↓1
360 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2023/10/15(日) 21:12:28.36 ID:3kWwDvy/0
【死体の握っていた金具】>【それだけ】
361 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2023/10/15(日) 21:12:34.65 ID:o9n1er9i0
【それだけ】に【空き教室(中央)の燭台】
362 : ◆vqFdMa6h2. [saga]:2023/10/15(日) 21:15:13.57 ID:FB/qxYdo0
発言力等の概念をなくしたので直下でなくとも正答が出ている場合はそれを採用して進めることにしますね。

------------------------------------------------
>>361

にちか「それは違くないですかー?!」

【BREAK!】

にちか「甜花さん……屍者の書を杜野さんに渡した、本当にそれだけですか?」

甜花「……え?! そ、それだけ……本当に、それだけだよ……!?」

にちか「あれれー? だとしたらおかしいな……杜野さんはもっと別にも妨害工作をやってたはずなんですけど……」

甜花「な、なんのこと……?!」

にちか「空き教室の蝋燭を消してるんですよ。空き教室の壁には蝋燭が取り付けられていたのに、その火が消されていた」

にちか「儀式の中では屍者の書を燃やす必要が出てくる……だから蝋燭の火は必須なんですよ。現場から蝋燭の火が消えていたのは儀式に対する妨害工作以外の何ものでもない!」

透「言われてみれば。あの部屋で儀式をやるって決めた時には壁にちゃんと蝋燭は付いてたかも」

樹里「三つ並んでる空き教室はどれもレイアウトは同じだ。全ての教室に壁つけの燭台は共通してるはずだぜ」

真乃「それに、あの部屋には電気が通っていないので……蝋燭を消してしまえば行動自体が困難になりますよね……っ」

灯織「屍者の書を持ち出したことに加えての、保険だったんでしょうか」


甜花「ちょ、ちょっと待って……!」


円香「びっくりした……そんな大きな声出せるんだ」
363 : ◆vqFdMa6h2. [saga]:2023/10/15(日) 21:16:35.28 ID:FB/qxYdo0

甜花「知らない……甜花、そんな蝋燭のことなんか知らないよ……!」

甜花「もしかしたら、杜野さんが独断でやったのかもしれないけど……甜花はそんな話聞いてないもん……!」

愛依「そ、そうなん?」

霧子「蝋燭の灯を消すことぐらいは、大した手間じゃないよね……甜花ちゃんが知らなかったとしてもそんなに大きな問題にはならないと思うけど……」

霧子「凛世ちゃんが屍者の書を持ち出すことに加えて蝋燭を取り外したことがそんなに重要なの……?」

にちか「蝋燭を取り外したこと自体の重要性というか……甜花さんがこのことに関与していないはずがないのに、黙っているのが不自然なんですよ」

甜花「へ……?」

灯織「にちか、どういう意味? そんな証拠があるの?」

(甜花さんが蝋燭の着脱に確実に関わっている根拠は……これだ)

---------------------------------------------

【正しい選択肢を選べ!】

・蝋燭に指紋が残っている
・甜花自身が取り外したことを語っていた
・監視カメラの映像がある
・一人で取り外せる高さじゃない
・凛世が計画に残していた

↓1
364 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2023/10/15(日) 21:20:56.91 ID:3kWwDvy/0
・一人で取り外せる高さじゃない
365 : ◆vqFdMa6h2. [saga]:2023/10/15(日) 21:31:10.87 ID:FB/qxYdo0

にちか「これだー!」

【解!】

にちか「燭台の高さ……ですよ。真乃ちゃん、あの部屋を調査した時のことを覚えてる?」

真乃「う、うん……! 高さのことだね……っ!」

甜花「高さ……?」

にちか「あの燭台は身長が158cmの私が背伸びをして手を伸ばしてギリギリ届かないぐらいの高さなんですよ。私よりも背の低い杜野さんが一人で蝋燭を消すなんてこと、できないんです」

甜花「ひぃん……!?」

樹里「あー、言われてみればそうだよな……というかそりゃ当然か。アタシたちの目の高さとかに蝋燭の火があったら、万が一の時があぶねーもんな」

円香「あの部屋に踏み台になりそうなものは特にはなかったはずです。他の部屋から持ち込んでもいいですが、霧子が儀式のために部屋の出入りをしている中で目立つ行動はリスクがありますよね」

あさひ「人形を踏み台にするんじゃダメなんすか?」

にちか「出来なくはないと思うけど……足場には不安定じゃない?」

真乃「凛世ちゃんがあの蝋燭を消したんだとすると、甜花ちゃんの協力があった可能性が高いと思うんだけど……どうかな?」
366 : ◆vqFdMa6h2. [saga]:2023/10/15(日) 21:32:02.91 ID:FB/qxYdo0

甜花「そんなこと言われても……甜花、本当に知らないよ……? 杜野さんも、蝋燭を消すなんてことは言ってなかったし……本当だよ……!」

愛依「甜花ちゃんはこう言ってるけど……」

(……やけに頑なに否定するな。蝋燭を消すことに関与したのを認めるのってそんなに何かまずいのかな)

(いや……そもそも前提が違う? 杜野さんが火を消すのに誰かの協力は必須だろうけど……もし、火を消したのが杜野さんじゃないのだとすれば……)

にちか「あの、幽谷さん。ここで確認しておきたいんですけど、儀式で使った空き教室に最後に出入りした時……蝋燭はどうなっていました?」

霧子「確か……蝋燭はついていたはずだよ。人形がちゃんと並んでいるかの確認を指差ししてやったはずだから……」

霧子「儀式を中止してから部屋を覗いてはないから、いつ蝋燭が消えたのかはわからないな……ごめんね……」

(……蝋燭を消すのに私の身長だとギリギリ。つまり私よりも数センチ以上背が大きい人なら一人でも出来なくはないということだ)

◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆

恋鐘「あー……こいはうちくらい身長がなかと届かんね……」

にちか「恋鐘さんって身長はいくつなんです?」

恋鐘「165〜! にちかたちよりは10cm近く大きいけん、ちょっとの背伸びでここにも届くたい!」

恋鐘「こいでよか?」

にちか「はい! ありがとうございます!」

◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆

(実際……恋鐘さんは一人で手を届かせていた)

(この中で背が高いのは、162cmの愛依さん、165cmの恋鐘さん。この二人なら一人でも蝋燭は消せたんじゃないかな)

(じゃあ儀式の妨害のために蝋燭を消したのって……)

367 : ◆vqFdMa6h2. [saga]:2023/10/15(日) 21:33:48.00 ID:FB/qxYdo0

透「ねえ、蝋燭を消したのが凛世ちゃんかどうかも気になるんだけどさ」

透「それより気になってるのが……凛世ちゃんの行動なんだけど」

円香「どうしたの、らしくなく真面目? 霧子の影響でも受けた?」

透「えー、ひど。命かかってんだよ、こっちも」

霧子「透ちゃん、凛世ちゃんの行動が気になるっていうのは……?」

透「凛世ちゃんは儀式の妨害がしたかったんでしょ? だったら普通、屍者の書を手に入れた瞬間逃げん?」

透「屍者の書を持った状態で4階に潜み続ける意味がない気がすんだけど」

灯織「確かに……そもそもはそうですよね。屍者の書さえなければ儀式は中止せざるを得ないんですから、蝋燭の火の如何なんて関係ない気がします」

甜花「て、甜花もそう思う……! ていうか、最初に杜野さんから聞いてた計画はその通りだったよ……!」

樹里「っつーと、屍者の書を甜花が凛世に渡したら……凛世は逃げる予定だったのか?」

甜花「幽谷さんがいつ戻ってくるのか、タイミングがわからないから一旦は手前の空き教室に姿を潜めてからにはなるけど……様子を見て、脱出するはずだったんだ」

(まあ……確かに屍者の書を盗むことに成功すれば、蝋燭の火を消したりするのはむしろ助長なのかも)

(姿を見られるリスクを踏んでまでやるべきことじゃない……?)

愛依「じゃあ単純に……逃げるタイミングがなかったってことだけなんじゃね? 4階には生徒会がずっと誰かしらいたわけだしさ」

霧子「儀式の間は協力者の甜花ちゃんから代わってないんだよ……? 逃げるタイミングなら、あったと思うかな……」

真乃「逃げるタイミングがあったのに、逃げていない……それってつまりは……」

真乃「残り続ける目的があった、ということじゃないでしょうか……っ!」

円香「……目的?」

真乃「それも、甜花ちゃんにも伏せられていた真の目的です……!」

(杜野さんはあの時……なにを狙っていたんだ……?)
368 : ◆vqFdMa6h2. [saga]:2023/10/15(日) 21:35:10.39 ID:FB/qxYdo0
---------------------------------------------
【ノンストップ議論開始!】

コトダマ
‣【空き教室の紙片】
‣【死体の下敷きになっていた金具】
‣【床下の小太刀】
‣【屍者の書】
‣【霧子の証言】

樹里「屍者の書を奪った時点で儀式の妨害は完了してる」

樹里「4階に残り続ける理由なんてなかったはずだ!」

灯織「凛世は生徒会に対立する立場でした」

灯織「【生徒会の誰かの殺害を企てていた】可能性もあるのではないでしょうか」

樹里「いや、そんな物騒なことを凛世は考えねーって」

樹里「多分、何か【無くしものをしちまって】離れようにも離れられなかったんだよ」

愛依「もしかして、凛世ちゃんには本当は霧子ちゃんの想いが伝わっていて」

愛依「【儀式を実行するため】に残ってたとか!」

愛依「屍者の書を【霧子ちゃんに返す】ために残ってたんだ!」

あさひ「だとしたら黙ってないで出てくればいいじゃないっすか」

あさひ「凛世ちゃんはずっと姿を隠してたんっすよ?」


【正しい発言に正しいコトダマで同意しろ!】

↓1

369 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2023/10/15(日) 21:39:55.26 ID:3kWwDvy/0
【床下の小太刀】>【儀式を実行するため】
370 : ◆vqFdMa6h2. [saga]:2023/10/15(日) 21:46:26.00 ID:FB/qxYdo0

愛依「そっか、その小太刀を凛世ちゃんは儀式に使おうとしたんだ! 人形に刃物を突き刺す工程があったはずだから___」

あさひ「あの人形は樹脂製なんっすよ? 相当に頑丈なはずっす」

あさひ「もしも凛世ちゃんが儀式に使ったんだったら、刃こぼれしていると思うし……それに、もっと頑丈だったり柄が長かったりするものを使うと思うっす」

愛依「そっか、そーじゃん!」

(うぅ……なんだか強引に押し切られちゃったな)

(この証拠を渡してきたのは芹沢さん……彼女がここまで拒絶するってことはこのカードを切るのはこのタイミングじゃないってことなのかな)

---------------------------------------------
【ノンストップ議論開始!】

コトダマ
‣【空き教室の紙片】
‣【死体の下敷きになっていた金具】
‣【床下の小太刀】
‣【屍者の書】
‣【霧子の証言】

樹里「屍者の書を奪った時点で儀式の妨害は完了してる」

樹里「4階に残り続ける理由なんてなかったはずだ!」

灯織「凛世は生徒会に対立する立場でした」

灯織「【生徒会の誰かの殺害を企てていた】可能性もあるのではないでしょうか」

樹里「いや、そんな物騒なことを凛世は考えねーって」

樹里「多分、何か【無くしものをしちまって】離れようにも離れられなかったんだよ」

愛依「もしかして、凛世ちゃんには本当は霧子ちゃんの想いが伝わっていて」

愛依「【儀式を実行するため】に残ってたとか!」

愛依「屍者の書を【霧子ちゃんに返す】ために残ってたんだ!」

あさひ「だとしたら黙ってないで出てくればいいじゃないっすか」

あさひ「凛世ちゃんはずっと姿を隠してたんっすよ?」


【正しい発言に正しいコトダマで同意しろ!】

↓1
371 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2023/10/15(日) 21:49:10.62 ID:M0NVOkbs0
【無くしものをしちまって】に【床下の小太刀】
372 : ◆vqFdMa6h2. [saga]:2023/10/15(日) 21:55:08.26 ID:FB/qxYdo0

樹里「あー……その小太刀はちげーんじゃねーか?」

樹里「ほら、その小太刀ってすげー価値が高いものなんだろ? 凛世の才能研究教室にあったものなんだし、それを雑に扱うような真似を凛世はやらねーって」

(ん……? なんだか、西城さん……何か言い淀んだような)

樹里「と、とにかく! それはナシだ! その小太刀を落としたからその場に残ってたわけじゃねーって!」

(うーん……これ以上突っ込んでも話してくれなさそうだな……)

---------------------------------------------
【ノンストップ議論開始!】

コトダマ
‣【空き教室の紙片】
‣【死体の下敷きになっていた金具】
‣【床下の小太刀】
‣【屍者の書】
‣【霧子の証言】

樹里「屍者の書を奪った時点で儀式の妨害は完了してる」

樹里「4階に残り続ける理由なんてなかったはずだ!」

灯織「凛世は生徒会に対立する立場でした」

灯織「【生徒会の誰かの殺害を企てていた】可能性もあるのではないでしょうか」

樹里「いや、そんな物騒なことを凛世は考えねーって」

樹里「多分、何か【無くしものをしちまって】離れようにも離れられなかったんだよ」

愛依「もしかして、凛世ちゃんには本当は霧子ちゃんの想いが伝わっていて」

愛依「【儀式を実行するため】に残ってたとか!」

愛依「屍者の書を【霧子ちゃんに返す】ために残ってたんだ!」

あさひ「だとしたら黙ってないで出てくればいいじゃないっすか」

あさひ「凛世ちゃんはずっと姿を隠してたんっすよ?」


【正しい発言に正しいコトダマで同意しろ!】

↓1
373 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2023/10/15(日) 22:03:29.85 ID:M0NVOkbs0
【生徒会の誰かの殺害を企てていた】に【床下の小太刀】
374 : ◆vqFdMa6h2. [saga]:2023/10/15(日) 22:09:36.25 ID:FB/qxYdo0

灯織「そうか、その小太刀を使って生徒会の誰かの命を……!」

樹里「だから違うって! 凛世が命をいたずらに奪うようなこと、考えるわけねー!」

灯織「で、でもこの小太刀が床下に落ちていたのは……」

樹里「それは……護身用か何かだろ、大した意味はねーって!」

(やけにこの小太刀のことになると言葉数が増えるな……)

(西城さんの反論は感情的だけど、この小太刀みたいな杜野さんに直結しそうな証拠を使って殺害を考えるのは……ちょっと考えづらいかもな)

(芹沢さんが首を横に振ったこともあるし……今はこの小太刀から一度離れて考えてみるのもいいかも)

(杜野さんの行動意図を示すような証拠が何か、見つかっていなかったかな……)

---------------------------------------------
【ノンストップ議論開始!】

コトダマ
‣【空き教室の紙片】
‣【死体の下敷きになっていた金具】
‣【床下の小太刀】
‣【屍者の書】
‣【霧子の証言】

樹里「屍者の書を奪った時点で儀式の妨害は完了してる」

樹里「4階に残り続ける理由なんてなかったはずだ!」

灯織「凛世は生徒会に対立する立場でした」

灯織「【生徒会の誰かの殺害を企てていた】可能性もあるのではないでしょうか」

樹里「いや、そんな物騒なことを凛世は考えねーって」

樹里「多分、何か【無くしものをしちまって】離れようにも離れられなかったんだよ」

愛依「もしかして、凛世ちゃんには本当は霧子ちゃんの想いが伝わっていて」

愛依「【儀式を実行するため】に残ってたとか!」

愛依「屍者の書を【霧子ちゃんに返す】ために残ってたんだ!」

あさひ「だとしたら黙ってないで出てくればいいじゃないっすか」

あさひ「凛世ちゃんはずっと姿を隠してたんっすよ?」


【正しい発言に正しいコトダマで同意しろ!】

↓1
375 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2023/10/15(日) 22:20:59.64 ID:M0NVOkbs0
【儀式を実行するため】に【屍者の書】
376 : ◆vqFdMa6h2. [saga]:2023/10/15(日) 22:31:21.60 ID:FB/qxYdo0

すみません、コトダマの選択肢が選出ミスだったようです……
無理くり誤答になる説明を書いていたら少し後の展開と少し齟齬が生じてしまいました。
以後そんな場面があると思いますがどうかご容赦願います。

こちらのミスですので、一旦正答で進めさせてください……
本当にグダグダ進行で申し訳ないです……

---------------------------------------------
【空き教室の紙片】→【儀式を実行するため】
---------------------------------------------

にちか「それしかないですよー!」同意!

【BREAK!】

にちか「……なんか、杜野さんの考えが読めなくなってきました。あの人って本当に甜花さんと共謀して、生徒会の邪魔をしようとしてたはずですよね?」

真乃「にちかちゃん……?」

にちか「死体発見現場に落ちてた、奇妙なメモのこと……思い出したんだ」

霧子「メモ……?」

にちか「はい。今回の儀式において、その蘇りの対象となる4名の名前が書いてあったメモなんですけど……」

にちか「生徒会が復活させようとしていた有栖川さんの名前には×が並記されて、逆にルカさんの名前に〇が併記されてるんですよ」

にちか「死体発見現場の状況を思い出してみてください! あの時……並んでいた人形の中で、ルカさんの人形だけが中央に横たえられていた」

にちか「本来ならあそこにあるはずの人形は有栖川さんのはずだった……杜野さんは生徒会の実行しようとしていた儀式を乗っ取る形で儀式を遂行しようとしたんじゃないですか!?」
377 : ◆vqFdMa6h2. [saga]:2023/10/15(日) 22:32:30.66 ID:FB/qxYdo0

恋鐘「り、凛世が儀式を……!? そ、そがんはずがなか、儀式の日の朝……にちかたちと乗り込んできた時に凛世は言うとったはずばい!」

恋鐘「儀式自体に反対だって! 甦りは自然の摂理に反する冒涜的な行為だって聞いとったよ!」

樹里「……あの時の主張に同調はしかねるけど、確かに凛世は儀式自体に反対のスタンスを取ってたはずだ」

樹里「それなのに、凛世自身が儀式を実行しようと試みたっていうのか?」

真乃「凛世ちゃんが隠れていた空き教室を移動して、儀式の空き教室に移っていたのは裏付けになりませんか?」

真乃「甜花ちゃんの言っていた通り、凛世ちゃんが屍者の書を儀式の妨害に使うためだけなら……少なくとも儀式に使われた空き教室に行く必要はなかったはずです!」


【樹里「トランジション、決めさせてもらうぜ!」】反論!



樹里「凛世が儀式を実行するために4階に残った……そいつはおかしい!」

樹里「だってそれを認めるってことは……凛世が甜花を欺いて、自分のために利用したってことになるだろ」

樹里「凛世はそんなことをするような奴じゃない……! アイツは……誰よりも純真だから、この学園に来た時のこの疑心暗鬼の渦に一番苦しんでいた」

樹里「そんなアイツが……甜花を利用したはずがない!」

378 : ◆vqFdMa6h2. [saga]:2023/10/15(日) 22:33:33.16 ID:FB/qxYdo0
---------------------------------------------
【反論ショーダウン・真打 開始!】

コトノハ

‣【死体発見時の状況】
‣【モノクマファイル4】
‣【床下の小太刀】
‣【死体の下敷きになっていた金具】
‣【消火シート】

樹里「凛世が4階に残り続けていたのは」

樹里「単純にタイミングがなかったからだ」

樹里「甜花を協力者に据えているとはいえ」

樹里「いつ生徒会の他のメンバーが戻ってくるかもわからない」

樹里「そんな状況で出て行くことはできなかったんだよ!」

◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇
【発展!】

にちか「その主張は分かりますけど……」

にちか「だったらあのメモの説明も」

にちか「部屋を移動していたことの説明もつかないですよ!」

◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇

樹里「んなもん、どっちも犯人の偽装工作だよ!」

樹里「凛世が儀式を実行しようと考えていたように見せかけるために」

樹里「犯人が作った偽物の証拠品だ!」

樹里「だいたい、凛世には儀式を実行することは不可能だったはずだ」

樹里「現場には【儀式に必須の刃物がなかった】からな!」


【矛盾する発言を正しいコトノハで論破しろ!】

↓1

379 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2023/10/15(日) 22:38:12.33 ID:M0NVOkbs0
【儀式に必須の刃物がなかった】に【床下の小太刀】
380 :直後の議論だったのに見落としててすみません…… ◆vqFdMa6h2. [saga]:2023/10/15(日) 22:41:13.79 ID:FB/qxYdo0

にちか「その言葉、切ってみせます!」論破!

【BREAK!】

にちか「現場に刃物がなかった……そんなことはないですよ。ちゃんと儀式に使うための刃物は用意されてたけど……現場が現場だけに見失ってたんですよ」

樹里「ん……? どういう意味だ……?」

にちか「あの空き教室は床の板の隙間がかなり空いてたんです。だからそこから床下に落下してしまった刃物を見落としちゃったんですよ」

にちか「そうだよね、芹沢さん」

あさひ「はいっす。床下に潜り込んだら、儀式にも使える短い日本刀……小太刀が見つかったっすよ」

真乃「銘刀・天網島……高名な鍛冶屋さんが作った特別性の脇差みたいです」

愛依「そっか……この刀ならツカ?もないから隙間に引っかかったりもせずに床下に落ちちゃうんだ!」

灯織「儀式の際に人形の胸に突き立てるには十分な長さと強度もある。条件はちゃんと満たしていますね」

透「んー……でもさ、それが凛世ちゃんの持ち込んだものなのかどうかは分かんなくない?」

透「名札でもついてるなら、別だけど」

あさひ「そんなのあるわけないっすよ! 歴史的に価値があるものを汚したりしちゃいけないんっすよ!」

にちか「よくあなたがそれを言えたね……」

円香「でも、実際そうだよね。この刀自体は凛世の才能研究教室にあったもので、誰でも持ち出すことはできたんでしょ?」

円香「凛世が持ち出したものだとは断言できない。凛世が儀式を図っていたとも限らないでしょ」

(……いや、杜野さんが儀式を行おうとしていたこと自体は明白なんだ)

(そうでもなきゃ、4階に残り続けるわけがない。杜野さんが私たちに見せていた言動のどれが本当だったのかはわからないけど……)

(今掴んだこの道筋は間違いないはず! ここは強引にでも無理くり押し通すぞ!)

381 : ◆vqFdMa6h2. [saga]:2023/10/15(日) 22:43:16.61 ID:FB/qxYdo0
------------------------------------------------

【偽証ミスディレクション開始!】

コトダマ
‣【床下の小太刀】
‣【ショーケース】
‣【死体の握っていた金具】
‣【モノクマファイル4】
‣【古今呪儒撰集】

樹里「空き教室の床下にあった小太刀」

樹里「儀式に必要な刃物としての要件は、確かに満たしてるよ」

透「でも、それが凛世ちゃんの持ち出したものとは限らんよ」

透「凛世ちゃんの才能研究教室に置いてあった小太刀」

透「【誰でも持ち出すこと自体はできた】じゃんね」

真乃「あの刀は同じものが【二つとない特別製】です……っ!」

真乃「儀式に使うなんておおそれたことができたのは、部屋の持ち主だったからかもしれません!」

円香「あの小太刀を使ったのが【凛世だって証拠が残ってる】ならまだしも」

円香「あの小太刀には汚れ一つ付いてないから」

あさひ「そもそも、生徒会の人たちが儀式に使おうとしてたものだって可能性もあるっすよね?」

霧子「ううん……生徒会が儀式に使おうとしてたのは……」

霧子「【恋鐘ちゃんの才能研究教室の包丁】だよ……」

霧子「その小太刀は今、ここで初めて見たかな……」


【嘘のコトダマで議論の流れを捻じ曲げろ!】

↓1
382 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2023/10/15(日) 22:49:58.18 ID:M0NVOkbs0
【凛世だって証拠が残ってる】に【死体の握っていた金具】
383 : ◆vqFdMa6h2. [saga]:2023/10/15(日) 23:02:23.87 ID:FB/qxYdo0

すみません、時間的に厳しくなってきたので今日はこれで切り上げます。
明日の更新は厳しいので、10/17(火)の21:00より再開予定です。

(死体が握っていた金具と小太刀とじゃ素材が違うな……)

(流石に小太刀の装飾品だったとは主張できないか……)

(むしろ、あの小太刀が杜野さんのものだったと主張する方が早いか……)

------------------------------------------------

【偽証ミスディレクション開始!】

コトダマ
‣【床下の小太刀】
‣【ショーケース】
‣【死体の握っていた金具】
‣【モノクマファイル4】
‣【古今呪儒撰集】

樹里「空き教室の床下にあった小太刀」

樹里「儀式に必要な刃物としての要件は、確かに満たしてるよ」

透「でも、それが凛世ちゃんの持ち出したものとは限らんよ」

透「凛世ちゃんの才能研究教室に置いてあった小太刀」

透「【誰でも持ち出すこと自体はできた】じゃんね」

真乃「あの刀は同じものが【二つとない特別製】です……っ!」

真乃「儀式に使うなんておおそれたことができたのは、部屋の持ち主だったからかもしれません!」

円香「あの小太刀を使ったのが【凛世だって証拠が残ってる】ならまだしも」

円香「あの小太刀には汚れ一つ付いてないから」

あさひ「そもそも、生徒会の人たちが儀式に使おうとしてたものだって可能性もあるっすよね?」

霧子「ううん……生徒会が儀式に使おうとしてたのは……」

霧子「【恋鐘ちゃんの才能研究教室の包丁】だよ……」

霧子「その小太刀は今、ここで初めて見たかな……」


【嘘のコトダマで議論の流れを捻じ曲げろ!】

↓1
384 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2023/10/15(日) 23:43:31.41 ID:zqXSCzhb0
【誰でも持ち出すこと自体はできた】に【ショーケース】
385 :前回はすみませんでした、出来る限りミスの少なくなるよう努めます ◆vqFdMa6h2. [saga]:2023/10/17(火) 20:53:51.95 ID:h5PYd+Vs0

にちか「この嘘が真実を手繰り寄せる!」偽証!

【BREAK!】

にちか「杜野さんの才能研究教室自体は誰でも出入りは可能でした。甜花さんの才能研究教室みたいに鍵はついてなかったですしね」

円香「そういえば、なんで甜花の部屋だけ特別扱いなの?」

モノクマ「そりゃ勿論、親フラ防止のためだよ!」

モノタロウ「歌ってみた、踊ってみた、ゲーム実況……親の声が入ったせいで闇に消えたタイムシフトは星の数ほどあるんだ……」

モノファニー「そんな悲しみを生むわけにはいかないの! 配信者は視聴者と共に歩むモノ、その轍を残しておく義務があるのよ!」

にちか「でも、部屋に入れたとしても……中のものを持ち出すとなるとことはそう簡単には行かなくなるんですよ」

霧子「え……? 誰でも手の届くところに展示品はあったよね……?」

にちか「そう見えますけど……実際に持ち出そうとするとことはそう簡単じゃないんですよ」

にちか「実はあの部屋が開放されてすぐ、芹沢さんがショーケースの中の所蔵品に損傷を与えたことがあって……」

愛依「あー! あの古書にボールペンで書き込んだやつ!?」

樹里「な、何やってんだよ!?」
386 : ◆vqFdMa6h2. [saga]:2023/10/17(火) 20:58:01.25 ID:h5PYd+Vs0

にちか「それ以来、あのショーケースには【鍵が取り付けられてた】んですよ。その鍵は、杜野さんが管理していたはずです」

真乃「……」

甜花「へ……?」

あさひ「えっ……そうなんっすか?」

愛依「そーなんだ……うちも知らんかった」

(……よし! あの騒動の場には、愛依さんも居合わせていた)

(芹沢さんが所蔵品を損傷してしまったことに愛依さんは責任を感じて、近づけさせないように誓っていた)

(愛依さんの見張りはちゃんと効いてたみたいだ、この嘘は……露見しないぞ!)

灯織「生徒会による見張りも、設備の一つ一つを確かめるところまでは行き届いていませんでした」

灯織「鍵を新たにつけられていたことに気づきもしませんでしたね……」

透「小太刀を持ち出せたのは実質凛世ちゃんだけ……」

透「マジかー、儀式。マジかー……」

霧子「凛世ちゃんは屍者の書を持ち出すことで儀式をうやむやにした上で……自分で持ち込んだ小太刀と合わせて儀式を実行しようとしたんだね……」

387 : ◆vqFdMa6h2. [saga]:2023/10/17(火) 20:59:43.51 ID:h5PYd+Vs0

甜花「復活させようとしたのは……斑鳩さん?」

恋鐘「夏葉の死を穢すのは抵抗があったとけど、ルカやったらよかと思ったと」

恋鐘「……う〜〜〜ん?」

樹里「まあ……一旦凛世が儀式を実行しようとしてたことは飲み込むとしてもだ」

樹里「その凛世がどうして、命を落とすことになるんだ? しかもあんな凄惨な死に方で」

愛依「カンジンなのはそこだよね……結局、4階で何が起きたんかはまだ見えてこない系」

あさひ「そっすか?」

灯織「あさひ……あなたにはまたこの事件の先が見えているの?」

あさひ「逆にみんなは分からないんっすか? 凛世ちゃんは儀式をしようとしてたんっすよ?」

あさひ「儀式の工程、それと現場に残ってた証拠を加味すればどうして凛世ちゃんが死んだのかは自ずと見えてくるっすよ」

真乃「ほ、本当に……?」

(相変わらずこの子は私たちの先に先に行って……!)

(いいよ、乗ってやる……! その挑発、真っ向から受けてやるんだから……!)
388 : ◆vqFdMa6h2. [saga]:2023/10/17(火) 21:00:50.05 ID:h5PYd+Vs0
------------------------------------------------
【ノンストップ議論開始!】

コトダマ
‣【3Dプリンター】
‣【床下の小太刀】
‣【ガスボンベ】
‣【屍者の書】
‣【死体の握っていた金具】

あさひ「凛世ちゃんがどういう経緯で命を落としたのか」

あさひ「それは儀式の手順と証拠品を合わせて考えれば分かるはずっす!」

霧子「儀式の手順を一つ一つ追っていこうか……」

愛依「まず、これまでに命を落とした【みんなを模した人形を作る】んだよね」

愛依「これは生徒会が3Dプリンターを使ってやったね!」

灯織「次に刃物を復活させたい人形の【胸部に突き立てます】」

灯織「今回使われた小太刀は凛世にしか調達ができないもの」

灯織「凛世が儀式を実行したのは間違いないようです」

透「最後に【屍者の書を燃やして】」

透「その灰を人形の上から振りかける」

透「ついでに【呪文を唱えた】ら、はい出来上がり」

透「死者の復活、一丁上がり……ってね」

真乃「この手順のどこかで、命を落とす要素があったんでしょうか……?」

あさひ「にちかちゃんは、どう思うっすか?」

あさひ「怪しい手順を指摘してほしいっす」


【正しいコトダマで正しい発言に同意しろ!】

↓1
389 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2023/10/17(火) 21:07:03.58 ID:K2JfBDci0
【屍者の書を燃やして】に【ガスボンベ】
390 : ◆vqFdMa6h2. [saga]:2023/10/17(火) 21:09:25.85 ID:h5PYd+Vs0

にちか「そこだー!」同意!

【BREAK!】

にちか「そういうこと……! 杜野さんは誰かに直接手を下されたんじゃなくて……一人でに、勝手に命を落としたんだ……!」

灯織「えっ……?! そ、それって凛世は自殺……ってこと?!」

にちか「いや、そうじゃないよ。杜野さんは犯人によって仕掛けられた罠にハマって命を落としたんだ!」

にちか「儀式を実行しようとすると、引っかかってしまう即死級のトラップにね!」

にちか「芹沢さん、あなたが言いたいのは地下室で発見したガスボンベのことなんだよね?」

樹里「ガスボンベ……っつーと、鍋とかをする時に使うアレか?」

あさひ「はいっす。小太刀と同じで床下に転がってた証拠品っすね。でも、あのガスボンベはただ床下に落ちてたんじゃなくて」

あさひ「容器に穴をあけられた状態で床下に落ちてたっす。要は【ガス漏れ状態だった】ってことっすね」

透「家庭科の授業とかでもやったっけ……ガスを使う時は、ガス漏れをしないように気をつけろって」

円香「家庭用ガスとして使われてる気体は引火しやすい。タバコの火のような小さなものでも、大爆発を引き起こす可能性がある危険なもの」

愛依「そっか……! 屍者の書を燃やして灰にする時、絶対に火をつけなきゃなんないから……!」

にちか「そういうことです! 犯人は予め地下に穴をあけたガスボンベを転がしておくことで……」

にちか「現場にいずとも、杜野さんを爆発に巻き込んで殺すことが可能だったんですよ!」
391 : ◆vqFdMa6h2. [saga]:2023/10/17(火) 21:12:41.57 ID:h5PYd+Vs0

真乃「特に、犯行現場の空き教室の蝋燭は何者かによって消されていました。凛世ちゃんが儀式を実行しようとする際には」

真乃「自分の手で火をつけることが必須だったはずですよ……っ!」

霧子「ガス爆発……? 本当に……?」

愛依「霧子ちゃんどしたん……? なんか引っかかることでもあんの?」

霧子「うん……あのね、私は儀式を中止した後もずっと4階の甜花ちゃんの才能研究教室に残ってたんだ……」

霧子「でも、そんな爆発の音や衝撃を感じることはなかったような……円香ちゃんは、どう?」

円香「……そうだね、私も記憶にない」

あさひ「あれれ、そうなんっすか? 爆発が起きたこと自体は明白だと思うんっすけど……」

あさひ「ほら、その証拠なら現場に落ちてたっすよね?」

真乃「爆発が起きた証拠……そんなものあったかな……?」

(爆発が起きたことを指し示す証拠か……)

(爆発が起きたってことはそれなりに大きな衝撃と熱が瞬間的に発生したことになる)

(その可能性を示す証拠といえば……)

【正しいコトダマを選べ!】

>>321>>323

↓1
392 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2023/10/17(火) 21:28:37.85 ID:K2JfBDci0
【ルカの人形】
393 : ◆vqFdMa6h2. [saga]:2023/10/17(火) 21:34:19.41 ID:h5PYd+Vs0

にちか「これだー!」

【解!】

にちか「現場に転がっていたルカさんの人形……あの損壊状態を見れば明らかですよ!」

真乃「凛世ちゃんが儀式で復活させようとしていたのはルカさん……凛世ちゃんが屍者の書を燃やして灰にする時、一番そばにあった人形もまたルカさんのものであるはずです」

にちか「つまり、爆発の衝撃を一番そばで受けたのがルカさんの人形だった……だからあんなふうにルカさんの人形は砕けてたんじゃないですか?!」

恋鐘「あん人形はどれも3Dプリンターで作られたもので、樹脂製ばい。熱には弱かけど、うちら女の子の力で砕くのは無理があるとよ」

灯織「爆発の衝撃により砕けた可能性は高い……というわけですね」

あさひ「さらに、砕けた部分の接合部は半分溶けかかってたっす。爆発によって生じた熱を間近で浴びた証拠っすね」

円香「なるほど……爆破があったこと自体は確定的」

円香「なら、どうして同じ階にいた私も霧子もその音や衝撃に気づかなかったんですか?」

にちか「霧子さん、昨日の夜は儀式を中止してからは甜花さんの才能研究教室に篭りっぱなしだったんですよね?」

霧子「うん……円香ちゃんとずっとお話ししてたから……」

円香「お話し……ねぇ、随分と一方的な会話もあったものだと思うけど」

にちか「それなら大丈夫です。お二人が気づかなかったことにもバッチリ説明はつけられますよ」

(二人が篭っていた部屋は甜花さんの才能研究教室だった)

(まさにそれこそがこの疑問に対する答えだ)

(だって甜花さんは超研究生級のストリーマーだったんだから……!)

---------------------------------------------

【にっちー危機一髪 スタート!】

甜花の才能研究教室には■■■■■■■が敷き詰められていた!

い だ き お ま
ゆ ざ ち う ん
 
【正しいワードで推理をぶちかませ!】

↓1
------------------------------------------------
394 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2023/10/17(火) 21:38:57.52 ID:K2JfBDci0
きゆうおんざい
395 : ◆vqFdMa6h2. [saga]:2023/10/17(火) 21:42:13.03 ID:h5PYd+Vs0

にちか「見えましたー!」

【COMPLETE!】

にちか「お二人が爆発の衝撃にも音にも気づかなかった理由、それはまさに甜花さんの才能によるものだったんですよ!」

甜花「甜花の才能って……【超研究生級のストリーマー】だってこと……?」

にちか「はい、まさにそれです! あの部屋を最初に調べた時のこと……覚えてますか? モノクマーズたちが私たちにした説明がキーなんですけど」

モノタロウ「えっ?! オイラたちの説明がヒント!? オイラ、何言ったんだっけ?!」


◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆

モノタロウ「この部屋には外の世界からの声も振動も何も届かないから、気持ちを込めてインターホンを押すんだよ!」

モノタロウ(聞こえますか……あなたの心の中に直接語り掛けています……)

モノタロウ「ってね!」

◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆

モノタロウ「えっ?! そんなネットユーモアの出涸らしみたいなこと言ったっけ!?」

にちか「もうっ! しっかりしてよ! あの部屋にインターホンが取り付けられてる理由……あなたたちがちゃんと口にしてたはずだよ!」

甜花「そっか……あの部屋は完全防音、完全防振だったんだ……!」

モノタロウ「生配信の邪魔は誰にも許されないからね! プレミア会員以外はお帰りいただくよ!」

霧子「そうなんだ……だったら、気づかないかもしれないね……部屋の外で、何が起きても……」

霧子「凛世ちゃんが、命を落としても……」

にちか「どうです!? これでガスボンベを使ったトラップが実際に用いられたことも証明できましたよね!?」

灯織「……凛世がどうやって命を落としたのかは明らかになった。それならあとはそのトラップを仕掛けたのが誰だったのか……ですね」

樹里「よし……それじゃあ次は誰がトラップを仕掛けたのかを話し合って_____」
396 : ◆vqFdMa6h2. [saga]:2023/10/17(火) 21:43:13.04 ID:h5PYd+Vs0





あさひ「議論なんかいらないっすよ」





397 : ◆vqFdMa6h2. [saga]:2023/10/17(火) 21:45:00.31 ID:h5PYd+Vs0

あさひ「ちょっと、まだみんな犯人に気づいてないんっすか? こんなトラップ、仕掛けた可能性があるのはただの一人じゃないっすか」

にちか「は……?! いやいや、今までの議論のどこに犯人を絞れる要素があったの?!」

にちか「床下に仕掛けてあったガスボンベは恋鐘さんの才能研究教室から誰でも調達できるものだし……このトラップは犯行時間のアリバイも不要」

にちか「容疑者は私たち全員なんじゃ……」

あさひ「うーん……にちかちゃんは誤解してるっすね。わたしは『トラップを仕掛けられる人が一人しかいない』じゃなくて、『仕掛けた可能性がある人が一人しかいない』って言ったんっすよ」

あさひ「これまでの推理を辿っていくんっすよ。そうすれば犯人はただの一人に自ずと搾られるはずっす」

(これまでの推理を……辿る?)

(辿れるほどの道程があったようにも思えないけど……どこかにただ一人のクロへと繋がる鍵があったってことなのかな)

(一体どこに……? 私は何を見落としてる……?)

------------------------------------------------

【検討プロセッシング開始!】

結局今回の裁判でも、芹沢さんの良いように議論が動かされてる……癪だな。
でも、彼女が私たちよりも先をいっていることは確かなんだ。とにかく今は彼女に追いつくために思考を進めるしかない。

まず、今回の被害者である杜野さんの行動を振り返ってみるか。
彼女は甜花さんと共謀し、甜花さんを生徒会に潜入させることで儀式を組織の内側から妨害しようと試みた。
でも、それは甜花さんを意のままに動かすための表向きの理由だ。杜野さんの真の狙いはそこじゃなくて、別のところにあった。
杜野さんの真の狙いというのは……

Q1.凛世が甜花を生徒会に忍び込ませ、屍者の書を奪い取った本当の狙いは?

a.霧子に取り入るための自作自演
b.儀式を乗っ取るため
c.別の誰かに屍者の書を渡すため

↓1
398 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2023/10/17(火) 21:47:20.29 ID:K2JfBDci0
b
399 : ◆vqFdMa6h2. [saga]:2023/10/17(火) 21:49:25.86 ID:h5PYd+Vs0

【CORRECT!】

杜野さんの本当の狙いは儀式自体を乗っ取って、ルカさんを甦らせることにあったんだ。
有栖川さんの死の尊厳を守る一方で、ルカさんの気持ちはお構い無しに蘇らせる……なんだか倒錯した思考のように感じるけど、状況や証拠が明確に彼女の行動を指し示している。
可能性以上に大事なのが、事実。今はこの客観的な事実を前提として進もう。

当然ながら、彼女の真の狙いは私たちも知らなかった。
生徒会に属さない私たちの集まりにおいても、彼女は儀式自体に反対する立場を取っていたからまさか腹の中でそんなことを考えているとも思わなかったんだ。
多分、これは生徒会側の人たちも同じだったはず。生徒会に属そうとしない私たちはなべて等しく儀式自体に反対だと思っていたんじゃないかな。

つまり、今回の事件の犯人は……

Q2.今回の事件の犯人は凛世の真の狙いを知っていた?
a.知っていた
b.知らなかった

↓1
400 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2023/10/17(火) 21:51:35.36 ID:K2JfBDci0
a
401 : ◆vqFdMa6h2. [saga]:2023/10/17(火) 21:57:45.65 ID:h5PYd+Vs0

【INCORRECT……】

ううん、そうじゃない。
犯人も杜野さんの真の狙いは知らなかったんだ。
私たちも生徒会の人たちも、杜野さんは儀式に心から反対していると思っていたんだからね。

それどころか、甜花さんとの共謀だって知らなかったんじゃないかな。
どちらもこの裁判でも初めて明らかになった事実なんだからね。

あれ……? だとすると、犯人はどうしてガスボンベを床下に仕掛けたりしたんだろう。
だって、杜野さんが儀式をやろうとしていることなんて分かるはずもないのに……この矛盾こそが犯人を特定する鍵なのかもしれない!

Q3.どうして犯人は凛世の儀式を狙ってトラップを仕掛けることができた?

a.凛世にとって第三の協力者だった
b.偶然儀式を行っている現場に出会した
c.犯人が元々狙っていたのは別の人物だった
d.凛世自身がトラップを仕掛けていた

↓1
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