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プリキュア作るぞ part3【安価有】
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363 :
◆15vHdNAAAEr/
[sage saga]:2023/12/17(日) 01:16:31.12 ID:3a/Q+oRzo
シャドウ「何を言ってるの? どうしてそんなことを言うの? なんにも分からなかったよね」
サクラ「はあっはあっ……!」
シャドウ「でもそれだけで終わりじゃなかった」
サクラ「っ! もうなにもしゃべるなっ……!」
シャドウ「止めてみれば?」ニヤッ
サクラ「っ……!!」ピキッ
サクラは力任せにシャドウを攻撃した。
しかしシャドウは、そんな攻撃をあっさりいなして話を続ける。
シャドウ「ふぅ……さっきの、ママも聞いてたんだよね」
サクラ「う、けふっ……!」
桜野(『産まなきゃよかった』。その言葉を聞いたのは、わたしだけじゃなかった)
シャドウ「ママもあなたに気づいた」
桜野(わたしを見つけた時、ママはハッとした表情を浮かべた)
シャドウ「それですぐまたパパに縋りついて言った。覚えてる? 忘れるわけないよね? ママ、こう言ってた……」
サクラ「も……やめ……」
ママ『捨てる、捨てるからっ! その子捨てるから!! 孤児院でも養護施設でもゴミ箱でも!! どこにだって捨ててくるからっ!! だからわたしを……!!』
シャドウ「置いてかないで……って」
サクラ「う、ぅぅあ……!」
シャドウ「ママにとって、あなたはただの鎖みたいなものだもんね」
桜野(そう。わたしが産まれたのはママのワガママのため)
シャドウ「子供を産めば、パパは自分から離れていかない。ずっと繋ぎとめておける」
桜野(そう考えたから、無理やりにでもわたしを産んだ)
シャドウ「ママのもとからパパがいなくならないようにする。あなたの存在理由はそれだけなの」
桜野(わたし自身は望まれたわけでも、愛されたわけでもない)
シャドウ「そしてママにとって、パパを繋ぎとめておけないあなたには何の価値も無いの」
桜野(だからママは、わたしを捨てるって言ったんだ。無価値なゴミを捨てれば、パパと一緒にいられるって思ったんだ)
サクラ「っ……!」ギュウウッ
364 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2023/12/17(日) 01:19:37.53 ID:e9WD8a5d0
こんなプリキュア放送したらスタッフ人の心ないと思われちゃう
365 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2023/12/17(日) 01:22:50.78 ID:n0ifzAFQ0
玩具売る気一切ないプリキュア
366 :
◆15vHdNAAAEr/
[sage saga]:2023/12/17(日) 01:36:47.48 ID:3a/Q+oRzo
サクラ「ふぅっ……ふぅっ……!」
シャドウ「でもパパにとってはママにも価値なんてなかった」
桜野(パパがママを強く突き飛ばした。壁にぶつかって大きい音がした。糸が切れたみたいにママが倒れて、そのまま動かなくなった)
シャドウ「それからパパがあなたのところまでゆっくり歩いてきた」テクテク
サクラ「!」ビクッ
桜野(パパが近づいてくるのが恐ろしかったのは初めてだった)
シャドウ「目の前でしゃがんで頭を撫でてくれたよね」ポンッ
サクラ「やっ……!」カタカタ
桜野(その手から温もりを感じなかったのは初めてだった)
シャドウ「それで、状況がさっぱり理解できなかったあなたに、丁寧に説明してくれたよね」
桜野(パパはママのこと、好きじゃなかったんだって。ママが一方的にパパのことが好きで、パパはそれをずっと鬱陶しいって思ってたんだって)
桜野(突き放そうとするとヒステリックを起こして暴れるから、面倒くさいけど仕方なくかまってたんだって)
桜野(それなのに、ママは嘘をついて子供を……わたしを産んだんだって)
桜野(パパ、すごく嫌だったんだって。わたしのこと、嫌いだったんだって。ずっとずっと嫌いで嫌いで嫌いで、大っ嫌いだったんだって)
サクラ「……っ」ガタガタ
シャドウ「それにパパ、こうも言ってたよね……本物の家族がいるって。あなたやママとは違うって。ちゃんと結婚して、ちゃんと家族なんだって」
シャドウ「それに娘もいるんだって。あなたとは違う、本当に愛する、本物の娘なんだって」
シャドウ「だからパパ、最後に笑顔でこう言った……」
桜野(何度も見たことあるはずなのに、見たことない笑顔で言った)
シャドウ「お前はね……」ニコッ
サクラ「……っっっ!」
パパ『いらない子なんだよ』
桜野(その日、わたしはパパに捨てられた)
367 :
◆15vHdNAAAEr/
[sage saga]:2023/12/17(日) 01:55:29.89 ID:3a/Q+oRzo
サクラ「ふぅーっ、ふぅーっ……!」
シャドウ「どおどお? 分かってくれた??」
サクラ「っっ! うるっ、さいっ……! わたしは……!!」
シャドウ「うん、分かるよ。これで全部じゃないもんね?」
サクラ「っ……!」
シャドウ「でもまあその後どうなったかは、正直あんまり覚えてないよね」
桜野(そう……気づいたら、ママとの2人暮らしに戻っていた)
シャドウ「でもまるっきり前と同じってわけでもなかったよね」
桜野(毎日、知らない男の人が家にいた。毎日違う人だった)
シャドウ「ママのお客さんなんだってね」
サクラ「っは……っは……」カタカタ
桜野(わたしはその人たちが怖くて怖くてたまらなかった。だから朝は誰より早く学校に行って、誰より遅く帰るようになった。休みの日もできるだけ外で過ごして、家にいる時は部屋に籠って布団を被って小さく丸まっていた)
シャドウ「その間、あなたはずっと現実逃避を続けてた」
サクラ「そ、そんなことっ……!」
シャドウ「あれ以来、ママはどこかおかしくなってた。でもそれはパパがママを突き飛ばした時、頭を強くぶつけたからだ。そうに違いない。きっとそうに違いないんだ。パパだって、ちょっと機嫌が悪かっただけだ。自分にだってそういう日はある。たまたまだ。偶然だ。これは何かの間違いだ……って」
サクラ「っ……っっ……!」
シャドウ「そんな生活が1年くらい続いたね」
サクラ「……!」
シャドウ「あの日のこと、覚えてるよね?」
サクラ「ぁ……」
桜野(9さいの誕生日だった)
368 :
◆15vHdNAAAEr/
[sage saga]:2023/12/17(日) 02:01:14.70 ID:3a/Q+oRzo
余談でもなんでもないんですけど
非公式というか、
>>1
が勝手に言ってるだけというか、
>>1
の脳内設定みたいな話なんで本当に聞き流してもらって構わないんですけど
桜野さん処女喪失はこのくらいの時期(8さい)、出入りしてた男につまみ食い感覚で……
みたいな感じだと思ってる
369 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2023/12/17(日) 02:03:50.92 ID:n5Y8oHeNo
スナック感覚で悲劇が盛られていく
370 :
◆15vHdNAAAEr/
[sage saga]:2023/12/17(日) 02:14:50.44 ID:3a/Q+oRzo
桜野(学校からの帰路、わたしの足取りは1年前のように軽くはなかった)
シャドウ「それでもあなたはまっすぐおうちに帰った。それまでは出来るだけ遅くなるように帰ってたのに、あの日だけはそうしなかった」
サクラ「……っ」
シャドウ「もしかしたら何か起きるんじゃないかって思ってたんだよね。あの日の出来事はぜんぶ夢で幻で、帰ったら幸せな誕生日をお祝いできるんじゃないか、なんて……そう思わずにはいられなかったんだよね」
サクラ「ち、が……っ!」
シャドウ「でもその期待はちょっとだけ叶った」
サクラ「っ……」
桜野(そう。ちょっとだけ叶った。あの日、意を決して家に帰ったら、玄関にママがいた)
シャドウ「ママが、おかえりって言ってくれたんだよね」
桜野(ママの顔をまっすぐ見るのは久しぶりだった。本当に、本当に久しぶりだった)
サクラ「……」
桜野(久しぶりのママはすごく疲れていて、やつれていて、ボロボロで……でも穏やかに笑ってた)
シャドウ「ママ、いっぱい謝ってくれたね。今までごめんね、ほったらかしてごめんね、ちゃんとお母さんできなくてごめんねって何度も……」
サクラ「………………やめて」
シャドウ「誕生日もちゃんと覚えててくれたね。バースデーケーキも用意してくれて、ナイフで切り分けてあなたの前に飾り付けてくれたね」
サクラ「…………やめてよ」
シャドウ「それでママ、あなたに聞いたよね」
サクラ「やめてって言ってるでしょ……!」
シャドウ「誕生日プレゼントは何がいい?」
サクラ「やめろっ!!!」ダッ
371 :
◆15vHdNAAAEr/
[sage saga]:2023/12/17(日) 02:30:17.20 ID:3a/Q+oRzo
サクラ「うああっ!」ガバッ
シャドウ「ふふっ」クルッ
サクラ「あぅっ……」ドサッ
シャドウは余裕の笑みを浮かべながら、飛びかかったサクラを易々と躱す。
シャドウ「ねぇ、あなたはなんて答えたんだっけ?」ドカッ
サクラ「あぐっ……!?」
そして倒れたサクラの脇腹を容赦なく蹴り飛ばす。
シャドウ「ねぇっ……てばっ……!」ドガガッ
サクラ「はっ……げふっ……!」
シャドウ「忘れちゃったの? ねぇ、ねぇ??」ドガッドガガッ
サクラ「うがっ、ぁ……がっ……!」
シャドウ「ほら、覚えてるでしょ? わたしが言ってあげよっか? ねぇ??」ゲシゲシッ
サクラ「う、ぐ……!」
シャドウ「ほら言ってみてよ! あなたはママに! 何をお願いしたんだっけ!!」ドガッ!
サクラ「う、ぁ……!」ゴロゴロッ
サクラ「っ……」グタッ
サクラ「ふー……ふー……」
『誕生日プレゼントは何がいい?』
『ぷれぜんと?』
桜野(とっても嬉しかった。プレゼントなんて初めてだったし、何よりママが優しかった)
『うん。今までいっぱい酷いことしてきちゃったから、どんなものでもいいよ』
『ほんとに? どんなものでも?』
桜野(大好きなママが戻ってきてくれたって思った。また前みたいに、家族になれるんじゃないかって思った)
サクラ「ふっ、ふっ……うくっ……」
桜野(だから……わたしは……)
サクラ「………………っ」ギュウウウッ
『じゃあね……』
サクラ「………………ぱ……ぱ」
シャドウ「あは♪」
372 :
◆15vHdNAAAEr/
[sage saga]:2023/12/17(日) 02:31:29.66 ID:3a/Q+oRzo
なんかしんどくなってきたのでここまで
実は
>>363
のママのセリフは本作でも五指に入るくらいには気に入ってます
373 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2023/12/17(日) 02:32:00.91 ID:n5Y8oHeNo
親に愛情なんて全然向けられてなくても親のこと好きになっちゃうんだな子供って
374 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2023/12/17(日) 02:33:12.90 ID:n5Y8oHeNo
乙
次作のプリキュアもエグい境遇枠いそう
375 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2023/12/17(日) 02:35:17.02 ID:n0ifzAFQ0
乙
よくもまあ残酷なことを容易く思い付く…
376 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2023/12/17(日) 02:36:08.17 ID:b/6LDhDho
乙
もう手遅れだろ桜野さん
377 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2023/12/17(日) 02:42:19.50 ID:l1DmV1U5o
乙
身内系ラスボスじゃん……
378 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2023/12/17(日) 07:50:53.69 ID:+hdtjjv80
乙
うーんこの吐き気を催す邪悪
こんな場所に桜野を連れ戻そうとしてる3人ももう桜野に○ねって言ってるようなものだろ
全員悪の蟲毒の世界にしか見えん
379 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2023/12/17(日) 10:14:27.20 ID:3jPK7YJE0
「パパ」はコスモスに殺されてまあよかったけどコスモスの方のママはとばっちりでかわいそ
380 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2023/12/17(日) 16:35:50.46 ID:FyiDfEtio
パパが闇そのものなドクズとはいえ両親ともに一般人なはずのコスモスさんはどうやってカラミティ帝国に就職したのか
まさか書類選考筆記試験面接があるわけでもないし
381 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2023/12/17(日) 16:42:12.59 ID:FyiDfEtio
>>378
このまま戦い続けたら寿命で死ぬんですが…
未だにプリキュアがなんなのか分からない
伝説の戦士と言われても「ふーん伝説って?」と問い返すレベル
382 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2023/12/17(日) 17:25:24.57 ID:+hdtjjv80
>>378
連れ戻しても親に○されるんだよなぁ…
プリキュアというファンタジーで戦って死ぬか、親という現実で無惨に○されるかの違いでしかない
何が酷いって、プリキュアという本来あり得ないもう一つの道すらも死につながってるということよ、桜野視点に立った時の絶望感ヤバいで
383 :
◆15vHdNAAAEr/
[sage saga]:2023/12/18(月) 01:40:03.63 ID:OkKiMh/No
コスモスさんの就職に関してはちゃんと決めてるわけではありませんが、コスモスさんが両親殺害した直後にスカウトされた感じかなと思ってます
そして闇の力で死体処理てきな コスモスさん死亡によるリセットで死体出てきたりするかもてきな
プリキュアの根幹設定は正直そんなに詰めてないです むしろそこをフワッとするために「プリキュア」ってタイトルを借りてると言っても過言ではない
考えるならウィッシュスターとどう関連するかが重要になりそうです
そもそもどっちが先か分かりませんが、例えばウィッシュスターの防衛機能として同時に作られたとか、過去にウィッシュスターに戦う力を願った奴がいてその結果生まれたとか
384 :
◆15vHdNAAAEr/
[sage saga]:2023/12/18(月) 02:06:04.18 ID:OkKiMh/No
サクラ「…………」
シャドウ「そう、そうだったよね。せっかくママ、忘れようとしてたのに、乗り越えようとしてたのに……」
桜野(わたしのせいで思い出してしまった)
シャドウ「だからママがあんなことをしたのも……」
桜野(ぜんぶわたしが悪いんだ)
サクラ「…………」
シャドウ「あなたの言葉を聞いた途端、ママの顔から血の気が引いたのが分かったよね」
桜野(青くなって、白くなって……)
シャドウ「それで……」
桜野(赤くなった)
シャドウ「たっ!」バキッ
サクラ「あぐっ!??」ドサッ
桜野(ママはわたしを殴り飛ばした)
サクラ「う、く……げふ……!」ズキズキ
シャドウ「ふふふっ」ノシッ
サクラ「っ……!?」
桜野(そして倒れたわたしに馬乗りになって……)
シャドウ「♪」スッ
サクラ「っ!!!」
桜野(わたしの首に両手をかけた)
サクラ「あ、が……!? はっ、ああ゛っ……っ!!?」ビクンッ
シャドウ「ほらほら! 覚えてるでしょ!?」ギリギリ
サクラ「かひゅ、ひゅー……う゛あ゛っ……!!」
シャドウ「ママはこうやって! 思いっきり体重かけてさ!!」ギギギギッ
サクラ「っっ! あ゛……が、ひゅっ! え゛ぁ……!!」ジタバタッ
桜野(ママの顔が近くにあった。見たこともないくらい怖い顔だった)
シャドウ「力いっぱいあなたの首を絞めた!!!」ギギギギッ
サクラ「っえ゛……ぅぇあ゛……あ゛……!」
桜野(それでその顔のまま……)
シャドウ「それでっ……! あなたに向かって!!」
桜野(ママは叫んだ)
シャドウ「あんたさえっ!」
ママ『あんたさえ産まれてこなければっ!!!』
サクラ「っっ……っう、ぅぅぅあああああ!!!!!」ドガッ
シャドウ「う? うぁったっ!?」ゴロンッ
385 :
◆15vHdNAAAEr/
[sage saga]:2023/12/18(月) 02:34:00.89 ID:OkKiMh/No
サクラが無理やり腰を浮かせ、バランスを崩したシャドウの背中に蹴りを入れた。
サクラ「はぁっはぁっ……!」
シャドウ「あっはははははっ♪」
サクラ「っ!?」
サクラはすぐさま立ち上がったが、シャドウは仰向けに転げたまま笑い声を上げる。
シャドウ「あの時も、そんな感じでいっぱい暴れたよねぇ」
桜野(そう。ママに首を絞められている時もたくさん暴れた)
サクラ「……」
桜野(あの時のわたしじゃ、どれだけ暴れても無意味だったけど……それでも怖くて、苦しくて、必死に抵抗した)
シャドウがゆっくりと立ち上がる。
シャドウ「あなたがあんまり大きい音をたてるものだから、お隣さんとかが気づいてさぁ……」
サクラ「…………やめろ」
桜野(ドアがドンドンって鳴って、声が聞こえて、警察にって……)
シャドウ「そしたらママ、あなたの上から退いてくれたね」
サクラ「言うなっ!!!」ギュンッ
シャドウ「やぁだっ♪」
サクラはシャドウにそれ以上しゃべらせまいと、矢継ぎ早に攻撃する。
しかしシャドウはものともせず話し続ける。
サクラ「うあああっ!」ガガガガッ
シャドウ「ねぇねぇ! ママ、あの時どんなこと考えてたのかなぁ!」
サクラ「うるさいっ……!」
桜野(ママは立ち上がるとゆっくり歩いて、テーブルにあるナイフに手を伸ばした)
シャドウ「聞きたいねぇ、知りたいねぇ! でももう分かんないねぇ!」
サクラ「だまれっ……!!」ドガガッ
桜野(わたしのバースデーケーキを切り分けたナイフ。まだクリームがついていた。ママはそのナイフを……)
シャドウ「だってママは、あなたの目の前で……」
サクラ「だまれぇっ!!!」ギュオッ
シャドウ「死んじゃったもんね」ニコッ
桜野(自分の喉に突き刺した)
ドガァァァンッ!!!
386 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2023/12/18(月) 02:39:26.33 ID:f6LjMYvso
どんな形であれ一度は警察の目が届いてもなお結局環境が変わってもなお虐待され続けるのか
387 :
◆15vHdNAAAEr/
[sage saga]:2023/12/18(月) 02:43:20.62 ID:OkKiMh/No
サクラ「う、が……っ! かふっ……」
シャドウ「ねぇねぇ」
サクラ「……っ」
シャドウは、倒れるサクラのすぐそばでしゃがみこみ、サクラの顔を覗きながら煽るように笑む。
シャドウ「その色、とってもよく似合ってるよ」
サクラ「っ!!」
シャドウ「ママの血とケーキのクリームが混ざりあった色……」
サクラ「……っ!」
シャドウ「あなたの大っ嫌いなピンク色♪」ニコッ
388 :
◆15vHdNAAAEr/
[sage saga]:2023/12/18(月) 02:44:09.10 ID:OkKiMh/No
桜野さんの怖いもの:1スレ目
>>353
389 :
◆15vHdNAAAEr/
[sage saga]:2023/12/18(月) 03:04:12.03 ID:OkKiMh/No
サクラ「……っはぁ……っはぁ……!」カタカタ
シャドウ「そうやってパパもママも失ったあなたは、叔母さんたちに引き取られた」
桜野(9さいになってすぐ……誕生日からほんの数日後だった)
シャドウ「叔母さんたちにいっぱいひどいことされたね」
サクラ「……っ」
桜野(そんな中で、考えるのはパパとママのことだった)
シャドウ「パパ言ってたね、お前はいらない子だって」
シャドウ「ママ言ってたね、産まれてこなければって」
シャドウ「なんで生きてるのか分からなかったよね」
サクラ「………………」
シャドウ「でもあの子との出会いがあなたを救ってくれた……」
桜野(まいごのおんなのこ)
シャドウ「あの日のコスモスが」
サクラ「……っ」
シャドウ「あなたはついに、生きる意味を見つけた」
桜野(誰かの役に立つこと、それがわたしの存在理由になった)
シャドウ「プリキュアにこだわったのだって、それが極致だと思ったからだもんね」
桜野(迷う理由はなかった)
シャドウ「それにコスモスとも再会できた」
シャドウ「コスモスと仲良くなって、あの子が両親を亡くしていることを知って、その境遇を自分に重ねて……」
シャドウ「ほっとけなくなって、もっと仲良くなって、あなたの中であの子の存在がどんどん大きくなって……」
桜野(そしてわたしは知ることになる)
シャドウ「そんな時だったね、あのロケットの中身を見たのは」
サクラ「……」
シャドウ「なにが入ってたんだっけ?」
桜野(ロケットには1枚の写真が収められていた。家族の写真だ。中睦まじそうな3人家族)
サクラ「……左側には母親らしき女性。右にはパパ。そして真ん中には今よりもほんの少しだけ幼いコスモスがいた」
シャドウ「ふふふっ、そう。コスモスと一緒にパパが写ってた」
サクラ「……」
シャドウ「あなたのパパが」
サクラ「…………っ」
シャドウ「あなたとコスモスは異母姉妹だった」
390 :
◆15vHdNAAAEr/
[sage saga]:2023/12/18(月) 03:05:46.86 ID:OkKiMh/No
桜野さんとコスモスさん、どっちが姉でどっちが妹かは設定上は決まってないです
がしかし、桜野さんは誕生日聞いてる(2スレ目
>>83
)ので知ってます
391 :
◆15vHdNAAAEr/
[sage saga]:2023/12/18(月) 03:22:21.22 ID:OkKiMh/No
シャドウ「それってつまりさ、コスモスこそパパが言ってた『本物の娘』なわけだよね?」
サクラ「……」
シャドウ「恨むことだってできたはず。でもあなたはそうしなかった」
サクラ「…………だって、あの子はなんにも悪くないから」
シャドウ「わたしには分かるよ。あなたは本当に、あの子を大切に想ってた。本気であの子を幸せにしようとしてた」
サクラ「…………だって、あの子は幸せじゃなきゃいけないから」
シャドウ「どうして?」
サクラ「だってあの子は『本物』だから……わたしがなれなかった『本物』だから……!」
サクラ「わたしが手に入れられなかった幸せをぜんぶ持ってるはずだからっ……!!」
サクラ「わたしが不幸であればあるだけっ、あの子は幸せじゃなきゃいけなかったのっ!!!」
シャドウ「……」
サクラ「はぁっはぁっ……! でもっ……!」
サクラ「でもあの子は不幸だった……家族を、両親を失ってひとりぼっちだった……」
サクラ「そんなのダメなの……あの子は幸せにならなきゃいけない……!」
シャドウ「だから『わたしが幸せにする』なんて言ったんだぁ」
サクラ「あの子はわたしが助けてあげなきゃ! 迷子のままひとりぼっちで泣いていることしか出来ない可哀想な女の子だった!!!」
シャドウ「そう思ってたのにねぇ」
サクラ「……っ!」
392 :
◆15vHdNAAAEr/
[sage saga]:2023/12/18(月) 03:42:55.71 ID:OkKiMh/No
シャドウ「あの子が自分で両親を手にかけたって知った時、どう思った?」
サクラ「………………」
サクラ「……バチが当たったんだって思った」
サクラ「コスモスと再会してからのわたしは、きっと人生で1番悪い子だった」
サクラ「ワガママで、欲張りで……だからバチが当たったんだ」
サクラ「きっとどこかで神様が見てて……悪い子のわたしから、ぜんぶ奪っていくんだって思った」
サクラ「だからわたしは、良い子に戻ることにした」
シャドウ「だから殺したんだ」
サクラ「……っっっ!!!」ギュウウウッ
サクラ「みんながあの子の死を望んでたっ!!! きっとあの子自身でさえそうだった……!!」
シャドウ「あなたは?」
サクラ「わたしのことなんかどうでもいい!!」
シャドウ「そうやって目を逸らすから、わたしが生まれたんだよ?」
サクラ「うるさいっ!!」
シャドウ「コスモスが死んでも、あなたは1度も泣かなかった。どうしてあんなに必死にこらえたの?」
サクラ「こらえてなんかない!! わたしは良いことをしたんだ……! みんなが喜ぶことをして……役に立てたんだもん……!! こらえてなんか……」
シャドウ「うそつき」
サクラ「うそじゃない!!!」
シャドウ「ううん、うそだよ。わたしには分かる。あなたが泣けなかったのは……」
サクラ「もうだまって……!」
シャドウ「あの妖精のせいでしょ?」
サクラ「………………え?」
393 :
◆15vHdNAAAEr/
[sage saga]:2023/12/18(月) 04:12:02.88 ID:OkKiMh/No
サクラ「え、え……?」
サクラ「よう……せい……?」
サクラ「ちが……う。シキは……ちがうよ……」
シャドウ「違わない。あの妖精がいたから泣けなかった」
サクラ「ち、がう……ちがう……ちがう、違う違う違うっ!! シキは関係ないっ!!」
シャドウ「関係あるよ。だってあの妖精、ずっとあなたのそばにいた」
サクラ「たしかにずっと一緒だったけど……! でもそんなの……!」
シャドウ「外ではいつもニコニコ笑ってなきゃいけないあなたにとって、あの小さなクッションは唯一あなたがあなたのままでいられる場所だった」
サクラ「っ……違うっ……!」フルフル
シャドウ「なのにあの妖精は、そんな場所にまで踏み込んだ」
サクラ「わたしが受け入れたのっ!!」
シャドウ「でもそのせいであなたは、隠れて泣くことすら出来なくなった!!!」
サクラ「っ!」
シャドウ「ほんの少し気を抜くことすら許されなくなって! ずっと笑顔のままいるしかなくて! そうやって抑え続けなきゃいけなくなった!!」
サクラ「ち、がうっ……!!」
シャドウ「あの妖精のせいで、わたしはここまで大きくなったんだ!!」
サクラ「!」
サクラ「……っ!」ギリッ
サクラ「あの子はわたしより苦しんでた!!!」
サクラ「故郷も家族も友だちも喪って! 行くあても無くなって!!」
サクラ「わたしがなんだって言うの!? あの子に比べればわたしの痛みなんてなんでもない!! あの子の方がわたしなんかよりずっと大きな悲しみを抱えてたの!!!」
シャドウ「他の誰かがあなたより悲しんでることが、あなたが泣いちゃいけない理由になるのっ!!?」
サクラ「なるよっ!!!!!」
シャドウ「!」
サクラ「はぁっはぁっ……! だって、わたし……約束したもん……」
サクラ「戦うって……ぜんぶ取り戻すって……絶対助けるって言ったんだもん……!」
サクラ「それなのに、助ける方が泣いてたら……助けられる方は不安になっちゃう……」
サクラ「……それじゃダメなの」
サクラ「大丈夫って言わなくちゃ……いつでも笑顔でいなくちゃ……ちゃんと約束守らなくちゃ……」
サクラ「泣いたって……なんにもならない……」
シャドウ「……っ」ゾワッ
サクラ「そう、そうだよ。なんにもならないんだよ……」
サクラ「わたしが泣いたからなんだっていうの? それで誰かを助けられるの? わたしの涙で誰を救えるの?」
サクラ「なんにもならない……」
サクラ「なんの意味も……価値もない……」
サクラ「そんな、なんの役にも立たないもの」
サクラ「はじめから」
サクラ「枯らしてしまえばよかったんだ」
394 :
◆15vHdNAAAEr/
[sage saga]:2023/12/18(月) 04:12:45.31 ID:OkKiMh/No
ここまで
395 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2023/12/18(月) 05:15:57.63 ID:Rsbr/UdOo
乙
なんでシャドウにまでドン引きされてるんだ…
396 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2023/12/18(月) 05:21:27.46 ID:zl+xI/Ni0
乙
その顔は何だ!?その目は何だ!?その涙は何だ!?
お前がやらずに誰がやる!?お前の涙で、奴が倒せるか!?この地球が救えるか!?
397 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2023/12/18(月) 05:38:37.03 ID:DQ1jw2uy0
コスモスよりサイコパス?
398 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2023/12/18(月) 05:54:27.89 ID:xklnbBX0o
人の心の闇的なかすかに残された人間性なシャドウですらもはや入り込む余地もないモンスターかロボットか
399 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2023/12/18(月) 08:34:02.33 ID:v2iQ2o+u0
思考回路がショート寸前♪じゃなくてめちゃくちゃな繋ぎ方されてるんだから救い出して家庭環境変えても死にますってそりゃ言われるわ
400 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2023/12/18(月) 11:46:16.61 ID:gv6iffgI0
シャドウ「他の誰かがあなたより悲しんでることが、あなたが泣いちゃいけない理由になるのっ!!?」
それ気に掛けてくれてる味方ポジションの台詞…
401 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2023/12/18(月) 23:09:46.81 ID:km+Kwu+4o
結構はじめっから桜野さんのこの設定考えてたの…こっわ…
402 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2023/12/19(火) 00:01:46.25 ID:vpmuVaMyo
次の主人公も桜野さんみたいな二郎系ラーメンの100倍中身こってりどろっどろの濃厚な女の子になるんかな?
403 :
◆15vHdNAAAEr/
[sage saga]:2023/12/19(火) 04:04:09.97 ID:u/vT7Vrio
さすがに時間ズレすぎてヤバいのでこれだけ
本編開始までの桜野さんの年表
0歳 ママの既成事実のために誕生
〜8歳まで 育児放棄期 死なない程度の世話で育てられる
8歳(誕生日) パパに捨てられる
〜9歳まで 完全家庭崩壊期 ママがとっかえひっかえ男を連れ込む
9歳(誕生日) ママに殺されかける 同日、ママが自殺
9歳 ママの妹夫婦に引き取られる 虐待開始
10歳 まいごのコスモスに出会う
〜14歳まで 求められるまま応える
14歳 本編開始 プリキュアになる
404 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2023/12/19(火) 07:54:18.58 ID:iknyC2Hs0
生まれた瞬間から酷い仕打ち
ここまでされるほどなんか悪いことしました?
405 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2023/12/19(火) 09:04:37.64 ID:XqL6NmRv0
もはやシーズンランドとかどうでもいいまである、こっちの邪悪が潰されず放置されてることへのヘイトの方が強い
406 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2023/12/19(火) 15:41:43.44 ID:bDHg6heCo
どう見ても闇の力に支配されて闇落ちするシチュエーションだったのに初めから闇じゃねえか!
407 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2023/12/20(水) 21:57:39.88 ID:1gcRJjUw0
セキュリティ証明書の期限切れで書き込めなくなってたら
mateのような専ブラを使うか
外部サイト経由して書き込むか
(例)
https://www.kyodemo.net/sdemo/b/v_news4ssnip/
https://n2ch.net/t/-/vip2ch_news4ssnip/?s=3&guid=ON
ブラウザをシークレットモードにすれば書き込める
408 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2023/12/21(木) 08:40:38.78 ID:GQUZ0xiEo
採用不採用は置いといて次作のキャラ案早めに募集しといた方が次作の話の構成練りやすいとは思うんだけど作者的にはどうなんだろ?
409 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2023/12/21(木) 14:33:08.58 ID:YN/VglBy0
ギャルゲーだったら一見攻略難度普通そうに見えて超激ムズ難易度ヒロインだ桜野さん
410 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2023/12/21(木) 23:33:56.45 ID:KSEsZyO+0
最終章まだまだ終わり見えないな
411 :
◆15vHdNAAAEr/
[sage saga]:2023/12/22(金) 01:07:21.05 ID:35YHzLpxo
年末特有の理由なき忙しさが押し寄せてくる……年内完結は正直無理そうです……
次作は次作で完全に独立させます 今作中で次作のキャラ募集することはないです そもそもいつ始められるかすら分かりませんので なんならプリキュアじゃないの挟むかもしれませんので 長編連続すると病みそうだし
あと次作のプリキュアやる時は今作ほど重たくはならない予定 安価で進行するとどうしてもギャグテイストになるのでもう全編ギャグでやったろかって感じです ただ安価で色々決めるつもりな都合上、今作ほどキャラを大事にできないかもしれないのが懸念点
今回の更新遅れたのも、桜野さんが思いのほか深めに堕ちちゃって戻ってこなくなったので悩んでたんですが、この辺も安価にぶん投げることになるのかなあと
412 :
◆15vHdNAAAEr/
[sage saga]:2023/12/22(金) 01:17:57.66 ID:35YHzLpxo
シュパァァンッ
シア「……やはり厳しいですわね」
朱「ふぅぅ……サイカの居場所が分からない以上、桜野ちゃんをなんとかしたいんだけど……」
雪菜「はぁはぁ……3人でやっても全然ダメそうですね……」
シア「ライガたちとの戦いから、ずっと力を使いっぱなしですわ。少し休憩しましょう」
雪菜「はいぃ……」ヘタッ
透「……」
シキ「透も……」
透「……」ジッ
サクラ(in結界)「」
透「……」ギュ
シキ「透……」
シキ「………………もし、もしもなのです」
シキ「もしも桜野が目を覚まして、その時本当にシキたちが知らない桜野になってたら……どうするです……?」
朱「そ、そうならないために……」
シキ「……だからもしもの話なのです」
シキ「桜野が戦ってるのが本当に桜野の偽物だとしたら、そうなる可能性はすごく高いと思うのです。もしそうなったら……」
朱「……」
雪菜「……」
透「……戦うよ」
シキ「……!」
透「戦って、本物の桜野を叩き起こす。諦めないよ、絶対」
シキ「……うんっ」
雪菜「でもシキちゃん、なんで桜野さん勝てないって思うんですか? もしかしたら勝てる可能性だって……」
シキ「それは……」
シキ「……」
シキ「これはシキの……願望、みたいなものかもしれないのです」
雪菜「願望?」
シキ「桜野に負けてほしいって思ってるんじゃないよ。でも……」
透「……」
シキ「桜野は……勝っちゃいけない気がするのです」
413 :
◆15vHdNAAAEr/
[sage saga]:2023/12/22(金) 01:22:17.44 ID:35YHzLpxo
ドガァァァンッ!!!
ドガッガッ
ドサッ
シャドウ「かはっ……!」
ヒュンッ
シャドウ「!」ピクッ
ドガァンッ!
シャドウ「うっ、くぅ……!」ズザザッ
サクラ「……」ギロッ
シャドウ「っ!」ゾッ
シャドウ「ほんとにわたしを殺す気なんだ……後悔すると思うけど?」タラ-
サクラ「命乞いのつもりなら、もっと練習した方がいいんじゃない?」
シャドウ「っ……ご忠告どうもっ!」ダッ
サクラ「……」
414 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2023/12/22(金) 01:23:19.27 ID:J+9RiJy8o
根本的に壊れてるというか人生のルートはじめから間違ってて闇でも人の手でも桜野さんを変えるのもう無理な気が…
415 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2023/12/22(金) 01:29:45.75 ID:49Xl99u80
桜の花は もう とっくに枯れていたんですね
416 :
◆15vHdNAAAEr/
[sage saga]:2023/12/22(金) 01:32:06.75 ID:35YHzLpxo
雪菜「勝っちゃいけないって……」
シキ「う、うまく言えないのですけど、独りで勝っちゃいけないというか……」
朱「独りで?」
シキ「あ、ぅぅ……」
透「……今の桜野、間違ってる」
雪菜「え?」
朱「た、確かに全部一人で抱え込もうとしてるけど……」
透「そんな桜野を桜野自身が否定するとしたら、桜野が1番言ってほしくない言葉を言えるとしたら……それって桜野の本心みたいなものなんだと思う」
雪菜「本心……?」
透「闇の力で象られている以上、性質そのものは闇だと思うんだけど……元になってるのは多分……」
シキ「そ、そうなのです! 桜野はずっと本心を隠してるみたいだったのです!」
朱「じゃああの時桜野ちゃんに見た影は……」
雪菜「で、でももしそうだとしたら、それだって桜野さんの一部なんじゃ……」
透「うん。もし本当に桜野の本心なら、それだけは消しちゃいけない。シキが言いたいことって……」
シキ「そうなのです! シキより説明上手なのです!」
透「今の桜野は……どこか昔の私に似てるんだと思う」
朱「そうかもしれないわね……」
透「桜野にも伝えてあげなきゃ……私が変われたのは……」
雪菜「……んぇ?」
朱「どうしたの?」
雪菜「いやなんか……透さん……?」
透「? なにかついてる?」
雪菜「ついてるっていうか……それ……」
透「??」
417 :
◆15vHdNAAAEr/
[sage saga]:2023/12/22(金) 01:42:32.69 ID:35YHzLpxo
サクラ「……はぁ」
シャドウ「うっ……がふっ! げほげほっ……!」ガクッ
サクラ「いい加減しぶといなぁ。まだ消えないの?」
シャドウ「へ、へへっ……あなた次第じゃない……?」ニヤッ
サクラ「……あっそ」シャッ
シャドウ「!」
ドガガガガァンッ!
シャドウ「うぁっ、くぅ……!」グタッ
サクラ「じゃあ終わらせよっか」ノシッ
シャドウ「っ!?」
サクラ「あんまり暴れないでよ。左腕しか使えないんだか……らっ!!」ギュッ
シャドウ「あぎゅっ!??!?」ビクンッ
サクラ「……」グググッ
シャドウ「う゛ぁ……はっ……かはっ……!」
サクラ「……」ギギギギッ
シャドウ「かひゅっ……はへ、へ……へはははっ♪」
サクラ「なに笑ってるの……」ギギギッ
シャドウ「おんっ、なじ……だねっ……あ゛ぅ゛っ……!」
サクラ「……」ググッ
シャドウ「ママとっ、おんなじだねっ……ぁ゛……コスモスのときとっ……おんなじ、だねぇっ……!」
サクラ「もういい……」ギギギッ
シャドウ「あがっ……ぁ゛あ……ぞ、それ、に゛……ぞれにぎっどっ……あ゛ぁだっ……」
サクラ「黙って消えて」ギリギリッ
シャドウ「あなだはっ……ごれがらっ……ごやっ、でっ……えぅ゛っ……!」
サクラ「……」ギギギギッ
シャドウ「みんなのこともころすんだぁ……」
サクラ「!」ピタッ
418 :
◆15vHdNAAAEr/
[sage saga]:2023/12/22(金) 01:52:55.49 ID:35YHzLpxo
サクラ「………………は?」
シャドウ「げふっ、げほげほっ……げほっ、げほっ……! あ、はは……」
サクラ「みんな……? みんなって……なに……?」
シャドウ「みんなはみんなだよぉ……透ちゃんに、朱さんに、雪菜ちゃん……」
サクラ「みんなを……殺す? わたしが?」
シャドウ「うんっ……」
サクラ「なっ……ば、バカ言わないでっ! そんなことするわけないっ!!」
シャドウ「するんだよ……あなたはね、今わたしの首に手をかけているように……」
サクラ「……っ」
シャドウ「みんなを殺すの♪」
サクラ「ありえない!!!」グッ
シャドウ「あきゅっ……!!?」
サクラ「惑わそうったってそうはいかないから! 第一、殺す理由も戦う理由も何一つない!!」
シャドウ「そうっ……かなあ……ぁが……」
サクラ「今ここであなたを倒す! そうすればわたしが目覚める! それでぜんぶ元通り! そうでしょ!?」
シャドウ「きっとみんな気づかないよ……」
サクラ「え……?」
シャドウ「ふふっ……」
サクラ「き、気づかない? 気づかないってなに? どういうこと??」
シャドウ「そのまんまぁ……」
サクラ「そ、そんなわけない……そんなわけないでしょ!? だって!!」
シャドウ「だってぇ」
サクラ「っ」ビクッ
シャドウ「今のあなた……」
サクラ「……っ!!!」
シャドウ「闇そのものだもん」ニタッ
419 :
◆15vHdNAAAEr/
[sage saga]:2023/12/22(金) 01:53:24.48 ID:35YHzLpxo
ここまで
このルートならきっと桜野さんをぶっ倒せる
420 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2023/12/22(金) 01:56:03.86 ID:9+zL9a1yo
乙
もうサイカ様影薄いというか桜野さん案件のが難易度的にほぼラスボスでは
421 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2023/12/22(金) 02:04:05.35 ID:h1WQXVEY0
乙
もう少し軽い作風にしてたらクリスマスパーティー回とかやれたかな
422 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2023/12/22(金) 02:12:15.57 ID:1YhczJ1P0
乙
サンタさんがちっちゃい頃の桜野ちゃんに透ちゃん達並みの友達をプレゼント出来てたら人生の分岐点出来てたかもしれない
423 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2023/12/22(金) 08:23:01.26 ID:WiVSs3o3o
奇跡的に悪党に拳向けられてるだけで育ち方的には根本的なところで善悪の区別ついてなさそうだしな
424 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2023/12/22(金) 23:34:40.45 ID:7Y4D9cv20
もうサイカ様はサクッと済ませちゃって良いんじゃね?ってくらい桜野さん問題のが深刻というかクライマックス的な雰囲気がある
425 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2023/12/23(土) 21:55:06.57 ID:ijctuFAg0
オトナプリキュア始まるまでに完結が当初の目標だったのに完結する前にオトナプリキュア終わっちゃったぜ
426 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2023/12/24(日) 19:29:29.87 ID:3HeTIHQ6o
もっと平和な状況なら誰がサンタさん信じてるとかクリスマスっぽい話をしてたかもしれない
427 :
◆15vHdNAAAEr/
[sage saga]:2023/12/24(日) 23:06:44.51 ID:NucLLHPEo
ジカンナイヨ-
これが年内最後の更新になるかもしれません……
428 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2023/12/24(日) 23:07:29.77 ID:Fg/RE2Omo
転職したくなるようなブラックな職場だ
429 :
◆15vHdNAAAEr/
[sage saga]:2023/12/24(日) 23:20:21.08 ID:NucLLHPEo
サクラ「やみ……闇? そのもの? わ、わたしが???」
サクラ「な、なに言ってるの……? 意味わかんない……そんな、闇なんてそんな……あるわけ……」
シャドウ「それがあるんだよ……」
サクラ「ウソだ!!!」
シャドウ「ウソじゃないよぉ……人聞き悪いなぁ……」
シャドウ「目覚めたあなたを見たら、みんなどう思うかな……? きっとこう思うよ……」
シャドウ「桜野、負けちゃったんだ……でもきっとまだ間に合う……早く助けてあげなきゃ……」
サクラ「っ……!」
シャドウ「それでね……あなたを攻撃するの……」
サクラ「そ、そんな……」
シャドウ「どれだけ言っても分かってくれなくてね……みんなの攻撃、なんとか躱しながら……違うの、待って、みんな聞いてーって……」
サクラ「……っ……!」
シャドウ「でも伝わらなくて、どんどん追い詰められて……躱しきれなくなって、つい反撃しちゃってね……」
サクラ「はっ……はっ……!」
シャドウ「しまったって思って、謝ろうとするんだけど……みんな、やっぱりって顔をするの……」
サクラ「はぁっはぁっ……!」
シャドウ「みんながね、あなたを見るの。怒りと恨みのこもった瞳をあなたに向けるの」
サクラ「はっ、はっ……そ、そんなっ……!」
シャドウ「それで、それでね、みんなが言うの……本物の桜野を返せ、って」
サクラ「!!!」
430 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2023/12/24(日) 23:22:26.41 ID:5tnb5OWdo
これでダメならお手上げだぜ
431 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2023/12/24(日) 23:30:39.86 ID:sAg7zYzw0
これでもダメならもう無敵の人
432 :
◆15vHdNAAAEr/
[sage saga]:2023/12/24(日) 23:32:36.68 ID:NucLLHPEo
サクラ「ほん、もの……?」
シャドウ「意味わかんないねぇ……だってあなたは、自分が本物のつもりなんだもんねぇ……」
サクラ「そ、そんっ……! そんなの当然でしょ!? だ、だってわたしは……! わたしがっ……!!」
シャドウ「ふふっ……」ニヤッ
サクラ「っ……!!」ギリッ
サクラ「だったらあなたはなんだっていうの!? あなたこそカラミティ帝国が作り出した偽物でしょ!?」
シャドウ「違うよ……わたしはあなた。最初からそう言ってるでしょ……?」
サクラ「っ……ちがう! あなたはわたしじゃない! 姿かたちをそっくりにしたからって、そんなのただの紛い物でしかない!」
シャドウ「そうかなぁ……」ニヤニヤ
サクラ「わたしはわたしだ! わたしだけがわたしだっ!! だからあなたを倒して、わたしが目を覚ます!!」
シャドウ「へぇぇ……そんなに目覚めたいんだぁ……」
サクラ「当たり前でしょ!? こんなところはやく抜け出して……」
シャドウ「あなたのことなんて誰も必要としていないのに……?」
サクラ「え……」
433 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2023/12/24(日) 23:35:28.48 ID:hzokYQQO0
またサクラに攻撃させたらもう二度とチャンスは来ないぞ
呼吸する暇すら与えず休まずジャブを叩き込めシャドウ
434 :
◆15vHdNAAAEr/
[sage saga]:2023/12/24(日) 23:47:11.62 ID:NucLLHPEo
サクラ「だ……誰も……? でも……でもわたし……」
シャドウ「はじめからそうだったでしょ……?」
サクラ「はじ、め……?」
シャドウ「あなたはパパの本物の娘じゃなかったでしょ……?」
サクラ「……っ! そ、それはっ……!」
シャドウ「ママにとってもそうだったでしょ……? 子供だったら何でもよかったんだもん。あなたが必要だったわけじゃない……」
サクラ「で、でもっ……!」
シャドウ「叔母さんたちが欲しがったのだって単なるサンドバッグだったもん……別にあなたじゃなくてもいいよね……?」
サクラ「でもっ、でも学校とかっ、街の人とかっ……色んな人が頼ってくれてっ……!!」
シャドウ「それだって、面倒ごとを都合よく引き受けてくれるなら誰でもよかったでしょ……?」
サクラ「……!」
シャドウ「だからコスモスが大事だったんだよね……唯一、本当に、心から、あなたを必要としてくれたもんね……」
サクラ「はぁっはぁっ……!」
シャドウ「でもそのコスモスは、あなたが殺しちゃったよ……?」
サクラ「ぅぅぅ……っ!」ギリッ
435 :
◆15vHdNAAAEr/
[sage saga]:2023/12/25(月) 00:00:17.09 ID:6O7arnIao
サクラ「で、でもっ……それでも透ちゃんたちならっ……! みんなだったらわたしのこと……!!」
シャドウ「そのみんなが、あなたを殺そうとするんだよ?」
サクラ「!」
シャドウ「あなたを殺して、『本物の桜野』を取り戻そうとするの」
サクラ「そん、ぁ……はっ、はぐっ……!」
シャドウ「本物のあなたってなんだろうねぇ、どこにいるんだろうねぇ……今ここにいるあなたは、一体なんなんだろうねぇ」
サクラ「はぁーっ……ぁくっ、はぁーっ……!!」
シャドウ「分かることは一つだけ。あなたじゃないんだよ。みんなが取り戻そうとするのは、みんなが会いたがっているのは、あなたじゃない」
サクラ「そんっ……なの……!」フルフル
シャドウ「うん、そんなの間違ってるよね。だってあなたはあなただもんね。きっとみんなの方が、世界の方が間違ってる。そうだよね?」
サクラ「はっはっ……っ……ぁ……!」
シャドウ「だからこう思うの……これは夢だ。きっとまだ目覚めていないんだ。目の前にいるみんなは、透ちゃんは朱さんは雪菜ちゃんは、みんな偽物だ」
サクラ「っ……!」
シャドウ「みんなきっとどこかで戦ってるんだ。だったら助けなきゃ、わたしが助けに行かなきゃ。だからはやく、こんな偽物やっつけなきゃ……」
サクラ「はっはっ……ち……が……!」
シャドウ「そうやって、みんなを殺すの」ニコッ
サクラ「っ!!」
436 :
◆15vHdNAAAEr/
[sage saga]:2023/12/25(月) 00:13:56.74 ID:6O7arnIao
サクラ「ちがっ、ぅ……っ! はぁーはぁーっ!!」
シャドウ「……ほら、力入れてよ」ソッ
サクラ「っ!」ビクッ
シャドウ「さっきはできたでしょ? さっきみたいに目いっぱい力を込めて、わたしの首を絞めてみてよ」
サクラ「っ……ぁ……うぁ……!」フルフル
シャドウ「そしたらみんなに会えるよ?」
サクラ「はぁっはぁっ……ぅく……ぇ……はっはっ……!」カタカタ
シャドウ「楽しみだねぇ。みんなに会うの楽しみだねぇ……みんなを殺すの楽しみだねぇ」
サクラ「はぁっはぁっ! やっ……いやっ……!」
シャドウ「こうやって馬乗りになってね、首に手をかけて、力を込めて……最後の最後、みんなどんな顔するかなぁ……!」
サクラ「や、だっ……! やだっ、やだっ……!! やめっ……!」
シャドウ「『桜野さん』」
サクラ「っ!!?」ビクッ
シャドウ「『私の声、きっと届いてますよね……お願いです。私の大好きな桜野さんに戻ってください……』」
サクラ「っはー、っはー! や、だっ……!!」ガタガタ
シャドウ「『桜野ちゃん……本当の自分を思い出して……』」
サクラ「やめてっ……! やめてぇっ……!!」ブルブル
シャドウ「『本物の桜野ちゃんは、そんな偽物なんかに負けるはずないわ……』」
サクラ「やだやだやだやだっ!!」ガクガク
シャドウ「『桜野……』」
サクラ「っ……!!!」ゾワッ
シャドウ「『私、桜野のこと……ずっとずっとずぅっと……』」
サクラ「いやっ……」
透『信じてるから』ニコッ
サクラ「いやあああああぁぁぁぁぁぁぁあああああああっ!!!!!!!!!!!」
437 :
◆15vHdNAAAEr/
[sage saga]:2023/12/25(月) 00:27:42.01 ID:6O7arnIao
サクラ「はっ……! はっ……! うくっ、えぅっ……!」フラフラ
サクラ「や、だっ……やだや、だっ……ぁ……!」フラッ
ドサッ
サクラ「あうっ……はーっ、はーっ! いやっ、ぁ……!!」ガクガク
シャドウ「……」ムクッ
サクラ「やだっ……やだやだや、あ゛……うぷっ……! おえ゛っぇ゛……!!」ビチャッ
シャドウ「……」
サクラ「え゛……っっえ゛ぇ……んっ、ぶ……!!」ビチャビチャッ
シャドウ「……終わりかな」
サクラ「っう゛……! うえ゛っえ゛ぅっ……!」
シャッ
サクラ「あぇ……?」
ドガァンッ!
立ち上がれないサクラをシャドウが蹴り飛ばした。
サクラ「は、が……あ゛あ゛っ、ぁ゛……」ビクッビクッ
シャドウ「……もう」グイッ
サクラ「う゛ぁ……」ダランッ
シャドウがサクラの胸ぐらを掴んで持ち上げる。
シャドウ「抵抗する気力もないんでしょ?」
サクラ「……ひゅー……っ、ひゅー」
シャドウ「諦めて消えちゃいなよ……」グググッ
サクラ「うああ゛っ……」
シャドウ「ねっ!」ズムッ
サクラ「ぉご……!」
ドッガガァンッ!!!
シャドウ「はぁ……」
シャドウ「あんまり頑張っても苦しい時間が伸びるだけだよ?」
サクラ「っう゛……」グタッ
シャドウ「でもまあ、そんなに嬲られたいなら……」パキパキ
サクラ「っ……」
シャドウ「望み通りにしてあげる!」ダッ
438 :
◆15vHdNAAAEr/
[sage saga]:2023/12/25(月) 00:44:28.25 ID:6O7arnIao
ドガガンッ
ドコッ
ドカァァァンッ!
シャドウ「はぁぁ!!」ドゴッ
サクラ「うぎっ、っ……!」グラッ
シャドウ「たっ!」ドカッ
サクラ「ぉぶ……っ……!」ズシャッ
シャドウ「ふぃ……」パンパンッ
サクラ「ぁ゛……は……」グタッ
シュパァァンッ
シャドウ「あ」
桜野「っ……は……」
シャドウ「……これで本当に最後にしよっか」テクテク
桜野「………………」ボヤ-
桜野(体が……動かない……)
桜野(視界が霞む……焦点が合わない……)
桜野(目を瞑ってしまったら、もう二度と目を覚まさないだろう……)
桜野(いいのかな……それで……)
桜野「……」ボ-
桜野(ダメだ……そんなの……しっかりしなきゃ……)
桜野(勝たなきゃ……こんな偽物、はやくやっつけなきゃ……)
桜野(わたしにはやらなきゃいけないことがある……倒さなきゃいけない敵がいる……)
桜野(守らなきゃいけない人が……救わなきゃいけない世界が……果たさなきゃいけない約束があるんだ……)
桜野(こんな……ところで……)ギュッ
桜野「………………?」
桜野「…………!」
桜野(なん、で……? なんでここに……?)
439 :
◆15vHdNAAAEr/
[sage saga]:2023/12/25(月) 00:55:50.75 ID:6O7arnIao
透「それって……どれ?」
雪菜「それですよそこ! なんか……透さん光ってる!」
透「え?」ポワ-
シキ「ほんとなのです! マジックです?」
透「今やるわけないでしょ……」
シア「ではなぜ……ま、まさか攻撃!?」
朱「お、落ち着いて! 透ちゃんはいつも輝いてるしそこまでおかしくないんじゃ!?」
透「いやおかしいから……って2人も光ってる!?」
雪菜「うわわっ、ほんとです!?」ポワ-
朱「みんな光ってない!?」ポワ-
シア「あらワタクシも?」ポワ-
シキ「シキも! シキもなのです!」ポワ-
透「いったいなにが…………あ!」
朱「ってことは……?」
シア「なるほど、この光……」
雪菜「え? あ、これってつまり……」
シキ「うんっ、うんっ……!」
透「みんな……行くよ!」バッ
朱「ええ!」バッ
雪菜「はいっ!」バッ
「「「プリキュア!!!」」」
440 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2023/12/25(月) 00:59:21.89 ID:31qNuXTA0
プリキュア名物
光ればなんとかなる
441 :
◆15vHdNAAAEr/
[sage saga]:2023/12/25(月) 01:10:01.72 ID:6O7arnIao
桜野「……ウィッシュ……スター……?」
桜野(いつから握っていたんだろう……)
桜野(分からない、もうなにも……でも、これがここにあるってことは……)
桜野(そっか……)
桜野「おわ、り……なんだ……」
桜野(そうだ、そうだった……思い出した。わたし、決めたんだった……)
桜野(ダメだったんだ……わたしの力じゃ届かなかったんだ……なんにもできなかったんだ……)
桜野(だからここに……)
桜野「……っ」ギュッ
桜野(それならわたし……願わなきゃ……)
桜野(今、苦しい思いをしている人がいる……)
桜野(これから、悲しい思いをする人がいる……)
桜野(このままじゃ、今も、これからも……すべて闇に閉ざされてしまう……)
桜野(そんなのダメだ……みんなの未来……わたしが守らなきゃ……)
桜野(闇を払って……光をもたらして……ぜんぶ終わらせるんだ……)
桜野(そうすればもう、誰も戦わなくていい……傷つかなくていい……喪わなくていい……)
桜野(そうすればきっと……みんな笑顔になれるんだ……)
桜野(だから願わなきゃ……)
桜野「っっ」ギュウウウッ
桜野(ウィッシュスター、先っぽとんがってて痛い……はず。でももうなんにも感じないから、力いっぱい握りしめてしまおう)
桜野(それで、願うんだ)
桜野(声を出すのも辛いけど、今だけちょっと頑張ろう……ちょっとだけ頑張ったあとは、ほんの少し眠ってしまおう……)
桜野(振り絞って……届けるんだ……)
桜野(そのために……ウィッシュスターは今、この手の中にある……)
桜野(そのために……わたしは今、生きている……)
桜野(だから、だから……みんなの願い……わたしがここで叶えなきゃ……)
桜野(闇を消し去らなきゃ……)
桜野(すべてを取り戻さなきゃ……)
桜野(世界を守らなきゃ……)
桜野(ぜんぶ救わなきゃ……)
桜野(約束を果たさなきゃ……)
桜野(みんなを……)
桜野「………………だれか」
桜野(助けなきゃ……)
桜野「………………………………たすけて」
桜野(………………あ……れ……?)
442 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2023/12/25(月) 01:12:14.43 ID:IDEvm5aAo
バンダイが玩具として発売するとき幼児にとって危なそうな形状だなウィッシュスター
443 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2023/12/25(月) 01:15:14.97 ID:IZf6f8sbo
誤飲したら大変だDXウィッシュスター
444 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2023/12/25(月) 01:17:46.79 ID:2Yi4/AxM0
踏んだら痛そうウィッシュスター
445 :
◆15vHdNAAAEr/
[sage saga]:2023/12/25(月) 01:24:38.75 ID:6O7arnIao
キラッ
ヒュンッ
ダダダァンッ!!!
空が瞬き3つの影が飛来した。
それが降り立った場所には六花が、花弁が、飛沫が舞い上がる。
シャドウ「なにっ!?」
「「プリキュア!!」」
シャドウ「っ!」
そしてそれらを切り裂き……
ブーケ「ガーデンシュート!」ダダダダンッ!
クリスタル「冷波手裏剣!」バシュウウウッ!
シャドウ「うぁくっ! きゃあっ!?」
花の弾丸と氷の手裏剣がシャドウを襲う。
桜野「っっ……?」
突然のことに理解が追いつかない桜野。
その目の前で……
バサッ
桜野「……!!!」
海を湛えるマントがたなびいた。
桜野「っぁ……」
桜野「っ……っ……!」
桜野「な、んっ…………なん……でっ……!」
「聞こえたよ」
桜野「ぁ……」
クリア「助けにきたよ」ニコッ
桜野「ぁぁぁ……!」
446 :
◆15vHdNAAAEr/
[sage saga]:2023/12/25(月) 01:25:08.82 ID:6O7arnIao
ここまで
447 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2023/12/25(月) 01:26:14.99 ID:g56AXRJS0
乙
ラストバトルみたいな雰囲気
448 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2023/12/25(月) 01:27:43.17 ID:31qNuXTA0
乙
おぉ…ここで願いを使ってしまったか
449 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2023/12/25(月) 10:45:47.38 ID:UZw4nWHao
乙
おそらく(確定で)劇中一番格好良い透ちゃんの登場シーン
450 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2023/12/28(木) 20:20:11.29 ID:6qHPUEHx0
やはり年明けまでダメか
451 :
◆15vHdNAAAEr/
[sage saga]:2023/12/31(日) 19:45:21.28 ID:dCK0zuwUo
いつの間にか大晦日……
生存報告だけです。すいません。
もう少々お時間いただきます。
一応桜野さん救出→サイカ様戦でおしまいの予定なのでそんなに長くはかからない。はず。
サイカ様戦に関してはあっさり目の味付けというか、多少ご都合しても許してほしいなあって。プリキュアだし。
ご質問等ありましたらお気軽にどうぞ。
来年もよろしくお願いいたします。
良いお年を。
452 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2023/12/31(日) 19:50:17.62 ID:8xjFY2uR0
乙 やはり来年じゃないと無理か
453 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2023/12/31(日) 19:53:27.54 ID:Y7MFzrZQo
乙
次作プリキュアはネームドキャラ何人くらいになる予定?
454 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2023/12/31(日) 19:56:21.08 ID:QltxPdqoo
おつおつ
年末年始はしょうがない
良いお年を〜
455 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2023/12/31(日) 23:20:20.31 ID:muYDinUqo
乙
次作プリキュア何年後か分からんが変身前と変身後のキャラ設定いくつか考えて待ってるよ
456 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2024/01/03(水) 00:49:25.96 ID:yksmTkXGo
三ヶ日は一度もやれずか
457 :
◆15vHdNAAAEr/
[sage saga]:2024/01/03(水) 23:53:41.95 ID:rJnzdELQo
やる
一応三が日中ってことになんないかなあ……なんないよなあ……
ていうか正月ってなんなら平日より忙しくねえか?
次作ネームドは安価で人数決めるつもりですが、追加キュア含めせいぜい5±2人とかだと思います 人数多いの楽しそうだけど捌ききれなくなるのが怖い
458 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2024/01/03(水) 23:54:56.84 ID:uIKLtpRco
おいしーなタウンならこの時期は美味しいご飯食べることに忙しくなるな
459 :
◆15vHdNAAAEr/
[sage saga]:2024/01/03(水) 23:59:26.58 ID:rJnzdELQo
桜野「はぁはぁっ……みんな……!」
シキ「桜野っ!!」ヒョコッ
桜野「シ、キ……!」
クリア「……」チラッ
モクモク
ブーケ「偽物とはいえ、まさか本当に桜野ちゃんと戦うことになるとは……」
クリスタル「あの……さっきの、手応えどうでした……?」
ブーケ「えーっとぉ……」
ビュオオッ
ブーケ「!」
ブワッ
シャドウ「……」シュウウウ…
クリスタル「あー……」
シャドウ「どうしてここに……」ギロッ
クリスタル「うっ……こういう気分かぁ……」
シャドウ「まぁいいや……」パキパキ
ブーケ「そんで全っ然効いてないわね……」
シャドウ「邪魔はさせない!」ダッ
クリア「朱! 雪菜!」
ブーケ「ここは任せて! 透ちゃんは桜野ちゃんを!」ダッ
クリア「うん!」
クリスタル「正直あんまり長くはもちませんからね!」タタッ
クリア「お願い!」
460 :
◆15vHdNAAAEr/
[sage saga]:2024/01/04(木) 00:11:19.14 ID:hxOLHY5Oo
桜野「っ……は……」カタカタ
シキ「桜野……?」
桜野「っ……」
クリア「桜野」クルッ
桜野「!!!」ビクッ
シキ「ど、どうしたのです……?」
桜野「見ないでっ!」ササッ
シキ「え……」
クリア「……どうして?」
桜野「だ、だって! 今のわたしは闇だって! 闇そのものだって……っ!!」
シキ「!」
クリア「桜野……」
桜野「ちがっ、違うって、わたしっ……みんな気づかないって……! わたしじゃないって……!!」カタカタ
シキ「さ、桜野、落ち着くのです……!」
クリア「……」
桜野「本物のわたしはっ……ちがっ、くて……! わたしっ……みんなのことっ……!」ガタガタ
クリア「……桜野、こっち向いて」
桜野「わたしじゃ……! みんなの本物にっ……!!」ブルブル
クリア「桜野!」パムッ
桜野「うにゅっ!?」ビクッ
クリア「……」
桜野「ぅ、ぅ……!」
クリア「……ばか」
桜野「えぅ?」
クリア「私が本物の桜野を見間違えるはずないでしょ」
桜野「!!!」
桜野「と、透ちゃ……!」
シキ「そうなのです。あんまり見くびらないでほしいのです」プク-
桜野「シキ……!」
シキ「シキたちが迎えに来た桜野は、桜野だけなのです」ニコッ
桜野「う、ぅぅ……!」
461 :
◆15vHdNAAAEr/
[sage saga]:2024/01/04(木) 00:24:46.39 ID:hxOLHY5Oo
桜野「でもっ……でも、わたしっ……!!」
クリア「……桜野はさ、どうしてプリキュアになった?」
桜野「え……?」
クリア「私はね、強くなりたかったんだ」
桜野「強く……」
クリア「本当の私はすごく……本当にすごく弱い。でも守りたいものとか、助けたい人がいた」ナデナデ
シキ「んぅ? んっ、ふふっ」
桜野「……」
クリア「だから変身した。プリキュアになった」
桜野「うん……」
クリア「変身すれば弱い自分を捨てられるって思ったんだ。強くなれた気がした」
クリア「プリキュアになって、拳を握って力強く踏み込めば、どんな敵にも負けない気がした」
クリア「そう、自分にも」
桜野「……」
クリア「全速力で走ったよ、逃げるみたいにさ。誰よりも早く、誰よりも遠く。じゃないと、弱い自分に追いつかれる気がしたんだ」
クリア「でもね、そうやってなにもかも振り切った先で、裸の自分に出会ったよ」
クリア「すべてを置き去りにしたつもりだった。でも、自分からは逃げられなかった」
クリア「むしろね、自分以外のすべてを置き去りにしたら、そこに残るのは何のしがらみもない自分自身だけだったの」
桜野「うん……」
クリア「嫌だったなぁ……すごく苦しかった」
クリア「だってその自分は、ずっと目を逸らし続けてきた自分なんだもん。見ないようにひた隠しにしてきた自分自身なんだもん」
クリア「変身するたび、そんな自分に出会うの。強くなろうとした先で、弱い私がこっちを見てるの」
クリア「結局私はどれだけ変身しても、私以外の何者にもなれなかったんだ」
桜野「……」
462 :
◆15vHdNAAAEr/
[sage saga]:2024/01/04(木) 00:38:30.67 ID:hxOLHY5Oo
クリア「認めたくなかった。強くならなきゃって思った。でも出来なかったから、今度は弱さを認めたフリをした」
クリア「弱くたって構わないって開き直って、たくさん逃げたよ。色んなものに縋った。そうやってまた、自分を隠した」
クリア「でもね、ほんの少しあなたの顔が見えなくなるだけで、本当の自分が顔を出すの」
クリア「分かってたよ。そんなの単なるその場しのぎだよね」
クリア「そんなんだから桜野がいなくなった時、ついに隠しきれなくなっちゃった」
クリア「ひとりが怖くて、弱くてワガママ。どう足掻いても私は私でしかなかった」
桜野「……」
クリア「でもね、それでいいんだって気づいたよ。だって当たり前だもん」
クリア「私は私。嫌でも苦しくても、そこにいるのが本当の私。どれだけ強いフリをしても、どれだけ見ないフリをしても、やっぱりそれが私なの」
クリア「ひとりが怖いよ。だからみんなで来た。桜野がいなきゃヤダよ。だから迎えに来た」
桜野「……うんっ」
クリア「私思うんだ。変身は、自分を捨てるためにあるんじゃない。自分と向き合うためにあるんじゃないかって」
クリア「私が私であるために、全身全霊私で在り続けるために、プリキュアがある」
クリア「変身するたび自分自身を問いただす。そうやって今の私はここにいるんだって」
桜野「……うんっ」
クリア「でもね、ひとりじゃ気づけなかったよ」
クリア「みんなが……朱が雪菜が、シキがシアが、桜野がいたから気づくことができた」
シキ「ん」ニコッ
クリア「ひとりじゃダメでもみんながいた。みんなが支えてくれたから受け止めることができた」
桜野「……うん」
クリア「だからさ……」スッ
桜野「……!」
クリアが桜野の前に手を差し出す。
クリア「変身しよう、桜野。あなたがあなたであるために」
クリア「大丈夫、あなたはひとりじゃない。私がいる。みんながいる」
クリア「そのことをあなた自身に見せつけてやるの」ニコッ
桜野「……っっ」
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