剣聖が鍛冶屋を営むようです

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70 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2024/03/03(日) 15:35:49.71 ID:wGLpvSsUO
夜が明け、また朝が来る。起床したステラは顔を洗い寝癖を手櫛で整える。
朝から最悪な気分だ。何度同じ悪夢を見ればいいのやら。ステラは不機嫌な表情で歯を磨く。
毎度毎度性懲りも無く首を刈られに来ないでほしい。その過程で否応無しに負傷するのだが、当時感じた痛みがそのまま来るのだ。バチクソに痛くて発狂したくなる。
ただでさえ故郷が燃やされる悪夢を見ているのに、追加で悪夢を増やすのは勘弁してほしい。本当に。
呪(まじな)いの類は散々試したが効果は一切無し。施術者曰く、これは本人の精神面の問題なのでこれ以上の関与は不可能だそうだ。つまり、どうしようもないということだ。

「ほあよーございましゅ………」

ポケポケとした様子で部屋から出てきたのは寝癖が大爆発したネージュだった。女子力はどこかに忘れたらしい。
だらしない欠伸をしながら冷水を飲み、当たり前のように買い置きしていたハムを食べていた。図太いにも程がある。

ネージュは現在、倉庫代わりに利用していた空き部屋で暮らしている。
とりあえずで突っ込んだ荷物が大量にあるので狭くて暗いが、本人はそれが気に入っているようだ。雑魚寝なのも好印象らしい。

「…あれぇー?」

窓越しに外を見たネージュが首を傾げる。それに釣られて、ステラも視線を向けた。
通りの様子は特に普段と変わらない。いつも通り雑踏がうるさいだけだ。と思ったところで、ステラも首を傾げた。

賑やかな声とは裏腹に人が動いていない。何かを見物しているようにも感じる。真新しい物は何も無かった気がするのだが。
もしや、昨日のチラシを見て応募しに来てくれた人たちなのだろうか。だとしたら嬉しいことだ。
少しテンションの上がったステラは寝巻きから私服に着替え、店を出る。すると。
71 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2024/03/03(日) 15:36:31.73 ID:kwfTTyKEO
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72 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2024/03/03(日) 15:37:36.69 ID:kwfTTyKEO
「うおーっ!!!本物だぁ!!!!!」
「なんでS級冒険者が鍛冶屋なんてやろうとしてんだろ」
「さあ?金なんて死ぬほどあるだろうし暇潰しなんじゃない?」
「英雄の考えてることはわかんねーな」
「先日は邪魔が入りましたが今度こそ!私とけっコケーッッッ!?!???」
「だから馬鹿なことすんなってんでしょうが!キャラ崩壊が甚だしいわよ!?」

喧しい声が鼓膜を震わせる。これには上がったテンションが下がりに下がってマイナスだ。
冷やかしか。生憎、今はそういった手合いは求めていないのだが。暇な時なら相手してやってもいいが今は違う。目的があり、なんとかなれどうにかなれと地道に行動しているのだ。

まるで見世物小屋に入れられた気分だと、ステラは忌々しげに吐き捨てる。好奇の視線を浴びるのには慣れているが、今回は不快度が普段と桁違いに高かった。
チラシをせっせと作り貼ったのは働いてくれる人が欲しいからだ。冷やかし目的の馬の骨はお呼びでない。

まあ、多少の宣伝にはなったと割り切る方が精神衛生上よろしいか。ステラは母なる海のように寛大な慈悲の心を以って、彼らの罪を赦すことにした。
その高くもない命が惜しいなら笑っているうちに面接を受ける人以外はとっとと失せろ。にこやかな笑みを浮かべたステラの警告に聴衆は蜘蛛の子を散らしたように逃げ出し、先程まで人でごった返していた通りはものの数秒で閑散になった。
73 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2024/03/03(日) 15:38:19.76 ID:nMQ3Byb3O
ステラは落胆のため息を吐き、店に戻ろうとする。どうせ大半が興味本位で来ただけだとは思ったが、まさか全員がこれとは。
有名になるのもいい事ばかりじゃないと改めて思わされた。いっそ顔と名前を変えてしまうか。

「いやちょっとお待ちなさい!せっかく勇気を出してここまで来たのに無視を決め込むのは失礼ではありません!?まさか、麗しき私(わたくし)の美貌が目に入らなかったとでも言いますの!?」

変身魔法の習得を真面目に検討し扉に手を掛けたところで後ろから呼び止められる。
いったい何用だこちらは気分が悪いんじゃいとジト目で振り向くと、そこには二人の少女がいた。二人ともチラシに添付しておいた申請用の書類を持っている。

どうやら自分の眼は節穴だったようだ。二人も応募者がいてくれたというのに見逃していたとは。
自分の無礼を詫びたステラは、扉を開けて中に入る。二人も続けて店に入った。
74 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2024/03/03(日) 15:39:54.42 ID:815JB7LXO
「つ、つまらない物ですが、どうぞ」

「お気遣いありがとうございます」
「い、いただきますぅ…」

ネージュが魔法で生成した牛乳を二人に振舞ってもらう。ネージュ印の新鮮ミルクである。魔力がある限り無限生産できるのでお値段は実質タダ。味はいたって普通の牛乳だ。

二人が牛乳を味わっている間に書類に目を通す。筆跡から二人の性格が滲み出ていた。
金糸のような美しい髪を靡かせるのは【サンドラ・シュラーク】。真面目というか、几帳面というか。彼女の文字はお手本とも言えるくらいに綺麗で、丁寧だった。

サンドラはコンスティアの有力貴族シュラーク家の御令嬢のようだ。蝶よ花よと愛でられ、不自由なく暮らしてきたのだろう。傲岸不遜とまではいかないが、態度がデカけりゃ乳もデカい。
随分と厚着をしているが、それでもお山の主張を抑えるには力不足のようだ。いったいどこまで成長するつもりなのだろうか。

「私の顔をじっと見て…どうなさいましたの?私の美しさに見惚れるのは構いませんが、時間は有限なもの。有効的に使っていただきたいですわね」

彼女の言うことは尤もである。ステラは軽く謝罪し本題へ入った。
まず大前提として。この面接を行う時点で二人の採用はほぼ確定している。余程のことが無い限り採用を見送ることはない。
75 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2024/03/03(日) 15:40:35.01 ID:815JB7LXO
「で、では…。私たちが採用されないような余程のことって、なんですか…?」

おずおずと手を挙げそんな質問をしてきたのは、身体が小さければ気も小さい、内気な少女【モニカ】だった。
彼女の書類を読むのには苦労した。なんせ、ぐにゃぐにゃとした汚い筆跡な上に無駄に小さな文字であれこれ書かれていたのだから、解読に苦労するのは当たり前の話だ。
彼女が記載した来歴を鵜呑みにするなら、独学で文字の読み書きを覚えたのだと推測できる。頑張った方だと褒めてやりたいくらいだ。

採用されないような余程のこと。それは、言ってしまえば単純なものだ。採用する価値が無い、と自分に思わせることだ。
正直に言うと、あまりにも濃密な思春期を過ごしたことで自分の評価基準はガバガバのユルユルである。多少やんちゃした程度なら平気でスルーする。減点するまでもない。
とりあえず彼女たちに言えることは、公序良俗に反しなければセーフというくらいか。

「それってわざわざ言う必要ありますの!?」

ある。失格条件を伏せたまま試験を始める馬鹿がどこにいるというのだ。ステラは真剣な表情で首を傾げた。

「え、なんですかその眼は…。私間違ったこと言ってませんよね…?法律に背くなんてこと、普通の人はしませんわよ?」

普通の人はしないだろう。そんなことをするまでもなく充実した生活を送っているのだから。
なら普通でない人はどうだろうか。生きるために手を汚す。汚さざるを得ない人がいるのは、彼女だって考えれば分かるはずだ。そこまでおつむが弱いわけではあるまい。

「…つまり。そういった…所謂訳ありの方々でも貴方は採用する…ということですわね?」

程度にもよるが、概ねそのつもりである。ステラはサンドラの言に首肯で返す。視界の端で、モニカが安堵したような気がした。
76 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2024/03/03(日) 15:41:57.47 ID:815JB7LXO
さて。それでは楽しい面談の始まりである。ステラは手始めに志望動機を尋ねた。正直に答えた方が高ポイントだとも伝えてある。

「恥ずかしながら私、少々世間知らずのきらいがありまして。人の上に立つ者として見聞を広めてくるよう父より言われたのです。そこで、まずは市井の者と同じ暮らしをして彼らと同じ目線に立つべきだと考えました。しかし、私は庶民の皆様のような雑務などはしたことがなく…。途方に暮れている私の前に【実務経験一切不要】、【未経験者大歓迎】と書かれたチラシがあったのでこれ幸いと思い志願いたしました」

嘘はいけません、とステラはにこやかに両断した。サンドラの凛々しい顔が固まる。
なら何故住所欄が空白なのかという話だ。シュラーク家の屋敷など有名だろうに。本人だってその自覚はあるはずだ。
それに、仕事がしたいなら親の伝手を利用して就職すればそれで事足りるだろう。ベストとまでは言えないがベターな選択肢だ。気兼ねなく仕事を学べるのだからやらない手はない。

「むぐ…」

図星だったのかサンドラは露骨に目を逸らした。まず間違いなく突っつかれる部分だというのに何も対策していなかったのだろうか。
サンドラの弁解は後に聴くとして。次はモニカの番だと視線を向けた。
77 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2024/03/03(日) 15:42:53.34 ID:815JB7LXO
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78 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2024/03/03(日) 15:43:49.61 ID:6DqWzYS7O
「ひゃ、ひゃいっ!」

緊張しているのかモニカの声は裏返っていた。しかも何故か立ち上がった。別に立つ必要など微塵も無いのだが。サンドラも座っていた。
一瞬座ってもらうか考えるも、そっとしておいた方が面白そうなのでステラは放っておくことにした。

「わ、わたしはモニカ!じゅうななさいです!」

今度は片言だ。もう目も当てられない惨状だが絵面が面白いのでゴーサインを出す。いいぞもっとやれ。

「ちっちゃいころはとーぞくだんでざつようしてました!なのでせんたくとりょうりはとくいです!ぴっきんぐもできます!でもそれいがいはなにもできない役立たずなのでどうか見捨てないでくださいお願いします…」

途中で我に帰ったのだろう。ヤケクソ気味だった表情はどんどんと翳っていき、言い終わる頃には曇天のような曇り具合だった。
よく頑張りました。そんなモニカちゃんには花丸をあげましょう。ステラはモニカの勇気を讃えた。
だが、彼女の解答は不十分だ。志望動機がてんで分からない。恥ずかしさからか顔を隠すモニカに、ちゃんと何故募集に応じたのかを答えてほしい、と伝えた。
79 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2024/03/03(日) 15:44:44.86 ID:ejBGnolxO
「…えっと。わ、私は遠く離れた山を縄張りにした盗賊団で、先述した通り雑用をしていたんですが…その。盗賊団が解散しちゃって、一人になったんです。物心が付く前からその盗賊団にお世話になってたので、頼れる人はいなくて…。薬草や鉱石を売って、なんとか今までやってきたんですけど…。一人でずっとやっていくのは、その、心細いから。助けてほしいなって思って、応募しました。…ご、ごめんなさい。下っ端とはいえ、盗賊風情が生意気というか、偉そうですよね。こんな私が、誰かの助けを得て生きようだなんて…」

別にそんなことはないだろう。物心が付く前に拾われたということは、彼女は捨て子、或いは何らかの事件や事故に巻き込まれて両親が死んだのだと想像がつく。
そんな天涯孤独の身となったモニカを紆余曲折あって盗賊団が拾い、雑用を押し付けていた。
彼女個人でどうにかできる範囲を遥かに超えている。どこでアクションを起こしても、当時の状況を脱することは不可能だっただろう。
それに他人を頼るのは誰しもが持ち得る権利である。誰も一人では生きられないのだ。
困った時、辛い時は他人を思う存分頼るといい。それを無下にするような性格の悪い人はここにはいないはずだ。

「あ…ありがとう…ございます…。えへへ…」

前髪に隠されたモニカの瞳が潤み、小さく微笑む。ステラは不覚にも可愛いと思ってしまった。
敢えて言うが、この可愛さは小動物的な可愛さである。なんとも庇護欲が掻き立てられる表情だ。全国各地の男性冒険者諸君もこの表情を見たらこの笑顔はなんとしても守護らねば…と思うこと間違いなし。
なんというかモニカが拾われた理由が心で理解できた気がする。
80 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2024/03/03(日) 15:46:05.34 ID:uTYKGY6cO
「…むう。この私を無視して盛り上がるなんていいご身分ですわね」

ステラがモニカに構うばっかりに放置されているサンドラはむくれていた。意外と愉快な一面があるようだ。

構い終わったステラは気を取り直して、サンドラの志望動機を訊くことにする。別に黙秘されても構わないが、理由が単純に気になるのだ。

「…貴方を騙そうとした私に全面的に非があります。ええ、包み隠さず全てをお教えしましょうとも。あまり愉快な話ではありませんがよろしくて?」

よろしい。

「では。…とは言っても、犬も食わないようなくだらない理由なんですけれど。【ケーファー家】はご存知?」

全く知らない。流れからして貴族だろうか。

「ええ。シュラーク家と比べればちっぽけな一族なのですが、数代前の当主が友人…本人曰くまぶだち?と手記に遺すほどに親交が深かったようで、今でもその繋がりは健在だったのです。私は一切面識がありませんけど。…ですが先週、父がケーファー家当主と酒席を設けた際に『子供もいい歳なんだから結婚とか考えないわけ?あれだったらうちの娘とお見合いさせるけど?』と宣ったらしく…」

酔った勢いで話が一気に進んでしまったのだろうか。貴族の方々も楽じゃないらしい。
81 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2024/03/03(日) 15:46:40.64 ID:IxWBNqBaO
「そういうことです…。ただのお見合い。されどお見合い。これで縁談が纏まるわけではありませんが、相手はどうやら相当乗り気のようでして…。…一生添い遂げる方ですもの。契りを結ぶ相手は私がこの眼(まなこ)で見定め、私の意志で選びたいと、幼子の頃から思っています。なので家出しました」

なるほど。であればこのままこの店に迎えるのは政争に巻き込まれる可能性もワンチャンあるようだ。サンドラの採用は見送ることにしよう。

「ちょいちょいちょーい!?今の流れでそれは人の心がありませんわ!貴方、滅龍の剣聖なんでしょう!?どうかお助けくださいまし!!!」

サンドラが焦りに焦ったところで、ステラは小さく笑う。今のは場を和ませるジョークである。落ち着きたまえ。

「ジョーク!?その割には凄い嫌そうな顔してましたわよ!??」

まあ嫌だし面倒くさいことになりそうだとげんなりしているのは事実だ。だが、龍帝とまた殺し合うのに比べれば赤子の手を捻るようなもの。
最悪、シュラーク家とケーファー家双方に歴史から抹消されたくなければサンドラに関与するなと警告すりゃいいのだ。
こうすれば余計なちょっかいは掛けられない。サンドラだって楽に生きれるだろう。

「ああ…特例上位クラスが皆狂ってるってそういう…」

ステラの楽しそうな表情を見たサンドラはそう呟き、頭を抱えた。
82 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2024/03/03(日) 15:47:21.95 ID:jl4OD2ktO
その後。二、三ほど質問をしたところでサンドラから質問が飛んできた。

「私も貴方に訊きたいことがありますの。構いませんわね?」

他者のプライバシーを侵害しない程度なら喜んで答えよう。どうぞお構いなく、と答えコーヒーを口に含んだ。

「感謝いたします。…では。ステラ・ロードレアと言えば【龍帝マグニスタニア】とその配下を単騎で打ち倒したとされる英雄。彼の者には、数百年の間に世界各地から拠出された莫大な報奨金が支払われたと存じます。一生豪遊したとて到底使い切れぬほどの金額です」

そういえばそんなものを貰った。ステラは微かに笑い、何を言いたいのか問う。

「つまり、この小さな鍛冶屋を建てることなど呼吸をするより容易いということです。設備だって最高級のものを取り揃えるのは造作もないでしょうに。なのに貴方は、その。金に物を言わせれば、他の店から職人を引き抜くことはしないで、私たちのような素人だろうと迎え入れようとしている。おかしいと思いませんか?」

なるほど。たしかにあの金があれば金貨袋パンチで人を恭順させるのは簡単だ。
だが、そんな金は無い。よしんば金があったとしてもそんな思考はしていなかっただろう。
83 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2024/03/03(日) 15:48:31.27 ID:9N8M+lxlO
「へ?使い切ったんですか?」

使い切った。一コル残らず使い切った。報奨金はすっからかんである。

「頭おかしいんですの?」

何やら誤解されている気がしたので、ステラは弁解することにした。
ステラが貰った報奨金だが、彼自身は一コルも手を付けていない。

なら何に使ったんじゃオラという話だが、使い道自体はいくらでもあった。龍帝によって壊滅した都市の復興資金である。
龍帝マグニスタニアは、滅龍の剣聖ステラ・ロードレアによって討伐された。ならば、龍帝がやらかしたことのツケを払うのは、龍帝を弑したステラがやるべきだ。少なくともステラはそうするべきだと考えていた。

龍帝が齎した目が眩むほどの損害。それを無視して遊び呆けるほどステラは図太くはなかった。ただそれだけの話だ。
自身も龍帝の被害者だという事実が大いに関係しているが、それは言わなくていいだろう。お涙頂戴するために言っているわけではないのだから。同情など要らぬ。

「…頭おかしいんですの???」

弁解を聞いた上で彼女にこう言われるのは予想していた。頭がおかしいと言われても仕方のないことだ。
ステラが言っていることは大量殺人犯を自分が殺してしまったからといって、被害者家族に代わりに贖罪しているのと同義だ。頭おかしい以外の感想は出てこないだろう。

まあ、聡いが故に本質を理解し率直な感想を言ったサンドラはともかくとして、頻りに頷いているネージュのご飯は抜きにしよう。そうしよう。強く決意したステラだった。
なお、気を遣っているのかモニカは優しい人なんですね、とお世辞を言っていた。余計なお世話である。
84 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2024/03/03(日) 15:52:58.93 ID:5Ai7dZB0O
書き溜めたのはここまでです。次回の更新をお待ちください。それに伴い安価を二つ出しておきます。
一つは店名です。こちらは先着で三つまで募集し、最高コンマのものを採用します。
もう一つは次のレスに載せておきます。書き方の例は以下に書いておきます。


B モニカと食べ歩き
C どらごんべーかりーで買い物

85 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2024/03/03(日) 15:53:59.58 ID:5Ai7dZB0O
4/9 昼 開店予定日 5/1

下2 何をしようか?

A:鍛造 従業員に武器を作ってもらいます。
B:交流 他のキャラクター一名と交流します。
C:散策 コンスティア内を散策します。新しい出会いがあるかもしれません。
D:購入 鍛造用の金属を購入します。ラスティ商会へと向かいます。

残金 6,000,000コル→5,586,000コル
材料 なし

【知人一覧】
ネージュ 技術力 48 信頼度 0 従業員
サンドラ・シュラーク 技術力 45 信頼度 0 従業員
モニカ 技術力 21 信頼度 0 従業員
ラスティ 信頼度 0 道中で出会った商人
リリカ 信頼度 0 不動産屋の店員

【散策候補】

どらごんべーかりー 街で人気のパン屋さん。
桃華薬堂 漢方と呼ばれる薬を取り扱う薬屋。冒険者向けの整骨院も兼任している。
ユースター魔法店 魔法書や魔法薬を取り扱う店。
ヤナギ工房 コンスティアでは有名な鍛冶屋。最近新しい弟子を迎えたらしい。
ラスティ商会 キャラバン隊を経営する商会。珍しい物も売っている。
86 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/03/03(日) 17:10:30.11 ID:iGi0FKspo
店名 SSS(ステラズ-スミス-ショップ)
行動安価ならD
87 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/03/03(日) 17:22:48.36 ID:T98ojF2DO
店名は>>86に一票

安価はB+Dでたまたま近くにいたモニカとラスティ商会で金属購入
記号1つのみならD
88 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/03/04(月) 19:26:43.02 ID:VWCDZUHxO
店名:ロードレア武具工房

念のため、もう1つ。実家がこういう名前でした、だとなお嬉しい。
89 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2024/03/12(火) 09:50:50.24 ID:bykS1aeaO
行動については基本一つしか選べません。何かを選んだらそれ以外を放棄するペル○ナ的システムです。
90 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2024/03/12(火) 09:51:25.69 ID:bykS1aeaO
小一時間ほどの面談が終わり、二人に二階で待つように指示を出す。二人は緊張した面持ちで階段を登っていった。

「あれ?さっき余程のことがなければ採用するって言ってませんでした?私が聴く限りいい人そうだったから、すぐ合格って伝えてあげた方が喜ぶと思いますよ?」

分かってないなあネージュちゃんは。やれやれと肩を竦めるステラに対し、ネージュは怪訝な表情を向けた。
彼女らには面談と言っているが、仮にも合否に関わる試験なのだからそれっぽくしたいのだ。
具体的には数分くらい放ったらかしにしておいて、厳正なる審査の結果採用とさせていただくことをここに報告します、とでも言う予定だ。

「うーん…私には何の意味があるかよくわかりません」

意味があるかについてはノーコメントだ。どういう受け取り方をするのかは彼女たち次第であるが故に。
だが。形だけとはいえ、二人は試験に合格した。自力で仕事を手に入れたのだ。
この経験が成功体験として二人の糧になれば幸いだと答える。

「なるほど。その優しさをちょっぴりでもいいので私にも分けてくれたらいいんですけどね」

変なことをおっしゃる。散々甘やかしてあげたではないか。人のピザを食べ尽くしたことを忘れたとは言わせない。
ステラの指摘にネージュは気まずそうに笑い、明後日の方向を向きながら口笛を吹いた。あまりにも分かりやすい反応に、ステラも思わず吹き出してしまう。
その反応を見たネージュは赤面し、ぽこぽことステラの胸を叩くがこれっぽっちも痛くはない。
91 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2024/03/12(火) 09:51:56.56 ID:bykS1aeaO
さて。そんなほのぼのとしたひと時を過ごしステラたちは今、サンドラたちが待つリビングに繋がる扉の前に立っていた。

「ど、どうですか?変な顔になってませんか?」

ヒソヒソと囁くネージュの顔を見る。真面目そうな表情ではあるが、少し口角が上がっていた。つまりちょっとニヤけている。これでは緊張感などあったものではない。

「むむむ…。ステラさんはちゃんと真顔ですね。どうやってるんですか?」

故郷が滅ぼされた記憶を辿っているだけだと答える。なんですぐ重いことを言うんですかリアクションしづらいです、とネージュは渋面を作った。手っ取り早く真顔になるにはこれが一番というだけだが。

「だからやめてくださいって。…って、ちょっ…!まだ心の準備がっ…」

ネージュの苦言を右から左へ受け流し、ゆっくりと扉を開ける。中で待機していたサンドラたちの視線がこちらに勢いよく向いた。
92 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2024/03/12(火) 09:52:28.15 ID:bykS1aeaO
二人の動揺は分かりやすかった。非常に分かりやすかった。ネージュとタメを張るレベルの分かりやすさだ。

モニカはソワソワと落ち着かない様子でこちらに視線を向けている。時折下を見ているが、何か行動していないと落ち着かないだけだと思われる。
対するサンドラはと言うと、威風堂々とした佇まいで髪を靡かせていた。白磁のような細い指から艶やかな金髪が流れている。
表情からも合格して当然という余裕がありありと感じられた。
だが足は震えている。それはもうガックガクに震えている。武者震いや貧乏ゆすりを通り越してもはや大地震である。

あまりの惨状に表情が崩れそうになるが、もっと他の使い方があったのではないかと投げやりに考えながら、冒険者生活で培った鋼の精神力で耐える。
無表情かつ絶対零度の眼差しを携えたステラの様子に、二人の動揺がより顕著になった。

「わ、私何か失言でもしましたかしら!?だとしたら謝りますのでご容赦を!!」
「やっぱり駄目ですよねそうですよねこんな私が人並みの生活をしようとしてごめんなさい…」

おかしい。ここまで怯えられるとは思っていなかったのだが。ステラは目の前の光景に困惑しながら表情を戻す。
93 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2024/03/12(火) 09:54:55.48 ID:bykS1aeaO
「「ほっ…」」

虚無を感じさせる無表情が消え、二人は露骨に安堵の息を漏らした。
その分かりやすい態度に悪戯心が刺激されたステラは無表情と素面を交互に繰り返す。コロコロと表情を変える二人の様子はとても愉快であった。

「成功体験がどうのとか言っておいてなにやってるんですか」

ぺち、と後頭部を引っ叩かれる。ネージュの言う通り、ステラの奇行は趣旨を完全に逸脱していた。
過ちに気づいたステラは気をつけねばと猛省する。次はしないとは言ってない。

徐に鞄から取り出したのは例によって魔道の契約書。内容はネージュの物と同様である。
契約内容に問題や異議がなければサインをするように伝えてペンを渡す。
隅から隅まで読み込むサンドラをよそに、モニカは速攻で名前を書き込んだ。内容を理解しているのか心配だがサインした以上契約は絶対である。文句は言わせない。

「あの。この契約って緩すぎません?父が所有している物に比べたらかなり労働者側に有利な条項ばかりですわ…。何か裏があったりしますの?」

財閥だとか有力貴族のそれと一緒にされては困る。別に生殺与奪の権を奪い馬車馬の如く働かせるつもりで契約しているわけではないのだ。
あくまで従業員として働いてもらうためのものだ。忠誠を誓わせるためのものではないので、そこまで縛る必要は無い。
それに、サンドラの疑いは的外れにも程がある。もし裏があったとして、それを素直に言うかという話だ。
騙す予定だとバラす仕掛け人が何処にいるのだろうか。もしいたらその人間はとんだ大間抜けである。

「たしかに貴方のおっしゃる通りですわね。失礼いたしました」

ステラの説明を受けたサンドラは、なるほどと頷いてサインをする。ここに二人との契約は成立した。
94 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2024/03/12(火) 09:55:39.12 ID:bykS1aeaO
なんやかんやあって従業員が三人になった。
当初は二人採用できれば御の字だと思っていたが、まさか三人も雇えるとは思わなんだ。
サイン済みの契約書を預かったステラは、嬉しそうにそれを鞄に仕舞い込む。時間が空いた時にネージュの分も含めて写しを取る予定だ。
そしてそれをギルドの金庫にぶち込む。この契約書が消滅したら契約そのものが無くなってしまうのだ。念には念を入れるべきだ。お互いのために。

さて。契約も終わったことだし、今後のために渡したい物がある。ネージュにも渡しそびれていたからちょうどいい。ステラはステラはそう言って麻袋を取り出した。

三人はステラの言葉に目をパチクリとさせる。麻袋を机に置くとゴトリと鳴った。喜んでくれればいいのだが。

「なんですかこれ。私にも渡したかったって言ってましたけど」

何と言われたら金としか言えない。より正確に言うなら手付金だろうか。
ネージュたちはこれからこのお店で働いてもらうわけだが、契約書に記載した通り給料日は毎月一日である。つまり、次の支払いは来月だ。
ネージュは言わずもがな、モニカやサンドラだって金に困っているはずだ。困窮していなければこんな仕事をやろうと思わないだろう。

契約は成立した。そしてこちらにはその契約を遵守する意志がある。それを理解、納得し、貢献してもらうための先行投資と思ってもらって差し支えない。
95 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2024/03/12(火) 09:56:07.72 ID:bykS1aeaO
「…なるほど。話は分かりました。では何故金額が違うんです?」

特に理由はない。適当に金を突っ込んだからそれが原因だろう。

「そ、そうなんですね…。てっきり私のことを役立たずと思ってるから…その分を差し引いたんだと思ってました…」

面倒くさい子だなあモニカちゃんは。やれやれといった表情でステラはモニカの額を指で軽く押した。モニカの口から情けない声が漏れる。

別に自分のことを役立たずだの足手まといと卑下するのはモニカの勝手だ。本人の気質の問題なのでそれを止めるつもりはない。
ただ、モニカの評価と他人からの評価が必ずしも一致するわけではないことは理解してもらいたい。
それに、この金は期待の表れでもある。期待も信用もしていない相手に金を恵んでやるほど、ステラはお人よしではないのだ。

「…ありがとう、ございます。ご期待に応えられるよう頑張ります、から…。どうぞ末永くよろしくお願いします…」

何がどうしてそうなったか分からないがやる気になったならヨシ!ステラは目の前の現実から逃避した。
96 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2024/03/12(火) 11:50:50.53 ID:BiH9c5auO
店は手に入れた。人も揃った。やることがないから親父の跡を継いでやろう大作戦は順調に進んでいる。
だがまだまだだ。もっと準備を進めないと。具体的には素材の備蓄や鍛造だ。
開店日までの間に商品となる武器を大量に作り上げなければならない。試作品も複数作って技術の向上を図る必要だってある。

となると、素材がとにかく必要になる。残った予算を全ブッパするのは論外だが、多少失敗してもいい程度には買い込んでおくべきだ。
ステラはそんな爆買いにお誂え向きの店を知っている。あの時煉獄竜を殺してよかった。

「あら、出掛けるのですね。では私も少し外出いたします」

外行きの私服に着替え鞄を取るステラを見て、サンドラも室内用のお高いスリッパからこれまた高級なブーツへと履き替える。
彼女が言うにはホテルに預けた荷物があるので荷運びのために引き取りに行くらしい。ついでにチップもいくらか包むそうだ。
ステラも手伝おうとしたがすげなく断られる結果に終わった。ホテルで待機している小間使いがいるし、そこまでしてもらうのは気が引けるそうだ。
97 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2024/03/12(火) 11:51:31.14 ID:BiH9c5auO
ではこれからどこに住むのか訊ねると、ステラのお店だと返答が返ってくる。こちらは別に構わないがサンドラは平気なのだろうか。
ただでさえ実家の屋敷での優雅な生活からホテル住まいにランクダウンしているのに、さらにランクが下がったら嫌だと思うのだが。

「貴方からの給料ではホテル代を賄えませんもの。私だってそのあたりの分別は付きますわよ」

彼女なりに色々考えた結果らしい。ならこれ以上あれこれ言うのは無粋だろう。
人攫いとかの悪党に気を付けるよう警告し、ステラはサンドラと別れた。

余談だが、何故かやる気が凄いモニカは今後の炊事洗濯掃除といった家事諸々を担うつもりらしく、食材などを買いに一足先にネージュと出ていった。
やる気なのはいいことだが空回りしないか心配である。ネージュのフォローを期待しているがあれはあれで中々愉快な性格をしているから無駄かもしれない。

ステラが向かっているのはメモに記された住所。これはコンスティアに入る直前に商人から貰ったものだ。
ここで商売をしているから存分に使い潰してくれ、と言われたので遠慮なく使い倒すつもりである。
98 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2024/03/12(火) 11:52:50.92 ID:BiH9c5auO
練乳、生クリーム、カスタードのみを包んで焼き上げたという【甘味の権化クレープ】を食べ終えると同時に目的地に到着した。
胃もたれしそうな破滅的甘さだが悪くはなかった。カロリーはどれくらいなのだろうか。想像しただけで腹回りが大きくなった気がする。

【ラスティ商会コンスティア支部】とだけ書かれた質素な看板とは裏腹に豪華絢爛な外観が目を引く。
しかし売り子のような人は見受けられない。商品が陳列されているわけでもなければ、カタログが置いてもいない。

これは一体全体どういうことだとステラは首を傾げる。もしや騙されたというのか。そんな悪意は感じられなかったのだが。
疑問に思ったステラはダメ元で突撃を敢行することにした。断られた時はその時どうすればいいか考えればいいだけである。

「すみませんお客様。こちらでは商品を販売しておりませんのでお引き取りを」

アポイントメントを取ろうと受付に物申しに行くもバッサリと切り捨てられる。取り付く島もない態度に思わず苦笑した。
しかし本当にここでは物品販売はしていないのか。ステラは落胆しながらここはラスティ商会とやらの事務所なのかもしれないと考える。
商会が経営している店舗は把握しているはずだ。何かしらの情報は欲しいと質問する。

「とは言われましても…。コンスティアでの我々の業務は問屋に近いのです。他国から商品を仕入れ、それをコンスティア内の各店に卸しているんですよ。業務提携しているなら毎月カタログを郵送しているのですが、そちらはお持ちではありませんか?」

七三分けにメガネ、キッチリとした身だしなみのスーツマンとお堅い印象を受ける男性の問いに首を振って答える。
持っている物と言えば商人から渡されたメモだけだ。
メモを男性に見せると、視線が若干揺れ動いた。

「…失礼。そちらのメモを一度預かってもよろしいですか?」

どうぞお構いなく。ステラは男性の要求を快諾し、メモを渡す。ポケットに突っ込んだ時に少しぐしゃぐしゃになったが別にいいだろう。

綺麗なお辞儀をした男性が階段を登っていく。

数分後、見知った顔が二階から降りてきた。
99 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2024/03/12(火) 11:54:03.15 ID:BiH9c5auO
「はは、すまないな。とんだ無礼を働いた」

商人に誘導され応接室へ移動する。一目で上物と分かるご立派なソファー、溶岩洞窟の最深部でのみ採掘できる希少金属【アダマンチウム】を含有しているアダマンタイト鉱石、なんかよく分からないオブジェが視線を集める。よくこんな物を集めたものだとステラは感心した。

「物流をメインにしているとはいえ、腐っても商人だ。珍しい物は大枚を叩いてでも欲しくなるのが性ってもんでね」

気持ちはよく分かる。ステラも商人に大いに賛同した。ステラも仕事柄危険と財宝溢れるダンジョンや危険地帯へ幾度となく挑戦してきたし、凶暴な魔物を仕留めた後の剥ぎ取りタイムはワクワクしたものだ。
そしてレアな素材が出たら大半は宴会代に消えていった。冒険者はその場のノリで生きている。

「さて。自己紹介がまだだったな。本名は別にあるんだが、俺のことはラスティと呼んでくれ」

その名前を名乗る意味はあるのだろうか。センシティブな理由があるのなら深入りしないでおこう。

「いや別に本名を名乗ってもいいんだが、職場ではこの名前で通してるんだ。ラスティ商会のしきたり的なやつでな。支部長は皆ラスティって名前を襲名してんのよ。で、会合とかで他の支部長とかと一緒になる時は判別できるよう本名を使うって感じだ」

随分と回りくどいことをするものだ。この不出来な頭でどれだけ考えても、何の意味があるのか分からない。
100 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2024/03/12(火) 11:54:38.18 ID:BiH9c5auO
「ま、そういうルールがあるから従ってるだけだ。あまり気にしなさんな」

ラスティは小さく笑いコーヒーを淹れる。何か要望があるか聞かれたので、ブラックのままでと頼む。
ちょっと前にとても甘いクレープを食べたのでお口直ししておきたいのだ。甘ったるさが口内に残っているのが気になってしょうがない。そんなものを食べたお前が悪い自業自得だろと言われればそれまでなのだが。
芳醇な香りが鼻をくすぐる。コーヒーは好んで飲まないのだが、これは美味い予感がした。実際に美味かった。

「喜んでくれたなら何より。では本題に入ろうか。お前さんは商品を買いに来てくれたんだろ?」

それ以外に理由は無い。でなければ足を運ばないだろう。

「そりゃそうか、失敬。とりあえず他の店に卸す分を除外して…今お前さんに売れるのはこれくらいかね」

ラスティが用意してくれたリストには煉獄竜の素材が入っていた。どうやらギルドに丸投げした分を買い取られたようだ。
101 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2024/03/12(火) 11:55:47.42 ID:BiH9c5auO
「煉獄竜の素材はこの辺で手に入らないからな。それに、お手軽に炎耐性を付けられる素材として需要は相応だ。お前さんもその価値は解らんでもないだろ?」

異論は無いとステラは頷いた。この世界で最もポピュラーな属性攻撃と言えば炎…つまり火属性攻撃だ。
ドラゴンのブレスは言わずもがな、人類の扱う魔法でも火炎魔法は基本中の基本であり、まず最初に習得が推奨されるくらいに重要なポジションを占めている。
皆が使う便利なものであるが故に、対策の必要性は自ずと高くなる。人魔問わず普及しているからこそ容易にやられないようにしておく必要があるのだ。

とはいえ、煉獄竜は実際のところそこまで強いドラゴンではない。下の上、良くて中の下だ。
そのため素材として利用したところで、炎に対して無敵になれるかと言われたら無言で合掌する他ない。
あくまで火属性のダメージを軽減するのであって無効化はできない。気休めと言ってもいい。あればいいな程度の性能だ。

「炎を無効化しようとするなら、それこそマグニスタニアの素材をふんだんに使った重装鎧でもなけりゃ無理な話だ。…つっても、龍帝の素材が世に出回ったことは一度も無いんだが。どっかの王都に生首が保管されてるだけで、遺体は行方不明だしな」

ステラが討ち滅ぼした龍帝マグニスタニア。その遺体は灰都に埋められている。彼の龍が使役していた下僕共の亡骸と共に。それがステラのできるせめてもの手向けだった。
まあマグニスタニアの素材を巡って大変なことになる予感があったのが関係しているが言う必要はないだろう。

しかし、あの龍の素材を使った装備がどれほどの性能なのか気にせずにはいられない。
あの時少しでも剥ぎ取っておくべきだったと、ステラは遅まきながら後悔した。
102 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2024/03/12(火) 14:20:34.73 ID:w0X/Sss/O
下2 何を買おうか?

残金 5,586,000コル
材料 なし

商品リスト

汎用金属 効果 なし 価格 7500コル 在庫 100個
ミスリルインゴット 効果 耐久力+20、聖属性付与 価格 30000コル 在庫 20個
【限定品】煉獄竜素材セット 攻撃力及び耐久力+25、火属性付与、火属性耐性微強化 価格 80000コル 在庫 4個 
氷華のヘアピン 価格 10000コル 在庫 2個
グリフォンの羽ペン 価格 10000コル 在庫 1個
103 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2024/03/12(火) 14:24:08.30 ID:w0X/Sss/O
上の安価とは別に冒険者を三名ほど募集します。テンプレは以前のものをお使いください。
S級冒険者も可ですが、【どこかしらの人格が破綻している】、【人類に対し多大な貢献をした】ことが絶対条件です。

買い物の安価は予算内で収まる範囲なら好きに購入できるので、一つのレスに買いたい物を全て入れてください。今後も同様のやり方でいく予定です。
104 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/03/12(火) 15:31:23.83 ID:iiaysOmFO
kskついでに冒険者案を投下。採用されるかな?

【名前】ズーラ・ガンター
【種族】魔族
【性別】男
【魔法属性】死
【概要】
死の属性を操り人々の死期を見抜いてはそれを覆すことで知られる【嘘つき告死天使】の異名を持つS級冒険者で、主に強力な魔物を素材とした新薬の開発や新種の薬草の発見・難病の克服などで人類に貢献した人物。
一見すると医者にしか見えない功績だが新薬になるならば如何に強力な魔物だろうと討ち果たすため紛れもなくネジがぶっ飛んだS級冒険者の一人である。
非常に高い能力を持つが容姿と性癖が壊滅的なのが難点。
長剣を武器にしたバーコードハゲの中年男性。ビール腹。3対6枚の黒く立派な翼。レンズが大きく四角い眼鏡。
翼だけは見事なため、翼が本体という扱いを受けることも。
男女問わず可愛い者なら「イケる」ド変態でR板的な能力も高い(コンマ換算で最低85以上)。しかも可愛い者が相手ならドMにもドSにもなる筋金入り。
性癖にさえ関わらなければ(相手が可愛くなければ)紳士的に対応するし真面目に仕事したりとS級冒険者としてはわりとまともな部類。
性癖が高じて恵まれない子ども達を大々的に支援しており、現在は一線を退き下心を隠そうともせずに手取り足取り後進の育成に励んでいる。

親しい仲の人物からは「ズラさん」と呼ばれる。時おりどもったり語尾を伸ばしたり、「デュフフフ」や(ニチャァと笑ったり、「ですぞ」とか「ござる」とかそんな口調のキャラ。
105 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/03/12(火) 15:41:41.37 ID:/Q75uO3yO
汎用金属 30
ミスリルインゴット 10
煉獄竜素材セット、氷華のヘアピン 2ずつ
グリフォンの羽ペン 1

ついでにキャラ案

【名前】ルーナ・クリスティア
【種族】人間
【性別】女性
【魔法属性】結界
【概要】十九歳、茶髪のポニーテールの少女
身長は平均より少し高い程度
明るく穏やかな性格、ややツッコミ気質なところあり
かなりの料理上手

A級冒険者でも上位の実力を持つ

彼女の魔法属性の結界は、高次元による断絶を作り出す
結界内の環境や状態、何を通すか通さないか等、ある程度彼女の意思によって操作可能
ただし生命体に直接影響を及ぼすことは不可
また、結界による切断などある程度応用もできる
この結界により、ドラゴンの大群から都市を守り通す、結界内の環境を操作できることの応用で流行り病の特効薬作成に寄与したりと、大きな功績も挙げている
S級になれないのは、単純に能力が足りないのか、はたまた実績が届かないのか、それ以外の理由かは不明
一部ではまともだからS級なれないのでは? とか言われていたりする
106 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/03/12(火) 17:19:59.62 ID:fQc1n3nNo
【名前】グルガ
【種族】人間
【性別】男
【魔法属性】魔法は苦手でほとんど使えない
【概要】黒髪を後ろでまとめた目つきの鋭い男
とても筋骨隆々で魔族と勘違いされるほど体格のいいA級冒険者、まだ17歳
根は善人だが精神的にとても不器用で必要最低限しか喋らない寡黙な性格
それに加えてその見た目もあって人々からは恐れられているが本人はめげずに世のため人のため働いている
とても力が強く異常に体が丈夫。単純なパワーだけならS級レベルではないかとも言われる
体が大きいせいで装備品は全て特注になってしまうのが悩み
107 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/03/12(火) 20:39:59.84 ID:vyBi6mm30
【名前】ミリア
【種族】人間
【性別】女
【魔法属性】変身
【概要】淡い金髪の女性 年齢17
とある国の王族の娘だったが、一族が竜の呪いを受けた事で滅びた
一人だけ命辛々逃亡するも、呪いによって半人半竜になる事がある
普段は自身の魔翌力で抑え込んでいるが、気を抜くと変身してしまう
身分を隠しながら、呪いを断つための冒険をしている
108 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/03/12(火) 22:45:34.49 ID:/ALVinRv0
【名前】ブラッド・バスカヴィル
【種族】人間
【性別】男
【魔法属性】血液
【概要】血の様に鮮やかな赤髪をした20代前半ほどの男性。左目に眼帯をしており、鼻には戦いで出来たと思しき横一文字の傷がある。
性格は一言でいうと戦闘狂であり、荒っぽい言動と相手が強者と見るや片っ端から噛みついていくその姿から、周りからは狂犬の異名で呼ばれている。
本人はただ単に強い奴と戦いたいという理由だけで魔物などを狩りまくっていたのだが、それによって救われた者たちがいる事もまた事実であり、それ
が功績として認められた事で気が付けばS級冒険者となっていた。
彼が使う血液魔法は文字通り自らの血液を操る魔法であり、血の剣を作り出したり血の弾丸を飛ばしたりする事が可能である。
自身の血液を扱うため体力の消耗が激しいが、相手に触れている時に限り、その相手の血を手のひらを通して吸血する事も可能。
これにより体力や魔翌力を回復する事が出来るが、当然血が流れていない無機物系の魔物やアンデッドには無効である。
109 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2024/03/21(木) 00:17:46.04 ID:HWFNvK8iO
ラスティが迅速かつ丁寧にリストアップしてくれた簡易版商品カタログには、単価と分配可能な在庫数、そしてその商品に対する簡素な注釈が付けられている。
誇大広告が欠片も見当たらないシンプルなものであり、とても見やすくて好感が持てる。
本人が言うには、聴き心地の良い文句を並び立てて人を騙し、それで多大な利益を得たとしても、いつかはその報いを受ける。何事も手堅く真摯にやっていくのが一番らしい。
切った張ったを繰り返しその場のノリで生きていく一冒険者としては耳が痛いありがたいお話だ。ご高説は勘弁してくれ。切実にそう思った。

材料のページに目を通す。鍛造に用いられる一般的な金属類の他には、寒冷地の地下でよく産出するミスリルが記載されていた。
ミスリル。聖銀とも呼ばれるそれは、名前が示す通りに神聖を宿す。摂理に反した存在である不死種(アンデッド)に対し特攻を持ち、聖職者や聖騎士(パラディン)の装備に用いられる素材だ。
職業柄不死種との戦闘に携わる彼らには欠かせない物であり、ミスリルの精製技術が確立して以降殲滅効率と安全性が劇的に向上した。
強度も鉄等より高く、神聖云々を抜きにしてもそれなり以上の装備に使用されるのは珍しくない。より強力な装備を求める時には力不足となり他の材質を使うことになるが。

どうせ試行錯誤するのだから買い込んでおいて損は無い。お試しとしてさまざまな素材を買い揃えておこう。
慣れた手つきでメモを書きページをめくる。贈答品のページに差し掛かったところで、珍しい物が載っていたのでページをめくる手が止まった。
110 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2024/03/21(木) 00:18:17.79 ID:HWFNvK8iO
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111 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2024/03/21(木) 00:18:57.19 ID:HWFNvK8iO
貴族に差し入れしても恥ずかしくない高級品が記載されているページの中で、ステラの目を引いたのは氷華のヘアピンとグリフォンの羽根ペン。

氷華のヘアピンは、ケルローネから遠く離れた【ルナライト凍原】と呼ばれる場所に群生する【氷晶薔薇】という花をモチーフにした、職人が水晶を削り出して製作した髪留めである。
氷晶薔薇は脆く崩れやすいので保存に向かず、実物は現地で確認する他ないのでここまで精巧に作るのは至難の業だ。本物同然というか本物より綺麗かもしれない。このヘアピンを手がけた職人の腕前が窺える。

しかし、本当に良くできている。以前見た氷晶薔薇の花園を彷彿とさせる美しさだ。あの時は思わずビューティフォー…と柄にもなく呟いてしまった。懐かしい記憶だ。
あの時は大変だった。異変調査のために知らない人たちと即席パーティを組み意気揚々とルナライト凍原に繰り出したものの、雪崩に巻き込まれた上に魔物の大群に襲撃され、全滅を避けるために苦肉の策として殿を務めたのは記憶に新しい。
孤軍奮闘の甲斐あって異変の原因だった魔物の大群は殲滅できたが、その結果見事に迷ってしまい遭難したのだ。

戦闘による負傷で大量出血するわ傷の治療に魔力を必死に回したせいで体力が底を突くわ凍傷で指先や足が黒くなるわこの状況でルナライト凍原を縄張りにしているドラゴンと遭遇するわで死を覚悟したのだが、どうやら天命は自分にあったようでドラゴンに保護されたのだ。今思い出しても意味が分からない。
112 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2024/03/21(木) 00:20:06.46 ID:HWFNvK8iO
ドラゴンの寝床も一面凍結しており尋常じゃない寒さではあったのだが風雪を凌げるだけ外に居るよりマシであり、何より食事には困らなかった。
二週間は自前の保存食で賄うもすぐに無くなり、その後の二週間はドラゴンが拾ってきた木の実やドラゴンが狩ってきた魔物の肉で飢えを凌ぐ毎日。
防寒対策を万全にした上に保存食もかなりの量持参していたのだが、吹雪が止むまでの一カ月間を耐え忍ぶには足りず最終的にドラゴンの厚意に甘えることになったのは恥ずかしい話だ。

その後はドラゴンズハウスで休養を取ったことでやむなく切断した手指や足が再生し、天候も回復したところで近くの村へと移動した。名残惜しそうにこちらを見ていたドラゴンの顔が印象的だった。

村に帰還したステラはまず最初にギルドに顔を出したのだが、既に死亡届が受理されていたらしく大いに揉めた。
一カ月の間音沙汰無しだったから死亡したと判断されるのは仕方のない話なのだろうが、救援依頼も出さずに即死亡届を提出するのは見切りが早すぎるし薄情にも程がある。これには流石にちょっと傷ついた。ヤケ酒でベロンベロンに酔っ払ったのはあの時が初めてだ。
ちなみに件のパーティとはその一件以来一度も再開したことは無い。もう過ぎたことだとこちらは気にしていないのだがせめて一言くらい欲しいものだ。
113 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2024/03/21(木) 00:20:51.48 ID:HWFNvK8iO
グリフォンの羽根ペンは名前の通り、グリフォンから抜け落ちた羽根を加工したペンである。こんなこと説明するまでもないだろうが。
グリフォンの強靭かつ巨大な肉体を飛翔させる大翼。それを構成する羽根は軽やかな手触りで、それでいてちょっとやそっとの衝撃では折れない頑強さを持つ。
ペンナイフで手入れしなくとも十年は快適な書き心地を維持できるとまで言われており、コンスティア国王もこの品を愛用していたりする。

余談だがグリフォンの羽根ペンが高価な理由として、飛行能力を持つので捕獲や狩猟が難しいこと、そもそもの生息数が少ないこと、捕獲や狩猟をする際に羽根がダメになりやすいこと等が挙げられる。
ステラは気付かれる前に神速首チョンパできるので伝手さえあれば羽根ペンの大量生産が可能なのだが、金儲けのために生態系を破壊する予定は今のところ無いので世界からグリフォンが消える悲劇は起きていない。

予算と相談し買いたい物を見繕ったステラは、ラスティにメモを渡す。内容を確認したラスティは満足げに頷いた。
114 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2024/03/21(木) 00:21:36.12 ID:HWFNvK8iO
「毎度あり。手荷物になるから商品は店に送っとくよ。今後も購入日の翌朝に届くよう手しとくからご贔屓に頼む。…っと。住所もそうだが、店名を訊いてなかったな。部下に後ほど運ばせるから教えておきたいんだ。どんな名前だい?」

名前。名前か。そういえば何も考えていなかった。本来は他の三人と話し合って決める予定だったから、未定でも仕方のないことなのだが。
そういえば親父が経営していた店は【ロードレア武具工房】という名前だったか。ラスティには参考までに伝えておく。

「なるほど。となるとお前さんは鍛冶屋を開くつもりなのか。…まあ、いいんじゃないか?あんたのネームバリューはなかなかのもんだ。剣聖の営む鍛冶屋ってのも話題になるだろうしな」

だが、親父の店名をただ継ぐだけというのも味気ない。店を経営するのは自分なのだから、好きにさせてもらおう。
ステラは数秒の間熟慮し、満足げに頷いてチラシ裏に店名を記載した。
【ステラズ-スミス-ショップ】。略してSSS。我ながら悪くない。隠しきれないセンスがキラリと光るいい名前だ。これには地獄の親父も感涙していること間違いなし。

「えぇ…。その名前でやっちゃうのか…。本人が良いならそれでいいか。解った。じゃあそこに荷物は運んでおくよ」

半ば投げやりになったラスティに、ステラは微笑で答える。彼とは楽しくやっていけそうな気がする。
たまにはこういった付き合いを増やすのも悪くない。暇な時にまた来ると告げると、ラスティは軽く手を振って部屋を後にした。
115 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2024/03/21(木) 00:27:35.09 ID:oqzqxrk8O
☆は昼、★は夜に選択できる行動です。散策先はいただいたキャラ安価等を参考に随時増えていきます。設定をまとめ終えたが増えたりもします。
また、外郭区を散策する、中枢区でチラシを配る等の選択肢に無い行動もある程度は可能です。その際は散策を選んだ上でその内容を記載してください。

4/9 夜 

下2 何をしようか?

☆A:鍛造 従業員に武器を作ってもらいます。
☆★B:交流 他のキャラクター一名と交流します。
☆★C:散策 コンスティア内を散策します。新しい出会いがあるかもしれません。
☆D:購入 鍛造用の金属等を購入します。ラスティ商会へと向かいます。

残金 5,586,000コル→ 4,871,000コル
材料 

汎用金属 効果 なし 価格 7500コル 在庫 30個
ミスリルインゴット 効果 耐久力+20、聖属性付与 価格 30000コル 在庫 10個
煉獄竜素材セット 攻撃力及び耐久力+25、火属性付与、火属性耐性微強化 価格 80000コル 在庫 2個 
氷華のヘアピン 価格 10000コル 在庫 2個
グリフォンの羽根ペン 価格 10000コル 在庫 1個

【知人一覧】
ネージュ 技術力 48 信頼度 0 従業員
サンドラ・シュラーク 技術力 45 信頼度 0 従業員
モニカ 技術力 21 信頼度 0 従業員
ラスティ 信頼度 0 ラスティ商会の支部長
リリカ 信頼度 0 不動産屋の店員

【散策候補】

☆どらごんべーかりー 街で人気のパン屋さん。
☆★桃華薬堂 漢方と呼ばれる薬を取り扱う薬屋。冒険者向けの整骨院も兼任している。
☆★ユースター魔法店 魔法書や魔法薬を取り扱う店。
☆ヤナギ工房 コンスティアでは有名な鍛冶屋。最近新しい弟子を迎えたらしい。
☆ラスティ商会 キャラバン隊を経営する商会。珍しい物も売っている。
☆★スワローズ・ネスト ギルド内に併設されている酒場。年中無休で営業中。
116 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/03/21(木) 00:41:35.53 ID:nTgGPSmgO
ksk
安価ならBサンドラ
117 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/03/21(木) 04:45:28.89 ID:QYVl4qcDO
乙です
Bモニカ
118 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2024/03/21(木) 08:40:50.47 ID:+ui6N392O
B、Cは誰と何をするか、どこで何をするかも併記してくださると助かります。
>>89に書いていることに少し補足です。複数の行動を同時には行えませんが、交流のロケーションとして散策候補等に向かうことは可能です。
例えばネージュとヤナギ工房を視察する、サンドラとギルドに顔を出す等です。この場合はロケーションとして選ばれた場所のイベントは進みません。

↓1 モニカと何をしようか?
119 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/03/21(木) 17:28:39.52 ID:QYVl4qcDO
更新に今気づきました

>>117の内容はモニカとユースター魔法店に行ってみるでお願いします
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