【安価コンマ】オリウマ娘と共に

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878 : ◆OX0aJKbZO.0H [saga]:2024/07/14(日) 21:30:50.00 ID:K2AMoNZr0
ブラックマンティスの名前間違えてるのに気づいてたのに直し忘れてました……。



ライム「どうですかパピヨンさん!パピヨンさんのアドバイスを参考に料理したんですけど……!」

パピヨン「ん〜……ひゃくてんまんてーん」

ライム「!!!」

……分かりやすいくらいに満点の笑顔。嬉しそうだなぁ、ほんと。

このステラライムってウマ娘はずっと明るい。優しくて礼儀正しくて、前向きで――眩しい。

星のように明るくて、瞬いている。

パピヨン「…………」

そんなに輝いているから、アタシも――こんな風になっちゃった。暗いアタシを嫌になるくらい照らす一等星。それが――。

ライム「?パピヨンさん」

パピヨン「あ、いや。やっぱライムの料理はおいしいな〜って。やっぱり愛情かな?必要なのは」

ライム「も、もう!だからそうやって茶化すのは止めてください!」

パピヨン「ぷぷぷ!」

――だからずっと輝いていてほしい。曇らないで、陰らないで。アタシを照らしたその責任――取ってよね。

ライバルとか言いだしたのも悪い、あんなグイグイ来たのも悪い。ああ、ほんっと、出遭わなかったら――どうなってたんだろアタシ。
879 : ◆OX0aJKbZO.0H [saga]:2024/07/14(日) 21:31:19.46 ID:K2AMoNZr0
ライムと何かお話。:自由安価直下
880 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/07/14(日) 21:53:56.59 ID:yrnkZmnU0
レコード出した時の気持ちなど聞きたい
881 : ◆OX0aJKbZO.0H [saga]:2024/07/14(日) 22:38:28.23 ID:K2AMoNZr0
パピヨン「そういえばレコードおめでと。テレビでちゃーんと見てたよ〜?」

ライム「あ、はい!ありがとうございます!」

――あのチャンピオンズカップ以来、テレビ番組でちょくちょくライムの事を見る機会が多くなった。そりゃあレコードを取るほどの実力で、明るくて真面目で良い子なんだから、うってつけだよね。

アナウンサーの人の質問にハキハキ答えてるのが好印象な感じ。変なこともあんまり言わないし。

パピヨン「レコード出した時の気持ちはどうですか〜?ステラライムさ〜ん?ほらほら、アタシにも教えてよ〜」

ライム「ちょ、ぱ、パピヨンさん止めてください……!んっ、脇腹突っつかないでくださいよぉ……!」

つんつんつんとライムの脇腹を攻撃。このこの、有名ウマ娘め。勝負服だったら背中をつんつんしてあげちゃうからね。

ライム「……正直な所、レコードを出した時の感動というのはあんまりないんです。それは勿論、嬉しい!みたいな気持ちはありましたけど……」

パピヨン「ふーん?」

――ああ、なんとなく分かったかも。

ライム「私としては、精一杯頑張った結果一着を取れてそれがレコードであってもなくても――それは同じ気持ちです」

どんな一着でもアタシは精一杯の感謝を伝えますし、同じくらい嬉しいです。

ライム「な、なんて。ちょっと傲慢ですかね。実はこれ、テレビでもあんまり言ってないんですよ……あはは」

パピヨン「うん、知ってる。聞いててちょっとモゴモゴしてるなって思ったもん


ライム「うぇ!?」
882 : ◆OX0aJKbZO.0H [saga]:2024/07/14(日) 23:06:14.65 ID:K2AMoNZr0
パピヨン「ライムがレース系で結構傲慢なのバレてると思うけどね〜。だって話してる感じとか、オーラとか凄いよ?」

ライム「そ、そうですか……?あ、あんまり意識はしていないんですけど」

――まあ無意識だろうなとは思う。だって、狙ってあんなこと言えたら驚きだよ。天然物の発言じゃなきゃあり得ないよ。

「――――私はパピヨンさんをライバルだと思っています!」

こんなセリフ、押しつけがましいにもほどがある。勝手にライバル認定して、勝手に期待して、勝手にアタシにはライムに勝てる力があるみたいなことを、明るく言って――。

――だから、アタシは。

パピヨン「――でも、アタシそう言うの嫌いじゃないよ?ライムらしいじゃん」

ライム「……?は、はい!ありがとうございま、す……?」

パピヨン「褒めてるの!だから素直に受け取っておきな〜?」

なんだか納得がいっていないみたいで、うーんと首をかしげているけど。本当にそういうところは嫌いじゃないよ?アタシは。
883 : ◆OX0aJKbZO.0H [saga]:2024/07/14(日) 23:48:44.94 ID:K2AMoNZr0
マンティ「――パピヨンさん、パピヨンさん」

パピヨン「ん?どしたのマンティ」

――タブレット越しにマンティに名前を呼ばれる。何時の間にかサンタさん帽子は取っていていつもと変わらない普段通りのマンディがそこにいた。

あーあ似合ってたのに、勿体ないなぁ。

マンティ「その、この前は……ありがとうございました」

パピヨン「……え、なんかやったっけアタシ」

マンティ「え、ええっ!?あ、あの、前に言ってくれたじゃないですか……!わ、我が儘になって良いって、リハビリ頑張れって……!」

パピヨン「ぷぷ、冗談だって冗談。覚えてる覚えてる」

いや、最初から覚えてはいた。マンティに改まってお礼を言われるようなことなんて、あれくらいしかない。けどアタシにとってあれはそんなお礼を言われるようなものじゃないと思う。

我が儘で良いなんて普通の女の子なら当たり前のことだと思うし。アタシはそれに付き合っただけ。むしろアタシの我が儘に突き合わせてる感じ。

――でも、それでマンティが元気になってくれたのなら、アタシも嬉しい。

マンティ「わ、私……頑張ります!だから、パピヨンさんも……頑張ってくださいね」

パピヨン「――うん。頑張る頑張る」

――――一年後、マンティが走れるようになったとき。最強のウマ娘として――立ちはだかる。その為にもまずは。

ライム「……?」

パピヨン「自分で作ったものだから全然良いと思うけど、そんなに食べると太るよ?」

ライム「ふぁ、ふぁい!?」

――あの青く輝く流星を、どうにかしなくちゃね。
884 : ◆OX0aJKbZO.0H [saga]:2024/07/15(月) 00:17:25.36 ID:EmETXnrh0
日付変わったので今日はこれだけ、お疲れさまでした。

次のレース決めしてからお正月です。
885 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/07/15(月) 01:27:47.77 ID:1cIZXyWDo
おつおつ
持てる者特有というか爽やかに傲慢なライム、悪くない

そんなライムにちょくちょくしっとりしているパピヨンは、もし彼女いなかったら……おにーさん色々ヤバい
886 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/07/15(月) 07:35:02.89 ID:62QayciDO

シルフィーやマンティスに対してもしっとりして
887 : ◆OX0aJKbZO.0H [saga]:2024/07/15(月) 21:22:29.70 ID:EmETXnrh0
パピヨン「ぷぷぷ〜、クリスマス当日に一人ぼっちで寂しい夜を過ごしたおにいさーん!寂しいのは分かるけど、可愛い担当ウマ娘をトレーナー室に連れ込むのはアタシどうかと思うけどな〜?」

『キミなぁ……』

クリスマスが終わり、【貴方】はシルヴァーパピヨンをトレーナー室に呼び出す。いつもの調子でいつもの感じに煽られバカにされ、何とも言えない表情をする【貴方】

実際今年のクリスマスは仕事の消化だけで終わってしまった。一応の休日ではあるが、新米の【貴方】にそんな休日はあってないようなもので、それは他のトレーナーにとっても同じだった。

『……そういうことを言っていると、もし自分が一人で過ごすことになったときに返ってくるぞ』

パピヨン「え〜?アタシ、そんな寂しいクリスマスを過ごす予定とかないからな〜。あ、ごめんねお兄さん?アタシクリボッチとか経験したことないから気持ちが分かんなくて〜」

『……』

――クリスマスという特別な日だからこそ、彼女の煽りが苛烈だった。正直、あまり一人ぼっちということは気にしていなかったが、ここまで言われてしまうと……ちょっと気にしてしまう。

パピヨン「ほらほら、寂しいお兄さんは何の用でアタシを呼んだのかな〜?アタシも暇じゃないんだからさ〜」

『キミ本当に後で怒るからな……はぁ』

【貴方】はため息をついて、話を戻す。パピヨンする予定だった話というのは、次走のレースについてである。

年明けてから最初の戦い、ここは慎重に決めたいところだが――今回に限っていえば。分かりやすい目標がある。

『――ドバイゴールデンシャヒーン』

ドバイ首長国にあるメイダンレース場にて行われる、ダート1200mのG1レース。ドバイゴールデンシャーヒン。年明けてから海外のダート短距離G1に出るとしたら、まず候補に挙がるものだ。

世界からダートスプリンターが集まり己の脚を競い合う電撃戦。参加するなら今しかないと、二人は思う。
888 : ◆OX0aJKbZO.0H [saga]:2024/07/15(月) 21:23:57.93 ID:EmETXnrh0
パピヨン「けど――アタシとしては、一発かまさなきゃいけない相手ももちろんいるんだよね」

仮に世界を獲ったとしよう、しかし。その世界ではまだ勝てていない相手がいる。

勿論それは、ステラライムである。

『ステラライムが次に出走するであろうレースはG1フェブラリーステークス。東京レース場で行われる1600mのマイル戦だ』

――東京、左回り、1600m。この条件は、ステラライムに大敗したあのユニコーンステークスと同条件だった。

シルヴァーパピヨンの眉間に皴が寄る。

『もしフェブラリーステークスに出るのであれば、前哨戦としてG3根岸ステークスに出走するという手もある。が――その場合出走間隔がな』

出るレースによってはドバイでのレースは諦めて、他のレースに向けるという手もある。ライバルとの約束は一年後――それまでに、一度でも海外に羽ばたくことが出来れば。

パピヨン「ま、どんな結果になろうとお兄さんがアタシのために頑張ってくれるんでしょ?トレーニングか、スケジュール調整と」

『ああ、当たり前だ』

――どうなったとしても、パピヨンが走れるように調整をする。我が儘を聞いてあげることがトレーナーの仕事であると【貴方】は考える。

海の向こうへ挑戦状を叩きつけるか、最強のライバルと決着を付けるか、レースを経て経験を積むか。

さあ、次走は――。
889 : ◆OX0aJKbZO.0H [saga]:2024/07/15(月) 21:25:24.87 ID:EmETXnrh0

次走:安価下3までで多いもの。多数決。※今回に限り、海外直行ありです。

1 3月後半、G1ドバイゴールデンシャヒーン
2 2月後半、G1フェブラリーステークス(VSステラライム)
3 1月後半、G3根岸ステークス



今日はこれだけです。おやすみなさい。

今回は多数決です。多かったものを採用します。そろそろ物語が大きく動き出しそうですが、どうなっても相手は最強レベルです。
890 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/07/15(月) 21:34:17.86 ID:1cIZXyWDo
vsライムは個人的にクライマックス派
1で
891 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/07/15(月) 22:15:25.54 ID:W1WsUpGfo
1
892 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/07/15(月) 22:30:23.40 ID:jSeFZq//0
1
893 : ◆OX0aJKbZO.0H [sage]:2024/07/16(火) 06:15:49.91 ID:Fsggd0R8O
おはようございます。

シルヴァーパピヨン海を越えて。いざ行かん。
894 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/07/16(火) 21:45:12.93 ID:wkLnhZtDo
海外の砂の方が適正ある……といいなぁ!
895 : ◆OX0aJKbZO.0H [saga]:2024/07/16(火) 22:58:40.11 ID:7jXHerMK0
記者「――――なるほどなるほど!ドバイゴールデンシャヒーンに挑戦ですか!」

トレーナー室のソファに腰を掛けるその男は【貴方】のそのセリフに目を輝かせ、テーブル越しに上半身をグイっと寄せ【貴方】に迫る。

――シルヴァーパピヨンに初めて取材をしたあの記者。今もなお取っておいた名刺から連絡して次の日にはもう来てくれた、あの日以来一度も取材には来なかったのでもう忘れられているのではないかとも思ったが、そうでもないようだった。

記者「いやぁすみませんね、わたくしとしてもパピヨンさんの取材に赴きたかったのですが、いかんせん下っ端なもので上からの命令で他のウマ娘ばかり……」

『いえいえ、気にしないでください。その上からの命令で取材をさせたくなるようなウマ娘に出来なかった、自分の責任ですから』

パピヨンの言動を差し引いても取材したくなるような、輝かしい成績のウマ娘であったら、きっと今頃取材陣に囲まれまくりである。それは流石に勘弁したいなと【貴方】はぼんやり考える。

記者「しかし海外初挑戦、しかもG1競争……少し無謀ではありませんか?パピヨンさんの戦績から考えますと、ジャイアントキリング狙いでしょうか」

それともパピヨンさんの本領は海外のダートであると?記者は問いを投げかける。

――確証はない。未だ海外で走ったことがないのだから、可能性は未知数であり、無限大だ。しかしいうなればそれは、パピヨンが海外の大舞台で惨敗するかもしれないという可能性もある。

無謀で、無鉄砲。考えなしで、勢い任せ。

『けどそれでも、自分は――パピヨンなら、やれると信じています』

自分はシルヴァーパピヨンのトレーナーですから。彼女の信じる、走りたい道を走らせてあげたいんです。
896 : ◆OX0aJKbZO.0H [saga]:2024/07/16(火) 22:59:17.96 ID:7jXHerMK0
記者「なるほどなるほど……はい、貴方のシルヴァーパピヨンさんへの熱い思いは伝わりました。では、そのように記事は書かせてもらいます」

少々脚色は加えるかもしれませんが、きちんと載せさせてもらいますよ。と、笑顔で言う男。その笑顔にどことなく不安を覚えるが、まあ、大丈夫だろう。

『すみません、よろしくお願いします』

記者「ところで、何故わたくしを?シルヴァーパピヨンさんの海外挑戦ならば、もっと大きな雑誌でも取り上げられそうなものですが。自分で言うのも何ですが、木っ端の雑誌ですよ」

――――確かに、最初に呼んだ記者はこの男だ。だが別に他の雑誌にも宣伝するつもりだし、テレビで小さなニュースくらいはなるかもしれない。

けど、なんとなく【貴方】がこの男を最初に海外挑戦を伝えたのには――あの日の彼女の言葉が理由だった。

『……パピヨン曰く、よっぽど見る眼があるそうですから。貴方は』

――パピヨンの事を見透かしたように語ったあの日の男。真っ先にパピヨンを取材した記者の男。それを、パピヨンは見る眼があると言った。

それだけの理由、それっぽっちの理由。

記者「――はは。成程、記者としてそう言って貰えると嬉しい限りです。では私の記者としての人脈や能力を使い出来るだけこのニュースを広げましょう!さあ、日本中に伝えるのです!シルヴァーパピヨンさんがドバイの地で世界一に輝くのだと!」

『ええ、よろしくお願いします!』
897 : ◆OX0aJKbZO.0H [saga]:2024/07/16(火) 23:00:13.25 ID:7jXHerMK0

雑誌の見本誌が送られてきたので確認をする。ぺらぺらと捲り大々的に書かれたその見出しを見る。


――――シルヴァーパピヨンは世界で羽ばたく!ドバイの地でその実力は覚醒!?


……まあ、いいか。ギリギリ、許容できるか……?

ああ、こら。そこの当事者ウマ娘。笑うな笑うな。ああくそ、なんで虹色でこんな見出し作るんだ……!
898 : ◆OX0aJKbZO.0H [saga]:2024/07/16(火) 23:03:38.84 ID:7jXHerMK0


――次走が3月後半、G1ドバイゴールデンシャヒーンに決まった!

899 : ◆OX0aJKbZO.0H [saga]:2024/07/16(火) 23:25:58.10 ID:7jXHerMK0
パピヨン「あけおめことよろ〜」

『雑だな、色々と』

――新年早々、トレーナー室にやってきたパピヨンはそう一言だけ言ってソファに腰を掛けた。

パピヨン「ほらほら、どうせお兄さんの事だしお汁粉とか用意してくれてるでしょ?レンジでチンしてきて〜」

『……はいはい』

まあ、用意はしてるんだが……。コンビニで複数個買っておいたので、自分のと合わせてレンジでチンをする。

パピヨン「アタシの部屋ちょっと寒いんだよね、シルフィーも寒いって理由でトレーナーのお部屋に温まりに行ってるし」

『へぇ、結構そういうウマ娘は多いんだな……なら、あれだな。炬燵でも出しておけばよかったか』

パピヨン「えっ!?炬燵あるの!?なんで出してないの!?あり得ないんだけど!?」

『……』

滅茶苦茶怒られた。

『ほら、お汁粉。あっついからゆっくり食べるんだぞ』

パピヨン「ん、ありがと〜」

…………。
900 : ◆OX0aJKbZO.0H [saga]:2024/07/16(火) 23:27:23.74 ID:7jXHerMK0
はふはふと二人でお汁粉を食べる。特に会話はなく、静かな時間だけが過ぎていく。

――嫌な空気じゃない。パピヨンと二人きりで過ごすこの空間が、【貴方】にとって居心地のいい空気になっていた。多分パピヨンも似たようなことを考えているだろう。

『……』

パピヨン「はふっ、はふっ……あむっ。もぐもぐ……」

……ぼんやりと、お汁粉を食べるパピヨンを眺める。小さなお口にびよーんと伸びたお餅を入れて、熱そうにしながら食べている。あんなにゆっくり食べろと言ったのに……まあ、しょうがないか。

パピヨン「……何見てるのお兄さん。キモいよ?」

『はいはい、悪かったって』


新年、トレーナー室、二人っきり:安価直下
1 シルヴァーパピヨン世界挑戦、世間の反応
2 新年の抱負
3 自由安価





今日はこれでおしまいです。ありがとうございました、おやすみなさい。
901 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/07/16(火) 23:36:06.95 ID:mYnkQK/io
2
902 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/07/17(水) 09:40:00.47 ID:uK1gGahTo
夫婦かな?
903 : ◆OX0aJKbZO.0H [saga]:2024/07/17(水) 22:37:39.42 ID:YllvdY2c0
『パピヨンは新年の抱負とか決めてるのか?』

パピヨン「新年の抱負ぅ?ああ、去年もこんな話したよね」

去年のパピヨンが語った新年の抱負は――ステラライムに勝つ。ライバルに勝つために、新たに気持ちを入れ替えてレースに臨むというパピヨンの意思表示。

ああ、もう一年も経ってしまったのか……と、なんだか寂しい気持ちになる。

パピヨン「んじゃ、今年の新年の抱負は――勿論、最強のダートウマ娘になる、だよね」

当然だよね、と言いながらハフハフとお汁粉を食べる。少し時間が経ったからか少し冷めて、落ち着いて食べることが出来ている。

――最強なんて軽々しく願えるものじゃない。最も強いと書いて最強で、その意味と果てしない道のりを、きっとパピヨンも分かっているはずだ。

――――けど。

『……自分がキミを最強にして見せるよ。シルヴァーパピヨン』

これくらいの我が儘を叶えて見せてこそ、トレーナーだ。

パピヨン「……ふふっ。お兄さんそんな大層な事言って、大丈夫〜?アタシお兄さんと長い付き合いだけど、そんな有言実行できるような人に思えないけど」

長い付き合いといってもまだ2年くらいだろ、と思わざるを得ないが――まあ、濃い付き合いだとは思う。

『そこは付き合ってくれよ。ほら、お汁粉食べ終わったなら容器捨ててくるから』

パピヨン「ん、ありがと〜やっさし〜」
904 : ◆OX0aJKbZO.0H [saga]:2024/07/17(水) 22:38:18.88 ID:YllvdY2c0
『……』

――パピヨンと会話をしていると、ふと思うことがある。自分は心の底からパピヨンを最初の担当ウマ娘にしてよかったと思っている、しかし――そのせいでパピヨンの本来の力を引き出せていないのではないかと。

例えば、ステラライムのトレーナー。グリーンシルフィー、ブラックマンティスのトレーナー。自分の身近にはトレーナー経験が豊富なベテラントレーナーが沢山いる。

――自分がトレーナーじゃなければ全日本ジュニア優駿で一着に輝けていたかもしれない、ユニコーンステークスでの惨敗もなかったかもしれない。もっともっと効率的なトレーニングで、パピヨンを育てることが出来たかもしれない。

『……』

自分がパピヨンを最強にして見せる。これは嘘偽りのない本心だ。でも、パピヨンの事を思えば――夢を願うのなら。パピヨンのことを第一に考えるのなら。自分は――――他の人に、その役目を。

『…………あ、そうだアイスもあるな』

そんな事を考えながら、冷凍庫にアイスが残っているのを思い出し漁る。パピヨンは結構見た目でアイスやお菓子を選びがちだが、実は結構シンプルな味の方が好みだ。

チョコ系か、バニラ系か――まあ、ここはどっちも持って行って選んでもらおうか。それにパピヨンの事だ、自分が食べた方も食べてみたいというかもしれないしな。

『……よし』

――――パピヨンは、後悔していないだろうか。自分というトレーナーに絡まれて、担当トレーナーにしてしまった事を。

もしかしたら、心の奥、そんな思いを隠して……付き合っているのかも、なんて。こんな寝る前に考えてしまうようなことを、今考えてしまうなんて。早くアイスを持っていこう。
905 : ◆OX0aJKbZO.0H [saga]:2024/07/17(水) 22:38:45.57 ID:YllvdY2c0
パピヨン「――あ、アイス!お兄さんやるじゃん!」

『ああ、丁度残ってるのを思い出してな。チョコとバニラどっちが良い?』

パピヨン「ん〜……じゃあバニラ!」

はいよ、と言ってバニラをパピヨンに渡すと嬉しそうな表情でアイスの蓋を剥がす。ストーブの熱も相まって、バニラのアイスはほんの少し溶けていた。

パピヨン「丁度いい感じに溶けておいし〜!うわ、お兄さんのチョコも良い感じじゃん。そっちも後で頂戴ね」

『分かってる分かってる』

――――今嬉しそうに笑うパピヨンも、自分でなければもっと、もっと笑わせてあげれたのかもしれない――。なら、自分は――もっともっと、もっともっともっと勉強して、パピヨンを笑わせてあげよう。

世界の、海の向こう側の、G1の舞台でこそ。彼女という蝶は笑顔で羽ばたくべきなのだ。

――もしそれでも、蝶を極上の舞台で羽ばたかせてやれないのなら、自分は。

パピヨン「あ、そうだ。お兄さんの新年の抱負って?」

『……そうだな、新年の抱負か』

パピヨンに問われ考える。改めて、今この段階で抱負を決めるとするならば――一つしかない。

『――――キミにふさわしいトレーナーになるよ、パピヨン』

どんな我が儘にも答えられる、キミのためのトレーナーになって見せる。

パピヨン「ぷぷ、カッコいいじゃん……でもちょっと自分に酔ってない?』

『キミなぁ……』

そう言いながら、自分はチョコのアイスをスプーンですくい、口に運ぶ。

……もうアイスはだいぶ溶けていて、ドロドロの液状になってしまっていた。
906 : ◆OX0aJKbZO.0H [saga]:2024/07/17(水) 22:46:50.36 ID:YllvdY2c0
今日はこれだけ、おやすみなさい。

暫く安価コンマ少なめかもです。
907 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/07/18(木) 00:27:30.28 ID:j/eAZ05co
おつおつ
おや……トレーナーの様子が……?
そうはいってもこのじゃじゃウマ娘の手綱を握っとけるのはおにーさん誇っていいぞ
908 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/07/18(木) 12:29:56.72 ID:clJBzHk3O
このコンビ自己肯定感ひっくいよななんか
それをお互いが励まし合う構図じゃん
909 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/07/18(木) 13:05:21.76 ID:g6UtH8eCO
共依存はヤバい
910 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/07/18(木) 22:40:47.70 ID:uU5Oh1dY0
トレの方はともかく毎回観客煽る唯我独尊なパピヨンが実は自己肯定感弱々なの対外的には信じてもらえんだろうなぁ
911 : ◆OX0aJKbZO.0H [saga]:2024/07/20(土) 00:09:10.30 ID:6oOEB6i60
お兄さんもパピヨンもお互いがお互いの事大好きでとても良いなぁと思います。ええ、ええ。



ある日の夕方、パピヨンと二人で商店街を通りがかると人だかりが出来ていた。

商店街の人「さあさあ新春!大福引祭りの開催中だよ〜!特賞はなんと豪華な温泉旅行券!一等ニンジンハンバーグ、二等――」

パピヨン「うわ、温泉!お兄さんお兄さん!あれやりたい!」

『いや、やりたいと言われても……福引券なんて持ってないぞ』

パピヨン「は〜!?そこは何も言わずに何か買って福引券を手に入れる流れでしょ!?……あ、あそこのお肉屋さんのコロッケ!コロッケ食べたい!」

――と、いう訳で自分の分とパピヨンの分のコロッケを買って福引券を手に入れる。枚数は、一枚。

ルンルン気分でパピヨンが福引券を握りしめて、福引のガチャガチャに向かう。頼む……どうか残念賞だけは……残念賞だけは……!

絶対に機嫌を悪くする!絶対!

パピヨン「ガチャガチャ〜、ガチャガチャガチャ〜!」


福引の結果:コンマ直下

1-00 特賞!温泉旅行券!

912 : ◆OX0aJKbZO.0H [saga]:2024/07/20(土) 00:50:12.67 ID:6oOEB6i60
ちょっとやりたかっただけなんです、はい。
913 : ◆OX0aJKbZO.0H [saga]:2024/07/20(土) 00:51:01.93 ID:6oOEB6i60
商店街の人「――――なんとっ!おめでとうございまぁあああああああす!特賞温泉旅行券!出ましたぁあああああ!!!!」

――勢いよくカランカランカランとベルの音。そして周囲からお〜という驚きの声。

パピヨン「わっ……!?うそ、本当に当たっちゃった……!?」

『凄いじゃないか、おめでとうパピヨン!』

パピヨン「こんなすんなり当たっちゃうものなんだ……!え、いや、まあ。アタシなら当然だけどね〜!ぷぷ、どうどう?羨ましいでしょおにいさ〜ん?」

ヒラヒラと温泉旅行券を動かし、自慢するように見せつけてくる。ペチペチ自分の頬にぶつかってビンタされているような感覚だ。

『まあ、特賞が当たればそれくらいはしゃぐよな。自分もちょっと心が躍りそうだし』

パピヨン「ぷふふ〜!いやぁ、誰と行こうかな〜。ペア券っぽいしアタシ一人で行くのも寂しいしな〜」

へえ、ペア券なのか。確かにそれは一人で行くのはもったいないな。

パピヨン「ま、ま〜……お、お兄さんがどうしてもって言うなら一緒――」

『じゃあ友達を誘っていくと良い、ライムにシルフィー……他にも家族を誘ってみるとか』

パピヨン「ぇ」

『あ、でも――今は少し時期が悪いか』

今のパピヨンに温泉旅行に行く時間なんてない。今は次のレースに向けて頑張らないといけない時期だ。

そのレースが終わっても、また次のレースが。そしてそのまた次のレースが――。

パピヨン「……ほんっと、お兄さんキモい」

『えっ』

パピヨン「良いよ良いよ、じゃあお兄さんが旅行券持っててよ。ちゃんとやることやった後に、回収するから」

……温泉旅行券を当てたはずなのに、なぜか拗ねてしまったパピヨンに旅行券を押し付けられ。早足にパピヨンが行ってしまった。

な、何でそんな……?ま、まあ来る日の時のために大事に保管しておこう……。
914 : ◆OX0aJKbZO.0H [saga]:2024/07/20(土) 01:07:13.76 ID:6oOEB6i60
温泉旅行の件がやりたいだけでした。おやすみなさい。
915 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/07/20(土) 01:33:55.81 ID:8QxrDbTto
まあペアはね、おにーさんだとこういう反応だろうねw
916 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/07/20(土) 18:24:53.40 ID:X4SWNLKkO
お兄さんパピヨンのこと一切そういう目で見てないからいつか泣かれそうパピヨンに
温泉いけるといいねパピヨン
917 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/07/21(日) 01:44:40.17 ID:cdnk63uAO
逆にここでお兄さんが乗り気だったらパピヨン弾き返すでしょ
絶対顔真っ赤にしてふにゃふにゃになって逃げる
918 : ◆OX0aJKbZO.0H [saga]:2024/07/22(月) 23:07:52.72 ID:QEGR9o6xO
すみません暫くまたお休みさせてもらいます。来週にはまたやれると思います。



>>917


パピヨン「――――ぅぇ?」

パピヨン「へっ、ぁ、いや、そ、そっか〜!お兄さん、アタシと温泉、い、行きたいんだ〜……へぇ〜?」

パピヨン「ぷ、ぷぷぷ!お兄さんってば、温泉旅行でアタシの何を想像しちゃったのかな〜?ほんっと、お兄さんってロリコンの変態でどうしようもないよね〜?」

パピヨン「…………ちょ、やめ、やめて。そんな顔しないで」

パピヨン「ぅ、いや、行きたくないわけじゃないけど……ぁ、や、やだっ!い、行きたい……よ、ようなぁ……そうでもない……ようなぁ……」

パピヨン「は、はぁ!?顔、赤くないけど!?い、やめ、顔近付けないで……!」

パピヨン「――〜〜っ!!!お兄さんのバカぁ!勝手にお兄さん一人で温泉行ってろ!ぜんっぜん温泉とか興味ないし!」

パピヨン「――――ぅうううううううう!!!!!ばーか!」
919 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2024/07/23(火) 21:22:22.85 ID:yr+QzlHiO
エタ
920 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/07/23(火) 21:34:17.59 ID:z5Cy2FRso
>>918
ニヤニヤしてしまう
921 : ◆OX0aJKbZO.0H [saga]:2024/07/23(火) 23:34:34.99 ID:yr+QzlHiO
>>920
キモ
922 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/07/24(水) 00:06:47.84 ID:6DrlDCYNo
酉割って粘着してる方がキモい
923 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/07/24(水) 01:16:14.66 ID:I3cRgJos0
蓋入れる、水入れる。これでオッケー全自動
924 : ◆OX0aJKbZO.0H [saga]:2024/07/24(水) 09:25:32.26 ID:ZkOx3ILnO
テスト
酉バレるなんてある?嘘でしょ?
925 : ◆OX0aJKbZO.0H [saga]:2024/07/24(水) 09:28:08.30 ID:ZkOx3ILnO
おはようございます、お外ですけど流石にビビるので酉変えます。

短めの酉だったし分かりやすそうなので、頑張れば分かるのかなぁって感じです。
926 : ◆b0/EDFEyC136 [saga]:2024/07/24(水) 09:31:55.87 ID:ZkOx3ILnO
酉変え
927 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/07/24(水) 09:51:57.50 ID:OltJ8wZoo
お疲れ様
対応ありがとう
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