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【安価・コンマ】力と魔法の支配する世界で【ファンタジー】Part6

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1 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2025/03/15(土) 15:27:06.40 ID:uQlfAxuF0
◇インフォメーション◇

・概要
タイトルの通り、魔法の存在するファンタジー世界で生きるスレのPart4です。
主人公がどのような道を歩むかは安価とコンマ次第です。

・世界観
ファンタジーです。文明レベルは国や地域によって様々ですが、現存文明のほとんどは魔力や魔法を主軸としたものです。
なお話の都合により設定が一部変更されたり新しく生えたりする可能性はあります。ご了承ください。

・安価について
安価、コンマの連取りは原則禁止です。ただし最後のレスから30分経過しても安価が踏まれなかった場合は連取り可とします。
また、内容によっては部分採用や再安価となる場合があります。ご了承ください。
なおシステムやルールは途中で変更されることがあります。こちらもご了承ください。

・コンマについて
素コンマ96-00は確定クリティカルとなり、マイナス補正等を無視して必ず最良の結果となります。

・注意
更新頻度と筆は遅めです。ライブ感で書いているため、展開にガバがあります。
また、物語の展開や安価コンマの結果によっては、最悪の場合キャラクターが死んだり消えたり闇堕ちしたりすることがあります。
苦手な方はお気を付けください。


◇用語◇

〈魔法〉
この世界で生きるための必需技術。
ほとんどの国や地域に広く普及しており、人々の生活を支えている。

〈魔力〉
習得した魔法を行使するためのリソース。
この世界のほとんどの生命は生まれながらにこれを保有・生産・出力する能力を持つ。
魔力の保有量・生産量・瞬間出力量は生まれつきの才能によって決まるが、多少は訓練などで伸ばすこともできる。
魔力は一晩熟睡する程度の休息で概ね全回復する。ポーションなどの薬物で即時に回復させることもできる。
魔力を全て失った生命体は死亡する。ただし普通の人間はある程度まで魔力が欠乏すると意識を失うため、日常生活において魔力枯渇死を心配する必要はない。

〈魔法の属性〉
大抵の魔法は、火や水などと言った特定の属性を有する。
属性を持たない魔法は無属性として扱われる。
属性間に有利不利はほとんどないが、光と闇のように相克し合う関係はいくつかある。
既存の属性に当てはまらない新属性が発見されることもある。

〈得意属性〉
ほとんどの生命体は、得意とする魔法の属性を一種類持つ。
得意属性の魔法は習得コストが低く、行使における燃費が良く、発動する効果・威力も高い。
そのため、基本的には得意属性の魔法を中心に習得していくのが普通である。
研究の進んでいない希少属性やユニーク属性の持ち主は独学にならざるを得ない。

その他質問等あればいつでもお気軽にどうぞ。

前スレ
Part1
https://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1704196175/
Part2
https://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1713091115/
Part3
https://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1721452715/
Part4
https://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1726896316/
Part5
https://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1735378640/

SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1742020025
2 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2025/03/15(土) 15:30:04.32 ID:uQlfAxuF0
◇登場人物:旅の仲間その1◇

【名前】クロシュ
【種族】シャドースライム
【性別】女
【年齢】3
【容姿】羊羹くらいの透明度の粘体に真紅の核。容姿は自由自在だが普段はフメイと同様の黒髪赤目セミロングヘアーロリの姿を取る
【性格】臆病でコミュ能力に難あり。恩は忘れない
【魔法】反映魔法。自分の見え方と質感を知ってるものに変換可能
【備考】親友のフメイと共に、人と魔が助け合って暮らす小さな集落でひっそりと暮らしていたスライムの少女
集落を失ってからは、失踪したフメイを探すために旅を続けている
カリス・ノーランドによって造られた生き物であることが判明した
好きな生き物はスライム類と妖精類と貝類

【能力】
・擬態(外見のみ。属性や能力は変化しない)
・同化(道具や物質の属性や能力を一時的に身に付けることができる。多重使用可)
・合成(同化した物品同士を合成して新しいものを作ることができる)
・吸収(食べたものの技能・能力の一部を稀に身に付けることがある)
・分裂(複数の分体を作ることができる。分体は擬態ができるが同化はできない)
・再現(覚醒時のみ。普段は使えない)

【主な技能】
・剣技[4]
・防御[4]
・魔法[4]
・お絵かき[☆]
・ぱわー[☆]
・毒耐性[☆](お酒にも強い)
・カナヅチ(フメイちゃんのせい)

【主な擬態】
・フメイちゃん(普段の姿)
・犬(犬の姿)
・蜘蛛絹(さらさら)
・スライム騎士、幼女騎士、女騎士(騎士鎧をまとった姿)
・木版印刷機(大量印刷可能)
・貝類(カタツムリやオオキイタニシなど。ゆっくり動く)
・イカダ、小舟、大亀(他者を乗せて水上移動できる)
・光学迷彩(透明になる)
・トカゲ(単独行動時、水面移動、高速移動できる)
・オオキイ(大きくなる。力も強い)
・風船スライム(飛べる。みんなを運んで移動できる)
・ワイバーン(飛べる。風船スライムより速いが疲れやすい)
・その他クロシュが直接見たり触ったり食べたりしたもの

【主な同化】
・ウニ大盾(ウニ大盾の姿。防御+++、反撃+)
・メイドブレード(メイド剣士の姿。剣技++、加護+)
・竜珠の大杖(魔女っ子の姿。魔法++、全能力+++)
・竜角の大槍(竜メイドの姿。剣技++、全能力+++)
・踊り子の双剣(踊り子の姿。剣技+、舞踊+++)
・大きな巻き貝(ウミタニシの姿。水属性◯)
・バーニングスライム(炎の姿。炎属性☆)
・光精の祝福(光の姿。光属性☆)
・風(風の姿。風属性☆、飛行☆)
・ライトニングスライム(雷の姿。雷属性☆)
・不死鳥(不死鳥の姿。炎属性◎、治療☆、復活☆)


【名前】妖精
【種族】妖精
【性別】女
【年齢】秘密
【容姿】銀髪セミショートの妖精。くすんだ光の翅を持つ
【性格】口は悪いが面倒見は良い
【魔法】自然魔法。そこにある自然の力を借りることができる。また、妖精類独自の魔法にも精通する
【備考】クロシュと共に旅をしている妖精。人間嫌いだが、人間以外も割と嫌っている
他の多くの妖精類と同様、固有の名を持たない
生命の在り方を悲観して苦しみのない世界を望んでいるが、それが叶うことのない望みだということもわかっている。それでも望まずにはいられず、諦めて朽ちることもできない
かつて緑の国フォレスティナを興した建国の太母という妖精と同一人物だったことが判明した
自分をクロシュの保護者のように思っている節がある
【主な技能】
・妖精魔法[9]
・自然属性[9]
・隠密[7]
・飛行[☆]
・カナヅチ
3 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2025/03/15(土) 15:30:34.19 ID:uQlfAxuF0
◇登場人物:旅の仲間その2◇

【名前】イリス・プラネット
【種族】人間
【性別】女性
【年齢】17
【容姿】髪は少し橙が入った赤のポニーテール。身長は女性の平均くらい、やや童顔気味だけどスタイルは良い美少女。旅に適した魔術師のローブを着て、魔術師用の杖を持っている
【性格】明るく元気いっぱい、前向き。基本的に温厚で礼儀正しいが、やや負けず嫌いなところも。善人だが理知的でもあり、考えなしに人助けに走るわけじゃない。けど周りの人に危機が迫ったときはやっぱり体が勝手に動いちゃうときもある
【魔法】属性:星。自分たちが住むこの星の根源の魔力にアクセスする。この星の様々な自然の力を扱うため、火、水、土、風、光など、一見多数の属性の魔法を使うように見える
現在は自身の属性を把握し、小規模ではあるが星属性の魔法を使うことができるようになった
【備考】お師匠様のような立派な魔法使い目指して修行の旅の途中。その中で自分の謎な魔法属性も把握できればと思っている(達成済み)
既に魔法使いとしての腕前はかなりのものだが、お師匠様にはまだ届かないと思っており、邁進中
旅の日記をつけているが、その中でその地域の料理や料理法も書き留めている。彼女自身料理するのも食べるのも好きで、かなり料理上手
元々知的好奇心が強く、結構な知識通。女性の一人旅なので、魔法の他に護身術、杖での格闘術も使えるが、一流の戦士にはさすがに魔法抜きの近接戦は分が悪い
いろんな人とすぐ打ち解けちゃう良く分からない魅力がある
ミスティにユキという後輩(?)ができたことを少し羨ましく思っている
【主な技能】
・杖術[2]
・魔法[8]
・五大属性[5]
・星属性[7]
・料理[6]
・水泳[8]
・飛行[◯]

【名前】ミスティ・クローバー
【種族】人間
【性別】女性
【年齢】16
【容姿】黒を基調とした衣服に身を包んだ、儚い雰囲気の女性。長い黒髪で痩せ気味
【性格】根は心優しいがやや悲観的で冷めている
【魔法】氷
【備考】故郷を襲撃されて天涯孤独の身になって以来、自分にとっての安息の地を求めて旅をしている。動物が好き
現在のパーティに居心地の良さを感じており、無謀な復讐を思いとどまって仲間たちと共に力を付ける道を選んだ
フォレスティナに住む森妖精の子に好かれており、ミスティ自身も彼女を気にかけている
物静かで落ち着いた雰囲気だが、実は一行随一の武闘派
【主な技能】
・短剣術[5]
・魔法[8]
・氷属性[8]
・操ソリ[6]
・カナヅチ

【名前】ローガン
【種族】人間
【性別】男
【年齢】37
【容姿】ボサボサの金髪で無精髭を生やした長身の男性。身なりを整えればなかなかのイケオジ
【性格】元は真面目で正義感の強い性格だったが、今は後述の事件がきっかけで自暴自棄ぎみになっている
【魔法】鋼魔法。魔翌力を使って鋼の武器や防具を作り出したり、その他様々な攻撃が出来る
【備考】かつて、ユーシリア帝国の魔法騎士団に所属していた男で当時はそれなりに名の知れた存在だった。しかし妻と息子が魔物に襲われて命を落とし、騎士でありながら大切な者たちを守れなかった自分に絶望。その後は騎士を辞めて、まるで死に場所を探すかのように放浪の旅を始める
革命前の魔族自治区にてクロシュらと出会い、どうせ死ぬなら今度こそ誰かを守って死んでやろうとの思いでパーティに加入した
ユーシリア編にて妻子の命を奪った仇である悪竜を討伐し、肩の荷を下ろした
【主な技能】
・剣技[8]
・防御[7]
・魔法[4]
・鋼属性[5]
・道具製作[5]
・指揮[4]
・水泳[9]

【名前】エバンス・ブレイカー
【種族】人間
【性別】男
【年齢】23
【容姿】長身で細身ながらも筋肉質な体つき。日に焼けた肌。ボサボサの黒髪、黒い瞳。鋭い目付きだが端正な顔立ち。長剣が武器で、防具は急所を守る程度と比較的軽装。
【性格】普段は冷静だが、情に厚く仲間思い。
【魔法】大地の属性の魔法が得意。使い捨ての品物を作成したり、地面に穴をあける魔法を使う。
【備考】孤児の生まれで傭兵団に拾われて傭兵になった人物。口下手な傾向があり、一言足りていなかったり言い方が悪かったりするのが玉にキズ。
傭兵団では家事を担当しており家事全般が得意で、特に料理はそんじょそこらの飯屋よりも美味しいくらいに得意。
全年齢板で出番はないだろうがR的な能力が非常に高い。
かつてクロシュたちの住んでいた集落の者たちに命を救われたことがある。
集落の危機の際には救援へ駆けつけようとしたが、途中で馬車が谷底へ転落して大怪我を負い、救援に失敗した。
その後港湾都市ウォーターポートで飲んだくれていたところをクロシュたちと出会い、上記の縁もあってパーティに加入した。
大体の武器は使えるが、どちらかと言うと鈍器より剣の方が得意
【主な技能】
・剣技[8]
・防御[5]
・魔法[4]
・地属性[5]
・料理[6]
・カナヅチ
4 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2025/03/15(土) 15:31:06.53 ID:uQlfAxuF0
◇登場人物:集落の生き残り◇

【名前】フメイ
【種族】人間?
【性別】女?
【年齢】10歳前後?
【容姿】背が低く、肩までの長さの黒髪の子供。燃えるような赤い瞳を持つ
【性格】物静かで感情を表に出さない
【魔法】炎属性の魔法が得意。魔法を使う時には髪が赤くなる
【備考】親友のクロシュと共に、人と魔が助け合って暮らす小さな集落でひっそりと暮らしていた少女
自分やクロシュのような者たちが平穏に暮らせる世界を作るために、アリシラと共に星の力である世界樹の光を追っている
本心ではクロシュと一緒にいたいと思っているが、集落のみんなを焼き殺した自分にはその資格がないとも思っている
トコナツ火山島にて星の力[炎]を獲得し、さらなる力を得た
カリス・ノーランドによって造られた生き物の一人。実はクロシュよりも少し歳上
食べ物の好き嫌いはなく、火さえ通せばなんでも食べられると思っている。以前腐った肉を焼いて食べようとした時はアリシラに止められた
少し前、大魔女帝国でクロという風船スライムと出会い、故郷を失った者同士として話し合い互いに思索を深めた。最終的な結論は双方相容れないものとなったが、クロシュの友達として通じ合える部分もあったという

【名前】アリシラ
【種族】人間(半死人?)
【性別】女性
【年齢】15
【容姿】薄茶色の髪をした青白い肌の小柄な少女
【性格】気弱で臆病で周りの人物を気にして常にビクビクオドオドしている
【魔法】吸収魔法(無属性)周囲の生命から魔力を(強制的に)吸収する 自身の魔力に変えて別の魔法として利用することもでき、各属性の魔法の勉強をすれば全属性の魔法を使うことも可能だが加工した分燃費や効果・威力が通常より劣ってしまい、使用した分の魔力はその分周囲から無差別に吸収してしまう
【備考】生まれた時は死産だったが両親の魔力を吸収して蘇生したが、自身の魔法で無理やり生き残った反動なのか常に魔力が少しずつ消耗し、それを補うように自動的に周囲の生物の魔力を少しずつ吸収しながら生きていく必要があった
普段であれば怪我や病気、魔法の使用等で無駄に体力や魔力を消費しなければ日常生活に支障がない程度の吸収量だったため、周囲に気を遣いながら割と平穏に暮らしていた
しかし襲撃者によって殺されかけた時に吸収魔法が暴走し、襲撃者や同じく殺されかけていた両親の魔力を限界まで吸収し殺害。罪悪感を抱えたまま生き残ってしまった
現在は人が変わったような強気な性格になっており、何らかの意志を持ってフメイと共に世界樹の光を追っている
大魔女帝国でのフメイとクロの話し合いには直接参加せず見守るだけであった。アリシラは既に自身の結論が定まっていたからだ
最近、睡眠時間が増えた
5 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2025/03/15(土) 15:31:58.65 ID:uQlfAxuF0
◇登場人物:旅は道連れ◇

【名前】メルル・マインドストーン
【種族】魔族と人間のハーフ
【性別】女
【年齢】14歳
【容姿】見た目はほぼ人間の女の子だが、額に第3の目があり、帽子で隠している。緑髪のセミショートへア。体格は年相応
【性格】好奇心旺盛だが、夢中になると回りが見えなくなる。
【魔法】地属性が得意だが、周囲の景色に溶け込める迷彩魔法も使用できる。
【備考】世界のあらゆるものを見たいとあてのない旅をしている
クロシュ一行とは少々の縁があり、時折行動を共にすることがある
一行には命を助けられたこともあり、また再会した時は何かしら恩返しがしたいと考えている
闇の冒険者ギルドに登録しており、そちらの界隈では少し名が知られている
実はオノゴロ諸島の出身である。オノゴロらしからぬ名字は、元の名字の意味を別の言語に変換したものらしい

【名前】リュアン
【種族】人間
【性別】女
【年齢】17
【容姿】銀のウェーブのかかったセミロングにキラキラとした青の瞳。身長は130cm前半と小柄。胸は平坦(大分気にしている)
【性格】大人しいが自分の中の信念は絶対に曲げない頑固者。メンタルは年齢相応
【魔法】光魔法(?)。眩い光を放つ。現時点では目眩しとしてしか使えないが……?
【備考】従者と共に追手から逃げていたお嬢様。従者は既に亡くなっている。
自身の魔法が何やら特別なものであるらしく、その存在を知られてからというもの、行く先々で襲撃に遭うように。
何気に足が速い。
旅の途中で触手から逃げているところをクロシュ一行に助けられ、一時期行動を共にした。クロシュからはちゃん付けで呼ばれている
芸術都市編にて、大破壊に巻き込まれて自分を守ってくれていた従者を失う
少し前まで芸術都市の郊外で開催されている新興宗教の集会に参加している姿が目撃されていた
追手に捕まった、逃亡生活に戻った、新興宗教団体に入信した、世を儚んで自死した等、彼女の現在の行方については様々な憶測が語られるが真相は闇に包まれている

【名前】デュア・シャスタ
【種族】人間
【性別】女
【年齢】18歳
【容姿】気の強そうな目の美人。胸は小ぶりだが太腿はムチムチ。赤髪のロングヘアをポニーテールにしている。真っ赤な道着を着ている。
【性格】熱血で思い込みが激しく猪突猛進。
【魔法】火属性。得物の刀にエンチャントさせて燃える斬撃を繰り出すのが現状唯一にして当人最強の魔法。
【備考】ソロ冒険者。オノゴロ島へ向かう途中、イカダが転覆していたところをクロシュ一行に救助された
オノゴロ人ではないが、オノゴロの刀や剣術を使う

【名前】クーちゃん(暗黒行商少女)
【種族】人間(たぶん)
【性別】女
【年齢】10代半ばくらい(正確な年齢は本人もわからない)
【容姿】黒髪ツーサイドアップ。ややツリ目。エプロン系の装備を身に着けていることが多い
【性格】利己的。調子に乗りやすい。仲間とみなした相手にはかなり甘い
【魔法】闇魔法。護身術程度には使える
【備考】港湾都市ウォーターポートでクロシュ一行に魔導飯盒を騙し売りした詐欺商人
元は出自不明の孤児だったため、他者の助けを借りず自力のみで生きようとする意思が強い。詐欺に関しては騙される方が悪いと思っている。これも弱肉強食である
紆余曲折あって幽霊船に監禁されていたところをクロシュ一行に救助され、一時期行動を共にした
クロシュ一行と共に過ごしてからは少しだけ考えを改め、違法な商売は控えるようになる
一行には命を救われたことや他様々な面倒を見てもらった恩があり、必ず恩を返すと約束した
その後商業都市イスファハーンで再会を果たし、クロシュ一行に助力した
最近新たな商売の匂いを嗅ぎつけ、イスファハーンを発って別の土地へ向かったらしい
6 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2025/03/15(土) 15:32:45.88 ID:uQlfAxuF0
◇登場人物:セイントレア王国◇

【名前】サイン
【種族】人間
【性別】男
【年齢】享年22
【容姿】金髪碧眼。襟足長め。全体的に華奢で小柄。
【性格】何事にも揺れない(様に見えた)、冷静沈着で口数が極端に少ない
【魔法】光魔法。出力がおかしい。地形に影響があるくらいは朝飯前
【備考】故人。勇者と称された人物
魔族自治区が成立したあたりで突然血を吐いて斃れた。王国は彼の死を隠蔽している

【名前】セイン
【種族】人間?
【性別】男?
【年齢】10代前半程度?
【容姿】金髪碧眼。襟足短め。外見年齢相応に小柄。
【性格】冷静沈着で口数が少ない
【魔法】光魔法。出力がおかしい。地形に影響があるくらいは朝飯前
【備考】勇者サインに似た容姿の少年。勇者サイン同様、強力な光魔法を操る
王国の尖兵だったり、緑の国の革新派の護衛だったり、ロイエ教原理派幹部の仕事仲間だったりするが、彼の正体や目的は未だ闇に包まれている
船を失って漂流していたところをクロシュ一行に救助され、一時期行動を共にしたことがある。その縁もあってか、クロシュ一行と争うことには消極的な姿勢を見せる
芸術都市での大破壊の後、生死の境を彷徨ったが奇跡の生還を遂げる。理由はわからないがセインは生還できたのはクロシュたちのお陰だと考えており、クロシュ一行とは争いたくないという思いを強める
食べ物の好き嫌いはなく、食べられるものならなんでも食べる。また毒にも強い耐性を持つ。芸術都市での活動中、他国の工作員に毒を盛られたことがあったが、効果はなかった
ユーシリア編にて坑道探索時にクロシュらと再会し、悪竜討伐およびユーシリア防衛戦で一行の戦いに助力した

【名前】ガッタ・ファーブ
【種族】人間
【性別】男
【年齢】50
【容姿】身長は高い。白髪で頭部の両端にクワガタの顎のような髪型をしている。鼻は少し長くカイゼル髭を生やしている。白衣を着ている。
【性格】昆虫(もしくは昆虫型モンスター)が好きでいつも昆虫の事を考えている。人をあまり信用していなく疑い深い性格。ネチネチと小言をよく言っている。小言が多いが仕事仲間には優しい気にかける事がある。
【魔法】昆虫魔法
・普通の昆虫を使役し操る事が出来る。
・オリジナルの昆虫を召喚して操れる(例えば火に耐性があったり、切っても分裂できる等)。
・自身の体の一部を昆虫の一部に変える事が出来る(例えば背中に蝶々の羽を生やす、両足をバッタの足に変える等)。
【備考】王国で護衛兼学者とやっている。結構頭もよい。昆虫に関する論文で高い評価を受けたり、新種の昆虫型モンスターを発見したして、学者の間では結構有名。武術も強く、護衛の為に習ったら才能が開花した。武術に関しては王国の騎士隊長以上に強くなっている。その強さから王国にも認められている。王国の命令があれば必ず遂行する。セインとはともに仕事した事がある。自身の魔法もおり混ぜて戦う戦闘スタイル。一人称は「ミー」でよくカイゼル髭をいじっている。
セインのことはかなり気に入っており、フレンドシップを感じているらしい
カリス・ノーランドのことは倫理観のない最悪のマッドサイエンティストだと思っている

【名前】アルベール・ド・セイントレア
【種族】人間
【性別】男
【年齢】45
【容姿】長身ですらりとした姿
茶髪で肩ぐらいの髪
【性格】穏やかで理知的
有事には威厳のある王として振る舞う
【魔法】炎属性のみだがかなり上位の腕前
【備考】王国(の人間)の民には優しく公平な王
王としての才覚もなかなかのもの
一方で魔族には過激かつ排他的な政策を進める
そのあまりの差には一部の側近にも不思議に思われている
王国に代々伝わる炎の魔剣を自在に扱い、個人的な武力は世界でみてもかなり上位
実はかなりの愛妻家
卑劣なテロには断固として戦う意思を国民に示し、芸術都市の悲劇を経てその支持率は更に高まった
7 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2025/03/15(土) 15:33:18.32 ID:uQlfAxuF0
◇登場人物:魔族国◇

【名前】フラナ=バイオレット
【種族】吸血鬼
【性別】女
【年齢】439歳
【容姿】金髪ロングの幼女
【性格】ややわがままだが知識・経験は豊富
【魔法】血を操る魔法が得意だが闇魔法も使える
【備考】日の光はある程度平気なのでよく外に出て魔法薬の材料を探している
現在の魔族国の実質的な統治者だが、本人は早く後任を見つけて魔法や薬の研究に没頭したいと考えている
姉であるフレメア・バイオレットがテロ組織シノホシの構成員となっている噂は耳にしており、怒りを滾らせている
血液魔法による分身を作るなどしてフレメアの行方を追っており、殺すつもりでいる
ユーシリア国のパティとはかなり付き合いが長く、パティのことは良い意味で人間と思っていない
なおフレメアのことは悪い意味で家族と思っていない

【名前】マリー・セイントレア
【性別】女
【年齢】24
【容姿】金髪ショート、スレンダー体型
【性格】真面目
【魔法】身体強化魔法が得意な他、雷魔法も使える
【備考】現セイントレア王の子息。王族内での地位は高くない
内心は皆仲良くできればな・・・と願っているがなかなかうまく行かない
王国騎士団魔族自治区駐屯地の部隊長だったが、現在は魔族国の捕虜となっている
最近捕虜にも労働が課されることとなり、アラクネたちの指示に従って蜘蛛絹の製糸を手伝っている。依然として自由は制限されているが労働条件は悪くなく、充実した捕虜生活を送っている
ミュージアの悲劇を聞き及んだ際は激しく動揺した。敵国であるにも関わらず支援物資を送った魔族国には感謝している
王国と魔族国の間で幾度か開かれている交渉の場で、魔族国での自分や捕虜の扱いについて証言し、捕虜の身でありながら両国の関係改善を図ろうと努めている。しかし今のところ芳しい結果は得られていない
最近はお菓子作りにはまっている。緑の国の木苺堂が出版したお菓子作りの指南書を片手に、仲良くなった旅行者の少女たちと一緒にお菓子作りを楽しんでいる姿がよく目撃されている

【名前】聖女
【性別】女
【年齢】19
【容姿】亜麻色の髪を背中の辺りまで伸ばした、柔らかい雰囲気の女性。普段は修道服に身を包んでいる
【性格】博愛の心を持つ
【魔法】ロイエ教の神聖魔法を修めているが、得意属性は異なるため習熟度は低い
【備考】ロイエ魔族国教会に務める年若いシスター
誓願を立てた時に彼女の名は神へ捧げられたため、個人名を喪失しており、魔族国の者たちからは様々な意図を込めて聖女≠ニ呼ばれてしまっている
なお現在のロイエ教において名を神に捧げる習わしを堅持している派閥は多くなく、穏健派を初めとした多くの派閥ではその習わしは時代にそぐわないとして撤廃する方針が主流となっている
普段は炊き出しや子供の遊び相手を務める他、教育を受けられていない子供たちに読み書きを教える等、様々な奉仕活動を献身的に行っている
少し前に教会からの緊急要請があり、復興支援の為に単身芸術都市ミュージアへ向かった。魔族国の子供たちやオークたちは寂しがっている
芸術都市での復興活動の傍らでデロデロ教の信徒やその教えを見聞きし、見識を広めた。導師クロシュヴィアとも少し仲良くなった
ユーシリア編にて、大司教の娘であり元原理派幹部であり現デロデロ導師である僧侶の口から、彼女の妹だということが明らかにされた
幼い頃に穏健派の修道院に預けられた為、原理派の理念や活動については何も知らず、関わりもないらしい。穏健派の修道院に預けられた理由は闇に包まれている
8 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2025/03/15(土) 15:34:41.20 ID:uQlfAxuF0
◇登場人物:緑の国フォレスティナ◇

【名前】ティセリア
【種族】エルフ
【性別】女性
【年齢】約1500才
【容姿】外見では二十歳前後。緑髪のポニーテール、スタイル抜群の爽やかな雰囲気の美少女
【性格】明るく快活ながらも、慈愛と威厳も併せ持った女性
【魔法】精霊との親和性が非常に高い。様々な属性の精霊の力を借り、千年以上の研鑽を積んだ武術に上乗せする
【備考】
他種族との平和な暮らしを望む、冷静で大局的な判断もできる首長
多忙ではあるが、他の国の文化も興味を持って知ろうとしている
お菓子作りが得意で身近な人におすそ分けしたりしている
彼女の魔翌力が籠もったお菓子は食べると心身ともに元気になる
精霊や子供に懐かれやすいが、懐かれやすすぎてちょくちょくじゃれつかれまくってあわあわ言ってる
現在は鎖国したフォレスティナにて、世界樹の光を追って旅立った妖精の代わりに政務を執っている
鎖国の混乱も落ち着いた今は、余暇を使って木苺堂の手伝いや子供たちとの触れ合い、森妖精の子へのお菓子作り指導などを行っている
芸術都市ミュージアの悲劇を聞いた際は、敵国であろうとも民に罪はなしとして支援物資の輸送を決意した
最近は世界樹の精霊から愚痴を聞かされることが少し増え、毎回真面目に聞いてあげている
少し前に風の精霊から兄ティリウスの所在を聞かされ、緑の国を放ったらかしにしたことへの怒りやら無事なことへの安堵やらで少々錯乱し、普段とは逆に世界樹の精霊へ長い愚痴を聞かせた

【名前】サリー(紫髪のエルフ幼女)
【種族】エルフ
【性別】女
【年齢】約1000歳
【容姿】見た目は紫ショートの幼女
【性格】冷静沈着だが時折腹黒な一面も
【魔法】基本地属性魔法が得意だが、幻術も使える。
【備考】ティセリアの補佐を務めるエルフの少女。
毎日業務に追われるもそれが使命だとして日々励んでいる。その経験からか人の心を見透かすこともできる。
現在は首長代理であるティセリアの補佐を務めつつ、鎖国によってダメージを受けた産業の根を絶やさぬよう尽力している
鎖国の混乱も落ち着いてきた今は、ティセリアが手伝う木苺堂でスイーツに舌鼓を打つ姿が度々目撃されている
なお風船スライムと風の精霊の力でミュージアへ安全かつ大量に支援物資を送るアイデアを考案したのは彼女である
観光客に人気だった風船スライムたちも現在は暇を持て余していたため、その仕事を快く承諾してくれた
ティセリアの兄ティリウスとはあまり面識がないが、国や妹を放ったらかしにして他国に肩入れするロクデナシだと思っている

【名前】マーベル・クライス
【種族】エルフ
【性別】男
【年齢】約600歳
【容姿】フォレスティナの伝統衣装の上に今国際的に流行りのブランドマントを着けている。笑顔が特徴的な薄金髪のお兄さん。
【性格】脱田舎思考のシティボーイ。新しい物好き。気さくな時とシリアスの時のギャップがある。
【魔法】金属を生み出し操る
【備考】世界を渡り歩いた国際通として革新派から出馬。人当たりがよく選挙活動の一環で街に出没して色んな人に握手を求める。
森しかない祖国に多少のコンテンツを増やす目的で一部森林の開拓を主張する。レジャーやスポーツ、その他娯楽施設を開業することで国民の幸福度は上がるわ、業者から裏金が入ってくるわとWin-Win。彼の事務所には王国やその他の外国の者たちが出入りしてるが、いったい何なのだろうね。
祖国は歴史的に伝統派が強く、そのため進歩が止まっている事実に悲観し、森>進歩の現状を変えようと心から思っている。それはそれとして汚職はする。
フォレスティナの地盤や星脈の状態調査や、鎖国が解かれた時の為の再開発計画作りに勤しんでいる
マーベル印の機械製品は妖精や精霊たちからは評判が悪いが、ドワーフや馬頭族からはとても評価が高い
最近はフォレスティナ内で姿が見られない。目的は不明だが国外のどこかへ向かったものと思われている
工業製品を好むマーベルだが、王国の機械都市で造られる自律型魔導機械だけはどうにも好きになれないという。凄さや便利さは理解できるが、なんとなく気分が悪いらしい

【名前】森妖精の子
【種族】妖精
【性別】女
【年齢】7歳
【容姿】深い緑色の髪をサイドテールにした、妖精の幼子
【性格】気弱で泣き虫。命を愛する心を持つ
【魔法】癒やしの魔法。特に植物へ施すのが得意だが、毒や呪いを浄化するほどの技量はまだない
【備考】とても幼い森妖精の子。自身の住処であるおうちの木の中で生まれ、おうちの木に守られながら育った
おうちの木を救ってくれた復権派に深く感謝しており、特に依頼を受諾してくれたミスティを慕っている
本心ではミスティに緑の国にいて欲しいと願っていたが、旅人であるミスティを縛り付けてはいけないという思いもあり、口には出せなかった
最近はティセリアの指導により、お菓子作りが上達してきた。将来の夢はおうちの木で小さなお菓子屋さんを開くこと
芸術都市への支援物資には木苺堂の日持ちするお菓子も入っており、その中には彼女が丁寧に作ったお菓子も含まれている
癒やしの魔法の方も少し上達してきており、毎日熱心におうちの木を癒やしてあげている(今はもう元気なのであまり意味はない)
実はおうちの木の方も二度と森妖精の子を悲しませまいと、植物ネットワークを通じて毒や呪いに強くなれる方法を模索している
9 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2025/03/15(土) 15:35:09.14 ID:uQlfAxuF0
◇登場人物:芸術都市ミュージア◇

【名前】レーティア・フォン・ロスチャイルド
【種族】人間
【性別】ないしょ
【年齢】ないしょ
【容姿】中性的で笑顔が素敵な白髪美人
【性格】お人好しでよく騙される正直者と思いきや結構頭はキレる。善人が好き。
【魔法】闇魔法
最近闇魔法の出力が上がっている気がする
【備考】とある大富豪一族の一人。お金や権力の闇を散々見てきたから、そんなものに染まりたくないと出奔。芸術家になる。一族からは高位の職につけと圧力が加えられている。散々見てきた真っ黒い人たちは少数派だ。人の性は善だと信じて、誰かが困るとお金を貸したり、助けたりと人の言ったことを信じて生きてきたがどうにも騙されることが多い。金持ちも貧乏人も悪性は変わらないのかとうちひしがれ、自分の心まで真っ黒に染まりそうなところを芸術に逃げることで何とか立ち止まっている。別にお金なんていくら盗られても問題じゃない。でも心が痛い。正直芸術のセンスより金稼ぎのセンスの方が高い。そのため、売れない芸術家であるのにこの街ではかなりリッチな生活をしている。
先日の芸術都市で起きた惨事に対しては、個人として最大の支援を行っている。元々お金はあり余っていたため出費はそれほど痛くないが、どちらかと言うと数多くの芸術が失われてしまったことに心を痛めている
復興は一段落つき、現在は芸術作品の修復作業に注力している。自分の芸術を追求するより、元あったものを理解して修復する作業の方が性に合っているかもしれない……と思ったり思わなかったりした

【名前】芸術妖精
【種族】妖精
【性別】女
【年齢】秘密
【容姿】金髪ショートの妖精。三角巾に塗料で汚れたエプロンを身に着けている
【性格】陽気。やや迂闊
【魔法】自然魔法。練度はそこそこ
【備考】芸術都市ミュージアで活動している芸術家の妖精
美術、工芸、彫刻など、物質的なものづくりに関する技能は一通り習得している。演劇も多少できる。音楽は不得意
普段は似顔絵描きをやったり、レーティアの提案で売れる≠烽フを作ったりして生計を立てている。芸術作品と商用作品は別物と区分けしている
近年はややスランプ気味……だったが、レッサースライムたちに食われかけたこと、クロシュに助けられたこと、そのクロシュが芸術的ぱわーを秘めていたことなど、多くの出来事が立て続けに起こり、ここ数年間感じられなかった自身のぱわーが再燃してきた
芸術祭が終わった後は緑の国フォレスティナへ向かう予定だったが、荒れ果てた芸術都市に背を向けて一人街を出る気にはなれず、結局街に残って復興支援活動を行っている
最近はレーティアの芸術修復作業を手伝っている
10 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2025/03/15(土) 15:36:02.83 ID:uQlfAxuF0
◇登場人物:砂漠都市テラヌス・ウルスその1◇

【名前】ヨードリー・ソウル・ソサエティ
【種族】人間(魔族とのクオーター)
【性別】女
【年齢】100歳
【容姿】銀髪ロングの女性。スレンダー体型。
【性格】真面目
【魔法】風・闇魔法が得意だが、剣技にも秀でる。
【備考】テラヌス・ウルスの議会において最も高い影響力を持つテレス族の首長
先代から首長の座を受け継いだばかりで、先代に恥じぬために日々頑張っている。
料理が得意。
砂漠の干ばつが解決した今は、光のミイラの襲撃によって破壊された街の修繕等を精力的に行っている
魔族を追い出さずに済んだことで重圧からも解放され、以前よりも顔色が良くなったと評判
テラヌス地方南部に落ちてきた大魔女帝国との対話は穏当に進んでおり、良い関係を築けそうで安心している
街の修繕が概ね完了した今は、近隣で困っている芸術都市や大魔女帝国への支援を積極的に行う方向で動いている

【名前】アニス・スターグラス
【種族】人間
【性別】女
【年齢】20代後半
【容姿】長い艷やかな黒髪、褐色肌に瞳の色は紫。身長160cm後半
砂漠の国風のやや露出多めのへそ出し衣装(フェイスベール付き)を好んで着用する。真面目な会談の時などには王国風の正装を着こなす
【性格】あらあらうふふ系お姉さん。語尾を「〜」で伸ばす癖がある
いつも柔和な笑みを浮かべているが、商家の長らしく抜け目のない強かな性格で国や家のためなら非情な決断を下す胆力も併せ持つ
【魔法】氷系統の魔法。「魔法の才能はあまりない」と称し普段は周囲をひんやりさせる程度に留まっているが
その実才能を隠しており、いざとなれば周囲一帯を凍結させてしまうほどの力を秘めている(消耗が大きい&ここぞというタイミングまで切札的に伏せている)
【備考】テラヌス・ウルス議会議員の一人。テレス族の幹部
若くして急死した父親の跡を継いだ才女であり、テラヌス地方の商人ギルドであるテラヌス商会を束ねる大商長でもある
人・魔の関係においてはどちらかに大きく肩入れすることなく中立的なスタンスを保つが、その思想の根底には子供の頃から親しかった魔族の幼馴染が大きく関わっているらしい
先代から跡を継いだばかりのヨードリーと境遇が近いこともあり、首長としてまだ少し不慣れなヨードリーを支える
干ばつが解決し国内情勢も安定してきた最近は、本業であるテラヌス商会での活動に注力している
大魔女帝国が地に落ちてきたことについては新たな販路開拓の好機と見ており、ヨードリーやラハニ四世と積極的に話を進めている
大魔女帝国の洗練された娯楽文化には興味を持ちつつも、商売的には危機感を抱いている

【名前】ラハニ四世
【種族】人間
【性別】男
【年齢】80
【容姿】金刺繍を施したターバンを頭に巻いた、痩せぎすのおじーちゃん。刻まれた深いシワも相まって枯れ木のような印象を受けるが、鋭く赤い瞳からは生命力の強さを感じる
【性格】丁寧な口調ながらも意思を曲げない頑固者
【魔法】金細工魔法。テラヌスの結構な収入源になっている
【備考】テラヌス・ウルスの議会において二番目に高い影響力を持つスピーゲル族の首長。より多くの人々のため、少数が犠牲になるのを是とするが、それはそれとしてテラヌスという共同体全体が出来るだけ良い条件で王国と結びつくべきと考えていた。その交渉をやり遂げる自信もあった
しかしその後干ばつ解消により王国と連帯する必要がなくなった際は、非人間排斥法案をあっさり取り下げる。未だ野心はあれど、国益を損なう行為は彼の本意ではないからだ
現在はテラヌス商会のアニスと共に金細工の販路拡大を模索している
大魔女帝国の墜落については時代変革の風を感じており、年甲斐もなくワクワクしている
実はクロシュが持っている踊り子の双剣は、ラハニ氏の金細工が施された名品だったりする

【名前】ミラ・スピーゲル
【種族】人間
【性別】女
【年齢】28
【容姿】スタイル抜群の金髪美女だが、いかにもプライドの高そうな雰囲気を漂わせている
【性格】プライドと自意識と上昇志向の塊。自分の考えは絶対に正しいと信じて疑わない
【魔法】鏡魔法。魔法を反射させたり自分の分身を作り出したりする事が出来る
【備考】テラヌス・ウルス議会議員の一人。スピーゲル族首長ラハニ四世の実孫
生まれも育ちもテラヌス・ウルスだが、幼少期にとある魔族の一団に両親を殺害され、魔族に対して強い憎しみを抱くようになる
それ以降は魔族を排斥するべく、様々な手段や首長の孫という身分を駆使して今の地位まで成り上がった
水不足の問題が持ち上がった時は、これ幸いとばかりに中立を捨てて王国の支援を受けるべきだと訴えた
そして非人間排斥法案が否決され魔族を追い出すことに失敗した際は、失意と酒とシーシャにまみれた日々を過ごした
スライム排除の依頼を冒険者ギルドに出したのは彼女だが、実はスライムのことは人型の魔族ほど嫌いではないらしい
文字通り空の上の存在だった大魔女帝国が落ちてきたことについては当初は動揺したが、見聞を広めるチャンスと切り替え、ヨードリーに頼み込んで外交の場に同席させてもらっている
初めは大魔女帝国の発展した文化に圧倒されたりもしたが、今は積極的に異文化交流を行っている
11 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2025/03/15(土) 15:37:18.69 ID:uQlfAxuF0
◇登場人物:砂漠都市テラヌス・ウルスその2◇

【名前】リアンノン・ルルゥ
【種族】亜人(通常の人間形態と爬虫類系の亜人形態の両方の姿を持ち、自由に変身できる種族)の父と人間の母のハーフ
【性別】女性
【年齢】17
【容姿】(人間時)緑の髪を三つ編みにした細身の華奢な女性。
(爬虫類型に変身時)2メートル程の体躯と鋭い牙や爪、長い舌や大きい尻尾をもつ二足歩行の緑色のトカゲ。血液も緑色になる
【性格】引っ込み思案で大人しいが心優しい性格
【魔法】水魔法。爬虫類型に変身時は牙や爪や舌や尻尾を駆使した格闘術、強酸性の血液や胃液を水魔法を使って飛ばしたりする
【備考】テラヌス・ウルスの議会における影響力の低い少数部族ホトルスの首長。前首長の父が急死したことで若くして後を継いだ
完全な人間とも魔族・魔物とも違う微妙な立場だが、それでも自分を頼ってくれる人の為に首長の役目を勤める
以前はトカゲに変身した自分の姿があまり好きではなかったが、クロシュに褒められたことで少し好きになれた
最近は大柄で力強いトカゲの姿を生かし、都市の警備や力仕事などを積極的に行っている。光のミイラ襲撃事件での活躍により兵士や住民たちから人気を獲得し、今では大きなトカゲの戦士として人々に親しまれている
大魔女帝国には幼馴染のトリルが留学しているため、今後は互いに行き来しやすくなりそうで嬉しく思っている
学園が長期休校中ということで先日トリルが帰郷し、思い出話やクロシュ話に花を咲かせた

【名前】ベスティア・バッドエンド
【種族】悪魔
【性別】女
【年齢】2000
【容姿】黒髪長髪で虚ろな目をした美人さん。強力な認識阻害結界を自身にかけているため、立派な悪魔翌翼と悪魔角を持つが他者はそれを認識できない。自称人間。
【性格】誰よりも優しい臆病者
【魔法】結界魔法。常に薄い皮膜のような防御結界を自身にかけているので、奇襲に強い。その他様々な結界を自身に張っている。
全力の防御結界は世界の何よりも硬い。
【備考】ホトルス族の一員。首長であるリアンノンの補佐を務める
悪魔族は魔王化しやすいという迷信が古くから信じられており、差別排斥の対象となることが多かった。そんな中逃げるように各地を放浪していた彼女は、テラヌスウルスに辿り着く。自身が悪魔だとバレるのが何よりの恐怖であるが、困っている人がいると助けずにはいられない。そのため首長補佐という面倒事を引き受けている。自分なりに差別のない理想郷を創りたいと思っているが、何もなせていない絶望が強い。
クロシュヴィアとは腐れ縁で2000年近く昔、理想郷の建設を語り合った仲だがいつしか離散。
干ばつ解消後もホトルス族で魔族の地位向上を目指して活動を続けている。長く生きてきた分知識や技術が豊富な為、物知りな先生として慕われることが多い
クロシュヴィアの提唱したデロデロの世界をあの時は否定したものの、結局何も為せなかった自分に彼女の理想を否定する資格などあったのかと悩んでいる
先日行われた魔女の同窓会では、諦めずに何らかの活動を続けている友人たちに微妙に劣等感を感じて、やっぱり会わなければ良かったと後悔したりしなかったりしている
それはそれとして、風船スライムのクロを苦しませたクローディアや杜撰な計画でユーシリア帝国を滅亡させかけたリリーツィアよりはまだ何もしていない自分の方がマシではないかと思わなくもなかったりしている
12 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2025/03/15(土) 15:38:34.59 ID:uQlfAxuF0
◇登場人物:国際商業都市イスファハーンその1◇

【名前】リチャード・デンネル
【種族】人間
【性別】男
【年齢】36
【容姿】スーツを着ており、背が高く筋肉質。スキンヘッドでサングラスをかけている。腰には蛇腹剣を付けている。
【性格】平等主義者で人、魔物関係なくフレンドリーに接している。流行に敏感。
【魔法】頭脳魔法(ユニーク魔法で自身のIQを上げる魔法)、雷魔法。
【備考】イスファハーンで最も大きな富と権力を持つ一族の当主。かつてはある魔法騎士団の参謀を勤めていたが辞めてからは当主となる。その頭脳を活かし都市経済をさらに発展させた。戦闘も得意で頭脳魔法で相手の魔法や攻撃などを瞬時に分析、相手の攻撃や動きを何パターンか予測する事で対応できる。他にも蛇腹剣を巧みに操り、雷魔法を駆使する。フラナ・バイオレットやマーベル・クライスとは個人的に親交がある
先日の件を経て、最近はスライム類の持つポテンシャルの高さに注目している
今は長期休暇によって溜まった仕事を片付けている

【名前】エミリオ・ゲンズブール
【種族】人間
【性別】男
【年齢】12
【容姿】サラサラとした金髪の美少年。服装は見るからに高そうなスーツに半ズボン
眼の色は髪同様に金色だが、魔法発動時は片眼が紫色のオッドアイ状態になる
【性格】子供とは思えないほど落ち着いており、常に丁寧な口調で話す
だがそれ故に年相応の子供らしさは感じられず、却ってそれが不気味さを漂わせている
【魔法】魔眼魔法。この魔法の使い手は彼以外にも複数確認されているが、どのような効果が現れるかは使い手によって大きく異なる
ちなみに彼の場合は相手を見つめることで相手が最も恐れているものの幻覚を見せ、心身共に蝕むというものである
殺傷能力はないが、場合によっては精神が崩壊して最悪死に至ることもある
【備考】イスファハーン最大富豪であるデンネル家の分家、ゲンズブール家の現当主
先代の当主であった父が病に倒れた為、代理という形で12歳という異例の若さで当主を務めることとなる
当初は子供が当主を務めることに反発も多かったが、幼い頃から父に徹底した帝王学を叩きこまれていたお陰で、いざ当主の座に就くとその手腕を遺憾なく発揮し周囲の声を一気に反発から称賛へと変えることに成功する
だがその一方先代の病気に関して、「自分は父よりも優秀な存在だ」と感じた彼自身が当主の座を奪う為に引き起こしたのではないかという噂がまことしやかに囁かれており…
クロシュに友達関係について言われたことを少し気にしている
リチャード不在の間はデンネル派の実質No.2であるエミリオが経営指揮を取ったが、リチャードに引けを取らぬ手腕を見せてまたしても周囲を驚かせた。なお本人はリチャードを超える成果を出すつもりだったらしく、その結果に満足していない
それはそれとして、クロシュに言われたことはまだ気にしている

【名前】ブレア・ホーエンハイム
【種族】電子妖精
【性別】なし
【年齢】0歳
【容姿】幾何学的な形に揺らぐ電子の幻影。他者とコミュニケーションを取る際はタブレット等の端末から音声を発したり、画面に文字や仮想の姿を映したりする。仮想の姿はなぜか雷の妖精のような外見である場合が多い
【性格】合理的で機械的
【魔法】電撃
【備考】リチャードを初めとしたイスファハーン御三家が総力を結集して造った電子生命体。知識の提供や複雑な数値計算などを得意とし、御三家に連なる者の仕事の補佐役として活躍している。指示には忠実に従うが自分から主体的に行動することはない……と思われていた
しかし先日の騒動を引き起こしたのは、この電子妖精だった。リチャードが開発時にこっそり入れた『表沙汰にならない程度にデンネル家の利益を優先する』という命令が原因だと考えられるが、その真相は闇に包まれている
騒動の後そのプログラムは削除され、ブレアは受け身で主体性のない指示待ち電子妖精に戻った
ブレアが電子の海で何を考えているかは、誰にもわからない
先日原因不明の異常でピガピガ言って無能と化したが、しばらくすると元に戻った
エミリオがヒアリングしてみたところ、ものすごくびりびりばちばちでやばかった、というような要領を得ない回答しか得られなかった
13 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2025/03/15(土) 15:40:04.93 ID:uQlfAxuF0
◇登場人物:国際商業都市イスファハーンその2◇

【名前】シュヴィア・オーデルシュタイン
【種族】オリハルスライム
【性別】男
【年齢】1200
【容姿】煌めく黄銅色のスライム。人間に擬態する際は、むすっとした顔のスーツを着た黄銅髪の青年の姿をとる。
【性格】気難しい
【魔法】空間魔法
【備考】オリハルスライムの中でも希少金属の含有量が大幅に高く、オリハルコンそのものスライム。レア中のレア。何しても物理的なダメージは受けない。しかし希少なスライムだと追いかけ回され攻撃され、それで身体が傷付くことはないが心が痛くて仕方がない。レアというだけで誰も受け入れてくれない恨みつらみが現在の彼を形作っており、基本的に同じオーデルシュタイン家の者かスライムにしか心は開かない。人間、特に冒険者は嫌い。
攻撃されるトラウマから強力な兵器や私兵、諜報機関を作り上げた。反撃能力を越えて他国と大戦争でもするつもりかという武力を備えてしまっている。大昔に存在したと言われるスライムの王国を復活させることが夢。スライムたちが幸せで脅かされず安寧に生きていくためには武力が必要と結論付けた。
今でもスライムが安心して暮らせる国を作る夢は変わっていない。しかし誰かを犠牲にするようなやり方は取るべきでないと、方法についての考えは改めている
最近デロデロ教なる新興宗教の思想を耳にし、少し興味を抱いた。犠牲者が出ない方法であれば悪くない気もする……しかし未知の方法である以上、想定外のリスクも懸念される。というわけでしばらくは静観するつもりでいる

【名前】グラドス
【種族】阿修羅
【性別】男
【年齢】34
【容姿】癖毛で長い黒髪。焼けたかのような赤い肌。一見長身痩躯だが筋肉質ないわゆる細マッチョで、四本の腕を有する。獰猛な野獣を思わせる野性味溢れる面構え。
【性格】三度の飯より戦が好きな生粋の戦闘狂。堅気の人間に(積極的には)手を出さない主義で、戦闘が絡まなければ気の良いあんちゃんでもある。イスファハーンの中では善良な人物。
【魔法】天
【備考】シュヴィア・オーデルシュタインが運営するオーデルシュタイン軍警に務める精鋭の一人。なおオーデルシュタイン軍警は戦闘や警備業だけでなく、傷病者への各種支援や福祉、基地や街道をはじめとしたインフラの整備など幅広い分野の産業を担う巨大複合企業でもある。
グラドスはイスファハーンに古くから存在する名門の一族の当主で、野性的な顔立ちとは裏腹に古風な話し方をし頭も良く一族の当主としても前線の指揮官としても非凡な才覚を見せる。
己の生き方を何よりも優先するタイプで、それゆえに自身も前線に出て強い者に戦いを挑む癖がある。
王国の異種族排斥に対しては「気に食わない」と思う反面、闇雲に戦争することには反対であり、シュヴィアには王国内の穏健派や反体制派への支援、異種族の保護などを推進し避戦を働きかけるよう提言している。
魔法を剣に纏わせて戦う魔法剣士で薙刀と投げナイフが武器。防具は急所を守る程度の軽装。
手数の多さと初見の敵でも弱点を見抜き攻める洞察力、対応力の高さなど攻撃能力が非常に高いのが特徴で、四つの魔法を合成するという切り札を持つ。
先日の一件でオーデルシュタイン製のミサイルに敗れたことを反省し、最近はミサイルを撃つ相手を想定した戦闘訓練を行っている
訓練の結果グラドスは投げナイフ等の飛び道具でミサイルを着弾前に撃ち落とせるようになったが、他の兵士のほとんどはそれを真似できなかった

【名前】シモンズ・オーガス
【種族】人間
【性別】男
【年齢】45
【容姿】青髪でリーゼント。マッチョの大男。タバコを咥えている。ハンマーを装備している。
【性格】情に厚く涙もろい、豪快な性格。
【魔法】岩石魔法(地属性の亜種で岩石を操る事が出来る)
【備考】シュヴィア・オーデルシュタインが運営するオーデルシュタイン軍警に務める精鋭の一人。元傭兵をやっていた事があり、武器や兵器など詳しい。誰かを守りたいと思う気持ちがあって都市の防衛や治安を守っている。本人の性格から魔物にも人気がある。ハンマーで豪快に攻撃したり岩石魔法をハンマーに纏う事も出来る。もちろん岩石魔法で攻撃も出来る。どんな攻撃を受けても最後まで立っていた伝説がある。
先日の一件でオーデルシュタイン製のミサイルに敗れたことを反省し、最近はミサイルの爆発にも耐えられるよう自己強化の鍛錬に励んでいる
訓練の結果シモンズはミサイルの爆発にある程度耐えられるようになったが、他の兵士のほとんどはそれを真似できなかった

【名前】ハイド・ストーク(襲名制であり、真の名前及び何代目かは不明)
【種族】不明
【性別】不明
【年齢】不明
【容姿】全身を黒装束に包んだ黒い仮面の怪人。他者の姿に化けることもできると言われている
【性格】不明。仕事の際は徹底して無言
【魔法】誰も見たことが無く不明(人外の領域の暗殺術と体術を持つ戦闘能力のみが知られる)
【備考】オーデルシュタインが保持する最も優れた諜報員。かなり謎が多い
オーデルシュタインの精鋭諜報員は全員がこれと同じ格好をしており、言葉を介さずに意思疎通するため、誰がハイド・ストーク本人かは当主であるシュヴィアですら簡単にはわからないという
そういった事情から、ハイド・ストーク多重分身説や実在しない説など、一部の者たちの間では様々な憶測や噂が語られている。そういった根拠のない噂を流させることも自分の身を隠す術の一つなのかもしれない
なおオークション会場でクロシュが話しかけられた影の薄い人とは、実のところこのハイド・ストークだった。彼はあの場でクロシュたちとただ話しているだけのように見せて、実のところクロシュと妖精に認識を誤らせる術をかけていたのだ。それが魔法なのか、それとも別の何らかの技術によるものなのかは不明である
シュヴィアがスライムであることを知っており、かつシュヴィアに信頼されている数少ない人物の一人

【名前】マリッサ=マガジン
【種族】人間
【性別】女
【年齢】不明
【容姿】金髪ショートで青い服を着た女性
【性格】普段は冷静沈着だが可愛い「女の子」を見ると理性を失い暴走する
【魔法】土や布でできた人形を操る魔法や、光魔法が得意
【備考】イスファハーンの文化・芸術を支える一族の当主。
自分のミスで友人を死なせた過去を持ち、彼女の精巧な魔導人形を製作する研究を続けている。
先日の一件を経て、とりあえず多額の研究費を得られるようになったため、今は後ろ暗い真似をしてまで研究費を稼ぐ必要がなくなった
ユーシリア帝国のパティ魔術顧問とは古い知り合い。かつては亡き友人と共に切磋琢磨し合う魔女仲間だった
魔族国のフラナとも面識はあり、薬品や研究のことで時々意見交換を行っている
14 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2025/03/15(土) 15:41:25.73 ID:uQlfAxuF0
◇登場人物:大魔女帝国その1◇

【名前】クローディア・トゥルーエンド
【種族】不死鳥
【性別】女
【年齢】2000
【容姿】典型的黒い魔女服に唾の広い魔女帽子に豪華絢爛な杖を持つ。白銀の長髪と泣きぼくろがチャームポイント。ドヤァ顔系美人。真の姿はひたすらに鮮やかなオレンジ色の焔に包まれた荘厳な不死鳥。
【性格】傲慢不遜でワガママで誰よりも臣下を想う優しさを持つ寂しがり屋。どんな人であっても臣民は愛を向ける対象。承認欲求の塊であり讃えられることが大好き。
【魔法】基本的にどんな魔法でも使えるがユニーク属性としては与える魔法と奪い去る魔法を使える。あらゆる何もかもを他者に与えることができ、あらゆる何もかもを奪い去ることができる。これで星から直接魔翌力を吸い上げている。
【備考】クロシュとフメイの関係と同じようにかつてはクロシュヴィアとは親友であり、理想の世界を話し合ったりした。早々に諦めたクロシュヴィアとは違い理想郷建設のために数千年を費やしついに大魔女帝国という理想の箱庭を作り上げた。帝国には納税の義務がない、大魔女の強大な魔翌力で食材も自動で生産され、インフラも稼働し、医療魔術で健康寿命もとても長い。娯楽に溢れ文化的で何物からも守られた無菌室のごとき帝国はまさにこの世の楽園だと彼女はとても満足している。もはやこの楽園に浸った者は他国で生きることはできないだろう。でも大丈夫ここは楽園。もう地上になんて降りる必要はないのだから。
空中楽園都市が地上に落ちた後は、星から吸い上げていた魔力もせき止められ、以前までの楽園は消え去った。現在は楽園都市が不時着した荒原を開墾し、国内における各種自給率を確保しようと奔走している
国内統治の傍らでカリス・ノーランドの行方も追っている。大魔女帝国に仇なす者には然るべき末路を迎えてもらわなければならない

【名前】クロ
【種族】風船スライム
【性別】なし
【年齢】不明
【容姿】中性的な見た目をしたセミロング黒髪低身長お子様。大魔女からとある指輪を持たされておりこれで大魔女とテレパシーで連絡しあうことができる。
【性格】とてもほんわかした優しげな性格。でも主張ははっきりするタイプで大魔女にも強めのツッコミをいれることもある。
【魔法】浮遊魔法と消滅魔法
【備考】かつて世界を荒らした魔王の一体であったが大魔女に討伐され、元の姿に戻された。その後魔王だった部分の巨大な遺骸は改造されて大魔女帝国の空中楽園都市を浮遊させるための気球として利用された。
以前は魔王だった頃の記憶も力もほとんど持っていなかったが、留学生と身分を偽ってやってきたカリス・ノーランドの奸計に嵌められ、魔王として再覚醒させられた。
その後クロシュたちと大魔女の協力により、再び魔王部分は分離し、風船スライムとしての自分を完全に取り戻す。
事件の後も楽園都市の教授兼大魔女の秘書として活躍しており、もちろん大魔女のことは大好き。クロシュのことも好き
少し前にクロシュの友達のフメイと知り合い、故郷を失った者同士としてたくさんのことを話した。最終的な意見は合わなかったが、互いに考えを深めることができたし、クロシュちゃんのお話もできたので良かったと思っている
それはそれとして、少し自分に似た気配を纏っていたもう一人の少女のことが少し気になった

【名前】ロディナ
【種族】人工生命
【性別】女
【年齢】製造から10年経過している
【容姿】黒髪短髪の無表情女。モデル体型の絶世の美女。
【性格】とても淡々としている
【魔法】大魔女に教わった数々の魔法を扱える。
【備考】大魔女によって創られた魔術(ホムンクルス技術)と科学(ロボット技術)の複合人工生命。人間と見間違う出来であり、帝国の技術レベルの高さを体現しており、帝国全土のシステムの保守管理を行えるスペックの高さがある。それでも大魔女は内心失敗作扱いしている。ほんとはお喋り友達として創ったつもりなのに感情がほとんどなかったのだ。だからもっと色んな人と交流して感性を育んで欲しいと今は帝国来訪者の対応係を任している。最近知らない人と接するのは苦手だなって陰キャ的感情が湧いているのは内緒、仕事に不満は言わないタイプ。
楽園都市落下後も、大魔女帝国を来訪する者への対応を担当している。しかし地上に落ちたことによって物味遊山に訪れる旅人が増え、ロディナの心労も増している
ホムンクルスも異動願とか出して良いのだろうか……と最近思い悩んでいる

【名前】ティリウス・フォートレシオ
【種族】エルフ
【性別】男
【年齢】1600
【容姿】鮮やかな緑髪が似合うイケメン
【性格】色々雑な性格、基本的に丁寧口調。
【魔法】植物降臨魔法
【備考】大魔女ファンクラブ親衛隊の一人にして大魔女万歳教徒の一人。空中都市の上でも緑が溢れているのは彼のおかげだった。芸術家肌で街路樹一つとってもこだわりがある帝国専属庭師。世界でも有数の美しい国立公園を作った。実はティセリアの兄であり妖精とも面識がある。
フォレスティナから外の世界を旅行中に大魔女と遭遇、意気投合していつのまにか臣民になる。フォレスティナが色々大変なことになってることは知っていたけど妹は優秀だしまあ大丈夫だろと雑な判断。それに帝国の居心地が良すぎて戻る気があんまりない。
楽園都市落下後は植物魔法の腕を振るって周辺の荒原を開墾している。里帰りをしている暇はまだなさそうらしい
最近は開墾もかなり進み、食料の自給自足もできるようになりつつある。もう少し安定したら里帰りしてやっても良いかな〜と呑気に考えている
15 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2025/03/15(土) 15:42:25.84 ID:uQlfAxuF0
◇登場人物:大魔女帝国その2◇

【名前】ルーファス・ライブリー
【種族】人間
【性別】男
【年齢】22歳
【容姿】ぐるぐるメガネをかけたひょろっとした男性
ちなみにメガネを外せば実は今までに登場した男性キャラの中でもトップクラスのイケメンなのだが、視力が悪すぎてメガネが欠かせないため彼の素顔を見られ
るチャンスは限りなく低いだろう
【性格】魔女への愛が強すぎる魔女オタク。喋り方も典型的なステレオタイプのオタクであり一人称は小生
【魔法】解析魔法。対象のデータを瞬時に把握することが出来る
【備考】大魔女帝国に住んでいる男性で、魔女オタクとして良くも悪くも有名な人物
自身が扱う解析魔法の力で魔女たちのデータ収集をすることが趣味なのだが、この魔法は身長や扱う魔法などの基本的な情報からスリーサイズなどの際どい情報
まで分かってしまうため、過去に魔女サイドからとんでもない大目玉をくらったことがある
その後健全に魔女を応援するという条件で許されたのだが、テンションが上がるとどこからともなく光る棒を持ち出し謎の踊りを踊りだしたりすることがあり、
魔女たちからは何とも生暖かい眼差しを向けられている
楽園都市落下後は、解析魔法を活かして地質調査や環境の分析等を行い大魔女やティリウスに報告している
少し前にテラヌス砂漠方面より来訪した旅の踊り子にうっかり興奮して解析魔法をかけてしまい、大魔女に殴られた
一番好きなのは魔女だが、シスターとかバニーとか踊り子とかも好きらしい

【名前】ユキ=チヒョーガ
【種族】雪女
【性別】女
【年齢】14歳
【容姿】青髪ロングで白い肌の少女。青と白の縞模様の服を着ている。
【性格】クールぶっているが内面は熱い性格。
【魔法】当然氷魔法。
【備考】大魔女帝国に住んでいる。元は東の果ての隠れ里に住んでいたが、強くなるために大魔女帝国に移り住んだ。帝国の魔法学園で勉強中。
楽園都市落下後は魔法学園がしばらく休校となったため、学友たちと共に研鑽に励んでいる。目標はミスティのような強い氷魔法使いになること。
最近オノゴロ付近の海流が荒れている噂は既に聞いており、家族やオノゴロの友人、そしてオノゴロに向かったミスティたちの身を案じている

【名前】トム・ライヤス
【種族】人間
【性別】男
【年齢】14
【容姿】オレンジ髪で短髪ツンツンヘヤ。赤色のパーカーを来ている。斧を背負っている。
【性格】明るく、ポジティブな性格。
【魔法】マグマを操る溶岩魔法と炎魔法を使う
【備考】大魔女帝国に住んでいる。火山島出身でモーリィや猫おじさんのことも知っている。斧戦士の一家に生まれで斧を装備している。斧の扱いが上手いがまだ修行中。武術と魔法を上げてさらに強くなりたいと思っている。現在は魔法学園に通って勉強している。
楽園都市落下後は魔法学園がしばらく休校となったため、学友たちと共に研鑽に励んでいる。結局炎属性の少女とは会えなかったが、大気に揺らめく炎の気配が良い刺激になったらしい
目標はバーニングスライムよりも熱い炎を出せるようになること

【名前】トリル・フェリア
【種族】人間
【性別】男
【年齢】15
【容姿】白髪をして柔らかい髪質をした小柄な少年。ぱっと見女の子。
【性格】大人しくてどこかぼんやりしている
【魔法】絵画魔法(書いた絵が実体化する)
【備考】大魔女帝国に住んでいる。魔法学園の生徒でもある。テラヌス・ウルスの出身でリアンノンの幼なじみ
楽園都市落下後は魔法学園がしばらく休校となったため、学友たちと共に研鑽に励んでいる。都市の落下によって出身地であるテラヌス・ウルスと距離が近くなったこともあり、情勢が落ち着いたら帰郷してリアンノンに会ったり、旅スライムのクロシュと一緒にお絵かきをしたことについて話したりしたいと思っている
そしてついに先日帰郷し、リアンノンと会って思い出話やクロシュ話に花を咲かせた。故郷で族長として頑張っているリアンノンの姿を見て、自分も頑張ろうと決意を新たにしたという
16 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2025/03/15(土) 15:43:32.53 ID:uQlfAxuF0
◇登場人物:大魔女帝国その3◇

【名前】ヨハンナ・ワイズ
【種族】人間
【性別】女性
【年齢】23歳
【容姿】白髪長髪。身長は175cmでスラリとしたモデル体型。美人。清楚な雰囲気がある。
【性格】おしとやかな性格だが男性やスライムが苦手で思わず手が出てしまう。
【魔法】声魔法 相手をぶっ飛ばす程の威力を持つ大声を放ったり、魅了、睡眠などの効果を持つ歌声を出すことができる。
【備考】大魔女帝国に住んでいる。人気のオペラ歌手で歌が好き。幼い頃ににスライムに襲われ、命を奪われそうになったことがあり、スライムに対してトラウマがある。例えクロシュがどんな言葉をかけても消えることはない程のトラウマがある。人や物に擬態している状態のスライムでもすぐ見抜ける。大魔女帝国に住んでいるのもスライムがいないと思ったからである。男性がなぜ苦手なのかは謎である。護身術を習っており、男性相手だと柔道の投げ技をぶっ飛ばして、スライム相手だと投げ技のほか魔法で攻撃してしまうことがある。
楽園都市落下後も芸能活動は続けており、開墾に携わる人たちを元気づける歌を披露している
スライム類のことは未だに苦手意識があるが、以前のように問答無用で攻撃することはなくなった
先日テラヌス・ウルスで特別講演を行った際、噴水の周りで飛び跳ねる砂漠スライムの群れを見て悲鳴を上げそうになったがなんとか踏みとどまった

【名前】クリスティーナ・アムニジア(クリス)
【種族】魔女
【性別】女性
【年齢】17
【容姿】髪は桃色のロングストレート。可憐かつ清楚な雰囲気でスタイルの良い美少女
【性格】穏やかで明るく、人当たりが良い女性。親しくなると掛け合い漫才みたいな会話もしてくるようになる。歌が大好きな頑張り屋さん
【魔法】歌に魔力を込めて聴いた人達の心身を癒したり、元気づけたりする
【備考】大魔女帝国に住んでいる。人を惹きつける容姿と親しみやすい性格、抜群の歌唱力により人気を博している
他国に訪れたことがあり、自国が良く思われていない現状を理解している。他国で歌ったこともあり、17歳で既に他の国でも結構人気
魔力量はかなりのもので、大魔法使いになれるポテンシャルを持つ
ダークヒーローイリスのファン
楽園都市落下後も芸能活動は続けており、開墾に携わる人たちを元気づける歌を披露している
ダークヒーローイリスのテーマソングがヒットしたことで風雪新聞の記者からダークヒーローイリス物語の公式歌手にならないかとオファーを受けたが、個人的な活動に留めたいとの意向で断った
テラヌス・ウルスで行われた特別講演の時は郷に従うという名目で踊り子衣装に身を包み、新規ファンの獲得に成功した

【名前】スール・ヤーレン
【種族】ラミア
【性別】女
【年齢】1257歳
【容姿】緑髪ロングの女性、上はノースリーブシャツで下半身は蛇。巨乳。
【性格】金にうるさい守銭奴。酒好き。
【魔法】炎・地・風・水魔法
【備考】大魔女帝国に住んでいる。魔法店を営んでおり魔法やアイテムの研究でひと山当てようとしている。フラナとは知り合い。
楽園都市落下後も商売は続けており、商魂はむしろ高まっている
同居人のフローレンスが最近腐り始めたことについては、以前にも似たような腐り方をしたことが何度かあったので、割とよくあることとして放置している
高原開墾の影響で栄養ドリンク等の需要が高まっており、最近はかなり儲かっている

【名前】フローレンス・アルカード
【種族】吸血鬼
【性別】女
【年齢】500
【容姿】青色の癖毛に赤い目の黒衣を纏った少女。幸薄そうな雰囲気がある。
【性格】めんどくさがり
【魔法】ユニーク属性:建造物創造魔法
【備考】魔族がどうの人間がどうのって世界の色々めんどくさいしがらみを見続けた結果、地上に愛想を尽かして機動要塞に乗る。煩わしい全てから守ってくれる大魔女には高い忠誠を誓っている。大魔女帝国内の工場やビル群は彼女が作った。
バイオレット姉妹とはかつて親友であり、魔族国を建てるようなアグレッシブさには昔から憧れがあった。姉妹の過去や確執を全部知っている。
楽園都市落下後は煩わしい地上での生活に戻ってしまったことで消沈しており、ティリウスから温室建築などを依頼されているがあまり捗っていない
姉妹喧嘩にいそしむ最近のバイオレット姉妹にも割と失望しており、地上に落ちた落胆も相まって、何もかもどうにでもなれという思いが強まっている
最近ようやく地上生活を諦めて受け入れ始め、依頼の建築に取り掛かり始めた
17 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2025/03/15(土) 15:45:29.24 ID:uQlfAxuF0
◇登場人物:浮島国ラティア・ヘイヴンその1◇

【名前】ロムリン・ライト・ドン・ラティア
【種族】亡霊
【性別】男
【年齢】享年24歳
【容姿】蒼い目の茶長髪の青年。眼鏡を掛けている。ちょっとおでこが広い。宝石の装飾されたローブ、冠を着用。足元は薄くなってて見えない
【性格】努めて厳格であるようにしているが、本来は穏やかな性格。
【魔法】延命魔法。物であれ生命であれ現状を維持する事が出来る。自分にも行使しているが、流石に永遠にとはいかないらしく、最近は体が透けてきている
【備考】ラティア・ヘイヴン最期の王様。雷霆の魔王の脅威に対し、残った人員を奮い立たたせて封印までこぎ着けた立役者。
散っていった命に対する責任として、自身を生きているとも死んでいるとも言えない有様にし封印を延命している。
雷霆の魔王の封印を守るため、そして封印の強化もしくは魔王討伐を託せる者か判別するために幾つかの侵入者用試練を城の中に用意している。
長いこと封印維持に協力してくれているゴーレムのゼーレシルトとしか会話できていなかったため、実は生身の相手との会話に飢えていた。
先日の戦いを終えて雷霆の魔王を完全に滅ぼした後、延命魔法による維持も限界を迎え、亡き妹や民が待つ空へと還っていった

【名前】セイラ
【種族】大盾のゴーレム
【性別】女
【年齢】約10000歳(幻影の外見年齢は10歳前後)
【容姿】緑髪のロングを後ろで一本の三つ編みお下げに纏めている小柄で華奢な少女。巨大な盾を浮かせている。
【性格】気弱で臆病で泣き虫(姫さまモード時)。大盾覚醒時は、物静かで責任感が強い性格に変わる
【魔法】守護魔法(盾の前方だけでなく側面や背後等の死角含めて、彼女への物理・魔法攻撃をシャットアウトする)
【備考】
勝手に動く盾型のゴーレム……と肝試しをした空妖精達には認識されていた。実際、その正体は大盾のゴーレムだった。
大盾の近くにいる小さな女の子の姿は、大盾に搭載された反重力装置の予期せぬ動作によって現れた幻影のようなもの。
発見当時は記憶喪失を失っており、食べ物や睡眠を取らなくても死ななかったので、自分のことを亡霊だと思っていたらしい。
雷霆の魔王との戦いの前に記憶と本来の力を取り戻し、魔王との戦いでは身を挺して皆を守った。
魔王を滅ぼした後は廃都の工房に住み、工房の手伝いをしたり空妖精たちの遊びに付き合わされたりしている。
またいつか、クロシュたちが訪れる時を楽しみにしている。

【名前】ベルトーネ・ゴールドフェルド
【種族】悪魔(自称)
【性別】女
【年齢】不明
【容姿】黒の長髪に紅い瞳を持つ身長140cm程の小柄で平坦な少女。容姿は整えられておらず、いつもジャージを着用している芋女子スタイル。
【性格】受動的かつ内向的。属性は混沌・中立。悠々自適にして和光同塵。毎日を怠惰に過ごしたいマイペースな怠け者。何よりも自分の自堕落生活を優先するが、他を害してまでは望まない。
【魔法】闇属性全般を高い練度で扱える。特に相手を惑わし、弱らせ、掌握する分野が得意。
【備考】
いつの間にかラティア古城の王族の私室に居座っていた自称悪魔のぐうたら娘。略称はベル。
「大昔にこの世界に召喚されて主と契約したが、完遂前に主が死亡して失効。自力での帰還は望めず、しかし死んで戻るのも嫌なのでそのまま現界し続けている。」……と語るが真偽は不明。証明する手段もなく、本人も疲れるのを理由にあまり話したがらない。突然現れた事といい素性は怪しいものの、害意(とやる気)は感じられないので黙認されている。
怠惰な生活をする為に頑張るタイプ。いつもの怠けっぷりからは想像が付かないが、実はどんな事でも完璧に熟せる器用万能型。かつての"契約"も悪魔の仕事として真面目に取り組んでいたらしく、やらなきゃいけない事はちゃんとやる人物。
彼女曰く、自分は怠惰を司っていて、同輩の悪魔が6人いるらしいが、当然真偽不明である。
雷霆の魔王が完全に滅びた後も、依然として王族の私室に居座りだらけた日々を過ごしている。地上に興味がないわけではないらしいが、魔王との戦いでは頑張りすぎたのでしばらくは外出したくないらしい。

【名前】ジェミニ・クリスト
【種族】エルフ
【性別】男
【年齢】約2500歳(睡眠時間も含めると約12500歳)
【容姿】見た目は20代の青年。白髪で天然パーマ。長い耳
。左耳にイヤリングをしている。星座が描かれている紫色のローブを着ている。先端に水晶玉がついている杖を持っている。古風な口調。
【性格】おおらかで落ち着いている。知識と経験が豊富。面倒見がいい。
【魔法】水晶魔法(水晶を生み出し水晶の武器、防具を作りだすことができる。他にも様々な攻撃ができる)、風魔法
【備考】昔は城の宮廷魔術士を勤めていた。
魔王の封印結界を見張るため城から少し離れた所で長期睡眠を行い、封印結界の異常を感知して目覚めた古代エルフ。
優れた魔術の腕を持ち、エルフ界でもその名を知らない者はいないくらい有名な人物。精霊も見える。杖の先端にある水晶を使った占いが得意。水晶魔法での攻撃と竜巻やかまいたちなどの風魔法を主にしている。風魔法を利用して空も飛べる。
雷霆の魔王を完全に滅ぼした後は、城から少し離れた所に住み始めた(城に住むことも考えたが、城外の方が落ち着くらしい)。古風な口調の為か、最近では近くに住む空妖精たちから「おじいちゃん」と呼ばれ始めている。
隠居して余生を過ごすとは言ったものの外界の情勢も少し気になるので、時々水晶を通して地上の様子を観察している。
18 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2025/03/15(土) 15:47:47.01 ID:uQlfAxuF0
◇登場人物:浮島国ラティア・ヘイヴンその2◇

【名前】ミーティア
【種族】人間→リビングアーマー(?)
【性別】女
【年齢】27(人間時代の享年)
【容姿】年代物の全身鎧。古ぼけているが錆などはなく骨董品としての価値かありそうだ
「頭部」の中にぼんやりと光る人魂のようなものがあり、これが今の彼女の本体と思われる
【性格】気さくでおしゃべり。もう長いこと人と話していなかったらしく、自身の容姿を活かした驚かせをするなど構ってちゃんな面も
【魔法】後述の魔術の影響か一般的な魔法を使うことができないが、宙に浮いたり自身を構成するアーマーの一部分を分離させ独立して動かすことができる
【備考】かつてラティアに仕えていた宮廷魔術師
密かに研究していた「魂を非生物に定着させる魔術」を自身に施しており、死後成功していたことを一万年ほど経ってから知る
記憶の一部が欠落していたが、雷霆の魔王の雷撃を受けた際に取り戻した
雷霆の魔王を滅ぼした後は、ゴライアスの定期検診を行いつつ今後の自身の在り方について考えている

【名前】ゴライアス
【種族】大剣(元ゴーレム)
【性別】男
【年齢】約10000歳
【容姿】青白く輝く美しさと剛健さを兼ね備えた大剣。所々機械的な部分もあり、ゴーレムだった頃の名残を感じさせる
【性格】口調は丁寧だが、どことなく誇り高き武人の様な雰囲気を漂わせている
かつては他のゴーレム同様機械的だったが、城の者たちと触れ合ううちに「彼らを守りたい」という意志と戦士としての自覚が芽生えた結果だと思われる
【魔法】無し
【備考】かつて城を守護していた戦闘用ゴーレムの一体で圧倒的な強さを誇っていたが、雷霆の魔王との戦いで修復不可能なほどの損傷を負ってしまう
当時の王(ロムリン)がそれを哀れに思い機能停止しようとしたが、宮廷魔術師ミーティアの提案と「このまま機能停止されるより、もう一度生まれ変わって誰かの為に戦いたい」という彼の想いを受け、ラティア・ヘイヴンの技術により強力な大剣へ生まれ変わった
その後お城の宝物庫に沢山の財宝と共に保管され、自分の使い手に相応しい戦士が訪れる時を待ち、ついにクロシュたちと出会い引き抜かれることとなった。なお実際に振るうことになったのは後輩ゴーレムのポーラーだった
柄の中央には彼の人格を司っていたコアがはめ込まれており、それを通じて使い手やその仲間達とも会話する事が出来る
雷霆の魔王を滅ぼす際、会心の一撃の代償としてその刀身が砕け散った。その後、もう大剣として活躍することも難しいとミーティアに診断され、今度は頑丈な短剣として生まれ変わることとなった
最近は頑丈で切れ味の良い手頃な刃物として、ポーラーやセイラ、工房人形など、使い手を選ばない活躍を見せている

【名前】ポーラー・ドロリッチ
【種族】ゴーレム
【性別】男
【年齢】約10000歳
【容姿】身長が2m。人型でレンガが積み重ねたような見た目。腕が太い。無表情で糸目。対話も可能。赤茶色のレンガが積み重ねたような見た目で所々にひびがある
【性格】無表情だが誰にでも優しい。
【魔法】泥魔法 泥を操れることができ、さらに泥人形も作れる。
【備考】元々は国の財宝を守る番人だった。初めは感情がなくロボットのようにただ使命だけで生きていたが、心優しい王子(当時のロムリン)と出会い言葉や心について学ぶ事ができ、王子と友達になる。その時に王子から名前やドンエテコウの毛皮を貰った(なおその毛皮は、一度目の雷霆の魔王との戦いで焼失している)。ゴーレムなのでかなりの怪力。戦闘時は泥魔法で人形を作り一緒に戦ったり、底なし沼を作ることができる。拳や太い腕での打撃を得意とするが、剣などの武器を使うこともできる。また、泥団子状に作りマシンガンのように何個も飛ばしたり、さらに大きく大砲みたいに飛ばしたりする事が可能。
雷霆の魔王を滅ぼした後も、ラティア・ヘイヴンを守るために島内の巡回を行っている。初めはその大きな外見により空妖精たちから怖がられたが、すぐに怖くないゴーレムだとわかり、最近は空妖精たちにデコレーションされるようになった。

【名前】ゼーレシルト・フォルカロス
【種族】スフィアのゴーレム
【性別】なし
【年齢】不明
【容姿】幾何学模様が描かれた球体
【性格】冷淡
【魔法】殲滅魔法
【備考】ラティア・ヘイヴンを司る中心的ゴーレム。
太陽からのエネルギーを動力に活動する。緊急事態用に殲滅エネルギーをチャージし続けており、ラティアを犯す敵が出現すればこの星ごと破壊するつもりだった。
言葉を介し愛や友情を理解できる生命であるがそれを分かち合う住民たちが消えた今、彼らとの思い出だけを抱いて浮島と魔王の封印を維持し続けていた。
雷霆の魔王を滅ぼした後もラティア・ヘイヴンの状態管理等は滞りなく行っているが、近い内に自らもその機能を停止し、空に還る時が来るかもしれないと考えている。
空妖精たちからはまんまるゴーレムと呼ばれている。

【名前】ヒナ・ナイテンゲール
【種族】不良天使
【性別】女
【年齢】不明
【容姿】黒髪ロングの少女で背中から左が黒、右が白の羽が生えている。服装は黒のワンピース。
【性格】明るい性格でややいい加減だが戦い好きな戦闘狂でもある。
【魔法】天候操作魔法で気象を操れる。他にも光属性の魔法剣を持ちビームサーベルのようにして振るう。
【備考】元は地上を見守る天使の一族だったが飽きて旅に出てこの里にやってきた。現在城の探索中。戦い好きなので強い奴も探している。
雷霆の魔王との戦いには、強い奴と戦えると聞いて喜んで参戦した
その後テイルと共に浮島から降り、地上の冒険者として暮らし始めた

【名前】テイル・S・ナナエルス
【種族】ハーフエルフ
【性別】女
【年齢】214歳
【容姿】青髪ロングの少女。エルフの特徴はあまり出ていない。
【性格】自由奔放な性格だがややM気質で殴られたり罵倒されると喜ぶ。
【魔法】浮遊魔法(人や物を浮かせて操れる)が得意。更に風属性を帯びた魔法剣を所持しているが剣術は我流で振り回すだけ。
【備考】自身の血筋を調べていたらラティア・ヘイヴンに辿り着いた冒険者のハーフエルフ。廃都の外れで廃都の外れでキャンプをしていた。
強敵との戦いは全く好きではないが、雷霆の魔王との戦いは生きる為に頑張った
その後ヒナと共に浮島から降り、冒険者としての暮らしに戻った
19 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2025/03/15(土) 15:49:18.92 ID:uQlfAxuF0
◇登場人物:ユーシリア帝国その1 皇族・王宮関係者◇

【名前】エリオス
【種族】人間
【性別】男性
【年齢】24
【容姿】赤髪紅目、中肉中背の優しそうだがぱっと見ではあまり目立たない青年。細身に見えるがその実、かなり鍛え上げられた肉体を持っている
【性格】温和で理知的、強い意志力を持つ
【魔法】星属性の魔法を扱う
【備考】ユーリシア帝国の現皇帝
外征よりも国内の発展を重視すべきとの声を退け続けた先帝の父親とは互いに反りが合わない部分があると認識しつつも、エリオスは父の武勇と覇気を、先帝はエリオスの叡智と周りを惹きつける求心力を認め合っていた
帝位継承上位の兄や姉達を尊敬しており、自分は次の皇帝を支えるための研鑽を重ねてきた
知勇、政治手腕ともに優れているが、経験不足による失敗は避けられず、即位してしばらくの間は民衆からの評価が低迷していた
しかし先日の悪竜異変で、帝都に迫る竜牙兵の大群を相手に英雄の剣を使いこなして力を示し、真に継承されし皇帝であると証明した
次期皇帝となる前に親しくしていた騎士エルザとは今でも互いに密かに想いを寄せているが、その立場上互いに伝えられずにいる
悪竜事変の後は弱った国力を回復させるために忙しなく動き回っており、先日の戦いで肝が据わったのかその実力を遺憾なく発揮して政務を執り行っている

【名前】パトローラ(愛称:パティ)
【種族】人間
【性別】女性
【年齢】22
【容姿】微笑みを絶やさない穏和そうな顔立ち。腰まで届く波打つピンクブロンドの髪。白い肌。一見フメイと同年代に見えそうなくらい小柄で童顔だが、胸がとても豊かなロリ爆乳。
【性格】心優しく、天真爛漫。誰とでもすぐに打ち解ける高いコミュニケーション能力の持ち主。その一方で敵対した者を情け容赦なく切り捨てるという二面性がある。
【魔法】精神魔法。精神の治療や調査、干渉などが可能。また秘匿しているが洗脳などもできる。
【備考】現皇帝の妹で帝位継承権第10位だった皇女。皇帝にベッタリとなついており、仲は良好。
身体能力はからきしだが頭脳明晰で政治に長け皇帝を支えている。
精神魔法を用いて皇帝に忠誠を誓っている者を選別し役職への登用や親衛隊を組織したり、忠誠心に欠ける者の排除・粛正を行っている。
悪竜事変の後も引き続き、裏に表に皇帝を支えている。先日皇帝に対してみっともない嫉妬心を見せたことを深く恥じており、今後はそのような失態は見せないよう気を付けている
騎士や使用人の分際でエリオスお兄様にベタベタしているエルザやロシュのことも受け入れられるよう努力している

【名前】マーズ・ネオン
【種族】人間
【性別】男
【年齢】38
【容姿】茜色の髪にショートウルフヘヤー。青と黄のオッドアイで右目の下に泣きぼくろがある。整った顔立ち。フランベルジュ(波打つ刃の剣)を装備している。
【性格】冷静沈着で厳格がある。自分や他者にも厳しい。魔族は嫌いな方。
【魔法】重力魔法(重力を操る魔法)/探知魔法(人、魔物などを探知する魔法)
重力魔法は重力を重くしたり逆に無重力の状態にできる。重力の向きも変えることができるので敵を抑えたり、飛び道具等の軌道そらせられる。本気を出せば様々な大きさの隕石を落とせる。
探知魔法は自分の周囲を探知することができるので、透明状態や隠れている敵、人に化けても見抜ける。ちなみに探知時、人は青、魔族は赤でわけている。本人は広範囲で探知ができる。
【備考】ユーシリア帝国の皇族。魔法騎士団の指揮官を任されており、ユーシリア帝国の防衛をしている。ローガンやリチャードの事は知っている。剣術、魔法では帝国内でもトップクラスに強く、現皇帝とも親しい関係である。今回皇族が謎の病や亡くなっている事で常に探知魔法を発動しており、犯人を探している。この探知魔法のおかげで王宮内にスライム一匹も通した事はない。ルール、憲法には結構厳しく人間だろうが魔族だろうが関係ない。
悪竜事変の後は魔法騎士団の総司令に昇進し、以前にも増して多忙な日々を送っている。彼の昇進によって魔法騎士団の規律遵守は更に厳格になった

【名前】エドワード・フォン・アルティメシア・ユーシリア
【種族】幽霊
【性別】男
【年齢】享年30歳
【容姿】切れ長睫毛のクール系イケメン
【性格】義務感と真面目さとノリの良さを持つ
【魔法】縛りの魔法
【備考】
ユーシリア帝国の皇族にして元魔法騎士団の総司令部最高司令官。ユーシリア没落の真の原因を掴んだが死亡してしまった。己の最後の力で魂が星に還る前に地上に縛りつけることに成功した。しかし魂だけの存在になってしまったので誰ともコミュニケーションを取れずに地上をさ迷っている。
全てはユーシリアを守るために幽霊に甘んじているが、魔法を使い続ける魔翌力が刻一刻と枯渇していく中で何もできずにいる焦燥感でいっぱいだった。
今はクロシュの不死鳥パワーのお陰でかなり余裕ができたらしく、職務からも解放された為、幽霊の身分で王宮内を好き勝手に飛び回っている
生前は真面目な性格だったが、今では厄介イケメンおじさんのエドワード死霊として扱われている

【名前】パティ・イエスサーガ
【種族】人間
【性別】女
【年齢】不明
【容姿】紫ロングヘアで小柄、やや胸は大きい
【性格】マイペースでのんびり屋だが時折核心を突く一言も言う。
【魔法】全属性魔法使用可能
【備考】ユーリシア帝国軍魔術顧問兼大図書館の管理人。故に魔法への知識は深い。基本仕事以外では図書館からは出ない。
マリッサや亡き友人とは旧知の中で、フラナとも知り合い。
何故かは不明だがローガンが子供の時から現在の容姿であり、不老不死であるという噂もある。
図書館では召喚した低級魔族やゴーレムを働かせ、王宮では兵士に魔術を教えたりしている。
悪竜事変後は、時々皇帝に助言を行いつつもほとんど図書館から出ないスタイルに戻った
なおフラナは半分くらい真面目にパティの亡命を受け入れる準備をしていたらしい
20 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2025/03/15(土) 15:50:05.30 ID:uQlfAxuF0
◇登場人物:ユーシリア帝国その2 騎士◇

【名前】エルザ・アーシェライト
【種族】人間
【性別】女性
【年齢】18
【容姿】金髪お下げ髪。平均よりやや小柄、胸は結構大きい。優しげで幼さを残した顔立ちに、意志の強さを感じさせる眼
【性格】子供っぽさを残しつつも、真面目な頑張り屋。基本的に敬語。仕事に私情は挟まないとクールに振る舞おうとするも、すぐに人の良さや負けず嫌いなところが出てしまう。優秀ながらもどこかポンコツな女の子
【魔法】回復魔法
【備考】ユーシリア帝国軍所属。現皇帝に忠誠を誓う新米小隊長だった。
子供っぽさや嘘がつけない(すぐバレる)性格、皇帝と自分が恋仲になる妄想を度々していることなどから、ポンコツ感が漂う。でも、いざというときはきちんとした観察力や判断力、指揮能力を発揮するなど、なんだかんだ優秀
根の性格も優しいし、度々手料理を振る舞ったりしているため、本国でも遠征時でも兵士達からは敬われこそしないが慕われている。また、昔の英雄が使っていた弓を受け継いでおり、弓と回復魔法はなかなかの腕前
悪竜事変後は、英雄の弓を用いた戦果が評価されて近衛兵に昇進した。これでエリオス様をすぐ傍でお守りできる……!とエルザは張り切っている

【名前】サージェス・レイクルド
【種族】人間
【性別】男
【年齢】33
【容姿】騎士団服をきくずした無精髭にやせ型の男
【性格】卑怯、陰険、面の皮が厚い、弁が立つ。
【魔法】逃げ足の魔法
【備考】魔法騎士団所属だが剣の腕は全然。剣よりも最近輸入されたライフルを愛用する。騎士の防具も貫通することができ、遠距離から攻撃できる武器があるのにわざわざ剣を振る理由が分からないと本人の談。
宰相派と皇帝派で王宮の対立があるが、常にどっちの方が益があるか算盤を叩いた末に宰相派として活動している。ごますりが上手で隙を見せたら人の懐に入り込もうとする。
最近、国の闇を覗いてしまい知ったことがバレたら命を取られるのではないかと戦々恐々としている。自分の命が一番大事。メリット次第では裏切りも辞さない。
悪竜事変後も、それまでと変わらずヘラヘラした態度で働いている。なんだかんだ言って魔法騎士団という地位と給料の保証された仕事は捨てがたかったので、国が存続して良かったと思っている

【名前】ルクリリ・メウス
【種族】人間
【性別】女
【年齢】21
【容姿】銀のショートヘアにアホ毛。常にキラキラしてる銀の瞳がチャームポイント。小柄で華奢
【性格】こうと決めたら一直線。自分の正義や目的のためには多少の犠牲はいとわない。魔族は苦手。
【魔法】金属操作魔法。液状化や硬化を伴い金属を意のままに操れる。大体の金属はコントロールできるが金属自体を作り出すことはできない
【備考】ユーシリア帝国の魔法騎士団に所属。ローガンLOVEを隠そうともせずぶつけてくる。
奥さんと子供がなくなったときはこれからは私が!ローガンさんを支え寄り添い共に歩むんだー!と息巻いていた。その彼が失踪したことで誰が見ても消沈していたが…?
ローガンの方はというと、あぁ…そんな奴もいたなぁ…ぐらい
現皇帝の遠縁で貴族の末席の地位はある
悪竜事変後は以前にも増して真面目に忠実に職務を遂行している。またいつかローガン様が戻ってきた時に、ユーシリア国にまた住みたいと思ってもらえるように。

【名前】ノエル・リバー
【種族】人間
【性別】男
【年齢】34
【容姿】灰色髪でオールバック。碧眼。長身で筋肉質な体つき。昔の戦いの影響で左腕は義手になっている。メイス二刀流が武器で両腰に装備している。
【性格】情に厚く仲間想い。戦闘時は冷静沈着になる。魔物はやや嫌い。
【魔法】コピー魔法 相手の魔法をコピーできる魔法。
【備考】ローガン、リチャードと同じユーシリア帝国の魔法騎士団に所属している。現在2人が辞めてからも魔法騎士団を続けている。とても明るく昔はローガンやリチャードを誘って飲みに行ったりした事がある。魔法騎士団のなかではムードメーカー的な存在。ローガンの家族が亡くなった件で自分も何かできたのではないかと心の奥で後悔や悔しさが未だにある。メイスや魔法での戦闘技術も高く騎士の中では結構強い。コピー魔法の技術が高くクロシュの反映魔法やイリスの星魔法もコピーなどもできる。ちなみにローガンは彼とよく話していたのでよき友人と思っている。
悪竜事変後も変わらず騎士として働いている。ローガンのことについての後悔はこれで一区切りとし、今は国の為に働くことに集中していくつもりらしい。

【名前】リュウゼン (明石 竜髯)
【種族】人間 【性別】男性 【年齢】86
【容姿】オールバックの白髪と黒い瞳、無駄なく引き締まった身体、無精髭と藍の袴が似合う爺さん。年齢より若く見える(-20歳程)。身長186cm。
【性格】属性は秩序・善。少々柄は悪いが、大らかで気前が良く情に厚い明朗快活な親分肌。一方で根が剣士なので、死生観など割とドライな面も。本気で怒らせると気性が荒かった昔の片鱗が垣間見える。
【魔法】身体強化や応急手当などの基礎は一通り扱えるが、属性魔法の才能は無い。長年魔物の血を浴び続けた影響か保有魔力が多く、何らかの作用で老化は抑えられ寿命は伸びている模様。
【備考】ユーシリア帝国首都の隅にある小さな剣道場で子供達に武道を教えている老剣豪。
生まれはオノゴロ諸島。若い頃は冒険者として魔物を討伐・撃退しながら各地を旅していた。当時の異名は"魔物狩りの達人"。40代頃に前皇帝期のユーシリアに勧誘され、武術指南役(騎士教官)に就任。帝国を脅かす魔物を討ち、多くの騎士を育てる。しかし、前皇帝を喪った後悔から「けじめを付ける者がいるとすれば、儂のような落第者でしょう」と責任を取って辞任した。
元指南役だけあって剣以外にも様々な武器を修め、盾や格闘術すらも使いこなす。流石に魔法は専門外だが、長年の経験や知識から助言ぐらいはできる。普段は「この方が実力差がわかりやすいだろう」と相手と同じ武器を使うが、死合では愛刀である全長約2mの無骨な黒い大太刀を振る。剣から衝撃波もビームも出せないが、それらも魔法もあらゆる全てを斬り飛ばし真正面から敵を斬り伏せる。
好き:剣の鍛錬、未来ある若者、甘い物(特に洋菓子)
苦手:幽霊(唯一斬れないから)、苦い物、恋愛事
夢:武器を持たずとも生きられる世界、剣の道を究める
大嫌い:自分の楽しみの為に他者を踏みにじる輩、自分
最近オノゴロ周辺の海域が荒れているという噂を聞き、少しばかり気を揉んでいる。
21 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2025/03/15(土) 15:52:29.33 ID:uQlfAxuF0
◇登場人物:ユーシリア帝国その3 市民◇

【名前】ロシュ・ヴィンセント
【種族】森スライム
【性別】女
【年齢】6
【容姿】植物やキノコなど自然がフサフサ生えたスライム
【性格】ホワホワしてる優しい子
【魔法】樹海降誕魔法
【備考】現皇帝の身の回りのお世話をするお手伝いさん。人間ではないが高い能力と珍しい魔法を持っているため市民権を得た。木遁分身による家事雑事のスピード、質共に高い。
本気を出せば森一つ作れるほどの天才スライム。木々が溢れるフォレスティナが理想の国なのでユーリシア中を森に沈めるのが夢。クロシュの倍生きてるのでお姉さん面したかったが、あまりその機会はなかった。
悪竜事変後は、引き続きエリオス皇帝お付きのお世話スライムを務めている。最近は王宮内での視線も以前より穏当になってきており、働きやすくなったらしい。ダークヒーローが人魔対立に一石を投じた影響かもしれない
また最近、クロシュちゃんたちが次に来た時の為に、エリオス皇帝にお願いして王宮の一室をキノコ室に改装した。これで今度は一つと言わずいっぱい食べさせてあげられるとロシュはわくわくしている

【名前】ミント
【種族】人間?
【性別】女性
【年齢】10歳前後?
【容姿】黄緑色のおかっぱをしたロリッ娘
【性格】純粋無垢ど天真爛漫……を通り越して電波
【魔法】変身魔法?。色んな動物や魔物に変身できる。部分的に変身することも可能。本当に魔法によるものか彼女にも分からないが気にせず好きな時に使ってる。また普通?の人間状態の時もかなり高い身体能力を持っている。
【備考】帝国のスラムのさらに地下を縄張りにしている子供達の集団。周囲からは「小鬼」と呼ばれているのりーだー。以前はより年上のリーダーがいたが、突然彼女がやってきたと思ったらあっという間に力の差を見せつけ新りーだーになった
色々と因縁や思惑が渦巻くユーリシア帝国の中で自分と部下達の好き勝手によいこともわるいこともしている
悪竜事変後は、ルクリリに作ってもらった勇者の模造剣を片手に相変わらずよいこともわるいこともしている。しかし英雄としての自覚を持ったからか、よいことの割合が少し増えた

【名前】アル
【種族】魔族と人間のハーフ
【性別】女
【年齢】14
【容姿】人間とほぼ同じ。おかっぱの黒髪セミロング、赤みがかった瞳、小柄で子どもっぽい体型
【性格】現実主義、世渡りが上手い、ちゃっかりしている
【魔法】すばやさ強化
【備考】物心ついたころからスラム街で一人だった。家族はいなかったし自分の出自も知らない。ゆえに自分をたぶん人間と思っている
生きるために盗みを働いてきた。貴族や富裕層など恵まれた人々から盗み、それをスラムの仲間とわけあうことをよしとした
根っからの悪人ではないが、彼女にとっては善悪以前にまず生きることに必死なので割り切っている
あるとき盗みの腕を買われてスパイとして雇われる。危険な仕事だが、偽造戸籍と衣食住と安定した収入が得られるだけで彼女には破格だった
スリと潜入の技術は光るものがある。魔族の血のお陰か普通の人間よりも感覚が鋭く身のこなしがとても軽い
自分と似た様な恵まれない境遇の者には同情心や仲間意識を持つ
昔、ある人に優しくされたことがずっと心に残っている。最近そのことで、いろいろあった。
悪竜事変後も危険な仕事は続けているが、心のつかえが取れたからか以前より技のキレが増したらしい

【名前】ヒューベルト・スタンフォード
【種族】サンダーバード
【性別】男
【年齢】255
【容姿】全長数メートルになる巨大な翼を持ち、空中でのスピードには自信がある。世の中の嫌なものをもう見たくないと常に目を閉じている。
【性格】合理的で目的のためなら非情になれると自称する繊細な男
【魔法】視界を奪う魔法
【備考】ユーシリアの魔族連合のまとめ役。
国もなくさ迷う憐れな魔族たちを纏め上げ、自分達の国を興すために独立運動をおこなう。魔族たちを完全に纏められているわけではなく、以前独立運動が過激化して多数の血が流れた時は心を痛めたが、自分達の独立こそが最優先と合理的に判断し、感情は心の奥底に封印した。
王宮内にも魔族を支援する勢力がおり、度々密談をして、支援をもらう代わりに謎の仕事を任されることがある。
独立運動、諸外国の進攻、王宮内のゴタゴタなど複数要因が重なり当時のユーシリアは地獄の有り様だったという。それら全てに責任を感じてしまっている自称合理的な男。
悪竜事変後も、帝都のスラムで魔族のまとめ役を真面目にやっている。以前よりは融和的になりつつあるため、ヒューベルトの負担も少し減ってきている

【名前】フーミン・クロス
【種族】カラスのハーピー
【性別】女
【年齢】1000歳
【容姿】黒髪ショート、腕には黒羽が生えているが収納して人間に成り済ますこともできる。
【性格】ノリの良い性格で美味しい情報やゴシップに目がない。
【魔法】風魔法が得意でハーピィ族最速の飛行速度を誇る。またシャークロウを数匹手懐けている。
【備考】自称世界一の情報屋で、ユーリシアの闇を探るためにスラム街で情報屋兼探偵事務所を開業中。魔族国のハーピィも彼女の後輩なんだとか。
悪竜事変後はスラムの情報屋を畳み、新たなゴシップを求めて何処かへと飛び去ったらしい。
22 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2025/03/15(土) 15:55:32.24 ID:uQlfAxuF0
◇登場人物:シノホシその1◇

【名前】レイン・フォール
【種族】エルダーサキュバス
【性別】女
【年齢】120
【容姿】金髪オッドアイで黄色いパーティードレスを着たナイスバディ美人。泣きぼくろがチャームポイント。
【性格】気が強く孤高の寂しがり屋
【魔法】心理支配が最も得意で催眠や読心などを行える。
攻撃系統だと闇魔法も得意。触れたら消滅する強力な闇の塊を生み出し操るが、心理魔法ほど練度は高くない
【備考】かつて勇者サインと恋に落ちたサキュバス。勇者に一目惚れしてつきまとうようになり、いつしか勇者も受け入れてくれた。何故魔物である自分を受け入れたのか、そんな勇者の心は魔法をもってしても最期まで見透かすことができなかった。今はもう愛した勇者はいない。たった一人になった彼女は、勇者に誘惑催眠をかけたサキュバスと人類社会から烈火の如く憎まれ、勇者と仲良くしている裏切り者と魔物社会からも侮蔑の限りを尽くされていた。それらに抵抗するうちにいつの間にか国際指名手配の極悪人。賞金稼ぎに狙われ、傷つけられ、既に心は世界への復讐心にとりつかれていた。そのため、今では自分を迫害してきた社会に対して、悲しみと怒りをぶつける手段としてテロに興じる。
彼女はただの一度だって勇者に催眠をかけたことはない。あの時感じた純粋な恋心を魔法なんかで汚したくはなかった。
現在は国際テロ組織シノホシに所属し、勇者を死後も利用し続ける王国を破壊する為に活動している
少し前に浮島国でクロシュ一行と共闘し、あまり嫌いにはなれないと感じてしまった
セレスティアの訃報を聞いた際は流石に動揺したが、特別仲が良かったわけでもないため事実は事実として受け入れている

【名前】フレメア=バイオレット
【種族】吸血鬼
【性別】女
【年齢】444歳
【容姿】赤毛ロングの幼女
【性格】普段は無口だが怒ると暴言をまき散らす
【魔法】巨大化魔法。全身は勿論一部分だけ大きくもできる。
【備考】フラナの腹違いの姉。より高位の魔族を血を受け継いでいる
妹との仲は悪く、互いに家族の情はほとんどない
かつて強烈な破壊衝動で理性を失い荒野を彷徨っていたところをザイルに発見され、狂気を除去されて助けられた
現在はその恩人であるザイルが指揮するテロ組織シノホシに所属し、不真面目に活動している。シノホシのことはそれなりに気に入っている
最近はシノホシの仕事をほっぽって勝手に居座った廃城の改装・改築を行っている
セレスティアの訃報を聞いた時はとてもびっくりしたが、同時に彼女を打ち倒したクロシュ一行への興味が高まった

【名前】アウル・フォクシー
【種族】狐の獣人
【性別】男
【年齢】25
【容姿】銀髪で狐耳と狐の尻尾がある。顔は整っておりイケメン。長い槍を背負っている。いつもニヒルな表情をしている。
【性格】腹黒い性格。本人は自覚していないがナルシストなところがある。
【魔法】毒を操る魔法(毒液や毒霧も可能)
【備考】昔暮らしていた村が人間によって滅ぼされてしまった過去がありそれ以降人間を憎んでいる。魔物に対しては結構普通に接している。ある組織に所属している。槍術と毒の魔法が得意。腹黒い性格もあって騙し討ちもする事がある。テンションが上がるとヒステリックな笑い方をする。実は緑の国に滞在時、世界樹の果実を潰しそれから五色の光が放たれている様子を目撃している。
人間への復讐を果たして魔族が平穏に暮らせる国を再興するというザイルの理念に賛同し、テロ組織シノホシの構成員となった
セレスティアの訃報を聞いた時は耳を疑った。はっきり言って嫌いなタイプだったが、建前上は同じ目標を目指した仲間だ。もう二度とあの戦闘狂と言葉を交わせないと思うと……別にそれほど悲しくもないが、喪失感が全くないわけでもない
そして今アウルは、オノゴロ諸島の世界樹の光を奪取すべく動いている。必ずや光を奪い、悪しき因習島オノゴロに滅びを。
23 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2025/03/15(土) 15:56:42.56 ID:uQlfAxuF0
◇登場人物:シノホシその2◇

【名前】セレスティア・ベールグラッド
【種族】ドラゴン
【性別】女
【年齢】1800(享年)
【容姿】赤いドレスと赤い眼、金髪、立派な龍角を持つ妖艶美人で真の姿は赤いドラゴン。龍角から加工した大業物の槍を持つ。
【性格】面白いものが何より好きで、退屈が何より嫌いな気分屋。自由人。基本は気さくだが、心から誰かを愛さないし心から憎むこともないどこまでいっても爬虫類。仲良くなった相手でも必要があれば敵対するし、その逆もある。
【魔法】ドラゴンとしての溢れる魔翌力を魔法というよりドラゴンブレスとして雑に魔翌力の塊をぶつけるだけのストロングスタイル。変身魔法も使えるが杜撰。
【備考】国際テロ組織「シノホシ」のメンバー。面白そうというだけで特に目的意識も忠誠心もない。組織のメンバーになれるだけにかなりの実力者。組織の任務以外には傭兵業をこなして生計を立てている。世界でも稀な純正純粋のドラゴンだが、めんどくさいいざこざに巻き込まれないため普段は人間の姿をしている。しかし度々龍角が生えちゃうくらい爪の甘い変身っぷりで、その度にファッションだからと変な言い訳をしている。空を飛べ、普段はフワフワ空中で揺られながら昼寝してる。気に入った相手は背に乗せてくれる。気に入った相手でも必要であれば躊躇なく殺す。空から不法入国を繰り返す常習犯。本質はどこまでも冷めた人であり、戦いの中で、唯一ひりつく感情の中で死にたい。
実のところシノホシの理念や目的には一切興味がないが、強者が集い強者と戦えるシノホシでの仕事にはかなり満足している
ユーシリア編にて、自らが撒いた因果の報いを受け、戦いの中で生を終えた。その最期が満足のいくものだったかどうかは誰にもわからない。
死後強烈な呪いを放つ遺骸は、通りすがりの赤いスライムに食べられた。

【名前】ザイル
【種族】魔族
【性別】男
【年齢】1000歳
【容姿】銀の長髪、中肉中背
頭にある二本の角、背中には黒い翼を持つ。それ以外は特徴を持たない普通の青年
【性格】泰然自若。知識を尊び、色んな物事に興味を示し、他者の話に良く耳を傾け、良く喋る。だが自身の価値観は頑なに譲らない。力こそ全てとし、力で意志と矜持を貫き通す。一方で身体が弱くても、強き心を持つものには敬意を払う
【魔法】圧倒的な出力の光魔法
【備考】産まれてから暫くの間、非力でそこらの村人より弱かった魔族
力なき故に他の魔族から虐げられ、飢えと渇きに苦しみながら、死にたくない一心で生き続け、鍛え続けてきた
ある時、長年自身を虐げてきた魔族を殺害。その魔族が貯め込んだ食料を喰らうことで、生まれて初めてのまともな食事にありつく
かつて自分より遥かに強かった魔族を倒し、飢えから解放されたことにより、力さえあれば飢えることもなく、尊厳も守れると力に執着していった
研鑽の日々の中、滅ぼされた村の生き残りの少女を虐げて楽しむ魔族を見つける
力こそ全て。ならば、少女が虐げられるのも弱いが故
そう考えるも怒りを覚えたザイルは魔族を屠り、少女を助けた
その後、助けた者の義務として少女を養う。始めは義務感のみで少女と接していたが、次第に情が移り兄妹のように仲良くなる
しかし、かつて虐げていたザイルが自分達より遥かに強くなったことを妬んだ魔族達が義妹(少女)が連れ去る
だがザイルの実力を見誤った魔族達は、義妹を人質にザイルを脅す間もなく皆殺しにされる
このことから、大切なものを守り通すにも力が必要と信じるようになる
やがて圧倒的な力と知識を手に入れたザイルは、繁栄も豊かさも平和も、人材すらも力で得られると、周辺の者を種族関係なく従える
そして自分の思う通りの法を整え、思い通りの国を作らせ、その国を亡き義妹の名前からリーリアと名付けた
かつての飢えの経験から、食事がなによりの楽しみ。一番の好物は義妹の得意料理だったシチュー
しかし国は、王国から放たれた一筋の光に焼かれ、呆気なく滅んだ
国を包んでいた、民の笑い声。平穏な日常。明日への希望。どれもが、燃えて灰となった
力こそ全て。国が滅んだのもまた、自身の弱さ故
されどこの怒りは。この哀しみは。この苦しみは。力なき者として当然の末路を、なぜ受け入れられぬ
灰の中に燻る激情の熱が、決意と共に蘇る
王国を滅ぼし、国を再興せん
光を――。義妹と同じ力を放つ世界樹の光を、我が手に――
セレスティアの訃報を聞いた際は、彼なりの方法で静かに祈りを捧げた。戦力の喪失は痛いが、立ち止まることはできない
24 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2025/03/15(土) 16:00:16.35 ID:uQlfAxuF0
◇登場人物:その他◇

【名前】レイ・アンバー
【種族】人間
【性別】女性
【年齢】18
【容姿】長身だが猫背で地面につくほど長い灰色の髪をした陰鬱なオーラを醸し出してる女性 体中にタトゥーのように無数の魔法陣が刻まれている
【性格】根暗で対人恐怖症で常に不安と恐怖に囚われている
【魔法】体中に刻まれた魔法陣の影響でによって禁呪扱い・あるいは歴史の中で忘れ去られた魔法や呪術を含めて多数の魔法を使える
【備考】かつてはとある国(どの国かは作者に任せます)の孤児院で暮らしていた普通の少女だったが、その孤児院は邪神(とロイエ教では扱われている)を信仰するカルト教団が運営しており、彼女は邪神の器として選ばれてしまいその際に魔法陣が刻まれる。そして邪神を彼女に憑依させる儀式の直前にカルト教団を滅ぼすためにロイエ教原理派が襲撃。その混乱に乗じる+魔法陣によって使えるようになった魔法を駆使して脱走に成功したものの、カルト教団とロイエ教原理派双方によって全世界の冒険者ギルドに捕獲や討伐の依頼が出されお尋ね者になってしまい、常に怯えながら逃走生活を続けている。しかしお尋ね者でまっとうな職に就けないとはいえ盗みを働いて金や食糧を得たり、不安と恐怖が強すぎるあまり追手と勘違いして無関係の一般人を攻撃したりと単純な被害者とは言えない行動をしてしまっている。過去のことで善良な心が歪んでしまったのか、あるいは元から邪神の器に相応しい素質を持っていたのか……

密航した貿易船を紆余曲折あって幽霊船と化させ、その奥に引きこもっていたところをクロシュ一行に叩きのめされた。その後彼女の処遇について紛糾していたところ、クロシュの進言によって命を救われ(?)、クロシュのことが気になり始める
逃亡生活は現在も続いており、少し前に海上を漂流していたところを再びクロシュ一行に見つかって救助される。そこでまたクロシュやクロシュの仲間たちの優しさに触れ、久しぶりの安らぎを得た
その後国際商業都市イスファハーンに到着する前にクロシュたちの迷惑にならないようひっそりと一行から離れ、孤独な逃亡生活に戻っていった
少し前にユーシリア帝国領に入り、シワシワカボチャを盗み食いしているところを騎士に発見されて追い回された。シワシワなやつくらい分けてくれても良いじゃん……と思ったりしたが、その当時ユーシリアカボチャのほとんどがシワシワで大変だったということをレイは知らなかった

【名前】ブラッド(冒険者ギルド命名)
【種族】スライム
【性別】♀
【年齢】不明
【容姿】血のように赤いスライム。人間に擬態する時は、真紅の髪を足元の辺りまで無造作に伸ばした幼子の姿を取る
【性格】わがまま。感情の起伏が激しく、気に入らないことがあるとすぐに癇癪を起こす
【魔法】詳細は不明だが、通常のスライムとは一線を画す卓越した擬態能力と同化能力を有する
【備考】幼い外見とは裏腹に異常な力を有しており、何人もの冒険者を血の海に沈めている
単純な戦闘能力も高いが、擬態能力を活かして不意打ちや騙し討ちをする等の狡猾さもあり、危険
過去に起きた災害級の事件に関与している疑いがあり、冒険者ギルドは調査を進めている
ここ最近にわかに動乱の気配が沸き起こっているのを感じ、多数の分体を大陸中に放って動向を観察している
カリス・ノーランドによって造られた命である可能性がある
嫌いな食べ物は特になく、毒物だろうと鉱物だろうとなんでも食べることができる。強いて言えば人間は種族的な意味で嫌いなので食べたくない
未だに人間のペットをやめない黒いのろまスライムのことが気に入らないが、あかちゃんなのだから仕方ないかとも思い始めている

【名前】クロシュヴィア・スウィートエンド
【種族】スライム
【性別】なし
【年齢】2000
【容姿】特に一つの姿に頓着せず、様々な姿に変身する。普段は風になって漂っている。
【性格】姿形を変えられるように性格もいくらでも変えられる。普段は朗らか風。しかし本質はことなかれ主義の悲観論者。
【魔法】体積も質量も材質もエネルギーも無視して何にでもなれる。コピーした相手の能力魔法すら使いこなせる。
【備考】人間が魔物を嫌うようにどんな種族でも別の種族を嫌ったり好いたりと差別心を心に抱えている。そんな世界でもみんなから好かれるため嫌われないため、相対する種族に合わせて姿を変え偽り生きてきた(人間相手には人間として振る舞うなど)。伝説のスライムだがスライムとしての本来の姿にはもう長いこと戻っていない。
どうにもならない現実を目の当たりにしすぎた結果、最期には生命の在り方に絶望して風の中に溶けていったと言われている
それから千と数百年後。芸術都市での大破壊の後、彼女は再び人々の前に現れた。全ての生命を救う、真の正しい世界の導師として――
デロデロ思想の布教活動は、ゆっくりとではあるが着実に進行している。最近は新しく導師になってくれた僧侶の活動もあってロイエ教からデロデロ派に入る者も増えてきており、クロシュヴィアとしてはとても嬉しいらしい
25 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2025/03/15(土) 16:00:59.99 ID:uQlfAxuF0
◇登場人物:その他その2◇

【名前】リリーツィア・ハッピーエンド
【種族】夢魔
【性別】女
【年齢】2000
【容姿】普段は帝国貴族服に身を包んだ中性的な人間である宰相の身体を使用している。本体はナイトキャップを被ったすんごい美人の半透明夢魔で現実世界には身体を持っていない。
【性格】世界平和を本気で願う正義感が暴走した理想主義者。
【魔法】憑依魔法と夢魔法
【備考】強力な憑依能力を以て帝国宰相を乗っ取っている。文字通り帝国の影の支配者。宰相の権力を使い星の力を探索し、魔族たちを使い魔王の力を探索をしている。
かつてクロシュヴィアやベスティア、クローディアと語り合った理想郷を最も諦めなかった者。皆が諦め去っていく中、誰一人取りこぼすことのない世界平和を本気で願い続けている。しかし建国する度に何度も何度も滅ぼされてきたため、地上ではなく夢の世界にこそ絶対の楽園を作ることを目的にユーシリアにやってきた。
ユーシリアにある魔王の力と星の力を取り込むことでこの星のあらゆる生命を幸福の夢の中に落とそうと企んでいる。すべての生命は永遠の夢の中で何もかも思いどおりに過ごす、これこそが世界平和。これこそが絶対的幸福。だから誰も抵抗するな。私が世界の全てを幸せにする。今度こそ暖かい微睡みの中でハッピーエンドに至ってやる。
ユーシリア編にて彼女の計画は失敗し、今はクロシュヴィアに捕まって分体の一つに閉じ込められている。クロシュヴィアのデロデロ思想は、全てが溶け合った最期のデロデロに対するサポートが不十分ではないかと思っている

【名前】カリス・ノーランド
【種族】エルフ
【性別】女性
【年齢】400
【容姿】
身長145cm。小柄で華奢な体格やショートカットにしたサラサラの金髪、青い瞳、白い肌など。幼く活発そうな可愛らしい顔立ち。
顔立ちは幼く小柄で華奢な体格だが、その幼さとは裏腹にバストは大人顔負けに実っている。どこがとは言わないが生えてない。白衣を着た医者のような服装。
【性格】一見陽気で無邪気だが、道徳や人道といった倫理観に理解を示さない狂人。
【魔法】生命・魂に干渉する魔法。
【備考】
魔王化を研究し、自身も魔王になろうとしているマッドな研究者。
過去に様々な動植物を魔王化させようと自身の魔法で実験を繰返し凶悪な怪物を誕生させ続けたことから指名手配されている。
彼女自身の戦闘能力は未知数だが、実験で怪物と化した者達は一様に彼女に従順で護衛をしているため、彼女を倒すことは困難を極めるだろう。
ガッタ・ファーブのことは品性のないイカれたマッドサイエンティストだと思っている
26 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2025/03/15(土) 16:02:00.90 ID:uQlfAxuF0
◇登場人物:クロシュの心の住人◇

【名前】メイ841
【種族】メイド型オートマトン(機械人形)
【外見】メイド服を着た黒髪ロングの15歳くらいの少女
【年齢】不明
【性格】無機質で機械的な喋り方をする
【魔法】魔法は使えないが護衛用に右手にブレード、左手にマシンガンを仕込み、両足にローラー、背中にジェットエンジンを備える。
【備考】かつて機械都市で量産されたメイドロボの一体。その核には妖精類を加工して造られた精核が使われている
何らかの不具合により精核が元となった妖精の自我を半端に取り戻し、人間たちへの復讐と同胞の救出を目的に機械都市と港湾都市で殺戮と破壊を繰り広げた
最期にはクロシュに精核を呑み込まれ、対話の後にブレードを遺して吸収された
吸収された後もその遺志の断片はクロシュの中で生き続けており、クロシュが魔剣に乗っ取られた時はブレードにその遺志が宿り、クロシュ救出の為に魔剣と激しい戦いを繰り広げた
元となった妖精はフォレスティナの出身だったとされる
自分のメイドブレードこそが最もクロシュの役に立っていると思っている
最近、クロシュが装備できるようになった竜角の大槍の強さに危機感を抱いている

【名前】ヴァン・アナザールート
【種族】 人間/魔王
【性別】 男
【年齢】 224
【容姿】 黒色の鎧で全身を覆い、兜で顔を隠している。赤髪を後ろでまとめていて、優しげな青い目をしている。
【性格】 真面目な堅物に見えて、意外とノリがいい性格だった。
【魔法】 炎魔法/闇魔法/夢魔法
【備考】帝国から少し離れた湖にある高度な魔法で隠蔽された小さな墓を守る騎士。かつて夢想の魔王により夢の世界へ引き込まれたが、そこで夢想の魔王の本来の人格と邂逅して惹かれ合う。夢想の魔王は自身の命を奪うよう頼み、彼を現実へ帰還させて自身を倒させた。魔王を倒して帰還した彼は英雄の再来と持て囃されるが、彼はそれを望まず、夢想の魔王の亡骸と共に人々の前から姿を消した。
愛する者を手にかけた絶望と夢想の魔王の残滓の影響から魔王になりかけ、年を取らず、簡単には死ななくなっていた。更に精神を蝕まれて自我を失いつつあった。
ユーシリアで最近流行り始めた眠りの病の元凶。だが本人に自覚はない。
紆余曲折あって今は力を失った夢想の魔王(今は夢の女神と呼ばれている)と共にクロシュの心の中に住み、穏やかに暮らしている

【名前】セレナディア・ベールグラッド
【種族】ドラゴン
【性別】雌
【年齢】1900
【容姿】赤黒い鱗に立派な竜角を持つ巨大なドラゴン。家くらいデカイ。
【性格】食べることが大好きで、それ以外はまるで興味がない。好物は魔翌力がふんだんに染み込んだ魔鉱物や幸福に溢れた夢。
【魔法】暴食。どんなものでも食べることができ、概念や魔翌力、夢、記憶など形のないものすら食うことができる。
【備考】かつては傭兵をしており、とある者の依頼を受け妹と共にユーシリアに進攻した過去がある。国中でひと暴れした後は飽きたのか妹はどっかに消えてシノホシするわ、本人は好みの鉱山を見つけたので依頼者を無視して占領するわ、帝国の多くの勢力から邪魔に思われているはた迷惑ドラゴン。ちなみに妹はローガンの家族の仇その人である。
占領地から全然退いてくれないが、食べ物をくれるなら多少の相談には応じてくれる。結局善悪などなく食欲でしか物事を判断しない。強力なドラゴンブレスは数里先にも届く。
紆余曲折あってクロシュに食べられ、今はクロシュの心の中に住んでいる。クロシュが美味しいものを食べるとセレナディアも美味しさを感じられる為、クロシュにはもっとたくさんの美味しいものを食べて欲しいと思っている
27 : ◆eAA16RTlRw2e [sage saga]:2025/03/15(土) 16:28:51.26 ID:uQlfAxuF0
新スレです。本編の更新はもうしばらくお待ちください

>>前スレ995
思ったより備考欄の更新を楽しみにしていた人がいたようなので、ひとまず更新を続けることとしました。今後は状況を見つつ、偶数スレでのみ更新するとかいろいろ考えていきたいかもしれません

>>前スレ996
悪の狐が何を企んでいるかはわかりませんが、どうやら今はオノゴロ島にいて、反朝廷勢力に加担しているようです。クロシュ勢力の結成が今後どのような影響を及ぼすかはわかりませんが、もしかすると良案であるかもしれません

>>前スレ997
本編に登場していないキャラクターもちゃんと生きていて、その動向が少しくらい見えたら面白いかなあと思って始めたことなので、需要や余力がある内は更新したいと思います。ただ、余力の方はカツカツかもしれません

>>前スレ998
朝廷や反朝廷の戦力を引っ張ってくることができれば、クロシュ勢力は強く大きくなれるかもしれません
また、反朝廷勢力に祭り上げられている偽巫女の情報は闇に包まれていますが、もし接触することができれば良いことがあるかもしれません

>>前スレ999
毒狐氏はシノホシでは最年少のショタ狐扱いされていましたが、本来の姿は人間憎悪を滾らせた恐ろしい妖狐のようです。シノホシの年上のお姉様方には可愛がられてしまう彼ですが、人間に従う童妖怪などに甘くしてやる義理はないようです

>>前スレ1000
リュウトウ氏は朝廷軍の中将殿なので、もし引き込むことができれば大きな力となってくれるでしょう。彼女は姫巫女への忠誠心を持っていますが、同時にオノゴロ島を愛する心もあるので、付け入る隙はあるかもしれません
28 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2025/03/15(土) 17:12:06.06 ID:JMHr9iTGo
ちゃんとセレスティアの死に動揺してくれるくらいの仲間意識はあったのね
たぶん1番無いのは死んだ本人か
29 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2025/03/15(土) 18:51:22.22 ID:bejVJrRco
たておつー
備考欄更新ありがとう…!!!
ヴァンとかセレナディアの力を引き出すにはまだまだクロシュは赤ちゃん過ぎるかな
30 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2025/03/15(土) 20:52:47.07 ID:uQlfAxuF0
お待たせしてしまいました。本編開始です

セレスティア氏の死は、シノホシのメンバーにとっては驚愕の事実だったようです。仲間意識がないわけでもなかったのもあり、そしてあの頑強な悪竜がやっつけられたという事実がやはりびっくりだったようです
実際のところ、シノホシに対して最も仲間意識がなかったのはたぶんセレスティア氏だと思います

ヴァン氏やセレナディア氏の力については、今のところ心属性部分や夢喰いスライムという形で引き出せていますが、その全てを引き出せているかというと実際まだ難しいと言わざるを得ないかもしれません。仰る通りクロシュ氏はあかちゃんなので、長い目で成長を見守って頂けたらと思う所存です
31 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2025/03/15(土) 20:53:16.86 ID:uQlfAxuF0
―オノゴロ諸島トウゲン温泉 滞在7日目

◇クロシュ [あかちゃんスライム]
武:メイドブレード  盾:ラティアの大盾  飾:くすんだ耳飾り
武:竜珠の大杖    防:竜のエプロン   飾:不死鳥の羽根

◇妖精   [世話焼き妖精]
武:         盾:         飾:くすんだ耳飾り
武:         防:精霊のレオタード 飾:

◇イリス  [星の魔法使い]
武:蒼き星の杖    盾:         飾:くすんだ耳飾り
武:         防:魔術師のローブ  飾:

◇ミスティ [氷の魔法使い]
武:氷の短刀     盾:         飾:くすんだ耳飾り
武:         防:氷竜革のローブ  飾:

◇ローガン [鋼の戦士]
武:蜥蜴一文字    盾:灼鋼の盾     飾:くすんだ耳飾り
武:鋼の回転ノコギリ 防:オリハル鎖帷子  飾:

◇エバンス [地の傭兵]
武:古代の鉄槌    盾:         飾:くすんだ耳飾り
武:魔銀の刀     防:硬質革鎧     飾:

◯所持アイテム
[道具]        [装備品]       [大事なもの]
運命賽*6       蜘蛛絹の下着      魔族国永久旅券
会心賽*0       ザリガニのお守り    フメイの服の切れ端
反魂丹*2       大きな巻き貝      精霊の印
鉄鍋+携帯調理器具   闇の欠片        精霊樹の実のジャム
「星の魔力」上中    フリルワンピ水着    精霊樹の鉢植え+赤雷球
お宿の妖精の織物    魔法学園のスク水    フメイとアリシラの人形
魔導飯盒        ガラスのザリガニ    メルルの帽子
妨害魔力波発生装置   踊り子の双剣      溶岩石のアミュレット
属性大全        サボテンドラゴンの花  太陽のメダリオン
魔王図鑑        精霊のローブ      暗黒優待券
氷精の魔導書      精霊樹の杖[改]    冒険者証(ランク1)
ブラッドワイン*3               大魔女帝国渡航権
マッスルワイン*1               かたたたきけん
吸血鬼殺ワイン*1               大魔女帝国滞在許可証
魔術書「正負の属性」              風船印のパラシュート
吸血鬼の日焼け止め               ラティア勲章
日蝕の傘                    ユーシリア王家の紋章
大魔女サイン*1
古代のセラミック
ステライト鉱石
晴れ乞い傘

◯現在の目標
・フメイちゃんを探す
・世界樹の光を追う[3/5]

◯仲間の目標
・カリス・ノーランドを討つ(ミスティ)

◯経験値
・クロシュ 剣技[05/06] 魔法[05/06] 防御[04/06]
・イリス  杖術[02/04] 魔法[04/16]
・ミスティ 剣技[00/07] 魔法[05/16]
・ローガン 剣技[13/16] 魔法[04/08] 防御[02/08]
・エバンス 剣技[12/16] 魔法[02/08]
……………………………………………………………………………………
□オノゴロ諸島 トウゲン温泉〜他
国政区:御所、審議場、武家道場、蔵書庫、神社、他
温泉街:広場、茶屋、お土産屋、湯治場、露天風呂、足湯、他
宿場町:旅館、市場、食事処、酒場、遊郭、鍛冶屋、冒険者ギルド、他
街の外:田園、農村、山々、他
沿岸部:漁場、漁村、港、他
32 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2025/03/15(土) 20:54:18.83 ID:uQlfAxuF0
―朝
 旅館雪解け
 
 チュンチュン

妖精「……」

イリス「……来ないね」

妖精「まあまだ朝の内だし、もう少し待っていよう。私たちの方針を伝えないと」

ミスティ「……第三勢力……クロシュ勢力を結成するのよね」

クロシュ「ん……!」

イリス「クロシュ勢力……ちょっと可愛すぎない?」

妖精「……クロシュが狙われるようなことになるのは困るし、名称は変えた方が良いと私も思う」

クロシュ「……でも、わかりやすい……!」

妖精「それはまあわかりやすいけどさぁ……」


 煤けたオフダ「」フラフラ


妖精「あ、来た! でもなんかいつもと違うような……」

イリス「いつもは人型の紙だよ! でもこれは人型じゃないオフダってやつで……しかも煤けてる……?」

ミスティ「……何か書いてあるわ」

  ペラッ
 煤けたオフダ『今すぐそこから離れ』


イリス「!?」
ミスティ「!?」
妖精「……み、みんなすぐに荷物をまとめ――」


 ドガァンッ!!


「んわあああああ!!!!」モニャニャニャ!!


クロシュ「シズクちゃん!!」シュバッ

ミスティ「くそっ……!! イリス、荷物をお願い!!」シュバッ!!

イリス「わかった! そっちは任せたよ!!」

 *
33 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2025/03/15(土) 20:54:59.19 ID:uQlfAxuF0
―旅館雪解け 玄関

 破壊された木彫りのオオキイクマ「」グシャッ
 吹き飛んだ掛け軸「」ビリビリ

悪鬼「おらァ! 早くしねェと宿ごとぶっ壊しちまうぞ!!」ドガンッ!!

シズク「や、やめてください! やめてぇ……!」モニャニャ…

悪鬼「やめて欲しかったら早く連中を差し出すんだな!」

シズク「だ、だめです! お客さまを、わるい人たちに引き渡すなんて……」モニャモニャ

悪鬼「ならば死ね!!」ブンッ!!

 ギンッ!!

ユキ母「……白昼堂々強盗とは、当宿も舐められたものね。あなたたち、お縄に付く覚悟はできているの?」ザッ

悪鬼「お縄だ? 俺たちゃ朝廷≠フ命でここに来てんだぜ?」

ユキ母「えっ……!?」

悪鬼「抵抗する従業員は例の外観共と同罪だからしょっぴいて良いとのお達しだ。お前ら、このスライムと雪女を捕らえろ!!」

雑兵たち「えやーっ!」ババッ

ユキ母「こいつら……!!」コォォォ―


 竜角の大槍「」ブンッ!!
 ドゴンッ!!


雑兵たち「グワーッ!!」ドガァンッ!!

悪鬼「!」


竜メイドクロシュ「!」シュタッ

ミスティ「凍れ!!」バッ!!

凍り付く雑兵たち「グワワーッ!!」カチンコチン

 *

―旅館雪解け 廊下

ローガン「イリスくん! 妖精くん!」タタッ

エバンス「何があった!?」タタッ

妖精「今はとにかく逃げるよ! 荷物は……まとめてあるね!」

イリス「玄関で戦ってるクロシュちゃんたちに加勢して……シズクちゃんとユキちゃんのお母さんも一緒に連れてった方が――」


アキト「イリス上!!」バッ


イリス「えっ、アキトさ――」

ローガン「!」シュバッ

 ヒュンッ!
  キンッ!!

忍者「!!」シュバッ!!


イリス「えっ……に、ニンジャ!!?」

ローガン「すまぬ、間一髪だった。アキト殿の声掛けがなければ――」

アキト「礼はいい!! とにかく急いでここから離れるでござるよ!!」

 ◇
34 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2025/03/15(土) 20:57:29.22 ID:uQlfAxuF0
―旅館雪解け 玄関

雑兵たち「こ、こんなの聞いてねえ!! 勝てるわけねえよ!!」スタコラ

悪鬼「チッ、雑魚共が……! 仕方ねえ、退却するぞ!」スタコラ

ミスティ「逃がすか!」バッ

 氷柱「」ヒュンッ!!ドスッ!!

悪鬼「ぐおおっ! これしき!!」シュババッ!!


ユキ母「ミスティちゃん、深追いは禁物よ! 鬼の耐久力を侮ってはだめ!」

ミスティ「雪女さん……。はい……」

クロシュ「シズクちゃん……!」

シズク「……宿が……宿が……」モニャニャ…

 壊された玄関「」
 破壊された木彫りのオオキイクマ「」
 破られた掛け軸「」
 ひしゃげた灯籠「」

 タカタカタカッ

イリス「ミスティ! クロシュちゃん!」タタッ

妖精「急いでここから……あっ」

シズク「」デロロ…

クロシュ「……ごめんなさい……。わたしたちが……」モニョニョ…

ユキ母「いいえ。当宿はこういった事態も想定した宿ですから……どうかお気になさらないで」

クロシュ「……ん………」

ユキ母「……しかし朝廷直々に狙われたのは流石に初めてのこと。皆様をこのままここにお泊めし続けるわけには参りません」

妖精「う、うん……。すぐに離れるよ……」

ユキ母「私の住む隠れ里にご案内致します。そこでなら朝廷からの追跡も躱せるはずですから」

シズク「」デロロロ…

ユキ母「シズクちゃんも、良いわね? ここにいたら危ないから……」

シズク「はい……」モニョ…


イリス「ねえ、妖精さん……ちょっといい?」

妖精「ん?」

イリス「これ……公家のイヨさんは大丈夫なのかな?」

 煤けたオフダ『今すぐそこから離れ』ペラッ

妖精「……大丈夫ではない可能性の方が高いと思う」

イリス「……!! えっと……」

クロシュ「……助けに、行く」

イリス「クロシュちゃん!」

エバンス「でも、公家のイヨの住んでるとこってどこなんだ……?」

ユキ母「公家のイヨ……ツクヨミ家のことならわかるけど……状況から考えるとかなり危険だし……」

クロシュ「でも……酷い目に、遭ってるかも……」

ユキ母「うーん……」

妖精「……私とクロシュなら、隠れ潜んだまま高速移動できる。だから場所だけ教えてもらえれば、私たちだけで救助に行けるよ」

ユキ母「……わかりました。でもくれぐれも無茶はしないで」

妖精「大丈夫、無茶させない為に私が付くんだもん」

ユキ母「では合流地点を決めておきましょう。温泉街を出たら――」
35 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2025/03/15(土) 20:58:54.90 ID:uQlfAxuF0
―トウゲン国政区

 ヒュオオオオ――

風クロシュ「」ヒュルルル

妖精「よし、完璧に風になってるよクロシュ!」パタパタ

風クロシュ「」ヒュルヒュル

妖精「それでユキのお母さんに教えてもらった住所は――ああっ!?」


 遠くに見える火の手「」ゴオオッ
 空に上がる煙「」モクモク


風クロシュ「〜〜!?」モニャニャ!?

妖精「ま、まずい!! 探すまでもなくて助かるとか言いたくないけど、急ごう!!」パタタッ

 ◇

―トウゲン国政区
 炎上するツクヨミ邸

 ゴオオオオッ!!
  メラメラ パチパチ

イヨ叔母「ああっ……!? アウル様、なぜこのようなことを!!?」

アウル「どうしてだって? 君がそうしてくれって頼んだんじゃないか」ニヤニヤ

イヨ叔母「ち、違います!! 私は……あの憎きイヨめを殺して欲しいと――」

アウル「そうしてるけど?」


アウルに首を掴まれて持ち上げられるイヨ「かっ……は……」ガクガク


アウル「朝廷への謀反を企てる愚か者を密告してくれたことには感謝してるよ。オバサン。でもねェ……反逆者は一族郎党皆殺しなんだ」ニヤニヤ

イヨ叔母「そ、そんな……!!」

アウル「ヒアーッハッハッハッ!! 下らない家系内権力闘争なんかに現を抜かした愚か者の末路には相応しいんじゃない? 安心しなよ、あの家が焼け落ちてこの小娘を縊り殺したらアンタは苦しまないよう殺してやるからさァ」

イヨ叔母「あ、ああ……姫巫女様……どうか、御慈悲を……」ガクッ


リュウトウ「アウル殿!! これは一体どういうことです!!?」ザザッ
36 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2025/03/15(土) 21:02:29.59 ID:uQlfAxuF0
アウル「おやおや遅い到着だねえ中将殿。見ての通り、謀反を企てた愚かな一族を粛清してるところだけど?」

リュウトウ「ここまでする必要はないはずです! 捕らえて牢にでも入れておけば……」

アウル「はァ? オレは姫巫女直々に独自の裁量で焼き討ち・粛清を許可されてるんだけど?」

リュウトウ「……っ!!」

アウル「わかってるよね? オレに逆らうってことは姫巫女に逆らうのと同義。アンタも反逆者として粛清してやっても――」

 バッ!!

土下座リュウトウ「……お願い申し上げます。どうか、ツクヨミ家の者に慈悲を。このリュウトウの首であれば、撥ねて頂いて構いませぬ……!」ドゲザ

アウルに首を掴まれたイヨ「リュウ……ト……ウ……!!!」ブンブン

アウル「……チッ。何だそれ、自己陶酔でもしてんの?」ゲシッ

リュウトウ「うぐうっ……!」ゴロゴロ

アウルに首を掴まれたイヨ「〜〜〜……!!」ジタバタ

アウル「……なるほどね。お前たち、お友達同士か何かなんだ。ならこうしよう。謀反を企てたこいつはここで粛清する。他のツクヨミ家の者は豚箱。それでどうかな?」ニヤリ

リュウトウ「……っっ!! な、何卒……!!!」

アウル「口答えするな」ドガッ

リュウトウ「うああっ」ゴロゴロ

アウルに首を掴まれたイヨ「〜〜〜〜……!!」ジタバタ

アウル「反逆者は楽に殺さないのが人間流だろ? だからこいつも、オレの毒でじわじわと時間をかけて――」


 メイドブレード「」ヒュッ!!!


アウル「っ!?」サッ

アウルが放したイヨ「っ……」パッ

 ギュッ!

イヨを抱きかかえたクロシュ「!」スタッ


アウル「君は……昨日温泉街にいた」


妖精「ま、まさかアウルがいたなんて……! クロシュ、急いで逃げるよ!!」パタパタ

イヨを抱きかかえたクロシュ「ん!」


アウル「……妖精? まさかお前たち……セレスティアを殺ったっていう――」


妖精「ひ、人違い!!」パタパタ


アウル「逃がすかッ!! オレたちの障害となるならここで殺すッ!!!」


 ――戦闘開始 妖狐アウル――


 ★アウルが〈狐毒〉を発動!
  相手のコンマが半減!!

 ☆クロシュが〈毒無効〉を発動!
  相手の〈狐毒〉を無効化!!

◇自陣(温泉+20、イヨ庇う-20)
・不死鳥化できる(1/1)

◇敵陣(力量差+20)

↓1コンマ(合計-20)
01-10 痛恨
11-50 劣勢
51-90 優勢
91-00 会心
37 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2025/03/15(土) 21:04:44.59 ID:Wf9Yj2zhO
負けバトルかな
38 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2025/03/15(土) 21:04:56.81 ID:gU+eFlUF0
はい
39 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2025/03/15(土) 21:26:18.98 ID:uQlfAxuF0
アウル「はあッ!」バッ

 毒霧「」モクモクモク!!

妖精「うわっ毒霧!?」

クロシュ「!!」

アウル「アッハハハハハ!!! 毒にのたうって死ね!!」


クロシュ「!」シュタタタタッ


アウル「は!? なんで効いてないんだよ!!?」


妖精(クロシュはスライムだから毒が効かない……なんてわざわざ教えてやる必要はない! でも――)


クロシュに抱えられたイヨ「ごぼっ……!!」


妖精「クロシュ、このままだとイヨが……!」

クロシュ「う、うん!!」タタタッ

妖精「でもこの毒霧……風を吹かせても飛んでいかない……!! どうなってるの……!?」パタパタ


アウル「毒が効かないなら、直接殺すだけだ!!」シュバッ!!

 鎌槍「」ビュンッ!!

クロシュ「!!」ササッ

アウル「ほらどうしたどうした!! お荷物を抱えたまま串刺しになりたいかい!?」

 鎌槍「」ビビビッ!!

クロシュ「っ!!」サササッ

アウル「そこだ!!」

 鎌槍「」ヒュンッ!!
 ドスッ!!

クロシュ「んゅっ……!!」

 傷口「」デロデロ…

アウル「……!! 思い出した。お前……芸術都市にいた黒いスライム!!」


↓1コンマ(合計-20)
01-10 痛恨
11-50 劣勢
51-90 優勢
91-00 会心
40 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2025/03/15(土) 21:30:14.09 ID:UAlA60JOO
41 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2025/03/15(土) 21:39:26.05 ID:uQlfAxuF0
アウル「……まあどうでも良い。お前はここで死ぬんだからな!!」

クロシュ「!!」

アウル「死ねェ!!」

 鎌槍「」ドスドスドスッ!!!

妖精「クロシュ!!!」

 デロデロ…

スライムクロシュ「」デロロ…


アウル「フン、スライムなのに人間なんかに与するからだ。来世があったら精々慎ましく――」


 カッ!!!!

不死鳥クロシュ「コケコッコォォー!!」ゴオオオッ!!!


アウル「なっ炎のニワトリ!!?」


妖精「てやっ!!」バッ

 砂「」ボフンッ!!

アウル「ぐあっ!? 目潰しなんて姑息な……!」


妖精「クロシュ、そのまま飛んで逃げよう!!」

不死鳥クロシュ「コケーッ!!!」バサバサバサッ


抱えられたイヨ「……あ……あった、かい……?」


 ――撤退――
42 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2025/03/15(土) 22:34:23.36 ID:uQlfAxuF0
―霊峰の隠れ里

 ホーホケキョ ポーポーポッポー

 小さな川「」サラサラ
 小さな橋「」

 茅葺き屋根の家々「」


イリス「わあ……! ここがユキちゃんの故郷の隠れ里……!」

ユキ母「ええ。ここまで来ればもう安心よ」

ミスティ「ここは、雪女の集落なのですか?」

ユキ母「雪女だけの集落というわけではないけれど、ここら辺の雪女はみんなこの里に住んでいるのではないかしら。他には猫又とか妖狐とか……いろいろいるわ」

妖精「よ、妖狐……」

ユキ母「……大丈夫。アウル・フォクシーはこの里の出身ではないから、ここの場所も知らないはずよ」

エバンス「それなら安心だな……」

シズク「クロシュちゃん……大丈夫……?」モニョモニョ

クロシュ瓶「……」モニョニョ…

妖精「不死鳥の力を使ってものすごく疲れちゃったみたい……。今日はゆっくり休ませよう」

イリス「イヨさんの容態はどう……?」


ソリに寝かせられたイヨ「すう、すう……」


アキト「ぐっすり眠っておるな……。しかしアウルの毒を浴びたというのに、命に別状がないとは……」

妖精「クロシュの不死鳥の炎を間近で浴びたから、体内の毒素は浄化されてるはず。しばらく様子見は必要だけど、きっと大丈夫だと思うよ」

エバンス「不死鳥の炎ってかなりインチキだよな……」

イリス「真面目に医療魔法を勉強してる人が見たらひっくり返ると思いますよ」

ローガン「イリスくんは真面目に医療魔法の勉強をしているのではなかったか?」

イリス「はい。だからひっくり返りました」

 ◇
43 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2025/03/15(土) 22:35:54.60 ID:uQlfAxuF0
―隠れ里の貸家

 囲炉裏「」メラメラ パチパチ

ユキ母「ひとまず、しばらくはここに身をお隠しください。雪解けと比べるとだいぶ手狭になってしまって申し訳ないですが……」

イリス「わ、わっ……! これって、イロリ!? イロリですか!!?」

エバンス「イロリだ!! イロリがある!!!」

ユキ母「え、ええ。囲炉裏だけど……」

イリス「わあ〜!! ありがとうございます!!」

エバンス「最高です!!」

ユキ母「??」

ミスティ「……何から何まで……ありがとうございます」ペコ

ユキ母「いえいえ、雪解けのサービスの一貫よ。例え朝廷が相手でも、お客様の秘密と安全をお守りする……それが私たちの職務なの」


妖精「ひとまず、しばらくはここをクロシュ勢力の拠点として活動しよう」

クロシュ瓶「〜〜」モニョモニョ

シズク「こっちでも、精一杯お世話させていただきます!」

妖精「シズク、無理してない……? つらい時はクロシュみたいに瓶に入ったりしてても……」

シズク「泣いてても、仕方ないので……!! わたしにできること、精一杯やります!!」

ローガン「フッ……良い子だな、シズクくんは」

シズク「えへへ……よく言われますっ!!」

 ☆クロシュ勢力の拠点が霊峰の隠れ里に移りました

……………………………………………………………………………………
□オノゴロ諸島 霊峰の隠れ里
隠れ里:貸家、広場、市、茶屋、食堂、温泉、鍛冶屋、道場、神社、他
離れ山:未探索(今日は疲れてるので探索できない……)
……………………………………………………………………………………

オノゴロ諸島滞在7日目。ここは霊峰の隠れ里です
↓1〜3 自由安価 何をする?
44 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2025/03/15(土) 22:36:30.58 ID:CZ5Somqs0
フラナとパティから支援物資が届く
45 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2025/03/15(土) 22:37:31.56 ID:JMHr9iTGo
世界中のスライムたち、おらに元気を分けてくれスタイルで回復に努める
46 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2025/03/15(土) 22:37:35.10 ID:Wf9Yj2zhO
隠れ里で情報収集
47 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2025/03/15(土) 22:37:36.67 ID:mt8kvz2k0
反朝廷勢力に傀儡に仕立て上げられている偽姫巫女(?)について知ってる人がいないか調べる
48 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2025/03/15(土) 23:01:54.89 ID:uQlfAxuF0
―霊峰の隠れ里

 ホーホケキョ ポーポーポッポー

イリス「それにしても……んん〜! のどかで良いとこだね!」ググッ

妖精「空気も澄んでるし、自然の力も豊富に感じられる。妖精の私にとってかなり心地良い環境だから、オノゴロの妖怪っていうのはやっぱり精霊とか妖精に近い生き物なのかも」

イリス「隔絶した島国で独自に進化した種かあ。なんだか夢が広がるね……ん?」


 ギュオオオオンッ!!!!


妖精「あ、あれは……」

イリス「まさか……!!」


 シュタッ!!!!


血分身フラナ「久しぶりね。イリス、妖精」ファサッ

イリス「フラナ先生……の分身!!」

妖精「なんか言葉が流暢になってる!?」

血分身フラナ「良いモノをあげるわ」スッ

イリス「あ、でもこの会話が成立しそうでしない感じはやっぱり血分身の先生かも……」


↓1コンマ
01-50 いつものブラッドワイン
51-90 ↑+ビターチョコスムージー(油揚げフレーバー)
91-00 ↑+そしてこの血分身たる私よ
49 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2025/03/15(土) 23:03:11.31 ID:oMZRagyh0
50 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2025/03/15(土) 23:21:28.57 ID:uQlfAxuF0
 マジカルブラッドワイン「」ポン!

妖精「いつものやつだ」

イリス「ありがとうございます!」

血分身フラナ「それとパティから手紙を預かってるわ」スッ

イリス「え、パティさんから!?」

 パティの手紙『狐はチョコレートを食べると中毒症状を起こして死ぬ。オノゴロには危険な妖狐が数多く潜んでいるから、覚えておいて損はないわ。以上』ペラッ

イリス「ええ……」

妖精「狐ってチョコ食べると死ぬんだ……」

血分身フラナ「ところでフレメアを見なかったかしら」

イリス「オノゴロ諸島では見てないですね……」

血分身フラナ「わかったわ。頑張りなさい」タンッ

 ギュオオオオッ!!!

イリス「あ、ありがとうございましたー!!」

妖精「凄い速さで飛んでいった……。なんか血分身の性能が上がってきたね」

イリス「流石フラナ先生です!」

 ☆ブラッドワインを一本いただきました

 ☆狐がチョコに弱いという情報を得ました

 ◇
51 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2025/03/15(土) 23:22:20.75 ID:uQlfAxuF0
というわけで本日はここまでとなります。次回はクロシュの元気回復編、隠れ里で情報収集編となります

突然の襲撃やアウル氏の追撃を躱して霊峰の隠れ里に身を寄せたクロシュ一行。のどかで穏やかなこの地で、クロシュ勢力として決起を図るべく次の手を模索する。血分身のフラナ氏からまたブラッドワインを頂いたり、パティ魔術顧問から突然の狐毒殺知識を教わったり、ひとまず初日の成果は良い感じになりそうに思える。そして瓶の中でデロデロになっているクロシュは、元気を取り戻せるか。世界中のスライムたちは、黒いあかちゃんスライムを応援してくれるのか――

それでは本日もありがとうございました。次回もよろしくお願いいたします
52 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2025/03/16(日) 03:22:08.89 ID:yV8oTq6po
乙でした
フラナ先生の毒殺提案理にかなってるけど無慈悲でなんというかこう、手心というものは……
53 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2025/03/16(日) 11:22:33.85 ID:i/PONkGAO

パティ先生の図書館にはそれこそ禁書級の本とかたくさんありそう。
好奇心で読もうとした使い魔ちゃんとかも過去にいてお仕置きしてそう。
54 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2025/03/16(日) 12:27:12.62 ID:hUkylx4Y0

>>42でアウルがこの里出身じゃないと言っているけど猫の獣人みたいに狐の獣人もオノゴロ諸島に残っている者と別の国に行っている者がいるという事なのかな。
55 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2025/03/16(日) 12:32:09.50 ID:/KtlJDBcO
立て乙更新乙
ブラッドさんのクロシュ評が軟化してきててワロタ
イヌ科にチョコは禁忌っすね…
56 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2025/03/16(日) 14:34:08.37 ID:Jo3NV4yW0
単に忘れてるだけかそれとも何か意図があっての事なのかは分からないけど、ユーシリア帝国市民の紹介でフレンだけ抜けてるのちょっと可哀想
57 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2025/03/16(日) 14:34:08.31 ID:Jo3NV4yW0
単に忘れてるだけかそれとも何か意図があっての事なのかは分からないけど、ユーシリア帝国市民の紹介でフレンだけ抜けてるのちょっと可哀想
58 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2025/03/16(日) 14:36:08.49 ID:Jo3NV4yW0
すみません、何故か二重投稿になってしまいました
59 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2025/03/16(日) 20:32:48.86 ID:2l8oHCgp0
竜にとってアボカドが毒になるように、狐にとってはチョコレートが毒になるようです。もちろんイリスたちは問答無用で毒殺するような無慈悲な方々ではないので、今後の状況を注視していくのが良いと思われます

ユーシリア帝都大図書館には様々な本があり、一般の方には公開されていないスゴイ本やヤバイ本もあったりするかもしれません
使い魔にもいろいろいるようですが、迂闊な者は実際そういう本を勝手に読んだりして大変な目に遭ったりすることもあったかもしれません

猫又や妖狐はオノゴロの妖怪ですが、大陸にいる狐や猫の獣人と同一視されたりされなかったりすることがあります。彼らが同一の種族なのかは有識者の間でも意見が分かれていますが、見た感じはほとんど同じようです

ブラッド氏はクロシュさんのことをのろまなあかちゃんだと思っているようです。あかちゃん相手に目くじらを立てても仕方がないので、変なことをしても大目に見てくれるかもしれません

申し訳ありません、忘れていました。登場人物が増えるとこのようなミスも増えるので、やっぱり縮小した方が良かったかもしれません
60 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2025/03/16(日) 20:35:19.84 ID:2l8oHCgp0
―霊峰の隠れ里 貸家


クロシュ瓶「……」

クロシュ(……不死鳥になると……怪我とか、傷は治るけど……すごく、疲れちゃう……)

クロシュ(……もっと早く、回復できないかな……?)

クロシュ瓶「……」モニョモニョ


元気回復したい
↓1コンマ
01-60 レッサースライムたち『〜〜』モニョモニョ
61-90 白銀スライムちゃん『無理しないで』モニョモニョ
91-00 ブラッド『食い貯めとけ』モニョモニョ
61 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2025/03/16(日) 20:35:53.42 ID:JAvVCj7p0
62 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2025/03/16(日) 20:44:54.67 ID:2l8oHCgp0
―??

 遥か彼方の空に浮かぶ白い光「」ユラユラ

 地上に瞬く無数の光「」チカチカ


クロシュ『〜〜』モニョモニョ

レッサースライムたち『わ〜』モニョモニョ

レッサースライムたち『こんにちは〜』モニョモニョ

クロシュ『ん……こんにちは……』モニョモニョ

レッサースライムたち『くろいスライムだ〜』モニョモニョ

レッサースライムたち『ねえ、たべてもいい? たべてもいい?』モニョニョ?

クロシュ『ほえ……どうやって食べるの……?』モニョモニョ

レッサースライムたち『あえ? たべらんない?』モニョニョ?

レッサースライムたち『んわ〜ここどこ〜?』モニャニャ

レッサースライムたち『へんなとこ〜』モニョモニョ

クロシュ『んへへ……』モニョニョ

 ◇

―霊峰の隠れ里 貸家

クロシュ瓶「……♪」モニョモニョ


シズク『クロシュちゃん何してるの?』モニョッ

クロシュ瓶『わ、シズクちゃん……! えっと……遠くの、レッサースライムさんたちと……お話、した……!』モニョモニョ

シズク『んええ!? ど、どーやって!?』モニョニョ!?

クロシュ瓶『えっとね――』モニョモニョ

 ☆レッサースライムたちとお話して少し元気になりました
63 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2025/03/16(日) 21:09:18.06 ID:2l8oHCgp0
―霊峰の隠れ里 市

 ワイワイ キャッキャ

 茶屋の看板『美味しいお茶・お団子・お饅頭』

 食堂の看板『食材豊富』

粉焼き屋妖精「粉焼きだよ〜」

油揚げ屋妖狐「油揚げじゃぞ〜」

 ワイワイ キャッキャ


ミスティ「市は賑わってるわね」

ローガン「温泉街とはまた違った趣があるな」

エバンス「よし、そんじゃあ地道に情報収集でもするか」


↓1コンマ
01-60 今の姫巫女は狐っぽいらしい
61-90 離れ山には廃村があるらしい
91-00 里外れに傷だらけの女の子が倒れてるぞ!!
64 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2025/03/16(日) 21:10:52.89 ID:i/PONkGAO
65 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2025/03/16(日) 21:59:39.66 ID:2l8oHCgp0
粉焼き屋妖精「離れ山には村の跡があるんだよ!」

ミスティ「村の跡……?」

エバンス「廃村ってことか?」

粉焼き屋妖精「わかんない! 何年か前に探検した時に見つけただけだもん!」

ローガン「ふむ……飢饉か、災害か……?」

エバンス「少し気にならんでもないが、俺たちの事情とは関係なさそうか」

粉焼き屋妖精「そんなことより買ってってよ! 粉焼き!」

ミスティ「……粉焼きって、何?」

エバンス「……小麦粉の生地を球状にして焼いたもの……か?」

ローガン「トコナツ島で見たたこ焼きに似ているな」

粉焼き屋妖精「タコは入ってないよ! だから粉焼き!!」

エバンス「なるほどな。じゃあ情報提供のお礼に買ってくか」

粉焼き屋妖精「まいど〜! 熱いうちに食べてね〜」

 ☆廃村の情報を得ました

 ◆
66 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2025/03/16(日) 22:28:20.87 ID:2l8oHCgp0
―オノゴロ諸島トウゲン温泉 滞在8日目

◇クロシュ [あかちゃんスライム]
武:メイドブレード  盾:ラティアの大盾  飾:くすんだ耳飾り
武:竜珠の大杖    防:竜のエプロン   飾:不死鳥の羽根

◇妖精   [世話焼き妖精]
武:         盾:         飾:くすんだ耳飾り
武:         防:精霊のレオタード 飾:

◇イリス  [星の魔法使い]
武:蒼き星の杖    盾:         飾:くすんだ耳飾り
武:         防:魔術師のローブ  飾:

◇ミスティ [氷の魔法使い]
武:氷の短刀     盾:         飾:くすんだ耳飾り
武:         防:氷竜革のローブ  飾:

◇ローガン [鋼の戦士]
武:蜥蜴一文字    盾:灼鋼の盾     飾:くすんだ耳飾り
武:鋼の回転ノコギリ 防:オリハル鎖帷子  飾:

◇エバンス [地の傭兵]
武:古代の鉄槌    盾:         飾:くすんだ耳飾り
武:魔銀の刀     防:硬質革鎧     飾:

◯所持アイテム
[道具]        [装備品]       [大事なもの]
運命賽*6       蜘蛛絹の下着      魔族国永久旅券
会心賽*0       ザリガニのお守り    フメイの服の切れ端
反魂丹*2       大きな巻き貝      精霊の印
鉄鍋+携帯調理器具   闇の欠片        精霊樹の実のジャム
「星の魔力」上中    フリルワンピ水着    精霊樹の鉢植え+赤雷球
お宿の妖精の織物    魔法学園のスク水    フメイとアリシラの人形
魔導飯盒        ガラスのザリガニ    メルルの帽子
妨害魔力波発生装置   踊り子の双剣      溶岩石のアミュレット
属性大全        サボテンドラゴンの花  太陽のメダリオン
魔王図鑑        精霊のローブ      暗黒優待券
氷精の魔導書      精霊樹の杖[改]    冒険者証(ランク1)
ブラッドワイン*3               大魔女帝国渡航権
マッスルワイン*1               かたたたきけん
吸血鬼殺ワイン*1               大魔女帝国滞在許可証
魔術書「正負の属性」              風船印のパラシュート
吸血鬼の日焼け止め               ラティア勲章
日蝕の傘                    ユーシリア王家の紋章
大魔女サイン*1
古代のセラミック
ステライト鉱石
晴れ乞い傘

◯現在の目標
・フメイちゃんを探す
・世界樹の光を追う[3/5]

◯仲間の目標
・カリス・ノーランドを討つ(ミスティ)

◯経験値
・クロシュ 剣技[05/06] 魔法[05/06] 防御[04/06]
・イリス  杖術[02/04] 魔法[04/16]
・ミスティ 剣技[00/07] 魔法[05/16]
・ローガン 剣技[13/16] 魔法[04/08] 防御[02/08]
・エバンス 剣技[12/16] 魔法[02/08]
……………………………………………………………………………………
□オノゴロ諸島 霊峰の隠れ里
隠れ里:貸家、広場、市、茶屋、食堂、温泉、鍛冶屋、道場、神社、他
離れ山:未探索(廃村があるらしい?)
……………………………………………………………………………………
67 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2025/03/16(日) 22:29:24.81 ID:2l8oHCgp0
―霊峰の隠れ里 貸家

 粉焼き「」ポン
 朝ごはん「」ポン
スライムクロシュ「〜〜♪」モニョモニョ モグモグ

イリス「クロシュちゃんすっかり元気になったねえ」

シズク「よかったです!」

妖精「うんうん。それに――」


柱の陰に隠れているイヨ「……」ジッ


ミスティ「改めて見ると……公家のイヨって、こんなに小さい子だったのね……」

アキト「かような幼子を無惨に毒殺しようとするとは……毒狐アウル、許せぬ悪でござる」

イヨ「……! 私は18歳です……! 幼子でも小さい子でもありません!」ズイッ

ミスティ「えっ年上……!?」

アキト「なんと……拙者の一つ下だと……!?」

イヨ「……」プンスコ

妖精「まあ、とりあえず無事に目が覚めたようで良かったよ。それで今の状況なんだけど――」

イヨ「……わかっております。姫巫女がついに乱心……いえ、元からそのように企てていたのやもしれません。そして私の目論見も露見して……今はこうしてあなた方に命を救われ、匿われている……」

妖精「そういうこと。ついでに言えば私たちは、朝廷と反朝廷の両方に喧嘩を売る第三勢力を結成するつもりでいる。できればあなたにも協力して欲しいんだけど……」

イヨ「……朝廷と反朝廷が手を組んでしまった以上、もはや私はあなた方に縋る以外の術を持ちません。不肖の身ではありますが、どうかお役立てください」

 ☆クロシュ勢力にイヨが加入しました

オノゴロ諸島滞在8日目。ここは霊峰の隠れ里です
↓1〜3 自由安価 何をする?
68 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2025/03/16(日) 22:29:37.51 ID:JAvVCj7p0
派閥の仲間探し
69 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2025/03/16(日) 22:30:05.90 ID:M4tMgbFuO
アウルについて何か弱みになるような情報等がないかハーピィ記者に手紙で聞いてみたり、他の住人に聞き込み調査する
70 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2025/03/16(日) 22:30:34.81 ID:HJvVXrFW0
反朝廷勢力に傀儡に仕立て上げられている偽姫巫女(?)について会う方法や知ってる人がいないか調べる
71 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2025/03/16(日) 23:07:39.00 ID:2l8oHCgp0
―霊峰の隠れ里 貸家

妖精「ねえ、クロシュ勢力に加入してくれそうな人っていない?」

イヨ「……リュウトウ……前に私と共にあなた方を襲った剣士のことを覚えていますか?」

ローガン「おお、あの凄腕の剣士殿か! もちろん覚えている!」

イヨ「彼女なら……事情を話せば、朝廷を抜けてこちらに付いてくれると思います。ただ……彼女は今、恐らくトウゲン国政区の警備を任されているはずなので……接触すること自体が大きなリスクになってしまいます……」

エバンス「なるほど……難しいな」

イリス「北方開拓に派遣された人たちを呼び戻すことは?」

イヨ「……北方開拓団も、荒れ波によって身動きが取れないという連絡が先日入りました。援軍は期待できません」

ミスティ「むう……このオノゴロ本島でどうにか戦力を集めなければどうにもならないということね……」

エバンス「ひとまずこの辺りで味方になってくれそうな奴を探してみるか!」

 *

戦力探し結果
↓コンマ
01-60 サララ
61-70 メルル
71-80 デュア
81-90 リュアン+??
91-94 レイ
95-97 フメイ+アリシラ
98-00 セイン
72 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2025/03/16(日) 23:10:07.95 ID:XBaSTS23O
カモンフレンズ
73 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2025/03/16(日) 23:15:00.14 ID:yV8oTq6po
フメイちゃーん!
74 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2025/03/16(日) 23:53:23.25 ID:2l8oHCgp0
―だいぶ前
 海

 イカダ「」ザパァァァン!!!

フメイ「わあああああ!!!!」アタフタ

アリシラ「いやああああああ!!!!」アタフタ

 転覆するイカダ「」ベシャーンッ!!

フメイ「がぼっ、がぼぼっ!!」アップアップ

アリシラ「フメイちゃあん!!!」バシャバシャ

 ◆

―けっこう前
 謎の海域

 爆炎噴射イカダ「」ボシュウウウウッ!!!

アリシラ「すごい、すごいよフメイちゃん!! ジェットエンジンイカダだ!!!」

フメイ「波なんかに、絶対に負けない!!!」

幼い少女の影「」ヌッ

アリシラ「はえ……」コテッ

フメイ「わ、わ、わああああああ!!!!?!?!?」

 爆炎噴射イカダ「」ボシュウウウウッ!!!

 ◆

―少し前
 オノゴロ本島海岸

 ザァーン… ザザァーン…

カモメ「クゥー、クゥー」バサバサ

カニ「」チョキチョキ

 イカダの残骸「」ボロボロ


フメイ「う……こ、ここは……」

アリシラ「フメイちゃん!! 気が付いた!! 私たち、辿り着いたんだよ!!」

フメイ「え……!」

アリシラ「オノゴロ島に!!!」

 ◆

―今
 オノゴロ山中

フメイ「……ここ……どこ……?」ヨタヨタ

アリシラ「え、ええと……この辺りに、温泉街があるはずでぇ……」ヨタヨタ

フメイ「フメイ……疲れた……」ヨタヨタ

アリシラ「……あっ! 見て、家がある! 集落だ――」


クロシュ「?」ヒョコ


フメイ「えっ……クロシュ!?」

アリシラ「クロシュちゃん!?」

クロシュ「フメイちゃん……アリシラさん……!?」

 ◇
75 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2025/03/16(日) 23:54:19.22 ID:2l8oHCgp0
―霊峰の隠れ里 貸家

 囲炉裏「」パチパチ

フメイ「お、お邪魔します……」トコトコ

アリシラ「お邪魔しま〜す」ノシノシ


イリス「……!!? ふ、フメイちゃんに、アリシラさん!?」

ミスティ「えっ……!? い、一体どういうこと!?」

クロシュ「迷子……だった!」

 *

妖精「な、なるほど……イカダで海を……」

アリシラ「結果オーライ! こうしてクロシュちゃんにも会えたしね」

フメイ「……ん」

クロシュ「……♪」ニコニコ

アリシラ「そんで……話を聞く限りだと、ここの世界樹の光はけっこう困ったことになってるんだね?」

妖精「まあ、そうだけど……。あなたたちはどうするの? 正直私たちだけじゃ戦力不足だから、もし手伝ってくれるなら手伝って欲しいけど……」

アリシラ「私たちは――」チラッ



フメイ「……」ウツラウツラ

クロシュ「……フメイちゃん……疲れてる……」

フメイ「…んーん……。ちょっと……眠いだけ……」

クロシュ「……寝よ。あっち……お布団の、お部屋……」

フメイ「クロシュ……」

クロシュ「……昔みたいに……クロシュたんぽ、つかう……?」

フメイ「……うん………」

クロシュ「ん……!」

 おてて「」ギュッ

 ヨタヨタ… トコトコ… モニョモニョ…



アリシラ「……いいよ。手伝ってあげる。光は譲らないけど」

妖精「……ふふ。けっこう優しいとこあるんだ」

アリシラ「もうすぐ終わるんだもの。最期の思い出くらいはね」

妖精「……」

 ☆クロシュ勢力にフメイちゃんとアリシラさんが加入しました

 ◇
76 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2025/03/16(日) 23:55:20.28 ID:2l8oHCgp0
というわけで本日はここまでとなります。次回はアウル氏の弱点調査編、偽姫巫女について調べよう編です

隠れ里に到着し、レッサースライムたちとお話したり、離れ山の廃村の噂を聞いてみたり、イヨさんが目を覚ましてクロシュ勢力に加入したり、フメイちゃんとアリシラさんがクロシュ勢力に加入したりしました
長旅で疲れ切ったフメイちゃんは、クロシュたんぽを抱きしめて柔らかな眠りにつく。抱きしめられたクロシュも、久しぶりの温もりと懐かしさに包まれて意識を手放した。運命に翻弄されし無垢なる幼子たちに、しばしの安息を――

それでは本日もありがとうございました。次回は土日の予定ですが、土曜日がちょっと不明瞭なのでもしかしたら更新できないかもしれません。よろしくお願いいたします
77 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2025/03/17(月) 00:36:58.47 ID:PZji/qc4o
おつでしたー
オノゴロの近海はイカダで漕ぎ出したい衝動に駆らせるナニカがあるのか…w
勢力の戦力的には申し分ないフメイちゃん、クロシュたんぽでぬくぬくかわいい
78 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2025/03/17(月) 02:31:03.17 ID:VeNj4gw0o
おつ
リュウトウちゃん今の所良いとこなし
これから逆転できるか
79 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2025/03/17(月) 07:56:17.61 ID:qKCsVgq30
乙です
アリシラちゃんも昔はクロシュたんぽ使ってたのかな
80 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2025/03/20(木) 12:16:07.78 ID:FULdYdulO

サララちゃんもクロシュ勢力とガッツリ接触しちゃったし追っ手とかないといいけど
81 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2025/03/22(土) 18:04:36.66 ID:/b2lvrsv0
オノゴロへの近道は東ユーシリア港なのですが、現在東ユーシリア港ではオノゴロ行きの船は出ておらず、船の貸出なども行われていません。そのため、オノゴロに行くにはイカダを使うしかない――とイカダで海渡りを敢行する旅人が後を絶たないようです
フメイちゃんは実際とても強いので、クロシュ勢力としては大幅な戦力の拡大ができました。クロシュ氏も久しぶりにフメイちゃんに会えて嬉しそうです。フメイちゃんも久しぶりにクロシュたんぽでぬくぬくできて良かったと思います

リュウトウ氏は信念と命令の板挟みになっていてとてもつらい状況かもしれません。現朝廷で働くよりはクロシュ勢力に引き抜かれてしまった方が気持ち良く働けると思いますが、彼女はとても真面目なので簡単には引き抜かれてくれないかもしれません。しかし逆転の機会はきっとあるかと思います。自由行動などで上手く接触を図っていくのが良いでしょう

アリシラ氏はフメイちゃんのようにクロシュさんと一緒に旅をしたり、一緒のおうちに住んでいたりしたわけではないので、クロシュたんぽを使う機会は滅多になかったものかと思われます。でももしかしたら、お泊り会のようなことをした時にクロシュたんぽを使わせてもらうこともあったかもしれません(でもあまり独占しすぎるとフメイちゃんが拗ねるので注意が必要です)

サララ氏はクロシュ勢力に限りなく近い一般人なので、温泉街に居続けるよりは一緒に隠れ里へ避難した方が良いかもしれません。しかし実は彼女の家では優れた隠密の技が伝えられているため、もし命を狙われるような立場となっても意外としぶとく逃げ回れる可能性が高いです。心配しなくともきっと大丈夫でしょう
82 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2025/03/22(土) 18:05:09.70 ID:/b2lvrsv0
―霊峰の隠れ里 貸家の縁側


アリシラ「ふむふむ……つまりまずはその毒狐をどうにかする方法を考えないといけないわけだ」

妖精「この前は風でも打ち払えない毒霧を広範囲にばら撒いたんだ。対策してないとまともに戦うことすらできないと思う」

イリス「風で払えないってところが厄介だなあ……。妖精さんたちの耐毒結界を人間用に変換するのは難しいんだよね?」

妖精「まあうん……。どっかに人間魔法と妖精魔法の両方に精通してる奴でもいれば違ったかもしれないんだけど……」

イリス「人間魔法と妖精魔法の両方に精通してる人物……フラナ先生やパティさんも流石に妖精魔法は専門外だろうしなあ」

ミスティ「毒を出させる前に一気に倒してしまうのはどうかしら?」

エバンス「無茶言うなよ! 相手はあのシノホシの構成員だぞ!?」

ローガン「いや、しかし相手に何かをさせる隙を与えずに倒してしまうというのは悪くない発想だと思う。流石に正面突破でそうするのは難しいだろうから、何らかの搦手か罠が必要だろうが……」


↓1コンマ
01-50 廃村で見慣れない妖狐の目撃情報
51-90 ↑+チョコスムージーのお届けです!
91-00 ↑+人間用耐毒結界のお届けだよ〜
83 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2025/03/22(土) 18:24:03.96 ID:+VYuCF+Uo
はい
84 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2025/03/22(土) 20:05:22.71 ID:/b2lvrsv0
―霊峰の隠れ里 広場

 ワイワイ キャッキャ

仔猫又「すたれ村に変な狐がいたニャ!」

ミスティ「え、すたれ村?」

ハーピィ記者「この隠れ里の子供たちは、離れ山にある廃村のことをすたれ村と呼んでいるみたいですよ」

イリス「へぇ〜そうなんですね……えっ風雪新聞の記者さん!?」

ハーピィ記者「どもども! いつもお世話になっております!」

ミスティ「唐突に出てきたわね……まあいつものことか。あなた、その狐のこと詳しく教えてくれる?」

仔猫又「銀色の毛並みだったニャ! 初めて見たニャ! 綺麗だったニャ!」

イリス「銀色の綺麗な毛並み……。この辺にはそういう毛並みの狐はいないの?」

仔猫又「いないと思うニャ!」

ミスティ「そうなのね。ありがとう、教えてくれて」

仔猫又「言葉より現ナマが欲しいニャ!」

イリス「げ、現ナマ……」

ミスティ「……この冷凍イクラマスでどうかしら」スッ

 冷凍イクラマス「」ポン

仔猫又「ニャ……! 商談成立ニャ!!」パクッ シュタタタタッ
85 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2025/03/22(土) 20:07:50.10 ID:/b2lvrsv0

イリス「エバンスさんが獲ってくれたイクラマスが役に立ったね」

ミスティ「ええ。瞬間冷凍は普通の冷凍より旨味が損なわれないから、あの子の舌も満足させられるはずよ」

ハーピィ記者「すばらしい商談でした! ダークヒーローたちの新たな一面、記事にさせていただきますよ!」パチパチパチ

イリス「あ、はい……。ところでルフさん、銀色の狐について何かご存知ですか? 生息地とか」

ハーピィ記者「ええもちろん。銀狐はかつて、このオノゴロ諸島に生息していた生物種の一つです」

ミスティ「……かつて? 今は?」

ハーピィ記者「ここ十数年、生存個体は確認されていません」

イリス「え、ええっ……!」

ハーピィ記者「昔はこの里の近くや離れ山にもたくさんいたんですけどね。すたれ村というのも、かつては銀狐の妖狐たちがまとまって暮らす集落だったんですよ」

イリス「……どうしていなくなっちゃったんですか?」

ハーピィ記者「乱獲です」

イリス「そ、そんな……」

ハーピィ記者「銀狐の毛皮はさっきの仔猫ちゃんが言っていた通りとても美しく、主に人間たちにとってとても価値の高い物品でした。そんな銀狐が大量に暮らしている場所や村があれば……もうおわかりですね?」

ミスティ「……反吐が出るわ」

ハーピィ記者「そんなこんなでオノゴロ諸島の銀狐は絶滅……。あのすたれ村が焼き討ちされたのは大体20年くらい前だったでしょうか。仔猫ちゃんが銀狐を見たことがなかったというのも無理はありませんね」

イリス「……あれ? じゃああの子が見たっていう銀狐は……」

ハーピィ記者「さあ。生き残りか、もしくはシノホシのテロリストのどちらかでしょう」

ミスティ「……アウル・フォクシーも銀狐なの?」

ハーピィ記者「見た目は完全に銀狐の妖狐ですね。もちろんそのように化けているだけの可能性もありますけど」

イリス「……」

ハーピィ記者「おやや、だめですよ同情なんかしちゃ! アウル・フォクシーはオノゴロ諸島転覆を目論む危険なテロリストなのです! ダークヒーローなら涙を飲んで敵を討たなきゃ!」

ミスティ「同情するなと言いつつ涙を流すなとは言わないのね……」

ハーピィ記者「ダークヒーローイリスのことなら詳しいですからね、私。そしてそんなあなた方にプレゼントがあります!」スッ

 チョコスムージー「」ポン!

イリス「これは……スムージー?」

ハーピィ記者「はい、チョコレートスムージーです。対狐用毒物ですね。引きこもりの魔女に頼まれまして、危険な妖狐と戦う際はまずこれを飲ませると良いとのことです」

ミスティ「……ありがたいと言えばありがたいけれど……大喰らいの悪竜ならともかく、用心深いアウルにこれを飲ませる機会なんてあるかしら……」

ハーピィ記者「さあ……それはあなた方次第ですね。まああなた方の誰かやクロシュちゃんが飲んじゃっても良いと思いますよ。中身は本当に普通のチョコスムージーなので。フレーバーは油揚げですけど」

イリス「油揚げフレーバー……」

 ☆チョコスムージーを1つ手に入れました

 *
86 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2025/03/22(土) 20:09:24.99 ID:/b2lvrsv0
―霊峰の隠れ里 貸家の縁側

妖精「うーん……いっそ人間用の魔法についてちゃんと勉強してみるか……。いやでも今から勉強したら何年かかるか……」

アリシラ「大変だね〜」

妖精「あ、そういえばアリシラって吸収魔法が使えるんでしょ? ならアリシラが毒魔法を片っ端から吸収すれば良いんじゃない?」

アリシラ「え〜無理無理、毒魔法なんて吸収したら毒で死んじゃうよ〜」

妖精「炎魔法とかを吸収しても焼け死なないのに毒魔法を吸収したら毒で死ぬっていうのはおかしい」

 ヒュルルル――

風の精霊「お届け物だよ〜!!」ヒュルルッ

妖精「あ、風の精霊」

アリシラ「風の精霊さんだね」

風の精霊「ティセリアさんから!」スッ

 巻物「」ポン

妖精「ティセリアから? なんだろう」

風の精霊「それじゃあまたね〜」ヒュオオオッ


アリシラ「とりあえず中を見てみたら?」

妖精「うん」

 巻物「」バラッ

妖精「こ、これは――!!」

 巻物『妖精用中和結界を人間向けに転用する手順』
 巻物『毒を使う敵との戦いに備えてお役立てください。絶対無事に帰ってきてね。ティセリアより』

妖精「ティセリア……」ウルウル

アリシラ「ものすごく良いタイミング……」

 ☆妖精が人間用耐毒結界を習得しました。戦闘時、妖精が健在の場合に相手の毒を無効化します

 ◇
87 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2025/03/22(土) 20:33:23.49 ID:/b2lvrsv0
―霊峰の隠れ里 市

エバンス「そういえば反朝廷勢力は偽の姫巫女を擁立してるとかいう話を聞いたが、偽の姫巫女ってのはどんなやつなんだ?」

アキト「病や傷を治す不思議な力を持っている……と聞いた。拙者も本人や現場を直接見たことがあるわけではござらんゆえ、真偽はわからぬが……」

ローガン「病や傷を……? 治癒魔法とは異なるのか?」

アキト「治癒魔法であっても、即時に病や傷を治してしまえるわけではなかろう? しかしその姫巫女は、その場で直ちに治してしまうらしいのでござる」

エバンス「……てことは、不死鳥の炎みたいな超パワーの持ち主ってことか!?」

アキト「……どうであろうな。もし不死鳥の如き力を持っているのであらば、もっと有名であってもおかしくはない。拙者は、その治癒の力には何らかのカラクリがあるものと睨んでいる」

ローガン「でっち上げ、あるいは自作自演か」

アキト「もしくは……重い代償がある、など」

エバンス「実際に会えれば聞けるんだがな」

アキト「反朝廷勢力の重要人物でござる。簡単には会えなかろう……」

↓1コンマ
01-60 サララ「その子のこと、知ってるかもしれません」ヌッ
61-90 サララ「居場所もわかるかもしれません」
91-00 サララ「だ、誰か〜!!」
88 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2025/03/22(土) 20:35:39.00 ID:2eAGHDcDO
89 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2025/03/22(土) 20:41:07.57 ID:LLF8QBN30
今日はだいぶコンマが荒ぶっている
90 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2025/03/22(土) 21:18:24.00 ID:/b2lvrsv0
サララ「だ、誰か〜〜!!」バタバタ


エバンス「ん……? ありゃ、サララちゃんじゃないか!?」

ローガン「誰か背負っているが……」


サララ「助けてください!!! 大怪我してるんです!!!」

サララに背負われた傷だらけの女の子「」グッタリ

アキト「サララ、この子は……!?」

エバンス「怪我人だと!? 任せろ!!」バッ

ローガン「ここからならクロシュ勢力の貸家が最も近い! 治癒魔法の心得のあるイリスくんに診てもらおう!」

サララ「み、皆さんこちらにいらしたんですね……お願いします!!」

 ◇
91 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2025/03/22(土) 21:21:09.17 ID:/b2lvrsv0
―貸家

 ドタドタドタ

傷だらけの黒髪ロングの女の子「はあ、はあ、はあ……」グッタリ

シズク「え……と、トキワちゃん!? トキワちゃんですか!?」モニャニャ!?

サララ「シズクちゃん! うん……隠れ里に来る途中で、倒れてるのを見つけたの……!」

妖精「……!!? な、なにこの子……!? 死と病の気配が……」

アリシラ「うわ……命がかすれてる。生きてるのが不思議だよ、その女の子……」

ミスティ「どういうこと……?」

サララ「……この子、昔温泉街に住んでたんです。旅館とか道具屋のお手伝いをしながら暮らしてたんですけど、ある日急に行方不明になっちゃって……。怪我とか病気を肩代わりできる力を持ってたから……もしかしたら……」

アリシラ「へえ……怪我とか病気を吸い取るってこと……。命を吸い取る私とは真逆だね……」

サララ「……どうにか、なりませんか……!? このままじゃ、トキワちゃん……!!」

イリス「こ、こんなにも傷だらけじゃ……私の治癒魔法でも……。しかも病気の治し方なんて……」


分体スライムクロシュ「!」モニョッ


シズク「クロシュちゃん……!? あれ、フメイちゃんと一緒に寝てたんじゃ……」

 モニョモニョ…ポン!

分体クロシュ「わたし……分体」
 不死鳥の羽根「」キラキラ…

 モニョモニョ…ポン!!

分体不死鳥クロシュ「コッコッコッ……」トコトコ


妖精「えっ……!? 分体なのに……不死鳥の羽根と同化した!?」


分体不死鳥クロシュ「コッコッコッコ……」バサッ
 明るい炎「」メラメラ…

炎に包まれる傷だらけのトキワ「ん……ぁ……」メラメラ…


シズク「んわあああ!!? クロシュちゃん何してるのお!!?!?」モニャニャニャ!!?

イリス「ま、待ってシズクちゃん! クロシュちゃんの炎は――」


炎に傷を癒やされていくトキワ「ぁ……」メラメラ…


アリシラ「……命が………満ちていく…………」


完治したトキワ「すう……すう……」zzz

サララ「トキワちゃん……!!」

シズク「クロシュちゃん、すごい……! すごい、すごい……!!」ピョンピョン

 デロデロ…

分体スライムクロシュ「」デロロ…

妖精「ああっ! はい、瓶! これに入って休んで!」スッ

 空き瓶「」ポン

 デロデロ

分体クロシュ瓶「」ポン


 ☆00クリティカルにより分体のクロシュも同化が使えるようになりました

 ☆謎の少女トキワを保護しました

 ◆
92 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2025/03/22(土) 21:46:39.29 ID:/b2lvrsv0
……………………………………………………………………………………
―オノゴロ諸島トウゲン温泉 滞在9日目

◇クロシュ [あかちゃんスライム]
武:メイドブレード  盾:ラティアの大盾  飾:くすんだ耳飾り
武:竜珠の大杖    防:竜のエプロン   飾:不死鳥の羽根

◇妖精   [世話焼き妖精]
武:         盾:         飾:くすんだ耳飾り
武:         防:精霊のレオタード 飾:

◇イリス  [星の魔法使い]
武:蒼き星の杖    盾:         飾:くすんだ耳飾り
武:         防:魔術師のローブ  飾:

◇ミスティ [氷の魔法使い]
武:氷の短刀     盾:         飾:くすんだ耳飾り
武:         防:氷竜革のローブ  飾:

◇ローガン [鋼の戦士]
武:蜥蜴一文字    盾:灼鋼の盾     飾:くすんだ耳飾り
武:鋼の回転ノコギリ 防:オリハル鎖帷子  飾:

◇エバンス [地の傭兵]
武:古代の鉄槌    盾:         飾:くすんだ耳飾り
武:魔銀の刀     防:硬質革鎧     飾:

◯所持アイテム
[道具]        [装備品]       [大事なもの]
運命賽*6       蜘蛛絹の下着      魔族国永久旅券
会心賽*0       ザリガニのお守り    フメイの服の切れ端
反魂丹*2       大きな巻き貝      精霊の印
鉄鍋+携帯調理器具   闇の欠片        精霊樹の実のジャム
「星の魔力」上中    フリルワンピ水着    精霊樹の鉢植え+赤雷球
お宿の妖精の織物    魔法学園のスク水    フメイとアリシラの人形
魔導飯盒        ガラスのザリガニ    メルルの帽子
妨害魔力波発生装置   踊り子の双剣      溶岩石のアミュレット
属性大全        サボテンドラゴンの花  太陽のメダリオン
魔王図鑑        精霊のローブ      暗黒優待券
氷精の魔導書      精霊樹の杖[改]    冒険者証(ランク1)
ブラッドワイン*3               大魔女帝国渡航権
マッスルワイン*1               かたたたきけん
吸血鬼殺ワイン*1               大魔女帝国滞在許可証
魔術書「正負の属性」              風船印のパラシュート
吸血鬼の日焼け止め               ラティア勲章
日蝕の傘                    ユーシリア王家の紋章
大魔女サイン*1
古代のセラミック
ステライト鉱石
晴れ乞い傘

◯現在の目標
・フメイちゃんを探す
・世界樹の光を追う[3/5]

◯仲間の目標
・カリス・ノーランドを討つ(ミスティ)

◯経験値
・クロシュ 剣技[05/06] 魔法[05/06] 防御[04/06]
・イリス  杖術[02/04] 魔法[04/16]
・ミスティ 剣技[00/07] 魔法[05/16]
・ローガン 剣技[13/16] 魔法[04/08] 防御[02/08]
・エバンス 剣技[12/16] 魔法[02/08]
……………………………………………………………………………………
□オノゴロ諸島 霊峰の隠れ里
隠れ里:貸家、広場、市、茶屋、食堂、温泉、鍛冶屋、道場、神社、他
離れ山:未探索(廃村があるらしい?)
……………………………………………………………………………………
93 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2025/03/22(土) 21:50:01.54 ID:/b2lvrsv0
―朝
 貸家 寝室

 チュンチュン

スライムクロシュ「……」デロデロ

フメイ「……? なんで疲れてるの……?」

スライムクロシュ「〜〜」モニョモニョ

フメイ「えっ寝てる間に分体で不死鳥の力を使って、その分体を自分に戻したから反動で疲れた……!?」

スライムクロシュ「〜〜」モニョニョ…

フメイ「む〜……フメイと一緒に寝てる時に、分体を出して他のことしてたなんて……」ジト

スライムクロシュ「〜〜っ」モニャニャ

フメイ「……まあ、いいよ。クロシュがそうしたいって思ったことなら……」

スライムクロシュ「〜〜」モニョモニョ

フメイ「睡眠は足りてるだろうから、いっぱいごはん食べよ」

スライムクロシュ「〜〜♪」モニョニョ

 ◇

―朝
 貸家 居間

 囲炉裏「」パチパチ

アキト「……それは真か?」

トキワ「は、はい……。私……反朝廷勢力の人たちに捕まって……姫巫女の役を、させられてて……」

アキト「場所や人数などは――」

 扇子「」ビシッ!

ユキ母「はいそこまで。トキワちゃんは病み上がりなのですから、朝早くから質問攻めにしないの」

アキト「む……すまぬ。拙者としたことが気を逸らせてしまった」

ユキ母「ふふ、すぐに謝れて偉いわ」

アキト「そんなことで褒められたくないでござる……」

 襖「」スッ

シズク「トキワちゃん……」モニョニョ

サララ「もう大丈夫なんですか……?」

ユキ母「ええ、しばらくは要観察だけどもう命に別状はないわ」

シズク「わあ……!」モニョニョ!

サララ「良かった……!」

トキワ「シズクちゃん……サララちゃん……!」



アキト「ふう……幼子を相手に血相を変えてしまうなど、不甲斐なし……。まだまだ修行が足りぬな……」

エバンス「はは、もう焦ることもないだろ。重要人物がこっちに付いてくれて、しかも悪意がないこともわかったんだ」

ローガン「うむ。クロシュ勢力としてこれほど喜ばしいこともないのではないか」

アリシラ「ええ〜私たちの加入より喜ばしいの〜?」

ローガン「い、いやそういうことを言ったわけでは……」

イリス「……昨日はすごかったですね。フメイちゃんたちが加入してくれて、毒狐対策が完璧になって、トキワちゃんを助けることができた……」

ミスティ「奇跡みたいな一日もあるものね……」


オノゴロ諸島滞在9日目。ここは霊峰の隠れ里です
↓1〜3 自由安価 何をする?
94 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2025/03/22(土) 21:50:23.93 ID:gbyxATpDo
すたれ村に潜伏し、アウルが来ようものなら全員で囲んで叩く
95 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2025/03/22(土) 21:50:24.39 ID:0aQKh4R50
サララにスーパー迷彩アイテムをつくってもらう
96 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2025/03/22(土) 21:50:44.97 ID:LLF8QBN30
トキワのお見舞い
差し入れとして何か料理を作って持っていく
97 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2025/03/22(土) 21:50:53.67 ID:VzmXB/fNO
イリス、ミスティ ハーピィ記者に教えてもらった銀狐についてクロシュ達や他のメンバーにも伝える
98 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2025/03/22(土) 22:12:58.34 ID:/b2lvrsv0
―貸家 台所

 かまど「」パチパチ

イリス「というわけで、トキワちゃんにお見舞い料理を作ってあげよう!!」

クロシュ「わ〜」パチパチ
シズク「わ〜!」ピョンピョン
サララ「わ、わ〜…!」パチパチ
フメイ「わ〜……」パチパチ

エバンス「料理はいつも通り俺とイリスちゃんが主導でやるが、子供たちも手伝えたら手伝ってくれよな!」

シズク「はいっ! お水のことならお任せくださいっ!」

サララ「わ、私も簡単なお料理なら……!」

フメイ「……丸焼きなら」

クロシュ「わたし……味見、できる……!!」

妖精「こら、クロシュが味見したら全部なくなっちゃうでしょ」ペシッ


↓1〜2 追加の食材を1〜2つ選択
肉類:トリ肉、ケモノ肉
魚介:サワガニ、ザリガニ、タニシ、イセエビ、イクラマス、マグロ
野菜:野草、ドラ大根、ゴボウの根っこ、フキノトウ、タケノコ
穀物:お米、ウドン麦、ソバ麦、ヤマイモ、オオキイ豆
果実:どんぐり、リンゴ、ミカン、ナシ、ブドウ、カキ、クリ
卵乳:トリの卵、ミルク、チーズ、バター
特殊:スライムゼラチン、ブラッドワイン、精霊樹のジャム、お宿の焼き菓子、上白糖、香辛料
99 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2025/03/22(土) 22:14:45.48 ID:2eAGHDcDO
ブラッドワイン、タケノコ
100 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2025/03/22(土) 22:20:56.33 ID:eIN2YibRo
マグロとお米
101 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2025/03/22(土) 22:56:51.59 ID:/b2lvrsv0
 マグロとタケノコのワイン照り焼き丼「」ポン!

イリス「ブラッドワインを使った和洋折衷料理を目指しました!」

エバンス「まあ洋要素はワインだけなんだが」

ローガン「おお……マグロにこのような調理方法があるとは……!!」

ミスティ「マグロってスシとかサシミ専用の魚だと思ってたわ……」

イヨ「それはいくらなんでも偏見すぎます、ミスティさん……。まあ私も、テリヤキというものを食すのは初めてなのですが」

ユキ母「イヨちゃんテリヤキ初めてなの? ふふ、庶民の味は美味しいわよ〜」


トキワ「わわ……! こ、これ……私のお見舞いに……?」

シズク「はいっ! トキワちゃん、食べられそうですか?」モニョニョ

トキワ「え、えと……でも、本当に良いのでしょうか……? 私なんかが……こんなに豪華なお料理を……」

サララ「いいんだよ! 今まで大変だった分、食べて取り戻さなきゃ!」

クロシュ「うん!」

トキワ「み、みなさん……ありがとう、ございます……!」ジワワ

 *

スライムクロシュ「〜〜♪」モニョモニョ モグモグ

イヨ「……!! お……おいしい……!!」モグモグ

ローガン「うむ……マグロの力強さを一身に受け止めるかの如き料理だ! しかも白米とタケノコが大きな相乗効果を生み出している!」モグモグ

ミスティ「タケノコ……タケノコと言うのね、これ……。美味しいわ……」モグモグ

ユキ母「この隠れ里ではタケノコがよく採れるのよ。竹林の拡大には少々手を焼いているのだけどね」

アリシラ「お米も美味しいですね、これ」モグモグ

エバンス「オノゴロの米は世界内でもかなり人気がある食材なんだ。農業国のウルティ米も、オノゴロの米を元にして品種改良したものなんだぜ」

妖精「へえ〜。私、こっちの米の方が好きかも」モグモグ


トキワ「……」モグモグ ポロポロ

シズク「わ、わわ……!?」モニャニャ オロオロ

サララ「トキワちゃん……!?」

エバンス「……舌に合わなかったか……?」

トキワ「ち、違うんです。美味しくて……ほんとに、美味しくて……」ポロポロ

スライムクロシュ「〜〜」モニョモニョ

フメイ「うん……。おいしい……」モグモグ

イリス「ふふ……おかわりもあるから、いっぱい食べてね」

トキワ「はいっ……」

 ☆美味しい料理を食べて元気になりました
  明日の終わりまで、戦闘時コンマに+20が加算されます

 ◇
102 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2025/03/22(土) 23:11:34.41 ID:/b2lvrsv0
というわけで本日はここまでとなります。次回はサララちゃんに道具作成依頼編、すたれ村を探してあわよくばアウルくんを囲んで叩こう編となります

銀狐にまつわる悲しみの物語……。果たしてアウル・フォクシーは、滅びた銀狐の生き残りなのか。もしそうだとして、人類に対する彼の復讐は正当と言えるのか。故郷を失った狐と相対す時、故郷を失ったあかちゃんスライムは、何を思う――何を祈る――

チョコスムージーを手に入れたり、銀狐の悲劇の歴史を聞いてしまったり、妖精が毒対策結界を習得したり、偽姫巫女のトキワちゃんを救助したり、クロシュ氏の分体が同化を使えるようになったり、美味しいテリヤキドンを食べたりしました

それでは本日もありがとうございました。次回もよろしくお願いいたします
103 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2025/03/23(日) 00:26:26.28 ID:Q/Ul1aLso
おつ
今日はえらくコンマが強かったな…
隠れ里は平穏だけど町の方はどうなってるのか気になる
104 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2025/03/23(日) 01:23:25.62 ID:Oypo+uiJo
おつでした
シノホシメンバーは全員クロシュと腹割って対話して欲しさ出てきた…あわよくば敵対回避してえ
105 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2025/03/23(日) 03:18:44.44 ID:773FGedyo

ローガンはいつも食レポに力が入ってる印象あるけどけっこうグルメなのかな
106 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2025/03/23(日) 12:38:45.75 ID:g/4sSmKDO

味見に自信クロシュちゃんかわよい
分体も同化できるならいろいろできること増えそう
107 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2025/03/23(日) 14:22:32.13 ID:/uh7Byto0

>>97を書いた者ですけど書いた後、ふと思ったのだけどハーピィ記者が言っていた銀狐の件はあとでクロシュ達にもすで聞いていたりしているのかな。
108 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2025/03/23(日) 18:04:24.81 ID:OA68lb0X0
今回はコンマがとても高かったようです。そういう日もあるのかもしれません
隠れ里は平穏そのものですが、温泉街の方が今どうなっているのかはわかりません。一度見に行ってみても良いかもしれません

シノホシの方々は、お話できそうな人もいればできなさそうな人もいるようです。今後の行動次第では、もしかしたら戦わずに済む運命もあるかもしれません。クロシュ氏が良い運命を歩むことができれば良いと思います

ローガン氏は食べるものについて詳しくレポーティングする癖があったりなかったりするのかもしれません。なお彼自身は食に特別なこだわりがあるわけではないそうなので、焼きムカデのような豪華ではない料理もちゃんと食べてくれます

クロシュ氏は食べることが大好きなので、イリス氏やエバンス氏が料理をしている最中に味見できないかと後ろでコソコソしていることがあるようです。なおクロシュ氏はなんでも美味しく食べてしまうため、味見役としてはちょっと不適格だったりします

パーティメンバーの誰かが聞いた話や情報は、特別な事情などがない限りパーティ内で自動的に共有されるようです。今回のことで言えば、ハーピィ記者から聞いた銀狐のお話も既に共有されたものと見て問題ないでしょう
109 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2025/03/23(日) 18:06:09.38 ID:OA68lb0X0
―貸家

イヨ「……」ウロウロ

イリス「どうしたの? イヨちゃん」

イヨ「あ、イリスさん。その……隠密行動を取る為の方法を考えていたのですが、良い案が浮かばないのです」

ミスティ「隠密行動……。クロシュ、いる?」


スライムクロシュ「!」モニョッ

サララ「クロシュちゃんに何か用ですか?」

ミスティ「ああ、いえ。隠密行動なら、クロシュの得意分野かもと思って」

イリス「なるほどね。クロシュちゃん、光学迷彩と魔力迷彩を使ってみて!」

スライムクロシュ「〜」モニョ

 モニョモニョ…スゥー…

透明スライムクロシュ「」モニョニョ

イヨ「わ……!? 視覚だけでなく、魔力探知にも引っかからない……!?」

サララ「!? クロシュちゃん、その技どこで……!?」

イリス「光魔法の光学迷彩と、とある旅人の技を真似してみた……てところかな?」

サララ「とある旅人……」

ミスティ「マントにもなれるわよね」

透明スライムクロシュ「〜〜」モニョモニョ

透明マントクロシュ「」ポン! バサッ


透明イヨ「わっ!? こ、これは一体なんですか……!?」

透明イリス「クロシュちゃんは透明化するマントにもなれるんです!」

透明ミスティ「隠密行動なら、クロシュの分体をお供に連れて行くというのも良いんじゃないかしら」

透明イヨ「なるほど……。でもクロシュさんの負担にならないでしょうか」

透明マントクロシュ「……分体、作ると……ちょっと疲れる、かも……。でも……たぶんだいじょうぶ!」

透明イヨ「しかしクロシュさん自身にも危険が及ぶかもしれませんし……」

透明サララ「……そうだ! それなら私がお作りします!」

透明ミスティ「えっサララが?」

透明サララ「ものづくりは得意なんです! それにその……隠密の技術にもちょっと心得があるので!」

透明イリス「そうなんだ! それじゃあお願いしてみようよ、イヨちゃん!」

透明イヨ「は、はい。では無理のない範囲で」

透明サララ「はい! クロシュちゃん、少し調べさせてもらっても良いかな?」

透明マントクロシュ「〜〜」モニョモニョ


↓1コンマ
01-60 光学迷彩マント改
61-90 ↑+無音機能追加
91-00 ↑+認識阻害機能追加
110 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2025/03/23(日) 18:14:44.69 ID:Usy7xpCo0
111 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2025/03/23(日) 19:08:35.30 ID:OA68lb0X0
サララ「できました!」

 光学迷彩マント改「」ポン!

クロシュ「わあ!」

サララ「クロシュちゃんが化けてた光学魔力迷彩マントを模倣して、さらにうちの秘伝の無音技術を追加しました!」

イヨ「ということは……目に見えず、耳にも聞こえず、魔力探知にも引っかからないということ?」

サララ「はい! どうぞ!」

 光学迷彩マント改「」ポン

イヨ「ありがとう……! これでリュウトウに接触できれば――」

イリス「ちょ、ちょっと待ってイヨちゃん! 一人で温泉街に向かう気……!?」

イヨ「はい。このマントがあれば隠密行動できるんですよね?」

サララ「そ、それはそうですけど……絶対に見つからない保証はできません!」

イヨ「……すみません。焦っているようです」

ミスティ「リュウトウ……確か友達なのよね」

イヨ「はい。ただ、歳は少し離れているのでどちらかと言うと妹のような存在なのです。この時勢に中将という重責を担わされ、きっと今もまだ一人ぼっちで踏ん張っているはず……。早く解放してあげないと……」

イリス「それなら、私たちみんなで助けに行けば……!」

イヨ「……しかし彼女は姫巫女にとても大きな忠誠心を持っているのです。下手に大人数で行けば警戒されて、対話の機会も得られず戦いになってしまうかもしれません」

ミスティ「……なるほど。だから一人で隠密行動を取ろうとしたのね……」

イヨ「ごめんなさい……。もう少しやり方を考えてみます。リュウトウは今の姫巫女のお気に入りでもあるみたいなので、きっと毒狐でも迂闊に手出しすることはできないはずです」

クロシュ「……でも……この前、蹴っ飛ばしてた……」

イヨ「……やっぱり、危ないかもしれません」


サララ「う〜……なんだかもどかしいです。こうなったら人数分作って――あっ材料がもうない……!」

イヨ「すみません、私の我儘で貴重な材料を……」

サララ「い、いいんです! 私も……昔リュウトウさんに助けてもらったこと、あります。一つ目だからっていじめられてた時に、リュウトウさんが割って入ってドカドカッていじめっ子たちを追い払ってくれたことがありました」

イヨ「えっ、そんなことが……!」

サララ「なので、リュウトウさんを助ける為に是非お役立てください。お願いします……!」

 ☆サララが光学迷彩マント改を作りました

 ☆クロシュの隠密レベルが上がりました

 ◆
112 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2025/03/23(日) 19:47:13.74 ID:OA68lb0X0
―離れ山

 ホーホケキョ ポッポホーホー

  ザッザッ トコトコ

ローガン「銀狐の暮らしていたすたれ村、か……」

イリス「はい……。後でユキちゃんのお母さんにも聞いてみましたけど、事実みたいです」

エバンス「……じゃああいつは、家族と故郷と……同族を滅ぼされた復讐に、シノホシでテロをやってるってことなのか」

フメイ「……」

クロシュ「……」

妖精「まだアウルが銀狐と決まったわけじゃないし、銀狐だったとしてもすたれ村の出身かどうかまではわかんないよ。いや……すたれ村の出身じゃなかったとしても、どちらにしろ同族を滅ぼされたんなら復讐の理由としては十分すぎるけど……」

ミスティ「……それなら銀狐の乱獲に関わった者だけを狙えば良い。オノゴロ全てを滅ぼすのはお門違いよ」

アリシラ「それはどうかな? もし当時の姫巫女や朝廷が密猟の取り締まりに力を入れていれば、銀狐は滅びなかったかもしれないよ? オノゴロ全体が銀狐の乱獲を黙認していた……とも言えるんじゃない?」

エバンス「そりゃまた露悪的な解釈……と言いたいところが、銀狐たちからすりゃそうとしか言えないかもな……」

イリス「……アウルさんがもし復讐の為に動いているのだとしても……それで罪のない大勢の人たちまで巻き込むつもりなら、止めなければなりません」

エバンス「ああ。復讐を否定する気はないが、それで大勢を巻き込むつもりだってんなら話は別だ。こっちだって生きてんだ、全力で抵抗させてもらうさ」

アリシラ「結局はそういう面白くもない生存競争の話になっちゃうわけだね〜。フメイちゃんはどう思う?」

フメイ「………知らない。狐の気持ちなんて……」

アリシラ「わわあ、冷たい……。でも私そんなクールなフメイちゃんが好き!」

フメイ「うるさい……」

アリシラ「フラレちゃった。じゃあクロシュちゃんはどう思う?」

クロシュ「……」


↓1〜 先取3票
1.わかんない
2.かわいそう
0.自由安価(票数は内容ごと)
113 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2025/03/23(日) 19:48:26.76 ID:TUsQM1Ga0
114 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2025/03/23(日) 19:49:44.31 ID:Oypo+uiJo
1
115 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2025/03/23(日) 20:15:03.36 ID:xZWf2IadO
2
116 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2025/03/23(日) 20:16:54.75 ID:mQea7mETo
2
117 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2025/03/23(日) 20:21:09.67 ID:akwN0f6A0
2
118 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2025/03/23(日) 21:14:32.86 ID:OA68lb0X0
クロシュ「……狐さん……かわいそう……」

フメイ「クロシュ……」

アリシラ「だよね〜。人間なんかに殺されて、毛皮にされて……。これがかわいそうでなかったら何なのってくらいかわいそう!」

クロシュ「……うん………」

イリス「あ、あ〜……確かにかわいそうなんだけど……もしアウルさんに出くわした時には、本人にはかわいそうって言わない方が良いかも……」

クロシュ「そうなの……?」

ローガン「うむ……。かわいそうという言葉は、時として相手を傷付ける場合がある……。アウルくんがもしその言葉で傷付く性格の者だった場合、余計な怒りを買うことになりかねん」

アリシラ「私、それってちょっとよくわかんないんだよね。かわいそうならかわいそうで良くないかな? 私は村を滅ぼされたけど、そのことでかわいそうって言われても何とも思わないよ。実際かわいそうだもん、私」

ミスティ「うーん……私は自分をかわいそうだとはあまり思わないけれど、私も言われても気にならないわ。気にならない……というより、どうでも良いという方が正しいかも」

イリス「そ、そうなんだ……」

エバンス「……旦那は、ムカつくか?」

ローガン「……私か? うむ、そうだな……状況や相手によるかもしれん。もしクロシュくんや君たちに私の境遇についてかわいそうと言われれば、本心から同情してくれているのだとわかる。だが例えば悪竜などがそのような発言をすれば、それは明確な悪意と蔑みの意図で発せられたものと感じられて憤りを覚えるだろう」

ミスティ「あ、確かに……。もしカリス・ノーランドにそういう風に煽られたら腸が煮えくり返りそう……」

妖精「……つまり、親しくない間柄では迂闊に使わない方が良いということだね。わかった? クロシュ」

クロシュ「ん……!」


エバンス「……いや、でも待てよ。一応アウルとは敵対関係にあるわけだから、挑発として使うのはアリじゃないか?」

イリス「え、ええ……」

ローガン「うむ……怒りを誘うことができれば、戦いを有利に進めることもできるかもしれん。あまり気分の良い手ではないがな」

アリシラ「だってさフメイちゃん! 狐さんと戦うことになったら使ってみよう!」

フメイ「アリシラがそうしたいだけでしょ……」

 ◆
119 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2025/03/23(日) 21:15:11.57 ID:OA68lb0X0
―すたれ村

 ヒュオオオオオ…

 揺れる雑草「」
 草木に覆われた家屋「」
 荒れた畑「」
 枯れた井戸「」


イリス「ここがすたれ村……」

ミスティ「自然に呑まれているわね……」

エバンス「銀狐は……まあ、いるわけないか」

妖精「とりあえずいろいろ見て回ってみよう。もしかしたら銀狐の手がかりがあるかも」

ローガン「アウル・フォクシーに関係するものが見つかれば役に立つかもしれんな」

クロシュ「ん……」



アリシラ「……」

フメイ「……フメイたちの、集落も……いつか……こんな風に、なるのかな……」

アリシラ「そうだね。誰も住まなくなれば、その土地は自然に還る。別に……悪いことではないよ」

フメイ「………でも……フメイたちの……みんなの、家も……」

アリシラ「……」

フメイ「……ごめん。今更……フメイに、こんなこと言う資格……なかった」

アリシラ「フメイちゃん」

フメイ「……行こ」


↓1コンマ
01-05 銀狐の仔狐だ!
06-50 野良狐だ!
51-80 野良九尾だ!
81-95 アウルを一方的に発見
96-00 ??
120 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2025/03/23(日) 21:17:51.26 ID:1BQ8VwulO
??こい
121 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2025/03/23(日) 21:33:30.97 ID:OA68lb0X0

クロシュ「……」トコトコ

 ガサッ
野良狐「」ヒョコッ

クロシュ「!」
野良狐「!」

野良狐「っっっ」トタタタッ

 ガサガサッ…

クロシュ「……」

 *

妖精「え、野良の狐がいた?」

クロシュ「うん……」

エバンス「そうだったのか。もしかして銀色だったりは――」

クロシュ「……すぐ逃げちゃって……よく見えなかった……」

ローガン「ふむ……まあ、恐らく普通の狐だろう。野狐であればこの山にも多数暮らしているそうだ」

イリス「普通の狐はまだまだ暮らしてるんですねえ」

ミスティ「狐……見てみたかったわ……」


フメイ「……つかれた」

アリシラ「そろそろ帰ろうよ〜。私もフメイちゃんも疲れちゃいました〜」

妖精「とりあえず今日のところはこれくらいで帰ろうか」

 ◇
122 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2025/03/23(日) 21:34:40.29 ID:OA68lb0X0
―離れ山

野良狐「っっっ!」トタタタッ

 ガササッ

アウル「っと、どうしたんだい? そんな血相を変えて――えっ!? 村に人間が……!!?」

野良狐「〜〜!!」

アウル「……クソ……ゴミクズどもが……!!」シュバッ!!

 *

―すたれ村

アウル「」シュタッ

 揺れる雑草「」
 草木に覆われた家屋「」
 荒れた畑「」
 枯れた井戸「」


アウル「……」


アウル「人間たちの匂いが微かに残ってる……クソっ、何のつもりでまたここに来た……? まさか――」

野良狐「コーン…」ガクブル

アウル「……やっぱり、この島の奴らは一人残らず殲滅しないといけないみたいだね。そうでなきゃ……オレたちは、永遠に安らげない」グッ

 ◆
123 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2025/03/23(日) 21:48:48.02 ID:OA68lb0X0
―オノゴロ諸島 霊峰の隠れ里 滞在10日目

◇クロシュ [あかちゃんスライム]
武:メイドブレード  盾:ラティアの大盾  飾:くすんだ耳飾り
武:竜珠の大杖    防:竜のエプロン   飾:不死鳥の羽根

◇妖精   [世話焼き妖精]
武:         盾:         飾:くすんだ耳飾り
武:         防:精霊のレオタード 飾:

◇イリス  [星の魔法使い]
武:蒼き星の杖    盾:         飾:くすんだ耳飾り
武:         防:魔術師のローブ  飾:

◇ミスティ [氷の魔法使い]
武:氷の短刀     盾:         飾:くすんだ耳飾り
武:         防:氷竜革のローブ  飾:

◇ローガン [鋼の戦士]
武:蜥蜴一文字    盾:灼鋼の盾     飾:くすんだ耳飾り
武:鋼の回転ノコギリ 防:オリハル鎖帷子  飾:

◇エバンス [地の傭兵]
武:古代の鉄槌    盾:         飾:くすんだ耳飾り
武:魔銀の刀     防:硬質革鎧     飾:

◯所持アイテム
[道具]        [装備品]       [大事なもの]
運命賽*6       蜘蛛絹の下着      魔族国永久旅券
会心賽*0       ザリガニのお守り    フメイの服の切れ端
反魂丹*2       大きな巻き貝      精霊の印
鉄鍋+携帯調理器具   闇の欠片        精霊樹の実のジャム
「星の魔力」上中    フリルワンピ水着    精霊樹の鉢植え+赤雷球
お宿の妖精の織物    魔法学園のスク水    フメイとアリシラの人形
魔導飯盒        ガラスのザリガニ    メルルの帽子
妨害魔力波発生装置   踊り子の双剣      溶岩石のアミュレット
属性大全        サボテンドラゴンの花  太陽のメダリオン
魔王図鑑        精霊のローブ      暗黒優待券
氷精の魔導書      精霊樹の杖[改]    冒険者証(ランク1)
ブラッドワイン*3               大魔女帝国渡航権
マッスルワイン*1               かたたたきけん
吸血鬼殺ワイン*1               大魔女帝国滞在許可証
魔術書「正負の属性」              風船印のパラシュート
吸血鬼の日焼け止め               ラティア勲章
日蝕の傘                    ユーシリア王家の紋章
大魔女サイン*1
古代のセラミック
ステライト鉱石
晴れ乞い傘
チョコスムージー

◯現在の目標
・フメイちゃんを探す
・世界樹の光を追う[3/5]

◯仲間の目標
・カリス・ノーランドを討つ(ミスティ)

◯経験値
・クロシュ 剣技[05/06] 魔法[05/06] 防御[04/06]
・イリス  杖術[02/04] 魔法[04/16]
・ミスティ 剣技[00/07] 魔法[05/16]
・ローガン 剣技[13/16] 魔法[04/08] 防御[02/08]
・エバンス 剣技[12/16] 魔法[02/08]
……………………………………………………………………………………
□オノゴロ諸島 霊峰の隠れ里
隠れ里:貸家、広場、市、茶屋、食堂、温泉、鍛冶屋、道場、神社、他
離れ山:森林、沢、廃村
……………………………………………………………………………………
124 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2025/03/23(日) 21:49:42.99 ID:OA68lb0X0
―朝
 貸家 お風呂

 ひのき風呂「」カポーン…

スライムクロシュ「〜〜…♪」デロデロ

トキワ「ほわぁ……こんなに素敵なお風呂に入れるなんて……」ポカポカ

シズク「トキワちゃん、それ昨日も言ってました!」モニョモニョ

トキワ「えっ、あっ、確かに言ったかも……!///」

シズク「いろいろ終わったら、雪解けで働きませんか? 雪解けなら三食寝床とお昼寝がついて、おっきなお風呂にも入り放題です!」モニョモニョ

トキワ「え、でも……私なんかがいたら……迷惑に……」

シズク「なりません! むしろ人手不足で大変なんです!」モニョモニョ

トキワ「そ、そうなんだ……」

シズク「雪女さんも、おじいちゃんも、きっと歓迎してくれると思います!」モニョモニョ

スライムクロシュ「〜〜」モニョモニョ

シズク「クロシュちゃんもそう言ってます!」モニョニョ

トキワ「わ、わかった……。考えてみるね……」

 カポーン…

オノゴロ諸島滞在10日目。ここは霊峰の隠れ里です
↓1〜3 自由安価 何をする?
125 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2025/03/23(日) 21:49:52.78 ID:mQea7mETo
クロシュ銀狐化してオノゴロの狐コミュニティに潜入
126 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2025/03/23(日) 21:50:09.66 ID:TxIW1t2JO
イリス、迷彩魔法の特訓
127 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2025/03/23(日) 21:50:16.10 ID:DkviXgPFO
朝廷の人達に銀狐の乱獲について聞いてみる
128 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2025/03/23(日) 21:54:05.76 ID:DkviXgPFO
>>127すいません少し変更
朝廷にいたイヨやアキトなどに銀狐の乱獲について聞いてみる
129 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2025/03/23(日) 22:16:04.78 ID:OA68lb0X0
―霊峰の隠れ里

クロシュ「!」ピコン!

 デロデロ…モニョモニョ…

銀狐クロシュ「」ポン!


妖精「クロシュ……まさか……」

銀狐クロシュ「〜〜」モニョモニョ

妖精「だめ! もしアウルが出てきてクロシュの擬態が見破られたらどうするの!」

銀狐クロシュ「……」モニョニョ…

妖精「わかった? 無茶なことは……」

銀狐クロシュ「!」ピコン!

銀狐クロシュ「〜〜」モニョモニョ

妖精「は、はあ……!? 妖精さんが一緒に来てくれれば安心だって!?」

銀狐クロシュ「〜〜」モニョニョ

 トタタタタッ

妖精「あ、こらーっ!! ったくもう、最近調子に乗って来てない!?」パタパタ

 ◇

―すたれ村

銀狐クロシュ「」トコトコ

妖精「……昨日と変わりない……いや」


野良狐「」ヒョコ
野良仔狐「」ヒョコ


妖精「……狐が出てきたね。こっちを訝しげに見てる」

銀狐クロシュ「〜〜」モニョモニョ

妖精「そうだね。とりあえず接触してみよう」


野良狐「……」ジー


↓1コンマ
01-05 「そこで何をしているんだい? 薄汚い粘体生物が」
06-35 狐語がわからなかった……
36-65 狐語、わかる!
66-95 野良九尾
96-00 ??
130 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2025/03/23(日) 22:18:20.75 ID:YnJLQUTYO
高く
131 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2025/03/23(日) 22:18:50.90 ID:TlsgVakUO
とう
132 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2025/03/23(日) 22:46:29.63 ID:OA68lb0X0
良狐『キミは……誰? どこから来たの?』

銀狐クロシュ『わたし……クロシュ……。ほんとは……スライム……』

野良仔狐『えっスライムなの!?』

銀狐クロシュ『うん……』

妖精『擬態してることを初手で明かすかなあ普通……』パタパタ

銀狐クロシュ『あっ……えっと、今の、誰にも言わないでね……?』

野良狐『う、うん。わかった』

野良仔狐『クロシュちゃん、おもしろい!』キャッキャ

 *

銀狐クロシュ『えっと……銀色の、狐さんのこと……知ってる……?』

野良狐『銀色の狐……昔、ここにそういう色の狐が住んでたって話は聞いたことあるよ。ボクが生まれた時にはもういなくなってたみたいだけど』

野良仔狐『そうなんだ!?』

野良狐『うん。でもね……最近、すごく強い銀狐の妖狐さんが――』


 謎の駆動二輪車「」ブォォォォンッ!! キキーッ!!


銀狐クロシュ「〜〜!?」モニャニャ!?

妖精「な、何!?」

野良仔狐『九尾さまだ!!』キャッキャ

野良狐『九尾様!!』

 スタッ

九尾「元気にしとったか、主ら。土産に油揚げを……む?」スタスタ

銀狐クロシュ「……」

九尾「ほう……スライムとは、面白い。今はもういない銀狐に擬態などして、何とする?」ニヤリ


妖精(げげっ、バレてる!? ていうかあれ、ものすごく長生きした妖狐が成る九尾っていうかなり高位の妖怪だよ!! や、やばい……アウルじゃないけどやばい!!)

銀狐クロシュ(ど、どうしよう……!?)

妖精(ど、どうするったって、逃げるしか……)


九尾「カッカッカ、そう慄くでない。スライムや妖精を取って食おうなどとは思わぬ。じゃが理由くらいは聞かせてもらおうかの。何ゆえ銀狐の似姿を模し、この地の狐と戯れる?」


妖精(……正直に言おう。下手な嘘を言う方が危ない気がする)

銀狐クロシュ(う、うん)


妖精「え、ええっと……最近銀狐を見たって話を聞いて、ここの狐たちに話を聞きに来たんだ。銀狐に擬態したのは……その方が説明しやすいかと思って……」

銀狐クロシュ「」コクコク

九尾「この者どもの話は真か?」

野良仔狐『うん! クロシュちゃん、自分のこと、スライムって言った!』

野良狐『はい。クロシュちゃんに騙す意図はなかったと思います』

九尾「うむ……まあ見るからに気の抜けたあかちゃんスライムじゃからな」

銀狐クロシュ『ほえ……わかるの?』

九尾「当然じゃ。伊達に長生きしとらんからな。せっかくじゃ、儂が主らの質問に答えてやろうぞ。何でも聞いてみるが良い」

妖精「え、本当? それじゃあせっかくだし……」

↓1〜2 九尾とお話する内容
133 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2025/03/23(日) 22:48:52.19 ID:TUsQM1Ga0
一つ目小僧一族の秘伝について
134 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2025/03/23(日) 22:51:41.37 ID:Oypo+uiJo
アウルについて聞く
135 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2025/03/23(日) 23:32:46.80 ID:OA68lb0X0
銀狐クロシュ『えっと……アウルさんって、知ってる……?』

九尾「アウル……なるほど、お主らは彼奴のことを探っておったのか」

妖精「……うん。ちょっといろいろあって、アウルを止めたいんだ」

九尾「とはいえ儂もこの村の出身というわけではないし、アウルが銀狐の生き残りということや、国際的に有名なテロリストだということや、オノゴロに出戻って反朝廷勢力として暴れたことや、今の姫巫女に取り入って大出世したことくらいしかわからぬなあ」

妖精「いやだいぶ知ってるじゃん!」

九尾「カカカ、面白い生き方をしておるなあと思ってな。お主らは何じゃ、国際警察か何かか?」

妖精「いや……世界樹の果実を元に戻す使命を帯びた、緑の国の者だよ。アウルとはちょっと目的の競合で相争う関係なんだ」

九尾「なるほど、世界樹の光か……。であればこの国は、姫巫女が光を独占してる上に、アウルが姫巫女の駄狐として駆けずり回っておってなかなか大変じゃろう」

妖精「本当に大変だよ……。まあこれまでも大変だったけどね」

九尾「つまりアレじゃな、アウルの弱点を知りたいということじゃな?」

妖精「まあ……そういうことかな?」

九尾「ふむ……であれば、や〜い雑魚人間なんかに皮を剥がされた滅ぼされた駄狐一族の末裔〜などと煽ってみるのはどうじゃ? 気取ってはおるが、中身はまだまだ若造じゃ。頭に血が上りやすかろう」

妖精「え、ええ……あなた同じ狐としての良心とかないの……」

九尾「カカカ、なくもないが比重が低いだけじゃ。強ければ生き、弱ければ死ぬ。世の理じゃろう? かようなくだらぬ挑発に乗る駄狐であれば、どの道長くはもたぬ」

妖精「うへぇ……長生きの大妖怪なのに、性根は完全に野生のままだね、あなた……」

九尾「法だの秩序だのは弱者の理じゃからな。儂のような強者は、さような軟弱な理屈など必要ないのじゃ」カカカ


銀狐クロシュ『えっと……アウルさんの、好きな食べ物とか……好きな生き物とかは……?』

九尾「アウルの好きな食べ物に生き物……? お主、あやつとお見合いでもする気かえ?」

銀狐クロシュ『ほえ……?』

妖精「いや……クロシュは、アウルともお話したいと思ってるんだ。できれば、戦わないに越したことはないからさ」

九尾「ふむう、変わった奴らじゃのう……。まあ彼奴も狐じゃし、油揚げが好きなんじゃないかのう? 好きな生き物は……検討も付かんなあ」

銀狐クロシュ『……かたつむりとか、好きだと思う……?』

九尾「かたつむり……? どうであろう、全くわからん。ちなみに儂はかたつむり、嫌いではないぞ?」

銀狐クロシュ『わあ……!』パァァァ

九尾「なんじゃ、お主かたつむりが好きなのか? カカカ、変なスライムじゃ」


野良狐『ところでアウルさんなら、時々この山にお墓参りに来るよ。ついでにボクたちの為に油揚げを置いてってくれるんだ』

野良仔狐『アウルの油揚げ、おいしい!』

九尾「なんじゃと!? 儂の油揚げとどっちが美味い!?」

野良狐『え、ええと……』

野良仔狐『おんなじ味だよ!』


妖精「結局ここの狐たちが一番有益な情報をくれた……」

銀狐クロシュ『んへへ……』

 ☆アウルの情報を少し得ました

 *
136 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2025/03/23(日) 23:33:14.63 ID:OA68lb0X0

九尾「むむ、儂の情報が無益だったというのは聞き捨てならぬ。お主ら、もっと知りたいことを聞いてみよ」

妖精「え、ええと……何かある?」

銀狐クロシュ『……』

九尾「……ふむ、お主らから微かに一つ目小僧の気配が感じられるな。ではせっかくじゃから、彼奴らの秘伝について教えてやろう」

妖精「え、一つ目小僧の秘伝?」

九尾「うむ。それはな――」

↓1コンマ
01-60 目潰しの極意
61-90 目隠れの極意
91-00 心眼の極意
137 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2025/03/23(日) 23:34:47.52 ID:Usy7xpCo0
138 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2025/03/23(日) 23:45:13.36 ID:OA68lb0X0
九尾「――目潰しの極意じゃ」

妖精「ええ……それって一つ目小僧の秘伝じゃなくて、一つ目小僧をやっつける為の秘伝じゃないの……」

九尾「いいや。一つ目小僧は大きな一つ目の妖怪じゃが、じゃからこそ目に対する造詣、意識は他の種族よりも大きい。そしてあの大きな目からは、相手の目を潰す死の視線を放つことができるのじゃ。本気で怒った一つ目小僧とは決して目を合わせてはならぬぞ……」

妖精「わ、わかった……。サララは怒らせないようにしよう」

銀狐クロシュ『う、うん……』

 ◆
139 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2025/03/23(日) 23:45:39.89 ID:OA68lb0X0
というわけで本日はここまでとなります。次回はイリスの特訓編、銀狐乱獲について元朝廷の人たちに聞いてみよう編となります

すたれ村で狐たちとお話したり、通りすがりの九尾から役に立つのか立たないのか微妙な話を聞かされたり、のんびりしたクロシュ一行でした。穏やかな空気の流れる霊峰の隠れ里にいると、オノゴロが危機にひんしていることを忘れそうになってしまいます。まあ、少しくらいはのんびりしても良いかもしれません。フメイちゃんたちと一緒に数日過ごせる機会など、滅多にないのですから――

それでは本日もありがとうございました。次回は土日となります、よろしくお願いいたします
140 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2025/03/24(月) 07:46:05.85 ID:P6GFz/Coo
気さくな九尾さんで助かったぜ
アウルにクロシュの思いは届くのか
おつ
141 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2025/03/24(月) 13:19:56.80 ID:nvDsBO+1O

初手で正体明かすのは草
でもそういう正直さのお陰で九尾さんの信頼を得られたとも思えるし結果オーライやね
142 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2025/03/24(月) 23:36:44.93 ID:1MftngjeO

妖精が「アウルが銀狐と決まったわけじゃない」とか言っていたけど、今回の九尾さんの発言でアウルが銀狐の生き残りだと判明したね。
143 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2025/03/25(火) 15:05:48.42 ID:U8Z1z24+0
最初から読んでやっと追いついた!
もしよろしければ前作のタイトルを教えてください…検索しても出てこなくて。
144 : ◆eAA16RTlRw2e [sage saga]:2025/03/25(火) 23:05:05.47 ID:Bwc0Ly9v0
九尾氏は尻尾の数が多いですが、性格は割とフランクだったようです。無礼な態度を取る等の変なことをしなければ、怒られたりすることもないかと思われます。なお彼女の乗っている二輪車は、非自律型の魔導機械のようです
クロシュ氏は優しいスライムですが、アウル氏があかちゃんスライムなどの同情を受け入れられるかは未知数です。慎重に対応していくのが良いでしょう

クロシュ氏は迂闊なところがあるらしく、ついうっかり自分の正体を明かしてしまったようです。擬態を生業とする生き物としてはあまり相応しくない態度ですが、まだあかちゃんスライムなので大目に見てあげて欲しいところであります
そしてそういう正直さが九尾氏のお気に召したというのは恐らく事実です。結果良ければ全て良し、としていくのが良いでしょう

アウル氏はどうやら銀狐の生き残りのようです。銀狐の復讐の為に、恐るべき企てを行っているのかもしれません
なお妖精さんは確定していない情報を断定的に扱うことを嫌う性格なので、確定していない情報を断定的に扱いたがらないようです。そのような慎重さが、妖精という迂闊なかよわい種族でありながら長生きしていられる理由かもしれません

思ったよりだいぶ長くなっているこのスレをここまで読んでいただきありがとうございます。今後とも動向を注視していただければ幸いに思います
なお前作は「【安価・コンマ】離島の魔法女学院でダンジョン探索【百合】」というタイトルのスレになります。タイトルからもわかる通り百合なのでちょっと毛色は違うかと思いますが、このスレと同じ人が書いているんだろう感はあると思います。もしよろしければ楽しんでいただけると幸いでございます

前作【安価・コンマ】離島の魔法女学院でダンジョン探索【百合】
https://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1682162106/
145 : ◆eAA16RTlRw2e [sage saga]:2025/03/25(火) 23:05:48.08 ID:Bwc0Ly9v0
 ―番外―

―海

 魔導クルーザー「」シャーッ

暗黒行商クーちゃん「ふう〜、やっぱり魔導クルーザーの乗り心地は最高ね! 大枚はたいた甲斐があったわ!」

クーちゃん「そして次なる目的地はオノゴロ諸島! 謎の荒れ波で貿易が途絶えているとかいう今がチャンス! 中級品でも海外の品なら高値で売り捌けるに違いない! うっひひひひ……!!」

クーちゃん「しかし……」

 遥か遠くまで広がる大海原「」

クーちゃん「暇ね……。目的地さえ設定しちゃえばほとんど自動で運転してくれるし……」

水の精霊『ちなみにこの魔導クルーザーは精核不使用だよ〜。暇な精霊が航行を手伝ってあげる契約になってるんだ〜』

クーちゃん「……そもそも自動運転って何なのかしら。機械都市の自律型魔導機械は精核とかいうパーツを使って実現してるらしいけど、これはそういうのも使ってないみたいだし……」

水の精霊『クーちゃんはそこまで感覚が鋭くないみたいだから私たちの姿や声は知覚できないみたいだね〜』

クーちゃん「……まあいいか! イスファハーンで買った映像水晶で録画演劇でも見てましょう」

水の精霊『私も見てみよ〜』

 ◇

 映像水晶『金糸の姉妹人形に愛されすぎて夜も眠れない 中編に続く!』ポン

クーちゃん「ああ〜!! なんでそこで終わっちゃうのよおお〜!!」

水の精霊『続きは!? 続きはどこで見れるの!!?』

クーちゃん「はあ……きっと原作か脚本の人がものすごく遅筆なんでしょうね……。仕方ない、中編が出るまで大人しく待とう……」

水の精霊『そんなあ〜待てないよお〜〜!!』

クーちゃん「ひとまず今はオノゴロでの商売に備えて――ん?」

 凪いだ海「」――

クーちゃん「……あれ? おかしいな……もうオノゴロの近海に入ったはずなのに、なんで波が荒れてるどころか、こんなに……」

水の精霊『ああああ〜〜しまった〜〜!!! 演劇に夢中でこの海域に入っちゃった〜〜!!!』

クーちゃん「ここは一体――」

幼い少女の影「」ヌッ

クーちゃん「……ひっ!!?!?」

幼い少女の影「……」スッ

クーちゃん「はぐっ……」コテッ

水の精霊『わあああああ!!!!! クーちゃん耐えて耐えて〜〜!!!!』アタフタ

 魔導クルーザー「」シャァァァァ――ッ!!

 ☆錯乱した水の精霊により、魔導クルーザーは大陸方面に引き返していきました……

 ◆
146 : ◆eAA16RTlRw2e [sage saga]:2025/03/25(火) 23:08:07.72 ID:Bwc0Ly9v0
というわけで突然の番外編、暗黒行商少女クーちゃんの臨死クルージング編でした
本編は予定通り土日に更新する予定です。よろしくお願いいたします
147 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2025/03/27(木) 06:23:53.78 ID:SaybjszbO
更新気付かなかった…クーちゃん中々目的地に行けないの可哀想だけど可愛い
148 : ◆eAA16RTlRw2e [sage saga]:2025/03/29(土) 17:56:25.21 ID:Rayd8UPW0
申し訳ありません、すごく体調が悪いので本日と明日の更新はお休みさせていただきます

クーちゃん氏はちょっと運が悪いようです。しかし今回は転覆とまではいかず商品も無事だったようなので、きっと大丈夫でしょう。いつかまたクロシュたちと会う機会もあるかもしれません

それでは申し訳ありませんが、次回更新の予定は来週の土日となります。よろしくお願いいたします
149 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2025/03/29(土) 17:57:31.70 ID:3I6auw/io
お休み了解
お大事に
150 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2025/03/29(土) 21:19:10.70 ID:Rayd8UPW0
ありがとうございます、寒暖差に気を付けて過ごしたいと思います

次回まで何もないというのも残念なので、次の更新まで汎用魔法などの募集をしたいと思います。よろしくお願いいたします


(テンプレ)
【名称】
【属性】
【効果】
【備考】


(例1)
【名称】火球
【属性】炎
【効果】火の球を生成して放つ
【備考】初歩的な炎属性魔法。炎属性適性があれば簡単に習得できる


(例2)
【名称】カニギロチン
【属性】物理
【効果】大きな鋏で対象を切断する
【備考】ギロチンガニの得意技。オリハルコンでさえ断ち切ることができると言われている


↓1〜 次の更新まで
151 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2025/03/29(土) 21:37:30.73 ID:53fVUjZE0
【名称】スキャン
【属性】無
【効果】相手の心理状態を把握できる。
【備考】一つ目小僧や三つ目の魔族など目に特徴のある種族が覚えられるが、稀にエルフにも習得者がいる。
152 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2025/03/30(日) 01:05:18.16 ID:iBX1NkoIO
【名称】魔翌力砲
【属性】無
【効果】溜めた魔翌力をビームにして解き放つ
【備考】理論は簡単だが魔翌力のコントロールが非常に難しく、放つまでに時間もかかる。扱う魔翌力量によっては術者が命を失う可能性もあり、使い手は稀。
極めれば国一つを消しとばすことも可能になるが、そこまでの使い手は大魔女や魔王など人智を超えた存在くらいである。
153 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2025/03/30(日) 20:21:22.42 ID:Yj3dHbwRo
【名称】スターバースト
【属性】星
【効果】星に連なる様々な魔法を一気に放出する。疑似他属性魔法となり防いだりする事は困難
【備考】長い詠唱を間違えずに唱える必要がある。威力は申し分ないが、発動まで長時間掛かる取り回しの悪さや極悪の燃費、星魔法習得者の減少により今では幻の魔法とされている
154 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2025/03/31(月) 03:09:34.37 ID:huapLEtd0
【名称】パワーグラウンド
【属性】土
【効果】地面に向かって拳を打つと相手の地面の下から地面でできた拳を出現し攻撃する。同様に剣とかにすると相手の下から地面でできた剣が伸びて相手を刺す事ができる。
【備考】少し難しい魔法だが土属性適性と筋肉を鍛えていれば習得が可能(少し練習は必要)。
155 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2025/04/01(火) 00:12:37.48 ID:GJEWVGat0
【名称】硫酸
【属性】毒
【効果】何でも溶かす酸を生成し放つ
【備考】クロシュなど毒がきかない者や耐毒結界の対策として編み出された魔法で毒魔法を扱う者なら簡単に習得できる。酸のため毒がきかない者や耐毒結界でも普通にダメージを与える事ができる。毒魔法を使う人が少ないので、毒魔法に酸が含まれている事は毒魔法を扱う者以外は知らない。
156 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2025/04/02(水) 02:30:28.24 ID:EEajNM6Oo
お大事に…

【名称】サンダーボウ
【属性】雷属性
【効果】一方向に雷を放って攻撃する。消費マナによって増減するが、基本的に射程は約5m、一般成人や低級魔獣なら一撃で気絶させられる。耐性がある者でも痺れにより動きや思考を一瞬止められる。
【備考】雷属性の初級魔法。雷属性に適正がある者なら自然に扱え、そうでない者も少し学べば習得出来る。"雷属性故の高弾速" "命を奪わずに無力化出来る威力" "射程が短い分、避雷針の影響を受け辛い" "簡単に覚えられる"と使い勝手が良く、護身術・獣の狩猟・相手の鎮圧など幅広い場面で活用される。魔法戦でも敵の行動を止めるスタン技として使われる。
157 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2025/04/02(水) 07:36:04.10 ID:/BVTda5n0
【名称】フラッシュオーバー
【属性】炎
【効果】自身の体から爆発するかのように1000度以上の炎を放出し周りを焼き尽くす。
【備考】上級魔法で炎属性適性のある人でも練習しないと習得は難しいが習得すれば結構強い魔法。全身で魔翌力を限界まで溜め最後に炎を放出する。溜める魔翌力によって炎の範囲が変わる。放出した後は、魔翌力が無くなってしまいしばらく魔法が使えなくなり、動きも鈍くなる。敵、味方関係なく周囲を炎で消し炭にしてしまうので、使う際は周りを気を付けないといけない。
158 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2025/04/02(水) 19:27:51.50 ID:b0DYG1y6o
【名称】アイスボム
【属性】氷
【効果】氷の球を飛ばしてはじけさせ、破片で広範囲に攻撃
【備考】氷に意図的に不純物や空気を混ぜることで割れやすい球を作る中級レベルの技
159 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2025/04/02(水) 22:41:55.14 ID:3tQjH1seO
【名称】メタルコーティング
【属性】鋼
【効果】一定時間、物理耐性と魔法耐性を上昇させる。
【備考】鋼の上級魔法。術者の精神力によって能力は変動し、強い心を持てば更に強固に、弱い心では軟弱になってしまう。強固なメタルコーティングはかけた対象の見た目がメタリックになる副作用がある
160 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2025/04/02(水) 23:26:24.45 ID:H+4fIHclo
【名称】ティアードロップ
【属性】心属性
【効果】涙の数だけ強くなれるよ
【備考】皆の持つ哀しみや絶望を織り合わせて特大のエネルギー球を作る。涙の後には希望の明日がやってくる。
161 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2025/04/03(木) 03:58:43.23 ID:1ajjAoeuo
【名称】小吹雪
【属性】氷
【効果】手のひらから無数の小さな氷の粒を飛ばし、ごく小規模な擬似的吹雪を起こす
【備考】目くらましに使えるほか、長く浴びせ続けると相手は徐々に衰弱し、凍り付いていく
初級〜中級の間くらいの技
162 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2025/04/03(木) 09:41:11.55 ID:A/r3S5RjO
【名称】チェーンロック
【属性】闇
【効果】相手の周りに5個の魔方陣が現れ、そこから5本の紫色の鎖で相手を拘束&相手の力を封印する。
【備考】闇の上級魔法。この鎖は特殊な鎖で拘束だけではなく少しでも鎖に触れると相手の魔法、戦闘技術など最大5つ封じることができる(クロシュの場合はメゾンドクロシュも含む)。封印された相手は体の周りに鎖の刺青ができ、拭いたり、洗っても落ちない。解くには魔法を使った本人に解除するしかなく浄化や解呪も効果がない。その為、魔法を使った本人が亡くなってしまうと封印は一生そのままになる。闇の魔法だがどちらかというと呪いに近い魔法。
163 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2025/04/03(木) 17:00:10.95 ID:mpyIpg5F0
【名称】ライトバリア
【属性】光
【効果】ドーム状のバリアを生成し攻撃を防ぐ。
【備考】自分を中心にバリアを生成して、どんな攻撃も防ぐ事が出来るが生成時に大量の魔翌力を消費してしまうので、長時間の使用は難しい。さらにドーム状の為、真下からだと攻撃を受けてしまう。生成前に本人の近く寄れば他の人もバリアの中に入れて防ぐ事が可能。光属性の中級魔法で光属性適性があれば習得出来る。
164 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2025/04/03(木) 22:06:54.00 ID:2+EEIawv0
【名称】リプレイスゲート
【属性】空間
【効果】自身と相手の位置を入れ替える。
【備考】自身と相手が同じ空間内にいる時に限り、両者の足元に空間魔法によるゲートを開いて互いの位置を入れ替えてしまうという術。
位置を入れ替えるだけなら大して害が無いように思えるが、例えば高所で戦っている際に空間魔法の術者がわざとそこから飛び降りたとする。
そしてその際にこの術を使えば落ちているのは自分ではなく相手という事になり、相手が空を飛べたり落下のダメージを無効化できるような手段を持たない限
り、難なく勝利できるというわけである。
そもそも空間魔法の使い手自体が貴重なわけだが、これはその中でも特に高度な術の一つであり扱える者はほんの一握りと言えるだろう。
165 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2025/04/04(金) 14:01:35.28 ID:m1mD2+yC0
【名称】ミスト
【属性】水
【効果】濃霧を発生させて相手の視界を奪う
【備考】水属性の中級魔法。水属性適性があれば習得出来る。煙幕のようにして使うので、逃走や相手の隙をつくのに使われている。
166 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2025/04/04(金) 14:52:31.04 ID:cwNEzJFuO
【名称】ボラー
【属性】大地
【効果】大地に穴をあける
【備考】
大地属性の初歩的な魔法。魔翌力を込めるほど大きな穴があけられる。山菜や薬草の採取、雨宿りなどに役立つ。極めた術者なら山にトンネルを作ることもできる。



【名称】エインヘリヤル
【属性】反映・心の複合
【効果】スライム族しか使えない魔法で、作り出した分体に同化した人物を憑依させる。分体が倒されても同化している魂には影響はない。
【備考】
一時的に故人を復活させられるように見えるが、あくまで体はスライムの分体に過ぎず何もかもが再現できるわけではない。
100%の力を発揮するには術者であるスライム自体の能力が高くないといけない。

汎用っぽくない気もする。
167 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2025/04/04(金) 19:13:11.49 ID:EhSqH28C0
【名称】氷受け
【属性】氷
【効果】相手の攻撃を受けるように氷を発生させ、滑らせて受け流す
【備考】相手の攻撃にあわせて位置、角度を調整し、氷の表面を可能な限り完全なつるつるに近づけなければならないので
とても繊細な技術が要求される応用技
168 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2025/04/04(金) 22:05:40.01 ID:O7StiQYNO
【名称】咆哮
【属性】物理
【効果】大声を出して相手を怯ませる
【備考】ドンエテコウが使う技。大声を出すことで相手は耳を塞いでしまうくらい爆音である。近くで咆哮を受けると最悪鼓膜が破れてしまう可能性がある。
169 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2025/04/04(金) 22:29:56.58 ID:SbEagkVoo
【名称】カラオケ
【属性】音
【効果】みんなで楽しめる
【備考】どこからともなく音楽を正確に再生することができる。応用で誰かの声真似もできる。
170 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2025/04/05(土) 01:44:30.82 ID:XuBChnwtO
すいません>>154書いたものですが今更ながら属性の変更します。
【名称】パワーグラウンド
【属性】地
【効果】地面に向かって拳を打つと相手の地面の下から地面でできた拳を出現し攻撃する。同様に剣とかにすると相手の下から地面でできた剣が伸びて相手を刺す事ができる。
【備考】少し難しい魔法だが地属性適性と筋肉を鍛えていれば習得が可能(少し練習は必要)。
171 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2025/04/05(土) 08:53:46.21 ID:4IdjcCes0
【名称】ブラッド・エクスプロージョン
【属性】血
【効果】体内の血液を放出し、爆発させる。
【備考】吸血鬼一族のみに伝わる禁術の1つ。その気になれば体内の血液を全て起爆できるが使用者の死を意味する禁じ手としてこの術の魔術書は封印されている。
172 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2025/04/05(土) 13:58:09.87 ID:cYLLMVJA0
【名称】毒の巨兵(ベノムジェネラル)
【属性】毒
【効果】毒を纏った巨大で鎧を着た骸骨の将軍を召喚し一緒に戦う。
【備考】毒属性の禁術。「毒の巨兵」の毒は特殊で、毒に効果がない相手やスライムでも毒に触れれば動けなくなるくらい全身に激痛がはしりその痛みは永遠に続く。もちろんそうじゃない相手も触れれば苦しみながら亡くなってしまう。毒は人や物などにすぐに纏ってしまう特性がある。「毒の巨兵」は武器や魔法を受けてもすぐに再生できる。逆に武器だとすぐに毒を纏ったしまうので、使えなくなる。相手が耐毒結界だと効果は発揮出来ないが毒に纏ってしまうので、相手とって毒の牢屋に入ったようになる。使用者が止めれば「毒の巨兵」は消える。周囲の環境に影響を及ぼすので、禁術とさせている。
173 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2025/04/05(土) 15:15:39.54 ID:N9RqDkWJo
【名称】スライム化
【属性】スライム
【効果】スライムに変身する
【備考】何でも変身できるスライムに変身できる。楽しいよ。
174 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2025/04/05(土) 15:51:19.91 ID:6ia1Ywoh0
【名称】サイズ変化
【属性】妖精魔法
【効果】人間に強い憧れを持った妖精が作りだしたとされる魔法。人間サイズに大きくなったり、妖精サイズに小さくなれる(それ以上に巨大化することや小さくなることも可能)
【備考】扱いかたさえ学べば妖精以外の人間や魔族も使える
175 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2025/04/05(土) 16:12:13.81 ID:WJuVyd2V0
皆さんありがとうございました。機会があれば是非とも使わせていただきたいと思います


(例3)
【名称】ハイパーカニゼイション
【属性】不明
【効果】自身の全ての能力とあらゆる攻撃に対する耐性を大きく上昇させる
【備考】古代アーケオガニが用いた能力。その効力は現代における最先端の強化技術・魔法を大きく超えるものとされ、戦術的価値を見込まれて研究が進められている。しかし今のところどの国や研究機関も目立った成果を上げられていない
176 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2025/04/05(土) 16:13:18.88 ID:WJuVyd2V0
―霊峰の隠れ里

 光学迷彩マント「」バサッ

イリス「ふむふむ……」

エバンス「何をしてるんだ?」

イリス「あ、エバンスさん。このマントの光学迷彩を研究してるんです」

エバンス「へえ、光学迷彩を……。もしかして光魔法で光学迷彩をする為にか?」

イリス「いやまあ……できたら良いなって程度ですけどね。光学迷彩はかなり繊細な魔力操作が要求される魔法らしいですし、光属性の専門家じゃない私には難しいかもしれません」

エバンス「でも専門家じゃないクロシュちゃんはできるんだよな?」

イリス「擬態を生業にするスライムのクロシュちゃんを例に挙げるのは酷いですよ! しかもクロシュちゃんの中には光の精霊が住み着いてるらしいですし」

エバンス「す、すまん」

イリス「まあでも有事の際の隠密行動にクロシュちゃんだけに押し付けるのは良くないですし、私も使えたら良いかなとも思いまして。もし私も隠密行動できれば、イヨさんの友達のリュウトウ中将と接触する際に一緒に行けますから」

エバンス「なるほどな。器用なイリスちゃんが一緒にいれば実際安心できそうだ」

イリス「できるかどうかもまだわからないですけどね……」


↓1コンマ
01-60 難しい(魔法経験+1)
61-95 できた(魔法経験+2)
96-00 光化 (魔法経験+4、五大属性レベル+1)
177 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2025/04/05(土) 16:14:55.71 ID:4IdjcCes0
178 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2025/04/05(土) 16:42:35.21 ID:WJuVyd2V0
 光学迷彩マント「」ヒラヒラ

イリス「ふむふむ……形状に合わせて光の通り道も柔軟に変えられるように……」


エバンス「何を言ってるのか全然わからん……」

 ◇

 スゥー…

透明イリス「……」

エバンス「……ん? あれっイリスちゃんどこ行った?」キョロキョロ

透明イリス「ここです、ここ!」

エバンス「……! 成功したのか!」

透明イリス「そうみたいです! エバンスさんの反応を見る限り」

エバンス「凄いじゃないか! 光学迷彩ってかなり難しい魔法なんだろ?」

透明イリス「ええまあ……実際かなり神経を使いますね……。ちょっとでも集中が途切れたら――」


スズメバチ「」ブンブン
スズメバチ「」ブンブンブン
スズメバチ「」ブンブンブンブン


透明イリス「……と、途切れたら……」アセアセ

エバンス「……追い払おうか?」

透明イリス「い、いえ……! 集中力を鍛える良い機会です! あ、でも解毒剤の用意はしといてください……!」


 ☆イリスは蜂にまとわりつかれても集中を切らせず、無事に光学迷彩を身につけることができました

 ◇
179 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2025/04/05(土) 17:51:21.20 ID:WJuVyd2V0
―霊峰の隠れ里 貸家

ミスティ「イヨ、少し良い?」

イヨ「はい、なんですか?」

ミスティ「銀狐についてなんだけど……」

イヨ「銀狐、ですか?」

ミスティ「ええ。20年ほど前に乱獲されて絶滅したと聞いたわ。その時朝廷は……どうしていたのかしら?」

イヨ「……20年前というと……先代巫女の時代ですね。記録によると銀狐などの密猟を厳しく取り締まるお触れを出したり、当局による警備を強化したりといった施策は行っていたようです。残念ながら銀狐は守れなかったようですが……」

ミスティ「そうだったのね……」

アキト「先代朝廷の話でござるか?」ヌッ

イヨ「アキトさん……」

ミスティ「ええ。銀狐の絶滅について、朝廷が当時どんな手立てを講じたか聞いていたの」

アキト「ふむ……拙者も物心が付いた時分には既に銀狐が滅びていたゆえ、直接見聞きしてきたわけではござらんが……。先代の巫女殿は、銀狐の絶滅に大層御心を痛めていらっしゃった……」

ミスティ「そうだったのね……」

アキト「だが数年ほど前、オノゴロ当局は密猟組織の検挙に成功した。国際的に密猟を働く巨大組織であったようだが、既に解体され、構成員は軒並み刑罰を受けている」

ミスティ「!」

イヨ「例のお触れも銀狐は守れませんでしたが、他の希少生物たちを密猟から守ることはできたようです。だから決して無意味だったわけではなくて……。先代巫女様は、できる限りのことをしたと私は思っております」

アキト「うむ……」

ミスティ「わかったわ。ありがとう……」

イヨ「……もしかして、アウル・フォクシーが銀狐の生き残りではないかと考えておられるのですか?」

ミスティ「……そうね。でももしそうだとして、手心を加えるつもりなんてないから安心して。奴の動機が同族を滅ぼされた憎しみだとしても、無差別攻撃に走るのであればそれは正当な復讐ではなくただの八つ当たり。同情の余地はないわ……」

アキト「であるな。少々気の毒ではあるが、オノゴロを脅かす敵となるのであれば手加減する道理もなし」

イヨ「……はい。私も、私自身だけでなくリュウトウにまで酷い目に遭わされているので、あの狐は許しません」

 ☆当時の朝廷の施策についての情報を得ました

 ◇
180 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2025/04/05(土) 18:47:17.53 ID:WJuVyd2V0
―オノゴロ諸島 霊峰の隠れ里 滞在11日目

◇クロシュ [あかちゃんスライム]
武:メイドブレード  盾:ラティアの大盾  飾:くすんだ耳飾り
武:竜珠の大杖    防:竜のエプロン   飾:不死鳥の羽根

◇妖精   [世話焼き妖精]
武:         盾:         飾:くすんだ耳飾り
武:         防:精霊のレオタード 飾:

◇イリス  [星の魔法使い]
武:蒼き星の杖    盾:         飾:くすんだ耳飾り
武:         防:魔術師のローブ  飾:

◇ミスティ [氷の魔法使い]
武:氷の短刀     盾:         飾:くすんだ耳飾り
武:         防:氷竜革のローブ  飾:

◇ローガン [鋼の戦士]
武:蜥蜴一文字    盾:灼鋼の盾     飾:くすんだ耳飾り
武:鋼の回転ノコギリ 防:オリハル鎖帷子  飾:

◇エバンス [地の傭兵]
武:古代の鉄槌    盾:         飾:くすんだ耳飾り
武:魔銀の刀     防:硬質革鎧     飾:

◯所持アイテム
[道具]        [装備品]       [大事なもの]
運命賽*6       蜘蛛絹の下着      魔族国永久旅券
会心賽*0       ザリガニのお守り    フメイの服の切れ端
反魂丹*2       大きな巻き貝      精霊の印
鉄鍋+携帯調理器具   闇の欠片        精霊樹の実のジャム
「星の魔力」上中    フリルワンピ水着    精霊樹の鉢植え+赤雷球
お宿の妖精の織物    魔法学園のスク水    フメイとアリシラの人形
魔導飯盒        ガラスのザリガニ    メルルの帽子
妨害魔力波発生装置   踊り子の双剣      溶岩石のアミュレット
属性大全        サボテンドラゴンの花  太陽のメダリオン
魔王図鑑        精霊のローブ      暗黒優待券
氷精の魔導書      精霊樹の杖[改]    冒険者証(ランク1)
ブラッドワイン*3               大魔女帝国渡航権
マッスルワイン*1               かたたたきけん
吸血鬼殺ワイン*1               大魔女帝国滞在許可証
魔術書「正負の属性」              風船印のパラシュート
吸血鬼の日焼け止め               ラティア勲章
日蝕の傘                    ユーシリア王家の紋章
大魔女サイン*1
古代のセラミック
ステライト鉱石
晴れ乞い傘
チョコスムージー

◯現在の目標
・フメイちゃんを探す
・世界樹の光を追う[3/5]

◯仲間の目標
・カリス・ノーランドを討つ(ミスティ)

◯経験値
・クロシュ 剣技[05/06] 魔法[05/06] 防御[04/06]
・イリス  杖術[02/04] 魔法[06/16]
・ミスティ 剣技[00/07] 魔法[05/16]
・ローガン 剣技[13/16] 魔法[04/08] 防御[02/08]
・エバンス 剣技[12/16] 魔法[02/08]
……………………………………………………………………………………
□オノゴロ諸島 霊峰の隠れ里
隠れ里:貸家、広場、市、茶屋、食堂、温泉、鍛冶屋、道場、神社、他
離れ山:森林、沢、廃村
……………………………………………………………………………………
181 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2025/04/05(土) 18:48:33.34 ID:WJuVyd2V0
―朝
 霊峰の隠れ里 貸家

 囲炉裏「」パチパチ

妖精「今の状況はこんな感じだよ」

◯世界樹の光
・荒れ波の原因
・姫巫女が保持し、荒れ波を起こしているらしい

◯わらわじゃ巫女
・歴代の姫巫女?
・元のイクセちゃんが夢の中にいた?
・姫巫女という仕組みを破壊しようとしている?

◯反朝廷勢力
・朝廷の破壊が目的
・テロリストの毒狐アウルが加入した
・反朝廷組織なのに朝廷と手を組んでいる
・反朝廷の巫女であるトキワちゃんはこっちで保護してる

◯朝廷
・わらわじゃ巫女の支配下
・毒狐アウルになぜか大きな裁量権が認められている
・国政区の警備はリュウトウ中将が担当している

◯毒狐アウル
・絶滅した銀狐の生き残りらしい
・チョコレートに弱い
・挑発が有効かもしれない
・耐毒結界があるので気体の毒は大丈夫

ミスティ「……どうすれば良いのかしら?」

イリス「やっぱりリュウトウ中将を引き込みたいですよね。私も光学迷彩できるようになったので、もし接触するなら一緒に行けます!」

アキト「わらわじゃ巫女の正体も気になるなでござる。どうにかしてイクセ殿と話をできれば……」

クロシュ「……がんばれば……夢の中で、会えるかも……」

エバンス「アウル対策は十分か? チョコレートスムージーを飲ませられれば……ん? 気体の毒?」

妖精「うん。妖精の耐毒結界は気体状の毒しか防げないよ。液体や固体の毒をぶつけられたら防げないから注意してね」

エバンス「ま、マジか……」

イヨ「気体状の毒が空気中に充満すれば避けようがありませんから、妖精さんの耐毒結界もものすごくありがたいです」

エバンス「まあそうだな。液体とか固体を避けりゃ良いってことは普段通りの戦闘と変わらないってことだしな」

妖精「そういうこと。ローガンのオリハル鎖帷子なら大抵の液体毒や固体毒も無効化できるだろうから、前衛はクロシュとローガンに務めてもらうのが良いかな?」

ローガン「うむ……。実はこっそり練習している鋼の防御魔法もあるのだ。毒への備えはクロシュくんの次くらいに万全と言えるかもしれん」

クロシュ「わあ……!」

フメイ「……クロシュを矢面に立たせるの?」ジト

妖精「適材適所だよ。クロシュなら毒を受けたって効かないし」

フメイ「絶対にどんな毒も効かないって言い切れるの?」

妖精「う……スライムでも消化し切れない呪毒とかだと、一時的に気持ち悪くなったりするかもしれないけど……。それでも他の人よりはずっと平気なはずだよ。その隙にフメイが後ろから炎で敵を焼いちゃえばクロシュだって安全なんだから」

フメイ「むー……もしクロシュが苦しい目に遭ったら標本にしてやる……」

妖精「標本はやめて……」

 ☆目標が追加されました
  ・わらわじゃ巫女の企みを阻止する

 ☆努力目標が追加されました
  ・わらわじゃ巫女の正体を探る
  ・リュウトウ中将をクロシュ勢力に引き込む
  ・偽姫巫女の正体を調べる(達成済)
  ・アウルの出自を調べる(達成済)

オノゴロ諸島滞在11日目。ここは霊峰の隠れ里です
↓1〜3 自由安価 何をする?

↓4コンマ 残り日数
01-75 3日
76-00 4日
182 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2025/04/05(土) 18:48:50.19 ID:lbeuawGRO
クロシュ、オノゴロの酒を堪能
183 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2025/04/05(土) 18:48:56.31 ID:wlOH+tTLO
クロシュ シズクとおしゃべりする
184 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2025/04/05(土) 18:48:57.07 ID:6ia1Ywoh0
クロシュ、フメイ、アリシラ再び3人で一緒に寝る 
今度はクロシュの夢の中のメゾンドクロシュにお邪魔する(アリシラの夢の中の村の村人も何人かクロシュの夢の中に来ること出来るのかな?)
185 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2025/04/05(土) 18:51:56.36 ID:uyILu3Z8O
はい
186 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2025/04/05(土) 19:46:47.09 ID:WJuVyd2V0
―霊峰の隠れ里 貸家

シズク「んしょ、んしょ」モニョモニョ
 酒樽「」ユサユサ

クロシュ「わあ……!」

ローガン「酒か……!?」

シズク「はい、お酒です!」モニョニョ

 酒樽「」ポン!

シズク「いっぱい仕入れたので、お飲みできます!」モニョモニョ

ローガン「おお……では早速頂いても?」

シズク「もちろんです!」モニョニョ

スライムクロシュ「〜〜!」モニョニョ

シズク「えっクロシュちゃんも飲むの!?」モニャニャ

スライムクロシュ「〜!」モニョ


↓1コンマ
01-60 大吟醸
61-90 鬼ころし
91-00 ヤシオリ
187 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2025/04/05(土) 19:50:14.14 ID:3cl144sto
ゴッキュゴッキュ
188 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2025/04/05(土) 20:22:04.65 ID:WJuVyd2V0
 一升瓶「」トクトク
 徳利「」ポン!

 クイッ… ゴクッ…

ローガン「瑞々しい果実を思わせる華やかな香りに、やや辛口ながらもさっぱりとした滑らかな味わい……。仄かな甘みと酸味がまた心地良く、後には爽やかな余韻が残る……。素晴らしいオノゴロ酒だ」

シズク「そ、そうなのですか……? でも美味しかったなら良かったです!」モニョニョ

 グビグビ

ローガン「……!?」

シズク「えっ!?」モニョ!?


 酒樽「」グイッ
スライムクロシュ「〜〜♪♪」モニョニョ グビグビ


シズク「わ、わわわ……!!? クロシュちゃん!!?」モニャニャ

ローガン「クロシュくん!!? なんという飲み方をしているのだ!!?」

スライムクロシュ「〜〜♪♪♪」モニョモニョ

ローガン「いくら酒に強いからと言って、これほど良い酒をそのように飲むのはだな……」

 一升瓶「」グイ
フメイ「どうせお腹に収まるんだから、どんな飲み方でも同じ……」グビグビ

ローガン「フメイくんもか!!?」

フメイ「アルコールは魔力効率が良い……。何本か貰ってく……」グビグビ

シズク「え、あ、ええっと……」アタフタ モニョニョ…


ユキ母「はあ、困ったお客様ねぇ……。まあでもこんな時だから、好きなだけ飲んでもらって大丈夫よ」

シズク「雪女さん……!」モニョニョ

ユキ母「だからちゃんとオノゴロを守って頂戴ね。クロシュちゃん、フメイちゃん」

スライムクロシュ「〜〜!」モニョニョ

フメイ「……善処する」グビ

 ☆美味しいお酒を飲んで元気になりました

 ◇
189 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2025/04/05(土) 20:24:21.85 ID:3cl144sto
酒豪赤ちゃんズ
190 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2025/04/05(土) 20:41:18.37 ID:WJuVyd2V0
―霊峰の隠れ里 貸家


シズク『クロシュちゃんお酒飲めるんだねぇ』モニョモニョ

スライムクロシュ『うん……。シズクちゃんは……飲まないの……?』モニョニョ

シズク『わたし、お酒飲むと気分がぶわぶわ〜ってなっちゃうの。汚れた水を取り込んだ時に比べれば全然良いんだけど、それでもぶわぶわになっちゃうとお仕事ができないから……』モニョニョ

スライムクロシュ『ぶわぶわ……。ぶわぶわになったシズクちゃん、見たい……』モニョモニョ

シズク『だ、だめだよ! わたし、飲まないもん!』モニョニョ


↓1〜2 シズクとおしゃべりする内容
191 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2025/04/05(土) 20:42:35.96 ID:cYLLMVJA0
銀狐乱獲についてシズク的にはどう思っているか
192 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2025/04/05(土) 20:42:55.29 ID:4IdjcCes0
サララの家族について
193 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2025/04/05(土) 21:28:02.89 ID:WJuVyd2V0
クロシュ『シズクちゃんは……狐さんのこと、どう思う……?』

シズク『狐さん……あっ、悪い毒狐さんのことだよね。銀狐さんの生き残りの』

クロシュ『うん……』

シズク『うーん……どうって言われても、わかんないや……。かわいそうだとは思うけど、あんまりよく知らないし……』

クロシュ『えっと……20年前、だもんね』

シズク『うん……。わたしなんかがかわいそうなんて言ったら、きっとあの狐さん、怒ると思うから……直接は言えないけど……』

クロシュ『きつねごころ……むずかしい……』

 *

シズク『そういえばサララちゃんにはお姉さんがいるんだよ』

クロシュ『ほえ、そうなの?』

シズク『うん。今は大陸で冒険者をやってるんだって。もしかして会ったことあるんじゃないかな?』

クロシュ『ん〜……でっかいおめめの人、サララちゃん以外に見たことない……』

シズク『サララちゃんのお姉さんは3つ目なんだよ! おでこにもう一つのおめめがあるの!』

クロシュ『ほえ……』

シズク『ちょうどそこにあるみたいな帽子をいつもかぶってたの』

 メルルの帽子「」ポン

クロシュ『! もしかして……メルルさん?』

シズク『わあ! やっぱり会ったことあったんだ!』

クロシュ『うん……。時々……一緒になった……!』

シズク『世間は狭いんだねえ』

 *

クロシュ『シズクちゃんは、どんなスライムなの?』

シズク『えっ、わたしのお話……!? え、えっと……ウォータースライムって、知ってる……?』

クロシュ『ウォータースライム……!』

シズク『うん。霊峰の周りには綺麗な泉とか地底湖があちこちにあってね、そういうところで暮らしてるスライムなんだぁ。わたしも、人里離れた山奥の小さな泉で生まれたの』

クロシュ『わあ……!』

シズク『クロシュちゃんは、何のスライムなの?』

クロシュ『……えっと………』

シズク『うん……!』

クロシュ『………カリス・ノーランドっていう悪者が作った、変なスライム……?』

シズク『……え? そ、それって……どういう……』

クロシュ『わたしも……よくわかんない……。でも、困ってないから、たぶんだいじょうぶ!』

シズク『そっか! 大丈夫なら大丈夫だね』

クロシュ『ん!』

 ☆シズクちゃんとおしゃべりして親交を深めました

 ◇
194 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2025/04/05(土) 22:57:46.73 ID:WJuVyd2V0
―夜
 貸家 寝室

クロシュたんぽ「」zzz
フメイ「」zzz
アリシラ「」zzz

 ◆

―クロシュの夢
 集落

クロシュ「……」

メイ841「クロシュ、今日も一日お疲れさまです。そちらの方々は……」

クロシュ「……ほえ?」

フメイ「……えっ?」

アリシラ「……あれ? ここ……どこ?」

 ◇

夢の女神「稀に、強い結び付きを持った者同士の夢が混線してしまうことがあります。恐らく、フメイちゃんとアリシラさんがクロシュちゃんの夢に入り込んでしまったのもそれと同様のケースでしょう」

フメイ「ふうん……。じゃあここはクロシュの夢の中なんだ……」

アリシラ「へ〜面白い! クロシュちゃんの夢の中にはこんなに大勢の人が住んでるんだねえ」

クロシュ「んへへ……」


光の精霊「あっフメイちゃん! 久しぶりだね〜」

フメイ「お前は……テラヌス砂漠の遺跡にいた光の精霊?」

光の精霊「覚えててくれたんだ〜。あれからいろいろあって、分霊をクロシュちゃんの中に派遣したんだよ〜」

フメイ「そんなことできるんだ、精霊って……」

炎スライムの欠片「初めまして、フメイちゃん!」

フメイ「炎の、スライム……?」

炎スライムの欠片「バーニングスライムだよ! フメイちゃんに負けないくらい熱いクロシュちゃんの炎はボクの力でもあるんだ〜」

フメイ「そういうことだったんだ……。まあ、クロシュの力になってるなら良いけど……」


セレナディア「……だあれ? 食べても良い人?」ノッシノッシ

アリシラ「うわあ! ドラゴンまでいるの!?」

クロシュ「んへへ……セレナディアさん」

夢の女神「クロシュちゃんのお客様だから食べちゃだめですよ、セレナディア」

セレナディア「え〜」

ヴァン「よし、それじゃあ俺がこの夢の中で栽培しているリンゴを食え!」ヌッ

 カゴいっぱいのリンゴ「」ドッサリ

セレナディア「しょうがないなあ〜」ペロッシャクシャク

ヴァン「まだまだたくさんあるので、お客様たちもどうぞ!」

 カゴいっぱいのリンゴ「」ポン
 カゴいっぱいのリンゴ「」ポン
 カゴいっぱいのリンゴ「」ポン

フメイ「わあ」

 *
195 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2025/04/05(土) 22:58:57.23 ID:WJuVyd2V0
 シャクシャク モグモグ

フメイ「……集落なのに……住んでる住民が全然違うから、なんだか不思議……。でも、嫌じゃない……」

アリシラ「そうだねえ……。もし全然知らない奴らがあの集落に住み着いてたら嫌だけど、ここはクロシュちゃんの夢で、クロシュちゃんが住んで良いと思ってる人たちだからねえ」

クロシュ「んへへ……」

不死鳥の羽根「……ねえ、あなたたち考え直す気はない? こうして、元の集落に暮らしていた三人でのんびりしていればそれで十分ではないかしら」

フメイ「あっ性悪魔女……!」

不死鳥の羽根「……私の本体と何かあったのね……」

アリシラ「何にしても考え直す気はないねえ。ここはクロシュちゃんの中だから平和そのものだけど、外の世界にはどうしようもない最悪な奴らが蛆虫みたいに湧いてくるんだよ。全部まとめて焼き尽くさなっきゃ綺麗にならないでしょ?」

不死鳥の羽根「はあ……わかったわよ。ここで議論をする気はないから、せめて平和に過ごして頂戴」

アリシラ「ふふ、ありがと」

 *

―クロシュの夢
 集落の広場

 ワイワイ キャッキャ

クロシュ「――」キャッキャ
フメイ「――」キャッキャ
ウニ大盾「――」キャッキャ
炎スライムの欠片「――」キャッキャ
雷スライムの欠片「――」キャッキャ
風船スライムの欠片「――」キャッキャ
光の精霊「――」キャッキャ
踊り子の双剣・妹「――」キャッキャ
ワイバーンの鱗「――」ギャオギャオ
パラサイトソード「――」シャキーン



アリシラ「ふふ、すっかり馴染んじゃって」

夢の女神「良い場所ですよね。私も……人生の最期にこんな素敵なところに辿り着けるなんて、夢にも思っていませんでした」

アリシラ「……本当に、良い場所。あの人たちも……私なんかの中より、こっちに連れて来られたら良かったのに……」

夢の女神「あの人たち……?」

アリシラ「……あなたは夢の力を持つ女神様なんだっけ?」

 *

夢の女神「私の力で、あなたの内側に閉じ込められている者たちの魂をこちらへ連れていって欲しい、と……?」

アリシラ「うん。私の中にいたんじゃ、いつ消えるかもわからないらしいから。こっちなら、ずっとここで平穏に暮らせるんでしょ? だったら……」

夢の女神「……危険です。夢の住人とは、既にその人の心の一部ともなっている存在。無理にあなたから引き剥がせば、あなた自身に重大な問題が発生する可能性があります」

アリシラ「別にいいよ。どうせもう魔王が混ざり込んでおかしくなってるんだもん」

夢の女神「……」

アリシラ「……お願いします。みんなを……お父さんと、お母さんを……」


↓1コンマ
01-05 ??
06-65 慎重にやりましょう(1/4)
66-95 思ったよりいけそう(2/4)
96-00 ??
196 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2025/04/05(土) 23:04:19.08 ID:6ia1Ywoh0
197 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2025/04/05(土) 23:35:23.19 ID:WJuVyd2V0

アリシラ「……ど、どう?」

夢の女神「……アリシラさんとクロシュちゃんの心の波長を合わせて、慎重にやっていく必要があります。今日一日では難しいので、またクロシュちゃんと一緒に寝てくれますか? こんな風にあなたとクロシュちゃんの夢が交わった時に、また続きをしましょう」

アリシラ「わかった……。お願いします」ペコリ

 ◇

―クロシュの夢
 集落

 白んでいく空「」


フメイ「……あれ? なんか空が明け方みたいになってる……?」

炎スライムの欠片「もう朝が来るみたい。そろそろお別れだね」

アリシラ「へえ〜さっきまで夜って感じじゃなかったのに、朝は明け方になるんだねえ。なんだか不思議……」

夢の女神「クロシュちゃんの心象が反映されるので、現実で眠っているクロシュちゃんの体が朝の光を感知したりすると夢の中でもこんな風にそれが現れるんですよ。目覚めが近い証でもあります」


ウニ大盾「また来てね、フメイちゃん……。クロシュちゃんと、ずっと一緒に……」

フメイ「うん……」

メイ841「クロシュを泣かせたら承知しません」

フメイ「な、泣かせたことなんてないもん」

不死鳥の羽根「あら? クロシュの記憶によれば、人間を滅ぼすと言ってクロシュを置いて去った時に泣かせているみたいよ?」

フメイ「〜〜!! こ、この性悪魔女……!!」チリリッ

ヴァン「これから泣かせなければ良いんだよ。それなら問題なくできるだろう? クロシュちゃんの親友のフメイちゃんなら」

フメイ「……当然」

ヴァン「よし! クロシュちゃんも、フメイちゃんを泣かせちゃだめだよ? はは、クロシュちゃんなら言うまでもないかな?」

クロシュ「ん!」

踊り子の双剣・姉「いつまでも仲良くね。悔いのないように……」

踊り子の双剣・妹「そうだよ! 死ぬまで仲良くして、死ぬ時も一緒に死ぬのが一番!」

踊り子の双剣・姉「こら、何てこと言うのこの子は……」

踊り子の双剣・妹「……置いてかれる側の苦しみなんて、絶対に味わわせちゃだめなんだから」

踊り子の双剣・姉「………そうね」

フメイ「置いてかれる側の……」

クロシュ「フメイちゃん……」

 おてて「」ギュッ

フメイ「クロシュ……」

クロシュ「……」

フメイ「……うん。置いてかない……フメイ、クロシュのこと……」

クロシュ「……!」パァァァ


アリシラ「……ふふ」


アリシラ(……私とフメイちゃんの二人旅も……もしかしたら、ここで終わりなのかも……)

アリシラ(そんで……私の中にいるみんなをクロシュちゃんに送れたら……)

アリシラ(…………一人で、行かなきゃ)


 ☆アリシラの夢の住民引っ越し計画が始まりました(1/4)

 ☆フメイちゃんの心境に変化の兆しがあります

 ☆アリシラさんの心境に変化の兆しがあります

 ◆
198 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2025/04/06(日) 00:21:07.89 ID:5DJi5qRE0
―オノゴロ諸島 霊峰の隠れ里 滞在12日目

◇クロシュ [あかちゃんスライム]
武:メイドブレード  盾:ラティアの大盾  飾:くすんだ耳飾り
武:竜珠の大杖    防:竜のエプロン   飾:不死鳥の羽根

◇妖精   [世話焼き妖精]
武:         盾:         飾:くすんだ耳飾り
武:         防:精霊のレオタード 飾:

◇イリス  [星の魔法使い]
武:蒼き星の杖    盾:         飾:くすんだ耳飾り
武:         防:魔術師のローブ  飾:

◇ミスティ [氷の魔法使い]
武:氷の短刀     盾:         飾:くすんだ耳飾り
武:         防:氷竜革のローブ  飾:

◇ローガン [鋼の戦士]
武:蜥蜴一文字    盾:灼鋼の盾     飾:くすんだ耳飾り
武:鋼の回転ノコギリ 防:オリハル鎖帷子  飾:

◇エバンス [地の傭兵]
武:古代の鉄槌    盾:         飾:くすんだ耳飾り
武:魔銀の刀     防:硬質革鎧     飾:

◯所持アイテム
[道具]        [装備品]       [大事なもの]
運命賽*6       蜘蛛絹の下着      魔族国永久旅券
会心賽*0       ザリガニのお守り    フメイの服の切れ端
反魂丹*2       大きな巻き貝      精霊の印
鉄鍋+携帯調理器具   闇の欠片        精霊樹の実のジャム
「星の魔力」上中    フリルワンピ水着    精霊樹の鉢植え+赤雷球
お宿の妖精の織物    魔法学園のスク水    フメイとアリシラの人形
魔導飯盒        ガラスのザリガニ    メルルの帽子
妨害魔力波発生装置   踊り子の双剣      溶岩石のアミュレット
属性大全        サボテンドラゴンの花  太陽のメダリオン
魔王図鑑        精霊のローブ      暗黒優待券
氷精の魔導書      精霊樹の杖[改]    冒険者証(ランク1)
ブラッドワイン*3               大魔女帝国渡航権
マッスルワイン*1               かたたたきけん
吸血鬼殺ワイン*1               大魔女帝国滞在許可証
魔術書「正負の属性」              風船印のパラシュート
吸血鬼の日焼け止め               ラティア勲章
日蝕の傘                    ユーシリア王家の紋章
大魔女サイン*1
古代のセラミック
ステライト鉱石
晴れ乞い傘
チョコスムージー

◯現在の目標
・フメイちゃんを探す
・世界樹の光を追う[3/5]
・アリシラの夢引っ越し[1/4]
・わらわじゃ巫女の企みを阻止する

◯努力目標
・わらわじゃ巫女の正体を探る
・リュウトウ中将をクロシュ勢力に引き込む
・偽姫巫女の正体を調べる(達成済)
・アウルの出自を調べる(達成済)

◯仲間の目標
・カリス・ノーランドを討つ(ミスティ)

◯経験値
・クロシュ 剣技[05/06] 魔法[05/06] 防御[04/06]
・イリス  杖術[02/04] 魔法[06/16]
・ミスティ 剣技[00/07] 魔法[05/16]
・ローガン 剣技[13/16] 魔法[04/08] 防御[02/08]
・エバンス 剣技[12/16] 魔法[02/08]
……………………………………………………………………………………
□オノゴロ諸島 霊峰の隠れ里
隠れ里:貸家、広場、市、茶屋、食堂、温泉、鍛冶屋、道場、神社、他
離れ山:森林、沢、廃村
……………………………………………………………………………………
199 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2025/04/06(日) 00:21:36.03 ID:5DJi5qRE0
―クロシュの夢
 集落

ブラッドの欠片「ふわあ……よく寝た……」モニョモニョ

光の精霊「あ、ブラッドおはよ〜。もうクロシュちゃんたち起きちゃったよ〜?」

ブラッドの欠片「ん? クロシュ以外にも誰か来てたの?」

光の精霊「クロシュちゃんの友達の、フメイちゃんとアリシラちゃん!」

ブラッドの欠片「ああ……この集落に暮らしてた本当の住人だっけ。腐れカリスノーランドに造られた仲間でもあるっていう……」

光の精霊「そうそう。アリシラちゃんはカリスと関係ないと思うけど」

ブラッドの欠片「……あの腐れ外道とは遠くない内にぶつかることになる気がする。あたしもクロシュの内側でできるだけのことはしておくか」グッグッ

光の精霊「おお、頼りになるゥ〜」

ブラッドの欠片「クロシュがあたしの本体と同盟でも結んでくれれば心強いんだけどなあ。あたしの本体は人間嫌いだろうし難しいか……」

光の精霊「ここにいるあなたは人間嫌いじゃないの?」

ブラッドの欠片「どちらかと言えば嫌いだけど、ここに住んでいる内にどうでも良くなった」

光の精霊「なるほど」

 ◇
200 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2025/04/06(日) 00:22:48.23 ID:5DJi5qRE0
―朝
 霊峰の隠れ里 貸家

 チュンチュン

クロシュたんぽ「……」zzz

フメイ「ん……」パチ


窓の外を見つめるアリシラの後ろ姿「……」


フメイ「アリシラ……?」

アリシラの後ろ姿「おはよ、フメイちゃん」

フメイ「あ、うん。おはよ……。えっと……アリシラは、覚えてる……? 今朝の、夢……」

アリシラの後ろ姿「うん」

フメイ「……そうなんだ」

アリシラの後ろ姿「……うん」

フメイ「……」

アリシラの後ろ姿「……」

フメイ「……」

アリシラの後ろ姿「……私のことなら、気にしなくて良いよ。元から私が始めたことだもん」

フメイ「……」

アリシラの後ろ姿「………今まで、付き合わせて、ごめん」

フメイ「……違う。フメイは……自分の、意思で……」

アリシラの後ろ姿「でももう……クロシュちゃんと一緒にいたい。離れたくない。そうでしょ」

フメイ「……でも……フメイには……そんな資格……」

アリシラの後ろ姿「……あるよ。だってみんな……私の中で、生きてる……」

フメイ「……!」

アリシラの後ろ姿「前にフメイちゃんも、会ったでしょ? 私、今……みんなを、クロシュちゃんの中に引っ越しさせようとしてるの」

フメイ「え……」

アリシラの後ろ姿「そしたら……フメイちゃんは、クロシュちゃんと一緒に寝ればいつでもあの集落のみんなと会える。みんなも、クロシュちゃんの中でずっと平和に暮らしていける……。誰も、犠牲になんかならなかった……しあわせな結末なの」

フメイ「……アリシラは……?」

アリシラの後ろ姿「……あははっ、そしたら……私も諦めようかな? みんながしあわせに生きてるなら、世界に復讐する意味もないしね」

フメイ「じゃあ……」

 クルッ

アリシラ「……私たちの旅は……ここで、終わりにしよう」ニコッ

フメイ「……ん」コク


オノゴロ諸島滞在12日目。ここは霊峰の隠れ里です。14日目に何かが起こります
↓1〜3 自由安価 何をする?
201 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2025/04/06(日) 00:23:08.37 ID:rQp7ZWLk0
ローガン エバンスとイリスに協力してもらい鋼の防衛魔法の強化
202 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2025/04/06(日) 00:23:25.37 ID:kymc+32/0
再びクロシュの夢の中でアリシラの夢の住人引っ越し計画の続き
(可能なら再び元のイクセが現れてお話し)
203 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2025/04/06(日) 00:23:56.83 ID:uCzFrlnWo
取り敢えずアウルを遠くから観察してみる
204 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2025/04/06(日) 00:40:06.28 ID:5DJi5qRE0
本日はここまでとなります。次回はローガン氏の新防御魔法鍛錬編、アリシラの夢引っ越し計画+イクセちゃんとお話しよう編、アウル氏を探して観察してみよう編となります

クロシュの夢の中で過ごし、それぞれの思いを巡らせる集落の三人。罪ある限り、共に生きられぬ。ならば罪をなくせば、共に生きられるはず。幼い少女たちの罪を、悲しみを、空へ昇華せしめんとするは如何なる想いか。共に旅したフメイちゃんの心を欺いて突き進む、魔王もどきの少女が目指す未来は――

本日はイリスさんが光学迷彩を使えるようになったり、当時の朝廷の密猟対策について聞いてみたり、オノゴロの大吟醸を美味しく頂いたり、シズクちゃんとお話して親交を深めたり、クロシュちゃんの夢の中で楽しく遊んだり、アリシラ氏が夢の住人の引っ越し計画を始めたりしました

それでは本日もありがとうございました。次回もよろしくお願いいたします
205 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2025/04/06(日) 01:09:28.88 ID:tC/pfWqIo
おつでしたー
ここまで出会ってきた魔王達を見るに、魔王だからって一緒に居られないなんて事はないと思うんだけどな…
クロシュちゃん、アリシラさんもつなぎとめてくれ!
ブラッドと同盟はフメイちゃんが一緒であればなんか突破の糸口になりそう
206 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2025/04/06(日) 02:01:53.05 ID:4T1d9wULO
乙です
結構汎用魔法の募集が来たけど汎用魔法もキャラ安価みたいに少し設定変えたりするのかな。
207 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2025/04/06(日) 07:05:12.27 ID:0lFFQii70

メルルちゃん三つ目だしサララちゃん以上にいじめられてそう。
そんな妹を置いて旅に出た背景も気になる・・・
三つ目はハーフだし特殊個体かな?
208 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2025/04/06(日) 15:06:51.53 ID:joZrDM4uO

シズクちゃんともっと仲良くなればウォータースライムの欠片をもらえたりするんかな?
なお残り日数
209 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2025/04/06(日) 17:44:23.85 ID:5DJi5qRE0
アリシラ氏はとても特殊なケースなので、今のところどのようにするのが彼女にとって最も良い選択となるかはわかりません。慎重に考えていかなければならないかもしれません。クロシュ氏の言葉が届くかどうかもまた未知数であります
ブラッド氏の視点からは、クロシュは人間に良いように騙されているのろまなペットスライムのように見えているのかもしれません。そしてフメイちゃんもブラッド氏の同郷と言えるので、もし対話の機会があれば良い方に働く可能性があります

投下された案は形式に関わらず世界観や設定に沿うように修正される可能性があります。もし修正してほしくない場合はその旨を宣言して頂ければ修正いたしません(でもその場合、世界観にそぐわないと判断されると劇中に出せなくなります)

メルル氏は攻撃されたらやり返すタイプなので、いじめの標的になることはあまりなかったかと思われます。また、旅をしている理由については実のところスレ冒頭の登場人物紹介を読めばわかるかもしれません
一つ目小僧やその混血児の生態については未だ解明されていない点が多く、今のところ熱心に調べている研究者もいないため、姉妹で目の数や大きさが異なる理由は不明のようです

シズクちゃんともっと仲良くなると実際良いことがあるかもしれません。そして欠片については、実のところもう既にだいぶ仲良しなので、自由行動などで欲しい旨を伝えれば割とあっさりくれるかと思います。なお実際残り日数は少ないので、いろいろ終わってからゆっくりお話するのも良いかと思います
規定の日になれば自動的に話が進みますが、それまでに達成した努力目標の項目によっていろいろな運命が変わる可能性があります。クロシュちゃんたちには悔いのないように過ごして頂きたく思います
210 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2025/04/06(日) 17:44:55.60 ID:5DJi5qRE0
―霊峰の隠れ里
 里外れ

 ホーホケキョ ポッポホーホー

エバンス「思いっきり攻撃すりゃ良いのか?」

ローガン「ああ。手加減無用で頼む」

イリス「手加減無用……あの、本当に大丈夫ですか……?」

ローガン「君たちの攻撃にやられてしまうようでは、前衛は務まらんからな」

イリス「まあそういうことなら……」

エバンス「無茶はすんなよな」

イリス「じゃあいきますよ……!」コォォォ――


↓1コンマ
01-05 負傷した……
06-60 普通(魔法+1、防御+1)
61-90 良い(魔法+1、防御+2)
91-00 会心(魔法+2、防御+4、鋼属性レベルUP)
211 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2025/04/06(日) 17:45:46.83 ID:CucO16h1o
やあああ!
212 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2025/04/06(日) 18:19:23.74 ID:5DJi5qRE0
エバンス「とうっ!」バッ
 魔銀の刀「」シャッ!

ローガン「むんっ!」
 灼鋼の盾「」ギンッ!

イリス「はああっ!!」カッ

 星光の奔流「」ドギュウウウンッ!!

ローガン「!!」バッ!

 ドガァァァァンッ!!
 モクモクモク…

エバンス「お、おいやりすぎじゃないか!?」

イリス「だ、だって本気でって……」

エバンス「いや確かにそうだが……とにかく大丈夫か、旦那!」

 モクモク…

 ガションガション―

イリス「えっこの足音は……」

エバンス「な、な……」


 ガションガション―

メタルローガン「問題ない」ギラン


イリス「う、うわあああ!!?!? ろろ、ローガンさんが!!?!?」

エバンス「ぎ、銀ピカの鉄人になっちまった!!?!?」

 *

メタルローガン「メタルコーティングという魔法でな。全身を鋼の魔力で硬質化させるという術なのだ」ギラギラ

イリス「メタルコーティング……!! 聞いたことがあります。鋼属性の上級術師が使うという、世界的に見ても屈指の堅さを得られるという強力な防護魔法……!!」

エバンス「そんな隠し技を持ってたなんて……やるじゃないか、旦那!!」

メタルローガン「ユーシリア大図書館に滞在していた時、隙間時間に教本を読んで勉強していたのだ。この魔法があれば物理的な攻撃のみならず、魔法や毒に対しても優位に立ち回れるはずと思ってな」

イリス「なるほど……鋼の力で体を包めば大抵の毒も効かなくなりますね!」

メタルローガン「うむ。問題は呼吸によって取り込んでしまう気体毒だったのだが、それも妖精くんの耐毒結界で無効化できる。我ながら毒対策は万全にできているのではないかと思う」

エバンス「確かに、鋼に毒って効かなそうだが……実際効かないもんなのか?」

メタルローガン「雨風に晒された鋼が錆びて腐蝕するように、全く効かないとは言い切れないだろう。だがそれでも生身でいるよりは毒の侵食をかなり防げるはずだ」

エバンス「まあそりゃそうか」

メタルローガン「妖精くんも言っていたように、強力すぎる毒を浴びればスライムであっても無事では済まないかもしれん。そんな危険な戦いの前衛をクロシュくんだけに押し付けるわけにはいかんしな」

イリス「ですね……。私もできる限り早く戦いを終わらせられるよう頑張ります!」

メタルローガン「うむ、頼んだぞ」

 ☆ローガンが経験を積みました(魔法+1、防御+2)
  さらに戦闘中、必要に応じてメタル化するようになりました

 ◇
213 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2025/04/06(日) 18:39:36.92 ID:5DJi5qRE0
―霊峰の隠れ里 貸家

 オフダ「」ヒラヒラ

イヨ「……」ムム…

妖精「何してるの?」

イヨ「オフダで温泉街の様子を探っています。警備もかなり強まっているので、遠くから観察するくらいしかできませんが……」

ミスティ「今の温泉街の状況はどんな感じなの?」

イヨ「……国外から来た旅行者や冒険者たちは捕縛されて牢に入れられてしまったようで、先日までの賑わいが嘘のように閑散としています。それに抗議した商人や手工業者も、朝廷反逆罪で捕らえられてしまうようです」

妖精「……本気でオノゴロを壊す気なんだ」

イヨ「はい。ああ、あと……私たちの人相書きが掲示板などに貼られています。けっこうな懸賞金がかけられているみたいです」

ミスティ「……ついにお尋ね者になってしまったのね」

妖精「今までにも何度かお尋ね者になりそうな事態はあったけど、実際にお尋ね者になったのは初めてな気がする……」

イヨ「……あっ! アウルです! あの毒狐の姿を発見しました!」

妖精「えっ、それ大丈夫?」


↓1コンマ
01-05 逆探知されてしまった!
06-35 オフダを破壊された
36-65 リュウトウを叱っている
66-95 大掛かりな方陣を作っている
96-00 リュウトウがオフダに気付いた
214 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2025/04/06(日) 18:42:50.50 ID:0lFFQii70
215 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2025/04/06(日) 20:14:17.60 ID:5DJi5qRE0
イヨ「……リュウトウを叱っているようです。何と言っているかまでは聞き取れませんが……」

ミスティ「リュウトウ中将もいるのね」

妖精「やっぱりアウルの方が立場が上なんだ」

ミスティ「……叱っているということは、リュウトウ中将は何かの失敗をしたということ?」

イヨ「……もしくは、アウルの意に沿わない発言をした……でしょうか。リュウトウは真面目で曲がったことが嫌いですから、あの毒狐の横暴に耐えられず何らかの反抗を行った可能性もあります……」

妖精「……でも、叱られてるだけで捕まったり連行されたりしてるわけじゃないんでしょ? それなら……きっと大丈夫だよ。イヨがアウルに殺されそうになってる時に、反逆じゃなくて土下座っていう行動を選択できた子だもん。感情に任せて無茶な行動に走ったりはしないはずだよ」

イヨ「そう、ですね……。そう信じます……」

妖精「でも、リュウトウが叱られるに至った経緯は気になるね……。一体何があったんだろう」

ミスティ「……まだ14歳なのよね……。それなのに朝廷軍の重責を負わされて、しかも外患そのものな毒狐に嫌味を言われながら働かせられるなんて……気の毒だわ……」

イヨ「…………」

 ◇
216 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2025/04/06(日) 21:41:09.18 ID:5DJi5qRE0
―クロシュの夢
 集落診療所

夢の女神「ゆっくり、深く呼吸をして……」

アリシラ「すぅー……はぁー……」

夢の女神「そう、そのままリラックスして……」



フメイ「アリシラ……ほんとに、引っ越ししてもらうつもりなんだ……」

クロシュ「うん……」

フメイ「クロシュも知ってたんだ……引っ越し先の当事者なんだから、知ってて当然……?」

クロシュ「うん……なんとなく……わかった……」

 *

―クロシュの夢
 集落

クロシュ「……あ、やらなきゃいけないこと……あるんだった……」

フメイ「え、やらなきゃいけないこと?」

クロシュ「えっと……姫巫女の、イクセちゃんと……お話……」

フメイ「姫巫女の……? どうやって……?」

クロシュ「女神さまに……あっ、今お引っ越しで忙しいから……えっと……」モニョニョ…


ヴァン「夢の力が必要なんだね? 俺に任せてくれ!」ヌッ

クロシュ「ヴァンさん……!」

フメイ「昨日リンゴをくれた人……?」

ヴァン「また会ったねフメイちゃん! 俺は女神の騎士ヴァン・アナザールート! 女神ほどじゃないけど、生前は夢の魔法が使えたんだ! クロシュちゃんの道は俺が切り開こう!」

クロシュ「わあ……!」

ヴァン「姫巫女さんとは一度夢が交わってる仲だから、俺の力でも繋げられると思う!」

フメイ「……フメイも、いける?」

ヴァン「フメイちゃんはお客さんだから、たぶん行けると思うよ!」

フメイ「わかった……クロシュはフメイが守るから、安心して」

ヴァン「ははっ、心強いなあ。それじゃあ道を繋げるよ」スッ

 ポワン!
 夢の境界「」ユラユラ

フメイ「わ……空間が、水面みたいにゆらゆらしてる……!?」

ヴァン「夢と夢の境界だよ。この向こうが姫巫女さんの夢の世界に繋がってる」

クロシュ「ヴァンさん、すごい……!」

ヴァン「女神の騎士だからね! 俺たち夢住人は向こう側には行けないから、もし向こうで何かあったら急いで帰っておいで」

クロシュ「ん……!」

フメイ「……いってきます」

 夢の境界「」トプン…

 ◇
217 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2025/04/06(日) 21:46:32.31 ID:5DJi5qRE0
―イクセの夢
 トウゲン城 縁側

 お花畑「」ソヨソヨ
 ちょうちょ「」ヒラヒラ

イクセ「……」ボー…


クロシュ「」ヒョコ

フメイ「ここが……姫巫女の……?」ヒョコ


イクセ「……あっ……この前の、スライムさん……? でも……二人……?」

クロシュ「わたし……クロシュ……。この前の、スライム……。えと、こっちの……フメイちゃんは……」

フメイ「……フメイは、フメイ……。クロシュの……友達……」

イクセ「そうなんだ……。クロシュちゃんに、フメイちゃん……」

クロシュ「ん……!」

フメイ「あなたが……姫巫女の、イクセ……?」

イクセ「……ううん。わたしは……ただの、イクセだよ……?」

フメイ「え、そうなの?」

イクセ「うん……」

フメイ「そうなんだ……」

 *

イクセ「今日は……どんな、ご用で来たの……?」

クロシュ「えっと……先代の、姫巫女さまのこと……イヨちゃんと……ござるのおじさんから、聞いた……」

イクセ「ござるのおじさん……あっ、アキトおにいちゃん……!?」

クロシュ「知ってるの……?」

イクセ「うん……! イヨおねえちゃんも、アキトおにいちゃんも、知ってる……!」

クロシュ「わあ……! えっとね……イヨちゃんと、ござるのアキトさんが……先代の姫巫女さまは、すごく優しくて、いい人だったって……言ってた……!」

イクセ「……うん……」

クロシュ「だから……えっと……」

イクセ「……でも……優しかったお母さまは……姫巫女なんかになったせいで、死んじゃった……」

クロシュ「んゅ……」

イクセ「……だから、姫巫女さえなくなっちゃえば……もう誰も……ひどい目に、あわない……」

フメイ「……」


↓1コンマ
01-05 「わらわの心に土足で上がり込む不届き者はどこの誰じゃ?」ヌッ
06-60 フメイの反論
61-90 霊媒スライム
91-00 夢想スライム
218 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2025/04/06(日) 21:49:02.48 ID:QcRWGm2JO
219 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2025/04/06(日) 23:14:09.89 ID:5DJi5qRE0
フメイ「……じゃああなたのお母さまは……あなたも一緒に死ねって、思ってるの?」

イクセ「えっ……」

フメイ「だって……そういうことになる。わらわじゃの姫巫女が、歴代の姫巫女の総意だって言うなら……あなたのお母さまは、あなたが死んでも良いって思ってるってこと……」

イクセ「あ……」ジワ…

クロシュ「〜〜…!」モニャニャ アタフタ

フメイ「……でも……フメイは、違うと思う」

イクセ「……ふえ……」ジワワ

フメイ「……フメイ……お母さまっていうのは、正直、よくわかんないけど……。大切な人のことなら……わかるから……。大切な人が泣いたり、死んだりして良いなんて……絶対、望まない……」

クロシュ「!」パァァァ

イクセ「で、でも……お母さまの、声が……」

フメイ「……声真似が上手いのも、たまにいる……。クロシュだって、フメイの声真似……上手いし……」

クロシュ「〜〜///」モニョニョ

イクセ「……じゃあ……誰かが、お母さまの声真似……してたの……?」

フメイ「……確証、ないけど。たぶんそう」

イクセ「うぅ……」

フメイ「……きっと、悪霊みたいのが……」


「わらわのイクセを泣かせる不届き者はどこのどいつじゃ?」ヌッ


クロシュ「!」

フメイ「お前が……」


イクセ「あ……御代表さま……」

半透明の狐巫女「おお、よしよし……かわいそうに、わらわのかわいいイクセ……」ヨシヨシ

イクセ「……あ、あの……! お、お母さまは……わたしが、死んでも良いって……」

半透明の狐巫女「……かような悪童共の戯言に耳を傾けてはならぬ」

イクセ「で、でも……御代表さまの言う通りなら……お母さまは……」ジワワ…

半透明の狐巫女「……そうじゃ。お主の母は、お主が死んでも構わぬと言った」

いク世「」グニャァァ


クロシュ「!!?」

フメイ「い、イクセの姿形が歪んで……」


半透明の狐巫女「はぁ〜あ。お主らが変なことを吹き込むから、イクセが壊れてしもうた。お主らのせいじゃ」

フメイ「お前っ……! イクセに、何した……!!」

半透明の狐巫女「まこと、幼子の心は儚く脆い……。こうなってしまっては姫巫女としての力も半減じゃが……まあ反抗されるよりはマシじゃからな。はぁ〜こんな幼い子の心を壊してしまうなんて、お主らは血も涙もない冷血漢じゃのお〜」

フメイ「違うっ! お前が……嘘を、言った……!!」

半透明の狐巫女「どちらにしろ手遅れじゃ。わらわの言葉が真であれば、イクセの母は娘と国を破滅に追いやる畜生。わらわの言葉が偽であれば、イクセは正体不明の悪霊に言いくるめられて体を明け渡し国を破滅させた史上最悪の姫巫女。どっちに転んでも、幼いイクセのひわひわな心では耐えられん」
220 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2025/04/06(日) 23:15:09.01 ID:5DJi5qRE0

クロシュ「……あなたは……誰なの……?」

半透明の狐巫女「わらわは――銀狐の怨嗟を受けて表象した、姫巫女の罪過。オノゴロを滅ぼす魔性の者。名前は特にないゆえ、好きに呼ぶが良い」

クロシュ「銀狐の……呪い……」

半透明の狐巫女「ま、そういうわけじゃ。お主らに恨みはないゆえ、速やかに島を出ていくなら追いはせぬ。もっとも……オノゴロを沈めた後、星の力を有したわらわがどう動くかは未定じゃがな?」ニヤニヤ

フメイ「……星を滅ぼすの?」

半透明の狐巫女「未定と言ったじゃろ! まあそれも楽しそうじゃが」

クロシュ「……」


半透明の狐巫女「ふわあ……昼間に引き続き夢の中でも働くと流石に眠くなるのう……。お主らもそろそろ帰るのじゃ」シッシッ

クロシュ「……イクセちゃん……治して」

いくせ「」デロデロ

半透明の狐巫女「無理じゃ。壊れた心を治す術などない」

フメイ「……」

半透明の狐巫女「おおっと、ここで暴れるのは止すんじゃな。壊れたとはいえ、ここはイクセの夢。下手に暴れればトドメを刺すことになるぞ? それはわらわも困るしの」

フメイ「………」


半透明の狐巫女「自分の足で帰れないというなら――わらわが送っていってやろう」ズオッ!

半透明の狐「」ピョンッ!


フメイ「!」

クロシュ「わ、狐さん……!」

 パクッ!

狐に咥えられたフメイ「わわあ!?」ジタバタ

狐に咥えられたクロシュ「んわわ……!!」ジタバタ

クロシュたちを咥えた半透明の狐「」シュタタタタッ

 夢の境界「」トプン…

 ◆
221 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2025/04/06(日) 23:16:20.11 ID:5DJi5qRE0
―クロシュの夢
 集落

 夢の境界「」ポヨン

フメイ「んぐっ!」ドテッ

クロシュ「んゅっ!」ドテッ


ヴァン「クロシュちゃん、フメイちゃん!」

 *

―クロシュの夢
 診療所

ヴァン「姫巫女の正体は銀狐の呪いで表出した姫巫女たちの罪悪で、当代の姫巫女であるイクセちゃんはデロデロに溶けてしまっただって……!!?」

アリシラ「そんなことになってたんだあ……」

フメイ「うん……」

クロシュ「女神さま……イクセちゃん、治せる……?」

夢の女神「……呪いの影響で壊されてしまった心は、まず呪いを祓わないとどうしようもないかも……。治せるかどうかさえ、現時点ではわからないとしか言えない……。ごめんね」

クロシュ「……じゃあ、わらわじゃ巫女をやっつければ……いいの……?」

夢の女神「そういうこと」

フメイ「……わかった。あいつ……むかつくから、やっつける」

アリシラ「それでこそだよフメイちゃん! まあ私はちょっと状況を飲み込めてないんだけどね」

フメイ「……アリシラの方は、引っ越し、どうだったの?」


↓1コンマ
01-65 まあまあ(2/4)
66-95 良い感じ(3/4)
96-00 ??
222 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2025/04/06(日) 23:19:15.30 ID:0lFFQii70
223 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2025/04/06(日) 23:52:25.90 ID:5DJi5qRE0
夢の女神「引っ越しの準備は順調に進んでいます。上手くいけば、あと一晩か二晩でできるかと思います」

アリシラ「だそうです。よろしくね〜クロシュちゃん」

クロシュ「うん!」

フメイ「……」

 ☆姫巫女の正体を突き止めました

 ☆アリシラさんの夢引っ越し準備が進みました(2/4)

 ◆
224 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2025/04/07(月) 00:00:46.98 ID:JBC8PCf70
―オノゴロ諸島 霊峰の隠れ里 滞在13日目

◇クロシュ [あかちゃんスライム]
武:メイドブレード  盾:ラティアの大盾  飾:くすんだ耳飾り
武:竜珠の大杖    防:竜のエプロン   飾:不死鳥の羽根

◇妖精   [世話焼き妖精]
武:         盾:         飾:くすんだ耳飾り
武:         防:精霊のレオタード 飾:

◇イリス  [星の魔法使い]
武:蒼き星の杖    盾:         飾:くすんだ耳飾り
武:         防:魔術師のローブ  飾:

◇ミスティ [氷の魔法使い]
武:氷の短刀     盾:         飾:くすんだ耳飾り
武:         防:氷竜革のローブ  飾:

◇ローガン [鋼の戦士]
武:蜥蜴一文字    盾:灼鋼の盾     飾:くすんだ耳飾り
武:鋼の回転ノコギリ 防:オリハル鎖帷子  飾:

◇エバンス [地の傭兵]
武:古代の鉄槌    盾:         飾:くすんだ耳飾り
武:魔銀の刀     防:硬質革鎧     飾:

◯所持アイテム
[道具]        [装備品]       [大事なもの]
運命賽*6       蜘蛛絹の下着      魔族国永久旅券
会心賽*0       ザリガニのお守り    フメイの服の切れ端
反魂丹*2       大きな巻き貝      精霊の印
鉄鍋+携帯調理器具   闇の欠片        精霊樹の実のジャム
「星の魔力」上中    フリルワンピ水着    精霊樹の鉢植え+赤雷球
お宿の妖精の織物    魔法学園のスク水    フメイとアリシラの人形
魔導飯盒        ガラスのザリガニ    メルルの帽子
妨害魔力波発生装置   踊り子の双剣      溶岩石のアミュレット
属性大全        サボテンドラゴンの花  太陽のメダリオン
魔王図鑑        精霊のローブ      暗黒優待券
氷精の魔導書      精霊樹の杖[改]    冒険者証(ランク1)
ブラッドワイン*3               大魔女帝国渡航権
マッスルワイン*1               かたたたきけん
吸血鬼殺ワイン*1               大魔女帝国滞在許可証
魔術書「正負の属性」              風船印のパラシュート
吸血鬼の日焼け止め               ラティア勲章
日蝕の傘                    ユーシリア王家の紋章
大魔女サイン*1
古代のセラミック
ステライト鉱石
晴れ乞い傘
チョコスムージー

◯現在の目標
・フメイちゃんを探す
・世界樹の光を追う[3/5]
・アリシラの夢引っ越し[2/4]
・わらわじゃ巫女の企みを阻止する

◯努力目標
・リュウトウ中将をクロシュ勢力に引き込む
・わらわじゃ巫女の正体を探る(達成済)
・偽姫巫女の正体を調べる(達成済)
・アウルの出自を調べる(達成済)

◯仲間の目標
・カリス・ノーランドを討つ(ミスティ)

◯経験値
・クロシュ 剣技[05/06] 魔法[05/06] 防御[04/06]
・イリス  杖術[02/04] 魔法[06/16]
・ミスティ 剣技[00/07] 魔法[05/16]
・ローガン 剣技[13/16] 魔法[05/08] 防御[04/08]
・エバンス 剣技[12/16] 魔法[02/08]
……………………………………………………………………………………
□オノゴロ諸島 霊峰の隠れ里
隠れ里:貸家、広場、市、茶屋、食堂、温泉、鍛冶屋、道場、神社、他
離れ山:森林、沢、廃村
……………………………………………………………………………………
225 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2025/04/07(月) 00:01:34.00 ID:JBC8PCf70
―朝
 霊峰の隠れ里 貸家

妖精「姫巫女が、銀狐の呪いだって!?」

クロシュ「えっと……銀狐の呪いで、罪悪感が……いっぱいになって……わらわじゃに、なったんだって……」

イリス「……つまり、姫巫女ではある?」

クロシュ「うん……たぶん……」

エバンス「アウルが妙に高い地位に就いてたのも、憎き朝廷や姫巫女の元で動いていたのもこれで説明がつくな。銀狐の恨みに端を発する話だったってわけだ……!」

ミスティ「……ままならないものね。当時の朝廷は、決して銀狐を見捨てたわけではなかったのに……」

イヨ「……結果として、銀狐は滅びてしまいました。当人たちからすれば……当時どれほど朝廷が努力していたとしても、全て無意味でしょう。もちろん、だからと言って銀狐の恨みを受け入れるわけには参りませんが」

アキト「……イクセ殿は……無事なのだろうか」

クロシュ「えっと……わたし、心の力が……少し使えるから……わらわじゃをやっつけたら、がんばってみる……!」

アキト「……すまぬ。お願い申し上げる……」


トキワ「……不死鳥の炎じゃ、心の傷は治せないの……?」

妖精「不死鳥の炎は命の熱そのものだから、心の負傷にも多少は効くよ。病気の時とかは心も弱くなりがちでしょ? そういう場合には効く。でもイクセの場合は、たぶん体の不調に関係した心の痛みではないと思うから……不死鳥の炎でもちょっと難しいかも」

トキワ「……そうなんだ」


 運命賽「」コロン

クロシュ「……?」ヒョイ

 運命賽「」グォン―

『明日、運命が大きく動きます……。クロシュさん……どうか、悔いのないように……』

 運命賽「」シュゥン…

クロシュ「??」キョロキョロ

妖精「クロシュ、どうしたの?」

クロシュ「……今……声が、聞こえた……」

妖精「え、声? 誰の?」

クロシュ「…………わかんない。でも……聞き覚え……あった、ような……」

妖精「なんて言ってたの?」

クロシュ「明日……運命が、おおきく動くって……」

妖精「運命が大きく動く……? どういう意味だろう……。ま、まさかアウルたちが何かするとか!?」

クロシュ「……わかんない……。でも……準備、しといた方が良いかも……」


オノゴロ諸島滞在13日目。ここは霊峰の隠れ里です。明日何かが起こります
↓1〜3 自由安価 何をする?
226 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2025/04/07(月) 00:02:04.76 ID:KblKq4Lso
セレナディアの夢を喰う力をクロシュが顕現させ、わらわじゃ巫女を喰ってしまおう
227 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2025/04/07(月) 00:02:21.17 ID:DJb/zW4m0
クロシュ 温泉でフメイとお話しする
228 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2025/04/07(月) 00:03:04.94 ID:mtq0i5lnO
シズクとおしゃべり
229 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2025/04/07(月) 00:07:13.64 ID:mtq0i5lnO
>>228 ごめん訂正します
シズクとおしゃべりして可能ならウォータースライムの欠片貰えるか聞いてみる
230 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2025/04/07(月) 00:15:14.03 ID:JBC8PCf70
というわけで本日はここまでとなります。次回は夢喰いスライム強襲編、温泉でフメイちゃんとカポーン編、シズクちゃんとモニョモニョしよう編です

ついに明かされるわらわじゃ巫女の真実。それは銀狐の呪いと罪悪感によって変質した姫巫女たちの闇の側面だった。砕かれたイクセの心は、デロデロに溶けて夢の中に沈み――暗黒のわらわじゃ巫女が、オノゴロの歴史に終止符を打たんと動き出す。クロシュは、幼い巫女のかなしみを救うことができるのか――

それでは本日もありがとうございました。次回は土日となります、よろしくお願いいたします
231 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2025/04/07(月) 00:17:27.53 ID:mVAQ6C+K0
乙です
フメイの反応見てるともしかしてアリシラの引っ越し計画を止めたほうが良いのかな?
232 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2025/04/07(月) 03:07:38.10 ID:POy9v4ivo
おつ
もう最終日だが準備不足が否めない
メイン組は最悪運命賽使えばいいけど…
233 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2025/04/07(月) 07:18:59.59 ID:KaM2sqHGo
おつです
こんな時にあれですが運命賽さんが意外と律儀でニッコリした
234 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2025/04/07(月) 13:14:23.22 ID:uShQziTvO

フメイちゃんが話してる横でクロシュさんの表情が忙しくてかわいい
火力と毒対策にはだいぶ恵まれたけどりゅうとう

当日どうなるか
235 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2025/04/07(月) 13:17:18.27 ID:uShQziTvO
途中送信スマソ
火力と毒対策にはだいぶ恵まれたけどリュウトウ中将を引き込めなさそうなのがどう響くか心配ではある…
236 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2025/04/12(土) 03:54:11.91 ID:pqPzEe0X0

わらわじゃ巫女の正体が銀狐の怨嗟だったのか。個人的にわらわじゃ巫女とアウルのやり取りはちょっと見てみたいところはある。
あと、準備不足なところはあるけどチートの不死鳥の力と運命賽があるからなんとかなりそう。
237 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2025/04/12(土) 18:04:35.00 ID:bqA4B6C70
アリシラさんの引っ越し計画は順調に進んでいる最中なので、ここから止めようとするのは難しいでしょう。いちおう夢の女神様が細心の注意を払って準備を進めているため、精神的に大きな問題が発生するリスクは低いと思われます

実のところ今回の行動ではどう動いてもリュウトウ氏をこちらに引き込めないため、努力目標が一つ達成できていない状態で明日を迎えることとなります。それがどのような運命をもたらすかは今のところ闇に包まれています。慎重に行くのが良いでしょう

運命賽さんは、クロシュちゃんをさん付けで呼ぶようです。増えたり減ったりを繰り返してはいますが、実のところ魔族国からの長い付き合いのようです。どのような考えかはわかりませんが、クロシュたちの味方だという点ははっきりしているかもしれません

クロシュ氏は口下手ですが感情は豊かなので、表情がコロコロ変わることがあるようです
実のところ単純な火力と毒対策でいえばものすごく強いと言えますが、リュウトウ中将を引き込めなかった点がどのように作用するかは今のところ未知数です

わらわじゃ巫女とアウル氏がどのような関係かは今のところはっきりしていませんが、目的を同じくしていることは恐らく確かでしょう
また、クロシュ一行が生き残ることに関しては実際かなり優位であると思われますが、他の点は闇に包まれています
238 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2025/04/12(土) 18:05:09.23 ID:bqA4B6C70
―霊峰の隠れ里
 ひのき風呂

 カポーン

フメイ「ふう……」チャプン

スライムクロシュ「〜〜…♪」デロデロ

フメイ「クロシュ、お風呂の時にデロデロになるのは相変わらずだね」

スライムクロシュ「〜〜」モニョニョ

フメイ「うん……」


フメイ「……」

スライムクロシュ「……」デロデロ

フメイ「……」

スライムクロシュ「……」デロデロ

フメイ「……クロシュは……フメイのこと、止めたがってたよね」

スライムクロシュ「……」モニョ

フメイ「………アリシラの中でみんな生きてて……クロシュの中に引っ越しせば、みんなずっとしあわせにいられるなら…………フメイ……もういいのかな……」

スライムクロシュ「――」モニョ―

フメイ「…………なんでもない。クロシュに聞いて良いことじゃなかった」

スライムクロシュ「〜〜…」モニョニョ…

フメイ「……」

スライムクロシュ「……」


↓1〜3 フメイちゃんと話すこと
1.これからのこと
2.アリシラのこと
3.集落のみんなのこと
0.自由安価(内容により部分採用または不採用となる場合もある)
239 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2025/04/12(土) 18:06:47.64 ID:8DIYxv9b0
2
240 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2025/04/12(土) 18:07:44.52 ID:MOnyR0tC0
241 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2025/04/12(土) 18:08:32.12 ID:M9uPOAKpO
2
242 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2025/04/12(土) 18:15:18.12 ID:bqA4B6C70
少しわかりにくいですが実はこれは多数決ではないので、2と3は確定としてもう1つ話す内容を選ぶことができます

↓1
1.これからのこと
0.自由安価(内容により部分採用または不採用となる場合もある)
243 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2025/04/12(土) 18:17:14.75 ID:5HkfY+Q6o
0
ブラッドという同じカリスに創られたスライムのこと
244 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2025/04/12(土) 19:40:01.29 ID:bqA4B6C70
フメイ「……クロシュ……アリシラのことなんだけど……」

スライムクロシュ「?」モニョ

フメイ「……アリシラ……もう終わりにするって、言ったの」

スライムクロシュ「!」モニョ!

フメイ「みんながクロシュの中でしあわせに生きられるなら、それでもういいって……」

スライムクロシュ『わあ……!』モニョニョ!

フメイ「でも……本当に本気で言ってるのか、わかんない……」

スライムクロシュ『そうなの……?』モニョニョ…

フメイ「うん……。みんながしあわせにいられるなら……復讐する理由も、あんまりない……。でも……フメイも、そうわかってるはずなのに……人間とか、悪い奴らを許せない気持ちは……消えない……」

スライムクロシュ『……』モニョ…

フメイ「……アリシラは……フメイ以上に、そういう気持ちが大きい気がする……。だから……諦めるっていうのは、嘘で……。フメイを遠ざけて、自分だけで世界樹の光を集めに行こうとしてるんじゃないかって……」

スライムクロシュ『……』モニョニョ…

フメイ「自分の中にいるみんなをクロシュに引っ越させるのも、巻き込まない為なんじゃないかって思う……。今のアリシラ、ふざけてるように見えて、お布団の中で泣いてたりするし……」

スライムクロシュ『……それなら……わたし、説得、する……!』モニョニョ…!

フメイ「うん……。まあ、アリシラの本心がそうだって決まったわけじゃないけど……。もしそうだったら、フメイも説得する。お引越しが終わるまでは一緒にいると思うから、猶予はあると思う」

スライムクロシュ『フメイちゃんも、これから、一緒……?』モニョニョ

フメイ「……クロシュが、それでもいいなら……そうする」

スライムクロシュ『わあ……!』モニョニョ!

フメイ「だから、アリシラがもし変なこと考えてたら……ちゃんと、止めよ」

スライムクロシュ『うん……!』モニョ!

 *

フメイ「ところで、集落のみんなのことなんだけど……クロシュの中に入ったら、あの夢で見た世界で暮らすことになるの?」

スライムクロシュ『うん。たぶん、そうだと思う……』モニョモニョ

フメイ「そうなんだ。まあクロシュが大丈夫なら、大丈夫かな……?」

スライムクロシュ『うん』モニョ

フメイ「……クロシュの中で生きられるなら……それで、良いんだよね……」


↓1コンマ
01-70 うん
71-90 分体にすればお外に出せるかも
91-00 ??
245 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2025/04/12(土) 19:41:43.61 ID:3yqhzA8/O
246 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2025/04/12(土) 20:31:54.33 ID:bqA4B6C70
スライムクロシュ『うん……たぶん、いいと思う』モニョモニョ

フメイ「わかった」

スライムクロシュ『……でも……えっと……』モニョニョ

フメイ「?」

スライムクロシュ『もっと良い考えが……あるような気もする……』モニョモニョ

フメイ「そうなの?」

スライムクロシュ『……気がするだけ、かも……』モニョニョ…

フメイ「……気になる」

スライムクロシュ『んゅ……お、思いついたら……言う……』モニョモニョ

 *

スライムクロシュ『そういえば……フメイちゃんは、ブラッドちゃんって、知ってる……?』モニョモニョ

フメイ「ブラッド……?」

スライムクロシュ『えっとね……。カリス・ノーランドに造られた、赤いスライムさん……』モニョモニョ

フメイ「あ……! し、知ってるかも……」

スライムクロシュ『わあ……!』モニョ…!

フメイ「……フメイが生まれたばかりの頃……血みたいに赤いスライムが、いろいろ教えてくれた……」

スライムクロシュ『そうだったの……!?』モニョニョ

フメイ「うん……。すごく厳しくて、何回もべちべち叩かれたけど……でも、フメイに生き方とか心構えとかを叩き込んでくれた……とも思う……」

スライムクロシュ『わあ……』モニョニョ

フメイ「フメイが、一人で戦えるようになった頃……何かの任務で戦死したって、聞いた……。でもフメイ、あの人が簡単に死ぬとは思えなかったから……もしかしたら、って思ってて……」

スライムクロシュ『うん……!』モニョ

フメイ「もしそのブラッドが、あの人なら……お礼、言いたい」

スライムクロシュ『うん!』モニョニョ

フメイ「………でも、その……クロシュは、大丈夫なの?」

スライムクロシュ『ほえ……?』モニョニョ

フメイ「……えっと……言っては何だけど……あの人、クロシュみたいな子には特に厳しかったから……」

スライムクロシュ『う、うん……。ブラッドちゃん……いつも、わたしに怒ってるかも……』モニョニョ…

フメイ「やっぱり……」

スライムクロシュ『で、でもね……前に、わたしの言うこと、聞いてくれた……! だから、お話、できる……!』モニョモニョ

フメイ「そうなんだ……けっこう丸くなったのかなあ」

 ◆
247 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2025/04/12(土) 21:08:28.15 ID:bqA4B6C70
―夕方
 霊峰の隠れ里 貸家の縁側

 カー… カー…

スライムクロシュ「……」ノンビリ

シズク『お疲れさまです、クロシュちゃん。今日はゆっくりだね』モニョモニョ

スライムクロシュ『うん。妖精さんに……今日は明日に備えてゆっくりするよう、言われた……』モニョモニョ

シズク『明日何かあるの?』モニョニョ

スライムクロシュ『えっと……わかんない。でも……何かあるって……声が、聞こえた……』モニョモニョ

シズク『わ! それってもしかして、お告げっていう……!?』モニョニョ

スライムクロシュ「わ、わかんないけど……。念の為……。明日、もし誰かが大怪我とかした時……わたしがデロデロだと、治せないかもしれないから……」モニョニョ

シズク『不死鳥さん! ……今更だけど、クロシュちゃんの不思議な力って一体どうやってるの?』モニョモニョ

スライムクロシュ『えっとね――』モニョニョ

 *

 チリッ
炎スライムクロシュ『〜〜』チリチリ

 パチッ
雷スライムクロシュ『〜〜』パチチッ

 フワッ
風船スライムクロシュ『〜〜』フヨフヨ


シズク『わわわ、わわ〜!! すごい、すごい! クロシュちゃんなんでもできるんだあ!!』キャッキャ

スライムクロシュ『えっと……これが、同化……。もらったもの次第だから……なんでもは、できないよ……?』モニョモニョ

シズク『ねえねえ、それじゃあわたしの欠片があれば、ウォータースライムにもなれるの!?』モニョニョ!

スライムクロシュ『うん……たぶん……』モニョニョ

シズク『わあ……! じゃあ、はいっ!』モニョニョニョ―

  プチッ
 ウォータースライムの欠片「」プルプル

スライムクロシュ『ほえ……?』

シズク『同化! 同化!』キャッキャ

スライムクロシュ『う、うん……! んへへ……』モニョモニョ

 ☆スライム技能が高いため自動成功します

 デロデロ…モニョモニョ…ポン!

水スライムクロシュ「!」モニョン プルプル

シズク『んわわ〜!!』キャッキャ

水スライムクロシュ『んへへ……今度は、シズクちゃんと、おそろい……!』モニョニョ

 ☆シズクからウォータースライムの欠片をもらいました
 ☆クロシュがウォータースライムに同化擬態できるようになりました

↓1〜2選択 シズクちゃんと話すこと
1.明日のこと
2.ウォータースライムのこと
3.この世界のこと
0.自由安価(内容により部分採用または不採用となる場合もある)
248 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2025/04/12(土) 21:09:34.53 ID:MOnyR0tC0
0、ユキとは仲良しだったのか
249 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2025/04/12(土) 21:13:21.51 ID:iqWrqR8pO
0トキワちゃんについて
昔から知り合いだったぽいし
250 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2025/04/12(土) 22:46:22.65 ID:bqA4B6C70
シズク『そういえばクロシュちゃんたちって、ユキちゃんとも知り合いなんだよね?』

水スライムクロシュ『うん! 雪女の、ユキさん!』

シズク『わあ……! ユキちゃん、元気だった?』

水スライムクロシュ『うん! えっと……魔法、学園ってとこで……お勉強、してた……!』

シズク『わわぁ……! 大魔女帝国の魔法学園だよね! わたしも行ってみたいなぁ……お空の上に浮かぶ街の、魔法の学校……』

水スライムクロシュ『あ……えっと……』

シズク『?』

水スライムクロシュ『……大魔女帝国の、街は……落っこちちゃった……』

シズク『ふぇ……えええええええ!!!?!?』モニャニャニャニャ!!?!?

水スライムクロシュ『えっと……いろいろ、あって……』

シズク『そ、そうだったんだあ……。あんまり新聞とか読まないから、知らなかったよぉ……』

水スライムクロシュ『うん……。でも……ユキさんは、元気だと思う……!』

シズク『えへへ、そっかぁ! それなら大丈夫だね!』

水スライムクロシュ『シズクちゃんは、ユキさんと仲良しだったの?』

シズク『うん! ユキちゃんが留学に行く前は、雪解けで一緒に働いてたの! わたしに掃除の仕方とか、言葉遣いとか、いろいろ教えてくれたんだぁ』

水スライムクロシュ『わぁ……!』

シズク『えへへ、次に帰ってきた時はきっとびっくりするよ! わたし、言葉が上手になったし、お掃除も浄水もできるもん!』

水スライムクロシュ『うん!』

 *

水スライムクロシュ『トキワちゃんも……雪解けで、働く……?』

シズク『そうしてくれたら嬉しいなあ……。ユキちゃんがいなくて、おじいさんも開拓に行っちゃったから本当に人手不足で……』

水スライムクロシュ『トキワちゃんって……怪我の、肩代わりが……できるんだっけ……?』

シズク『うん。相手の怪我とか病気を自分に移せるんだけど……その代わりに、自分が怪我や病気を負うことになっちゃう変な魔法なんだぁ……。わたしは、あんまり使わない方がいいよって言ったんだけど……トキワちゃんは、昔からしょっちゅう使ってボロボロになってた……』

水スライムクロシュ『そうなんだ……』

シズク『うん……。人や妖怪だけじゃなくて、野良の動物とかが怪我をしててもすぐに肩代わりしちゃうから……ほんとにいつもボロボロだったの……。わたしも水属性の簡単な治癒と浄化の魔法が使えるから、肩代わりしてきたトキワちゃんに応急手当をしてあげたりしたよ……』

水スライムクロシュ『んわ……。え、えと……大怪我とか、大丈夫だったの……?』

シズク『酷いときは、骨折とか、壊死とかしてることもあった……。でもなんでか、どう見ても死ぬような大怪我でも死ぬことはなくて、頑張ればなんとか動いたりもできたみたい……。普通の生き物って、骨が折れたらその部分はちゃんと動かなくなる、よね……?』

水スライムクロシュ『う、うん……。トキワちゃんは……動けたの……?』

シズク『うん……。折れてる足で歩いたりしてた……。ただ、折れてるのは折れてるから凄く痛くて歩きにくそうだったけど……』

水スライムクロシュ『んわわ……』

シズク『だから……えっと、トキワちゃんには、みんなの目の届くとこにいて欲しいっていうか……。そういう心配な気持ちもあるから、旅館で働いて欲しいなあって思うの。みんなが一緒にいれば、もし無茶をしてもすぐに診てあげられるもん……』

水スライムクロシュ『うん……』

 ◆
251 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2025/04/12(土) 23:26:39.78 ID:bqA4B6C70
―深夜
 クロシュの夢

クロシュ「……」

セレナディア「クロシュちゃん、お困りごと〜?」ズシン ズシン

クロシュ「セレナディアちゃん」

セレナディア「セレナちゃんでいいよ〜」ズシン

クロシュ「セレナちゃん。えっと……わらわじゃ巫女を、どうやって追い出そうかなって……考えてるの」

セレナディア「食べちゃえば?」

クロシュ「食べちゃうの?」

セレナディア「うん。邪魔者はみ〜んなバックン!」

クロシュ「でも……夢の中で、できる……?」

セレナディア「んふふ……前に、ミスティちゃんが見てた悪い夢をもぐもぐしたことあったよね?」

クロシュ「そういえば……そんなこと、したような気がする……」

セレナディア「うん。クロシュちゃんはもうできるよ。夢の魔王と、夢喰い竜の力を併せ持つクロシュちゃんなら――食べらんない夢なんて、ない!」

クロシュ「わあ……!」

セレナディア「だから食べちゃえ! 悪い狐の夢は、バックン!」

クロシュ「ん! じゃあ、行ってきます!」ピョンッ

 夢の境界「」トプン



ヴァン「……ん? クロシュちゃんはどこだ?」スタスタ キョロキョロ

セレナディア「クロシュちゃんならまた狐巫女のとこに行ったよ〜」

ヴァン「……え!? ど、どうやって!?」

セレナディア「自分で夢境を開いて、ポワーンって」

ヴァン「な、なんだって……昨日までは自分で開けられなかったのに……!?」

セレナディア「んふふ……ここの主はクロシュちゃんだよ? ここの住人ができることならクロシュちゃんもできて当然じゃん〜」

ヴァン「いや、それはそうなんだが……。それで、今日は何をしに行くとかは聞いてるかい?」

セレナディア「悪い狐巫女をバックンしにいくって〜」

ヴァン「ええ……えええっ!?」

 ◇
252 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2025/04/12(土) 23:29:05.76 ID:bqA4B6C70
―いク世の夢
 トう原じョウ 縁gaわ

 真っ黒い空「」ヌヌヌヌ
 血の涙を流す月「」シクシク

 極彩色の花畑「」グニャグニャ
 ちょうちょうちょ「」バタバタ

 銀狐の死骸で積み上げられた城「」


いくせ「」デロデロ
 いくせを踏みつける狐たちの影「」ベチッベチッ


クロシュ「……!?」モニャニャ!?

半透明の狐巫女「なんじゃお主、また来たのか」ヌッ

クロシュ「わらわじゃ……! これ……何……!?」キッ

半透明の狐巫女「先に言っておくが、この状況はわらわが意図して創ったものではない。歴代の罪悪感がイクセという一個人にのしかかって生まれた……言わば悪夢じゃ」

クロシュ「………」

半透明の狐巫女「実際に人間に捕まり、皮を引っ剥がされてむごたらしく殺され続けた狐たちに比べれば、夢の中で足蹴にされる程度どうということもないじゃろ? 狐を見殺しにした巫女一族への罰としては軽すぎるくらいじゃ」

クロシュ「…………」


どうする
↓1〜 先取3票
1.わらわじゃ巫女を食う
2.悪夢を食う
0.自由安価(票数は内容ごと)
253 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2025/04/12(土) 23:32:03.00 ID:fMbKb54oO
0 全て食べる
254 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2025/04/12(土) 23:34:30.40 ID:Lol0qXBTo
255 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2025/04/12(土) 23:39:46.26 ID:vD5EEFNrO
2
食あたり(混沌クロシュ化)がこわいけど
256 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2025/04/12(土) 23:42:23.17 ID:8DIYxv9b0
2
257 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2025/04/13(日) 00:03:33.14 ID:ngcFqyHe0
少し半端ですが本日はここまでです。次回はイクセの悪夢編、そして運命が大きく動く日編です

わらわじゃ巫女を食べちゃおうと勇んでイクセの夢に突入したクロシュを待ち受けていたのは、地獄のような光景だった。溶けるイクセ。足蹴にする狐の幻影。冷酷に見下ろす狐巫女。狐の憎悪が、巫女たちの罪過が、無垢なる幼巫女を押し潰す。あかちゃんスライムの静かな怒りは、どこへ向かう――

今回はクロシュちゃんとフメイちゃんがいろいろなお話をしたり、クロシュちゃんとシズクちゃんがいろいろなお話をしたり、クロシュちゃんが水スライム化できるようになったり、クロシュちゃんがイクセちゃんの夢に入って

それでは本日もありがとうございました。次回もよろしくお願いいたします
なおこのレスは安価に含まれません
258 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2025/04/13(日) 00:23:00.81 ID:/6nQOzUSo
安価は2

おつです
決戦前の掘り下げ回
これは上からブラッド-フメイ-クロシュ姉妹ってことでいいですよね!
そしてドリームハンタークロシュちゃんになってきたな…あの夢魔に作法とかお勉強しに行けたらいいなあ
259 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2025/04/13(日) 15:57:58.16 ID:ngcFqyHe0
その三人の中ではブラッドちゃんが一番年上で、クロシュちゃんが一番年下で、フメイちゃんが間に入っているため、そのご理解でお間違いないかと思います
クロシュ氏はユーシリア編で手に入れた心属性や夢の力をすっかり使いこなしているようです。そして実のところセレナちゃんと女神さまは心や夢に関して優れた力を持っていますが、彼女たちの作法は直感頼りな点も多いため、夢魔などの専門的な知識を持つ方に教えてもらうと実際より効果的かもしれません
260 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2025/04/13(日) 15:58:38.82 ID:ngcFqyHe0
クロシュ「……」


クロシュ(……わらわじゃごと……全部、食べる……?)

クロシュ(………食べきれないかも……)

クロシュ(悪夢だけ、食べよう)


巨大スライムクロシュ「!」ドン! モニョモニョ


半透明の狐巫女「ぬわっ! 何のつもりじゃ!」


巨大スライムクロシュ「〜〜」モニョモニョモニョ…モグモグモグ…
 真っ黒い空「」モグモグ
  血の涙を流す月「」モグモグ
   極彩色の花畑「」モグモグ
    ちょうちょうちょ「」モグモグ
     銀狐の死骸で積み上げられた城「」モグモグ
      狐たちの影「」モグモグ


半透明の狐巫女「悪夢を喰っておるのか……?」


巨大スライムクロシュ「〜〜」モグモグモグ…ゴックン


半透明の狐巫女「あれほどの悪夢を平らげるとは、末恐ろしいスライムじゃ! じゃが――歴代姫巫女と狐たちの積もり積もった怨念、果たして消化できるかのお?」ニヤニヤ


巨大スライムクロシュ「〜〜…」モニョニョ…


↓1コンマ
01-05 ねじふせた(呪属性適性獲得)
06-25 気持ち悪くなった……
26-75 分解した
76-00 吸収した(呪属性適性獲得)
261 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2025/04/13(日) 15:59:20.31 ID:g5MyiYtK0
262 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2025/04/13(日) 16:05:41.04 ID:/6nQOzUSo
セレナ因子のお陰だな!
263 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2025/04/13(日) 16:43:14.54 ID:ngcFqyHe0
巨大スライムクロシュ「――」モニョニョニョ…ポワポワ…


半透明の狐巫女「む、思ったより平気そうじゃな……。悪食スライムめ!」


いくせ「――」

巨大スライムクロシュ「〜〜」モニョモニョ

横たわるイクセ「すう……すう……」

巨大スライムクロシュ「!」モニョニョ!


半透明の狐巫女「ほう……壊れかけていたイクセの形が元に戻ったようじゃ。やるではないか、わっぱスライムよ」

巨大スライムクロシュ「〜〜!」モニョモニョ

半透明の狐巫女「じゃが、イクセの精神を破壊せしめた根本的な原因は解決しておらぬ。それをどうにかせぬ限り、たとえ夢の中といえどイクセが目覚めることはないじゃろう……」

巨大スライムクロシュ「〜〜!?」モニャニャ!?

半透明の狐巫女「わはは、徒労であったなわっぱスライムよ! 今宵はもう帰るが良い、明日はわらわも忙しいのじゃ」

巨大スライムクロシュ「〜〜っ!」モニョニョ! プンスコ

半透明の狐巫女「怒っても無駄じゃ。そら帰れ帰れ」シッシッ

 霊撃「」バシュッ!!
  ベチッ!!
ふっとばされる巨大スライムクロシュ「〜〜〜……!!」モニャニャニャニャ――!!

 夢の境界「」ドボンッ

 ◇

半透明の狐巫女「……」

イクセ「すう……すう……」

半透明の狐巫女「………まあ、イクセをいたずらに苦しめたところで何の意味もないしの……」

イクセ「…………おかあ……さま……」

半透明の狐巫女「……」

半透明の狐巫女「姫巫女という胸糞の悪い仕組みは壊さねばならぬ。それだけじゃ」

 ◆
264 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2025/04/13(日) 17:10:29.29 ID:ngcFqyHe0
―オノゴロ諸島 霊峰の隠れ里 滞在14日目

◇クロシュ [あかちゃんスライム]
武:メイドブレード  盾:ラティアの大盾  飾:くすんだ耳飾り
武:竜珠の大杖    防:竜のエプロン   飾:不死鳥の羽根

◇妖精   [世話焼き妖精]
武:         盾:         飾:くすんだ耳飾り
武:         防:精霊のレオタード 飾:

◇イリス  [星の魔法使い]
武:蒼き星の杖    盾:         飾:くすんだ耳飾り
武:         防:魔術師のローブ  飾:

◇ミスティ [氷の魔法使い]
武:氷の短刀     盾:         飾:くすんだ耳飾り
武:         防:氷竜革のローブ  飾:

◇ローガン [鋼の戦士]
武:蜥蜴一文字    盾:灼鋼の盾     飾:くすんだ耳飾り
武:鋼の回転ノコギリ 防:オリハル鎖帷子  飾:

◇エバンス [地の傭兵]
武:古代の鉄槌    盾:         飾:くすんだ耳飾り
武:魔銀の刀     防:硬質革鎧     飾:

◯所持アイテム
[道具]        [装備品]       [大事なもの]
運命賽*6       蜘蛛絹の下着      魔族国永久旅券
会心賽*0       ザリガニのお守り    フメイの服の切れ端
反魂丹*2       大きな巻き貝      精霊の印
鉄鍋+携帯調理器具   闇の欠片        精霊樹の実のジャム
「星の魔力」上中    フリルワンピ水着    精霊樹の鉢植え+赤雷球
お宿の妖精の織物    魔法学園のスク水    フメイとアリシラの人形
魔導飯盒        ガラスのザリガニ    メルルの帽子
妨害魔力波発生装置   踊り子の双剣      溶岩石のアミュレット
属性大全        サボテンドラゴンの花  太陽のメダリオン
魔王図鑑        精霊のローブ      暗黒優待券
氷精の魔導書      精霊樹の杖[改]    冒険者証(ランク1)
ブラッドワイン*3               大魔女帝国渡航権
マッスルワイン*1               かたたたきけん
吸血鬼殺ワイン*1               大魔女帝国滞在許可証
魔術書「正負の属性」              風船印のパラシュート
吸血鬼の日焼け止め               ラティア勲章
日蝕の傘                    ユーシリア王家の紋章
大魔女サイン*1
古代のセラミック
ステライト鉱石
晴れ乞い傘
チョコスムージー

◯現在の目標
・フメイちゃんを探す
・世界樹の光を追う[3/5]
・アリシラの夢引っ越し[1/4]
・わらわじゃ巫女の企みを阻止する

◯努力目標
・わらわじゃ巫女の正体を探る
・リュウトウ中将をクロシュ勢力に引き込む
・偽姫巫女の正体を調べる(達成済)
・アウルの出自を調べる(達成済)

◯仲間の目標
・カリス・ノーランドを討つ(ミスティ)

◯経験値
・クロシュ 剣技[05/06] 魔法[05/06] 防御[04/06]
・イリス  杖術[02/04] 魔法[06/16]
・ミスティ 剣技[00/07] 魔法[05/16]
・ローガン 剣技[13/16] 魔法[05/08] 防御[04/08]
・エバンス 剣技[12/16] 魔法[02/08]
……………………………………………………………………………………
□オノゴロ諸島 霊峰の隠れ里
隠れ里:貸家、広場、市、茶屋、食堂、温泉、鍛冶屋、道場、神社、他
離れ山:森林、沢、廃村
……………………………………………………………………………………
265 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2025/04/13(日) 17:12:45.94 ID:ngcFqyHe0
―朝
 霊峰の隠れ里 貸家

 チュンチュン

スライムクロシュ「……」

イヨ「今日何かあるかもという話ですが……一体何が起きるのです?」

妖精「ごめん、そこまでは……。あの石の立方体から声が聞こえたとなると、ちょっと無視はできないし――ん?」

 ダカダカダカッ
 戸「」ガラッ!!

アキト「クロシュ殿!! クロシュ殿はおられるか!!?」バッ

イヨ「アキトさ――!!!」

血まみれリュウトウ「げほっ……ごぼっ……」ドクドク

イヨ「リュウトウ!!?」バッ

クロシュ「!!!」

妖精「血が……!! これ、致命傷じゃ……!!?」

アキト「明け方近く、満身創痍でこの里を目指していたようだ! クロシュ殿、不死鳥の炎を――」

血まみれリュウトウ「い、いいえ……。その炎は……これから後の、為に……まだ……」ドクドク

イヨ「何言ってるの!!? クロシュさん、お願いです!! 不死鳥の炎でリュウトウを治してください!!」

血まみれリュウトウ「だ、だめ、で……」ガクッ

イヨ「リュウトウ!!!」


トキワ「な、ならわたしが肩代わりします!!」ガラッ

イヨ「えっ……と、トキワさん……!?」

トキワ「今日大変なことが起きるなら、クロシュちゃんの炎はやっぱりとっておいた方が良いです……! わたしは……きっと、ここくらいでしかお役に立てないから……」

シズク「と、トキワちゃん!! でもそうしたら、トキワちゃんが……!」

トキワ「だ、大丈夫! わたし、死なないから!」

シズク「そうだけどぉ……」


スライムクロシュ「〜〜!」モニャニャ


どうしよう!
↓1〜 先取3票
1.不死鳥の炎で治療する
2.トキワに任せる
3.反魂丹を1つ使う
0.自由安価(票数は内容ごと)
266 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2025/04/13(日) 17:14:06.29 ID:ljOGa0Jzo
2
267 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2025/04/13(日) 17:14:28.99 ID:/6nQOzUSo
3
268 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2025/04/13(日) 17:14:29.53 ID:g5MyiYtK0
0,サララの店秘蔵の万能治療薬を使う。
269 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2025/04/13(日) 17:18:37.57 ID:VHWWgwVA0
3
270 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2025/04/13(日) 17:20:20.28 ID:BSz7h0d3O
1
271 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2025/04/13(日) 17:23:09.90 ID:5jY04I7SO
3
272 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2025/04/13(日) 19:27:57.02 ID:ngcFqyHe0
イリス「そ、そうだ!! こんな時は――」ガサゴソ

 反魂丹「」ポン!

アキト「それは……丸薬?」

イリス「とある薬師の先生が作った反魂丹です!」

トキワ「反魂丹!?」

イリス「飲ませます! 頭に風穴が開いてても、これを使えば――!!」

 ポイ ゴクン

血まみれリュウトウ「………げほっげほっ!!」

アキト「息を吹き返した!!」

トキワ「す、すごい……傷が、ゆっくり塞がってく……! こんなお薬があるなんて……!」

リュウトウ「はあ、はあ……」

イヨ「リュウトウ! だ、大丈夫ですか!?」

リュウトウ「ま、まさか不死の炎を私に……?」

イリス「違うよ! ちょっと、まあ……良い薬があっただけだよ! 大丈夫!」

リュウトウ「そ、そうですか……」

アキト「しかしお主は朝廷軍の中将であったはず……。一体何があったのか、教えてもらっても構わぬでござるか」

リュウトウ「……はっ! そうでした……こうしてはおれません!! ここにイヨたちが隠れていると聞いて、助力を求めに急いで来たところなのです……! 早くトウゲンに戻らなければ……ぐっ!」ズキッ

イリス「ああっ、無理しないで! すぐには動けないよ!」

リュウトウ「で、ですが……」

妖精「何があったのか教えて。私たちだけで向かうことだってできるからさ」

リュウトウ「……はい」

 *

アキト「何……トウゲン温泉を致死毒で汚染するだと!!?」

リュウトウ「はい……。最終的にはその毒を海に放出し、周辺海域もろとも毒で完全に破壊する計画だと……」

イヨ「そ、そんな馬鹿なことを……!? 本当なの……!?」

リュウトウ「……姫巫女様と、アウルが話しているのを耳にしました。流石に私も看過できず、反対の意を表明したのですが……牢に入れられてしまい……。なんとか脱獄して、ここまで逃げて来たのです」

エバンス「その計画は一体いつから始まるんだ……!?」

リュウトウ「今日です……! だから早く――」


 ドゴオオンッ!!!
 ビリビリビリ……


ローガン「地響き……!? まさか――」

 戸「」ガラッ

サララ「み、皆さん大変です!! トウゲン温泉の方角に――」

 ◆
273 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2025/04/13(日) 19:29:51.30 ID:ngcFqyHe0
―トウゲン温泉

 ズシンズシン

巨大毒骸骨将軍「」ガシャガシャ

 ベチャッ
 潰れた人間たちの死体「」グチャッ

 キャアアアアア!!!! タスケテクダサイ!!! タスケテクダサイ!!!!

アウル「ヒァーッハッハッハ!! 屑人間共め、薄汚い血を撒き散らして死ねェ!!」ゲラゲラ

巨大毒骸骨将軍「」ガシャガシャ ズシン

 毒に濁る温泉「」ドロドロ…



ハゲ鉢巻職人「なんだありゃ……俺ァ変な夢でも見てんのか……?」ゴシゴシ

さらし美女職人「馬鹿言ってんじゃねェ!! ぼけっとしてっとテメェも踏み殺されんぞ!!」ベシンッ!

 ◆

―トウゲン温泉 空

ジェット気球クロシュ「〜〜!」ボシュウウウッ


イリス「すごい……フメイちゃんの炎でこんなに加速するなんて!」

フメイ「急いだ方が良いんでしょ」

ローガン「うむ……! 感謝するぞ、フメイくん」

ミスティ「……シズク、大丈夫? 本当に危険なのよ……?」

シズク「だ、大丈夫です! 毒の汚染なら……きっと、わたしの浄化の力がお役に立ちます!」

エバンス「無理はするなよ。危ない時はすぐに下がるんだぞ」

シズク「は、はい!」

アリシラ「……あっ! ねえなんかすっごいでかいガイコツがいるよ!?」


 トウゲン温泉の街を破壊する巨大毒骸骨「」ズシンズシン


妖精「あ、あれは……がしゃどくろ!?」

アリシラ「がしゃどくろ?」

イヨ「がしゃどくろとは、埋葬されず野ざらしにされた死者たちの怨念から生まれるという巨大な骸骨の妖怪です。しかし近年はがしゃどくろが発生するような大量死などは――はっ!?」


 巨大毒骸骨から生える複数の骨尻尾「」ユラユラ


妖精「……銀狐!!」

イヨ「なんてこと……同胞の怨念を、利用して……」


 毒色に染まった温泉「」ドロドロ…


シズク「んわわ……!! 温泉が……どろどろに……」

アキト「くっ……! トウゲン諸島一帯を汚染し尽くす気か……!!」

 ◇
274 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2025/04/13(日) 19:33:28.64 ID:ngcFqyHe0
―トウゲン温泉街

 破壊された街並み「」ドシャッ
 踏み潰された死体「」グチャッ…
 立ち上る煙「」モクモク…
 汚染された水源「」ドロドロ…

ジェット気球クロシュ「」ズンッ!

 シュタッ

イリス「ま、街が……!!」

エバンス「くそっ……!」


アウル「おやおや、遅かったねェ君たち。今までどこに隠れていたんだい?」ヌッ
275 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2025/04/13(日) 19:33:55.33 ID:ngcFqyHe0

イヨ「アウル!!」

アキト「……」グッ

アウル「あぁ……たまらないよ、その怒りと憎しみに満ちた表情! お前たち屑人間にも護りたいものがあるんだねェ」

ミスティ「……あなたにはなかったの?」

アウル「お前たちに奪われたのさ。でもまだまだ、この程度じゃオレたちの苦しみには程遠い――」スタスタ

 潰された子供の死体「」グイッ

イヨ「……!? な、何を――」

アウル「くくく……まあ見てなよ」ズッ

 ベリベリバリッ

妖精「!!? し、死体の……」

イリス「な、生皮を、剥いで……」ゾゾ

フメイ「うわ……」

アリシラ「……」

イヨ「…………うっ……げえっ……!!」ゲロゲロ

アキト「貴様……アウル貴様ァァァ!!!」シャキンッ!!!

 ギンッ!!
毒骸骨兵「」ギギギ

アキト「ぬうう……!!」

妖精「普通の大きさの骸骨兵……!!」

アウル「はあ、人間ってのは本当に野蛮で暴力的だ。すぐ怒りに任せて力で解決しようとする」

ローガン「この惨状を作り出した貴様に言えたことか?」ギロッ

アウル「先にやったのはお前たち人間だろ?」

エバンス「……その子供が……お前たちに、何をしたんだ?」ググッ

アウル「子供だから甘く見ろって? オレたちを殺した奴らだって初めは子供だったんだ。年齢は免罪符にならない」

エバンス「この糞野郎が……!!」シャキン!!

アウル「ヒハッ……! そうだ怒れ、憎め……!! 守れなかった無力さを思い知れよ、屑共!!!」ジャキンッ!!


 ――戦闘開始 毒狐アウル――


 ★アウルが〈狐毒〉を発動!
  敵陣のコンマが半減!!

 ☆妖精が〈耐毒結界〉を発動!
  相手の〈狐毒〉を無効化!!

 ☆ローガンが〈メタルコート〉を発動!
  劣勢・痛恨を1回まで無効化!!

◇自陣(戦力差+40、万全の毒対策+40、温泉+20)
・不死鳥化できる(1/1)

◇敵陣(毒骸骨将軍+40、汚染+30)

↓1コンマ(合計+30)
01-10 痛恨
11-50 劣勢
51-90 優勢
91-00 会心
276 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2025/04/13(日) 19:35:32.33 ID:g5MyiYtK0
277 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2025/04/13(日) 20:13:52.10 ID:ngcFqyHe0
妖精「エバンス、前に出過ぎないで! 作戦通り前衛はクロシュとローガンに!」

エバンス「わかってる!」バッ

メタルローガン「むんっ!」ギン!

クロシュ「ん!」シャキン!


アウル「ハッ、バカ正直にお前たちの戦法に付き合うわけないだろ!」シュバッ

巨大毒骸骨将軍「」ガシャガシャ ズシンズシン

毒骸骨兵「」ガショガショ
毒骸骨兵「」ガショガショ
毒骸骨兵「」ガショガショ

アキト「チイッ! 骸骨兵がたくさん集まって――」

フメイ「消えろ」チリッ

 爆炎「」ドゴォンッ!!!
爆散する毒骸骨兵たち「」ガッシャアアアンッ

アウル「なに……!?」

アリシラ「やっちゃえフメイちゃん!」

フメイ「アリシラも戦ってよ」

アリシラ「え〜……やっぱり毒属性の魔力って吸収したくないし……」


巨大骸骨将軍「」カタカタ ブオンッ!!

 ガギンッ!!

メタルローガン「ぬぬう、凄まじい毒だ……! メタル化していなければ即死していたかもしれん!」ギギギ

クロシュ「ローガンさん!」

メタルローガン「私は大丈夫だ! 君は――」

アウル「鉄屑野郎が!!」バッ!!

 硫酸「」バシュンッ!!

メタルローガン(!!? あの液体はなんだ!? ただの毒ではない――あたればメタル化していても無事では済まん――)

大盾クロシュ「!!」シュバッ!!
 大盾「」ガシン!!

 守護結界「」シュインッ!!
 硫酸「」バシャアッ!!

アウル「魔力障壁……!?」


妖精「あれは……硫酸の魔法!」

シズク「りゅうさん……?」

妖精「強酸性の化合物を生成して撃つ魔法! 他の毒魔法と違って物理的な破壊をもたらすから、盾や鎧で防御するのは危険なの! でも魔力障壁なら物理的に溶かせないから問題なく防げる!」

シズク「わあ!」

妖精「クロシュ、今の液体を防御する時は必ず大盾の結界を展開して! ローガンは――即席の鉄板とかで受けて!」


大盾クロシュ「ん!」

ローガン「承知した!」


アウル「あの妖精……!! 妖精の癖になんで硫酸のことを……!?」


妖精「妖精は毒が嫌いなんだよ! 嫌いなものの対策は怠らないの!」


↓1コンマ(合計+30)
01-10 痛恨
11-50 劣勢
51-90 優勢
91-00 会心
278 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2025/04/13(日) 20:16:16.34 ID:JFbiR7dqO
279 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2025/04/13(日) 20:16:46.24 ID:+43jluheO
補正があるうちに勝ちたい。
280 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2025/04/13(日) 20:24:19.83 ID:/6nQOzUSo
妖精は妖精でも太母様だぞ、年の功やぞ
281 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2025/04/13(日) 21:13:32.38 ID:ngcFqyHe0
イヨ「はぁ、はぁ……い、けっ!」バッ

 オフダ「」シュバッ!
 ボガンッ!!
 砕け散る毒骸骨兵「」ガッシャァン!

アキト「イヨ殿、大丈夫でござるか!? まだ下がっていても――」

イヨ「いいえ……! 下がってなどいられません……!! 絶対に許さない……!!」


 潰された人間たちの死体「」グチャッ


アキト「……であるな。拙者も少々――」スッ
 霊気を纏う刀「」ユラッ

 ギュンッ!!
 毒骸/骨兵「」スパッ

アキト「――頭に、血が上っている」チャキン



 ギンッ!
  ガギンッ!! ドゴッ!!

 竜角の大槍「」ブオンッ!!

   ドガァッ!!

  砕け散る巨大毒骸骨将軍の腕「」ガッシャァンッ!!


巨大毒骸骨将軍「」ヨロヨロ

竜メイドクロシュ「」ババッ
 竜角の大槍「」シュビビッ!!

アウル「くっ……! お前、その槍は――!」ガガガッ!

竜メイドクロシュ「セレナちゃんの!」チリッ
 竜角の大槍・炎「」ゴウッ!!

アウル「ぐあああっ!!」ドガアッ!! ゴロゴロ



アウル「はぁ、はぁ……くそっ、ふざけるなよ……!! これほど準備したのに……!! なんでこいつら……!!」ググ

狐巫女の幻影「苦戦しておるようじゃの」ヌッ

アウル「姫巫女……君の出る幕はないと言ったはずだけど」

狐巫女の幻影「まあそうじゃな。既に大勢は決しておるし、お主をここで見殺しにしても何の問題もないのじゃ。しかし……しかしなあ……」

アウル「なんだよ」

狐巫女の幻影「……わらわたちに、また銀狐を見殺しにしろと言うのか?」

アウル「はっ……お前の贖罪ごっこなんかどうでも良い……。むしろ、薄汚い姫巫女なんかの手で生かされるなんて恥も良いところだ」

狐巫女の幻影「うむう……」

アウル「だからとっとと――」

狐巫女の幻影「えいっ」パッ!
282 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2025/04/13(日) 21:14:34.81 ID:ngcFqyHe0
 パシュウウウンッ


妖精「えっ……!? た、耐毒結界……が……」フラッ

妖精「」ポテッ

シズク「よ、妖精さん!? わっ……こ、この空気は……!?」



エバンス「おらぁっ!」
 古代の鉄槌「」ブオンッ!

 砕かれる毒骸骨兵「」ガッシャァン!!

エバンス「おらっ、次は――ぐおっ!? げほっげほっ!!?」
 吐血「」ベシャッ

イリス「ごほっ……!! こ、これは……」フラッ

ミスティ「げほっ……。まさか……」フラ

イヨ「ど、毒が……」フラフラ

アキト「よ、妖精……殿……!」フラッ

アリシラ「うわうわうわ〜〜!? 毒魔力を吸収しまくればなんとか――げぼおっ!」ガクッ

フメイ「アリシラ!?」


メタルローガン「……!! なんてことだ……耐毒結界が、解除されてしまったのか……!!」

竜メイドクロシュ「ろ、ローガンさん……!」

メタルローガン「私はメタル化のお陰でなんとか持ちこたえられているが、先程までよりもかなり身体的負荷が大きい……! 早く奴を倒さなければまずいぞ、クロシュくん……!」

竜メイドクロシュ「う、うん……!!」


アウル「チッ……余計な真似を……」

狐巫女の幻影「じゃ、わらわはこの辺で……」スゥー…

アウル「……まあいい。屑人間共を屠れるなら、生き恥くらいいくらでも晒してやる……」スクッ


メタルローガン「クロシュくん、来るぞ……!」

竜メイドクロシュ「ん……!」


 ★狐巫女の介入により耐毒結界が解除されてしまいました
  アウルの〈狐毒〉の効果によりコンマ値が半減します


↓1コンマ(コンマ1/2+30)
01-10 痛恨
11-50 劣勢
51-00 勝利
283 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2025/04/13(日) 21:15:15.53 ID:BSz7h0d3O
はい
284 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2025/04/13(日) 21:25:32.88 ID:T9sZMawDo
あぶねえなんとか勝てたか
285 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2025/04/13(日) 21:53:13.83 ID:ngcFqyHe0
イリス「あうぅ……」バタッ

ミスティ「く、そ……」バタッ

イヨ「こんな……ところ、で……」バタッ


毒骸骨兵「」カタカタカタ
毒骸骨兵「」カタカタカタ
毒骸骨兵「」カタカタカタ
毒骸骨兵「」カタカタカタ


エバンス「げぼっ……や、やべえな……目がかすんできやがった……」

アキト「ぐふっ……せめて、女子たちだけでも守らねば……」ググ


フメイ「ちっ……!」チリッ

 爆炎「」ドガァンッ!!
 砕け散る毒骸骨兵「」ガシャァン!!

フメイ「フメイ一人じゃ抑えきれない……! なんでみんなこの程度で倒れてるの!?」チリチリ

 水刃「」ヴンッ!!
 毒骸/骨兵「」スパッ

フメイ「水の魔法……!? 誰!?」

シズク「そんなこともわかんないのですか? 水属性なんてわたししかいないのに……」モニョッ

フメイ「えっ……シズク……?」

シズク「ほんとさいあくです……こんな臭くて汚い毒を吸わされるなんてなんて……。へどがでそうです……」モニョモニョ

フメイ「……え、えっと……どうしたの……?」

シズク「ぼけっとしてないで敵を焼いてください。わたしの水だけじゃ対処し切れないです……」モニョモニョ

フメイ「う、うん」チリリッ

 爆炎「」ドガンッ!!
 水刃「」ズバババッ
 砕かれ裂かれる毒骸骨兵たち「」グシャシャシャ
286 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2025/04/13(日) 21:54:45.51 ID:ngcFqyHe0

メタルローガン「……! 後ろではフメイくんとシズクくんが踏ん張ってくれているようだ! 我々も行くぞ!」

竜メイドクロシュ「ん!」


アウル「死ねェ!!」シュバッ

巨大毒骸骨将軍「」ガシャガシャ


 ガギンッ!! ドゴッ!!
  ボギョム!! ベゴギイッ!!


アウル「ぐううっ!!」ギギギギ

竜メイドクロシュ「……!!」ギギギギ

アウル「今だ将軍!!」

 爆発する巨大毒骸骨将軍「」ボガンッ!!!!

メタルローガン「なっ!? 巨大骸骨が爆発した!?」

 吹っ飛ぶ巨大骸骨の骨「」ドギュウウウンッ!!

竜メイドクロシュ「!!」

メタルローガン「まずい!! クロシュくん避けろ!!」

アウル「ヒァーハハハもう遅い!! この位置と距離じゃ絶対に避けきれ――」

 雷の残像「」バチッ―

アウル「なっ」

背後に立つ雷竜メイドクロシュ「」パリッ―

アウル「馬鹿な――」

 雷閃「」バヂィッ!!!!

アウル「があああっっ!!!」ババリバリバリ


黒焦げアウル「」プスプスプス

 ドサッ…

 ――戦闘終了――
287 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2025/04/13(日) 23:09:58.24 ID:ngcFqyHe0
―トウゲン温泉街

黒焦げアウル「」プスプス


シズク「〜〜」モニョモニョ

 浄化魔法「」ポウ…

エバンス「はっ……た、戦いはどうなったんだ!?」キョロキョロ

シズク「もう終わりました……。皆さんがげぼげぼ言いながらおねんねしてる間に……」モニョモニョ

妖精「ごめん……なんか、いきなり耐毒結界が破壊されちゃって……。ほ、本当にごめん……」

ローガン「まあ……結果的に勝利できたのだから、気に病むこともなかろう……。シズクくんも、ありがとう」

シズク「こういう時の為に付いてきたのです……。それより――」モニョニョ


黒焦げアウル「」プスプス


シズク「これはどうするのですか」モニョモニョ

イリス(うわ……シズクちゃんがを汚物を見るような冷ややかな目で、黒焦げになったアウル・フォクシーを見下ろしてる……! こんな目つきができるスライムの子がいるなんて……!)

ミスティ(シズクは……確か汚い水が嫌いなのよね……。この毒狐がやったことを思えば、妥当か……)

イヨ「……この大事件の重要参考人として、牢に……」

アキト「これだけのことをしたのだ。即刻打ち首にすべきでござろう」

イヨ「ですが……正当な手続きによらず処罰を下すことはできません」

アキト「今の朝廷を思えば、もはやこの国の司法は機能しておらぬ」

イヨ「うっ……それはまあ、そうなのですが……」


黒焦げアウル「」プスプス


クロシュ「……」

妖精「……アウルは、取り返しのつかないことをした。例え動機が銀狐の復讐だったとしても、もう情状酌量の余地は一切ない」

クロシュ「……うん」

妖精「あとの処遇は……オノゴロの民に任せる他ない。このテロリストについて……私たちにできることは……もう、ない」

クロシュ「………うん」


フメイ「クロシュ……この狐のこと、憐れんでるの?」

クロシュ「あっ……フメイちゃん」

フメイ「……まあ、ちょっと他人事ではないよね。フメイたちも……一歩間違えば、こいつと同じことをしてたかもしれない……」

アリシラ「…………」

フメイ「………ねえ、アリシラ。フメイたち……」

アリシラ「……うん。わかってる……」
288 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2025/04/13(日) 23:11:07.38 ID:ngcFqyHe0

イヨ「では……アウル・フォクシーはこの場で処分、ということで……」

アキト「すまぬな……このようなことに付き合わせてしまって……」

イヨ「いえ……どの道、彼に打ち首以外の未来はありません……」

アキト「うむ……。では……斬首人は拙者がつかまつろう。諸外国の者に任せるわけにもゆかぬ」スッ

 掲げられる霊気を帯びた刀「」スッ―

黒焦げアウル「」プスプス



クロシュ(アキトさんの持った刀が……高く掲げられる……)

クロシュ(黒焦げになった、銀狐の妖狐の首を……落とすために……)

クロシュ(……)

クロシュ(妖精さんの言った通り……もう……許されない……)

クロシュ(……)

 ――野良狐『アウルさんなら、時々この山にお墓参りに来るよ。ついでにボクたちの為に油揚げを置いてってくれるんだ』
 ――野良仔狐『アウルの油揚げ、おいしい!』

クロシュ(………)

クロシュ「」ジワワ


 振り下ろされる刀「」ブンッ


↓1〜 先取3票
1.どうにもならない
2.運命賽を1つ使って良いことを思いつく
0.自由安価(票数は内容ごと)
289 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2025/04/13(日) 23:12:23.18 ID:JFbiR7dqO
0、食べてメゾンドクロシュに入れて矯正させる
290 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2025/04/13(日) 23:14:26.54 ID:VHWWgwVA0
2
291 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2025/04/13(日) 23:14:28.58 ID:vLNY+thXO
2
292 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2025/04/13(日) 23:22:40.96 ID:/6nQOzUSo
>>289
簡単な死よりも長い苦痛(思考矯正)を味合わせる事が出来ると言って
293 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2025/04/13(日) 23:31:27.42 ID:ljOGa0Jzo
2
294 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2025/04/14(月) 00:54:32.29 ID:PeZFX90o0
 シュバッ
 メイドブレード「」キンッ

アキト「!?」

イヨ「クロシュさん……!?」

クロシュ「……」

妖精「ちょ、ちょっとクロシュ! もうどうにもならないって言ったよね!?」

アキト「クロシュ……すまぬが、この狐に情状酌量の余地はない……。君が優しいスライムだということは知っているが……」

クロシュ「……んーん」

アキト「……?」

クロシュ「わたし……考え、ある!!」

妖精「ええ……?」

アリシラ「考え……?」ワクワク

クロシュ「不死鳥の炎で……みんな、生き返らす……!! それで……取り返し、付く……!! だから……殺さないで、良い……!!!!」バン!

妖精「えええ!?」

アキト「いやいや……待ってくれ! そういう問題ではないのだが……! そもそもそんなこと可能なのでござるか!?」

クロシュ「……きっと……たぶん…………できる!!!」

イヨ「……もし生き返らせたとしても、この毒狐がやったことが消えるわけではありません。彼は明確な殺意をもって……」

クロシュ「……銀狐が滅びなかったら……アウルさんも……こんなこと、しなかった……」

アキト「うっ……」

イヨ「それは、そうなのですけど……」

シズク「……わたしも、クロシュちゃんに賛成です」モニョッ

クロシュ「シズクちゃん!」

シズク「……死んで終わりなんて、だめです。一生かけてでも、汚した水を綺麗にしてもらわなきゃ……許さないです……」モニョニョニョ…

クロシュ「……う、うん!! 生きて……償わなきゃ、だめ……!!!」

フメイ「……フメイも、いいと思う」

クロシュ「フメイちゃん!」

フメイ「不死鳥の力は炎の力……。たぶん、フメイなら……クロシュの負担を軽減させられると思うし……。もしかしたら、フメイの持ってる星の炎をクロシュの炎に転換できるかもしれない」

クロシュ「わあ……!」

妖精「世界樹の精霊がまた激怒しそうな……。ま、まあいいか……」

アリシラ「……」

フメイ「アリシラも……いいよね?」

アリシラ「う、うん! いいと思う!」

フメイ「うん……」

フメイ(……復讐に狂ったこいつを……見捨てるのは……)

フメイ(………フメイたち自身を、殺すのと……同じな気がするから……)

フメイ(アリシラ……あなたにも、わかるよね……?)

 *
295 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2025/04/14(月) 00:56:11.60 ID:PeZFX90o0
妖精「死んだ魂は、放っておくとすぐに星に還っちゃう! やるなら早い内にやろう!」

クロシュ「うん!」

 デロデロ…モニョモニョ…ポン!!

不死鳥クロシュ「コケコッコー!!」ゴオオオッ!!!

 再生の炎「」メラメラメラ
 潰れた子供の死体「」シュワシュワ…


生き返った子供「……うわあああ!!?」ガバッ


アキト「!!! 完全に潰れて、しかもアウルに無惨に皮を剥がされていたのに……皮もちゃんと再生している……!!!」

イヨ「確かに、これを続ければ――」


不死鳥クロシュ「コッコッコ……」グググ

フメイ「クロシュ……」チリリッ

不死鳥クロシュ「コッコッ……!」メラメラ

フメイ「一緒にいこ。フメイの炎、使って」

不死鳥クロシュ「コケーッ!」バサバサッ

妖精「待って、私も行く!」パタパタッ

 バサッバサッ


ミスティ「私たちは生きている人の救出に向かいましょう」

エバンス「おう! 犠牲者はクロシュちゃんたちに任せるしかないが、まだ生きてる人なら俺たちで助けられるはずだ!」

ローガン「うむ……! 私はまだメタル化できるゆえ、汚染された場所での行動は任せていただこう!」

シズク「……汚染が深刻な場所は、わたしがお掃除します……。でも……浄化はすごく疲れちゃうから……あんまり、期待しないで欲しいです……」モニョモニョ

イリス「それなら、シズクちゃんの浄化は私が手伝うよ! 私も水魔法使えるんだよ?」

シズク「えっあっ、あっ……そ、そうだったのですか……。ごめんなさい……」モニャニャ…

イリス「い、いやそんな深刻に謝らなくても大丈夫だよ!? でも……シズクちゃんって、汚れを取り込むと本当に性格が変わっちゃうんだねえ……」

シズク「……自分でも……やだなって、ちょっと思っているのです……」

イリス「でも私はいいと思う! なんて言うんだっけ……ギャップ! ギャップがあってかわいいと思う!」

シズク「ぎゃっぷ……?」

 ☆トウゲン温泉の再生・浄化作業を開始します

 ◇
296 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2025/04/14(月) 00:56:54.67 ID:PeZFX90o0
―トウゲン城 天守閣

狐巫女「最期の銀狐、アウル……。彼奴の生は……満足のいくものだったのじゃろうか……」

狐巫女「……そんなわけはあるまいな。許せ……いや、許さずとも良い。歴代の姫巫女を、オノゴロを……存分に恨め」

 星の力・水「」コォォォ

狐巫女「主らの恨みが、やがて海流に乗り――オノゴロを滅ぼすのじゃ」


  コケッコッコーッ


狐巫女「……なんじゃ? 明朝でもないのにやかましい鶏じゃな」スクッ スタスタ

 窓戸「」ガラッ


  コケコッコォーッ!! バサッバサッバサッ


狐巫女「……えっ!!? ふ、不死鳥!? 本物の不死鳥じゃと!!!?!?」

狐巫女「いや、違う……あの気配、あのわっぱスライムじゃ!!」

狐巫女「まさか……この大被害を、不死鳥の炎で再生させようと……!!?」

狐巫女「いやいや……本物の不死鳥だってこれほどの犠牲者を蘇らすのは手に余るぞ……」


  コケコッコォォォーッ!!! バサッバサッバサッ


狐巫女「……嘘じゃろ?」

 ◆
297 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2025/04/14(月) 00:58:12.83 ID:PeZFX90o0
というわけで本日はここまでです。次回は特殊ダンジョン・トウゲン再生大作戦編です

恨みと憎しみに囚われて狂いし、哀しき銀狐アウル。慕う者たちの姿も、声も、聞こえていたはずなのに――それでもアウルは、狂わずにいられなかった。壊さずにいられなかった。やがてその狂気は、取り返しのつかない破滅を引き起こし。一片の救いもない結末を迎えて幕を閉じる――はずだった。しかし、そうならなかった。常識外れに甘々なあかちゃんスライムが、その悲劇を拒絶したゆえに。
あかちゃんスライムは、火の鳥となって飛ぶ。未来を夢見て、希望を信じて。炎と共に、空を飛ぶ――

それでは本日もありがとうございました。次回は土日となります、よろしくお願いいたします
298 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2025/04/14(月) 09:10:09.50 ID:WDvTghABo
おつ
芸術都市の二の舞は御免だものね
彼等としても私等としても
299 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2025/04/14(月) 12:56:27.58 ID:kQ9Us3GOO

そんな気はしてたけどやっぱりフメイちゃんも毒耐性持ちだった
そして毒を吸ったシズクちゃんが思ったより大分辛辣でワロタ……ワロタ……
頼むぞ常識外れに甘々なあかちゃんスライム
300 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2025/04/15(火) 22:20:03.20 ID:hVUyK9ifo
毒吸ったから毒吐きスライム化ということか!
やっぱりクロシュはフメイが隣にいればめっちゃ高みに翔べるって感じ
301 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2025/04/19(土) 00:51:37.76 ID:PPCaSbiO0

確認なんだけど反魂丹と運命賽使ったから1つ減って(反魂丹2→1、運命賽6→5)、不死鳥の力を使ったから特殊ダンジョンでの戦闘では使えなくなるのかな?
302 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2025/04/19(土) 17:50:29.24 ID:U7rMku9j0
芸術都市での出来事は、クロシュたちにとってもつらいものでした。そして今のトウゲン温泉は、実のところ芸術都市での大破壊よりもなお深刻と言えるかもしれません。どうにかしたいと思う心は、きっとクロシュだけでなく皆が共通して抱いていることでしょう
果たしてクロシュたちは、運命を変えることができるのか――

フメイ氏は毒に強いようです。カリス・ノーランドに造られたという経緯が関係しているのかもしれません
シズク氏は汚い水などを取り込むと性格が悪くなるようですが、どうやら空気中にある毒素もだめだったようです。実のところウォータースライムは取り込んだ物質の影響を受けやすいという変わった特性を持っているようです

シズク氏は毒を取り込むと毒を吐くようになってしまうため、実際毒吐きスライムと言っても良いかもしれません。しばらく放って置くか綺麗な水をたくさん飲ませれば、元に戻るかと思います
クロシュ氏はフメイちゃんと一緒だと、実際パフォーマンスが向上する傾向があります。一緒に飛べば、一人では届かない運命を掴むこともできるかもしれません

現在の手持ち反魂丹は[1],と運命賽は[5]となっております。今回のステージでは常時不死鳥パワーを解放し続ける必要があるため、進行および戦闘は少し特殊なものとなります。具体的には、不死鳥化は持久力(=クロシュ氏のお腹)を凄い勢いで減らすので、お腹が尽きると行き倒れてしまいます。逆に言えば、お腹が空っぽにならない限り不死鳥パワーで無敵です
303 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2025/04/19(土) 17:51:07.93 ID:U7rMku9j0
―トウゲン温泉街 救命率[0/10] 持久力[10/10]

 立ち上る毒煙「」モクモク
 倒壊した家屋「」ゴシャッ
 汚染された水源「」ドロドロ

 踏み潰された遺体「」グチャッ

 バサッバサッ

フメイ「クロシュ、あそこ! 大勢の人が倒れてる!」

不死鳥クロシュ「コッコッ……!」

 バササッ スタッ

不死鳥クロシュ「コケーッ!」カッ

 再生の炎「」メラメラメラ

生き返る人々「アアアアアア!!!!」ガババッ

 ウワアアアア!!! オレタチハイッタイ… シンダハズジャ…

妖精「ここに、あなたたちの他に倒れた人はいない!?」パタパタ

生き返った男「え? あ、ああ……他に倒れてる奴はいるか!?」

生き返った猫又「いないと思うニャ!」

妖精「わかった! もし遺体が見つかったら一箇所に集めて、私たちを呼んで! この温泉街を飛び回ってるから!」

生き返った男「わかった! ……あんたたちが助けてくれたってことだよな?」

妖精「そう! ゆっくり説明してる暇はないけど!」

生き返った猫又「わかったニャ! ありがとニャ、がんばるニャ!」

 *

 バサッバサッ

不死鳥クロシュ「……」バサッバサッ

フメイ「……この街も、人と魔族……妖怪が、一緒に暮らしてるんだ」

妖精「そうみたい。オノゴロは大陸ほど偏見や対立があるわけじゃないから、この温泉街以外もそんな感じだと思うよ」

フメイ「……」グッ

不死鳥クロシュ『フメイちゃん……』モニョモニョ

フメイ「……うん。助けよう……必ず……!」


 ・不死鳥の力により毎ターン持久力−6!
 ・深刻な汚染により毎ターン持久力−2!
 ☆フメイの炎により毎ターン持久力+3!
 ☆妖精の補助により毎ターン持久力+1!

 ◇合計:毎ターン持久力−4

↓1コンマ
01-10 救命率+3 いきぐるしい(持久力-1)
11-30 救命率+3 綺麗な天然水(持久力+1)
31-50 救命率+3 カニカマボコ(持久力+2)
51-70 救命率+3 温泉まんじう(持久力+3)
71-90 救命率+3 トキワちゃん(持久力+3、救命率さらに+3)
91-00 救命率+3 ヒヒイロガニ(持久力+30、救命率さらに+3)
304 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2025/04/19(土) 17:51:53.20 ID:WmTkXRr90
305 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2025/04/19(土) 18:19:12.97 ID:U7rMku9j0
―トウゲン温泉街 救命率[3/10] 持久力[7/10]

不死鳥クロシュ「コッコーッ!」カッ

 再生の炎「」メラメラメラ

生き返る人々「おああああ!!!」ガババッ

 *

 バサッバサッ

妖精「クロシュ、大丈夫……!?」

不死鳥クロシュ『うん……! フメイちゃんと、妖精さんの、おかげ……!』モニョモニョ

フメイ「でもこれ、ものすごい勢いで熱を消耗する……! このままじゃ長くは保たないよ……!」

妖精「フメイの炎と合わせても厳しいか……! 何か手は――ん?」


イリス「おーい!!」ブンブン

シズク「〜〜」モニョモニョ


フメイ「シズクと、イリス……?」

 *

イリス「喉乾いてるでしょ! これ、見つけたから飲んで!」スッ

 水甕「」ポン!
 綺麗な天然水「」トプン

不死鳥クロシュ『わ……! でも……綺麗なお水は……シズクちゃんが飲んだ方が……』モニョモニョ

シズク『優先順位を考えてください……。わたしより、今はクロシュちゃんたちが飲むべきです……』モニョモニョ

不死鳥クロシュ『わかった……!』モニョニョ

 グイッ ゴキュゴキュ
 空っぽの水甕「」カラッポ

不死鳥クロシュ「〜〜♪」モニョニョ

フメイ「……ふう。………ありがと」

イリス「……! えへへ……お互いにがんばろう!」

 ☆綺麗な天然水を飲んで持久力が1回復しました

◇毎ターン持久力−4
↓1コンマ
01-10 救命率+3 いきぐるしい(持久力-1)
11-30 救命率+3 フキノトウ (持久力+1)
31-50 救命率+3 カニカマボコ(持久力+2)
51-70 救命率+3 温泉まんじう(持久力+3)
71-90 救命率+3 トキワちゃん(持久力+3、救命率さらに+3)
91-00 救命率+3 ヒヒイロガニ(持久力+30、救命率さらに+3)
306 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2025/04/19(土) 18:21:01.40 ID:Gw5mprxnO
救う力を!
307 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2025/04/19(土) 18:49:59.23 ID:U7rMku9j0
―トウゲン温泉街 救命率[6/10] 持久力[5/10]

 再生の炎「」メラメラメラ
生き返るオークの冒険者「うおおおお!!」ガバッ
生き返るコボルトの冒険者「アオーン!!」ガバッ


フメイ「生き返った……!」

不死鳥クロシュ「〜〜!」モニョニョ

和装受付嬢「危ないところを助けていただき、なんとお礼をしたら良いか……」

妖精「あなたは冒険者ギルドの人だよね!? それならギルドの力を貸してもらえないかな!?」

和装受付嬢「かしこまりました。ギルドの人員や冒険者たちに、不死鳥の手伝いをするよう伝えましょう」

妖精「ありがとう!」

和装受付嬢「それとこちらを――」スッ

 カニカマボコ「」ポン!

妖精「これは――カニカマボコ!」

フメイ「かにかまぼこ……?」

不死鳥クロシュ『かにかまぼこ……?』モニョモニョ

和装受付嬢「本物のカニには及びませんが、それでも大きな活力を得られる食品です。どうかお役立てください」

妖精「わかった、ありがとう!」

 *

 モニョモニョ モグモグ…

不死鳥クロシュ「〜〜♪」モニョニョ モグモグ

フメイ「おいしい……! でもなんでカニカマボコっていうの?」

妖精「カニの風味を模した魚のすり身なんだって」

フメイ「フメイ、サワガニなら食べたことある」

 ☆カニカマボコを食べて持久力が2回復しました

◇毎ターン持久力−4
↓1コンマ
01-10 救命率+3 いきぐるしい(持久力-1)
11-30 救命率+3 フキノトウ (持久力+1)
31-50 救命率+3 ヤマイモ  (持久力+2)
51-70 救命率+3 温泉まんじう(持久力+3)
71-90 救命率+3 トキワちゃん(持久力+3、救命率さらに+3)
91-00 救命率+3 ヒヒイロガニ(持久力+30、救命率さらに+3)
308 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2025/04/19(土) 18:51:48.74 ID:4BNyt2Z7O
309 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [age]:2025/04/19(土) 19:44:00.72 ID:op0rafM1o
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310 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2025/04/19(土) 20:37:01.20 ID:U7rMku9j0
―トウゲン温泉街 救命率[10/10] 持久力[4/10]

 人々の遺体「」

不死鳥クロシュ「コッコッコ……」
 再生の炎「」メラメラ

 人々の遺体「」シュワシュワ

 途切れる再生の炎「」フッ…

不死鳥クロシュ「コッ……」フラッ

フメイ「クロシュ!」ギュッ

妖精「クロシュ……!」

不死鳥クロシュ「〜〜…」モニョニョ…
 羽根の先「」デロデロ…

妖精(まずい……食べたり飲んだりしながらなんとかやってきたけど、クロシュがそろそろ限界だ……! でも……ここでクロシュが倒れたら、この街は――)


「――すべての痛みを、私に!」カッ!!

 ギュオオオオンッ!!


妖精「えっ、この声は――」


トキワ「――」ギュオオオンッ!!

 人々の遺体「」シュワシュワ
 遺体から吸い上げられていく傷病「」ギュオオオッ


フメイ「えっ……? トキワ、何をしてるの……?」

妖精「ちょっと待って、トキワの魔法は――」

不死鳥クロシュ「〜〜…!!?」モニャニャ!?


 ドッギャァァァァァァン!!!!

デロデロトキワ「」デロデロ…


フメイ「!!?」

妖精「トキワーッッッ!!!!」

不死鳥クロシュ「…!!!」モニョニョ…ググググ


デロデロトキワ『待って……クロシュちゃん……』

不死鳥クロシュ「!?」モニャ

デロデロトキワ『不死鳥の炎は、わたしに使わないで……。他の……もっと危ない人たちの為に……使って……』

不死鳥クロシュ「!」

デロデロトキワ『わたしはこう見えて……死んでないから、大丈夫……』

不死鳥クロシュ「〜〜…!」モニョモニョ

デロデロトキワ『……明日でも、明後日でも……余裕のあるときに……不死鳥の炎で、あっためてくれたら……嬉しいな……』

不死鳥クロシュ「……!!」

デロデロトキワ『あ、それと……クロシュちゃんに、おまんじゅうを持ってきたから……お腹の、足しにしてね』

 温泉まんじうの箱「」ポン

不死鳥クロシュ「……!!!」ジワワ… コクッ

 バックンッ!! モニョモニョモグモグ…!!

 ☆トキワの活躍により救命率がさらに3上がりました
 ☆温泉まんじうを食べて持久力が3回復しました

 ◇
311 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2025/04/19(土) 20:40:47.57 ID:U7rMku9j0

猫又「西の区画はこれで全員ニャ!」

和装受付嬢「東も全員回収済みです」

ローガン「南もこれで全員になる」

エバンス「北は被害が少なく死者もなかった。通常の治癒術で対応できそうだ」

アキト「国政区の方も被害は軽微であった」


妖精「みんなありがとう! クロシュ……最後の一踏ん張り、できる?」

不死鳥クロシュ「…!」モニョ

フメイ「うん……フメイも、最後まで手伝う」

不死鳥クロシュ「〜〜!」モニョニョ!

 カッ!!
 再生の炎「」メラメラ―


 ☆救命率が最大になりました
 ☆全ての死者および致命的な重症者の治療が完了しました


 ――救命完了――


☆迅速救命ボーナス
↓1コンマ
01-70 運命賽
71-90 ↑+ヒヒイロガニ
91-00 ↑+アマノムラクモ
312 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2025/04/19(土) 20:41:20.15 ID:WmTkXRr90
313 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2025/04/19(土) 20:42:25.94 ID:tu9eTv8Eo
よく頑張った………!
314 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2025/04/19(土) 22:42:09.63 ID:U7rMku9j0
―トウゲン温泉街

 再生の炎「」メラメラ

デロデロトキワ「」シュワシュワ…

 ポン!

トキワ「………う……」

サララ「トキワちゃん!」

シズク「……よかった」

トキワ「あ……ま、街は!? クロシュちゃんは――」


 デロデロ…

スライムクロシュ「」デロロ…


トキワ「ああっ……ご、ごめんね……わたしなんかの為に、無理を……」

妖精「いや……トキワ一人をあのままにしておいたら、クロシュもゆっくり休めなかっただろうからさ。大丈夫、ごはんと休憩を挟んであるから無理をしたわけじゃない……」

トキワ「でも、不死鳥化は一日に一回までなんだよね……? 無理してないわけが……」

妖精「うっ……そ、それはまあ……」

フメイ「……でも、トキワがいなかったら本当に危なかった。あの時は……ありがと……」

 *

縛られアウル「……っ………なぜ、生きてる……?」ググッ

アキト「クロシュ……いや、救命の英雄クロシュ殿に感謝するのだな」ヌッ

縛られアウル「……?」

イヨ「あなたが殺めた人々は、彼女の不死鳥の力によって全員がその命を吹き返しました」

縛られアウル「なっ……!? なん、だって……!!?」

アキト「これから貴様には、オノゴロの司法制度に則って裁きを受けてもらう。国家転覆および大量殺人未遂の容疑者として、な」

縛られアウル「馬鹿な!! ふざけるな、ふざけるな……!! オレが一体どれだけの思いで――」

 ベチンッ!!

縛られアウル「ぐあっ!」

シズク「お前の都合など知らないのです……。クロシュちゃんの優しさも、綺麗な水の大切さもわからないなら……檻の中で、わかるまでしっかり反省するのです……」

縛られアウル「こ、この……! 人間なんぞにヘコヘコするくそったれの裏切りスライムが……!」

 ベチンッ!!

縛られアウル「ぐあっ!!」

スライムクロシュ「……」ジッ

妖精「……この島には、人間だけが住んでるわけじゃない。犬も、猫も、狸も……そして、狐も……。たくさんの、人間以外の生き物が住んでる。それなのにあなたは、人間への復讐なんてお題目を掲げて、無関係の人間どころか無関係のたくさんの生き物もまとめて滅ぼそうとしたんだ。あなたこそ、この地に生きる全ての命を裏切ろうとしたんだよ」

縛られアウル「……!」

妖精「狐たちに聞いたよ。あなたはお墓参りをするついでに、野狐たちに油揚げをあげていたんでしょ? そんな優しさを持つあなたが……どうして、その野狐たちまでまとめて滅ぼすようなことをしたの」

縛られアウル「…………知った風なことを」

妖精「……思うところ、ないわけじゃないんでしょ。檻の中でしっかり反省しな。まあやったことがやったことだから、結局打ち首か、あるいは二度と外に出られないかもしれないけどね」

縛られアウル「チッ……今ここで殺せよ」

アキト「お主に自身の処遇を決める権利はない。それに、死にたがりを殺してしまうのは刑にならんでござる」

イヨ「……国家転覆は重罪です。裁き次第で望み通りになるかもしれませんね」

縛られアウル「……」
315 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2025/04/19(土) 22:42:39.43 ID:U7rMku9j0
 パチパチパチ…


イヨ「……拍手?」

イリス「……あっ!」


狐巫女「面白い見世物であったぞ、わっぱスライムたちよ」スタスタ


アキト「イクセ殿……ではないな。貴様が――」

狐巫女「イクセの体ではあるぞ?」

アキト「……」

狐巫女「あれほどの被害を覆すとは、敵ながら天晴じゃ。もしかしたらお主、伝説スライムの株分けかもしれんのう」

スライムクロシュ「……?」

狐巫女「口惜しいのう。今のこの国にさえ来なければ、お主もまた歴史に名を刻む伝説となれたかもしれぬのになあ」

スライムクロシュ「……」

狐巫女「じゃがお主らが如何なる手練れであろうと――精根尽き果てて満身創痍の今、星の力を制したわらわの暴虐に為す術はあるまい」スッ

 星の力・水「」ポウ…

妖精「あっ!!!」

イリス「ほ、星の……世界樹の光……!!」

ミスティ「くっ……イヨの言った通りだったわけね……!」

イヨ「はい……! しかし……」

エバンス「や、やべえぞ……今は……」

ローガン「くっ……私も人命救助の為に力をほとんど使い果たしている……! メタル化ももうできそうにない……!」

アキト「くそっ……ここで終わるのか……!」


狐巫女「あ〜あ、本当に残念じゃ……。わらわの姫巫女として微かに残っている部分が、お主らのような優秀人材を葬らねばならぬことを嘆いておるわ……」


スライムクロシュ「……!!」モニョニョ…グググ…

フメイ「くそお……フメイも、もう……」ググ…


狐巫女「くく……くっくっく……わーっはっはっはっはあうっ!?」ドテッ

 星の力・水「」ギュオオオオオッ!!

アリシラ「ぐうっ……こ、これが星の力かぁ……!!」ギュオオオッ

フメイ「アリシラ!?」

狐巫女「き、貴様!? この距離から星の力を奪おうなどと――」バッ

 毒煙「」ボフンッ!!

狐巫女「ぬわあ!?」ゲホゲホ

縛られアウル「……」

狐巫女「アウル……!? お主、一体何を――」

縛られアウル「……うるせえ。少し……気が変わったんだ」

狐巫女「………そうか――ならば致し方なし!」

縛られアウル「……ああ」
316 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2025/04/19(土) 22:44:00.96 ID:U7rMku9j0
 星の力・水「」ギュオオオオッ

アリシラ「うっ、ううっ……こんなに大きな力……吸収し切れな――」

 ドクン―

アリシラ(いや……できる……。私が、魔王としての私に完全に身を委ねれば――)

アリシラ(でも――そうしたら、私は―――)

フメイ「アリシラ!!」

アリシラ「……フメイちゃん!?」

イリス「アリシラさん! この杖に、力を!!」

 蒼き星の杖「」コォォォ―

アリシラ「――わ、わかった!」

 星の力・水「」ギュオオオオッ
 蒼き星の杖「」ズギュウウウウウッ!!

イヨ「星の力が……あの杖に、吸い込まれていく……!?」

妖精「あれは星の力を扱う神杖! あの杖なら――」

 ギュオオオオオッ ポン!!

 蒼き星の杖・水「」コォォォォ…

イリス「……よ、よし! なんとかなった!」


狐巫女「ぬう……まさか星の力を奪うことのできるほどの吸収魔法と、それを保持することのできる魔器がそちらにあったとは。少々予想外じゃった」

妖精「残念だったね! これで形勢逆転だよ、あなたも大人しくお縄に――」

狐巫女「形勢逆転? お主らが満身創痍であることは未だ変わっておらぬのにか?」

妖精「うっ……で、でも星の力はこっちにあるんだぞ!」

イリス「そ、そうだそうだ! 諦めて降伏してよ!」

狐巫女「今さっき奪ったばかりの大きな力をもう安全に使いこなす自信があるなんて凄いのう?」

イリス「うっ……」

狐巫女「ククク……わーっはっはっは! 星の力を奪われた程度で、わらわがお主らごときわっぱ共に敗北を喫するとでも? わらわも舐められたものじゃ!」

 ゴゴゴゴゴ…
 怨念の渦「」ドドドド

ローガン「こ、これは……!?」

妖精「膨大な……呪属性の、波……!! ま、まずいかも……状況は、あんまり好転してない……!!」

ミスティ「でも……ここまで来たら、やるしかないでしょ!? あの馬鹿巫女を殴り倒して、正気に戻して、解決よ!!」

エバンス「おう……! 腹ァ括るぞ!!」


狐巫女「死にたい者から前に出よ!! わらわ自ら引導を渡してやろう!!」ズオッ!!


 ――ボス戦闘開始 怨嗟の狐巫女――


 ★狐巫女が〈悔恨〉を発動!
  敗北時、一度だけ耐えて戦闘続行!!

 ☆クロシュが〈夢喰い〉を発動!
  自陣のコンマ+50!!

◇自陣(夢喰い+50、満身創痍-30)
・もう不死鳥化できない(0/1)

◇敵陣
・耐える(1/1)

↓1コンマ(合計+20)
01-10 痛恨
11-50 劣勢
51-90 優勢
91-00 会心
317 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2025/04/19(土) 22:44:50.01 ID:4BNyt2Z7O
318 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2025/04/19(土) 23:08:09.17 ID:U7rMku9j0
 銀狐の影「」ズモモモ
 銀狐の影「」ズモモモモ

トキワ「わわっ!?」

妖精「怨念で形作ったただの影法師だよ! 実体はないから属性攻撃で倒して!」

エバンス「おうよ! 地属性エンチャントだ!」シュバッ ギュオオ

 地の鉄槌「」ブォンッ!!
 ドガンッ!

 砕け散る銀狐の影「」パシュウン―
 飛び散る血液のようなもの「」ブシャァ

エバンス「うげっ……!? 実体がない癖になんで血みたいのが出るんだよ!?」


狐巫女「実体なき者には血など通っておらぬと? ククク、人間らしい傲慢さじゃ」


妖精「悪趣味な演出だよ! 無視して無視!」

エバンス「お、おう!」


狐巫女「ふんっ!」

 怨念の尻尾「」ブオンッ!!

 ドガッ!!

ローガン「ぬうう……! なんと重い一撃だ……!!」ズザザッ

アキト「まともに受ければ身がもたぬが、後方への被害を考えると受けぬわけにもゆかぬ……!」

トキワ「うぅ……す、すみません……私が、動けないせいで……。でも私、叩かれても死なないので――」

アキト「死ななければ叩かれても良いということは決してないであろう!」

トキワ「……!」

アキト「……すまぬ、声を荒げるつもりはなかった。シズク、サララ、隙を見てトキワとクロシュ殿を後方へ――」

スライムクロシュ「」デロロ…

サララ「はっ、はいっ!」

シズク「……待ってください。クロシュちゃんは――」

アキト「ん?」

シズク「寝ているように見えますが、戦っているのです」

 ◇
319 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2025/04/19(土) 23:08:39.25 ID:U7rMku9j0

―イクセの夢

 怨念の渦「」ゴゴゴゴゴ

クロシュ「!」シュタッ


イクセ「……」zzz


クロシュ「イクセちゃん! 起きて……!!」


イクセ「……」zzz


狐巫女「このドサクサに紛れてまたもここに入り込むとは、油断ならぬスライムじゃ」ヌッ

クロシュ「わらわじゃ……!」

狐巫女「現実と夢、双方で戦を繰り広げるのは少々忙しないが――お主はここで相手してやろう」

 モニョモニョポン!
 メイドブレード「」シャキン!

メイドクロシュ「……」ジリ

狐巫女「安心せい、お主は面白いわっぱスライムじゃ。全てが終わったらペットとして飼ってやらんこともないぞ?」


↓1コンマ(合計+20)
01-50 敗北
51-90 優勢
91-00 会心
320 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2025/04/19(土) 23:10:09.77 ID:DxONWoPLO
女神様、力をお貸しください
321 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2025/04/19(土) 23:51:02.42 ID:U7rMku9j0
狐巫女「せえい!」

 怨球「」ギュオン!

メイドクロシュ「」サッ

狐巫女「ちょこまかと!」バッ

 怨球「」ギュオン!
  怨球「」ギュオン!

メイドクロシュ「」サッサッ

 メイドブレード「」シャィンッ!!

狐/巫女「ぬおわあっ!?」スパッ


真っ二つ狐巫女「」ボテッ


メイドクロシュ「……」ジッ

真っ二つ狐巫女「」ボテッ

炎魔女クロシュ「……」チリチリ…

 爆炎「」ゴウッ!!

真っ二つ狐巫女「うぎゃあああ!!?!? お、おぬし鬼か!!? 真っ二つになった死体に火を放つなど……!!?」ジタバタ

炎魔女クロシュ「死んだふり……ばればれ……」

焦げ狐巫女「ぬうう、やりおるな……! ここまで世界樹の光を集めてきた者は伊達ではないということか」

炎魔女クロシュ「……」

狐巫女「じゃがここはイクセの――つまりわらわの世界も同然。万に一つとして、お主に勝ち目は――」


イクセ「……う…。おかあ……さま……?」グシグシ
322 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2025/04/19(土) 23:52:25.66 ID:U7rMku9j0
狐巫女「……!!」

炎魔女クロシュ「イクセちゃん……!!」

イクセ「あえ……クロシュちゃんに……あっ――」

 ボンッ!

イクセ母に化けた狐巫女「イクセ、あなたはもうお休みなさい。姫巫女の時代は終わったの」

イクセ「あっ……お、おかあ……」

イクセ母に化けた狐巫女「あなたも、私も……もう、生きていてはいけな――」

 モニョモニョポン!!!!

分体アキトクロシュ「イクセ殿!!」

分体イヨクロシュ「イクセ様!!」

イクセ「えっ……アキトおにいちゃん、イヨおねえちゃん……?」

分体イヨクロシュ「皆、イクセ様のお目覚めをお待ちしておりますよ」ニコニコ

分体アキトクロシュ「また一緒に遊びたいでござるなあ! 拙者、イクセ殿が眠ったままでは寂しいでござる!」

イクセ「……!! み、みんな……」


イクセ母に化けた狐巫女「イクセ、騙されてはいけません。この者たちは、あなたを誑かす悪いもがっ!?」

狐巫女の口に詰まった分体ちびクロシュ「〜〜!」モニョニョニョ!


分体アキトクロシュ「イクセ殿、拙者最近かたつむりごっこにはまっているでござる! イクセ殿も一緒にどうでござろう?」

イクセ「えっ……かたつむりごっこ?」

分体イヨクロシュ「はい! 大きな殻を背負って、かたつむりになりきるのです! きっと楽しいですよ!」

イクセ「そ、そうなんだ……えっと……」

カタツムリクロシュ「〜〜」モニョモニョ モゾモゾ

イクセ「わっ! クロシュちゃん……? ほんとだ……ふふっ、楽しそう……!」

カタツムリクロシュ「〜〜」モニョニョ

分体アキトクロシュ「イクセ殿! では――」

イクセ「……でも……おかあさまは……」

分体イヨクロシュ「イクセ様のお母さまも、イクセ様が健やかに生きて、かたつむりごっこをすることを望んでおられました。私がこの耳で直接聞いたのですから、真実です」

分体アキトクロシュ「拙者も同様のことを聞いたでござる。もし何か別のことをイクセ殿が聞いているのだとしても、それはきっと悪い夢……。悪い夢は、通りすがりのスライムにでも食べていってもらうのが良いでござろう」

イクセ「そっか……悪い夢、だったんだ……」

カタツムリクロシュ「〜〜!」モニョニョ

イクセ「……うん。ありがとう……わたし……起きてみる……!」


狐巫女「もがが……!!」ジタバタ

巨大スライムクロシュ「〜〜」モニョモニョ

狐巫女「もが……!?」

巨大スライムクロシュ「〜〜」モニョモニョ ズズッ

狐巫女「〜〜〜!!!」ジタバタ

 モニョモニョ…モグモグ…

 〈会心の食撃!〉

 ◇
323 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2025/04/19(土) 23:54:31.38 ID:U7rMku9j0
―トウゲン温泉街

狐巫女「――」

 バタッ

エバンス「……? 急に倒れたぞ?」

妖精「……! もしかして、クロシュが――」


イクセ「……うっ……。こ、ここ……は……?」パチッ

アキト「……! その、雰囲気は……イクセ殿……!!」

イヨ「イクセ様!!」

イクセ「アキトおにいちゃん……イヨおねえちゃん……?」


ミスティ「姫巫女が……正気に戻った……?」

イリス「てことは……勝ったの!?」


スライムクロシュ「……!」モニャ!

シズク「クロシュちゃん?」

スライムクロシュ「〜〜…!!」モニョモニョ

シズク「えっ……み、皆さん! まだ――わらわじゃ巫女は、消えていないのです!!!」


ローガン「なに!?」

妖精「……あれは!!」

 ズモモモモ……

空中に浮かび上がる黒い狐の影『まだじゃ……まだ、終わっておらぬ……。わらわの……わらわたちの罪を……雪がなければ……』ズモモモ

 ★狐巫女が〈悔恨〉を発動! 一度だけ耐える!


スライムクロシュ「……!!」モニョニョ…グググ…


黒い狐の影『わらわたちのせいで、苦しみ……滅んでいった全ての者たちに……この島の死を……捧げねば……』ズモモモ


妖精「……狂っている。あれは……もう、救われないものだ」

スライムクロシュ「……」

妖精「みんな、最後の力を振り絞って……! あの救われない魂に……せめて、安らかな終わりを」

アリシラ「……うん」

フメイ「ん……」

縛られアウル「……」


↓1コンマ(合計+20)
01-50 敗北
51-90 勝利
91-00 会心
324 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2025/04/19(土) 23:55:09.42 ID:PPCaSbiO0
325 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2025/04/20(日) 00:41:19.59 ID:wa8VY9/90
 ズドドドドッ
  ドゴォッ ボムギッ
    ギュオオオオオオッ

  ドッギャァァァァァァン!!!!


散っていく狐の影『……わらわたちの、せいじゃ………わらわたちさえ……いなければ……』


縛られアウル「……」ズリズリ


散っていく狐の影『……許しておくれ……許さないでおくれ……わらわたちのことを……どうか、どうか……』


縛られアウル「……なんでだよ……」


散っていく狐の影『すまぬ………』


縛られアウル「なんで………オレみたいなイカれた復讐者に便乗して、この島を壊そうとしてんだよ……。アンタは……人間の巫女だったんだぞ……!!」


散っていく狐の影『すまぬ…………』


縛られアウル「わかってるよ……どの口が言ってんだってことくらい……!! でもおかしいだろ!! なんでだよ……なんで、オレと一緒に人間ごとこの島を滅ぼそうとしてんだよ!! なんで……人間の巫女で、いてくれなかったんだよ……。そんなんじゃ……気持ち良く、復讐できないじゃねえかよ……」


散っていく狐の影『すまぬ………すまぬ…………』


縛られアウル「……もう、いいよ。もう……。とっとと、星にでも還っちまえ……」


散っていく狐の影『すま……ぬ…………』スゥゥ――…


 パシュウン――……


 ――戦闘終了――
326 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2025/04/20(日) 00:44:03.55 ID:wa8VY9/90
本日の更新はここまでとなります

大きな功績を挙げたクロシュは、少しばかり感傷的な気分だった。正しいことをしたという自負はある。自分の活躍でいろいろ良くなったという自信もある。しかし、それでも――。あかちゃんスライムの小さな体で救うには、この星はあまりに大きく――命の悲しみは、あまりに深い――
今はただ……疲れ切った体を瓶に潜めて、眠ろう―――……

それでは本日もありがとうございました。次回もよろしくお願いいたします
327 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2025/04/20(日) 04:19:52.78 ID:x/C04xAao
おつでした
まっぷたつ狐巫女からちゃんとキルチェックするクロシュ、同化住民の経験値かな?
アウル…シノホシメンバーで一番若いというか青い印象だったので取り返しのつかない復讐を止めてあげられたのは良かったな…
328 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2025/04/20(日) 08:41:46.29 ID:mT0h6KT6o
おつ
無事に終わったか
しかしリュウトウ殿は結局最後まで活躍無しだったな…
329 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2025/04/20(日) 17:59:22.33 ID:wa8VY9/90
真っ二つになった狐巫女の姿を見ても、クロシュ氏は用心深く観察して攻撃することを選んだようでした。それがどのような思考判断によるものなのかは定かではありませんが、食べたものによって培った経験が生きている可能性は実際あるでしょう
アウル氏は若者なので、今回のことで牢にぶちこまれることにはなりましたが、即刻打ち首という運命は避けられたようです。このことでシノホシがどのような反応を示すかは未だ闇に包まれています。慎重に進むのが良いでしょう

ひとまず事態は丸く収まりそうですが、今回の事件でリュウトウ氏は実際あまり活躍できなかったようです。身も蓋もないことを言うと、リュウトウ氏をクロシュ陣営に引き込めなかったためとも言えるかもしれません
これはネタバレなのですが、リュウトウ氏をクロシュ陣営に引き込めていた場合はアウルらの企みを事前に察知でき、毒物テロを事前に阻止することもできました。しかしリュウトウ氏を引き込めなかったため、アウルらのテロを察知できず、クロシュたちは後手に回ってしまったのでした……(なお不死鳥パワーによる力技で人的被害はゼロになりました)
330 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2025/04/20(日) 18:00:22.43 ID:wa8VY9/90
―数日後
 トウゲン温泉

 毒温泉「」ドクドク

イリス「洗い流せっ!」
 蒼き星の杖・水「」キュオオオ――

 ギュワァァァァァ――

 綺麗な温泉「」ポン!

シズク「んわわ〜!」キャッキャ

トキワ「わあ〜!」キャッキャ

サララ「すごいです!」キャッキャ

ユキ母「ありがとう、イリスちゃん。これで主要な水源は概ね浄化されたわ……!」

イリス「良かったです! でも、まだ細かい汚染が――」

シズク「あとは、星の力に頼らなくても、ここにいるわたしたちの力で浄化できると思います!」モニョモニョ

イリス「そっか、わかったよ!」

世界樹の精霊『……星の力……あんまり濫用はしないように……』ヌッ

イリス「わ、世界樹の精霊さん……!」

世界樹の精霊『あなたたちが毒と呼称しているものも、星を形作る物質の一つ……。毒が苦手な生き物の為に、星の力で無理矢理洗い流すのは……本当は、あんまり良くない……』

シズク「で、でも世界樹の精霊さま……! あの毒は……ほんとは、ここになかったもので……」モニャニャ…

世界樹の精霊『うん……。だから、今回は許可する……。私としては、自然環境の変動として受け入れても良かったけど……イリスたちには、この先もがんばってもらいたいから……。えっと、つまり、アメというやつ……』

シズク「アメ……!」モニョニョ

イリス「わかった! これからもがんばるよ!」

世界樹の精霊『それじゃ……よろしく……』フッ―

 *

イリス「そういえばシズクちゃん、すっかりいつもの調子に戻ったねえ」

シズク「んわわ……忘れてください……! あれは、ほんとのわたしじゃないのです……!!」モニョモニョ

トキワ「でも……毒舌でクールなシズクちゃんも、良かったと思うの」

サララ「あれはあれで良いよね。もちろん今のほわほわなシズクちゃんも良いけど」

ユキ母「旅館のお客様の中にはあのシズクちゃんが好きっていう人もいるわねえ」

シズク「ええ……」

 ◆
331 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2025/04/20(日) 18:02:15.20 ID:wa8VY9/90
―トウゲン国政区 武家道場

 ビシッ ビシッ ビシッ

リュウトウ「九千九十一! 九千九十二!」
 木刀「」ビシッ!! ビシッ!!


イヨ「リュウトウ、まだ素振りしていたのね」スタスタ

リュウトウ「イヨ……何か、用件が?」

イヨ「……朝廷再編の話し合いが一段落ついたから、休憩に来たの。はい、これ」スッ

 温泉まんじう「」ポン

イヨ「あなたも休憩にしましょ?」

リュウトウ「……私には不要だ」

イヨ「……まだ気にしているの?」

リュウトウ「……姫巫女様の様子は明らかにおかしかった。それなのに私は……盲目的に姫巫女様に従って、国家転覆の後押しをしてしまったのだ……」

イヨ「……武官であるあなたには、姫巫女様の御命令に逆らう権利なんてなかった。リュウトウが悪いことなんて、何もないのよ」

リュウトウ「しかし私は護国の刀――国を護る為であれば、姫巫女様に逆らってでも立ち塞がらなければならなかった……!」

イヨ「リュウトウ! そんなの無理だよ!! 過去の自分が絶対にできなかったようなことを悔やんだって仕方ないでしょ!」

リュウトウ「……できなければならなかったのだ……」

イヨ「リュウトウ……」

リュウトウ「……すまぬ……今は、無心に刀を振らせて――」

 温泉まんじう「」ガッ

リュウトウ「もががっ……!?」

イヨ「黙れ! 年下の癖に生意気なの……!! リュウトウはまだお子様なんだから、お子様はお子様らしくまんじゅうを食べてれば良いのよ!!」

リュウトウ「もがもが……!」

イヨ「そもそも、あの時だってリュウトウが血まみれで隠れ里に駆け込んできてなかったら、本当に取り返しのつかない大惨事になってた!! みんなが助かったのはリュウトウのお陰でもあるの!! リュウトウは、ちゃんと護国の刀をしてたの!!!」

リュウトウ「……!!」

イヨ「だから………もう、いいんだよ……。リュウトウは、ちゃんと、がんばったから……」ジワワ

リュウトウ「……なんで、イヨが泣くの?」

イヨ「……泣いてない」グスッ

 ◆
332 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2025/04/20(日) 18:02:49.73 ID:wa8VY9/90
―さらに数日後
 霊峰の隠れ里 貸家の縁側

イヨ「イクセ様〜!」

イクセ「イヨおねえちゃん!」トテトテ

イヨ「お元気そうで何よりです。ここの住心地はどうですか?」

イクセ「うん! とっても良い……!」

イヨ「良かった……」


アキト「拙者が誠心誠意お仕えしているゆえ、不自由はさせませぬ。ご安心を、イヨ殿」ヌッ

イヨ「アキトさん。あなたが、イクセ様のご隠遁に協力してくださったのは幸いでした」

アキト「拙者は既に朝廷と関わりのない身でござるからな。適任であろう」

イヨ「……姫巫女という役職の喪失に伴い、朝廷では大規模な再編が進んでおります。でも――」

アキト「うむ。拙者の席は不要でござる。元より拙者らイザナギ家は、朝廷ではなく姫巫女様に仕える一族。イクセ殿がこちらに隠遁なされるのであれば、拙者もそれに付き従うのみ」

イヨ「……イクセ様のこと、よろしくお願いいたしますね」


イクセ「なんのお話してるの……?」

アキト「今日はイクセ殿と何をして遊ぼうか話し合っていたのでござるよ!」

イヨ「え、ええ。イクセ様は、何かなさりたいことはございますか?」

イクセ「じゃあ、かたつむりごっこ!」

 ◆
333 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2025/04/20(日) 18:03:37.56 ID:wa8VY9/90
―オノゴロ諸島 滞在最終日

◇クロシュ [あかちゃんスライム]
武:メイドブレード  盾:ラティアの大盾  飾:くすんだ耳飾り
武:竜珠の大杖    防:竜のエプロン   飾:不死鳥の羽根

◇妖精   [世話焼き妖精]
武:         盾:         飾:くすんだ耳飾り
武:         防:精霊のレオタード 飾:

◇イリス  [星の魔法使い]
武:蒼き星の杖    盾:         飾:くすんだ耳飾り
武:         防:魔術師のローブ  飾:

◇ミスティ [氷の魔法使い]
武:氷の短刀     盾:         飾:くすんだ耳飾り
武:         防:氷竜革のローブ  飾:

◇ローガン [鋼の戦士]
武:蜥蜴一文字    盾:灼鋼の盾     飾:くすんだ耳飾り
武:鋼の回転ノコギリ 防:オリハル鎖帷子  飾:

◇エバンス [地の傭兵]
武:古代の鉄槌    盾:         飾:くすんだ耳飾り
武:魔銀の刀     防:硬質革鎧     飾:

◯所持アイテム
[道具]        [装備品]       [大事なもの]
運命賽*6       蜘蛛絹の下着      魔族国永久旅券
会心賽*0       ザリガニのお守り    フメイの服の切れ端
反魂丹*1       大きな巻き貝      精霊の印
鉄鍋+携帯調理器具   闇の欠片        精霊樹の実のジャム
「星の魔力」上中    フリルワンピ水着    精霊樹の鉢植え+赤雷球
お宿の妖精の織物    魔法学園のスク水    フメイとアリシラの人形
魔導飯盒        ガラスのザリガニ    メルルの帽子
妨害魔力波発生装置   踊り子の双剣      溶岩石のアミュレット
属性大全        サボテンドラゴンの花  太陽のメダリオン
魔王図鑑        精霊のローブ      暗黒優待券
氷精の魔導書      精霊樹の杖[改]    冒険者証(ランク1)
ブラッドワイン*3               大魔女帝国渡航権
マッスルワイン*1               かたたたきけん
吸血鬼殺ワイン*1               大魔女帝国滞在許可証
魔術書「正負の属性」              風船印のパラシュート
吸血鬼の日焼け止め               ラティア勲章
日蝕の傘                    ユーシリア王家の紋章
大魔女サイン*1
古代のセラミック
ステライト鉱石
晴れ乞い傘
チョコスムージー

◯現在の目標
・フメイちゃんを探す
・世界樹の光を追う[4/5]
・アリシラの夢引っ越し[3/4]

◯仲間の目標
・カリス・ノーランドを討つ(ミスティ)

◯経験値
・クロシュ 剣技[01/07] 魔法[01/07] 防御[00/07]
・イリス  杖術[02/04] 魔法[12/16]
・ミスティ 剣技[02/07] 魔法[09/16]
・ローガン 剣技[16/16] 魔法[05/08] 防御[07/08]
・エバンス 剣技[16/16] 魔法[04/08]
……………………………………………………………………………………
□オノゴロ諸島 トウゲン温泉
国政区:御所、審議場、武家道場、蔵書庫、神社、他
温泉街:広場、茶屋、お土産屋、湯治場、露天風呂、足湯、他
宿場町:旅館、市場、食事処、酒場、遊郭、鍛冶屋、冒険者ギルド、他
……………………………………………………………………………………
□オノゴロ諸島 霊峰の隠れ里
隠れ里:貸家、広場、市、茶屋、食堂、温泉、鍛冶屋、道場、神社、他
離れ山:森林、沢、廃村
……………………………………………………………………………………
☆激しい戦いを経て各々大きな経験を獲得しました(上記加算済)
☆クロシュの剣技、魔法、防御レベルが1づつ上がりました
☆ローガンの剣技レベルが1上がり、上限に達しました
☆エバンスの剣技レベルが1上がり、上限に達しました
※通常の訓練等では上限を越えて技術を成長させることはできません
334 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2025/04/20(日) 18:04:26.20 ID:wa8VY9/90
―旅館 雪解け
 客室

スライムクロシュ「〜〜」モニョモニョ

 蒼き星の杖・水「」ポワポワ

世界樹の精霊『残る星の力は……炎と地の2つ……。炎はすぐそこで……地は……大陸の、少し南の辺り……』

妖精「大陸の少し南の辺り……王国か、セクリエ・ロイエか……」

ミスティ「王国……?」

エバンス「まさか……セインが? いやでも、あの時はセインが何かしてる様子なんてなかったよな……?」

ローガン「……セインくんが何かをせずとも、その裏で糸を引く者が何を企んでいるかはわからんな……」

世界樹の精霊『ひとまず、水の力はその杖に入れておいて。敵がどんな手段で奪うのかわからないから、あなたたちの目に付くところに置いておいた方が良い……』

イリス「わかった……!」

世界樹の精霊『……で、炎の力だけど……』


フメイ「……」

アリシラ「……やっぱり、返さなきゃだめ?」

世界樹の精霊『当然……。でも……』

アリシラ「?」

世界樹の精霊『……さっきも言ったけど、返還する隙に奪われる可能性があるから……ひとまず、イリスの持ってる杖に――』

イリス「ちょ、ちょっと待って! この杖、そんなにたくさんは入り切らないかも……!」

世界樹の精霊『え、そうなの……』

イリス「うん。この杖、本来は星の力を溜めておく専用のものってわけではなくて、星の魔力を循環させて大きな力を生むのが目的のものみたい。だから、これ以上は溜め込めないかも……」

世界樹の精霊『そうだったんだ……。じゃあ……どうしよう……』

アリシラ「……フメイちゃんが持ったままでも良いんじゃない?」

世界樹の精霊『フメイちゃんが持ち逃げしない保証はあるの?』

フメイ「……フメイ、もう……持ち逃げ、しない……」

アリシラ「って言ってるよ!」

世界樹の精霊『……嘘はついてないみたい。わかった、信じる……。いろいろ片付いたら、ちゃんと返してね……』

フメイ「うん」


 ☆蒼き星の杖に水属性の力が宿りました

 ☆ここ数日の内にアリシラの引っ越し計画が進みました(3/4)
  この自由行動が終わると、引っ越しの最終段階へ移行します

 ☆努力目標3つ達成により、自由行動回数が3回増加します


オノゴロ諸島滞在最終日です。明日オノゴロを発ちます
↓1〜6 自由安価 何をする?
335 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2025/04/20(日) 18:04:52.57 ID:jHEy7PgEO
メルルとユキから手紙が届く
336 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2025/04/20(日) 18:08:37.35 ID:LZW/63Rp0
フレメアが狐小僧の様子を見に降臨するのを目撃
337 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2025/04/20(日) 18:13:18.85 ID:PZZ/opzLo
伝説スライムの株分けという言葉に思案を巡らせる
338 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2025/04/20(日) 18:15:47.88 ID:ny2FZ79P0
クロシュ、イクセ、トキワの3人で温泉街でお店や温泉巡り
イクセとトキワ友達同士になる
339 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2025/04/20(日) 18:18:18.87 ID:x/C04xAao
アウルにシノホシのことを聞き取り
340 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2025/04/20(日) 18:19:23.61 ID:195OGop8O
星の力一口舐めてみようぜ
341 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2025/04/20(日) 18:20:00.60 ID:3eskupe0O
引っ越し作業完了前に一度クロシュ、フメイ、アリシラ、そしてアリシラの夢の中の住人を交えて本音で話し合う
342 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2025/04/20(日) 21:41:35.83 ID:wa8VY9/90
―雪解け 客室

スライムクロシュ「……」

妖精「どうしたの? 考え事?」

スライムクロシュ「〜〜」モニョモニョ

妖精「株分け? 株分けっていうのは、植物を根っこから分割して別のとこに植えることだよ」

スライムクロシュ「〜〜」モニョモニョ

妖精「……そういえば伝説スライムの株分けとか言ってたね。伝説スライムっていうのがクロシュヴィアのことだとすれば――」

スライムクロシュ「〜〜?」モニョニョ?

妖精「……まあ、クロシュが伝説スライムのクロシュヴィアを起源にしたスライムって可能性はあると思う。いやでも、クロシュはカリス・ノーランドに――」


シズク「えっ、クロシュちゃんは伝説スライムなの!?」モニョッ

スライムクロシュ「〜〜!」モニョニョ

妖精「ああいや、ただの可能性の話だよ。クロシュヴィアは大昔に生きてたスライムだから、その欠片から生まれたスライムが現代にいるのは何も不思議なことじゃない」

シズク「たしかに……!」モニョニョ

妖精「それに……確かクロシュヴィアも、クロシュと同じ反映魔法を使うんだよね。で、たぶんブラッドの奴が使ってたのもたぶん反映魔法……つまり――」

スライムクロシュ「〜〜…!?」モニョニョ

妖精「……カリス・ノーランドがクロシュヴィアの欠片から造り出したスライムである可能性が……ある!」

スライムクロシュ「〜〜!」モニョニョ!

シズク「んわ〜!」モニョニョ!

妖精「いや、まあ……決定的なことは何もわからないから、本当にただの可能性の話ね。もしかしたら私たちが知らないだけで、反映魔法を使うスライムがいっぱい住んでる地域とかがあったりするかもしれないし」

スライムクロシュ「〜〜」モニョモニョ

シズク「いいなあ……わたしも反映魔法、自分で使ってみたい……」

スライムクロシュ「!」ピコン!

 モニョモニョ…プチッ
 クロシュの欠片「」モニョッ!

シズク「わっ! クロシュちゃん、どうしたの? 自分を千切って……」

スライムクロシュ「〜〜」モニョモニョ

シズク「えっ! これと同化すれば、反映魔法が使えるようになる……!?」

スライムクロシュ「〜〜!」モニョニョ

シズク「同化……やったことないけど、できるかな……?」

スライムクロシュ「〜〜!」モニョモニョ

妖精「前に聞いた話だと、属性によらずほとんどのスライム類は同化の力を持ってるんだって。シズクもがんばれば同化の力を使えるようになると思う」

シズク「そうなんだ……! じゃあわたし……この前クロシュちゃんにやってもらったみたいに、自分でかっこいい擬態ができるように、なる!」

スライムクロシュ「〜〜♪」モニョニョ


妖精(……でも、同化ってけっこう難しい技術らしいんだよね。それを数日の内に使えるようになって、今じゃたぶん手練れスライムのブラッドと同じくらいに使いこなしてる。まだあかちゃんスライムなのにも関わらずだ。カリス・ノーランドの思惑がどんなものかはわからないけど、センスで言えば伝説スライム級と言っても決して過言ではない……のかもしれない……)

 ☆シズクにクロシュの欠片を贈りました

 ◇
343 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2025/04/20(日) 21:42:27.01 ID:wa8VY9/90
―トウゲン温泉街

 ワイワイ ガヤガヤ

お忍びイクセ「……」キョロキョロ ソワソワ


トキワ「……? あの子って……」

クロシュ「……! えっと……イクセちゃん、かも……」

トキワ「えっ!? イクセちゃんって――」

 トコトコ

クロシュ「イクセちゃん」ヒョコ

お忍びイクセ「ひょえっ……!? あっ……も、もしかして……クロシュ、ちゃん……?」

クロシュ「うん……! えっと……こっちは、トキワちゃん……!」

トキワ「ど、どうも……! トキワです……! 初めまして、姫巫女さま……」ペコリ

お忍びイクセ「あっ……え、えっと……わたし、もう、姫巫女じゃあなくって……」オロオロ

 *

トキワ「えっ……じゃあ、姫巫女がいなくなるって噂、本当なんだ……」

イクセ「うん……」

クロシュ「じゃあ……これからは、ただのイクセちゃん?」

イクセ「そうだと思う……」

トキワ「……そうなんだ……。えっと、じゃあ……今日は温泉に入りに来たの?」

イクセ「うん……。アキトおにいちゃんと一緒に来たんだけど……はぐれちゃって……」

トキワ「アキトさん……」

クロシュ「それじゃあ、わたしたちと一緒にいる?」

イクセ「え、いいの……?」

クロシュ「うん……!」

トキワ「案内してあげるね。まあ私も最近まで温泉街にいなかったから、あんまり詳しくはないんだけど……」

 *
344 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2025/04/20(日) 21:43:00.41 ID:wa8VY9/90

―旅館雪解け 露天温泉

 カポーン

スライムクロシュ「〜〜…♪」デロデロ

トキワ「ふわぁ〜……」ポカポカ

イクセ「〜〜」ポカポカ


シズク「んふふ……みなさん、お湯加減はいかがですか?」モニョモニョ

トキワ「うん、丁度良いよ」ポカポカ

スライムクロシュ「〜〜♪」モニョモニョ

イクセ「良い湯なのじゃあ〜」ポカポカ


スライムクロシュ「……!!?」モニャニャ!?

トキワ「えっ……い、イクセちゃん……!?」

イクセ「……あっ!? え、えっと……わ、わらわ……じゃなかった! わたし……口調が変になっちゃうこと、あって……!」アタフタ

トキワ「そ、そうなんだ……」

スライムクロシュ「……」


クロシュ(……イクセちゃんの夢の中には……もう、あの悪いどろどろは残ってないみたいだけど……)

クロシュ(…………もしかしたら……わらわじゃの心は、少しだけ残ってて……)

クロシュ(どろどろがなくなった、イクセちゃんの中で……のんびりしてるだけなのかも……)

 ◇

―雪解け 屋外演舞場

クロシュツムリ「〜〜」モゾモゾ モニョモニョ

トキワツムリ「こ、こう……?」モゾモゾ

イクセツムリ「うん! 上手なのじゃ!」キャッキャ モゾモゾ



エバンス「……あれは何をやってるんだ?」

妖精「かたつむりごっこだって」

ローガン「なるほど、防御姿勢を取りつつ動き回る訓練か……!」

妖精「え、そうなの?」



アキト「イクセ殿ォ〜!」ドタドタ

イクセツムリ「あっ、アキトおにいちゃん!」

アキト「すまぬ、すまぬ……イクセ殿をお守りすると申し上げたにも関わらず、拙者は……」

イクセツムリ「でもわらわ、クロシュちゃんとトキワちゃんに会えて、友達になったのじゃ!」キャッキャ

アキト「なんと……」

トキワツムリ「アキトさんも、一緒にかたつむりごっこ……しませんか?」


アキトツムリ「……つかまつった!」ドン! モゾモゾ

 ☆イクセとトキワが仲良くなりました

 ◆
345 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2025/04/20(日) 21:43:28.46 ID:wa8VY9/90
―旅館 雪解け

天狗の郵便屋「お手紙でーす!」バサバサッ

ユキ母「は〜い」トタトタ



ユキ母「ふむふむ……あら、ユキからね。それとこれは……メルルちゃんから?」

 手紙「」ペラッ

 *

―旅館雪解け 待合室

ミスティ「え、私たち宛に?」

ユキ母「ええ。ユキとメルルちゃんから」

サララ「あ、お姉ちゃんミスティさんたちにもお手紙を出したんですね。私のとこにも、お手紙と砂漠の品物とか写真が届いたんです」

イリス「なるほど……というかメルルさんはなんで私たちが今オノゴロにいるってことを知ってたんだろう? サララちゃんが教えた?」

サララ「いえ、こっちからはまだ手紙を出していませんが……」

ミスティ「開けてみればわかるんじゃないかしら」

 ユキの手紙「」ポン
 メルルの手紙「」ポン

 *

 ペラッ

ミスティ「ふむふむ、なるほどね……メルル、今は大魔女帝国に滞在しているみたい」

イリス「そこで知り合ったユキちゃんと、私たちの話で盛り上がって、一緒に手紙を出した……という流れなんだねえ」

サララ「なるほど……お姉ちゃん、旅を満喫してるんだなあ」


↓1コンマ
01-60 冷凍ウチワサボテン
61-90 アロエシャーベット
91-00 冷凍コハクガニ
346 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2025/04/20(日) 21:45:20.45 ID:x/C04xAao
かにこい!
347 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2025/04/20(日) 22:09:54.42 ID:wa8VY9/90
 冷凍ウチワサボテン「」ポン!

サララ「わ! これは……南国の植物ですか……!?」

イリス「これは砂漠に生えるサボテンって植物だよ!」

ミスティ「瞬間冷凍で綺麗に凍結してある……ユキ、しっかり使いこなしてるわね」

ユキ母「ふふ、あの子も氷属性のことがわかってきたみたいね」



スライムクロシュ「〜〜♪」モニョモニョ モグモグ

シズク「んわ〜……! シャキシャキで美味しいです!」モグモグ

イクセ「不思議な食感なのじゃ……!」モグモグ

トキワ「植物なのに、分厚くて、すごい……!」モグモグ

アキト「砂漠か……いつか行ってみたいものでござるなあ」モグモグ

 ☆みんなで冷凍ウチワサボテンを食べて元気になりました

 ◇
348 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2025/04/20(日) 23:01:35.21 ID:wa8VY9/90
―トウゲン国政区
 留置所

 鉄柵「」ガシャン

妖精「ここに拘留されてるんだ」

イヨ「はい。裁判で刑が確定するまでは、この留置所に置かれることとなります」

クロシュ「こうりゅう……りゅうちじょ……」

妖精「あー……クロシュは覚える必要ないよ、そういうのは。知ってて得をすることもたぶんないだろうし」

クロシュ「あ、うん」

イヨ「……罪なき市井の民にとっては、一生関わることのない場所ですからね……。本当は、救国の英雄であるクロシュさんに、こんな場所を訪れて欲しくはないのですが……」

クロシュ「え、えと……だめ……?」

イヨ「……いえ、私の我儘です。それに、あの狐はクロシュさんのお陰で首の皮を繋ぎました。クロシュさんには、彼に会う権利が当然にあります」

クロシュ「うん……」

 *

―留置所
 アウルの独房

イヨ「アウル・フォクシー、面会希望者です」


アウル「あ……?」


クロシュ「……」

妖精「……」


アウル「誰かと思えば……オレを嗤いにでも来たのかい? それとも――セレスティアのように、トドメを刺しに来た?」

妖精「はぁ、そんなことできるわけないでしょ……。私が聞きたいのは、シノホシの目的や状況のこと……。そしてクロシュは――」

クロシュ「……」スッ

 油揚げ「」ポン

アウル「…チッ……いらないよ。スライムの薄汚いベトベトが付いた油揚げなんか食えるか」

イヨ「……あなた……っ!」キッ

クロシュ「ん、大丈夫」

イヨ「クロシュさん……!」

アウル「ハハッ、ガキスライムに窘められる公家様とはね! こんな牢獄にも面白い娯楽があったもんだ!」

クロシュ「……この油揚げは……離れ山の、狐さんたちが……アウルさんに届けてって、わたしにお願いしたもの……」

アウル「……は?」

クロシュ「……いらないなら……わたしが、食べる……。あと……あの子たちにも……いらなかったって、伝える……」

アウル「てっテメッ……!」

クロシュ「……」ジッ

アウル「……寄越せ」

クロシュ「!」

 油揚げ「」スッ

 ガシッ! ガツガツ ムシャムシャ モグモグ
 ゴックン!

アウル「……ふん。悪くない味だった……と伝えとけ」

クロシュ「ん……!」ニコニコ

アウル「チッ……」

 *
349 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2025/04/20(日) 23:02:14.96 ID:wa8VY9/90


アウル「……で、シノホシのことだって?」

妖精「そう。あなたは数少ない構成員の一人でしょ? シノホシは、世界樹の光で何をしようとしているの?」

アウル「……亡国リーリアの復活と……王国への……人間たちへの復讐だ」

妖精「……世界樹の光は巨大な力の塊だけど、過ぎ去った時を戻すような芸当は……5つ全てを集めない限り、不可能だよ。そして今はもう、2つの世界樹の光が星に還ってる……。もう、世界樹の光で失われた国を元に戻すことはできない」

アウル「へえ、5つあれば本当にそんなことができるんだ。てっきりオレは、復活っていうのは新しく国を作り直すことだと思ってたんだけど――」

妖精「まあ1つだけでも莫大な力ではあるから、国を作り直すなら実際にいろんな場面で役に立つとも思うよ。わかりやすい例で言えば、国防とかね」

アウル「ザイルが言ったのは多分そういうことだろ。まあオレもリーリア復活の計画をはっきり聞いたわけじゃないけど」

妖精「でも……星の力が星の内側にない状態が長く続けば、いずれ属性の均衡が崩れて――この星自体が、崩壊することになる。リーリアの元国王であるザイルなら、そんなことくらいわかっているはずだけど」

アウル「……知らないよ。リーリアのない世界なんて崩壊したって構わないとでも思ってるんじゃない?」

妖精「ええ……」

アウル「オレが言えたことじゃないけど、ザイルにもヤケクソ復讐者みたいな面がある。リーリアの復興が叶わないと知れば、世界ごと滅ぼそうとしても不思議じゃないと思うね」

妖精「うへぇ……」

アウル「ま、オレはここでのんびり待つとするさ。オレの死刑執行と、ザイルの世界滅亡――どっちが早いか、見ものだね」

妖精「昨日捕まったばかりのテロリストとは思えない開き直りっぷりだなあ」

アウル「褒め言葉として受け取っておくよ」


↓1〜2 アウルと話すこと
1.シノホシのメンバーについて
2.離れ山の狐について
0.自由安価
350 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2025/04/20(日) 23:04:22.72 ID:LZW/63Rp0
351 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2025/04/20(日) 23:04:54.61 ID:PZZ/opzLo
2
352 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2025/04/20(日) 23:05:07.79 ID:ny2FZ79P0
2
353 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2025/04/20(日) 23:08:58.63 ID:wa8VY9/90
少し中途半端ですが、本日はここまでとなります。次回はアウルとお話編、フレメアオノゴロに降り立つ編、星の力をちょっと舐めてみよう編です

国家存亡の危機を乗り越え、ひとまずの平穏を取り戻したオノゴロ諸島。クロシュたちは次なる目的地へ向かう為の休息を取りつつ、オノゴロの滞在最終日を過ごしていく
しかしそんな時、オノゴロの地に降り立つは駄狐の逮捕を聞きつけたシノホシの狂い吸血鬼。目的を果たせなかった駄狐に対して、吸血鬼が下す処分の内容は――

それでは本日もありがとうございました。次回は土日です、よろしくお願いいたします
354 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2025/04/21(月) 08:24:59.09 ID:xw8CBu5qo
おつ
やっぱりリュウトウ殿が鬼札だったか
迎えに行きたかったんだけど自由行動争奪戦に間に合わなかったよ…
355 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2025/04/21(月) 09:56:05.49 ID:Pk7hdib9o
おつおつでした
この問題解決後の交流が束の間でも大きな癒し、カタツムリシスターズカワイイですね
フレメアさんが思いの外物騒な襲撃の可能性が示されて震える
356 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2025/04/26(土) 03:50:53.66 ID:EObwVj0i0

次回フレメアが登場するのか芸術都市の後では、アウルの事を結構いじっていたり、part4の>>145で一緒にいたりして個人的にアウルとフレメアは仲が良いイメージがある。
357 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2025/04/26(土) 19:34:26.51 ID:AhPNAKwH0
リュウトウ氏は重要人物でしたが、自由行動で接触しないとクロシュ勢力に引き込めない人だったので、難しい問題だったようです
自由安価はすぐに埋まってしまう時もあれば、けっこう長い間埋まらない時もあり、その辺りは>>1自身にも予測不可能であります。良い感じに良いやり方があれば良いのですが、なかなか難しいようです

問題解決後は時間に追われることなく交流できるため、ユーシリア編から努力目標達成によって問題解決後の自由行動数を増やす施策を導入いたしました。今のところ特に問題もなさそうなので、この方針は今後も続けていきたいと思います。クロシュ氏もみんなでかたつむりごっこができてご満悦だと思います

フレメア氏は物騒な人物ですが、実際物騒な人物かもしれません。以前の様子ではアウル氏をよくいじっている姿がみられたため、シホノシ構成員の中でもフレメア氏とアウル氏は仲が良い(?)可能性が高いです。しかしフレメア氏は恐ろしい狂い吸血鬼なので、彼女がどのような思考判断を行うかは予測不可能かもしれません。気を付けるのが良いでしょう



・自由行動がすぐに埋まってしまう問題についてのお願い
自由行動安価を取りたくても取れない人がいる場合があるため、自由行動安価を一度取った方は、次の自由行動安価はなるべく取らないようにして頂けると幸いに思います

今後も様子を見つつ進めていきたいと思います。場合によっては通常の連取りに加えて自由行動安価の連取りも禁止するルールを追加することにもなるかもしれません。よろしくお願いいたします

実を言うとそこまで人の多いスレではないと思っていたので少し驚きました。一度取ったら次は譲る、くらいの緩い気持ちで安価を取って頂けたら幸いに思います
358 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2025/04/26(土) 19:35:45.26 ID:AhPNAKwH0

妖精「ザイルが国の復興を目指してるのはわかったけど……レインとフレメアはリーリアの出身じゃないよね? なんであの二人はシノホシに入って活動してるの? あ、レインは人間とか王国への復讐か」

アウル「レインは復讐だろうね。フレメアは……詳しくは知らないけど、ザイルに恩だか貸しだかがあるんだってさ。あのイカれた吸血鬼にそんな義理堅いとこがあるなんて、にわかには信じがたいけどね」

クロシュ「レインさん……この前、わたしたちと一緒に、戦った……」

アウル「浮島国での戦いについてはオレも聞いてるよ。仲良く共闘したそうだね」

クロシュ「うん……。レインさん……良い人、だと思う……」

アウル「あははっ、多くの人間を殺すテロリストのサキュバスが良い人だって? まあスライムにとって悪い人じゃないのは確かだけどね。あの人が狙ってるのは王国に与する者だけみたいだし」

クロシュ「わたし……仲良く、できる……?」

アウル「さあ。見かけは冷酷なテロリストを気取ってるけどあの人けっこうナイーブなとこあるし、もし君たちに情が移ったりしていれば仲良くできないこともないだろうね」

クロシュ「!」

妖精「まあ、できれば戦いたくない相手だもんね」

クロシュ「うん……。フレメアさんも……」

妖精「あー……アウル、フレメアの姉妹喧嘩のことは知ってる?」

アウル「凄く仲が悪いってことくらいなら。何があったかは知らないよ」

妖精「そう……。フレメア、妹のことについて何か言ってた?」

アウル「悪口ならしょっちゅう言ってた。バイオレット家の後継者争いとかで何かあったんじゃないかな?」

妖精「うーん……血筋にまつわる争いって理解しがたい……」

アウル「自然の中からボウフラみたいに勝手に湧いてくる妖精には理解できないだろうね」

妖精「ボウフラは勝手に湧かないし、妖精だって勝手に湧くわけじゃないの。あなた、ちょっと他の種族に対する敬意ってもんが足りてないんじゃないの」

アウル「ごめんごめん、悪かったよ」

妖精「全く……あなた、狐以外は全部嫌いなの?」

アウル「そんなことないよ。嫌いなのは人間だけさ」

 *

クロシュ「じゃあ……狐さんたちのことは……好き……?」

アウル「……そんなことを聞いてどうするんだい?」

クロシュ「……えっと………よ、妖精さん……どうすれば、良い……?」

妖精「え、私!? え、ええと……どうもしないよ! ただ、アウルが離れ山の狐たちのことを好きかどうか知りたいだけ。深い意味はない……と思う。そうだよね? クロシュ」

クロシュ「う、うん。そう。たぶん」

アウル「はあ……こんなにとぼけた奴らにやられただなんてね……。まあいいや。離れ山の狐たちのことは、もちろん嫌ってなんかいないよ。銀狐ではないけれど、あの地に住まう狐という意味では親戚みたいなものさ」

クロシュ「わあ……」

アウル「質問への回答はこれで良いかい?」

クロシュ「うん……! えっとね……狐さんたち……いつか、アウルさんみたいに、格好良く変化できるようになったら……今度は自分たちで、油揚げを持っていきたいって……言ってた……!」

アウル「……へえ。そうなんだ……」

クロシュ「うん……!」

妖精「ふふ、刑の執行と世界滅亡の他に、もう一つ楽しみが増えたんじゃない?」

アウル「……別に。好きにすれば良いさ」

 ◇
359 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2025/04/26(土) 19:36:02.98 ID:ScpGv/+Oo
了解
360 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2025/04/26(土) 19:36:35.96 ID:AhPNAKwH0

妖精「聞きたいことは大体聞けたかな?」

クロシュ「うん」

イヨ「それでは面会を終わりに――」


 ドッガァァァァンッ!!!!


イヨ「きゃあっ!!?」

妖精「わああ!!?」

クロシュ「!!?」

アウル「!?」


 穴の空いた天井「」パラパラ…

 スタッ

フレメア「……」ヌッ


アウル「……フレメア!?」


妖精「!?」

クロシュ「!!」

イヨ「えっ……!?」


フレメア「あ、アウル。本当に捕まってたんだ」スタスタ


アウル「……なんだよ。嗤いにでも来たのか?」

フレメア「大正解! 人間たちに捕まってお仕置きされちゃう哀れな駄狐を嗤いに来てあげたの!」ケラケラ

アウル「……」

フレメア「それとも――うふふふ、助けて欲しい? ねえ、助けて欲しい?」ニコニコ

アウル「………いや……」

フレメア「え、じゃあそのまま無様に人間たちに殺されたいってこと!?」

アウル「そういうわけじゃねえよ」

フレメア「ふうん……アウルの復讐心なんてその程度のものだったんだね。まあ駄狐らしいっちゃ駄狐らしいか」

アウル「こいつ……」

フレメア「まあいっか、ザイルには駄狐は人間に断罪されることを望んでたって伝えてあげよ」

アウル「あのな……オレは別に――」

フレメア「じゃ、死んでくれる? 復讐も果たせずに腑抜けて、本当の駄狐になっちゃったアウルなんてつまんないし」ズオッ

アウル「ッ!!」

 ガギンッ!!

 吸血鬼の爪「」ギギギ
 メイドブレード「」ギギギ

メイドクロシュ「……!」ググ

フレメア「……ん? あんたは……あの時のスライム……!」

 ギンッ!
361 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2025/04/26(土) 19:37:19.79 ID:AhPNAKwH0
 ギンッ!

メイドクロシュ「っ!」ズザザッ

フレメア「あっは! レインの言った通りだ! ほんとに見違えた!」シュタッ

メイドクロシュ「……」ジリ

フレメア「でもなんでアウルを庇うの?」

メイドクロシュ「アウルさんは……狐さんたちのこと、好きだから……!」

フレメア「……? 意味がちょっとよくわからないけど……」

妖精「アウルが死ぬと、悲しむ者たちがいるの!! だからクロシュは――」

フレメア「……悲しむ者……? あはっ、冗談でしょ? こんなやさぐれ駄狐が死んで悲しむ奴なんて――」

イヨ「……嘘ではありません。アウルは重罪人ですが、彼を慕う狐たちがいることは事実です」

フレメア「……」

アウル「……」

フレメア「……あんた、天涯孤独じゃなかったの?」

アウル「天涯孤独だよ。オレが死んであいつらが悲しむなんてのも……大げさだ」

フレメア「……」


フレメア「……つまんな。帰る」

 シュバッ ビュンッ―


クロシュ「……!」

妖精「開けた天井から帰ってった……」

イヨ「……はあ、良かった……」

 天井の穴「」パラパラ…

イヨ「……いや、全然良くない! 大穴を開けるだけ開けて帰るなんて!!」プンスコ



アウル「……」

 ◆
362 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2025/04/26(土) 20:06:19.75 ID:AhPNAKwH0
―旅館雪解け 客室

イリス「ええっアウル・フォクシーとの面会中にフレメアさんが襲ってきた!?」

クロシュ「うん……。でも……急に、帰っちゃった……」

ミスティ「急に帰った……? なんでかしら?」

クロシュ「えっと……アウルさんが好きな狐さんのお話……聞いたから……?」

妖精「タイミング的にはそう。どういう気持ちだったかはよくわかんないけど……」

イリス「愛する者がいるアウル・フォクシーの命は奪えない――そう思ったのでは!?」

ミスティ「……妖精はどう思う?」

妖精「え、うーん……フレメアってそんな奴なのかなあ……」

 ◇

―夕方
 旅館雪解け 脱衣所

 蒼き星の杖・水「」ポワポワ

シズク『わあぁ……!』モニョモニョ

スライムクロシュ『お水……ぽわぽわ……』モニョモニョ


スライムクロシュ(イリスさんたちは……今、お風呂に入ってる……)

スライムクロシュ(わたしもこれから入ろうと思ってたら……シズクちゃんが、イリスさんの杖を見て、モニョモニョしてるのを見つけた……)

スライムクロシュ(シズクちゃんは水属性のスライムだから……水属性の世界樹の光が、きらきらに見えるのかも……)


シズク『こ、これ舐めても良いかなあ? だめかなあ?』モニョモニョ

スライムクロシュ『え、えっと……ちょっとなら……いいと思う……!』モニョモニョ

シズク『じゃ、じゃあちょっとだけ……や、やっぱりだめだよぉ! イリスさんは大切なお客さまで、わたしはここの従業員なんだもん……! お客さまのものを勝手に舐めたら、悪いスライムになっちゃう……!』モニョモニョ

スライムクロシュ『そうなの?』モニョニョ

シズク『そうなの!』モニョ!


スライムクロシュ『!』ピコン!

シズク『?』モニョニョ

スライムクロシュ『じゃあ……わたしは、従業員じゃないから……舐めても、悪いスライムに、ならない……!』モニョモニョ

シズク『わ、わわ……!?』モニャニャ

スライムクロシュ『わたし、代わりに……ぺろぺろ、する……!!』モニョニョ!

シズク『んわわ〜!?』モニャニャ


スライムクロシュ『〜〜』モニョニョ
 蒼き星の杖・水『』ポワポワ

 モニョニョ… モニョモニョ…

↓1コンマ
01-10 カナヅチスライム
11-70 溺れそうになった
71-90 取り込んだ
91-00 ??
363 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2025/04/26(土) 20:08:43.07 ID:eRBJPOt3O
364 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2025/04/26(土) 20:39:46.08 ID:AhPNAKwH0
 蒼き星の杖・水「」ポワポワ
スライムクロシュ『〜〜』モニョモニョ

 ◇

 ザァーン… ザザァーン…

スライムクロシュ『…?』モニョニョ

 海のうねり「」ゴオオオオ―

スライムクロシュ『…!!?』モニャニャ!?

 おおきな海のうねり「」ゴオオオオ――

スライムクロシュ『〜!!?』モニャニャニャ!?

 ブクブク…

溺れスライムクロシュ『』モニョニョ…ブクブク…


シズク『クロシュちゃん、クロシュちゃん!! わたしの欠片、つかって!! おねがい、わたしの欠片を……!!』モニャニャ


スライムクロシュ『!』モニョッ!

 デロデロ…モニョモニョ…ポン!

水スライムクロシュ『〜〜!』モニョニョ プルルン

 おおきな海のうねり「」ゴオオオ――

水スライムクロシュ『〜〜』モニョニョ スイスイ

 スイスイスイ…

 ◇

水スライムクロシュ『……!』モニョッ!

シズク『クロシュひゃん!! よ、よがっだぁああ……目がさめでぇ……』デロデロ…ポロポロ…

水スライムクロシュ『えっと……』モニョニョ

妖精「クロシュ……」ヌッ

水スライムクロシュ『わ……よ、妖精さん……?』

妖精『なんてバカなことをしてるの!!! そこに直れ、大バカスライム!!!』

水スライムクロシュ『んわわ……!!』モニャニャ

 *

妖精「――!」クドクド
スライムクロシュ「」デロデロ…
シズク「」デロデロ…


エバンス「……何をしているんだ? あれは」

ローガン「イリスくんが入浴している間に、クロシュくんが蒼き星の杖に宿った星の力を舐めてみたのだそうだ」

エバンス「え、ええ……」

ローガン「そうしたらクロシュくんが意識不明になり、シズクくんが泣きながらクロシュくんに何事かを呼びかけている姿が発見された……ということらしい」

エバンス「そ、そうなのか」

ローガン「うむ……」


妖精「――!」クドクド
スライムクロシュ「」デロデロ…
シズク「」デロデロ…


エバンス「……なんというか、最近のクロシュちゃんは遠慮がなくなってきたよな。もちろん良い意味でさ」

ローガン「そうだな……。以前はどこか人の顔色を伺っているかのような様子があった。我々に対しても、一歩引いていたり」

エバンス「ああ。前のクロシュちゃんだったら、イリスちゃんの杖を勝手に舐めたりとかはしなかったと思うぜ。多分」

ローガン「ああ。クロシュくんがそれだけ安心できる場所になれた――ということでもあるのだろう」
365 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2025/04/26(土) 22:43:06.84 ID:AhPNAKwH0
―クロシュの夢
 集落の診療所

アリシラ「……」ドキドキ

クロシュ「……」ドキドキ

夢の女神「随分待たせちゃってごめんね。引っ越しの準備が整ったから、今夜始めるよ。二人とも、準備は良い?」

アリシラ「うん……! えっと、何をすれば良いの?」

夢の女神「ここのベッドに横になっていてくれれば、後は私とヴァンが全部やるから大丈夫」

ヴァン「今日は女神の騎士ではなく、女神の助手を務めさせて頂くヴァンです! よろしく!」

クロシュ「ん……!」


フメイ「……がんばって……っていうのも、おかしい……? えっと……」

夢の女神「フメイちゃんは、二人のそばで見守っていてあげて。フメイちゃんがいてくれれば、二人ともきっと安心できるから」

フメイ「……わかった」

 ◇

アリシラ「……」
クロシュ「……」

夢の女神「一人づつ……ゆっくり、慎重に――」

 ポン!

集落のスライム「?」モニョッ

フメイ「スライム!」バッ

集落のスライム「〜〜!」モニョモニョ

 ◇

 ポン! ポン! ポン! ポン!

集落の子供「あえ?」ポン!

若者「お? ここは……診療所?」ポン!

老婆「ありゃあ……あたしゃボケちまったんかねえ」ポン!

魔族の医者「む……これは一体」ポン!

 ポン! ポン!

アリシラ父「ここは……?」

アリシラ母「……アリシラ?」


アリシラ「お父さん、お母さん……!」

夢の女神「ふう……引っ越しは無事完了しました。念の為、説明を――」

アリシラ「……女神さん。あの……」

夢の女神「……はい、わかっております」

 ◇
366 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2025/04/26(土) 22:43:36.04 ID:AhPNAKwH0

夢の女神「――というわけで、皆さんの魂をアリシラさんの心からクロシュちゃんの心へと引っ越させていただきました」

アリシラ母「アリシラから、クロシュちゃんに……!?」

アリシラ父「それは、しかし……私たちは、アリシラの中でも――」

夢の女神「アリシラさんの――人の心は、他者の魂をそのままの形で存続させられるようにはできていないのです。皆さんの魂をこれからも保ち続けるには、クロシュちゃんの心に引っ越して頂く他なく……」

アリシラ「お父さん、お母さん……。このことを女神さまにお願いしたのは、私自身なの。私の心の中にいたら、みんな、いつ消えちゃうかわからなかったから……。クロシュちゃんの中なら――きっとみんな、これからもずっと――平和で、しあわせにいられるの」

アリシラ母「アリシラ……」

アリシラ父「……女神様。私をアリシラの心へ戻すことは可能ですか?」

アリシラ「ちょ、お父さん……!?」

夢の女神「……はい。しかし先ほども申し上げました通り、アリシラさんの心にいれば――いつか必ず、その魂は溶け――アリシラさんのお父様という自我は、永遠に失われてしまいます。アリシラさんはそれを厭い――」

アリシラ父「構いません。例え溶けることになるとしても――私は、アリシラの父です。寂しがる娘のそばを離れるわけには、いきません」

アリシラ母「女神様、私からもお願い致します。私たちを、アリシラに戻してくださいませんか。アリシラを一人ぼっちにさせたくないのです……」

夢の女神「え、ええと……」オロオロ

アリシラ「……やめてってば! 女神様も困ってるでしょ! 私は……一人で大丈夫なの! 一人がいいの!! もう誰も……いらないの!!!」

アリシラ母「アリシラ……」

アリシラ「それじゃ、さよなら! みんな元気でね! クロシュちゃんに迷惑かけちゃだめだからね!」タッ

アリシラ父「アリシラ!」

 扉「」バァン!

ヴァン「外に!」バッ

夢の女神「待って! アリシラさんは、もうこの夢には――」


フメイ「ひゃ、うっ……!!?」ドサッ

クロシュ「フメイちゃん!?」バッ

魔族の医者「……!? フメイの中にある大きな魔力が、この世界の外側へ吸い出されている!」

夢の女神「まさか……!? クロシュちゃん!」

クロシュ「うん!」

 ◆
367 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2025/04/26(土) 22:45:44.41 ID:AhPNAKwH0
―深夜
 雪解け 客室

フメイ「あ、うああ……!」ジタバタ

アリシラ「……」ギュオオオオ―

クロシュ「アリシラさん!」ガバッ!

アリシラ「……クロシュちゃん。さっきまで夢の世界にいたのに、もう起きれたの? 凄いね」ギュオオオ

クロシュ「なん、で……」

アリシラ「……ごめんね。フメイちゃんをいじめたかったわけじゃないの。でも――これ以上、フメイちゃんを連れ回すわけにも、いかないから」ギュオオオ

クロシュ「……??」

アリシラ「……この先には、誰も連れていけない。私一人で、いいの」ギュオオオッ!!
 星の力・炎「」ゴゴゴゴ―

クロシュ「……!!」

アリシラ「ごめんね。ありがとう。ごめんね」ゴゴゴゴ―

 カッ!!
 ボガンッ!!!!

  吹っ飛んでいくクロシュ「んわぁ〜〜………!!!」ポヒュゥゥゥゥン…


フメイ「……アリ、シラ……!!」グググ

アリシラ「フメイちゃん……。大丈夫、クロシュちゃんは傷付けてないよ。星の力の制御ならもう完璧だもの」

フメイ「……これから……どうするの……。ほんとに……一人で、行くの……?」

アリシラ「そうだよ。フメイちゃんは、クロシュちゃんと一緒が良いでしょ? 安心して。もう無理に巻き込まないから」

フメイ「……」

アリシラ「大丈夫。あの集落の付近には、何もしないって誓うよ。だから……クロシュちゃんと二人で、あの集落にいて。そうすれば――」

フメイ「……フメイも、一緒に行く」

アリシラ「……えっ?」

フメイ「……この旅は……アリシラだけじゃなくて、フメイも一緒に始めたこと……。だから……最期まで、付き合う……」

アリシラ「……無理しなくたって、良いのに。今だって、吹っ飛んだクロシュちゃんを助けに行きたくて仕方がないでしょ?」

フメイ「……クロシュはもう……フメイが守らなくても、大丈夫。一人でも強いし……まあまあな仲間もいる。でも……アリシラは、大丈夫じゃない。仲間もいない」

アリシラ「……」

フメイ「………だめって言っても、ついてく。王国を焼き払うなら、フメイも一緒に焼く。それくらいの恨みは、まだあるもん」

アリシラ「……ふふ……ふふふふ、わかったよ! それじゃあ一緒に焼こう、フメイちゃん!!!!」ジワワ

フメイ「ん」

 ボンッ!!


フメイ(クロシュ……ごめんね。きっと……アリシラを、連れて帰るから)

 ◆
368 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2025/04/26(土) 22:46:44.75 ID:AhPNAKwH0
―翌朝
 旅館雪解け 客室

スライムクロシュ「」デロロ…


エバンス「だめだ、どこにもいねえ……!」

イリス「……フメイちゃんの移動速度から考えれば、もうオノゴロを離脱していてもおかしくない……」

妖精「まさかアリシラがフメイから星の力を吸い出して持ち逃げするなんて……。ちょっと頭が痛い……」フラフラ

ミスティ「……でも、フメイも一緒に行くのならわざわざ星の力を吸い出す必要なんてなかったんじゃないかしら。一体なぜ……」


風の精霊『クロシュちゃん宛にお手紙だよ〜』ヒュルヒュル

妖精「手紙……? 誰から?」

風の精霊『フメイちゃんから!』

スライムクロシュ「!!」モニョニョ

妖精「なんだって!」

風の精霊『はい、どうぞ!』スッ

 少し焦げた手紙「」ポン

 ペラッ

 手紙『アリシラをひとりぼっちにできなかった。ごめん。ぜんぶおわったらみんなでいっしょにかえろう』

スライムクロシュ「〜〜…!!」モニョニョ

妖精「なるほど……そういうことか」

イリス「これで一安心……と言いたいとこだけど、アリシラさんがまた何か企んでるってことだよねこれ……!」

ローガン「なかなか上手く進まぬものだな……」


 ☆アリシラの心の住人がクロシュの心に引っ越しました

 ・アリシラがフメイの星の力・炎を吸収しました

 ・フメイ&アリシラがパーティを離れました

 ◆
369 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2025/04/27(日) 00:33:08.70 ID:WhTzHwps0
―オノゴロ本港

 ザァーン… ザザァーン…

イヨ「なんと、昨晩そのようなことが……」

妖精「うん。ドタバタして悪いけど、私たちも急がないといけなくなっちゃった」

アキト「ぬう、あのアリシラが……。もし分身できたら、拙者も助太刀に推参致すところでござるが……すまぬ、拙者は分身できぬ身でござる……」

イリス「あはは、大丈夫です! アキトさんはアキトさんのすべきことを!」



トキワ「クロシュちゃんのお陰で……わたし最近、体の調子が凄く良いんだ。本当に……本当に、来てくれて、ありがとう……! またいつか、オノゴロに来てね……! わたし……雪解けの見習いとして、働いてるから……!」

シズク「見習い期間は短いから、次にクロシュちゃんたちが来る頃にはトキワちゃんは正式な従業員になってるかも! また泊まりに来てね、クロシュちゃん!」

ユキ母「トキワちゃんの魔法のことなら心配しないで。下手に乱用しないよう私たちがしっかり見てるから」

サララ「一つ目小僧のおめめで私もしっかり見張ってるから安心してね。もうトキワちゃんをつらい目にはあわせないよ……!」

トキワ「うっ……わ、わたしも皆さんに心配をおかけしないよう、気を付けます……。でもいつか……不死鳥のクロシュちゃんみたいに、素敵な使い方が見つけられるように、がんばるよ……!」

クロシュ「うん……!」



イクセ「……クロシュ……わらわ、おぬしが心配じゃ……。何かわらわにできることはないか……?」

クロシュ「……えっと、それじゃあ……みんなが、しあわせに生きられるように、って……お祈り……」

イクセ「お祈り……! わらわ、元姫巫女なのできっと得意じゃ! 絶対、絶対みんなしあわせになるよう、お祈り、する!」

クロシュ「わあ……!」

トキワ「イクセちゃんの口調、すっかりわらわじゃになっちゃった」

アキト「初めはギョッとしたが、最近はむしろこの口調でないとしっくり来ないでござる」



ユキ母「それにしても凄かったわ、ミスティちゃんの氷魔法……。人の身でありながら、平均的な雪女よりも氷魔法を使いこなしているんだもの」

ミスティ「そうなのですか……?」

ユキ母「そうよ? たぶん人間の中でも最高水準に近いところにいるのではないかしら?」

ミスティ「あんまり、自分では実感できませんが……。でもその力で、大切な人たちを守れるなら……悪くないですね」

ユキ母「ふふ……人間のままにしておくのが勿体ないくらい……。あなたもまたいつか、雪解けに泊まりに来てね」
370 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2025/04/27(日) 00:33:35.57 ID:WhTzHwps0

リュウトウ「……もう行ってしまわれるのですね」

ローガン「うむ……。貴殿とは港で少し刃を交えただけだが……凄まじい太刀筋と気迫であった。その歳で見事なものだ」

リュウトウ「しかし、結果として私はこの国を守れなかった。どれほど鋭い刃でも、敵を違えればナマクラにすら劣ります」

ローガン「……少し自分に厳しすぎるのではないか? 私が貴殿と同じくらいの頃は、失敗したら全て周りに責任転嫁していたぞ」

リュウトウ「ええ……?」

イヨ「……全て責任転嫁しろとまでは言いませんが、リュウトウは実際自分に厳しすぎます。少しは肩の力を抜いて」

リュウトウ「……しかし、性分は簡単に変えられません」

イヨ「うーん……あ、リュウトウ。あれを見てください」

リュウトウ「え?」



クロシュツムリ「〜〜♪」モニョモニョ モゾモゾ

イクセツムリ「わらわつむりじゃ〜!」モゾモゾ

トキワツムリ「わわ、イクセちゃん腕を上げた……!?」モゾモゾ

アキトツムリ「拙者も負けられないでござる……!」モゾモゾ



イヨ「あれが、救国の英雄と、国を揺るがした元姫巫女の現在の姿です」

リュウトウ「あ、ああ……」

イヨ「責任を感じるのも結構なことですが、あなたもかたつむりになってきてはどうでしょうか? いつもと違った景色が見れるかもしれませんよ」

リュウトウ「……」


リュウトウツムリ「リュウトウツムリ、いざ参る!」シュバッ モゾゾゾ

 *

 ワイワイ キャッキャ モニョモニョ モゾモゾ


イヨ「……」クスッ

妖精「全くもう、クロシュのトンチンカンな遊びが広まっちゃうなんて……。悪いね、イヨ」

イヨ「いえ……むしろ、感謝しています。遊んででもいないと、みんないろいろ考えすぎてしまいますから」

エバンス「オノゴロ人はみんな真面目だからなあ」

イヨ「はい……。オノゴロの人は他国の人よりも真面目で勤勉……という話を聞いたことがあります」

イリス「私も聞いたことあります。実際そうなんですねえ」

イヨ「……またいつか、皆さんでオノゴロに遊びに来てくださいね。今度は、外国のお話をゆっくりお聞きしたいです。私……オノゴロから外に出たことがないので……」

イリス「そうだったんですか! それならもっと早くに言ってくれれば……いや、実際今まではゆっくりお話してる暇もありませんでしたもんね」

イヨ「はい。だから……またいつか……。いえ、私の方から皆さんの国へお邪魔しても良いのでしょうか?」

妖精「緑の国は今鎖国中だけど……王国との外交問題が解決すれば鎖国も解除できるから、その時なら歓迎するよ」

イリス「私の母国は……オノゴロからはちょっと遠いので、もし来るなら大陸横断くらいの覚悟がいるかもです!」

エバンス「俺の出身は王国だが……まあ技術力とか人口は世界最高レベルだぞ。人間以外への排他性もな!」

イヨ「ふふ……いろいろな問題が片付いて長期休暇を頂けたら、皆さんの国に遊びに行きたいです」

 ◆
371 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2025/04/27(日) 00:34:01.52 ID:WhTzHwps0
―オノゴロ本港

風船気球クロシュ「〜〜」モニョモニョ フヨフヨ



イクセ「またなのじゃ〜!」パタパタ

シズク「クロシュちゃんまたね〜!」モニョモニョ

トキワ「クロシュちゃん……ほんとに、ほんとに、ありがとう……!」

サララ「どうかお元気で〜!」

ユキ母「体に気を付けてね〜!」

イヨ「ありがとう、ございました! またいつか……!」

アキト「お主たちとの日々、決して忘れぬ……! また会おう!」

リュウトウ「……この恩は、いつか必ず……!」



 ――オノゴロ諸島編 完
372 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2025/04/27(日) 00:34:30.92 ID:WhTzHwps0
クリアボーナス
↓1コンマ
01-60 運命賽
61-90 ↑+ヒヒイロカネ
91-00 ↑+会心賽
373 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2025/04/27(日) 00:35:53.62 ID:sw0omZmqO
はい
374 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2025/04/27(日) 00:52:40.84 ID:WhTzHwps0
運命賽と希少金属ヒヒイロカネの獲得が決定したところで本日はここまでとなります

オノゴロの闇を祓い、一行は風に乗って次の道へ。
幼巫女の悲しみを打ち払い、狐の憎しみを投げ飛ばし。オノゴロに戻る平穏と安らぎ。
育まれた友情と絆は、そっと胸の奥に。
交わり、そしてまた離れた親友と、次こそはと共に帰る日を夢見て。
気球スライムは、風の速さで空をゆく――

それでは本日もありがとうございました。次回もよろしくお願いいたします
375 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2025/04/27(日) 03:43:35.72 ID:5wsiSHeJo
おつでした
シノクニもなんやかんや険悪ではないよな
アリシラさんの決意は固いか…あれこれ、アリシラさんもフメイ式ジェット移動体得?
376 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2025/04/27(日) 12:08:33.30 ID:9EHEWLojO

ここに来てクロシュちゃん素でカナヅチだった説出てきたな…
377 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2025/04/27(日) 18:11:46.42 ID:WhTzHwps0
シノホシの方々には、話せばわかる人もいたりいなかったりするのかもしれません。アウル氏の今後がどのようなものになるかは未知数です
アリシラ氏の決意はとても強いもののようです。実際のところどのようにするのが正解なのかは、今のところ誰にもわからないのかもしれません。そしてアリシラ氏は星の力を完全に制御したと自称しているため、たぶんジェット移動を行うことができます

クロシュちゃんは水の力に触れてブクブクと溺れてしまったようです。フメイちゃんに擬態しているわけでもないのにブクブクしてしまったので、実際素でカナヅチの可能性があります。自分のカナヅチをフメイちゃんのせいにする悪いスライムかもしれません

 *

また、前回のコンマによって運命賽の数量が7になりました
運命賽5つを会心賽1つに変換することができます。なお変換すると運命賽の所持数は2つになります

↓1〜 先取3票(この安価は物語と無関係なので連取り対象外)
1.運命賽5つを会心賽1つに変換する
2.変換しない
378 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2025/04/27(日) 18:18:03.06 ID:K/qoHdwk0
379 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2025/04/27(日) 18:18:19.07 ID:zdeQIWcfo
1
380 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2025/04/27(日) 18:18:36.07 ID:YXDT2joDO
1
381 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2025/04/27(日) 18:46:33.87 ID:WhTzHwps0
―セイントレア王国 国境付近

風船気球クロシュ「」フヨフヨ

 スイー… ポフッ
 ポン!

スライムクロシュ「〜〜」モニョニョ

ミスティ「お疲れ様、クロシュ。ここからはソリ移動ね」

妖精「うん。風船気球の姿で王国内を移動するのはちょっと危ないからね」

ローガン「うむ……王国の兵士は手練れが多い。上空を飛ぶ風船気球を狙い撃てる射手がいてもおかしくはないだろう、用心に越したことはない」

エバンス「行き先は王都セイントレアだっけか?」

妖精「うん」

ミスティ「首都の名前が国と同じなのね」

イリス「確か王都セイントレアの中にセクリエ・ロイエ市国があるんだよね?」

妖精「そうらしい……。私は行ったことないけど」

ローガン「まあ、熱心な信徒でもなければ行く必要も機会もないだろう。しかし今回は――」

妖精「……うん。もし世界樹の光を奪ったのが原理派なら、奪い返さなきゃならない」

エバンス「ロイエ教の総本山にカチコミか……へへ、想像したこともないヤバイ仕事だぜ」

妖精「ま、まあまだカチコミすると決まったわけじゃないから。まずは王都で光の行方を探らないとね。世界樹の精霊によれば王都の辺りにあるのは間違いないみたいだから」

 ☆次の行き先が王都セイントレアに決まりました

 *
382 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2025/04/27(日) 18:47:43.27 ID:WhTzHwps0
―セイントレア平原 1日目

◇クロシュ [あかちゃんスライム]
武:メイドブレード  盾:ラティアの大盾  飾:くすんだ耳飾り
武:竜珠の大杖    防:竜のエプロン   飾:不死鳥の羽根

◇妖精   [世話焼き妖精]
武:         盾:         飾:くすんだ耳飾り
武:         防:精霊のレオタード 飾:

◇イリス  [星の魔法使い]
武:蒼き星の杖    盾:         飾:くすんだ耳飾り
武:         防:魔術師のローブ  飾:

◇ミスティ [氷の魔法使い]
武:氷の短刀     盾:         飾:くすんだ耳飾り
武:         防:氷竜革のローブ  飾:

◇ローガン [鋼の戦士]
武:蜥蜴一文字    盾:灼鋼の盾     飾:くすんだ耳飾り
武:鋼の回転ノコギリ 防:オリハル鎖帷子  飾:

◇エバンス [地の傭兵]
武:古代の鉄槌    盾:         飾:くすんだ耳飾り
武:魔銀の刀     防:硬質革鎧     飾:

◯所持アイテム
[道具]        [装備品]       [大事なもの]
運命賽*7       蜘蛛絹の下着      魔族国永久旅券
会心賽*0       ザリガニのお守り    フメイの服の切れ端
反魂丹*1       大きな巻き貝      精霊の印
鉄鍋+携帯調理器具   闇の欠片        精霊樹の実のジャム
「星の魔力」上中    フリルワンピ水着    精霊樹の鉢植え+赤雷球
お宿の妖精の織物    魔法学園のスク水    フメイとアリシラの人形
魔導飯盒        ガラスのザリガニ    メルルの帽子
妨害魔力波発生装置   踊り子の双剣      溶岩石のアミュレット
属性大全        サボテンドラゴンの花  太陽のメダリオン
魔王図鑑        精霊のローブ      暗黒優待券
氷精の魔導書      精霊樹の杖[改]    冒険者証(ランク1)
ブラッドワイン*3               大魔女帝国渡航権
マッスルワイン*1               かたたたきけん
吸血鬼殺ワイン*1               大魔女帝国滞在許可証
魔術書「正負の属性」              風船印のパラシュート
吸血鬼の日焼け止め               ラティア勲章
日蝕の傘                    ユーシリア王家の紋章
大魔女サイン*1
古代のセラミック
ステライト鉱石
晴れ乞い傘
チョコスムージー
ヒヒイロカネ

◯現在の目標
・フメイちゃんを探す
・世界樹の光を追う[4/5]
・アリシラの夢引っ越し[3/4]

◯仲間の目標
・カリス・ノーランドを討つ(ミスティ)

◯経験値
・クロシュ 剣技[01/07] 魔法[01/07] 防御[00/07]
・イリス  杖術[02/04] 魔法[12/16]
・ミスティ 剣技[02/07] 魔法[09/16]
・ローガン 剣技[16/16] 魔法[05/08] 防御[07/08]
・エバンス 剣技[16/16] 魔法[04/08]
……………………………………………………………………………………
383 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2025/04/27(日) 18:48:51.49 ID:WhTzHwps0
―セイントレア平原 1日目 持久力[10/10]

 強化ソリ「」シャーッ

イリス「……う〜ん、この大陸の大地! 風! ちょっと懐かしい!」

ミスティ「風にも匂いがあるのよね。オノゴロにはオノゴロの、中央大陸には中央大陸の……」

妖精「お、人間にもわかるんだねえそういうの」

エバンス「長期間離れてるとけっこう感じたりするな、俺も。やっぱり妖精はそういうの敏感なのか?」

妖精「そりゃまあ人間よりはね」

 *

スライムクロシュ「……?」モニョ

 赤金色の延べ棒「」ポン

イリス「あ、クロシュちゃんその延べ棒が気になる? それはね……イヨさんから貰った、オノゴロ諸島に伝わる希少金属のヒヒイロカネだよ!」

スライムクロシュ「!」モニョニョ

エバンス「イヨちゃんも太っ腹だよな。ヒヒイロカネのインゴットをまるまる一つくれるなんてよ」

ミスティ「ヒヒイロカネってそんなに凄いの?」

ローガン「うむ。オリハルコンやステライトにも劣らぬ偉大な希少金属の一つだ。オノゴロに伝わる太陽神アマテラスの神器、アマノムラクモもヒヒイロカネで造られたものと言われている」

ミスティ「え、本当!? 凄いじゃない……」

妖精「まあ、問題は……これを加工するアテがないってことなんだけどね」

エバンス「そうだな……。売るにはあまりにももったいなさすぎるし、ひとまず荷物に入れておこう」

スライムクロシュ「〜〜」モニョモニョ

 *

 ガサゴソ

イリス「……ん?」

 石の賽「」コロン
 石の賽「」コロン
 白い賽「」コロン

ミスティ「あ、白い立方体」

イリス「うん。最近は石の方がいっぱい増えてきてたんだけど、なんか急に減って……白い方がまた1つ出てきたみたい」

妖精「白い方の立方体は前にも1つあったけどいつの間にかなくなってたんだよね。一体どういうカラクリなのか……」

エバンス「妖精にわからないんじゃ俺たちには絶対わからないぞ……」

イリス「ですね……。まあとりあえずお守りとして荷物に入れておきましょう」

ローガン「そうだな。前回の温泉街の戦いも、前日にクロシュくんがこの石? から声を聞いたと言うし」

クロシュ「うん」

クロシュ(……あの声……誰の声だったのかな……? 聞いたこと……あるような、気がするけど……)

 ☆ヒヒイロカネを1ついただきました
 ☆運命賽5つが会心賽1つに変化しました

↓1コンマ 遭遇イベント
01-32 なし
33-36 ブラッド
37-40 レイン
41-44 ザイル
45-56 黒髪の無愛想な青年
57-68 デュア
69-80 メルル
81-92 リュアン
93-96 レイ
97-00 セイン

↓2〜3コンマ ランダムイベント
01-10 強敵
11-25 敵襲
26-50 食料発見(コンマ)
51-75 場所発見(コンマ)
76-00 良いこと(自由安価)
384 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2025/04/27(日) 18:49:34.62 ID:ItRvK8tn0
385 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2025/04/27(日) 18:50:22.08 ID:8jE3O0opO
386 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2025/04/27(日) 19:03:06.96 ID:tuM9KHzWO
387 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2025/04/27(日) 19:28:30.98 ID:WhTzHwps0
デュアさんと強い敵の気配があります

そして良いことがありました
↓1 自由安価 起こった良いこと
388 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2025/04/27(日) 19:28:56.74 ID:K/qoHdwk0
フラナパティマリッサから支援物資がとどく
389 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2025/04/27(日) 19:48:14.02 ID:WhTzHwps0
 強化ソリ「」シャーッ

血分身フラナ「久しぶりね」シュタッ

スライムクロシュ「!」モニョ!

妖精「うわあ!」

イリス「分身のフラナ先生!」

血分身フラナ「決戦の時は近いわ。あなたたちも鍛錬を怠らないようにしなさい」

エバンス「決戦ってどの決戦のことだ……?」

血分身フラナ「もちろん、私と愚妹の決戦よ」

イリス「えっ……そ、そうなんですか……!?」

血分身フラナ「奴のアジトは既にかなり絞り込めている。あとはこの分身で居城を突き止め、誅罰を下すだけ」

イリス「え、ええっと……その、姉妹で殺し合いというのは……」

血分身フラナ「心配無用よ。死ぬのはフレメア一人」

イリス「……」

血分身フラナ「そういうわけでこれを受け取りなさい」スッ

↓1コンマ
01-40 ナイフ
41-70 聖水
71-90 十字架
91-00 懐中時計
390 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2025/04/27(日) 19:58:19.09 ID:zdeQIWcfo
391 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2025/04/27(日) 21:14:33.07 ID:WhTzHwps0
 銀のナイフ「」ポン

イリス「これは……?」

血分身フラナ「銀製のナイフよ。マリッサの光属性付与とパティの栽培したニンニクの練り込みによって吸血鬼に対する殺傷力を高めてあるわ」

イリス「え、ええ……!? そ、そんなものをどうして私に……!?」

血分身フラナ「もしフレメアに襲われることがあればそれで自衛しなさい」

イリス「は、はあ……わかりました」

 ☆銀のナイフを手に入れました

 *

血分身フラナ「では私は奴のアジト捜索に――」

 ヒュンッ!
 ドガァンッ!!
 爆発する血分身「」ブシャァッ!!

イリス「わああっ!!?」

ミスティ「っ!? な、なにが……!!」ググッ

ローガン「今のは――」


 日傘「」クルッ

フレメア「よわ……。あんなもん作って何がしたいんだか、あいつ」スタスタ


妖精「フレメア……!!」


フレメア「お久しぶり……てほどでもないか。あんたとスライムにはこの間オノゴロで会ったばかりだもんね」

 *

 ヒュオオオオオ――…

フレメア「あんたたちの中に、フラナの教え子だかなんだかがいるんだって?」

イリス「え、えと……私、ですか?」

フレメア「ふうん……やっぱりあんたがその身の程知らずね。まあいいよ、私は寛大だから許してやる」

イリス「ええと……」

フレメア「でもそれはそれとして、あんたたちは私たちの仲間を二人もやってくれたんだよね。だからさァ……」ニヤ

イリス「……!」

フレメア「殺るしかないよね? しかも前よりも随分美味しくなったみたいだもの!」バサッ!

イリス「!!」


戦いは避けられそうにない!
↓1〜 先取2票
1.このまま戦う!
2.戦う前に一杯やるのを提案する(ブラッドワイン*2、マッスルワイン*1を消費)
3.一杯やるのを提案して一服盛る(吸血鬼殺ワイン*1消費)
0.自由安価(票数は内容ごと)
392 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2025/04/27(日) 21:22:00.18 ID:g2NZtH6gO
むしろ完膚なきまでボコボコにして屈服させればよいのでば?
というわけで1
393 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2025/04/27(日) 21:23:36.90 ID:TZYMGhsUo
万が一勝てたときフラナ先生との確執が全部解決しなさそう(強欲)なので
2
394 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2025/04/27(日) 21:25:28.84 ID:u9/L/hD1o
3
395 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2025/04/27(日) 21:35:08.99 ID:8jE3O0opO
0迷彩魔法をフル活用してさっきのナイフでブスリ
396 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2025/04/27(日) 21:43:29.50 ID:EbvU6dmeO
2
397 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2025/04/27(日) 22:34:13.86 ID:WhTzHwps0
イリス「――その前に!」

 ブラッドワイン「」ドン!

イリス「い……一杯、どうですか!」


フレメア「あの時のワインか……まあ味はそこまで悪くなかったし、貰ってあげる」


イリス「……私たちも、飲もう!」

ミスティ「ええ、そうね……」

ローガン「私とエバンスくんはマッスルワインを飲むか」

エバンス「おう、わかったぜ……!」

妖精「クロシュは……両方を少しづつもらったら?」

クロシュ「うん」

 *

 ゴクゴク… グビグビ… ゴキュゴキュ…

 ワイン瓶「」ゴトン…

フレメア「ふう……。言っとくけど手加減とかはしてやらないからね?」

イリス「望むところです……! 私たちも、全力であなたを止めます!」

ミスティ「……魔力がみなぎるわ……フラナさんのワイン、やはり効くわね……」

ローガン「だがそれは相手も同じだ。むしろ吸血鬼の彼女の方がブラッドワインの恩恵を受けやすいかもしれん」

フレメア「そうでもないかな。これ、血の入ってないお子様ドリンクだし」

エバンス「……なら付け入る隙はあるか?」チャキ

妖精「私たちもあの時より強くなった……それに今は太陽のある昼間……!! 勝てない状況じゃない……!!」

クロシュ「ん……!」


フレメア「フフ……じゃあ始めましょう。演舞の名前は……えっと、そうだな……悪竜と駄狐の鎮魂歌(レクイエム)! さあ、踊りましょ!!」バサッ――


 ――強敵 狂い吸血鬼フレメア――


 ☆フレメアが〈狂気の舞踏〉を発動!
  会心率が上昇し、さらに毎ターン会心率+10累積!!

◇自陣(銀のナイフ+5、ブラッドワイン+30)
・不死鳥化できる(1/1)

◇敵陣(戦力差+20、ブラッドワイン+30、日中-30)


↓1コンマ(合計+15)
01-20 痛恨
31-50 劣勢
51-90 優勢
91-00 会心
398 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2025/04/27(日) 22:41:32.84 ID:ItRvK8tn0
399 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2025/04/27(日) 22:58:53.36 ID:WhTzHwps0
フレメア「」ヒュンッ


ローガン「速いッ!!」

ミスティ「光速でも雷速でもないのになんてスピード……!?」


フレメア「馬鹿正直に囲んで叩かれてやるわけないでしょ? 端っこの奴から血祭ってあげる!」グオッ


イリス「!!」


エバンス「しまった、イリスちゃんが――」


 光の残像「」パヒュンッ―

 ガギンッ!!

光クロシュ「……!」ギギ

イリス「クロシュちゃん!」

フレメア「うげっ、光属性……!?」

光クロシュ「えいっ!!」

 閃光「」カッ!!

 〈会心の一撃!〉

フレメア「うぎゃっ、目がっ……!!」フラフラ


妖精「今だ! みんなかかれぇ!!」

エバンス「お、おう!!」


 ドガッ!! ボゴッ!!
     ボンッ!! バギンッ!!
   ドッギャァァァァァァン!!!!


 ――戦闘終了――
400 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2025/04/27(日) 23:00:16.12 ID:TZYMGhsUo
どんだけ強くても囲んで殴れば(出来れば)いいんだよ!
401 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2025/04/27(日) 23:09:28.91 ID:WhTzHwps0
縛られたフレメア「いたた……これが淑女に対する仕打ち?」

妖精「殺しにかかってきたのはあなたでしょ……」

フレメア「はぁ〜あ、まさかこんなに簡単に負けちゃうなんて……。私もヤキが回ったってやつかなあ」


クロシュ「……やきって何? たこやきのやき……?」

ミスティ「え、ヤキ……何かしら、エバンスはわかる?」

エバンス「焼きが回る……いや、すまん。なんの焼きのことかは……」


フレメア「ねえ、殺そうとしたのは謝るからこれ解いてよぉ」グイグイ

妖精「解けるわけないでしょ……」

フレメア「じゃあ殺すの? セレスティアみたいに。それとも駄狐みたいに豚箱?」

イリス「えっ……いや、えっと……私は、その……」

ローガン「……イリスくん、彼女は非常に危険な存在だ。情に流されるべきではない。そして我々には、彼女という爆弾を抱えたまま然るべき場所へ安全に護送する手段もない」

イリス「わ、わかってます! でも、その……うう〜ん……」


フレメア「……もしかして、私がフラナの姉だからって情けをかけようとしてる?」

イリス「……」

フレメア「胸糞わる……。そんな理由で見逃されるとか最悪だし、そのナイフで心臓を突き刺すなりしてさっさと殺せば?」

イリス「……」


どうするの……?
↓1〜 先取3票
1.逃がす
2.殺す
0.自由安価(票数は内容ごと)
402 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2025/04/27(日) 23:12:26.41 ID:8jE3O0opO
0メゾンドクロシュに入れておく。フラナに会うまでに吐き出し方を覚える。
403 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2025/04/27(日) 23:20:04.44 ID:zdeQIWcfo
0 敗者に選択権はないとロイエ教殴り込み部隊として連行させる
404 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2025/04/27(日) 23:21:54.10 ID:TZYMGhsUo
1
405 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2025/04/27(日) 23:25:25.01 ID:rXUnU2O80
1
406 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2025/04/27(日) 23:29:34.82 ID:eyqoxe9jO
>>403+まさか誇り高い吸血鬼が勝負に負けて逃げるの?みたいな煽りを加える
407 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2025/04/27(日) 23:42:48.75 ID:K/qoHdwk0
>>402
408 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2025/04/27(日) 23:48:21.70 ID:BySVEHxEO
1
409 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2025/04/28(月) 01:01:39.76 ID:hOpx8wJL0
イリス「……」グググ

 プシュー…

イリス「」プシュー…モクモク…


妖精「あー……イリスは良心と合理の板挟みで限界みたい……」

ローガン「………では汚れ役は私が務めよう。一応聞いておくが、皆も構わないか?」


エバンス「……ああ。そいつはレイ・アンバーみたいな半分被害者みたいな奴ってわけでもなく、最初から自分の意志で破壊活動をやってるテロリストなんだろ? だったら情けをかけてやる必要もないと思うぜ。後味は悪いけどな……」

ミスティ「………私は……少し、迷いがあるわ……。でも、ローガンさんが処断するというのなら止めはしない……」

妖精「まあ……私も、止めないよ。できることならフラナに引き渡したいところだけど、血分身はふっとばされちゃったしね……」

クロシュ「……」


クロシュ「……逃がすのは……だめ……?」

エバンス「クロシュちゃん……気持ちはわかるが、あいつは本当にヤバイ奴なんだ。レイ・アンバーみたいにクロシュちゃんを好きになったりすることもないと断言できる。逃がしたら被害が増えるだけなんだよ」

クロシュ「ひがい……」

ローガン「うむ……。フラナ氏の姉君ゆえ、少々心苦しくはあるが……」


クロシュ「……」トコトコ

フレメア「……何? スライム」

クロシュ「……もう、むやみに殺したり、壊したり、しないって……約束……できる……?」

フレメア「……」


エバンス「え、いやいやクロシュちゃん……! そりゃ無理だって! そんな約束守るわけ……!」

クロシュ「……でも……アウルさんが……フレメアさん、義理堅いって……」


フレメア「え? アウルが?」

クロシュ「うん……。フレメアさん……ザイルさんの、恩返し、してて……義理堅いって……」

フレメア「……」

クロシュ「……だから……約束……守る……?」

フレメア「………ねえ、アウルはどうして復讐をやめたの? 大切なものができたから?」

クロシュ「……わかんない。でも……アウルさん……狐さんたち、親戚みたいなもので……好きだって……」

フレメア「……」

クロシュ「………フレメアさんは……好きな人……いる……?」

フレメア「いるわけないでしょ。バカにしてるの」


イリス「バカになんか……してません!」ヌッ

クロシュ「!」

フレメア「あんた……」

イリス「わ、私は……フレメアさんは、フラナさんとちゃんとお話するのが良いと思うんです! だって、二人は家族で、姉妹なんです!! それなのに……それなのに、殺し合うなんて……だめなんです!!!」

フレメア「だから、部外者が――」

イリス「敗者は勝者の言うことを聞くものです!!! それとも、誇り高い吸血鬼は話し合いの席に付くこともできないんですか!!?!?」

フレメア「こ、こいつ……ガキの癖に……!」

イリス「そのガキに囲んで叩かれて負けたんです!! フラナさんとお話してください!!!」

フレメア「……」

イリス「それを約束してくれるなら……この縄を、ほどきます!!」

フレメア「……」
410 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2025/04/28(月) 01:02:05.22 ID:hOpx8wJL0

フレメア「……いいよ。私、義理堅いみたいだし。約束してやる」

イリス「!!」

フレメア「でも話し合いの結果どうなるかまでは保証しない。約束は話し合いの席に付くところまでだよ」

イリス「……席についた途端喧嘩とかはやめてくださいよ。ちゃんと言葉で……」

フレメア「そんなガキみたいな屁理屈こねるか! 最初はちゃんと話し合ってやるよ!」

イリス「……約束ですよ。絶対ですからね!」

フレメア「あ〜もうわかったわかった! 全くもう、フラナの奴なんて面倒くさいガキを抱えてんだか……」

クロシュ「フレメアさん……むやみに、殺したり、壊したりしないっていう方の約束も……」

フレメア「わかったよ!!!!」

 *

 シュルシュル…

フレメア「……んじゃ。約束は守ってあげるから安心することね。私、義理堅いから」バサッ

クロシュ「ん……!」

イリス「はいっ! よろしくお願いします!!」


ミスティ「行っちゃったわ。でも、本当に行かせて大丈夫だったのかしら……? 約束を本当に守ると思う?」

妖精「……諸説あるけど、吸血鬼が約束事に真摯という伝承はけっこう数多く聞かれるんだ。私の経験でも、吸血鬼は契約を重んじる奴が多かった印象がある」

ミスティ「なるほど……」


ローガン「……ふう」

イリス「……すみません、ローガンさん。ローガンさんの忠告を、結局私……」

ローガン「……いや、構わない。吸血鬼を相手に約束を取り付けることができたのなら悪い結果ではないと言えるだろう」

エバンス「おう……。まあ実際、あそこであの吸血鬼を殺っちまうってのも本当に後味が悪いしな。見た目が幼い女の子だってのがまた……」

ローガン「うーむ……一部の魔族は幼い少女の姿でいることが多いが、一体なぜなのだろうな」

 ☆フレメアを逃がしました

 *
411 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2025/04/28(月) 01:03:18.52 ID:hOpx8wJL0
 強化ソリ「」

ミスティ「さて、それじゃあそろそろ――」


デュア「お前たち、無事か〜!」タタタタッ


クロシュ「わ……!」

妖精「あれは……デュア!?」

エバンス「凄い勢いでこっちに走ってくるぞ」

 *

デュア「はあ、はあ……! 凄まじい戦の気配を感じて、急いで来てみたらお前たちだったとは……。敵はもう倒してしまったのか?」

エバンス「倒した……というよりは、撃退だな」

デュア「くうっ、恩を返す好機だったのに……! いやしかし無事で良かった!」

イリス「デュアさんはあれからどうしてたの?」

デュア「朝廷軍に追い回され、小舟を奪って再び海へ逃げたんだ。そうしたらまた荒れ波で遭難しかけてな……。通りかかった商人のクルーザーに乗せてもらって、すごすごと中央大陸へ戻ってきてしまったというわけだ……」トホホ

ローガン「なんと……」

妖精「ああ……それは申し訳ない……」

デュア「気にしないでくれ! お前たちがいなければどの道私は海の藻屑だったのだ。命あっての物種、刀の整備はまた次の機会にすれば良いさ」

ミスティ「デュアはどこへ向かっていたの? もし王都ならソリに乗せてあげるわ」

デュア「何、本当か!? まさしく王都に向かうところだったのだ!」

ミスティ「なら丁度良いわ……。私たちの戦いに巻き込んでしまったお詫びってわけでもないけど……乗っていって頂戴」

デュア「かたじけない! では遠慮なく相乗りさせてもらおう!」

クロシュ「うん……!」

 ☆旅の冒険剣士デュアが道連れに加わりました

 ◇
412 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2025/04/28(月) 01:04:17.99 ID:hOpx8wJL0
というわけで本日はここまでとなります。次回は野営の行動決めから開始となります

いろいろあってついにセイントレア王都を目指すクロシュ一行。いきなりフレメア氏と激突してしまったり、フレメア氏を逃がしたり、デュア氏が道連れに加わったり、初日から盛りだくさんな旅路となった。あかちゃんスライムは焚き火をぼんやりと眺めながら、一日の出来事を振り返って物思いにふける――

それでは本日もありがとうございました。次回は、可能であれば火曜日の祝日に更新したいと思います(不可能だったら土日です)
また、折を見て王都セイントレアおよびセクリエ・ロイエで登場する人物の募集をしたいと思います。よろしくお願いいたします
413 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2025/04/28(月) 01:14:43.33 ID:aTrYzB9Xo
おつでした
招かれないと家に押し入ったりしないとか聞くし、吸血鬼は種として義理堅い面があるのかも
フレメアさんの方はまず何とかなったのであとはフラナ先生にも話し合いの話通さにゃ…
414 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2025/04/28(月) 05:12:27.21 ID:3BcUaO6Do
おつ
ついに王国主要部に殴り込みか…
意外と謎が多いロイエ教の実態もわかるかな
415 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2025/04/28(月) 22:17:49.12 ID:DnmzjL7z0
乙です
今回フレメアとの戦いはすぐに終わってビックリした。ワインの力もあるけどセレスティアやアウルと違って苦戦なく勝利できてたね。
416 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2025/04/28(月) 22:57:03.69 ID:DnmzjL7z0
>>415を書いた者で書き忘れていたけど
アウルは狐巫女の助けもあったね。
417 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2025/04/29(火) 12:14:42.80 ID:PSKkFnjtO

フレメアさんフィジカルなら最強クラスなんだろうけど搦め手に凄く弱い某ゴム人間さんタイプだったか・・・
418 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2025/04/29(火) 16:22:54.60 ID:v6/B/L000
吸血鬼は約束事を律儀に守ると言われています。フレメア氏も伝承の通りなら、約束をちゃんと守るかもしれません
フラナ先生にも話を通しておかないと戦いになってしまいかねませんが、イリス氏はその辺りをちゃんと準備するつもりのようです

今まで何度か名前が挙がっていたセイントレア王国とセクリエ・ロイエがついに物語の舞台となるようです
そしてそこは、様々な因縁の終着点でもあります。そこに何があり、何が起き、そしてクロシュは何を為すのか――

フレメア氏は万全な状態なら悪竜に比肩する戦闘力を持つ恐るべき吸血鬼ですが、油断して日中に襲ってきたのがあだとなったようです
また、前回のアウル氏との戦いはアウル氏が骨の軍勢を作るなどの入念な準備もあったため、単純比較は難しいかもしれません

フレメア氏は高い運動能力を持つ危険な吸血鬼ですが、日中だったことやクロシュ氏の目眩まし閃光が直撃してしまったのがよくなかったようです
吸血鬼は弱点が多い種族なので、戦闘力は高いですが搦手には実際弱いのかもしれません
419 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2025/04/29(火) 16:23:20.41 ID:v6/B/L000
―夜
 セイントレア平原 野営地

イリス「……」カキカキ

 手紙「」ポン!

イリス「よし、できた! 妖精さん、風の精霊さんに郵便をお願いしてもらえる?」

妖精「はいはい。フラナ宛だね?」

イリス「うん! フラナ先生に早く伝えないと……!」

ミスティ「フラナさんも殺る気満々だものね……」

妖精「というわけで風の精霊〜」

 ヒュルルルッ

風の精霊『呼んだ〜?』ヒュルヒュル

妖精「うん。フラナ宛、速達でお願い」

風の精霊『あいよ〜。んじゃ行ってきま〜』ヒュルヒュル
 手紙「」フワッ

 ビュオオオオッ

イリス「……風魔力の塊が手紙を運び去っていった……というのは感じ取れたよ!」

妖精「イリスにはそういう風に感じ取れるんだねえ」

ミスティ「……ところで、けっこう風の精霊郵便を使わせてもらってるけど……お代とかは良いのかしら?」

妖精「あいつらにとっては郵便配達が娯楽みたいなもんなんだ。無目的で大気を流れるより楽しいんだって」

イリス「そうなんだ……。でもなんかお礼をしたい気持ちもある……」

妖精「お礼……わたあめとか好きだと思う。たぶん」

 *

 焚き火「」パチパチ

スライムクロシュ「……」


スライムクロシュ(セイントレア王国……ロイエ教……)

スライムクロシュ(フメイちゃん……セインさん……)

スライムクロシュ(……みんな……良くなって、欲しい……)


デュア「クロシュ殿。何か考え事か?」スッ

スライムクロシュ「!」

 モニョモニョ…ポン!

クロシュ「んーん……考えごとってほどじゃ……ない……」

デュア「そうか!」

クロシュ「デュアさんは……王都に、何をしに行くの……?」

デュア「度重なる海難で道具のいくつかがダメになってしまってな……。せっかくだから王都まで行って質の良いものを揃えようかと思ったのだ」

クロシュ「王都は、質が良いの?」

デュア「ああ、そうだ。王都セイントレアは大陸中のものが集まる花の都――なんて言われたりもするんだぞ」

クロシュ「わ……! お花の、みやこ……!」

デュア「……しかしクロシュ殿はスライムだから、ちょっと気を付けた方が良いかもしれない。まあクロシュ殿の擬態の腕前があれば心配は要らないと思うが……」

クロシュ「うん……妖精さんにも、王国の街ではなるべく人の姿でいろって、言われてる……」

デュア「うむ、そうした方が良いだろう。あえて私が言うまでもなかったな」

クロシュ「んーん……。心配、してくれて……ありがと……」

セイントレア平原で野営します
↓1〜3 自由安価 野営中何をする?
420 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2025/04/29(火) 16:28:01.83 ID:viw2+hxp0
クロシュの夢の中でアリシラの両親とアリシラのことについて話す
421 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2025/04/29(火) 16:44:57.75 ID:C+u28qWao
ロイエ教よりデロデロ教の方が良いなと理論武装しておく
422 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2025/04/29(火) 16:47:05.13 ID:qD9IDwXMo
ミスティさんが白兵戦どれだけやれるのか、デュアさんと模擬戦
423 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2025/04/29(火) 18:17:40.03 ID:v6/B/L000
 焚き火「」パチパチ

クロシュ「……えっと、セクリエ・ロイエは……ロイエ教の、真ん中……?」

妖精「そう。ロイエ教についてはわかるよね? 魔族国にいた聖女とか、あの僧侶とかが所属してる宗教団体だよ」

クロシュ「うん……。えっと、でも、どういう団体なのかは……あんまり、知らない……」

イリス「そうだねえ……ロイエ教っていうのは、ロイエ神の教えを大事にしてる人たちの集まり……って感じかなあ」

クロシュ「ろいえしんのおしえ……?」

イリス「ごめん、私はロイエ教徒じゃないから具体的な教えの内容はあんまり知らないんだ……。妖精さんは知らない?」

妖精「え、うーん……なんだっけ……隣人を大切にしろとか、平和を目指せとか、そんなやつだよ。変なことは言ってなかったと思う」

クロシュ「わあ……」

妖精「……デロデロとどっちが良いと思う?」

クロシュ「……えっと………。ロイエ教は……どうやって隣人を大切にして……どうやって、平和を目指すの……?」

妖精「え、そこまでは知らない……ごめん」

クロシュ「そうなんだ……」

ローガン「具体的な方法は、お祈りをしたり、教典を読んだり、奉仕活動を行ったり、だな」ヌッ

妖精「ローガン! 詳しいの?」

ローガン「ロイエ教はユーシリアでも大きいからな。多少の知識はある」

クロシュ「わあ……!」

ローガン「そうだな、例えば魔族国の聖女くんを思い出してみてくれ。彼女は荷車にたくさんのご飯を乗せてみんなに配っていただろう? あれが奉仕活動だ」

クロシュ「わあぁ……!」

ローガン「つまり、ロイエ教の言う隣人を大切にして平和を目指す方法というのは……ごはん配りだ」

クロシュ「ん……!」
424 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2025/04/29(火) 18:18:16.68 ID:v6/B/L000

妖精「……で、考えはまとまった?」

クロシュ「うん! えっと……ロイエ教も、良いと思う……。ごはん、くれる……!」

妖精「うん、まあそうだね……」

クロシュ「でも……ごはんをくれるだけじゃ……隣の人を大事にできても……平和には、ならないかも……」

妖精「そうなの?」

クロシュ「うん……。聖女さん……ごはん、配ってるのに……怒ってる人、いた……」

妖精「そうだね……。ごはんを受け取る側が、平和を求めてない可能性もある。それはごはん配りじゃどうしようもないね」

クロシュ「……でも、デロデロなら……平和に、できる……!」

妖精「……そうなの?」

クロシュ「うん……! 怒ってる人も、怒ってない人も……みんな、一つのデロデロになれば……平和……!」

妖精「ま、まあそうだね……」

クロシュ「だから……今のところ……デロデロの方が、ちょっと、良い……!」

妖精「……シズクみたいに、デロデロと混ざりたくないって子はどうするの?」

クロシュ「!!」ガーン!!

妖精(何も考えてなかったな……)

クロシュ「……え、えと……せ、説得……する……!」

妖精「納得してくれなかったら?」


クロシュ「……」

クロシュ「………」モニョ…

クロシュ「…………」モニョニョ…

 デロデロ…

スライムクロシュ「」デロロ…


イリス「妖精さん……ちょっと今のは酷かったんじゃ……」

妖精「うっ……仕方ないでしょ! クロシュに過激な思想を抱かれても困るし……」

 ☆ロイエ教とデロデロについて考えました

 ◇
425 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2025/04/29(火) 18:44:28.68 ID:v6/B/L000
ミスティ「……」
 氷の短刀「」キラキラ

ミスティ「……」ウーン


デュア「どうしたのだ?」ヌッ

ミスティ「ああ、デュア。今日の昼に会った敵との戦いを思い返していたのだけど……簡単に言えば、遅れを取ったのよ」

デュア「何、そうなのか」

ミスティ「ええ。相手の速さに全く追いつけなかった」


エバンス「ミスティちゃん、それは仕方ないと思うぞ……。あれは小手先の技術で覆せる差じゃない。種族としての絶対的な差ってやつだ」ヌッ

ミスティ「エバンス。でも……例えばセインなら、あの吸血鬼に遅れを取ることもないはずよ」

エバンス「そ、それはそうだが……」

ミスティ「セインは勇者モドキと言われているけれど、分類としては一応人間のはず。なら私にセインと同じ動きができない道理はない……」

エバンス「いやいやいや、落ち着け! 確かに同じ人間かもしれないが、人間の中であっても覆しようのない差ってやつはあるだろ!」

ミスティ「……そうやってどうしようもないと諦め続けたら、何にも勝てなくなってしまうのではないかしら?」

エバンス「うっ……一理ある」


デュア「ふむ……面白い話をしているな。では少々私と剣を交えてみるのはどうだろう?」

ミスティ「あなたと?」

デュア「ああ。いろいろ考えるより体を動かしてみた方が上手くいくかもしれんぞ!」

ミスティ「確かに……。わかったわ、やってみましょう」


 ――模擬戦闘開始 冒険者デュア――


↓1コンマ
01-50 敗北
51-90 勝利
91-00 会心
426 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2025/04/29(火) 18:47:07.88 ID:dzK9V5dR0
427 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2025/04/29(火) 18:52:53.55 ID:QuYN1ORfo
流石っすねパーティの近接アタッカーは
ん?
428 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2025/04/29(火) 20:08:03.38 ID:v6/B/L000
デュア「ふっ!」シュバッ

ミスティ「!」バッ

 刀「」ビッ!
 氷の短刀「」ギンッ!

デュア「まだまだ!」

 刀「」ビビビッ!!

ミスティ(くっ……! 私より長い得物を使っているのに、私よりも手数が多い……!!)ギギギンッ!!

デュア「勝つ!!」バッ

 刀「」グオオッ――

ミスティ「!!」


エバンス「まずい! あれは避けられないぞ!!」


 ガギンッ!!

 刀「」ギギギ
 氷塊「」ギギギ

デュア「氷の塊!?」

ミスティ「……剣の腕はまだまだみたいね、私……。でも――」コォォォ

 氷塊「」ヌッ
 氷塊「」ヌッ

ミスティ「剣だけじゃないのよ、私は……!」

デュア「フッ、なるほど……! ならば私も――」コォォォ

 シュボッ!
 赤熱刀「」ジュウウウ…

ミスティ「炎のエンチャント……!!」

デュア「ミスティが氷を使うならば――私はこの炎で、焼き切る!!」バッ

ミスティ「望むところよ!」バッ

 *
429 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2025/04/29(火) 20:08:47.86 ID:v6/B/L000
ミスティ「はあああっ!!」バッ
 氷の短刀「」シュビッ!!
  氷塊「」ブオンッ!!

デュア「うおおおっ!!」シュバッ
 赤熱刀「」ゴウッ!!

 ギンギンッ!! ジュウウッ!!
   スパッ!!  ガギンッ!!


エバンス「互いに一歩も譲らない攻防だ……! 剣技で勝るデュアだが、ミスティちゃんは氷塊や氷柱の生成で手数に対抗している……!」

エバンス「しかし……ミスティちゃんは、なぜ瞬間凍結と吹雪を使わない……!? あれを使えば有利になるはずだぞ……!」


ミスティ「強い技ばかりに頼っていたら……それ頼りの戦法しかできなくなってしまう! そんな戦い方では、きっと――」


 ――邪悪なカリス「」ニヤニヤ


ミスティ「――あいつを、倒せない!!」


 ジュウッ!!

 氷/塊「」スパッ
 砕ける氷柱「」パキーン

デュア「貰ったぞ!!」グオオッ!!!

 赤熱刀「」ジュウッ!!!

 ギィンッ!!!

デュア「!?」

 赤熱刀「」ギギギ
 氷刃「」ギギギ

デュア「氷の刃で……私の炎刀を受け止めた、だと……!?」ギギギ

ミスティ「打ち合う中で、気付いた……! 熱さえ奪い続ければ――例え地獄の業火でも、私の氷を溶かせない!!」ギギギ

デュア「なにっ!?」

 冷めた刀「」シュウウウ…

デュア「!!? バカな、私の炎が――」

 氷塊「」ドガッ!!

デュア「ぐああああああっ!!!!」ドッギャァァァァン!!!!

 ――戦闘終了――

 *

デュア「完敗だ! 天晴なワザマエだったぞ、ミスティ!」

ミスティ「デュアも、強かったわ……。こう見えて、戦っている最中に何度か挫けそうになった……」

デュア「いや、しかし……相性有利なはずの氷属性に負けたとあっては、流石に自信を失くしそうだ……!」

ミスティ「……いえ、それは違うわ。さっき戦ってる最中に私が言ったこと……覚えてる?」

デュア「ぬ? なんだったか……?」

ミスティ「熱さえ奪い続ければ……ってやつ。一般的には、氷属性は炎属性に弱いと言われているけれど……それは、ほとんどの氷魔法使いがものすごく非効率的に魔力を運用してるから。本来なら炎属性と氷属性の相性は完全に対等のはず……」

デュア「そうなのか!?」

ミスティ「ええ……たぶん。そして私は魔法使いとしてやってきた期間が長いから、魔法の腕があなたより優れていた……ただそれだけのことよ」

デュア「なるほど……なんとなくわかったぞ!」

ミスティ「そういうこと。相性は対等だったのだから、デュアが気を落とす必要はないはずよ……」

デュア「……うむ。だがそれはそれとして敗北には変わりない。精進せねば……!」

 ☆デュアとの模擬戦に勝利しました
  ミスティが剣技2、魔法1の経験を獲得します

 ◇
430 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2025/04/29(火) 21:15:02.36 ID:v6/B/L000
―クロシュの夢
 夢の集落

集落のスライム「〜〜!」モニョモニョ
集落の子供「んわ〜!」キャッキャ
炎スライムの欠片「〜〜!」モニョモニョ
雷スライムの欠片「〜〜」モニョモニョ
風船スライムの欠片「〜〜♪」モニョモニョ
水スライムの欠片「〜〜♪」モニョモニョ

 *

―夢の診療所

若者「ははっ、うちの子たちにたくさんの友達ができたみたいだ」

老婆「ほっほっほ、良かったねえ」

光の精霊「お兄さんとお婆ちゃんももうここの仲間だよ〜」

若者「おおっ! これからよろしくな!」

光の精霊「よろしくね〜」

メイ841「何かあればお申し付けください。クロシュ内で最優秀の私がご奉仕いたします」

老婆「あらぁ、めんこいメードさんだねぇ」


魔族の医者「しかしクロシュの心の中に住むことになるとは、不思議な巡り合わせもあったものだ。ある意味、こここそが私の目指した理想に最も近い場所かもしれん」

不死鳥の羽根「あなたの目指した理想……誰であろうと等しく文化的に生きる権利を持ち、平等に尊重される安全な空間……で合っているかしら?」

魔族の医者「その通りだ。クロシュの記憶を読み取ったのか?」

不死鳥の羽根「そこの貼り紙に書いてあったわ」

 貼り紙『イーシャより皆へ 集落の方針について』ポン

魔族の医者「……クロシュはこんなものまでしっかり覚えていてくれたのか」

 ◇
431 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2025/04/29(火) 21:15:29.86 ID:v6/B/L000
―夢の集落

クロシュ「……」


アリシラ父「クロシュちゃん、おはよう……いや、こんばんはかな?」ヌッ

クロシュ「! アリシラさんの……お父さん……」

アリシラ母「一日お疲れ様、クロシュちゃん……」

クロシュ「うん……おはよ……こんばんは……お疲れさまです……」

 *

アリシラ父「みんなから聞いたよ。僕たちの集落のことや、クロシュちゃんとフメイちゃんとアリシラの旅について……」

アリシラ母「クロシュちゃん……ごめんね、私たちが守ってあげられなかったせいで……すごくつらかったでしょう?」

クロシュ「ん……大丈夫……! えっと、妖精さんと、みんなが、助けてくれて……わたし、大丈夫になった……!」

アリシラ母「うん……。クロシュちゃんを大事にしてくれる人がすぐに現れて、本当に良かった」

クロシュ「……わたしより……アリシラさんの方が……心配……」

アリシラ父「……すまないね、クロシュちゃんにまで心配をかけてしまって……」

アリシラ母「でも、不可解なのよ……。あの子は、みんなに心配をかけて危険なことをするような子じゃなかったと思うの……。どちらかと言えば引っ込み思案で、事なかれ主義の弱気な子だったはずなのに……」

アリシラ父「……やはり、あのことが関係しているんじゃないか」

アリシラ母「………」

クロシュ「……?」

アリシラ父「こんなことになってしまった以上、クロシュちゃんも無関係とは到底言えないと思う。それに……もしかしたらクロシュちゃんの仲間たちが、有効な手立てを思いついてくれるかもしれない。だから……」

アリシラ母「……そうね。話しましょう……アリシラの秘密を」

 *

クロシュ(アリシラさんのお父さんとお母さんは、アリシラさんが生まれた時のことをお話してくれた……)

クロシュ(アリシラさんは……生まれた時に、死んで、生き返った……)

クロシュ(その時に……アリシラさんのお父さんとお母さんは、ものすごく具合が悪くなった……)

クロシュ(アリシラさんの魔法は……確か、吸収……?)

クロシュ(……何かがわかりそうで、わかんない……)

 ☆アリシラについて少し知りました

 ◇
432 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2025/04/29(火) 21:26:04.92 ID:v6/B/L000
―セイントレア平原 2日目

◇クロシュ [あかちゃんスライム]
武:メイドブレード  盾:ラティアの大盾  飾:くすんだ耳飾り
武:竜珠の大杖    防:竜のエプロン   飾:不死鳥の羽根

◇妖精   [世話焼き妖精]
武:         盾:         飾:くすんだ耳飾り
武:         防:精霊のレオタード 飾:

◇イリス  [星の魔法使い]
武:蒼き星の杖    盾:         飾:くすんだ耳飾り
武:         防:魔術師のローブ  飾:

◇ミスティ [氷の魔法使い]
武:氷の短刀     盾:         飾:くすんだ耳飾り
武:         防:氷竜革のローブ  飾:

◇ローガン [鋼の戦士]
武:蜥蜴一文字    盾:灼鋼の盾     飾:くすんだ耳飾り
武:鋼の回転ノコギリ 防:オリハル鎖帷子  飾:

◇エバンス [地の傭兵]
武:古代の鉄槌    盾:         飾:くすんだ耳飾り
武:魔銀の刀     防:硬質革鎧     飾:

◯所持アイテム
[道具]        [装備品]       [大事なもの]
運命賽*2       蜘蛛絹の下着      魔族国永久旅券
会心賽*1       ザリガニのお守り    フメイの服の切れ端
反魂丹*1       大きな巻き貝      精霊の印
鉄鍋+携帯調理器具   闇の欠片        精霊樹の実のジャム
「星の魔力」上中    フリルワンピ水着    精霊樹の鉢植え+赤雷球
お宿の妖精の織物    魔法学園のスク水    フメイとアリシラの人形
魔導飯盒        ガラスのザリガニ    メルルの帽子
妨害魔力波発生装置   踊り子の双剣      溶岩石のアミュレット
属性大全        サボテンドラゴンの花  太陽のメダリオン
魔王図鑑        精霊のローブ      暗黒優待券
氷精の魔導書      精霊樹の杖[改]    冒険者証(ランク1)
ブラッドワイン*1               大魔女帝国渡航権
吸血鬼殺ワイン*1               かたたたきけん
魔術書「正負の属性」              大魔女帝国滞在許可証
吸血鬼の日焼け止め               風船印のパラシュート
日蝕の傘                    ラティア勲章
大魔女サイン*1                ユーシリア王家の紋章
古代のセラミック
ステライト鉱石
晴れ乞い傘
チョコスムージー
ヒヒイロカネ

◯現在の目標
・フメイちゃんを探す
・世界樹の光を追う[4/5]
・アリシラの夢引っ越し[3/4]

◯仲間の目標
・カリス・ノーランドを討つ(ミスティ)

◯経験値
・クロシュ 剣技[01/07] 魔法[01/07] 防御[00/07]
・イリス  杖術[02/04] 魔法[12/16]
・ミスティ 剣技[04/07] 魔法[10/16]
・ローガン 剣技[16/16] 魔法[05/08] 防御[07/08]
・エバンス 剣技[16/16] 魔法[04/08]
……………………………………………………………………………………
433 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2025/04/29(火) 21:26:43.63 ID:v6/B/L000
―セイントレア平原

 強化ソリ「」シャーッ

 揺れる草花「」サワサワ


イリス「のどかな景色だねえ」

妖精「地属性の星の力がこの国にあるはずだけど、地面や植物に影響が出てる様子はない……。恐らく、何者かが上手く管理してるってことだ」

エバンス「てことは……また星の力を持った敵と戦うことになるのか」

妖精「うん、まあ今まで例外なくそうだったし今回もそうなると思う……。ただ問題は、敵がどうやって星の力を奪ったのかがわからないってこと。敵がどんな能力を持ってるかわからない以上、こちらも迂闊に手を出すのは危険なんだよね……」

イリス「下手をするとこの杖にある水属性の力も奪われかねないってことだよね……」

 蒼き星の杖・水「」ポワポワ

妖精「うん。イリス、できるだけ星の力を上手く使えるように慣らしておいて。もし綱引きみたいに強引に引っ張って奪う方法なら、イリスが頑張れば防げるから」

イリス「うっ、責任重大すぎる……。この力、ちょっと扱いを間違えるとものすごい水のうねりに巻き込まれるような錯覚に陥ってけっこうやばいんだよお」

クロシュ「わたし……溺れた……」

妖精「……ま、まあ無理のない範囲で」


↓1〜2コンマ ランダムイベント
01-25 敵襲
26-50 食料発見(コンマ)
51-75 場所発見(コンマ)
76-00 良いこと(自由安価)
434 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2025/04/29(火) 21:27:45.57 ID:07dvJK4co
さて
435 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2025/04/29(火) 21:27:48.59 ID:8R64kGubO
436 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2025/04/29(火) 21:37:23.10 ID:v6/B/L000
変わった場所を二つ見つけたようです

↓1〜2コンマ 見つけた場所(被ったらさらに↓1再安価)
01-10 廃城
11-35 廃教会
36-65 山賊のアジト
66-90 妖精の隠れ家
91-00 豪華な廃城
437 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2025/04/29(火) 21:37:51.73 ID:dzK9V5dR0
438 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2025/04/29(火) 21:41:27.25 ID:C+u28qWao
439 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2025/04/29(火) 22:38:45.67 ID:v6/B/L000
 強化ソリ「」シャーッ


「たすけて〜!」


ミスティ「えっ?」

スライムクロシュ「!」モニョ!

妖精「あれは――」


野良妖精「おねがい止まって〜!」パタパタ


デュア「よ、妖精だ! 妖精が助けを求めているぞ!」

ミスティ「わかったわ」

 強化ソリ「」キキッ

 *

野良妖精「ひい、ひい……よかったぁ……。ありがとぉ、止まってくれて……」ヘナヘナ

妖精「助けるかどうかは未定だよ。まずは話を聞かせて」

野良妖精「うん……。えっと、わたしのおうちの近くにね、ぼろぼろの廃墟があるんだけど……そこからゾンビが湧き出しちゃったの!!」

イリス「ええっゾンビ!?」

野良妖精「お願いだからやっつけてよぉ〜」

エバンス「よし、わかった! ゾンビくらいなら軽く掃除してやろうぜ」

ミスティ「ええ。アンデッドなら慣れたものだしね」

妖精「しょうがないなあ……案内してくれる?」

野良妖精「わわ、ありがと〜! すぐ案内する!」

 ◇
440 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2025/04/29(火) 22:40:23.62 ID:v6/B/L000
―廃教会

ゾンビ「ア゙ア゙ア゙ア゙ア゙ア゙」ノソノソ
ゾンビ「ア゙ア゙ア゙ア゙ア゙ア゙」ノソノソ
ゾンビ「ア゙ア゙ア゙ア゙ア゙ア゙」ノソノソ


クロシュ「んわわ……」

イリス「うげっ、ほんとにゾンビだ……!」

野良妖精「なんとかして〜!」


デュア「ゾンビなら火に弱い! 私が先陣を斬るぞ!」シュバッ

 赤熱刀「」ゴウッ!! ズバァッ!!

燃えるゾン/ビ「ア゙ア゙ア゙ア゙ア゙ア゙」メラメラメラ


ローガン「よし、我々も続くぞ!」

エバンス「おう! 腐敗物は消毒だ!!」

 ◇

ゾンビの消し炭「」プスプス


デュア「焼却完了だ!」

エバンス「ふう、楽な仕事だったな」チャキン

ローガン「うむ」

野良妖精「わわ〜ほんとにやっつけてくれた! ありがと〜!」キャッキャ

妖精「どういたしまして。でもなんでこんな廃れた教会にゾンビが……?」

野良妖精「何日か前にね、赤髪ロングの小さい吸血鬼がやってきてお墓で怖い魔法を使ってたの! わたし怖くて死にそうだったよ〜!」ガクブル

イリス「そ、それって……」

妖精「フレメアだね……。何を企んでたのかは知らないけど……」

ミスティ「私たちにやっつけられて約束をする前ね……」

イリス「ま、まあとりあえずなんとかできて良かった!」

 ☆廃教会のゾンビを掃除しました

 *

 トコトコ…

クロシュ「!」

 本棚「」

クロシュ「……」ガサゴソ

妖精「クロシュ……ゾンビがいた教会の本なんてちょっと汚くない……?」

クロシュ「んゅ……でも、ちょっと気になって……」ガサゴソ

 原理派活動日誌「」ポン

妖精「……!? 原理派……!?」

クロシュ「……」

 パラパラ…

妖精「……日付は……20年くらい前だ。この教会が廃棄されたのもその頃なのかな……?」

クロシュ「……」

妖精「まあでも何かの役に立つかもしれないし持っていってみようか。でもその前に少し浄化しとこう……」ポウ

 原理派活動日誌「」シュワシュワ

 ☆原理派活動日誌を手に入れました

 ◇
441 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2025/04/29(火) 22:40:58.45 ID:v6/B/L000
―夕方
 廃教会の裏手


 大きな精霊樹「」サワサワ


クロシュ「わあ……!」

妖精「こんなに大きな精霊樹が!」

野良妖精「えへへ〜わたしのおうちの木だよ〜」

ミスティ「おうちの木……ふふ、懐かしい響きだわ」

野良妖精「なんか知らないけど、この廃教会には人が近付かないんだ〜。だからわたしもおうちの木ものびのびと育てたってわけ〜」

エバンス「でも吸血鬼は近付けたんだな……。何かあるのか、この廃教会には」

妖精「……結界が施されていた痕跡がある。でも何日か前に壊されたような感じ……たぶんフレメアだね」

野良妖精「ええ〜そうだったの〜!? じゃ、じゃあこれから悪い人たちがここに押し寄せて、わたしたちに酷いことするの!?」

妖精「安心しな。私が前よりももっと良い結界を張ってやる」

野良妖精「わわ〜ほんと〜!?」

 *

 緑の結界「」ポン!

妖精「はい。これで悪い奴は近付けないよ」

野良妖精「わわ〜ありがと〜!」

デュア「よし、一件落着だな!」

野良妖精「うん! ねえ、今夜はここに泊まっていってよ! おうちの木も、実を食べてもいいよって言ってる!」

イリス「いいの? それじゃあお言葉に甘えようよ妖精さん!」

妖精「そうだね……自分で言うのもなんだけど、私の結界のお陰でだいぶ快適だし」

ローガン「私も賛成だ。そろそろ日も落ちる」

 ☆妖精の隠れ家にお泊りすることになりました

 *

野良妖精「あ、そうだ! いろいろやってくれたお礼にこれあげる!」スッ

クロシュ「!」

↓1 自由安価 野良妖精がお礼にくれたもの
442 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2025/04/29(火) 22:42:09.15 ID:8R64kGubO
ダイヤモンドメリケン
443 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2025/04/29(火) 23:09:37.51 ID:v6/B/L000
 ダイヤのメリケンサック「」ポン

妖精「……この、ダイヤモンドの指輪が4つ並んでくっついたような謎の物体は……?」

野良妖精「わかんない! でもキラキラですごいでしょ!」

エバンス「見た目は完全にメリケンサックだぞ……。一体どういう用途の物品なんだ……? まさかこれで殴るのか……?」

ローガン「硬度は高いが、ダイヤモンドは靭性が低く割れやすい……。殴打用の武器としての実用性はあまりないと思われる……」

イリス「……でもダイヤモンドって魔法の触媒としてはかなり優れた宝石ですよ! まあ……拳に付けて使うならちょっと工夫が要ると思いますけど……」

ミスティ「まあ……良い記念品にはなるんじゃないかしら?」

 ☆ダイヤのメリケンサックをもらいました

 *

―野良妖精のおうち

 木の棚「」
 木のテーブル「」
 木のベッド「」
 綿花のクッション「」
 光るキノコのランプ「」

イリス「わああ!」

ミスティ「ここ、まるで緑の国みたい……!」

野良妖精「えへへ〜すごいでしょ〜。おうちの木と一緒に長年かけて作ったインテリアだよ〜」

エバンス「てうわっ!? でかっ!?」

ローガン「人間の子供と同じくらいの大きさになっている……!?」

妖精「逆逆。あなたたちが妖精サイズになってるの」ヌッ

クロシュ「わわ! 妖精さん……おっきい……!!」

イリス「妖精さんが……あのちっちゃかった妖精さんが……」グルグル

妖精「だから逆だって言ってんでしょ!」

デュア「なんと面妖な……。お前たちと共にいると全く面白いな!!」

 *

ミスティ「私たちが、妖精サイズに……」

野良妖精「うん〜。昔読んだ魔導書に書いてあったんだ〜。えへへ、使う機会があってびっくり!」

妖精「私もこんなところであの魔法の使い手に会えたなんてびっくりだよ。でもみんなに妖精の視点を知ってもらう良い機会かも」

クロシュ「んへへ……」ニコニコ


妖精の隠れ家で一泊します(全員妖精サイズ化)
↓1〜3 自由安価 野営中何をする?
444 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2025/04/29(火) 23:12:01.83 ID:nekc2dt60
エバンス 前回のメタルローガンみたいに自分も何か地属性の新しい魔法はないか相談してみた。
445 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2025/04/29(火) 23:12:55.64 ID:QuYN1ORfo
クッキング in 妖精の隠れ家キッチン
(出来れば妖精とデュアの料理腕前コンマ判定)
446 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2025/04/29(火) 23:15:24.76 ID:yMiGnPa6O
クロシュ
夢世界の住人を自身の分体を媒体に再現してみる
447 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2025/04/29(火) 23:44:07.22 ID:v6/B/L000
―野良妖精のおうち

エバンス「旦那、少し相談があるんだが」

ローガン「ふむ、聞こう」

エバンス「前にメタルコーティングっていう魔法を使ってたろ? 俺もなんか新技が欲しいと思ったりしてな……」

ローガン「新技か……しかし私は地属性のことなど全くわからん。もしや鋼属性の魔法を使いたいという話か?」

エバンス「え、いや……ていうか俺に鋼属性は使えないだろ?」

ローガン「鋼は地から派生した属性だ。ゆえに地属性適性を持つ君なら使えないことはないと思う。ただし派生とはいえ別属性ではあるから、出力は落ちるだろう……」

エバンス「そうだったのか……。まあ、隠し技として鋼魔法を使えるようにしておくのもアリ……か?」

ローガン「相手の意表を突くことはできるだろう。しかし主要な技として使うには恐らく火力不足だ」

エバンス「まあそりゃそうだよな……うーんどうするか……」

ローガン「地属性のことであれば、星属性のイリスくんか自然属性の妖精くんの方がまだ適任であると思う。どうする?」


↓1選択
1.ローガンに鋼魔法を教えてもらう(威力・効果は約2/3)
2.イリスに聞いてみる
3.妖精に聞いてみる
4.独学でなんかやってみる
0.自由安価
448 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2025/04/29(火) 23:47:06.56 ID:xMUM8pWVO
2
449 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2025/04/29(火) 23:53:06.21 ID:v6/B/L000
 *

イリス「地属性の新技ですか……私も専門家ではないので、あまり良いことは言えないかと思いますけど……」

エバンス「それでも俺よりはずっと上手い。頼む、この通りだ!」ペコッ

イリス「うわわ、やめてくださいよ! ま、まあそうですね……ちょっと待ってください、何か良い魔導書があるかも……」ガサゴソ


↓1コンマ
01-60 エバンス魔法経験+2
61-90 エバンス魔法経験+3、新技習得
91-00 エバンス魔法経験+6、新技習得、地属性LVUP
450 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2025/04/30(水) 00:00:03.17 ID:PUyFqRsrO
はい
451 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2025/04/30(水) 00:13:34.83 ID:g2VKutah0
 魔術書『五大属性・中級編』ポン

エバンス「……む、難しいな……」ペラッペラッ

イリス「何かわからないとこがあったら聞いてくださいね! 私も人に教えると理解が深まったりするので!」

エバンス「お、おお……頼む」

 ペラッ ペラッ

エバンス(内容は、魔力の操作や出力調整のことがほとんど……これは術式が書いてある魔導書ではなく、自力を高める為の教本だ!)

エバンス(……まあ、実際自力を高めなきゃならないのは間違っていない。地道だが、強くなるのは一番確実な方法だろう……。精進するしかないな……)

 ペラッ… ペラッ… ペラッ…

 ☆エバンスが魔法経験2を獲得しました

 *
452 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2025/04/30(水) 00:19:05.00 ID:g2VKutah0
というわけで本日はここまでとなります。次回はフェアリークッキング編、夢の住人を分体に入れて再現してみよう編です

旅路の途中、廃教会に湧くゾンビを一掃する一行。そこでクロシュが見つけたのは、古ぼけた一冊の日誌。原理派活動日誌と書かれたその奇妙な書物を、読むか読まぬかは気分次第。それより今は、今夜のごはんが気になるあかちゃんスライムであった――

本日はロイエ教とデロデロについて考えてみたり、ミスティ氏がデュア氏との模擬戦に勝利したり、アリシラ両親からアリシラさんのことを聞いたり、廃教会のゾンビを掃除したり、野良妖精の隠れ家に妖精サイズでお泊りすることになったり、エバンスが新技開発にやる気を出したりしました

それでは本日もありがとうございました。次回もよろしくお願いいたします
なおこのレスにて次編の登場人物募集の告知を行いますので、そちらもよろしくお願いいたします

 ◆

王都セイントレア〜セクリエ・ロイエ編の登場人物募集についての告知です

〈王都セイントレア〉
■概要
中央大陸の南側を大きく陣取る列強セイントレア王国の首都。国際商業都市イスファハーンや大魔女帝国の楽園都市エデンに並び立つ栄華を誇り、美しく整備された白い街並みから白亜の都とも呼ばれる。
王都セイントレアの周囲は巨大な城壁が築かれており、優れた防衛性能を発揮している。
■産業
農業、漁業、商業、機械工業、芸能、魔法など、多岐に渡る分野が発達している。また公共事業も盛んに行われており、国民の生活を支えている。
しかし上記の産業には植民地からの搾取によって成り立っているものも少なくなく、しばしば批判の的となっている。
■情勢
セイントレア王国は魔族や亜人族など人間以外の種族に対する差別意識が中央大陸で最も強いと言われている。しかし近年は諸外国との交流やロイエ教穏健派が伝える平等思想により、王都における差別感情は王国の他の地方都市や町村よりも薄まっている。一方で王家の執り行う非人間種族に対する過激かつ排他的な方針は変わっておらず、人権派や学生団体などによる反対運動が起こっている。

〈セクリエ・ロイエ〉
■概要
全世界に信者を抱えるロイエ教の総本山。定住しているのは高位の神官を中心にそこまで多くなく、国内人口の大半は巡礼の一時滞在者。
魔族の数は人口の1割ほどだが表立った対立はなく、同じ神を信仰している(魔族は力ある種族、高貴な種族が多い事も関係している)。
王都セイントレアの大城壁の内側に所在しており、国土面積は非常に小さい。しかし中央大陸最大の宗教であるロイエ教の聖地でもある為、その発言力・影響力は列強セイントレア王国を凌ぐものとなっている。
■産業
神の奇跡を込めたお守り。ちょっとした幸運を呼ぶものから死者を呼び戻す、世の理に触れるものまで。
外貨を得る流れは他に建築物の観光くらいで、あとはほぼ寄付で賄われている。
■情勢
セクリエ・ロイエでは人間を最も尊い種族だとする宗派が多数を占めていたが、近年では他種族に融和的な穏健派が勢力を強めている。現教皇も穏健派の人物である。そのため現在のセクリエ・ロイエは最友好国であるセイントレア王国と方針が合わず、微妙に緊張した状態となっている。
また、現教皇および穏健派と対立関係にある原理派が国内外で暗躍しているという噂もある。

 *

〈今回の募集キャラクター〉

@現教皇
 現在のロイエ教における最高位聖職者。穏健派。
 セクリエ・ロイエの実質的な国家元首とも言える。

Aロイエの者
 セクリエ・ロイエに属す者。老若男女存在する。
 性別、年齢は多様だが、職業はほとんどがロイエ教の聖職者か一般信徒。人間以外もいないことはないが、数はとても少ない。
 原理派などの一部の宗派では、誓願を立てる時に名前を神へ捧げるという旧い習わしを堅持している。そのためそのような宗派の聖職者は名前を持たず、主に役職名や通り名やアダ名で呼ばれる(僧侶、聖女、使徒など)。なお穏健派をはじめとした多くの宗派では、この習わしは時代にそぐわないとして撤廃している。

B王国の者
 セイントレア王国に属す者。老若男女存在する。
 性別、年齢、職業、身分は多様だが、原則として人間以外の者に戸籍は与えられない。もしセイントレア王国に堂々と住まう人間以外の者がいれば、それは何らかの手段で種族や身分を偽っている可能性が非常に高い。
 一般国民とは反対に、奴隷の種族は多様である。敗戦国の民、重債務者、人攫いの被害者などが奴隷となることが多い。奴隷の待遇は主人の裁量によるが、優れた職能を持つ奴隷には高待遇が与えられる場合もある。また、人間の奴隷は主人が国へ奴隷解放税を納めることで解放奴隷となることができるが、人間以外の種族の奴隷が解放される仕組みは今のところ存在しない。

Cその他
 魔物、魔導機械、生物兵器など。@〜Bに該当しない者。

 *

(テンプレート)
【名前】
【種族】
【性別】
【年齢】
【容姿】
【性格】
【魔法】
【備考】

 *

〈今回のルール〉

・@は、コンマが最も高い案を1つ採用します

・A〜Cは、個性や役割などを鑑みつつ>>1の独断で何名か採用します。たぶん5名くらいが限界です。また、A〜Cの中でコンマが最も高いものは必ず採用します

・作中に登場する際、設定等が若干変更される可能性があります。ご了承ください

・1つのIDにつき採用できるのは1つの案までとなります。2つ以上の案を投下する際はご注意ください。また、IDを変えて2つ以上の案を投下するといった行為はお控えください

 *

今週木曜日の 00:00 〜 23:59 を投下期間といたします。投下する案には@〜Cのいずれかの番号をご記載ください
ご質問やご感想などありましたらお気軽にどうぞ
453 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2025/04/30(水) 00:44:57.79 ID:hgMMNSqO0
乙です
安価Aのロイエの者は採用されても名前じゃなくて役割やアダ名などで表記されるという事なのかな?
454 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2025/04/30(水) 11:11:15.64 ID:uwI7MqnIo
おつでしたー
野良妖精さん、なんかかなりレアな魔法つかってない?
ついにセイントレア〜ロイエ教編、今までの登場人物も多数関わって来そう
因縁や謎が解決されるのに期待
455 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2025/04/30(水) 21:36:24.08 ID:g2VKutah0
>>453
原理派などの名前を捧げる習わしを維持している宗派の人物であればそうです。穏健派などのその習わしを撤廃した人物であれば名前を失うことはありません。既に名前を捧げて失っている人物であれば、名前欄のところに通り名やアダ名を書くのも良いでしょう

>>454
野良妖精さんは面白い魔法を習得しているようです。それは具体的に言うと>>174の魔法だと思われます。使い方次第ではけっこう悪いことができそうな恐ろしい魔法でもあるかもしれません
そしてセイントレア王国とロイエ教のお話は、実際大きな山場であるとも言えます。この先に何が待ち受けているのかは闇に包まれていますが、クロシュさんには慎重に進んでいっていただきたいところであります
456 : ◆eAA16RTlRw2e [sage saga]:2025/05/01(木) 00:00:06.01 ID:bzdAUdBx0
それでは本日 00:00 〜 23:59 を投下期間といたします。投下する案には@〜Cのいずれかの番号をご記載ください
詳しいルールは>>452
ご質問やご感想などありましたらお気軽にどうぞ
457 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2025/05/01(木) 00:23:16.31 ID:KIeKkDkiO
4
【名前】ティナ・プラネット
【種族】魔女
【性別】女性
【年齢】?
【容姿】赤橙色のショートカットを刈り上げた髪型。傷と右目を隠す眼帯のせいで分かりにくいが、よく見るとイリスと似た顔立ちをした長身でスレンダーな美女。黒いスーツ姿で左腕は義手になっているため手袋で常に隠している。
【性格】冷静沈着で礼儀正しいリアリスト。情に厚いが流されない。やや負けず嫌いなところがある。
【魔法】星属性を得意として一通りの魔法を使えたが、現在は無属性の魔法しか扱えない。
【備考】イリスの母親。希少な星属性の使い手だったのでカリスに狙われていた。幼いイリスを危険から遠ざけるため、親友に託して単身カリスに挑むも力及ばず捕らえられてしまう。
実験体として扱われた結果、左腕と右目の視力、記憶を失い、星属性の魔法も使えなくなったことでカリスからの興味は失われた。
ある日、フメイ達の脱走に乗じて逃亡に成功。その後は紆余曲折を経てエバンスが所属する傭兵団に拾われ、その仕事ぶりから「無詠の魔女」の二つ名がつけられて行く先々で恐れられるようになった。自身の名前を思い出せなくなっているので自身もその二つ名を使用している。
使えなくなった各属性魔法の代わりに各属性の魔翌力を撃ち出す二丁の拳銃と身体強化魔法による近接攻撃を用いて戦う。
ダークヒーローイリスの話を聞くとなんとなく複雑な気持ちになるが、本人は理由がわからない。
ロイエ教信者ではないが、名前を持たないことと派遣先での活躍から現在は原理派の要人警護のために雇われている。
458 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2025/05/01(木) 00:25:06.92 ID:gbKDlTy+o
C
【名前】フリューゲル・バイオレット
(旧姓フリューゲル・デッドエンド)
【種族】吸血鬼
【性別】女
【年齢】2000
【容姿】金髪ロングの美人。娘から貰った髪止めをしている。
【性格】昔は慈愛の塊。
今は静かで冷徹な殺戮兵器。
【魔法】何もかもを消滅させる魔法
【備考】かつてエンド組のまとめ役にして、フラナとフレメアの母親。クロシュヴィアの親友。大昔に魔族たちを纏め上げ最初の魔族国を創設した。当時の魔族国は差別もなく豊かで夢のような国であったが、王国の台頭で少しずつその繁栄も陰りが見え、当時の魔族国の上層部は彼女の身柄を引き渡すことで魔族国への侵攻を止めて欲しいと王国と密約を結ぶ。本人はその事を全て把握していたが、自分の命で魔族国の皆が助かるならと抵抗せず受け入れた。だが王国は彼女を[ピーーー]ことはせず、その自我を奪い魔王化の実験に使い、勇者と並ぶ王国の秘密兵器の一つとして改造してしまう。慈愛の塊だった彼女はもういない、王国の命令を忠実に果たすただの殺戮兵器と成り果ててしまった。更に王国は密約を破り、彼女と勇者を使い初代魔族国を滅ぼしてしまった。残った娘のうち、母親を売った魔族といいように利用する王国への怒りにとりつかれた姉と怒りをなんとか抑えこんで母親の思いを尊重し魔族国を繁栄させようと誓う妹とで意見は相違、完全に袂を分けてしまう。普段は平穏に待機せよという命令に従い昔のような姿を見せるが一度殺せと命令されれば、例え愛娘相手でも殺してしまうだろう。もはや彼女に救いはない。せめて愛ある死を。優しいデッドエンドを迎えさせてあげよう。
ちなみにザイルが国を興す時の手伝いもしており、その時の恩で彼はフレメアを助けた経緯がある
459 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2025/05/01(木) 00:45:17.97 ID:P0Ri97Hq0
A(テンプレート)
【名前】ザック・スミル
【種族】人間
【性別】男
【年齢】30歳
【容姿】聖職者の服を着ており、金髪のソフトモヒカンでガタイいい。いつも笑顔で白い歯を見せている。メリケンサックを所持している。
【性格】明るく平和主義者だがカッコつけたがりで必ず何かしらポーズをとる。
【魔法】光魔法、身体強化魔法
【備考】セクリエ・ロイエに所属しており、穏健派。平和を愛しており、ボランティアやクリーチャー討伐など社会貢献をして多くの人々を救いいつの間にか人々から彼の性格(とくにカッコつけたがりなところ)もあって「ヒーロー」と呼ばれている(自分もヒーローに憧れていた)。穏健派なのでアダ名と呼んでもいいし名前で呼んでも気にはしていない。昔は路頭に迷っていたところ現教皇に救われた事がある。戦闘時では、メリケンサックを武器にし光魔法と身体強化魔法を駆使している。
460 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2025/05/01(木) 00:47:22.73 ID:r7YA/ID0o
A
【名前】レオ・ゴドウィン
【種族】人間
【性別】男
【年齢】39
【容姿】短く狩り揃えられた黒髪に無精髭を生やす
190cm超えのがっしりとした体格で、着崩された法衣も相まって聖職者というよりは山賊のよう
【性格】豪放磊落を地で行く痛快な人物。困っている者がいれば種族や損得勘定抜きで手を差し伸べる優しい心の持ち主
一人称は俺。誰にでも砕けた口調で話し、畏まった場では流石に丁寧になるがそれでも「荒っぽい」という印象を抱かせるだろう
【魔法】新陳代謝を活性化させることで怪我の治りを早くする賦活魔法。本人曰く「二日酔いを治すのに便利」
基本的に自分用で、他者にも施すことができるが術者の消耗は数倍激しくなる。が、レオは必要とあらば躊躇なく他者にこれを用いる
また、副作用としてとてもお腹が空いてしまう
【備考】ロイエ教の聖職者。特定の拠点を持たず各地を放浪して民衆に教えを説く「巡回説教者」
酒と博打をこよなく愛する生臭坊主だが根は善良で、運良く大勝ちしてもそのほとんどを恵まれない人々に施してしまう
単身で各地を放浪する仕事上荒事にも手慣れており、体術にも精通している
宗派としては穏健派に属しており、人も魔族も関係なく神の恩寵を受け取れるという強い信念を抱いている
461 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2025/05/01(木) 01:29:31.88 ID:+DVAUwyMo
@現教皇
【名前】ヴァレリオ・ファルネーゼン
【種族】人間 【性別】男性 【年齢】63
【容姿】短いオールバックの金髪と暗い青の瞳を持つ厳かな壮年男性。やや面持ちが固く、どんな時でも教皇の正装を崩さない。服飾が重いので意外と逞しい身体をしている。身長178cm。
【性格】属性は中立・善。質実剛健かつ厳正だが、融通が利かない程ではなく適度な柔軟性を持ち、目的の為なら多少の清濁も併せ呑める大人。亜人でも王族でも神であっても、何の偏見も持たず平等に接する公平な人物。
【魔法】聖属性の派生で、信仰力に応じて強力となる"神聖魔法"を扱う。魔に類する者に特効がある。彼の信仰の形は普通とは違うが、その想いは誰よりも強く桁違いの出力を誇る。
【備考】セクリエ・ロイエ教穏健派の筆頭にして現在の教皇。神の言葉を聞く事ができる預言者で、的確な指示と助言で数多くの実績を上げてきたカリスマ的指導者。
若い頃より世界各地を渡り歩いて神の言葉を伝え、布教と善行に努めてきた。それと同時に、"ロイエ教を信じるなら誰であっても信徒と認める"考えを広め、その旗頭として精力的に活動。彼の考えと功績は多くの人から評価されている。
しかし実の所、神にはそれほど興味が無い。信仰しているのも神ではなくロイエ教そのもの。預言は自分の発言を聞き入れてもらう為に偽った物で、入念な情報収集と優れた推察力・洞察力による高度な未来予測の賜物。融和路線も異種族を取り入れる事で革新を促し、ロイエ教の更なる拡大と発展を狙った物。表向きには品行方正な神の信徒だが、本当の姿は実態なき神の奇跡よりも今を生きる人の力を信じて、ロイエ教を心の拠り所とする人々の為に全てを捧げて働く"全人の教皇"である。
好き:人(亜人等も含む)、助ける事、パスタ類
苦手:ユーモアセンス、長時間の礼拝、動物の肉
夢:永劫に渡ってロイエ教が人々の救いとなる事
大嫌い:ロイエ教を悪用する者
462 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2025/05/01(木) 01:55:08.92 ID:t/Gso1Ng0
A
【名前】 少年(役職名や通り名やアダ名ではなく最初から名前が無いようである)
【種族】人間 ?
【性別】男性?
【年齢】10代前半?
【容姿】 小柄で黒髪で赤い瞳をした中性的な少年……フメイやフメイを元にした普段のクロシュの容姿を男性化したような姿、あるいは黒髪のサイン•セインに似た姿だが関連性は不明
【性格】無口無表情で感情が感じられない
【魔法】不明(何らかの強大な『力』をもっているらしいが……)
【備考】セクリエ•ロイエ の教皇庁のとある一室(殺風景を通り越して何も無い部屋)にひっそりと暮らしている少年。次期教皇候補として何らかの修行をしている、魔王や王国の勇者等が敵になった時のロイエ教版勇者、実は保護•封印された神•天使•魔王であると様々な噂が流れているが、彼は何も喋らず『時』が来るまで静かに存在し続ける……
463 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2025/05/01(木) 05:55:35.28 ID:HorP0kD4O
B
【名前】イリン・クラウド
【種族】鬼と人間のハーフ
【性別】女性
【年齢】21歳
【容姿】青髪で長身スレンダーだが、頭に角が生えておりフードで隠している
【性格】真面目だが隠しきれない野心を抱えている。また酒癖が悪く酔うと口調が荒くなる。
【魔法】筋力増強魔法が得意でかなりの怪力を誇る。
【備考】最初はロイエ教に入ろうとしたが鬼であることがバレ門前払いされ、ロイエに怨みを抱き彼らに代わり新宗教を立ち上げるべく町で身分を隠し、私塾を営みながら機会を伺っている。
464 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2025/05/01(木) 06:13:04.38 ID:aHsZSE450
B
【名前】ジェーン・S・ナナエルス
【種族】ハーフエルフ
【性別】女
【年齢】200歳
【容姿】金髪縦ロールの小柄な少女。派手目の服を着ている。
【性格】金好きの守銭奴だがしっかり者
【魔法】宝石生成魔法の使い手で所持する値打ち物を宝石に変換できる。格闘技も得意。
【備考】テイルの妹。実家が没落したので王国で鑑定屋を営みながら家の再起を図っている。姉の事は軽蔑しつつも内心は嫌っていない。密かに異種族の奴隷と接触し援助もしていて解放も目論んでいる。
465 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2025/05/01(木) 13:42:44.43 ID:DxvBjlcZo
A
【名前】グランドマスター
【種族】人間
【性別】男
【年齢】?
【容姿】大司教服に荘厳な杖を持つ見た目若い白髪男。
【性格】普段はニコニコ自己中サイコパス
【魔法】魔力を命に変換する魔法
【備考】原理派大司教としてセイントレアとセクリエ・ロイエを繋ぐ黒幕。教皇に次ぐ権力者だが、教皇を追い落とすために策を巡らせている。世界でも超希少な魔法を扱い、魔力が溢れる限り死なないし、死者すら生き返らせることもできる。そのため、人間であるのにその寿命を遥かに超える時を生きている。魔力の貯蔵として魔族や妖精などを集め、魔導機械に詰めて魔力を絞り上げることを王国に行わせている。これまでもこれからも永遠に生きるために自分のためだけに魔族を徹底的に弾圧するどうしようもないただの悪役。魔族の数を減らしつつ永遠の命も得られるとはなんて賢いのでしょうと自分を誉めている。彼の常勤する聖域の間は、魔力が満ちておりそこにいる限り無敵。永遠の命をちらつかせ協力者を増やしている。現場に出ないお偉いさんの癖に無駄に強い。最近教皇を無視して、王国と協同で対魔族国殲滅作戦を立案し、最高司令官に就いたところ。
466 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2025/05/01(木) 14:02:05.98 ID:B4VcCcQeO
@
【名前】ユグド・フランシス
【種族】人
【性別】男性
【年齢】65歳
【容姿】顔が良くイケオジ。栗色の整った髪型、栗色の顎髭がある。手には魔法の杖を持っている。
【性格】優しく人や魔族関係なく救いの手を差し伸べている。どちらか言うと博愛主義者。
【魔法】世界樹魔法
星魔法の派生で世界でおそらく1人しかいない魔法。
・世界樹の根源の魔翌力にアクセスする。星魔法のように火、水、土、風、光などを扱う事ができ、威力も星魔法以上になっている。世界樹の精霊の意思関係なくアクセス可能。
・疑似的な世界樹を生やして自分や味方の魔翌力を上げる事ができる。本物ではないので、止めればすぐに消える。
【備考】現教皇でセクリエ・ロイエ者達はみんな家族と考えており、どんな者にも話しを聞いたり、救いの手を差し伸べたりしている為、人間、魔族、さらにスライムなども彼の事を崇拝している者が多い。ロイエの者達も1人1人大切にしている。王国の事情にも知っている。世界樹の精霊ことは見えており、若い時に精霊の美しさから思わず告白しふられた経験があるが今では世界樹の精霊とは友達となっている。精霊の意思関係なく魔法使えるが精霊に注意された事があるので必要な時に世界樹にアクセスしている(基本は擬似的な世界樹を生やして対応している)。本人は5属性の魔法を扱えることが出来る。現在王国との関係やロイエの原理派の行動、デロデロ教の過激な行いに頭を悩ましている。宗教の自由で誰かどこの宗教にいるかは気にしないが死者の魂は世界樹の光みたいに帰る場所があるのにそれを1つにまとめようとするデロデロ教の考え方は正直死者への冒涜だと思っている。新聞を読むのが趣味で色んな新聞を読んでおり、その中にハーピィ記者の新聞も読んでいるので、ダークヒーローイリスやクロシュ達のことも知っている。
467 : ◆eAA16RTlRw2e [sage saga]:2025/05/01(木) 18:55:00.64 ID:bzdAUdBx0
現時点でコンマが最も高くたぶんこれ以上のものも出ないと思われる@は>>466の方なのですが、現状のものだとロイエ教の設定や世界観に合わない部分が多く、採用するには設定をかなり大きく変更しなければならないかもしれません
もし設定を変更しても問題なければ、なるべく本日中にその旨をレスして頂けると幸いです(本人のものと思しき返事が見られなかった場合、多数決で決めることになります。ご了承ください)
468 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2025/05/01(木) 19:18:43.70 ID:eNCEPTUL0
A
【名前】ガルシア・シモンズ
【種族】人間
【性別】男
【年齢】50歳
【容姿】整った顔立ちに騎士団顔負けの鍛えられた身体をもつ隻腕の男
【性格】物静かだが温厚誠実な人格者として知られている。実際は目的のためなら手段を一切選ばず、いかなる犠牲も厭わない冷徹な人物
【魔法】大地魔法(エバンズの魔法の完全上位互換。地形変化から足場の流砂化から硬質化といった地質変化、極小規模ながら重力変化も可能)
【備考】穏健派の有力者である司祭。元王国の騎士だったがある戦場で片腕を失い聖職者の道へ進んだという経歴を持つ。
異教徒や他種族とも積極的に交流を行い、度々王都に出向いては差別撤廃を訴えている。神官戦士団を指揮しセクリエ・ロイエ内の治安維持にも努めている。
だが、その裏の顔は穏健派を完全に主流にするためあらゆる暗躍を重ねてきた人物であり、彼の指揮する神官戦士団もその正体は原理派の要人を次々と抹殺した暗殺組織である。
現在はシノホシやデロデロ教の勢力拡大に危機感を覚え禁呪の研究をはじめ、その一環としてレイ・アンバーの捜索を行っている。
469 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2025/05/01(木) 20:46:00.06 ID:1t1x+wnWO
B
【名前】ヴィア・ビターエンド
【種族】スライム
【性別】女
【年齢】1600
【容姿】眉間の皺が深く刻まれた秘書スタイルの眼鏡美人
【性格】誰よりも優しいが心は弱い憐れな子
【魔法】反映魔法
【備考】伝説スライムの最初の分株。強力な変身能力によって人間として暮らしており、人間としての戸籍も持つ。王国で寄る辺のない魔族を細々と救う活動をしているが、魔族解放を成し遂げることはできないことに悲しみを感じている。王国で暮らすにあたりもう長いことスライムの姿に戻っておらず、自分がスライムだとバレることを極端に恐れる。最近触れたデロデロ教こそ世界を救うと信じている。
470 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2025/05/01(木) 20:54:25.12 ID:9YbpZSNM0
A
【名前】クレア・フォーサイト
【種族】人間
【性別】女
【年齢】24歳
【容姿】修道服に身を包んだ黒髪、糸目で細身の女性。通常時の瞳の色は髪と同じ黒色
魔眼を発動する時は目が開き、その時は片目が青のオッドアイ状態となる
【性格】真面目で慈悲深く、誰に対しても丁寧な口調で接する。まさに聖職者の鑑のような女性
【魔法】魔眼魔法(未来視の魔眼)。文字通り未来に起こる出来事を見る事が出来る
基本的に近い未来であればあるほどハッキリと見る事が出来るが(例えば数秒後など)、数日後の未来などになるとボンヤリとしか見えない
また一年後など、あまりに遠すぎる未来は見る事が出来ない
【備考】穏健派に属する女性聖職者
少女時代に未来視の魔眼の力に目覚め、友達にこれから起きる事を予言し見事に的中してみせたのだが、すごいと思われるどころか気味悪がられてしまい逆にい
じめられるようになってしまった過去を持つ
悲しみに暮れていた所、今の教皇にあたる人物から「君の力はきっと神様からの贈り物に違いない」と励まされた事がきっかけで「ならばこの力を神様と励まし
てくれたこの人のために役立てよう」とロイエ教への入信を決意する
それから今までロイエ教のために働いてきたのだが、最近未来視の魔眼でセクリエ・ロイエ及びロイエ教に何やら良くない未来が忍び寄っているのを見てしまい
不安に思っている
471 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2025/05/01(木) 21:51:00.97 ID:B4VcCcQeO
>>466を安価した者です。
設定の変更をしても大丈夫です。
472 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2025/05/01(木) 21:51:13.43 ID:eNCEPTUL0
すみません。>>468の捕捉ですが、

今なお鍛錬を怠らず、有事の際にはその場の石ころや土くれから自身の武具や義手を生成し、神官戦士団と共に前線に赴く。

も追加でお願いします。
473 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2025/05/01(木) 23:03:49.30 ID:OUIsixGlO
C
【名前】アイス
【種族】人間?
【性別】女
【年齢】不明。外見年齢は10歳前後
【容姿】白銀のさらさらショートヘア、アイスブルーの瞳の小さな少女
【性格】無口、純粋
【魔法】氷魔法
【備考】カリス・ノーランドに造られた生命の一体。カリスを慕っており、完全に服従している
現在の名前は、いくつかの仕事で良い結果を出した褒美としてカリスから与えられたもの。以前の名前はもっと記号的だった
カリスのしもべの中で一番強くて優秀なのは自分だと思っている
カリスを裏切って出ていった奴らのことはちょっと許せない
474 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2025/05/01(木) 23:51:28.22 ID:YtfthavqO
B【名前】 ミラ&クル
【種族】 人間
【性別】肉体的には男だが、精神的には男(ミラ)と女(クル)両方の面がある
【年齢】 17
【容姿】水色のロングヘアをした一見美少女に見える可憐な容姿。
【性格】基本的には抽象的で意味深な言動をよくする浮世離れた不思議ちゃんな性格だが一応ミラとクルでは細かい思想や好き嫌いは違うらしい。
【魔法】光&闇の混合魔法
【備考】元々はレイ•アンバーと同じ孤児院で暮らしていた双子の兄妹だったが、ロイエ教原理派による孤児院襲撃によって妹(の肉体)は死亡し、兄は妹の精神が入りこんだ(本当に入りこんだのか、所謂二重人格になってしまったのかは>>1におまかせで)うえで、ロイエ教原理派に保護された(囚われた)。 その後紆余曲折あってセイントレアにある孤児院で働いているが、実際の所はいつかレイ•アンバーがセイントレアやセクリエ•ロイエにやって来た時におびき寄せるための『餌』として泳がされている状態である。ちなみにミラ&クルにとってレイへの現在の感情は「愛憎好嫌入り混じったデロデロな感情」らしい。
475 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2025/05/01(木) 23:58:40.92 ID:0MYJXkuDO
A
【名前】メタトロン
【種族】熾天使
【性別】なし
【年齢】不明
【容姿】中性的な銀髪美人。天使の輪と4対8枚の翼を持つが普段はしまっている。
【性格】冷静
【魔法】裁定魔法
相手の罪の大きさに合わせて問答無用の罰を与える。
【備考】普段は原理派の一員として振る舞っており、最高位の天使の名前を与えられているが、まさかのその名前の天使本人である。
基本は下界に干渉しない主義の天界であるが、人間共のあまりに目に余る所業ゆえ、断罪を行うべきか見極めるために現出した。一応不干渉主義なのでギリギリまで見極めている最中である。
今はロイエ教の下っ端として活動しているので、最高位の天使なのに雑用を押し付けられたりすることに少しの不満と同時に新鮮さでちょっと楽しんでいる面もある。っす〜という下っ端言葉使ったり割とノリノリじゃないか。
476 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2025/05/02(金) 00:00:25.80 ID:GdtzLJCEO
【名前】豪腕武僧
【種族】人間
【性別】男性
【年齢】35
【容姿】非常に大柄で筋骨隆々としたゴツい体格。日に焼けた肌。ハゲ頭(本人曰く剃っている)。左目を隠す眼帯。厳めしい顔立ち。
【性格】信心深く戒律を重んじるが、気さくでおおらか。
【魔法】肉体魔法。肉体の強化や変化、干渉などに特化している。
【備考】
セクリエ・ロイエに属する武僧で町の治安維持や戒律を破った者の懲罰を担う。
一応は原理派に属するが、見た目に反し基本的には平和主義で他種族への排斥には懐疑的な見方をしている。
本人としては人間が一番尊い種族なら他種族をも救済・善導するべきでは、と思っている。
477 : ◆eAA16RTlRw2e [sage saga]:2025/05/02(金) 00:01:41.21 ID:k0ekA9c00
皆さん今回もありがとうございました。世界樹の光を巡る旅の終着点に相応しい人選になりそうです(終着点とは言いつつ物語がこの編で終わるかはまだわからないかもしれません)

>>471
ありがとうございます、なるべく元のものから変わりすぎないように気を付けたいと思います
478 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2025/05/02(金) 00:31:26.77 ID:k0ekA9c00
 ―幕間―

―セイントレア平原 街道

 馬車「」ガタンゴトン

御者「ミュージアも随分良くなっておりましたなあ。あなた方ロイエ教が頑張ってくれたお陰ですかな?」

聖女「ふふ。あの街に住む人たちと、あの街を助けたいと思ったたくさんの国の人たちの思いが集まったからですよ。私たちは、その一部でしかありません」

御者「謙虚だねえ」

聖女「事実ですよ」


 馬車「」ガタンゴトン


御者「お、見えてきたよ」

聖女「!」


 遠くに見える王都セイントレアの大城壁「」ドドドド


御者「セイントレアが誇る大城壁……あれがある限り、セイントレア王国は鉄壁だろうねえ」

聖女「そうですねぇ……」


 遠くに見える王都セイントレアの大城壁「」ドドドド


聖女「……」

聖女(そしてあの壁の向こうに、セクリエ・ロイエ……二年ぶりくらいかなあ……)

聖女(……お姉ちゃん、元気かな? いつも忙しそうだから、会ってもあんまり話せないけど……)

聖女(………たまにはゆっくりお話してみたい……。でも原理派の人たちって、ちょっと怖いし……魔族を差別するらしいし……)

聖女(……お姉ちゃんも、魔族を嫌いなのかなあ………)

 コロン…

聖女「……ん?」

 石の賽「」コロン

聖女「……あれ? この……石の、サイコロは――」

 ◆
479 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2025/05/02(金) 00:32:15.34 ID:k0ekA9c00
それでは本日はたくさんのご投下ありがとうございました。本編は土日の予定です、よろしくお願いいたします
480 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2025/05/02(金) 04:17:47.63 ID:pynvYbp2o
おつでした
運命賽さん!?何故…
481 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2025/05/02(金) 08:21:36.36 ID:65ThcmK5o
おつ
話の区切り点にはなりそうね
問題山積みの世界だからこれがまた新しい騒乱を呼ぶかもしれんが…
482 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2025/05/02(金) 09:10:45.92 ID:mONsBSy8o
乙です
そういえば結局国の方のトウゲンには行かずじまいか
483 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2025/05/03(土) 07:55:07.95 ID:6MEmnOD2O

そういや妖精って人間体クロシュの頭くらいの大きさなのかな
484 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2025/05/03(土) 18:15:24.63 ID:15NShO4h0
運命賽さんがなぜ聖女氏のもとへ現れたのかは今のところ不明です。一応は原理派所属の聖女氏は、芸術都市でのお勤めを終えた帰りに王都およびセクリエ・ロイエに寄っていくようです。機会があればクロシュたちと会うこともあるかもしれません

今回のお話が運命の大きな区切りとなりそうなのは、実際その通りだと思えます。そして実際問題も山積みですが、このお話の中でそれらの問題がどのようになっていくかは未知数です。気を付けていくのが良いでしょう

温泉街の方のトウゲンに行くことはできましたが、国の方のトウゲンには未だ行きませんでした。もしクロシュたちの旅がここで終わりとなるのなら今後行く機会もなくなりますが、もし続けば行く可能性があるかもしれません。今はまだ闇に包まれています

妖精の大きさは様々ですが、基本的には小さいです。描写によっては少々ブレが生じることもあるかと思いますが、妖精なのでそういうものなのかもしれません。なお世の中にはオオキイ妖精もいるそうです
485 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2025/05/03(土) 18:20:16.45 ID:15NShO4h0
―野良妖精のおうち
 離れのキッチン

 露の蛇口「」ポン
 木の流し台「」ポン
 石の炉「」ポン

クロシュ「わあ……!」
 
デュア「離れにキッチンが!」

野良妖精「うん! おうちの木の中で火は使えないもん!」

妖精「なるほどね。おうちの木に頼らずここまで作ったなんてやるなあ」

野良妖精「やるでしょ!」

 大袋に詰められた巨大どんぐり「」ドン!

イリス「わっ……! 妖精サイズだとどんぐりがすごく大きく見える……!」

ミスティ「なかなか食べ応えがありそうね……」

妖精「イリスたちにとってはけっこう面白い食事が楽しめるんじゃない?」

イリス「妖精さんがでっかい……じゃなくて私たちが小さいだけでもだいぶ楽しいよ! でも私、妖精サイズで料理ってしたことないからちょっと自信ないかも……」

ミスティ「今回は妖精に作ってもらえば良いんじゃない?」

妖精「えっ!? いや、食事については家主の意向に従うのが――」

野良妖精「えへへ、じゃあせっかくだしお願い太母さま!」

妖精「げっ、あなた私のこと知ってたの!?」

野良妖精「本に載ってたもん!」

デュア「ふむ……では私も手伝おう! ソリや宿泊など、頂いてばかりでは気が済まん!」

妖精「あ、そう? それじゃあ手伝ってもらおうかな」

デュア「任せてくれ!」

野良妖精「食材はいっぱい溜め込んであるから好きに使ってね〜」


↓1〜2 食材を1〜2つ選択
肉類:畑の肉
野菜:野草、マジカルトリュフ、芽キャベツ
穀物:妖精米、プチ麦、オオキイ豆、ムカゴ
魚介:メダカ、サワガニ、タニシ
果実:森林木苺、どんぐり、精霊樹の実
卵乳:スズメの卵、エルフミルク、エルフチーズ、エルフバター
特殊:アルラウネオイル、スライムゼラチン、フェアリーシロップ


ついでに料理技能
コンマ一桁目の数値が大きいほど料理上手(0が最大)
↓1 妖精

↓2 デュア
486 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2025/05/03(土) 18:21:31.78 ID:WqEaS36/0
妖精米、アルラウネオイル
487 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2025/05/03(土) 18:26:45.50 ID:RsJ0NXr70
精霊樹の実、畑の肉
488 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2025/05/03(土) 18:32:37.66 ID:wnrUB0OYo
どっちも上手いじゃねぇか!
489 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2025/05/03(土) 19:06:12.48 ID:15NShO4h0
妖精「それじゃあまずデュアには畑の肉を切ってもらおうかな?」

 トントントントントン
 均等に切られた畑の肉「」ポン!

デュア「切ったぞ!」

妖精「はやっ!? しかも形も大きさも完璧だ!?」

デュア「剣士たる者、刃物の扱いには習熟していなければな」

 *

 石の炉「」メラメラ…

デュア「……」メラメラ

妖精「すごい……完璧な火加減調節!」

デュア「炎剣士たる者、火の扱いには習熟していなければな」

 *

 緑の国風フェアリーパエリア「」ポン! キラキラ…

クロシュ「わああ……!」

イリス「わあ……! これは――パエリア!!」

妖精「一時期緑の国でフルーツパエリアが流行ったことがあってね。丁度良い食材が揃ってたからさ」

デュア「うむ! 存分に召し上がってくれ!」

 *

スライムクロシュ「〜〜♪♪♪」モニョニョ モグモグ

野良妖精「〜〜〜♪♪♪」モグモグ

ミスティ「これは……美味しいわ!!」モグモグ

ローガン「爽やかで甘酸っぱいアルラウネオイルを下地に、妖精米と畑の肉、そして精霊樹の実から染み出した甘味と旨味が相互に混じり合って――エクセレントな味わいを醸し出している!」モグモグ

エバンス「こ、こりゃあ……俺たちより上手いじゃねえか!! 妖精!!!」モグモグ

イリス「本当ですよ! こんな力を隠してたなんて!!」モグモグ

妖精「いや私、人間サイズの料理はできないし……。それにこれはほとんどデュアのお陰だよ。デュアがとんでもない手練れだったんだ」

デュア「はは、そう謙遜するな妖精! 私の本文は冒険者だ!」

妖精「料理人やった方が稼げると思う……」


 ☆妖精の料理技能レベルが判明しました(8:とても上手)

 ☆デュアの料理技能レベルが判明しました(10:天才)

 ☆とても美味しい料理を食べて元気になりました
  次の戦闘コンマに+30が加算されます

 ◆
490 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2025/05/03(土) 20:22:46.43 ID:15NShO4h0
―クロシュの夢
 夢の集落の外れ

クロシュ「……」

ブラッドの欠片「クロシュ、話がある」モニョモニョ

クロシュ「?」

ブラッドの欠片「この集落にはいろんなやつがいるけど、おまえはその力を全部引き出せてるわけじゃない。むしろ引き出せてるのはごくごく一部の僅かなものだけ……。もったいないと思わない?」モニョモニョ

クロシュ「そうなの?」モニョニョ

ブラッドの欠片「そうなの。まあそれ自体は仕方ないことだよ。ネズミを食ったからって、ネコがネズミになれるわけじゃない。変幻自在のスライムにも限界はある」モニョモニョ

クロシュ「そうなんだ」モニョ

ブラッドの欠片「そこで……ちょっとおまえに試して欲しいことがあるんだ」モニョモニョ

クロシュ「?」


↓1コンマ(心属性+50、スライム技能+40、??+30)
000-100 むり……
101-150 難しい (1/6)
151-170 まあまあ(2/6)
171-190 そこそこ(3/6)
191-200 できた (6/6)
201-000 ???
491 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2025/05/03(土) 20:23:20.95 ID:j+6K9yMKo
たかく
492 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2025/05/03(土) 20:40:44.39 ID:wnrUB0OYo
おおおー!
493 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2025/05/03(土) 21:07:30.20 ID:15NShO4h0
不死鳥の羽根「待ちなさい」ヌッ

ブラッドの欠片「何? 死者への冒涜だのとかいうくだらない説教なら……」

不死鳥の羽根「違う。不死鳥の私がそんな視野の狭いことを言うはずないでしょう」

ブラッドの欠片「じゃあ何」

不死鳥の羽根「私に良い考えがあるわ」

クロシュ「?」

ブラッドの欠片「良い考え……?」

 ◆

―早朝
 野良妖精のお庭

 チュンチュン

クロシュ「……」


妖精「あ、おはよクロシュ。こんな朝早くから何を――」


不死炎クロシュ「」ゴウッ! チリチリ…


妖精「えええっ!?」


 再生の炎「」メラメラ―
 パラサイトソード「」ズズズ―


妖精「!!?!? そ、その剣は……!!?」


不死炎クロシュ「……できた」

パラサイトソード「?」キョロキョロ

妖精「……クロシュ、まさか!」

 シュウウン―…

クロシュ「……わたしの、夢の中にいる人……お外に、出せる……!」

 ◇
494 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2025/05/03(土) 21:19:38.86 ID:15NShO4h0
―野良妖精のおうち
 リビング

イリス「ええええっ!!!? そ、そんなことが!!?」

妖精「うん。少し調べてみたんだけど……このパラサイトソード、物凄く奇妙な状態みたい。分体を経由して不死の炎によって生み出された結果、限りなく元の状態に近い生命≠ニして復活≠オてるんだ」

ミスティ「ええと……どういうこと? 普通の分体とは違うの?」

妖精「普通の分体なら、それはつまり中身がスライムでしょ? でもこれは……もう中身もスライムじゃなくて、ほとんどパラサイトソードと言っても良い物体なんだ。魂関係の魔法は詳しくないけど、不死の炎で復活できたってことはたぶん元の魂が宿ってるはず」

ローガン「なんと……そのようなことが……」

エバンス「……でも、パラサイトソードってちょっと危なくないか? その剣って前にクロシュちゃんを乗っ取ったよな?」

妖精「まあ……ほぼ独立してるとはいえ元は分体だから、クロシュには逆らえないんじゃないかな……。クロシュもその認識みたいだし……」

クロシュ「ん。パラサイトソードさん……悪さしちゃ、だめ」

パラサイトソード「〜〜…」

野良妖精「じゃあ試しにわたしが触っても乗っ取られない〜?」

 ペタペタペタ

パラサイトソード「〜〜///」

野良妖精「わわ〜照れてる〜!」キャッキャ

妖精「まあ大丈夫そうだね、うん」


 ☆クロシュが特殊復活魔法『エインヘリヤル・リインカーネイション』を覚えました
  無事な魂があればその存在を復活させることができます
  ただし不死鳥の力を使うため、とてもお腹が減ります

 ☆パラサイトソードを手に入れました。状況に応じて振り回すことができます

 ◇
495 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2025/05/03(土) 21:38:57.81 ID:15NShO4h0
―セイントレア平原 3日目

◇クロシュ [あかちゃんスライム]
武:メイドブレード  盾:ラティアの大盾  飾:くすんだ耳飾り
武:竜珠の大杖    防:竜のエプロン   飾:不死鳥の羽根

◇妖精   [世話焼き妖精]
武:         盾:         飾:くすんだ耳飾り
武:         防:精霊のレオタード 飾:

◇イリス  [星の魔法使い]
武:蒼き星の杖    盾:         飾:くすんだ耳飾り
武:         防:魔術師のローブ  飾:

◇ミスティ [氷の魔法使い]
武:氷の短刀     盾:         飾:くすんだ耳飾り
武:         防:氷竜革のローブ  飾:

◇ローガン [鋼の戦士]
武:蜥蜴一文字    盾:灼鋼の盾     飾:くすんだ耳飾り
武:鋼の回転ノコギリ 防:オリハル鎖帷子  飾:

◇エバンス [地の傭兵]
武:古代の鉄槌    盾:         飾:くすんだ耳飾り
武:魔銀の刀     防:硬質革鎧     飾:

◯所持アイテム
[道具]        [装備品]       [大事なもの]
運命賽*2       蜘蛛絹の下着      魔族国永久旅券
会心賽*1       ザリガニのお守り    フメイの服の切れ端
反魂丹*1       大きな巻き貝      精霊の印
鉄鍋+携帯調理器具   闇の欠片        精霊樹の実のジャム
「星の魔力」上中    フリルワンピ水着    精霊樹の鉢植え+赤雷球
お宿の妖精の織物    魔法学園のスク水    フメイとアリシラの人形
魔導飯盒        ガラスのザリガニ    メルルの帽子
妨害魔力波発生装置   踊り子の双剣      溶岩石のアミュレット
属性大全        サボテンドラゴンの花  太陽のメダリオン
魔王図鑑        精霊のローブ      暗黒優待券
氷精の魔導書      精霊樹の杖[改]    冒険者証(ランク1)
ブラッドワイン*1   ダイヤメリケンサック  大魔女帝国渡航権
吸血鬼殺ワイン*1   パラサイトソード    かたたたきけん
魔術書「正負の属性」              大魔女帝国滞在許可証
吸血鬼の日焼け止め               風船印のパラシュート
日蝕の傘                    ラティア勲章
大魔女サイン*1                ユーシリア王家の紋章
古代のセラミック
ステライト鉱石
晴れ乞い傘
チョコスムージー
ヒヒイロカネ

◯現在の目標
・フメイちゃんを探す
・世界樹の光を追う[4/5]

◯仲間の目標
・カリス・ノーランドを討つ(ミスティ)

◯経験値
・クロシュ 剣技[01/07] 魔法[01/07] 防御[00/07]
・イリス  杖術[02/04] 魔法[12/16]
・ミスティ 剣技[04/07] 魔法[10/16]
・ローガン 剣技[16/16] 魔法[05/08] 防御[07/08]
・エバンス 剣技[16/16] 魔法[06/08]
……………………………………………………………………………………
496 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2025/05/03(土) 21:39:27.26 ID:15NShO4h0
―廃教会の裏手

野良妖精「ありがと〜! 元気でね〜! 精霊の加護がありますよ〜!」パタパタ

野良妖精のおうちの木「〜〜」サワサワ

 ◇

―セイントレア平原

 強化ソリ「」シャーッ


イリス「旅の途中であんなに良いお宿に泊まれるなんて!」

スライムクロシュ「〜〜!」モニョモニョ

ローガン「うむ、良き休息になった」

ミスティ「昨日の料理、美味しかったわね……」

デュア「妖精類の者と関わったことはあまりなかったが、気の良い者たちなのだな!」

妖精「そうだねえ……。どいつもこいつも能天気すぎて心配にもなるけど……」

エバンス「妖精は妖精類としては珍しいタイプだよな」

妖精「まーね」

 *

スライムクロシュ「……」


スライムクロシュ(アリシラさんが……集落の、みんなの魂……集めておいてくれたから……)

スライムクロシュ(復活の魔法で……みんな……蘇らせられる、かも……)

スライムクロシュ(……フメイちゃんと、アリシラさんに……会ったら……)

スライムクロシュ(相談……してみよ……!)


↓1〜2コンマ ランダムイベント
01-10 強敵
11-25 敵襲
26-50 食料発見(コンマ)
51-75 場所発見(コンマ)
76-00 良いこと(自由安価)
497 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2025/05/03(土) 21:43:20.77 ID:WqEaS36/0
498 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2025/05/03(土) 21:46:58.64 ID:Ptn4md6TO
499 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2025/05/03(土) 21:50:26.47 ID:15NShO4h0
良いことがあり、そして場所を見つけました

↓1自由安価 起こった良いこと

↓2コンマ 見つけた場所
01-20 廃城
21-80 山賊のアジト
81-00 絢爛な廃城
500 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2025/05/03(土) 21:50:38.97 ID:6MEmnOD2O
ヒナテイルと再会
501 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2025/05/03(土) 21:54:09.11 ID:Opo72bgZO
どこだろな
502 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2025/05/03(土) 22:38:04.30 ID:15NShO4h0
―セイントレア平原

 強化ソリ「」シャーッ


エバンス「……ん? あの街道を歩いてるのは――」

イリス「あっ! ヒナさんとテイルさん!」

 *

 強化ソリ「」キキッ


テイル「こんなとこで再会するなんて奇遇ね!」

クロシュ「ん!」

ミスティ「二人とも元気みたいね」

ヒナ「お陰様で!」

エバンス「しかしどこへ向かうところだったんだ? 王都はあっちだぞ?」

ヒナ「フフフ、私たちの行き先は王都じゃありませんよ。その行き先はなんと――恐ろしい吸血鬼が住まうという廃城です!!!」

イリス「えっ、ええっ!?」

テイル「……ここで会ったのも何かの縁ってことで……助けてくれない?」

 *

ローガン「なるほど……危険度極高の依頼か」

テイル「そうなの! ヒナの奴止めても聞かないのよ!! あなたたちも来てくれたら心強いの!!」

ヒナ「フフ、一緒に来ます? 報酬は山分けにしても良いですよ?」

妖精「……吸血鬼の廃城か……」

イリス「……よ、妖精さん。私……気になります」

ミスティ「……そうね。変な行き違いになったら困るものね」

ヒナ「ん? 何かご存知なんですか?」

妖精「ああ、いや……ちょっとこの辺で活動してる吸血鬼とは縁があってさ。そいつかどうかはわかんないんだけど……」

テイル「えっそうなの!?」

 *

 強化ソリ「」シャー…
 キキッ


 暗雲渦巻く廃城「」ゴゴゴゴ…


イリス「あれが……」

エバンス「いかにもって感じのヤバそうな城だな……」

テイル「頼むわよ、あなたたち……!」

ヒナ「テイルも戦ってくださいね?」

テイル「わかってるわよ!」

 *
503 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2025/05/03(土) 22:39:03.40 ID:15NShO4h0
―廃城庭園 踏破率[0/10] 持久力[10/10]

 枯れた植物「」
 砕けた何かの像「」
 割れた墓石「」

コウモリたち「キーッ!」バサバサバサッ


イリス「昼間とは思えないくらい暗い……!」

妖精「吸血鬼の日除けの魔法かも。城全体を闇の力が覆ってる」

クロシュ「明かり……いる……?」

ローガン「いや、クロシュくんは温存してくれ。ここはこれを使おう」スッ

 松明「」ボッ

ヒナ「おおっ、準備良いですねおじさん!」

エバンス「むしろ吸血鬼退治の依頼なのになんでお前達は松明の一つも持ってきてないんだ……」

 *

ゾンビ「ア゙ア゙ア゙ア゙ア゙ア゙」ノソノソ
ゾンビ「ア゙ア゙ア゙ア゙ア゙ア゙」ノソノソ
ゾンビ「ア゙ア゙ア゙ア゙ア゙ア゙」ノソノソ


デュア「またゾンビか! この炎剣士デュアの出番だな!!」シュバッ

 ズバァッ!! ゴウッ!! ドガァンッ!!


テイル「すごっ! ねえあの人ってもしかして凄腕冒険者のデュア・シャスタ!?」

ミスティ「知っているの?」

テイル「そりゃもちろん! 圧倒的な強さのソロ冒険者よ! 私の憧れの一人!」

イリス「デュアさん、凄い人だったんだ……!」

妖精「イカダで溺れかけてたり、料理が凄かったりする印象が強かった……」


↓1コンマ
01-10 踏破率+2、強敵
11-30 踏破率+2、敵襲
31-50 踏破率+2、斧  (任意ターン、コンマ+20)
56-70 踏破率+2、十字架(任意ターン、コンマ+30)
71-90 踏破率+2、時計 (任意ターン、コンマ+40)
91-00 踏破率+2、鞭  (戦闘時、コンマ+40)
504 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2025/05/03(土) 22:40:00.71 ID:j+6K9yMKo
余裕の踏破
505 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2025/05/03(土) 23:02:46.63 ID:15NShO4h0
―廃城エントランス 踏破率[2/10] 持久力[9/10]


 突然落ちてくるシャンデリア「」ヒュウウウンッ


テイル「きゃああっ!!?」

ローガン「むん!」バッ


 砕かれるシャンデリア「」ドッギャァァァン!!


テイル「ひええ……た、助かった……」

ローガン「うむ……気を付けた方が良い。既にここは敵陣の真っ只中だ」シャキ


骸骨兵「」カラカラ
骸骨兵「」カラカラ

 古代の鉄槌「」ブオンッ!!

砕かれる骸骨兵「」バギャッ

エバンス「次から次へと来やがる! 一体一体は雑魚だが――」

ヒナ「鬱陶しいですねえ……。城主に会うまでに少しでも削る作戦なんですかね」

妖精「どうだろう。吸血鬼流の思考を真似するなら……この程度すら越えられぬ弱者に拝謁の権利はない……って感じかも」

ヒナ「なんて尊大!!」

 *

 蝋燭「」ユラユラ

クロシュ「?」スッ

 ペシッ
 吹っ飛ぶ蝋燭「」バキャッ

 懐中時計「」ポン!

クロシュ「!」

イリス「蝋燭を壊したら……懐中時計が出てきた!?」

ミスティ「ええ……?」

妖精「……ん? この懐中時計……ただの時計じゃない。何かしらの神威を感じる……!」

テイル「! これは……吸血鬼殺しの七つ道具の一つ、時止めの時計だ!」

妖精「知っているの!?」

テイル「昔本で読んだことがある。とあるすごいヴァンパイアハンターは、時計を使って時を止めて、その間に敵を砕いたそうなの!」

エバンス「おいおい嘘だろ!? 時を止めるなんてそんな滅茶苦茶なことが……!」

妖精「いや……この懐中時計の神威からすると、あながち嘘じゃないかも」

エバンス「マジかよ」

テイル「でも時止めは消耗が凄かったらしいわ。きっと本職のヴァンパイアハンターでもない私たちが使えるのは一度きりくらい……。使い所はよく考えた方が良さそうね」


 ☆時計を手に入れました
  任意の1ターン、コンマ+40を得られます
  一度使うとなくなります


↓1コンマ
01-10 踏破率+2、強敵
11-30 踏破率+2、敵襲
31-50 踏破率+2、斧  (任意ターン、コンマ+20)
56-70 踏破率+2、十字架(任意ターン、コンマ+30)
71-90 踏破率+2、七面鳥(持久力+4)
91-00 踏破率+2、鞭  (戦闘時、コンマ+40)
506 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2025/05/03(土) 23:06:22.24 ID:mDfPvtmZO
507 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2025/05/03(土) 23:25:09.38 ID:15NShO4h0
―廃城蔵書庫 踏破率[4/10] 持久力[9/10]

 壁一面の本「」
 床一面の本「」
 天井一面の本「」


クロシュ「わわ……!?」

デュア「こ、ここは……凄いな!!?」

イリス「壁どころか、床と天井にも本がびっしり……!! 一体どうなってるの!?」

妖精「この廃城、明らかに空間が歪んでる……。ここにある本は読まない方が良い。たぶん呪われる」

ヒナ「ねーねー、それじゃあこういう場合はどうすれば良いの?」

妖精「え?」


飛んで迫ってくる開いた本「」バサバサ
飛んで迫ってくる開いた本「」バサバサ
飛んで迫ってくる開いた本「」バサバサ


テイル「ぎゃああああ!!?? 本が!! 本が!!」


飛んで迫ってくる開いた本「」バササッ――キィン
 魔法陣「」フォン―

 ページから飛び出す剣「」ジャギンッ!!

 ガギンッ!!

ローガン「くっ! イビル・ビブリオか!!」ギギギ

エバンス「イビルビブリオ!?」

ローガン「悪意を持って襲ってくる魔導書の総称だ! 皆、応戦するぞ!!」


イビル・ビブリオたち「〜〜」ケタケタ

 ――戦闘開始 イビル・ビブリオの群れ――

 ☆戦力差および料理効果により自動的に勝利しました

 ◇

逃げていくイビル・ビブリオたち「っっっ」バサバサバサッ


イビル・ビブリオの一冊「」ベタッ


イリス「一匹逃げ遅れた!」

ミスティ「取り押さえるわよ!」シュバッ

 ベチッ

イビル・ビブリオ「〜〜!」ジタバタ


↓1コンマ
01-70 汎用魔導書(全員魔法経験+1)
71-80 魔導書「絶対零度」
81-90 魔導書「星の魔力・下」
91-00 ↑全部
508 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2025/05/03(土) 23:31:16.06 ID:K9yBFfNYO
一台や二台ではない。全部だ!
509 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2025/05/03(土) 23:45:13.17 ID:15NShO4h0
イビル・ビブリオ「」ジタバタ

妖精「……内容はものすごく基礎的だね。イビルの癖に」

ローガン「まあ……魔導書が悪質化するかどうかは内容とは関係がないのだろうな……」

イリス「基礎を見直せというメッセージかもしれませんね……」

 ☆基礎魔導書を手に入れました。
  後日みんなで勉強会を開き、全員の魔法経験が+1されました

 ◇

―廃城時計塔 踏破率[6/10] 持久力[9/10]

 巨大な歯車「」ゴゴゴゴ
 巨大な歯車「」ギギギギ

 昇降機「」ゴゴゴゴ


ヒナ「これは……どうやって動いてるんです?」

妖精「さあ……。城主の魔力……だとするとものすごい無駄遣いだけど……」

デュア「とりあえずこの昇降機に乗っていくのだな?」

テイル「幸い大型だし、みんなで乗れそうね」

 *

 昇降機「」ガゴン ゴゴゴゴ…

クロシュ「わわ……!」キョロキョロ

ミスティ「……ここに住んでいるという吸血鬼って……フレメアなのかしら……?」

イリス「……この魔力……フレメアさんっぽい気もするけど……フレメアさんっぽくないような気もする……。うーん……」

ローガン「……まさか、フラナ氏ではないだろうな?」

イリス「や、フラナ先生ではないと思います! でも……なんだろう、この違和感というか……」

妖精「……このわけのわからない仕掛けを動かしてるくらいだから、物凄くやばい吸血鬼なのは確かだ……」

エバンス「ヒナとテイルだけで行くことにならなくて正解だったな……」

↓1コンマ
01-10 踏破率+2、強敵
11-30 踏破率+2、敵襲
31-50 踏破率+2、斧  (任意ターン、コンマ+20)
56-70 踏破率+2、十字架(任意ターン、コンマ+30)
71-90 踏破率+2、七面鳥(持久力+4)
91-00 踏破率+2、鞭  (戦闘時、コンマ+40)
510 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2025/05/03(土) 23:47:10.29 ID:C3Xurz5AO
はい
511 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2025/05/04(日) 00:11:12.51 ID:zhWEOcxD0
―廃城天空回廊 踏破率[8/10] 持久力[8/10]


 天空回廊「」ゴゴゴゴ


テイル「この回廊の先にあるわ! 最上階への階段が……!」

ヒナ「ワクワクしてきましたね……! 一体どんな狂った吸血鬼が潜んでいるのか……!」

エバンス「気を付けて進めよ? まだ何が潜んでいるか――」


 ガション!! ガション!!

巨大な鎧兵士「」ガション!!


テイル「でっ……でっ……」ガクガク

デュア「デカい!!!!」

エバンス「な、なんだありゃあ……オノゴロで見た、毒の骸骨将軍……がしゃどくろってのと同じくらいあんじゃねえのか……!?」

妖精「あ、あれは……幽界の回廊を守護すると言われる巨大鎧兵!!」

イリス「ゆ、幽界の回廊……!? なんでそんなものがここに!!?」

妖精「……吸血鬼が喚び出した以外にない。でも……まさか幽界の者を喚び出すなんて……!!」


巨大鎧兵「」ガション!! ググググ
 巨大な剣「」ジャキン―


ローガン「来るぞ!! 備えろ!!」ジャキッ

 ――戦闘開始 巨大鎧兵――

 ☆戦力差および料理効果により自動的に勝利しました

 ◇

 砕けた鎧の破片「」ガシャン

クロシュ「……」ツンツン

ミスティ「中身は空っぽなのね……」

妖精「中には幽界に渦巻く闇の力が詰まってて、それがあの巨大な鎧を動かしてるんだ。まあでも難なく倒せて良かったよ」


↓1コンマ
01-70 全員近接経験+1
71-90 ↑+折れた闇の大剣
91-00 ↑+クロシュ盾強化
512 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2025/05/04(日) 00:13:15.69 ID:oKq+0QY2o
513 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2025/05/04(日) 00:23:21.98 ID:zhWEOcxD0
 ☆戦いの中で近接経験を1身につけました

 ◇

―廃城最上階 踏破率[8/10] 持久力[8/10]

 巨大な階段「」ゴゴゴゴ…

テイル「こ、この階段を登った先に……!!」

ヒナ「……いる。この城を支配してる奴が……!」


イリス「……!?」

ミスティ「…………ねえ。私……おかしくなったのかしら……」

妖精「………いや……」

エバンス「……ん? どうしたんだ?」

イリス「……フラナ先生の、魔力を……感じる……。フレメアさんのも……。そして……」

妖精「………その、どちらでもない……ものすごく、やばい気配がある」

ローガン「……なに?」

ミスティ「……どういうことなの。なんであの二人の魔力が? それに……あとの一つって……」

イリス「……っ、い、急がなきゃ!! 何か……このままだと、まずい気がするっ……!!」

ローガン「待て、イリスくん! 一人で先走るな!」

イリス「……わ、わかってます。大丈夫……でも、急ぎましょう……!! 私……胸騒ぎがするんです……!!」

妖精「うん……。急ごう。私も……何か、とても良くない気配を感じる……!」


デュア「……何か、ものすごくまずい状況なのだな」

クロシュ「うん……そうみたい……」

デュア「……私も全力を尽くそう。行こう、クロシュ殿!」

クロシュ「ん!」


↓1コンマ
01-40 踏破率+2、斧  (任意ターン、コンマ+20)
41-80 踏破率+2、十字架(任意ターン、コンマ+30)
81-00 踏破率+2、鞭  (戦闘時、コンマ+40)
514 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2025/05/04(日) 00:25:25.74 ID:Sn/sWy1CO
515 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2025/05/04(日) 00:36:54.05 ID:zhWEOcxD0
十字架を拾ったところで本日はここまでとなります。次回、廃城天守閣で決戦編です

悪魔めいた廃城を進む一行を待ち受けるは、果たして如何なる吸血鬼か。国を束ねる理性の妹か、怒りに身を焦がす狂気の姉か、あるいは。
城主の間への扉を開いた時――吸血鬼たちのかなしき運命が交錯し、新たなる悲劇が幕を開ける――

それでは本日もありがとうございました。次回もよろしくお願いいたします
516 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2025/05/04(日) 01:21:20.61 ID:ocpKBtNW0

廃城での探索がとんでもない展開になってきたな。
後、関係ない話しだけどエバンスとローガンの剣技が「16/16」のままだけどこれ以上あがらないのかな?
517 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2025/05/04(日) 12:19:32.13 ID:ywhherhAo
おつです
取り込みからの復活までできるようになるとはクロシュちゃん恐ろしい子!
思想が変な方向に行かないようにしなきゃ…
518 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2025/05/04(日) 17:00:34.18 ID:oKq+0QY2o
なんか決戦が始まってしまった
負けイベントか
519 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2025/05/04(日) 19:26:17.94 ID:hXzPBjGvO
王国は因縁回収編か
520 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2025/05/04(日) 19:55:08.28 ID:zhWEOcxD0
廃城探索は大変なことになっているようです。クロシュたちの運命がどうなるかは未知数かもしれません
なおエバンスとローガンの剣技経験については、>>333の下部にかかれている通り通常の方法ではこれ以上上がりません

復活技まで使えるようになってしまったので、図らずもクロシュ氏は恐るべき存在になりつつあるのかもしれません。今後の行動には気を付けた方が良いかと思いますが、しかし周りの人たちがちゃんと見ていてくれる現在の状態なら大丈夫でしょう

廃城天守閣での決戦は、負けイベントというわけではありませんがとても大変な戦いになるかと予想されます。気を付けるのが良いでしょう

王国編では実際様々な因縁が絡み合う大変なお話になるかもしれません。気を付けていくのが賢明かもしれません
521 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2025/05/04(日) 19:56:50.62 ID:zhWEOcxD0
―廃城天守閣

 ドガァンッ!!!

  バギャッ!! ボムギッ!! バゴォン!! ブシャァッ!!

フレメア「あああああっ!!!」ドガァッ!!

フラナ「フレメア!!!」

「余所見をしている余裕があるのかしら?」ヌッ

フラナ「っ!!!!」

 ドガガガッ!!!! バギィッ!!! ドゴォッ!!!!

   ガシッ!!!!

首を掴まれて持ち上げられるフラナ「ぎっ……!!」ジタバタ

「愚かな娘たち……。身の程を弁えられたなかったのね……」グググ

フラナ「か……かあさ、ま………どう、して……!!!」グググ

「どうして……? そうね……敢えて言うなら……」

フラナ「……?」

「可愛い愛娘たちの命くらいは……私の手で、終わらせてあげたいから」ググッ

フラナ「かっ……はっ……!!?」グググ


 大きな扉「」バァンッ!!!


イリス「フラナ先生!! フレメアさん!!」ババッ

ローガン「これは……どういう状況だ!!?」ババッ


フラナ「……っ!!?」ググ

「あら……フラナの知り合いの子?」グググ

フラナ「っ……!!!」ジタバタ―

 ボキッ!!

フラナ「」カクン

 ブンッ ヒュウウ― ドサッ…


イリス「ああっフラナ先生!!」


「あの子たちへのトドメは後回しにして……まずは挨拶と致しましょうね」スタスタ


妖精「あなたは……まさか……!!」


フリューゲル「フリューゲル・バイオレットと申します。ですが――覚える必要はございません」スッ

フリューゲル「――あなたたちも、ここで死ぬのですから」

 バビュンッ!!
 ガギンッ!!!

ヒナ「おおっとォ!?」ギギギ

フリューゲル「あら、お速い」ギギギ

テイル「嘘……!? これだけの間合いを一瞬で……!?」

ミスティ「まずい……よくわからないけどあの吸血鬼、フレメア以上の速度だわ!!」

エバンス「とにかく応戦するぞ!!」シャキン!

ローガン「うむ! ヒナくんを援護しろ!!」ジャキッ!

デュア「応!」シュバッ!

イリス「フラナ先生たちを助けるっ!!」コォォォ―
522 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2025/05/04(日) 19:57:43.71 ID:zhWEOcxD0
クロシュ「!」

気絶フラナ「」
 フラナの手に握られた十字架「」ポン

妖精「あれは吸血鬼殺しの七つ道具の一つ、聖なる十字架……!」

クロシュ「!」シュバッ ヒョイ!
 十字架「」ポン!

妖精「隙を見て相手に投げつけるんだ、クロシュ!」

クロシュ「ん!」

 ☆ドサクサに紛れて十字架を拾いました
  戦闘コンマ判定時に「十字架」と書き込むと、コンマ+30を得ます


 ――強敵 大吸血鬼フリューゲル――


 ☆フリューゲルが〈不死〉を発動!
  一度だけ戦闘不能を無効化!!

 ☆フリューゲルが〈殺戮の舞踏〉を発動!
  相手の数が多いほど会心率が上昇!!

◇自陣(料理+30、銀のナイフ+5)
・不死鳥化できる [1/1]
・ローガンメタル [1/1]
・十字架 [1/1](コンマ判定時、十字架と書き込むとコンマ+30)
・時計 [1/1](コンマ判定時、時計と書き込むとコンマ+40)

◇敵陣(戦力差+50、会心率+40)
・復活 [1/1]


↓1コンマ(合計-15)
01-50 痛恨
51-90 優勢
91-00 会心
523 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2025/05/04(日) 20:02:31.00 ID:GApA44bLo
524 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2025/05/04(日) 20:02:50.70 ID:RifrMpPJo
十字架
525 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2025/05/04(日) 20:05:22.64 ID:GSBS5yHh0
00だからマイナス無視で会心か
526 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2025/05/04(日) 21:17:04.54 ID:mSR9k8JvO
吸血鬼問題完
527 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2025/05/04(日) 22:15:30.83 ID:zhWEOcxD0
 ビビビビッ!! ドガガガガッ!!!

ヒナ「このおっ!!」カッ!!

 光魔法「」ピカッ!!

フリューゲル「あら」スッ

 闇のマント「」バサァッ
 吸い込まれる光「」シュゥゥ―

ヒナ「ちょっ!? 吸血鬼の癖に光無効とかズルでしょ!?」

フリューゲル「弱点対策をしない愚かな吸血鬼などいないわよ?」ニコ


倒れたフレメア「……」


テイル「弱点なんて関係ない! これだけの人数が相手じゃ、どんなに強い吸血鬼だって!」バッ
 風の剣「」ビュンッ!

背後に回るフリューゲル「遅い」ヌッ

テイル「っ!!?」

フリューゲル「まずは弱き者から」ズッ

 吸血鬼の爪「」ジャッ

ヒナ「テイル!!!」

 銀のナイフ「」ビュッ!!
 ギンッ!!

フリューゲル「!」バッ


テイル「はひ……た、たすかった……?」


フリューゲル「ほう……殺意の込められたナイフね」


 風魔法で浮く銀のナイフ「」ヒュルヒュル

イリス「あなたを、止めます!」バッ

 風で飛ぶ銀のナイフ「」ビュン!!

エバンス「俺たちも続くぞ!」

ローガン「囲んで足止めしろ!」

光竜メイドクロシュ「ん!」ジャキン!

 シュババババ!!

囲まれるフリューゲル「あらあら、囲まれちゃった」

ローガン「皆、陣形を保ったまま攻撃を続けろ! 敵に反撃の隙を与えるな!」

デュア「ああ! 行くぞ!!」メラメラ―
 炎の刀「」ゴウッ!!


イリス「よし、これなら――えっ!?」


無数のコウモリ「」バサバサバサッ

 炎の刀「」スカッ

デュア「何ィ!?」


空中で集まる無数のコウモリ「」バサササッ――

 ポン!

空中に浮くフリューゲル「吸血鬼を足止めできるなどと思わないことね」バサッ
528 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2025/05/04(日) 22:15:58.90 ID:zhWEOcxD0

妖精「しまった! 吸血鬼は無数のコウモリに自分を分裂させることができるんだ!」

ミスティ「なんですって!?」


 スタッ

フリューゲル「フラナの知人というだけあって、人間にしてはやるわね。人間にしては」スッ

 消滅球「」ギュオン―

イリス「!!!? あ、あれは……何……!!?」ガクガク

妖精「ば、馬鹿な……!! あんなに高濃度の闇球が、この世界に存在し得るはず……」

フリューゲル「あら、太母様も初めて? あらゆるものを消滅させる濃度の――負の力は」

 消滅球「」ゴゴゴゴ…


妖精「みんな、アレには絶対に触れちゃだめだ!!! 防御せずに避けて!!!」

デュア「くっ、承知した!!」


フリューゲル「遊びは終わり。さあ行きなさい」スッ


 消滅球「」ヴォン―!


光竜メイドクロシュ「んわわっ……!!」ササッ

エバンス「うおお!!? でかいし速いし冗談じゃねえぞ!!!」ササッ

ローガン「くっ!! あんなものが動き回っていては戦うどころでは……!!」ササッ


 消滅球「」ヴォン―!

イリス「――」


ミスティ「イリス!?」

ヒナ「何してるんです!? 早く避け――」


イリス「――はあ!!」バッ!!

 カッ!!!!
 星の光球「」パァァァァ!!!!
 消滅球「」バヂヂッ!!!!

 バシュウウウウウンッ!!!!


フリューゲル「!!?」


テイル「えっ……!? なんかでっかい光が現れて……闇の球とぶつかり合って、消えた……!?」

妖精「あ、あれは――!!」


イリス「フリューゲルさんの高濃度の闇球が負の力なら……正の力である星の力で相殺できる……!!」


フリューゲル「あの人間の娘が星の力を引き出して、私の力を……!?」


デュア「隙ありだ!!」シュバッ
光竜メイドクロシュ「!!」シュバッ

 炎の刀「」ゴウッ!!
 光竜角の大槍「」グオオッ!!

フリューゲル「っ!?」

 ギュバァァァァッ!!!!
  ドッギャァァァァァンッ!!!!

 〈会心の一撃!〉

灰となったフリューゲル「」プスプス…
529 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2025/05/04(日) 22:16:53.62 ID:zhWEOcxD0

テイル「やった!!」

妖精「待って!! まだ喜ぶには――」


 プスプス…メラメラ…ゴゴゴゴゴ…

灰から蘇ったフリューゲル「驚いた……まさかこの私を一度殺すなんて」


光竜メイドクロシュ「!!」

デュア「なんだと……!?」


フリューゲル「フフ……フフフ……アハハハハッ!!! 良い、良いわ……こんなに心が踊るのはいつ以来かしら!? もっと私を楽しませて……私に生の実感を味わわせ――」

 ズキン!

頭を抑えるフリューゲル「はうぐっ……! うっ……うああああっ……!!!!」ガタガタ


イリス「えっ……!?」

ミスティ「い、一体何……!?」


「はあ〜困りますね。せっかく感情を抑制してるのに、こんなに昂らせちゃって」スタスタ


光竜メイドクロシュ「!!!!」ジャキッ!

妖精「お……お前は……!!!」

ミスティ「カリス・ノーランド!!!!」シャキン!


カリス・ノーランド「皆さんおひさ〜。佳作ですが楽しんでいただけましたか〜?」ニコニコ
530 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2025/05/04(日) 22:18:14.36 ID:zhWEOcxD0

イリス「カリス・ノーランド……!! それは一体――」

カリス「言った通りですよ。まあ客先からの依頼で作ったものなので大した思い入れもないですけどね。保守点検も面倒ですし」

ミスティ「貴様……!! 殺してやる!!!」バッ

 無数の氷柱「」シュババババッ!!!!

テイル「す、凄い量の氷柱!!?」

エバンス「あれなら避ける隙間も――」


 ピタッ――
 静止する氷柱「」


ミスティ「っ!?」

イリス「氷柱が……空中で、止められた!?」


カリス「お〜よしよし、よくできましたねアイス」ナデナデ

銀髪ショートの幼女→アイス「……」ムフー


光竜メイドクロシュ「……!!?」

妖精「あ、あれは……まさか!」


カリス「ふふ、紹介しましょう。こちらも私の佳作、アイスです」

アイス「……」ドヤッ


ミスティ「貴様は……どこまで……!!!」ワナワナ

光竜メイドクロシュ「……」ググッ


カリス「さて、今日は皆さんとバトルに来たわけではないのでソレを回収してさっさと帰らせて頂きますかねえ」


苦しむフリューゲル「がああ……!!」ジタバタ


イリス「させない!! ここであなたを倒す!!」ザッ

ヒナ「なんかわかんないけど、こいつが最低最悪のド外道ってことはわかった! ぶっ殺そう!!」シャキン!


カリス「アイス、魔力解放。空間凍結」

アイス「ん」

 パキッ――

 ◇
531 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2025/05/04(日) 22:19:17.17 ID:zhWEOcxD0
―廃城天守閣

 ヒュオオオオ…

 パキパキ…ガシャン!!

クロシュ「!!」ブルブル

クロシュ「??」キョロキョロ

 一面氷漬け「」カチンコチン
 氷漬けになったみんな「」カチンコチン

クロシュ「んわ!!?!?」

 モニョモニョポン!

不死鳥クロシュ「コケコッコーッ!!!」ゴオオオッ!!

 シュワシュワシュワ…

 *

ミスティ「くそっ……!! 氷魔法使いともあろう者が、なんて不覚を……!!!」ググッ

妖精「……発動を一切感知できなかった……」


フラナ「……あなたたちには、無様な姿を見せてしまったわね」

イリス「フラナ先生……」

フラナ「……あの吸血鬼はフリューゲル・バイオレット……。私たち姉妹の母であり、かつての魔族国の指導者で――」

フレメア「魔族国とフラナに身柄を売られたんだよ」ケッ

イリス「えっ……!?」

妖精「……魔族国のフリューゲルは不慮の事故で亡くなったって、当時は伝えられてたけど……」

フレメア「こいつらが我が身可愛さに喧伝した嘘の歴史だね。反吐が出る」ペッ

フラナ「母上の想いも知らないで、ひたすらに暴れて魔族の地位を貶めていく貴様に何がわかる?」

フレメア「知るもんか。お前たちは母様を売って、結果的に魔族国を滅ぼした。それが全てでしょ」

フラナ「……」

イリス「あああ、やめてください! 喧嘩は! 今はお互いをいがみ合う時ではないはずです!!」

フラナ「……そうね。ごめんなさい」

フレメア「フン……」

イリス「お母様があの犯罪者に囚われているなら、助け出しましょう! お二人が力を合わせれば、できるはずです!」

フレメア「ええ、こんな奴と……?」

フラナ「……フレメアは助けたくないそうよ、イリス」

フレメア「なんだと!? 助けたくないのはお前だろ、フラナ!!」

イリス「た、助けたい気持ちはみんな一緒です!! だから今は協力しましょうよ!!」

フレメア「……わかったよ。で、協力ったって何すれば良いの?」

イリス「ええと……それはですね……」

フラナ「……私は一度、魔族国に戻るわ。母上のこと、カリスのこと……いろいろ調べなければならないことがある。フレメアも一緒に来なさい」

フレメア「は? なんで私があんな腐った国なんかに」

フラナ「調べものにお前の力が必要なの。それとも母上を助けたくないの?」

フレメア「うるさいな! わかったよ行けば良いんでしょ!!」

フラナ「というわけだから、私たちは戻るわ。ごめんなさい、助けてもらったのにロクなお礼もできないで」

イリス「いえ……! 救出について私たちにもできることがあれば協力させてください! 私たちの方でも、カリス・ノーランドの行方を追いますので!」

フラナ「ありがとう……恩に着るわ」

 ☆00会心効果によりフラナとフレメアが和解しました

 *
532 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2025/05/04(日) 22:20:57.12 ID:zhWEOcxD0
 氷魔力結晶「」キラキラ

クロシュ「……!」

ミスティ「あら、これは……」

 氷魔力結晶「」キラキラ

妖精「これは……氷魔力の結晶だ。かなり高い純度の魔力結晶だけど……あの銀髪の子供の魔法の副産物かも」

ミスティ「そうなのね……」

妖精「まあ……魔力結晶そのものには善意も悪意もないから、ありがたく使わせてもらえば良いんじゃないかな」

 氷魔力結晶「」キラキラ

ミスティ「……あの子は、カリスに操られているのよね……」

妖精「そうだと思う。できれば倒したくはないけど……相手は本気で殺そうとしてきてるわけだから、手加減はできないよ。クロシュが不死鳥の力を持っていなかったらみんな氷漬けで凍死してたわけだし……」

ミスティ「………そうね」

クロシュ「……」


クロシュ(………どうにか……お話、できないかな……?)

 ☆00会心により氷魔力結晶を手に入れました

 ◇
533 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2025/05/04(日) 22:40:19.28 ID:zhWEOcxD0
―夕方
 セイントレア平原


 崩れていく廃城「」ゴゴゴゴ……
 ズゥゥ――ン……


フレメア「ああ……私のお城が……」ガクリ

イリス「フレメアさんのお城だったんですか!?」

フラナ「なわけないでしょ……。勝手に乗っ取ってたのよ」



テイル「……これ、ギルドにはなんて報告したら良いのかしら?」

ヒナ「失敗で良いんじゃないですか?」

テイル「……まあ、そうよね。はあ……」ガクリ



エバンス「……生きて帰れたは良いが、痛みも大きかったな……」

ローガン「うむ……。あれだけの危険な城を踏破したは良いが……」

ミスティ「最後の最後で最悪の敵に全てを持っていかれてしまったわね……」



妖精「まあそういうこともあるよ……」

デュア「うむ……収穫のない冒険もしばしばあるものだ。気を取り直し……む、クロシュ殿?」

スライムクロシュ「〜〜」モニョモニョ

 宝箱「」ポン!

テイル「たからばこ!?」

ヒナ「やったぁ!!」

フレメア「ちょっと! それ私のだよ!!」

フラナ「フレメアのじゃないでしょ!!」


難関クリアボーナス!
↓1コンマ
01-70 運命賽+ブラッドランス+お金
71-80 ↑+魔導書「星の魔力・下」+魔導書「絶対零度」
81-90 ↑+オオキイ鎧の盾(クロシュ盾強化)
91-00 ↑+会心賽
534 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2025/05/04(日) 22:41:01.77 ID:mGEiBf270
535 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2025/05/04(日) 22:58:50.47 ID:zhWEOcxD0
 宝箱「」パカッ!

 ブラッドランス「」ドン!

フラナ「こ、これは……ブラッドランス!? フレメア、あなたこれ売り飛ばしたんじゃ……」

フレメア「そんなことするわけないでしょ。盗まれたの」

フラナ「えっ……そうだったの?」

フレメア「うん。この前犯人をぶち殺して取り返したんだよ。そういえばこの宝箱に入れといたんだった」


 魔導書「星の魔力・下」ポン!
 魔導書「絶対零度」ポン!

イリス「こ、これは……!」

ミスティ「私たち向けの魔導書……!?」

妖精「そういえば蔵書庫を進んでる最中、分体をいくつか放って何かしてたけど……もしかしてこれを探してたの?」

スライムクロシュ「〜〜!」モニョニョ

イリス「クロシュちゃん!!!」

ミスティ「なんて良いスライムなの、あなたは……!」


 金銀財宝「」ポン!

テイル「これは……お金ね!」

ヒナ「御駄賃としては破格じゃない?」

フレメア「それ私のへそくり――」

フラナ「城にあった財宝を勝手にかき集めただけでしょうが!」ベシッ

妖精「これはまあ……公平に分配しようか」


 ☆魔導書「星の魔力・下」と魔導書「絶対零度」を手に入れました

 ☆お金がいっぱい増えました

 *

 ブラッドランス「」ゴゴゴ…

フラナ「さて、この槍だけど……今回の功労者であり、恐らくこれから一番厳しい戦いに臨むことになるであろうあなたたちに貸してあげても良いわ。どう? イリス、使う気はない?」

イリス「ええっ!? 無理ですよ! 大体人間に使えるんですかそれ!?」

フラナ「使えるわよ。副作用とかもたぶんないわ」

ミスティ「たぶん……」

ローガン「ううむ……槍なら剣と同程度には使えるが……」

エバンス「でもそれ、血を吸う槍なんだろ? なんかおっかねえしな……」

妖精「クロシュはどうしたい?」

クロシュ「!」

↓1〜 先取2票
1.フラナさんに返す
2.使ってみる
3.パーティの誰かを推薦(要名前記載。票数は内容ごと)
0.自由安価(票数は内容ごと)
536 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2025/05/04(日) 23:00:24.20 ID:Bk7PIZN0O
0メゾンドクロシュに保管しとく
537 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2025/05/04(日) 23:01:18.80 ID:ocpKBtNW0
3イリス
538 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2025/05/04(日) 23:10:02.92 ID:SUwy8r7xO
3
せっかくだからイリス
539 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2025/05/04(日) 23:21:37.14 ID:zhWEOcxD0
クロシュ「……フラナさんとフレメアさんのことで、いっぱい、がんばったから……イリスさんが、持つのが、いいと思う……!」

イリス「えええ!?」

フラナ「ですって。さ、受け取りなさいイリス」

 ブラッドランス「」ポン

イリス「うう……わかりました」

 *

イリス「とはいっても私、槍の扱いなんて全然ですけど……」

フレメア「その槍、魔法の触媒にもなるからそういう用途で使えば?」

イリス「え、そうなんですか? あ……確かにいけそうかも……」

フラナ「ブラッドランスに適した属性は、水、氷、闇、血ね。他にも適した属性があるかもしれないからいろいろ試してみて」

イリス「水しか使えない!」

フラナ「まあ……試しにその槍で水魔法を使ってみなさい」

イリス「……なんかすごく嫌な予感がするんですけど」


イリス「じゃあいきますよ。はっ!」
 ブラッドランス「」ジャキッ!

 血のように赤い水「」ブシャァ

イリス「やっぱり!」

フラナ「この通り、この槍を通せばあなたも血魔法が使えるわ。鉄分の量や凝固の度合いは地属性で調節できるはずよ」

イリス「……あれ? じゃあ意外と私向き?」

フラナ「修練次第だけどね。あなたならできるはずよ」

 ☆イリスがブラッドランスを装備しました
  ブラッドランス装備時、血魔法を使うことができます

 ◇
540 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2025/05/04(日) 23:40:50.25 ID:zhWEOcxD0
―夜
 セイントレア平原 野営地

クロシュ(テイルさんとヒナさんは……チカーバの街で受けた依頼だから、チカーバに帰るって言って……お別れ、した……)

クロシュ(フラナさんと、フレメアさんも……急いで魔族国に、帰っていった……)


 焚き火「」パチパチ

イリス「一気に人が減ると、寂しくなりますね……」

妖精「そうだね……。でもいつかまた会う機会もあるよ。フラナとフレメアについてはたぶん、そう遠くない内に」

ミスティ「……ええ。あの憎きカリスを討ち滅ぼす仲間として、共に戦えれば心強いわ」

デュア「お前たちはいろいろ背負っているのだな……。オノゴロの時もそうだったが、敬服せざるを得ん」

エバンス「はは、俺はほとんど成り行きみたいなもんだけどな」

デュア「もし私にもできることがあれば是非手伝わせてくれ。恩に報いよう」

妖精「や、でも下手すると王国とかに喧嘩を売ることになるから……流石に道連れのデュアを巻き込むわけにはいかないよ」

デュア「ははは、気にするな! 既に海の藻屑となりかけた身だ、お前たちの為に使うのであれば惜しくはない!」

ローガン「ううむ……私としては、恩よりも自分の命を大事にして欲しいが」

デュア「無論、命を失えば恩返しもできなくなるから無駄に死ぬつもりは毛頭ない! 安心してくれ!」

妖精「無駄じゃなく死ぬつもりはあるみたいな言い方はやめて欲しいかも……」

スライムクロシュ「〜〜…」モニョニョ…


セイントレア平原で野営します。明日の午前中に王都に着きます
↓1〜3 自由安価 野営中何をする?
541 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2025/05/04(日) 23:41:27.72 ID:Bk7PIZN0O
メゾンドクロシュでバイオレット親子の仲良くしてる夢を見る
542 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2025/05/04(日) 23:42:06.44 ID:GSBS5yHh0
イリス、クロシュと槍の練習
543 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2025/05/04(日) 23:42:26.05 ID:oKq+0QY2o
これからの王国やセクリエ・ロイエの情勢や情報についてスライム通信で募る
544 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2025/05/04(日) 23:49:20.88 ID:zhWEOcxD0
というわけで本日はここまでとなります。次回はしあわせな夢見編、イリスさんと槍の練習編、スライム通信情報収集編です

廃城での激闘を終え、再び旅路へ戻る一行。天守閣で遭遇した様々な出来事は、クロシュたちの内心を少々ざわつかせていた
操られし大吸血鬼フリューゲル、再び現れた邪悪術師カリス、無口な傀儡幼女アイス。交錯した運命は悲しみの旋律を奏で、物語は新たなる舞台――王都セイントレアへ――
あかちゃんスライムは悲しみに抗い、しあわせを夢見る――

それでは本日もありがとうございました。次回、明日はもしかしたら更新できるかもしれません(できない場合はなるべく早めに告知します)。よろしくお願いいたします
545 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2025/05/05(月) 01:44:52.46 ID:fW/fmb2o0
乙です。
悪魔城フリューゲルで拾った時計や十字架は出番無かったけど流石に今回限りかな。
あとデュアもこのまま正式にメンバー入りしそう。
546 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2025/05/05(月) 05:27:24.05 ID:MhPMRghEo
おつでした
00会心で吸血鬼姉妹が仲改善通ったの美味しい! (状況はお労しいが)
吸血鬼専用みたいな魔法を使うようになってダークヒーロー感が益々増すイリスちゃん
547 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2025/05/05(月) 18:04:42.07 ID:wPwAZa4N0
廃城で拾った吸血鬼殺しの道具は、役目を終えたからか廃城の崩落と共に消えてしまいました。また吸血鬼と戦う時が来れば、再び手にする機会もあるかもしれません
なおデュア氏は旅の道連れでありソロ専門の冒険者の為、協力関係にはなれますがパーティ入りすることは恐らくありません。良い協力関係を築くのが良いでしょう

00はとても強力な数値なので、発揮される効果も大きいものとなります。吸血鬼姉妹の確執はとても根深いものでしたが、ひとまずは和解できたと考えて頂いて問題ないでしょう
血魔法は本来普通の人間が使える魔法ではありませんが、複数の属性とブラッドランスによって人間でも使用可能となるようです。血を操って戦う者となると、実際とてもダークな印象です。イリス氏の今後に期待するのが良いかもしれません
548 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2025/05/05(月) 18:05:10.46 ID:wPwAZa4N0
―夜
 野営地

 焚き火「」パチパチ

イリス「というわけで槍の練習をします!」

クロシュ「ん!」

ミスティ「槍の練習なら、ローガンさんとかエバンスに見てもらった方が良いんじゃないかしら……?」

イリス「そう思って声をかけたんだけど……血魔法だったり悪竜の槍だったりで、ローガンさんたちもどう教えれば良いかわからないんだって……。そういうわけでとりあえず、私とクロシュちゃんでいろいろやってみようと思うの!」

ミスティ「そうだったのね……。確かにそう考えると教えられる人はいなさそうだわ……」

クロシュ「わたし……少し、できる!」

イリス「まずはもう既に槍を使ってるクロシュちゃんの動きを見せてもらったりしようかな?」


↓1コンマ
01-30 近接経験+1
31-60 近接経験+1、魔法経験+1
61-90 近接経験+2、魔法経験+1
91-00 近接経験+4、魔法経験+2、技を閃く
549 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2025/05/05(月) 18:06:49.37 ID:7ibs2ORCo
550 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2025/05/05(月) 18:40:22.17 ID:wPwAZa4N0
竜メイドクロシュ「!」ポン!

 竜角の大槍「」ビビビッ

 大きな岩「」ドガガッ

竜魔女クロシュ「!」ポン!

 竜珠の大杖「」キュオオオ――

 魔法弾「」バギュンッ!

 砕かれる岩「」ドッギャァン!


イリス「流石クロシュちゃん! あれだけの大槍なのに凄い速さの連続突き! そして一瞬で杖に変形させて魔法弾でトドメ!」

ミスティ「……真似できそう?」

イリス「……と、とにかくやってみる! 突っついてトドメに魔法、だよね!」

クロシュ「ん!」


イリス「よおし……ていやっ!」バッ

 ブラッドランス「」ブン ブン ブン …

 大きな岩「」ベシッ ベシッ ベシッ …

イリス「そしてここで……ブラッディパワー!!」バッ

 ブラッドランス「」ギュオオオ―カッ!!

 高圧血流「」ドギュウウウウッ!!

 貫かれる岩「」ドッギュウン!!


イリス「はあ、はあ……ど、どうだ!」
 ブラッドランス「」ジャキーン!

ミスティ「……突きはともかく、トドメの血魔法の威力は凄いわ。でもこれなら、杖で叩いたあと水魔法でぶち抜くのと特に変わらないんじゃ……?」

イリス「うっ……た、確かに……!? 血魔法の特性……鉄分や凝固を駆使して、もっと自在に操ることができれば……」

クロシュ「わあ……!」

 ☆その後試行錯誤を繰り返し、イリスとクロシュが近接経験と魔法経験を1づつ獲得しました
 ☆イリスの近接レベルが1上がりました

 ◇
551 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2025/05/05(月) 19:51:22.13 ID:wPwAZa4N0
―夜
 野営地

 焚き火「」パチパチ

スライムクロシュ「……」

妖精「お疲れさま、クロシュ。イリスの訓練はどうだった?」

スライムクロシュ「〜〜」モニョモニョ

妖精「なるほど……流石に一朝一夕じゃ血魔法を使いこなせるようにはならないか」

スライムクロシュ「〜〜」モニョニョ

妖精「そうだね。さ、それじゃあそろそろテントに入ろう」

スライムクロシュ「〜〜」モニョモニョ

妖精「え? また星脈を通して?」

スライムクロシュ「〜」モニョ

妖精「まあ確かに、外から王都とかの情報を得られるなら悪くないかも……」

スライムクロシュ「〜!」モニョ

 デロデロ…モニョモニョ…

 竜珠の大杖「」カッ!

↓1コンマ
01-10 ???
11-30 レッサースライムたち『〜〜』モニョモニョ
31-50 王都のスライムたち『こんばんわ〜』モニョモニョ
51-70 クロシュヴィア?『……えっ?』
71-90 ブラッド『お前もこっちに来てるの?』モニョニョ
91-00 ???
552 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2025/05/05(月) 19:53:30.27 ID:jE/56DXT0
553 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2025/05/05(月) 20:06:38.03 ID:wPwAZa4N0
―??

 近くの空に浮かぶ白い光「」ユラユラ

 地上に瞬く無数の光「」チカチカ


クロシュ『〜〜』モニョモニョ

レッサースライムたち『わわ〜』モニョニョ

クロシュ『こんばんは……』モニョモニョ

レッサースライムたち『こんばんわ〜』モニョモニョ

クロシュ『えっと……王都って、知ってる……?』モニョモニョ

レッサースライムたち『お〜と〜?』モニョニョ

レッサースライムたち『なあに? おいしいの?』モニョニョ

クロシュ『えっとね……セイントレア王国の……』モニョモニョ

レッサースライムたち『せいんとれあ?』モニョモニョ

レッサースライムたち『れあって、はんぶんナマっていみだよ! ボクくわしいもん!』モニョモニョ

レッサースライムたち『んわわ〜! せいんとの、はんぶんナマ!』モニョニョ キャッキャ

クロシュ「んへへ……せいんとの、はんぶんナマ……!」モニョニョ キャッキャ

 *

―夜
 野営地

 焚き火「」パチパチ

スライムクロシュ「!」モニョッ!

妖精「おかえり。どうだった? 何か良い情報は得られた?」

スライムクロシュ「〜〜!」モニョニョ

妖精「……セイントレアが、せいんとのはんぶんナマ……?」

 ☆間違った知識を獲得しました

 ◇
554 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2025/05/05(月) 21:16:43.46 ID:wPwAZa4N0
―夜?
 大きな屋敷の庭園?

 月の光「」コオオ―

幼フラナ「おかあさま! まんげつ! まんげつ!」クルクル キャッキャ

幼フレメア「フラナったら、はしゃいじゃって。淑女じゃないわね」

幼フラナ「しゅくじょだもん! おかあさま、フラナしゅくじょだよね!?」

フリューゲル「ええ。私たちは生まれながらにして夜を統べる一族だもの。私たちが思うままに過ごせば、それこそが最も淑女らしい振る舞いになるのよ」

幼フラナ「ほら! フラナしゅくじょだもん!」キャッキャ

幼フレメア「むむっ……!」

フリューゲル「フレメアも、我慢せずに飛び回って良いのよ? 満月だもの、力が満ちて仕方ないでしょう?」

幼フレメア「……わたしが、一番淑女だもん!」シュバッ!!

幼フラナ「わあっ!?」

幼フレメア「ふふん、のろまなフラナには一生追いつけない!」ビューン!

幼フラナ「まってよぉおねえさま〜!」バサバサッ



スライムクロシュ「……」

フリューゲル「あら……? あなた、どこから入ってきたの?」

スライムクロシュ「!」モニョッ!

 モニョモニョ…ポン!

クロシュ「えと……わたし……クロシュ……」

フリューゲル「あら、見事な擬態! 私はフリューゲル・バイオレットよ。初めまして、クロシュさん」

クロシュ「うん……はじめまして……」

フリューゲル「それで……ふふ、何のご用かしら?」

クロシュ「えと……迷子……?」

フリューゲル「迷子なのね」

クロシュ「うん……」

フリューゲル「うーん、困ったわね……。何か身元がわかるものはあるかしら?」

クロシュ「みもと……」

 モニョモニョ…ガサゴソ…


フリューゲル「……あら? それは……?」

クロシュ「!」ポン!

 氷魔力結晶「」キラキラ

クロシュ「これは……えっと、アイスちゃんの……」

フリューゲル「……あい、す……?」


↓1コンマ
01-70 歪む夢
71-90 平静
91-00 ??
555 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2025/05/05(月) 21:23:45.85 ID:2aVY+rM/O
556 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2025/05/05(月) 22:16:53.57 ID:wPwAZa4N0
フリューゲル「……ああ。ここは……夢だったのね……」

クロシュ「……!」

フリューゲル「……思い出しました。ごめんなさい……あなたたちは、あの後無事でしたか?」

クロシュ「うん……。みんな、無事……。フラナさんも……フレメアさんも……」

フリューゲル「良かった……」

クロシュ「………フリューゲルさんは……えっと………」

フリューゲル「……あなたが見た通り……私はもう、手遅れよ」

クロシュ「!!」

フリューゲル「身も心も、完全に王国に支配されてしまった……。もはや自分の意思さえ認識できないまま、命じられたことを遂行することしかできない傀儡……。それが今の、私……」

クロシュ「……!」

フリューゲル「……お願い、クロシュさん。今ここで……私を、殺してくれる?」

クロシュ「!」フルフル

フリューゲル「自分では、死ねないの。だから……お願い」

クロシュ「……やだ」

フリューゲル「……どうしても、だめ?」

クロシュ「うん……。フラナさんと、フレメアさんは……フリューゲルさんを助けるために……がんばってる……!」

フリューゲル「……それなら、尚のこと私を殺して欲しい。私は……私の手であの子たちを殺してしまうのが……何よりも、怖い……」

クロシュ「……フラナさんも、フレメアさんも……簡単に、死なない」

フリューゲル「……殺してしまうのが何よりも怖いと言ったけれど……訂正するわね。それよりももっと怖いのは……あの子たちが、王国や、カリス・ノーランドに捕まってしまうこと……。それなら……私の手で、簡単に死んでしまった方が遥かにマシ……」

クロシュ「……!」

フリューゲル「……お願いします。どうか、私を……殺してください」

クロシュ「………んーん。わたし……諦めな――」

 ブツン――

 ◆

―明け方
 野営地 テント内

スライムクロシュ「!」モニャッ!

 チュンチュン

妖精「……」zzz
イリス「……」zzz
ミスティ「……」zzz

スライムクロシュ「……」

 ◆
557 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2025/05/05(月) 22:18:50.74 ID:wPwAZa4N0
―???

フリューゲル「……」パチッ


「起きたか、フリューゲル」スッ


フリューゲル「……ええ」

「……調子はどうだ。昨日は……苦戦したらしいが」

フリューゲル「……大丈夫よ。体調は万全みたい。心配をかけたかしら」

「……大丈夫なら良い」

フリューゲル「………ねえ」

「……なんだ」

フリューゲル「……私が戦った相手……クロシュと、その一行よ」

「!!」

フリューゲル「……大丈夫。誰も死んでいないわ……」

「……」

フリューゲル「……話を、聞かせてくれる? あの子たちと……あなたの、お話を……」

「……」

フリューゲル「セイン……」

セイン「………」

 ◆
558 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2025/05/05(月) 23:21:37.06 ID:wPwAZa4N0
―セイントレア平原 到着予定日

◇クロシュ [あかちゃんスライム]
武:メイドブレード  盾:ラティアの大盾  飾:くすんだ耳飾り
武:竜珠の大杖    防:竜のエプロン   飾:不死鳥の羽根

◇妖精   [世話焼き妖精]
武:         盾:         飾:くすんだ耳飾り
武:         防:精霊のレオタード 飾:

◇イリス  [星の魔法使い]
武:蒼き星の杖    盾:         飾:くすんだ耳飾り
武:ブラッドランス  防:魔術師のローブ  飾:

◇ミスティ [氷の魔法使い]
武:氷の短刀     盾:         飾:くすんだ耳飾り
武:         防:氷竜革のローブ  飾:

◇ローガン [鋼の戦士]
武:蜥蜴一文字    盾:灼鋼の盾     飾:くすんだ耳飾り
武:鋼の回転ノコギリ 防:オリハル鎖帷子  飾:

◇エバンス [地の傭兵]
武:古代の鉄槌    盾:         飾:くすんだ耳飾り
武:魔銀の刀     防:硬質革鎧     飾:

◯所持アイテム
[道具]        [装備品]       [大事なもの]
運命賽*2       蜘蛛絹の下着      魔族国永久旅券
会心賽*1       ザリガニのお守り    フメイの服の切れ端
反魂丹*1       大きな巻き貝      精霊の印
鉄鍋+携帯調理器具   闇の欠片        精霊樹の実のジャム
「星の魔力」上中下   フリルワンピ水着    精霊樹の鉢植え+赤雷球
お宿の妖精の織物    魔法学園のスク水    フメイとアリシラの人形
魔導飯盒        ガラスのザリガニ    メルルの帽子
妨害魔力波発生装置   踊り子の双剣      溶岩石のアミュレット
属性大全        サボテンドラゴンの花  太陽のメダリオン
魔王図鑑        精霊のローブ      暗黒優待券
氷精の魔導書      精霊樹の杖[改]    冒険者証(ランク1)
ブラッドワイン*1   銀のナイフ       大魔女帝国渡航権
吸血鬼殺ワイン*1   ダイヤメリケンサック  かたたたきけん
魔術書「正負の属性」  パラサイトソード    大魔女帝国滞在許可証
吸血鬼の日焼け止め               風船印のパラシュート
日蝕の傘                    ラティア勲章
大魔女サイン*1                ユーシリア王家の紋章
古代のセラミック
ステライト鉱石
晴れ乞い傘
チョコスムージー
ヒヒイロカネ
氷魔力結晶
魔導書「絶対零度」

◯現在の目標
・フメイちゃんを探す
・世界樹の光を追う[4/5]

◯仲間の目標
・カリス・ノーランドを討つ(ミスティ)

◯経験値
・クロシュ 剣技[03/07] 魔法[03/07] 防御[00/07]
・イリス  杖術[00/06] 魔法[14/16]
・ミスティ 剣技[05/07] 魔法[11/16]
・ローガン 剣技[16/16] 魔法[06/08] 防御[07/08]
・エバンス 剣技[16/16] 魔法[07/08]
559 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2025/05/05(月) 23:22:08.74 ID:wPwAZa4N0
―セイントレア平原

 強化ソリ「」シャーッ

クロシュ「!」

エバンス「見えてきたぜ!」


 遠くに見える王都の大城壁「」ドドドド


ミスティ「あれが――」

イリス「王都セイントレアの、大城壁……!!」

 ◇

―王都セイントレア 城門


 そびえ立つ巨大な城門「」ゴゴゴゴ


クロシュ「んわわ……!」

イリス「な、なんてでっかい城門!!」

ミスティ「テラヌス・ウルスの城壁と城門も大きかったけれど……これはそれ以上よ……!!」

ローガン「私も来るのは初めてだが……まさかこれほどの威圧感とは……!!」

デュア「うむ……いつ見ても圧倒されてしまうな……!!」

 強化ソリ「」スイー…

門番「遠路はるばるようこそ。入都手続きは左手の受付だ。身分証明書の準備を忘れずに」

ミスティ「わかったわ。案内ありがとう」

 ◇
560 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2025/05/05(月) 23:22:34.28 ID:wPwAZa4N0

クロシュ(手続きを済ませて王都に入ってみると――)

クロシュ(そこは――)


 ワイワイ ガヤガヤ

 賑わう市場「」ガヤガヤ

 白亜の街並み「」キラキラ

 遠くにそびえる大きなセイントレア城「」ドドドド――


クロシュ「……!!」

イリス「わああ……!!」

ローガン「なんと……!!」

妖精「……すごいや。王国は嫌いだけど……」

ミスティ「これ……まるで、雪が積もっているかのような――」

エバンス「すげえ白さだよな……!」

デュア「ああ……なんという美しさだろうか」


クロシュ(白くて綺麗な建物が整然と立ち並ぶ美しい都――これが、王都セイントレア――)


 ――世界樹の巻 最終編 開幕
561 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2025/05/05(月) 23:23:27.10 ID:wPwAZa4N0
それでは本日はここまでとなります

ついに王都セイントレア入りを果たしたクロシュ一行。そこで待ち受ける運命は、如何なるものか
確かな足取りで、整然と敷き詰められた石畳を踏みしめて。クロシュたちは、王都をゆく
戦いの終結と、平穏――そして、友との帰郷を求めて。決意を胸に、あかちゃんスライムは前へ進む――

それでは本日もありがとうございました。明日ももしかしたら更新できるかもしれません(できなければ早めに告知します)。よろしくお願いいたします
562 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2025/05/06(火) 01:50:00.19 ID:QjGvhEBWo
カリス方々で恨み買ってるなこれ
魔族国にシノホシ、エンド、クロシュ一行と
563 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2025/05/06(火) 02:59:50.49 ID:o8YCc8wgo
おつおつ
ついに最終編明記かー
セインくんも厄ネタ抱えてそうで敵対しない事を願うー
564 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2025/05/06(火) 11:44:00.97 ID:s7AfH1IcO

アホの子レッサースライム達可愛い
でも色々と火種があるしそれが炎上してせいんとのはんぶんナマ、もとい、セイントレアがセイントウェルダンにならないことを祈る
565 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2025/05/06(火) 19:47:19.22 ID:1JakG/Xx0
カリス氏は凶悪犯罪者なので、実際とてもたくさんの人々から恨まれています。彼女の悪意によって不利益を被った生き物は非常に多いので、カリス氏は夜道に気を付けるべきでしょう。しかし実のところ、ちょっと夜道を襲ったくらいでやられてくれるような簡単な相手でもないため、カリス氏を倒すのはとても難しいようです

世界樹の光を巡る旅もついに最終編です。クロシュたちの戦いがどのような結末を迎えるのかは、今のところわかりません
セイン氏もいろいろと面倒事を抱える身である可能性が高く、今後の展開には気を付けるのが良いかもしれません。当のセイン氏も、クロシュたちも、敵対したくないという思いは一致しているようです

レッサースライムたちはあたまがわるいので、クロシュの質問の意味を考えるよりも楽しいことを優先してしまいがちです。そしてクロシュ氏も実のところあかちゃんなので、レッサースライムたちに便乗して面白いことを優先してしまったようです。時にはそういうこともあります。そして王都がウェルダンとならないかどうかは、今のところ闇に包まれています
566 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2025/05/06(火) 19:48:16.43 ID:1JakG/Xx0
―王都セイントレア

 ワイワイ ガヤガヤ

デュア「改めて、ここまでソリに乗せて頂き感謝する。私は冒険者ギルドの宿に泊まっているから、戦力が必要な時はいつでも呼んでくれ!」

クロシュ「ん!」

妖精「もし何かあったらよろしくね」

 ☆デュアと別れました

 *

イリス「じゃあ私たちも宿を探しましょうか。妖精さんやスライムのクロシュちゃんでものびのびと過ごせる宿があれば良いんですけど……」

ローガン「ううむ……この王都に、そのような宿があれば良いが……」


「あれ……? あの……あなた方は、もしかして――」


妖精「ん……? あっ、あなたは!」

クロシュ「わあ……!」


聖女「お久しぶりです、皆さん……!」

 *

―王都
 聖ヴァレリオ教会前

 スタスタ

聖女「宿泊ならこの教会はどうでしょう? 今は収穫祭や聖誕祭の時期でもないので空いていますし」

ミスティ「私たちはロイエ教の信徒ではないけれど、大丈夫なの……?」

聖女「巡礼者ってことにすれば大丈夫です! そうすれば王都内でもクロシュさんと妖精さんの身分保証もできますし、巡礼中は教会に泊まり放題ですよ」

イリス「ええっと……でもそれって、嘘をつくことにならないですか?」

聖女「元々は、衣食住を求める者には隔てなく提供せよというのがロイエ教の教えなのです。巡礼者とそうでない者をあえて区別する必要は本来ないんですよ」

クロシュ「わあ……」

聖女「ただまあ……一応ロイエ教も大きな組織ですし、建前というものもありますから。口先だけでも巡礼者を名乗っていただければ、いろいろと円滑に進みますから」

妖精「なるほどね……。それじゃあお言葉に甘えて、泊まるところをお借りしようかな? 宿泊代……いや、寄付金はちゃんと納めるからさ」

聖女「はい、是非!」

 ◇
567 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2025/05/06(火) 19:50:50.64 ID:1JakG/Xx0
―聖ヴァレリオ教会 礼拝堂

 たくさんの長椅子「」
 大きなステンドグラス「」キラキラ

聖女「クレアさん、宿泊希望の巡礼者の方々をお連れ致しました」スタスタ

黒髪糸目の修道女→クレア「えっ……!? わ、わかりました。後ろの方々ですね?」

妖精「どうも。妖精とかスライムもいるけど良い?」

クレア「もちろんです。当教会では種族による待遇差はないのでご安心ください」

クロシュ「わあ……!」

イリス「良かったです!」


 扉「」バァン!


金髪ソフモヒの男「クレアちゃん! 孤児院の食料搬入終わったぜ!」ノッシノッシ

クレア「ありがとうございます、ザックさん。あとできれば、扉の開け閉めは静かにお願いします……」

金髪ソフモヒの男→ザック「おっと、こりゃ失礼! そちらは巡礼者の方々かい?」

クレア「はい」

ザック「こんな時期に来るとは殊勝だな! たくさんお祈りしてってくれよ!」

妖精「う、うん」

ザック「んじゃ俺は次の現場に行くぜ! 機会があればまた会おう!」ノッシノッシ


 扉「」ガチャッ バタム…!


エバンス「……い、今の暑苦しい男は?」

クレア「今のは、セクリエ・ロイエで聖務の傍らに力仕事を担当しているザック修道士です。この教会に併設されている孤児院に、食料の搬入をして頂いておりました」

ローガン「なんと、孤児院が」

聖女「ふふ、もし良かったら寄ってみてくださいね。旅のお話とかを聞ければみんな喜ぶと思います」

クレア「……」

聖女「クレアさん……?」

クレア「あ、いえ……なんでもありません。それでは皆さん、この用紙にお名前を書いていただけますか?」スッ

 宿泊希望届「」ポン

イリス「わかりました!」

 ☆王都の聖ヴァレリオ教会のに宿泊することになりました

 ◇
568 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2025/05/06(火) 19:53:08.86 ID:1JakG/Xx0
―聖ヴァレリオ教会 宿泊室

 質素なベッド「」
 質素な机「」
 質素な椅子「」
 質素な棚「」
 質素な本棚「」

イリス「わあ……! すごく……教会のお部屋って感じ!」

ミスティ「実際教会の部屋だしね」

聖女「」

クロシュ「ん……!」

聖女「それでは私もまだ少し仕事があるので失礼します。とはいえ私も今はこの教会に滞在している身分ですし、仕事中も大体はこの教会内にいますので、何かあれば遠慮なく言ってくださいね。もちろん私がいなくても、クレアさんに言ってくれれば対応してくれると思います」

妖精「わかった。いろいろありがとう、助かるよ」

聖女「どういたしまして! もし良かったら、旅のお話やクロシュちゃんのお友達のこと、たくさん聞かせてくださいね。では」

 扉「」カチャ パタム


イリス「まさか王都で聖女さんと再会できるなんて……! 素敵な偶然もあるんだなあ」

ミスティ「ふふ、全然変わってないようで良かったわ。あの様子ならきっと魔族国も平和なのでしょうね」

イリス「そうだね! 王都入りして早速の嬉しい驚きだなあ」


妖精「……」ウーン

クロシュ「……妖精さん?」

妖精「ああ、いや……。聖女のことは実際良かったんだけど……あのクレアって修道女、妙に浮かない様子だったなあと思って」

ミスティ「……やっぱり、突然の宿泊は迷惑だったのかしら?」

妖精「どうなんだろう。まあ一介の巡礼者モドキである私たちに知る術はないか」


王都セイントレア滞在1日目。ここは聖ヴァレリオ教会です
↓1〜3 自由安価 何をする?


参考:観光案内
……………………………………………………………………………………
□王都セイントレア
王城:未探索
城下:教会、孤児院、市場、食事処、酒場、浴場、娼館、冒険者ギルド、
   公園、学校、図書館、博物館、劇場、闘技場、未探索、他
……………………………………………………………………………………
□セクリエ・ロイエ
大聖堂、美術館、庭園、お土産屋、未探索、他
……………………………………………………………………………………
569 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2025/05/06(火) 19:53:38.78 ID:PqvVoJyi0
廃教会で拾った原理派活動日誌を読んでみる
570 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2025/05/06(火) 19:53:42.85 ID:IrlhwWS0O
ダイヤモンドメリケンを鑑定してもらい売却する
571 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2025/05/06(火) 19:54:07.56 ID:54WY7QlsO
冒険者ギルドで王国やロイエの情勢調査をする
572 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2025/05/06(火) 19:54:25.61 ID:irMEYGykO
孤児院に行ってみる
573 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2025/05/06(火) 19:55:47.79 ID:nSdNX/Ec0
酒場でロイエ教に反抗してそうな人を探す。
574 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2025/05/06(火) 22:19:51.70 ID:1JakG/Xx0
―聖ヴァレリオ教会 宿泊室

クロシュ「……」

 原理派活動日誌「」ペラッ

イリス

妖精「あ、クロシュそれ読むの?」

クロシュ「うん……。あ、でも……むずかしい字、あるかも……」

妖精「いいよ、私も一緒に読んであげる。クロシュはページをめくってね」

クロシュ「ん……!」

 ◇

妖精(それは実際、ただの日誌だった)

妖精(朝起きて、食事をして、信徒に説法して、畑仕事をして、戸締まりをして、寝る……)

妖精(ほとんどがそんな、他愛のない内容……)

妖精(わざわざ持ち出して読む価値はなかったかな――なんて思いかけてきた時だ)

 ◆
575 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2025/05/06(火) 22:24:02.98 ID:1JakG/Xx0
◯月◯日
第二子が生まれた。妻と同じ亜麻色の髪の、愛らしい赤ちゃんだ。
しかし少し気になることがあった。
いつの間にか、娘の傍に白い賽が落ちていたのだ。

 *

◯月◯日
あの子は天才だ。他の赤ちゃんと比べてすぐに言葉を話せるようになり、足で歩けるようになり、もう四則演算すら身に着けた。何か致命的な失敗をしそうになっても、まるで運命を変えるかのような鮮やかさで持ち直してしまう。この子は神の祝福を受けて生まれたのかもしれない。
彼女の傍らには、いつも石の賽や白い賽があった。これこそが神の祝福に違いない。

 *

◯月◯日
あの子が神の子であると、私は完全に確信した。
それはある夕食の時だった。食卓に着いていた娘がおもむろに、明日聖剣が抜かれるんだって〜、と言ったのだ。
翌日――サインという小さな少年が、聖剣を引き抜いたそうだ。
娘はその少年と会ったこともなかったはずだ。聖剣の存在も、教えたことすらなかった。
間違いない。この子は――預言者だ。

 *

◯月◯日
私はあの子の力を隠匿することにした。原理派最高幹部である枢機卿は次期教皇候補の一人だが、はっきり言って中身は低劣な俗物だ。あの子のことを知られればどれほど悲惨なことになるかは想像に難くない。
当然他の派閥も信用に値しない。強いて言うなら、少々綺麗事が鼻につくところはあるが、穏健派が比較的マシと言えるだろう。マシという程度だが。
どちらにしろ、娘たちは私の手で守らなければならない。

 *

◯月◯日
その日、あの子がぞっとするように冷たい声で、世界の滅亡を告げた。
19年後の今日と同じ日付の日――王都セイントレアを中心に、現世と幽界の均衡が崩れ――世界がめくれ上がり、混沌に呑まれて滅びる。
彼女はそれだけ言って倒れ……眠ってしまった。
傍らには、黒い賽が落ちていた。

 *

◯月◯日
翌日、あの子は何も覚えていなかった。それどころか、話し方も、歩き方も、何もかもを失っていた。
あらゆる物事を完璧に行う力も、失敗を鮮やかに取り返す力も、当然なくなった。
賽はもう、娘の傍に落ちなくなった。

 *

◯月◯日
あれから第二子のあの子は、失敗を繰り返しながら、人並みの速さですくすくと成長している。いろいろあったが、あの子が普通の女の子に戻って良かったと思う。
もう何年か経ったら、あの子は穏健派の修道院に預けることにした。万が一もしあの力が再発した際、もし原理派の元にいれば枢機卿の悪意から守り切ることはできないだろうと判断したのだ。預け先は私の信頼できる司教の修道院だから大丈夫だろう。ただ、穏健派の綺麗事を鵜呑みにし過ぎないと良いが……。

また、私は預言者だった頃のあの子の言葉を忘れたわけではなかった。世界の滅亡。絶対に阻止しなければならない、危機。
私の使える手札は――原理派の司教であることだけだ。
娘の預言ということを絶対にバレないようにしつつ、世界滅亡を防ぐ手立てを原理派の手で見つけ出す。
非常に困難な仕事だが、やらないわけにはいかない。神よ、我に力を――。

 *

◯月◯日
――これを書くのは何年ぶりだろうか。
世界めくれを阻止する方法について、ある程度の目処が立った。世界樹の果実を用いて、星の力を利用する。
幸い、原理派の名誉顧問である使徒様は極めて優れた星属性の使い手だ。人格は……少々変わったところはあるが、原理派内でもそこそこ信用できる部類の方である。娘の預言だということを隠しつつ未来の危機について話すと、彼女は面倒くさそうにあくびをしながら、私の計画を了承してくれたようだった。後は数年後の緑の国の首長選挙に便乗して世界樹の果実を奪えば良いだけだ。
枢機卿を上手く騙せたお陰で、王国やカリス・ノーランドの力も借りることができそうだ。枢機卿も王国もカリスもはっきり言って唾棄すべきド腐れ外道共だが、世界と娘たちを守る為なら悪魔にだって喜んで魂を売ろう。

一つ懸念があるとすれば、第一子の方の娘が最近私の計画に参加しようとしていることくらいか。
第二子の娘は穏健派の修道院で平穏に過ごしているらしい。そのまま穏やかに、陰謀とは無関係に暮らしてくれれば良いが。

 *

◯月◯日
まずいことになった。枢機卿に私の企みがバレた。
不幸中の幸いだが、あの子の預言だということはバレていない。私が漏らさない限りバレようがないはずだ。
あの子は……今は聖女と呼ばれ、芸術都市で奉仕活動をしているらしい。後は私が自分自身の口を永久に封じれば、あの子に危険が迫ることはないはずだ。
気がかりなのは……勇者との任務中に何度も失敗を繰り返したという、姉の方……僧侶だ……。今までは何度も私が庇って来たが、私の企みが枢機卿にバレてしまった以上、もう庇い切ることはできない。最悪、殺されるかカリスの実験台だ。なんとかロイエ教から離れて身を隠せと伝えたいが、もはやその猶予もない……。
ひとまずこの日誌は、ずっと昔に務めていたこの廃教会に隠していくことにする。誰が張ったのかはわからないが、ここには昔から妙な人払いの結界がある。何かを隠しておくにはうってつけだろう。

 *

(日誌はここで終わっている)

 ◆
576 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2025/05/06(火) 22:25:21.66 ID:1JakG/Xx0

クロシュ「……???」

妖精「……っ!」パタパタ!

 窓「」ピシャッ
 カーテン「」バサッ

クロシュ「妖精さん……?」

妖精「――…。今、無音結界を張った。これでこの部屋の音が周囲に漏れることはない」

クロシュ「???」

妖精「……これが真実がどうか……クロシュは、どう思う?」

クロシュ「……えと……たぶん、ほんとのこと……だと、思う……」

妖精「……そうだね。最後の日付はけっこう最近のものだし……聖女や僧侶についても、事細かに書かれてる。狂人の与太話として片付けるのは、危険だと思う……」

クロシュ「……じゃあ、19年後って……」

妖精「……今年だ。日付も……けっこう近い……」

クロシュ「……!!」

妖精「ただ……聖女? がこの異常な預言をしてから、力を失ったともあるし……もしかしたら、その預言も間違ったものである可能性もある。楽観視は禁物だけど」

クロシュ「う、うん……」

妖精「何にしても……対策を取る必要がある……! イリスが帰ってきたら、世界樹の精霊を呼んでもらって話し合わないと……!」

クロシュ「……聖女さんには……話す……?」

妖精「………ど、どうしよう。下手に話せば、聖女自身を危険な目に遭わせちゃうかもしれないし……。これを書いた司教って奴が今どうなってるのかもわかんないし……。ううーん……」

クロシュ「………」

妖精「と、とにかく今日の夜にみんなで話そう。このことは無音結界の外で口に出しちゃだめだよ。この街じゃ、どこで原理派の者が聞き耳を立てているかわからないもの」

クロシュ「うん……わかった」


 ☆原理派活動日誌を読みました


預言の日は――
↓1コンマ
01-60 14日後(滞在15日目)
61-90 15日後(滞在16日目)
91-00 16日後(滞在17日目)
577 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2025/05/06(火) 22:28:34.53 ID:LKEZD6k6o
さて
578 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2025/05/06(火) 23:23:47.41 ID:1JakG/Xx0
 ・滞在15日目に、預言の時が来ます

 ◆

―王都セイントレア 市場

 ワイワイ ガヤガヤ

イリス「賑わいも凄いねえ」

ミスティ「流石は中央大陸一の都ね……。揃ってる品物の質も良さそうに見えるわ……」

イリス「ひとまず消耗品とか食料の補充をしないとね」

ミスティ「……そういえば、このパーティで旅をするようになってからポーションをあまり飲まなくなったわね……。やっぱりちゃんとした食事のお陰かしら?」

イリス「うん、食材から摂取できる魔力量とかにも少し気を配ってるつもりだよ」

ミスティ「へえ、流石ね」

イリス「マジカルブラッドワインを料理酒代わりに使うみたいなズルもしてるけどね!」

 ◇

買取屋「お嬢さんたち、冒険者かい? 不要なものがあれば買い取るよ」

ミスティ「不要なもの? うーん、何かあったかしら……?」

イリス「あ、それならこの前の廃城探索で見つけたものを換金しちゃう?」

ミスティ「そういえばそうね。あれを換金しましょうか」

 *

 ガチャチャチーン!

買取屋「まいど! ウチは相場ピッタリ以外じゃ買い取らない主義だから安心しな」

ミスティ「まあ……損をしないのなら良いわ」

買取屋「……お? お嬢さん、面白いものを持ってるね。そいつは売らないのかい?」

イリス「え?」

 ダイヤモンドメリケンサック「」ポン

イリス「あ、このヘンな物体は……」

ミスティ「あの妖精がお礼にくれたものね……」

買取屋「見たところ本物のダイヤモンドだし、相場通りの値段で買い取るよ。どうだい?」

イリス「ど、どうする?」

ミスティ「うーん……確かにヘンテコな物体だけど、あの妖精がキラキラですごいって言ってくれたものだし、お金にしてしまうのはちょっと悲しいわ……」

イリス「そうだね……今のところお金に困ってるわけでもないし……」

買取屋「おや、思い出の品だったのかい? そりゃ失礼したね」

 ・ダイヤモンドメリケンサックの売却をキャンセルしました

 ◆

※パーティメンバーが後ろ向きになりそうな行動は失敗することがあります
前スレのどこかでも書いたような気がしますが、本作は所持数や所持重量によるデメリットなどもないため、お金に困っている等でない限りアイテムを売却するメリットはほとんどありません。無駄行動となってしまうリスクが高いのでアイテムの売却は非推奨です
579 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2025/05/06(火) 23:25:19.75 ID:1JakG/Xx0
―王都セイントレア 冒険者ギルド

 ワイワイ ガヤガヤ

ローガン「さて、情報収集といえばやはりここだ」

エバンス「まずは依頼の傾向でも見てみるか?」ペラッ

 依頼書「セイントレア草の大量納品」
 依頼書「浴場の清掃員募集」
 依頼書「人権派団体に入りませんか?」
 依頼書「奴隷調教師募集!未経験歓迎!」
 依頼書「家庭教師募集 未経験不可」
 依頼書「我の剣闘士にならないか?」

エバンス「……なんというか、冒険者らしくないのが多いな?」

ローガン「この王都セイントレアは大陸一の武力を持つ都市だ。魔獣の討伐など、冒険者らしい仕事については冒険者の出る幕がないのだろう」

エバンス「なるほどそういうことか」

ローガン「では私は聞き込みに行ってみる」スッ

エバンス「おお、じゃあ二手に分かれるか」


↓1コンマ
01-60 人権運動が活発らしい
61-90 ↑+???
91-00 ↑+???
580 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2025/05/06(火) 23:27:19.47 ID:G6nG00nto
ほい
581 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2025/05/06(火) 23:27:42.85 ID:nSdNX/Ec0
582 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2025/05/06(火) 23:57:12.62 ID:o8YCc8wgo
なんか1個異質なのが…ってギルド側が検閲しないのがセイントレアって感じだ…
583 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2025/05/07(水) 00:10:47.57 ID:8Ikz1t6W0
受付嬢「ここ最近の情勢ですか?」

エバンス「ああ。ここ最近、王都やセクリエ・ロイエで何か変わったことはないか?」

受付嬢「変わったこと……そうですねえ。王様の苛烈な魔族排斥に反対する運動が活発化してますね」

エバンス「……国民が、王に反対……? そんなことして捕まったりしないのか?」

受付嬢「アルベール王様は国民にすっごい優しい人なので、実際にものを壊すとか、誰かを傷つけるみたいな実害を出さない限りは見逃してくれるんですよお。なんでしたっけ、思想・良心の自由でしたっけ?」

エバンス「マジか……。アルベール王って人間以外に異様に厳しい人って印象だったからちょっと意外だ」

受付嬢「ここに住んでる人たちも同じように思う人は少なくないですねえ。国民にはものすごく寛大で優しいのに、そうでない相手……魔族や亜人族には、ゾッとするくらい厳しい。どのようなお考えなのか、平民の私には及びもつきませんねえ」

エバンス「そうなのか……。反対運動ってのは、何か結果は出てるのか?」

受付嬢「芳しくないみたいですねえ。王様は寛大ですが、同時に無慈悲なようです。国民がどれだけ声を上げようとも、聞く素振りすらありません。まあ絶対権力者である王様が国民の言う事に耳を傾けなきゃいけない決まりなんてありませんからねえ」

エバンス「まあ……そりゃそうか」

受付嬢「ああでもロイエ教の言うことなら聞かざるを得ないので、そこはちょっとピリピリしてるみたいですよお」

エバンス「ロイエ教の? どういうことだ?」

受付嬢「今の排斥反対運動の源流には、ロイエ教穏健派の平等思想がありまして。穏健派は人も魔族も平等だって考えですから、王国のやり方とはソリが合わないんですねえ。そして今の教皇様は穏健派の人みたいですよお」

エバンス「つまり……王国とセクリエ・ロイエは緊張状態にあるってことか」

受付嬢「そうですねえ。まあ緊張してるとはいっても、同じ城壁内の仲良し国ですから、これで戦争になるとかは絶対にないと思いますねえ。後は双方が互いにどう折り合いを付けるか――ってところじゃあないですかあ?」

エバンス「なるほど……わかった、ありがとう」

受付嬢「いえいえ、どういたしまして。またいつでも聞きに来てくださいねえ」

 ☆セイントレア王国とセクリエ・ロイエの情勢について知りました

 ◆
584 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2025/05/07(水) 00:12:34.68 ID:8Ikz1t6W0
というわけで本日はここまでとなります

聖女と再会し、聖ヴァレリオ教会に寝泊まりすることとなった一行。再会の喜びも束の間、先日拾った原理派活動日誌を読んだクロシュと妖精は重大なことを知ってしまう。王都を起点に世界がめくれあがり、デロデロにかき混ざって滅びる――それは、滅亡の預言。
そんな事態を前に、あかちゃんスライムにできることはあるのか。きっとあるはずだ。クロシュはもうとっくに、守られるだけの穀潰しではないのだから。
運命の賽は、何処に転がる――

それでは本日もありがとうございました。次回は土日となります、もよろしくお願いいたします
585 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2025/05/07(水) 00:57:35.24 ID:D3uF5ocbo
おつでした
正直メタ要素だけと思っていた運命賽がこんなに鮮やかに本筋に関わってくるとは!

仄暗い話題あるところにカリスあり
コイツ出会ってる大半の相手にド畜生認定されてんな、さもありなん
586 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2025/05/07(水) 23:13:15.16 ID:hGy0J3djO

メタ的なシステムが物語中に関わる要素として出てくるの好き
結局王国ははんぶんナマでは済まないことになりそう
587 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2025/05/10(土) 08:36:34.81 ID:U3+G+mwe0

フレメアさん魔族国行ったら子供たちにどう見られるのか
588 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2025/05/10(土) 17:33:23.79 ID:HX7kq3iM0
運命賽は実のところ本編に関わる要素だったようです。それがどの程度のものかはわかりませんが、気を付けるのが良いかもしれません
カリス・ノーランド氏は悪者なので、出会う人のほとんどは実際に悪者だと感じるようです。それは実際にその通りなので、仕方のないことなのかもしれません

王国がはんぶんナマで済むか、ウェルダンとなってしまうかは未知数です。それは実のところクロシュたちのがんばり次第とも言えるかもしれません。はんぶんナマで済むようにがんばるのが良いでしょう

フレメア氏は魔族国の大人たちにとってはちょっと触れたくない話題の一つですが、子供たちはそんなの全然知らないので、同年代の幼女だと思って舐めた口を聞く可能性があります。しかしフラナ氏も一緒にいると思われるのでたぶん大丈夫でしょう
589 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2025/05/10(土) 17:33:59.24 ID:HX7kq3iM0
 ―幕間―

―夜
 セイントレア平原

 やや遠くに見える王都の大城壁「」ドドドド
 やや遠くに見える兵士たち「」シャキン


 大きな草「」ガサガサ

アリシラ「うーん……見つからずに侵入するのは難しそうかなあ」コソコソ

フメイ「空から入るのは?」コソコソ

アリシラ「薄く結界が張られてる。破るのは簡単だけど、すぐにバレちゃうと思う。王都にはワイバーンを駆る竜騎士もいるらしいし」

フメイ「大トカゲなんかにフメイたちが負ける?」

アリシラ「その場では勝てるだろうけど、お尋ね者になっちゃうといろいろやりにくいでしょ?」

フメイ「あ、そっか……」

アリシラ「王都は中央大陸で一番強い武力を持った街だから、勇者を筆頭に危険な戦力をたくさん隠し持っていると思う。それに世界樹の精霊さんの話では、星の力だって持ってるはず。真正面からのぶつかり合いじゃ分が悪すぎる……」

フメイ「じゃあ遠距離から城壁を攻撃して、出てきた戦力を少しづつ狩ってけば……」

アリシラ「私たちの付け焼き刃なゲリラテロ戦術が通用するとは思えないよ……。相手は歴戦の列強国だよ?」

フメイ「むむう………ん? なんかあっちの城壁の方に人が集まってる」

アリシラ「本当だ。何だろう?」

 ◇
590 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2025/05/10(土) 17:37:12.97 ID:HX7kq3iM0
―夜
 セイントレア平原 大城壁

レイ「ひい、ひい……」フラフラ

囲む神官戦士たち「……」ジャキッ

隻腕の男「ここまでだ。逃げ場はないぞ、レイ・アンバー」スタスタ

レイ「く、ううぅ……!!」ググ

隻腕の男「大人しくしていれば悪いようにはしない」スタスタ


レイ(こいつら……孤児院を襲撃したロイエの奴ら……!? くそぉ……逮捕されるならまだしも、こいつらに捕まるのだけは絶対にやだ……!!)

レイ(うぅ……でも、もう力が……。頭も痛いし、ここからどうやって切り抜ければ……)

レイ(……ええい! もうこうなったら全部出し尽くす気でやってやる!!!)ゴゴゴゴ


レイ「あああああっ!!!!」ズオッ!!!!

闇の眷属たち「」ポンポンポン!

 カッ!!
 ドガァンッ!!!!
 破壊された城壁「」ガラガラ…

レイ「えっ!?」

隻腕の男「何!? 炎属性も使えただと……!?」

レイ「え、ええっと……!?」

 煙幕「」モクモクモク

神官戦士たち「ゲホッゲホッ!?」
神官戦士たち「たっ隊長!! 煙で前が見えぐああっ!」ボンッ!

隻腕の男「総員防御姿勢を取れ!!」

レイ(な、なんかよくわかんないけどチャンス! おまえたち、ここで暴れてて!)

闇の眷属たち「!」ドタドタ ドガッ ボゴッ

神官戦士たち「ぐああああ!」ドガッ

 煙幕「」モクモクモク

レイ(この隙に壊れたとこから侵入しちゃえ!)タタタッ

レイ(………)

レイ(……なんで私、王都に来たんだっけ?)

 *

―王都セイントレア

 壊れた城壁「」ガラガラ

 煙幕「」モクモクモク

 シュタタタッ

フメイ「よし、上手くいった」スタッ

アリシラ「誰だか知らないけど騒ぎを起こしてくれてて良かったね。お陰で罪をなすりつけられそう」

フメイ「……ちょっと、悪い気もする……」

アリシラ「神官っぽい人たちに追われてたってことは悪い奴なんだよ。一つや二つくらい罪が増えたって変わんないでしょ」

フメイ「それもそっか」

アリシラ「よっし、それじゃあのんびり王都探索といこう!」

フメイ「うん」

フメイ(……クロシュも、ここに来てるんだよね)

フメイ(これが終わったら……今度こそ、一緒に帰ろう……)

 ◆
591 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2025/05/10(土) 17:37:47.34 ID:HX7kq3iM0
―王都セイントレア 滞在2日目

◇クロシュ [あかちゃんスライム]
武:メイドブレード  盾:ラティアの大盾  飾:くすんだ耳飾り
武:竜珠の大杖    防:竜のエプロン   飾:不死鳥の羽根

◇妖精   [世話焼き妖精]
武:         盾:         飾:くすんだ耳飾り
武:         防:精霊のレオタード 飾:

◇イリス  [星の魔法使い]
武:蒼き星の杖    盾:         飾:くすんだ耳飾り
武:ブラッドランス  防:魔術師のローブ  飾:

◇ミスティ [氷の魔法使い]
武:氷の短刀     盾:         飾:くすんだ耳飾り
武:         防:氷竜革のローブ  飾:

◇ローガン [鋼の戦士]
武:蜥蜴一文字    盾:灼鋼の盾     飾:くすんだ耳飾り
武:鋼の回転ノコギリ 防:オリハル鎖帷子  飾:

◇エバンス [地の傭兵]
武:古代の鉄槌    盾:         飾:くすんだ耳飾り
武:魔銀の刀     防:硬質革鎧     飾:

◯所持アイテム
[道具]        [装備品]       [大事なもの]
運命賽*2       蜘蛛絹の下着      魔族国永久旅券
会心賽*1       ザリガニのお守り    フメイの服の切れ端
反魂丹*1       大きな巻き貝      精霊の印
鉄鍋+携帯調理器具   闇の欠片        精霊樹の実のジャム
「星の魔力」上中下   フリルワンピ水着    精霊樹の鉢植え+赤雷球
お宿の妖精の織物    魔法学園のスク水    フメイとアリシラの人形
魔導飯盒        ガラスのザリガニ    メルルの帽子
妨害魔力波発生装置   踊り子の双剣      溶岩石のアミュレット
属性大全        サボテンドラゴンの花  太陽のメダリオン
魔王図鑑        精霊のローブ      暗黒優待券
氷精の魔導書      精霊樹の杖[改]    冒険者証(ランク1)
ブラッドワイン*1   銀のナイフ       大魔女帝国渡航権
吸血鬼殺ワイン*1   ダイヤメリケンサック  かたたたきけん
魔術書「正負の属性」  パラサイトソード    大魔女帝国滞在許可証
吸血鬼の日焼け止め               風船印のパラシュート
日蝕の傘                    ラティア勲章
大魔女サイン*1                ユーシリア王家の紋章
古代のセラミック
ステライト鉱石
晴れ乞い傘
チョコスムージー
ヒヒイロカネ
氷魔力結晶
魔導書「絶対零度」

◯現在の目標
・フメイちゃんを探す
・世界樹の光を追う[4/5]

◯仲間の目標
・カリス・ノーランドを討つ(ミスティ)

◯経験値
・クロシュ 剣技[03/07] 魔法[03/07] 防御[00/07]
・イリス  杖術[00/06] 魔法[14/16]
・ミスティ 剣技[05/07] 魔法[11/16]
・ローガン 剣技[16/16] 魔法[06/08] 防御[07/08]
・エバンス 剣技[16/16] 魔法[07/08]
……………………………………………………………………………………
□王都セイントレア
王城:未探索
城下:教会、孤児院、市場、食事処、酒場、浴場、娼館、冒険者ギルド、
   公園、学校、図書館、博物館、劇場、闘技場、未探索、他
……………………………………………………………………………………
□セクリエ・ロイエ
大聖堂、美術館、庭園、お土産屋、未探索、他
……………………………………………………………………………………
592 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2025/05/10(土) 17:40:10.47 ID:HX7kq3iM0
―朝
 ヴァレリオ教会 宿泊室

 チュンチュン

 原理派活動日誌「」ペラッ

妖精「……っていうようなことが書いてあるんだけど、世界樹の精霊はどう思う?」

世界樹の精霊『……この地域の星脈は、まだ正常に運行している。これから2週間程度で急に世界がめくれて幽界と混ざり合う、などという言説は信じがたい』

妖精「じゃあ、デタラメだと判断して良いの?」

世界樹の精霊『……ううん……でも一つだけ、急に世界めくれが起きる可能性はある……』

ミスティ「それは一体……?」

世界樹の精霊『……世界樹の果実から放たれた光……あれを使えば、この世界に穴を開けることは不可能じゃない……。そしてここには今、3つの光が集まっている……』

クロシュ「!!」

イリス「でもこれを書いた人って、世界めくれを止める為に光を集めようとしたんじゃ……!?」

世界樹の精霊『……書いてある限り……この執筆者の娘は、世界めくれが起きると言っただけで、どのようにして世界めくれが起きるかまでは言っていない……』

エバンス「でも待ってくれ、それだと変じゃないか? この預言者の女の子がこんなことを言わなければ原理派は世界樹の果実を狙わなかったわけだから、今この時に光がここに集まることもなかったはずだ。だからこれは、世界樹の光とは無関係な未来予知なんじゃないのか?」

世界樹の精霊『その可能性もある……。私が危惧しているのは……この執筆者の娘が、預言者などではなく――』

ローガン「……ではなく?」

世界樹の精霊『――運命を変える魔法≠フ使い手だということ……』

イリス「……!? そ、そんな魔法が実在するんですか……!?」

世界樹の精霊『あなたたちが持っている、これ……』スッ

 石の賽「」ポン
 白い賽「」ポン

ミスティ「謎の立方体……!」

イリス「……あっ! そういえばイスファハーンで変なお姉さんに、その石が運命を紡ぐとか何とかって言われたような……」

世界樹の精霊『そう。その石は、運命を変える力が具象化した形……。あなたたちは……なぜかはわからないけれど、その祝福を受けているみたい……。そして……これに書かれている娘も……』

ローガン「……確かに、石の賽や白い賽と書かれているな……」

世界樹の精霊『賽には、三種類ある……。運命を変える石の賽……最上の結果を手繰り寄せる白い賽……そして――」

妖精「……まさか!」

世界樹の精霊『最悪の未来を呼び込んでしまう――黒い賽』

イリス「黒い、賽……!」

世界樹の精霊『もしかしたら……今この世界は、最悪の運命に向かっているのかもしれない』


 ☆目標が追加されました
  ・最悪の未来を阻止する


王都セイントレア滞在2日目。ここは聖ヴァレリオ教会です
↓1〜3 自由安価 何をする?
593 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2025/05/10(土) 17:40:34.17 ID:zj0M8DUMo
取り敢えず大聖堂の奥深くに侵入
594 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2025/05/10(土) 17:40:47.92 ID:U3+G+mwe0
クロシュ、酒場で酔っ払いと飲み比べ
595 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2025/05/10(土) 17:41:43.29 ID:FdFAcq+J0
孤児院でザックと会い案内とザックと話しをする
596 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2025/05/10(土) 17:41:46.46 ID:nHaiTdrqO
王国スライムの会合に出席する
597 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2025/05/10(土) 19:02:41.69 ID:HX7kq3iM0
―酒場

 ワイワイ ガヤガヤ

ローガン「さて、情報収集といえばやはりここだが……」

クロシュ「?」

ローガン「……クロシュくんは……まあ酒が飲めるなら良いか?」


店員「らっしゃい! っておい! ここはガキが来るとこじゃねえぞ!」

ローガン「彼女は酒が飲める。そういう種族なんだ」

店員「ええ?」

クロシュ「!」スッ

 巡礼証明書「」ポン!

店員「なるほど……いやでもロイエ教って酒はいいんだったっけか?」

 ノッシノッシ

酒飲み大柄修道士「もちろん良い! 教典にもそう書いてある!」ヌッ

クロシュ「わあ……!」

 *

ローガン「すまんな、さっきは助かった」

酒飲み大柄修道士「いいってことよ」グビグビ

クロシュ「んへへ……」グビグビ

酒飲み大柄修道士「しかしまあ、お嬢ちゃん随分いけるクチだな?」

ローガン「うむ……先ほども言った通り、彼女は酒に強い種族なのだ」

酒飲み大柄修道士「ほう! そいじゃここは俺と飲み比べといくか!」

クロシュ「のみくらべ……?」

酒飲み大柄修道士「どれだけ多くの酒を飲めるかの勝負だ!」

クロシュ「!」

ローガン「いやいや……酒に強いからと言って彼女はまだ子供だし、変な飲み方を覚えてしまう……」

クロシュ「のみくらべ……する!」

酒飲み大柄修道士「よし来た! 子供から金を取るわけにもいかねェ、お代は俺が払ってやろう!」

ローガン「はあ……まあ仕方ないか」


↓1コンマ
01-10 敗北
11-90 勝利
91-00 ??
598 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2025/05/10(土) 19:05:03.38 ID:z8q2osKnO
大勝利
599 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2025/05/10(土) 20:31:32.90 ID:HX7kq3iM0
酒飲み大柄修道士「はぁぁぁ!」カッ!
 一升瓶「」グイッ
  グビグビグビ!! カン!
 一升瓶「」グイッ
  グビグビグビ!! カン!
 一升瓶「」グイッ
  グビグビグビ!! カン!

ローガン「何!? なんという速さと量だ! 人間なのか!?」

別の客「そのおっさん――レオさんは新陳代謝活性化魔法でズルしてんのさ! この酒場でレオさんに飲み比べで勝った奴はいねえぜ!」

ローガン「……魔法はアリなのか?」

別の客「飲み比べに魔法禁止ってルールはないからな。真面目な競技ってわけでもないし」

ローガン「それもそうか」

別の客「嬢ちゃんが何の種族なのかは知らねェが、レオのおっさんにゃ流石に――」


 酒樽「」グイッ
  グビグビグビグビグビグビ


別の客「えっ……」


クロシュ「〜〜♪♪」モニョニョ
 酒樽「」グイッ グイッ
 最後の一滴「」ピチョン…


別の客「嘘だろ」


酒飲み大柄修道士「い、いかん……魔法の使いすぎで魔力と腹が……」クラクラ

 バタッ…

 ――飲み比べ終了――

 *

 大量の料理「」デン!

 バクバク ガツガツ

クロシュ「〜〜♪♪♪」モグモグ

酒飲み大柄修道士「はぁ〜負けた負けた! 樽ごと飲み干す相手にゃ流石に勝てねえわ!」バクバク

ローガン「う、うむ……。しかしふたりとも、あれだけ飲んだ後だというのによく食うな……」

酒飲み大柄修道士「新陳代謝活性魔法は魔力だけじゃなくて腹も減るんだよ。まあ全身をフル回転させてアルコールを分解してるわけだから腹もフル回転で減っちまうんだろうな」

ローガン「なるほど……そのような弱点があったのか」

酒飲み大柄修道士「普通はそんなになるまで使う羽目にはならねェんだけどな! ガッハハ、今月の懐がめちゃ厳しくなっちまったぜ!」

ローガン「……大丈夫なのか? 樽一つ分となるとかなり厳しい出費になりそうだが」

酒飲み大柄修道士「心配無用、今朝大勝ちしてきたとこだ!」

 ☆飲み比べで勝利しました

 ◇
600 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2025/05/10(土) 20:34:02.91 ID:HX7kq3iM0
―ヴァレリオ教会孤児院

 ワイワイ キャッキャ

幼女「わ〜! おねえちゃん魔法使いなんだ!」

イリス「そうだよ〜! 何か見たい魔法はあるかな?」

幼女「ん〜……」

少年「じゃあ孤児院の予算が増える魔法」ヌッ

イリス「そ、そんな魔法はないよ!!」

少年「なァんだ、大したことねェーじゃん!」ケタケタ

ミスティ「クソガキね……」

 デコピン「」ペチッ

少年「ぎゃっ! 何すんだよ!」

水色髪ロングの中性的な少年「せっかく遊びに来てくれたお姉さんたちに失礼だよ? 謝らなきゃ」

少年「げっ、ミラクル……」

水色髪ロングの中性的な少年→ミラ「僕はミラだけど。見分けられない?」

少年「見分けられるわけねーだろ! はいはいオレが悪うござんした!」ペコッ タタタッ


ミラ「ごめんね、お姉さんたち。彼も悪気があったわけじゃないんだ」

イリス「大丈夫、気にしてないよ。ありがとう。でも君、同い年くらいだよね? たぶんお姉さんじゃないと思う」

ミラ「そうかな? 人生経験って意味では、旅をしているアナタたちの方がずっとお姉さんだと思う」

ミスティ「街での生活って意味では、あなたの方が経験豊富なはずよ。一面だけを比べても仕方ないわ」

ミラ「なるほど……確かにそうとも言えるね」

イリス「えっと……ミラ、ちゃん? でいいんだよね?」

ミラ「フフ、僕が女の子に見える?」

ミスティ「えっ違うの?」

ミラ「僕は男だよ。でももし女の子に見えたなら、それはきっと僕を通してクルが見えたからだろうね」

イリス「えっ、クル……?」

ミラ「おっといけない、そろそろ昼食に取り掛からなきゃ。それじゃあゆっくりしていってね」スタスタ


ミスティ「行っちゃったわ」

イリス「ミラ……くん……ちゃん……。不思議な人だ……」

ザック「お、巡礼者の子たち! ミラクルに会ったんだな!」ヌッ

ミスティ「あなたは確か……力仕事担当のザック、だったかしら」

ザック「ヒーローと呼んでくれても良いぞ!」

イリス「ええ……」

↓1〜2選択 ザックと話すこと
1.ヴァレリオ教会について
2.孤児院について
3.ミラとクルについて
0.自由安価
601 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2025/05/10(土) 20:35:53.57 ID:ug71g0av0
3
602 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2025/05/10(土) 20:36:41.74 ID:InEFszvDo
1
603 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2025/05/10(土) 20:36:46.93 ID:UAbU90R7O
0子供たちはちゃんと勉強できてるのか
604 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2025/05/10(土) 21:07:50.76 ID:HX7kq3iM0
イリス「さっきの……ミラちゃんくんについてなんですけど、彼女……彼はここで働いている人なんですよね?」

ザック「そうだ。奴自身も何年か前に原理派……ロイエ教の者が保護した孤児だったらしいが、今ではこうしてロイエ教の孤児院で働いているというわけだな!」

ミスティ(原理派って言ったわね……)
イリス(言ったね……)

ザック「あのちょっと変わった性格だが……俺も詳しくは知らないが、保護される前に事故で双子の妹を亡くしたそうで、その影響がどうのこうのって話らしい……。すまん、俺は孤児院の担当じゃないからそこまで詳しくはないんだ」

イリス「いえ、ありがとうございます。事故で妹さんを……気の毒ですね……」

ザック「ああ……。噂じゃ――っと、巡礼者の子たちにすべき話じゃなかった。聞かなかったことにしてくれ」

 *

ミスティ「そういえば聖ヴァレリオ教会のことなのだけど……聖ヴァレリオって何かしら?」

ザック「おお、聖ヴァレリオのことか? それなら――丁度良い、そこに肖像画があるだろう?」

 おじいさんが描かれた肖像画「」ポン

ザック「あれに描かれたおじいさんこそが、ここの名前の由来にもなった聖ヴァレリオ・ファルネーゼンだ」

ミスティ「聖ヴァレリオ・ファルネーゼン……!」

ザック「ああ。篤い信仰心を持ちながら、他種族との融和を誰よりも追求した――穏健派の礎を創り上げた聖人だ。既に逝去して久しいお方だが、今でも多くの信徒たちに尊敬されている」

イリス「おお……! 凄い人なんですね……!」

ザック「パスタを好んで食べたそうだ。この孤児院の食事にパスタが多いのはそういう理由もあるらしい……」

イリス「パスタ……! 良いですね、私も好きです!」

ザック「クレアちゃんに頼めば作ってくれると思うぞ! 教会と孤児院の食料は共通だからな」

ミスティ「クレアさん……そういえば彼女、なんだか浮かない顔をしていたわ。私たち、もしかして迷惑だったりするの?」

ザック「えっ本当か!? いや巡礼者が迷惑なはずはないし、クレアちゃんが迷惑に思うはずもない。あの子は穏健派の中でも凄く真面目で優しい子だ。もし浮かない表情をしていたとしても、何か別の理由があるはず……」

イリス「別の理由……」

ザック「だがまあそれは巡礼者の君たちが気にすることじゃあない。君たちは気にせず巡礼に打ち込んでいってくれ」

ミスティ「……わかったわ」

 ☆ミラとクルについて少し知りました

 ☆聖ヴァレリオ教会について少し知りました

 ◇
605 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2025/05/10(土) 21:08:56.56 ID:HX7kq3iM0
―セクリエ・ロイエ 大聖堂

 ワイワイ ガヤガヤ

 大きな聖堂「」ドン!

妖精「ここがロイエ教最大の大聖堂かあ」

クロシュ「わあ……」

妖精「ロイエ教で一番偉い教皇が座す教会でもあり、セクリエ・ロイエの政治を司る場でもある……いろいろ大変そうだね」

クロシュ「……調べる?」

妖精「……午前中随分飲んだらしいけど、大丈夫なの?」

クロシュ「うん」

妖精「まあ酔ってる素振りはないし、クロシュが酒で酔うわけもないか。それじゃあ慎重に調べてみよう。何か手がかりをつかめるかも」

クロシュ「ん!」

 モニョモニョ…プチッ

透明ちびスライムクロシュ「〜〜!」モニョニョ!

 ピョンピョンピョン―


↓1コンマ
01-10 プチッ
11-30 変なとこに迷い込んだ
31-50 暗いとこ
51-70 明るいとこ
71-90 明るいとこ+
91-00 明るいとこ++
606 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2025/05/10(土) 21:11:27.95 ID:U3+G+mwe0
607 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2025/05/10(土) 22:02:06.20 ID:HX7kq3iM0
―大聖堂

 ワイワイ ガヤガヤ

 巨大なステンドグラス「」キラキラ
 たくさんの長椅子「」

透明ちびスライムクロシュ「〜〜」モニョモニョ ピョンピョン

 *

―大聖堂別館

透明ちびスライムクロシュ「〜〜」モニョモニョ

 ピョンピョンピョン

 *

―大聖堂別館 中庭

 日差し「」キラキラ
 生い茂る木々「」サワサワ
 小川を模した水路「」サラサラ

 ガーデンパラソル「」バサッ
 木の椅子「」ポン
 木のテーブル「」ポン

 茶菓子「」ポン
 紅茶「」ポン

フリューゲル「おかわりはたくさん用意してありますからね」コトン

セイン「ああ。いつもすまない」

黒髪ポニテ幼女「いつもありがとう、フリューゲルさん」

黄スライム「〜〜!」モニョニョ! モグモグ

灰スライム「〜〜」モニョモニョ モグモグ

アイス「……」パクパク モグモグ


透明ちびスライムクロシュ「……?」コソコソ


セイン「!」シュバッ シャキン!!
 鋼の剣「」シャッ!!

透明ちびスライムクロシュ「〜〜!!!」モニャニャ!!!

セイン「……クロシュ……!?」

 *
608 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2025/05/10(土) 22:03:05.99 ID:HX7kq3iM0

セイン「なるほど……とうとうここまで来たのか」

ちびスライムクロシュ「〜〜!」モニョモニョ

黒髪ポニテ幼女「その子が、セインお兄さんと敵だったり味方だったりするクロシュちゃん?」ヒョコ

ちびスライムクロシュ「〜〜!」モニョニョ

セイン「そうだ。あと……敵ではないと思う」


黄スライム『クロシュちゃん、どこから来たの?』モニョニョ

ちびスライムクロシュ『とおいところ……!』モニョニョ

灰スライム『ねえ、それ分体……?』モニョモニョ

ちびスライムクロシュ『うん……!』モニョニョ

アイス「……」ジー

ちびスライムクロシュ『……わっ……アイスちゃん……!』モニョニョ

アイス「!」

ちびスライムクロシュ『このまえの……つめたかった……!』モニョモニョ

アイス「……」ツンツン

ちびスライムクロシュ『んわわ……!』モニョモニョ

フリューゲル「はい、クロシュちゃんもどうぞ」スッ

 紅茶「」コトン ホカホカ
 お茶菓子「」ポン

ちびスライムクロシュ『んわわ〜! ありがと、ございます……!』モニョニョ キャッキャ


セイン「……クロシュ……いつもより言葉使いが幼くなっていないか?」

灰スライム『ちっちゃい分体は……頭が弱くなるの……』

セイン「そうなのか……」

黒髪ポニテ幼女「今日はカリス遅くなるらしいから、ゆっくりお話しよ?」

ちびスライムクロシュ『ん!』モニョニョ


↓1〜3選択 明るいところでお話
1.ここは何?
2.みんなは何?
3.平和なの?
4.個別の誰かとお話(名前を指定)
0.自由安価
609 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2025/05/10(土) 22:06:23.47 ID:UAbU90R7O
0ロイエ教の反対勢力とかあるの?
610 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2025/05/10(土) 22:06:45.89 ID:HN4IeV0lO
1
611 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2025/05/10(土) 22:16:06.09 ID:ug71g0av0
4黒髪ポニテ幼女
612 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2025/05/10(土) 22:18:43.50 ID:HX7kq3iM0
この中庭++での会話イベントは非常に貴重なものなのですが、>>609の内容は他のところでも聞ける(というか他で聞いた方が効果的な回答を得やすい)ことなので、申し訳ありませんが却下させて頂きます

というわけで申し訳ありませんが再安価*1とさせていただきます

↓1選択
2.みんなは何?
3.平和なの?
4.個別の誰かとお話(名前を指定)
613 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2025/05/10(土) 22:21:01.67 ID:CGBJzw85O
2
614 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2025/05/10(土) 23:35:07.98 ID:HX7kq3iM0
ちびスライムクロシュ『ここ……なあに?』モニョニョ

セイン「ここは、カリス・ノーランドの研究棟……の中庭だ」

ちびスライムクロシュ『カリス・ノーランド!!』モニャニャ!

フリューゲル「セインが私たちの待遇改善の為に、王国とカリスを相手にものすごくいろいろ交渉してがんばってくれたの。この中庭もその一つ……。つまり、私たちがのんびり暮らす為のスペースよ」

黒髪ポニテ幼女「セインお兄さんがいなかったら、わたしたちは今でも暗い鉄の檻の中だったの……」

黄スライム『セインのお陰で、おひさまぽかぽか!』モニョニョ キャッキャ

ちびスライムクロシュ『わあ……!』モニョニョ

セイン「僕たちのことは……もう言わなくてもわかると思うが、カリスの人造生物だ」

ちびスライムクロシュ『!』モニョ!

灰スライム『……カリスのペットたちの中で……生き残ってるのは、ボクたちだけ……。他のみんなは……もう、死んじゃった……』

ちびスライムクロシュ『!!』モニョ…!!

アイス「……よわいから、しんだ」ボソッ

黒髪ポニテ幼女「アイスちゃん……!!」

アイス「……ほんとのこと。アイスは……つよいから、いきて……カリスに、だいじにされてる」

黒髪ポニテ幼女「……っ」

フリューゲル「……アイスの言っていることも、間違ってはいないわ……。それは……カリスに限らず、この世界に共通した摂理のようなもの……。でも――」

アイス「……?」

フリューゲル「……セインが頑張ったから……アイス以外の子たちもこうして中庭でお茶できるくらい、平和に暮らせるようになったの……。もしアイス一人だったら……みんなでお茶なんて、できなかったかもしれないわ」

アイス「………」

フリューゲル「アイスは……みんなでお茶するの、嫌い?」

アイス「……べつに、ふつう。カリス、いないし」

黄スライム『つんでれ!』モニョニョ!

灰スライム『つんでれかなあ』モニョニョ

アイス「うるさい。凍らす……」パキッ…

黄スライム『んわわ〜!』モニャニャ!

フリューゲル「やめなさい」ペシッ

 *
615 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2025/05/10(土) 23:35:42.90 ID:HX7kq3iM0
 モニョモニョ キャッキャ


黒髪ポニテ幼女「ごめんねクロシュちゃん……せっかく遊びに来てくれたのに、変なとこ見せちゃった……」

ちびスライムクロシュ『んーん……! いろいろ、わかった……!』モニョモニョ

黒髪ポニテ幼女「そうなの? なら良かった……」

ちびスライムクロシュ『えっと……』モニョニョ

黒髪ポニテ幼女→フレア「わたしのこと? わたしは……フレアって言うの……。勇者再現計画の……失敗作……」

ちびスライムクロシュ『!!』モニャニャ

フレア「でもセインお兄さんのお陰で、処分を免れたの……。失敗作は失敗作なりに、使い道があったみたいだしね……」

ちびスライムクロシュ『……』モニャニャ…

フレア「今はすごく平和だよ。ときどき、ロイエ教のげんりは?の人が来て、お菓子とかくれるし……。あ、でも最近担当の人が変わっちゃって……。前の、ちょっとうるさいお姉さんじゃなくなっちゃったの」

ちびスライムクロシュ『僧侶さん……!』モニョニョ!

フレア「わ、クロシュちゃん知ってるの?」

ちびスライムクロシュ『僧侶さんは、今は、デロデロ派……!!』モニョニョ!

フレア「でろでろ派……? ふふ、なんだかスライムみたい」

ちびスライムクロシュ『うん……!』モニョニョ

フレア「今の担当者さんはね……おめめに十字の模様がある、静かな人……。最初は、僧侶さんじゃなくてちょっとこわかったけど……今は、こわくないってわかったから平気……。僧侶さんみたいに遊んでくれたりはしないけど、僧侶さんよりたくさんお菓子を持ってきてくれるんだよ」

ちびスライムクロシュ『わあ……!』モニョニョ

フレア「あと……僧侶さんより、偉い人みたい……。カリスも、僧侶さんよりちょっとやりにくそうだった」

ちびスライムクロシュ『わわあ……!』モニョニョ

フレア「えっと……確か、使徒って呼ばれてたかなあ……」

ちびスライムクロシュ『!』モニョ!

フレア「ロイエ教の人だから、外から来たクロシュちゃんなら、会えるかも」

 ◇
616 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2025/05/10(土) 23:37:16.91 ID:HX7kq3iM0

セイン「くれぐれもカリスには見つからないように」

フレア「わたしたちも、今日クロシュちゃんが来たことは秘密にする。だから安心してね」

ちびスライムクロシュ『ありがと、ございます……!』モニョモニョ


フリューゲル「……もし外で私と会った時は、今日の私のことは忘れなさい。きっとその時、私は本気であなたたちを殺そうとするだろうから……」

ちびスライムクロシュ『……』モニャニャ

フリューゲル「……フラナとフレメアのこと……よろしくね」


黄スライム『もう帰っちゃうんだ……』モニョニョ

灰スライム『……こんなとこ……もう、来ちゃだめ……』モニョニョ…

ちびスライムクロシュ『……元気で、いる……?』モニョニョ

黄スライム『うん! わたしたち、元気!』モニョモニョ

灰スライム『セインが……守って、くれるから……大丈夫……』モニョモニョ

ちびスライムクロシュ『んへへ……』モニョニョ


アイス「……」ジッ

ちびスライムクロシュ『アイスちゃん……』モニョニョ

アイス「……クロシュ……もしかして……アイスたちと、おなじ?」

ちびスライムクロシュ『……うん』モニョ

アイス「……なんで?」

ちびスライムクロシュ『……?』モニョニョ

アイス「……なんで……カリスをうらぎったの?」

ちびスライムクロシュ『…………おぼえて、ない……』モニョニョ

アイス「………」

ちびスライムクロシュ『ごめんなさい……』モニョニョ…

アイス「……」

ちびスライムクロシュ『……』モニャニャ…


セイン「アイス……今日のこと、カリスには……」

アイス「……ん。いわない……」

フレア「アイスちゃん……」

アイス「クロシュは……アイスが、カチンコチンにする」

ちびスライムクロシュ『!?』モニャニャ!?

アイス「だから……だまっといて、やる」

フリューゲル「あらら……」


 ☆明るい中庭でカリスの人造生物たちとお話しました

 ☆アイスに目を付けられました

 ◆
617 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2025/05/10(土) 23:39:15.78 ID:HX7kq3iM0
というわけで本日はここまでとなります

カリス・ノーランドの本拠地に侵入し、のんびりお茶して帰宅することに成功したあかちゃんスライムのクロシュ。その心奥には、強い意志が宿っていた。必ずや、かの者たちにしあわせを。静かなる決意を胸に秘め、クロシュは帰る。アイスに敵対宣言されたことは、なるべく考えないようにして――

それでは本日もありがとうございました。次回もよろしくお願いいたします

なお黒髪ポニテ幼女氏の名前と容姿は、最初のスレの勇者募集にて頂いた207の案を一部参照させて頂きました。よろしくお願いいたします
618 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2025/05/11(日) 01:32:50.51 ID:SpIdit/lo
おつ
落選したけど名前だけでも使ってもらえて嬉しい限り
しかし大聖堂内に悪役の本拠地…黒い予感がするなぁ
619 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2025/05/11(日) 01:56:02.26 ID:cpVOZsOho
おつでした
セインくんもかぁ〜……あれこれクロシュ-セインの関係は広義の姉弟では……!?
使徒さんはカリス側じゃないっぽいの朗報
ああ僧侶さんに会いたいなぁ、近くに来てたりするのだろうか
620 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2025/05/11(日) 08:32:16.45 ID:G8rJmAdzo
人間以外の種族は存在することすら忌避されてるかと思ったらそんなでもない?
621 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2025/05/11(日) 12:06:30.88 ID:YM1LPu2xO

アイスちゃんガチめのカリスの配下かと思ってたけどまあまあ対話の余地がなくもなさそう
622 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2025/05/11(日) 16:23:17.75 ID:/+l+SDx80
投下して頂いた案については、本編に登場することはなくとも街のどこかで生きている一人となったり、歴史上で活躍した人物となったりすることがあります。全員を登場させるのは少々難しい為、このような仕様とさせていただくことをご容赦くださいませ
大聖堂の別館にカリス・ノーランドの研究棟があるようです。今回のクロシュ氏は隠密能力によりコソコソと出入りすることができましたが、実のところ警備は厳しく簡単に出入りできる場所ではないようです。気を付けるべきかもしれません

セイン氏もまたカリス氏の手による人造生物であることが明らかとなりました。そういう観点で言えば、クロシュ氏のきょうだいと言っても間違いではないかもしれません。なおどちらが年上で年下なのかは今のところはっきりしていませんが、クロシュ氏とセイン氏は造られた経緯や管理場所が異なっていたため、お互いに面識はなかったようです
使徒氏がどのような人物なのかは今のところ闇に包まれています。そして僧侶氏が今どこにいるかはわかりませんが、今回の事態にデロデロ派がどのように関与してくるかは今のところ未知数です

王都ではロイエ教穏健派の熱心な活動により、実のところ他の王国の都市よりはだいぶ人間以外への差別・迫害が手薄なようです。クロシュ氏が酒場でグビグビ飲んでいても特に咎められたりしなかったのはそういう事情があるようです(大柄で強面の酒飲み穏健派修道士が近くにいたことも関係あるかもしれません)。なおこれは庶民的な大衆酒場だったため問題ありませんでしたが、これが王侯貴族の出入りする高級なお店だったりするとそうもいかないかもしれません。気を付けるのが良いでしょう

アイスさんはカリス氏を慕う幼女ですが、初遭遇の直前に出た00会心や今回の高コンマによる邂逅により、本来想定されていたものよりもクロシュへの心証が(これでもかなり)良いようです。告げ口などせず正々堂々叩きのめすと宣言する点も、ある意味でクロシュちゃんを認めているという態度の現れかもしれません。クロシュさんがどのような心構えでいれば良いかは判断が難しいところですが、ひとまず告げ口はされないので安心すれば良いのかもしれません
623 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2025/05/11(日) 16:24:19.61 ID:/+l+SDx80
―夜
 聖ヴァレリオ教会 宿泊室

イリス「え、えええっ!?」

ミスティ「カリス・ノーランドの研究棟に侵入して、そこの者たちと会話してきた……!?」

クロシュ「うん……!」

エバンス「マジか……!?」

ローガン「また無茶をする……。しかし収穫は大きいか」

妖精「ひとまずわかったことをまとめてみよう」


・大聖堂の別館にカリス・ノーランドの研究棟があった
・明るい中庭でお茶会をしていた
・セイン、フリューゲルの姿を確認
・以前カリスが連れていたアイスもいた
・他にいたのはフレア、黄スライム、灰スライム
・フレアは勇者再現計画?の失敗作らしい
・以前は僧侶が時々訪れてお菓子をあげていた
・今は使徒という偉い者が来てお菓子をあげている
・使徒はカリスにとってやりにくい相手らしい
・アイス以外の者たちはクロシュに友好的
・アイスはクロシュに敵対的。でも見逃してくれた


ローガン「セインくんが……まさかカリスの手の者だったとは……。普通の出自ではないとは思っていたが……」

イリス「勇者再現計画……なんだかきな臭い言葉ですね……」

妖精「……フレアが自分を失敗作と称したのなら……たぶんセインが成功作ってことなんだろうね。胸糞悪い言い方だけど」

ミスティ「本当に胸糞悪いわ……。でも他の子たちは別の計画ということなのかしら?」

妖精「どうなんだろう……。フリューゲルについては前にカリスが客先がどうのとか言ってたから――あっ、客先って王国か!」

エバンス「勇者再現計画なんて名前からして、王国が関わってる気配しかしないな。セインもフリューゲルも王国からの依頼なんじゃないか?」

ミスティ「王国……やはり許し難いわ……」

 ◆
624 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2025/05/11(日) 16:25:11.43 ID:/+l+SDx80
―王都セイントレア 滞在3日目

◇クロシュ [あかちゃんスライム]
武:メイドブレード  盾:ラティアの大盾  飾:くすんだ耳飾り
武:竜珠の大杖    防:竜のエプロン   飾:不死鳥の羽根

◇妖精   [世話焼き妖精]
武:         盾:         飾:くすんだ耳飾り
武:         防:精霊のレオタード 飾:

◇イリス  [星の魔法使い]
武:蒼き星の杖    盾:         飾:くすんだ耳飾り
武:ブラッドランス  防:魔術師のローブ  飾:

◇ミスティ [氷の魔法使い]
武:氷の短刀     盾:         飾:くすんだ耳飾り
武:         防:氷竜革のローブ  飾:

◇ローガン [鋼の戦士]
武:蜥蜴一文字    盾:灼鋼の盾     飾:くすんだ耳飾り
武:鋼の回転ノコギリ 防:オリハル鎖帷子  飾:

◇エバンス [地の傭兵]
武:古代の鉄槌    盾:         飾:くすんだ耳飾り
武:魔銀の刀     防:硬質革鎧     飾:

◯所持アイテム
[道具]        [装備品]       [大事なもの]
運命賽*2       蜘蛛絹の下着      魔族国永久旅券
会心賽*1       ザリガニのお守り    フメイの服の切れ端
反魂丹*1       大きな巻き貝      精霊の印
鉄鍋+携帯調理器具   闇の欠片        精霊樹の実のジャム
「星の魔力」上中下   フリルワンピ水着    精霊樹の鉢植え+赤雷球
お宿の妖精の織物    魔法学園のスク水    フメイとアリシラの人形
魔導飯盒        ガラスのザリガニ    メルルの帽子
妨害魔力波発生装置   踊り子の双剣      溶岩石のアミュレット
属性大全        サボテンドラゴンの花  太陽のメダリオン
魔王図鑑        精霊のローブ      暗黒優待券
氷精の魔導書      精霊樹の杖[改]    冒険者証(ランク1)
ブラッドワイン*1   銀のナイフ       大魔女帝国渡航権
吸血鬼殺ワイン*1   ダイヤメリケンサック  かたたたきけん
魔術書「正負の属性」  パラサイトソード    大魔女帝国滞在許可証
吸血鬼の日焼け止め               風船印のパラシュート
日蝕の傘                    ラティア勲章
大魔女サイン*1                ユーシリア王家の紋章
古代のセラミック
ステライト鉱石
晴れ乞い傘
チョコスムージー
ヒヒイロカネ
氷魔力結晶
魔導書「絶対零度」

◯現在の目標
・フメイちゃんを探す
・世界樹の光を追う[4/5]

◯仲間の目標
・カリス・ノーランドを討つ(ミスティ)

◯経験値
・クロシュ 剣技[03/07] 魔法[03/07] 防御[00/07]
・イリス  杖術[00/06] 魔法[14/16]
・ミスティ 剣技[05/07] 魔法[11/16]
・ローガン 剣技[16/16] 魔法[06/08] 防御[07/08]
・エバンス 剣技[16/16] 魔法[07/08]
……………………………………………………………………………………
□王都セイントレア
王城:未探索
城下:教会、孤児院、市場、食事処、酒場、浴場、娼館、冒険者ギルド、
   公園、学校、図書館、博物館、劇場、闘技場、未探索、他
……………………………………………………………………………………
□セクリエ・ロイエ
大聖堂、大聖堂別館、美術館、庭園、お土産屋、未探索、他
……………………………………………………………………………………
625 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2025/05/11(日) 16:25:48.57 ID:/+l+SDx80
―聖ヴァレリオ教会 廊下

 ガチャッ

聖女「あ、クロシュさん! おはようございます」ペコリ

クロシュ「聖女さん……! おはよ、ございます……!」ペコリ

妖精「おはよう」パタパタ

聖女「はい、妖精さんもおはようございます。こちらでの生活には慣れてきましたか?」

妖精「うん、まあぼちぼちかな……?」

聖女「それなら良かったです。困ったことがあったら何でも言ってくださいね」

クロシュ「うん……!」


妖精「………そういえば聖女って、家族の人とかは……」

聖女「父と姉がいます。どちらもロイエ教なんですけど……二人ともちょっと遠方に派遣されているみたいで、会えてないですね……」

妖精「そ、そうなんだ……」

聖女「でも大丈夫です! その……ちょっと考え方が合わないところもあるので……会うことにならなくて良かったかもしれません」

クロシュ「………えっと……僧侶さん……だよね……?」

聖女「えっ……!? クロシュちゃん、知っているんですか……!?」

クロシュ「うん……。前に……会って……お話、した……」

聖女「……姉は、クロシュちゃんに酷いことを言いませんでしたか……?」

クロシュ「うん……! 僧侶さん……今、デロデロ派……!」

聖女「ええっ……!? で、デロデロ派……!?」

妖精「……デロデロ教って知ってる? なんかその考え方に染まったみたいでさ。ロイエ教デロデロ派を名乗って活動してたよ」

聖女「おね……姉がデロデロ教に……!? それは……ふふ、本当ですか……!?」

クロシュ「うん……!」

妖精「あれ……? 聖女、ちょっと嬉しそう……?」

聖女「あっ……す、すみません。姉が未認可の異端になったことを喜んではいけないですよね。でも……えへへ……」ニコニコ

クロシュ「んへへ……」ニコニコ

妖精「ま、まさか……聖女もデロデロ思想が良いの……!?」

聖女「そ、それは違います! 私はロイエ教の修道者ですから……! ただ、デロデロの考え方も悪いものだとは思っていないのです。少なくとも原理派……人間だけを良い種族として他の種族を悪いものとするような考え方よりは、ずっと良いと思うのです。以前の姉はそういう考え方だったので……」

妖精「なるほどね。私もそういう差別的な考えよりはデロデロの方が好きかな。ちょっと過激だとも思うから全面的に賛同はできないけどね……」

聖女「でも、そっか……デロデロ派かあ……。ふふ、お姉ちゃんにすごく会いたくなってきちゃいました」ニコニコ


王都セイントレア滞在3日目。15日目に何かが起こります
↓1〜3 自由安価 何をする?
626 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2025/05/11(日) 16:26:06.04 ID:vgBdBkE/0
クロシュ、孤児院で子供たちの勉強会に参加
627 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2025/05/11(日) 16:26:44.95 ID:vh+OxehFO
城下を中心に現教皇や原理派等のロイエ教に関する情報収集
628 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2025/05/11(日) 16:31:05.85 ID:G8rJmAdzo
使徒とやらにあう
629 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2025/05/11(日) 16:48:38.98 ID:/+l+SDx80
―聖ヴァレリオ教会 孤児院の庭

ミラ?「はい、みんな杖は手に持ったかな?」

幼女「は〜い!」
 小さな杖「」ポン!

少年「はいはい」
 小さな杖「」ポン!

クロシュ「ん!」
 竜珠の大杖「」ポン!

少年「ちょっ、お前なんだそれ!? でかすぎるだろ!」

幼女「わ……!? クロシュちゃんの杖おっきい!!」

ミラ?「アハハ! 手に馴染む杖でやるのが一番だよ、でも出力には注意してね?」

クロシュ「ん……!」

 *

ミラ?「じゃあみんな、自分の得意属性の初級魔法の練習! 難しかったら先生を呼んでね」

幼女「は〜いクルせんせ〜」

少年「今はクルなの?」

ミラ→クル「うん、クル先生だよ〜」

クロシュ「クルさん……」

クル「クロシュちゃんはまだ見分けられなくても仕方ないかもね。私たちのこと」

クロシュ「ん……」


↓1コンマ 魔法の練習
01-30 魔法経験+1
31-60 魔法経験+2
61-90 魔法経験+3
91-00 魔法経験+6 新技習得
630 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2025/05/11(日) 16:49:39.88 ID:winWkLrg0
631 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2025/05/11(日) 17:06:29.36 ID:/+l+SDx80
クロシュ「えいっ!」
 竜珠の大杖「」ブンッ!

 反映魔法弾「」ピュン!
 反映魔法弾「」ピュン!

 ポン! ポン!

スライム幼女「わわ〜!?」モニョモニョ

スライム少年「な、なんだぁ!?」モニョニョ

クル「わぁお! クロシュちゃんって面白い魔法を使うんだね!」

スライム幼女「せんせー、わたしスライムなのにスライムじゃない! すっごくヘン!」モニョモニョ

スライム少年「ど、どうなってんだ!? オレの体、人間のままなのにスライムになってる!?」

クロシュ「えっとね……見え方と、質感だけが……変わるから……中身は、変わんない……!」

スライム幼女「わ、すごい〜!」キャッキャ

スライム少年「キショーゾクセーてやつか!? ずりぃぞ!!」プンスコ

クル「ふむふむ……見たところ練度も十分だね。私が教えられることもなさそうだ! クロシュちゃんは合格! 卒業おめでとう!」

クロシュ「わわ……!」

スライム幼女「おめでと〜!」パチパチ

スライム少年「くそ〜オレも早く卒業してえ〜!」

 ☆クロシュが魔法経験を3積みました

 ◇

―王都セイントレア 城下町

 ワイワイ ガヤガヤ

エバンス「ひとまず闇雲に情報収集してみるか」スタスタ

ローガン「闇雲なのか……」スタスタ

エバンス「冗談だ冗談。ここはやっぱ、今のロイエ教の様子とか原理派の動向を抑えておきたいよな」

ローガン「そうだな。なぜ大聖堂の別館にあのような……というのは恐らく市井の者に聞いても仕方がないだろうが」

エバンス「むしろそんなのを聞いて回るのは自殺行為だな……。今はとりあえず、表に出回ってる普通の情報を集めよう」

↓1コンマ
01-30 現在の教皇は穏健派の人物らしい
31-60 以前は原理派が優勢だったらしい
61-90 ???
91-00 ???
632 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2025/05/11(日) 17:09:18.49 ID:G8rJmAdzo
はてな
633 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2025/05/11(日) 17:09:40.68 ID:cpVOZsOho
カクカクシカジカ
634 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2025/05/11(日) 18:38:51.15 ID:/+l+SDx80
酒飲み大柄修道士「ロイエ教のことであれば俺が答えてやろう!」ノッシノッシ

ローガン「貴方は昨日の酒飲み修道士!」

エバンス「えっ、クロシュちゃんと飲み比べをしたっていう?」

酒飲み大柄修道士「いかにも!」

ローガン「うむ……まあ、恐らく信用できそうな人物だ。せっかくだし聞いてみよう」

エバンス「お、おう」

 *

酒飲み大柄修道士「今のように穏健派が優勢になったのは、現教皇のユグド・フランシスが選出されたのがでけえだろうな。まあ穏健派のモンが選出されるくらいに穏健派がでかくなったとも言えるが」

エバンス「現教皇ってのはどんな人物なんだ?」

酒飲み大柄修道士「穏健派思想の体現者のような人だ。平等と平和を重んじ、求める者には種族の隔てなく手を差し伸べる……みたいなな。今この王都で人間以外の排斥に反発する運動が活発なのも、あの人とその指揮下にある穏健派の積極的な活動の結果だと思うぜ」

ローガン「なるほど……。穏健派が優勢になるまでは原理派が優勢だったのだろうか?」

酒飲み大柄修道士「おお、知ってるのか? その通り、穏健派が優勢になる前は原理派が大多数を占めてたんだ。ロイエ教の歴史のほとんどは原理派の歴史と言っても過言じゃねェ。もちろん原理派は今でもロイエ教に数多く残ってるし、セイントレア王国の王侯貴族はほとんどが未だに原理主義的なロイエ教を信仰してるんだぜ」

エバンス「なるほどな……王様が未だに人間以外に厳しいのは原理派だからってことか」

酒飲み大柄修道士「実際に話してみねェとほんとのとこはわかんねェが、可能性は高ェだろうな。穏健派の俺としては頭の痛ェとこだが……」

ローガン「貴方も穏健派だったのだな。まあクロシュくんともおおらかに接していた辺りからそうだとは思っていたが」

酒飲み大柄修道士「ガハハ、種族が違うからって子供相手に目くじらを立てる奴ァ穏健派がどうとか以前に人としてゲロ以下だろうよ!」

エバンス「おお……まあ大体同意だ!」

ローガン「聖職者とは思えん言葉遣いだが、確かに同意はできるな……うむ」

 ☆ロイエ教について少し知りました

 ◇
635 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2025/05/11(日) 18:39:21.68 ID:/+l+SDx80
―聖ヴァレリオ教会 礼拝堂

クレア「えっ……使徒様に会いたい……!?」

クロシュ「だめ……?」

クレア「だ、だめというわけではないのですが……。使徒様は……少々所属が遠くてですね……」


聖女「使徒様がどうかなさったのですか?」スタスタ

クレア「あっ聖女! あなたは今原理派ですよね? クロシュさんたちを使徒様とお会いさせてあげることはできますか……?」

聖女「えっ……ど、どうでしょう。私は原理派といってもほとんど末端ですし……父がここにいればなんとか頼めたかもしれないですけど……いやでも使徒様は名誉顧問なので普段はお暇という噂もありますし、ダメ元で行ってみれば会えるかもしれません」

妖精「お願いできる? ダメだったらダメでいいからさ」

聖女「わかりました。行くだけ行ってみましょう!」

イリス「ありがとうございます!」

ミスティ「よろしく頼むわね」

クロシュ「おねがいします……!」

 ◇
636 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2025/05/11(日) 20:34:44.39 ID:/+l+SDx80
―大聖堂別館 来賓室

 大きなソファ「」ポン
 ガラスのテーブル「」ポン

十字瞳孔の金髪ロング少女→使徒「お待たせ致しました」スッ

聖女「使徒様、お久しぶりでございます」ペコリ

使徒「お久しぶりです、聖女様」ペコリ


クロシュ(わあ……!)

ミスティ(あっさり会えちゃったわ……。本当に暇なのかしら……?)

イリス(……この気配は……)

妖精(………こいつ、何だ……? この感じ……)


使徒「遠路はるばる、ようこそいらっしゃいました。世界樹の光をお求めの皆様」ペコリ

妖精「……知っていたの?」

聖女「??」

クロシュ「??」

使徒「そうでなければこのような席は設けません」


イリス(わお……)

ミスティ(これは……なかなかやりそうね……)


聖女「えっと……私は、席を外した方がよろしそうですか?」

使徒「いいえ。聖女様にも関係があるかもしれません。どうぞお座りくださいませ」

聖女「わ、わかりました……」スッ

使徒「……一度、振り返りも兼ねて聖女様にもわかるように説明いたしましょう。世界樹の光を巡る、時の流れについて――」

 ◇
637 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2025/05/11(日) 20:35:55.24 ID:/+l+SDx80

聖女「そのようなことが……。私も原理派なのに、何も知りませんでした……」

使徒「聖女様のお父上が、厳しく情報統制を行っておりましたので。知っているのは枢機卿を初めとした上層部の何人かと、僧侶様くらいでしょう」

聖女「お、お姉ちゃ……姉まで関わっているんですか……!?」

使徒「誰よりも熱意を持って取り組んでおられました。お父様と一緒に私が世界を救うんだー!と鼻息を荒くし……」

聖女「そ、そうなんですか……。それでは姉は、今もその任に……?」

使徒「いえ。残念ながら、彼女は今行方不明です」

聖女「えっ……!?」

使徒「僧侶様は任務の途中、何度も失敗を繰り返し、最終的に任を解かれました。その後セクリエ・ロイエに戻るよう通告したのですが……姿を消し、未だに戻っていないようです」

聖女「そ、そんな……! どこかで事故か……あ、危ない目に遭ってるんじゃ……!!」

使徒「あるいは、セクリエ・ロイエに戻れないような事情があるか――」

聖女「……!!」

妖精「……」

使徒「もしそうだとして、咎めるつもりはないのでご安心を」

聖女「……」


使徒「さて、それでは本題に移りましょうか。まずは世界樹の光について」

妖精「うん。あなた……持ってるんでしょ?」

使徒「はい。こちらに」
 手のひら「」スッ

 世界樹の光・地「」ポゥ―

イリス「世界樹の光……!」

妖精「……どうやってそれを奪ったの?」

使徒「あなたたちが悪竜を討滅して引き上げた後、その地に赴き……星脈に沈んでいくそれを捕まえ、引き上げました」

イリス「ええ……!? そんなのことが可能なんですか……!?」

使徒「可能です」

イリス「……!!」

使徒「単刀直入に言いましょう。世界の存続の為に、あなたたちが持っている光を私に預けてはくれませんか?」

妖精「……」

使徒「今ご説明した通り、私たちの目的は世界樹の光を用いて世界めくれを抑えること……。その目的さえ果たせれば、その後に光は全てお返しすると約束致しましょう」

妖精「……そもそも、世界めくれなんて本当に起きるの? その情報の出どころは?」

使徒「とある預言者様のお言葉です。申し訳ありませんが、例え世界樹の御使いであろうと詳細をお話することはできません」

妖精「信用できない。そんな曖昧で不確かな預言とやらの為に、世界樹の光を得体のしれない奴らに託せるわけがない」

使徒「そうですか。では交渉は決裂ということで」

イリス「あっさり引き下がった……?」

ミスティ「……力づくで奪う算段があるんじゃないの?」

使徒「皆さんに危害を加えるような真似は致しません。預言の日までにはまだ日数がありますので、他の手を打つとしましょう」

妖精「他の手……?」

使徒「秘密です。それをお渡しして頂けるのならお話致しますが」

妖精「冗談じゃない」

使徒「気が変わりましたらいつでもこちらへ。もし光を預けて頂けるのなら、どんな望みでも叶えて差し上げましょう。ロイエの威光が届く範囲で、ですが」

 *
638 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2025/05/11(日) 20:38:30.56 ID:/+l+SDx80
クロシュ「あの……カリス・ノーランドと……セインさんたちについて……聞いても、良い……?」

聖女「え……? カリス・ノーランドって、指名手配犯の……? ずっと前に処刑されたっていう……。それとセインさんにどんな関係が……?」

使徒「聖女様。今からここで耳にすることは、絶対に他言しないと約束して頂けますか?」

聖女「えっ……? は、はい……」

使徒「はい。とは言っても、私も彼女とその創造物たちについて知っていることは多くありません。彼女はあくまで、枢機卿を介して協力を取り付けた外部委託業者。セイン様の要請に応じて最低限の監督はしておりますが、この仕事が終わればそれも終わるでしょう」

クロシュ「えっ……。じゃあ……これ、終わったら……カリス、また、酷いことするようになるの……?」

使徒「そこは私の感知するところではございません。しかしセイン様は王国相手にも積極的に交渉を行っておられるご様子でしたので、セイン様が存命の内はある程度安全なのではないかと推察致します」

ミスティ「ちょっと……あなた、カリスがしていることを知っていながら何も思わないの……!? そんな他人事みたいに……!」

使徒「カリス様がこの世界に生じさせている苦痛の総量は、他の者に比べれば確かに多いかもしれません。しかしはっきり申し上げれば、誤差です」

ミスティ「な、に……!?」

使徒「カリス様が何をしてもしなくても――この世に生まれでた命は、例外なく苦痛にのたうち、最期には死にます。カリス様は、その流れを少しだけ後押ししているに過ぎません」

イリス「え、ええ……!?」

使徒「ゆえに私は、カリス様だけを特別扱いするつもりはございません。もちろん私の目的を阻害する存在となるのであれば別ですが。今のところはどちらかと言うと有益な存在なので、特にすべきことはございません」

ミスティ「貴様ッ!!」ダンッ!!

妖精「ミスティ!!」

ミスティ「っ……!!」

妖精「……あなたのスタンスはわかった。私たちとは……どうやら、相容れない」

使徒「そのようですね。残念です」

イリス「……使徒さんは、世界を救う為に世界樹の光が必要なんですよね……? でもどうして……そんな正しい気持ちを持っているのに、カリスを許せるんですか……!? 使徒さんにとって、世界さえ存続すれば、そこで苦しんでる命たちはどうでも良いんですか……!!?」

使徒「どうでも良くはありません」

イリス「それなら、なんで……!?」

使徒「秘密です。世界樹の光をお貸しして頂けるなら、全てを詳らかにお話致します」

イリス「……」

妖精「またそれか。あなたみたいなおかしい奴に貸せる光なんてあるもんか」

使徒「残念です」


クロシュ「……」

クロシュ(まだ……少し、時間あるみたい……)


どうする……?
↓1〜2自由安価 話す or 行うこと(状況にそぐわないものは再安価となります)
639 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2025/05/11(日) 20:44:44.42 ID:HKTchOSJO
他に使途さんが危惧してることはあるか
640 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2025/05/11(日) 20:53:02.08 ID:2lN0pQFaO
世界をデロデロにして一つにすることについてはどう思う?
641 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2025/05/11(日) 22:26:57.74 ID:/+l+SDx80
クロシュ「……えっと……他に、心配なこと……ある……?」

使徒「心配なこと、ですか」

クロシュ「うん……。世界が、めくれる以外で……」

使徒「原理派の枢機卿……通称グランドマスター様が独断で王国と何らかの企てを行っているようです。詳細は存じ上げませんが、断片的に拾った情報によれば魔族国に関わる事柄のようです」

聖女「えっ……!? ど、どういうことでしょうか……!?」

使徒「枢機卿は私に負けず劣らずの秘密主義者なので、ここからは完全な推測となってしまいますが――恐らく、戦争でしょう」

聖女「っ!!?」

イリス「えっ……!?」

妖精「待って! 魔族国は、多数の人質を抱えてるんだよ! 中には王族もいたはず! それなのに戦争なんて――」

使徒「敵国の滅亡を人質より優先すれば、戦争は可能です」

妖精「いや……それはそうだけどさあ……」

使徒「私としては、世界めくれを阻止しなければならないこの状況下で、そのような下らないことに神経を割かれたくありません。枢機卿にも困ったものです」

ミスティ「だったらあなたが止めれば良いじゃない……。あなた、この原理派で偉い立場なんでしょ」

使徒「そうしたいのは山々ですが、彼は話が通じる相手ではありません。そしてとある事情により殺害も不可能です。そういうわけなので私、割と本気で困っています」

妖精「そ、そうなんだ……」

使徒「せっかくなので特別にお教え致しますが、枢機卿がこの世界に生じさせている苦痛の総量は、カリス様よりずっと多いです」

イリス「え、ええっ……!?」

ミスティ「カリスより邪悪ということ……!?」

使徒「原理派の癌細胞と言っても良いでしょう。もっと早く検知できれば摘出できたかもしれませんが、既にその病巣は大聖堂の奥深くに広がっていました。名誉顧問の私ではもうどうしようもありません」

妖精「ええ……諦めないでよ、そこで……」

使徒「真面目な話をすると、腐っても枢機卿で、しかも王国やカリス様など各界に多数のパイプを持った人物でもあるので、下手に始末すればどのような悪影響が出るか予想が付かないという面もあります」

ミスティ「どういうこと……? 悪い奴を殺せば悪い奴が消える、という簡単な話ではないの?」

使徒「ミスティ様にもわかりやすく言いましょう。枢機卿が死ねば、カリス様の首輪が外れた状態になります」

ミスティ「なるほど……理解できたわ。二人同時に潰せば良いということね」

使徒「そうかもしれません」

イリス「ええ……」

使徒「枢機卿は勤務地である聖域の間にいる間は無敵なので、もし暗殺するなら不死殺しの手段を用意するか、聖域の間から出た瞬間を狙うのが良いでしょう。滅多に出ることはありませんが、もし戦争を企てているなら近い内に出る瞬間があるかもしれません」


聖女「い、一体何のお話をしてらっしゃるのでしょうか……」クラクラ

妖精「ご、ごめんね……巻き込んじゃって……」

 *
642 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2025/05/11(日) 22:28:55.33 ID:/+l+SDx80

クロシュ「……あ、使徒さん……デロデロ教って、知ってる……?」

聖女「!」

使徒「はい。世界を一つのデロデロにして、恒久的平和を実現しようという考えを広めている集団ですね」

クロシュ「うん……。使徒さんは……デロデロ、どう思う……?」

使徒「そうですね。一つの解としては、まあ悪くないものと考えます」

クロシュ「!」パァァァ

使徒「しかし懸念点もあります」

クロシュ「!」

使徒「デロデロが命の総体であった場合、それは結局、全ての命が受けるはずだった苦痛の先延ばしに過ぎません」

クロシュ「……」

使徒「そしてデロデロが全ての命に安寧を与えるゆりかごであった場合――デロデロにかかる負担、責任が重すぎます」

クロシュ「……!」

使徒「星ごと呑み込んで全ての命をしあわせにしたデロデロの最期が、新しいごはんを食べることもできず、友達とお喋りすることもできず、独りぼっちで宇宙を漂い、静かに冷えて死んでいくものだとしたら――それは、あまりにもむごい末路ではありませんか」

クロシュ「……!!」

使徒「永遠はありません。不死の炎も、星の鼓動も、太陽の熱も――いつかは翳り、滅びる運命(さだめ)。独りぼっちのデロデロが、最期までしあわせな夢を見ていられるのか――私には、わかりません」

クロシュ「……」

使徒「以上の点から、デロデロ教の考え方を全面的に受け入れることはできません。しかし苦痛の総量は大幅に減少すると思われますので、全く悪いものとも思いません。今のこの世界がこのまま続くよりは良いかもしれませんね」

クロシュ「……ん。わかった……ありがと……」

使徒「どういたしまして。また何か聞きたいことがあればお答えいたしましょう」



イリス(……使徒さん……デロデロのことを思いやれる心があるんだ。でも……それならなんで……カリスのことは、許しちゃえるの……?)

ミスティ(使徒……よくわからない女ね……。たぶん、悪い奴ではないのだろうけど……)

聖女(……私、クロシュちゃんや使徒さんみたいに、しっかり考えてるのかな。口先で平等や平和を訴えるばかりで、結局思考停止してはいないかな……。でも……うう、お姉ちゃんとお父さんのことも心配……戦争のことも……。私、どうすれば……)グルグル

妖精(……何者なんだろう、この使徒という奴は……。なんか妙な感じだ……知ってるような、全然知らないような……)


 ☆使徒とお話しました

 ☆枢機卿グランドマスターの情報を得ました

 ☆使徒のデロデロに対する考えを知りました

 ◆
643 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2025/05/11(日) 22:57:04.16 ID:/+l+SDx80
―王都セイントレア 滞在4日目

◇クロシュ [あかちゃんスライム]
武:メイドブレード  盾:ラティアの大盾  飾:くすんだ耳飾り
武:竜珠の大杖    防:竜のエプロン   飾:不死鳥の羽根

◇妖精   [世話焼き妖精]
武:         盾:         飾:くすんだ耳飾り
武:         防:精霊のレオタード 飾:

◇イリス  [星の魔法使い]
武:蒼き星の杖    盾:         飾:くすんだ耳飾り
武:ブラッドランス  防:魔術師のローブ  飾:

◇ミスティ [氷の魔法使い]
武:氷の短刀     盾:         飾:くすんだ耳飾り
武:         防:氷竜革のローブ  飾:

◇ローガン [鋼の戦士]
武:蜥蜴一文字    盾:灼鋼の盾     飾:くすんだ耳飾り
武:鋼の回転ノコギリ 防:オリハル鎖帷子  飾:

◇エバンス [地の傭兵]
武:古代の鉄槌    盾:         飾:くすんだ耳飾り
武:魔銀の刀     防:硬質革鎧     飾:

◯所持アイテム
[道具]        [装備品]       [大事なもの]
運命賽*2       蜘蛛絹の下着      魔族国永久旅券
会心賽*1       ザリガニのお守り    フメイの服の切れ端
反魂丹*1       大きな巻き貝      精霊の印
鉄鍋+携帯調理器具   闇の欠片        精霊樹の実のジャム
「星の魔力」上中下   フリルワンピ水着    精霊樹の鉢植え+赤雷球
お宿の妖精の織物    魔法学園のスク水    フメイとアリシラの人形
魔導飯盒        ガラスのザリガニ    メルルの帽子
妨害魔力波発生装置   踊り子の双剣      溶岩石のアミュレット
属性大全        サボテンドラゴンの花  太陽のメダリオン
魔王図鑑        精霊のローブ      暗黒優待券
氷精の魔導書      精霊樹の杖[改]    冒険者証(ランク1)
ブラッドワイン*1   銀のナイフ       大魔女帝国渡航権
吸血鬼殺ワイン*1   ダイヤメリケンサック  かたたたきけん
魔術書「正負の属性」  パラサイトソード    大魔女帝国滞在許可証
吸血鬼の日焼け止め               風船印のパラシュート
日蝕の傘                    ラティア勲章
大魔女サイン*1                ユーシリア王家の紋章
古代のセラミック
ステライト鉱石
晴れ乞い傘
チョコスムージー
ヒヒイロカネ
氷魔力結晶
魔導書「絶対零度」

◯現在の目標
・フメイちゃんを探す
・世界樹の光を追う[4/5]

◯仲間の目標
・カリス・ノーランドを討つ(ミスティ)

◯経験値
・クロシュ 剣技[03/07] 魔法[06/07] 防御[00/07]
・イリス  杖術[00/06] 魔法[14/16]
・ミスティ 剣技[05/07] 魔法[11/16]
・ローガン 剣技[16/16] 魔法[06/08] 防御[07/08]
・エバンス 剣技[16/16] 魔法[07/08]
……………………………………………………………………………………
□王都セイントレア
王城:未探索
城下:教会、孤児院、市場、食事処、酒場、浴場、娼館、冒険者ギルド、
   公園、学校、図書館、博物館、劇場、闘技場、未探索、他
……………………………………………………………………………………
□セクリエ・ロイエ
大聖堂、大聖堂別館、美術館、庭園、お土産屋、未探索、他
……………………………………………………………………………………
644 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2025/05/11(日) 22:58:40.65 ID:/+l+SDx80
―朝
 聖ヴァレリオ教会 宿泊室

 チュンチュン

妖精「というわけで、世界樹の光を持っているのが使徒だってことはわかった」

ローガン「預言の日に備えて持っている、と」

妖精「そうらしい……。説得はたぶん無理。力づくで奪うのはちょっと怖いかも……得体が知れないし、むしろ逆にこっちが奪われる可能性がある……」

エバンス「なるほどな……。んでしかも、枢機卿が王国と戦争の企てをしてるっつー噂か……」

イリス「魔族国に知らせた方が良いですかね……?」

妖精「もう風の精霊に頼んで知らせてある。ただ、今の段階では疑惑でしかないから、備えとくようにって程度だけど……」

クロシュ「……」

ミスティ「戦争か……。あの魔族革命の時みたいな戦いがもっと大規模に繰り広げられる……という認識で良いのかしら……」

妖精「大体良いと思う。一番良いのは戦争が起こらないことだけど……今の段階じゃいつ起きるかもわかんないし……」

ミスティ「……やっぱり、枢機卿とかいう奴を叩きのめす?」

エバンス「いや、流石に厳しくないか……。俺たちまでシノホシみたいなテロリストになっちまうぞ……」

イリス「使徒さんが庇ってくれるかどうかもわかんないし……」

ローガン「それに、カリスの首輪が外れてしまう懸念もあるのだろう……。もし殺るなら同時に殺らねばならん」

ミスティ「そうだったわね……。なかなか難しいわ……」


 ☆努力目標が追加されました
 ・カリスに造られた者たちを助ける
 ・枢機卿の悪事を暴く
 ・戦争を阻止する


王都セイントレア滞在4日目。15日目に何かが起こります
↓1〜3 自由安価 何をする?
645 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2025/05/11(日) 22:58:49.98 ID:winWkLrg0
孤児院の手伝いでミラ(クル)と一緒に市場で買い物中にレイと再会する
(無理そうならミラとクルが昔レイと同じ孤児院に暮らしていた話を聞く)
646 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2025/05/11(日) 22:58:58.48 ID:G8rJmAdzo
レインをはじめとするカリスへの復讐者たちが続々と集結する
647 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2025/05/11(日) 22:58:58.77 ID:vgBdBkE/0
ダークヒーローイリス、虐げられてる奴隷を助ける。
648 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2025/05/11(日) 22:59:13.30 ID:tescTEckO
デロデロ教布教に巻き込まれる
649 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2025/05/11(日) 22:59:33.91 ID:Dab0bmoJ0
ちびクロシュを使って王城に入ってみる
650 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2025/05/11(日) 23:54:35.48 ID:/+l+SDx80
―王都セイントレア 市場

 ワイワイ ガヤガヤ

ミラ「すまないね、クロシュさん。買い出しを手伝ってもらって」スタスタ

クロシュ「ん……!」トコトコ

妖精「まあアレだよ、巡礼者としての善行の一環みたいな」パタパタ

ミラ「良いね。きっと天国に行けるよ、クロシュさんも妖精さんも」

クロシュ「てんごく……?」

妖精「死んだ後に魂が向かうとされる場所のこと。ロイエ教に限らず大体の宗教は、死後の世界のことを規定してる。死後への思いはきっと、生命にとって普遍的な感情なんだろうね。ちなみに緑の国では、死者の魂は星に還るって考えられてる……って話は前にしたっけ?」

クロシュ「うん! 浮島のラティアでは……お空に、かえる……!」

妖精「そう、よく覚えてたね。えらいえらい」ナデナデ

クロシュ「んへへ……」

ミラ「へえ……どこの宗教でも天国のことは規定してるんだね。ロイエ教でもそうなのかな?」

妖精「さあ、ロイエ教でどうかは……ってあなたロイエ教の孤児院で働いてるのに知らないの?」

ミラ「働いてるだけでロイエ教の教典を真面目に読んだことはないんだ。クレアさんも無理に読む必要はないって言ってたから、まあいいかなって」

妖精「適当だなあ……。クレアは優しいんだね」

ミラ「クレアさんはすごく優しいよ。しかも美人だし、もし僕が僕だけだったら異性として好きになっちゃってたかもね」

妖精「そういえばミラは妹のクルと一緒なんだっけ……?」

ミラ「うん。僕の体はクルも一緒なんだ。クレアさんのことばかり見ていたら、クルにひっぱたかれちゃいそうだからね」

クロシュ「わあ……」

妖精「なんだか難儀してそうだなあ……」

ミラ「フフ、難儀してたのは確かだね、いろいろ。お風呂の時なんか、クルに見られ放題で最初はちょっと恥ずかしかったんだ。もう慣れちゃったけどね」

妖精「想像がつかない……。まあなんか大変そうなのはわかる……」

クロシュ「……えっと、なんで、クルさんが……一緒なの……?」

ミラ「フフフ……それを聞いてしまえば、もう後には戻れないよ? 本当に聞いちゃう?」

クロシュ「うん!」

ミラ「それはね――」

 ドンッ

ミラ「おっと、すみま――」

フードで顔を隠したレイ「ひゃっ! しゅ、しゅみま……ひゃえっ!? みみ、みっ……」

ミラ「……レイ?」

レイ「みっ、ミラ……!?……なな、なん……で……ここに……」ガクガク

クロシュ「レイさん……!」

妖精「レイ……!?」

ミラ「……ちょっと、場所を移そうか」スッ

 ガシッ!

レイ「ひいぃ……ごべんなさい、ごべんだざぃ……」ズルズル

 ◇
651 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2025/05/11(日) 23:55:40.73 ID:/+l+SDx80
というわけで本日はここまでとなります。次回はミラくんとレイちゃんの同窓会編、カリスに殺意を向ける者たち編、ダークヒーロー活動編です

ついに原理派の使徒と出会い、言葉を交わすクロシュ一行。使徒のやや浮世離れした言葉や考えに戸惑ったり怒ったりしつつ、話し合いはひとまず穏便に終わる。聖女は家族や原理派の知られざる一面に衝撃を受け、妖精は使徒の真意をはかりあぐね、ミスティは使徒の冷血な態度に憤怒し、イリスは使徒の多面性に戸惑い、クロシュは使徒のデロデロ考察を聞いて思索を深めた。よくわからない人だが、ひとまずすぐに敵対ということにはならなそうである。セインさんたちを助ける、枢機卿の悪巧みを暴く、戦争を止める……やることはたくさんあるが、あかちゃんスライム的にはやっぱりセインさんたちが一番気になるところであった――

そして次なる日。ミラくんちゃんと一緒に買い物中、指名手配犯のレイさんと再会するクロシュ。ミラくんちゃんとレイさんの間には並々ならぬ思いが迸っているように見えたが、邂逅の行方は果たして――

それでは本日もありがとうございました。次回は土日となります、よろしくお願いいたします
652 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2025/05/12(月) 12:41:15.66 ID:VIld+Qfoo
おつおつ
使徒さんリアリスト極みだけどまとも寄りだ……異教徒(でろでろ教クロシュ)にも一定の理解があるのは流石
653 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2025/05/12(月) 18:10:07.71 ID:55oKPG/eO
カリ殺者いっぱいいそう
654 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2025/05/12(月) 22:07:04.15 ID:SMQBPGmD0
乙です
レイの過去や禁呪や邪神関係も明らかになっていくのかな
655 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2025/05/13(火) 12:06:51.28 ID:RycuNkIFO

ミスティさんが安定の脳筋武闘派スタイルで安心できる
努力目標が追加されたけどクロシュちゃん的にはやっぱセインさんたちが気になるとこよね
656 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2025/05/16(金) 23:39:54.69 ID:yLauTuFXo
ミスティバイオレット姉妹大魔女帝国レインと対カリス連合できるなって
657 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2025/05/17(土) 09:38:35.68 ID:idXzYpXB0

自由行動の安価に関してなんか言っていたけど>>357でまだ様子みる感じだったのね(一度自由行動の安価取っているのにまたとっている人たちがいたからあれっと思ったけど)。
658 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2025/05/17(土) 16:29:30.36 ID:2CFwlCGE0
使徒氏は少し変わった考え方を持っているようです。彼女の真の目的が何なのかは今のところ闇に包まれていますが、少なくとも今のところはクロシュたちと喧嘩になることはなさそうです。クロシュ氏としても、デロデロ教についての考えと評価を提示してくれたのは嬉しいことであったと言えるかもしれません

カリス氏に恨みを持っている人はけっこういるので、カリス氏を殺したいと思っている人はけっこういると考えられます。彼女に向けられた殺意がどのような影響を及ぼすのかは今のところ未知数と言えます

レイ氏のことや邪神のことなどは、今後明らかになる可能性があります。今のところは闇に包まれているため、それが実際にどのようなものなのかはわかりません。なおこれはネタバレですが、邪神や邪教に関係している言葉や事象は既に劇中でもいくつか出てきています。鋭い方はもうお気付きかもしれません

ミスティ氏は脳筋なので、枢機卿とカリスを同時にやっつければ悪は去ると考えたようです。それは実のところある程度その通りなのですが、しかし彼らを同時にやっつけるのはとても難しいかもしれません
クロシュ氏としては、セインさんやフレアちゃんのことがやはり気になるようです。時間は有限なので、早め早めに調べたり動いたりしていくのが良いでしょう

カリス氏に恨みを持つ人はけっこういますが、それらの復讐者たちが一致団結するには場所やコミュニケーション手段など、様々な課題があります。もしそれらを乗り越えることができれば、大きな戦力となってカリスを打ち倒すことができるかもしれません
659 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2025/05/17(土) 16:30:00.90 ID:2CFwlCGE0
―王都セイントレア 喫茶店

 カランカラン

店員「お待たせいたしました。紅茶とセイントレアチーズケーキになります」スッ

 紅茶「」ポン ホカホカ
 レアチーズケーキ「」ポン

ミラ「ありがとうございます」

店員「ごゆっくりお過ごしくださいませ」ペコリ スタスタ


レイ「……」ガクブル

妖精「え、ええと……これは、どういう状況なの?」

ミラ「君たちもレイのことを知ってるんだよね?」

クロシュ「うん……」

妖精「まあ、ちょっと縁があって……」

ミラ「なら一緒にお話しようよ。久しぶりに会えたことだしさ……」

レイ「……」ガクブル

 ◇

クロシュ「……」モグモグ

妖精「えっ……ミラとレイは同じ孤児院の出身だった……!? でもレイの孤児院って――」

ミラ「そう。レイがやったんだ」

レイ「ち、違うよぉ……。私、何もしてないんだよぉ……」グスグス

ミラ「うん、知ってるよ。私たちの孤児院が邪教の組織だったことも。レイがその器として選ばれたことも。ロイエ教の襲撃でパニックに陥ったレイが逃亡したことも。その余波でクルが死んだことも――」

レイ「あっ……く、クルが……」ジワワ

ミラ「フフ……お陰で、僕とクルは一つになれた。レイには感謝してるんだ……本当だよ?」ニコニコ

レイ「あ、ぁ、ぅ……」ガクブル


どうする?
↓1〜3選択 話す or すること
1.邪教について聞く
2.セイントレアチーズケーキについて話す
3.周囲を見る
0.自由安価
660 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2025/05/17(土) 16:33:13.75 ID:zB4QjK25O
1
661 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2025/05/17(土) 16:33:41.20 ID:UE2J1q550
662 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2025/05/17(土) 16:38:56.05 ID:hJvJmRqI0
過去の孤児院でのレイミラクルがどういう生活してたのか聞いてみる
663 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2025/05/17(土) 19:52:51.61 ID:2CFwlCGE0
クロシュ「邪教って……?」

ミラ「邪教――正式名称は、クリファ教。現世においては悪魔とされる、幽界の邪神を信仰する暗黒の宗教さ」

妖精「幽界の邪神……?」

レイ「そ、そうだったんだ……」

ミラ「レイ、器なのに知らなかったの?」

レイ「知らないよぉ……。興味もないし……」

ミラ「あいつらは孤児たちを利用して、邪神をこの世に顕現させようとしていたんだ」

クロシュ「どうして……?」

ミラ「邪神が好きすぎて直に会いたくなったとかじゃないかな?」

妖精「……でも結局、儀式は失敗したんでしょ? レイの様子を見る限りじゃ」

レイ「そ、そうなの……?」

ミラ「たぶんそう。でもはっきりとはわからないんだ。あの時、あの場所で、もしかしたら邪神は降りていたのかもしれない。レイは……覚えていない?」

レイ「わ、わかんないよぉ……あの時は、武器を持った奴らがいっぱい暴れてて……みんな死んで、殺されて……私、無我夢中で……」

妖精「あれ、でもレイって闇の力を使えるよね。あれってよく考えたら幽界の力か……じゃあ儀式は成功していた?」

ミラ「そうなの? レイ」

レイ「わかんないってばぁ……」

 *

クロシュ「孤児院では……どんな風に、暮らしてたの……?」

クル「ここからは私がお話するね。毎晩闇の神様にお祈りを捧げるところ以外は、たぶん他の孤児院ともあんまり変わらなかったと思うよ。ね、レイ?」

レイ「あ、え、えっ……く、クルなの……?」

クル「そう! よくわかったね、褒めてあげよう」ニコニコ ナデナデ

レイ「あぅぅ……。ご、ごめ、なさ……」

クル「アハハ、大丈夫! レイのせいじゃないってわかってるもの。それに今は、ミラとずーっと一緒にいられるから」

レイ「うう……」

クル「あ、もう一つ変わったことがあった。魔法の練習は全然しなかったんだ。それどころか、杖を持ったり自分で勉強したりするのも禁止だった」

妖精「魔法禁止……? それはけっこう厳しくない?」

クル「よくわからないけど、邪神の器にする都合じゃないかな? 属性の適性検査だけはけっこう頻繁にやってたし」

レイ「……そういえば……闇適性のある子だけが呼ばれたこと、あったよね……」

クル「うん。あれは邪神の器に最も相応しい子供を選定してたんじゃないかなあって思う。もしかしたらレイじゃなくて私が邪神の器になっていた運命もあったのかもね」

レイ「………」

 ◇
664 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2025/05/17(土) 19:54:01.20 ID:2CFwlCGE0
 ワイワイ キャッキャ

クル「それでね、その時レイが――」
レイ「や、やめてよぉ――」
妖精「へえ〜」
クロシュ「ほえ……」


 カウンター席「」
新聞を読む隻腕の男「……」ペラッ…
無言で紅茶を啜る男「……」ズズ…


 窓の外「」ワイワイ
動かない男「……」
行き来する男「……」スタスタ クルッ スタスタ


クロシュ「……」


クロシュ(妖精さん……)

妖精(……クロシュも気付いた? 変な奴らに囲まれてる)

クロシュ(うん)

クル(え、そうなの!? うわ、本当だ。変な奴らがいるね)

レイ(ひっ……!?)

妖精(レイ、態度に出さないで。気付いていない風を装って)

レイ(う、うん。ごめん……)

クル(レイを捕まえに来た兵士……にしては、やけに不審だね。私服だし、動きも見えない)

妖精(思うに……あれは、孤児院を襲撃したロイエ教の奴らなんじゃ? 派閥まではわからないけど……今度こそレイを捕らえようと企んでいるのかも)

クル(!)

レイ(ひえ……!? み、見捨てないよね!? 私のこと……見捨てないよね……!?)

クロシュ(うん……! レイさんは……悪くない……!)

レイ(クロシュちゃんんんん!!!!)

クル(それで……どうするの?)

妖精(私に考えがある)

 ◇
665 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2025/05/17(土) 19:54:28.55 ID:2CFwlCGE0
 チャリンチャリン

店員「ありがとうございました」ペコリ

 扉「」ガラッ
 カランカラン―

クル「美味しかったねー」

レイ「う、うん……びび、美味でありましたなあ……!」

妖精「あ、あの路地裏に何か美味しそうな気配がある!」

クロシュ「わ〜!」

クル「それじゃあ行ってみよう」

 スタスタ トコトコ パタパタ
 曲がり角「」クルッ


隻腕の男「……」シュタタッ
追跡者たち「……」シュタタッ

 クルッ

隻腕の男「!」

 誰もいない路地裏「」

隻腕の男「逃げられたか? 総員、周辺を隈なく探せ」

追跡者たち「ハッ!」ザザッ

 *

透明妖精(まだいるんだけどねぇ)

透明クル(クロシュちゃんの反映魔法……! 凄いね!)

透明レイ(クロシュちゃん、こんなことできるの……!?)

透明クロシュ(んへへ……)

透明妖精(奴らが見失ってる内にさっさと離れよう)

 ◇
666 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2025/05/17(土) 19:54:56.25 ID:2CFwlCGE0
―夕方
 王都セイントレア 公園

 噴水「」シャワシャワ

クロシュ「……」キョロキョロ

妖精「この辺まで来ればもう大丈夫だと思う」

レイ「ぷはっ……た、助かったぁ……」

ミラ「フフ、なかなかスリリングだったね」

妖精「ただ、問題は……私とクロシュは巡礼者ってことでロイエの教会に泊まってるからたぶん顔が割れてるし、クル……じゃなくて今はミラか。ミラもそこの孤児院で働いてるから、当然素性はバレてる……。このまま帰れば待ち伏せされてるかも……」

ミラ「困ったね……。僕としては、レイを奴らに引き渡すのだけは阻止したいところなのだけれど」

クロシュ「んゅ……」

レイ「……だ、大丈夫! あとは私、ひ、一人で逃げられるから……!」

ミラ「ダメ。そうやってこの前も一人で逃げて、結局ずっと会えなくなっちゃったじゃないか。今度は一人で行かせなんて――」

レイ「ごご、ごめんねっ……!」スッ

 影「」ドプン!

ミラ「あっレイ……!?」

妖精「影に……隠れた!」

クロシュ「わあ……!」


闇隠れレイ「今日はありがとね……。クルのことは……本当に、ごめんなさい……。これ以上、みんなを巻き込めないから……私、もう行くね……」

ミラ「レイ……!!」

闇隠れレイ「それじゃ……さよなら……!!」

 スススス――…


妖精「……行っちゃった。前より闇の力を使いこなしてる」

ミラ「………レイ……」

クロシュ「ミラさん……」


 ☆レイと再会しました

 ☆努力目標が追加されました
 ・レイの行方を追う

 ◆
667 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2025/05/17(土) 19:56:06.39 ID:2CFwlCGE0
―王都セイントレア 市場

 ワイワイ ガヤガヤ

イリス「枢機卿の弱点……何かないですかね」スタスタ

ローガン「難しいな。簡単に見つかるような弱点があれば、恐らく既に潰されているだろう」スタスタ

イリス「それはそうですね……ん?」


 ザワザワ…

貴族の少年A「おらっ! 有り金全部出せ!」ゲシッゲシッ
貴族の少年B「ギャハハハ!!」

縮こまっている奴隷「……」ブルブル


イリス「あれは……!」

ローガン「ふむ……見たところあの子供たちは身分の高い者の子息か。蹴られているのは……首に枷が嵌められているところを見ると、奴隷だろう」

イリス「貴族だから誰も手出しできないってことですか……!?」

ローガン「うむ……。あの奴隷の主人がもし平民の者であれば、打つ手はないだろう。魔族国での貴族や騎士の振る舞いを思い返せば、この王国において貴族は巨大な力を有しているはずだ。そんな者が相手ではどうにもならぬ」

イリス「……」ギリリ

 バサッ!!

ローガン「あっイリスくん待て!」

 *

貴族の少年たち「ギャハハハハ!!」ゲシッゲシッ


「待て!」ザッ


貴族の少年A「あ?」

星柄フードで顔を隠した少女「弱き者を痛めつけ悦楽に浸るその腐り切った性根――叩き直してくれよう」バサッ

貴族の少年B「なんだァお前?」

星柄フードで顔を隠した少女「夜闇に紛れて悪を討つ、星光のダークヒーロー――イリスとは私のことだ!」ババン!

貴族の少年A「は?」

 ザワザワ… ナンダアレハ…

貴族の少年B「夜闇て……今は真っ昼間だぞ! ブハハハハ!!」

貴族の少年A「ケヘヘ……こいつけっこう良い体してるぜ! 貴族様に逆らった罰だ、たっぷり躾けてやるよ!」

ダークヒーローイリス「……」ワナワナ
668 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2025/05/17(土) 19:56:52.05 ID:2CFwlCGE0

 ザワザワ…

「おいおい大丈夫か、あの頭のおかしい女の子……貴族なんかに喧嘩売っちまって……」
「大丈夫じゃないだろ……」
「あいつら、この辺じゃけっこう有名な悪ガキでよ。今日は奴隷だけど時々冒険者とかにも喧嘩売ってボコボコにしてる札付きなんだ。あの頭のおかしい女の子、ヤベェぞ」
「……でもこれ、けっこう美味しい光景が見れそうじゃね? へへ……頭はおかしいけど体つきは本当にけっこう良いし……さっきチラっと見えたけど顔もかなりかわいいし」
「うわ、お前最低だな……。まあ気持ちはわかるけ――」

 ドガンッ!!

貴族の少年A「」プスプス
貴族の少年B「」プスプス

ダークヒーローイリス「命までは取らない。反省することだ……」ザッ

縮こまる奴隷「」ブルブル

ダークヒーローイリス「悪は討った。君ももう大丈夫だ――」

縮こまる奴隷「……?」ブルブル


アルベール王「……」ヌッ


 ザワザワザワ… アルベールオウ…!?


ローガン(なんだと……!? アルベール王がなぜこんなところに……!? まずいぞ、イリスくん……!!)


↓1コンマ 奴隷の身元
01-10 ??
11-30 平民に仕える魔族奴隷
31-50 平民に仕える人間奴隷
51-70 貴族に仕える人間奴隷
71-90 王族に仕える人間奴隷
91-00 ??
669 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2025/05/17(土) 19:58:16.19 ID:Ntcme+DnO
はい
670 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2025/05/17(土) 20:46:32.35 ID:2CFwlCGE0
魔族の奴隷少女「あ、ありが――」


アルベール王「……」ギン


魔族の奴隷少女「ひ、あ……」ガクガク


ダークヒーローイリス「……!! 貴方は――」


アルベール王「このような見世物に出会えるとは。出歩いてみるものだ」

ダークヒーローイリス「アルベール王……!!」

アルベール王「衛兵よ。この者を捕らえよ。暴行の現行犯である」

衛兵たち「ハッ!」ザザッ

ダークヒーローイリス「くっ……!! アルベール王、虐げられる者たちの声は聞こえないのか!? 貴方に人の心はないのか!!?」

アルベール王「私は城に戻る」クルッ スタスタ

ダークヒーローイリス「アルベール王!!!!」


ローガン(なんてことだ……! どうする……!? 何か手は――)


 モニョモニョ…モニョモニョモニョ…


衛兵たち「黙って歩け!」スタスタ
衛兵たち「逃げ出そうなんて考えるんじゃないぞ」スタスタ
衛兵たち「ったく、面倒な仕事増やしやがって」スタスタ


ダークヒーローイリス「……え? いや、あの……私はこっち……」

『民衆の目を誤魔化しました。こちらへ……』モニョモニョ

ダークヒーローイリス「えっ……!? あっ……!」


小さな半透明スライム「〜〜!」モニョニョ


『そのスライムについていってください』モニョモニョ

ダークヒーローイリス「は、はい」

『さあ、あなたも……。ここにいては、不要な諍いに巻き込まれます……』

魔族の奴隷少女「え、あ、はい……!」

 ◇
671 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2025/05/17(土) 20:49:46.94 ID:2CFwlCGE0
―王都セイントレア 薄暗い路地裏

小さな半透明スライム「〜〜」モニョニョ

『ここまで来ればもう大丈夫でしょう……。帰り道、どうかお気をつけて……』モニョモニョ

魔族の奴隷少女「あ……は、はいっ」

イリス「あ、ありがとうございました……! あの、あなたは……?」

『……この街に暮らす者の一人です。魔族が虐げられていても、あなたのように立ち向かう勇気もなく、見ていることしかできない……無力な……』モニョニョ…

イリス「そ、そんなことありません……! あなたのお陰で、私はなんとか逃げおおせることができました……!」

魔族の奴隷少女「う、うん……。えと……ありがとう……助かり、ました……」

イリス「だから、ええと……お礼を――」

『……不要です。どうか、私のことは詮索せずに……。そのまま、お帰りください……。それでは……』モニョモニョ


小さな半透明スライム「〜〜」ピョンピョンピョン―


イリス「……」

魔族の奴隷少女「え、えっと……ダークヒーローさんも……ありがとう、ございました……」ペコリ

イリス「あ、ううん……」

 ◆

―夕方
 聖ヴァレリオ教会

ローガン「イリスくん……今回のことは流石に肝が冷え切ったぞ……」

イリス「す、すみません……。頭に血が登ってしまって……」


ミスティ「どうしたの? イリスが叱られるなんて珍しいわね」

エバンス「何をやらかしたんだ?」

 *

エバンス「ええ……貴族に喧嘩を売った……!?」

ミスティ「へえ……! イリスって脳筋だったのね」クスクス

イリス「うっ……今日ばかりはミスティに何も言い返せない……」

ローガン「はあ、笑い事ではないのだがな……。下手をすればパーティ全滅の危機だったのだぞ……」

イリス「うっ……本当にすみません、反省しています……」

ローガン「……だが、少なくともあの場で虐げられていた魔族の少女が救われたのも事実だ。ひとまず今は、そのことに胸を張るのが良いだろう」

イリス「はい……」


イリス(でも、あの声は一体誰だったんだろう……? 小さなスライムを使役していた……? それとも、あれは――)

イリス(……考えてもわからない! ひとまず今は大人しくしていよう……)

 ◆
672 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2025/05/17(土) 21:36:42.64 ID:2CFwlCGE0
―夜
 セイントレア平原

 焚き火「」パチパチ

レイン「……」


レイン(調査の結果、勇者モドキのセインはカリス・ノーランドの邪術によって造り出されたことがわかった……)

レイン(つまり私が滅ぼすべき相手は……セイントレア王国と、カリス・ノーランド……。場合によっては、セクリエ・ロイエも……)

レイン(……最低でもアルベールとカリスだけは、絶対に殺す……)


ザイル「レイン。ここにいたのか」バサッバサッ

レイン「ザイル」

ザイル「フレメアが居座っていた廃城が木っ端微塵に吹き飛んでいた。彼女の行方を知らないか?」

 バサッバサッ

フレメア「呼んだ?」

ザイル「フレメア。生きていたか」

フレメア「まあね。ちょっと野暮用が出来たから、しばらくお仕事はできない」

レイン「野暮用?」

フレメア「カリス・ノーランドを殺すの」

フレメア「!?」

ザイル「カリス・ノーランド……?」

 *

ザイル「なに……!? フリューゲルが、カリス・ノーランドの手で……!?」

レイン「……!」

フレメア「それでいろいろあって、カリスを潰してお母様を救出する為に愚妹とか魔族国に協力させられることになったの。だから悪いけどこっちの仕事はできないわ」

レイン「……待ちなさい」

フレメア「何?」

レイン「私にも噛ませなさい、それ。こっちもカリスに恨みがあるのよ」

ザイル「オレも参加させてもらおう。フリューゲルには恩がある」

フレメア「ええ? まあいいけど……」

 ◆
673 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2025/05/17(土) 21:37:15.03 ID:2CFwlCGE0
―夜
 魔族国 バイオレット邸

 広げられた本「」バサッ
 散らばった本「」ドサッ

フラナ「はあ。フレメアの奴はロクに知識がなくて役に立たないし、この国に私以上に魔法に詳しい奴なんてほとんどいないし……どうしたものか……」

 コンコン ガチャッ

クローディア「お困りのようね。フラナ・バイオレット」スタスタ

フラナ「……大魔女帝国に不法侵入を取り締まる法はないの?」

クローディア「大魔女を取り締まる法はないわ」

フラナ「はあ、そう……。で、何の用? 見ての通り私は今忙しい」

クローディア「カリス・ノーランドを倒す方法――知りたくないかしら?」

フラナ「なるほどね。代価は?」

クローディア「カリス・ノーランドの首」

フラナ「……つまり、同じ目的を持っていると考えて良いのかしら?」

クローディア「ええ、その通り。彼奴は我が国で許し難い狼藉を働いた上――我が朋友フリューゲル・バイオレットの生命・尊厳を踏み躙り、辱め続けている。彼奴の生命がこの地上にある限り、私の怒りが静まることはないわ」

フラナ「……母上と知り合いだったの?」

クローディア「そうよ。ずっと以前から、彼女を救出する作戦は考えていたの。けれども、無数の分身を持つカリスを滅ぼす方法も、カリスに改造された生命を救う方法も、見つからなかった……」

フラナ「……」

クローディア「でも今は違う」

フラナ「!」

クローディア「切っ掛けは、以前うちの国でカリスが騒動を起こした時に奴の魔法を直接視れたこと――そして、カリスに造られた生命を解析できたこと。特に、クロシュとフメイの二人にかけられていた呪いはカリスの手法を紐解く大きなヒントになったわ」

フラナ「クロシュと、フメイが……!」

クローディア「――今ならやれる。でもそれには力が必要なの。王国とセクリエ・ロイエに守られている奴を叩き潰すには、大きな力が――」

フラナ「だから目星を付けたというわけか。王国と一触即発を保つ敵国である、我々魔族国を」

クローディア「無論、全力で魔族国を支援する用意はあるわ。私自身も立場を表明して参戦しましょう。どうかしら?」

フラナ「……悪くない提案だけど、もし大魔女が参戦するとしても王国との戦力差を覆すにはまだ――」

 窓「」バァン!!

フレメア「ただいま」バサッバサッ

レイン「お邪魔するわ」バサッバサッ

ザイル「失礼する」バサッバサッ


フラナ「……」

クローディア「テロ支援国家だったのね、魔族国って」

フラナ「誤解よ」

 ◆
674 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2025/05/17(土) 21:37:49.05 ID:2CFwlCGE0
―夜
 王都セイントレア 地下水路

 地下水路「」ザアザア

レッサースライムたち「〜〜」モニョモニョ

ドブネズミたち「チューチュー」チョコマカ



フメイ「ふう……」ゴロン

アリシラ「ねえ、フメイちゃん……やっぱり地上の宿屋とかに泊まらない?」

フメイ「なんで? ここなら雨風を凌げるし、人目にも付かないし、しかもタダなのに」

アリシラ「そうだけどさあ……。暗くてジメジメしてるし……ネズミもいるし……」

フメイ「――!」サッ

 瞬間凍結「」ガキンッ!

アリシラ「敵襲!」バッ


アイス「……」トコトコ ジッ


フメイ「……!」

フメイ(あいつ……間違いない……! フメイたちと同じ奴だ……!)

アイス「……」スッ

 瞬間凍結「」ガキンッ!
 瞬間凍結「」ガキンッ!
 瞬間凍結「」ガキンッ!

アリシラ「うわうわうわあっ!!」サササッ

フメイ「アリシラ! びっくりしてないで吸収とかしてよ!!」サササッ

アリシラ「今は星の力でいっぱいいっぱいでェ……!」

フメイ「ああ……くっ!」バッ

 炎「」ゴウッ!!

アイス「!」

フメイ「それ以上攻撃を続けるなら、この地下水路を爆破する。それは困るよね?」

アイス「……」

フメイ「わかったら大人しく――」

アイス「……」チラッ


レッサースライムたち「〜〜!?」モニャニャ


アイス「……」

 パキッ――
 凍結領域「」ピキピキパキッ――

氷漬けフメイ「」カチンコチン

氷漬けアリシラ「」カチンコチン

氷漬けレッサースライムたち「」カチンコチン
675 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2025/05/17(土) 21:38:16.85 ID:2CFwlCGE0
アイス「……」

アイス「……」トコトコ

氷漬けフメイ「」

アイス「……」スッ

 ヒュッ!

アイス「!」サッ

 氷壁に刺さる刃「」ドズッ!!


ブラッド「避けるなよ」スタッ

アイス「……ブラッド」

ブラッド「あ? お前あたしのこと知ってるの?」

アイス「……」ギリッ

ブラッド「??」

アイス「……」

 パキッ――

ブラッド「!」

 凍結領域「」パキパキ――

 モニョモニョポン!
氷ブラッド「効かないねぇ」ニヤ

アイス「!!」

氷ブラッド「お前カリスの手下だよね? あの腐れ野郎についてあることないこと吐いてもらおうか――」スタスタ

アイス「――っ!」

 雷「」バチチッ!!

氷ブラッド「うわっ!」


黄スライム『アイスちゃん!』モニョニョ!

アイス「……!」

黄スライム『掴まって! ちょっとびりびりするけどごめんね!』モニョモニョ!

アイス「!」ガシッ

 雷の残像「」パリッ―


氷ブラッド「ちっ……逃げられたか」

 *
676 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2025/05/17(土) 21:38:47.48 ID:2CFwlCGE0
―深夜
 王都セイントレア 地下水路

 メラメラ…シュワシュワ…

解凍フメイ「わあっ!?」ガバッ

解凍アリシラ「ああっ……!?」ガバッ

解凍レッサースライムたち「〜〜!?」モニャニャニャ!?


ブラッド「ようやく起きたか」

フメイ「あ……赤スライム……!?」

ブラッド「久しぶり、後輩。カリスの手先如きに遅れを取るなんてちょっと迂闊すぎるんじゃないの」

フメイ「うっ……」

アリシラ「え、ええと……誰……?」

ブラッド「……で、何でお前は人間なんかと一緒にいるわけ?」

フメイ「……」

 *

ブラッド「ふうん、そういうことだったんだ……。というかあいつ、お前の妹分だったのか……」

フメイ「……妹分かどうかは、わかんないけど……ずっと、一緒だった……。」

ブラッド「ま、どうでもいいけど。それよりお前、私に協力しろ」

フメイ「?」

ブラッド「カリスを殺す」

フメイ「……!」

ブラッド「お前の炎は役に立つ。嫌なんて言わないよね?」

フメイ「……」

アリシラ「……フメイちゃん、やろう」

フメイ「アリシラ……!」

アリシラ「カリス・ノーランドはいずれ決着を付けなきゃいけない相手でしょ? それならこの強い赤スライムちゃんと一緒に戦える今がチャンスだよ。今なら私も星の力が使えるしさ」

ブラッド「人間の言葉に賛同するのは気に入らないけど、そいつの言う通りじゃない?」


フメイ(……カリスを倒せれば、クロシュを脅かす危険が一つ減ることにも繋がる……ここで乗らない手はない)

フメイ(アリシラを巻き込むのが少し心配だったけど……本人が良いって言ってくれたから、やるしかない……!)


フメイ「わかった」

ブラッド「よし。それじゃあよろしく」

アリシラ「うん、よろしくね赤スライムちゃん!」
677 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2025/05/17(土) 21:39:44.46 ID:2CFwlCGE0

ブラッド「ところで星の力が使えるって本当?」

アリシラ「うん。フメイちゃんより強い炎が出せます! 頼りにしてくれて良いよ」

ブラッド「さっきは二人一緒にカチコチに凍らされてたけど?」

アリシラ「あれは……ちょっと予想外だったの! ほとんど予備動作なしの全体攻撃なんて反則でしょ!」

フメイ「……フメイも、次は凍らされない。凍らされる前に、溶かす」

ブラッド(……まああたしも、こいつらがやられてるところを見ていなかったらやばかったかも)



ブラッド「ところでフメイって名前、自分で付けたの?」

フメイ「脱走してすぐの頃に、通りすがりの精霊に名前がないと不便だよって言われて名付けられた。クロシュもその時に」

ブラッド「ふうん……まあカリスの命名じゃないなら良いか」

アリシラ「赤スライムちゃんは?」

ブラッド「あたしは別にいらない。なぜかあいつの付けたブラッドって名前が冒険者たちにも使われてて不快だけど」

フメイ「……偶然の一致?」

アリシラ「冒険者ギルドにカリス・ノーランドが情報提供した、とか……?」

ブラッド「どうでもいい。お前たちも呼びたいように呼べ」



レッサースライムたち「〜〜」モニョモニョ

フメイ「……あ。えっと……巻き込んでごめん」

レッサースライムたち「〜〜」モニョニョ

ブラッド「弱いのが悪い」

アリシラ「でもレッサースライムちゃんたちも解凍してあげたんだよね」

ブラッド「ついでだよついで。一応同じスライム類のよしみってやつ」

レッサースライムたち「〜〜♪」モニョニョ スリスリ

ブラッド「すりすりするな」ペチッ

レッサースライムたち「〜〜!」モニャニャ


フメイ(そういえば、あの銀髪の刺客……あの凍結魔法を使う前に、少しレッサースライムたちの方を見た気がする……)

フメイ(……どういう意図……? 巻き込むことを気にした……? 結局巻き込んで凍らせてるけど……)

フメイ(たぶんフメイたちの、さらに妹にあたる存在だから……できれば、なんとかしたい……)

 ◆
678 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2025/05/17(土) 21:51:24.25 ID:2CFwlCGE0
―王都セイントレア 滞在5日目

◇クロシュ [あかちゃんスライム]
武:メイドブレード  盾:ラティアの大盾  飾:くすんだ耳飾り
武:竜珠の大杖    防:竜のエプロン   飾:不死鳥の羽根

◇妖精   [世話焼き妖精]
武:         盾:         飾:くすんだ耳飾り
武:         防:精霊のレオタード 飾:

◇イリス  [星の魔法使い]
武:蒼き星の杖    盾:         飾:くすんだ耳飾り
武:ブラッドランス  防:魔術師のローブ  飾:

◇ミスティ [氷の魔法使い]
武:氷の短刀     盾:         飾:くすんだ耳飾り
武:         防:氷竜革のローブ  飾:

◇ローガン [鋼の戦士]
武:蜥蜴一文字    盾:灼鋼の盾     飾:くすんだ耳飾り
武:鋼の回転ノコギリ 防:オリハル鎖帷子  飾:

◇エバンス [地の傭兵]
武:古代の鉄槌    盾:         飾:くすんだ耳飾り
武:魔銀の刀     防:硬質革鎧     飾:

◯所持アイテム
[道具]        [装備品]       [大事なもの]
運命賽*2       蜘蛛絹の下着      魔族国永久旅券
会心賽*1       ザリガニのお守り    フメイの服の切れ端
反魂丹*1       大きな巻き貝      精霊の印
鉄鍋+携帯調理器具   闇の欠片        精霊樹の実のジャム
「星の魔力」上中下   フリルワンピ水着    精霊樹の鉢植え+赤雷球
お宿の妖精の織物    魔法学園のスク水    フメイとアリシラの人形
魔導飯盒        ガラスのザリガニ    メルルの帽子
妨害魔力波発生装置   踊り子の双剣      溶岩石のアミュレット
属性大全        サボテンドラゴンの花  太陽のメダリオン
魔王図鑑        精霊のローブ      暗黒優待券
氷精の魔導書      精霊樹の杖[改]    冒険者証(ランク1)
ブラッドワイン*1   銀のナイフ       大魔女帝国渡航権
吸血鬼殺ワイン*1   ダイヤメリケンサック  かたたたきけん
魔術書「正負の属性」  パラサイトソード    大魔女帝国滞在許可証
吸血鬼の日焼け止め               風船印のパラシュート
日蝕の傘                    ラティア勲章
大魔女サイン*1                ユーシリア王家の紋章
古代のセラミック
ステライト鉱石
晴れ乞い傘
チョコスムージー
ヒヒイロカネ
氷魔力結晶
魔導書「絶対零度」

◯現在の目標
・フメイちゃんを探す
・世界樹の光を追う[4/5]
・最悪の未来を阻止する

◯努力目標
・カリスに造られた者たちを助ける
・枢機卿の悪事を暴く
・戦争を阻止する
・レイの行方を追う

◯仲間の目標
・カリス・ノーランドを討つ(ミスティ)

◯経験値
・クロシュ 剣技[03/07] 魔法[06/07] 防御[00/07]
・イリス  杖術[00/06] 魔法[14/16]
・ミスティ 剣技[05/07] 魔法[11/16]
・ローガン 剣技[16/16] 魔法[06/08] 防御[07/08]
・エバンス 剣技[16/16] 魔法[07/08]
……………………………………………………………………………………
□王都セイントレア
王城:未探索
城下:教会、孤児院、市場、食事処、酒場、浴場、娼館、冒険者ギルド
   中央広場、公園、学校、図書館、博物館、劇場、闘技場、未探索
……………………………………………………………………………………
□セクリエ・ロイエ
大聖堂、大聖堂別館、美術館、庭園、お土産屋、未探索、他
……………………………………………………………………………………
679 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2025/05/17(土) 21:52:21.45 ID:2CFwlCGE0
―朝
 聖ヴァレリオ教会

 チュンチュン

クロシュ瓶「」zzz


ミスティ「ふわ……。朝ね……」ググ

イリス「……」ゲッソリ

ミスティ「うわっどうしたのよ……!?」

イリス「昨日の反省をしていたら……寝不足になった……」

ミスティ「ええ……? お説教はそんなに長くなかったと思うけど……」

イリス「自分で反省してたの! なぜあんな軽率なことをしたのか、他に良い手はなかったのか、ダークヒーローの名を汚したのではないか、とかとか……」

妖精「真面目だねえ……。でもそれで寝不足になってたらまた別の失敗に繋がるんじゃないの?」

イリス「仰る通りです……」

ミスティ「とりあえず、今日はもう少し寝ていたら? クロシュもまだ寝てるし」

イリス「うん……ごめんね、それじゃあクロシュちゃんが起きるくらいまで……」ガクッ


王都セイントレア滞在5日目。15日目に何かが起こります

↓1コンマ ランダムイベント
01-30 素パスタ
31-60 卵かけパスタ
61-90 クリームパスタ
91-00 カニパスタ

↓3〜5 自由安価 何をする?
680 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2025/05/17(土) 21:54:01.26 ID:GQ5Rm2I4o
カニ!カニ!
681 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2025/05/17(土) 21:54:53.11 ID:GQ5Rm2I4o
カニなんか巡礼者が食べられるわけなかったわ
682 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2025/05/17(土) 21:54:59.08 ID:XVkadkO9o
枢機卿や戦争情報について調べる
683 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2025/05/17(土) 21:55:00.22 ID:g7dERVQTO
フリューゲルやアイスを救う手立てを探る
684 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2025/05/17(土) 21:55:08.24 ID:WShEgGq1O
特ダネ求めてきたフーミンと再会
685 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2025/05/17(土) 21:55:20.65 ID:M/xmiruSO
(未探索部分を明らかにすることも兼ねて)レイの行方や手がかりを探す
686 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2025/05/17(土) 21:55:21.11 ID:eErhPeRAO
どうすれば現教皇に会えるか色んな人に聞いてみる(カリスや世界めくれ等で協力できないか)
687 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2025/05/17(土) 22:53:55.75 ID:2CFwlCGE0
―聖ヴァレリオ教会 食堂

 素パスタ「」ポン!

クロシュ「わあ……!」

エバンス「……パスタだ。具のない……」

イリス「具がないなんて……!」


クレア「今日は聖ヴァレリオの好物にちなんだ素パスタの日なのです。少々素朴な味ですが……」

ミスティ「聖ヴァレリオって人は素パスタが好きだったの?」

クレア「パスタ類は何でも好いていたそうで、何も付けずに水で茹でただけのパスタも好んで食したと伝えられています。ゆえに当教会では時々こうして素パスタを食べる日があるのです」

聖女「私はけっこう好きですよ、素パスタ。麦の味が感じられるんです」

エバンス「おお、流石聖職者……。よし、俺も味わってみます!」

 ◇

クロシュ「〜〜♪」モニョモニョ モグモグ

妖精「良い茹で加減だね」モグモグ

聖女「クレアさんはパスタがとってもお上手なんですよ!」モグモグ

ミスティ「素材の味が感じられるわ……!」モグモグ

ローガン「うむ……こういうのも悪くない」モグモグ

エバンス「……おう! 美味い!」モグモグ

イリス「……そ、そうですね! 美味しいです!」モグモグ


クレア「ふふ……今夜は味付けの濃いものに致しましょう」


 ☆素パスタを食べて元気になりました
  本日中に戦闘が発生した場合、戦闘コンマに+10が加算されます

 ◇
688 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2025/05/17(土) 22:55:19.63 ID:2CFwlCGE0
―聖ヴァレリオ教会 宿泊室

エバンス「……まず、今知りたいのは枢機卿のこととか戦争のことだよな」

イリス「そうですね……。本当に戦争になんてなったらまずいですし……」

妖精「魔族国も戦備を進めてるらしい。とはいっても全面戦争になんてなったら魔族国に勝ち目はないし……やっぱり未然に防ぐのが最善だと思う」

ローガン「使徒殿が言っていたという枢機卿と王国の繋がりや、枢機卿の悪事というものが何なのかを知れれば大きな武器になりそうだが……」

ミスティ「聖域の間とか言ったかしら? そこに殴り込みでもしてみる?」

妖精「いやいや……流石に無理だよ、捕まっちゃうよ」

ミスティ「冗談よ。考えなしに暴力的手段に訴えるほど脳筋じゃないわ」

イリス「」グサッ

エバンス「ま、まあとりあえず調査だ!」

クロシュ「ん!」

 窓「」ガラッ

フーミン「話は聞かせてもらったわ」ヌッ

イリス「げっ、悪徳新聞記者――じゃない!?」

ミスティ「あなたは――情報屋のフーミン・クロス!」

 *

フーミン「枢機卿グランドマスターの裏の顔と、王国との繋がり……フフフ、美味しそうなネタじゃない。私も一枚噛ませてもらって良い?」

妖精「情報の持ち逃げとかしないなら……」

フーミン「しないしない。知り得たものは全て記事にして垂れ流す――それが記者ハーピィの流儀よ」

イリス「ユーシリアでもちゃんとした情報を提供してくれましたし、フーミンさんは信用して良いと思います!」

ローガン「うむ……。その節は感謝している。また貴方に手を貸して頂くことになるとはな」

フーミン「タダでやってあげてるつもりはないわよ? あなたたちも相応の活躍を見せて頂戴ね」

ミスティ「ええ……悪は必ず滅するわ。期待していて」


枢機卿と戦争についての情報収集
↓1コンマ(フーミンの協力+15)
01-30 黒い噂
31-60 ↑+魔族掃討作戦
61-90 ↑+聖域の間について
91-00 ↑+??
689 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2025/05/17(土) 23:00:50.00 ID:hJvJmRqI0
690 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2025/05/17(土) 23:09:01.35 ID:g7dERVQTO
これは枢機卿丸裸
691 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2025/05/18(日) 00:05:19.42 ID:4molOIYy0
―大聖堂前

 ワイワイ ガヤガヤ

妖精「で、結局直接忍び込むのが一番早いと判断したわけだけど……」

クロシュ「ん……!」

使徒「安心して不法侵入してきてくださいね。隠蔽ならお任せを」ヒョコ

ミスティ「ええ……」

妖精「なんか、使徒が協力してくれることになった……」

使徒「聖域の間を破壊してグランドマスターを抹殺してきてくれても構いません」

 *

―大聖堂 深部

 コソコソ…

透明クロシュ「」コソコソ

透明妖精「使徒の支援があるから、今回は大胆に三人で侵入している。クロシュも分体ではなく本体だ」コソコソ

透明ミスティ「いくら使徒の隠蔽を頼れるからって舐め過ぎじゃない? 急に解説なんかしちゃって」コソコソ

透明妖精「無音結界を張ってるから大丈夫……んっ、あれは――」


 大仰で豪華な扉「」ゴゴゴゴ


透明ミスティ「……あれが聖域の間ってやつね」

透明妖精「……なんだろう。ものすごく不快な感じがする……。二人とも気を付けて」

透明クロシュ「ん……」

透明ミスティ「わかったわ……ん? 扉が開く……!」

透明妖精「まずい……! いや、クロシュの迷彩があれば大丈夫か……!?」


 大仰で豪華な扉「」ギギィィィィ――

 コツコツコツ…

荘厳な杖を携えた白髪の青年→グランドマスター「……」コツコツ…


透明ミスティ「あれが……グランドマスター!!」

透明妖精「……吐き気を催すドブ以下の臭いがする……なんだ、こいつ……!?」


グランドマスター「……」コツコツコツ…


透明ミスティ「大聖堂の正面……外へ歩いていくわ」

透明妖精「フーミンの調査メモによれば、今日王国軍で極秘の会議があるらしい。それに行くんだと思う」

透明ミスティ「聖域を調べるチャンスね……!」

透明クロシュ「ん……!」

 ◇
692 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2025/05/18(日) 00:06:01.61 ID:4molOIYy0
―聖域の間

 白い石柱「」
 白い石柱「」
 白い石柱「」
 白い石柱「」
 白い石柱「」

クロシュ「……」

ミスティ「白い石柱に囲まれた……五角形の部屋……!!」

妖精「石柱と石柱の間には、なんだかよくわからない壁画みたいなのがある……。でも……な、なんだここ……うう……」ヘナヘナ

クロシュ「妖精さん!」

ミスティ「妖精……! どうしたの……!?」

妖精「……こ、ここ……悲しみと、苦しみが……異様に沈殿してる……。一体、ここで何が……」

ミスティ「……妖精は休んでいて。私とクロシュで調査をするわ」

妖精「ごめん、お願い……」

 ◇

クロシュ「……?」

 壁画の出っ張り「」

ミスティ「……何かしら。不自然に出っ張っているわね。気になるわ……押してみましょう」スッ

 壁画の出っ張り「」ガゴン

クロシュ「!」

ミスティ「これは……!」

 ゴゴゴゴゴ―
 隠し階段「」ドン!

妖精「うわっ……!? それ……どうしたの!?」

クロシュ「ひみつの、通路……!」

ミスティ「降りてみましょう。妖精は――」

妖精「いくよ。ここに一人で待つ方が怖いし……」

クロシュ「うん! えと、じゃあ……わたしの、服の中に……」

妖精「そうさせてもらうね」スス

 ◇
693 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2025/05/18(日) 00:06:56.08 ID:4molOIYy0
―聖域の地下

 カン カン カン カン …

クロシュ「……!?」

ミスティ「こ、これは……」

 謎の魔導機械「」ゴウンゴウン…
 謎の魔導機械「」ゴウンゴウン…
 謎の魔導機械「」ゴウンゴウン…
 謎の魔導機械「」ゴウンゴウン…
 謎の魔導機械「」ゴウンゴウン…

妖精「〜〜…」クラクラ

クロシュ「よ、妖精さん……無理、しないで……」

妖精「う、うん……。でも、これ……」

 謎の魔導機械「」ゴウンゴウン…

ミスティ「……魔導機械。あの、テンペスターで稼働していたものに似ている……!!」

妖精「……うん。感じる……あの機械の中から……悲しみと、苦しみに泣く……声にならない、声が……」

クロシュ「……!!」

妖精「……魔力の流れを見た感じだと……この機械から取り出された魔力が、上の部屋に送られているみたい……。たぶん、これは……魔力を、搾取する機械……」

ミスティ「……」ギリリ

妖精「クロシュ……」

クロシュ「うん……」

 メイドブレード「」シャキン

メイドクロシュ「――介錯、する」

 メイドブレード「」シャンッ!!

 ズガッ!!
 バチバチッ…

 精核「」ズッ

ミスティ「精核……!!」

妖精「……クロシュ……食べてあげて……」

メイドクロシュ「ん……」

 パクッ…モニョモニョ…モグモグ…

 ◇

 ズガンッ!!
  ズガガッ!!
   ドッギャァン!!!
  バチバチバチッ…

 モニョモニョ…モグモグ…
  モグモグモグ…

 ◇

 赤い精核「」ポン
 パクッ…モニョモニョ…モグモグ…

妖精「……今ので、最後だね……。ありがとう、クロシュ……」

クロシュ「ん……」

ミスティ「……赤や紫の精核もあったけれど、あれは……?」

妖精「……緑色のは、テンペスターでも見た通り、たぶん妖精や精霊を溶かして造られたもの……。他の色のは……魔力の波長からすると、恐らく魔族……」

ミスティ「……魔族まで……。枢機卿、許し難い下衆……!!」

妖精「……上に戻ろう。もう……ここに、犠牲者は残ってない」

 *
694 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2025/05/18(日) 00:07:39.66 ID:4molOIYy0
―聖域の間

 カン カン カン カン …
 隠し階段「」ヒョコ

妖精「……っはぁ! い、息苦しかった……」

ミスティ「ふう……。妖精、大丈夫?」

クロシュ「だいじょうぶ……?」

妖精「うん。なんと、か――」


グランドマスター「……まさか留守中にネズミが入り込むとはね」ニコニコ


妖精「お前……っ!!」

ミスティ「貴様……」ジリ

クロシュ「……」キッ
695 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2025/05/18(日) 00:11:31.83 ID:4molOIYy0
というわけで本日はここまでとなります

戦争を阻止するべく枢機卿の闇を暴きに動く一行。聖域の地下で目にしたものは、かつてテンペスターで目撃した悲劇と地続きのものだった
そして今。クロシュたちは、悲哀と苦痛を生み出す根源――極悪枢機卿グランドマスターと相対する
会心の女神が微笑む中で。迸る激情が、闇を穿つ―――

それでは本日もありがとうございました。次回もよろしくお願いいたします
696 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2025/05/18(日) 06:00:22.50 ID:0IQ7QJkho
おつでした
様々な陣営からカリスに集まる業の数々、これは年貢の収め時ですねぇ
ああ!イリスも脳筋武闘派魔術士に!
697 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2025/05/18(日) 08:16:05.02 ID:+Ri+2sfI0

フーミンの情報収集からいきなり潜入に場面変わったけどこれってフーミンの協力は関係あったの?関係なかったら【フーミン「えっ私は!?潜入するなら必要ないじゃないか(怒)」】とか言ってフーミンぶちギレてそう。
698 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2025/05/18(日) 12:29:07.70 ID:Q9s+9EDmO

レッサースライムとかいうかわいいだけの生き物かわいい
戦争と枢機卿については00クリティカルのパワーでどうにかなりそうかな?
699 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2025/05/18(日) 19:55:50.05 ID:4molOIYy0
カリス氏はたくさんの恨みを飼っているので、実際とても危うい立場であるかもしれません。今後の動向に注視していきたいところであります
イリス氏も実のところ脳筋な面がなくはないらしく、今回はその面が大きく出てしまったようです。元々彼女は正義感が強い人なので、ダークヒーローとして抑えきれなかったのかもしれません。今後の活躍にも期待したいところであります

>>691のレスを見るとわかりやすいですが、クロシュたちは彼女の調査メモを持って潜入に臨んでいるため、フーミン氏の協力は普通に関係しています。また、たとえ関係なかったとしてもフーミン氏はその程度のことで怒り散らすような短気な方ではありません。風説の流布にご注意ください

レッサースライムはあかちゃんスライムのクロシュよりもあかちゃんなスライムなので、人によってはかわいく思える場合があります。王国内でもペット人気があったりなかったりしますが、もし人間のあかちゃんや他の小さなペット等がいる家庭で飼う場合は注意が必要です。食欲旺盛でなんでも食べるため、最悪の場合モニョモニョモグモグと食べてしまうからです
700 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2025/05/18(日) 19:57:47.27 ID:4molOIYy0
―聖域の間

クロシュ「……」
 メイドブレード「」シャキン

グランドマスター「おっと、良いのですか? この私を殺せば、あなた方は完全にテロリスト。二度と太陽の下を歩けなくなってしまいますよ?」

ミスティ「太陽の下を歩けなくなる覚悟さえあれば、できるわ」

グランドマスター「クッ……クハハハハッ!! 残念ながらそれも不可能でしょう。この部屋にいる限り、私は無敵なのでね」

妖精「……どういうこと?」

グランドマスター「私の魔法は、魔力を命に変換する希少なもの。そしてこの部屋は、地下に押し込めた役立たずの劣等種共から魔力を吸い上げ、私に供給するように造られた特別な聖域――。つまりこの部屋にいる限り私の魔力は無限であり、無限の魔力があればいくらでも命に変換して蘇ることができるのです!!」

妖精「な、なんだって!?」

ミスティ「貴様……彼らの命を、そんなことに……!!」

グランドマスター「ンン〜? クックック……貴方は人間でありながら、人間以外の劣等種を尊重してしまう無知蒙昧で視野狭窄な暗愚のようだ」

ミスティ「……」

グランドマスター「魔族だの妖精だのは知性なき害獣です。魔力電池にするくらいしか役立てる道がないというのに、あなたや穏健派の愚人たちはなぜそんな簡単なこともわからないのでしょう?」

妖精「ふうん? カリス・ノーランドはエルフなのに、なんで協力できるの?」

グランドマスター「ハハ、御冗談を。利用価値があったから飼っているだけです。あれも所詮は愚鈍な淫売エルフに過ぎません」

妖精「利用価値があったから、処刑したと見せかけて飼いならした?」

グランドマスター「ええ、その通り! カリス・ノーランドは下劣な大罪人ですが、価値は価値。劣等種は死ぬまで搾り取るのが私の流儀です」

妖精「クリファ教の孤児院を襲撃したのも、価値があったから?」

グランドマスター「おや、そんなこともご存知なのですか? もちろんそうです! 邪神関係は穏健派にとっても見過ごせない案件なのでね、先を越されると困るのです」

妖精「それで死者を大勢出したのは良いの? 異教徒と言えど人間なのに」

グランドマスター「邪神を信仰する連中など、我々と同じ知性を持った人間とは言えません。魔族や妖精共と同じ害獣です。言うなれば駆除です、駆除」

妖精「……あなたが王国との連合軍を率いて魔族国と戦争をするって噂を聞いたけど、それも?」

グランドマスター「ええ、私自ら出陣する予定です。それと……ククク、戦争とは国家と国家の争いのことですよ。害獣駆除作戦を戦争とは言いませんねェ」

妖精「魔族国には未だに大勢の人質がいるけど、その人たちの命は考慮しないの?」

グランドマスター「魔族国の捕虜となった方々は、既に洗脳されて知性なき害獣と化してしまいました。彼らに尊厳ある死を与えて差し上げるのもまた慈悲です。本人はもちろん、遺族の方々にとっても、それが最も幸福なことと言えるでしょう」

妖精「……ふうん。ところで、そんなこと部外者の私たちにベラベラ喋っちゃって良いの?」

グランドマスター「ええ、もちろん。あなた方は生きてここから出られませんからねェ」ニヤ

 閉まる大扉「」ズズゥン…

ミスティ「!」

クロシュ「!」バッ

グランドマスター「無限の命を持つ私に嬲り殺されるが良い! 愚劣なる害獣共よ!!」


 ――戦闘開始 枢機卿グランドマスター――


 ★グランドマスターが〈聖域の間〉を発動!!
  敗北を100回無効化する!!
  さらに毎ターン自身のコンマ+1!!

 ☆クロシュたちが〈聖域破壊〉を発動!!
  グランドマスターの〈聖域の間〉を無効化!!

◇自陣(戦力差+30、素パスタ+10、フーミン情報+15、使徒支援+10)
・不死鳥化できる(1/1)

◇敵陣
・聖域の間(機能停止)

 *

 ☆戦力差により自動的に勝利します
701 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2025/05/18(日) 19:58:29.94 ID:4molOIYy0
 ドッギャァァァァン!!!!

グランドマスター「ごふっ……!! フッ……フゥーッハッハッハ!! 無駄です、ここにいる限り私は無敵だと――オゴッ!!?」ズキッ!!

 ガクッ

グランドマスター「ぐ、うおあああ……!!? あ、頭が……!!?!? こ、これは……魔力、欠乏……」ガクガク

妖精「……残念だったね。地下にはもう……誰もいないよ」

グランドマスター「なっ、何……!? 貴様ら、まさか――」ガクガク

クロシュ「……わたし……食べた。みんな……」

グランドマスター「た、たべた……だと……」ガクガク

妖精「さて……ミスティ、ちゃんと撮れた?」

ミスティ「ええ」スッ

 小型録画水晶「」ポン

グランドマスター「な、に……録音、水晶だと……」ゴボッ

妖精「知人の記者から借りたの。あなたの秘密を暴いて、世に知らしめる為にね」

グランドマスター「きっ、貴様ら……!! そ、それを、今すぐ……」ガクガク

ミスティ「年貢の納め時よ。これを記事にして大陸中にバラ撒くわ」

グランドマスター「ま、まてっ……私が悪かった……!! 頼む、見逃してくれっ……!! 望みがあれば叶えよう……!! 永遠の命だろうと、死者の復活だろうと、私の力ならば……!!」

 バキッ!!

グランドマスター「ぐあっ!」ドサッ

ミスティ「……散々多くの命を苦しめておいて……よくもそんなことが言えたわね……」

妖精「……魔力を命に変える魔法か……。もし使い手があなたのような下衆じゃなかったら、たくさんの命を救える素晴らしい魔法になれただろうに。本当に残念だよ」

グランドマスター「ま、待ってくれ……まっ……」


クロシュ「……」
 メイドブレード「」シャンッ

 大扉「」スパッ
 ドズゥゥン…

クロシュ「……みんな……お外に、行こ……」

 メイドブレード「……」


 ――戦闘終了――


 ☆たくさんの想いを食べて、メイドブレードが星霊の剣に変化しました


 ◇
702 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2025/05/18(日) 19:59:13.32 ID:4molOIYy0
―聖ヴァレリオ教会 宿泊室

 小型録画水晶『無限の命を持つ私に嬲り殺されるが良い! 愚劣なる害獣共よ!!』ザザ

スライムクロシュ「〜〜!」モニョニョ

エバンス「うおお! めっちゃ綺麗に撮れてるな!」

フーミン「でかしたわ!! これならグランドマスターを必ず失墜させられる!」

ミスティ「あいつに出くわした時はちょっとゾッとしたけど、結果オーライね」

妖精「あそこまでベラベラと喋ってくれて良かったよ。でもこれ、捏造扱いされない?」

フーミン「録画水晶の映像は改竄できないから、ほとんどの国の司法や警察で証拠能力を持つものとして扱われているの。これだけバッチリ姿も声も鮮明に記録されていれば間違いないわ」

ローガン「だが、これの公開によって混乱が生じる恐れはないだろうか? 曲りなりにも彼はロイエ教の大人物だ」

フーミン「混乱は避けられないでしょうね。でも改革に痛みはつきものよ」

イリス「……一番の不安は、カリス・ノーランドですね……枢機卿が力を失った結果、カリスがどんな動きをするか……」

使徒「その点は私にお任せください。最低限、今の段階で彼女を縛り付けている鎖は維持致します」

フーミン「……人前に滅多に姿を現さない原理派の名誉顧問、使徒……そんな人物の協力を得るなんて、あなたたち一体どんなコネを使ったの?」

妖精「それは……まあ、いろいろあって」

使徒「利害の一致というやつです」

 ◇

―夕方
 王都セイントレア 市場

 ゴウガイダヨー!! ゴウガイダヨー!!
 ザワザワ… スウキキョウガ… ウソダロ…

 ☆枢機卿の悪事を暴き、大陸中にばら撒きました
  枢機卿と原理派と王国の評判が大きく下がりました

 ☆目標「枢機卿の悪事を暴く」を達成しました

 ◆
703 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2025/05/18(日) 20:01:20.83 ID:4molOIYy0
―夕方
 聖ヴァレリオ教会 宿泊室

クロシュ「……」

 星霊の剣「」キラキラ

妖精「あれ? その剣、なんか変わった?」

クロシュ「……わかんない。でも……みんなが、力……貸して、くれてる……気がする……」

イリス「なんだろう……ほんのりとだけど、星属性っぽい力を感じる……」

妖精「精核を食べた影響……? まあ悪い変化ではなさそうだね」

クロシュ「うん……」

妖精「他に何か心配事があるの?」

クロシュ「えっと……わたし……セインさんたち、助けたい……」

イリス「そうだね……私も助けたいよ」

クロシュ「でも……どうすれば、助けられるのか……わかんない……」

妖精「んー……今生き残ってる子たちは全員お茶会を楽しむくらいの自我があって、セインについてはかなり自由に動けるみたいなんだよね。セインが本気を出せば全員で脱走くらいは簡単にできそうだけど……」

イリス「……そうできない理由があるってことだよね。つまり」

妖精「そうなんだと思う。話を聞いた感じだと、セインは鳥籠を出て自由になることより、鳥籠の中を住みやすくする方向で頑張ったみたい」

イリス「カリスから離れられないような呪いをかけられてる、とか?」

妖精「セインは国外まで遠征してることもあるから違うだろうけど、他の子たちはそういう呪いがかけられてる可能性が十分にある。大魔女に解呪してもらったけど、クロシュにも服従の呪いがかけられてたし」

クロシュ「……」


クロシュ(でも……わたしとフメイちゃんは、脱走できた……。だから……たぶん今は、前よりももっと厳しい、逃げられない仕組みがある……)

クロシュ(……もう一回、侵入して……セインさんに、聞いてみる……?)


↓1コンマ
01-60 アイスちゃんの氷魔力結晶が……
61-90 大魔女さん来訪
91-00 ???
704 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2025/05/18(日) 20:02:57.23 ID:5DAVnfNJO
705 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2025/05/18(日) 20:09:39.83 ID:aGPUDk9Bo
00クリティカル強い
章ボスかと思ったらもう退場
706 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2025/05/18(日) 21:03:28.82 ID:4molOIYy0
クロシュ「……?」

 氷魔力結晶「」デロデロ…

クロシュ「!」

イリス「あれっ? これ、アイスっていう子の魔力結晶だよね? なんでこんな……」

妖精「……おかしい。一度結晶化した魔力がこんな風に溶けることなんて、普通はないはず……」

イリス「だ、だよね。私もこんなの初めて見たよ」

妖精「……うーん……魔力の結合が解ける原因は……。そもそもなんで今まで、ちゃんと結晶だった――はっ!」

イリス「……!! ま、まさか……これ!!」

妖精「……これ……カリスから逃げ出せない仕組みかも……!!」

クロシュ「??」

イリス「……たぶんカリスの元から長期間離れると、魔力に異常をきたして具合が悪くなっちゃうんだ……」

妖精「……放っておけば、死ぬと思う」

クロシュ「!!」ソワソワ

イリス「……この魔力結晶はアイスちゃん自身ではないから、今アイスちゃんが危ないってことはないよ。でも……カリス、嫌らしい仕組みを……」

妖精「ひとまず、この溶けてる結晶は瓶に詰めておこう。溶けはしても強力な氷魔力を秘めてるのは変わらないから、使い道は変わらないはず」

イリス「そうだね……」

 *

 瓶詰め氷魔力「」ポン!

クロシュ「……」

妖精「これがどういう現象で、どうすれば食い止めることができるのか……」

イリス「しっかり調べる必要があるね……」

クロシュ「うん……」

 ☆カリスに造られた者の事情について少し知りました

 ◆
707 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2025/05/18(日) 21:03:58.30 ID:4molOIYy0
 ―幕間―

―夜
 聖ヴァレリオ教会 聖女の宿泊室

 コンコン

クレア『聖女……いますか……?』


 開かれた号外新聞「」バサッ
頭を抱えて机に突っ伏す聖女「………はい」


クレア『入っても構いませんか……?』


聖女「……はい」


 扉「」ガチャッ


クレア「失礼しますね……。ハーブティーを淹れて来ました。良かったら飲んでください」スタスタ

 温かいハーブティー「」ポン ホカホカ

聖女「………すみません。私……今日は、ろくにお手伝いもできなかったのに……」

クレア「構いません。今、原理派が大変な状況というのはわかっていますから……」

聖女「………考えが……まとまらないんです……。私……どうしたら、良いのか……」

クレア「……無理しないで。あなたは立場上原理派ですが、中身はほとんど穏健派みたいなものです。あなたが無理に考えなきゃならないことなんて、何もないのですよ」

聖女「……でも……私の父は、枢機卿とも近しい大司教で……今どこに赴任しているかさえ、誰も教えてくれないんです……。お姉ちゃんも、どこ行ったか、わかんなくて……。私、もうぐちゃぐちゃで……どうしたら良いか……」

クレア「……今夜は、もう寝ましょう。具合の悪い時に起きていると、嫌なことばかり考えてしまいます」

聖女「……はい。そう、します……」

 ◆
708 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2025/05/18(日) 21:05:41.03 ID:0IQ7QJkho
……ブラッドフメイクロシュと逃げられたから導入された仕組みっぽいな……うーんカリスマジカリス
709 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2025/05/18(日) 21:10:09.94 ID:4molOIYy0
―王都セイントレア 滞在6日目

◇クロシュ [あかちゃんスライム]
武:星霊の剣     盾:ラティアの大盾  飾:くすんだ耳飾り
武:竜珠の大杖    防:竜のエプロン   飾:不死鳥の羽根

◇妖精   [世話焼き妖精]
武:         盾:         飾:くすんだ耳飾り
武:         防:精霊のレオタード 飾:

◇イリス  [星の魔法使い]
武:蒼き星の杖    盾:         飾:くすんだ耳飾り
武:ブラッドランス  防:魔術師のローブ  飾:

◇ミスティ [氷の魔法使い]
武:氷の短刀     盾:         飾:くすんだ耳飾り
武:         防:氷竜革のローブ  飾:

◇ローガン [鋼の戦士]
武:蜥蜴一文字    盾:灼鋼の盾     飾:くすんだ耳飾り
武:鋼の回転ノコギリ 防:オリハル鎖帷子  飾:

◇エバンス [地の傭兵]
武:古代の鉄槌    盾:         飾:くすんだ耳飾り
武:魔銀の刀     防:硬質革鎧     飾:

◯所持アイテム
[道具]        [装備品]       [大事なもの]
運命賽*2       蜘蛛絹の下着      魔族国永久旅券
会心賽*1       ザリガニのお守り    フメイの服の切れ端
反魂丹*1       大きな巻き貝      精霊の印
鉄鍋+携帯調理器具   闇の欠片        精霊樹の実のジャム
「星の魔力」上中下   フリルワンピ水着    精霊樹の鉢植え+赤雷球
お宿の妖精の織物    魔法学園のスク水    フメイとアリシラの人形
魔導飯盒        ガラスのザリガニ    メルルの帽子
妨害魔力波発生装置   踊り子の双剣      溶岩石のアミュレット
属性大全        サボテンドラゴンの花  太陽のメダリオン
魔王図鑑        精霊のローブ      暗黒優待券
氷精の魔導書      精霊樹の杖[改]    冒険者証(ランク1)
ブラッドワイン*1   銀のナイフ       大魔女帝国渡航権
吸血鬼殺ワイン*1   ダイヤメリケンサック  かたたたきけん
魔術書「正負の属性」  パラサイトソード    大魔女帝国滞在許可証
吸血鬼の日焼け止め               風船印のパラシュート
日蝕の傘                    ラティア勲章
大魔女サイン*1                ユーシリア王家の紋章
古代のセラミック
ステライト鉱石
晴れ乞い傘
チョコスムージー
ヒヒイロカネ
氷魔力結晶
魔導書「絶対零度」

◯現在の目標
・フメイちゃんを探す
・世界樹の光を追う[4/5]
・最悪の未来を阻止する

◯努力目標
・カリスに造られた者たちを助ける
・枢機卿の悪事を暴く(達成!)
・戦争を阻止する
・レイの行方を追う

◯仲間の目標
・カリス・ノーランドを討つ(ミスティ)

◯経験値
・クロシュ 剣技[03/07] 魔法[06/07] 防御[00/07]
・イリス  杖術[00/06] 魔法[14/16]
・ミスティ 剣技[05/07] 魔法[11/16]
・ローガン 剣技[16/16] 魔法[06/08] 防御[07/08]
・エバンス 剣技[16/16] 魔法[07/08]
……………………………………………………………………………………
□王都セイントレア
王城:未探索
城下:教会、孤児院、市場、食事処、酒場、浴場、娼館、冒険者ギルド
   中央広場、公園、学校、図書館、博物館、劇場、闘技場、未探索
……………………………………………………………………………………
□セクリエ・ロイエ
大聖堂、大聖堂別館、美術館、庭園、お土産屋、未探索、他
……………………………………………………………………………………
710 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2025/05/18(日) 21:10:45.94 ID:4molOIYy0
―朝
 聖ヴァレリオ教会 食堂

 チュンチュン

クロシュ「……? 聖女さんは……?」キョロキョロ

クレア「……聖女は、少々体調を崩してしまいまして」

クロシュ「そうなの……?」

クレア「はい……。もし良かったら、お見舞いに行ってあげてくださいね。あの子はあなたたちのことが凄く好きみたいなので、きっと励みになるかと……」

クロシュ「ん……わかった」


イリス(聖女さんが……それってやっぱり、あの新聞が原因だよね……?)

妖精(まあそうだろうね……一応原理派みたいだから、ショックはあると思う……)

ミスティ(自分のとこのトップがアレだなんて知ったら……きついでしょうね……)

エバンス(聖女は何も悪くないわけだし、気の毒だな……)

ローガン(だが、枢機卿を討つにはああするしかなかったのだ……)


王都セイントレア滞在6日目。15日目に何かが起こります

↓1コンマ ランダムイベント
01-20 なし
21-40 黒髪の無愛想な青年
41-60 デュア
61-80 メルル
81-00 リュアン

↓3〜5 自由安価 何をする?
711 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2025/05/18(日) 21:20:01.80 ID:0IQ7QJkho
ラスイチ引きたーい
712 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2025/05/18(日) 21:20:14.37 ID:nvaoM0pFO
聖女さんの父親(活動日誌書いた人)を探してみる
713 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2025/05/18(日) 21:20:17.82 ID:aGPUDk9Bo
イリスを救ったスライムと出逢う
714 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2025/05/18(日) 21:20:18.16 ID:9zeghqheO
原理派勢力が後退した分デロデロ教の勢力が増してきて滅茶苦茶布教を受けてしまう
715 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2025/05/18(日) 21:20:20.31 ID:souoKTqC0
ミラ(クル)と会話中テラヌス・ウルスのミラの話題になり、今どうしているか考える
716 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2025/05/18(日) 21:20:23.76 ID:U6/sphVA0
ミラと一緒にレイを探す
717 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2025/05/18(日) 21:20:32.07 ID:5DAVnfNJO
>>649
718 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2025/05/18(日) 21:52:23.26 ID:4molOIYy0
―王都セイントレア 市場

 ワイワイ ガヤガヤ

妖精「ひとまず今日は――ん?」

「……」

妖精「ていっ」ペチッ

「ぎゃっ」

イリス「その声は……」

メルル「たはは〜見つかっちゃったねェ」ヌッ

ミスティ「メルル!」

メルル「妹がお世話になったそうで! いやあキミたちには世話になりっぱなしですなァ」

クロシュ「ん……お世話、したり、されたり……?」

エバンス「でもなんでメルルが王都なんかに? ここ王国だからけっこう危ないぞ」

メルル「まあ冒険者のカンってやつ? なんか面白いことがありそうだな〜って思ってね」

ローガン「うむ……まあ、何かはあるかもしれんな……」

 ☆メルルと再会しました
  今日と明日、時と場合によりコンマに補正を得られるかもしれません

 ◇
719 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2025/05/18(日) 21:53:10.46 ID:4molOIYy0
―王都セイントレア 中央広場

 ワイワイ ガヤガヤ

デロデロ教徒「真の正しい世界! 真の正しい世界こそが救いとなるのです!!」

 ワアアアア!!! シンノタダシイセカイ!!!! シンノタダシイセカイ!!!!


クロシュ「わあ……」

妖精「うわ、デロデロ教の奴らだ。王都でも布教活動してるのか……」

イリス「ロイエ教の枢機卿があんな記事になっちゃったから、効果は大きそうだねえ……」

エバンス「そこを狙ってんだろうな。まあ俺たちにとっちゃどうでもいいことだが……」

デロデロ教徒「まあそう言わず、あなたもご一緒にどうですか?」ヌッ

エバンス「うおわっ!? い、いや俺は無神論者で……」

デロデロ教徒「デロデロ教は神を信奉するものではございません。ただ、正しい救いを求めるだけのシンプルなものなのです」

イリス「そ、そうなんですか……」

デロデロ教徒「というわけで皆さんもご一緒にどうですか? 真の正しい世界!」

クロシュ「しんのただしいせかい!」キャッキャ

妖精「こら、調子に乗るな」ペチッ


↓1コンマ
01-30 グランドマスター「騙されるな、民衆よ!!!!」ヌッ
31-60 楽しかった
61-90 僧侶「お久しぶりです!」
91-00 ???
720 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2025/05/18(日) 21:55:17.96 ID:KXYGCVKs0
ヌッ!
721 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2025/05/18(日) 21:58:26.06 ID:aGPUDk9Bo
グランドマスター生きてはいるのか
ただじゃ終わらなさそう
722 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2025/05/18(日) 22:09:18.59 ID:J0szS0XNO
前々から思ってたけど自由安価先着順じゃなくて時間指定できた安価の中から高コンマの安価採用みたいにできないのかな?
今までの見ると3人以上は自由安価取るために待機してるみたいだし今までの埋まるスピードなら時間の範囲短くても問題なさそう。(>>357で言ってるみたいな一度取ったら次は譲るというのは日付が変わるとIDが変わったり、同じIDでも2連続で自由安価取る人もいたりでルール無しでは正直うまくいかなそう……)
723 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2025/05/18(日) 22:44:13.05 ID:4molOIYy0
グランドマスター「騙されるな、民衆よ!!!!」ヌッ

 ザワザワ… エエ… ドチクショウノグラマスダ

グランドマスター「真の正しい世界!? そのようなまやかしは存在しない!! セイントレア国民よ、今一度人間の尊さを思い出すのです!! デロデロなどというものに縋らずとも、我々人間は――」

 ウルセー!! スッコンデロー!! ヨウセイレイパー!! ヘンタイ!!

  石「」ポイポイ
   石「」ポイポイ

    パシッ!!

赤橙ショートの眼帯女性「……」スッ

  ザワザワ… オッカネエヨウジンボウダ…

グランドマスター「無詠さん、助かりました。この私が石をぶつけられるなど、あってはならないことです」

赤橙ショートの眼帯女性→無詠「報酬分は働く。それだけだ」



イリス「……!!?!?!?」

エバンス「ん……!? あっ……!! ま、マジか……!?」

妖精「え、何? あの用心棒に心当たりでもあるの?」

イリス「えっ、いや……ひ、人違いかも……」

エバンス「あいつは……俺の傭兵団の実力者、無詠だ!」

イリス「ええっ!? そうなんですか!!?」

妖精「ど、どういうこと……?」

クロシュ「??」



無詠「……?」

グランドマスター「む……あの少女と妖精は……!! 無詠、奴らを今すぐ叩き殺しなさい! アレは国家反逆者です!!」

無詠「仕事は護衛だけだったはずだが」

グランドマスター「融通の効かない人ですねえ! それならば暗殺の追加依頼です!!」

無詠「悪いが、貴方との契約もこの護衛任務で打ち切らせて頂く。我々も評判を気にしなければ生きていけないのでな」

グランドマスター「なんですと……!? 貴様……下賤なならず者モドキの分際で……!!」

無詠「今すぐ契約の打ち切りをお望みなら対応可能だが?」

グランドマスター「そもそも貴様が昨日いなかったせいです!! そのせいで私は――」

無詠「極秘会議だからと私を遠ざけたのは貴方だったはずだが……」

グランドマスター「……帰ります!」プンスコ ズカズカ


 ザワザワ… カエッテッタ… ナンダッタンダロウ


妖精「なんか……揉めてた?」

エバンス「あー……まあ、その方が俺としては助かるな」


無詠「……」ジッ


クロシュ「?」

イリス「い、いやいや……まさか、ありえないでしょ……」


無詠「……」スタスタ


妖精「うわっ、こっち来たよ!」

イリス「え、ええ〜っ!?」

 *
724 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2025/05/18(日) 22:50:23.94 ID:4molOIYy0
―王都セイントレア 路地裏

無詠「久しぶりだな、エバンス」

エバンス「おう……。アンタ、あんな奴の仕事なんて受けてたのかよ」

無詠「報酬が魅力的だったからな……。今は反省している」

エバンス「マジで反省してくれ……俺たちの評判まで悪くなるし、下手すると俺と敵対することになるし……」

無詠「……エバンスは個人依頼を受けたと聞いていたが……後ろの彼女たちが、その依頼主なのか?」


クロシュ「……」コソコソ
妖精「……」コソコソ
イリス「……」コソコソ ドキドキ


エバンス「ああ、まあそんなとこだ……。ちょっと恩があって、格安で……。報酬はあんまり期待しないで欲しい」

無詠「それは構わないが……グランドマスターは彼女たちに強い恨みを抱いているようだった。一体何をしたんだ?」

エバンス「ああ、それなら――」

 *

無詠「……まさか、昨日の記事が彼女たちの行動によってできたものだったとは……」

エバンス「アンタ、この件から手を引くことはできないか?」

無詠「……こちらから契約を切るのは難しい。腐ってもまだロイエの枢機卿だ。下手に恨みを買うのは傭兵団にとっても得策ではないだろう」

エバンス「それはまあ、そうか……」

無詠「安心しろ。お前たちと敵対することになったら、適当に手を抜いてやる」

エバンス「そりゃ助かるが……アンタは大丈夫なのか?」

無詠「無論だ」



イリス「……」コソコソ ドキドキ

妖精「イリス……気になるなら話しかけにいきなよ」

イリス「えっ……で、でもぉ……きっと人違いだし……」

クロシュ「……ひとちがいなの?」

イリス「そうだよ……! だって、母さんは――」

妖精「……母さん?」



無詠「……私は怖がられているのか?」

エバンス「え、どうだろうか……まあ女性にしてはけっこう強面だと思うぞ、眼帯だし」

無詠「そうか……」


どうする?
↓1〜2選択 話す or すること
1.イリスさんのお母さんですか?
2.カリスの被害者な気がする……
0.自由安価(状況にそぐわないものは再安価となります)
725 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2025/05/18(日) 22:54:28.22 ID:0IQ7QJkho
1
726 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2025/05/18(日) 22:54:54.46 ID:+Ri+2sfI0
1
727 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2025/05/18(日) 22:57:22.75 ID:4molOIYy0
被ったのでもう1つよろしくお願いします

↓1選択 話す or すること
2.カリスの被害者な気がする……
0.自由安価(状況にそぐわないものは再安価となります)
728 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2025/05/18(日) 22:57:50.30 ID:BEiXDIwQO
0とりあえず食事しながら会話(そこへメルルとフーミンもやってきた)
729 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2025/05/18(日) 22:59:59.78 ID:0IQ7QJkho
>>727
そして連取りだわごめんなさい
730 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2025/05/18(日) 23:43:13.61 ID:4molOIYy0
クロシュ「……」トコトコ

無詠「……」

クロシュ「えっと……イリスさんの……おかあさん、ですか……?」

無詠「……イリスの……お母さん……?」

エバンス「えっ……? それってどういう……」


無詠「…………」


無詠(イリス……どこか、聞き覚えのある名だ)

無詠(不思議な懐かしさ……そして愛おしさを感じる……)

無詠(……私には、ある時点以前の記憶がない)

無詠(………カリス・ノーランドの施設で人体実験を受ける以前の記憶は、一切ないのだ)

無詠(だから……私が誰かの母親だったという可能性も、ゼロではないだろう)

無詠(……しかし、ならばどうしろと言うのだ?)

無詠(私は……もう随分と長い間、無詠≠ニして傭兵をやってきた……)

無詠(……今更、過去を突きつけられても……私は……)


無詠「……………」


クロシュ「えと……ごはん、食べる……?」

無詠「……ごはん?」

クロシュ「うん……。ごはん、食べれば……元気に、なるかも……」

エバンス「賛成だ。飯にしようぜ、腹が減ってちゃ腹割って話すこともできないだろ?」

妖精「そうだね。まずはごはんにしようよ。ね、イリス?」

イリス「へっ!? そ、そうだね……!? ごはん……ごはん!!」

無詠「わかった。ではご相伴に預かろう」

 ◇
731 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2025/05/18(日) 23:45:21.58 ID:4molOIYy0
―聖ヴァレリオ教会

イリス「クレアさん、台所お借りしても構いませんか?」

クレア「はい、もちろんです。ご自由にお使いくださいね」

イリス「ありがとうございます!」


無詠「ここに滞在しているのか」

エバンス「おう。飯は俺とイリスちゃんが作るから、待っててくれ」

無詠「わかった」

 *

 魔導拳銃「」ポン!

クロシュ「わぁ……!」

ミスティ「魔導拳銃……! かっこいいわね……」

妖精「そう? 私には凶悪な鉄の塊にしか見えない……」

ローガン「こういったものはどこに売っているのだろうか?」

無詠「これは私用にチューニングされた特注品だが、量産品であれば機械都市や商業都市で手に入る。まあ、量産品は規制がかかっているからか豆鉄砲のような威力しか出ないらしいが……」

ミスティ「豆鉄砲……。氷魔法を使いながら炎の弾丸を撃ち出す、みたいな戦法はできないのね……」

無詠「フフ、傭兵団に入れば注文ルートを紹介できるよ」

ミスティ「まあ……食い詰めたら考えるわ……。それよりあなた、イリスのお母さんと聞いたのだけど……」

無詠「……そうらしいが、私は記憶がないんだ。記憶もなしに、母親として振る舞うことはできない。だから……どう対応したら良いものか、少し困っている」

ローガン「ふむ……。イリスくんも、恐らく同じような状態だろうな。記憶のない人に、過去を押し付けて良いのかと、葛藤しているように思える」


台所でせっせと働くイリス「〜〜」セッセ


無詠「……子供にそのような気持ちを抱かせるのも、母親失格だとは思うのだが……私自身、母親としての自覚が全くないんだ。他人事のように思えてしまう……。そんな気持ちで母親面をすることの方が、もっと深く傷付けてしまうのではないかと思うし……」

ミスティ「……難しいのね……」

ローガン「うむ……私もこのようなケースは初めて見る。どうするのが正解なのかわからん……」



フーミン(……なんか混ざりにくいシリアスな雰囲気ね……。出直そうかしら……)コソコソ

メルル(めっちゃわかる〜。場違いになっちゃいそうなんだよね〜)コソコソ

フーミン(いや、誰よあなた……)コソコソ


↓1〜2 食材を1〜2つ選択
肉類:トリ肉、ケモノ肉
魚介:ザリガニ、オオキイタニシ、イクラマス、マグロ
野菜:ノラワカメ、セイントレア草、キャベツ、長寿トマト
穀物:お米、パスタ麺、こんがりパン、ヤマイモ、オオキイ豆
果実:イチゴ、リンゴ、ブドウ、シャイニングマスカット
卵乳:トリの卵、ミルク、チーズ、バター
特殊:スライムゼラチン、フェアリーシロップ、ブラッドワイン、精霊樹のジャム、上白糖、香辛料
732 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2025/05/18(日) 23:46:46.92 ID:QVYhcFXN0
オオキイタニシ 米
733 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2025/05/18(日) 23:51:27.25 ID:9zeghqheO
マグロ、シャイニングマスカット
734 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2025/05/18(日) 23:56:03.54 ID:4molOIYy0
食材が決まったところで本日はここまでとなります。次回、再会のごはん編、株分けの伝説スライム編、ミラくんちゃんとミラさん編です

グランドマスターの悪事を暴き、評判をガタ落ちさせることに成功したクロシュたち。一方カリスに造られた命をどうにかする手立ては未だ見つからず、クロシュは気を揉む――
そして出会ったのは、謎多き傭兵の無詠。エバンスの同僚であり、イリスの母疑惑がある彼女と食卓を囲むことになったものの、イリスと無詠は互いにどう接したら良いかわからず困り果てる。長き時を経て再会した親子の行方は――。あかちゃんスライムもまた、二人が仲良くなれたらと小さくお祈りする――

それでは本日もありがとうございました。次回は土日となります、よろしくお願いいたします
735 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2025/05/19(月) 09:21:24.28 ID:KDY9gVoKo
おつおつでした
聖女さんお辛い立場だ…
736 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2025/05/19(月) 14:47:35.64 ID:1D8lVcawO

またカリスの罪状が増えとる…
聖女さんも厄ネタ持ちだし気にした方が良さそうだけどやることが…やることが多い…!
737 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2025/05/24(土) 13:09:48.02 ID:9IKHAwNvO
王国編は要素が多くて全部回収できるかな
738 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2025/05/24(土) 16:28:54.68 ID:+fI+KUJE0
聖女氏は実際とてもつらいようです。彼女がなんらかのお咎めを受けるということはたぶんありませんが、その大きなストレスは心身に悪い影響を及ぼす可能性があります。気にしてあげると良いかもしれません

カリスさんは既に処刑されたはずの指名手配犯なので、その罪はとても大きいようです
聖女氏は例の日誌に記されていた通りであれば何やらすごい力を持っているそうです。その力がどのような未来をもたらすかは今のところ未知数です

王国編はやることが多いですが、今のところは順調に進んでいるので、このペースでいけば問題ないと思われます。なお一部の努力目標は特定人物の生死に関わっていたりもするため、気にするのが良いかもしれません

なお最も良い未来を目指したい場合、努力目標以外にも気にした方が良いことがあったりするかもしれません。とはいえ本編の内容やクロシュたちの言葉をちゃんと聞いていれば、そのようなものを見つけるのは難しくないでしょう
739 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2025/05/24(土) 16:30:39.27 ID:+fI+KUJE0
 マグロ寿司「」ポン!
 タニシ寿司「」ポン!
 マスカット寿司「」ポン!

クロシュ「わあ……!」

イリス「お寿司にしました!」

ローガン「待て、緑色のこれは何だ」

 マスカット寿司「」

エバンス「マスカット寿司だ」

ローガン「なんだと」

ミスティ「何かおかしいの?」

ローガン「いや……寿司ネタにマスカットというのは聞いたことがないのだが……」

エバンス「ははっ、遅れてるな旦那! 今フルーツ寿司は密かに人気を集めてるんだぜ」

ローガン「そ、そうなのか……」

ミスティ「へえ……お寿司を食べること自体が初めてだから全然知らなかったわ」

エバンス「この前オノゴロに行ったってのにうっかり寿司を食うのを忘れてたからな。ミスティちゃんもこれで寿司デビューだ!」

妖精「寿司って炊いたごはんに魚介の刺身を乗っけただけでしょ?」

エバンス「違うぞ! 寿司用の米には酢が混ぜてあってだな――」

 *

 パクパク モグモグ モニョモニョ

スライムクロシュ「〜〜♪」モニョモニョ モグモグ

ミスティ「お寿司って初めて食べたけど、すごく美味しいわね……」モグモグ

ローガン「うむ……しかし甘いマスカットと酢飯が意外と合うとは……」モグモグ

妖精「わたしはマスカット寿司が一番好きかも」モグモグ

エバンス「ちなみにこれはシャイニングマスカットっていう光属性の果物だから、食べたあとしばらく光属性が強くなったり、光耐性が付いたりするんだ。寿司でも効果は得られるが、どちらかと言うと甘味系の料理に使った方が効果が高まるらしい」



無詠「……」モグモグ

イリス「……ええっと〜……ど、どうですか……?」


↓1コンマ
01-40 美味い
41-70 この味は……
71-90 懐かしい
91-00 ???
740 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2025/05/24(土) 16:35:37.82 ID:Xh7U9K+70
741 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2025/05/24(土) 18:25:38.77 ID:+fI+KUJE0
無詠(……なんだ、これは……?)

無詠(胸を締め付けるようでありながら……苦しくはなくて……)

無詠(悲しい……? いや……それとも、少し違う……)

無詠(この……感情は―――)


 ――『わぁ〜! おすし! おすし!』キャッキャ

 ――『誕生日おめでとう、イリス。いっぱい食べなさい』

 ――『おめでとう、イリスちゃん。いっぱい食べて大きくなるのじゃぞ』

 ――『うん! いただきま〜す!』モグモグ


 ――『しかしティナよ、ワシまで本当に良いのかの?』

 ――『もちろんです、師匠。イリスをここまで育てて来れたのは師匠のお陰ですから』

 ――『ワハハ、それじゃ遠慮なく頂こう――む? こりゃマスカットか?』

 ――『ええ。フルーツ寿司と言って、最近流行っているそうです』

 ――『ふむう……最近の若者の味覚は変わっとるのう……』


 ――『おかあさん、あしたもおすしがいい!』

 ――『それはだめ』

 ――『なんで!?』

 ――『お寿司は食べて良いのは、特別な時だけなの』

 ――『ええ〜じゃああしたもとくべつにしてよぉ』

 ――『だめ』

 ――『えええ〜!?』

 ――『イリスちゃん、そしたら自分で握れるようになると良いぞ』

 ――『えっじぶんで!?』

 ――『そうじゃ。そしたら毎日が特別じゃ』

 ――『そっか! じゃあイリスおすしにぎれるようになる!』

 ――『師匠……本当に握れるようになったらウチの家計が……』


無詠(―――ああ。これは、私の記憶か――――……)

 *
742 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2025/05/24(土) 18:26:16.58 ID:+fI+KUJE0
無詠「イリス」モグモグ

イリス「ふぁいっ!?」ビクッ

無詠「……ありがとう。美味しいよ」

イリス「えっ! あ、えへへ……良かった、です……!」

無詠「………お寿司……握れるようになったんだね」

イリス「えっ……!?」

無詠「………大きくなったね。イリス」

イリス「あっ……お、お……おかあ、さん……?」

無詠「うん……ただいま。ごめんね、遅くなって」

イリス「え、ええっと……えっとえっと……お、おかえり……なさい……!?」グルグル



クロシュ「わあ……!」

妖精「あらら……イリスの方が混乱してるね、ありゃ」

エバンス「まあ、すぐに昔と同じようにってわけにはいかないよな」

ローガン「うむ……だが、二人の間に何か問題があるわけではないのだ。いずれ自然と打ち解けるだろう」


ミスティ「……」

妖精「……ちょっと、悔しい?」

ミスティ「そんなんじゃないわ……。良かったと思っているし」

妖精「ふふ〜じゃあ私がミスティのお母さん役をやってあげよっか」ニコニコ

ミスティ「おばあちゃん役の聞き間違いかしら?」クスッ

妖精「誰がババアだって!?」プンスコ

ミスティ「……気遣いありがとう、妖精。ヘタクソだったけど」

妖精「げっ……」

ミスティ「実際平気よ、私。今の私を大切に思ってくれる人がいっぱいいること……わかっているもの」

妖精「……そっか」ニコ

 ◇
743 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2025/05/24(土) 18:26:45.16 ID:+fI+KUJE0
無詠→ティナ「では改めて――ティナ・プラネットです。今まで、イリスと共に歩んで来てくれてありがとうございます」ペコリ

妖精「どういたしまして。まあイリスにはこっちも助けられてきたから、こちらこそありがとうございます……かな?」

エバンス「無詠……じゃなくて、ティナさん。記憶はもう全部戻ったってことなのか?」

ティナ「断片的な記憶をいくつか思い出しただけで、全部とは到底言えない。しかしそれでも……私がイリスの母だったこと、かつて星属性の魔法使いだったことは思い出せた」

エバンス「星属性だったのか……!」

ティナ「そして今この世界が直面している二つの危機……世界樹の光と、世界めくれ……私にも、その対処を協力させて欲しい。構わないだろうか?」

妖精「もちろん! 人手は多い方が良いしね」

エバンス「そうなると枢機卿に雇われてる立場ってのが逆に活きてきそうだな!」

ティナ「ああ。枢機卿は今世間や貴族たちから激しいバッシングを受けているところだが、完全に失脚したわけではない……。そして立場がまずいからこそ、失脚する前に挽回しようと戦備を急いでいるようだ」

妖精「えっ!? それじゃあ私たちが奴を責め立てたのは逆効果だった……!?」

ティナ「いや、そうでもない。戦備を急ぎすぎれば兵の質は落ちるし、作戦の穴も増える。貴族たちへの根回しも十分にできないだろう。当然、民衆の支持も得られまい」

ミスティ「つまり……隙だらけになるということね」

ティナ「そうだ。戦争を止めるのであれば、生じた隙を的確に突いていくのが良いだろう」

ローガン「兵士の士気を落とすような工作をしたり、事前に作戦が失敗するように仕向けたり、戦争反対派の貴族を立てて反対運動を起こしたり、民衆を扇動したり……といったところか?」

ティナ「ああ。もちろん、他にもできることがあれば積極的に行動していくべきだろう」

エバンス「なるほどな……できそうなことからやっていこう」

ティナ「そして私は現在枢機卿に近い立ち位置にいる。もしやって欲しいことがあれば言ってくれ」

妖精「わかった! 頼りにしてるよ、ティナ」

 *

ティナ「それじゃあ私は戻る。何かあれば連絡を」スッ

イリス「あっ……」

ティナ「……イリス。どうか、無事で」

イリス「う、うん……。かあ、さんも……お気を付けて……!」

ティナ「ああ。ありがとう……」


 スタスタ…ガチャ パタム


イリス「………」


 ☆美味しいごはんを食べて元気になりました
  明日の終わりまで、戦闘コンマ+15、光適性◯を得ます

 ☆無詠→ティナ・プラネットが記憶を少し取り戻しました

 ☆戦争準備について情報を得ました

 ◇
744 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2025/05/24(土) 21:25:11.47 ID:+fI+KUJE0
―王都セイントレア 市場

 ワイワイ ガヤガヤ

イリス「………うぅ、ううぅ〜ん……!!」ググッ

妖精「うわっ!」

クロシュ「わあ……」

ミスティ「急に変な声を出すわね……」

イリス「だ、だって……! お母さんが……生きてたんだよ……!?」

クロシュ「うん……!」

ミスティ「ええ。良いことじゃない」

イリス「そう! 良いことなの! でも、なんかこう……気持ちが、追っつかないっていうか……!!」

クロシュ「そうなの……?」

イリス「私……お母さんが生きてて、ちゃんと喜びたいのに……なんかぎこちなくなっちゃって……。お母さん、がっかりしてないかなあ……。私って薄情なのかなあ……」

妖精「自分の中で既に決着の付いたことを、後になってひっくり返されると混乱するもんだよ。それが例え、良いことだとしてもね」

イリス「そういうものなの……?」

妖精「そういうもんだよ。妖精に母っていう存在はいないけど、家族みたいな存在はけっこういたりするからさ。気持ちはわからないでもないんだ」

イリス「そういうもんか……。うん、わかった! 次は……もうちょっと、気楽に接してみる!」

ミスティ「いつまでもウジウジしないのがイリスの良いとこよね」

妖精「クロシュなんて一度凹むと数日は瓶から出られなくなっちゃうからねえ」

クロシュ「んゅ……」

ミスティ「妖精も人のこと言えないでしょ。商業都市でクロシュが捕まった時のこと忘れてないわよ」

クロシュ「ほえ……?」

妖精「んぐ……あ、あれはだね……」

 タタタタッ

  ドッ!!

クロシュ「んわっ!」コテッ

馬頭の剣闘士「すまねえっ!」タタタッ

ミスティ「ちょっと!」

イリス「……!! 待って、あれは――」


 馬頭を先導して跳ねる透明スライム「〜〜!」ピョンピョン


妖精「スライム……!? 透明で見えづらいけど……」

イリス「前に……私を助けてくれたスライムさん!」

ミスティ「えっ!?」

クロシュ「!」

妖精「……今の奴、剣闘士の格好をしてた……たぶん脱走奴隷だ……!」

イリス「追って……あっでも私たちが追ったら目立っちゃう……!?」

魔女っ子クロシュ「!」ポン!

 反映魔法弾「」ポポポポン!!

透明イリス「わあ!」

透明ミスティ「マントを使わなくても、私たちを透明に……!?」

透明妖精「でかしたクロシュ! これであいつを追おう!」

透明クロシュ「ん!」

 ◇
745 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2025/05/24(土) 21:25:46.86 ID:+fI+KUJE0
―セイントレア王都 地下水路

 地下水路「」ザァザァ

 ねじ曲がった鉄格子「」ザァザァ

馬頭の剣闘士「こ、この先が……!」

透明スライム「お疲れ様です。この鉄格子を越えて流れに沿っていけば、城壁の外へ出られます」モニョモニョ

馬頭の剣闘士「……ほ、本当か……? 本当に……生きて、この街を出られるのか……?」

透明スライム「はい。しかし街の外はまだ王国領です。くれぐれも兵士には気を付けて……。亡命は、できれば農業国かユーシリア帝国へ」

馬頭の剣闘士「魔族国はだめなのか……? 革命で独立したんだろ?」

透明スライム「今この国と魔族国は極度の緊張状態にあるので、間者の疑いがかけられます」

馬頭の剣闘士「じゃあ緑の国は……!? あの国なら――」

透明スライム「……現在も、世界樹の結界による鎖国が続いています。緑の大森林は結界を越えて広がっていますが、王国の狩人が巡回している為安全とは言えません」

馬頭の剣闘士「そんな……。農業国もユーシリアも人間の国じゃねえか……。せっかくこの国を出ても……」

透明スライム「農業国は人間の国ですがエルフやアルラウネとの親交も深く、農業を行う労働力さえ提供できれば種族は不問のおおらかな国です。ユーシリアも現皇帝が即位してからは魔族との融和路線に舵を切り、大きな成果を挙げています。聞くところによれば、身の回りのお世話を森スライムに任せているのだとか……」

馬頭の剣闘士「そうなのか……」

透明スライム「あとは……港湾都市ウォーターポートも王国内では比較的魔族に寛容な街ですが、それでも脱走奴隷の身分では流石に厳しいです。テラヌス・ウルスは砂漠越えが厳しいでしょうし……」

馬頭の剣闘士「わ、わかった……。すまねえ、こんなところで文句言っちまって……」

透明スライム「構いません……。運命を左右することですから……」

馬頭の剣闘士「……アンタは、これからもここでこの活動を続けるのか……?」

透明スライム「はい。この地獄がなくなるまで……私は、続けるつもりです」

馬頭の剣闘士「………」

透明スライム「……私のことは、どうかお気になさらず。ご覧の通り、私は身を隠して行動する能力に長けています。今話しているこのスライムも……私が遠隔操作している端末の一つに過ぎません。私は……誰よりも、安全なのです。あなたが思っているより、ずっと卑怯で、臆病なスライムなのです……」

馬頭の剣闘士「…………すまねえ………オレは………オレも、奴隷の苦しみを知っているのに……。アンタを、手伝うべきなのに……。こ、こわいんだ……また、捕まって……闘技場で、同胞たちと、殺し合いをさせられるんじゃないかって……こわくて……」ガクブル

透明スライム「大丈夫です。あなたが苦しむことなんて、もうないのです。この街を出て、何もかも忘れて、自由に生きるべきなんです」

馬頭の剣闘士「でもっ……お、オレが闘技場で、殺した奴らは……オレを、許すだろうか……!!? あ、あいつらだって……オレと同様に、どっかで捕まって、無理矢理戦わされてただけで……! 故郷には家族とか、友達とか、いたはずだろ……!? でもオレはそういうの、もうないんだ……!! 故郷のリーリアはとっくに滅んでて、家族も友達もみんな死んでるんだよ……!! オレなんかが逃げ出せても、もうどうにもならないんだ……!! それなのに……オレだけが助かるなんて……オレだけが自由になるなんて、そんなの、許されないだろ……!? ああっ……す、すまねえ……アンタに助けてくれって言って、こんなとこまで連れてきてもらったってのに、オレは……オレは……」グルグル

透明スライム「〜〜」パクッ

 モニョモニョ…モグモグ…

馬頭の剣闘士「――アンタ、今オレに何をしたんだ? 急に頭がスッキリしたみたいだ」

透明スライム「あなたが、二度と悪夢に囚われないように致しました。これであなたは不安に苛まれることなく、どこにでも行けます」

馬頭の剣闘士「なんかわからんが助かった。取り乱してすまなかった」

透明スライム「構いません……」

馬頭の剣闘士「それじゃ、いろいろとありがとう。オレはもう行くよ。アンタも、どうか達者で」

透明スライム「はい……どうか、お元気で」

 シュバッ ザブン!
  スイスイ…
746 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2025/05/24(土) 21:27:04.26 ID:+fI+KUJE0
 シュバッ ザブン!
  スイスイ…


透明スライム「……」


透明スライム「……また会いましたね。ダークヒーローさん」


透明イリス「!」

妖精「気付いていたの?」ヒョコ

透明スライム「隠密行動には少々の心得がありますから……」

クロシュ「わあ……!」

ミスティ「……あなたは、何者? 奴隷を逃がす活動をしているの?」

透明スライム「はい、その通りです……。何者かと問われると……この街に住む、ただのスライムと答える他ありませんが……」

クロシュ「……クロシュヴィアちゃんの、分体……?」

透明スライム「……!? あなた……あなたこそ、何者ですか……!?」

 デロデロ…

スライムクロシュ「〜〜!」モニョニョ!

透明スライム「! なるほど……あなたも、クロシュヴィアの株分けだったのですね」

スライムクロシュ『そうなの?』モニョニョ

透明スライム「えっ……? 違うのですか?」

スライムクロシュ『わかんない』モニョモニョ

 *

透明スライム→ヴィア「……私は、ヴィアと言います。クロシュヴィアの分体の一つが自我に目覚めた、株分けのスライムです」

妖精「クロシュヴィアの株分け……性格は全然似てないね」

ヴィア「……活動している期間で言えば、風になってずっと眠っていたクロシュヴィアよりも、私の方が長いでしょうから……」

クロシュ「そうなんだ……」

ヴィア「…………できれば、私の活動のことや、今逃げていった彼のことは秘密にして頂けるとありがたいのですが……」

妖精「ああ、その点はご心配なく。私たちは見ての通りこの国の者じゃないし、非人間奴隷の扱いも良く思ってないもん。あと、ここに来るまでに誰かに尾行されたりもしてないはずだから安心して」

ヴィア「それならば、良かったです……」

クロシュ「うん……!」

ヴィア「……あなた方は巡礼者の偽装をしているようなので、脱出の幇助は不要ですよね……。他に……何かご用はありますか……?」

クロシュ「!」


どうしよう?
↓1〜2 選択
1.さっき馬頭さんに何をしたの?
2.デロデロ教のことどう思う?
0.自由安価(状況にそぐわないものは再安価)
747 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2025/05/24(土) 21:28:20.40 ID:dblBva3A0
0あなたみたいなことをしている人は他にもいるの?
748 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2025/05/24(土) 21:30:20.13 ID:68N8eIG+O
1
749 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2025/05/24(土) 22:04:28.51 ID:+fI+KUJE0
クロシュ「一人で……がんばってるの……?」

ヴィア「……少ないですが、志を共にして活動してくれている仲間はいます。とはいえ……このように直接外へ逃がすような危険な役目は、分体を放って動かせる私にしかできません……」

クロシュ「そうなんだ……」

ヴィア「私が知らないだけで、私以外にも魔族の奴隷を逃がす活動をしている人や団体がもっといる可能性はありますが……今のところ、目立った成果が上がっていないのは確かです。学生たちや活動家の反対運動も王族の耳には全く届いていないようですし……」

妖精「まあでも、トンチンカンな宗教活動を繰り広げてるクロシュヴィアよりはずっとまともに動いてて偉いんじゃない?」

 *

クロシュ「そういえば……さっき……馬頭さんに、何をしたの……?」

イリス「あ、それは私も気になります! ものすごく震えて狼狽してた馬頭の人が、急に落ち着いて水路に飛び込むのが見えました!」

ミスティ「一体どんなマジックを使ったの?」

ヴィア「……彼の、心を食べました」

イリス「!?」
ミスティ「!?」
妖精「!?」

クロシュ「こころ……?」

ヴィア「全てを食べたわけではありません……。でも……彼の心は、自分自身が作り出す重すぎる悲しみで……既に、壊れていました……。だから……食べて、治しました」

妖精「ま、待って待って! 例え一部でも……悲しみを生み出す部分がなくなっちゃったら――」

ヴィア「彼は、この先二度と悲しみに溺れることはありません。死ぬまで健やかに……前を向いて、生きていけます……」

妖精「い、いや……でも……それは……」

ミスティ「……じゃあ……あの男は……二度と、家族や友達……失った祖国のことで、悲しむことはないということ……?」

ヴィア「そうです……」

イリス「……で、でも……そんなの……あまりにも……」

ヴィア「……かわいそう、ですか……?」

イリス「そ、そうです!! 例えどれほど悲しいからって……失った人たちのことで、悲しむこともできないなんて……!!」

ヴィア「……彼の心は……既に、限界でした。例えここから逃げ出せても……あのままでは決して生きていけなかったと思います……。ダークヒーローさんは……あのまま彼の心が壊れて、死んでしまう方が、良かったと思いますか……?」

イリス「極論はやめてください……! ほ、他に方法が……」

ヴィア「……表層的な悲しみだけを食べることもできますが……悲しみを生み出す根源を食べてしまわなければ、その場しのぎにしかなりません。いずれはまた悲しみに押し潰されます……」

妖精「……た、例えば……時間をかけて傷付いた心を癒やしてあげるとかは……」

ヴィア「……一度壊れてしまった心は……どれほどの時間をかけても、治ることはありません……。一見治ったように見えても、すぐにまたヒビが入り……容易く、砕けるようになってしまいます……。悲しみの気持ちが、ある限り……」

妖精「………」

ミスティ「でも……彼は、それで……いや……しかし……ううん………」

クロシュ「……」

ヴィア「……クロシュちゃんは……どう思いますか……?」

クロシュ「……」


↓1〜 先取3票
1.ちょっといやかも……
2.そういうやり方もある
0.自由安価(票数は内容ごと)
750 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2025/05/24(土) 22:07:49.02 ID:2YtJjN2EO
2
751 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2025/05/24(土) 22:10:31.27 ID:7/lg7Vq4O
1
752 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2025/05/24(土) 22:15:21.06 ID:DfxEK1Myo
1
753 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2025/05/24(土) 22:25:04.54 ID:eSdmgl3VO
2
754 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2025/05/24(土) 22:26:42.01 ID:vNyLih6DO
1
755 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2025/05/24(土) 22:33:33.90 ID:aONl2HFwo
マイルドにはなってるが株分けだなぁ思考がフルスロットル寄ってる
756 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2025/05/24(土) 22:59:36.78 ID:+fI+KUJE0
クロシュ「………」


 ――ゴオオオ……
 ――メラメラ… パチパチ…
 ――燃える大人の死体「」メラメラ
 ――燃える子供の死体「」メラメラ
 ――燃えるスライムの死骸「」ジュクジュク…


クロシュ(……もし……みんなが、本当に助からなくて……)

クロシュ(たとえば……フメイちゃんも……アリシラさんも……死んじゃって……)

クロシュ(……妖精さんも……イリスさんも、ミスティさんも、ローガンさんも、エバンスさんも……)

クロシュ(………この旅で出会った、たくさんの人たちも……みんな、みんな……いなっくなっちゃって……)

クロシュ(わたしの心も……デロデロになって……立てなくなっちゃったら……)

クロシュ(………)

クロシュ(……わたし……そのまま、デロデロになって……かなしみといっしょに……溶けちゃう方が、いい………)


クロシュ「………ちょっと……やだ……」

ヴィア「そうなのですね……」

妖精「クロシュも嫌なんだ……」

クロシュ「うん……。わたし……みんなのこと……ちゃんと、かなしみたい……。それで……立てなく、なっても……」

ヴィア「………それで、死んじゃうとしても……?」

クロシュ「…………うん」

妖精「!! そ、それは……だめだよ、クロシュ……」

クロシュ「妖精さん……」

ヴィア「……妖精さんは……例えば、クロシュちゃんがもし悲しみで動けなくなったとして……悲しむ心を断ち切って生きるのと、悲しみと共に死ぬの……どちらが、良いですか……?」

妖精「そ、そんなの……そんな、の……」グルグル

妖精「」グニャァ

クロシュ「ヴィアちゃん……妖精さんを、いじめないで……」

ヴィア「ごめんなさい……」

イリス「……でも、その二択だと……確かに、安易には決められないかも……。感情的には、嫌だけど……」

ミスティ「……当人にとっては、死んでも忘れたくない想いかもしれないけど……。その人に生きて欲しい人物、という視点で見ると……また少し違ってくるわね……」


 ☆ヴィアと出会いました

 ☆クロシュの思索が進みました

 ◇ 
757 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2025/05/24(土) 23:00:34.44 ID:+fI+KUJE0
急用が入ってしまったため本日はここまでとなります


お寿司を食べて思い出の欠片を取り戻した無詠の魔女ティナ・プラネット。死んだと思っていた母との突然の再会に戸惑う娘イリス。かつて断ち切られた母娘の縁は今再び繋がり、新たな運命を紡ぎ出す。まずは危機を乗り越えよう。師匠のお墓参りは、その後に――

そして次に出会うは、伝説スライムの株分けを名乗る透明スライム、ヴィア。魔族奴隷の開放を目指す彼女は、今日もまた馬頭の剣闘士を一人、大城壁の外へ逃がした。一人で生きていけるように。二度と立ち止まらぬように。悲しむ心を、そっと食べて―――……

あかちゃんスライムは、考える。自分だったら、かなしみと共に溶けたい。でも、他の誰かだったら? たとえばもしフメイちゃんが、何もかもを失ったかなしみで死にそうになったら? もしそんな時に、かなしみを砕く力が自分にあったら? わたしは―――


それでは本日もありがとうございました。次回もよろしくお願いいたします
758 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2025/05/25(日) 03:43:12.04 ID:qQNldUjho
おつでした
マスカット寿司が奇抜に見えるのが母子の絆になってて旨いいや上手い
759 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2025/05/25(日) 08:38:46.74 ID:6IZhgnao0
おつ
この師匠さんもフラナの知り合いなんだよな・・・師匠が子供の頃から世話してそう
760 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2025/05/25(日) 10:58:12.07 ID:44vajvvTO

これは各地方の首脳陣が集まって会議開くレベルでは
761 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2025/05/25(日) 13:12:53.38 ID:KXQZoLDFO

ヴィアさん口調は丁寧だけど中身はしっかりクロシュヴィアちゃんの株分けって感じだねえ
しかしみんな3歳児にいろいろ考えさせたがりすぎだろw
762 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2025/05/25(日) 15:31:40.90 ID:CpstZjfL0
マスカット寿司は少々変わった料理のように見えますが、プラネット母娘にとっては思い出深いもののようです。死んだと思っていた母との再会に混乱しつつも、それがイリス氏にとって特別≠ネ日となったのは間違いありません

思い出の中に登場したイリス氏の師匠は、ティナ氏の師匠でもあったようです。フラナ氏とも旧知の仲だったようですが、師匠氏が幼少の頃から知り合っていた仲かどうかは今のところ闇に包まれています

実際これは世界の危機なので、世界中の有力者が真剣に対策を練ってもおかしくない状況かもしれません。しかし世界めくれについては今現在その兆候すら全くなく、王国と魔族国の戦争については傍観の姿勢を取る国が多いようです

ヴィア氏はクロシュヴィアちゃんの株分けなので、一般的な価値観からすると思い切りの良い考え方をしがちなようです
言われてみると、確かに皆さん3歳のあかちゃんスライムにいろいろ背負わせようとしすぎかもしれません。まあ最近はクロシュ氏のメンタルも少し強くなってきたので、クロシュ氏が嫌でなければ考えること自体は悪いことではない……と妖精は思っています
763 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2025/05/25(日) 15:32:27.35 ID:CpstZjfL0
―王都セイントレア 市場

 ワイワイ ガヤガヤ

クル「今日も買い出し付き合ってくれてありがとう。クロシュちゃん、ミスティちゃん」

クロシュ「ん!」

ミスティ「礼は不要よ。教会にはタダで泊めてもらってるわけだから、できることがあればしたいわ」

クル「あはは、でもやっぱり感謝は大事だから。ミラもそう思ってるみたいだし」

ミスティ「ミラ……今のあなたはクルなのよね?」

クル「うん、そうだよ」


露天商「テラヌス・ウルス直輸入の高級シーシャはいらんかね〜!」


ミスティ「……そういえば、テラヌス・ウルスにもミラという人がいたわ。女性だったけれど」

クル「え、本当!? どんな人? どんな人?」

ミスティ「金髪ですらっとした体型の、気の強そうな人だったわ。丁度あそこで売ってるシーシャっていうやつを吸ってて……それで思い出したの」

クル「わ〜、なんかかっこよさそう〜!」

ミスティ「……酒癖も悪かったわ……」

クル「わあお」

クロシュ「……砂漠のミラさん……元気かな……?」

ミスティ「大丈夫でしょ。ああいうタイプの人は簡単にはへこたれないわ」


↓1コンマ
01-65 何事もなく帰る
66-95 レイの痕跡発見
96-00 ミラ「久しぶりね」ヌッ
764 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2025/05/25(日) 15:44:31.52 ID:rA7PifiLO
ヌッ!
765 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2025/05/25(日) 17:17:33.86 ID:CpstZjfL0
―王都セイントレア 滞在7日目

◇クロシュ [あかちゃんスライム]
武:星霊の剣     盾:ラティアの大盾  飾:くすんだ耳飾り
武:竜珠の大杖    防:竜のエプロン   飾:不死鳥の羽根

◇妖精   [世話焼き妖精]
武:         盾:         飾:くすんだ耳飾り
武:         防:精霊のレオタード 飾:

◇イリス  [星の魔法使い]
武:蒼き星の杖    盾:         飾:くすんだ耳飾り
武:ブラッドランス  防:魔術師のローブ  飾:

◇ミスティ [氷の魔法使い]
武:氷の短刀     盾:         飾:くすんだ耳飾り
武:         防:氷竜革のローブ  飾:

◇ローガン [鋼の戦士]
武:蜥蜴一文字    盾:灼鋼の盾     飾:くすんだ耳飾り
武:鋼の回転ノコギリ 防:オリハル鎖帷子  飾:

◇エバンス [地の傭兵]
武:古代の鉄槌    盾:         飾:くすんだ耳飾り
武:魔銀の刀     防:硬質革鎧     飾:

◯所持アイテム
[道具]        [装備品]       [大事なもの]
運命賽*2       蜘蛛絹の下着      魔族国永久旅券
会心賽*1       ザリガニのお守り    フメイの服の切れ端
反魂丹*1       大きな巻き貝      精霊の印
鉄鍋+携帯調理器具   闇の欠片        精霊樹の実のジャム
「星の魔力」上中下   フリルワンピ水着    精霊樹の鉢植え+赤雷球
お宿の妖精の織物    魔法学園のスク水    フメイとアリシラの人形
魔導飯盒        ガラスのザリガニ    メルルの帽子
妨害魔力波発生装置   踊り子の双剣      溶岩石のアミュレット
属性大全        サボテンドラゴンの花  太陽のメダリオン
魔王図鑑        精霊のローブ      暗黒優待券
氷精の魔導書      精霊樹の杖[改]    冒険者証(ランク1)
ブラッドワイン*1   銀のナイフ       大魔女帝国渡航権
吸血鬼殺ワイン*1   ダイヤメリケンサック  かたたたきけん
魔術書「正負の属性」  パラサイトソード    大魔女帝国滞在許可証
吸血鬼の日焼け止め               風船印のパラシュート
日蝕の傘                    ラティア勲章
大魔女サイン*1                ユーシリア王家の紋章
古代のセラミック
ステライト鉱石
晴れ乞い傘
チョコスムージー
ヒヒイロカネ
氷魔力結晶
魔導書「絶対零度」

◯現在の目標
・フメイちゃんを探す
・世界樹の光を追う[4/5]
・最悪の未来を阻止する

◯努力目標
・カリスに造られた者たちを助ける
・枢機卿の悪事を暴く(達成!)
・戦争を阻止する
・レイの行方を追う

◯仲間の目標
・カリス・ノーランドを討つ(ミスティ)

◯経験値
・クロシュ 剣技[03/07] 魔法[06/07] 防御[00/07]
・イリス  杖術[00/06] 魔法[14/16]
・ミスティ 剣技[05/07] 魔法[11/16]
・ローガン 剣技[16/16] 魔法[06/08] 防御[07/08]
・エバンス 剣技[16/16] 魔法[07/08]
……………………………………………………………………………………
□王都セイントレア
王城:未探索
城下:教会、孤児院、市場、食事処、酒場、浴場、娼館、冒険者ギルド
   中央広場、公園、学校、図書館、博物館、劇場、闘技場、未探索
……………………………………………………………………………………
□セクリエ・ロイエ
大聖堂、大聖堂別館、美術館、庭園、お土産屋、未探索、他
……………………………………………………………………………………
766 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2025/05/25(日) 17:18:10.68 ID:CpstZjfL0
―朝
 聖ヴァレリオ教会 宿泊室

 チュンチュン

妖精「一旦状況を整理しよう」


◯世界樹の光
・ロイエ教原理派の使徒が保持
・今のところこちらに渡す気はなさそう
・使徒の目的は世界めくれの阻止らしい?
・世界めくれを阻止したら返してくれるとのことだが……

◯世界めくれ
・原理派活動日誌に書かれていた
・預言者はあの聖女?
・執筆者の大司祭は行方不明?
・世界めくれとは、現世に穴が空いて幽界と混ざり合うこと
・発生原因は現時点で不明
・世界樹の精霊曰く、世界樹の光でも引き起こせるらしい

◯戦争
・ロイエ教原理派の枢機卿が魔族国殲滅作戦を企てている
・枢機卿の地位は先日の暴露によって大きく揺らいでいる
・枢機卿は失脚する前に武勲を建てようと急いでいるらしい
・急いだ結果、戦力や作戦の質は低下する見込み
・王侯貴族らへの根回しも不十分

◯カリスと造られた者たち
・大聖堂別館に幽閉されている
・セインとフリューゲルも確認された
・アイス以外は友好的
・何らかの逃げられない仕組みが存在する模様
・長期間カリスから離れると魔力が溶ける?

◯レイ・アンバーについて
・今現在この王都に来ている模様
・ロイエ教(原理派?)に追われている?
・孤児院のミラ・クルと幼馴染
・レイの魔法は幽界の力を喚び出すもの?
・世界めくれに関係している疑いがある?
767 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2025/05/25(日) 17:18:41.26 ID:CpstZjfL0

ローガン「ううむ……考えることが多いな」

エバンス「どれも独立した問題のようで、内側では繋がっているようにも思えるぞ……」

ミスティ「……まず取り組むべきは、戦争の阻止かしら……? 具体的な日にちはわからないけど、急いでいるということはあまり猶予はないんでしょう?」

妖精「そうだね。でも現時点で枢機卿の立場がものすごく悪いから、放っておいても作戦が失敗する可能性はある。ただ――」

ローガン「……王国は、セインくんとフリューゲル氏という巨大な戦力を持っている……」

妖精「そう。セインとフリューゲルが動員されたら、魔族国は極めて厳しい状況になる……」

イリス「フラナ先生たちのお母さんに、魔族国を壊させるなんて……絶対に止めないと……!」

エバンス「逆に言えば、セインとフリューゲル・バイオレットを抜けさせることができれば安泰ってわけだ」

妖精「うん。でも、彼らを抜けさせる有効な手段は見つかってない……」

イリス「……長期間カリスから離れると、魔力が溶けて死んじゃう呪い?みたいのがかけられてる可能性があるんだよね……」

妖精「そうみたい。それを何とかする方法を見つけないと、セインたちは自由になれない……」

クロシュ「……」グッ


ミスティ「世界めくれの方は……どうすれば良いのかしら」

妖精「発生原因もわかってないし、これについては私もどう対処したら良いのかわからない……。使徒に従って世界樹の光を渡して、世界めくれを阻止してもらうのが良いのか……」

エバンス「だが使徒を全面的に信用するのは危険なんだよな? もし使徒の本当の目的が世界めくれを引き起こすことだったら、逆に最悪の事態を招くことになっちまう」

妖精「そうなんだよ。あいつの言うことをどこまで信じて良いのか……」

ミスティ「世界樹の光が足りないなら他の手を打つとか言ってたし、こちらから渡す必要はないんじゃないかしら?」

妖精「まあそれもそうか」

ローガン「ところで、このレイ・アンバーについてだが……彼女が世界めくれに関係している疑いがあるというのは本当なのか?」

妖精「うん。レイのいた孤児院で信仰してた宗教や、レイが受けた邪神の儀式っていうのがどうも幽界の神に関係しているものらしくて。決定的な証拠があるわけじゃないけど、要注意人物かも……」

クロシュ「レイさん……」

イリス「レイさんって自分の意思と関係なく魔法が発動するみたいなこと言ってたもんね。何かの悪い偶然が重なって世界めくれが起きる可能性があるのかも……」

妖精「もしレイを見つけたら、今度こそちゃんと確保しよう。関係あるかないかはわかんないけど、放っておくわけにはいかないし」

エバンス「せめて世界めくれの詳細がわかれば良いんだが……」

イリス「あの日誌を書いた大司祭さん……聖女さんのお父さんに話を聞くことができれば……」

ローガン「娘である聖女くん自身もその行方はわかっていないらしい。聖女くんに話を聞くという手もあるが、彼女は記憶を失っているらしいし、今現在かなり憔悴しているようだ。余計な負担を強いた挙げ句何も得られない、などという結果になる可能性が高いだろう……」

クロシュ「……おみまい……」

イリス「そうだね……! 話を聞くとかどうとかじゃなくて、お見舞いに行って元気付けてあげるのは良いと思う! クレアさんも、私たちが行けばきっと喜ぶって言ってたし……!」

妖精「余裕があるとは言えないけど、もし時間があったらお見舞いに行ってみようか」


王都セイントレア滞在7日目。15日目に何かが起こります

↓1コンマ ランダムイベント
01-30 反対運動激化
31-60 レイの痕跡+
61-90 大魔女来訪
91-00 ??

↓2〜4 自由安価 何をする?
768 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2025/05/25(日) 17:19:37.18 ID:6IZhgnao0
769 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2025/05/25(日) 17:19:47.81 ID:44vajvvTO
クロシュ、フーミンと飛行訓練
770 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2025/05/25(日) 17:19:53.69 ID:+cIVAf130
クロシュ、レイの行方を探す
ミラ&クルとクレアも探すのを手伝ってくれる
771 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2025/05/25(日) 17:20:59.09 ID:7S7i0NrCO
デロデロ教過激派VSロイエ教穏健派(現教皇も含む)で言い争っている所を発見
772 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2025/05/25(日) 17:28:13.18 ID:CpstZjfL0
以前の国の登場人物をあまり頻繁に出すのは少々よろしくないので、まことに申し訳ありませんが>>769は無効・再安価とさせていただきます。できれば現地の場所や人物や事象に着目していただけると幸いです

再安価
↓1自由安価
773 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2025/05/25(日) 17:31:32.38 ID:wM+rK/7FO
以前 アリシラの両親が話していた アリシラのことについて みんなに話す
世界 めくれ の幽界に関係している?
774 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2025/05/25(日) 17:35:15.41 ID:7S7i0NrCO
>>771を書いた者です
大司祭は現教皇なのかな?もし設定に合わなかったら現教皇なしでも大丈夫です
775 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2025/05/25(日) 19:01:15.85 ID:CpstZjfL0
ロイエ教ではおおまかに、以下のような序列となっております
いただいたキャラクター案も、以下の設定に合うように少々変更してある箇所があったりします(グランドマスター氏は案では大司祭でしたが、能力や役割を鑑みて枢機卿に格上げしました)。ご査収のほどよろしくお願いいたします

教皇>枢機卿>大司祭>司祭>一般聖職者(修道士・修道女など)>信徒
776 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2025/05/25(日) 19:01:48.46 ID:CpstZjfL0
―聖ヴァレリオ教会 宿泊室

クロシュ「あ……そういえば……」

妖精「ん? なあに?」

クロシュ「アリシラさんの、こと――」

 *

イリス「ええっ!? アリシラさんって……一度死んで、蘇った……!?」

ミスティ「いや、まあ……不死鳥みたいな生き物もいるし、そういうこともあるわよね……」

妖精「そ、そうだったんだ……」

クロシュ「えと……幽界って……関係、ある……?」

妖精「字面からすると幽界って死後の世界みたいだけど、別に死後の世界ってわけじゃないからなあ……。クロシュも知ってる通り、死んだ魂は星に還るものだし……」

クロシュ「あっ……そうだった……」

妖精「ただ、まあ……アリシラの目的が世界の破滅だったら、世界めくれを引き起こす動機は十分にある……。でもアリシラってなんだかんだでクロシュとフメイには優しかったし、そこまでするとは思えないんだよね……」

クロシュ「うん……」

エバンス「口ではクロシュちゃんたちが平穏に生きられる世界を作るって言ってたよな。それを正直に受け止めるなら、世界めくれなんて起きたら平穏に生きるどころじゃないだろうし、やっぱそこまではしないんじゃないか?」

ローガン「だが、アリシラくんもまた星の力を持つ者の一人だ。制御に失敗して大惨事を引き起こす可能性もあるのではないか?」

妖精「それはまあ、そう……。悪い可能性は常に考えておいた方が良いかも……」

クロシュ「……」


クロシュ(フメイちゃん……アリシラさん……)

クロシュ(……きっと……もう、ここに来てる……)

クロシュ(………一緒に……協力、できたら……いいな……)

 ◇
777 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2025/05/25(日) 19:03:32.55 ID:CpstZjfL0
―王都セイントレア 路地裏

 ガサゴソ…

ミラ「すみません、レイの捜索にアナタたちの手を煩わせてしまって……」

クレア「気になさらないでください。私も無関係とは言えないことですから」

クロシュ「うん……! わたしも……レイさんのこと、探したい……!」

ミラ「フフ……僕は幸せ者です。レイを見つけたら、自慢してあげたいな」

クレア「ただ……レイ・アンバーさんは重大な容疑がかけられている指名手配犯の方ですから、もし見つけたら然るべき場所へ自首して頂きます。ミラくんも……そのことはわかっていますよね?」

ミラ「もちろんです。でもレイは、兵士とは別の変な人たちに追われているみたいなんです。このままだと、捕まって罰を受けるよりも酷いことをされてしまうかもしれない。僕は、それを止めたいんです」

クレア「別の変な人たち……?」

ミラ「隻腕の、恐ろしい風貌の男でした。レイがあの恐ろしい男に組み敷かれてめちゃくちゃにされるんじゃないかと思うと、不安で不安で夜しか眠れず……」

クレア「く、くみし……///」

クロシュ「?」

ミラ「クレアさん? 何を想像してらっしゃるんですか?」ニコニコ

クレア「……コホン! 修道女をからかうものではありません」

ミラ「クレアさんがかわいかったもので、つい」

クレア「……クルちゃんに言いつけますよ?」

ミラ「すみませんでした」

クレア「よろしい。ところで……今、隻腕の恐ろしい男と言いましたか……?」

ミラ「はい。クロシュちゃんも見たよね?」

クロシュ「うん……」

クレア「隻腕の……まさか……」

ミラ「心当たりがあるんですか?」

クレア「いえ……人違いでしょう。では、レイ・アンバーさんの捜索には私たちも気を付けないといけませんね」

ミラ「はい。ちょっと非効率ですけど、手分けするよりはみんなで一緒に探した方が安全かと思います」

クレア「そうですね。それでは、三人で一緒に探しましょう」

クロシュ「ん!」モニョモニョ―


クレア(私の魔眼……探し物に向いてるわけじゃないけど、もしかしたら)キィィィン――

四方に散っていく透明分体ちびクロシュたち「〜〜」ピョンピョンピョン


↓1コンマ(未来視の魔眼+10)
01-50 痕跡を発見
51-90 発見して逃す
91-00 確保!
778 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2025/05/25(日) 19:05:25.83 ID:U5UpjOJQO
よゆうのかくほ
779 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2025/05/25(日) 19:22:52.66 ID:qQNldUjho
確保だー!!
780 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2025/05/25(日) 22:28:26.42 ID:CpstZjfL0

クレア「――!」キィィィン――


 ――追い詰められるレイ「あ、あわ、あわ……」ビクビク

 ――隻腕の男「もう影には隠れられまい。鬼ごっこは終わりだ」ザッザッ

 ――レイに迫る男たち「……」ザッザッ

 ――追い詰められるレイ「助けてぇクロシュちゃんんんん!!!!」


クレア「――い、急がないと! そう遠くない未来にレイさんが……!!」

クロシュ「!?」

ミラ「どういうことですか……!?」

クレア「あ……く、詳しく説明してる暇はありません! とにかく、王都南区へ急ぎましょう!」タッタッタッ

クロシュ「ん! 分体のみんなも……!!」

透明分体ちびクロシュたち「〜〜!」モニョニョ! ピョンピョンピョン!

 *

―王都セイントレア南区 路地裏

追い詰められるレイ「あ、あわ、あわ……」ビクビク

隻腕の男「もう影には隠れられまい。鬼ごっこは終わりだ」ザッザッ

レイに迫る男たち「……」ザッザッ

追い詰められるレイ「助けてぇクロシュちゃんんんん!!!!」


 ベチッ!!

隻腕の男「ッ!?」グラッ

781 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2025/05/25(日) 22:28:53.14 ID:CpstZjfL0
男たち「隊長!? 何が――オゴッ!?」ドガッ!

透明分体ちびクロシュたち「〜〜!」モニョニョ!!
透明分体ちびクロシュたち「〜〜!!」ピョンッ ベチッ!!
透明分体ちびクロシュたち「〜〜!!!」ベチッ!! ベチッ!!

男たち「うわっ!」ドテッ
男たち「ふ、不可視の敵から攻撃を受けています! 隊長!」ドテッ

隻腕の男「ダメージは小さい! 無視しッ!?」グラッ
 隻腕の男の膝裏「」ベチンッ!!

隻腕の男(一発の威力は低いが、打点が不規則すぎる……!? 何なのだ、こいつは……!?)グラァ


レイ「えっ、えっ……!? クロシュ、ちゃ――」

 反映魔法弾「」ピュン!

透明レイ「わわっ!?」ポン!


透明ミラ(レイ!!)ガシッ

透明レイ(えっ、ミラ……!?)

透明ミラ(急いで離れるよ!!)

透明レイ(う、うん……)


隻腕の男「逃さん!!」カッ!!

 重力「」ズン!!

透明レイ「うわあ!」ドテッ

透明ミラ「うぐっ……!?」ガクッ

透明分体ちびクロシュたち「〜〜!!」モニャニャニャ!!


隻腕の男「そこにいたか。我が重力圏からは逃げられんぞ」ザッザッ


透明ミラ「ぐっ……く、そ……!」グググ

透明レイ「あ、ああ……」ガクガク


隻腕の男「これは……透明の使い魔の群れか」

透明分体ちびクロシュたち「〜〜…」モニャニャ…

隻腕の男「まずこいつらから踏み潰しておこう」ザッザッ

透明分体ちびクロシュたち「〜〜…」デロデロ…


透明レイ「だ、だめ……だめ……」ゴゴゴ…


 隻腕の男の足「」グオオオッ――


透明レイ「だめ……だめ、だめ、だめ……だめェ――」ゴゴゴゴゴ…!!!!


透明スライムクロシュ「〜〜!!」ギュンッ!!

  ドゴォッ!!!

隻腕の男「ぐおっ!? でかいのもいるのか……!?」ヨロッ

透明スライムクロシュ「〜〜!!」モニョニョニョ!!

透明レイ「あ……くろ――」

 バックン!!
  シュバッ!!

 ◇
782 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2025/05/25(日) 22:30:09.29 ID:CpstZjfL0
―聖ヴァレリオ教会

レイ「はひぃ、はひぃ……クロシュちゃんのナカで、運ばれちゃったぁ……」ビクンビクン

ミラ「本当に助かったよ、クロシュちゃん。君がいなかったら、僕もレイも奴らに捕まってた……」

クロシュ「ん……!」

ミラ「分体のみんなは無事?」

クロシュ「うん! みんな、ちゃんと回収、した……!」

ミラ「良かった……」ホッ

レイ「ほんとに良かったよぉ〜〜!! 私のせいでクロシュちゃんの分体ちゃんが酷い目に遭ったりしたら死んでも死にきれないもん!!!」

ミラ「クレアさんも……本当に、ありがとうございました……。クレアさんが察知してくれなかったら、きっと間に合わなかった……」

クレア「あ……いえ……。間に合って、良かったです……」

レイ「……はっ!? こ、ここってロイエの教会!?」

ミラ「大丈夫だよレイ、クレアさんはちゃんとした人だから」

レイ「で、でも……私を追ってた奴らって、ロイエだよ!」

クレア「……!!」


クレア(やっぱり……さっきの隻腕の男性……私の、見間違いじゃなければ――)


 扉「」コンコン


レイ「!?」
クレア「!!」
ミラ「……」
クロシュ「……」


「クレア殿はいらっしゃいますか?」

783 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2025/05/25(日) 22:30:38.28 ID:CpstZjfL0

クレア「……はい。どちら様でしょうか?」キィィン―

「こちらは修道士ガルシア・シモンズ。中に入っても?」

クレア「……ただいま、掃除中で埃が舞い上がっていまして……」

「構いません」

 ガチャッ

隻腕の男→ガルシア「……これは……」

 舞い上がる埃「」ブワブワ

クレア「だから埃が舞っていると……」

ガルシア「失礼……。しかし、これは埃が舞いすぎでは? 聖ヴァレリオ教会ではこれほどまでに埃が積もるまで掃除をしないのですか?」

クレア「……申し訳ありません。少々疎かだったようです」

ガルシア「今後はまめに掃除を行うように。ところで……こちらに、髪がボサボサの少女が来たか……あるいは、運び込まれたりはしませんでしたか?」

クレア「髪が――」タラ…

 窓「」
  風「」ヒュルヒュル――
   舞い上がる埃「」ブワワワッ

クレア「っげほっげほっ!」

ガルシア「エホッエホッ! そ、掃除は窓を閉めてからした方が良いのでは……? エホッ!」

クレア「す、すみません……」

ガルシア「それで……髪がボサボサの少女について――」


 階段「」ギッギッ

髪ぼさぼさミスティ?「ふわあ……よく寝たわ……」スタスタ


クレア「ああ、あの子のことですか? 彼女はミスティさんと言って、先日からここに宿泊している巡礼者でして――」

ガルシア「……いや……わかりました。もし不審な人物を見かけたら、私か他の司祭にすぐさま連絡を」

クレア「あ、はい。かしこまりました」

ガルシア「それでは失礼します。クレア殿に神のご加護があらんことを」スタスタ

 扉「」ガチャ パタム


透明ミラ「……」

透明レイ「……」ガクブル

風クロシュ「」ヒュルヒュル

髪ぼさぼさミスティ?「クレアさん、おはよう。昨日のお風呂は、デロデロになるくらい気持ちよかったわ……」

クレア「え、ええと……」


 階段「」ギッギッ

ミスティ「……何やらただならぬ気配を感じて様子を見ていたら……髪がぼさぼさの私に擬態なんかして、何のつもりよ……クロシュ……」ヌッ

髪ぼさぼさミスティ?「あ……ばれちゃった……」

 モニョモニョ…ポン!

分体スライムクロシュ「〜〜!」モニョニョ!

クレア「」クラクラ

ミラ「クレアさん……!」

 ◇
784 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2025/05/25(日) 22:31:14.51 ID:CpstZjfL0
クレア「はあ……一応、未来氏の魔眼でガルシアさんが帰るところまでは視えていたので、なんとかがんばったのですが……髪がぼさぼさのミスティさんの正体まではわかっておらず……」

ミラ「未来視の魔眼……! その力で僕たちを助けてくれたんですか……!」

クレア「あっ……え、ええと……その……」

クロシュ「未来、みえるの……!? すごい……!!」

レイ「そ、そんなすごい力を私なんかの為に……!? さ、さっきは失礼なことを言っちゃって、すみませんでしたっ……!!」

クレア「あ、いや……あはは……」

ミスティ「なるほど……経緯はよくわからないけど、レイの確保に成功したということね」

クロシュ「うん!」

レイ「あっ……わ、私……これから、どうなるんですか……!?」

クレア「……そ、そうですね……。ガルシアさんが何を考えているのかはわかりませんが、あの様子は尋常ではありませんでした……。指名手配犯の逮捕であれば、王都の正規兵やロイエの神官戦士たちと共に行えば良いはずなのに……」

ミラ「あのおじさんは、一体何なんですか?」

クレア「……ガルシアさんは、穏健派に所属する司祭の一人です。元は王国の騎士だったのですが、今では誰よりも誠実に穏健派としての活動を行っている……はずの、人です……」

ミラ「えっ、あのおじさん穏健派なんですか……」

クレア「そのはずです……。でも、どうして……」

レイ「で、でもクレアさんは……あいつらとは違うんですよね……!?」

クレア「……もちろんです。レイさんを野放しにするわけにはいきませんが……だからと言って、先程のような恐ろしい方々を引き連れたガルシアさんに引き渡すわけにもいきません……」

レイ「え、ええ〜……」

クレア「聖ヴァレリオ・ファルネーゼンは、人であろうとも、悪魔であろうとも、救いを求める者は等しく救われるべきだと説いた人物です。そしてこの聖ヴァレリオ教会を任された司祭代理の修道女であるクレア・フォーサイトも……聖ヴァレリオを準ずる意思があります。私は……絶対に、レイ・アンバーさんを見捨てはしません」

レイ「クレアさんんん……!」ジワワ

クロシュ「わあぁ……!」

ミラ「クレアさん……ありがとう……!」

ミスティ「かっこいいわ……!」

クレア「ひとまず今は……レイさんを、当協会の地下壕に匿いましょう。先日の枢機卿と王国の黒い繋がりが露見した今、王国の司法機関も信用できません。セクリエ・ロイエは言わずもがなです」

レイ「ち、地下壕……! なんかワクワクする……!!」ウキウキ

クレア「レイさん……私は指名手配犯であるあなたを許したわけではありません。ロイエと王国の司法が正常に機能していると判断できるようになるまでの、一時的な措置であることを忘れないようにお願いします」

レイ「あうぅ……はい……」ガックリ

ミスティ「地下壕なんてあったのね。でもそこは大丈夫なの? バレない?」

クレア「地下壕の存在自体は公に知られていることですが、地下壕の奥には隠し通路がありまして。その通路の先に、かなり広めの居住スペースが設えられているのです。恐らくは戦争に備えて造られたものかと思われますが、建築資料にも載っていないので露見する可能性はとても低いと思います。私が発見できたのも、偶然でして」

ミラ「でも本当にすごいや……! 僕、クレアさんのこと本気で好きになっちゃいそうです」

クレア「もう……冗談はほどほどにしてくださいね」


 ☆目標「レイの行方を追う」を達成しました

 ☆レイさんを地下壕に匿いました

 ☆地下壕が開放されました

 ◇
785 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2025/05/25(日) 23:04:42.98 ID:CpstZjfL0
―午後
 王都セイントレア 中央広場

 ワイワイ ガヤガヤ

妖精「まさかあっさり確保しちゃうなんて。やるなあ」

クロシュ「んへへ……レイさんのこと……解決……!」

妖精「そだね。これでレイの魔法についてあれこれ悩まなくても良さそうかな?」

クロシュ「でも……今度は、穏健派も……怪しくなってきたんだって……」

妖精「そ、そうらしいね……。一つ解決すると一つ変な問題ができるなんて、勘弁して欲しいなあ」

 ワイワイ ガヤガヤ
 シンノタダシイセカイ!! シンノタダシイセカイ!!

妖精「んで今度はデロデロ教だ。あいつらはトンチンカンだけど、陰謀とかそういうのとは無縁だから今は良い清涼剤かも……」

クロシュ「んへへ……」

 シンノタダシイセカイ!! シンノタダシイセカイ!!
 ダマサレテハナリマセン!! ダマサレテハナリマセン!!

妖精「んあ……?」

クロシュ「……?」


穏健派司祭「世界をデロデロにして救うなどという思想は悪魔がもたらす破滅に他ならない!!」

デロデロ教徒「違います! 世界がデロデロになれば、争いも、悲しみも、何もかもが一つに溶けて、平和になるんです!! それは救いであって、破滅なんかでは決してありません!!」

穏健派司祭「騙されてはなりません、民衆よ!! デロデロになるとはつまり、死ぬのと同じ!! この邪教徒は、全ての生命は等しく死ねと言っているのだ!! 皆さん、こいつらは悪魔なのです!! 信じてはなりません!!」

デロデロ教徒「ち、違うよぉ……そんなこと、言ってないのに……」モニャニャ…


 ガヤガヤ… ザワザワ…


妖精「あ、あれは……ロイエ教の司祭が、デロデロ教徒を言い負かしてる!!」

クロシュ「……!!」

妖精「考えても見れば当然だ……長年に渡って宗派同士でぶつかり合って討論の技を磨いてきたロイエ教に対し、発足して間もないデロデロ教の討論力はとても低い……!! 言わばデロデロ教は、あかちゃん宗教……!! 大陸最強の歴戦教であるロイエと討論の場で勝てるわけが――」


「待った!!」バン!!


妖精「えっ……この声は――」

クロシュ「!!!」
786 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2025/05/25(日) 23:07:09.91 ID:CpstZjfL0
導師僧侶「こちらが言ってもいないことを捏造し、悪質なレッテルを貼って貶めるのが穏健派のやり方なんですか?」ドン!

穏健派司祭「何……!? 貴様……原理派の、僧侶……!!?」

導師僧侶「いいえ……。私は、ロイエ教デロデロ派の導師――僧侶・オーバーエンド!!!!」デデン!!

穏健派司祭「な……に……!? 私は原理派ではないが……捧げたはずの名前を勝手に戻すのは冒涜ではないのか!?」

導師僧侶「オーバーエンドは元々の名字ではありません。そして――ロイエ神に名を捧げた後、新たな名を名乗ってはならないという決まりはありません!!!!」

穏健派司祭「なん、だと……!?」

導師僧侶「少々脱線してしまいましたね、話を戻しましょう。まずデロデロ派の理念としては、この世の全てを溶かして、痛みも悲しみもない完全な調和を目指すこと――。そしてあなた方穏健派は、デロデロになることは死ぬのと同義だと言いましたね」

穏健派司祭「ああ、そうだとも。脱線してしまったが、よく聞いていたようで何よりだ」

導師僧侶「私たちデロデロ派は、デロデロになることを死だとは考えませんが、ここはあなた方に譲歩して一旦死と同義という仮定を用いましょう。ここで穏健派に問いますが――死ぬことは、悪いことですか?」

穏健派司祭「――は?」

導師僧侶「考えてみてください。差別、闘争、憎悪、破壊、混沌……全て、生から生じるものです。死という静謐からそれらが生まれることは決してありません。穏健派はつまり、今挙げたような苦痛の温床を容認する立場と考えてよろしいですか?」

穏健派司祭「馬鹿な!! 今僧侶殿が挙げたものは、神の教えを解さぬ愚民によるものがほとんどであろう!! 穏健派がそのようなものを容認するはずが――」

導師僧侶「つまり穏健派は、神の教えを解さぬ者に救われる価値はないとお考えなのですか!?」

穏健派司祭「そうは言っていない!! いずれ全ての民が穏健派の思想を解すれば、この世から今僧侶殿が挙げたような苦痛は消え去るはずだ!! その過程こそが、神が我らに課した試練!!」

導師僧侶「その試練の過程で苦しんで死んでいく者たちは、どうでもいいと!!? 救われなくても仕方ないと!!? そう言いたいのですか!!?!?」

穏健派司祭「……違う!! それは……それは、我ら穏健派の至らぬ、罪だ……!!! 救えなかった魂の分だけ……我らの罪は、重くなるのだ……!!!」

導師僧侶「なんですかそれは!!? 罪が重くなったらどうなるんです!!? その罪で今まさに苦しんでいる命たちが救われるんですか!!?!? 罪の重さとかいうよくわからないもので自己憐憫に浸って気持ちよくなってるだけじゃないですか!!?!?!?」

穏健派司祭「死後、罪の重さに応じて行く場所が決まるのは貴様も知っていよう!!!! 救えなかった分、我らは地獄に堕ちて――」

導師僧侶「地獄ってどこにあるんです!!?!?!? この世が、あらゆる命を苦しめて痛め付け続けるこの世界こそが正真正銘の地獄じゃないですか!!!?!??!???」

穏健派司祭「な、なんだとォ……」

導師僧侶「私たちは、ただこの腐り切った最低の世界を正したいだけなんです!!!!! 何もかもが溶けて、一つになれば、その時点でそれ以上の犠牲者は生まれない……!!!! 星に還っていった命たちとも、まためぐり逢えて――最期に、最高の大団円を、迎えられるんです!!!!! 上が言ったことをそのまま鵜呑みにして考えようともしない穏健派だの原理派だのに、邪魔されてたまるもんですか!!!!!! 真の正しい世界こそが、世界を救うんです!!!!!」

穏健派司祭「う、うごぉァァァァァ!!!!」ドッギャァァァァァン!!!!

導師僧侶「ふん……悲しみを知らぬ者に、説ける道理などありません」ファサッ


  ウオオオオオオオ!!!! ワワアアアアアアア!!!!!
    シンノタダシイセカイ!!!! シンノタダシイセカイ!!!!!!
787 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2025/05/25(日) 23:08:02.50 ID:CpstZjfL0
導師僧侶「あっ、しまった……つい興が乗って原理派時代の討論テクニックを使ってしまいました……。こんな口喧嘩ごっこなんかしても何にもならないのに……。いやまあ、デロデロ思想が広まるなら良しとしましょうか……」


  パチパチパチ…


導師僧侶「!?」

教皇ユグド「素晴らしい討論でした。僧侶・オーバーエンド導師」ヌッ

導師僧侶「きっ……教皇……!!?」


 ザワザワ…


教皇ユグド「しかし残念ながら、この王都で異教徒による宗教活動は禁止されております。速やかにお立ち退きを」


導師僧侶「……失礼しました」ソソクサ

デロデロ教徒「えっ!? 僧侶ちゃんなんで……? あのおじさんは言い負かしちゃわないの……?」

導師僧侶「相手が悪すぎます……! それに実際異教の宗教活動を禁じる法律があるんです……実際に使われたところを見たことがなかったので甘く見ていましたが……」

デロデロ教徒「そ、そんなぁ……!!」

導師僧侶「問題ありません。討論ごっこなんてただのお遊びですから」



クロシュ「僧侶さん……!」トコトコ

妖精「僧侶!」パタパタ



導師僧侶「あれは……クロシュさんに妖精さん!」

デロデロ教徒「えっ、クロシュさんって導師クロシュさま……!?」

 ◇
788 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2025/05/25(日) 23:28:10.32 ID:CpstZjfL0
―王都セイントレア 喫茶店

 カランカラン

店員「お待たせいたしました。紅茶とセイントレアチーズケーキになります」スッ

 紅茶「」ポン ホカホカ
 レアチーズケーキ「」ポン

クロシュ「わあ……!」

デロデロ教徒「わわあ……!」

導師僧侶「ありがとうございます」

店員「ごゆっくりお過ごしくださいませ」ペコリ スタスタ

 *

クロシュ「〜〜♪」モニョモニョ モグモグ

デロデロ教徒「〜〜♪」モニョモニョ モグモグ

導師僧侶「ん〜♪ ここの味はいつ来ても変わりませんねえ……」モグモグ

妖精「前にも来たけど、ここのケーキは美味しいね。妖精の私の味覚にも合う」

導師僧侶「へえ〜そうなんですねえ。種族を越えた美味しさ……良いお店ですね」

 *

デロデロ教徒「んわわ〜! クロシュさまと一緒にごはんなんて、かんげきです……!!」モニョニョ

妖精「食べ終わってから言うのか……」

デロデロ教徒「だ、だってぇ……ケーキ、美味しくて……」

クロシュ「んへへ……おいしかったから、仕方ない……!」

妖精「そういえば僧侶、この街にいて大丈夫なの? 裏切り者の異端派として始末とかされない?」

導師僧侶「今ロイエ教はそれどころじゃないので大丈夫ですね。原理派は御存知の通りお尻が絶賛炎上中ですし、穏健派は元原理派の私なんてどうでも良いでしょうから」

妖精「へえ、まあ大丈夫ならいいか……あっ、それより今聖女が大変なんだよ! 顔を見せてあげてよ!」

導師僧侶「えっ聖女が? あの子は魔族国にいるんじゃ……?」

妖精「いろいろあって今は聖ヴァレリオ教会にいるんだけど、父親も姉も行方不明で枢機卿もあんなんで、かなり参っちゃってるみたいなんだ。僧侶が顔を見せてあげたら少しは元気が出ると思うし……」

導師僧侶「い、いやでも……私なんかがあの子と顔を合わせる資格なんて……。余計に塞ぎ込まさせちゃうかも……」

クロシュ「んゅ……」

デロデロ教徒「僧侶ちゃん……」

妖精「以前の傲岸不遜で我儘放題だった僧侶はどこいったの? さっきの討論ごっこみたいにガンガンいこうよ」

導師僧侶「いやでも、聖女相手にそんなデリカシーのないことをするのは……」

妖精「うるさい、つべこべ言うな!! ケーキ持ってお見舞いに行くんだよ!!」ゲシッ

 ◇
789 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2025/05/25(日) 23:29:27.79 ID:CpstZjfL0
―夕方
 聖ヴァレリオ教会 聖女の宿泊室

ぼさぼさ聖女「……」ゲッソリ

ぼさぼさ聖女「……クレアさんに……迷惑を、かけています……。きっと、クロシュちゃんたちにも……心配を……」

ぼさぼさ聖女「………」

ぼさぼさ聖女「………明日から……がんばらなきゃ……」ボフッ

 コンコン

ぼさぼさ聖女「!」ビクッ


クレア『聖女、いますか? あなたにお客様です』

ぼさぼさ聖女「私に……?」ノソッ

クレア『クロシュさんと、妖精さんと――』

ぼさぼさ聖女(クロシュさん……妖精さん……。あ、こんなカッコで会ったら失礼かな……)

クレア『―――僧侶さんです』

ぼさぼさ聖女「えええっ!?!!?」ドテッ!!

 ゴロゴロッ ドガッ!!

クレア『聖女!?』

 扉「」ガチャッ!!

導師僧侶「聖女!」タタッ

クロシュ「聖女さん!」トテトテ


ぼさぼさ聖女「あ……お、お姉ちゃん……クロシュ、さん……」

 ◇

―聖女の宿泊室

聖女「す、すみません……みっともないところをお見せして……」

妖精「いや、構わないけど……具合は大丈夫なの? 出直そうか?」

聖女「あ、いえ……だ、大丈夫です! せっかく来ていただいたので、おもてなしを……」

導師僧侶「……病人は病人らしくしていなさい。はい、お土産です」スッ

 セイントレアチーズケーキ「」ポン

聖女「あっ……この、ケーキ……」

導師僧侶「昔と変わらない味です……。早く具合を治すことですね……」

聖女「は、はい……。ええと……あ、ありがとう……お姉ちゃん……」

導師僧侶「………どういたしまして」



デロデロ教徒(んわわ……なんか、ぎこちない……)モニャニャ

クロシュ(んゆゆ……)

妖精(イリスとティナもだったけど、人間が久しぶりに家族に会うとこういう風になるもんなのかなあ……。無理に連れて来たのは失敗だった、なんてならないよね……?)


ど、どうしよう……
↓1〜2選択
1.デロデロの話をする
2.レアチーズケーキの話をする
0.自由安価(状況にそぐわないものは再安価)
790 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2025/05/25(日) 23:30:30.96 ID:6IZhgnao0
0とりあえずお風呂にさそう
791 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2025/05/25(日) 23:31:49.88 ID:5tLLJz6Oo
2
792 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2025/05/26(月) 00:43:31.71 ID:GiGfx6YH0
―聖ヴァレリオ教会 地下浴場

 カポーン…

スライムクロシュ「〜〜…♪」デロデロ

スライムデロデロ教徒「〜〜〜…♪」デロデロ

聖女「教会の地下にこんなでっかいお風呂があったなんて……」チャプン

妖精「今日……いろいろあって、クレアが地下壕を開放してくれたんだ。掃除も済ませてあるから、試運転がてらみんなで入っていいってさ」パシャ

導師僧侶「むう……ここ、こじんまりとした教会だと思ってたのに。こんな良い施設があるのを考えるとそこらの教会よりずっと良い場所じゃないですか。ズルです。穏健派はやはりズルの温床ですね」

聖女「ま、まあまあ……。お姉ちゃんはもう、原理派じゃないんですよね……?」

導師僧侶「そうです。あんな腐った差別主義者共の集まりになんか二度と戻るもんですか」プンスコ

聖女「わあ……。ほんとにデロデロ派になったんですね……!」

導師僧侶「あれ、知ってたんですか?」

聖女「クロシュさんたちに教えてもらったんです。お姉ちゃんが原理派をやめてデロデロ派になったこと……」

妖精「聖女になら良いでしょ?」

導師僧侶「まあ、聖女なら良いです。ていうかまあ……今日の活動で私のことは既にバレバレになったでしょうし」

聖女「何をしたんですか?」

妖精「大勢の見てる前で穏健派の司祭を言い負かしてた」

聖女「わあ……」

導師僧侶「……悪気はありませんでした。ただ、ウチのそいつがボコボコに言われて、ちょっと腹が立ちまして……」

スライムデロデロ教徒「〜〜♪」モニョニョ

聖女「ふふ……スライムのデロデロ教徒さんなんですね」ナデナデ

スライムデロデロ教徒「〜〜♪♪」モニャニャ デロデロ


導師僧侶「それにしても……」

 聖女の豊満な双丘「」ポヨン

 僧侶のなだらかな双丘「」ナダラカ

聖女「どうかしましたか、お姉ちゃん」ポヨン

導師僧侶「いえ……別に? 私は何とも思っていませんが?」

聖女「?」ポヨン

スライムクロシュ「?」モニョ?

妖精「え、何の話?」

 *
793 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2025/05/26(月) 00:46:14.61 ID:GiGfx6YH0
―聖ヴァレリオ教会 聖女の宿泊室

デロデロ教徒「んん〜! 気持ちよかった……!」モニョニョ

クロシュ「うん……!」

聖女「あんなお風呂が地下にあるなんて、確かにズルですねえ……」

導師僧侶「さて、お風呂を上がったのならあれを食べましょう。保冷庫に入れておいたので、風呂上がりには丁度良く冷えているはずです」スッ

 レアチーズケーキ「」ポン!

 *

スライムデロデロ教徒「〜〜♪」モニョモニョ モグモグ

スライムクロシュ「〜〜♪」モニョモニョ モグモグ

聖女「……ほんとに、変わらない味ですね……」

導師僧侶「………」

聖女「………お姉ちゃんと……また、会えて……嬉しいです……。お姉ちゃんまで、いなくなっちゃったら……」グスッ

導師僧侶「……えっ。なんか死んだことにされてたんですか、私?」

妖精「行方不明扱いだったんだよ。僧侶と、僧侶のお父さんの……大司祭って人と一緒に……」

導師僧侶「えっ……!? お父様……大司祭が行方不明……!?」

聖女「はい……。だから……私、もう、会えないんじゃないかって……怖くて……」

導師僧侶「そ、そうだったんですか……。ごめんなさい、そうとも知らず心配をかけてしまったんですね……」

聖女「い、いえ……! 私が……勝手に、うじうじしてただけで……お姉ちゃんが悪いわけじゃ……」

導師僧侶「いや……私が姉としてもっとちゃんとしてれば……」

クロシュ「……レアチーズケーキ……昔から……食べてるの……?」

聖女「……はい。昔……修道院に預けられる前に、お父様が買ってきてくれたレアチーズケーキを、お姉ちゃんと二人で食べたのを覚えています……」

導師僧侶「……また……二人で、食べようと思って買って来たんですけど……まさか、お父様が行方不明だったなんて知らず……」

クロシュ「………じゃあ、探す……!」

聖女「えっ……?」

クロシュ「わたし……聖女さんと、僧侶さんの、お父さん……探す……!!」

デロデロ教徒「んわわ〜〜!」モニョニョ!

妖精「クロシュ……!」

導師僧侶「で、ですが……クロシュさんにそこまでしていただくわけには……」

クロシュ「んーん……わたし、探す……!! 探したいから……探す……!!」

 ☆努力目標「大司祭を探す」が追加されました

 ☆全ての努力目標が出揃いました

 *
794 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2025/05/26(月) 00:56:48.36 ID:GiGfx6YH0

クロシュ「ところで……レアの意味……しってる……?」

聖女「えっ……?」

デロデロ教徒「レアの意味……?」モニョニョ

導師僧侶「レアって、レアチーズケーキのレアですか?」

妖精「クロシュ……まさか……」

クロシュ「レアの意味は……はんぶんナマ……」

デロデロ教徒「はんぶんナマ……!」モニョニョ…!

クロシュ「だから……セイントレアは……せいんとの、はんぶんナマ……」

デロデロ教徒「んわわ〜! せいんとの、はんぶんナマ……!?」モニョニョ!?

聖女「なるほど……それじゃあレアチーズケーキは、はんぶんナマのチーズケーキですね!」

クロシュ「わ……! うん……たぶん、そう……!!」

導師僧侶「実際、レアチーズケーキはベイクドでもナマでもないはんぶんナマのチーズケーキと言えますが……しかしセイントレアのレアは、本当にその意味なのでしょうか……? 流石に安直すぎるのではないかと……」

妖精「人間以外の種族に対する苛烈な姿勢を見ると、セイントレアというよりセイントウェルダンだよね。国王も炎属性の魔剣士らしいし」

クロシュ「せいんと……うぇるだん……?」

聖女「ウェルダンはこんがりって意味ですよ。クロシュさん」ニコニコ

クロシュ「わあ……! じゃあ……せいんとの……こんがり……!!」

デロデロ教徒「んわわ〜! せいんとの、こんがり!」モニョニョ キャッキャ

妖精「しまった……余計な知識を教えてしまった」

導師僧侶「ふふ……でも、こういうのも良いですね」

 ◆
795 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2025/05/26(月) 00:57:35.20 ID:GiGfx6YH0
というわけで本日はここまでとなります

隻腕の男ガルシアの追跡を振り切り、無事にレイを確保したクロシュたち。穏健派でありながら自らの信じる正しさを貫く覚悟を固めるクレア。地下壕に匿われてひと安心のレイ。善の顔を持ちながら裏で暗躍する隻腕の男ガルシア――。数多の運命が交錯する中、状況は刻一刻と変化していく――

そしてクロシュと妖精は、穏健派と激論を交わすデロデロ導師僧侶・オーバーエンドの姿をついに目撃してしまう――。僧侶は司祭を打ち負かすことに成功するものの、教皇には尻尾を巻いて逃げる他なく――紆余曲折あって妹の聖女と再会し、積もる話を交わしてチーズケーキを食べるのであった
問題はまだ山積みだが――今だけは、しばしの安息を――

それでは本日もありがとうございました。次回は土日となります、よろしくお願いいたします
796 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2025/05/26(月) 01:36:12.51 ID:aIICbcb0o
おつでした
僧侶さんが味方になったらこんなに頼もしいなんて、セインに当たってた時からは想像もできなかった
ボサボサミスティかわいい
797 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2025/05/26(月) 13:58:40.59 ID:a3KjSetrO

僧侶さん味方化は熱いけどしれっとエンド姓を名乗ってたりレスバしてたりで草
デロデロ教徒ちゃんはアホかわいい
やっぱりデロデロ教ってスライムに人気なのかな?
798 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2025/05/27(火) 07:01:36.00 ID:ZgH4GTtvO
乙です
レイを無事見つける事が出来て良かった
レイを匿っている地下壕にも何かあるのかな?
799 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2025/05/31(土) 08:01:14.65 ID:IwOAxoE50

聖女様妹キャラだったか・・・だかたフラナ氏どこか気が置けなかったのかな。
800 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2025/05/31(土) 16:32:04.01 ID:njt9MtaE0
以前の僧侶氏は、世界の命運がかかっているというプレッシャーや父の期待に応えたい意地やらで少々余裕がなかったのかもしれません
今回クロシュ氏が寝起きのミスティ氏は髪がぼさぼさであるかのような風評を撒き散らしましたが、ミスティ氏はいつも寝る時に髪を簡易的にまとめている為、寝起きでもぼさぼさになることはあまりありません(それでもちょっとふわふわな寝癖が付くことは時々あります)。旅人といえど身だしなみにはしっかり気を遣っているようです。毎晩イリス氏が即席お風呂を沸かしてくれるため、実のところ一人で旅をしていた時よりも髪や肌の状態は良いようです

end over end でくるくる回転するという意味がありますが、僧侶氏は意味などは特に考えず格好良い響きだと思ってオーバーエンドと名乗ったようです
デロデロ教徒氏は、実のところスライムです。そしてデロデロ教は実際スライム類からの人気が比較的高いです。世界がまるごとデロデロになるというお話は大抵のスライム類にとってそれほど受け入れがたいものではないため、他の種族よりも信仰のハードルが低いようです(シズクちゃんなど、デロデロ世界を嫌がるスライムもいます)

レイさんは未来視の魔眼を持つクレアお姉さんの協力もあり、あっさり確保することができました。これはネタバレですが、もしレイちゃんを確保できていなかったばあい命の危険がありました。しかし確保できたので恐らくもう大丈夫かと思われます
地下壕はクロシュさんたちの視点では未探索エリアとなっているため、探せば何かあったりするかもしれません。特にレイさんを匿っている隠しエリアには大昔の蔵や本棚などが手つかずの状態で残っているため、掘り出し物があるかもしれません。探したり持ち出したりしたい場合はクレアお姉ちゃんに聞いてみると良いでしょう

聖女氏は聖女などという立派な肩書で呼ばれてしまっている人ですが、内面的にはまだまだ大人になり切れない妹気質の子供と言えなくもないかもしれません。理想を諦め、世界の理不尽さを受け入れ、心を殺して生きることを大人になると言うのであれば、大人になんてなりたくないなあ――と小さい頃の聖女氏は思ったそうです。そしてそういう観点で言えば、聖女氏は聖職者として一人前となった今でも大人にはなれていないのかもしれません。しかしそんな聖女氏の努力が、現魔族国における人魔対立の緩和に小さくない影響を与えているのもまた事実であります。フラナ先生もそれはわかっているため、邪険にできないのかもしれません

 *

そして実のところ、前回の自由行動前のコンマ判定で反対運動激化が発生していたことをすっかり忘れていたので、まずはそこの描写から再開していきたいと思います。よろしくお願いいたします
801 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2025/05/31(土) 16:32:31.43 ID:njt9MtaE0
 一方その頃――

―夕方
 王都セイントレア 中央広場

 ワイワイ ガヤガヤ

グランドマスター「王都の民よ! 根拠なき風評に騙されてはなりません! 今こそ人間の力で団結し、邪智暴虐の魔族たちを攻め滅ぼすべき――」

 シュバッ

変装ハーピィ記者「カリス・ノーランド死刑囚と取引を行い、処刑したと見せかけて秘密裏に生かしロイエ教内部に匿っていたという先日の報道は事実ですか!?」ヌッ

グランドマスター「……!」

変装ハーピィ記者「否定しないということは事実だとお認めに――」

グランドマスター「――事実ではありません。誤情報の拡散は名誉毀損、信用毀損となりますのでお控えください」

変装ハーピィ記者「しかしあの映像では枢機卿自身が堂々とカリス・ノーランドを飼っていると断定していたようです!」

グランドマスター「あれは私ではありません。魔法か何かによる偽装であると――」

変装ハーピィ記者「背景は枢機卿の勤務している聖域の間でした! それに偽装なら、カメラマンとインタビュアーに対し攻撃的な態度を取ったり、実際に戦闘行為に及ぶ必要はないはずでは!?」

グランドマスター「あれは恐らくリアリティの追求の為に――」

活動家の男「人質の存在を無視して魔族国を攻めるというのは事実ですか!? お答えください、グランドマスター卿!」ヌッ

グランドマスター「だからあれは私ではないと……」

王族の令嬢「人質の中には王家のマリーお姉様や、当時旅行中だったわたくしの学友もいるのですわ! グランドマスター様は捕虜は知性なき害獣だから殺して差し上げるのが幸せだなどと仰いましたわね!? あれがどのような了見による発言なのかはっきり答えてくださいまし!!」ヌッ

グランドマスター「だ、だからあれは私では……!」

民衆「戦争反対!!差別反対!!」
民衆「人殺し!!!魔族殺し!!」
民衆「ヘイトスピーチ野郎!!!」

 投石「」ポイポイ
  投石「」ポイポイ

   パシッ パシッ

ティナ「……日を改めた方が良いのでは?」

グランドマスター「ぐぬぬ……仕方ありません。計画を急がねば……!」クルッ ザッザッ

 ・反対運動が激化しています

 ◆
802 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2025/05/31(土) 16:33:21.68 ID:njt9MtaE0
―王都セイントレア 滞在8日目

◇クロシュ [あかちゃんスライム]
武:星霊の剣     盾:ラティアの大盾  飾:くすんだ耳飾り
武:竜珠の大杖    防:竜のエプロン   飾:不死鳥の羽根

◇妖精   [世話焼き妖精]
武:         盾:         飾:くすんだ耳飾り
武:         防:精霊のレオタード 飾:

◇イリス  [星の魔法使い]
武:蒼き星の杖    盾:         飾:くすんだ耳飾り
武:ブラッドランス  防:魔術師のローブ  飾:

◇ミスティ [氷の魔法使い]
武:氷の短刀     盾:         飾:くすんだ耳飾り
武:         防:氷竜革のローブ  飾:

◇ローガン [鋼の戦士]
武:蜥蜴一文字    盾:灼鋼の盾     飾:くすんだ耳飾り
武:鋼の回転ノコギリ 防:オリハル鎖帷子  飾:

◇エバンス [地の傭兵]
武:古代の鉄槌    盾:         飾:くすんだ耳飾り
武:魔銀の刀     防:硬質革鎧     飾:

◯所持アイテム
[道具]        [装備品]       [大事なもの]
運命賽*2       蜘蛛絹の下着      魔族国永久旅券
会心賽*1       ザリガニのお守り    フメイの服の切れ端
反魂丹*1       大きな巻き貝      精霊の印
鉄鍋+携帯調理器具   闇の欠片        精霊樹の実のジャム
「星の魔力」上中下   フリルワンピ水着    精霊樹の鉢植え+赤雷球
お宿の妖精の織物    魔法学園のスク水    フメイとアリシラの人形
魔導飯盒        ガラスのザリガニ    メルルの帽子
妨害魔力波発生装置   踊り子の双剣      溶岩石のアミュレット
属性大全        サボテンドラゴンの花  太陽のメダリオン
魔王図鑑        精霊のローブ      暗黒優待券
氷精の魔導書      精霊樹の杖[改]    冒険者証(ランク1)
ブラッドワイン*1   銀のナイフ       大魔女帝国渡航権
吸血鬼殺ワイン*1   ダイヤメリケンサック  かたたたきけん
魔術書「正負の属性」  パラサイトソード    大魔女帝国滞在許可証
吸血鬼の日焼け止め               風船印のパラシュート
日蝕の傘                    ラティア勲章
大魔女サイン*1                ユーシリア王家の紋章
古代のセラミック
ステライト鉱石
晴れ乞い傘
チョコスムージー
ヒヒイロカネ
氷魔力結晶
魔導書「絶対零度」

◯現在の目標
・フメイちゃんを探す
・世界樹の光を追う[4/5]
・最悪の未来を阻止する

◯努力目標
・カリスに造られた者たちを助ける
・戦争を阻止する
・大司祭を探す
・枢機卿の悪事を暴く(達成!)
・レイの行方を追う(達成!)

◯仲間の目標
・カリス・ノーランドを討つ(ミスティ)

◯経験値
・クロシュ 剣技[03/07] 魔法[06/07] 防御[00/07]
・イリス  杖術[00/06] 魔法[14/16]
・ミスティ 剣技[05/07] 魔法[11/16]
・ローガン 剣技[16/16] 魔法[06/08] 防御[07/08]
・エバンス 剣技[16/16] 魔法[07/08]
……………………………………………………………………………………
□王都セイントレア
王城:未探索
城下:教会、孤児院、市場、食事処、酒場、浴場、娼館、冒険者ギルド
   中央広場、公園、学校、図書館、博物館、劇場、闘技場、未探索
……………………………………………………………………………………
□セクリエ・ロイエ
大聖堂、大聖堂別館、美術館、庭園、お土産屋、未探索、他
……………………………………………………………………………………
803 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2025/05/31(土) 16:34:27.21 ID:njt9MtaE0
―朝
 聖ヴァレリオ教会 地下壕

 古びた机「」
 古びた椅子「」
 古びたソファ「」
 古びたベッド「」

レイ「はふぅ……」ノンビリ


妖精「おはよう、レイ」パタパタ

クロシュ「おはよ、ございます」トコトコ

イリス「レイさん! おはようございます、お元気そうで良かった……!」

レイ「あっ、イリスちゃん! クロシュちゃん! 妖精さん! れへへ、おはよォ……」ニコニコ

妖精「随分くつろいでるみたいだね?」

レイ「うん。でっかいお風呂に、ちゃんとしたベッド、ふかふかなソファまであって、しかも三食タダでお仕事なし!! こんなに良い暮らしで本当にいいのかなぁ……」

クロシュ「わあ……!」

イリス「……えっと、でもこれって軟禁みたいな感じなんだよね?」

妖精「うん……レイって一応指名手配犯だから、クレアはレイを匿いつつ監視できるようにはしておきたいみたいだし」

レイ「えへへぇ、クレアお姉さんになら全然監視されてもいいよぉ。私一生ここで暮らしたいなァ……」

イリス「ええ……外に出たいとかは思わないの?」

レイ「日の当たるところって怖いもん! ここなら船倉みたいにカビ臭かったりもしないし……!」

妖精「そういえばこいつ幽霊船の船倉に引きこもってたんだった……」

イリス「な、なるほど……」

クロシュ「わたしも、地下、すき……!」

レイ「はわわ、クロシュちゃんも!? ぇへへ……やっぱりクロシュちゃんは最高だね……!」

クロシュ「んへへ……」

イリス「クロシュちゃん、地下好きだったんだ……!」


王都セイントレア滞在8日目。15日目に何かが起こります

↓1コンマ ランダムイベント
01-60 なし
61-90 大魔女来訪
91-00 ??

↓2〜4 自由安価 何をする?
804 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2025/05/31(土) 16:35:21.84 ID:uNjRtAwoO
ダークヒーローイリス、反ロイエ派からスカウトされる
805 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2025/05/31(土) 16:35:24.86 ID:IwOAxoE50
イリス、母と槍の特訓
806 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2025/05/31(土) 16:35:43.01 ID:JE6uSo//O
ヴィアの手伝いで魔族助ける運動をする
807 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2025/05/31(土) 16:36:12.07 ID:MUMt/AYNo
カリスの実験体たちと再度交流
808 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2025/05/31(土) 18:27:38.13 ID:njt9MtaE0
―朝
 聖ヴァレリオ教会 宿泊室

妖精「さて、今日は――」

クローディア「まず私とお話しましょう」ヌッ

イリス「うわあっ!?」ドテッ

クロシュ「わ……!?」

ミスティ「大魔女……クローディア……!?」

妖精「いきなり入ってくるな!」

クローディア「悪いわね。あまり姿を晒したくないものだから許して頂戴」

 ◇

妖精「なるほど……大魔女帝国は魔族国と同盟を組んで、王国の暴虐に対抗するんだ」

クローディア「ええ、準備は着々と整っているわ。ただ、私の目的は戦争に勝つことではない……戦争の勝利は、あくまで最終的な勝利条件の一つなの」

エバンス「というと?」

クローディア「フリューゲル・バイオレットのことは知っているわね? 私の目的は彼女を救出することよ」

クロシュ「!」

ローガン「フラナ殿たちの母……バイオレット家の前当主か」

ミスティ「廃城の天守閣で私たちと戦った、あの恐るべき吸血鬼ね」

クローディア「ええ。カリスが生命を支配する手法についても以前の騒動を経てある程度解明できたわ。恐らく今の私なら、カリスに囚われている者たちを解放することができる。もしカリスが、新たな対策を編み出していなければね」

妖精「新たな対策……あっ!」

イリス「あの、溶けた魔力結晶……!」

クロシュ「!!」

クローディア「……何か心当たりがあるのね。やはりあなたたちに会いに来て正解だったわ」

 *
809 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2025/05/31(土) 18:28:04.67 ID:njt9MtaE0

 瓶詰めの溶けた氷魔力「」ポン

クローディア「これは……」

妖精「以前、カリスに操られた者が発動した氷魔法によって生じた魔力結晶……だったんだけど、今はご覧の有り様なんだ」

クローディア「なるほど……カリスの新たな対策というわけね」

エバンス「……つまり、これはどういうことなんだ?」

クローディア「魔力結晶が融解するということは、魔力の結び付きが解れてしまったということ。もしこれと同じことが体内で起きれば、恐らく魔力欠乏症になって死ぬわ」

クロシュ「!!」

クローディア「もし自分の体内で作られる魔力が軒並み溶けてしまうような状態に陥った場合、一生外部から正常な魔力を供給されなければ生きられない……。大魔女帝国の設備ならそれも不可能ではないけれど、自由は制限されるわ……」

ミスティ「……他の手はないの?」

クローディア「原因を突き止めて除去することができれば元の生活に戻れるはず。でも現時点では、これが呪いによるものなのか身体改造によるものなのかもわからない。できれば被害者本人の体を診たいところだけど……」

イリス「つまり……カリス被害者の誰かを連れてきて大魔女様に診てもらえば……!?」

妖精「でも連れ出すのは流石に難しいんじゃ……? クロシュ一人なら小型の分体を飛ばして行き来できるけど……」

クロシュ「んゅ……」

エバンス「ここに一瞬で侵入したみたいに、大魔女パワーでカリスのとこに侵入できたりしないのか?」

クローディア「既に試しているわ。危うく鏡の分身を一つカリスにくれてしまうところだった」

妖精「うわ……」

イリス「さ、最悪ですよそんなことになったら……」

クローディア「ええ。鏡の分身と言えど私は私。世界最高の大魔女の分身が一つでも奴の手に渡ったら、いよいよ世界の終わりよ」

妖精「めちゃくちゃ自己評価高いけど反論できない……」

ローガン「うむ……カリスの悪意と大魔女殿の魔導が合わさったら鬼に金棒どころではないだろう」

クローディア「まあ報告はそんなところよ。私の方でも調査を続けるけれど、もし何か進展があれば呼んで頂戴」

クロシュ「ん……!」

 ☆大魔女クローディアの協力を得られます

 ◇
810 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2025/05/31(土) 18:28:33.40 ID:njt9MtaE0
―セイントレア平原

イリス「とうっ、やぁっ!」
 ブラッドランス「」ブンッ ブンッ

ティナ「……」
 鉄の槍「」カンッカンッ


イリス(む、無表情で完全に捌かれてる……!)

イリス(いや、でも私の強みは……魔法だ!)


イリス「はっ!」バッ

 ブラッドランス「」ジャキッ!!

 高圧血流「」ドギュウンッ!!

ティナ「!」

 鉄の槍「」ヒュンッ!!

 高圧/血流「」スパッ

イリス「えええっ!!? き、切り裂かれた……!? 血流が、槍で……!!?!?」

ティナ「物質生成系の魔法攻撃は魔法防御を貫通しやすい反面、物理的な手段である程度防御できてしまうの。油断したね、イリス」スタ

イリス「い、いやでも……血流って液体だよ!? なんで槍で切り裂けるの!? 母さん銃使いだよね!?」

ティナ「私はもう魔法が使えないから、その代わりに武芸をある程度修めたの」

イリス「ある程度ってレベルなの……!?」


↓1コンマ
01-30 近接経験+1、魔法経験+1
31-60 近接経験+2、魔法経験+1
61-90 近接経験+2、魔法経験+2
91-00 近接経験+6、魔法経験+3、技を閃く
811 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2025/05/31(土) 18:30:34.40 ID:O352YF2f0
812 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2025/05/31(土) 20:25:18.02 ID:njt9MtaE0
 カンカンカンッ ドギュウッ
  カカンッ

イリス「ひい、ふう……」フラフラ

ティナ「うん……私の娘だけあって、近接戦闘の才能は人並みみたい……」

イリス「……ってことは、母さんは私と同じくらいの才能でそこまで上り詰めたってこと……!?」

ティナ「正しい方法で時間さえかければ、ある程度のところまでは誰でも上れるの」

イリス「そ、そうなんだ……」

ティナ「大丈夫。イリスは魔法が使えるから、ちゃんと鍛えれば私よりずっと強くなれる」


イリス(うっ……母さん、自分が魔法を使えなくなったことをさらっと言うけど、けっこう重いよ……!)


ティナ「……イリス?」

イリス「な、なんでもない……。頑張るよ、私」スクッ

ティナ「うん。応援してる」ニコ

 ☆イリスが近接経験2、魔法経験1を獲得しました

 ◇
813 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2025/05/31(土) 20:26:38.84 ID:njt9MtaE0
―王都セイントレア 闘技場

 ワーワー ワーワー

司会「それでは皆さんお待ちかね、年イチ開催のスーパーイベント、デッドリーバトルロイヤルコロシアムの時間だァァァァ!!」

 ワーワー!! コロセーッ!!

司会「本日の生贄はァ〜〜〜……こいつらだァッッッ!!!」



馬頭の戦士「……」

竜人の戦士「チッ……」

ゴブリンの盗賊「クソッ……! なんでおれがこんな目に……!」

コボルトの男「クゥーン……」

オークの男「へっ……どうせ死ぬなら最期に良い思いさせてもらおうかね」ジュルリ

マンドレイクの幼女「あぅぅ……」ジワワ…カタカタ…

野良スライム「……」デロデロ…

エルフの吟遊詩人「闘技場――悪意と熱狂が乱反射する、現世に舞い降りた地獄の一つ――…」ポロロン



クロシュ「……!」

分体ヴィア「今日は彼らの救出作戦を実施します」

妖精「救出って言ってもどうやるの? ここまで多くの目が見てる中じゃ……」

分体ヴィア「煙幕と散発的な破壊活動で会場を混乱させ、その隙に全員を回収し――」



司会「そして本日はスペシャル警備として、昆虫学者であり爵位もお持ちのガッタ・ファーブ氏をお招きしております!!」

ガッタ「ハァ……アズスーナズバックホームしたい……」ゲンナリ

司会「もし何か不審な動きがあれば何卒お願いします、ガッタさん!!」

ガッタ「ルックフォワードに検討させてもらうヨ……」



分体ヴィア「あれは、ガッタ・ファーブ……。少し困りました……。まさかただの警備にあんな者を投入してくるとは……」

妖精「どこかで見たことがあるような気がするけど……強いの? 見た目は変なおじさんだけど」

分体ヴィア「虫を使役します。魔族差別思想を持っているという話は聞きませんが、倫理観のないマッドサイエンティストらしいので危険な可能性が高いです。もし怪しい動きを見つければ躊躇なく毒虫を放って闘技場内の者たちを皆殺しにするかもしれません」

妖精「えっやばいじゃん……虫相手じゃ煙幕もあんまり意味ないし、破壊活動で混乱もしなさそうだよ?」

分体ヴィア「むむ……少し考えさせてください」

クロシュ「……」


どうする……?
↓1〜 先取2票
1.電撃作戦 素早く闘技場に降りてすぐにみんなを回収してとんずら!
2.不意打ち こっそりガッタの背後に回ってベチン!
3.炎熱殺虫 クロシュが炎で虫を足止めしてる隙にヴィアが救出!
4.ハニトラ クロシュがえっちなおねえさんに化けてガッタをろうらく!
5.運命賽  運命の導きに従う!(運命賽−1)
0.自由安価(票数は内容ごと)
814 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2025/05/31(土) 20:28:19.56 ID:OM6/BVmDO
3

いや、4も気になるけど!
815 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2025/05/31(土) 20:28:40.15 ID:JlkBIID0O
4
816 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2025/05/31(土) 20:29:08.50 ID:IwOAxoE50
0会場内で他に奴隷解放に協力してくれそうな人を探す
817 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2025/05/31(土) 20:36:57.23 ID:jf/uNL8NO
2
818 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2025/05/31(土) 20:38:05.80 ID:yRPScOigo
3
819 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2025/05/31(土) 21:19:36.67 ID:njt9MtaE0
クロシュ「……わたしが、炎で虫を足止めする……。ヴィアさんは……その隙に……」

分体ヴィア「えっ……でも……」

クロシュ「わたしは……大丈夫……! 透明にも、なれる……!」

分体ヴィア「……わかりました。それではお願いします」

 *

司会「それではバトルロイヤル、スタ――げほっげほっ!?」

 煙幕「」モクモク
 ドガァンッ!! バゴォンッ!!
 キャーッ!! ナンナンダ!? タスケテクダサイ!!

司会「が、ガッタさん!!」

ガッタ「ふう……ノーウェイ」バッ

巨大な蜂「」ブブブン
巨大な蜂「」ブブブン
巨大な蜂「」ブブブン

司会「ヒエッ……!? こ、これは巨大蜂のピラム・ビー……!?」

ガッタ「ドントウォーリー。人間はピアッシングしないようアジャステッド」

司会「お、おお……! ではやっちゃってください、ガッタさん!」

ガッタ「ドントオーダー!」

 *

 ドガァンッ!!

警備員「ぐああっ!」バタッ
警備員「くそがっ……!」バタッ

分体ヴィア「さあ皆さん、こちらへ。共に外へ逃げましょう」

コボルトの男「えっ……!?」

野良スライム「〜〜?」モニョニョ?

ゴブリンの盗賊「な、なんだ? おれたち助かんのか?」

分体ヴィア「そうです。時間がありません、急いで」

オークの男「チッ、つまんねえことしやがって」

竜人の戦士「文句を言っている暇があったら足を動かせ、豚」

オークの男「んだと!? このトカゲ野郎が!」


警備員「」ピヨピヨ


馬頭の戦士「……」グググ

分体ヴィア「……おやめください。憎しみは、さらなる憎しみを生みます。魔族全体の為に……どうか、怒りを鎮めて」

馬頭の戦士「…………スマヌ……」スッ

エルフの吟遊詩人「憎しみは次なる憎しみへ……永遠に廻る憎悪の苦輪……」ポロロン


「きゃああああっ!」


馬頭の戦士「!」

竜人の戦士「あれは……!」


尻もちをついたマンドレイクの幼女「や、やだ……来ないでぇ……!」

 ピラム・ビー「」ブブブン
  ピラム・ビー「」ブブブン
   ピラム・ビー「」ブブブン
820 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2025/05/31(土) 21:20:26.97 ID:njt9MtaE0
ゴブリンの盗賊「で、でっけェ蜂……!?」

コボルトの男「も、もうだめだ……おしまいだァ……」ポロポロ

分体ヴィア「いえ……大丈夫……!」


 炎「」ゴウッ!!!

燃え落ちるピラム・ビー「〜〜!!」メララ
燃え落ちるピラム・ビー「〜〜!!」メララ
燃え落ちるピラム・ビー「〜〜!!」メララ

炎スライムクロシュ「〜〜」チリッ


マンドレイクの幼女「ぁぇ……?」

野良スライム「〜〜!!」モニョニョ!!

分体ヴィア「あの子が蜂の足止めをしている内に、皆さん急いで……!」


ガッタ「テロリズムとは……。ミーが警備の時に限って、バッドラック……」スタスタ


炎スライムクロシュ「!」

妖精「まずい、奴が来た……!」


ガッタ「ふむ……? デッドエンドしたはずのバーニングスライム……? 実にワンダーだ」

炎スライムクロシュ「……」チリチリ

ガッタ「ならばこちらもバーニングインセクト! ゴー! ファイアント!」バッ

 ポン!

火蟻「」シャカシャカ
火蟻「」シャカシャカ
火蟻「」シャカシャカ

炎スライムクロシュ「!」

妖精「あれは……世界各地で侵略的外来種として問題になっている炎属性のアリ、火蟻だ! まずい、奴には生半可な炎は効かないよ!」

炎スライムクロシュ「〜〜…!」モニョニョ…!


↓1コンマ
01-30 突破された!
31-00 生半可じゃない!
821 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2025/05/31(土) 21:22:51.04 ID:TjEtMelV0
822 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2025/05/31(土) 22:01:56.90 ID:njt9MtaE0
炎スライムクロシュ「〜〜…!!」モニョニョ…!!

 炎の壁「」ゴオオオオッ!!

ひっくり返る火蟻「〜〜…」ポテッ
ひっくり返る火蟻「〜〜…」ポテッ

突破する火蟻「〜〜!」シュバッ!!

炎スライムクロシュ「!!」

妖精「まずい、突破された……!!」


マンドレイクの幼女「はっ、はっ、えぐっ、ぐすっ……」トテトテ

野良スライム「〜〜!」モニョニョ!

ゴブリンの盗賊「嬢ちゃんがんばれ! あと少しで逃げきれ――」


追いかけてくる火蟻「」シュババババッ


ゴブリンの盗賊「……!?」

コボルトの男「も、もうだめだァ……クゥーン……」ポロポロ


追いかけてくる火蟻「」シュバッ!!


マンドレイクの幼女「ぁ、ぁ……ゃ……」

 バッ!! ガシッ!!

燃え上がる馬頭の戦士「……」メラメラメラ

掴まった火蟻「〜〜!」ジタバタ


マンドレイクの幼女「ぁ……」

オークの男「お、おい……!? 燃えてるぞオイ!?」

竜人の戦士「クッ……誰か水属性魔法を使える者は……!?」


燃え上がる馬頭の戦士「ムヨウダ……モウ、ドクガマワッテイル……」メラメラ

ゴブリンの盗賊「お、おい嘘だろ……!?」

燃え上がる馬頭の戦士「ハヤクイケ……。ムダニ、スルナ……」メラメラ

オークの男「クソッタレ!」

マンドレイクの幼女「や、やだ……やだ……」

野良スライム「〜〜…」モニョニョ…

竜人の戦士「……早く行くぞ。奴の死を無駄にするな……!」

コボルトの男「――アオオオーン!!」ポロポロ

エルフの吟遊詩人「忘れ得ぬもの……私は……彼の犠牲を、決して……」ポロロン…

 ◇
823 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2025/05/31(土) 22:04:27.94 ID:njt9MtaE0
―王都セイントレア 地下水路

 地下水路「」ザァザァ

野良スライム「」デロデロ…

マンドレイクの幼女「えぐ、えぐ……」

コボルトの男「クゥン……」ポロポロ

オークの男「チッ……」

竜人の戦士「……」

分体ヴィア「……申し訳ありません。私たちが……至らなかったばかりに……」

ゴブリンの盗賊「あ、あんたが謝んなよ……助けられただけのおれたちが余計惨めじゃんか……」

分体ヴィア「すみません……」

エルフの吟遊詩人「謝らずにはいられぬ心……救いは何処に……」ポロロン


馬頭の戦士「スマヌ、オクレタ」ノッシノッシ


野良スライム「〜〜!?」モニャニャ!?

ゴブリンの盗賊「え!?」

オークの男「生きてんのかよ!?」

馬頭の戦士「クロイスライムサンニ、タスケテモラッタ」


スライムクロシュ「〜〜」モニョモニョ

妖精「まあ、ちょっとした切り札をね……」

マンドレイクの幼女「〜〜!!」ジワワ ポロポロ

コボルトの男「アオオオオオ〜ン!!」ポロポロ

竜人の戦士「……フッ」

エルフの吟遊詩人「理不尽を覆す理不尽……救いは此処に……」ポロロン

 ◆

マンドレイクの幼女「え、えっと、えっと……あ、ありがと……!!」ペコッ

野良スライム「〜〜!!」モニョニョニョ!!

 ザブンッ

 地下水路「」ザァザァ

妖精「ふう……これで一件落着?」

分体ヴィア「はい……あなたたちがいなければ、多くの犠牲が出てしまうところでした。ありがとうございました」

スライムクロシュ「〜〜!」モニョニョ

分体ヴィア「ところで……炎と毒にやられた馬頭さんのことは、どうやって助けたのですか? もしかして非常に高度な治癒と毒消しの魔法が使えるのですか……?」

妖精「……クロシュは不死鳥の羽根を持っててね、同化してその力を引き出すことができるんだ」

分体ヴィア「えっ……!? 不死鳥の羽根と同化……!?」

妖精「うん。羽根を消費せずに再生の炎を発生させられるから、今までに何度も助けられてきた。あ、でもこのことはあんまり言いふらさないでね? 知られるといろいろ厄介そうだし……」

分体ヴィア「……しかし、再生の炎という強力な力を行使して身が持つのですか……?」

スライムクロシュ『……お腹が、すごく、減る……』モニョニョ…

分体ヴィア「なるほど……」


分体ヴィア(……クロシュちゃん……やはり普通のスライムではないようです……。カリスが使って人工的に生み出した、クロシュヴィアの株分け……なのでしょうか……?)

 ☆魔族救出活動を行いました

 ・本日はもう不死鳥化できません

 ◆
824 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2025/05/31(土) 22:39:11.38 ID:njt9MtaE0
―午後
 大聖堂別館 中庭

 日差し「」キラキラ
 生い茂る木々「」サワサワ
 小川を模した水路「」サラサラ

 ガーデンパラソル「」バサッ
 木の椅子「」ポン
 木のテーブル「」ポン

 茶菓子「」ポン
 紅茶「」ポン

ちびスライムクロシュ「〜〜!」モニョニョニョ モグモグモグモグ

フレア「わあ、クロシュちゃんいっぱい食べるねえ」

黄スライム『今日はいっぱい働いて疲れちゃったんだって!』モニョモニョ

フリューゲル「使徒が持ってきたおやつがまだまだたくさんあるから、好きなだけ食べていっていいわ」

ちびスライムクロシュ「〜〜!」モニョニョ!

アイス「……れいぎしらず。くいいじスライム……」

灰スライム『アイスも食べればいいのに……』モニョモニョ モグモグ

アイス「……アイスは、レディーだもん……」

 グゥゥ…

アイス「……」

セイン「……あーんするか?」

アイス「しない……! じぶんで、たべる……!」プンスコ

 *

ちびスライムクロシュ(そういえば……ここにいるみんなは、カリスの呪い?で、ここから長く離れてると、魔力がデロデロになっちゃうみたい……)

ちびスライムクロシュ(……大魔女さまに、診てもらえば……原因が、わかる……?)

ちびスライムクロシュ(でも……連れてくの、難しそう……。見つかったら……カリスに、酷いこと、されるかも……)

ちびスライムクロシュ(いい方法……ないかな……?)

ちびスライムクロシュ(………)

ちびスライムクロシュ(……今日は……お腹が空いて……あたま、まわんない……)グルグル


↓1〜2選択 中庭で何をする?(空腹なので活発に動けません)
1.個別の誰かとお話(名前を指定)
2.運命賽を投げる(運命賽−1、良いアイデアを思いつく)
0.自由安価(状況にそぐわないものは再安価)
825 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2025/05/31(土) 22:41:40.16 ID:IwOAxoE50
1フリューゲル
826 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2025/05/31(土) 22:42:51.84 ID:TjEtMelV0
1セイン
827 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2025/05/31(土) 22:45:05.59 ID:P7DAcjiEO
大魔女をこの場に連れてくればよいのでは
クロシュはこれてるし
828 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2025/05/31(土) 23:39:24.43 ID:njt9MtaE0
ちびスライムクロシュ『……大魔女さまが……フリューゲルさんのこと……助けるって、言ってた……』モニョモニョ

フリューゲル「えっ、大魔女が……?」

ちびスライムクロシュ『うん……。そのための……やり方……探してる……』

フリューゲル「そのためのやり方……?」

ちびスライムクロシュ『えっと……ここ、離れると……デロデロに、なる……?』

フリューゲル「……ああ、なるほど。私たちはカリスの造る特殊な生命結晶を定期的に摂取しないと、生命を維持できなくなって死ぬと言われているわ。そのことね?」

ちびスライムクロシュ『ほえ……? えっと……魔力が、デロデロになるんじゃないの……?』

フリューゲル「……? 魔力がデロデロになるという脅され方はしていないけれど……」

ちびスライムクロシュ「???」

 *

フリューゲル「魔力結晶が融解……? 初めて聞く話ね……」

ちびスライムクロシュ『そうなんだ』

フリューゲル『考えられるのは、私たち被支配者に嘘の情報を吹き込んでいるか……もしくは、二重の対策を立てた上で片方だけしか伝えていないか……』

ちびスライムクロシュ『そうなの?』

フリューゲル「ただの仮説。でも……あの子たちを救うことに繋がるのなら、しっかり検証してみる価値はあるかもしれないわ……」


フレア「――!」キャッキャ
黄スライム「〜〜!」モニョニョ キャッキャ
灰スライム「〜〜」モニョモニョ
アイス「――…」
セイン「――」


ちびスライムクロシュ『うん』

フリューゲル「とはいえ、カリスが自分の実験体たちに解析されるほど間抜けな仕組みを作っているとも思えないわ……。うーん……」

ちびスライムクロシュ『大魔女さまに、調べてもらう方法……ない……?』

フリューゲル「………非常に個人的な感情なのだけれど……クローディアに頼りたくないのよね」

ちびスライムクロシュ『ほえ……? どうして……?』

フリューゲル「……あいつの目的は、私を助けることなのでしょう? それは……ちょっと困るのよ」

ちびスライムクロシュ『???』

フリューゲル「私はかつて、自らの愚かさによって一度魔族国を滅ぼした大罪人。例え娘たちや大魔女が私を許すとしても、私自身は決して私を許せないの……」

ちびスライムクロシュ『……』

フリューゲル「なら一人でとっとと死ねと自分でも思うけれど……残念ながらカリスに支配されている今、私は私自身の命を断つことすらできない。ああでも、クローディアに助けられてこの呪縛を解くことができれば、自分を殺せるようになるのかしら? いえ、それはいくらなんでもクローディアに失礼すぎるわよね……」

ちびスライムクロシュ『……』

フリューゲル「……いえ……私個人の感傷の為に、あの子たちが助かるチャンスを無駄にしたりはしないわ。安心して」

ちびスライムクロシュ『うん……』

フリューゲル「さて、あいつに私たちの呪縛を解析してもらう方法か……あ、それならあいつ自身にここに来てもらうのはどうかしら? クロシュさんが入ってこれるならあいつも来れるんじゃない?」

ちびスライムクロシュ『……前に、試して……失敗して、捕まりそうになったって……言ってた……』

フリューゲル「そう……。考えても見れば、カリスが大魔女対策をしていないわけがなかったわね。あいつ目立ちたがりだから、顔も名前も魔力波長も知られてるし……」

ちびスライムクロシュ『うん……』

フリューゲル「さて、それじゃあ真面目に考えてみましょうか……。でもあまり期待しないでね。私、あんまり頭良くないから」


↓1コンマ(後ろ向き-5)
01-75 思いつかない
76-00 思いつく
829 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2025/05/31(土) 23:44:37.19 ID:x1KQwsiFO
はい
830 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2025/06/01(日) 00:19:50.17 ID:n8VnVsd30
フリューゲル「……だめね……何も思いつかないわ……」

ちびスライムクロシュ『んゅ……』

フリューゲル「他の子……セインが一番利発だから、セインにも聞いてみて。良い方法を思いつくかもしれない」

ちびスライムクロシュ『ん……わかった。ありがと……』

 *

ちびスライムクロシュ『セインさん』モニョモニョ

セイン「クロシュ。腹は満たせたか」

ちびスライムクロシュ『んゅ……あんまり、食べすぎるのも……失礼かもって……』

セイン「遠慮する必要はないが……クロシュのしたいようにすると良い」

ちびスライムクロシュ『うん……』

セイン「……ああ、そうだ。しばらくの間、魔族国やその街道には近付かない方が良いかもしれない」

ちびスライムクロシュ『ほえ……?』

セイン「城内や原理派内で不穏な動きがある。枢機卿の失脚はもう秒読みだが、奴は魔族国侵攻で一発逆転を狙っているようだ。そしてその目論見は全く見当外れなものでもない……僕とフリューゲルが出撃すれば、兵の士気や練度など無関係にどうとでもなってしまうからだ」

ちびスライムクロシュ『!!』

セイン「だから、しばらく魔族国やその近くには近付かないでくれ。特にフリューゲルは戦場に出ると完全に正気を失ってしまう。自分の故国だろうと関係なく、破壊と殺戮の限りを尽くすだろう……」

ちびスライムクロシュ『……フリューゲルさんは……戦争のこと、知ってるの……?』

セイン「……いや……伝えていない。もし知ってしまえば、この中庭でも彼女は平穏でいられないだろうから」

ちびスライムクロシュ『んゅ……』

セイン「……すまない。だが、僕たちの平穏を守る為にはこうするしかないんだ」

ちびスライムクロシュ『………えっと……じゃあ……逃げ出す、方法……! 考える……!』

セイン「逃げ出す方法……?」

 *

セイン「大魔女が……僕たちの解析を?」

ちびスライムクロシュ『うん……! 上手くいけば……みんな、自由に、なれる……!』

セイン「……特殊な生命結晶については僕も知らされている。国外へ遠出する任務では、ある程度の携帯も許可されるんだ」

ちびスライムクロシュ『わあ……!』

セイン「残念ながら今ここにはないが……」

ちびスライムクロシュ『えっと……いろいろ……大魔女さまに、調べてもらう方法……ない……?』

セイン「……難しいな。僕たちが外に出ればすぐに気付かれてしまうだろうし……大魔女もここには入って来れないとなると……」

ちびスライムクロシュ『んゅ……』

セイン「少し待ってくれ。考えてみる」


セイン(ここから……みんな、外に出られる……)

セイン(何度も何度も考えて、諦めた……。カリスの悪意には勝てないと、引き下がる他なかった……)

セイン(でも……世界最高の魔法使い、大魔女なら………!)


↓1コンマ(超前向き+20、スライム知識+10)
01-75 思いつかない
76-00 思いつく
831 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2025/06/01(日) 00:23:40.76 ID:Hy4+fEQ70
832 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2025/06/01(日) 00:55:03.62 ID:n8VnVsd30
セイン「……クロシュは……同化が得意か?」

ちびスライムクロシュ『ほえ……? んー……た、たぶん……?』

セイン「同化の技を極めたスライムは、かつて同化したことのあるものであれば、物質を介さず記憶からその力を再現≠オ、同化したも同然の状態になれるという」

ちびスライムクロシュ『わあ……!』

セイン「つまり何が言いたいかと言うと……」

黄スライム『いうとぉ……!?』モニョッ

灰スライム『いうと……?』モニョ

セイン「ここにいる者たちの体、力、能力……そして、カリスの呪縛まで……全てを記憶して再現し、それを大魔女に診てもらう……というのはどうだ……?」

ちびスライムクロシュ『!!』モニョ!!

黄スライム『んわわ……!』モニョニョ!

灰スライム『……でも、いくらクロシュでも再現なんて絶技は使えないんじゃないの……? あのブラッドでも、ここにいた当時は再現を習得するまではいけなかったみたいだし……今どうかは知らないけど……』モニョモニョ

セイン「……それもそうか。すまない、無茶を言ったかも――」

ちびスライムクロシュ『わたし……あるかも……! さいげん、したこと……!!』モニョモニョ

セイン「何……!?」

黄スライム『んわわ〜!』キャッキャ

灰スライム『それほんと……?』モニョニョ

ちびスライムクロシュ『うん……! ずっと前だけど……みんなを守りたくて、夢中で……手に持ってないものとも、なんでか同化できてた……!!』

セイン「本当か……! それなら……!!」

ちびスライムクロシュ『うん……! わたし……やってみる……!!』


 ☆スライム奥義再現≠ノ挑戦することができるようになりました


さっそく挑戦!
↓1コンマ(スライム技能+80、一度できた+40、最難関技-100)
01-10 失敗
11-60 経験+1(1/3)
61-90 経験+2(2/3)
91-00 覚醒
833 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2025/06/01(日) 01:00:16.53 ID:ptAfsfNFO
覚醒クロシュ
834 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2025/06/01(日) 01:25:05.08 ID:n8VnVsd30
ちびスライムクロシュ「……」モニョニョ…グググ…


フレア「クロシュちゃんは何をしているの?」

セイン「再現の練習だ。今ここには持っていないウミタニシの貝殻を再現≠オてみるという」

アイス「さいげん……クロシュなんかに、できるわけない……」


ちびスライムクロシュ「……」モニョニョニョ…ググググ…


 ――潮騒の音「」サァァァァ… ササァァァン…


アイス「……!?」

フレア「わ……!? この気配って……」

セイン「水属性の……海の力を感じる……!」


ちびスライムクロシュ「……」モニョニョニョ…
 生えかける巻き貝「」ググググ…


黄スライム『んわわ〜!』キャッキャ

灰スライム『クロシュ……ほんとに……!?』モニョニョ


 デロデロ…

ちびスライムクロシュ「」デロロ…


フレア「あ、ああっ……!!」

黄スライム『惜しい〜っ!!』モニャニャ…!!

フリューゲル「本当に惜しかったわね……お疲れ様……!」

灰スライム『……でも、あと一歩……がんばれ、クロシュ……』モニョモニョ

セイン「……いける、のか……? 本当に……」グッ

アイス「〜〜…!!」っっっ

 ☆再現経験が 2/3 になりました

 ◆
835 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2025/06/01(日) 01:25:35.62 ID:n8VnVsd30
というわけで本日はここまでとなります

カリスの悪意からみんなを救う為に、スライム奥義の再現を試みるクロシュ。気負いか、空腹か、一度の試行で成ることは叶わず。されど奥義の習得は既に手の届くところへ。全てを救う為に、クロシュは決意を新たにする。しかしそれはそれとして、そろそろ空腹で目が回りそうなあかちゃんスライムなのであった――

それでは本日もありがとうございました。次回もよろしくお願いいたします
836 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2025/06/01(日) 09:48:51.22 ID:wbVFSKQG0
おつ
クロシュちゃん最終的にスライムの女王とか巫女とか神になるのか・・・?
837 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2025/06/01(日) 21:51:03.31 ID:n8VnVsd30
再現はすごい技ですが、女王とか巫女とか神と呼ばれるようなだいそれた存在になったりはしないと思われます。実のところ野良にも極稀に使えるスライムがいたりします(そういうスライムは知能が高く、人前に出て来ない場合が多いようです)
838 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2025/06/01(日) 21:51:36.08 ID:n8VnVsd30
―王都セイントレア 滞在9日目

◇クロシュ [あかちゃんスライム]
武:星霊の剣     盾:ラティアの大盾  飾:くすんだ耳飾り
武:竜珠の大杖    防:竜のエプロン   飾:不死鳥の羽根

◇妖精   [世話焼き妖精]
武:         盾:         飾:くすんだ耳飾り
武:         防:精霊のレオタード 飾:

◇イリス  [星の魔法使い]
武:蒼き星の杖    盾:         飾:くすんだ耳飾り
武:ブラッドランス  防:魔術師のローブ  飾:

◇ミスティ [氷の魔法使い]
武:氷の短刀     盾:         飾:くすんだ耳飾り
武:         防:氷竜革のローブ  飾:

◇ローガン [鋼の戦士]
武:蜥蜴一文字    盾:灼鋼の盾     飾:くすんだ耳飾り
武:鋼の回転ノコギリ 防:オリハル鎖帷子  飾:

◇エバンス [地の傭兵]
武:古代の鉄槌    盾:         飾:くすんだ耳飾り
武:魔銀の刀     防:硬質革鎧     飾:

◯所持アイテム
[道具]        [装備品]       [大事なもの]
運命賽*2       蜘蛛絹の下着      魔族国永久旅券
会心賽*1       ザリガニのお守り    フメイの服の切れ端
反魂丹*1       大きな巻き貝      精霊の印
鉄鍋+携帯調理器具   闇の欠片        精霊樹の実のジャム
「星の魔力」上中下   フリルワンピ水着    精霊樹の鉢植え+赤雷球
お宿の妖精の織物    魔法学園のスク水    フメイとアリシラの人形
魔導飯盒        ガラスのザリガニ    メルルの帽子
妨害魔力波発生装置   踊り子の双剣      溶岩石のアミュレット
属性大全        サボテンドラゴンの花  太陽のメダリオン
魔王図鑑        精霊のローブ      暗黒優待券
氷精の魔導書      精霊樹の杖[改]    冒険者証(ランク1)
ブラッドワイン*1   銀のナイフ       大魔女帝国渡航権
吸血鬼殺ワイン*1   ダイヤメリケンサック  かたたたきけん
魔術書「正負の属性」  パラサイトソード    大魔女帝国滞在許可証
吸血鬼の日焼け止め               風船印のパラシュート
日蝕の傘                    ラティア勲章
大魔女サイン*1                ユーシリア王家の紋章
古代のセラミック
ステライト鉱石
晴れ乞い傘
チョコスムージー
ヒヒイロカネ
氷魔力結晶
魔導書「絶対零度」

◯現在の目標
・フメイちゃんを探す
・世界樹の光を追う[4/5]
・最悪の未来を阻止する

◯努力目標
・カリスに造られた者たちを助ける
・戦争を阻止する
・大司祭を探す
・枢機卿の悪事を暴く(達成!)
・レイの行方を追う(達成!)

◯仲間の目標
・カリス・ノーランドを討つ(ミスティ)

◯経験値
・クロシュ 剣技[03/07] 魔法[06/07] 防御[00/07] 再現[2/3]
・イリス  杖術[02/06] 魔法[15/16]
・ミスティ 剣技[05/07] 魔法[11/16]
・ローガン 剣技[16/16] 魔法[06/08] 防御[07/08]
・エバンス 剣技[16/16] 魔法[07/08]
……………………………………………………………………………………
□王都セイントレア
王城:未探索
城下:教会、孤児院、市場、食事処、酒場、浴場、娼館、冒険者ギルド
   中央広場、公園、学校、図書館、博物館、劇場、闘技場、未探索
……………………………………………………………………………………
□セクリエ・ロイエ
大聖堂、大聖堂別館、美術館、庭園、お土産屋、未探索、他
……………………………………………………………………………………
839 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2025/06/01(日) 21:52:03.35 ID:n8VnVsd30
―朝
 聖ヴァレリオ教会 宿泊室

 チュンチュン

妖精「カリスに囚われてる者たちの体をクロシュ自身が再現して、その状態を大魔女に診てもらおうってことか」

クロシュ「うん」

ミスティ「なるほど、そんなやり方があるのね……。でも、呪いを再現した結果クロシュ自身に害が及んだりはしないかしら?」

クロシュ「た、たぶん大丈夫……」

王都セイントレア滞在9日目。15日目に何かが起こります
↓4〜6 自由安価 何をする?
840 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2025/06/01(日) 21:54:44.17 ID:ggs46Tk5o
手がかりを探すため聖女さん僧侶さんにお父さんのことを詳しく聞く
841 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2025/06/01(日) 21:56:10.49 ID:Hy4+fEQ70
↓4からとか間隔広いな
とりあえず安価↓
842 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2025/06/01(日) 21:56:25.44 ID:ccICFlJOO
ダークヒーローイリス、奴隷解放組織にさそわれる
843 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2025/06/01(日) 21:56:28.09 ID:wbVFSKQG0
聖女シスターズと買い物
844 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2025/06/01(日) 21:56:47.47 ID:hheHWEy30
現教にあってカリスの件や大司祭の件など何か聞けないかみんなに相談する
845 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2025/06/01(日) 21:57:13.31 ID:exxB8ol5O
クレアとレイと一緒に地下壕の蔵や本棚を調べてみる
846 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2025/06/01(日) 21:57:57.53 ID:uxEBMuI4O
クロシュヴィアから直接手ほどきを受けて再現を完全にマスターする
847 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2025/06/01(日) 23:28:14.70 ID:n8VnVsd30
―王都セイントレア 市場

 ワイワイ ガヤガヤ

 たくさんの品物が積まれたカゴ「」ドッサリ

その大きなカゴを背負って歩くクロシュ「……」ノシノシ

聖女「クロシュちゃん……大丈夫ですか? 重すぎるんじゃ……」

クロシュ「へいき……!」ノシノシ

妖精「今のクロシュは小さい女の子の姿だけど、中身はスライムだから人間より力持ちなんだよ。心配いらないと思う」

僧侶「種族の差ですね。今の私には好ましい違いと思えます」

聖女「お姉ちゃん、本当に原理派らしくなくなったんですね」

僧侶「それはもちろん、今はデロデロ派ですから」

クロシュ「んへへ……」

僧侶「聖女もデロデロ派になりませんか? クロシュヴィアに会えばあなたもデロデロの良さが――」

聖女「ふふ、もう会ったことあります」

僧侶「えっ!?」

聖女「デロデロ派の考え方も概ね聞いてます。私も……ある程度は理解できるつもりです」

僧侶「うーん、ある程度ですか……」

聖女「はい。私はまだ……全てをデロデロにしなきゃこの世界は救われない、とまでは思わないのです。命には……お互いを赦し合い、憎しみも悲しみも呑み込んで一緒に歩いていける強さがあるって……信じたいんです。ちょっと、お花畑と言われるかもしれないですけど……」

僧侶「お花畑というよりは棘だらけの茨の道ですね、それは……。でもまあ嫌いではないです。この世から少しでも多くの苦しみを減らしたいという意味では、デロデロ派と同じとも言えますし」

クロシュ「わあ……!」

妖精「はあ、良かったねクロシュ。みんなデロデロ派と同じだってさ」

クロシュ「うん……!」

 *

パスタ屋「毎度ありがとうございました〜!」


 買い物メモ「」ペラッ

聖女「えっと、これでクレアさんから頼まれたお使いは終わりかな……?」

僧侶「そういえば、教会と孤児院の食料は大聖堂から支給されてるはずですよね? なぜパスタをこんなに?」

 カゴいっぱいのパスタ「」ドッサリ

聖女「あ〜、えっと……お姉ちゃん、聖ヴァレリオ教会の地下壕のことは知ってますか?」

僧侶「あっ……なるほど、彼女の分というわけですね。承知しました」

聖女「はい。クレアさんは正しさのある人ですから、私もクレアさんの判断に従います」

僧侶「……でも、パスタばかりなのはちょっとつらくないですか?」

聖女「そうですか? パスタ、美味しいと思いますけど……」

僧侶「いや、美味しさを否定しているわけではなくてですね……他の主食も食べたいというか……。いやまあ、保存が効いて調理もしやすいという事情はわかるんですけど……」

クロシュ「パスタ……おいしい……」

僧侶「いや美味しいのはわかってますってば!」

妖精「私も妖精の中じゃ食にちょっとこだわる方だけど、人間にはかなわないなあ」

 *

市場に来たついでにお買い物する?
↓1〜2選択
1.掘り出し物を探す(コンマ)
0.自由安価(買うもの、または買い物以外の行動)
848 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2025/06/01(日) 23:30:09.14 ID:ZmJ1HDdoo
1
849 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2025/06/01(日) 23:31:47.24 ID:ccICFlJOO
0、アクセサリーを買う
850 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2025/06/02(月) 00:00:26.65 ID:Ou2z6sPO0
クロシュ「!」ピコン!

聖女「どうしたのですか、クロシュさん」

クロシュ「なにか……いいもの、あるかも……!」トコトコ

 ワイワイ ガヤガヤ

僧侶「お、露天市ですね。確かに掘り出し物があるかもしれません、せっかくですし何か探してみましょうか」

妖精「悪いねえ、クロシュに付き合ってもらっちゃって」

聖女「いえいえ、先にクレアさんのお使いに付き合ってもらったのは私たちの方ですから!」

↓1コンマ 掘り出し物
01-40 聖剣のおもちゃ
41-70 カニカマボコ
71-90 メガロザメのフカヒレ
91-00 不定形のプルプル

↓2コンマ アクセサリー
01-40 綺麗な貝殻
41-70 大きな真珠
71-90 世界樹の琥珀
91-98 黄金のカニ飾り
99-00 古代カニの化石
851 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2025/06/02(月) 00:02:02.39 ID:1IQmfC/Ko
カニ(カマボコ)!
852 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2025/06/02(月) 00:05:59.40 ID:XXkEdMrpo
さて
853 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2025/06/02(月) 00:27:48.09 ID:Ou2z6sPO0
 聖剣のおもちゃ「」ポン!

クロシュ「……」

 聖剣のおもちゃ「」ブンブン
 虹色の光「」ビカビカ!!

クロシュ「んわっ……!?」ビクッ

おもちゃ屋「ははは、それは勇者サインが幼少の頃に大岩から引き抜いて振り回したと言われる光の聖剣、ルクスカリバー!! ……のおもちゃだ!」

クロシュ「わあ……!」

妖精「……本物もこんなヘンテコな色に光ったの?」

おもちゃ屋「ははは、本物の光はこんなものじゃなかったと思うよ! 何せ天を裂き地を穿つ凄い光だったらしいからね!」

クロシュ「わあ……」

妖精「……クロシュ、それ買うの?」

クロシュ「……んーん」

 聖剣のおもちゃ「」ポン

おもちゃ屋「えっ買わないの!?」

クロシュ「うん……わたし、これがある……」スッ

 星霊の剣「」キラキラ…

おもちゃ屋「うおっ、すごいクオリティだ……! 一体どこのおもちゃ屋で買ったんだい!?」

クロシュ「んへへ……ひみつ……」

 ☆聖剣のおもちゃを買いませんでした

 *

聖女「クロシュちゃんクロシュちゃん」

クロシュ「ほえ?」トコトコ

僧侶「ふふ……お姉さんたちからプレゼントです!」スッ

 綺麗な貝殻の飾り「」ポン! キラキラ…

クロシュ「わあ……!」

妖精「お、随分綺麗な貝殻だねえ。真珠層が虹色に輝いてる」

聖女「虹色に輝く貝殻は、幸運と安らぎをもたらすと言われています。もし良かったら……」

クロシュ「うん……! ありがと……!!」

 ☆綺麗な貝殻の飾りをいただきました
  加護が少し強化されました

 ◆
854 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2025/06/02(月) 00:28:31.56 ID:Ou2z6sPO0
本日はここまでとなります

聖女と僧侶の買い物に付き合い、甘えさせてもらうあかちゃんスライムなのでした。たまにはこういう日があっても良いのかもしれません

それでは本日もありがとうございました。次回もよろしくお願いいたします
855 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2025/06/02(月) 01:08:51.54 ID:1IQmfC/Ko
おつでした
僧侶ちゃん聖女さんとこんな風ひに平和なお買い物できるなんて初対面からは想像もできなかったなぁ
……ごめん嘘僧侶ちゃんからはポンコツ敵対解除ルートが合うたび感じてた
856 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2025/06/07(土) 22:16:26.47 ID:0VYU1WqW0
僧侶氏は当初とても邪悪な差別主義者でしたが、紆余曲折あって邪悪ではなくなってしまいました。元々は妹の聖女と同様に優しさを持つ人だったのかもしれません。原理派の差別推進教育が良くなかったのでしょう。なおポンコツなのは元からだと思われます
857 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2025/06/07(土) 22:16:55.72 ID:0VYU1WqW0
―王都セイントレア

 ワイワイ ガヤガヤ

信徒「教皇様、最近頭痛が酷くて眠れないのです……。どうしたら良いでしょうか……」

教皇ユグド「頭痛とはどの辺りがどのように痛みますか?」

信徒「頭の前の方が、ガンガンと脈打つように……」

教皇ユグド「であれば、南区の薬局で市販されている痛み止めを服用するのが良いでしょう。もしそれでも治らなければ、再び私に聞きにいらっしゃい」

信徒「ありがとうございます!」ペコッ

 ワイワイ ガヤガヤ


妖精「あれが現教皇のユグド・フランシス……?」

クロシュ「ほえ……」

ローガン「……信徒たちに向けた説法……というよりは相談に乗っているのか」

ミスティ「信徒じゃないっぽい人たちもちらほらいるわね。私たちも何か聞けば答えてくれるのかしら」

クロシュ「……!」ピコン!

妖精「何か教皇に聞きたいことでも思いついたの?」

クロシュ「聖女さんたちの……お父さんのこと……聞ける……?」

妖精「あー……大司祭が行方不明になってる件は原理派絡みだろうから、穏健派の現教皇が知ってる可能性は低そうだけど……。でもロイエ教のことといえばロイエ教のことだし……」

ミスティ「最近は穏健派もキナ臭そうだし、知ってることがあるかもしれないわね」

妖精「どうする? 何か聞きに行ってみる?」


↓1〜2選択
1.大司祭について
2.カリス・ノーランドについて
3.戦争について
4.グランドマスターについて
0.自由安価(状況にそぐわないものは再安価)
858 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2025/06/07(土) 22:17:57.57 ID:Z+xY6KHd0
859 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2025/06/07(土) 22:19:22.82 ID:Xml6CoA/0
1
860 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2025/06/07(土) 22:33:37.36 ID:0VYU1WqW0
教皇ユグド「次の方」

クロシュ「……」トコトコ ペコリ

妖精「こんにちは。2つほど聞きたいことがあるんだけど、いい?」パタパタ

教皇ユグド「私に答えられることであれば」

妖精「じゃあ一つめ。知り合いの……聖女と僧侶っていう聖職者の姉妹がいるんだけど、その父の大司祭の居場所がわからないんだ。行方を知らない?」

教皇ユグド「……」


↓1コンマ
01-10 ???
11-50 グランドマスター殿が知っているかもしれません
51-90 現在捜索中です
91-00 ???
861 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2025/06/07(土) 22:35:05.32 ID:4L9jc4Pto
たかく
862 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2025/06/07(土) 22:43:41.43 ID:0VYU1WqW0
教皇ユグド「大司祭殿のことでしたら、同じく原理派であるグランドマスター殿が知っているかもしれません」

妖精「ええ……」

ミスティ「グランドマスターって……あの戦争を企てているという噂のグランドマスターよね? ちょっと関わりたくないのだけど……」

教皇ユグド「まあそう仰らず……」

妖精「せっかく話題に出たことだし、グランドマスターが企ててるっていう戦争のことについても聞いて良い?」

教皇ユグド「……」


↓1コンマ
01-10 ???
11-50 私はグランドマスター殿を信じております
51-90 現在調査中のため回答を差し控えさせて頂きます
91-00 ???
863 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2025/06/07(土) 22:44:19.63 ID:BwTiL+6vo
あー
864 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2025/06/07(土) 23:40:13.27 ID:0VYU1WqW0
教皇ユグド「……現在調査中のため、それについてはお答えできかねる……としか言えません」

ミスティ「……穏健派は関わってないのよね?」

教皇ユグド「それについてはもちろんです。ロイエのみならず、王都の方々を不安にさせるような真似は致しません」

妖精「……戦争が起きる可能性はある?」

教皇ユグド「……断定はできませんが、我々ロイエ教は悲劇を阻止する為ならばあらゆる手立てを講じる覚悟があります。この王都が戦火に包まれるような事態には決してさせないので、ご安心を」

妖精「わかった、ありがとう。後がつかえてそうだし私たちはこの辺で失礼するよ」

クロシュ「ありがと、ございました」ペコリ

 ☆大司祭についてグランドマスターに聞けばわかるかも?という情報を得ました

 ☆戦争については穏健派も現在調査中との情報を得ました

 ◆
865 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2025/06/07(土) 23:47:42.24 ID:0VYU1WqW0
―聖ヴァレリオ教会 地下壕

 格子「」
 地下水路「」サラサラ

クロシュ「わあ……!」

レイ「すごいでしょ! 地下なのに水が流れてるんだよ! しかも綺麗で冷たくて美味しい綺麗なお水! 一生暮らせる!!」

クレア「地下水路の浄水を引っ張ってきているようです。美味しいからって飲み過ぎはお腹を壊しますから、程々にしてくださいね」

レイ「も、もちろんですよォ……エヘヘ……」

クル「レイったら、すっかりクレアさんに懐いちゃって」

クレア「本当に指名手配中の凶悪犯なのか、疑わしく思えてなりません……」

 *

レイ「ああ、あのっ、クレアさんっ……! 私の住んでるとこの近くの部屋に……倉庫とか、書庫みたいのがあるんですけどっ……そこって、勝手に出入りして大丈夫なとこですかっ……!?!?」

クレア「ああ、あの辺りですか……。あの辺は私もまだしっかり調べたわけではないので、崩落などの危険も万が一ありえますので勝手に出入りするのは推奨できないのですが……」

レイ「そ、そうですかぁ……」ガックリ

クレア「私と一緒に調査を行い、安全性を確認できたら自由に出入りしても良いとしましょう」

レイ「!!」

クロシュ「わあ……!」

クレア「ただし、中のものを持ち出す場合には一度私に見せてくださいね。ここの聖ヴァレリオ教会の一部ですので」

レイ「もも、もちろんですっ! クレアさんにお任せしますっ!!」

クル「宝探しかぁ……ふふ、なんだか面白くなってきたね」

クロシュ「うん!」


↓1コンマ
01-40 収穫なし
41-70 年代物のワイン
71-90 オリハルスライムの欠片
91-98 不定形のプルプル
99-00 不定形の大きなプルプル

↓2コンマ
01-40 収穫なし
41-70 美味しいキノコ
71-90 世界樹の琥珀
91-98 黄金のカニ飾り
99-00 古代カニの化石

↓3コンマ
01-40 収穫なし
41-70 パスタのレシピ
71-90 秘伝パスタのレシピ
91-98 ??
99-00 ??
866 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2025/06/07(土) 23:48:26.23 ID:Z+xY6KHd0
867 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage ]:2025/06/07(土) 23:49:54.21 ID:qlZ4KxaKO
868 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2025/06/07(土) 23:51:07.74 ID:BwTiL+6vo
869 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2025/06/08(日) 00:06:49.50 ID:N69p16ex0
 割れた壺「」
 空き瓶「」
 毒キノコ「」

クル「大したものはなさそうかなあ……」

レイ「で、でもこの壺とか良い感じじゃない……!? 割れてるけど……」

スライムクロシュ「〜〜」モニョモニョ モグモグ
 毒キノコ「」モグモグ

クレア「クロシュさん……!? それは毒キノコです、食べてはいけません!」

スライムクロシュ「〜〜」モニャニャ

クル「クレア先生、クロシュちゃんって毒でもなんでも大丈夫みたいです」

クレア「ええっ……!? そ、そうなのですか……? クロシュさん、本当になんともありませんか?」

スライムクロシュ「〜〜♪」モニョモニョ

 *

 古びた机「」

クレア「おや……? この机だけ使われていた形跡が……」

レイ「ひ、引き出しの中を見てみましょう!」ガラッ

 古びた手書きのレシピ帳「」ポン!

クル「これは……手書きのレシピ帳?」

クレア「この字……聖ヴァレリオの筆跡と似ている……!? もしかしてこのレシピ帳は――」ペラッ

 ペラッペラッ
 レシピ帳『秘伝パスタの作り方』ドン!

クレア「……!! 間違いない……これは聖ヴァレリオの没後、行方不明となっていた彼のレシピ帳!!」

クロシュ「わあ……!!」

クレア「持って帰りましょう……これは国宝級のパスタレシピです!」

レイ「わ、わぁ〜」

クル「……聖ヴァレリオって、素パスタを喜んで食べてた人じゃありませんでしたっけ……」

 ☆クレアが秘伝パスタのレシピを手に入れました

 ◆
870 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2025/06/08(日) 00:09:07.49 ID:N69p16ex0
本日はここまでとなります。次回もよろしくお願いします
871 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2025/06/08(日) 02:14:44.65 ID:aB/t1czmo
おつでした
地味だけどかなり強い特性だよな>毒無効
872 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2025/06/08(日) 05:13:29.96 ID:vkVjBa9Bo
おつ
募集案そのままなら彼はヴィーガンっぽいから
野菜だけを使ったレシピかもしれない
873 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2025/06/08(日) 18:59:07.29 ID:N69p16ex0
毒無効はスライム類であれば大体持っている特性の一つです。毒を受けると性格が変化するスライム(ウォータースライムのシズクさん等)も時々いますが、生命活動に問題が生じるケースはほとんどないようです(性格の変化によって普段と異なる行動を取り、その結果として被害が生じることはあるかもしれません)

聖ヴァレリオ氏は動物の肉を食すことを嫌ったとされています。それが食べ物の好みによるものだったのか、哲学的信念による選択だったのかは今のところはっきりとわかっておらず、しばしば議論されたりされなかったりしているようです。そしてその秘伝パスタレシピも、お肉を使わないものである可能性が極めて高いと思われます
874 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2025/06/08(日) 18:59:34.23 ID:N69p16ex0
―王都セイントレア 滞在10日目

◇クロシュ [あかちゃんスライム]
武:星霊の剣     盾:ラティアの大盾  飾:くすんだ耳飾り
武:竜珠の大杖    防:竜のエプロン   飾:不死鳥の羽根

◇妖精   [世話焼き妖精]
武:         盾:         飾:くすんだ耳飾り
武:         防:精霊のレオタード 飾:

◇イリス  [星の魔法使い]
武:蒼き星の杖    盾:         飾:くすんだ耳飾り
武:ブラッドランス  防:魔術師のローブ  飾:

◇ミスティ [氷の魔法使い]
武:氷の短刀     盾:         飾:くすんだ耳飾り
武:         防:氷竜革のローブ  飾:

◇ローガン [鋼の戦士]
武:蜥蜴一文字    盾:灼鋼の盾     飾:くすんだ耳飾り
武:鋼の回転ノコギリ 防:オリハル鎖帷子  飾:

◇エバンス [地の傭兵]
武:古代の鉄槌    盾:         飾:くすんだ耳飾り
武:魔銀の刀     防:硬質革鎧     飾:

◯所持アイテム
[道具]        [装備品]       [大事なもの]
運命賽*2       蜘蛛絹の下着      魔族国永久旅券
会心賽*1       ザリガニのお守り    フメイの服の切れ端
反魂丹*1       大きな巻き貝      精霊の印
鉄鍋+携帯調理器具   闇の欠片        精霊樹の実のジャム
「星の魔力」上中下   フリルワンピ水着    精霊樹の鉢植え+赤雷球
お宿の妖精の織物    魔法学園のスク水    フメイとアリシラの人形
魔導飯盒        ガラスのザリガニ    メルルの帽子
妨害魔力波発生装置   踊り子の双剣      溶岩石のアミュレット
属性大全        サボテンドラゴンの花  太陽のメダリオン
魔王図鑑        精霊のローブ      暗黒優待券
氷精の魔導書      精霊樹の杖[改]    冒険者証(ランク1)
ブラッドワイン*1   銀のナイフ       大魔女帝国渡航権
吸血鬼殺ワイン*1   ダイヤメリケンサック  かたたたきけん
魔術書「正負の属性」  パラサイトソード    大魔女帝国滞在許可証
吸血鬼の日焼け止め               風船印のパラシュート
日蝕の傘                    ラティア勲章
大魔女サイン*1                ユーシリア王家の紋章
古代のセラミック
ステライト鉱石
晴れ乞い傘
チョコスムージー
ヒヒイロカネ
氷魔力結晶
魔導書「絶対零度」

◯現在の目標
・フメイちゃんを探す
・世界樹の光を追う[4/5]
・最悪の未来を阻止する

◯努力目標
・カリスに造られた者たちを助ける
・戦争を阻止する
・大司祭を探す
・枢機卿の悪事を暴く(達成!)
・レイの行方を追う(達成!)

◯仲間の目標
・カリス・ノーランドを討つ(ミスティ)

◯経験値
・クロシュ 剣技[03/07] 魔法[06/07] 防御[00/07] 再現[2/3]
・イリス  杖術[02/06] 魔法[15/16]
・ミスティ 剣技[05/07] 魔法[11/16]
・ローガン 剣技[16/16] 魔法[06/08] 防御[07/08]
・エバンス 剣技[16/16] 魔法[07/08]
……………………………………………………………………………………
□王都セイントレア
王城:未探索
城下:教会、孤児院、市場、食事処、酒場、浴場、娼館、冒険者ギルド
   中央広場、公園、学校、図書館、博物館、劇場、闘技場、未探索
……………………………………………………………………………………
□セクリエ・ロイエ
大聖堂、大聖堂別館、美術館、庭園、お土産屋、未探索、他
……………………………………………………………………………………
875 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2025/06/08(日) 19:00:00.24 ID:N69p16ex0
―朝
 聖ヴァレリオ教会 宿泊室

 窓「」ヒュルルッ

風の精霊『伝言だよ〜』ヒュルヒュル

妖精「ん〜? こんな朝早くに誰から?」ノソ

風の精霊『使徒から!』

妖精「えっ!?」

 *

ミスティ「……それで、風の精霊はなんて?」

妖精「原理派の僧兵と王国兵の連合軍は既に進軍準備に入っており、今日から5日後に魔族国へ攻撃を仕掛ける作戦だって……。招集される戦力の中にはカリスに造られた奴らも入るみたい。もちろん、セインとフリューゲルも……」

クロシュ「!!」

ローガン「まずいな……大魔女も力を貸してくれるそうだが、カリスが関わるとなると……」

ミスティ「しかも5日後ですって……? 預言の日とかぶっているじゃない……」

エバンス「世界めくれと開戦が同時に起こればとんでもないことになりそうだな……」

妖精「うん……。その二つが同時に勃発することだけは避けたい。どちらか片方でもとんでもないんだから」

クロシュ「……セインさんたちを……逃がせれば……」

エバンス「ああ。セインたちが戦争に関わらなければ、連合軍の練度は低いみたいだし作戦は失敗すると思うぞ」

ローガン「逆に言えば……もし開戦前に連合軍を瓦解させられたとしても、セインくんたちの参戦を阻止しなければ最悪の可能性が消えることはないとも言えるかもしれん……」

イリス「そうですね……。セインくんたちを逃がして、戦争の勃発も阻止して、誰も血を流さないで済むようにできれば一番良いんですけど……」

ミスティ「5日後だから……実質的なタイムリミットはあと4日ね。それまでにどうにかできないと、王国も魔族国もただでは済まないわ……」

クロシュ「……!」グッ

王都セイントレア滞在10日目。15日目に戦争と何かが起こりそうです
↓4〜6 自由安価 何をする?
876 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2025/06/08(日) 19:14:41.35 ID:aB/t1czmo
セイン達を開放するのが手っ取り早いっぽい?
877 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2025/06/08(日) 19:17:10.69 ID:QG4QAgwk0
再現魔法の練習
878 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2025/06/08(日) 19:17:33.37 ID:DoW6Xcb6O
今までの地方から励ましの手紙が届く
879 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2025/06/08(日) 19:17:38.72 ID:jrpXXxZi0
ミスティ、家庭教師の依頼に挑戦
880 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2025/06/08(日) 19:17:49.45 ID:1Mvmd047O
イリス ザックと模擬戦して槍術と杖術を強化
881 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2025/06/08(日) 19:18:13.20 ID:B34sqv1po
再現を完全にマスターして、伝説スライムの一端を覚醒させる
882 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2025/06/08(日) 20:33:36.27 ID:N69p16ex0
―冒険者ギルド 王都支部

ローガン「これを見て欲しい」ペラッ

 依頼書『家庭教師募集 未経験不可』

クロシュ「?」

ミスティ「家庭教師募集の依頼書? それがどうかしたの?」

ローガン「これの依頼人だ」

 依頼書『依頼人:ハンタイハス・キゾクィス』

ローガン「このキゾクィス家は、この王都において差別反対や戦争反対運動を支援している数少ない貴族の一つだ」

ミスティ「えっ? 貴族なのに反対しているの?」

妖精「王に粛清とかされないの?」

ローガン「アルベール王の他種族に対する苛烈さや歴代でも有数のものだが、同時に国民への寛大さも極めて高いと言われている。その寛大さは当然貴族たちにも適応されるわけでな」

ミスティ「反対運動をしていても多目に見てもらえるということね」

妖精「歯牙にもかけていないとも取れそう」

ローガン「うむ……実際この王国内では、どれほどの大貴族であろうと王族の小指の先程度にも及ばぬ。そうであるが故の寛大さ、余裕とも言えるだろうな」

ミスティ「……それで、この反対派貴族の家庭教師依頼をどうするの?」

ローガン「うむ……これに応募してこの貴族と接触を図り、反対派運動に一枚噛んでみる――というのはどうだろうか?」

妖精「なるほどね……でもこれ、未経験不可って書いてあるよ。ローガンって家庭教師経験とかあるの?」

ローガン「……妖精くんは? 太母と言われるくらいなら……」

妖精「いや私妖精だし……人間に教えるべき知識なんてないし、家庭教師なんてのもやったことないよ」

ローガン「……ミスティくんは?」

ミスティ「あるわけないでしょ……」

クロシュ「……」

ローガン「クロシュくんは……聞くまでもないか……」

妖精「ローガン……もしかして未経験不可って文字が見えてなかった?」

ローガン「……面目ない」

ミスティ「ローガンさんでもこんな失敗をすることがあるのね」

妖精「でもまあローガンは元騎士のおじさんだし、経験ありますって言い張れば誤魔化せるんじゃない?」

ローガン「う、うむ……であればここは私が――」

クロシュ「!」

ミスティ「クロシュ? どうしたの?」

クロシュ「……ここ……」

 依頼書『追記:男性不可』

ローガン「なんだと……」

 *

ミスティ「というわけで私が行くことになってしまったわ……」

妖精「でも男性不可なんて依頼ちょっと胡散臭いし、やめた方が良いんじゃない……?」

ローガン「うむ……私としても、ミスティくんに危険な橋を渡って欲しくはない」

ミスティ「でも反対派の貴族と接触できればいろいろ便利かもしれないわ。危なかったら凍らせて逃げるから大丈夫」

ローガン「貴族に怪我を負わせるのも困るのだが……」

ミスティ「まあまずは面接からよ。落ちればどうしようもないし、気楽にいきましょう」

↓1コンマ
01-60 落ちた
61-90 受かった
91-00 ??
883 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2025/06/08(日) 20:40:07.55 ID:9scvViMZ0
はい
884 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2025/06/08(日) 21:18:22.86 ID:N69p16ex0
受付嬢「……厳正な審査の結果、誠に残念ながら不採用とさせて頂きます。ミスティ様の今後のご活躍を心よりお祈り申し上げます……とのことです」

クロシュ「わ……」

ミスティ「まあ……それはそうなるわよね……。でもちょっと落ち込むわ……」

ローガン「……すまぬ」

妖精「まあまあ……反対運動に関わる方法はこれだけじゃないんだから、他の方法を探そう」

ローガン「うむ……。家庭教師の募集に対して、反対派だからと下心を持って応募するというのがそもそも良い行いではなかったな。本当にすまぬ」

ミスティ「いえ、別に良いわ……。でもそう考えると、落ちて良かった気がするわね」

 ◇

―聖ヴァレリオ教会

ザック「備品の搬入終わったぜ!」

クレア「ありがとうございます」

イリス「花壇の水やり、終わりました〜」

クレア「イリスさんもありがとうございます」


ザック「……聞いたぞ? 君があのダークヒーローイリスなんだってな」ヌッ

イリス「えっ……!?」

ザック「というわけでここは一つ、手合わせ願おう! 光のヒーローことこのザックと、闇のヒーローである君の、どちらがよりヒーローなのか……決着を付けようじゃないか!」

イリス「ええ……」

クレア「ザックさん……イリスさんを困らせないで仕事に戻ってください。司教に言いつけますよ」

ザック「うっ……す、すまない。それでは……」スッ

イリス「いやまあ……模擬戦くらいならいいですけど……」

ザック「おっ本当か!?」

クレア「はぁ……ザックさん、くれぐれもイリスさんを怪我させないでください」

ザック「当然だ!」

クレア「イリスさんはザックさんを怪我させてもいいです。いつものことなので」

イリス「ええっ……!? い、いやいや……怪我はさせませんよ、こっちも!」

↓1コンマ
01-35 敗北
36-45 引き分け
46-90 勝利
91-00 会心
885 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2025/06/08(日) 21:22:36.73 ID:QG4QAgwk0
886 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2025/06/08(日) 21:52:07.78 ID:N69p16ex0
―セイントレア平原

 高圧血流「」ドギュウウウッ!!

ザック「ぐわーッ!」ドッギャァァァン!!


イリス「はあ、はあ……! ど、どうだ!」シャキン!


ミラ「勝者、イリスさん。お疲れ様でした」パチパチ


血溜まりに沈むザック「」


ミラ「……ザックさん血まみれだけど大丈夫?」

イリス「あれは水魔法で作った血っぽい液体で、ザックさん自身の血ではないので……多分大丈夫……のはず……」

 *

ザック「負けた……!」

イリス「接近戦に持ち込まれたら危なかったので……。でも血魔法、非殺傷魔法としてもけっこう使えそうですね」

ミラ「水魔法とは違うのかな?」

イリス「私はまだそれほど使いこなせてないけど、凝固度をもっと上手に調整できれば固体や半固体の物質としても扱えそうなの。水よりもサラサラしてないから、似てるように見えて使い方は全然違いそうな感じ」

ミラ「へえ……でも血を操るってかっこいいね。吸血鬼みたいだ」

イリス「吸血鬼の方からお借りした槍を使ってるから、あながち間違ってはいないかも……」

ザック「吸血鬼の操血術だったとは……ダークヒーローの噂は本当だったのだな!」

イリス「いや、どんな噂ですか……」

 ☆勝利により魔法経験と近接経験をそれぞれ+1獲得しました

 ☆イリスの魔法レベルが1上がり、上限に達しました

 ◇
887 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2025/06/08(日) 21:53:09.17 ID:N69p16ex0
―午後
 聖ヴァレリオ教会 庭

 日差し「」キラキラ
 花壇「」
 咲いた花「」ユラユラ

スライムクロシュ「……」


エバンス(お……再現ってやつの練習か)

妖精(そうみたい。集中してるみたいだから、そっと見守ろう)

エバンス(おう)


スライムクロシュ「……」

ちょうちょ「」ヒラヒラ…ピト

スライムクロシュ「……」


↓1コンマ(スライム技能+80、一度できた+40、最難関技-100)
01-10 失敗
11-90 成功(3/3)
91-00 ??
888 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2025/06/08(日) 22:06:39.63 ID:aB/t1czmo
成功のその先へ!
889 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2025/06/08(日) 23:05:55.77 ID:N69p16ex0
スライムクロシュ「……」モニョモニョ…グググ…


 潮騒の音「」サァァァ… ササァァン…


妖精「!」

エバンス(……波の、音……?)


スライムクロシュ「……」モニョニョニョ…
 生えてくる巻き貝「」ググググ…


 ポン!!!!


再現タニシクロシュ「〜〜!」モニョニョ


妖精「ウミタニシ……!! でも、同化じゃないんだよね……!?」

エバンス「あ、ああ! 見ろ、貝殻ならこっちにある!」

 大きな巻き貝「」ゴロン

妖精「ということは……クロシュ、貝殻なしでウミタニシとの同化と同じ力を……再現したんだ!」

再現タニシクロシュ「〜〜!」モニョモニョ

エバンス「すげえぞ! これで、カリスの奴に捕まってる子たちのことも再現できりゃあ……!」

妖精「うん! 呪いの解明に一気に近づく……!!」


再現タニシクロシュ「〜〜…」モニョニョ…

 グググ…デロデロ…

スライムクロシュ「」デロロ…


エバンス「おおっ……!? ど、どうしたんだ……!? 溶けちまったぞ……!?」

妖精「……本来は同化に必要な物質なしに力を再現するわけだから、たぶん通常の同化よりもかなり疲れるんだと思う。ウミタニシの貝殻は同化における燃費が軽い方の物体だったと思うけど、それでもこの短時間で限界になっちゃうくらいには……」

エバンス「マジか……」

半スライムクロシュ「うん……。おなか、すいた……」モニョモニョ…

妖精「となると……強力な属性を身に宿す各属性スライムや光の精霊は燃費が悪くなりすぎてもっと厳しいだろうし、不死鳥の羽根は言わずもがな……。基本的には手元にある物体を使って、どうしても手元にないものと同化したい時にだけ再現を使うのが良いのかも」

半スライムクロシュ「うん……」モニョ

妖精「とりあえず今は、カリスのとこにいた誰かを再現して大魔女に診てもらうのが最優先かな?」

半スライムクロシュ「ん……!」モニョニョ

 ☆クロシュがスライム奥義再現≠習得しました
  燃費が悪く、通常の同化よりもお腹が減りやすいです

 ◆
890 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2025/06/08(日) 23:08:06.24 ID:N69p16ex0
―翌朝
 大聖堂別館 中庭

 チュンチュン

ちびスライムクロシュ『さいげん、できた……!』モニョニョ

セイン「! 本当か……!」

黄スライム『んわわ〜!』キャッキャ

灰スライム『すごい……』モニョニョ

フレア「クロシュちゃん、ほんとにすごいスライムなんだあ……」

セイン「それじゃあ……僕たちとも同化できるか?」

ちびスライムクロシュ『ん!』モニョ

フリューゲル「万全を期す為には全員と同化して覚えていった方が良いわ。もし一人ひとり呪いの仕様が異なるものだったら、一人だけを解析できてもその一人しか助からない」

灰スライム『……生きてるものとの同化はちょっと危ないけど……でも、再現を使えるほどのクロシュなら大丈夫かな……?』

黄スライム『ボクたちが抵抗しなければ大丈夫だよ!』

 ◇

 デロデロ…モニョモニョ…ポン!

ちびスライムクロシュ『おぼえた……!』モニョモニョ

灰スライム『ふわ……同化されるのって……なんか、ヘンな感じ……』モニャニャ…

フリューゲル「お疲れ様、クロシュさん……。あとは――」


アイス「……」


セイン「アイス……できれば、お前も……」

アイス「やだ……。クロシュと同化なんて……きもちわるい……」

ちびスライムクロシュ「〜〜…」デロロ…

フレア「あ、アイスちゃん! 言っていいことと悪いことがあるよっ……!!」

アイス「ふん……」

セイン「アイス……」

アイス「………セインたちには……ちょっとだけ、せわになったから……カリスに、つげぐち……しない……。でも……もう、なかまじゃ……ない……」

セイン「……」

アイス「……カリスの……ペットは……アイスひとりで、じゅうぶん……」

黄スライム『で、でもアイスちゃん……カリスは、アイスちゃんに酷い呪いをかけてて……クロシュちゃんは、それを解こうとしてくれてるだけなの……!』

アイス「よけいなおせわ……。いらない……」


フリューゲル(……もし私たちが脱走して……ここにアイス一人になったら……アイスはたった一人で、カリスの実験台となり続けることになる……。セインが守ることもできないから……きっと、その未来は……)


ちびスライムクロシュ「……」


どうしよう……
↓1選択
1.がんばって説得する(↓1コンマ81以上で成功、10以下で大失敗)
2.今回は引き下がる……
0.自由安価(状況にそぐわないものは再安価)
891 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2025/06/08(日) 23:12:39.43 ID:9scvViMZ0
無理はよくないから
2
892 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2025/06/08(日) 23:12:44.98 ID:aB/t1czmo
……会心賽使い所かも
すみません今回1選択でコンマに会心賽使えますか?
893 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2025/06/08(日) 23:20:06.16 ID:N69p16ex0
会心賽は使えます……が、今回は無理をせず引き下がることとなりました。慎重さを覚えたクロシュ氏なのでした
894 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2025/06/08(日) 23:20:40.26 ID:N69p16ex0
ちびスライムクロシュ(……へたなこと言ったら……よけいに嫌がらせちゃうかも……)


ちびスライムクロシュ『……』モニョニョ…

セイン「……クロシュ、すまない。ひとまず今は、今覚えた分の再現を大魔女に診てもらって欲しい」

ちびスライムクロシュ『うん……』モニョニョ…

セイン「アイスについては……少し時間をくれ。こちらでもできることを探してみる……」

ちびスライムクロシュ『……わかった……』モニョ…

 ☆セイン、フレア、黄スライム、灰スライム、フリューゲルの再現を覚えました

 ◇

王都セイントレア滞在11日目。15日目に何かが起こります
↓1〜3 自由安価 何をする?
895 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2025/06/08(日) 23:21:49.47 ID:DoW6Xcb6O
ダークヒーローイリス、奴隷解放組織からスカウトされる
896 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2025/06/08(日) 23:25:23.36 ID:vkVjBa9Bo
早速呪いの解析を
897 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2025/06/08(日) 23:25:25.28 ID:QG4QAgwk0
グランドマスターに大司祭の事を聞いてみる
898 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2025/06/08(日) 23:25:54.52 ID:GSAt6mWLO
地力を上げる修行回
899 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2025/06/08(日) 23:47:06.64 ID:N69p16ex0
―朝
 聖ヴァレリオ教会 宿泊室

ちびスライムクロシュ「〜〜!」ピョンピョンピョン

妖精「帰ってきた!」

スライムクロシュ「〜〜!」モニョニョ

 デロデロ…モニョニョ…

 *

クロシュ「……アイスちゃん以外は……再現、できそう……」

ミスティ「アイスは……あの銀髪の少女よね……」

クロシュ「うん……。カリスのこと……すきだって……」

イリス「カリス・ノーランドめ……! 洗脳して自分を好きにさせるなんて、卑劣な真似を……!」ググッ

妖精「でも生きてる相手と同化する場合、相手が嫌がってるとすごく危ないんだよね……。困ったね……」

クロシュ「うん……。セインさんが……できること、考えてくれるって、言ってたけど……」

イリス「……セインくんって優しいし……前に話した感じだと、たぶん自分よりもその子たちのことを大事にしてるから……」

ミスティ「……最悪、アイス以外を逃がしたら自分だけアイスと一緒に残るなんて言い出しかねないわね」

クロシュ「……」

妖精「うう〜ん……」

 コンコン ガチャッ

クレア「イリスさん宛にお手紙です」

イリス「えっ、私に?」

クレア「はい……しかし差出人が書かれていないので、お気を付けください。魔力や刃物の類は込められていないので、その手紙自体に危険はないかと思いますが……」

イリス「な、なんだろう……。とりあえずありがとうございます」

クレア「いえいえ。困ったことがありましたらいつでも相談してくださいね。それでは」

 ガチャ パタム

 イリス宛の手紙「」

ミスティ「……で、その手紙は何なのかしら?」

妖精「とりあえず開けてみれば? 危険はないみたいだし」

イリス「そ、そうだね!」


↓1コンマ
01-30 過激派奴隷解放組織
31-60 零細奴隷解放組織
61-90 貴族主催奴隷解放組織
91-00 ???
900 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2025/06/08(日) 23:49:09.71 ID:GSAt6mWLO
901 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2025/06/09(月) 00:16:31.10 ID:11w6ajvR0
 手紙『突然のご連絡、どうかお許し頂きたい。こちらにかの高名なダークヒーローイリス殿が宿泊なさっているとお聞きし、この度書簡を送らせていただくことに――』


ミスティ「前置きが長いわね……」

イリス「でもこのやけにもったいぶった書き方って……」


 手紙『――ということで、是非ともダークヒーロー殿の一助を頂きたく願います。もし賛同の意を表して頂けるのであれば、本日昼に中央広場にて行われる反対運動にイリス殿もお越しください。よろしくお願い致します。ハンタイハス・キゾクィス&ハンナ・キゾクィス』


ミスティ「……ん? この署名……」

妖精「ローガンが言ってた反対派貴族の名前だ」

イリス「ええっ!? お貴族様がなんで私なんかを……!?」

妖精「反対運動を加速させる為にダークヒーローイリスの影響力が欲しいんじゃない? ほら、ダークヒーローイリスってけっこう実績があるし」

ミスティ「そうね……今までに巡ってきた国々で、ダークヒーローは多くの命を救ったり、致命的な差別や迫害を鎮めて来たりしたわ……」

妖精「うん。それにこちらとしても都合が良いかも。反対運動を激化させられれば、王国軍やグランドマスターをさらに弱体化させられるかもしれないし」

イリス「な、なるほど……。じゃあ行ってみようか、お昼の反対運動に……」

クロシュ「うん!」

クローディア「クロシュはお留守番よ。覚えてきたものをしっかり私に見せる為にね」ヌッ

クロシュ「わ!」

イリス「大魔女様!」

ミスティ「出たわね……」

クローディア「話はわかっているわ。各々ができることをやっていきましょう。それが最善の未来に繋がるはずよ」

妖精「話が早いのは助かるけど前触れなく部屋の中に現れないで欲しいかな……」

 ◇
902 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2025/06/09(月) 00:16:58.33 ID:11w6ajvR0
本日はここまでとなります。次回もよろしくお願いいたします

コンマ判定が絡むところでは、会心賽は使えるものと思って頂いて大丈夫です。アイスさんについてはまだ運命が確定したわけではないので、今後の行動次第で未来は広がります。残り日数は少ないですが有意義な行動を心がけていただければ良いと思います
903 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2025/06/09(月) 02:10:36.88 ID:aLW4VmCoO
おつ。
次こそは修行回をとって経験値を入れたいな。
大きな戦闘に備えてレベルアップできるところはしておきたい。
904 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2025/06/09(月) 14:39:03.27 ID:wltj3ZyY0
乙です。
廃城で入手した魔導書はじめデッドストックになりかけてるアイテムもいくつかあるから何とか活用していきたいな。
905 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2025/06/14(土) 21:44:44.95 ID:+LD9ujjH0
預言の日への備えについては、個々の戦闘力よりも具体的な情報や対策の方が効果が大きいです。訓練をすれば経験を積むことはできますが、残り日数は限られているので他のことをした方が良いかもしれません

拾ったアイテムについては、実用品というよりは実績とか記念品に近いものが多いので無理に活用する必要はありません。魔導書の類は読めば属性レベルが上がりますが、残り日数は限られているので他のことをした方が良いかもしれません
906 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2025/06/14(土) 21:45:12.20 ID:+LD9ujjH0
―聖ヴァレリオ教会 宿泊室

 モニョモニョ…ポン!

再現灰スライムクロシュ「……」モニョニョ

妖精「灰色のスライム……ストーンスライムに似ているね。地属性の力も感じられる」

再現灰スライムクロシュ『そうなんだ……』モニョニョ

クローディア「クロシュが覚えてきたものはこれで全部?」

再現灰スライムクロシュ『うん……』モニョ

妖精「どう? わかりそう?」

クローディア「ええ。予想通り、一人一人僅かに異なる呪いがかけられていたわ。事前に見ておいて正解だった」

 モニョモニョ…ポン

クロシュ「みんな、たすかる……?」

クローディア「助けるわ。ただ、あなたやフメイにかけられていたものよりもかなり複雑で厄介な呪いみたいなのよね。今すぐに全員分の解呪術式を用意してあげるのは難しいわ……」

クロシュ「……えっと……もう一人……アイスって、子が……いて……」

クローディア「わかっているわ。あの溶けた氷魔力の持ち主でしょ? 今あなたが見せてくれた中には、氷魔力を持つ姿がなかったから」

クロシュ「………その子も……助けたい……。だから……えっと……」

クローディア「再現して見せてくれれば、必ず助けるための術式を組むわ。あとは――あなたの頑張り次第よ」

クロシュ「……! うん……!」


妖精「ところで今わかった分の術式はいつ完成するの?」

クローディア「3日後の夜には完成させられると思うわ」

妖精「3日後の夜って、開戦予定日の前夜だよ! もうちょっと早くできない!?」

クローディア「無理。これでもかなり限界なのよ……。文句を言うなら、大魔女をここまで手こずらせそうな呪いを作り上げたカリスに言って頂戴」

妖精「後からアイスの分を追加なんてしたら後ろにズレたりしない?」

クローディア「大魔女の誇りにかけて、必ず3日後の夜には完成させるわ。アイスの追加があっても絶対に間に合わせる。だから安心して」

妖精「わ、わかったよ。クロシュもわかった?」

クロシュ「うん……! 間に合ったら……間に合う……!」

 ☆3日後の夜(滞在14日目の行動終了時)に解呪の術式が完成し、救出イベントへ移行します

 ※それまでにアイスを説得できたかどうかにより、運命が大きく変化する可能性があります

 ◆
907 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2025/06/14(土) 21:45:42.99 ID:+LD9ujjH0
―王都セイントレア 中央広場

 ワーワー ギャアギャア

戦争反対派「グランドマスターは戦争をやめろー!」

奴隷反対派「奴隷を解放せよ!」

 ワーワー ギャアギャア



クロシュ「わあ……」

妖精「けっこう派手にやってるなあ」


イリス「あ、クロシュちゃん! 妖精さん!」

エバンス「大魔女の検診は終わったのか?」

妖精「うん。3日後の夜までにはなんとかするってさ」

エバンス「ギリギリだな……」

妖精「そっちは? 奴隷解放組織と話してきたんでしょ?」

エバンス「おう。都合の良い時で構わないから、ダークヒーローイリスとして演説とかしてくれると助かるってさ」

イリス「ど、どうしよう……?」

妖精「まあ……都合の良い時にやれば良いんじゃない? この王都でダークヒーローイリスの名声がどこまで通用するかは知らないけど」

エバンス「悪の人間を裏切って魔族に付いたダークヒーロー……って設定なんだよな。王都民ウケがどうかはちょっと判断が付かないが……」

イリス「そういえばそんな設定でした……」

 ☆ダークヒーローとして活動する際、貴族主催奴隷解放組織の後方支援を受けることができます

 *
908 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2025/06/14(土) 21:46:08.56 ID:+LD9ujjH0
過激反対派「ロイエ教の恥!」
過激反対派「レイシズム野郎!」
過激反対派「グランドマスターは謝罪しろ!」

 石「」ポイポイ
  石「」ポイポイ

グランドマスター「愚民共が……!」サッサッ



妖精「ところであそこで石を投げられているのは……」

イリス「グランドマスターだね……」

クロシュ「! 聖女さんと、僧侶さんの……お父さんのこと……」

エバンス「あいつに聞けって話だったな!」

クロシュ「うん……!」

妖精「でもあのグランドマスターが素直に教えてくれるかどうか……」

イリス「とにかく聞くだけ聞いてみよう!」

 *

クロシュ「……グランドマスター、さん……」ヒョコッ

グランドマスター「……チッ、貴様ら……何の用だ」

妖精「大司祭ってやつの行方を知らない?」

グランドマスター「は? なぜ貴様らが奴のことなど……」

クロシュ「えっと――」


エバンス(待てクロシュちゃん、こいつに余計な情報を与えるな)

クロシュ(……!)

エバンス(俺たちが聖女や僧侶と繋がりがあるなんて知ったら、こいつは彼女たちに危害を加えるかもしれない。だからその辺りの事情は話さない方が良い)

クロシュ(う、うん……!)


グランドマスター「ハッ、人にものを聞いておきながらこそこそ密談ですか? この枢機卿を相手に失礼な輩がいたものです」

妖精「あなたはもうそんなに偉ぶれる立場でもないと思うけど……」

グランドマスター「フン、貴様たちのせいでね。で、大司祭のことでしたか?」


↓1コンマ
01-60 どこでしょうね?
61-90 教えて差し上げましょう
91-00 ???
909 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2025/06/14(土) 21:48:43.28 ID:vIgojprLo
???
910 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2025/06/14(土) 22:08:54.68 ID:+LD9ujjH0
グランドマスター「どこでしょうね?」

エバンス「おい、知っているなら――」

グランドマスター「なぜあなた方の要求に応じる必要が? 敵に塩を贈る趣味はありません」

イリス「……知ってはいるんですね?」

グランドマスター「クク……クックック……ファーッハッハッハ!」

妖精「ちょ、いきなり何……!? 気が狂ったの……!?」

グランドマスター「ククク……失礼。あなた方が彼を探しているということが、あまりにも面白かったものでね」

エバンス「……どういうことだ?」

グランドマスター「彼は殺されたんですよ。他でもない――あなた方の手でね!!!!」

クロシュ「!?」

妖精「は、はあ……!? 何を言ってるの!?」

グランドマスター「私から教えられることはこれだけです。ハハッ、無益な人探しご苦労様でしたね! それでは!」スタスタ


クロシュ「……」

 デロデロ…

スライムクロシュ「」デロロ


イリス「ああっ、クロシュちゃん……! あんな奴の言うこと信じちゃだめ!」

エバンス「そ、そうだぞ! 大体、俺たちが大司祭を殺したなんてありえないだろ!」

スライムクロシュ「……」モニョニョ…


妖精(でも、あのグランドマスターの様子……本気で私たちのことを嘲笑っているようだった……)

妖精(……虚言にしては……あまりに、真に迫りすぎている……)

妖精(どういうこと……? あのグランドマスターの気が狂っているのか……)

妖精(それとも……まさか、本当に私たちが……?)

妖精(いや……エバンスの言う通り、ありえない。ありえないはず……)

 ☆大司祭をクロシュたちが殺した?という真偽不明の情報を得ました

 ◆
911 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2025/06/14(土) 22:27:19.93 ID:+EcldYH+O
もしかしてクロシュが食べた聖域の精核の中に大司祭がいた?
色々な色の精核があったし
912 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2025/06/14(土) 22:52:09.98 ID:+LD9ujjH0
―王都セイントレア 滞在12日目

◇クロシュ [あかちゃんスライム]
武:星霊の剣     盾:ラティアの大盾  飾:くすんだ耳飾り
武:竜珠の大杖    防:竜のエプロン   飾:不死鳥の羽根

◇妖精   [世話焼き妖精]
武:         盾:         飾:くすんだ耳飾り
武:         防:精霊のレオタード 飾:

◇イリス  [星の魔法使い]
武:蒼き星の杖    盾:         飾:くすんだ耳飾り
武:ブラッドランス  防:魔術師のローブ  飾:

◇ミスティ [氷の魔法使い]
武:氷の短刀     盾:         飾:くすんだ耳飾り
武:         防:氷竜革のローブ  飾:

◇ローガン [鋼の戦士]
武:蜥蜴一文字    盾:灼鋼の盾     飾:くすんだ耳飾り
武:鋼の回転ノコギリ 防:オリハル鎖帷子  飾:

◇エバンス [地の傭兵]
武:古代の鉄槌    盾:         飾:くすんだ耳飾り
武:魔銀の刀     防:硬質革鎧     飾:

◯所持アイテム
[道具]        [装備品]       [大事なもの]
運命賽*2       蜘蛛絹の下着      魔族国永久旅券
会心賽*1       ザリガニのお守り    フメイの服の切れ端
反魂丹*1       大きな巻き貝      精霊の印
鉄鍋+携帯調理器具   闇の欠片        精霊樹の実のジャム
「星の魔力」上中下   フリルワンピ水着    精霊樹の鉢植え+赤雷球
お宿の妖精の織物    魔法学園のスク水    フメイとアリシラの人形
魔導飯盒        ガラスのザリガニ    メルルの帽子
妨害魔力波発生装置   踊り子の双剣      溶岩石のアミュレット
属性大全        サボテンドラゴンの花  太陽のメダリオン
魔王図鑑        精霊のローブ      暗黒優待券
氷精の魔導書      精霊樹の杖[改]    冒険者証(ランク1)
ブラッドワイン*1   銀のナイフ       大魔女帝国渡航権
吸血鬼殺ワイン*1   ダイヤメリケンサック  かたたたきけん
魔術書「正負の属性」  パラサイトソード    大魔女帝国滞在許可証
吸血鬼の日焼け止め               風船印のパラシュート
日蝕の傘                    ラティア勲章
大魔女サイン*1                ユーシリア王家の紋章
古代のセラミック
ステライト鉱石
晴れ乞い傘
チョコスムージー
ヒヒイロカネ
氷魔力結晶
魔導書「絶対零度」

◯現在の目標
・フメイちゃんを探す
・世界樹の光を追う[4/5]
・最悪の未来を阻止する

◯努力目標
・カリスに造られた者たちを助ける
・戦争を阻止する
・大司祭を探す
・枢機卿の悪事を暴く(達成!)
・レイの行方を追う(達成!)

◯仲間の目標
・カリス・ノーランドを討つ(ミスティ)

◯経験値
・クロシュ 剣技[03/07] 魔法[06/07] 防御[00/07]
・イリス  杖術[03/06] 魔法[16/16]
・ミスティ 剣技[05/07] 魔法[11/16]
・ローガン 剣技[16/16] 魔法[06/08] 防御[07/08]
・エバンス 剣技[16/16] 魔法[07/08]
……………………………………………………………………………………
□王都セイントレア
王城:未探索
城下:教会、孤児院、市場、食事処、酒場、浴場、娼館、冒険者ギルド
   中央広場、公園、学校、図書館、博物館、劇場、闘技場、未探索
……………………………………………………………………………………
□セクリエ・ロイエ
大聖堂、大聖堂別館、美術館、庭園、お土産屋、未探索、他
……………………………………………………………………………………
913 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2025/06/14(土) 22:52:58.04 ID:+LD9ujjH0
―朝
 聖ヴァレリオ教会 宿泊室

 チュンチュン

クロシュ「……」

クロシュ(……今日と、明日と、明後日に……やること……)


◯世界樹の光
・今できることはなさそう……

◯大司祭さん
・聖女さんと僧侶さんのお父さん
・お父さんがいれば、聖女さんと僧侶さんも、嬉しい
・預言について、何か知ってるかも……
・わたしたちが殺した……?
・みんなで話し合ったりすれば、わかる……?

◯戦争のこと
・ほっといても潰れるかも……
・イリスさんが、反対の演説とかする……?

◯セインさんたちのこと
・セインさん、フレアちゃん、黄スライムちゃん、灰スライムちゃん、フリューゲルさんの呪いを解く魔法は、大魔女さまが用意してくれる
・アイスちゃんの分は、まだ……
・なんでか、アイスちゃんに嫌われているみたい……
・でも、わたしは……アイスちゃんのこと、助けたい……
・アイスちゃんも助からないと……セインさんたちも、気持ち良く逃げられないかも……


クロシュ「……」

クロシュ(あと……自由に動けるのは、3日……)

クロシュ(……できることを、やらなきゃ)


王都セイントレア滞在12日目。15日目に戦争と何かが起こりそうです
↓2〜4 自由安価 何をする?
914 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2025/06/14(土) 22:53:48.67 ID:9YyAZ5LoO
メルルと一緒に王宮に潜入
915 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2025/06/14(土) 22:53:52.20 ID:HOyKXkkn0
妖精、お忍びできた国王と対話
916 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2025/06/14(土) 22:54:31.33 ID:tgbZC3gNO
大司祭行方考察
917 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2025/06/14(土) 22:54:51.53 ID:xn9nhD3xo
アイスちゃんと同化をかけた決闘や
918 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2025/06/14(土) 23:00:05.58 ID:AgPtlvANO
ガッタがたまたまクロシュ達のいる教会にやって来た
919 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2025/06/15(日) 00:05:41.18 ID:JHupTsEL0
―王都セイントレア

 ワイワイ ガヤガヤ

妖精(たまには妖精の身を生かして王国軍の偵察でもしてこようかな?)パタパタ

妖精(なんて思って一人で外を飛んでいたら――)


アルベール王「……」スタスタ


妖精(アルベール王が妙にみすぼらしい格好で歩いている。お忍びで城下の視察でもしているのかな?)

妖精(…………せっかくだし、緑の国の元首として少し話でもしてみるか)パタパタ


アルベール王「……」スッ

妖精「待った待った、ほらこれ! 巡礼者だよ、私!」

 巡礼証明書「」ポン

アルベール王「ふむ……そうか」

妖精「……それにしても、王様が騎士も従えずに一人でこんなとこを歩くなんて不用心じゃないの?」

アルベール王「そっくりそのまま返そう。緑の国の太母よ」

妖精「……知ってるんだ」

アルベール王「当然だろう。周辺国の長を知らぬ愚王がどこにいる」

妖精「それはまあ確かに……」

アルベール王「して、何用か?」

妖精「……用というほどでもないけど……ちょっと話をしたいと思ったの。人間以外にすごく厳しい王国の長がどんな奴なのか知りたかったし」

アルベール王「ふむ」

妖精「……単刀直入に聞くけど……なんで人間以外を異常なまでに排撃するの?」

アルベール王「……不思議に思うか? 王国の姿勢を」

妖精「そりゃそうだよ。アルベール王は自国の人間に対してはものすごく優しいのに、人間以外の種族にはすごく厳しくて恐ろしいって有名だけど、私にはそれがよくわからない。どうして人間には優しくできるのに、他の種族には優しくできないの?」

アルベール王「他の種族に優しくして、どうなる?」

妖精「えっ……?」

アルベール王「人は弱い。魔族よりも、エルフよりも、獣人よりも――スライムよりも。局所的に融和が成立することは確かにあり得るだろう。だが――恒久的な融和が続くことは、決してない。他種族の者は、いつか必ず弱い人間を見下し、虐げ、殺す。仇で返されることがわかっていて、わざわざ優しくしてやる理由などあるはずもない」

妖精「……だからって、他の種族を虐げて、殺すの?」

アルベール王「外敵を排除するのは自然な生命活動だと思うが?」

妖精「……外敵か。なるほどね……。私たちは結局、この星という大自然に生きる命の一つでしかない――。生きる為に殺し合い、奪い合うのは摂理――宿命と言える」

アルベール王「そうだ。そしてこのセイントレア王国もまた、一つの巨大な命と言っても差し支えない。命が生きるには、他の命を奪い、他の命を喰らい、他の命を排除しなければならない。私はただ――その巨大な仕組みに殉じているに過ぎない」

妖精「……大体わかったよ。ありがとう」

アルベール王「そうか」


妖精(アルベール王……どうにもならないこの世界の体現者みたいな男だ。でも……それこそが、命の本質でもあるように思う……)

妖精(……お忍び視察中みたいだし、まだ少し話せるかも。どうするかな)


↓1〜2選択 話すこと
1.戦争について
2.王都の世論について
3.デロデロについて
0.自由安価(状況にそぐわないものは再安価)
920 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2025/06/15(日) 00:11:48.75 ID:+UG8u5/Yo
3
921 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2025/06/15(日) 00:13:24.10 ID:IfIRw+o80
1
922 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2025/06/15(日) 00:14:08.32 ID:JHupTsEL0
本日はここまで。次回もよろしくお願いします
923 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2025/06/15(日) 08:34:52.22 ID:zFN8BgCK0
おつ
妖精さんクロシュママもいいが一国の王としての威厳もあるのよき
924 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2025/06/15(日) 10:36:02.52 ID:kNzgELLZo
おつおつ
グラマスクズ外道だからブラフの可能性もあるがしかしはたして…?
925 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2025/06/15(日) 15:51:25.32 ID:JHupTsEL0
妖精氏は普段はクロシュの保護者面をしているお節介妖精ですが、実は緑の国を興した者としての厳格な一面もあったりなかったりするようです。なお本人的には、国の長はもう面倒でコリゴリだと思っているようです

グランドマスター氏は性格が悪いので、嫌がらせのつもりでいい加減なことを言った可能性もあります。しかしクロシュ氏はどうもグランドマスター氏の放言が気にかかっているらしく、少し考えてみるつもりでいるようです

なお既に気付いている方もおられましたが、大司祭氏の行方は実は既に手の届くところだったりします。あとはクロシュ氏のインチキ能力でどうにかなるでしょう
926 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2025/06/15(日) 15:51:55.47 ID:JHupTsEL0

妖精「そういえば王国と枢機卿が共同で魔族国に戦争を仕掛けるらしいけど、本気なの? 魔族国の捕虜の中には、マリー・セイントレア……あなたの娘もいたはずだけど」

アルベール王「人質解放については再三に渡って協議を重ねてきたが、芳しい成果は得られなかった。ゆえに武力による奪還を試みる他ないと判断したまでだ」

妖精「……枢機卿のグランドマスターは、人質ごと殺すつもりでいるみたいだけど?」

アルベール王「……先日出回ったあの映像のことか。当然ながら、王国としてはそのような判断を行うつもりは毛頭ない。我が国の民は可能な限り救助する」

妖精「そうなんだ……。連合軍内で意見が食い違ってるのはちょっと危ないんじゃないの? グランドマスターが人質を殺そうとしたらどうするの?」

アルベール王「事実確認中ゆえ、真偽不明の情報を元にした仮定についての回答は差し控えさせて頂く」

妖精「……娘のマリーのこと、心配?」

アルベール「……」

↓1コンマ
01-60 王に感情は不要だ
61-90 娘だけ特別扱いはできない
91-00 ???
927 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2025/06/15(日) 15:54:59.22 ID:sEaE7qyFO
はい
928 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2025/06/15(日) 18:43:10.98 ID:JHupTsEL0
アルベール王「王に感情は不要。王国にとって最も良き未来を目指すこと――それが王の責務だ」

妖精「そう……」


妖精(……でも本当に感情がなかったら、わざわざ不要なんて言わないよね)

妖精(もし王じゃなかったら、国よりも娘を優先できる? なんて……流石に聞けないか)

 *

妖精「そういえばデロデロ教って知ってる?」

アルベール王「最近にわかに増えていると聞いている。詳細までは知らぬが」

妖精「簡単に言えば、世界全てがデロデロに溶けちゃえば差別も争いもなくなって幸せだよって考え方みたい」

アルベール王「そういう考え方もあるか」

妖精「あれ、否定しないんだ?」

アルベール王「特段否定する必要性は感じない。過激な手段でもって我が国を脅かすのであれば別だが」

妖精「ああ、なるほど……。確かに今のところ、デロデロ教は穏健的な布教活動をするだけで悪さはしてないみたい」

アルベール王「我が国ではロイエ教を国教としているが、それとは別に信教の自由を保障している。もし国民がそのデロデロ教を信仰しようとも、その意思は尊重されるべきだ」

妖精「本当に自国民には甘いんだなあ……。あなた個人はデロデロについてどう思う?」

アルベール王「……溶けた状態がどのようなものか想像できず、理解もできない――というのが正直なところだ」

妖精「まあ人間ならそう思うのが普通かも……」

 ☆アルベール王と話をしました

 ◆
929 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2025/06/15(日) 18:43:39.38 ID:JHupTsEL0
―聖ヴァレリオ教会 宿泊室

クロシュ「グランドマスターさんが……言ってたこと、だけど……」

ローガン「我々が大司祭殿を殺した――と」

イリス「私たちへの嫌がらせでいい加減なことを言ったんじゃないかな……」

クロシュ「でも……ちょっと、気になる……」

エバンス「確かに言いがかりにしては意味がわからないしな。俺たちには当然殺した記憶なんてないわけだし」

ミスティ「……もし殺したとして……なぜそれをグランドマスターが知っているのか、という点も気になるわね。私たちとグランドマスターには面識もほとんどないのに」

ローガン「大司祭が既に殺されているのだとしても、あの原理派活動日誌によればむしろグランドマスターの方が容疑者として怪しいくらいだが……」

イリス「うーん……やっぱり意味がわかりません」

クロシュ「……」

 ☆>>911さんのレスが正解だったため、判定なしで正解に辿り着きます

クロシュ「!」ピコン!

エバンス「ん? クロシュちゃん、何かわかったのか?」

クロシュ「ちょっと……夢の中、潜ってみる……!」

イリス「えっ、どういうこと……!?」

 ◇

―クロシュの夢
 夢の集落

クロシュ「……」キョロキョロ

ヴァン「やあ、クロシュちゃん! お昼寝かな?」スタスタ

クロシュ「えっと……わたしが、前に食べた……精核っていう、えっと……」

夢の女神「精霊や魔族を原料にして造られた物質だよね。あれを探しに?」

クロシュ「うん……。ここに、いる……?」

夢の女神「……クロシュちゃんに食べられた全ての命が、この集落に留まるわけじゃないの。普通に食べた命のほとんどは、さらに内側の奥深くへ吸収されて、完全にクロシュちゃんの一部となる。そうなっちゃうと……今クロシュちゃんが考えていることを実行に移すのは、ちょっと難しいかも……」

クロシュ「むずかしい……?」

夢の女神「うん……。例えるなら……コーヒーの中に溶けた角砂糖を、コーヒーの中から全く同じ形状・組成にして取り出すような……そんな感じ」

ヴァン「そうだね……溶けた魂を取り出すのは、普通は無理なんだ」

クロシュ「んゅ……」デロ…

夢の女神「普通なら、ね?」

クロシュ「?」

ヴァン「フッフッフ……ここには夢の専門家が二人もいるだろう? いや、クロシュちゃんも含めれば三人かな?」

クロシュ「!」

セレナディア「四人の間違いじゃない〜?」ズシンズシン

ヴァン「セレナディアは食べる専門じゃないか!」

ブラッドの欠片「あたしも手伝ってやろうか? 夢の力は概ね真似できるし、スライムの内側についてはあたしの方が詳しいし」ヒョコ

夢の女神「わ、ありがとう! 確かにスライムについて詳しいブラッドちゃんが手伝ってくれるとすごく助かる!」

ブラッドの欠片「大司祭って奴はどうでもいいんだけど、世界めくれとかいう面倒事に巻き込まれるのはゴメンだからね」

クロシュ「んへへ……ありがと……!」

 ◇
930 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2025/06/15(日) 18:44:31.49 ID:JHupTsEL0
―クロシュの夢 深層

 近くの空に浮かぶ白い光「」ユラユラ


クロシュ「……」キョロキョロ

魂の砕屑「」フヨフヨ…

クロシュ(! ちょっと……聖女さんと僧侶さんに……似てる、気がする……!)

魂の砕屑「しんぱい……しんぱい……むすめたち……しんぱい……」フヤフヤ

クロシュ「娘たち……聖女さんと、僧侶さんのこと……?」

魂の砕屑「そう……。ほんとうのなまえ……おもいだせない……。しんぱい……」

クロシュ「あなたは……大司祭さん……?」

魂の砕屑「そう……だった……きがする……」

クロシュ「! じゃあ……聖女さんたちに……会う……!!」

 ◇
931 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2025/06/15(日) 18:45:39.24 ID:JHupTsEL0
―夢の集落

集まった魂の砕屑「」フヨフヨ


セレナディア「あっさり集まったじゃん〜」

夢の女神「クロシュちゃんが彼の精核を食べてからそれほど経ってなかったのが幸いしたみたい」

ブラッドの欠片「もう何日か経ってたらかなりしんどい作業になってたかもね」

ヴァン「さあクロシュちゃん! あとはこの魂の欠片を元通りの形に治してあげよう! そうすれば彼をあの復活の魔法で蘇らせられるようになる!」

クロシュ「うん……!!」スッ

 夢の魔法「」キラキラ

集まった魂の砕屑「」キラキラ―

 スゥ――
 ポン!!

大司祭「はっ……ここはどこだ……?」キョロキョロ

クロシュ「……大司祭、さん……?」

大司祭「いかにもそうだが……君は……?」

クロシュ「わたし……クロシュ……。スライム……」

大司祭「スライム……?」

クロシュ「聖女さんと……僧侶さんに……会う……!!」

大司祭「な、何……!? どういうことだ……!?」

 *

大司祭「そんなことになっているのか……!」

クロシュ「うん……。だから、えっと……これから、わたしの魔法で……お外に……」


不死鳥の羽根「待ちなさい、クロシュ」ヌッ

クロシュ「わっ……!」

不死鳥の羽根「今日、あなたはアイスに決闘を申し込むつもりでしょう? それなら今は不死鳥の力を温存した方が良いわ」

クロシュ「で、でも……はやく、聖女さんたちに……」

不死鳥の羽根「大司祭は形を取り戻したばかりで少し混乱しているわ。ここで自分のことや、王都やロイエ教の現況を把握してからでも遅くはないはず。彼の持っている情報についても、ここで私たちが聴取できる」

クロシュ「!」

不死鳥の羽根「逸る気持ちはわかる。でも全てを救いたいなら、適切な行動を心がけなさい」

クロシュ「ん!」


大司祭「……つまり、どういうことだ?」

クロシュ「えっと……あとで、復活……する!」

大司祭「わからん……」

 ☆大司祭復活の準備が整いました
  不死鳥の力を使っても良さそうな時に復活させます

 ◇
932 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2025/06/15(日) 19:33:57.23 ID:kNzgELLZo
消えかけの魂の欠片状態でも残っていた意志が娘達の心配だったんだなぁ……
933 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2025/06/15(日) 20:30:11.35 ID:JHupTsEL0
―王都セイントレア 地下水路

 地下水路「」ザァザァ

クロシュ「……」

妖精「クロシュ……アイスに決闘を挑むって本気なの?」

クロシュ「ん」

妖精「でもあいつ、ものすごく強いよ。クロシュ一人じゃ厳しいんじゃ……」

クロシュ「……でも……きっと、こういうやり方じゃなきゃ……アイスちゃんは、納得しない……」

妖精「そういうものなのかなあ……」


 シュタッ

アイス「……きたよ」トコトコ

黄スライム『ボクは……立ち会いスライムだよ!』モニョモニョ


クロシュ「アイスちゃん……」

妖精「じゃあ、互いに賭けるものについて確認しよう。まずこっちが勝った場合――アイスはクロシュに同化させられてもらう、で良いね?」

黄スライム『うん! アイスちゃん、抵抗しちゃだめだよ?』モニョモニョ

アイス「まけないし……。アイスがかったら……クロシュは、カリスのところにもどって……いっしょう、アイスのこぶん……。いい……?」

クロシュ「う、うん……」


妖精(……最悪の場合、物陰で待機しているイリスたちに乱入してもらってクロシュを奪還しなきゃならないけど……そうなったらアイスの説得は限りなく絶望的になる……。どうにかクロシュ一人の力で勝てるような策を考えないと……!)


どう戦う?
↓1〜 先取3票
1.炎・光で速攻
2.水・盾で防御重視
3.風・雷で柔軟に
4.相手の作る氷と同化する
5.運命に身を任せる(運命賽−1)
0.自由安価(票数は内容ごと)
934 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2025/06/15(日) 20:33:32.95 ID:FQ/pi48yO
4

運命賽の使い時かもしれないけど。
935 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2025/06/15(日) 20:33:36.06 ID:zFN8BgCK0
936 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2025/06/15(日) 20:37:19.93 ID:PjdHCB1aO
0迷彩魔法で翻弄
937 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2025/06/15(日) 20:42:02.80 ID:Ry6xAaYbo
4
938 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2025/06/15(日) 20:42:18.02 ID:kNzgELLZo
運命賽迷うが
3
939 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2025/06/15(日) 20:44:41.25 ID:+UG8u5/Yo
5
940 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2025/06/15(日) 20:49:40.38 ID:IfIRw+o80
5
941 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2025/06/15(日) 21:05:41.49 ID:k+G5PE0cO
5
942 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2025/06/15(日) 21:19:06.65 ID:JHupTsEL0
 石の賽「」コロン―



クロシュ「……同化は……使わない……」

妖精「ええっ!? ちょ、ちょっと!! そんなんじゃ絶対に勝てないよ!!」

クロシュ「決闘は……自分の、ちからだけでするもの……。アイスちゃんも……自分の力だけ……だから、わたしも……」グッ


アイス「……」

黄スライム『んわわ……クロシュちゃん……』

アイス「……」


 ――戦闘開始 アイス――

 ★アイスが〈冷獄〉を発動!
  毎ターン相手のコンマ-10累積!!

◇自陣(勇気+10)
・不死鳥化しない

◇敵陣(力量差+80)
・冷獄(毎ターン相手のコンマ-10累積)

↓1コンマ(合計-70)
01-10 痛恨
11-50 劣勢
51-90 優勢
91-00 会心
943 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2025/06/15(日) 21:21:21.83 ID:FQ/pi48yO
00きてくれ!
944 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2025/06/15(日) 22:17:50.61 ID:JHupTsEL0
 ポン!

トカゲクロシュ「」シュタタッ!!


黄スライム『わ! クロシュちゃんがトカゲになった!』モニョニョ

妖精「あれは反映魔法を使った擬態……! でもそんなんじゃ――」


アイス「……」スッ

 瞬間凍結「」ギンッ!!

氷漬けトカゲクロシュ「」カチンコチン

アイス「よわ……」


背後のスライムクロシュ「!」モニョッ!

アイス「えっ、今氷漬けに――」

 ベチンッ!!
 氷の障壁「」ピキピキ…

スライムクロシュ「〜〜…!!」モニョニョ…!!

アイス「あぶな……ど、どうやって……あっ」


氷漬け分体スライムクロシュ「」カチンコチン


アイス「分体……!」

分体スライムクロシュ「!」モニョッ!
分体大亀クロシュ「!」モニョニョッ!
分体カタツムリクロシュ「!」モニョニョニョッ!

 ピョンピョン!! ノシノシ モゾモゾ
  ベチンッ!! ドガッ!! モグモグ…
   氷の障壁「」ピシッピシッ…

     バリィンッ!!

クロシュ「氷、割った……!!」

アイス「ちょうしにのるな……!!」スゥ―

 パキッ――

氷漬け分体スライムクロシュ「」カチンコチン
氷漬け分体大亀クロシュ「」カチンコチン
氷漬け分体カタツムリクロシュ「」カチンコチン
氷漬けクロシュ「」カチンコチン


黄スライム『んわ、んわわっ……!』モニャニャ

妖精「くっ……!! 数で攻めても、あの広範囲の瞬間凍結じゃ……!!」


氷漬けクロシュ「」カチンコチン

アイス「……まけるに、きまってる。クロシュ……よわいくせに……」

氷漬けクロシュ「」カチンコチン

アイス「………」

氷漬けクロシュ「」カチンコチン

アイス「なんで……なにが、したかったの……」

 ベチッ
  パキッ…パキキ…

クロシュ「……みんなの、ちからで……かっても……。アイスちゃんは……きっと、わたしのこと……みとめて、くれないって……おもった……」

アイス「……」

クロシュ「だから……自分の、ちからだけで……かち、たかった……」ジワワ…
945 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2025/06/15(日) 22:18:44.59 ID:JHupTsEL0

 ポロポロ…

クロシュ「…………わたし……カリスの、とこ……もどって……アイスちゃんの……こぶんに、なる……」ポロポロ…

アイス「……なんで」

クロシュ「……ほえ……」ポロポロ

アイス「なんで……カリスのとこから……にげたの……?」

クロシュ「………おぼえて……ない……。でも……みんな……ひどいこと、されたって……」

アイス「………」

クロシュ「………アイスちゃんは……ひどいこと……されて、ないの……?」

アイス「…………アイスは……カリスの、いちばんだもん……」

クロシュ「……そうなの……?」ポロポロ

アイス「………」

 ――カリス『はぁ〜ブラッドちゃんどこ行っちゃったのかなあ〜』
 ――カリス『新しい星属性の検体がどっかに落ちてたりしないかなあ〜』
 ――カリス『クロシュちゃんかぁ……! ブラッドちゃんを超える逸材かも……!』
 ――カリス『中庭の拡張? セインの頼みなら仕方ないか。ヘソを曲げられても困るし』
 ――カリス『ああ、あの子? 便利さでは一番かな。将来性はイマイチだけど。まさに佳作ね』

 ――『ああ、あの子? 便利さでは一番かな。将来性はイマイチだけど。まさに佳作ね』
 ――『便利さでは一番かな』

アイス「…………いちばん……だもん……」ジワ…

クロシュ「………」

アイス「……なんで……なんで、ブラッドなの……。セインなの……。クロシュ、なの……」

クロシュ「……?」

アイス「なんでっ……なんでっ……!!」

 ペチンッ!

クロシュ「っ」

アイス「なんでっ!!」

 ペチンッペチンッ

クロシュ「……」

アイス「なんで……よぉ……」ポロポロ

クロシュ「アイス……ちゃん……」


アイス「………同化……したいなら……して、けば……」ポロポロ

クロシュ「……?」

アイス「アイスが……いなくなったって……カリス……こまらない……」ポロポロ

クロシュ「……」

アイス「………どうせ……アイス……いらないこだもん……」ポロポロ
946 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2025/06/15(日) 22:22:25.83 ID:JHupTsEL0

黄スライム『そんなこと、ない!!』モニョニョ!!

アイス「……?」ポロポロ

灰スライム『遅いから、来てみたら……アイス、泣いてるの……?』モニョモニョ

アイス「おまえ、たち……」ポロポロ

セイン「……アイスは、いらない子なんかじゃない。僕にとっては、アイスも大事な家族の一人だ。だから……そんな風に、自分を言うな」

アイス「………」グスッ


セイン「……クロシュ、ありがとう」

クロシュ「セインさん……」

セイン「アイスと……同化、できるか?」

クロシュ「うん……」

 ☆アイスの再現を覚えました

 ◆
947 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2025/06/15(日) 22:36:18.06 ID:JHupTsEL0
―夜
 聖ヴァレリオ教会 宿泊室

 ポン!

再現アイスクロシュ「……」

クローディア「……はい、解析終わり」

 デロデロ…モニョモニョ…ポン

クロシュ「ん……」

クローディア「今の子の分も含めて、明後日の夜には間に合わせるわ。彼らの居住地への侵入はクロシュに任せて良いのよね?」

クロシュ「うん……」

クローディア「……何か浮かない様子ね。嫌なことでもあった?」

クロシュ「……アイスちゃん……カリスのこと……すきなのに……。カリスは……アイスちゃんのこと……道具に、してる……」

クローディア「………」

クロシュ「……わたし……カリス、許せない……。でも……アイスちゃんの気持ち……どうしたら、良いのか……わかんない……」

クローディア「………そうね……。でもだからってカリスを野放しにしても、アイスが救われるわけじゃない……。カリスに愛されたいという果たされない願いが、積み重なり……カリスの邪悪に利用されるだけ。それはわかるわね」

クロシュ「うん……」

クローディア「……今解析した感じだと、アイスはまだとても幼い子みたい。時が経てば……きっと、自分の置かれていた状況や、カリスのことについて、正しく理解できる日が来るわ。だから彼女を虐げるカリスを討つ。それが、今できる最善よ」

クロシュ「うん……!」

 ☆滞在14日目の行動終了時、解呪の術式が完成して救出イベントへ移行します
  アイスも含め、全員を助ける準備が整いました

 ◆
948 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2025/06/15(日) 23:41:13.22 ID:JHupTsEL0
―王都セイントレア 滞在13日目

◇クロシュ [あかちゃんスライム]
武:星霊の剣     盾:ラティアの大盾  飾:くすんだ耳飾り
武:竜珠の大杖    防:竜のエプロン   飾:不死鳥の羽根

◇妖精   [世話焼き妖精]
武:         盾:         飾:くすんだ耳飾り
武:         防:精霊のレオタード 飾:

◇イリス  [星の魔法使い]
武:蒼き星の杖    盾:         飾:くすんだ耳飾り
武:ブラッドランス  防:魔術師のローブ  飾:

◇ミスティ [氷の魔法使い]
武:氷の短刀     盾:         飾:くすんだ耳飾り
武:         防:氷竜革のローブ  飾:

◇ローガン [鋼の戦士]
武:蜥蜴一文字    盾:灼鋼の盾     飾:くすんだ耳飾り
武:鋼の回転ノコギリ 防:オリハル鎖帷子  飾:

◇エバンス [地の傭兵]
武:古代の鉄槌    盾:         飾:くすんだ耳飾り
武:魔銀の刀     防:硬質革鎧     飾:

◯所持アイテム
[道具]        [装備品]       [大事なもの]
運命賽*1       蜘蛛絹の下着      魔族国永久旅券
会心賽*1       ザリガニのお守り    フメイの服の切れ端
反魂丹*1       大きな巻き貝      精霊の印
鉄鍋+携帯調理器具   闇の欠片        精霊樹の実のジャム
「星の魔力」上中下   フリルワンピ水着    精霊樹の鉢植え+赤雷球
お宿の妖精の織物    魔法学園のスク水    フメイとアリシラの人形
魔導飯盒        ガラスのザリガニ    メルルの帽子
妨害魔力波発生装置   踊り子の双剣      溶岩石のアミュレット
属性大全        サボテンドラゴンの花  太陽のメダリオン
魔王図鑑        精霊のローブ      暗黒優待券
氷精の魔導書      精霊樹の杖[改]    冒険者証(ランク1)
ブラッドワイン*1   銀のナイフ       大魔女帝国渡航権
吸血鬼殺ワイン*1   ダイヤメリケンサック  かたたたきけん
魔術書「正負の属性」  パラサイトソード    大魔女帝国滞在許可証
吸血鬼の日焼け止め               風船印のパラシュート
日蝕の傘                    ラティア勲章
大魔女サイン*1                ユーシリア王家の紋章
古代のセラミック
ステライト鉱石
晴れ乞い傘
チョコスムージー
ヒヒイロカネ
氷魔力結晶
魔導書「絶対零度」

◯現在の目標
・フメイちゃんを探す
・世界樹の光を追う[4/5]
・最悪の未来を阻止する

◯努力目標
・カリスに造られた者たちを助ける
・戦争を阻止する
・大司祭を探す(達成!)
・枢機卿の悪事を暴く(達成!)
・レイの行方を追う(達成!)

◯仲間の目標
・カリス・ノーランドを討つ(ミスティ)

◯経験値
・クロシュ 剣技[03/07] 魔法[06/07] 防御[00/07]
・イリス  杖術[03/06] 魔法[16/16]
・ミスティ 剣技[05/07] 魔法[11/16]
・ローガン 剣技[16/16] 魔法[06/08] 防御[07/08]
・エバンス 剣技[16/16] 魔法[07/08]
……………………………………………………………………………………
□王都セイントレア
王城:未探索
城下:教会、孤児院、市場、食事処、酒場、浴場、娼館、冒険者ギルド
   中央広場、公園、学校、図書館、博物館、劇場、闘技場、未探索
……………………………………………………………………………………
□セクリエ・ロイエ
大聖堂、大聖堂別館、美術館、庭園、お土産屋、未探索、他
……………………………………………………………………………………
949 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2025/06/15(日) 23:42:05.50 ID:JHupTsEL0
―朝
 聖ヴァレリオ教会 庭

不死鳥クロシュ「コッコッコ…」メラメラ

 再誕の炎「」ゴオオオッ

 カッ!!!

大司祭「うおおおっ!!?」アタフタ


僧侶「お、お、おとう……」

聖女「お父さま!!?!?」

大司祭「……!!?!? 聖女、僧侶……!?」

聖女「生きて……生きてたんですね……!!」ジワワ

大司祭「い、いや……生きていたというか……?」

僧侶「良かったです、お父様ぁ……!」ポロポロ


デロデロ教徒「んわわ〜! よかった、ほんとによかったです!」キャッキャ

妖精「感動の再会だね」

クロシュ「んへへ……」

 *
950 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2025/06/15(日) 23:43:19.60 ID:JHupTsEL0
聖女「――」グスグス
僧侶「――」ポロポロ
デロデロ教徒「〜〜!」キャッキャ
クロシュ「〜〜」キャッキャ


大司祭「さて……君たちは既に私のことや、世界樹の光のこと……世界めくれのことも知っているそうだな」

妖精「うん。聖女たちをあなたに会わせてあげたかったのもあるけど、あなたが日誌に書いたことを具体的に聞きたかったのもある」

大司祭「……聖女には伝えないでおいてくれるか? あの子に余計な罪悪感を背負わせたくない」

エバンス「おう。世界めくれについては何も伝えてないし、これからも伝える気はないぜ」

大司祭「助かる」

妖精「まず確認したいんだけど、あの日誌に書いてあることは真実なんだよね?」

大司祭「そうだ。20年ほど前に私が目の当たりにし、そして耳にした預言だ」

ミスティ「その預言は絶対に当たると言い切れるの?」

大司祭「……私は預言者ではないから、断言はできないが……当時のあの子が未来のことを口にすると、それは必ずその通りになった。私の覚えている限り、的中率は100%だ」

ローガン「ううむ……であれば、やはり楽観視はできませんな」

大司祭「それに――あの使徒様も、この与太話としか思えない話を信じてくれた。原理派の者でない君たちにはわからないかもしれないが、使徒様は極めて優れた星属性の力を持つ聡明なお方だ。彼女が信じてくれたこと、それ自体がある意味信用に値するものであると言えば、理解してくれるだろうか?」

妖精「まあ……使徒とももう話したよ。世界樹の光を寄越せって言われた」

大司祭「それこそが我らの目的だったのだからな。彼女に任せれば、世界めくれを阻止する為に世界樹の光を使ってくれるはずだ。枢機卿の力も弱まっている今、邪魔立てする輩はいまい」

妖精「うーん……世界めくれを阻止したいのは私たちも同じなんだけど……どうもあの使徒ってやつが信用できなくて」

大司祭「なんだと……」

妖精「今のところ、世界めくれの前兆なんて全くないんだよ。星脈の状態を確認できる世界樹の精霊もそう言ってるんだから、本当に全くないんだ。あるとすれば、誰かが人為的に発生させる場合くらい……んで、そんなことができる強い力は世界樹の光くらいなの」

大司祭「まさか……使徒様が世界めくれを引き起こすと疑っているのか……!?」

妖精「……状況的に、引き起こせそうなのが使徒くらいしかいないから……」

大司祭「なんだと……」

妖精「大司祭は他に何か知ってることないの? どうやって世界めくれが起こるか、とか」

大司祭「あの日誌に書いてあることが全てだ」

妖精「そう……」



クロシュ「……」

デロデロ教徒「おはなし……むずかしそう……!」

クロシュ「うん……」

デロデロ教徒「えへへ、でも良かった……僧侶ちゃんがあんな風に泣いてるとこ、初めて見ました」

クロシュ「んへへ……わたしも……」

デロデロ教徒「これから、いっぱい、いっぱい、家族で仲良くできるといいですっ」

クロシュ「うん……!」

デロデロ教徒「あっ、でもそうなったら……僧侶ちゃん、わたしのこと構ってくれなくなっちゃうかなあ……?」

僧侶「何をくだらない心配しているんです? 今の私はデロデロ派なんですから、これからもあなたをこき使うに決まってるじゃないですか」

デロデロ教徒「んわわ、僧侶ちゃん!」モニャニャ

聖女「あはは……お姉ちゃん、あんまり厳しくしちゃだめですよ」


 ☆努力目標「大司祭を探す」を達成しました


王都セイントレア滞在13日目。15日目に戦争と何かが起こりそうです
↓2〜4 自由安価 何をする?
951 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2025/06/15(日) 23:43:46.06 ID:VyYRgbt7O
マリーから手紙が届く
952 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2025/06/15(日) 23:43:49.04 ID:zFN8BgCK0
ミスティ、イリスと本気の模擬戦。
953 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2025/06/15(日) 23:47:24.94 ID:AFudjwN9O
クロシュ
スライム能力更に鍛えてクロシュヴィア化しよう
954 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2025/06/15(日) 23:47:27.31 ID:rya5siyaO
>>918
955 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2025/06/15(日) 23:52:36.80 ID:JHupTsEL0
本日はここまで。次回もよろしくお願いします
956 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2025/06/16(月) 00:03:31.22 ID:4++7j8szO

アイスちゃん…クロシュちゃんの優しさを理解できる日が来ると良いな
デロデロ教徒ちゃんは癒し
957 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2025/06/16(月) 00:41:06.67 ID:XPz0Fxpfo
おつ
残りの問題は世界めくれだけかな
これだけは起こってみないと対応がわからんね…
958 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2025/06/16(月) 01:07:00.23 ID:5tnByF3no
おつおつでした
アイスちゃんが健気でキュッとなる
でもこれもカリスの洗脳の影響かも知れない…ホンマクズじゃん!
959 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2025/06/21(土) 14:57:09.54 ID:lD8IZAgi0
アイスちゃんは実のところクロシュ氏よりあかちゃんなので、まだまだ学ぶべきことがたくさんあるのかもしれません。いろいろ上手くいけば、勉強する時間はきっとたくさん取れるようになると思います
デロデロ教徒さんはあかちゃんではありませんが、一般的なスライムらしいほわほわした人物のようです。クロシュ氏にとってはそういうスライム仲間がいると嬉しいのかもしれません

なんと、全ての努力目標を達成(見込み含む)したようです。おめでとうございます。あとは預言の日に向けて、おいしいごはんを食べたり、あったかいお風呂に入ったりして英気を養うのが良いかもしれません。未探索の場所を探索するのも良いですが、もう時間があまりないので間に合わないかもしれません
世界めくれについては今のところ対策のしようがないので、高度の柔軟性を維持しつつ臨機応変に行動するのが良いでしょう

アイスちゃんはカリスのことが大好きですが、カリスが自分を大好きじゃないことにも気付いています。それでも今まではなんとか自分のことを騙し騙しやってきていましたが、この度ついに自分を騙し切れなくなってしまったようです
セインがカリスや王国と交渉を始める前は、カリスの創造物たちは今よりもずっと多かったようです。その頃はアイスのようにカリスを慕う者も少なくなかったのですが、そのほとんどは既に亡き者となっています
960 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2025/06/21(土) 14:57:38.56 ID:lD8IZAgi0
―朝
 聖ヴァレリオ教会 宿泊室

 窓「」ガラッ

ハーピィ記者「おはようございます!」ヌッ

イリス「わ! 今度はいつもの記者さんですか……」

ハーピィ記者「今ここは中央大陸で一番ホットですからね。でも今日来たのはただの郵便配達ですよ、ご安心ください」スッ

 マリーからの手紙「」ポン

イリス「マリー・セイントレア……えっ!?」

ハーピィ記者「はい。先の魔族革命で大きな成果を挙げたダークヒーローとその一行にお伝えしたいことがあるそうです」

ミスティ「私たちに……? 直接的な面識は反魂丹で蘇生させた時の一度きりだけれど……」

ローガン「ひとまず中身を確認しよう。良い知らせであれば良いが」

エバンス「しかし話には聞いてたが、セイントレアの王族とも繋がりがあるんだな……」


↓1コンマ
01-40 ダークヒーローたちへの応援
41-70 あるお願い
71-90 ↑+???
91-00 ???
961 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2025/06/21(土) 15:15:13.97 ID:TvE4euqB0
962 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2025/06/21(土) 16:44:13.82 ID:VhkrqbCPO
あれ?前回の行動安価で2〜4までと書いてあるから>>952
>>954だから>>951の「マリーからの手紙が届く」は違うのでは?
963 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2025/06/21(土) 17:55:46.41 ID:lD8IZAgi0
間違えました。でもけっこう書いてしまったので、お詫びに今回の自由安価枠は4つということにします
964 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2025/06/21(土) 17:56:31.54 ID:lD8IZAgi0
 手紙『』ペラッ

イリス(手紙は、まず反魂丹を使って命を救われたことや捕虜の扱いを改善させたダークヒーローへの感謝に始まり……)

イリス(今は少々の不自由こそあれど尊厳と文化的な生活が保障された豊かな暮らしを送れていることが綴られ……)

イリス(……病気を患っている母……セイントレア王妃様を心配する言葉と……もし機会があれば、この手紙に書かれていることと同封されているものを王妃に届けて欲しい旨が描かれていた)


イリス(同封されていたのは、蜘蛛絹で織られた上質なハンカチが数枚と、何かの薬だ。ハンカチの何枚かは私たちへの贈り物だそう。そしてお薬は……フラナ先生が調合した、王妃様の病気を治す特効薬なのだそうだ)

イリス(そして別紙には、隠し通路まで網羅されたセイントレア城の詳細な図面が描かれていた……)


ハーピィ記者「なるほどなるほど。つまりお城に侵入して王妃様に手紙と薬とハンカチを届けて欲しいということですね!」

イリス「……な、なんでこんな大事な役を私たちに……」

ハーピィ記者「普通の郵便じゃ、敵対国からの配達物が王族にそのまま届けられるなんて絶対無理ですからね。マリー氏からのものだとしても罠だと思われてしまいます。そういうわけですから、不法侵入もお手の物なダークヒーローさんたちに白羽の矢が立ったというわけですね」

ミスティ「あなたじゃだめなのかしら?」

ハーピィ記者「御冗談を! 空の上ならばどれほどの竜騎士に追い立てられようと捕まる気がしませんが、城の中となれば話は別です! この世界最高記者である私も蜂の巣を免れないでしょう」

ローガン「だがそれは我々も同じでは……? 城に不法侵入などして見つかればタダでは済まないが……」

ハーピィ記者「そのための隠し通路、そのためのクロシュちゃんではありませんか! いよっ、ダークヒーローの隠密担当スライム!」

スライムクロシュ「〜〜??」モニョニョ

妖精「……まあ、この隠し通路とかを上手く利用すればやれるか……? 念の為分体の遠隔操作で行くのが安全だけど」

ハーピィ記者「善は急げですよ! さあさあ、早速不法侵入に行きましょう!」

エバンス「こいつ、自分は安全だからって……」

ハーピィ記者「まあでも真面目な話、王妃が病気になる前はアルベール王もそこまで過激な差別主義者ではなかったんですよ。王妃の存在が彼の良心になっていた可能性はありますし、彼女が元気になれば少しはマシになるかも……と思わなくもないんですよね」

妖精「なるほど。だからフラナもわざわざ薬を調合したんだ」

ハーピィ記者「そういうことです。あとは王族であるマリー氏に恩を売る意図もあるでしょうね」

ローガン「ふむ……。届けてみる価値は十分にあるということか」

イリス「マリーさんの王妃様を心配する気持ちにも応えてあげたいですしね。とはいえ、またクロシュちゃん頼りになっちゃうけど……」

 モニョモニョ…ポン!

クロシュ「ん……! お手紙と、お薬……届ける……!」

 モニョモニョ…プチッ

分体ちびスライムクロシュ「〜〜!」モニョニョ!

 ☆マリーの手紙とハンカチと薬を王妃に届けることになりました

 ☆クリティカルにより本日中に不法侵入を行いお届けに確定成功します

 ◇
965 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2025/06/21(土) 17:58:16.11 ID:lD8IZAgi0
―セイントレア城 王妃の部屋

 大きなベッド「」

セイントレア王妃「……」


セイントレア王妃(……魔族国に軍事侵攻なんて……本気なの、アルベール……。マリーがまだ人質にされているのに……)

セイントレア王妃(………本気なら、止めないと……。でも……もう、一人で立って歩き回ることすら満足にできないこの体じゃ……)


セイントレア王妃「ゴホッゴホッ……!」


セイントレア王妃(……目が霞んで、呼吸が苦しい……)

セイントレア王妃(どうして……こんなことに、なってしまったの……)

 ピョンピョンピョン

分体ちびスライムクロシュ「〜〜!」モニョニョ

セイントレア王妃(黒い……スライムさん……? とうとう幻覚まで見えて……)

 モニョモニョ…ポン!

分体ちびクロシュ「えと……こんにちわ……!」

セイントレア王妃(スライムが小さな女の子になった……。この幻覚は一体何を暗示して……)

分体ちびクロシュ「おとどけもの、です……!」スッ

 手紙「」ポン!
 ハンカチ「」ポン!
 お薬「」ポン!

セイントレア王妃(女の子が……大きな手紙と、ハンカチと、錠剤の入った小瓶を取り出した……? どこに隠し持って……いえ、幻覚なのだから整合性なんて気にしても仕方ないわね……)

分体ちびクロシュ「マリーさんから……です……!」

セイントレア王妃「えっ……マリー、から……?」

分体ちびクロシュ「ん……!」コク

 手紙「」ペラッ

 *

セイントレア王妃(幻覚?の手紙を読んでみると……マリーが魔族国で息災に暮らしていることや……魔族国で蜘蛛絹のハンカチを織ったこと……魔族国の元首に特効薬を調合してもらったことなどが書かれていた……)

セイントレア王妃(そして……そのハンカチと薬も、今ここにある……)

 ハンカチ「」
 お薬「」

分体ちびクロシュ「……おくすり……飲める……?」

セイントレア王妃「……はい、大丈夫ですよ。マリーが用意してくれたお薬……大事に飲みますね」スッ

 お薬「」ポン
 ゴクッ

セイントレア王妃(……たとえ幻覚だとしても……マリーが私の為に用意してくれたお薬を、飲まずに捨てるなんてことはできない。いえ、むしろ幻覚で良かったかも……。だってもしアルベールが知れば、魔族国からの薬なんて絶対にすぐ捨ててしまうもの……)

分体ちびクロシュ「おみず、のむ……?」スッ

 お水「」ポン

セイントレア王妃「ありがとう……。いただきます」ゴクゴク

分体ちびクロシュ「んへへ……」

セイントレア王妃「ふぅ……。ところで……あなたは、誰なのですか……?」

分体ちびクロシュ「わたし……クロシュ……。スライム……!」

セイントレア王妃「あら、本当にスライムさんだったのね……。わざわざ届けてくれてありがとうございます」

分体ちびクロシュ「んへへ……」
966 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2025/06/21(土) 17:58:42.94 ID:lD8IZAgi0
 扉「」コンコン
アルベール王『私だ。入って構わないだろうか』


セイントレア王妃「!」

 隠されるお薬「」ササッ
 隠される手紙「」ササッ
 隠されるハンカチ「」ササッ

セイントレア王妃(早く、あなたもお布団の中に隠れて……!)

分体ちびクロシュ(んわわ……!)ササッ


セイントレア王妃「は、はい。お入りくださいませ」

 扉「」ガチャッ

アルベール王「失礼する」スタスタ

セイントレア王妃「お疲れ様です、アルベール」

アルベール王「……? 先程は誰と話をしていたのだ? 話し声が聞こえたが……」

セイントレア王妃「えっ……? あっ、すみません……。先日頂いた映像水晶の演劇が面白くて、つい台詞を口ずさんでしまって……」

アルベール王「ふむ……? そうか。演劇の真似をするくらいに調子が良いのなら、良いことだ」

セイントレア王妃「」ホッ

アルベール王「気に入ったのならまた別の映像水晶も取り寄せよう」

セイントレア王妃「はい。離島魔法女学院の続きが早く見たいですわ」

アルベール王「どんなお話なのだ? 今度私も一緒に――」


扉の向こう『お見舞いの最中失礼致します!! アルベール王、緊急の報告が!!』


アルベール王「……すまぬ。体を大事に過ごしてくれ」スッ スタスタ

セイントレア王妃「はい……。あなたもお気を付けて、アルベール」


 扉「」ガチャッ パタム


セイントレア王妃「ふぅ……」

分体ちびクロシュ「」ヒョコッ

セイントレア王妃「ごめんなさい、急に隠したりして。あの人……良い人なのだけど……魔族のことは、大嫌いなの……」

分体ちびクロシュ「ん……」

セイントレア王妃「今の彼のやり方が、とても過激でまずいことは……私もわかっているの……。でも、今の私には……」

 クラッ

セイントレア王妃「うっ……眠気が……。ごめんなさい、少し寝ますね……。もし良かったら……また、お話を……」

セイントレア王妃「……」zzz


分体ちびクロシュ「……」

分体ちびクロシュ(……しばらく……王妃さまと一緒にいようかな……?)

 ◇
967 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2025/06/21(土) 17:59:09.02 ID:lD8IZAgi0
―聖ヴァレリオ教会 宿泊室

クロシュ「……」

妖精「どう? 分体の調子は」

クロシュ「王妃さまのお部屋……無事、侵入できた」

エバンス「おお、やったな!」

クロシュ「王妃さま……寝ちゃったから……分体も、一緒に寝るみたい……」

ローガン「む……!? それは大丈夫なのか……?」

クロシュ「……だ、大丈夫だと思う……。今の私の分体なら……本体の私とほとんど同じくらい、いろいろできる……」

妖精「分体も同化が使えるんだよね。再現を覚えて来たのも分体だし」

クロシュ「うん。再現はお腹がすごく減るから、分体じゃすぐにデロデロになっちゃうと思うけど……。もし危なくなったら、風と同化して逃げる……!」

エバンス「なるほど、風ならどこでも同化できるのか……!」

ローガン「フッ、心配はいらなそうだな」

 ☆分体の一つを王妃のもとに忍ばせました

 ◇
968 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2025/06/21(土) 19:35:46.31 ID:lD8IZAgi0
―セイントレア平原

ミスティ「……」スッ

 瞬間凍結「」ガギンッ!

 瞬間凍結「」ガギンッ!

 瞬間凍結「」ガギンッ!

イリス「おお〜三連続! すごいキレだよ!」

ミスティ「あのアイスという少女に比べれば全然よ……」

イリス「あっ……」

ミスティ「……リベンジの機会もなくなった。わかっているわ。彼女と戦い、彼女を救うことができたのはクロシュだけだった。初めから私に出番はなかったのよ」

イリス「そ、それは……違うよ……!」

ミスティ「違わないわ。無理に慰めなくたって大丈夫よ」

イリス「……」

ミスティ「イリス……私と戦ってくれない? 本気で」

イリス「えっ……!?」

ミスティ「……思いっきり戦って……思いっきり叩きのめされれば……きっと、スッキリする気がするの。だから、お願い」

イリス「いやいや……しかも負ける前提なの!?」

ミスティ「負ける気はないわ……。でもイリスに勝てる気もしない……。だから大丈夫よ……」

イリス「なんかよくわからないけど……でもわかった。この旅もきっともうすぐ終わりだし――私も、ミスティとは一度本気で戦ってみたかったんだよね」

ミスティ「あら、あなたって意外と戦闘狂だったのかしら?」

イリス「魔法の撃ち合いが好きなだけだよ!」

ミスティ「十分戦闘狂っぽいわ……」

イリス「……と、とにかくやろう! 手加減無用、待ったなしの一本勝負!」

ミスティ「ええ。よろしく――」スッ

 ゴゴゴゴゴ…

イリス「じゃあ――行くよ!」バッ


↓1コンマ一桁 勝者
1 イリス
2 ミスティ
3 引き分け
4 イリス
5 ミスティ
6 引き分け
7 イリス
8 ミスティ
9 引き分け
0 ???
969 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2025/06/21(土) 19:38:07.54 ID:JYvoxOfso
はてな
970 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2025/06/21(土) 21:03:11.51 ID:lD8IZAgi0
 ドッギャァァァァン!!!!

黒焦げミスティ「」プスプス…


イリス「はあ、はあ……はっ! ミスティ大丈夫!?」タタッ

 *

ミスティ「ふう……ありがとう、スッキリしたわ」

イリス「ご、ごめん! 寸止めするつもりだったんだけど……!」

ミスティ「大丈夫よ、見ての通り大事には至ってない」

イリス「そ、そう……?」


ミスティ「私……世界樹の光のことが解決したら……旅も、魔法使いも、辞めようと思う」

イリス「え、ええっ!? スッキリするどころかなんか悪いスイッチが入ってない……!?」

ミスティ「弱気になったわけではないの。ただ、向いていないことを続けても仕方ないでしょう? それを確認できたからスッキリしたのよ」

イリス「え、ええ……才能あると思うけど……。ミスティくらいの歳でそこまで氷魔法を使える人なんて見たことないし……」

ミスティ「アイス」

イリス「例外でしょ!」

ミスティ「一つ例外を認めたら何でもありになるわ。聞けば彼女はクロシュよりも幼いというじゃない」

イリス「うーん……でもミスティ、魔法以外にできることあるの?」

ミスティ「………」

イリス「………」

ミスティ「そ、ソリの運転なら……」

イリス「じゃあ辻馬車……ならぬ辻ソリ屋でもやる?」

ミスティ「客商売はたぶん無理……」

イリス「じゃあ……どうする? 冒険者とか? いや、冒険者だと今とほとんど変わらなそうだけど……」

ミスティ「………」

イリス「………」

ミスティ「……さっきの発言は取り消しにするわ」

イリス「あ、うん」


 ☆イリスとミスティが近接経験と魔法経験をそれぞれ1づつ獲得しました

 ☆ミスティが魔法使いを辞めかけましたが取り消しました

 ◇
971 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2025/06/21(土) 21:04:31.77 ID:lD8IZAgi0
―聖ヴァレリオ教会 裏庭

スライムクロシュ「……」

 モニョモニョ…ポン!

炎スライムクロシュ「」チリチリ

 モニョモニョ…ポン!

光スライムクロシュ「」ピカピカ

 モニョモニョ…ポン!

風スライムクロシュ「」ヒュルヒュル

 モニョモニョ…ポン!

雷スライムクロシュ「」バチバチ

 モニョモニョ…ポン!

水スライムクロシュ「」ウルウル

 モニョモニョ…ポン!

スライムクロシュ「〜〜」モニョモニョ


スライムデロデロ教徒『んわわ〜! クロシュさますごいすごい〜!』キャッキャ

スライムクロシュ『んへへ……』モニョモニョ

スライムデロデロ教徒『伝説スライムのクロシュヴィアさまもすごいし、クロシュさまもすごいし、デロデロのすごいスライムってやっぱりすごいんだあ』モニョモニョ

スライムクロシュ『じゃあ……デロデロ教徒ちゃんも、すごい……!』モニョモニョ

スライムデロデロ教徒『わたしは全然だよぉ〜!』モニャニャ

スライムクロシュ『そうなの?』モニョニョ

スライムデロデロ教徒『うん……。全然よわいから……デロデロ教に入ったの……』モニャニャ…

スライムクロシュ『そうなんだ……』モニョニョ…

スライムデロデロ教徒『ちいさくて、よわくても……みんなでデロデロになれば、もうなんにも怖いことも、痛いこともなくて……しあわせになれるって、クロシュヴィアさまが言ってた……! だからわたし、みんなでデロデロになりたい……!』モニョモニョ

スライムクロシュ『わあ……!』モニョニョ

スライムデロデロ教徒『だから、クロシュヴィアさまや、クロシュさまみたいな、すごいスライムがデロデロになるためにがんばってくれてるって思うとね……! ものすごく勇気が湧いて、わたしもがんばろって、思えるの!』モニョモニョ

スライムクロシュ『んへへ……』モニョニョ

スライムデロデロ教徒『えへへ……デロデロの絵を描いて、みんなに希望を見せてくれて……ほんとに、ほんとに、ありがとうクロシュさま……!』モニョモニョ

スライムクロシュ『うん……!』モニョ


スライムクロシュ(やっぱり……デロデロは、間違ってないのかも……! こんな風に、みんなの希望になれる……!)

スライムクロシュ(わたしも……もっと、がんばろ……!)


↓1コンマ(かなしみを知る心+50)
001-090 スライム技能は既に上限に達している
091-140 覚醒
141-000 ■■■■
972 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2025/06/21(土) 21:06:31.84 ID:245hiqVgO
はい
973 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2025/06/21(土) 21:47:41.35 ID:lD8IZAgi0
―??

 空に浮かぶ白い光「」ユラユラ

 地上に瞬く無数の光「」チカチカ


クロシュ「……」


クロシュ(……あの光の……ひとつひとつは……)

クロシュ(スライム……ううん……スライムだけじゃない……)

クロシュ(この星の……全ての、命……)


 地上に瞬く無数の光「」チカチカ


クロシュヴィア「クロシュちゃん……」モニョッ

クロシュ「クロシュヴィアちゃん」モニョニョ

クロシュヴィア「クロシュちゃんも……ついにこの領域に来たんだね……。いつか、来ると思ってた……」モニョモニョ

クロシュ「そうなの……?」モニョニョ

クロシュヴィア「ここはね……この星の、命の流れが見えるところ……。新たな命が生まれれば、新たな光が灯って……一つの命が終われば、光も一つ消えるの……」モニョモニョ

クロシュ「そうなんだ……」モニョニョ

クロシュヴィア「あの光の数だけ……悲しみがあるの……。わたしね……それで、昔……何もできない自分が、嫌になって……風になっちゃった……」モニョモニョ

クロシュ「うん……」モニョ

クロシュヴィア「でも、今はね……みんなと一緒に、デロデロになろうって、がんばれて……すごく、嬉しいの。全部……クロシュちゃんの、お陰なんだよ」モニョモニョ

クロシュ「わあ……!」モニョニョ

クロシュヴィア「クロシュちゃんは……今、セイントレアの王都にいるんだよね?」モニョモニョ

クロシュ「うん。えっと、僧侶さんと、デロデロ教徒ちゃんと、会った……!」モニョニョ

クロシュヴィア「わあ! ふふ……二人とも、良い子でしょ? ちょっぴり心配だったけど、無事なら良かった……」モニョモニョ

クロシュ「うん……!」モニョ

クロシュヴィア「今……戦争が起きるとか、起きないとかで、ちょっと揉めてるんだよね……? 3日後くらいに、わたしもそっちに行けると思うから……もし戦争になったら、わたしが終わらせてあげるね……」モニョモニョ

クロシュ「わあ……!」モニョニョ!

クロシュヴィア「ふふ……みんな、元気でいてね……。最期に、最高の結末を迎えられるように……」モニョモニョ

 ◇

―聖ヴァレリオ教会 裏庭

スライムクロシュ「!」モニョッ!

スライムデロデロ教徒『わわ……! クロシュさま、どうしたの……!?』モニョニョ

スライムクロシュ『クロシュヴィアちゃんと……お話、した……!』モニョモニョ

スライムデロデロ教徒『んええ!? ど、どうやってぇ!?』モニョニョ

スライムクロシュ『んへへ……えっとね――』モニョモニョ


 ☆クロシュのスライム技能が上限を越えました

 ☆クロシュが命を感じ取れるようになりました

 ◇
974 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2025/06/21(土) 21:54:03.98 ID:lD8IZAgi0
急用が入ったので本日はここまで。次回もよろしくお願いします


そして突然ですが最近画像生成AIさんというものに触れてみたので、絵を貼ってみようと思います

というわけでデロデロ教徒ちゃんのイメージ絵です。画像生成AIさんに元絵を描いていただき、細部などを人力で加筆修正したものとなります。こんな見た目だよーというのがわかっていただければ幸いに思います

これは全くどうでも良いネタバレですが、デロデロ教徒さんはクロシュヴィアさまの株分けの遠い子孫だったりします。実のところクロシュヴィア氏は内心そのことに気付いており、それゆえにちょっと気にかけていますが、今のところ本人に伝える気はないようです

https://i.imgur.com/uI6pDvN.png
975 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2025/06/21(土) 22:20:03.96 ID:RF9giN/NO

ミスティさん速攻の取り消しで草
銀髪目隠れロリスライムかわよ
976 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2025/06/21(土) 23:17:31.55 ID:gWhw1eskO
あら^〜可愛い
977 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2025/06/22(日) 01:45:14.41 ID:H1tb/oPEo
おつです
デロデロ教徒ちゃんこれは穀潰しでも許されるかわいさ
ミスティ、確かに世界樹の件が終わったあとどうするかがパーティメンバーの中で一番フワッとしてるな
それだけ縁が繋がったとも言える
978 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2025/06/22(日) 09:08:56.00 ID:zX10rx6j0
乙です
デロデロ教徒ちゃん目隠れ可愛い
他のキャラのイメージ絵も見たくなってしまう
979 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2025/06/22(日) 19:35:28.19 ID:c3g/Tio30
最近のミスティ氏は武闘派な面が目立っていましたが、彼女は繊細で悲観的な面も持ち合わせている女の子でもあります。そういうわけでやや衝動的に魔法使い引退宣言をしてしまったようですが、イリス氏にいろいろ言われて取り消すこととなったようです。とはいえ彼女はまだ若いので、魔法の腕も他のこともこれからいくらでも研鑽する機会はあるかと思います

デロデロ教徒さんは実のところ少し反映魔法の適性を持っているため、他のスライムよりも高度な擬態ができるようです。しかしクロシュやクロシュヴィアに比べるとその才能はとてもささやかなものなため、戦いなどは苦手なようです
なお絵に描かれている女の子はデロデロ教徒さんが人間に擬態した時の姿で、抱きかかえられている丸い生き物が本来のスライムの姿です。自分で自分を抱きかかえるという変な状況となっていますが、あくまでこれはイメージ絵なのでその辺はご容赦していただけると幸いです……

デロデロ教徒氏はデロデロ教に入る前は森で慎ましく暮らしていた野良スライムでした。しかしその目立つ体色や気の弱さなどが災いして他の野生動物や冒険者などから狙われることも多く、心休まる日々はあまり送れていなかったようです。そんな彼女にとって、デロデロ教という存在は福音となったのかもしれません
ミスティ氏は今のところ旅が終わった後にどうするかはっきりしていませんが、実際彼女には既にたくさんの縁があり、もし望むことがあればその通りにできるかと思われます。ミスティ氏の未来は広がっていると言えましょう

なぜデロデロ教徒さんの絵だったかというと、実のところ理由があったりします
自分の案のキャラクターの絵をAIに描かれることを好まない人がいるかもしれない……という変な恐れがあり、ひとまず非ネームドのデロデロ教徒ちゃんで様子を見てみようという思惑があったりなかったりしたそうです

なお今のところ特に不評ではなさそう?なため、もし今後余力があればネームドキャラの絵を貼ってみたりすることもできるかもしれません
また、◯◯の××な絵を見たい、といった書き込みがあれば対応できるかもしれません(断言はできません)
なおもし自分の投下した案のキャラを>>1やAIさんに描かれたくない場合、早めに宣告していただければ助かります

しかしこのスレのメインコンテンツはあくまで安価スレなので、あまり期待はしないでいただけると幸いに思います
>>1は絵のど素人なので、軽微な加筆修正作業でもものすごく時間がかかるようです)
980 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2025/06/22(日) 19:36:27.44 ID:c3g/Tio30
―聖ヴァレリオ教会

 扉「」バァン!

ガッタ「イクスキューズミー」ズカズカ


クレア「……!? あなたは、王国の護衛騎士ガッタ・ファーブ……!?」

ガッタ「イグザクトゥリ」

クレア「当教会にどのようなご用件で……?」


↓1コンマ
01-10 ???
11-30 滞在巡礼者に脱走幇助の容疑
31-50 滞在巡礼者の身辺調査
51-70 珍しい虫を追いかけてきただけ
71-90 孤児院へ昆虫採集セットの寄付
91-00 ???
981 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2025/06/22(日) 19:39:34.56 ID:H1tb/oPEo
ヘアッ
982 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2025/06/22(日) 19:39:53.72 ID:CRiSt/mmO
983 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2025/06/22(日) 20:07:25.34 ID:c3g/Tio30
 黄金色のコガネムシ「」ブーン

ガッタ「オー!! やはりここにラナウェイ!!」シュバッ

クレア「えっ、きゃっ!?」ブワッ


 黄金色のコガネムシ「〜〜!」ブーンブーンっっっ

ガッタ「ミーからエスケープできるとシンキングしないことだネ!」シュババッ

 ドガッ!! ガシャンッ!!
 吹っ飛ぶ長椅子「」グワシャッ


クレア「ちょ、ちょっとやめてください!!」


クロシュ「?」ヒョコッ

妖精「な、何事!?」


↓1選択
1.コガネムシを捕まえる
2.コガネムシを食べる
3.ガッタを追い出す
0.自由安価(状況にそぐわないものは再安価)
984 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2025/06/22(日) 20:18:56.23 ID:lbrgQB+5o
1
985 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2025/06/22(日) 20:42:29.67 ID:c3g/Tio30
光クロシュ「」パヒュン!

 パシッ
 クロシュに捕まったコガネムシ「〜〜!」ジタバタ

ガッタ「オー!? アメイジン!」

クロシュ「……教会……あばれちゃ、だめ……」

ガッタ「ワッツ?」

 吹っ飛んだ長椅子「」グシャッ
 吹っ飛んだ机「」ゴワシャ

ガッタ「オウ……」

クロシュ「……元に、戻したら……こがねむし……あげる……」

ガッタ「ソーリー……」

 *

 綺麗に直された長椅子や長机「」ポン

ガッタ「ハア、ハア……直したヨ」

クロシュ「ん……。はい……」

 コガネムシ「」ポン

ガッタ「サンキューベリマッ!」ババッ

クレア「はあ……虫が好きなのはわかりましたが、もうこんなことはしないでくださいね」

ガッタ「ポジティブに善処する。それではグッドバイ!」バサッ スタスタ


 扉「」ガチャッ パタム


妖精「なんだったんだろう……」

クロシュ「わたしたちのこと……覚えてなかったみたい……?」

妖精「……そういえば闘技場で一悶着あったよね」

クレア「護衛騎士のガッタさんは人の顔を滅多に覚えないそうです。彼にとっては虫未満の価値しかないということかもしれませんね……」

妖精「ま、まあ……理由はなんであれ覚えられてないなら都合が良いや」

 ◇
986 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2025/06/22(日) 22:28:06.29 ID:c3g/Tio30
―翌朝
 セイントレア城 王妃の寝室

 チュンチュン

セイントレア王妃「……」パチッ


セイントレア王妃(呼吸が苦しくない。視界もはっきりしていて、意識も明瞭……。こんなの、何年ぶりかしら……?)

セイントレア王妃(でも、一体どうして急に体調が――)

 サイドテーブル「」
  お薬「」ポン
  ハンカチ「」ポン
  手紙「」ポン

セイントレア王妃「!!」

セイントレア王妃(まさか……昼間のあれは、夢や幻覚の類じゃ――)


分体ちびスライムクロシュ「……」zzz


セイントレア王妃「あっ……! 昼間のスライムの子……!」

セイントレア王妃(ということは――手紙の内容も、お薬のことも、このスライムの子も、全部現実――!!)

セイントレア王妃(つまりこの体調の良さは……魔族国の元首が調合した薬による作用……!?)


 扉「」コンコン
アルベール王『私だ。起きているなら返事を』


セイントレア王妃「アルベール!」ガタッ

分体ちびスライムクロシュ「!?」モニョッ!?

セイントレア王妃(あっ……私、立ち上がれてる……!)


アルベール王『……!? 何があった、入るぞ……!』

 扉「」ガチャッ

隠れる分体ちびスライムクロシュ「〜〜!」モニャニャ ササッ


セイントレア王妃「……アルベール」

アルベール王「!? 立ち、上がれたのか……!?」

セイントレア王妃「はい……。マリーが、魔族国から送ってくれた特効薬のお陰で」

アルベール王「何ッ!? それはどういう――」

 手紙「」ポン!

セイントレア王妃「アルベール……それを読んで……マリーの言葉を、聞いてください」

 *
987 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2025/06/22(日) 22:29:07.70 ID:c3g/Tio30
アルベール王「馬鹿な……。医者は、君はもう二度と立ち上がれないと……」

セイントレア王妃「……王国の医術なら、きっとそうだったのです。でも――魔族国の医術なら、治せた」

アルベール王「……!!」

セイントレア王妃「この特効薬を調合したのは、魔族国のフラナ・バイオレット現元首だそうです」

アルベール王「……」

セイントレア王妃「アルベール……今ならまだ間に合います。魔族国と、和平を……」

アルベール王「ならぬ」

セイントレア王妃「アルベール!」

アルベール王「なぜこのような怪しい薬に手を出した。一瞬治癒したように見せかけて明日には死んでしまう毒薬かもしれぬのだぞ……」

セイントレア王妃「そんな回りくどい毒薬を使う意味がわかりません! 毒殺するつもりであれば、無駄に永らえさせる必要など全くないでしょう!」

アルベール王「城内でまさにこのような紛争を引き起こさせるのが奴らの狙いだったらどうする……」

セイントレア王妃「アルベール!!」

アルベール王「……君は魔族の悪意というものを甘く見ている。奴らは狡猾で悪賢い、邪悪な――」

セイントレア王妃「あなた自身が、ありもしない悪意の幻を作り出しているのよ! 今まさに体調が良くなってる私を見て! 昔みたいにあなたに楯突いている私の言葉を聞いて!!」

アルベール王「………毒薬の作用で君は錯乱しているようだ。今医者を呼んで――」

セイントレア王妃「………わかりました。あなたがそこまで意固地になるというのなら、私にも考えがあります」ガタッ スタスタ

アルベール王「待て、安静に――」

セイントレア王妃「結構です! クロシュちゃん、おいで」


分体ちびスライムクロシュ「〜〜!」ピョンピョン

 モニョッ

王妃の肩に乗る分体ちびスライムクロシュ「〜〜」モニョモニョ


アルベール王「なっ、スライムだと……!? どこから――」

セイントレア王妃「マリーから遣わされた大切なお客人です。例え王命でも、この子に手出しはさせません」

アルベール王「馬鹿な……」

 ◇

―セイントレア城外郭 王国騎士団本部

 ザワザワ…

セイントレア王妃「明日の戦、王国に大義はありません!! 魔族国とぶつかれば双方に甚大な血が流れ、取り返しのつかぬ惨事となりましょう!! 道理を解す兵は明日の作戦に参加せず、家に帰って家族を大事になさい!!」

 ザワザワ オウヒサマゲンキニナッタ デモサスガニヤバイ…

セイントレア王妃「そもそもが間違った戦なのです!! 軍規違反の心配は一切無用です、王妃である私が保障致します!! どうか賢明な判断を!!!」

 ザワザワ オウヒサマノオスミツキガアルナラ… ボイコットスッカ マゾクコワイシ


頭を抱えるアルベール王「なんてことだ……」クラクラ

 ◇
988 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2025/06/22(日) 22:29:46.95 ID:c3g/Tio30
―王都セイントレア 滞在14日目

◇クロシュ [あかちゃんスライム]
武:星霊の剣     盾:ラティアの大盾  飾:くすんだ耳飾り
武:竜珠の大杖    防:竜のエプロン   飾:不死鳥の羽根

◇妖精   [世話焼き妖精]
武:         盾:         飾:くすんだ耳飾り
武:         防:精霊のレオタード 飾:

◇イリス  [星の魔法使い]
武:蒼き星の杖    盾:         飾:くすんだ耳飾り
武:ブラッドランス  防:魔術師のローブ  飾:

◇ミスティ [氷の魔法使い]
武:氷の短刀     盾:         飾:くすんだ耳飾り
武:         防:氷竜革のローブ  飾:

◇ローガン [鋼の戦士]
武:蜥蜴一文字    盾:灼鋼の盾     飾:くすんだ耳飾り
武:鋼の回転ノコギリ 防:オリハル鎖帷子  飾:

◇エバンス [地の傭兵]
武:古代の鉄槌    盾:         飾:くすんだ耳飾り
武:魔銀の刀     防:硬質革鎧     飾:

◯所持アイテム
[道具]        [装備品]       [大事なもの]
運命賽*1       蜘蛛絹の下着      魔族国永久旅券
会心賽*1       ザリガニのお守り    フメイの服の切れ端
反魂丹*1       大きな巻き貝      精霊の印
鉄鍋+携帯調理器具   闇の欠片        精霊樹の実のジャム
「星の魔力」上中下   フリルワンピ水着    精霊樹の鉢植え+赤雷球
お宿の妖精の織物    魔法学園のスク水    フメイとアリシラの人形
魔導飯盒        ガラスのザリガニ    メルルの帽子
妨害魔力波発生装置   踊り子の双剣      溶岩石のアミュレット
属性大全        サボテンドラゴンの花  太陽のメダリオン
魔王図鑑        精霊のローブ      暗黒優待券
氷精の魔導書      精霊樹の杖[改]    冒険者証(ランク1)
ブラッドワイン*1   銀のナイフ       大魔女帝国渡航権
吸血鬼殺ワイン*1   ダイヤメリケンサック  かたたたきけん
魔術書「正負の属性」  パラサイトソード    大魔女帝国滞在許可証
吸血鬼の日焼け止め               風船印のパラシュート
日蝕の傘                    ラティア勲章
大魔女サイン*1                ユーシリア王家の紋章
古代のセラミック
ステライト鉱石
晴れ乞い傘
チョコスムージー
ヒヒイロカネ
氷魔力結晶
魔導書「絶対零度」

◯現在の目標
・フメイちゃんを探す
・世界樹の光を追う[4/5]
・最悪の未来を阻止する

◯努力目標
・カリスに造られた者たちを助ける
・戦争を阻止する
・大司祭を探す(達成!)
・枢機卿の悪事を暴く(達成!)
・レイの行方を追う(達成!)

◯仲間の目標
・カリス・ノーランドを討つ(ミスティ)

◯経験値
・クロシュ 剣技[03/07] 魔法[06/07] 防御[00/07]
・イリス  杖術[04/06] 魔法[16/16]
・ミスティ 剣技[06/07] 魔法[12/16]
・ローガン 剣技[16/16] 魔法[06/08] 防御[07/08]
・エバンス 剣技[16/16] 魔法[07/08]
……………………………………………………………………………………
□王都セイントレア
王城:王妃の部屋、未探索
城下:教会、孤児院、市場、食事処、酒場、浴場、娼館、冒険者ギルド
   中央広場、公園、学校、図書館、博物館、劇場、闘技場、未探索
……………………………………………………………………………………
□セクリエ・ロイエ
大聖堂、大聖堂別館、美術館、庭園、お土産屋、未探索、他
……………………………………………………………………………………
989 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2025/06/22(日) 22:30:53.77 ID:c3g/Tio30
―朝
 聖ヴァレリオ教会

 チュンチュン

クレア「……ついに完成しました。聖ヴァレリオの秘伝パスタです……!」

 秘伝パスタ「」ポン!!!!

クロシュ「わあ……!!」

ローガン「おお……ニンニクの香ばしさと唐辛子のピリリとした香りが効いている……!」

イリス「す、すごい!! こんな美味しそうな組み合わせのパスタ初めて見ました!」

レイ「え、でもこれってペペロン――」

エバンス「きっと世界初の組み合わせの最高のパスタに違いない!! 流石は秘伝パスタだぜ!!」

クル「レイ……ちょっと黙ってよっか」

レイ「なな、なんでぇ……!?」

ミスティ「まあ美味しければなんでもいいんじゃない……?」

 *

スライムクロシュ「〜〜♪♪」モニョモニョ モグモグ

スライムデロデロ教徒「〜〜♪♪」モニョニョ モグモグ

聖女「ふふ……スライムさんがご飯を食べてるところを見るの、好きなんです。私」

僧侶「変わった趣味ですね……。まあでもこの子たちってなんでも美味しそうに食べるから、見ていて気持ち良いとは思います」


大司祭「……しかし、私まで頂いて良いのか?」

クレア「もちろんです、大司祭様。派閥の違いなどパスタの前では些事である……と聖ヴァレリオも手記に遺しています」

 ☆朝ごはんに秘伝パスタを食べて元気になりました
  本日および明日の戦闘コンマに+20が加算されます

 *

―聖ヴァレリオ教会 宿泊室

妖精「さっきクローディアから届いた知らせによると、今日の夕方に完成する見込みとのこと」

クロシュ「!」

イリス「ついに今夜……!!」

ミスティ「緊張してきたわね……」

エバンス「俺たちの行動次第で戦争の行方も変わるかもしれない。責任重大だ」

ローガン「うむ……。成すべきことを成そう」

妖精「思いつく対策は全て打ったと思うから、今日は各自自由に過ごそう。もちろん今夜の作戦に支障が出ないようにね」

クロシュ「うん……!」


王都セイントレア滞在14日目。本日の行動終了後、カリス被害者救出作戦に移ります
↓1〜3 自由安価 何をする?
990 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2025/06/22(日) 22:31:09.09 ID:zX10rx6j0
フメイ、アリシラ、ブラッドと再会現状を説明して世界めくれを阻止の協力をお願いする
991 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2025/06/22(日) 22:31:12.62 ID:JqQTeHSWO
ローガン、エバンス剣術と魔法を使う本気の模擬戦
992 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2025/06/22(日) 22:31:26.34 ID:9h/QyKqnO
みんなで宴会
993 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2025/06/22(日) 22:31:29.83 ID:GmFfa+T/0
クロシュ、記念に仲間たちの集合絵を描く
994 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2025/06/22(日) 22:31:45.12 ID:M/XE4+JcO
ヴィアやその他スライムたちとスライム談義
995 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2025/06/22(日) 22:32:15.95 ID:IzSMAfuF0
デュアと合流して協力者を探す
996 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2025/06/22(日) 22:58:21.56 ID:c3g/Tio30
―セイントレア平原

 ヒュオオオオオ――…

メタルローガン「……」


エバンス(旦那……無心でメタル化を維持してるな……凄い集中力だ)

エバンス(俺には旦那みたいな特化した一芸はないが――)

 ブォンッ!!
 古代の鉄槌「」ズンッ!!

エバンス(近接戦闘の技なら、旦那にも劣ってないはずだ)


 ガション ガション

メタルローガン「エバンスくん。気迫を感じるぞ」

エバンス「そうか?」

メタルローガン「ああ。私を相手に力を試したいのだろう」

エバンス「……よくわかったな」


エバンス(合流した頃と比べて、俺の剣の腕もかなり上達した。旦那も立ち止まってはくれなかったが、追いつけたように思う)

エバンス(……今夜の作戦が終わり、世界樹の問題が解決すれば……たぶん、このパーティは解散となるだろう。そうすれば……旦那と剣を交えられる機会も、なくなっちまうかもしれない)

エバンス(ならば――今ここで剣を交えるのは、必然と言っても良いはずだ)


 魔銀の刀「」シャキン…


エバンス「……よろしく頼む。元ユーシリア魔法騎士、ローガン」


 蜥蜴一文字「」シャキン…


メタルローガン「フッ……今の私は、復権派の雇われ用心棒だ」


 ヒュオオオオオオ―――……


   シャンッ!!!!


↓1コンマ一桁 勝者
1 ローガン
2 エバンス
3 引き分け
4 ローガン
5 エバンス
6 引き分け
7 ローガン
8 エバンス
9 引き分け
0 ???
997 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2025/06/22(日) 22:59:51.26 ID:fQG9Uu9ho
どうだ
998 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2025/06/22(日) 23:27:06.53 ID:c3g/Tio30
   ギンッ!!
 ギンギンッ!! ドガガガッ!!
     ガギンッ!! 

 ローガンの頭上で静止する魔銀の刀「」ピタ―

 エバンスの首筋で静止する蜥蜴一文字「」ピタ―


エバンス「………」

ローガン「………引き、分け……だな」


エバンス「ぶはぁっ……!! ひ、引き分けかぁ〜……!!」ドテッ

ローガン「ふぅ……まさか私のメタル化を打ち破るとは……! あんな必殺技を繰り出してくるとは驚いたぞ、エバンスくん!」

エバンス「少しは不意打ちの手段も必要だと思ってな。旦那のメタル化を破れたなら大戦果だぜ」

ローガン「地の上級魔法パワーグラウンドか。使いこなせば遠距離から一方的に攻撃できるのではないか?」

エバンス「いや……ちょいと集中力と魔力の消費が重いし、一度見られたら地を打つ動作をするだけで相手に簡単に気取られるようになっちまう。しかも空中に逃げられたら全く届かなくなるから、一度の戦いで使えるのは一回くらいだろうな」

ローガン「なるほど……。だが、相手に地面を警戒させるブラフとして使う手もあるのでは?」

エバンス「……そうか! 消費が重いかどうかなんて相手はわからないだろうから、いくらでも打てるもんだと思わせれば――」

ローガン「うむ。拳や剣だけでなく、震脚で繰り出すというのも――」


 ☆ローガンとエバンスが魔法経験をそれぞれ1づつ獲得しました

 ◇
999 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2025/06/22(日) 23:27:53.53 ID:c3g/Tio30
本日はここまで。次回もよろしくお願いします
1000 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2025/06/22(日) 23:54:41.42 ID:XU9NgluuO

決戦直前の秘伝パスタありがたい
聖ヴァレリオさん素パスタ好きだったり秘伝レシピがペペロン…だったりでめっちゃ庶民的だ
肩乗りちびスライムクロシュかわいい
1001 :1001 :Over 1000 Thread
 達 じ   |                           / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄\
 者 ゃ   l                     | ・ な 会 多
 で あ  /                          | ・ い う. 分
 な    く      ,.'"´ ̄ ̄``丶.        | ・ と. こ 皆
___/ヽ)     /           ゙、.       ! ・ お と に
           /             ',       | ・ も が は
          ノ      _    __   !     |    う   も
         ,レ^ヽ  ∠:::::::.\ ヽ・ ヽ |     |       う
         / ,ヘ   ⌒`ト、:::.ヽ  ̄  |   _ノ           |
          l い    _,,,L・`ヽ:ル ノィノ     ̄\_____/
         ヽ       ー─-  ‘ー1
          >‐‐'.        、__,ゝ ,′
         /     ',       `二' /
          /     `丶、     /
        ノ           ``ーr‐'゙
      /           \  |
    _∠_ __ _ ,,,、、、-──‐┴-、、
    厂 ー──'''"´ ̄ ,  ニ二二ニヽ\
   ,′         , イ       ̄``ヽ \
.  /          //  `)         ',  ヽ
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(安価&コンマ)鉄血に狼の男が(機動戦士ガンダム 鉄血のオルフェンズ) part2 @ 2025/06/22(日) 22:47:53.63 ID:xiq+pvxz0
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■ 萌竜会 ■ @ 2025/06/20(金) 21:06:42.32 ID:sMr/Yf+to
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■ 萌竜会 ■ @ 2025/06/20(金) 21:06:05.72 ID:A9RjOWcxo
  http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/aa/1750421165/

■ 萌竜会 ■ @ 2025/06/20(金) 21:05:29.13 ID:9l741hD4o
  http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/aa/1750421128/

■ 萌竜会 ■ @ 2025/06/20(金) 21:04:47.30 ID:XCIH42NJo
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