このスレッドは1000レスを超えています。もう書き込みはできません。次スレを建ててください

【安価・コンマ】力と魔法の支配する世界で【ファンタジー】Part6

Check このエントリーをはてなブックマークに追加 Tweet

453 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2025/04/30(水) 00:44:57.79 ID:hgMMNSqO0
乙です
安価Aのロイエの者は採用されても名前じゃなくて役割やアダ名などで表記されるという事なのかな?
454 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2025/04/30(水) 11:11:15.64 ID:uwI7MqnIo
おつでしたー
野良妖精さん、なんかかなりレアな魔法つかってない?
ついにセイントレア〜ロイエ教編、今までの登場人物も多数関わって来そう
因縁や謎が解決されるのに期待
455 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2025/04/30(水) 21:36:24.08 ID:g2VKutah0
>>453
原理派などの名前を捧げる習わしを維持している宗派の人物であればそうです。穏健派などのその習わしを撤廃した人物であれば名前を失うことはありません。既に名前を捧げて失っている人物であれば、名前欄のところに通り名やアダ名を書くのも良いでしょう

>>454
野良妖精さんは面白い魔法を習得しているようです。それは具体的に言うと>>174の魔法だと思われます。使い方次第ではけっこう悪いことができそうな恐ろしい魔法でもあるかもしれません
そしてセイントレア王国とロイエ教のお話は、実際大きな山場であるとも言えます。この先に何が待ち受けているのかは闇に包まれていますが、クロシュさんには慎重に進んでいっていただきたいところであります
456 : ◆eAA16RTlRw2e [sage saga]:2025/05/01(木) 00:00:06.01 ID:bzdAUdBx0
それでは本日 00:00 〜 23:59 を投下期間といたします。投下する案には@〜Cのいずれかの番号をご記載ください
詳しいルールは>>452
ご質問やご感想などありましたらお気軽にどうぞ
457 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2025/05/01(木) 00:23:16.31 ID:KIeKkDkiO
4
【名前】ティナ・プラネット
【種族】魔女
【性別】女性
【年齢】?
【容姿】赤橙色のショートカットを刈り上げた髪型。傷と右目を隠す眼帯のせいで分かりにくいが、よく見るとイリスと似た顔立ちをした長身でスレンダーな美女。黒いスーツ姿で左腕は義手になっているため手袋で常に隠している。
【性格】冷静沈着で礼儀正しいリアリスト。情に厚いが流されない。やや負けず嫌いなところがある。
【魔法】星属性を得意として一通りの魔法を使えたが、現在は無属性の魔法しか扱えない。
【備考】イリスの母親。希少な星属性の使い手だったのでカリスに狙われていた。幼いイリスを危険から遠ざけるため、親友に託して単身カリスに挑むも力及ばず捕らえられてしまう。
実験体として扱われた結果、左腕と右目の視力、記憶を失い、星属性の魔法も使えなくなったことでカリスからの興味は失われた。
ある日、フメイ達の脱走に乗じて逃亡に成功。その後は紆余曲折を経てエバンスが所属する傭兵団に拾われ、その仕事ぶりから「無詠の魔女」の二つ名がつけられて行く先々で恐れられるようになった。自身の名前を思い出せなくなっているので自身もその二つ名を使用している。
使えなくなった各属性魔法の代わりに各属性の魔翌力を撃ち出す二丁の拳銃と身体強化魔法による近接攻撃を用いて戦う。
ダークヒーローイリスの話を聞くとなんとなく複雑な気持ちになるが、本人は理由がわからない。
ロイエ教信者ではないが、名前を持たないことと派遣先での活躍から現在は原理派の要人警護のために雇われている。
458 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2025/05/01(木) 00:25:06.92 ID:gbKDlTy+o
C
【名前】フリューゲル・バイオレット
(旧姓フリューゲル・デッドエンド)
【種族】吸血鬼
【性別】女
【年齢】2000
【容姿】金髪ロングの美人。娘から貰った髪止めをしている。
【性格】昔は慈愛の塊。
今は静かで冷徹な殺戮兵器。
【魔法】何もかもを消滅させる魔法
【備考】かつてエンド組のまとめ役にして、フラナとフレメアの母親。クロシュヴィアの親友。大昔に魔族たちを纏め上げ最初の魔族国を創設した。当時の魔族国は差別もなく豊かで夢のような国であったが、王国の台頭で少しずつその繁栄も陰りが見え、当時の魔族国の上層部は彼女の身柄を引き渡すことで魔族国への侵攻を止めて欲しいと王国と密約を結ぶ。本人はその事を全て把握していたが、自分の命で魔族国の皆が助かるならと抵抗せず受け入れた。だが王国は彼女を[ピーーー]ことはせず、その自我を奪い魔王化の実験に使い、勇者と並ぶ王国の秘密兵器の一つとして改造してしまう。慈愛の塊だった彼女はもういない、王国の命令を忠実に果たすただの殺戮兵器と成り果ててしまった。更に王国は密約を破り、彼女と勇者を使い初代魔族国を滅ぼしてしまった。残った娘のうち、母親を売った魔族といいように利用する王国への怒りにとりつかれた姉と怒りをなんとか抑えこんで母親の思いを尊重し魔族国を繁栄させようと誓う妹とで意見は相違、完全に袂を分けてしまう。普段は平穏に待機せよという命令に従い昔のような姿を見せるが一度殺せと命令されれば、例え愛娘相手でも殺してしまうだろう。もはや彼女に救いはない。せめて愛ある死を。優しいデッドエンドを迎えさせてあげよう。
ちなみにザイルが国を興す時の手伝いもしており、その時の恩で彼はフレメアを助けた経緯がある
459 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2025/05/01(木) 00:45:17.97 ID:P0Ri97Hq0
A(テンプレート)
【名前】ザック・スミル
【種族】人間
【性別】男
【年齢】30歳
【容姿】聖職者の服を着ており、金髪のソフトモヒカンでガタイいい。いつも笑顔で白い歯を見せている。メリケンサックを所持している。
【性格】明るく平和主義者だがカッコつけたがりで必ず何かしらポーズをとる。
【魔法】光魔法、身体強化魔法
【備考】セクリエ・ロイエに所属しており、穏健派。平和を愛しており、ボランティアやクリーチャー討伐など社会貢献をして多くの人々を救いいつの間にか人々から彼の性格(とくにカッコつけたがりなところ)もあって「ヒーロー」と呼ばれている(自分もヒーローに憧れていた)。穏健派なのでアダ名と呼んでもいいし名前で呼んでも気にはしていない。昔は路頭に迷っていたところ現教皇に救われた事がある。戦闘時では、メリケンサックを武器にし光魔法と身体強化魔法を駆使している。
460 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2025/05/01(木) 00:47:22.73 ID:r7YA/ID0o
A
【名前】レオ・ゴドウィン
【種族】人間
【性別】男
【年齢】39
【容姿】短く狩り揃えられた黒髪に無精髭を生やす
190cm超えのがっしりとした体格で、着崩された法衣も相まって聖職者というよりは山賊のよう
【性格】豪放磊落を地で行く痛快な人物。困っている者がいれば種族や損得勘定抜きで手を差し伸べる優しい心の持ち主
一人称は俺。誰にでも砕けた口調で話し、畏まった場では流石に丁寧になるがそれでも「荒っぽい」という印象を抱かせるだろう
【魔法】新陳代謝を活性化させることで怪我の治りを早くする賦活魔法。本人曰く「二日酔いを治すのに便利」
基本的に自分用で、他者にも施すことができるが術者の消耗は数倍激しくなる。が、レオは必要とあらば躊躇なく他者にこれを用いる
また、副作用としてとてもお腹が空いてしまう
【備考】ロイエ教の聖職者。特定の拠点を持たず各地を放浪して民衆に教えを説く「巡回説教者」
酒と博打をこよなく愛する生臭坊主だが根は善良で、運良く大勝ちしてもそのほとんどを恵まれない人々に施してしまう
単身で各地を放浪する仕事上荒事にも手慣れており、体術にも精通している
宗派としては穏健派に属しており、人も魔族も関係なく神の恩寵を受け取れるという強い信念を抱いている
461 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2025/05/01(木) 01:29:31.88 ID:+DVAUwyMo
@現教皇
【名前】ヴァレリオ・ファルネーゼン
【種族】人間 【性別】男性 【年齢】63
【容姿】短いオールバックの金髪と暗い青の瞳を持つ厳かな壮年男性。やや面持ちが固く、どんな時でも教皇の正装を崩さない。服飾が重いので意外と逞しい身体をしている。身長178cm。
【性格】属性は中立・善。質実剛健かつ厳正だが、融通が利かない程ではなく適度な柔軟性を持ち、目的の為なら多少の清濁も併せ呑める大人。亜人でも王族でも神であっても、何の偏見も持たず平等に接する公平な人物。
【魔法】聖属性の派生で、信仰力に応じて強力となる"神聖魔法"を扱う。魔に類する者に特効がある。彼の信仰の形は普通とは違うが、その想いは誰よりも強く桁違いの出力を誇る。
【備考】セクリエ・ロイエ教穏健派の筆頭にして現在の教皇。神の言葉を聞く事ができる預言者で、的確な指示と助言で数多くの実績を上げてきたカリスマ的指導者。
若い頃より世界各地を渡り歩いて神の言葉を伝え、布教と善行に努めてきた。それと同時に、"ロイエ教を信じるなら誰であっても信徒と認める"考えを広め、その旗頭として精力的に活動。彼の考えと功績は多くの人から評価されている。
しかし実の所、神にはそれほど興味が無い。信仰しているのも神ではなくロイエ教そのもの。預言は自分の発言を聞き入れてもらう為に偽った物で、入念な情報収集と優れた推察力・洞察力による高度な未来予測の賜物。融和路線も異種族を取り入れる事で革新を促し、ロイエ教の更なる拡大と発展を狙った物。表向きには品行方正な神の信徒だが、本当の姿は実態なき神の奇跡よりも今を生きる人の力を信じて、ロイエ教を心の拠り所とする人々の為に全てを捧げて働く"全人の教皇"である。
好き:人(亜人等も含む)、助ける事、パスタ類
苦手:ユーモアセンス、長時間の礼拝、動物の肉
夢:永劫に渡ってロイエ教が人々の救いとなる事
大嫌い:ロイエ教を悪用する者
462 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2025/05/01(木) 01:55:08.92 ID:t/Gso1Ng0
A
【名前】 少年(役職名や通り名やアダ名ではなく最初から名前が無いようである)
【種族】人間 ?
【性別】男性?
【年齢】10代前半?
【容姿】 小柄で黒髪で赤い瞳をした中性的な少年……フメイやフメイを元にした普段のクロシュの容姿を男性化したような姿、あるいは黒髪のサイン•セインに似た姿だが関連性は不明
【性格】無口無表情で感情が感じられない
【魔法】不明(何らかの強大な『力』をもっているらしいが……)
【備考】セクリエ•ロイエ の教皇庁のとある一室(殺風景を通り越して何も無い部屋)にひっそりと暮らしている少年。次期教皇候補として何らかの修行をしている、魔王や王国の勇者等が敵になった時のロイエ教版勇者、実は保護•封印された神•天使•魔王であると様々な噂が流れているが、彼は何も喋らず『時』が来るまで静かに存在し続ける……
463 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2025/05/01(木) 05:55:35.28 ID:HorP0kD4O
B
【名前】イリン・クラウド
【種族】鬼と人間のハーフ
【性別】女性
【年齢】21歳
【容姿】青髪で長身スレンダーだが、頭に角が生えておりフードで隠している
【性格】真面目だが隠しきれない野心を抱えている。また酒癖が悪く酔うと口調が荒くなる。
【魔法】筋力増強魔法が得意でかなりの怪力を誇る。
【備考】最初はロイエ教に入ろうとしたが鬼であることがバレ門前払いされ、ロイエに怨みを抱き彼らに代わり新宗教を立ち上げるべく町で身分を隠し、私塾を営みながら機会を伺っている。
464 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2025/05/01(木) 06:13:04.38 ID:aHsZSE450
B
【名前】ジェーン・S・ナナエルス
【種族】ハーフエルフ
【性別】女
【年齢】200歳
【容姿】金髪縦ロールの小柄な少女。派手目の服を着ている。
【性格】金好きの守銭奴だがしっかり者
【魔法】宝石生成魔法の使い手で所持する値打ち物を宝石に変換できる。格闘技も得意。
【備考】テイルの妹。実家が没落したので王国で鑑定屋を営みながら家の再起を図っている。姉の事は軽蔑しつつも内心は嫌っていない。密かに異種族の奴隷と接触し援助もしていて解放も目論んでいる。
465 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2025/05/01(木) 13:42:44.43 ID:DxvBjlcZo
A
【名前】グランドマスター
【種族】人間
【性別】男
【年齢】?
【容姿】大司教服に荘厳な杖を持つ見た目若い白髪男。
【性格】普段はニコニコ自己中サイコパス
【魔法】魔力を命に変換する魔法
【備考】原理派大司教としてセイントレアとセクリエ・ロイエを繋ぐ黒幕。教皇に次ぐ権力者だが、教皇を追い落とすために策を巡らせている。世界でも超希少な魔法を扱い、魔力が溢れる限り死なないし、死者すら生き返らせることもできる。そのため、人間であるのにその寿命を遥かに超える時を生きている。魔力の貯蔵として魔族や妖精などを集め、魔導機械に詰めて魔力を絞り上げることを王国に行わせている。これまでもこれからも永遠に生きるために自分のためだけに魔族を徹底的に弾圧するどうしようもないただの悪役。魔族の数を減らしつつ永遠の命も得られるとはなんて賢いのでしょうと自分を誉めている。彼の常勤する聖域の間は、魔力が満ちておりそこにいる限り無敵。永遠の命をちらつかせ協力者を増やしている。現場に出ないお偉いさんの癖に無駄に強い。最近教皇を無視して、王国と協同で対魔族国殲滅作戦を立案し、最高司令官に就いたところ。
466 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2025/05/01(木) 14:02:05.98 ID:B4VcCcQeO
@
【名前】ユグド・フランシス
【種族】人
【性別】男性
【年齢】65歳
【容姿】顔が良くイケオジ。栗色の整った髪型、栗色の顎髭がある。手には魔法の杖を持っている。
【性格】優しく人や魔族関係なく救いの手を差し伸べている。どちらか言うと博愛主義者。
【魔法】世界樹魔法
星魔法の派生で世界でおそらく1人しかいない魔法。
・世界樹の根源の魔翌力にアクセスする。星魔法のように火、水、土、風、光などを扱う事ができ、威力も星魔法以上になっている。世界樹の精霊の意思関係なくアクセス可能。
・疑似的な世界樹を生やして自分や味方の魔翌力を上げる事ができる。本物ではないので、止めればすぐに消える。
【備考】現教皇でセクリエ・ロイエ者達はみんな家族と考えており、どんな者にも話しを聞いたり、救いの手を差し伸べたりしている為、人間、魔族、さらにスライムなども彼の事を崇拝している者が多い。ロイエの者達も1人1人大切にしている。王国の事情にも知っている。世界樹の精霊ことは見えており、若い時に精霊の美しさから思わず告白しふられた経験があるが今では世界樹の精霊とは友達となっている。精霊の意思関係なく魔法使えるが精霊に注意された事があるので必要な時に世界樹にアクセスしている(基本は擬似的な世界樹を生やして対応している)。本人は5属性の魔法を扱えることが出来る。現在王国との関係やロイエの原理派の行動、デロデロ教の過激な行いに頭を悩ましている。宗教の自由で誰かどこの宗教にいるかは気にしないが死者の魂は世界樹の光みたいに帰る場所があるのにそれを1つにまとめようとするデロデロ教の考え方は正直死者への冒涜だと思っている。新聞を読むのが趣味で色んな新聞を読んでおり、その中にハーピィ記者の新聞も読んでいるので、ダークヒーローイリスやクロシュ達のことも知っている。
467 : ◆eAA16RTlRw2e [sage saga]:2025/05/01(木) 18:55:00.64 ID:bzdAUdBx0
現時点でコンマが最も高くたぶんこれ以上のものも出ないと思われる@は>>466の方なのですが、現状のものだとロイエ教の設定や世界観に合わない部分が多く、採用するには設定をかなり大きく変更しなければならないかもしれません
もし設定を変更しても問題なければ、なるべく本日中にその旨をレスして頂けると幸いです(本人のものと思しき返事が見られなかった場合、多数決で決めることになります。ご了承ください)
468 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2025/05/01(木) 19:18:43.70 ID:eNCEPTUL0
A
【名前】ガルシア・シモンズ
【種族】人間
【性別】男
【年齢】50歳
【容姿】整った顔立ちに騎士団顔負けの鍛えられた身体をもつ隻腕の男
【性格】物静かだが温厚誠実な人格者として知られている。実際は目的のためなら手段を一切選ばず、いかなる犠牲も厭わない冷徹な人物
【魔法】大地魔法(エバンズの魔法の完全上位互換。地形変化から足場の流砂化から硬質化といった地質変化、極小規模ながら重力変化も可能)
【備考】穏健派の有力者である司祭。元王国の騎士だったがある戦場で片腕を失い聖職者の道へ進んだという経歴を持つ。
異教徒や他種族とも積極的に交流を行い、度々王都に出向いては差別撤廃を訴えている。神官戦士団を指揮しセクリエ・ロイエ内の治安維持にも努めている。
だが、その裏の顔は穏健派を完全に主流にするためあらゆる暗躍を重ねてきた人物であり、彼の指揮する神官戦士団もその正体は原理派の要人を次々と抹殺した暗殺組織である。
現在はシノホシやデロデロ教の勢力拡大に危機感を覚え禁呪の研究をはじめ、その一環としてレイ・アンバーの捜索を行っている。
469 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2025/05/01(木) 20:46:00.06 ID:1t1x+wnWO
B
【名前】ヴィア・ビターエンド
【種族】スライム
【性別】女
【年齢】1600
【容姿】眉間の皺が深く刻まれた秘書スタイルの眼鏡美人
【性格】誰よりも優しいが心は弱い憐れな子
【魔法】反映魔法
【備考】伝説スライムの最初の分株。強力な変身能力によって人間として暮らしており、人間としての戸籍も持つ。王国で寄る辺のない魔族を細々と救う活動をしているが、魔族解放を成し遂げることはできないことに悲しみを感じている。王国で暮らすにあたりもう長いことスライムの姿に戻っておらず、自分がスライムだとバレることを極端に恐れる。最近触れたデロデロ教こそ世界を救うと信じている。
470 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2025/05/01(木) 20:54:25.12 ID:9YbpZSNM0
A
【名前】クレア・フォーサイト
【種族】人間
【性別】女
【年齢】24歳
【容姿】修道服に身を包んだ黒髪、糸目で細身の女性。通常時の瞳の色は髪と同じ黒色
魔眼を発動する時は目が開き、その時は片目が青のオッドアイ状態となる
【性格】真面目で慈悲深く、誰に対しても丁寧な口調で接する。まさに聖職者の鑑のような女性
【魔法】魔眼魔法(未来視の魔眼)。文字通り未来に起こる出来事を見る事が出来る
基本的に近い未来であればあるほどハッキリと見る事が出来るが(例えば数秒後など)、数日後の未来などになるとボンヤリとしか見えない
また一年後など、あまりに遠すぎる未来は見る事が出来ない
【備考】穏健派に属する女性聖職者
少女時代に未来視の魔眼の力に目覚め、友達にこれから起きる事を予言し見事に的中してみせたのだが、すごいと思われるどころか気味悪がられてしまい逆にい
じめられるようになってしまった過去を持つ
悲しみに暮れていた所、今の教皇にあたる人物から「君の力はきっと神様からの贈り物に違いない」と励まされた事がきっかけで「ならばこの力を神様と励まし
てくれたこの人のために役立てよう」とロイエ教への入信を決意する
それから今までロイエ教のために働いてきたのだが、最近未来視の魔眼でセクリエ・ロイエ及びロイエ教に何やら良くない未来が忍び寄っているのを見てしまい
不安に思っている
471 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2025/05/01(木) 21:51:00.97 ID:B4VcCcQeO
>>466を安価した者です。
設定の変更をしても大丈夫です。
472 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2025/05/01(木) 21:51:13.43 ID:eNCEPTUL0
すみません。>>468の捕捉ですが、

今なお鍛錬を怠らず、有事の際にはその場の石ころや土くれから自身の武具や義手を生成し、神官戦士団と共に前線に赴く。

も追加でお願いします。
473 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2025/05/01(木) 23:03:49.30 ID:OUIsixGlO
C
【名前】アイス
【種族】人間?
【性別】女
【年齢】不明。外見年齢は10歳前後
【容姿】白銀のさらさらショートヘア、アイスブルーの瞳の小さな少女
【性格】無口、純粋
【魔法】氷魔法
【備考】カリス・ノーランドに造られた生命の一体。カリスを慕っており、完全に服従している
現在の名前は、いくつかの仕事で良い結果を出した褒美としてカリスから与えられたもの。以前の名前はもっと記号的だった
カリスのしもべの中で一番強くて優秀なのは自分だと思っている
カリスを裏切って出ていった奴らのことはちょっと許せない
474 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2025/05/01(木) 23:51:28.22 ID:YtfthavqO
B【名前】 ミラ&クル
【種族】 人間
【性別】肉体的には男だが、精神的には男(ミラ)と女(クル)両方の面がある
【年齢】 17
【容姿】水色のロングヘアをした一見美少女に見える可憐な容姿。
【性格】基本的には抽象的で意味深な言動をよくする浮世離れた不思議ちゃんな性格だが一応ミラとクルでは細かい思想や好き嫌いは違うらしい。
【魔法】光&闇の混合魔法
【備考】元々はレイ•アンバーと同じ孤児院で暮らしていた双子の兄妹だったが、ロイエ教原理派による孤児院襲撃によって妹(の肉体)は死亡し、兄は妹の精神が入りこんだ(本当に入りこんだのか、所謂二重人格になってしまったのかは>>1におまかせで)うえで、ロイエ教原理派に保護された(囚われた)。 その後紆余曲折あってセイントレアにある孤児院で働いているが、実際の所はいつかレイ•アンバーがセイントレアやセクリエ•ロイエにやって来た時におびき寄せるための『餌』として泳がされている状態である。ちなみにミラ&クルにとってレイへの現在の感情は「愛憎好嫌入り混じったデロデロな感情」らしい。
475 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2025/05/01(木) 23:58:40.92 ID:0MYJXkuDO
A
【名前】メタトロン
【種族】熾天使
【性別】なし
【年齢】不明
【容姿】中性的な銀髪美人。天使の輪と4対8枚の翼を持つが普段はしまっている。
【性格】冷静
【魔法】裁定魔法
相手の罪の大きさに合わせて問答無用の罰を与える。
【備考】普段は原理派の一員として振る舞っており、最高位の天使の名前を与えられているが、まさかのその名前の天使本人である。
基本は下界に干渉しない主義の天界であるが、人間共のあまりに目に余る所業ゆえ、断罪を行うべきか見極めるために現出した。一応不干渉主義なのでギリギリまで見極めている最中である。
今はロイエ教の下っ端として活動しているので、最高位の天使なのに雑用を押し付けられたりすることに少しの不満と同時に新鮮さでちょっと楽しんでいる面もある。っす〜という下っ端言葉使ったり割とノリノリじゃないか。
476 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2025/05/02(金) 00:00:25.80 ID:GdtzLJCEO
【名前】豪腕武僧
【種族】人間
【性別】男性
【年齢】35
【容姿】非常に大柄で筋骨隆々としたゴツい体格。日に焼けた肌。ハゲ頭(本人曰く剃っている)。左目を隠す眼帯。厳めしい顔立ち。
【性格】信心深く戒律を重んじるが、気さくでおおらか。
【魔法】肉体魔法。肉体の強化や変化、干渉などに特化している。
【備考】
セクリエ・ロイエに属する武僧で町の治安維持や戒律を破った者の懲罰を担う。
一応は原理派に属するが、見た目に反し基本的には平和主義で他種族への排斥には懐疑的な見方をしている。
本人としては人間が一番尊い種族なら他種族をも救済・善導するべきでは、と思っている。
477 : ◆eAA16RTlRw2e [sage saga]:2025/05/02(金) 00:01:41.21 ID:k0ekA9c00
皆さん今回もありがとうございました。世界樹の光を巡る旅の終着点に相応しい人選になりそうです(終着点とは言いつつ物語がこの編で終わるかはまだわからないかもしれません)

>>471
ありがとうございます、なるべく元のものから変わりすぎないように気を付けたいと思います
478 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2025/05/02(金) 00:31:26.77 ID:k0ekA9c00
 ―幕間―

―セイントレア平原 街道

 馬車「」ガタンゴトン

御者「ミュージアも随分良くなっておりましたなあ。あなた方ロイエ教が頑張ってくれたお陰ですかな?」

聖女「ふふ。あの街に住む人たちと、あの街を助けたいと思ったたくさんの国の人たちの思いが集まったからですよ。私たちは、その一部でしかありません」

御者「謙虚だねえ」

聖女「事実ですよ」


 馬車「」ガタンゴトン


御者「お、見えてきたよ」

聖女「!」


 遠くに見える王都セイントレアの大城壁「」ドドドド


御者「セイントレアが誇る大城壁……あれがある限り、セイントレア王国は鉄壁だろうねえ」

聖女「そうですねぇ……」


 遠くに見える王都セイントレアの大城壁「」ドドドド


聖女「……」

聖女(そしてあの壁の向こうに、セクリエ・ロイエ……二年ぶりくらいかなあ……)

聖女(……お姉ちゃん、元気かな? いつも忙しそうだから、会ってもあんまり話せないけど……)

聖女(………たまにはゆっくりお話してみたい……。でも原理派の人たちって、ちょっと怖いし……魔族を差別するらしいし……)

聖女(……お姉ちゃんも、魔族を嫌いなのかなあ………)

 コロン…

聖女「……ん?」

 石の賽「」コロン

聖女「……あれ? この……石の、サイコロは――」

 ◆
479 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2025/05/02(金) 00:32:15.34 ID:k0ekA9c00
それでは本日はたくさんのご投下ありがとうございました。本編は土日の予定です、よろしくお願いいたします
480 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2025/05/02(金) 04:17:47.63 ID:pynvYbp2o
おつでした
運命賽さん!?何故…
481 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2025/05/02(金) 08:21:36.36 ID:65ThcmK5o
おつ
話の区切り点にはなりそうね
問題山積みの世界だからこれがまた新しい騒乱を呼ぶかもしれんが…
482 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2025/05/02(金) 09:10:45.92 ID:mONsBSy8o
乙です
そういえば結局国の方のトウゲンには行かずじまいか
483 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2025/05/03(土) 07:55:07.95 ID:6MEmnOD2O

そういや妖精って人間体クロシュの頭くらいの大きさなのかな
484 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2025/05/03(土) 18:15:24.63 ID:15NShO4h0
運命賽さんがなぜ聖女氏のもとへ現れたのかは今のところ不明です。一応は原理派所属の聖女氏は、芸術都市でのお勤めを終えた帰りに王都およびセクリエ・ロイエに寄っていくようです。機会があればクロシュたちと会うこともあるかもしれません

今回のお話が運命の大きな区切りとなりそうなのは、実際その通りだと思えます。そして実際問題も山積みですが、このお話の中でそれらの問題がどのようになっていくかは未知数です。気を付けていくのが良いでしょう

温泉街の方のトウゲンに行くことはできましたが、国の方のトウゲンには未だ行きませんでした。もしクロシュたちの旅がここで終わりとなるのなら今後行く機会もなくなりますが、もし続けば行く可能性があるかもしれません。今はまだ闇に包まれています

妖精の大きさは様々ですが、基本的には小さいです。描写によっては少々ブレが生じることもあるかと思いますが、妖精なのでそういうものなのかもしれません。なお世の中にはオオキイ妖精もいるそうです
485 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2025/05/03(土) 18:20:16.45 ID:15NShO4h0
―野良妖精のおうち
 離れのキッチン

 露の蛇口「」ポン
 木の流し台「」ポン
 石の炉「」ポン

クロシュ「わあ……!」
 
デュア「離れにキッチンが!」

野良妖精「うん! おうちの木の中で火は使えないもん!」

妖精「なるほどね。おうちの木に頼らずここまで作ったなんてやるなあ」

野良妖精「やるでしょ!」

 大袋に詰められた巨大どんぐり「」ドン!

イリス「わっ……! 妖精サイズだとどんぐりがすごく大きく見える……!」

ミスティ「なかなか食べ応えがありそうね……」

妖精「イリスたちにとってはけっこう面白い食事が楽しめるんじゃない?」

イリス「妖精さんがでっかい……じゃなくて私たちが小さいだけでもだいぶ楽しいよ! でも私、妖精サイズで料理ってしたことないからちょっと自信ないかも……」

ミスティ「今回は妖精に作ってもらえば良いんじゃない?」

妖精「えっ!? いや、食事については家主の意向に従うのが――」

野良妖精「えへへ、じゃあせっかくだしお願い太母さま!」

妖精「げっ、あなた私のこと知ってたの!?」

野良妖精「本に載ってたもん!」

デュア「ふむ……では私も手伝おう! ソリや宿泊など、頂いてばかりでは気が済まん!」

妖精「あ、そう? それじゃあ手伝ってもらおうかな」

デュア「任せてくれ!」

野良妖精「食材はいっぱい溜め込んであるから好きに使ってね〜」


↓1〜2 食材を1〜2つ選択
肉類:畑の肉
野菜:野草、マジカルトリュフ、芽キャベツ
穀物:妖精米、プチ麦、オオキイ豆、ムカゴ
魚介:メダカ、サワガニ、タニシ
果実:森林木苺、どんぐり、精霊樹の実
卵乳:スズメの卵、エルフミルク、エルフチーズ、エルフバター
特殊:アルラウネオイル、スライムゼラチン、フェアリーシロップ


ついでに料理技能
コンマ一桁目の数値が大きいほど料理上手(0が最大)
↓1 妖精

↓2 デュア
486 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2025/05/03(土) 18:21:31.78 ID:WqEaS36/0
妖精米、アルラウネオイル
487 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2025/05/03(土) 18:26:45.50 ID:RsJ0NXr70
精霊樹の実、畑の肉
488 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2025/05/03(土) 18:32:37.66 ID:wnrUB0OYo
どっちも上手いじゃねぇか!
489 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2025/05/03(土) 19:06:12.48 ID:15NShO4h0
妖精「それじゃあまずデュアには畑の肉を切ってもらおうかな?」

 トントントントントン
 均等に切られた畑の肉「」ポン!

デュア「切ったぞ!」

妖精「はやっ!? しかも形も大きさも完璧だ!?」

デュア「剣士たる者、刃物の扱いには習熟していなければな」

 *

 石の炉「」メラメラ…

デュア「……」メラメラ

妖精「すごい……完璧な火加減調節!」

デュア「炎剣士たる者、火の扱いには習熟していなければな」

 *

 緑の国風フェアリーパエリア「」ポン! キラキラ…

クロシュ「わああ……!」

イリス「わあ……! これは――パエリア!!」

妖精「一時期緑の国でフルーツパエリアが流行ったことがあってね。丁度良い食材が揃ってたからさ」

デュア「うむ! 存分に召し上がってくれ!」

 *

スライムクロシュ「〜〜♪♪♪」モニョニョ モグモグ

野良妖精「〜〜〜♪♪♪」モグモグ

ミスティ「これは……美味しいわ!!」モグモグ

ローガン「爽やかで甘酸っぱいアルラウネオイルを下地に、妖精米と畑の肉、そして精霊樹の実から染み出した甘味と旨味が相互に混じり合って――エクセレントな味わいを醸し出している!」モグモグ

エバンス「こ、こりゃあ……俺たちより上手いじゃねえか!! 妖精!!!」モグモグ

イリス「本当ですよ! こんな力を隠してたなんて!!」モグモグ

妖精「いや私、人間サイズの料理はできないし……。それにこれはほとんどデュアのお陰だよ。デュアがとんでもない手練れだったんだ」

デュア「はは、そう謙遜するな妖精! 私の本文は冒険者だ!」

妖精「料理人やった方が稼げると思う……」


 ☆妖精の料理技能レベルが判明しました(8:とても上手)

 ☆デュアの料理技能レベルが判明しました(10:天才)

 ☆とても美味しい料理を食べて元気になりました
  次の戦闘コンマに+30が加算されます

 ◆
490 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2025/05/03(土) 20:22:46.43 ID:15NShO4h0
―クロシュの夢
 夢の集落の外れ

クロシュ「……」

ブラッドの欠片「クロシュ、話がある」モニョモニョ

クロシュ「?」

ブラッドの欠片「この集落にはいろんなやつがいるけど、おまえはその力を全部引き出せてるわけじゃない。むしろ引き出せてるのはごくごく一部の僅かなものだけ……。もったいないと思わない?」モニョモニョ

クロシュ「そうなの?」モニョニョ

ブラッドの欠片「そうなの。まあそれ自体は仕方ないことだよ。ネズミを食ったからって、ネコがネズミになれるわけじゃない。変幻自在のスライムにも限界はある」モニョモニョ

クロシュ「そうなんだ」モニョ

ブラッドの欠片「そこで……ちょっとおまえに試して欲しいことがあるんだ」モニョモニョ

クロシュ「?」


↓1コンマ(心属性+50、スライム技能+40、??+30)
000-100 むり……
101-150 難しい (1/6)
151-170 まあまあ(2/6)
171-190 そこそこ(3/6)
191-200 できた (6/6)
201-000 ???
491 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2025/05/03(土) 20:23:20.95 ID:j+6K9yMKo
たかく
492 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2025/05/03(土) 20:40:44.39 ID:wnrUB0OYo
おおおー!
493 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2025/05/03(土) 21:07:30.20 ID:15NShO4h0
不死鳥の羽根「待ちなさい」ヌッ

ブラッドの欠片「何? 死者への冒涜だのとかいうくだらない説教なら……」

不死鳥の羽根「違う。不死鳥の私がそんな視野の狭いことを言うはずないでしょう」

ブラッドの欠片「じゃあ何」

不死鳥の羽根「私に良い考えがあるわ」

クロシュ「?」

ブラッドの欠片「良い考え……?」

 ◆

―早朝
 野良妖精のお庭

 チュンチュン

クロシュ「……」


妖精「あ、おはよクロシュ。こんな朝早くから何を――」


不死炎クロシュ「」ゴウッ! チリチリ…


妖精「えええっ!?」


 再生の炎「」メラメラ―
 パラサイトソード「」ズズズ―


妖精「!!?!? そ、その剣は……!!?」


不死炎クロシュ「……できた」

パラサイトソード「?」キョロキョロ

妖精「……クロシュ、まさか!」

 シュウウン―…

クロシュ「……わたしの、夢の中にいる人……お外に、出せる……!」

 ◇
494 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2025/05/03(土) 21:19:38.86 ID:15NShO4h0
―野良妖精のおうち
 リビング

イリス「ええええっ!!!? そ、そんなことが!!?」

妖精「うん。少し調べてみたんだけど……このパラサイトソード、物凄く奇妙な状態みたい。分体を経由して不死の炎によって生み出された結果、限りなく元の状態に近い生命≠ニして復活≠オてるんだ」

ミスティ「ええと……どういうこと? 普通の分体とは違うの?」

妖精「普通の分体なら、それはつまり中身がスライムでしょ? でもこれは……もう中身もスライムじゃなくて、ほとんどパラサイトソードと言っても良い物体なんだ。魂関係の魔法は詳しくないけど、不死の炎で復活できたってことはたぶん元の魂が宿ってるはず」

ローガン「なんと……そのようなことが……」

エバンス「……でも、パラサイトソードってちょっと危なくないか? その剣って前にクロシュちゃんを乗っ取ったよな?」

妖精「まあ……ほぼ独立してるとはいえ元は分体だから、クロシュには逆らえないんじゃないかな……。クロシュもその認識みたいだし……」

クロシュ「ん。パラサイトソードさん……悪さしちゃ、だめ」

パラサイトソード「〜〜…」

野良妖精「じゃあ試しにわたしが触っても乗っ取られない〜?」

 ペタペタペタ

パラサイトソード「〜〜///」

野良妖精「わわ〜照れてる〜!」キャッキャ

妖精「まあ大丈夫そうだね、うん」


 ☆クロシュが特殊復活魔法『エインヘリヤル・リインカーネイション』を覚えました
  無事な魂があればその存在を復活させることができます
  ただし不死鳥の力を使うため、とてもお腹が減ります

 ☆パラサイトソードを手に入れました。状況に応じて振り回すことができます

 ◇
495 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2025/05/03(土) 21:38:57.81 ID:15NShO4h0
―セイントレア平原 3日目

◇クロシュ [あかちゃんスライム]
武:メイドブレード  盾:ラティアの大盾  飾:くすんだ耳飾り
武:竜珠の大杖    防:竜のエプロン   飾:不死鳥の羽根

◇妖精   [世話焼き妖精]
武:         盾:         飾:くすんだ耳飾り
武:         防:精霊のレオタード 飾:

◇イリス  [星の魔法使い]
武:蒼き星の杖    盾:         飾:くすんだ耳飾り
武:         防:魔術師のローブ  飾:

◇ミスティ [氷の魔法使い]
武:氷の短刀     盾:         飾:くすんだ耳飾り
武:         防:氷竜革のローブ  飾:

◇ローガン [鋼の戦士]
武:蜥蜴一文字    盾:灼鋼の盾     飾:くすんだ耳飾り
武:鋼の回転ノコギリ 防:オリハル鎖帷子  飾:

◇エバンス [地の傭兵]
武:古代の鉄槌    盾:         飾:くすんだ耳飾り
武:魔銀の刀     防:硬質革鎧     飾:

◯所持アイテム
[道具]        [装備品]       [大事なもの]
運命賽*2       蜘蛛絹の下着      魔族国永久旅券
会心賽*1       ザリガニのお守り    フメイの服の切れ端
反魂丹*1       大きな巻き貝      精霊の印
鉄鍋+携帯調理器具   闇の欠片        精霊樹の実のジャム
「星の魔力」上中    フリルワンピ水着    精霊樹の鉢植え+赤雷球
お宿の妖精の織物    魔法学園のスク水    フメイとアリシラの人形
魔導飯盒        ガラスのザリガニ    メルルの帽子
妨害魔力波発生装置   踊り子の双剣      溶岩石のアミュレット
属性大全        サボテンドラゴンの花  太陽のメダリオン
魔王図鑑        精霊のローブ      暗黒優待券
氷精の魔導書      精霊樹の杖[改]    冒険者証(ランク1)
ブラッドワイン*1   ダイヤメリケンサック  大魔女帝国渡航権
吸血鬼殺ワイン*1   パラサイトソード    かたたたきけん
魔術書「正負の属性」              大魔女帝国滞在許可証
吸血鬼の日焼け止め               風船印のパラシュート
日蝕の傘                    ラティア勲章
大魔女サイン*1                ユーシリア王家の紋章
古代のセラミック
ステライト鉱石
晴れ乞い傘
チョコスムージー
ヒヒイロカネ

◯現在の目標
・フメイちゃんを探す
・世界樹の光を追う[4/5]

◯仲間の目標
・カリス・ノーランドを討つ(ミスティ)

◯経験値
・クロシュ 剣技[01/07] 魔法[01/07] 防御[00/07]
・イリス  杖術[02/04] 魔法[12/16]
・ミスティ 剣技[04/07] 魔法[10/16]
・ローガン 剣技[16/16] 魔法[05/08] 防御[07/08]
・エバンス 剣技[16/16] 魔法[06/08]
……………………………………………………………………………………
496 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2025/05/03(土) 21:39:27.26 ID:15NShO4h0
―廃教会の裏手

野良妖精「ありがと〜! 元気でね〜! 精霊の加護がありますよ〜!」パタパタ

野良妖精のおうちの木「〜〜」サワサワ

 ◇

―セイントレア平原

 強化ソリ「」シャーッ


イリス「旅の途中であんなに良いお宿に泊まれるなんて!」

スライムクロシュ「〜〜!」モニョモニョ

ローガン「うむ、良き休息になった」

ミスティ「昨日の料理、美味しかったわね……」

デュア「妖精類の者と関わったことはあまりなかったが、気の良い者たちなのだな!」

妖精「そうだねえ……。どいつもこいつも能天気すぎて心配にもなるけど……」

エバンス「妖精は妖精類としては珍しいタイプだよな」

妖精「まーね」

 *

スライムクロシュ「……」


スライムクロシュ(アリシラさんが……集落の、みんなの魂……集めておいてくれたから……)

スライムクロシュ(復活の魔法で……みんな……蘇らせられる、かも……)

スライムクロシュ(……フメイちゃんと、アリシラさんに……会ったら……)

スライムクロシュ(相談……してみよ……!)


↓1〜2コンマ ランダムイベント
01-10 強敵
11-25 敵襲
26-50 食料発見(コンマ)
51-75 場所発見(コンマ)
76-00 良いこと(自由安価)
497 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2025/05/03(土) 21:43:20.77 ID:WqEaS36/0
498 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2025/05/03(土) 21:46:58.64 ID:Ptn4md6TO
499 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2025/05/03(土) 21:50:26.47 ID:15NShO4h0
良いことがあり、そして場所を見つけました

↓1自由安価 起こった良いこと

↓2コンマ 見つけた場所
01-20 廃城
21-80 山賊のアジト
81-00 絢爛な廃城
500 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2025/05/03(土) 21:50:38.97 ID:6MEmnOD2O
ヒナテイルと再会
501 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2025/05/03(土) 21:54:09.11 ID:Opo72bgZO
どこだろな
502 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2025/05/03(土) 22:38:04.30 ID:15NShO4h0
―セイントレア平原

 強化ソリ「」シャーッ


エバンス「……ん? あの街道を歩いてるのは――」

イリス「あっ! ヒナさんとテイルさん!」

 *

 強化ソリ「」キキッ


テイル「こんなとこで再会するなんて奇遇ね!」

クロシュ「ん!」

ミスティ「二人とも元気みたいね」

ヒナ「お陰様で!」

エバンス「しかしどこへ向かうところだったんだ? 王都はあっちだぞ?」

ヒナ「フフフ、私たちの行き先は王都じゃありませんよ。その行き先はなんと――恐ろしい吸血鬼が住まうという廃城です!!!」

イリス「えっ、ええっ!?」

テイル「……ここで会ったのも何かの縁ってことで……助けてくれない?」

 *

ローガン「なるほど……危険度極高の依頼か」

テイル「そうなの! ヒナの奴止めても聞かないのよ!! あなたたちも来てくれたら心強いの!!」

ヒナ「フフ、一緒に来ます? 報酬は山分けにしても良いですよ?」

妖精「……吸血鬼の廃城か……」

イリス「……よ、妖精さん。私……気になります」

ミスティ「……そうね。変な行き違いになったら困るものね」

ヒナ「ん? 何かご存知なんですか?」

妖精「ああ、いや……ちょっとこの辺で活動してる吸血鬼とは縁があってさ。そいつかどうかはわかんないんだけど……」

テイル「えっそうなの!?」

 *

 強化ソリ「」シャー…
 キキッ


 暗雲渦巻く廃城「」ゴゴゴゴ…


イリス「あれが……」

エバンス「いかにもって感じのヤバそうな城だな……」

テイル「頼むわよ、あなたたち……!」

ヒナ「テイルも戦ってくださいね?」

テイル「わかってるわよ!」

 *
503 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2025/05/03(土) 22:39:03.40 ID:15NShO4h0
―廃城庭園 踏破率[0/10] 持久力[10/10]

 枯れた植物「」
 砕けた何かの像「」
 割れた墓石「」

コウモリたち「キーッ!」バサバサバサッ


イリス「昼間とは思えないくらい暗い……!」

妖精「吸血鬼の日除けの魔法かも。城全体を闇の力が覆ってる」

クロシュ「明かり……いる……?」

ローガン「いや、クロシュくんは温存してくれ。ここはこれを使おう」スッ

 松明「」ボッ

ヒナ「おおっ、準備良いですねおじさん!」

エバンス「むしろ吸血鬼退治の依頼なのになんでお前達は松明の一つも持ってきてないんだ……」

 *

ゾンビ「ア゙ア゙ア゙ア゙ア゙ア゙」ノソノソ
ゾンビ「ア゙ア゙ア゙ア゙ア゙ア゙」ノソノソ
ゾンビ「ア゙ア゙ア゙ア゙ア゙ア゙」ノソノソ


デュア「またゾンビか! この炎剣士デュアの出番だな!!」シュバッ

 ズバァッ!! ゴウッ!! ドガァンッ!!


テイル「すごっ! ねえあの人ってもしかして凄腕冒険者のデュア・シャスタ!?」

ミスティ「知っているの?」

テイル「そりゃもちろん! 圧倒的な強さのソロ冒険者よ! 私の憧れの一人!」

イリス「デュアさん、凄い人だったんだ……!」

妖精「イカダで溺れかけてたり、料理が凄かったりする印象が強かった……」


↓1コンマ
01-10 踏破率+2、強敵
11-30 踏破率+2、敵襲
31-50 踏破率+2、斧  (任意ターン、コンマ+20)
56-70 踏破率+2、十字架(任意ターン、コンマ+30)
71-90 踏破率+2、時計 (任意ターン、コンマ+40)
91-00 踏破率+2、鞭  (戦闘時、コンマ+40)
504 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2025/05/03(土) 22:40:00.71 ID:j+6K9yMKo
余裕の踏破
505 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2025/05/03(土) 23:02:46.63 ID:15NShO4h0
―廃城エントランス 踏破率[2/10] 持久力[9/10]


 突然落ちてくるシャンデリア「」ヒュウウウンッ


テイル「きゃああっ!!?」

ローガン「むん!」バッ


 砕かれるシャンデリア「」ドッギャァァァン!!


テイル「ひええ……た、助かった……」

ローガン「うむ……気を付けた方が良い。既にここは敵陣の真っ只中だ」シャキ


骸骨兵「」カラカラ
骸骨兵「」カラカラ

 古代の鉄槌「」ブオンッ!!

砕かれる骸骨兵「」バギャッ

エバンス「次から次へと来やがる! 一体一体は雑魚だが――」

ヒナ「鬱陶しいですねえ……。城主に会うまでに少しでも削る作戦なんですかね」

妖精「どうだろう。吸血鬼流の思考を真似するなら……この程度すら越えられぬ弱者に拝謁の権利はない……って感じかも」

ヒナ「なんて尊大!!」

 *

 蝋燭「」ユラユラ

クロシュ「?」スッ

 ペシッ
 吹っ飛ぶ蝋燭「」バキャッ

 懐中時計「」ポン!

クロシュ「!」

イリス「蝋燭を壊したら……懐中時計が出てきた!?」

ミスティ「ええ……?」

妖精「……ん? この懐中時計……ただの時計じゃない。何かしらの神威を感じる……!」

テイル「! これは……吸血鬼殺しの七つ道具の一つ、時止めの時計だ!」

妖精「知っているの!?」

テイル「昔本で読んだことがある。とあるすごいヴァンパイアハンターは、時計を使って時を止めて、その間に敵を砕いたそうなの!」

エバンス「おいおい嘘だろ!? 時を止めるなんてそんな滅茶苦茶なことが……!」

妖精「いや……この懐中時計の神威からすると、あながち嘘じゃないかも」

エバンス「マジかよ」

テイル「でも時止めは消耗が凄かったらしいわ。きっと本職のヴァンパイアハンターでもない私たちが使えるのは一度きりくらい……。使い所はよく考えた方が良さそうね」


 ☆時計を手に入れました
  任意の1ターン、コンマ+40を得られます
  一度使うとなくなります


↓1コンマ
01-10 踏破率+2、強敵
11-30 踏破率+2、敵襲
31-50 踏破率+2、斧  (任意ターン、コンマ+20)
56-70 踏破率+2、十字架(任意ターン、コンマ+30)
71-90 踏破率+2、七面鳥(持久力+4)
91-00 踏破率+2、鞭  (戦闘時、コンマ+40)
506 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2025/05/03(土) 23:06:22.24 ID:mDfPvtmZO
507 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2025/05/03(土) 23:25:09.38 ID:15NShO4h0
―廃城蔵書庫 踏破率[4/10] 持久力[9/10]

 壁一面の本「」
 床一面の本「」
 天井一面の本「」


クロシュ「わわ……!?」

デュア「こ、ここは……凄いな!!?」

イリス「壁どころか、床と天井にも本がびっしり……!! 一体どうなってるの!?」

妖精「この廃城、明らかに空間が歪んでる……。ここにある本は読まない方が良い。たぶん呪われる」

ヒナ「ねーねー、それじゃあこういう場合はどうすれば良いの?」

妖精「え?」


飛んで迫ってくる開いた本「」バサバサ
飛んで迫ってくる開いた本「」バサバサ
飛んで迫ってくる開いた本「」バサバサ


テイル「ぎゃああああ!!?? 本が!! 本が!!」


飛んで迫ってくる開いた本「」バササッ――キィン
 魔法陣「」フォン―

 ページから飛び出す剣「」ジャギンッ!!

 ガギンッ!!

ローガン「くっ! イビル・ビブリオか!!」ギギギ

エバンス「イビルビブリオ!?」

ローガン「悪意を持って襲ってくる魔導書の総称だ! 皆、応戦するぞ!!」


イビル・ビブリオたち「〜〜」ケタケタ

 ――戦闘開始 イビル・ビブリオの群れ――

 ☆戦力差および料理効果により自動的に勝利しました

 ◇

逃げていくイビル・ビブリオたち「っっっ」バサバサバサッ


イビル・ビブリオの一冊「」ベタッ


イリス「一匹逃げ遅れた!」

ミスティ「取り押さえるわよ!」シュバッ

 ベチッ

イビル・ビブリオ「〜〜!」ジタバタ


↓1コンマ
01-70 汎用魔導書(全員魔法経験+1)
71-80 魔導書「絶対零度」
81-90 魔導書「星の魔力・下」
91-00 ↑全部
508 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2025/05/03(土) 23:31:16.06 ID:K9yBFfNYO
一台や二台ではない。全部だ!
509 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2025/05/03(土) 23:45:13.17 ID:15NShO4h0
イビル・ビブリオ「」ジタバタ

妖精「……内容はものすごく基礎的だね。イビルの癖に」

ローガン「まあ……魔導書が悪質化するかどうかは内容とは関係がないのだろうな……」

イリス「基礎を見直せというメッセージかもしれませんね……」

 ☆基礎魔導書を手に入れました。
  後日みんなで勉強会を開き、全員の魔法経験が+1されました

 ◇

―廃城時計塔 踏破率[6/10] 持久力[9/10]

 巨大な歯車「」ゴゴゴゴ
 巨大な歯車「」ギギギギ

 昇降機「」ゴゴゴゴ


ヒナ「これは……どうやって動いてるんです?」

妖精「さあ……。城主の魔力……だとするとものすごい無駄遣いだけど……」

デュア「とりあえずこの昇降機に乗っていくのだな?」

テイル「幸い大型だし、みんなで乗れそうね」

 *

 昇降機「」ガゴン ゴゴゴゴ…

クロシュ「わわ……!」キョロキョロ

ミスティ「……ここに住んでいるという吸血鬼って……フレメアなのかしら……?」

イリス「……この魔力……フレメアさんっぽい気もするけど……フレメアさんっぽくないような気もする……。うーん……」

ローガン「……まさか、フラナ氏ではないだろうな?」

イリス「や、フラナ先生ではないと思います! でも……なんだろう、この違和感というか……」

妖精「……このわけのわからない仕掛けを動かしてるくらいだから、物凄くやばい吸血鬼なのは確かだ……」

エバンス「ヒナとテイルだけで行くことにならなくて正解だったな……」

↓1コンマ
01-10 踏破率+2、強敵
11-30 踏破率+2、敵襲
31-50 踏破率+2、斧  (任意ターン、コンマ+20)
56-70 踏破率+2、十字架(任意ターン、コンマ+30)
71-90 踏破率+2、七面鳥(持久力+4)
91-00 踏破率+2、鞭  (戦闘時、コンマ+40)
510 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2025/05/03(土) 23:47:10.29 ID:C3Xurz5AO
はい
511 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2025/05/04(日) 00:11:12.51 ID:zhWEOcxD0
―廃城天空回廊 踏破率[8/10] 持久力[8/10]


 天空回廊「」ゴゴゴゴ


テイル「この回廊の先にあるわ! 最上階への階段が……!」

ヒナ「ワクワクしてきましたね……! 一体どんな狂った吸血鬼が潜んでいるのか……!」

エバンス「気を付けて進めよ? まだ何が潜んでいるか――」


 ガション!! ガション!!

巨大な鎧兵士「」ガション!!


テイル「でっ……でっ……」ガクガク

デュア「デカい!!!!」

エバンス「な、なんだありゃあ……オノゴロで見た、毒の骸骨将軍……がしゃどくろってのと同じくらいあんじゃねえのか……!?」

妖精「あ、あれは……幽界の回廊を守護すると言われる巨大鎧兵!!」

イリス「ゆ、幽界の回廊……!? なんでそんなものがここに!!?」

妖精「……吸血鬼が喚び出した以外にない。でも……まさか幽界の者を喚び出すなんて……!!」


巨大鎧兵「」ガション!! ググググ
 巨大な剣「」ジャキン―


ローガン「来るぞ!! 備えろ!!」ジャキッ

 ――戦闘開始 巨大鎧兵――

 ☆戦力差および料理効果により自動的に勝利しました

 ◇

 砕けた鎧の破片「」ガシャン

クロシュ「……」ツンツン

ミスティ「中身は空っぽなのね……」

妖精「中には幽界に渦巻く闇の力が詰まってて、それがあの巨大な鎧を動かしてるんだ。まあでも難なく倒せて良かったよ」


↓1コンマ
01-70 全員近接経験+1
71-90 ↑+折れた闇の大剣
91-00 ↑+クロシュ盾強化
512 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2025/05/04(日) 00:13:15.69 ID:oKq+0QY2o
513 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2025/05/04(日) 00:23:21.98 ID:zhWEOcxD0
 ☆戦いの中で近接経験を1身につけました

 ◇

―廃城最上階 踏破率[8/10] 持久力[8/10]

 巨大な階段「」ゴゴゴゴ…

テイル「こ、この階段を登った先に……!!」

ヒナ「……いる。この城を支配してる奴が……!」


イリス「……!?」

ミスティ「…………ねえ。私……おかしくなったのかしら……」

妖精「………いや……」

エバンス「……ん? どうしたんだ?」

イリス「……フラナ先生の、魔力を……感じる……。フレメアさんのも……。そして……」

妖精「………その、どちらでもない……ものすごく、やばい気配がある」

ローガン「……なに?」

ミスティ「……どういうことなの。なんであの二人の魔力が? それに……あとの一つって……」

イリス「……っ、い、急がなきゃ!! 何か……このままだと、まずい気がするっ……!!」

ローガン「待て、イリスくん! 一人で先走るな!」

イリス「……わ、わかってます。大丈夫……でも、急ぎましょう……!! 私……胸騒ぎがするんです……!!」

妖精「うん……。急ごう。私も……何か、とても良くない気配を感じる……!」


デュア「……何か、ものすごくまずい状況なのだな」

クロシュ「うん……そうみたい……」

デュア「……私も全力を尽くそう。行こう、クロシュ殿!」

クロシュ「ん!」


↓1コンマ
01-40 踏破率+2、斧  (任意ターン、コンマ+20)
41-80 踏破率+2、十字架(任意ターン、コンマ+30)
81-00 踏破率+2、鞭  (戦闘時、コンマ+40)
514 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2025/05/04(日) 00:25:25.74 ID:Sn/sWy1CO
515 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2025/05/04(日) 00:36:54.05 ID:zhWEOcxD0
十字架を拾ったところで本日はここまでとなります。次回、廃城天守閣で決戦編です

悪魔めいた廃城を進む一行を待ち受けるは、果たして如何なる吸血鬼か。国を束ねる理性の妹か、怒りに身を焦がす狂気の姉か、あるいは。
城主の間への扉を開いた時――吸血鬼たちのかなしき運命が交錯し、新たなる悲劇が幕を開ける――

それでは本日もありがとうございました。次回もよろしくお願いいたします
516 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2025/05/04(日) 01:21:20.61 ID:ocpKBtNW0

廃城での探索がとんでもない展開になってきたな。
後、関係ない話しだけどエバンスとローガンの剣技が「16/16」のままだけどこれ以上あがらないのかな?
517 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2025/05/04(日) 12:19:32.13 ID:ywhherhAo
おつです
取り込みからの復活までできるようになるとはクロシュちゃん恐ろしい子!
思想が変な方向に行かないようにしなきゃ…
518 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2025/05/04(日) 17:00:34.18 ID:oKq+0QY2o
なんか決戦が始まってしまった
負けイベントか
519 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2025/05/04(日) 19:26:17.94 ID:hXzPBjGvO
王国は因縁回収編か
520 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2025/05/04(日) 19:55:08.28 ID:zhWEOcxD0
廃城探索は大変なことになっているようです。クロシュたちの運命がどうなるかは未知数かもしれません
なおエバンスとローガンの剣技経験については、>>333の下部にかかれている通り通常の方法ではこれ以上上がりません

復活技まで使えるようになってしまったので、図らずもクロシュ氏は恐るべき存在になりつつあるのかもしれません。今後の行動には気を付けた方が良いかと思いますが、しかし周りの人たちがちゃんと見ていてくれる現在の状態なら大丈夫でしょう

廃城天守閣での決戦は、負けイベントというわけではありませんがとても大変な戦いになるかと予想されます。気を付けるのが良いでしょう

王国編では実際様々な因縁が絡み合う大変なお話になるかもしれません。気を付けていくのが賢明かもしれません
521 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2025/05/04(日) 19:56:50.62 ID:zhWEOcxD0
―廃城天守閣

 ドガァンッ!!!

  バギャッ!! ボムギッ!! バゴォン!! ブシャァッ!!

フレメア「あああああっ!!!」ドガァッ!!

フラナ「フレメア!!!」

「余所見をしている余裕があるのかしら?」ヌッ

フラナ「っ!!!!」

 ドガガガッ!!!! バギィッ!!! ドゴォッ!!!!

   ガシッ!!!!

首を掴まれて持ち上げられるフラナ「ぎっ……!!」ジタバタ

「愚かな娘たち……。身の程を弁えられたなかったのね……」グググ

フラナ「か……かあさ、ま………どう、して……!!!」グググ

「どうして……? そうね……敢えて言うなら……」

フラナ「……?」

「可愛い愛娘たちの命くらいは……私の手で、終わらせてあげたいから」ググッ

フラナ「かっ……はっ……!!?」グググ


 大きな扉「」バァンッ!!!


イリス「フラナ先生!! フレメアさん!!」ババッ

ローガン「これは……どういう状況だ!!?」ババッ


フラナ「……っ!!?」ググ

「あら……フラナの知り合いの子?」グググ

フラナ「っ……!!!」ジタバタ―

 ボキッ!!

フラナ「」カクン

 ブンッ ヒュウウ― ドサッ…


イリス「ああっフラナ先生!!」


「あの子たちへのトドメは後回しにして……まずは挨拶と致しましょうね」スタスタ


妖精「あなたは……まさか……!!」


フリューゲル「フリューゲル・バイオレットと申します。ですが――覚える必要はございません」スッ

フリューゲル「――あなたたちも、ここで死ぬのですから」

 バビュンッ!!
 ガギンッ!!!

ヒナ「おおっとォ!?」ギギギ

フリューゲル「あら、お速い」ギギギ

テイル「嘘……!? これだけの間合いを一瞬で……!?」

ミスティ「まずい……よくわからないけどあの吸血鬼、フレメア以上の速度だわ!!」

エバンス「とにかく応戦するぞ!!」シャキン!

ローガン「うむ! ヒナくんを援護しろ!!」ジャキッ!

デュア「応!」シュバッ!

イリス「フラナ先生たちを助けるっ!!」コォォォ―
522 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2025/05/04(日) 19:57:43.71 ID:zhWEOcxD0
クロシュ「!」

気絶フラナ「」
 フラナの手に握られた十字架「」ポン

妖精「あれは吸血鬼殺しの七つ道具の一つ、聖なる十字架……!」

クロシュ「!」シュバッ ヒョイ!
 十字架「」ポン!

妖精「隙を見て相手に投げつけるんだ、クロシュ!」

クロシュ「ん!」

 ☆ドサクサに紛れて十字架を拾いました
  戦闘コンマ判定時に「十字架」と書き込むと、コンマ+30を得ます


 ――強敵 大吸血鬼フリューゲル――


 ☆フリューゲルが〈不死〉を発動!
  一度だけ戦闘不能を無効化!!

 ☆フリューゲルが〈殺戮の舞踏〉を発動!
  相手の数が多いほど会心率が上昇!!

◇自陣(料理+30、銀のナイフ+5)
・不死鳥化できる [1/1]
・ローガンメタル [1/1]
・十字架 [1/1](コンマ判定時、十字架と書き込むとコンマ+30)
・時計 [1/1](コンマ判定時、時計と書き込むとコンマ+40)

◇敵陣(戦力差+50、会心率+40)
・復活 [1/1]


↓1コンマ(合計-15)
01-50 痛恨
51-90 優勢
91-00 会心
523 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2025/05/04(日) 20:02:31.00 ID:GApA44bLo
524 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2025/05/04(日) 20:02:50.70 ID:RifrMpPJo
十字架
525 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2025/05/04(日) 20:05:22.64 ID:GSBS5yHh0
00だからマイナス無視で会心か
526 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2025/05/04(日) 21:17:04.54 ID:mSR9k8JvO
吸血鬼問題完
527 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2025/05/04(日) 22:15:30.83 ID:zhWEOcxD0
 ビビビビッ!! ドガガガガッ!!!

ヒナ「このおっ!!」カッ!!

 光魔法「」ピカッ!!

フリューゲル「あら」スッ

 闇のマント「」バサァッ
 吸い込まれる光「」シュゥゥ―

ヒナ「ちょっ!? 吸血鬼の癖に光無効とかズルでしょ!?」

フリューゲル「弱点対策をしない愚かな吸血鬼などいないわよ?」ニコ


倒れたフレメア「……」


テイル「弱点なんて関係ない! これだけの人数が相手じゃ、どんなに強い吸血鬼だって!」バッ
 風の剣「」ビュンッ!

背後に回るフリューゲル「遅い」ヌッ

テイル「っ!!?」

フリューゲル「まずは弱き者から」ズッ

 吸血鬼の爪「」ジャッ

ヒナ「テイル!!!」

 銀のナイフ「」ビュッ!!
 ギンッ!!

フリューゲル「!」バッ


テイル「はひ……た、たすかった……?」


フリューゲル「ほう……殺意の込められたナイフね」


 風魔法で浮く銀のナイフ「」ヒュルヒュル

イリス「あなたを、止めます!」バッ

 風で飛ぶ銀のナイフ「」ビュン!!

エバンス「俺たちも続くぞ!」

ローガン「囲んで足止めしろ!」

光竜メイドクロシュ「ん!」ジャキン!

 シュババババ!!

囲まれるフリューゲル「あらあら、囲まれちゃった」

ローガン「皆、陣形を保ったまま攻撃を続けろ! 敵に反撃の隙を与えるな!」

デュア「ああ! 行くぞ!!」メラメラ―
 炎の刀「」ゴウッ!!


イリス「よし、これなら――えっ!?」


無数のコウモリ「」バサバサバサッ

 炎の刀「」スカッ

デュア「何ィ!?」


空中で集まる無数のコウモリ「」バサササッ――

 ポン!

空中に浮くフリューゲル「吸血鬼を足止めできるなどと思わないことね」バサッ
528 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2025/05/04(日) 22:15:58.90 ID:zhWEOcxD0

妖精「しまった! 吸血鬼は無数のコウモリに自分を分裂させることができるんだ!」

ミスティ「なんですって!?」


 スタッ

フリューゲル「フラナの知人というだけあって、人間にしてはやるわね。人間にしては」スッ

 消滅球「」ギュオン―

イリス「!!!? あ、あれは……何……!!?」ガクガク

妖精「ば、馬鹿な……!! あんなに高濃度の闇球が、この世界に存在し得るはず……」

フリューゲル「あら、太母様も初めて? あらゆるものを消滅させる濃度の――負の力は」

 消滅球「」ゴゴゴゴ…


妖精「みんな、アレには絶対に触れちゃだめだ!!! 防御せずに避けて!!!」

デュア「くっ、承知した!!」


フリューゲル「遊びは終わり。さあ行きなさい」スッ


 消滅球「」ヴォン―!


光竜メイドクロシュ「んわわっ……!!」ササッ

エバンス「うおお!!? でかいし速いし冗談じゃねえぞ!!!」ササッ

ローガン「くっ!! あんなものが動き回っていては戦うどころでは……!!」ササッ


 消滅球「」ヴォン―!

イリス「――」


ミスティ「イリス!?」

ヒナ「何してるんです!? 早く避け――」


イリス「――はあ!!」バッ!!

 カッ!!!!
 星の光球「」パァァァァ!!!!
 消滅球「」バヂヂッ!!!!

 バシュウウウウウンッ!!!!


フリューゲル「!!?」


テイル「えっ……!? なんかでっかい光が現れて……闇の球とぶつかり合って、消えた……!?」

妖精「あ、あれは――!!」


イリス「フリューゲルさんの高濃度の闇球が負の力なら……正の力である星の力で相殺できる……!!」


フリューゲル「あの人間の娘が星の力を引き出して、私の力を……!?」


デュア「隙ありだ!!」シュバッ
光竜メイドクロシュ「!!」シュバッ

 炎の刀「」ゴウッ!!
 光竜角の大槍「」グオオッ!!

フリューゲル「っ!?」

 ギュバァァァァッ!!!!
  ドッギャァァァァァンッ!!!!

 〈会心の一撃!〉

灰となったフリューゲル「」プスプス…
529 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2025/05/04(日) 22:16:53.62 ID:zhWEOcxD0

テイル「やった!!」

妖精「待って!! まだ喜ぶには――」


 プスプス…メラメラ…ゴゴゴゴゴ…

灰から蘇ったフリューゲル「驚いた……まさかこの私を一度殺すなんて」


光竜メイドクロシュ「!!」

デュア「なんだと……!?」


フリューゲル「フフ……フフフ……アハハハハッ!!! 良い、良いわ……こんなに心が踊るのはいつ以来かしら!? もっと私を楽しませて……私に生の実感を味わわせ――」

 ズキン!

頭を抑えるフリューゲル「はうぐっ……! うっ……うああああっ……!!!!」ガタガタ


イリス「えっ……!?」

ミスティ「い、一体何……!?」


「はあ〜困りますね。せっかく感情を抑制してるのに、こんなに昂らせちゃって」スタスタ


光竜メイドクロシュ「!!!!」ジャキッ!

妖精「お……お前は……!!!」

ミスティ「カリス・ノーランド!!!!」シャキン!


カリス・ノーランド「皆さんおひさ〜。佳作ですが楽しんでいただけましたか〜?」ニコニコ
530 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2025/05/04(日) 22:18:14.36 ID:zhWEOcxD0

イリス「カリス・ノーランド……!! それは一体――」

カリス「言った通りですよ。まあ客先からの依頼で作ったものなので大した思い入れもないですけどね。保守点検も面倒ですし」

ミスティ「貴様……!! 殺してやる!!!」バッ

 無数の氷柱「」シュババババッ!!!!

テイル「す、凄い量の氷柱!!?」

エバンス「あれなら避ける隙間も――」


 ピタッ――
 静止する氷柱「」


ミスティ「っ!?」

イリス「氷柱が……空中で、止められた!?」


カリス「お〜よしよし、よくできましたねアイス」ナデナデ

銀髪ショートの幼女→アイス「……」ムフー


光竜メイドクロシュ「……!!?」

妖精「あ、あれは……まさか!」


カリス「ふふ、紹介しましょう。こちらも私の佳作、アイスです」

アイス「……」ドヤッ


ミスティ「貴様は……どこまで……!!!」ワナワナ

光竜メイドクロシュ「……」ググッ


カリス「さて、今日は皆さんとバトルに来たわけではないのでソレを回収してさっさと帰らせて頂きますかねえ」


苦しむフリューゲル「がああ……!!」ジタバタ


イリス「させない!! ここであなたを倒す!!」ザッ

ヒナ「なんかわかんないけど、こいつが最低最悪のド外道ってことはわかった! ぶっ殺そう!!」シャキン!


カリス「アイス、魔力解放。空間凍結」

アイス「ん」

 パキッ――

 ◇
531 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2025/05/04(日) 22:19:17.17 ID:zhWEOcxD0
―廃城天守閣

 ヒュオオオオ…

 パキパキ…ガシャン!!

クロシュ「!!」ブルブル

クロシュ「??」キョロキョロ

 一面氷漬け「」カチンコチン
 氷漬けになったみんな「」カチンコチン

クロシュ「んわ!!?!?」

 モニョモニョポン!

不死鳥クロシュ「コケコッコーッ!!!」ゴオオオッ!!

 シュワシュワシュワ…

 *

ミスティ「くそっ……!! 氷魔法使いともあろう者が、なんて不覚を……!!!」ググッ

妖精「……発動を一切感知できなかった……」


フラナ「……あなたたちには、無様な姿を見せてしまったわね」

イリス「フラナ先生……」

フラナ「……あの吸血鬼はフリューゲル・バイオレット……。私たち姉妹の母であり、かつての魔族国の指導者で――」

フレメア「魔族国とフラナに身柄を売られたんだよ」ケッ

イリス「えっ……!?」

妖精「……魔族国のフリューゲルは不慮の事故で亡くなったって、当時は伝えられてたけど……」

フレメア「こいつらが我が身可愛さに喧伝した嘘の歴史だね。反吐が出る」ペッ

フラナ「母上の想いも知らないで、ひたすらに暴れて魔族の地位を貶めていく貴様に何がわかる?」

フレメア「知るもんか。お前たちは母様を売って、結果的に魔族国を滅ぼした。それが全てでしょ」

フラナ「……」

イリス「あああ、やめてください! 喧嘩は! 今はお互いをいがみ合う時ではないはずです!!」

フラナ「……そうね。ごめんなさい」

フレメア「フン……」

イリス「お母様があの犯罪者に囚われているなら、助け出しましょう! お二人が力を合わせれば、できるはずです!」

フレメア「ええ、こんな奴と……?」

フラナ「……フレメアは助けたくないそうよ、イリス」

フレメア「なんだと!? 助けたくないのはお前だろ、フラナ!!」

イリス「た、助けたい気持ちはみんな一緒です!! だから今は協力しましょうよ!!」

フレメア「……わかったよ。で、協力ったって何すれば良いの?」

イリス「ええと……それはですね……」

フラナ「……私は一度、魔族国に戻るわ。母上のこと、カリスのこと……いろいろ調べなければならないことがある。フレメアも一緒に来なさい」

フレメア「は? なんで私があんな腐った国なんかに」

フラナ「調べものにお前の力が必要なの。それとも母上を助けたくないの?」

フレメア「うるさいな! わかったよ行けば良いんでしょ!!」

フラナ「というわけだから、私たちは戻るわ。ごめんなさい、助けてもらったのにロクなお礼もできないで」

イリス「いえ……! 救出について私たちにもできることがあれば協力させてください! 私たちの方でも、カリス・ノーランドの行方を追いますので!」

フラナ「ありがとう……恩に着るわ」

 ☆00会心効果によりフラナとフレメアが和解しました

 *
532 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2025/05/04(日) 22:20:57.12 ID:zhWEOcxD0
 氷魔力結晶「」キラキラ

クロシュ「……!」

ミスティ「あら、これは……」

 氷魔力結晶「」キラキラ

妖精「これは……氷魔力の結晶だ。かなり高い純度の魔力結晶だけど……あの銀髪の子供の魔法の副産物かも」

ミスティ「そうなのね……」

妖精「まあ……魔力結晶そのものには善意も悪意もないから、ありがたく使わせてもらえば良いんじゃないかな」

 氷魔力結晶「」キラキラ

ミスティ「……あの子は、カリスに操られているのよね……」

妖精「そうだと思う。できれば倒したくはないけど……相手は本気で殺そうとしてきてるわけだから、手加減はできないよ。クロシュが不死鳥の力を持っていなかったらみんな氷漬けで凍死してたわけだし……」

ミスティ「………そうね」

クロシュ「……」


クロシュ(………どうにか……お話、できないかな……?)

 ☆00会心により氷魔力結晶を手に入れました

 ◇
533 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2025/05/04(日) 22:40:19.28 ID:zhWEOcxD0
―夕方
 セイントレア平原


 崩れていく廃城「」ゴゴゴゴ……
 ズゥゥ――ン……


フレメア「ああ……私のお城が……」ガクリ

イリス「フレメアさんのお城だったんですか!?」

フラナ「なわけないでしょ……。勝手に乗っ取ってたのよ」



テイル「……これ、ギルドにはなんて報告したら良いのかしら?」

ヒナ「失敗で良いんじゃないですか?」

テイル「……まあ、そうよね。はあ……」ガクリ



エバンス「……生きて帰れたは良いが、痛みも大きかったな……」

ローガン「うむ……。あれだけの危険な城を踏破したは良いが……」

ミスティ「最後の最後で最悪の敵に全てを持っていかれてしまったわね……」



妖精「まあそういうこともあるよ……」

デュア「うむ……収穫のない冒険もしばしばあるものだ。気を取り直し……む、クロシュ殿?」

スライムクロシュ「〜〜」モニョモニョ

 宝箱「」ポン!

テイル「たからばこ!?」

ヒナ「やったぁ!!」

フレメア「ちょっと! それ私のだよ!!」

フラナ「フレメアのじゃないでしょ!!」


難関クリアボーナス!
↓1コンマ
01-70 運命賽+ブラッドランス+お金
71-80 ↑+魔導書「星の魔力・下」+魔導書「絶対零度」
81-90 ↑+オオキイ鎧の盾(クロシュ盾強化)
91-00 ↑+会心賽
534 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2025/05/04(日) 22:41:01.77 ID:mGEiBf270
535 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2025/05/04(日) 22:58:50.47 ID:zhWEOcxD0
 宝箱「」パカッ!

 ブラッドランス「」ドン!

フラナ「こ、これは……ブラッドランス!? フレメア、あなたこれ売り飛ばしたんじゃ……」

フレメア「そんなことするわけないでしょ。盗まれたの」

フラナ「えっ……そうだったの?」

フレメア「うん。この前犯人をぶち殺して取り返したんだよ。そういえばこの宝箱に入れといたんだった」


 魔導書「星の魔力・下」ポン!
 魔導書「絶対零度」ポン!

イリス「こ、これは……!」

ミスティ「私たち向けの魔導書……!?」

妖精「そういえば蔵書庫を進んでる最中、分体をいくつか放って何かしてたけど……もしかしてこれを探してたの?」

スライムクロシュ「〜〜!」モニョニョ

イリス「クロシュちゃん!!!」

ミスティ「なんて良いスライムなの、あなたは……!」


 金銀財宝「」ポン!

テイル「これは……お金ね!」

ヒナ「御駄賃としては破格じゃない?」

フレメア「それ私のへそくり――」

フラナ「城にあった財宝を勝手にかき集めただけでしょうが!」ベシッ

妖精「これはまあ……公平に分配しようか」


 ☆魔導書「星の魔力・下」と魔導書「絶対零度」を手に入れました

 ☆お金がいっぱい増えました

 *

 ブラッドランス「」ゴゴゴ…

フラナ「さて、この槍だけど……今回の功労者であり、恐らくこれから一番厳しい戦いに臨むことになるであろうあなたたちに貸してあげても良いわ。どう? イリス、使う気はない?」

イリス「ええっ!? 無理ですよ! 大体人間に使えるんですかそれ!?」

フラナ「使えるわよ。副作用とかもたぶんないわ」

ミスティ「たぶん……」

ローガン「ううむ……槍なら剣と同程度には使えるが……」

エバンス「でもそれ、血を吸う槍なんだろ? なんかおっかねえしな……」

妖精「クロシュはどうしたい?」

クロシュ「!」

↓1〜 先取2票
1.フラナさんに返す
2.使ってみる
3.パーティの誰かを推薦(要名前記載。票数は内容ごと)
0.自由安価(票数は内容ごと)
536 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2025/05/04(日) 23:00:24.20 ID:Bk7PIZN0O
0メゾンドクロシュに保管しとく
537 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2025/05/04(日) 23:01:18.80 ID:ocpKBtNW0
3イリス
538 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2025/05/04(日) 23:10:02.92 ID:SUwy8r7xO
3
せっかくだからイリス
539 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2025/05/04(日) 23:21:37.14 ID:zhWEOcxD0
クロシュ「……フラナさんとフレメアさんのことで、いっぱい、がんばったから……イリスさんが、持つのが、いいと思う……!」

イリス「えええ!?」

フラナ「ですって。さ、受け取りなさいイリス」

 ブラッドランス「」ポン

イリス「うう……わかりました」

 *

イリス「とはいっても私、槍の扱いなんて全然ですけど……」

フレメア「その槍、魔法の触媒にもなるからそういう用途で使えば?」

イリス「え、そうなんですか? あ……確かにいけそうかも……」

フラナ「ブラッドランスに適した属性は、水、氷、闇、血ね。他にも適した属性があるかもしれないからいろいろ試してみて」

イリス「水しか使えない!」

フラナ「まあ……試しにその槍で水魔法を使ってみなさい」

イリス「……なんかすごく嫌な予感がするんですけど」


イリス「じゃあいきますよ。はっ!」
 ブラッドランス「」ジャキッ!

 血のように赤い水「」ブシャァ

イリス「やっぱり!」

フラナ「この通り、この槍を通せばあなたも血魔法が使えるわ。鉄分の量や凝固の度合いは地属性で調節できるはずよ」

イリス「……あれ? じゃあ意外と私向き?」

フラナ「修練次第だけどね。あなたならできるはずよ」

 ☆イリスがブラッドランスを装備しました
  ブラッドランス装備時、血魔法を使うことができます

 ◇
540 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2025/05/04(日) 23:40:50.25 ID:zhWEOcxD0
―夜
 セイントレア平原 野営地

クロシュ(テイルさんとヒナさんは……チカーバの街で受けた依頼だから、チカーバに帰るって言って……お別れ、した……)

クロシュ(フラナさんと、フレメアさんも……急いで魔族国に、帰っていった……)


 焚き火「」パチパチ

イリス「一気に人が減ると、寂しくなりますね……」

妖精「そうだね……。でもいつかまた会う機会もあるよ。フラナとフレメアについてはたぶん、そう遠くない内に」

ミスティ「……ええ。あの憎きカリスを討ち滅ぼす仲間として、共に戦えれば心強いわ」

デュア「お前たちはいろいろ背負っているのだな……。オノゴロの時もそうだったが、敬服せざるを得ん」

エバンス「はは、俺はほとんど成り行きみたいなもんだけどな」

デュア「もし私にもできることがあれば是非手伝わせてくれ。恩に報いよう」

妖精「や、でも下手すると王国とかに喧嘩を売ることになるから……流石に道連れのデュアを巻き込むわけにはいかないよ」

デュア「ははは、気にするな! 既に海の藻屑となりかけた身だ、お前たちの為に使うのであれば惜しくはない!」

ローガン「ううむ……私としては、恩よりも自分の命を大事にして欲しいが」

デュア「無論、命を失えば恩返しもできなくなるから無駄に死ぬつもりは毛頭ない! 安心してくれ!」

妖精「無駄じゃなく死ぬつもりはあるみたいな言い方はやめて欲しいかも……」

スライムクロシュ「〜〜…」モニョニョ…


セイントレア平原で野営します。明日の午前中に王都に着きます
↓1〜3 自由安価 野営中何をする?
541 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2025/05/04(日) 23:41:27.72 ID:Bk7PIZN0O
メゾンドクロシュでバイオレット親子の仲良くしてる夢を見る
542 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2025/05/04(日) 23:42:06.44 ID:GSBS5yHh0
イリス、クロシュと槍の練習
543 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2025/05/04(日) 23:42:26.05 ID:oKq+0QY2o
これからの王国やセクリエ・ロイエの情勢や情報についてスライム通信で募る
544 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2025/05/04(日) 23:49:20.88 ID:zhWEOcxD0
というわけで本日はここまでとなります。次回はしあわせな夢見編、イリスさんと槍の練習編、スライム通信情報収集編です

廃城での激闘を終え、再び旅路へ戻る一行。天守閣で遭遇した様々な出来事は、クロシュたちの内心を少々ざわつかせていた
操られし大吸血鬼フリューゲル、再び現れた邪悪術師カリス、無口な傀儡幼女アイス。交錯した運命は悲しみの旋律を奏で、物語は新たなる舞台――王都セイントレアへ――
あかちゃんスライムは悲しみに抗い、しあわせを夢見る――

それでは本日もありがとうございました。次回、明日はもしかしたら更新できるかもしれません(できない場合はなるべく早めに告知します)。よろしくお願いいたします
545 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2025/05/05(月) 01:44:52.46 ID:fW/fmb2o0
乙です。
悪魔城フリューゲルで拾った時計や十字架は出番無かったけど流石に今回限りかな。
あとデュアもこのまま正式にメンバー入りしそう。
546 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2025/05/05(月) 05:27:24.05 ID:MhPMRghEo
おつでした
00会心で吸血鬼姉妹が仲改善通ったの美味しい! (状況はお労しいが)
吸血鬼専用みたいな魔法を使うようになってダークヒーロー感が益々増すイリスちゃん
547 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2025/05/05(月) 18:04:42.07 ID:wPwAZa4N0
廃城で拾った吸血鬼殺しの道具は、役目を終えたからか廃城の崩落と共に消えてしまいました。また吸血鬼と戦う時が来れば、再び手にする機会もあるかもしれません
なおデュア氏は旅の道連れでありソロ専門の冒険者の為、協力関係にはなれますがパーティ入りすることは恐らくありません。良い協力関係を築くのが良いでしょう

00はとても強力な数値なので、発揮される効果も大きいものとなります。吸血鬼姉妹の確執はとても根深いものでしたが、ひとまずは和解できたと考えて頂いて問題ないでしょう
血魔法は本来普通の人間が使える魔法ではありませんが、複数の属性とブラッドランスによって人間でも使用可能となるようです。血を操って戦う者となると、実際とてもダークな印象です。イリス氏の今後に期待するのが良いかもしれません
548 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2025/05/05(月) 18:05:10.46 ID:wPwAZa4N0
―夜
 野営地

 焚き火「」パチパチ

イリス「というわけで槍の練習をします!」

クロシュ「ん!」

ミスティ「槍の練習なら、ローガンさんとかエバンスに見てもらった方が良いんじゃないかしら……?」

イリス「そう思って声をかけたんだけど……血魔法だったり悪竜の槍だったりで、ローガンさんたちもどう教えれば良いかわからないんだって……。そういうわけでとりあえず、私とクロシュちゃんでいろいろやってみようと思うの!」

ミスティ「そうだったのね……。確かにそう考えると教えられる人はいなさそうだわ……」

クロシュ「わたし……少し、できる!」

イリス「まずはもう既に槍を使ってるクロシュちゃんの動きを見せてもらったりしようかな?」


↓1コンマ
01-30 近接経験+1
31-60 近接経験+1、魔法経験+1
61-90 近接経験+2、魔法経験+1
91-00 近接経験+4、魔法経験+2、技を閃く
549 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2025/05/05(月) 18:06:49.37 ID:7ibs2ORCo
550 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2025/05/05(月) 18:40:22.17 ID:wPwAZa4N0
竜メイドクロシュ「!」ポン!

 竜角の大槍「」ビビビッ

 大きな岩「」ドガガッ

竜魔女クロシュ「!」ポン!

 竜珠の大杖「」キュオオオ――

 魔法弾「」バギュンッ!

 砕かれる岩「」ドッギャァン!


イリス「流石クロシュちゃん! あれだけの大槍なのに凄い速さの連続突き! そして一瞬で杖に変形させて魔法弾でトドメ!」

ミスティ「……真似できそう?」

イリス「……と、とにかくやってみる! 突っついてトドメに魔法、だよね!」

クロシュ「ん!」


イリス「よおし……ていやっ!」バッ

 ブラッドランス「」ブン ブン ブン …

 大きな岩「」ベシッ ベシッ ベシッ …

イリス「そしてここで……ブラッディパワー!!」バッ

 ブラッドランス「」ギュオオオ―カッ!!

 高圧血流「」ドギュウウウウッ!!

 貫かれる岩「」ドッギュウン!!


イリス「はあ、はあ……ど、どうだ!」
 ブラッドランス「」ジャキーン!

ミスティ「……突きはともかく、トドメの血魔法の威力は凄いわ。でもこれなら、杖で叩いたあと水魔法でぶち抜くのと特に変わらないんじゃ……?」

イリス「うっ……た、確かに……!? 血魔法の特性……鉄分や凝固を駆使して、もっと自在に操ることができれば……」

クロシュ「わあ……!」

 ☆その後試行錯誤を繰り返し、イリスとクロシュが近接経験と魔法経験を1づつ獲得しました
 ☆イリスの近接レベルが1上がりました

 ◇
551 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2025/05/05(月) 19:51:22.13 ID:wPwAZa4N0
―夜
 野営地

 焚き火「」パチパチ

スライムクロシュ「……」

妖精「お疲れさま、クロシュ。イリスの訓練はどうだった?」

スライムクロシュ「〜〜」モニョモニョ

妖精「なるほど……流石に一朝一夕じゃ血魔法を使いこなせるようにはならないか」

スライムクロシュ「〜〜」モニョニョ

妖精「そうだね。さ、それじゃあそろそろテントに入ろう」

スライムクロシュ「〜〜」モニョモニョ

妖精「え? また星脈を通して?」

スライムクロシュ「〜」モニョ

妖精「まあ確かに、外から王都とかの情報を得られるなら悪くないかも……」

スライムクロシュ「〜!」モニョ

 デロデロ…モニョモニョ…

 竜珠の大杖「」カッ!

↓1コンマ
01-10 ???
11-30 レッサースライムたち『〜〜』モニョモニョ
31-50 王都のスライムたち『こんばんわ〜』モニョモニョ
51-70 クロシュヴィア?『……えっ?』
71-90 ブラッド『お前もこっちに来てるの?』モニョニョ
91-00 ???
552 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2025/05/05(月) 19:53:30.27 ID:jE/56DXT0
553 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2025/05/05(月) 20:06:38.03 ID:wPwAZa4N0
―??

 近くの空に浮かぶ白い光「」ユラユラ

 地上に瞬く無数の光「」チカチカ


クロシュ『〜〜』モニョモニョ

レッサースライムたち『わわ〜』モニョニョ

クロシュ『こんばんは……』モニョモニョ

レッサースライムたち『こんばんわ〜』モニョモニョ

クロシュ『えっと……王都って、知ってる……?』モニョモニョ

レッサースライムたち『お〜と〜?』モニョニョ

レッサースライムたち『なあに? おいしいの?』モニョニョ

クロシュ『えっとね……セイントレア王国の……』モニョモニョ

レッサースライムたち『せいんとれあ?』モニョモニョ

レッサースライムたち『れあって、はんぶんナマっていみだよ! ボクくわしいもん!』モニョモニョ

レッサースライムたち『んわわ〜! せいんとの、はんぶんナマ!』モニョニョ キャッキャ

クロシュ「んへへ……せいんとの、はんぶんナマ……!」モニョニョ キャッキャ

 *

―夜
 野営地

 焚き火「」パチパチ

スライムクロシュ「!」モニョッ!

妖精「おかえり。どうだった? 何か良い情報は得られた?」

スライムクロシュ「〜〜!」モニョニョ

妖精「……セイントレアが、せいんとのはんぶんナマ……?」

 ☆間違った知識を獲得しました

 ◇
554 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2025/05/05(月) 21:16:43.46 ID:wPwAZa4N0
―夜?
 大きな屋敷の庭園?

 月の光「」コオオ―

幼フラナ「おかあさま! まんげつ! まんげつ!」クルクル キャッキャ

幼フレメア「フラナったら、はしゃいじゃって。淑女じゃないわね」

幼フラナ「しゅくじょだもん! おかあさま、フラナしゅくじょだよね!?」

フリューゲル「ええ。私たちは生まれながらにして夜を統べる一族だもの。私たちが思うままに過ごせば、それこそが最も淑女らしい振る舞いになるのよ」

幼フラナ「ほら! フラナしゅくじょだもん!」キャッキャ

幼フレメア「むむっ……!」

フリューゲル「フレメアも、我慢せずに飛び回って良いのよ? 満月だもの、力が満ちて仕方ないでしょう?」

幼フレメア「……わたしが、一番淑女だもん!」シュバッ!!

幼フラナ「わあっ!?」

幼フレメア「ふふん、のろまなフラナには一生追いつけない!」ビューン!

幼フラナ「まってよぉおねえさま〜!」バサバサッ



スライムクロシュ「……」

フリューゲル「あら……? あなた、どこから入ってきたの?」

スライムクロシュ「!」モニョッ!

 モニョモニョ…ポン!

クロシュ「えと……わたし……クロシュ……」

フリューゲル「あら、見事な擬態! 私はフリューゲル・バイオレットよ。初めまして、クロシュさん」

クロシュ「うん……はじめまして……」

フリューゲル「それで……ふふ、何のご用かしら?」

クロシュ「えと……迷子……?」

フリューゲル「迷子なのね」

クロシュ「うん……」

フリューゲル「うーん、困ったわね……。何か身元がわかるものはあるかしら?」

クロシュ「みもと……」

 モニョモニョ…ガサゴソ…


フリューゲル「……あら? それは……?」

クロシュ「!」ポン!

 氷魔力結晶「」キラキラ

クロシュ「これは……えっと、アイスちゃんの……」

フリューゲル「……あい、す……?」


↓1コンマ
01-70 歪む夢
71-90 平静
91-00 ??
555 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2025/05/05(月) 21:23:45.85 ID:2aVY+rM/O
556 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2025/05/05(月) 22:16:53.57 ID:wPwAZa4N0
フリューゲル「……ああ。ここは……夢だったのね……」

クロシュ「……!」

フリューゲル「……思い出しました。ごめんなさい……あなたたちは、あの後無事でしたか?」

クロシュ「うん……。みんな、無事……。フラナさんも……フレメアさんも……」

フリューゲル「良かった……」

クロシュ「………フリューゲルさんは……えっと………」

フリューゲル「……あなたが見た通り……私はもう、手遅れよ」

クロシュ「!!」

フリューゲル「身も心も、完全に王国に支配されてしまった……。もはや自分の意思さえ認識できないまま、命じられたことを遂行することしかできない傀儡……。それが今の、私……」

クロシュ「……!」

フリューゲル「……お願い、クロシュさん。今ここで……私を、殺してくれる?」

クロシュ「!」フルフル

フリューゲル「自分では、死ねないの。だから……お願い」

クロシュ「……やだ」

フリューゲル「……どうしても、だめ?」

クロシュ「うん……。フラナさんと、フレメアさんは……フリューゲルさんを助けるために……がんばってる……!」

フリューゲル「……それなら、尚のこと私を殺して欲しい。私は……私の手であの子たちを殺してしまうのが……何よりも、怖い……」

クロシュ「……フラナさんも、フレメアさんも……簡単に、死なない」

フリューゲル「……殺してしまうのが何よりも怖いと言ったけれど……訂正するわね。それよりももっと怖いのは……あの子たちが、王国や、カリス・ノーランドに捕まってしまうこと……。それなら……私の手で、簡単に死んでしまった方が遥かにマシ……」

クロシュ「……!」

フリューゲル「……お願いします。どうか、私を……殺してください」

クロシュ「………んーん。わたし……諦めな――」

 ブツン――

 ◆

―明け方
 野営地 テント内

スライムクロシュ「!」モニャッ!

 チュンチュン

妖精「……」zzz
イリス「……」zzz
ミスティ「……」zzz

スライムクロシュ「……」

 ◆
557 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2025/05/05(月) 22:18:50.74 ID:wPwAZa4N0
―???

フリューゲル「……」パチッ


「起きたか、フリューゲル」スッ


フリューゲル「……ええ」

「……調子はどうだ。昨日は……苦戦したらしいが」

フリューゲル「……大丈夫よ。体調は万全みたい。心配をかけたかしら」

「……大丈夫なら良い」

フリューゲル「………ねえ」

「……なんだ」

フリューゲル「……私が戦った相手……クロシュと、その一行よ」

「!!」

フリューゲル「……大丈夫。誰も死んでいないわ……」

「……」

フリューゲル「……話を、聞かせてくれる? あの子たちと……あなたの、お話を……」

「……」

フリューゲル「セイン……」

セイン「………」

 ◆
558 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2025/05/05(月) 23:21:37.06 ID:wPwAZa4N0
―セイントレア平原 到着予定日

◇クロシュ [あかちゃんスライム]
武:メイドブレード  盾:ラティアの大盾  飾:くすんだ耳飾り
武:竜珠の大杖    防:竜のエプロン   飾:不死鳥の羽根

◇妖精   [世話焼き妖精]
武:         盾:         飾:くすんだ耳飾り
武:         防:精霊のレオタード 飾:

◇イリス  [星の魔法使い]
武:蒼き星の杖    盾:         飾:くすんだ耳飾り
武:ブラッドランス  防:魔術師のローブ  飾:

◇ミスティ [氷の魔法使い]
武:氷の短刀     盾:         飾:くすんだ耳飾り
武:         防:氷竜革のローブ  飾:

◇ローガン [鋼の戦士]
武:蜥蜴一文字    盾:灼鋼の盾     飾:くすんだ耳飾り
武:鋼の回転ノコギリ 防:オリハル鎖帷子  飾:

◇エバンス [地の傭兵]
武:古代の鉄槌    盾:         飾:くすんだ耳飾り
武:魔銀の刀     防:硬質革鎧     飾:

◯所持アイテム
[道具]        [装備品]       [大事なもの]
運命賽*2       蜘蛛絹の下着      魔族国永久旅券
会心賽*1       ザリガニのお守り    フメイの服の切れ端
反魂丹*1       大きな巻き貝      精霊の印
鉄鍋+携帯調理器具   闇の欠片        精霊樹の実のジャム
「星の魔力」上中下   フリルワンピ水着    精霊樹の鉢植え+赤雷球
お宿の妖精の織物    魔法学園のスク水    フメイとアリシラの人形
魔導飯盒        ガラスのザリガニ    メルルの帽子
妨害魔力波発生装置   踊り子の双剣      溶岩石のアミュレット
属性大全        サボテンドラゴンの花  太陽のメダリオン
魔王図鑑        精霊のローブ      暗黒優待券
氷精の魔導書      精霊樹の杖[改]    冒険者証(ランク1)
ブラッドワイン*1   銀のナイフ       大魔女帝国渡航権
吸血鬼殺ワイン*1   ダイヤメリケンサック  かたたたきけん
魔術書「正負の属性」  パラサイトソード    大魔女帝国滞在許可証
吸血鬼の日焼け止め               風船印のパラシュート
日蝕の傘                    ラティア勲章
大魔女サイン*1                ユーシリア王家の紋章
古代のセラミック
ステライト鉱石
晴れ乞い傘
チョコスムージー
ヒヒイロカネ
氷魔力結晶
魔導書「絶対零度」

◯現在の目標
・フメイちゃんを探す
・世界樹の光を追う[4/5]

◯仲間の目標
・カリス・ノーランドを討つ(ミスティ)

◯経験値
・クロシュ 剣技[03/07] 魔法[03/07] 防御[00/07]
・イリス  杖術[00/06] 魔法[14/16]
・ミスティ 剣技[05/07] 魔法[11/16]
・ローガン 剣技[16/16] 魔法[06/08] 防御[07/08]
・エバンス 剣技[16/16] 魔法[07/08]
559 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2025/05/05(月) 23:22:08.74 ID:wPwAZa4N0
―セイントレア平原

 強化ソリ「」シャーッ

クロシュ「!」

エバンス「見えてきたぜ!」


 遠くに見える王都の大城壁「」ドドドド


ミスティ「あれが――」

イリス「王都セイントレアの、大城壁……!!」

 ◇

―王都セイントレア 城門


 そびえ立つ巨大な城門「」ゴゴゴゴ


クロシュ「んわわ……!」

イリス「な、なんてでっかい城門!!」

ミスティ「テラヌス・ウルスの城壁と城門も大きかったけれど……これはそれ以上よ……!!」

ローガン「私も来るのは初めてだが……まさかこれほどの威圧感とは……!!」

デュア「うむ……いつ見ても圧倒されてしまうな……!!」

 強化ソリ「」スイー…

門番「遠路はるばるようこそ。入都手続きは左手の受付だ。身分証明書の準備を忘れずに」

ミスティ「わかったわ。案内ありがとう」

 ◇
560 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2025/05/05(月) 23:22:34.28 ID:wPwAZa4N0

クロシュ(手続きを済ませて王都に入ってみると――)

クロシュ(そこは――)


 ワイワイ ガヤガヤ

 賑わう市場「」ガヤガヤ

 白亜の街並み「」キラキラ

 遠くにそびえる大きなセイントレア城「」ドドドド――


クロシュ「……!!」

イリス「わああ……!!」

ローガン「なんと……!!」

妖精「……すごいや。王国は嫌いだけど……」

ミスティ「これ……まるで、雪が積もっているかのような――」

エバンス「すげえ白さだよな……!」

デュア「ああ……なんという美しさだろうか」


クロシュ(白くて綺麗な建物が整然と立ち並ぶ美しい都――これが、王都セイントレア――)


 ――世界樹の巻 最終編 開幕
561 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2025/05/05(月) 23:23:27.10 ID:wPwAZa4N0
それでは本日はここまでとなります

ついに王都セイントレア入りを果たしたクロシュ一行。そこで待ち受ける運命は、如何なるものか
確かな足取りで、整然と敷き詰められた石畳を踏みしめて。クロシュたちは、王都をゆく
戦いの終結と、平穏――そして、友との帰郷を求めて。決意を胸に、あかちゃんスライムは前へ進む――

それでは本日もありがとうございました。明日ももしかしたら更新できるかもしれません(できなければ早めに告知します)。よろしくお願いいたします
562 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2025/05/06(火) 01:50:00.19 ID:QjGvhEBWo
カリス方々で恨み買ってるなこれ
魔族国にシノホシ、エンド、クロシュ一行と
563 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2025/05/06(火) 02:59:50.49 ID:o8YCc8wgo
おつおつ
ついに最終編明記かー
セインくんも厄ネタ抱えてそうで敵対しない事を願うー
564 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2025/05/06(火) 11:44:00.97 ID:s7AfH1IcO

アホの子レッサースライム達可愛い
でも色々と火種があるしそれが炎上してせいんとのはんぶんナマ、もとい、セイントレアがセイントウェルダンにならないことを祈る
565 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2025/05/06(火) 19:47:19.22 ID:1JakG/Xx0
カリス氏は凶悪犯罪者なので、実際とてもたくさんの人々から恨まれています。彼女の悪意によって不利益を被った生き物は非常に多いので、カリス氏は夜道に気を付けるべきでしょう。しかし実のところ、ちょっと夜道を襲ったくらいでやられてくれるような簡単な相手でもないため、カリス氏を倒すのはとても難しいようです

世界樹の光を巡る旅もついに最終編です。クロシュたちの戦いがどのような結末を迎えるのかは、今のところわかりません
セイン氏もいろいろと面倒事を抱える身である可能性が高く、今後の展開には気を付けるのが良いかもしれません。当のセイン氏も、クロシュたちも、敵対したくないという思いは一致しているようです

レッサースライムたちはあたまがわるいので、クロシュの質問の意味を考えるよりも楽しいことを優先してしまいがちです。そしてクロシュ氏も実のところあかちゃんなので、レッサースライムたちに便乗して面白いことを優先してしまったようです。時にはそういうこともあります。そして王都がウェルダンとならないかどうかは、今のところ闇に包まれています
566 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2025/05/06(火) 19:48:16.43 ID:1JakG/Xx0
―王都セイントレア

 ワイワイ ガヤガヤ

デュア「改めて、ここまでソリに乗せて頂き感謝する。私は冒険者ギルドの宿に泊まっているから、戦力が必要な時はいつでも呼んでくれ!」

クロシュ「ん!」

妖精「もし何かあったらよろしくね」

 ☆デュアと別れました

 *

イリス「じゃあ私たちも宿を探しましょうか。妖精さんやスライムのクロシュちゃんでものびのびと過ごせる宿があれば良いんですけど……」

ローガン「ううむ……この王都に、そのような宿があれば良いが……」


「あれ……? あの……あなた方は、もしかして――」


妖精「ん……? あっ、あなたは!」

クロシュ「わあ……!」


聖女「お久しぶりです、皆さん……!」

 *

―王都
 聖ヴァレリオ教会前

 スタスタ

聖女「宿泊ならこの教会はどうでしょう? 今は収穫祭や聖誕祭の時期でもないので空いていますし」

ミスティ「私たちはロイエ教の信徒ではないけれど、大丈夫なの……?」

聖女「巡礼者ってことにすれば大丈夫です! そうすれば王都内でもクロシュさんと妖精さんの身分保証もできますし、巡礼中は教会に泊まり放題ですよ」

イリス「ええっと……でもそれって、嘘をつくことにならないですか?」

聖女「元々は、衣食住を求める者には隔てなく提供せよというのがロイエ教の教えなのです。巡礼者とそうでない者をあえて区別する必要は本来ないんですよ」

クロシュ「わあ……」

聖女「ただまあ……一応ロイエ教も大きな組織ですし、建前というものもありますから。口先だけでも巡礼者を名乗っていただければ、いろいろと円滑に進みますから」

妖精「なるほどね……。それじゃあお言葉に甘えて、泊まるところをお借りしようかな? 宿泊代……いや、寄付金はちゃんと納めるからさ」

聖女「はい、是非!」

 ◇
567 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2025/05/06(火) 19:50:50.64 ID:1JakG/Xx0
―聖ヴァレリオ教会 礼拝堂

 たくさんの長椅子「」
 大きなステンドグラス「」キラキラ

聖女「クレアさん、宿泊希望の巡礼者の方々をお連れ致しました」スタスタ

黒髪糸目の修道女→クレア「えっ……!? わ、わかりました。後ろの方々ですね?」

妖精「どうも。妖精とかスライムもいるけど良い?」

クレア「もちろんです。当教会では種族による待遇差はないのでご安心ください」

クロシュ「わあ……!」

イリス「良かったです!」


 扉「」バァン!


金髪ソフモヒの男「クレアちゃん! 孤児院の食料搬入終わったぜ!」ノッシノッシ

クレア「ありがとうございます、ザックさん。あとできれば、扉の開け閉めは静かにお願いします……」

金髪ソフモヒの男→ザック「おっと、こりゃ失礼! そちらは巡礼者の方々かい?」

クレア「はい」

ザック「こんな時期に来るとは殊勝だな! たくさんお祈りしてってくれよ!」

妖精「う、うん」

ザック「んじゃ俺は次の現場に行くぜ! 機会があればまた会おう!」ノッシノッシ


 扉「」ガチャッ バタム…!


エバンス「……い、今の暑苦しい男は?」

クレア「今のは、セクリエ・ロイエで聖務の傍らに力仕事を担当しているザック修道士です。この教会に併設されている孤児院に、食料の搬入をして頂いておりました」

ローガン「なんと、孤児院が」

聖女「ふふ、もし良かったら寄ってみてくださいね。旅のお話とかを聞ければみんな喜ぶと思います」

クレア「……」

聖女「クレアさん……?」

クレア「あ、いえ……なんでもありません。それでは皆さん、この用紙にお名前を書いていただけますか?」スッ

 宿泊希望届「」ポン

イリス「わかりました!」

 ☆王都の聖ヴァレリオ教会のに宿泊することになりました

 ◇
568 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2025/05/06(火) 19:53:08.86 ID:1JakG/Xx0
―聖ヴァレリオ教会 宿泊室

 質素なベッド「」
 質素な机「」
 質素な椅子「」
 質素な棚「」
 質素な本棚「」

イリス「わあ……! すごく……教会のお部屋って感じ!」

ミスティ「実際教会の部屋だしね」

聖女「」

クロシュ「ん……!」

聖女「それでは私もまだ少し仕事があるので失礼します。とはいえ私も今はこの教会に滞在している身分ですし、仕事中も大体はこの教会内にいますので、何かあれば遠慮なく言ってくださいね。もちろん私がいなくても、クレアさんに言ってくれれば対応してくれると思います」

妖精「わかった。いろいろありがとう、助かるよ」

聖女「どういたしまして! もし良かったら、旅のお話やクロシュちゃんのお友達のこと、たくさん聞かせてくださいね。では」

 扉「」カチャ パタム


イリス「まさか王都で聖女さんと再会できるなんて……! 素敵な偶然もあるんだなあ」

ミスティ「ふふ、全然変わってないようで良かったわ。あの様子ならきっと魔族国も平和なのでしょうね」

イリス「そうだね! 王都入りして早速の嬉しい驚きだなあ」


妖精「……」ウーン

クロシュ「……妖精さん?」

妖精「ああ、いや……。聖女のことは実際良かったんだけど……あのクレアって修道女、妙に浮かない様子だったなあと思って」

ミスティ「……やっぱり、突然の宿泊は迷惑だったのかしら?」

妖精「どうなんだろう。まあ一介の巡礼者モドキである私たちに知る術はないか」


王都セイントレア滞在1日目。ここは聖ヴァレリオ教会です
↓1〜3 自由安価 何をする?


参考:観光案内
……………………………………………………………………………………
□王都セイントレア
王城:未探索
城下:教会、孤児院、市場、食事処、酒場、浴場、娼館、冒険者ギルド、
   公園、学校、図書館、博物館、劇場、闘技場、未探索、他
……………………………………………………………………………………
□セクリエ・ロイエ
大聖堂、美術館、庭園、お土産屋、未探索、他
……………………………………………………………………………………
569 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2025/05/06(火) 19:53:38.78 ID:PqvVoJyi0
廃教会で拾った原理派活動日誌を読んでみる
570 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2025/05/06(火) 19:53:42.85 ID:IrlhwWS0O
ダイヤモンドメリケンを鑑定してもらい売却する
571 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2025/05/06(火) 19:54:07.56 ID:54WY7QlsO
冒険者ギルドで王国やロイエの情勢調査をする
572 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2025/05/06(火) 19:54:25.61 ID:irMEYGykO
孤児院に行ってみる
573 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2025/05/06(火) 19:55:47.79 ID:nSdNX/Ec0
酒場でロイエ教に反抗してそうな人を探す。
574 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2025/05/06(火) 22:19:51.70 ID:1JakG/Xx0
―聖ヴァレリオ教会 宿泊室

クロシュ「……」

 原理派活動日誌「」ペラッ

イリス

妖精「あ、クロシュそれ読むの?」

クロシュ「うん……。あ、でも……むずかしい字、あるかも……」

妖精「いいよ、私も一緒に読んであげる。クロシュはページをめくってね」

クロシュ「ん……!」

 ◇

妖精(それは実際、ただの日誌だった)

妖精(朝起きて、食事をして、信徒に説法して、畑仕事をして、戸締まりをして、寝る……)

妖精(ほとんどがそんな、他愛のない内容……)

妖精(わざわざ持ち出して読む価値はなかったかな――なんて思いかけてきた時だ)

 ◆
575 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2025/05/06(火) 22:24:02.98 ID:1JakG/Xx0
◯月◯日
第二子が生まれた。妻と同じ亜麻色の髪の、愛らしい赤ちゃんだ。
しかし少し気になることがあった。
いつの間にか、娘の傍に白い賽が落ちていたのだ。

 *

◯月◯日
あの子は天才だ。他の赤ちゃんと比べてすぐに言葉を話せるようになり、足で歩けるようになり、もう四則演算すら身に着けた。何か致命的な失敗をしそうになっても、まるで運命を変えるかのような鮮やかさで持ち直してしまう。この子は神の祝福を受けて生まれたのかもしれない。
彼女の傍らには、いつも石の賽や白い賽があった。これこそが神の祝福に違いない。

 *

◯月◯日
あの子が神の子であると、私は完全に確信した。
それはある夕食の時だった。食卓に着いていた娘がおもむろに、明日聖剣が抜かれるんだって〜、と言ったのだ。
翌日――サインという小さな少年が、聖剣を引き抜いたそうだ。
娘はその少年と会ったこともなかったはずだ。聖剣の存在も、教えたことすらなかった。
間違いない。この子は――預言者だ。

 *

◯月◯日
私はあの子の力を隠匿することにした。原理派最高幹部である枢機卿は次期教皇候補の一人だが、はっきり言って中身は低劣な俗物だ。あの子のことを知られればどれほど悲惨なことになるかは想像に難くない。
当然他の派閥も信用に値しない。強いて言うなら、少々綺麗事が鼻につくところはあるが、穏健派が比較的マシと言えるだろう。マシという程度だが。
どちらにしろ、娘たちは私の手で守らなければならない。

 *

◯月◯日
その日、あの子がぞっとするように冷たい声で、世界の滅亡を告げた。
19年後の今日と同じ日付の日――王都セイントレアを中心に、現世と幽界の均衡が崩れ――世界がめくれ上がり、混沌に呑まれて滅びる。
彼女はそれだけ言って倒れ……眠ってしまった。
傍らには、黒い賽が落ちていた。

 *

◯月◯日
翌日、あの子は何も覚えていなかった。それどころか、話し方も、歩き方も、何もかもを失っていた。
あらゆる物事を完璧に行う力も、失敗を鮮やかに取り返す力も、当然なくなった。
賽はもう、娘の傍に落ちなくなった。

 *

◯月◯日
あれから第二子のあの子は、失敗を繰り返しながら、人並みの速さですくすくと成長している。いろいろあったが、あの子が普通の女の子に戻って良かったと思う。
もう何年か経ったら、あの子は穏健派の修道院に預けることにした。万が一もしあの力が再発した際、もし原理派の元にいれば枢機卿の悪意から守り切ることはできないだろうと判断したのだ。預け先は私の信頼できる司教の修道院だから大丈夫だろう。ただ、穏健派の綺麗事を鵜呑みにし過ぎないと良いが……。

また、私は預言者だった頃のあの子の言葉を忘れたわけではなかった。世界の滅亡。絶対に阻止しなければならない、危機。
私の使える手札は――原理派の司教であることだけだ。
娘の預言ということを絶対にバレないようにしつつ、世界滅亡を防ぐ手立てを原理派の手で見つけ出す。
非常に困難な仕事だが、やらないわけにはいかない。神よ、我に力を――。

 *

◯月◯日
――これを書くのは何年ぶりだろうか。
世界めくれを阻止する方法について、ある程度の目処が立った。世界樹の果実を用いて、星の力を利用する。
幸い、原理派の名誉顧問である使徒様は極めて優れた星属性の使い手だ。人格は……少々変わったところはあるが、原理派内でもそこそこ信用できる部類の方である。娘の預言だということを隠しつつ未来の危機について話すと、彼女は面倒くさそうにあくびをしながら、私の計画を了承してくれたようだった。後は数年後の緑の国の首長選挙に便乗して世界樹の果実を奪えば良いだけだ。
枢機卿を上手く騙せたお陰で、王国やカリス・ノーランドの力も借りることができそうだ。枢機卿も王国もカリスもはっきり言って唾棄すべきド腐れ外道共だが、世界と娘たちを守る為なら悪魔にだって喜んで魂を売ろう。

一つ懸念があるとすれば、第一子の方の娘が最近私の計画に参加しようとしていることくらいか。
第二子の娘は穏健派の修道院で平穏に過ごしているらしい。そのまま穏やかに、陰謀とは無関係に暮らしてくれれば良いが。

 *

◯月◯日
まずいことになった。枢機卿に私の企みがバレた。
不幸中の幸いだが、あの子の預言だということはバレていない。私が漏らさない限りバレようがないはずだ。
あの子は……今は聖女と呼ばれ、芸術都市で奉仕活動をしているらしい。後は私が自分自身の口を永久に封じれば、あの子に危険が迫ることはないはずだ。
気がかりなのは……勇者との任務中に何度も失敗を繰り返したという、姉の方……僧侶だ……。今までは何度も私が庇って来たが、私の企みが枢機卿にバレてしまった以上、もう庇い切ることはできない。最悪、殺されるかカリスの実験台だ。なんとかロイエ教から離れて身を隠せと伝えたいが、もはやその猶予もない……。
ひとまずこの日誌は、ずっと昔に務めていたこの廃教会に隠していくことにする。誰が張ったのかはわからないが、ここには昔から妙な人払いの結界がある。何かを隠しておくにはうってつけだろう。

 *

(日誌はここで終わっている)

 ◆
576 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2025/05/06(火) 22:25:21.66 ID:1JakG/Xx0

クロシュ「……???」

妖精「……っ!」パタパタ!

 窓「」ピシャッ
 カーテン「」バサッ

クロシュ「妖精さん……?」

妖精「――…。今、無音結界を張った。これでこの部屋の音が周囲に漏れることはない」

クロシュ「???」

妖精「……これが真実がどうか……クロシュは、どう思う?」

クロシュ「……えと……たぶん、ほんとのこと……だと、思う……」

妖精「……そうだね。最後の日付はけっこう最近のものだし……聖女や僧侶についても、事細かに書かれてる。狂人の与太話として片付けるのは、危険だと思う……」

クロシュ「……じゃあ、19年後って……」

妖精「……今年だ。日付も……けっこう近い……」

クロシュ「……!!」

妖精「ただ……聖女? がこの異常な預言をしてから、力を失ったともあるし……もしかしたら、その預言も間違ったものである可能性もある。楽観視は禁物だけど」

クロシュ「う、うん……」

妖精「何にしても……対策を取る必要がある……! イリスが帰ってきたら、世界樹の精霊を呼んでもらって話し合わないと……!」

クロシュ「……聖女さんには……話す……?」

妖精「………ど、どうしよう。下手に話せば、聖女自身を危険な目に遭わせちゃうかもしれないし……。これを書いた司教って奴が今どうなってるのかもわかんないし……。ううーん……」

クロシュ「………」

妖精「と、とにかく今日の夜にみんなで話そう。このことは無音結界の外で口に出しちゃだめだよ。この街じゃ、どこで原理派の者が聞き耳を立てているかわからないもの」

クロシュ「うん……わかった」


 ☆原理派活動日誌を読みました


預言の日は――
↓1コンマ
01-60 14日後(滞在15日目)
61-90 15日後(滞在16日目)
91-00 16日後(滞在17日目)
577 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2025/05/06(火) 22:28:34.53 ID:LKEZD6k6o
さて
578 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2025/05/06(火) 23:23:47.41 ID:1JakG/Xx0
 ・滞在15日目に、預言の時が来ます

 ◆

―王都セイントレア 市場

 ワイワイ ガヤガヤ

イリス「賑わいも凄いねえ」

ミスティ「流石は中央大陸一の都ね……。揃ってる品物の質も良さそうに見えるわ……」

イリス「ひとまず消耗品とか食料の補充をしないとね」

ミスティ「……そういえば、このパーティで旅をするようになってからポーションをあまり飲まなくなったわね……。やっぱりちゃんとした食事のお陰かしら?」

イリス「うん、食材から摂取できる魔力量とかにも少し気を配ってるつもりだよ」

ミスティ「へえ、流石ね」

イリス「マジカルブラッドワインを料理酒代わりに使うみたいなズルもしてるけどね!」

 ◇

買取屋「お嬢さんたち、冒険者かい? 不要なものがあれば買い取るよ」

ミスティ「不要なもの? うーん、何かあったかしら……?」

イリス「あ、それならこの前の廃城探索で見つけたものを換金しちゃう?」

ミスティ「そういえばそうね。あれを換金しましょうか」

 *

 ガチャチャチーン!

買取屋「まいど! ウチは相場ピッタリ以外じゃ買い取らない主義だから安心しな」

ミスティ「まあ……損をしないのなら良いわ」

買取屋「……お? お嬢さん、面白いものを持ってるね。そいつは売らないのかい?」

イリス「え?」

 ダイヤモンドメリケンサック「」ポン

イリス「あ、このヘンな物体は……」

ミスティ「あの妖精がお礼にくれたものね……」

買取屋「見たところ本物のダイヤモンドだし、相場通りの値段で買い取るよ。どうだい?」

イリス「ど、どうする?」

ミスティ「うーん……確かにヘンテコな物体だけど、あの妖精がキラキラですごいって言ってくれたものだし、お金にしてしまうのはちょっと悲しいわ……」

イリス「そうだね……今のところお金に困ってるわけでもないし……」

買取屋「おや、思い出の品だったのかい? そりゃ失礼したね」

 ・ダイヤモンドメリケンサックの売却をキャンセルしました

 ◆

※パーティメンバーが後ろ向きになりそうな行動は失敗することがあります
前スレのどこかでも書いたような気がしますが、本作は所持数や所持重量によるデメリットなどもないため、お金に困っている等でない限りアイテムを売却するメリットはほとんどありません。無駄行動となってしまうリスクが高いのでアイテムの売却は非推奨です
579 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2025/05/06(火) 23:25:19.75 ID:1JakG/Xx0
―王都セイントレア 冒険者ギルド

 ワイワイ ガヤガヤ

ローガン「さて、情報収集といえばやはりここだ」

エバンス「まずは依頼の傾向でも見てみるか?」ペラッ

 依頼書「セイントレア草の大量納品」
 依頼書「浴場の清掃員募集」
 依頼書「人権派団体に入りませんか?」
 依頼書「奴隷調教師募集!未経験歓迎!」
 依頼書「家庭教師募集 未経験不可」
 依頼書「我の剣闘士にならないか?」

エバンス「……なんというか、冒険者らしくないのが多いな?」

ローガン「この王都セイントレアは大陸一の武力を持つ都市だ。魔獣の討伐など、冒険者らしい仕事については冒険者の出る幕がないのだろう」

エバンス「なるほどそういうことか」

ローガン「では私は聞き込みに行ってみる」スッ

エバンス「おお、じゃあ二手に分かれるか」


↓1コンマ
01-60 人権運動が活発らしい
61-90 ↑+???
91-00 ↑+???
580 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2025/05/06(火) 23:27:19.47 ID:G6nG00nto
ほい
581 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2025/05/06(火) 23:27:42.85 ID:nSdNX/Ec0
582 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2025/05/06(火) 23:57:12.62 ID:o8YCc8wgo
なんか1個異質なのが…ってギルド側が検閲しないのがセイントレアって感じだ…
583 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2025/05/07(水) 00:10:47.57 ID:8Ikz1t6W0
受付嬢「ここ最近の情勢ですか?」

エバンス「ああ。ここ最近、王都やセクリエ・ロイエで何か変わったことはないか?」

受付嬢「変わったこと……そうですねえ。王様の苛烈な魔族排斥に反対する運動が活発化してますね」

エバンス「……国民が、王に反対……? そんなことして捕まったりしないのか?」

受付嬢「アルベール王様は国民にすっごい優しい人なので、実際にものを壊すとか、誰かを傷つけるみたいな実害を出さない限りは見逃してくれるんですよお。なんでしたっけ、思想・良心の自由でしたっけ?」

エバンス「マジか……。アルベール王って人間以外に異様に厳しい人って印象だったからちょっと意外だ」

受付嬢「ここに住んでる人たちも同じように思う人は少なくないですねえ。国民にはものすごく寛大で優しいのに、そうでない相手……魔族や亜人族には、ゾッとするくらい厳しい。どのようなお考えなのか、平民の私には及びもつきませんねえ」

エバンス「そうなのか……。反対運動ってのは、何か結果は出てるのか?」

受付嬢「芳しくないみたいですねえ。王様は寛大ですが、同時に無慈悲なようです。国民がどれだけ声を上げようとも、聞く素振りすらありません。まあ絶対権力者である王様が国民の言う事に耳を傾けなきゃいけない決まりなんてありませんからねえ」

エバンス「まあ……そりゃそうか」

受付嬢「ああでもロイエ教の言うことなら聞かざるを得ないので、そこはちょっとピリピリしてるみたいですよお」

エバンス「ロイエ教の? どういうことだ?」

受付嬢「今の排斥反対運動の源流には、ロイエ教穏健派の平等思想がありまして。穏健派は人も魔族も平等だって考えですから、王国のやり方とはソリが合わないんですねえ。そして今の教皇様は穏健派の人みたいですよお」

エバンス「つまり……王国とセクリエ・ロイエは緊張状態にあるってことか」

受付嬢「そうですねえ。まあ緊張してるとはいっても、同じ城壁内の仲良し国ですから、これで戦争になるとかは絶対にないと思いますねえ。後は双方が互いにどう折り合いを付けるか――ってところじゃあないですかあ?」

エバンス「なるほど……わかった、ありがとう」

受付嬢「いえいえ、どういたしまして。またいつでも聞きに来てくださいねえ」

 ☆セイントレア王国とセクリエ・ロイエの情勢について知りました

 ◆
584 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2025/05/07(水) 00:12:34.68 ID:8Ikz1t6W0
というわけで本日はここまでとなります

聖女と再会し、聖ヴァレリオ教会に寝泊まりすることとなった一行。再会の喜びも束の間、先日拾った原理派活動日誌を読んだクロシュと妖精は重大なことを知ってしまう。王都を起点に世界がめくれあがり、デロデロにかき混ざって滅びる――それは、滅亡の預言。
そんな事態を前に、あかちゃんスライムにできることはあるのか。きっとあるはずだ。クロシュはもうとっくに、守られるだけの穀潰しではないのだから。
運命の賽は、何処に転がる――

それでは本日もありがとうございました。次回は土日となります、もよろしくお願いいたします
585 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2025/05/07(水) 00:57:35.24 ID:D3uF5ocbo
おつでした
正直メタ要素だけと思っていた運命賽がこんなに鮮やかに本筋に関わってくるとは!

仄暗い話題あるところにカリスあり
コイツ出会ってる大半の相手にド畜生認定されてんな、さもありなん
586 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2025/05/07(水) 23:13:15.16 ID:hGy0J3djO

メタ的なシステムが物語中に関わる要素として出てくるの好き
結局王国ははんぶんナマでは済まないことになりそう
587 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2025/05/10(土) 08:36:34.81 ID:U3+G+mwe0

フレメアさん魔族国行ったら子供たちにどう見られるのか
588 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2025/05/10(土) 17:33:23.79 ID:HX7kq3iM0
運命賽は実のところ本編に関わる要素だったようです。それがどの程度のものかはわかりませんが、気を付けるのが良いかもしれません
カリス・ノーランド氏は悪者なので、出会う人のほとんどは実際に悪者だと感じるようです。それは実際にその通りなので、仕方のないことなのかもしれません

王国がはんぶんナマで済むか、ウェルダンとなってしまうかは未知数です。それは実のところクロシュたちのがんばり次第とも言えるかもしれません。はんぶんナマで済むようにがんばるのが良いでしょう

フレメア氏は魔族国の大人たちにとってはちょっと触れたくない話題の一つですが、子供たちはそんなの全然知らないので、同年代の幼女だと思って舐めた口を聞く可能性があります。しかしフラナ氏も一緒にいると思われるのでたぶん大丈夫でしょう
589 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2025/05/10(土) 17:33:59.24 ID:HX7kq3iM0
 ―幕間―

―夜
 セイントレア平原

 やや遠くに見える王都の大城壁「」ドドドド
 やや遠くに見える兵士たち「」シャキン


 大きな草「」ガサガサ

アリシラ「うーん……見つからずに侵入するのは難しそうかなあ」コソコソ

フメイ「空から入るのは?」コソコソ

アリシラ「薄く結界が張られてる。破るのは簡単だけど、すぐにバレちゃうと思う。王都にはワイバーンを駆る竜騎士もいるらしいし」

フメイ「大トカゲなんかにフメイたちが負ける?」

アリシラ「その場では勝てるだろうけど、お尋ね者になっちゃうといろいろやりにくいでしょ?」

フメイ「あ、そっか……」

アリシラ「王都は中央大陸で一番強い武力を持った街だから、勇者を筆頭に危険な戦力をたくさん隠し持っていると思う。それに世界樹の精霊さんの話では、星の力だって持ってるはず。真正面からのぶつかり合いじゃ分が悪すぎる……」

フメイ「じゃあ遠距離から城壁を攻撃して、出てきた戦力を少しづつ狩ってけば……」

アリシラ「私たちの付け焼き刃なゲリラテロ戦術が通用するとは思えないよ……。相手は歴戦の列強国だよ?」

フメイ「むむう………ん? なんかあっちの城壁の方に人が集まってる」

アリシラ「本当だ。何だろう?」

 ◇
590 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2025/05/10(土) 17:37:12.97 ID:HX7kq3iM0
―夜
 セイントレア平原 大城壁

レイ「ひい、ひい……」フラフラ

囲む神官戦士たち「……」ジャキッ

隻腕の男「ここまでだ。逃げ場はないぞ、レイ・アンバー」スタスタ

レイ「く、ううぅ……!!」ググ

隻腕の男「大人しくしていれば悪いようにはしない」スタスタ


レイ(こいつら……孤児院を襲撃したロイエの奴ら……!? くそぉ……逮捕されるならまだしも、こいつらに捕まるのだけは絶対にやだ……!!)

レイ(うぅ……でも、もう力が……。頭も痛いし、ここからどうやって切り抜ければ……)

レイ(……ええい! もうこうなったら全部出し尽くす気でやってやる!!!)ゴゴゴゴ


レイ「あああああっ!!!!」ズオッ!!!!

闇の眷属たち「」ポンポンポン!

 カッ!!
 ドガァンッ!!!!
 破壊された城壁「」ガラガラ…

レイ「えっ!?」

隻腕の男「何!? 炎属性も使えただと……!?」

レイ「え、ええっと……!?」

 煙幕「」モクモクモク

神官戦士たち「ゲホッゲホッ!?」
神官戦士たち「たっ隊長!! 煙で前が見えぐああっ!」ボンッ!

隻腕の男「総員防御姿勢を取れ!!」

レイ(な、なんかよくわかんないけどチャンス! おまえたち、ここで暴れてて!)

闇の眷属たち「!」ドタドタ ドガッ ボゴッ

神官戦士たち「ぐああああ!」ドガッ

 煙幕「」モクモクモク

レイ(この隙に壊れたとこから侵入しちゃえ!)タタタッ

レイ(………)

レイ(……なんで私、王都に来たんだっけ?)

 *

―王都セイントレア

 壊れた城壁「」ガラガラ

 煙幕「」モクモクモク

 シュタタタッ

フメイ「よし、上手くいった」スタッ

アリシラ「誰だか知らないけど騒ぎを起こしてくれてて良かったね。お陰で罪をなすりつけられそう」

フメイ「……ちょっと、悪い気もする……」

アリシラ「神官っぽい人たちに追われてたってことは悪い奴なんだよ。一つや二つくらい罪が増えたって変わんないでしょ」

フメイ「それもそっか」

アリシラ「よっし、それじゃあのんびり王都探索といこう!」

フメイ「うん」

フメイ(……クロシュも、ここに来てるんだよね)

フメイ(これが終わったら……今度こそ、一緒に帰ろう……)

 ◆
591 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2025/05/10(土) 17:37:47.34 ID:HX7kq3iM0
―王都セイントレア 滞在2日目

◇クロシュ [あかちゃんスライム]
武:メイドブレード  盾:ラティアの大盾  飾:くすんだ耳飾り
武:竜珠の大杖    防:竜のエプロン   飾:不死鳥の羽根

◇妖精   [世話焼き妖精]
武:         盾:         飾:くすんだ耳飾り
武:         防:精霊のレオタード 飾:

◇イリス  [星の魔法使い]
武:蒼き星の杖    盾:         飾:くすんだ耳飾り
武:ブラッドランス  防:魔術師のローブ  飾:

◇ミスティ [氷の魔法使い]
武:氷の短刀     盾:         飾:くすんだ耳飾り
武:         防:氷竜革のローブ  飾:

◇ローガン [鋼の戦士]
武:蜥蜴一文字    盾:灼鋼の盾     飾:くすんだ耳飾り
武:鋼の回転ノコギリ 防:オリハル鎖帷子  飾:

◇エバンス [地の傭兵]
武:古代の鉄槌    盾:         飾:くすんだ耳飾り
武:魔銀の刀     防:硬質革鎧     飾:

◯所持アイテム
[道具]        [装備品]       [大事なもの]
運命賽*2       蜘蛛絹の下着      魔族国永久旅券
会心賽*1       ザリガニのお守り    フメイの服の切れ端
反魂丹*1       大きな巻き貝      精霊の印
鉄鍋+携帯調理器具   闇の欠片        精霊樹の実のジャム
「星の魔力」上中下   フリルワンピ水着    精霊樹の鉢植え+赤雷球
お宿の妖精の織物    魔法学園のスク水    フメイとアリシラの人形
魔導飯盒        ガラスのザリガニ    メルルの帽子
妨害魔力波発生装置   踊り子の双剣      溶岩石のアミュレット
属性大全        サボテンドラゴンの花  太陽のメダリオン
魔王図鑑        精霊のローブ      暗黒優待券
氷精の魔導書      精霊樹の杖[改]    冒険者証(ランク1)
ブラッドワイン*1   銀のナイフ       大魔女帝国渡航権
吸血鬼殺ワイン*1   ダイヤメリケンサック  かたたたきけん
魔術書「正負の属性」  パラサイトソード    大魔女帝国滞在許可証
吸血鬼の日焼け止め               風船印のパラシュート
日蝕の傘                    ラティア勲章
大魔女サイン*1                ユーシリア王家の紋章
古代のセラミック
ステライト鉱石
晴れ乞い傘
チョコスムージー
ヒヒイロカネ
氷魔力結晶
魔導書「絶対零度」

◯現在の目標
・フメイちゃんを探す
・世界樹の光を追う[4/5]

◯仲間の目標
・カリス・ノーランドを討つ(ミスティ)

◯経験値
・クロシュ 剣技[03/07] 魔法[03/07] 防御[00/07]
・イリス  杖術[00/06] 魔法[14/16]
・ミスティ 剣技[05/07] 魔法[11/16]
・ローガン 剣技[16/16] 魔法[06/08] 防御[07/08]
・エバンス 剣技[16/16] 魔法[07/08]
……………………………………………………………………………………
□王都セイントレア
王城:未探索
城下:教会、孤児院、市場、食事処、酒場、浴場、娼館、冒険者ギルド、
   公園、学校、図書館、博物館、劇場、闘技場、未探索、他
……………………………………………………………………………………
□セクリエ・ロイエ
大聖堂、美術館、庭園、お土産屋、未探索、他
……………………………………………………………………………………
592 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2025/05/10(土) 17:40:10.47 ID:HX7kq3iM0
―朝
 ヴァレリオ教会 宿泊室

 チュンチュン

 原理派活動日誌「」ペラッ

妖精「……っていうようなことが書いてあるんだけど、世界樹の精霊はどう思う?」

世界樹の精霊『……この地域の星脈は、まだ正常に運行している。これから2週間程度で急に世界がめくれて幽界と混ざり合う、などという言説は信じがたい』

妖精「じゃあ、デタラメだと判断して良いの?」

世界樹の精霊『……ううん……でも一つだけ、急に世界めくれが起きる可能性はある……』

ミスティ「それは一体……?」

世界樹の精霊『……世界樹の果実から放たれた光……あれを使えば、この世界に穴を開けることは不可能じゃない……。そしてここには今、3つの光が集まっている……』

クロシュ「!!」

イリス「でもこれを書いた人って、世界めくれを止める為に光を集めようとしたんじゃ……!?」

世界樹の精霊『……書いてある限り……この執筆者の娘は、世界めくれが起きると言っただけで、どのようにして世界めくれが起きるかまでは言っていない……』

エバンス「でも待ってくれ、それだと変じゃないか? この預言者の女の子がこんなことを言わなければ原理派は世界樹の果実を狙わなかったわけだから、今この時に光がここに集まることもなかったはずだ。だからこれは、世界樹の光とは無関係な未来予知なんじゃないのか?」

世界樹の精霊『その可能性もある……。私が危惧しているのは……この執筆者の娘が、預言者などではなく――』

ローガン「……ではなく?」

世界樹の精霊『――運命を変える魔法≠フ使い手だということ……』

イリス「……!? そ、そんな魔法が実在するんですか……!?」

世界樹の精霊『あなたたちが持っている、これ……』スッ

 石の賽「」ポン
 白い賽「」ポン

ミスティ「謎の立方体……!」

イリス「……あっ! そういえばイスファハーンで変なお姉さんに、その石が運命を紡ぐとか何とかって言われたような……」

世界樹の精霊『そう。その石は、運命を変える力が具象化した形……。あなたたちは……なぜかはわからないけれど、その祝福を受けているみたい……。そして……これに書かれている娘も……』

ローガン「……確かに、石の賽や白い賽と書かれているな……」

世界樹の精霊『賽には、三種類ある……。運命を変える石の賽……最上の結果を手繰り寄せる白い賽……そして――」

妖精「……まさか!」

世界樹の精霊『最悪の未来を呼び込んでしまう――黒い賽』

イリス「黒い、賽……!」

世界樹の精霊『もしかしたら……今この世界は、最悪の運命に向かっているのかもしれない』


 ☆目標が追加されました
  ・最悪の未来を阻止する


王都セイントレア滞在2日目。ここは聖ヴァレリオ教会です
↓1〜3 自由安価 何をする?
593 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2025/05/10(土) 17:40:34.17 ID:zj0M8DUMo
取り敢えず大聖堂の奥深くに侵入
594 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2025/05/10(土) 17:40:47.92 ID:U3+G+mwe0
クロシュ、酒場で酔っ払いと飲み比べ
595 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2025/05/10(土) 17:41:43.29 ID:FdFAcq+J0
孤児院でザックと会い案内とザックと話しをする
596 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2025/05/10(土) 17:41:46.46 ID:nHaiTdrqO
王国スライムの会合に出席する
597 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2025/05/10(土) 19:02:41.69 ID:HX7kq3iM0
―酒場

 ワイワイ ガヤガヤ

ローガン「さて、情報収集といえばやはりここだが……」

クロシュ「?」

ローガン「……クロシュくんは……まあ酒が飲めるなら良いか?」


店員「らっしゃい! っておい! ここはガキが来るとこじゃねえぞ!」

ローガン「彼女は酒が飲める。そういう種族なんだ」

店員「ええ?」

クロシュ「!」スッ

 巡礼証明書「」ポン!

店員「なるほど……いやでもロイエ教って酒はいいんだったっけか?」

 ノッシノッシ

酒飲み大柄修道士「もちろん良い! 教典にもそう書いてある!」ヌッ

クロシュ「わあ……!」

 *

ローガン「すまんな、さっきは助かった」

酒飲み大柄修道士「いいってことよ」グビグビ

クロシュ「んへへ……」グビグビ

酒飲み大柄修道士「しかしまあ、お嬢ちゃん随分いけるクチだな?」

ローガン「うむ……先ほども言った通り、彼女は酒に強い種族なのだ」

酒飲み大柄修道士「ほう! そいじゃここは俺と飲み比べといくか!」

クロシュ「のみくらべ……?」

酒飲み大柄修道士「どれだけ多くの酒を飲めるかの勝負だ!」

クロシュ「!」

ローガン「いやいや……酒に強いからと言って彼女はまだ子供だし、変な飲み方を覚えてしまう……」

クロシュ「のみくらべ……する!」

酒飲み大柄修道士「よし来た! 子供から金を取るわけにもいかねェ、お代は俺が払ってやろう!」

ローガン「はあ……まあ仕方ないか」


↓1コンマ
01-10 敗北
11-90 勝利
91-00 ??
598 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2025/05/10(土) 19:05:03.38 ID:z8q2osKnO
大勝利
599 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2025/05/10(土) 20:31:32.90 ID:HX7kq3iM0
酒飲み大柄修道士「はぁぁぁ!」カッ!
 一升瓶「」グイッ
  グビグビグビ!! カン!
 一升瓶「」グイッ
  グビグビグビ!! カン!
 一升瓶「」グイッ
  グビグビグビ!! カン!

ローガン「何!? なんという速さと量だ! 人間なのか!?」

別の客「そのおっさん――レオさんは新陳代謝活性化魔法でズルしてんのさ! この酒場でレオさんに飲み比べで勝った奴はいねえぜ!」

ローガン「……魔法はアリなのか?」

別の客「飲み比べに魔法禁止ってルールはないからな。真面目な競技ってわけでもないし」

ローガン「それもそうか」

別の客「嬢ちゃんが何の種族なのかは知らねェが、レオのおっさんにゃ流石に――」


 酒樽「」グイッ
  グビグビグビグビグビグビ


別の客「えっ……」


クロシュ「〜〜♪♪」モニョニョ
 酒樽「」グイッ グイッ
 最後の一滴「」ピチョン…


別の客「嘘だろ」


酒飲み大柄修道士「い、いかん……魔法の使いすぎで魔力と腹が……」クラクラ

 バタッ…

 ――飲み比べ終了――

 *

 大量の料理「」デン!

 バクバク ガツガツ

クロシュ「〜〜♪♪♪」モグモグ

酒飲み大柄修道士「はぁ〜負けた負けた! 樽ごと飲み干す相手にゃ流石に勝てねえわ!」バクバク

ローガン「う、うむ……。しかしふたりとも、あれだけ飲んだ後だというのによく食うな……」

酒飲み大柄修道士「新陳代謝活性魔法は魔力だけじゃなくて腹も減るんだよ。まあ全身をフル回転させてアルコールを分解してるわけだから腹もフル回転で減っちまうんだろうな」

ローガン「なるほど……そのような弱点があったのか」

酒飲み大柄修道士「普通はそんなになるまで使う羽目にはならねェんだけどな! ガッハハ、今月の懐がめちゃ厳しくなっちまったぜ!」

ローガン「……大丈夫なのか? 樽一つ分となるとかなり厳しい出費になりそうだが」

酒飲み大柄修道士「心配無用、今朝大勝ちしてきたとこだ!」

 ☆飲み比べで勝利しました

 ◇
600 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2025/05/10(土) 20:34:02.91 ID:HX7kq3iM0
―ヴァレリオ教会孤児院

 ワイワイ キャッキャ

幼女「わ〜! おねえちゃん魔法使いなんだ!」

イリス「そうだよ〜! 何か見たい魔法はあるかな?」

幼女「ん〜……」

少年「じゃあ孤児院の予算が増える魔法」ヌッ

イリス「そ、そんな魔法はないよ!!」

少年「なァんだ、大したことねェーじゃん!」ケタケタ

ミスティ「クソガキね……」

 デコピン「」ペチッ

少年「ぎゃっ! 何すんだよ!」

水色髪ロングの中性的な少年「せっかく遊びに来てくれたお姉さんたちに失礼だよ? 謝らなきゃ」

少年「げっ、ミラクル……」

水色髪ロングの中性的な少年→ミラ「僕はミラだけど。見分けられない?」

少年「見分けられるわけねーだろ! はいはいオレが悪うござんした!」ペコッ タタタッ


ミラ「ごめんね、お姉さんたち。彼も悪気があったわけじゃないんだ」

イリス「大丈夫、気にしてないよ。ありがとう。でも君、同い年くらいだよね? たぶんお姉さんじゃないと思う」

ミラ「そうかな? 人生経験って意味では、旅をしているアナタたちの方がずっとお姉さんだと思う」

ミスティ「街での生活って意味では、あなたの方が経験豊富なはずよ。一面だけを比べても仕方ないわ」

ミラ「なるほど……確かにそうとも言えるね」

イリス「えっと……ミラ、ちゃん? でいいんだよね?」

ミラ「フフ、僕が女の子に見える?」

ミスティ「えっ違うの?」

ミラ「僕は男だよ。でももし女の子に見えたなら、それはきっと僕を通してクルが見えたからだろうね」

イリス「えっ、クル……?」

ミラ「おっといけない、そろそろ昼食に取り掛からなきゃ。それじゃあゆっくりしていってね」スタスタ


ミスティ「行っちゃったわ」

イリス「ミラ……くん……ちゃん……。不思議な人だ……」

ザック「お、巡礼者の子たち! ミラクルに会ったんだな!」ヌッ

ミスティ「あなたは確か……力仕事担当のザック、だったかしら」

ザック「ヒーローと呼んでくれても良いぞ!」

イリス「ええ……」

↓1〜2選択 ザックと話すこと
1.ヴァレリオ教会について
2.孤児院について
3.ミラとクルについて
0.自由安価
601 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2025/05/10(土) 20:35:53.57 ID:ug71g0av0
3
602 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2025/05/10(土) 20:36:41.74 ID:InEFszvDo
1
603 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2025/05/10(土) 20:36:46.93 ID:UAbU90R7O
0子供たちはちゃんと勉強できてるのか
604 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2025/05/10(土) 21:07:50.76 ID:HX7kq3iM0
イリス「さっきの……ミラちゃんくんについてなんですけど、彼女……彼はここで働いている人なんですよね?」

ザック「そうだ。奴自身も何年か前に原理派……ロイエ教の者が保護した孤児だったらしいが、今ではこうしてロイエ教の孤児院で働いているというわけだな!」

ミスティ(原理派って言ったわね……)
イリス(言ったね……)

ザック「あのちょっと変わった性格だが……俺も詳しくは知らないが、保護される前に事故で双子の妹を亡くしたそうで、その影響がどうのこうのって話らしい……。すまん、俺は孤児院の担当じゃないからそこまで詳しくはないんだ」

イリス「いえ、ありがとうございます。事故で妹さんを……気の毒ですね……」

ザック「ああ……。噂じゃ――っと、巡礼者の子たちにすべき話じゃなかった。聞かなかったことにしてくれ」

 *

ミスティ「そういえば聖ヴァレリオ教会のことなのだけど……聖ヴァレリオって何かしら?」

ザック「おお、聖ヴァレリオのことか? それなら――丁度良い、そこに肖像画があるだろう?」

 おじいさんが描かれた肖像画「」ポン

ザック「あれに描かれたおじいさんこそが、ここの名前の由来にもなった聖ヴァレリオ・ファルネーゼンだ」

ミスティ「聖ヴァレリオ・ファルネーゼン……!」

ザック「ああ。篤い信仰心を持ちながら、他種族との融和を誰よりも追求した――穏健派の礎を創り上げた聖人だ。既に逝去して久しいお方だが、今でも多くの信徒たちに尊敬されている」

イリス「おお……! 凄い人なんですね……!」

ザック「パスタを好んで食べたそうだ。この孤児院の食事にパスタが多いのはそういう理由もあるらしい……」

イリス「パスタ……! 良いですね、私も好きです!」

ザック「クレアちゃんに頼めば作ってくれると思うぞ! 教会と孤児院の食料は共通だからな」

ミスティ「クレアさん……そういえば彼女、なんだか浮かない顔をしていたわ。私たち、もしかして迷惑だったりするの?」

ザック「えっ本当か!? いや巡礼者が迷惑なはずはないし、クレアちゃんが迷惑に思うはずもない。あの子は穏健派の中でも凄く真面目で優しい子だ。もし浮かない表情をしていたとしても、何か別の理由があるはず……」

イリス「別の理由……」

ザック「だがまあそれは巡礼者の君たちが気にすることじゃあない。君たちは気にせず巡礼に打ち込んでいってくれ」

ミスティ「……わかったわ」

 ☆ミラとクルについて少し知りました

 ☆聖ヴァレリオ教会について少し知りました

 ◇
605 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2025/05/10(土) 21:08:56.56 ID:HX7kq3iM0
―セクリエ・ロイエ 大聖堂

 ワイワイ ガヤガヤ

 大きな聖堂「」ドン!

妖精「ここがロイエ教最大の大聖堂かあ」

クロシュ「わあ……」

妖精「ロイエ教で一番偉い教皇が座す教会でもあり、セクリエ・ロイエの政治を司る場でもある……いろいろ大変そうだね」

クロシュ「……調べる?」

妖精「……午前中随分飲んだらしいけど、大丈夫なの?」

クロシュ「うん」

妖精「まあ酔ってる素振りはないし、クロシュが酒で酔うわけもないか。それじゃあ慎重に調べてみよう。何か手がかりをつかめるかも」

クロシュ「ん!」

 モニョモニョ…プチッ

透明ちびスライムクロシュ「〜〜!」モニョニョ!

 ピョンピョンピョン―


↓1コンマ
01-10 プチッ
11-30 変なとこに迷い込んだ
31-50 暗いとこ
51-70 明るいとこ
71-90 明るいとこ+
91-00 明るいとこ++
606 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2025/05/10(土) 21:11:27.95 ID:U3+G+mwe0
607 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2025/05/10(土) 22:02:06.20 ID:HX7kq3iM0
―大聖堂

 ワイワイ ガヤガヤ

 巨大なステンドグラス「」キラキラ
 たくさんの長椅子「」

透明ちびスライムクロシュ「〜〜」モニョモニョ ピョンピョン

 *

―大聖堂別館

透明ちびスライムクロシュ「〜〜」モニョモニョ

 ピョンピョンピョン

 *

―大聖堂別館 中庭

 日差し「」キラキラ
 生い茂る木々「」サワサワ
 小川を模した水路「」サラサラ

 ガーデンパラソル「」バサッ
 木の椅子「」ポン
 木のテーブル「」ポン

 茶菓子「」ポン
 紅茶「」ポン

フリューゲル「おかわりはたくさん用意してありますからね」コトン

セイン「ああ。いつもすまない」

黒髪ポニテ幼女「いつもありがとう、フリューゲルさん」

黄スライム「〜〜!」モニョニョ! モグモグ

灰スライム「〜〜」モニョモニョ モグモグ

アイス「……」パクパク モグモグ


透明ちびスライムクロシュ「……?」コソコソ


セイン「!」シュバッ シャキン!!
 鋼の剣「」シャッ!!

透明ちびスライムクロシュ「〜〜!!!」モニャニャ!!!

セイン「……クロシュ……!?」

 *
608 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2025/05/10(土) 22:03:05.99 ID:HX7kq3iM0

セイン「なるほど……とうとうここまで来たのか」

ちびスライムクロシュ「〜〜!」モニョモニョ

黒髪ポニテ幼女「その子が、セインお兄さんと敵だったり味方だったりするクロシュちゃん?」ヒョコ

ちびスライムクロシュ「〜〜!」モニョニョ

セイン「そうだ。あと……敵ではないと思う」


黄スライム『クロシュちゃん、どこから来たの?』モニョニョ

ちびスライムクロシュ『とおいところ……!』モニョニョ

灰スライム『ねえ、それ分体……?』モニョモニョ

ちびスライムクロシュ『うん……!』モニョニョ

アイス「……」ジー

ちびスライムクロシュ『……わっ……アイスちゃん……!』モニョニョ

アイス「!」

ちびスライムクロシュ『このまえの……つめたかった……!』モニョモニョ

アイス「……」ツンツン

ちびスライムクロシュ『んわわ……!』モニョモニョ

フリューゲル「はい、クロシュちゃんもどうぞ」スッ

 紅茶「」コトン ホカホカ
 お茶菓子「」ポン

ちびスライムクロシュ『んわわ〜! ありがと、ございます……!』モニョニョ キャッキャ


セイン「……クロシュ……いつもより言葉使いが幼くなっていないか?」

灰スライム『ちっちゃい分体は……頭が弱くなるの……』

セイン「そうなのか……」

黒髪ポニテ幼女「今日はカリス遅くなるらしいから、ゆっくりお話しよ?」

ちびスライムクロシュ『ん!』モニョニョ


↓1〜3選択 明るいところでお話
1.ここは何?
2.みんなは何?
3.平和なの?
4.個別の誰かとお話(名前を指定)
0.自由安価
609 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2025/05/10(土) 22:06:23.47 ID:UAbU90R7O
0ロイエ教の反対勢力とかあるの?
610 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2025/05/10(土) 22:06:45.89 ID:HN4IeV0lO
1
611 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2025/05/10(土) 22:16:06.09 ID:ug71g0av0
4黒髪ポニテ幼女
612 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2025/05/10(土) 22:18:43.50 ID:HX7kq3iM0
この中庭++での会話イベントは非常に貴重なものなのですが、>>609の内容は他のところでも聞ける(というか他で聞いた方が効果的な回答を得やすい)ことなので、申し訳ありませんが却下させて頂きます

というわけで申し訳ありませんが再安価*1とさせていただきます

↓1選択
2.みんなは何?
3.平和なの?
4.個別の誰かとお話(名前を指定)
613 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2025/05/10(土) 22:21:01.67 ID:CGBJzw85O
2
614 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2025/05/10(土) 23:35:07.98 ID:HX7kq3iM0
ちびスライムクロシュ『ここ……なあに?』モニョニョ

セイン「ここは、カリス・ノーランドの研究棟……の中庭だ」

ちびスライムクロシュ『カリス・ノーランド!!』モニャニャ!

フリューゲル「セインが私たちの待遇改善の為に、王国とカリスを相手にものすごくいろいろ交渉してがんばってくれたの。この中庭もその一つ……。つまり、私たちがのんびり暮らす為のスペースよ」

黒髪ポニテ幼女「セインお兄さんがいなかったら、わたしたちは今でも暗い鉄の檻の中だったの……」

黄スライム『セインのお陰で、おひさまぽかぽか!』モニョニョ キャッキャ

ちびスライムクロシュ『わあ……!』モニョニョ

セイン「僕たちのことは……もう言わなくてもわかると思うが、カリスの人造生物だ」

ちびスライムクロシュ『!』モニョ!

灰スライム『……カリスのペットたちの中で……生き残ってるのは、ボクたちだけ……。他のみんなは……もう、死んじゃった……』

ちびスライムクロシュ『!!』モニョ…!!

アイス「……よわいから、しんだ」ボソッ

黒髪ポニテ幼女「アイスちゃん……!!」

アイス「……ほんとのこと。アイスは……つよいから、いきて……カリスに、だいじにされてる」

黒髪ポニテ幼女「……っ」

フリューゲル「……アイスの言っていることも、間違ってはいないわ……。それは……カリスに限らず、この世界に共通した摂理のようなもの……。でも――」

アイス「……?」

フリューゲル「……セインが頑張ったから……アイス以外の子たちもこうして中庭でお茶できるくらい、平和に暮らせるようになったの……。もしアイス一人だったら……みんなでお茶なんて、できなかったかもしれないわ」

アイス「………」

フリューゲル「アイスは……みんなでお茶するの、嫌い?」

アイス「……べつに、ふつう。カリス、いないし」

黄スライム『つんでれ!』モニョニョ!

灰スライム『つんでれかなあ』モニョニョ

アイス「うるさい。凍らす……」パキッ…

黄スライム『んわわ〜!』モニャニャ!

フリューゲル「やめなさい」ペシッ

 *
615 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2025/05/10(土) 23:35:42.90 ID:HX7kq3iM0
 モニョモニョ キャッキャ


黒髪ポニテ幼女「ごめんねクロシュちゃん……せっかく遊びに来てくれたのに、変なとこ見せちゃった……」

ちびスライムクロシュ『んーん……! いろいろ、わかった……!』モニョモニョ

黒髪ポニテ幼女「そうなの? なら良かった……」

ちびスライムクロシュ『えっと……』モニョニョ

黒髪ポニテ幼女→フレア「わたしのこと? わたしは……フレアって言うの……。勇者再現計画の……失敗作……」

ちびスライムクロシュ『!!』モニャニャ

フレア「でもセインお兄さんのお陰で、処分を免れたの……。失敗作は失敗作なりに、使い道があったみたいだしね……」

ちびスライムクロシュ『……』モニャニャ…

フレア「今はすごく平和だよ。ときどき、ロイエ教のげんりは?の人が来て、お菓子とかくれるし……。あ、でも最近担当の人が変わっちゃって……。前の、ちょっとうるさいお姉さんじゃなくなっちゃったの」

ちびスライムクロシュ『僧侶さん……!』モニョニョ!

フレア「わ、クロシュちゃん知ってるの?」

ちびスライムクロシュ『僧侶さんは、今は、デロデロ派……!!』モニョニョ!

フレア「でろでろ派……? ふふ、なんだかスライムみたい」

ちびスライムクロシュ『うん……!』モニョニョ

フレア「今の担当者さんはね……おめめに十字の模様がある、静かな人……。最初は、僧侶さんじゃなくてちょっとこわかったけど……今は、こわくないってわかったから平気……。僧侶さんみたいに遊んでくれたりはしないけど、僧侶さんよりたくさんお菓子を持ってきてくれるんだよ」

ちびスライムクロシュ『わあ……!』モニョニョ

フレア「あと……僧侶さんより、偉い人みたい……。カリスも、僧侶さんよりちょっとやりにくそうだった」

ちびスライムクロシュ『わわあ……!』モニョニョ

フレア「えっと……確か、使徒って呼ばれてたかなあ……」

ちびスライムクロシュ『!』モニョ!

フレア「ロイエ教の人だから、外から来たクロシュちゃんなら、会えるかも」

 ◇
616 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2025/05/10(土) 23:37:16.91 ID:HX7kq3iM0

セイン「くれぐれもカリスには見つからないように」

フレア「わたしたちも、今日クロシュちゃんが来たことは秘密にする。だから安心してね」

ちびスライムクロシュ『ありがと、ございます……!』モニョモニョ


フリューゲル「……もし外で私と会った時は、今日の私のことは忘れなさい。きっとその時、私は本気であなたたちを殺そうとするだろうから……」

ちびスライムクロシュ『……』モニャニャ

フリューゲル「……フラナとフレメアのこと……よろしくね」


黄スライム『もう帰っちゃうんだ……』モニョニョ

灰スライム『……こんなとこ……もう、来ちゃだめ……』モニョニョ…

ちびスライムクロシュ『……元気で、いる……?』モニョニョ

黄スライム『うん! わたしたち、元気!』モニョモニョ

灰スライム『セインが……守って、くれるから……大丈夫……』モニョモニョ

ちびスライムクロシュ『んへへ……』モニョニョ


アイス「……」ジッ

ちびスライムクロシュ『アイスちゃん……』モニョニョ

アイス「……クロシュ……もしかして……アイスたちと、おなじ?」

ちびスライムクロシュ『……うん』モニョ

アイス「……なんで?」

ちびスライムクロシュ『……?』モニョニョ

アイス「……なんで……カリスをうらぎったの?」

ちびスライムクロシュ『…………おぼえて、ない……』モニョニョ

アイス「………」

ちびスライムクロシュ『ごめんなさい……』モニョニョ…

アイス「……」

ちびスライムクロシュ『……』モニャニャ…


セイン「アイス……今日のこと、カリスには……」

アイス「……ん。いわない……」

フレア「アイスちゃん……」

アイス「クロシュは……アイスが、カチンコチンにする」

ちびスライムクロシュ『!?』モニャニャ!?

アイス「だから……だまっといて、やる」

フリューゲル「あらら……」


 ☆明るい中庭でカリスの人造生物たちとお話しました

 ☆アイスに目を付けられました

 ◆
617 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2025/05/10(土) 23:39:15.78 ID:HX7kq3iM0
というわけで本日はここまでとなります

カリス・ノーランドの本拠地に侵入し、のんびりお茶して帰宅することに成功したあかちゃんスライムのクロシュ。その心奥には、強い意志が宿っていた。必ずや、かの者たちにしあわせを。静かなる決意を胸に秘め、クロシュは帰る。アイスに敵対宣言されたことは、なるべく考えないようにして――

それでは本日もありがとうございました。次回もよろしくお願いいたします

なお黒髪ポニテ幼女氏の名前と容姿は、最初のスレの勇者募集にて頂いた207の案を一部参照させて頂きました。よろしくお願いいたします
618 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2025/05/11(日) 01:32:50.51 ID:SpIdit/lo
おつ
落選したけど名前だけでも使ってもらえて嬉しい限り
しかし大聖堂内に悪役の本拠地…黒い予感がするなぁ
619 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2025/05/11(日) 01:56:02.26 ID:cpVOZsOho
おつでした
セインくんもかぁ〜……あれこれクロシュ-セインの関係は広義の姉弟では……!?
使徒さんはカリス側じゃないっぽいの朗報
ああ僧侶さんに会いたいなぁ、近くに来てたりするのだろうか
620 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2025/05/11(日) 08:32:16.45 ID:G8rJmAdzo
人間以外の種族は存在することすら忌避されてるかと思ったらそんなでもない?
621 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2025/05/11(日) 12:06:30.88 ID:YM1LPu2xO

アイスちゃんガチめのカリスの配下かと思ってたけどまあまあ対話の余地がなくもなさそう
622 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2025/05/11(日) 16:23:17.75 ID:/+l+SDx80
投下して頂いた案については、本編に登場することはなくとも街のどこかで生きている一人となったり、歴史上で活躍した人物となったりすることがあります。全員を登場させるのは少々難しい為、このような仕様とさせていただくことをご容赦くださいませ
大聖堂の別館にカリス・ノーランドの研究棟があるようです。今回のクロシュ氏は隠密能力によりコソコソと出入りすることができましたが、実のところ警備は厳しく簡単に出入りできる場所ではないようです。気を付けるべきかもしれません

セイン氏もまたカリス氏の手による人造生物であることが明らかとなりました。そういう観点で言えば、クロシュ氏のきょうだいと言っても間違いではないかもしれません。なおどちらが年上で年下なのかは今のところはっきりしていませんが、クロシュ氏とセイン氏は造られた経緯や管理場所が異なっていたため、お互いに面識はなかったようです
使徒氏がどのような人物なのかは今のところ闇に包まれています。そして僧侶氏が今どこにいるかはわかりませんが、今回の事態にデロデロ派がどのように関与してくるかは今のところ未知数です

王都ではロイエ教穏健派の熱心な活動により、実のところ他の王国の都市よりはだいぶ人間以外への差別・迫害が手薄なようです。クロシュ氏が酒場でグビグビ飲んでいても特に咎められたりしなかったのはそういう事情があるようです(大柄で強面の酒飲み穏健派修道士が近くにいたことも関係あるかもしれません)。なおこれは庶民的な大衆酒場だったため問題ありませんでしたが、これが王侯貴族の出入りする高級なお店だったりするとそうもいかないかもしれません。気を付けるのが良いでしょう

アイスさんはカリス氏を慕う幼女ですが、初遭遇の直前に出た00会心や今回の高コンマによる邂逅により、本来想定されていたものよりもクロシュへの心証が(これでもかなり)良いようです。告げ口などせず正々堂々叩きのめすと宣言する点も、ある意味でクロシュちゃんを認めているという態度の現れかもしれません。クロシュさんがどのような心構えでいれば良いかは判断が難しいところですが、ひとまず告げ口はされないので安心すれば良いのかもしれません
623 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2025/05/11(日) 16:24:19.61 ID:/+l+SDx80
―夜
 聖ヴァレリオ教会 宿泊室

イリス「え、えええっ!?」

ミスティ「カリス・ノーランドの研究棟に侵入して、そこの者たちと会話してきた……!?」

クロシュ「うん……!」

エバンス「マジか……!?」

ローガン「また無茶をする……。しかし収穫は大きいか」

妖精「ひとまずわかったことをまとめてみよう」


・大聖堂の別館にカリス・ノーランドの研究棟があった
・明るい中庭でお茶会をしていた
・セイン、フリューゲルの姿を確認
・以前カリスが連れていたアイスもいた
・他にいたのはフレア、黄スライム、灰スライム
・フレアは勇者再現計画?の失敗作らしい
・以前は僧侶が時々訪れてお菓子をあげていた
・今は使徒という偉い者が来てお菓子をあげている
・使徒はカリスにとってやりにくい相手らしい
・アイス以外の者たちはクロシュに友好的
・アイスはクロシュに敵対的。でも見逃してくれた


ローガン「セインくんが……まさかカリスの手の者だったとは……。普通の出自ではないとは思っていたが……」

イリス「勇者再現計画……なんだかきな臭い言葉ですね……」

妖精「……フレアが自分を失敗作と称したのなら……たぶんセインが成功作ってことなんだろうね。胸糞悪い言い方だけど」

ミスティ「本当に胸糞悪いわ……。でも他の子たちは別の計画ということなのかしら?」

妖精「どうなんだろう……。フリューゲルについては前にカリスが客先がどうのとか言ってたから――あっ、客先って王国か!」

エバンス「勇者再現計画なんて名前からして、王国が関わってる気配しかしないな。セインもフリューゲルも王国からの依頼なんじゃないか?」

ミスティ「王国……やはり許し難いわ……」

 ◆
624 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2025/05/11(日) 16:25:11.43 ID:/+l+SDx80
―王都セイントレア 滞在3日目

◇クロシュ [あかちゃんスライム]
武:メイドブレード  盾:ラティアの大盾  飾:くすんだ耳飾り
武:竜珠の大杖    防:竜のエプロン   飾:不死鳥の羽根

◇妖精   [世話焼き妖精]
武:         盾:         飾:くすんだ耳飾り
武:         防:精霊のレオタード 飾:

◇イリス  [星の魔法使い]
武:蒼き星の杖    盾:         飾:くすんだ耳飾り
武:ブラッドランス  防:魔術師のローブ  飾:

◇ミスティ [氷の魔法使い]
武:氷の短刀     盾:         飾:くすんだ耳飾り
武:         防:氷竜革のローブ  飾:

◇ローガン [鋼の戦士]
武:蜥蜴一文字    盾:灼鋼の盾     飾:くすんだ耳飾り
武:鋼の回転ノコギリ 防:オリハル鎖帷子  飾:

◇エバンス [地の傭兵]
武:古代の鉄槌    盾:         飾:くすんだ耳飾り
武:魔銀の刀     防:硬質革鎧     飾:

◯所持アイテム
[道具]        [装備品]       [大事なもの]
運命賽*2       蜘蛛絹の下着      魔族国永久旅券
会心賽*1       ザリガニのお守り    フメイの服の切れ端
反魂丹*1       大きな巻き貝      精霊の印
鉄鍋+携帯調理器具   闇の欠片        精霊樹の実のジャム
「星の魔力」上中下   フリルワンピ水着    精霊樹の鉢植え+赤雷球
お宿の妖精の織物    魔法学園のスク水    フメイとアリシラの人形
魔導飯盒        ガラスのザリガニ    メルルの帽子
妨害魔力波発生装置   踊り子の双剣      溶岩石のアミュレット
属性大全        サボテンドラゴンの花  太陽のメダリオン
魔王図鑑        精霊のローブ      暗黒優待券
氷精の魔導書      精霊樹の杖[改]    冒険者証(ランク1)
ブラッドワイン*1   銀のナイフ       大魔女帝国渡航権
吸血鬼殺ワイン*1   ダイヤメリケンサック  かたたたきけん
魔術書「正負の属性」  パラサイトソード    大魔女帝国滞在許可証
吸血鬼の日焼け止め               風船印のパラシュート
日蝕の傘                    ラティア勲章
大魔女サイン*1                ユーシリア王家の紋章
古代のセラミック
ステライト鉱石
晴れ乞い傘
チョコスムージー
ヒヒイロカネ
氷魔力結晶
魔導書「絶対零度」

◯現在の目標
・フメイちゃんを探す
・世界樹の光を追う[4/5]

◯仲間の目標
・カリス・ノーランドを討つ(ミスティ)

◯経験値
・クロシュ 剣技[03/07] 魔法[03/07] 防御[00/07]
・イリス  杖術[00/06] 魔法[14/16]
・ミスティ 剣技[05/07] 魔法[11/16]
・ローガン 剣技[16/16] 魔法[06/08] 防御[07/08]
・エバンス 剣技[16/16] 魔法[07/08]
……………………………………………………………………………………
□王都セイントレア
王城:未探索
城下:教会、孤児院、市場、食事処、酒場、浴場、娼館、冒険者ギルド、
   公園、学校、図書館、博物館、劇場、闘技場、未探索、他
……………………………………………………………………………………
□セクリエ・ロイエ
大聖堂、大聖堂別館、美術館、庭園、お土産屋、未探索、他
……………………………………………………………………………………
625 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2025/05/11(日) 16:25:48.57 ID:/+l+SDx80
―聖ヴァレリオ教会 廊下

 ガチャッ

聖女「あ、クロシュさん! おはようございます」ペコリ

クロシュ「聖女さん……! おはよ、ございます……!」ペコリ

妖精「おはよう」パタパタ

聖女「はい、妖精さんもおはようございます。こちらでの生活には慣れてきましたか?」

妖精「うん、まあぼちぼちかな……?」

聖女「それなら良かったです。困ったことがあったら何でも言ってくださいね」

クロシュ「うん……!」


妖精「………そういえば聖女って、家族の人とかは……」

聖女「父と姉がいます。どちらもロイエ教なんですけど……二人ともちょっと遠方に派遣されているみたいで、会えてないですね……」

妖精「そ、そうなんだ……」

聖女「でも大丈夫です! その……ちょっと考え方が合わないところもあるので……会うことにならなくて良かったかもしれません」

クロシュ「………えっと……僧侶さん……だよね……?」

聖女「えっ……!? クロシュちゃん、知っているんですか……!?」

クロシュ「うん……。前に……会って……お話、した……」

聖女「……姉は、クロシュちゃんに酷いことを言いませんでしたか……?」

クロシュ「うん……! 僧侶さん……今、デロデロ派……!」

聖女「ええっ……!? で、デロデロ派……!?」

妖精「……デロデロ教って知ってる? なんかその考え方に染まったみたいでさ。ロイエ教デロデロ派を名乗って活動してたよ」

聖女「おね……姉がデロデロ教に……!? それは……ふふ、本当ですか……!?」

クロシュ「うん……!」

妖精「あれ……? 聖女、ちょっと嬉しそう……?」

聖女「あっ……す、すみません。姉が未認可の異端になったことを喜んではいけないですよね。でも……えへへ……」ニコニコ

クロシュ「んへへ……」ニコニコ

妖精「ま、まさか……聖女もデロデロ思想が良いの……!?」

聖女「そ、それは違います! 私はロイエ教の修道者ですから……! ただ、デロデロの考え方も悪いものだとは思っていないのです。少なくとも原理派……人間だけを良い種族として他の種族を悪いものとするような考え方よりは、ずっと良いと思うのです。以前の姉はそういう考え方だったので……」

妖精「なるほどね。私もそういう差別的な考えよりはデロデロの方が好きかな。ちょっと過激だとも思うから全面的に賛同はできないけどね……」

聖女「でも、そっか……デロデロ派かあ……。ふふ、お姉ちゃんにすごく会いたくなってきちゃいました」ニコニコ


王都セイントレア滞在3日目。15日目に何かが起こります
↓1〜3 自由安価 何をする?
626 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2025/05/11(日) 16:26:06.04 ID:vgBdBkE/0
クロシュ、孤児院で子供たちの勉強会に参加
627 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2025/05/11(日) 16:26:44.95 ID:vh+OxehFO
城下を中心に現教皇や原理派等のロイエ教に関する情報収集
628 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2025/05/11(日) 16:31:05.85 ID:G8rJmAdzo
使徒とやらにあう
629 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2025/05/11(日) 16:48:38.98 ID:/+l+SDx80
―聖ヴァレリオ教会 孤児院の庭

ミラ?「はい、みんな杖は手に持ったかな?」

幼女「は〜い!」
 小さな杖「」ポン!

少年「はいはい」
 小さな杖「」ポン!

クロシュ「ん!」
 竜珠の大杖「」ポン!

少年「ちょっ、お前なんだそれ!? でかすぎるだろ!」

幼女「わ……!? クロシュちゃんの杖おっきい!!」

ミラ?「アハハ! 手に馴染む杖でやるのが一番だよ、でも出力には注意してね?」

クロシュ「ん……!」

 *

ミラ?「じゃあみんな、自分の得意属性の初級魔法の練習! 難しかったら先生を呼んでね」

幼女「は〜いクルせんせ〜」

少年「今はクルなの?」

ミラ→クル「うん、クル先生だよ〜」

クロシュ「クルさん……」

クル「クロシュちゃんはまだ見分けられなくても仕方ないかもね。私たちのこと」

クロシュ「ん……」


↓1コンマ 魔法の練習
01-30 魔法経験+1
31-60 魔法経験+2
61-90 魔法経験+3
91-00 魔法経験+6 新技習得
630 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2025/05/11(日) 16:49:39.88 ID:winWkLrg0
631 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2025/05/11(日) 17:06:29.36 ID:/+l+SDx80
クロシュ「えいっ!」
 竜珠の大杖「」ブンッ!

 反映魔法弾「」ピュン!
 反映魔法弾「」ピュン!

 ポン! ポン!

スライム幼女「わわ〜!?」モニョモニョ

スライム少年「な、なんだぁ!?」モニョニョ

クル「わぁお! クロシュちゃんって面白い魔法を使うんだね!」

スライム幼女「せんせー、わたしスライムなのにスライムじゃない! すっごくヘン!」モニョモニョ

スライム少年「ど、どうなってんだ!? オレの体、人間のままなのにスライムになってる!?」

クロシュ「えっとね……見え方と、質感だけが……変わるから……中身は、変わんない……!」

スライム幼女「わ、すごい〜!」キャッキャ

スライム少年「キショーゾクセーてやつか!? ずりぃぞ!!」プンスコ

クル「ふむふむ……見たところ練度も十分だね。私が教えられることもなさそうだ! クロシュちゃんは合格! 卒業おめでとう!」

クロシュ「わわ……!」

スライム幼女「おめでと〜!」パチパチ

スライム少年「くそ〜オレも早く卒業してえ〜!」

 ☆クロシュが魔法経験を3積みました

 ◇

―王都セイントレア 城下町

 ワイワイ ガヤガヤ

エバンス「ひとまず闇雲に情報収集してみるか」スタスタ

ローガン「闇雲なのか……」スタスタ

エバンス「冗談だ冗談。ここはやっぱ、今のロイエ教の様子とか原理派の動向を抑えておきたいよな」

ローガン「そうだな。なぜ大聖堂の別館にあのような……というのは恐らく市井の者に聞いても仕方がないだろうが」

エバンス「むしろそんなのを聞いて回るのは自殺行為だな……。今はとりあえず、表に出回ってる普通の情報を集めよう」

↓1コンマ
01-30 現在の教皇は穏健派の人物らしい
31-60 以前は原理派が優勢だったらしい
61-90 ???
91-00 ???
632 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2025/05/11(日) 17:09:18.49 ID:G8rJmAdzo
はてな
633 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2025/05/11(日) 17:09:40.68 ID:cpVOZsOho
カクカクシカジカ
634 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2025/05/11(日) 18:38:51.15 ID:/+l+SDx80
酒飲み大柄修道士「ロイエ教のことであれば俺が答えてやろう!」ノッシノッシ

ローガン「貴方は昨日の酒飲み修道士!」

エバンス「えっ、クロシュちゃんと飲み比べをしたっていう?」

酒飲み大柄修道士「いかにも!」

ローガン「うむ……まあ、恐らく信用できそうな人物だ。せっかくだし聞いてみよう」

エバンス「お、おう」

 *

酒飲み大柄修道士「今のように穏健派が優勢になったのは、現教皇のユグド・フランシスが選出されたのがでけえだろうな。まあ穏健派のモンが選出されるくらいに穏健派がでかくなったとも言えるが」

エバンス「現教皇ってのはどんな人物なんだ?」

酒飲み大柄修道士「穏健派思想の体現者のような人だ。平等と平和を重んじ、求める者には種族の隔てなく手を差し伸べる……みたいなな。今この王都で人間以外の排斥に反発する運動が活発なのも、あの人とその指揮下にある穏健派の積極的な活動の結果だと思うぜ」

ローガン「なるほど……。穏健派が優勢になるまでは原理派が優勢だったのだろうか?」

酒飲み大柄修道士「おお、知ってるのか? その通り、穏健派が優勢になる前は原理派が大多数を占めてたんだ。ロイエ教の歴史のほとんどは原理派の歴史と言っても過言じゃねェ。もちろん原理派は今でもロイエ教に数多く残ってるし、セイントレア王国の王侯貴族はほとんどが未だに原理主義的なロイエ教を信仰してるんだぜ」

エバンス「なるほどな……王様が未だに人間以外に厳しいのは原理派だからってことか」

酒飲み大柄修道士「実際に話してみねェとほんとのとこはわかんねェが、可能性は高ェだろうな。穏健派の俺としては頭の痛ェとこだが……」

ローガン「貴方も穏健派だったのだな。まあクロシュくんともおおらかに接していた辺りからそうだとは思っていたが」

酒飲み大柄修道士「ガハハ、種族が違うからって子供相手に目くじらを立てる奴ァ穏健派がどうとか以前に人としてゲロ以下だろうよ!」

エバンス「おお……まあ大体同意だ!」

ローガン「聖職者とは思えん言葉遣いだが、確かに同意はできるな……うむ」

 ☆ロイエ教について少し知りました

 ◇
635 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2025/05/11(日) 18:39:21.68 ID:/+l+SDx80
―聖ヴァレリオ教会 礼拝堂

クレア「えっ……使徒様に会いたい……!?」

クロシュ「だめ……?」

クレア「だ、だめというわけではないのですが……。使徒様は……少々所属が遠くてですね……」


聖女「使徒様がどうかなさったのですか?」スタスタ

クレア「あっ聖女! あなたは今原理派ですよね? クロシュさんたちを使徒様とお会いさせてあげることはできますか……?」

聖女「えっ……ど、どうでしょう。私は原理派といってもほとんど末端ですし……父がここにいればなんとか頼めたかもしれないですけど……いやでも使徒様は名誉顧問なので普段はお暇という噂もありますし、ダメ元で行ってみれば会えるかもしれません」

妖精「お願いできる? ダメだったらダメでいいからさ」

聖女「わかりました。行くだけ行ってみましょう!」

イリス「ありがとうございます!」

ミスティ「よろしく頼むわね」

クロシュ「おねがいします……!」

 ◇
636 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2025/05/11(日) 20:34:44.39 ID:/+l+SDx80
―大聖堂別館 来賓室

 大きなソファ「」ポン
 ガラスのテーブル「」ポン

十字瞳孔の金髪ロング少女→使徒「お待たせ致しました」スッ

聖女「使徒様、お久しぶりでございます」ペコリ

使徒「お久しぶりです、聖女様」ペコリ


クロシュ(わあ……!)

ミスティ(あっさり会えちゃったわ……。本当に暇なのかしら……?)

イリス(……この気配は……)

妖精(………こいつ、何だ……? この感じ……)


使徒「遠路はるばる、ようこそいらっしゃいました。世界樹の光をお求めの皆様」ペコリ

妖精「……知っていたの?」

聖女「??」

クロシュ「??」

使徒「そうでなければこのような席は設けません」


イリス(わお……)

ミスティ(これは……なかなかやりそうね……)


聖女「えっと……私は、席を外した方がよろしそうですか?」

使徒「いいえ。聖女様にも関係があるかもしれません。どうぞお座りくださいませ」

聖女「わ、わかりました……」スッ

使徒「……一度、振り返りも兼ねて聖女様にもわかるように説明いたしましょう。世界樹の光を巡る、時の流れについて――」

 ◇
637 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2025/05/11(日) 20:35:55.24 ID:/+l+SDx80

聖女「そのようなことが……。私も原理派なのに、何も知りませんでした……」

使徒「聖女様のお父上が、厳しく情報統制を行っておりましたので。知っているのは枢機卿を初めとした上層部の何人かと、僧侶様くらいでしょう」

聖女「お、お姉ちゃ……姉まで関わっているんですか……!?」

使徒「誰よりも熱意を持って取り組んでおられました。お父様と一緒に私が世界を救うんだー!と鼻息を荒くし……」

聖女「そ、そうなんですか……。それでは姉は、今もその任に……?」

使徒「いえ。残念ながら、彼女は今行方不明です」

聖女「えっ……!?」

使徒「僧侶様は任務の途中、何度も失敗を繰り返し、最終的に任を解かれました。その後セクリエ・ロイエに戻るよう通告したのですが……姿を消し、未だに戻っていないようです」

聖女「そ、そんな……! どこかで事故か……あ、危ない目に遭ってるんじゃ……!!」

使徒「あるいは、セクリエ・ロイエに戻れないような事情があるか――」

聖女「……!!」

妖精「……」

使徒「もしそうだとして、咎めるつもりはないのでご安心を」

聖女「……」


使徒「さて、それでは本題に移りましょうか。まずは世界樹の光について」

妖精「うん。あなた……持ってるんでしょ?」

使徒「はい。こちらに」
 手のひら「」スッ

 世界樹の光・地「」ポゥ―

イリス「世界樹の光……!」

妖精「……どうやってそれを奪ったの?」

使徒「あなたたちが悪竜を討滅して引き上げた後、その地に赴き……星脈に沈んでいくそれを捕まえ、引き上げました」

イリス「ええ……!? そんなのことが可能なんですか……!?」

使徒「可能です」

イリス「……!!」

使徒「単刀直入に言いましょう。世界の存続の為に、あなたたちが持っている光を私に預けてはくれませんか?」

妖精「……」

使徒「今ご説明した通り、私たちの目的は世界樹の光を用いて世界めくれを抑えること……。その目的さえ果たせれば、その後に光は全てお返しすると約束致しましょう」

妖精「……そもそも、世界めくれなんて本当に起きるの? その情報の出どころは?」

使徒「とある預言者様のお言葉です。申し訳ありませんが、例え世界樹の御使いであろうと詳細をお話することはできません」

妖精「信用できない。そんな曖昧で不確かな預言とやらの為に、世界樹の光を得体のしれない奴らに託せるわけがない」

使徒「そうですか。では交渉は決裂ということで」

イリス「あっさり引き下がった……?」

ミスティ「……力づくで奪う算段があるんじゃないの?」

使徒「皆さんに危害を加えるような真似は致しません。預言の日までにはまだ日数がありますので、他の手を打つとしましょう」

妖精「他の手……?」

使徒「秘密です。それをお渡しして頂けるのならお話致しますが」

妖精「冗談じゃない」

使徒「気が変わりましたらいつでもこちらへ。もし光を預けて頂けるのなら、どんな望みでも叶えて差し上げましょう。ロイエの威光が届く範囲で、ですが」

 *
638 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2025/05/11(日) 20:38:30.56 ID:/+l+SDx80
クロシュ「あの……カリス・ノーランドと……セインさんたちについて……聞いても、良い……?」

聖女「え……? カリス・ノーランドって、指名手配犯の……? ずっと前に処刑されたっていう……。それとセインさんにどんな関係が……?」

使徒「聖女様。今からここで耳にすることは、絶対に他言しないと約束して頂けますか?」

聖女「えっ……? は、はい……」

使徒「はい。とは言っても、私も彼女とその創造物たちについて知っていることは多くありません。彼女はあくまで、枢機卿を介して協力を取り付けた外部委託業者。セイン様の要請に応じて最低限の監督はしておりますが、この仕事が終わればそれも終わるでしょう」

クロシュ「えっ……。じゃあ……これ、終わったら……カリス、また、酷いことするようになるの……?」

使徒「そこは私の感知するところではございません。しかしセイン様は王国相手にも積極的に交渉を行っておられるご様子でしたので、セイン様が存命の内はある程度安全なのではないかと推察致します」

ミスティ「ちょっと……あなた、カリスがしていることを知っていながら何も思わないの……!? そんな他人事みたいに……!」

使徒「カリス様がこの世界に生じさせている苦痛の総量は、他の者に比べれば確かに多いかもしれません。しかしはっきり申し上げれば、誤差です」

ミスティ「な、に……!?」

使徒「カリス様が何をしてもしなくても――この世に生まれでた命は、例外なく苦痛にのたうち、最期には死にます。カリス様は、その流れを少しだけ後押ししているに過ぎません」

イリス「え、ええ……!?」

使徒「ゆえに私は、カリス様だけを特別扱いするつもりはございません。もちろん私の目的を阻害する存在となるのであれば別ですが。今のところはどちらかと言うと有益な存在なので、特にすべきことはございません」

ミスティ「貴様ッ!!」ダンッ!!

妖精「ミスティ!!」

ミスティ「っ……!!」

妖精「……あなたのスタンスはわかった。私たちとは……どうやら、相容れない」

使徒「そのようですね。残念です」

イリス「……使徒さんは、世界を救う為に世界樹の光が必要なんですよね……? でもどうして……そんな正しい気持ちを持っているのに、カリスを許せるんですか……!? 使徒さんにとって、世界さえ存続すれば、そこで苦しんでる命たちはどうでも良いんですか……!!?」

使徒「どうでも良くはありません」

イリス「それなら、なんで……!?」

使徒「秘密です。世界樹の光をお貸しして頂けるなら、全てを詳らかにお話致します」

イリス「……」

妖精「またそれか。あなたみたいなおかしい奴に貸せる光なんてあるもんか」

使徒「残念です」


クロシュ「……」

クロシュ(まだ……少し、時間あるみたい……)


どうする……?
↓1〜2自由安価 話す or 行うこと(状況にそぐわないものは再安価となります)
639 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2025/05/11(日) 20:44:44.42 ID:HKTchOSJO
他に使途さんが危惧してることはあるか
640 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2025/05/11(日) 20:53:02.08 ID:2lN0pQFaO
世界をデロデロにして一つにすることについてはどう思う?
641 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2025/05/11(日) 22:26:57.74 ID:/+l+SDx80
クロシュ「……えっと……他に、心配なこと……ある……?」

使徒「心配なこと、ですか」

クロシュ「うん……。世界が、めくれる以外で……」

使徒「原理派の枢機卿……通称グランドマスター様が独断で王国と何らかの企てを行っているようです。詳細は存じ上げませんが、断片的に拾った情報によれば魔族国に関わる事柄のようです」

聖女「えっ……!? ど、どういうことでしょうか……!?」

使徒「枢機卿は私に負けず劣らずの秘密主義者なので、ここからは完全な推測となってしまいますが――恐らく、戦争でしょう」

聖女「っ!!?」

イリス「えっ……!?」

妖精「待って! 魔族国は、多数の人質を抱えてるんだよ! 中には王族もいたはず! それなのに戦争なんて――」

使徒「敵国の滅亡を人質より優先すれば、戦争は可能です」

妖精「いや……それはそうだけどさあ……」

使徒「私としては、世界めくれを阻止しなければならないこの状況下で、そのような下らないことに神経を割かれたくありません。枢機卿にも困ったものです」

ミスティ「だったらあなたが止めれば良いじゃない……。あなた、この原理派で偉い立場なんでしょ」

使徒「そうしたいのは山々ですが、彼は話が通じる相手ではありません。そしてとある事情により殺害も不可能です。そういうわけなので私、割と本気で困っています」

妖精「そ、そうなんだ……」

使徒「せっかくなので特別にお教え致しますが、枢機卿がこの世界に生じさせている苦痛の総量は、カリス様よりずっと多いです」

イリス「え、ええっ……!?」

ミスティ「カリスより邪悪ということ……!?」

使徒「原理派の癌細胞と言っても良いでしょう。もっと早く検知できれば摘出できたかもしれませんが、既にその病巣は大聖堂の奥深くに広がっていました。名誉顧問の私ではもうどうしようもありません」

妖精「ええ……諦めないでよ、そこで……」

使徒「真面目な話をすると、腐っても枢機卿で、しかも王国やカリス様など各界に多数のパイプを持った人物でもあるので、下手に始末すればどのような悪影響が出るか予想が付かないという面もあります」

ミスティ「どういうこと……? 悪い奴を殺せば悪い奴が消える、という簡単な話ではないの?」

使徒「ミスティ様にもわかりやすく言いましょう。枢機卿が死ねば、カリス様の首輪が外れた状態になります」

ミスティ「なるほど……理解できたわ。二人同時に潰せば良いということね」

使徒「そうかもしれません」

イリス「ええ……」

使徒「枢機卿は勤務地である聖域の間にいる間は無敵なので、もし暗殺するなら不死殺しの手段を用意するか、聖域の間から出た瞬間を狙うのが良いでしょう。滅多に出ることはありませんが、もし戦争を企てているなら近い内に出る瞬間があるかもしれません」


聖女「い、一体何のお話をしてらっしゃるのでしょうか……」クラクラ

妖精「ご、ごめんね……巻き込んじゃって……」

 *
642 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2025/05/11(日) 22:28:55.33 ID:/+l+SDx80

クロシュ「……あ、使徒さん……デロデロ教って、知ってる……?」

聖女「!」

使徒「はい。世界を一つのデロデロにして、恒久的平和を実現しようという考えを広めている集団ですね」

クロシュ「うん……。使徒さんは……デロデロ、どう思う……?」

使徒「そうですね。一つの解としては、まあ悪くないものと考えます」

クロシュ「!」パァァァ

使徒「しかし懸念点もあります」

クロシュ「!」

使徒「デロデロが命の総体であった場合、それは結局、全ての命が受けるはずだった苦痛の先延ばしに過ぎません」

クロシュ「……」

使徒「そしてデロデロが全ての命に安寧を与えるゆりかごであった場合――デロデロにかかる負担、責任が重すぎます」

クロシュ「……!」

使徒「星ごと呑み込んで全ての命をしあわせにしたデロデロの最期が、新しいごはんを食べることもできず、友達とお喋りすることもできず、独りぼっちで宇宙を漂い、静かに冷えて死んでいくものだとしたら――それは、あまりにもむごい末路ではありませんか」

クロシュ「……!!」

使徒「永遠はありません。不死の炎も、星の鼓動も、太陽の熱も――いつかは翳り、滅びる運命(さだめ)。独りぼっちのデロデロが、最期までしあわせな夢を見ていられるのか――私には、わかりません」

クロシュ「……」

使徒「以上の点から、デロデロ教の考え方を全面的に受け入れることはできません。しかし苦痛の総量は大幅に減少すると思われますので、全く悪いものとも思いません。今のこの世界がこのまま続くよりは良いかもしれませんね」

クロシュ「……ん。わかった……ありがと……」

使徒「どういたしまして。また何か聞きたいことがあればお答えいたしましょう」



イリス(……使徒さん……デロデロのことを思いやれる心があるんだ。でも……それならなんで……カリスのことは、許しちゃえるの……?)

ミスティ(使徒……よくわからない女ね……。たぶん、悪い奴ではないのだろうけど……)

聖女(……私、クロシュちゃんや使徒さんみたいに、しっかり考えてるのかな。口先で平等や平和を訴えるばかりで、結局思考停止してはいないかな……。でも……うう、お姉ちゃんとお父さんのことも心配……戦争のことも……。私、どうすれば……)グルグル

妖精(……何者なんだろう、この使徒という奴は……。なんか妙な感じだ……知ってるような、全然知らないような……)


 ☆使徒とお話しました

 ☆枢機卿グランドマスターの情報を得ました

 ☆使徒のデロデロに対する考えを知りました

 ◆
643 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2025/05/11(日) 22:57:04.16 ID:/+l+SDx80
―王都セイントレア 滞在4日目

◇クロシュ [あかちゃんスライム]
武:メイドブレード  盾:ラティアの大盾  飾:くすんだ耳飾り
武:竜珠の大杖    防:竜のエプロン   飾:不死鳥の羽根

◇妖精   [世話焼き妖精]
武:         盾:         飾:くすんだ耳飾り
武:         防:精霊のレオタード 飾:

◇イリス  [星の魔法使い]
武:蒼き星の杖    盾:         飾:くすんだ耳飾り
武:ブラッドランス  防:魔術師のローブ  飾:

◇ミスティ [氷の魔法使い]
武:氷の短刀     盾:         飾:くすんだ耳飾り
武:         防:氷竜革のローブ  飾:

◇ローガン [鋼の戦士]
武:蜥蜴一文字    盾:灼鋼の盾     飾:くすんだ耳飾り
武:鋼の回転ノコギリ 防:オリハル鎖帷子  飾:

◇エバンス [地の傭兵]
武:古代の鉄槌    盾:         飾:くすんだ耳飾り
武:魔銀の刀     防:硬質革鎧     飾:

◯所持アイテム
[道具]        [装備品]       [大事なもの]
運命賽*2       蜘蛛絹の下着      魔族国永久旅券
会心賽*1       ザリガニのお守り    フメイの服の切れ端
反魂丹*1       大きな巻き貝      精霊の印
鉄鍋+携帯調理器具   闇の欠片        精霊樹の実のジャム
「星の魔力」上中下   フリルワンピ水着    精霊樹の鉢植え+赤雷球
お宿の妖精の織物    魔法学園のスク水    フメイとアリシラの人形
魔導飯盒        ガラスのザリガニ    メルルの帽子
妨害魔力波発生装置   踊り子の双剣      溶岩石のアミュレット
属性大全        サボテンドラゴンの花  太陽のメダリオン
魔王図鑑        精霊のローブ      暗黒優待券
氷精の魔導書      精霊樹の杖[改]    冒険者証(ランク1)
ブラッドワイン*1   銀のナイフ       大魔女帝国渡航権
吸血鬼殺ワイン*1   ダイヤメリケンサック  かたたたきけん
魔術書「正負の属性」  パラサイトソード    大魔女帝国滞在許可証
吸血鬼の日焼け止め               風船印のパラシュート
日蝕の傘                    ラティア勲章
大魔女サイン*1                ユーシリア王家の紋章
古代のセラミック
ステライト鉱石
晴れ乞い傘
チョコスムージー
ヒヒイロカネ
氷魔力結晶
魔導書「絶対零度」

◯現在の目標
・フメイちゃんを探す
・世界樹の光を追う[4/5]

◯仲間の目標
・カリス・ノーランドを討つ(ミスティ)

◯経験値
・クロシュ 剣技[03/07] 魔法[06/07] 防御[00/07]
・イリス  杖術[00/06] 魔法[14/16]
・ミスティ 剣技[05/07] 魔法[11/16]
・ローガン 剣技[16/16] 魔法[06/08] 防御[07/08]
・エバンス 剣技[16/16] 魔法[07/08]
……………………………………………………………………………………
□王都セイントレア
王城:未探索
城下:教会、孤児院、市場、食事処、酒場、浴場、娼館、冒険者ギルド、
   公園、学校、図書館、博物館、劇場、闘技場、未探索、他
……………………………………………………………………………………
□セクリエ・ロイエ
大聖堂、大聖堂別館、美術館、庭園、お土産屋、未探索、他
……………………………………………………………………………………
644 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2025/05/11(日) 22:58:40.65 ID:/+l+SDx80
―朝
 聖ヴァレリオ教会 宿泊室

 チュンチュン

妖精「というわけで、世界樹の光を持っているのが使徒だってことはわかった」

ローガン「預言の日に備えて持っている、と」

妖精「そうらしい……。説得はたぶん無理。力づくで奪うのはちょっと怖いかも……得体が知れないし、むしろ逆にこっちが奪われる可能性がある……」

エバンス「なるほどな……。んでしかも、枢機卿が王国と戦争の企てをしてるっつー噂か……」

イリス「魔族国に知らせた方が良いですかね……?」

妖精「もう風の精霊に頼んで知らせてある。ただ、今の段階では疑惑でしかないから、備えとくようにって程度だけど……」

クロシュ「……」

ミスティ「戦争か……。あの魔族革命の時みたいな戦いがもっと大規模に繰り広げられる……という認識で良いのかしら……」

妖精「大体良いと思う。一番良いのは戦争が起こらないことだけど……今の段階じゃいつ起きるかもわかんないし……」

ミスティ「……やっぱり、枢機卿とかいう奴を叩きのめす?」

エバンス「いや、流石に厳しくないか……。俺たちまでシノホシみたいなテロリストになっちまうぞ……」

イリス「使徒さんが庇ってくれるかどうかもわかんないし……」

ローガン「それに、カリスの首輪が外れてしまう懸念もあるのだろう……。もし殺るなら同時に殺らねばならん」

ミスティ「そうだったわね……。なかなか難しいわ……」


 ☆努力目標が追加されました
 ・カリスに造られた者たちを助ける
 ・枢機卿の悪事を暴く
 ・戦争を阻止する


王都セイントレア滞在4日目。15日目に何かが起こります
↓1〜3 自由安価 何をする?
645 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2025/05/11(日) 22:58:49.98 ID:winWkLrg0
孤児院の手伝いでミラ(クル)と一緒に市場で買い物中にレイと再会する
(無理そうならミラとクルが昔レイと同じ孤児院に暮らしていた話を聞く)
646 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2025/05/11(日) 22:58:58.48 ID:G8rJmAdzo
レインをはじめとするカリスへの復讐者たちが続々と集結する
647 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2025/05/11(日) 22:58:58.77 ID:vgBdBkE/0
ダークヒーローイリス、虐げられてる奴隷を助ける。
648 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2025/05/11(日) 22:59:13.30 ID:tescTEckO
デロデロ教布教に巻き込まれる
649 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2025/05/11(日) 22:59:33.91 ID:Dab0bmoJ0
ちびクロシュを使って王城に入ってみる
650 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2025/05/11(日) 23:54:35.48 ID:/+l+SDx80
―王都セイントレア 市場

 ワイワイ ガヤガヤ

ミラ「すまないね、クロシュさん。買い出しを手伝ってもらって」スタスタ

クロシュ「ん……!」トコトコ

妖精「まあアレだよ、巡礼者としての善行の一環みたいな」パタパタ

ミラ「良いね。きっと天国に行けるよ、クロシュさんも妖精さんも」

クロシュ「てんごく……?」

妖精「死んだ後に魂が向かうとされる場所のこと。ロイエ教に限らず大体の宗教は、死後の世界のことを規定してる。死後への思いはきっと、生命にとって普遍的な感情なんだろうね。ちなみに緑の国では、死者の魂は星に還るって考えられてる……って話は前にしたっけ?」

クロシュ「うん! 浮島のラティアでは……お空に、かえる……!」

妖精「そう、よく覚えてたね。えらいえらい」ナデナデ

クロシュ「んへへ……」

ミラ「へえ……どこの宗教でも天国のことは規定してるんだね。ロイエ教でもそうなのかな?」

妖精「さあ、ロイエ教でどうかは……ってあなたロイエ教の孤児院で働いてるのに知らないの?」

ミラ「働いてるだけでロイエ教の教典を真面目に読んだことはないんだ。クレアさんも無理に読む必要はないって言ってたから、まあいいかなって」

妖精「適当だなあ……。クレアは優しいんだね」

ミラ「クレアさんはすごく優しいよ。しかも美人だし、もし僕が僕だけだったら異性として好きになっちゃってたかもね」

妖精「そういえばミラは妹のクルと一緒なんだっけ……?」

ミラ「うん。僕の体はクルも一緒なんだ。クレアさんのことばかり見ていたら、クルにひっぱたかれちゃいそうだからね」

クロシュ「わあ……」

妖精「なんだか難儀してそうだなあ……」

ミラ「フフ、難儀してたのは確かだね、いろいろ。お風呂の時なんか、クルに見られ放題で最初はちょっと恥ずかしかったんだ。もう慣れちゃったけどね」

妖精「想像がつかない……。まあなんか大変そうなのはわかる……」

クロシュ「……えっと、なんで、クルさんが……一緒なの……?」

ミラ「フフフ……それを聞いてしまえば、もう後には戻れないよ? 本当に聞いちゃう?」

クロシュ「うん!」

ミラ「それはね――」

 ドンッ

ミラ「おっと、すみま――」

フードで顔を隠したレイ「ひゃっ! しゅ、しゅみま……ひゃえっ!? みみ、みっ……」

ミラ「……レイ?」

レイ「みっ、ミラ……!?……なな、なん……で……ここに……」ガクガク

クロシュ「レイさん……!」

妖精「レイ……!?」

ミラ「……ちょっと、場所を移そうか」スッ

 ガシッ!

レイ「ひいぃ……ごべんなさい、ごべんだざぃ……」ズルズル

 ◇
651 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2025/05/11(日) 23:55:40.73 ID:/+l+SDx80
というわけで本日はここまでとなります。次回はミラくんとレイちゃんの同窓会編、カリスに殺意を向ける者たち編、ダークヒーロー活動編です

ついに原理派の使徒と出会い、言葉を交わすクロシュ一行。使徒のやや浮世離れした言葉や考えに戸惑ったり怒ったりしつつ、話し合いはひとまず穏便に終わる。聖女は家族や原理派の知られざる一面に衝撃を受け、妖精は使徒の真意をはかりあぐね、ミスティは使徒の冷血な態度に憤怒し、イリスは使徒の多面性に戸惑い、クロシュは使徒のデロデロ考察を聞いて思索を深めた。よくわからない人だが、ひとまずすぐに敵対ということにはならなそうである。セインさんたちを助ける、枢機卿の悪巧みを暴く、戦争を止める……やることはたくさんあるが、あかちゃんスライム的にはやっぱりセインさんたちが一番気になるところであった――

そして次なる日。ミラくんちゃんと一緒に買い物中、指名手配犯のレイさんと再会するクロシュ。ミラくんちゃんとレイさんの間には並々ならぬ思いが迸っているように見えたが、邂逅の行方は果たして――

それでは本日もありがとうございました。次回は土日となります、よろしくお願いいたします
652 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2025/05/12(月) 12:41:15.66 ID:VIld+Qfoo
おつおつ
使徒さんリアリスト極みだけどまとも寄りだ……異教徒(でろでろ教クロシュ)にも一定の理解があるのは流石
653 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2025/05/12(月) 18:10:07.71 ID:55oKPG/eO
カリ殺者いっぱいいそう
654 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2025/05/12(月) 22:07:04.15 ID:SMQBPGmD0
乙です
レイの過去や禁呪や邪神関係も明らかになっていくのかな
655 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2025/05/13(火) 12:06:51.28 ID:RycuNkIFO

ミスティさんが安定の脳筋武闘派スタイルで安心できる
努力目標が追加されたけどクロシュちゃん的にはやっぱセインさんたちが気になるとこよね
656 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2025/05/16(金) 23:39:54.69 ID:yLauTuFXo
ミスティバイオレット姉妹大魔女帝国レインと対カリス連合できるなって
657 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2025/05/17(土) 09:38:35.68 ID:idXzYpXB0

自由行動の安価に関してなんか言っていたけど>>357でまだ様子みる感じだったのね(一度自由行動の安価取っているのにまたとっている人たちがいたからあれっと思ったけど)。
658 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2025/05/17(土) 16:29:30.36 ID:2CFwlCGE0
使徒氏は少し変わった考え方を持っているようです。彼女の真の目的が何なのかは今のところ闇に包まれていますが、少なくとも今のところはクロシュたちと喧嘩になることはなさそうです。クロシュ氏としても、デロデロ教についての考えと評価を提示してくれたのは嬉しいことであったと言えるかもしれません

カリス氏に恨みを持っている人はけっこういるので、カリス氏を殺したいと思っている人はけっこういると考えられます。彼女に向けられた殺意がどのような影響を及ぼすのかは今のところ未知数と言えます

レイ氏のことや邪神のことなどは、今後明らかになる可能性があります。今のところは闇に包まれているため、それが実際にどのようなものなのかはわかりません。なおこれはネタバレですが、邪神や邪教に関係している言葉や事象は既に劇中でもいくつか出てきています。鋭い方はもうお気付きかもしれません

ミスティ氏は脳筋なので、枢機卿とカリスを同時にやっつければ悪は去ると考えたようです。それは実のところある程度その通りなのですが、しかし彼らを同時にやっつけるのはとても難しいかもしれません
クロシュ氏としては、セインさんやフレアちゃんのことがやはり気になるようです。時間は有限なので、早め早めに調べたり動いたりしていくのが良いでしょう

カリス氏に恨みを持つ人はけっこういますが、それらの復讐者たちが一致団結するには場所やコミュニケーション手段など、様々な課題があります。もしそれらを乗り越えることができれば、大きな戦力となってカリスを打ち倒すことができるかもしれません
659 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2025/05/17(土) 16:30:00.90 ID:2CFwlCGE0
―王都セイントレア 喫茶店

 カランカラン

店員「お待たせいたしました。紅茶とセイントレアチーズケーキになります」スッ

 紅茶「」ポン ホカホカ
 レアチーズケーキ「」ポン

ミラ「ありがとうございます」

店員「ごゆっくりお過ごしくださいませ」ペコリ スタスタ


レイ「……」ガクブル

妖精「え、ええと……これは、どういう状況なの?」

ミラ「君たちもレイのことを知ってるんだよね?」

クロシュ「うん……」

妖精「まあ、ちょっと縁があって……」

ミラ「なら一緒にお話しようよ。久しぶりに会えたことだしさ……」

レイ「……」ガクブル

 ◇

クロシュ「……」モグモグ

妖精「えっ……ミラとレイは同じ孤児院の出身だった……!? でもレイの孤児院って――」

ミラ「そう。レイがやったんだ」

レイ「ち、違うよぉ……。私、何もしてないんだよぉ……」グスグス

ミラ「うん、知ってるよ。私たちの孤児院が邪教の組織だったことも。レイがその器として選ばれたことも。ロイエ教の襲撃でパニックに陥ったレイが逃亡したことも。その余波でクルが死んだことも――」

レイ「あっ……く、クルが……」ジワワ

ミラ「フフ……お陰で、僕とクルは一つになれた。レイには感謝してるんだ……本当だよ?」ニコニコ

レイ「あ、ぁ、ぅ……」ガクブル


どうする?
↓1〜3選択 話す or すること
1.邪教について聞く
2.セイントレアチーズケーキについて話す
3.周囲を見る
0.自由安価
660 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2025/05/17(土) 16:33:13.75 ID:zB4QjK25O
1
661 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2025/05/17(土) 16:33:41.20 ID:UE2J1q550
662 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2025/05/17(土) 16:38:56.05 ID:hJvJmRqI0
過去の孤児院でのレイミラクルがどういう生活してたのか聞いてみる
663 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2025/05/17(土) 19:52:51.61 ID:2CFwlCGE0
クロシュ「邪教って……?」

ミラ「邪教――正式名称は、クリファ教。現世においては悪魔とされる、幽界の邪神を信仰する暗黒の宗教さ」

妖精「幽界の邪神……?」

レイ「そ、そうだったんだ……」

ミラ「レイ、器なのに知らなかったの?」

レイ「知らないよぉ……。興味もないし……」

ミラ「あいつらは孤児たちを利用して、邪神をこの世に顕現させようとしていたんだ」

クロシュ「どうして……?」

ミラ「邪神が好きすぎて直に会いたくなったとかじゃないかな?」

妖精「……でも結局、儀式は失敗したんでしょ? レイの様子を見る限りじゃ」

レイ「そ、そうなの……?」

ミラ「たぶんそう。でもはっきりとはわからないんだ。あの時、あの場所で、もしかしたら邪神は降りていたのかもしれない。レイは……覚えていない?」

レイ「わ、わかんないよぉ……あの時は、武器を持った奴らがいっぱい暴れてて……みんな死んで、殺されて……私、無我夢中で……」

妖精「あれ、でもレイって闇の力を使えるよね。あれってよく考えたら幽界の力か……じゃあ儀式は成功していた?」

ミラ「そうなの? レイ」

レイ「わかんないってばぁ……」

 *

クロシュ「孤児院では……どんな風に、暮らしてたの……?」

クル「ここからは私がお話するね。毎晩闇の神様にお祈りを捧げるところ以外は、たぶん他の孤児院ともあんまり変わらなかったと思うよ。ね、レイ?」

レイ「あ、え、えっ……く、クルなの……?」

クル「そう! よくわかったね、褒めてあげよう」ニコニコ ナデナデ

レイ「あぅぅ……。ご、ごめ、なさ……」

クル「アハハ、大丈夫! レイのせいじゃないってわかってるもの。それに今は、ミラとずーっと一緒にいられるから」

レイ「うう……」

クル「あ、もう一つ変わったことがあった。魔法の練習は全然しなかったんだ。それどころか、杖を持ったり自分で勉強したりするのも禁止だった」

妖精「魔法禁止……? それはけっこう厳しくない?」

クル「よくわからないけど、邪神の器にする都合じゃないかな? 属性の適性検査だけはけっこう頻繁にやってたし」

レイ「……そういえば……闇適性のある子だけが呼ばれたこと、あったよね……」

クル「うん。あれは邪神の器に最も相応しい子供を選定してたんじゃないかなあって思う。もしかしたらレイじゃなくて私が邪神の器になっていた運命もあったのかもね」

レイ「………」

 ◇
664 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2025/05/17(土) 19:54:01.20 ID:2CFwlCGE0
 ワイワイ キャッキャ

クル「それでね、その時レイが――」
レイ「や、やめてよぉ――」
妖精「へえ〜」
クロシュ「ほえ……」


 カウンター席「」
新聞を読む隻腕の男「……」ペラッ…
無言で紅茶を啜る男「……」ズズ…


 窓の外「」ワイワイ
動かない男「……」
行き来する男「……」スタスタ クルッ スタスタ


クロシュ「……」


クロシュ(妖精さん……)

妖精(……クロシュも気付いた? 変な奴らに囲まれてる)

クロシュ(うん)

クル(え、そうなの!? うわ、本当だ。変な奴らがいるね)

レイ(ひっ……!?)

妖精(レイ、態度に出さないで。気付いていない風を装って)

レイ(う、うん。ごめん……)

クル(レイを捕まえに来た兵士……にしては、やけに不審だね。私服だし、動きも見えない)

妖精(思うに……あれは、孤児院を襲撃したロイエ教の奴らなんじゃ? 派閥まではわからないけど……今度こそレイを捕らえようと企んでいるのかも)

クル(!)

レイ(ひえ……!? み、見捨てないよね!? 私のこと……見捨てないよね……!?)

クロシュ(うん……! レイさんは……悪くない……!)

レイ(クロシュちゃんんんん!!!!)

クル(それで……どうするの?)

妖精(私に考えがある)

 ◇
665 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2025/05/17(土) 19:54:28.55 ID:2CFwlCGE0
 チャリンチャリン

店員「ありがとうございました」ペコリ

 扉「」ガラッ
 カランカラン―

クル「美味しかったねー」

レイ「う、うん……びび、美味でありましたなあ……!」

妖精「あ、あの路地裏に何か美味しそうな気配がある!」

クロシュ「わ〜!」

クル「それじゃあ行ってみよう」

 スタスタ トコトコ パタパタ
 曲がり角「」クルッ


隻腕の男「……」シュタタッ
追跡者たち「……」シュタタッ

 クルッ

隻腕の男「!」

 誰もいない路地裏「」

隻腕の男「逃げられたか? 総員、周辺を隈なく探せ」

追跡者たち「ハッ!」ザザッ

 *

透明妖精(まだいるんだけどねぇ)

透明クル(クロシュちゃんの反映魔法……! 凄いね!)

透明レイ(クロシュちゃん、こんなことできるの……!?)

透明クロシュ(んへへ……)

透明妖精(奴らが見失ってる内にさっさと離れよう)

 ◇
666 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2025/05/17(土) 19:54:56.25 ID:2CFwlCGE0
―夕方
 王都セイントレア 公園

 噴水「」シャワシャワ

クロシュ「……」キョロキョロ

妖精「この辺まで来ればもう大丈夫だと思う」

レイ「ぷはっ……た、助かったぁ……」

ミラ「フフ、なかなかスリリングだったね」

妖精「ただ、問題は……私とクロシュは巡礼者ってことでロイエの教会に泊まってるからたぶん顔が割れてるし、クル……じゃなくて今はミラか。ミラもそこの孤児院で働いてるから、当然素性はバレてる……。このまま帰れば待ち伏せされてるかも……」

ミラ「困ったね……。僕としては、レイを奴らに引き渡すのだけは阻止したいところなのだけれど」

クロシュ「んゅ……」

レイ「……だ、大丈夫! あとは私、ひ、一人で逃げられるから……!」

ミラ「ダメ。そうやってこの前も一人で逃げて、結局ずっと会えなくなっちゃったじゃないか。今度は一人で行かせなんて――」

レイ「ごご、ごめんねっ……!」スッ

 影「」ドプン!

ミラ「あっレイ……!?」

妖精「影に……隠れた!」

クロシュ「わあ……!」


闇隠れレイ「今日はありがとね……。クルのことは……本当に、ごめんなさい……。これ以上、みんなを巻き込めないから……私、もう行くね……」

ミラ「レイ……!!」

闇隠れレイ「それじゃ……さよなら……!!」

 スススス――…


妖精「……行っちゃった。前より闇の力を使いこなしてる」

ミラ「………レイ……」

クロシュ「ミラさん……」


 ☆レイと再会しました

 ☆努力目標が追加されました
 ・レイの行方を追う

 ◆
667 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2025/05/17(土) 19:56:06.39 ID:2CFwlCGE0
―王都セイントレア 市場

 ワイワイ ガヤガヤ

イリス「枢機卿の弱点……何かないですかね」スタスタ

ローガン「難しいな。簡単に見つかるような弱点があれば、恐らく既に潰されているだろう」スタスタ

イリス「それはそうですね……ん?」


 ザワザワ…

貴族の少年A「おらっ! 有り金全部出せ!」ゲシッゲシッ
貴族の少年B「ギャハハハ!!」

縮こまっている奴隷「……」ブルブル


イリス「あれは……!」

ローガン「ふむ……見たところあの子供たちは身分の高い者の子息か。蹴られているのは……首に枷が嵌められているところを見ると、奴隷だろう」

イリス「貴族だから誰も手出しできないってことですか……!?」

ローガン「うむ……。あの奴隷の主人がもし平民の者であれば、打つ手はないだろう。魔族国での貴族や騎士の振る舞いを思い返せば、この王国において貴族は巨大な力を有しているはずだ。そんな者が相手ではどうにもならぬ」

イリス「……」ギリリ

 バサッ!!

ローガン「あっイリスくん待て!」

 *

貴族の少年たち「ギャハハハハ!!」ゲシッゲシッ


「待て!」ザッ


貴族の少年A「あ?」

星柄フードで顔を隠した少女「弱き者を痛めつけ悦楽に浸るその腐り切った性根――叩き直してくれよう」バサッ

貴族の少年B「なんだァお前?」

星柄フードで顔を隠した少女「夜闇に紛れて悪を討つ、星光のダークヒーロー――イリスとは私のことだ!」ババン!

貴族の少年A「は?」

 ザワザワ… ナンダアレハ…

貴族の少年B「夜闇て……今は真っ昼間だぞ! ブハハハハ!!」

貴族の少年A「ケヘヘ……こいつけっこう良い体してるぜ! 貴族様に逆らった罰だ、たっぷり躾けてやるよ!」

ダークヒーローイリス「……」ワナワナ
668 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2025/05/17(土) 19:56:52.05 ID:2CFwlCGE0

 ザワザワ…

「おいおい大丈夫か、あの頭のおかしい女の子……貴族なんかに喧嘩売っちまって……」
「大丈夫じゃないだろ……」
「あいつら、この辺じゃけっこう有名な悪ガキでよ。今日は奴隷だけど時々冒険者とかにも喧嘩売ってボコボコにしてる札付きなんだ。あの頭のおかしい女の子、ヤベェぞ」
「……でもこれ、けっこう美味しい光景が見れそうじゃね? へへ……頭はおかしいけど体つきは本当にけっこう良いし……さっきチラっと見えたけど顔もかなりかわいいし」
「うわ、お前最低だな……。まあ気持ちはわかるけ――」

 ドガンッ!!

貴族の少年A「」プスプス
貴族の少年B「」プスプス

ダークヒーローイリス「命までは取らない。反省することだ……」ザッ

縮こまる奴隷「」ブルブル

ダークヒーローイリス「悪は討った。君ももう大丈夫だ――」

縮こまる奴隷「……?」ブルブル


アルベール王「……」ヌッ


 ザワザワザワ… アルベールオウ…!?


ローガン(なんだと……!? アルベール王がなぜこんなところに……!? まずいぞ、イリスくん……!!)


↓1コンマ 奴隷の身元
01-10 ??
11-30 平民に仕える魔族奴隷
31-50 平民に仕える人間奴隷
51-70 貴族に仕える人間奴隷
71-90 王族に仕える人間奴隷
91-00 ??
669 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2025/05/17(土) 19:58:16.19 ID:Ntcme+DnO
はい
670 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2025/05/17(土) 20:46:32.35 ID:2CFwlCGE0
魔族の奴隷少女「あ、ありが――」


アルベール王「……」ギン


魔族の奴隷少女「ひ、あ……」ガクガク


ダークヒーローイリス「……!! 貴方は――」


アルベール王「このような見世物に出会えるとは。出歩いてみるものだ」

ダークヒーローイリス「アルベール王……!!」

アルベール王「衛兵よ。この者を捕らえよ。暴行の現行犯である」

衛兵たち「ハッ!」ザザッ

ダークヒーローイリス「くっ……!! アルベール王、虐げられる者たちの声は聞こえないのか!? 貴方に人の心はないのか!!?」

アルベール王「私は城に戻る」クルッ スタスタ

ダークヒーローイリス「アルベール王!!!!」


ローガン(なんてことだ……! どうする……!? 何か手は――)


 モニョモニョ…モニョモニョモニョ…


衛兵たち「黙って歩け!」スタスタ
衛兵たち「逃げ出そうなんて考えるんじゃないぞ」スタスタ
衛兵たち「ったく、面倒な仕事増やしやがって」スタスタ


ダークヒーローイリス「……え? いや、あの……私はこっち……」

『民衆の目を誤魔化しました。こちらへ……』モニョモニョ

ダークヒーローイリス「えっ……!? あっ……!」


小さな半透明スライム「〜〜!」モニョニョ


『そのスライムについていってください』モニョモニョ

ダークヒーローイリス「は、はい」

『さあ、あなたも……。ここにいては、不要な諍いに巻き込まれます……』

魔族の奴隷少女「え、あ、はい……!」

 ◇
671 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2025/05/17(土) 20:49:46.94 ID:2CFwlCGE0
―王都セイントレア 薄暗い路地裏

小さな半透明スライム「〜〜」モニョニョ

『ここまで来ればもう大丈夫でしょう……。帰り道、どうかお気をつけて……』モニョモニョ

魔族の奴隷少女「あ……は、はいっ」

イリス「あ、ありがとうございました……! あの、あなたは……?」

『……この街に暮らす者の一人です。魔族が虐げられていても、あなたのように立ち向かう勇気もなく、見ていることしかできない……無力な……』モニョニョ…

イリス「そ、そんなことありません……! あなたのお陰で、私はなんとか逃げおおせることができました……!」

魔族の奴隷少女「う、うん……。えと……ありがとう……助かり、ました……」

イリス「だから、ええと……お礼を――」

『……不要です。どうか、私のことは詮索せずに……。そのまま、お帰りください……。それでは……』モニョモニョ


小さな半透明スライム「〜〜」ピョンピョンピョン―


イリス「……」

魔族の奴隷少女「え、えっと……ダークヒーローさんも……ありがとう、ございました……」ペコリ

イリス「あ、ううん……」

 ◆

―夕方
 聖ヴァレリオ教会

ローガン「イリスくん……今回のことは流石に肝が冷え切ったぞ……」

イリス「す、すみません……。頭に血が登ってしまって……」


ミスティ「どうしたの? イリスが叱られるなんて珍しいわね」

エバンス「何をやらかしたんだ?」

 *

エバンス「ええ……貴族に喧嘩を売った……!?」

ミスティ「へえ……! イリスって脳筋だったのね」クスクス

イリス「うっ……今日ばかりはミスティに何も言い返せない……」

ローガン「はあ、笑い事ではないのだがな……。下手をすればパーティ全滅の危機だったのだぞ……」

イリス「うっ……本当にすみません、反省しています……」

ローガン「……だが、少なくともあの場で虐げられていた魔族の少女が救われたのも事実だ。ひとまず今は、そのことに胸を張るのが良いだろう」

イリス「はい……」


イリス(でも、あの声は一体誰だったんだろう……? 小さなスライムを使役していた……? それとも、あれは――)

イリス(……考えてもわからない! ひとまず今は大人しくしていよう……)

 ◆
672 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2025/05/17(土) 21:36:42.64 ID:2CFwlCGE0
―夜
 セイントレア平原

 焚き火「」パチパチ

レイン「……」


レイン(調査の結果、勇者モドキのセインはカリス・ノーランドの邪術によって造り出されたことがわかった……)

レイン(つまり私が滅ぼすべき相手は……セイントレア王国と、カリス・ノーランド……。場合によっては、セクリエ・ロイエも……)

レイン(……最低でもアルベールとカリスだけは、絶対に殺す……)


ザイル「レイン。ここにいたのか」バサッバサッ

レイン「ザイル」

ザイル「フレメアが居座っていた廃城が木っ端微塵に吹き飛んでいた。彼女の行方を知らないか?」

 バサッバサッ

フレメア「呼んだ?」

ザイル「フレメア。生きていたか」

フレメア「まあね。ちょっと野暮用が出来たから、しばらくお仕事はできない」

レイン「野暮用?」

フレメア「カリス・ノーランドを殺すの」

フレメア「!?」

ザイル「カリス・ノーランド……?」

 *

ザイル「なに……!? フリューゲルが、カリス・ノーランドの手で……!?」

レイン「……!」

フレメア「それでいろいろあって、カリスを潰してお母様を救出する為に愚妹とか魔族国に協力させられることになったの。だから悪いけどこっちの仕事はできないわ」

レイン「……待ちなさい」

フレメア「何?」

レイン「私にも噛ませなさい、それ。こっちもカリスに恨みがあるのよ」

ザイル「オレも参加させてもらおう。フリューゲルには恩がある」

フレメア「ええ? まあいいけど……」

 ◆
673 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2025/05/17(土) 21:37:15.03 ID:2CFwlCGE0
―夜
 魔族国 バイオレット邸

 広げられた本「」バサッ
 散らばった本「」ドサッ

フラナ「はあ。フレメアの奴はロクに知識がなくて役に立たないし、この国に私以上に魔法に詳しい奴なんてほとんどいないし……どうしたものか……」

 コンコン ガチャッ

クローディア「お困りのようね。フラナ・バイオレット」スタスタ

フラナ「……大魔女帝国に不法侵入を取り締まる法はないの?」

クローディア「大魔女を取り締まる法はないわ」

フラナ「はあ、そう……。で、何の用? 見ての通り私は今忙しい」

クローディア「カリス・ノーランドを倒す方法――知りたくないかしら?」

フラナ「なるほどね。代価は?」

クローディア「カリス・ノーランドの首」

フラナ「……つまり、同じ目的を持っていると考えて良いのかしら?」

クローディア「ええ、その通り。彼奴は我が国で許し難い狼藉を働いた上――我が朋友フリューゲル・バイオレットの生命・尊厳を踏み躙り、辱め続けている。彼奴の生命がこの地上にある限り、私の怒りが静まることはないわ」

フラナ「……母上と知り合いだったの?」

クローディア「そうよ。ずっと以前から、彼女を救出する作戦は考えていたの。けれども、無数の分身を持つカリスを滅ぼす方法も、カリスに改造された生命を救う方法も、見つからなかった……」

フラナ「……」

クローディア「でも今は違う」

フラナ「!」

クローディア「切っ掛けは、以前うちの国でカリスが騒動を起こした時に奴の魔法を直接視れたこと――そして、カリスに造られた生命を解析できたこと。特に、クロシュとフメイの二人にかけられていた呪いはカリスの手法を紐解く大きなヒントになったわ」

フラナ「クロシュと、フメイが……!」

クローディア「――今ならやれる。でもそれには力が必要なの。王国とセクリエ・ロイエに守られている奴を叩き潰すには、大きな力が――」

フラナ「だから目星を付けたというわけか。王国と一触即発を保つ敵国である、我々魔族国を」

クローディア「無論、全力で魔族国を支援する用意はあるわ。私自身も立場を表明して参戦しましょう。どうかしら?」

フラナ「……悪くない提案だけど、もし大魔女が参戦するとしても王国との戦力差を覆すにはまだ――」

 窓「」バァン!!

フレメア「ただいま」バサッバサッ

レイン「お邪魔するわ」バサッバサッ

ザイル「失礼する」バサッバサッ


フラナ「……」

クローディア「テロ支援国家だったのね、魔族国って」

フラナ「誤解よ」

 ◆
674 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2025/05/17(土) 21:37:49.05 ID:2CFwlCGE0
―夜
 王都セイントレア 地下水路

 地下水路「」ザアザア

レッサースライムたち「〜〜」モニョモニョ

ドブネズミたち「チューチュー」チョコマカ



フメイ「ふう……」ゴロン

アリシラ「ねえ、フメイちゃん……やっぱり地上の宿屋とかに泊まらない?」

フメイ「なんで? ここなら雨風を凌げるし、人目にも付かないし、しかもタダなのに」

アリシラ「そうだけどさあ……。暗くてジメジメしてるし……ネズミもいるし……」

フメイ「――!」サッ

 瞬間凍結「」ガキンッ!

アリシラ「敵襲!」バッ


アイス「……」トコトコ ジッ


フメイ「……!」

フメイ(あいつ……間違いない……! フメイたちと同じ奴だ……!)

アイス「……」スッ

 瞬間凍結「」ガキンッ!
 瞬間凍結「」ガキンッ!
 瞬間凍結「」ガキンッ!

アリシラ「うわうわうわあっ!!」サササッ

フメイ「アリシラ! びっくりしてないで吸収とかしてよ!!」サササッ

アリシラ「今は星の力でいっぱいいっぱいでェ……!」

フメイ「ああ……くっ!」バッ

 炎「」ゴウッ!!

アイス「!」

フメイ「それ以上攻撃を続けるなら、この地下水路を爆破する。それは困るよね?」

アイス「……」

フメイ「わかったら大人しく――」

アイス「……」チラッ


レッサースライムたち「〜〜!?」モニャニャ


アイス「……」

 パキッ――
 凍結領域「」ピキピキパキッ――

氷漬けフメイ「」カチンコチン

氷漬けアリシラ「」カチンコチン

氷漬けレッサースライムたち「」カチンコチン
675 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2025/05/17(土) 21:38:16.85 ID:2CFwlCGE0
アイス「……」

アイス「……」トコトコ

氷漬けフメイ「」

アイス「……」スッ

 ヒュッ!

アイス「!」サッ

 氷壁に刺さる刃「」ドズッ!!


ブラッド「避けるなよ」スタッ

アイス「……ブラッド」

ブラッド「あ? お前あたしのこと知ってるの?」

アイス「……」ギリッ

ブラッド「??」

アイス「……」

 パキッ――

ブラッド「!」

 凍結領域「」パキパキ――

 モニョモニョポン!
氷ブラッド「効かないねぇ」ニヤ

アイス「!!」

氷ブラッド「お前カリスの手下だよね? あの腐れ野郎についてあることないこと吐いてもらおうか――」スタスタ

アイス「――っ!」

 雷「」バチチッ!!

氷ブラッド「うわっ!」


黄スライム『アイスちゃん!』モニョニョ!

アイス「……!」

黄スライム『掴まって! ちょっとびりびりするけどごめんね!』モニョモニョ!

アイス「!」ガシッ

 雷の残像「」パリッ―


氷ブラッド「ちっ……逃げられたか」

 *
676 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2025/05/17(土) 21:38:47.48 ID:2CFwlCGE0
―深夜
 王都セイントレア 地下水路

 メラメラ…シュワシュワ…

解凍フメイ「わあっ!?」ガバッ

解凍アリシラ「ああっ……!?」ガバッ

解凍レッサースライムたち「〜〜!?」モニャニャニャ!?


ブラッド「ようやく起きたか」

フメイ「あ……赤スライム……!?」

ブラッド「久しぶり、後輩。カリスの手先如きに遅れを取るなんてちょっと迂闊すぎるんじゃないの」

フメイ「うっ……」

アリシラ「え、ええと……誰……?」

ブラッド「……で、何でお前は人間なんかと一緒にいるわけ?」

フメイ「……」

 *

ブラッド「ふうん、そういうことだったんだ……。というかあいつ、お前の妹分だったのか……」

フメイ「……妹分かどうかは、わかんないけど……ずっと、一緒だった……。」

ブラッド「ま、どうでもいいけど。それよりお前、私に協力しろ」

フメイ「?」

ブラッド「カリスを殺す」

フメイ「……!」

ブラッド「お前の炎は役に立つ。嫌なんて言わないよね?」

フメイ「……」

アリシラ「……フメイちゃん、やろう」

フメイ「アリシラ……!」

アリシラ「カリス・ノーランドはいずれ決着を付けなきゃいけない相手でしょ? それならこの強い赤スライムちゃんと一緒に戦える今がチャンスだよ。今なら私も星の力が使えるしさ」

ブラッド「人間の言葉に賛同するのは気に入らないけど、そいつの言う通りじゃない?」


フメイ(……カリスを倒せれば、クロシュを脅かす危険が一つ減ることにも繋がる……ここで乗らない手はない)

フメイ(アリシラを巻き込むのが少し心配だったけど……本人が良いって言ってくれたから、やるしかない……!)


フメイ「わかった」

ブラッド「よし。それじゃあよろしく」

アリシラ「うん、よろしくね赤スライムちゃん!」
677 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2025/05/17(土) 21:39:44.46 ID:2CFwlCGE0

ブラッド「ところで星の力が使えるって本当?」

アリシラ「うん。フメイちゃんより強い炎が出せます! 頼りにしてくれて良いよ」

ブラッド「さっきは二人一緒にカチコチに凍らされてたけど?」

アリシラ「あれは……ちょっと予想外だったの! ほとんど予備動作なしの全体攻撃なんて反則でしょ!」

フメイ「……フメイも、次は凍らされない。凍らされる前に、溶かす」

ブラッド(……まああたしも、こいつらがやられてるところを見ていなかったらやばかったかも)



ブラッド「ところでフメイって名前、自分で付けたの?」

フメイ「脱走してすぐの頃に、通りすがりの精霊に名前がないと不便だよって言われて名付けられた。クロシュもその時に」

ブラッド「ふうん……まあカリスの命名じゃないなら良いか」

アリシラ「赤スライムちゃんは?」

ブラッド「あたしは別にいらない。なぜかあいつの付けたブラッドって名前が冒険者たちにも使われてて不快だけど」

フメイ「……偶然の一致?」

アリシラ「冒険者ギルドにカリス・ノーランドが情報提供した、とか……?」

ブラッド「どうでもいい。お前たちも呼びたいように呼べ」



レッサースライムたち「〜〜」モニョモニョ

フメイ「……あ。えっと……巻き込んでごめん」

レッサースライムたち「〜〜」モニョニョ

ブラッド「弱いのが悪い」

アリシラ「でもレッサースライムちゃんたちも解凍してあげたんだよね」

ブラッド「ついでだよついで。一応同じスライム類のよしみってやつ」

レッサースライムたち「〜〜♪」モニョニョ スリスリ

ブラッド「すりすりするな」ペチッ

レッサースライムたち「〜〜!」モニャニャ


フメイ(そういえば、あの銀髪の刺客……あの凍結魔法を使う前に、少しレッサースライムたちの方を見た気がする……)

フメイ(……どういう意図……? 巻き込むことを気にした……? 結局巻き込んで凍らせてるけど……)

フメイ(たぶんフメイたちの、さらに妹にあたる存在だから……できれば、なんとかしたい……)

 ◆
678 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2025/05/17(土) 21:51:24.25 ID:2CFwlCGE0
―王都セイントレア 滞在5日目

◇クロシュ [あかちゃんスライム]
武:メイドブレード  盾:ラティアの大盾  飾:くすんだ耳飾り
武:竜珠の大杖    防:竜のエプロン   飾:不死鳥の羽根

◇妖精   [世話焼き妖精]
武:         盾:         飾:くすんだ耳飾り
武:         防:精霊のレオタード 飾:

◇イリス  [星の魔法使い]
武:蒼き星の杖    盾:         飾:くすんだ耳飾り
武:ブラッドランス  防:魔術師のローブ  飾:

◇ミスティ [氷の魔法使い]
武:氷の短刀     盾:         飾:くすんだ耳飾り
武:         防:氷竜革のローブ  飾:

◇ローガン [鋼の戦士]
武:蜥蜴一文字    盾:灼鋼の盾     飾:くすんだ耳飾り
武:鋼の回転ノコギリ 防:オリハル鎖帷子  飾:

◇エバンス [地の傭兵]
武:古代の鉄槌    盾:         飾:くすんだ耳飾り
武:魔銀の刀     防:硬質革鎧     飾:

◯所持アイテム
[道具]        [装備品]       [大事なもの]
運命賽*2       蜘蛛絹の下着      魔族国永久旅券
会心賽*1       ザリガニのお守り    フメイの服の切れ端
反魂丹*1       大きな巻き貝      精霊の印
鉄鍋+携帯調理器具   闇の欠片        精霊樹の実のジャム
「星の魔力」上中下   フリルワンピ水着    精霊樹の鉢植え+赤雷球
お宿の妖精の織物    魔法学園のスク水    フメイとアリシラの人形
魔導飯盒        ガラスのザリガニ    メルルの帽子
妨害魔力波発生装置   踊り子の双剣      溶岩石のアミュレット
属性大全        サボテンドラゴンの花  太陽のメダリオン
魔王図鑑        精霊のローブ      暗黒優待券
氷精の魔導書      精霊樹の杖[改]    冒険者証(ランク1)
ブラッドワイン*1   銀のナイフ       大魔女帝国渡航権
吸血鬼殺ワイン*1   ダイヤメリケンサック  かたたたきけん
魔術書「正負の属性」  パラサイトソード    大魔女帝国滞在許可証
吸血鬼の日焼け止め               風船印のパラシュート
日蝕の傘                    ラティア勲章
大魔女サイン*1                ユーシリア王家の紋章
古代のセラミック
ステライト鉱石
晴れ乞い傘
チョコスムージー
ヒヒイロカネ
氷魔力結晶
魔導書「絶対零度」

◯現在の目標
・フメイちゃんを探す
・世界樹の光を追う[4/5]
・最悪の未来を阻止する

◯努力目標
・カリスに造られた者たちを助ける
・枢機卿の悪事を暴く
・戦争を阻止する
・レイの行方を追う

◯仲間の目標
・カリス・ノーランドを討つ(ミスティ)

◯経験値
・クロシュ 剣技[03/07] 魔法[06/07] 防御[00/07]
・イリス  杖術[00/06] 魔法[14/16]
・ミスティ 剣技[05/07] 魔法[11/16]
・ローガン 剣技[16/16] 魔法[06/08] 防御[07/08]
・エバンス 剣技[16/16] 魔法[07/08]
……………………………………………………………………………………
□王都セイントレア
王城:未探索
城下:教会、孤児院、市場、食事処、酒場、浴場、娼館、冒険者ギルド
   中央広場、公園、学校、図書館、博物館、劇場、闘技場、未探索
……………………………………………………………………………………
□セクリエ・ロイエ
大聖堂、大聖堂別館、美術館、庭園、お土産屋、未探索、他
……………………………………………………………………………………
679 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2025/05/17(土) 21:52:21.45 ID:2CFwlCGE0
―朝
 聖ヴァレリオ教会

 チュンチュン

クロシュ瓶「」zzz


ミスティ「ふわ……。朝ね……」ググ

イリス「……」ゲッソリ

ミスティ「うわっどうしたのよ……!?」

イリス「昨日の反省をしていたら……寝不足になった……」

ミスティ「ええ……? お説教はそんなに長くなかったと思うけど……」

イリス「自分で反省してたの! なぜあんな軽率なことをしたのか、他に良い手はなかったのか、ダークヒーローの名を汚したのではないか、とかとか……」

妖精「真面目だねえ……。でもそれで寝不足になってたらまた別の失敗に繋がるんじゃないの?」

イリス「仰る通りです……」

ミスティ「とりあえず、今日はもう少し寝ていたら? クロシュもまだ寝てるし」

イリス「うん……ごめんね、それじゃあクロシュちゃんが起きるくらいまで……」ガクッ


王都セイントレア滞在5日目。15日目に何かが起こります

↓1コンマ ランダムイベント
01-30 素パスタ
31-60 卵かけパスタ
61-90 クリームパスタ
91-00 カニパスタ

↓3〜5 自由安価 何をする?
680 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2025/05/17(土) 21:54:01.26 ID:GQ5Rm2I4o
カニ!カニ!
681 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2025/05/17(土) 21:54:53.11 ID:GQ5Rm2I4o
カニなんか巡礼者が食べられるわけなかったわ
682 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2025/05/17(土) 21:54:59.08 ID:XVkadkO9o
枢機卿や戦争情報について調べる
683 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2025/05/17(土) 21:55:00.22 ID:g7dERVQTO
フリューゲルやアイスを救う手立てを探る
684 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2025/05/17(土) 21:55:08.24 ID:WShEgGq1O
特ダネ求めてきたフーミンと再会
685 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2025/05/17(土) 21:55:20.65 ID:M/xmiruSO
(未探索部分を明らかにすることも兼ねて)レイの行方や手がかりを探す
686 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2025/05/17(土) 21:55:21.11 ID:eErhPeRAO
どうすれば現教皇に会えるか色んな人に聞いてみる(カリスや世界めくれ等で協力できないか)
687 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2025/05/17(土) 22:53:55.75 ID:2CFwlCGE0
―聖ヴァレリオ教会 食堂

 素パスタ「」ポン!

クロシュ「わあ……!」

エバンス「……パスタだ。具のない……」

イリス「具がないなんて……!」


クレア「今日は聖ヴァレリオの好物にちなんだ素パスタの日なのです。少々素朴な味ですが……」

ミスティ「聖ヴァレリオって人は素パスタが好きだったの?」

クレア「パスタ類は何でも好いていたそうで、何も付けずに水で茹でただけのパスタも好んで食したと伝えられています。ゆえに当教会では時々こうして素パスタを食べる日があるのです」

聖女「私はけっこう好きですよ、素パスタ。麦の味が感じられるんです」

エバンス「おお、流石聖職者……。よし、俺も味わってみます!」

 ◇

クロシュ「〜〜♪」モニョモニョ モグモグ

妖精「良い茹で加減だね」モグモグ

聖女「クレアさんはパスタがとってもお上手なんですよ!」モグモグ

ミスティ「素材の味が感じられるわ……!」モグモグ

ローガン「うむ……こういうのも悪くない」モグモグ

エバンス「……おう! 美味い!」モグモグ

イリス「……そ、そうですね! 美味しいです!」モグモグ


クレア「ふふ……今夜は味付けの濃いものに致しましょう」


 ☆素パスタを食べて元気になりました
  本日中に戦闘が発生した場合、戦闘コンマに+10が加算されます

 ◇
688 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2025/05/17(土) 22:55:19.63 ID:2CFwlCGE0
―聖ヴァレリオ教会 宿泊室

エバンス「……まず、今知りたいのは枢機卿のこととか戦争のことだよな」

イリス「そうですね……。本当に戦争になんてなったらまずいですし……」

妖精「魔族国も戦備を進めてるらしい。とはいっても全面戦争になんてなったら魔族国に勝ち目はないし……やっぱり未然に防ぐのが最善だと思う」

ローガン「使徒殿が言っていたという枢機卿と王国の繋がりや、枢機卿の悪事というものが何なのかを知れれば大きな武器になりそうだが……」

ミスティ「聖域の間とか言ったかしら? そこに殴り込みでもしてみる?」

妖精「いやいや……流石に無理だよ、捕まっちゃうよ」

ミスティ「冗談よ。考えなしに暴力的手段に訴えるほど脳筋じゃないわ」

イリス「」グサッ

エバンス「ま、まあとりあえず調査だ!」

クロシュ「ん!」

 窓「」ガラッ

フーミン「話は聞かせてもらったわ」ヌッ

イリス「げっ、悪徳新聞記者――じゃない!?」

ミスティ「あなたは――情報屋のフーミン・クロス!」

 *

フーミン「枢機卿グランドマスターの裏の顔と、王国との繋がり……フフフ、美味しそうなネタじゃない。私も一枚噛ませてもらって良い?」

妖精「情報の持ち逃げとかしないなら……」

フーミン「しないしない。知り得たものは全て記事にして垂れ流す――それが記者ハーピィの流儀よ」

イリス「ユーシリアでもちゃんとした情報を提供してくれましたし、フーミンさんは信用して良いと思います!」

ローガン「うむ……。その節は感謝している。また貴方に手を貸して頂くことになるとはな」

フーミン「タダでやってあげてるつもりはないわよ? あなたたちも相応の活躍を見せて頂戴ね」

ミスティ「ええ……悪は必ず滅するわ。期待していて」


枢機卿と戦争についての情報収集
↓1コンマ(フーミンの協力+15)
01-30 黒い噂
31-60 ↑+魔族掃討作戦
61-90 ↑+聖域の間について
91-00 ↑+??
689 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2025/05/17(土) 23:00:50.00 ID:hJvJmRqI0
690 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2025/05/17(土) 23:09:01.35 ID:g7dERVQTO
これは枢機卿丸裸
691 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2025/05/18(日) 00:05:19.42 ID:4molOIYy0
―大聖堂前

 ワイワイ ガヤガヤ

妖精「で、結局直接忍び込むのが一番早いと判断したわけだけど……」

クロシュ「ん……!」

使徒「安心して不法侵入してきてくださいね。隠蔽ならお任せを」ヒョコ

ミスティ「ええ……」

妖精「なんか、使徒が協力してくれることになった……」

使徒「聖域の間を破壊してグランドマスターを抹殺してきてくれても構いません」

 *

―大聖堂 深部

 コソコソ…

透明クロシュ「」コソコソ

透明妖精「使徒の支援があるから、今回は大胆に三人で侵入している。クロシュも分体ではなく本体だ」コソコソ

透明ミスティ「いくら使徒の隠蔽を頼れるからって舐め過ぎじゃない? 急に解説なんかしちゃって」コソコソ

透明妖精「無音結界を張ってるから大丈夫……んっ、あれは――」


 大仰で豪華な扉「」ゴゴゴゴ


透明ミスティ「……あれが聖域の間ってやつね」

透明妖精「……なんだろう。ものすごく不快な感じがする……。二人とも気を付けて」

透明クロシュ「ん……」

透明ミスティ「わかったわ……ん? 扉が開く……!」

透明妖精「まずい……! いや、クロシュの迷彩があれば大丈夫か……!?」


 大仰で豪華な扉「」ギギィィィィ――

 コツコツコツ…

荘厳な杖を携えた白髪の青年→グランドマスター「……」コツコツ…


透明ミスティ「あれが……グランドマスター!!」

透明妖精「……吐き気を催すドブ以下の臭いがする……なんだ、こいつ……!?」


グランドマスター「……」コツコツコツ…


透明ミスティ「大聖堂の正面……外へ歩いていくわ」

透明妖精「フーミンの調査メモによれば、今日王国軍で極秘の会議があるらしい。それに行くんだと思う」

透明ミスティ「聖域を調べるチャンスね……!」

透明クロシュ「ん……!」

 ◇
692 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2025/05/18(日) 00:06:01.61 ID:4molOIYy0
―聖域の間

 白い石柱「」
 白い石柱「」
 白い石柱「」
 白い石柱「」
 白い石柱「」

クロシュ「……」

ミスティ「白い石柱に囲まれた……五角形の部屋……!!」

妖精「石柱と石柱の間には、なんだかよくわからない壁画みたいなのがある……。でも……な、なんだここ……うう……」ヘナヘナ

クロシュ「妖精さん!」

ミスティ「妖精……! どうしたの……!?」

妖精「……こ、ここ……悲しみと、苦しみが……異様に沈殿してる……。一体、ここで何が……」

ミスティ「……妖精は休んでいて。私とクロシュで調査をするわ」

妖精「ごめん、お願い……」

 ◇

クロシュ「……?」

 壁画の出っ張り「」

ミスティ「……何かしら。不自然に出っ張っているわね。気になるわ……押してみましょう」スッ

 壁画の出っ張り「」ガゴン

クロシュ「!」

ミスティ「これは……!」

 ゴゴゴゴゴ―
 隠し階段「」ドン!

妖精「うわっ……!? それ……どうしたの!?」

クロシュ「ひみつの、通路……!」

ミスティ「降りてみましょう。妖精は――」

妖精「いくよ。ここに一人で待つ方が怖いし……」

クロシュ「うん! えと、じゃあ……わたしの、服の中に……」

妖精「そうさせてもらうね」スス

 ◇
693 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2025/05/18(日) 00:06:56.08 ID:4molOIYy0
―聖域の地下

 カン カン カン カン …

クロシュ「……!?」

ミスティ「こ、これは……」

 謎の魔導機械「」ゴウンゴウン…
 謎の魔導機械「」ゴウンゴウン…
 謎の魔導機械「」ゴウンゴウン…
 謎の魔導機械「」ゴウンゴウン…
 謎の魔導機械「」ゴウンゴウン…

妖精「〜〜…」クラクラ

クロシュ「よ、妖精さん……無理、しないで……」

妖精「う、うん……。でも、これ……」

 謎の魔導機械「」ゴウンゴウン…

ミスティ「……魔導機械。あの、テンペスターで稼働していたものに似ている……!!」

妖精「……うん。感じる……あの機械の中から……悲しみと、苦しみに泣く……声にならない、声が……」

クロシュ「……!!」

妖精「……魔力の流れを見た感じだと……この機械から取り出された魔力が、上の部屋に送られているみたい……。たぶん、これは……魔力を、搾取する機械……」

ミスティ「……」ギリリ

妖精「クロシュ……」

クロシュ「うん……」

 メイドブレード「」シャキン

メイドクロシュ「――介錯、する」

 メイドブレード「」シャンッ!!

 ズガッ!!
 バチバチッ…

 精核「」ズッ

ミスティ「精核……!!」

妖精「……クロシュ……食べてあげて……」

メイドクロシュ「ん……」

 パクッ…モニョモニョ…モグモグ…

 ◇

 ズガンッ!!
  ズガガッ!!
   ドッギャァン!!!
  バチバチバチッ…

 モニョモニョ…モグモグ…
  モグモグモグ…

 ◇

 赤い精核「」ポン
 パクッ…モニョモニョ…モグモグ…

妖精「……今ので、最後だね……。ありがとう、クロシュ……」

クロシュ「ん……」

ミスティ「……赤や紫の精核もあったけれど、あれは……?」

妖精「……緑色のは、テンペスターでも見た通り、たぶん妖精や精霊を溶かして造られたもの……。他の色のは……魔力の波長からすると、恐らく魔族……」

ミスティ「……魔族まで……。枢機卿、許し難い下衆……!!」

妖精「……上に戻ろう。もう……ここに、犠牲者は残ってない」

 *
694 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2025/05/18(日) 00:07:39.66 ID:4molOIYy0
―聖域の間

 カン カン カン カン …
 隠し階段「」ヒョコ

妖精「……っはぁ! い、息苦しかった……」

ミスティ「ふう……。妖精、大丈夫?」

クロシュ「だいじょうぶ……?」

妖精「うん。なんと、か――」


グランドマスター「……まさか留守中にネズミが入り込むとはね」ニコニコ


妖精「お前……っ!!」

ミスティ「貴様……」ジリ

クロシュ「……」キッ
695 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2025/05/18(日) 00:11:31.83 ID:4molOIYy0
というわけで本日はここまでとなります

戦争を阻止するべく枢機卿の闇を暴きに動く一行。聖域の地下で目にしたものは、かつてテンペスターで目撃した悲劇と地続きのものだった
そして今。クロシュたちは、悲哀と苦痛を生み出す根源――極悪枢機卿グランドマスターと相対する
会心の女神が微笑む中で。迸る激情が、闇を穿つ―――

それでは本日もありがとうございました。次回もよろしくお願いいたします
696 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2025/05/18(日) 06:00:22.50 ID:0IQ7QJkho
おつでした
様々な陣営からカリスに集まる業の数々、これは年貢の収め時ですねぇ
ああ!イリスも脳筋武闘派魔術士に!
697 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2025/05/18(日) 08:16:05.02 ID:+Ri+2sfI0

フーミンの情報収集からいきなり潜入に場面変わったけどこれってフーミンの協力は関係あったの?関係なかったら【フーミン「えっ私は!?潜入するなら必要ないじゃないか(怒)」】とか言ってフーミンぶちギレてそう。
698 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2025/05/18(日) 12:29:07.70 ID:Q9s+9EDmO

レッサースライムとかいうかわいいだけの生き物かわいい
戦争と枢機卿については00クリティカルのパワーでどうにかなりそうかな?
699 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2025/05/18(日) 19:55:50.05 ID:4molOIYy0
カリス氏はたくさんの恨みを飼っているので、実際とても危うい立場であるかもしれません。今後の動向に注視していきたいところであります
イリス氏も実のところ脳筋な面がなくはないらしく、今回はその面が大きく出てしまったようです。元々彼女は正義感が強い人なので、ダークヒーローとして抑えきれなかったのかもしれません。今後の活躍にも期待したいところであります

>>691のレスを見るとわかりやすいですが、クロシュたちは彼女の調査メモを持って潜入に臨んでいるため、フーミン氏の協力は普通に関係しています。また、たとえ関係なかったとしてもフーミン氏はその程度のことで怒り散らすような短気な方ではありません。風説の流布にご注意ください

レッサースライムはあかちゃんスライムのクロシュよりもあかちゃんなスライムなので、人によってはかわいく思える場合があります。王国内でもペット人気があったりなかったりしますが、もし人間のあかちゃんや他の小さなペット等がいる家庭で飼う場合は注意が必要です。食欲旺盛でなんでも食べるため、最悪の場合モニョモニョモグモグと食べてしまうからです
700 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2025/05/18(日) 19:57:47.27 ID:4molOIYy0
―聖域の間

クロシュ「……」
 メイドブレード「」シャキン

グランドマスター「おっと、良いのですか? この私を殺せば、あなた方は完全にテロリスト。二度と太陽の下を歩けなくなってしまいますよ?」

ミスティ「太陽の下を歩けなくなる覚悟さえあれば、できるわ」

グランドマスター「クッ……クハハハハッ!! 残念ながらそれも不可能でしょう。この部屋にいる限り、私は無敵なのでね」

妖精「……どういうこと?」

グランドマスター「私の魔法は、魔力を命に変換する希少なもの。そしてこの部屋は、地下に押し込めた役立たずの劣等種共から魔力を吸い上げ、私に供給するように造られた特別な聖域――。つまりこの部屋にいる限り私の魔力は無限であり、無限の魔力があればいくらでも命に変換して蘇ることができるのです!!」

妖精「な、なんだって!?」

ミスティ「貴様……彼らの命を、そんなことに……!!」

グランドマスター「ンン〜? クックック……貴方は人間でありながら、人間以外の劣等種を尊重してしまう無知蒙昧で視野狭窄な暗愚のようだ」

ミスティ「……」

グランドマスター「魔族だの妖精だのは知性なき害獣です。魔力電池にするくらいしか役立てる道がないというのに、あなたや穏健派の愚人たちはなぜそんな簡単なこともわからないのでしょう?」

妖精「ふうん? カリス・ノーランドはエルフなのに、なんで協力できるの?」

グランドマスター「ハハ、御冗談を。利用価値があったから飼っているだけです。あれも所詮は愚鈍な淫売エルフに過ぎません」

妖精「利用価値があったから、処刑したと見せかけて飼いならした?」

グランドマスター「ええ、その通り! カリス・ノーランドは下劣な大罪人ですが、価値は価値。劣等種は死ぬまで搾り取るのが私の流儀です」

妖精「クリファ教の孤児院を襲撃したのも、価値があったから?」

グランドマスター「おや、そんなこともご存知なのですか? もちろんそうです! 邪神関係は穏健派にとっても見過ごせない案件なのでね、先を越されると困るのです」

妖精「それで死者を大勢出したのは良いの? 異教徒と言えど人間なのに」

グランドマスター「邪神を信仰する連中など、我々と同じ知性を持った人間とは言えません。魔族や妖精共と同じ害獣です。言うなれば駆除です、駆除」

妖精「……あなたが王国との連合軍を率いて魔族国と戦争をするって噂を聞いたけど、それも?」

グランドマスター「ええ、私自ら出陣する予定です。それと……ククク、戦争とは国家と国家の争いのことですよ。害獣駆除作戦を戦争とは言いませんねェ」

妖精「魔族国には未だに大勢の人質がいるけど、その人たちの命は考慮しないの?」

グランドマスター「魔族国の捕虜となった方々は、既に洗脳されて知性なき害獣と化してしまいました。彼らに尊厳ある死を与えて差し上げるのもまた慈悲です。本人はもちろん、遺族の方々にとっても、それが最も幸福なことと言えるでしょう」

妖精「……ふうん。ところで、そんなこと部外者の私たちにベラベラ喋っちゃって良いの?」

グランドマスター「ええ、もちろん。あなた方は生きてここから出られませんからねェ」ニヤ

 閉まる大扉「」ズズゥン…

ミスティ「!」

クロシュ「!」バッ

グランドマスター「無限の命を持つ私に嬲り殺されるが良い! 愚劣なる害獣共よ!!」


 ――戦闘開始 枢機卿グランドマスター――


 ★グランドマスターが〈聖域の間〉を発動!!
  敗北を100回無効化する!!
  さらに毎ターン自身のコンマ+1!!

 ☆クロシュたちが〈聖域破壊〉を発動!!
  グランドマスターの〈聖域の間〉を無効化!!

◇自陣(戦力差+30、素パスタ+10、フーミン情報+15、使徒支援+10)
・不死鳥化できる(1/1)

◇敵陣
・聖域の間(機能停止)

 *

 ☆戦力差により自動的に勝利します
701 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2025/05/18(日) 19:58:29.94 ID:4molOIYy0
 ドッギャァァァァン!!!!

グランドマスター「ごふっ……!! フッ……フゥーッハッハッハ!! 無駄です、ここにいる限り私は無敵だと――オゴッ!!?」ズキッ!!

 ガクッ

グランドマスター「ぐ、うおあああ……!!? あ、頭が……!!?!? こ、これは……魔力、欠乏……」ガクガク

妖精「……残念だったね。地下にはもう……誰もいないよ」

グランドマスター「なっ、何……!? 貴様ら、まさか――」ガクガク

クロシュ「……わたし……食べた。みんな……」

グランドマスター「た、たべた……だと……」ガクガク

妖精「さて……ミスティ、ちゃんと撮れた?」

ミスティ「ええ」スッ

 小型録画水晶「」ポン

グランドマスター「な、に……録音、水晶だと……」ゴボッ

妖精「知人の記者から借りたの。あなたの秘密を暴いて、世に知らしめる為にね」

グランドマスター「きっ、貴様ら……!! そ、それを、今すぐ……」ガクガク

ミスティ「年貢の納め時よ。これを記事にして大陸中にバラ撒くわ」

グランドマスター「ま、まてっ……私が悪かった……!! 頼む、見逃してくれっ……!! 望みがあれば叶えよう……!! 永遠の命だろうと、死者の復活だろうと、私の力ならば……!!」

 バキッ!!

グランドマスター「ぐあっ!」ドサッ

ミスティ「……散々多くの命を苦しめておいて……よくもそんなことが言えたわね……」

妖精「……魔力を命に変える魔法か……。もし使い手があなたのような下衆じゃなかったら、たくさんの命を救える素晴らしい魔法になれただろうに。本当に残念だよ」

グランドマスター「ま、待ってくれ……まっ……」


クロシュ「……」
 メイドブレード「」シャンッ

 大扉「」スパッ
 ドズゥゥン…

クロシュ「……みんな……お外に、行こ……」

 メイドブレード「……」


 ――戦闘終了――


 ☆たくさんの想いを食べて、メイドブレードが星霊の剣に変化しました


 ◇
702 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2025/05/18(日) 19:59:13.32 ID:4molOIYy0
―聖ヴァレリオ教会 宿泊室

 小型録画水晶『無限の命を持つ私に嬲り殺されるが良い! 愚劣なる害獣共よ!!』ザザ

スライムクロシュ「〜〜!」モニョニョ

エバンス「うおお! めっちゃ綺麗に撮れてるな!」

フーミン「でかしたわ!! これならグランドマスターを必ず失墜させられる!」

ミスティ「あいつに出くわした時はちょっとゾッとしたけど、結果オーライね」

妖精「あそこまでベラベラと喋ってくれて良かったよ。でもこれ、捏造扱いされない?」

フーミン「録画水晶の映像は改竄できないから、ほとんどの国の司法や警察で証拠能力を持つものとして扱われているの。これだけバッチリ姿も声も鮮明に記録されていれば間違いないわ」

ローガン「だが、これの公開によって混乱が生じる恐れはないだろうか? 曲りなりにも彼はロイエ教の大人物だ」

フーミン「混乱は避けられないでしょうね。でも改革に痛みはつきものよ」

イリス「……一番の不安は、カリス・ノーランドですね……枢機卿が力を失った結果、カリスがどんな動きをするか……」

使徒「その点は私にお任せください。最低限、今の段階で彼女を縛り付けている鎖は維持致します」

フーミン「……人前に滅多に姿を現さない原理派の名誉顧問、使徒……そんな人物の協力を得るなんて、あなたたち一体どんなコネを使ったの?」

妖精「それは……まあ、いろいろあって」

使徒「利害の一致というやつです」

 ◇

―夕方
 王都セイントレア 市場

 ゴウガイダヨー!! ゴウガイダヨー!!
 ザワザワ… スウキキョウガ… ウソダロ…

 ☆枢機卿の悪事を暴き、大陸中にばら撒きました
  枢機卿と原理派と王国の評判が大きく下がりました

 ☆目標「枢機卿の悪事を暴く」を達成しました

 ◆
703 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2025/05/18(日) 20:01:20.83 ID:4molOIYy0
―夕方
 聖ヴァレリオ教会 宿泊室

クロシュ「……」

 星霊の剣「」キラキラ

妖精「あれ? その剣、なんか変わった?」

クロシュ「……わかんない。でも……みんなが、力……貸して、くれてる……気がする……」

イリス「なんだろう……ほんのりとだけど、星属性っぽい力を感じる……」

妖精「精核を食べた影響……? まあ悪い変化ではなさそうだね」

クロシュ「うん……」

妖精「他に何か心配事があるの?」

クロシュ「えっと……わたし……セインさんたち、助けたい……」

イリス「そうだね……私も助けたいよ」

クロシュ「でも……どうすれば、助けられるのか……わかんない……」

妖精「んー……今生き残ってる子たちは全員お茶会を楽しむくらいの自我があって、セインについてはかなり自由に動けるみたいなんだよね。セインが本気を出せば全員で脱走くらいは簡単にできそうだけど……」

イリス「……そうできない理由があるってことだよね。つまり」

妖精「そうなんだと思う。話を聞いた感じだと、セインは鳥籠を出て自由になることより、鳥籠の中を住みやすくする方向で頑張ったみたい」

イリス「カリスから離れられないような呪いをかけられてる、とか?」

妖精「セインは国外まで遠征してることもあるから違うだろうけど、他の子たちはそういう呪いがかけられてる可能性が十分にある。大魔女に解呪してもらったけど、クロシュにも服従の呪いがかけられてたし」

クロシュ「……」


クロシュ(でも……わたしとフメイちゃんは、脱走できた……。だから……たぶん今は、前よりももっと厳しい、逃げられない仕組みがある……)

クロシュ(……もう一回、侵入して……セインさんに、聞いてみる……?)


↓1コンマ
01-60 アイスちゃんの氷魔力結晶が……
61-90 大魔女さん来訪
91-00 ???
704 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2025/05/18(日) 20:02:57.23 ID:5DAVnfNJO
705 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2025/05/18(日) 20:09:39.83 ID:aGPUDk9Bo
00クリティカル強い
章ボスかと思ったらもう退場
706 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2025/05/18(日) 21:03:28.82 ID:4molOIYy0
クロシュ「……?」

 氷魔力結晶「」デロデロ…

クロシュ「!」

イリス「あれっ? これ、アイスっていう子の魔力結晶だよね? なんでこんな……」

妖精「……おかしい。一度結晶化した魔力がこんな風に溶けることなんて、普通はないはず……」

イリス「だ、だよね。私もこんなの初めて見たよ」

妖精「……うーん……魔力の結合が解ける原因は……。そもそもなんで今まで、ちゃんと結晶だった――はっ!」

イリス「……!! ま、まさか……これ!!」

妖精「……これ……カリスから逃げ出せない仕組みかも……!!」

クロシュ「??」

イリス「……たぶんカリスの元から長期間離れると、魔力に異常をきたして具合が悪くなっちゃうんだ……」

妖精「……放っておけば、死ぬと思う」

クロシュ「!!」ソワソワ

イリス「……この魔力結晶はアイスちゃん自身ではないから、今アイスちゃんが危ないってことはないよ。でも……カリス、嫌らしい仕組みを……」

妖精「ひとまず、この溶けてる結晶は瓶に詰めておこう。溶けはしても強力な氷魔力を秘めてるのは変わらないから、使い道は変わらないはず」

イリス「そうだね……」

 *

 瓶詰め氷魔力「」ポン!

クロシュ「……」

妖精「これがどういう現象で、どうすれば食い止めることができるのか……」

イリス「しっかり調べる必要があるね……」

クロシュ「うん……」

 ☆カリスに造られた者の事情について少し知りました

 ◆
707 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2025/05/18(日) 21:03:58.30 ID:4molOIYy0
 ―幕間―

―夜
 聖ヴァレリオ教会 聖女の宿泊室

 コンコン

クレア『聖女……いますか……?』


 開かれた号外新聞「」バサッ
頭を抱えて机に突っ伏す聖女「………はい」


クレア『入っても構いませんか……?』


聖女「……はい」


 扉「」ガチャッ


クレア「失礼しますね……。ハーブティーを淹れて来ました。良かったら飲んでください」スタスタ

 温かいハーブティー「」ポン ホカホカ

聖女「………すみません。私……今日は、ろくにお手伝いもできなかったのに……」

クレア「構いません。今、原理派が大変な状況というのはわかっていますから……」

聖女「………考えが……まとまらないんです……。私……どうしたら、良いのか……」

クレア「……無理しないで。あなたは立場上原理派ですが、中身はほとんど穏健派みたいなものです。あなたが無理に考えなきゃならないことなんて、何もないのですよ」

聖女「……でも……私の父は、枢機卿とも近しい大司教で……今どこに赴任しているかさえ、誰も教えてくれないんです……。お姉ちゃんも、どこ行ったか、わかんなくて……。私、もうぐちゃぐちゃで……どうしたら良いか……」

クレア「……今夜は、もう寝ましょう。具合の悪い時に起きていると、嫌なことばかり考えてしまいます」

聖女「……はい。そう、します……」

 ◆
708 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2025/05/18(日) 21:05:41.03 ID:0IQ7QJkho
……ブラッドフメイクロシュと逃げられたから導入された仕組みっぽいな……うーんカリスマジカリス
709 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2025/05/18(日) 21:10:09.94 ID:4molOIYy0
―王都セイントレア 滞在6日目

◇クロシュ [あかちゃんスライム]
武:星霊の剣     盾:ラティアの大盾  飾:くすんだ耳飾り
武:竜珠の大杖    防:竜のエプロン   飾:不死鳥の羽根

◇妖精   [世話焼き妖精]
武:         盾:         飾:くすんだ耳飾り
武:         防:精霊のレオタード 飾:

◇イリス  [星の魔法使い]
武:蒼き星の杖    盾:         飾:くすんだ耳飾り
武:ブラッドランス  防:魔術師のローブ  飾:

◇ミスティ [氷の魔法使い]
武:氷の短刀     盾:         飾:くすんだ耳飾り
武:         防:氷竜革のローブ  飾:

◇ローガン [鋼の戦士]
武:蜥蜴一文字    盾:灼鋼の盾     飾:くすんだ耳飾り
武:鋼の回転ノコギリ 防:オリハル鎖帷子  飾:

◇エバンス [地の傭兵]
武:古代の鉄槌    盾:         飾:くすんだ耳飾り
武:魔銀の刀     防:硬質革鎧     飾:

◯所持アイテム
[道具]        [装備品]       [大事なもの]
運命賽*2       蜘蛛絹の下着      魔族国永久旅券
会心賽*1       ザリガニのお守り    フメイの服の切れ端
反魂丹*1       大きな巻き貝      精霊の印
鉄鍋+携帯調理器具   闇の欠片        精霊樹の実のジャム
「星の魔力」上中下   フリルワンピ水着    精霊樹の鉢植え+赤雷球
お宿の妖精の織物    魔法学園のスク水    フメイとアリシラの人形
魔導飯盒        ガラスのザリガニ    メルルの帽子
妨害魔力波発生装置   踊り子の双剣      溶岩石のアミュレット
属性大全        サボテンドラゴンの花  太陽のメダリオン
魔王図鑑        精霊のローブ      暗黒優待券
氷精の魔導書      精霊樹の杖[改]    冒険者証(ランク1)
ブラッドワイン*1   銀のナイフ       大魔女帝国渡航権
吸血鬼殺ワイン*1   ダイヤメリケンサック  かたたたきけん
魔術書「正負の属性」  パラサイトソード    大魔女帝国滞在許可証
吸血鬼の日焼け止め               風船印のパラシュート
日蝕の傘                    ラティア勲章
大魔女サイン*1                ユーシリア王家の紋章
古代のセラミック
ステライト鉱石
晴れ乞い傘
チョコスムージー
ヒヒイロカネ
氷魔力結晶
魔導書「絶対零度」

◯現在の目標
・フメイちゃんを探す
・世界樹の光を追う[4/5]
・最悪の未来を阻止する

◯努力目標
・カリスに造られた者たちを助ける
・枢機卿の悪事を暴く(達成!)
・戦争を阻止する
・レイの行方を追う

◯仲間の目標
・カリス・ノーランドを討つ(ミスティ)

◯経験値
・クロシュ 剣技[03/07] 魔法[06/07] 防御[00/07]
・イリス  杖術[00/06] 魔法[14/16]
・ミスティ 剣技[05/07] 魔法[11/16]
・ローガン 剣技[16/16] 魔法[06/08] 防御[07/08]
・エバンス 剣技[16/16] 魔法[07/08]
……………………………………………………………………………………
□王都セイントレア
王城:未探索
城下:教会、孤児院、市場、食事処、酒場、浴場、娼館、冒険者ギルド
   中央広場、公園、学校、図書館、博物館、劇場、闘技場、未探索
……………………………………………………………………………………
□セクリエ・ロイエ
大聖堂、大聖堂別館、美術館、庭園、お土産屋、未探索、他
……………………………………………………………………………………
710 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2025/05/18(日) 21:10:45.94 ID:4molOIYy0
―朝
 聖ヴァレリオ教会 食堂

 チュンチュン

クロシュ「……? 聖女さんは……?」キョロキョロ

クレア「……聖女は、少々体調を崩してしまいまして」

クロシュ「そうなの……?」

クレア「はい……。もし良かったら、お見舞いに行ってあげてくださいね。あの子はあなたたちのことが凄く好きみたいなので、きっと励みになるかと……」

クロシュ「ん……わかった」


イリス(聖女さんが……それってやっぱり、あの新聞が原因だよね……?)

妖精(まあそうだろうね……一応原理派みたいだから、ショックはあると思う……)

ミスティ(自分のとこのトップがアレだなんて知ったら……きついでしょうね……)

エバンス(聖女は何も悪くないわけだし、気の毒だな……)

ローガン(だが、枢機卿を討つにはああするしかなかったのだ……)


王都セイントレア滞在6日目。15日目に何かが起こります

↓1コンマ ランダムイベント
01-20 なし
21-40 黒髪の無愛想な青年
41-60 デュア
61-80 メルル
81-00 リュアン

↓3〜5 自由安価 何をする?
711 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2025/05/18(日) 21:20:01.80 ID:0IQ7QJkho
ラスイチ引きたーい
712 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2025/05/18(日) 21:20:14.37 ID:nvaoM0pFO
聖女さんの父親(活動日誌書いた人)を探してみる
713 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2025/05/18(日) 21:20:17.82 ID:aGPUDk9Bo
イリスを救ったスライムと出逢う
714 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2025/05/18(日) 21:20:18.16 ID:9zeghqheO
原理派勢力が後退した分デロデロ教の勢力が増してきて滅茶苦茶布教を受けてしまう
715 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2025/05/18(日) 21:20:20.31 ID:souoKTqC0
ミラ(クル)と会話中テラヌス・ウルスのミラの話題になり、今どうしているか考える
716 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2025/05/18(日) 21:20:23.76 ID:U6/sphVA0
ミラと一緒にレイを探す
717 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2025/05/18(日) 21:20:32.07 ID:5DAVnfNJO
>>649
718 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2025/05/18(日) 21:52:23.26 ID:4molOIYy0
―王都セイントレア 市場

 ワイワイ ガヤガヤ

妖精「ひとまず今日は――ん?」

「……」

妖精「ていっ」ペチッ

「ぎゃっ」

イリス「その声は……」

メルル「たはは〜見つかっちゃったねェ」ヌッ

ミスティ「メルル!」

メルル「妹がお世話になったそうで! いやあキミたちには世話になりっぱなしですなァ」

クロシュ「ん……お世話、したり、されたり……?」

エバンス「でもなんでメルルが王都なんかに? ここ王国だからけっこう危ないぞ」

メルル「まあ冒険者のカンってやつ? なんか面白いことがありそうだな〜って思ってね」

ローガン「うむ……まあ、何かはあるかもしれんな……」

 ☆メルルと再会しました
  今日と明日、時と場合によりコンマに補正を得られるかもしれません

 ◇
719 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2025/05/18(日) 21:53:10.46 ID:4molOIYy0
―王都セイントレア 中央広場

 ワイワイ ガヤガヤ

デロデロ教徒「真の正しい世界! 真の正しい世界こそが救いとなるのです!!」

 ワアアアア!!! シンノタダシイセカイ!!!! シンノタダシイセカイ!!!!


クロシュ「わあ……」

妖精「うわ、デロデロ教の奴らだ。王都でも布教活動してるのか……」

イリス「ロイエ教の枢機卿があんな記事になっちゃったから、効果は大きそうだねえ……」

エバンス「そこを狙ってんだろうな。まあ俺たちにとっちゃどうでもいいことだが……」

デロデロ教徒「まあそう言わず、あなたもご一緒にどうですか?」ヌッ

エバンス「うおわっ!? い、いや俺は無神論者で……」

デロデロ教徒「デロデロ教は神を信奉するものではございません。ただ、正しい救いを求めるだけのシンプルなものなのです」

イリス「そ、そうなんですか……」

デロデロ教徒「というわけで皆さんもご一緒にどうですか? 真の正しい世界!」

クロシュ「しんのただしいせかい!」キャッキャ

妖精「こら、調子に乗るな」ペチッ


↓1コンマ
01-30 グランドマスター「騙されるな、民衆よ!!!!」ヌッ
31-60 楽しかった
61-90 僧侶「お久しぶりです!」
91-00 ???
720 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2025/05/18(日) 21:55:17.96 ID:KXYGCVKs0
ヌッ!
721 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2025/05/18(日) 21:58:26.06 ID:aGPUDk9Bo
グランドマスター生きてはいるのか
ただじゃ終わらなさそう
722 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2025/05/18(日) 22:09:18.59 ID:J0szS0XNO
前々から思ってたけど自由安価先着順じゃなくて時間指定できた安価の中から高コンマの安価採用みたいにできないのかな?
今までの見ると3人以上は自由安価取るために待機してるみたいだし今までの埋まるスピードなら時間の範囲短くても問題なさそう。(>>357で言ってるみたいな一度取ったら次は譲るというのは日付が変わるとIDが変わったり、同じIDでも2連続で自由安価取る人もいたりでルール無しでは正直うまくいかなそう……)
723 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2025/05/18(日) 22:44:13.05 ID:4molOIYy0
グランドマスター「騙されるな、民衆よ!!!!」ヌッ

 ザワザワ… エエ… ドチクショウノグラマスダ

グランドマスター「真の正しい世界!? そのようなまやかしは存在しない!! セイントレア国民よ、今一度人間の尊さを思い出すのです!! デロデロなどというものに縋らずとも、我々人間は――」

 ウルセー!! スッコンデロー!! ヨウセイレイパー!! ヘンタイ!!

  石「」ポイポイ
   石「」ポイポイ

    パシッ!!

赤橙ショートの眼帯女性「……」スッ

  ザワザワ… オッカネエヨウジンボウダ…

グランドマスター「無詠さん、助かりました。この私が石をぶつけられるなど、あってはならないことです」

赤橙ショートの眼帯女性→無詠「報酬分は働く。それだけだ」



イリス「……!!?!?!?」

エバンス「ん……!? あっ……!! ま、マジか……!?」

妖精「え、何? あの用心棒に心当たりでもあるの?」

イリス「えっ、いや……ひ、人違いかも……」

エバンス「あいつは……俺の傭兵団の実力者、無詠だ!」

イリス「ええっ!? そうなんですか!!?」

妖精「ど、どういうこと……?」

クロシュ「??」



無詠「……?」

グランドマスター「む……あの少女と妖精は……!! 無詠、奴らを今すぐ叩き殺しなさい! アレは国家反逆者です!!」

無詠「仕事は護衛だけだったはずだが」

グランドマスター「融通の効かない人ですねえ! それならば暗殺の追加依頼です!!」

無詠「悪いが、貴方との契約もこの護衛任務で打ち切らせて頂く。我々も評判を気にしなければ生きていけないのでな」

グランドマスター「なんですと……!? 貴様……下賤なならず者モドキの分際で……!!」

無詠「今すぐ契約の打ち切りをお望みなら対応可能だが?」

グランドマスター「そもそも貴様が昨日いなかったせいです!! そのせいで私は――」

無詠「極秘会議だからと私を遠ざけたのは貴方だったはずだが……」

グランドマスター「……帰ります!」プンスコ ズカズカ


 ザワザワ… カエッテッタ… ナンダッタンダロウ


妖精「なんか……揉めてた?」

エバンス「あー……まあ、その方が俺としては助かるな」


無詠「……」ジッ


クロシュ「?」

イリス「い、いやいや……まさか、ありえないでしょ……」


無詠「……」スタスタ


妖精「うわっ、こっち来たよ!」

イリス「え、ええ〜っ!?」

 *
724 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2025/05/18(日) 22:50:23.94 ID:4molOIYy0
―王都セイントレア 路地裏

無詠「久しぶりだな、エバンス」

エバンス「おう……。アンタ、あんな奴の仕事なんて受けてたのかよ」

無詠「報酬が魅力的だったからな……。今は反省している」

エバンス「マジで反省してくれ……俺たちの評判まで悪くなるし、下手すると俺と敵対することになるし……」

無詠「……エバンスは個人依頼を受けたと聞いていたが……後ろの彼女たちが、その依頼主なのか?」


クロシュ「……」コソコソ
妖精「……」コソコソ
イリス「……」コソコソ ドキドキ


エバンス「ああ、まあそんなとこだ……。ちょっと恩があって、格安で……。報酬はあんまり期待しないで欲しい」

無詠「それは構わないが……グランドマスターは彼女たちに強い恨みを抱いているようだった。一体何をしたんだ?」

エバンス「ああ、それなら――」

 *

無詠「……まさか、昨日の記事が彼女たちの行動によってできたものだったとは……」

エバンス「アンタ、この件から手を引くことはできないか?」

無詠「……こちらから契約を切るのは難しい。腐ってもまだロイエの枢機卿だ。下手に恨みを買うのは傭兵団にとっても得策ではないだろう」

エバンス「それはまあ、そうか……」

無詠「安心しろ。お前たちと敵対することになったら、適当に手を抜いてやる」

エバンス「そりゃ助かるが……アンタは大丈夫なのか?」

無詠「無論だ」



イリス「……」コソコソ ドキドキ

妖精「イリス……気になるなら話しかけにいきなよ」

イリス「えっ……で、でもぉ……きっと人違いだし……」

クロシュ「……ひとちがいなの?」

イリス「そうだよ……! だって、母さんは――」

妖精「……母さん?」



無詠「……私は怖がられているのか?」

エバンス「え、どうだろうか……まあ女性にしてはけっこう強面だと思うぞ、眼帯だし」

無詠「そうか……」


どうする?
↓1〜2選択 話す or すること
1.イリスさんのお母さんですか?
2.カリスの被害者な気がする……
0.自由安価(状況にそぐわないものは再安価となります)
725 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2025/05/18(日) 22:54:28.22 ID:0IQ7QJkho
1
726 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2025/05/18(日) 22:54:54.46 ID:+Ri+2sfI0
1
727 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2025/05/18(日) 22:57:22.75 ID:4molOIYy0
被ったのでもう1つよろしくお願いします

↓1選択 話す or すること
2.カリスの被害者な気がする……
0.自由安価(状況にそぐわないものは再安価となります)
728 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2025/05/18(日) 22:57:50.30 ID:BEiXDIwQO
0とりあえず食事しながら会話(そこへメルルとフーミンもやってきた)
729 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2025/05/18(日) 22:59:59.78 ID:0IQ7QJkho
>>727
そして連取りだわごめんなさい
730 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2025/05/18(日) 23:43:13.61 ID:4molOIYy0
クロシュ「……」トコトコ

無詠「……」

クロシュ「えっと……イリスさんの……おかあさん、ですか……?」

無詠「……イリスの……お母さん……?」

エバンス「えっ……? それってどういう……」


無詠「…………」


無詠(イリス……どこか、聞き覚えのある名だ)

無詠(不思議な懐かしさ……そして愛おしさを感じる……)

無詠(……私には、ある時点以前の記憶がない)

無詠(………カリス・ノーランドの施設で人体実験を受ける以前の記憶は、一切ないのだ)

無詠(だから……私が誰かの母親だったという可能性も、ゼロではないだろう)

無詠(……しかし、ならばどうしろと言うのだ?)

無詠(私は……もう随分と長い間、無詠≠ニして傭兵をやってきた……)

無詠(……今更、過去を突きつけられても……私は……)


無詠「……………」


クロシュ「えと……ごはん、食べる……?」

無詠「……ごはん?」

クロシュ「うん……。ごはん、食べれば……元気に、なるかも……」

エバンス「賛成だ。飯にしようぜ、腹が減ってちゃ腹割って話すこともできないだろ?」

妖精「そうだね。まずはごはんにしようよ。ね、イリス?」

イリス「へっ!? そ、そうだね……!? ごはん……ごはん!!」

無詠「わかった。ではご相伴に預かろう」

 ◇
731 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2025/05/18(日) 23:45:21.58 ID:4molOIYy0
―聖ヴァレリオ教会

イリス「クレアさん、台所お借りしても構いませんか?」

クレア「はい、もちろんです。ご自由にお使いくださいね」

イリス「ありがとうございます!」


無詠「ここに滞在しているのか」

エバンス「おう。飯は俺とイリスちゃんが作るから、待っててくれ」

無詠「わかった」

 *

 魔導拳銃「」ポン!

クロシュ「わぁ……!」

ミスティ「魔導拳銃……! かっこいいわね……」

妖精「そう? 私には凶悪な鉄の塊にしか見えない……」

ローガン「こういったものはどこに売っているのだろうか?」

無詠「これは私用にチューニングされた特注品だが、量産品であれば機械都市や商業都市で手に入る。まあ、量産品は規制がかかっているからか豆鉄砲のような威力しか出ないらしいが……」

ミスティ「豆鉄砲……。氷魔法を使いながら炎の弾丸を撃ち出す、みたいな戦法はできないのね……」

無詠「フフ、傭兵団に入れば注文ルートを紹介できるよ」

ミスティ「まあ……食い詰めたら考えるわ……。それよりあなた、イリスのお母さんと聞いたのだけど……」

無詠「……そうらしいが、私は記憶がないんだ。記憶もなしに、母親として振る舞うことはできない。だから……どう対応したら良いものか、少し困っている」

ローガン「ふむ……。イリスくんも、恐らく同じような状態だろうな。記憶のない人に、過去を押し付けて良いのかと、葛藤しているように思える」


台所でせっせと働くイリス「〜〜」セッセ


無詠「……子供にそのような気持ちを抱かせるのも、母親失格だとは思うのだが……私自身、母親としての自覚が全くないんだ。他人事のように思えてしまう……。そんな気持ちで母親面をすることの方が、もっと深く傷付けてしまうのではないかと思うし……」

ミスティ「……難しいのね……」

ローガン「うむ……私もこのようなケースは初めて見る。どうするのが正解なのかわからん……」



フーミン(……なんか混ざりにくいシリアスな雰囲気ね……。出直そうかしら……)コソコソ

メルル(めっちゃわかる〜。場違いになっちゃいそうなんだよね〜)コソコソ

フーミン(いや、誰よあなた……)コソコソ


↓1〜2 食材を1〜2つ選択
肉類:トリ肉、ケモノ肉
魚介:ザリガニ、オオキイタニシ、イクラマス、マグロ
野菜:ノラワカメ、セイントレア草、キャベツ、長寿トマト
穀物:お米、パスタ麺、こんがりパン、ヤマイモ、オオキイ豆
果実:イチゴ、リンゴ、ブドウ、シャイニングマスカット
卵乳:トリの卵、ミルク、チーズ、バター
特殊:スライムゼラチン、フェアリーシロップ、ブラッドワイン、精霊樹のジャム、上白糖、香辛料
732 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2025/05/18(日) 23:46:46.92 ID:QVYhcFXN0
オオキイタニシ 米
733 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2025/05/18(日) 23:51:27.25 ID:9zeghqheO
マグロ、シャイニングマスカット
734 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2025/05/18(日) 23:56:03.54 ID:4molOIYy0
食材が決まったところで本日はここまでとなります。次回、再会のごはん編、株分けの伝説スライム編、ミラくんちゃんとミラさん編です

グランドマスターの悪事を暴き、評判をガタ落ちさせることに成功したクロシュたち。一方カリスに造られた命をどうにかする手立ては未だ見つからず、クロシュは気を揉む――
そして出会ったのは、謎多き傭兵の無詠。エバンスの同僚であり、イリスの母疑惑がある彼女と食卓を囲むことになったものの、イリスと無詠は互いにどう接したら良いかわからず困り果てる。長き時を経て再会した親子の行方は――。あかちゃんスライムもまた、二人が仲良くなれたらと小さくお祈りする――

それでは本日もありがとうございました。次回は土日となります、よろしくお願いいたします
735 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2025/05/19(月) 09:21:24.28 ID:KDY9gVoKo
おつおつでした
聖女さんお辛い立場だ…
736 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2025/05/19(月) 14:47:35.64 ID:1D8lVcawO

またカリスの罪状が増えとる…
聖女さんも厄ネタ持ちだし気にした方が良さそうだけどやることが…やることが多い…!
737 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2025/05/24(土) 13:09:48.02 ID:9IKHAwNvO
王国編は要素が多くて全部回収できるかな
738 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2025/05/24(土) 16:28:54.68 ID:+fI+KUJE0
聖女氏は実際とてもつらいようです。彼女がなんらかのお咎めを受けるということはたぶんありませんが、その大きなストレスは心身に悪い影響を及ぼす可能性があります。気にしてあげると良いかもしれません

カリスさんは既に処刑されたはずの指名手配犯なので、その罪はとても大きいようです
聖女氏は例の日誌に記されていた通りであれば何やらすごい力を持っているそうです。その力がどのような未来をもたらすかは今のところ未知数です

王国編はやることが多いですが、今のところは順調に進んでいるので、このペースでいけば問題ないと思われます。なお一部の努力目標は特定人物の生死に関わっていたりもするため、気にするのが良いかもしれません

なお最も良い未来を目指したい場合、努力目標以外にも気にした方が良いことがあったりするかもしれません。とはいえ本編の内容やクロシュたちの言葉をちゃんと聞いていれば、そのようなものを見つけるのは難しくないでしょう
739 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2025/05/24(土) 16:30:39.27 ID:+fI+KUJE0
 マグロ寿司「」ポン!
 タニシ寿司「」ポン!
 マスカット寿司「」ポン!

クロシュ「わあ……!」

イリス「お寿司にしました!」

ローガン「待て、緑色のこれは何だ」

 マスカット寿司「」

エバンス「マスカット寿司だ」

ローガン「なんだと」

ミスティ「何かおかしいの?」

ローガン「いや……寿司ネタにマスカットというのは聞いたことがないのだが……」

エバンス「ははっ、遅れてるな旦那! 今フルーツ寿司は密かに人気を集めてるんだぜ」

ローガン「そ、そうなのか……」

ミスティ「へえ……お寿司を食べること自体が初めてだから全然知らなかったわ」

エバンス「この前オノゴロに行ったってのにうっかり寿司を食うのを忘れてたからな。ミスティちゃんもこれで寿司デビューだ!」

妖精「寿司って炊いたごはんに魚介の刺身を乗っけただけでしょ?」

エバンス「違うぞ! 寿司用の米には酢が混ぜてあってだな――」

 *

 パクパク モグモグ モニョモニョ

スライムクロシュ「〜〜♪」モニョモニョ モグモグ

ミスティ「お寿司って初めて食べたけど、すごく美味しいわね……」モグモグ

ローガン「うむ……しかし甘いマスカットと酢飯が意外と合うとは……」モグモグ

妖精「わたしはマスカット寿司が一番好きかも」モグモグ

エバンス「ちなみにこれはシャイニングマスカットっていう光属性の果物だから、食べたあとしばらく光属性が強くなったり、光耐性が付いたりするんだ。寿司でも効果は得られるが、どちらかと言うと甘味系の料理に使った方が効果が高まるらしい」



無詠「……」モグモグ

イリス「……ええっと〜……ど、どうですか……?」


↓1コンマ
01-40 美味い
41-70 この味は……
71-90 懐かしい
91-00 ???
740 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2025/05/24(土) 16:35:37.82 ID:Xh7U9K+70
741 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2025/05/24(土) 18:25:38.77 ID:+fI+KUJE0
無詠(……なんだ、これは……?)

無詠(胸を締め付けるようでありながら……苦しくはなくて……)

無詠(悲しい……? いや……それとも、少し違う……)

無詠(この……感情は―――)


 ――『わぁ〜! おすし! おすし!』キャッキャ

 ――『誕生日おめでとう、イリス。いっぱい食べなさい』

 ――『おめでとう、イリスちゃん。いっぱい食べて大きくなるのじゃぞ』

 ――『うん! いただきま〜す!』モグモグ


 ――『しかしティナよ、ワシまで本当に良いのかの?』

 ――『もちろんです、師匠。イリスをここまで育てて来れたのは師匠のお陰ですから』

 ――『ワハハ、それじゃ遠慮なく頂こう――む? こりゃマスカットか?』

 ――『ええ。フルーツ寿司と言って、最近流行っているそうです』

 ――『ふむう……最近の若者の味覚は変わっとるのう……』


 ――『おかあさん、あしたもおすしがいい!』

 ――『それはだめ』

 ――『なんで!?』

 ――『お寿司は食べて良いのは、特別な時だけなの』

 ――『ええ〜じゃああしたもとくべつにしてよぉ』

 ――『だめ』

 ――『えええ〜!?』

 ――『イリスちゃん、そしたら自分で握れるようになると良いぞ』

 ――『えっじぶんで!?』

 ――『そうじゃ。そしたら毎日が特別じゃ』

 ――『そっか! じゃあイリスおすしにぎれるようになる!』

 ――『師匠……本当に握れるようになったらウチの家計が……』


無詠(―――ああ。これは、私の記憶か――――……)

 *
742 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2025/05/24(土) 18:26:16.58 ID:+fI+KUJE0
無詠「イリス」モグモグ

イリス「ふぁいっ!?」ビクッ

無詠「……ありがとう。美味しいよ」

イリス「えっ! あ、えへへ……良かった、です……!」

無詠「………お寿司……握れるようになったんだね」

イリス「えっ……!?」

無詠「………大きくなったね。イリス」

イリス「あっ……お、お……おかあ、さん……?」

無詠「うん……ただいま。ごめんね、遅くなって」

イリス「え、ええっと……えっとえっと……お、おかえり……なさい……!?」グルグル



クロシュ「わあ……!」

妖精「あらら……イリスの方が混乱してるね、ありゃ」

エバンス「まあ、すぐに昔と同じようにってわけにはいかないよな」

ローガン「うむ……だが、二人の間に何か問題があるわけではないのだ。いずれ自然と打ち解けるだろう」


ミスティ「……」

妖精「……ちょっと、悔しい?」

ミスティ「そんなんじゃないわ……。良かったと思っているし」

妖精「ふふ〜じゃあ私がミスティのお母さん役をやってあげよっか」ニコニコ

ミスティ「おばあちゃん役の聞き間違いかしら?」クスッ

妖精「誰がババアだって!?」プンスコ

ミスティ「……気遣いありがとう、妖精。ヘタクソだったけど」

妖精「げっ……」

ミスティ「実際平気よ、私。今の私を大切に思ってくれる人がいっぱいいること……わかっているもの」

妖精「……そっか」ニコ

 ◇
743 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2025/05/24(土) 18:26:45.16 ID:+fI+KUJE0
無詠→ティナ「では改めて――ティナ・プラネットです。今まで、イリスと共に歩んで来てくれてありがとうございます」ペコリ

妖精「どういたしまして。まあイリスにはこっちも助けられてきたから、こちらこそありがとうございます……かな?」

エバンス「無詠……じゃなくて、ティナさん。記憶はもう全部戻ったってことなのか?」

ティナ「断片的な記憶をいくつか思い出しただけで、全部とは到底言えない。しかしそれでも……私がイリスの母だったこと、かつて星属性の魔法使いだったことは思い出せた」

エバンス「星属性だったのか……!」

ティナ「そして今この世界が直面している二つの危機……世界樹の光と、世界めくれ……私にも、その対処を協力させて欲しい。構わないだろうか?」

妖精「もちろん! 人手は多い方が良いしね」

エバンス「そうなると枢機卿に雇われてる立場ってのが逆に活きてきそうだな!」

ティナ「ああ。枢機卿は今世間や貴族たちから激しいバッシングを受けているところだが、完全に失脚したわけではない……。そして立場がまずいからこそ、失脚する前に挽回しようと戦備を急いでいるようだ」

妖精「えっ!? それじゃあ私たちが奴を責め立てたのは逆効果だった……!?」

ティナ「いや、そうでもない。戦備を急ぎすぎれば兵の質は落ちるし、作戦の穴も増える。貴族たちへの根回しも十分にできないだろう。当然、民衆の支持も得られまい」

ミスティ「つまり……隙だらけになるということね」

ティナ「そうだ。戦争を止めるのであれば、生じた隙を的確に突いていくのが良いだろう」

ローガン「兵士の士気を落とすような工作をしたり、事前に作戦が失敗するように仕向けたり、戦争反対派の貴族を立てて反対運動を起こしたり、民衆を扇動したり……といったところか?」

ティナ「ああ。もちろん、他にもできることがあれば積極的に行動していくべきだろう」

エバンス「なるほどな……できそうなことからやっていこう」

ティナ「そして私は現在枢機卿に近い立ち位置にいる。もしやって欲しいことがあれば言ってくれ」

妖精「わかった! 頼りにしてるよ、ティナ」

 *

ティナ「それじゃあ私は戻る。何かあれば連絡を」スッ

イリス「あっ……」

ティナ「……イリス。どうか、無事で」

イリス「う、うん……。かあ、さんも……お気を付けて……!」

ティナ「ああ。ありがとう……」


 スタスタ…ガチャ パタム


イリス「………」


 ☆美味しいごはんを食べて元気になりました
  明日の終わりまで、戦闘コンマ+15、光適性◯を得ます

 ☆無詠→ティナ・プラネットが記憶を少し取り戻しました

 ☆戦争準備について情報を得ました

 ◇
744 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2025/05/24(土) 21:25:11.47 ID:+fI+KUJE0
―王都セイントレア 市場

 ワイワイ ガヤガヤ

イリス「………うぅ、ううぅ〜ん……!!」ググッ

妖精「うわっ!」

クロシュ「わあ……」

ミスティ「急に変な声を出すわね……」

イリス「だ、だって……! お母さんが……生きてたんだよ……!?」

クロシュ「うん……!」

ミスティ「ええ。良いことじゃない」

イリス「そう! 良いことなの! でも、なんかこう……気持ちが、追っつかないっていうか……!!」

クロシュ「そうなの……?」

イリス「私……お母さんが生きてて、ちゃんと喜びたいのに……なんかぎこちなくなっちゃって……。お母さん、がっかりしてないかなあ……。私って薄情なのかなあ……」

妖精「自分の中で既に決着の付いたことを、後になってひっくり返されると混乱するもんだよ。それが例え、良いことだとしてもね」

イリス「そういうものなの……?」

妖精「そういうもんだよ。妖精に母っていう存在はいないけど、家族みたいな存在はけっこういたりするからさ。気持ちはわからないでもないんだ」

イリス「そういうもんか……。うん、わかった! 次は……もうちょっと、気楽に接してみる!」

ミスティ「いつまでもウジウジしないのがイリスの良いとこよね」

妖精「クロシュなんて一度凹むと数日は瓶から出られなくなっちゃうからねえ」

クロシュ「んゅ……」

ミスティ「妖精も人のこと言えないでしょ。商業都市でクロシュが捕まった時のこと忘れてないわよ」

クロシュ「ほえ……?」

妖精「んぐ……あ、あれはだね……」

 タタタタッ

  ドッ!!

クロシュ「んわっ!」コテッ

馬頭の剣闘士「すまねえっ!」タタタッ

ミスティ「ちょっと!」

イリス「……!! 待って、あれは――」


 馬頭を先導して跳ねる透明スライム「〜〜!」ピョンピョン


妖精「スライム……!? 透明で見えづらいけど……」

イリス「前に……私を助けてくれたスライムさん!」

ミスティ「えっ!?」

クロシュ「!」

妖精「……今の奴、剣闘士の格好をしてた……たぶん脱走奴隷だ……!」

イリス「追って……あっでも私たちが追ったら目立っちゃう……!?」

魔女っ子クロシュ「!」ポン!

 反映魔法弾「」ポポポポン!!

透明イリス「わあ!」

透明ミスティ「マントを使わなくても、私たちを透明に……!?」

透明妖精「でかしたクロシュ! これであいつを追おう!」

透明クロシュ「ん!」

 ◇
745 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2025/05/24(土) 21:25:46.86 ID:+fI+KUJE0
―セイントレア王都 地下水路

 地下水路「」ザァザァ

 ねじ曲がった鉄格子「」ザァザァ

馬頭の剣闘士「こ、この先が……!」

透明スライム「お疲れ様です。この鉄格子を越えて流れに沿っていけば、城壁の外へ出られます」モニョモニョ

馬頭の剣闘士「……ほ、本当か……? 本当に……生きて、この街を出られるのか……?」

透明スライム「はい。しかし街の外はまだ王国領です。くれぐれも兵士には気を付けて……。亡命は、できれば農業国かユーシリア帝国へ」

馬頭の剣闘士「魔族国はだめなのか……? 革命で独立したんだろ?」

透明スライム「今この国と魔族国は極度の緊張状態にあるので、間者の疑いがかけられます」

馬頭の剣闘士「じゃあ緑の国は……!? あの国なら――」

透明スライム「……現在も、世界樹の結界による鎖国が続いています。緑の大森林は結界を越えて広がっていますが、王国の狩人が巡回している為安全とは言えません」

馬頭の剣闘士「そんな……。農業国もユーシリアも人間の国じゃねえか……。せっかくこの国を出ても……」

透明スライム「農業国は人間の国ですがエルフやアルラウネとの親交も深く、農業を行う労働力さえ提供できれば種族は不問のおおらかな国です。ユーシリアも現皇帝が即位してからは魔族との融和路線に舵を切り、大きな成果を挙げています。聞くところによれば、身の回りのお世話を森スライムに任せているのだとか……」

馬頭の剣闘士「そうなのか……」

透明スライム「あとは……港湾都市ウォーターポートも王国内では比較的魔族に寛容な街ですが、それでも脱走奴隷の身分では流石に厳しいです。テラヌス・ウルスは砂漠越えが厳しいでしょうし……」

馬頭の剣闘士「わ、わかった……。すまねえ、こんなところで文句言っちまって……」

透明スライム「構いません……。運命を左右することですから……」

馬頭の剣闘士「……アンタは、これからもここでこの活動を続けるのか……?」

透明スライム「はい。この地獄がなくなるまで……私は、続けるつもりです」

馬頭の剣闘士「………」

透明スライム「……私のことは、どうかお気になさらず。ご覧の通り、私は身を隠して行動する能力に長けています。今話しているこのスライムも……私が遠隔操作している端末の一つに過ぎません。私は……誰よりも、安全なのです。あなたが思っているより、ずっと卑怯で、臆病なスライムなのです……」

馬頭の剣闘士「…………すまねえ………オレは………オレも、奴隷の苦しみを知っているのに……。アンタを、手伝うべきなのに……。こ、こわいんだ……また、捕まって……闘技場で、同胞たちと、殺し合いをさせられるんじゃないかって……こわくて……」ガクブル

透明スライム「大丈夫です。あなたが苦しむことなんて、もうないのです。この街を出て、何もかも忘れて、自由に生きるべきなんです」

馬頭の剣闘士「でもっ……お、オレが闘技場で、殺した奴らは……オレを、許すだろうか……!!? あ、あいつらだって……オレと同様に、どっかで捕まって、無理矢理戦わされてただけで……! 故郷には家族とか、友達とか、いたはずだろ……!? でもオレはそういうの、もうないんだ……!! 故郷のリーリアはとっくに滅んでて、家族も友達もみんな死んでるんだよ……!! オレなんかが逃げ出せても、もうどうにもならないんだ……!! それなのに……オレだけが助かるなんて……オレだけが自由になるなんて、そんなの、許されないだろ……!? ああっ……す、すまねえ……アンタに助けてくれって言って、こんなとこまで連れてきてもらったってのに、オレは……オレは……」グルグル

透明スライム「〜〜」パクッ

 モニョモニョ…モグモグ…

馬頭の剣闘士「――アンタ、今オレに何をしたんだ? 急に頭がスッキリしたみたいだ」

透明スライム「あなたが、二度と悪夢に囚われないように致しました。これであなたは不安に苛まれることなく、どこにでも行けます」

馬頭の剣闘士「なんかわからんが助かった。取り乱してすまなかった」

透明スライム「構いません……」

馬頭の剣闘士「それじゃ、いろいろとありがとう。オレはもう行くよ。アンタも、どうか達者で」

透明スライム「はい……どうか、お元気で」

 シュバッ ザブン!
  スイスイ…
746 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2025/05/24(土) 21:27:04.26 ID:+fI+KUJE0
 シュバッ ザブン!
  スイスイ…


透明スライム「……」


透明スライム「……また会いましたね。ダークヒーローさん」


透明イリス「!」

妖精「気付いていたの?」ヒョコ

透明スライム「隠密行動には少々の心得がありますから……」

クロシュ「わあ……!」

ミスティ「……あなたは、何者? 奴隷を逃がす活動をしているの?」

透明スライム「はい、その通りです……。何者かと問われると……この街に住む、ただのスライムと答える他ありませんが……」

クロシュ「……クロシュヴィアちゃんの、分体……?」

透明スライム「……!? あなた……あなたこそ、何者ですか……!?」

 デロデロ…

スライムクロシュ「〜〜!」モニョニョ!

透明スライム「! なるほど……あなたも、クロシュヴィアの株分けだったのですね」

スライムクロシュ『そうなの?』モニョニョ

透明スライム「えっ……? 違うのですか?」

スライムクロシュ『わかんない』モニョモニョ

 *

透明スライム→ヴィア「……私は、ヴィアと言います。クロシュヴィアの分体の一つが自我に目覚めた、株分けのスライムです」

妖精「クロシュヴィアの株分け……性格は全然似てないね」

ヴィア「……活動している期間で言えば、風になってずっと眠っていたクロシュヴィアよりも、私の方が長いでしょうから……」

クロシュ「そうなんだ……」

ヴィア「…………できれば、私の活動のことや、今逃げていった彼のことは秘密にして頂けるとありがたいのですが……」

妖精「ああ、その点はご心配なく。私たちは見ての通りこの国の者じゃないし、非人間奴隷の扱いも良く思ってないもん。あと、ここに来るまでに誰かに尾行されたりもしてないはずだから安心して」

ヴィア「それならば、良かったです……」

クロシュ「うん……!」

ヴィア「……あなた方は巡礼者の偽装をしているようなので、脱出の幇助は不要ですよね……。他に……何かご用はありますか……?」

クロシュ「!」


どうしよう?
↓1〜2 選択
1.さっき馬頭さんに何をしたの?
2.デロデロ教のことどう思う?
0.自由安価(状況にそぐわないものは再安価)
747 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2025/05/24(土) 21:28:20.40 ID:dblBva3A0
0あなたみたいなことをしている人は他にもいるの?
748 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2025/05/24(土) 21:30:20.13 ID:68N8eIG+O
1
749 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2025/05/24(土) 22:04:28.51 ID:+fI+KUJE0
クロシュ「一人で……がんばってるの……?」

ヴィア「……少ないですが、志を共にして活動してくれている仲間はいます。とはいえ……このように直接外へ逃がすような危険な役目は、分体を放って動かせる私にしかできません……」

クロシュ「そうなんだ……」

ヴィア「私が知らないだけで、私以外にも魔族の奴隷を逃がす活動をしている人や団体がもっといる可能性はありますが……今のところ、目立った成果が上がっていないのは確かです。学生たちや活動家の反対運動も王族の耳には全く届いていないようですし……」

妖精「まあでも、トンチンカンな宗教活動を繰り広げてるクロシュヴィアよりはずっとまともに動いてて偉いんじゃない?」

 *

クロシュ「そういえば……さっき……馬頭さんに、何をしたの……?」

イリス「あ、それは私も気になります! ものすごく震えて狼狽してた馬頭の人が、急に落ち着いて水路に飛び込むのが見えました!」

ミスティ「一体どんなマジックを使ったの?」

ヴィア「……彼の、心を食べました」

イリス「!?」
ミスティ「!?」
妖精「!?」

クロシュ「こころ……?」

ヴィア「全てを食べたわけではありません……。でも……彼の心は、自分自身が作り出す重すぎる悲しみで……既に、壊れていました……。だから……食べて、治しました」

妖精「ま、待って待って! 例え一部でも……悲しみを生み出す部分がなくなっちゃったら――」

ヴィア「彼は、この先二度と悲しみに溺れることはありません。死ぬまで健やかに……前を向いて、生きていけます……」

妖精「い、いや……でも……それは……」

ミスティ「……じゃあ……あの男は……二度と、家族や友達……失った祖国のことで、悲しむことはないということ……?」

ヴィア「そうです……」

イリス「……で、でも……そんなの……あまりにも……」

ヴィア「……かわいそう、ですか……?」

イリス「そ、そうです!! 例えどれほど悲しいからって……失った人たちのことで、悲しむこともできないなんて……!!」

ヴィア「……彼の心は……既に、限界でした。例えここから逃げ出せても……あのままでは決して生きていけなかったと思います……。ダークヒーローさんは……あのまま彼の心が壊れて、死んでしまう方が、良かったと思いますか……?」

イリス「極論はやめてください……! ほ、他に方法が……」

ヴィア「……表層的な悲しみだけを食べることもできますが……悲しみを生み出す根源を食べてしまわなければ、その場しのぎにしかなりません。いずれはまた悲しみに押し潰されます……」

妖精「……た、例えば……時間をかけて傷付いた心を癒やしてあげるとかは……」

ヴィア「……一度壊れてしまった心は……どれほどの時間をかけても、治ることはありません……。一見治ったように見えても、すぐにまたヒビが入り……容易く、砕けるようになってしまいます……。悲しみの気持ちが、ある限り……」

妖精「………」

ミスティ「でも……彼は、それで……いや……しかし……ううん………」

クロシュ「……」

ヴィア「……クロシュちゃんは……どう思いますか……?」

クロシュ「……」


↓1〜 先取3票
1.ちょっといやかも……
2.そういうやり方もある
0.自由安価(票数は内容ごと)
750 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2025/05/24(土) 22:07:49.02 ID:2YtJjN2EO
2
751 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2025/05/24(土) 22:10:31.27 ID:7/lg7Vq4O
1
752 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2025/05/24(土) 22:15:21.06 ID:DfxEK1Myo
1
753 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2025/05/24(土) 22:25:04.54 ID:eSdmgl3VO
2
754 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2025/05/24(土) 22:26:42.01 ID:vNyLih6DO
1
755 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2025/05/24(土) 22:33:33.90 ID:aONl2HFwo
マイルドにはなってるが株分けだなぁ思考がフルスロットル寄ってる
756 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2025/05/24(土) 22:59:36.78 ID:+fI+KUJE0
クロシュ「………」


 ――ゴオオオ……
 ――メラメラ… パチパチ…
 ――燃える大人の死体「」メラメラ
 ――燃える子供の死体「」メラメラ
 ――燃えるスライムの死骸「」ジュクジュク…


クロシュ(……もし……みんなが、本当に助からなくて……)

クロシュ(たとえば……フメイちゃんも……アリシラさんも……死んじゃって……)

クロシュ(……妖精さんも……イリスさんも、ミスティさんも、ローガンさんも、エバンスさんも……)

クロシュ(………この旅で出会った、たくさんの人たちも……みんな、みんな……いなっくなっちゃって……)

クロシュ(わたしの心も……デロデロになって……立てなくなっちゃったら……)

クロシュ(………)

クロシュ(……わたし……そのまま、デロデロになって……かなしみといっしょに……溶けちゃう方が、いい………)


クロシュ「………ちょっと……やだ……」

ヴィア「そうなのですね……」

妖精「クロシュも嫌なんだ……」

クロシュ「うん……。わたし……みんなのこと……ちゃんと、かなしみたい……。それで……立てなく、なっても……」

ヴィア「………それで、死んじゃうとしても……?」

クロシュ「…………うん」

妖精「!! そ、それは……だめだよ、クロシュ……」

クロシュ「妖精さん……」

ヴィア「……妖精さんは……例えば、クロシュちゃんがもし悲しみで動けなくなったとして……悲しむ心を断ち切って生きるのと、悲しみと共に死ぬの……どちらが、良いですか……?」

妖精「そ、そんなの……そんな、の……」グルグル

妖精「」グニャァ

クロシュ「ヴィアちゃん……妖精さんを、いじめないで……」

ヴィア「ごめんなさい……」

イリス「……でも、その二択だと……確かに、安易には決められないかも……。感情的には、嫌だけど……」

ミスティ「……当人にとっては、死んでも忘れたくない想いかもしれないけど……。その人に生きて欲しい人物、という視点で見ると……また少し違ってくるわね……」


 ☆ヴィアと出会いました

 ☆クロシュの思索が進みました

 ◇ 
757 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2025/05/24(土) 23:00:34.44 ID:+fI+KUJE0
急用が入ってしまったため本日はここまでとなります


お寿司を食べて思い出の欠片を取り戻した無詠の魔女ティナ・プラネット。死んだと思っていた母との突然の再会に戸惑う娘イリス。かつて断ち切られた母娘の縁は今再び繋がり、新たな運命を紡ぎ出す。まずは危機を乗り越えよう。師匠のお墓参りは、その後に――

そして次に出会うは、伝説スライムの株分けを名乗る透明スライム、ヴィア。魔族奴隷の開放を目指す彼女は、今日もまた馬頭の剣闘士を一人、大城壁の外へ逃がした。一人で生きていけるように。二度と立ち止まらぬように。悲しむ心を、そっと食べて―――……

あかちゃんスライムは、考える。自分だったら、かなしみと共に溶けたい。でも、他の誰かだったら? たとえばもしフメイちゃんが、何もかもを失ったかなしみで死にそうになったら? もしそんな時に、かなしみを砕く力が自分にあったら? わたしは―――


それでは本日もありがとうございました。次回もよろしくお願いいたします
758 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2025/05/25(日) 03:43:12.04 ID:qQNldUjho
おつでした
マスカット寿司が奇抜に見えるのが母子の絆になってて旨いいや上手い
759 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2025/05/25(日) 08:38:46.74 ID:6IZhgnao0
おつ
この師匠さんもフラナの知り合いなんだよな・・・師匠が子供の頃から世話してそう
760 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2025/05/25(日) 10:58:12.07 ID:44vajvvTO

これは各地方の首脳陣が集まって会議開くレベルでは
761 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2025/05/25(日) 13:12:53.38 ID:KXQZoLDFO

ヴィアさん口調は丁寧だけど中身はしっかりクロシュヴィアちゃんの株分けって感じだねえ
しかしみんな3歳児にいろいろ考えさせたがりすぎだろw
762 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2025/05/25(日) 15:31:40.90 ID:CpstZjfL0
マスカット寿司は少々変わった料理のように見えますが、プラネット母娘にとっては思い出深いもののようです。死んだと思っていた母との再会に混乱しつつも、それがイリス氏にとって特別≠ネ日となったのは間違いありません

思い出の中に登場したイリス氏の師匠は、ティナ氏の師匠でもあったようです。フラナ氏とも旧知の仲だったようですが、師匠氏が幼少の頃から知り合っていた仲かどうかは今のところ闇に包まれています

実際これは世界の危機なので、世界中の有力者が真剣に対策を練ってもおかしくない状況かもしれません。しかし世界めくれについては今現在その兆候すら全くなく、王国と魔族国の戦争については傍観の姿勢を取る国が多いようです

ヴィア氏はクロシュヴィアちゃんの株分けなので、一般的な価値観からすると思い切りの良い考え方をしがちなようです
言われてみると、確かに皆さん3歳のあかちゃんスライムにいろいろ背負わせようとしすぎかもしれません。まあ最近はクロシュ氏のメンタルも少し強くなってきたので、クロシュ氏が嫌でなければ考えること自体は悪いことではない……と妖精は思っています
763 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2025/05/25(日) 15:32:27.35 ID:CpstZjfL0
―王都セイントレア 市場

 ワイワイ ガヤガヤ

クル「今日も買い出し付き合ってくれてありがとう。クロシュちゃん、ミスティちゃん」

クロシュ「ん!」

ミスティ「礼は不要よ。教会にはタダで泊めてもらってるわけだから、できることがあればしたいわ」

クル「あはは、でもやっぱり感謝は大事だから。ミラもそう思ってるみたいだし」

ミスティ「ミラ……今のあなたはクルなのよね?」

クル「うん、そうだよ」


露天商「テラヌス・ウルス直輸入の高級シーシャはいらんかね〜!」


ミスティ「……そういえば、テラヌス・ウルスにもミラという人がいたわ。女性だったけれど」

クル「え、本当!? どんな人? どんな人?」

ミスティ「金髪ですらっとした体型の、気の強そうな人だったわ。丁度あそこで売ってるシーシャっていうやつを吸ってて……それで思い出したの」

クル「わ〜、なんかかっこよさそう〜!」

ミスティ「……酒癖も悪かったわ……」

クル「わあお」

クロシュ「……砂漠のミラさん……元気かな……?」

ミスティ「大丈夫でしょ。ああいうタイプの人は簡単にはへこたれないわ」


↓1コンマ
01-65 何事もなく帰る
66-95 レイの痕跡発見
96-00 ミラ「久しぶりね」ヌッ
764 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2025/05/25(日) 15:44:31.52 ID:rA7PifiLO
ヌッ!
765 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2025/05/25(日) 17:17:33.86 ID:CpstZjfL0
―王都セイントレア 滞在7日目

◇クロシュ [あかちゃんスライム]
武:星霊の剣     盾:ラティアの大盾  飾:くすんだ耳飾り
武:竜珠の大杖    防:竜のエプロン   飾:不死鳥の羽根

◇妖精   [世話焼き妖精]
武:         盾:         飾:くすんだ耳飾り
武:         防:精霊のレオタード 飾:

◇イリス  [星の魔法使い]
武:蒼き星の杖    盾:         飾:くすんだ耳飾り
武:ブラッドランス  防:魔術師のローブ  飾:

◇ミスティ [氷の魔法使い]
武:氷の短刀     盾:         飾:くすんだ耳飾り
武:         防:氷竜革のローブ  飾:

◇ローガン [鋼の戦士]
武:蜥蜴一文字    盾:灼鋼の盾     飾:くすんだ耳飾り
武:鋼の回転ノコギリ 防:オリハル鎖帷子  飾:

◇エバンス [地の傭兵]
武:古代の鉄槌    盾:         飾:くすんだ耳飾り
武:魔銀の刀     防:硬質革鎧     飾:

◯所持アイテム
[道具]        [装備品]       [大事なもの]
運命賽*2       蜘蛛絹の下着      魔族国永久旅券
会心賽*1       ザリガニのお守り    フメイの服の切れ端
反魂丹*1       大きな巻き貝      精霊の印
鉄鍋+携帯調理器具   闇の欠片        精霊樹の実のジャム
「星の魔力」上中下   フリルワンピ水着    精霊樹の鉢植え+赤雷球
お宿の妖精の織物    魔法学園のスク水    フメイとアリシラの人形
魔導飯盒        ガラスのザリガニ    メルルの帽子
妨害魔力波発生装置   踊り子の双剣      溶岩石のアミュレット
属性大全        サボテンドラゴンの花  太陽のメダリオン
魔王図鑑        精霊のローブ      暗黒優待券
氷精の魔導書      精霊樹の杖[改]    冒険者証(ランク1)
ブラッドワイン*1   銀のナイフ       大魔女帝国渡航権
吸血鬼殺ワイン*1   ダイヤメリケンサック  かたたたきけん
魔術書「正負の属性」  パラサイトソード    大魔女帝国滞在許可証
吸血鬼の日焼け止め               風船印のパラシュート
日蝕の傘                    ラティア勲章
大魔女サイン*1                ユーシリア王家の紋章
古代のセラミック
ステライト鉱石
晴れ乞い傘
チョコスムージー
ヒヒイロカネ
氷魔力結晶
魔導書「絶対零度」

◯現在の目標
・フメイちゃんを探す
・世界樹の光を追う[4/5]
・最悪の未来を阻止する

◯努力目標
・カリスに造られた者たちを助ける
・枢機卿の悪事を暴く(達成!)
・戦争を阻止する
・レイの行方を追う

◯仲間の目標
・カリス・ノーランドを討つ(ミスティ)

◯経験値
・クロシュ 剣技[03/07] 魔法[06/07] 防御[00/07]
・イリス  杖術[00/06] 魔法[14/16]
・ミスティ 剣技[05/07] 魔法[11/16]
・ローガン 剣技[16/16] 魔法[06/08] 防御[07/08]
・エバンス 剣技[16/16] 魔法[07/08]
……………………………………………………………………………………
□王都セイントレア
王城:未探索
城下:教会、孤児院、市場、食事処、酒場、浴場、娼館、冒険者ギルド
   中央広場、公園、学校、図書館、博物館、劇場、闘技場、未探索
……………………………………………………………………………………
□セクリエ・ロイエ
大聖堂、大聖堂別館、美術館、庭園、お土産屋、未探索、他
……………………………………………………………………………………
766 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2025/05/25(日) 17:18:10.68 ID:CpstZjfL0
―朝
 聖ヴァレリオ教会 宿泊室

 チュンチュン

妖精「一旦状況を整理しよう」


◯世界樹の光
・ロイエ教原理派の使徒が保持
・今のところこちらに渡す気はなさそう
・使徒の目的は世界めくれの阻止らしい?
・世界めくれを阻止したら返してくれるとのことだが……

◯世界めくれ
・原理派活動日誌に書かれていた
・預言者はあの聖女?
・執筆者の大司祭は行方不明?
・世界めくれとは、現世に穴が空いて幽界と混ざり合うこと
・発生原因は現時点で不明
・世界樹の精霊曰く、世界樹の光でも引き起こせるらしい

◯戦争
・ロイエ教原理派の枢機卿が魔族国殲滅作戦を企てている
・枢機卿の地位は先日の暴露によって大きく揺らいでいる
・枢機卿は失脚する前に武勲を建てようと急いでいるらしい
・急いだ結果、戦力や作戦の質は低下する見込み
・王侯貴族らへの根回しも不十分

◯カリスと造られた者たち
・大聖堂別館に幽閉されている
・セインとフリューゲルも確認された
・アイス以外は友好的
・何らかの逃げられない仕組みが存在する模様
・長期間カリスから離れると魔力が溶ける?

◯レイ・アンバーについて
・今現在この王都に来ている模様
・ロイエ教(原理派?)に追われている?
・孤児院のミラ・クルと幼馴染
・レイの魔法は幽界の力を喚び出すもの?
・世界めくれに関係している疑いがある?
767 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2025/05/25(日) 17:18:41.26 ID:CpstZjfL0

ローガン「ううむ……考えることが多いな」

エバンス「どれも独立した問題のようで、内側では繋がっているようにも思えるぞ……」

ミスティ「……まず取り組むべきは、戦争の阻止かしら……? 具体的な日にちはわからないけど、急いでいるということはあまり猶予はないんでしょう?」

妖精「そうだね。でも現時点で枢機卿の立場がものすごく悪いから、放っておいても作戦が失敗する可能性はある。ただ――」

ローガン「……王国は、セインくんとフリューゲル氏という巨大な戦力を持っている……」

妖精「そう。セインとフリューゲルが動員されたら、魔族国は極めて厳しい状況になる……」

イリス「フラナ先生たちのお母さんに、魔族国を壊させるなんて……絶対に止めないと……!」

エバンス「逆に言えば、セインとフリューゲル・バイオレットを抜けさせることができれば安泰ってわけだ」

妖精「うん。でも、彼らを抜けさせる有効な手段は見つかってない……」

イリス「……長期間カリスから離れると、魔力が溶けて死んじゃう呪い?みたいのがかけられてる可能性があるんだよね……」

妖精「そうみたい。それを何とかする方法を見つけないと、セインたちは自由になれない……」

クロシュ「……」グッ


ミスティ「世界めくれの方は……どうすれば良いのかしら」

妖精「発生原因もわかってないし、これについては私もどう対処したら良いのかわからない……。使徒に従って世界樹の光を渡して、世界めくれを阻止してもらうのが良いのか……」

エバンス「だが使徒を全面的に信用するのは危険なんだよな? もし使徒の本当の目的が世界めくれを引き起こすことだったら、逆に最悪の事態を招くことになっちまう」

妖精「そうなんだよ。あいつの言うことをどこまで信じて良いのか……」

ミスティ「世界樹の光が足りないなら他の手を打つとか言ってたし、こちらから渡す必要はないんじゃないかしら?」

妖精「まあそれもそうか」

ローガン「ところで、このレイ・アンバーについてだが……彼女が世界めくれに関係している疑いがあるというのは本当なのか?」

妖精「うん。レイのいた孤児院で信仰してた宗教や、レイが受けた邪神の儀式っていうのがどうも幽界の神に関係しているものらしくて。決定的な証拠があるわけじゃないけど、要注意人物かも……」

クロシュ「レイさん……」

イリス「レイさんって自分の意思と関係なく魔法が発動するみたいなこと言ってたもんね。何かの悪い偶然が重なって世界めくれが起きる可能性があるのかも……」

妖精「もしレイを見つけたら、今度こそちゃんと確保しよう。関係あるかないかはわかんないけど、放っておくわけにはいかないし」

エバンス「せめて世界めくれの詳細がわかれば良いんだが……」

イリス「あの日誌を書いた大司祭さん……聖女さんのお父さんに話を聞くことができれば……」

ローガン「娘である聖女くん自身もその行方はわかっていないらしい。聖女くんに話を聞くという手もあるが、彼女は記憶を失っているらしいし、今現在かなり憔悴しているようだ。余計な負担を強いた挙げ句何も得られない、などという結果になる可能性が高いだろう……」

クロシュ「……おみまい……」

イリス「そうだね……! 話を聞くとかどうとかじゃなくて、お見舞いに行って元気付けてあげるのは良いと思う! クレアさんも、私たちが行けばきっと喜ぶって言ってたし……!」

妖精「余裕があるとは言えないけど、もし時間があったらお見舞いに行ってみようか」


王都セイントレア滞在7日目。15日目に何かが起こります

↓1コンマ ランダムイベント
01-30 反対運動激化
31-60 レイの痕跡+
61-90 大魔女来訪
91-00 ??

↓2〜4 自由安価 何をする?
768 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2025/05/25(日) 17:19:37.18 ID:6IZhgnao0
769 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2025/05/25(日) 17:19:47.81 ID:44vajvvTO
クロシュ、フーミンと飛行訓練
770 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2025/05/25(日) 17:19:53.69 ID:+cIVAf130
クロシュ、レイの行方を探す
ミラ&クルとクレアも探すのを手伝ってくれる
771 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2025/05/25(日) 17:20:59.09 ID:7S7i0NrCO
デロデロ教過激派VSロイエ教穏健派(現教皇も含む)で言い争っている所を発見
772 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2025/05/25(日) 17:28:13.18 ID:CpstZjfL0
以前の国の登場人物をあまり頻繁に出すのは少々よろしくないので、まことに申し訳ありませんが>>769は無効・再安価とさせていただきます。できれば現地の場所や人物や事象に着目していただけると幸いです

再安価
↓1自由安価
773 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2025/05/25(日) 17:31:32.38 ID:wM+rK/7FO
以前 アリシラの両親が話していた アリシラのことについて みんなに話す
世界 めくれ の幽界に関係している?
774 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2025/05/25(日) 17:35:15.41 ID:7S7i0NrCO
>>771を書いた者です
大司祭は現教皇なのかな?もし設定に合わなかったら現教皇なしでも大丈夫です
775 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2025/05/25(日) 19:01:15.85 ID:CpstZjfL0
ロイエ教ではおおまかに、以下のような序列となっております
いただいたキャラクター案も、以下の設定に合うように少々変更してある箇所があったりします(グランドマスター氏は案では大司祭でしたが、能力や役割を鑑みて枢機卿に格上げしました)。ご査収のほどよろしくお願いいたします

教皇>枢機卿>大司祭>司祭>一般聖職者(修道士・修道女など)>信徒
776 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2025/05/25(日) 19:01:48.46 ID:CpstZjfL0
―聖ヴァレリオ教会 宿泊室

クロシュ「あ……そういえば……」

妖精「ん? なあに?」

クロシュ「アリシラさんの、こと――」

 *

イリス「ええっ!? アリシラさんって……一度死んで、蘇った……!?」

ミスティ「いや、まあ……不死鳥みたいな生き物もいるし、そういうこともあるわよね……」

妖精「そ、そうだったんだ……」

クロシュ「えと……幽界って……関係、ある……?」

妖精「字面からすると幽界って死後の世界みたいだけど、別に死後の世界ってわけじゃないからなあ……。クロシュも知ってる通り、死んだ魂は星に還るものだし……」

クロシュ「あっ……そうだった……」

妖精「ただ、まあ……アリシラの目的が世界の破滅だったら、世界めくれを引き起こす動機は十分にある……。でもアリシラってなんだかんだでクロシュとフメイには優しかったし、そこまでするとは思えないんだよね……」

クロシュ「うん……」

エバンス「口ではクロシュちゃんたちが平穏に生きられる世界を作るって言ってたよな。それを正直に受け止めるなら、世界めくれなんて起きたら平穏に生きるどころじゃないだろうし、やっぱそこまではしないんじゃないか?」

ローガン「だが、アリシラくんもまた星の力を持つ者の一人だ。制御に失敗して大惨事を引き起こす可能性もあるのではないか?」

妖精「それはまあ、そう……。悪い可能性は常に考えておいた方が良いかも……」

クロシュ「……」


クロシュ(フメイちゃん……アリシラさん……)

クロシュ(……きっと……もう、ここに来てる……)

クロシュ(………一緒に……協力、できたら……いいな……)

 ◇
777 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2025/05/25(日) 19:03:32.55 ID:CpstZjfL0
―王都セイントレア 路地裏

 ガサゴソ…

ミラ「すみません、レイの捜索にアナタたちの手を煩わせてしまって……」

クレア「気になさらないでください。私も無関係とは言えないことですから」

クロシュ「うん……! わたしも……レイさんのこと、探したい……!」

ミラ「フフ……僕は幸せ者です。レイを見つけたら、自慢してあげたいな」

クレア「ただ……レイ・アンバーさんは重大な容疑がかけられている指名手配犯の方ですから、もし見つけたら然るべき場所へ自首して頂きます。ミラくんも……そのことはわかっていますよね?」

ミラ「もちろんです。でもレイは、兵士とは別の変な人たちに追われているみたいなんです。このままだと、捕まって罰を受けるよりも酷いことをされてしまうかもしれない。僕は、それを止めたいんです」

クレア「別の変な人たち……?」

ミラ「隻腕の、恐ろしい風貌の男でした。レイがあの恐ろしい男に組み敷かれてめちゃくちゃにされるんじゃないかと思うと、不安で不安で夜しか眠れず……」

クレア「く、くみし……///」

クロシュ「?」

ミラ「クレアさん? 何を想像してらっしゃるんですか?」ニコニコ

クレア「……コホン! 修道女をからかうものではありません」

ミラ「クレアさんがかわいかったもので、つい」

クレア「……クルちゃんに言いつけますよ?」

ミラ「すみませんでした」

クレア「よろしい。ところで……今、隻腕の恐ろしい男と言いましたか……?」

ミラ「はい。クロシュちゃんも見たよね?」

クロシュ「うん……」

クレア「隻腕の……まさか……」

ミラ「心当たりがあるんですか?」

クレア「いえ……人違いでしょう。では、レイ・アンバーさんの捜索には私たちも気を付けないといけませんね」

ミラ「はい。ちょっと非効率ですけど、手分けするよりはみんなで一緒に探した方が安全かと思います」

クレア「そうですね。それでは、三人で一緒に探しましょう」

クロシュ「ん!」モニョモニョ―


クレア(私の魔眼……探し物に向いてるわけじゃないけど、もしかしたら)キィィィン――

四方に散っていく透明分体ちびクロシュたち「〜〜」ピョンピョンピョン


↓1コンマ(未来視の魔眼+10)
01-50 痕跡を発見
51-90 発見して逃す
91-00 確保!
778 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2025/05/25(日) 19:05:25.83 ID:U5UpjOJQO
よゆうのかくほ
779 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2025/05/25(日) 19:22:52.66 ID:qQNldUjho
確保だー!!
780 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2025/05/25(日) 22:28:26.42 ID:CpstZjfL0

クレア「――!」キィィィン――


 ――追い詰められるレイ「あ、あわ、あわ……」ビクビク

 ――隻腕の男「もう影には隠れられまい。鬼ごっこは終わりだ」ザッザッ

 ――レイに迫る男たち「……」ザッザッ

 ――追い詰められるレイ「助けてぇクロシュちゃんんんん!!!!」


クレア「――い、急がないと! そう遠くない未来にレイさんが……!!」

クロシュ「!?」

ミラ「どういうことですか……!?」

クレア「あ……く、詳しく説明してる暇はありません! とにかく、王都南区へ急ぎましょう!」タッタッタッ

クロシュ「ん! 分体のみんなも……!!」

透明分体ちびクロシュたち「〜〜!」モニョニョ! ピョンピョンピョン!

 *

―王都セイントレア南区 路地裏

追い詰められるレイ「あ、あわ、あわ……」ビクビク

隻腕の男「もう影には隠れられまい。鬼ごっこは終わりだ」ザッザッ

レイに迫る男たち「……」ザッザッ

追い詰められるレイ「助けてぇクロシュちゃんんんん!!!!」


 ベチッ!!

隻腕の男「ッ!?」グラッ

781 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2025/05/25(日) 22:28:53.14 ID:CpstZjfL0
男たち「隊長!? 何が――オゴッ!?」ドガッ!

透明分体ちびクロシュたち「〜〜!」モニョニョ!!
透明分体ちびクロシュたち「〜〜!!」ピョンッ ベチッ!!
透明分体ちびクロシュたち「〜〜!!!」ベチッ!! ベチッ!!

男たち「うわっ!」ドテッ
男たち「ふ、不可視の敵から攻撃を受けています! 隊長!」ドテッ

隻腕の男「ダメージは小さい! 無視しッ!?」グラッ
 隻腕の男の膝裏「」ベチンッ!!

隻腕の男(一発の威力は低いが、打点が不規則すぎる……!? 何なのだ、こいつは……!?)グラァ


レイ「えっ、えっ……!? クロシュ、ちゃ――」

 反映魔法弾「」ピュン!

透明レイ「わわっ!?」ポン!


透明ミラ(レイ!!)ガシッ

透明レイ(えっ、ミラ……!?)

透明ミラ(急いで離れるよ!!)

透明レイ(う、うん……)


隻腕の男「逃さん!!」カッ!!

 重力「」ズン!!

透明レイ「うわあ!」ドテッ

透明ミラ「うぐっ……!?」ガクッ

透明分体ちびクロシュたち「〜〜!!」モニャニャニャ!!


隻腕の男「そこにいたか。我が重力圏からは逃げられんぞ」ザッザッ


透明ミラ「ぐっ……く、そ……!」グググ

透明レイ「あ、ああ……」ガクガク


隻腕の男「これは……透明の使い魔の群れか」

透明分体ちびクロシュたち「〜〜…」モニャニャ…

隻腕の男「まずこいつらから踏み潰しておこう」ザッザッ

透明分体ちびクロシュたち「〜〜…」デロデロ…


透明レイ「だ、だめ……だめ……」ゴゴゴ…


 隻腕の男の足「」グオオオッ――


透明レイ「だめ……だめ、だめ、だめ……だめェ――」ゴゴゴゴゴ…!!!!


透明スライムクロシュ「〜〜!!」ギュンッ!!

  ドゴォッ!!!

隻腕の男「ぐおっ!? でかいのもいるのか……!?」ヨロッ

透明スライムクロシュ「〜〜!!」モニョニョニョ!!

透明レイ「あ……くろ――」

 バックン!!
  シュバッ!!

 ◇
782 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2025/05/25(日) 22:30:09.29 ID:CpstZjfL0
―聖ヴァレリオ教会

レイ「はひぃ、はひぃ……クロシュちゃんのナカで、運ばれちゃったぁ……」ビクンビクン

ミラ「本当に助かったよ、クロシュちゃん。君がいなかったら、僕もレイも奴らに捕まってた……」

クロシュ「ん……!」

ミラ「分体のみんなは無事?」

クロシュ「うん! みんな、ちゃんと回収、した……!」

ミラ「良かった……」ホッ

レイ「ほんとに良かったよぉ〜〜!! 私のせいでクロシュちゃんの分体ちゃんが酷い目に遭ったりしたら死んでも死にきれないもん!!!」

ミラ「クレアさんも……本当に、ありがとうございました……。クレアさんが察知してくれなかったら、きっと間に合わなかった……」

クレア「あ……いえ……。間に合って、良かったです……」

レイ「……はっ!? こ、ここってロイエの教会!?」

ミラ「大丈夫だよレイ、クレアさんはちゃんとした人だから」

レイ「で、でも……私を追ってた奴らって、ロイエだよ!」

クレア「……!!」


クレア(やっぱり……さっきの隻腕の男性……私の、見間違いじゃなければ――)


 扉「」コンコン


レイ「!?」
クレア「!!」
ミラ「……」
クロシュ「……」


「クレア殿はいらっしゃいますか?」

783 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2025/05/25(日) 22:30:38.28 ID:CpstZjfL0

クレア「……はい。どちら様でしょうか?」キィィン―

「こちらは修道士ガルシア・シモンズ。中に入っても?」

クレア「……ただいま、掃除中で埃が舞い上がっていまして……」

「構いません」

 ガチャッ

隻腕の男→ガルシア「……これは……」

 舞い上がる埃「」ブワブワ

クレア「だから埃が舞っていると……」

ガルシア「失礼……。しかし、これは埃が舞いすぎでは? 聖ヴァレリオ教会ではこれほどまでに埃が積もるまで掃除をしないのですか?」

クレア「……申し訳ありません。少々疎かだったようです」

ガルシア「今後はまめに掃除を行うように。ところで……こちらに、髪がボサボサの少女が来たか……あるいは、運び込まれたりはしませんでしたか?」

クレア「髪が――」タラ…

 窓「」
  風「」ヒュルヒュル――
   舞い上がる埃「」ブワワワッ

クレア「っげほっげほっ!」

ガルシア「エホッエホッ! そ、掃除は窓を閉めてからした方が良いのでは……? エホッ!」

クレア「す、すみません……」

ガルシア「それで……髪がボサボサの少女について――」


 階段「」ギッギッ

髪ぼさぼさミスティ?「ふわあ……よく寝たわ……」スタスタ


クレア「ああ、あの子のことですか? 彼女はミスティさんと言って、先日からここに宿泊している巡礼者でして――」

ガルシア「……いや……わかりました。もし不審な人物を見かけたら、私か他の司祭にすぐさま連絡を」

クレア「あ、はい。かしこまりました」

ガルシア「それでは失礼します。クレア殿に神のご加護があらんことを」スタスタ

 扉「」ガチャ パタム


透明ミラ「……」

透明レイ「……」ガクブル

風クロシュ「」ヒュルヒュル

髪ぼさぼさミスティ?「クレアさん、おはよう。昨日のお風呂は、デロデロになるくらい気持ちよかったわ……」

クレア「え、ええと……」


 階段「」ギッギッ

ミスティ「……何やらただならぬ気配を感じて様子を見ていたら……髪がぼさぼさの私に擬態なんかして、何のつもりよ……クロシュ……」ヌッ

髪ぼさぼさミスティ?「あ……ばれちゃった……」

 モニョモニョ…ポン!

分体スライムクロシュ「〜〜!」モニョニョ!

クレア「」クラクラ

ミラ「クレアさん……!」

 ◇
784 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2025/05/25(日) 22:31:14.51 ID:CpstZjfL0
クレア「はあ……一応、未来氏の魔眼でガルシアさんが帰るところまでは視えていたので、なんとかがんばったのですが……髪がぼさぼさのミスティさんの正体まではわかっておらず……」

ミラ「未来視の魔眼……! その力で僕たちを助けてくれたんですか……!」

クレア「あっ……え、ええと……その……」

クロシュ「未来、みえるの……!? すごい……!!」

レイ「そ、そんなすごい力を私なんかの為に……!? さ、さっきは失礼なことを言っちゃって、すみませんでしたっ……!!」

クレア「あ、いや……あはは……」

ミスティ「なるほど……経緯はよくわからないけど、レイの確保に成功したということね」

クロシュ「うん!」

レイ「あっ……わ、私……これから、どうなるんですか……!?」

クレア「……そ、そうですね……。ガルシアさんが何を考えているのかはわかりませんが、あの様子は尋常ではありませんでした……。指名手配犯の逮捕であれば、王都の正規兵やロイエの神官戦士たちと共に行えば良いはずなのに……」

ミラ「あのおじさんは、一体何なんですか?」

クレア「……ガルシアさんは、穏健派に所属する司祭の一人です。元は王国の騎士だったのですが、今では誰よりも誠実に穏健派としての活動を行っている……はずの、人です……」

ミラ「えっ、あのおじさん穏健派なんですか……」

クレア「そのはずです……。でも、どうして……」

レイ「で、でもクレアさんは……あいつらとは違うんですよね……!?」

クレア「……もちろんです。レイさんを野放しにするわけにはいきませんが……だからと言って、先程のような恐ろしい方々を引き連れたガルシアさんに引き渡すわけにもいきません……」

レイ「え、ええ〜……」

クレア「聖ヴァレリオ・ファルネーゼンは、人であろうとも、悪魔であろうとも、救いを求める者は等しく救われるべきだと説いた人物です。そしてこの聖ヴァレリオ教会を任された司祭代理の修道女であるクレア・フォーサイトも……聖ヴァレリオを準ずる意思があります。私は……絶対に、レイ・アンバーさんを見捨てはしません」

レイ「クレアさんんん……!」ジワワ

クロシュ「わあぁ……!」

ミラ「クレアさん……ありがとう……!」

ミスティ「かっこいいわ……!」

クレア「ひとまず今は……レイさんを、当協会の地下壕に匿いましょう。先日の枢機卿と王国の黒い繋がりが露見した今、王国の司法機関も信用できません。セクリエ・ロイエは言わずもがなです」

レイ「ち、地下壕……! なんかワクワクする……!!」ウキウキ

クレア「レイさん……私は指名手配犯であるあなたを許したわけではありません。ロイエと王国の司法が正常に機能していると判断できるようになるまでの、一時的な措置であることを忘れないようにお願いします」

レイ「あうぅ……はい……」ガックリ

ミスティ「地下壕なんてあったのね。でもそこは大丈夫なの? バレない?」

クレア「地下壕の存在自体は公に知られていることですが、地下壕の奥には隠し通路がありまして。その通路の先に、かなり広めの居住スペースが設えられているのです。恐らくは戦争に備えて造られたものかと思われますが、建築資料にも載っていないので露見する可能性はとても低いと思います。私が発見できたのも、偶然でして」

ミラ「でも本当にすごいや……! 僕、クレアさんのこと本気で好きになっちゃいそうです」

クレア「もう……冗談はほどほどにしてくださいね」


 ☆目標「レイの行方を追う」を達成しました

 ☆レイさんを地下壕に匿いました

 ☆地下壕が開放されました

 ◇
785 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2025/05/25(日) 23:04:42.98 ID:CpstZjfL0
―午後
 王都セイントレア 中央広場

 ワイワイ ガヤガヤ

妖精「まさかあっさり確保しちゃうなんて。やるなあ」

クロシュ「んへへ……レイさんのこと……解決……!」

妖精「そだね。これでレイの魔法についてあれこれ悩まなくても良さそうかな?」

クロシュ「でも……今度は、穏健派も……怪しくなってきたんだって……」

妖精「そ、そうらしいね……。一つ解決すると一つ変な問題ができるなんて、勘弁して欲しいなあ」

 ワイワイ ガヤガヤ
 シンノタダシイセカイ!! シンノタダシイセカイ!!

妖精「んで今度はデロデロ教だ。あいつらはトンチンカンだけど、陰謀とかそういうのとは無縁だから今は良い清涼剤かも……」

クロシュ「んへへ……」

 シンノタダシイセカイ!! シンノタダシイセカイ!!
 ダマサレテハナリマセン!! ダマサレテハナリマセン!!

妖精「んあ……?」

クロシュ「……?」


穏健派司祭「世界をデロデロにして救うなどという思想は悪魔がもたらす破滅に他ならない!!」

デロデロ教徒「違います! 世界がデロデロになれば、争いも、悲しみも、何もかもが一つに溶けて、平和になるんです!! それは救いであって、破滅なんかでは決してありません!!」

穏健派司祭「騙されてはなりません、民衆よ!! デロデロになるとはつまり、死ぬのと同じ!! この邪教徒は、全ての生命は等しく死ねと言っているのだ!! 皆さん、こいつらは悪魔なのです!! 信じてはなりません!!」

デロデロ教徒「ち、違うよぉ……そんなこと、言ってないのに……」モニャニャ…


 ガヤガヤ… ザワザワ…


妖精「あ、あれは……ロイエ教の司祭が、デロデロ教徒を言い負かしてる!!」

クロシュ「……!!」

妖精「考えても見れば当然だ……長年に渡って宗派同士でぶつかり合って討論の技を磨いてきたロイエ教に対し、発足して間もないデロデロ教の討論力はとても低い……!! 言わばデロデロ教は、あかちゃん宗教……!! 大陸最強の歴戦教であるロイエと討論の場で勝てるわけが――」


「待った!!」バン!!


妖精「えっ……この声は――」

クロシュ「!!!」
786 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2025/05/25(日) 23:07:09.91 ID:CpstZjfL0
導師僧侶「こちらが言ってもいないことを捏造し、悪質なレッテルを貼って貶めるのが穏健派のやり方なんですか?」ドン!

穏健派司祭「何……!? 貴様……原理派の、僧侶……!!?」

導師僧侶「いいえ……。私は、ロイエ教デロデロ派の導師――僧侶・オーバーエンド!!!!」デデン!!

穏健派司祭「な……に……!? 私は原理派ではないが……捧げたはずの名前を勝手に戻すのは冒涜ではないのか!?」

導師僧侶「オーバーエンドは元々の名字ではありません。そして――ロイエ神に名を捧げた後、新たな名を名乗ってはならないという決まりはありません!!!!」

穏健派司祭「なん、だと……!?」

導師僧侶「少々脱線してしまいましたね、話を戻しましょう。まずデロデロ派の理念としては、この世の全てを溶かして、痛みも悲しみもない完全な調和を目指すこと――。そしてあなた方穏健派は、デロデロになることは死ぬのと同義だと言いましたね」

穏健派司祭「ああ、そうだとも。脱線してしまったが、よく聞いていたようで何よりだ」

導師僧侶「私たちデロデロ派は、デロデロになることを死だとは考えませんが、ここはあなた方に譲歩して一旦死と同義という仮定を用いましょう。ここで穏健派に問いますが――死ぬことは、悪いことですか?」

穏健派司祭「――は?」

導師僧侶「考えてみてください。差別、闘争、憎悪、破壊、混沌……全て、生から生じるものです。死という静謐からそれらが生まれることは決してありません。穏健派はつまり、今挙げたような苦痛の温床を容認する立場と考えてよろしいですか?」

穏健派司祭「馬鹿な!! 今僧侶殿が挙げたものは、神の教えを解さぬ愚民によるものがほとんどであろう!! 穏健派がそのようなものを容認するはずが――」

導師僧侶「つまり穏健派は、神の教えを解さぬ者に救われる価値はないとお考えなのですか!?」

穏健派司祭「そうは言っていない!! いずれ全ての民が穏健派の思想を解すれば、この世から今僧侶殿が挙げたような苦痛は消え去るはずだ!! その過程こそが、神が我らに課した試練!!」

導師僧侶「その試練の過程で苦しんで死んでいく者たちは、どうでもいいと!!? 救われなくても仕方ないと!!? そう言いたいのですか!!?!?」

穏健派司祭「……違う!! それは……それは、我ら穏健派の至らぬ、罪だ……!!! 救えなかった魂の分だけ……我らの罪は、重くなるのだ……!!!」

導師僧侶「なんですかそれは!!? 罪が重くなったらどうなるんです!!? その罪で今まさに苦しんでいる命たちが救われるんですか!!?!? 罪の重さとかいうよくわからないもので自己憐憫に浸って気持ちよくなってるだけじゃないですか!!?!?!?」

穏健派司祭「死後、罪の重さに応じて行く場所が決まるのは貴様も知っていよう!!!! 救えなかった分、我らは地獄に堕ちて――」

導師僧侶「地獄ってどこにあるんです!!?!?!? この世が、あらゆる命を苦しめて痛め付け続けるこの世界こそが正真正銘の地獄じゃないですか!!!?!??!???」

穏健派司祭「な、なんだとォ……」

導師僧侶「私たちは、ただこの腐り切った最低の世界を正したいだけなんです!!!!! 何もかもが溶けて、一つになれば、その時点でそれ以上の犠牲者は生まれない……!!!! 星に還っていった命たちとも、まためぐり逢えて――最期に、最高の大団円を、迎えられるんです!!!!! 上が言ったことをそのまま鵜呑みにして考えようともしない穏健派だの原理派だのに、邪魔されてたまるもんですか!!!!!! 真の正しい世界こそが、世界を救うんです!!!!!」

穏健派司祭「う、うごぉァァァァァ!!!!」ドッギャァァァァァン!!!!

導師僧侶「ふん……悲しみを知らぬ者に、説ける道理などありません」ファサッ


  ウオオオオオオオ!!!! ワワアアアアアアア!!!!!
    シンノタダシイセカイ!!!! シンノタダシイセカイ!!!!!!
787 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2025/05/25(日) 23:08:02.50 ID:CpstZjfL0
導師僧侶「あっ、しまった……つい興が乗って原理派時代の討論テクニックを使ってしまいました……。こんな口喧嘩ごっこなんかしても何にもならないのに……。いやまあ、デロデロ思想が広まるなら良しとしましょうか……」


  パチパチパチ…


導師僧侶「!?」

教皇ユグド「素晴らしい討論でした。僧侶・オーバーエンド導師」ヌッ

導師僧侶「きっ……教皇……!!?」


 ザワザワ…


教皇ユグド「しかし残念ながら、この王都で異教徒による宗教活動は禁止されております。速やかにお立ち退きを」


導師僧侶「……失礼しました」ソソクサ

デロデロ教徒「えっ!? 僧侶ちゃんなんで……? あのおじさんは言い負かしちゃわないの……?」

導師僧侶「相手が悪すぎます……! それに実際異教の宗教活動を禁じる法律があるんです……実際に使われたところを見たことがなかったので甘く見ていましたが……」

デロデロ教徒「そ、そんなぁ……!!」

導師僧侶「問題ありません。討論ごっこなんてただのお遊びですから」



クロシュ「僧侶さん……!」トコトコ

妖精「僧侶!」パタパタ



導師僧侶「あれは……クロシュさんに妖精さん!」

デロデロ教徒「えっ、クロシュさんって導師クロシュさま……!?」

 ◇
788 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2025/05/25(日) 23:28:10.32 ID:CpstZjfL0
―王都セイントレア 喫茶店

 カランカラン

店員「お待たせいたしました。紅茶とセイントレアチーズケーキになります」スッ

 紅茶「」ポン ホカホカ
 レアチーズケーキ「」ポン

クロシュ「わあ……!」

デロデロ教徒「わわあ……!」

導師僧侶「ありがとうございます」

店員「ごゆっくりお過ごしくださいませ」ペコリ スタスタ

 *

クロシュ「〜〜♪」モニョモニョ モグモグ

デロデロ教徒「〜〜♪」モニョモニョ モグモグ

導師僧侶「ん〜♪ ここの味はいつ来ても変わりませんねえ……」モグモグ

妖精「前にも来たけど、ここのケーキは美味しいね。妖精の私の味覚にも合う」

導師僧侶「へえ〜そうなんですねえ。種族を越えた美味しさ……良いお店ですね」

 *

デロデロ教徒「んわわ〜! クロシュさまと一緒にごはんなんて、かんげきです……!!」モニョニョ

妖精「食べ終わってから言うのか……」

デロデロ教徒「だ、だってぇ……ケーキ、美味しくて……」

クロシュ「んへへ……おいしかったから、仕方ない……!」

妖精「そういえば僧侶、この街にいて大丈夫なの? 裏切り者の異端派として始末とかされない?」

導師僧侶「今ロイエ教はそれどころじゃないので大丈夫ですね。原理派は御存知の通りお尻が絶賛炎上中ですし、穏健派は元原理派の私なんてどうでも良いでしょうから」

妖精「へえ、まあ大丈夫ならいいか……あっ、それより今聖女が大変なんだよ! 顔を見せてあげてよ!」

導師僧侶「えっ聖女が? あの子は魔族国にいるんじゃ……?」

妖精「いろいろあって今は聖ヴァレリオ教会にいるんだけど、父親も姉も行方不明で枢機卿もあんなんで、かなり参っちゃってるみたいなんだ。僧侶が顔を見せてあげたら少しは元気が出ると思うし……」

導師僧侶「い、いやでも……私なんかがあの子と顔を合わせる資格なんて……。余計に塞ぎ込まさせちゃうかも……」

クロシュ「んゅ……」

デロデロ教徒「僧侶ちゃん……」

妖精「以前の傲岸不遜で我儘放題だった僧侶はどこいったの? さっきの討論ごっこみたいにガンガンいこうよ」

導師僧侶「いやでも、聖女相手にそんなデリカシーのないことをするのは……」

妖精「うるさい、つべこべ言うな!! ケーキ持ってお見舞いに行くんだよ!!」ゲシッ

 ◇
789 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2025/05/25(日) 23:29:27.79 ID:CpstZjfL0
―夕方
 聖ヴァレリオ教会 聖女の宿泊室

ぼさぼさ聖女「……」ゲッソリ

ぼさぼさ聖女「……クレアさんに……迷惑を、かけています……。きっと、クロシュちゃんたちにも……心配を……」

ぼさぼさ聖女「………」

ぼさぼさ聖女「………明日から……がんばらなきゃ……」ボフッ

 コンコン

ぼさぼさ聖女「!」ビクッ


クレア『聖女、いますか? あなたにお客様です』

ぼさぼさ聖女「私に……?」ノソッ

クレア『クロシュさんと、妖精さんと――』

ぼさぼさ聖女(クロシュさん……妖精さん……。あ、こんなカッコで会ったら失礼かな……)

クレア『―――僧侶さんです』

ぼさぼさ聖女「えええっ!?!!?」ドテッ!!

 ゴロゴロッ ドガッ!!

クレア『聖女!?』

 扉「」ガチャッ!!

導師僧侶「聖女!」タタッ

クロシュ「聖女さん!」トテトテ


ぼさぼさ聖女「あ……お、お姉ちゃん……クロシュ、さん……」

 ◇

―聖女の宿泊室

聖女「す、すみません……みっともないところをお見せして……」

妖精「いや、構わないけど……具合は大丈夫なの? 出直そうか?」

聖女「あ、いえ……だ、大丈夫です! せっかく来ていただいたので、おもてなしを……」

導師僧侶「……病人は病人らしくしていなさい。はい、お土産です」スッ

 セイントレアチーズケーキ「」ポン

聖女「あっ……この、ケーキ……」

導師僧侶「昔と変わらない味です……。早く具合を治すことですね……」

聖女「は、はい……。ええと……あ、ありがとう……お姉ちゃん……」

導師僧侶「………どういたしまして」



デロデロ教徒(んわわ……なんか、ぎこちない……)モニャニャ

クロシュ(んゆゆ……)

妖精(イリスとティナもだったけど、人間が久しぶりに家族に会うとこういう風になるもんなのかなあ……。無理に連れて来たのは失敗だった、なんてならないよね……?)


ど、どうしよう……
↓1〜2選択
1.デロデロの話をする
2.レアチーズケーキの話をする
0.自由安価(状況にそぐわないものは再安価)
790 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2025/05/25(日) 23:30:30.96 ID:6IZhgnao0
0とりあえずお風呂にさそう
791 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2025/05/25(日) 23:31:49.88 ID:5tLLJz6Oo
2
792 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2025/05/26(月) 00:43:31.71 ID:GiGfx6YH0
―聖ヴァレリオ教会 地下浴場

 カポーン…

スライムクロシュ「〜〜…♪」デロデロ

スライムデロデロ教徒「〜〜〜…♪」デロデロ

聖女「教会の地下にこんなでっかいお風呂があったなんて……」チャプン

妖精「今日……いろいろあって、クレアが地下壕を開放してくれたんだ。掃除も済ませてあるから、試運転がてらみんなで入っていいってさ」パシャ

導師僧侶「むう……ここ、こじんまりとした教会だと思ってたのに。こんな良い施設があるのを考えるとそこらの教会よりずっと良い場所じゃないですか。ズルです。穏健派はやはりズルの温床ですね」

聖女「ま、まあまあ……。お姉ちゃんはもう、原理派じゃないんですよね……?」

導師僧侶「そうです。あんな腐った差別主義者共の集まりになんか二度と戻るもんですか」プンスコ

聖女「わあ……。ほんとにデロデロ派になったんですね……!」

導師僧侶「あれ、知ってたんですか?」

聖女「クロシュさんたちに教えてもらったんです。お姉ちゃんが原理派をやめてデロデロ派になったこと……」

妖精「聖女になら良いでしょ?」

導師僧侶「まあ、聖女なら良いです。ていうかまあ……今日の活動で私のことは既にバレバレになったでしょうし」

聖女「何をしたんですか?」

妖精「大勢の見てる前で穏健派の司祭を言い負かしてた」

聖女「わあ……」

導師僧侶「……悪気はありませんでした。ただ、ウチのそいつがボコボコに言われて、ちょっと腹が立ちまして……」

スライムデロデロ教徒「〜〜♪」モニョニョ

聖女「ふふ……スライムのデロデロ教徒さんなんですね」ナデナデ

スライムデロデロ教徒「〜〜♪♪」モニャニャ デロデロ


導師僧侶「それにしても……」

 聖女の豊満な双丘「」ポヨン

 僧侶のなだらかな双丘「」ナダラカ

聖女「どうかしましたか、お姉ちゃん」ポヨン

導師僧侶「いえ……別に? 私は何とも思っていませんが?」

聖女「?」ポヨン

スライムクロシュ「?」モニョ?

妖精「え、何の話?」

 *
793 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2025/05/26(月) 00:46:14.61 ID:GiGfx6YH0
―聖ヴァレリオ教会 聖女の宿泊室

デロデロ教徒「んん〜! 気持ちよかった……!」モニョニョ

クロシュ「うん……!」

聖女「あんなお風呂が地下にあるなんて、確かにズルですねえ……」

導師僧侶「さて、お風呂を上がったのならあれを食べましょう。保冷庫に入れておいたので、風呂上がりには丁度良く冷えているはずです」スッ

 レアチーズケーキ「」ポン!

 *

スライムデロデロ教徒「〜〜♪」モニョモニョ モグモグ

スライムクロシュ「〜〜♪」モニョモニョ モグモグ

聖女「……ほんとに、変わらない味ですね……」

導師僧侶「………」

聖女「………お姉ちゃんと……また、会えて……嬉しいです……。お姉ちゃんまで、いなくなっちゃったら……」グスッ

導師僧侶「……えっ。なんか死んだことにされてたんですか、私?」

妖精「行方不明扱いだったんだよ。僧侶と、僧侶のお父さんの……大司祭って人と一緒に……」

導師僧侶「えっ……!? お父様……大司祭が行方不明……!?」

聖女「はい……。だから……私、もう、会えないんじゃないかって……怖くて……」

導師僧侶「そ、そうだったんですか……。ごめんなさい、そうとも知らず心配をかけてしまったんですね……」

聖女「い、いえ……! 私が……勝手に、うじうじしてただけで……お姉ちゃんが悪いわけじゃ……」

導師僧侶「いや……私が姉としてもっとちゃんとしてれば……」

クロシュ「……レアチーズケーキ……昔から……食べてるの……?」

聖女「……はい。昔……修道院に預けられる前に、お父様が買ってきてくれたレアチーズケーキを、お姉ちゃんと二人で食べたのを覚えています……」

導師僧侶「……また……二人で、食べようと思って買って来たんですけど……まさか、お父様が行方不明だったなんて知らず……」

クロシュ「………じゃあ、探す……!」

聖女「えっ……?」

クロシュ「わたし……聖女さんと、僧侶さんの、お父さん……探す……!!」

デロデロ教徒「んわわ〜〜!」モニョニョ!

妖精「クロシュ……!」

導師僧侶「で、ですが……クロシュさんにそこまでしていただくわけには……」

クロシュ「んーん……わたし、探す……!! 探したいから……探す……!!」

 ☆努力目標「大司祭を探す」が追加されました

 ☆全ての努力目標が出揃いました

 *
794 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2025/05/26(月) 00:56:48.36 ID:GiGfx6YH0

クロシュ「ところで……レアの意味……しってる……?」

聖女「えっ……?」

デロデロ教徒「レアの意味……?」モニョニョ

導師僧侶「レアって、レアチーズケーキのレアですか?」

妖精「クロシュ……まさか……」

クロシュ「レアの意味は……はんぶんナマ……」

デロデロ教徒「はんぶんナマ……!」モニョニョ…!

クロシュ「だから……セイントレアは……せいんとの、はんぶんナマ……」

デロデロ教徒「んわわ〜! せいんとの、はんぶんナマ……!?」モニョニョ!?

聖女「なるほど……それじゃあレアチーズケーキは、はんぶんナマのチーズケーキですね!」

クロシュ「わ……! うん……たぶん、そう……!!」

導師僧侶「実際、レアチーズケーキはベイクドでもナマでもないはんぶんナマのチーズケーキと言えますが……しかしセイントレアのレアは、本当にその意味なのでしょうか……? 流石に安直すぎるのではないかと……」

妖精「人間以外の種族に対する苛烈な姿勢を見ると、セイントレアというよりセイントウェルダンだよね。国王も炎属性の魔剣士らしいし」

クロシュ「せいんと……うぇるだん……?」

聖女「ウェルダンはこんがりって意味ですよ。クロシュさん」ニコニコ

クロシュ「わあ……! じゃあ……せいんとの……こんがり……!!」

デロデロ教徒「んわわ〜! せいんとの、こんがり!」モニョニョ キャッキャ

妖精「しまった……余計な知識を教えてしまった」

導師僧侶「ふふ……でも、こういうのも良いですね」

 ◆
795 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2025/05/26(月) 00:57:35.20 ID:GiGfx6YH0
というわけで本日はここまでとなります

隻腕の男ガルシアの追跡を振り切り、無事にレイを確保したクロシュたち。穏健派でありながら自らの信じる正しさを貫く覚悟を固めるクレア。地下壕に匿われてひと安心のレイ。善の顔を持ちながら裏で暗躍する隻腕の男ガルシア――。数多の運命が交錯する中、状況は刻一刻と変化していく――

そしてクロシュと妖精は、穏健派と激論を交わすデロデロ導師僧侶・オーバーエンドの姿をついに目撃してしまう――。僧侶は司祭を打ち負かすことに成功するものの、教皇には尻尾を巻いて逃げる他なく――紆余曲折あって妹の聖女と再会し、積もる話を交わしてチーズケーキを食べるのであった
問題はまだ山積みだが――今だけは、しばしの安息を――

それでは本日もありがとうございました。次回は土日となります、よろしくお願いいたします
796 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2025/05/26(月) 01:36:12.51 ID:aIICbcb0o
おつでした
僧侶さんが味方になったらこんなに頼もしいなんて、セインに当たってた時からは想像もできなかった
ボサボサミスティかわいい
797 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2025/05/26(月) 13:58:40.59 ID:a3KjSetrO

僧侶さん味方化は熱いけどしれっとエンド姓を名乗ってたりレスバしてたりで草
デロデロ教徒ちゃんはアホかわいい
やっぱりデロデロ教ってスライムに人気なのかな?
798 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2025/05/27(火) 07:01:36.00 ID:ZgH4GTtvO
乙です
レイを無事見つける事が出来て良かった
レイを匿っている地下壕にも何かあるのかな?
799 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2025/05/31(土) 08:01:14.65 ID:IwOAxoE50

聖女様妹キャラだったか・・・だかたフラナ氏どこか気が置けなかったのかな。
800 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2025/05/31(土) 16:32:04.01 ID:njt9MtaE0
以前の僧侶氏は、世界の命運がかかっているというプレッシャーや父の期待に応えたい意地やらで少々余裕がなかったのかもしれません
今回クロシュ氏が寝起きのミスティ氏は髪がぼさぼさであるかのような風評を撒き散らしましたが、ミスティ氏はいつも寝る時に髪を簡易的にまとめている為、寝起きでもぼさぼさになることはあまりありません(それでもちょっとふわふわな寝癖が付くことは時々あります)。旅人といえど身だしなみにはしっかり気を遣っているようです。毎晩イリス氏が即席お風呂を沸かしてくれるため、実のところ一人で旅をしていた時よりも髪や肌の状態は良いようです

end over end でくるくる回転するという意味がありますが、僧侶氏は意味などは特に考えず格好良い響きだと思ってオーバーエンドと名乗ったようです
デロデロ教徒氏は、実のところスライムです。そしてデロデロ教は実際スライム類からの人気が比較的高いです。世界がまるごとデロデロになるというお話は大抵のスライム類にとってそれほど受け入れがたいものではないため、他の種族よりも信仰のハードルが低いようです(シズクちゃんなど、デロデロ世界を嫌がるスライムもいます)

レイさんは未来視の魔眼を持つクレアお姉さんの協力もあり、あっさり確保することができました。これはネタバレですが、もしレイちゃんを確保できていなかったばあい命の危険がありました。しかし確保できたので恐らくもう大丈夫かと思われます
地下壕はクロシュさんたちの視点では未探索エリアとなっているため、探せば何かあったりするかもしれません。特にレイさんを匿っている隠しエリアには大昔の蔵や本棚などが手つかずの状態で残っているため、掘り出し物があるかもしれません。探したり持ち出したりしたい場合はクレアお姉ちゃんに聞いてみると良いでしょう

聖女氏は聖女などという立派な肩書で呼ばれてしまっている人ですが、内面的にはまだまだ大人になり切れない妹気質の子供と言えなくもないかもしれません。理想を諦め、世界の理不尽さを受け入れ、心を殺して生きることを大人になると言うのであれば、大人になんてなりたくないなあ――と小さい頃の聖女氏は思ったそうです。そしてそういう観点で言えば、聖女氏は聖職者として一人前となった今でも大人にはなれていないのかもしれません。しかしそんな聖女氏の努力が、現魔族国における人魔対立の緩和に小さくない影響を与えているのもまた事実であります。フラナ先生もそれはわかっているため、邪険にできないのかもしれません

 *

そして実のところ、前回の自由行動前のコンマ判定で反対運動激化が発生していたことをすっかり忘れていたので、まずはそこの描写から再開していきたいと思います。よろしくお願いいたします
801 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2025/05/31(土) 16:32:31.43 ID:njt9MtaE0
 一方その頃――

―夕方
 王都セイントレア 中央広場

 ワイワイ ガヤガヤ

グランドマスター「王都の民よ! 根拠なき風評に騙されてはなりません! 今こそ人間の力で団結し、邪智暴虐の魔族たちを攻め滅ぼすべき――」

 シュバッ

変装ハーピィ記者「カリス・ノーランド死刑囚と取引を行い、処刑したと見せかけて秘密裏に生かしロイエ教内部に匿っていたという先日の報道は事実ですか!?」ヌッ

グランドマスター「……!」

変装ハーピィ記者「否定しないということは事実だとお認めに――」

グランドマスター「――事実ではありません。誤情報の拡散は名誉毀損、信用毀損となりますのでお控えください」

変装ハーピィ記者「しかしあの映像では枢機卿自身が堂々とカリス・ノーランドを飼っていると断定していたようです!」

グランドマスター「あれは私ではありません。魔法か何かによる偽装であると――」

変装ハーピィ記者「背景は枢機卿の勤務している聖域の間でした! それに偽装なら、カメラマンとインタビュアーに対し攻撃的な態度を取ったり、実際に戦闘行為に及ぶ必要はないはずでは!?」

グランドマスター「あれは恐らくリアリティの追求の為に――」

活動家の男「人質の存在を無視して魔族国を攻めるというのは事実ですか!? お答えください、グランドマスター卿!」ヌッ

グランドマスター「だからあれは私ではないと……」

王族の令嬢「人質の中には王家のマリーお姉様や、当時旅行中だったわたくしの学友もいるのですわ! グランドマスター様は捕虜は知性なき害獣だから殺して差し上げるのが幸せだなどと仰いましたわね!? あれがどのような了見による発言なのかはっきり答えてくださいまし!!」ヌッ

グランドマスター「だ、だからあれは私では……!」

民衆「戦争反対!!差別反対!!」
民衆「人殺し!!!魔族殺し!!」
民衆「ヘイトスピーチ野郎!!!」

 投石「」ポイポイ
  投石「」ポイポイ

   パシッ パシッ

ティナ「……日を改めた方が良いのでは?」

グランドマスター「ぐぬぬ……仕方ありません。計画を急がねば……!」クルッ ザッザッ

 ・反対運動が激化しています

 ◆
802 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2025/05/31(土) 16:33:21.68 ID:njt9MtaE0
―王都セイントレア 滞在8日目

◇クロシュ [あかちゃんスライム]
武:星霊の剣     盾:ラティアの大盾  飾:くすんだ耳飾り
武:竜珠の大杖    防:竜のエプロン   飾:不死鳥の羽根

◇妖精   [世話焼き妖精]
武:         盾:         飾:くすんだ耳飾り
武:         防:精霊のレオタード 飾:

◇イリス  [星の魔法使い]
武:蒼き星の杖    盾:         飾:くすんだ耳飾り
武:ブラッドランス  防:魔術師のローブ  飾:

◇ミスティ [氷の魔法使い]
武:氷の短刀     盾:         飾:くすんだ耳飾り
武:         防:氷竜革のローブ  飾:

◇ローガン [鋼の戦士]
武:蜥蜴一文字    盾:灼鋼の盾     飾:くすんだ耳飾り
武:鋼の回転ノコギリ 防:オリハル鎖帷子  飾:

◇エバンス [地の傭兵]
武:古代の鉄槌    盾:         飾:くすんだ耳飾り
武:魔銀の刀     防:硬質革鎧     飾:

◯所持アイテム
[道具]        [装備品]       [大事なもの]
運命賽*2       蜘蛛絹の下着      魔族国永久旅券
会心賽*1       ザリガニのお守り    フメイの服の切れ端
反魂丹*1       大きな巻き貝      精霊の印
鉄鍋+携帯調理器具   闇の欠片        精霊樹の実のジャム
「星の魔力」上中下   フリルワンピ水着    精霊樹の鉢植え+赤雷球
お宿の妖精の織物    魔法学園のスク水    フメイとアリシラの人形
魔導飯盒        ガラスのザリガニ    メルルの帽子
妨害魔力波発生装置   踊り子の双剣      溶岩石のアミュレット
属性大全        サボテンドラゴンの花  太陽のメダリオン
魔王図鑑        精霊のローブ      暗黒優待券
氷精の魔導書      精霊樹の杖[改]    冒険者証(ランク1)
ブラッドワイン*1   銀のナイフ       大魔女帝国渡航権
吸血鬼殺ワイン*1   ダイヤメリケンサック  かたたたきけん
魔術書「正負の属性」  パラサイトソード    大魔女帝国滞在許可証
吸血鬼の日焼け止め               風船印のパラシュート
日蝕の傘                    ラティア勲章
大魔女サイン*1                ユーシリア王家の紋章
古代のセラミック
ステライト鉱石
晴れ乞い傘
チョコスムージー
ヒヒイロカネ
氷魔力結晶
魔導書「絶対零度」

◯現在の目標
・フメイちゃんを探す
・世界樹の光を追う[4/5]
・最悪の未来を阻止する

◯努力目標
・カリスに造られた者たちを助ける
・戦争を阻止する
・大司祭を探す
・枢機卿の悪事を暴く(達成!)
・レイの行方を追う(達成!)

◯仲間の目標
・カリス・ノーランドを討つ(ミスティ)

◯経験値
・クロシュ 剣技[03/07] 魔法[06/07] 防御[00/07]
・イリス  杖術[00/06] 魔法[14/16]
・ミスティ 剣技[05/07] 魔法[11/16]
・ローガン 剣技[16/16] 魔法[06/08] 防御[07/08]
・エバンス 剣技[16/16] 魔法[07/08]
……………………………………………………………………………………
□王都セイントレア
王城:未探索
城下:教会、孤児院、市場、食事処、酒場、浴場、娼館、冒険者ギルド
   中央広場、公園、学校、図書館、博物館、劇場、闘技場、未探索
……………………………………………………………………………………
□セクリエ・ロイエ
大聖堂、大聖堂別館、美術館、庭園、お土産屋、未探索、他
……………………………………………………………………………………
803 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2025/05/31(土) 16:34:27.21 ID:njt9MtaE0
―朝
 聖ヴァレリオ教会 地下壕

 古びた机「」
 古びた椅子「」
 古びたソファ「」
 古びたベッド「」

レイ「はふぅ……」ノンビリ


妖精「おはよう、レイ」パタパタ

クロシュ「おはよ、ございます」トコトコ

イリス「レイさん! おはようございます、お元気そうで良かった……!」

レイ「あっ、イリスちゃん! クロシュちゃん! 妖精さん! れへへ、おはよォ……」ニコニコ

妖精「随分くつろいでるみたいだね?」

レイ「うん。でっかいお風呂に、ちゃんとしたベッド、ふかふかなソファまであって、しかも三食タダでお仕事なし!! こんなに良い暮らしで本当にいいのかなぁ……」

クロシュ「わあ……!」

イリス「……えっと、でもこれって軟禁みたいな感じなんだよね?」

妖精「うん……レイって一応指名手配犯だから、クレアはレイを匿いつつ監視できるようにはしておきたいみたいだし」

レイ「えへへぇ、クレアお姉さんになら全然監視されてもいいよぉ。私一生ここで暮らしたいなァ……」

イリス「ええ……外に出たいとかは思わないの?」

レイ「日の当たるところって怖いもん! ここなら船倉みたいにカビ臭かったりもしないし……!」

妖精「そういえばこいつ幽霊船の船倉に引きこもってたんだった……」

イリス「な、なるほど……」

クロシュ「わたしも、地下、すき……!」

レイ「はわわ、クロシュちゃんも!? ぇへへ……やっぱりクロシュちゃんは最高だね……!」

クロシュ「んへへ……」

イリス「クロシュちゃん、地下好きだったんだ……!」


王都セイントレア滞在8日目。15日目に何かが起こります

↓1コンマ ランダムイベント
01-60 なし
61-90 大魔女来訪
91-00 ??

↓2〜4 自由安価 何をする?
804 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2025/05/31(土) 16:35:21.84 ID:uNjRtAwoO
ダークヒーローイリス、反ロイエ派からスカウトされる
805 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2025/05/31(土) 16:35:24.86 ID:IwOAxoE50
イリス、母と槍の特訓
806 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2025/05/31(土) 16:35:43.01 ID:JE6uSo//O
ヴィアの手伝いで魔族助ける運動をする
807 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2025/05/31(土) 16:36:12.07 ID:MUMt/AYNo
カリスの実験体たちと再度交流
808 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2025/05/31(土) 18:27:38.13 ID:njt9MtaE0
―朝
 聖ヴァレリオ教会 宿泊室

妖精「さて、今日は――」

クローディア「まず私とお話しましょう」ヌッ

イリス「うわあっ!?」ドテッ

クロシュ「わ……!?」

ミスティ「大魔女……クローディア……!?」

妖精「いきなり入ってくるな!」

クローディア「悪いわね。あまり姿を晒したくないものだから許して頂戴」

 ◇

妖精「なるほど……大魔女帝国は魔族国と同盟を組んで、王国の暴虐に対抗するんだ」

クローディア「ええ、準備は着々と整っているわ。ただ、私の目的は戦争に勝つことではない……戦争の勝利は、あくまで最終的な勝利条件の一つなの」

エバンス「というと?」

クローディア「フリューゲル・バイオレットのことは知っているわね? 私の目的は彼女を救出することよ」

クロシュ「!」

ローガン「フラナ殿たちの母……バイオレット家の前当主か」

ミスティ「廃城の天守閣で私たちと戦った、あの恐るべき吸血鬼ね」

クローディア「ええ。カリスが生命を支配する手法についても以前の騒動を経てある程度解明できたわ。恐らく今の私なら、カリスに囚われている者たちを解放することができる。もしカリスが、新たな対策を編み出していなければね」

妖精「新たな対策……あっ!」

イリス「あの、溶けた魔力結晶……!」

クロシュ「!!」

クローディア「……何か心当たりがあるのね。やはりあなたたちに会いに来て正解だったわ」

 *
809 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2025/05/31(土) 18:28:04.67 ID:njt9MtaE0

 瓶詰めの溶けた氷魔力「」ポン

クローディア「これは……」

妖精「以前、カリスに操られた者が発動した氷魔法によって生じた魔力結晶……だったんだけど、今はご覧の有り様なんだ」

クローディア「なるほど……カリスの新たな対策というわけね」

エバンス「……つまり、これはどういうことなんだ?」

クローディア「魔力結晶が融解するということは、魔力の結び付きが解れてしまったということ。もしこれと同じことが体内で起きれば、恐らく魔力欠乏症になって死ぬわ」

クロシュ「!!」

クローディア「もし自分の体内で作られる魔力が軒並み溶けてしまうような状態に陥った場合、一生外部から正常な魔力を供給されなければ生きられない……。大魔女帝国の設備ならそれも不可能ではないけれど、自由は制限されるわ……」

ミスティ「……他の手はないの?」

クローディア「原因を突き止めて除去することができれば元の生活に戻れるはず。でも現時点では、これが呪いによるものなのか身体改造によるものなのかもわからない。できれば被害者本人の体を診たいところだけど……」

イリス「つまり……カリス被害者の誰かを連れてきて大魔女様に診てもらえば……!?」

妖精「でも連れ出すのは流石に難しいんじゃ……? クロシュ一人なら小型の分体を飛ばして行き来できるけど……」

クロシュ「んゅ……」

エバンス「ここに一瞬で侵入したみたいに、大魔女パワーでカリスのとこに侵入できたりしないのか?」

クローディア「既に試しているわ。危うく鏡の分身を一つカリスにくれてしまうところだった」

妖精「うわ……」

イリス「さ、最悪ですよそんなことになったら……」

クローディア「ええ。鏡の分身と言えど私は私。世界最高の大魔女の分身が一つでも奴の手に渡ったら、いよいよ世界の終わりよ」

妖精「めちゃくちゃ自己評価高いけど反論できない……」

ローガン「うむ……カリスの悪意と大魔女殿の魔導が合わさったら鬼に金棒どころではないだろう」

クローディア「まあ報告はそんなところよ。私の方でも調査を続けるけれど、もし何か進展があれば呼んで頂戴」

クロシュ「ん……!」

 ☆大魔女クローディアの協力を得られます

 ◇
810 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2025/05/31(土) 18:28:33.40 ID:njt9MtaE0
―セイントレア平原

イリス「とうっ、やぁっ!」
 ブラッドランス「」ブンッ ブンッ

ティナ「……」
 鉄の槍「」カンッカンッ


イリス(む、無表情で完全に捌かれてる……!)

イリス(いや、でも私の強みは……魔法だ!)


イリス「はっ!」バッ

 ブラッドランス「」ジャキッ!!

 高圧血流「」ドギュウンッ!!

ティナ「!」

 鉄の槍「」ヒュンッ!!

 高圧/血流「」スパッ

イリス「えええっ!!? き、切り裂かれた……!? 血流が、槍で……!!?!?」

ティナ「物質生成系の魔法攻撃は魔法防御を貫通しやすい反面、物理的な手段である程度防御できてしまうの。油断したね、イリス」スタ

イリス「い、いやでも……血流って液体だよ!? なんで槍で切り裂けるの!? 母さん銃使いだよね!?」

ティナ「私はもう魔法が使えないから、その代わりに武芸をある程度修めたの」

イリス「ある程度ってレベルなの……!?」


↓1コンマ
01-30 近接経験+1、魔法経験+1
31-60 近接経験+2、魔法経験+1
61-90 近接経験+2、魔法経験+2
91-00 近接経験+6、魔法経験+3、技を閃く
811 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2025/05/31(土) 18:30:34.40 ID:O352YF2f0
812 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2025/05/31(土) 20:25:18.02 ID:njt9MtaE0
 カンカンカンッ ドギュウッ
  カカンッ

イリス「ひい、ふう……」フラフラ

ティナ「うん……私の娘だけあって、近接戦闘の才能は人並みみたい……」

イリス「……ってことは、母さんは私と同じくらいの才能でそこまで上り詰めたってこと……!?」

ティナ「正しい方法で時間さえかければ、ある程度のところまでは誰でも上れるの」

イリス「そ、そうなんだ……」

ティナ「大丈夫。イリスは魔法が使えるから、ちゃんと鍛えれば私よりずっと強くなれる」


イリス(うっ……母さん、自分が魔法を使えなくなったことをさらっと言うけど、けっこう重いよ……!)


ティナ「……イリス?」

イリス「な、なんでもない……。頑張るよ、私」スクッ

ティナ「うん。応援してる」ニコ

 ☆イリスが近接経験2、魔法経験1を獲得しました

 ◇
813 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2025/05/31(土) 20:26:38.84 ID:njt9MtaE0
―王都セイントレア 闘技場

 ワーワー ワーワー

司会「それでは皆さんお待ちかね、年イチ開催のスーパーイベント、デッドリーバトルロイヤルコロシアムの時間だァァァァ!!」

 ワーワー!! コロセーッ!!

司会「本日の生贄はァ〜〜〜……こいつらだァッッッ!!!」



馬頭の戦士「……」

竜人の戦士「チッ……」

ゴブリンの盗賊「クソッ……! なんでおれがこんな目に……!」

コボルトの男「クゥーン……」

オークの男「へっ……どうせ死ぬなら最期に良い思いさせてもらおうかね」ジュルリ

マンドレイクの幼女「あぅぅ……」ジワワ…カタカタ…

野良スライム「……」デロデロ…

エルフの吟遊詩人「闘技場――悪意と熱狂が乱反射する、現世に舞い降りた地獄の一つ――…」ポロロン



クロシュ「……!」

分体ヴィア「今日は彼らの救出作戦を実施します」

妖精「救出って言ってもどうやるの? ここまで多くの目が見てる中じゃ……」

分体ヴィア「煙幕と散発的な破壊活動で会場を混乱させ、その隙に全員を回収し――」



司会「そして本日はスペシャル警備として、昆虫学者であり爵位もお持ちのガッタ・ファーブ氏をお招きしております!!」

ガッタ「ハァ……アズスーナズバックホームしたい……」ゲンナリ

司会「もし何か不審な動きがあれば何卒お願いします、ガッタさん!!」

ガッタ「ルックフォワードに検討させてもらうヨ……」



分体ヴィア「あれは、ガッタ・ファーブ……。少し困りました……。まさかただの警備にあんな者を投入してくるとは……」

妖精「どこかで見たことがあるような気がするけど……強いの? 見た目は変なおじさんだけど」

分体ヴィア「虫を使役します。魔族差別思想を持っているという話は聞きませんが、倫理観のないマッドサイエンティストらしいので危険な可能性が高いです。もし怪しい動きを見つければ躊躇なく毒虫を放って闘技場内の者たちを皆殺しにするかもしれません」

妖精「えっやばいじゃん……虫相手じゃ煙幕もあんまり意味ないし、破壊活動で混乱もしなさそうだよ?」

分体ヴィア「むむ……少し考えさせてください」

クロシュ「……」


どうする……?
↓1〜 先取2票
1.電撃作戦 素早く闘技場に降りてすぐにみんなを回収してとんずら!
2.不意打ち こっそりガッタの背後に回ってベチン!
3.炎熱殺虫 クロシュが炎で虫を足止めしてる隙にヴィアが救出!
4.ハニトラ クロシュがえっちなおねえさんに化けてガッタをろうらく!
5.運命賽  運命の導きに従う!(運命賽−1)
0.自由安価(票数は内容ごと)
814 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2025/05/31(土) 20:28:19.56 ID:OM6/BVmDO
3

いや、4も気になるけど!
815 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2025/05/31(土) 20:28:40.15 ID:JlkBIID0O
4
816 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2025/05/31(土) 20:29:08.50 ID:IwOAxoE50
0会場内で他に奴隷解放に協力してくれそうな人を探す
817 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2025/05/31(土) 20:36:57.23 ID:jf/uNL8NO
2
818 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2025/05/31(土) 20:38:05.80 ID:yRPScOigo
3
819 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2025/05/31(土) 21:19:36.67 ID:njt9MtaE0
クロシュ「……わたしが、炎で虫を足止めする……。ヴィアさんは……その隙に……」

分体ヴィア「えっ……でも……」

クロシュ「わたしは……大丈夫……! 透明にも、なれる……!」

分体ヴィア「……わかりました。それではお願いします」

 *

司会「それではバトルロイヤル、スタ――げほっげほっ!?」

 煙幕「」モクモク
 ドガァンッ!! バゴォンッ!!
 キャーッ!! ナンナンダ!? タスケテクダサイ!!

司会「が、ガッタさん!!」

ガッタ「ふう……ノーウェイ」バッ

巨大な蜂「」ブブブン
巨大な蜂「」ブブブン
巨大な蜂「」ブブブン

司会「ヒエッ……!? こ、これは巨大蜂のピラム・ビー……!?」

ガッタ「ドントウォーリー。人間はピアッシングしないようアジャステッド」

司会「お、おお……! ではやっちゃってください、ガッタさん!」

ガッタ「ドントオーダー!」

 *

 ドガァンッ!!

警備員「ぐああっ!」バタッ
警備員「くそがっ……!」バタッ

分体ヴィア「さあ皆さん、こちらへ。共に外へ逃げましょう」

コボルトの男「えっ……!?」

野良スライム「〜〜?」モニョニョ?

ゴブリンの盗賊「な、なんだ? おれたち助かんのか?」

分体ヴィア「そうです。時間がありません、急いで」

オークの男「チッ、つまんねえことしやがって」

竜人の戦士「文句を言っている暇があったら足を動かせ、豚」

オークの男「んだと!? このトカゲ野郎が!」


警備員「」ピヨピヨ


馬頭の戦士「……」グググ

分体ヴィア「……おやめください。憎しみは、さらなる憎しみを生みます。魔族全体の為に……どうか、怒りを鎮めて」

馬頭の戦士「…………スマヌ……」スッ

エルフの吟遊詩人「憎しみは次なる憎しみへ……永遠に廻る憎悪の苦輪……」ポロロン


「きゃああああっ!」


馬頭の戦士「!」

竜人の戦士「あれは……!」


尻もちをついたマンドレイクの幼女「や、やだ……来ないでぇ……!」

 ピラム・ビー「」ブブブン
  ピラム・ビー「」ブブブン
   ピラム・ビー「」ブブブン
820 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2025/05/31(土) 21:20:26.97 ID:njt9MtaE0
ゴブリンの盗賊「で、でっけェ蜂……!?」

コボルトの男「も、もうだめだ……おしまいだァ……」ポロポロ

分体ヴィア「いえ……大丈夫……!」


 炎「」ゴウッ!!!

燃え落ちるピラム・ビー「〜〜!!」メララ
燃え落ちるピラム・ビー「〜〜!!」メララ
燃え落ちるピラム・ビー「〜〜!!」メララ

炎スライムクロシュ「〜〜」チリッ


マンドレイクの幼女「ぁぇ……?」

野良スライム「〜〜!!」モニョニョ!!

分体ヴィア「あの子が蜂の足止めをしている内に、皆さん急いで……!」


ガッタ「テロリズムとは……。ミーが警備の時に限って、バッドラック……」スタスタ


炎スライムクロシュ「!」

妖精「まずい、奴が来た……!」


ガッタ「ふむ……? デッドエンドしたはずのバーニングスライム……? 実にワンダーだ」

炎スライムクロシュ「……」チリチリ

ガッタ「ならばこちらもバーニングインセクト! ゴー! ファイアント!」バッ

 ポン!

火蟻「」シャカシャカ
火蟻「」シャカシャカ
火蟻「」シャカシャカ

炎スライムクロシュ「!」

妖精「あれは……世界各地で侵略的外来種として問題になっている炎属性のアリ、火蟻だ! まずい、奴には生半可な炎は効かないよ!」

炎スライムクロシュ「〜〜…!」モニョニョ…!


↓1コンマ
01-30 突破された!
31-00 生半可じゃない!
821 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2025/05/31(土) 21:22:51.04 ID:TjEtMelV0
822 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2025/05/31(土) 22:01:56.90 ID:njt9MtaE0
炎スライムクロシュ「〜〜…!!」モニョニョ…!!

 炎の壁「」ゴオオオオッ!!

ひっくり返る火蟻「〜〜…」ポテッ
ひっくり返る火蟻「〜〜…」ポテッ

突破する火蟻「〜〜!」シュバッ!!

炎スライムクロシュ「!!」

妖精「まずい、突破された……!!」


マンドレイクの幼女「はっ、はっ、えぐっ、ぐすっ……」トテトテ

野良スライム「〜〜!」モニョニョ!

ゴブリンの盗賊「嬢ちゃんがんばれ! あと少しで逃げきれ――」


追いかけてくる火蟻「」シュババババッ


ゴブリンの盗賊「……!?」

コボルトの男「も、もうだめだァ……クゥーン……」ポロポロ


追いかけてくる火蟻「」シュバッ!!


マンドレイクの幼女「ぁ、ぁ……ゃ……」

 バッ!! ガシッ!!

燃え上がる馬頭の戦士「……」メラメラメラ

掴まった火蟻「〜〜!」ジタバタ


マンドレイクの幼女「ぁ……」

オークの男「お、おい……!? 燃えてるぞオイ!?」

竜人の戦士「クッ……誰か水属性魔法を使える者は……!?」


燃え上がる馬頭の戦士「ムヨウダ……モウ、ドクガマワッテイル……」メラメラ

ゴブリンの盗賊「お、おい嘘だろ……!?」

燃え上がる馬頭の戦士「ハヤクイケ……。ムダニ、スルナ……」メラメラ

オークの男「クソッタレ!」

マンドレイクの幼女「や、やだ……やだ……」

野良スライム「〜〜…」モニョニョ…

竜人の戦士「……早く行くぞ。奴の死を無駄にするな……!」

コボルトの男「――アオオオーン!!」ポロポロ

エルフの吟遊詩人「忘れ得ぬもの……私は……彼の犠牲を、決して……」ポロロン…

 ◇
823 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2025/05/31(土) 22:04:27.94 ID:njt9MtaE0
―王都セイントレア 地下水路

 地下水路「」ザァザァ

野良スライム「」デロデロ…

マンドレイクの幼女「えぐ、えぐ……」

コボルトの男「クゥン……」ポロポロ

オークの男「チッ……」

竜人の戦士「……」

分体ヴィア「……申し訳ありません。私たちが……至らなかったばかりに……」

ゴブリンの盗賊「あ、あんたが謝んなよ……助けられただけのおれたちが余計惨めじゃんか……」

分体ヴィア「すみません……」

エルフの吟遊詩人「謝らずにはいられぬ心……救いは何処に……」ポロロン


馬頭の戦士「スマヌ、オクレタ」ノッシノッシ


野良スライム「〜〜!?」モニャニャ!?

ゴブリンの盗賊「え!?」

オークの男「生きてんのかよ!?」

馬頭の戦士「クロイスライムサンニ、タスケテモラッタ」


スライムクロシュ「〜〜」モニョモニョ

妖精「まあ、ちょっとした切り札をね……」

マンドレイクの幼女「〜〜!!」ジワワ ポロポロ

コボルトの男「アオオオオオ〜ン!!」ポロポロ

竜人の戦士「……フッ」

エルフの吟遊詩人「理不尽を覆す理不尽……救いは此処に……」ポロロン

 ◆

マンドレイクの幼女「え、えっと、えっと……あ、ありがと……!!」ペコッ

野良スライム「〜〜!!」モニョニョニョ!!

 ザブンッ

 地下水路「」ザァザァ

妖精「ふう……これで一件落着?」

分体ヴィア「はい……あなたたちがいなければ、多くの犠牲が出てしまうところでした。ありがとうございました」

スライムクロシュ「〜〜!」モニョニョ

分体ヴィア「ところで……炎と毒にやられた馬頭さんのことは、どうやって助けたのですか? もしかして非常に高度な治癒と毒消しの魔法が使えるのですか……?」

妖精「……クロシュは不死鳥の羽根を持っててね、同化してその力を引き出すことができるんだ」

分体ヴィア「えっ……!? 不死鳥の羽根と同化……!?」

妖精「うん。羽根を消費せずに再生の炎を発生させられるから、今までに何度も助けられてきた。あ、でもこのことはあんまり言いふらさないでね? 知られるといろいろ厄介そうだし……」

分体ヴィア「……しかし、再生の炎という強力な力を行使して身が持つのですか……?」

スライムクロシュ『……お腹が、すごく、減る……』モニョニョ…

分体ヴィア「なるほど……」


分体ヴィア(……クロシュちゃん……やはり普通のスライムではないようです……。カリスが使って人工的に生み出した、クロシュヴィアの株分け……なのでしょうか……?)

 ☆魔族救出活動を行いました

 ・本日はもう不死鳥化できません

 ◆
824 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2025/05/31(土) 22:39:11.38 ID:njt9MtaE0
―午後
 大聖堂別館 中庭

 日差し「」キラキラ
 生い茂る木々「」サワサワ
 小川を模した水路「」サラサラ

 ガーデンパラソル「」バサッ
 木の椅子「」ポン
 木のテーブル「」ポン

 茶菓子「」ポン
 紅茶「」ポン

ちびスライムクロシュ「〜〜!」モニョニョニョ モグモグモグモグ

フレア「わあ、クロシュちゃんいっぱい食べるねえ」

黄スライム『今日はいっぱい働いて疲れちゃったんだって!』モニョモニョ

フリューゲル「使徒が持ってきたおやつがまだまだたくさんあるから、好きなだけ食べていっていいわ」

ちびスライムクロシュ「〜〜!」モニョニョ!

アイス「……れいぎしらず。くいいじスライム……」

灰スライム『アイスも食べればいいのに……』モニョモニョ モグモグ

アイス「……アイスは、レディーだもん……」

 グゥゥ…

アイス「……」

セイン「……あーんするか?」

アイス「しない……! じぶんで、たべる……!」プンスコ

 *

ちびスライムクロシュ(そういえば……ここにいるみんなは、カリスの呪い?で、ここから長く離れてると、魔力がデロデロになっちゃうみたい……)

ちびスライムクロシュ(……大魔女さまに、診てもらえば……原因が、わかる……?)

ちびスライムクロシュ(でも……連れてくの、難しそう……。見つかったら……カリスに、酷いこと、されるかも……)

ちびスライムクロシュ(いい方法……ないかな……?)

ちびスライムクロシュ(………)

ちびスライムクロシュ(……今日は……お腹が空いて……あたま、まわんない……)グルグル


↓1〜2選択 中庭で何をする?(空腹なので活発に動けません)
1.個別の誰かとお話(名前を指定)
2.運命賽を投げる(運命賽−1、良いアイデアを思いつく)
0.自由安価(状況にそぐわないものは再安価)
825 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2025/05/31(土) 22:41:40.16 ID:IwOAxoE50
1フリューゲル
826 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2025/05/31(土) 22:42:51.84 ID:TjEtMelV0
1セイン
827 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2025/05/31(土) 22:45:05.59 ID:P7DAcjiEO
大魔女をこの場に連れてくればよいのでは
クロシュはこれてるし
828 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2025/05/31(土) 23:39:24.43 ID:njt9MtaE0
ちびスライムクロシュ『……大魔女さまが……フリューゲルさんのこと……助けるって、言ってた……』モニョモニョ

フリューゲル「えっ、大魔女が……?」

ちびスライムクロシュ『うん……。そのための……やり方……探してる……』

フリューゲル「そのためのやり方……?」

ちびスライムクロシュ『えっと……ここ、離れると……デロデロに、なる……?』

フリューゲル「……ああ、なるほど。私たちはカリスの造る特殊な生命結晶を定期的に摂取しないと、生命を維持できなくなって死ぬと言われているわ。そのことね?」

ちびスライムクロシュ『ほえ……? えっと……魔力が、デロデロになるんじゃないの……?』

フリューゲル「……? 魔力がデロデロになるという脅され方はしていないけれど……」

ちびスライムクロシュ「???」

 *

フリューゲル「魔力結晶が融解……? 初めて聞く話ね……」

ちびスライムクロシュ『そうなんだ』

フリューゲル『考えられるのは、私たち被支配者に嘘の情報を吹き込んでいるか……もしくは、二重の対策を立てた上で片方だけしか伝えていないか……』

ちびスライムクロシュ『そうなの?』

フリューゲル「ただの仮説。でも……あの子たちを救うことに繋がるのなら、しっかり検証してみる価値はあるかもしれないわ……」


フレア「――!」キャッキャ
黄スライム「〜〜!」モニョニョ キャッキャ
灰スライム「〜〜」モニョモニョ
アイス「――…」
セイン「――」


ちびスライムクロシュ『うん』

フリューゲル「とはいえ、カリスが自分の実験体たちに解析されるほど間抜けな仕組みを作っているとも思えないわ……。うーん……」

ちびスライムクロシュ『大魔女さまに、調べてもらう方法……ない……?』

フリューゲル「………非常に個人的な感情なのだけれど……クローディアに頼りたくないのよね」

ちびスライムクロシュ『ほえ……? どうして……?』

フリューゲル「……あいつの目的は、私を助けることなのでしょう? それは……ちょっと困るのよ」

ちびスライムクロシュ『???』

フリューゲル「私はかつて、自らの愚かさによって一度魔族国を滅ぼした大罪人。例え娘たちや大魔女が私を許すとしても、私自身は決して私を許せないの……」

ちびスライムクロシュ『……』

フリューゲル「なら一人でとっとと死ねと自分でも思うけれど……残念ながらカリスに支配されている今、私は私自身の命を断つことすらできない。ああでも、クローディアに助けられてこの呪縛を解くことができれば、自分を殺せるようになるのかしら? いえ、それはいくらなんでもクローディアに失礼すぎるわよね……」

ちびスライムクロシュ『……』

フリューゲル「……いえ……私個人の感傷の為に、あの子たちが助かるチャンスを無駄にしたりはしないわ。安心して」

ちびスライムクロシュ『うん……』

フリューゲル「さて、あいつに私たちの呪縛を解析してもらう方法か……あ、それならあいつ自身にここに来てもらうのはどうかしら? クロシュさんが入ってこれるならあいつも来れるんじゃない?」

ちびスライムクロシュ『……前に、試して……失敗して、捕まりそうになったって……言ってた……』

フリューゲル「そう……。考えても見れば、カリスが大魔女対策をしていないわけがなかったわね。あいつ目立ちたがりだから、顔も名前も魔力波長も知られてるし……」

ちびスライムクロシュ『うん……』

フリューゲル「さて、それじゃあ真面目に考えてみましょうか……。でもあまり期待しないでね。私、あんまり頭良くないから」


↓1コンマ(後ろ向き-5)
01-75 思いつかない
76-00 思いつく
829 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2025/05/31(土) 23:44:37.19 ID:x1KQwsiFO
はい
830 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2025/06/01(日) 00:19:50.17 ID:n8VnVsd30
フリューゲル「……だめね……何も思いつかないわ……」

ちびスライムクロシュ『んゅ……』

フリューゲル「他の子……セインが一番利発だから、セインにも聞いてみて。良い方法を思いつくかもしれない」

ちびスライムクロシュ『ん……わかった。ありがと……』

 *

ちびスライムクロシュ『セインさん』モニョモニョ

セイン「クロシュ。腹は満たせたか」

ちびスライムクロシュ『んゅ……あんまり、食べすぎるのも……失礼かもって……』

セイン「遠慮する必要はないが……クロシュのしたいようにすると良い」

ちびスライムクロシュ『うん……』

セイン「……ああ、そうだ。しばらくの間、魔族国やその街道には近付かない方が良いかもしれない」

ちびスライムクロシュ『ほえ……?』

セイン「城内や原理派内で不穏な動きがある。枢機卿の失脚はもう秒読みだが、奴は魔族国侵攻で一発逆転を狙っているようだ。そしてその目論見は全く見当外れなものでもない……僕とフリューゲルが出撃すれば、兵の士気や練度など無関係にどうとでもなってしまうからだ」

ちびスライムクロシュ『!!』

セイン「だから、しばらく魔族国やその近くには近付かないでくれ。特にフリューゲルは戦場に出ると完全に正気を失ってしまう。自分の故国だろうと関係なく、破壊と殺戮の限りを尽くすだろう……」

ちびスライムクロシュ『……フリューゲルさんは……戦争のこと、知ってるの……?』

セイン「……いや……伝えていない。もし知ってしまえば、この中庭でも彼女は平穏でいられないだろうから」

ちびスライムクロシュ『んゅ……』

セイン「……すまない。だが、僕たちの平穏を守る為にはこうするしかないんだ」

ちびスライムクロシュ『………えっと……じゃあ……逃げ出す、方法……! 考える……!』

セイン「逃げ出す方法……?」

 *

セイン「大魔女が……僕たちの解析を?」

ちびスライムクロシュ『うん……! 上手くいけば……みんな、自由に、なれる……!』

セイン「……特殊な生命結晶については僕も知らされている。国外へ遠出する任務では、ある程度の携帯も許可されるんだ」

ちびスライムクロシュ『わあ……!』

セイン「残念ながら今ここにはないが……」

ちびスライムクロシュ『えっと……いろいろ……大魔女さまに、調べてもらう方法……ない……?』

セイン「……難しいな。僕たちが外に出ればすぐに気付かれてしまうだろうし……大魔女もここには入って来れないとなると……」

ちびスライムクロシュ『んゅ……』

セイン「少し待ってくれ。考えてみる」


セイン(ここから……みんな、外に出られる……)

セイン(何度も何度も考えて、諦めた……。カリスの悪意には勝てないと、引き下がる他なかった……)

セイン(でも……世界最高の魔法使い、大魔女なら………!)


↓1コンマ(超前向き+20、スライム知識+10)
01-75 思いつかない
76-00 思いつく
831 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2025/06/01(日) 00:23:40.76 ID:Hy4+fEQ70
832 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2025/06/01(日) 00:55:03.62 ID:n8VnVsd30
セイン「……クロシュは……同化が得意か?」

ちびスライムクロシュ『ほえ……? んー……た、たぶん……?』

セイン「同化の技を極めたスライムは、かつて同化したことのあるものであれば、物質を介さず記憶からその力を再現≠オ、同化したも同然の状態になれるという」

ちびスライムクロシュ『わあ……!』

セイン「つまり何が言いたいかと言うと……」

黄スライム『いうとぉ……!?』モニョッ

灰スライム『いうと……?』モニョ

セイン「ここにいる者たちの体、力、能力……そして、カリスの呪縛まで……全てを記憶して再現し、それを大魔女に診てもらう……というのはどうだ……?」

ちびスライムクロシュ『!!』モニョ!!

黄スライム『んわわ……!』モニョニョ!

灰スライム『……でも、いくらクロシュでも再現なんて絶技は使えないんじゃないの……? あのブラッドでも、ここにいた当時は再現を習得するまではいけなかったみたいだし……今どうかは知らないけど……』モニョモニョ

セイン「……それもそうか。すまない、無茶を言ったかも――」

ちびスライムクロシュ『わたし……あるかも……! さいげん、したこと……!!』モニョモニョ

セイン「何……!?」

黄スライム『んわわ〜!』キャッキャ

灰スライム『それほんと……?』モニョニョ

ちびスライムクロシュ『うん……! ずっと前だけど……みんなを守りたくて、夢中で……手に持ってないものとも、なんでか同化できてた……!!』

セイン「本当か……! それなら……!!」

ちびスライムクロシュ『うん……! わたし……やってみる……!!』


 ☆スライム奥義再現≠ノ挑戦することができるようになりました


さっそく挑戦!
↓1コンマ(スライム技能+80、一度できた+40、最難関技-100)
01-10 失敗
11-60 経験+1(1/3)
61-90 経験+2(2/3)
91-00 覚醒
833 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2025/06/01(日) 01:00:16.53 ID:ptAfsfNFO
覚醒クロシュ
834 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2025/06/01(日) 01:25:05.08 ID:n8VnVsd30
ちびスライムクロシュ「……」モニョニョ…グググ…


フレア「クロシュちゃんは何をしているの?」

セイン「再現の練習だ。今ここには持っていないウミタニシの貝殻を再現≠オてみるという」

アイス「さいげん……クロシュなんかに、できるわけない……」


ちびスライムクロシュ「……」モニョニョニョ…ググググ…


 ――潮騒の音「」サァァァァ… ササァァァン…


アイス「……!?」

フレア「わ……!? この気配って……」

セイン「水属性の……海の力を感じる……!」


ちびスライムクロシュ「……」モニョニョニョ…
 生えかける巻き貝「」ググググ…


黄スライム『んわわ〜!』キャッキャ

灰スライム『クロシュ……ほんとに……!?』モニョニョ


 デロデロ…

ちびスライムクロシュ「」デロロ…


フレア「あ、ああっ……!!」

黄スライム『惜しい〜っ!!』モニャニャ…!!

フリューゲル「本当に惜しかったわね……お疲れ様……!」

灰スライム『……でも、あと一歩……がんばれ、クロシュ……』モニョモニョ

セイン「……いける、のか……? 本当に……」グッ

アイス「〜〜…!!」っっっ

 ☆再現経験が 2/3 になりました

 ◆
835 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2025/06/01(日) 01:25:35.62 ID:n8VnVsd30
というわけで本日はここまでとなります

カリスの悪意からみんなを救う為に、スライム奥義の再現を試みるクロシュ。気負いか、空腹か、一度の試行で成ることは叶わず。されど奥義の習得は既に手の届くところへ。全てを救う為に、クロシュは決意を新たにする。しかしそれはそれとして、そろそろ空腹で目が回りそうなあかちゃんスライムなのであった――

それでは本日もありがとうございました。次回もよろしくお願いいたします
836 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2025/06/01(日) 09:48:51.22 ID:wbVFSKQG0
おつ
クロシュちゃん最終的にスライムの女王とか巫女とか神になるのか・・・?
837 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2025/06/01(日) 21:51:03.31 ID:n8VnVsd30
再現はすごい技ですが、女王とか巫女とか神と呼ばれるようなだいそれた存在になったりはしないと思われます。実のところ野良にも極稀に使えるスライムがいたりします(そういうスライムは知能が高く、人前に出て来ない場合が多いようです)
838 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2025/06/01(日) 21:51:36.08 ID:n8VnVsd30
―王都セイントレア 滞在9日目

◇クロシュ [あかちゃんスライム]
武:星霊の剣     盾:ラティアの大盾  飾:くすんだ耳飾り
武:竜珠の大杖    防:竜のエプロン   飾:不死鳥の羽根

◇妖精   [世話焼き妖精]
武:         盾:         飾:くすんだ耳飾り
武:         防:精霊のレオタード 飾:

◇イリス  [星の魔法使い]
武:蒼き星の杖    盾:         飾:くすんだ耳飾り
武:ブラッドランス  防:魔術師のローブ  飾:

◇ミスティ [氷の魔法使い]
武:氷の短刀     盾:         飾:くすんだ耳飾り
武:         防:氷竜革のローブ  飾:

◇ローガン [鋼の戦士]
武:蜥蜴一文字    盾:灼鋼の盾     飾:くすんだ耳飾り
武:鋼の回転ノコギリ 防:オリハル鎖帷子  飾:

◇エバンス [地の傭兵]
武:古代の鉄槌    盾:         飾:くすんだ耳飾り
武:魔銀の刀     防:硬質革鎧     飾:

◯所持アイテム
[道具]        [装備品]       [大事なもの]
運命賽*2       蜘蛛絹の下着      魔族国永久旅券
会心賽*1       ザリガニのお守り    フメイの服の切れ端
反魂丹*1       大きな巻き貝      精霊の印
鉄鍋+携帯調理器具   闇の欠片        精霊樹の実のジャム
「星の魔力」上中下   フリルワンピ水着    精霊樹の鉢植え+赤雷球
お宿の妖精の織物    魔法学園のスク水    フメイとアリシラの人形
魔導飯盒        ガラスのザリガニ    メルルの帽子
妨害魔力波発生装置   踊り子の双剣      溶岩石のアミュレット
属性大全        サボテンドラゴンの花  太陽のメダリオン
魔王図鑑        精霊のローブ      暗黒優待券
氷精の魔導書      精霊樹の杖[改]    冒険者証(ランク1)
ブラッドワイン*1   銀のナイフ       大魔女帝国渡航権
吸血鬼殺ワイン*1   ダイヤメリケンサック  かたたたきけん
魔術書「正負の属性」  パラサイトソード    大魔女帝国滞在許可証
吸血鬼の日焼け止め               風船印のパラシュート
日蝕の傘                    ラティア勲章
大魔女サイン*1                ユーシリア王家の紋章
古代のセラミック
ステライト鉱石
晴れ乞い傘
チョコスムージー
ヒヒイロカネ
氷魔力結晶
魔導書「絶対零度」

◯現在の目標
・フメイちゃんを探す
・世界樹の光を追う[4/5]
・最悪の未来を阻止する

◯努力目標
・カリスに造られた者たちを助ける
・戦争を阻止する
・大司祭を探す
・枢機卿の悪事を暴く(達成!)
・レイの行方を追う(達成!)

◯仲間の目標
・カリス・ノーランドを討つ(ミスティ)

◯経験値
・クロシュ 剣技[03/07] 魔法[06/07] 防御[00/07] 再現[2/3]
・イリス  杖術[02/06] 魔法[15/16]
・ミスティ 剣技[05/07] 魔法[11/16]
・ローガン 剣技[16/16] 魔法[06/08] 防御[07/08]
・エバンス 剣技[16/16] 魔法[07/08]
……………………………………………………………………………………
□王都セイントレア
王城:未探索
城下:教会、孤児院、市場、食事処、酒場、浴場、娼館、冒険者ギルド
   中央広場、公園、学校、図書館、博物館、劇場、闘技場、未探索
……………………………………………………………………………………
□セクリエ・ロイエ
大聖堂、大聖堂別館、美術館、庭園、お土産屋、未探索、他
……………………………………………………………………………………
839 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2025/06/01(日) 21:52:03.35 ID:n8VnVsd30
―朝
 聖ヴァレリオ教会 宿泊室

 チュンチュン

妖精「カリスに囚われてる者たちの体をクロシュ自身が再現して、その状態を大魔女に診てもらおうってことか」

クロシュ「うん」

ミスティ「なるほど、そんなやり方があるのね……。でも、呪いを再現した結果クロシュ自身に害が及んだりはしないかしら?」

クロシュ「た、たぶん大丈夫……」

王都セイントレア滞在9日目。15日目に何かが起こります
↓4〜6 自由安価 何をする?
840 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2025/06/01(日) 21:54:44.17 ID:ggs46Tk5o
手がかりを探すため聖女さん僧侶さんにお父さんのことを詳しく聞く
841 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2025/06/01(日) 21:56:10.49 ID:Hy4+fEQ70
↓4からとか間隔広いな
とりあえず安価↓
842 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2025/06/01(日) 21:56:25.44 ID:ccICFlJOO
ダークヒーローイリス、奴隷解放組織にさそわれる
843 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2025/06/01(日) 21:56:28.09 ID:wbVFSKQG0
聖女シスターズと買い物
844 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2025/06/01(日) 21:56:47.47 ID:hheHWEy30
現教にあってカリスの件や大司祭の件など何か聞けないかみんなに相談する
845 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2025/06/01(日) 21:57:13.31 ID:exxB8ol5O
クレアとレイと一緒に地下壕の蔵や本棚を調べてみる
846 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2025/06/01(日) 21:57:57.53 ID:uxEBMuI4O
クロシュヴィアから直接手ほどきを受けて再現を完全にマスターする
847 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2025/06/01(日) 23:28:14.70 ID:n8VnVsd30
―王都セイントレア 市場

 ワイワイ ガヤガヤ

 たくさんの品物が積まれたカゴ「」ドッサリ

その大きなカゴを背負って歩くクロシュ「……」ノシノシ

聖女「クロシュちゃん……大丈夫ですか? 重すぎるんじゃ……」

クロシュ「へいき……!」ノシノシ

妖精「今のクロシュは小さい女の子の姿だけど、中身はスライムだから人間より力持ちなんだよ。心配いらないと思う」

僧侶「種族の差ですね。今の私には好ましい違いと思えます」

聖女「お姉ちゃん、本当に原理派らしくなくなったんですね」

僧侶「それはもちろん、今はデロデロ派ですから」

クロシュ「んへへ……」

僧侶「聖女もデロデロ派になりませんか? クロシュヴィアに会えばあなたもデロデロの良さが――」

聖女「ふふ、もう会ったことあります」

僧侶「えっ!?」

聖女「デロデロ派の考え方も概ね聞いてます。私も……ある程度は理解できるつもりです」

僧侶「うーん、ある程度ですか……」

聖女「はい。私はまだ……全てをデロデロにしなきゃこの世界は救われない、とまでは思わないのです。命には……お互いを赦し合い、憎しみも悲しみも呑み込んで一緒に歩いていける強さがあるって……信じたいんです。ちょっと、お花畑と言われるかもしれないですけど……」

僧侶「お花畑というよりは棘だらけの茨の道ですね、それは……。でもまあ嫌いではないです。この世から少しでも多くの苦しみを減らしたいという意味では、デロデロ派と同じとも言えますし」

クロシュ「わあ……!」

妖精「はあ、良かったねクロシュ。みんなデロデロ派と同じだってさ」

クロシュ「うん……!」

 *

パスタ屋「毎度ありがとうございました〜!」


 買い物メモ「」ペラッ

聖女「えっと、これでクレアさんから頼まれたお使いは終わりかな……?」

僧侶「そういえば、教会と孤児院の食料は大聖堂から支給されてるはずですよね? なぜパスタをこんなに?」

 カゴいっぱいのパスタ「」ドッサリ

聖女「あ〜、えっと……お姉ちゃん、聖ヴァレリオ教会の地下壕のことは知ってますか?」

僧侶「あっ……なるほど、彼女の分というわけですね。承知しました」

聖女「はい。クレアさんは正しさのある人ですから、私もクレアさんの判断に従います」

僧侶「……でも、パスタばかりなのはちょっとつらくないですか?」

聖女「そうですか? パスタ、美味しいと思いますけど……」

僧侶「いや、美味しさを否定しているわけではなくてですね……他の主食も食べたいというか……。いやまあ、保存が効いて調理もしやすいという事情はわかるんですけど……」

クロシュ「パスタ……おいしい……」

僧侶「いや美味しいのはわかってますってば!」

妖精「私も妖精の中じゃ食にちょっとこだわる方だけど、人間にはかなわないなあ」

 *

市場に来たついでにお買い物する?
↓1〜2選択
1.掘り出し物を探す(コンマ)
0.自由安価(買うもの、または買い物以外の行動)
848 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2025/06/01(日) 23:30:09.14 ID:ZmJ1HDdoo
1
849 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2025/06/01(日) 23:31:47.24 ID:ccICFlJOO
0、アクセサリーを買う
850 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2025/06/02(月) 00:00:26.65 ID:Ou2z6sPO0
クロシュ「!」ピコン!

聖女「どうしたのですか、クロシュさん」

クロシュ「なにか……いいもの、あるかも……!」トコトコ

 ワイワイ ガヤガヤ

僧侶「お、露天市ですね。確かに掘り出し物があるかもしれません、せっかくですし何か探してみましょうか」

妖精「悪いねえ、クロシュに付き合ってもらっちゃって」

聖女「いえいえ、先にクレアさんのお使いに付き合ってもらったのは私たちの方ですから!」

↓1コンマ 掘り出し物
01-40 聖剣のおもちゃ
41-70 カニカマボコ
71-90 メガロザメのフカヒレ
91-00 不定形のプルプル

↓2コンマ アクセサリー
01-40 綺麗な貝殻
41-70 大きな真珠
71-90 世界樹の琥珀
91-98 黄金のカニ飾り
99-00 古代カニの化石
851 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2025/06/02(月) 00:02:02.39 ID:1IQmfC/Ko
カニ(カマボコ)!
852 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2025/06/02(月) 00:05:59.40 ID:XXkEdMrpo
さて
853 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2025/06/02(月) 00:27:48.09 ID:Ou2z6sPO0
 聖剣のおもちゃ「」ポン!

クロシュ「……」

 聖剣のおもちゃ「」ブンブン
 虹色の光「」ビカビカ!!

クロシュ「んわっ……!?」ビクッ

おもちゃ屋「ははは、それは勇者サインが幼少の頃に大岩から引き抜いて振り回したと言われる光の聖剣、ルクスカリバー!! ……のおもちゃだ!」

クロシュ「わあ……!」

妖精「……本物もこんなヘンテコな色に光ったの?」

おもちゃ屋「ははは、本物の光はこんなものじゃなかったと思うよ! 何せ天を裂き地を穿つ凄い光だったらしいからね!」

クロシュ「わあ……」

妖精「……クロシュ、それ買うの?」

クロシュ「……んーん」

 聖剣のおもちゃ「」ポン

おもちゃ屋「えっ買わないの!?」

クロシュ「うん……わたし、これがある……」スッ

 星霊の剣「」キラキラ…

おもちゃ屋「うおっ、すごいクオリティだ……! 一体どこのおもちゃ屋で買ったんだい!?」

クロシュ「んへへ……ひみつ……」

 ☆聖剣のおもちゃを買いませんでした

 *

聖女「クロシュちゃんクロシュちゃん」

クロシュ「ほえ?」トコトコ

僧侶「ふふ……お姉さんたちからプレゼントです!」スッ

 綺麗な貝殻の飾り「」ポン! キラキラ…

クロシュ「わあ……!」

妖精「お、随分綺麗な貝殻だねえ。真珠層が虹色に輝いてる」

聖女「虹色に輝く貝殻は、幸運と安らぎをもたらすと言われています。もし良かったら……」

クロシュ「うん……! ありがと……!!」

 ☆綺麗な貝殻の飾りをいただきました
  加護が少し強化されました

 ◆
854 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2025/06/02(月) 00:28:31.56 ID:Ou2z6sPO0
本日はここまでとなります

聖女と僧侶の買い物に付き合い、甘えさせてもらうあかちゃんスライムなのでした。たまにはこういう日があっても良いのかもしれません

それでは本日もありがとうございました。次回もよろしくお願いいたします
855 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2025/06/02(月) 01:08:51.54 ID:1IQmfC/Ko
おつでした
僧侶ちゃん聖女さんとこんな風ひに平和なお買い物できるなんて初対面からは想像もできなかったなぁ
……ごめん嘘僧侶ちゃんからはポンコツ敵対解除ルートが合うたび感じてた
856 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2025/06/07(土) 22:16:26.47 ID:0VYU1WqW0
僧侶氏は当初とても邪悪な差別主義者でしたが、紆余曲折あって邪悪ではなくなってしまいました。元々は妹の聖女と同様に優しさを持つ人だったのかもしれません。原理派の差別推進教育が良くなかったのでしょう。なおポンコツなのは元からだと思われます
857 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2025/06/07(土) 22:16:55.72 ID:0VYU1WqW0
―王都セイントレア

 ワイワイ ガヤガヤ

信徒「教皇様、最近頭痛が酷くて眠れないのです……。どうしたら良いでしょうか……」

教皇ユグド「頭痛とはどの辺りがどのように痛みますか?」

信徒「頭の前の方が、ガンガンと脈打つように……」

教皇ユグド「であれば、南区の薬局で市販されている痛み止めを服用するのが良いでしょう。もしそれでも治らなければ、再び私に聞きにいらっしゃい」

信徒「ありがとうございます!」ペコッ

 ワイワイ ガヤガヤ


妖精「あれが現教皇のユグド・フランシス……?」

クロシュ「ほえ……」

ローガン「……信徒たちに向けた説法……というよりは相談に乗っているのか」

ミスティ「信徒じゃないっぽい人たちもちらほらいるわね。私たちも何か聞けば答えてくれるのかしら」

クロシュ「……!」ピコン!

妖精「何か教皇に聞きたいことでも思いついたの?」

クロシュ「聖女さんたちの……お父さんのこと……聞ける……?」

妖精「あー……大司祭が行方不明になってる件は原理派絡みだろうから、穏健派の現教皇が知ってる可能性は低そうだけど……。でもロイエ教のことといえばロイエ教のことだし……」

ミスティ「最近は穏健派もキナ臭そうだし、知ってることがあるかもしれないわね」

妖精「どうする? 何か聞きに行ってみる?」


↓1〜2選択
1.大司祭について
2.カリス・ノーランドについて
3.戦争について
4.グランドマスターについて
0.自由安価(状況にそぐわないものは再安価)
858 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2025/06/07(土) 22:17:57.57 ID:Z+xY6KHd0
859 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2025/06/07(土) 22:19:22.82 ID:Xml6CoA/0
1
860 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2025/06/07(土) 22:33:37.36 ID:0VYU1WqW0
教皇ユグド「次の方」

クロシュ「……」トコトコ ペコリ

妖精「こんにちは。2つほど聞きたいことがあるんだけど、いい?」パタパタ

教皇ユグド「私に答えられることであれば」

妖精「じゃあ一つめ。知り合いの……聖女と僧侶っていう聖職者の姉妹がいるんだけど、その父の大司祭の居場所がわからないんだ。行方を知らない?」

教皇ユグド「……」


↓1コンマ
01-10 ???
11-50 グランドマスター殿が知っているかもしれません
51-90 現在捜索中です
91-00 ???
861 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2025/06/07(土) 22:35:05.32 ID:4L9jc4Pto
たかく
862 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2025/06/07(土) 22:43:41.43 ID:0VYU1WqW0
教皇ユグド「大司祭殿のことでしたら、同じく原理派であるグランドマスター殿が知っているかもしれません」

妖精「ええ……」

ミスティ「グランドマスターって……あの戦争を企てているという噂のグランドマスターよね? ちょっと関わりたくないのだけど……」

教皇ユグド「まあそう仰らず……」

妖精「せっかく話題に出たことだし、グランドマスターが企ててるっていう戦争のことについても聞いて良い?」

教皇ユグド「……」


↓1コンマ
01-10 ???
11-50 私はグランドマスター殿を信じております
51-90 現在調査中のため回答を差し控えさせて頂きます
91-00 ???
863 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2025/06/07(土) 22:44:19.63 ID:BwTiL+6vo
あー
864 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2025/06/07(土) 23:40:13.27 ID:0VYU1WqW0
教皇ユグド「……現在調査中のため、それについてはお答えできかねる……としか言えません」

ミスティ「……穏健派は関わってないのよね?」

教皇ユグド「それについてはもちろんです。ロイエのみならず、王都の方々を不安にさせるような真似は致しません」

妖精「……戦争が起きる可能性はある?」

教皇ユグド「……断定はできませんが、我々ロイエ教は悲劇を阻止する為ならばあらゆる手立てを講じる覚悟があります。この王都が戦火に包まれるような事態には決してさせないので、ご安心を」

妖精「わかった、ありがとう。後がつかえてそうだし私たちはこの辺で失礼するよ」

クロシュ「ありがと、ございました」ペコリ

 ☆大司祭についてグランドマスターに聞けばわかるかも?という情報を得ました

 ☆戦争については穏健派も現在調査中との情報を得ました

 ◆
865 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2025/06/07(土) 23:47:42.24 ID:0VYU1WqW0
―聖ヴァレリオ教会 地下壕

 格子「」
 地下水路「」サラサラ

クロシュ「わあ……!」

レイ「すごいでしょ! 地下なのに水が流れてるんだよ! しかも綺麗で冷たくて美味しい綺麗なお水! 一生暮らせる!!」

クレア「地下水路の浄水を引っ張ってきているようです。美味しいからって飲み過ぎはお腹を壊しますから、程々にしてくださいね」

レイ「も、もちろんですよォ……エヘヘ……」

クル「レイったら、すっかりクレアさんに懐いちゃって」

クレア「本当に指名手配中の凶悪犯なのか、疑わしく思えてなりません……」

 *

レイ「ああ、あのっ、クレアさんっ……! 私の住んでるとこの近くの部屋に……倉庫とか、書庫みたいのがあるんですけどっ……そこって、勝手に出入りして大丈夫なとこですかっ……!?!?」

クレア「ああ、あの辺りですか……。あの辺は私もまだしっかり調べたわけではないので、崩落などの危険も万が一ありえますので勝手に出入りするのは推奨できないのですが……」

レイ「そ、そうですかぁ……」ガックリ

クレア「私と一緒に調査を行い、安全性を確認できたら自由に出入りしても良いとしましょう」

レイ「!!」

クロシュ「わあ……!」

クレア「ただし、中のものを持ち出す場合には一度私に見せてくださいね。ここの聖ヴァレリオ教会の一部ですので」

レイ「もも、もちろんですっ! クレアさんにお任せしますっ!!」

クル「宝探しかぁ……ふふ、なんだか面白くなってきたね」

クロシュ「うん!」


↓1コンマ
01-40 収穫なし
41-70 年代物のワイン
71-90 オリハルスライムの欠片
91-98 不定形のプルプル
99-00 不定形の大きなプルプル

↓2コンマ
01-40 収穫なし
41-70 美味しいキノコ
71-90 世界樹の琥珀
91-98 黄金のカニ飾り
99-00 古代カニの化石

↓3コンマ
01-40 収穫なし
41-70 パスタのレシピ
71-90 秘伝パスタのレシピ
91-98 ??
99-00 ??
866 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2025/06/07(土) 23:48:26.23 ID:Z+xY6KHd0
867 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage ]:2025/06/07(土) 23:49:54.21 ID:qlZ4KxaKO
868 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2025/06/07(土) 23:51:07.74 ID:BwTiL+6vo
869 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2025/06/08(日) 00:06:49.50 ID:N69p16ex0
 割れた壺「」
 空き瓶「」
 毒キノコ「」

クル「大したものはなさそうかなあ……」

レイ「で、でもこの壺とか良い感じじゃない……!? 割れてるけど……」

スライムクロシュ「〜〜」モニョモニョ モグモグ
 毒キノコ「」モグモグ

クレア「クロシュさん……!? それは毒キノコです、食べてはいけません!」

スライムクロシュ「〜〜」モニャニャ

クル「クレア先生、クロシュちゃんって毒でもなんでも大丈夫みたいです」

クレア「ええっ……!? そ、そうなのですか……? クロシュさん、本当になんともありませんか?」

スライムクロシュ「〜〜♪」モニョモニョ

 *

 古びた机「」

クレア「おや……? この机だけ使われていた形跡が……」

レイ「ひ、引き出しの中を見てみましょう!」ガラッ

 古びた手書きのレシピ帳「」ポン!

クル「これは……手書きのレシピ帳?」

クレア「この字……聖ヴァレリオの筆跡と似ている……!? もしかしてこのレシピ帳は――」ペラッ

 ペラッペラッ
 レシピ帳『秘伝パスタの作り方』ドン!

クレア「……!! 間違いない……これは聖ヴァレリオの没後、行方不明となっていた彼のレシピ帳!!」

クロシュ「わあ……!!」

クレア「持って帰りましょう……これは国宝級のパスタレシピです!」

レイ「わ、わぁ〜」

クル「……聖ヴァレリオって、素パスタを喜んで食べてた人じゃありませんでしたっけ……」

 ☆クレアが秘伝パスタのレシピを手に入れました

 ◆
870 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2025/06/08(日) 00:09:07.49 ID:N69p16ex0
本日はここまでとなります。次回もよろしくお願いします
871 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2025/06/08(日) 02:14:44.65 ID:aB/t1czmo
おつでした
地味だけどかなり強い特性だよな>毒無効
872 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2025/06/08(日) 05:13:29.96 ID:vkVjBa9Bo
おつ
募集案そのままなら彼はヴィーガンっぽいから
野菜だけを使ったレシピかもしれない
873 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2025/06/08(日) 18:59:07.29 ID:N69p16ex0
毒無効はスライム類であれば大体持っている特性の一つです。毒を受けると性格が変化するスライム(ウォータースライムのシズクさん等)も時々いますが、生命活動に問題が生じるケースはほとんどないようです(性格の変化によって普段と異なる行動を取り、その結果として被害が生じることはあるかもしれません)

聖ヴァレリオ氏は動物の肉を食すことを嫌ったとされています。それが食べ物の好みによるものだったのか、哲学的信念による選択だったのかは今のところはっきりとわかっておらず、しばしば議論されたりされなかったりしているようです。そしてその秘伝パスタレシピも、お肉を使わないものである可能性が極めて高いと思われます
874 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2025/06/08(日) 18:59:34.23 ID:N69p16ex0
―王都セイントレア 滞在10日目

◇クロシュ [あかちゃんスライム]
武:星霊の剣     盾:ラティアの大盾  飾:くすんだ耳飾り
武:竜珠の大杖    防:竜のエプロン   飾:不死鳥の羽根

◇妖精   [世話焼き妖精]
武:         盾:         飾:くすんだ耳飾り
武:         防:精霊のレオタード 飾:

◇イリス  [星の魔法使い]
武:蒼き星の杖    盾:         飾:くすんだ耳飾り
武:ブラッドランス  防:魔術師のローブ  飾:

◇ミスティ [氷の魔法使い]
武:氷の短刀     盾:         飾:くすんだ耳飾り
武:         防:氷竜革のローブ  飾:

◇ローガン [鋼の戦士]
武:蜥蜴一文字    盾:灼鋼の盾     飾:くすんだ耳飾り
武:鋼の回転ノコギリ 防:オリハル鎖帷子  飾:

◇エバンス [地の傭兵]
武:古代の鉄槌    盾:         飾:くすんだ耳飾り
武:魔銀の刀     防:硬質革鎧     飾:

◯所持アイテム
[道具]        [装備品]       [大事なもの]
運命賽*2       蜘蛛絹の下着      魔族国永久旅券
会心賽*1       ザリガニのお守り    フメイの服の切れ端
反魂丹*1       大きな巻き貝      精霊の印
鉄鍋+携帯調理器具   闇の欠片        精霊樹の実のジャム
「星の魔力」上中下   フリルワンピ水着    精霊樹の鉢植え+赤雷球
お宿の妖精の織物    魔法学園のスク水    フメイとアリシラの人形
魔導飯盒        ガラスのザリガニ    メルルの帽子
妨害魔力波発生装置   踊り子の双剣      溶岩石のアミュレット
属性大全        サボテンドラゴンの花  太陽のメダリオン
魔王図鑑        精霊のローブ      暗黒優待券
氷精の魔導書      精霊樹の杖[改]    冒険者証(ランク1)
ブラッドワイン*1   銀のナイフ       大魔女帝国渡航権
吸血鬼殺ワイン*1   ダイヤメリケンサック  かたたたきけん
魔術書「正負の属性」  パラサイトソード    大魔女帝国滞在許可証
吸血鬼の日焼け止め               風船印のパラシュート
日蝕の傘                    ラティア勲章
大魔女サイン*1                ユーシリア王家の紋章
古代のセラミック
ステライト鉱石
晴れ乞い傘
チョコスムージー
ヒヒイロカネ
氷魔力結晶
魔導書「絶対零度」

◯現在の目標
・フメイちゃんを探す
・世界樹の光を追う[4/5]
・最悪の未来を阻止する

◯努力目標
・カリスに造られた者たちを助ける
・戦争を阻止する
・大司祭を探す
・枢機卿の悪事を暴く(達成!)
・レイの行方を追う(達成!)

◯仲間の目標
・カリス・ノーランドを討つ(ミスティ)

◯経験値
・クロシュ 剣技[03/07] 魔法[06/07] 防御[00/07] 再現[2/3]
・イリス  杖術[02/06] 魔法[15/16]
・ミスティ 剣技[05/07] 魔法[11/16]
・ローガン 剣技[16/16] 魔法[06/08] 防御[07/08]
・エバンス 剣技[16/16] 魔法[07/08]
……………………………………………………………………………………
□王都セイントレア
王城:未探索
城下:教会、孤児院、市場、食事処、酒場、浴場、娼館、冒険者ギルド
   中央広場、公園、学校、図書館、博物館、劇場、闘技場、未探索
……………………………………………………………………………………
□セクリエ・ロイエ
大聖堂、大聖堂別館、美術館、庭園、お土産屋、未探索、他
……………………………………………………………………………………
875 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2025/06/08(日) 19:00:00.24 ID:N69p16ex0
―朝
 聖ヴァレリオ教会 宿泊室

 窓「」ヒュルルッ

風の精霊『伝言だよ〜』ヒュルヒュル

妖精「ん〜? こんな朝早くに誰から?」ノソ

風の精霊『使徒から!』

妖精「えっ!?」

 *

ミスティ「……それで、風の精霊はなんて?」

妖精「原理派の僧兵と王国兵の連合軍は既に進軍準備に入っており、今日から5日後に魔族国へ攻撃を仕掛ける作戦だって……。招集される戦力の中にはカリスに造られた奴らも入るみたい。もちろん、セインとフリューゲルも……」

クロシュ「!!」

ローガン「まずいな……大魔女も力を貸してくれるそうだが、カリスが関わるとなると……」

ミスティ「しかも5日後ですって……? 預言の日とかぶっているじゃない……」

エバンス「世界めくれと開戦が同時に起こればとんでもないことになりそうだな……」

妖精「うん……。その二つが同時に勃発することだけは避けたい。どちらか片方でもとんでもないんだから」

クロシュ「……セインさんたちを……逃がせれば……」

エバンス「ああ。セインたちが戦争に関わらなければ、連合軍の練度は低いみたいだし作戦は失敗すると思うぞ」

ローガン「逆に言えば……もし開戦前に連合軍を瓦解させられたとしても、セインくんたちの参戦を阻止しなければ最悪の可能性が消えることはないとも言えるかもしれん……」

イリス「そうですね……。セインくんたちを逃がして、戦争の勃発も阻止して、誰も血を流さないで済むようにできれば一番良いんですけど……」

ミスティ「5日後だから……実質的なタイムリミットはあと4日ね。それまでにどうにかできないと、王国も魔族国もただでは済まないわ……」

クロシュ「……!」グッ

王都セイントレア滞在10日目。15日目に戦争と何かが起こりそうです
↓4〜6 自由安価 何をする?
876 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2025/06/08(日) 19:14:41.35 ID:aB/t1czmo
セイン達を開放するのが手っ取り早いっぽい?
877 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2025/06/08(日) 19:17:10.69 ID:QG4QAgwk0
再現魔法の練習
878 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2025/06/08(日) 19:17:33.37 ID:DoW6Xcb6O
今までの地方から励ましの手紙が届く
879 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2025/06/08(日) 19:17:38.72 ID:jrpXXxZi0
ミスティ、家庭教師の依頼に挑戦
880 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2025/06/08(日) 19:17:49.45 ID:1Mvmd047O
イリス ザックと模擬戦して槍術と杖術を強化
881 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2025/06/08(日) 19:18:13.20 ID:B34sqv1po
再現を完全にマスターして、伝説スライムの一端を覚醒させる
882 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2025/06/08(日) 20:33:36.27 ID:N69p16ex0
―冒険者ギルド 王都支部

ローガン「これを見て欲しい」ペラッ

 依頼書『家庭教師募集 未経験不可』

クロシュ「?」

ミスティ「家庭教師募集の依頼書? それがどうかしたの?」

ローガン「これの依頼人だ」

 依頼書『依頼人:ハンタイハス・キゾクィス』

ローガン「このキゾクィス家は、この王都において差別反対や戦争反対運動を支援している数少ない貴族の一つだ」

ミスティ「えっ? 貴族なのに反対しているの?」

妖精「王に粛清とかされないの?」

ローガン「アルベール王の他種族に対する苛烈さや歴代でも有数のものだが、同時に国民への寛大さも極めて高いと言われている。その寛大さは当然貴族たちにも適応されるわけでな」

ミスティ「反対運動をしていても多目に見てもらえるということね」

妖精「歯牙にもかけていないとも取れそう」

ローガン「うむ……実際この王国内では、どれほどの大貴族であろうと王族の小指の先程度にも及ばぬ。そうであるが故の寛大さ、余裕とも言えるだろうな」

ミスティ「……それで、この反対派貴族の家庭教師依頼をどうするの?」

ローガン「うむ……これに応募してこの貴族と接触を図り、反対派運動に一枚噛んでみる――というのはどうだろうか?」

妖精「なるほどね……でもこれ、未経験不可って書いてあるよ。ローガンって家庭教師経験とかあるの?」

ローガン「……妖精くんは? 太母と言われるくらいなら……」

妖精「いや私妖精だし……人間に教えるべき知識なんてないし、家庭教師なんてのもやったことないよ」

ローガン「……ミスティくんは?」

ミスティ「あるわけないでしょ……」

クロシュ「……」

ローガン「クロシュくんは……聞くまでもないか……」

妖精「ローガン……もしかして未経験不可って文字が見えてなかった?」

ローガン「……面目ない」

ミスティ「ローガンさんでもこんな失敗をすることがあるのね」

妖精「でもまあローガンは元騎士のおじさんだし、経験ありますって言い張れば誤魔化せるんじゃない?」

ローガン「う、うむ……であればここは私が――」

クロシュ「!」

ミスティ「クロシュ? どうしたの?」

クロシュ「……ここ……」

 依頼書『追記:男性不可』

ローガン「なんだと……」

 *

ミスティ「というわけで私が行くことになってしまったわ……」

妖精「でも男性不可なんて依頼ちょっと胡散臭いし、やめた方が良いんじゃない……?」

ローガン「うむ……私としても、ミスティくんに危険な橋を渡って欲しくはない」

ミスティ「でも反対派の貴族と接触できればいろいろ便利かもしれないわ。危なかったら凍らせて逃げるから大丈夫」

ローガン「貴族に怪我を負わせるのも困るのだが……」

ミスティ「まあまずは面接からよ。落ちればどうしようもないし、気楽にいきましょう」

↓1コンマ
01-60 落ちた
61-90 受かった
91-00 ??
883 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2025/06/08(日) 20:40:07.55 ID:9scvViMZ0
はい
884 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2025/06/08(日) 21:18:22.86 ID:N69p16ex0
受付嬢「……厳正な審査の結果、誠に残念ながら不採用とさせて頂きます。ミスティ様の今後のご活躍を心よりお祈り申し上げます……とのことです」

クロシュ「わ……」

ミスティ「まあ……それはそうなるわよね……。でもちょっと落ち込むわ……」

ローガン「……すまぬ」

妖精「まあまあ……反対運動に関わる方法はこれだけじゃないんだから、他の方法を探そう」

ローガン「うむ……。家庭教師の募集に対して、反対派だからと下心を持って応募するというのがそもそも良い行いではなかったな。本当にすまぬ」

ミスティ「いえ、別に良いわ……。でもそう考えると、落ちて良かった気がするわね」

 ◇

―聖ヴァレリオ教会

ザック「備品の搬入終わったぜ!」

クレア「ありがとうございます」

イリス「花壇の水やり、終わりました〜」

クレア「イリスさんもありがとうございます」


ザック「……聞いたぞ? 君があのダークヒーローイリスなんだってな」ヌッ

イリス「えっ……!?」

ザック「というわけでここは一つ、手合わせ願おう! 光のヒーローことこのザックと、闇のヒーローである君の、どちらがよりヒーローなのか……決着を付けようじゃないか!」

イリス「ええ……」

クレア「ザックさん……イリスさんを困らせないで仕事に戻ってください。司教に言いつけますよ」

ザック「うっ……す、すまない。それでは……」スッ

イリス「いやまあ……模擬戦くらいならいいですけど……」

ザック「おっ本当か!?」

クレア「はぁ……ザックさん、くれぐれもイリスさんを怪我させないでください」

ザック「当然だ!」

クレア「イリスさんはザックさんを怪我させてもいいです。いつものことなので」

イリス「ええっ……!? い、いやいや……怪我はさせませんよ、こっちも!」

↓1コンマ
01-35 敗北
36-45 引き分け
46-90 勝利
91-00 会心
885 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2025/06/08(日) 21:22:36.73 ID:QG4QAgwk0
886 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2025/06/08(日) 21:52:07.78 ID:N69p16ex0
―セイントレア平原

 高圧血流「」ドギュウウウッ!!

ザック「ぐわーッ!」ドッギャァァァン!!


イリス「はあ、はあ……! ど、どうだ!」シャキン!


ミラ「勝者、イリスさん。お疲れ様でした」パチパチ


血溜まりに沈むザック「」


ミラ「……ザックさん血まみれだけど大丈夫?」

イリス「あれは水魔法で作った血っぽい液体で、ザックさん自身の血ではないので……多分大丈夫……のはず……」

 *

ザック「負けた……!」

イリス「接近戦に持ち込まれたら危なかったので……。でも血魔法、非殺傷魔法としてもけっこう使えそうですね」

ミラ「水魔法とは違うのかな?」

イリス「私はまだそれほど使いこなせてないけど、凝固度をもっと上手に調整できれば固体や半固体の物質としても扱えそうなの。水よりもサラサラしてないから、似てるように見えて使い方は全然違いそうな感じ」

ミラ「へえ……でも血を操るってかっこいいね。吸血鬼みたいだ」

イリス「吸血鬼の方からお借りした槍を使ってるから、あながち間違ってはいないかも……」

ザック「吸血鬼の操血術だったとは……ダークヒーローの噂は本当だったのだな!」

イリス「いや、どんな噂ですか……」

 ☆勝利により魔法経験と近接経験をそれぞれ+1獲得しました

 ☆イリスの魔法レベルが1上がり、上限に達しました

 ◇
887 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2025/06/08(日) 21:53:09.17 ID:N69p16ex0
―午後
 聖ヴァレリオ教会 庭

 日差し「」キラキラ
 花壇「」
 咲いた花「」ユラユラ

スライムクロシュ「……」


エバンス(お……再現ってやつの練習か)

妖精(そうみたい。集中してるみたいだから、そっと見守ろう)

エバンス(おう)


スライムクロシュ「……」

ちょうちょ「」ヒラヒラ…ピト

スライムクロシュ「……」


↓1コンマ(スライム技能+80、一度できた+40、最難関技-100)
01-10 失敗
11-90 成功(3/3)
91-00 ??
888 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2025/06/08(日) 22:06:39.63 ID:aB/t1czmo
成功のその先へ!
889 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2025/06/08(日) 23:05:55.77 ID:N69p16ex0
スライムクロシュ「……」モニョモニョ…グググ…


 潮騒の音「」サァァァ… ササァァン…


妖精「!」

エバンス(……波の、音……?)


スライムクロシュ「……」モニョニョニョ…
 生えてくる巻き貝「」ググググ…


 ポン!!!!


再現タニシクロシュ「〜〜!」モニョニョ


妖精「ウミタニシ……!! でも、同化じゃないんだよね……!?」

エバンス「あ、ああ! 見ろ、貝殻ならこっちにある!」

 大きな巻き貝「」ゴロン

妖精「ということは……クロシュ、貝殻なしでウミタニシとの同化と同じ力を……再現したんだ!」

再現タニシクロシュ「〜〜!」モニョモニョ

エバンス「すげえぞ! これで、カリスの奴に捕まってる子たちのことも再現できりゃあ……!」

妖精「うん! 呪いの解明に一気に近づく……!!」


再現タニシクロシュ「〜〜…」モニョニョ…

 グググ…デロデロ…

スライムクロシュ「」デロロ…


エバンス「おおっ……!? ど、どうしたんだ……!? 溶けちまったぞ……!?」

妖精「……本来は同化に必要な物質なしに力を再現するわけだから、たぶん通常の同化よりもかなり疲れるんだと思う。ウミタニシの貝殻は同化における燃費が軽い方の物体だったと思うけど、それでもこの短時間で限界になっちゃうくらいには……」

エバンス「マジか……」

半スライムクロシュ「うん……。おなか、すいた……」モニョモニョ…

妖精「となると……強力な属性を身に宿す各属性スライムや光の精霊は燃費が悪くなりすぎてもっと厳しいだろうし、不死鳥の羽根は言わずもがな……。基本的には手元にある物体を使って、どうしても手元にないものと同化したい時にだけ再現を使うのが良いのかも」

半スライムクロシュ「うん……」モニョ

妖精「とりあえず今は、カリスのとこにいた誰かを再現して大魔女に診てもらうのが最優先かな?」

半スライムクロシュ「ん……!」モニョニョ

 ☆クロシュがスライム奥義再現≠習得しました
  燃費が悪く、通常の同化よりもお腹が減りやすいです

 ◆
890 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2025/06/08(日) 23:08:06.24 ID:N69p16ex0
―翌朝
 大聖堂別館 中庭

 チュンチュン

ちびスライムクロシュ『さいげん、できた……!』モニョニョ

セイン「! 本当か……!」

黄スライム『んわわ〜!』キャッキャ

灰スライム『すごい……』モニョニョ

フレア「クロシュちゃん、ほんとにすごいスライムなんだあ……」

セイン「それじゃあ……僕たちとも同化できるか?」

ちびスライムクロシュ『ん!』モニョ

フリューゲル「万全を期す為には全員と同化して覚えていった方が良いわ。もし一人ひとり呪いの仕様が異なるものだったら、一人だけを解析できてもその一人しか助からない」

灰スライム『……生きてるものとの同化はちょっと危ないけど……でも、再現を使えるほどのクロシュなら大丈夫かな……?』

黄スライム『ボクたちが抵抗しなければ大丈夫だよ!』

 ◇

 デロデロ…モニョモニョ…ポン!

ちびスライムクロシュ『おぼえた……!』モニョモニョ

灰スライム『ふわ……同化されるのって……なんか、ヘンな感じ……』モニャニャ…

フリューゲル「お疲れ様、クロシュさん……。あとは――」


アイス「……」


セイン「アイス……できれば、お前も……」

アイス「やだ……。クロシュと同化なんて……きもちわるい……」

ちびスライムクロシュ「〜〜…」デロロ…

フレア「あ、アイスちゃん! 言っていいことと悪いことがあるよっ……!!」

アイス「ふん……」

セイン「アイス……」

アイス「………セインたちには……ちょっとだけ、せわになったから……カリスに、つげぐち……しない……。でも……もう、なかまじゃ……ない……」

セイン「……」

アイス「……カリスの……ペットは……アイスひとりで、じゅうぶん……」

黄スライム『で、でもアイスちゃん……カリスは、アイスちゃんに酷い呪いをかけてて……クロシュちゃんは、それを解こうとしてくれてるだけなの……!』

アイス「よけいなおせわ……。いらない……」


フリューゲル(……もし私たちが脱走して……ここにアイス一人になったら……アイスはたった一人で、カリスの実験台となり続けることになる……。セインが守ることもできないから……きっと、その未来は……)


ちびスライムクロシュ「……」


どうしよう……
↓1選択
1.がんばって説得する(↓1コンマ81以上で成功、10以下で大失敗)
2.今回は引き下がる……
0.自由安価(状況にそぐわないものは再安価)
891 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2025/06/08(日) 23:12:39.43 ID:9scvViMZ0
無理はよくないから
2
892 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2025/06/08(日) 23:12:44.98 ID:aB/t1czmo
……会心賽使い所かも
すみません今回1選択でコンマに会心賽使えますか?
893 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2025/06/08(日) 23:20:06.16 ID:N69p16ex0
会心賽は使えます……が、今回は無理をせず引き下がることとなりました。慎重さを覚えたクロシュ氏なのでした
894 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2025/06/08(日) 23:20:40.26 ID:N69p16ex0
ちびスライムクロシュ(……へたなこと言ったら……よけいに嫌がらせちゃうかも……)


ちびスライムクロシュ『……』モニョニョ…

セイン「……クロシュ、すまない。ひとまず今は、今覚えた分の再現を大魔女に診てもらって欲しい」

ちびスライムクロシュ『うん……』モニョニョ…

セイン「アイスについては……少し時間をくれ。こちらでもできることを探してみる……」

ちびスライムクロシュ『……わかった……』モニョ…

 ☆セイン、フレア、黄スライム、灰スライム、フリューゲルの再現を覚えました

 ◇

王都セイントレア滞在11日目。15日目に何かが起こります
↓1〜3 自由安価 何をする?
895 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2025/06/08(日) 23:21:49.47 ID:DoW6Xcb6O
ダークヒーローイリス、奴隷解放組織からスカウトされる
896 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2025/06/08(日) 23:25:23.36 ID:vkVjBa9Bo
早速呪いの解析を
897 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2025/06/08(日) 23:25:25.28 ID:QG4QAgwk0
グランドマスターに大司祭の事を聞いてみる
898 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2025/06/08(日) 23:25:54.52 ID:GSAt6mWLO
地力を上げる修行回
899 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2025/06/08(日) 23:47:06.64 ID:N69p16ex0
―朝
 聖ヴァレリオ教会 宿泊室

ちびスライムクロシュ「〜〜!」ピョンピョンピョン

妖精「帰ってきた!」

スライムクロシュ「〜〜!」モニョニョ

 デロデロ…モニョニョ…

 *

クロシュ「……アイスちゃん以外は……再現、できそう……」

ミスティ「アイスは……あの銀髪の少女よね……」

クロシュ「うん……。カリスのこと……すきだって……」

イリス「カリス・ノーランドめ……! 洗脳して自分を好きにさせるなんて、卑劣な真似を……!」ググッ

妖精「でも生きてる相手と同化する場合、相手が嫌がってるとすごく危ないんだよね……。困ったね……」

クロシュ「うん……。セインさんが……できること、考えてくれるって、言ってたけど……」

イリス「……セインくんって優しいし……前に話した感じだと、たぶん自分よりもその子たちのことを大事にしてるから……」

ミスティ「……最悪、アイス以外を逃がしたら自分だけアイスと一緒に残るなんて言い出しかねないわね」

クロシュ「……」

妖精「うう〜ん……」

 コンコン ガチャッ

クレア「イリスさん宛にお手紙です」

イリス「えっ、私に?」

クレア「はい……しかし差出人が書かれていないので、お気を付けください。魔力や刃物の類は込められていないので、その手紙自体に危険はないかと思いますが……」

イリス「な、なんだろう……。とりあえずありがとうございます」

クレア「いえいえ。困ったことがありましたらいつでも相談してくださいね。それでは」

 ガチャ パタム

 イリス宛の手紙「」

ミスティ「……で、その手紙は何なのかしら?」

妖精「とりあえず開けてみれば? 危険はないみたいだし」

イリス「そ、そうだね!」


↓1コンマ
01-30 過激派奴隷解放組織
31-60 零細奴隷解放組織
61-90 貴族主催奴隷解放組織
91-00 ???
900 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2025/06/08(日) 23:49:09.71 ID:GSAt6mWLO
901 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2025/06/09(月) 00:16:31.10 ID:11w6ajvR0
 手紙『突然のご連絡、どうかお許し頂きたい。こちらにかの高名なダークヒーローイリス殿が宿泊なさっているとお聞きし、この度書簡を送らせていただくことに――』


ミスティ「前置きが長いわね……」

イリス「でもこのやけにもったいぶった書き方って……」


 手紙『――ということで、是非ともダークヒーロー殿の一助を頂きたく願います。もし賛同の意を表して頂けるのであれば、本日昼に中央広場にて行われる反対運動にイリス殿もお越しください。よろしくお願い致します。ハンタイハス・キゾクィス&ハンナ・キゾクィス』


ミスティ「……ん? この署名……」

妖精「ローガンが言ってた反対派貴族の名前だ」

イリス「ええっ!? お貴族様がなんで私なんかを……!?」

妖精「反対運動を加速させる為にダークヒーローイリスの影響力が欲しいんじゃない? ほら、ダークヒーローイリスってけっこう実績があるし」

ミスティ「そうね……今までに巡ってきた国々で、ダークヒーローは多くの命を救ったり、致命的な差別や迫害を鎮めて来たりしたわ……」

妖精「うん。それにこちらとしても都合が良いかも。反対運動を激化させられれば、王国軍やグランドマスターをさらに弱体化させられるかもしれないし」

イリス「な、なるほど……。じゃあ行ってみようか、お昼の反対運動に……」

クロシュ「うん!」

クローディア「クロシュはお留守番よ。覚えてきたものをしっかり私に見せる為にね」ヌッ

クロシュ「わ!」

イリス「大魔女様!」

ミスティ「出たわね……」

クローディア「話はわかっているわ。各々ができることをやっていきましょう。それが最善の未来に繋がるはずよ」

妖精「話が早いのは助かるけど前触れなく部屋の中に現れないで欲しいかな……」

 ◇
902 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2025/06/09(月) 00:16:58.33 ID:11w6ajvR0
本日はここまでとなります。次回もよろしくお願いいたします

コンマ判定が絡むところでは、会心賽は使えるものと思って頂いて大丈夫です。アイスさんについてはまだ運命が確定したわけではないので、今後の行動次第で未来は広がります。残り日数は少ないですが有意義な行動を心がけていただければ良いと思います
903 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2025/06/09(月) 02:10:36.88 ID:aLW4VmCoO
おつ。
次こそは修行回をとって経験値を入れたいな。
大きな戦闘に備えてレベルアップできるところはしておきたい。
904 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2025/06/09(月) 14:39:03.27 ID:wltj3ZyY0
乙です。
廃城で入手した魔導書はじめデッドストックになりかけてるアイテムもいくつかあるから何とか活用していきたいな。
905 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2025/06/14(土) 21:44:44.95 ID:+LD9ujjH0
預言の日への備えについては、個々の戦闘力よりも具体的な情報や対策の方が効果が大きいです。訓練をすれば経験を積むことはできますが、残り日数は限られているので他のことをした方が良いかもしれません

拾ったアイテムについては、実用品というよりは実績とか記念品に近いものが多いので無理に活用する必要はありません。魔導書の類は読めば属性レベルが上がりますが、残り日数は限られているので他のことをした方が良いかもしれません
906 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2025/06/14(土) 21:45:12.20 ID:+LD9ujjH0
―聖ヴァレリオ教会 宿泊室

 モニョモニョ…ポン!

再現灰スライムクロシュ「……」モニョニョ

妖精「灰色のスライム……ストーンスライムに似ているね。地属性の力も感じられる」

再現灰スライムクロシュ『そうなんだ……』モニョニョ

クローディア「クロシュが覚えてきたものはこれで全部?」

再現灰スライムクロシュ『うん……』モニョ

妖精「どう? わかりそう?」

クローディア「ええ。予想通り、一人一人僅かに異なる呪いがかけられていたわ。事前に見ておいて正解だった」

 モニョモニョ…ポン

クロシュ「みんな、たすかる……?」

クローディア「助けるわ。ただ、あなたやフメイにかけられていたものよりもかなり複雑で厄介な呪いみたいなのよね。今すぐに全員分の解呪術式を用意してあげるのは難しいわ……」

クロシュ「……えっと……もう一人……アイスって、子が……いて……」

クローディア「わかっているわ。あの溶けた氷魔力の持ち主でしょ? 今あなたが見せてくれた中には、氷魔力を持つ姿がなかったから」

クロシュ「………その子も……助けたい……。だから……えっと……」

クローディア「再現して見せてくれれば、必ず助けるための術式を組むわ。あとは――あなたの頑張り次第よ」

クロシュ「……! うん……!」


妖精「ところで今わかった分の術式はいつ完成するの?」

クローディア「3日後の夜には完成させられると思うわ」

妖精「3日後の夜って、開戦予定日の前夜だよ! もうちょっと早くできない!?」

クローディア「無理。これでもかなり限界なのよ……。文句を言うなら、大魔女をここまで手こずらせそうな呪いを作り上げたカリスに言って頂戴」

妖精「後からアイスの分を追加なんてしたら後ろにズレたりしない?」

クローディア「大魔女の誇りにかけて、必ず3日後の夜には完成させるわ。アイスの追加があっても絶対に間に合わせる。だから安心して」

妖精「わ、わかったよ。クロシュもわかった?」

クロシュ「うん……! 間に合ったら……間に合う……!」

 ☆3日後の夜(滞在14日目の行動終了時)に解呪の術式が完成し、救出イベントへ移行します

 ※それまでにアイスを説得できたかどうかにより、運命が大きく変化する可能性があります

 ◆
907 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2025/06/14(土) 21:45:42.99 ID:+LD9ujjH0
―王都セイントレア 中央広場

 ワーワー ギャアギャア

戦争反対派「グランドマスターは戦争をやめろー!」

奴隷反対派「奴隷を解放せよ!」

 ワーワー ギャアギャア



クロシュ「わあ……」

妖精「けっこう派手にやってるなあ」


イリス「あ、クロシュちゃん! 妖精さん!」

エバンス「大魔女の検診は終わったのか?」

妖精「うん。3日後の夜までにはなんとかするってさ」

エバンス「ギリギリだな……」

妖精「そっちは? 奴隷解放組織と話してきたんでしょ?」

エバンス「おう。都合の良い時で構わないから、ダークヒーローイリスとして演説とかしてくれると助かるってさ」

イリス「ど、どうしよう……?」

妖精「まあ……都合の良い時にやれば良いんじゃない? この王都でダークヒーローイリスの名声がどこまで通用するかは知らないけど」

エバンス「悪の人間を裏切って魔族に付いたダークヒーロー……って設定なんだよな。王都民ウケがどうかはちょっと判断が付かないが……」

イリス「そういえばそんな設定でした……」

 ☆ダークヒーローとして活動する際、貴族主催奴隷解放組織の後方支援を受けることができます

 *
908 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2025/06/14(土) 21:46:08.56 ID:+LD9ujjH0
過激反対派「ロイエ教の恥!」
過激反対派「レイシズム野郎!」
過激反対派「グランドマスターは謝罪しろ!」

 石「」ポイポイ
  石「」ポイポイ

グランドマスター「愚民共が……!」サッサッ



妖精「ところであそこで石を投げられているのは……」

イリス「グランドマスターだね……」

クロシュ「! 聖女さんと、僧侶さんの……お父さんのこと……」

エバンス「あいつに聞けって話だったな!」

クロシュ「うん……!」

妖精「でもあのグランドマスターが素直に教えてくれるかどうか……」

イリス「とにかく聞くだけ聞いてみよう!」

 *

クロシュ「……グランドマスター、さん……」ヒョコッ

グランドマスター「……チッ、貴様ら……何の用だ」

妖精「大司祭ってやつの行方を知らない?」

グランドマスター「は? なぜ貴様らが奴のことなど……」

クロシュ「えっと――」


エバンス(待てクロシュちゃん、こいつに余計な情報を与えるな)

クロシュ(……!)

エバンス(俺たちが聖女や僧侶と繋がりがあるなんて知ったら、こいつは彼女たちに危害を加えるかもしれない。だからその辺りの事情は話さない方が良い)

クロシュ(う、うん……!)


グランドマスター「ハッ、人にものを聞いておきながらこそこそ密談ですか? この枢機卿を相手に失礼な輩がいたものです」

妖精「あなたはもうそんなに偉ぶれる立場でもないと思うけど……」

グランドマスター「フン、貴様たちのせいでね。で、大司祭のことでしたか?」


↓1コンマ
01-60 どこでしょうね?
61-90 教えて差し上げましょう
91-00 ???
909 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2025/06/14(土) 21:48:43.28 ID:vIgojprLo
???
910 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2025/06/14(土) 22:08:54.68 ID:+LD9ujjH0
グランドマスター「どこでしょうね?」

エバンス「おい、知っているなら――」

グランドマスター「なぜあなた方の要求に応じる必要が? 敵に塩を贈る趣味はありません」

イリス「……知ってはいるんですね?」

グランドマスター「クク……クックック……ファーッハッハッハ!」

妖精「ちょ、いきなり何……!? 気が狂ったの……!?」

グランドマスター「ククク……失礼。あなた方が彼を探しているということが、あまりにも面白かったものでね」

エバンス「……どういうことだ?」

グランドマスター「彼は殺されたんですよ。他でもない――あなた方の手でね!!!!」

クロシュ「!?」

妖精「は、はあ……!? 何を言ってるの!?」

グランドマスター「私から教えられることはこれだけです。ハハッ、無益な人探しご苦労様でしたね! それでは!」スタスタ


クロシュ「……」

 デロデロ…

スライムクロシュ「」デロロ


イリス「ああっ、クロシュちゃん……! あんな奴の言うこと信じちゃだめ!」

エバンス「そ、そうだぞ! 大体、俺たちが大司祭を殺したなんてありえないだろ!」

スライムクロシュ「……」モニョニョ…


妖精(でも、あのグランドマスターの様子……本気で私たちのことを嘲笑っているようだった……)

妖精(……虚言にしては……あまりに、真に迫りすぎている……)

妖精(どういうこと……? あのグランドマスターの気が狂っているのか……)

妖精(それとも……まさか、本当に私たちが……?)

妖精(いや……エバンスの言う通り、ありえない。ありえないはず……)

 ☆大司祭をクロシュたちが殺した?という真偽不明の情報を得ました

 ◆
911 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2025/06/14(土) 22:27:19.93 ID:+EcldYH+O
もしかしてクロシュが食べた聖域の精核の中に大司祭がいた?
色々な色の精核があったし
912 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2025/06/14(土) 22:52:09.98 ID:+LD9ujjH0
―王都セイントレア 滞在12日目

◇クロシュ [あかちゃんスライム]
武:星霊の剣     盾:ラティアの大盾  飾:くすんだ耳飾り
武:竜珠の大杖    防:竜のエプロン   飾:不死鳥の羽根

◇妖精   [世話焼き妖精]
武:         盾:         飾:くすんだ耳飾り
武:         防:精霊のレオタード 飾:

◇イリス  [星の魔法使い]
武:蒼き星の杖    盾:         飾:くすんだ耳飾り
武:ブラッドランス  防:魔術師のローブ  飾:

◇ミスティ [氷の魔法使い]
武:氷の短刀     盾:         飾:くすんだ耳飾り
武:         防:氷竜革のローブ  飾:

◇ローガン [鋼の戦士]
武:蜥蜴一文字    盾:灼鋼の盾     飾:くすんだ耳飾り
武:鋼の回転ノコギリ 防:オリハル鎖帷子  飾:

◇エバンス [地の傭兵]
武:古代の鉄槌    盾:         飾:くすんだ耳飾り
武:魔銀の刀     防:硬質革鎧     飾:

◯所持アイテム
[道具]        [装備品]       [大事なもの]
運命賽*2       蜘蛛絹の下着      魔族国永久旅券
会心賽*1       ザリガニのお守り    フメイの服の切れ端
反魂丹*1       大きな巻き貝      精霊の印
鉄鍋+携帯調理器具   闇の欠片        精霊樹の実のジャム
「星の魔力」上中下   フリルワンピ水着    精霊樹の鉢植え+赤雷球
お宿の妖精の織物    魔法学園のスク水    フメイとアリシラの人形
魔導飯盒        ガラスのザリガニ    メルルの帽子
妨害魔力波発生装置   踊り子の双剣      溶岩石のアミュレット
属性大全        サボテンドラゴンの花  太陽のメダリオン
魔王図鑑        精霊のローブ      暗黒優待券
氷精の魔導書      精霊樹の杖[改]    冒険者証(ランク1)
ブラッドワイン*1   銀のナイフ       大魔女帝国渡航権
吸血鬼殺ワイン*1   ダイヤメリケンサック  かたたたきけん
魔術書「正負の属性」  パラサイトソード    大魔女帝国滞在許可証
吸血鬼の日焼け止め               風船印のパラシュート
日蝕の傘                    ラティア勲章
大魔女サイン*1                ユーシリア王家の紋章
古代のセラミック
ステライト鉱石
晴れ乞い傘
チョコスムージー
ヒヒイロカネ
氷魔力結晶
魔導書「絶対零度」

◯現在の目標
・フメイちゃんを探す
・世界樹の光を追う[4/5]
・最悪の未来を阻止する

◯努力目標
・カリスに造られた者たちを助ける
・戦争を阻止する
・大司祭を探す
・枢機卿の悪事を暴く(達成!)
・レイの行方を追う(達成!)

◯仲間の目標
・カリス・ノーランドを討つ(ミスティ)

◯経験値
・クロシュ 剣技[03/07] 魔法[06/07] 防御[00/07]
・イリス  杖術[03/06] 魔法[16/16]
・ミスティ 剣技[05/07] 魔法[11/16]
・ローガン 剣技[16/16] 魔法[06/08] 防御[07/08]
・エバンス 剣技[16/16] 魔法[07/08]
……………………………………………………………………………………
□王都セイントレア
王城:未探索
城下:教会、孤児院、市場、食事処、酒場、浴場、娼館、冒険者ギルド
   中央広場、公園、学校、図書館、博物館、劇場、闘技場、未探索
……………………………………………………………………………………
□セクリエ・ロイエ
大聖堂、大聖堂別館、美術館、庭園、お土産屋、未探索、他
……………………………………………………………………………………
913 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2025/06/14(土) 22:52:58.04 ID:+LD9ujjH0
―朝
 聖ヴァレリオ教会 宿泊室

 チュンチュン

クロシュ「……」

クロシュ(……今日と、明日と、明後日に……やること……)


◯世界樹の光
・今できることはなさそう……

◯大司祭さん
・聖女さんと僧侶さんのお父さん
・お父さんがいれば、聖女さんと僧侶さんも、嬉しい
・預言について、何か知ってるかも……
・わたしたちが殺した……?
・みんなで話し合ったりすれば、わかる……?

◯戦争のこと
・ほっといても潰れるかも……
・イリスさんが、反対の演説とかする……?

◯セインさんたちのこと
・セインさん、フレアちゃん、黄スライムちゃん、灰スライムちゃん、フリューゲルさんの呪いを解く魔法は、大魔女さまが用意してくれる
・アイスちゃんの分は、まだ……
・なんでか、アイスちゃんに嫌われているみたい……
・でも、わたしは……アイスちゃんのこと、助けたい……
・アイスちゃんも助からないと……セインさんたちも、気持ち良く逃げられないかも……


クロシュ「……」

クロシュ(あと……自由に動けるのは、3日……)

クロシュ(……できることを、やらなきゃ)


王都セイントレア滞在12日目。15日目に戦争と何かが起こりそうです
↓2〜4 自由安価 何をする?
914 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2025/06/14(土) 22:53:48.67 ID:9YyAZ5LoO
メルルと一緒に王宮に潜入
915 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2025/06/14(土) 22:53:52.20 ID:HOyKXkkn0
妖精、お忍びできた国王と対話
916 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2025/06/14(土) 22:54:31.33 ID:tgbZC3gNO
大司祭行方考察
917 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2025/06/14(土) 22:54:51.53 ID:xn9nhD3xo
アイスちゃんと同化をかけた決闘や
918 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2025/06/14(土) 23:00:05.58 ID:AgPtlvANO
ガッタがたまたまクロシュ達のいる教会にやって来た
919 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2025/06/15(日) 00:05:41.18 ID:JHupTsEL0
―王都セイントレア

 ワイワイ ガヤガヤ

妖精(たまには妖精の身を生かして王国軍の偵察でもしてこようかな?)パタパタ

妖精(なんて思って一人で外を飛んでいたら――)


アルベール王「……」スタスタ


妖精(アルベール王が妙にみすぼらしい格好で歩いている。お忍びで城下の視察でもしているのかな?)

妖精(…………せっかくだし、緑の国の元首として少し話でもしてみるか)パタパタ


アルベール王「……」スッ

妖精「待った待った、ほらこれ! 巡礼者だよ、私!」

 巡礼証明書「」ポン

アルベール王「ふむ……そうか」

妖精「……それにしても、王様が騎士も従えずに一人でこんなとこを歩くなんて不用心じゃないの?」

アルベール王「そっくりそのまま返そう。緑の国の太母よ」

妖精「……知ってるんだ」

アルベール王「当然だろう。周辺国の長を知らぬ愚王がどこにいる」

妖精「それはまあ確かに……」

アルベール王「して、何用か?」

妖精「……用というほどでもないけど……ちょっと話をしたいと思ったの。人間以外にすごく厳しい王国の長がどんな奴なのか知りたかったし」

アルベール王「ふむ」

妖精「……単刀直入に聞くけど……なんで人間以外を異常なまでに排撃するの?」

アルベール王「……不思議に思うか? 王国の姿勢を」

妖精「そりゃそうだよ。アルベール王は自国の人間に対してはものすごく優しいのに、人間以外の種族にはすごく厳しくて恐ろしいって有名だけど、私にはそれがよくわからない。どうして人間には優しくできるのに、他の種族には優しくできないの?」

アルベール王「他の種族に優しくして、どうなる?」

妖精「えっ……?」

アルベール王「人は弱い。魔族よりも、エルフよりも、獣人よりも――スライムよりも。局所的に融和が成立することは確かにあり得るだろう。だが――恒久的な融和が続くことは、決してない。他種族の者は、いつか必ず弱い人間を見下し、虐げ、殺す。仇で返されることがわかっていて、わざわざ優しくしてやる理由などあるはずもない」

妖精「……だからって、他の種族を虐げて、殺すの?」

アルベール王「外敵を排除するのは自然な生命活動だと思うが?」

妖精「……外敵か。なるほどね……。私たちは結局、この星という大自然に生きる命の一つでしかない――。生きる為に殺し合い、奪い合うのは摂理――宿命と言える」

アルベール王「そうだ。そしてこのセイントレア王国もまた、一つの巨大な命と言っても差し支えない。命が生きるには、他の命を奪い、他の命を喰らい、他の命を排除しなければならない。私はただ――その巨大な仕組みに殉じているに過ぎない」

妖精「……大体わかったよ。ありがとう」

アルベール王「そうか」


妖精(アルベール王……どうにもならないこの世界の体現者みたいな男だ。でも……それこそが、命の本質でもあるように思う……)

妖精(……お忍び視察中みたいだし、まだ少し話せるかも。どうするかな)


↓1〜2選択 話すこと
1.戦争について
2.王都の世論について
3.デロデロについて
0.自由安価(状況にそぐわないものは再安価)
920 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2025/06/15(日) 00:11:48.75 ID:+UG8u5/Yo
3
921 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2025/06/15(日) 00:13:24.10 ID:IfIRw+o80
1
922 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2025/06/15(日) 00:14:08.32 ID:JHupTsEL0
本日はここまで。次回もよろしくお願いします
923 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2025/06/15(日) 08:34:52.22 ID:zFN8BgCK0
おつ
妖精さんクロシュママもいいが一国の王としての威厳もあるのよき
924 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2025/06/15(日) 10:36:02.52 ID:kNzgELLZo
おつおつ
グラマスクズ外道だからブラフの可能性もあるがしかしはたして…?
925 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2025/06/15(日) 15:51:25.32 ID:JHupTsEL0
妖精氏は普段はクロシュの保護者面をしているお節介妖精ですが、実は緑の国を興した者としての厳格な一面もあったりなかったりするようです。なお本人的には、国の長はもう面倒でコリゴリだと思っているようです

グランドマスター氏は性格が悪いので、嫌がらせのつもりでいい加減なことを言った可能性もあります。しかしクロシュ氏はどうもグランドマスター氏の放言が気にかかっているらしく、少し考えてみるつもりでいるようです

なお既に気付いている方もおられましたが、大司祭氏の行方は実は既に手の届くところだったりします。あとはクロシュ氏のインチキ能力でどうにかなるでしょう
926 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2025/06/15(日) 15:51:55.47 ID:JHupTsEL0

妖精「そういえば王国と枢機卿が共同で魔族国に戦争を仕掛けるらしいけど、本気なの? 魔族国の捕虜の中には、マリー・セイントレア……あなたの娘もいたはずだけど」

アルベール王「人質解放については再三に渡って協議を重ねてきたが、芳しい成果は得られなかった。ゆえに武力による奪還を試みる他ないと判断したまでだ」

妖精「……枢機卿のグランドマスターは、人質ごと殺すつもりでいるみたいだけど?」

アルベール王「……先日出回ったあの映像のことか。当然ながら、王国としてはそのような判断を行うつもりは毛頭ない。我が国の民は可能な限り救助する」

妖精「そうなんだ……。連合軍内で意見が食い違ってるのはちょっと危ないんじゃないの? グランドマスターが人質を殺そうとしたらどうするの?」

アルベール王「事実確認中ゆえ、真偽不明の情報を元にした仮定についての回答は差し控えさせて頂く」

妖精「……娘のマリーのこと、心配?」

アルベール「……」

↓1コンマ
01-60 王に感情は不要だ
61-90 娘だけ特別扱いはできない
91-00 ???
927 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2025/06/15(日) 15:54:59.22 ID:sEaE7qyFO
はい
928 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2025/06/15(日) 18:43:10.98 ID:JHupTsEL0
アルベール王「王に感情は不要。王国にとって最も良き未来を目指すこと――それが王の責務だ」

妖精「そう……」


妖精(……でも本当に感情がなかったら、わざわざ不要なんて言わないよね)

妖精(もし王じゃなかったら、国よりも娘を優先できる? なんて……流石に聞けないか)

 *

妖精「そういえばデロデロ教って知ってる?」

アルベール王「最近にわかに増えていると聞いている。詳細までは知らぬが」

妖精「簡単に言えば、世界全てがデロデロに溶けちゃえば差別も争いもなくなって幸せだよって考え方みたい」

アルベール王「そういう考え方もあるか」

妖精「あれ、否定しないんだ?」

アルベール王「特段否定する必要性は感じない。過激な手段でもって我が国を脅かすのであれば別だが」

妖精「ああ、なるほど……。確かに今のところ、デロデロ教は穏健的な布教活動をするだけで悪さはしてないみたい」

アルベール王「我が国ではロイエ教を国教としているが、それとは別に信教の自由を保障している。もし国民がそのデロデロ教を信仰しようとも、その意思は尊重されるべきだ」

妖精「本当に自国民には甘いんだなあ……。あなた個人はデロデロについてどう思う?」

アルベール王「……溶けた状態がどのようなものか想像できず、理解もできない――というのが正直なところだ」

妖精「まあ人間ならそう思うのが普通かも……」

 ☆アルベール王と話をしました

 ◆
929 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2025/06/15(日) 18:43:39.38 ID:JHupTsEL0
―聖ヴァレリオ教会 宿泊室

クロシュ「グランドマスターさんが……言ってたこと、だけど……」

ローガン「我々が大司祭殿を殺した――と」

イリス「私たちへの嫌がらせでいい加減なことを言ったんじゃないかな……」

クロシュ「でも……ちょっと、気になる……」

エバンス「確かに言いがかりにしては意味がわからないしな。俺たちには当然殺した記憶なんてないわけだし」

ミスティ「……もし殺したとして……なぜそれをグランドマスターが知っているのか、という点も気になるわね。私たちとグランドマスターには面識もほとんどないのに」

ローガン「大司祭が既に殺されているのだとしても、あの原理派活動日誌によればむしろグランドマスターの方が容疑者として怪しいくらいだが……」

イリス「うーん……やっぱり意味がわかりません」

クロシュ「……」

 ☆>>911さんのレスが正解だったため、判定なしで正解に辿り着きます

クロシュ「!」ピコン!

エバンス「ん? クロシュちゃん、何かわかったのか?」

クロシュ「ちょっと……夢の中、潜ってみる……!」

イリス「えっ、どういうこと……!?」

 ◇

―クロシュの夢
 夢の集落

クロシュ「……」キョロキョロ

ヴァン「やあ、クロシュちゃん! お昼寝かな?」スタスタ

クロシュ「えっと……わたしが、前に食べた……精核っていう、えっと……」

夢の女神「精霊や魔族を原料にして造られた物質だよね。あれを探しに?」

クロシュ「うん……。ここに、いる……?」

夢の女神「……クロシュちゃんに食べられた全ての命が、この集落に留まるわけじゃないの。普通に食べた命のほとんどは、さらに内側の奥深くへ吸収されて、完全にクロシュちゃんの一部となる。そうなっちゃうと……今クロシュちゃんが考えていることを実行に移すのは、ちょっと難しいかも……」

クロシュ「むずかしい……?」

夢の女神「うん……。例えるなら……コーヒーの中に溶けた角砂糖を、コーヒーの中から全く同じ形状・組成にして取り出すような……そんな感じ」

ヴァン「そうだね……溶けた魂を取り出すのは、普通は無理なんだ」

クロシュ「んゅ……」デロ…

夢の女神「普通なら、ね?」

クロシュ「?」

ヴァン「フッフッフ……ここには夢の専門家が二人もいるだろう? いや、クロシュちゃんも含めれば三人かな?」

クロシュ「!」

セレナディア「四人の間違いじゃない〜?」ズシンズシン

ヴァン「セレナディアは食べる専門じゃないか!」

ブラッドの欠片「あたしも手伝ってやろうか? 夢の力は概ね真似できるし、スライムの内側についてはあたしの方が詳しいし」ヒョコ

夢の女神「わ、ありがとう! 確かにスライムについて詳しいブラッドちゃんが手伝ってくれるとすごく助かる!」

ブラッドの欠片「大司祭って奴はどうでもいいんだけど、世界めくれとかいう面倒事に巻き込まれるのはゴメンだからね」

クロシュ「んへへ……ありがと……!」

 ◇
930 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2025/06/15(日) 18:44:31.49 ID:JHupTsEL0
―クロシュの夢 深層

 近くの空に浮かぶ白い光「」ユラユラ


クロシュ「……」キョロキョロ

魂の砕屑「」フヨフヨ…

クロシュ(! ちょっと……聖女さんと僧侶さんに……似てる、気がする……!)

魂の砕屑「しんぱい……しんぱい……むすめたち……しんぱい……」フヤフヤ

クロシュ「娘たち……聖女さんと、僧侶さんのこと……?」

魂の砕屑「そう……。ほんとうのなまえ……おもいだせない……。しんぱい……」

クロシュ「あなたは……大司祭さん……?」

魂の砕屑「そう……だった……きがする……」

クロシュ「! じゃあ……聖女さんたちに……会う……!!」

 ◇
931 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2025/06/15(日) 18:45:39.24 ID:JHupTsEL0
―夢の集落

集まった魂の砕屑「」フヨフヨ


セレナディア「あっさり集まったじゃん〜」

夢の女神「クロシュちゃんが彼の精核を食べてからそれほど経ってなかったのが幸いしたみたい」

ブラッドの欠片「もう何日か経ってたらかなりしんどい作業になってたかもね」

ヴァン「さあクロシュちゃん! あとはこの魂の欠片を元通りの形に治してあげよう! そうすれば彼をあの復活の魔法で蘇らせられるようになる!」

クロシュ「うん……!!」スッ

 夢の魔法「」キラキラ

集まった魂の砕屑「」キラキラ―

 スゥ――
 ポン!!

大司祭「はっ……ここはどこだ……?」キョロキョロ

クロシュ「……大司祭、さん……?」

大司祭「いかにもそうだが……君は……?」

クロシュ「わたし……クロシュ……。スライム……」

大司祭「スライム……?」

クロシュ「聖女さんと……僧侶さんに……会う……!!」

大司祭「な、何……!? どういうことだ……!?」

 *

大司祭「そんなことになっているのか……!」

クロシュ「うん……。だから、えっと……これから、わたしの魔法で……お外に……」


不死鳥の羽根「待ちなさい、クロシュ」ヌッ

クロシュ「わっ……!」

不死鳥の羽根「今日、あなたはアイスに決闘を申し込むつもりでしょう? それなら今は不死鳥の力を温存した方が良いわ」

クロシュ「で、でも……はやく、聖女さんたちに……」

不死鳥の羽根「大司祭は形を取り戻したばかりで少し混乱しているわ。ここで自分のことや、王都やロイエ教の現況を把握してからでも遅くはないはず。彼の持っている情報についても、ここで私たちが聴取できる」

クロシュ「!」

不死鳥の羽根「逸る気持ちはわかる。でも全てを救いたいなら、適切な行動を心がけなさい」

クロシュ「ん!」


大司祭「……つまり、どういうことだ?」

クロシュ「えっと……あとで、復活……する!」

大司祭「わからん……」

 ☆大司祭復活の準備が整いました
  不死鳥の力を使っても良さそうな時に復活させます

 ◇
932 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2025/06/15(日) 19:33:57.23 ID:kNzgELLZo
消えかけの魂の欠片状態でも残っていた意志が娘達の心配だったんだなぁ……
933 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2025/06/15(日) 20:30:11.35 ID:JHupTsEL0
―王都セイントレア 地下水路

 地下水路「」ザァザァ

クロシュ「……」

妖精「クロシュ……アイスに決闘を挑むって本気なの?」

クロシュ「ん」

妖精「でもあいつ、ものすごく強いよ。クロシュ一人じゃ厳しいんじゃ……」

クロシュ「……でも……きっと、こういうやり方じゃなきゃ……アイスちゃんは、納得しない……」

妖精「そういうものなのかなあ……」


 シュタッ

アイス「……きたよ」トコトコ

黄スライム『ボクは……立ち会いスライムだよ!』モニョモニョ


クロシュ「アイスちゃん……」

妖精「じゃあ、互いに賭けるものについて確認しよう。まずこっちが勝った場合――アイスはクロシュに同化させられてもらう、で良いね?」

黄スライム『うん! アイスちゃん、抵抗しちゃだめだよ?』モニョモニョ

アイス「まけないし……。アイスがかったら……クロシュは、カリスのところにもどって……いっしょう、アイスのこぶん……。いい……?」

クロシュ「う、うん……」


妖精(……最悪の場合、物陰で待機しているイリスたちに乱入してもらってクロシュを奪還しなきゃならないけど……そうなったらアイスの説得は限りなく絶望的になる……。どうにかクロシュ一人の力で勝てるような策を考えないと……!)


どう戦う?
↓1〜 先取3票
1.炎・光で速攻
2.水・盾で防御重視
3.風・雷で柔軟に
4.相手の作る氷と同化する
5.運命に身を任せる(運命賽−1)
0.自由安価(票数は内容ごと)
934 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2025/06/15(日) 20:33:32.95 ID:FQ/pi48yO
4

運命賽の使い時かもしれないけど。
935 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2025/06/15(日) 20:33:36.06 ID:zFN8BgCK0
936 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2025/06/15(日) 20:37:19.93 ID:PjdHCB1aO
0迷彩魔法で翻弄
937 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2025/06/15(日) 20:42:02.80 ID:Ry6xAaYbo
4
938 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2025/06/15(日) 20:42:18.02 ID:kNzgELLZo
運命賽迷うが
3
939 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2025/06/15(日) 20:44:41.25 ID:+UG8u5/Yo
5
940 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2025/06/15(日) 20:49:40.38 ID:IfIRw+o80
5
941 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2025/06/15(日) 21:05:41.49 ID:k+G5PE0cO
5
942 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2025/06/15(日) 21:19:06.65 ID:JHupTsEL0
 石の賽「」コロン―



クロシュ「……同化は……使わない……」

妖精「ええっ!? ちょ、ちょっと!! そんなんじゃ絶対に勝てないよ!!」

クロシュ「決闘は……自分の、ちからだけでするもの……。アイスちゃんも……自分の力だけ……だから、わたしも……」グッ


アイス「……」

黄スライム『んわわ……クロシュちゃん……』

アイス「……」


 ――戦闘開始 アイス――

 ★アイスが〈冷獄〉を発動!
  毎ターン相手のコンマ-10累積!!

◇自陣(勇気+10)
・不死鳥化しない

◇敵陣(力量差+80)
・冷獄(毎ターン相手のコンマ-10累積)

↓1コンマ(合計-70)
01-10 痛恨
11-50 劣勢
51-90 優勢
91-00 会心
943 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2025/06/15(日) 21:21:21.83 ID:FQ/pi48yO
00きてくれ!
944 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2025/06/15(日) 22:17:50.61 ID:JHupTsEL0
 ポン!

トカゲクロシュ「」シュタタッ!!


黄スライム『わ! クロシュちゃんがトカゲになった!』モニョニョ

妖精「あれは反映魔法を使った擬態……! でもそんなんじゃ――」


アイス「……」スッ

 瞬間凍結「」ギンッ!!

氷漬けトカゲクロシュ「」カチンコチン

アイス「よわ……」


背後のスライムクロシュ「!」モニョッ!

アイス「えっ、今氷漬けに――」

 ベチンッ!!
 氷の障壁「」ピキピキ…

スライムクロシュ「〜〜…!!」モニョニョ…!!

アイス「あぶな……ど、どうやって……あっ」


氷漬け分体スライムクロシュ「」カチンコチン


アイス「分体……!」

分体スライムクロシュ「!」モニョッ!
分体大亀クロシュ「!」モニョニョッ!
分体カタツムリクロシュ「!」モニョニョニョッ!

 ピョンピョン!! ノシノシ モゾモゾ
  ベチンッ!! ドガッ!! モグモグ…
   氷の障壁「」ピシッピシッ…

     バリィンッ!!

クロシュ「氷、割った……!!」

アイス「ちょうしにのるな……!!」スゥ―

 パキッ――

氷漬け分体スライムクロシュ「」カチンコチン
氷漬け分体大亀クロシュ「」カチンコチン
氷漬け分体カタツムリクロシュ「」カチンコチン
氷漬けクロシュ「」カチンコチン


黄スライム『んわ、んわわっ……!』モニャニャ

妖精「くっ……!! 数で攻めても、あの広範囲の瞬間凍結じゃ……!!」


氷漬けクロシュ「」カチンコチン

アイス「……まけるに、きまってる。クロシュ……よわいくせに……」

氷漬けクロシュ「」カチンコチン

アイス「………」

氷漬けクロシュ「」カチンコチン

アイス「なんで……なにが、したかったの……」

 ベチッ
  パキッ…パキキ…

クロシュ「……みんなの、ちからで……かっても……。アイスちゃんは……きっと、わたしのこと……みとめて、くれないって……おもった……」

アイス「……」

クロシュ「だから……自分の、ちからだけで……かち、たかった……」ジワワ…
945 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2025/06/15(日) 22:18:44.59 ID:JHupTsEL0

 ポロポロ…

クロシュ「…………わたし……カリスの、とこ……もどって……アイスちゃんの……こぶんに、なる……」ポロポロ…

アイス「……なんで」

クロシュ「……ほえ……」ポロポロ

アイス「なんで……カリスのとこから……にげたの……?」

クロシュ「………おぼえて……ない……。でも……みんな……ひどいこと、されたって……」

アイス「………」

クロシュ「………アイスちゃんは……ひどいこと……されて、ないの……?」

アイス「…………アイスは……カリスの、いちばんだもん……」

クロシュ「……そうなの……?」ポロポロ

アイス「………」

 ――カリス『はぁ〜ブラッドちゃんどこ行っちゃったのかなあ〜』
 ――カリス『新しい星属性の検体がどっかに落ちてたりしないかなあ〜』
 ――カリス『クロシュちゃんかぁ……! ブラッドちゃんを超える逸材かも……!』
 ――カリス『中庭の拡張? セインの頼みなら仕方ないか。ヘソを曲げられても困るし』
 ――カリス『ああ、あの子? 便利さでは一番かな。将来性はイマイチだけど。まさに佳作ね』

 ――『ああ、あの子? 便利さでは一番かな。将来性はイマイチだけど。まさに佳作ね』
 ――『便利さでは一番かな』

アイス「…………いちばん……だもん……」ジワ…

クロシュ「………」

アイス「……なんで……なんで、ブラッドなの……。セインなの……。クロシュ、なの……」

クロシュ「……?」

アイス「なんでっ……なんでっ……!!」

 ペチンッ!

クロシュ「っ」

アイス「なんでっ!!」

 ペチンッペチンッ

クロシュ「……」

アイス「なんで……よぉ……」ポロポロ

クロシュ「アイス……ちゃん……」


アイス「………同化……したいなら……して、けば……」ポロポロ

クロシュ「……?」

アイス「アイスが……いなくなったって……カリス……こまらない……」ポロポロ

クロシュ「……」

アイス「………どうせ……アイス……いらないこだもん……」ポロポロ
946 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2025/06/15(日) 22:22:25.83 ID:JHupTsEL0

黄スライム『そんなこと、ない!!』モニョニョ!!

アイス「……?」ポロポロ

灰スライム『遅いから、来てみたら……アイス、泣いてるの……?』モニョモニョ

アイス「おまえ、たち……」ポロポロ

セイン「……アイスは、いらない子なんかじゃない。僕にとっては、アイスも大事な家族の一人だ。だから……そんな風に、自分を言うな」

アイス「………」グスッ


セイン「……クロシュ、ありがとう」

クロシュ「セインさん……」

セイン「アイスと……同化、できるか?」

クロシュ「うん……」

 ☆アイスの再現を覚えました

 ◆
947 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2025/06/15(日) 22:36:18.06 ID:JHupTsEL0
―夜
 聖ヴァレリオ教会 宿泊室

 ポン!

再現アイスクロシュ「……」

クローディア「……はい、解析終わり」

 デロデロ…モニョモニョ…ポン

クロシュ「ん……」

クローディア「今の子の分も含めて、明後日の夜には間に合わせるわ。彼らの居住地への侵入はクロシュに任せて良いのよね?」

クロシュ「うん……」

クローディア「……何か浮かない様子ね。嫌なことでもあった?」

クロシュ「……アイスちゃん……カリスのこと……すきなのに……。カリスは……アイスちゃんのこと……道具に、してる……」

クローディア「………」

クロシュ「……わたし……カリス、許せない……。でも……アイスちゃんの気持ち……どうしたら、良いのか……わかんない……」

クローディア「………そうね……。でもだからってカリスを野放しにしても、アイスが救われるわけじゃない……。カリスに愛されたいという果たされない願いが、積み重なり……カリスの邪悪に利用されるだけ。それはわかるわね」

クロシュ「うん……」

クローディア「……今解析した感じだと、アイスはまだとても幼い子みたい。時が経てば……きっと、自分の置かれていた状況や、カリスのことについて、正しく理解できる日が来るわ。だから彼女を虐げるカリスを討つ。それが、今できる最善よ」

クロシュ「うん……!」

 ☆滞在14日目の行動終了時、解呪の術式が完成して救出イベントへ移行します
  アイスも含め、全員を助ける準備が整いました

 ◆
948 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2025/06/15(日) 23:41:13.22 ID:JHupTsEL0
―王都セイントレア 滞在13日目

◇クロシュ [あかちゃんスライム]
武:星霊の剣     盾:ラティアの大盾  飾:くすんだ耳飾り
武:竜珠の大杖    防:竜のエプロン   飾:不死鳥の羽根

◇妖精   [世話焼き妖精]
武:         盾:         飾:くすんだ耳飾り
武:         防:精霊のレオタード 飾:

◇イリス  [星の魔法使い]
武:蒼き星の杖    盾:         飾:くすんだ耳飾り
武:ブラッドランス  防:魔術師のローブ  飾:

◇ミスティ [氷の魔法使い]
武:氷の短刀     盾:         飾:くすんだ耳飾り
武:         防:氷竜革のローブ  飾:

◇ローガン [鋼の戦士]
武:蜥蜴一文字    盾:灼鋼の盾     飾:くすんだ耳飾り
武:鋼の回転ノコギリ 防:オリハル鎖帷子  飾:

◇エバンス [地の傭兵]
武:古代の鉄槌    盾:         飾:くすんだ耳飾り
武:魔銀の刀     防:硬質革鎧     飾:

◯所持アイテム
[道具]        [装備品]       [大事なもの]
運命賽*1       蜘蛛絹の下着      魔族国永久旅券
会心賽*1       ザリガニのお守り    フメイの服の切れ端
反魂丹*1       大きな巻き貝      精霊の印
鉄鍋+携帯調理器具   闇の欠片        精霊樹の実のジャム
「星の魔力」上中下   フリルワンピ水着    精霊樹の鉢植え+赤雷球
お宿の妖精の織物    魔法学園のスク水    フメイとアリシラの人形
魔導飯盒        ガラスのザリガニ    メルルの帽子
妨害魔力波発生装置   踊り子の双剣      溶岩石のアミュレット
属性大全        サボテンドラゴンの花  太陽のメダリオン
魔王図鑑        精霊のローブ      暗黒優待券
氷精の魔導書      精霊樹の杖[改]    冒険者証(ランク1)
ブラッドワイン*1   銀のナイフ       大魔女帝国渡航権
吸血鬼殺ワイン*1   ダイヤメリケンサック  かたたたきけん
魔術書「正負の属性」  パラサイトソード    大魔女帝国滞在許可証
吸血鬼の日焼け止め               風船印のパラシュート
日蝕の傘                    ラティア勲章
大魔女サイン*1                ユーシリア王家の紋章
古代のセラミック
ステライト鉱石
晴れ乞い傘
チョコスムージー
ヒヒイロカネ
氷魔力結晶
魔導書「絶対零度」

◯現在の目標
・フメイちゃんを探す
・世界樹の光を追う[4/5]
・最悪の未来を阻止する

◯努力目標
・カリスに造られた者たちを助ける
・戦争を阻止する
・大司祭を探す(達成!)
・枢機卿の悪事を暴く(達成!)
・レイの行方を追う(達成!)

◯仲間の目標
・カリス・ノーランドを討つ(ミスティ)

◯経験値
・クロシュ 剣技[03/07] 魔法[06/07] 防御[00/07]
・イリス  杖術[03/06] 魔法[16/16]
・ミスティ 剣技[05/07] 魔法[11/16]
・ローガン 剣技[16/16] 魔法[06/08] 防御[07/08]
・エバンス 剣技[16/16] 魔法[07/08]
……………………………………………………………………………………
□王都セイントレア
王城:未探索
城下:教会、孤児院、市場、食事処、酒場、浴場、娼館、冒険者ギルド
   中央広場、公園、学校、図書館、博物館、劇場、闘技場、未探索
……………………………………………………………………………………
□セクリエ・ロイエ
大聖堂、大聖堂別館、美術館、庭園、お土産屋、未探索、他
……………………………………………………………………………………
949 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2025/06/15(日) 23:42:05.50 ID:JHupTsEL0
―朝
 聖ヴァレリオ教会 庭

不死鳥クロシュ「コッコッコ…」メラメラ

 再誕の炎「」ゴオオオッ

 カッ!!!

大司祭「うおおおっ!!?」アタフタ


僧侶「お、お、おとう……」

聖女「お父さま!!?!?」

大司祭「……!!?!? 聖女、僧侶……!?」

聖女「生きて……生きてたんですね……!!」ジワワ

大司祭「い、いや……生きていたというか……?」

僧侶「良かったです、お父様ぁ……!」ポロポロ


デロデロ教徒「んわわ〜! よかった、ほんとによかったです!」キャッキャ

妖精「感動の再会だね」

クロシュ「んへへ……」

 *
950 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2025/06/15(日) 23:43:19.60 ID:JHupTsEL0
聖女「――」グスグス
僧侶「――」ポロポロ
デロデロ教徒「〜〜!」キャッキャ
クロシュ「〜〜」キャッキャ


大司祭「さて……君たちは既に私のことや、世界樹の光のこと……世界めくれのことも知っているそうだな」

妖精「うん。聖女たちをあなたに会わせてあげたかったのもあるけど、あなたが日誌に書いたことを具体的に聞きたかったのもある」

大司祭「……聖女には伝えないでおいてくれるか? あの子に余計な罪悪感を背負わせたくない」

エバンス「おう。世界めくれについては何も伝えてないし、これからも伝える気はないぜ」

大司祭「助かる」

妖精「まず確認したいんだけど、あの日誌に書いてあることは真実なんだよね?」

大司祭「そうだ。20年ほど前に私が目の当たりにし、そして耳にした預言だ」

ミスティ「その預言は絶対に当たると言い切れるの?」

大司祭「……私は預言者ではないから、断言はできないが……当時のあの子が未来のことを口にすると、それは必ずその通りになった。私の覚えている限り、的中率は100%だ」

ローガン「ううむ……であれば、やはり楽観視はできませんな」

大司祭「それに――あの使徒様も、この与太話としか思えない話を信じてくれた。原理派の者でない君たちにはわからないかもしれないが、使徒様は極めて優れた星属性の力を持つ聡明なお方だ。彼女が信じてくれたこと、それ自体がある意味信用に値するものであると言えば、理解してくれるだろうか?」

妖精「まあ……使徒とももう話したよ。世界樹の光を寄越せって言われた」

大司祭「それこそが我らの目的だったのだからな。彼女に任せれば、世界めくれを阻止する為に世界樹の光を使ってくれるはずだ。枢機卿の力も弱まっている今、邪魔立てする輩はいまい」

妖精「うーん……世界めくれを阻止したいのは私たちも同じなんだけど……どうもあの使徒ってやつが信用できなくて」

大司祭「なんだと……」

妖精「今のところ、世界めくれの前兆なんて全くないんだよ。星脈の状態を確認できる世界樹の精霊もそう言ってるんだから、本当に全くないんだ。あるとすれば、誰かが人為的に発生させる場合くらい……んで、そんなことができる強い力は世界樹の光くらいなの」

大司祭「まさか……使徒様が世界めくれを引き起こすと疑っているのか……!?」

妖精「……状況的に、引き起こせそうなのが使徒くらいしかいないから……」

大司祭「なんだと……」

妖精「大司祭は他に何か知ってることないの? どうやって世界めくれが起こるか、とか」

大司祭「あの日誌に書いてあることが全てだ」

妖精「そう……」



クロシュ「……」

デロデロ教徒「おはなし……むずかしそう……!」

クロシュ「うん……」

デロデロ教徒「えへへ、でも良かった……僧侶ちゃんがあんな風に泣いてるとこ、初めて見ました」

クロシュ「んへへ……わたしも……」

デロデロ教徒「これから、いっぱい、いっぱい、家族で仲良くできるといいですっ」

クロシュ「うん……!」

デロデロ教徒「あっ、でもそうなったら……僧侶ちゃん、わたしのこと構ってくれなくなっちゃうかなあ……?」

僧侶「何をくだらない心配しているんです? 今の私はデロデロ派なんですから、これからもあなたをこき使うに決まってるじゃないですか」

デロデロ教徒「んわわ、僧侶ちゃん!」モニャニャ

聖女「あはは……お姉ちゃん、あんまり厳しくしちゃだめですよ」


 ☆努力目標「大司祭を探す」を達成しました


王都セイントレア滞在13日目。15日目に戦争と何かが起こりそうです
↓2〜4 自由安価 何をする?
951 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2025/06/15(日) 23:43:46.06 ID:VyYRgbt7O
マリーから手紙が届く
952 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2025/06/15(日) 23:43:49.04 ID:zFN8BgCK0
ミスティ、イリスと本気の模擬戦。
953 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2025/06/15(日) 23:47:24.94 ID:AFudjwN9O
クロシュ
スライム能力更に鍛えてクロシュヴィア化しよう
954 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2025/06/15(日) 23:47:27.31 ID:rya5siyaO
>>918
955 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2025/06/15(日) 23:52:36.80 ID:JHupTsEL0
本日はここまで。次回もよろしくお願いします
956 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2025/06/16(月) 00:03:31.22 ID:4++7j8szO

アイスちゃん…クロシュちゃんの優しさを理解できる日が来ると良いな
デロデロ教徒ちゃんは癒し
957 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2025/06/16(月) 00:41:06.67 ID:XPz0Fxpfo
おつ
残りの問題は世界めくれだけかな
これだけは起こってみないと対応がわからんね…
958 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2025/06/16(月) 01:07:00.23 ID:5tnByF3no
おつおつでした
アイスちゃんが健気でキュッとなる
でもこれもカリスの洗脳の影響かも知れない…ホンマクズじゃん!
959 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2025/06/21(土) 14:57:09.54 ID:lD8IZAgi0
アイスちゃんは実のところクロシュ氏よりあかちゃんなので、まだまだ学ぶべきことがたくさんあるのかもしれません。いろいろ上手くいけば、勉強する時間はきっとたくさん取れるようになると思います
デロデロ教徒さんはあかちゃんではありませんが、一般的なスライムらしいほわほわした人物のようです。クロシュ氏にとってはそういうスライム仲間がいると嬉しいのかもしれません

なんと、全ての努力目標を達成(見込み含む)したようです。おめでとうございます。あとは預言の日に向けて、おいしいごはんを食べたり、あったかいお風呂に入ったりして英気を養うのが良いかもしれません。未探索の場所を探索するのも良いですが、もう時間があまりないので間に合わないかもしれません
世界めくれについては今のところ対策のしようがないので、高度の柔軟性を維持しつつ臨機応変に行動するのが良いでしょう

アイスちゃんはカリスのことが大好きですが、カリスが自分を大好きじゃないことにも気付いています。それでも今まではなんとか自分のことを騙し騙しやってきていましたが、この度ついに自分を騙し切れなくなってしまったようです
セインがカリスや王国と交渉を始める前は、カリスの創造物たちは今よりもずっと多かったようです。その頃はアイスのようにカリスを慕う者も少なくなかったのですが、そのほとんどは既に亡き者となっています
960 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2025/06/21(土) 14:57:38.56 ID:lD8IZAgi0
―朝
 聖ヴァレリオ教会 宿泊室

 窓「」ガラッ

ハーピィ記者「おはようございます!」ヌッ

イリス「わ! 今度はいつもの記者さんですか……」

ハーピィ記者「今ここは中央大陸で一番ホットですからね。でも今日来たのはただの郵便配達ですよ、ご安心ください」スッ

 マリーからの手紙「」ポン

イリス「マリー・セイントレア……えっ!?」

ハーピィ記者「はい。先の魔族革命で大きな成果を挙げたダークヒーローとその一行にお伝えしたいことがあるそうです」

ミスティ「私たちに……? 直接的な面識は反魂丹で蘇生させた時の一度きりだけれど……」

ローガン「ひとまず中身を確認しよう。良い知らせであれば良いが」

エバンス「しかし話には聞いてたが、セイントレアの王族とも繋がりがあるんだな……」


↓1コンマ
01-40 ダークヒーローたちへの応援
41-70 あるお願い
71-90 ↑+???
91-00 ???
961 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2025/06/21(土) 15:15:13.97 ID:TvE4euqB0
962 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2025/06/21(土) 16:44:13.82 ID:VhkrqbCPO
あれ?前回の行動安価で2〜4までと書いてあるから>>952
>>954だから>>951の「マリーからの手紙が届く」は違うのでは?
963 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2025/06/21(土) 17:55:46.41 ID:lD8IZAgi0
間違えました。でもけっこう書いてしまったので、お詫びに今回の自由安価枠は4つということにします
964 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2025/06/21(土) 17:56:31.54 ID:lD8IZAgi0
 手紙『』ペラッ

イリス(手紙は、まず反魂丹を使って命を救われたことや捕虜の扱いを改善させたダークヒーローへの感謝に始まり……)

イリス(今は少々の不自由こそあれど尊厳と文化的な生活が保障された豊かな暮らしを送れていることが綴られ……)

イリス(……病気を患っている母……セイントレア王妃様を心配する言葉と……もし機会があれば、この手紙に書かれていることと同封されているものを王妃に届けて欲しい旨が描かれていた)


イリス(同封されていたのは、蜘蛛絹で織られた上質なハンカチが数枚と、何かの薬だ。ハンカチの何枚かは私たちへの贈り物だそう。そしてお薬は……フラナ先生が調合した、王妃様の病気を治す特効薬なのだそうだ)

イリス(そして別紙には、隠し通路まで網羅されたセイントレア城の詳細な図面が描かれていた……)


ハーピィ記者「なるほどなるほど。つまりお城に侵入して王妃様に手紙と薬とハンカチを届けて欲しいということですね!」

イリス「……な、なんでこんな大事な役を私たちに……」

ハーピィ記者「普通の郵便じゃ、敵対国からの配達物が王族にそのまま届けられるなんて絶対無理ですからね。マリー氏からのものだとしても罠だと思われてしまいます。そういうわけですから、不法侵入もお手の物なダークヒーローさんたちに白羽の矢が立ったというわけですね」

ミスティ「あなたじゃだめなのかしら?」

ハーピィ記者「御冗談を! 空の上ならばどれほどの竜騎士に追い立てられようと捕まる気がしませんが、城の中となれば話は別です! この世界最高記者である私も蜂の巣を免れないでしょう」

ローガン「だがそれは我々も同じでは……? 城に不法侵入などして見つかればタダでは済まないが……」

ハーピィ記者「そのための隠し通路、そのためのクロシュちゃんではありませんか! いよっ、ダークヒーローの隠密担当スライム!」

スライムクロシュ「〜〜??」モニョニョ

妖精「……まあ、この隠し通路とかを上手く利用すればやれるか……? 念の為分体の遠隔操作で行くのが安全だけど」

ハーピィ記者「善は急げですよ! さあさあ、早速不法侵入に行きましょう!」

エバンス「こいつ、自分は安全だからって……」

ハーピィ記者「まあでも真面目な話、王妃が病気になる前はアルベール王もそこまで過激な差別主義者ではなかったんですよ。王妃の存在が彼の良心になっていた可能性はありますし、彼女が元気になれば少しはマシになるかも……と思わなくもないんですよね」

妖精「なるほど。だからフラナもわざわざ薬を調合したんだ」

ハーピィ記者「そういうことです。あとは王族であるマリー氏に恩を売る意図もあるでしょうね」

ローガン「ふむ……。届けてみる価値は十分にあるということか」

イリス「マリーさんの王妃様を心配する気持ちにも応えてあげたいですしね。とはいえ、またクロシュちゃん頼りになっちゃうけど……」

 モニョモニョ…ポン!

クロシュ「ん……! お手紙と、お薬……届ける……!」

 モニョモニョ…プチッ

分体ちびスライムクロシュ「〜〜!」モニョニョ!

 ☆マリーの手紙とハンカチと薬を王妃に届けることになりました

 ☆クリティカルにより本日中に不法侵入を行いお届けに確定成功します

 ◇
965 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2025/06/21(土) 17:58:16.11 ID:lD8IZAgi0
―セイントレア城 王妃の部屋

 大きなベッド「」

セイントレア王妃「……」


セイントレア王妃(……魔族国に軍事侵攻なんて……本気なの、アルベール……。マリーがまだ人質にされているのに……)

セイントレア王妃(………本気なら、止めないと……。でも……もう、一人で立って歩き回ることすら満足にできないこの体じゃ……)


セイントレア王妃「ゴホッゴホッ……!」


セイントレア王妃(……目が霞んで、呼吸が苦しい……)

セイントレア王妃(どうして……こんなことに、なってしまったの……)

 ピョンピョンピョン

分体ちびスライムクロシュ「〜〜!」モニョニョ

セイントレア王妃(黒い……スライムさん……? とうとう幻覚まで見えて……)

 モニョモニョ…ポン!

分体ちびクロシュ「えと……こんにちわ……!」

セイントレア王妃(スライムが小さな女の子になった……。この幻覚は一体何を暗示して……)

分体ちびクロシュ「おとどけもの、です……!」スッ

 手紙「」ポン!
 ハンカチ「」ポン!
 お薬「」ポン!

セイントレア王妃(女の子が……大きな手紙と、ハンカチと、錠剤の入った小瓶を取り出した……? どこに隠し持って……いえ、幻覚なのだから整合性なんて気にしても仕方ないわね……)

分体ちびクロシュ「マリーさんから……です……!」

セイントレア王妃「えっ……マリー、から……?」

分体ちびクロシュ「ん……!」コク

 手紙「」ペラッ

 *

セイントレア王妃(幻覚?の手紙を読んでみると……マリーが魔族国で息災に暮らしていることや……魔族国で蜘蛛絹のハンカチを織ったこと……魔族国の元首に特効薬を調合してもらったことなどが書かれていた……)

セイントレア王妃(そして……そのハンカチと薬も、今ここにある……)

 ハンカチ「」
 お薬「」

分体ちびクロシュ「……おくすり……飲める……?」

セイントレア王妃「……はい、大丈夫ですよ。マリーが用意してくれたお薬……大事に飲みますね」スッ

 お薬「」ポン
 ゴクッ

セイントレア王妃(……たとえ幻覚だとしても……マリーが私の為に用意してくれたお薬を、飲まずに捨てるなんてことはできない。いえ、むしろ幻覚で良かったかも……。だってもしアルベールが知れば、魔族国からの薬なんて絶対にすぐ捨ててしまうもの……)

分体ちびクロシュ「おみず、のむ……?」スッ

 お水「」ポン

セイントレア王妃「ありがとう……。いただきます」ゴクゴク

分体ちびクロシュ「んへへ……」

セイントレア王妃「ふぅ……。ところで……あなたは、誰なのですか……?」

分体ちびクロシュ「わたし……クロシュ……。スライム……!」

セイントレア王妃「あら、本当にスライムさんだったのね……。わざわざ届けてくれてありがとうございます」

分体ちびクロシュ「んへへ……」
966 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2025/06/21(土) 17:58:42.94 ID:lD8IZAgi0
 扉「」コンコン
アルベール王『私だ。入って構わないだろうか』


セイントレア王妃「!」

 隠されるお薬「」ササッ
 隠される手紙「」ササッ
 隠されるハンカチ「」ササッ

セイントレア王妃(早く、あなたもお布団の中に隠れて……!)

分体ちびクロシュ(んわわ……!)ササッ


セイントレア王妃「は、はい。お入りくださいませ」

 扉「」ガチャッ

アルベール王「失礼する」スタスタ

セイントレア王妃「お疲れ様です、アルベール」

アルベール王「……? 先程は誰と話をしていたのだ? 話し声が聞こえたが……」

セイントレア王妃「えっ……? あっ、すみません……。先日頂いた映像水晶の演劇が面白くて、つい台詞を口ずさんでしまって……」

アルベール王「ふむ……? そうか。演劇の真似をするくらいに調子が良いのなら、良いことだ」

セイントレア王妃「」ホッ

アルベール王「気に入ったのならまた別の映像水晶も取り寄せよう」

セイントレア王妃「はい。離島魔法女学院の続きが早く見たいですわ」

アルベール王「どんなお話なのだ? 今度私も一緒に――」


扉の向こう『お見舞いの最中失礼致します!! アルベール王、緊急の報告が!!』


アルベール王「……すまぬ。体を大事に過ごしてくれ」スッ スタスタ

セイントレア王妃「はい……。あなたもお気を付けて、アルベール」


 扉「」ガチャッ パタム


セイントレア王妃「ふぅ……」

分体ちびクロシュ「」ヒョコッ

セイントレア王妃「ごめんなさい、急に隠したりして。あの人……良い人なのだけど……魔族のことは、大嫌いなの……」

分体ちびクロシュ「ん……」

セイントレア王妃「今の彼のやり方が、とても過激でまずいことは……私もわかっているの……。でも、今の私には……」

 クラッ

セイントレア王妃「うっ……眠気が……。ごめんなさい、少し寝ますね……。もし良かったら……また、お話を……」

セイントレア王妃「……」zzz


分体ちびクロシュ「……」

分体ちびクロシュ(……しばらく……王妃さまと一緒にいようかな……?)

 ◇
967 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2025/06/21(土) 17:59:09.02 ID:lD8IZAgi0
―聖ヴァレリオ教会 宿泊室

クロシュ「……」

妖精「どう? 分体の調子は」

クロシュ「王妃さまのお部屋……無事、侵入できた」

エバンス「おお、やったな!」

クロシュ「王妃さま……寝ちゃったから……分体も、一緒に寝るみたい……」

ローガン「む……!? それは大丈夫なのか……?」

クロシュ「……だ、大丈夫だと思う……。今の私の分体なら……本体の私とほとんど同じくらい、いろいろできる……」

妖精「分体も同化が使えるんだよね。再現を覚えて来たのも分体だし」

クロシュ「うん。再現はお腹がすごく減るから、分体じゃすぐにデロデロになっちゃうと思うけど……。もし危なくなったら、風と同化して逃げる……!」

エバンス「なるほど、風ならどこでも同化できるのか……!」

ローガン「フッ、心配はいらなそうだな」

 ☆分体の一つを王妃のもとに忍ばせました

 ◇
968 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2025/06/21(土) 19:35:46.31 ID:lD8IZAgi0
―セイントレア平原

ミスティ「……」スッ

 瞬間凍結「」ガギンッ!

 瞬間凍結「」ガギンッ!

 瞬間凍結「」ガギンッ!

イリス「おお〜三連続! すごいキレだよ!」

ミスティ「あのアイスという少女に比べれば全然よ……」

イリス「あっ……」

ミスティ「……リベンジの機会もなくなった。わかっているわ。彼女と戦い、彼女を救うことができたのはクロシュだけだった。初めから私に出番はなかったのよ」

イリス「そ、それは……違うよ……!」

ミスティ「違わないわ。無理に慰めなくたって大丈夫よ」

イリス「……」

ミスティ「イリス……私と戦ってくれない? 本気で」

イリス「えっ……!?」

ミスティ「……思いっきり戦って……思いっきり叩きのめされれば……きっと、スッキリする気がするの。だから、お願い」

イリス「いやいや……しかも負ける前提なの!?」

ミスティ「負ける気はないわ……。でもイリスに勝てる気もしない……。だから大丈夫よ……」

イリス「なんかよくわからないけど……でもわかった。この旅もきっともうすぐ終わりだし――私も、ミスティとは一度本気で戦ってみたかったんだよね」

ミスティ「あら、あなたって意外と戦闘狂だったのかしら?」

イリス「魔法の撃ち合いが好きなだけだよ!」

ミスティ「十分戦闘狂っぽいわ……」

イリス「……と、とにかくやろう! 手加減無用、待ったなしの一本勝負!」

ミスティ「ええ。よろしく――」スッ

 ゴゴゴゴゴ…

イリス「じゃあ――行くよ!」バッ


↓1コンマ一桁 勝者
1 イリス
2 ミスティ
3 引き分け
4 イリス
5 ミスティ
6 引き分け
7 イリス
8 ミスティ
9 引き分け
0 ???
969 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2025/06/21(土) 19:38:07.54 ID:JYvoxOfso
はてな
970 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2025/06/21(土) 21:03:11.51 ID:lD8IZAgi0
 ドッギャァァァァン!!!!

黒焦げミスティ「」プスプス…


イリス「はあ、はあ……はっ! ミスティ大丈夫!?」タタッ

 *

ミスティ「ふう……ありがとう、スッキリしたわ」

イリス「ご、ごめん! 寸止めするつもりだったんだけど……!」

ミスティ「大丈夫よ、見ての通り大事には至ってない」

イリス「そ、そう……?」


ミスティ「私……世界樹の光のことが解決したら……旅も、魔法使いも、辞めようと思う」

イリス「え、ええっ!? スッキリするどころかなんか悪いスイッチが入ってない……!?」

ミスティ「弱気になったわけではないの。ただ、向いていないことを続けても仕方ないでしょう? それを確認できたからスッキリしたのよ」

イリス「え、ええ……才能あると思うけど……。ミスティくらいの歳でそこまで氷魔法を使える人なんて見たことないし……」

ミスティ「アイス」

イリス「例外でしょ!」

ミスティ「一つ例外を認めたら何でもありになるわ。聞けば彼女はクロシュよりも幼いというじゃない」

イリス「うーん……でもミスティ、魔法以外にできることあるの?」

ミスティ「………」

イリス「………」

ミスティ「そ、ソリの運転なら……」

イリス「じゃあ辻馬車……ならぬ辻ソリ屋でもやる?」

ミスティ「客商売はたぶん無理……」

イリス「じゃあ……どうする? 冒険者とか? いや、冒険者だと今とほとんど変わらなそうだけど……」

ミスティ「………」

イリス「………」

ミスティ「……さっきの発言は取り消しにするわ」

イリス「あ、うん」


 ☆イリスとミスティが近接経験と魔法経験をそれぞれ1づつ獲得しました

 ☆ミスティが魔法使いを辞めかけましたが取り消しました

 ◇
971 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2025/06/21(土) 21:04:31.77 ID:lD8IZAgi0
―聖ヴァレリオ教会 裏庭

スライムクロシュ「……」

 モニョモニョ…ポン!

炎スライムクロシュ「」チリチリ

 モニョモニョ…ポン!

光スライムクロシュ「」ピカピカ

 モニョモニョ…ポン!

風スライムクロシュ「」ヒュルヒュル

 モニョモニョ…ポン!

雷スライムクロシュ「」バチバチ

 モニョモニョ…ポン!

水スライムクロシュ「」ウルウル

 モニョモニョ…ポン!

スライムクロシュ「〜〜」モニョモニョ


スライムデロデロ教徒『んわわ〜! クロシュさますごいすごい〜!』キャッキャ

スライムクロシュ『んへへ……』モニョモニョ

スライムデロデロ教徒『伝説スライムのクロシュヴィアさまもすごいし、クロシュさまもすごいし、デロデロのすごいスライムってやっぱりすごいんだあ』モニョモニョ

スライムクロシュ『じゃあ……デロデロ教徒ちゃんも、すごい……!』モニョモニョ

スライムデロデロ教徒『わたしは全然だよぉ〜!』モニャニャ

スライムクロシュ『そうなの?』モニョニョ

スライムデロデロ教徒『うん……。全然よわいから……デロデロ教に入ったの……』モニャニャ…

スライムクロシュ『そうなんだ……』モニョニョ…

スライムデロデロ教徒『ちいさくて、よわくても……みんなでデロデロになれば、もうなんにも怖いことも、痛いこともなくて……しあわせになれるって、クロシュヴィアさまが言ってた……! だからわたし、みんなでデロデロになりたい……!』モニョモニョ

スライムクロシュ『わあ……!』モニョニョ

スライムデロデロ教徒『だから、クロシュヴィアさまや、クロシュさまみたいな、すごいスライムがデロデロになるためにがんばってくれてるって思うとね……! ものすごく勇気が湧いて、わたしもがんばろって、思えるの!』モニョモニョ

スライムクロシュ『んへへ……』モニョニョ

スライムデロデロ教徒『えへへ……デロデロの絵を描いて、みんなに希望を見せてくれて……ほんとに、ほんとに、ありがとうクロシュさま……!』モニョモニョ

スライムクロシュ『うん……!』モニョ


スライムクロシュ(やっぱり……デロデロは、間違ってないのかも……! こんな風に、みんなの希望になれる……!)

スライムクロシュ(わたしも……もっと、がんばろ……!)


↓1コンマ(かなしみを知る心+50)
001-090 スライム技能は既に上限に達している
091-140 覚醒
141-000 ■■■■
972 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2025/06/21(土) 21:06:31.84 ID:245hiqVgO
はい
973 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2025/06/21(土) 21:47:41.35 ID:lD8IZAgi0
―??

 空に浮かぶ白い光「」ユラユラ

 地上に瞬く無数の光「」チカチカ


クロシュ「……」


クロシュ(……あの光の……ひとつひとつは……)

クロシュ(スライム……ううん……スライムだけじゃない……)

クロシュ(この星の……全ての、命……)


 地上に瞬く無数の光「」チカチカ


クロシュヴィア「クロシュちゃん……」モニョッ

クロシュ「クロシュヴィアちゃん」モニョニョ

クロシュヴィア「クロシュちゃんも……ついにこの領域に来たんだね……。いつか、来ると思ってた……」モニョモニョ

クロシュ「そうなの……?」モニョニョ

クロシュヴィア「ここはね……この星の、命の流れが見えるところ……。新たな命が生まれれば、新たな光が灯って……一つの命が終われば、光も一つ消えるの……」モニョモニョ

クロシュ「そうなんだ……」モニョニョ

クロシュヴィア「あの光の数だけ……悲しみがあるの……。わたしね……それで、昔……何もできない自分が、嫌になって……風になっちゃった……」モニョモニョ

クロシュ「うん……」モニョ

クロシュヴィア「でも、今はね……みんなと一緒に、デロデロになろうって、がんばれて……すごく、嬉しいの。全部……クロシュちゃんの、お陰なんだよ」モニョモニョ

クロシュ「わあ……!」モニョニョ

クロシュヴィア「クロシュちゃんは……今、セイントレアの王都にいるんだよね?」モニョモニョ

クロシュ「うん。えっと、僧侶さんと、デロデロ教徒ちゃんと、会った……!」モニョニョ

クロシュヴィア「わあ! ふふ……二人とも、良い子でしょ? ちょっぴり心配だったけど、無事なら良かった……」モニョモニョ

クロシュ「うん……!」モニョ

クロシュヴィア「今……戦争が起きるとか、起きないとかで、ちょっと揉めてるんだよね……? 3日後くらいに、わたしもそっちに行けると思うから……もし戦争になったら、わたしが終わらせてあげるね……」モニョモニョ

クロシュ「わあ……!」モニョニョ!

クロシュヴィア「ふふ……みんな、元気でいてね……。最期に、最高の結末を迎えられるように……」モニョモニョ

 ◇

―聖ヴァレリオ教会 裏庭

スライムクロシュ「!」モニョッ!

スライムデロデロ教徒『わわ……! クロシュさま、どうしたの……!?』モニョニョ

スライムクロシュ『クロシュヴィアちゃんと……お話、した……!』モニョモニョ

スライムデロデロ教徒『んええ!? ど、どうやってぇ!?』モニョニョ

スライムクロシュ『んへへ……えっとね――』モニョモニョ


 ☆クロシュのスライム技能が上限を越えました

 ☆クロシュが命を感じ取れるようになりました

 ◇
974 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2025/06/21(土) 21:54:03.98 ID:lD8IZAgi0
急用が入ったので本日はここまで。次回もよろしくお願いします


そして突然ですが最近画像生成AIさんというものに触れてみたので、絵を貼ってみようと思います

というわけでデロデロ教徒ちゃんのイメージ絵です。画像生成AIさんに元絵を描いていただき、細部などを人力で加筆修正したものとなります。こんな見た目だよーというのがわかっていただければ幸いに思います

これは全くどうでも良いネタバレですが、デロデロ教徒さんはクロシュヴィアさまの株分けの遠い子孫だったりします。実のところクロシュヴィア氏は内心そのことに気付いており、それゆえにちょっと気にかけていますが、今のところ本人に伝える気はないようです

https://i.imgur.com/uI6pDvN.png
975 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2025/06/21(土) 22:20:03.96 ID:RF9giN/NO

ミスティさん速攻の取り消しで草
銀髪目隠れロリスライムかわよ
976 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2025/06/21(土) 23:17:31.55 ID:gWhw1eskO
あら^〜可愛い
977 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2025/06/22(日) 01:45:14.41 ID:H1tb/oPEo
おつです
デロデロ教徒ちゃんこれは穀潰しでも許されるかわいさ
ミスティ、確かに世界樹の件が終わったあとどうするかがパーティメンバーの中で一番フワッとしてるな
それだけ縁が繋がったとも言える
978 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2025/06/22(日) 09:08:56.00 ID:zX10rx6j0
乙です
デロデロ教徒ちゃん目隠れ可愛い
他のキャラのイメージ絵も見たくなってしまう
979 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2025/06/22(日) 19:35:28.19 ID:c3g/Tio30
最近のミスティ氏は武闘派な面が目立っていましたが、彼女は繊細で悲観的な面も持ち合わせている女の子でもあります。そういうわけでやや衝動的に魔法使い引退宣言をしてしまったようですが、イリス氏にいろいろ言われて取り消すこととなったようです。とはいえ彼女はまだ若いので、魔法の腕も他のこともこれからいくらでも研鑽する機会はあるかと思います

デロデロ教徒さんは実のところ少し反映魔法の適性を持っているため、他のスライムよりも高度な擬態ができるようです。しかしクロシュやクロシュヴィアに比べるとその才能はとてもささやかなものなため、戦いなどは苦手なようです
なお絵に描かれている女の子はデロデロ教徒さんが人間に擬態した時の姿で、抱きかかえられている丸い生き物が本来のスライムの姿です。自分で自分を抱きかかえるという変な状況となっていますが、あくまでこれはイメージ絵なのでその辺はご容赦していただけると幸いです……

デロデロ教徒氏はデロデロ教に入る前は森で慎ましく暮らしていた野良スライムでした。しかしその目立つ体色や気の弱さなどが災いして他の野生動物や冒険者などから狙われることも多く、心休まる日々はあまり送れていなかったようです。そんな彼女にとって、デロデロ教という存在は福音となったのかもしれません
ミスティ氏は今のところ旅が終わった後にどうするかはっきりしていませんが、実際彼女には既にたくさんの縁があり、もし望むことがあればその通りにできるかと思われます。ミスティ氏の未来は広がっていると言えましょう

なぜデロデロ教徒さんの絵だったかというと、実のところ理由があったりします
自分の案のキャラクターの絵をAIに描かれることを好まない人がいるかもしれない……という変な恐れがあり、ひとまず非ネームドのデロデロ教徒ちゃんで様子を見てみようという思惑があったりなかったりしたそうです

なお今のところ特に不評ではなさそう?なため、もし今後余力があればネームドキャラの絵を貼ってみたりすることもできるかもしれません
また、◯◯の××な絵を見たい、といった書き込みがあれば対応できるかもしれません(断言はできません)
なおもし自分の投下した案のキャラを>>1やAIさんに描かれたくない場合、早めに宣告していただければ助かります

しかしこのスレのメインコンテンツはあくまで安価スレなので、あまり期待はしないでいただけると幸いに思います
>>1は絵のど素人なので、軽微な加筆修正作業でもものすごく時間がかかるようです)
980 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2025/06/22(日) 19:36:27.44 ID:c3g/Tio30
―聖ヴァレリオ教会

 扉「」バァン!

ガッタ「イクスキューズミー」ズカズカ


クレア「……!? あなたは、王国の護衛騎士ガッタ・ファーブ……!?」

ガッタ「イグザクトゥリ」

クレア「当教会にどのようなご用件で……?」


↓1コンマ
01-10 ???
11-30 滞在巡礼者に脱走幇助の容疑
31-50 滞在巡礼者の身辺調査
51-70 珍しい虫を追いかけてきただけ
71-90 孤児院へ昆虫採集セットの寄付
91-00 ???
981 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2025/06/22(日) 19:39:34.56 ID:H1tb/oPEo
ヘアッ
982 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2025/06/22(日) 19:39:53.72 ID:CRiSt/mmO
983 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2025/06/22(日) 20:07:25.34 ID:c3g/Tio30
 黄金色のコガネムシ「」ブーン

ガッタ「オー!! やはりここにラナウェイ!!」シュバッ

クレア「えっ、きゃっ!?」ブワッ


 黄金色のコガネムシ「〜〜!」ブーンブーンっっっ

ガッタ「ミーからエスケープできるとシンキングしないことだネ!」シュババッ

 ドガッ!! ガシャンッ!!
 吹っ飛ぶ長椅子「」グワシャッ


クレア「ちょ、ちょっとやめてください!!」


クロシュ「?」ヒョコッ

妖精「な、何事!?」


↓1選択
1.コガネムシを捕まえる
2.コガネムシを食べる
3.ガッタを追い出す
0.自由安価(状況にそぐわないものは再安価)
984 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2025/06/22(日) 20:18:56.23 ID:lbrgQB+5o
1
985 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2025/06/22(日) 20:42:29.67 ID:c3g/Tio30
光クロシュ「」パヒュン!

 パシッ
 クロシュに捕まったコガネムシ「〜〜!」ジタバタ

ガッタ「オー!? アメイジン!」

クロシュ「……教会……あばれちゃ、だめ……」

ガッタ「ワッツ?」

 吹っ飛んだ長椅子「」グシャッ
 吹っ飛んだ机「」ゴワシャ

ガッタ「オウ……」

クロシュ「……元に、戻したら……こがねむし……あげる……」

ガッタ「ソーリー……」

 *

 綺麗に直された長椅子や長机「」ポン

ガッタ「ハア、ハア……直したヨ」

クロシュ「ん……。はい……」

 コガネムシ「」ポン

ガッタ「サンキューベリマッ!」ババッ

クレア「はあ……虫が好きなのはわかりましたが、もうこんなことはしないでくださいね」

ガッタ「ポジティブに善処する。それではグッドバイ!」バサッ スタスタ


 扉「」ガチャッ パタム


妖精「なんだったんだろう……」

クロシュ「わたしたちのこと……覚えてなかったみたい……?」

妖精「……そういえば闘技場で一悶着あったよね」

クレア「護衛騎士のガッタさんは人の顔を滅多に覚えないそうです。彼にとっては虫未満の価値しかないということかもしれませんね……」

妖精「ま、まあ……理由はなんであれ覚えられてないなら都合が良いや」

 ◇
986 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2025/06/22(日) 22:28:06.29 ID:c3g/Tio30
―翌朝
 セイントレア城 王妃の寝室

 チュンチュン

セイントレア王妃「……」パチッ


セイントレア王妃(呼吸が苦しくない。視界もはっきりしていて、意識も明瞭……。こんなの、何年ぶりかしら……?)

セイントレア王妃(でも、一体どうして急に体調が――)

 サイドテーブル「」
  お薬「」ポン
  ハンカチ「」ポン
  手紙「」ポン

セイントレア王妃「!!」

セイントレア王妃(まさか……昼間のあれは、夢や幻覚の類じゃ――)


分体ちびスライムクロシュ「……」zzz


セイントレア王妃「あっ……! 昼間のスライムの子……!」

セイントレア王妃(ということは――手紙の内容も、お薬のことも、このスライムの子も、全部現実――!!)

セイントレア王妃(つまりこの体調の良さは……魔族国の元首が調合した薬による作用……!?)


 扉「」コンコン
アルベール王『私だ。起きているなら返事を』


セイントレア王妃「アルベール!」ガタッ

分体ちびスライムクロシュ「!?」モニョッ!?

セイントレア王妃(あっ……私、立ち上がれてる……!)


アルベール王『……!? 何があった、入るぞ……!』

 扉「」ガチャッ

隠れる分体ちびスライムクロシュ「〜〜!」モニャニャ ササッ


セイントレア王妃「……アルベール」

アルベール王「!? 立ち、上がれたのか……!?」

セイントレア王妃「はい……。マリーが、魔族国から送ってくれた特効薬のお陰で」

アルベール王「何ッ!? それはどういう――」

 手紙「」ポン!

セイントレア王妃「アルベール……それを読んで……マリーの言葉を、聞いてください」

 *
987 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2025/06/22(日) 22:29:07.70 ID:c3g/Tio30
アルベール王「馬鹿な……。医者は、君はもう二度と立ち上がれないと……」

セイントレア王妃「……王国の医術なら、きっとそうだったのです。でも――魔族国の医術なら、治せた」

アルベール王「……!!」

セイントレア王妃「この特効薬を調合したのは、魔族国のフラナ・バイオレット現元首だそうです」

アルベール王「……」

セイントレア王妃「アルベール……今ならまだ間に合います。魔族国と、和平を……」

アルベール王「ならぬ」

セイントレア王妃「アルベール!」

アルベール王「なぜこのような怪しい薬に手を出した。一瞬治癒したように見せかけて明日には死んでしまう毒薬かもしれぬのだぞ……」

セイントレア王妃「そんな回りくどい毒薬を使う意味がわかりません! 毒殺するつもりであれば、無駄に永らえさせる必要など全くないでしょう!」

アルベール王「城内でまさにこのような紛争を引き起こさせるのが奴らの狙いだったらどうする……」

セイントレア王妃「アルベール!!」

アルベール王「……君は魔族の悪意というものを甘く見ている。奴らは狡猾で悪賢い、邪悪な――」

セイントレア王妃「あなた自身が、ありもしない悪意の幻を作り出しているのよ! 今まさに体調が良くなってる私を見て! 昔みたいにあなたに楯突いている私の言葉を聞いて!!」

アルベール王「………毒薬の作用で君は錯乱しているようだ。今医者を呼んで――」

セイントレア王妃「………わかりました。あなたがそこまで意固地になるというのなら、私にも考えがあります」ガタッ スタスタ

アルベール王「待て、安静に――」

セイントレア王妃「結構です! クロシュちゃん、おいで」


分体ちびスライムクロシュ「〜〜!」ピョンピョン

 モニョッ

王妃の肩に乗る分体ちびスライムクロシュ「〜〜」モニョモニョ


アルベール王「なっ、スライムだと……!? どこから――」

セイントレア王妃「マリーから遣わされた大切なお客人です。例え王命でも、この子に手出しはさせません」

アルベール王「馬鹿な……」

 ◇

―セイントレア城外郭 王国騎士団本部

 ザワザワ…

セイントレア王妃「明日の戦、王国に大義はありません!! 魔族国とぶつかれば双方に甚大な血が流れ、取り返しのつかぬ惨事となりましょう!! 道理を解す兵は明日の作戦に参加せず、家に帰って家族を大事になさい!!」

 ザワザワ オウヒサマゲンキニナッタ デモサスガニヤバイ…

セイントレア王妃「そもそもが間違った戦なのです!! 軍規違反の心配は一切無用です、王妃である私が保障致します!! どうか賢明な判断を!!!」

 ザワザワ オウヒサマノオスミツキガアルナラ… ボイコットスッカ マゾクコワイシ


頭を抱えるアルベール王「なんてことだ……」クラクラ

 ◇
988 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2025/06/22(日) 22:29:46.95 ID:c3g/Tio30
―王都セイントレア 滞在14日目

◇クロシュ [あかちゃんスライム]
武:星霊の剣     盾:ラティアの大盾  飾:くすんだ耳飾り
武:竜珠の大杖    防:竜のエプロン   飾:不死鳥の羽根

◇妖精   [世話焼き妖精]
武:         盾:         飾:くすんだ耳飾り
武:         防:精霊のレオタード 飾:

◇イリス  [星の魔法使い]
武:蒼き星の杖    盾:         飾:くすんだ耳飾り
武:ブラッドランス  防:魔術師のローブ  飾:

◇ミスティ [氷の魔法使い]
武:氷の短刀     盾:         飾:くすんだ耳飾り
武:         防:氷竜革のローブ  飾:

◇ローガン [鋼の戦士]
武:蜥蜴一文字    盾:灼鋼の盾     飾:くすんだ耳飾り
武:鋼の回転ノコギリ 防:オリハル鎖帷子  飾:

◇エバンス [地の傭兵]
武:古代の鉄槌    盾:         飾:くすんだ耳飾り
武:魔銀の刀     防:硬質革鎧     飾:

◯所持アイテム
[道具]        [装備品]       [大事なもの]
運命賽*1       蜘蛛絹の下着      魔族国永久旅券
会心賽*1       ザリガニのお守り    フメイの服の切れ端
反魂丹*1       大きな巻き貝      精霊の印
鉄鍋+携帯調理器具   闇の欠片        精霊樹の実のジャム
「星の魔力」上中下   フリルワンピ水着    精霊樹の鉢植え+赤雷球
お宿の妖精の織物    魔法学園のスク水    フメイとアリシラの人形
魔導飯盒        ガラスのザリガニ    メルルの帽子
妨害魔力波発生装置   踊り子の双剣      溶岩石のアミュレット
属性大全        サボテンドラゴンの花  太陽のメダリオン
魔王図鑑        精霊のローブ      暗黒優待券
氷精の魔導書      精霊樹の杖[改]    冒険者証(ランク1)
ブラッドワイン*1   銀のナイフ       大魔女帝国渡航権
吸血鬼殺ワイン*1   ダイヤメリケンサック  かたたたきけん
魔術書「正負の属性」  パラサイトソード    大魔女帝国滞在許可証
吸血鬼の日焼け止め               風船印のパラシュート
日蝕の傘                    ラティア勲章
大魔女サイン*1                ユーシリア王家の紋章
古代のセラミック
ステライト鉱石
晴れ乞い傘
チョコスムージー
ヒヒイロカネ
氷魔力結晶
魔導書「絶対零度」

◯現在の目標
・フメイちゃんを探す
・世界樹の光を追う[4/5]
・最悪の未来を阻止する

◯努力目標
・カリスに造られた者たちを助ける
・戦争を阻止する
・大司祭を探す(達成!)
・枢機卿の悪事を暴く(達成!)
・レイの行方を追う(達成!)

◯仲間の目標
・カリス・ノーランドを討つ(ミスティ)

◯経験値
・クロシュ 剣技[03/07] 魔法[06/07] 防御[00/07]
・イリス  杖術[04/06] 魔法[16/16]
・ミスティ 剣技[06/07] 魔法[12/16]
・ローガン 剣技[16/16] 魔法[06/08] 防御[07/08]
・エバンス 剣技[16/16] 魔法[07/08]
……………………………………………………………………………………
□王都セイントレア
王城:王妃の部屋、未探索
城下:教会、孤児院、市場、食事処、酒場、浴場、娼館、冒険者ギルド
   中央広場、公園、学校、図書館、博物館、劇場、闘技場、未探索
……………………………………………………………………………………
□セクリエ・ロイエ
大聖堂、大聖堂別館、美術館、庭園、お土産屋、未探索、他
……………………………………………………………………………………
989 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2025/06/22(日) 22:30:53.77 ID:c3g/Tio30
―朝
 聖ヴァレリオ教会

 チュンチュン

クレア「……ついに完成しました。聖ヴァレリオの秘伝パスタです……!」

 秘伝パスタ「」ポン!!!!

クロシュ「わあ……!!」

ローガン「おお……ニンニクの香ばしさと唐辛子のピリリとした香りが効いている……!」

イリス「す、すごい!! こんな美味しそうな組み合わせのパスタ初めて見ました!」

レイ「え、でもこれってペペロン――」

エバンス「きっと世界初の組み合わせの最高のパスタに違いない!! 流石は秘伝パスタだぜ!!」

クル「レイ……ちょっと黙ってよっか」

レイ「なな、なんでぇ……!?」

ミスティ「まあ美味しければなんでもいいんじゃない……?」

 *

スライムクロシュ「〜〜♪♪」モニョモニョ モグモグ

スライムデロデロ教徒「〜〜♪♪」モニョニョ モグモグ

聖女「ふふ……スライムさんがご飯を食べてるところを見るの、好きなんです。私」

僧侶「変わった趣味ですね……。まあでもこの子たちってなんでも美味しそうに食べるから、見ていて気持ち良いとは思います」


大司祭「……しかし、私まで頂いて良いのか?」

クレア「もちろんです、大司祭様。派閥の違いなどパスタの前では些事である……と聖ヴァレリオも手記に遺しています」

 ☆朝ごはんに秘伝パスタを食べて元気になりました
  本日および明日の戦闘コンマに+20が加算されます

 *

―聖ヴァレリオ教会 宿泊室

妖精「さっきクローディアから届いた知らせによると、今日の夕方に完成する見込みとのこと」

クロシュ「!」

イリス「ついに今夜……!!」

ミスティ「緊張してきたわね……」

エバンス「俺たちの行動次第で戦争の行方も変わるかもしれない。責任重大だ」

ローガン「うむ……。成すべきことを成そう」

妖精「思いつく対策は全て打ったと思うから、今日は各自自由に過ごそう。もちろん今夜の作戦に支障が出ないようにね」

クロシュ「うん……!」


王都セイントレア滞在14日目。本日の行動終了後、カリス被害者救出作戦に移ります
↓1〜3 自由安価 何をする?
990 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2025/06/22(日) 22:31:09.09 ID:zX10rx6j0
フメイ、アリシラ、ブラッドと再会現状を説明して世界めくれを阻止の協力をお願いする
991 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2025/06/22(日) 22:31:12.62 ID:JqQTeHSWO
ローガン、エバンス剣術と魔法を使う本気の模擬戦
992 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2025/06/22(日) 22:31:26.34 ID:9h/QyKqnO
みんなで宴会
993 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2025/06/22(日) 22:31:29.83 ID:GmFfa+T/0
クロシュ、記念に仲間たちの集合絵を描く
994 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2025/06/22(日) 22:31:45.12 ID:M/XE4+JcO
ヴィアやその他スライムたちとスライム談義
995 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2025/06/22(日) 22:32:15.95 ID:IzSMAfuF0
デュアと合流して協力者を探す
996 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2025/06/22(日) 22:58:21.56 ID:c3g/Tio30
―セイントレア平原

 ヒュオオオオオ――…

メタルローガン「……」


エバンス(旦那……無心でメタル化を維持してるな……凄い集中力だ)

エバンス(俺には旦那みたいな特化した一芸はないが――)

 ブォンッ!!
 古代の鉄槌「」ズンッ!!

エバンス(近接戦闘の技なら、旦那にも劣ってないはずだ)


 ガション ガション

メタルローガン「エバンスくん。気迫を感じるぞ」

エバンス「そうか?」

メタルローガン「ああ。私を相手に力を試したいのだろう」

エバンス「……よくわかったな」


エバンス(合流した頃と比べて、俺の剣の腕もかなり上達した。旦那も立ち止まってはくれなかったが、追いつけたように思う)

エバンス(……今夜の作戦が終わり、世界樹の問題が解決すれば……たぶん、このパーティは解散となるだろう。そうすれば……旦那と剣を交えられる機会も、なくなっちまうかもしれない)

エバンス(ならば――今ここで剣を交えるのは、必然と言っても良いはずだ)


 魔銀の刀「」シャキン…


エバンス「……よろしく頼む。元ユーシリア魔法騎士、ローガン」


 蜥蜴一文字「」シャキン…


メタルローガン「フッ……今の私は、復権派の雇われ用心棒だ」


 ヒュオオオオオオ―――……


   シャンッ!!!!


↓1コンマ一桁 勝者
1 ローガン
2 エバンス
3 引き分け
4 ローガン
5 エバンス
6 引き分け
7 ローガン
8 エバンス
9 引き分け
0 ???
997 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2025/06/22(日) 22:59:51.26 ID:fQG9Uu9ho
どうだ
998 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2025/06/22(日) 23:27:06.53 ID:c3g/Tio30
   ギンッ!!
 ギンギンッ!! ドガガガッ!!
     ガギンッ!! 

 ローガンの頭上で静止する魔銀の刀「」ピタ―

 エバンスの首筋で静止する蜥蜴一文字「」ピタ―


エバンス「………」

ローガン「………引き、分け……だな」


エバンス「ぶはぁっ……!! ひ、引き分けかぁ〜……!!」ドテッ

ローガン「ふぅ……まさか私のメタル化を打ち破るとは……! あんな必殺技を繰り出してくるとは驚いたぞ、エバンスくん!」

エバンス「少しは不意打ちの手段も必要だと思ってな。旦那のメタル化を破れたなら大戦果だぜ」

ローガン「地の上級魔法パワーグラウンドか。使いこなせば遠距離から一方的に攻撃できるのではないか?」

エバンス「いや……ちょいと集中力と魔力の消費が重いし、一度見られたら地を打つ動作をするだけで相手に簡単に気取られるようになっちまう。しかも空中に逃げられたら全く届かなくなるから、一度の戦いで使えるのは一回くらいだろうな」

ローガン「なるほど……。だが、相手に地面を警戒させるブラフとして使う手もあるのでは?」

エバンス「……そうか! 消費が重いかどうかなんて相手はわからないだろうから、いくらでも打てるもんだと思わせれば――」

ローガン「うむ。拳や剣だけでなく、震脚で繰り出すというのも――」


 ☆ローガンとエバンスが魔法経験をそれぞれ1づつ獲得しました

 ◇
999 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2025/06/22(日) 23:27:53.53 ID:c3g/Tio30
本日はここまで。次回もよろしくお願いします
1000 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2025/06/22(日) 23:54:41.42 ID:XU9NgluuO

決戦直前の秘伝パスタありがたい
聖ヴァレリオさん素パスタ好きだったり秘伝レシピがペペロン…だったりでめっちゃ庶民的だ
肩乗りちびスライムクロシュかわいい
1001 :1001 :Over 1000 Thread
 達 じ   |                           / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄\
 者 ゃ   l                     | ・ な 会 多
 で あ  /                          | ・ い う. 分
 な    く      ,.'"´ ̄ ̄``丶.        | ・ と. こ 皆
___/ヽ)     /           ゙、.       ! ・ お と に
           /             ',       | ・ も が は
          ノ      _    __   !     |    う   も
         ,レ^ヽ  ∠:::::::.\ ヽ・ ヽ |     |       う
         / ,ヘ   ⌒`ト、:::.ヽ  ̄  |   _ノ           |
          l い    _,,,L・`ヽ:ル ノィノ     ̄\_____/
         ヽ       ー─-  ‘ー1
          >‐‐'.        、__,ゝ ,′
         /     ',       `二' /
          /     `丶、     /
        ノ           ``ーr‐'゙
      /           \  |
    _∠_ __ _ ,,,、、、-──‐┴-、、
    厂 ー──'''"´ ̄ ,  ニ二二ニヽ\
   ,′         , イ       ̄``ヽ \
.  /          //  `)         ',  ヽ
 /         //  .:/    /   i:::.  ゙,
 |        / 〃 .:.::/   /    i|::!  !
 |i     /  〈〈 .:.::/  /      /1ノ  |     SS速報VIP(SS・ノベル・やる夫等々)
                                http://ex14.vip2ch.com/news4ssnip/
1002 :最近建ったスレッドのご案内★ :Powered By VIP Service
(安価&コンマ)鉄血に狼の男が(機動戦士ガンダム 鉄血のオルフェンズ) part2 @ 2025/06/22(日) 22:47:53.63 ID:xiq+pvxz0
  http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1750600073/

■ 萌竜会 ■ @ 2025/06/20(金) 21:08:31.92 ID:A9RjOWcxo
  http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/aa/1750421311/

■ 萌竜会 ■ @ 2025/06/20(金) 21:07:56.06 ID:9l741hD4o
  http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/aa/1750421275/

■ 萌竜会 ■ @ 2025/06/20(金) 21:07:18.78 ID:XCIH42NJo
  http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/aa/1750421238/

■ 萌竜会 ■ @ 2025/06/20(金) 21:06:42.32 ID:sMr/Yf+to
  http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/aa/1750421202/

■ 萌竜会 ■ @ 2025/06/20(金) 21:06:05.72 ID:A9RjOWcxo
  http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/aa/1750421165/

■ 萌竜会 ■ @ 2025/06/20(金) 21:05:29.13 ID:9l741hD4o
  http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/aa/1750421128/

■ 萌竜会 ■ @ 2025/06/20(金) 21:04:47.30 ID:XCIH42NJo
  http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/aa/1750421087/



VIPサービスの新スレ報告ボットはじめました http://twitter.com/ex14bot/
管理人もやってます http://twitter.com/aramaki_vip2ch/
Powered By VIPService http://vip2ch.com/

966.57 KB Speed:8.8   VIP Service SS速報VIP 更新 専用ブラウザ 検索 全部 前100 次100 最新50 新着レスを表示

スポンサードリンク


Check このエントリーをはてなブックマークに追加 Tweet

荒巻@中の人 ★ VIP(Powered By VIP Service) read.cgi ver 2013/10/12 prev 2011/01/08 (Base By http://www.toshinari.net/ @Thanks!)
respop.js ver 01.0.4.0 2010/02/10 (by fla@Thanks!)