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【安価・コンマ】力と魔法の支配する世界で【ファンタジー】Part6

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692 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2025/05/18(日) 00:06:01.61 ID:4molOIYy0
―聖域の間

 白い石柱「」
 白い石柱「」
 白い石柱「」
 白い石柱「」
 白い石柱「」

クロシュ「……」

ミスティ「白い石柱に囲まれた……五角形の部屋……!!」

妖精「石柱と石柱の間には、なんだかよくわからない壁画みたいなのがある……。でも……な、なんだここ……うう……」ヘナヘナ

クロシュ「妖精さん!」

ミスティ「妖精……! どうしたの……!?」

妖精「……こ、ここ……悲しみと、苦しみが……異様に沈殿してる……。一体、ここで何が……」

ミスティ「……妖精は休んでいて。私とクロシュで調査をするわ」

妖精「ごめん、お願い……」

 ◇

クロシュ「……?」

 壁画の出っ張り「」

ミスティ「……何かしら。不自然に出っ張っているわね。気になるわ……押してみましょう」スッ

 壁画の出っ張り「」ガゴン

クロシュ「!」

ミスティ「これは……!」

 ゴゴゴゴゴ―
 隠し階段「」ドン!

妖精「うわっ……!? それ……どうしたの!?」

クロシュ「ひみつの、通路……!」

ミスティ「降りてみましょう。妖精は――」

妖精「いくよ。ここに一人で待つ方が怖いし……」

クロシュ「うん! えと、じゃあ……わたしの、服の中に……」

妖精「そうさせてもらうね」スス

 ◇
693 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2025/05/18(日) 00:06:56.08 ID:4molOIYy0
―聖域の地下

 カン カン カン カン …

クロシュ「……!?」

ミスティ「こ、これは……」

 謎の魔導機械「」ゴウンゴウン…
 謎の魔導機械「」ゴウンゴウン…
 謎の魔導機械「」ゴウンゴウン…
 謎の魔導機械「」ゴウンゴウン…
 謎の魔導機械「」ゴウンゴウン…

妖精「〜〜…」クラクラ

クロシュ「よ、妖精さん……無理、しないで……」

妖精「う、うん……。でも、これ……」

 謎の魔導機械「」ゴウンゴウン…

ミスティ「……魔導機械。あの、テンペスターで稼働していたものに似ている……!!」

妖精「……うん。感じる……あの機械の中から……悲しみと、苦しみに泣く……声にならない、声が……」

クロシュ「……!!」

妖精「……魔力の流れを見た感じだと……この機械から取り出された魔力が、上の部屋に送られているみたい……。たぶん、これは……魔力を、搾取する機械……」

ミスティ「……」ギリリ

妖精「クロシュ……」

クロシュ「うん……」

 メイドブレード「」シャキン

メイドクロシュ「――介錯、する」

 メイドブレード「」シャンッ!!

 ズガッ!!
 バチバチッ…

 精核「」ズッ

ミスティ「精核……!!」

妖精「……クロシュ……食べてあげて……」

メイドクロシュ「ん……」

 パクッ…モニョモニョ…モグモグ…

 ◇

 ズガンッ!!
  ズガガッ!!
   ドッギャァン!!!
  バチバチバチッ…

 モニョモニョ…モグモグ…
  モグモグモグ…

 ◇

 赤い精核「」ポン
 パクッ…モニョモニョ…モグモグ…

妖精「……今ので、最後だね……。ありがとう、クロシュ……」

クロシュ「ん……」

ミスティ「……赤や紫の精核もあったけれど、あれは……?」

妖精「……緑色のは、テンペスターでも見た通り、たぶん妖精や精霊を溶かして造られたもの……。他の色のは……魔力の波長からすると、恐らく魔族……」

ミスティ「……魔族まで……。枢機卿、許し難い下衆……!!」

妖精「……上に戻ろう。もう……ここに、犠牲者は残ってない」

 *
694 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2025/05/18(日) 00:07:39.66 ID:4molOIYy0
―聖域の間

 カン カン カン カン …
 隠し階段「」ヒョコ

妖精「……っはぁ! い、息苦しかった……」

ミスティ「ふう……。妖精、大丈夫?」

クロシュ「だいじょうぶ……?」

妖精「うん。なんと、か――」


グランドマスター「……まさか留守中にネズミが入り込むとはね」ニコニコ


妖精「お前……っ!!」

ミスティ「貴様……」ジリ

クロシュ「……」キッ
695 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2025/05/18(日) 00:11:31.83 ID:4molOIYy0
というわけで本日はここまでとなります

戦争を阻止するべく枢機卿の闇を暴きに動く一行。聖域の地下で目にしたものは、かつてテンペスターで目撃した悲劇と地続きのものだった
そして今。クロシュたちは、悲哀と苦痛を生み出す根源――極悪枢機卿グランドマスターと相対する
会心の女神が微笑む中で。迸る激情が、闇を穿つ―――

それでは本日もありがとうございました。次回もよろしくお願いいたします
696 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2025/05/18(日) 06:00:22.50 ID:0IQ7QJkho
おつでした
様々な陣営からカリスに集まる業の数々、これは年貢の収め時ですねぇ
ああ!イリスも脳筋武闘派魔術士に!
697 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2025/05/18(日) 08:16:05.02 ID:+Ri+2sfI0

フーミンの情報収集からいきなり潜入に場面変わったけどこれってフーミンの協力は関係あったの?関係なかったら【フーミン「えっ私は!?潜入するなら必要ないじゃないか(怒)」】とか言ってフーミンぶちギレてそう。
698 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2025/05/18(日) 12:29:07.70 ID:Q9s+9EDmO

レッサースライムとかいうかわいいだけの生き物かわいい
戦争と枢機卿については00クリティカルのパワーでどうにかなりそうかな?
699 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2025/05/18(日) 19:55:50.05 ID:4molOIYy0
カリス氏はたくさんの恨みを飼っているので、実際とても危うい立場であるかもしれません。今後の動向に注視していきたいところであります
イリス氏も実のところ脳筋な面がなくはないらしく、今回はその面が大きく出てしまったようです。元々彼女は正義感が強い人なので、ダークヒーローとして抑えきれなかったのかもしれません。今後の活躍にも期待したいところであります

>>691のレスを見るとわかりやすいですが、クロシュたちは彼女の調査メモを持って潜入に臨んでいるため、フーミン氏の協力は普通に関係しています。また、たとえ関係なかったとしてもフーミン氏はその程度のことで怒り散らすような短気な方ではありません。風説の流布にご注意ください

レッサースライムはあかちゃんスライムのクロシュよりもあかちゃんなスライムなので、人によってはかわいく思える場合があります。王国内でもペット人気があったりなかったりしますが、もし人間のあかちゃんや他の小さなペット等がいる家庭で飼う場合は注意が必要です。食欲旺盛でなんでも食べるため、最悪の場合モニョモニョモグモグと食べてしまうからです
700 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2025/05/18(日) 19:57:47.27 ID:4molOIYy0
―聖域の間

クロシュ「……」
 メイドブレード「」シャキン

グランドマスター「おっと、良いのですか? この私を殺せば、あなた方は完全にテロリスト。二度と太陽の下を歩けなくなってしまいますよ?」

ミスティ「太陽の下を歩けなくなる覚悟さえあれば、できるわ」

グランドマスター「クッ……クハハハハッ!! 残念ながらそれも不可能でしょう。この部屋にいる限り、私は無敵なのでね」

妖精「……どういうこと?」

グランドマスター「私の魔法は、魔力を命に変換する希少なもの。そしてこの部屋は、地下に押し込めた役立たずの劣等種共から魔力を吸い上げ、私に供給するように造られた特別な聖域――。つまりこの部屋にいる限り私の魔力は無限であり、無限の魔力があればいくらでも命に変換して蘇ることができるのです!!」

妖精「な、なんだって!?」

ミスティ「貴様……彼らの命を、そんなことに……!!」

グランドマスター「ンン〜? クックック……貴方は人間でありながら、人間以外の劣等種を尊重してしまう無知蒙昧で視野狭窄な暗愚のようだ」

ミスティ「……」

グランドマスター「魔族だの妖精だのは知性なき害獣です。魔力電池にするくらいしか役立てる道がないというのに、あなたや穏健派の愚人たちはなぜそんな簡単なこともわからないのでしょう?」

妖精「ふうん? カリス・ノーランドはエルフなのに、なんで協力できるの?」

グランドマスター「ハハ、御冗談を。利用価値があったから飼っているだけです。あれも所詮は愚鈍な淫売エルフに過ぎません」

妖精「利用価値があったから、処刑したと見せかけて飼いならした?」

グランドマスター「ええ、その通り! カリス・ノーランドは下劣な大罪人ですが、価値は価値。劣等種は死ぬまで搾り取るのが私の流儀です」

妖精「クリファ教の孤児院を襲撃したのも、価値があったから?」

グランドマスター「おや、そんなこともご存知なのですか? もちろんそうです! 邪神関係は穏健派にとっても見過ごせない案件なのでね、先を越されると困るのです」

妖精「それで死者を大勢出したのは良いの? 異教徒と言えど人間なのに」

グランドマスター「邪神を信仰する連中など、我々と同じ知性を持った人間とは言えません。魔族や妖精共と同じ害獣です。言うなれば駆除です、駆除」

妖精「……あなたが王国との連合軍を率いて魔族国と戦争をするって噂を聞いたけど、それも?」

グランドマスター「ええ、私自ら出陣する予定です。それと……ククク、戦争とは国家と国家の争いのことですよ。害獣駆除作戦を戦争とは言いませんねェ」

妖精「魔族国には未だに大勢の人質がいるけど、その人たちの命は考慮しないの?」

グランドマスター「魔族国の捕虜となった方々は、既に洗脳されて知性なき害獣と化してしまいました。彼らに尊厳ある死を与えて差し上げるのもまた慈悲です。本人はもちろん、遺族の方々にとっても、それが最も幸福なことと言えるでしょう」

妖精「……ふうん。ところで、そんなこと部外者の私たちにベラベラ喋っちゃって良いの?」

グランドマスター「ええ、もちろん。あなた方は生きてここから出られませんからねェ」ニヤ

 閉まる大扉「」ズズゥン…

ミスティ「!」

クロシュ「!」バッ

グランドマスター「無限の命を持つ私に嬲り殺されるが良い! 愚劣なる害獣共よ!!」


 ――戦闘開始 枢機卿グランドマスター――


 ★グランドマスターが〈聖域の間〉を発動!!
  敗北を100回無効化する!!
  さらに毎ターン自身のコンマ+1!!

 ☆クロシュたちが〈聖域破壊〉を発動!!
  グランドマスターの〈聖域の間〉を無効化!!

◇自陣(戦力差+30、素パスタ+10、フーミン情報+15、使徒支援+10)
・不死鳥化できる(1/1)

◇敵陣
・聖域の間(機能停止)

 *

 ☆戦力差により自動的に勝利します
701 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2025/05/18(日) 19:58:29.94 ID:4molOIYy0
 ドッギャァァァァン!!!!

グランドマスター「ごふっ……!! フッ……フゥーッハッハッハ!! 無駄です、ここにいる限り私は無敵だと――オゴッ!!?」ズキッ!!

 ガクッ

グランドマスター「ぐ、うおあああ……!!? あ、頭が……!!?!? こ、これは……魔力、欠乏……」ガクガク

妖精「……残念だったね。地下にはもう……誰もいないよ」

グランドマスター「なっ、何……!? 貴様ら、まさか――」ガクガク

クロシュ「……わたし……食べた。みんな……」

グランドマスター「た、たべた……だと……」ガクガク

妖精「さて……ミスティ、ちゃんと撮れた?」

ミスティ「ええ」スッ

 小型録画水晶「」ポン

グランドマスター「な、に……録音、水晶だと……」ゴボッ

妖精「知人の記者から借りたの。あなたの秘密を暴いて、世に知らしめる為にね」

グランドマスター「きっ、貴様ら……!! そ、それを、今すぐ……」ガクガク

ミスティ「年貢の納め時よ。これを記事にして大陸中にバラ撒くわ」

グランドマスター「ま、まてっ……私が悪かった……!! 頼む、見逃してくれっ……!! 望みがあれば叶えよう……!! 永遠の命だろうと、死者の復活だろうと、私の力ならば……!!」

 バキッ!!

グランドマスター「ぐあっ!」ドサッ

ミスティ「……散々多くの命を苦しめておいて……よくもそんなことが言えたわね……」

妖精「……魔力を命に変える魔法か……。もし使い手があなたのような下衆じゃなかったら、たくさんの命を救える素晴らしい魔法になれただろうに。本当に残念だよ」

グランドマスター「ま、待ってくれ……まっ……」


クロシュ「……」
 メイドブレード「」シャンッ

 大扉「」スパッ
 ドズゥゥン…

クロシュ「……みんな……お外に、行こ……」

 メイドブレード「……」


 ――戦闘終了――


 ☆たくさんの想いを食べて、メイドブレードが星霊の剣に変化しました


 ◇
702 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2025/05/18(日) 19:59:13.32 ID:4molOIYy0
―聖ヴァレリオ教会 宿泊室

 小型録画水晶『無限の命を持つ私に嬲り殺されるが良い! 愚劣なる害獣共よ!!』ザザ

スライムクロシュ「〜〜!」モニョニョ

エバンス「うおお! めっちゃ綺麗に撮れてるな!」

フーミン「でかしたわ!! これならグランドマスターを必ず失墜させられる!」

ミスティ「あいつに出くわした時はちょっとゾッとしたけど、結果オーライね」

妖精「あそこまでベラベラと喋ってくれて良かったよ。でもこれ、捏造扱いされない?」

フーミン「録画水晶の映像は改竄できないから、ほとんどの国の司法や警察で証拠能力を持つものとして扱われているの。これだけバッチリ姿も声も鮮明に記録されていれば間違いないわ」

ローガン「だが、これの公開によって混乱が生じる恐れはないだろうか? 曲りなりにも彼はロイエ教の大人物だ」

フーミン「混乱は避けられないでしょうね。でも改革に痛みはつきものよ」

イリス「……一番の不安は、カリス・ノーランドですね……枢機卿が力を失った結果、カリスがどんな動きをするか……」

使徒「その点は私にお任せください。最低限、今の段階で彼女を縛り付けている鎖は維持致します」

フーミン「……人前に滅多に姿を現さない原理派の名誉顧問、使徒……そんな人物の協力を得るなんて、あなたたち一体どんなコネを使ったの?」

妖精「それは……まあ、いろいろあって」

使徒「利害の一致というやつです」

 ◇

―夕方
 王都セイントレア 市場

 ゴウガイダヨー!! ゴウガイダヨー!!
 ザワザワ… スウキキョウガ… ウソダロ…

 ☆枢機卿の悪事を暴き、大陸中にばら撒きました
  枢機卿と原理派と王国の評判が大きく下がりました

 ☆目標「枢機卿の悪事を暴く」を達成しました

 ◆
703 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2025/05/18(日) 20:01:20.83 ID:4molOIYy0
―夕方
 聖ヴァレリオ教会 宿泊室

クロシュ「……」

 星霊の剣「」キラキラ

妖精「あれ? その剣、なんか変わった?」

クロシュ「……わかんない。でも……みんなが、力……貸して、くれてる……気がする……」

イリス「なんだろう……ほんのりとだけど、星属性っぽい力を感じる……」

妖精「精核を食べた影響……? まあ悪い変化ではなさそうだね」

クロシュ「うん……」

妖精「他に何か心配事があるの?」

クロシュ「えっと……わたし……セインさんたち、助けたい……」

イリス「そうだね……私も助けたいよ」

クロシュ「でも……どうすれば、助けられるのか……わかんない……」

妖精「んー……今生き残ってる子たちは全員お茶会を楽しむくらいの自我があって、セインについてはかなり自由に動けるみたいなんだよね。セインが本気を出せば全員で脱走くらいは簡単にできそうだけど……」

イリス「……そうできない理由があるってことだよね。つまり」

妖精「そうなんだと思う。話を聞いた感じだと、セインは鳥籠を出て自由になることより、鳥籠の中を住みやすくする方向で頑張ったみたい」

イリス「カリスから離れられないような呪いをかけられてる、とか?」

妖精「セインは国外まで遠征してることもあるから違うだろうけど、他の子たちはそういう呪いがかけられてる可能性が十分にある。大魔女に解呪してもらったけど、クロシュにも服従の呪いがかけられてたし」

クロシュ「……」


クロシュ(でも……わたしとフメイちゃんは、脱走できた……。だから……たぶん今は、前よりももっと厳しい、逃げられない仕組みがある……)

クロシュ(……もう一回、侵入して……セインさんに、聞いてみる……?)


↓1コンマ
01-60 アイスちゃんの氷魔力結晶が……
61-90 大魔女さん来訪
91-00 ???
704 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2025/05/18(日) 20:02:57.23 ID:5DAVnfNJO
705 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2025/05/18(日) 20:09:39.83 ID:aGPUDk9Bo
00クリティカル強い
章ボスかと思ったらもう退場
706 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2025/05/18(日) 21:03:28.82 ID:4molOIYy0
クロシュ「……?」

 氷魔力結晶「」デロデロ…

クロシュ「!」

イリス「あれっ? これ、アイスっていう子の魔力結晶だよね? なんでこんな……」

妖精「……おかしい。一度結晶化した魔力がこんな風に溶けることなんて、普通はないはず……」

イリス「だ、だよね。私もこんなの初めて見たよ」

妖精「……うーん……魔力の結合が解ける原因は……。そもそもなんで今まで、ちゃんと結晶だった――はっ!」

イリス「……!! ま、まさか……これ!!」

妖精「……これ……カリスから逃げ出せない仕組みかも……!!」

クロシュ「??」

イリス「……たぶんカリスの元から長期間離れると、魔力に異常をきたして具合が悪くなっちゃうんだ……」

妖精「……放っておけば、死ぬと思う」

クロシュ「!!」ソワソワ

イリス「……この魔力結晶はアイスちゃん自身ではないから、今アイスちゃんが危ないってことはないよ。でも……カリス、嫌らしい仕組みを……」

妖精「ひとまず、この溶けてる結晶は瓶に詰めておこう。溶けはしても強力な氷魔力を秘めてるのは変わらないから、使い道は変わらないはず」

イリス「そうだね……」

 *

 瓶詰め氷魔力「」ポン!

クロシュ「……」

妖精「これがどういう現象で、どうすれば食い止めることができるのか……」

イリス「しっかり調べる必要があるね……」

クロシュ「うん……」

 ☆カリスに造られた者の事情について少し知りました

 ◆
707 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2025/05/18(日) 21:03:58.30 ID:4molOIYy0
 ―幕間―

―夜
 聖ヴァレリオ教会 聖女の宿泊室

 コンコン

クレア『聖女……いますか……?』


 開かれた号外新聞「」バサッ
頭を抱えて机に突っ伏す聖女「………はい」


クレア『入っても構いませんか……?』


聖女「……はい」


 扉「」ガチャッ


クレア「失礼しますね……。ハーブティーを淹れて来ました。良かったら飲んでください」スタスタ

 温かいハーブティー「」ポン ホカホカ

聖女「………すみません。私……今日は、ろくにお手伝いもできなかったのに……」

クレア「構いません。今、原理派が大変な状況というのはわかっていますから……」

聖女「………考えが……まとまらないんです……。私……どうしたら、良いのか……」

クレア「……無理しないで。あなたは立場上原理派ですが、中身はほとんど穏健派みたいなものです。あなたが無理に考えなきゃならないことなんて、何もないのですよ」

聖女「……でも……私の父は、枢機卿とも近しい大司教で……今どこに赴任しているかさえ、誰も教えてくれないんです……。お姉ちゃんも、どこ行ったか、わかんなくて……。私、もうぐちゃぐちゃで……どうしたら良いか……」

クレア「……今夜は、もう寝ましょう。具合の悪い時に起きていると、嫌なことばかり考えてしまいます」

聖女「……はい。そう、します……」

 ◆
708 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2025/05/18(日) 21:05:41.03 ID:0IQ7QJkho
……ブラッドフメイクロシュと逃げられたから導入された仕組みっぽいな……うーんカリスマジカリス
709 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2025/05/18(日) 21:10:09.94 ID:4molOIYy0
―王都セイントレア 滞在6日目

◇クロシュ [あかちゃんスライム]
武:星霊の剣     盾:ラティアの大盾  飾:くすんだ耳飾り
武:竜珠の大杖    防:竜のエプロン   飾:不死鳥の羽根

◇妖精   [世話焼き妖精]
武:         盾:         飾:くすんだ耳飾り
武:         防:精霊のレオタード 飾:

◇イリス  [星の魔法使い]
武:蒼き星の杖    盾:         飾:くすんだ耳飾り
武:ブラッドランス  防:魔術師のローブ  飾:

◇ミスティ [氷の魔法使い]
武:氷の短刀     盾:         飾:くすんだ耳飾り
武:         防:氷竜革のローブ  飾:

◇ローガン [鋼の戦士]
武:蜥蜴一文字    盾:灼鋼の盾     飾:くすんだ耳飾り
武:鋼の回転ノコギリ 防:オリハル鎖帷子  飾:

◇エバンス [地の傭兵]
武:古代の鉄槌    盾:         飾:くすんだ耳飾り
武:魔銀の刀     防:硬質革鎧     飾:

◯所持アイテム
[道具]        [装備品]       [大事なもの]
運命賽*2       蜘蛛絹の下着      魔族国永久旅券
会心賽*1       ザリガニのお守り    フメイの服の切れ端
反魂丹*1       大きな巻き貝      精霊の印
鉄鍋+携帯調理器具   闇の欠片        精霊樹の実のジャム
「星の魔力」上中下   フリルワンピ水着    精霊樹の鉢植え+赤雷球
お宿の妖精の織物    魔法学園のスク水    フメイとアリシラの人形
魔導飯盒        ガラスのザリガニ    メルルの帽子
妨害魔力波発生装置   踊り子の双剣      溶岩石のアミュレット
属性大全        サボテンドラゴンの花  太陽のメダリオン
魔王図鑑        精霊のローブ      暗黒優待券
氷精の魔導書      精霊樹の杖[改]    冒険者証(ランク1)
ブラッドワイン*1   銀のナイフ       大魔女帝国渡航権
吸血鬼殺ワイン*1   ダイヤメリケンサック  かたたたきけん
魔術書「正負の属性」  パラサイトソード    大魔女帝国滞在許可証
吸血鬼の日焼け止め               風船印のパラシュート
日蝕の傘                    ラティア勲章
大魔女サイン*1                ユーシリア王家の紋章
古代のセラミック
ステライト鉱石
晴れ乞い傘
チョコスムージー
ヒヒイロカネ
氷魔力結晶
魔導書「絶対零度」

◯現在の目標
・フメイちゃんを探す
・世界樹の光を追う[4/5]
・最悪の未来を阻止する

◯努力目標
・カリスに造られた者たちを助ける
・枢機卿の悪事を暴く(達成!)
・戦争を阻止する
・レイの行方を追う

◯仲間の目標
・カリス・ノーランドを討つ(ミスティ)

◯経験値
・クロシュ 剣技[03/07] 魔法[06/07] 防御[00/07]
・イリス  杖術[00/06] 魔法[14/16]
・ミスティ 剣技[05/07] 魔法[11/16]
・ローガン 剣技[16/16] 魔法[06/08] 防御[07/08]
・エバンス 剣技[16/16] 魔法[07/08]
……………………………………………………………………………………
□王都セイントレア
王城:未探索
城下:教会、孤児院、市場、食事処、酒場、浴場、娼館、冒険者ギルド
   中央広場、公園、学校、図書館、博物館、劇場、闘技場、未探索
……………………………………………………………………………………
□セクリエ・ロイエ
大聖堂、大聖堂別館、美術館、庭園、お土産屋、未探索、他
……………………………………………………………………………………
710 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2025/05/18(日) 21:10:45.94 ID:4molOIYy0
―朝
 聖ヴァレリオ教会 食堂

 チュンチュン

クロシュ「……? 聖女さんは……?」キョロキョロ

クレア「……聖女は、少々体調を崩してしまいまして」

クロシュ「そうなの……?」

クレア「はい……。もし良かったら、お見舞いに行ってあげてくださいね。あの子はあなたたちのことが凄く好きみたいなので、きっと励みになるかと……」

クロシュ「ん……わかった」


イリス(聖女さんが……それってやっぱり、あの新聞が原因だよね……?)

妖精(まあそうだろうね……一応原理派みたいだから、ショックはあると思う……)

ミスティ(自分のとこのトップがアレだなんて知ったら……きついでしょうね……)

エバンス(聖女は何も悪くないわけだし、気の毒だな……)

ローガン(だが、枢機卿を討つにはああするしかなかったのだ……)


王都セイントレア滞在6日目。15日目に何かが起こります

↓1コンマ ランダムイベント
01-20 なし
21-40 黒髪の無愛想な青年
41-60 デュア
61-80 メルル
81-00 リュアン

↓3〜5 自由安価 何をする?
711 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2025/05/18(日) 21:20:01.80 ID:0IQ7QJkho
ラスイチ引きたーい
712 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2025/05/18(日) 21:20:14.37 ID:nvaoM0pFO
聖女さんの父親(活動日誌書いた人)を探してみる
713 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2025/05/18(日) 21:20:17.82 ID:aGPUDk9Bo
イリスを救ったスライムと出逢う
714 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2025/05/18(日) 21:20:18.16 ID:9zeghqheO
原理派勢力が後退した分デロデロ教の勢力が増してきて滅茶苦茶布教を受けてしまう
715 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2025/05/18(日) 21:20:20.31 ID:souoKTqC0
ミラ(クル)と会話中テラヌス・ウルスのミラの話題になり、今どうしているか考える
716 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2025/05/18(日) 21:20:23.76 ID:U6/sphVA0
ミラと一緒にレイを探す
717 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2025/05/18(日) 21:20:32.07 ID:5DAVnfNJO
>>649
718 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2025/05/18(日) 21:52:23.26 ID:4molOIYy0
―王都セイントレア 市場

 ワイワイ ガヤガヤ

妖精「ひとまず今日は――ん?」

「……」

妖精「ていっ」ペチッ

「ぎゃっ」

イリス「その声は……」

メルル「たはは〜見つかっちゃったねェ」ヌッ

ミスティ「メルル!」

メルル「妹がお世話になったそうで! いやあキミたちには世話になりっぱなしですなァ」

クロシュ「ん……お世話、したり、されたり……?」

エバンス「でもなんでメルルが王都なんかに? ここ王国だからけっこう危ないぞ」

メルル「まあ冒険者のカンってやつ? なんか面白いことがありそうだな〜って思ってね」

ローガン「うむ……まあ、何かはあるかもしれんな……」

 ☆メルルと再会しました
  今日と明日、時と場合によりコンマに補正を得られるかもしれません

 ◇
719 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2025/05/18(日) 21:53:10.46 ID:4molOIYy0
―王都セイントレア 中央広場

 ワイワイ ガヤガヤ

デロデロ教徒「真の正しい世界! 真の正しい世界こそが救いとなるのです!!」

 ワアアアア!!! シンノタダシイセカイ!!!! シンノタダシイセカイ!!!!


クロシュ「わあ……」

妖精「うわ、デロデロ教の奴らだ。王都でも布教活動してるのか……」

イリス「ロイエ教の枢機卿があんな記事になっちゃったから、効果は大きそうだねえ……」

エバンス「そこを狙ってんだろうな。まあ俺たちにとっちゃどうでもいいことだが……」

デロデロ教徒「まあそう言わず、あなたもご一緒にどうですか?」ヌッ

エバンス「うおわっ!? い、いや俺は無神論者で……」

デロデロ教徒「デロデロ教は神を信奉するものではございません。ただ、正しい救いを求めるだけのシンプルなものなのです」

イリス「そ、そうなんですか……」

デロデロ教徒「というわけで皆さんもご一緒にどうですか? 真の正しい世界!」

クロシュ「しんのただしいせかい!」キャッキャ

妖精「こら、調子に乗るな」ペチッ


↓1コンマ
01-30 グランドマスター「騙されるな、民衆よ!!!!」ヌッ
31-60 楽しかった
61-90 僧侶「お久しぶりです!」
91-00 ???
720 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2025/05/18(日) 21:55:17.96 ID:KXYGCVKs0
ヌッ!
721 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2025/05/18(日) 21:58:26.06 ID:aGPUDk9Bo
グランドマスター生きてはいるのか
ただじゃ終わらなさそう
722 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2025/05/18(日) 22:09:18.59 ID:J0szS0XNO
前々から思ってたけど自由安価先着順じゃなくて時間指定できた安価の中から高コンマの安価採用みたいにできないのかな?
今までの見ると3人以上は自由安価取るために待機してるみたいだし今までの埋まるスピードなら時間の範囲短くても問題なさそう。(>>357で言ってるみたいな一度取ったら次は譲るというのは日付が変わるとIDが変わったり、同じIDでも2連続で自由安価取る人もいたりでルール無しでは正直うまくいかなそう……)
723 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2025/05/18(日) 22:44:13.05 ID:4molOIYy0
グランドマスター「騙されるな、民衆よ!!!!」ヌッ

 ザワザワ… エエ… ドチクショウノグラマスダ

グランドマスター「真の正しい世界!? そのようなまやかしは存在しない!! セイントレア国民よ、今一度人間の尊さを思い出すのです!! デロデロなどというものに縋らずとも、我々人間は――」

 ウルセー!! スッコンデロー!! ヨウセイレイパー!! ヘンタイ!!

  石「」ポイポイ
   石「」ポイポイ

    パシッ!!

赤橙ショートの眼帯女性「……」スッ

  ザワザワ… オッカネエヨウジンボウダ…

グランドマスター「無詠さん、助かりました。この私が石をぶつけられるなど、あってはならないことです」

赤橙ショートの眼帯女性→無詠「報酬分は働く。それだけだ」



イリス「……!!?!?!?」

エバンス「ん……!? あっ……!! ま、マジか……!?」

妖精「え、何? あの用心棒に心当たりでもあるの?」

イリス「えっ、いや……ひ、人違いかも……」

エバンス「あいつは……俺の傭兵団の実力者、無詠だ!」

イリス「ええっ!? そうなんですか!!?」

妖精「ど、どういうこと……?」

クロシュ「??」



無詠「……?」

グランドマスター「む……あの少女と妖精は……!! 無詠、奴らを今すぐ叩き殺しなさい! アレは国家反逆者です!!」

無詠「仕事は護衛だけだったはずだが」

グランドマスター「融通の効かない人ですねえ! それならば暗殺の追加依頼です!!」

無詠「悪いが、貴方との契約もこの護衛任務で打ち切らせて頂く。我々も評判を気にしなければ生きていけないのでな」

グランドマスター「なんですと……!? 貴様……下賤なならず者モドキの分際で……!!」

無詠「今すぐ契約の打ち切りをお望みなら対応可能だが?」

グランドマスター「そもそも貴様が昨日いなかったせいです!! そのせいで私は――」

無詠「極秘会議だからと私を遠ざけたのは貴方だったはずだが……」

グランドマスター「……帰ります!」プンスコ ズカズカ


 ザワザワ… カエッテッタ… ナンダッタンダロウ


妖精「なんか……揉めてた?」

エバンス「あー……まあ、その方が俺としては助かるな」


無詠「……」ジッ


クロシュ「?」

イリス「い、いやいや……まさか、ありえないでしょ……」


無詠「……」スタスタ


妖精「うわっ、こっち来たよ!」

イリス「え、ええ〜っ!?」

 *
724 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2025/05/18(日) 22:50:23.94 ID:4molOIYy0
―王都セイントレア 路地裏

無詠「久しぶりだな、エバンス」

エバンス「おう……。アンタ、あんな奴の仕事なんて受けてたのかよ」

無詠「報酬が魅力的だったからな……。今は反省している」

エバンス「マジで反省してくれ……俺たちの評判まで悪くなるし、下手すると俺と敵対することになるし……」

無詠「……エバンスは個人依頼を受けたと聞いていたが……後ろの彼女たちが、その依頼主なのか?」


クロシュ「……」コソコソ
妖精「……」コソコソ
イリス「……」コソコソ ドキドキ


エバンス「ああ、まあそんなとこだ……。ちょっと恩があって、格安で……。報酬はあんまり期待しないで欲しい」

無詠「それは構わないが……グランドマスターは彼女たちに強い恨みを抱いているようだった。一体何をしたんだ?」

エバンス「ああ、それなら――」

 *

無詠「……まさか、昨日の記事が彼女たちの行動によってできたものだったとは……」

エバンス「アンタ、この件から手を引くことはできないか?」

無詠「……こちらから契約を切るのは難しい。腐ってもまだロイエの枢機卿だ。下手に恨みを買うのは傭兵団にとっても得策ではないだろう」

エバンス「それはまあ、そうか……」

無詠「安心しろ。お前たちと敵対することになったら、適当に手を抜いてやる」

エバンス「そりゃ助かるが……アンタは大丈夫なのか?」

無詠「無論だ」



イリス「……」コソコソ ドキドキ

妖精「イリス……気になるなら話しかけにいきなよ」

イリス「えっ……で、でもぉ……きっと人違いだし……」

クロシュ「……ひとちがいなの?」

イリス「そうだよ……! だって、母さんは――」

妖精「……母さん?」



無詠「……私は怖がられているのか?」

エバンス「え、どうだろうか……まあ女性にしてはけっこう強面だと思うぞ、眼帯だし」

無詠「そうか……」


どうする?
↓1〜2選択 話す or すること
1.イリスさんのお母さんですか?
2.カリスの被害者な気がする……
0.自由安価(状況にそぐわないものは再安価となります)
725 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2025/05/18(日) 22:54:28.22 ID:0IQ7QJkho
1
726 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2025/05/18(日) 22:54:54.46 ID:+Ri+2sfI0
1
727 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2025/05/18(日) 22:57:22.75 ID:4molOIYy0
被ったのでもう1つよろしくお願いします

↓1選択 話す or すること
2.カリスの被害者な気がする……
0.自由安価(状況にそぐわないものは再安価となります)
728 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2025/05/18(日) 22:57:50.30 ID:BEiXDIwQO
0とりあえず食事しながら会話(そこへメルルとフーミンもやってきた)
729 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2025/05/18(日) 22:59:59.78 ID:0IQ7QJkho
>>727
そして連取りだわごめんなさい
730 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2025/05/18(日) 23:43:13.61 ID:4molOIYy0
クロシュ「……」トコトコ

無詠「……」

クロシュ「えっと……イリスさんの……おかあさん、ですか……?」

無詠「……イリスの……お母さん……?」

エバンス「えっ……? それってどういう……」


無詠「…………」


無詠(イリス……どこか、聞き覚えのある名だ)

無詠(不思議な懐かしさ……そして愛おしさを感じる……)

無詠(……私には、ある時点以前の記憶がない)

無詠(………カリス・ノーランドの施設で人体実験を受ける以前の記憶は、一切ないのだ)

無詠(だから……私が誰かの母親だったという可能性も、ゼロではないだろう)

無詠(……しかし、ならばどうしろと言うのだ?)

無詠(私は……もう随分と長い間、無詠≠ニして傭兵をやってきた……)

無詠(……今更、過去を突きつけられても……私は……)


無詠「……………」


クロシュ「えと……ごはん、食べる……?」

無詠「……ごはん?」

クロシュ「うん……。ごはん、食べれば……元気に、なるかも……」

エバンス「賛成だ。飯にしようぜ、腹が減ってちゃ腹割って話すこともできないだろ?」

妖精「そうだね。まずはごはんにしようよ。ね、イリス?」

イリス「へっ!? そ、そうだね……!? ごはん……ごはん!!」

無詠「わかった。ではご相伴に預かろう」

 ◇
731 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2025/05/18(日) 23:45:21.58 ID:4molOIYy0
―聖ヴァレリオ教会

イリス「クレアさん、台所お借りしても構いませんか?」

クレア「はい、もちろんです。ご自由にお使いくださいね」

イリス「ありがとうございます!」


無詠「ここに滞在しているのか」

エバンス「おう。飯は俺とイリスちゃんが作るから、待っててくれ」

無詠「わかった」

 *

 魔導拳銃「」ポン!

クロシュ「わぁ……!」

ミスティ「魔導拳銃……! かっこいいわね……」

妖精「そう? 私には凶悪な鉄の塊にしか見えない……」

ローガン「こういったものはどこに売っているのだろうか?」

無詠「これは私用にチューニングされた特注品だが、量産品であれば機械都市や商業都市で手に入る。まあ、量産品は規制がかかっているからか豆鉄砲のような威力しか出ないらしいが……」

ミスティ「豆鉄砲……。氷魔法を使いながら炎の弾丸を撃ち出す、みたいな戦法はできないのね……」

無詠「フフ、傭兵団に入れば注文ルートを紹介できるよ」

ミスティ「まあ……食い詰めたら考えるわ……。それよりあなた、イリスのお母さんと聞いたのだけど……」

無詠「……そうらしいが、私は記憶がないんだ。記憶もなしに、母親として振る舞うことはできない。だから……どう対応したら良いものか、少し困っている」

ローガン「ふむ……。イリスくんも、恐らく同じような状態だろうな。記憶のない人に、過去を押し付けて良いのかと、葛藤しているように思える」


台所でせっせと働くイリス「〜〜」セッセ


無詠「……子供にそのような気持ちを抱かせるのも、母親失格だとは思うのだが……私自身、母親としての自覚が全くないんだ。他人事のように思えてしまう……。そんな気持ちで母親面をすることの方が、もっと深く傷付けてしまうのではないかと思うし……」

ミスティ「……難しいのね……」

ローガン「うむ……私もこのようなケースは初めて見る。どうするのが正解なのかわからん……」



フーミン(……なんか混ざりにくいシリアスな雰囲気ね……。出直そうかしら……)コソコソ

メルル(めっちゃわかる〜。場違いになっちゃいそうなんだよね〜)コソコソ

フーミン(いや、誰よあなた……)コソコソ


↓1〜2 食材を1〜2つ選択
肉類:トリ肉、ケモノ肉
魚介:ザリガニ、オオキイタニシ、イクラマス、マグロ
野菜:ノラワカメ、セイントレア草、キャベツ、長寿トマト
穀物:お米、パスタ麺、こんがりパン、ヤマイモ、オオキイ豆
果実:イチゴ、リンゴ、ブドウ、シャイニングマスカット
卵乳:トリの卵、ミルク、チーズ、バター
特殊:スライムゼラチン、フェアリーシロップ、ブラッドワイン、精霊樹のジャム、上白糖、香辛料
732 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2025/05/18(日) 23:46:46.92 ID:QVYhcFXN0
オオキイタニシ 米
733 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2025/05/18(日) 23:51:27.25 ID:9zeghqheO
マグロ、シャイニングマスカット
734 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2025/05/18(日) 23:56:03.54 ID:4molOIYy0
食材が決まったところで本日はここまでとなります。次回、再会のごはん編、株分けの伝説スライム編、ミラくんちゃんとミラさん編です

グランドマスターの悪事を暴き、評判をガタ落ちさせることに成功したクロシュたち。一方カリスに造られた命をどうにかする手立ては未だ見つからず、クロシュは気を揉む――
そして出会ったのは、謎多き傭兵の無詠。エバンスの同僚であり、イリスの母疑惑がある彼女と食卓を囲むことになったものの、イリスと無詠は互いにどう接したら良いかわからず困り果てる。長き時を経て再会した親子の行方は――。あかちゃんスライムもまた、二人が仲良くなれたらと小さくお祈りする――

それでは本日もありがとうございました。次回は土日となります、よろしくお願いいたします
735 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2025/05/19(月) 09:21:24.28 ID:KDY9gVoKo
おつおつでした
聖女さんお辛い立場だ…
736 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2025/05/19(月) 14:47:35.64 ID:1D8lVcawO

またカリスの罪状が増えとる…
聖女さんも厄ネタ持ちだし気にした方が良さそうだけどやることが…やることが多い…!
737 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2025/05/24(土) 13:09:48.02 ID:9IKHAwNvO
王国編は要素が多くて全部回収できるかな
738 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2025/05/24(土) 16:28:54.68 ID:+fI+KUJE0
聖女氏は実際とてもつらいようです。彼女がなんらかのお咎めを受けるということはたぶんありませんが、その大きなストレスは心身に悪い影響を及ぼす可能性があります。気にしてあげると良いかもしれません

カリスさんは既に処刑されたはずの指名手配犯なので、その罪はとても大きいようです
聖女氏は例の日誌に記されていた通りであれば何やらすごい力を持っているそうです。その力がどのような未来をもたらすかは今のところ未知数です

王国編はやることが多いですが、今のところは順調に進んでいるので、このペースでいけば問題ないと思われます。なお一部の努力目標は特定人物の生死に関わっていたりもするため、気にするのが良いかもしれません

なお最も良い未来を目指したい場合、努力目標以外にも気にした方が良いことがあったりするかもしれません。とはいえ本編の内容やクロシュたちの言葉をちゃんと聞いていれば、そのようなものを見つけるのは難しくないでしょう
739 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2025/05/24(土) 16:30:39.27 ID:+fI+KUJE0
 マグロ寿司「」ポン!
 タニシ寿司「」ポン!
 マスカット寿司「」ポン!

クロシュ「わあ……!」

イリス「お寿司にしました!」

ローガン「待て、緑色のこれは何だ」

 マスカット寿司「」

エバンス「マスカット寿司だ」

ローガン「なんだと」

ミスティ「何かおかしいの?」

ローガン「いや……寿司ネタにマスカットというのは聞いたことがないのだが……」

エバンス「ははっ、遅れてるな旦那! 今フルーツ寿司は密かに人気を集めてるんだぜ」

ローガン「そ、そうなのか……」

ミスティ「へえ……お寿司を食べること自体が初めてだから全然知らなかったわ」

エバンス「この前オノゴロに行ったってのにうっかり寿司を食うのを忘れてたからな。ミスティちゃんもこれで寿司デビューだ!」

妖精「寿司って炊いたごはんに魚介の刺身を乗っけただけでしょ?」

エバンス「違うぞ! 寿司用の米には酢が混ぜてあってだな――」

 *

 パクパク モグモグ モニョモニョ

スライムクロシュ「〜〜♪」モニョモニョ モグモグ

ミスティ「お寿司って初めて食べたけど、すごく美味しいわね……」モグモグ

ローガン「うむ……しかし甘いマスカットと酢飯が意外と合うとは……」モグモグ

妖精「わたしはマスカット寿司が一番好きかも」モグモグ

エバンス「ちなみにこれはシャイニングマスカットっていう光属性の果物だから、食べたあとしばらく光属性が強くなったり、光耐性が付いたりするんだ。寿司でも効果は得られるが、どちらかと言うと甘味系の料理に使った方が効果が高まるらしい」



無詠「……」モグモグ

イリス「……ええっと〜……ど、どうですか……?」


↓1コンマ
01-40 美味い
41-70 この味は……
71-90 懐かしい
91-00 ???
740 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2025/05/24(土) 16:35:37.82 ID:Xh7U9K+70
741 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2025/05/24(土) 18:25:38.77 ID:+fI+KUJE0
無詠(……なんだ、これは……?)

無詠(胸を締め付けるようでありながら……苦しくはなくて……)

無詠(悲しい……? いや……それとも、少し違う……)

無詠(この……感情は―――)


 ――『わぁ〜! おすし! おすし!』キャッキャ

 ――『誕生日おめでとう、イリス。いっぱい食べなさい』

 ――『おめでとう、イリスちゃん。いっぱい食べて大きくなるのじゃぞ』

 ――『うん! いただきま〜す!』モグモグ


 ――『しかしティナよ、ワシまで本当に良いのかの?』

 ――『もちろんです、師匠。イリスをここまで育てて来れたのは師匠のお陰ですから』

 ――『ワハハ、それじゃ遠慮なく頂こう――む? こりゃマスカットか?』

 ――『ええ。フルーツ寿司と言って、最近流行っているそうです』

 ――『ふむう……最近の若者の味覚は変わっとるのう……』


 ――『おかあさん、あしたもおすしがいい!』

 ――『それはだめ』

 ――『なんで!?』

 ――『お寿司は食べて良いのは、特別な時だけなの』

 ――『ええ〜じゃああしたもとくべつにしてよぉ』

 ――『だめ』

 ――『えええ〜!?』

 ――『イリスちゃん、そしたら自分で握れるようになると良いぞ』

 ――『えっじぶんで!?』

 ――『そうじゃ。そしたら毎日が特別じゃ』

 ――『そっか! じゃあイリスおすしにぎれるようになる!』

 ――『師匠……本当に握れるようになったらウチの家計が……』


無詠(―――ああ。これは、私の記憶か――――……)

 *
742 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2025/05/24(土) 18:26:16.58 ID:+fI+KUJE0
無詠「イリス」モグモグ

イリス「ふぁいっ!?」ビクッ

無詠「……ありがとう。美味しいよ」

イリス「えっ! あ、えへへ……良かった、です……!」

無詠「………お寿司……握れるようになったんだね」

イリス「えっ……!?」

無詠「………大きくなったね。イリス」

イリス「あっ……お、お……おかあ、さん……?」

無詠「うん……ただいま。ごめんね、遅くなって」

イリス「え、ええっと……えっとえっと……お、おかえり……なさい……!?」グルグル



クロシュ「わあ……!」

妖精「あらら……イリスの方が混乱してるね、ありゃ」

エバンス「まあ、すぐに昔と同じようにってわけにはいかないよな」

ローガン「うむ……だが、二人の間に何か問題があるわけではないのだ。いずれ自然と打ち解けるだろう」


ミスティ「……」

妖精「……ちょっと、悔しい?」

ミスティ「そんなんじゃないわ……。良かったと思っているし」

妖精「ふふ〜じゃあ私がミスティのお母さん役をやってあげよっか」ニコニコ

ミスティ「おばあちゃん役の聞き間違いかしら?」クスッ

妖精「誰がババアだって!?」プンスコ

ミスティ「……気遣いありがとう、妖精。ヘタクソだったけど」

妖精「げっ……」

ミスティ「実際平気よ、私。今の私を大切に思ってくれる人がいっぱいいること……わかっているもの」

妖精「……そっか」ニコ

 ◇
743 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2025/05/24(土) 18:26:45.16 ID:+fI+KUJE0
無詠→ティナ「では改めて――ティナ・プラネットです。今まで、イリスと共に歩んで来てくれてありがとうございます」ペコリ

妖精「どういたしまして。まあイリスにはこっちも助けられてきたから、こちらこそありがとうございます……かな?」

エバンス「無詠……じゃなくて、ティナさん。記憶はもう全部戻ったってことなのか?」

ティナ「断片的な記憶をいくつか思い出しただけで、全部とは到底言えない。しかしそれでも……私がイリスの母だったこと、かつて星属性の魔法使いだったことは思い出せた」

エバンス「星属性だったのか……!」

ティナ「そして今この世界が直面している二つの危機……世界樹の光と、世界めくれ……私にも、その対処を協力させて欲しい。構わないだろうか?」

妖精「もちろん! 人手は多い方が良いしね」

エバンス「そうなると枢機卿に雇われてる立場ってのが逆に活きてきそうだな!」

ティナ「ああ。枢機卿は今世間や貴族たちから激しいバッシングを受けているところだが、完全に失脚したわけではない……。そして立場がまずいからこそ、失脚する前に挽回しようと戦備を急いでいるようだ」

妖精「えっ!? それじゃあ私たちが奴を責め立てたのは逆効果だった……!?」

ティナ「いや、そうでもない。戦備を急ぎすぎれば兵の質は落ちるし、作戦の穴も増える。貴族たちへの根回しも十分にできないだろう。当然、民衆の支持も得られまい」

ミスティ「つまり……隙だらけになるということね」

ティナ「そうだ。戦争を止めるのであれば、生じた隙を的確に突いていくのが良いだろう」

ローガン「兵士の士気を落とすような工作をしたり、事前に作戦が失敗するように仕向けたり、戦争反対派の貴族を立てて反対運動を起こしたり、民衆を扇動したり……といったところか?」

ティナ「ああ。もちろん、他にもできることがあれば積極的に行動していくべきだろう」

エバンス「なるほどな……できそうなことからやっていこう」

ティナ「そして私は現在枢機卿に近い立ち位置にいる。もしやって欲しいことがあれば言ってくれ」

妖精「わかった! 頼りにしてるよ、ティナ」

 *

ティナ「それじゃあ私は戻る。何かあれば連絡を」スッ

イリス「あっ……」

ティナ「……イリス。どうか、無事で」

イリス「う、うん……。かあ、さんも……お気を付けて……!」

ティナ「ああ。ありがとう……」


 スタスタ…ガチャ パタム


イリス「………」


 ☆美味しいごはんを食べて元気になりました
  明日の終わりまで、戦闘コンマ+15、光適性◯を得ます

 ☆無詠→ティナ・プラネットが記憶を少し取り戻しました

 ☆戦争準備について情報を得ました

 ◇
744 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2025/05/24(土) 21:25:11.47 ID:+fI+KUJE0
―王都セイントレア 市場

 ワイワイ ガヤガヤ

イリス「………うぅ、ううぅ〜ん……!!」ググッ

妖精「うわっ!」

クロシュ「わあ……」

ミスティ「急に変な声を出すわね……」

イリス「だ、だって……! お母さんが……生きてたんだよ……!?」

クロシュ「うん……!」

ミスティ「ええ。良いことじゃない」

イリス「そう! 良いことなの! でも、なんかこう……気持ちが、追っつかないっていうか……!!」

クロシュ「そうなの……?」

イリス「私……お母さんが生きてて、ちゃんと喜びたいのに……なんかぎこちなくなっちゃって……。お母さん、がっかりしてないかなあ……。私って薄情なのかなあ……」

妖精「自分の中で既に決着の付いたことを、後になってひっくり返されると混乱するもんだよ。それが例え、良いことだとしてもね」

イリス「そういうものなの……?」

妖精「そういうもんだよ。妖精に母っていう存在はいないけど、家族みたいな存在はけっこういたりするからさ。気持ちはわからないでもないんだ」

イリス「そういうもんか……。うん、わかった! 次は……もうちょっと、気楽に接してみる!」

ミスティ「いつまでもウジウジしないのがイリスの良いとこよね」

妖精「クロシュなんて一度凹むと数日は瓶から出られなくなっちゃうからねえ」

クロシュ「んゅ……」

ミスティ「妖精も人のこと言えないでしょ。商業都市でクロシュが捕まった時のこと忘れてないわよ」

クロシュ「ほえ……?」

妖精「んぐ……あ、あれはだね……」

 タタタタッ

  ドッ!!

クロシュ「んわっ!」コテッ

馬頭の剣闘士「すまねえっ!」タタタッ

ミスティ「ちょっと!」

イリス「……!! 待って、あれは――」


 馬頭を先導して跳ねる透明スライム「〜〜!」ピョンピョン


妖精「スライム……!? 透明で見えづらいけど……」

イリス「前に……私を助けてくれたスライムさん!」

ミスティ「えっ!?」

クロシュ「!」

妖精「……今の奴、剣闘士の格好をしてた……たぶん脱走奴隷だ……!」

イリス「追って……あっでも私たちが追ったら目立っちゃう……!?」

魔女っ子クロシュ「!」ポン!

 反映魔法弾「」ポポポポン!!

透明イリス「わあ!」

透明ミスティ「マントを使わなくても、私たちを透明に……!?」

透明妖精「でかしたクロシュ! これであいつを追おう!」

透明クロシュ「ん!」

 ◇
745 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2025/05/24(土) 21:25:46.86 ID:+fI+KUJE0
―セイントレア王都 地下水路

 地下水路「」ザァザァ

 ねじ曲がった鉄格子「」ザァザァ

馬頭の剣闘士「こ、この先が……!」

透明スライム「お疲れ様です。この鉄格子を越えて流れに沿っていけば、城壁の外へ出られます」モニョモニョ

馬頭の剣闘士「……ほ、本当か……? 本当に……生きて、この街を出られるのか……?」

透明スライム「はい。しかし街の外はまだ王国領です。くれぐれも兵士には気を付けて……。亡命は、できれば農業国かユーシリア帝国へ」

馬頭の剣闘士「魔族国はだめなのか……? 革命で独立したんだろ?」

透明スライム「今この国と魔族国は極度の緊張状態にあるので、間者の疑いがかけられます」

馬頭の剣闘士「じゃあ緑の国は……!? あの国なら――」

透明スライム「……現在も、世界樹の結界による鎖国が続いています。緑の大森林は結界を越えて広がっていますが、王国の狩人が巡回している為安全とは言えません」

馬頭の剣闘士「そんな……。農業国もユーシリアも人間の国じゃねえか……。せっかくこの国を出ても……」

透明スライム「農業国は人間の国ですがエルフやアルラウネとの親交も深く、農業を行う労働力さえ提供できれば種族は不問のおおらかな国です。ユーシリアも現皇帝が即位してからは魔族との融和路線に舵を切り、大きな成果を挙げています。聞くところによれば、身の回りのお世話を森スライムに任せているのだとか……」

馬頭の剣闘士「そうなのか……」

透明スライム「あとは……港湾都市ウォーターポートも王国内では比較的魔族に寛容な街ですが、それでも脱走奴隷の身分では流石に厳しいです。テラヌス・ウルスは砂漠越えが厳しいでしょうし……」

馬頭の剣闘士「わ、わかった……。すまねえ、こんなところで文句言っちまって……」

透明スライム「構いません……。運命を左右することですから……」

馬頭の剣闘士「……アンタは、これからもここでこの活動を続けるのか……?」

透明スライム「はい。この地獄がなくなるまで……私は、続けるつもりです」

馬頭の剣闘士「………」

透明スライム「……私のことは、どうかお気になさらず。ご覧の通り、私は身を隠して行動する能力に長けています。今話しているこのスライムも……私が遠隔操作している端末の一つに過ぎません。私は……誰よりも、安全なのです。あなたが思っているより、ずっと卑怯で、臆病なスライムなのです……」

馬頭の剣闘士「…………すまねえ………オレは………オレも、奴隷の苦しみを知っているのに……。アンタを、手伝うべきなのに……。こ、こわいんだ……また、捕まって……闘技場で、同胞たちと、殺し合いをさせられるんじゃないかって……こわくて……」ガクブル

透明スライム「大丈夫です。あなたが苦しむことなんて、もうないのです。この街を出て、何もかも忘れて、自由に生きるべきなんです」

馬頭の剣闘士「でもっ……お、オレが闘技場で、殺した奴らは……オレを、許すだろうか……!!? あ、あいつらだって……オレと同様に、どっかで捕まって、無理矢理戦わされてただけで……! 故郷には家族とか、友達とか、いたはずだろ……!? でもオレはそういうの、もうないんだ……!! 故郷のリーリアはとっくに滅んでて、家族も友達もみんな死んでるんだよ……!! オレなんかが逃げ出せても、もうどうにもならないんだ……!! それなのに……オレだけが助かるなんて……オレだけが自由になるなんて、そんなの、許されないだろ……!? ああっ……す、すまねえ……アンタに助けてくれって言って、こんなとこまで連れてきてもらったってのに、オレは……オレは……」グルグル

透明スライム「〜〜」パクッ

 モニョモニョ…モグモグ…

馬頭の剣闘士「――アンタ、今オレに何をしたんだ? 急に頭がスッキリしたみたいだ」

透明スライム「あなたが、二度と悪夢に囚われないように致しました。これであなたは不安に苛まれることなく、どこにでも行けます」

馬頭の剣闘士「なんかわからんが助かった。取り乱してすまなかった」

透明スライム「構いません……」

馬頭の剣闘士「それじゃ、いろいろとありがとう。オレはもう行くよ。アンタも、どうか達者で」

透明スライム「はい……どうか、お元気で」

 シュバッ ザブン!
  スイスイ…
746 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2025/05/24(土) 21:27:04.26 ID:+fI+KUJE0
 シュバッ ザブン!
  スイスイ…


透明スライム「……」


透明スライム「……また会いましたね。ダークヒーローさん」


透明イリス「!」

妖精「気付いていたの?」ヒョコ

透明スライム「隠密行動には少々の心得がありますから……」

クロシュ「わあ……!」

ミスティ「……あなたは、何者? 奴隷を逃がす活動をしているの?」

透明スライム「はい、その通りです……。何者かと問われると……この街に住む、ただのスライムと答える他ありませんが……」

クロシュ「……クロシュヴィアちゃんの、分体……?」

透明スライム「……!? あなた……あなたこそ、何者ですか……!?」

 デロデロ…

スライムクロシュ「〜〜!」モニョニョ!

透明スライム「! なるほど……あなたも、クロシュヴィアの株分けだったのですね」

スライムクロシュ『そうなの?』モニョニョ

透明スライム「えっ……? 違うのですか?」

スライムクロシュ『わかんない』モニョモニョ

 *

透明スライム→ヴィア「……私は、ヴィアと言います。クロシュヴィアの分体の一つが自我に目覚めた、株分けのスライムです」

妖精「クロシュヴィアの株分け……性格は全然似てないね」

ヴィア「……活動している期間で言えば、風になってずっと眠っていたクロシュヴィアよりも、私の方が長いでしょうから……」

クロシュ「そうなんだ……」

ヴィア「…………できれば、私の活動のことや、今逃げていった彼のことは秘密にして頂けるとありがたいのですが……」

妖精「ああ、その点はご心配なく。私たちは見ての通りこの国の者じゃないし、非人間奴隷の扱いも良く思ってないもん。あと、ここに来るまでに誰かに尾行されたりもしてないはずだから安心して」

ヴィア「それならば、良かったです……」

クロシュ「うん……!」

ヴィア「……あなた方は巡礼者の偽装をしているようなので、脱出の幇助は不要ですよね……。他に……何かご用はありますか……?」

クロシュ「!」


どうしよう?
↓1〜2 選択
1.さっき馬頭さんに何をしたの?
2.デロデロ教のことどう思う?
0.自由安価(状況にそぐわないものは再安価)
747 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2025/05/24(土) 21:28:20.40 ID:dblBva3A0
0あなたみたいなことをしている人は他にもいるの?
748 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2025/05/24(土) 21:30:20.13 ID:68N8eIG+O
1
749 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2025/05/24(土) 22:04:28.51 ID:+fI+KUJE0
クロシュ「一人で……がんばってるの……?」

ヴィア「……少ないですが、志を共にして活動してくれている仲間はいます。とはいえ……このように直接外へ逃がすような危険な役目は、分体を放って動かせる私にしかできません……」

クロシュ「そうなんだ……」

ヴィア「私が知らないだけで、私以外にも魔族の奴隷を逃がす活動をしている人や団体がもっといる可能性はありますが……今のところ、目立った成果が上がっていないのは確かです。学生たちや活動家の反対運動も王族の耳には全く届いていないようですし……」

妖精「まあでも、トンチンカンな宗教活動を繰り広げてるクロシュヴィアよりはずっとまともに動いてて偉いんじゃない?」

 *

クロシュ「そういえば……さっき……馬頭さんに、何をしたの……?」

イリス「あ、それは私も気になります! ものすごく震えて狼狽してた馬頭の人が、急に落ち着いて水路に飛び込むのが見えました!」

ミスティ「一体どんなマジックを使ったの?」

ヴィア「……彼の、心を食べました」

イリス「!?」
ミスティ「!?」
妖精「!?」

クロシュ「こころ……?」

ヴィア「全てを食べたわけではありません……。でも……彼の心は、自分自身が作り出す重すぎる悲しみで……既に、壊れていました……。だから……食べて、治しました」

妖精「ま、待って待って! 例え一部でも……悲しみを生み出す部分がなくなっちゃったら――」

ヴィア「彼は、この先二度と悲しみに溺れることはありません。死ぬまで健やかに……前を向いて、生きていけます……」

妖精「い、いや……でも……それは……」

ミスティ「……じゃあ……あの男は……二度と、家族や友達……失った祖国のことで、悲しむことはないということ……?」

ヴィア「そうです……」

イリス「……で、でも……そんなの……あまりにも……」

ヴィア「……かわいそう、ですか……?」

イリス「そ、そうです!! 例えどれほど悲しいからって……失った人たちのことで、悲しむこともできないなんて……!!」

ヴィア「……彼の心は……既に、限界でした。例えここから逃げ出せても……あのままでは決して生きていけなかったと思います……。ダークヒーローさんは……あのまま彼の心が壊れて、死んでしまう方が、良かったと思いますか……?」

イリス「極論はやめてください……! ほ、他に方法が……」

ヴィア「……表層的な悲しみだけを食べることもできますが……悲しみを生み出す根源を食べてしまわなければ、その場しのぎにしかなりません。いずれはまた悲しみに押し潰されます……」

妖精「……た、例えば……時間をかけて傷付いた心を癒やしてあげるとかは……」

ヴィア「……一度壊れてしまった心は……どれほどの時間をかけても、治ることはありません……。一見治ったように見えても、すぐにまたヒビが入り……容易く、砕けるようになってしまいます……。悲しみの気持ちが、ある限り……」

妖精「………」

ミスティ「でも……彼は、それで……いや……しかし……ううん………」

クロシュ「……」

ヴィア「……クロシュちゃんは……どう思いますか……?」

クロシュ「……」


↓1〜 先取3票
1.ちょっといやかも……
2.そういうやり方もある
0.自由安価(票数は内容ごと)
750 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2025/05/24(土) 22:07:49.02 ID:2YtJjN2EO
2
751 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2025/05/24(土) 22:10:31.27 ID:7/lg7Vq4O
1
752 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2025/05/24(土) 22:15:21.06 ID:DfxEK1Myo
1
753 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2025/05/24(土) 22:25:04.54 ID:eSdmgl3VO
2
754 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2025/05/24(土) 22:26:42.01 ID:vNyLih6DO
1
755 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2025/05/24(土) 22:33:33.90 ID:aONl2HFwo
マイルドにはなってるが株分けだなぁ思考がフルスロットル寄ってる
756 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2025/05/24(土) 22:59:36.78 ID:+fI+KUJE0
クロシュ「………」


 ――ゴオオオ……
 ――メラメラ… パチパチ…
 ――燃える大人の死体「」メラメラ
 ――燃える子供の死体「」メラメラ
 ――燃えるスライムの死骸「」ジュクジュク…


クロシュ(……もし……みんなが、本当に助からなくて……)

クロシュ(たとえば……フメイちゃんも……アリシラさんも……死んじゃって……)

クロシュ(……妖精さんも……イリスさんも、ミスティさんも、ローガンさんも、エバンスさんも……)

クロシュ(………この旅で出会った、たくさんの人たちも……みんな、みんな……いなっくなっちゃって……)

クロシュ(わたしの心も……デロデロになって……立てなくなっちゃったら……)

クロシュ(………)

クロシュ(……わたし……そのまま、デロデロになって……かなしみといっしょに……溶けちゃう方が、いい………)


クロシュ「………ちょっと……やだ……」

ヴィア「そうなのですね……」

妖精「クロシュも嫌なんだ……」

クロシュ「うん……。わたし……みんなのこと……ちゃんと、かなしみたい……。それで……立てなく、なっても……」

ヴィア「………それで、死んじゃうとしても……?」

クロシュ「…………うん」

妖精「!! そ、それは……だめだよ、クロシュ……」

クロシュ「妖精さん……」

ヴィア「……妖精さんは……例えば、クロシュちゃんがもし悲しみで動けなくなったとして……悲しむ心を断ち切って生きるのと、悲しみと共に死ぬの……どちらが、良いですか……?」

妖精「そ、そんなの……そんな、の……」グルグル

妖精「」グニャァ

クロシュ「ヴィアちゃん……妖精さんを、いじめないで……」

ヴィア「ごめんなさい……」

イリス「……でも、その二択だと……確かに、安易には決められないかも……。感情的には、嫌だけど……」

ミスティ「……当人にとっては、死んでも忘れたくない想いかもしれないけど……。その人に生きて欲しい人物、という視点で見ると……また少し違ってくるわね……」


 ☆ヴィアと出会いました

 ☆クロシュの思索が進みました

 ◇ 
757 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2025/05/24(土) 23:00:34.44 ID:+fI+KUJE0
急用が入ってしまったため本日はここまでとなります


お寿司を食べて思い出の欠片を取り戻した無詠の魔女ティナ・プラネット。死んだと思っていた母との突然の再会に戸惑う娘イリス。かつて断ち切られた母娘の縁は今再び繋がり、新たな運命を紡ぎ出す。まずは危機を乗り越えよう。師匠のお墓参りは、その後に――

そして次に出会うは、伝説スライムの株分けを名乗る透明スライム、ヴィア。魔族奴隷の開放を目指す彼女は、今日もまた馬頭の剣闘士を一人、大城壁の外へ逃がした。一人で生きていけるように。二度と立ち止まらぬように。悲しむ心を、そっと食べて―――……

あかちゃんスライムは、考える。自分だったら、かなしみと共に溶けたい。でも、他の誰かだったら? たとえばもしフメイちゃんが、何もかもを失ったかなしみで死にそうになったら? もしそんな時に、かなしみを砕く力が自分にあったら? わたしは―――


それでは本日もありがとうございました。次回もよろしくお願いいたします
758 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2025/05/25(日) 03:43:12.04 ID:qQNldUjho
おつでした
マスカット寿司が奇抜に見えるのが母子の絆になってて旨いいや上手い
759 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2025/05/25(日) 08:38:46.74 ID:6IZhgnao0
おつ
この師匠さんもフラナの知り合いなんだよな・・・師匠が子供の頃から世話してそう
760 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2025/05/25(日) 10:58:12.07 ID:44vajvvTO

これは各地方の首脳陣が集まって会議開くレベルでは
761 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2025/05/25(日) 13:12:53.38 ID:KXQZoLDFO

ヴィアさん口調は丁寧だけど中身はしっかりクロシュヴィアちゃんの株分けって感じだねえ
しかしみんな3歳児にいろいろ考えさせたがりすぎだろw
762 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2025/05/25(日) 15:31:40.90 ID:CpstZjfL0
マスカット寿司は少々変わった料理のように見えますが、プラネット母娘にとっては思い出深いもののようです。死んだと思っていた母との再会に混乱しつつも、それがイリス氏にとって特別≠ネ日となったのは間違いありません

思い出の中に登場したイリス氏の師匠は、ティナ氏の師匠でもあったようです。フラナ氏とも旧知の仲だったようですが、師匠氏が幼少の頃から知り合っていた仲かどうかは今のところ闇に包まれています

実際これは世界の危機なので、世界中の有力者が真剣に対策を練ってもおかしくない状況かもしれません。しかし世界めくれについては今現在その兆候すら全くなく、王国と魔族国の戦争については傍観の姿勢を取る国が多いようです

ヴィア氏はクロシュヴィアちゃんの株分けなので、一般的な価値観からすると思い切りの良い考え方をしがちなようです
言われてみると、確かに皆さん3歳のあかちゃんスライムにいろいろ背負わせようとしすぎかもしれません。まあ最近はクロシュ氏のメンタルも少し強くなってきたので、クロシュ氏が嫌でなければ考えること自体は悪いことではない……と妖精は思っています
763 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2025/05/25(日) 15:32:27.35 ID:CpstZjfL0
―王都セイントレア 市場

 ワイワイ ガヤガヤ

クル「今日も買い出し付き合ってくれてありがとう。クロシュちゃん、ミスティちゃん」

クロシュ「ん!」

ミスティ「礼は不要よ。教会にはタダで泊めてもらってるわけだから、できることがあればしたいわ」

クル「あはは、でもやっぱり感謝は大事だから。ミラもそう思ってるみたいだし」

ミスティ「ミラ……今のあなたはクルなのよね?」

クル「うん、そうだよ」


露天商「テラヌス・ウルス直輸入の高級シーシャはいらんかね〜!」


ミスティ「……そういえば、テラヌス・ウルスにもミラという人がいたわ。女性だったけれど」

クル「え、本当!? どんな人? どんな人?」

ミスティ「金髪ですらっとした体型の、気の強そうな人だったわ。丁度あそこで売ってるシーシャっていうやつを吸ってて……それで思い出したの」

クル「わ〜、なんかかっこよさそう〜!」

ミスティ「……酒癖も悪かったわ……」

クル「わあお」

クロシュ「……砂漠のミラさん……元気かな……?」

ミスティ「大丈夫でしょ。ああいうタイプの人は簡単にはへこたれないわ」


↓1コンマ
01-65 何事もなく帰る
66-95 レイの痕跡発見
96-00 ミラ「久しぶりね」ヌッ
764 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2025/05/25(日) 15:44:31.52 ID:rA7PifiLO
ヌッ!
765 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2025/05/25(日) 17:17:33.86 ID:CpstZjfL0
―王都セイントレア 滞在7日目

◇クロシュ [あかちゃんスライム]
武:星霊の剣     盾:ラティアの大盾  飾:くすんだ耳飾り
武:竜珠の大杖    防:竜のエプロン   飾:不死鳥の羽根

◇妖精   [世話焼き妖精]
武:         盾:         飾:くすんだ耳飾り
武:         防:精霊のレオタード 飾:

◇イリス  [星の魔法使い]
武:蒼き星の杖    盾:         飾:くすんだ耳飾り
武:ブラッドランス  防:魔術師のローブ  飾:

◇ミスティ [氷の魔法使い]
武:氷の短刀     盾:         飾:くすんだ耳飾り
武:         防:氷竜革のローブ  飾:

◇ローガン [鋼の戦士]
武:蜥蜴一文字    盾:灼鋼の盾     飾:くすんだ耳飾り
武:鋼の回転ノコギリ 防:オリハル鎖帷子  飾:

◇エバンス [地の傭兵]
武:古代の鉄槌    盾:         飾:くすんだ耳飾り
武:魔銀の刀     防:硬質革鎧     飾:

◯所持アイテム
[道具]        [装備品]       [大事なもの]
運命賽*2       蜘蛛絹の下着      魔族国永久旅券
会心賽*1       ザリガニのお守り    フメイの服の切れ端
反魂丹*1       大きな巻き貝      精霊の印
鉄鍋+携帯調理器具   闇の欠片        精霊樹の実のジャム
「星の魔力」上中下   フリルワンピ水着    精霊樹の鉢植え+赤雷球
お宿の妖精の織物    魔法学園のスク水    フメイとアリシラの人形
魔導飯盒        ガラスのザリガニ    メルルの帽子
妨害魔力波発生装置   踊り子の双剣      溶岩石のアミュレット
属性大全        サボテンドラゴンの花  太陽のメダリオン
魔王図鑑        精霊のローブ      暗黒優待券
氷精の魔導書      精霊樹の杖[改]    冒険者証(ランク1)
ブラッドワイン*1   銀のナイフ       大魔女帝国渡航権
吸血鬼殺ワイン*1   ダイヤメリケンサック  かたたたきけん
魔術書「正負の属性」  パラサイトソード    大魔女帝国滞在許可証
吸血鬼の日焼け止め               風船印のパラシュート
日蝕の傘                    ラティア勲章
大魔女サイン*1                ユーシリア王家の紋章
古代のセラミック
ステライト鉱石
晴れ乞い傘
チョコスムージー
ヒヒイロカネ
氷魔力結晶
魔導書「絶対零度」

◯現在の目標
・フメイちゃんを探す
・世界樹の光を追う[4/5]
・最悪の未来を阻止する

◯努力目標
・カリスに造られた者たちを助ける
・枢機卿の悪事を暴く(達成!)
・戦争を阻止する
・レイの行方を追う

◯仲間の目標
・カリス・ノーランドを討つ(ミスティ)

◯経験値
・クロシュ 剣技[03/07] 魔法[06/07] 防御[00/07]
・イリス  杖術[00/06] 魔法[14/16]
・ミスティ 剣技[05/07] 魔法[11/16]
・ローガン 剣技[16/16] 魔法[06/08] 防御[07/08]
・エバンス 剣技[16/16] 魔法[07/08]
……………………………………………………………………………………
□王都セイントレア
王城:未探索
城下:教会、孤児院、市場、食事処、酒場、浴場、娼館、冒険者ギルド
   中央広場、公園、学校、図書館、博物館、劇場、闘技場、未探索
……………………………………………………………………………………
□セクリエ・ロイエ
大聖堂、大聖堂別館、美術館、庭園、お土産屋、未探索、他
……………………………………………………………………………………
766 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2025/05/25(日) 17:18:10.68 ID:CpstZjfL0
―朝
 聖ヴァレリオ教会 宿泊室

 チュンチュン

妖精「一旦状況を整理しよう」


◯世界樹の光
・ロイエ教原理派の使徒が保持
・今のところこちらに渡す気はなさそう
・使徒の目的は世界めくれの阻止らしい?
・世界めくれを阻止したら返してくれるとのことだが……

◯世界めくれ
・原理派活動日誌に書かれていた
・預言者はあの聖女?
・執筆者の大司祭は行方不明?
・世界めくれとは、現世に穴が空いて幽界と混ざり合うこと
・発生原因は現時点で不明
・世界樹の精霊曰く、世界樹の光でも引き起こせるらしい

◯戦争
・ロイエ教原理派の枢機卿が魔族国殲滅作戦を企てている
・枢機卿の地位は先日の暴露によって大きく揺らいでいる
・枢機卿は失脚する前に武勲を建てようと急いでいるらしい
・急いだ結果、戦力や作戦の質は低下する見込み
・王侯貴族らへの根回しも不十分

◯カリスと造られた者たち
・大聖堂別館に幽閉されている
・セインとフリューゲルも確認された
・アイス以外は友好的
・何らかの逃げられない仕組みが存在する模様
・長期間カリスから離れると魔力が溶ける?

◯レイ・アンバーについて
・今現在この王都に来ている模様
・ロイエ教(原理派?)に追われている?
・孤児院のミラ・クルと幼馴染
・レイの魔法は幽界の力を喚び出すもの?
・世界めくれに関係している疑いがある?
767 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2025/05/25(日) 17:18:41.26 ID:CpstZjfL0

ローガン「ううむ……考えることが多いな」

エバンス「どれも独立した問題のようで、内側では繋がっているようにも思えるぞ……」

ミスティ「……まず取り組むべきは、戦争の阻止かしら……? 具体的な日にちはわからないけど、急いでいるということはあまり猶予はないんでしょう?」

妖精「そうだね。でも現時点で枢機卿の立場がものすごく悪いから、放っておいても作戦が失敗する可能性はある。ただ――」

ローガン「……王国は、セインくんとフリューゲル氏という巨大な戦力を持っている……」

妖精「そう。セインとフリューゲルが動員されたら、魔族国は極めて厳しい状況になる……」

イリス「フラナ先生たちのお母さんに、魔族国を壊させるなんて……絶対に止めないと……!」

エバンス「逆に言えば、セインとフリューゲル・バイオレットを抜けさせることができれば安泰ってわけだ」

妖精「うん。でも、彼らを抜けさせる有効な手段は見つかってない……」

イリス「……長期間カリスから離れると、魔力が溶けて死んじゃう呪い?みたいのがかけられてる可能性があるんだよね……」

妖精「そうみたい。それを何とかする方法を見つけないと、セインたちは自由になれない……」

クロシュ「……」グッ


ミスティ「世界めくれの方は……どうすれば良いのかしら」

妖精「発生原因もわかってないし、これについては私もどう対処したら良いのかわからない……。使徒に従って世界樹の光を渡して、世界めくれを阻止してもらうのが良いのか……」

エバンス「だが使徒を全面的に信用するのは危険なんだよな? もし使徒の本当の目的が世界めくれを引き起こすことだったら、逆に最悪の事態を招くことになっちまう」

妖精「そうなんだよ。あいつの言うことをどこまで信じて良いのか……」

ミスティ「世界樹の光が足りないなら他の手を打つとか言ってたし、こちらから渡す必要はないんじゃないかしら?」

妖精「まあそれもそうか」

ローガン「ところで、このレイ・アンバーについてだが……彼女が世界めくれに関係している疑いがあるというのは本当なのか?」

妖精「うん。レイのいた孤児院で信仰してた宗教や、レイが受けた邪神の儀式っていうのがどうも幽界の神に関係しているものらしくて。決定的な証拠があるわけじゃないけど、要注意人物かも……」

クロシュ「レイさん……」

イリス「レイさんって自分の意思と関係なく魔法が発動するみたいなこと言ってたもんね。何かの悪い偶然が重なって世界めくれが起きる可能性があるのかも……」

妖精「もしレイを見つけたら、今度こそちゃんと確保しよう。関係あるかないかはわかんないけど、放っておくわけにはいかないし」

エバンス「せめて世界めくれの詳細がわかれば良いんだが……」

イリス「あの日誌を書いた大司祭さん……聖女さんのお父さんに話を聞くことができれば……」

ローガン「娘である聖女くん自身もその行方はわかっていないらしい。聖女くんに話を聞くという手もあるが、彼女は記憶を失っているらしいし、今現在かなり憔悴しているようだ。余計な負担を強いた挙げ句何も得られない、などという結果になる可能性が高いだろう……」

クロシュ「……おみまい……」

イリス「そうだね……! 話を聞くとかどうとかじゃなくて、お見舞いに行って元気付けてあげるのは良いと思う! クレアさんも、私たちが行けばきっと喜ぶって言ってたし……!」

妖精「余裕があるとは言えないけど、もし時間があったらお見舞いに行ってみようか」


王都セイントレア滞在7日目。15日目に何かが起こります

↓1コンマ ランダムイベント
01-30 反対運動激化
31-60 レイの痕跡+
61-90 大魔女来訪
91-00 ??

↓2〜4 自由安価 何をする?
768 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2025/05/25(日) 17:19:37.18 ID:6IZhgnao0
769 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2025/05/25(日) 17:19:47.81 ID:44vajvvTO
クロシュ、フーミンと飛行訓練
770 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2025/05/25(日) 17:19:53.69 ID:+cIVAf130
クロシュ、レイの行方を探す
ミラ&クルとクレアも探すのを手伝ってくれる
771 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2025/05/25(日) 17:20:59.09 ID:7S7i0NrCO
デロデロ教過激派VSロイエ教穏健派(現教皇も含む)で言い争っている所を発見
772 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2025/05/25(日) 17:28:13.18 ID:CpstZjfL0
以前の国の登場人物をあまり頻繁に出すのは少々よろしくないので、まことに申し訳ありませんが>>769は無効・再安価とさせていただきます。できれば現地の場所や人物や事象に着目していただけると幸いです

再安価
↓1自由安価
773 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2025/05/25(日) 17:31:32.38 ID:wM+rK/7FO
以前 アリシラの両親が話していた アリシラのことについて みんなに話す
世界 めくれ の幽界に関係している?
774 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2025/05/25(日) 17:35:15.41 ID:7S7i0NrCO
>>771を書いた者です
大司祭は現教皇なのかな?もし設定に合わなかったら現教皇なしでも大丈夫です
775 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2025/05/25(日) 19:01:15.85 ID:CpstZjfL0
ロイエ教ではおおまかに、以下のような序列となっております
いただいたキャラクター案も、以下の設定に合うように少々変更してある箇所があったりします(グランドマスター氏は案では大司祭でしたが、能力や役割を鑑みて枢機卿に格上げしました)。ご査収のほどよろしくお願いいたします

教皇>枢機卿>大司祭>司祭>一般聖職者(修道士・修道女など)>信徒
776 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2025/05/25(日) 19:01:48.46 ID:CpstZjfL0
―聖ヴァレリオ教会 宿泊室

クロシュ「あ……そういえば……」

妖精「ん? なあに?」

クロシュ「アリシラさんの、こと――」

 *

イリス「ええっ!? アリシラさんって……一度死んで、蘇った……!?」

ミスティ「いや、まあ……不死鳥みたいな生き物もいるし、そういうこともあるわよね……」

妖精「そ、そうだったんだ……」

クロシュ「えと……幽界って……関係、ある……?」

妖精「字面からすると幽界って死後の世界みたいだけど、別に死後の世界ってわけじゃないからなあ……。クロシュも知ってる通り、死んだ魂は星に還るものだし……」

クロシュ「あっ……そうだった……」

妖精「ただ、まあ……アリシラの目的が世界の破滅だったら、世界めくれを引き起こす動機は十分にある……。でもアリシラってなんだかんだでクロシュとフメイには優しかったし、そこまでするとは思えないんだよね……」

クロシュ「うん……」

エバンス「口ではクロシュちゃんたちが平穏に生きられる世界を作るって言ってたよな。それを正直に受け止めるなら、世界めくれなんて起きたら平穏に生きるどころじゃないだろうし、やっぱそこまではしないんじゃないか?」

ローガン「だが、アリシラくんもまた星の力を持つ者の一人だ。制御に失敗して大惨事を引き起こす可能性もあるのではないか?」

妖精「それはまあ、そう……。悪い可能性は常に考えておいた方が良いかも……」

クロシュ「……」


クロシュ(フメイちゃん……アリシラさん……)

クロシュ(……きっと……もう、ここに来てる……)

クロシュ(………一緒に……協力、できたら……いいな……)

 ◇
777 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2025/05/25(日) 19:03:32.55 ID:CpstZjfL0
―王都セイントレア 路地裏

 ガサゴソ…

ミラ「すみません、レイの捜索にアナタたちの手を煩わせてしまって……」

クレア「気になさらないでください。私も無関係とは言えないことですから」

クロシュ「うん……! わたしも……レイさんのこと、探したい……!」

ミラ「フフ……僕は幸せ者です。レイを見つけたら、自慢してあげたいな」

クレア「ただ……レイ・アンバーさんは重大な容疑がかけられている指名手配犯の方ですから、もし見つけたら然るべき場所へ自首して頂きます。ミラくんも……そのことはわかっていますよね?」

ミラ「もちろんです。でもレイは、兵士とは別の変な人たちに追われているみたいなんです。このままだと、捕まって罰を受けるよりも酷いことをされてしまうかもしれない。僕は、それを止めたいんです」

クレア「別の変な人たち……?」

ミラ「隻腕の、恐ろしい風貌の男でした。レイがあの恐ろしい男に組み敷かれてめちゃくちゃにされるんじゃないかと思うと、不安で不安で夜しか眠れず……」

クレア「く、くみし……///」

クロシュ「?」

ミラ「クレアさん? 何を想像してらっしゃるんですか?」ニコニコ

クレア「……コホン! 修道女をからかうものではありません」

ミラ「クレアさんがかわいかったもので、つい」

クレア「……クルちゃんに言いつけますよ?」

ミラ「すみませんでした」

クレア「よろしい。ところで……今、隻腕の恐ろしい男と言いましたか……?」

ミラ「はい。クロシュちゃんも見たよね?」

クロシュ「うん……」

クレア「隻腕の……まさか……」

ミラ「心当たりがあるんですか?」

クレア「いえ……人違いでしょう。では、レイ・アンバーさんの捜索には私たちも気を付けないといけませんね」

ミラ「はい。ちょっと非効率ですけど、手分けするよりはみんなで一緒に探した方が安全かと思います」

クレア「そうですね。それでは、三人で一緒に探しましょう」

クロシュ「ん!」モニョモニョ―


クレア(私の魔眼……探し物に向いてるわけじゃないけど、もしかしたら)キィィィン――

四方に散っていく透明分体ちびクロシュたち「〜〜」ピョンピョンピョン


↓1コンマ(未来視の魔眼+10)
01-50 痕跡を発見
51-90 発見して逃す
91-00 確保!
778 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2025/05/25(日) 19:05:25.83 ID:U5UpjOJQO
よゆうのかくほ
779 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2025/05/25(日) 19:22:52.66 ID:qQNldUjho
確保だー!!
780 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2025/05/25(日) 22:28:26.42 ID:CpstZjfL0

クレア「――!」キィィィン――


 ――追い詰められるレイ「あ、あわ、あわ……」ビクビク

 ――隻腕の男「もう影には隠れられまい。鬼ごっこは終わりだ」ザッザッ

 ――レイに迫る男たち「……」ザッザッ

 ――追い詰められるレイ「助けてぇクロシュちゃんんんん!!!!」


クレア「――い、急がないと! そう遠くない未来にレイさんが……!!」

クロシュ「!?」

ミラ「どういうことですか……!?」

クレア「あ……く、詳しく説明してる暇はありません! とにかく、王都南区へ急ぎましょう!」タッタッタッ

クロシュ「ん! 分体のみんなも……!!」

透明分体ちびクロシュたち「〜〜!」モニョニョ! ピョンピョンピョン!

 *

―王都セイントレア南区 路地裏

追い詰められるレイ「あ、あわ、あわ……」ビクビク

隻腕の男「もう影には隠れられまい。鬼ごっこは終わりだ」ザッザッ

レイに迫る男たち「……」ザッザッ

追い詰められるレイ「助けてぇクロシュちゃんんんん!!!!」


 ベチッ!!

隻腕の男「ッ!?」グラッ

781 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2025/05/25(日) 22:28:53.14 ID:CpstZjfL0
男たち「隊長!? 何が――オゴッ!?」ドガッ!

透明分体ちびクロシュたち「〜〜!」モニョニョ!!
透明分体ちびクロシュたち「〜〜!!」ピョンッ ベチッ!!
透明分体ちびクロシュたち「〜〜!!!」ベチッ!! ベチッ!!

男たち「うわっ!」ドテッ
男たち「ふ、不可視の敵から攻撃を受けています! 隊長!」ドテッ

隻腕の男「ダメージは小さい! 無視しッ!?」グラッ
 隻腕の男の膝裏「」ベチンッ!!

隻腕の男(一発の威力は低いが、打点が不規則すぎる……!? 何なのだ、こいつは……!?)グラァ


レイ「えっ、えっ……!? クロシュ、ちゃ――」

 反映魔法弾「」ピュン!

透明レイ「わわっ!?」ポン!


透明ミラ(レイ!!)ガシッ

透明レイ(えっ、ミラ……!?)

透明ミラ(急いで離れるよ!!)

透明レイ(う、うん……)


隻腕の男「逃さん!!」カッ!!

 重力「」ズン!!

透明レイ「うわあ!」ドテッ

透明ミラ「うぐっ……!?」ガクッ

透明分体ちびクロシュたち「〜〜!!」モニャニャニャ!!


隻腕の男「そこにいたか。我が重力圏からは逃げられんぞ」ザッザッ


透明ミラ「ぐっ……く、そ……!」グググ

透明レイ「あ、ああ……」ガクガク


隻腕の男「これは……透明の使い魔の群れか」

透明分体ちびクロシュたち「〜〜…」モニャニャ…

隻腕の男「まずこいつらから踏み潰しておこう」ザッザッ

透明分体ちびクロシュたち「〜〜…」デロデロ…


透明レイ「だ、だめ……だめ……」ゴゴゴ…


 隻腕の男の足「」グオオオッ――


透明レイ「だめ……だめ、だめ、だめ……だめェ――」ゴゴゴゴゴ…!!!!


透明スライムクロシュ「〜〜!!」ギュンッ!!

  ドゴォッ!!!

隻腕の男「ぐおっ!? でかいのもいるのか……!?」ヨロッ

透明スライムクロシュ「〜〜!!」モニョニョニョ!!

透明レイ「あ……くろ――」

 バックン!!
  シュバッ!!

 ◇
782 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2025/05/25(日) 22:30:09.29 ID:CpstZjfL0
―聖ヴァレリオ教会

レイ「はひぃ、はひぃ……クロシュちゃんのナカで、運ばれちゃったぁ……」ビクンビクン

ミラ「本当に助かったよ、クロシュちゃん。君がいなかったら、僕もレイも奴らに捕まってた……」

クロシュ「ん……!」

ミラ「分体のみんなは無事?」

クロシュ「うん! みんな、ちゃんと回収、した……!」

ミラ「良かった……」ホッ

レイ「ほんとに良かったよぉ〜〜!! 私のせいでクロシュちゃんの分体ちゃんが酷い目に遭ったりしたら死んでも死にきれないもん!!!」

ミラ「クレアさんも……本当に、ありがとうございました……。クレアさんが察知してくれなかったら、きっと間に合わなかった……」

クレア「あ……いえ……。間に合って、良かったです……」

レイ「……はっ!? こ、ここってロイエの教会!?」

ミラ「大丈夫だよレイ、クレアさんはちゃんとした人だから」

レイ「で、でも……私を追ってた奴らって、ロイエだよ!」

クレア「……!!」


クレア(やっぱり……さっきの隻腕の男性……私の、見間違いじゃなければ――)


 扉「」コンコン


レイ「!?」
クレア「!!」
ミラ「……」
クロシュ「……」


「クレア殿はいらっしゃいますか?」

783 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2025/05/25(日) 22:30:38.28 ID:CpstZjfL0

クレア「……はい。どちら様でしょうか?」キィィン―

「こちらは修道士ガルシア・シモンズ。中に入っても?」

クレア「……ただいま、掃除中で埃が舞い上がっていまして……」

「構いません」

 ガチャッ

隻腕の男→ガルシア「……これは……」

 舞い上がる埃「」ブワブワ

クレア「だから埃が舞っていると……」

ガルシア「失礼……。しかし、これは埃が舞いすぎでは? 聖ヴァレリオ教会ではこれほどまでに埃が積もるまで掃除をしないのですか?」

クレア「……申し訳ありません。少々疎かだったようです」

ガルシア「今後はまめに掃除を行うように。ところで……こちらに、髪がボサボサの少女が来たか……あるいは、運び込まれたりはしませんでしたか?」

クレア「髪が――」タラ…

 窓「」
  風「」ヒュルヒュル――
   舞い上がる埃「」ブワワワッ

クレア「っげほっげほっ!」

ガルシア「エホッエホッ! そ、掃除は窓を閉めてからした方が良いのでは……? エホッ!」

クレア「す、すみません……」

ガルシア「それで……髪がボサボサの少女について――」


 階段「」ギッギッ

髪ぼさぼさミスティ?「ふわあ……よく寝たわ……」スタスタ


クレア「ああ、あの子のことですか? 彼女はミスティさんと言って、先日からここに宿泊している巡礼者でして――」

ガルシア「……いや……わかりました。もし不審な人物を見かけたら、私か他の司祭にすぐさま連絡を」

クレア「あ、はい。かしこまりました」

ガルシア「それでは失礼します。クレア殿に神のご加護があらんことを」スタスタ

 扉「」ガチャ パタム


透明ミラ「……」

透明レイ「……」ガクブル

風クロシュ「」ヒュルヒュル

髪ぼさぼさミスティ?「クレアさん、おはよう。昨日のお風呂は、デロデロになるくらい気持ちよかったわ……」

クレア「え、ええと……」


 階段「」ギッギッ

ミスティ「……何やらただならぬ気配を感じて様子を見ていたら……髪がぼさぼさの私に擬態なんかして、何のつもりよ……クロシュ……」ヌッ

髪ぼさぼさミスティ?「あ……ばれちゃった……」

 モニョモニョ…ポン!

分体スライムクロシュ「〜〜!」モニョニョ!

クレア「」クラクラ

ミラ「クレアさん……!」

 ◇
784 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2025/05/25(日) 22:31:14.51 ID:CpstZjfL0
クレア「はあ……一応、未来氏の魔眼でガルシアさんが帰るところまでは視えていたので、なんとかがんばったのですが……髪がぼさぼさのミスティさんの正体まではわかっておらず……」

ミラ「未来視の魔眼……! その力で僕たちを助けてくれたんですか……!」

クレア「あっ……え、ええと……その……」

クロシュ「未来、みえるの……!? すごい……!!」

レイ「そ、そんなすごい力を私なんかの為に……!? さ、さっきは失礼なことを言っちゃって、すみませんでしたっ……!!」

クレア「あ、いや……あはは……」

ミスティ「なるほど……経緯はよくわからないけど、レイの確保に成功したということね」

クロシュ「うん!」

レイ「あっ……わ、私……これから、どうなるんですか……!?」

クレア「……そ、そうですね……。ガルシアさんが何を考えているのかはわかりませんが、あの様子は尋常ではありませんでした……。指名手配犯の逮捕であれば、王都の正規兵やロイエの神官戦士たちと共に行えば良いはずなのに……」

ミラ「あのおじさんは、一体何なんですか?」

クレア「……ガルシアさんは、穏健派に所属する司祭の一人です。元は王国の騎士だったのですが、今では誰よりも誠実に穏健派としての活動を行っている……はずの、人です……」

ミラ「えっ、あのおじさん穏健派なんですか……」

クレア「そのはずです……。でも、どうして……」

レイ「で、でもクレアさんは……あいつらとは違うんですよね……!?」

クレア「……もちろんです。レイさんを野放しにするわけにはいきませんが……だからと言って、先程のような恐ろしい方々を引き連れたガルシアさんに引き渡すわけにもいきません……」

レイ「え、ええ〜……」

クレア「聖ヴァレリオ・ファルネーゼンは、人であろうとも、悪魔であろうとも、救いを求める者は等しく救われるべきだと説いた人物です。そしてこの聖ヴァレリオ教会を任された司祭代理の修道女であるクレア・フォーサイトも……聖ヴァレリオを準ずる意思があります。私は……絶対に、レイ・アンバーさんを見捨てはしません」

レイ「クレアさんんん……!」ジワワ

クロシュ「わあぁ……!」

ミラ「クレアさん……ありがとう……!」

ミスティ「かっこいいわ……!」

クレア「ひとまず今は……レイさんを、当協会の地下壕に匿いましょう。先日の枢機卿と王国の黒い繋がりが露見した今、王国の司法機関も信用できません。セクリエ・ロイエは言わずもがなです」

レイ「ち、地下壕……! なんかワクワクする……!!」ウキウキ

クレア「レイさん……私は指名手配犯であるあなたを許したわけではありません。ロイエと王国の司法が正常に機能していると判断できるようになるまでの、一時的な措置であることを忘れないようにお願いします」

レイ「あうぅ……はい……」ガックリ

ミスティ「地下壕なんてあったのね。でもそこは大丈夫なの? バレない?」

クレア「地下壕の存在自体は公に知られていることですが、地下壕の奥には隠し通路がありまして。その通路の先に、かなり広めの居住スペースが設えられているのです。恐らくは戦争に備えて造られたものかと思われますが、建築資料にも載っていないので露見する可能性はとても低いと思います。私が発見できたのも、偶然でして」

ミラ「でも本当にすごいや……! 僕、クレアさんのこと本気で好きになっちゃいそうです」

クレア「もう……冗談はほどほどにしてくださいね」


 ☆目標「レイの行方を追う」を達成しました

 ☆レイさんを地下壕に匿いました

 ☆地下壕が開放されました

 ◇
785 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2025/05/25(日) 23:04:42.98 ID:CpstZjfL0
―午後
 王都セイントレア 中央広場

 ワイワイ ガヤガヤ

妖精「まさかあっさり確保しちゃうなんて。やるなあ」

クロシュ「んへへ……レイさんのこと……解決……!」

妖精「そだね。これでレイの魔法についてあれこれ悩まなくても良さそうかな?」

クロシュ「でも……今度は、穏健派も……怪しくなってきたんだって……」

妖精「そ、そうらしいね……。一つ解決すると一つ変な問題ができるなんて、勘弁して欲しいなあ」

 ワイワイ ガヤガヤ
 シンノタダシイセカイ!! シンノタダシイセカイ!!

妖精「んで今度はデロデロ教だ。あいつらはトンチンカンだけど、陰謀とかそういうのとは無縁だから今は良い清涼剤かも……」

クロシュ「んへへ……」

 シンノタダシイセカイ!! シンノタダシイセカイ!!
 ダマサレテハナリマセン!! ダマサレテハナリマセン!!

妖精「んあ……?」

クロシュ「……?」


穏健派司祭「世界をデロデロにして救うなどという思想は悪魔がもたらす破滅に他ならない!!」

デロデロ教徒「違います! 世界がデロデロになれば、争いも、悲しみも、何もかもが一つに溶けて、平和になるんです!! それは救いであって、破滅なんかでは決してありません!!」

穏健派司祭「騙されてはなりません、民衆よ!! デロデロになるとはつまり、死ぬのと同じ!! この邪教徒は、全ての生命は等しく死ねと言っているのだ!! 皆さん、こいつらは悪魔なのです!! 信じてはなりません!!」

デロデロ教徒「ち、違うよぉ……そんなこと、言ってないのに……」モニャニャ…


 ガヤガヤ… ザワザワ…


妖精「あ、あれは……ロイエ教の司祭が、デロデロ教徒を言い負かしてる!!」

クロシュ「……!!」

妖精「考えても見れば当然だ……長年に渡って宗派同士でぶつかり合って討論の技を磨いてきたロイエ教に対し、発足して間もないデロデロ教の討論力はとても低い……!! 言わばデロデロ教は、あかちゃん宗教……!! 大陸最強の歴戦教であるロイエと討論の場で勝てるわけが――」


「待った!!」バン!!


妖精「えっ……この声は――」

クロシュ「!!!」
786 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2025/05/25(日) 23:07:09.91 ID:CpstZjfL0
導師僧侶「こちらが言ってもいないことを捏造し、悪質なレッテルを貼って貶めるのが穏健派のやり方なんですか?」ドン!

穏健派司祭「何……!? 貴様……原理派の、僧侶……!!?」

導師僧侶「いいえ……。私は、ロイエ教デロデロ派の導師――僧侶・オーバーエンド!!!!」デデン!!

穏健派司祭「な……に……!? 私は原理派ではないが……捧げたはずの名前を勝手に戻すのは冒涜ではないのか!?」

導師僧侶「オーバーエンドは元々の名字ではありません。そして――ロイエ神に名を捧げた後、新たな名を名乗ってはならないという決まりはありません!!!!」

穏健派司祭「なん、だと……!?」

導師僧侶「少々脱線してしまいましたね、話を戻しましょう。まずデロデロ派の理念としては、この世の全てを溶かして、痛みも悲しみもない完全な調和を目指すこと――。そしてあなた方穏健派は、デロデロになることは死ぬのと同義だと言いましたね」

穏健派司祭「ああ、そうだとも。脱線してしまったが、よく聞いていたようで何よりだ」

導師僧侶「私たちデロデロ派は、デロデロになることを死だとは考えませんが、ここはあなた方に譲歩して一旦死と同義という仮定を用いましょう。ここで穏健派に問いますが――死ぬことは、悪いことですか?」

穏健派司祭「――は?」

導師僧侶「考えてみてください。差別、闘争、憎悪、破壊、混沌……全て、生から生じるものです。死という静謐からそれらが生まれることは決してありません。穏健派はつまり、今挙げたような苦痛の温床を容認する立場と考えてよろしいですか?」

穏健派司祭「馬鹿な!! 今僧侶殿が挙げたものは、神の教えを解さぬ愚民によるものがほとんどであろう!! 穏健派がそのようなものを容認するはずが――」

導師僧侶「つまり穏健派は、神の教えを解さぬ者に救われる価値はないとお考えなのですか!?」

穏健派司祭「そうは言っていない!! いずれ全ての民が穏健派の思想を解すれば、この世から今僧侶殿が挙げたような苦痛は消え去るはずだ!! その過程こそが、神が我らに課した試練!!」

導師僧侶「その試練の過程で苦しんで死んでいく者たちは、どうでもいいと!!? 救われなくても仕方ないと!!? そう言いたいのですか!!?!?」

穏健派司祭「……違う!! それは……それは、我ら穏健派の至らぬ、罪だ……!!! 救えなかった魂の分だけ……我らの罪は、重くなるのだ……!!!」

導師僧侶「なんですかそれは!!? 罪が重くなったらどうなるんです!!? その罪で今まさに苦しんでいる命たちが救われるんですか!!?!? 罪の重さとかいうよくわからないもので自己憐憫に浸って気持ちよくなってるだけじゃないですか!!?!?!?」

穏健派司祭「死後、罪の重さに応じて行く場所が決まるのは貴様も知っていよう!!!! 救えなかった分、我らは地獄に堕ちて――」

導師僧侶「地獄ってどこにあるんです!!?!?!? この世が、あらゆる命を苦しめて痛め付け続けるこの世界こそが正真正銘の地獄じゃないですか!!!?!??!???」

穏健派司祭「な、なんだとォ……」

導師僧侶「私たちは、ただこの腐り切った最低の世界を正したいだけなんです!!!!! 何もかもが溶けて、一つになれば、その時点でそれ以上の犠牲者は生まれない……!!!! 星に還っていった命たちとも、まためぐり逢えて――最期に、最高の大団円を、迎えられるんです!!!!! 上が言ったことをそのまま鵜呑みにして考えようともしない穏健派だの原理派だのに、邪魔されてたまるもんですか!!!!!! 真の正しい世界こそが、世界を救うんです!!!!!」

穏健派司祭「う、うごぉァァァァァ!!!!」ドッギャァァァァァン!!!!

導師僧侶「ふん……悲しみを知らぬ者に、説ける道理などありません」ファサッ


  ウオオオオオオオ!!!! ワワアアアアアアア!!!!!
    シンノタダシイセカイ!!!! シンノタダシイセカイ!!!!!!
787 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2025/05/25(日) 23:08:02.50 ID:CpstZjfL0
導師僧侶「あっ、しまった……つい興が乗って原理派時代の討論テクニックを使ってしまいました……。こんな口喧嘩ごっこなんかしても何にもならないのに……。いやまあ、デロデロ思想が広まるなら良しとしましょうか……」


  パチパチパチ…


導師僧侶「!?」

教皇ユグド「素晴らしい討論でした。僧侶・オーバーエンド導師」ヌッ

導師僧侶「きっ……教皇……!!?」


 ザワザワ…


教皇ユグド「しかし残念ながら、この王都で異教徒による宗教活動は禁止されております。速やかにお立ち退きを」


導師僧侶「……失礼しました」ソソクサ

デロデロ教徒「えっ!? 僧侶ちゃんなんで……? あのおじさんは言い負かしちゃわないの……?」

導師僧侶「相手が悪すぎます……! それに実際異教の宗教活動を禁じる法律があるんです……実際に使われたところを見たことがなかったので甘く見ていましたが……」

デロデロ教徒「そ、そんなぁ……!!」

導師僧侶「問題ありません。討論ごっこなんてただのお遊びですから」



クロシュ「僧侶さん……!」トコトコ

妖精「僧侶!」パタパタ



導師僧侶「あれは……クロシュさんに妖精さん!」

デロデロ教徒「えっ、クロシュさんって導師クロシュさま……!?」

 ◇
788 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2025/05/25(日) 23:28:10.32 ID:CpstZjfL0
―王都セイントレア 喫茶店

 カランカラン

店員「お待たせいたしました。紅茶とセイントレアチーズケーキになります」スッ

 紅茶「」ポン ホカホカ
 レアチーズケーキ「」ポン

クロシュ「わあ……!」

デロデロ教徒「わわあ……!」

導師僧侶「ありがとうございます」

店員「ごゆっくりお過ごしくださいませ」ペコリ スタスタ

 *

クロシュ「〜〜♪」モニョモニョ モグモグ

デロデロ教徒「〜〜♪」モニョモニョ モグモグ

導師僧侶「ん〜♪ ここの味はいつ来ても変わりませんねえ……」モグモグ

妖精「前にも来たけど、ここのケーキは美味しいね。妖精の私の味覚にも合う」

導師僧侶「へえ〜そうなんですねえ。種族を越えた美味しさ……良いお店ですね」

 *

デロデロ教徒「んわわ〜! クロシュさまと一緒にごはんなんて、かんげきです……!!」モニョニョ

妖精「食べ終わってから言うのか……」

デロデロ教徒「だ、だってぇ……ケーキ、美味しくて……」

クロシュ「んへへ……おいしかったから、仕方ない……!」

妖精「そういえば僧侶、この街にいて大丈夫なの? 裏切り者の異端派として始末とかされない?」

導師僧侶「今ロイエ教はそれどころじゃないので大丈夫ですね。原理派は御存知の通りお尻が絶賛炎上中ですし、穏健派は元原理派の私なんてどうでも良いでしょうから」

妖精「へえ、まあ大丈夫ならいいか……あっ、それより今聖女が大変なんだよ! 顔を見せてあげてよ!」

導師僧侶「えっ聖女が? あの子は魔族国にいるんじゃ……?」

妖精「いろいろあって今は聖ヴァレリオ教会にいるんだけど、父親も姉も行方不明で枢機卿もあんなんで、かなり参っちゃってるみたいなんだ。僧侶が顔を見せてあげたら少しは元気が出ると思うし……」

導師僧侶「い、いやでも……私なんかがあの子と顔を合わせる資格なんて……。余計に塞ぎ込まさせちゃうかも……」

クロシュ「んゅ……」

デロデロ教徒「僧侶ちゃん……」

妖精「以前の傲岸不遜で我儘放題だった僧侶はどこいったの? さっきの討論ごっこみたいにガンガンいこうよ」

導師僧侶「いやでも、聖女相手にそんなデリカシーのないことをするのは……」

妖精「うるさい、つべこべ言うな!! ケーキ持ってお見舞いに行くんだよ!!」ゲシッ

 ◇
789 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2025/05/25(日) 23:29:27.79 ID:CpstZjfL0
―夕方
 聖ヴァレリオ教会 聖女の宿泊室

ぼさぼさ聖女「……」ゲッソリ

ぼさぼさ聖女「……クレアさんに……迷惑を、かけています……。きっと、クロシュちゃんたちにも……心配を……」

ぼさぼさ聖女「………」

ぼさぼさ聖女「………明日から……がんばらなきゃ……」ボフッ

 コンコン

ぼさぼさ聖女「!」ビクッ


クレア『聖女、いますか? あなたにお客様です』

ぼさぼさ聖女「私に……?」ノソッ

クレア『クロシュさんと、妖精さんと――』

ぼさぼさ聖女(クロシュさん……妖精さん……。あ、こんなカッコで会ったら失礼かな……)

クレア『―――僧侶さんです』

ぼさぼさ聖女「えええっ!?!!?」ドテッ!!

 ゴロゴロッ ドガッ!!

クレア『聖女!?』

 扉「」ガチャッ!!

導師僧侶「聖女!」タタッ

クロシュ「聖女さん!」トテトテ


ぼさぼさ聖女「あ……お、お姉ちゃん……クロシュ、さん……」

 ◇

―聖女の宿泊室

聖女「す、すみません……みっともないところをお見せして……」

妖精「いや、構わないけど……具合は大丈夫なの? 出直そうか?」

聖女「あ、いえ……だ、大丈夫です! せっかく来ていただいたので、おもてなしを……」

導師僧侶「……病人は病人らしくしていなさい。はい、お土産です」スッ

 セイントレアチーズケーキ「」ポン

聖女「あっ……この、ケーキ……」

導師僧侶「昔と変わらない味です……。早く具合を治すことですね……」

聖女「は、はい……。ええと……あ、ありがとう……お姉ちゃん……」

導師僧侶「………どういたしまして」



デロデロ教徒(んわわ……なんか、ぎこちない……)モニャニャ

クロシュ(んゆゆ……)

妖精(イリスとティナもだったけど、人間が久しぶりに家族に会うとこういう風になるもんなのかなあ……。無理に連れて来たのは失敗だった、なんてならないよね……?)


ど、どうしよう……
↓1〜2選択
1.デロデロの話をする
2.レアチーズケーキの話をする
0.自由安価(状況にそぐわないものは再安価)
790 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2025/05/25(日) 23:30:30.96 ID:6IZhgnao0
0とりあえずお風呂にさそう
791 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2025/05/25(日) 23:31:49.88 ID:5tLLJz6Oo
2
792 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2025/05/26(月) 00:43:31.71 ID:GiGfx6YH0
―聖ヴァレリオ教会 地下浴場

 カポーン…

スライムクロシュ「〜〜…♪」デロデロ

スライムデロデロ教徒「〜〜〜…♪」デロデロ

聖女「教会の地下にこんなでっかいお風呂があったなんて……」チャプン

妖精「今日……いろいろあって、クレアが地下壕を開放してくれたんだ。掃除も済ませてあるから、試運転がてらみんなで入っていいってさ」パシャ

導師僧侶「むう……ここ、こじんまりとした教会だと思ってたのに。こんな良い施設があるのを考えるとそこらの教会よりずっと良い場所じゃないですか。ズルです。穏健派はやはりズルの温床ですね」

聖女「ま、まあまあ……。お姉ちゃんはもう、原理派じゃないんですよね……?」

導師僧侶「そうです。あんな腐った差別主義者共の集まりになんか二度と戻るもんですか」プンスコ

聖女「わあ……。ほんとにデロデロ派になったんですね……!」

導師僧侶「あれ、知ってたんですか?」

聖女「クロシュさんたちに教えてもらったんです。お姉ちゃんが原理派をやめてデロデロ派になったこと……」

妖精「聖女になら良いでしょ?」

導師僧侶「まあ、聖女なら良いです。ていうかまあ……今日の活動で私のことは既にバレバレになったでしょうし」

聖女「何をしたんですか?」

妖精「大勢の見てる前で穏健派の司祭を言い負かしてた」

聖女「わあ……」

導師僧侶「……悪気はありませんでした。ただ、ウチのそいつがボコボコに言われて、ちょっと腹が立ちまして……」

スライムデロデロ教徒「〜〜♪」モニョニョ

聖女「ふふ……スライムのデロデロ教徒さんなんですね」ナデナデ

スライムデロデロ教徒「〜〜♪♪」モニャニャ デロデロ


導師僧侶「それにしても……」

 聖女の豊満な双丘「」ポヨン

 僧侶のなだらかな双丘「」ナダラカ

聖女「どうかしましたか、お姉ちゃん」ポヨン

導師僧侶「いえ……別に? 私は何とも思っていませんが?」

聖女「?」ポヨン

スライムクロシュ「?」モニョ?

妖精「え、何の話?」

 *
793 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2025/05/26(月) 00:46:14.61 ID:GiGfx6YH0
―聖ヴァレリオ教会 聖女の宿泊室

デロデロ教徒「んん〜! 気持ちよかった……!」モニョニョ

クロシュ「うん……!」

聖女「あんなお風呂が地下にあるなんて、確かにズルですねえ……」

導師僧侶「さて、お風呂を上がったのならあれを食べましょう。保冷庫に入れておいたので、風呂上がりには丁度良く冷えているはずです」スッ

 レアチーズケーキ「」ポン!

 *

スライムデロデロ教徒「〜〜♪」モニョモニョ モグモグ

スライムクロシュ「〜〜♪」モニョモニョ モグモグ

聖女「……ほんとに、変わらない味ですね……」

導師僧侶「………」

聖女「………お姉ちゃんと……また、会えて……嬉しいです……。お姉ちゃんまで、いなくなっちゃったら……」グスッ

導師僧侶「……えっ。なんか死んだことにされてたんですか、私?」

妖精「行方不明扱いだったんだよ。僧侶と、僧侶のお父さんの……大司祭って人と一緒に……」

導師僧侶「えっ……!? お父様……大司祭が行方不明……!?」

聖女「はい……。だから……私、もう、会えないんじゃないかって……怖くて……」

導師僧侶「そ、そうだったんですか……。ごめんなさい、そうとも知らず心配をかけてしまったんですね……」

聖女「い、いえ……! 私が……勝手に、うじうじしてただけで……お姉ちゃんが悪いわけじゃ……」

導師僧侶「いや……私が姉としてもっとちゃんとしてれば……」

クロシュ「……レアチーズケーキ……昔から……食べてるの……?」

聖女「……はい。昔……修道院に預けられる前に、お父様が買ってきてくれたレアチーズケーキを、お姉ちゃんと二人で食べたのを覚えています……」

導師僧侶「……また……二人で、食べようと思って買って来たんですけど……まさか、お父様が行方不明だったなんて知らず……」

クロシュ「………じゃあ、探す……!」

聖女「えっ……?」

クロシュ「わたし……聖女さんと、僧侶さんの、お父さん……探す……!!」

デロデロ教徒「んわわ〜〜!」モニョニョ!

妖精「クロシュ……!」

導師僧侶「で、ですが……クロシュさんにそこまでしていただくわけには……」

クロシュ「んーん……わたし、探す……!! 探したいから……探す……!!」

 ☆努力目標「大司祭を探す」が追加されました

 ☆全ての努力目標が出揃いました

 *
794 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2025/05/26(月) 00:56:48.36 ID:GiGfx6YH0

クロシュ「ところで……レアの意味……しってる……?」

聖女「えっ……?」

デロデロ教徒「レアの意味……?」モニョニョ

導師僧侶「レアって、レアチーズケーキのレアですか?」

妖精「クロシュ……まさか……」

クロシュ「レアの意味は……はんぶんナマ……」

デロデロ教徒「はんぶんナマ……!」モニョニョ…!

クロシュ「だから……セイントレアは……せいんとの、はんぶんナマ……」

デロデロ教徒「んわわ〜! せいんとの、はんぶんナマ……!?」モニョニョ!?

聖女「なるほど……それじゃあレアチーズケーキは、はんぶんナマのチーズケーキですね!」

クロシュ「わ……! うん……たぶん、そう……!!」

導師僧侶「実際、レアチーズケーキはベイクドでもナマでもないはんぶんナマのチーズケーキと言えますが……しかしセイントレアのレアは、本当にその意味なのでしょうか……? 流石に安直すぎるのではないかと……」

妖精「人間以外の種族に対する苛烈な姿勢を見ると、セイントレアというよりセイントウェルダンだよね。国王も炎属性の魔剣士らしいし」

クロシュ「せいんと……うぇるだん……?」

聖女「ウェルダンはこんがりって意味ですよ。クロシュさん」ニコニコ

クロシュ「わあ……! じゃあ……せいんとの……こんがり……!!」

デロデロ教徒「んわわ〜! せいんとの、こんがり!」モニョニョ キャッキャ

妖精「しまった……余計な知識を教えてしまった」

導師僧侶「ふふ……でも、こういうのも良いですね」

 ◆
795 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2025/05/26(月) 00:57:35.20 ID:GiGfx6YH0
というわけで本日はここまでとなります

隻腕の男ガルシアの追跡を振り切り、無事にレイを確保したクロシュたち。穏健派でありながら自らの信じる正しさを貫く覚悟を固めるクレア。地下壕に匿われてひと安心のレイ。善の顔を持ちながら裏で暗躍する隻腕の男ガルシア――。数多の運命が交錯する中、状況は刻一刻と変化していく――

そしてクロシュと妖精は、穏健派と激論を交わすデロデロ導師僧侶・オーバーエンドの姿をついに目撃してしまう――。僧侶は司祭を打ち負かすことに成功するものの、教皇には尻尾を巻いて逃げる他なく――紆余曲折あって妹の聖女と再会し、積もる話を交わしてチーズケーキを食べるのであった
問題はまだ山積みだが――今だけは、しばしの安息を――

それでは本日もありがとうございました。次回は土日となります、よろしくお願いいたします
796 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2025/05/26(月) 01:36:12.51 ID:aIICbcb0o
おつでした
僧侶さんが味方になったらこんなに頼もしいなんて、セインに当たってた時からは想像もできなかった
ボサボサミスティかわいい
797 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2025/05/26(月) 13:58:40.59 ID:a3KjSetrO

僧侶さん味方化は熱いけどしれっとエンド姓を名乗ってたりレスバしてたりで草
デロデロ教徒ちゃんはアホかわいい
やっぱりデロデロ教ってスライムに人気なのかな?
798 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2025/05/27(火) 07:01:36.00 ID:ZgH4GTtvO
乙です
レイを無事見つける事が出来て良かった
レイを匿っている地下壕にも何かあるのかな?
799 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2025/05/31(土) 08:01:14.65 ID:IwOAxoE50

聖女様妹キャラだったか・・・だかたフラナ氏どこか気が置けなかったのかな。
800 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2025/05/31(土) 16:32:04.01 ID:njt9MtaE0
以前の僧侶氏は、世界の命運がかかっているというプレッシャーや父の期待に応えたい意地やらで少々余裕がなかったのかもしれません
今回クロシュ氏が寝起きのミスティ氏は髪がぼさぼさであるかのような風評を撒き散らしましたが、ミスティ氏はいつも寝る時に髪を簡易的にまとめている為、寝起きでもぼさぼさになることはあまりありません(それでもちょっとふわふわな寝癖が付くことは時々あります)。旅人といえど身だしなみにはしっかり気を遣っているようです。毎晩イリス氏が即席お風呂を沸かしてくれるため、実のところ一人で旅をしていた時よりも髪や肌の状態は良いようです

end over end でくるくる回転するという意味がありますが、僧侶氏は意味などは特に考えず格好良い響きだと思ってオーバーエンドと名乗ったようです
デロデロ教徒氏は、実のところスライムです。そしてデロデロ教は実際スライム類からの人気が比較的高いです。世界がまるごとデロデロになるというお話は大抵のスライム類にとってそれほど受け入れがたいものではないため、他の種族よりも信仰のハードルが低いようです(シズクちゃんなど、デロデロ世界を嫌がるスライムもいます)

レイさんは未来視の魔眼を持つクレアお姉さんの協力もあり、あっさり確保することができました。これはネタバレですが、もしレイちゃんを確保できていなかったばあい命の危険がありました。しかし確保できたので恐らくもう大丈夫かと思われます
地下壕はクロシュさんたちの視点では未探索エリアとなっているため、探せば何かあったりするかもしれません。特にレイさんを匿っている隠しエリアには大昔の蔵や本棚などが手つかずの状態で残っているため、掘り出し物があるかもしれません。探したり持ち出したりしたい場合はクレアお姉ちゃんに聞いてみると良いでしょう

聖女氏は聖女などという立派な肩書で呼ばれてしまっている人ですが、内面的にはまだまだ大人になり切れない妹気質の子供と言えなくもないかもしれません。理想を諦め、世界の理不尽さを受け入れ、心を殺して生きることを大人になると言うのであれば、大人になんてなりたくないなあ――と小さい頃の聖女氏は思ったそうです。そしてそういう観点で言えば、聖女氏は聖職者として一人前となった今でも大人にはなれていないのかもしれません。しかしそんな聖女氏の努力が、現魔族国における人魔対立の緩和に小さくない影響を与えているのもまた事実であります。フラナ先生もそれはわかっているため、邪険にできないのかもしれません

 *

そして実のところ、前回の自由行動前のコンマ判定で反対運動激化が発生していたことをすっかり忘れていたので、まずはそこの描写から再開していきたいと思います。よろしくお願いいたします
801 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2025/05/31(土) 16:32:31.43 ID:njt9MtaE0
 一方その頃――

―夕方
 王都セイントレア 中央広場

 ワイワイ ガヤガヤ

グランドマスター「王都の民よ! 根拠なき風評に騙されてはなりません! 今こそ人間の力で団結し、邪智暴虐の魔族たちを攻め滅ぼすべき――」

 シュバッ

変装ハーピィ記者「カリス・ノーランド死刑囚と取引を行い、処刑したと見せかけて秘密裏に生かしロイエ教内部に匿っていたという先日の報道は事実ですか!?」ヌッ

グランドマスター「……!」

変装ハーピィ記者「否定しないということは事実だとお認めに――」

グランドマスター「――事実ではありません。誤情報の拡散は名誉毀損、信用毀損となりますのでお控えください」

変装ハーピィ記者「しかしあの映像では枢機卿自身が堂々とカリス・ノーランドを飼っていると断定していたようです!」

グランドマスター「あれは私ではありません。魔法か何かによる偽装であると――」

変装ハーピィ記者「背景は枢機卿の勤務している聖域の間でした! それに偽装なら、カメラマンとインタビュアーに対し攻撃的な態度を取ったり、実際に戦闘行為に及ぶ必要はないはずでは!?」

グランドマスター「あれは恐らくリアリティの追求の為に――」

活動家の男「人質の存在を無視して魔族国を攻めるというのは事実ですか!? お答えください、グランドマスター卿!」ヌッ

グランドマスター「だからあれは私ではないと……」

王族の令嬢「人質の中には王家のマリーお姉様や、当時旅行中だったわたくしの学友もいるのですわ! グランドマスター様は捕虜は知性なき害獣だから殺して差し上げるのが幸せだなどと仰いましたわね!? あれがどのような了見による発言なのかはっきり答えてくださいまし!!」ヌッ

グランドマスター「だ、だからあれは私では……!」

民衆「戦争反対!!差別反対!!」
民衆「人殺し!!!魔族殺し!!」
民衆「ヘイトスピーチ野郎!!!」

 投石「」ポイポイ
  投石「」ポイポイ

   パシッ パシッ

ティナ「……日を改めた方が良いのでは?」

グランドマスター「ぐぬぬ……仕方ありません。計画を急がねば……!」クルッ ザッザッ

 ・反対運動が激化しています

 ◆
802 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2025/05/31(土) 16:33:21.68 ID:njt9MtaE0
―王都セイントレア 滞在8日目

◇クロシュ [あかちゃんスライム]
武:星霊の剣     盾:ラティアの大盾  飾:くすんだ耳飾り
武:竜珠の大杖    防:竜のエプロン   飾:不死鳥の羽根

◇妖精   [世話焼き妖精]
武:         盾:         飾:くすんだ耳飾り
武:         防:精霊のレオタード 飾:

◇イリス  [星の魔法使い]
武:蒼き星の杖    盾:         飾:くすんだ耳飾り
武:ブラッドランス  防:魔術師のローブ  飾:

◇ミスティ [氷の魔法使い]
武:氷の短刀     盾:         飾:くすんだ耳飾り
武:         防:氷竜革のローブ  飾:

◇ローガン [鋼の戦士]
武:蜥蜴一文字    盾:灼鋼の盾     飾:くすんだ耳飾り
武:鋼の回転ノコギリ 防:オリハル鎖帷子  飾:

◇エバンス [地の傭兵]
武:古代の鉄槌    盾:         飾:くすんだ耳飾り
武:魔銀の刀     防:硬質革鎧     飾:

◯所持アイテム
[道具]        [装備品]       [大事なもの]
運命賽*2       蜘蛛絹の下着      魔族国永久旅券
会心賽*1       ザリガニのお守り    フメイの服の切れ端
反魂丹*1       大きな巻き貝      精霊の印
鉄鍋+携帯調理器具   闇の欠片        精霊樹の実のジャム
「星の魔力」上中下   フリルワンピ水着    精霊樹の鉢植え+赤雷球
お宿の妖精の織物    魔法学園のスク水    フメイとアリシラの人形
魔導飯盒        ガラスのザリガニ    メルルの帽子
妨害魔力波発生装置   踊り子の双剣      溶岩石のアミュレット
属性大全        サボテンドラゴンの花  太陽のメダリオン
魔王図鑑        精霊のローブ      暗黒優待券
氷精の魔導書      精霊樹の杖[改]    冒険者証(ランク1)
ブラッドワイン*1   銀のナイフ       大魔女帝国渡航権
吸血鬼殺ワイン*1   ダイヤメリケンサック  かたたたきけん
魔術書「正負の属性」  パラサイトソード    大魔女帝国滞在許可証
吸血鬼の日焼け止め               風船印のパラシュート
日蝕の傘                    ラティア勲章
大魔女サイン*1                ユーシリア王家の紋章
古代のセラミック
ステライト鉱石
晴れ乞い傘
チョコスムージー
ヒヒイロカネ
氷魔力結晶
魔導書「絶対零度」

◯現在の目標
・フメイちゃんを探す
・世界樹の光を追う[4/5]
・最悪の未来を阻止する

◯努力目標
・カリスに造られた者たちを助ける
・戦争を阻止する
・大司祭を探す
・枢機卿の悪事を暴く(達成!)
・レイの行方を追う(達成!)

◯仲間の目標
・カリス・ノーランドを討つ(ミスティ)

◯経験値
・クロシュ 剣技[03/07] 魔法[06/07] 防御[00/07]
・イリス  杖術[00/06] 魔法[14/16]
・ミスティ 剣技[05/07] 魔法[11/16]
・ローガン 剣技[16/16] 魔法[06/08] 防御[07/08]
・エバンス 剣技[16/16] 魔法[07/08]
……………………………………………………………………………………
□王都セイントレア
王城:未探索
城下:教会、孤児院、市場、食事処、酒場、浴場、娼館、冒険者ギルド
   中央広場、公園、学校、図書館、博物館、劇場、闘技場、未探索
……………………………………………………………………………………
□セクリエ・ロイエ
大聖堂、大聖堂別館、美術館、庭園、お土産屋、未探索、他
……………………………………………………………………………………
803 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2025/05/31(土) 16:34:27.21 ID:njt9MtaE0
―朝
 聖ヴァレリオ教会 地下壕

 古びた机「」
 古びた椅子「」
 古びたソファ「」
 古びたベッド「」

レイ「はふぅ……」ノンビリ


妖精「おはよう、レイ」パタパタ

クロシュ「おはよ、ございます」トコトコ

イリス「レイさん! おはようございます、お元気そうで良かった……!」

レイ「あっ、イリスちゃん! クロシュちゃん! 妖精さん! れへへ、おはよォ……」ニコニコ

妖精「随分くつろいでるみたいだね?」

レイ「うん。でっかいお風呂に、ちゃんとしたベッド、ふかふかなソファまであって、しかも三食タダでお仕事なし!! こんなに良い暮らしで本当にいいのかなぁ……」

クロシュ「わあ……!」

イリス「……えっと、でもこれって軟禁みたいな感じなんだよね?」

妖精「うん……レイって一応指名手配犯だから、クレアはレイを匿いつつ監視できるようにはしておきたいみたいだし」

レイ「えへへぇ、クレアお姉さんになら全然監視されてもいいよぉ。私一生ここで暮らしたいなァ……」

イリス「ええ……外に出たいとかは思わないの?」

レイ「日の当たるところって怖いもん! ここなら船倉みたいにカビ臭かったりもしないし……!」

妖精「そういえばこいつ幽霊船の船倉に引きこもってたんだった……」

イリス「な、なるほど……」

クロシュ「わたしも、地下、すき……!」

レイ「はわわ、クロシュちゃんも!? ぇへへ……やっぱりクロシュちゃんは最高だね……!」

クロシュ「んへへ……」

イリス「クロシュちゃん、地下好きだったんだ……!」


王都セイントレア滞在8日目。15日目に何かが起こります

↓1コンマ ランダムイベント
01-60 なし
61-90 大魔女来訪
91-00 ??

↓2〜4 自由安価 何をする?
804 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2025/05/31(土) 16:35:21.84 ID:uNjRtAwoO
ダークヒーローイリス、反ロイエ派からスカウトされる
805 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2025/05/31(土) 16:35:24.86 ID:IwOAxoE50
イリス、母と槍の特訓
806 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2025/05/31(土) 16:35:43.01 ID:JE6uSo//O
ヴィアの手伝いで魔族助ける運動をする
807 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2025/05/31(土) 16:36:12.07 ID:MUMt/AYNo
カリスの実験体たちと再度交流
808 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2025/05/31(土) 18:27:38.13 ID:njt9MtaE0
―朝
 聖ヴァレリオ教会 宿泊室

妖精「さて、今日は――」

クローディア「まず私とお話しましょう」ヌッ

イリス「うわあっ!?」ドテッ

クロシュ「わ……!?」

ミスティ「大魔女……クローディア……!?」

妖精「いきなり入ってくるな!」

クローディア「悪いわね。あまり姿を晒したくないものだから許して頂戴」

 ◇

妖精「なるほど……大魔女帝国は魔族国と同盟を組んで、王国の暴虐に対抗するんだ」

クローディア「ええ、準備は着々と整っているわ。ただ、私の目的は戦争に勝つことではない……戦争の勝利は、あくまで最終的な勝利条件の一つなの」

エバンス「というと?」

クローディア「フリューゲル・バイオレットのことは知っているわね? 私の目的は彼女を救出することよ」

クロシュ「!」

ローガン「フラナ殿たちの母……バイオレット家の前当主か」

ミスティ「廃城の天守閣で私たちと戦った、あの恐るべき吸血鬼ね」

クローディア「ええ。カリスが生命を支配する手法についても以前の騒動を経てある程度解明できたわ。恐らく今の私なら、カリスに囚われている者たちを解放することができる。もしカリスが、新たな対策を編み出していなければね」

妖精「新たな対策……あっ!」

イリス「あの、溶けた魔力結晶……!」

クロシュ「!!」

クローディア「……何か心当たりがあるのね。やはりあなたたちに会いに来て正解だったわ」

 *
809 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2025/05/31(土) 18:28:04.67 ID:njt9MtaE0

 瓶詰めの溶けた氷魔力「」ポン

クローディア「これは……」

妖精「以前、カリスに操られた者が発動した氷魔法によって生じた魔力結晶……だったんだけど、今はご覧の有り様なんだ」

クローディア「なるほど……カリスの新たな対策というわけね」

エバンス「……つまり、これはどういうことなんだ?」

クローディア「魔力結晶が融解するということは、魔力の結び付きが解れてしまったということ。もしこれと同じことが体内で起きれば、恐らく魔力欠乏症になって死ぬわ」

クロシュ「!!」

クローディア「もし自分の体内で作られる魔力が軒並み溶けてしまうような状態に陥った場合、一生外部から正常な魔力を供給されなければ生きられない……。大魔女帝国の設備ならそれも不可能ではないけれど、自由は制限されるわ……」

ミスティ「……他の手はないの?」

クローディア「原因を突き止めて除去することができれば元の生活に戻れるはず。でも現時点では、これが呪いによるものなのか身体改造によるものなのかもわからない。できれば被害者本人の体を診たいところだけど……」

イリス「つまり……カリス被害者の誰かを連れてきて大魔女様に診てもらえば……!?」

妖精「でも連れ出すのは流石に難しいんじゃ……? クロシュ一人なら小型の分体を飛ばして行き来できるけど……」

クロシュ「んゅ……」

エバンス「ここに一瞬で侵入したみたいに、大魔女パワーでカリスのとこに侵入できたりしないのか?」

クローディア「既に試しているわ。危うく鏡の分身を一つカリスにくれてしまうところだった」

妖精「うわ……」

イリス「さ、最悪ですよそんなことになったら……」

クローディア「ええ。鏡の分身と言えど私は私。世界最高の大魔女の分身が一つでも奴の手に渡ったら、いよいよ世界の終わりよ」

妖精「めちゃくちゃ自己評価高いけど反論できない……」

ローガン「うむ……カリスの悪意と大魔女殿の魔導が合わさったら鬼に金棒どころではないだろう」

クローディア「まあ報告はそんなところよ。私の方でも調査を続けるけれど、もし何か進展があれば呼んで頂戴」

クロシュ「ん……!」

 ☆大魔女クローディアの協力を得られます

 ◇
810 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2025/05/31(土) 18:28:33.40 ID:njt9MtaE0
―セイントレア平原

イリス「とうっ、やぁっ!」
 ブラッドランス「」ブンッ ブンッ

ティナ「……」
 鉄の槍「」カンッカンッ


イリス(む、無表情で完全に捌かれてる……!)

イリス(いや、でも私の強みは……魔法だ!)


イリス「はっ!」バッ

 ブラッドランス「」ジャキッ!!

 高圧血流「」ドギュウンッ!!

ティナ「!」

 鉄の槍「」ヒュンッ!!

 高圧/血流「」スパッ

イリス「えええっ!!? き、切り裂かれた……!? 血流が、槍で……!!?!?」

ティナ「物質生成系の魔法攻撃は魔法防御を貫通しやすい反面、物理的な手段である程度防御できてしまうの。油断したね、イリス」スタ

イリス「い、いやでも……血流って液体だよ!? なんで槍で切り裂けるの!? 母さん銃使いだよね!?」

ティナ「私はもう魔法が使えないから、その代わりに武芸をある程度修めたの」

イリス「ある程度ってレベルなの……!?」


↓1コンマ
01-30 近接経験+1、魔法経験+1
31-60 近接経験+2、魔法経験+1
61-90 近接経験+2、魔法経験+2
91-00 近接経験+6、魔法経験+3、技を閃く
811 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2025/05/31(土) 18:30:34.40 ID:O352YF2f0
812 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2025/05/31(土) 20:25:18.02 ID:njt9MtaE0
 カンカンカンッ ドギュウッ
  カカンッ

イリス「ひい、ふう……」フラフラ

ティナ「うん……私の娘だけあって、近接戦闘の才能は人並みみたい……」

イリス「……ってことは、母さんは私と同じくらいの才能でそこまで上り詰めたってこと……!?」

ティナ「正しい方法で時間さえかければ、ある程度のところまでは誰でも上れるの」

イリス「そ、そうなんだ……」

ティナ「大丈夫。イリスは魔法が使えるから、ちゃんと鍛えれば私よりずっと強くなれる」


イリス(うっ……母さん、自分が魔法を使えなくなったことをさらっと言うけど、けっこう重いよ……!)


ティナ「……イリス?」

イリス「な、なんでもない……。頑張るよ、私」スクッ

ティナ「うん。応援してる」ニコ

 ☆イリスが近接経験2、魔法経験1を獲得しました

 ◇
813 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2025/05/31(土) 20:26:38.84 ID:njt9MtaE0
―王都セイントレア 闘技場

 ワーワー ワーワー

司会「それでは皆さんお待ちかね、年イチ開催のスーパーイベント、デッドリーバトルロイヤルコロシアムの時間だァァァァ!!」

 ワーワー!! コロセーッ!!

司会「本日の生贄はァ〜〜〜……こいつらだァッッッ!!!」



馬頭の戦士「……」

竜人の戦士「チッ……」

ゴブリンの盗賊「クソッ……! なんでおれがこんな目に……!」

コボルトの男「クゥーン……」

オークの男「へっ……どうせ死ぬなら最期に良い思いさせてもらおうかね」ジュルリ

マンドレイクの幼女「あぅぅ……」ジワワ…カタカタ…

野良スライム「……」デロデロ…

エルフの吟遊詩人「闘技場――悪意と熱狂が乱反射する、現世に舞い降りた地獄の一つ――…」ポロロン



クロシュ「……!」

分体ヴィア「今日は彼らの救出作戦を実施します」

妖精「救出って言ってもどうやるの? ここまで多くの目が見てる中じゃ……」

分体ヴィア「煙幕と散発的な破壊活動で会場を混乱させ、その隙に全員を回収し――」



司会「そして本日はスペシャル警備として、昆虫学者であり爵位もお持ちのガッタ・ファーブ氏をお招きしております!!」

ガッタ「ハァ……アズスーナズバックホームしたい……」ゲンナリ

司会「もし何か不審な動きがあれば何卒お願いします、ガッタさん!!」

ガッタ「ルックフォワードに検討させてもらうヨ……」



分体ヴィア「あれは、ガッタ・ファーブ……。少し困りました……。まさかただの警備にあんな者を投入してくるとは……」

妖精「どこかで見たことがあるような気がするけど……強いの? 見た目は変なおじさんだけど」

分体ヴィア「虫を使役します。魔族差別思想を持っているという話は聞きませんが、倫理観のないマッドサイエンティストらしいので危険な可能性が高いです。もし怪しい動きを見つければ躊躇なく毒虫を放って闘技場内の者たちを皆殺しにするかもしれません」

妖精「えっやばいじゃん……虫相手じゃ煙幕もあんまり意味ないし、破壊活動で混乱もしなさそうだよ?」

分体ヴィア「むむ……少し考えさせてください」

クロシュ「……」


どうする……?
↓1〜 先取2票
1.電撃作戦 素早く闘技場に降りてすぐにみんなを回収してとんずら!
2.不意打ち こっそりガッタの背後に回ってベチン!
3.炎熱殺虫 クロシュが炎で虫を足止めしてる隙にヴィアが救出!
4.ハニトラ クロシュがえっちなおねえさんに化けてガッタをろうらく!
5.運命賽  運命の導きに従う!(運命賽−1)
0.自由安価(票数は内容ごと)
814 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2025/05/31(土) 20:28:19.56 ID:OM6/BVmDO
3

いや、4も気になるけど!
815 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2025/05/31(土) 20:28:40.15 ID:JlkBIID0O
4
816 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2025/05/31(土) 20:29:08.50 ID:IwOAxoE50
0会場内で他に奴隷解放に協力してくれそうな人を探す
817 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2025/05/31(土) 20:36:57.23 ID:jf/uNL8NO
2
818 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2025/05/31(土) 20:38:05.80 ID:yRPScOigo
3
819 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2025/05/31(土) 21:19:36.67 ID:njt9MtaE0
クロシュ「……わたしが、炎で虫を足止めする……。ヴィアさんは……その隙に……」

分体ヴィア「えっ……でも……」

クロシュ「わたしは……大丈夫……! 透明にも、なれる……!」

分体ヴィア「……わかりました。それではお願いします」

 *

司会「それではバトルロイヤル、スタ――げほっげほっ!?」

 煙幕「」モクモク
 ドガァンッ!! バゴォンッ!!
 キャーッ!! ナンナンダ!? タスケテクダサイ!!

司会「が、ガッタさん!!」

ガッタ「ふう……ノーウェイ」バッ

巨大な蜂「」ブブブン
巨大な蜂「」ブブブン
巨大な蜂「」ブブブン

司会「ヒエッ……!? こ、これは巨大蜂のピラム・ビー……!?」

ガッタ「ドントウォーリー。人間はピアッシングしないようアジャステッド」

司会「お、おお……! ではやっちゃってください、ガッタさん!」

ガッタ「ドントオーダー!」

 *

 ドガァンッ!!

警備員「ぐああっ!」バタッ
警備員「くそがっ……!」バタッ

分体ヴィア「さあ皆さん、こちらへ。共に外へ逃げましょう」

コボルトの男「えっ……!?」

野良スライム「〜〜?」モニョニョ?

ゴブリンの盗賊「な、なんだ? おれたち助かんのか?」

分体ヴィア「そうです。時間がありません、急いで」

オークの男「チッ、つまんねえことしやがって」

竜人の戦士「文句を言っている暇があったら足を動かせ、豚」

オークの男「んだと!? このトカゲ野郎が!」


警備員「」ピヨピヨ


馬頭の戦士「……」グググ

分体ヴィア「……おやめください。憎しみは、さらなる憎しみを生みます。魔族全体の為に……どうか、怒りを鎮めて」

馬頭の戦士「…………スマヌ……」スッ

エルフの吟遊詩人「憎しみは次なる憎しみへ……永遠に廻る憎悪の苦輪……」ポロロン


「きゃああああっ!」


馬頭の戦士「!」

竜人の戦士「あれは……!」


尻もちをついたマンドレイクの幼女「や、やだ……来ないでぇ……!」

 ピラム・ビー「」ブブブン
  ピラム・ビー「」ブブブン
   ピラム・ビー「」ブブブン
820 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2025/05/31(土) 21:20:26.97 ID:njt9MtaE0
ゴブリンの盗賊「で、でっけェ蜂……!?」

コボルトの男「も、もうだめだ……おしまいだァ……」ポロポロ

分体ヴィア「いえ……大丈夫……!」


 炎「」ゴウッ!!!

燃え落ちるピラム・ビー「〜〜!!」メララ
燃え落ちるピラム・ビー「〜〜!!」メララ
燃え落ちるピラム・ビー「〜〜!!」メララ

炎スライムクロシュ「〜〜」チリッ


マンドレイクの幼女「ぁぇ……?」

野良スライム「〜〜!!」モニョニョ!!

分体ヴィア「あの子が蜂の足止めをしている内に、皆さん急いで……!」


ガッタ「テロリズムとは……。ミーが警備の時に限って、バッドラック……」スタスタ


炎スライムクロシュ「!」

妖精「まずい、奴が来た……!」


ガッタ「ふむ……? デッドエンドしたはずのバーニングスライム……? 実にワンダーだ」

炎スライムクロシュ「……」チリチリ

ガッタ「ならばこちらもバーニングインセクト! ゴー! ファイアント!」バッ

 ポン!

火蟻「」シャカシャカ
火蟻「」シャカシャカ
火蟻「」シャカシャカ

炎スライムクロシュ「!」

妖精「あれは……世界各地で侵略的外来種として問題になっている炎属性のアリ、火蟻だ! まずい、奴には生半可な炎は効かないよ!」

炎スライムクロシュ「〜〜…!」モニョニョ…!


↓1コンマ
01-30 突破された!
31-00 生半可じゃない!
821 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2025/05/31(土) 21:22:51.04 ID:TjEtMelV0
822 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2025/05/31(土) 22:01:56.90 ID:njt9MtaE0
炎スライムクロシュ「〜〜…!!」モニョニョ…!!

 炎の壁「」ゴオオオオッ!!

ひっくり返る火蟻「〜〜…」ポテッ
ひっくり返る火蟻「〜〜…」ポテッ

突破する火蟻「〜〜!」シュバッ!!

炎スライムクロシュ「!!」

妖精「まずい、突破された……!!」


マンドレイクの幼女「はっ、はっ、えぐっ、ぐすっ……」トテトテ

野良スライム「〜〜!」モニョニョ!

ゴブリンの盗賊「嬢ちゃんがんばれ! あと少しで逃げきれ――」


追いかけてくる火蟻「」シュババババッ


ゴブリンの盗賊「……!?」

コボルトの男「も、もうだめだァ……クゥーン……」ポロポロ


追いかけてくる火蟻「」シュバッ!!


マンドレイクの幼女「ぁ、ぁ……ゃ……」

 バッ!! ガシッ!!

燃え上がる馬頭の戦士「……」メラメラメラ

掴まった火蟻「〜〜!」ジタバタ


マンドレイクの幼女「ぁ……」

オークの男「お、おい……!? 燃えてるぞオイ!?」

竜人の戦士「クッ……誰か水属性魔法を使える者は……!?」


燃え上がる馬頭の戦士「ムヨウダ……モウ、ドクガマワッテイル……」メラメラ

ゴブリンの盗賊「お、おい嘘だろ……!?」

燃え上がる馬頭の戦士「ハヤクイケ……。ムダニ、スルナ……」メラメラ

オークの男「クソッタレ!」

マンドレイクの幼女「や、やだ……やだ……」

野良スライム「〜〜…」モニョニョ…

竜人の戦士「……早く行くぞ。奴の死を無駄にするな……!」

コボルトの男「――アオオオーン!!」ポロポロ

エルフの吟遊詩人「忘れ得ぬもの……私は……彼の犠牲を、決して……」ポロロン…

 ◇
823 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2025/05/31(土) 22:04:27.94 ID:njt9MtaE0
―王都セイントレア 地下水路

 地下水路「」ザァザァ

野良スライム「」デロデロ…

マンドレイクの幼女「えぐ、えぐ……」

コボルトの男「クゥン……」ポロポロ

オークの男「チッ……」

竜人の戦士「……」

分体ヴィア「……申し訳ありません。私たちが……至らなかったばかりに……」

ゴブリンの盗賊「あ、あんたが謝んなよ……助けられただけのおれたちが余計惨めじゃんか……」

分体ヴィア「すみません……」

エルフの吟遊詩人「謝らずにはいられぬ心……救いは何処に……」ポロロン


馬頭の戦士「スマヌ、オクレタ」ノッシノッシ


野良スライム「〜〜!?」モニャニャ!?

ゴブリンの盗賊「え!?」

オークの男「生きてんのかよ!?」

馬頭の戦士「クロイスライムサンニ、タスケテモラッタ」


スライムクロシュ「〜〜」モニョモニョ

妖精「まあ、ちょっとした切り札をね……」

マンドレイクの幼女「〜〜!!」ジワワ ポロポロ

コボルトの男「アオオオオオ〜ン!!」ポロポロ

竜人の戦士「……フッ」

エルフの吟遊詩人「理不尽を覆す理不尽……救いは此処に……」ポロロン

 ◆

マンドレイクの幼女「え、えっと、えっと……あ、ありがと……!!」ペコッ

野良スライム「〜〜!!」モニョニョニョ!!

 ザブンッ

 地下水路「」ザァザァ

妖精「ふう……これで一件落着?」

分体ヴィア「はい……あなたたちがいなければ、多くの犠牲が出てしまうところでした。ありがとうございました」

スライムクロシュ「〜〜!」モニョニョ

分体ヴィア「ところで……炎と毒にやられた馬頭さんのことは、どうやって助けたのですか? もしかして非常に高度な治癒と毒消しの魔法が使えるのですか……?」

妖精「……クロシュは不死鳥の羽根を持っててね、同化してその力を引き出すことができるんだ」

分体ヴィア「えっ……!? 不死鳥の羽根と同化……!?」

妖精「うん。羽根を消費せずに再生の炎を発生させられるから、今までに何度も助けられてきた。あ、でもこのことはあんまり言いふらさないでね? 知られるといろいろ厄介そうだし……」

分体ヴィア「……しかし、再生の炎という強力な力を行使して身が持つのですか……?」

スライムクロシュ『……お腹が、すごく、減る……』モニョニョ…

分体ヴィア「なるほど……」


分体ヴィア(……クロシュちゃん……やはり普通のスライムではないようです……。カリスが使って人工的に生み出した、クロシュヴィアの株分け……なのでしょうか……?)

 ☆魔族救出活動を行いました

 ・本日はもう不死鳥化できません

 ◆
824 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2025/05/31(土) 22:39:11.38 ID:njt9MtaE0
―午後
 大聖堂別館 中庭

 日差し「」キラキラ
 生い茂る木々「」サワサワ
 小川を模した水路「」サラサラ

 ガーデンパラソル「」バサッ
 木の椅子「」ポン
 木のテーブル「」ポン

 茶菓子「」ポン
 紅茶「」ポン

ちびスライムクロシュ「〜〜!」モニョニョニョ モグモグモグモグ

フレア「わあ、クロシュちゃんいっぱい食べるねえ」

黄スライム『今日はいっぱい働いて疲れちゃったんだって!』モニョモニョ

フリューゲル「使徒が持ってきたおやつがまだまだたくさんあるから、好きなだけ食べていっていいわ」

ちびスライムクロシュ「〜〜!」モニョニョ!

アイス「……れいぎしらず。くいいじスライム……」

灰スライム『アイスも食べればいいのに……』モニョモニョ モグモグ

アイス「……アイスは、レディーだもん……」

 グゥゥ…

アイス「……」

セイン「……あーんするか?」

アイス「しない……! じぶんで、たべる……!」プンスコ

 *

ちびスライムクロシュ(そういえば……ここにいるみんなは、カリスの呪い?で、ここから長く離れてると、魔力がデロデロになっちゃうみたい……)

ちびスライムクロシュ(……大魔女さまに、診てもらえば……原因が、わかる……?)

ちびスライムクロシュ(でも……連れてくの、難しそう……。見つかったら……カリスに、酷いこと、されるかも……)

ちびスライムクロシュ(いい方法……ないかな……?)

ちびスライムクロシュ(………)

ちびスライムクロシュ(……今日は……お腹が空いて……あたま、まわんない……)グルグル


↓1〜2選択 中庭で何をする?(空腹なので活発に動けません)
1.個別の誰かとお話(名前を指定)
2.運命賽を投げる(運命賽−1、良いアイデアを思いつく)
0.自由安価(状況にそぐわないものは再安価)
825 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2025/05/31(土) 22:41:40.16 ID:IwOAxoE50
1フリューゲル
826 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2025/05/31(土) 22:42:51.84 ID:TjEtMelV0
1セイン
827 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2025/05/31(土) 22:45:05.59 ID:P7DAcjiEO
大魔女をこの場に連れてくればよいのでは
クロシュはこれてるし
828 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2025/05/31(土) 23:39:24.43 ID:njt9MtaE0
ちびスライムクロシュ『……大魔女さまが……フリューゲルさんのこと……助けるって、言ってた……』モニョモニョ

フリューゲル「えっ、大魔女が……?」

ちびスライムクロシュ『うん……。そのための……やり方……探してる……』

フリューゲル「そのためのやり方……?」

ちびスライムクロシュ『えっと……ここ、離れると……デロデロに、なる……?』

フリューゲル「……ああ、なるほど。私たちはカリスの造る特殊な生命結晶を定期的に摂取しないと、生命を維持できなくなって死ぬと言われているわ。そのことね?」

ちびスライムクロシュ『ほえ……? えっと……魔力が、デロデロになるんじゃないの……?』

フリューゲル「……? 魔力がデロデロになるという脅され方はしていないけれど……」

ちびスライムクロシュ「???」

 *

フリューゲル「魔力結晶が融解……? 初めて聞く話ね……」

ちびスライムクロシュ『そうなんだ』

フリューゲル『考えられるのは、私たち被支配者に嘘の情報を吹き込んでいるか……もしくは、二重の対策を立てた上で片方だけしか伝えていないか……』

ちびスライムクロシュ『そうなの?』

フリューゲル「ただの仮説。でも……あの子たちを救うことに繋がるのなら、しっかり検証してみる価値はあるかもしれないわ……」


フレア「――!」キャッキャ
黄スライム「〜〜!」モニョニョ キャッキャ
灰スライム「〜〜」モニョモニョ
アイス「――…」
セイン「――」


ちびスライムクロシュ『うん』

フリューゲル「とはいえ、カリスが自分の実験体たちに解析されるほど間抜けな仕組みを作っているとも思えないわ……。うーん……」

ちびスライムクロシュ『大魔女さまに、調べてもらう方法……ない……?』

フリューゲル「………非常に個人的な感情なのだけれど……クローディアに頼りたくないのよね」

ちびスライムクロシュ『ほえ……? どうして……?』

フリューゲル「……あいつの目的は、私を助けることなのでしょう? それは……ちょっと困るのよ」

ちびスライムクロシュ『???』

フリューゲル「私はかつて、自らの愚かさによって一度魔族国を滅ぼした大罪人。例え娘たちや大魔女が私を許すとしても、私自身は決して私を許せないの……」

ちびスライムクロシュ『……』

フリューゲル「なら一人でとっとと死ねと自分でも思うけれど……残念ながらカリスに支配されている今、私は私自身の命を断つことすらできない。ああでも、クローディアに助けられてこの呪縛を解くことができれば、自分を殺せるようになるのかしら? いえ、それはいくらなんでもクローディアに失礼すぎるわよね……」

ちびスライムクロシュ『……』

フリューゲル「……いえ……私個人の感傷の為に、あの子たちが助かるチャンスを無駄にしたりはしないわ。安心して」

ちびスライムクロシュ『うん……』

フリューゲル「さて、あいつに私たちの呪縛を解析してもらう方法か……あ、それならあいつ自身にここに来てもらうのはどうかしら? クロシュさんが入ってこれるならあいつも来れるんじゃない?」

ちびスライムクロシュ『……前に、試して……失敗して、捕まりそうになったって……言ってた……』

フリューゲル「そう……。考えても見れば、カリスが大魔女対策をしていないわけがなかったわね。あいつ目立ちたがりだから、顔も名前も魔力波長も知られてるし……」

ちびスライムクロシュ『うん……』

フリューゲル「さて、それじゃあ真面目に考えてみましょうか……。でもあまり期待しないでね。私、あんまり頭良くないから」


↓1コンマ(後ろ向き-5)
01-75 思いつかない
76-00 思いつく
829 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2025/05/31(土) 23:44:37.19 ID:x1KQwsiFO
はい
830 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2025/06/01(日) 00:19:50.17 ID:n8VnVsd30
フリューゲル「……だめね……何も思いつかないわ……」

ちびスライムクロシュ『んゅ……』

フリューゲル「他の子……セインが一番利発だから、セインにも聞いてみて。良い方法を思いつくかもしれない」

ちびスライムクロシュ『ん……わかった。ありがと……』

 *

ちびスライムクロシュ『セインさん』モニョモニョ

セイン「クロシュ。腹は満たせたか」

ちびスライムクロシュ『んゅ……あんまり、食べすぎるのも……失礼かもって……』

セイン「遠慮する必要はないが……クロシュのしたいようにすると良い」

ちびスライムクロシュ『うん……』

セイン「……ああ、そうだ。しばらくの間、魔族国やその街道には近付かない方が良いかもしれない」

ちびスライムクロシュ『ほえ……?』

セイン「城内や原理派内で不穏な動きがある。枢機卿の失脚はもう秒読みだが、奴は魔族国侵攻で一発逆転を狙っているようだ。そしてその目論見は全く見当外れなものでもない……僕とフリューゲルが出撃すれば、兵の士気や練度など無関係にどうとでもなってしまうからだ」

ちびスライムクロシュ『!!』

セイン「だから、しばらく魔族国やその近くには近付かないでくれ。特にフリューゲルは戦場に出ると完全に正気を失ってしまう。自分の故国だろうと関係なく、破壊と殺戮の限りを尽くすだろう……」

ちびスライムクロシュ『……フリューゲルさんは……戦争のこと、知ってるの……?』

セイン「……いや……伝えていない。もし知ってしまえば、この中庭でも彼女は平穏でいられないだろうから」

ちびスライムクロシュ『んゅ……』

セイン「……すまない。だが、僕たちの平穏を守る為にはこうするしかないんだ」

ちびスライムクロシュ『………えっと……じゃあ……逃げ出す、方法……! 考える……!』

セイン「逃げ出す方法……?」

 *

セイン「大魔女が……僕たちの解析を?」

ちびスライムクロシュ『うん……! 上手くいけば……みんな、自由に、なれる……!』

セイン「……特殊な生命結晶については僕も知らされている。国外へ遠出する任務では、ある程度の携帯も許可されるんだ」

ちびスライムクロシュ『わあ……!』

セイン「残念ながら今ここにはないが……」

ちびスライムクロシュ『えっと……いろいろ……大魔女さまに、調べてもらう方法……ない……?』

セイン「……難しいな。僕たちが外に出ればすぐに気付かれてしまうだろうし……大魔女もここには入って来れないとなると……」

ちびスライムクロシュ『んゅ……』

セイン「少し待ってくれ。考えてみる」


セイン(ここから……みんな、外に出られる……)

セイン(何度も何度も考えて、諦めた……。カリスの悪意には勝てないと、引き下がる他なかった……)

セイン(でも……世界最高の魔法使い、大魔女なら………!)


↓1コンマ(超前向き+20、スライム知識+10)
01-75 思いつかない
76-00 思いつく
831 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2025/06/01(日) 00:23:40.76 ID:Hy4+fEQ70
832 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2025/06/01(日) 00:55:03.62 ID:n8VnVsd30
セイン「……クロシュは……同化が得意か?」

ちびスライムクロシュ『ほえ……? んー……た、たぶん……?』

セイン「同化の技を極めたスライムは、かつて同化したことのあるものであれば、物質を介さず記憶からその力を再現≠オ、同化したも同然の状態になれるという」

ちびスライムクロシュ『わあ……!』

セイン「つまり何が言いたいかと言うと……」

黄スライム『いうとぉ……!?』モニョッ

灰スライム『いうと……?』モニョ

セイン「ここにいる者たちの体、力、能力……そして、カリスの呪縛まで……全てを記憶して再現し、それを大魔女に診てもらう……というのはどうだ……?」

ちびスライムクロシュ『!!』モニョ!!

黄スライム『んわわ……!』モニョニョ!

灰スライム『……でも、いくらクロシュでも再現なんて絶技は使えないんじゃないの……? あのブラッドでも、ここにいた当時は再現を習得するまではいけなかったみたいだし……今どうかは知らないけど……』モニョモニョ

セイン「……それもそうか。すまない、無茶を言ったかも――」

ちびスライムクロシュ『わたし……あるかも……! さいげん、したこと……!!』モニョモニョ

セイン「何……!?」

黄スライム『んわわ〜!』キャッキャ

灰スライム『それほんと……?』モニョニョ

ちびスライムクロシュ『うん……! ずっと前だけど……みんなを守りたくて、夢中で……手に持ってないものとも、なんでか同化できてた……!!』

セイン「本当か……! それなら……!!」

ちびスライムクロシュ『うん……! わたし……やってみる……!!』


 ☆スライム奥義再現≠ノ挑戦することができるようになりました


さっそく挑戦!
↓1コンマ(スライム技能+80、一度できた+40、最難関技-100)
01-10 失敗
11-60 経験+1(1/3)
61-90 経験+2(2/3)
91-00 覚醒
833 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2025/06/01(日) 01:00:16.53 ID:ptAfsfNFO
覚醒クロシュ
834 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2025/06/01(日) 01:25:05.08 ID:n8VnVsd30
ちびスライムクロシュ「……」モニョニョ…グググ…


フレア「クロシュちゃんは何をしているの?」

セイン「再現の練習だ。今ここには持っていないウミタニシの貝殻を再現≠オてみるという」

アイス「さいげん……クロシュなんかに、できるわけない……」


ちびスライムクロシュ「……」モニョニョニョ…ググググ…


 ――潮騒の音「」サァァァァ… ササァァァン…


アイス「……!?」

フレア「わ……!? この気配って……」

セイン「水属性の……海の力を感じる……!」


ちびスライムクロシュ「……」モニョニョニョ…
 生えかける巻き貝「」ググググ…


黄スライム『んわわ〜!』キャッキャ

灰スライム『クロシュ……ほんとに……!?』モニョニョ


 デロデロ…

ちびスライムクロシュ「」デロロ…


フレア「あ、ああっ……!!」

黄スライム『惜しい〜っ!!』モニャニャ…!!

フリューゲル「本当に惜しかったわね……お疲れ様……!」

灰スライム『……でも、あと一歩……がんばれ、クロシュ……』モニョモニョ

セイン「……いける、のか……? 本当に……」グッ

アイス「〜〜…!!」っっっ

 ☆再現経験が 2/3 になりました

 ◆
835 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2025/06/01(日) 01:25:35.62 ID:n8VnVsd30
というわけで本日はここまでとなります

カリスの悪意からみんなを救う為に、スライム奥義の再現を試みるクロシュ。気負いか、空腹か、一度の試行で成ることは叶わず。されど奥義の習得は既に手の届くところへ。全てを救う為に、クロシュは決意を新たにする。しかしそれはそれとして、そろそろ空腹で目が回りそうなあかちゃんスライムなのであった――

それでは本日もありがとうございました。次回もよろしくお願いいたします
836 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2025/06/01(日) 09:48:51.22 ID:wbVFSKQG0
おつ
クロシュちゃん最終的にスライムの女王とか巫女とか神になるのか・・・?
837 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2025/06/01(日) 21:51:03.31 ID:n8VnVsd30
再現はすごい技ですが、女王とか巫女とか神と呼ばれるようなだいそれた存在になったりはしないと思われます。実のところ野良にも極稀に使えるスライムがいたりします(そういうスライムは知能が高く、人前に出て来ない場合が多いようです)
838 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2025/06/01(日) 21:51:36.08 ID:n8VnVsd30
―王都セイントレア 滞在9日目

◇クロシュ [あかちゃんスライム]
武:星霊の剣     盾:ラティアの大盾  飾:くすんだ耳飾り
武:竜珠の大杖    防:竜のエプロン   飾:不死鳥の羽根

◇妖精   [世話焼き妖精]
武:         盾:         飾:くすんだ耳飾り
武:         防:精霊のレオタード 飾:

◇イリス  [星の魔法使い]
武:蒼き星の杖    盾:         飾:くすんだ耳飾り
武:ブラッドランス  防:魔術師のローブ  飾:

◇ミスティ [氷の魔法使い]
武:氷の短刀     盾:         飾:くすんだ耳飾り
武:         防:氷竜革のローブ  飾:

◇ローガン [鋼の戦士]
武:蜥蜴一文字    盾:灼鋼の盾     飾:くすんだ耳飾り
武:鋼の回転ノコギリ 防:オリハル鎖帷子  飾:

◇エバンス [地の傭兵]
武:古代の鉄槌    盾:         飾:くすんだ耳飾り
武:魔銀の刀     防:硬質革鎧     飾:

◯所持アイテム
[道具]        [装備品]       [大事なもの]
運命賽*2       蜘蛛絹の下着      魔族国永久旅券
会心賽*1       ザリガニのお守り    フメイの服の切れ端
反魂丹*1       大きな巻き貝      精霊の印
鉄鍋+携帯調理器具   闇の欠片        精霊樹の実のジャム
「星の魔力」上中下   フリルワンピ水着    精霊樹の鉢植え+赤雷球
お宿の妖精の織物    魔法学園のスク水    フメイとアリシラの人形
魔導飯盒        ガラスのザリガニ    メルルの帽子
妨害魔力波発生装置   踊り子の双剣      溶岩石のアミュレット
属性大全        サボテンドラゴンの花  太陽のメダリオン
魔王図鑑        精霊のローブ      暗黒優待券
氷精の魔導書      精霊樹の杖[改]    冒険者証(ランク1)
ブラッドワイン*1   銀のナイフ       大魔女帝国渡航権
吸血鬼殺ワイン*1   ダイヤメリケンサック  かたたたきけん
魔術書「正負の属性」  パラサイトソード    大魔女帝国滞在許可証
吸血鬼の日焼け止め               風船印のパラシュート
日蝕の傘                    ラティア勲章
大魔女サイン*1                ユーシリア王家の紋章
古代のセラミック
ステライト鉱石
晴れ乞い傘
チョコスムージー
ヒヒイロカネ
氷魔力結晶
魔導書「絶対零度」

◯現在の目標
・フメイちゃんを探す
・世界樹の光を追う[4/5]
・最悪の未来を阻止する

◯努力目標
・カリスに造られた者たちを助ける
・戦争を阻止する
・大司祭を探す
・枢機卿の悪事を暴く(達成!)
・レイの行方を追う(達成!)

◯仲間の目標
・カリス・ノーランドを討つ(ミスティ)

◯経験値
・クロシュ 剣技[03/07] 魔法[06/07] 防御[00/07] 再現[2/3]
・イリス  杖術[02/06] 魔法[15/16]
・ミスティ 剣技[05/07] 魔法[11/16]
・ローガン 剣技[16/16] 魔法[06/08] 防御[07/08]
・エバンス 剣技[16/16] 魔法[07/08]
……………………………………………………………………………………
□王都セイントレア
王城:未探索
城下:教会、孤児院、市場、食事処、酒場、浴場、娼館、冒険者ギルド
   中央広場、公園、学校、図書館、博物館、劇場、闘技場、未探索
……………………………………………………………………………………
□セクリエ・ロイエ
大聖堂、大聖堂別館、美術館、庭園、お土産屋、未探索、他
……………………………………………………………………………………
839 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2025/06/01(日) 21:52:03.35 ID:n8VnVsd30
―朝
 聖ヴァレリオ教会 宿泊室

 チュンチュン

妖精「カリスに囚われてる者たちの体をクロシュ自身が再現して、その状態を大魔女に診てもらおうってことか」

クロシュ「うん」

ミスティ「なるほど、そんなやり方があるのね……。でも、呪いを再現した結果クロシュ自身に害が及んだりはしないかしら?」

クロシュ「た、たぶん大丈夫……」

王都セイントレア滞在9日目。15日目に何かが起こります
↓4〜6 自由安価 何をする?
840 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2025/06/01(日) 21:54:44.17 ID:ggs46Tk5o
手がかりを探すため聖女さん僧侶さんにお父さんのことを詳しく聞く
841 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2025/06/01(日) 21:56:10.49 ID:Hy4+fEQ70
↓4からとか間隔広いな
とりあえず安価↓
842 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2025/06/01(日) 21:56:25.44 ID:ccICFlJOO
ダークヒーローイリス、奴隷解放組織にさそわれる
843 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2025/06/01(日) 21:56:28.09 ID:wbVFSKQG0
聖女シスターズと買い物
844 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2025/06/01(日) 21:56:47.47 ID:hheHWEy30
現教にあってカリスの件や大司祭の件など何か聞けないかみんなに相談する
845 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2025/06/01(日) 21:57:13.31 ID:exxB8ol5O
クレアとレイと一緒に地下壕の蔵や本棚を調べてみる
846 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2025/06/01(日) 21:57:57.53 ID:uxEBMuI4O
クロシュヴィアから直接手ほどきを受けて再現を完全にマスターする
847 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2025/06/01(日) 23:28:14.70 ID:n8VnVsd30
―王都セイントレア 市場

 ワイワイ ガヤガヤ

 たくさんの品物が積まれたカゴ「」ドッサリ

その大きなカゴを背負って歩くクロシュ「……」ノシノシ

聖女「クロシュちゃん……大丈夫ですか? 重すぎるんじゃ……」

クロシュ「へいき……!」ノシノシ

妖精「今のクロシュは小さい女の子の姿だけど、中身はスライムだから人間より力持ちなんだよ。心配いらないと思う」

僧侶「種族の差ですね。今の私には好ましい違いと思えます」

聖女「お姉ちゃん、本当に原理派らしくなくなったんですね」

僧侶「それはもちろん、今はデロデロ派ですから」

クロシュ「んへへ……」

僧侶「聖女もデロデロ派になりませんか? クロシュヴィアに会えばあなたもデロデロの良さが――」

聖女「ふふ、もう会ったことあります」

僧侶「えっ!?」

聖女「デロデロ派の考え方も概ね聞いてます。私も……ある程度は理解できるつもりです」

僧侶「うーん、ある程度ですか……」

聖女「はい。私はまだ……全てをデロデロにしなきゃこの世界は救われない、とまでは思わないのです。命には……お互いを赦し合い、憎しみも悲しみも呑み込んで一緒に歩いていける強さがあるって……信じたいんです。ちょっと、お花畑と言われるかもしれないですけど……」

僧侶「お花畑というよりは棘だらけの茨の道ですね、それは……。でもまあ嫌いではないです。この世から少しでも多くの苦しみを減らしたいという意味では、デロデロ派と同じとも言えますし」

クロシュ「わあ……!」

妖精「はあ、良かったねクロシュ。みんなデロデロ派と同じだってさ」

クロシュ「うん……!」

 *

パスタ屋「毎度ありがとうございました〜!」


 買い物メモ「」ペラッ

聖女「えっと、これでクレアさんから頼まれたお使いは終わりかな……?」

僧侶「そういえば、教会と孤児院の食料は大聖堂から支給されてるはずですよね? なぜパスタをこんなに?」

 カゴいっぱいのパスタ「」ドッサリ

聖女「あ〜、えっと……お姉ちゃん、聖ヴァレリオ教会の地下壕のことは知ってますか?」

僧侶「あっ……なるほど、彼女の分というわけですね。承知しました」

聖女「はい。クレアさんは正しさのある人ですから、私もクレアさんの判断に従います」

僧侶「……でも、パスタばかりなのはちょっとつらくないですか?」

聖女「そうですか? パスタ、美味しいと思いますけど……」

僧侶「いや、美味しさを否定しているわけではなくてですね……他の主食も食べたいというか……。いやまあ、保存が効いて調理もしやすいという事情はわかるんですけど……」

クロシュ「パスタ……おいしい……」

僧侶「いや美味しいのはわかってますってば!」

妖精「私も妖精の中じゃ食にちょっとこだわる方だけど、人間にはかなわないなあ」

 *

市場に来たついでにお買い物する?
↓1〜2選択
1.掘り出し物を探す(コンマ)
0.自由安価(買うもの、または買い物以外の行動)
848 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2025/06/01(日) 23:30:09.14 ID:ZmJ1HDdoo
1
849 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2025/06/01(日) 23:31:47.24 ID:ccICFlJOO
0、アクセサリーを買う
850 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2025/06/02(月) 00:00:26.65 ID:Ou2z6sPO0
クロシュ「!」ピコン!

聖女「どうしたのですか、クロシュさん」

クロシュ「なにか……いいもの、あるかも……!」トコトコ

 ワイワイ ガヤガヤ

僧侶「お、露天市ですね。確かに掘り出し物があるかもしれません、せっかくですし何か探してみましょうか」

妖精「悪いねえ、クロシュに付き合ってもらっちゃって」

聖女「いえいえ、先にクレアさんのお使いに付き合ってもらったのは私たちの方ですから!」

↓1コンマ 掘り出し物
01-40 聖剣のおもちゃ
41-70 カニカマボコ
71-90 メガロザメのフカヒレ
91-00 不定形のプルプル

↓2コンマ アクセサリー
01-40 綺麗な貝殻
41-70 大きな真珠
71-90 世界樹の琥珀
91-98 黄金のカニ飾り
99-00 古代カニの化石
851 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2025/06/02(月) 00:02:02.39 ID:1IQmfC/Ko
カニ(カマボコ)!
852 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2025/06/02(月) 00:05:59.40 ID:XXkEdMrpo
さて
853 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2025/06/02(月) 00:27:48.09 ID:Ou2z6sPO0
 聖剣のおもちゃ「」ポン!

クロシュ「……」

 聖剣のおもちゃ「」ブンブン
 虹色の光「」ビカビカ!!

クロシュ「んわっ……!?」ビクッ

おもちゃ屋「ははは、それは勇者サインが幼少の頃に大岩から引き抜いて振り回したと言われる光の聖剣、ルクスカリバー!! ……のおもちゃだ!」

クロシュ「わあ……!」

妖精「……本物もこんなヘンテコな色に光ったの?」

おもちゃ屋「ははは、本物の光はこんなものじゃなかったと思うよ! 何せ天を裂き地を穿つ凄い光だったらしいからね!」

クロシュ「わあ……」

妖精「……クロシュ、それ買うの?」

クロシュ「……んーん」

 聖剣のおもちゃ「」ポン

おもちゃ屋「えっ買わないの!?」

クロシュ「うん……わたし、これがある……」スッ

 星霊の剣「」キラキラ…

おもちゃ屋「うおっ、すごいクオリティだ……! 一体どこのおもちゃ屋で買ったんだい!?」

クロシュ「んへへ……ひみつ……」

 ☆聖剣のおもちゃを買いませんでした

 *

聖女「クロシュちゃんクロシュちゃん」

クロシュ「ほえ?」トコトコ

僧侶「ふふ……お姉さんたちからプレゼントです!」スッ

 綺麗な貝殻の飾り「」ポン! キラキラ…

クロシュ「わあ……!」

妖精「お、随分綺麗な貝殻だねえ。真珠層が虹色に輝いてる」

聖女「虹色に輝く貝殻は、幸運と安らぎをもたらすと言われています。もし良かったら……」

クロシュ「うん……! ありがと……!!」

 ☆綺麗な貝殻の飾りをいただきました
  加護が少し強化されました

 ◆
854 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2025/06/02(月) 00:28:31.56 ID:Ou2z6sPO0
本日はここまでとなります

聖女と僧侶の買い物に付き合い、甘えさせてもらうあかちゃんスライムなのでした。たまにはこういう日があっても良いのかもしれません

それでは本日もありがとうございました。次回もよろしくお願いいたします
855 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2025/06/02(月) 01:08:51.54 ID:1IQmfC/Ko
おつでした
僧侶ちゃん聖女さんとこんな風ひに平和なお買い物できるなんて初対面からは想像もできなかったなぁ
……ごめん嘘僧侶ちゃんからはポンコツ敵対解除ルートが合うたび感じてた
856 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2025/06/07(土) 22:16:26.47 ID:0VYU1WqW0
僧侶氏は当初とても邪悪な差別主義者でしたが、紆余曲折あって邪悪ではなくなってしまいました。元々は妹の聖女と同様に優しさを持つ人だったのかもしれません。原理派の差別推進教育が良くなかったのでしょう。なおポンコツなのは元からだと思われます
857 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2025/06/07(土) 22:16:55.72 ID:0VYU1WqW0
―王都セイントレア

 ワイワイ ガヤガヤ

信徒「教皇様、最近頭痛が酷くて眠れないのです……。どうしたら良いでしょうか……」

教皇ユグド「頭痛とはどの辺りがどのように痛みますか?」

信徒「頭の前の方が、ガンガンと脈打つように……」

教皇ユグド「であれば、南区の薬局で市販されている痛み止めを服用するのが良いでしょう。もしそれでも治らなければ、再び私に聞きにいらっしゃい」

信徒「ありがとうございます!」ペコッ

 ワイワイ ガヤガヤ


妖精「あれが現教皇のユグド・フランシス……?」

クロシュ「ほえ……」

ローガン「……信徒たちに向けた説法……というよりは相談に乗っているのか」

ミスティ「信徒じゃないっぽい人たちもちらほらいるわね。私たちも何か聞けば答えてくれるのかしら」

クロシュ「……!」ピコン!

妖精「何か教皇に聞きたいことでも思いついたの?」

クロシュ「聖女さんたちの……お父さんのこと……聞ける……?」

妖精「あー……大司祭が行方不明になってる件は原理派絡みだろうから、穏健派の現教皇が知ってる可能性は低そうだけど……。でもロイエ教のことといえばロイエ教のことだし……」

ミスティ「最近は穏健派もキナ臭そうだし、知ってることがあるかもしれないわね」

妖精「どうする? 何か聞きに行ってみる?」


↓1〜2選択
1.大司祭について
2.カリス・ノーランドについて
3.戦争について
4.グランドマスターについて
0.自由安価(状況にそぐわないものは再安価)
858 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2025/06/07(土) 22:17:57.57 ID:Z+xY6KHd0
859 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2025/06/07(土) 22:19:22.82 ID:Xml6CoA/0
1
860 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2025/06/07(土) 22:33:37.36 ID:0VYU1WqW0
教皇ユグド「次の方」

クロシュ「……」トコトコ ペコリ

妖精「こんにちは。2つほど聞きたいことがあるんだけど、いい?」パタパタ

教皇ユグド「私に答えられることであれば」

妖精「じゃあ一つめ。知り合いの……聖女と僧侶っていう聖職者の姉妹がいるんだけど、その父の大司祭の居場所がわからないんだ。行方を知らない?」

教皇ユグド「……」


↓1コンマ
01-10 ???
11-50 グランドマスター殿が知っているかもしれません
51-90 現在捜索中です
91-00 ???
861 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2025/06/07(土) 22:35:05.32 ID:4L9jc4Pto
たかく
862 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2025/06/07(土) 22:43:41.43 ID:0VYU1WqW0
教皇ユグド「大司祭殿のことでしたら、同じく原理派であるグランドマスター殿が知っているかもしれません」

妖精「ええ……」

ミスティ「グランドマスターって……あの戦争を企てているという噂のグランドマスターよね? ちょっと関わりたくないのだけど……」

教皇ユグド「まあそう仰らず……」

妖精「せっかく話題に出たことだし、グランドマスターが企ててるっていう戦争のことについても聞いて良い?」

教皇ユグド「……」


↓1コンマ
01-10 ???
11-50 私はグランドマスター殿を信じております
51-90 現在調査中のため回答を差し控えさせて頂きます
91-00 ???
863 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2025/06/07(土) 22:44:19.63 ID:BwTiL+6vo
あー
864 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2025/06/07(土) 23:40:13.27 ID:0VYU1WqW0
教皇ユグド「……現在調査中のため、それについてはお答えできかねる……としか言えません」

ミスティ「……穏健派は関わってないのよね?」

教皇ユグド「それについてはもちろんです。ロイエのみならず、王都の方々を不安にさせるような真似は致しません」

妖精「……戦争が起きる可能性はある?」

教皇ユグド「……断定はできませんが、我々ロイエ教は悲劇を阻止する為ならばあらゆる手立てを講じる覚悟があります。この王都が戦火に包まれるような事態には決してさせないので、ご安心を」

妖精「わかった、ありがとう。後がつかえてそうだし私たちはこの辺で失礼するよ」

クロシュ「ありがと、ございました」ペコリ

 ☆大司祭についてグランドマスターに聞けばわかるかも?という情報を得ました

 ☆戦争については穏健派も現在調査中との情報を得ました

 ◆
865 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2025/06/07(土) 23:47:42.24 ID:0VYU1WqW0
―聖ヴァレリオ教会 地下壕

 格子「」
 地下水路「」サラサラ

クロシュ「わあ……!」

レイ「すごいでしょ! 地下なのに水が流れてるんだよ! しかも綺麗で冷たくて美味しい綺麗なお水! 一生暮らせる!!」

クレア「地下水路の浄水を引っ張ってきているようです。美味しいからって飲み過ぎはお腹を壊しますから、程々にしてくださいね」

レイ「も、もちろんですよォ……エヘヘ……」

クル「レイったら、すっかりクレアさんに懐いちゃって」

クレア「本当に指名手配中の凶悪犯なのか、疑わしく思えてなりません……」

 *

レイ「ああ、あのっ、クレアさんっ……! 私の住んでるとこの近くの部屋に……倉庫とか、書庫みたいのがあるんですけどっ……そこって、勝手に出入りして大丈夫なとこですかっ……!?!?」

クレア「ああ、あの辺りですか……。あの辺は私もまだしっかり調べたわけではないので、崩落などの危険も万が一ありえますので勝手に出入りするのは推奨できないのですが……」

レイ「そ、そうですかぁ……」ガックリ

クレア「私と一緒に調査を行い、安全性を確認できたら自由に出入りしても良いとしましょう」

レイ「!!」

クロシュ「わあ……!」

クレア「ただし、中のものを持ち出す場合には一度私に見せてくださいね。ここの聖ヴァレリオ教会の一部ですので」

レイ「もも、もちろんですっ! クレアさんにお任せしますっ!!」

クル「宝探しかぁ……ふふ、なんだか面白くなってきたね」

クロシュ「うん!」


↓1コンマ
01-40 収穫なし
41-70 年代物のワイン
71-90 オリハルスライムの欠片
91-98 不定形のプルプル
99-00 不定形の大きなプルプル

↓2コンマ
01-40 収穫なし
41-70 美味しいキノコ
71-90 世界樹の琥珀
91-98 黄金のカニ飾り
99-00 古代カニの化石

↓3コンマ
01-40 収穫なし
41-70 パスタのレシピ
71-90 秘伝パスタのレシピ
91-98 ??
99-00 ??
866 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2025/06/07(土) 23:48:26.23 ID:Z+xY6KHd0
867 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage ]:2025/06/07(土) 23:49:54.21 ID:qlZ4KxaKO
868 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2025/06/07(土) 23:51:07.74 ID:BwTiL+6vo
869 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2025/06/08(日) 00:06:49.50 ID:N69p16ex0
 割れた壺「」
 空き瓶「」
 毒キノコ「」

クル「大したものはなさそうかなあ……」

レイ「で、でもこの壺とか良い感じじゃない……!? 割れてるけど……」

スライムクロシュ「〜〜」モニョモニョ モグモグ
 毒キノコ「」モグモグ

クレア「クロシュさん……!? それは毒キノコです、食べてはいけません!」

スライムクロシュ「〜〜」モニャニャ

クル「クレア先生、クロシュちゃんって毒でもなんでも大丈夫みたいです」

クレア「ええっ……!? そ、そうなのですか……? クロシュさん、本当になんともありませんか?」

スライムクロシュ「〜〜♪」モニョモニョ

 *

 古びた机「」

クレア「おや……? この机だけ使われていた形跡が……」

レイ「ひ、引き出しの中を見てみましょう!」ガラッ

 古びた手書きのレシピ帳「」ポン!

クル「これは……手書きのレシピ帳?」

クレア「この字……聖ヴァレリオの筆跡と似ている……!? もしかしてこのレシピ帳は――」ペラッ

 ペラッペラッ
 レシピ帳『秘伝パスタの作り方』ドン!

クレア「……!! 間違いない……これは聖ヴァレリオの没後、行方不明となっていた彼のレシピ帳!!」

クロシュ「わあ……!!」

クレア「持って帰りましょう……これは国宝級のパスタレシピです!」

レイ「わ、わぁ〜」

クル「……聖ヴァレリオって、素パスタを喜んで食べてた人じゃありませんでしたっけ……」

 ☆クレアが秘伝パスタのレシピを手に入れました

 ◆
870 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2025/06/08(日) 00:09:07.49 ID:N69p16ex0
本日はここまでとなります。次回もよろしくお願いします
871 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2025/06/08(日) 02:14:44.65 ID:aB/t1czmo
おつでした
地味だけどかなり強い特性だよな>毒無効
872 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2025/06/08(日) 05:13:29.96 ID:vkVjBa9Bo
おつ
募集案そのままなら彼はヴィーガンっぽいから
野菜だけを使ったレシピかもしれない
873 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2025/06/08(日) 18:59:07.29 ID:N69p16ex0
毒無効はスライム類であれば大体持っている特性の一つです。毒を受けると性格が変化するスライム(ウォータースライムのシズクさん等)も時々いますが、生命活動に問題が生じるケースはほとんどないようです(性格の変化によって普段と異なる行動を取り、その結果として被害が生じることはあるかもしれません)

聖ヴァレリオ氏は動物の肉を食すことを嫌ったとされています。それが食べ物の好みによるものだったのか、哲学的信念による選択だったのかは今のところはっきりとわかっておらず、しばしば議論されたりされなかったりしているようです。そしてその秘伝パスタレシピも、お肉を使わないものである可能性が極めて高いと思われます
874 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2025/06/08(日) 18:59:34.23 ID:N69p16ex0
―王都セイントレア 滞在10日目

◇クロシュ [あかちゃんスライム]
武:星霊の剣     盾:ラティアの大盾  飾:くすんだ耳飾り
武:竜珠の大杖    防:竜のエプロン   飾:不死鳥の羽根

◇妖精   [世話焼き妖精]
武:         盾:         飾:くすんだ耳飾り
武:         防:精霊のレオタード 飾:

◇イリス  [星の魔法使い]
武:蒼き星の杖    盾:         飾:くすんだ耳飾り
武:ブラッドランス  防:魔術師のローブ  飾:

◇ミスティ [氷の魔法使い]
武:氷の短刀     盾:         飾:くすんだ耳飾り
武:         防:氷竜革のローブ  飾:

◇ローガン [鋼の戦士]
武:蜥蜴一文字    盾:灼鋼の盾     飾:くすんだ耳飾り
武:鋼の回転ノコギリ 防:オリハル鎖帷子  飾:

◇エバンス [地の傭兵]
武:古代の鉄槌    盾:         飾:くすんだ耳飾り
武:魔銀の刀     防:硬質革鎧     飾:

◯所持アイテム
[道具]        [装備品]       [大事なもの]
運命賽*2       蜘蛛絹の下着      魔族国永久旅券
会心賽*1       ザリガニのお守り    フメイの服の切れ端
反魂丹*1       大きな巻き貝      精霊の印
鉄鍋+携帯調理器具   闇の欠片        精霊樹の実のジャム
「星の魔力」上中下   フリルワンピ水着    精霊樹の鉢植え+赤雷球
お宿の妖精の織物    魔法学園のスク水    フメイとアリシラの人形
魔導飯盒        ガラスのザリガニ    メルルの帽子
妨害魔力波発生装置   踊り子の双剣      溶岩石のアミュレット
属性大全        サボテンドラゴンの花  太陽のメダリオン
魔王図鑑        精霊のローブ      暗黒優待券
氷精の魔導書      精霊樹の杖[改]    冒険者証(ランク1)
ブラッドワイン*1   銀のナイフ       大魔女帝国渡航権
吸血鬼殺ワイン*1   ダイヤメリケンサック  かたたたきけん
魔術書「正負の属性」  パラサイトソード    大魔女帝国滞在許可証
吸血鬼の日焼け止め               風船印のパラシュート
日蝕の傘                    ラティア勲章
大魔女サイン*1                ユーシリア王家の紋章
古代のセラミック
ステライト鉱石
晴れ乞い傘
チョコスムージー
ヒヒイロカネ
氷魔力結晶
魔導書「絶対零度」

◯現在の目標
・フメイちゃんを探す
・世界樹の光を追う[4/5]
・最悪の未来を阻止する

◯努力目標
・カリスに造られた者たちを助ける
・戦争を阻止する
・大司祭を探す
・枢機卿の悪事を暴く(達成!)
・レイの行方を追う(達成!)

◯仲間の目標
・カリス・ノーランドを討つ(ミスティ)

◯経験値
・クロシュ 剣技[03/07] 魔法[06/07] 防御[00/07] 再現[2/3]
・イリス  杖術[02/06] 魔法[15/16]
・ミスティ 剣技[05/07] 魔法[11/16]
・ローガン 剣技[16/16] 魔法[06/08] 防御[07/08]
・エバンス 剣技[16/16] 魔法[07/08]
……………………………………………………………………………………
□王都セイントレア
王城:未探索
城下:教会、孤児院、市場、食事処、酒場、浴場、娼館、冒険者ギルド
   中央広場、公園、学校、図書館、博物館、劇場、闘技場、未探索
……………………………………………………………………………………
□セクリエ・ロイエ
大聖堂、大聖堂別館、美術館、庭園、お土産屋、未探索、他
……………………………………………………………………………………
875 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2025/06/08(日) 19:00:00.24 ID:N69p16ex0
―朝
 聖ヴァレリオ教会 宿泊室

 窓「」ヒュルルッ

風の精霊『伝言だよ〜』ヒュルヒュル

妖精「ん〜? こんな朝早くに誰から?」ノソ

風の精霊『使徒から!』

妖精「えっ!?」

 *

ミスティ「……それで、風の精霊はなんて?」

妖精「原理派の僧兵と王国兵の連合軍は既に進軍準備に入っており、今日から5日後に魔族国へ攻撃を仕掛ける作戦だって……。招集される戦力の中にはカリスに造られた奴らも入るみたい。もちろん、セインとフリューゲルも……」

クロシュ「!!」

ローガン「まずいな……大魔女も力を貸してくれるそうだが、カリスが関わるとなると……」

ミスティ「しかも5日後ですって……? 預言の日とかぶっているじゃない……」

エバンス「世界めくれと開戦が同時に起こればとんでもないことになりそうだな……」

妖精「うん……。その二つが同時に勃発することだけは避けたい。どちらか片方でもとんでもないんだから」

クロシュ「……セインさんたちを……逃がせれば……」

エバンス「ああ。セインたちが戦争に関わらなければ、連合軍の練度は低いみたいだし作戦は失敗すると思うぞ」

ローガン「逆に言えば……もし開戦前に連合軍を瓦解させられたとしても、セインくんたちの参戦を阻止しなければ最悪の可能性が消えることはないとも言えるかもしれん……」

イリス「そうですね……。セインくんたちを逃がして、戦争の勃発も阻止して、誰も血を流さないで済むようにできれば一番良いんですけど……」

ミスティ「5日後だから……実質的なタイムリミットはあと4日ね。それまでにどうにかできないと、王国も魔族国もただでは済まないわ……」

クロシュ「……!」グッ

王都セイントレア滞在10日目。15日目に戦争と何かが起こりそうです
↓4〜6 自由安価 何をする?
876 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2025/06/08(日) 19:14:41.35 ID:aB/t1czmo
セイン達を開放するのが手っ取り早いっぽい?
877 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2025/06/08(日) 19:17:10.69 ID:QG4QAgwk0
再現魔法の練習
878 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2025/06/08(日) 19:17:33.37 ID:DoW6Xcb6O
今までの地方から励ましの手紙が届く
879 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2025/06/08(日) 19:17:38.72 ID:jrpXXxZi0
ミスティ、家庭教師の依頼に挑戦
880 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2025/06/08(日) 19:17:49.45 ID:1Mvmd047O
イリス ザックと模擬戦して槍術と杖術を強化
881 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2025/06/08(日) 19:18:13.20 ID:B34sqv1po
再現を完全にマスターして、伝説スライムの一端を覚醒させる
882 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2025/06/08(日) 20:33:36.27 ID:N69p16ex0
―冒険者ギルド 王都支部

ローガン「これを見て欲しい」ペラッ

 依頼書『家庭教師募集 未経験不可』

クロシュ「?」

ミスティ「家庭教師募集の依頼書? それがどうかしたの?」

ローガン「これの依頼人だ」

 依頼書『依頼人:ハンタイハス・キゾクィス』

ローガン「このキゾクィス家は、この王都において差別反対や戦争反対運動を支援している数少ない貴族の一つだ」

ミスティ「えっ? 貴族なのに反対しているの?」

妖精「王に粛清とかされないの?」

ローガン「アルベール王の他種族に対する苛烈さや歴代でも有数のものだが、同時に国民への寛大さも極めて高いと言われている。その寛大さは当然貴族たちにも適応されるわけでな」

ミスティ「反対運動をしていても多目に見てもらえるということね」

妖精「歯牙にもかけていないとも取れそう」

ローガン「うむ……実際この王国内では、どれほどの大貴族であろうと王族の小指の先程度にも及ばぬ。そうであるが故の寛大さ、余裕とも言えるだろうな」

ミスティ「……それで、この反対派貴族の家庭教師依頼をどうするの?」

ローガン「うむ……これに応募してこの貴族と接触を図り、反対派運動に一枚噛んでみる――というのはどうだろうか?」

妖精「なるほどね……でもこれ、未経験不可って書いてあるよ。ローガンって家庭教師経験とかあるの?」

ローガン「……妖精くんは? 太母と言われるくらいなら……」

妖精「いや私妖精だし……人間に教えるべき知識なんてないし、家庭教師なんてのもやったことないよ」

ローガン「……ミスティくんは?」

ミスティ「あるわけないでしょ……」

クロシュ「……」

ローガン「クロシュくんは……聞くまでもないか……」

妖精「ローガン……もしかして未経験不可って文字が見えてなかった?」

ローガン「……面目ない」

ミスティ「ローガンさんでもこんな失敗をすることがあるのね」

妖精「でもまあローガンは元騎士のおじさんだし、経験ありますって言い張れば誤魔化せるんじゃない?」

ローガン「う、うむ……であればここは私が――」

クロシュ「!」

ミスティ「クロシュ? どうしたの?」

クロシュ「……ここ……」

 依頼書『追記:男性不可』

ローガン「なんだと……」

 *

ミスティ「というわけで私が行くことになってしまったわ……」

妖精「でも男性不可なんて依頼ちょっと胡散臭いし、やめた方が良いんじゃない……?」

ローガン「うむ……私としても、ミスティくんに危険な橋を渡って欲しくはない」

ミスティ「でも反対派の貴族と接触できればいろいろ便利かもしれないわ。危なかったら凍らせて逃げるから大丈夫」

ローガン「貴族に怪我を負わせるのも困るのだが……」

ミスティ「まあまずは面接からよ。落ちればどうしようもないし、気楽にいきましょう」

↓1コンマ
01-60 落ちた
61-90 受かった
91-00 ??
883 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2025/06/08(日) 20:40:07.55 ID:9scvViMZ0
はい
884 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2025/06/08(日) 21:18:22.86 ID:N69p16ex0
受付嬢「……厳正な審査の結果、誠に残念ながら不採用とさせて頂きます。ミスティ様の今後のご活躍を心よりお祈り申し上げます……とのことです」

クロシュ「わ……」

ミスティ「まあ……それはそうなるわよね……。でもちょっと落ち込むわ……」

ローガン「……すまぬ」

妖精「まあまあ……反対運動に関わる方法はこれだけじゃないんだから、他の方法を探そう」

ローガン「うむ……。家庭教師の募集に対して、反対派だからと下心を持って応募するというのがそもそも良い行いではなかったな。本当にすまぬ」

ミスティ「いえ、別に良いわ……。でもそう考えると、落ちて良かった気がするわね」

 ◇

―聖ヴァレリオ教会

ザック「備品の搬入終わったぜ!」

クレア「ありがとうございます」

イリス「花壇の水やり、終わりました〜」

クレア「イリスさんもありがとうございます」


ザック「……聞いたぞ? 君があのダークヒーローイリスなんだってな」ヌッ

イリス「えっ……!?」

ザック「というわけでここは一つ、手合わせ願おう! 光のヒーローことこのザックと、闇のヒーローである君の、どちらがよりヒーローなのか……決着を付けようじゃないか!」

イリス「ええ……」

クレア「ザックさん……イリスさんを困らせないで仕事に戻ってください。司教に言いつけますよ」

ザック「うっ……す、すまない。それでは……」スッ

イリス「いやまあ……模擬戦くらいならいいですけど……」

ザック「おっ本当か!?」

クレア「はぁ……ザックさん、くれぐれもイリスさんを怪我させないでください」

ザック「当然だ!」

クレア「イリスさんはザックさんを怪我させてもいいです。いつものことなので」

イリス「ええっ……!? い、いやいや……怪我はさせませんよ、こっちも!」

↓1コンマ
01-35 敗北
36-45 引き分け
46-90 勝利
91-00 会心
885 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2025/06/08(日) 21:22:36.73 ID:QG4QAgwk0
886 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2025/06/08(日) 21:52:07.78 ID:N69p16ex0
―セイントレア平原

 高圧血流「」ドギュウウウッ!!

ザック「ぐわーッ!」ドッギャァァァン!!


イリス「はあ、はあ……! ど、どうだ!」シャキン!


ミラ「勝者、イリスさん。お疲れ様でした」パチパチ


血溜まりに沈むザック「」


ミラ「……ザックさん血まみれだけど大丈夫?」

イリス「あれは水魔法で作った血っぽい液体で、ザックさん自身の血ではないので……多分大丈夫……のはず……」

 *

ザック「負けた……!」

イリス「接近戦に持ち込まれたら危なかったので……。でも血魔法、非殺傷魔法としてもけっこう使えそうですね」

ミラ「水魔法とは違うのかな?」

イリス「私はまだそれほど使いこなせてないけど、凝固度をもっと上手に調整できれば固体や半固体の物質としても扱えそうなの。水よりもサラサラしてないから、似てるように見えて使い方は全然違いそうな感じ」

ミラ「へえ……でも血を操るってかっこいいね。吸血鬼みたいだ」

イリス「吸血鬼の方からお借りした槍を使ってるから、あながち間違ってはいないかも……」

ザック「吸血鬼の操血術だったとは……ダークヒーローの噂は本当だったのだな!」

イリス「いや、どんな噂ですか……」

 ☆勝利により魔法経験と近接経験をそれぞれ+1獲得しました

 ☆イリスの魔法レベルが1上がり、上限に達しました

 ◇
887 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2025/06/08(日) 21:53:09.17 ID:N69p16ex0
―午後
 聖ヴァレリオ教会 庭

 日差し「」キラキラ
 花壇「」
 咲いた花「」ユラユラ

スライムクロシュ「……」


エバンス(お……再現ってやつの練習か)

妖精(そうみたい。集中してるみたいだから、そっと見守ろう)

エバンス(おう)


スライムクロシュ「……」

ちょうちょ「」ヒラヒラ…ピト

スライムクロシュ「……」


↓1コンマ(スライム技能+80、一度できた+40、最難関技-100)
01-10 失敗
11-90 成功(3/3)
91-00 ??
888 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2025/06/08(日) 22:06:39.63 ID:aB/t1czmo
成功のその先へ!
889 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2025/06/08(日) 23:05:55.77 ID:N69p16ex0
スライムクロシュ「……」モニョモニョ…グググ…


 潮騒の音「」サァァァ… ササァァン…


妖精「!」

エバンス(……波の、音……?)


スライムクロシュ「……」モニョニョニョ…
 生えてくる巻き貝「」ググググ…


 ポン!!!!


再現タニシクロシュ「〜〜!」モニョニョ


妖精「ウミタニシ……!! でも、同化じゃないんだよね……!?」

エバンス「あ、ああ! 見ろ、貝殻ならこっちにある!」

 大きな巻き貝「」ゴロン

妖精「ということは……クロシュ、貝殻なしでウミタニシとの同化と同じ力を……再現したんだ!」

再現タニシクロシュ「〜〜!」モニョモニョ

エバンス「すげえぞ! これで、カリスの奴に捕まってる子たちのことも再現できりゃあ……!」

妖精「うん! 呪いの解明に一気に近づく……!!」


再現タニシクロシュ「〜〜…」モニョニョ…

 グググ…デロデロ…

スライムクロシュ「」デロロ…


エバンス「おおっ……!? ど、どうしたんだ……!? 溶けちまったぞ……!?」

妖精「……本来は同化に必要な物質なしに力を再現するわけだから、たぶん通常の同化よりもかなり疲れるんだと思う。ウミタニシの貝殻は同化における燃費が軽い方の物体だったと思うけど、それでもこの短時間で限界になっちゃうくらいには……」

エバンス「マジか……」

半スライムクロシュ「うん……。おなか、すいた……」モニョモニョ…

妖精「となると……強力な属性を身に宿す各属性スライムや光の精霊は燃費が悪くなりすぎてもっと厳しいだろうし、不死鳥の羽根は言わずもがな……。基本的には手元にある物体を使って、どうしても手元にないものと同化したい時にだけ再現を使うのが良いのかも」

半スライムクロシュ「うん……」モニョ

妖精「とりあえず今は、カリスのとこにいた誰かを再現して大魔女に診てもらうのが最優先かな?」

半スライムクロシュ「ん……!」モニョニョ

 ☆クロシュがスライム奥義再現≠習得しました
  燃費が悪く、通常の同化よりもお腹が減りやすいです

 ◆
890 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2025/06/08(日) 23:08:06.24 ID:N69p16ex0
―翌朝
 大聖堂別館 中庭

 チュンチュン

ちびスライムクロシュ『さいげん、できた……!』モニョニョ

セイン「! 本当か……!」

黄スライム『んわわ〜!』キャッキャ

灰スライム『すごい……』モニョニョ

フレア「クロシュちゃん、ほんとにすごいスライムなんだあ……」

セイン「それじゃあ……僕たちとも同化できるか?」

ちびスライムクロシュ『ん!』モニョ

フリューゲル「万全を期す為には全員と同化して覚えていった方が良いわ。もし一人ひとり呪いの仕様が異なるものだったら、一人だけを解析できてもその一人しか助からない」

灰スライム『……生きてるものとの同化はちょっと危ないけど……でも、再現を使えるほどのクロシュなら大丈夫かな……?』

黄スライム『ボクたちが抵抗しなければ大丈夫だよ!』

 ◇

 デロデロ…モニョモニョ…ポン!

ちびスライムクロシュ『おぼえた……!』モニョモニョ

灰スライム『ふわ……同化されるのって……なんか、ヘンな感じ……』モニャニャ…

フリューゲル「お疲れ様、クロシュさん……。あとは――」


アイス「……」


セイン「アイス……できれば、お前も……」

アイス「やだ……。クロシュと同化なんて……きもちわるい……」

ちびスライムクロシュ「〜〜…」デロロ…

フレア「あ、アイスちゃん! 言っていいことと悪いことがあるよっ……!!」

アイス「ふん……」

セイン「アイス……」

アイス「………セインたちには……ちょっとだけ、せわになったから……カリスに、つげぐち……しない……。でも……もう、なかまじゃ……ない……」

セイン「……」

アイス「……カリスの……ペットは……アイスひとりで、じゅうぶん……」

黄スライム『で、でもアイスちゃん……カリスは、アイスちゃんに酷い呪いをかけてて……クロシュちゃんは、それを解こうとしてくれてるだけなの……!』

アイス「よけいなおせわ……。いらない……」


フリューゲル(……もし私たちが脱走して……ここにアイス一人になったら……アイスはたった一人で、カリスの実験台となり続けることになる……。セインが守ることもできないから……きっと、その未来は……)


ちびスライムクロシュ「……」


どうしよう……
↓1選択
1.がんばって説得する(↓1コンマ81以上で成功、10以下で大失敗)
2.今回は引き下がる……
0.自由安価(状況にそぐわないものは再安価)
891 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2025/06/08(日) 23:12:39.43 ID:9scvViMZ0
無理はよくないから
2
892 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2025/06/08(日) 23:12:44.98 ID:aB/t1czmo
……会心賽使い所かも
すみません今回1選択でコンマに会心賽使えますか?
893 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2025/06/08(日) 23:20:06.16 ID:N69p16ex0
会心賽は使えます……が、今回は無理をせず引き下がることとなりました。慎重さを覚えたクロシュ氏なのでした
894 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2025/06/08(日) 23:20:40.26 ID:N69p16ex0
ちびスライムクロシュ(……へたなこと言ったら……よけいに嫌がらせちゃうかも……)


ちびスライムクロシュ『……』モニョニョ…

セイン「……クロシュ、すまない。ひとまず今は、今覚えた分の再現を大魔女に診てもらって欲しい」

ちびスライムクロシュ『うん……』モニョニョ…

セイン「アイスについては……少し時間をくれ。こちらでもできることを探してみる……」

ちびスライムクロシュ『……わかった……』モニョ…

 ☆セイン、フレア、黄スライム、灰スライム、フリューゲルの再現を覚えました

 ◇

王都セイントレア滞在11日目。15日目に何かが起こります
↓1〜3 自由安価 何をする?
895 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2025/06/08(日) 23:21:49.47 ID:DoW6Xcb6O
ダークヒーローイリス、奴隷解放組織からスカウトされる
896 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2025/06/08(日) 23:25:23.36 ID:vkVjBa9Bo
早速呪いの解析を
897 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2025/06/08(日) 23:25:25.28 ID:QG4QAgwk0
グランドマスターに大司祭の事を聞いてみる
898 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2025/06/08(日) 23:25:54.52 ID:GSAt6mWLO
地力を上げる修行回
899 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2025/06/08(日) 23:47:06.64 ID:N69p16ex0
―朝
 聖ヴァレリオ教会 宿泊室

ちびスライムクロシュ「〜〜!」ピョンピョンピョン

妖精「帰ってきた!」

スライムクロシュ「〜〜!」モニョニョ

 デロデロ…モニョニョ…

 *

クロシュ「……アイスちゃん以外は……再現、できそう……」

ミスティ「アイスは……あの銀髪の少女よね……」

クロシュ「うん……。カリスのこと……すきだって……」

イリス「カリス・ノーランドめ……! 洗脳して自分を好きにさせるなんて、卑劣な真似を……!」ググッ

妖精「でも生きてる相手と同化する場合、相手が嫌がってるとすごく危ないんだよね……。困ったね……」

クロシュ「うん……。セインさんが……できること、考えてくれるって、言ってたけど……」

イリス「……セインくんって優しいし……前に話した感じだと、たぶん自分よりもその子たちのことを大事にしてるから……」

ミスティ「……最悪、アイス以外を逃がしたら自分だけアイスと一緒に残るなんて言い出しかねないわね」

クロシュ「……」

妖精「うう〜ん……」

 コンコン ガチャッ

クレア「イリスさん宛にお手紙です」

イリス「えっ、私に?」

クレア「はい……しかし差出人が書かれていないので、お気を付けください。魔力や刃物の類は込められていないので、その手紙自体に危険はないかと思いますが……」

イリス「な、なんだろう……。とりあえずありがとうございます」

クレア「いえいえ。困ったことがありましたらいつでも相談してくださいね。それでは」

 ガチャ パタム

 イリス宛の手紙「」

ミスティ「……で、その手紙は何なのかしら?」

妖精「とりあえず開けてみれば? 危険はないみたいだし」

イリス「そ、そうだね!」


↓1コンマ
01-30 過激派奴隷解放組織
31-60 零細奴隷解放組織
61-90 貴族主催奴隷解放組織
91-00 ???
900 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2025/06/08(日) 23:49:09.71 ID:GSAt6mWLO
901 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2025/06/09(月) 00:16:31.10 ID:11w6ajvR0
 手紙『突然のご連絡、どうかお許し頂きたい。こちらにかの高名なダークヒーローイリス殿が宿泊なさっているとお聞きし、この度書簡を送らせていただくことに――』


ミスティ「前置きが長いわね……」

イリス「でもこのやけにもったいぶった書き方って……」


 手紙『――ということで、是非ともダークヒーロー殿の一助を頂きたく願います。もし賛同の意を表して頂けるのであれば、本日昼に中央広場にて行われる反対運動にイリス殿もお越しください。よろしくお願い致します。ハンタイハス・キゾクィス&ハンナ・キゾクィス』


ミスティ「……ん? この署名……」

妖精「ローガンが言ってた反対派貴族の名前だ」

イリス「ええっ!? お貴族様がなんで私なんかを……!?」

妖精「反対運動を加速させる為にダークヒーローイリスの影響力が欲しいんじゃない? ほら、ダークヒーローイリスってけっこう実績があるし」

ミスティ「そうね……今までに巡ってきた国々で、ダークヒーローは多くの命を救ったり、致命的な差別や迫害を鎮めて来たりしたわ……」

妖精「うん。それにこちらとしても都合が良いかも。反対運動を激化させられれば、王国軍やグランドマスターをさらに弱体化させられるかもしれないし」

イリス「な、なるほど……。じゃあ行ってみようか、お昼の反対運動に……」

クロシュ「うん!」

クローディア「クロシュはお留守番よ。覚えてきたものをしっかり私に見せる為にね」ヌッ

クロシュ「わ!」

イリス「大魔女様!」

ミスティ「出たわね……」

クローディア「話はわかっているわ。各々ができることをやっていきましょう。それが最善の未来に繋がるはずよ」

妖精「話が早いのは助かるけど前触れなく部屋の中に現れないで欲しいかな……」

 ◇
902 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2025/06/09(月) 00:16:58.33 ID:11w6ajvR0
本日はここまでとなります。次回もよろしくお願いいたします

コンマ判定が絡むところでは、会心賽は使えるものと思って頂いて大丈夫です。アイスさんについてはまだ運命が確定したわけではないので、今後の行動次第で未来は広がります。残り日数は少ないですが有意義な行動を心がけていただければ良いと思います
903 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2025/06/09(月) 02:10:36.88 ID:aLW4VmCoO
おつ。
次こそは修行回をとって経験値を入れたいな。
大きな戦闘に備えてレベルアップできるところはしておきたい。
904 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2025/06/09(月) 14:39:03.27 ID:wltj3ZyY0
乙です。
廃城で入手した魔導書はじめデッドストックになりかけてるアイテムもいくつかあるから何とか活用していきたいな。
905 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2025/06/14(土) 21:44:44.95 ID:+LD9ujjH0
預言の日への備えについては、個々の戦闘力よりも具体的な情報や対策の方が効果が大きいです。訓練をすれば経験を積むことはできますが、残り日数は限られているので他のことをした方が良いかもしれません

拾ったアイテムについては、実用品というよりは実績とか記念品に近いものが多いので無理に活用する必要はありません。魔導書の類は読めば属性レベルが上がりますが、残り日数は限られているので他のことをした方が良いかもしれません
906 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2025/06/14(土) 21:45:12.20 ID:+LD9ujjH0
―聖ヴァレリオ教会 宿泊室

 モニョモニョ…ポン!

再現灰スライムクロシュ「……」モニョニョ

妖精「灰色のスライム……ストーンスライムに似ているね。地属性の力も感じられる」

再現灰スライムクロシュ『そうなんだ……』モニョニョ

クローディア「クロシュが覚えてきたものはこれで全部?」

再現灰スライムクロシュ『うん……』モニョ

妖精「どう? わかりそう?」

クローディア「ええ。予想通り、一人一人僅かに異なる呪いがかけられていたわ。事前に見ておいて正解だった」

 モニョモニョ…ポン

クロシュ「みんな、たすかる……?」

クローディア「助けるわ。ただ、あなたやフメイにかけられていたものよりもかなり複雑で厄介な呪いみたいなのよね。今すぐに全員分の解呪術式を用意してあげるのは難しいわ……」

クロシュ「……えっと……もう一人……アイスって、子が……いて……」

クローディア「わかっているわ。あの溶けた氷魔力の持ち主でしょ? 今あなたが見せてくれた中には、氷魔力を持つ姿がなかったから」

クロシュ「………その子も……助けたい……。だから……えっと……」

クローディア「再現して見せてくれれば、必ず助けるための術式を組むわ。あとは――あなたの頑張り次第よ」

クロシュ「……! うん……!」


妖精「ところで今わかった分の術式はいつ完成するの?」

クローディア「3日後の夜には完成させられると思うわ」

妖精「3日後の夜って、開戦予定日の前夜だよ! もうちょっと早くできない!?」

クローディア「無理。これでもかなり限界なのよ……。文句を言うなら、大魔女をここまで手こずらせそうな呪いを作り上げたカリスに言って頂戴」

妖精「後からアイスの分を追加なんてしたら後ろにズレたりしない?」

クローディア「大魔女の誇りにかけて、必ず3日後の夜には完成させるわ。アイスの追加があっても絶対に間に合わせる。だから安心して」

妖精「わ、わかったよ。クロシュもわかった?」

クロシュ「うん……! 間に合ったら……間に合う……!」

 ☆3日後の夜(滞在14日目の行動終了時)に解呪の術式が完成し、救出イベントへ移行します

 ※それまでにアイスを説得できたかどうかにより、運命が大きく変化する可能性があります

 ◆
907 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2025/06/14(土) 21:45:42.99 ID:+LD9ujjH0
―王都セイントレア 中央広場

 ワーワー ギャアギャア

戦争反対派「グランドマスターは戦争をやめろー!」

奴隷反対派「奴隷を解放せよ!」

 ワーワー ギャアギャア



クロシュ「わあ……」

妖精「けっこう派手にやってるなあ」


イリス「あ、クロシュちゃん! 妖精さん!」

エバンス「大魔女の検診は終わったのか?」

妖精「うん。3日後の夜までにはなんとかするってさ」

エバンス「ギリギリだな……」

妖精「そっちは? 奴隷解放組織と話してきたんでしょ?」

エバンス「おう。都合の良い時で構わないから、ダークヒーローイリスとして演説とかしてくれると助かるってさ」

イリス「ど、どうしよう……?」

妖精「まあ……都合の良い時にやれば良いんじゃない? この王都でダークヒーローイリスの名声がどこまで通用するかは知らないけど」

エバンス「悪の人間を裏切って魔族に付いたダークヒーロー……って設定なんだよな。王都民ウケがどうかはちょっと判断が付かないが……」

イリス「そういえばそんな設定でした……」

 ☆ダークヒーローとして活動する際、貴族主催奴隷解放組織の後方支援を受けることができます

 *
908 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2025/06/14(土) 21:46:08.56 ID:+LD9ujjH0
過激反対派「ロイエ教の恥!」
過激反対派「レイシズム野郎!」
過激反対派「グランドマスターは謝罪しろ!」

 石「」ポイポイ
  石「」ポイポイ

グランドマスター「愚民共が……!」サッサッ



妖精「ところであそこで石を投げられているのは……」

イリス「グランドマスターだね……」

クロシュ「! 聖女さんと、僧侶さんの……お父さんのこと……」

エバンス「あいつに聞けって話だったな!」

クロシュ「うん……!」

妖精「でもあのグランドマスターが素直に教えてくれるかどうか……」

イリス「とにかく聞くだけ聞いてみよう!」

 *

クロシュ「……グランドマスター、さん……」ヒョコッ

グランドマスター「……チッ、貴様ら……何の用だ」

妖精「大司祭ってやつの行方を知らない?」

グランドマスター「は? なぜ貴様らが奴のことなど……」

クロシュ「えっと――」


エバンス(待てクロシュちゃん、こいつに余計な情報を与えるな)

クロシュ(……!)

エバンス(俺たちが聖女や僧侶と繋がりがあるなんて知ったら、こいつは彼女たちに危害を加えるかもしれない。だからその辺りの事情は話さない方が良い)

クロシュ(う、うん……!)


グランドマスター「ハッ、人にものを聞いておきながらこそこそ密談ですか? この枢機卿を相手に失礼な輩がいたものです」

妖精「あなたはもうそんなに偉ぶれる立場でもないと思うけど……」

グランドマスター「フン、貴様たちのせいでね。で、大司祭のことでしたか?」


↓1コンマ
01-60 どこでしょうね?
61-90 教えて差し上げましょう
91-00 ???
909 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2025/06/14(土) 21:48:43.28 ID:vIgojprLo
???
910 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2025/06/14(土) 22:08:54.68 ID:+LD9ujjH0
グランドマスター「どこでしょうね?」

エバンス「おい、知っているなら――」

グランドマスター「なぜあなた方の要求に応じる必要が? 敵に塩を贈る趣味はありません」

イリス「……知ってはいるんですね?」

グランドマスター「クク……クックック……ファーッハッハッハ!」

妖精「ちょ、いきなり何……!? 気が狂ったの……!?」

グランドマスター「ククク……失礼。あなた方が彼を探しているということが、あまりにも面白かったものでね」

エバンス「……どういうことだ?」

グランドマスター「彼は殺されたんですよ。他でもない――あなた方の手でね!!!!」

クロシュ「!?」

妖精「は、はあ……!? 何を言ってるの!?」

グランドマスター「私から教えられることはこれだけです。ハハッ、無益な人探しご苦労様でしたね! それでは!」スタスタ


クロシュ「……」

 デロデロ…

スライムクロシュ「」デロロ


イリス「ああっ、クロシュちゃん……! あんな奴の言うこと信じちゃだめ!」

エバンス「そ、そうだぞ! 大体、俺たちが大司祭を殺したなんてありえないだろ!」

スライムクロシュ「……」モニョニョ…


妖精(でも、あのグランドマスターの様子……本気で私たちのことを嘲笑っているようだった……)

妖精(……虚言にしては……あまりに、真に迫りすぎている……)

妖精(どういうこと……? あのグランドマスターの気が狂っているのか……)

妖精(それとも……まさか、本当に私たちが……?)

妖精(いや……エバンスの言う通り、ありえない。ありえないはず……)

 ☆大司祭をクロシュたちが殺した?という真偽不明の情報を得ました

 ◆
911 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2025/06/14(土) 22:27:19.93 ID:+EcldYH+O
もしかしてクロシュが食べた聖域の精核の中に大司祭がいた?
色々な色の精核があったし
912 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2025/06/14(土) 22:52:09.98 ID:+LD9ujjH0
―王都セイントレア 滞在12日目

◇クロシュ [あかちゃんスライム]
武:星霊の剣     盾:ラティアの大盾  飾:くすんだ耳飾り
武:竜珠の大杖    防:竜のエプロン   飾:不死鳥の羽根

◇妖精   [世話焼き妖精]
武:         盾:         飾:くすんだ耳飾り
武:         防:精霊のレオタード 飾:

◇イリス  [星の魔法使い]
武:蒼き星の杖    盾:         飾:くすんだ耳飾り
武:ブラッドランス  防:魔術師のローブ  飾:

◇ミスティ [氷の魔法使い]
武:氷の短刀     盾:         飾:くすんだ耳飾り
武:         防:氷竜革のローブ  飾:

◇ローガン [鋼の戦士]
武:蜥蜴一文字    盾:灼鋼の盾     飾:くすんだ耳飾り
武:鋼の回転ノコギリ 防:オリハル鎖帷子  飾:

◇エバンス [地の傭兵]
武:古代の鉄槌    盾:         飾:くすんだ耳飾り
武:魔銀の刀     防:硬質革鎧     飾:

◯所持アイテム
[道具]        [装備品]       [大事なもの]
運命賽*2       蜘蛛絹の下着      魔族国永久旅券
会心賽*1       ザリガニのお守り    フメイの服の切れ端
反魂丹*1       大きな巻き貝      精霊の印
鉄鍋+携帯調理器具   闇の欠片        精霊樹の実のジャム
「星の魔力」上中下   フリルワンピ水着    精霊樹の鉢植え+赤雷球
お宿の妖精の織物    魔法学園のスク水    フメイとアリシラの人形
魔導飯盒        ガラスのザリガニ    メルルの帽子
妨害魔力波発生装置   踊り子の双剣      溶岩石のアミュレット
属性大全        サボテンドラゴンの花  太陽のメダリオン
魔王図鑑        精霊のローブ      暗黒優待券
氷精の魔導書      精霊樹の杖[改]    冒険者証(ランク1)
ブラッドワイン*1   銀のナイフ       大魔女帝国渡航権
吸血鬼殺ワイン*1   ダイヤメリケンサック  かたたたきけん
魔術書「正負の属性」  パラサイトソード    大魔女帝国滞在許可証
吸血鬼の日焼け止め               風船印のパラシュート
日蝕の傘                    ラティア勲章
大魔女サイン*1                ユーシリア王家の紋章
古代のセラミック
ステライト鉱石
晴れ乞い傘
チョコスムージー
ヒヒイロカネ
氷魔力結晶
魔導書「絶対零度」

◯現在の目標
・フメイちゃんを探す
・世界樹の光を追う[4/5]
・最悪の未来を阻止する

◯努力目標
・カリスに造られた者たちを助ける
・戦争を阻止する
・大司祭を探す
・枢機卿の悪事を暴く(達成!)
・レイの行方を追う(達成!)

◯仲間の目標
・カリス・ノーランドを討つ(ミスティ)

◯経験値
・クロシュ 剣技[03/07] 魔法[06/07] 防御[00/07]
・イリス  杖術[03/06] 魔法[16/16]
・ミスティ 剣技[05/07] 魔法[11/16]
・ローガン 剣技[16/16] 魔法[06/08] 防御[07/08]
・エバンス 剣技[16/16] 魔法[07/08]
……………………………………………………………………………………
□王都セイントレア
王城:未探索
城下:教会、孤児院、市場、食事処、酒場、浴場、娼館、冒険者ギルド
   中央広場、公園、学校、図書館、博物館、劇場、闘技場、未探索
……………………………………………………………………………………
□セクリエ・ロイエ
大聖堂、大聖堂別館、美術館、庭園、お土産屋、未探索、他
……………………………………………………………………………………
913 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2025/06/14(土) 22:52:58.04 ID:+LD9ujjH0
―朝
 聖ヴァレリオ教会 宿泊室

 チュンチュン

クロシュ「……」

クロシュ(……今日と、明日と、明後日に……やること……)


◯世界樹の光
・今できることはなさそう……

◯大司祭さん
・聖女さんと僧侶さんのお父さん
・お父さんがいれば、聖女さんと僧侶さんも、嬉しい
・預言について、何か知ってるかも……
・わたしたちが殺した……?
・みんなで話し合ったりすれば、わかる……?

◯戦争のこと
・ほっといても潰れるかも……
・イリスさんが、反対の演説とかする……?

◯セインさんたちのこと
・セインさん、フレアちゃん、黄スライムちゃん、灰スライムちゃん、フリューゲルさんの呪いを解く魔法は、大魔女さまが用意してくれる
・アイスちゃんの分は、まだ……
・なんでか、アイスちゃんに嫌われているみたい……
・でも、わたしは……アイスちゃんのこと、助けたい……
・アイスちゃんも助からないと……セインさんたちも、気持ち良く逃げられないかも……


クロシュ「……」

クロシュ(あと……自由に動けるのは、3日……)

クロシュ(……できることを、やらなきゃ)


王都セイントレア滞在12日目。15日目に戦争と何かが起こりそうです
↓2〜4 自由安価 何をする?
914 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2025/06/14(土) 22:53:48.67 ID:9YyAZ5LoO
メルルと一緒に王宮に潜入
915 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2025/06/14(土) 22:53:52.20 ID:HOyKXkkn0
妖精、お忍びできた国王と対話
916 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2025/06/14(土) 22:54:31.33 ID:tgbZC3gNO
大司祭行方考察
917 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2025/06/14(土) 22:54:51.53 ID:xn9nhD3xo
アイスちゃんと同化をかけた決闘や
918 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2025/06/14(土) 23:00:05.58 ID:AgPtlvANO
ガッタがたまたまクロシュ達のいる教会にやって来た
919 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2025/06/15(日) 00:05:41.18 ID:JHupTsEL0
―王都セイントレア

 ワイワイ ガヤガヤ

妖精(たまには妖精の身を生かして王国軍の偵察でもしてこようかな?)パタパタ

妖精(なんて思って一人で外を飛んでいたら――)


アルベール王「……」スタスタ


妖精(アルベール王が妙にみすぼらしい格好で歩いている。お忍びで城下の視察でもしているのかな?)

妖精(…………せっかくだし、緑の国の元首として少し話でもしてみるか)パタパタ


アルベール王「……」スッ

妖精「待った待った、ほらこれ! 巡礼者だよ、私!」

 巡礼証明書「」ポン

アルベール王「ふむ……そうか」

妖精「……それにしても、王様が騎士も従えずに一人でこんなとこを歩くなんて不用心じゃないの?」

アルベール王「そっくりそのまま返そう。緑の国の太母よ」

妖精「……知ってるんだ」

アルベール王「当然だろう。周辺国の長を知らぬ愚王がどこにいる」

妖精「それはまあ確かに……」

アルベール王「して、何用か?」

妖精「……用というほどでもないけど……ちょっと話をしたいと思ったの。人間以外にすごく厳しい王国の長がどんな奴なのか知りたかったし」

アルベール王「ふむ」

妖精「……単刀直入に聞くけど……なんで人間以外を異常なまでに排撃するの?」

アルベール王「……不思議に思うか? 王国の姿勢を」

妖精「そりゃそうだよ。アルベール王は自国の人間に対してはものすごく優しいのに、人間以外の種族にはすごく厳しくて恐ろしいって有名だけど、私にはそれがよくわからない。どうして人間には優しくできるのに、他の種族には優しくできないの?」

アルベール王「他の種族に優しくして、どうなる?」

妖精「えっ……?」

アルベール王「人は弱い。魔族よりも、エルフよりも、獣人よりも――スライムよりも。局所的に融和が成立することは確かにあり得るだろう。だが――恒久的な融和が続くことは、決してない。他種族の者は、いつか必ず弱い人間を見下し、虐げ、殺す。仇で返されることがわかっていて、わざわざ優しくしてやる理由などあるはずもない」

妖精「……だからって、他の種族を虐げて、殺すの?」

アルベール王「外敵を排除するのは自然な生命活動だと思うが?」

妖精「……外敵か。なるほどね……。私たちは結局、この星という大自然に生きる命の一つでしかない――。生きる為に殺し合い、奪い合うのは摂理――宿命と言える」

アルベール王「そうだ。そしてこのセイントレア王国もまた、一つの巨大な命と言っても差し支えない。命が生きるには、他の命を奪い、他の命を喰らい、他の命を排除しなければならない。私はただ――その巨大な仕組みに殉じているに過ぎない」

妖精「……大体わかったよ。ありがとう」

アルベール王「そうか」


妖精(アルベール王……どうにもならないこの世界の体現者みたいな男だ。でも……それこそが、命の本質でもあるように思う……)

妖精(……お忍び視察中みたいだし、まだ少し話せるかも。どうするかな)


↓1〜2選択 話すこと
1.戦争について
2.王都の世論について
3.デロデロについて
0.自由安価(状況にそぐわないものは再安価)
920 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2025/06/15(日) 00:11:48.75 ID:+UG8u5/Yo
3
921 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2025/06/15(日) 00:13:24.10 ID:IfIRw+o80
1
922 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2025/06/15(日) 00:14:08.32 ID:JHupTsEL0
本日はここまで。次回もよろしくお願いします
923 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2025/06/15(日) 08:34:52.22 ID:zFN8BgCK0
おつ
妖精さんクロシュママもいいが一国の王としての威厳もあるのよき
924 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2025/06/15(日) 10:36:02.52 ID:kNzgELLZo
おつおつ
グラマスクズ外道だからブラフの可能性もあるがしかしはたして…?
925 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2025/06/15(日) 15:51:25.32 ID:JHupTsEL0
妖精氏は普段はクロシュの保護者面をしているお節介妖精ですが、実は緑の国を興した者としての厳格な一面もあったりなかったりするようです。なお本人的には、国の長はもう面倒でコリゴリだと思っているようです

グランドマスター氏は性格が悪いので、嫌がらせのつもりでいい加減なことを言った可能性もあります。しかしクロシュ氏はどうもグランドマスター氏の放言が気にかかっているらしく、少し考えてみるつもりでいるようです

なお既に気付いている方もおられましたが、大司祭氏の行方は実は既に手の届くところだったりします。あとはクロシュ氏のインチキ能力でどうにかなるでしょう
926 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2025/06/15(日) 15:51:55.47 ID:JHupTsEL0

妖精「そういえば王国と枢機卿が共同で魔族国に戦争を仕掛けるらしいけど、本気なの? 魔族国の捕虜の中には、マリー・セイントレア……あなたの娘もいたはずだけど」

アルベール王「人質解放については再三に渡って協議を重ねてきたが、芳しい成果は得られなかった。ゆえに武力による奪還を試みる他ないと判断したまでだ」

妖精「……枢機卿のグランドマスターは、人質ごと殺すつもりでいるみたいだけど?」

アルベール王「……先日出回ったあの映像のことか。当然ながら、王国としてはそのような判断を行うつもりは毛頭ない。我が国の民は可能な限り救助する」

妖精「そうなんだ……。連合軍内で意見が食い違ってるのはちょっと危ないんじゃないの? グランドマスターが人質を殺そうとしたらどうするの?」

アルベール王「事実確認中ゆえ、真偽不明の情報を元にした仮定についての回答は差し控えさせて頂く」

妖精「……娘のマリーのこと、心配?」

アルベール「……」

↓1コンマ
01-60 王に感情は不要だ
61-90 娘だけ特別扱いはできない
91-00 ???
927 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2025/06/15(日) 15:54:59.22 ID:sEaE7qyFO
はい
928 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2025/06/15(日) 18:43:10.98 ID:JHupTsEL0
アルベール王「王に感情は不要。王国にとって最も良き未来を目指すこと――それが王の責務だ」

妖精「そう……」


妖精(……でも本当に感情がなかったら、わざわざ不要なんて言わないよね)

妖精(もし王じゃなかったら、国よりも娘を優先できる? なんて……流石に聞けないか)

 *

妖精「そういえばデロデロ教って知ってる?」

アルベール王「最近にわかに増えていると聞いている。詳細までは知らぬが」

妖精「簡単に言えば、世界全てがデロデロに溶けちゃえば差別も争いもなくなって幸せだよって考え方みたい」

アルベール王「そういう考え方もあるか」

妖精「あれ、否定しないんだ?」

アルベール王「特段否定する必要性は感じない。過激な手段でもって我が国を脅かすのであれば別だが」

妖精「ああ、なるほど……。確かに今のところ、デロデロ教は穏健的な布教活動をするだけで悪さはしてないみたい」

アルベール王「我が国ではロイエ教を国教としているが、それとは別に信教の自由を保障している。もし国民がそのデロデロ教を信仰しようとも、その意思は尊重されるべきだ」

妖精「本当に自国民には甘いんだなあ……。あなた個人はデロデロについてどう思う?」

アルベール王「……溶けた状態がどのようなものか想像できず、理解もできない――というのが正直なところだ」

妖精「まあ人間ならそう思うのが普通かも……」

 ☆アルベール王と話をしました

 ◆
929 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2025/06/15(日) 18:43:39.38 ID:JHupTsEL0
―聖ヴァレリオ教会 宿泊室

クロシュ「グランドマスターさんが……言ってたこと、だけど……」

ローガン「我々が大司祭殿を殺した――と」

イリス「私たちへの嫌がらせでいい加減なことを言ったんじゃないかな……」

クロシュ「でも……ちょっと、気になる……」

エバンス「確かに言いがかりにしては意味がわからないしな。俺たちには当然殺した記憶なんてないわけだし」

ミスティ「……もし殺したとして……なぜそれをグランドマスターが知っているのか、という点も気になるわね。私たちとグランドマスターには面識もほとんどないのに」

ローガン「大司祭が既に殺されているのだとしても、あの原理派活動日誌によればむしろグランドマスターの方が容疑者として怪しいくらいだが……」

イリス「うーん……やっぱり意味がわかりません」

クロシュ「……」

 ☆>>911さんのレスが正解だったため、判定なしで正解に辿り着きます

クロシュ「!」ピコン!

エバンス「ん? クロシュちゃん、何かわかったのか?」

クロシュ「ちょっと……夢の中、潜ってみる……!」

イリス「えっ、どういうこと……!?」

 ◇

―クロシュの夢
 夢の集落

クロシュ「……」キョロキョロ

ヴァン「やあ、クロシュちゃん! お昼寝かな?」スタスタ

クロシュ「えっと……わたしが、前に食べた……精核っていう、えっと……」

夢の女神「精霊や魔族を原料にして造られた物質だよね。あれを探しに?」

クロシュ「うん……。ここに、いる……?」

夢の女神「……クロシュちゃんに食べられた全ての命が、この集落に留まるわけじゃないの。普通に食べた命のほとんどは、さらに内側の奥深くへ吸収されて、完全にクロシュちゃんの一部となる。そうなっちゃうと……今クロシュちゃんが考えていることを実行に移すのは、ちょっと難しいかも……」

クロシュ「むずかしい……?」

夢の女神「うん……。例えるなら……コーヒーの中に溶けた角砂糖を、コーヒーの中から全く同じ形状・組成にして取り出すような……そんな感じ」

ヴァン「そうだね……溶けた魂を取り出すのは、普通は無理なんだ」

クロシュ「んゅ……」デロ…

夢の女神「普通なら、ね?」

クロシュ「?」

ヴァン「フッフッフ……ここには夢の専門家が二人もいるだろう? いや、クロシュちゃんも含めれば三人かな?」

クロシュ「!」

セレナディア「四人の間違いじゃない〜?」ズシンズシン

ヴァン「セレナディアは食べる専門じゃないか!」

ブラッドの欠片「あたしも手伝ってやろうか? 夢の力は概ね真似できるし、スライムの内側についてはあたしの方が詳しいし」ヒョコ

夢の女神「わ、ありがとう! 確かにスライムについて詳しいブラッドちゃんが手伝ってくれるとすごく助かる!」

ブラッドの欠片「大司祭って奴はどうでもいいんだけど、世界めくれとかいう面倒事に巻き込まれるのはゴメンだからね」

クロシュ「んへへ……ありがと……!」

 ◇
930 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2025/06/15(日) 18:44:31.49 ID:JHupTsEL0
―クロシュの夢 深層

 近くの空に浮かぶ白い光「」ユラユラ


クロシュ「……」キョロキョロ

魂の砕屑「」フヨフヨ…

クロシュ(! ちょっと……聖女さんと僧侶さんに……似てる、気がする……!)

魂の砕屑「しんぱい……しんぱい……むすめたち……しんぱい……」フヤフヤ

クロシュ「娘たち……聖女さんと、僧侶さんのこと……?」

魂の砕屑「そう……。ほんとうのなまえ……おもいだせない……。しんぱい……」

クロシュ「あなたは……大司祭さん……?」

魂の砕屑「そう……だった……きがする……」

クロシュ「! じゃあ……聖女さんたちに……会う……!!」

 ◇
931 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2025/06/15(日) 18:45:39.24 ID:JHupTsEL0
―夢の集落

集まった魂の砕屑「」フヨフヨ


セレナディア「あっさり集まったじゃん〜」

夢の女神「クロシュちゃんが彼の精核を食べてからそれほど経ってなかったのが幸いしたみたい」

ブラッドの欠片「もう何日か経ってたらかなりしんどい作業になってたかもね」

ヴァン「さあクロシュちゃん! あとはこの魂の欠片を元通りの形に治してあげよう! そうすれば彼をあの復活の魔法で蘇らせられるようになる!」

クロシュ「うん……!!」スッ

 夢の魔法「」キラキラ

集まった魂の砕屑「」キラキラ―

 スゥ――
 ポン!!

大司祭「はっ……ここはどこだ……?」キョロキョロ

クロシュ「……大司祭、さん……?」

大司祭「いかにもそうだが……君は……?」

クロシュ「わたし……クロシュ……。スライム……」

大司祭「スライム……?」

クロシュ「聖女さんと……僧侶さんに……会う……!!」

大司祭「な、何……!? どういうことだ……!?」

 *

大司祭「そんなことになっているのか……!」

クロシュ「うん……。だから、えっと……これから、わたしの魔法で……お外に……」


不死鳥の羽根「待ちなさい、クロシュ」ヌッ

クロシュ「わっ……!」

不死鳥の羽根「今日、あなたはアイスに決闘を申し込むつもりでしょう? それなら今は不死鳥の力を温存した方が良いわ」

クロシュ「で、でも……はやく、聖女さんたちに……」

不死鳥の羽根「大司祭は形を取り戻したばかりで少し混乱しているわ。ここで自分のことや、王都やロイエ教の現況を把握してからでも遅くはないはず。彼の持っている情報についても、ここで私たちが聴取できる」

クロシュ「!」

不死鳥の羽根「逸る気持ちはわかる。でも全てを救いたいなら、適切な行動を心がけなさい」

クロシュ「ん!」


大司祭「……つまり、どういうことだ?」

クロシュ「えっと……あとで、復活……する!」

大司祭「わからん……」

 ☆大司祭復活の準備が整いました
  不死鳥の力を使っても良さそうな時に復活させます

 ◇
932 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2025/06/15(日) 19:33:57.23 ID:kNzgELLZo
消えかけの魂の欠片状態でも残っていた意志が娘達の心配だったんだなぁ……
933 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2025/06/15(日) 20:30:11.35 ID:JHupTsEL0
―王都セイントレア 地下水路

 地下水路「」ザァザァ

クロシュ「……」

妖精「クロシュ……アイスに決闘を挑むって本気なの?」

クロシュ「ん」

妖精「でもあいつ、ものすごく強いよ。クロシュ一人じゃ厳しいんじゃ……」

クロシュ「……でも……きっと、こういうやり方じゃなきゃ……アイスちゃんは、納得しない……」

妖精「そういうものなのかなあ……」


 シュタッ

アイス「……きたよ」トコトコ

黄スライム『ボクは……立ち会いスライムだよ!』モニョモニョ


クロシュ「アイスちゃん……」

妖精「じゃあ、互いに賭けるものについて確認しよう。まずこっちが勝った場合――アイスはクロシュに同化させられてもらう、で良いね?」

黄スライム『うん! アイスちゃん、抵抗しちゃだめだよ?』モニョモニョ

アイス「まけないし……。アイスがかったら……クロシュは、カリスのところにもどって……いっしょう、アイスのこぶん……。いい……?」

クロシュ「う、うん……」


妖精(……最悪の場合、物陰で待機しているイリスたちに乱入してもらってクロシュを奪還しなきゃならないけど……そうなったらアイスの説得は限りなく絶望的になる……。どうにかクロシュ一人の力で勝てるような策を考えないと……!)


どう戦う?
↓1〜 先取3票
1.炎・光で速攻
2.水・盾で防御重視
3.風・雷で柔軟に
4.相手の作る氷と同化する
5.運命に身を任せる(運命賽−1)
0.自由安価(票数は内容ごと)
934 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2025/06/15(日) 20:33:32.95 ID:FQ/pi48yO
4

運命賽の使い時かもしれないけど。
935 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2025/06/15(日) 20:33:36.06 ID:zFN8BgCK0
936 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2025/06/15(日) 20:37:19.93 ID:PjdHCB1aO
0迷彩魔法で翻弄
937 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2025/06/15(日) 20:42:02.80 ID:Ry6xAaYbo
4
938 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2025/06/15(日) 20:42:18.02 ID:kNzgELLZo
運命賽迷うが
3
939 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2025/06/15(日) 20:44:41.25 ID:+UG8u5/Yo
5
940 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2025/06/15(日) 20:49:40.38 ID:IfIRw+o80
5
941 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2025/06/15(日) 21:05:41.49 ID:k+G5PE0cO
5
942 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2025/06/15(日) 21:19:06.65 ID:JHupTsEL0
 石の賽「」コロン―



クロシュ「……同化は……使わない……」

妖精「ええっ!? ちょ、ちょっと!! そんなんじゃ絶対に勝てないよ!!」

クロシュ「決闘は……自分の、ちからだけでするもの……。アイスちゃんも……自分の力だけ……だから、わたしも……」グッ


アイス「……」

黄スライム『んわわ……クロシュちゃん……』

アイス「……」


 ――戦闘開始 アイス――

 ★アイスが〈冷獄〉を発動!
  毎ターン相手のコンマ-10累積!!

◇自陣(勇気+10)
・不死鳥化しない

◇敵陣(力量差+80)
・冷獄(毎ターン相手のコンマ-10累積)

↓1コンマ(合計-70)
01-10 痛恨
11-50 劣勢
51-90 優勢
91-00 会心
943 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2025/06/15(日) 21:21:21.83 ID:FQ/pi48yO
00きてくれ!
944 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2025/06/15(日) 22:17:50.61 ID:JHupTsEL0
 ポン!

トカゲクロシュ「」シュタタッ!!


黄スライム『わ! クロシュちゃんがトカゲになった!』モニョニョ

妖精「あれは反映魔法を使った擬態……! でもそんなんじゃ――」


アイス「……」スッ

 瞬間凍結「」ギンッ!!

氷漬けトカゲクロシュ「」カチンコチン

アイス「よわ……」


背後のスライムクロシュ「!」モニョッ!

アイス「えっ、今氷漬けに――」

 ベチンッ!!
 氷の障壁「」ピキピキ…

スライムクロシュ「〜〜…!!」モニョニョ…!!

アイス「あぶな……ど、どうやって……あっ」


氷漬け分体スライムクロシュ「」カチンコチン


アイス「分体……!」

分体スライムクロシュ「!」モニョッ!
分体大亀クロシュ「!」モニョニョッ!
分体カタツムリクロシュ「!」モニョニョニョッ!

 ピョンピョン!! ノシノシ モゾモゾ
  ベチンッ!! ドガッ!! モグモグ…
   氷の障壁「」ピシッピシッ…

     バリィンッ!!

クロシュ「氷、割った……!!」

アイス「ちょうしにのるな……!!」スゥ―

 パキッ――

氷漬け分体スライムクロシュ「」カチンコチン
氷漬け分体大亀クロシュ「」カチンコチン
氷漬け分体カタツムリクロシュ「」カチンコチン
氷漬けクロシュ「」カチンコチン


黄スライム『んわ、んわわっ……!』モニャニャ

妖精「くっ……!! 数で攻めても、あの広範囲の瞬間凍結じゃ……!!」


氷漬けクロシュ「」カチンコチン

アイス「……まけるに、きまってる。クロシュ……よわいくせに……」

氷漬けクロシュ「」カチンコチン

アイス「………」

氷漬けクロシュ「」カチンコチン

アイス「なんで……なにが、したかったの……」

 ベチッ
  パキッ…パキキ…

クロシュ「……みんなの、ちからで……かっても……。アイスちゃんは……きっと、わたしのこと……みとめて、くれないって……おもった……」

アイス「……」

クロシュ「だから……自分の、ちからだけで……かち、たかった……」ジワワ…
945 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2025/06/15(日) 22:18:44.59 ID:JHupTsEL0

 ポロポロ…

クロシュ「…………わたし……カリスの、とこ……もどって……アイスちゃんの……こぶんに、なる……」ポロポロ…

アイス「……なんで」

クロシュ「……ほえ……」ポロポロ

アイス「なんで……カリスのとこから……にげたの……?」

クロシュ「………おぼえて……ない……。でも……みんな……ひどいこと、されたって……」

アイス「………」

クロシュ「………アイスちゃんは……ひどいこと……されて、ないの……?」

アイス「…………アイスは……カリスの、いちばんだもん……」

クロシュ「……そうなの……?」ポロポロ

アイス「………」

 ――カリス『はぁ〜ブラッドちゃんどこ行っちゃったのかなあ〜』
 ――カリス『新しい星属性の検体がどっかに落ちてたりしないかなあ〜』
 ――カリス『クロシュちゃんかぁ……! ブラッドちゃんを超える逸材かも……!』
 ――カリス『中庭の拡張? セインの頼みなら仕方ないか。ヘソを曲げられても困るし』
 ――カリス『ああ、あの子? 便利さでは一番かな。将来性はイマイチだけど。まさに佳作ね』

 ――『ああ、あの子? 便利さでは一番かな。将来性はイマイチだけど。まさに佳作ね』
 ――『便利さでは一番かな』

アイス「…………いちばん……だもん……」ジワ…

クロシュ「………」

アイス「……なんで……なんで、ブラッドなの……。セインなの……。クロシュ、なの……」

クロシュ「……?」

アイス「なんでっ……なんでっ……!!」

 ペチンッ!

クロシュ「っ」

アイス「なんでっ!!」

 ペチンッペチンッ

クロシュ「……」

アイス「なんで……よぉ……」ポロポロ

クロシュ「アイス……ちゃん……」


アイス「………同化……したいなら……して、けば……」ポロポロ

クロシュ「……?」

アイス「アイスが……いなくなったって……カリス……こまらない……」ポロポロ

クロシュ「……」

アイス「………どうせ……アイス……いらないこだもん……」ポロポロ
946 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2025/06/15(日) 22:22:25.83 ID:JHupTsEL0

黄スライム『そんなこと、ない!!』モニョニョ!!

アイス「……?」ポロポロ

灰スライム『遅いから、来てみたら……アイス、泣いてるの……?』モニョモニョ

アイス「おまえ、たち……」ポロポロ

セイン「……アイスは、いらない子なんかじゃない。僕にとっては、アイスも大事な家族の一人だ。だから……そんな風に、自分を言うな」

アイス「………」グスッ


セイン「……クロシュ、ありがとう」

クロシュ「セインさん……」

セイン「アイスと……同化、できるか?」

クロシュ「うん……」

 ☆アイスの再現を覚えました

 ◆
947 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2025/06/15(日) 22:36:18.06 ID:JHupTsEL0
―夜
 聖ヴァレリオ教会 宿泊室

 ポン!

再現アイスクロシュ「……」

クローディア「……はい、解析終わり」

 デロデロ…モニョモニョ…ポン

クロシュ「ん……」

クローディア「今の子の分も含めて、明後日の夜には間に合わせるわ。彼らの居住地への侵入はクロシュに任せて良いのよね?」

クロシュ「うん……」

クローディア「……何か浮かない様子ね。嫌なことでもあった?」

クロシュ「……アイスちゃん……カリスのこと……すきなのに……。カリスは……アイスちゃんのこと……道具に、してる……」

クローディア「………」

クロシュ「……わたし……カリス、許せない……。でも……アイスちゃんの気持ち……どうしたら、良いのか……わかんない……」

クローディア「………そうね……。でもだからってカリスを野放しにしても、アイスが救われるわけじゃない……。カリスに愛されたいという果たされない願いが、積み重なり……カリスの邪悪に利用されるだけ。それはわかるわね」

クロシュ「うん……」

クローディア「……今解析した感じだと、アイスはまだとても幼い子みたい。時が経てば……きっと、自分の置かれていた状況や、カリスのことについて、正しく理解できる日が来るわ。だから彼女を虐げるカリスを討つ。それが、今できる最善よ」

クロシュ「うん……!」

 ☆滞在14日目の行動終了時、解呪の術式が完成して救出イベントへ移行します
  アイスも含め、全員を助ける準備が整いました

 ◆
948 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2025/06/15(日) 23:41:13.22 ID:JHupTsEL0
―王都セイントレア 滞在13日目

◇クロシュ [あかちゃんスライム]
武:星霊の剣     盾:ラティアの大盾  飾:くすんだ耳飾り
武:竜珠の大杖    防:竜のエプロン   飾:不死鳥の羽根

◇妖精   [世話焼き妖精]
武:         盾:         飾:くすんだ耳飾り
武:         防:精霊のレオタード 飾:

◇イリス  [星の魔法使い]
武:蒼き星の杖    盾:         飾:くすんだ耳飾り
武:ブラッドランス  防:魔術師のローブ  飾:

◇ミスティ [氷の魔法使い]
武:氷の短刀     盾:         飾:くすんだ耳飾り
武:         防:氷竜革のローブ  飾:

◇ローガン [鋼の戦士]
武:蜥蜴一文字    盾:灼鋼の盾     飾:くすんだ耳飾り
武:鋼の回転ノコギリ 防:オリハル鎖帷子  飾:

◇エバンス [地の傭兵]
武:古代の鉄槌    盾:         飾:くすんだ耳飾り
武:魔銀の刀     防:硬質革鎧     飾:

◯所持アイテム
[道具]        [装備品]       [大事なもの]
運命賽*1       蜘蛛絹の下着      魔族国永久旅券
会心賽*1       ザリガニのお守り    フメイの服の切れ端
反魂丹*1       大きな巻き貝      精霊の印
鉄鍋+携帯調理器具   闇の欠片        精霊樹の実のジャム
「星の魔力」上中下   フリルワンピ水着    精霊樹の鉢植え+赤雷球
お宿の妖精の織物    魔法学園のスク水    フメイとアリシラの人形
魔導飯盒        ガラスのザリガニ    メルルの帽子
妨害魔力波発生装置   踊り子の双剣      溶岩石のアミュレット
属性大全        サボテンドラゴンの花  太陽のメダリオン
魔王図鑑        精霊のローブ      暗黒優待券
氷精の魔導書      精霊樹の杖[改]    冒険者証(ランク1)
ブラッドワイン*1   銀のナイフ       大魔女帝国渡航権
吸血鬼殺ワイン*1   ダイヤメリケンサック  かたたたきけん
魔術書「正負の属性」  パラサイトソード    大魔女帝国滞在許可証
吸血鬼の日焼け止め               風船印のパラシュート
日蝕の傘                    ラティア勲章
大魔女サイン*1                ユーシリア王家の紋章
古代のセラミック
ステライト鉱石
晴れ乞い傘
チョコスムージー
ヒヒイロカネ
氷魔力結晶
魔導書「絶対零度」

◯現在の目標
・フメイちゃんを探す
・世界樹の光を追う[4/5]
・最悪の未来を阻止する

◯努力目標
・カリスに造られた者たちを助ける
・戦争を阻止する
・大司祭を探す(達成!)
・枢機卿の悪事を暴く(達成!)
・レイの行方を追う(達成!)

◯仲間の目標
・カリス・ノーランドを討つ(ミスティ)

◯経験値
・クロシュ 剣技[03/07] 魔法[06/07] 防御[00/07]
・イリス  杖術[03/06] 魔法[16/16]
・ミスティ 剣技[05/07] 魔法[11/16]
・ローガン 剣技[16/16] 魔法[06/08] 防御[07/08]
・エバンス 剣技[16/16] 魔法[07/08]
……………………………………………………………………………………
□王都セイントレア
王城:未探索
城下:教会、孤児院、市場、食事処、酒場、浴場、娼館、冒険者ギルド
   中央広場、公園、学校、図書館、博物館、劇場、闘技場、未探索
……………………………………………………………………………………
□セクリエ・ロイエ
大聖堂、大聖堂別館、美術館、庭園、お土産屋、未探索、他
……………………………………………………………………………………
949 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2025/06/15(日) 23:42:05.50 ID:JHupTsEL0
―朝
 聖ヴァレリオ教会 庭

不死鳥クロシュ「コッコッコ…」メラメラ

 再誕の炎「」ゴオオオッ

 カッ!!!

大司祭「うおおおっ!!?」アタフタ


僧侶「お、お、おとう……」

聖女「お父さま!!?!?」

大司祭「……!!?!? 聖女、僧侶……!?」

聖女「生きて……生きてたんですね……!!」ジワワ

大司祭「い、いや……生きていたというか……?」

僧侶「良かったです、お父様ぁ……!」ポロポロ


デロデロ教徒「んわわ〜! よかった、ほんとによかったです!」キャッキャ

妖精「感動の再会だね」

クロシュ「んへへ……」

 *
950 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2025/06/15(日) 23:43:19.60 ID:JHupTsEL0
聖女「――」グスグス
僧侶「――」ポロポロ
デロデロ教徒「〜〜!」キャッキャ
クロシュ「〜〜」キャッキャ


大司祭「さて……君たちは既に私のことや、世界樹の光のこと……世界めくれのことも知っているそうだな」

妖精「うん。聖女たちをあなたに会わせてあげたかったのもあるけど、あなたが日誌に書いたことを具体的に聞きたかったのもある」

大司祭「……聖女には伝えないでおいてくれるか? あの子に余計な罪悪感を背負わせたくない」

エバンス「おう。世界めくれについては何も伝えてないし、これからも伝える気はないぜ」

大司祭「助かる」

妖精「まず確認したいんだけど、あの日誌に書いてあることは真実なんだよね?」

大司祭「そうだ。20年ほど前に私が目の当たりにし、そして耳にした預言だ」

ミスティ「その預言は絶対に当たると言い切れるの?」

大司祭「……私は預言者ではないから、断言はできないが……当時のあの子が未来のことを口にすると、それは必ずその通りになった。私の覚えている限り、的中率は100%だ」

ローガン「ううむ……であれば、やはり楽観視はできませんな」

大司祭「それに――あの使徒様も、この与太話としか思えない話を信じてくれた。原理派の者でない君たちにはわからないかもしれないが、使徒様は極めて優れた星属性の力を持つ聡明なお方だ。彼女が信じてくれたこと、それ自体がある意味信用に値するものであると言えば、理解してくれるだろうか?」

妖精「まあ……使徒とももう話したよ。世界樹の光を寄越せって言われた」

大司祭「それこそが我らの目的だったのだからな。彼女に任せれば、世界めくれを阻止する為に世界樹の光を使ってくれるはずだ。枢機卿の力も弱まっている今、邪魔立てする輩はいまい」

妖精「うーん……世界めくれを阻止したいのは私たちも同じなんだけど……どうもあの使徒ってやつが信用できなくて」

大司祭「なんだと……」

妖精「今のところ、世界めくれの前兆なんて全くないんだよ。星脈の状態を確認できる世界樹の精霊もそう言ってるんだから、本当に全くないんだ。あるとすれば、誰かが人為的に発生させる場合くらい……んで、そんなことができる強い力は世界樹の光くらいなの」

大司祭「まさか……使徒様が世界めくれを引き起こすと疑っているのか……!?」

妖精「……状況的に、引き起こせそうなのが使徒くらいしかいないから……」

大司祭「なんだと……」

妖精「大司祭は他に何か知ってることないの? どうやって世界めくれが起こるか、とか」

大司祭「あの日誌に書いてあることが全てだ」

妖精「そう……」



クロシュ「……」

デロデロ教徒「おはなし……むずかしそう……!」

クロシュ「うん……」

デロデロ教徒「えへへ、でも良かった……僧侶ちゃんがあんな風に泣いてるとこ、初めて見ました」

クロシュ「んへへ……わたしも……」

デロデロ教徒「これから、いっぱい、いっぱい、家族で仲良くできるといいですっ」

クロシュ「うん……!」

デロデロ教徒「あっ、でもそうなったら……僧侶ちゃん、わたしのこと構ってくれなくなっちゃうかなあ……?」

僧侶「何をくだらない心配しているんです? 今の私はデロデロ派なんですから、これからもあなたをこき使うに決まってるじゃないですか」

デロデロ教徒「んわわ、僧侶ちゃん!」モニャニャ

聖女「あはは……お姉ちゃん、あんまり厳しくしちゃだめですよ」


 ☆努力目標「大司祭を探す」を達成しました


王都セイントレア滞在13日目。15日目に戦争と何かが起こりそうです
↓2〜4 自由安価 何をする?
951 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2025/06/15(日) 23:43:46.06 ID:VyYRgbt7O
マリーから手紙が届く
952 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2025/06/15(日) 23:43:49.04 ID:zFN8BgCK0
ミスティ、イリスと本気の模擬戦。
953 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2025/06/15(日) 23:47:24.94 ID:AFudjwN9O
クロシュ
スライム能力更に鍛えてクロシュヴィア化しよう
954 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2025/06/15(日) 23:47:27.31 ID:rya5siyaO
>>918
955 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2025/06/15(日) 23:52:36.80 ID:JHupTsEL0
本日はここまで。次回もよろしくお願いします
956 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2025/06/16(月) 00:03:31.22 ID:4++7j8szO

アイスちゃん…クロシュちゃんの優しさを理解できる日が来ると良いな
デロデロ教徒ちゃんは癒し
957 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2025/06/16(月) 00:41:06.67 ID:XPz0Fxpfo
おつ
残りの問題は世界めくれだけかな
これだけは起こってみないと対応がわからんね…
958 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2025/06/16(月) 01:07:00.23 ID:5tnByF3no
おつおつでした
アイスちゃんが健気でキュッとなる
でもこれもカリスの洗脳の影響かも知れない…ホンマクズじゃん!
959 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2025/06/21(土) 14:57:09.54 ID:lD8IZAgi0
アイスちゃんは実のところクロシュ氏よりあかちゃんなので、まだまだ学ぶべきことがたくさんあるのかもしれません。いろいろ上手くいけば、勉強する時間はきっとたくさん取れるようになると思います
デロデロ教徒さんはあかちゃんではありませんが、一般的なスライムらしいほわほわした人物のようです。クロシュ氏にとってはそういうスライム仲間がいると嬉しいのかもしれません

なんと、全ての努力目標を達成(見込み含む)したようです。おめでとうございます。あとは預言の日に向けて、おいしいごはんを食べたり、あったかいお風呂に入ったりして英気を養うのが良いかもしれません。未探索の場所を探索するのも良いですが、もう時間があまりないので間に合わないかもしれません
世界めくれについては今のところ対策のしようがないので、高度の柔軟性を維持しつつ臨機応変に行動するのが良いでしょう

アイスちゃんはカリスのことが大好きですが、カリスが自分を大好きじゃないことにも気付いています。それでも今まではなんとか自分のことを騙し騙しやってきていましたが、この度ついに自分を騙し切れなくなってしまったようです
セインがカリスや王国と交渉を始める前は、カリスの創造物たちは今よりもずっと多かったようです。その頃はアイスのようにカリスを慕う者も少なくなかったのですが、そのほとんどは既に亡き者となっています
960 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2025/06/21(土) 14:57:38.56 ID:lD8IZAgi0
―朝
 聖ヴァレリオ教会 宿泊室

 窓「」ガラッ

ハーピィ記者「おはようございます!」ヌッ

イリス「わ! 今度はいつもの記者さんですか……」

ハーピィ記者「今ここは中央大陸で一番ホットですからね。でも今日来たのはただの郵便配達ですよ、ご安心ください」スッ

 マリーからの手紙「」ポン

イリス「マリー・セイントレア……えっ!?」

ハーピィ記者「はい。先の魔族革命で大きな成果を挙げたダークヒーローとその一行にお伝えしたいことがあるそうです」

ミスティ「私たちに……? 直接的な面識は反魂丹で蘇生させた時の一度きりだけれど……」

ローガン「ひとまず中身を確認しよう。良い知らせであれば良いが」

エバンス「しかし話には聞いてたが、セイントレアの王族とも繋がりがあるんだな……」


↓1コンマ
01-40 ダークヒーローたちへの応援
41-70 あるお願い
71-90 ↑+???
91-00 ???
961 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2025/06/21(土) 15:15:13.97 ID:TvE4euqB0
962 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2025/06/21(土) 16:44:13.82 ID:VhkrqbCPO
あれ?前回の行動安価で2〜4までと書いてあるから>>952
>>954だから>>951の「マリーからの手紙が届く」は違うのでは?
963 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2025/06/21(土) 17:55:46.41 ID:lD8IZAgi0
間違えました。でもけっこう書いてしまったので、お詫びに今回の自由安価枠は4つということにします
964 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2025/06/21(土) 17:56:31.54 ID:lD8IZAgi0
 手紙『』ペラッ

イリス(手紙は、まず反魂丹を使って命を救われたことや捕虜の扱いを改善させたダークヒーローへの感謝に始まり……)

イリス(今は少々の不自由こそあれど尊厳と文化的な生活が保障された豊かな暮らしを送れていることが綴られ……)

イリス(……病気を患っている母……セイントレア王妃様を心配する言葉と……もし機会があれば、この手紙に書かれていることと同封されているものを王妃に届けて欲しい旨が描かれていた)


イリス(同封されていたのは、蜘蛛絹で織られた上質なハンカチが数枚と、何かの薬だ。ハンカチの何枚かは私たちへの贈り物だそう。そしてお薬は……フラナ先生が調合した、王妃様の病気を治す特効薬なのだそうだ)

イリス(そして別紙には、隠し通路まで網羅されたセイントレア城の詳細な図面が描かれていた……)


ハーピィ記者「なるほどなるほど。つまりお城に侵入して王妃様に手紙と薬とハンカチを届けて欲しいということですね!」

イリス「……な、なんでこんな大事な役を私たちに……」

ハーピィ記者「普通の郵便じゃ、敵対国からの配達物が王族にそのまま届けられるなんて絶対無理ですからね。マリー氏からのものだとしても罠だと思われてしまいます。そういうわけですから、不法侵入もお手の物なダークヒーローさんたちに白羽の矢が立ったというわけですね」

ミスティ「あなたじゃだめなのかしら?」

ハーピィ記者「御冗談を! 空の上ならばどれほどの竜騎士に追い立てられようと捕まる気がしませんが、城の中となれば話は別です! この世界最高記者である私も蜂の巣を免れないでしょう」

ローガン「だがそれは我々も同じでは……? 城に不法侵入などして見つかればタダでは済まないが……」

ハーピィ記者「そのための隠し通路、そのためのクロシュちゃんではありませんか! いよっ、ダークヒーローの隠密担当スライム!」

スライムクロシュ「〜〜??」モニョニョ

妖精「……まあ、この隠し通路とかを上手く利用すればやれるか……? 念の為分体の遠隔操作で行くのが安全だけど」

ハーピィ記者「善は急げですよ! さあさあ、早速不法侵入に行きましょう!」

エバンス「こいつ、自分は安全だからって……」

ハーピィ記者「まあでも真面目な話、王妃が病気になる前はアルベール王もそこまで過激な差別主義者ではなかったんですよ。王妃の存在が彼の良心になっていた可能性はありますし、彼女が元気になれば少しはマシになるかも……と思わなくもないんですよね」

妖精「なるほど。だからフラナもわざわざ薬を調合したんだ」

ハーピィ記者「そういうことです。あとは王族であるマリー氏に恩を売る意図もあるでしょうね」

ローガン「ふむ……。届けてみる価値は十分にあるということか」

イリス「マリーさんの王妃様を心配する気持ちにも応えてあげたいですしね。とはいえ、またクロシュちゃん頼りになっちゃうけど……」

 モニョモニョ…ポン!

クロシュ「ん……! お手紙と、お薬……届ける……!」

 モニョモニョ…プチッ

分体ちびスライムクロシュ「〜〜!」モニョニョ!

 ☆マリーの手紙とハンカチと薬を王妃に届けることになりました

 ☆クリティカルにより本日中に不法侵入を行いお届けに確定成功します

 ◇
965 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2025/06/21(土) 17:58:16.11 ID:lD8IZAgi0
―セイントレア城 王妃の部屋

 大きなベッド「」

セイントレア王妃「……」


セイントレア王妃(……魔族国に軍事侵攻なんて……本気なの、アルベール……。マリーがまだ人質にされているのに……)

セイントレア王妃(………本気なら、止めないと……。でも……もう、一人で立って歩き回ることすら満足にできないこの体じゃ……)


セイントレア王妃「ゴホッゴホッ……!」


セイントレア王妃(……目が霞んで、呼吸が苦しい……)

セイントレア王妃(どうして……こんなことに、なってしまったの……)

 ピョンピョンピョン

分体ちびスライムクロシュ「〜〜!」モニョニョ

セイントレア王妃(黒い……スライムさん……? とうとう幻覚まで見えて……)

 モニョモニョ…ポン!

分体ちびクロシュ「えと……こんにちわ……!」

セイントレア王妃(スライムが小さな女の子になった……。この幻覚は一体何を暗示して……)

分体ちびクロシュ「おとどけもの、です……!」スッ

 手紙「」ポン!
 ハンカチ「」ポン!
 お薬「」ポン!

セイントレア王妃(女の子が……大きな手紙と、ハンカチと、錠剤の入った小瓶を取り出した……? どこに隠し持って……いえ、幻覚なのだから整合性なんて気にしても仕方ないわね……)

分体ちびクロシュ「マリーさんから……です……!」

セイントレア王妃「えっ……マリー、から……?」

分体ちびクロシュ「ん……!」コク

 手紙「」ペラッ

 *

セイントレア王妃(幻覚?の手紙を読んでみると……マリーが魔族国で息災に暮らしていることや……魔族国で蜘蛛絹のハンカチを織ったこと……魔族国の元首に特効薬を調合してもらったことなどが書かれていた……)

セイントレア王妃(そして……そのハンカチと薬も、今ここにある……)

 ハンカチ「」
 お薬「」

分体ちびクロシュ「……おくすり……飲める……?」

セイントレア王妃「……はい、大丈夫ですよ。マリーが用意してくれたお薬……大事に飲みますね」スッ

 お薬「」ポン
 ゴクッ

セイントレア王妃(……たとえ幻覚だとしても……マリーが私の為に用意してくれたお薬を、飲まずに捨てるなんてことはできない。いえ、むしろ幻覚で良かったかも……。だってもしアルベールが知れば、魔族国からの薬なんて絶対にすぐ捨ててしまうもの……)

分体ちびクロシュ「おみず、のむ……?」スッ

 お水「」ポン

セイントレア王妃「ありがとう……。いただきます」ゴクゴク

分体ちびクロシュ「んへへ……」

セイントレア王妃「ふぅ……。ところで……あなたは、誰なのですか……?」

分体ちびクロシュ「わたし……クロシュ……。スライム……!」

セイントレア王妃「あら、本当にスライムさんだったのね……。わざわざ届けてくれてありがとうございます」

分体ちびクロシュ「んへへ……」
966 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2025/06/21(土) 17:58:42.94 ID:lD8IZAgi0
 扉「」コンコン
アルベール王『私だ。入って構わないだろうか』


セイントレア王妃「!」

 隠されるお薬「」ササッ
 隠される手紙「」ササッ
 隠されるハンカチ「」ササッ

セイントレア王妃(早く、あなたもお布団の中に隠れて……!)

分体ちびクロシュ(んわわ……!)ササッ


セイントレア王妃「は、はい。お入りくださいませ」

 扉「」ガチャッ

アルベール王「失礼する」スタスタ

セイントレア王妃「お疲れ様です、アルベール」

アルベール王「……? 先程は誰と話をしていたのだ? 話し声が聞こえたが……」

セイントレア王妃「えっ……? あっ、すみません……。先日頂いた映像水晶の演劇が面白くて、つい台詞を口ずさんでしまって……」

アルベール王「ふむ……? そうか。演劇の真似をするくらいに調子が良いのなら、良いことだ」

セイントレア王妃「」ホッ

アルベール王「気に入ったのならまた別の映像水晶も取り寄せよう」

セイントレア王妃「はい。離島魔法女学院の続きが早く見たいですわ」

アルベール王「どんなお話なのだ? 今度私も一緒に――」


扉の向こう『お見舞いの最中失礼致します!! アルベール王、緊急の報告が!!』


アルベール王「……すまぬ。体を大事に過ごしてくれ」スッ スタスタ

セイントレア王妃「はい……。あなたもお気を付けて、アルベール」


 扉「」ガチャッ パタム


セイントレア王妃「ふぅ……」

分体ちびクロシュ「」ヒョコッ

セイントレア王妃「ごめんなさい、急に隠したりして。あの人……良い人なのだけど……魔族のことは、大嫌いなの……」

分体ちびクロシュ「ん……」

セイントレア王妃「今の彼のやり方が、とても過激でまずいことは……私もわかっているの……。でも、今の私には……」

 クラッ

セイントレア王妃「うっ……眠気が……。ごめんなさい、少し寝ますね……。もし良かったら……また、お話を……」

セイントレア王妃「……」zzz


分体ちびクロシュ「……」

分体ちびクロシュ(……しばらく……王妃さまと一緒にいようかな……?)

 ◇
967 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2025/06/21(土) 17:59:09.02 ID:lD8IZAgi0
―聖ヴァレリオ教会 宿泊室

クロシュ「……」

妖精「どう? 分体の調子は」

クロシュ「王妃さまのお部屋……無事、侵入できた」

エバンス「おお、やったな!」

クロシュ「王妃さま……寝ちゃったから……分体も、一緒に寝るみたい……」

ローガン「む……!? それは大丈夫なのか……?」

クロシュ「……だ、大丈夫だと思う……。今の私の分体なら……本体の私とほとんど同じくらい、いろいろできる……」

妖精「分体も同化が使えるんだよね。再現を覚えて来たのも分体だし」

クロシュ「うん。再現はお腹がすごく減るから、分体じゃすぐにデロデロになっちゃうと思うけど……。もし危なくなったら、風と同化して逃げる……!」

エバンス「なるほど、風ならどこでも同化できるのか……!」

ローガン「フッ、心配はいらなそうだな」

 ☆分体の一つを王妃のもとに忍ばせました

 ◇
968 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2025/06/21(土) 19:35:46.31 ID:lD8IZAgi0
―セイントレア平原

ミスティ「……」スッ

 瞬間凍結「」ガギンッ!

 瞬間凍結「」ガギンッ!

 瞬間凍結「」ガギンッ!

イリス「おお〜三連続! すごいキレだよ!」

ミスティ「あのアイスという少女に比べれば全然よ……」

イリス「あっ……」

ミスティ「……リベンジの機会もなくなった。わかっているわ。彼女と戦い、彼女を救うことができたのはクロシュだけだった。初めから私に出番はなかったのよ」

イリス「そ、それは……違うよ……!」

ミスティ「違わないわ。無理に慰めなくたって大丈夫よ」

イリス「……」

ミスティ「イリス……私と戦ってくれない? 本気で」

イリス「えっ……!?」

ミスティ「……思いっきり戦って……思いっきり叩きのめされれば……きっと、スッキリする気がするの。だから、お願い」

イリス「いやいや……しかも負ける前提なの!?」

ミスティ「負ける気はないわ……。でもイリスに勝てる気もしない……。だから大丈夫よ……」

イリス「なんかよくわからないけど……でもわかった。この旅もきっともうすぐ終わりだし――私も、ミスティとは一度本気で戦ってみたかったんだよね」

ミスティ「あら、あなたって意外と戦闘狂だったのかしら?」

イリス「魔法の撃ち合いが好きなだけだよ!」

ミスティ「十分戦闘狂っぽいわ……」

イリス「……と、とにかくやろう! 手加減無用、待ったなしの一本勝負!」

ミスティ「ええ。よろしく――」スッ

 ゴゴゴゴゴ…

イリス「じゃあ――行くよ!」バッ


↓1コンマ一桁 勝者
1 イリス
2 ミスティ
3 引き分け
4 イリス
5 ミスティ
6 引き分け
7 イリス
8 ミスティ
9 引き分け
0 ???
969 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2025/06/21(土) 19:38:07.54 ID:JYvoxOfso
はてな
970 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2025/06/21(土) 21:03:11.51 ID:lD8IZAgi0
 ドッギャァァァァン!!!!

黒焦げミスティ「」プスプス…


イリス「はあ、はあ……はっ! ミスティ大丈夫!?」タタッ

 *

ミスティ「ふう……ありがとう、スッキリしたわ」

イリス「ご、ごめん! 寸止めするつもりだったんだけど……!」

ミスティ「大丈夫よ、見ての通り大事には至ってない」

イリス「そ、そう……?」


ミスティ「私……世界樹の光のことが解決したら……旅も、魔法使いも、辞めようと思う」

イリス「え、ええっ!? スッキリするどころかなんか悪いスイッチが入ってない……!?」

ミスティ「弱気になったわけではないの。ただ、向いていないことを続けても仕方ないでしょう? それを確認できたからスッキリしたのよ」

イリス「え、ええ……才能あると思うけど……。ミスティくらいの歳でそこまで氷魔法を使える人なんて見たことないし……」

ミスティ「アイス」

イリス「例外でしょ!」

ミスティ「一つ例外を認めたら何でもありになるわ。聞けば彼女はクロシュよりも幼いというじゃない」

イリス「うーん……でもミスティ、魔法以外にできることあるの?」

ミスティ「………」

イリス「………」

ミスティ「そ、ソリの運転なら……」

イリス「じゃあ辻馬車……ならぬ辻ソリ屋でもやる?」

ミスティ「客商売はたぶん無理……」

イリス「じゃあ……どうする? 冒険者とか? いや、冒険者だと今とほとんど変わらなそうだけど……」

ミスティ「………」

イリス「………」

ミスティ「……さっきの発言は取り消しにするわ」

イリス「あ、うん」


 ☆イリスとミスティが近接経験と魔法経験をそれぞれ1づつ獲得しました

 ☆ミスティが魔法使いを辞めかけましたが取り消しました

 ◇
971 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2025/06/21(土) 21:04:31.77 ID:lD8IZAgi0
―聖ヴァレリオ教会 裏庭

スライムクロシュ「……」

 モニョモニョ…ポン!

炎スライムクロシュ「」チリチリ

 モニョモニョ…ポン!

光スライムクロシュ「」ピカピカ

 モニョモニョ…ポン!

風スライムクロシュ「」ヒュルヒュル

 モニョモニョ…ポン!

雷スライムクロシュ「」バチバチ

 モニョモニョ…ポン!

水スライムクロシュ「」ウルウル

 モニョモニョ…ポン!

スライムクロシュ「〜〜」モニョモニョ


スライムデロデロ教徒『んわわ〜! クロシュさますごいすごい〜!』キャッキャ

スライムクロシュ『んへへ……』モニョモニョ

スライムデロデロ教徒『伝説スライムのクロシュヴィアさまもすごいし、クロシュさまもすごいし、デロデロのすごいスライムってやっぱりすごいんだあ』モニョモニョ

スライムクロシュ『じゃあ……デロデロ教徒ちゃんも、すごい……!』モニョモニョ

スライムデロデロ教徒『わたしは全然だよぉ〜!』モニャニャ

スライムクロシュ『そうなの?』モニョニョ

スライムデロデロ教徒『うん……。全然よわいから……デロデロ教に入ったの……』モニャニャ…

スライムクロシュ『そうなんだ……』モニョニョ…

スライムデロデロ教徒『ちいさくて、よわくても……みんなでデロデロになれば、もうなんにも怖いことも、痛いこともなくて……しあわせになれるって、クロシュヴィアさまが言ってた……! だからわたし、みんなでデロデロになりたい……!』モニョモニョ

スライムクロシュ『わあ……!』モニョニョ

スライムデロデロ教徒『だから、クロシュヴィアさまや、クロシュさまみたいな、すごいスライムがデロデロになるためにがんばってくれてるって思うとね……! ものすごく勇気が湧いて、わたしもがんばろって、思えるの!』モニョモニョ

スライムクロシュ『んへへ……』モニョニョ

スライムデロデロ教徒『えへへ……デロデロの絵を描いて、みんなに希望を見せてくれて……ほんとに、ほんとに、ありがとうクロシュさま……!』モニョモニョ

スライムクロシュ『うん……!』モニョ


スライムクロシュ(やっぱり……デロデロは、間違ってないのかも……! こんな風に、みんなの希望になれる……!)

スライムクロシュ(わたしも……もっと、がんばろ……!)


↓1コンマ(かなしみを知る心+50)
001-090 スライム技能は既に上限に達している
091-140 覚醒
141-000 ■■■■
972 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2025/06/21(土) 21:06:31.84 ID:245hiqVgO
はい
973 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2025/06/21(土) 21:47:41.35 ID:lD8IZAgi0
―??

 空に浮かぶ白い光「」ユラユラ

 地上に瞬く無数の光「」チカチカ


クロシュ「……」


クロシュ(……あの光の……ひとつひとつは……)

クロシュ(スライム……ううん……スライムだけじゃない……)

クロシュ(この星の……全ての、命……)


 地上に瞬く無数の光「」チカチカ


クロシュヴィア「クロシュちゃん……」モニョッ

クロシュ「クロシュヴィアちゃん」モニョニョ

クロシュヴィア「クロシュちゃんも……ついにこの領域に来たんだね……。いつか、来ると思ってた……」モニョモニョ

クロシュ「そうなの……?」モニョニョ

クロシュヴィア「ここはね……この星の、命の流れが見えるところ……。新たな命が生まれれば、新たな光が灯って……一つの命が終われば、光も一つ消えるの……」モニョモニョ

クロシュ「そうなんだ……」モニョニョ

クロシュヴィア「あの光の数だけ……悲しみがあるの……。わたしね……それで、昔……何もできない自分が、嫌になって……風になっちゃった……」モニョモニョ

クロシュ「うん……」モニョ

クロシュヴィア「でも、今はね……みんなと一緒に、デロデロになろうって、がんばれて……すごく、嬉しいの。全部……クロシュちゃんの、お陰なんだよ」モニョモニョ

クロシュ「わあ……!」モニョニョ

クロシュヴィア「クロシュちゃんは……今、セイントレアの王都にいるんだよね?」モニョモニョ

クロシュ「うん。えっと、僧侶さんと、デロデロ教徒ちゃんと、会った……!」モニョニョ

クロシュヴィア「わあ! ふふ……二人とも、良い子でしょ? ちょっぴり心配だったけど、無事なら良かった……」モニョモニョ

クロシュ「うん……!」モニョ

クロシュヴィア「今……戦争が起きるとか、起きないとかで、ちょっと揉めてるんだよね……? 3日後くらいに、わたしもそっちに行けると思うから……もし戦争になったら、わたしが終わらせてあげるね……」モニョモニョ

クロシュ「わあ……!」モニョニョ!

クロシュヴィア「ふふ……みんな、元気でいてね……。最期に、最高の結末を迎えられるように……」モニョモニョ

 ◇

―聖ヴァレリオ教会 裏庭

スライムクロシュ「!」モニョッ!

スライムデロデロ教徒『わわ……! クロシュさま、どうしたの……!?』モニョニョ

スライムクロシュ『クロシュヴィアちゃんと……お話、した……!』モニョモニョ

スライムデロデロ教徒『んええ!? ど、どうやってぇ!?』モニョニョ

スライムクロシュ『んへへ……えっとね――』モニョモニョ


 ☆クロシュのスライム技能が上限を越えました

 ☆クロシュが命を感じ取れるようになりました

 ◇
974 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2025/06/21(土) 21:54:03.98 ID:lD8IZAgi0
急用が入ったので本日はここまで。次回もよろしくお願いします


そして突然ですが最近画像生成AIさんというものに触れてみたので、絵を貼ってみようと思います

というわけでデロデロ教徒ちゃんのイメージ絵です。画像生成AIさんに元絵を描いていただき、細部などを人力で加筆修正したものとなります。こんな見た目だよーというのがわかっていただければ幸いに思います

これは全くどうでも良いネタバレですが、デロデロ教徒さんはクロシュヴィアさまの株分けの遠い子孫だったりします。実のところクロシュヴィア氏は内心そのことに気付いており、それゆえにちょっと気にかけていますが、今のところ本人に伝える気はないようです

https://i.imgur.com/uI6pDvN.png
975 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2025/06/21(土) 22:20:03.96 ID:RF9giN/NO

ミスティさん速攻の取り消しで草
銀髪目隠れロリスライムかわよ
976 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2025/06/21(土) 23:17:31.55 ID:gWhw1eskO
あら^〜可愛い
977 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2025/06/22(日) 01:45:14.41 ID:H1tb/oPEo
おつです
デロデロ教徒ちゃんこれは穀潰しでも許されるかわいさ
ミスティ、確かに世界樹の件が終わったあとどうするかがパーティメンバーの中で一番フワッとしてるな
それだけ縁が繋がったとも言える
978 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2025/06/22(日) 09:08:56.00 ID:zX10rx6j0
乙です
デロデロ教徒ちゃん目隠れ可愛い
他のキャラのイメージ絵も見たくなってしまう
979 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2025/06/22(日) 19:35:28.19 ID:c3g/Tio30
最近のミスティ氏は武闘派な面が目立っていましたが、彼女は繊細で悲観的な面も持ち合わせている女の子でもあります。そういうわけでやや衝動的に魔法使い引退宣言をしてしまったようですが、イリス氏にいろいろ言われて取り消すこととなったようです。とはいえ彼女はまだ若いので、魔法の腕も他のこともこれからいくらでも研鑽する機会はあるかと思います

デロデロ教徒さんは実のところ少し反映魔法の適性を持っているため、他のスライムよりも高度な擬態ができるようです。しかしクロシュやクロシュヴィアに比べるとその才能はとてもささやかなものなため、戦いなどは苦手なようです
なお絵に描かれている女の子はデロデロ教徒さんが人間に擬態した時の姿で、抱きかかえられている丸い生き物が本来のスライムの姿です。自分で自分を抱きかかえるという変な状況となっていますが、あくまでこれはイメージ絵なのでその辺はご容赦していただけると幸いです……

デロデロ教徒氏はデロデロ教に入る前は森で慎ましく暮らしていた野良スライムでした。しかしその目立つ体色や気の弱さなどが災いして他の野生動物や冒険者などから狙われることも多く、心休まる日々はあまり送れていなかったようです。そんな彼女にとって、デロデロ教という存在は福音となったのかもしれません
ミスティ氏は今のところ旅が終わった後にどうするかはっきりしていませんが、実際彼女には既にたくさんの縁があり、もし望むことがあればその通りにできるかと思われます。ミスティ氏の未来は広がっていると言えましょう

なぜデロデロ教徒さんの絵だったかというと、実のところ理由があったりします
自分の案のキャラクターの絵をAIに描かれることを好まない人がいるかもしれない……という変な恐れがあり、ひとまず非ネームドのデロデロ教徒ちゃんで様子を見てみようという思惑があったりなかったりしたそうです

なお今のところ特に不評ではなさそう?なため、もし今後余力があればネームドキャラの絵を貼ってみたりすることもできるかもしれません
また、◯◯の××な絵を見たい、といった書き込みがあれば対応できるかもしれません(断言はできません)
なおもし自分の投下した案のキャラを>>1やAIさんに描かれたくない場合、早めに宣告していただければ助かります

しかしこのスレのメインコンテンツはあくまで安価スレなので、あまり期待はしないでいただけると幸いに思います
>>1は絵のど素人なので、軽微な加筆修正作業でもものすごく時間がかかるようです)
980 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2025/06/22(日) 19:36:27.44 ID:c3g/Tio30
―聖ヴァレリオ教会

 扉「」バァン!

ガッタ「イクスキューズミー」ズカズカ


クレア「……!? あなたは、王国の護衛騎士ガッタ・ファーブ……!?」

ガッタ「イグザクトゥリ」

クレア「当教会にどのようなご用件で……?」


↓1コンマ
01-10 ???
11-30 滞在巡礼者に脱走幇助の容疑
31-50 滞在巡礼者の身辺調査
51-70 珍しい虫を追いかけてきただけ
71-90 孤児院へ昆虫採集セットの寄付
91-00 ???
981 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2025/06/22(日) 19:39:34.56 ID:H1tb/oPEo
ヘアッ
982 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2025/06/22(日) 19:39:53.72 ID:CRiSt/mmO
983 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2025/06/22(日) 20:07:25.34 ID:c3g/Tio30
 黄金色のコガネムシ「」ブーン

ガッタ「オー!! やはりここにラナウェイ!!」シュバッ

クレア「えっ、きゃっ!?」ブワッ


 黄金色のコガネムシ「〜〜!」ブーンブーンっっっ

ガッタ「ミーからエスケープできるとシンキングしないことだネ!」シュババッ

 ドガッ!! ガシャンッ!!
 吹っ飛ぶ長椅子「」グワシャッ


クレア「ちょ、ちょっとやめてください!!」


クロシュ「?」ヒョコッ

妖精「な、何事!?」


↓1選択
1.コガネムシを捕まえる
2.コガネムシを食べる
3.ガッタを追い出す
0.自由安価(状況にそぐわないものは再安価)
984 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2025/06/22(日) 20:18:56.23 ID:lbrgQB+5o
1
985 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2025/06/22(日) 20:42:29.67 ID:c3g/Tio30
光クロシュ「」パヒュン!

 パシッ
 クロシュに捕まったコガネムシ「〜〜!」ジタバタ

ガッタ「オー!? アメイジン!」

クロシュ「……教会……あばれちゃ、だめ……」

ガッタ「ワッツ?」

 吹っ飛んだ長椅子「」グシャッ
 吹っ飛んだ机「」ゴワシャ

ガッタ「オウ……」

クロシュ「……元に、戻したら……こがねむし……あげる……」

ガッタ「ソーリー……」

 *

 綺麗に直された長椅子や長机「」ポン

ガッタ「ハア、ハア……直したヨ」

クロシュ「ん……。はい……」

 コガネムシ「」ポン

ガッタ「サンキューベリマッ!」ババッ

クレア「はあ……虫が好きなのはわかりましたが、もうこんなことはしないでくださいね」

ガッタ「ポジティブに善処する。それではグッドバイ!」バサッ スタスタ


 扉「」ガチャッ パタム


妖精「なんだったんだろう……」

クロシュ「わたしたちのこと……覚えてなかったみたい……?」

妖精「……そういえば闘技場で一悶着あったよね」

クレア「護衛騎士のガッタさんは人の顔を滅多に覚えないそうです。彼にとっては虫未満の価値しかないということかもしれませんね……」

妖精「ま、まあ……理由はなんであれ覚えられてないなら都合が良いや」

 ◇
986 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2025/06/22(日) 22:28:06.29 ID:c3g/Tio30
―翌朝
 セイントレア城 王妃の寝室

 チュンチュン

セイントレア王妃「……」パチッ


セイントレア王妃(呼吸が苦しくない。視界もはっきりしていて、意識も明瞭……。こんなの、何年ぶりかしら……?)

セイントレア王妃(でも、一体どうして急に体調が――)

 サイドテーブル「」
  お薬「」ポン
  ハンカチ「」ポン
  手紙「」ポン

セイントレア王妃「!!」

セイントレア王妃(まさか……昼間のあれは、夢や幻覚の類じゃ――)


分体ちびスライムクロシュ「……」zzz


セイントレア王妃「あっ……! 昼間のスライムの子……!」

セイントレア王妃(ということは――手紙の内容も、お薬のことも、このスライムの子も、全部現実――!!)

セイントレア王妃(つまりこの体調の良さは……魔族国の元首が調合した薬による作用……!?)


 扉「」コンコン
アルベール王『私だ。起きているなら返事を』


セイントレア王妃「アルベール!」ガタッ

分体ちびスライムクロシュ「!?」モニョッ!?

セイントレア王妃(あっ……私、立ち上がれてる……!)


アルベール王『……!? 何があった、入るぞ……!』

 扉「」ガチャッ

隠れる分体ちびスライムクロシュ「〜〜!」モニャニャ ササッ


セイントレア王妃「……アルベール」

アルベール王「!? 立ち、上がれたのか……!?」

セイントレア王妃「はい……。マリーが、魔族国から送ってくれた特効薬のお陰で」

アルベール王「何ッ!? それはどういう――」

 手紙「」ポン!

セイントレア王妃「アルベール……それを読んで……マリーの言葉を、聞いてください」

 *
987 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2025/06/22(日) 22:29:07.70 ID:c3g/Tio30
アルベール王「馬鹿な……。医者は、君はもう二度と立ち上がれないと……」

セイントレア王妃「……王国の医術なら、きっとそうだったのです。でも――魔族国の医術なら、治せた」

アルベール王「……!!」

セイントレア王妃「この特効薬を調合したのは、魔族国のフラナ・バイオレット現元首だそうです」

アルベール王「……」

セイントレア王妃「アルベール……今ならまだ間に合います。魔族国と、和平を……」

アルベール王「ならぬ」

セイントレア王妃「アルベール!」

アルベール王「なぜこのような怪しい薬に手を出した。一瞬治癒したように見せかけて明日には死んでしまう毒薬かもしれぬのだぞ……」

セイントレア王妃「そんな回りくどい毒薬を使う意味がわかりません! 毒殺するつもりであれば、無駄に永らえさせる必要など全くないでしょう!」

アルベール王「城内でまさにこのような紛争を引き起こさせるのが奴らの狙いだったらどうする……」

セイントレア王妃「アルベール!!」

アルベール王「……君は魔族の悪意というものを甘く見ている。奴らは狡猾で悪賢い、邪悪な――」

セイントレア王妃「あなた自身が、ありもしない悪意の幻を作り出しているのよ! 今まさに体調が良くなってる私を見て! 昔みたいにあなたに楯突いている私の言葉を聞いて!!」

アルベール王「………毒薬の作用で君は錯乱しているようだ。今医者を呼んで――」

セイントレア王妃「………わかりました。あなたがそこまで意固地になるというのなら、私にも考えがあります」ガタッ スタスタ

アルベール王「待て、安静に――」

セイントレア王妃「結構です! クロシュちゃん、おいで」


分体ちびスライムクロシュ「〜〜!」ピョンピョン

 モニョッ

王妃の肩に乗る分体ちびスライムクロシュ「〜〜」モニョモニョ


アルベール王「なっ、スライムだと……!? どこから――」

セイントレア王妃「マリーから遣わされた大切なお客人です。例え王命でも、この子に手出しはさせません」

アルベール王「馬鹿な……」

 ◇

―セイントレア城外郭 王国騎士団本部

 ザワザワ…

セイントレア王妃「明日の戦、王国に大義はありません!! 魔族国とぶつかれば双方に甚大な血が流れ、取り返しのつかぬ惨事となりましょう!! 道理を解す兵は明日の作戦に参加せず、家に帰って家族を大事になさい!!」

 ザワザワ オウヒサマゲンキニナッタ デモサスガニヤバイ…

セイントレア王妃「そもそもが間違った戦なのです!! 軍規違反の心配は一切無用です、王妃である私が保障致します!! どうか賢明な判断を!!!」

 ザワザワ オウヒサマノオスミツキガアルナラ… ボイコットスッカ マゾクコワイシ


頭を抱えるアルベール王「なんてことだ……」クラクラ

 ◇
988 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2025/06/22(日) 22:29:46.95 ID:c3g/Tio30
―王都セイントレア 滞在14日目

◇クロシュ [あかちゃんスライム]
武:星霊の剣     盾:ラティアの大盾  飾:くすんだ耳飾り
武:竜珠の大杖    防:竜のエプロン   飾:不死鳥の羽根

◇妖精   [世話焼き妖精]
武:         盾:         飾:くすんだ耳飾り
武:         防:精霊のレオタード 飾:

◇イリス  [星の魔法使い]
武:蒼き星の杖    盾:         飾:くすんだ耳飾り
武:ブラッドランス  防:魔術師のローブ  飾:

◇ミスティ [氷の魔法使い]
武:氷の短刀     盾:         飾:くすんだ耳飾り
武:         防:氷竜革のローブ  飾:

◇ローガン [鋼の戦士]
武:蜥蜴一文字    盾:灼鋼の盾     飾:くすんだ耳飾り
武:鋼の回転ノコギリ 防:オリハル鎖帷子  飾:

◇エバンス [地の傭兵]
武:古代の鉄槌    盾:         飾:くすんだ耳飾り
武:魔銀の刀     防:硬質革鎧     飾:

◯所持アイテム
[道具]        [装備品]       [大事なもの]
運命賽*1       蜘蛛絹の下着      魔族国永久旅券
会心賽*1       ザリガニのお守り    フメイの服の切れ端
反魂丹*1       大きな巻き貝      精霊の印
鉄鍋+携帯調理器具   闇の欠片        精霊樹の実のジャム
「星の魔力」上中下   フリルワンピ水着    精霊樹の鉢植え+赤雷球
お宿の妖精の織物    魔法学園のスク水    フメイとアリシラの人形
魔導飯盒        ガラスのザリガニ    メルルの帽子
妨害魔力波発生装置   踊り子の双剣      溶岩石のアミュレット
属性大全        サボテンドラゴンの花  太陽のメダリオン
魔王図鑑        精霊のローブ      暗黒優待券
氷精の魔導書      精霊樹の杖[改]    冒険者証(ランク1)
ブラッドワイン*1   銀のナイフ       大魔女帝国渡航権
吸血鬼殺ワイン*1   ダイヤメリケンサック  かたたたきけん
魔術書「正負の属性」  パラサイトソード    大魔女帝国滞在許可証
吸血鬼の日焼け止め               風船印のパラシュート
日蝕の傘                    ラティア勲章
大魔女サイン*1                ユーシリア王家の紋章
古代のセラミック
ステライト鉱石
晴れ乞い傘
チョコスムージー
ヒヒイロカネ
氷魔力結晶
魔導書「絶対零度」

◯現在の目標
・フメイちゃんを探す
・世界樹の光を追う[4/5]
・最悪の未来を阻止する

◯努力目標
・カリスに造られた者たちを助ける
・戦争を阻止する
・大司祭を探す(達成!)
・枢機卿の悪事を暴く(達成!)
・レイの行方を追う(達成!)

◯仲間の目標
・カリス・ノーランドを討つ(ミスティ)

◯経験値
・クロシュ 剣技[03/07] 魔法[06/07] 防御[00/07]
・イリス  杖術[04/06] 魔法[16/16]
・ミスティ 剣技[06/07] 魔法[12/16]
・ローガン 剣技[16/16] 魔法[06/08] 防御[07/08]
・エバンス 剣技[16/16] 魔法[07/08]
……………………………………………………………………………………
□王都セイントレア
王城:王妃の部屋、未探索
城下:教会、孤児院、市場、食事処、酒場、浴場、娼館、冒険者ギルド
   中央広場、公園、学校、図書館、博物館、劇場、闘技場、未探索
……………………………………………………………………………………
□セクリエ・ロイエ
大聖堂、大聖堂別館、美術館、庭園、お土産屋、未探索、他
……………………………………………………………………………………
989 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2025/06/22(日) 22:30:53.77 ID:c3g/Tio30
―朝
 聖ヴァレリオ教会

 チュンチュン

クレア「……ついに完成しました。聖ヴァレリオの秘伝パスタです……!」

 秘伝パスタ「」ポン!!!!

クロシュ「わあ……!!」

ローガン「おお……ニンニクの香ばしさと唐辛子のピリリとした香りが効いている……!」

イリス「す、すごい!! こんな美味しそうな組み合わせのパスタ初めて見ました!」

レイ「え、でもこれってペペロン――」

エバンス「きっと世界初の組み合わせの最高のパスタに違いない!! 流石は秘伝パスタだぜ!!」

クル「レイ……ちょっと黙ってよっか」

レイ「なな、なんでぇ……!?」

ミスティ「まあ美味しければなんでもいいんじゃない……?」

 *

スライムクロシュ「〜〜♪♪」モニョモニョ モグモグ

スライムデロデロ教徒「〜〜♪♪」モニョニョ モグモグ

聖女「ふふ……スライムさんがご飯を食べてるところを見るの、好きなんです。私」

僧侶「変わった趣味ですね……。まあでもこの子たちってなんでも美味しそうに食べるから、見ていて気持ち良いとは思います」


大司祭「……しかし、私まで頂いて良いのか?」

クレア「もちろんです、大司祭様。派閥の違いなどパスタの前では些事である……と聖ヴァレリオも手記に遺しています」

 ☆朝ごはんに秘伝パスタを食べて元気になりました
  本日および明日の戦闘コンマに+20が加算されます

 *

―聖ヴァレリオ教会 宿泊室

妖精「さっきクローディアから届いた知らせによると、今日の夕方に完成する見込みとのこと」

クロシュ「!」

イリス「ついに今夜……!!」

ミスティ「緊張してきたわね……」

エバンス「俺たちの行動次第で戦争の行方も変わるかもしれない。責任重大だ」

ローガン「うむ……。成すべきことを成そう」

妖精「思いつく対策は全て打ったと思うから、今日は各自自由に過ごそう。もちろん今夜の作戦に支障が出ないようにね」

クロシュ「うん……!」


王都セイントレア滞在14日目。本日の行動終了後、カリス被害者救出作戦に移ります
↓1〜3 自由安価 何をする?
990 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2025/06/22(日) 22:31:09.09 ID:zX10rx6j0
フメイ、アリシラ、ブラッドと再会現状を説明して世界めくれを阻止の協力をお願いする
991 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2025/06/22(日) 22:31:12.62 ID:JqQTeHSWO
ローガン、エバンス剣術と魔法を使う本気の模擬戦
992 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2025/06/22(日) 22:31:26.34 ID:9h/QyKqnO
みんなで宴会
993 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2025/06/22(日) 22:31:29.83 ID:GmFfa+T/0
クロシュ、記念に仲間たちの集合絵を描く
994 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2025/06/22(日) 22:31:45.12 ID:M/XE4+JcO
ヴィアやその他スライムたちとスライム談義
995 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2025/06/22(日) 22:32:15.95 ID:IzSMAfuF0
デュアと合流して協力者を探す
996 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2025/06/22(日) 22:58:21.56 ID:c3g/Tio30
―セイントレア平原

 ヒュオオオオオ――…

メタルローガン「……」


エバンス(旦那……無心でメタル化を維持してるな……凄い集中力だ)

エバンス(俺には旦那みたいな特化した一芸はないが――)

 ブォンッ!!
 古代の鉄槌「」ズンッ!!

エバンス(近接戦闘の技なら、旦那にも劣ってないはずだ)


 ガション ガション

メタルローガン「エバンスくん。気迫を感じるぞ」

エバンス「そうか?」

メタルローガン「ああ。私を相手に力を試したいのだろう」

エバンス「……よくわかったな」


エバンス(合流した頃と比べて、俺の剣の腕もかなり上達した。旦那も立ち止まってはくれなかったが、追いつけたように思う)

エバンス(……今夜の作戦が終わり、世界樹の問題が解決すれば……たぶん、このパーティは解散となるだろう。そうすれば……旦那と剣を交えられる機会も、なくなっちまうかもしれない)

エバンス(ならば――今ここで剣を交えるのは、必然と言っても良いはずだ)


 魔銀の刀「」シャキン…


エバンス「……よろしく頼む。元ユーシリア魔法騎士、ローガン」


 蜥蜴一文字「」シャキン…


メタルローガン「フッ……今の私は、復権派の雇われ用心棒だ」


 ヒュオオオオオオ―――……


   シャンッ!!!!


↓1コンマ一桁 勝者
1 ローガン
2 エバンス
3 引き分け
4 ローガン
5 エバンス
6 引き分け
7 ローガン
8 エバンス
9 引き分け
0 ???
997 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2025/06/22(日) 22:59:51.26 ID:fQG9Uu9ho
どうだ
998 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2025/06/22(日) 23:27:06.53 ID:c3g/Tio30
   ギンッ!!
 ギンギンッ!! ドガガガッ!!
     ガギンッ!! 

 ローガンの頭上で静止する魔銀の刀「」ピタ―

 エバンスの首筋で静止する蜥蜴一文字「」ピタ―


エバンス「………」

ローガン「………引き、分け……だな」


エバンス「ぶはぁっ……!! ひ、引き分けかぁ〜……!!」ドテッ

ローガン「ふぅ……まさか私のメタル化を打ち破るとは……! あんな必殺技を繰り出してくるとは驚いたぞ、エバンスくん!」

エバンス「少しは不意打ちの手段も必要だと思ってな。旦那のメタル化を破れたなら大戦果だぜ」

ローガン「地の上級魔法パワーグラウンドか。使いこなせば遠距離から一方的に攻撃できるのではないか?」

エバンス「いや……ちょいと集中力と魔力の消費が重いし、一度見られたら地を打つ動作をするだけで相手に簡単に気取られるようになっちまう。しかも空中に逃げられたら全く届かなくなるから、一度の戦いで使えるのは一回くらいだろうな」

ローガン「なるほど……。だが、相手に地面を警戒させるブラフとして使う手もあるのでは?」

エバンス「……そうか! 消費が重いかどうかなんて相手はわからないだろうから、いくらでも打てるもんだと思わせれば――」

ローガン「うむ。拳や剣だけでなく、震脚で繰り出すというのも――」


 ☆ローガンとエバンスが魔法経験をそれぞれ1づつ獲得しました

 ◇
999 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2025/06/22(日) 23:27:53.53 ID:c3g/Tio30
本日はここまで。次回もよろしくお願いします
1000 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2025/06/22(日) 23:54:41.42 ID:XU9NgluuO

決戦直前の秘伝パスタありがたい
聖ヴァレリオさん素パスタ好きだったり秘伝レシピがペペロン…だったりでめっちゃ庶民的だ
肩乗りちびスライムクロシュかわいい
1001 :1001 :Over 1000 Thread
 達 じ   |                           / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄\
 者 ゃ   l                     | ・ な 会 多
 で あ  /                          | ・ い う. 分
 な    く      ,.'"´ ̄ ̄``丶.        | ・ と. こ 皆
___/ヽ)     /           ゙、.       ! ・ お と に
           /             ',       | ・ も が は
          ノ      _    __   !     |    う   も
         ,レ^ヽ  ∠:::::::.\ ヽ・ ヽ |     |       う
         / ,ヘ   ⌒`ト、:::.ヽ  ̄  |   _ノ           |
          l い    _,,,L・`ヽ:ル ノィノ     ̄\_____/
         ヽ       ー─-  ‘ー1
          >‐‐'.        、__,ゝ ,′
         /     ',       `二' /
          /     `丶、     /
        ノ           ``ーr‐'゙
      /           \  |
    _∠_ __ _ ,,,、、、-──‐┴-、、
    厂 ー──'''"´ ̄ ,  ニ二二ニヽ\
   ,′         , イ       ̄``ヽ \
.  /          //  `)         ',  ヽ
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