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【安価・コンマ】力と魔法の支配する世界で【ファンタジー】Part6

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771 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2025/05/25(日) 17:20:59.09 ID:7S7i0NrCO
デロデロ教過激派VSロイエ教穏健派(現教皇も含む)で言い争っている所を発見
772 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2025/05/25(日) 17:28:13.18 ID:CpstZjfL0
以前の国の登場人物をあまり頻繁に出すのは少々よろしくないので、まことに申し訳ありませんが>>769は無効・再安価とさせていただきます。できれば現地の場所や人物や事象に着目していただけると幸いです

再安価
↓1自由安価
773 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2025/05/25(日) 17:31:32.38 ID:wM+rK/7FO
以前 アリシラの両親が話していた アリシラのことについて みんなに話す
世界 めくれ の幽界に関係している?
774 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2025/05/25(日) 17:35:15.41 ID:7S7i0NrCO
>>771を書いた者です
大司祭は現教皇なのかな?もし設定に合わなかったら現教皇なしでも大丈夫です
775 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2025/05/25(日) 19:01:15.85 ID:CpstZjfL0
ロイエ教ではおおまかに、以下のような序列となっております
いただいたキャラクター案も、以下の設定に合うように少々変更してある箇所があったりします(グランドマスター氏は案では大司祭でしたが、能力や役割を鑑みて枢機卿に格上げしました)。ご査収のほどよろしくお願いいたします

教皇>枢機卿>大司祭>司祭>一般聖職者(修道士・修道女など)>信徒
776 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2025/05/25(日) 19:01:48.46 ID:CpstZjfL0
―聖ヴァレリオ教会 宿泊室

クロシュ「あ……そういえば……」

妖精「ん? なあに?」

クロシュ「アリシラさんの、こと――」

 *

イリス「ええっ!? アリシラさんって……一度死んで、蘇った……!?」

ミスティ「いや、まあ……不死鳥みたいな生き物もいるし、そういうこともあるわよね……」

妖精「そ、そうだったんだ……」

クロシュ「えと……幽界って……関係、ある……?」

妖精「字面からすると幽界って死後の世界みたいだけど、別に死後の世界ってわけじゃないからなあ……。クロシュも知ってる通り、死んだ魂は星に還るものだし……」

クロシュ「あっ……そうだった……」

妖精「ただ、まあ……アリシラの目的が世界の破滅だったら、世界めくれを引き起こす動機は十分にある……。でもアリシラってなんだかんだでクロシュとフメイには優しかったし、そこまでするとは思えないんだよね……」

クロシュ「うん……」

エバンス「口ではクロシュちゃんたちが平穏に生きられる世界を作るって言ってたよな。それを正直に受け止めるなら、世界めくれなんて起きたら平穏に生きるどころじゃないだろうし、やっぱそこまではしないんじゃないか?」

ローガン「だが、アリシラくんもまた星の力を持つ者の一人だ。制御に失敗して大惨事を引き起こす可能性もあるのではないか?」

妖精「それはまあ、そう……。悪い可能性は常に考えておいた方が良いかも……」

クロシュ「……」


クロシュ(フメイちゃん……アリシラさん……)

クロシュ(……きっと……もう、ここに来てる……)

クロシュ(………一緒に……協力、できたら……いいな……)

 ◇
777 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2025/05/25(日) 19:03:32.55 ID:CpstZjfL0
―王都セイントレア 路地裏

 ガサゴソ…

ミラ「すみません、レイの捜索にアナタたちの手を煩わせてしまって……」

クレア「気になさらないでください。私も無関係とは言えないことですから」

クロシュ「うん……! わたしも……レイさんのこと、探したい……!」

ミラ「フフ……僕は幸せ者です。レイを見つけたら、自慢してあげたいな」

クレア「ただ……レイ・アンバーさんは重大な容疑がかけられている指名手配犯の方ですから、もし見つけたら然るべき場所へ自首して頂きます。ミラくんも……そのことはわかっていますよね?」

ミラ「もちろんです。でもレイは、兵士とは別の変な人たちに追われているみたいなんです。このままだと、捕まって罰を受けるよりも酷いことをされてしまうかもしれない。僕は、それを止めたいんです」

クレア「別の変な人たち……?」

ミラ「隻腕の、恐ろしい風貌の男でした。レイがあの恐ろしい男に組み敷かれてめちゃくちゃにされるんじゃないかと思うと、不安で不安で夜しか眠れず……」

クレア「く、くみし……///」

クロシュ「?」

ミラ「クレアさん? 何を想像してらっしゃるんですか?」ニコニコ

クレア「……コホン! 修道女をからかうものではありません」

ミラ「クレアさんがかわいかったもので、つい」

クレア「……クルちゃんに言いつけますよ?」

ミラ「すみませんでした」

クレア「よろしい。ところで……今、隻腕の恐ろしい男と言いましたか……?」

ミラ「はい。クロシュちゃんも見たよね?」

クロシュ「うん……」

クレア「隻腕の……まさか……」

ミラ「心当たりがあるんですか?」

クレア「いえ……人違いでしょう。では、レイ・アンバーさんの捜索には私たちも気を付けないといけませんね」

ミラ「はい。ちょっと非効率ですけど、手分けするよりはみんなで一緒に探した方が安全かと思います」

クレア「そうですね。それでは、三人で一緒に探しましょう」

クロシュ「ん!」モニョモニョ―


クレア(私の魔眼……探し物に向いてるわけじゃないけど、もしかしたら)キィィィン――

四方に散っていく透明分体ちびクロシュたち「〜〜」ピョンピョンピョン


↓1コンマ(未来視の魔眼+10)
01-50 痕跡を発見
51-90 発見して逃す
91-00 確保!
778 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2025/05/25(日) 19:05:25.83 ID:U5UpjOJQO
よゆうのかくほ
779 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2025/05/25(日) 19:22:52.66 ID:qQNldUjho
確保だー!!
780 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2025/05/25(日) 22:28:26.42 ID:CpstZjfL0

クレア「――!」キィィィン――


 ――追い詰められるレイ「あ、あわ、あわ……」ビクビク

 ――隻腕の男「もう影には隠れられまい。鬼ごっこは終わりだ」ザッザッ

 ――レイに迫る男たち「……」ザッザッ

 ――追い詰められるレイ「助けてぇクロシュちゃんんんん!!!!」


クレア「――い、急がないと! そう遠くない未来にレイさんが……!!」

クロシュ「!?」

ミラ「どういうことですか……!?」

クレア「あ……く、詳しく説明してる暇はありません! とにかく、王都南区へ急ぎましょう!」タッタッタッ

クロシュ「ん! 分体のみんなも……!!」

透明分体ちびクロシュたち「〜〜!」モニョニョ! ピョンピョンピョン!

 *

―王都セイントレア南区 路地裏

追い詰められるレイ「あ、あわ、あわ……」ビクビク

隻腕の男「もう影には隠れられまい。鬼ごっこは終わりだ」ザッザッ

レイに迫る男たち「……」ザッザッ

追い詰められるレイ「助けてぇクロシュちゃんんんん!!!!」


 ベチッ!!

隻腕の男「ッ!?」グラッ

781 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2025/05/25(日) 22:28:53.14 ID:CpstZjfL0
男たち「隊長!? 何が――オゴッ!?」ドガッ!

透明分体ちびクロシュたち「〜〜!」モニョニョ!!
透明分体ちびクロシュたち「〜〜!!」ピョンッ ベチッ!!
透明分体ちびクロシュたち「〜〜!!!」ベチッ!! ベチッ!!

男たち「うわっ!」ドテッ
男たち「ふ、不可視の敵から攻撃を受けています! 隊長!」ドテッ

隻腕の男「ダメージは小さい! 無視しッ!?」グラッ
 隻腕の男の膝裏「」ベチンッ!!

隻腕の男(一発の威力は低いが、打点が不規則すぎる……!? 何なのだ、こいつは……!?)グラァ


レイ「えっ、えっ……!? クロシュ、ちゃ――」

 反映魔法弾「」ピュン!

透明レイ「わわっ!?」ポン!


透明ミラ(レイ!!)ガシッ

透明レイ(えっ、ミラ……!?)

透明ミラ(急いで離れるよ!!)

透明レイ(う、うん……)


隻腕の男「逃さん!!」カッ!!

 重力「」ズン!!

透明レイ「うわあ!」ドテッ

透明ミラ「うぐっ……!?」ガクッ

透明分体ちびクロシュたち「〜〜!!」モニャニャニャ!!


隻腕の男「そこにいたか。我が重力圏からは逃げられんぞ」ザッザッ


透明ミラ「ぐっ……く、そ……!」グググ

透明レイ「あ、ああ……」ガクガク


隻腕の男「これは……透明の使い魔の群れか」

透明分体ちびクロシュたち「〜〜…」モニャニャ…

隻腕の男「まずこいつらから踏み潰しておこう」ザッザッ

透明分体ちびクロシュたち「〜〜…」デロデロ…


透明レイ「だ、だめ……だめ……」ゴゴゴ…


 隻腕の男の足「」グオオオッ――


透明レイ「だめ……だめ、だめ、だめ……だめェ――」ゴゴゴゴゴ…!!!!


透明スライムクロシュ「〜〜!!」ギュンッ!!

  ドゴォッ!!!

隻腕の男「ぐおっ!? でかいのもいるのか……!?」ヨロッ

透明スライムクロシュ「〜〜!!」モニョニョニョ!!

透明レイ「あ……くろ――」

 バックン!!
  シュバッ!!

 ◇
782 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2025/05/25(日) 22:30:09.29 ID:CpstZjfL0
―聖ヴァレリオ教会

レイ「はひぃ、はひぃ……クロシュちゃんのナカで、運ばれちゃったぁ……」ビクンビクン

ミラ「本当に助かったよ、クロシュちゃん。君がいなかったら、僕もレイも奴らに捕まってた……」

クロシュ「ん……!」

ミラ「分体のみんなは無事?」

クロシュ「うん! みんな、ちゃんと回収、した……!」

ミラ「良かった……」ホッ

レイ「ほんとに良かったよぉ〜〜!! 私のせいでクロシュちゃんの分体ちゃんが酷い目に遭ったりしたら死んでも死にきれないもん!!!」

ミラ「クレアさんも……本当に、ありがとうございました……。クレアさんが察知してくれなかったら、きっと間に合わなかった……」

クレア「あ……いえ……。間に合って、良かったです……」

レイ「……はっ!? こ、ここってロイエの教会!?」

ミラ「大丈夫だよレイ、クレアさんはちゃんとした人だから」

レイ「で、でも……私を追ってた奴らって、ロイエだよ!」

クレア「……!!」


クレア(やっぱり……さっきの隻腕の男性……私の、見間違いじゃなければ――)


 扉「」コンコン


レイ「!?」
クレア「!!」
ミラ「……」
クロシュ「……」


「クレア殿はいらっしゃいますか?」

783 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2025/05/25(日) 22:30:38.28 ID:CpstZjfL0

クレア「……はい。どちら様でしょうか?」キィィン―

「こちらは修道士ガルシア・シモンズ。中に入っても?」

クレア「……ただいま、掃除中で埃が舞い上がっていまして……」

「構いません」

 ガチャッ

隻腕の男→ガルシア「……これは……」

 舞い上がる埃「」ブワブワ

クレア「だから埃が舞っていると……」

ガルシア「失礼……。しかし、これは埃が舞いすぎでは? 聖ヴァレリオ教会ではこれほどまでに埃が積もるまで掃除をしないのですか?」

クレア「……申し訳ありません。少々疎かだったようです」

ガルシア「今後はまめに掃除を行うように。ところで……こちらに、髪がボサボサの少女が来たか……あるいは、運び込まれたりはしませんでしたか?」

クレア「髪が――」タラ…

 窓「」
  風「」ヒュルヒュル――
   舞い上がる埃「」ブワワワッ

クレア「っげほっげほっ!」

ガルシア「エホッエホッ! そ、掃除は窓を閉めてからした方が良いのでは……? エホッ!」

クレア「す、すみません……」

ガルシア「それで……髪がボサボサの少女について――」


 階段「」ギッギッ

髪ぼさぼさミスティ?「ふわあ……よく寝たわ……」スタスタ


クレア「ああ、あの子のことですか? 彼女はミスティさんと言って、先日からここに宿泊している巡礼者でして――」

ガルシア「……いや……わかりました。もし不審な人物を見かけたら、私か他の司祭にすぐさま連絡を」

クレア「あ、はい。かしこまりました」

ガルシア「それでは失礼します。クレア殿に神のご加護があらんことを」スタスタ

 扉「」ガチャ パタム


透明ミラ「……」

透明レイ「……」ガクブル

風クロシュ「」ヒュルヒュル

髪ぼさぼさミスティ?「クレアさん、おはよう。昨日のお風呂は、デロデロになるくらい気持ちよかったわ……」

クレア「え、ええと……」


 階段「」ギッギッ

ミスティ「……何やらただならぬ気配を感じて様子を見ていたら……髪がぼさぼさの私に擬態なんかして、何のつもりよ……クロシュ……」ヌッ

髪ぼさぼさミスティ?「あ……ばれちゃった……」

 モニョモニョ…ポン!

分体スライムクロシュ「〜〜!」モニョニョ!

クレア「」クラクラ

ミラ「クレアさん……!」

 ◇
784 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2025/05/25(日) 22:31:14.51 ID:CpstZjfL0
クレア「はあ……一応、未来氏の魔眼でガルシアさんが帰るところまでは視えていたので、なんとかがんばったのですが……髪がぼさぼさのミスティさんの正体まではわかっておらず……」

ミラ「未来視の魔眼……! その力で僕たちを助けてくれたんですか……!」

クレア「あっ……え、ええと……その……」

クロシュ「未来、みえるの……!? すごい……!!」

レイ「そ、そんなすごい力を私なんかの為に……!? さ、さっきは失礼なことを言っちゃって、すみませんでしたっ……!!」

クレア「あ、いや……あはは……」

ミスティ「なるほど……経緯はよくわからないけど、レイの確保に成功したということね」

クロシュ「うん!」

レイ「あっ……わ、私……これから、どうなるんですか……!?」

クレア「……そ、そうですね……。ガルシアさんが何を考えているのかはわかりませんが、あの様子は尋常ではありませんでした……。指名手配犯の逮捕であれば、王都の正規兵やロイエの神官戦士たちと共に行えば良いはずなのに……」

ミラ「あのおじさんは、一体何なんですか?」

クレア「……ガルシアさんは、穏健派に所属する司祭の一人です。元は王国の騎士だったのですが、今では誰よりも誠実に穏健派としての活動を行っている……はずの、人です……」

ミラ「えっ、あのおじさん穏健派なんですか……」

クレア「そのはずです……。でも、どうして……」

レイ「で、でもクレアさんは……あいつらとは違うんですよね……!?」

クレア「……もちろんです。レイさんを野放しにするわけにはいきませんが……だからと言って、先程のような恐ろしい方々を引き連れたガルシアさんに引き渡すわけにもいきません……」

レイ「え、ええ〜……」

クレア「聖ヴァレリオ・ファルネーゼンは、人であろうとも、悪魔であろうとも、救いを求める者は等しく救われるべきだと説いた人物です。そしてこの聖ヴァレリオ教会を任された司祭代理の修道女であるクレア・フォーサイトも……聖ヴァレリオを準ずる意思があります。私は……絶対に、レイ・アンバーさんを見捨てはしません」

レイ「クレアさんんん……!」ジワワ

クロシュ「わあぁ……!」

ミラ「クレアさん……ありがとう……!」

ミスティ「かっこいいわ……!」

クレア「ひとまず今は……レイさんを、当協会の地下壕に匿いましょう。先日の枢機卿と王国の黒い繋がりが露見した今、王国の司法機関も信用できません。セクリエ・ロイエは言わずもがなです」

レイ「ち、地下壕……! なんかワクワクする……!!」ウキウキ

クレア「レイさん……私は指名手配犯であるあなたを許したわけではありません。ロイエと王国の司法が正常に機能していると判断できるようになるまでの、一時的な措置であることを忘れないようにお願いします」

レイ「あうぅ……はい……」ガックリ

ミスティ「地下壕なんてあったのね。でもそこは大丈夫なの? バレない?」

クレア「地下壕の存在自体は公に知られていることですが、地下壕の奥には隠し通路がありまして。その通路の先に、かなり広めの居住スペースが設えられているのです。恐らくは戦争に備えて造られたものかと思われますが、建築資料にも載っていないので露見する可能性はとても低いと思います。私が発見できたのも、偶然でして」

ミラ「でも本当にすごいや……! 僕、クレアさんのこと本気で好きになっちゃいそうです」

クレア「もう……冗談はほどほどにしてくださいね」


 ☆目標「レイの行方を追う」を達成しました

 ☆レイさんを地下壕に匿いました

 ☆地下壕が開放されました

 ◇
785 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2025/05/25(日) 23:04:42.98 ID:CpstZjfL0
―午後
 王都セイントレア 中央広場

 ワイワイ ガヤガヤ

妖精「まさかあっさり確保しちゃうなんて。やるなあ」

クロシュ「んへへ……レイさんのこと……解決……!」

妖精「そだね。これでレイの魔法についてあれこれ悩まなくても良さそうかな?」

クロシュ「でも……今度は、穏健派も……怪しくなってきたんだって……」

妖精「そ、そうらしいね……。一つ解決すると一つ変な問題ができるなんて、勘弁して欲しいなあ」

 ワイワイ ガヤガヤ
 シンノタダシイセカイ!! シンノタダシイセカイ!!

妖精「んで今度はデロデロ教だ。あいつらはトンチンカンだけど、陰謀とかそういうのとは無縁だから今は良い清涼剤かも……」

クロシュ「んへへ……」

 シンノタダシイセカイ!! シンノタダシイセカイ!!
 ダマサレテハナリマセン!! ダマサレテハナリマセン!!

妖精「んあ……?」

クロシュ「……?」


穏健派司祭「世界をデロデロにして救うなどという思想は悪魔がもたらす破滅に他ならない!!」

デロデロ教徒「違います! 世界がデロデロになれば、争いも、悲しみも、何もかもが一つに溶けて、平和になるんです!! それは救いであって、破滅なんかでは決してありません!!」

穏健派司祭「騙されてはなりません、民衆よ!! デロデロになるとはつまり、死ぬのと同じ!! この邪教徒は、全ての生命は等しく死ねと言っているのだ!! 皆さん、こいつらは悪魔なのです!! 信じてはなりません!!」

デロデロ教徒「ち、違うよぉ……そんなこと、言ってないのに……」モニャニャ…


 ガヤガヤ… ザワザワ…


妖精「あ、あれは……ロイエ教の司祭が、デロデロ教徒を言い負かしてる!!」

クロシュ「……!!」

妖精「考えても見れば当然だ……長年に渡って宗派同士でぶつかり合って討論の技を磨いてきたロイエ教に対し、発足して間もないデロデロ教の討論力はとても低い……!! 言わばデロデロ教は、あかちゃん宗教……!! 大陸最強の歴戦教であるロイエと討論の場で勝てるわけが――」


「待った!!」バン!!


妖精「えっ……この声は――」

クロシュ「!!!」
786 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2025/05/25(日) 23:07:09.91 ID:CpstZjfL0
導師僧侶「こちらが言ってもいないことを捏造し、悪質なレッテルを貼って貶めるのが穏健派のやり方なんですか?」ドン!

穏健派司祭「何……!? 貴様……原理派の、僧侶……!!?」

導師僧侶「いいえ……。私は、ロイエ教デロデロ派の導師――僧侶・オーバーエンド!!!!」デデン!!

穏健派司祭「な……に……!? 私は原理派ではないが……捧げたはずの名前を勝手に戻すのは冒涜ではないのか!?」

導師僧侶「オーバーエンドは元々の名字ではありません。そして――ロイエ神に名を捧げた後、新たな名を名乗ってはならないという決まりはありません!!!!」

穏健派司祭「なん、だと……!?」

導師僧侶「少々脱線してしまいましたね、話を戻しましょう。まずデロデロ派の理念としては、この世の全てを溶かして、痛みも悲しみもない完全な調和を目指すこと――。そしてあなた方穏健派は、デロデロになることは死ぬのと同義だと言いましたね」

穏健派司祭「ああ、そうだとも。脱線してしまったが、よく聞いていたようで何よりだ」

導師僧侶「私たちデロデロ派は、デロデロになることを死だとは考えませんが、ここはあなた方に譲歩して一旦死と同義という仮定を用いましょう。ここで穏健派に問いますが――死ぬことは、悪いことですか?」

穏健派司祭「――は?」

導師僧侶「考えてみてください。差別、闘争、憎悪、破壊、混沌……全て、生から生じるものです。死という静謐からそれらが生まれることは決してありません。穏健派はつまり、今挙げたような苦痛の温床を容認する立場と考えてよろしいですか?」

穏健派司祭「馬鹿な!! 今僧侶殿が挙げたものは、神の教えを解さぬ愚民によるものがほとんどであろう!! 穏健派がそのようなものを容認するはずが――」

導師僧侶「つまり穏健派は、神の教えを解さぬ者に救われる価値はないとお考えなのですか!?」

穏健派司祭「そうは言っていない!! いずれ全ての民が穏健派の思想を解すれば、この世から今僧侶殿が挙げたような苦痛は消え去るはずだ!! その過程こそが、神が我らに課した試練!!」

導師僧侶「その試練の過程で苦しんで死んでいく者たちは、どうでもいいと!!? 救われなくても仕方ないと!!? そう言いたいのですか!!?!?」

穏健派司祭「……違う!! それは……それは、我ら穏健派の至らぬ、罪だ……!!! 救えなかった魂の分だけ……我らの罪は、重くなるのだ……!!!」

導師僧侶「なんですかそれは!!? 罪が重くなったらどうなるんです!!? その罪で今まさに苦しんでいる命たちが救われるんですか!!?!? 罪の重さとかいうよくわからないもので自己憐憫に浸って気持ちよくなってるだけじゃないですか!!?!?!?」

穏健派司祭「死後、罪の重さに応じて行く場所が決まるのは貴様も知っていよう!!!! 救えなかった分、我らは地獄に堕ちて――」

導師僧侶「地獄ってどこにあるんです!!?!?!? この世が、あらゆる命を苦しめて痛め付け続けるこの世界こそが正真正銘の地獄じゃないですか!!!?!??!???」

穏健派司祭「な、なんだとォ……」

導師僧侶「私たちは、ただこの腐り切った最低の世界を正したいだけなんです!!!!! 何もかもが溶けて、一つになれば、その時点でそれ以上の犠牲者は生まれない……!!!! 星に還っていった命たちとも、まためぐり逢えて――最期に、最高の大団円を、迎えられるんです!!!!! 上が言ったことをそのまま鵜呑みにして考えようともしない穏健派だの原理派だのに、邪魔されてたまるもんですか!!!!!! 真の正しい世界こそが、世界を救うんです!!!!!」

穏健派司祭「う、うごぉァァァァァ!!!!」ドッギャァァァァァン!!!!

導師僧侶「ふん……悲しみを知らぬ者に、説ける道理などありません」ファサッ


  ウオオオオオオオ!!!! ワワアアアアアアア!!!!!
    シンノタダシイセカイ!!!! シンノタダシイセカイ!!!!!!
787 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2025/05/25(日) 23:08:02.50 ID:CpstZjfL0
導師僧侶「あっ、しまった……つい興が乗って原理派時代の討論テクニックを使ってしまいました……。こんな口喧嘩ごっこなんかしても何にもならないのに……。いやまあ、デロデロ思想が広まるなら良しとしましょうか……」


  パチパチパチ…


導師僧侶「!?」

教皇ユグド「素晴らしい討論でした。僧侶・オーバーエンド導師」ヌッ

導師僧侶「きっ……教皇……!!?」


 ザワザワ…


教皇ユグド「しかし残念ながら、この王都で異教徒による宗教活動は禁止されております。速やかにお立ち退きを」


導師僧侶「……失礼しました」ソソクサ

デロデロ教徒「えっ!? 僧侶ちゃんなんで……? あのおじさんは言い負かしちゃわないの……?」

導師僧侶「相手が悪すぎます……! それに実際異教の宗教活動を禁じる法律があるんです……実際に使われたところを見たことがなかったので甘く見ていましたが……」

デロデロ教徒「そ、そんなぁ……!!」

導師僧侶「問題ありません。討論ごっこなんてただのお遊びですから」



クロシュ「僧侶さん……!」トコトコ

妖精「僧侶!」パタパタ



導師僧侶「あれは……クロシュさんに妖精さん!」

デロデロ教徒「えっ、クロシュさんって導師クロシュさま……!?」

 ◇
788 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2025/05/25(日) 23:28:10.32 ID:CpstZjfL0
―王都セイントレア 喫茶店

 カランカラン

店員「お待たせいたしました。紅茶とセイントレアチーズケーキになります」スッ

 紅茶「」ポン ホカホカ
 レアチーズケーキ「」ポン

クロシュ「わあ……!」

デロデロ教徒「わわあ……!」

導師僧侶「ありがとうございます」

店員「ごゆっくりお過ごしくださいませ」ペコリ スタスタ

 *

クロシュ「〜〜♪」モニョモニョ モグモグ

デロデロ教徒「〜〜♪」モニョモニョ モグモグ

導師僧侶「ん〜♪ ここの味はいつ来ても変わりませんねえ……」モグモグ

妖精「前にも来たけど、ここのケーキは美味しいね。妖精の私の味覚にも合う」

導師僧侶「へえ〜そうなんですねえ。種族を越えた美味しさ……良いお店ですね」

 *

デロデロ教徒「んわわ〜! クロシュさまと一緒にごはんなんて、かんげきです……!!」モニョニョ

妖精「食べ終わってから言うのか……」

デロデロ教徒「だ、だってぇ……ケーキ、美味しくて……」

クロシュ「んへへ……おいしかったから、仕方ない……!」

妖精「そういえば僧侶、この街にいて大丈夫なの? 裏切り者の異端派として始末とかされない?」

導師僧侶「今ロイエ教はそれどころじゃないので大丈夫ですね。原理派は御存知の通りお尻が絶賛炎上中ですし、穏健派は元原理派の私なんてどうでも良いでしょうから」

妖精「へえ、まあ大丈夫ならいいか……あっ、それより今聖女が大変なんだよ! 顔を見せてあげてよ!」

導師僧侶「えっ聖女が? あの子は魔族国にいるんじゃ……?」

妖精「いろいろあって今は聖ヴァレリオ教会にいるんだけど、父親も姉も行方不明で枢機卿もあんなんで、かなり参っちゃってるみたいなんだ。僧侶が顔を見せてあげたら少しは元気が出ると思うし……」

導師僧侶「い、いやでも……私なんかがあの子と顔を合わせる資格なんて……。余計に塞ぎ込まさせちゃうかも……」

クロシュ「んゅ……」

デロデロ教徒「僧侶ちゃん……」

妖精「以前の傲岸不遜で我儘放題だった僧侶はどこいったの? さっきの討論ごっこみたいにガンガンいこうよ」

導師僧侶「いやでも、聖女相手にそんなデリカシーのないことをするのは……」

妖精「うるさい、つべこべ言うな!! ケーキ持ってお見舞いに行くんだよ!!」ゲシッ

 ◇
789 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2025/05/25(日) 23:29:27.79 ID:CpstZjfL0
―夕方
 聖ヴァレリオ教会 聖女の宿泊室

ぼさぼさ聖女「……」ゲッソリ

ぼさぼさ聖女「……クレアさんに……迷惑を、かけています……。きっと、クロシュちゃんたちにも……心配を……」

ぼさぼさ聖女「………」

ぼさぼさ聖女「………明日から……がんばらなきゃ……」ボフッ

 コンコン

ぼさぼさ聖女「!」ビクッ


クレア『聖女、いますか? あなたにお客様です』

ぼさぼさ聖女「私に……?」ノソッ

クレア『クロシュさんと、妖精さんと――』

ぼさぼさ聖女(クロシュさん……妖精さん……。あ、こんなカッコで会ったら失礼かな……)

クレア『―――僧侶さんです』

ぼさぼさ聖女「えええっ!?!!?」ドテッ!!

 ゴロゴロッ ドガッ!!

クレア『聖女!?』

 扉「」ガチャッ!!

導師僧侶「聖女!」タタッ

クロシュ「聖女さん!」トテトテ


ぼさぼさ聖女「あ……お、お姉ちゃん……クロシュ、さん……」

 ◇

―聖女の宿泊室

聖女「す、すみません……みっともないところをお見せして……」

妖精「いや、構わないけど……具合は大丈夫なの? 出直そうか?」

聖女「あ、いえ……だ、大丈夫です! せっかく来ていただいたので、おもてなしを……」

導師僧侶「……病人は病人らしくしていなさい。はい、お土産です」スッ

 セイントレアチーズケーキ「」ポン

聖女「あっ……この、ケーキ……」

導師僧侶「昔と変わらない味です……。早く具合を治すことですね……」

聖女「は、はい……。ええと……あ、ありがとう……お姉ちゃん……」

導師僧侶「………どういたしまして」



デロデロ教徒(んわわ……なんか、ぎこちない……)モニャニャ

クロシュ(んゆゆ……)

妖精(イリスとティナもだったけど、人間が久しぶりに家族に会うとこういう風になるもんなのかなあ……。無理に連れて来たのは失敗だった、なんてならないよね……?)


ど、どうしよう……
↓1〜2選択
1.デロデロの話をする
2.レアチーズケーキの話をする
0.自由安価(状況にそぐわないものは再安価)
790 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2025/05/25(日) 23:30:30.96 ID:6IZhgnao0
0とりあえずお風呂にさそう
791 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2025/05/25(日) 23:31:49.88 ID:5tLLJz6Oo
2
792 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2025/05/26(月) 00:43:31.71 ID:GiGfx6YH0
―聖ヴァレリオ教会 地下浴場

 カポーン…

スライムクロシュ「〜〜…♪」デロデロ

スライムデロデロ教徒「〜〜〜…♪」デロデロ

聖女「教会の地下にこんなでっかいお風呂があったなんて……」チャプン

妖精「今日……いろいろあって、クレアが地下壕を開放してくれたんだ。掃除も済ませてあるから、試運転がてらみんなで入っていいってさ」パシャ

導師僧侶「むう……ここ、こじんまりとした教会だと思ってたのに。こんな良い施設があるのを考えるとそこらの教会よりずっと良い場所じゃないですか。ズルです。穏健派はやはりズルの温床ですね」

聖女「ま、まあまあ……。お姉ちゃんはもう、原理派じゃないんですよね……?」

導師僧侶「そうです。あんな腐った差別主義者共の集まりになんか二度と戻るもんですか」プンスコ

聖女「わあ……。ほんとにデロデロ派になったんですね……!」

導師僧侶「あれ、知ってたんですか?」

聖女「クロシュさんたちに教えてもらったんです。お姉ちゃんが原理派をやめてデロデロ派になったこと……」

妖精「聖女になら良いでしょ?」

導師僧侶「まあ、聖女なら良いです。ていうかまあ……今日の活動で私のことは既にバレバレになったでしょうし」

聖女「何をしたんですか?」

妖精「大勢の見てる前で穏健派の司祭を言い負かしてた」

聖女「わあ……」

導師僧侶「……悪気はありませんでした。ただ、ウチのそいつがボコボコに言われて、ちょっと腹が立ちまして……」

スライムデロデロ教徒「〜〜♪」モニョニョ

聖女「ふふ……スライムのデロデロ教徒さんなんですね」ナデナデ

スライムデロデロ教徒「〜〜♪♪」モニャニャ デロデロ


導師僧侶「それにしても……」

 聖女の豊満な双丘「」ポヨン

 僧侶のなだらかな双丘「」ナダラカ

聖女「どうかしましたか、お姉ちゃん」ポヨン

導師僧侶「いえ……別に? 私は何とも思っていませんが?」

聖女「?」ポヨン

スライムクロシュ「?」モニョ?

妖精「え、何の話?」

 *
793 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2025/05/26(月) 00:46:14.61 ID:GiGfx6YH0
―聖ヴァレリオ教会 聖女の宿泊室

デロデロ教徒「んん〜! 気持ちよかった……!」モニョニョ

クロシュ「うん……!」

聖女「あんなお風呂が地下にあるなんて、確かにズルですねえ……」

導師僧侶「さて、お風呂を上がったのならあれを食べましょう。保冷庫に入れておいたので、風呂上がりには丁度良く冷えているはずです」スッ

 レアチーズケーキ「」ポン!

 *

スライムデロデロ教徒「〜〜♪」モニョモニョ モグモグ

スライムクロシュ「〜〜♪」モニョモニョ モグモグ

聖女「……ほんとに、変わらない味ですね……」

導師僧侶「………」

聖女「………お姉ちゃんと……また、会えて……嬉しいです……。お姉ちゃんまで、いなくなっちゃったら……」グスッ

導師僧侶「……えっ。なんか死んだことにされてたんですか、私?」

妖精「行方不明扱いだったんだよ。僧侶と、僧侶のお父さんの……大司祭って人と一緒に……」

導師僧侶「えっ……!? お父様……大司祭が行方不明……!?」

聖女「はい……。だから……私、もう、会えないんじゃないかって……怖くて……」

導師僧侶「そ、そうだったんですか……。ごめんなさい、そうとも知らず心配をかけてしまったんですね……」

聖女「い、いえ……! 私が……勝手に、うじうじしてただけで……お姉ちゃんが悪いわけじゃ……」

導師僧侶「いや……私が姉としてもっとちゃんとしてれば……」

クロシュ「……レアチーズケーキ……昔から……食べてるの……?」

聖女「……はい。昔……修道院に預けられる前に、お父様が買ってきてくれたレアチーズケーキを、お姉ちゃんと二人で食べたのを覚えています……」

導師僧侶「……また……二人で、食べようと思って買って来たんですけど……まさか、お父様が行方不明だったなんて知らず……」

クロシュ「………じゃあ、探す……!」

聖女「えっ……?」

クロシュ「わたし……聖女さんと、僧侶さんの、お父さん……探す……!!」

デロデロ教徒「んわわ〜〜!」モニョニョ!

妖精「クロシュ……!」

導師僧侶「で、ですが……クロシュさんにそこまでしていただくわけには……」

クロシュ「んーん……わたし、探す……!! 探したいから……探す……!!」

 ☆努力目標「大司祭を探す」が追加されました

 ☆全ての努力目標が出揃いました

 *
794 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2025/05/26(月) 00:56:48.36 ID:GiGfx6YH0

クロシュ「ところで……レアの意味……しってる……?」

聖女「えっ……?」

デロデロ教徒「レアの意味……?」モニョニョ

導師僧侶「レアって、レアチーズケーキのレアですか?」

妖精「クロシュ……まさか……」

クロシュ「レアの意味は……はんぶんナマ……」

デロデロ教徒「はんぶんナマ……!」モニョニョ…!

クロシュ「だから……セイントレアは……せいんとの、はんぶんナマ……」

デロデロ教徒「んわわ〜! せいんとの、はんぶんナマ……!?」モニョニョ!?

聖女「なるほど……それじゃあレアチーズケーキは、はんぶんナマのチーズケーキですね!」

クロシュ「わ……! うん……たぶん、そう……!!」

導師僧侶「実際、レアチーズケーキはベイクドでもナマでもないはんぶんナマのチーズケーキと言えますが……しかしセイントレアのレアは、本当にその意味なのでしょうか……? 流石に安直すぎるのではないかと……」

妖精「人間以外の種族に対する苛烈な姿勢を見ると、セイントレアというよりセイントウェルダンだよね。国王も炎属性の魔剣士らしいし」

クロシュ「せいんと……うぇるだん……?」

聖女「ウェルダンはこんがりって意味ですよ。クロシュさん」ニコニコ

クロシュ「わあ……! じゃあ……せいんとの……こんがり……!!」

デロデロ教徒「んわわ〜! せいんとの、こんがり!」モニョニョ キャッキャ

妖精「しまった……余計な知識を教えてしまった」

導師僧侶「ふふ……でも、こういうのも良いですね」

 ◆
795 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2025/05/26(月) 00:57:35.20 ID:GiGfx6YH0
というわけで本日はここまでとなります

隻腕の男ガルシアの追跡を振り切り、無事にレイを確保したクロシュたち。穏健派でありながら自らの信じる正しさを貫く覚悟を固めるクレア。地下壕に匿われてひと安心のレイ。善の顔を持ちながら裏で暗躍する隻腕の男ガルシア――。数多の運命が交錯する中、状況は刻一刻と変化していく――

そしてクロシュと妖精は、穏健派と激論を交わすデロデロ導師僧侶・オーバーエンドの姿をついに目撃してしまう――。僧侶は司祭を打ち負かすことに成功するものの、教皇には尻尾を巻いて逃げる他なく――紆余曲折あって妹の聖女と再会し、積もる話を交わしてチーズケーキを食べるのであった
問題はまだ山積みだが――今だけは、しばしの安息を――

それでは本日もありがとうございました。次回は土日となります、よろしくお願いいたします
796 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2025/05/26(月) 01:36:12.51 ID:aIICbcb0o
おつでした
僧侶さんが味方になったらこんなに頼もしいなんて、セインに当たってた時からは想像もできなかった
ボサボサミスティかわいい
797 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2025/05/26(月) 13:58:40.59 ID:a3KjSetrO

僧侶さん味方化は熱いけどしれっとエンド姓を名乗ってたりレスバしてたりで草
デロデロ教徒ちゃんはアホかわいい
やっぱりデロデロ教ってスライムに人気なのかな?
798 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2025/05/27(火) 07:01:36.00 ID:ZgH4GTtvO
乙です
レイを無事見つける事が出来て良かった
レイを匿っている地下壕にも何かあるのかな?
799 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2025/05/31(土) 08:01:14.65 ID:IwOAxoE50

聖女様妹キャラだったか・・・だかたフラナ氏どこか気が置けなかったのかな。
800 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2025/05/31(土) 16:32:04.01 ID:njt9MtaE0
以前の僧侶氏は、世界の命運がかかっているというプレッシャーや父の期待に応えたい意地やらで少々余裕がなかったのかもしれません
今回クロシュ氏が寝起きのミスティ氏は髪がぼさぼさであるかのような風評を撒き散らしましたが、ミスティ氏はいつも寝る時に髪を簡易的にまとめている為、寝起きでもぼさぼさになることはあまりありません(それでもちょっとふわふわな寝癖が付くことは時々あります)。旅人といえど身だしなみにはしっかり気を遣っているようです。毎晩イリス氏が即席お風呂を沸かしてくれるため、実のところ一人で旅をしていた時よりも髪や肌の状態は良いようです

end over end でくるくる回転するという意味がありますが、僧侶氏は意味などは特に考えず格好良い響きだと思ってオーバーエンドと名乗ったようです
デロデロ教徒氏は、実のところスライムです。そしてデロデロ教は実際スライム類からの人気が比較的高いです。世界がまるごとデロデロになるというお話は大抵のスライム類にとってそれほど受け入れがたいものではないため、他の種族よりも信仰のハードルが低いようです(シズクちゃんなど、デロデロ世界を嫌がるスライムもいます)

レイさんは未来視の魔眼を持つクレアお姉さんの協力もあり、あっさり確保することができました。これはネタバレですが、もしレイちゃんを確保できていなかったばあい命の危険がありました。しかし確保できたので恐らくもう大丈夫かと思われます
地下壕はクロシュさんたちの視点では未探索エリアとなっているため、探せば何かあったりするかもしれません。特にレイさんを匿っている隠しエリアには大昔の蔵や本棚などが手つかずの状態で残っているため、掘り出し物があるかもしれません。探したり持ち出したりしたい場合はクレアお姉ちゃんに聞いてみると良いでしょう

聖女氏は聖女などという立派な肩書で呼ばれてしまっている人ですが、内面的にはまだまだ大人になり切れない妹気質の子供と言えなくもないかもしれません。理想を諦め、世界の理不尽さを受け入れ、心を殺して生きることを大人になると言うのであれば、大人になんてなりたくないなあ――と小さい頃の聖女氏は思ったそうです。そしてそういう観点で言えば、聖女氏は聖職者として一人前となった今でも大人にはなれていないのかもしれません。しかしそんな聖女氏の努力が、現魔族国における人魔対立の緩和に小さくない影響を与えているのもまた事実であります。フラナ先生もそれはわかっているため、邪険にできないのかもしれません

 *

そして実のところ、前回の自由行動前のコンマ判定で反対運動激化が発生していたことをすっかり忘れていたので、まずはそこの描写から再開していきたいと思います。よろしくお願いいたします
801 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2025/05/31(土) 16:32:31.43 ID:njt9MtaE0
 一方その頃――

―夕方
 王都セイントレア 中央広場

 ワイワイ ガヤガヤ

グランドマスター「王都の民よ! 根拠なき風評に騙されてはなりません! 今こそ人間の力で団結し、邪智暴虐の魔族たちを攻め滅ぼすべき――」

 シュバッ

変装ハーピィ記者「カリス・ノーランド死刑囚と取引を行い、処刑したと見せかけて秘密裏に生かしロイエ教内部に匿っていたという先日の報道は事実ですか!?」ヌッ

グランドマスター「……!」

変装ハーピィ記者「否定しないということは事実だとお認めに――」

グランドマスター「――事実ではありません。誤情報の拡散は名誉毀損、信用毀損となりますのでお控えください」

変装ハーピィ記者「しかしあの映像では枢機卿自身が堂々とカリス・ノーランドを飼っていると断定していたようです!」

グランドマスター「あれは私ではありません。魔法か何かによる偽装であると――」

変装ハーピィ記者「背景は枢機卿の勤務している聖域の間でした! それに偽装なら、カメラマンとインタビュアーに対し攻撃的な態度を取ったり、実際に戦闘行為に及ぶ必要はないはずでは!?」

グランドマスター「あれは恐らくリアリティの追求の為に――」

活動家の男「人質の存在を無視して魔族国を攻めるというのは事実ですか!? お答えください、グランドマスター卿!」ヌッ

グランドマスター「だからあれは私ではないと……」

王族の令嬢「人質の中には王家のマリーお姉様や、当時旅行中だったわたくしの学友もいるのですわ! グランドマスター様は捕虜は知性なき害獣だから殺して差し上げるのが幸せだなどと仰いましたわね!? あれがどのような了見による発言なのかはっきり答えてくださいまし!!」ヌッ

グランドマスター「だ、だからあれは私では……!」

民衆「戦争反対!!差別反対!!」
民衆「人殺し!!!魔族殺し!!」
民衆「ヘイトスピーチ野郎!!!」

 投石「」ポイポイ
  投石「」ポイポイ

   パシッ パシッ

ティナ「……日を改めた方が良いのでは?」

グランドマスター「ぐぬぬ……仕方ありません。計画を急がねば……!」クルッ ザッザッ

 ・反対運動が激化しています

 ◆
802 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2025/05/31(土) 16:33:21.68 ID:njt9MtaE0
―王都セイントレア 滞在8日目

◇クロシュ [あかちゃんスライム]
武:星霊の剣     盾:ラティアの大盾  飾:くすんだ耳飾り
武:竜珠の大杖    防:竜のエプロン   飾:不死鳥の羽根

◇妖精   [世話焼き妖精]
武:         盾:         飾:くすんだ耳飾り
武:         防:精霊のレオタード 飾:

◇イリス  [星の魔法使い]
武:蒼き星の杖    盾:         飾:くすんだ耳飾り
武:ブラッドランス  防:魔術師のローブ  飾:

◇ミスティ [氷の魔法使い]
武:氷の短刀     盾:         飾:くすんだ耳飾り
武:         防:氷竜革のローブ  飾:

◇ローガン [鋼の戦士]
武:蜥蜴一文字    盾:灼鋼の盾     飾:くすんだ耳飾り
武:鋼の回転ノコギリ 防:オリハル鎖帷子  飾:

◇エバンス [地の傭兵]
武:古代の鉄槌    盾:         飾:くすんだ耳飾り
武:魔銀の刀     防:硬質革鎧     飾:

◯所持アイテム
[道具]        [装備品]       [大事なもの]
運命賽*2       蜘蛛絹の下着      魔族国永久旅券
会心賽*1       ザリガニのお守り    フメイの服の切れ端
反魂丹*1       大きな巻き貝      精霊の印
鉄鍋+携帯調理器具   闇の欠片        精霊樹の実のジャム
「星の魔力」上中下   フリルワンピ水着    精霊樹の鉢植え+赤雷球
お宿の妖精の織物    魔法学園のスク水    フメイとアリシラの人形
魔導飯盒        ガラスのザリガニ    メルルの帽子
妨害魔力波発生装置   踊り子の双剣      溶岩石のアミュレット
属性大全        サボテンドラゴンの花  太陽のメダリオン
魔王図鑑        精霊のローブ      暗黒優待券
氷精の魔導書      精霊樹の杖[改]    冒険者証(ランク1)
ブラッドワイン*1   銀のナイフ       大魔女帝国渡航権
吸血鬼殺ワイン*1   ダイヤメリケンサック  かたたたきけん
魔術書「正負の属性」  パラサイトソード    大魔女帝国滞在許可証
吸血鬼の日焼け止め               風船印のパラシュート
日蝕の傘                    ラティア勲章
大魔女サイン*1                ユーシリア王家の紋章
古代のセラミック
ステライト鉱石
晴れ乞い傘
チョコスムージー
ヒヒイロカネ
氷魔力結晶
魔導書「絶対零度」

◯現在の目標
・フメイちゃんを探す
・世界樹の光を追う[4/5]
・最悪の未来を阻止する

◯努力目標
・カリスに造られた者たちを助ける
・戦争を阻止する
・大司祭を探す
・枢機卿の悪事を暴く(達成!)
・レイの行方を追う(達成!)

◯仲間の目標
・カリス・ノーランドを討つ(ミスティ)

◯経験値
・クロシュ 剣技[03/07] 魔法[06/07] 防御[00/07]
・イリス  杖術[00/06] 魔法[14/16]
・ミスティ 剣技[05/07] 魔法[11/16]
・ローガン 剣技[16/16] 魔法[06/08] 防御[07/08]
・エバンス 剣技[16/16] 魔法[07/08]
……………………………………………………………………………………
□王都セイントレア
王城:未探索
城下:教会、孤児院、市場、食事処、酒場、浴場、娼館、冒険者ギルド
   中央広場、公園、学校、図書館、博物館、劇場、闘技場、未探索
……………………………………………………………………………………
□セクリエ・ロイエ
大聖堂、大聖堂別館、美術館、庭園、お土産屋、未探索、他
……………………………………………………………………………………
803 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2025/05/31(土) 16:34:27.21 ID:njt9MtaE0
―朝
 聖ヴァレリオ教会 地下壕

 古びた机「」
 古びた椅子「」
 古びたソファ「」
 古びたベッド「」

レイ「はふぅ……」ノンビリ


妖精「おはよう、レイ」パタパタ

クロシュ「おはよ、ございます」トコトコ

イリス「レイさん! おはようございます、お元気そうで良かった……!」

レイ「あっ、イリスちゃん! クロシュちゃん! 妖精さん! れへへ、おはよォ……」ニコニコ

妖精「随分くつろいでるみたいだね?」

レイ「うん。でっかいお風呂に、ちゃんとしたベッド、ふかふかなソファまであって、しかも三食タダでお仕事なし!! こんなに良い暮らしで本当にいいのかなぁ……」

クロシュ「わあ……!」

イリス「……えっと、でもこれって軟禁みたいな感じなんだよね?」

妖精「うん……レイって一応指名手配犯だから、クレアはレイを匿いつつ監視できるようにはしておきたいみたいだし」

レイ「えへへぇ、クレアお姉さんになら全然監視されてもいいよぉ。私一生ここで暮らしたいなァ……」

イリス「ええ……外に出たいとかは思わないの?」

レイ「日の当たるところって怖いもん! ここなら船倉みたいにカビ臭かったりもしないし……!」

妖精「そういえばこいつ幽霊船の船倉に引きこもってたんだった……」

イリス「な、なるほど……」

クロシュ「わたしも、地下、すき……!」

レイ「はわわ、クロシュちゃんも!? ぇへへ……やっぱりクロシュちゃんは最高だね……!」

クロシュ「んへへ……」

イリス「クロシュちゃん、地下好きだったんだ……!」


王都セイントレア滞在8日目。15日目に何かが起こります

↓1コンマ ランダムイベント
01-60 なし
61-90 大魔女来訪
91-00 ??

↓2〜4 自由安価 何をする?
804 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2025/05/31(土) 16:35:21.84 ID:uNjRtAwoO
ダークヒーローイリス、反ロイエ派からスカウトされる
805 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2025/05/31(土) 16:35:24.86 ID:IwOAxoE50
イリス、母と槍の特訓
806 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2025/05/31(土) 16:35:43.01 ID:JE6uSo//O
ヴィアの手伝いで魔族助ける運動をする
807 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2025/05/31(土) 16:36:12.07 ID:MUMt/AYNo
カリスの実験体たちと再度交流
808 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2025/05/31(土) 18:27:38.13 ID:njt9MtaE0
―朝
 聖ヴァレリオ教会 宿泊室

妖精「さて、今日は――」

クローディア「まず私とお話しましょう」ヌッ

イリス「うわあっ!?」ドテッ

クロシュ「わ……!?」

ミスティ「大魔女……クローディア……!?」

妖精「いきなり入ってくるな!」

クローディア「悪いわね。あまり姿を晒したくないものだから許して頂戴」

 ◇

妖精「なるほど……大魔女帝国は魔族国と同盟を組んで、王国の暴虐に対抗するんだ」

クローディア「ええ、準備は着々と整っているわ。ただ、私の目的は戦争に勝つことではない……戦争の勝利は、あくまで最終的な勝利条件の一つなの」

エバンス「というと?」

クローディア「フリューゲル・バイオレットのことは知っているわね? 私の目的は彼女を救出することよ」

クロシュ「!」

ローガン「フラナ殿たちの母……バイオレット家の前当主か」

ミスティ「廃城の天守閣で私たちと戦った、あの恐るべき吸血鬼ね」

クローディア「ええ。カリスが生命を支配する手法についても以前の騒動を経てある程度解明できたわ。恐らく今の私なら、カリスに囚われている者たちを解放することができる。もしカリスが、新たな対策を編み出していなければね」

妖精「新たな対策……あっ!」

イリス「あの、溶けた魔力結晶……!」

クロシュ「!!」

クローディア「……何か心当たりがあるのね。やはりあなたたちに会いに来て正解だったわ」

 *
809 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2025/05/31(土) 18:28:04.67 ID:njt9MtaE0

 瓶詰めの溶けた氷魔力「」ポン

クローディア「これは……」

妖精「以前、カリスに操られた者が発動した氷魔法によって生じた魔力結晶……だったんだけど、今はご覧の有り様なんだ」

クローディア「なるほど……カリスの新たな対策というわけね」

エバンス「……つまり、これはどういうことなんだ?」

クローディア「魔力結晶が融解するということは、魔力の結び付きが解れてしまったということ。もしこれと同じことが体内で起きれば、恐らく魔力欠乏症になって死ぬわ」

クロシュ「!!」

クローディア「もし自分の体内で作られる魔力が軒並み溶けてしまうような状態に陥った場合、一生外部から正常な魔力を供給されなければ生きられない……。大魔女帝国の設備ならそれも不可能ではないけれど、自由は制限されるわ……」

ミスティ「……他の手はないの?」

クローディア「原因を突き止めて除去することができれば元の生活に戻れるはず。でも現時点では、これが呪いによるものなのか身体改造によるものなのかもわからない。できれば被害者本人の体を診たいところだけど……」

イリス「つまり……カリス被害者の誰かを連れてきて大魔女様に診てもらえば……!?」

妖精「でも連れ出すのは流石に難しいんじゃ……? クロシュ一人なら小型の分体を飛ばして行き来できるけど……」

クロシュ「んゅ……」

エバンス「ここに一瞬で侵入したみたいに、大魔女パワーでカリスのとこに侵入できたりしないのか?」

クローディア「既に試しているわ。危うく鏡の分身を一つカリスにくれてしまうところだった」

妖精「うわ……」

イリス「さ、最悪ですよそんなことになったら……」

クローディア「ええ。鏡の分身と言えど私は私。世界最高の大魔女の分身が一つでも奴の手に渡ったら、いよいよ世界の終わりよ」

妖精「めちゃくちゃ自己評価高いけど反論できない……」

ローガン「うむ……カリスの悪意と大魔女殿の魔導が合わさったら鬼に金棒どころではないだろう」

クローディア「まあ報告はそんなところよ。私の方でも調査を続けるけれど、もし何か進展があれば呼んで頂戴」

クロシュ「ん……!」

 ☆大魔女クローディアの協力を得られます

 ◇
810 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2025/05/31(土) 18:28:33.40 ID:njt9MtaE0
―セイントレア平原

イリス「とうっ、やぁっ!」
 ブラッドランス「」ブンッ ブンッ

ティナ「……」
 鉄の槍「」カンッカンッ


イリス(む、無表情で完全に捌かれてる……!)

イリス(いや、でも私の強みは……魔法だ!)


イリス「はっ!」バッ

 ブラッドランス「」ジャキッ!!

 高圧血流「」ドギュウンッ!!

ティナ「!」

 鉄の槍「」ヒュンッ!!

 高圧/血流「」スパッ

イリス「えええっ!!? き、切り裂かれた……!? 血流が、槍で……!!?!?」

ティナ「物質生成系の魔法攻撃は魔法防御を貫通しやすい反面、物理的な手段である程度防御できてしまうの。油断したね、イリス」スタ

イリス「い、いやでも……血流って液体だよ!? なんで槍で切り裂けるの!? 母さん銃使いだよね!?」

ティナ「私はもう魔法が使えないから、その代わりに武芸をある程度修めたの」

イリス「ある程度ってレベルなの……!?」


↓1コンマ
01-30 近接経験+1、魔法経験+1
31-60 近接経験+2、魔法経験+1
61-90 近接経験+2、魔法経験+2
91-00 近接経験+6、魔法経験+3、技を閃く
811 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2025/05/31(土) 18:30:34.40 ID:O352YF2f0
812 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2025/05/31(土) 20:25:18.02 ID:njt9MtaE0
 カンカンカンッ ドギュウッ
  カカンッ

イリス「ひい、ふう……」フラフラ

ティナ「うん……私の娘だけあって、近接戦闘の才能は人並みみたい……」

イリス「……ってことは、母さんは私と同じくらいの才能でそこまで上り詰めたってこと……!?」

ティナ「正しい方法で時間さえかければ、ある程度のところまでは誰でも上れるの」

イリス「そ、そうなんだ……」

ティナ「大丈夫。イリスは魔法が使えるから、ちゃんと鍛えれば私よりずっと強くなれる」


イリス(うっ……母さん、自分が魔法を使えなくなったことをさらっと言うけど、けっこう重いよ……!)


ティナ「……イリス?」

イリス「な、なんでもない……。頑張るよ、私」スクッ

ティナ「うん。応援してる」ニコ

 ☆イリスが近接経験2、魔法経験1を獲得しました

 ◇
813 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2025/05/31(土) 20:26:38.84 ID:njt9MtaE0
―王都セイントレア 闘技場

 ワーワー ワーワー

司会「それでは皆さんお待ちかね、年イチ開催のスーパーイベント、デッドリーバトルロイヤルコロシアムの時間だァァァァ!!」

 ワーワー!! コロセーッ!!

司会「本日の生贄はァ〜〜〜……こいつらだァッッッ!!!」



馬頭の戦士「……」

竜人の戦士「チッ……」

ゴブリンの盗賊「クソッ……! なんでおれがこんな目に……!」

コボルトの男「クゥーン……」

オークの男「へっ……どうせ死ぬなら最期に良い思いさせてもらおうかね」ジュルリ

マンドレイクの幼女「あぅぅ……」ジワワ…カタカタ…

野良スライム「……」デロデロ…

エルフの吟遊詩人「闘技場――悪意と熱狂が乱反射する、現世に舞い降りた地獄の一つ――…」ポロロン



クロシュ「……!」

分体ヴィア「今日は彼らの救出作戦を実施します」

妖精「救出って言ってもどうやるの? ここまで多くの目が見てる中じゃ……」

分体ヴィア「煙幕と散発的な破壊活動で会場を混乱させ、その隙に全員を回収し――」



司会「そして本日はスペシャル警備として、昆虫学者であり爵位もお持ちのガッタ・ファーブ氏をお招きしております!!」

ガッタ「ハァ……アズスーナズバックホームしたい……」ゲンナリ

司会「もし何か不審な動きがあれば何卒お願いします、ガッタさん!!」

ガッタ「ルックフォワードに検討させてもらうヨ……」



分体ヴィア「あれは、ガッタ・ファーブ……。少し困りました……。まさかただの警備にあんな者を投入してくるとは……」

妖精「どこかで見たことがあるような気がするけど……強いの? 見た目は変なおじさんだけど」

分体ヴィア「虫を使役します。魔族差別思想を持っているという話は聞きませんが、倫理観のないマッドサイエンティストらしいので危険な可能性が高いです。もし怪しい動きを見つければ躊躇なく毒虫を放って闘技場内の者たちを皆殺しにするかもしれません」

妖精「えっやばいじゃん……虫相手じゃ煙幕もあんまり意味ないし、破壊活動で混乱もしなさそうだよ?」

分体ヴィア「むむ……少し考えさせてください」

クロシュ「……」


どうする……?
↓1〜 先取2票
1.電撃作戦 素早く闘技場に降りてすぐにみんなを回収してとんずら!
2.不意打ち こっそりガッタの背後に回ってベチン!
3.炎熱殺虫 クロシュが炎で虫を足止めしてる隙にヴィアが救出!
4.ハニトラ クロシュがえっちなおねえさんに化けてガッタをろうらく!
5.運命賽  運命の導きに従う!(運命賽−1)
0.自由安価(票数は内容ごと)
814 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2025/05/31(土) 20:28:19.56 ID:OM6/BVmDO
3

いや、4も気になるけど!
815 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2025/05/31(土) 20:28:40.15 ID:JlkBIID0O
4
816 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2025/05/31(土) 20:29:08.50 ID:IwOAxoE50
0会場内で他に奴隷解放に協力してくれそうな人を探す
817 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2025/05/31(土) 20:36:57.23 ID:jf/uNL8NO
2
818 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2025/05/31(土) 20:38:05.80 ID:yRPScOigo
3
819 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2025/05/31(土) 21:19:36.67 ID:njt9MtaE0
クロシュ「……わたしが、炎で虫を足止めする……。ヴィアさんは……その隙に……」

分体ヴィア「えっ……でも……」

クロシュ「わたしは……大丈夫……! 透明にも、なれる……!」

分体ヴィア「……わかりました。それではお願いします」

 *

司会「それではバトルロイヤル、スタ――げほっげほっ!?」

 煙幕「」モクモク
 ドガァンッ!! バゴォンッ!!
 キャーッ!! ナンナンダ!? タスケテクダサイ!!

司会「が、ガッタさん!!」

ガッタ「ふう……ノーウェイ」バッ

巨大な蜂「」ブブブン
巨大な蜂「」ブブブン
巨大な蜂「」ブブブン

司会「ヒエッ……!? こ、これは巨大蜂のピラム・ビー……!?」

ガッタ「ドントウォーリー。人間はピアッシングしないようアジャステッド」

司会「お、おお……! ではやっちゃってください、ガッタさん!」

ガッタ「ドントオーダー!」

 *

 ドガァンッ!!

警備員「ぐああっ!」バタッ
警備員「くそがっ……!」バタッ

分体ヴィア「さあ皆さん、こちらへ。共に外へ逃げましょう」

コボルトの男「えっ……!?」

野良スライム「〜〜?」モニョニョ?

ゴブリンの盗賊「な、なんだ? おれたち助かんのか?」

分体ヴィア「そうです。時間がありません、急いで」

オークの男「チッ、つまんねえことしやがって」

竜人の戦士「文句を言っている暇があったら足を動かせ、豚」

オークの男「んだと!? このトカゲ野郎が!」


警備員「」ピヨピヨ


馬頭の戦士「……」グググ

分体ヴィア「……おやめください。憎しみは、さらなる憎しみを生みます。魔族全体の為に……どうか、怒りを鎮めて」

馬頭の戦士「…………スマヌ……」スッ

エルフの吟遊詩人「憎しみは次なる憎しみへ……永遠に廻る憎悪の苦輪……」ポロロン


「きゃああああっ!」


馬頭の戦士「!」

竜人の戦士「あれは……!」


尻もちをついたマンドレイクの幼女「や、やだ……来ないでぇ……!」

 ピラム・ビー「」ブブブン
  ピラム・ビー「」ブブブン
   ピラム・ビー「」ブブブン
820 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2025/05/31(土) 21:20:26.97 ID:njt9MtaE0
ゴブリンの盗賊「で、でっけェ蜂……!?」

コボルトの男「も、もうだめだ……おしまいだァ……」ポロポロ

分体ヴィア「いえ……大丈夫……!」


 炎「」ゴウッ!!!

燃え落ちるピラム・ビー「〜〜!!」メララ
燃え落ちるピラム・ビー「〜〜!!」メララ
燃え落ちるピラム・ビー「〜〜!!」メララ

炎スライムクロシュ「〜〜」チリッ


マンドレイクの幼女「ぁぇ……?」

野良スライム「〜〜!!」モニョニョ!!

分体ヴィア「あの子が蜂の足止めをしている内に、皆さん急いで……!」


ガッタ「テロリズムとは……。ミーが警備の時に限って、バッドラック……」スタスタ


炎スライムクロシュ「!」

妖精「まずい、奴が来た……!」


ガッタ「ふむ……? デッドエンドしたはずのバーニングスライム……? 実にワンダーだ」

炎スライムクロシュ「……」チリチリ

ガッタ「ならばこちらもバーニングインセクト! ゴー! ファイアント!」バッ

 ポン!

火蟻「」シャカシャカ
火蟻「」シャカシャカ
火蟻「」シャカシャカ

炎スライムクロシュ「!」

妖精「あれは……世界各地で侵略的外来種として問題になっている炎属性のアリ、火蟻だ! まずい、奴には生半可な炎は効かないよ!」

炎スライムクロシュ「〜〜…!」モニョニョ…!


↓1コンマ
01-30 突破された!
31-00 生半可じゃない!
821 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2025/05/31(土) 21:22:51.04 ID:TjEtMelV0
822 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2025/05/31(土) 22:01:56.90 ID:njt9MtaE0
炎スライムクロシュ「〜〜…!!」モニョニョ…!!

 炎の壁「」ゴオオオオッ!!

ひっくり返る火蟻「〜〜…」ポテッ
ひっくり返る火蟻「〜〜…」ポテッ

突破する火蟻「〜〜!」シュバッ!!

炎スライムクロシュ「!!」

妖精「まずい、突破された……!!」


マンドレイクの幼女「はっ、はっ、えぐっ、ぐすっ……」トテトテ

野良スライム「〜〜!」モニョニョ!

ゴブリンの盗賊「嬢ちゃんがんばれ! あと少しで逃げきれ――」


追いかけてくる火蟻「」シュババババッ


ゴブリンの盗賊「……!?」

コボルトの男「も、もうだめだァ……クゥーン……」ポロポロ


追いかけてくる火蟻「」シュバッ!!


マンドレイクの幼女「ぁ、ぁ……ゃ……」

 バッ!! ガシッ!!

燃え上がる馬頭の戦士「……」メラメラメラ

掴まった火蟻「〜〜!」ジタバタ


マンドレイクの幼女「ぁ……」

オークの男「お、おい……!? 燃えてるぞオイ!?」

竜人の戦士「クッ……誰か水属性魔法を使える者は……!?」


燃え上がる馬頭の戦士「ムヨウダ……モウ、ドクガマワッテイル……」メラメラ

ゴブリンの盗賊「お、おい嘘だろ……!?」

燃え上がる馬頭の戦士「ハヤクイケ……。ムダニ、スルナ……」メラメラ

オークの男「クソッタレ!」

マンドレイクの幼女「や、やだ……やだ……」

野良スライム「〜〜…」モニョニョ…

竜人の戦士「……早く行くぞ。奴の死を無駄にするな……!」

コボルトの男「――アオオオーン!!」ポロポロ

エルフの吟遊詩人「忘れ得ぬもの……私は……彼の犠牲を、決して……」ポロロン…

 ◇
823 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2025/05/31(土) 22:04:27.94 ID:njt9MtaE0
―王都セイントレア 地下水路

 地下水路「」ザァザァ

野良スライム「」デロデロ…

マンドレイクの幼女「えぐ、えぐ……」

コボルトの男「クゥン……」ポロポロ

オークの男「チッ……」

竜人の戦士「……」

分体ヴィア「……申し訳ありません。私たちが……至らなかったばかりに……」

ゴブリンの盗賊「あ、あんたが謝んなよ……助けられただけのおれたちが余計惨めじゃんか……」

分体ヴィア「すみません……」

エルフの吟遊詩人「謝らずにはいられぬ心……救いは何処に……」ポロロン


馬頭の戦士「スマヌ、オクレタ」ノッシノッシ


野良スライム「〜〜!?」モニャニャ!?

ゴブリンの盗賊「え!?」

オークの男「生きてんのかよ!?」

馬頭の戦士「クロイスライムサンニ、タスケテモラッタ」


スライムクロシュ「〜〜」モニョモニョ

妖精「まあ、ちょっとした切り札をね……」

マンドレイクの幼女「〜〜!!」ジワワ ポロポロ

コボルトの男「アオオオオオ〜ン!!」ポロポロ

竜人の戦士「……フッ」

エルフの吟遊詩人「理不尽を覆す理不尽……救いは此処に……」ポロロン

 ◆

マンドレイクの幼女「え、えっと、えっと……あ、ありがと……!!」ペコッ

野良スライム「〜〜!!」モニョニョニョ!!

 ザブンッ

 地下水路「」ザァザァ

妖精「ふう……これで一件落着?」

分体ヴィア「はい……あなたたちがいなければ、多くの犠牲が出てしまうところでした。ありがとうございました」

スライムクロシュ「〜〜!」モニョニョ

分体ヴィア「ところで……炎と毒にやられた馬頭さんのことは、どうやって助けたのですか? もしかして非常に高度な治癒と毒消しの魔法が使えるのですか……?」

妖精「……クロシュは不死鳥の羽根を持っててね、同化してその力を引き出すことができるんだ」

分体ヴィア「えっ……!? 不死鳥の羽根と同化……!?」

妖精「うん。羽根を消費せずに再生の炎を発生させられるから、今までに何度も助けられてきた。あ、でもこのことはあんまり言いふらさないでね? 知られるといろいろ厄介そうだし……」

分体ヴィア「……しかし、再生の炎という強力な力を行使して身が持つのですか……?」

スライムクロシュ『……お腹が、すごく、減る……』モニョニョ…

分体ヴィア「なるほど……」


分体ヴィア(……クロシュちゃん……やはり普通のスライムではないようです……。カリスが使って人工的に生み出した、クロシュヴィアの株分け……なのでしょうか……?)

 ☆魔族救出活動を行いました

 ・本日はもう不死鳥化できません

 ◆
824 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2025/05/31(土) 22:39:11.38 ID:njt9MtaE0
―午後
 大聖堂別館 中庭

 日差し「」キラキラ
 生い茂る木々「」サワサワ
 小川を模した水路「」サラサラ

 ガーデンパラソル「」バサッ
 木の椅子「」ポン
 木のテーブル「」ポン

 茶菓子「」ポン
 紅茶「」ポン

ちびスライムクロシュ「〜〜!」モニョニョニョ モグモグモグモグ

フレア「わあ、クロシュちゃんいっぱい食べるねえ」

黄スライム『今日はいっぱい働いて疲れちゃったんだって!』モニョモニョ

フリューゲル「使徒が持ってきたおやつがまだまだたくさんあるから、好きなだけ食べていっていいわ」

ちびスライムクロシュ「〜〜!」モニョニョ!

アイス「……れいぎしらず。くいいじスライム……」

灰スライム『アイスも食べればいいのに……』モニョモニョ モグモグ

アイス「……アイスは、レディーだもん……」

 グゥゥ…

アイス「……」

セイン「……あーんするか?」

アイス「しない……! じぶんで、たべる……!」プンスコ

 *

ちびスライムクロシュ(そういえば……ここにいるみんなは、カリスの呪い?で、ここから長く離れてると、魔力がデロデロになっちゃうみたい……)

ちびスライムクロシュ(……大魔女さまに、診てもらえば……原因が、わかる……?)

ちびスライムクロシュ(でも……連れてくの、難しそう……。見つかったら……カリスに、酷いこと、されるかも……)

ちびスライムクロシュ(いい方法……ないかな……?)

ちびスライムクロシュ(………)

ちびスライムクロシュ(……今日は……お腹が空いて……あたま、まわんない……)グルグル


↓1〜2選択 中庭で何をする?(空腹なので活発に動けません)
1.個別の誰かとお話(名前を指定)
2.運命賽を投げる(運命賽−1、良いアイデアを思いつく)
0.自由安価(状況にそぐわないものは再安価)
825 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2025/05/31(土) 22:41:40.16 ID:IwOAxoE50
1フリューゲル
826 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2025/05/31(土) 22:42:51.84 ID:TjEtMelV0
1セイン
827 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2025/05/31(土) 22:45:05.59 ID:P7DAcjiEO
大魔女をこの場に連れてくればよいのでは
クロシュはこれてるし
828 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2025/05/31(土) 23:39:24.43 ID:njt9MtaE0
ちびスライムクロシュ『……大魔女さまが……フリューゲルさんのこと……助けるって、言ってた……』モニョモニョ

フリューゲル「えっ、大魔女が……?」

ちびスライムクロシュ『うん……。そのための……やり方……探してる……』

フリューゲル「そのためのやり方……?」

ちびスライムクロシュ『えっと……ここ、離れると……デロデロに、なる……?』

フリューゲル「……ああ、なるほど。私たちはカリスの造る特殊な生命結晶を定期的に摂取しないと、生命を維持できなくなって死ぬと言われているわ。そのことね?」

ちびスライムクロシュ『ほえ……? えっと……魔力が、デロデロになるんじゃないの……?』

フリューゲル「……? 魔力がデロデロになるという脅され方はしていないけれど……」

ちびスライムクロシュ「???」

 *

フリューゲル「魔力結晶が融解……? 初めて聞く話ね……」

ちびスライムクロシュ『そうなんだ』

フリューゲル『考えられるのは、私たち被支配者に嘘の情報を吹き込んでいるか……もしくは、二重の対策を立てた上で片方だけしか伝えていないか……』

ちびスライムクロシュ『そうなの?』

フリューゲル「ただの仮説。でも……あの子たちを救うことに繋がるのなら、しっかり検証してみる価値はあるかもしれないわ……」


フレア「――!」キャッキャ
黄スライム「〜〜!」モニョニョ キャッキャ
灰スライム「〜〜」モニョモニョ
アイス「――…」
セイン「――」


ちびスライムクロシュ『うん』

フリューゲル「とはいえ、カリスが自分の実験体たちに解析されるほど間抜けな仕組みを作っているとも思えないわ……。うーん……」

ちびスライムクロシュ『大魔女さまに、調べてもらう方法……ない……?』

フリューゲル「………非常に個人的な感情なのだけれど……クローディアに頼りたくないのよね」

ちびスライムクロシュ『ほえ……? どうして……?』

フリューゲル「……あいつの目的は、私を助けることなのでしょう? それは……ちょっと困るのよ」

ちびスライムクロシュ『???』

フリューゲル「私はかつて、自らの愚かさによって一度魔族国を滅ぼした大罪人。例え娘たちや大魔女が私を許すとしても、私自身は決して私を許せないの……」

ちびスライムクロシュ『……』

フリューゲル「なら一人でとっとと死ねと自分でも思うけれど……残念ながらカリスに支配されている今、私は私自身の命を断つことすらできない。ああでも、クローディアに助けられてこの呪縛を解くことができれば、自分を殺せるようになるのかしら? いえ、それはいくらなんでもクローディアに失礼すぎるわよね……」

ちびスライムクロシュ『……』

フリューゲル「……いえ……私個人の感傷の為に、あの子たちが助かるチャンスを無駄にしたりはしないわ。安心して」

ちびスライムクロシュ『うん……』

フリューゲル「さて、あいつに私たちの呪縛を解析してもらう方法か……あ、それならあいつ自身にここに来てもらうのはどうかしら? クロシュさんが入ってこれるならあいつも来れるんじゃない?」

ちびスライムクロシュ『……前に、試して……失敗して、捕まりそうになったって……言ってた……』

フリューゲル「そう……。考えても見れば、カリスが大魔女対策をしていないわけがなかったわね。あいつ目立ちたがりだから、顔も名前も魔力波長も知られてるし……」

ちびスライムクロシュ『うん……』

フリューゲル「さて、それじゃあ真面目に考えてみましょうか……。でもあまり期待しないでね。私、あんまり頭良くないから」


↓1コンマ(後ろ向き-5)
01-75 思いつかない
76-00 思いつく
829 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2025/05/31(土) 23:44:37.19 ID:x1KQwsiFO
はい
830 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2025/06/01(日) 00:19:50.17 ID:n8VnVsd30
フリューゲル「……だめね……何も思いつかないわ……」

ちびスライムクロシュ『んゅ……』

フリューゲル「他の子……セインが一番利発だから、セインにも聞いてみて。良い方法を思いつくかもしれない」

ちびスライムクロシュ『ん……わかった。ありがと……』

 *

ちびスライムクロシュ『セインさん』モニョモニョ

セイン「クロシュ。腹は満たせたか」

ちびスライムクロシュ『んゅ……あんまり、食べすぎるのも……失礼かもって……』

セイン「遠慮する必要はないが……クロシュのしたいようにすると良い」

ちびスライムクロシュ『うん……』

セイン「……ああ、そうだ。しばらくの間、魔族国やその街道には近付かない方が良いかもしれない」

ちびスライムクロシュ『ほえ……?』

セイン「城内や原理派内で不穏な動きがある。枢機卿の失脚はもう秒読みだが、奴は魔族国侵攻で一発逆転を狙っているようだ。そしてその目論見は全く見当外れなものでもない……僕とフリューゲルが出撃すれば、兵の士気や練度など無関係にどうとでもなってしまうからだ」

ちびスライムクロシュ『!!』

セイン「だから、しばらく魔族国やその近くには近付かないでくれ。特にフリューゲルは戦場に出ると完全に正気を失ってしまう。自分の故国だろうと関係なく、破壊と殺戮の限りを尽くすだろう……」

ちびスライムクロシュ『……フリューゲルさんは……戦争のこと、知ってるの……?』

セイン「……いや……伝えていない。もし知ってしまえば、この中庭でも彼女は平穏でいられないだろうから」

ちびスライムクロシュ『んゅ……』

セイン「……すまない。だが、僕たちの平穏を守る為にはこうするしかないんだ」

ちびスライムクロシュ『………えっと……じゃあ……逃げ出す、方法……! 考える……!』

セイン「逃げ出す方法……?」

 *

セイン「大魔女が……僕たちの解析を?」

ちびスライムクロシュ『うん……! 上手くいけば……みんな、自由に、なれる……!』

セイン「……特殊な生命結晶については僕も知らされている。国外へ遠出する任務では、ある程度の携帯も許可されるんだ」

ちびスライムクロシュ『わあ……!』

セイン「残念ながら今ここにはないが……」

ちびスライムクロシュ『えっと……いろいろ……大魔女さまに、調べてもらう方法……ない……?』

セイン「……難しいな。僕たちが外に出ればすぐに気付かれてしまうだろうし……大魔女もここには入って来れないとなると……」

ちびスライムクロシュ『んゅ……』

セイン「少し待ってくれ。考えてみる」


セイン(ここから……みんな、外に出られる……)

セイン(何度も何度も考えて、諦めた……。カリスの悪意には勝てないと、引き下がる他なかった……)

セイン(でも……世界最高の魔法使い、大魔女なら………!)


↓1コンマ(超前向き+20、スライム知識+10)
01-75 思いつかない
76-00 思いつく
831 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2025/06/01(日) 00:23:40.76 ID:Hy4+fEQ70
832 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2025/06/01(日) 00:55:03.62 ID:n8VnVsd30
セイン「……クロシュは……同化が得意か?」

ちびスライムクロシュ『ほえ……? んー……た、たぶん……?』

セイン「同化の技を極めたスライムは、かつて同化したことのあるものであれば、物質を介さず記憶からその力を再現≠オ、同化したも同然の状態になれるという」

ちびスライムクロシュ『わあ……!』

セイン「つまり何が言いたいかと言うと……」

黄スライム『いうとぉ……!?』モニョッ

灰スライム『いうと……?』モニョ

セイン「ここにいる者たちの体、力、能力……そして、カリスの呪縛まで……全てを記憶して再現し、それを大魔女に診てもらう……というのはどうだ……?」

ちびスライムクロシュ『!!』モニョ!!

黄スライム『んわわ……!』モニョニョ!

灰スライム『……でも、いくらクロシュでも再現なんて絶技は使えないんじゃないの……? あのブラッドでも、ここにいた当時は再現を習得するまではいけなかったみたいだし……今どうかは知らないけど……』モニョモニョ

セイン「……それもそうか。すまない、無茶を言ったかも――」

ちびスライムクロシュ『わたし……あるかも……! さいげん、したこと……!!』モニョモニョ

セイン「何……!?」

黄スライム『んわわ〜!』キャッキャ

灰スライム『それほんと……?』モニョニョ

ちびスライムクロシュ『うん……! ずっと前だけど……みんなを守りたくて、夢中で……手に持ってないものとも、なんでか同化できてた……!!』

セイン「本当か……! それなら……!!」

ちびスライムクロシュ『うん……! わたし……やってみる……!!』


 ☆スライム奥義再現≠ノ挑戦することができるようになりました


さっそく挑戦!
↓1コンマ(スライム技能+80、一度できた+40、最難関技-100)
01-10 失敗
11-60 経験+1(1/3)
61-90 経験+2(2/3)
91-00 覚醒
833 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2025/06/01(日) 01:00:16.53 ID:ptAfsfNFO
覚醒クロシュ
834 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2025/06/01(日) 01:25:05.08 ID:n8VnVsd30
ちびスライムクロシュ「……」モニョニョ…グググ…


フレア「クロシュちゃんは何をしているの?」

セイン「再現の練習だ。今ここには持っていないウミタニシの貝殻を再現≠オてみるという」

アイス「さいげん……クロシュなんかに、できるわけない……」


ちびスライムクロシュ「……」モニョニョニョ…ググググ…


 ――潮騒の音「」サァァァァ… ササァァァン…


アイス「……!?」

フレア「わ……!? この気配って……」

セイン「水属性の……海の力を感じる……!」


ちびスライムクロシュ「……」モニョニョニョ…
 生えかける巻き貝「」ググググ…


黄スライム『んわわ〜!』キャッキャ

灰スライム『クロシュ……ほんとに……!?』モニョニョ


 デロデロ…

ちびスライムクロシュ「」デロロ…


フレア「あ、ああっ……!!」

黄スライム『惜しい〜っ!!』モニャニャ…!!

フリューゲル「本当に惜しかったわね……お疲れ様……!」

灰スライム『……でも、あと一歩……がんばれ、クロシュ……』モニョモニョ

セイン「……いける、のか……? 本当に……」グッ

アイス「〜〜…!!」っっっ

 ☆再現経験が 2/3 になりました

 ◆
835 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2025/06/01(日) 01:25:35.62 ID:n8VnVsd30
というわけで本日はここまでとなります

カリスの悪意からみんなを救う為に、スライム奥義の再現を試みるクロシュ。気負いか、空腹か、一度の試行で成ることは叶わず。されど奥義の習得は既に手の届くところへ。全てを救う為に、クロシュは決意を新たにする。しかしそれはそれとして、そろそろ空腹で目が回りそうなあかちゃんスライムなのであった――

それでは本日もありがとうございました。次回もよろしくお願いいたします
836 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2025/06/01(日) 09:48:51.22 ID:wbVFSKQG0
おつ
クロシュちゃん最終的にスライムの女王とか巫女とか神になるのか・・・?
837 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2025/06/01(日) 21:51:03.31 ID:n8VnVsd30
再現はすごい技ですが、女王とか巫女とか神と呼ばれるようなだいそれた存在になったりはしないと思われます。実のところ野良にも極稀に使えるスライムがいたりします(そういうスライムは知能が高く、人前に出て来ない場合が多いようです)
838 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2025/06/01(日) 21:51:36.08 ID:n8VnVsd30
―王都セイントレア 滞在9日目

◇クロシュ [あかちゃんスライム]
武:星霊の剣     盾:ラティアの大盾  飾:くすんだ耳飾り
武:竜珠の大杖    防:竜のエプロン   飾:不死鳥の羽根

◇妖精   [世話焼き妖精]
武:         盾:         飾:くすんだ耳飾り
武:         防:精霊のレオタード 飾:

◇イリス  [星の魔法使い]
武:蒼き星の杖    盾:         飾:くすんだ耳飾り
武:ブラッドランス  防:魔術師のローブ  飾:

◇ミスティ [氷の魔法使い]
武:氷の短刀     盾:         飾:くすんだ耳飾り
武:         防:氷竜革のローブ  飾:

◇ローガン [鋼の戦士]
武:蜥蜴一文字    盾:灼鋼の盾     飾:くすんだ耳飾り
武:鋼の回転ノコギリ 防:オリハル鎖帷子  飾:

◇エバンス [地の傭兵]
武:古代の鉄槌    盾:         飾:くすんだ耳飾り
武:魔銀の刀     防:硬質革鎧     飾:

◯所持アイテム
[道具]        [装備品]       [大事なもの]
運命賽*2       蜘蛛絹の下着      魔族国永久旅券
会心賽*1       ザリガニのお守り    フメイの服の切れ端
反魂丹*1       大きな巻き貝      精霊の印
鉄鍋+携帯調理器具   闇の欠片        精霊樹の実のジャム
「星の魔力」上中下   フリルワンピ水着    精霊樹の鉢植え+赤雷球
お宿の妖精の織物    魔法学園のスク水    フメイとアリシラの人形
魔導飯盒        ガラスのザリガニ    メルルの帽子
妨害魔力波発生装置   踊り子の双剣      溶岩石のアミュレット
属性大全        サボテンドラゴンの花  太陽のメダリオン
魔王図鑑        精霊のローブ      暗黒優待券
氷精の魔導書      精霊樹の杖[改]    冒険者証(ランク1)
ブラッドワイン*1   銀のナイフ       大魔女帝国渡航権
吸血鬼殺ワイン*1   ダイヤメリケンサック  かたたたきけん
魔術書「正負の属性」  パラサイトソード    大魔女帝国滞在許可証
吸血鬼の日焼け止め               風船印のパラシュート
日蝕の傘                    ラティア勲章
大魔女サイン*1                ユーシリア王家の紋章
古代のセラミック
ステライト鉱石
晴れ乞い傘
チョコスムージー
ヒヒイロカネ
氷魔力結晶
魔導書「絶対零度」

◯現在の目標
・フメイちゃんを探す
・世界樹の光を追う[4/5]
・最悪の未来を阻止する

◯努力目標
・カリスに造られた者たちを助ける
・戦争を阻止する
・大司祭を探す
・枢機卿の悪事を暴く(達成!)
・レイの行方を追う(達成!)

◯仲間の目標
・カリス・ノーランドを討つ(ミスティ)

◯経験値
・クロシュ 剣技[03/07] 魔法[06/07] 防御[00/07] 再現[2/3]
・イリス  杖術[02/06] 魔法[15/16]
・ミスティ 剣技[05/07] 魔法[11/16]
・ローガン 剣技[16/16] 魔法[06/08] 防御[07/08]
・エバンス 剣技[16/16] 魔法[07/08]
……………………………………………………………………………………
□王都セイントレア
王城:未探索
城下:教会、孤児院、市場、食事処、酒場、浴場、娼館、冒険者ギルド
   中央広場、公園、学校、図書館、博物館、劇場、闘技場、未探索
……………………………………………………………………………………
□セクリエ・ロイエ
大聖堂、大聖堂別館、美術館、庭園、お土産屋、未探索、他
……………………………………………………………………………………
839 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2025/06/01(日) 21:52:03.35 ID:n8VnVsd30
―朝
 聖ヴァレリオ教会 宿泊室

 チュンチュン

妖精「カリスに囚われてる者たちの体をクロシュ自身が再現して、その状態を大魔女に診てもらおうってことか」

クロシュ「うん」

ミスティ「なるほど、そんなやり方があるのね……。でも、呪いを再現した結果クロシュ自身に害が及んだりはしないかしら?」

クロシュ「た、たぶん大丈夫……」

王都セイントレア滞在9日目。15日目に何かが起こります
↓4〜6 自由安価 何をする?
840 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2025/06/01(日) 21:54:44.17 ID:ggs46Tk5o
手がかりを探すため聖女さん僧侶さんにお父さんのことを詳しく聞く
841 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2025/06/01(日) 21:56:10.49 ID:Hy4+fEQ70
↓4からとか間隔広いな
とりあえず安価↓
842 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2025/06/01(日) 21:56:25.44 ID:ccICFlJOO
ダークヒーローイリス、奴隷解放組織にさそわれる
843 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2025/06/01(日) 21:56:28.09 ID:wbVFSKQG0
聖女シスターズと買い物
844 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2025/06/01(日) 21:56:47.47 ID:hheHWEy30
現教にあってカリスの件や大司祭の件など何か聞けないかみんなに相談する
845 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2025/06/01(日) 21:57:13.31 ID:exxB8ol5O
クレアとレイと一緒に地下壕の蔵や本棚を調べてみる
846 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2025/06/01(日) 21:57:57.53 ID:uxEBMuI4O
クロシュヴィアから直接手ほどきを受けて再現を完全にマスターする
847 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2025/06/01(日) 23:28:14.70 ID:n8VnVsd30
―王都セイントレア 市場

 ワイワイ ガヤガヤ

 たくさんの品物が積まれたカゴ「」ドッサリ

その大きなカゴを背負って歩くクロシュ「……」ノシノシ

聖女「クロシュちゃん……大丈夫ですか? 重すぎるんじゃ……」

クロシュ「へいき……!」ノシノシ

妖精「今のクロシュは小さい女の子の姿だけど、中身はスライムだから人間より力持ちなんだよ。心配いらないと思う」

僧侶「種族の差ですね。今の私には好ましい違いと思えます」

聖女「お姉ちゃん、本当に原理派らしくなくなったんですね」

僧侶「それはもちろん、今はデロデロ派ですから」

クロシュ「んへへ……」

僧侶「聖女もデロデロ派になりませんか? クロシュヴィアに会えばあなたもデロデロの良さが――」

聖女「ふふ、もう会ったことあります」

僧侶「えっ!?」

聖女「デロデロ派の考え方も概ね聞いてます。私も……ある程度は理解できるつもりです」

僧侶「うーん、ある程度ですか……」

聖女「はい。私はまだ……全てをデロデロにしなきゃこの世界は救われない、とまでは思わないのです。命には……お互いを赦し合い、憎しみも悲しみも呑み込んで一緒に歩いていける強さがあるって……信じたいんです。ちょっと、お花畑と言われるかもしれないですけど……」

僧侶「お花畑というよりは棘だらけの茨の道ですね、それは……。でもまあ嫌いではないです。この世から少しでも多くの苦しみを減らしたいという意味では、デロデロ派と同じとも言えますし」

クロシュ「わあ……!」

妖精「はあ、良かったねクロシュ。みんなデロデロ派と同じだってさ」

クロシュ「うん……!」

 *

パスタ屋「毎度ありがとうございました〜!」


 買い物メモ「」ペラッ

聖女「えっと、これでクレアさんから頼まれたお使いは終わりかな……?」

僧侶「そういえば、教会と孤児院の食料は大聖堂から支給されてるはずですよね? なぜパスタをこんなに?」

 カゴいっぱいのパスタ「」ドッサリ

聖女「あ〜、えっと……お姉ちゃん、聖ヴァレリオ教会の地下壕のことは知ってますか?」

僧侶「あっ……なるほど、彼女の分というわけですね。承知しました」

聖女「はい。クレアさんは正しさのある人ですから、私もクレアさんの判断に従います」

僧侶「……でも、パスタばかりなのはちょっとつらくないですか?」

聖女「そうですか? パスタ、美味しいと思いますけど……」

僧侶「いや、美味しさを否定しているわけではなくてですね……他の主食も食べたいというか……。いやまあ、保存が効いて調理もしやすいという事情はわかるんですけど……」

クロシュ「パスタ……おいしい……」

僧侶「いや美味しいのはわかってますってば!」

妖精「私も妖精の中じゃ食にちょっとこだわる方だけど、人間にはかなわないなあ」

 *

市場に来たついでにお買い物する?
↓1〜2選択
1.掘り出し物を探す(コンマ)
0.自由安価(買うもの、または買い物以外の行動)
848 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2025/06/01(日) 23:30:09.14 ID:ZmJ1HDdoo
1
849 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2025/06/01(日) 23:31:47.24 ID:ccICFlJOO
0、アクセサリーを買う
850 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2025/06/02(月) 00:00:26.65 ID:Ou2z6sPO0
クロシュ「!」ピコン!

聖女「どうしたのですか、クロシュさん」

クロシュ「なにか……いいもの、あるかも……!」トコトコ

 ワイワイ ガヤガヤ

僧侶「お、露天市ですね。確かに掘り出し物があるかもしれません、せっかくですし何か探してみましょうか」

妖精「悪いねえ、クロシュに付き合ってもらっちゃって」

聖女「いえいえ、先にクレアさんのお使いに付き合ってもらったのは私たちの方ですから!」

↓1コンマ 掘り出し物
01-40 聖剣のおもちゃ
41-70 カニカマボコ
71-90 メガロザメのフカヒレ
91-00 不定形のプルプル

↓2コンマ アクセサリー
01-40 綺麗な貝殻
41-70 大きな真珠
71-90 世界樹の琥珀
91-98 黄金のカニ飾り
99-00 古代カニの化石
851 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2025/06/02(月) 00:02:02.39 ID:1IQmfC/Ko
カニ(カマボコ)!
852 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2025/06/02(月) 00:05:59.40 ID:XXkEdMrpo
さて
853 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2025/06/02(月) 00:27:48.09 ID:Ou2z6sPO0
 聖剣のおもちゃ「」ポン!

クロシュ「……」

 聖剣のおもちゃ「」ブンブン
 虹色の光「」ビカビカ!!

クロシュ「んわっ……!?」ビクッ

おもちゃ屋「ははは、それは勇者サインが幼少の頃に大岩から引き抜いて振り回したと言われる光の聖剣、ルクスカリバー!! ……のおもちゃだ!」

クロシュ「わあ……!」

妖精「……本物もこんなヘンテコな色に光ったの?」

おもちゃ屋「ははは、本物の光はこんなものじゃなかったと思うよ! 何せ天を裂き地を穿つ凄い光だったらしいからね!」

クロシュ「わあ……」

妖精「……クロシュ、それ買うの?」

クロシュ「……んーん」

 聖剣のおもちゃ「」ポン

おもちゃ屋「えっ買わないの!?」

クロシュ「うん……わたし、これがある……」スッ

 星霊の剣「」キラキラ…

おもちゃ屋「うおっ、すごいクオリティだ……! 一体どこのおもちゃ屋で買ったんだい!?」

クロシュ「んへへ……ひみつ……」

 ☆聖剣のおもちゃを買いませんでした

 *

聖女「クロシュちゃんクロシュちゃん」

クロシュ「ほえ?」トコトコ

僧侶「ふふ……お姉さんたちからプレゼントです!」スッ

 綺麗な貝殻の飾り「」ポン! キラキラ…

クロシュ「わあ……!」

妖精「お、随分綺麗な貝殻だねえ。真珠層が虹色に輝いてる」

聖女「虹色に輝く貝殻は、幸運と安らぎをもたらすと言われています。もし良かったら……」

クロシュ「うん……! ありがと……!!」

 ☆綺麗な貝殻の飾りをいただきました
  加護が少し強化されました

 ◆
854 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2025/06/02(月) 00:28:31.56 ID:Ou2z6sPO0
本日はここまでとなります

聖女と僧侶の買い物に付き合い、甘えさせてもらうあかちゃんスライムなのでした。たまにはこういう日があっても良いのかもしれません

それでは本日もありがとうございました。次回もよろしくお願いいたします
855 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2025/06/02(月) 01:08:51.54 ID:1IQmfC/Ko
おつでした
僧侶ちゃん聖女さんとこんな風ひに平和なお買い物できるなんて初対面からは想像もできなかったなぁ
……ごめん嘘僧侶ちゃんからはポンコツ敵対解除ルートが合うたび感じてた
856 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2025/06/07(土) 22:16:26.47 ID:0VYU1WqW0
僧侶氏は当初とても邪悪な差別主義者でしたが、紆余曲折あって邪悪ではなくなってしまいました。元々は妹の聖女と同様に優しさを持つ人だったのかもしれません。原理派の差別推進教育が良くなかったのでしょう。なおポンコツなのは元からだと思われます
857 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2025/06/07(土) 22:16:55.72 ID:0VYU1WqW0
―王都セイントレア

 ワイワイ ガヤガヤ

信徒「教皇様、最近頭痛が酷くて眠れないのです……。どうしたら良いでしょうか……」

教皇ユグド「頭痛とはどの辺りがどのように痛みますか?」

信徒「頭の前の方が、ガンガンと脈打つように……」

教皇ユグド「であれば、南区の薬局で市販されている痛み止めを服用するのが良いでしょう。もしそれでも治らなければ、再び私に聞きにいらっしゃい」

信徒「ありがとうございます!」ペコッ

 ワイワイ ガヤガヤ


妖精「あれが現教皇のユグド・フランシス……?」

クロシュ「ほえ……」

ローガン「……信徒たちに向けた説法……というよりは相談に乗っているのか」

ミスティ「信徒じゃないっぽい人たちもちらほらいるわね。私たちも何か聞けば答えてくれるのかしら」

クロシュ「……!」ピコン!

妖精「何か教皇に聞きたいことでも思いついたの?」

クロシュ「聖女さんたちの……お父さんのこと……聞ける……?」

妖精「あー……大司祭が行方不明になってる件は原理派絡みだろうから、穏健派の現教皇が知ってる可能性は低そうだけど……。でもロイエ教のことといえばロイエ教のことだし……」

ミスティ「最近は穏健派もキナ臭そうだし、知ってることがあるかもしれないわね」

妖精「どうする? 何か聞きに行ってみる?」


↓1〜2選択
1.大司祭について
2.カリス・ノーランドについて
3.戦争について
4.グランドマスターについて
0.自由安価(状況にそぐわないものは再安価)
858 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2025/06/07(土) 22:17:57.57 ID:Z+xY6KHd0
859 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2025/06/07(土) 22:19:22.82 ID:Xml6CoA/0
1
860 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2025/06/07(土) 22:33:37.36 ID:0VYU1WqW0
教皇ユグド「次の方」

クロシュ「……」トコトコ ペコリ

妖精「こんにちは。2つほど聞きたいことがあるんだけど、いい?」パタパタ

教皇ユグド「私に答えられることであれば」

妖精「じゃあ一つめ。知り合いの……聖女と僧侶っていう聖職者の姉妹がいるんだけど、その父の大司祭の居場所がわからないんだ。行方を知らない?」

教皇ユグド「……」


↓1コンマ
01-10 ???
11-50 グランドマスター殿が知っているかもしれません
51-90 現在捜索中です
91-00 ???
861 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2025/06/07(土) 22:35:05.32 ID:4L9jc4Pto
たかく
862 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2025/06/07(土) 22:43:41.43 ID:0VYU1WqW0
教皇ユグド「大司祭殿のことでしたら、同じく原理派であるグランドマスター殿が知っているかもしれません」

妖精「ええ……」

ミスティ「グランドマスターって……あの戦争を企てているという噂のグランドマスターよね? ちょっと関わりたくないのだけど……」

教皇ユグド「まあそう仰らず……」

妖精「せっかく話題に出たことだし、グランドマスターが企ててるっていう戦争のことについても聞いて良い?」

教皇ユグド「……」


↓1コンマ
01-10 ???
11-50 私はグランドマスター殿を信じております
51-90 現在調査中のため回答を差し控えさせて頂きます
91-00 ???
863 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2025/06/07(土) 22:44:19.63 ID:BwTiL+6vo
あー
864 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2025/06/07(土) 23:40:13.27 ID:0VYU1WqW0
教皇ユグド「……現在調査中のため、それについてはお答えできかねる……としか言えません」

ミスティ「……穏健派は関わってないのよね?」

教皇ユグド「それについてはもちろんです。ロイエのみならず、王都の方々を不安にさせるような真似は致しません」

妖精「……戦争が起きる可能性はある?」

教皇ユグド「……断定はできませんが、我々ロイエ教は悲劇を阻止する為ならばあらゆる手立てを講じる覚悟があります。この王都が戦火に包まれるような事態には決してさせないので、ご安心を」

妖精「わかった、ありがとう。後がつかえてそうだし私たちはこの辺で失礼するよ」

クロシュ「ありがと、ございました」ペコリ

 ☆大司祭についてグランドマスターに聞けばわかるかも?という情報を得ました

 ☆戦争については穏健派も現在調査中との情報を得ました

 ◆
865 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2025/06/07(土) 23:47:42.24 ID:0VYU1WqW0
―聖ヴァレリオ教会 地下壕

 格子「」
 地下水路「」サラサラ

クロシュ「わあ……!」

レイ「すごいでしょ! 地下なのに水が流れてるんだよ! しかも綺麗で冷たくて美味しい綺麗なお水! 一生暮らせる!!」

クレア「地下水路の浄水を引っ張ってきているようです。美味しいからって飲み過ぎはお腹を壊しますから、程々にしてくださいね」

レイ「も、もちろんですよォ……エヘヘ……」

クル「レイったら、すっかりクレアさんに懐いちゃって」

クレア「本当に指名手配中の凶悪犯なのか、疑わしく思えてなりません……」

 *

レイ「ああ、あのっ、クレアさんっ……! 私の住んでるとこの近くの部屋に……倉庫とか、書庫みたいのがあるんですけどっ……そこって、勝手に出入りして大丈夫なとこですかっ……!?!?」

クレア「ああ、あの辺りですか……。あの辺は私もまだしっかり調べたわけではないので、崩落などの危険も万が一ありえますので勝手に出入りするのは推奨できないのですが……」

レイ「そ、そうですかぁ……」ガックリ

クレア「私と一緒に調査を行い、安全性を確認できたら自由に出入りしても良いとしましょう」

レイ「!!」

クロシュ「わあ……!」

クレア「ただし、中のものを持ち出す場合には一度私に見せてくださいね。ここの聖ヴァレリオ教会の一部ですので」

レイ「もも、もちろんですっ! クレアさんにお任せしますっ!!」

クル「宝探しかぁ……ふふ、なんだか面白くなってきたね」

クロシュ「うん!」


↓1コンマ
01-40 収穫なし
41-70 年代物のワイン
71-90 オリハルスライムの欠片
91-98 不定形のプルプル
99-00 不定形の大きなプルプル

↓2コンマ
01-40 収穫なし
41-70 美味しいキノコ
71-90 世界樹の琥珀
91-98 黄金のカニ飾り
99-00 古代カニの化石

↓3コンマ
01-40 収穫なし
41-70 パスタのレシピ
71-90 秘伝パスタのレシピ
91-98 ??
99-00 ??
866 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2025/06/07(土) 23:48:26.23 ID:Z+xY6KHd0
867 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage ]:2025/06/07(土) 23:49:54.21 ID:qlZ4KxaKO
868 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2025/06/07(土) 23:51:07.74 ID:BwTiL+6vo
869 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2025/06/08(日) 00:06:49.50 ID:N69p16ex0
 割れた壺「」
 空き瓶「」
 毒キノコ「」

クル「大したものはなさそうかなあ……」

レイ「で、でもこの壺とか良い感じじゃない……!? 割れてるけど……」

スライムクロシュ「〜〜」モニョモニョ モグモグ
 毒キノコ「」モグモグ

クレア「クロシュさん……!? それは毒キノコです、食べてはいけません!」

スライムクロシュ「〜〜」モニャニャ

クル「クレア先生、クロシュちゃんって毒でもなんでも大丈夫みたいです」

クレア「ええっ……!? そ、そうなのですか……? クロシュさん、本当になんともありませんか?」

スライムクロシュ「〜〜♪」モニョモニョ

 *

 古びた机「」

クレア「おや……? この机だけ使われていた形跡が……」

レイ「ひ、引き出しの中を見てみましょう!」ガラッ

 古びた手書きのレシピ帳「」ポン!

クル「これは……手書きのレシピ帳?」

クレア「この字……聖ヴァレリオの筆跡と似ている……!? もしかしてこのレシピ帳は――」ペラッ

 ペラッペラッ
 レシピ帳『秘伝パスタの作り方』ドン!

クレア「……!! 間違いない……これは聖ヴァレリオの没後、行方不明となっていた彼のレシピ帳!!」

クロシュ「わあ……!!」

クレア「持って帰りましょう……これは国宝級のパスタレシピです!」

レイ「わ、わぁ〜」

クル「……聖ヴァレリオって、素パスタを喜んで食べてた人じゃありませんでしたっけ……」

 ☆クレアが秘伝パスタのレシピを手に入れました

 ◆
870 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2025/06/08(日) 00:09:07.49 ID:N69p16ex0
本日はここまでとなります。次回もよろしくお願いします
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