胡蝶しのぶ「できました!他人の夢に侵入する薬です!」

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26 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2025/08/24(日) 23:00:09.95 ID:6IgVG1ccO
冨岡「水の呼吸 拾壱ノ型 凪」

妓夫太郎「なあ!?」

堕姫「そんな!?頚が!?」

しのぶ「冨岡さん!?」

炭治郎「冨岡さん、流石です!」

宇随「良い技持ってんじゃねえか。」

冨岡「大事な人を守るためだ。もっと強くなる。」

しのぶ(大事な人?炭治郎君のこと?それとも・・・。)

冨岡「胡蝶、遅くなったな。ケガは無いか?」

しのぶ「だ、大丈夫です。」

冨岡「良かった。胡蝶が傷を負ったらどうしようかと思っていた。」

しのぶ(夢の中の出来事だから、傷が出来ても大丈夫なんだけど。)

冨岡「夢の中でも、傷付いてほしくない。」

しのぶ「!?」
27 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2025/08/24(日) 23:00:38.90 ID:6IgVG1ccO
〜現実〜

しのぶ(あ、目覚めちゃった。)

宇随「あれ、寝てたのか。」

しのぶ(さっきの発言からして、冨岡さんも夢の中に侵入していたみたいですね。)

冨岡「起きたか。」

しのぶ「あら冨岡さん、先ほどはどうもありがとうございます。」

冨岡「なんのことだ?」

しのぶ「はあ、分かってますよ。宇随さんの前で言ってほしくないんですよね?」

宇随「ん?」

冨岡「お前は何を言っているんだ。」

しのぶ「はいはい。」
28 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2025/08/24(日) 23:01:08.12 ID:6IgVG1ccO
しのぶ「次は、そうですね。甘露寺さんのところに行ってみましょう。」

冨岡「じゃあ俺はこれで失礼する。」

しのぶ「失礼するんじゃありません。着いて来てください。」

冨岡「何故だ?」

しのぶ(おそらく最初のカナヲの夢から、冨岡さんは夢に入ってきていた・・・。)

しのぶ(夢の中で言っていたことも、本物の冨岡さんが言ったこと。)

しのぶ(その真意を問いたださないと!)

冨岡「俺がいなくても実験はできるだろう?」

しのぶ「関係ありません。着いて来てください。来たら今度鮭大根を振る舞います。」

冨岡「仕方がない。行こう。」
29 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2025/08/24(日) 23:01:37.12 ID:6IgVG1ccO
〜甘露寺の家〜

甘露寺「あら!しのぶちゃん!いらっしゃい!」

しのぶ「お邪魔します。」

甘露寺「今日はどうしたの?冨岡さんも連れて!もしかしてデート!?

しのぶ「実験です。」

甘露寺「実験?なんの?」

しのぶ「新しく薬を作ったので、甘露寺さんにも試してみようと思いまして。」

伊黒「ちょっと待て。そんな危ないものを甘露寺に飲ませるな。」

冨岡「伊黒、いたのか。」

伊黒「お前らは邪魔だ。俺たちの時間を邪魔するな。帰れ。」

甘露寺「伊黒さん、せっかく来てくれたんだから!」

伊黒「ちっ、甘露寺に感謝しろ。」
30 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2025/08/24(日) 23:02:08.40 ID:6IgVG1ccO
しのぶ「この薬を飲むことで、飲んだ人の夢に侵入できるんです。」

甘露寺「・・・え?それってどういう?」

しのぶ「今から甘露寺さんを眠らせて、その夢に入ります。」

甘露寺「嘘!そんな!恥ずかしいわ!」

冨岡「そんなことをしていたのか。」

しのぶ「白々しい・・・。」

甘露寺「もしかして、伊黒さんも見るの?」

しのぶ「複数人が入れることは確認済みです。前例もありますし・・・ね?」

冨岡「何故俺を見る。」

甘露寺「分かったわ!これで鬼の打倒に繋がるのよね!頑張る!」

しのぶ「あ、いや、別にそういうわけでは。」

甘露寺「いきます!」ゴクゴク

甘露寺「おやすみ!」zzz

伊黒「すごいな、もう寝てしまった。」

しのぶ「次に、この縄を腕に巻いてください。そしたら夢に入れます。」

伊黒「こうか?」

しのぶ「では、行きます!」
31 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2025/08/24(日) 23:02:37.78 ID:6IgVG1ccO
〜甘露寺の夢〜

しのぶ(何かの会場かしら?凄く賑わってる。)

実況「さあ始まりました!桜餅早食い選手権!舞台をご覧ください!出場者を紹介していきます!」

しのぶ(早食い選手権?甘露寺さんらしい。)

実況「壱番!無敵の女王、甘露寺蜜璃!」

甘露寺「頑張ります!応援ありがとう!」

しのぶ(女王・・・。)

実況「弐番!鋭い眼光!伊黒小芭内!」

伊黒「食事とは腕力ではない。」

しのぶ(何言ってるんだろう・・・。)

実況「参番!冷静沈着!冨岡義勇!」

冨岡「なぜ俺はここにいるんだ。」

しのぶ(冨岡さん!?)

実況「そして最後!大正の世に咲く一輪の花!絶世の美女!胡蝶しのぶ!」

しのぶ(ええ!私!?いつの間にか舞台に上がってる!)
32 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2025/08/24(日) 23:03:06.56 ID:6IgVG1ccO
実況「さあ全員の前に桜餅が積まれています。時間内に多く食べた人の勝利です!」

しのぶ(無理だわ、3つぐらいでお腹いっぱいになりそう・・・。)

実況「それでは・・・開始!」

甘露寺「ひゃあああ!!!!美味しいいいい!!!!!!!」モグモグ

実況「何と甘露寺さん!美しい食べっぷり!」

伊黒「鏑丸、頑張ろう。」モグモグ

実況「おっと、ペットに食べさせるのはルール違反です!」

伊黒「ペットではない!俺と鏑丸は一心同体!戦うときはいつも一緒だ!」

実況「ひいいいい!!!ごめんなさい!!!」
33 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2025/08/24(日) 23:03:34.58 ID:6IgVG1ccO
冨岡「俺は帰る。」

しのぶ「冨岡さん、一口も食べてないじゃないですか。」

冨岡「遠慮しよう。」

しのぶ「そう言わずに。」

冨岡「毒が入っているんだろう?」

しのぶ「・・・気付いていましたか。」

冨岡「恐ろしく速い毒の混入、俺でなければ見逃しているだろう。」

しのぶ「よく見ていますね。」

冨岡「胡蝶のことはずっと見ている。」

しのぶ「・・・ふふふ。」
34 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2025/08/24(日) 23:04:03.39 ID:6IgVG1ccO
甘露寺「むぐっ!」

伊黒「甘露寺どうした・・・ぐう!?」

しのぶ「甘露寺さんを倒すのに、甘露寺さんより大食いになる必要は無い。相手を弱めればいいだけ。」

甘露寺「しのぶちゃん・・・?」

しのぶ「この勝負、勝たせてもらいます!」

勝負の結果

甘露寺3個、伊黒1個、冨岡0個、しのぶ2個

実況「甘露寺さんの優勝だああ!!!」

しのぶ(ズルしたのに、負けた・・・。)
35 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2025/08/24(日) 23:04:32.54 ID:6IgVG1ccO
〜現実〜

甘露寺「うえええええええん!!!!」

しのぶ「ひっ!」ビクッ

伊黒「どうした甘露寺!」

甘露寺「桜餅が3個しか食べられなかったああ!!!!」

伊黒「何の話だ。」

しのぶ「夢の話です。見てたでしょう?」

伊黒「いや、俺が見ていた夢とは違うな。」

しのぶ(あれ?)

しのぶ「冨岡さんは?」

冨岡「俺は眠っていない。」

しのぶ「今回は別に隠さなくていいのに・・・。」

冨岡「?」
36 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2025/08/24(日) 23:05:09.37 ID:6IgVG1ccO
しのぶ「次は悲鳴嶼さんのところに行きましょう。」

冨岡「胡蝶、俺はもう帰っていいか。」

しのぶ「ダメです。最後まで来てくれないと鮭大根あげませんよ。」

冨岡「むむむ。」
37 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2025/08/24(日) 23:05:38.00 ID:6IgVG1ccO
〜悲鳴嶼の家〜

しのぶ「あら、時透君。」

時透「胡蝶さん、冨岡さん、どうしてここに?」

しのぶ「ちょっと協力してほしいことがあって、そのお願いに。時透君は?」

時透「僕は稽古しに来てるんです。悲鳴嶼さんみたいに強い身体になりたくて。」

しのぶ「それはそれは、立派ですね。」

悲鳴嶼「南無。」

しのぶ「おっと、びっくりしました!」

悲鳴嶼「私に何の用だ?」

しのぶ「実はですね・・・。」
38 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2025/08/24(日) 23:06:06.65 ID:6IgVG1ccO
悲鳴嶼「なるほど、夢に入ることができるのか。」

しのぶ「そうです。すごいでしょ!」

時透「すごいけど、何の役に立つんですか?」

しのぶ「・・・・・・。」

時透「あ、ごめんなさい・・・。」

銀子「人の夢に入るなんて失礼じゃない?何それ?何で作ったの?」

しのぶ「何ですかこの鎹鴉は。」

時透「僕のです。すみません、ちょっと言葉が悪くて。」

しのぶ「いいんですよ。言葉が足りないよりはマシですから。」

冨岡「・・・・・・。」
39 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2025/08/24(日) 23:06:35.87 ID:6IgVG1ccO
悲鳴嶼「役に立つかどうかは、試してみないと分からない。実験は大切だ。」

しのぶ「ご理解いただけたようで、助かります。」

時透「じゃあ、悲鳴嶼さんの夢に入りませんか?強さの秘訣が掴めるかも!」

しのぶ「名案ですね!そうしましょう!」

悲鳴嶼「私の夢を見て強くなれるのなら、いくらでも協力しよう。」

しのぶ「冨岡さんも、強くなりたいですよね?」

冨岡「・・・・・・。」

しのぶ「じゃあこの薬を飲んでください。」

悲鳴嶼「うむ。」ゴクゴク
40 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2025/08/24(日) 23:07:06.12 ID:6IgVG1ccO
〜悲鳴嶼の夢〜

しのぶ(あら、風景があまり変わりませんね・・・。)

悲鳴嶼「・・・・・・。」

時透「・・・・・・。」

銀子「・・・・・・。」

冨岡「・・・・・・。」

しのぶ(みんな黙ってる、どうしたんだろう?)

悲鳴嶼「寝て早々に申し訳ない。厠に行かせてもらえないだろうか。」

しのぶ「はい、どうぞ・・・。」

悲鳴嶼「おや・・・動けない・・・。」

しのぶ「え?」
41 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2025/08/24(日) 23:07:37.00 ID:6IgVG1ccO
悲鳴嶼「理由は分からないが、この場から動けないんだ。空の彼方から、ここで出せと言われているようで。」

しのぶ「そ、そんなこと無いでしょう。」

悲鳴嶼「岩の呼吸を使っても対処できない。岩が出そうだ。」

しのぶ「変なこと言わないでください!」

時透「あの、こんな時に言うべきことじゃないかもしれないんですが・・・。」

しのぶ「何ですか?」

時透「何だか視界が悪くなってきて、視力が落ちたみたいなんです。」

しのぶ「え?」

時透「悲鳴嶼さんの強さの秘訣は盲目にあったのか・・・じゃあ僕には無理だな・・・。」

時透「とりあえず、眼鏡ありませんか?」

悲鳴嶼「残念だが、持っていない。」

時透「そうですか・・・。」
42 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2025/08/24(日) 23:08:08.91 ID:6IgVG1ccO
しのぶ(何なのこれ・・・。)

銀子「はあ・・・まったく・・・。」

しのぶ(良かったまともな人、じゃなくてまともな鎹鴉がいた。)

銀子「私、この星とは別の星で生まれた気がする・・・。」

しのぶ(ああ、ダメだこの子は・・・。)

冨岡「・・・・・・。」

しのぶ「冨岡さん、冨岡さん。」

冨岡「どうした?」

しのぶ「良かった、何も変わってなさそうですね・・・はうっ!」ギュルルルル!
43 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2025/08/24(日) 23:08:37.32 ID:6IgVG1ccO
しのぶ(急にお腹が!そして動けない!)

冨岡「どうした胡蝶、いつにも増して顔色が悪いな。」

しのぶ「大丈夫・・・です・・・。」

冨岡「横になった方がいいんじゃないか?」

しのぶ「動かさないで・・・ください・・・ああ!!」

冨岡「ん?」

しのぶ「ああ・・・あああ・・・。」

時透「あれ、何か変な匂いがするな。よく見えなくて分からないけど。」

悲鳴嶼「私はまだ耐えている・・・。」

銀子「臭い!臭いわ!」
44 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2025/08/24(日) 23:09:06.63 ID:6IgVG1ccO
しのぶ「ぐすっ・・・えっぐ・・・。」

冨岡「胡蝶。」

しのぶ「見ないでください・・・。」

冨岡「大丈夫だ。そんなことで軽蔑したりしない。」

しのぶ「え?」

冨岡「俺は胡蝶のすべてを受け入れる。だから泣くな。笑っていろ。」

しのぶ「冨岡さん・・・。」
45 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2025/08/24(日) 23:09:35.24 ID:6IgVG1ccO
〜現実〜

しのぶ「ぐすっ・・・ぐすっ・・・。」

悲鳴嶼「戻ってきた・・・のか?」

時透「何の夢を見てたんだろう・・・思い出せないや・・・。」

しのぶ「思い出さないでください・・・。」

悲鳴嶼「正直自分のことで精一杯で、何が起きていたのか気にする余裕が無かった。冨岡はどうだ?」

冨岡「俺は何も知らない。」

しのぶ「冨岡さん・・・ありがとうございます・・・。」グスッ

冨岡(何故泣いているんだ?)
46 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2025/08/24(日) 23:10:04.82 ID:6IgVG1ccO
しのぶ「最後は、不死川さんです。」

冨岡「分かった。行こう。」

しのぶ「あの、冨岡さん。さっきの夢の話ですけど・・・。」

冨岡「言ったはずだ。俺は何も知らない。」

しのぶ「・・・はい、そうですね。」

冨岡「ところで胡蝶、実験は上手くいっているのか?俺にはよく分からないんだが。」

しのぶ「ええ、絶好調ですよ?冨岡さんも分かってるでしょう?」

冨岡「よく分からないな。俺はその手の分野はさっぱりだ。」

しのぶ「まあ、いずれ報告しますから、その時に詳細を説明します。」

冨岡「よろしく頼む。」
47 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2025/08/24(日) 23:10:34.59 ID:6IgVG1ccO
〜不死川の家〜

不死川「実験だと!?ふざけてんのか!そんな暇無えよ!」

しのぶ(やはり不死川さんは一筋縄ではいきませんね。でも柱は全員実験しておきたいですし。)

しのぶ「そこを何とかお願いします。」

不死川「聞こえなかったのか!帰れ!」

冨岡「胡蝶、ここは俺に任せろ。」

しのぶ「冨岡さん?どうやって?」

冨岡「不死川、これをやろう。」つおはぎ

不死川「・・・・・・。」

冨岡「おはぎが好物だと聞いている。」

不死川「帰れ!」
48 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2025/08/24(日) 23:11:07.27 ID:6IgVG1ccO
しのぶ「追い返されましたね。」

冨岡(何故だろうか。)

しのぶ「おはぎ、いつも懐に忍ばせてあるんですか?」

冨岡「ああ、不死川に会ったときに渡せるようにな。」

しのぶ「それ絶対に間違ってますよ。やめましょう?」

冨岡「炭治郎からは好評だったんだがな。」

しのぶ(炭治郎君、天然なところがあるからなあ・・・。)

しのぶ「私に名案があります。」

冨岡「聞かせてもらおう。」
49 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2025/08/24(日) 23:11:35.83 ID:6IgVG1ccO
しのぶ「不死川さ〜ん!」

不死川「帰れって言ったろうが!」

冨岡「不死川、勝負しろ。」

不死川「ああ!?」

冨岡「勝ったら薬を飲んでもらう。稽古になるし問題ないだろう。」

不死川「・・・分かったよ!仕方ねえな!」

しのぶ「木刀どうぞ!」

冨岡「助かる。」

不死川「悪いな。」

しのぶ「それでは構えて・・・始め!」

冨岡「水の呼吸 壱ノ型 水面斬り」

不死川「風の呼吸 壱ノ型 塵旋風・削ぎ」

しのぶ「蟲の呼吸 蜈蚣ノ舞 百足蛇腹」

不死川「おい待て!なんで胡蝶が参戦してんだ!」

冨岡「一対一だなんて言っていない。」

不死川「卑怯者がああああ!!!!」
50 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2025/08/24(日) 23:12:04.63 ID:6IgVG1ccO
〜十分後〜

不死川「くそ・・・。」

冨岡「俺たちの勝ちだな。」

不死川「黙れ!あんなもので俺が負けを認めるか!」

冨岡「何が不満なんだ。」

不死川「当然だろうが!」

しのぶ「まあまあ落ち着いてください。はい、お水です。一息入れましょう。」

不死川「・・・ああ、すまねえな。」ゴクゴク

不死川「うっ!急に眠気が!」

しのぶ「計算通り・・・。」

不死川「お前ら、最初からこれが狙いで!」

しのぶ「勿論です。勝負とは刀を抜く前から決しているのです。」

不死川「ちく・・・しょう・・・。」zzz
51 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2025/08/24(日) 23:12:32.97 ID:6IgVG1ccO
〜不死川の夢〜

しのぶ(不死川さんの家・・・。)

不死川「おい、胡蝶!」

しのぶ「あ、不死川さん。さっきはどうも。」

不死川「ここは夢の中なんだよな?じゃあ何をしたって隊律違反にはならねえわけだ!」

しのぶ「いや、それは・・・。」

不死川「覚悟しやがれ!!」

カナエ「実弥君、そこまでよ?」

不死川「・・・・・・は?」

しのぶ「・・・・・・え?」

カナエ「妹が何か失礼なことをしたのなら謝るわ。でも暴力はダメよ。」

不死川「お前、何でここに・・・。」

カナエ「何で?妻なんだから当然でしょ?」

しのぶ「・・・妻?」
52 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2025/08/24(日) 23:13:02.24 ID:6IgVG1ccO
不死川「妻?お前が?」

カナエ「お前だなんて言わないで。いつもみたいに名前で呼んで。」

不死川「カ、カナエ・・・。」

しのぶ「姉さん!どうして!こんな奴と!」

カナエ「しのぶも賛成してくれてたじゃない。柱同士お似合いだって。」

しのぶ「私がそんなことを・・・。」

不死川「俺と・・・カナエが・・・。」

しのぶ「何て夢を見るんですか!ちょっと!聞いてますか!不死川さん!」

カナエ「何かしら?」

しのぶ「姉さんじゃなくて!」
53 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2025/08/24(日) 23:13:30.80 ID:6IgVG1ccO
カナエ「結婚して苗字が変わったのよ。だから不死川で合ってるわ。」

しのぶ「うう〜!」

カナエ「ところで、しのぶはどうなの?良い人見つかった?」

しのぶ「わ、私!?」

カナエ「もしかして、さっきからそこにいる人、恋人かしら?」

冨岡「・・・・・・。」

しのぶ「ち、違う!」

不死川「そうなのか、二人はそんな関係だったのか。」

しのぶ「違います!」

冨岡「俺は、恋人ではない。だが・・・。」

カナエ「だが?」

冨岡「胡蝶のことは大事に思っている。この世で一番・・・。」

しのぶ「なっ///」
54 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2025/08/24(日) 23:13:59.27 ID:6IgVG1ccO
カナエ「なるほどね。しのぶはどうなの?」

しのぶ「私は・・・。」

不死川「・・・・・・。」

しのぶ(何で、言葉が出てこないの?)

不死川「ウジウジしてんじゃねえ!」

しのぶ「!?」

不死川「答えを先延ばしにするんじゃねえぞ!気持ちを伝える前にいなくなるかもしれねえんだ!」

しのぶ「不死川さん・・・。」

不死川「俺みたいにな・・・。」
55 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2025/08/24(日) 23:14:27.69 ID:6IgVG1ccO
しのぶ「冨岡さん・・・。」

冨岡「・・・・・・。」

しのぶ「返事は、夢の中じゃなくて、現実で。」

冨岡「分かった。」

しのぶ「不死川さん、私は先に起きます。」

不死川「死に別れた姉と久々の会話だろ?いいのか?」

しのぶ「いいんです。これは不死川さんの夢ですから。」

不死川「・・・そうか。」

しのぶ「では、お先に。」
56 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2025/08/24(日) 23:14:56.09 ID:6IgVG1ccO
〜現実〜

しのぶ「・・・・・・。」

不死川「・・・・・・。」zzz

冨岡「起きたか。」

しのぶ「冨岡さん、先ほどの話ですけど。」

冨岡「さっきの?」

しのぶ「返事は明日でいいですか?」

冨岡「よく分からないが、構わない。」

しのぶ「ありがとうございます。一先ず蝶屋敷に戻りましょう。」

冨岡「不死川はどうする?」

しのぶ「そのままにしておきましょう。幸せな夢を見てるんです。」

冨岡「分かった。」
57 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2025/08/24(日) 23:15:28.43 ID:6IgVG1ccO
〜蝶屋敷〜

しのぶ「今日は色々と連れ回されて、疲れたでしょう。泊っていってください。」

冨岡「大したことではない。」

しのぶ「そうですか・・・。」

冨岡「・・・・・・。」

しのぶ(何でこんなに平然としてるんだろう。女性に告白しているのに。)

冨岡「そうだ、鮭大根をいただく日は・・・。」

しのぶ「材料を揃えてないので、後日お呼びします。」

冨岡「そうか、仕方ないな。」

しのぶ(今そんな話する?)
58 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2025/08/24(日) 23:15:56.79 ID:6IgVG1ccO
アオイ「すみません、今日は客室が一杯で・・・。」

しのぶ「そうですか・・・。」

アオイ「柱に来ていただいたのに、申し訳ありません。」

冨岡「構わない、元々泊まる予定は無かったんだ。」

アオイ「どうしましょう。」

冨岡「胡蝶の部屋で寝させてくれないか?」

アオイ「えええ!?」

しのぶ「冨岡さん、何を言ってるんですか!」

冨岡「寝るだけだったらいいんだろう?」

しのぶ「その時とは状況が違うでしょう!」
59 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2025/08/24(日) 23:16:25.55 ID:6IgVG1ccO
〜しのぶの部屋〜

しのぶ(結局入れてしまった。)

冨岡「良い風呂だったな。」サッパリ

しのぶ「そうでしょう。屋敷自慢の浴場ですから。」

冨岡「今日は疲れたからな。よく眠れそうだ。」

しのぶ「ずっと寝ていたでしょう。」

冨岡「?」

しのぶ「はあ、じゃあ、電気消しますね。」

冨岡「ああ。」

しのぶ「変なことしないでくださいよ?」

冨岡「心配するな、絶対に手出しはしない。」
60 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2025/08/24(日) 23:16:54.07 ID:6IgVG1ccO
〜しのぶの夢〜

しのぶ「ん・・・。」

冨岡「胡蝶、胡蝶。」

しのぶ「冨岡さん!?な、何で抱き着いて!?手出しはしないって!」

冨岡「ここは夢の中だ。」

しのぶ「そうですけども!」

冨岡「もう日を跨いだ。返事を聞かせてくれ。」

しのぶ「あの・・・えっと・・・。」

冨岡「俺は胡蝶が好きだ。」

しのぶ「わ、私は・・・。」
61 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2025/08/24(日) 23:17:22.71 ID:6IgVG1ccO
しのぶ「私も・・・好きです・・・冨岡さん・・・。」

冨岡「胡蝶・・・本当か・・・。」

しのぶ「冨岡さんと話していると楽しくて、本心から笑えるようで、落ち着くんです。」

冨岡「俺も胡蝶と話していると楽しい。」

しのぶ「鬼殺の道を進むため、姉の仇を討つため、疲れを感じるときもありますが、冨岡さんが支えてくれると心強いです。」

冨岡「いつまでも支えよう。君が俺で良いと言ってくれるなら。」

しのぶ「ありがとうございます。」

冨岡「胡蝶、俺はもう、我慢ができない・・・。」

しのぶ「え!?冨岡さん!何故裸なんですか!?」

冨岡「胡蝶もだぞ?」

しのぶ「ええ!?どうなってるの!?」
62 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2025/08/24(日) 23:17:50.75 ID:6IgVG1ccO
冨岡「子供を作ろう。たくさん。」

しのぶ「待ってください!私、そういう経験が無くて!」

冨岡「安心しろ。優しくする。」

しのぶ「待って・・・ああ・・・んっ!」

冨岡「胡蝶・・・痛むか?」

しのぶ「・・・いいえ。」

冨岡「俺の子供を、産んでくれ。」

しのぶ「・・・はい。」
63 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2025/08/24(日) 23:18:19.83 ID:6IgVG1ccO
〜現実〜

しのぶ「・・・はっ!」

冨岡「・・・・・・。」zzz

しのぶ「夢・・・良かった・・・。」

冨岡「・・・・・・。」zzz

しのぶ「起きてください!起きて!冨岡さん!」ペチペチ

冨岡「んん・・・どうした?」

しのぶ「何てことをしてるんですか?人の夢に入り込んできて。」

冨岡「何のことだ?」

しのぶ「とぼけないでください。夢とはいえ貞操を・・・相手が私でなければ牢獄行きですよ!」

冨岡「貞操?誰の?」

しのぶ「私のです!」

冨岡「俺は知らん。そもそも、夢に入るって何なんだ。」

しのぶ「今日散々やったじゃないですか!」

冨岡「俺は他人の夢に入れはしない。」
64 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2025/08/24(日) 23:18:48.83 ID:6IgVG1ccO
しのぶ「・・・・・・え?」

冨岡「胡蝶が夢に入るとかいって眠ってしまったのは見たが、それだけだ。」

しのぶ「宇随さんの夢で、上弦の鬼から助けてくれて、私に傷付いてほしくないって。」

冨岡「知らん。」

しのぶ「甘露寺さんの夢で、私のことをずっと見ているって。」

冨岡「知らん。」

しのぶ「悲鳴嶼さんの夢で、漏らしてもすべて受け入れるって。」

冨岡「知らん。何だ漏らしたって。」

しのぶ「不死川さんの夢で、私のことがこの世で一番大事だって。」

冨岡「知らん。」
65 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2025/08/24(日) 23:19:17.42 ID:6IgVG1ccO
しのぶ「私の夢で、私のことが好きだって。」

冨岡「知らん。」

しのぶ「私のことを支えてくれるって。」

冨岡「知らん。」

しのぶ「私に、冨岡さんの子供を産んでほしいって。」

冨岡「知らん。」

しのぶ「そこから何時間も愛し合って・・・。。」

冨岡「大概にしろ!」

しのぶ「いえ、一滴残さず全部体内で受け止めました。」

冨岡「そういう意味じゃない!」
66 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2025/08/24(日) 23:19:46.64 ID:6IgVG1ccO
しのぶ(どういうこと?入ってきたのではないなら、みんな冨岡さんのことを意識したから登場したの?)

しのぶ(いや、あり得ない!みんなから嫌われてる冨岡さんが!)

しのぶ(はっ!!)



カナヲ「何だか今、しのぶ姉さんから追いかけるように言われた気がする・・・。」→追いかけるよう願っていた

しのぶ(ここで炭治郎君が来てくれないかな・・・。)→本当に来た

しのぶ(炭治郎君、今日何度も出てくる・・・。)→それ以降登場しなかった



しのぶ(まさか、私の意識が他人の夢に影響を!?)

しのぶ(じゃあ夢に出てきた冨岡さんは、私の意識から出てきたってこと!?)
67 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2025/08/24(日) 23:20:15.45 ID:6IgVG1ccO
冨岡「胡蝶、どうした?」

しのぶ「ああ、あの、あのですね////」

冨岡「顔が赤いぞ?」

しのぶ「さっき私が言ったこと、忘れてくれませんか////」

冨岡「そうそう忘れられる言葉ではないな。」

しのぶ「お願いします!」

冨岡「・・・とりあえず寝よう。寝たら忘れる。」

しのぶ「はい・・・。」
68 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2025/08/24(日) 23:20:45.41 ID:6IgVG1ccO
〜数日後〜

炭治郎「お邪魔します!」

禰豆子「ムー!」

カナヲ「いらっしゃい!炭治郎!禰豆子!」

炭治郎「急にどうしたの?俺の作る握り飯が食べたいって。」

カナヲ「師範がどうしても食べたいって・・・。よく分からないの・・・。」

炭治郎「そうなんだ!でも任せて!美味しいの作るよ!」

カナヲ「楽しみ!」
69 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2025/08/24(日) 23:21:19.91 ID:6IgVG1ccO
炭治郎「えっと、調理場はここかな?」

アオイ「違います!そこは繊維に沿って切るんです!」

冨岡「こ、こうか?」

アオイ「そこは繊維じゃありません!」

炭治郎「あの、どうして義勇さんがここに?」

冨岡「炭治郎か。どういうわけか胡蝶が、俺の作る生姜の佃煮を食べたいと言うんだ。」

炭治郎「しのぶさんが?」

アオイ「私が作るって言っても、冨岡様の作る味が食べたいって聞かないんです。」

炭治郎「どういうことだろう?」
70 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2025/08/24(日) 23:21:48.72 ID:6IgVG1ccO
〜料理が出揃った頃〜

しのぶ「では皆さん、いただきましょう!」

みんな「いただきます!」

アオイ「この握り飯、美味しい!」

カナヲ「本当、炊くの上手だね!」

炭治郎「料理は火加減!」

冨岡「俺の佃煮はどうだ?」

アオイ「あ・・・。」

カナヲ「うん・・・。」
71 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2025/08/24(日) 23:22:18.32 ID:6IgVG1ccO
しのぶ(これが炭治郎君の握り飯、本当に美味しい。)

しのぶ(そしてこれが冨岡さんの作った生姜の佃煮・・・。)

しのぶ(味はイマイチだけど・・・何だか優しい味がする・・・。)

炭治郎「優しい味がしますね!」

アオイ「う、うん。」

カナヲ「そうね、優しい!」

しのぶ「私はこの味好きですよ?冨岡さん?」

冨岡「喜んでもらえて何よりだ。」
72 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2025/08/24(日) 23:22:46.55 ID:6IgVG1ccO
しのぶ「そうそう、私も料理を作ったんです!鮭大根!」

冨岡「ほう。」

カナヲ「食べてみたい!」

アオイ「初めてです!しのぶ様の鮭大根!」

炭治郎「そういえば、義勇さんの好物ですよね?」

冨岡「まあな。」

カナヲ(え?もしかして、え?そういうこと?)
73 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2025/08/24(日) 23:23:18.62 ID:6IgVG1ccO
炭治郎「いただきます!」

アオイ「美味しい!」

カナヲ「本当、美味しい!」

しのぶ「冨岡さんはどうですか?」

冨岡「ふふふ。」パアアアア!!

炭治郎「ぶっ!!」

カナヲ「」

アオイ「」

しのぶ「ふふふ。」ニコッ
74 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2025/08/24(日) 23:23:48.55 ID:6IgVG1ccO
アオイ「すみません冨岡様。こっち向かないでもらえますか。」

カナヲ「こっちも向かないでください。」

炭治郎「あの、その・・・。」

冨岡「・・・・・・。」

しのぶ「冨岡さん、私の方を向いて食べてください。」

冨岡「え?」

しのぶ「その笑顔、私には向けていいんですよ?」

冨岡「では、遠慮なく・・・。」パアアアア!!
75 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2025/08/24(日) 23:24:18.99 ID:6IgVG1ccO
しのぶ(以前この顔を見た時は、みんなと同じ反応だったけど。)

しのぶ(今見たら、全然違う気持ちだなあ。)

冨岡「胡蝶。」

しのぶ「何ですか?」

冨岡「今後、また鮭大根を作ってくれないか?」

しのぶ「はい、いくらでも作ります。」

冨岡「それは良かった。毎日食べたいぐらい美味い。」

しのぶ「毎日作ってあげますよ?」

冨岡「・・・・・・。」

しのぶ「この前の返事、楽しみにしていますね?」ニコッ

冨岡「ああ、待っていてくれ。」



おしまい
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