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【俺ガイル】走れ8幡弾丸よりも速く【再投稿版】
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2 :
◆S0pw.EDnyA
[sage saga]:2025/11/04(火) 12:00:35.70 ID:gXAQ/pUfO
序章 再誕
まあ、なんて言うか、我ながら柄にも無いことをしたなぁと思う。
散歩してる犬を庇って、轢かれて、頭を打ってお陀仏…
だいぶ…自分らしくない最期じゃないか
でも…まあ、同時に性根の腐った自分にしてみれば、上等な死に様なんじゃないかねと思う
あゝ、愛しき妹よ。小町よ、ごめんな
兄は先に天国に行くからな…
…………果たして俺のような存在が天国に行けるのだろうか?
???「まだ、間に合う…」
薄れゆく意識の中、誰かの声が聞こえた。
一体誰だろうかと思いながら、俺の意識は闇の底に沈んでいった。とうとう終わりの時が来たらしい。
せめて、生まれ変わったら、また人間でありますように……
…あと、できれば、ぼっちじゃありませんように。
ーー
目の裏側がむずむずする
これは…眠りから覚める時の感覚に近い
眩しい…
照明の、白い光
泣き顔の、小町
八幡「……あれ、俺…生きてる?」
3 :
◆S0pw.EDnyA
[sage saga]:2025/11/04(火) 12:02:25.90 ID:gXAQ/pUfO
小町「お兄ちゃんっ!」
寝ている俺にひしと抱きつく愛しき妹
おう、なんだ小町、そんなに積極的だとお兄ちゃん嬉しくて本当に天国にいっちまうぞ?
小町「バカなこと言わないで! よかった……ほんとによかった」
八幡「よしよし…あれ、でもおかしいぞ?
俺は、確か車に轢かれてそのまま…」
???「まぁ、紙一重で助かったというわけだ」
八幡「……あの、誰ですかあなたは」
小町「お兄ちゃん、この人が大怪我したお兄ちゃんを助けてくれたんだよ」
声がした方に目をやるとして白髪の老人が顔に皺を浮かべながらにこにこと微笑を浮かべていた
4 :
◆S0pw.EDnyA
[sage saga]:2025/11/04(火) 12:04:08.16 ID:gXAQ/pUfO
???「私は谷…」
「谷 方位だ、普段は研究者だが医者のようなこともやっている。よろしく比企谷くん」
もしかしてこの人が俺を助けてくれたのか?
八幡「あの、ありがとうございます…。なんだかお世話になってしまったみたいで」
谷「いやいや気にすることはないよ。目の前の怪我人を助けるのは人として当然のことだからね」
八幡(…うわ、すごいなこの人…。そんなこと当たり前の事だって感じでさらっと言うなんて)
善意を100%感じられるセリフ、俺にはとてもじゃないが言えそうもない…
しかも、捻くれた自分が聞いても全く嫌みが感じられないのがすごい。
5 :
◆S0pw.EDnyA
[sage saga]:2025/11/04(火) 12:05:43.93 ID:gXAQ/pUfO
谷「ま、明日にでも退院出来るだろうね。今日はゆっくり休みなさい」
じゃあ、わたしはこれで失礼するよ。お大事に…
そう言い残して谷と名乗った老人は病室を後にした。
ジェントルマンだなあ、歳をとるならあんな風にとりたいもんだね全く。
ジェントルマンが病室から出ていった後、小町が心配そうな顔をして話しかけてきた。
小町「お兄ちゃん、ほんとにどこも痛くないの?」
八幡「うん? あー、そうだな、何だか知らんが全然痛くないな? それより、なんだろ、身体中がスッキリしてる気がする」
まるで、身体その物を入れ替えたような…自分の身体じゃないみたいな奇妙な感じだ。
6 :
◆S0pw.EDnyA
[sage saga]:2025/11/04(火) 12:07:12.64 ID:gXAQ/pUfO
小町「ふーん? あの谷って人、凄腕のお医者さんなんだね」
八幡「それより小町、…もっとお兄ちゃんに抱きついてもいいんだぞ? さっきの泣きそうな小町、凄くぐっと来た。もう一回『お兄ちゃんっ』て言いながら抱きついてほしいマジで可愛い天使小町マジで天使」
小町「ごみいちゃん、キモい」
八幡「うん、すごくイイ顔でそんなこと言わないでね。傷付くから。それよりもっとよく顔を見せt」
八幡「…………!?」
小町「どしたの? お兄ちゃん?」
八幡「へ、あ、あれ?」
可愛い妹の姿を注視していく内におかしな事が起こった。
なんだか、小町の服がどんどん透けていってる気がする……!?
小町「お兄ちゃん? 顔になんか着いてるの?」ゼンラ
八幡「」
妹の膨らみは、控えめであった
7 :
◆S0pw.EDnyA
[sage saga]:2025/11/04(火) 12:09:47.15 ID:gXAQ/pUfO
小町「お兄ちゃん?」
八幡「小町よ」
八幡「どうやら俺は妹に欲情する変態野郎だったらしい」
小町「は? 何いってんの?」
八幡「俺は兄貴失格だ……。ちょっと外の空気吸ってくるわ……」
妹の裸を幻視するなんて……
こんなのシスコンを通り越してただの変態だ。事故のせいで頭がおかしくなったのか?全く……
人間は死に瀕すると子孫を残す本能が働いて、そういう感情がもたげると聞いたことはあったが……
八幡「疲れてるんだよな…マッ缶(MAXコーヒー)で一服しよ…」
小町「ちょ、ちょっとお兄ちゃん! どこいくの」
ブン…
小町「って、あ、あれ?お兄ちゃん、何処行ったの?」
8 :
◆S0pw.EDnyA
[sage saga]:2025/11/04(火) 12:11:20.23 ID:gXAQ/pUfO
八幡「♪〜〜」
体が軽い…
こんな気持ち初めて!
八幡「もう、何もこわくない!!っと」
キーーーーーーーーーーーーーーーン……………
何処かで飛行機でも飛んでいるのか、空気を裂くような音が聞こえる。
しかしなんだね、どうして周りの人達は止まったままなのか?
と言うかさっきからやけに空気が顔に当たる気がするな。
それに走っているはずなのに、なんだか水の中をスキップしてるような浮遊感も感じる。
……頭が、熱いな
八幡「あったあった。マッ缶」
自販機には当然のようにMAXコーヒーが売られていることに喜ぶ。
俺の数少ない憩いの時間であり至福の一時。
死んだらこの喜びは味わえないんだよな。生きてて良かったよ全く!
9 :
◆S0pw.EDnyA
[sage saga]:2025/11/04(火) 12:12:29.99 ID:gXAQ/pUfO
カシッ ゴクリ
八幡「……フーーーーーーッ!」
美味い!!糖分がダイレクトに脳内に届くような爽快感!!
……でもなんだかいつもよりえらくスッキリするな?
糖分不足だろうか……
頭のてっぺんから全身まで冷えたような爽快感。
事故に遭った影響で身体が欲しているとはいえ、ここまでスッキリしたのは初めてかもしれない。
八幡「……」
何故だろうか
体は不自然なまでにスッキリしているのに
胸にぽっかり穴が開いたような空虚な感じがする、気持ち悪い。
八幡「……あ」
何となしに窓に視線をやると、ゆらゆらと浮かぶ赤い物体が眼に映った。
……風船か……
10 :
◆S0pw.EDnyA
[sage saga]:2025/11/04(火) 12:13:53.92 ID:gXAQ/pUfO
八幡「……」
耳を澄ますと声が聴こえてくる
窓の外から、子どもの泣く声が
目を凝らせば見えてくる
母親に慰められる少女の姿
八幡(あらら…放しちまったのか? かわいそーに)
泣いてる少女を見て、しかし俺はぷいと目線を逸らした。
なぜなら俺に出来ることは何も無いからだ
精々飛んでく風船を見てるだけ…
何処となく気まずい気分だが…それでもしょうがないじゃないの、飛んでくる風船なんてあとは萎むまでフワフワ浮いてくしかないのだから。
そう、浮いて……
八幡「……」
………
……………
……………………
八幡「……遅いな」
幾らなんでも飛んでいくのが遅すぎないか?
全然上昇しないどころか、その場に留まって要るようにさえ見える
11 :
◆S0pw.EDnyA
[sage saga]:2025/11/04(火) 12:15:12.06 ID:gXAQ/pUfO
八幡(もしかして、今なら届くか?)
思考と同時に身体が窓から飛び出し、風船に手を伸ばす。
理由はよくわからないけど、なぜかそうすべきだと思ったし、思えば『今なら何でもできる』という、根拠の無い自信があの時の俺の脳内を占めていたのだと思う。
そのまま風船をキャッチして……って
あれ、ここ何階だったっけ……?
自由落下するなかボンヤリ考える
まぁ、どうでもいいか
クルリ スタ
八幡「えーと、さっきの子どもは」
……見つけた
八幡「いたいた。あー、すいません」
「えっ」
八幡「この風船、その子のですよね?」
「あ!」
八幡「はい、どーぞ」
大丈夫かな、できるだけ普通に話しかけたつもりだけど。まさか不審者だなんて思われんだろうか……。
12 :
◆S0pw.EDnyA
[sage saga]:2025/11/04(火) 12:16:11.20 ID:gXAQ/pUfO
「ど、どうもありがとうございます。ほら、お兄さんにありがとうは?」
「………」
なんだかじっと俺の顔を見てるぞ
そんなに俺の顔が面白いのだろうか?
まさか、あれか、どうせ目が腐ってるとか何とかか?
いや、目が腐ってるのは知ってるけどこんな小さい子にまで思われるのは結構凹むぞ……
「こわい」
…………はい?
「お兄さん、目がお人形さんみたい」
……そのあとの事は、よく覚えていない
13 :
◆S0pw.EDnyA
[sage saga]:2025/11/04(火) 12:18:11.69 ID:gXAQ/pUfO
ただ、慌てる母親と、怒られて再び泣き出す子どもを見ているうちに気まずくなって、逃げる様に病室に帰ったのは覚えている。
なんだか今日は色々とあり過ぎて…よくわからんが、もう、すごく疲れた……
早く退院できねぇかな……
少女の手にした風船は、いつの間にか萎んでいた
谷「…………」
谷「早計だったとは、思わん」
谷「大国に利用される破壊兵器にされる位なら、いっそ……」
谷「自分以外の者を思い、慈しむことのできる君なら、十分にそのボディは機能を発揮することが可能だろう」
谷「……こんな事を言うのは勝手かも知れんが、どうか君の力が、君の行く道の助けになることを祈る」
比企谷八幡くん……いや
谷「──エイトマン」
14 :
◆S0pw.EDnyA
[sage saga]:2025/11/04(火) 12:20:46.54 ID:gXAQ/pUfO
─やはり俺の青春は
鋼鉄色だった─
クロス元:俺ガイル
クロス先:8マン
15 :
◆S0pw.EDnyA
[sage saga]:2025/11/04(火) 12:27:42.08 ID:gXAQ/pUfO
とりあえず投下終わり。序章でした。
自分がSSを書くきっかけというのはだいたい思いついた一発ネタをそのまま書いて膨らませるというもので、ネタが切れるとものすごく苦しむんですが、調子がいいとスラスラ書ける
8幡の再投稿に踏み切ったのはC国による極超音速ミサイル開発のニュース聞いて、「8マンならミサイルに追いついて撃ち落とせる!!」と思ったから。
16 :
◆S0pw.EDnyA
[saga]:2025/11/04(火) 12:31:16.83 ID:gXAQ/pUfO
続きは夜に書く予定です
昭和60年代の少年マガジン語れる人いねえかな…
17 :
◆S0pw.EDnyA
[saga]:2025/11/05(水) 01:31:48.59 ID:XxZOTkKQO
投下します。
18 :
◆S0pw.EDnyA
[sage saga]:2025/11/05(水) 01:34:10.22 ID:XxZOTkKQO
第一話 比企ヶ谷8幡
八幡「なぁ、小町」
小町「何? お兄ちゃん」
八幡「俺の目って、腐ってるよな?」
総武高校の制服に袖を通しながらしょうもない事を尋ねる。普段はあれだ、自分の目が腐ってるとか尋ねんし聴きもしない。
そもそもの話、自分が一番よく知ってるのだから。
ただ……
小町「何いってんの? お兄ちゃんの目は何時も濁りっぱなしのヘドロ状態だよ!」
八幡「だよね〜」
八幡「……」
『お兄さん、目がお人形さんみたい』
19 :
◆S0pw.EDnyA
[saga]:2025/11/05(水) 01:35:28.26 ID:XxZOTkKQO
あんなこと、初めて言われた……
よくよく考えると、あの時の自分は何処かおかしかった。自分でも気付かないほど自然に、何かとんでもないことをやらかした気がする。
その時の記憶はなんだかボヤけてて上手く思い出せない。自分でしたはずの行動なのに、ひどく不自然な感覚。まるで自分という存在が、全く違うものに置き換わってしまったような
八幡「アホらし……」
小町「なんなのさっきから。それよりお兄ちゃん、今日体力測定の日なんでしょ? 退院したばっかりだけど大丈夫なの?」
八幡「あー、平気平気。なんか知らんけど体はすこぶる順調だ。それに適当に流すから心配すんなって」
入学早々交通事故に遭遇したことにより、俺のクラスでの立場はスタートラインにも立ってない最底辺のポジションだろうな。
全く己の不幸加減には溜め息が出る。
20 :
◆S0pw.EDnyA
[saga]:2025/11/05(水) 01:37:03.13 ID:XxZOTkKQO
だが、今はそんなことよりも重大なことが起こっている。
小町「お兄ちゃん、お腹減ってないの?」
八幡「……」
飯が喉を通らない。
いや、正確には食べる気が全く起きない。味はするし、食べようと思えば食べれると思うが、全てが無駄な行為に感じる。
いや、そうだ、コンナモノを食べるくらいなら
八幡「小町、冷蔵庫にまだマッ缶あったっけ?」
小町「マッ缶? あるけど……」
八幡「うし」
訝しむ小町を尻目に、俺は冷蔵庫からMAXコーヒーを取り出した。
21 :
◆S0pw.EDnyA
[sage saga]:2025/11/05(水) 01:38:24.90 ID:XxZOTkKQO
カシッ ゴクゴク
八幡「フーーーーーーッ!」
んんんっ!!これだよこれ!
この爽快感、頭のてっぺんから冷えたような感覚!
ほんと、これさえあればもう何も要らないんじゃないか?
八幡「ご馳走さん。んじゃ、小町、先行ってるから」
小町「え、お兄ちゃん? ご飯は?」
八幡「ああ、もう平気!」
ブン
キーーーーーーーーーーーーーーーン
小町「お兄ちゃん! ……あれ? もういないし」
小町「……お兄ちゃんのばか。おいてけぼりなんて小町的にポイント低いよ」
22 :
◆S0pw.EDnyA
[sage saga]:2025/11/05(水) 01:39:31.56 ID:XxZOTkKQO
走りながらふと周囲の景色を観てみると、なんだか人とか車とかの移動スピードがいつもより遅い気がする。
安全運転でもしてるのか?
顔にまとわりつく風の感触が気持ちいい
ただ走ってるだけで……幸せな気分になる
まだだ
こんなもんじゃない
もっと……スピードを出せるはずだ
より低く、前傾に姿勢を倒す
自分以外の景色が目まぐるしく変化する
このまま
音の
壁
超
八幡「……あれ?」
家を出てから、数十秒ほど経って気がついた事なのだが、
俺は、いつの間にか総武高校の正門に到着していた
23 :
◆S0pw.EDnyA
[sage saga]:2025/11/05(水) 01:41:25.96 ID:XxZOTkKQO
そして、直後に襲ってきたのが、恐るべき灼熱感と倦怠感だった。
八幡「う、ぉあ」
頭が熱い
熱い
熱い
熱い……!!
頭から煙が出そうなほどに灼熱感を覚える。
身体がだるい。指先から爪先まで、動かすのにも相当なしんどさを感じる。
そんなことよりもあれが、あれが欲しい
あれ
八幡「マ…マッ缶」
マッ缶マッ缶マッ缶マッ缶マッ缶…!!
八幡「マッ缶! 誰かマッ缶くれぇええええ!」
「あ、あの、これ飲む?」
砂漠で遭難した乾きに乾いた旅人のように、マッ缶を求める俺の目の前に差し出されたオレンジ色の缶
紛れもなくそれは、俺が文字通り喉から手が出るほど欲しがったMAXコーヒーそのものだった。
24 :
◆S0pw.EDnyA
[sage saga]:2025/11/05(水) 01:44:04.55 ID:XxZOTkKQO
八幡「マッ缶!」
奪い取るように取り上げ、本能の赴くままに貪る。
カシッ ゴクゴク!
八幡「フーーーーーーッ!」
くぁーーーーーーーーーーーーーーっ!
キンッキンに冷えてやがる!
犯罪的かつ悪魔的な美味さだ!
自分はこの時のために生きてるいるのだって実感できる!!
「なんだかよくわからないけど大丈夫っぽいね」
声の方を向くと、桃色の髪をしたギャルっぽい少女がいた
総武高校の制服に身を包んでいる
俺の奇行を見たせいだろうか、ちょっと引き気味なのは多分気のせいではないのだろう。
頭が冷えたせいか、改めて冷静に考えると自分がだいぶやらかしてることに気づいた。
八幡「あ……あの、君は誰でしょうか?」
「君、同じクラスのヒキタニくんだっけ?」
若干きょどりながら何とか名前を尋ねたが、逆に聞き返されてしまった。
つか人の名前間違えてんじゃねえよ
しかもそんないい笑顔浮かべて、何考えてんだこの女
…女子と話したのって、なんだかすごい久しぶりな気がする……。
25 :
◆S0pw.EDnyA
[sage saga]:2025/11/05(水) 01:45:42.25 ID:XxZOTkKQO
八幡「あの、ヒキタニじゃなくて、比企谷な」
「あ、ごめん。漢字難しくてわかんなかった」
本当に申し訳なさそうな顔をするピンク髪
やめろよ、そんな顔されると怒るに怒れねーよ
八幡「いや、別に気にしてないし……。それより、マッ缶ありがとな。助かった」
「あー、いいのいいの! ほんのお礼だから!」
それだけ言うとピンク髪は校舎の中に走り去っていった。ゆれるスカートから覗く綺麗な足が艶めかしい。女子の足ってなんであんなに綺麗なのかなぁ
っていうかお礼って? 一体何のことだよ。
「また、話しようね、ヒッキー」
八幡「・・・うん?」
耳に飛び込む再開を意味する言葉
多分だが、俺に聞こえないくらいの声量で言っただろうそのセリフを、俺はなぜか一字一句聴き逃さずに捉えていた。
いやいや待てよなんで聞こえたんだ? 俺……
いつのまにか地獄耳になったのだろうか……
26 :
◆S0pw.EDnyA
[sage saga]:2025/11/05(水) 01:47:19.02 ID:XxZOTkKQO
--
所変わってここは校庭
一部の体育会系を除いたとしても誰もがやりたがらないであろうイベント、体力測定が実施されていた。
その中で50メートル走はシンプルかつ単純におのれの力量を表してくれる。
まぁ、ボッチの俺に誰かと結果を語り合うなんて青春じみた事など夢のまた夢だが
「つぎ、ヒキタニ」
オイコラ先公お前まで名前間違ってんじゃねーよ
今ので完全にとどめ刺されたぞ
今日から俺の名前ヒキタニだぞどうしてくれんだ畜生
八幡「はい」
だがそこは長年のイヤガラセに耐え抜く術を身に着けた俺
この程度のことで顔色を変えるほど軟ではない
目は腐ってるけどな!
「位置について」
あーめんどくせ……さっさと終わらせよ
「よーい」
ピッ!
ブン
キーーーーーーーーーーーーーーーン
……ん?
27 :
◆S0pw.EDnyA
[sage saga]:2025/11/05(水) 01:48:47.35 ID:XxZOTkKQO
「おい、今なんか通らなかったか?」
「風じゃないの」
後ろでストップウォッチを持った計測係がなんか言ってる
……後ろ?
「ヒキタニーーー?どこ行ったんだーーーー?」
後方から体育教師の声が聞こえた。
だから比企谷だつってんだろ!
……じゃなくて、なんで、いつの間にこんな場所に突っ立ってるんだ?
「ねぇねぇ、なんかあの人すごくない?」
「誰? あいつ」
「目つきわるーい」
混乱している俺を尻目に女どもが俺に黄色い声をあげてる
……なんだこれ
なにこれ、どうしちゃったの俺
もしかして、あれか?
ついに俺の内に眠る真の力が目覚めたのか?
邪気眼なの?
中二なの?
28 :
◆S0pw.EDnyA
[sage saga]:2025/11/05(水) 01:51:14.27 ID:XxZOTkKQO
八幡「……ふ、ふひ」
我ながら気持ちの悪い声が出た
いやいやだってしょうがないじゃない
今までこんな、他人の注目をかっさらう行為なんてしたことなかったんだもん
うわあ、なんか凄く恥ずかしくなってきたぞ……
でも
まぁ、悪くない。悪くないぞこれは
どれ、ここはひとつ手でも挙げて・・・
八幡「ぶふぅっ!?」
「ど、どうしたヒキタニ。さっきからなんだか挙動不審なようだが?」
ち、ちがう。噴出したのは決してそういうことではない、目の前の光景が余りにも衝撃的だったからだ
だって、あんな
「ねえ、さっきからあの人こっち見てんだけど」プルン
「ヤダ、キモーイ」プルルン
「ヒッキー、運動すごくできるんだ・・・」バルン
「ヒッキー?」タユン
女子全員が裸に見えるなんて、そんなことありえるだろうか?
29 :
◆S0pw.EDnyA
[sage saga]:2025/11/05(水) 01:53:19.82 ID:XxZOTkKQO
ピーガガ
由比ヶ浜 結衣
B:F65
八幡「!?!?」
なんだ!? 頭に変な数字が
ピーガガ
川崎 沙希
B:G70
こ、これは…まさか
いや、間違いねぇ
八幡(おっぱいスカウターだと…!?)
ピーガガ
三浦 優美子
八幡「ば、ちょ、待」アタフタ
八幡「せ、先生!!」
「な、なんだヒキタニ」
八幡「……気分が悪いんで保健室に行ってきます!」
「は?」
八幡「それでは!」 シュタッ
キーーーーーーーーーーーーン
「ヒキタニ……ってあれ?」
「消えた・・・?」
30 :
◆S0pw.EDnyA
[sage saga]:2025/11/05(水) 01:54:28.09 ID:XxZOTkKQO
--
八幡「うぉおおおおおおおおお!!」 キーーーーーーーーーーーン
俺は脇目も振らずに走った
とにかく走った
最初は、幻覚かと思った
俺の欲求不満と日頃の妄想が産み出した幻覚だと思いたかった
だけど、違う
あれは違う
俺の男の本能が告げている
あれは生乳だと
八幡「とりえずトイレに直行おおおおおおおお!」
今でも鮮明に思い出せる
まるでデジカメで撮影したかのように思い出せるぞ!
自分のメモリの優秀さに若干引く
でも、それならばあとはやることは一つだろうが!
ここは滅多に人が来ないトイレ
まさに事を運ぶにはうってつけである
え、なにがって?
言わせんな恥ずかしい
八幡「なんだか目から光が出てる気がするぜ……」ピカー
便座に座ると、個室の壁に先ほどの光景が映し出されてる気がした。
おいおい、俺の想像力もバカにできたものじゃないな!!
31 :
◆S0pw.EDnyA
[sage saga]:2025/11/05(水) 01:55:41.10 ID:XxZOTkKQO
こうまでハッキリ妄想が具現化するなんて、ナイス俺
まるでスクリーンに投影するプロジェクタじゃないかハハハ
まあ、それは置いといて
八幡「レッツトライ!」ゴソゴソ
八幡「…あれ?」
八幡「……」ゴソゴソ
八幡「………」ゴソゴソゴソゴソ
八幡「…………」ツンツンフニフニ
ムスコよ……なぜ立ち上がらない?
32 :
◆S0pw.EDnyA
[saga]:2025/11/05(水) 01:56:33.23 ID:XxZOTkKQO
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