【俺ガイル】走れ8幡弾丸よりも速く【再投稿版】

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1 : ◆S0pw.EDnyA [saga]:2025/11/04(火) 11:58:42.33 ID:gXAQ/pUfO
※10年前くらいに書いてたけど落ちてしまったSSの再投稿版です。
今はそう簡単には落ちないと聞いて、心残りだったし書き直そうと思い至った次第であります
いい時代になったものだ
所々変えつつ今度こそ最後まで、完全に終わらせたい!!

SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1762225122
2 : ◆S0pw.EDnyA [sage saga]:2025/11/04(火) 12:00:35.70 ID:gXAQ/pUfO
序章 再誕

まあ、なんて言うか、我ながら柄にも無いことをしたなぁと思う。
散歩してる犬を庇って、轢かれて、頭を打ってお陀仏…
だいぶ…自分らしくない最期じゃないか
でも…まあ、同時に性根の腐った自分にしてみれば、上等な死に様なんじゃないかねと思う

あゝ、愛しき妹よ。小町よ、ごめんな
兄は先に天国に行くからな…
…………果たして俺のような存在が天国に行けるのだろうか?

???「まだ、間に合う…」

薄れゆく意識の中、誰かの声が聞こえた。
一体誰だろうかと思いながら、俺の意識は闇の底に沈んでいった。とうとう終わりの時が来たらしい。

せめて、生まれ変わったら、また人間でありますように……
…あと、できれば、ぼっちじゃありませんように。

ーー

目の裏側がむずむずする
これは…眠りから覚める時の感覚に近い

眩しい…
照明の、白い光
泣き顔の、小町

八幡「……あれ、俺…生きてる?」
3 : ◆S0pw.EDnyA [sage saga]:2025/11/04(火) 12:02:25.90 ID:gXAQ/pUfO
小町「お兄ちゃんっ!」

寝ている俺にひしと抱きつく愛しき妹
おう、なんだ小町、そんなに積極的だとお兄ちゃん嬉しくて本当に天国にいっちまうぞ?

小町「バカなこと言わないで! よかった……ほんとによかった」
八幡「よしよし…あれ、でもおかしいぞ?
俺は、確か車に轢かれてそのまま…」

???「まぁ、紙一重で助かったというわけだ」
八幡「……あの、誰ですかあなたは」
小町「お兄ちゃん、この人が大怪我したお兄ちゃんを助けてくれたんだよ」

声がした方に目をやるとして白髪の老人が顔に皺を浮かべながらにこにこと微笑を浮かべていた
4 : ◆S0pw.EDnyA [sage saga]:2025/11/04(火) 12:04:08.16 ID:gXAQ/pUfO
???「私は谷…」

「谷 方位だ、普段は研究者だが医者のようなこともやっている。よろしく比企谷くん」

もしかしてこの人が俺を助けてくれたのか?

八幡「あの、ありがとうございます…。なんだかお世話になってしまったみたいで」
谷「いやいや気にすることはないよ。目の前の怪我人を助けるのは人として当然のことだからね」
八幡(…うわ、すごいなこの人…。そんなこと当たり前の事だって感じでさらっと言うなんて)

善意を100%感じられるセリフ、俺にはとてもじゃないが言えそうもない…
しかも、捻くれた自分が聞いても全く嫌みが感じられないのがすごい。
5 : ◆S0pw.EDnyA [sage saga]:2025/11/04(火) 12:05:43.93 ID:gXAQ/pUfO
谷「ま、明日にでも退院出来るだろうね。今日はゆっくり休みなさい」

じゃあ、わたしはこれで失礼するよ。お大事に…

そう言い残して谷と名乗った老人は病室を後にした。
ジェントルマンだなあ、歳をとるならあんな風にとりたいもんだね全く。
ジェントルマンが病室から出ていった後、小町が心配そうな顔をして話しかけてきた。

小町「お兄ちゃん、ほんとにどこも痛くないの?」
八幡「うん? あー、そうだな、何だか知らんが全然痛くないな? それより、なんだろ、身体中がスッキリしてる気がする」

まるで、身体その物を入れ替えたような…自分の身体じゃないみたいな奇妙な感じだ。
6 : ◆S0pw.EDnyA [sage saga]:2025/11/04(火) 12:07:12.64 ID:gXAQ/pUfO
小町「ふーん? あの谷って人、凄腕のお医者さんなんだね」
八幡「それより小町、…もっとお兄ちゃんに抱きついてもいいんだぞ? さっきの泣きそうな小町、凄くぐっと来た。もう一回『お兄ちゃんっ』て言いながら抱きついてほしいマジで可愛い天使小町マジで天使」
小町「ごみいちゃん、キモい」
八幡「うん、すごくイイ顔でそんなこと言わないでね。傷付くから。それよりもっとよく顔を見せt」

八幡「…………!?」

小町「どしたの? お兄ちゃん?」
八幡「へ、あ、あれ?」

可愛い妹の姿を注視していく内におかしな事が起こった。
なんだか、小町の服がどんどん透けていってる気がする……!?

小町「お兄ちゃん? 顔になんか着いてるの?」ゼンラ
八幡「」

妹の膨らみは、控えめであった
7 : ◆S0pw.EDnyA [sage saga]:2025/11/04(火) 12:09:47.15 ID:gXAQ/pUfO
小町「お兄ちゃん?」

八幡「小町よ」

八幡「どうやら俺は妹に欲情する変態野郎だったらしい」

小町「は? 何いってんの?」

八幡「俺は兄貴失格だ……。ちょっと外の空気吸ってくるわ……」

妹の裸を幻視するなんて……
こんなのシスコンを通り越してただの変態だ。事故のせいで頭がおかしくなったのか?全く……
人間は死に瀕すると子孫を残す本能が働いて、そういう感情がもたげると聞いたことはあったが……

八幡「疲れてるんだよな…マッ缶(MAXコーヒー)で一服しよ…」

小町「ちょ、ちょっとお兄ちゃん! どこいくの」

ブン…

小町「って、あ、あれ?お兄ちゃん、何処行ったの?」
8 : ◆S0pw.EDnyA [sage saga]:2025/11/04(火) 12:11:20.23 ID:gXAQ/pUfO
八幡「♪〜〜」

体が軽い…
こんな気持ち初めて!
八幡「もう、何もこわくない!!っと」

キーーーーーーーーーーーーーーーン……………

何処かで飛行機でも飛んでいるのか、空気を裂くような音が聞こえる。
しかしなんだね、どうして周りの人達は止まったままなのか?
と言うかさっきからやけに空気が顔に当たる気がするな。
それに走っているはずなのに、なんだか水の中をスキップしてるような浮遊感も感じる。

……頭が、熱いな

八幡「あったあった。マッ缶」

自販機には当然のようにMAXコーヒーが売られていることに喜ぶ。
俺の数少ない憩いの時間であり至福の一時。
死んだらこの喜びは味わえないんだよな。生きてて良かったよ全く!
9 : ◆S0pw.EDnyA [sage saga]:2025/11/04(火) 12:12:29.99 ID:gXAQ/pUfO
カシッ ゴクリ

八幡「……フーーーーーーッ!」

美味い!!糖分がダイレクトに脳内に届くような爽快感!!
……でもなんだかいつもよりえらくスッキリするな?
糖分不足だろうか……
頭のてっぺんから全身まで冷えたような爽快感。
事故に遭った影響で身体が欲しているとはいえ、ここまでスッキリしたのは初めてかもしれない。

八幡「……」

何故だろうか
体は不自然なまでにスッキリしているのに
胸にぽっかり穴が開いたような空虚な感じがする、気持ち悪い。

八幡「……あ」

何となしに窓に視線をやると、ゆらゆらと浮かぶ赤い物体が眼に映った。
……風船か……
10 : ◆S0pw.EDnyA [sage saga]:2025/11/04(火) 12:13:53.92 ID:gXAQ/pUfO
八幡「……」

耳を澄ますと声が聴こえてくる
窓の外から、子どもの泣く声が
目を凝らせば見えてくる
母親に慰められる少女の姿

八幡(あらら…放しちまったのか? かわいそーに)

泣いてる少女を見て、しかし俺はぷいと目線を逸らした。
なぜなら俺に出来ることは何も無いからだ
精々飛んでく風船を見てるだけ…
何処となく気まずい気分だが…それでもしょうがないじゃないの、飛んでくる風船なんてあとは萎むまでフワフワ浮いてくしかないのだから。
そう、浮いて……

八幡「……」

………
……………
……………………
 
八幡「……遅いな」

幾らなんでも飛んでいくのが遅すぎないか?
全然上昇しないどころか、その場に留まって要るようにさえ見える
11 : ◆S0pw.EDnyA [sage saga]:2025/11/04(火) 12:15:12.06 ID:gXAQ/pUfO
八幡(もしかして、今なら届くか?)

思考と同時に身体が窓から飛び出し、風船に手を伸ばす。
理由はよくわからないけど、なぜかそうすべきだと思ったし、思えば『今なら何でもできる』という、根拠の無い自信があの時の俺の脳内を占めていたのだと思う。

そのまま風船をキャッチして……って
あれ、ここ何階だったっけ……?
自由落下するなかボンヤリ考える
まぁ、どうでもいいか
クルリ スタ

八幡「えーと、さっきの子どもは」

……見つけた

八幡「いたいた。あー、すいません」

「えっ」
八幡「この風船、その子のですよね?」

「あ!」

八幡「はい、どーぞ」

大丈夫かな、できるだけ普通に話しかけたつもりだけど。まさか不審者だなんて思われんだろうか……。
12 : ◆S0pw.EDnyA [sage saga]:2025/11/04(火) 12:16:11.20 ID:gXAQ/pUfO
「ど、どうもありがとうございます。ほら、お兄さんにありがとうは?」
「………」

なんだかじっと俺の顔を見てるぞ
そんなに俺の顔が面白いのだろうか?
まさか、あれか、どうせ目が腐ってるとか何とかか?
いや、目が腐ってるのは知ってるけどこんな小さい子にまで思われるのは結構凹むぞ……

「こわい」

…………はい?



「お兄さん、目がお人形さんみたい」



……そのあとの事は、よく覚えていない
13 : ◆S0pw.EDnyA [sage saga]:2025/11/04(火) 12:18:11.69 ID:gXAQ/pUfO
ただ、慌てる母親と、怒られて再び泣き出す子どもを見ているうちに気まずくなって、逃げる様に病室に帰ったのは覚えている。
なんだか今日は色々とあり過ぎて…よくわからんが、もう、すごく疲れた……
早く退院できねぇかな……

少女の手にした風船は、いつの間にか萎んでいた

谷「…………」

谷「早計だったとは、思わん」

谷「大国に利用される破壊兵器にされる位なら、いっそ……」

谷「自分以外の者を思い、慈しむことのできる君なら、十分にそのボディは機能を発揮することが可能だろう」

谷「……こんな事を言うのは勝手かも知れんが、どうか君の力が、君の行く道の助けになることを祈る」

比企谷八幡くん……いや

谷「──エイトマン」
14 : ◆S0pw.EDnyA [sage saga]:2025/11/04(火) 12:20:46.54 ID:gXAQ/pUfO

   
   ─やはり俺の青春は
         鋼鉄色だった─



クロス元:俺ガイル
クロス先:8マン
15 : ◆S0pw.EDnyA [sage saga]:2025/11/04(火) 12:27:42.08 ID:gXAQ/pUfO
とりあえず投下終わり。序章でした。

自分がSSを書くきっかけというのはだいたい思いついた一発ネタをそのまま書いて膨らませるというもので、ネタが切れるとものすごく苦しむんですが、調子がいいとスラスラ書ける

8幡の再投稿に踏み切ったのはC国による極超音速ミサイル開発のニュース聞いて、「8マンならミサイルに追いついて撃ち落とせる!!」と思ったから。
16 : ◆S0pw.EDnyA [saga]:2025/11/04(火) 12:31:16.83 ID:gXAQ/pUfO
続きは夜に書く予定です
昭和60年代の少年マガジン語れる人いねえかな…
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