【安価・コンマ】力と魔法の支配する世界で【ファンタジー】Part9

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227 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2026/08/23(日) 02:27:44.01 ID:5L7Y/Soho
2
今回の件で加護の扱いを緩くしようとなったのに、ここで強制しちゃうと方針がブレちゃって良くない…
228 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2026/08/23(日) 06:10:30.54 ID:Ac3tBUT30
1
229 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2026/08/23(日) 09:43:47.63 ID:SyPZjOCIO
なるほどこれは世界樹の精霊ですわ
230 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2026/08/23(日) 20:54:02.85 ID:q0H64CQB0
実際のところ、良いのか良くないのかは判断の分かれるところです。とはいえまずいことにはならないので、気楽に選ぶのが良いかもしれません

加護の扱いを少しづつ緩めていこうという方針ですが、このようなケースの場合はどう判断されるのか、実際に話を聞いてみる必要があるかもしれません

世界樹の精霊は一般的な生物とは異なる価値観や倫理観を備えている場合があり、リーリアさんもそうである可能性があります。慎重にお話していくのが良いでしょう
231 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2026/08/23(日) 20:54:52.52 ID:q0H64CQB0
妖精「でも、いいの? これから加護は薄めていく方針なんだよね?」

リリア「うん。でもアルツとクリュナーが入念に事前準備したいって言うから、実際に薄めていくのはまだ先になるよ」

ノーラ「実験室のように気軽にトライアンドエラーできれば楽なんですけどね。まあアルツとクリュナーの懸念は理解できます」

リリア「それに……加護は薄くしていく予定だけど、それは心に問題がないと診断された健康な民に限った話。深いトラウマを抱えた人や痛みに敏感な人には今まで通り加護が必要だと思う。感情や衝動を抑え切れず犯罪行為に走ってしまう罪人にも、ね」

妖精「なるほど……悪しき心を持つ者にこそ、救いが必要ってやつだね」

リリア「うん。人が罪を犯してしまうのは、その人が悪いからじゃなくて――心の弱さや、満たされない想いがあるからって私は思う」


レイン「……これで良いのかしら。姉さん」

ダウン「えっ……うーん……。難しいところだけど……もしザイルがこれから先もテロ活動を続けるつもりなら、断ち切った方が良いと思わざるを得ないわねぇ……。元リーリアの民としては……元国王であるザイルにこれ以上罪を重ねて欲しくない、というのが正直なところよ……」

レイン「……まあ、そうね。姉さんの立場からすれば、それが当然よね」


レイル「リーリアちゃん……本気なの?」

リーリア「うん……」

レイル「ザイルも、それで良いの?」

ザイル「……もう疲れた。失った者たちは戻らず、同志たちは四散し生死も知れぬ。その上、オレが治めた国は今や力強く復興し、オレたちの歴史などなかったかのように活気づいている。もはや……過去に囚われているのはオレだけなのだと、思い知らされるばかり……。オレは……もう疲れたのだ……」

レイル「……そう、なのね。わかった」

ザイル「……」

リーリア「じゃあ……いい……?」

ザイル「ああ。リーリア……最期にお前の言葉が聞けて、お前の手で葬られることができて、良かった」

リーリア「殺すわけじゃないよ……。ちょっとだけ、平和になってもらうだけ……。お義兄さんの苦しみは……わたしたちが、引き取ってあげるからね」

ザイル「……」

リーリア「それじゃあ――」


リュアン「待ってください!!!!」ドン!!!!


リーリア「んわっ!?」コテッ

レイン「リュアン……!?」


リュアン「……それは、ズルです。散々ひどい殺戮を繰り返して来た癖に、最期には愛しの妹さんに平和に導かれてハッピーエンドなんて――通りません!!!!」

リーリア「わわ……。だ、だめ……?」

リュアン「だめです!!!! シノホシのザイルには、苦しみと向き合いながら償い続ける責務があります!!!! なければなりません!!!!」

ザイル「……黙って聞いていれば……償う責務だと? 元はと言えば、貴様ら人間がオレたちの国を――」

リュアン「それは私じゃないし、あなたが殺したほとんどの人も戦争には一切関与していません!!!! 一国の王だった癖にそんなこともわからないんですか!!??」

ザイル「貴様……!!」

レイル「リュアンちゃんの言う通りよ。ザイル、いい加減向き合いなさい。これまでに行ってきた無益な殺戮と、その罪の重さに」

ザイル「……」

レイル「……リーリア。やっぱり、私も加護には反対。ザイルに殺された者たちの遺族は今でも痛みを抱えて苦しんでいるのに、当人であるザイル自身は痛みも苦しみも忘れて加護の内で平和に暮らせる――なんていうのは筋が通らないと思う」

リーリア「そっか……そうだよね……」

レイル「だからザイル……ちゃんと反省して、真っ当に真正リーリアで働いて。あなたの罪は償い切れるものではないけれど――」

ザイル「馬鹿げたことを。オレが償うべきは、亡きリーリアの民だけだ。人間共に対してなど……」

レイル「……」


リュアン「……前言を撤回します。リリちゃん、この人は加護で平和にしてあげてください」

リーリア「ほえ? えっと……いいの?」

リュアン「今、私が何を言っても届くことはないとわかりました。だから時間をかけて、加護の中で平和の尊さを教えてあげてください。この人に必要なのは……糾弾ではなく、啓蒙です……」

リーリア「!」
232 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2026/08/23(日) 20:55:42.11 ID:q0H64CQB0
リュアン「少し……頭に血が上ってしまいました。反省しなきゃ……」

妖精「リュアン……怒りや憎しみを捨て去るなんてのは、やっぱり人間には難しいんじゃないかな」

リュアン「……そうかもしれないです……」

妖精「あんまり自分を責めないで。怒るのも憎むのも、人として当たり前の感情だよ。無理に抑えるとかえって毒になる。クロシュたちみたいに頭を空っぽにして気楽に過ごそうよ」

クロシュ「?」モニョッ

リュアン「ふふ……そうですね」

 ◇

ザイル「――はっ!」

リーリア「お義兄さん……気分はどう? 変じゃない?」

ザイル「リーリア……。そうか……これが、加護か……」

リーリア「うん」

ザイル「……全てが、遠い過去の出来事のように感じる。戦争も、お前の死も、何もかも……」

リーリア「お義兄さん……平和、好き?」

ザイル「ああ。今ここにある平和こそ……何物にも代えがたい無二のものと思える。オレは……どうしてそんなことに、今まで気付けなかったのだろう……。加護が気付かせてくれたのか……いや、これが加護による洗脳か……」

リーリア「洗脳なんて言わないでよ〜」


レイル「……無事に平和になれたみたいね。良かった良かった」

リュアン「まあ……いいと思います。はい」

クリュナー「少し想定外なことはありましたが……労働力確保です!」

ノーラ「クリュナーってけっこうヤバい奴だったんですね……」


レイン「……はあ。これで……本当に終わりね。シノホシは」

ダウン「……レインちゃんは、これからどうするの?」

レイン「……私もリーリアで……真正リーリアで働くことにするわ。いつまでも姉さんの住処に世話になるわけにもいかないし」

ダウン「あらぁ……私としてはいつまでもいてくれて構わなかったのだけど……でもそうね。私も竜神村の人たちにお別れして、この国に戻ろうかしら」


リリア「……とりあえず、一件落着なのかな?」

リリ「!」モニョッ

リリア「あ、リリ! えへへ、やっぱりスライムの姿の方がリリらしくて良いよ」

リリ「〜〜♪」モニョモニョ

スライムクロシュ「〜〜♪」モニョモニョ

リリア「クロシュちゃん……改めて、いろいろありがとう。私のことだけじゃなくて、ノーラのことも、リリのことも……。最初はライバル視してたのに、結局クロシュちゃんにはたくさん助けてもらっちゃったね」

スライムクロシュ「〜〜♪」モニョニョ

リリア「この国を発っても、またいつでも遊びに来てね。真正リーリアはこれから先もっともっと良い国になって、加護に頼らなくても世界中に平和を広げていけるような国にするから……!」

スライムクロシュ「〜!」モニョッ

妖精「ん。大いに期待してる」

リリア「ふふ、緑の国の首長さんにも期待されちゃった。がんばろ、リリ!」

リリ「〜〜!」モニョニョ

 ☆ザイルが加護によって平和に目覚めました

 ☆ザイルとレインが真正リーリアに帰化しました

 ☆テロ組織シノホシが事実上解散となりました

 ◇
233 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2026/08/23(日) 20:56:13.53 ID:q0H64CQB0
―宿泊所 ロビー

レイル「はあ〜……」

メアリー「おや、穀潰しのレイル。どうしたのです、ため息など吐いて」

レイル「メアリー……。いやまあ、弟と義妹のことでいろいろあって……流石の私も疲れちゃったってわけ……」

メアリー「そうですか」

レイル「反応薄くない?」

メアリー「家庭の話となると、踏み込んだことも言えません」

レイル「それはまあそう。でもちょっとくらい踏み込まないと友達できないよ?」

メアリー「アドバイスの押し付けですか?」

レイル「もお〜……どうしてそんなに捻じくれちゃってるのかなあ〜」


ヴィア「クロシュちゃん……やっぱり、私たちと共にデロデロを目指すことは叶いませんか?」

クロシュ「ん〜……」


メアリー「……! あちらで導師クロシュと導師ヴィアが、尊いお話をなさっております……! 私も知見を深めなければ……!」スクッ

レイル「私も行ってみよう……たまにはデロデロの信徒らしくしないとね」

 *

メアリー「デロデロのお話なら、私も混ぜてください……!」

クロシュ「わ……!」

レイル「私もいるよ〜」

ヴィア「メアリー……レイル……」

レイル「デロデロの徒が揃い踏みだねぇ」

メアリー「レイルはデロデロに仇なす異端ですので、仲間外れにしましょう」

レイル「そ、そんな堂々といじめみたいなことしなくても良くない?」

ヴィア「私はデロデロ教の信徒ではありませんが……デロデロを目指すという点においては、あなた方とくつわを並べる者と言えるかもしれません」

 *
234 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2026/08/23(日) 20:56:44.36 ID:q0H64CQB0

クロシュ「……えっと……デロデロは……ほんとに、みんな……救えるって、おもう……?」

ヴィア「はい」

メアリー「もちろんです」

レイル「ん〜……うん。救えると思う」

メアリー「……なぜ即答できなかったのですか、レイル。信仰が足りていないのでは」

ヴィア「まあまあ、落ち着きましょう……。レイル、少し答えに迷った理由をお聞きしても?」

レイル「あ、うん。ええとね……まず、デロデロによってこの世界に生じている諸問題のほとんど全ては解決すると思う。この世界の問題のほとんどは、それぞれの生命が生きていく上で摩擦や衝突を避けられないから起きるもの。生命が一つにまとまってしまえば、自ずと問題もほとんど発生しなくなるってわけだね。この辺りのことはわかる? クロシュ」

クロシュ「うん」

レイル「よしよし、良い子! んでほとんど≠チて言ったのは、生命同士の摩擦以外にも起こる問題があるからなの。例えば空腹とか、どうしようもない寒さや暑さとか、寝心地の悪い住処とか――いろいろね」

クロシュ「うん」

レイル「全ての生命が一つのデロデロになれば、これらの問題も一見解決するような気がするけれど……私は、ちょっとだけ危惧してる。この星を溶かしたデロデロが一人静かに宇宙を漂うとき、空腹とか、寒さとか暑さとか、そういう問題で困ることもあるんじゃないかなあって」

クロシュ「……」

レイル「クロシュヴィアの能力を疑ってるわけじゃないけどね。でもこの宇宙に絶対はない。もしクロシュヴィアに会えたら、この辺りの対策をどう考えているか聞いてみたいね」


クロシュ(……幽界樹の精霊さんも……同じようなこと、言ってた……。溶かして、一つになるまではいいけど……そこから先は……ずっと、一人ぼっちで……寂しくて、寒いんだって……)

クロシュ(クロシュヴィアちゃんは……寒いのも、寂しいのも、自分一人が我慢すればいいって……言ってた……)

クロシュ(……)

クロシュ(……わたしは……クロシュヴィアちゃん一人を、寂しくさせて……みんなで、デロデロになってしあわせ、っていうのは……ちがうと、おもう……)


ヴィア「……確かに、その点は気になりますね。クロシュヴィアならば、何らかの策を考えているとは思いますが……」

メアリー「……全てを溶かしたデロデロが、最期に一人ぼっちになるというのは……寂しすぎます……。私が不死鳥であれば、デロデロと共に永遠に宇宙を飛び続けられるのに……」

ヴィア「メアリー。不死鳥は不死の名を冠していますが、完全なる不滅の存在というわけではありません。不死鳥と言えど大いなるデロデロと共に永遠を生きることは難しいと思われます」

メアリー「えっそうなのですか……!?」

ヴィア「はい。少数ですが、死亡が確認された不死鳥もいます。極めて強靭な生命力を持つ種ではありますが、永遠を生きる絶対者というわけではないのです」

メアリー「なんと……。では……皆を救った大いなるデロデロは、誰にも救われず孤独に宇宙を彷徨う他ないのですか……!?」

ヴィア「クロシュヴィアならば、何か考えがあるはずです。今度会えたら聞いてみましょう……」


クロシュ「……」

レイル「クロシュ……何か知ってるって顔してるね」

クロシュ「!」モニョッ

レイル「……その反応を見るに……やっぱりクロシュヴィアでも難しいのかなあ……。もし私の言った危惧への有効な対策が未だないなら、ちょっと話が変わってくる……」

クロシュ「……」

レイル「まあ、でも……クロシュヴィアが覚悟を決めてるのなら、私なんかがどうこう言っても仕方ないか……」

クロシュ「……」

レイル「……でも、クロシュヴィアは私みたいな穀潰しにも優しくしてくれたし……居場所もくれたし……。あんまり、無茶して欲しくないなあ……」

クロシュ「……」

レイル「結局……なるようになるし、なるようにしかならないかぁ……」

クロシュ「……」

 ☆デロデロについて考えました

 ◇
235 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2026/08/23(日) 20:58:00.44 ID:q0H64CQB0
―宿泊所 ロビー

店じまいするワン「……」ガサゴソ


フメイ「ワンワン、店じまいしてる」

クロシュ「わあ」

妖精「もうすぐこの国を出るって言ってたね、そういえば」


ワン「おや、陰で真正リーリアを救ったネオダークヒーローの皆さん!」

妖精「ネオダークヒーローって何……」

ワン「半年前のダークヒーローと区別された、新世代のダークヒーローとして注目されているそうですよ!」

 風雪新聞「」バサッ

フメイ「ネオダークヒーロー、おてがら……わ、フメイたちの写真だ。いつの間に……」

クロシュ「わあ……」

妖精「あの捏造新聞記者、協力もせずコソコソ写真なんて撮ってたのか……。次会ったら文句言おう……」

ワン「私としても、闇の英雄たちに物資の提供ができて鼻が高いです!」ワオン!

妖精「商売上手だなあ……。でもまあ助かったのは事実だし、ありがとね」

ワン「どういたしまして! 機会があればまたよろしくお願いします!」

フメイ「ワンワンはこれからどこに行くの?」

ワン「リーリア湿原の特産品や情報をたくさん仕入れることができましたので、次は東か西か北か南のいずれかに向かおうかと!」

妖精「東か西か北か南かって、全く答えになってないじゃない!」

ワン「商人は情報が命ですから、商売の予定もみだりに明かせないのです! ご了承ください!」ワオン!

妖精「まあ、それもそっか……。ホイホイ明かしてた自称闇商人が隙だらけだっただけかも……」

クロシュ「ワンワンちゃんって、どこの人なの?」

フメイ「コボルト……とはちょっと違う?」

ワン「犬人です! コボルトと似ていますが、違う種になります! 主に西大陸に住んでいますが、近年は北大陸でもよく見かけるかもしれません!」

クロシュ「いぬひと!」

妖精「犬人はコボルトよりも人の良さそうな顔してるんだよね。実際に人の良い奴も多いから、けっこう信頼できる種族だよ」

ワン「そう言っていただけると犬人として嬉しいです!」


↓1コンマ 隠密スライムとしての直感
01-55 お達者で!
56-85 なんか気になるような
86-00 !
236 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2026/08/23(日) 20:59:45.76 ID:evpDLRIv0
237 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2026/08/23(日) 23:09:11.69 ID:q0H64CQB0
クロシュ「……」ジー

ワン「おや、どうかされましたか?」

クロシュ「ワンワンちゃん……どこかで、会ったこと……ある……?」

妖精「え、ワンと会ったことあるの? どこで?」

クロシュ「んー……えっと……もっと、にぎやかなところ……?」

ワン「!」

 煙「」ボフン!

 ◇

フメイ「……あれ、フメイたち何してたんだっけ?」

妖精「んん……? ええと、明日の荷造りは……もう終わってるよね」

クロシュ「……?」

 落ちているチラシ『またのお越しをお待ちしております! 行商人ワン・ダフル』ペラッ

フメイ「あ、ワンワンのチラシ」

妖精「本当だ。忘れてったのかな? でもチラシなのにまたのお越しをってちょっと変だね」


クロシュ「……」ヒョイ

 チラシの裏『お見事。機会があればまた会おう。我が主の友、クロシュへ』ペラッ

クロシュ「!?」パチクリ

 チラシの裏『白紙』

クロシュ「……???」

 ☆ワン商店のチラシを手に入れました

 ◇
238 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2026/08/23(日) 23:09:41.69 ID:q0H64CQB0
―総統庁公邸 大浴場

 カポーン―

スライムクロシュ「〜〜…♪」デロデロ
スライムフメイ「〜〜…♪」デロデロ
リリ「〜〜…♪」デロデロ

リュアン「ふぅ……」

ミスティ「温まるわ……。溶けてしまいそう……」

聖女「生き返りますねぇ……」

妖精「悪いねえ、こんなに大きなお風呂を貸してもらっちゃって」チャプチャプ

リリア「いいのいいの。いつもノーラと二人だけだから、持て余しちゃってて」

リリ「〜〜!」モニョモニョ

リリア「あはは、そうだね。これからはリリも一緒だよ」

ノーラ「リリさま……。リリアさまの大切な幼馴染であられることはお聞きしておりますが、この公邸では私の方がセンパイです。その辺り、ちゃんと認識しておいていただけると助かります」

リリ「〜〜♪」モニョモニョ

ノーラ「……よ、余裕ですね。いつまでその余裕が保てるが……楽しみにしてます……!」


リリア「えっと……ノーラは何の話をしているの?」

聖女「ヤキモチを焼いているんです。ふふ……かわいらしいですね」

リリア「ヤキモチ……?」


リュアン「……」ジー

ノーラの胸「」ポヨン

リュアン「……ノーラちゃんが生後約半年って、本当ですか?」

リリア「え、うん。そう聞いたよ。本人から」

リュアン「……」
リュアンの胸「」ペタン

リュアン「……い、いや……ノーラちゃんはホムンクルス……何もおかしくはないです……。カリス・ノーランドも見た目に不釣り合いに大きかったというし、そっくりなノーラちゃんが大きいのは当然の帰結です……」

ミスティ「何をブツブツ言っているの、リュアン」
ミスティの胸「」ヤヤペタン

リュアン「ミスティさん……!」パァァァ

ミスティ「え、何。そんなに目を輝かせて……」

 ☆お湯に浸かって元気になりました

 ◇
239 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2026/08/23(日) 23:10:07.70 ID:q0H64CQB0
―クロシュの夢
 集落の広場

アイスの欠片「〜〜」モニョモニョ
シュヴィーの欠片「〜〜♪」モニョモニョ キャッキャ
蒼星スライムの欠片「〜〜♪」モニョモニョ キャッキャ

煤けたニワトリ「……」トコトコ

眠るセレナディア「……」zzz

素振りするヴァン「フンッフンッ!」ビッビッ

ウニ大盾「異常なし……本日も平穏……」

ガトリングガン「」ジャコッ



フメイ「わ……!?」

リュアン「………えっ!? ここは……!?」キョロキョロ

ミスティ「ここは……クロシュたちの、集落……?」

聖女「見慣れない方々がいらっしゃいます」

妖精「……もしかして、またクロシュの夢に迷い込んじゃった?」

クロシュ「……そ、そうかも」


ヴァン「おや……! こんなに大勢のお客さんが来るのは初めてだね! ようこそ、クロシュちゃんの夢の世界へ!」

ミスティ「あなたは確か……女神の騎士、ヴァン!」

ヴァン「覚えていてくれたのか! ありがとう、嬉しいよ! 今はこうしてクロシュちゃんの中にいるんだ」

ミスティ「そういえば、クロシュが食べたんだったわね……。比喩とかではなく、本当にクロシュの中に住んでいたのね」


シュヴィーの欠片「皆さんようこそ! お茶とお菓子を用意致しますので、少々お待ち下さいね!」

蒼星スライムの欠片「シュヴィーちゃん、私も手伝うよ」

シュヴィーの欠片「ありがとう!」


 ワイワイ キャッキャ モニョモニョ


アイスの欠片「……」ジー

フメイ「アイス。いつもありがと」

アイスの欠片「……アイス、つよいでしょ」

フメイ「うん」

ミスティ「クロシュが異様に強い冷気を発していたけれど、あなたのお陰だったのね。アイス」

アイスの欠片「ん。ミスティ、しょうじんしてる?」

ミスティ「まあ、ぼちぼちかしら。いろいろ落ち着いたらまた氷魔法のこと教えてね」

アイスの欠片「ん」


煤けたニワトリ「……」トコトコ

リュアン「なんだか……黒く焦げたようなニワトリがいます……」

聖女「かわいいですね。クロシュさんの心の中に住んでいるニワトリさんなのでしょうか?」

煤けたニワトリ「私はニワトリではないわ。大魔女の断片の一つよ」

リュアン「えぇぇ!?」コテッ

聖女「しゃ、喋りました!!」

煤けたニワトリ「失礼な子たちね……。これはクロシュの認識に引っ張られて変質してしまった姿なの。本来の私はもっと荘厳で美しく立派な輝く鳥なのよ」

聖女「クロシュさんは不死鳥をニワトリさんだと思っているのですね……」

 ◇
240 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2026/08/23(日) 23:10:34.73 ID:q0H64CQB0
 アップルパイ「」ポン
 金平糖「」ポン
 かき氷「」ポン
 綺麗な水「」ポン

リュアン「わあ……! 美味しそうです!」

聖女「アップルパイ、金平糖、かき氷……夢の中なら好きなだけ甘いものを食べられるのですね……!」

ヴァン「このアップルパイは、俺が栽培してるリンゴをシュヴィーちゃんに調理してもらったんだ!」

シュヴィーの欠片「えへへ、おかわりはいっぱいあるのでたくさん食べていってください」

妖精「……美味しい。ヴァンもシュヴィーもやるなあ」モグモグ

蒼星スライムの欠片「見様見真似だけど、私はアステールがよく作ってた金平糖を再現してみたよ。みんなの口に合うかな」

スライムクロシュ「〜〜♪」モニョモニョ モグモグ

フメイ「ん。おいしい」モグモグ

ミスティ「このかき氷……きめ細かくてふわふわね。参考になるわ」

アイスの欠片「え、そうなの……?」

 ☆夢の中で美味しいものをたくさん食べました

 ◇
241 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2026/08/23(日) 23:11:43.55 ID:q0H64CQB0
―朝
 真正リーリア首都

 チュンチュン

精霊の幌馬車「」ポン!


リリア「ねえ、やっぱりもう少し滞在していかない……?」

クロシュ「!」モニョッ

妖精「お誘いは嬉しいけど、私たちもやるべきことがあるんだ。この地にあったデロデロについてはヴィアとも話が付いたんだけど……今度は北の方で大きなデロデロを見つけたんだよ」

クリュナー「ここからさらに北の方となると……リテン・ヘイブンか北大陸になりますが……。海路はどう行かれるご予定ですか?」

妖精「リーリア東港に旅人向けの北行き定期船があるって聞いたから、それに乗って行こうかと」

クリュナー「……少々申し上げにくいのですが……今現在東港から北へ向かう定期船はリテン・ヘイブンのものだけですので、あまりご利用されない方が安全かと……」

聖女「えっ? 危ないんですか……?」

クリュナー「リテン・ヘイブンは、名目上は独立国家ということになっておりますが、その実態は罪人が自治する無法地帯です。当然、その国から出港してきた船にも同等の危険があると考えて然るべきでしょう……」

リュアン「ひゃ……。ど、どうするんですか妖精さん……!?」

妖精「でも……それじゃあリーリアの船はないの?」

リリア「復興に大忙しで、外交は後回しだったから……。真正リーリアから外国に行こうとする民もいなかったし……」

クリュナー「申し訳ありません。真正リーリア所属の定期船などは、今のところないのです……」

妖精「じゃあリテン・ヘイブンの船に乗るしかないじゃん!」

リリア「えっと……じゃあ、その精霊の幌馬車で海を渡ったりとか……」

妖精「流石に航海は想定してない……」

メアリー「トウゲン帝国の船などは来ていないのですか?」

クリュナー「数ヶ月前より運行が途絶えております。元より国交もほとんどなく、その定期船も一部の旅人が利用するのみだったため、採算が合わず廃止されたものと思われます」

聖女「どうあってもリテン・ヘイブンの船に乗るしかなさそうですね……」

クリュナー「すみません……不安ばかりを増やしてしまい……」

妖精「いやまあ、いいよ。お陰で覚悟と準備ができる」


リュアン「……あれ? そういえば、メアリーさんも普通に来るんですか?」

メアリー「はい、もちろん」

聖女「……あ、あれ? では、アルバさんは……?」

メアリー「彼は――」


↓1コンマ
01-05 ???
06-10 平和に目覚めた
11-50 騙して帰らせた
51-90 王国の戦況悪化により緊急帰投した
91-00 王にメアリーの独自行動が許可された
242 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2026/08/23(日) 23:13:56.29 ID:Ans2GM8Co
243 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2026/08/24(月) 01:38:42.82 ID:Rj2y1gZB0
アリー「………王国で緊急の任務があるとかで、慌てて帰っていきました」

妖精「……騙して帰らせたんだね」

メアリー「そ、そのようなことは………。いえ……まあ……結果的に……部分的にそう、と言えなくもなく……」

フメイ「ええ、アルバ帰っちゃったの? お砂糖いっぱい持ってたのに」

リリア「じゃあ私がお砂糖いっぱいあげるよ、フメイちゃん」

フメイ「ほんと? ありがと」


妖精「まあでもつまり……私たちがメアリーを騙して拐かしてるっていう容疑をかけられるリスクは据え置きかあ……」

メアリー「そのような事態にはならぬよう、最善を尽くします……」

リュアン「まあ……過ぎてしまったことは仕方ありません。アルバさんも、女ばかりのパーティに一人混ざるのは居心地が悪かったでしょうし……」

ノーラ「どうでしょうね。人間の男は基本的に性欲強めですから、内心ではハーレムだぜヒャッホウとウキウキだったかもしれませんよ」

メアリー「いえ……アルバは真面目な騎士なので、そこまで単純に喜んだりはしなかったと思います」

リュアン「そういう褒め言葉は本人がいる内に言ってあげた方が良かったんじゃ……」

 ・アルバがメアリーに騙されて王国へ帰りました

 ◇
244 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2026/08/24(月) 01:39:09.45 ID:Rj2y1gZB0
風船スライム気球「〜〜」モニョモニョ

ミスティ「それじゃ、私は緑の国へ戻るわね」


クロシュ「ん! ミスティさん、風船スライムさん、ありがと……!!」

妖精「本当に助かったよ! 緑の国の防衛も大変だと思うけど、安全第一にね!」

ミスティ「ええ、もちろん。あなたたちも、命を一番大事にね」

リュアン「はい! ありがとうございます……!」

聖女「どうか、ご健勝で……!」

フメイ「ミスティ、がんばれ」

ミスティ「ふふ、ありがとう……!」


エレノア「ミスティ……またね!」バッ

ミスティ「エレノア! また来るわ! あなたも元気で!」

エレノア「うん……! 手紙、書くから……!」

ミスティ「ええ……! また……またいつか!!」


ミスティ(スノウタウン……さようなら)

ミスティ(またいつか……お墓参りに来るわ)

ミスティ(……さあ、緑の国へ――今の私の家を、守らなきゃ!)

風船気球スライム「〜〜」フヨフヨ モニョモニョモニョ

 ☆ミスティがパーティを離れ、緑の国へ帰りました

 *
245 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2026/08/24(月) 01:39:37.94 ID:Rj2y1gZB0
ルルナ「クロシュちゃん! 皆さん!」タッタッタッ

アルツ「まだ出発していなかったか」タッタッタッ


クロシュ「ルルナちゃん! アルツさん」

ルルナ「良かった、間に合った……! クロシュちゃん……私をここに連れてきてくれて、一緒にいろんなことをしてくれて……本当にありがとう……! クロシュちゃんたちのお陰で、私、上手くやっていける気がする!」

クロシュ「んへへ……うん!」

妖精「医学の勉強、がんばってね。ルルナならきっと上手くやれるよ」

ルルナ「うん……! 本当に……本当にありがとう! きっといつか、遊びに来てね……!」


アルツ「僕からも、改めてお礼を。この国に来て、多大な貢献をしてくれて本当にありがとう。言葉だけでは言い尽くせないが……すまない、何かの品物でも渡せたら良かったんだが、人に贈れるような大したものは持っていないんだ」

妖精「あはは、いいって。贈り物が欲しくていろいろやってきたわけじゃないしさ。感謝の言葉を聞けただけでも嬉しいよ」

フメイ「じゃあ次に来たときは、甘いものちょうだい」

アルツ「フッ、わかった。甘いものを用意しておこう」

クロシュ「んへへ……うん!」


アルツ(……イーシャ先生。あなたの教え子たちは、善意と理性を持って、正しい道を歩んでいるようだ)

アルツ(治療院に戻ったら、これまでの経過とこれからの展望……そしてクロシュたちの健闘を報告書にまとめよう。フフ……今から返事が楽しみだ)

 *
246 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2026/08/24(月) 01:40:03.58 ID:Rj2y1gZB0
ザイル「……む。お前たち、もう行くのか」

レイル「あらら、もう行っちゃうの?」

妖精「わ、ザイルとレイル」

リュアン「ど、どうも……おはようございます」

ザイル「おはよう。そういえば君にちゃんと謝っていなかったな。すまない、オレは取り返しのつかないことをした」ペコリ

リュアン「え、いや……き、気持ち悪いのでやめてください」

ザイル「そうか……。すまない、オレも形として謝ってはいるが実のところ他人事のように思えてしまっている。君に心から正しく謝れるのは、何年も先のことになるかもしれない」

リュアン「そ、そうですか……」


リュアン(……加護によって意志を奪われた人からの謝罪がこんなにも気持ち悪いものだなんて……。これでは憎しみなんてどこかに吹っ飛んじゃうよ……)


クロシュ「ザイルさん……ここで、お仕事、するの……?」

ザイル「ああ。ただの民としてイチからやり直すことにした」

クロシュ「うん……いいとおもう」

ザイル「……そうだ。このペンダントのこと……ちゃんとお礼を言っていなかったな」スッ

 亡国王のペンダント「」ポン

クロシュ「!」

ザイル「……君たちは、これを使ってオレを脅すこともできたが、そんなことはせず――ただの善意のみで、これを返してくれた。ありがとう。……すまない、感謝を述べるのが随分と遅くなってしまった」

クロシュ「んーん……! 大事なもの……無くすの、嫌だもん……」

ザイル「……そうだな」

クロシュ「んへへ……」

リュアン「……なんだか、そっちの感謝の言葉はちゃんと心がこもっているように聞こえます……」

ザイル「……すまない。オレもそう思える」

リーリア「加護はね、痛みや苦しみ、悲しみだけを封じるの。だから、ありがとうっていう感謝の気持ちは……加護を受けても、なくならないんだよ」

ザイル「そうなのか」

リュアン「……そのお陰で、ようやくクロシュちゃんに真摯な気持ちでお礼を言えたんですね……。加護で平和になってもらって、良かったと思います」

ザイル「ああ。昨日までは憎しみが強すぎて、他の何も見えなくなっていた。だが今は本当に頭の中がスッキリしている。リーリア、ありがとう」

リーリア「えへへ……うん。これからは、真正リーリアで平和に暮らしていこうね。お義兄さん」


レイル「……私は……これからどうしよっかな。やっぱりしばらくは真正リーリアでダラダラ……」

リーリア「お義姉さん! 働かざるもの食うべからずだよ……!」

レイル「げっ……。リーリア、そんな悪い言葉どこで覚えてきたの……」

ザイル「悪い言葉か?」

レイル「ああ〜もう……わかったよ、ちょっとだけね。一日二十分、それ以上働いたら干からびて死ぬので」

妖精「二十分……短すぎない?」

リーリア「ふふ……お義姉さんにも加護が必要かな?」

レイル「すみませんでした……」

 *
247 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2026/08/24(月) 01:50:19.03 ID:Rj2y1gZB0
精霊の幌馬車「」ガコン!

 ガタンゴトン――

クロシュ「さよなら……! またね……!」ブンブン

フメイ「ばいばい……!」ブンブン

リュアン「皆さん、お元気で……!」

聖女「ご健勝をお祈りしてます……!」

妖精「真正リーリアとそこに住まう者たちに、精霊の加護がありますよう――」

 ガタンゴトン――


リリア「……本当にありがとう、クロシュちゃん。みんな。私たち……ここをもっと良い国にするよ」

リリ「〜〜!」モニョニョ

クリュナー「はい……! では、今日も一日お仕事をがんばりましょう……!」

ノーラ「は〜い。はあ〜……なんだか、かわいい妹分たちが一気にいなくなっちゃって寂しいですね……」

レイル「じゃあザイルを弟分としてこき使ってやって〜」

ザイル「実際、総統庁ではオレが一番の新人ということになる。よろしく頼む」

ノーラ「こんなデカくてかわいくない弟分はいらないです……」

アルツ「僕たちも治療院に戻るぞ、ルルナ」

ルルナ「はい! 今日もよろしくお願いします!」


ノーラ「……そういえば、何か忘れているような。何でしたっけ……」

 ◆
248 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2026/08/24(月) 02:05:13.47 ID:Rj2y1gZB0
―スノウタウン中央広場

 僅かに水が湧く噴水「」チョロチョロ

縁石に座るブラッド「……」ボー

ブラッド「なんか……あたしの知らないうちに、いろいろ終わったらしい……」

ブラッド「……」

ブラッド「……」

 水鏡『お前たち、生きなさい。生きて証明し続けなさい。カリス・ノーランドの傑作たちは、こんなにも強く、華麗で、魔王的であるのだぞ、と……』

ブラッド「………」

ブラッド「………」

ブラッド「カリスのやつ………あたしには何もなしかよ」

ブラッド「………」

ブラッド「……あーくそ、馬鹿か。なんであんな奴のことでこんなウジウジしてんだ、あたしは……」

ブラッド「………クロシュの馬鹿にちょっかいでも出しに行くか……」スクッ


ヴィア「……寂しいのですね」モニョッ

ブラッド「あー……? 誰だお前……」

ヴィア「伝説スライムのクロシュヴィア……の株分けです」

ブラッド「へえ、そう……」

ヴィア「……あなたも、デロデロの良さをわかっているはず。私たちと共に――」

ブラッド「理屈はわからなくもない。でもさ、全部溶けたらつまんないだろ」

ヴィア「つまる、つまらないで、世界は救えません」

ブラッド「そもそも救う価値なんてあると思ってる?」

ヴィア「はい」

ブラッド「なら話は終わりだね。あたしは思わない」

ヴィア「では……どうして、クロシュちゃんやフメイちゃんたちに、優しさを見せたりするのですか?」

ブラッド「ああ……? 優しさなんて見せてないけど」

ヴィア「彼女たちはそう思っていないようですが」

ブラッド「それじゃああいつらが勘違いしてるだけだね」

ヴィア「……世界に価値を感じていなくとも、同輩である者たちには価値を感じている……そうですね?」

ブラッド「うるさいな。勝手に決めつけるなよ、あたしの心を」

ヴィア「すみません」

ブラッド「はあ、もういい。それ以上あたしにいらんことを言うなら攻撃するからな」スクッ

ヴィア「……クロシュちゃんたちは、リーリア東港から定期船に乗って北へ向かうそうです」

ブラッド「……聞いてないが」

ヴィア「ちょっかいを出したいそうだったので」

ブラッド「……まあ、出したいけど」

ヴィア「クロシュちゃんなら、ブラッドさんの来訪を快く歓迎してくれると思いますよ」

ブラッド「知ってる。あいつ、のろまなお人好しだもの。危なっかしくて見てられ……じゃなくて、とにかくそういうアホなところがむかつくんだよ」

ヴィア「お気持ち、理解します」

ブラッド「……まあいいや。気が向いたら行ってやる。どうせ暇だし」スクッ

ヴィア「はい。デロデロについても、再考していただけると幸いです」

ブラッド「じゃあ一生不幸でいな」

 ◆
249 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2026/08/24(月) 02:06:27.81 ID:Rj2y1gZB0
それでは本日はここまで

真正リーリアでの騒動を終え、新たなる旅路につくクロシュたち。その背に多くの感謝と応援を受け、あかちゃんスライムたちは往く。
次の目的地は、狂気と陰謀渦巻く罪と退廃との都リテン・ヘイブン。その恐るべき前評判を聞いて震え上がる一行であったが、残念ながら他の選択肢はなかった。果たしてクロシュたちは、罪人の街で何と出会うのか――。
次回、初めての船旅編。お楽しみに
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