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【安価・コンマ】力と魔法の支配する世界で【ファンタジー】Part9
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336 :
◆eAA16RTlRw2e
[saga]:2026/08/31(月) 00:57:08.30 ID:eMd0ccxF0
リラ「ほんで……昨日のことだったかニャ?」
妖精「そうだよ、しっかりしてよ」
リラ「ああそうだそうだ、昨日のことだね! ワタクシ、劇場でポールダンシングをさせていただいておりましたのですわ!」
妖精「……」
リュアン「これは……だめかもしれないですね……」
リラ「ああ、冗談です冗談! 真面目に話しますウサ!」
メアリー「……そもそもリラさんは何を知っているんですか?」
リラ「ワインに毒を仕込んだトリックをですわ!」
妖精「ええっ!?」
リュアン「どういうことです!?」
リラ「ワタクシ、ステージの上で踊りながら見ていたのですわ。あのワイン……あの奴隷ちゃんが注ぐまで未開封でしたの!」
妖精「いやいや……未開封なのに毒なんて仕込めるわけ……」
リラ「ええ。そんなことできるはずがない――ですから捜査をしている船乗りの方々は、開封済みだったと思い込んでしまったのですわ。ですが……あの高級ワインは未開封でしたの! 昨日の注文記録を調べればすぐにおわかりいただけますことよ? あらら、こんなところにその注文記録が!」
注文記録「」ペラッ
妖精「……この記録によると……昨日の高級ワインの注文は1件だけ……あの貴族の名前しかない! この注文記録本物なの!?」
リラ「ロスチャイルド商会のハンコが押してありますわねぇ……」
メアリー「……ロスチャイルド商会の印鑑は、偽造が極めて難しい最高精度の魔紋鋳造技術が使われています……。これは……本物です……。なぜこの踊り子さんがそれを持っているのかはわかりませんが……」
リラ「イェア〜♪」
妖精「ば、馬鹿な……! それじゃあ……毒を仕込めたのはクーだけだったってことになっちゃうじゃない……!!」
リラ「チッチッチ……それは早とちりが過ぎるってもんでっせ嬢ちゃん。あっしが最初に言ったことをお忘れかい?」
クロシュ「ワインに、毒を仕込んだ……トリック!」
妖精「ええっ……!? 未開封のワインに毒を仕込んだとでも言うの!?」
リラ「せや。どやったと思う?」
クロシュ「……空間魔法?」
リラ「惜しい! 正解は――マジカルサイコキネシス!! 超能力です!!」デデン!!!
妖精「…………は?」
リラ「あ、何言ってんだこいつって顔」
妖精「……いやまあ、空間魔法なら確かに未開封のワインボトルの中に毒を転移させることも不可能じゃないとは思う。でもそんなことをすれば間違いなく魔法の痕跡が残る。船上捜査のプロである船乗りたちがそんな証拠をみすみす見逃すとは……」
リラ「だ〜か〜ら〜、魔法じゃなくて超能力!! 痕跡なんて残らないのよ〜ん!」
妖精「………頭が痛くなってきた」
リラ「も〜頭が固いよ妖精ちゃ〜ん。超能力っていうのはねェ……例えばこんなやつだ!」
指パッチン「」パチン!
妖精「……ん!? あれ、リラはどこに――」
背後から妖精の体を掴んでモミモミするリラ「ここだよ〜ん」バッ
妖精「んわわわわ〜〜〜〜〜!?!!?!??」ジタバタ
*
337 :
◆eAA16RTlRw2e
[saga]:2026/08/31(月) 00:58:35.11 ID:eMd0ccxF0
妖精「……け、気配も魔力の移動も何も感じなかった……。ほ、本当に……超能力……!?」
リラ「おわかり頂けたかしらァん?」
妖精「………ま、まあわかった……。でも、もし犯人がそんな無法な力を使ったんだとしたら……捕まえようがなくない?」
リラ「そうウサねえ」
妖精「っていうか……あなたが犯人じゃないの!? トリックも知ってる、超能力も使える……容疑しかない!!」
リラ「バレちゃった♡」
リュアン「えっ……!? じゃあ……犯人なんですか……!?」
リラ「フフ……あーしが犯人だとしてぇ、キミたちにあーしが犯人だって立証できるかな?」
聖女「! なるほど……超能力の完全犯罪性をわかっていたから……あっさりバラしたのですか……!」
リラ「あ、そうなるのかニャ? ごめん、ノリでバラしたわ」
聖女「ええ……」
リラ「でもあの奴隷ちゃんにはちょっと悪いことしちゃったウサねぇ……。リラ反省反省〜」
妖精「こいつと話すの疲れてきた……」
メアリー「我慢しましょう……。真犯人のようですから……」
リラ「でも素直に捕まっちゃうってのもつまんないな〜。あーしの目的とかぁ、被害者の裏取引の証拠とかぁ、その辺しっかり抑えてきたら自首してあげても良い系〜」
リュアン「ええと……つまり、捜査を続けろということですか?」
リラ「イグザクトリー! あ、イグザクトリーってインダストリーと似てない?」
妖精「わかった。あなたが納得する証拠とかをいろいろ抑えて来たら自首してくれるってことで……良いんだね?」
リラ「そうかも!」
妖精「いや、そこは断定して欲しいんだけど……。ていうかむしろ、あなたは捕まっても良いの?」
リラ「ウサを捕まえておける檻ってあるニャ?」
妖精「そ、そういうことね……。わかった……」
☆真犯人を特定しました
証拠を集めることで、真犯人に自首させることができます
◇
338 :
◆eAA16RTlRw2e
[saga]:2026/08/31(月) 01:00:25.97 ID:eMd0ccxF0
本日はここまで。次回は船旅3日目編となります。お楽しみに
339 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2026/08/31(月) 01:14:54.73 ID:LbAxOLxwo
真犯人が先に分かるという変化球
340 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2026/08/31(月) 02:16:18.65 ID:p6HCX+odo
おつ
うーん…例え証明出来てもスッキリしないというか…事件らしい緊張感が無い犯人だぜ…
341 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2026/08/31(月) 06:39:39.70 ID:u6weuPMU0
乙です
聖女が運命を変えてたらリラの超能力でバレてたのかな
342 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2026/09/05(土) 12:13:55.81 ID:GhwSLLGmO
真犯人が見つかったからクーちゃん解放かと思ったけど真犯人を自首しないと解放されないのか。
343 :
◆eAA16RTlRw2e
[saga]:2026/09/05(土) 19:26:15.00 ID:s+4rVIsp0
これは真面目に推理とかをするミステリーではないので、真犯人もあっさり判明します。どちらかというと、この変わったウサ耳の女性を納得させられるかどうかという交渉のゲームと言えるかもしれません
このウサ耳の女性は変な人物なので、緊張感は実際ないかもしれません。そしてリテン・ヘイヴンにおいて殺人事件はそれほど珍しいものでもないので、船上殺人というサスペンスな状況であっても緊張感が生じにくいのかもしれません
聖女氏が運命を変えるパワーを使っていた場合に、リラ氏がどのようなリアクションを取っていたかは今のところわかっていません。そしてリラ氏の超能力というものが一体何なのか、その正体も闇に包まれています
真犯人は見つかりましたが、クロシュたちには彼女を告発するに足る証拠がありません。そのためリラ氏を真犯人として捕まえてもらうには、彼女自身に自首してもらう必要があります
344 :
◆eAA16RTlRw2e
[saga]:2026/09/05(土) 19:26:42.42 ID:s+4rVIsp0
―リテン・ヘイヴン定期船カロン号 船旅3日目
◇クロシュ [あかちゃんスライム]
武:竜角の大槍 盾:ラティアの大盾 飾:
武: 防:ぬののふく 飾:くすんだ不死鳥の羽根
◇フメイ [バーニングハート]
武: 盾: 飾:
武: 防:火鼠の衣 飾:
◇妖精 [世話焼き妖精]
武: 盾: 飾:
武: 防:木綿のドレス 飾:
◇リュアン [お嬢様]
武:黒曜鋼のナイフ 盾: 飾:守りのペンダント
武: 防:旅人のドレス 飾:
◇聖女 [運命変転修道女]
武:木の杖 盾: 飾:
武: 防:ロイエの修道服 飾:
◯所持アイテム
[道具] [装備品] [大事なもの]
運命賽の欠片*2 大きな巻き貝 冒険者証(ランク1)
運命賽*6 サボテンドラゴンの花 メルルの帽子
会心賽*3 魔導機関銃 暗黒優待券
反魂丹*1 旧世樹の杖 クロシュヴィア伝説
炎スライムの秘伝書 避難所のドアノブ
運命変転の魔導書 星の粉
古ドワーフ鍛冶指南書 オリシン王家の栞
日属性基礎 竜角の短剣
明石流剣術指南書 白金のペンダント
ヒヒイロカネ
ステライト鉱石
白金ステライト
◯現在の目標
・クロシュヴィアの行方を追う
◯個人目標
・世界樹の石炭 [6/8]
・武装製作経験 [6/6]
・僧侶を連れて帰る(聖女)
◯経験値
・クロシュ 近接[02/24] 魔法[05/12] 防御[05/09]
・フメイ 近接[05/06] 魔法[16/16] 防御[08/09] 炎[00/00]
・リュアン 近接[04/06] 魔法[00/12] 防御[04/06] 日[00/16]
・聖女 近接[01/06] 魔法[08/09] 防御[04/06] 運[03/??]
……………………………………………………………………………………
□リテン・ヘイヴン定期船カロン号 観光案内
上層:上等客室、展望バーラウンジ、カジノ、劇場、展望浴場、
操舵室、船長室、甲板
中層:中等客室、食堂、厨房、医務室
下層:下等客室、奴隷監置区画、貨物室、動力室
……………………………………………………………………………………
□会える人
同行者:メアリー
その他:クーちゃん、エインヘリアル、リラ、船長、奴隷商人
……………………………………………………………………………………
345 :
◆eAA16RTlRw2e
[saga]:2026/09/05(土) 19:28:16.79 ID:s+4rVIsp0
―朝
カロン号 中等客室
丸窓「」
窓の向こうに広がる大海原「」
寝ぼけリュアン「…んん〜……」モゾモゾ
聖女「朝ごはんはどうします? 食堂に行くか、それとも手持ちのもので適当に済ませましょうか」
妖精「ん〜、どっちでもいいかなあ。クロシュとフメイは?」
クロシュ「どっちでも……いいとおもう!」
フメイ「フメイも、どっちでもいい」
聖女「………」ムムム
メアリー「……お気持ち、お察し致します。どっちでも良い、というのが一番困るのですね」
聖女「はっ……!? いえいえ、そのようなことは……」
妖精「メアリー、王女様なのにそういうのわかるの?」
メアリー「作る側に立ったことはありませんが、想像は付きます」
妖精「へえ……。デロデロになりたくない側の気持ちは想像が付かないの?」
メアリー「想像が付くことと、その気持ちを尊重するかどうかは別ですよ」
妖精「あ、そう……」
*
妖精「というわけで今日もクーちゃんの冤罪を晴らす為にがんばっていこう!」
◯毒について
テレポーテーションという超能力によって未開封のワインへ混入されたことが判明した。
毒の詳しい成分や入手経路については未解明。
◯被害者ケンブツ・アクトゥク子爵
セイントレア平原南西に位置する小さな港町アクトゥクポートを治める小貴族アクトゥク家の当主。
ガイスト・シュヴァルシュタインというフリーの兵器開発者と何らかの取引を行っていた疑いがある。
◯クーの容疑について
超能力というものを考慮しない場合、クー以外に犯行可能な人物は存在しない模様。
◯リラの証言
ウサ耳踊り子リラが真犯人であることを自白したが、自白以外の証拠がなく告発不能。
事件の全貌を明らかにしたら素直に自首すると言っている。
リュアン「……とにかく事件の全貌を明らかにして、リラさんを自首させるしかないんですね」
妖精「まあそう……。リラが信用できるかどうかはわからないけど、それに賭けるしかない」
メアリー「被害者の宿泊していた上等客室の警備情報は昨日判明しているんですよね」
クロシュ「うん!」
妖精「死んでるとはいえ貴族の客室だから、警備情報がわかっているとは言っても行くなら慎重にね」
◯現在の目標
・クーちゃんの濡れ衣を晴らせ(期限:船旅4日目の終わりまで)
船旅3日目。リテン・ヘイヴン定期船の中等客室に宿泊しています
↓1〜3 自由安価 何をする?
346 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2026/09/05(土) 19:28:42.36 ID:xWTFV3X50
みんなで展望浴場に入る
347 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2026/09/05(土) 19:29:30.01 ID:nwbGjRMB0
妖精とフメイ、脳内クロシュと推理会議
348 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2026/09/05(土) 19:31:21.69 ID:GhwSLLGmO
クロシュ
顔色の悪い医者と一緒に毒成分を調べる
349 :
◆eAA16RTlRw2e
[saga]:2026/09/05(土) 19:57:34.64 ID:s+4rVIsp0
―医務室
顔色の悪い医者「毒の成分を調べたいだって?」
クロシュ「うん」
顔色の悪い医者「うーん、難しいねえ。ここに科学捜査用の分析機とかは置いてないんだよ。毒殺に使われたワインはここの保冷庫に保管してあるけど、君たち民間人に触らせたら僕が船長に怒られてしまうし」
妖精「でもクロシュはスライムだから、毒を飲めば味とかがわかるかも……」
顔色の悪い医者「味で判別する毒もあるにはあるがね。味のない毒だったら、僕が怒られるだけに終わってしまう」
妖精「……そ、そうだ! クロシュ、ワインから毒だけを抽出して取り出せたりしないかな? ほら、同化した物品を元の形にして外に出したりするみたいに」
クロシュ「!」モニョッ
顔色の悪い医者「そんなことが可能なのかい?」
クロシュ「……で、できるかも……?」
妖精「ものは試しだよ、やってみようよ。毒の成分がわかったら船長にとっても有益でしょ」
顔色の悪い医者「ふむ……ではせっかくだしやって見せてもらおうか。僕としては事件なんてどうでもいいんだがね。スライムにそんなことができるのかどうか、そっちの方が興味深い」
*
毒ワイン「」ポン!
グビッ
スライムクロシュ「〜〜…」モニョモニョ…モニョモニョ…
↓1コンマ
01-60 抽出成功
61-90 応用できそう
91-00 錬金スライム
350 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2026/09/05(土) 19:58:36.26 ID:pZNA4Gzuo
錬金
351 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2026/09/05(土) 19:58:48.95 ID:jPMZ2MsOO
か
352 :
◆eAA16RTlRw2e
[saga]:2026/09/05(土) 22:48:51.18 ID:s+4rVIsp0
モニョモニョモニョ…
小さな青色の結晶構造物「」ポン!
顔色の悪い医者「おお、本当に抽出できたのか……!? 面白い……」
妖精「で、これは何なの?」
顔色の悪い医者「ふむ……これは凪鉄だね」
妖精「えっ凪鉄!? 凪鉄って毒なの!? しかもワインに溶けるの!?」
顔色の悪い医者「落ち着け。金属として安定している状態の凪鉄が毒性を示すことはない。化合物となれば別だがね。化合物というのはわかるかい?」
妖精「異なる物質が結びついてできた別の物質……だっけ」
顔色の悪い医者「そう。恐らくワインに混ぜ込まれたのは黒化凪鉄化合物辺りだろう。そのスライムくんは水に溶けたソレを抽出した上で分離させて凪鉄を抽出した、と考えられるね」
クロシュ「そうなんだ……」
顔色の悪い医者「ふむ。自分のやったことがどれほど面白いことかわかっていないようだ。勿体ない。もしその力をさらに磨いていけば、君は化学の……いや、あらゆる分野で革命を起こすことが――」
妖精「とにかく凪鉄の化合物ってことね! わかった、ありがとう」
顔色の悪い医者「しかし毒殺なんてその辺の農薬でも買ってきてぶちこめば良いことだろうに、わざわざ高価で入手の面倒な凪鉄を使うなんて酔狂なものだ。犯人は財力でも誇示したかったのかね」
妖精「……! 待って、今捕まってるのは奴隷の女の子なんだけど……もし凪鉄なら、奴隷が毒に使うっていうのは不自然じゃないかな!?」
顔色の悪い医者「ん? 言われてみるとそうだね。奴隷が入手できるものではないし、たまたま船内で目について毒だと見抜いてワインに混入させるというのも不自然だ。黒化凪鉄化合物が毒性を持つなんてことを知っている者は僕たち医療関係者くらいのものか、あるいはそういう専門家くらいだろう」
妖精「うん! 私もそれなりに毒のことは調べてるつもりだったけど、凪鉄の化合物なんて知ったのは初めてだよ!」
顔色の悪い医者「うーむ……一応僕の方から船長に報告しておくよ」
妖精「ありがとう、そうしてくれる?」
顔色の悪い医者「船長も実は、あの奴隷の子が犯人っていうのには懐疑的みたいなんだよね。殺されたのが貴族だからとりあえず第一容疑者として確保しているけれど、ちゃんとした証拠が見つかればすぐに釈放してくれると思うよ」
クロシュ「わ、そうなんだ……!」
顔色の悪い医者「ま、がんばることだね」
クロシュ「うん!」
☆毒の成分が判明しました
☆クロシュが物質の成分抽出を行えるようになりました
◇
353 :
◆eAA16RTlRw2e
[saga]:2026/09/05(土) 22:49:17.27 ID:s+4rVIsp0
―展望浴場
水平線に沈む夕日「」
夕日にきらめく水面「」キラキラキラ
カポーン―
リュアン「……」ズーン
メアリー「……」ズーン
妖精「……あの二人はなんであんなに落ち込んでるの?」
聖女「ええと……聞き込みをしたのですが、今日は有力な手がかりを掴むことができなくて……」
フメイ「そういう日もある」
妖精「そうなんだ……。でもフメイの言う通り、そういう日もあるよ。リテン・ヘイヴンに着くのは明後日だから明日中には決着を付けないとまずいけど、焦っても仕方ないし」
クロシュ「……間に合わなかったら……クーちゃん、連れて……逃げちゃう……?」
妖精「それはお尋ね者になるからまずい……。前にメアリーが言ってた、セイントレア王族の威光でなんとかするしかないかなあ。メアリーには悪いけど」
聖女「誰よりもセイントレアを嫌っていますからね……。その威光に頼らなければならないとなると、気持ち良くはないでしょう……」
クロシュ「……だいじょうぶ! 明日……なんとか、なる!」
フメイ「ん。クロシュの言う通り。なんとかなる」
妖精「そうだね。明日なんとかなる……そのつもりでいこう」
エインヘリアル「そうそう、なんとかなるなんとかなる!」ヌッ
聖女「エインヘリアルさん!」
エインヘリアル「皆さんどうも〜。でへへ、飲んでますかぁ〜?///」ヒック
妖精「うわっ! 酔ってる!」
エインヘリアル「せっかく綺麗な水平線の夕暮れが拝めるロケーションなのに辛気臭い顔で真面目な話ばっかりしちゃってぇ〜」
妖精「まあクーの奴には世話になったこともあるし。やれることをやりたいだけだよ」
エインヘリアル「……はっ……も、申し訳ありません……わたくし、皆様の善意を馬鹿にするようなことを言ってしまい……」オヨヨ
聖女「表情が豊かな方ですねえ」
☆展望温泉に入りました
◇
354 :
◆eAA16RTlRw2e
[saga]:2026/09/05(土) 22:49:51.40 ID:s+4rVIsp0
―クロシュの夢
中庸クロシュ「わたしたちに推理の相談なんてしても、あんまり役に立たないとおもう」
楽観クロシュ「そうなの?」
中庸クロシュ「わたしたちはクロシュだもの。わたしたちが思いつくようなことは、当然表のクロシュだって思いつく」
混沌クロシュ「だねえ。わたしにカリスごっこでもさせた方が役に立つんじゃないの」
秩序クロシュ「ここなら、わたしたちより、大魔女さんの羽さんとかに聞いてみる方が有意義とおもうよ」
悲観クロシュ「ふふ……。わたし、役立たずの穀潰しスライム……」
モニョモニョモニョモニョ
妖精「そ、そんなことないよ。クロシュだって時々良い思い付きをすることもあるし」
中庸クロシュ「というか……トリックも犯人ももうわかってるのに……推理って必要……?」
混沌クロシュ「後は情報収集してリラっていう人に突きつけるだけでしょ?」
フメイ「そうかも……」
楽観クロシュ「じゃあ、つまんない話はもうおわり?」モニョッ
悲観クロシュ「終わりだよ……。星も、時も、しあわせも、わたしたちも……いつか、必ず終わる……」
秩序クロシュ「も〜、悲観ちゃんはあんまり暗いことばっかり言っちゃだめ!」
悲観クロシュ「ほんとのことなのに……」
混沌クロシュ「終わるからこそ、たのしい……みたいな話?」
悲観クロシュ「終わるからこそ、かなしい……みたいな話……」
混沌クロシュ「あ〜、わたしもその方がわかるかも。終わるのは悲しいよね」
悲観クロシュ「……混沌も、わかるの……? こういうの、理解しないと思ってた……」
混沌クロシュ「だからこそ、終わらない為に全力であがき続けろってことでしょ?」
悲観クロシュ「………ちょっとちがうけど……まあいいや……」
楽観クロシュ「悲観の言ってることいつも全然わかんないけど、これはわたしもわかるかも!」
秩序クロシュ「うん……。かなしい終わりは、嫌だよね……。それに抗うのは、わたしも正しいとおもう……!」
モニョモニョモニョモニョ…!!
妖精「意見がまとまってる……!」
中庸クロシュ「たまに、こういうこともある。今のわたし自身にとって、譲れない答えなんだとおもう」
フメイ「フメイもわかる。かなしい終わり、嫌だもん」
妖精「でも良かった。クロシュの中に、悲しい終わりを肯定する部分はないんだね」
中庸クロシュ「うん。よほど具合が悪くならないと、そういうのを肯定するようにはならないとおもう。わたしも、わたし以外も」
妖精「それはまあそうだ」
◆
355 :
◆eAA16RTlRw2e
[saga]:2026/09/05(土) 22:51:34.60 ID:s+4rVIsp0
―リテン・ヘイヴン定期船カロン号 船旅4日目
◇クロシュ [あかちゃんスライム]
武:竜角の大槍 盾:ラティアの大盾 飾:
武: 防:ぬののふく 飾:くすんだ不死鳥の羽根
◇フメイ [バーニングハート]
武: 盾: 飾:
武: 防:火鼠の衣 飾:
◇妖精 [世話焼き妖精]
武: 盾: 飾:
武: 防:木綿のドレス 飾:
◇リュアン [お嬢様]
武:黒曜鋼のナイフ 盾: 飾:守りのペンダント
武: 防:旅人のドレス 飾:
◇聖女 [運命変転修道女]
武:木の杖 盾: 飾:
武: 防:ロイエの修道服 飾:
◯所持アイテム
[道具] [装備品] [大事なもの]
運命賽の欠片*2 大きな巻き貝 冒険者証(ランク1)
運命賽*6 サボテンドラゴンの花 メルルの帽子
会心賽*3 魔導機関銃 暗黒優待券
反魂丹*1 旧世樹の杖 クロシュヴィア伝説
炎スライムの秘伝書 避難所のドアノブ
運命変転の魔導書 星の粉
古ドワーフ鍛冶指南書 オリシン王家の栞
日属性基礎 竜角の短剣
明石流剣術指南書 白金のペンダント
ヒヒイロカネ
ステライト鉱石
白金ステライト
◯現在の目標
・クロシュヴィアの行方を追う
◯個人目標
・世界樹の石炭 [6/8]
・武装製作経験 [6/6]
・僧侶を連れて帰る(聖女)
◯経験値
・クロシュ 近接[02/24] 魔法[05/12] 防御[05/09]
・フメイ 近接[05/06] 魔法[16/16] 防御[08/09] 炎[00/00]
・リュアン 近接[04/06] 魔法[00/12] 防御[04/06] 日[00/16]
・聖女 近接[01/06] 魔法[08/09] 防御[04/06] 運[03/??]
……………………………………………………………………………………
□リテン・ヘイヴン定期船カロン号 観光案内
上層:上等客室、展望バーラウンジ、カジノ、劇場、展望浴場、
操舵室、船長室、甲板
中層:中等客室、食堂、厨房、医務室
下層:下等客室、奴隷監置区画、貨物室、動力室
……………………………………………………………………………………
□会える人
同行者:メアリー
その他:クーちゃん、エインヘリアル、リラ、船長、奴隷商人
……………………………………………………………………………………
356 :
◆eAA16RTlRw2e
[saga]:2026/09/05(土) 22:53:41.47 ID:s+4rVIsp0
―朝
中等客室
ピンポンパンポーン―
館内放送『明日の朝、リテン・ヘイヴン港へ到着致します。乗客の皆様におかれましては、本日を船旅最後の一日として満喫していただきたければ幸いにございます』
*
―奴隷監置区画
クーちゃん「ね、ねえ……。だ、大丈夫なのよね……? 私の冤罪……証明してくれるのよね……?」
クロシュ「う、うん」
クーちゃん「断定してよぉ!!」ジワワ
聖女「お、落ち着いてくださいクーちゃんさん。私たちは既に真犯人を突き止めています」
クーちゃん「え!? な、なぁんだ……そういうことはもっと早く言いなさいよ……」
聖女「……ただ、真犯人を告発する為の証拠はないのです」
クーちゃん「え!!?!?」
聖女「超能力者だったのです……。彼女を自首するように説得するしか、方法がないのです」
青ざめるクーちゃん「」サー…
聖女「ですがご安心ください! 私たちは必ず、真犯人を自首させてみせます!」ドン
フメイ「ん。泥舟に乗ったつもりで待ってなさい、クーちゃんちゃん」
リュアン「そ、それを言うなら大船だよフメイちゃん!」
フメイ「あ、そうだっけ」
妖精「まあとにかくなんとかしてみせるよ。どうにもならなかった時の策も一応考えてあるから、私たちを信じて待っていて」
クーちゃん「し、信じてる……。信じるしか、ないもの……」ポロポロ
クロシュ「クーちゃん……だいじょうぶ! 前みたいに……助けられる!!」ドン
クーちゃん「う゛ん゛……」グスッ ポロポロ…
◯毒について
テレポーテーションという超能力によって未開封のワインへ混入されたことが判明した。
毒は一般に毒性を知られていない黒化凪鉄化合物だったと考えられる。
医務室の医者は、奴隷がそれを毒と知って入手するのは極めて難しいと証言している。
◯被害者ケンブツ・アクトゥク子爵
セイントレア平原南西に位置する小さな港町アクトゥクポートを治める小貴族アクトゥク家の当主。
ガイスト・シュヴァルシュタインというフリーの兵器開発者と何らかの取引を行っていた疑いがある。
彼が宿泊していた上等客室は現在封鎖されているが、警備情報は既に入手済み。
◯クーの容疑について
超能力というものを考慮しない場合、クー以外に犯行可能な人物は存在しない模様。
◯リラの証言
ウサ耳踊り子リラが真犯人であることを自白したが、自白以外の証拠がなく告発不能。
事件の全貌を明らかにしたら素直に自首すると言っている。
◯現在の目標
・クーちゃんの濡れ衣を晴らせ
船旅4日目。リテン・ヘイヴン定期船の中等客室に宿泊しています
本日の行動終了後、リラ説得イベントへ移行します
↓1〜3 自由安価 何をする?
357 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2026/09/05(土) 22:56:09.66 ID:sPc9SNCjO
バーでリラについて情報収集
358 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2026/09/05(土) 22:56:55.66 ID:hkQLiuHr0
上棟客室の被害者の部屋を調査
359 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2026/09/05(土) 23:02:57.63 ID:iQQha+5kO
医務室に入院している人物が起きてクロシュ達に事情を聞いてくる
360 :
◆eAA16RTlRw2e
[saga]:2026/09/06(日) 00:51:01.51 ID:9/xHs7ZB0
―展望バーラウンジ
初老の紳士「ふむ……リラちゃんのことを聞きたいと?」
リュアン「は、はい! リラさんは……一体どのような人なんですか?」
初老の紳士「漠然とした質問だね……。だが気持ちはわかる。彼女に不思議な魅力があるのは確かだ」
メアリー「劇場でダンスを踊っていたかと思えば、カジノでディーラーを務めていたり、あるいは一般客に混じって興じていたり……。船の乗務員にしては、やや不規則な動きをしているように思えます」
初老の紳士「ああ。彼女は乗務員ではないからね」
リュアン「えっ!? 乗務員じゃ……ない!?」
初老の紳士「彼女はリテン・ヘイヴンで有名な変人。自称、月から舞い降りた伝説のウサギ人だ。しかしあのウサ耳と尻尾が着脱可能なことはリテン・ヘイヴンに住む者なら誰でも知っている。種族の兎人とは全く関係のない、頭のおかしい女というのが定説だね」
リュアン「ええ……」
初老の紳士「彼女の面白さはそこだけではない。彼女はこの船でそうしているように、勝手に酒場や劇場やカジノや娼館や闘技場や監獄島に上がり込んでは、当たり前のようにそこで働き始めるのだ」
リュアン「……え? ええと……意味が、よくわからないのですが……」
初老の紳士「フッ……彼女はこの船の乗務員でもないのに勝手に踊り子をやったりディーラーをやったりしているだろう? それと同じように、リテン・ヘイヴン本土でも勝手に娼館の娼婦として客をもてなしたり、いつの間にか闘技場の剣闘士たちの戦に混じっていたり、監獄島で熱心に採掘作業に従事していたりするのだ」
リュアン「……い、いやいやいや! そんな……わけがわかりません!! どういうことなんですか、それは!?」
初老の紳士「私に言われても困るな。私自身もわけがわからないし、リテン・ヘイヴンに住むほとんどの者もわけがわからないと思っている」
リュアン「め、めちゃくちゃです……」
メアリー「彼女はそれほどわけのわからない振る舞いをしても、追い出されることなく堂々とリテン・ヘイヴンに居座っている……。そうするだけの力と、心を持つ者……ということですか」
初老の紳士「そういうことだね。数多くの有力者たちがあの自由なウサギ人を欲し、手籠めにしようと試みたが……その尽くは失敗に終わり、非業の末路を辿っている」
リュアン「余計にリラさんのことがわからなくなってしまいました……」
☆リラの情報を得ました
◇
361 :
◆eAA16RTlRw2e
[saga]:2026/09/06(日) 01:06:07.50 ID:9/xHs7ZB0
―カロン号上層
被害者の上等客室
モニョモニョモニョ…
モニョッ
透明スライムクロシュ「〜〜!」モニョニョ
妖精「よーし、無事に潜入成功だね。それじゃ被害者の後ろ暗そうなところをいろいろ暴いていこうか」
透明スライムクロシュ「〜!」モニョッ
*
兵器購入の契約書「」デン!
妖精「出てきたな……。ケンブツ・アクトゥクとガイスト・シュヴァルシュタインのサインが確認できる。クロシュ、後でこれを模写することはできる?」
透明スライムクロシュ「〜!」モニョッ
妖精「模写じゃ証拠能力は薄いかもだけど、私たちがするのはリラの説得だからね。相手が納得できりゃいいんだ」
透明スライムクロシュ「〜〜」モニョモニョ
妖精「まあ問題は、この契約書だけじゃリラがこの貴族を殺害する動機にはなり得そうにないことだけど……ん?」
ケンブツの手記「」ポン
透明スライムクロシュ「〜〜?」モニョニョ
妖精「手記だ。何か手がかりがあるかも、読んでみよう」
ペラッ ペラッ
◆
◯月◯日
ガイストとの契約の準備は整った。あとはこの契約書を直接彼に渡し、合意を結ぶだけだ。
あの最新兵器さえ手に入れば王都の大城壁など遅るるに足らず。他種族融和などというつまらぬ路線に舵を切った愚かなセインレア王家に誅伐を下し、我がアクトゥク家が新たなる王として中央大陸に君臨せん。首を洗って待っているが良い、愚王アルベールよ。貴様の美しい妻と娘共は我が領内に奴隷として迎え入れ、末永く使い潰してやろうぞ。
◯月◯日
憎き港湾都市ウォーターポートにてリテン・ヘイヴンの悪趣味な定期船に乗り、この日記を書いている。
乗船時に見かけた黒髪の少女奴隷を我が財力にて買ってやろうと温情を見せたところ、既に裏娼館への売却が決定していると断られた。下賤なる奴隷商人めが。このアクトゥクを舐め腐った行いをしたことを後悔させてやりたいが、契約書を渡すまで不用意な真似はできぬ。私は煮えたぎる苦渋を呑み込む思いで怒りを鎮め、努めて平静に定期船に乗り込んだ。
◯月◯日
憎きウォーターポートを発って数日。暇を持て余した私は劇場で踊る下賤なバニー女を買ってやろうとしたが、提示額が安すぎると断られた。ふざけるな、私はアクトゥクの当主だぞ。しかし問題を起こすわけにもいかないので、私は煮えたぎる苦渋を呑み込む思いで怒りを鎮め、努めて平静に上等客室へ戻った。かような下賤なるウサギには一生宿泊することもできぬ上等なる客室である。モノの価値も解さぬウサギには文字通りウサギ小屋がお似合いだ。そんなようなことを考えながら、私は眠りについた。
◯月◯日
怒りが収まらぬ。奴隷商人も、ウサギも、大貴族アクトゥクの当主たるこの私を馬鹿にしているのか。激しい怒りで煮えたぎるハラワタにワインを流し込みながら、私はガイストから緊急用としてもらっていた毒物を取り出していた。それは凪鉄を用いた一般には知られていない希少な毒物、黒化凪鉄化合物だそうだ。希少ならば捜査官気取りの船乗り共などを欺くのは容易いはず。何より希少な凪鉄を用いた毒というのが、高貴なる私の殺人術として極めて相応しい。私は決意を新たにし、殺人の機会を伺うことにした。
◯月◯日
定期船が東リーリア港に寄港し、新たな客を乗せる。窓から眺めていると、若い女人ばかりの団体が乗船してくるのが見えた。ガキどもは流石にガキすぎるが、他は大当たりだ。特にセイントレアの穀潰しであるメアリーに似た金髪の女が良い。あれを叩き伏せながら躾けるのはさぞ気持ち良いだろう。とこれまでの私ならウカウカしていただろうが、今の私は違う。今の私は復讐に燃える悪鬼である。今日、決行してやる。毒を奴らの飲み物に仕込んでやる。下賤なる奴隷商人とウサギめが、首を洗って待っているが良い。
◆
362 :
◆eAA16RTlRw2e
[saga]:2026/09/06(日) 01:06:57.03 ID:9/xHs7ZB0
妖精「……」ゲンナリ
スライムクロシュ「?」
妖精「まあとにかく、いろいろわかった。あの毒物は貴族自身が用意していたもので、たぶんどこかのタイミングでリラが超能力か何かで奪い取って、逆にワインに仕込んだんだ。これを読む限りなら正当防衛が……いや成立するのかな……」
スライムクロシュ「??」
妖精「まあいいや。リラがこの貴族を殺す動機ははっきりした。殺されそうだったから先に殺したってことみたいだ」
スライムクロシュ「〜〜」モニョモニョ
妖精「この手記も後で模写できるかな……? ちょっと量が多いけど……」
スライムクロシュ「〜!」モニョッ!
黒い粉末の入った小瓶「」ポン
妖精「……これが黒化凪鉄化合物か。クロシュが抽出した凪鉄の結晶は青かったけど、この化合物は名前の通り黒いんだね」
スライムクロシュ「〜〜」モニョモニョ
妖精「……! そうだ……この小瓶、もしかしたら――」
黒い粉末の入った小瓶「」
妖精「ん〜……えいっ!」パタパタ
妖精の翅「」キラキラキラ…
スライムクロシュ「〜〜?」モニョニョ
妖精「まあちょっと待ってて。こうやって粉をまぶして……」パタパタパタ
妖精の粉「」キラキラキラ
妖精「粉を光らせる魔法を使うの。すると――」ポウ―
淡く輝き出す妖精の粉「」ポウ…
浮かび上がる二つの指紋「」ポン!
妖精「指紋が浮かび上がるってわけ!」
スライムクロシュ「〜〜??」モニョニョニョ
妖精「……あ、指紋の説明からか。指紋っていうのはね、人型種族の指の先っぽにある――」
*
妖精「とまあそういうわけ。私たちの翅から出た粉は、しばらくすると自然の中に溶けて消えちゃうから、この件で私が疑われたりする心配も無用ってこと。わかった?」
スライムクロシュ「〜!」モニョッ
妖精「じゃあ今見た指紋も模写できるね。よし、この二つの指紋のうち一つがリラのだったら……かなり決定的と言えそうだよ、クロシュ!」
スライムクロシュ「〜〜!!」モニョニョニョ
☆兵器購入の契約書の写しを入手しました
☆被害者の手記の写しを入手しました
☆毒瓶に残った二人分の指紋の写しを入手しました
◆
363 :
◆eAA16RTlRw2e
[saga]:2026/09/06(日) 01:16:32.70 ID:9/xHs7ZB0
本日はここまで
着々と証拠品を集めていくクロシュ一行。浮かび上がっていく悪徳貴族の肖像。明らかになっていく事件の全貌。そして深まっていくウサギ人リラの謎。奇怪極まる船上毒殺事件は、いよいよ最終局面へ。
あかちゃんスライムたちは、哀れな奴隷クーちゃんを助けることができるのか。
そしてようやく目覚めし男は、事態を受け止め、どう動くのか――。
次回、眠っていた人物が起床する編、真犯人との対決編です。お楽しみに
364 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2026/09/06(日) 01:43:15.27 ID:fTGZhFkUo
おつ
一応証拠になりそうな物は確保出来たが…後は出たとこ勝負だ
365 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2026/09/06(日) 06:51:22.35 ID:XqQjwhcRo
乙
妖精とクロシュ万能すぎんか
探偵としてやっていけそう
366 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2026/09/06(日) 14:51:04.72 ID:eaam6MaYO
これらの証拠でリラを納得できるかな?
367 :
◆eAA16RTlRw2e
[saga]:2026/09/06(日) 19:53:32.56 ID:9/xHs7ZB0
必要な証拠は既に揃っていると言えるかもしれません。後は実際に真犯人と対峙して、どのように話をするかにかかっています。とはいえこれは本格的なミステリーではないので、テキトウにやってもなるようになります
妖精さんとクロシュさんは、実のところこういった調査に必要な特殊技能をいろいろ持ち合わせています。人間社会で妖精類やスライム類の者が犯罪捜査を行ったりすることはないため、その捜査能力はあまり人間に知られていないのかもしれません
必要な証拠は既に揃っていると言えるかもしれません。とはいえリラ氏は変わった人物なので、これによって彼女を説得できるかどうかは今のところ予測不能としか言えないかもしれません
368 :
◆eAA16RTlRw2e
[saga]:2026/09/06(日) 19:56:06.32 ID:9/xHs7ZB0
―夕方
医務室
ヴィルト「!」ガバッ
顔色の悪い医者「おや、ようやく起きたか。気分はどう? 水は飲めるかい?」ヌッ
ヴィルト「俺はどれくらい寝ていた……!?」
顔色の悪い医者「3日くらいかな。最初にもらった代金じゃ全然足りないから後で追加の治療費と入院費を払ってもらうよ」
丸窓「」
夕日にきらめく海原「」キラキラ
ヴィルト「まだ航海中……リテン・ヘイヴンには着いていないんだな?」
顔色の悪い医者「ああ。到着は明日の朝の予定だよ。ところで君、金のアテはあるのかい」
ヴィルト「……向こうに着いたら借金でもなんでもして払う」
顔色の悪い医者「キッチリ支払えるなら調達手段は問わない。でも君に支払能力やその意思があるかどうかわからないから、ひとまず担保としてこれを預からせてもらうよ」スッ
短剣「」キラン
ヴィルト「!」
顔色の悪い医者「これ、森のエルフが拵えて祈りを込めた守りの短剣だろう。市場には出回らない貴重品だ。担保として申し分ない」
ヴィルト「……どうしても、それを担保にしないとダメか?」
顔色の悪い医者「こっちも治療費諸々を踏み倒されちゃたまらないからねえ。他に今回の費用の担保になりそうなものがあれば、それでも構わないよ」
ヴィルト「……」スッ
魔導拳銃「」
翡翠の賽「」
船旅ビスケットの空き缶「」
顔色の悪い医者「その翡翠の立方体……何かのアーティファクトかい?」
ヴィルト「いや、これもダメだ」
顔色の悪い医者「じゃあやっぱり短剣しかないね。その魔導拳銃も悪い品ではなさそうだけど、今回の費用には足りなそうだ」
ヴィルト「……治してもらった立場で言うのも申し訳ないんだが……治療費、高すぎないか?」
顔色の悪い医者「そりゃあそうさ。ここをどこだと思っているんだね?」
ヴィルト「……リテン・ヘイヴン……その定期船か」
顔色の悪い医者「その通り。地獄の沙汰も金次第ってことだよ」
ヴィルト「わかった。金は必ず払うから、その短剣は絶対に失くしたり横流しとか売却とかしないでくれ」
顔色の悪い医者「もちろんだとも。そちらこそよろしく頼むよ」
ヴィルト(……金はどうにでもなる。問題は……彼女のことだ)
ヴィルト(クーさん……無事でいてくれ!)グッ
◇
369 :
◆eAA16RTlRw2e
[saga]:2026/09/06(日) 19:58:13.16 ID:9/xHs7ZB0
―奴隷監置区画
ヴィルト「クーさん……!」
クーちゃん「……えっ!? だ、誰?」
ヴィルト「……昔、あなたに助けられた者です。ヴィルト・エクセリアと言います」
クーちゃん「えっそうなの!?」
ヴィルト「はい」
クーちゃん「そうなんだ……?」
ヴィルト「事情を聞かせてください。力になります」
クーちゃん「……え、ええと……事情って言っても……」
トコトコ パタパタ
妖精「おーい、クー……あれ? そこにいるのは……」
クロシュ「クーちゃん……ヴィルトさん!」
ヴィルト「!?」
クーちゃん「あ、みんな……!」
リュアン「ヴィルトさん!」
フメイ「あ、ほんとにヴィルトだ」
聖女「お久しぶりです! この船に乗ってらしたんですね?」
ヴィルト「お前たちも乗っていたのか……!」
メアリー「……この、強面の男性は?」コソッ
妖精「ヴィルトっていう旅人だよ。ある人を探して旅をしてる……って言ってたよね。あれから記憶はどう?」
ヴィルト「ああ、ヴィルト・エクセリアだ。そちらの女性は――」
メアリー「……メアリーです」
ヴィルト「ブロンドの髪に、紅碧のオッドアイ……メアリー・ロード・セイントレア王女……!?」
メアリー「違います。ただの旅人です」
妖精「ってことにしてあげてくれる?」
ヴィルト「……あ、ああ。わかった」
*
ヴィルト「クーさんが冤罪をかけられていて、真犯人は超能力者……だと?」
妖精「うん。私たちなりに証拠品は集めた。後はそいつを説得して自首させるだけってところ」
ヴィルト「医務室で寝ている間にそんなことになっていたとは……」
リュアン「えっ!? も、もしかして床に血溜まりを作って寝てた人って……」
ヴィルト「恐らく俺だ」
リュアン「だ、大丈夫なんですか!?」
ヴィルト「ああ、体は丈夫な方なんだ。それで……俺にも事件の概要や証拠品のことを教えてもらっても良いか?」
妖精「うん。私たちもここで事件のことを一度振り返るつもりだったから、丁度良かったよ」
☆ヴィルトが同行者に加わりました
◇
370 :
◆eAA16RTlRw2e
[saga]:2026/09/06(日) 19:58:39.18 ID:9/xHs7ZB0
―夜
カロン号 劇場
木槌「」カン!
船長「お集まり頂けただろうか? 関係者諸君」
リラ「はっ。審問官リラ、準備完了しております」
妖精「え、何これは……」
船長「容疑者クーの疑いについて、妖精らの異議申し立てを受理し船上審査会を行うこととした。容疑者の弁護を行う者は、審問官の反対側の席へ」
クロシュ「!」モニョッ
妖精「ええと……なんでこんな会を?」
船長「我々がふざけてこのようなごっこ遊びをしているように見えるかもしれないが、そうではない。物事の進行には順序と手続きが必要だ。一度容疑者として留置した者の罪を再審査するとなれば、相応の儀式が必要なのだ。無論、我々は船の専門家であって法の専門家ではないゆえ大いに不備があるかもしれないが、どうかお付き合い頂きたい」
聖女「承知致しました。私たちの訴え、真摯に受理して頂き感謝致します」
フメイ「えっと、何すればいいの?」
リュアン「……これまでに準備してきたことを、ちゃんと言って、あの人たちを納得させれば良いんだよ」
奴隷商人「おい、頼むぞお前ら……! あいつの冤罪を晴らしてやってくれ……!」
ヴィルト「……あなたは?」
妖精「クーを捕まえて売り飛ばそうとした悪徳奴隷商人だよ」
ヴィルト「……」ギロ
奴隷商人「うぇ!? な、なんだよぉ……!?」
聖女「ヴィルトさん、今この人を糾弾しても仕方ありません。クーちゃんさんのことについては、彼女の無罪を証明してからまた考えましょう」
ヴィルト「……ああ、わかってる。すまん」
*
371 :
◆eAA16RTlRw2e
[saga]:2026/09/06(日) 20:05:23.04 ID:9/xHs7ZB0
木槌「」カン!
船長「ではまず容疑者クーの口から、当日のことについて証言してもらおう」
――証言開始――
クーちゃん「は、はい。えっと……あ、あの日は、普通に奴隷監置区画を出て、厨房で作られた料理とか飲み物を運んでいたりしてて……。被害者の方からワインの注文があったので、厨房に行って保冷庫から新品の高級ワインを取り出して、劇場に戻ってお注ぎしました。そしたら……急にあの人が、血を噴いて倒れてしまって……」オロオロ
リラ「お注ぎする前に毒を仕込んだのですね?」
クーちゃん「ち、違います! 毒なんて仕込んでません! あの場で開封して、すぐにお注ぎしたんです!」
リラ「フッフッフ、でもあのワインに毒を仕込めたのはクーちゃんだけですよね? だってあなたが手に取るまで未開封の新品ワインだったんですもの」
クーちゃん「う、うぅぅ〜……!!」
クロシュ「んわわ……!」モニャニャ
リュアン「い、いきなり絶体絶命です……! ていうかリラさん、全部知ってる癖になんて白々しいんですか……!」
妖精「くっ……! でもこれがリラ流のやり方ってことだ……! この窮地を覆してみろって言いたいんだ……!」
フメイ「むむ……。フメイ、どうすればいい? 燃やす?」
聖女「いえ……何か使えそうな証拠があるはずです……!」
◯毒について
一般に毒性を知られていない黒化凪鉄化合物。
テレポーテーションという超能力によって未開封のワインへ混入された。
医務室の医者は、奴隷がそれを毒と知って入手するのは極めて難しいと証言している。
被害者ケンブツ・アクトゥクの持ち物だった。
◯被害者ケンブツ・アクトゥク子爵について
セイントレア平原南西に位置する小さな港町アクトゥクポートを治める小貴族アクトゥク家の当主。
ガイスト・シュヴァルシュタインというフリーの兵器開発者と兵器購入の契約を交わそうとしていた。
手記によると、黒化凪鉄化合物を用いてリラと奴隷商人の殺害を計画していたらしい。
◯クーについて
奴隷となる前は商人として活動し生計を立てていた。
超能力を考慮しない場合、クー以外に犯行可能な人物は存在しない模様。
◯リラについて
自称月より舞い降りた伝説のウサギ人。リテン・ヘイヴンで自由に振る舞っている。
多くの有力者が手籠めにしようと試みたが、全て失敗に終わり非業の末路を辿ったと言われている。
◆弁護側の心証 [4/4]
↓1選択 使う証拠
1.毒について
2.被害者について
3.クーについて
4.リラについて
5.運命賽を使う(残り6)
372 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2026/09/06(日) 20:08:43.64 ID:fTGZhFkUo
1
373 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2026/09/06(日) 20:13:14.76 ID:eaam6MaYO
1
374 :
◆eAA16RTlRw2e
[saga]:2026/09/06(日) 20:31:34.89 ID:9/xHs7ZB0
クロシュ「いぎあり!」ドン!
リラ「!」
クロシュ「クーちゃんが……毒、使うの……おかしい!」
リラ「どうして? 厨房から劇場まで運ぶ間に、毒を仕込むタイミングなんていくらでもあったはずですよ?」
クロシュ「んーん……! 毒……黒化凪鉄化合物……クーちゃんは……知らないと、おもう……!」
リラ「!」
船長「医者から話は聞いている。ワインに混入された毒は、希少な凪鉄を利用した黒化凪鉄化合物だそうだな。確かに、一介の奴隷であるクーが入手するのは難しく、その毒性を把握することも困難な代物であるという」
リラ「でも難しいとか困難とかって不可能≠フ証明にはなりませんよね?」
クロシュ「!」
船長「その通りだ。クーは奴隷となる前、商いによって生計を立てていたことが明らかになっている。商人であった頃に黒化凪鉄化合物を入手したり、その毒性を把握したりできる可能性は大いにあったと言えるだろう」
奴隷商人「異議あり!」ドン!
船長「どうぞ」
奴隷商人「奴隷のボディチェックは完璧に行っていた! クーがそのような毒を持ち込む隙はなかったと断言する! これが日々のボディチェック記録だ!」
奴隷のボディチェック記録書類「」ポン!
船長秘書「……ロスチャイルド商会の監査印も入っています。信用できる証拠として受理しましょう」
船長「ふむ。だがそうなると、毒の出所が全くの不明となる。そもそも我々は毒の出所を未だに掴めていないのだが……」
リラ「容疑者がその辺に落ちていた小瓶を拾って、貴族への恨みでポポイと混入させたとかじゃないですか〜? 毒の瓶は犯行の前に海にでも投げ捨てちゃったんだと思います〜」
クロシュ「――!!」
妖精「気付いたね? 一気に攻勢に出るチャンスだよ、クロシュ!」
◆弁護側の心証 [4/4]
↓1選択
1.毒の混入タイミングについて
2.毒の捨て方について
3.毒の容器について
4.運命賽を使う(残り6)
375 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2026/09/06(日) 20:36:38.90 ID:Bcts7X/so
3
376 :
◆eAA16RTlRw2e
[saga]:2026/09/06(日) 21:04:18.42 ID:9/xHs7ZB0
クロシュ「……リラさん……なんで、毒の容れ物が……小瓶だって、知ってるの?」
リラ「え!? あ、ああ〜! それは言葉の綾ってやつだよね〜。とりあえず便宜的に小瓶て言ってみただけで、実際の容れ物の形は知らないっていうか〜」
扉「」バァン!
船員「船長、審理中失礼します! 凶器と思わしき毒物を発見しました!」
船長「何だと!? どこにあった!」
船員「被害者の……客室です! 机の中に巧妙に隠されていました!」
船長「何!? どうやって見つけた!?」
船員「匿名のタレコミがありまして……」
船長「まあいい、証拠品として受理する!」
黒い粉末の入った小瓶「」ポン!
奴隷商人「……! おい……小瓶だぞ!!」
フメイ「小瓶!」
船長秘書「……これが凶器であるなら、奴隷クーが犯人である可能性は限りなくゼロに近づきます。厳重な警備を掻い潜って上等客室に侵入し、この小瓶を持ち出すほどのはニンジャでもなければ不可能です。しかし……それよりも確認すべきことがありますね」
妖精「……審問官リラ。毒の容器を小瓶と知っていた理由……詳しく説明してもらえる?」
リラ「だ、だからぁ〜。たまたまだってぇ〜」
クロシュ「いぎあり!」ドン!
リラ「んわっ!」
クロシュ「指紋……しらべれば、わかる!!」ドドン!
船長「ああ。調べてみよう」
*
黒い粉末の入った小瓶「」
小麦粉「」ポンポン
浮かび上がる2人分の指紋「」
船長「この2人の指紋は……被害者ケンブツ氏と……審問官リラ、あなたのもののようだ!」
リラ「〜〜!!」ズギャァァン!!
船長「そして奴隷クーの指紋は検出されなかった。このことについて、説明していただけるだろうか?」
リラ「あ〜、それね〜。ちょっと前にケンブっちがドヤ顔で自慢して見せて来たことがあってぇ〜。あーし、ちょっとベタベタ触っちゃったみたいな〜?」
クロシュ「!」
◆弁護側の心証 [4/4]
つきつけよう!
↓1選択
1.兵器購入の契約書の写し
2.被害者の手記の写し
3.2人分の指紋の写し
377 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2026/09/06(日) 21:06:30.93 ID:kHUU0IpB0
2
378 :
◆eAA16RTlRw2e
[saga]:2026/09/06(日) 21:49:07.80 ID:9/xHs7ZB0
クロシュ「ケンブっち……リラさんに、ドヤ顔、しなかった!」モニョッ
リラ「!」
クロシュ「これ……ケンブっちの、日記!」ドン!
被害者の手記の写し「」ポン!!
船長「これによると……確かに、被害者がリラ審問官に毒物を見せびらかすとは極めて考えにくい! しかしこの手記……本物か!?」
船員「被害者の部屋から同じものが見つかってます! 事件には関係ないものとして証拠品にはしませんでしたが……」
船長「いや、関係がある! ……この際、君がなぜ手記の写しを持っているのかはあえて聞かないでおこう」
クロシュ「う、うん」
船長「そしてリラ審問官。度重なる事実と異なる発言……何を隠しているのか、正直に申し上げてみてはどうか?」
リラ「……くっ……うっく……」
リュアン「俯いて……もしかして、泣いて……?」
聖女「ですが……例え涙を……ん?」
リラ「うく……くくく……くぁーっひゃっひゃっひゃ!!」ゲラゲラゲラ
クロシュ「!!?」モニャッ
船長「!!?」
リュアン「!!!」
リラ「あはっあはっあはっ!! お〜見事です、お見事お見事! でも残念……例え小瓶から私の指紋が検出されたとしても、それが即ちワインに混入させた証拠にはなりませんわねえ!?」
クロシュ「!!!」
妖精「くっ……!! そ、その通りだけど……!」
リラ「依然として、ワインに毒を混入させられたのはクーちゃん以外にいないという事実は厳然たる真実なんですねえ! ニャーは無罪ウサねえ!!」ゲラゲラゲラ
船長秘書「……彼女の言う通り。毒をワインに混入させられたのはクー容疑者だけでした。その前提を覆せない以上……話は終わりかもしれません」
フメイ「うう〜〜!! 違う……!!」
リュアン「フメイちゃん……?」
フメイ「だってリラの奴……超能力者だもん!!!!」
聖女「そ、それは……。でも、しかしそれを証明することは……」
フメイ「リラ、テレポートで毒をワインに移したって、自分で言ってたもん!!!」
リラ「あれあれ〜? 何のことですかねえ〜? 超能力なんてあるわけないじゃないですか、メルヘンやロマンチシズムじゃあるまいし〜?」
妖精「くそ……! あいつ、事件の全貌を明らかにしたら自首するって言ってた癖に……!!」
メアリー「ですが……超能力者である彼女がそれを自ら実演して見せなければ……私たちには、打つ手がありません……」
リュアン「うぅ……ここまで来て、どうしようもないの……!?」
ヴィルト「超能力によるテレポート……?」
クロシュ「……」
ファイナルアンサー
↓1選択
1.トカゲの姿で高速移動し背中をタッチ
2.不意打ちのむげん斬り(峰打ち)
3.旧世樹の杖で平和にする
0.自由安価(できないことはできない)
379 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2026/09/06(日) 22:00:39.13 ID:dgNJdiqWO
1でトカゲクロシュをテレポートで移動させるに賭ける
2だとリラがテレポートで避けてもテレポートできるのは自分のみと言い逃れされそう
380 :
◆eAA16RTlRw2e
[saga]:2026/09/06(日) 23:40:00.54 ID:9/xHs7ZB0
モニョニョポン!
船長「む!? 弁護人クロシュはどこへ!?」キョロキョロ
妖精「はっ……! クロシュは――」
シュタタタッ
シュバッ!!
リラの背中に飛ぶトカゲクロシュ「」ヒューン――
普通に避けるリラ「見え見えだよ〜ん!」サッ
ドギュンッ―
リラに迫るゴム弾「」ギュオオオオ
リラ「っ……!?」
魔導拳銃を構えたヴィルト(……避けられる態勢ではないはずだ。どうする?)
リラの背後で響く着弾音「」カンッ
落ちて転がるゴム弾「」コロコロ…
無傷のリラ「……」
船員「……船長! 今……確実に命中してる角度でした!」
船長「ああ。だが……見ての通り、彼女は無傷のようだ」
リラ「は〜……部外者に暴かれちゃうのはちょっと興醒めかもニャ。とりま合格でいっか」
スタスタ
リラ「見ての通りリラは超能力者で〜す。ほい、こんな感じ」
指パッチン「」パチン!
毒の小瓶の中にテレポートするゴム弾「」パッ
船長「!!」
ヴィルト「!!」
リラ「こんな感じで毒を未開封ワインの中にテレポさせたってわけ。おわかりいただけたかしらァん?」
船長「毒の瓶も、そのテレポート能力で手元に取り寄せたのか?」
リラ「ケンブっちが隠し持ってるのを見つけて普通にスリました。ウチのことギンギンにして見つめてたかんね〜。まあその後部屋に戻したのはテレポだけどね」
船長「……罪の自白と受け取るが、構わないな?」
リラ「ま〜そ〜ゆ〜約束だったかんね。クロシュっちたちのがんばりが見れて余は満足ぢゃ」
クロシュ「う、うん」
船員「船長……リラちゃんってどうやって捕まえとくんですか?」
船長「……とりあえず、既存の方法で拘束しておく。逃げられたらその後のことはその後考えよう」
船員「はい」
☆真犯人を突き止め、クーちゃんの無罪を勝ち取りました
◇
381 :
◆eAA16RTlRw2e
[saga]:2026/09/06(日) 23:40:28.11 ID:9/xHs7ZB0
―夜
カロン号 廊下
クーちゃん「クロシュ〜〜!!」ポロポロ
クロシュ「クーちゃん!」
クーちゃん「クロシュなら、クロシュなら絶対に助けてくれるって信じてた!! ありがど、ありがどぉ〜!!」ポロポロ
妖精「ふう〜……とにかくこれで一件落着だね」
リュアン「はい! めでたしめでたし、です……!」
聖女「リラさんが最後にちゃんと約束を果たしてくれて良かったです……」
フメイ「うん。フメイ、むかつきすぎて船ごと燃やしちゃうとこだったかも」
メアリー「ふふ……。フメイさんも、よくがんばってくれました……。お疲れ様です……」
少し離れたところで息をつくヴィルト「ふぅ……」
妖精「ヴィルトも、あの土壇場でありがとう! リラの超能力を暴く決定打になったよ」
ヴィルト「……ん、ああ。上手くいくとは思ってなかったんだけどな」
妖精「クーの奴に昔助けられたんだっけ? なんか変わった縁もあるんだねえ」
ヴィルト「フッ……そうだな」
妖精「そういえば、あれから記憶はどうなの? いろいろ思い出した?」
ヴィルト「……ああ。まだ完全ではないが、かなり思い出せてきた」
妖精「本当? 大事な物を返す相手は見つかった?」
ヴィルト「いや……肝心のその人物のことは、まだ思い出せていないんだ……」
妖精「そ、そうなんだ……。でもかなり思い出せたなら、きっともうすぐ全部思い出せるよ」
ヴィルト「だといいが」
382 :
◆eAA16RTlRw2e
[saga]:2026/09/06(日) 23:42:05.92 ID:9/xHs7ZB0
奴隷商人「あ〜……皆さん、盛り上がりのところ悪いんだが……。そろそろ、クーを奴隷監置区画にだな……」
クロシュ「!?」モニョッ
クーちゃん「えっ!?」
フメイ「なんで? クーはもう無罪放免で、自由の身なんじゃないの?」
奴隷商人「あ〜、その……。冤罪が晴れただけで、奴隷っていう身分に変わりはなくってェ……」
クーちゃん「い、言われてみれば……確かにそうね……」
奴隷商人「その……売却先も、もう決まっててェ……」
ヴィルト「破棄しろ。契約を」ヌッ
奴隷商人「そ、そうすると……違約金が、すごくってェ……。俺の全財産でも、足りなくてェ……」
妖精「え、ええ……」
リュアン「そんな……」
土下座奴隷商人「……ほ、本当に申し訳ございませんっ!!! 俺も、出せるだけは出すので……!! 違約金の不足分を、ご負担して頂けると……!!」ザザッ
クーちゃん「えっ……えっえっ……」オロオロ
クロシュ「妖精さん……!」
妖精「は〜……わかったよ。違約金っていくらなの」
土下座奴隷商人「……一般通貨換算で、5000万です」
妖精「はあああ!!?!?」
リュアン「え、えええ!!? なんですか、それ!!?」
聖女「孤児院の予算……何年分でしょうか……」
奴隷商人「リテン・ヘイヴンは物価が他の地域の数倍にインフレしててェ……」ジワワ
ヴィルト「……俺の記憶が間違っていなければ、リテン・ヘイヴンでは仕事の報酬もかなりインフレしている。交換レートと手数料が最悪の独自通貨が使われているからリテン・ヘイヴンで大儲けして里帰り、なんてことはできないが……。リテン・ヘイヴン内でどうにか稼ぐだけならなんとかなる……はず」
クロシュ「じゃあ……稼ぐ!!」ドン!
クーちゃん「あぅぅ……クロシュぅ……」ジワワ
フメイ「ふうん。フメイもいいよ、お金稼ぎ」
妖精「乗りかかった船だ、私も最後まで面倒見るよ」
クーちゃん「〜〜〜!!」ポロポロポロ
奴隷商人「恩に着ますッ!! 恩に着ますッ!!」ペコペコ
☆目標「クーちゃんの濡れ衣を晴らす」を達成しました
☆目標「クーちゃんの違約金を払う」が新たに発生してしまいました……
◆
383 :
◆eAA16RTlRw2e
[saga]:2026/09/07(月) 00:22:12.56 ID:H5jJMMrP0
―深夜
カロン号 船首
昇る月「」
月の光にゆらめく水面「」キラキラ
船首に腰掛けて脚をぶらぶらさせるリラ「〜〜♪」
ストッ
マネキ「相変わらず派手にやっているようだな」
リラ「あら、マネキ猫ニャン」
マネキ「聖女とクロシュはどうだ?」
リラ「真面目な子たちニャンねえ。聖女ちゃんなんて、わざわざおあつらえ向きなステージを用意してあげたのに運命を変えなかったウサ」
マネキ「そうか。それもまた良かろう」
リラ「猫は聖女に力を取り戻して欲しいのかワン?」
マネキ「本人が望むようにすれば良い。吾輩は眺めているだけだ」
リラ「そっちは相変わらずヒエヒエのフリーズドライですわねえ」
マネキ「そうか?」
リラ「そうよ。力があるなら使った方が面白いわ」
マネキ「お前は好き勝手やりすぎと思うが」
リラ「何か問題ある?」
マネキ「ない」
リラ「でしょ?」
マネキ「だが、いつか邪鬼として討たれても文句は言えんぞお前」
リラ「ウサがそんなヘマすると思うピョン〜?」
マネキ「思う」
リラ「ガチトーンで言われたウサ……」
マネキ「吾輩は真面目だからな」
リラ「あそいえば、魔導拳銃を持った人相の悪い男は知ってるウサ?」
マネキ「誰だ?」
リラ「ヴィルトとか呼ばれてたワン」
マネキ「知らん」
リラ「この世界の者ではなかったニャねえ」
マネキ「そうか」
リラ「マネキニャン、他人に興味なさすぎないかワン?」
マネキ「なぜ顔も知らん奴のことなぞ気にせねばならんのだ」
リラ「そりゃまあ、ウサたちって一応そういうアレだし? 世界になんかの影響がありそうならちょっと考えなきゃいけないのかな〜ってリラもリラなりに考えてみたり〜」
マネキ「異物の混入程度で潰れるなら、この世界もそれまでというだけの話だろう」
リラ「やっぱりマネキニャンってスーパードライすぎるニャン……」
◆
384 :
◆eAA16RTlRw2e
[saga]:2026/09/07(月) 00:23:27.65 ID:H5jJMMrP0
本日はここまで
長き調査の果てに、とうとう真犯人を追い詰めてクーちゃんの無罪を勝ち取った一行。勝利の喜びを分かち合うあかちゃんスライムたちであったが、すぐに次なる問題が発生する。クーちゃんの売却契約破棄によって生じた違約金の支払いである。
罪の街リテン・ヘイヴンにて、クロシュたちは誰と出会い、何を思い、どう金を工面するのか――。
次回、リテン・ヘイヴン編開幕。お楽しみに
385 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2026/09/07(月) 01:31:03.05 ID:Zi/ctgTFo
おつ
いよいよ上陸
この一行なら大抵の仕事は難なく熟せるだろうけど…場所が場所だけにまともじゃない案件も多そうだ
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