【安価・コンマ】力と魔法の支配する世界で【ファンタジー】Part9

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288 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2026/08/29(土) 21:01:22.67 ID:75dkGCK/0
 ☆クロシュが〈燦歌〉を習得しました
  腹-4、コンマ+30、他の技と併用可
  ただし次ターン行動不能、さらにコンマ-30

 *

クロシュ「……?」

 白金色の杖?「」ポン

フメイ「それ……杖?」

クロシュ「うん」

妖精「これは……晶化した世界樹だ! たぶん、先代の白金の世界樹――」

精霊リリ『うん! わたしたちからの、プレゼント!』モニョッ

クロシュ「わっ!」

聖女「リリさん!」

精霊リリ『クロシュちゃんたちのお陰ですごく助かったから、お礼がしたくて。受け取ってくれる?』モニョモニョ

クロシュ「うん!」

 モニョモニョ…ポン!

白魔女っ子クロシュ「〜〜!」モニョッ

フメイ「わ……!」

リュアン「白い帽子に、白い衣装の……魔女っ子……!」

聖女「かわいい……! 素晴らしいです!」

精霊リリ『えへへ、クロシュちゃんすごく似合ってる。その杖で、良い子も悪い子もみーんな平和にしてあげてね』モニョモニョ

白魔女っ子クロシュ「う、うん」

 ☆旧世樹の杖をもらいました

 *

 白金のペンダント「」
 旧世樹の杖「」
 白金ステライトの延べ棒「」
 カゴいっぱいのどんぐり「」
 袋詰されたリーリア小麦「」
 瓶詰めのドライユキイチゴ「」

聖女「ふふ……♪ たくさんのものをもらってしまいました」

妖精「外国で使えるお金がないからって、ステライトの延べ棒までもらっちゃったねえ。素材としても超一流の貴重品だよ」

リュアン「ドライユキイチゴ、甘酸っぱくてすごく美味しいですよね……! どうやったらこんな風に綺麗に乾燥させられるんでしょう……」

 白い賽「」コロン―

聖女「あら?」ヒョイ

 白い賽「」ポン

聖女「……これは、ズルができる白いサイコロ……」

 白い賽「」ポン
 白い賽「」ポン

聖女「もう2つもあるのに……。これで3つ目……」

聖女「……私が力を取り戻してるとかじゃ……ないですよね?」

妖精「どうしたの……あっ、例のサイコロ!」

聖女「は、はい。最近は減るよりも増える方が多いみたいで……」

妖精「それがあると万が一って時に運命が良い方に変わったりするんでしょ? それならたくさんあって困るものでもないんじゃないの」

聖女「そうですけど……。もし私のせいでまた黒いサイコロが転がったりしたらと思うとちょっと不安で……」

妖精「……ま、まあ大丈夫でしょ。たくさん余ってるのはそれだけ私たちの旅が順調に進んでるってことだよ。聖女の力が戻ってるわけではないと思う」

聖女「そうだと良いのですが……」

 ☆運命賽と会心賽を1つづつ得ました
289 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2026/08/29(土) 21:02:08.70 ID:75dkGCK/0
―東リーリア港

 ザァーン… ザザァーン…

カモメ「クゥー、クゥー」
カニ「」チョキチョキ


 停泊しているリテン・ヘイヴン定期船「」ドン!


リュアン「あれがリテン・ヘイヴンの定期船……」

クロシュ「おおきい……船!」

フメイ「どうやって動くの? 帆もないのに」

メアリー「蒸気機関という……魔力とは異なる、蒸気を利用した技術が使われているそうです……」

聖女「蒸気って、沸騰した水が気化したもの……ですよね? それがどうやって船を動かす力に……?」

メアリー「さあ……私も、詳しくはないので……それ以上はわかりません……」

妖精「人間ってヘンな技術をぽんぽん思いつくなあ」

 *

船員「カロン号乗船希望の方はこちらへ〜」


聖女「は〜い! 私たち乗船希望です!」

船員「おん? ……あんたらがか?」

フメイ「ん〜? 文句あるの?」

船員「客の事情にアレコレ言うもんじゃねェが、リテン・ヘイヴンは女子供だけで行くトコじゃねェぞ……。意地悪とかじゃなくて本気の善意で言ってるぞ、俺」

妖精「わかってるよ。でも行かなきゃならないの」

船員「そうかい。んじゃまあ悪いことは言わねェから、部屋は中層か上層にしときな。下層は安いが女が泊まるとこじゃねェ。何かあっても責任は取ってくれねェしな」

リュアン「そ、そうなんですか……」

船員「おう。あとその馬車も乗っけるならかなり高くなるが大丈夫か?」

 精霊の幌馬車「」

妖精「うん。聖女、お金足りてるよね?」

聖女「はい、大丈夫です。今まで使う機会があまりなかったお陰で、オリシンで頂いた支援がほとんど残っていますから」

船員「オリシンで頂いた支援……? まあ客なら何でもいいか。もらった額分の仕事はするぜ」

 精霊の幌馬車「」ガタンゴトン

 *
290 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2026/08/29(土) 21:04:10.78 ID:75dkGCK/0
―リテン・ヘイヴン定期船カロン号 船旅1日目

◇クロシュ [あかちゃんスライム]
武:竜角の大槍    盾:ラティアの大盾  飾:
武:         防:ぬののふく    飾:くすんだ不死鳥の羽根

◇フメイ  [バーニングハート]
武:         盾:         飾:
武:         防:火鼠の衣     飾:

◇妖精   [世話焼き妖精]
武:         盾:         飾:
武:         防:木綿のドレス   飾:

◇リュアン [お嬢様]
武:黒曜鋼のナイフ  盾:         飾:守りのペンダント
武:         防:旅人のドレス   飾:

◇聖女   [運命変転修道女]
武:木の杖      盾:         飾:
武:         防:ロイエの修道服  飾:

◯所持アイテム
[道具]        [装備品]       [大事なもの]
運命賽の欠片*2    大きな巻き貝      冒険者証(ランク1)
運命賽*6       サボテンドラゴンの花  メルルの帽子
会心賽*3       魔導機関銃       暗黒優待券
反魂丹*1       旧世樹の杖       クロシュヴィア伝説
炎スライムの秘伝書               避難所のドアノブ
運命変転の魔導書                星の粉
古ドワーフ鍛冶指南書              オリシン王家の栞
日属性基礎                   竜角の短剣
明石流剣術指南書                白金のペンダント
ヒヒイロカネ
ステライト鉱石
白金ステライト

◯現在の目標
・クロシュヴィアの行方を追う

◯個人目標
・世界樹の石炭 [6/8]
・武装製作経験 [6/6]
・僧侶を連れて帰る(聖女)

◯経験値
・クロシュ 近接[02/24] 魔法[05/12] 防御[05/09]
・フメイ  近接[05/06] 魔法[16/16] 防御[08/09] 炎[00/00]
・リュアン 近接[04/06] 魔法[00/12] 防御[04/06] 日[00/16]
・聖女   近接[01/06] 魔法[08/09] 防御[04/06] 運[03/??]
……………………………………………………………………………………
□リテン・ヘイヴン定期船カロン号 観光案内
上層:上等客室、展望バーラウンジ、カジノ、劇場、展望浴場、
   操舵室、船長室、甲板
中層:中等客室、食堂、厨房、医務室
下層:下等客室、奴隷監置区画、貨物室、動力室
……………………………………………………………………………………
291 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2026/08/29(土) 21:05:53.64 ID:75dkGCK/0
―定期船カロン号 中等客室

 丸窓「」ポン
 遥か遠くまで見える海原「」キラキラ

フメイ「わ〜!」キャッキャ
クロシュ「んわ〜!」キャッキャ

リュアン「クロシュちゃんとフメイちゃん、すっかりはしゃいじゃって」

妖精「もう、遊びに行くんじゃないんだよ?」

聖女「ふふ、でも良いじゃありませんか。初めての船旅ですから、私もちょっとはしゃぎたい気分ですよ」

妖精「まあ、それもそうか……。クロシュも船で海を渡るのは初めてだろうしね」

メアリー「ふふ……。童心に戻りし導師クロシュの御姿……我が目に焼き付けておきましょう……」ニコニコ


 汽笛「」ボ――――


船旅1日目。リテン・ヘイヴン定期船の中層客室に宿泊します
↓1〜3 自由安価 何をする?


参考
□リテン・ヘイヴン定期船カロン号 観光案内
上層:上等客室、展望バーラウンジ、カジノ、劇場、展望浴場、操舵室、船長室、甲板
中層:中等客室、食堂、厨房、医務室
下層:下等客室、奴隷監置区画、貨物室、動力室
292 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2026/08/29(土) 21:06:37.85 ID:U7MjgWAG0
妖精、クロシュとフメイがはしゃぎすぎて酔ったので医務室へ連れていく
293 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2026/08/29(土) 21:07:21.73 ID:dKtuvUUGo
リテンヘイブンの現状など知ってることまとめてみる
294 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2026/08/29(土) 21:08:01.69 ID:0ouIZMbS0
劇場に行ってみる
295 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2026/08/29(土) 21:36:28.09 ID:75dkGCK/0
―定期船カロン号 中等客室

スライムクロシュ「〜〜♪」モニョッモニョッ

フメイ「〜〜♪」キャッキャ

 グラッ

スライムクロシュ「!?」モニャッ!?

フメイ「んわっ……」

 グルグルグル

フメイ「んぇ……」クラクラ

スライムクロシュ「〜〜!?」モニャニャ オロオロ


リュアン「わ……フメイちゃん、大丈夫!?」

聖女「ど、どうしました!?」

妖精「あー……船酔いだね。これは」

リュアン「フメイちゃんも船酔いするんですか!?」

妖精「一応ヒト型だから、ヒトと同じ原理で酔うんじゃないかなあ」

聖女「船酔い……命に別状はないんですよね!?」

妖精「ないない。でもせっかくだし医務室に行っておこうか。場所の確認もしたいしね」

 ◇
296 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2026/08/29(土) 21:38:13.03 ID:75dkGCK/0
―カロン号 医務室

カーテンの向こう「グガァー、グゴゴ…」zzz

カーテンの向こう「」zzz
 床に広がる血溜まり「」


フメイ「うぅ〜……」ゲッソリ

顔色の悪い医者「……船酔いだね。お薬出しとこうか」

妖精「この子スライムなんだけど、船酔いの薬って効く?」

顔色の悪い医者「えっスライム? なら擬態を解いてスライムの姿に戻ってごらん」

フメイ「……」

 デロデロ…ポン!

スライムフメイ「〜〜?」モニョニョ

顔色の悪い医者「どうだい、治っただろう」

スライムフメイ「〜!」モニョッ!

妖精「あ、なるほど! スライムの姿に戻れば船酔いの原因も消えちゃうんだ!」

顔色の悪い医者「そう。こっちとしては人と同じ船酔いをするレベルで擬態できるこのスライムの技量に驚きだがね」

スライムクロシュ「〜〜♪」モニョニョ


リュアン「あ、あの……! 和やかにお話してますけど……こっちの患者さん大丈夫なんですか!?」

 カーテンの向こう「」zzz
  床に広がる血溜まり「」

顔色の悪い医者「ああ……大丈夫らしい。今のところ死ぬ気配はないね」

聖女「ええ……」

顔色の悪い医者「彼、全身から血を吹き出して真っ青になりながら走って来てこの船に乗り込んだ。それで駄賃と治療費を支払ったら力尽きて倒れたんだよ。起きたら血で汚したベッドと床を掃除してもらわないとね」

妖精「そ、そう……。なんかヘンな気配だと思ったけど、まあそういうヘンな奴もいるか」

 カーテンの向こう「グガァー、グゴゴ…」zzz

スライムフメイ「〜〜?」モニョモニョ

聖女「あちらのカーテンの向こうから発せられる音は何? とフメイさんが聞いています」

顔色の悪い医者「あれは……ただの酔っ払いだね。早く起きて出ていって欲しいんだがね」

 ☆医務室に入院している人物の情報を得ました

 ◇
297 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2026/08/29(土) 23:36:17.94 ID:75dkGCK/0
―定期船カロン号 中等客室

リュアン「リテン・ヘイヴンのことについておさらいしましょう……! こ、この船はやっぱり怖いです。ちゃんと勉強しておかないと……!」

妖精「まあ……医務室でいきなりヘンな血溜まりを目撃しちゃったもんね。警戒に越したことはないし一度おさらいしておこうか」

 *

妖精「――というのが、リテン・ヘイヴンの大まかな現状(>>252)」

聖女「その、抗争している有力者というのは……どのような方々なのですか?」

メアリー「私がお答えしましょう。リテン・ヘイヴンで最も大きな力を持っているのは、皆さんもご存知のロスチャイルド家です」

リュアン「で、出た! またロスチャイルドです!」

妖精「またロスチャイルドかぁ……。初めて会ったレーティア以外まともな奴が一人もいない気がする……」

メアリー「リテン・ヘイヴンで最も規模の大きな企業がロスチャイルド・インダストリー社で、その最高経営責任者を務める人物こそが現在のロスチャイルド家を実質的に取り仕切っているシュヴァイツェル・ロスチャイルド氏です。リテン・ヘイヴンで彼女に逆らえる人物は恐らくいません」

フメイ「ふうん。そいつがロスチャイルドの親玉なんだ」

メアリー「とはいえシュヴァイツェルCEOは多忙の身でしょうから、私たちが関わる機会はないでしょう」

妖精「まあそうだね。ロスチャイルドの親玉なんてこっちも関わりたくないし」

メアリー「有力者たちの抗争というのも、実際にはロスチャイルドの掌の上なのではないかと言われています。真実は定かではありませんが」

 ◇
298 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2026/08/29(土) 23:36:49.00 ID:75dkGCK/0
―夕方
 カロン号上層 劇場

 棒「」
 ウサ耳の踊り子「アハァ〜ン♡」クルクル

 ワーワー!! ウオオオオオオ!! リラチャーン!!


顔を覆いつつ指の隙間から見るリュアン「わ……!!///」

妖精「へ〜、棒をあんな風に使うんだ。面白い踊りだなあ」

聖女「クロシュさんとフメイさんは見ちゃいけません」バッ

メアリー「聖女さんに同意です。導師クロシュには不要な情報です」バッ

目隠しされるクロシュ「わ……」

目隠しされるフメイ「え〜、なんで」


 ワーワー!! キャーキャー!! ウオオオオオ!!


見物貴族「おや? 女性だけとは珍しい団体さんですな?」ヌッ

妖精「ああん?」

クロシュ「?」

メアリー「……」

フメイ「誰?」

リュアン「ふ、フメイちゃん! 妖精さんも! この人、たぶんお貴族様だよ!」

フメイ「だから何」

見物貴族「はっはっは、威勢の良いお嬢さん方だ。嫌いではないがね」

聖女「は、はあ……。私たちに、何かご用でしょうか……?」

見物貴族「用がなければ話しかけてはいけないかな?」

聖女「そんなことはありませんが……」

見物貴族「そう身構えないでくれたまえ。同じ船に乗る仲間として親睦でも深めようと思っただけさ。おい君、最高級ワインをついでくれ」


給仕奴隷クーちゃん「……はい」トボトボ


クロシュ「!?」

妖精「えっ……あなた……」

給仕奴隷クーちゃん「えっ……あっ、えっ……!? ええっ!?」

見物貴族「む? 君たち……知り合いなのかな?」

給仕奴隷クーちゃん「……ちっ、違います! 全然知り合いじゃありません!」バッ

 最高級ワイン「」トクトクトク
 ワイングラス「」ポン!

給仕奴隷クーちゃん「で、では私はこれで……! 何かあれば奴隷商人にお申し付けくださいっ……!」トトトッ
299 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2026/08/29(土) 23:38:10.76 ID:75dkGCK/0
見物貴族「……全く、躾のなっていない子だ。だが……クックック、だからこそ燃えると思わないかね?」

妖精「……あいつをどうする気?」

見物貴族「奴隷商人と交渉して買い付ける気だが? クク、それとも君たちが身代わりにでもなってくれるのかな?」

妖精「下衆が……」

見物貴族「ハハッ、私を侮辱したな? 私の権力があれば君を侮辱罪でしょっぴいて奴隷堕ちさせることもできるんだが?」

 ワイングラス「」クイッ グビッ

見物貴族「フゥー、やはりこのワインは美味い……。妖精の奴隷というのも良いな……手足と羽をピン留めして標本にする……というのはありきたりすぎるかな。オオキイムカデと同じ虫かごに……お、オゴッ……」
 吐血「」ゴボッ

妖精「えっ何……!?」

見物貴族「な、なんだ……これ、はわ……ゴボボーッ!!!」
 大量吐血「」ドババーッ!!

 ドチャッ!

倒れた見物貴族「」


クロシュ「……!?」
リュアン「え……えっ……!?」
妖精「い、一体……何が……」
聖女「……はっ、手当しないと!!」
フメイ「こんなやつ死んで当然じゃないの」


 キャァァァァァァ!!! サツジンダー!!! キャァァァァァ!!!!


クロシュ(楽しい、劇場は……大変なことに、なっちゃった……)

クロシュ(わたしたちは、直前まで、お話してたから……いろいろ、たくさん、聞かれた……)

クロシュ(貴族の人……毒殺、なんだって……)

クロシュ(クーちゃんが……運んできたワインに……毒が、入ってたみたい……)

クロシュ(だから……クーちゃんが、悪いことに、なっちゃった……)

クロシュ(時間、経っちゃったから……貴族の人……たぶんもう、不死鳥の火でも……生き返せない……)

クロシュ(どうしよう……)

 ◆
300 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2026/08/29(土) 23:40:01.40 ID:75dkGCK/0
―カロン号 船倉

 鉄格子「」ガション

奴隷クーちゃん「……」グスッ


クロシュ「クーちゃん……!」

妖精「クーちゃん……奴隷の身分が辛かったからって……貴族を毒殺っていうのは……」

奴隷クーちゃん「ち、違う……私じゃない……。本当に、私じゃないの……! 私じゃ……ないのに……」グスッ ポロポロ

妖精「ご、ごめん……」

奴隷クーちゃん「……ごめんなさい……。久しぶりの、再会なのに……私、こんなことになってて……」グスッ

妖精「……何があったの?」

奴隷クーちゃん「マフィアのシマでうっかり商売しちゃったのよ……」

妖精「ああ……」

奴隷クーちゃん「ね、ねえ……私って、やっぱり殺されるのかな。貴族に手を出した馬鹿なガキとして、海に放り出されて……サメの餌になっちゃうのかな……!?」

妖精「落ち着いて。クーちゃん、本当にやってないんだよね?」

奴隷クーちゃん「やってないわ! し、信じて……くれるわよね……? ねえ、クロシュなら信じてくれるわよね!?」

クロシュ「うん!」モニョッ

奴隷クーちゃん「!!」パァァァァ

妖精「私も信じるよ。クーちゃんがやってないなら、真犯人は別にいるはず。それを解き明かせばクーちゃんの濡れ衣を晴らすことができる。だから安心して。私たちは、クーちゃんを絶対に見捨てないからさ」

奴隷クーちゃん「〜〜!」ジワワ ポロポロ

クロシュ「真犯人……見つける!」モニョッ

奴隷クーちゃん「ありがと、う………お願い、します……」ポロポロポロ…



聖女「罪のない少女に濡れ衣を着せる卑劣な犯行……許せません! 私も頑張ります!」グッ

リュアン「……正直、あの貴族の人に同情はできないですけど……このままじゃ、クーちゃんって人が可哀想すぎます。私にもできることが、あるはずです……!」

メアリー「……アレは旧体制派のセイントレア貴族……。ああいう下衆を粛清できていないことがセイントレアの無能さを表しています。役立たずのセイントレアに代わり、このメアリーが必ずや真犯人を暴き立てましょう……」

奴隷クーちゃん「〜〜〜…。あ、あり…がとう……。こんなに……こんなに、私のこと……庇おうとしてくれる人がいるなんて……夢じゃないわよね……?」ポロポロポロ


フメイ「クーちゃんって何」ツンツン

奴隷クーちゃん「わひゃっ!? つ、つんつんしないで! クロシュにそっくりな顔のあなたこそ何なのよ……!?」

フメイ「フメイはフメイだけど」

クロシュ「フメイちゃんは……フメイちゃん! クーちゃんは……クーちゃん!」

奴隷クーちゃん「何の説明にもなってないじゃない!!」

 ☆目標が設定されました
 ・クーちゃんの濡れ衣を晴らせ

 ※定期船は船旅5日目にリテン・ヘイヴンに到着します
  到着までに濡れ衣を晴らせないと目標失敗となります

 ◆
301 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2026/08/29(土) 23:40:34.13 ID:75dkGCK/0
―リテン・ヘイヴン定期船カロン号 船旅2日目

◇クロシュ [あかちゃんスライム]
武:竜角の大槍    盾:ラティアの大盾  飾:
武:         防:ぬののふく    飾:くすんだ不死鳥の羽根

◇フメイ  [バーニングハート]
武:         盾:         飾:
武:         防:火鼠の衣     飾:

◇妖精   [世話焼き妖精]
武:         盾:         飾:
武:         防:木綿のドレス   飾:

◇リュアン [お嬢様]
武:黒曜鋼のナイフ  盾:         飾:守りのペンダント
武:         防:旅人のドレス   飾:

◇聖女   [運命変転修道女]
武:木の杖      盾:         飾:
武:         防:ロイエの修道服  飾:

◯所持アイテム
[道具]        [装備品]       [大事なもの]
運命賽の欠片*2    大きな巻き貝      冒険者証(ランク1)
運命賽*6       サボテンドラゴンの花  メルルの帽子
会心賽*3       魔導機関銃       暗黒優待券
反魂丹*1       旧世樹の杖       クロシュヴィア伝説
炎スライムの秘伝書               避難所のドアノブ
運命変転の魔導書                星の粉
古ドワーフ鍛冶指南書              オリシン王家の栞
日属性基礎                   竜角の短剣
明石流剣術指南書                白金のペンダント
ヒヒイロカネ
ステライト鉱石
白金ステライト

◯現在の目標
・クロシュヴィアの行方を追う

◯個人目標
・世界樹の石炭 [6/8]
・武装製作経験 [6/6]
・僧侶を連れて帰る(聖女)

◯経験値
・クロシュ 近接[02/24] 魔法[05/12] 防御[05/09]
・フメイ  近接[05/06] 魔法[16/16] 防御[08/09] 炎[00/00]
・リュアン 近接[04/06] 魔法[00/12] 防御[04/06] 日[00/16]
・聖女   近接[01/06] 魔法[08/09] 防御[04/06] 運[03/??]
……………………………………………………………………………………
□リテン・ヘイヴン定期船カロン号 観光案内
上層:上等客室、展望バーラウンジ、カジノ、劇場、展望浴場、
   操舵室、船長室、甲板
中層:中等客室、食堂、厨房、医務室
下層:下等客室、奴隷監置区画、貨物室、動力室
……………………………………………………………………………………
302 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2026/08/29(土) 23:41:59.00 ID:75dkGCK/0
―朝
 カロン号 中等客室

妖精「事件から明けて最初の朝……。クーちゃんは第一容疑者として奴隷監置区画に拘束されている」

聖女「船がリテン・ヘイヴンに到着するまでの間にどうにかしないとまずいですね……。自由に動けるのは今日と明日と明後日の3日だけしかありません……」

リュアン「……昨日は大見得を切ってしまいましたけど……私たちだけで真犯人を解き明かすなんて可能でしょうか……?」

妖精「可能か不可能かじゃない。やるしかないんだ。そうしなきゃクーちゃんが死ぬよりも悲惨な目に遭うことになる……」

メアリー「……最悪、私のセイントレア王女という肩書を使って無理矢理どうにかするという手段もあります。あまり使いたくはない手ですが……」

妖精「……まあ、最悪の場合はちょっとその手を頼るかもしれない……。よろしくね」


フメイ「探偵!? フメイたち、探偵ってこと!?」

クロシュ「わぁ……!」

リュアン「フメイちゃん、遊びじゃないんだよ……。人も一人死んでるし……」

クロシュ「わ……ごめんなさい……」ショボン

フメイ「えー。スライムが死んだって人間は大して気にもしないのに」

リュアン「はっ……私、無意識の内に人間を特別扱いしてた……!?」

妖精「いや、まあ……人間の社会で生きている以上、その感覚は当然だし問題ないことだよ。でもフメイの気持ちもわかってあげてね。知的種族は、自分たちのことを特別視して他の種族のことを軽視しがちだから」


妖精「まあとにかく、今調べたい情報はこんな感じかなあ」カキカキ

・使われた毒について
・被害者の素性や客室について
・現場にいた人々に話を聞く(奴隷商人、酒飲み魔女、ウサ耳)

クロシュ「そうなんだ」

妖精「もちろんこれ以外にもやれることはあると思う。とにかく動いて情報を集めよう!」


◯現在の目標
・クーちゃんの濡れ衣を晴らせ

□リテン・ヘイヴン定期船カロン号 観光案内
上層:上等客室、展望バーラウンジ、カジノ、劇場、展望浴場、操舵室、船長室、甲板
中層:中等客室、食堂、厨房、医務室
下層:下等客室、奴隷監置区画、貨物室、動力室

船旅2日目。リテン・ヘイヴン定期船の中等客室に宿泊します
↓1〜3 自由安価 何をする?


※ミステリーっぽい流れですが全然ミステリーではありません。適当に動けばそれなりになんとかなります
303 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2026/08/29(土) 23:43:14.69 ID:REMWOPMlO
食堂で腹ごしらえしつつ情報収集
304 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2026/08/29(土) 23:43:27.16 ID:/p0o7jqao
現場百回聞き込み調査
305 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2026/08/29(土) 23:43:45.32 ID:dKtuvUUGo
使われた毒を堪能しつつ調べる
306 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2026/08/29(土) 23:50:01.70 ID:75dkGCK/0
>>293さんと>>305さんが同じIDであり自由行動安価の連取りとなるため、申し訳ありませんが>>305は無効とさせていただきます。ご了承ください

というわけで再安価です
↓1自由安価
307 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2026/08/29(土) 23:53:36.79 ID:AmVM0LXk0
とりあえずカジノでしつつ聞き取り調査
308 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2026/08/29(土) 23:58:55.35 ID:AmVM0LXk0
>>307少し訂正
とりあえずカジノしつつ聞き取り調査
309 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2026/08/29(土) 23:59:14.50 ID:75dkGCK/0
というわけで本日はここまで。次回はご飯を食べながら食堂調査編、現場で聞き込み編、カジノで聞き込み編です。お楽しみに
310 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2026/08/30(日) 00:20:00.40 ID:zIwz1X3jo

やはりセイントレアは邪悪
311 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2026/08/30(日) 01:16:05.53 ID:3QKjbfKgO

ロスチャイルドとの因縁もこの章で決着つきそうね
312 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2026/08/30(日) 01:21:15.55 ID:wokTxHwQo
おつ
これは…自殺ですね(迷推理)
こういう場って怪しい人が一杯だから皆犯人に見えるやつ
313 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2026/08/30(日) 08:18:58.38 ID:+8XXX2eso
おつです

お労しいクーちゃん何だろう……すごく輝いてる
丁寧に時間掛けて捜査しなきゃ
314 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2026/08/30(日) 14:17:29.57 ID:MmAV2XoA0

名探偵クロシュ誕生だ。
>>302で言ってだけど期限内に犯人を見つけられない場合は王女の力を使う事になるのかな。
315 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2026/08/30(日) 18:21:44.67 ID:cMuRgQFE0
セイントレアが他種族融和路線に舵を切ったのは数ヶ月前のことなので、内部はまだまだゴタついているのかもしれません。旧体制派の貴族らが今後の身の振り方をどうするかは今のところ闇に包まれています。そして王府は今現在、白影スライムへの対応に追われているため粛清も進んでいないようです

ロスチャイルドとの因縁……考えて見ればクロシュたちはフェルメールちゃんを離反させたりソフィアちゃんをデロデロにしたりなど、ロスチャイルド家にとって迷惑行為を繰り返していると言えるかもしれません。闇の巨大家系がクロシュたちのリテン・ヘイヴン来訪についてどのような反応を見せるかは今のところ予測不能です

見物貴族氏がどのような運命で毒死に至ったのか、今のところはっきりとした背景情報はわかっていません。クロシュたちはこれから調査によってそれを解き明かしていくこととなります。なお今のところ出会った人自体はあまりいないので、まずは人を知っていくことから始めることになるかもしれません

クーちゃんさんは調子に乗った悪徳商人モドキでしたが、捕まって奴隷となり殺人容疑をかけられている今はとてもよわよわになっています。ちょっと優しくすればコロッと縋って来てしまう危なさがあると言えるかもしれません。丁寧に捜査し、情報を集めて濡れ衣を晴らしてあげるのが良いでしょう

期間内に真犯人を見つけられなかった場合、なんらかのパワフルな手段でクーちゃんを助けざるをえないことになるかもしれません。メアリーちゃんの王族の威光をひけらかすことになるか、それ以外の手段になるかは実際にその状況になってみないとわかりません。そうならないようにするのが良いでしょう
316 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2026/08/30(日) 18:24:30.12 ID:cMuRgQFE0
―食堂

 ワイワイ ガヤガヤ

妖精「賑わってるなあ。昨日の事件なんて誰も気にしてないみたいだ」

魔女帽をかぶった茶髪ウェーブロングヘアの女「そりゃあそうですよぉ〜。殺人なんてリテン・ヘイヴンじゃ日常茶飯事ですもん」ヌッ

クロシュ「わっ!」

妖精「酒くさっ! 誰!?」

魔女帽をかぶった茶髪ウェーブロングヘアの女→エインヘリアル「おおっと申し遅れちゃいましたねぇ。わたくしはエインヘリアル……見ての通り、しがない旅の魔女ですわ。お見知りおきを、緑の国の太母様」

妖精「私のこと普通に知ってるし……」

エインヘリアル「妖精の見分けが付かない凡俗とは違うのです〜」クイッ

 安エール「」ピチョン…

エインヘリアル「ああ、切れちゃった……」

聖女「お節介かもしれませんが、飲み過ぎは体に毒ですよ」

エインヘリアル「修道女さんは真面目ですねぇ〜」

妖精「んで、酔っ払い魔女が私たちに何か用なの? 私たち昨日の調査で忙しいんだけど」

エインヘリアル「どうして太母様ご一行が悪徳貴族殺人事件の調査なんてしてるのかな〜って気になっちゃいましてねぇ」

クロシュ「クーちゃんの、濡れ衣……晴らす!」

聖女「はい! 私たちは濡れ衣を着せられた方の無実を証明する為に動いているのです。真実は明らかにされなければなりません」

エインヘリアル「なるほど……あの可哀想な奴隷の子を助けたいと! ネオダークヒーロー様たちは噂通りの方々なのですねえ……!」

妖精「なに、嫌味?」

エインヘリアル「とんでもない! このエインヘリアル、胸を打たれまして候……! であるならこの私も人肌脱ぎましょう!」

フメイ「手伝ってくれるの?」

エインヘリアル「………ただ、その……お酒が切れて、力が出ないのです。もしわたくしの助けが必要なら、とりあえずお酒を恵んで頂けるとですねぇ……」

妖精「そこまで言って乞食!?」

エインヘリアル「違います、取引です! 取引!」

メアリー「胸を打たれて一肌脱ぐ、という言葉は何だったのでしょうか……」

リュアン「ま、まあでも悪い人ではなさそうです。お酒くらいなら……」

クロシュ「うん!」

フメイ「お酒代、無駄になるんじゃないの?」

エインヘリアル「このエインヘリアル、お恵みを頂けたら決して無駄には致しません! だい……私が崇拝致しております神の如きお方に誓って、申し上げます!」

妖精「崇拝してる神の如きお方ってなんだかやけに迂遠な言い回しだなあ……。まあ人の信仰をとやかく言う気はないけどさ」

エインヘリアル「お仕事に関わるので具体的なお名前を挙げることはできないのです! ご容赦を!」

聖女「あ、ここの厨房は自由に使って良いそうです。食材も販売してますし、せっかくですからお酒だけと言わずお昼ごはんもご一緒にいかがでしょう?」

エインヘリアル「えっ良いんですか!?」

妖精「まあ1人分増えるくらいなら大した出費にもならないしね」


↓1〜2 追加する食材を1〜3つ選択
肉類:トリ肉、ケモノ肉、触手肉
魚介:ウミタニシ、ウミザリガニ、アンチョビ、マグロ
野菜:レタス、長寿トマト、タマネギ、ゴボウの根、マイタケ
穀物:リーリア小麦、ヤマイモ、オオキイ豆、甘もろこし
果実:どんぐり、リンゴ、ミカン、バナナ、ココナッツ、干しイチゴ
卵乳:トリの卵、オイシイミルク、クリームチーズ、北国バター
特殊:ゼラチン、甘々シロップ、岩塩、角砂糖、香辛料、星の粉
酒類:安エール、ビール、ラム酒、高級ワイン、マジカルスピリタス

※酒類が選択されなかった場合、自動的に安エールが追加されます
317 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2026/08/30(日) 18:26:17.52 ID:54UyxQO/O
触手肉ビール
318 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2026/08/30(日) 18:27:06.95 ID:GVyP2LLw0
オイシイミルク 干しイチゴ 甘々シロップ
319 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2026/08/30(日) 22:06:27.77 ID:cMuRgQFE0
 こんがり触手肉「」ポン!
 ビール「」ポン!
 甘々イチゴミルク「」ポン!

クロシュ「わあ……!」

妖精「イチゴミルク! 美味しそう!」

フメイ「今日の献立は……フメイ!」ドン!

聖女「お手伝いは聖女とリュアンさんでした」ペコリ

リュアン「味は……ちゃんと美味しいです!」

メアリー「素晴らしいです! とても美味しそうです!」パチパチ

 *

スライムクロシュ「〜〜♪」モニョモニョ モグモグ グビグビ

エインヘリアル「ビールにはシンプルな味付けの焼き肉が合いますですねぇ!」モグモグ グビグビ


フメイ「………肉とビール、合うけど……イチゴミルク……合わないかも……」モグモグ

聖女「大丈夫ですよフメイさん……この触手肉の焼き加減は完璧ですし、イチゴミルクもミルクとイチゴとシロップが見事に調和しています。合う料理と合わない料理の組み合わせを覚えていきましょう……」

妖精「どうせお腹に入っちゃうんだしそこまで気にしなくても良いんじゃないの?」モグモグ ゴクゴク

リュアン「妖精さん、料理上手ですけど食べ方はそんなにこだわらないんですね……」

妖精「美味しいに越したことはないと思うよ。でも気にしすぎても栄養は増えないんだから」

スライムクロシュ「〜〜♪」モニョモニョ モグモグ グビグビ

メアリー「……導師クロシュが食事をなさる御姿……いつ見ても素晴らしいです」

聖女「メアリーさんもわかりますか? スライムの子たちがごはんを食べる姿の良さが……!」

メアリー「はい。言うなれば、小さなデロデロの縮図です……」

 ☆美味しいものを食べて元気になりました
  明日の終わりまで余剰満腹度を2得ます

 *
320 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2026/08/30(日) 22:06:53.15 ID:cMuRgQFE0
エインヘリアル「ふぃ〜、ごちそうさまでしたぁ〜」ヒック

妖精「ん、ごちそうさまでした。それで、酒代くらいの情報は期待しても良いんだよね?」

エインヘリアル「ええ、もちろん。まずは皆さん、昨日の被害者についてどこまでご存知?」

リュアン「えっ? えっと……セイントレアの、貴族……?」

メアリー「小貴族アクトゥク家当主、ケンブツ子爵です。セイントレア平原南西に位置する小さな港町アクトゥクポートを治めています。歴史は古く、領地は小さいですが表に裏にかなりの財産を保有していると見られます」

フメイ「ほえ〜そうなんだ」

メアリー「はい。以前セイントレアにおける海外の玄関口としてどちらが相応しいかウォーターポートと争っていたのですが、ウォーターポートがロスチャイルド・インダストリーと提携して機械都市テンペスターを建設したことにより敗北したという過去があります」

エインヘリアル「詳しいですねぇ! そうです、彼は敗北貴族のケンブツ子爵……。地方貴族の一人である彼が、なぜこの船に乗ってリテン・ヘイヴンへ向かおうとしていたのか……。そこに秘密がある……! かも、しれませんねぇ……」

妖精「……えっ? 終わり?」

フメイ「ほとんどメアリーの解説だったけど」

エインヘリアル「……も、もちろん終わりではありません! 我々はケンブツ子爵について、ある情報を掴んでおります……!」

リュアン「ある情報……?」

聖女「それは……何ですか?」

エインヘリアル「こちらをご覧ください!」スッ

 毒殺された貴族と短い白髪の中年男性が倉庫街で会話をしている写真「」ペラッ

リュアン「この白髪のおじさんは……?」

エインヘリアル「彼はガイスト・シュヴァルシュタイン。元々はセイントレア・メカニクスのテンペスター本社に務める工学研究者でした。しかし数ヶ月前にセイントレア・メカニクスを退職し、現在はリテン・ヘイヴンでフリーの兵器開発者をやっていることが確認されています」

妖精「兵器開発者!?」

メアリー「なるほど……地方の小貴族が、フリーの兵器開発者と何らかの取引を行っていたと……。あまりにきな臭い話ですね……。全く、セイントレア王家は何をしているのか……」

エインヘリアル「今は世界中で白影スライムの対応が急務となっているんで、セイントレア王家の責任を問うのは少し酷ですよぉ……。まあ、何か起きてからでは遅いんですけどね?」

妖精「本当に何かあってからじゃ遅い……。すぐにセイントレア王家に報告すべきことじゃないの?」

エインヘリアル「ええまあ、それはそうなのですが……私はその、ただの旅の魔女ですのでぇ……。最終的に報告する義務はないというか、それを決めるのは私じゃないというか? へへへ、つまりあっしは悪い魔女ってことでごわすねぇ」

リュアン「……でも、この取引を行っていた貴族の方は昨日毒殺されたんですよね? それって……」

エインヘリアル「はいそうです! もし何か恐ろしい取引が進んでいたのだとしたら、彼が殺されたことにより一定の遅延が発生するのは間違いありません。最悪取引そのものが無かったことになりますね。さて、真犯人の動機が見えて来たのではないでしょうか?」

妖精「……こいつらの取引を妨害して、兵器の密輸を阻止する為?」

エインヘリアル「はい、それを踏まえた上でさらに情報を集めてみると良いと思いますよぉ」グビッ

 ビールジョッキ「」ピチョン…

エインヘリアル「あ、切れちゃった……。それじゃ私はそろそろお昼寝の時間なんで、お暇させていただきますわねぇ〜」スクッフラフラ…


フメイ「行っちゃった」

聖女「でも、大きな情報を掴むことができました……!」

リュアン「地方貴族の密輸……これ、もしかしてものすごく大変な事件なんじゃ……?」

メアリー「大変な事件ですね……。名探偵リュアンさん、期待しています……」

リュアン「ええ……そ、そういうのはクロシュちゃんの方が相応しいかと」

クロシュ「?」

 ☆被害者の情報を得ました

 ◇
321 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2026/08/30(日) 22:07:47.61 ID:cMuRgQFE0
―カロン号 劇場

 ポールとロープで区切られた事件現場「」
 人型に縁取られた白線「」

現場を捜査する船長「」ガサゴソ
現場をうろうろする船員「」ウロウロ

座って頭を抱える奴隷商人「」


リュアン「船長さんや船員さんたちが捜査を行っています……」

聖女「こういう時には、船長さん自らが指揮を取って捜査するんですね……」

フメイ「あそこで頭抱えてるの、誰だっけ」

妖精「あれは確か、クーちゃんを奴隷として扱ってる奴隷商人だよ」

メアリー「自分の奴隷が殺人事件を起こしたとなると……当然彼にも責任が及びますね……。最悪、奴隷と同等の……つまり、殺人の罪を問われることになります……」

クロシュ「……クーちゃん、悪くない」

聖女「はい。……つまり、あの人も悪くないということです」

フメイ「でも、クーを奴隷にしたのもあいつなんでしょ。なら悪いんじゃないの」

聖女「……そういう意味では、悪い人かもしれません。ですがそれは殺人の罪とは別の悪さと考えなければならないのです」

 *

船長「……む? 君たちか。君たちの疑いはもう晴れているぞ」

妖精「いや、そうじゃなくて調べに来たんだよ。私たちも納得いってないから」

クロシュ「うん! クーちゃん……悪くない、とおもう!」

船長「ふむ……。しかし重要参考人とはいえ、部外者を捜査に加わらせるわけにはいかないのだ」

フメイ「えー、だめなの?」

船長「ああ。この船上では、私たち船乗りが兵士であり、刑事であり、捜査官なのだ。例え君たちが本気で捜査を望んでいるのだとしても、素人の手が入れば現場は歪んでしまう。ご理解いただきたい」

 *
322 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2026/08/30(日) 22:08:37.25 ID:cMuRgQFE0

奴隷商人「くそっ、このままじゃ俺も奴隷堕ちだ……。監獄島行きなんかになったら最悪だぞ……くそっくそっ……!! なんで俺がこんな目に……!」

妖精「……おーい。ちょっといい?」

奴隷商人「うおっ!? あ、ああ……昨日の重要参考人か。はっ、もしかして自首しに来たのか!?」

妖精「そんなわけないでしょ……。私たちも昨日の事件に納得できないから、調査に来たの。断られちゃったけど」

奴隷商人「んだよ……。はあ、調査でもなんでも勝手にしてろ……。俺はもうお先真っ暗なんだ……。ああくそ、巨乳エルフを買って田舎に隠居して慎ましく幸せに暮らすっていう俺の夢が……」ブツブツ

妖精「何言ってんだこいつは……」

クロシュ「………クーちゃんのこと……わるいって、おもう……?」

奴隷商人「……あ? クーちゃんってあの黒髪ちんちくりんのことか?」

クロシュ「うん」

奴隷商人「いいや、あいつは犯人じゃねェ。嵌められたんだ。大方、俺とあいつは罪をおっかぶせても問題ねえガキ奴隷とザコ奴隷商人とでも思われたんだろうよ……。クソッふざけやがって!」

リュアン「え、えっと……どうしてクーちゃんが犯人じゃないって、思うんですか?」

奴隷商人「奴隷商人としての直感だ。奴隷を見る目だけァあんだよ俺は」

妖精「嫌な目だなあ……」

奴隷商人「真面目なこと言うと、そもそも奴隷に毒を入手する手段はないはずなんだ。奴隷監置区画から出入りする時に毎回ボディチェックはしてるし、怪しいもんを持ってりゃ当然わかる。ボディチェック用のスキャン魔法だって習得したんだぞ、俺は……! あの日あいつは怪しいもんなんて持ってなかった……!」

メアリー「……厨房を出入りしたり、この会場を行き来したりする間……常に見ていたわけではないですよね?」

奴隷商人「うぐっ……そ、それはそうなんだが……。でももしあいつが毒を盛ったってんなら、それはあいつに毒を渡した奴がいるか、あるいは手に取れる場所に都合良く毒が落ちてたってことだろ!? それは……俺の責任じゃなくないか!? そもそもあのガキに毒を毒と気付ける知識があるのか!?」

クロシュ「クーちゃん……行商だったから、けっこう、知ってるかも……」

奴隷商人「うぐぐっ……! お、おいお前たちあのガキの味方なんじゃねェのか!? さっきから逃げ道潰しばっかしやがってよ……!?」

クロシュ「ご、ごめんなさい……」

妖精「でも大事なことなんだよ。可能性を一つ一つ検証していかないと、あの子の潔白を証明することもできないでしょ?」

奴隷商人「くそっ……。おい、本気であいつの濡れ衣を晴らすってんなら協力は惜しまねェ。俺にできることがあれば言え」

クロシュ「!」

妖精「本当? じゃあせっかくだし手伝ってもらおうかな?」

奴隷商人「おう。あ、無理なもんは無理だからな。無茶言うんじゃねぇぞ……」


なんかやってもらおう
↓1〜 先取2票
1.被害者の客室に不法侵入捜査!
2.事件に使われた毒ワインの毒見!
3.クーちゃん解放!
0.自由安価(票数は内容ごと、できないことはできない)
323 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2026/08/30(日) 22:09:36.86 ID:Lr0zBVAH0
324 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2026/08/30(日) 22:11:12.75 ID:+8XXX2eso
2
325 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2026/08/30(日) 22:11:37.96 ID:qY6GwbScO
3
326 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2026/08/30(日) 22:12:48.20 ID:zIwz1X3jo
1
327 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2026/08/30(日) 22:19:49.33 ID:cMuRgQFE0
クロシュ「!」ピコン!

フメイ「なんかいいこと思い付いた?」

クロシュ「うん! えっと……被害者の……貴族のおじさんの、お部屋……調べてきて、ください……!」モニョッ

奴隷商人「は……!? む、無理に決まってんだろ!? 事件現場じゃないとは言え上層の高等客室だぞ!? 勝手に入ったりすりゃ本当にお尋ね者になっちまうだろうが!」

妖精「でも、このままじゃクーちゃんの有罪が確定してあなたも同罪になっちゃうよ? できることはなんでもしないと」

奴隷商人「うぐっうぐぐっ……! わかったよ、やりゃ良いんだろ!? ケッ、若い頃必死に練習した忍術でやってやんぜ……!!」


↓1コンマ
01-60 つまみ出された
61-90 こっそり透明クロシュが支援して成功した
91-00 本当に忍者だった
328 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2026/08/30(日) 22:27:12.27 ID:0ccdTIsGO
にんにん
329 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2026/08/30(日) 23:21:37.93 ID:cMuRgQFE0
 バァン! ゴロゴロゴロッ

満身創痍の奴隷商人「ぐふっ……」バタッ

警備船乗り「アンタも重要参考人なんスから、下手にうろつかないで欲しいッス。今回は見逃してやるッス」

 *

奴隷商人「」ズーン…

聖女「ま、まあまあ……元気を出してください。お咎めなしで良かったじゃありませんか……」ヨシヨシ

奴隷商人「もうだめだ……。帰りたい……」グスッ


妖精「でもこれで高等客室の警備体制とかは把握できたね。クロシュ」

クロシュ「んへへ……うん!」

リュアン「……えっ!? クロシュちゃん、まさかその為にあの人をけしかけたの……!?」

メアリー「ふふ……全て導師クロシュの計画通り、ということですね……」

フメイ「そうなの!?」

クロシュ「そうなの?」

 ☆高等客室の警備体制を把握しました。以後判定なしで潜入捜査できます 

 *
330 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2026/08/30(日) 23:24:40.11 ID:cMuRgQFE0
―カロン号 カジノルーム

 ワイワイ ガヤガヤ ギャァァァァ モウダメダ

ウサ耳踊り子→リラ「ハァーイ♪ 昨日の重要参考人さんたち、遊びに来たの〜?」

リュアン「わっ……き、昨日の踊り子さん……!」

妖精「ええと……昨日のことで聞き込みに」

リラ「キミたち以上に昨日のことに詳しいコはここにいないぞっ」

リュアン「た、確かに……。私たちは昨日あの人が倒れる瞬間を間近で見てたわけですもんね……」

リラ「で〜も〜……。たった一人、例外がいる……って言ったらどうする?」ニヤニヤ

クロシュ「!」モニョッ

聖女「その例外の方は、どこに……!?」

リラ「ウフフ……わちきに勝ったら教えてしんぜようかニャ?」ニヤニヤ

フメイ「ウサギなのにニャなの?」

リラ「ウサ!」

妖精「ウサギはウサって言わないと思うんだけど……」

 *
331 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2026/08/30(日) 23:26:06.13 ID:cMuRgQFE0

リラ「とゆーわけで勝負は一発! ルーレットで決めよ〜!」

クロシュ「るーれっと?」

リラ「色と数字を当てるゲームだよ〜! め〜ちゃシンプルでスライムちゃんでもすぐにできるカジノの定番だよ〜!」

クロシュ「わあ……!」

妖精「えーと……どういうルールなんだっけ?」

リラ「ここに色と数字がたくさんの枠で分けられたお皿がありますね? それでぇ、このお皿を回します! そ〜れぐるぐる〜!」

 ルーレット「」クルクルクル

クロシュ「!」モニョニョ
フメイ「わ……!」

リラ「そしたらボールをぽーん!」

 白いボール「」コロコロコロコロ

クロシュ「〜!」モニョニョニョ
フメイ「わわ……!」

リラ「そしたらだんだんルーレットが遅くなってってぇ……止まります!」

 ルーレット「」クル…クル…
 白いボール「」スポン!

リラ「ボールが入ったのは――赤の12番!!」

クロシュ「んわわ……!」モニャニャ
フメイ「わわ……!」

リラ「つまりこれはボールがどこに落っこちるのかを当てるゲームってことで〜す!」

クロシュ「んわわ〜!!」モニャニャニャ
フメイ「わわ〜!!」
妖精「……あなたたち雰囲気ではしゃいでない?」

リュアン「で、でもこれって難しすぎませんか!? 数字が0から36ということは……当たる確率は37分の1ってことですよね!?」

リラ「大丈夫! 色だけとか偶数奇数だけの予想でもおっけ〜なんだよ〜」

リュアン「な、なるほど……それなら約2分の1ですね……」

リラ「他にも賭け方はいろいろあるんだけど、初めてならシンプルにいこっ! クロシュちゃんは黒と赤のどっちにする!?」

クロシュ「!」モニョッ

クロシュ(わたしか……ブラッドちゃん!)

クロシュ(どうしよう)


聖女「……」

聖女(……赤か黒くらいなら……意外と変えられるかも……)

聖女(でも、運命を変えるのはズルですよね……)

聖女(どうしよう……)


↓1選択
黒 or 赤

↓2選択
1.運命を変える
2.運命を変えない
※どちらを選んでも運命賽は消費しません

↓2コンマ
偶数 黒
奇数 赤
332 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2026/08/30(日) 23:30:21.30 ID:zvLFvyvhO
333 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2026/08/30(日) 23:35:11.72 ID:8NNoW07MO
2
334 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2026/08/30(日) 23:36:11.68 ID:sp5FN9J4O
335 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2026/08/31(月) 00:55:24.38 ID:eMd0ccxF0
聖女(いえ、やっぱりやめておきましょう。取り返しのつかない事象ならともかく、こういった遊戯でズルをするのは良くないです!)


クロシュ「じゃあ……わたしの色……黒!」

リラ「じゃあウサは赤にするウサ〜!」ポン!

 ルーレット「」クルクルクル
 白いボール「」コロコロコロ

フメイ「わわわ……!」

リュアン「ど、どうなるのでしょうか……!」

メアリー「運命よ……導師クロシュに味方を……!」

 ルーレット「」クル…クル…
 白いボール「」コロ…コロ…

妖精「ど、どうなる……!?」

聖女「ドキドキします……!!」

 ルーレット「」クル…
 白いボール「」スポン!

 黒「」ポン!

クロシュ「!」
聖女「……!」
フメイ「んわわ〜!」キャッキャ
リュアン「わああ! 黒です、黒!」キャッキャ
妖精「ふ〜……。2分の1に当たったくらいではしゃぎすぎでしょ、みんな」
メアリー「ふふ……妖精さんも、ぎゅっと拳を握って見守っていたではありませんか……」

聖女(……もし変えていたら、素直に喜べなかったかもしれません)

聖女(ふふ……変えなくて良かったです、運命)


リラ「わわ〜負けちゃった〜! それじゃ約束通り知ってることを洗いざらい話しちゃいます!」

リュアン「えっ? 知ってる人のことを教えてくれるって――」

リラ「わちきのことウサニャ!」

妖精「なんかそんなような気はしていた」

 ☆リラとの勝負に勝ちました

 *
336 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2026/08/31(月) 00:57:08.30 ID:eMd0ccxF0
リラ「ほんで……昨日のことだったかニャ?」

妖精「そうだよ、しっかりしてよ」

リラ「ああそうだそうだ、昨日のことだね! ワタクシ、劇場でポールダンシングをさせていただいておりましたのですわ!」

妖精「……」

リュアン「これは……だめかもしれないですね……」

リラ「ああ、冗談です冗談! 真面目に話しますウサ!」

メアリー「……そもそもリラさんは何を知っているんですか?」

リラ「ワインに毒を仕込んだトリックをですわ!」

妖精「ええっ!?」

リュアン「どういうことです!?」

リラ「ワタクシ、ステージの上で踊りながら見ていたのですわ。あのワイン……あの奴隷ちゃんが注ぐまで未開封でしたの!」

妖精「いやいや……未開封なのに毒なんて仕込めるわけ……」

リラ「ええ。そんなことできるはずがない――ですから捜査をしている船乗りの方々は、開封済みだったと思い込んでしまったのですわ。ですが……あの高級ワインは未開封でしたの! 昨日の注文記録を調べればすぐにおわかりいただけますことよ? あらら、こんなところにその注文記録が!」

 注文記録「」ペラッ

妖精「……この記録によると……昨日の高級ワインの注文は1件だけ……あの貴族の名前しかない! この注文記録本物なの!?」

リラ「ロスチャイルド商会のハンコが押してありますわねぇ……」

メアリー「……ロスチャイルド商会の印鑑は、偽造が極めて難しい最高精度の魔紋鋳造技術が使われています……。これは……本物です……。なぜこの踊り子さんがそれを持っているのかはわかりませんが……」

リラ「イェア〜♪」

妖精「ば、馬鹿な……! それじゃあ……毒を仕込めたのはクーだけだったってことになっちゃうじゃない……!!」

リラ「チッチッチ……それは早とちりが過ぎるってもんでっせ嬢ちゃん。あっしが最初に言ったことをお忘れかい?」

クロシュ「ワインに、毒を仕込んだ……トリック!」

妖精「ええっ……!? 未開封のワインに毒を仕込んだとでも言うの!?」

リラ「せや。どやったと思う?」

クロシュ「……空間魔法?」

リラ「惜しい! 正解は――マジカルサイコキネシス!! 超能力です!!」デデン!!!

妖精「…………は?」

リラ「あ、何言ってんだこいつって顔」

妖精「……いやまあ、空間魔法なら確かに未開封のワインボトルの中に毒を転移させることも不可能じゃないとは思う。でもそんなことをすれば間違いなく魔法の痕跡が残る。船上捜査のプロである船乗りたちがそんな証拠をみすみす見逃すとは……」

リラ「だ〜か〜ら〜、魔法じゃなくて超能力!! 痕跡なんて残らないのよ〜ん!」

妖精「………頭が痛くなってきた」

リラ「も〜頭が固いよ妖精ちゃ〜ん。超能力っていうのはねェ……例えばこんなやつだ!」

 指パッチン「」パチン!

妖精「……ん!? あれ、リラはどこに――」

背後から妖精の体を掴んでモミモミするリラ「ここだよ〜ん」バッ

妖精「んわわわわ〜〜〜〜〜!?!!?!??」ジタバタ

 *
337 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2026/08/31(月) 00:58:35.11 ID:eMd0ccxF0

妖精「……け、気配も魔力の移動も何も感じなかった……。ほ、本当に……超能力……!?」

リラ「おわかり頂けたかしらァん?」

妖精「………ま、まあわかった……。でも、もし犯人がそんな無法な力を使ったんだとしたら……捕まえようがなくない?」

リラ「そうウサねえ」

妖精「っていうか……あなたが犯人じゃないの!? トリックも知ってる、超能力も使える……容疑しかない!!」

リラ「バレちゃった♡」

リュアン「えっ……!? じゃあ……犯人なんですか……!?」

リラ「フフ……あーしが犯人だとしてぇ、キミたちにあーしが犯人だって立証できるかな?」

聖女「! なるほど……超能力の完全犯罪性をわかっていたから……あっさりバラしたのですか……!」

リラ「あ、そうなるのかニャ? ごめん、ノリでバラしたわ」

聖女「ええ……」

リラ「でもあの奴隷ちゃんにはちょっと悪いことしちゃったウサねぇ……。リラ反省反省〜」

妖精「こいつと話すの疲れてきた……」

メアリー「我慢しましょう……。真犯人のようですから……」

リラ「でも素直に捕まっちゃうってのもつまんないな〜。あーしの目的とかぁ、被害者の裏取引の証拠とかぁ、その辺しっかり抑えてきたら自首してあげても良い系〜」

リュアン「ええと……つまり、捜査を続けろということですか?」

リラ「イグザクトリー! あ、イグザクトリーってインダストリーと似てない?」

妖精「わかった。あなたが納得する証拠とかをいろいろ抑えて来たら自首してくれるってことで……良いんだね?」

リラ「そうかも!」

妖精「いや、そこは断定して欲しいんだけど……。ていうかむしろ、あなたは捕まっても良いの?」

リラ「ウサを捕まえておける檻ってあるニャ?」

妖精「そ、そういうことね……。わかった……」

 ☆真犯人を特定しました
  証拠を集めることで、真犯人に自首させることができます

 ◇
338 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2026/08/31(月) 01:00:25.97 ID:eMd0ccxF0
本日はここまで。次回は船旅3日目編となります。お楽しみに
339 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2026/08/31(月) 01:14:54.73 ID:LbAxOLxwo
真犯人が先に分かるという変化球
340 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2026/08/31(月) 02:16:18.65 ID:p6HCX+odo
おつ
うーん…例え証明出来てもスッキリしないというか…事件らしい緊張感が無い犯人だぜ…
341 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2026/08/31(月) 06:39:39.70 ID:u6weuPMU0
乙です
聖女が運命を変えてたらリラの超能力でバレてたのかな
342 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2026/09/05(土) 12:13:55.81 ID:GhwSLLGmO
真犯人が見つかったからクーちゃん解放かと思ったけど真犯人を自首しないと解放されないのか。
343 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2026/09/05(土) 19:26:15.00 ID:s+4rVIsp0
これは真面目に推理とかをするミステリーではないので、真犯人もあっさり判明します。どちらかというと、この変わったウサ耳の女性を納得させられるかどうかという交渉のゲームと言えるかもしれません

このウサ耳の女性は変な人物なので、緊張感は実際ないかもしれません。そしてリテン・ヘイヴンにおいて殺人事件はそれほど珍しいものでもないので、船上殺人というサスペンスな状況であっても緊張感が生じにくいのかもしれません

聖女氏が運命を変えるパワーを使っていた場合に、リラ氏がどのようなリアクションを取っていたかは今のところわかっていません。そしてリラ氏の超能力というものが一体何なのか、その正体も闇に包まれています

真犯人は見つかりましたが、クロシュたちには彼女を告発するに足る証拠がありません。そのためリラ氏を真犯人として捕まえてもらうには、彼女自身に自首してもらう必要があります
344 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2026/09/05(土) 19:26:42.42 ID:s+4rVIsp0
―リテン・ヘイヴン定期船カロン号 船旅3日目

◇クロシュ [あかちゃんスライム]
武:竜角の大槍    盾:ラティアの大盾  飾:
武:         防:ぬののふく    飾:くすんだ不死鳥の羽根

◇フメイ  [バーニングハート]
武:         盾:         飾:
武:         防:火鼠の衣     飾:

◇妖精   [世話焼き妖精]
武:         盾:         飾:
武:         防:木綿のドレス   飾:

◇リュアン [お嬢様]
武:黒曜鋼のナイフ  盾:         飾:守りのペンダント
武:         防:旅人のドレス   飾:

◇聖女   [運命変転修道女]
武:木の杖      盾:         飾:
武:         防:ロイエの修道服  飾:

◯所持アイテム
[道具]        [装備品]       [大事なもの]
運命賽の欠片*2    大きな巻き貝      冒険者証(ランク1)
運命賽*6       サボテンドラゴンの花  メルルの帽子
会心賽*3       魔導機関銃       暗黒優待券
反魂丹*1       旧世樹の杖       クロシュヴィア伝説
炎スライムの秘伝書               避難所のドアノブ
運命変転の魔導書                星の粉
古ドワーフ鍛冶指南書              オリシン王家の栞
日属性基礎                   竜角の短剣
明石流剣術指南書                白金のペンダント
ヒヒイロカネ
ステライト鉱石
白金ステライト

◯現在の目標
・クロシュヴィアの行方を追う

◯個人目標
・世界樹の石炭 [6/8]
・武装製作経験 [6/6]
・僧侶を連れて帰る(聖女)

◯経験値
・クロシュ 近接[02/24] 魔法[05/12] 防御[05/09]
・フメイ  近接[05/06] 魔法[16/16] 防御[08/09] 炎[00/00]
・リュアン 近接[04/06] 魔法[00/12] 防御[04/06] 日[00/16]
・聖女   近接[01/06] 魔法[08/09] 防御[04/06] 運[03/??]
……………………………………………………………………………………
□リテン・ヘイヴン定期船カロン号 観光案内
上層:上等客室、展望バーラウンジ、カジノ、劇場、展望浴場、
   操舵室、船長室、甲板
中層:中等客室、食堂、厨房、医務室
下層:下等客室、奴隷監置区画、貨物室、動力室
……………………………………………………………………………………
□会える人
同行者:メアリー
その他:クーちゃん、エインヘリアル、リラ、船長、奴隷商人
……………………………………………………………………………………
345 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2026/09/05(土) 19:28:16.79 ID:s+4rVIsp0
―朝
 カロン号 中等客室

 丸窓「」
 窓の向こうに広がる大海原「」


寝ぼけリュアン「…んん〜……」モゾモゾ


聖女「朝ごはんはどうします? 食堂に行くか、それとも手持ちのもので適当に済ませましょうか」

妖精「ん〜、どっちでもいいかなあ。クロシュとフメイは?」

クロシュ「どっちでも……いいとおもう!」

フメイ「フメイも、どっちでもいい」

聖女「………」ムムム

メアリー「……お気持ち、お察し致します。どっちでも良い、というのが一番困るのですね」

聖女「はっ……!? いえいえ、そのようなことは……」

妖精「メアリー、王女様なのにそういうのわかるの?」

メアリー「作る側に立ったことはありませんが、想像は付きます」

妖精「へえ……。デロデロになりたくない側の気持ちは想像が付かないの?」

メアリー「想像が付くことと、その気持ちを尊重するかどうかは別ですよ」

妖精「あ、そう……」

 *

妖精「というわけで今日もクーちゃんの冤罪を晴らす為にがんばっていこう!」


◯毒について
テレポーテーションという超能力によって未開封のワインへ混入されたことが判明した。
毒の詳しい成分や入手経路については未解明。

◯被害者ケンブツ・アクトゥク子爵
セイントレア平原南西に位置する小さな港町アクトゥクポートを治める小貴族アクトゥク家の当主。
ガイスト・シュヴァルシュタインというフリーの兵器開発者と何らかの取引を行っていた疑いがある。

◯クーの容疑について
超能力というものを考慮しない場合、クー以外に犯行可能な人物は存在しない模様。

◯リラの証言
ウサ耳踊り子リラが真犯人であることを自白したが、自白以外の証拠がなく告発不能。
事件の全貌を明らかにしたら素直に自首すると言っている。


リュアン「……とにかく事件の全貌を明らかにして、リラさんを自首させるしかないんですね」

妖精「まあそう……。リラが信用できるかどうかはわからないけど、それに賭けるしかない」

メアリー「被害者の宿泊していた上等客室の警備情報は昨日判明しているんですよね」

クロシュ「うん!」

妖精「死んでるとはいえ貴族の客室だから、警備情報がわかっているとは言っても行くなら慎重にね」


◯現在の目標
・クーちゃんの濡れ衣を晴らせ(期限:船旅4日目の終わりまで)

船旅3日目。リテン・ヘイヴン定期船の中等客室に宿泊しています
↓1〜3 自由安価 何をする?
346 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2026/09/05(土) 19:28:42.36 ID:xWTFV3X50
みんなで展望浴場に入る
347 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2026/09/05(土) 19:29:30.01 ID:nwbGjRMB0
妖精とフメイ、脳内クロシュと推理会議
348 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2026/09/05(土) 19:31:21.69 ID:GhwSLLGmO
クロシュ 
顔色の悪い医者と一緒に毒成分を調べる
349 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2026/09/05(土) 19:57:34.64 ID:s+4rVIsp0
―医務室

顔色の悪い医者「毒の成分を調べたいだって?」

クロシュ「うん」

顔色の悪い医者「うーん、難しいねえ。ここに科学捜査用の分析機とかは置いてないんだよ。毒殺に使われたワインはここの保冷庫に保管してあるけど、君たち民間人に触らせたら僕が船長に怒られてしまうし」

妖精「でもクロシュはスライムだから、毒を飲めば味とかがわかるかも……」

顔色の悪い医者「味で判別する毒もあるにはあるがね。味のない毒だったら、僕が怒られるだけに終わってしまう」

妖精「……そ、そうだ! クロシュ、ワインから毒だけを抽出して取り出せたりしないかな? ほら、同化した物品を元の形にして外に出したりするみたいに」

クロシュ「!」モニョッ

顔色の悪い医者「そんなことが可能なのかい?」

クロシュ「……で、できるかも……?」

妖精「ものは試しだよ、やってみようよ。毒の成分がわかったら船長にとっても有益でしょ」

顔色の悪い医者「ふむ……ではせっかくだしやって見せてもらおうか。僕としては事件なんてどうでもいいんだがね。スライムにそんなことができるのかどうか、そっちの方が興味深い」

 *

 毒ワイン「」ポン!

  グビッ

スライムクロシュ「〜〜…」モニョモニョ…モニョモニョ…

↓1コンマ
01-60 抽出成功
61-90 応用できそう
91-00 錬金スライム
350 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2026/09/05(土) 19:58:36.26 ID:pZNA4Gzuo
錬金
351 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2026/09/05(土) 19:58:48.95 ID:jPMZ2MsOO
352 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2026/09/05(土) 22:48:51.18 ID:s+4rVIsp0
 モニョモニョモニョ…

 小さな青色の結晶構造物「」ポン!

顔色の悪い医者「おお、本当に抽出できたのか……!? 面白い……」

妖精「で、これは何なの?」

顔色の悪い医者「ふむ……これは凪鉄だね」

妖精「えっ凪鉄!? 凪鉄って毒なの!? しかもワインに溶けるの!?」

顔色の悪い医者「落ち着け。金属として安定している状態の凪鉄が毒性を示すことはない。化合物となれば別だがね。化合物というのはわかるかい?」

妖精「異なる物質が結びついてできた別の物質……だっけ」

顔色の悪い医者「そう。恐らくワインに混ぜ込まれたのは黒化凪鉄化合物辺りだろう。そのスライムくんは水に溶けたソレを抽出した上で分離させて凪鉄を抽出した、と考えられるね」

クロシュ「そうなんだ……」

顔色の悪い医者「ふむ。自分のやったことがどれほど面白いことかわかっていないようだ。勿体ない。もしその力をさらに磨いていけば、君は化学の……いや、あらゆる分野で革命を起こすことが――」

妖精「とにかく凪鉄の化合物ってことね! わかった、ありがとう」

顔色の悪い医者「しかし毒殺なんてその辺の農薬でも買ってきてぶちこめば良いことだろうに、わざわざ高価で入手の面倒な凪鉄を使うなんて酔狂なものだ。犯人は財力でも誇示したかったのかね」

妖精「……! 待って、今捕まってるのは奴隷の女の子なんだけど……もし凪鉄なら、奴隷が毒に使うっていうのは不自然じゃないかな!?」

顔色の悪い医者「ん? 言われてみるとそうだね。奴隷が入手できるものではないし、たまたま船内で目について毒だと見抜いてワインに混入させるというのも不自然だ。黒化凪鉄化合物が毒性を持つなんてことを知っている者は僕たち医療関係者くらいのものか、あるいはそういう専門家くらいだろう」

妖精「うん! 私もそれなりに毒のことは調べてるつもりだったけど、凪鉄の化合物なんて知ったのは初めてだよ!」

顔色の悪い医者「うーむ……一応僕の方から船長に報告しておくよ」

妖精「ありがとう、そうしてくれる?」

顔色の悪い医者「船長も実は、あの奴隷の子が犯人っていうのには懐疑的みたいなんだよね。殺されたのが貴族だからとりあえず第一容疑者として確保しているけれど、ちゃんとした証拠が見つかればすぐに釈放してくれると思うよ」

クロシュ「わ、そうなんだ……!」

顔色の悪い医者「ま、がんばることだね」

クロシュ「うん!」

 ☆毒の成分が判明しました

 ☆クロシュが物質の成分抽出を行えるようになりました

 ◇
353 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2026/09/05(土) 22:49:17.27 ID:s+4rVIsp0
―展望浴場

 水平線に沈む夕日「」
 夕日にきらめく水面「」キラキラキラ


 カポーン―

リュアン「……」ズーン
メアリー「……」ズーン


妖精「……あの二人はなんであんなに落ち込んでるの?」

聖女「ええと……聞き込みをしたのですが、今日は有力な手がかりを掴むことができなくて……」

フメイ「そういう日もある」

妖精「そうなんだ……。でもフメイの言う通り、そういう日もあるよ。リテン・ヘイヴンに着くのは明後日だから明日中には決着を付けないとまずいけど、焦っても仕方ないし」

クロシュ「……間に合わなかったら……クーちゃん、連れて……逃げちゃう……?」

妖精「それはお尋ね者になるからまずい……。前にメアリーが言ってた、セイントレア王族の威光でなんとかするしかないかなあ。メアリーには悪いけど」

聖女「誰よりもセイントレアを嫌っていますからね……。その威光に頼らなければならないとなると、気持ち良くはないでしょう……」

クロシュ「……だいじょうぶ! 明日……なんとか、なる!」

フメイ「ん。クロシュの言う通り。なんとかなる」

妖精「そうだね。明日なんとかなる……そのつもりでいこう」


エインヘリアル「そうそう、なんとかなるなんとかなる!」ヌッ

聖女「エインヘリアルさん!」

エインヘリアル「皆さんどうも〜。でへへ、飲んでますかぁ〜?///」ヒック

妖精「うわっ! 酔ってる!」

エインヘリアル「せっかく綺麗な水平線の夕暮れが拝めるロケーションなのに辛気臭い顔で真面目な話ばっかりしちゃってぇ〜」

妖精「まあクーの奴には世話になったこともあるし。やれることをやりたいだけだよ」

エインヘリアル「……はっ……も、申し訳ありません……わたくし、皆様の善意を馬鹿にするようなことを言ってしまい……」オヨヨ

聖女「表情が豊かな方ですねえ」

 ☆展望温泉に入りました

 ◇
354 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2026/09/05(土) 22:49:51.40 ID:s+4rVIsp0
―クロシュの夢

中庸クロシュ「わたしたちに推理の相談なんてしても、あんまり役に立たないとおもう」

楽観クロシュ「そうなの?」

中庸クロシュ「わたしたちはクロシュだもの。わたしたちが思いつくようなことは、当然表のクロシュだって思いつく」

混沌クロシュ「だねえ。わたしにカリスごっこでもさせた方が役に立つんじゃないの」

秩序クロシュ「ここなら、わたしたちより、大魔女さんの羽さんとかに聞いてみる方が有意義とおもうよ」

悲観クロシュ「ふふ……。わたし、役立たずの穀潰しスライム……」

 モニョモニョモニョモニョ

妖精「そ、そんなことないよ。クロシュだって時々良い思い付きをすることもあるし」

中庸クロシュ「というか……トリックも犯人ももうわかってるのに……推理って必要……?」

混沌クロシュ「後は情報収集してリラっていう人に突きつけるだけでしょ?」

フメイ「そうかも……」

楽観クロシュ「じゃあ、つまんない話はもうおわり?」モニョッ

悲観クロシュ「終わりだよ……。星も、時も、しあわせも、わたしたちも……いつか、必ず終わる……」

秩序クロシュ「も〜、悲観ちゃんはあんまり暗いことばっかり言っちゃだめ!」

悲観クロシュ「ほんとのことなのに……」

混沌クロシュ「終わるからこそ、たのしい……みたいな話?」

悲観クロシュ「終わるからこそ、かなしい……みたいな話……」

混沌クロシュ「あ〜、わたしもその方がわかるかも。終わるのは悲しいよね」

悲観クロシュ「……混沌も、わかるの……? こういうの、理解しないと思ってた……」

混沌クロシュ「だからこそ、終わらない為に全力であがき続けろってことでしょ?」

悲観クロシュ「………ちょっとちがうけど……まあいいや……」

楽観クロシュ「悲観の言ってることいつも全然わかんないけど、これはわたしもわかるかも!」

秩序クロシュ「うん……。かなしい終わりは、嫌だよね……。それに抗うのは、わたしも正しいとおもう……!」

 モニョモニョモニョモニョ…!!

妖精「意見がまとまってる……!」

中庸クロシュ「たまに、こういうこともある。今のわたし自身にとって、譲れない答えなんだとおもう」

フメイ「フメイもわかる。かなしい終わり、嫌だもん」

妖精「でも良かった。クロシュの中に、悲しい終わりを肯定する部分はないんだね」

中庸クロシュ「うん。よほど具合が悪くならないと、そういうのを肯定するようにはならないとおもう。わたしも、わたし以外も」

妖精「それはまあそうだ」

 ◆
355 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2026/09/05(土) 22:51:34.60 ID:s+4rVIsp0
―リテン・ヘイヴン定期船カロン号 船旅4日目

◇クロシュ [あかちゃんスライム]
武:竜角の大槍    盾:ラティアの大盾  飾:
武:         防:ぬののふく    飾:くすんだ不死鳥の羽根

◇フメイ  [バーニングハート]
武:         盾:         飾:
武:         防:火鼠の衣     飾:

◇妖精   [世話焼き妖精]
武:         盾:         飾:
武:         防:木綿のドレス   飾:

◇リュアン [お嬢様]
武:黒曜鋼のナイフ  盾:         飾:守りのペンダント
武:         防:旅人のドレス   飾:

◇聖女   [運命変転修道女]
武:木の杖      盾:         飾:
武:         防:ロイエの修道服  飾:

◯所持アイテム
[道具]        [装備品]       [大事なもの]
運命賽の欠片*2    大きな巻き貝      冒険者証(ランク1)
運命賽*6       サボテンドラゴンの花  メルルの帽子
会心賽*3       魔導機関銃       暗黒優待券
反魂丹*1       旧世樹の杖       クロシュヴィア伝説
炎スライムの秘伝書               避難所のドアノブ
運命変転の魔導書                星の粉
古ドワーフ鍛冶指南書              オリシン王家の栞
日属性基礎                   竜角の短剣
明石流剣術指南書                白金のペンダント
ヒヒイロカネ
ステライト鉱石
白金ステライト

◯現在の目標
・クロシュヴィアの行方を追う

◯個人目標
・世界樹の石炭 [6/8]
・武装製作経験 [6/6]
・僧侶を連れて帰る(聖女)

◯経験値
・クロシュ 近接[02/24] 魔法[05/12] 防御[05/09]
・フメイ  近接[05/06] 魔法[16/16] 防御[08/09] 炎[00/00]
・リュアン 近接[04/06] 魔法[00/12] 防御[04/06] 日[00/16]
・聖女   近接[01/06] 魔法[08/09] 防御[04/06] 運[03/??]
……………………………………………………………………………………
□リテン・ヘイヴン定期船カロン号 観光案内
上層:上等客室、展望バーラウンジ、カジノ、劇場、展望浴場、
   操舵室、船長室、甲板
中層:中等客室、食堂、厨房、医務室
下層:下等客室、奴隷監置区画、貨物室、動力室
……………………………………………………………………………………
□会える人
同行者:メアリー
その他:クーちゃん、エインヘリアル、リラ、船長、奴隷商人
……………………………………………………………………………………
356 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2026/09/05(土) 22:53:41.47 ID:s+4rVIsp0
―朝
 中等客室

 ピンポンパンポーン―

館内放送『明日の朝、リテン・ヘイヴン港へ到着致します。乗客の皆様におかれましては、本日を船旅最後の一日として満喫していただきたければ幸いにございます』

 *

―奴隷監置区画

クーちゃん「ね、ねえ……。だ、大丈夫なのよね……? 私の冤罪……証明してくれるのよね……?」

クロシュ「う、うん」

クーちゃん「断定してよぉ!!」ジワワ

聖女「お、落ち着いてくださいクーちゃんさん。私たちは既に真犯人を突き止めています」

クーちゃん「え!? な、なぁんだ……そういうことはもっと早く言いなさいよ……」

聖女「……ただ、真犯人を告発する為の証拠はないのです」

クーちゃん「え!!?!?」

聖女「超能力者だったのです……。彼女を自首するように説得するしか、方法がないのです」

青ざめるクーちゃん「」サー…

聖女「ですがご安心ください! 私たちは必ず、真犯人を自首させてみせます!」ドン

フメイ「ん。泥舟に乗ったつもりで待ってなさい、クーちゃんちゃん」

リュアン「そ、それを言うなら大船だよフメイちゃん!」

フメイ「あ、そうだっけ」

妖精「まあとにかくなんとかしてみせるよ。どうにもならなかった時の策も一応考えてあるから、私たちを信じて待っていて」

クーちゃん「し、信じてる……。信じるしか、ないもの……」ポロポロ

クロシュ「クーちゃん……だいじょうぶ! 前みたいに……助けられる!!」ドン

クーちゃん「う゛ん゛……」グスッ ポロポロ…


◯毒について
テレポーテーションという超能力によって未開封のワインへ混入されたことが判明した。
毒は一般に毒性を知られていない黒化凪鉄化合物だったと考えられる。
医務室の医者は、奴隷がそれを毒と知って入手するのは極めて難しいと証言している。

◯被害者ケンブツ・アクトゥク子爵
セイントレア平原南西に位置する小さな港町アクトゥクポートを治める小貴族アクトゥク家の当主。
ガイスト・シュヴァルシュタインというフリーの兵器開発者と何らかの取引を行っていた疑いがある。
彼が宿泊していた上等客室は現在封鎖されているが、警備情報は既に入手済み。

◯クーの容疑について
超能力というものを考慮しない場合、クー以外に犯行可能な人物は存在しない模様。

◯リラの証言
ウサ耳踊り子リラが真犯人であることを自白したが、自白以外の証拠がなく告発不能。
事件の全貌を明らかにしたら素直に自首すると言っている。


◯現在の目標
・クーちゃんの濡れ衣を晴らせ

船旅4日目。リテン・ヘイヴン定期船の中等客室に宿泊しています
本日の行動終了後、リラ説得イベントへ移行します
↓1〜3 自由安価 何をする?
357 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2026/09/05(土) 22:56:09.66 ID:sPc9SNCjO
バーでリラについて情報収集
358 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2026/09/05(土) 22:56:55.66 ID:hkQLiuHr0
上棟客室の被害者の部屋を調査
359 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2026/09/05(土) 23:02:57.63 ID:iQQha+5kO
医務室に入院している人物が起きてクロシュ達に事情を聞いてくる
360 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2026/09/06(日) 00:51:01.51 ID:9/xHs7ZB0
―展望バーラウンジ

初老の紳士「ふむ……リラちゃんのことを聞きたいと?」

リュアン「は、はい! リラさんは……一体どのような人なんですか?」

初老の紳士「漠然とした質問だね……。だが気持ちはわかる。彼女に不思議な魅力があるのは確かだ」

メアリー「劇場でダンスを踊っていたかと思えば、カジノでディーラーを務めていたり、あるいは一般客に混じって興じていたり……。船の乗務員にしては、やや不規則な動きをしているように思えます」

初老の紳士「ああ。彼女は乗務員ではないからね」

リュアン「えっ!? 乗務員じゃ……ない!?」

初老の紳士「彼女はリテン・ヘイヴンで有名な変人。自称、月から舞い降りた伝説のウサギ人だ。しかしあのウサ耳と尻尾が着脱可能なことはリテン・ヘイヴンに住む者なら誰でも知っている。種族の兎人とは全く関係のない、頭のおかしい女というのが定説だね」

リュアン「ええ……」

初老の紳士「彼女の面白さはそこだけではない。彼女はこの船でそうしているように、勝手に酒場や劇場やカジノや娼館や闘技場や監獄島に上がり込んでは、当たり前のようにそこで働き始めるのだ」

リュアン「……え? ええと……意味が、よくわからないのですが……」

初老の紳士「フッ……彼女はこの船の乗務員でもないのに勝手に踊り子をやったりディーラーをやったりしているだろう? それと同じように、リテン・ヘイヴン本土でも勝手に娼館の娼婦として客をもてなしたり、いつの間にか闘技場の剣闘士たちの戦に混じっていたり、監獄島で熱心に採掘作業に従事していたりするのだ」

リュアン「……い、いやいやいや! そんな……わけがわかりません!! どういうことなんですか、それは!?」

初老の紳士「私に言われても困るな。私自身もわけがわからないし、リテン・ヘイヴンに住むほとんどの者もわけがわからないと思っている」

リュアン「め、めちゃくちゃです……」

メアリー「彼女はそれほどわけのわからない振る舞いをしても、追い出されることなく堂々とリテン・ヘイヴンに居座っている……。そうするだけの力と、心を持つ者……ということですか」

初老の紳士「そういうことだね。数多くの有力者たちがあの自由なウサギ人を欲し、手籠めにしようと試みたが……その尽くは失敗に終わり、非業の末路を辿っている」

リュアン「余計にリラさんのことがわからなくなってしまいました……」

 ☆リラの情報を得ました

 ◇
361 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2026/09/06(日) 01:06:07.50 ID:9/xHs7ZB0
―カロン号上層
 被害者の上等客室

 モニョモニョモニョ…
 モニョッ

透明スライムクロシュ「〜〜!」モニョニョ

妖精「よーし、無事に潜入成功だね。それじゃ被害者の後ろ暗そうなところをいろいろ暴いていこうか」

透明スライムクロシュ「〜!」モニョッ

 *

 兵器購入の契約書「」デン!

妖精「出てきたな……。ケンブツ・アクトゥクとガイスト・シュヴァルシュタインのサインが確認できる。クロシュ、後でこれを模写することはできる?」

透明スライムクロシュ「〜!」モニョッ

妖精「模写じゃ証拠能力は薄いかもだけど、私たちがするのはリラの説得だからね。相手が納得できりゃいいんだ」

透明スライムクロシュ「〜〜」モニョモニョ

妖精「まあ問題は、この契約書だけじゃリラがこの貴族を殺害する動機にはなり得そうにないことだけど……ん?」

 ケンブツの手記「」ポン

透明スライムクロシュ「〜〜?」モニョニョ

妖精「手記だ。何か手がかりがあるかも、読んでみよう」

 ペラッ ペラッ

 ◆

◯月◯日
ガイストとの契約の準備は整った。あとはこの契約書を直接彼に渡し、合意を結ぶだけだ。
あの最新兵器さえ手に入れば王都の大城壁など遅るるに足らず。他種族融和などというつまらぬ路線に舵を切った愚かなセインレア王家に誅伐を下し、我がアクトゥク家が新たなる王として中央大陸に君臨せん。首を洗って待っているが良い、愚王アルベールよ。貴様の美しい妻と娘共は我が領内に奴隷として迎え入れ、末永く使い潰してやろうぞ。

◯月◯日
憎き港湾都市ウォーターポートにてリテン・ヘイヴンの悪趣味な定期船に乗り、この日記を書いている。
乗船時に見かけた黒髪の少女奴隷を我が財力にて買ってやろうと温情を見せたところ、既に裏娼館への売却が決定していると断られた。下賤なる奴隷商人めが。このアクトゥクを舐め腐った行いをしたことを後悔させてやりたいが、契約書を渡すまで不用意な真似はできぬ。私は煮えたぎる苦渋を呑み込む思いで怒りを鎮め、努めて平静に定期船に乗り込んだ。

◯月◯日
憎きウォーターポートを発って数日。暇を持て余した私は劇場で踊る下賤なバニー女を買ってやろうとしたが、提示額が安すぎると断られた。ふざけるな、私はアクトゥクの当主だぞ。しかし問題を起こすわけにもいかないので、私は煮えたぎる苦渋を呑み込む思いで怒りを鎮め、努めて平静に上等客室へ戻った。かような下賤なるウサギには一生宿泊することもできぬ上等なる客室である。モノの価値も解さぬウサギには文字通りウサギ小屋がお似合いだ。そんなようなことを考えながら、私は眠りについた。

◯月◯日
怒りが収まらぬ。奴隷商人も、ウサギも、大貴族アクトゥクの当主たるこの私を馬鹿にしているのか。激しい怒りで煮えたぎるハラワタにワインを流し込みながら、私はガイストから緊急用としてもらっていた毒物を取り出していた。それは凪鉄を用いた一般には知られていない希少な毒物、黒化凪鉄化合物だそうだ。希少ならば捜査官気取りの船乗り共などを欺くのは容易いはず。何より希少な凪鉄を用いた毒というのが、高貴なる私の殺人術として極めて相応しい。私は決意を新たにし、殺人の機会を伺うことにした。

◯月◯日
定期船が東リーリア港に寄港し、新たな客を乗せる。窓から眺めていると、若い女人ばかりの団体が乗船してくるのが見えた。ガキどもは流石にガキすぎるが、他は大当たりだ。特にセイントレアの穀潰しであるメアリーに似た金髪の女が良い。あれを叩き伏せながら躾けるのはさぞ気持ち良いだろう。とこれまでの私ならウカウカしていただろうが、今の私は違う。今の私は復讐に燃える悪鬼である。今日、決行してやる。毒を奴らの飲み物に仕込んでやる。下賤なる奴隷商人とウサギめが、首を洗って待っているが良い。

 ◆
362 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2026/09/06(日) 01:06:57.03 ID:9/xHs7ZB0
妖精「……」ゲンナリ

スライムクロシュ「?」

妖精「まあとにかく、いろいろわかった。あの毒物は貴族自身が用意していたもので、たぶんどこかのタイミングでリラが超能力か何かで奪い取って、逆にワインに仕込んだんだ。これを読む限りなら正当防衛が……いや成立するのかな……」

スライムクロシュ「??」

妖精「まあいいや。リラがこの貴族を殺す動機ははっきりした。殺されそうだったから先に殺したってことみたいだ」

スライムクロシュ「〜〜」モニョモニョ

妖精「この手記も後で模写できるかな……? ちょっと量が多いけど……」

スライムクロシュ「〜!」モニョッ!


 黒い粉末の入った小瓶「」ポン

妖精「……これが黒化凪鉄化合物か。クロシュが抽出した凪鉄の結晶は青かったけど、この化合物は名前の通り黒いんだね」

スライムクロシュ「〜〜」モニョモニョ

妖精「……! そうだ……この小瓶、もしかしたら――」

 黒い粉末の入った小瓶「」

妖精「ん〜……えいっ!」パタパタ
 妖精の翅「」キラキラキラ…

スライムクロシュ「〜〜?」モニョニョ

妖精「まあちょっと待ってて。こうやって粉をまぶして……」パタパタパタ

 妖精の粉「」キラキラキラ

妖精「粉を光らせる魔法を使うの。すると――」ポウ―

 淡く輝き出す妖精の粉「」ポウ…
 浮かび上がる二つの指紋「」ポン!

妖精「指紋が浮かび上がるってわけ!」

スライムクロシュ「〜〜??」モニョニョニョ

妖精「……あ、指紋の説明からか。指紋っていうのはね、人型種族の指の先っぽにある――」

 *

妖精「とまあそういうわけ。私たちの翅から出た粉は、しばらくすると自然の中に溶けて消えちゃうから、この件で私が疑われたりする心配も無用ってこと。わかった?」

スライムクロシュ「〜!」モニョッ

妖精「じゃあ今見た指紋も模写できるね。よし、この二つの指紋のうち一つがリラのだったら……かなり決定的と言えそうだよ、クロシュ!」

スライムクロシュ「〜〜!!」モニョニョニョ

 ☆兵器購入の契約書の写しを入手しました

 ☆被害者の手記の写しを入手しました

 ☆毒瓶に残った二人分の指紋の写しを入手しました

 ◆
363 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2026/09/06(日) 01:16:32.70 ID:9/xHs7ZB0
本日はここまで

着々と証拠品を集めていくクロシュ一行。浮かび上がっていく悪徳貴族の肖像。明らかになっていく事件の全貌。そして深まっていくウサギ人リラの謎。奇怪極まる船上毒殺事件は、いよいよ最終局面へ。
あかちゃんスライムたちは、哀れな奴隷クーちゃんを助けることができるのか。
そしてようやく目覚めし男は、事態を受け止め、どう動くのか――。

次回、眠っていた人物が起床する編、真犯人との対決編です。お楽しみに
364 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2026/09/06(日) 01:43:15.27 ID:fTGZhFkUo
おつ
一応証拠になりそうな物は確保出来たが…後は出たとこ勝負だ
365 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2026/09/06(日) 06:51:22.35 ID:XqQjwhcRo

妖精とクロシュ万能すぎんか
探偵としてやっていけそう
366 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2026/09/06(日) 14:51:04.72 ID:eaam6MaYO
これらの証拠でリラを納得できるかな?
367 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2026/09/06(日) 19:53:32.56 ID:9/xHs7ZB0
必要な証拠は既に揃っていると言えるかもしれません。後は実際に真犯人と対峙して、どのように話をするかにかかっています。とはいえこれは本格的なミステリーではないので、テキトウにやってもなるようになります

妖精さんとクロシュさんは、実のところこういった調査に必要な特殊技能をいろいろ持ち合わせています。人間社会で妖精類やスライム類の者が犯罪捜査を行ったりすることはないため、その捜査能力はあまり人間に知られていないのかもしれません

必要な証拠は既に揃っていると言えるかもしれません。とはいえリラ氏は変わった人物なので、これによって彼女を説得できるかどうかは今のところ予測不能としか言えないかもしれません
368 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2026/09/06(日) 19:56:06.32 ID:9/xHs7ZB0
―夕方
 医務室

ヴィルト「!」ガバッ

顔色の悪い医者「おや、ようやく起きたか。気分はどう? 水は飲めるかい?」ヌッ

ヴィルト「俺はどれくらい寝ていた……!?」

顔色の悪い医者「3日くらいかな。最初にもらった代金じゃ全然足りないから後で追加の治療費と入院費を払ってもらうよ」

 丸窓「」
  夕日にきらめく海原「」キラキラ

ヴィルト「まだ航海中……リテン・ヘイヴンには着いていないんだな?」

顔色の悪い医者「ああ。到着は明日の朝の予定だよ。ところで君、金のアテはあるのかい」

ヴィルト「……向こうに着いたら借金でもなんでもして払う」

顔色の悪い医者「キッチリ支払えるなら調達手段は問わない。でも君に支払能力やその意思があるかどうかわからないから、ひとまず担保としてこれを預からせてもらうよ」スッ

 短剣「」キラン

ヴィルト「!」

顔色の悪い医者「これ、森のエルフが拵えて祈りを込めた守りの短剣だろう。市場には出回らない貴重品だ。担保として申し分ない」

ヴィルト「……どうしても、それを担保にしないとダメか?」

顔色の悪い医者「こっちも治療費諸々を踏み倒されちゃたまらないからねえ。他に今回の費用の担保になりそうなものがあれば、それでも構わないよ」

ヴィルト「……」スッ

 魔導拳銃「」
 翡翠の賽「」
 船旅ビスケットの空き缶「」

顔色の悪い医者「その翡翠の立方体……何かのアーティファクトかい?」

ヴィルト「いや、これもダメだ」

顔色の悪い医者「じゃあやっぱり短剣しかないね。その魔導拳銃も悪い品ではなさそうだけど、今回の費用には足りなそうだ」

ヴィルト「……治してもらった立場で言うのも申し訳ないんだが……治療費、高すぎないか?」

顔色の悪い医者「そりゃあそうさ。ここをどこだと思っているんだね?」

ヴィルト「……リテン・ヘイヴン……その定期船か」

顔色の悪い医者「その通り。地獄の沙汰も金次第ってことだよ」

ヴィルト「わかった。金は必ず払うから、その短剣は絶対に失くしたり横流しとか売却とかしないでくれ」

顔色の悪い医者「もちろんだとも。そちらこそよろしく頼むよ」


ヴィルト(……金はどうにでもなる。問題は……彼女のことだ)

ヴィルト(クーさん……無事でいてくれ!)グッ

 ◇
369 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2026/09/06(日) 19:58:13.16 ID:9/xHs7ZB0
―奴隷監置区画

ヴィルト「クーさん……!」


クーちゃん「……えっ!? だ、誰?」

ヴィルト「……昔、あなたに助けられた者です。ヴィルト・エクセリアと言います」

クーちゃん「えっそうなの!?」

ヴィルト「はい」

クーちゃん「そうなんだ……?」

ヴィルト「事情を聞かせてください。力になります」

クーちゃん「……え、ええと……事情って言っても……」


 トコトコ パタパタ

妖精「おーい、クー……あれ? そこにいるのは……」

クロシュ「クーちゃん……ヴィルトさん!」


ヴィルト「!?」

クーちゃん「あ、みんな……!」


リュアン「ヴィルトさん!」

フメイ「あ、ほんとにヴィルトだ」

聖女「お久しぶりです! この船に乗ってらしたんですね?」

ヴィルト「お前たちも乗っていたのか……!」


メアリー「……この、強面の男性は?」コソッ

妖精「ヴィルトっていう旅人だよ。ある人を探して旅をしてる……って言ってたよね。あれから記憶はどう?」

ヴィルト「ああ、ヴィルト・エクセリアだ。そちらの女性は――」

メアリー「……メアリーです」

ヴィルト「ブロンドの髪に、紅碧のオッドアイ……メアリー・ロード・セイントレア王女……!?」

メアリー「違います。ただの旅人です」

妖精「ってことにしてあげてくれる?」

ヴィルト「……あ、ああ。わかった」

 *

ヴィルト「クーさんが冤罪をかけられていて、真犯人は超能力者……だと?」

妖精「うん。私たちなりに証拠品は集めた。後はそいつを説得して自首させるだけってところ」

ヴィルト「医務室で寝ている間にそんなことになっていたとは……」

リュアン「えっ!? も、もしかして床に血溜まりを作って寝てた人って……」

ヴィルト「恐らく俺だ」

リュアン「だ、大丈夫なんですか!?」

ヴィルト「ああ、体は丈夫な方なんだ。それで……俺にも事件の概要や証拠品のことを教えてもらっても良いか?」

妖精「うん。私たちもここで事件のことを一度振り返るつもりだったから、丁度良かったよ」

 ☆ヴィルトが同行者に加わりました

 ◇
370 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2026/09/06(日) 19:58:39.18 ID:9/xHs7ZB0
―夜
 カロン号 劇場

 木槌「」カン!

船長「お集まり頂けただろうか? 関係者諸君」

リラ「はっ。審問官リラ、準備完了しております」


妖精「え、何これは……」

船長「容疑者クーの疑いについて、妖精らの異議申し立てを受理し船上審査会を行うこととした。容疑者の弁護を行う者は、審問官の反対側の席へ」

クロシュ「!」モニョッ

妖精「ええと……なんでこんな会を?」

船長「我々がふざけてこのようなごっこ遊びをしているように見えるかもしれないが、そうではない。物事の進行には順序と手続きが必要だ。一度容疑者として留置した者の罪を再審査するとなれば、相応の儀式が必要なのだ。無論、我々は船の専門家であって法の専門家ではないゆえ大いに不備があるかもしれないが、どうかお付き合い頂きたい」

聖女「承知致しました。私たちの訴え、真摯に受理して頂き感謝致します」

フメイ「えっと、何すればいいの?」

リュアン「……これまでに準備してきたことを、ちゃんと言って、あの人たちを納得させれば良いんだよ」


奴隷商人「おい、頼むぞお前ら……! あいつの冤罪を晴らしてやってくれ……!」

ヴィルト「……あなたは?」

妖精「クーを捕まえて売り飛ばそうとした悪徳奴隷商人だよ」

ヴィルト「……」ギロ

奴隷商人「うぇ!? な、なんだよぉ……!?」

聖女「ヴィルトさん、今この人を糾弾しても仕方ありません。クーちゃんさんのことについては、彼女の無罪を証明してからまた考えましょう」

ヴィルト「……ああ、わかってる。すまん」

 *
371 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2026/09/06(日) 20:05:23.04 ID:9/xHs7ZB0
 木槌「」カン!

船長「ではまず容疑者クーの口から、当日のことについて証言してもらおう」


 ――証言開始――

クーちゃん「は、はい。えっと……あ、あの日は、普通に奴隷監置区画を出て、厨房で作られた料理とか飲み物を運んでいたりしてて……。被害者の方からワインの注文があったので、厨房に行って保冷庫から新品の高級ワインを取り出して、劇場に戻ってお注ぎしました。そしたら……急にあの人が、血を噴いて倒れてしまって……」オロオロ

リラ「お注ぎする前に毒を仕込んだのですね?」

クーちゃん「ち、違います! 毒なんて仕込んでません! あの場で開封して、すぐにお注ぎしたんです!」

リラ「フッフッフ、でもあのワインに毒を仕込めたのはクーちゃんだけですよね? だってあなたが手に取るまで未開封の新品ワインだったんですもの」

クーちゃん「う、うぅぅ〜……!!」


クロシュ「んわわ……!」モニャニャ

リュアン「い、いきなり絶体絶命です……! ていうかリラさん、全部知ってる癖になんて白々しいんですか……!」

妖精「くっ……! でもこれがリラ流のやり方ってことだ……! この窮地を覆してみろって言いたいんだ……!」

フメイ「むむ……。フメイ、どうすればいい? 燃やす?」

聖女「いえ……何か使えそうな証拠があるはずです……!」


◯毒について
一般に毒性を知られていない黒化凪鉄化合物。
テレポーテーションという超能力によって未開封のワインへ混入された。
医務室の医者は、奴隷がそれを毒と知って入手するのは極めて難しいと証言している。
被害者ケンブツ・アクトゥクの持ち物だった。

◯被害者ケンブツ・アクトゥク子爵について
セイントレア平原南西に位置する小さな港町アクトゥクポートを治める小貴族アクトゥク家の当主。
ガイスト・シュヴァルシュタインというフリーの兵器開発者と兵器購入の契約を交わそうとしていた。
手記によると、黒化凪鉄化合物を用いてリラと奴隷商人の殺害を計画していたらしい。

◯クーについて
奴隷となる前は商人として活動し生計を立てていた。
超能力を考慮しない場合、クー以外に犯行可能な人物は存在しない模様。

◯リラについて
自称月より舞い降りた伝説のウサギ人。リテン・ヘイヴンで自由に振る舞っている。
多くの有力者が手籠めにしようと試みたが、全て失敗に終わり非業の末路を辿ったと言われている。


◆弁護側の心証 [4/4]

↓1選択 使う証拠
1.毒について
2.被害者について
3.クーについて
4.リラについて
5.運命賽を使う(残り6)
372 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2026/09/06(日) 20:08:43.64 ID:fTGZhFkUo
1
373 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2026/09/06(日) 20:13:14.76 ID:eaam6MaYO
1
374 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2026/09/06(日) 20:31:34.89 ID:9/xHs7ZB0
クロシュ「いぎあり!」ドン!

リラ「!」

クロシュ「クーちゃんが……毒、使うの……おかしい!」

リラ「どうして? 厨房から劇場まで運ぶ間に、毒を仕込むタイミングなんていくらでもあったはずですよ?」

クロシュ「んーん……! 毒……黒化凪鉄化合物……クーちゃんは……知らないと、おもう……!」

リラ「!」

船長「医者から話は聞いている。ワインに混入された毒は、希少な凪鉄を利用した黒化凪鉄化合物だそうだな。確かに、一介の奴隷であるクーが入手するのは難しく、その毒性を把握することも困難な代物であるという」

リラ「でも難しいとか困難とかって不可能≠フ証明にはなりませんよね?」

クロシュ「!」

船長「その通りだ。クーは奴隷となる前、商いによって生計を立てていたことが明らかになっている。商人であった頃に黒化凪鉄化合物を入手したり、その毒性を把握したりできる可能性は大いにあったと言えるだろう」

奴隷商人「異議あり!」ドン!

船長「どうぞ」

奴隷商人「奴隷のボディチェックは完璧に行っていた! クーがそのような毒を持ち込む隙はなかったと断言する! これが日々のボディチェック記録だ!」

 奴隷のボディチェック記録書類「」ポン!

船長秘書「……ロスチャイルド商会の監査印も入っています。信用できる証拠として受理しましょう」

船長「ふむ。だがそうなると、毒の出所が全くの不明となる。そもそも我々は毒の出所を未だに掴めていないのだが……」

リラ「容疑者がその辺に落ちていた小瓶を拾って、貴族への恨みでポポイと混入させたとかじゃないですか〜? 毒の瓶は犯行の前に海にでも投げ捨てちゃったんだと思います〜」


クロシュ「――!!」

妖精「気付いたね? 一気に攻勢に出るチャンスだよ、クロシュ!」


◆弁護側の心証 [4/4]

↓1選択
1.毒の混入タイミングについて
2.毒の捨て方について
3.毒の容器について
4.運命賽を使う(残り6)
375 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2026/09/06(日) 20:36:38.90 ID:Bcts7X/so
3
376 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2026/09/06(日) 21:04:18.42 ID:9/xHs7ZB0
クロシュ「……リラさん……なんで、毒の容れ物が……小瓶だって、知ってるの?」

リラ「え!? あ、ああ〜! それは言葉の綾ってやつだよね〜。とりあえず便宜的に小瓶て言ってみただけで、実際の容れ物の形は知らないっていうか〜」


 扉「」バァン!


船員「船長、審理中失礼します! 凶器と思わしき毒物を発見しました!」

船長「何だと!? どこにあった!」

船員「被害者の……客室です! 机の中に巧妙に隠されていました!」

船長「何!? どうやって見つけた!?」

船員「匿名のタレコミがありまして……」

船長「まあいい、証拠品として受理する!」


 黒い粉末の入った小瓶「」ポン!


奴隷商人「……! おい……小瓶だぞ!!」

フメイ「小瓶!」

船長秘書「……これが凶器であるなら、奴隷クーが犯人である可能性は限りなくゼロに近づきます。厳重な警備を掻い潜って上等客室に侵入し、この小瓶を持ち出すほどのはニンジャでもなければ不可能です。しかし……それよりも確認すべきことがありますね」

妖精「……審問官リラ。毒の容器を小瓶と知っていた理由……詳しく説明してもらえる?」

リラ「だ、だからぁ〜。たまたまだってぇ〜」

クロシュ「いぎあり!」ドン!

リラ「んわっ!」

クロシュ「指紋……しらべれば、わかる!!」ドドン!

船長「ああ。調べてみよう」

 *

 黒い粉末の入った小瓶「」

 小麦粉「」ポンポン

 浮かび上がる2人分の指紋「」

船長「この2人の指紋は……被害者ケンブツ氏と……審問官リラ、あなたのもののようだ!」

リラ「〜〜!!」ズギャァァン!!

船長「そして奴隷クーの指紋は検出されなかった。このことについて、説明していただけるだろうか?」

リラ「あ〜、それね〜。ちょっと前にケンブっちがドヤ顔で自慢して見せて来たことがあってぇ〜。あーし、ちょっとベタベタ触っちゃったみたいな〜?」


クロシュ「!」

◆弁護側の心証 [4/4]

つきつけよう!
↓1選択
1.兵器購入の契約書の写し
2.被害者の手記の写し
3.2人分の指紋の写し
377 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2026/09/06(日) 21:06:30.93 ID:kHUU0IpB0
2
378 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2026/09/06(日) 21:49:07.80 ID:9/xHs7ZB0
クロシュ「ケンブっち……リラさんに、ドヤ顔、しなかった!」モニョッ

リラ「!」

クロシュ「これ……ケンブっちの、日記!」ドン!

 被害者の手記の写し「」ポン!!

船長「これによると……確かに、被害者がリラ審問官に毒物を見せびらかすとは極めて考えにくい! しかしこの手記……本物か!?」

船員「被害者の部屋から同じものが見つかってます! 事件には関係ないものとして証拠品にはしませんでしたが……」

船長「いや、関係がある! ……この際、君がなぜ手記の写しを持っているのかはあえて聞かないでおこう」

クロシュ「う、うん」

船長「そしてリラ審問官。度重なる事実と異なる発言……何を隠しているのか、正直に申し上げてみてはどうか?」


リラ「……くっ……うっく……」


リュアン「俯いて……もしかして、泣いて……?」

聖女「ですが……例え涙を……ん?」


リラ「うく……くくく……くぁーっひゃっひゃっひゃ!!」ゲラゲラゲラ


クロシュ「!!?」モニャッ

船長「!!?」

リュアン「!!!」


リラ「あはっあはっあはっ!! お〜見事です、お見事お見事! でも残念……例え小瓶から私の指紋が検出されたとしても、それが即ちワインに混入させた証拠にはなりませんわねえ!?」

クロシュ「!!!」

妖精「くっ……!! そ、その通りだけど……!」

リラ「依然として、ワインに毒を混入させられたのはクーちゃん以外にいないという事実は厳然たる真実なんですねえ! ニャーは無罪ウサねえ!!」ゲラゲラゲラ

船長秘書「……彼女の言う通り。毒をワインに混入させられたのはクー容疑者だけでした。その前提を覆せない以上……話は終わりかもしれません」


フメイ「うう〜〜!! 違う……!!」

リュアン「フメイちゃん……?」

フメイ「だってリラの奴……超能力者だもん!!!!」

聖女「そ、それは……。でも、しかしそれを証明することは……」

フメイ「リラ、テレポートで毒をワインに移したって、自分で言ってたもん!!!」

リラ「あれあれ〜? 何のことですかねえ〜? 超能力なんてあるわけないじゃないですか、メルヘンやロマンチシズムじゃあるまいし〜?」

妖精「くそ……! あいつ、事件の全貌を明らかにしたら自首するって言ってた癖に……!!」

メアリー「ですが……超能力者である彼女がそれを自ら実演して見せなければ……私たちには、打つ手がありません……」

リュアン「うぅ……ここまで来て、どうしようもないの……!?」

ヴィルト「超能力によるテレポート……?」


クロシュ「……」


ファイナルアンサー
↓1選択
1.トカゲの姿で高速移動し背中をタッチ
2.不意打ちのむげん斬り(峰打ち)
3.旧世樹の杖で平和にする
0.自由安価(できないことはできない)
379 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2026/09/06(日) 22:00:39.13 ID:dgNJdiqWO
1でトカゲクロシュをテレポートで移動させるに賭ける 
2だとリラがテレポートで避けてもテレポートできるのは自分のみと言い逃れされそう
380 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2026/09/06(日) 23:40:00.54 ID:9/xHs7ZB0
 モニョニョポン!

船長「む!? 弁護人クロシュはどこへ!?」キョロキョロ

妖精「はっ……! クロシュは――」


 シュタタタッ
  シュバッ!!

リラの背中に飛ぶトカゲクロシュ「」ヒューン――


普通に避けるリラ「見え見えだよ〜ん!」サッ


 ドギュンッ―
 リラに迫るゴム弾「」ギュオオオオ

リラ「っ……!?」


魔導拳銃を構えたヴィルト(……避けられる態勢ではないはずだ。どうする?)


 リラの背後で響く着弾音「」カンッ
 落ちて転がるゴム弾「」コロコロ…

無傷のリラ「……」


船員「……船長! 今……確実に命中してる角度でした!」

船長「ああ。だが……見ての通り、彼女は無傷のようだ」


リラ「は〜……部外者に暴かれちゃうのはちょっと興醒めかもニャ。とりま合格でいっか」

 スタスタ

リラ「見ての通りリラは超能力者で〜す。ほい、こんな感じ」

 指パッチン「」パチン!

 毒の小瓶の中にテレポートするゴム弾「」パッ

船長「!!」

ヴィルト「!!」

リラ「こんな感じで毒を未開封ワインの中にテレポさせたってわけ。おわかりいただけたかしらァん?」

船長「毒の瓶も、そのテレポート能力で手元に取り寄せたのか?」

リラ「ケンブっちが隠し持ってるのを見つけて普通にスリました。ウチのことギンギンにして見つめてたかんね〜。まあその後部屋に戻したのはテレポだけどね」

船長「……罪の自白と受け取るが、構わないな?」

リラ「ま〜そ〜ゆ〜約束だったかんね。クロシュっちたちのがんばりが見れて余は満足ぢゃ」

クロシュ「う、うん」


船員「船長……リラちゃんってどうやって捕まえとくんですか?」

船長「……とりあえず、既存の方法で拘束しておく。逃げられたらその後のことはその後考えよう」

船員「はい」

 ☆真犯人を突き止め、クーちゃんの無罪を勝ち取りました

 ◇
381 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2026/09/06(日) 23:40:28.11 ID:9/xHs7ZB0
―夜
 カロン号 廊下

クーちゃん「クロシュ〜〜!!」ポロポロ

クロシュ「クーちゃん!」

クーちゃん「クロシュなら、クロシュなら絶対に助けてくれるって信じてた!! ありがど、ありがどぉ〜!!」ポロポロ


妖精「ふう〜……とにかくこれで一件落着だね」

リュアン「はい! めでたしめでたし、です……!」

聖女「リラさんが最後にちゃんと約束を果たしてくれて良かったです……」

フメイ「うん。フメイ、むかつきすぎて船ごと燃やしちゃうとこだったかも」

メアリー「ふふ……。フメイさんも、よくがんばってくれました……。お疲れ様です……」


少し離れたところで息をつくヴィルト「ふぅ……」

妖精「ヴィルトも、あの土壇場でありがとう! リラの超能力を暴く決定打になったよ」

ヴィルト「……ん、ああ。上手くいくとは思ってなかったんだけどな」

妖精「クーの奴に昔助けられたんだっけ? なんか変わった縁もあるんだねえ」

ヴィルト「フッ……そうだな」

妖精「そういえば、あれから記憶はどうなの? いろいろ思い出した?」

ヴィルト「……ああ。まだ完全ではないが、かなり思い出せてきた」

妖精「本当? 大事な物を返す相手は見つかった?」

ヴィルト「いや……肝心のその人物のことは、まだ思い出せていないんだ……」

妖精「そ、そうなんだ……。でもかなり思い出せたなら、きっともうすぐ全部思い出せるよ」

ヴィルト「だといいが」
382 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2026/09/06(日) 23:42:05.92 ID:9/xHs7ZB0

奴隷商人「あ〜……皆さん、盛り上がりのところ悪いんだが……。そろそろ、クーを奴隷監置区画にだな……」

クロシュ「!?」モニョッ

クーちゃん「えっ!?」

フメイ「なんで? クーはもう無罪放免で、自由の身なんじゃないの?」

奴隷商人「あ〜、その……。冤罪が晴れただけで、奴隷っていう身分に変わりはなくってェ……」

クーちゃん「い、言われてみれば……確かにそうね……」

奴隷商人「その……売却先も、もう決まっててェ……」

ヴィルト「破棄しろ。契約を」ヌッ

奴隷商人「そ、そうすると……違約金が、すごくってェ……。俺の全財産でも、足りなくてェ……」

妖精「え、ええ……」

リュアン「そんな……」

土下座奴隷商人「……ほ、本当に申し訳ございませんっ!!! 俺も、出せるだけは出すので……!! 違約金の不足分を、ご負担して頂けると……!!」ザザッ

クーちゃん「えっ……えっえっ……」オロオロ

クロシュ「妖精さん……!」

妖精「は〜……わかったよ。違約金っていくらなの」

土下座奴隷商人「……一般通貨換算で、5000万です」

妖精「はあああ!!?!?」

リュアン「え、えええ!!? なんですか、それ!!?」

聖女「孤児院の予算……何年分でしょうか……」

奴隷商人「リテン・ヘイヴンは物価が他の地域の数倍にインフレしててェ……」ジワワ

ヴィルト「……俺の記憶が間違っていなければ、リテン・ヘイヴンでは仕事の報酬もかなりインフレしている。交換レートと手数料が最悪の独自通貨が使われているからリテン・ヘイヴンで大儲けして里帰り、なんてことはできないが……。リテン・ヘイヴン内でどうにか稼ぐだけならなんとかなる……はず」

クロシュ「じゃあ……稼ぐ!!」ドン!

クーちゃん「あぅぅ……クロシュぅ……」ジワワ

フメイ「ふうん。フメイもいいよ、お金稼ぎ」

妖精「乗りかかった船だ、私も最後まで面倒見るよ」

クーちゃん「〜〜〜!!」ポロポロポロ

奴隷商人「恩に着ますッ!! 恩に着ますッ!!」ペコペコ

 ☆目標「クーちゃんの濡れ衣を晴らす」を達成しました

 ☆目標「クーちゃんの違約金を払う」が新たに発生してしまいました……

 ◆
383 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2026/09/07(月) 00:22:12.56 ID:H5jJMMrP0
―深夜
 カロン号 船首

 昇る月「」
 月の光にゆらめく水面「」キラキラ

船首に腰掛けて脚をぶらぶらさせるリラ「〜〜♪」

 ストッ

マネキ「相変わらず派手にやっているようだな」

リラ「あら、マネキ猫ニャン」

マネキ「聖女とクロシュはどうだ?」

リラ「真面目な子たちニャンねえ。聖女ちゃんなんて、わざわざおあつらえ向きなステージを用意してあげたのに運命を変えなかったウサ」

マネキ「そうか。それもまた良かろう」

リラ「猫は聖女に力を取り戻して欲しいのかワン?」

マネキ「本人が望むようにすれば良い。吾輩は眺めているだけだ」

リラ「そっちは相変わらずヒエヒエのフリーズドライですわねえ」

マネキ「そうか?」

リラ「そうよ。力があるなら使った方が面白いわ」

マネキ「お前は好き勝手やりすぎと思うが」

リラ「何か問題ある?」

マネキ「ない」

リラ「でしょ?」

マネキ「だが、いつか邪鬼として討たれても文句は言えんぞお前」

リラ「ウサがそんなヘマすると思うピョン〜?」

マネキ「思う」

リラ「ガチトーンで言われたウサ……」

マネキ「吾輩は真面目だからな」

リラ「あそいえば、魔導拳銃を持った人相の悪い男は知ってるウサ?」

マネキ「誰だ?」

リラ「ヴィルトとか呼ばれてたワン」

マネキ「知らん」

リラ「この世界の者ではなかったニャねえ」

マネキ「そうか」

リラ「マネキニャン、他人に興味なさすぎないかワン?」

マネキ「なぜ顔も知らん奴のことなぞ気にせねばならんのだ」

リラ「そりゃまあ、ウサたちって一応そういうアレだし? 世界になんかの影響がありそうならちょっと考えなきゃいけないのかな〜ってリラもリラなりに考えてみたり〜」

マネキ「異物の混入程度で潰れるなら、この世界もそれまでというだけの話だろう」

リラ「やっぱりマネキニャンってスーパードライすぎるニャン……」

 ◆
384 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2026/09/07(月) 00:23:27.65 ID:H5jJMMrP0
本日はここまで

長き調査の果てに、とうとう真犯人を追い詰めてクーちゃんの無罪を勝ち取った一行。勝利の喜びを分かち合うあかちゃんスライムたちであったが、すぐに次なる問題が発生する。クーちゃんの売却契約破棄によって生じた違約金の支払いである。
罪の街リテン・ヘイヴンにて、クロシュたちは誰と出会い、何を思い、どう金を工面するのか――。

次回、リテン・ヘイヴン編開幕。お楽しみに
385 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2026/09/07(月) 01:31:03.05 ID:Zi/ctgTFo
おつ
いよいよ上陸
この一行なら大抵の仕事は難なく熟せるだろうけど…場所が場所だけにまともじゃない案件も多そうだ
386 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2026/09/07(月) 20:22:40.89 ID:wI1HIx92o
メタ的にいえば金さえ稼げばさっさと島をおさらばできるのか
387 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2026/09/07(月) 21:53:00.65 ID:gcdRC8Og0
乙 
まさかのリラとマネキ知り合い
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