【安価・コンマ】力と魔法が支配した世界で【二次創作】 Ⅳ

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585 : ◆sIVlz2/mNs [saga]:2026/10/25(日) 22:52:34.08 ID:6STrIRjRO
>>583
劣勢が続いたり、敗北していたら使う予定でした。ちなみに、今回召喚された肉体における、強欲のマモンとしての権能は「所有権の強制移転」です。自身の血液を一定量浴びせた対象を、有機物・無機物を問わず、強制的にベストさんの所有物として扱う権能でしたが、作中で使う機会はありませんでした。

>>584
シュヴァイツェルさんと相対したらわかるかと思います。といっても、そんな複雑な理由はないのですが。

本日は>>1に私用があるため、更新はいつも以上に短いです。ご容赦ください。
586 : ◆sIVlz2/mNs [saga]:2026/10/25(日) 22:53:23.60 ID:6STrIRjRO
ジョン「──全員、解毒は完了したようですね」

ガイ「ありがとう、ジョン」

ステラ「うう……下が濡れてて気持ち悪い……」

ザック「俺もだ。早いとこ着替えてえな……」

サーシャ「……うん……」

ジョン「毒は抜けましたが、消耗した体力は戻っていません。しばらくは、無理をしないでください」

アインズ「ステラ。転移は使えそうか?」

ステラ「少し休めば……七人まとめて、帰る分くらいはね」

アインズ「ならば、一度戻ろう。ガイは取り戻した。ベストも倒した以上、好き勝手には動けまい」

リディア「……シュヴァイツェルさんは……?」

アインズ「気にはなるが、今の状態で捜し回るのは危険だ。ここに長居して、せっかく助けたガイを再び奪われては意味がない」

ザック「あの女を放っとくのは、気に食わねえが……っ……」ヨロ……

アインズ「その身体で、まだ戦うつもりか?」

ザック「けどよ……!」

ジョン「……皆さんだけで、お戻りください。私は残ります」

ステラ「はぁ!?何言ってるの!?」

ジョン「シュヴァイツェルさんを捜します。今なら、あの方を守る悪魔はいません」

アインズ「他に何を用意しているか分からぬぞ。お前自身が言ったことだろう。中の様子も知らずに踏み込むべきではないと」

ジョン「承知しています」

アインズ「ならば──」

ジョン「ここで逃がすわけにはいかないんです」
鞄「」ギュッ……

ガイ「?」
587 : ◆sIVlz2/mNs [saga]:2026/10/25(日) 22:53:51.14 ID:6STrIRjRO
ジョン「……失礼。襲撃を指示した本人を、そのままにはしておけないということです」

ザック「それは、俺たちだって同じだ。だからって、お前だけ置いて帰れるかよ」

ジョン「私には、まだ余力があります。皆さんを連れ回すよりは──」

ガイ「俺も残る」

アインズ「お前まで、何を言い出す!?」

ガイ「確かめなければならないことがある」

ジョン「ガイさん。あなたは、帰ってください」

ガイ「俺のためを思って言ってくれているのは分かる。だが……助けてもらったから、あとは任せるというわけにはいかない」

ガイ「シュヴァイツェルが避難所への襲撃を命じたのは、俺の目の前だ」

ザック「!」

ガイ「第七に人が集まれば、俺を助けに来る余裕がなくなると……あいつは、そう言った」

リディア「……そんな……」

ガイ「ベストを倒しても、外の連中はそれを知らない。今も襲撃が続いているなら、命令を出した本人に止めさせる必要があるだろう」

アインズ「言っていることは分かる。だが、お前もジョンも、残りさえすればどうにかなると思うな」

ガイ「……ああ」

アインズ「特にジョン。先ほどから、何を急いでいる?ガイを捜していた時とは、様子が違うぞ」

ジョン「これ以上、犠牲を出させたくないのです」

アインズ「……それだけか?」

ジョン「ええ」

サーシャ「……私も残る」

アインズ「サーシャまで……」

サーシャ「ここで一度戻っても、避難所への襲撃は止まらないんでしょ?それなら……元凶に今一番近い私たちが何かするべきじゃないかな?」

アインズ「……」
588 : ◆sIVlz2/mNs [saga]:2026/10/25(日) 22:55:08.41 ID:6STrIRjRO
リディア「……私も、残ります……」

アインズ「……お前もか」

リディア「皆さんだけじゃ……話を聞いてもらえない場所も、あると思うので……私が知っている人なら、何か聞けるかもしれません……」

ステラ「……それなら、私も残るしかないじゃない」

ガイ「ステラ……」

ステラ「勘違いしないで。逃げる手段までなくして、あんたたちだけ置いて帰れるわけないでしょう?だけど、転移するって言ったら、すぐに集まってよ。あと少しだの、まだ戦えるだの……そういうのは聞かないから」

ザック「……決まりだな。俺も行くぜ」

アインズ「さっき立つだけでふらついていただろう」

ザック「だからって、一人で帰れってのか?……無茶はしねえ。少し休めば、歩くくらいはできる」

アインズ「……まったく。誰も彼も……」

ガイ「……すまない」

アインズ「謝ればよいというものではない……休めるうちに休め。動き出す前に、状態を確かめるぞ……それから、ジョン」

ジョン「何でしょう」

アインズ「お前の話は、終わっておらん」

ジョン「先ほど、お答えした通りです」

アインズ「ベストは、お前が何を差し出したのかと聞いていたな。そして今、お前は『今度こそ』と言った」

アインズ「お前を問い詰めたいわけではない。だが、共に行く以上、何をするつもりなのかは聞いておきたいのだ」

ガイ「ジョン。シュヴァイツェルと、何かあったのか?」

ジョン「あの方個人、というよりは……ロスチャイルドの血族にです。私の一族は、彼らの陰謀によって滅ぼされました……生き残ったのは、私だけです」

ザック「何だって……?」

リディア「……ご家族も……?」

ジョン「皆、死にました……私も、助かったわけではありません。生きたまま、奴等に実験に使われたのです」

ガイ「……実験……」

ジョン「何をすれば、どこまで耐えるのか。何を失っても、動き続けられるのか……彼らには、確かめたいことがいくらでもあったようで」

サーシャ「……っ……」

ジョン「ベストの毒が効かなかったのも、薬で備えていたからではありません」
捲られる白い袖「」スル……

機械化された腕「」
関節や肌に刻まれた術式「」

ステラ「……それ……」

ジョン「ゴーレムのようなものです。身体のほとんどが、こうなっています。今の私は、どこまで人間と呼べるのか……自分でも、よく分かりません」

アインズ「……」
589 : ◆sIVlz2/mNs [saga]:2026/10/25(日) 22:55:38.41 ID:6STrIRjRO
サーシャ「シュヴァイツェルさんを……どうする気なんですか?」

ジョン「殺します」

ジョン「捕らえるような生ぬるいことは、一切しない」

リディア「……!」

ジョン「皆さんがガイさんを連れて帰った後で、私一人で捜すつもりでした。お話しすれば、止められるかもしれませんから」

アインズ「……だから、残ると」

ジョン「ええ」

ガイ「俺たちを助けてくれたのも、そのためだったのか?」

ジョン「……あの方へ近づく機会だと考えたことは、否定できません。ですが……あなた方を助けたかったのも、本当です」

ガイ「……」

ジョン「私と同じ目に遭う人を、これ以上増やしたくなかった……それなのに、あの部屋で、あなたを見つけた時……やはり、変わらないのだと思いました」

ジョン「誰が傷つこうと、誰が帰れなくなろうと……あの一族は、命の価値など知らぬように、次の実験を始める」

ガイ「……ジョン……」

ジョン「……これが、私が残る理由です。皆さんに、同じことを望んでいただくつもりはありません」

ジョン「ただ……今度こそ、逃がしたくないのです」

ガイ「……事情は分かった。だが、シュヴァイツェルをどうするかは、会ってから決めよう」

ガイ「襲撃を止めさせるためにも、聞かなければならないことがある。今ここで、殺すと約束はできない」

ジョン「……承知しました。まずは、見つけましょう」

アインズ「勝手に先走るなよ……皆、動けそうか?」

ステラ「ええ。魔力は残してあるわ」

サーシャ「……私も、大丈夫」

ガイ「行こう。シュヴァイツェルのところへ」

◆
590 : ◆sIVlz2/mNs [saga]:2026/10/25(日) 22:58:08.67 ID:6STrIRjRO
ーー聖域の地下

シュヴァイツェル「……七大罪の悪魔といえど、死ぬ時はあっけないものね」

シュヴァイツェル「もう少し働いてもらいたかったけれど……必要なものは残してくれたし。ひとまず、お礼は言っておこうかしら」クルリ

スタ……スタ……

机に積まれた研究記録「」ドッシリ
液体の残る培養槽「」ポタ……ポタ……

シュヴァイツェル「──ありがとう、ベスト。あなたのおかげで、間に合ったわ」

金髪碧眼の無表情の少年「……」

少年の頬を触るシュヴァイツェル「それで……あなたの名前は、どうしましょうか……」ムニムニ

シュヴァイツェル「私とあの人の子、と呼ぶには……少し、混ぜ物が多いけれど……うーん……」

金髪碧眼の無表情の少年「……お母様がつけてくださる名前なら、なんでも嬉しいです」

シュヴァイツェル「まあ!珍しく、親孝行な子ねえ……!」

少年の顔を覗き込むシュヴァイツェル「そうね……ガイと、セイン……ガイン……」

シュヴァイツェル「──カイン。ええ、そちらの方が呼びやすいわね。あなたは今から、カイン・ロスチャイルドよ」

金髪碧眼の無表情の少年→カイン「……分かりました。カイン・ロスチャイルド……それが、私の名前ですね」

シュヴァイツェル「ええ。気に入った?」

カイン「はい。ありがとうございます、お母様」

シュヴァイツェル「ふふっ……素直でいい子。ほかの子たちも、あなたくらい聞き分けがよければよかったのに」ナデナデ

撫でられるカイン「……私は、何をすればよいのでしょうか」

シュヴァイツェル「そうね……これから、私の実験を手伝ってもらうわ。まずは、あなたに何ができるのか、見せてもらいましょう」

シュヴァイツェル「ちょうど、もうすぐお客様が来るみたい。あなたのお父様も一緒にね」

カイン「……お父様が……」

シュヴァイツェル「ええ。楽しみね、カイン?」

カイン「……はい。お母様」

◆
591 : ◆sIVlz2/mNs [saga]:2026/10/25(日) 22:58:34.55 ID:6STrIRjRO
本日はここまでです。次回もよろしくお願いします。

それでは、また。
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