提督「臆病で愚図」

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102 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2015/08/09(日) 20:01:52.56 ID:XeAQhzEXO
待ってた
103 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2015/08/10(月) 00:42:22.31 ID:xjN6IWFq0

何とか他の娘たちに会わず、私室の前に辿り着くことができた。

書置きの時間も問題ない。この調子なら朝食も摂ることができるだろう。

早速扉を開けようと右手を伸ばすと、妙高が左手でそれを制した。

提督「ど」

「どうした」と言い終わらない内に、妙高が左人差し指を唇の前に立てたのを見て、口を噤んだ。何だ。

妙高はストッキングを床に置くと、私の代わりに右手で扉を開いた。

内開きの扉が開く。





真左から、拳大の黒い箱。

右上から、開いた銀輪。



妙高は突き出され、振り下ろされるそれらの凶器、スタンガンと手錠を一歩下がって避ける。

そしてスタンガンを突き出した手と、手錠を振り下ろした手をそれぞれ掴み、捻る。

羽黒「っ!」

足柄「いたたたっ」

羽黒と足柄が痛みで顔を引き攣らせる。

それと同時に、痛みによるものか、羽黒の左手からスタンガンが、足柄の右手から手錠が離れ、床へと落ちていく。

床に落ちた二つの物体に妙高の視線が移動する。

瞬間、羽黒が投擲するように右手を振り下ろす。手にはペンが握られており、軌道からして妙高の目を狙っているようだ。姉にすることじゃない。

妙高は掴んでいた羽黒の左手を離すと、腰を捻って軸をずらし、ペン先を避け、そのまま羽黒の右腹に左爪先蹴りを放つ。妹にすることじゃない。

羽黒は後方に飛び、壁に激突し、咳込む。

姿勢を戻した妙高は、足柄の手を掴んだまま、穏やかな表情で羽黒に顔を向ける。

妙高「もう、羽黒ったら、危ないじゃないですか」

足柄「おごごごご」

妙高は足柄の手を更に捻りながら、羽黒を諌める。足柄が捻られた右手を庇いながら更に呻く。

羽黒は背を壁に付け、俯いたまま、上目遣いに妙高を見つめる。

羽黒「ごめんなさい、妙高姉さん・・・姉さんが司令官さんを一人占めしていると思ったら、つい」

つい、でお前は姉を刺すのか羽黒。

妙高「・・・もう、仕方ない娘ですね羽黒は。今回だけですよ?」

そしてお前は許すのか、妙高。そして今回だけってなんだ。次もあるのか。

左頬に手を添え、柔やかな笑顔をしていた妙高は「おおおおぉ」と呻いている足柄の方に顔を向ける。足柄煩い。
104 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2015/08/10(月) 00:42:58.61 ID:xjN6IWFq0

妙高「さてと、足柄・・・これは一旦何ですか?」

そう言うと妙高は右手の捻りを直し、右足爪先で手錠をつつく。

痛みから解放された足柄は息を整え、顔を上げて妙高の方に向く。

足柄「えっと、その・・・手錠です」

妙高「そんなものは見ればわかります」

まったくだ。

妙高「私は、何故、こんなものを貴女が使ったのかを聞いているのですよ、足柄」

妙高は目を細め、笑顔のまま、さらに足柄に問い詰める。

足柄は愛想笑いを浮かべながら、妙高から目を逸らす。

足柄「い、いや〜、その、ほら、朝起きたら提督居なかったでしょ?」

妙高「私と一緒に散歩をしていましたからね、それで?」

散歩、という単語を妙高が言った途端、羽黒から歯軋りする音が聞こえた。

足柄「それで、その、提督が傍に居なかったものだから『ああ、やっぱりちゃんと傍に置いておかないといけないのね・・・』って思って」

なんだその理屈。書置きしただろうに。

妙高「それでこんな玩具を取り出した、というわけですか」

足柄は妙高に笑顔を向け、左手を開いて掌を妙高に向ける。

足柄「そ、そうなのよ〜、ほら私と提督は夫婦なわけだし、一緒にいるのは当ぜぇええええ痛い痛いっ姉さん痛いっ! 腕がっ! 勝利を掴む私の腕がぁああああっ!」

妙高は張り付いた笑顔のまま、先ほどより更に強く足柄の右手を捻る。足柄は呻き声を挙げるが、台詞からしてまだまだ余裕だろお前。羽黒もさっきから白い目で見ているし。

妙高は暫く手を捻って足柄の呻き声を聞いていたが、やがて溜飲が下がったのか、足柄から手を離し、溜息をついた。

足柄「折れてないわよねっ?! 折れてないわよねっ、私の腕っ!?」

そう言って足柄は私と羽黒を交互に見る。知るか。

足柄が泣きべそを掻いている間、妙高は足元にあった手錠を拾うと、開口部分の両端を両手でそれぞれ掴む。



妙高「・・・貴方達は・・・」



足柄「えっと・・・妙高姉さん?」

羽黒「・・・」

妙高からの異様な雰囲気を感じてか、足柄と羽黒の視線が妙高に集まる。

次の瞬間、妙高は左足でスタンガンを踏み潰し、両手で手錠をへの字に伸ばす。

スタンガンの破片が床に散らばり、その一部が羽黒の足元まで転がる。

妙高はもう片方の手錠の輪を輪ゴムを捩じるかのように曲げ、銀色のゴミを作る。

妙高「・・・この玩具で、提督に万一・・・万一なにかあったらどうするつもり? ねえ、足柄、羽黒?」

無表情のまま、妙高は足柄と羽黒に語りかける。

足柄は作り笑いを浮かべながら目を逸らし、右手を背に隠し、左人差し指で頬を掻く。

羽黒は口を閉じて、伏し目がちにしたまま、妙高から顔を逸らす。



・・・提督ですが、私室の空気が最悪です。



「なんだ? 騒がしいな?」
105 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2015/08/10(月) 00:43:41.90 ID:xjN6IWFq0
・本日 ここまで

・感想 要望 改善等 あれば どうぞ
106 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2015/08/11(火) 08:43:03.27 ID:2YdHRpTfO
乙です
足柄はともかく羽黒怖い…
107 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2015/08/14(金) 02:51:50.85 ID:7ZVqzTSvo
乙ー
108 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2015/08/17(月) 16:12:55.31 ID:5g6ZNQag0

羽黒の後ろ、寝室と浴室に続く通路の角から、黒刃のような髪を垂らし、切れ長の目をした女性が顔を出す。

誰だ、こいつ……那智か。

毎度思うことだが、側頭上部から帯のように垂れ下がる髪型を解くと何故こいつは別人になるのだろうか。

那智「貴様、戻っていたのか、書置きの時間通りだな」

先程まで浴室に居たのだろう、黒刃のような髪に艶が宿り、妖刀と紛う輝きを放っている。

足柄「書置き? なにそれ、知らないわよ?」

羽黒「司令官さん……?」

二人が不思議そうな顔で私を見る。私だってわからん。

妙高「私たちが出て行く際、枕元にメモ用紙があったはずよ。二人とも見てないの?」

足柄と羽黒は首を横に振る。

那智「見ていないのは当然だ」

那智は角から羽黒の隣に移動する。

……何故裸なんだ。

円錐形の二つ乳房が惜し気もなく披露され、斜め上に勃った乳首が視線を他に奪られまいと自己主張している。

谷間から臍にかけて縦に一本の筋が入り、かつ肩幅が少し広くなっていることから、体幹を含んだ各所の筋肉が鍛えられていることが見て取れる。

それでいて、胴体にはエネルギー貯蔵庫となる脂肪が適度についており、女性らしい、と言うのは失礼に当りそうだが、柔らかな感覚が失われていない。

そして下腹部の陰毛は総て取り除かれ、隠れ蓑の無くなった大陰唇が陰裂を作る様を曝している。

提督「……捨てたのか?」

だとしても、足柄と羽黒に伝えておいて欲しかったのだが。

那智「捨てる訳ないだろう? その書置きは私が食べた」

……何言ってんだ、こいつ。

那智はまるでそれが当然の行為だろうといった表情で淡々と言葉を続ける。

那智「あれは貴様が私に綴ってくれたものだろう? そんな大事なメモを私が捨てると思うか? 貴様の一文字一文字が身体に染み渡るよう、ゆっくり味わわせて貰ったぞ」

お前は山羊か。

那智「貴様が私の一部となっていく……素晴らしいと思わんか」

思いません。

羽黒「姉さん……ずるい」

羽黒が羨ましそうな目で那智を見ている。紙をモシャモシャ食べたことを誇らしげに語る姉のどこに羨望の要素があるんだ。あと全裸だし。

足柄「那智、せめて何が書いてあったのか、私たちに教えてくれたって良かったじゃない」

誇大妄想に浸る那智に慣れているのか、その妄言を無視して、足柄が至極真っ当なことを聞く。そうだ、そこが大事だ。

足柄「妻が夫のことを把握するのは大事なのよ!」

そこは大事じゃない。ついでにお前の夫になったつもりはない。

足柄を除くほか三名は、足柄を白い目で見る。

足柄「な、なによ」

狼狽する足柄が抗議の声を挙げると、しばし微妙な沈黙が流れる。
109 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2015/08/17(月) 16:14:05.29 ID:5g6ZNQag0

その沈黙を破るように、妙高が呆れを含んだ溜息をつく。

妙高「……ともかく、状況はわかりました。那智のうっかりで二人は提督が心配になり、これらの玩具で提督を保護しようとした、と」

那智「うっかりとはなんだ」

那智の発言を無視して羽黒が頷いて返すが、足柄は小声で独り言を呟いて聞いていないようだ。あと妙高、保護じゃなくて拘束の間違いだろう。

妙高「貴方達の気持ちは理解できます。ですが、羽黒」

羽黒「……はい」

妙高と羽黒が向き合う。

妙高「これ、対艦娘鎮圧用のスタンガンですね? 扉を開けたのが私だから良かったですが、人間だったら即死ですよ?」

羽黒「姉さんに当てるつもりだったから……それに仮に司令官さんに当たっても、すぐに後を追えばあっちでずっと二人きりになれますから……えへへ」

妙高「もう……本当に仕方のない娘ですね、羽黒は。ですが、残念なことを言いますけど、仮に提督が亡くなっても、私もすぐに後を追いますから、ずっと二人きりは無理だと思いますよ?」

羽黒「あっ……そっか……」

妙高「また別の方法を考えましょうね。私も一緒に考えてあげますから」

羽黒「うん……ありがとう、妙高姉さん」

そう言って妙高と羽黒はお互いに良い笑顔で微笑み合う。なにこれ。

妙高「さて、足柄」

足柄は俯いて独り言を続けている。

妙高「あっ、しっ、がっ、らっ!」

足柄「ひゃい!? にゃんでしょふ!?」

噛んだ。

妙高「あなた、提督をこれで保護した後、どうするつもりだったの?」

足柄「そ、そりゃあ、バカンスとか……」

妙高「どこで?」

足柄「えっ? えっと、さすがに鎮守府は難しいから、どっか遠くの土地とかで……」

妙高「提督を外に連れ出すの?」

足柄「あっ」

妙高「……もう少し計画的にね。私たちも協力するから」

足柄「……はい」

足柄は肩を落とし、俯いてしまった。

……こいつら、私が聞いているのをわかっていて話しているんだよな……?

那智「うむ、一件落着だな」

いつの間にか隣に来ていた那智が、右手を腰に当てて納得したように頷く。

大体お前が原因だがな。あと服着ろよ。
110 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2015/08/17(月) 16:25:30.49 ID:NbX8p3h7o
足柄さんは癒し(白目)
111 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2015/08/17(月) 19:06:49.94 ID:up9Eiqj7o
な、那智もまだセーフかもしれへんやろ…(震え声
112 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2015/08/17(月) 20:57:55.91 ID:hEVr/Nvmo
これもう分かんねえなぁ
113 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2015/08/17(月) 21:36:46.04 ID:/vYejgmm0

那智「さて」

提督「ん?」

那智は私に一瞬微笑むと、体を密着させ、私の脇から背中に腕を回す。

見た目以上の強靭さを背面の腕から感じ、見た目以上の豊満さを前面の双丘から感じる。

那智が私を抱き締めたのを見て、羽黒は驚いたように目を開き、足柄は頬を膨らませ、妙高は目を細める。

那智「貴様に聞きたいことがある」

提督「なんだ」

眼前から来る熱い吐息を皮膚で感じ、顔正面からの洗剤の香りが鼻を刺激する。

那智「何故私ではなく、妙高を連れていった?」

万力を締めるように那智の腕に力が入った。

提督「……どういう意味だ」

那智「惚けるな」

那智の指が背中に食い込む。

那智「私は貴様の護衛だぞ。いや、そうでなくても私と貴様は一心同体、互いに血を分け合った一つの存在だ。その半身たる私を置いて他に現を抜かすとはどういう了見だ? 秘書艦でない時は仕方ない、それは皆で決めた取り決めだ。だが私が秘書艦になり、同じ時間を共有するようになったのに、何故私を置いて言った。本来なら髪の毛一本から血の一滴まで、手も足も頭も胴も、目も耳も口も舌も皮膚も、時間も場所も、過去未来現在森羅万象三千世界ありとあらゆるものが一つである私を置いていくなど正気ではない、そうだあんな取り決めなど本当は必要ない。貴様は誑かされているのだ、あの書置きも本当は貴様が書いたものではなく妙高に書かされたものだろう? そうだ、そうだろう、そのはずだ、それしかない、許せない許せない許せない、そうだ今すぐ貴様を惑わすあの鉄屑共を海の底に沈めてやろう。安心しろ、貴様には指一本触れさせん。いや、今回だけではなくこれから先も貴様は誰にも触れさせん、私だけに触れて、私だけを見て、私の言葉だけを聴き、私の作ったものだけを食べ、私の心だけを感じればいい、そうだ、そうしよう、何故私は今までこれを思いつかなかったのか、ああきっと今まで私も毒されていたのだ。だが、もう大丈夫だ、私は正気に戻った。これからは私と二人きりで生きていこう。そうだ、これからは私が、いや私と貴様が料理を作ることになるわけだが、私はそれほど料理が上手いわけではなくてな? 仕方ないだろう、私は元々戦う兵器として産まれたのだ、料理なんてからっきしだ。勿論、これからは貴様の味覚に合うような手料理を作れるよう努力していくつもりだ。そういえば貴様は料理は出来るほうなのか? もし出来るのならば教えて欲しい、仮に出来なくても気にはしないぞ? これからは二人で腕を高め合えばいいのだからな。それにしても、これはなんだか夫婦みたいだな。いや夫婦になることは確定事項なのだが、まだそういう実感が湧かなくてな。別に嫌ではないぞ? 寧ろ貴様とならきっといい夫婦になれると思うんだ私は。そういえば私は貴様の妻になるのだから、何時までも呼び方が『貴様』ではいけないな。やはり貴様のことは『あなた』と呼んだほうがいいのだろうか? いや強制するつもりはない。勿論、今までの呼び方でいいのならそれで良いと私は思っている。まあ、それはまた今後の楽しみとしてとっておこうか。ところで話は変わるのだが子供は何人欲しい? 性急だとはわかっているが、私だって女だ、そういう話題に興味が無い訳でない。私としては男の子二人に女の子一人が良いと思っているんだ。今は戦時中なわけだからなやはり男児は多く必要だと思うんだ。それにこれは私の我儘なのだが、四人姉妹だったから男の兄弟というものに憧れていてな。将来は立派な皇国男児に育て上げるつもりだ。女の子のほうは、ほら、私がこんなんだろう? だから大和撫子とはいかなくてもお淑やかな子に育って欲しいと思うんだ。勿論こういう教育方針というのは夫婦で話し合って決めなければいけないのはわかっている。だけどしっかり意見は伝えておかなければいけないと思ってな。男だから女だからと変な先入観にとらわれて、本来なら永遠に愛し合えるはずの私たちが別れる事になるなんて、そんなことは有ってはならないんだ。だからお互いに意見や考え、不安や悩みがあったら共有し、助け合って生きていかなければいけないと私は思っている。貴様もそう思うだろう?」

……うんっ! そうだなっ!

などと言うと思うか。





……とにかく、那智を説得しなければ。





……腹減ったなぁ。
114 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2015/08/17(月) 21:40:24.68 ID:/vYejgmm0
・本日 ここまで

・時間の流れが おかしい orz

・ヤンデレとか メンヘラとか 依存とか 難しい もっと 学ばなければ

・感想 要望 改善等 あれば どうぞ
115 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2015/08/18(火) 02:37:13.88 ID:6KBtPcuio
おつ
重巡でこれなら戦艦や空母がどうなるか楽しみだわ
116 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2015/08/19(水) 01:37:41.35 ID:KTnf3tAFO
乙です
足柄さんだけが癒しだった(絶望)

そういやここってsage進行なんですかね?
117 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2015/08/19(水) 19:29:27.19 ID:76S1zmISo
乙です。

こんな那智初めて見たかも。
118 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2015/08/20(木) 01:06:45.37 ID:zezL2EhkO
この鎮守府の規模はどんなもんなんだろ
ひと月に一度とかそんな頻度でしか秘書艦になれなかったら、暴動が起きそうな病みっぷりだけど
119 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2015/08/23(日) 01:13:13.10 ID:72La5Uun0

瞳を青々と輝かせる那智の様子に気づいたのか、妙高が那智の肩に手を掛けようとする。

羽黒は艤装を展開、連装砲を那智の後頭部に向ける。貫通したら私にも当たるぞ。

そんな二人を足柄が食い止める。妙高の伸ばした腕を押さえ、羽黒の連装砲を下げさせる。

足柄が流し目で私に目配せする。助かる。

今妙高に出張られたら、最悪、姉妹で砲口を向け合うことになる。

……もう羽黒は向けているけど。

ともかく、足柄が二人を抑えている間に、なんとか那智を落ち着かせよう。

先ほどの妙高と羽黒のときと違い、今度は冗句で現実逃避する余裕は無い。

那智「どうした? 何故答えてくれない? 鉄屑どもに口封じをされているのか?」

提督「違うよ」

額と額を合わせる。

提督「おまえがとても嬉しいことを言ってくれるから、我を忘れてしまったんだ」

那智の背中に腕を廻し、出来る限り動きを拘束する。触れれば切り落とされそうな濡れ羽色の髪が、絹のように指先を擽る。

那智は童のように瞳を爛々と輝かせ、笑みを零す。

那智「そうか! やはり貴様もそう思ってくれていたか! なら待っていろ、今すぐこの那智の戦を見せてやる!」

提督「まあ待て」

離れようとする那智の身体を抱き留める。

那智の言葉で妙高も艤装を展開、三式弾を装填した砲塔を下段に構える。

足柄だけが、静観をしている。
120 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2015/08/23(日) 01:14:08.35 ID:72La5Uun0

提督「私ばかり聞くのも不公平だ。おまえも私の意見を聞いてくれないか。お互い共有するためにも、な?」

はたと気づいた那智は、嬉しそうに目を細める。

那智「あ……ああっ! もちろんだ! 何でも言ってくれ!」

提督「そうだな……まず子供のことなんだが」

那智「何だ!? もしやもっと欲しいのか!? 安心しろ、貴様のためなら何人でも産むぞ!」

提督「落ち着け」

額を強く押し付ける。

提督「急いでは事を仕損じるぞ……最後まで聞いてくれるな?」

上目遣いに、那智は小さく頷く。

提督「私が気に掛けているのは子供の将来、特に社会環境についてだ。おまえは戦時ということを前提にしているが、私は平和な時代に子供を産みたい。そのためにも深海凄艦の殲滅は急務だ」

羽黒が足柄の制止を振り切り、砲口を上げようとする。

足柄は更に腕に力を入れ、羽黒の凶行を押し留める。足柄、耐えてくれ。

提督「少しでも早く平穏な時代が訪れるようにするためには、仲間と協力するのが最も手っ取り早い。数は力、おまえもそれは身に染みてわかっているはずだ。今は猫の手も……いや、働いてくれるのならば、姿形は問わない。それが例え、お前の言う鉄屑でもな」

誇大妄想に囚われ、妄言を吐き、奇行をするようになっても、本気で仲間を傷つけるほど那智は耄碌していない。

でなければ、漣や曙が今でも那智を慕わないはずが無い。

今の那智は私が原因で不安定になり、勢いに任せて言葉を吐いただけだ。

だから、逃げ道を作ってやらなければいけない。

那智「……私一人でも、十分だ」

那智は目線を下げて、私の目を見なかった。

「他の奴等は不要だ」とは言わなかった。

言外に含ませているが、言葉にしなかった、その事実だけで充分だ。

提督「わかっているよ。でも、おまえとの未来が少しでも早く訪れるためには必要なんだ。なにより、おまえ一人に背負わせるなんてこと、私には辛過ぎる」

堪え切れなくなったのか、歯を噛み締め、憤怒を込めた目線の羽黒がとうとう足柄の制止を振り切る。

砲身が上がり、砲口が私たちに照準を向ける。

砲撃音が響くかと思われた瞬間、妙高が羽黒の前に立ち、私たちの壁になる。

提督「子供たちと、穏やかな海で過ごしたいんだ……そんな私の身勝手な夢を叶えてくれないか、那智」

私の言葉が終わって、しばらくの間、那智は下を向いたまま黙っていた。

どんな気持ちが渦巻いているのだろうか。

妙高と同じような気持ちを、那智も抱えているのだろうか。

那智「……わかった」

ほろ苦い顔をしながらも、那智は答えてくれた。
121 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2015/08/23(日) 10:36:10.47 ID:y1ODpzANO
やはり正妻は足柄さんですね…
間違いない(確信)
122 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2015/08/23(日) 20:35:19.85 ID:lpv9fZWT0

那智「だがせめて、傍に置いてほしい。それは駄目なのか?」

提督「……一人だけ贔屓は出来ない。皆のためだ」

那智の抱き締める力が再び強くなる。答えるように私も那智を強く抱く。

提督「私としては、理解ある人が傍にいてくれたら嬉しい。おまえは……どうだ?」

那智の刀のような双眸が、じっと私を見つめる。

刀に雨露が滴る。

那智「寂しい思いをさせたら……許さないぞ」

わかっているよ。それで何度も痛い目を見た。

刀に着いた雨露を舌で救い取る。

舌の上で露を転がし、飲み込む。

海の味がした。

提督「その時はどこか遠くの土地へ行こうか、家族計画でも立てながらな……」

その言葉で那智は私の首元に顔を埋めた。



髪を梳きながら、慰める。











……いつか後ろから刺されるんだろうなぁ、私は……
123 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2015/08/23(日) 21:30:13.13 ID:lpv9fZWT0

那智の説得が終わり、私は足柄たちのほうに視線を向ける。

足柄と目が合う。


妙高と羽黒が対峙しているためか、足柄はずっと私たちの様子を窺っていたらしい。

妙高は私たちに背を向け、羽黒の表情は妙高の影で見えない。


足柄に目配せをする。

足柄は私の目配せに気付くと、疑うような、心配するような目線を送ってくる。

私は小さく頷く。

足柄は私に頷き返すと、妙高に向けて片目を瞑って微笑み、手のひらを扇のように振る。

妙高はこちらに振り向くことなく艤装を格納し、そのまま横へとずれる。



阿修羅のような羽黒がそこに居た。



羽黒は妙高から私たちに視線を移すと、瞳孔を開いて牙を見せるよう唇を裂かせる。

そして、此れ見よがしにと那智の後頭部に砲口を向ける。


私は、那智の後頭部を庇うように右手を添えた。

羽黒が信じられないといった表情で私に訴えかける。

私はただ、羽黒を睨んだ。



出来得る限りの怒りと殺意を込めて。



羽黒がどうしてそんな凶行に出るかはわからない。睨んでないで羽黒を説得しなければとも思う。妙高と足柄に頼んで力ずくで押さえつける方法もある。

ただ、今は、那智を静かに抱き締めていたかった。

私はただ、羽黒を睨んだ。

羽黒の顔が青褪める。

私はただ、羽黒を睨んだ。

羽黒は首を横に振る。

私はただ、羽黒を睨んだ。

羽黒の瞳が潤んでくる。

私はただ、羽黒を睨んだ。

羽黒の瞳孔が揺れる。

私はただ、羽黒を睨んだ。

羽黒の瞳孔が揺れて、揺れて揺れて揺れて、揺れて揺れて揺れて揺れて揺れて、揺れて揺れて揺れて揺れて揺れて揺れて揺れて━━━━━
















━━━━━羽黒は、砲身を下してくれた。
124 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2015/08/23(日) 21:38:59.33 ID:lpv9fZWT0
・本日 ここまで

・ギャグパート……

・更新を 分かり易くするため age ております

・コメントなどは sage ております

・感想 要望 改善等 あれば どうぞ
125 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2015/08/24(月) 02:18:22.72 ID:Et+cALLsO
乙です

更新がわかりやすくていいですね
しかし重い、重いな…
126 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2015/08/24(月) 03:23:06.10 ID:0FuM+tHEo
おつ
この重さがたまらんね
127 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2015/08/30(日) 10:14:40.81 ID:Wcd1ocLm0

提督「那智、そろそろ服を着たらどうだ。風邪をひくぞ」

那智は顔を離し、首元を薄眼で見つめたまま、ゆっくり口を開く。

那智「……ああ、そうだな」

瞳は黒色に、表情も一本筋が通ったいつもの状態に戻る。

那智は私から身体を離すと、抱き締めていた腕を解き、振り返る。

那智は、振り返った先にいた足柄、妙高に視線を移動させた後、羽黒に目を止める。

羽黒は項垂れたまま床に座り込んでおり、その羽黒の両肩に妙高が手を置いて付き添っている。

那智はそんな妹の様子に何も言わず、寝室に続く通路へ消えていった。恐らく、羽黒の行動を把握していたのだろう。

那智がその場から居なくなり、私と足柄は同時に溜息をついた。

提督「そういえば、お前たちはもう食事を済ませたのか?」

羽黒のことは一旦妙高に任せ、足柄たちに朝食を済ませたかどうか確認する。まあ、那智が裸だったので、まだ食べていないだろうが。

足柄「まだ食べてないわよ。ずっと待っていたもの」

そうだろうな。

足柄「那智の着替えが終わったら、一緒に食堂に行きましょう」

提督「それなんだが……」

足柄が首を傾げて、左人差指で頬を突く。

提督「食事はそっちで済ませたいんだが」

寝室の通路とは反対側、足柄の後ろを指で差す。足柄の後ろの通路の先には居間兼客間と台所があり、私室での食事はそこで普段済ませている。

足柄「えっ?! もしかして」

提督「言っておくが手料理はなしだ。間宮さんの所から食事を取って来てくれ」

足柄が不機嫌な顔になる。

「手料理」の言葉で羽黒が顎を少し上げて反応したが、私の言葉が言い終わるとすぐにまた俯いてしまった。

足柄「む〜、なによそれ〜」

提督「色々とあってな」

妙高たちの様子を一瞬だけ窺う、艤装を格納した羽黒を妙高が胸元に抱き寄せ、乳児を寝かしつけるよう優しく背中を叩いている。

二人の姿を見て、羽黒の治療に付き合った時のことを思い出す。フラッシュバックはほとんどなくなったはずだが、時折妙高があのように介抱をしている。

今でも、羽黒が部屋に来る時は、粉末や錠剤などは目に映らないところに隠している。

羽黒の行動に対してはもっと上手くやるべきだったか……胸が締め付けられる。

足柄「ふ〜ん」

足柄から厭味ったらしい相槌を返される。

那智「それで私たちを小間使いにするとはな」

はえーよ、那智。

島風ならともかく、お前らの制服は着替えるのに時間掛かるよな。

一体どんな速さで着替えたんだ。化粧も完璧に決めてやがるし。

提督「そういうつもりではないんだが」
128 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2015/08/30(日) 10:20:18.16 ID:Wcd1ocLm0
・本日 ここまで

・朝の点呼のシーンまでが 遠い orz

・このssに 需要は あるの だろうか?

・お知らせですが 9月下旬まで 更新できません 申し訳ございません

・感想 要望 改善等 あれば どうぞ
129 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2015/08/30(日) 10:52:07.93 ID:BpH9/A420
実に好みだよ
次の更新を楽しみに待ってる
130 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2015/08/30(日) 11:13:27.02 ID:wySYNRR5o
楽しみにしてるよ
待ってるわ
131 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2015/09/01(火) 02:30:31.61 ID:lsDeXKg7O
乙です
ヤンデレssは最近増えてきましたが
ここくらい描写がしっかりしてるのは全然ないので楽しみにしてました
再開待ってます
132 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2015/09/22(火) 05:03:14.39 ID:KYuncTEI0

那智「ふっ、わかっているさ」

那智はからかい気味に微笑むと、私の左隣まで近づいてくる。

隣に来たところで腕を組み、肩を寄せ、私に顔を向ける。

那智「足柄たちが戻ってくるまで、外で何をしていたか、じっくり聞かせてもらうぞ」

那智の言葉を聞き、足柄が目をしばたかせる。

足柄「あれ? 那智は行かないの?」

那智は、干からびた花でも見るような目つきで、足柄を見る。

那智「護衛が傍にいなくてどうする」

足柄に返答すると、私の肩に頭を預け、視線を戻す。

那智「なぁ?」

同意を求める呼びかけとともに、那智の左手人差し指が、右の胸板に縦一文字を描く。こそばゆい。

提督(困ったな)

羽黒と話をしたいのだが。

足柄「……」

もう一度、羽黒に視線を向ける。

羽黒は未だ俯いたままで、妙高は困った表情をしている。

今の羽黒を食堂に向かわせるのは、妙高も好くないと思っているようだ。

そう考えた瞬間、胸板に指が喰い込んだ。

視線を那智に戻すと、鋭い目つきで睨みつけられる。

那智「貴様……」

足柄「はいはいはいはい」

那智が何かを言い掛けようとした瞬間、足柄が割って入る。

私と那智が同時に足柄に顔を向ける。

足柄「那智の言うとおり、私たちは朝食を取りに行ってくるから、二人は部屋で待っていて頂戴」

……仕方ないか。羽黒のことについては、後ほど妙高から話を聞こう。

足柄は、那智の訝しげな視線を無視し、私の正面まで近づいてくる。
133 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2015/09/22(火) 05:03:54.76 ID:KYuncTEI0

正面まで来た足柄は、妖しげな笑みを浮かべると、私の下唇に指を当て、左端から右端へとその指を這わせる。

手袋をまだ着けていないため、細くしなやかな指の感触が唇に広がる。

足柄「待っていてね、提督。あなたの御口に入る食事を、私が、持ってきてあげる」

含みのある言い方に、那智の表情が更に険しくなる。

足柄はそんな那智を気にも留めず、今度は右端から左端に指を這わせる。

足柄「ここに戻ってくるまでに、私の愛を、たっぷりと、籠めておくからね♡」

込めるのは別に構わない、髪の毛や唾液ぐらいなら見逃してやる。だが血液は駄目だぞ、手料理禁止はそれが原因なのだから。

那智「……待て、足柄」

那智が、抜き身の刀のような気配を足柄に向ける。

足柄「あら? どうしたの、那智? 私の愛を籠めた料理が提督と一つになることに何かご不満かしら?」

なんだ、そのあからさまな挑発は。

那智「ああ、不満だとも」

その言葉を聞き、足柄は目を細めて微笑み、私の唇から指を離す。

那智は私から腕を放すと、扉の前に立ち、取っ手を左手で掴む。

那智は私と足柄のほうに振り向くと、鋭い表情をしたまま、右手で私の顔に指をさす。

那智「貴様の口に入る食事は、足柄ではなく、私が持ってくる!」

餓鬼かお前は。

足柄「うふふ」

那智「ふんっ」

那智が部屋の外に出ると、足柄は妙高と羽黒のほうに向く。

足柄「姉さん、行きましょう」

妙高「……ええ……でも」

不安を隠さず、妙高は羽黒を見る。

羽黒は、未だ俯いたままだ。

足柄「大丈夫よ、姉さん。ねっ、提督?」

足柄は片目を閉じ、左手人差し指を顔の傍に立てて、私に微笑む。

良い娘だよ、お前は。霞が信頼するだけのことはある。夫だ何だのという妄言が無ければだが。

提督「ああ」

妙高に向き直る。

提督「妙高……」

妙高「……かしこまりました」

妙高は羽黒から優しく手を離す。

それを見た足柄は、那智と同様、部屋の外へ出た。

妙高は扉の前に来ると、不安な顔を私に向ける。

妙高「提督、羽黒のこと、お願いします」

返答代わりに頷く。

妙高が取っ手に手を掛けたところで、ふと気になっていたことを思い出した。
134 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2015/09/22(火) 05:04:37.20 ID:KYuncTEI0

提督「妙高」

妙高「はい、なんでしょう?」

妙高は、取っ手に手を掛けたまま、振り向く。

提督「昨晩のことだが、私は夢を見ていたか? 寝言でも言っていたら、教えて欲しいのだが」

妙高は、目を細めた。

妙高「……よく寝ていらっしゃいましたよ」

提督「……そうか」

まあいいさ。

提督「それとだが」

妙高「はい」

提督「食堂に行く前に、お前は着替えたほうがいいぞ」

妙高が不思議そうに顔を傾げる。

提督「さっきの蹴り……いい尻だったぞ」

妙高は一瞬目を点にすると、すぐに目を見開いて顔を赤らめ、両手で前と後ろのスカートを押さえた。

妙高「あっ、あの」

提督「たぶん……丸見えだ」

現在、妙高と私は下穿きを履いていない。ノーパンである。

妙高「すぐに着替えてきます!!」

提督「おう」

妙高はすぐ様部屋の外に出た。

廊下から声がする。

「妙高、どこへ行くんだ?」

「あなたたちは先に食堂に行っていください! 私も後で行きますから!!」

妙高のものと思われる足音が、駆け足でこの部屋から離れていく。

「……どうしたんだ?」

「……さぁ?」



それからしばらくして、那智と足柄の足音も、無くなった。
135 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2015/09/22(火) 05:09:01.60 ID:KYuncTEI0
・本日 ここまで

・再開

・艦娘の 勤務表が 難しい

・設定に 無茶が 出てきた orz

・提督の 性格が 滅茶苦茶に なってきた

・感想 要望 改善等 あれば どうぞ
136 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2015/09/22(火) 19:38:07.77 ID:f5nH2RFjo
おつ
提督は改造かなんかで不安定になってるん?
137 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2015/09/25(金) 07:06:47.72 ID:h9t30uLSO
いつの間にか再開してた…
戻ってきてくれて嬉しい
138 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2015/09/27(日) 20:20:43.90 ID:VZtuQHOGO
足柄さんはマジ天使やでぇ……
139 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2015/09/28(月) 23:11:49.38 ID:Q4+M0Cjs0

妙高たちが居なくなったのを確認し、羽黒へ近づく。

妙高たちがこちらに戻ってくるまで、そんなに時間はない。

食堂が混んでいれば別だが、生憎今日は伊良湖も出番だし、大鯨と鳳翔も手伝っているだろう。

提督(食堂が混む、か)

皆が食堂に会するようになったのは、ここが穏やかになったということなのだろうか。


項垂れ、座り込んでいる羽黒の前に片膝を着けて屈む。

提督「羽黒」

羽黒「……あ」

羽黒が顔を上げる。

先ほど砲口を向けてきた時とはまるで別人だ。生気が感じられず、目も焦点が合っていない。

その目が私に焦点を当てる。

顔が青褪め、唇がわななく。

羽黒「あっ、あっあっあっ」

提督「羽黒、落ち着「ごめんなさい!」

羽黒は後頭部を手で隠し、身体を伏せる。

ダンゴムシのように縮こまり、爆撃に怯える子供のように震えている。

羽黒「ごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさい」

さすが姉妹だ、同じ言葉で謝ってくる。姉同様、耳障りで、五月蠅い。

それにしても、この反応はどっちに関してのものなのだろうか、私が睨んだことに関してか、それともフラッシュバックか。

前者ならば声を掛けてゆっくりと言い聞かせれば良いが、後者だと妙高が居ないと厳しい。また左足を折られるのは勘弁したい。

数秒、様子を見る。


羽黒「……」

羽黒の言葉が止んだ。しかし、身体は震えたままで、歯がぶつかり合う音が響く。

……これ以上様子を見ても無駄だな。折られること覚悟で声を掛けるか。

まあ、折られたら折られたで、また島風と一緒にリハビリに励めばいいだけのことだ。今度は摩耶に杖を壊されることも無いだろうし。
140 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2015/09/29(火) 02:47:06.31 ID:pxCZfeR3o
更新キテター
141 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2015/09/29(火) 07:50:42.81 ID:0CVeQn4/O
昔は食堂がガラガラだったのか…
あっ(察し)
142 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2015/09/29(火) 10:12:55.30 ID:6X77Vbi90

羽黒に声を掛ける前に上着を脱ぎ、それを羽黒に被せる。

羽黒「……」

歯がぶつかり合う音と身体の震えが止まる。

羽黒が顔を上げて、いつもの不安そうな表情を向けてくる。

羽黒「司令官さん……」

羽黒の頭に右手を伸ばし、頭に乗せる。

手を伸ばした瞬間は身体を強張らせたものの、羽黒は私の手を受け入れた。

上手くいってよかった。以前だったら、ここで右腕が明後日の方向を向き、最悪使い物にならなくなっていたところだ。

頭を優しく撫でてやると、羽黒は目を細めて穏やかな表情になる。

しばらく撫でる。


提督「羽黒、落ち着いたか?」

羽黒「……はい」

羽黒は頬を染めながら私の上着で身を隠す。

提督「話がしたい、居間に行こうか」

羽黒「はい」

私と羽黒は立ち上がり、居間へと向かう。


通路を抜け、台所の横を通り過ぎ、居間の壁際に置かれている長いソファーに座る。

通路のほうを向くと、羽黒がソファーの傍で立ち止まっていた。

提督「羽黒」

右隣のソファーを軽くたたき、羽黒の名を呼ぶ。

羽黒は小走りで隣に座ると、私の体にしな垂れかかる。

羽黒「司令官さん」

今にも泣きそうな表情をしながら、上目遣いに見つめられる。

提督「どうした」

羽黒「司令官さんは那智姉さんを選ぶんですか」

提督「? なんのことだ」

羽黒の瞳が潤んでくる。

羽黒「だって、さっき那智姉さんと、一緒に、どこか、と、とお、とおぐで、遠くで……ひくっ……」

泣くなよ、めんどくさい。

提督「羽黒、落ち着け、ゆっくりでいい」

羽黒「……ひぐっ……ぐあず……ぐすっ……どおぐで、ぐらずっで」

そんなことを言った覚えはない。

提督「大丈夫だ、羽黒、お前を置いて行ったりしない」

右手で羽黒の肩を抱き、左手で後頭部を優しく撫でる。

羽黒「でも、どおぐいぐっで、ぞばにいでおしいっで」

鼻水を啜り、胸元で嗚咽を上げる。

『遠くに行く』『傍にいてほしい』確かにそう言ったが、そんな意味で言ったつもりはないのだが。

べそをかく羽黒を慰めながら、那智との会話の流れを思い出す。
143 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2015/09/29(火) 11:19:03.56 ID:6X77Vbi90

『━━━理解ある人が傍にいてくれたら嬉しい』

『━━━寂しい思いをさせたら……許さないぞ』

『━━━どこか遠くの土地へ行こうか』


提督「……」

三流恋愛小説の駆け落ちのワンシーンか何かか? いや、三流のものでも此処までひどくはないな、素人でもこんな台本書かんし。

そもそも「理解ある人が傍にいてほしい」というのは「仕事の邪魔をしないでね」という意味で言ったつもりだったのだが、伝わっているよな?

……ともかく、ともかくだ、私は誰かと添い遂げるつもりはない。今の娘たちの中から誰か一人を選んだりしたら、流血沙汰しか見えないし。

羽黒は恐らく誤解をしている。先ほどの行動もそれが原因か?


羽黒「わだじ、じれいかんさんが、なじねえざんにとられるぐらいだったら、ごのてで!」


それが原因のようです。涙と鼻水で汚れた顔に、再び修羅の如き双眸が宿る。

羽黒の爪が胸板に刺さって痛い。このままでは殺される。


……殺されるのは別にいいか。むしろ、その後の羽黒のことが心配だ。後を追う、みたいなことも言っていたし。

猿もどきが一匹死んだところでどうでもいいことだが、そのせいで娘たちに何かあるのはよろしくない。


羽黒は胸板から右手を離し、中空に手を伸ばすと、艤装を部分的に展開する。妖精の技術は相変わらず恐ろしい。

羽黒「ぎのうは、あんなにあいじでくれだ、んっ!?」

羽黒の唇を強引に奪う。肩に寄せていた右手を後頭部に移動させ、左手を艤装が展開している手に這わせる。

羽黒の左手が私の右肩を押して体を離そうとするが、時計回りに体の軸を少し動かし、そのままソファーに倒れこむ。

手足を動かして抵抗してくるが、いや、唇を奪った時点で、抵抗する力はもうほとんどなかった。

羽黒の右手から艤装が消え、這わした左手に指が絡まっていく。

羽黒の左手は、押す力の替わりに、肩を掴む力が込もっていく。

涙と鼻水が重なる唇の隙間に入り、磯の香りが口に広がる。
144 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2015/09/29(火) 18:01:16.27 ID:6X77Vbi90

唇を離すと、目を細め、口を広げ、もっと欲しいと言わんばかりに舌を伸ばす羽黒の表情が見えた。

提督「羽黒、私の気持ち、理解してもらえたか」

舌を引っ込めた羽黒は、淡い表情で見つめていたが、しばらくして目線を私から外した。

羽黒「それは……」

提督「まだ理解してないようだな」

羽黒が目線を私に戻す。

提督「なら、昨日の夜、私がお前に何をしたか、しっかり思い出してもらおうか」

右手で羽黒の頬を撫でた後、親指を羽黒の口の中に差し出す。

羽黒は赤ん坊のように指に咥え込み、吸着音を奏でながら、舌で指に何度も唾液を塗り付ける。

羽黒の口から指を抜き、唾液の糸を引く手でもう一度、羽黒の頬を撫でる。

提督「さあ、何をしたのかな? 言ってごらん」

羽黒「……はい」

夢現な羽黒はゆっくりと話し始める。

昨日の夜のことは覚えてないので、とても興味がある。

羽黒「昨日は鳳翔さんがお店を開いたので、開店時間になるまで司令官さんの部屋でエ、エッチしていました。司令官さんに目隠しをして、姉さんたちと順番に司令官さんの上に跨って、司令官さんのお、おちんちんをおみゃ、お、おまんこに挿入して、誰が一番気持ち良いのか、どれが誰のおまんこなのか、当てるゲームをしていました」

提督「ちょっと待ってくれるか」

羽黒「えっ?」

やべえ、覚えてねえ。
145 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2015/09/29(火) 18:07:25.60 ID:6X77Vbi90
・本日 ここまで

・改造については まだ先に なりそうです

・感想 要望 改善等 あれば どうぞ
146 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2015/09/29(火) 21:28:06.62 ID:/yWE99T2O
羨ましいけど羨ましくないな
147 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2015/09/30(水) 01:24:30.77 ID:x7TXKhe80
利き酒ならぬ利き妙高型
風流ですね(白目)
148 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2015/10/03(土) 17:46:18.46 ID:WxPQ5SAO0

いや、鳳翔の店のことは覚えている。以前から要望があったので、間宮さんから助言していただけるようにお願いしたのだ。

他にも手続きとか本部への説明とか大変だったな。局も省もたらい回しにされるし。

上の連中も、間宮さんや他所の鳳翔の例があるんだから、それと同様の手続きをすればいいのに。なんであんなに時間が掛かったんだろうな。

まあ、苦労したのは加賀なのだが。

羽黒「司令官さん……?」

提督「……この体勢では話しづらいだろう、ほら」

羽黒「あ」

羽黒から手を離して体勢を整えた後、彼女の上体を起き上がらせる。当初ソファーに座っていた時と同じ状態に戻った。

どうやら羽黒の話を聞く限り、記憶は職務を終えた後から無くなっているようだ。

それだけ長時間、しかも昨日の記憶がないというのはやばい。もう少し詳しく聞かないとわからないが、記憶障害も考慮すべきだろうか?

提督「さあ羽黒、続けて」

羽黒「……はい」

羽黒は顔を少し下げて再び話し始める。左手が私の右手を掴む。

羽黒「ゲームでは外した罰として『お詫びの中出し十連発』とか『膣内を覚えるクンニ教室』とか『カリで調べる女の子のアソコ』とか用意していました。でも、司令官さんは一回も私たちのおまんこを外さなくて、結局ゲームを始めて数十分で終わりました。私の時なんて、挿入れた瞬間に『羽黒』って司令官さんが答えてくれて、足柄姉さんが『せっかく頑張って考えたのに』と言って悔しがっていたんですけど、私は、むしろ、司令官さんに、身体の隅々まで覚えてもらえたんだって、それがなんだか恥ずかしくって、嬉しくって、お腹の奥がとても熱くなったのを覚えています」

羽黒は頬を赤らめ、太股を小刻みに擦り合わせる。

……敢えて考えなかったが、そのふざけたゲームはもしや足柄が考えたのか? 死ぬぞ、私が。

羽黒「その後、一番良かったのは誰か聞こうとしたんですけど、司令官さん、いつの間にか寝てしまって。仕方ないので、クジで順番を決めて、誰が一番早く司令官さんを逝かせられるか決めることにしました。時間を計っている間、姉さんたちのセックスをずっと見せつけられて、早く終わってほしいのに『まだ出さないで欲しい』とも思ってしまって、自分の番が来るまでもどかしくて、悔しくて、堪らなくて、ずっと自分を慰めていました」

羽黒の息遣いが荒くなってくる。

あっ、なんか思い出してきた。

そうだ、部屋に着いたらいきなり目の前が真っ暗になって、後ろ手に何かを嵌められたのだ。金属っぽい輪っかの何かを……

……足柄の手錠だ、あれ。というか妙高よ、お前にとって手錠による拘束は万一に入らないんだな。

羽黒「私の番が来たとき、司令官さんのものは精液と姉さんたちの愛液で汚れていました。だから、一生懸命口で綺麗にしたんです。私と司令官さんの間に余計なものが混じらないように、私の匂いだけするように、何度も舌で綺麗にしました」

羽黒は人差指を舐めながら、私に流し眼を送る。

羽黒「綺麗にしている間、司令官さんのものがそそり立ってきて、今にもはち切れそうで、すぐにおまんこの入口に司令官さんのものを当てたんです。そしたら、火傷しそうなくらい熱くて、ゆっくり腰を降ろして司令官さんを膣内に入れると、お腹の奥から頭に電気みたいなのが来て、声が抑えられなくて、真っ白になっちゃったんです。でも司令官さんが私の中でピクピク動いていて、それで目を覚まして、司令官さんを気持ちよくさせるためになんとか身体を動かして、少ししたらまともに身体を動かせるようになったから、腰を上げて向きを変えようとしたんです」

羽黒が私の腰に手を当ててくる。

羽黒「そしたら司令官さんが私の腰を掴んで、思いっきりおちんちんを打ちつけたんです。波が押し寄せるみたいに身体にゾクゾクしたものが来て、声が漏れて、視界にパチパチ火花が散りました。しばらくして身体からフッと力が抜けると、お腹の奥に熱くてドロドロしたものが溢れ出ていたのに気づきました。司令官さんを気持ちよくさせられたんだってわかって、凄く嬉しくて、身体に力が入るまで、お腹の熱さを感じていました」

羽黒が私の大胸筋に触れてくる。

羽黒「司令官さん、寝ぼけておちんちんを打ちつけてたみたいで、まだ起きていませんでした。だから、こっそりもう一回しようとしたんですけど、那智姉さんにばれて怒られてしまいました。中から司令官さんのものが出ていくと、私の中から精液が溢れて、それを見たら顔が変に歪むのが抑えられなくて……幸せ、でした」

羽黒が私のズボンのファスナーに右手をかける。私はその手を左手で抑える。

羽黒「司令官、さん」

息を荒くしながら、切なそうな目を向けてくる。

提督「まだ話が終わっていないだろう、羽黒。さあ、続けて」
149 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2015/10/03(土) 19:34:31.27 ID:wDeyNbd+o
艦娘達が壊れてなければただの淫語調教なのに、すぐ目の前にトラックが迫ってるような恐怖しかないな
150 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2015/10/03(土) 21:09:30.00 ID:WxPQ5SAO0

羽黒「そ、そのあと、三回ずつしたん、ですけど……結局、一番早く逝かせることができたのは、足柄姉さんでした。その後、開店時間が近づいていたので、司令官さんを起こして鳳翔さんのお店に向かいました」

起きたら全員裸で、頭はぼうっとしているし、体がだるいし、しかも汗をかいていたからシャワーを浴びんたんだったな。

起きた時に目隠しと手錠がなかったから、たぶん寝ている途中に外して、足柄がどこかに隠したな。

羽黒「お店に着くと他の娘も何人かいて、鳳翔さんからの挨拶が終わった後、しばらくお店で飲んでいました」

提督「飲む?」

酒をか?

羽黒「えっ?」

しまった。昨日の記憶がないことを羽黒は知らないんだった。

提督「いや、何を飲んでいたか思い出していたところだ」

羽黒「あ、司令官さんはソフトドリンクを飲んでいたんですけど、その、足柄姉さんが『しけた飲み方してんじゃないわよ〜』ってお酒を勧めちゃって」

あの馬鹿、私が下戸なのを忘れたか。どおりで昨晩の記憶が無くなっているわけだ。まあ、これで一つ疑問は解決したな。問題はあと一つ。

というか羽黒、さっきも思ったが足柄の真似上手いな。

羽黒「そしたら他の娘もお酒を司令官さんに飲ませ始めちゃって。中には口移しで飲ませようとする娘までいて」

羽黒の語気が荒くなる。私の右手を掴む羽黒の力が潰れそうなほど強くなる。

羽黒「私の司令官さんなのに!」

提督「羽黒」

左手で羽黒の後ろ髪を撫で、人差指と親指で髪一本一本をつまんでなぞる。

提督「大丈夫だ。お前が守ってくれたんだろう?」

羽黒「もちろんです」

提督「そうか、ありがとう羽黒。羽黒は本当に頼りになる」

怒りの表情から一変、酔い心地な表情になる。

羽黒「……はい」

提督「お酒を飲んだ後、私は酔っていたか?」

羽黒「はい。司令官さん、ひどく酔っていて、姉さんたちに跡をお願いして、司令官さんを部屋へ連れていくことにしました」

大方予想通りだな。酔って娘たちに酷いことをしていなければいいが。後で鳳翔に聞いてみるか。

羽黒「そしたら、司令官さん、お酒を飲み過ぎたのかトイレに行くって言い出して、放っておけなくて私も一緒に行きました。トイレで司令官さんが、お、おちんちんの先から透明なお、おしっこを出して、凄く綺麗でうっとり見つめちゃいました」

そこは放っておきなさい。
151 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2015/10/03(土) 23:42:17.94 ID:WxPQ5SAO0

羽黒「おしっこを出し終わった後、司令官さんが私の頭を掴んで、おちんちんを口の中に入れてきました。おしっこのしょっぱい味がして、口の中でおちんちんが大きくなっていって、私、アソコがムズムズしてきて、司令官さんはおちんちんを抜いた後、私に『脱げ』って言ったんです。きっと、私のいやらしい身体のことがばれてしまったんだって、おちんちんを舐めて喜ぶいけない身体にお仕置きされちゃうんだって思いました。下だけ脱がされた後、壁に押し付けられて、私の中に司令官さんが挿入ってきました。そしたら司令官さん、私を抱っこして、そのままトイレの外に出たんです」

なにやってんだよ、昨日の私。

羽黒「司令官さんに抱っこされたまま、廊下を歩いて、階段を上って、途中で他の娘に見つかったら大変なのに、すごくドキドキして、司令官さんのおちんちん硬くて、素敵で、子宮の入り口、ガンガン突かれて、部屋に向かうまでに何度も中出しされて、司令官さんと繋がったまま鎮守府を歩くなんて、頭が、フットーしそうでした」

羽黒は真っ赤になった顔を右手で隠す。

酔っていたとはいえ、駅弁しながら鎮守府を歩くとか、ひくわ。

羽黒「部屋に着いたら、そのままベッドに押し倒されました。姉さんたちが来るまで、なんどもなんどもおちんちんを叩きつけられて、おっぱいにいくつも噛み痕をつけられて、たくさんキスして、子宮が溺れるくらい精液を注いで貰いました」

提督「……痛くなかったか」

羽黒「痛くなんかないです。中に出されるたびに気持ちよくて、愛されているって感じて、この時間がずっと続けばいいって思いました」

潤んだ瞳で見つめられる。

提督「そうか……続けて」

羽黒「はい。司令官さんのおちんちんをお口でご奉仕しているときに姉さんたちが部屋に来ました。そしたら司令官さん、さっき目隠しされたことに怒りだして『そんなに一番を決めたければ、私が決めてやる』って言い出したんです。司令官さん『最後まで意識が残っていた人を一番にする』って言って、クジを引いて、セックスして、中出しされて、交代して、一周したらまたクジを引いて……そうやって何度も愛されて、繋がってない時も指で慰めてもらって、司令官さん、何回もしているのに全然萎えなくて、逞しいおちんちんで何度も突かれました」

いかれてる。

羽黒「精液を垂らしながらクジを引いて、おまんこが司令官さんの形を覚えるまでエッチして、姉さんたちが涎垂らしながらクジを引いて、おまんこされて、喘ぎ声をあげるのを何度も聞いて、意識が朦朧とする中クジを引いて、おまんこからグチョグチョと音がするのを何度も感じて、顔に精液が掛けられたままクジを引いて、おちんちんが動くたびに意識が飛ぶのと戻されるのを何度も繰り返されて、クジを引いて、エッチしてエッチしてエッチしてエッチしてエッチして、幸せで幸せで幸せで幸せで、シアワセで、シアワセなまま気を失って、朝、シアワセなまま目が覚めて━━━━━」






























羽黒「━━━━━司令官さんが、いませんでした」










152 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2015/10/03(土) 23:43:39.29 ID:WxPQ5SAO0
・本日 ここまで

・1レスは もっと短くしたほうが いいかな?

・感想 要望 改善等 あれば どうぞ
153 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2015/10/04(日) 00:17:04.34 ID:taZviZQqo
この密度でよろしいかと
乙
154 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2015/10/04(日) 00:27:11.15 ID:UzYOiZfoo
乙
素晴らしい
155 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2015/10/04(日) 00:33:17.12 ID:QqA7mI9T0
病みこれは素晴らしい!
156 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2015/10/04(日) 18:01:05.36 ID:WUdjQzAp0

羽黒「司令官さんがいないことに気づいて、部屋を探しました」

羽黒「トイレもお風呂も台所も居間もベランダもタンスも棚も全部」

羽黒「どこにも居ませんでした、どこにも、どこ、にも」

羽黒「わ、わ、私、捨てられてしまったんじゃないかって、置いていかれたんじゃないかって」

羽黒「足柄姉さんは大丈夫だって、戻ってくるって言ったけど、私、怖くて、怖くて」

羽黒「昨日、私、何か悪いことを、ヒッ、して、ひぐっ、悪いこと、してしまったんじゃ、ないかって」

羽黒「悪い娘になったから、しれ、しれいかんざんに、すでられてしまったって、そう、おもって、そうおもっで」


羽黒「……妙高姉さんも居ないことに気づきました」


羽黒「妙高姉さんが司令官さんを奪ったんだ。早く後を追って始末しなきゃいけない」

羽黒「でも、足柄姉さんは、司令官さんが悲しむからって、お仕置きのために待っていようって言いました。『そのほうが確実で、効くから』って」

羽黒「夕張さんから貰ったスタンガンを持って、扉の前で待っていました」

羽黒「ずっと、ずっとずっと、ずっとずっとずっと、ずっとずっとずっとずっとずっと」

羽黒「妙高姉さんが入ってきたとき、苦しめ、痛がれ、って思いました」

羽黒「だけど失敗しました」

羽黒「妙高ねえさんったら『今回だけですよ』って、ふふっ、何様のつもりなんですかね」

羽黒「でも、悪い娘は妙高姉さんだけではありませんでした」

羽黒「那智姉さん」

羽黒「おかしかったんですよね、最初から。でも、メモのことを知って納得しました」

羽黒「しかも、それだけじゃなくて、司令官さんに、迷惑まで掛けて……!」

羽黒「……司令官さんに群がる害虫はちゃんと駆除しなきゃいけません。司令官さんのために」

羽黒「司令官さんのため司令官さんのため司令官さんのため司令官さんのため司令官さんのため」

羽黒「なのに……なのに!」


羽黒は、泣きながら、怒りと苦しさを綯い交ぜにした表情を向けてくる。

羽黒の両手が、胸を千切らんばかりに掴んでくる。

羽黒「司令官さんは、那智姉さんを庇いました。まるで恋人を守るみたいに」

羽黒「司令官さんは、妙高姉さんを抱きました。二人から、二人の匂いがするほどに」

羽黒「司令官さんは、足柄姉さんと通い合いました。まるで夫婦みたいに」

今の羽黒は、崩れる、砂のお城。

羽黒「司令官さん、私、私には、何が残っていますか? 私は司令官さんの何になれますか? 私は司令官さんの何ですか?」

羽黒「司令官さん……」





















くだらねえ。
157 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2015/10/04(日) 20:36:08.55 ID:WUdjQzAp0

提督「━━━━━『死が二人を分かつまで』」

羽黒が涙目で、私を見る。

提督「何の言葉かわかるか、羽黒?」

鼻水を啜って、羽黒は答える。

羽黒「結婚の……誓いの言葉です」

提督「そうだ。愛し合う二人であっても、死でその繋がりは絶たれる」

羽黒の冷えた身体を温めるように、ゆっくり抱きしめる。

提督「だが、羽黒、お前は私が死んだら、その後を追うと言ったな」

羽黒「はい、どこまでも付いていきます」

暗く濁った瞳で、はっきりと言う。

提督「なら、あっちは全部、お前にやろう。死を超えて愛してくれるお前に。それでは駄目か」

羽黒は一瞬驚いた顔をしたが、すぐに表情に影が宿り、俯く。

羽黒「他の娘が……すぐに来ます」

提督「全員追い出す」

羽黒「私が先に……沈むかもしれません」

提督「すぐに追いつく」

羽黒「あっちで、司令官さんに、会えないかも、しれません」

提督「会えるまで探す」

顔を上げた羽黒の瞳を真直ぐに見る。

提督「地獄にいれば、鬼を殺し。天国にいれば、蜘蛛の糸をよじ登る。この世に未練を残したならば、閻魔を殴って這いずり回る。来世に行ったというならば、六道を踏み抜き会いに行く」





提督「お前に会いに行く」





まだ顔に幼さを残した、しかし強い娘を真直ぐ見る。
158 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2015/10/04(日) 20:37:44.72 ID:WUdjQzAp0

羽黒「司令官さん」

提督「ごめんな、羽黒」

強く抱き締める。やはり私にはこれしかない。

提督「理解できていなかったのは、私のほうだ。もし、今、耐えられないというならば、今、ここで、あっちの世界へ行こうか」

抱きしめる腕を解き、体を離し、羽黒の肩を掴む。

羽黒は右手を膝の上に乗せ、左手を胸の前に置く。

どちらの手も、強く握られている。

羽黒は望むような、怖れるような、嬉しいような、悲しいような、そんな顔をしている。

提督「お前が、決めなさい」

羽黒は、膝から震えた右手を離し、中空に手を伸ばすと、艤装を部分的に展開する。妖精の技術は相変わらず素晴らしい。

羽黒は、右手の指を、さ迷うように動かす。

握って、開いて、捻って、回して、右へ左へ上へ下へ。



艤装が、消える。



羽黒「……できません」

提督「羽黒」

羽黒は私の胸板を掴む。目に光が宿って、涙が灯る。

羽黒「できません、できないです! もっと司令官を見ていたいです! もっと司令官さんの声を聞きたいです! もっと司令官さんの匂いを感じて、もっと司令官さんと触れ合っていたいです!」





羽黒「もっと、司令官さんと……生きていたいです」





羽黒は、震えながら、俯いた。

提督「そうか」

抱きしめる。

提督「なら……そうするか」

羽黒は「はい」と答えた。
159 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2015/10/04(日) 22:35:06.48 ID:WUdjQzAp0

足柄「ただいま〜」

羽黒と静かにソファーで過ごしてから、少しして、足柄たちが戻ってきた。

羽黒「妙高姉さん、那智姉さん、足柄姉さん、お帰りなさい」

提督「お帰り」

まだ涙の跡を顔に残している羽黒と共に、彼女たちを迎える。

妙高「はい、いま戻りました」

妙高は人数分のコップを乗せたお盆を持ち、那智はプリンを乗せたお盆を、足柄は大きめのバスケットを持っている。

妙高と足柄がテーブルにお盆とバスケットを置き、向かいのソファーに座る。

羽黒「那智姉さん……?」

お盆をテーブルに置いた那智が羽黒の顔をじっと見ている。

那智「貴様、羽黒を泣かせたのか?」

鋭い視線と、強い語気が私に向かってきた。

コップを並べていた妙高と、バスケットからサンドウィッチを小皿に取り分けていた足柄の視線が私に集まる。

提督「……」

那智「……」

しばしの沈黙。

羽黒が口を開こうとする。

提督「……ああ、その通りだ」

羽黒が口を開くのを遮るように、那智に答える。

言い訳も、言い返す気もない。泣かせたのは事実だ。
160 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2015/10/04(日) 22:39:24.78 ID:WUdjQzAp0

那智「……」

またしばしの沈黙。

那智は私の目をずっと見ている。

那智「ふむ」

那智が立ち上がる。

羽黒「あの、那智姉さん」

那智「わかっている」

羽黒「……あ」

那智が腰を屈めて羽黒の頭を優しく撫でる。羽黒がくすぐったそうな顔をする。

それを見て、妙高は肩の力を抜いて笑みを浮かべ、足柄は再び、取り分け作業を再開する。

羽黒「あの、那智姉さん」

那智「ん? なんだ、羽黒?」

羽黒は穏やかに俯いて、静かに口を開く。

羽黒「さっきは、ごめんなさい」

何に対して謝っているのだろうか。

那智「気にしてはいないさ」

何に対して許しているのだろうか。

私にはわからないが、姉妹にだけ通じる何かがあるのだろう。

那智「それにだ」

那智は部屋を周って、私の左隣に座る。

那智「大方、この節操なしが原因だろうからな」

那智がおちょくるような視線を私に送る。

那智の言葉で妙高と羽黒は困り顔になり、サンドウィッチを配り終わった足柄が、小さく笑い声をもらす。

提督「……悪かったな」

那智「悪いさ」

左頬に息が掛かるくらいにまで、那智の顔が近づく。綺麗な顔だ。

那智「私たちをこんな風にしたんだ。しっかり責任を取ってもらわないとな」

勘弁してくれ。

足柄「提督、変な顔」

足柄が失笑する。そんなに変か?

助けを求めるように妙高に視線を送る。妙高は微笑むと胸の前で手を合わせる。

妙高「さっ、朝食にしましょう」

妙高の合図で全員が手を合わせる。

提督・妙高・那智・足柄・羽黒「「「「「いただきます」」」」」
161 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2015/10/04(日) 22:51:54.56 ID:WUdjQzAp0
・本日 ここまで

・ぐだぐだ orz

・艦これ 何級向けの ss なのだろう これは

>>149
Q.目の前にトラックが迫っています。どうしますか?
A.提督「爆弾で吹き飛ばす」

・妙高型編 ほぼ終了 しました

・感想 要望 改善等 あれば どうぞ
162 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2015/10/05(月) 00:37:06.65 ID:bkbNiRSro
乙
妙高型編が終了ってことは青葉型とか最上型とか姉妹艦ごとに話が進む感じかな
163 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2015/10/05(月) 01:58:39.51 ID:PSqQr/7So
乙
楽しみやね
164 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2015/10/05(月) 18:06:58.42 ID:/rorNL0eO
足柄さんがあまり目立ってないような……
比較的まともだから仕方ないんやろうなぁ
165 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2015/10/05(月) 19:39:17.05 ID:ewH6dEVYO
非常に面白かった。
次は何型が来るか楽しみ、空母や駆逐艦も出てくるのかね。
166 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2015/10/09(金) 14:23:38.32 ID:KerSKYwDO
面白すぎる
続きも全裸で待っております
167 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2015/10/12(月) 01:56:17.08 ID:iN18i2dW0

食事が終わった後、諸々の準備を整え、妙高たちと共に執務室に向かう。

執務室で秘書艦の引き継ぎを行い、その後、朝の点呼を終えれば、勤務開始となる。

時間が迫っている。引き継ぎにはそれほど時間は掛からないが、少し急ごう。

雑談に相槌を打ちながら、歩を進める。

提督(……ん?)

「……」

医務室前の廊下を誰かが歩いている。

だが、様子がおかしい。おぼつかない足取りで右へ左へと、傷ついた蝶のように歩いている。

おぼつかない足取りのまま廊下の窓側に寄ると、そのまま身体を預け、へたり込んでしまった。

すぐに傍まで移動する。

妙高「提督?」

「……あ」

妙高の声に気づき、こちらに振り向く。

豊穣な麦畑を思わせる髪色に、イヌ科の動物のような癖毛を持つ娘。

提督「夕立、どうした」

夕立「提督さん!」

夕立は私を認めると、立ち上がるのと同時に飛び付いた。

胸元に飛び付くと、夕立は顔を私の体に擦りつけ、背部に腕を回し抱きつく。

私が夕立に抱きつかれたのを見て、那智が夕立の首根っこを掴もうとする。

左手で那智を制する。

那智「……」

那智に睨まれる。

提督「少しだけだ」

那智が手を引っ込める。

足柄「どうしたの、夕立? どこか悪いの?」

私の右側から、中腰で夕立と同じ視線に立った足柄が声を掛ける。

夕立は顔を少し左に動かして足柄を一瞥すると、再び顔を私の胸元に埋める。

夕立「……」

足柄が眉をひそめて私を見上げる。そんな顔を向けられても困る。那智は那智で眉間にしわを寄せて夕立を睨んでいるし。

妙高「提督……そろそろお時間が」

耳元で妙高に囁かれ、時間が迫っていることを思い出す。

提督「……ああ、ん?」

妙高「どうしました?」

提督「いや、なんでもない」

妙高が近づいた瞬間、夕立の抱き締める力が強くなった気がしたが、気のせいか?

提督(しかしどうしたも、の……ッ)



羽黒が汚物を見るような眼差しで夕立を見ていた。



羽黒は口を開くと小声で呟く。

羽黒「……野良犬」

お、おう……
168 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2015/10/12(月) 01:56:56.57 ID:iN18i2dW0

羽黒は無視して、夕立を何とかしよう。

提督「夕立、何か言ってくれないと困る。そろそろ点呼の時間だろう」

夕立「……ないの」

いつもの明るさも、変な語尾も、彼女らしさもなく、夕立の口から言葉が現れる。

夕立「朝起きたら提督さんが感じられなかったのっ! いつもだったら『ある』のにっ! どこにもいないのっ!」

夕立の指が、私の背中を掻き毟る。

夕立「こわい。こわいよ、提督さん……」

夕立は再び私の胸元に顔を埋める。

夕立の言葉を聞き、妙高、那智、足柄は私に「またお前か……」とでも言いたげな目線を送る。否定できんが、その目はやめてくれ。

それにしても、あれだけ襟巻きに匂い付けをしたのに、もう切れたのか。今度は匂い袋でも作ってみるか?

……兎にも角にも、このままでは動けん。

提督「……夕立、大丈夫だ」

夕立の頭を撫でる。

夕立「……ぽい」

夕立の力が少し弱くなる。

提督「怖かったろう……顔を見たい。少し手を離してくれるか?」

夕立の両肩を優しく掴む。

夕立は拒絶の唸り声を上げる。

提督「……いい子だから、なっ」

右手で耳の付け根を指で撫でながら、左手で腰近くの背中を揉み回す。

夕立「んっ♡」

妙高「……提督」

わかっているから、その眼をやめてくれ。

夕立に触れ続ける。

夕立「あうぅぅ、あっ♡」

妙高「て い と く」

提督「そう睨むな、妙高。那智、お前もだ」

那智は顔の左側をしかめていた。

那智「……面白くないな」

私だってやりたくてやっているわけじゃない。
169 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2015/10/12(月) 01:57:45.66 ID:iN18i2dW0

夕立「ていとく、さん……♡」

息を弾ませながら、夕立が私を見上げる。

甘い瞳に、半開きになった口から、唾液の糸を引く八重歯が見える。

提督「夕立、顔をよく見せてくれ」

夕立の頬を両手で包む。

夕立は抱きしめていた腕を解くと、私の両手首を掴む。

屈み、夕立を引き寄せるように両手を引く。

引いた手に釣られて、夕立の両手が私の首に回る。

すかさず私は左手を夕立の背中に、右手を夕立の膝窩に回す。

提督「夕立、しっかり掴まれ」

夕立「あ」

夕立を横抱きし、立ち上がる。くっ、腰が!

足柄「まぁ」

夕立「提督さん、これっ」

夕立が驚いた表情を私に向ける。

提督「ん? ああ、すまん。嫌だったか?」

漣にこの抱き方をしたら「キタコレ! ……ぐへへへへへ」とか言って喜んで……喜んでいたんだよな? 早まったか?

夕立「い、嫌じゃないっぽい! 嬉しいっぽい!」

提督「そうか」

良かった。

しかし、腰が……! あと腕も……! くそっ、意外と重いな、夕立!

那智「……ちっ」

舌打ちとはらしくないな、那智。

提督「行くぞ」

妙高「えっ? あっ、はい」

呆気に取られていた妙高に声を掛け、夕立を抱きかかえたまま執務室へ向かう。足柄、ニヤニヤするんじゃない。

夕立「……ぽい♪」

羽黒「……」









羽黒「……駆除しなきゃ」

羽黒の沸点、低過ぎぃ……

170 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2015/10/12(月) 02:40:15.03 ID:Mq8cxdMno
おお、きてたか
乙
171 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2015/10/12(月) 02:41:18.39 ID:iN18i2dW0

夕立を横抱きし、冷えた空気を後ろから感じながら、執務室の前に到着する。

廊下に娘たちがいないところを見ると、部屋に居るのだろう。

提督「妙高」

妙高「……はい」

両手が塞がっているため、妙高に扉を開くのを頼む。

妙高が扉をノックする。

「Come in,Please」

「どうぞ〜」

この声は……今日はやかましい上に、ややこしい奴が秘書艦のようだ。

妙高が扉を開き、那智、私の順に入る。

「Good Morning! 提督ぅー。待ちくたびれ……た……」

「ぱんぱかぱーんっ! 今日は愛宕が秘書か……ん……」

夕立を見た瞬間、二人は能面のような表情になる。

金剛「……」

愛宕「なにそれ」
172 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2015/10/12(月) 02:49:34.92 ID:iN18i2dW0
・本日 ここまで

・申し訳ありません 姉妹艦ごとに 話が進むわけでは ございません

・点呼前のシーン = 妙高型がメインになる という 考えだったため 誤解を産む 書き込みを してしまいました 申し訳ありません

・感想 要望 改善等 あれば どうぞ
173 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2015/10/12(月) 02:58:30.56 ID:6dkXSTGSO
背筋が寒くなりますねェ……、
乙ゥ
174 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [ssge]:2015/10/12(月) 09:08:20.53 ID:vxtZGzAC0
うっひょー、おつ
いっちの妙高型が素晴らしすぎてつい姉妹艦で進めるものかと思ってたけど、これはこれでいいね
175 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2015/10/12(月) 09:09:11.17 ID:vxtZGzAC0
え、はっず
下げられてなくてスマソ
176 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2015/10/19(月) 21:11:09.26 ID:XaB3Wpen0

愛宕「ねえ、提督、それはなに? なんなの? なんでそんなものが提督にくっついているの? ねえ?」

愛宕は目を見開き、夕立を指で差しながら、私に詰め寄ってくる。

金剛「……テートクぅ」

金剛は泥と油を混ぜたような眼をしている。

夕立は私に抱きついたまま、金剛たちから顔を背けている。

提督「夕立が体調を崩したから保護した。それだけだ」

実際は違うが、敢えてそう返す。

二人を押しのけ、那智と共に正面の執務机に向かう。

「明石はどうしたんだよ?」

「医務室にいらっしゃらなかったのですか?」

提督「そんなところだ……それとおはよう、摩耶、榛名」

部屋の右側に置かれている応接用のソファー、その近くに立っていた摩耶と榛名に返答する。

榛名「はい、おはようございます」

榛名は挨拶を終えると共に会釈をする。

摩耶「っす」

摩耶は左手を上げて、大雑把に挨拶を返す。お前はもう少し真面目に挨拶しなさい。

執務机の椅子の前に着く。しかし両手が塞がっているため、椅子を引くことができない。

足で椅子を引こうとしたところで、榛名が椅子を引いてくれた。

榛名「どうぞ、提督」

提督「ありがとう」

榛名「いえ……」

椅子に座り、夕立を膝の上に座らせる。

夕立から両手を離した瞬間、金剛が机を叩いた。

金剛「納得できないネ」

愛宕「そうよ。今日は私たちが秘書艦でしょ? なんでそんなものに構うのよ」

眉間に皺を寄せた二人から再び詰め寄られる。

秘書艦であることと、病人、ということにしている夕立、の世話をすることは関係ないはずだが、こいつらには同じことらしい。

夕立「……」

提督「放っておけないからだ」

金剛と愛宕を生返事であしらい、妙高たちに視線を向ける。

妙高、足柄、羽黒は引き継ぎに必要な資料を整理している。
177 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2015/10/19(月) 21:11:43.07 ID:XaB3Wpen0

提督「妙高、準備は?」

妙高「私は可能です」

足柄「私も出来たわ」

羽黒「私もできました」

金剛と愛宕に視線を戻す。

提督「だそうだ。早く引き継ぎを済ませろ」

金剛は歯ぎしりをすると、両手で再び机を叩く。

机が軋む。

金剛「My Lord! Please explain to me!」

その呼び方はやめろ。

榛名「お姉さま……」

提督「先ほど説明した以上のことはない。病人を保護し、預かり、連れてきた」

愛宕「でも、提督がお世話する必要はないですよね?」

愛宕は眼を細め、両手を合わせて右頬に添える。

愛宕「貸して? それ、私がヤっておきますから、ね?」

提督「……」

愛宕「ね?」

提督「……預かったのは私だ、最後まで私が面倒を見る」

次の瞬間、目の前の机が消えたかと思うと、天井に突き刺さった。

凹んだ天井から、剥がれた石膏が砂となり、机があったところに落ちてくる。

榛名が私ごと椅子を引いてくれたおかげで、頭に砂が掛からずに済んだ。

眼前に、前蹴上げの姿勢になった愛宕がいる。足が綺麗に180度開いており、黒いストッキングが艶めかしい。

愛宕はゆっくり足を降ろすと、再び両手を合わせて頬に添え、眼を細め、笑顔を私に向ける。

愛宕「ね?」

那智、金剛、妙高、羽黒から砲口を向けられながら、愛宕は笑顔を私に向ける。

提督(……)

厄介な娘だ……
178 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2015/10/19(月) 21:13:39.14 ID:XaB3Wpen0
・本日 ここまで

・キャラが プロットから ズレる orz

・感想 要望 改善等 あれば どうぞ
179 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2015/10/19(月) 21:37:00.76 ID:9jLOZOl1o
こんな暴力的なアタゴン初めて見たわ。これは期待。
180 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2015/10/20(火) 08:20:20.39 ID:nnGxIFrMO
Lord(絶対服従だが絶対服従とは言っていない)
181 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2015/10/20(火) 08:51:46.05 ID:DSIhC8/lo
どのキャラも重くてすばらしいでち
182 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2015/10/23(金) 01:39:20.63 ID:wHRJLT9Z0

摩耶「姉貴、やりすぎ」

私から見て左側、榛名と金剛の間にいつの間にか摩耶と足柄がいた。

摩耶「ほれ、提督、摩耶様がお前の書類、避難しといてやったぜ」

そういって摩耶は得意顔で、左手にある書類と右手にある業務用電話を軽く上げて見せつける。

足柄も、執務机にあった業務用電算機 ――と言うよりパソコンと呼ぶべきもの―― と、摩耶が持ち切れなかったのであろうスタンドライトと羽ペンを持っている。

提督「助かる」

よくもまあ、あの一瞬で確保できたものだ。

足柄「これ、どこに置いておけばいいかしら?」

足柄が電算機を団扇のように軽く振る。もう少し丁寧に扱ってくれ。

提督「適当に置いといてくれ」

摩耶「おうよ」

そう返事をすると、摩耶と足柄は金剛の後ろを周り、妙高と羽黒の射線上を横切ると、入口から見て左側にある秘書艦用の机にそれぞれの手に持っていたものを置く。

その際、足柄が電算機を机に置いたとき、硬いものがぶつかり合う音がした。

頼むから丁寧に扱ってくれ。お前の時代にも電算機があっただろ……あったよな?

足柄「ここに置いておくわね」

提督「ああ」

摩耶と足柄が机に物をちょうど置き終わったとき、それを見計らってか、愛宕が振り向き摩耶を睨む。

愛宕「なによ摩耶〜、その言い方、私が悪いみたいじゃない」

愛宕は自分に向けられている砲口を歯牙にも掛けず、両手を握り、両腕をペンギンのように少し広げ、頬を膨らませて、子供のように駄々をこねる。

摩耶「だからやりすぎだって、そいつ、今日仕事できねえじゃねえか」

摩耶は左手を腰に当て、顎を使って私を差す。そういう仕草はやめなさい。

愛宕「ん〜」

愛宕はそれを聞くと、右手人差指を唇に当て、目線を上にあげて唸る。

愛宕「あっ、それならこれを使えばいいんじゃない?」

そう言うと愛宕は、頭部と心臓部に砲口を向けている金剛の艤装、その艤装の盾のような部分を指で差す。余裕だなお前。

その愛宕の行動に対し、今まで指一本視線一つ動かさず、ただ艤装を展開し、その砲口だけを向けていた金剛が口を開いた。

金剛「Heeey、愛宕、そんなにこれが気になるなら、試しマスカ?」

金剛は首を傾げながらゆっくりと愛宕に顔を向ける。

金剛「Come on, pig」

榛名「お姉さま、お止めください」

摩耶「姉貴、ふざけすぎ」

まったくだ。本当にもう、どうしてこうなった。
183 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2015/10/23(金) 01:40:04.44 ID:wHRJLT9Z0

愛宕「む〜」

摩耶の言葉で脹れっ面になった愛宕は、私に顔を向ける。

愛宕「提督、どう思います?」

知るかよ。

提督「……」

夕立を除く全員が私を見る。

金剛・榛名・愛宕・摩耶・妙高・那智・足柄・羽黒「「「「「「「「……」」」」」」」」

提督「……」

金剛・榛名・愛宕・摩耶・妙高・那智・足柄・羽黒「「「「「「「「……」」」」」」」」

提督「……」

胃が痛い。

金剛・榛名・愛宕・摩耶・妙高・那智・足柄・羽黒「「「「「「「「……」」」」」」」」

提督「……愛宕」

愛宕に右手で手招きをする。

愛宕「は〜い♪」

執務机があったところにまで、愛宕が弾むように近づく。

提督「帽子を取れ」

そう言うとともに、手で愛宕にしゃがむ様に指示する。

愛宕は両手で帽子を掴み、しゃがんで頭を私に差しだす。

撫でる。

愛宕「♪」

提督「構ってあげられなくて、すまない。あとで埋め合わせするから、もう少しだけ待っていてくれるか?」

愛宕は帽子で口元を隠すと、上目遣いに私を見る。

愛宕「絶対ですよ?」

提督「ああ、約束する」

愛宕はニコリと微笑む。

愛宕「なら、少しだけ我慢してあげます」

愛宕の言葉を聞き、妙高と羽黒が艤装を格納する。

しかし、眉間に皺を寄せた金剛は、未だ艤装を展開したまま、私に詰め寄る。

金剛「テートクー! そういうのはよくないデース! Judge her!」

提督「本音は?」

金剛「ワタシも提督にお姫様抱っこされて、イチャラブしたいデース!」

金剛は両手をバタつかせてごねる。正直でよろしい。

提督「わかった。少し後になるが、二人きりで過ごそうか」

金剛「Really!?」

私の言葉で動きを止めた金剛は、驚いたように眼を開く。

提督「本当だ。何か問題でもあるのか?」

私の言葉で一転、艤装を格納した金剛は破顔し、腰に手を当て、胸を張る。

金剛「No problem! テートクの眼を釘付けにしてあげマース!」

そこは眼じゃなくて視線だろ。眼球に釘でも刺すつもりか。
184 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2015/10/23(金) 01:40:40.92 ID:wHRJLT9Z0

榛名「……」

提督「榛名、希望があればお前の時間も作るぞ」

榛名「……えっ」

私と金剛の会話を少し俯いて聞いていた榛名に声をかける。

なんだか寂しそうな表情をしていた気がしたが、気のせいだったか?

榛名「いえ……榛名は……」

金剛「榛名、自分を抑え込む必要はありまセーン。そうでしょ、テートクぅ?」

提督「まあな」

夕立の背中をさすりながら答える。

榛名「本当に……よろしいのでしょうか?」

顔に影を落としたまま、榛名は自分に言い聞かせるように呟く。

榛名の美しさは、顔に陰りが見えても、変わらない。

提督「私は一向に構わない。金剛の後にはなるが、それでもいいか?」

榛名「はい……榛名は大丈夫です」

榛名は恥じらうように微笑んだ。

愛宕「じゃあ、摩耶は榛名ちゃんの後ね」

摩耶「は? ……はぁ!? あたしもかよっ!?」

妙高、足柄、羽黒と共に、ソファーで引き継ぎを行っていた摩耶が、口を半開きに驚いた表情を向ける。

提督「希望があれば、だ。嫌ならべ「嫌とは言ってね―し!!」

左様か。
185 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2015/10/23(金) 01:41:23.77 ID:wHRJLT9Z0

提督「……さて、引き継ぎをいい加減始めてくれ」

愛宕「はーい」

金剛「All right」

金剛、愛宕、摩耶、妙高、足柄、羽黒がソファーに集まる。

榛名「……」

提督「どうした、榛名?」

榛名「……机、どう致しましょうか……」

榛名はソファーに行かず、天井に突き刺さった机を見上げている。

提督「……明石に頼むさ」

すまん、明石。

まあ、みかん箱でもいいけど。



榛名は「かしこまりました」というと、ソファーへと向かった。































那智「……」

仏頂面の那智は、未だ艤装を展開したまま腕を組み、山の如く聳え立っている。

提督「……那智」

那智「……なんだ」

提督「お前にもしようか?」

那智「いらん」

提督「そうか」

那智は艤装を納めた。
186 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2015/10/23(金) 01:45:42.83 ID:wHRJLT9Z0
・本日 ここまで

・英語が きつい orz

・キャラが 多いと 影が薄くなるキャラが どうしても 出てしまう orz

・地の文 もう少し 削ったほうが いいですか?

・感想 要望 改善等 あれば どうぞ
187 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2015/10/23(金) 03:12:39.57 ID:3BYB1bCyo
乙!
188 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2015/10/23(金) 05:23:45.94 ID:5rkNBcDIO
ある意味この提督が一番のバケモンだな。
189 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2015/10/23(金) 06:14:21.13 ID:K4dVWCO6o
おつでち
190 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2015/10/23(金) 22:46:49.74 ID:wHRJLT9Z0

提督「夕立、気分はどうだ?」

夕立「ん」

妙高たちが引き継ぎをしている間、夕立に調子を聞く。

夕立は私の首元左側で顔を少し擦ると、眠た眼で欠伸をした。

夕立「……眠いっぽい」

口をぼんやりと開き、目を擦りながら、薄らと開いた眼を私に向ける。

さっきからやけに静かだと思ったら、寝ていたのか。

提督「朝礼台のところまで一人で行けるか?」

そろそろ離れて欲しいところだ。このまま点呼に出るわけにもいかないだろうし。

夕立はジッと私を見つめた後、再び私の首元に顔をくっつける。

子供特有の暖かい体温とスベスベプルプルな肌の感触が心地よい。

それなりの手入れは恐らくしているのだろうが、艦娘の肌はなぜいつも新鮮な果実のように瑞々しいのだろう、少し羨ましい。綾波や足柄の肌なんてプニプニだぞプニプニ。寝ぼけて足柄のおっぱいをお餅と間違えて噛み付いたこともあるんだぞ。足柄はなぜか喜んでいたけど。

夕立「もう少し、寝込むっぽい」

夕立の言葉で脱線した思考が戻る。

提督「そうか」

どうやらこのまま点呼に出る以外ないようだ。諦めよう。

提督(……それにしても)

天井に突き刺さった机を見る。

提督(愛宕、手加減したな)

以前だったら、天井は突き抜けて穴が開き、机は粉々になり、執務室は跡形も無くなっていただろうに。

ソファーに座っている愛宕に視線を移す。

溢れる黄金の大河のような髪、宝石のサファイアを埋め込んだような瞳、大海原を写したような服。

そのような広大さを感じさせる容姿をしながら、それでいて、個人的印象ではあるが、雪原の白兎を彷彿させるその雰囲気は、美しいというより可愛らしいという言葉が相応しかった。

今、愛宕はその可愛らしい顔を小難しくしかめて、妙高たちから話を聞いている。

愛宕が私の視線に気づいた。

愛宕は朗らかな顔で、小さく手を振ってくる。

私も右手で小さく手を振って返す。愛宕、仕事しなさい。

かつて私を縊り殺そうとした娘が、今は私に微笑を向ける。なんだか嬉しいような恐ろしいような、複雑な気分になる。

愛宕の様子に気づいたのか、金剛をはじめとした周りの娘が愛宕の視線の先に顔を向ける。

視線の先が私だと気づいた瞬間、娘たちの顔つきが険しくなる。

娘たちから顔を背ける。

背けた先にいた那智が、冷たい目線で私を見下ろしていた。

那智「……」

左に顔を背ける。

背けた先にいた夕立が、恨みがましい目つきで私を見上げていた。

夕立「……ありえないんだけど」

夕立、鈴谷の口調が移っているぞ。

提督(……)

天井を見上げる。

見せしめのように突き刺さっている机に、なぜか親近感を覚えた。
191 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2015/10/24(土) 00:53:02.92 ID:0aad5Qtfo
さらっと縊り[ピーーー]とか何あったねん・・・・
192 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2015/10/24(土) 13:35:20.23 ID:dfECvkVm0

引継ぎを終えた妙高たちが私の前まで移動し、那智も含め横列縦隊で並ぶ。

私から見て左から、妙高、足柄、那智、羽黒で並ぶ。

その後ろに、同様に左から、摩耶、愛宕、金剛、榛名の順で並んでいる。

……気のせいかもしれないが、金剛たちの並び方、おかしくないか?

妙高「提督」

妙高が私に呼びかける。

提督「始めろ」

妙高の合図と共に、私と夕立を除く全員が、気をつけ、敬礼、直れ、をする。

本来なら私も立ってやるべきなのだが、夕立がいるので省略だ。

妙高「妙高以下4名、摩耶以下4名への引継ぎ、完了致しました、以上」

引継ぎ程度で堅苦しい気もするが、規律遵守というやつだ。

まあ、ここら辺は緩いし、適当だが。

提督「引継ぎ完了の旨、了解した。只今を以って、妙高以下4名を秘書艦の任から解く、以上」

妙高「はい、妙高以下4名、只今を以て秘書艦の任を終えます」

妙高、足柄、那智、羽黒が敬礼し、直る。

提督「よろしい、退室せよ」

妙高「はい、退室致します」

妙高たちの秘書艦の任はここまでだ。
193 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2015/10/24(土) 13:35:50.69 ID:dfECvkVm0

妙高「では提督、また後日」

提督「ああ」

後ほど、妙高との予定を調整しないとな。

妙高が退室する。



那智「軽率な行動は慎め、いいな?」

提督「肝に銘じておく」

那智「……ふん」

那智が退室する。



足柄「寂しくなったら、いつでも来て頂戴♡」

提督「……」

足柄「ちょっと、その目はなによ」

足柄が退室する。



羽黒「あの……司令官さん」

提督「ん、どうした?」

羽黒は胸の前で両手を組み、不安そうな表情を見せる。

羽黒「少し、耳をお貸しいただいてもよろしいですか?」

提督「? 構わないが」

引継ぎで何かあったか?

羽黒は私の右耳側によると、腰を曲げて耳に顔を近づける。

羽黒「……失礼します」

提督「ああ」

次の瞬間、







チュッ





金剛「Nooooooooooo!!!」

金剛の絶叫が響く。やかましい。

羽黒「し、失礼しました!」

羽黒は退室した。

私の頬に柔らかい感触を残したまま。



榛名・愛宕・摩耶・夕立「「「「……」」」」

扉を睨む金剛を除き、他の娘たちが私を睨む。

提督「……」

金剛「テートクゥ……」

……私にどうしろと。
194 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2015/10/24(土) 13:36:33.13 ID:dfECvkVm0

金剛・榛名・愛宕・摩耶・夕立「「「「「……」」」」」

そんなに厳つい表情で睨まれると、さすがに怖い。

提督「……後でいくらでもしてやるから、早く始めてくれ」

私の言葉に全員が呆れたと言わんばかりの溜息をついた。何なんだよ、ほんと。

摩耶「あー、とりあえず始めるぜ」

摩耶が後頭部を左手で掻きながら、引き継ぎ開始を告げる。

提督「……お前か?」

摩耶「あ? んだよ、悪ぃかよ」

提督「いや、そういう訳ではないが」

てっきり榛名がやるかと思ったが。

提督「……始めてくれ」

摩耶「おう」

摩耶の合図で、摩耶、愛宕、金剛、榛名が敬礼、気をつけ、直れをする。

先ほどとほぼ同様の応答を行い、金剛たちは秘書艦の任に就く。

摩耶「━━━━━はい、摩耶以下4名、只今を以て秘書艦の任に就きます」

提督「よろしい。行動を開始せよ」

摩耶「了解」

摩耶の言葉で応答を終え、各々の楽な姿勢に戻る。
195 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2015/10/24(土) 13:37:00.24 ID:dfECvkVm0

秘書艦にはそれぞれ役割分担があるので、それを確認することにしよう。

……正直、秘書艦が4人もいるのは人材の無駄使いだと思う。

実際、要員を圧迫しているせいで、毎月加賀がウンウン唸っているし。

提督「で、だ。今日の補佐は……」

この顔ぶれなら、いつもは榛名だが。

摩耶「あたし」

摩耶が左手を挙げる。

薄々感じていたが、やはりか。

提督「……珍しいな、出来るのか?」

いつもなら指導だろうに。

摩耶が私にガンを飛ばす。

摩耶「あっ? お前、あたしを舐めてんのか、それぐらい出来るっつーの」

提督「そうか……指導は?」

愛宕「はーい、私でーす♪」

愛宕が元気よく右手を挙げる。本気か。

提督「……出来るのか?」

私の言葉で、愛宕は口を窄める。

愛宕「む〜、できますよ〜」

不安だ。

思わず摩耶を見てしまう。

摩耶は私の視線に対して、首を左に傾げて、右手で左肩を揉む。

摩耶「あ〜、まあ、あたしから助言はしてるから」

提督「……頼む」

愛宕「もー、提督も摩耶も失礼よー」

提督「悪かったよ……護衛は?」

金剛「ワタシデース! I am your shield!」

金剛は左手をまっすぐ前に出し、美しい手のひらを見せてくる。

提督「心強い。頼りにしているぞ、金剛」

金剛「Yes! ワタシの実力、見せてあげるネー!」

提督「ああ……と、なると」

榛名を見る。

榛名は左を向いて、私と目を合わせようとしない。

榛名「……」

提督「……」

榛名「……」

提督「……」

榛名「……」

提督「……福祉か」

榛名「……はい」

榛名は顔を真っ赤にすると、両手で顔を覆った。

頑張ったんだな。
196 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2015/10/24(土) 13:41:23.16 ID:dfECvkVm0
・本日 ここまで

・寝落ち してました orz

・感想 要望 改善等 あれば どうぞ
197 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2015/10/24(土) 16:03:02.40 ID:iS5j8LLf0
福祉って何やるんや……
198 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2015/10/24(土) 17:12:38.71 ID:3cWrvutwo
乙!
199 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2015/10/24(土) 20:55:55.76 ID:fHSpKelJ0
福祉 (意味深)
200 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2015/10/24(土) 21:46:39.19 ID:j+v853Z6o
この四人組もいいなぁ
期待
201 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2015/11/01(日) 00:56:40.20 ID:E6d/W01Z0

秘書艦の分担を確認し終わった後、夕立の背中に左手を回して抱き寄せる。

摩耶「お前、そのままで出るのかよ?」

膝窩に右手を回そうとしたところで、摩耶から声が飛んだ。

顔を上げると、摩耶が訝むような目つきを私に向けている。

提督「駄目か」

摩耶「当たり前だろ、女抱えて点呼に出るなんて、馬鹿にしてるとしか思えねえぞ」

正論だ。

榛名「仮眠室で休ませておくのは如何ですか?」

提督「……ふむ」

左に目線を向け、入り口から見て右奥にある扉を見る。

扉を少し眺めた後、夕立に目線を移す。

夕立は俯いたまま、右手で私の裾を弄っている。

提督「いや、点呼には夕立と一緒に出る」

摩耶「はあ?」

愛宕「提督、摩耶の言葉聞いてなかったの? それ邪魔なのよ?」

聞いていたよ。

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