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【R-18】比企谷八幡は選べない
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2 :
◆MbLult/K69fv
[saga]:2015/11/07(土) 10:40:43.15 ID:/dqwGyRg0
優美子「沙希、ヒキオ、ノート見せて〜」
八幡「またか」
沙希「しょうがないね・・・」
八幡「てかお前、前の授業出てただろ?」
優美子「いや、あーし朝までバイトでさ、ちょっと気を緩めたらそのまま寝ちゃって・・・」
沙希「はぁ・・・だったら次の授業で寝ればいいじゃん。次のは出席さえしてれば単位もらえる奴だし」
優美子「いや、だから次の授業でノート写すからさ、お願い!貸して!」
八幡「はぁ・・・貸し一つだぞ」
沙希「同じく」
優美子「ありがと、二人とも」
八幡(都内の文系私大に入学し早2か月。俺は今、ブラコンシスコン黒レースこと川崎沙希と獄炎の女王こと三浦優美子とつるんでいる)
八幡(何故この様な事になったか。それは大学入学直後に遡る)
3 :
◆MbLult/K69fv
[saga]:2015/11/07(土) 10:41:40.63 ID:/dqwGyRg0
====================================================
比企谷八幡は選べない
====================================================
4 :
◆MbLult/K69fv
[saga]:2015/11/07(土) 10:42:37.29 ID:/dqwGyRg0
【入学式】
八幡(やべえ・・・人多すぎだろ・・・)
八幡(高校の入学式なんか比じゃないんだろうな・・・・・)
八幡(まあ、高校の入学式は出てないんですけどね)
?「あ・・・」
八幡(えーと・・・これが終わったら大学まで移動して学生証の交付だろ・・・そんで・・・)
?「ねえ・・・」
八幡(はぁ・・・新居に戻るのが何時になることやら・・・)
?「比企谷!!」
八幡「ひゃい!何でふきゃ!!」
?「何そんなにおどろいてんのさ・・・」
八幡「!・・・お前は・・・」
5 :
◆MbLult/K69fv
[saga]:2015/11/07(土) 10:43:20.42 ID:/dqwGyRg0
八幡(そこには新入生らしき女が立っていた。スーツを身にまとった細めの長身。青みがかった長い髪を纏めたポニーテール。きつそうな眼付き。)
八幡「川・・・・・サキサキ?」
沙希「なんかイントネーションがおかしいけど・・・・・まあ覚えてたからいいよ」
八幡「てかお前もこの大学なのか?」
沙希「うん、ダメ元で受けたら受かってね。親もせっかくだからって入学を勧めてくれてさ。そんでこの大学に来た訳」
八幡「はあ・・・で、何で俺に話しかけたわけ?」
沙希「っく・・・それは・・・入学したばかりで知り合いもいないし・・・せっかく見つけたから・・・」ゴニョゴニョ
八幡(ん?最後の方がよく聞こえないが・・・・・まあいい)
6 :
◆MbLult/K69fv
[saga]:2015/11/07(土) 10:43:55.30 ID:/dqwGyRg0
八幡「フッ・・・甘いなサキサキ。俺ほどのベテランボッチなら、そんな不安は気にも留めない」
沙希「はぁ?あんたまだそんな事言ってんの?それにサキサキ言うな」
八幡「いいか・・・川・・・崎。大学って言うのはな、高校以上にボッチが多い。故にボッチパラダイス。だから俺にとってもパラd」
沙希「はいはい、そんな下らない御託はいいから大学に行くよ。学生証貰わなきゃ、何も始まんないんだから」
7 :
◆MbLult/K69fv
[saga]:2015/11/07(土) 10:44:36.31 ID:/dqwGyRg0
八幡「・・・いや・・・・・だから川崎サン?・・・俺は一人で大学に行こうと・・・」
沙希「何か言った?」ギロリ
八幡「い・・・いえ・・・・・ナンデモナイデス・・・」
沙希「そう・・・」
八幡(そうして俺は何故か機嫌良さそうな川崎に引きずられ大学へと赴いた。それ以来彼女とつるむ様になった訳だ)
八幡(一方、三浦との再会は少し事情が異なる)
8 :
◆MbLult/K69fv
[saga]:2015/11/07(土) 10:45:16.40 ID:/dqwGyRg0
========================================
【とあるクラブ】
八幡「うへぇ・・・・・」
八幡(人が多い、密度も高い、湿気も多い、音楽もうるさい・・・・・はぁ・・・帰りたい)
沙希「ちょっと、あんた大丈夫?」
八幡「ああ、ちょっと人に当てられただけだ・・・」
八幡(俺と川崎は某巨大サークルの新歓会場に来ていた)
八幡(大学で一緒に行動していた川崎がこのサークルの勧誘にしつこく付きまとわれ、俺も一緒ならいいという条件でここに来たわけだ)
八幡(ただあの時の勧誘の男の俺を見下した表情・・・・・うん絶許)
9 :
◆MbLult/K69fv
[saga]:2015/11/07(土) 10:46:06.07 ID:/dqwGyRg0
八幡「しかし、何だな。先輩とか見てても劣化改悪版の戸部みたいのしかいないよな、このサークル」
沙希「戸部って・・・あの葉山にくっ付いてた?」
八幡「ああ、2年の時は失礼な事も言われたし。まあ、いつもウェイウェイ言ってて調子こいたウザい奴だと思ってた」
沙希「あんた・・・結構辛辣だね」
八幡「まあ俺の主観だがな。でも3年でも同じクラスになって、それなりに俺を認めてくれてる事もわかったし・・・まあ付き合って苦痛になる事は無かったよ」
八幡「チャラくはあったが悪い奴では無かったと思う
10 :
◆MbLult/K69fv
[saga]:2015/11/07(土) 10:46:37.52 ID:/dqwGyRg0
沙希「・・・このサークルの先輩はそれより酷い?」
八幡「初対面の印象だがな」
沙希「あたしも同じような印象かな?なんか話すたびに色目使ってくるし」
八幡「そうか・・・まあ、お前の場合身体つきがエロいからな。そう見られても仕方ない」
沙希「あんた、殴るよ?」
八幡「すいません、ころさないでください」
11 :
◆MbLult/K69fv
[saga]:2015/11/07(土) 10:47:10.46 ID:/dqwGyRg0
沙希「・・・・・キリのいいところになったら帰る?あたしもあんまここに居たくないし」
八幡「そうだな・・・」ヤメロシ、ドコサワッテンノヨ!!
八幡「ん?」
八幡(この声としゃべり方・・・とっかで覚えが)
優美子「だから!あーしに気安く触んな!!」
沙希「あれは・・・って」
八幡「三浦!?」
12 :
◆MbLult/K69fv
[saga]:2015/11/07(土) 10:47:48.50 ID:/dqwGyRg0
八幡(そこには葉山グループの獄炎の女王、金髪縦ロールでお馴染みのあーしさん、三浦優美子が如何にもDQNそうな先輩に腕を掴まれている姿があった)
優美子「だからあーしはそんなつもりないし!勘違いしないで!!」
DQN先輩「何言ってんだよwその歳で処女でもあるまいしww誘ってんだろ?」
優美子「離せし!あーしはそんな安い女じゃない!!」
DQN先輩「うはwって事は処女!?いいね、久々に処女喰いたいって思ってたのよ、ドンピシャだわww」
沙希「あいつ・・・!」
八幡「待て、川崎」
13 :
◆MbLult/K69fv
[saga]:2015/11/07(土) 10:48:18.98 ID:/dqwGyRg0
沙希「何?あんた・・・三浦を見捨てる気?」
八幡「違う・・・いいか、こういう状況じゃ外野の俺たちが行っても適当にあしらわれるのがオチだ」
沙希「・・・・・じゃあどうすんのさ?」
八幡「少し仕込みをする。だから待て」
沙希「・・・・・何するかは説明してくれるんだろうね?」
八幡「あ?ああ、説明するよ。いいか・・・」
14 :
◆MbLult/K69fv
[saga]:2015/11/07(土) 10:48:50.03 ID:/dqwGyRg0
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
優美子「離せし!離せ!!・・・・・離してよ・・・」
DQN先輩「いいから行こうぜwオレ様が直々に大人の階段上らせてやんよww」
優美子「いや・・・誰がアンタなんかと・・・」
八幡「あー・・・ちょっといいっすか?」
DQN先輩「あ?何お前?」
八幡「いや、俺そいつと知り合いなんですけど・・・さすがに居た堪れないといいますか・・・」
DQN先輩「は?お前何言ってんの?訳分かんないしキモイんだけど?」
15 :
◆MbLult/K69fv
[saga]:2015/11/07(土) 10:49:25.01 ID:/dqwGyRg0
優美子「あんた!・・・ヒキオ!?」
沙希「あんた、何ビビってんのさ・・・要するに見苦しい事はやめろって事だよ」
八幡「あのね、川崎さんもうちょっと言葉選ばないと・・・」
DQN先輩「は?見苦しい言ってどーゆー事?」
八幡「ほら、火に油を注いじゃったじゃないですか!」
DQN先輩「ってか君も可愛いねwwどう、こんなキモイ奴なんか放っといて俺たちと遊ばない?」
沙希「そんなのごめんだね。少なくともあんた達よりこいつといた方がましさ」
八幡「やだ、川崎さん男前。でもね、もーちょっと言い方を・・・」
16 :
◆MbLult/K69fv
[saga]:2015/11/07(土) 10:49:58.24 ID:/dqwGyRg0
DQN先輩「は?何舐めた事言ってんのこのアマ。こっちが下手に出てれば調子に乗って」
八幡「ほら、こうゆう人種って沸点が低いんだから」
DQN先輩「てか、テメーもゴチャゴチャうるせーんだよ!」ハラニキック!!
八幡「グホッ!」
優美子「ヒキオ!!」
DQN先輩「あーもー俺キレちゃったわ。お前半殺し確定だわー。覚悟しろよな〜」
八幡「・・・ハイ、イマハラヲケラレマシタ・・・コレッテショウガイデスヨネ?」
DQN先輩「あ?だから何ぶつくさ喋ってんだよ!?キモイんだよお前!!」ヒザニキック!!
17 :
◆MbLult/K69fv
[saga]:2015/11/07(土) 10:50:31.13 ID:/dqwGyRg0
八幡「っく・・・はい、お願いします」
沙希「比企谷、大丈夫!?」
DQN先輩「はっ、甲斐甲斐しいなwその女。そいつこの後お前の前でマワしてやんよww」
?「誰が何するのかな?」
DQN先輩「は?決まってんだろ俺たちが、この女を輪姦して・・・」
巡査部長「よくわかった。詳しくは交番で話を聞かせてもらおうか」
18 :
◆MbLult/K69fv
[saga]:2015/11/07(土) 10:51:01.49 ID:/dqwGyRg0
DQN先輩「は?何でこんなとこにポリがいんだよ!?」
八幡「先輩、周辺の地理をもっと勉強しましょうよ?このクラブ、交番の3軒隣ですよ?」
DQN先輩「は?・・・へ?」
八幡「それに俺のスマホ、通話中でしてね。さっきの全部警察に筒抜けなんですよ」
巡査部長「先程の貴様による彼への暴行の音声も彼の電話を通して通信センターで録音済みだ。それにこれだけの人数だ、いくらでも証言は出てくる」
DQN先輩「そんな・・・・・状況証拠だけじゃねえかよ!ちゃんとした証拠を見せろよ!証拠を!!」ツクエバンバン
19 :
◆MbLult/K69fv
[saga]:2015/11/07(土) 10:51:35.62 ID:/dqwGyRg0
巡査「先輩!奥の個室からこれが出ました!!」キケンドラック
巡査部長「・・・これはどういう事だ?」
DQN先輩「え・・・いや・・・・・その・・・・・」
巡査部長「巡査、応援を要請しろ。いいか本署にもだ。誰一人ここから出すな」
巡査「はい、既に出入り口と裏口に人員を配備してるようです」
巡査部長「パーフェクトだ、巡査」
巡査「感謝の極み」
20 :
◆MbLult/K69fv
[saga]:2015/11/07(土) 10:52:08.14 ID:/dqwGyRg0
巡査部長「それと君たち」
八幡「ひゃ、ひゃい!」
沙希「何でしょうか?」
巡査部長「この後そこのお嬢さんも含めて本署で事情を伺いたい。いいかね?」
八幡「は、はい」
沙希「問題ありません」
巡査「さあお嬢さん、立って。怖かったね」
優美子「は、はい・・・ありがとうございます」
21 :
◆MbLult/K69fv
[saga]:2015/11/07(土) 10:53:02.93 ID:/dqwGyRg0
巡査部長「ん・・・わかった巡査、応援が来たみたいだ。人員が来次第3人をお連れするぞ」
巡査「はい」
優美子「あ、あのヒキオ・・・」
八幡「何だ、三浦?」
優美子「その・・・助けてくれて・・・ありがと・・・」
八幡「へ?」
優美子「あと・・・川崎さんも・・・」
22 :
◆MbLult/K69fv
[saga]:2015/11/07(土) 10:53:29.32 ID:/dqwGyRg0
沙希「礼ならそいつにもっと言ってやんな。この筋書きを立てたのも全部そいつだから」
優美子「うん、でも・・・二人とも、本当にありがとう。あーし・・・怖かった」
八幡(そこからの展開は要約する)
八幡(俺、川崎、三浦の3人は警察署で事情聴取の後、パトカーで家まで送られた)
八幡(俺たち3人が各々借りた家が近い事もあり、3人纏めての送迎となった
23 :
◆MbLult/K69fv
[saga]:2015/11/07(土) 10:54:10.79 ID:/dqwGyRg0
八幡(一方、俺たちが参加した新歓を企画したサークルはというと、俺への暴行、サークルメンバーの危険ドラックの所持、そしてそれまでの悪行が露わとなり大学の公認取り消しと強制解散と相成った)
八幡(先にも述べた様に警察沙汰になった事と、それがマスコミに漏れて『有名私立大の巨大サークル、モラル崩壊の実体』というタイトルで週刊誌に載ったのが決定打となったみたいだ)
八幡(悪行に関わった幹部連中は軒並み逮捕の上退学処分。サークルメンバー間の人間関係も崩壊した)
八幡(また世間体を気にしてか大学当局は現在活動しているサークルの実態調査を実施)
八幡(問題が発覚したサークルは公認取り消しと強制解散となり、事件は発生から1か月後には両手では収まらない程のサークルが姿を消した)
24 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2015/11/07(土) 10:54:43.50 ID:UAnAFDufo
巡査と巡査部長、どこの自衛官かな
25 :
◆MbLult/K69fv
[saga]:2015/11/07(土) 10:55:00.04 ID:/dqwGyRg0
八幡(まさか入学間もなくリアルにサークルをクラッシュするとは思ってもみなかったが・・・)
八幡(そのせいか、俺、川崎、三浦の三人はこの事件の当事者で有った事が『巨大サークル崩壊とそれに続くサークル大粛清のきっかけを作った』という偏った情報として流れ、サークルのブラックリストに載ってしまいサークルに入るのが困難となってしまった)
八幡(その為、俺や川崎、三浦は孤立とまではいかないもののサークル単位で固まっている他の学生から若干距離を置かれるようになった)
八幡(そして、俺と川崎の二人組に三浦が自然と加わっていき、3人で行動するのが当たり前となり、現在に至る)
26 :
◆MbLult/K69fv
[saga]:2015/11/07(土) 10:55:52.96 ID:/dqwGyRg0
========================================
優美子「ヒキオ〜、今日もアンタんちで飲み会ね」
八幡「おい、いい加減にしろ。なんでいつも俺の家が飲み会の会場なんだよ」
優美子「は?だってあんた男でしょ?あーしや沙希ん家に来て下着でも取られたらいやだし」
八幡「俺が下着盗む前提かよ・・・だったらお前ら二人が俺の家に来ることの方がまずくないか?一応俺も男だし」
優美子「は?あんたがあーしや沙希になんかするって?無い無い。だって、ヒキオってヘタレじゃん?それにそんな奴だったら今まで何もしてこなかった事が説明できないし」
沙希「それにあんたがもし何かしようっていうのならば・・・あたしと優美子で潰すから」
八幡「恐ろし事言うなよ・・・」
27 :
◆MbLult/K69fv
[saga]:2015/11/07(土) 10:56:23.41 ID:/dqwGyRg0
八幡(本当に潰されかねんから困る!)
八幡「だったら居酒屋とかでもいいんじゃないのか?それなら俺が後片付けしなくてもいいし・・・」
優美子「だって居酒屋だと高いし、それに沙希が作ったものの方が美味しいし」
八幡「それは同意だ。牛肉のしぐれ煮とかご飯3杯はいける」
優美子「そうなんだよね、あれ食べたらそこらの下手な居酒屋とか行けなくなるし」
八幡「そうなると一定のグレード以上の居酒屋でなけりゃ満足できないんだがな・・・」
優美子「あーしも沙希からコツとか教わって作ってみたりしたんだけどなんか違うんだよね」
沙希「あ、あんた達、そんな事言っても何も出ないよ!ほら買い出し行くからさっさと行く!!」
八幡(照れてる、かわいい)
沙希「〜〜〜〜〜///」
28 :
◆MbLult/K69fv
[saga]:2015/11/07(土) 10:57:16.30 ID:/dqwGyRg0
========================================
【八幡のアパート】
八幡沙希優美子「「「かんぱ〜い!!!」」」ゴクゴクゴク、プッッハ~~~
優美子「あ〜美味し。やっぱ酒飲むのは宅飲みが一番だよね」
八幡「まあそれは確かだな。周りの変なテンションに当てられずにのんびり飲めるのがいい」
沙希「それはあながち間違いでもないかもね。前なんか隣の卓の男に絡まれたし」
八幡「あ〜・・・あったな。そんで失礼な事言われてあーしさんがブチ切れてジョッキのビールお見舞いして」
沙希「そのままあたしと比企谷の手を取って店から出て行ったんだよね」
優美子「・・・うるさいし」
29 :
◆MbLult/K69fv
[saga]:2015/11/07(土) 10:57:57.78 ID:/dqwGyRg0
沙希「でも優美子があんなに怒るなんて正直意外だったよ。適当にあしらって終わりかと思ったのに」
優美子「・・・・・だって・・・コニョゴニョ・・・・・」
八幡「どうしたんだよ?急に口籠って?」
優美子「だって・・・ヒキオはあーしの恩人じゃん?もしあの時助けてくれなかったらあの男に犯されてたかもしれないし・・・それにあいつ相当ヤバいところに足突っ込んでた訳だし・・・」
八幡(あの男・・・言わずもがな新歓コンパで俺に蹴りを入れたDQNの事だ)
30 :
◆MbLult/K69fv
[saga]:2015/11/07(土) 10:58:56.59 ID:/dqwGyRg0
八幡(あの後、週刊誌の報道で新入生の女子を口説いてはその痴態を撮った写真などで脅し、風俗などで働かせていることが判明した)
八幡(中には薬漬けにさせられ廃人寸前にまでいってた女もいたらしい)
優美子「もしあそこでヒキオや沙希に助けて貰えなかったら・・・あーしも風俗やAVなんかで働く羽目になってたかもしれないし・・・最悪真っ当な人生を歩めなかったかもしれない」
八幡「・・・・・」
優美子「そんなヒキオを『つまんなそうな奴』って言われて怒らない程、あーしは薄情じゃ無いし」
八幡(三浦はそう言うと缶チューハイの残りを一気に飲み干した)
31 :
◆MbLult/K69fv
[saga]:2015/11/07(土) 10:59:46.86 ID:/dqwGyRg0
優美子「あ〜〜〜嫌な事思い出したらおなか空いた。沙希、そこのから揚げ取って」
沙希「あ・・・うん。はい」
優美子「ありがと・・・パクッ・・・・・あ〜やっぱ沙希の手料理美味しいわ〜。なんでこんなに違うんだろ?」
八幡「確かに。なんというか・・・酒との相性がすごくいいんだよな」
沙希「少し濃い目の漬けだれに漬け込んでるからね。酒飲むと塩辛いものが欲しくなるっていうでしょ」
八幡「相変わらず主婦スキル高いよな、サキサキは」
32 :
◆MbLult/K69fv
[saga]:2015/11/07(土) 11:00:14.87 ID:/dqwGyRg0
沙希「サキサキ言うな。・・・まあ弟や妹の食事とか作ってたからね。自然と身に付いてさ」
八幡「妹か・・・けーちゃんは元気か?」
沙希「ああ、今年で小学1年生だよ。出来れば入学式に行きたかったけど大学の都合上、ね」
八幡「そうか、きっとお前ならカメラでけーちゃんの写真を撮りまくってたろうな」
沙希「なっ、何言っての!そんな事しないよ!!」
八幡「・・・2年のクリスマスやバレンタイン」ボソッ
33 :
◆MbLult/K69fv
[saga]:2015/11/07(土) 11:00:43.21 ID:/dqwGyRg0
沙希「あ、あれはその・・・姉の役目として妹の成長を記録する義務というか・・・」
優美子「さーちゃんってバレンタインに来てたあの子だよね?写真とか無いの?」
沙希「あ、あるけど・・・」
優美子「見せてくんない?」
沙希「えっと・・・はい」
優美子「何だ、凄く可愛いじゃん!これじゃあ将来男共も放っておかないよ」
34 :
◆MbLult/K69fv
[saga]:2015/11/07(土) 11:01:20.81 ID:/dqwGyRg0
沙希「でしょ!出来ることなら入学式にも出てその晴れ姿を見たかったんだけど・・・」
八幡「流石シスコン」
沙希「あ?アンタだってシスコンでしょうが」
優美子「あ〜・・・ヒキオの方は知ってる。小町だっけ?今は総武高に通ってて・・・」
八幡「ああ、今は2年だ。だが一色に唆されて生徒会入りしてから天使だった小町が小悪魔にクラスチェンジしてしまった・・・・・その上どこぞから湧いた虫が同じ生徒会に所属して・・・」
沙希「人の弟を虫扱いとは聞き捨てならないね・・・捩じ切るよ?」
八幡「やめて!手をパキポキ鳴らさないで!!」
35 :
◆MbLult/K69fv
[saga]:2015/11/07(土) 11:01:46.89 ID:/dqwGyRg0
優美子「へぇ、ヒキオの妹が後輩にいたのは知ってたけど沙希の弟もなんだ?」
沙希「・・・うん、受かるかどうかは五分五分だったけどね。この前メールしたら会長の一色や小町に振り回されて大変だって言ったよ」
八幡「・・・・・やはり小町が小悪魔化したのは一色の影響か・・・今度乗り込んで話を付けに行くか・・・そんでもって大志も消して・・・・・・」
沙希「あたしがあんたを消してやろうか?」
優美子「ヒキオ過保護すぎ。てかキモ過ぎ」
36 :
◆MbLult/K69fv
[saga]:2015/11/07(土) 11:02:16.98 ID:/dqwGyRg0
八幡「畜生・・・ここは俺の家だぞ・・・・・なのにこの居心地の悪さ・・・やっばりマッカンぐらいしか甘くないのか!」ショウチュウイッキ
優美子「ヒキオ、何だかんだ言いて酒強いよね。焼酎ロックで一気とか・・・あーしにはまだ無理だわ」
八幡「さすがに何杯もは無理だ。次は炭酸で割って飲む。サキサキ、レモンスライスしてくれ」
沙希「仕方ないね・・・あとサキサキ言うな」
37 :
◆MbLult/K69fv
[saga]:2015/11/07(土) 11:03:00.22 ID:/dqwGyRg0
八幡(・・・・・居心地悪いとさっき言ったが、実のところ俺はこの状態を気にいっている)
八幡(川崎も三浦もいい奴だ。毒は吐くが、相手を傷付ける様な暴言は言ってこない)
八幡(時々、奉仕部に居た時と錯覚してしまう時がある)
八幡(・・・・・奉仕部か・・・)
八幡(高校卒業を控えた2月の中頃、俺は雪ノ下と由比ヶ浜にある決断を迫られた)
八幡(『一体、どっちを選ぶのか』と)
38 :
◆MbLult/K69fv
[saga]:2015/11/07(土) 11:03:31.73 ID:/dqwGyRg0
八幡(雪ノ下と由比ヶ浜が俺に好意を持っていたのは流石にその頃には気付いていた)
八幡(そしてあいつらが次の段階へ進むのを望んでいる事も知っていた)
八幡(正直、俺は迷った)
八幡(どちらも俺にとって大切な存在だ)
八幡(雪ノ下雪乃も由比ヶ浜結衣も俺の高校生活を語る上では欠かす事の出来ない存在だ)
八幡(俺は即答できず、少し時間をくれと二人に告げた)
八幡(それから期日まで俺は寝ても覚めても『答え』を出すために考え続けた)
39 :
◆MbLult/K69fv
[saga]:2015/11/07(土) 11:04:06.88 ID:/dqwGyRg0
八幡(俺が雪ノ下、若しくは由比ヶ浜を選んだ未来は容易に想像できた)
八幡(雪ノ下と紅茶を飲みながら読書をし、時々他愛のない会話を行う光景)
八幡(由比ヶ浜と共に買い物に行き、はしゃぐあいつを苦笑いしながらも共に歩く光景)
八幡(それらの光景が現実的な形で浮かんだ)
八幡(だが・・・雪ノ下を選んだ場合には由比ヶ浜が、由比ヶ浜を選んだ場合に雪ノ下がそれらの光景には出てこなかった)
40 :
◆MbLult/K69fv
[saga]:2015/11/07(土) 11:04:42.30 ID:/dqwGyRg0
八幡(俺は必死に各々の光景にそれぞれを当てはめようとした)
八幡(だが無理矢理に当て嵌めてもそこには嘗ての奉仕部の姿は無い)
八幡(それぞれの光景で選ばれなかった彼女たちは距離を取って俺と選ばれた方を見つめていた)
八幡(悲しさを秘めた羨望の表情で・・・)
八幡(傲慢な考えだと今でも思う)
八幡(自意識過剰と笑われるだろう)
八幡(だが俺がどちらかを選んで一歩進んだとして取り残された方はどうなってしまうのか)
八幡(俺ともう一人から距離を置き、やがては3人でいることが無くなってしまうのではないか)
八幡(奉仕部で過ごした時間がまるで夢だったかのように・・・)
41 :
◆MbLult/K69fv
[saga]:2015/11/07(土) 11:05:22.69 ID:/dqwGyRg0
八幡(俺はそう考えてしまった)
八幡(一度袋小路に入ってしまった俺の思考は、結局そこを抜け出すことが出来なかった)
八幡(そして約束の期日)
42 :
◆MbLult/K69fv
[saga]:2015/11/07(土) 11:05:58.58 ID:/dqwGyRg0
八幡(俺は結局どちらも『選べなかった』)
43 :
◆MbLult/K69fv
[saga]:2015/11/07(土) 11:06:40.96 ID:/dqwGyRg0
八幡(あの時の悲しみと失望が混じった二人の表情は今も脳裏に焼き付いている)
八幡(その後、今に至るまで俺は二人と直接顔を合わせていない)
八幡(卒業式などで遠くから二人を見たりはしたが、話しかけることは終ぞなかった)
八幡(・・・・・俺は怖かったんだ)
八幡(修学旅行の時の様に俺の行動で奉仕部が壊れかかった時の様になることが)
八幡(俺は思考のどこかで奉仕部の関係が卒業後も続いていけばいいと思っていたのかもしれない)
八幡(奉仕部が終わりを迎えようとする中で俺はそこで手に入れたものに縋り付いていたかったのだろう)
44 :
◆MbLult/K69fv
[saga]:2015/11/07(土) 11:07:31.28 ID:/dqwGyRg0
八幡(結局のところ俺は臆病者で卑怯者、そして愚か者だ)
八幡(俺の決断を下せなかった事が、選べなかったことが奉仕部に本当の意味での終わりを告げた)
八幡(大切にしてたもの、そして大切にし続けようとしていたものを俺は壊してしまった)
八幡(あれから3か月)
八幡(俺は新たな一歩も踏み出せないまま、あの場所に取り残されたままである)
45 :
◆MbLult/K69fv
[saga]:2015/11/07(土) 11:08:37.55 ID:/dqwGyRg0
========================================
【大学】
優美子「沙希〜、ヒキオ〜二人って明日空いてる?」
沙希「明日は・・・昼からバイトだけど」
八幡「俺も予定がある・・・忙しい」
優美子「ヒキオはいいとして・・・そっか〜沙希はバイトか〜」
八幡「いや・・・三浦さん、俺も明日は予定が・・・・・」
優美子「どうせ一日中だらけて過ごすとかでしょ?」ギロリ
八幡「うっ・・・・・ハイソウデス・・・」
沙希「で、何するつもりなん?」
46 :
◆MbLult/K69fv
[saga]:2015/11/07(土) 11:09:23.90 ID:/dqwGyRg0
優美子「いや、夏物買いに渋谷か原宿方面に行こうと思ってさ。何なら沙希も一緒にって思ったんだけど・・・」
沙希「そうか・・・悪いね、流石に前日じゃあ休み取るのは無理だよ」
優美子「あ〜、いいのいいの。前日に言いだしたあーしが悪いんだし」
八幡「そうですね。って事で俺も」
優美子「ダメに決まってるっしょ」
沙希「そうだね、ダメだね」
八幡「あの・・・俺の意思は」
優美子「別に荷物持ちだけさせるつもりはないし。ヒキオの服、あーしが選んであげる」
八幡「へ?」
47 :
◆MbLult/K69fv
[saga]:2015/11/07(土) 11:10:05.89 ID:/dqwGyRg0
優美子「だってヒキオ、着てる服ユニ○ロかしま○らのやつばっかじゃん」
八幡「何を言うか、どっちも財布にやさしく種類も豊富。決して恥じることなんて無い」
沙希「いや流石にそればっかっていうのは・・・」
優美子「そうそう、あんた目を除けばそこまで悪くないんだからさ。少しぐらいいい服持っててもいいじゃん?」
八幡「お・・・おう」
優美子「って事でヒキオは明日あーしに付き合う事、いいね」
沙希「まあ、行ってきなよ。どうせあんたの事なんだから渋谷とか行った事無いんでしょ?」
八幡「失礼な、渋谷は受験の時に行った事はある」
沙希「・・・それって違うんじゃないの?」
48 :
◆MbLult/K69fv
[saga]:2015/11/07(土) 11:10:31.02 ID:/dqwGyRg0
========================================
【翌日・原宿表参道】
八幡「やばいな・・・人が多すぎだろ、マジで」
優美子「まあ土曜だしこんなもんじゃん?」
八幡「一人でならもう決して来ないな」
優美子「またそんな事言って。とにかくまずはあーしの服選びに付き合ってもらうよ」
八幡「へいへい」
49 :
◆MbLult/K69fv
[saga]:2015/11/07(土) 11:10:58.52 ID:/dqwGyRg0
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
【服屋】
優美子「ねえ、ヒキオ。これどう思う?」
八幡「まぁ・・・いいんじゃねえの?」
優美子「ヒキオ、適当過ぎ。ちゃんと感想言えし」
八幡「いや・・・その・・・俺が言っても、なあ」
優美子「いいから、言って」
八幡「そうだな・・・お前はスタイル良いしそういう服似合うと思うぞ」
50 :
◆MbLult/K69fv
[saga]:2015/11/07(土) 11:11:36.94 ID:/dqwGyRg0
優美子「そ、そう?」
八幡「足も長いし、胸もある。どっちかというとモデル体型だしな」
優美子「〜〜〜〜〜///」
八幡「まあ、お前が着る服ってギャルっぽいのが多いから逆をついて清楚っぽいワンピースとかでもいいと思うぞ」
優美子「うるさい!ヒキオの意見なんか聞いてないし!!」
八幡「いや感想言えって言ったの三浦さんですよね?」
優美子「うるさい!これ買ったら次はヒキオの服選びに行くし!!」
八幡「わかった、わかったから引っ張るな」
51 :
◆MbLult/K69fv
[saga]:2015/11/07(土) 11:12:04.93 ID:/dqwGyRg0
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
【別の服屋】
八幡「こ、これでいいのか?」
優美子「やっぱし、あんたそれなりの服着れば中々じゃん」
八幡「いや俺のモットーとしては出来る限り目立たない感じで・・・」
優美子「はいはい、戯言はいいから次はこれ!」
八幡「あの・・・俺の意見は?」
52 :
◆MbLult/K69fv
[saga]:2015/11/07(土) 11:12:47.58 ID:/dqwGyRg0
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
【表参道・路上】
優美子「ねぁヒキオ、お昼ご飯どうする?」
八幡「サイゼ」
優美子「は?さすがにここまで来てサイゼは無いっしょ」
八幡「じゃあどうすんだよ。自慢じゃないが俺にハイソな店を期待しても無理だぞ?」
優美子「えーっと・・・じゃあ・・・・・あ、あそこの喫茶店なんかどう?」
八幡「あ?うん、いいんじゃね?」
優美子「じゃあ入るし」カランカラン
53 :
◆MbLult/K69fv
[saga]:2015/11/07(土) 11:13:15.80 ID:/dqwGyRg0
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
【喫茶店】
八幡(やべえ、入ったはいいが思った以上に高そうだ)
優美子「うわ〜ヒキオ見て。これ椅子や机から全部アンティークだし」
八幡「メニューも見たが、結構高そうだな・・・」
優美子「ま、いいか。軽く食べるぐらいなら大丈夫っしょ」
八幡「そうだな・・・俺はクラブハウスサンドイッチとカフェオレでいいや」
優美子「じゃああーしはパンケーキにロイヤルミルクティーで」
54 :
◆MbLult/K69fv
[saga]:2015/11/07(土) 11:13:45.67 ID:/dqwGyRg0
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
八幡「ふぅ・・・結構な値段なだけあって味も良かったな」
優美子「そだね、今度は沙希も連れ来たいし」カランカランイラッシャイマセー
八幡(・・・・・ん?・・・あれは・・・雪ノ下と!・・・)
三浦「・・・・・隼人」ボソッ
八幡(店へと入ってきたカップル。それは雪ノ下雪乃と葉山隼人だった)
八幡(雪ノ下と葉山は同じ都内の国立大学に進学している)
優美子「・・・・・・・・」
55 :
◆MbLult/K69fv
[saga]:2015/11/07(土) 11:14:16.26 ID:/dqwGyRg0
八幡(三浦は黙り込み葉山と雪ノ下の方を見つめている)
八幡(丁度向こう側からは見えない位置に座っていたため二人は俺たちに気付かなかった)
八幡「・・・・・」
八幡(三浦は卒業の直前に葉山に告白し、振られている)
八幡(共に席に着く葉山と雪ノ下を見てどのような心情なのか・・・その表情を見れば痛い程理解できた)
八幡(かく言う俺も・・・)
八幡「三浦、そろそろ出るぞ」
優美子「あ・・・うん」
八幡(俺は三浦の手を引き喫茶店を出た)
56 :
◆MbLult/K69fv
[saga]:2015/11/07(土) 11:14:46.34 ID:/dqwGyRg0
八幡(しばらく無言のまま歩き続けていると、不意に三浦が口を開いた)
優美子「あーしさ、何となく隼人は雪ノ下さん好きなんじゃないかって思ってた・・・」
優美子「それでも・・・隼人の事諦められなくて・・・卒業の直前に告ったんだ・・・・・」
八幡「・・・・・知ってる」
優美子「そう・・・あーし、それで諦めが付いたと思ってた・・・でも・・・・・」
八幡(三浦は涙を流し始めた)
優美子「あーし・・・最初から雪ノ下さんに勝ち目無かったのかな?」
57 :
◆MbLult/K69fv
[saga]:2015/11/07(土) 11:15:25.86 ID:/dqwGyRg0
優美子「二人が幼馴染なのは知ってる・・・・・でも!・・・・・」ポロポロ
八幡(葉山の雪ノ下への想いは、恐らく三浦と出会ったころには既に完成していたのだろう)
八幡(既に想っている相手がいる人間を好きになる事、これは負けると分かっていて勝負を挑むと同意なのかもしれない)
八幡(三浦が葉山の雪ノ下へ対する想いに気付いたのがいつかは知らない)
八幡(叶わぬかもしれない想いを秘めその男に接する事がどれだけ辛かっただろう?)
八幡(俺は三浦の手を引き、人通りの少ない脇道へと入った)
58 :
◆MbLult/K69fv
[saga]:2015/11/07(土) 11:15:55.68 ID:/dqwGyRg0
優美子「え?ヒキオ・・・?」
八幡(俺は三浦の頭に手を乗せ、撫でた)
八幡「お前は頑張ったよ、三浦。どうせならここで思いっきり泣いて全部忘れちまえ」
優美子「・・・あ」
八幡(すると三浦は俺の胸に顔を埋めた)
優美子「ごめん・・・ヒキオ・・・少し借りる・・・」
八幡(そう言うと三浦は泣き出した)
八幡(通行人が訝しげな表情でこっちを見てきたが気にしたら負けだ)
八幡(俺は三浦が泣き止むまで胸を貸し、頭を撫で続けた)
59 :
◆MbLult/K69fv
[saga]:2015/11/07(土) 11:16:23.59 ID:/dqwGyRg0
========================================
【帰りの電車】
優美子「・・・・・忘れろし」
八幡「・・・は?」
優美子「だ・か・ら!今日の事は忘れろって言ってんの!!」
八幡「お、おう・・・わかった、わかったから睨むな」
優美子「もし誰かに言ったらあんたを殺すし」
八幡(嫌だなー、怖いなー、死にたくないなー)
60 :
◆MbLult/K69fv
[saga]:2015/11/07(土) 11:16:51.06 ID:/dqwGyRg0
八幡「ふっ・・・残念だが三浦。俺に何かを話すような友達はいない」
優美子「は?少なくとも二人いんじゃん。あーしと沙希」
八幡「・・・・・」
優美子「どうしたん?そんなハトが豆鉄砲喰らった様な顔して?」
八幡「あ?いや・・・何でも」
優美子「あと結衣あたりには知らせないでよ。あの子何かの拍子ですぐ喋っちゃいそうだし」
61 :
◆MbLult/K69fv
[saga]:2015/11/07(土) 11:17:22.74 ID:/dqwGyRg0
八幡「・・・・・それに関しては心配はいらない」
優美子「・・・・・・」
八幡(三浦が訝し気に俺の顔を覗き込んできた)
優美子「・・・・・あんさ、ヒキオ・・・結衣と何かあった?」
八幡「!!」
優美子「何かさ・・・結衣卒業間際になって急に様子がおかしくなってさ・・・ほら、空元気ってやつ?」
八幡「・・・・・そうか」
62 :
◆MbLult/K69fv
[saga]:2015/11/07(土) 11:17:48.21 ID:/dqwGyRg0
優美子「最初はあんたと雪ノ下さんが付き合って失恋したらかとも思ったんだけど、結衣と雪ノ下さん卒業式の時も一緒にいたし・・・」
八幡「・・・・・」
優美子「って言うか・・・ヒキオと奉仕部の間で何かあった?」
八幡「・・・・・」
優美子「・・・・・ごめん」
八幡「別に・・・謝る事は無えよ・・・」
優美子「うん・・・それって、あーしと沙希にも話せない様な内容なわけ?」
63 :
◆MbLult/K69fv
[saga]:2015/11/07(土) 11:18:21.45 ID:/dqwGyRg0
八幡「別に・・・そういう訳ではないが・・・・・」
優美子「そう・・・・・」
八幡「・・・・・」
優美子「・・・・・」
八幡「・・・・・悪い、まだ気持ちの整理が済んで無えんだ」
優美子「・・・・・そ」
八幡「だから・・・・・整理出来たら・・・その・・・話す」
優美子「わかった・・・・・ま、期待せずに待ってるし」
64 :
◆MbLult/K69fv
[saga]:2015/11/07(土) 11:18:56.27 ID:/dqwGyRg0
八幡(その後、最寄りの駅に付くと俺は三浦と別れた)
八幡(まさか俺が泣く三浦に胸を貸すとは・・・高校時代を考えれば想像も出来ないな・・・)
八幡(そして雪ノ下と葉山・・・)
八幡(やっぱり付き合ってのだろうか・・・)
八幡(自分の行いが奉仕部を壊す切っ掛けとなっておきながら、あの光景を見るのは胸が痛む)
八幡(同時に雪ノ下雪乃という存在が自分にとって大きく大切な存在であった事を再認識した)
八幡「・・・我ながら醜悪で未練がましいよな・・・・・」
八幡(俺はそう吐き捨てると駅から出た時に買ったブラックコーヒーのプルタブを開き、中身を口に含む)
八幡「苦え・・・」
八幡(久々に飲んだブラックコーヒーは過ぎ去りし青春の味がした)
65 :
◆MbLult/K69fv
[saga]:2015/11/07(土) 11:19:28.54 ID:/dqwGyRg0
========================================
【千葉】
沙希「悪かったね・・・わざわざ付き合わせたりして」
八幡「別に、構わねえよ。さーちゃんにはいつも美味い料理ご馳走になってるからな」
沙希「う、うっさい!さーちゃん言うな!!///」
八幡(俺は今、川崎と共に千葉に帰って来ている)
八幡(とある金曜日、川崎に『実家に帰るって電話したら時にけーちゃんにあんたの事を話したら会いたいってごね始めてさ。悪いんだけど一緒に来てもらえない?』と誘われたからだ)
八幡(丁度、俺も実家に取りに行きたいものもが有るのと同時に、久々に愛しの小町に会いたかったので同道した訳だ)
八幡(因みに三浦はバイトで来れなかった)
66 :
◆MbLult/K69fv
[saga]:2015/11/07(土) 11:20:05.94 ID:/dqwGyRg0
八幡(実家で用を済ませ、小町を愛で、川崎の家に向かったのだがここで問題が発生した)
八幡(小町が川崎家に行きたいと言い出したのである)
八幡(小町と過ごす時間が増えるのは吝かではないが、川崎家には小町に付きまとう虫、そう大志がいるのだ)
八幡(俺による説得も空しく失敗に終わり、小町共々川崎家を訪れた)
八幡(川崎家では色々あった)
八幡(小町と共にけーちゃんを愛で、小町と共に川崎をさーちゃん呼びしてからかったり、川崎と小町が作った食事をみんなで食べ、大志のおかずを奪ったり、大志に嫌味を言ったり、大志に小町に必要以上近付くなと念を押したり、川崎に〆られたり、一色と小町に振り回される大志を慰めたり・・・)
八幡(何だかんだで楽しい時間を過ごした俺たちは帰途へとついた)
67 :
◆MbLult/K69fv
[saga]:2015/11/07(土) 11:20:44.06 ID:/dqwGyRg0
八幡(今は小町と別れ、川崎と共に駅を目指し歩いている)
八幡「しかしけーちゃんが小学生か・・・時が流れるのも早いな・・・」
沙希「何を年寄みたいな事言ってんのさ」
八幡「いや・・・俺たちも来年には二十歳だろ?こう考えると子供でいられる時間て、もう長くは無いんだなって思ってな」
沙希「・・・・・」
68 :
◆MbLult/K69fv
[saga]:2015/11/07(土) 11:21:15.44 ID:/dqwGyRg0
八幡(二十歳になれば日本では成人として扱われる)
八幡(だが本当に『大人』になるのは一体いつなんだろうか?)
八幡(それは人によって意見は異なり、『高校を卒業すれば大人』という者もいれは、『二十歳を超えれば大人』、『社会人になったら大人』という者もいる)
八幡(そして少数ではあるが『結婚したら大人』、『人の親になったら大人』という者もおりその定義は明確に定まっていない)
八幡(俺はふと、昔見た大長編ドラえもんの主題歌を思い出した)
69 :
◆MbLult/K69fv
[saga]:2015/11/07(土) 11:21:57.75 ID:/dqwGyRg0
八幡(ああ、俺はどうして大人になるんだろう・・・)
八幡(専業主夫になりたいと公言して憚らない俺だが、それがすんなりと実現するとは思っていない)
八幡(普通の大学生ならば大学在学中に就職活動を行い、就職し、社畜として社会に出る)
八幡(俺自身ももし就職すれば、勤める会社によっては生まれ育った千葉から遠く離れなければならないかもしれない)
八幡(こうやって帰ってくることも中々出来なくなるかもしれない)
八幡(だからこそ、万感の思いを込めて俺は言いたい)
70 :
◆MbLult/K69fv
[saga]:2015/11/07(土) 11:22:30.90 ID:/dqwGyRg0
八幡「千葉よ!俺は帰ってきたぁぁぁーーーーー!!!」
沙希「・・・・・あんた、とうとう頭おかしくなった?」
八幡「・・・・・いや、俺の中の千葉愛が迸る衝動に感化され叫べと・・・」
沙希「何訳のわかんない事言ってんの?変な行動してたら警察に捕まるよ。警官が新歓の時のような人ばかりとは限らないんだから」
八幡「そうだよな・・・てかあの巡査部長さんやけに声が渋かったよな。CV.中○譲治ってくらいに」
沙希「・・・あんたが何言ってるのか良く分らないけど、渋くて迫力のある声だったのは認めるよ」
71 :
◆MbLult/K69fv
[saga]:2015/11/07(土) 11:22:58.19 ID:/dqwGyRg0
八幡(俺と川崎は他愛の無い会話をしながら駅へと歩く)
八幡(そのおかげかあまり他の事を考えずに済んだ)
八幡(俺はこの千葉を愛している)
八幡(だが、黒歴史や嫌な思い出も多い)
八幡(そして・・・苦い思い出も)
八幡(そうこうしてる内に、駅の近くへとたどり着いた)
八幡(既に日は西に沈みかけている)
72 :
◆MbLult/K69fv
[saga]:2015/11/07(土) 11:23:27.33 ID:/dqwGyRg0
沙希「そう言えば、あんた夕食はどうすんの?」
八幡「サイゼ」
沙希「即答だね・・・まあ、たまにはいいけど・・・」
八幡「まあ、向こうに付いてからでいいだろ?」
沙希「そうだね」
八幡(会話を終え、視線を前に戻す)
八幡(すると駅前に見覚えのある人影が・・・)
73 :
◆MbLult/K69fv
[saga]:2015/11/07(土) 11:24:24.07 ID:/dqwGyRg0
八幡「!!」
八幡(そこには・・・天使が降臨していた)
八幡(思わず『戸塚〜』と叫びながら駆け寄りたい衝動にかられた)
八幡(だが戸塚に近づいた見覚えのある姿が俺のそれを思い留まらせた)
八幡「・・・・・由比・・・ヶ浜」
八幡(意図せず、その名が口から零れた)
八幡(戸塚に近づいた人物、それは由比ヶ浜結衣だった)
74 :
◆MbLult/K69fv
[saga]:2015/11/07(土) 11:24:52.31 ID:/dqwGyRg0
沙希「あれって・・・戸塚と、由比ヶ浜・・・だよね?」
八幡(川崎も気付いたようで、俺共々二人の様子を伺っている)
八幡(二人は一通りの挨拶を済ませると、繁華街の方へと姿を消した)
八幡「・・・・・帰るか」
沙希「え?・・・ああ・・・・・うん」
75 :
◆MbLult/K69fv
[saga]:2015/11/07(土) 11:25:26.56 ID:/dqwGyRg0
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
【八幡たちの下宿先の近くのサイゼ】
沙希「ねえ・・・由比ヶ浜と何か・・・あったの?」
八幡「・・・・・何でそう思うんだ?」
沙希「いや・・・だってあんたの戸塚への執着・・・知ってるからさ。由比ヶ浜がいる位でそれをやめるっておかしいなって思って・・・」
八幡(三浦もだが、女っていうのはこうも勘が鋭いものなのか?)
八幡「・・・・・」
沙希「・・・沈黙は肯定と受け取るよ」
76 :
◆MbLult/K69fv
[saga]:2015/11/07(土) 11:26:05.50 ID:/dqwGyRg0
八幡「・・・・・色々あったんだよ・・・色々と」
沙希「どういう内容かまでは話せない?」
八幡「・・・・・・悪い、今は話せそうもない」
沙希「・・・そうか・・・・・」
八幡(沈黙が流れる)
八幡(何か話さなければと思ったが、どう言葉を紡げばいいのかわからない)
沙希「あのさ・・・」
八幡(そして沈黙を破ったのは川崎の方だった)
77 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2015/11/07(土) 11:26:07.48 ID:CTl2cUB60
八幡がボコられる話とかクソだろ2度と書くな
78 :
◆MbLult/K69fv
[saga]:2015/11/07(土) 11:26:41.57 ID:/dqwGyRg0
沙希「あの二人・・・付き合ってんのかな?」
八幡「・・・・・さあな」
沙希「連絡とか取ってないの?」
八幡「戸塚とは時々・・・でもそんな素振りは見せてなかった」
沙希「・・・・・そう」
八幡(川崎はそう言うと、少し冷めてしまった若鳥のグリルを口に運んだ)
沙希「あんたさ・・・」
79 :
◆MbLult/K69fv
[saga]:2015/11/07(土) 11:27:11.45 ID:/dqwGyRg0
八幡「・・・何だ?」
沙希「何か相談したいことがあったら・・・気兼ねなく言いなよ」
八幡「・・・?・・・どうしたんだ、急に?」
沙希「いや・・・その・・・・・アンタノコトシンパイダシ・・・・・」
八幡「・・・?・・・悪い、最後の方がよく聞こえなかったんだが・・・」
沙希「〜〜〜〜〜///う、うっさい!とにかく、何かあったら報告する事!いいね!!」
八幡「お、おう・・・」
80 :
◆MbLult/K69fv
[saga]:2015/11/07(土) 11:27:54.65 ID:/dqwGyRg0
八幡(食事を終えると、俺たちは別れた)
八幡(今日の感想はというと、何とも形容し難いものであった)
八幡(川崎と共に行った千葉への帰還、それに小町を含めた川崎家訪問は間違いなく楽しかったと断言できる)
八幡(だが由比ヶ浜が戸塚と一緒にいた事、これが俺に何とも言えない感情を残していった)
八幡(何故か)
八幡(『戸塚が由比ヶ浜に会っていた』事ではなく『由比ヶ浜が戸塚に会っていた』という事に俺がショックを受けていたからだ)
81 :
◆MbLult/K69fv
[saga]:2015/11/07(土) 11:28:30.77 ID:/dqwGyRg0
八幡(別に俺は由比ヶ浜と付き合っていたわけではない)
八幡(だがこの感情は雪ノ下が葉山と一緒にいた時に感じたものと同じものだった)
八幡(やはり由比ヶ浜結衣も雪ノ下雪乃と同じく俺にとっては大切な存在であったという事だろう)
八幡(本来ならば前に進みだしたあいつらを祝福しなければならないのかもしれない)
八幡(だが俺の心を支配するのはモヤモヤとした澱みのみ)
八幡「・・・・・進めていないのは俺だけか・・・・・」
八幡(やはり俺だけが、取り残されたままだ・・・・・)
82 :
◆MbLult/K69fv
[saga]:2015/11/07(土) 11:29:02.67 ID:/dqwGyRg0
========================================
八幡(それからはあっという間に過ぎていった)
八幡(大学での授業、週末の飲み、様々な場所への外出)
八幡(その多くを川崎と三浦と共に過ごした)
八幡(何だかんだでこの二人といるのは居心地が良い)
八幡(二人が大切な存在になり始めている)
八幡(俺はそう思い始めていた)
八幡(だが同時に一つの疑問が俺の頭にこびり付いて離れなかった)
八幡(『俺は二人を雪ノ下や由比ヶ浜の代用品と無意識に思っているのではないか』)
83 :
◆MbLult/K69fv
[saga]:2015/11/07(土) 11:29:31.31 ID:/dqwGyRg0
八幡(当然、二人はあいつらとは性格、容姿、考え方も違うし、あの時は高校生、今は大学生だ)
八幡(だが男1人、女2人という状況が否応なく『奉仕部』というものを連想させてしまう)
八幡(たったそれだけの事であるのに・・・・・)
八幡(二人といることを、奉仕部に当てはめてしまう俺がいる)
八幡(俺は改めて自分の醜悪さ、そして未練がましさを嫌悪した)
八幡(そして俺はこの関係も奉仕部の時の様に壊してしまうのではないかという恐怖を抱いていた)
八幡(そんな中、俺たちは1年前期のテスト期間を終え、いつも通り俺の家で飲み会をする運びとなった)
84 :
◆MbLult/K69fv
[saga]:2015/11/07(土) 11:29:59.96 ID:/dqwGyRg0
========================================
【八幡のアパート】
八幡沙希優美子「「「かんぱ〜〜〜い」」」ゴクゴクゴク、プッッハ~~~
優美子「あー美味し・・・テストも終わったから酒の美味さもひとしおだし」
八幡「ああ、それに夏休みにも入るしな・・・これでやっとダラダラできる」
優美子「は?ヒキオ、何言ってんの?夏休みなんだから海行ったりバーベキューとかするんだからダラダラする暇なんて無いっしょ」
85 :
◆MbLult/K69fv
[saga]:2015/11/07(土) 11:30:31.10 ID:/dqwGyRg0
八幡「あの・・・三浦さん?それには俺も含まれるんですか?」
優美子「当たり前だし」
沙希「バーベキューか・・・3人でするのもなんだからけーちゃんや大志、それに小町を呼んでもいいかもね」
八幡「小町は是非に、けーちゃんもOK、だだし大志、あいつはだめだ」
沙希「・・・・・・・・・」
八幡「痛い!痛い!!川崎さん頼むから無言ほっぺ引っ張んないで!!!」
優美子「あはははーーー、ヒキオの顔キモ過ぎー」
86 :
◆MbLult/K69fv
[saga]:2015/11/07(土) 11:31:10.07 ID:/dqwGyRg0
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
沙希「ほら、あんた」ス
八幡「これは?」
沙希「オイルサーディーンのパスタ。今夜は結構飲みそうだから空きっ腹で飲むと明日辛いと思って・・・」
八幡「おう・・・悪いな。ありがたく頂く」チュルチュルモグモグ
沙希「・・・・・どう?」
八幡「美味い」
沙希「・・・・・ホッ・・・」
87 :
◆MbLult/K69fv
[saga]:2015/11/07(土) 11:31:44.88 ID:/dqwGyRg0
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
八幡「・・・・・何ぞ、これ?」
優美子「カルーアのリキュールをヒキオの好きなマックスコーヒーで割ったやつ」
八幡「いや・・・マッカンが入ってたのはで分かったが・・・これ平気なのか?ジョッキにまるまる入ってるし・・・」
優美子「いいから飲むし!!」ムリヤリノマス
八幡「〜〜〜〜〜〜!!!」ゴクゴクゴク
88 :
◆MbLult/K69fv
[saga]:2015/11/07(土) 11:32:14.68 ID:/dqwGyRg0
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
八幡(飲み会は何の問題もなく進んでいった、川崎が料理を作り、三浦が場を盛り上げ俺に対して無茶振りし、俺が被害に遭う)
八幡(言いたいことは多少あるが、楽しく、そして穏やかな時間が過ぎていった)
八幡(そしてこのまま終わると俺は思っていた)
八幡(三浦がそれを口にしたのは日付が替わろうとしていた時である)
89 :
◆MbLult/K69fv
[saga]:2015/11/07(土) 11:32:45.93 ID:/dqwGyRg0
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
八幡(うぅ〜〜〜・・・・・カルーアのマッカン割が思った以上にキいてる・・・二日酔いにならなけらやいいが・・・)
優美子「ねえ・・・・・ヒキオ?」
八幡「あ〜〜〜・・・何だ?三浦・・・・・」
優美子「この前聞いた事・・・・・今夜、話せない?」
90 :
◆MbLult/K69fv
[saga]:2015/11/07(土) 11:33:11.57 ID:/dqwGyRg0
八幡(その言葉を聞いた時、俺は思わず固まってしまった)
八幡(それまでの酔いが、急に冷めていく感覚さえ覚える)
優美子「この前に沙希と二人が帰省した時の話聞いてさ、沙希にも同じような事言ったんでしょ?」
沙希「それにあんたあたし達といる時、楽しんではいると思うんだけど・・・その・・・・・時々悲しそうに笑うんだよね・・・・・・・何か自嘲した風に」
八幡「・・・・・・・・」
91 :
◆MbLult/K69fv
[saga]:2015/11/07(土) 11:33:43.52 ID:/dqwGyRg0
優美子「やっぱり奉仕部で何かあったん?」
八幡「・・・・・・・・・」
沙希「流石に自由登校の時期だったから詳しくは分らないんだけど、その前と卒業式の時のあんたの雰囲気、全然違ったからさ・・・その時に何かあったんじゃない?」
八幡「・・・・・・・・・・・」
優美子「別に面白がって聞いてる訳じゃ無いよ。でもヒキオさ、あの時すごく苦しそうだった」
八幡「・・・・・あの時?」
優美子「原宿行った時・・・」
八幡「・・・・・・・」
沙希「あたしも千葉行った時の帰りのあんた・・・・・苦しそうに見えた」
八幡「・・・・・・」
92 :
◆MbLult/K69fv
[saga]:2015/11/07(土) 11:34:10.06 ID:/dqwGyRg0
優美子「別にヒキオが話したくないんならば無理強いはしない」
沙希「でも、もし、あたし達で力になれるのならば力になりたい。だって」
93 :
◆MbLult/K69fv
[saga]:2015/11/07(土) 11:34:37.58 ID:/dqwGyRg0
優美子「あーしたち、友達でしょ?」
沙希「あたし達、友達でしょ?」
94 :
◆MbLult/K69fv
[saga]:2015/11/07(土) 11:35:13.41 ID:/dqwGyRg0
八幡(その言葉を聞いた時、俺の体に電撃が走ったような感覚を覚えた)
八幡(三浦がそう思ってくれているのは知っていた)
八幡(だが、川崎までそう思ってくれているとは知らなかった)
八幡(それで、二人は俺の力になりたいという)
八幡(あまり感じた事の無い感情が胸を支配した)
八幡「・・・・・・別に面白い話じゃ無えぞ」
八幡(俺はそう前置きをし、独白を始めた)
95 :
◆MbLult/K69fv
[saga]:2015/11/07(土) 11:35:50.22 ID:/dqwGyRg0
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
八幡(俺は話した)
八幡(雪ノ下と由比ヶ浜にどっちを選ぶか答えを出して欲しいと言われたことを)
八幡(二人との関係を守りたいあまり、どっちも選べずに奉仕部を壊してしまったことを)
八幡(川崎と三浦を二人の代用品として無意識に見ているのではないかと思っている事を)
八幡(そして、あの日から一歩も前に進めず、取り残されていることを・・・)
八幡(胸の奥に溜め込んだ心情と言葉を全て)
96 :
◆MbLult/K69fv
[saga]:2015/11/07(土) 11:36:18.44 ID:/dqwGyRg0
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
八幡「・・・っていう事だ。どうだ、軽蔑したか?」
沙希優美子「「・・・・・・・・・・・」」
八幡「俺は・・・卑怯で臆病、そして未練がましく醜悪な愚か者だ・・・」
沙希優美子「・・・・・・・・・・・・・」」
八幡「こんな俺だ・・・お前たちが失望してもおかしくはない」
沙希優美子「「・・・・・・・・・・・・」」
八幡「殴るなり、蹴るなり、好きにしてくれ・・・目の前に現れてほしくないなら・・・出来る限りそうする」
沙希「・・・・・・・」ス
八幡(川崎が唐突にハンカチを差し出した)
97 :
◆MbLult/K69fv
[saga]:2015/11/07(土) 11:37:03.29 ID:/dqwGyRg0
八幡「へ?」
沙希「比企谷・・・これ、使いな」
八幡「え?・・・ハンカチなんて、何に使うんだよ?」
沙希「だって・・・・・・・・アンタ・・・泣いてるじゃない」
八幡「!!!」
八幡(俺はその時、はじめて両目から涙が溢れているのに気付いた)
優美子「・・・・・ヒキオ・・・あんた馬鹿だよ」
八幡(不意に三浦が俺の隣に座り、頭を撫で始めた)
優美子「・・・辛かったね・・・・・そして・・・頑張ったね」
八幡「・・・・・・・・あ」
八幡(その瞬間、長い間堰き止められていた俺の感情が決壊した)
八幡(二人の目があるにも関わらず泣き喚いた)
八幡(そんな俺に対して、三浦は頭を撫で続け、川崎は背中を擦ってくれた)
98 :
◆MbLult/K69fv
[saga]:2015/11/07(土) 11:37:37.48 ID:/dqwGyRg0
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」
八幡「・・・・・・・忘れろ」
沙希優美子「「・・・・・は?」」
八幡「頼むから、俺が泣き喚いたことは忘れてください」
八幡(散々泣き喚き、終わると新たな黒歴史を二人に見られた事に気付き、羞恥心マックスな俺は土下座に近い格好で二人に乞いた)
99 :
◆MbLult/K69fv
[saga]:2015/11/07(土) 11:38:04.87 ID:/dqwGyRg0
優美子「いや・・・忘れるも何も、この事はあーしは胸に仕舞っておくつもりだけど・・・」
沙希「そうだね、友達の心情の吐露をおいそれと喋るような節操無しにはなりたくないし・・・」
八幡「お・・・おう・・・・・その・・・・・ありがとう」
優美子「へへっ・・・まあヒキオも今夜は泣き疲れたっしょ。あーしたちはそろそろ帰るね」
沙希「うん・・・戸締りとかしっかりしなよ。片づけは一通り済ませたから・・・風邪ひかないようにゆっくり休みな」
100 :
◆MbLult/K69fv
[saga]:2015/11/07(土) 11:38:33.53 ID:/dqwGyRg0
八幡「・・・・・・・・・・・おう、それじゃあな」
優美子「うん・・・・・またね」
沙希「・・・・・またね」
八幡(二人が帰ると俺は鍵を閉め、ベッドへと倒れこんだ)
八幡(そして肉体的精神的両方の疲労に襲われ、微睡に沈んでいった)
101 :
◆MbLult/K69fv
[saga]:2015/11/07(土) 11:39:00.92 ID:/dqwGyRg0
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
【帰り道】
優美子「・・・・・・・・・・・・・・・」
沙希「・・・・・・・・・・・・・・・・」
優美子「・・・・・・・ねえ、沙希」
沙希「・・・・・?何、優美子?」
優美子「沙希ってさ、ヒキオの事どう思ってんの?」
沙希「えっ!・・・その・・・・・あたしは・・・」
優美子「あーしはさ・・・・・ヒキオが好き」
沙希「・・・・・え?」
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