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魔法使いに遭えなかった灰被り
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62 :
◆Q/Ox.g8wNA
[sage saga]:2016/06/01(水) 11:12:00.04 ID:zK0njWFs0
間違いない、俺の留守の間に知らない誰かが勝手に侵入して部屋を漁っている。
それは、恐らく、見た事も無い長い長い黒髪の女性…。
恐怖に震えあがった俺は、厳重に戸締りをするとベッドに戻り、布団を頭から被って朝を待った。
だが、目を瞑ると部屋の隅の暗闇から黒髪の女が染み出て来そうで、到底眠れそうにはなかった。
俺は結局、一睡もせずに朝を迎えた――
63 :
◆Q/Ox.g8wNA
[sage saga]:2016/06/01(水) 15:29:36.16 ID:zK0njWFs0
翌朝、夜が明けると俺は開店一番に鍵屋に電話し、大家に連絡してその立会いの下に
ドアの鍵を付け替えて貰った。
その時の鍵屋の店員が言う所によると、鍵穴に無数の引っ掻き傷が有り、恐らくピッキングの痕だろう、
とのことであった。
「でも、コレで大丈夫ですよ、最新型ですから」
と、鍵屋の店員が胸を張る、見るからにゴツいプレート型の錠前へと変更してもらった。
鍵も特殊な形状で、素人には最早どうする事も出来そうにない。
鍵屋が手早くドアの鍵を付け替え、仕事を終えて立ち去ると、
俺は大家に朝早く出張って貰った事を詫びて頭を下げた。
64 :
◆Q/Ox.g8wNA
[sage saga]:2016/06/01(水) 15:30:31.68 ID:zK0njWFs0
すると、大家は却って俺に同情してきて逆に励まされた。
「ピッキングなんてねぇ、怖いわぁ。もう、うちの物件全部鍵付け替えてもらおうかしら…、
○○さん、気を落とさないでね…??」
大家は頬に手を当てながら、心底気の毒そうに俺にそう言ってきた。
どうやら空き巣に入られた、と告げておいたのが良かったらしい。
俺が原因のストーキング行為(全く身に覚えが無いが。この世界では)だと知れたら、
追い出されはしないまでも、嫌味の一つも言われたかもしれない。
俺は大家に改めて一礼すると、部屋の中に戻った。
これで一応は我が家の安全は確保できた訳だ。
65 :
◆Q/Ox.g8wNA
[sage saga]:2016/06/01(水) 15:30:58.61 ID:zK0njWFs0
後は外で襲われた時の対応方法だ。
そう考えた俺は通勤カバンの底を抜くと、そこに先日購入したスタンガンを仕込み、
その上に底を戻して見えないように加工した。
こんな物騒な物を持ち歩きたくはないが、背に腹は代えられない。
そうしていると出勤の時間になったので、俺は再度戸締りを厳重に確認して回った。
最期に家を出て新しい鍵を掛けて、二度ほど閉まってるか壊れそうにないか確認すると、
誰かに尾行られてないか度々確認しつつ、会社へと向かった。
66 :
◆Q/Ox.g8wNA
[sage saga]:2016/06/01(水) 15:31:29.92 ID:zK0njWFs0
滅入った俺の気とはお構いなしに仕事はやって来るし、時間は流れる。
何時もの様に仕事をこなしていると昼休になり、食事に出た。
あまり食欲が沸いて来なかったので、
近くのコンビニに立ち寄りサンドイッチで軽く昼食を済ます。
社に戻るまで多少時間が余ったのでふと思い立ち、
スマホを取り出し博士のアドレスに事の経過を報告する事にした。
被験者らしき人物に部屋を漁られた、と。
67 :
◆Q/Ox.g8wNA
[sage saga]:2016/06/01(水) 15:32:19.99 ID:zK0njWFs0
すると思いの外早く帰って来た返信には、迷惑を掛けている詫びと、くれぐれも油断しない様に再度の警告、
それと警察の上の方に連絡して俺の自宅の周辺のパトロールを強化してくれる、との事が羅列してあった。
警察のパトロールが強化されると言うのは朗報だ。
頻繁に警察が巡回しているとなれば、被験者の女性も我が家に近付き難くなるだろう。
いざ接触されても、助けを求めやすくもなる。
騒動の大元とは言え、博士には感謝してもし足りない。
これで問題の大半は片が付く筈だ、俺はそう胸を撫で下ろした。
だが、俺はあまりに物事を楽観的に考えすぎていたようだ。
なぜならば、その日の夜、急に降り始めた大雨の中タクシーで家に帰ると、
家のドアは大きく開け放たれていた――
68 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2016/06/01(水) 19:07:21.05 ID:t5kAjvfKO
こわい
69 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2016/06/02(木) 21:10:28.32 ID:Wg72BuOdo
こういう娘に真摯に向き合って、頑張って社会復帰させてあげたい欲求がある
70 :
◆Q/Ox.g8wNA
:2016/06/03(金) 07:34:36.11 ID:hsRR+kN60
最初に見た時は、一体何が起きているのか分からなかった。
しかし、今朝付けたばかりの頑丈な錠前が叩き壊されて、
未練がましくドアにぶら下がっているのを見た時に、恐怖と共に現状を理解した。
自分の生活スペースに力づくで入り込まれる不快感と悪寒が共に押し寄せてくる感覚、
それに寄る耳鳴り、嘔吐感。
ザーザーと降りしきる大雨の音が、耳鳴りが激しくなるにつれて小さくなり聞こえ難くなってきた。
その時の俺の胸に押し寄せて来た身体を震わせる思いは、恐怖と言うより――怒りだった。
逃げ出すか警察に通報していれば良かった、とは今も思う。
71 :
◆Q/Ox.g8wNA
[sage saga]:2016/06/03(金) 07:35:02.25 ID:hsRR+kN60
だが、その時の俺は余りに追い詰められた事により恐怖が裏返り、
理不尽に対する怒りが沸いて来て、今や感情の大半を占めていた。
傘を玄関の前に投げ捨てると、カバンの底からスタンガンを取り出す。
まだ侵入者が中に居るとは限らないが、用心に越したことはない。
先手を打たれないように明かりも付けず、音を立てずに慎重に忍び足で廊下を進む。
手早くトイレと洗面所を確認して、どちらも人影が無い暗闇なのを確認する。
開け放たれたままのリビングへのドアを潜り、中の様子を覗き込むが特に変わった様子は無い。
だが、寝室へのドアが中途半端に開いていた。
その先は行き止まりだ。
そこか。
72 :
◆Q/Ox.g8wNA
[sage saga]:2016/06/03(金) 07:35:32.94 ID:hsRR+kN60
俺は覚悟を決めるとスタンガンを握り直しながら素早くドアの手前まで駆け寄り、
バァン!とドアを跳ね開けるとそのまま部屋に踏み込んだ。
意気込んで侵入したものの、部屋の様子は朝と何ら変わりはなかった。
ただ一点、ベッドのシーツだけが変化していた。
朝に整えて家を出た筈なのに、今まで人が寝ていたかのようにグシャグシャになっていたのだ。
一瞬ギョッとしたがシーツに膨らみは無く、今現在、誰かが寝ているという訳ではなさそうだ。
警戒しつつ、ベッドに近寄りベッドカバーを捲ってみると、何か、
ぐちゃっとしたモノが、
手に、
触れた。
73 :
◆Q/Ox.g8wNA
[sage saga]:2016/06/03(金) 07:36:14.68 ID:hsRR+kN60
ベッドカバーの下に隠れていたのは、俺も見覚えのある、
人が愛し合った際に出るモノ、平たく言えば愛液、それだった。
ぐっしょりと濡れてシーツに広がっているそれに直に手を触れた俺は、「ひぃっ!!」と短く叫び声を
上げて、素早く手を引いた。
人の留守中に上がり込むのはまだいい、だが、勝手にベッドを使って一体何をしていたと言うのか。
全く理解不能だ、汚らわしいものに触れた、そう思った俺は、
一刻も早く手を洗い流したい衝動に駆られ、そのまま洗面所に駆け込んで手を洗い流した。
ハンドソープを使い、触れた指先を丁寧に丁寧に洗い流す。
74 :
◆Q/Ox.g8wNA
[sage saga]:2016/06/03(金) 07:36:45.66 ID:hsRR+kN60
匂いを嗅いで石鹸の香りしかしなくなったのを確かめて、やっと落ち着いて横に掛けてあったタオルに
手を伸ばした。
その時に初めて気が付いたのだ。
タオルを手に取る為に振り向いた、その先にあるバスルーム…。
先程から耳鳴りと共に聞こえてくるこのザァザァとした音は、
先程から外で降り続く雨音などでは無く――
明かりも付いていないバスルームから聞こえる、シャワーの音だと言う事に――
75 :
◆Q/Ox.g8wNA
[sage saga]:2016/06/03(金) 07:37:32.21 ID:hsRR+kN60
誰も居ない暗闇のバスルームから聞こえるシャワー音。
その異質さに、しばらく固まっていた俺だが、
ゴクリと喉を鳴らしてスタンガンを構えなおし、もう片方の手で指先を震わせながらバスルームの
明かりのスイッチを押した。
俺は「ひぃぅッ?」と、短い叫び声を上げた。
二、三度瞬いて付いた明かりは、確かにバスルームに人が居る事を示したのだ。
曇った擦りガラスの向こうに見えたシルエットは、見え辛くはあるが確かに女だ。
黒く、長く長く細い腰まであるロングヘアーの。
俺が叫び出しそうな恐怖に震えていると、ガチャリと音を立ててバスルームの戸が開いた。
そこには全裸の女が、バスルームの中でシャワーを手に笑みを浮かべて立っていた。
76 :
◆Q/Ox.g8wNA
[sage saga]:2016/06/03(金) 07:38:02.92 ID:hsRR+kN60
腰まである濡れた黒髪、官能的なボディライン、ルックスはとびっきりの美女、
そんな女が全裸で蠱惑的な笑顔を浮かべて俺を見つめている。
場所と環境が違えば、男としてこれ程嬉しい事は無いだろう。
だが、もう恐怖に耐えきれなくなった俺は、遂に精神の限界が訪れ、
手にしたスタンガンをバスルームの女に向けて突き出しながら、絶叫を上げて彼女に向けて突進した。
「うぁああああああああああああッツ!!!?」
だが、その瞬間女は薄く笑うと、手にしたシャワーのヘッドを無造作にスタンガンに向けた。
流れる水流はそのままスタンガンへと掛かり、放出していた電流と諸共、俺の身体を激痛と共に駆け抜けた。
77 :
◆Q/Ox.g8wNA
[sage saga]:2016/06/03(金) 07:38:30.25 ID:hsRR+kN60
遠くなる意識、倒れ込む俺の身体。
徐々に暗くなる視界、最後に見たのはその場に跪く女の姿――
女は髪を掻き上げながら俺に何事かを呟くと、そのまま頬に口を寄せた。
薄れ行く意識の中では、一体何を呟かれたのかは定かではない。
そして頬に何かが触れたと同時に――俺の意識は暗闇へと墜ちた――
78 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2016/06/03(金) 08:37:16.04 ID:dIRDhKTDO
ヤブリン
79 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2016/06/03(金) 12:35:49.68 ID:BmvtFP7QO
病んでても意外と頭脳派しぶりん
80 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2016/06/03(金) 19:09:29.06 ID:dIRDhKTDO
>>79
ウリりんは笑ってるだけじゃダメな仕事してたからね
81 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2016/06/04(土) 13:39:02.21 ID:l7AExCma0
そういえばスタンガンで気絶って死ぬかも知れない電圧が必要らしい
82 :
◆Q/Ox.g8wNA
:2016/06/05(日) 05:15:12.17 ID:fLQSl/XG0
終わりまで一気に投下します。
最初に直接性描写は無い、と書きましたが、違う結末を思いつき、
プロットを大幅変更したのでかなりしっかり性描写入れてしまいました。
SS速報Rなので問題は無いかと思いますが、苦手な人も居られるかと思いますので、
一応閲覧注意でよろしくお願いします。
83 :
◆Q/Ox.g8wNA
[sage saga]:2016/06/05(日) 05:16:20.91 ID:fLQSl/XG0
両手両足に喰い込むような痛みと、下半身に蕩けそうな快感を同時に覚えながら、俺は目を覚ました。
見覚えのある天井に、すぐ此処が自分の部屋の寝室だと言う事を理解する。
何時も朝に見ているのと何ら変わらない光景だ。
ただ、何時もと違うのは時間はまだ深夜の様で、明かりが常夜灯だけの部屋は薄暗く、
腕と足を何かで縛られる、と言う事だった。
唯一自由に動く首を向けて、手首に縛られているモノを確認する。
何処から持ち込んだのか、堅牢そうな荒縄で先はベッドの柱にガッチリと縛り付けられて、
どう足掻いても解けそうにない。
84 :
◆Q/Ox.g8wNA
[sage saga]:2016/06/05(日) 05:16:57.13 ID:fLQSl/XG0
その瞬間、俺の男根に継続的に加えられていた蕩ける様な快楽がふと、止まった。
首を起こして自分の下腹部を見てみると、
黒髪の女が俺の男性自身を口で咥えて丹念な愛撫を加えていた。
俺が意識を取り戻したのに気づくと、その奉仕を止め、
名残惜しそうに陰茎を舌で舐めまわしながら口を離して、俺の眼を見つめて妖艶に微笑んだ。
「おはよう、よく眠れた??」
言いながら、縛られた俺の身体にじり寄ってきて、
豊満なその乳房を俺の胸板に押し付ける様に伸し掛かる。
その柔らかな感触と、尚も女の手で加えられる陰茎への上下運動に、
俺の頭は霞が掛かったようにぼんやりとして、意識がハッキリとしない。
85 :
◆Q/Ox.g8wNA
[sage saga]:2016/06/05(日) 05:17:27.44 ID:fLQSl/XG0
だが、俺は気力を振り絞り、息も絶え絶えに、
「な、なんでこんな事をするっ?? 何が目的だっ…?!」と、女に尋ねた。
女は俺の下半身を弄びながら薄く笑い、
「あの博士から大体の所は聞いてるでしょ?? 理由も想像付くんじゃない?」
「…………」
俺の無言を肯定と受取ったのか、女は話を続けた。
「初めは腹いせに脅かして精神的に追い込んでやろうか、くらいにしか思ってなかったんだけどね…」
「知ってる?? 向こうの世界の私、貴方にベタ惚れなのよ?? もう、見てて恥ずかしいくらい」
「…………」
「それなのに、あの子ったらプロデューサーと、貴方と、キスもしたコトないのよ??
アイドルとプロデューサーは恋愛なんかしちゃいけないんだって、バッカみたい」
女はさも可笑しそうに暗い目をして、自分自身を鼻で笑った。
86 :
◆Q/Ox.g8wNA
[sage saga]:2016/06/05(日) 05:17:57.89 ID:fLQSl/XG0
「それに義理立てしてるのか、あの子、いい年してまだ処女なのよ。 笑っちゃうわよねぇ、
こんな気持のイイコト、他にないのにね??」
言うと女は、俺の男根のカリの部分を握り、其処を中心にリズミカルに動かし始めた。
俺が一方的に加えられる快感に思わず眉をしかめると、女は愉快そうに笑い、
「だからさぁ、私があの子より先に貴方と寝てやろうかと思ってね??
愉快でしょ?何もあの子に勝てない私が、唯一あの子に先んじれるんだもの……」
ビクビクと跳ねる俺の性器をうっとりと眺めながら、絶妙な力加減の手扱きを繰り返す。
俺はその快感に耐え切れずに、ついに激しく射精した。
87 :
◆Q/Ox.g8wNA
[sage saga]:2016/06/05(日) 05:18:26.60 ID:fLQSl/XG0
女は二の腕まで勢いよく飛んだ精液を、伸ばした舌で舐め取ると、
俺の身体を跨ぎ、馬乗りになり、耳元で、
「さあ…楽しみましょ?? 十年分、しっかりとレッスンしてね…?? プロデューサー……」
と、未だギンギンの俺の男性自身に自らの身体を沈めて来た。
「やめろ…やめろッ…!!」
俺は必死に抵抗の意思を示すものの、女は意にも介さず薄笑いのまま腰を使い始める。
精神の表層の不快感とは裏腹に、下半身から溢れる快感の凄まじさは、俺の心まで融かしそうになる。
女の熱い膣内はウネウネと張り付くように男根に絡みつき、女が腰をくねらせる度に
頭蓋骨の裏に張り付くような快楽の電撃が俺の脳を焼く。
88 :
◆Q/Ox.g8wNA
[sage saga]:2016/06/05(日) 05:19:00.64 ID:fLQSl/XG0
やがて抵抗の言葉も出なくなった俺は、女の上げる嬌声に合わせる様に唸り声を上げ、
いつしか、動きにただ身を任せるだけの物体に成り果てた――
ほどなく二回目の限界が俺に訪れようとしていた。
そこで漸く、コンドームも何も付けてない事に気付いた俺は、
「せ、せめて外にッ…外に出させてくれっ……!!」と、切ない声で初めて女に哀願した。
女はその哀願に、上気した顔でニコリと微笑むと、俺の首に手を回しガッチリと固める様に掻き抱き、
腰を股間に押し付ける様に激しく打ち付けて来た。
女の意図に気付いた俺は、歯を食いしばり、時には舌を噛んで懸命に射精を耐えた。
だが、唾液を付けた指先で俺の乳首を舐るように弄んだり、絶妙な力加減で膣壁を締め付け、
ザラザラしたソレを亀頭の一番敏感な所に擦り付けてくる驚異的な性技に俺は耐え切れず、
二回目だと言うのに、生涯で記憶に無いほどの大量の精液を女の子宮内に放出した。
女もほぼ同時に一際大きい嬌声と共にオーガズムに達したらしく、ベッドに二人並ぶ様に倒れ込み
、痙攣するように絶頂の余韻に震えた。
89 :
◆Q/Ox.g8wNA
[sage saga]:2016/06/05(日) 05:19:59.50 ID:fLQSl/XG0
それからどれくらい時間がたっただろうか。
ほんの僅かな間だったに違いない。
こちらの息も整わぬ内に、女の手が再度俺のペニスに伸び、また執拗に愛撫を加え始めた。
「も、もう、無理だ。 もう立たない……」俺の精力は既に限界に近い。
精神的にも肉体的にも、これ以上は持ちそうにない。
その証拠に、女がいくら舐めようと扱こうと、俺の息子は最早反応すらしなかった。
「もう…?? 若いのに元気ないのねぇ…」女は少しガッカリした様子を見せると、
何やら良い事を思いついたような顔をしてベッドから立ち上がった。
90 :
◆Q/Ox.g8wNA
[sage saga]:2016/06/05(日) 05:20:28.74 ID:fLQSl/XG0
やっとこの悪夢から解放されるのか、
一瞬そう思った俺のその甘い考えは早々に粉々に砕かれる事となった。
「何かの為に持ってきたけど、まさか使えるなんてね♪♪」
隣の部屋からバッグとなにやらポンプボトルらしきものを持ってきた女は、
そのバッグの中から目を疑う様な禍々しい物体を取り出した。
優に20cmは越える、黒々とした棒状の物。いわゆるバイブレーターだ。
おい、止めろ、まさか。
91 :
◆Q/Ox.g8wNA
[sage saga]:2016/06/05(日) 05:20:54.52 ID:fLQSl/XG0
俺の男性自身のサイズを遥かに越えるその凶器を動かしながらベッドに座り、
女は無慈悲にも俺にとって最悪の宣告を告げた。
「男の子なんて後ろの穴にコレ突っ込んで、前立腺をバイブ刺激すればもう一晩だってビンビンなんだから♪
私愛用のヤツだから初めてにしては大きいかも知れないけど…、まあ、その内慣れるでしょ」
言うと女は俺の尻を割り、後ろの穴を空気に晒す。
今まで以上に耐え難い強烈な忌避感と嫌悪感、何より未知の痛みに対する恐怖に絶叫する俺。
「止めてくれッ!!それだけはッツ!!頼むーッツ!!」
俺の、喉の奥から声を振り絞った懇願にも、女は全く意に介した様子を見せず、
「ワセリン無いからシャンプーを潤滑油にして、っと…、
染みるかもしれないけどそれもイイ刺激よね…?」
ボトルから出したシャンプーを塗り付けられ、テラテラと鈍く黒光るバイブを震わせながら、
俺のアナルに押し当ててきた。
「うぁああああああああああああああああああああああああああああああっッ!!」
俺の地獄は、この後、一昼夜に渡り続いた――――
92 :
◆Q/Ox.g8wNA
[sage saga]:2016/06/05(日) 05:21:22.65 ID:fLQSl/XG0
それから16年が経過した。
あの日、一昼夜に渡り女から凌辱され続けた私は、その更に翌日、
衰弱しきった所を警察と共に駆け付けた博士によって発見された。
既にその場に女の姿は無く、彼女の家からも職場からも姿を消していた。
本格的に監禁暴行の罪に問われた女性の行方を、警察も今度ばかりは大々的に彼女の行方を追った。
だが時既に遅く、現在に至るまで見つかっていない。
93 :
◆Q/Ox.g8wNA
[sage saga]:2016/06/05(日) 05:21:48.49 ID:fLQSl/XG0
大分前にその事件は時効が成立したが、私の心の傷はまだ癒えたとは言えない。
延々と性的暴行を加えられた事により、精神的にトラウマになってしまったようで、
あれから私はED(勃起不全)になった。
それだけではない。女性が近づいただけでも固まってしまい、触れられただけで気が遠くなるほどの
女性恐怖症となってしまったのだ。
お陰で中年となった今でも独身である。
94 :
◆Q/Ox.g8wNA
[sage saga]:2016/06/05(日) 05:22:14.70 ID:fLQSl/XG0
あの日、駆け付けて私の縄を解いてくれた博士を全力で突き飛ばし、部屋の隅で震え続ける私を見つめる
博士の表情を、私は今でも忘れる事が出来ない。
後に博士は事件の責任を取り、世界中から大いに惜しまれながらプロジェクトの凍結を決断、
装置の解体を進め、データーを破棄した。
その後、批判や懇願を躱す意味も込めて海外に移住したらしい。
何度か近況を知らせる手紙が私の元へ届いたが、
手に取るだけで動悸が激しくなる状態では返事も送れなかった。
その内便りも届かなくなった。
私の現状を察してくれたのだろう。その美貌が霞むほどに知性の優れた方だったから。
95 :
◆Q/Ox.g8wNA
[sage saga]:2016/06/05(日) 05:22:41.74 ID:fLQSl/XG0
その後、私はと言えば、社で頭角を現しかなり出世もした。
多分、お詫びと言う訳でもないのだろうが、博士が本社社長に頼んで周りに掛け合ってくれたのだろう。
私の微妙な学歴では考えられないくらいに大きな仕事を多数与えられ、
周りに助けられ、出世し、今では部長職にある。
定年までには専務も狙える、と社内で噂されている。
果たして、あのまま普通に平サラリーマン生活を送っていたのと、どちらが良い人生だったのか、
私には分からない。
それこそ、博士が凍結したあのプロジェクトの機械に座ってみなければ。
そんな事を考えながら、私は傘を借りて会社から徒歩で帰宅した。
96 :
◆Q/Ox.g8wNA
[sage saga]:2016/06/05(日) 05:23:21.39 ID:fLQSl/XG0
何時もは車で帰るのだが、あの事件が起きたこの季節に雨が降ると、無性に一人になりたくなる。
モヤモヤとした感情に、周りに当たり散らしたくなる衝動が抑えられない。
ささくれだった心や不快な雨音も、雑踏の喧騒がかき消してくれる気がした。
雑踏の誰も自分を知らない人々の中を一人で歩いていると、不思議と気分が落ち着くのだ。
そんな街中を歩いている最中、ふいに頭上から歌声が聞こえて来た。
傘を傾けて上を見上げると、街頭ビジョンから新人アイドルの発掘番組が放送されていた。
可憐な少女たちが笑顔を浮かべて、精いっぱい力強く歌っている。
私は、顔を背けてその場から足早に立ち去ろうとした。
私の女性恐怖症は筋金入りで、女性ボーカルの歌ですらロクに聞けなくなってしまっていたのだ。
そして、曲がり角の手前まで辿り着き、やっとこの歌声から逃れられる、そう思ったその時、
その少女は街頭ビジョンに現れた。
97 :
◆Q/Ox.g8wNA
[sage saga]:2016/06/05(日) 05:23:53.70 ID:fLQSl/XG0
「15番、渋谷凛です!!」
私はその瞬間、街中に立ち竦んだ。
彼女は、十六年前私を襲ったあの女性生き写しだった。
勿論、街頭ビジョンの少女は、体形も表情も年相応で、
あの女の様な成熟しきった女性の怪しい美しさは無い。
しかし、あの女を十歳ほど若返らせて、日に晒したらこの少女になるのではないか?
そう思えるくらいには共通点は山ほど存在した。
そして、何よりもこの少女が告げた名前……
あの時、博士に警戒するように言われた時に見せられた資料――
その資料に書かれた女性の名前と、全く同じだった。
98 :
◆Q/Ox.g8wNA
[sage saga]:2016/06/05(日) 05:24:20.28 ID:fLQSl/XG0
その瞬間、全ての合点がいった。
彼女は取り返したのだ。 全力で、力づくで、アイドルの自分を――
宿った命に、娘に、自分と同じ名を付け、アイドルを目指させ、全てを――
何という執念か。
99 :
◆Q/Ox.g8wNA
[sage saga]:2016/06/05(日) 05:24:50.02 ID:fLQSl/XG0
私はその長年に渡るドロドロとした黒く渦巻く想いを想像して、
大雨の中も構わず、街中に両手両膝を付いた。
街頭ビジョンでは、唄っていたあの少女が合格の判定を受け、そのクールな表情を崩して、
涙を浮かべて大喜びしている。
「お母さん!!私、やったよーッ!!」
その少女の歓喜の叫び声を聴いた瞬間、私はついに我慢できず、全力でその場に嘔吐した。
(完)
100 :
◆Q/Ox.g8wNA
[sage saga]:2016/06/05(日) 05:27:46.13 ID:fLQSl/XG0
以上で終了です。
同じ背景の話でシリアルキラー仁奈ちゃん編を構想中ですので、
完成したらよろしければ見てやってください。
101 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2016/06/05(日) 08:09:00.27 ID:sLVU1rS50
乙。
102 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2016/06/05(日) 08:24:41.73 ID:ZuiouyFWo
乙
103 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2016/06/05(日) 08:25:43.16 ID:GJxgiSFw0
乙
104 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2016/06/05(日) 11:35:04.91 ID:NOF1Gh2g0
下心ありとはいえ、母親から愛されていたようで何よりです
105 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2016/06/05(日) 13:46:55.78 ID:2TwPK64O0
恐ろしいモノを見てしまった…おっつし
シリアルキラー仁奈ちゃん…着ぐるみ…やだ、興奮しちゃう
106 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2016/06/05(日) 16:29:43.66 ID:wV4hRTweO
すごく面白かった 乙
107 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2016/06/05(日) 17:53:04.31 ID:TBeWmOhDO
娘しぶりん「私はお母さんの二週目なんだ……」
しぶウリん「だからなに」
気狂み仁奈ちゃんになら……やっぱ殺されたくねーや
108 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2016/06/06(月) 20:42:29.11 ID:elV8dPFro
……これがこっちに来ちまう棲み分けはほんっとクソだな
109 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2016/06/08(水) 12:47:16.06 ID:GdBqcAZEo
いいね
110 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2016/06/10(金) 10:53:39.02 ID:6Q3m9Sa4o
因果律量子論?
大好物なのでどんどんやってください
111 :
以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします
[sage]:2021/07/16(金) 17:38:41.02 ID:93Grn/mBO
あ
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