志希「〜激走〜アタシと鬼のアメリカ逃走記」

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1 : ◆4C4xQZIWw7k3 [saga]:2016/06/07(火) 13:14:24.95 ID:Gn7ZVKIEo
溜まるのが早すぎる……紳士です。


前作と異なり、紳士成分は非常に薄いですが、楽しんでいただければ幸いです。

また、お気づきの方もいられると思いますが、私にとって最高の紳士は
〈クマ吉〉くんです。

よろしくお願いいたします。

SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1465272864
2 : ◆4C4xQZIWw7k3 [saga]:2016/06/07(火) 13:15:05.26 ID:Gn7ZVKIEo
ーーーちくたくちくたくちくたくちくたく。

規則的な声を上げて、メトロノームは頭を左右に振り続けている。

合わせて、ごぷっごぽぉっ、とフラスコの中に押し込められた小さな海達が嬌声を吐く。

ここは実験室。
100人を越えるアイドルが所属する、モンスター級のプロダクション、その地下。

数人のアイドルに割り振られ、日夜プロダクションを支える発明が行われる、さながら悪の組織の秘密基地だ。

ここは基地の中でも、科学部署ドリンク部門の統括長という重要なポストを担う、志希=一ノ瀬の実験室。

そして、当の本人はーーー
3 : ◆4C4xQZIWw7k3 [saga]:2016/06/07(火) 13:15:36.06 ID:Gn7ZVKIEo
「ーーーーちくたくちくたくちくたくちくたく♪ ちくたくちくたくちくたくちんちーん♪」

メトロノームにあわせて頭をフリフリ。
有り体に言えば、お馬鹿な姿をさらしていた。

「まーだっかな♪ まーだっかな♪ このまま、お婆ちゃんになっちゃおかな♪ 一人寂しい子猫ちゃん♪ 首輪をなくして、しくしくにゃ☆」

長い髪を振り乱し、シキロノームは時を刻む。
約束の14時15分40秒まで、あと10往復。
4 : ◆4C4xQZIWw7k3 [saga]:2016/06/07(火) 13:16:13.21 ID:Gn7ZVKIEo
「10、9、8……飽きちゃった〜。 むぇえー……よし! 志希ちゃんを襲うプロデューサーのモノマネしよーっと♪」

デスクの上に適当に放っていた眼鏡をかけ、武人然とした真面目な表情を作る。
女優、一ノ瀬志希の晴れ舞台だ。

「『ふっふっふっ。 もう逃げ場はないぞ、志希! 大人しく私に犯されるんだ!』

『イヤ! やめて、乱暴しないで! フレグランスをキメさせて、エロ同人するつもりでしょ?! 飛鳥ちゃんみたいに!』

『フハハハハハ! 聡い女だ! 喰らえ、私のうなじの匂いを一週間擦り溜めたハンカチーフだ!』

『ナイススメルなんかに絶対に屈しないんだから! アタシは一ノ瀬志希というクニを守るんだからぁああ! あっあっあっ……』」
5 : ◆4C4xQZIWw7k3 [saga]:2016/06/07(火) 13:16:51.75 ID:Gn7ZVKIEo
アイドルにおいてもその才能を遺憾なく発揮する、一ノ瀬志希の名演技。

それはまるで、その場に鬼畜漢と雌豚
(注:かな子さん体型の意ではない)が存在すると幻視させるほどリアル。
鬼気迫るそのとろけ顔は、往年の名女優を思い起こさせた。

実験室のドアが開いた。
6 : ◆4C4xQZIWw7k3 [saga]:2016/06/07(火) 13:17:21.98 ID:Gn7ZVKIEo

「『フフフ、怖いか? イケっいってしまえッッ!』

『ああァァアアアア! プロデューサーのかほりが、アタシの下垂体をスティミュレイトして、アドレナリンがエンドルフィンしちゃうのぉぉぉ!
ら、らめえぇええぇ!
ぐっ……グッ……! グッッッッッスメーーーーール!』

『いい表情〈カオ〉だ……(ボロンッ)
さぁ、お前の欲しがってるプロデューサーのプロデューサーだ。 御奉仕の仕方は、わかるな……?』

『は、はいぃ……ごしゅじんさまぁぁ……この賤しい豚にお情けをくださいましぃぃ……』」

「………」

一人遊び(意味深長)に余程熱中しているのか、志希は実験室の訪問者に気づかない。

入室者、細い眼鏡をかけ髪を全て後ろへ固めた男。

青筋を立てながら、担当アイドルの恥体を見つめるのは、誰を隠そう志希プロデューサーだ。
7 : ◆4C4xQZIWw7k3 [saga]:2016/06/07(火) 13:17:48.05 ID:Gn7ZVKIEo
「『オラッオラッ! どうだ! この豚め! 返事はどうした!』

『ブヒイィイィイイ! お許しを! お許しくださいましごしゅじんさまぁぁああ!』

『そらっ! イケっイってしまえ! 憐れな豚の鳴き声をあげろ! なにがクニだ! クンニしろ、おらぁ!』

『あっあっあっ……ァァぁぁぁあああ!』」

と、完全に役に成りきる志希は、体をびくんびくんと痙攣させ始める。

そして、ついに限界が来たのか、志希は体を海老のように反りながら、彼女が絶頂を向かえるとき、決まって叫ぶ台詞を吠えた。
8 : ◆4C4xQZIWw7k3 [saga]:2016/06/07(火) 13:18:14.97 ID:Gn7ZVKIEo









「「『シキちゃん、ヘンタイに、ヘンタイィぃぃぃぃいいイイイイ!』」」






9 : ◆4C4xQZIWw7k3 [saga]:2016/06/07(火) 13:18:45.80 ID:Gn7ZVKIEo
だが、吠えたのは志希だけではなかった。

養豚場の豚を見つめる波紋師範のような氷の表情で、プロデューサーがハモっていた。

「…………」

「…………」

実家でPCに残ったエロサイトの履歴が母親に見つかり、消去法をレクチャーされる男子のような。
そんな恐ろしく気まずい空気。

稀代の天才はいったい、どのようにして修羅場を回避するのか。

ギフテッド・一ノ瀬の真価が問われていた。
10 : ◆4C4xQZIWw7k3 [saga]:2016/06/07(火) 13:19:25.79 ID:Gn7ZVKIEo

「……」

志希はまず、眼鏡を外した。
正解だ。
視覚的侮辱をなくすことは必須。

「………」

次に、乱れた白衣を正し、整える。
正解だ。
プロデューサーは清潔を誰より好む。

「…………」

そして、メトロノームの前に座った。

「……………ちくたくちくたくちくたくちーん。 わー。 じかんだー。 あ、プロデューサーきてたんだー。 きづかなかったよー」

三流女優のだしがらを煮詰めた、カスの更に搾りカスのごとき演技。
一ノ瀬はシラをきった。
答えはあわせるまでもなくーーー
11 : ◆4C4xQZIWw7k3 [saga]:2016/06/07(火) 13:19:53.85 ID:Gn7ZVKIEo

「……遺言がそれだと寂しいでしょう。 一言だけさしあげましょう」

「……。 許してくれデリカ?」









ーーー小さな頭が、めしぃと、歪な音をたてたのだった。
12 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/06/07(火) 13:19:55.92 ID:NEafxJYMo
なんだこのSS……
期待
13 : ◆4C4xQZIWw7k3 [saga]:2016/06/07(火) 13:22:15.21 ID:Gn7ZVKIEo
とりあえずここまで。


また溜めて、出します。

このように、ここの志希は上々キメてます。
志希紳士の方々には先に謝っておきたいとおもいます。





すマンコ

14 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/06/07(火) 16:00:06.01 ID:CWm+1fXTo
馬鹿な……早すぎる……
15 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/06/07(火) 16:27:41.47 ID:G1WSd4hcO
>(注:かな子さん体型の意ではない)

おーう>>1
ちょっと表出ようか?ん?
16 : ◆4C4xQZIWw7k3 [saga]:2016/06/07(火) 19:43:53.86 ID:Gn7ZVKIEo
溜まれば出す。
出せば溜まる。

人体の神秘ですね。


>>15 ………許してくれデリカ?


美嘉さんもイメージを著しく損ないます。

ごめんなさい……生イキ逝って……
17 : ◆4C4xQZIWw7k3 [saga]:2016/06/07(火) 19:45:19.47 ID:Gn7ZVKIEo
「痛ったいなぁーもぉ〜。 かわいいあたしのノウミソちゃんが零れたらどうするつもり? カラダでお返ししてもらうかにゃ〜?」

頭をさすさす、慈しみつつプロデューサーを睨む。
視線の先は、彼の股間だ。


「もう今日の分のSドリンクは渡したでしょう。 それにピンクに染まった脳みそは一度出して洗うくらいが丁度いいんです」


一ノ瀬志希。
彼女の性欲は単なる動物的衝動ではない。

かつて、のっぴきならない理由から自身へ投薬した『あるドリンクの源薬』の副作用。

そのため、彼女はプロデューサーの子種を摂取し続けなければならない体質になってしまったのだ。

その代わり、オリンピックレコードを幾つも塗り替えることが出来うる身体能力と、ゴリラゴリラ〈学名〉じみた膂力を手にしたが。
18 : ◆4C4xQZIWw7k3 [saga]:2016/06/07(火) 19:45:48.72 ID:Gn7ZVKIEo

「そしたらギフテッドも流れていっちゃうかもね〜。 凡人になっちゃったら、プロデューサーに捨てられちゃうかなー。 んーそれとも、アタシがポイするのかなぁ?」

猫のように笑いながら、志希は頭を掻く。
眼鏡の位置を正す、プロデューサーの顔はしかめっ面。

「志希。 冗談でもそんなくだらないことを言うんじゃない」

「……んー。 冗談じゃないって言ったら、どしちゃう?」
19 : ◆4C4xQZIWw7k3 [saga]:2016/06/07(火) 19:47:34.70 ID:Gn7ZVKIEo
志希はよく猫に譬えられる。
それは彼女の失踪グセや、奔放さ。
目に見えるところに依る。

だが、本質は違う。

快楽をsexに譬ふのはsexの姿を知らぬもの 。

不感症をEDに譬ふのはEDを知ったと驕る者。
それと、同じ。
20 : ◆4C4xQZIWw7k3 [saga]:2016/06/07(火) 19:48:48.26 ID:Gn7ZVKIEo

「………にゃは。 なん茶っ紅茶♪
冗談、ジョーク、嘘、ライヤ〜。 あたしとキミは〜運命共同体だからねー。

正しく、普遍の変換式。 いわゆる穴から抜けない棒♪
あんな美味しい白濁エリクシール捨てられるわけないしにゃ〜♪

実際、萎れるまでプロデューサーのは抜けないしね〜。 ある意味ヌケてるけど♪」

とりあえず、淑女に再びアイアンクローをかましておく。

「ほんっとうに……貴女は上品ですよ……!」

「ぎにゃにゃにゃにゃ! で、出ちゃう! 志希ちゃんのかわいくないところがでちゃうぅぅぅう!」
21 : ◆4C4xQZIWw7k3 [saga]:2016/06/07(火) 19:49:35.29 ID:Gn7ZVKIEo







ーーーーーーー閑話休題ーーーーーー






22 : ◆4C4xQZIWw7k3 [saga]:2016/06/07(火) 19:50:05.85 ID:Gn7ZVKIEo
「……それで? 今日は何の実験ですか志希? あの女に伝えさせるくらいですから余程のことでしょうが」

「ふっふっふっふっふ。 ちひろさんにお願いしたのは何を隠そうこのメトロノームちゃんのことなのだ!」

「………はぁ」

「あっ。 今バカにしたでしょ? いーけないんだーいーけないんだー。 ちひろさんに言っちゃーおー」

「さっさと続きを話しなさい」

眼鏡の位置を直しつつ、あきれ声。
志希は担当の様子とうってかわって、興奮気味だ。

初めて回転するベッドを見た子供のようなキラキラしたおめめをぱちくりとさせる。
23 : ◆4C4xQZIWw7k3 [saga]:2016/06/07(火) 19:50:44.16 ID:Gn7ZVKIEo
「実はね〜。 あたし最近、催眠状況下における精神分析にハマってるんだ♪ 要は、単純な反復動作による精神の鈍化を引き起こした状態で〜被験者にフレグランスを嗅がせることで、深層心理を分析する、みたいな?」

「胡散臭い」

「ふっふーん! そう言うと思って、既に美嘉ちゃんで実験済み〜♪ このdiskに記録したんだけどー美嘉ちゃんかわいかったよー♪」

「悪い予感しかしませんね……」

「サ・イ・セ・イ〜ポチっとな!」
24 : ◆4C4xQZIWw7k3 [saga]:2016/06/07(火) 19:52:08.40 ID:Gn7ZVKIEo
壁に掛けられたスクリーンに、城ヶ崎美嘉が志希の実験を受ける様が映されていく。

スクリーンの中の美嘉は、椅子に固定され、目隠しをされている。

あとボールギャグさえあれば立派な調教シーンだったのだが、残念なことにそれはなかった。
25 : ◆4C4xQZIWw7k3 [saga]:2016/06/07(火) 19:52:54.52 ID:Gn7ZVKIEo
『ねぇ、志希? アタシのプロデューサーがこれ受けろって、ほんとに言ってたの?』

『そーだよーほんとほんと〜。 美嘉にもっと輝いて欲しいからって、懇願されちゃったからにゃー。 志希ちゃんも美嘉Pの美嘉ちゃんへの熱意に動かされたってカンジ〜』

『ね、熱意だなんて……! も!もー! アタシ、アイドルなのに困っちゃうなー……えへへ★』

『………ちょろいわー』

『なにか言った?』

『んー? なんにも〜。 それじゃ始めるよー実験、スタート♪』

『え、も、もう? 心のじゅん、び……が……。 ……………』
26 : ◆4C4xQZIWw7k3 [saga]:2016/06/07(火) 19:53:40.18 ID:Gn7ZVKIEo
『………美嘉ちゃーん?』

『………』

『んふふ〜♪ 入ってるカモ〜♪
………それでは美嘉さん、あなたの心の奥にある一番大切な思い出を、私に話して下さい』

『はい……。 あれは先週のことです……アタシはLiveの打ち上げ終わりに。プロデューサーの家へ行きました……』

『ほう。 処女ヶ崎さんとは思えない大胆な行動ですね。 続けて?』

『はい……それというのも、フレちゃんが最近担当プロデューサーさんと仲を深めたということもあって……カリスマギャルとしてブレイクを防がないといけないと思いまして……』

『なるほど……真面目な城ヶ崎さんらしい、理由です。 それで家に着いてどうなりました?』
27 : ◆4C4xQZIWw7k3 [saga]:2016/06/07(火) 19:54:21.85 ID:Gn7ZVKIEo
『家に着いてからは、どちらからということもなくシャワーを浴びました。 どうやって、着替えたかは……覚えてません』

『ほう! 興味深い……』

『それで、一緒に寝ることになって……。 その、いい雰囲気に。……なりました』

『素晴らしい! しかし、以前、奏さんは、美嘉さんが、赤ちゃんはコウノトリが運んでくると教えてくれた、と言っていましたが、その辺りはどうなのでしょうか?』

『……正直今でも後悔しています。
信じるとは思わなくて……まさか〈狂悦なる口蛇の魔性〉を自称する奏が本当に知らないとは思ってもみなかったので……』
28 : ◆4C4xQZIWw7k3 [saga]:2016/06/07(火) 19:54:57.13 ID:Gn7ZVKIEo
『そのせいで多分に犠牲が生まれています。 美嘉さんには深く反省していただきたい。 是非今度、美嘉さんの口から、無修正のポルノを突きつけるかのごとく真実を教えてあげてくださいね』

『はい……申し訳ありません』

『では、続きを』

『わかりました。まず私からプロデューサーさんのプロデューサーをーーーーーー』

と、そこで志希が停止した。
29 : ◆4C4xQZIWw7k3 [saga]:2016/06/07(火) 19:55:26.26 ID:Gn7ZVKIEo



「……にゃは。 disk間違えちゃった」

「…………」

三度のアイアンクローが、志希の頭を変形させることになったのは、まぎれもない自業自得であった。


30 : ◆4C4xQZIWw7k3 [saga]:2016/06/07(火) 19:57:17.22 ID:Gn7ZVKIEo
ここまで。


少しばかり東京に、ざぎんでしーすーしに行くので間が空くと思います。


みてくださっている皆様、紳士してお待ちください。
31 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/06/08(水) 02:27:54.38 ID:tal+gUDFO
遠目で見てるぞ
32 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/06/08(水) 07:14:42.63 ID:jHjIMj1Ho
志希お嬢様は本当に上品なお方(
33 : ◆4C4xQZIWw7k3 [saga]:2016/06/08(水) 09:58:00.85 ID:pmlFUtPSo
間が空くと言ったな……あれは嘘だ
東京明日でした。

>>31 もっと近くで見てください、ほらほら

志希様がお上品に過ぎるワケが主題なので、ゆるりとお待ちください……。

出します。







34 : ◆4C4xQZIWw7k3 [saga]:2016/06/08(水) 09:58:39.20 ID:pmlFUtPSo

「あいたたたたた………うう、アタマががんがんするぅ……。 脳内麻薬が追い付かないにゃあ……」

「……先ほどのdiskは責任を持って私が処分しましたが、他にはないでしょうね?」

故・処女ヶ崎の初体験レポートを収めた悲劇は、この世から消え去った。
志希は涙目を擦りつつ、答える。

「うぅー信用してよぉ……」

「志希から最も遠い言葉ですねそれは。 嘘だったら犯しますからねほんとに」

「………実はあと19ダースほど」

「さっさと出せこのピンク脳が」
35 : ◆4C4xQZIWw7k3 [saga]:2016/06/08(水) 09:59:35.86 ID:pmlFUtPSo
貫通ヶ崎のdiskをすべて回収し、処分したプロデューサーは志希のシリを、叩きながら問う。

「それで? まさか私にあんな実験に付き合えと、そう言うわけですか?」

「にゃっ! にゃっ! ふにゃあっ!
そっ! そう、だけどっ! でも! アレは、ほんとに! 深層心理がデル! 実験だから! 美嘉ちゃんが! 重いだけだからっ! あっ! もっと! 叩いて!
クル!エクスタシーしちゃうううぅぅぅ! シキちゃん、ヘンタイにヘンタイぃぃぃぃいいいい!」

びくんびくんと、体を痙攣させ果てる志希。
プロデューサーは衣服を正しつつ、志希汁で濡れた手をハンカチで拭いた。

「馬鹿馬鹿しい……お断りですよ。 それでは、私は企画作りに戻りますから……次は、もっとキツいお仕置きですからね」

「………自信、ないんだ」

「……………は?」
36 : ◆4C4xQZIWw7k3 [saga]:2016/06/08(水) 10:00:24.14 ID:pmlFUtPSo
床に潮を撒き散らしながら、露出した下半身をそのままに志希は立ち上がる。

その目は、絶対にイカないちんこが絶対にイカせる口に挑む時の、覚悟の色を帯びていた。

「プロデューサーが心の奥で考えてるハズカシ〜ところ、志希ちゃんに見られるのが怖いんだね〜」

「……その精液臭い口を閉じなさい」

「あーあ。 にゃんかガッカリだにゃー。アタシのプロデューサーがこんーな、ヘニャチンだったなんて。 はふぅ。 これじゃあ美嘉ちゃんも浮かばれないよ」

やれやれ、といった風に頭を振る志希。
37 : ◆4C4xQZIWw7k3 [saga]:2016/06/08(水) 10:00:54.20 ID:pmlFUtPSo
余談だが、実のところ予備実験は全くもって不要だっため、尊い犠牲どころか、美嘉の犠牲はちんかす以下である。

だが、背中に鬼を飼う血族として、誇りあるプロデューサーはそんな単純な挑発をかわせない。

「……やりましょう」

「え、なんて?」

「やると言ってるんです! この色魔が!」

「その一言を待っていた!」
38 : ◆4C4xQZIWw7k3 [saga]:2016/06/08(水) 10:01:35.82 ID:pmlFUtPSo
と、先ほどまでの不様が嘘のような、俊敏な動きで志希はプロデューサーの背後へと回る。

そして、腕力だけならプロデューサーを遥かに凌駕するその力でもって彼を拘束した。

「もーう、後には引けないからね、プロデューサー?」

「しれたこと。 さっさと始めなさい」

「キミのそーいうところ、アタシ大好き♪」

射精寸前の珍宝を、ぐるぐる巻きにして射させなくするように、志希は下半身丸出しのまま、プロデューサーを紐で縛っていく。
39 : ◆4C4xQZIWw7k3 [saga]:2016/06/08(水) 10:02:30.63 ID:pmlFUtPSo
通常時は、志希を縛るその紐だが今だけは二人のSMが逆転していた。

そして、拘束が終わり、プロデューサーはメトロノームの前に座らされた。

「んっふっふー♪ 興奮してきたカモ♪ アドレナリンぜんかーい♪」

「いいからさっさと始めなさい。 そして股を私の手に擦り付けるんじゃない。 犯しますよ」

デスクの上から、嬌声をあげていたハート型のフラスコを手にする志希。
40 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/06/08(水) 10:02:46.18 ID:q2mmG263O
エロやるならR板の方が……
41 : ◆4C4xQZIWw7k3 [saga]:2016/06/08(水) 10:03:03.49 ID:pmlFUtPSo
栓を外し、一息吸い込む。
頭の中で混ざりあい弾ける化学物質達。

そして、それを共有するため、プロデューサーの唇へと吸い付く。

志希からプロデューサーへと経口で送られる危険な麻薬。

名残惜しそうに離した唇から、互いを繋ぐ液糸が垂れる。
42 : ◆4C4xQZIWw7k3 [saga]:2016/06/08(水) 10:03:35.34 ID:pmlFUtPSo

「………ん、く、あ……」

明滅するプロデューサーの意識。

チクタクチクタクチクタクチクタク。

メトロノームがやけに喧しい。

落ちていく意識が最後に捉えたのは、捕食者の笑みを浮かべた愛しいアイドルの笑顔だった。

「それではそれでは、一ノ瀬志希ちゃん主催、ココロトリップに1名様ごアンナ〜イ♪ 監督、主演はプロデューサー。 心の奥の群像劇の始まり始まり〜♪」
43 : ◆4C4xQZIWw7k3 [saga]:2016/06/08(水) 10:06:33.49 ID:pmlFUtPSo
ここまで。


>>40 エロなんでしょうか……?
これで興奮できるスーパー紳士が果たして……?


ssチェリーなので、運営様の警告とかすごい怖いんですが。
有無を言わさず飛ばしてくれた方がいっそ有難い……。
44 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/06/08(水) 12:33:56.20 ID:q2mmG263O
何処となく筒井康隆ライクなかほり
期待
45 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/06/08(水) 13:44:51.25 ID:+sNh0qGEO
あ、プロデューサーさんは美嘉のPと同一人物なのか
46 : ◆4C4xQZIWw7k3 [saga]:2016/06/08(水) 23:58:18.45 ID:pmlFUtPSo
明日はスル余裕ないと思うので、スッキリしてから、寝ます。



今回は紳士成分薄め。

出します
47 : ◆4C4xQZIWw7k3 [saga]:2016/06/08(水) 23:59:01.97 ID:pmlFUtPSo
ーーーいつからだったろうか。
昔はダッドとよく話した気がする。

『ーーーねぇ、パパ。 このぶん・し、しき? ……はなんていうの?』

『それは、ベンゼン環だよ、志希』

『かん……?』

『そう、ほら見てごらん。 Cが6つ、手を繋いでいるだろう? みんな仲良く輪になっているから、『環』と呼ぶんだ』

『……ふーん! じゃあじゃあ! 私たちは一ノ瀬環?』

『あはは……そうだね。 パパとママと志希、3人だけの小さな環かもしれないね』
48 : ◆4C4xQZIWw7k3 [saga]:2016/06/08(水) 23:59:31.00 ID:pmlFUtPSo
『んふふ♪ でもでも、小さい輪の方が、繋ぐ力がつよい、でしょ?』

『驚いたな! もうそこまで……。 その通り。 誰にも壊せない、不可逆な反応式さ』

『しき……式、志希! 志希ちゃん達の反応式♪』

『……お前は本当にかわいいなぁ……』

『わふっ。 もぉーパパ急に頭撫でてどうしたの〜?』

『ふふ……なぁに、志希の頭の輪っかが飛んでいかないように、抑えているのさ』

『頭の……輪っか?』

『ああ。 お前の頭の上には、けして切れない。 私達のーーー』
49 : ◆4C4xQZIWw7k3 [saga]:2016/06/09(木) 00:00:04.64 ID:RxVkmF0Do



ーーーこの先を、いつのまにか忘れてしまった。
大事な。 きっと大事な『何か』があるのに。



志希ちゃんの心の防衛本能は、最後の楔を打ちっぱなしで、外す鍵穴すら探させてはくれないのでしたーーーーーー


50 : ◆4C4xQZIWw7k3 [saga]:2016/06/09(木) 00:00:44.68 ID:RxVkmF0Do
アメリカ合衆国マサチューセッツ州ケンブリッジ。

時刻は22時19分28秒。
気温7度。
肌寒い春風が、吹いている。

街灯は暗く、人気も少ないストリート。
その路肩に、巨大な雪玉が一つ。

季節違いのその雪玉は、牛乳を拭いた雑巾のように薄汚れていた。


「…………にゃは……なんだか懐かしい夢を見たってカンジ……」
51 : ◆4C4xQZIWw7k3 [saga]:2016/06/09(木) 00:01:12.46 ID:RxVkmF0Do
雪玉が突然喋る。
いや、雪玉ではない。

それは大きな白衣を体に巻き付け、寒さをしのぐ一ノ瀬志希。

事務所に、入る1年前ーーー17歳の姿だった。

白衣に袖を通し、ひと伸び。

「 んーっ! ただの脳神経の化学反応なのに妙にリアルー♪ ……へくちっ! うぅ……外はさぶいよー」
52 : ◆4C4xQZIWw7k3 [saga]:2016/06/09(木) 00:01:47.25 ID:RxVkmF0Do
春とはいえ夜は冷え込む。
夜型であることも一因ではあるが、こんな時間に起きたのは、そのせいだ。

無論、それだけでは、ないが。

「ちくたくちくたく……シキロノーム的には〜2時間、かな? 今回はまぁまぁ眠れたね〜」

真夜中にうら若き乙女が、野宿するワケ。
一ノ瀬志希は現在、大学を追われ、そしてまた、FBIから、追われていた。

「クンカクンカ……うへぇ。 自分の匂いとはいえ、濃すぎてクラクラするにゃ〜。 どうにかして住むとこ探さないと、本格的にヤバイかも♪」

努めて、明るく振る舞う。
既に興奮剤など、持てるクスリは、全て使いきった。

独り言を呟いて、言い聞かせて、ココロを保たねば潰れてしまう。

そうして、立ち上がり、歩き出そうとしてーーーー躓く。
53 : ◆4C4xQZIWw7k3 [saga]:2016/06/09(木) 00:02:22.75 ID:RxVkmF0Do

「あ、ありゃ? 摩擦係数狂っちゃったカナ? ふぬっ……!」

力を込め、踏ん張る。
だが、生まれたての小鹿のようにその足は震えている。

ーーー結局、前のめりに倒れてしまった。

「あははは……こんなことなら研究者になるんじゃなかったかにゃ〜……なぁんてね」

一ノ瀬志希は、研究者として日夜、クスリを開発していた。

事象を想起させ、記憶力を底上げするクスリ。
中毒作用のない、世界をトリップするクスリ。
etc.etc...
54 : ◆4C4xQZIWw7k3 [saga]:2016/06/09(木) 00:02:57.73 ID:RxVkmF0Do

「『if』なんて、研究者から最も遠い言葉なのにねー……自分の才能がうらめしや〜」

ギフテッド。
神に与えられた贈り物、大学に飛び級で入るほどの才能を存分に発揮して。

そして、近日ついに究極へ辿り着いた。

後に、とあるドリンクの源薬になるそれは、人体を異常活性させるクスリ。

これが元凶。
場合によっては文字通り、スーパーマンすら創れてしまう。

多くの人間が、それを求めて志希を追い回しているのだ。
55 : ◆4C4xQZIWw7k3 [saga]:2016/06/09(木) 00:03:36.21 ID:RxVkmF0Do
「どうせなら空腹を感じなくなるクスリ作ればよかったかにゃ〜ま、このシチュエーションじゃ、変わんないか♪」

おどけてみせるも、体は既に限界。
精力剤をガバのみし、徹夜で夜のプロレスをやった後のようなそんな虚脱感。

「あーあ。 ダメなのになぁ……誘眠の香りには……逆らえないよねー……」

瞼が落ちる。
もはや二度と目覚めぬ眠りに、眠り姫はつこうとしていたーーーーー




ーーーーその時、志希は跳ね起きた。
56 : ◆4C4xQZIWw7k3 [saga]:2016/06/09(木) 00:04:34.74 ID:RxVkmF0Do
「………くん、くん。 ナニ、これ。 ……アタマに直接電極を挿すみたいな。
はじめてのカンカク。 やっばい、五感全部支配されたかも」

もはや虚脱感などなんのその。
匂いの元をひたすら探し、求める。


向かいのアパート?
違う、男と男がベッドで上下運動しているだけだ。
背後のマンション?
違う、娼婦が化粧と鼻につく香水を振り撒いてるのみ。

では、ストリートは?



ーーーー見つけた。


「ーーーにゃはっ♪」
57 : ◆4C4xQZIWw7k3 [saga]:2016/06/09(木) 00:05:06.02 ID:RxVkmF0Do


それは、男だった。
真っ赤な髪を全て後ろへ撫でつけて、細みの眼鏡をかけている。




びゅう、と一陣の風が吹く。



これが志希と、後に彼女のプロデューサーとなる『鬼』とのファーストコンタクト。



物語の、始まりだ。
58 : ◆4C4xQZIWw7k3 [saga]:2016/06/09(木) 00:05:39.75 ID:RxVkmF0Do
いかにして匂いの元を引き留めるか。
志希のピンクの脳味噌はその解答を作成するためフル回転していた。

そして、出した答えは。

「………にゃはは☆ 流石の志希ちゃんも年貢の納め時かなー? うう17年、短い人生だったな〜。 およよ……」

泣き落としと、こじきまがいの憐れみ誘い。
真夜中、ストリート、汚れた美少女。

どう考えても不審者だったが、疲れた志希はそこまで思い至らなかった。
59 : ◆4C4xQZIWw7k3 [saga]:2016/06/09(木) 00:06:30.97 ID:RxVkmF0Do

「………」

ここで、鬼、意外にスルー。

鬼は道端でボロ雑巾のように倒れている少女に目もくれず通りすぎる。

ーーーつもりだったのだが、志希はガバッと飛び込んで、ズボンの裾を掴んだ。

「って、ちょいちょいちょーい! お兄〜さ〜ん。 うら若き乙女が倒れてるんだけど? 心牽かれない? そのまま帰ったらちくちく罪悪感に苛まれて、志希ちゃんの夢を見ちゃうよー?」

「知りませんね。 急いでいるもので。遅れれば悪夢の創造者にどやされるものでね。 ………おや? 貴女日本人ですね?」


引きずりながら歩き去ろうとした鬼が足を止める。

なんとか大根のすり下ろしを回避した志希は、勢いよく迫る。

60 : ◆4C4xQZIWw7k3 [saga]:2016/06/09(木) 00:07:01.72 ID:RxVkmF0Do

「! そそ! 志希ちゃん大和撫子なのだ♪ キミもジャパニーズでしょでしょ? 同郷のよしみでヘルプミ〜」

「生憎、愛国心は持ち合わせていないものでしてね。それに」

ぐい、と志希の手を掴み簡単に目線まで引き上げて男は告げる。

眼鏡の奥に光る瞳は、焼却炉で焼かれるエロ本のように赤々としていながらも、どこか煤けていた。

「人に助けを乞うな。 この世は弱肉強食。 貴女がどんな状況にいるのかは私は全く知らないが、恨むなら自分の弱き運命を、恨むんですね。 それでは。 待ち人が待ちすぎて老婆にならないうちに行かなければいきませんので」
61 : ◆4C4xQZIWw7k3 [saga]:2016/06/09(木) 00:07:29.24 ID:RxVkmF0Do
ぽいっと、鬼が志希を捨てる。
だが瞬間、爆発したかのような早さで志希は鬼のうなじに顔を埋めていた!

「お、ぉぉぉぉぉおおおお?! ……ナニ、これ!」

あまりにも唐突すぎて、鬼は引き剥がすのを忘れる。

志希は17歳の娘がけっしてしてはいけない、しまりのないアへ顔で楽園を味わい尽くす。

「ハスハスハスハスハスハス! ふぉぉぉぉおおおおお! やっばい! 何がヤバイってマジやばい! あ、言語野に機能不全確認! メーデーメーデ! 全員退避〜! 志希ちゃん、急速潜行シマース!」
62 : ◆4C4xQZIWw7k3 [saga]:2016/06/09(木) 00:08:06.00 ID:RxVkmF0Do
鼻水、涎、涙。
およそ顔から放出可能な液体を全て垂れ流し、鬼の上着を志希汁でべちょべちょにしていく。

「な、何ですかこの女!? 最近の痴女は進む方向を間違えたのですか?!」

「ハアァァァァァン♪ 何て言うか、モバマスに対するデレステ! 64に対する大乱闘! 調和って言うのかにゃあ〜♪ ココロトリップ、エクスタシー♪ カラダの疲れなんてサヨナラばははーい♪ もっと! もっと嗅がせて!」

「は、はなれなさい……この……!
って力強いですね貴女っ?! 」

ぐぐぐぐ、と顔面にアイアンクローをぶちこみながら離そうとするも、土下座して性交をねだる童貞のごとき必死さで、志希はしがみついて離れない。
63 : ◆4C4xQZIWw7k3 [saga]:2016/06/09(木) 00:08:39.58 ID:RxVkmF0Do

「先っちょだけ! 先っちょだけだからぁぁぁああ!」

「い、み、がわかりません……!」

「お願いしますぅぅぅ! 何でもしますからぁぁぁああ!」

「自分の体は、大事にしなさい……!」

一進一退の攻防。
永遠に続くかと思われた天下一無意味会は、不意に緩んだ志希の力によって中断された。

否、近づいてくる黒のセダンこそか。

「今度はいったいーーー」
64 : ◆4C4xQZIWw7k3 [saga]:2016/06/09(木) 00:09:08.99 ID:RxVkmF0Do
突然、視界が明滅する。
暗がりでいきなり光を直視したときの、眼球反応のせいだ。

ライトの原因は、車を降りるとゆっくり二人に近づいてきた。

「ーーーaーha。 見つけマシたよぉ。 お嬢さん。 んー? おやまあ、シラナイ顔も一緒デスねぇ? フレンドデスかぁ?」

夜だというのに、全身黒のスーツにハットとサングラス。

どう見てもカタギではない、よくてスーツフェチの変態だ。

こんな変態がFBIというのだから、世も末ならぬ、末も世だ。
65 : ◆4C4xQZIWw7k3 [saga]:2016/06/09(木) 00:09:40.24 ID:RxVkmF0Do

「………志希ちゃん大ピーンチ。 かも」

「helloへロー、お兄さん。 アナタ、そこのお嬢さんとお知り合いデスかぁ?」

「……すれ違う野良猫を知り合いというのなら、そうですね」

「HAHAHA! オモシロイ、実にオモシロイジョークですよ、お兄さん!」

気安く肩を、ばんばんと叩いてスーツフェチは笑う。

鬼はしかめっ面で、されるがままだ。

「オヤ? あなたジャップですね? フーン、アジアの黄色いお猿さんがアメーリカに、なんのようですカ?」

「別に。 仕事ですよ。 貴方と同じくね」
66 : ◆4C4xQZIWw7k3 [saga]:2016/06/09(木) 00:10:09.86 ID:RxVkmF0Do
スーツフェチと鬼の視線が交錯する。
一瞬、スーツフェチの瞳にほの暗い火が灯るが、たった一瞬。

すぐに、満面の笑みに変わった。

「そうデスか〜。 ではソチラのイチノセさんは頂いても、構いませんネ?」

「……お好きにどう……。 今、なんと?」

「what's? イチノセさんを頂くと言ったのデスが?」

鬼が、志希を一瞥する。
未だに顔中、液体だらけの志希は、ハテナ顔。

見つめ続けていると、ナニを勘違いしたのか、やんやんと、カラダをくねくねさせる。
67 : ◆4C4xQZIWw7k3 [saga]:2016/06/09(木) 00:10:39.50 ID:RxVkmF0Do

「………あなた、名はなんと?」

「Aha? ワタシですか? ワタシはーーー」

「貴方じゃありませんよ、変態スーツ。 貴女、名はなんと?」

「へ、へんた?! ナンだとコの黄色いサルがーー!」

掴みかかる変態スーツ。
だが、その手は鬼へと届く前に、あらぬ方向へと折れていた。

知覚する間もなく、一瞬で。

「ッッッッッ?!」

「早く。 名は?」

「し、志希、一ノ瀬志希……です」
68 : ◆4C4xQZIWw7k3 [saga]:2016/06/09(木) 00:11:12.74 ID:RxVkmF0Do

痛みに喚く変態を横目に、鬼は眼鏡を正す。

その表情は、朝っぱらから両親のキスを見せられるような、苦い顔。

「………見捨ててもいいですが、そうするとあの悪魔になんと言われるか……護衛料が発生しないまでありますよ、これは……」

ぶつぶつと何事かを呟く鬼。
腹をくくったのか、志希へ向き直り、宣言する。

「喜びなさい、一ノ瀬志希。 貴女を守ってあげましょう。 この世は所詮、弱肉強食。 今夜私に出会った、自身の運命の強さを誇りなさい」

唐突な言葉。
運命なんて非科学的なことを志希は信じない。

しかし、今しがた余すことなく匂いを嗅いで、何故だか。
69 : ◆4C4xQZIWw7k3 [saga]:2016/06/09(木) 00:11:46.50 ID:RxVkmF0Do

「いい匂いは、いいヒトだから……ふつつかものですがお願いします?」

「こちらこそ、ヘンタイさん」

へたりこむ志希へ手を伸ばし、その顔をハンカチで拭いてやる。

ともすれば姫を助ける騎士のような。
二人だけしかいないような、そんな情景。

「ジャアアァァァァッッップ!」

腕を折られた変態が、口から泡を吹かせながら吠える。

その背後にはいつの間にか集まった、大勢の変態スーツ達。

「許さナイ許さナイ許さナイ許さナイユルサナイーーー! このワタシに黄色いサルがぁぁァア!」

「近所迷惑ですよ、変態さん」

そちらに目もくれず、志希の顔を綺麗綺麗。

高給ソープで玉皺のひとつひとつを洗うように、汚れをとる。
70 : ◆4C4xQZIWw7k3 [saga]:2016/06/09(木) 00:12:42.20 ID:RxVkmF0Do
「つけあがるんじゃナイ! ジャップなぞ、狩人たるワレワレ、アメリカの獲物でシカないんだよぉぉぉおおお!」

「………獲物?」

拭き終わり、磨きたての金の玉のように輝く志希をおいて、鬼が変態集団に向かう。

「たかが30人前後が寄り集まって、武器を私に向けただけで、殺る側にまわったつもりですか……?」


自身に向く、多数の銃口に対し、なんの憂いも躊躇もなく。
鬼が進む。

志希はそのとき、確かに見た。

鬼の背中に浮かび上がる、紛れもない『鬼』の顔をーーーーー

71 : ◆4C4xQZIWw7k3 [saga]:2016/06/09(木) 00:13:14.67 ID:RxVkmF0Do


「誰であろうと、私と向かい合った時点で『殺られる側』で」



両手を高く構える奇妙な備えを見せながら、鬼は言った。




「私が『ヤる側』です……誰であろうともーーー」
72 : ◆4C4xQZIWw7k3 [saga]:2016/06/09(木) 00:17:08.16 ID:RxVkmF0Do
>>44 パプリカ、好き

>>45 その発想はなかったです……。
三角関係、ありですね。


基本アイドルそれぞれに担当がいる形です。

どろどろ昼ドラは紳士ちょっと書けない。


ここまでです。
今度は前より鬼長くなりそうです。
よければお付き合いください。



73 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/06/09(木) 02:35:22.87 ID:0UTGshyTo

なかなかの文章力と紳士力、これは期待できる新人
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