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志希「〜激走〜アタシと鬼のアメリカ逃走記」
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102 :
◆4C4xQZIWw7k3
[saga]:2016/06/10(金) 10:14:28.31 ID:GTg18OjgO
苦しくも鬼はーーー童貞だった。
MissionA『手を出さずに洗え』
103 :
◆4C4xQZIWw7k3
[saga]:2016/06/10(金) 10:16:10.36 ID:GTg18OjgO
ここまで。
まだまだ長く垂れ流しますが、どうぞお突き合いください。
104 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2016/06/10(金) 10:17:13.61 ID:oGeYBrpLo
乙乙
ブッ飛んでて好き
105 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2016/06/10(金) 10:43:33.84 ID:z764yn9HO
うーんこのアホ
乙
106 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2016/06/10(金) 18:55:50.26 ID:xYtlMNegO
グッジョブ朝○
107 :
◆4C4xQZIWw7k3
[saga]:2016/06/10(金) 20:00:05.27 ID:oFK9Ifd8o
>>106
なんでや! 紳士入れてくれてもええやろ!
出していきます。
108 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2016/06/10(金) 20:01:35.90 ID:3fOAocIYO
こい
109 :
◆4C4xQZIWw7k3
[saga]:2016/06/10(金) 20:01:36.76 ID:oFK9Ifd8o
ーーーありえないなんてことは
ありえないーーー
110 :
◆4C4xQZIWw7k3
[saga]:2016/06/10(金) 20:02:06.53 ID:oFK9Ifd8o
洗うとは何か。
その起源は古代メソポタミアにまで遡る。
風呂に入り清める。
かつてそれは、1日の汚れを洗い流す物質的な意味と、心の疲れを溶かす精神的な意味があった。
つまりは、『禊』。
そこに他の念が混ざることはなく、神聖さすら宿している。
洗うとは、風呂とは、『聖なる所作』なのだーーーーーだから決してHではない。
111 :
◆4C4xQZIWw7k3
[saga]:2016/06/10(金) 20:02:36.87 ID:oFK9Ifd8o
ーーーーなどと、心の中で世迷い言を繰り返す鬼の海綿体は血液の凝集を禁じ得ない。
それもそのはず、童貞には志希のぴんと立つ、二つのピタゴラスイッチに興奮を抑えきれないのだ。
(わ、私としたことが、ええぃ、静まれ……! 静まれ……馬鹿めが……!)
鬼の握撃にも一切動じぬ、鋼鉄のなまら棒。
ロリータコンプレックスを物的に証明している。
もはや一瞬の猶予もない。
いつなんどき、『今日から一番逞しい〜のだ〜』するかわからない。
112 :
◆4C4xQZIWw7k3
[saga]:2016/06/10(金) 20:03:10.65 ID:oFK9Ifd8o
(できるだけ素早く! そして無駄なく隅々をーーー!)
取り出したるは、ふわふわタオル。
赤ちゃんのもち肌のごとき肌触りを持つ、この場に相応しき神器。
(ユクゾッ!)
静かなる掛け声と共に、鬼は志希の体を洗っていく。
「これはちひろの裸ちひろの裸ちにろの裸ちひろの裸……」
独り言を呟きながら女の子の体を拭いていくヘンタイオトナ。
逮捕一直線待ったなしの姿を晒しながらも、鬼は一心不乱に攻めていく。
113 :
◆4C4xQZIWw7k3
[saga]:2016/06/10(金) 20:03:40.27 ID:oFK9Ifd8o
手、脇、うなじ、尻、足。
直視しないように、できるだけ柔らかな感覚が手につかぬように。
ちひろの裸を想像して萎えと屹立を繰り返しながら、鬼は順調にことを運んでいった。
そしてーーーー山場を迎えた。
(残るはこの、コスモ〈宇宙〉とカオス〈混沌〉ーーー)
114 :
◆4C4xQZIWw7k3
[saga]:2016/06/10(金) 20:04:23.99 ID:oFK9Ifd8o
摘ままねば洗うことのできぬ二大乳頭と、山奥の秘境を求めるがごとく、草花を掻き分け探索せねば洗いきれぬ秘所。
ここを乗りきらなければ、任務達成とは言えないーーー
鬼真面目な性格が、破滅的な思考に拍車をかけていだ。
(なぜ私がこんな責め苦を………くぅぅ……)
うらやまけしからん状況だが、清潔、清廉、清い倫理観を持つ鬼は涙を流し苦しんでいる。
その葛藤は彼の肥大と収縮を繰り返すデモニオからも見てとれた。
115 :
◆4C4xQZIWw7k3
[saga]:2016/06/10(金) 20:05:08.57 ID:oFK9Ifd8o
(けれど、私は逃げません……! 所詮この世は弱肉強食……私が常に『ヤる側』です……! 誰であろうとも!)
ぶっちゃけ正直なところ後は髪の毛を洗えば、シーツを汚さないという目的は達成されるのだが、童貞力69万の鬼はそこまで頭が回らない。
そして、登破することを、決めた。
(ーーーうすピンク色で、小さく存在を主張する、蕾が二つ)
先端へと手を伸ばす。
陥没ニッポォならば既に詰んでいたが、神も多少の慈悲は持ち合わせていたようだ。
(こ、この蕾を……ええぃ、ままよっ!)
勢いに任せて擦りあげる。
手に残るーーー確かな弾力。
116 :
◆4C4xQZIWw7k3
[saga]:2016/06/10(金) 20:05:42.12 ID:oFK9Ifd8o
(なんですかこれは……グミのように柔らかかく、ゴムのように張りがある……こ、この世にこんな物体がーーー)
あまりの衝撃にトリップしそうになる鬼。
擦るだけであったはずの両手はいつしか、摘まみーー引っ張りーー弾きーーねじりーー離す。
およそ聖なる所作とはかけはなれた動作。
鬼の手をぬーべーさせるピタゴラスイッチ。
(ま、まずい……! は、離さねば……! しかし、手に吸い付いて離れなーーー)
溺れそうになる鬼。
だが、『聖』を謀った神罰が、不意に訪れた。
117 :
◆4C4xQZIWw7k3
[saga]:2016/06/10(金) 20:06:19.67 ID:oFK9Ifd8o
「………ん、んぅ……はぁ……」
「〜〜〜〜〜ッッッ!?」
ほんの少し志希から漏れたその声は、沸騰した鬼の脳みそを一気に冷ます。
眠りながらも、快楽の刺激が彼女に覚醒を促しているのだ。
(ば、馬鹿か私はッッッ! 何故起きないなどと盲信を……!)
Cautionーcautionーcautionーcaution
鬼の頭で鳴り響く警戒音。
New mission arrival!
118 :
◆4C4xQZIWw7k3
[saga]:2016/06/10(金) 20:06:46.86 ID:oFK9Ifd8o
緊急Mission発生
『志希を起こすな』
119 :
◆4C4xQZIWw7k3
[saga]:2016/06/10(金) 20:07:22.61 ID:oFK9Ifd8o
もはや一刻の猶予もない。
山からは既に下山し、残す大きな難関は秘境探検。
(髪は目を瞑りながらでも洗えます……ですがココだけは……。 ーーーはっーーーこ、これはーーー)
それは、まさに全てを受けとめる母なる海。
エーゲ海の美しさにも例えられる、さざ波ひとつ、海藻一つ浮かぬまっさらな海岸線。
そしてそこには、多くの場合、景観を壊すはずの生モノが違和感なく備えついていた。
いわば、オマーン国際空港。
いわば、マリアナ海溝。
120 :
◆4C4xQZIWw7k3
[saga]:2016/06/10(金) 20:07:53.05 ID:oFK9Ifd8o
(ーーーー美しい)
ぴったりと閉じられた姿は、恥じ入るビーナスのような淑やかさと、蝶を誘う甘露を併せ持っていた。
(なんなんですかーーーこの胸の想いはーーー)
鬼の心に芽生え始めた『ナニ』か。
それは今まで抱いていた17歳への劣情とは全く異なる、純粋な。
ちくり、ちくり、と胸を挿す感情〈モノ〉。
121 :
◆4C4xQZIWw7k3
[saga]:2016/06/10(金) 20:08:19.20 ID:oFK9Ifd8o
(こんな想いははじめてです……まるで私じゃない私になるようなーーー)
鬼が惑う。
新たな色の目覚めに。
それはけして睡眠姦に目覚めたわけではなく。
(まさか、これが『痛み』なのですか……)
人はあまりに美しいモノを見たとき、言葉を失う。
今、それと同じように、鬼は志希の閉じた貝を見つめ、股間の固さを失った。
胸を挿す痛みの起源は、此れほどまでに完成された美に、情けなくも欲情していたという事実。
鬼はヘンタイプレイによって、『痛み』を思い出したのだ。
122 :
◆4C4xQZIWw7k3
[saga]:2016/06/10(金) 20:08:49.51 ID:oFK9Ifd8o
「もはや……迷いはない……私の行動と心に一点の曇りなし。 すべてが正義だーーー」
心を締め付ける心地よい痛みと共に、鬼は貝を開いていく。
ーーーーくぱぁ。
中には、真珠より尚も価値のある神秘。
女体の妙が、広がっていた。
(心は落ち着いている。 傲りはない。 私は今、使命を遂行しているのだ)
優しく、ガラス細工を扱うように、繊細に洗っていく。
数日間風呂に入れず、カズノコに溜まったカスを、丁寧にほぐし、外す。
指についたそれを鼻に近づけてひと嗅ぎすれば、瞬間、脳に花畑。
123 :
◆4C4xQZIWw7k3
[saga]:2016/06/10(金) 20:09:26.64 ID:oFK9Ifd8o
(ここは、天国……?)
つん、としたチンチョウ花に似た香りが、甘さにハーモニーを生み出している。
頬を伝う温かいモノ。
鬼の目にも、涙。
(ならばこれは)
栗の実が生っている。
堕ちてしまわぬよう、繊細に優しく擦りあげる。
「ん……あ、ふぁ……くぅ」
(………)
志希の声に艶っぽさが混じる。
だが今の鬼にとっては、心を掻き乱す要因にはなり得ない。
ぴくっぴくっ、と微細な呻きを志希の体があげている。
(あとはこの奥、ですか)
栗狩りが終わり、鬼が挑むのは潜水。
海溝のその奥。
つぷぅーーーと指が沈む。
124 :
◆4C4xQZIWw7k3
[saga]:2016/06/10(金) 20:09:56.17 ID:oFK9Ifd8o
「なんと暖かい………」
女性の体は体温が高い。
それは他を安心させるための、『母』としての素質。
志希は十二分にその素質を満たし、性なるギフテッドであることも示していた。
知と性、合わせて『知性』。
天は乙女に、二物を与えたのだ。
「ん……? この指先に当たるものは………?」
かりかりっと、指で壁を掃除する中で、唐突に触れたもの。
「これは、まさか」
125 :
◆4C4xQZIWw7k3
[saga]:2016/06/10(金) 20:10:30.49 ID:oFK9Ifd8o
その通り。
聖母マリアは、『其』を失うことなくイエス・キリストを懐胎したという。
今度こそ鬼は声をあげて泣いた。
童貞が初物に喜ぶ姿そのままに、しかし心は遥か高みに。
ーーーあり得ないなんてことは、あり得ないーーー
「守ろう……いや、〈護ろう〉彼女を………私の命に代えてでも………」
「あっ………」
つぷん、と指を引き抜いて、先程の女神へ触れた感覚を忘れないよう慈しみつつ。
126 :
◆4C4xQZIWw7k3
[saga]:2016/06/10(金) 20:11:05.48 ID:oFK9Ifd8o
「こんな気持ちは初めてです、志希……ありがとう……」
仄かに芽生え始めた『温かな』ココロ。
聖女の頭を優しく撫でる。
ついぞ不可能と思われた任務は、いまや成された。
MissionAsuccess!
Extra Mission success!
New record!
「後は髪を洗って、終わりですね。 ふふっ終わってみればなんと呆気ないーーー」
鬼は、その時、安心した。
127 :
◆4C4xQZIWw7k3
[saga]:2016/06/10(金) 20:11:34.49 ID:oFK9Ifd8o
勝ったと、確信し、安堵した。
耐えて耐えて耐えて耐えて耐えて耐えて。
美しくフィニッシュ。
128 :
◆4C4xQZIWw7k3
[saga]:2016/06/10(金) 20:12:07.76 ID:oFK9Ifd8o
ただし、鬼の『敗北』で、だ
129 :
◆4C4xQZIWw7k3
[saga]:2016/06/10(金) 20:12:35.04 ID:oFK9Ifd8o
乗り越えたと、思った。
成し遂げたと、思った。
だが、鬼はどうしようもなく『運が悪かった』、いやある意味『運が良かった』というべきかーーー。
「………んぅ、はすはすぅ……」
鬼の匂いに誘われるように、力強くその体を掴み、暴力的な肢体を存分に密着させ、そして。
楽勝だと侮っていた、その艶やかな絹のような髪の毛で、鬼の股座を撫で付けたのだ。
130 :
◆4C4xQZIWw7k3
[saga]:2016/06/10(金) 20:13:11.97 ID:oFK9Ifd8o
「ッッッッッッ?!」
離れ小島での死闘を成し遂げ、皇帝になったギャンブラーのような爽やかさに包まれていた鬼の心が、一瞬で瓦解する。
女神?
聖なる所作?
馬鹿らしい。
ダイレクトな快楽は人のココロなど容易くぶち壊してしまうのだ。
「くぅ〜〜〜〜〜!」
離れようとしても、志希のしがみつく力が強すぎて叶わない。
むしろ動くたびに髪の毛が擦れ、ますます怒張を固くする。
131 :
◆4C4xQZIWw7k3
[saga]:2016/06/10(金) 20:13:37.44 ID:oFK9Ifd8o
「こんな、こんなことがあるか……! 私は、護ると決めたのだ……! ここで果ててなど、たまるものか!」
違うものは溜まっているが。
既に小袋はマグマのごとく熱を持ち、噴火寸前。
デモニオに集中するから不味いのだ。
「噴破ッッッ!」
気をまぎらわすため、シャワールームの壁を叩く。
それが、さらに、不味かった。
132 :
◆4C4xQZIWw7k3
[saga]:2016/06/10(金) 20:14:09.57 ID:oFK9Ifd8o
「…………んぅ? むぇ……?」
快感と、地震にも似た揺れが志希の意識を覚醒へと誘った。
さらに、神の悪戯か。
いや、神の三点責めともいうべきか。
壁から伝わり、天井まで達した振動は、忘れられし『オブジェクト』を刺激した。
133 :
◆4C4xQZIWw7k3
[saga]:2016/06/10(金) 20:14:49.36 ID:oFK9Ifd8o
「し、志希、こ、これは……!」
「むー………」
二人の目が合う。
瞬間、鬼の頭にすっぽりと、舞い降りた性のオブジェクトがはまった。
ショーツは嘘のように頭に、ブラジャーはサングラスのように眼に。
三度繰り返される、『あり得ないなんてことは、あり得ない』。
考えうる限り最悪のタイミングで、最悪の連鎖。
(わ、私こそが、弱者だった、のかーーー)
弱肉強食の理に従い、この後に起こるだろう惨劇を予感し、鬼はブラに妨げられる視界から目を閉じた。
134 :
◆4C4xQZIWw7k3
[saga]:2016/06/10(金) 20:15:21.79 ID:oFK9Ifd8o
(ここは、墓場。『私』のな)
社会的抹殺を覚悟しつつ、女神の審判を彼は受け入れーーーーーー
ーーーーーー不意に、抱き締められた。
135 :
◆4C4xQZIWw7k3
[saga]:2016/06/10(金) 20:15:50.92 ID:oFK9Ifd8o
「えっ?」
「…………」
一ノ瀬志希。
彼女はこの人類の叡知(注:性的に)とも言うべき状況で、鬼の心を拾ったのだ。
割れそうな、砕け散って二度と戻れぬ不可逆反応へと至るを阻止する。
これこそ、無償の愛……!
種の頂点。
母の領域。
志希は、性なるギフテッドなどを遥かに越えた、聖なるギフテッドだったのだーーー
136 :
◆4C4xQZIWw7k3
[saga]:2016/06/10(金) 20:16:19.79 ID:oFK9Ifd8o
「く、うぁ……あぁぁぁぁぁああ!」
およそ今まで受けたことがなかった。
こんな熱。
こんな『温かさ』。
胸に生まれた種が、育まれ、芽をだし、蕾となり、花開く。
鬼は、今こそーーーーーー
『愛』を知った。
137 :
◆4C4xQZIWw7k3
[saga]:2016/06/10(金) 20:17:08.70 ID:oFK9Ifd8o
「護る……貴女を絶対に……護る……!」
志希の豊満な胸に顔を埋めつつ、鬼は想いの溢れるままに任せる。
一日のうちに、『痛み』と『温かさ』、その両方を手にいれ。
その大きさに涙しつつ。
一匹の鬼が、一人の人へと変わる、その第一歩が踏み出されようとしていた。
そして、志希は鬼が歓喜にうち震えるのと対照的に。
実のところ、ただいい匂いを引き寄せただけで、目覚めてすらいなかったし、全て鬼の一人相撲であったのだがーーーー
138 :
◆4C4xQZIWw7k3
[saga]:2016/06/10(金) 20:17:37.03 ID:oFK9Ifd8o
「にゅふふ……あったかぁい……」
幸せそうに、微笑んでいた。
139 :
◆4C4xQZIWw7k3
[saga]:2016/06/10(金) 20:18:10.61 ID:oFK9Ifd8o
ーーーMission complete!
Secret Mission success!
『True end が解放されました』
140 :
◆4C4xQZIWw7k3
[saga]:2016/06/10(金) 20:20:40.17 ID:oFK9Ifd8o
ここまで。
ほんと、いつも見てくださりアリガトゴザイマス
その視線が、最高の刺激となり、精なるエナジーです
ところでサービスシーンはこれまで。
しばらくシリアルが続く模様
141 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2016/06/10(金) 20:29:39.34 ID:LXDWndK/o
ミルク用意しなきゃ
142 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2016/06/10(金) 21:28:26.04 ID:tY82PkJxo
シリアル(久しぶりに見たその言葉回し…)
143 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2016/06/10(金) 21:30:33.90 ID:YLDQP/0eo
所々の嘘喰いネタに草
乙
144 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2016/06/10(金) 23:32:14.00 ID:s3esqsS2O
ジャンプネタも多いな
しかも全体的に古い
>>1
は結構いい歳か
145 :
◆4C4xQZIWw7k3
[saga]:2016/06/11(土) 18:03:53.39 ID:Dt+30eJVo
>>142
古いのか…これからはチャコフ(チャーリーブラウンのコーンフレーク)って言います…
>>144
これでも20代半ばです。
ボーボボ・ミスフル世代と言えば、わかるね?
出します
146 :
◆4C4xQZIWw7k3
[saga]:2016/06/11(土) 18:04:37.87 ID:Dt+30eJVo
鬼が志希に勝手に母性を感じ、神命をを賭して護る、と自己満足で誓った日から数日後。
ちひろがクスリを手にするまでの間、変態スーツから逃れるためアメリカを転々と移動。
そして二人は今、アメリカ西海岸、Los Angelesに来ていた。
「ーーーはむっ! もきゅもきゅ……んーふわふわのパンとジューシーなミートの化学反応っ。 So perfect♪」
ファイブガイズのベーコンチーズバーガーを両手に持ち、頬がリスのように膨らんでいる。
15種ものトッピング全てが乗ったそのブツは、どう見てもゲテモノだが、本人は幸せ満点。
147 :
◆4C4xQZIWw7k3
[saga]:2016/06/11(土) 18:05:06.35 ID:Dt+30eJVo
「はふっ、んぐ、んぐ、はれ? ちゅるるるるる、キミは、もにゅ、もにゅ、食べ、ばくっばくっ、くちゅくちゅ、ごくんっ。 ない、げっふぅ〜〜〜の?」
指をべったべたにして、胃の空気を放出。
礼儀作法の欠片もない姿に、清潔を心がける鬼は。
「いえ、あなたの食べる姿を見ているだけで胸が一杯ですよ」
にこにこ、と以前にはあるまじき笑顔で応えていた。
148 :
◆4C4xQZIWw7k3
[saga]:2016/06/11(土) 18:05:34.51 ID:Dt+30eJVo
「ふぅーん? 視覚じゃ満腹中枢は満たされないと思うケド?」
「気分の問題なんですよ。 こういうのは。 生まれ変わったみたいな清々しさが、腹を満たしているんです」
「そーゆーのってよくワカンナーイ。 ココロは志希ちゃんの専門外だからにゃぁ〜。 分析の余地、ありかも♪ んふふ〜」
「そうですねぇ……私にもココロは、難しい、問題です……」
149 :
◆4C4xQZIWw7k3
[saga]:2016/06/11(土) 18:06:16.43 ID:Dt+30eJVo
困ったような顔をつくる鬼。
優しさが垣間見えるその表情に、志希は面食らった。
謎のもやが、83の中に生まれる。
「わぉ。 ナニ、それ。 キミの体から今までにない匂いかも。 リオナール? ピラジン? 安らぎの香りっていうか〜誘眠香?」
「何ですか人をお茶っぱみたいに。 私は私ですよ」
「むぅー………えいっ」
ぱっと、鬼の正面から飛び上がり、後ろへと、くるり、一回転して回る。
本来、背後など、無音で立たれれば殴るという動作が、本能レベルで刷り込まれている鬼。
たが、今は本能すらも、志希の抱擁で手にした『熱』が上回っていた。
150 :
◆4C4xQZIWw7k3
[saga]:2016/06/11(土) 18:06:55.18 ID:Dt+30eJVo
「………? 何です?」
「……ぺろり」
「ハぁんっ?!」
突然、鬼の鎖骨を嘗める志希。
予想外すぎて変な声をあげるヘンタイオトナ。
周囲の目が二人に刺さりまくる。
「ちょっ、なにを……! あっ……はうっ……!」
志希の舌は、猫のようにざらついている。
その痛みとも呼べる超刺激を受ける童貞の感覚はいかばかりか。
151 :
◆4C4xQZIWw7k3
[saga]:2016/06/11(土) 18:07:49.88 ID:Dt+30eJVo
「あむ、あむ、レロレロ、レラレラ、ちゅる、ちゅぅぅぅぅぅ
…………っぽん。
んーこの味は、オキシトシンと〜エンドルフィン……幸せを感じている味だぜっ」
びくんびくん、と体を震わす鬼を尻目に志希は冷静に分析する。
味もみておくのが、志希クオリティ。
「何か、ぽんぽんの下辺りも暖かくなってきたカモ……。 もっとハスペロ……」
ちろ、と鬼を見る。
空イキで、無防備。
152 :
◆4C4xQZIWw7k3
[saga]:2016/06/11(土) 18:08:20.01 ID:Dt+30eJVo
「……一ノ瀬軍曹、目標に突撃いたします! ぶたのようなひめいをあげろ、おらぁっ!」
「はぁ、はぁ、ちょ、志希、やめ、あ、あはぁぁぁぁぁぁぁぁぁん!?」
後の逆レの記念すべき第一回である。
ただし、ファイブガイズ店内なので初回にしては、衆人環視という高度すぎるプレイであった。
「Mom? Dad? What are they doing?」
「Ah....just........playing, don't watch them. Ok? our angel?」
「Hm〜looks like your night playing,..hm」
「?!?!?!?!」
153 :
◆4C4xQZIWw7k3
[saga]:2016/06/11(土) 18:08:51.19 ID:Dt+30eJVo
両親に手を引かれる娘が、いち早く心の二次性長を迎える被害を生み出す志希と鬼。
台風の目が、その家族の様子を乳首を舐めながら見ていた。
「んぅ〜ちゅぽんっ。 ……なんか、昔を思い出しちゃうな〜……」
「あ、あへ………うっ………ふぅ………」
「ん? なんかイカくさい? でもココロ牽かれるようなーーー」
志希の嗅覚が、生命の灯火を敏感に察知する。
慌てて、果てていた鬼が取り繕う。
154 :
◆4C4xQZIWw7k3
[saga]:2016/06/11(土) 18:09:26.86 ID:Dt+30eJVo
「気のせいでしょう!」
「わっ?! 急に大声出さないでほしいにゃー。 びっくりして志希ちゃん印のココロフラスコ、落としちゃいそーだったよー。 ガラス製なんだから気を付けてよね、もー」
「こちらのハートは既に砕けてますがね……まったく」
やはり以前と違って怒らない。
鬼の変化に答えを見つけられないまま、志希は頭を1捻り2捻り。
匂いの追求を逃れるため、鬼は話題を逸らす。
155 :
◆4C4xQZIWw7k3
[saga]:2016/06/11(土) 18:10:06.89 ID:Dt+30eJVo
「貴女に襲われたら、お腹が空きました……。 私もバーガー食べましょうかね」
「あっ! ならあたしも食べる〜♪」
「まだ食べるんですか……」
食の権化に呆れつつ、内股ぎみで鬼は立ち上がる。
やはり人気店、カウンターは混んでいる。
何か話題でもと、鬼は欠片を拾ってみた。
「ーーーーところで、先程の昔を思い出す、とは? 家族連れなど珍しくもないでしょう」
「聞いてたんだ? んふふ♪ 気になる気になる? アタシの成分分析したいカンジ?」
「そうですね……… 貴女のことを、もっと。 知りたい」
またもや予想外。
目を、ぱちぱちくりくり、志希女史。
156 :
◆4C4xQZIWw7k3
[saga]:2016/06/11(土) 18:10:33.43 ID:Dt+30eJVo
「ほぇ? ホンとどしちゃったのキミ? 夜中にテキトーに人体実験してた弊害? 志希ちゃんギルティのクリミナル?」
「何をやってるんです何を。 ……私は私ですよ。 酸いも甘いも経験した大人です」
同窓会で集まった時に、つい自分の職種をデカく言うあれだ。
とりあえず変質的なプレイの経験値は絶賛溜まり中ではあるが。
157 :
◆4C4xQZIWw7k3
[saga]:2016/06/11(土) 18:10:59.88 ID:Dt+30eJVo
「わっかんないなー。 謎が謎を呼ぶ大迷宮。………でもわかんない感情も、楽しい? なんかキモチイイ、かも」
「私も、そうですね。 楽しい、かもしれません。 きもちいい、かは……わかりませんが」
不格好というか。
不馴れというか。
女性に対する態度など今まで意識したこともなかった鬼は、初々しく。
だけれど、それは実験に生きてきた志希にとっても鏡を見るようで。
158 :
◆4C4xQZIWw7k3
[saga]:2016/06/11(土) 18:11:35.36 ID:Dt+30eJVo
「………いい匂いのヒトはやっぱり、いいヒトなのかな」
「え? なんです?」
「アタシさー。 あーゆー親子が羨ましいんだよねー」
唐突に、志希が、語りだす。
列はまだまだ、長く、カウンターは遠い。
「ギフテッドって知ってるよね? ちひろさんから色々聞いてると思うし」
「ええ、まぁ。 大学に飛び級で入れるくらい頭が良いとかなんとか……」
「日本じゃ、そんな認識だよね〜。 けど、当事者のあたしから言うとさーーーー」
159 :
◆4C4xQZIWw7k3
[saga]:2016/06/11(土) 18:12:06.79 ID:Dt+30eJVo
遅々として、列は進まない。
志希は鬼を見るでもなく、遠くの『何か』を見ながら言った。
160 :
◆4C4xQZIWw7k3
[saga]:2016/06/11(土) 18:12:33.81 ID:Dt+30eJVo
「ーーーー『呪い』だよ」
161 :
◆4C4xQZIWw7k3
[saga]:2016/06/11(土) 18:15:07.11 ID:Dt+30eJVo
ここまでっ。
〈結〉が先にできたが、道のりが遠い……。
どうぞ、よろしくお願いシーマン
162 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2016/06/11(土) 18:24:00.25 ID:jU07cdm0O
乙
志希のシリアスは先駆者が凄すぎて難しいだろうけど頑張って
163 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2016/06/12(日) 02:29:34.07 ID:Kjyu6vCZO
既に新路線を開拓 してしまっている のでセーフ
164 :
◆4C4xQZIWw7k3
[saga]:2016/06/12(日) 22:12:59.83 ID:xUsdKWMzo
溜めて溜めて溜めて溜めて溜めて溜めて溜めてーーー
フィニッシュ。
それが最も美しい……。
やっと出来上がりました。
自分でも引くほど長くなりましたので、二回に分けて出します。
もう少しだけお付き合いください。
165 :
◆4C4xQZIWw7k3
[saga]:2016/06/12(日) 22:13:47.84 ID:xUsdKWMzo
『あたしはきっと、白衣に包まれて産まれてきた』
166 :
◆4C4xQZIWw7k3
[saga]:2016/06/12(日) 22:14:14.29 ID:xUsdKWMzo
これって、いいことだと思う?
赤ちゃんはみんなママの羊水にくるまれて、愛のゆりかごで育つんだ。
だけど、志希ちゃんをくるんでたのは、無機質な白い布。
167 :
◆4C4xQZIWw7k3
[saga]:2016/06/12(日) 22:14:42.35 ID:xUsdKWMzo
ねぇねぇ!みんな!
世界中のみんな!
ギフテッドってみんなのことを言うんだよ!
最初で最愛のギフテッド!
家族の愛に比べたら、才能なんて。
だってだって。
愛を知覚できないなんて、ギフトどころかルーティング。
アタシが貰った贈り物は、代わり映えのしないくるくる廻るルーチンルート。
あたしに備わるでっかい楔は、そうして何もかもをアタシから奪っていくのでした。まる。
168 :
◆4C4xQZIWw7k3
[saga]:2016/06/12(日) 22:15:09.13 ID:xUsdKWMzo
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
169 :
◆4C4xQZIWw7k3
[saga]:2016/06/12(日) 22:15:38.47 ID:xUsdKWMzo
「ギフテッド、天才、ジーニアス、サヴァン。 何でもいいけどつまりは、異常個体なんだよね。 一般ぴーぽーとは一線も二線も画す、三千世界の先の先の鴉ちゃん。 抜きんでた生き物は排他されるデスティニ〜♪ ばうばうばうっ!」
手先で二匹の犬を作り、追いたてるジェスチャー。
「だけど別によかったんだよー。 あたしはあたしの道を行く。 他人なんてカンケーなーい♪」
片方の犬は極寒のふぐりのように、体震わせ、縮こまって、すくんでいる。
「それでさ、キミはどう思う?」
手遊びそのまま、鬼に向き直る。
志希に特別目立った変化はない。
だがその瞳の奧、僅かに灯る黒炎。
170 :
◆4C4xQZIWw7k3
[saga]:2016/06/12(日) 22:16:15.31 ID:xUsdKWMzo
「どう、とは?」
「ニブいねーそれともアタシがコーフンしてるだけ? 疎外されるっていっても切っ掛けがあるでしょ? ………そだねー。 志希ちゃんひーんと。 神様から1つも2つもプレゼントを貰った女の子を、始めに『羨む』のは、誰でしょ〜♪」
「…………」
始め、とは。
謎々とかそういう類いの問ではない。
もっとシンプルで、元素のような。
鬼は、考える。
「ちくたくちくたくちくたくちくたく♪」
急かすように、口ずさむ志希。
始め、とは。
それはココロを塞ぐのに十分な、ともすれば記憶を封印するだけの威力を持つトラウマ。
初カノにスカトロマニアという核弾頭が備わっていた。
そんなレベルでなくてはならない。
171 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2016/06/12(日) 22:16:20.88 ID:Kgoy0F/No
溜めて、出す(シティーハンター並感)
172 :
◆4C4xQZIWw7k3
[saga]:2016/06/12(日) 22:16:55.41 ID:xUsdKWMzo
「………周りには敵ばかり。 自分を助ける友人などなく、孤独が体を、心を責める」
「ちくたくちくたくちくたくちくたく♪」
これは、鬼の人生でもある。
天涯孤独。
育ての親は、親とも呼べぬ。
ジャンケンで負けたら、三回勝負だとか、石が紙に負ける訳がない、とか言い出す子供大人だったから。
彼はまるきり一人の力で生きてきた。
「雨が降る夜、闇の中でよく思いました。 どうして自分がこんな目に。 誰のせいだ。 誰の」
弱肉強食の世界へ放り出したのは、誰だ。
173 :
◆4C4xQZIWw7k3
[saga]:2016/06/12(日) 22:17:32.67 ID:xUsdKWMzo
「ちくたくちくたくちくたく、ちーん! はい、答えは?」
鬼と志希、二人にとって奇妙な共通点。
チェリーとヴァージン、偶然に偶然を重ねる、悲運だ。
「『親』、ですね」
「ぴんぽんぴんぽーん。 世界で唯一のあたしの味方は、最も近しい敵だったのでした〜。 それにしてもよくわかったね? キミとアタシの共通項、発見しちゃったかにゃ?」
「ええ………どうやらお互いに『運が悪い』」
列が進む、ゆっくりと。
ぱちぱちぱちと、志希は手を叩いて笑う。
174 :
◆4C4xQZIWw7k3
[saga]:2016/06/12(日) 22:18:01.09 ID:xUsdKWMzo
「キミのことも気になるけど、今は志希ちゃんのタ〜ン♪ そう、『始め』。 『始め』はねーよかったんだ〜」
分子式を軒並覚えて、化学反応を覚えて、生み出して、生意気に論文なんて書いたりして。
褒められた。嬉しかった。だからもっと頑張った。
幼く、勉強だけはできたお馬鹿さんは、その『歪み』に気づかなかった。
「近しい人は、違う職業の方がいい。
ホンと名言だよねー。 同じだと色々と、さ……」
弱肉強食の理は世の常だ。
どこの世界でも当たり前に存在し、競走を強いる。
男優の世界でも、出すのと振るのでは雲泥の差。
では、志希の世界は?
175 :
◆4C4xQZIWw7k3
[saga]:2016/06/12(日) 22:18:34.85 ID:xUsdKWMzo
「アタシのダッドは、研究者だった。 優秀だよ? あたしが言うのもなんだけど。 志希ちゃんが賢すぎただけで。 でも」
鳶が鷹を生む。
悠々と大空を羽ばたいて、自身を追い抜く鷹を見上げて、鳶はどんな気持ちだったろう。
「あたし達、『研究者』は自分より優れたものが許せない。 真理を解き明かすのは己でなくてはならない。 業のカタマリ。 そんなこともわからなかったお嬢ちゃんは、もっともっともっとーーー貪欲に頭を撫でて欲しがったの」
そうして無自覚のまま、鷹は鳶を追い立てた。
歪みの極致、その『臨界』まで。
176 :
◆4C4xQZIWw7k3
[saga]:2016/06/12(日) 22:19:01.69 ID:xUsdKWMzo
「欲張った結果は、だいばくはつ! ママは泣いて、ダッドは怒って、『志希』は頬をおさえて呆けてた」
そして、逃げるように大学へ。
そこでもまた、繰り返す。
ココロのわからぬ天才は、満ち足りぬを繰り返す。
実験することが、許され褒められる唯一の手段だと信じながら。
そうして、禁忌を創った。
「にゃはは。我ながらかわいいよねー。必死で。 この白衣も昔誕生日にダッドから貰ったのそのままなんだよ? 未練がましいというか、なんというかさー」
薄汚れた白衣の裾をつまんで、痴女が穿いてないを見せつけるときのポーズをする志希。
列は再び止まっている。
177 :
◆4C4xQZIWw7k3
[saga]:2016/06/12(日) 22:19:31.41 ID:xUsdKWMzo
「………親の愛を受けたいと思うのは、当然の反応です。 卑下することじゃ、けしてない」
「そのせいで、こんな目にあってるって言うのに?」
志希は笑っている。
いつもの通り、捉えどころのない、自由な笑みで。
「黒服のヘンタイに追っかけられて、死ぬ思いして、そんで。 そんで」
細められた目の端から、つぅと伝う液体。
178 :
◆4C4xQZIWw7k3
[saga]:2016/06/12(日) 22:19:58.99 ID:xUsdKWMzo
「どうしてキミに、ココロを許してるのかなぁ?」
179 :
◆4C4xQZIWw7k3
[saga]:2016/06/12(日) 22:20:27.00 ID:xUsdKWMzo
「志希………」
多分、流れる雫にも気付いていない。
そんな余裕がない。
初めて挿入れた興奮で相手を気遣えないのと同じ。
「わかんない。わかんないんだよね。 どうして志希ちゃんはキミの匂いに惹かれるの? どうして志希ちゃんは見ず知らずのキミと一緒にいるの? どうして志希ちゃんはヘンタイスーツと違うって思ってるの? どうして『志希ちゃん』は………『志希』は………」
「…………」
上手い言葉が出てこない。
涙を流す淑女を抱き締める紳士もない。
ただ、棒のように立ちて。
鬼は、無力だった。
だが、しかし。
180 :
◆4C4xQZIWw7k3
[saga]:2016/06/12(日) 22:21:21.85 ID:xUsdKWMzo
「どうして『志希』なの? なんで『志希』は『パパ』と『ママ』と一緒に暮らせないの? どうして? どうして? どうして? イヤだ……イヤだよ……撫でてよ……助けてよ……『パパ』、『ママ』……あたしの居場所を返してよ……」
幼児退行したような、今にも赤ちゃん言葉を発し再び周りからの視線が刺さりそうな、そんな状況。
自ずから発した言葉で、『志希』は『志希』を追い詰めていた。
「それは、貴女が……」
鬼はつい、なぜ自分でも云ってしまったのかわからない。
生理遅れを告げる恋人に真っ先に中絶を勧めるような、そんな愚を犯してしまった。
181 :
◆4C4xQZIWw7k3
[saga]:2016/06/12(日) 22:21:47.98 ID:xUsdKWMzo
「弱い、からです」
「ーーーーえっ……?」
期待していた。
表情からありありとそれが読み取れる。
だが鬼の人生に、そんなモノはなかった。
そんな感情〈モノ〉抱く暇もなかった。
だから、彼は告げる。
EDを宣告するタケノコ医者のように残酷に。
「この世は所詮、弱肉強食。 強ければ生き、弱ければ死ぬ」
つらつらと、鬼は理を説いていく。
志希はうつむき、その色は見えない。
182 :
◆4C4xQZIWw7k3
[saga]:2016/06/12(日) 22:22:19.11 ID:xUsdKWMzo
「他人に期待をするな、甘えるな。助けて『欲しい』、ですって?」
だが、鬼はその瞳を隠す眼鏡を払い、志希の顎を持ち上げて、真正面から見据えさせる。
黒炎とは違う、煤の落ちた、猛々しく真っ赤な焔。
「どうして助け『させる』じゃあないんです。 私は違う。 私を放り出した馬鹿親共に、私の価値を教え込む。 今もまさに、その経過です。 強く生きる、そのために」
手を離し、再び眼鏡をかける。
志希は幾ばくか呆然と、鬼の顔を見つめて。
183 :
◆4C4xQZIWw7k3
[saga]:2016/06/12(日) 22:22:46.15 ID:xUsdKWMzo
「キミってホンとに優しく、ないかも………」
そうして痛々しく、笑ったのだ。
「志希、私は」
「いいよー別に♪ あたしから振った話だしねー。 あ、でも1つだけ言い忘れてたことがある、カモ」
とん、と鬼の胸を押して、背中を向ける。
頭だけ振り返り、志希は笑いながら言った。
様々な色〈シキ〉をごちゃ混ぜた、そんな顔で。
184 :
◆4C4xQZIWw7k3
[saga]:2016/06/12(日) 22:23:39.17 ID:xUsdKWMzo
「志希ちゃん、失踪グセがあるんだよね〜♪ だから」
「ばいばいお兄さん」
「ーーー志希っ!」
鬼が手を伸ばすより一瞬早く、志希は駆け出し、手が空を切った瞬間に、その姿は失せていた。
「あんのバカ娘……!」
いつも通りなら、反応することなどわけはなかった。
だが、『熱』に浮かされ、色をかき混ぜられたのは、彼も同じだったから。
「どうして一言、私に言わないんです……! たった一言を……!」
たかが数日。
なれど彼は、細い細い線ではあるが、確かに絆を感じ初めていたのに。
「弱い貴女に撒かれるほど、弱くはありませんよ、私はーーー!」
携帯を懐から取りだし、悪魔へ繋がる666を押しながら鬼はまた踏み出していった。
鬼の抱かぬココロというものを、抱え始めながら。
進みだした列に、そうして二人ともいなくなった。
185 :
◆4C4xQZIWw7k3
[saga]:2016/06/12(日) 22:24:19.25 ID:xUsdKWMzo
「はっ、はっ、はぁーーーーふぅ」
無我夢中。
自慰天昇。
なりふり構わず走って走って、気付けば見知らぬ廃工場。
乱れた呼吸を整えながら、志希は壁に寄りかかる。
「にゃはは。 あたしったら弱すぎでしょ……。 熱で簡単に壊れちゃうなんて……弱い分子結合だにゃあ……」
わかってはいたことだ。
誰も言葉にしないだけで、自分自身、目を逸らして来ただけで。
186 :
◆4C4xQZIWw7k3
[saga]:2016/06/12(日) 22:24:46.07 ID:xUsdKWMzo
「くーるくーるまーわるー。 れいじーれいじーにげたくてー。 ………本能くすぐられちゃったなぁ……あはっ。 クンクン、あたし、ひどい匂い……」
ずるずる、腰が落ちていく。
嫌な匂いを擦って削る、そんな滑稽な姿。
穴の空いた天井を見上げて、ぽつり、呟いた。
「…………お腹………空いたなぁ」
187 :
◆4C4xQZIWw7k3
[saga]:2016/06/12(日) 22:25:14.33 ID:xUsdKWMzo
「安心してくだサイ。 時期に食べル必要も、なくなりマスからーーー」
突然変態スーツの声。
逃げなくちゃと思う間もなく、近づいてきた黒い塊から電流が飛び出してーーーーー
「ーーーーオヤスミなさい、二度と目覚メヌ悪夢ヘ」
志希の意識は、ぷつりと途切れた。
188 :
◆4C4xQZIWw7k3
[saga]:2016/06/12(日) 22:25:41.44 ID:xUsdKWMzo
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
189 :
◆4C4xQZIWw7k3
[saga]:2016/06/12(日) 22:26:09.33 ID:xUsdKWMzo
「………今、なんと?」
信じられない言葉を聞いたかのように、鬼は立ちすくみ、その体は怒りに震えている。
例えるなら、髪の毛を『お前の頭、まるでスカトロプレイでひりだした太巻きみてぇだなぁ。 蝿でも飼うつもりか? あぁん?』と貶された青年ヤンキー。
けれど電話の主は悪びれず、続ける。
「だからですね、『志希ちゃんは放っておいていい』と言ったんです」
「理解、できませんね……貴女のことだ。 彼女がいなければ、クスリが本物かも確かめられない、と考えるはず。 みすみすリスクを背負うのですか……?」
詭弁だ。
ちひろにかかればクスリの中身を調べ、分析し、弄ることすら容易。
鬼の本音は別にある。
190 :
◆4C4xQZIWw7k3
[saga]:2016/06/12(日) 22:26:39.33 ID:xUsdKWMzo
「あらら。 想像以上に仲良くなっちゃって……少し嫉妬しちゃいますね。 うふふ♪」
「御託はいいんです。 納得のいく、説明を」
携帯がめしめし、と悲鳴をあげる。
探しに行きたい今すぐに。
鬼の心は爆発寸前。
「志希ちゃんとの契約は、『私がクスリを手に入れる』ことと、『あなたが志希ちゃんの奴隷になる』こと」
若干、鬼の扱いが下降修正されているが、そこはご愛敬。
「そして、私はクスリを手に入れた。 まぁ、色々と仕込んでいたらすこし手間取りましたけど」
「だから、まだ志希の契約がーーー」
悪魔は、ひどく当たり前に答えた。
191 :
◆4C4xQZIWw7k3
[saga]:2016/06/12(日) 22:27:08.00 ID:xUsdKWMzo
「失踪したんでしょう? なら、奴隷を捨てたのと同じことですよ。 契約は履行された。 もう、私があなたを、彼女に貸してあげる理由が、ない」
棒を擦ればミルクが出るのと同じように、それは至極当然のこと。
「私は……認め……ません」
「『あなた』は、『私』の、護衛でしょう。 聞き分けのない子供は、嫌いですよ?」
「ーーーーー」
鬼の顔が、ただの子供の顔になって。
ともすれば泣き出しそうなその表情で。
渇いた喉から絞り出して、言った。
192 :
◆4C4xQZIWw7k3
[saga]:2016/06/12(日) 22:27:35.84 ID:xUsdKWMzo
「ーーー今更、母親面、するな」
「なんです? 泣きそうなんですか? 弱い子は、もっと。 嫌いですよ」
「………ましい」
「なんですか? はっきり言わないと伝わらないですよ」
鬼の人生、初めての駄々が、爆発した。
193 :
◆4C4xQZIWw7k3
[saga]:2016/06/12(日) 22:28:07.06 ID:xUsdKWMzo
「喧しい! クソババア! 私は、志希を見つけ出す! 散々育児放棄してきたんだ! 一度や二度くらい、私のために動いたらどうです?!」
ちひろの電話が壊れてしまいそうなほどの大声。
拙い罵倒。 だが、ちひろは微笑んで。
鬼には感づかれないよう、声のトーンを落とし、答える。
「あらあら。 親になんて口聞くんですかね、この子は。 けれど、まぁ。 たしかに私にも非はあります。 だから手は貸しますよ。 勿論、タダじゃないですけど」
「何でもいい! さっさとしてください!」
すっすっす、と携帯を素早く操作して、情報を送る。
194 :
◆4C4xQZIWw7k3
[saga]:2016/06/12(日) 22:28:40.05 ID:xUsdKWMzo
「志希ちゃんの食事に仕込んだ、GPSの情報です。 行くなら急いだ方がいいですよ? どうも変態さん達が先に見つけ………あら、もういないみたい」
会話先の失せてしまった携帯を閉じて、ポケットに仕舞う。
志希と鬼からそう遠くない、カフェの一角。
ちひろはアイスティーを飲みながら、独り言のように、呟く。
「感慨深いですねぇ……うふふ♪ 子供が千尋の谷から這い上がる。 少なくともこれくらいはしてくれないと、私と『あなた』の子は務まりませんもの。 ね?」
否、独り言ではない。
ちひろの相席。
その先にいる男。
195 :
◆4C4xQZIWw7k3
[saga]:2016/06/12(日) 22:29:07.71 ID:xUsdKWMzo
「ーーーふんっ。 この俺を呼びつけ、何かと思えば、まさか『子守り』とはな……。 あまりに過ぎて、『飽き果てる』ことすら忘れるわ」
「あら。 まだまだこれからですよ? 息子の一人立ちなんですから、私達が最後まで見ていてあげないと♪」
「アハハハハハ! よく言ったものよ! 鬼か! 悪魔か! ちひろか! キサマの欲の深さには、俺ですら二の足を踏む!」
「こわいこわい世界の中で、息子に強く生きて欲しい。 母の愛は善く、深いんです♪」
「……まァ、いい。 折角アメリカくんだりまで来たのだ。 子供を『あやす』のもーーーー面白かろう……」
鬼と悪魔が並び立ち、息子の晴れ舞台へ、向かい始めた。
196 :
◆4C4xQZIWw7k3
[saga]:2016/06/12(日) 22:30:28.48 ID:xUsdKWMzo
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
「ーーーん、んぁ? はれ、ここどこ……? フランス人と日本のハーフの女の子と、敏感舌の女の子について性知識会議開いてたはずなのに……」
遠い未来を幻視しつつ、志希は寝ぼけ眼を擦ろうする。
ジャラリ。
動かぬ両手には鎖。
天井から吊り下げられた拘束具に、吊り下げられていた。
197 :
◆4C4xQZIWw7k3
[saga]:2016/06/12(日) 22:31:05.86 ID:xUsdKWMzo
「HAHAHAHAHAーーお目覚めのようですね、イチノセさん。 ご機嫌はーーー」
「ぎにゃあああああ?! ヘンタイが! ヘンタイがいるぅぅぅぅ! イヤァ、志希ちゃんの貞操が大ピンチぃぃぃいいい!?」
「ーーーってナニを言ってるんですかこのコムスメは?! 」
格好をつけて暗闇から出てきたというのに、志希の罵声で全て台無しである。
相棒の、雑巾の絞り汁よりも下らないジョークに対して、おべっか言わねばならない下半身不随ジョッキーのような悲しさがあった。
「Shit……ほんとうにあの男といいアナタといい、これだからジャップは……」
「……何の用って、聞くまでもないよねー。 でも、あのクスリはキミ達の手にはーーー」
「クスリ? これのことですか?」
石膏が巻かれた変態スーツの手には、ブラウン色の液が詰まった栄養ドリンクに似たビン。
198 :
◆4C4xQZIWw7k3
[saga]:2016/06/12(日) 22:31:32.98 ID:xUsdKWMzo
「なっ、なんで、それを!」
「HAHA! 貴女の研究室にあることはわかっていましたカラね。 蛍光色の女がクスリを手にしていた時は驚きましたがーーー」
見せびらかすように、志希の前にドリンクを突き付けて、変態は笑う。
「結局は、私達の手の中。アナタの努力は、ジャパンでいう、水の泡ってことですよ」
志希の顔には絶望。
ちひろさんがしくじったのかーーー
後悔だとか、悔恨だとか様々な感情が脳に渦巻く。
腹が鳴る。
エネルギーが足りない。
思考がまとまらない。
199 :
◆4C4xQZIWw7k3
[saga]:2016/06/12(日) 22:32:04.61 ID:xUsdKWMzo
「Hm〜〜♪ いい、カオですねぇ〜。 さて、ここらでだめ押しとイキましょうか?」
変態が不器用に指を左右に振り、クイズショーの司会を気取る。
「クスリを手に入れ、目的を果たした私達」
「………」
その通りだ。
既に志希を追う意味はない。
では、この状況は一体なんだ?
腹が、減った。
「しかし、私達はアナタを拘束しています。 その理由は、何でしょうカ?」
17歳に欲情する性的倒錯者の集まりがFBIーーーではないだろう。
志希には及びもつかない。
ニコニコと、心底楽しみながら変態スーツが志希を地獄へ突き落とす。
200 :
◆4C4xQZIWw7k3
[saga]:2016/06/12(日) 22:32:31.29 ID:xUsdKWMzo
「そのワケが、彼です」
今度こそ、邪魔されることなく暗闇から、存分に格好をつけて演者が現れる。
彼は、かつて志希のココロに傷をつけ。
「ひさしぶり、志希」
そして、再び彼女に消えぬ痕をつけんとしていた。
「………ダッ………ド?」
場違いに、志希の腹が唸りをあげ続ける。
201 :
◆4C4xQZIWw7k3
[saga]:2016/06/12(日) 22:33:07.41 ID:xUsdKWMzo
「そんなに驚くことかい、志希?」
「だ、だってダッドは……! あたし、ダッドに誉めて、欲しくて……それで!」
志希の表情が幼児のそれへ戻る。
認めて欲しい、撫でて欲しい。
彼女の目的が、黒幕じみた不敵さと、豚を見るような冷たい目で彼女を見ていた。
「相変わらず、腹立たしい」
「………っ!」
「お前がそんなだから、そんな有り様だから。 パパがこうなってしまったということが、わからないのかい?」
溝の底よりなおも濁り、吐き気を催す邪悪の詰まった父の双眸。
自身の狂気を娘の『罪』にすり替えて男は続ける。
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