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アルビノの女「……いくらですか」黒髪の娼婦「お気に召すまま」
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43 :
以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします
[sage]:2016/07/01(金) 12:16:12.27 ID:vm2+aSBDo
背景世界の懐かしさに戦慄……
ニューロマンサーからすでに30年以上経つんだなぁ。
44 :
◆aUbK72/AnA
[sage]:2016/07/02(土) 00:07:39.42 ID:GldqFh6vO
女「…………それで」
女「なんで貴女がここにいるんでしょうか」
娼婦「……どこにいようと、私の勝手でしょう?」
女「別に、責めてはいません」
娼婦「……この間の、忘れ物よ」
女「……ここの名刺、ですか」
娼婦「脱衣所に落ちてたわ。コートからこぼれたんでしょう、きっと」
女「……それで、わざわざここに」
娼婦「たまには新天地を開拓しないと。結局、酔って寝ちゃったけれどね。……年甲斐もないわね」
女「貴女が何歳なのか知らないので、何とも言えません」
娼婦「そう」
45 :
◆aUbK72/AnA
[sage]:2016/07/02(土) 00:15:04.54 ID:GldqFh6vO
女「……もしかして、怒ってます?」
娼婦「別に」
女「怒ってますよね」
娼婦「別に、って言ってるでしょ」
女「……」
娼婦「…………」
女「身勝手ですねえ。おとついは散々私をいじめたくせに」
娼婦「……別に、可愛がられるのは嫌いじゃないけれど」「手順ってものが、あるわ」
女「どんな」
娼婦「夜、私が街角で微笑んでる。貴女は私に声をかける。私と貴女は宿に泊まる。次の朝、貴女は私にお代を払う」
女「……上客なら、少しくらい飛ばしてもいいでしょう。少しくらい」
娼婦「だめよ。私と貴女が売春婦とお客であるためには」「そういう、健全な関係を保つためには」「最低限の手続きが必要なの」
女「……そういうもんですかね」
娼婦「そういうものよ」
46 :
◆aUbK72/AnA
[sage]:2016/07/02(土) 00:21:25.00 ID:GldqFh6vO
女「でも、とっても楽しそうでしたよ。今日の貴女」
娼婦「楽しけりゃいいってもんじゃないの」
女「もっと楽しいこと、したくありませんか?」
娼婦「何かしら」
女「そう、ですね。例えば――――――」
女「――――――私だけの女になる、とか」
娼婦「……また、その話? お断りした筈だけど」
女「ええ覚えてますとも。だから、準備ができたんですよ」
娼婦「……何の」
女「私の、魂」「――――貴女へ、売り渡してあげます」
47 :
◆aUbK72/AnA
[sage]:2016/07/02(土) 00:25:04.33 ID:GldqFh6vO
娼婦「…………」
女「……いかがですか?」
娼婦「嫌よ」
女「どうして」
娼婦「当たり前でしょう?」
女「嘘をついたんですか」
娼婦「いいえ」
女「じゃあ、どうして」
娼婦「だって、貴女の魂のこと」「――――私は、全然知らないわ」
48 :
◆aUbK72/AnA
[sage]:2016/07/02(土) 00:30:12.37 ID:GldqFh6vO
女「…………」
娼婦「貴女が私のことを知らないのは、まだ許すわ」
娼婦「貴女は私を買うんですもの。モノの価値なんて、買ってみなけりゃ分からない」
女「…………」
娼婦「でも、私は貴女に買われるの。私だって、立派な人間よ」「買われるかそうでないか、私にだって決める権利はあるわ」
娼婦「どこの誰とも知らない相手に、身体を売るのはまだいいけれど」「――――私の人生を売る気になんて、なれるわけがないでしょう」
女「……じゃあ、私にどうしろと」
娼婦「そんなの、とっくに分かってるでしょう」
女「……はー……本っ当に、タチの悪いひとですね。貴女って」
娼婦「強かになれないなら、娼婦として生きていく資格はないわ」
49 :
◆aUbK72/AnA
[sage]:2016/07/02(土) 00:41:01.15 ID:GldqFh6vO
女「分かりましたよ。話せばいいんでしょう、私の身の上話」
娼婦「勿論、それだけじゃ不足だけれどね」
女「貪欲ですねえ。……どこから話しましょうか」
娼婦「そうね。……先ずは、貴女の産まれから?」
女「それに関しては、あまり話したくはありません」
娼婦「私のお願いなのに?」
女「無論です」
娼婦「仕方ないわね。……それじゃあ、貴女のお仕事」
女「この間話したじゃあないですか」
娼婦「あれだけで満足するわけないじゃない」
女「…………仕方ないですね。他言無用ですよ」
女「これで貴女が危険な目に遭っても、私は知りませんからね」
50 :
◆aUbK72/AnA
[sage]:2016/07/02(土) 00:49:07.40 ID:GldqFh6vO
娼婦「そんな危険なお仕事なの?」
女「他人に話したくないというのは、そういうことです」
娼婦「益々聞きたくなってきたわ」
女「……貪欲ですねえ」
娼婦「勿論よ」
女「……私の仕事は、壊し屋≠ナす」「クライアントの依頼に則って、何でも壊す≠ィ仕事です」
女「表向きは、老朽化した建物の発破解体とか」「下請けで、スクラップ系の産業廃棄物の処理とか」
女「……最近やった面白い奴だと、天然クロマグロの解体ショーにも出ましたね」
女「でも、私の本当の仕事は」「そんな陽の当たる場所にはありません」
女「依頼されれば、何でも壊す≠ですよ」「例えそれが、人間でも」
51 :
◆aUbK72/AnA
[sage]:2016/07/02(土) 01:06:08.61 ID:GldqFh6vO
娼婦「――――……………」
女「……あんまり、驚かないんですね」
娼婦「……何となく、予想はついていたから」
女「……続けましょうか」
女「人口爆発が文字通りに炸裂して、超光速航行が実用化されて」
女「火星や月はおろか、太陽系の遥か外部にまでテラフォーミングされた植民星が作られてる現在でも」
女「未だ人類は押し競饅頭で、地球から落っこちそうになってます」
娼婦「貧乏子沢山、ね」
女「ご名答。新たなる開拓地と新たなる人材、そして新たなる顧客を得た企業体は際限なく肥え太り続け」
女「いつしか国家権力を遥かに踰越した彼らは、己れの利潤追求の為だけに地球環境を無視した産業化を続けた」
女「アンドロイドやレプリカント、クローンヒューマンの開発も進んだ。けれど、彼らは中々放っておいても勝手に増えてくれない」
女「代わりに産業発展の結果として莫大な数となった人間の被雇用者に、企業は一定の権利を認めた」
女「ぁけどそれは嘗てあったように、人としての品性を鑑みたような優しいものじゃない」
女「労働者を限界を超えて酷使したら、次の世代の労働力と顧客が絶滅する=\―計算高いもんです」
娼婦「……それと、貴女のお仕事と」「一体、どんな関係が?」
女「彼らにとって、確かに人口の減少は由々しき事態です」「ですが同時に、旧来の法は形骸化を見せています」
女「むしろ企業体からすれば、邪魔な人間・切り捨てたい人間の方が多いんです」
女「――――――――人殺しが咎められるご時世じゃあないんですよ」「貴女も、よく知っているでしょう」
52 :
◆aUbK72/AnA
[sage]:2016/07/02(土) 01:15:54.77 ID:GldqFh6vO
娼婦「……ええ。殺されかけたことだって、何回かはあるし」「目の前で人が殺されたことは、それ以上にあるわ」
女「復讐、報復、見せしめ、人材の排除……動機は、様々です」「勿論形骸化しているとはいえ、大っぴらにやれることじゃありません」
女「普通の人間でさえ、義体というサイバネティック技術と」「恒常的・普遍的なネットワーク接続が一般化しているのだから」
女「どこで誰が何をしているのかなんて、調べればすぐに足がついてしまいます」
女「だから、私のような輩が必要なんですよ。誰にも知られない所で、誰かを壊せる$l間が」
娼婦「……今夜も、仕事をしてきたんでしょう?」
女「よく分かりましたね」
娼婦「少しだけ、血の臭いがしたから」
53 :
◆aUbK72/AnA
[sage]:2016/07/02(土) 01:28:11.17 ID:GldqFh6vO
女「3人ほど首を刎ねてきました。このへんのスラム街にたまってる、中卒のゴロツキどもでした」
女「どこかの地主の令嬢を襲って、一月くらいレイプしてリンチして、うっかり殺しちゃったみたいですね」
女「コンクリ詰めにして隠したはいいけれど、当然バレたみたいで。怒り狂った地主本人が依頼してきましたよ」
女「良くてどうせ懲役刑だろうからって、わざわざ警察にも手を回して敢えて捜査させなかったそうです」
女「貴女も、気をつけてくださいね。どこでどんな恨みを買うかなんて、中々知れたもんじゃない」
娼婦「――――貴女も、やっぱり」「誰かにお金を積まれたら、私を[
ピーーー
]の?」
女「まさか。貴女と同じですよ」「私のような汚れた職にも、仕事を選ぶ権利はあります」
娼婦「ふふ。随分と、いいご身分なのね。……安心したわ」
女「金回りだけはいい仕事ですから。でも、本当に気をつけてくださいね。こんな仕事でも、やってる人間は相当いるんですから」
娼婦「あら怖い。もし命を狙われたら、誰に助けを求めれば?」
女「無論、私ですよ」
娼婦「どんな風に?」
女「人の恋路を邪魔する奴は、鎌に裂かれて死んじまえ=c…とでも」
54 :
◆aUbK72/AnA
[sage]:2016/07/02(土) 01:34:24.78 ID:GldqFh6vO
娼婦「いつからキューピッドは死神になったのかしら。ふふ」
女「時代の流れに順応したんですよ。恋愛も人殺しも、今の時代どっちかじゃ食ってけないわけです」
娼婦「…………ねえ」
女「何でしょう」
娼婦「……後悔、したことはないの?」
女「……後悔、ですか」
女「いつもしてる、とも言えますし――やり甲斐を感じてる、とも言えます」
娼婦「……どういう意味かしら」
女「私の産まれに、関わる話ですよ」
娼婦「……そっか。分かったわ」「ありがとう、ラティーナ」
女「ご静聴ありがとうございました。ロゼッタ」
55 :
◆aUbK72/AnA
[sage]:2016/07/02(土) 01:40:42.99 ID:GldqFh6vO
女「さあ。私はもうこれだけ話したんです」「――――そろそろ、貴女の話をしてくれても、いいんじゃないですか」
娼婦「…………そうねえ」
娼婦「――――――4本目の傷≠ェついたら、にしようかしら」
女「……卑怯ですよ」
娼婦「初めから平等な取引じゃないことくらい、貴女も分かってたでしょう?」
女「……ずるいですよ」
娼婦「結構結構。でも、そうね……最後にもう一つ、聞きたいことがあるの」
女「今更です。ご自由にどうぞ」
娼婦「ありがとう。それじゃあ、ね――――」
娼婦「――――――――貴女の家、教えて下さる?」
56 :
◆aUbK72/AnA
[sage]:2016/07/02(土) 01:46:19.92 ID:GldqFh6vO
女「…………それ。死んでもいいわ≠チてことですか」
娼婦「急かないで。お友達になってあげるわ、ってことよ」
女「……お友達じゃなかったんですか、逆に今まで」
娼婦「お客だったわ」
女「……ドライですねぇ。下はいっつもウェットなくせに」
娼婦「3回くらい抱いた程度で、知ったような口を利かないでくれる?」
娼婦「宿代を浮かせたいのよ。結構馬鹿にならない額だしね」「後は、そうね――――――」
娼婦「――――――――一人の夜は、やっぱり寂しいから」
女「……でも、普通に他所で一晩過ごしたり」「帰ってくる時でも、他の男に抱かれてきたりするんでしょう」
娼婦「当たり前でしょう」
女「……ま、いいですけどね」
57 :
◆aUbK72/AnA
[sage]:2016/07/02(土) 01:53:12.18 ID:GldqFh6vO
女「じゃあ、貴女の連絡先教えてください。適当に送るんで」
娼婦「少し待って。……ええっと、この辺にスマホが……」
女「……いつの時代の産物使ってるんですか」
娼婦「娼婦は身体が商品なのよ。電脳化なんてしたら、お客から変な目で見られちゃうわ」
女「…………怖いんでしょ、手術」
娼婦「……はい、電話番号とメールアドレス」
女「ほらやっぱり怖いんだ。可愛いですね」
娼婦「………………」
女「分かりましたよ怒んないでくださいよ、ほら今から送信テストしますから――」
〜♪
娼婦「問題なさそうね。こっちからも送ってみるわ」
女「はーい。………う、うぉ、っ」クラァ
娼婦「……大丈夫?」
女「……SMSから送られるの、久しぶりだったもんで」
娼婦「なあんだ」
58 :
◆aUbK72/AnA
[sage]:2016/07/02(土) 01:57:07.13 ID:GldqFh6vO
女「……もう、6時ですか」
娼婦「夜って、早いわよね」
女「長い夜もありますよ。そういう日に限って、嫌な夜です」
女「……そろそろ、おやっさんの仕事も終わったかな。私はもう行きますけど、貴女は」
娼婦「一日くらい、ここで過ごそうかしら。……ちょっと、二日酔いしちゃったかも」
女「らしくないですねえ。お大事に」
娼婦「貴女も、気をつけて。――元気でね、ラティーナ」
女「ええ。また今夜、会いましょう。――ご自愛を、ロゼッタ」
59 :
◆aUbK72/AnA
[sage]:2016/07/02(土) 02:04:22.14 ID:GldqFh6vO
◇ ◆ ◇ ◆ ◇
作業着の男「……随分とお楽しみだったじゃねえか」
女「聞いてたんですか。はしたない人ですね」
作業着の男「隣の部屋に嫌でも聞こえさせるほど大声でやってんじゃねえよ、全く」
女「防音工事でもしたらどうですか」
作業着の男「人様の布団も好き放題汚したんだろ、その分だと。クリーニング代出せ、クリーニング代」
女「契約内容に含まれていないので、お断りします」
作業着の男「てめえなんざインポになっちまえ。……おらよ、リミカの方のパスはいつも通りだ」
女「丁寧なお仕事、いつもありがとうございます」
幾分か白さを増した大鎌を、女は手に取った。満足気に片手で何度か振り回して、鼻歌交じりに畳んで背負う。
既に女は着慣れた服装に戻っていた。黒いコートに黒いフード、黒いフードに黒いマスク。微かに見える彼女の肌とその両眼だけが、彼女に許された色彩だった。
60 :
◆aUbK72/AnA
[sage]:2016/07/02(土) 02:10:56.31 ID:GldqFh6vO
女「で、どうでした。身元不明≠フ方は」
作業着の男「……お前、あれをどこで手に入れたんだ」
女「答える必要はありません」
作業着の男「……まあ、構わんが。妙なことに首突っ込んだら、そこにギロチンが仕掛けてあっちゃ笑えねえぞ」
女「重々承知しております」
作業着の男「兎も角俺の手に負える仕事じゃねえよ。俺は昔から技術屋畑の人間でね」
作業着の男「ハッカーやデバウアーに頼まねえと、あいつは読み解けそうにないぜ」
作業着の男「徹底的にエンコードされてやがる。恐らくは持ち主のシステムじゃないと復号化はできん」
女「分かりました。……あまり、彼女≠ノ頼りたくはないのですが」
作業着の男「――――お前の元カノ≠ゥ」
女「気まずくなるほど子供じゃありませんが、それでも気は進みませんよ」
作業着の男「頼るしかねえんだから仕方ねえわな。上手くやれよ、復縁も狙えるかもしれんぞ」
女「ご冗談を。――――今日もありがとうございました、おやっさん」
作業着の男「マスターと呼べ、マスターと」
61 :
◆aUbK72/AnA
[sage]:2016/07/02(土) 02:14:01.72 ID:GldqFh6vO
遅くなりましたが何とか書きました
まだまだ結構続きます
>>43
そっちにも結構影響されてますが、一番はやっぱりブレードランナーですね。
サイバーパンクと現実がここまで卑近になるなんて、昔は思ってもみませんでした
せめて発想だけでもエポックメイキングでありたいけれど、それさえも中々ままなりません
62 :
以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします
[sage]:2016/07/02(土) 10:07:21.38 ID:S/Ot3qwn0
おつおつ
63 :
以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします
[sage]:2016/07/02(土) 11:09:37.57 ID:sFXXAECQo
乙
ブレードランナー本当にいつになっても見劣りしないから大好きだわ
64 :
◆aUbK72/AnA
[sage]:2016/07/02(土) 19:57:42.29 ID:kdhH8zi40
『――――パブリック・アドバタイザーが、正午をお知らせします』
『本日の新都市東京は快晴です。ただし午後からは全域で雨となり、特に北東部では――――』
掠れた青で塗られたような空から、灰色の陽光が降り注ぐ。乾いた空気が人混みに湿る、四ツ谷の大通り。
黒い外套に黒いガスマスク、黒いフードを被ったその女は、やおら路傍で立ち止まる。錆びたトタンの庇の下である。
如何にも出稼ぎに来て稼げていない、という見窄らしい露天商が、彼女の片足を引くように話しかけた。
露天商「買多啲啦」
大陸系の顔をしたその東洋人は、ワンタンで出来たような唇で何かを言った。ふう、と彼女は溜息を吐いた。
女「――――マーク4号L型≠ミとつ」
ワンタンの唇が急に萎びて引き締まった。何も言わずに、露天商は立ち上がった。
自身の身体で隠していた背後の扉を、恭しく引いた。やたらに冷えている、空調の効いた空気が吹き出す。
「謝謝」マスクの下から微笑みを投げて、その女は扉の中に入っていった。彼女を見送って、露天商はまた扉を己の背で封じた。
65 :
◆aUbK72/AnA
[sage]:2016/07/02(土) 20:13:22.60 ID:kdhH8zi40
ドアを開けた先には、地下へと伸びる打放しの階段があった。入り口からは底知れないように見える闇だったが、降りてしまえばたかだか十数段であった。
次に女の眼前に現れたのは鋼鉄製の片開き扉である。核シェルターもかくやという冷たさを放つそのドアノブに、彼女はゆっくりと手をかけて、開いた。
女「……ダフネ。仕事ですよ」
扉の先に照明はなかった。ただ、無数に備え付けられた液晶モニターが、水晶体に悪いバックライトを輝かせていた。
光源を遮る人型の影が座っていた。やや躊躇いがちに、女は声をかけた。ぶうんという冷蔵庫の音とがさついたタイプ音だけが、暫くの間響いていた。が。
少女「…………やあ、ラティーナ。久しぶりだね――僕の、彼女=v
女「未練がましい女は、嫌いです」
振り向きがちに、声の主はふン、と鼻息を荒くした。被っていた視界拡張用ゴーグルと、今や希少品となった可動品のヘッドフォンを、気だるげに外した。
わざとらしく頬を膨らませるその顔は、二十歳にも至らない少女のものだった。椅子に座っていても分かる幼い体格に、不釣り合いなほど気の強そうな青の瞳。
足元のケーブルをローラー椅子の足で踏みながら、彼女は不機嫌そうにくるくると回った。腰まで伸びた長い金髪が、モニターの光に煌めいた。
少女「何と言われようとも変わらないよ。僕は今でも、君のことが好きなんだ」
少女「まあいい。君がそういうのなら、今日はそういう話なんだろう」
少女「――――どんな仕事だい?」
66 :
◆aUbK72/AnA
[sage]:2016/07/02(土) 20:26:50.90 ID:kdhH8zi40
女「貴女の物分りがいいところだけは、今でも好きですよ。――まずは、これです」
少女「どーれどれ……ほお、こいつは。ヴェンダー社謹製のメモリデバイスじゃないか!」
少女「しかも上級役員専用の社員用支給品、とびっきりのレアモノだ……ねえ、幾らで売ってくれる?」
女「用があるのは、こいつの中にあるデータと認証アカウントです」「それさえ割ってくれましたら、代金としてそのままお譲りしますよ」
少女「やったぁ!! さっすがラティーナ、最ッ高に君は気立てのいい女だよ!!!」
女「お褒めに預かり光栄です。……さあ、さっさとお願いします」
少女「もっちろん!! 世紀が産んだこの天才ハッカー、ダフネ・ファルクナー様の手にかかればちょちょいのちょいさ」
少女「こいつの接続ポートは少々特殊でねえ、ぱっとグランス・スキャニングした限り物理セキュリティだけでも相当厳重みたいだし」
少女「でもまあ30分もかからないよ! テリヤキ・ピザのLサイズを持て余してたんだ、冷蔵庫のルートビアと一緒に食べて待っていたまえよ」
女「結構です」少女「そう言わずに!!」女「……では、いただきます」
67 :
◆aUbK72/AnA
[sage]:2016/07/02(土) 20:33:35.99 ID:kdhH8zi40
『ーーーーーーーーーーが、午後2時をーーーーーーーーーーーー』
女「……Lサイズって、結構大きいんですね。ごちそうさまでした」
女「それで?」
少女「……………うーん………………」
女「どうしたんですか、天才デバウアーさん」
少女「一緒にしないでくれたまえ! 僕はハッカー(賢い奴)であっても、デバウアー(貪り食う奴)ではないのだから」
女「どっちも同じ金庫破りでしょうに。……それで?」
少女「……予想以上に時間がかかりそうだ。僕が、辞書攻撃に頼るとは……」
少女「でも、必ずケリはつける。もう物理セキュリティは全部無効化して、第7論理防壁にとりかかってるんだ」
女「本当に終わるんでしょうね」
少女「僕が君に嘘をついたことがあるかい?」
女「星の数ほど」
68 :
◆aUbK72/AnA
[sage]:2016/07/02(土) 20:46:25.29 ID:kdhH8zi40
少女「…………じゃあ、進展があったらまた後日連絡するから」
少女「あ、でも、今日はもう暫く寛いでいってもいいよ!」
女「こんな埃臭くて黴臭い部屋でどう寛げと? 清潔でないのも私が貴女をフッた理由です 」
少女「……くぅ、手厳しいなぁ」
女「――――ただ」
女「今日貴女に頼むお仕事は、まだありますよ」
少女「本当!?」
女「私が貴女に嘘をついたことが?」
少女「覚えてる限り、何回か」
女「少なくとも、今の言葉は本当です。何、人探しの依頼ですよ」
少女「へえ。君が人探しってことは、ターゲットの身元でも調べるのかい?」
女「いいえ。個人的な理由です」
少女「ふうん。というと?」
69 :
◆aUbK72/AnA
[sage]:2016/07/02(土) 20:54:00.64 ID:kdhH8zi40
女「――――――ある人物に関する情報を、探って欲しいんですよ」
少女「誰、それ」
女「ロゼッタという、この街の娼婦です」
少女「……もしかして、好きなの?」
女「さあ」
少女「……ねえ、それサクラか美人局か何かじゃない? まさかとは思うけど、騙されてない?」
女「……怒りますよ」
少女「君の身を案じているだけさ。君に限って他人に出し抜かれるなんてことはないだろうけどさ」
女「そこまで分かってるなら結構。さ、とっとと調べてください」
少女「全くもう。……ま、いいけれどさ」「大切な人の人生を、僕が弄れる権利はないから」
女「聡明で嬉しいですよ、貴女は」
少女「君のお陰さ」
70 :
◆aUbK72/AnA
[sage]:2016/07/02(土) 20:59:47.01 ID:kdhH8zi40
少女「で? 苗字は?」
女「分かりません」
少女「はぁ? ロゼッタなんて名前、確かにそれなりに珍しいけどさ」
少女「……じゃあ、住所は?」
女「今のところ、私の借りてる宿です」
少女「それ以前は?」
女「分かりません」
少女「……君、それでも本当に恋する乙女い?」
女「貴女がストーカー気質すぎるだけですよ」
少女「だって普通に考えておかしいじゃないか。君、彼女のことを何も知らない」
少女「どうしてロクに知りもしない人のことを、そんなに好きになれるんだい?」
女「……彼女からも、同じことを言われましたよ」「何ででしょうかね。分かりません」
少女「君にしては珍しく愚かだなあ。……まあ、悲恋に終わった時は僕のところにおいで? 忘れさせてあげるよ、文字通り=v
女「勘弁してください」
71 :
◆aUbK72/AnA
[sage]:2016/07/02(土) 21:02:55.79 ID:kdhH8zi40
少女「で、報酬は?」
女「とりあえず、現金の後払い」
少女「了解。サルベージならお手の物さ、この場で済ませてみせるよ」
女「助かります。どうやって探るつもりですか?」
少女「とりあえず、『ベイカーストリート・ボーイズ』でも差した検索エンジンで調べてみようかな」
少女「画像検索と名称検索、ついでに声紋検索を併せて絞り込めば判るだろうし」カタカタ
少女「ちょっと送ってくんない? そんだけセックスしてるなら、視覚データと聴覚データくらいキャッシュされてるでしょ」
女「……はい、どうぞ」
少女「さんきゅー。……成る程、君が一目惚れするのも無理はないね」
少女「……ええっと何々、検索結果17件……」
少女「……どれも目ぼしいのはないなー。画像検索と名前に引っかかったのは幾つかあるけど、別人だ」
少女「……ん、これは……?」
少女「…………産業省の、データベース?」
72 :
◆aUbK72/AnA
[sage]:2016/07/02(土) 21:03:34.19 ID:kdhH8zi40
女「そんなもの漁って、何になるんですか?」少女「おやおや。そんなセリフは、トーキョーの住人だから言えることだよ」
少女「往時の拘束力こそ大きく衰退したとは言え、今なお国家権力は健在」
少女「特に企業にとって産業的価値が薄い田舎なんかは、今でもきちんと国が治めてる」
女「……京都のあたりが、実質的な日本国≠フ首都になってるんでしたっけ?」
少女「そ。福岡や大阪、札幌なんかの大都市圏になると、企業と国家の勢力はほとんど拮抗してるよ」
少女「それに東京だって、政府の息がかかった埼玉や海老名、甲府なんかに囲まれてるわけで」
少女「特に甲府なんて天然の要害だ。小競り合いだってちょくちょく起きてる」
女「また少し賢くなりましたよ。じゃあとっととそのデータ、引っ張り上げて下さい」「どうせ骨折り損でしょうけどね」
少女「お安い御用。……と、言いたいけれど……」「……ま、当然管理者データだよね」
73 :
◆aUbK72/AnA
[sage]:2016/07/02(土) 21:04:02.45 ID:kdhH8zi40
女「ページハック、ですか?」
少女「足が付きそうで怖いねえ。一応国の組織だし、そこまでヌルいセキュリティとも思えない」
少女「それよりも、適当な産業省職員のアカウントでも踏み台にした方が良さそう」
少女「た・し・か、丁度いいパーソナルデータをこの間拾ってたはず――――あったあった。タカフミ・オオヤブ、47歳」
少女「典型的なボンボンのお坊ちゃんだね。幼稚園から私立のいいとこに入ってて、そのままエスカレーター進学」
少女「ポストこそそれなりの地位だけれど、彼の功績はほとんどコネとゴマスリの産物みたい。ハゲだし、タイプじゃないな」
少女「無能な文系、って奴か。22歳の時に義体化手術を受けてるようだけれど」
少女「しょうもないオプションサービスのせいで旧型の義体なのに相当ボラれてる。清々しいくらいに機械オンチさ」
少女「――――――上等、上等。彼なら、いい藁人形になってくれそうだな」
女「どうするつもりです?」
74 :
◆aUbK72/AnA
[sage]:2016/07/02(土) 21:05:05.07 ID:kdhH8zi40
少女「耳小骨コールで直接お電話。もちろん非通知で、中国の日本大使館風捨て番号から」
少女「トンツーで音声化したブレインハック・プログラムをそのまま聴かせて、海馬に蓄積させて実行ファイルっぽくアセンして」
少女「一般的なサイバネメモリシステムは、記憶の再生を解釈実行として扱ってる奴が大半だし」
少女「そうなれば後は簡単さ。しばらく僕のお人形になってもらうよ」
少女「現実で知覚系にセキュリティ張ってる奴なんてそうそういない。ほぼ確実に効くのに、マイナーなんだよねぇこの手口」
少女「まあアクセスログを簡単に消せるし、普通の通信ルートじゃなくて電話回線使うし。どうやってクラックされたのか自体、分かりにくいってのもあるけどね」
女「……好きな話になると饒舌なんだから。しかし、手の込んだ真似をしますねえ」
少女「特定されても、まあ新しい戸籍を買えば済む話ではあるけれど」「色々と面倒だし、ヘマしすぎても笑われるからね」
女「そういうもんですか」
少女「そういうものさ。――――さて。テレフォンショッキングのお時間ですよ、っと」
◇ ◆ ◇ ◆ ◇
小太りの禿男「…………なんだ、こんな時間に。全く、何処のどいつだ」
小太りの禿男「……中国大使館からか。ふん、件のレポートで私の助力が欲しいのだろうな」
小太りの禿男「どれ。どうせ暇なんだ、少しくらい手伝ってやるkkkkkkkkk――――――――――」
◇ ◆ ◇ ◆ ◇
75 :
◆aUbK72/AnA
[sage]:2016/07/02(土) 21:18:22.84 ID:kdhH8zi40
少女「はい一丁上がり。……へえ、家で一人で酒盛りしながらマス掻きか」「見た目ブスに性格ブスだと、救いようがないねえ」
女「……そういう貴女は、本当に性格が悪い」「人様から離縁される理由を考え直すべきですよ、全く」
少女「ふーん。今でこそそんな口利いてるけど、昔は僕の手マンで善がりまくってたよね、君」
少女「高速タイピング用のアクチュエーターをあんな風に使わせるとは、あの時はまったく呆れたよ」
女「……ったく。そういうところですよ」
少女「何か言ったかい? まあいいや。これでこのおっさんは僕のものだ=v
少女「さてさて、改めて産業省のデータベースにアクセスして――よし。ボンボンだけあって、セキュリティ・クリアランスだけは一流だね」
少女「……データベースには入れた。後は彼女のデータを調べるだけ……ん、あれ……?」
女「どうしました」
少女「……セキュリティ・クリアランスが足りない」
76 :
◆aUbK72/AnA
[sage]:2016/07/02(土) 21:29:16.58 ID:kdhH8zi40
女「どうして?」
少女「知らないよ。それだけの機密情報なんだろうね、多分」
少女「このクラスだと、電脳クラックそのものを受け付けにくい連中も多いだろうし……とりあえず」
少女「おっさんのユーザーアカウントを復号化して……セキュリティ関連のフラグを書き換えて、と」
少女「一応、仮想ページでテストしてみよう。……よし、行けそうだ」
少女「……網膜認証? 仕方ないな、僕のデータを使うか……ちょっと『フェイク・フェイサー』取って」
女「はい。……いつ見ても不気味ですよねえ、これ」
デスクの片隅にあった剥き出しの義眼二つを、女は少女に手渡した。
既に生活用義眼を取り外し、闇の中に金色の電子基板を覗かせる眼窩へと、少女は新たな義眼を嵌め込む。
少女「……出来の悪い認識システムで助かった。5回目がペナルティだけど、3回目で済んだよ」
少女「さあて。いざ、パンドラの箱とご対面か――――――――」
77 :
◆aUbK72/AnA
[sage]:2016/07/02(土) 21:41:53.84 ID:kdhH8zi40
少女「…………ビンゴ」
女「ロゼッタ、……」
少女「君の想い人は、どうやら相当ヤバい仕事に手を染めてたみたいだね。どれ早速ダウンロードを……くそ、コピーガードか」
少女「ソースコードを書き換えるには、少し時間がかかりそうだ。それまで彼女の素性を、じっくりねっとり見てやろうじゃないか」
女「……そうしますか」
少女「本名はロゼッタ・ラヴクラフト。28歳、身長177cm、体重は」女「結構です」
少女「……十数年前まで、経済産業省の産業技術開発局・生命科学研究所に所属してたらしい。結構、若いね」
少女「相当高い地位にいたみたいだね。バリバリのキャリア組だけど、実績も多い……クローンヒューマンやレプリカント、遺伝子操作なんかが主みたいだ」
少女「……ん?」
女「……妙ですね」
少女「ああ。…………3年前に、実験中の事故で死亡している」
78 :
◆aUbK72/AnA
[sage]:2016/07/02(土) 22:10:14.12 ID:kdhH8zi40
女「……どういうこと、でしょうか」
少女「僕に分かりっこない。限りなく顔と名前の似た別人か、はたまた一卵性双生児か、ともすりゃクローン人間か」
少女「まあでも、一番線が強いのは――――」
女「偽装死、ですか」
少女「……そうだね。何を恐れたのかは知らないけれど、彼女には死んだふり≠しなくちゃいけないだけの理由があるんだろう」
少女「しかし、それにしちゃあ整形手術もしちゃいない」「偽名さえ名乗ってない……どういうことなんだろう?」
女「彼女、そういうのは嫌いなんだそうで」
少女「個人的な拘りなわけがないだろう。……まあ、考えても仕方ないか」
79 :
◆aUbK72/AnA
[sage]:2016/07/02(土) 22:19:38.07 ID:kdhH8zi40
女「……しかし、見てみると出鱈目な経歴ですね」
少女「ああ。相当有能な人だったんだろうね」
女「そうじゃない。本当に、出鱈目≠ネんです」
少女「…………?」
女「何のために作られたデータベースなのかは知りませんが、相当な嘘が混じってます」
女「出自もそうですが、研究実績関連になると特に顕著です」「彼女の功績と書いてあるほとんどの論文、実際に発表されたものは別名義です」
少女「…………なぜ、そんなことが分かるんだい?」
女「つまらない聞き齧りですよ」
少女「……君の恋人は、本当に何者なんだろうね」
女「……何となく、分かった気がしますよ」
80 :
◆aUbK72/AnA
[sage]:2016/07/02(土) 22:33:26.34 ID:kdhH8zi40
少女「へえ?」
女「分からない理由が、分かったんです」
少女「ソクラテスみたいな事を言うなあ。ずいぶん深みのない言葉だけれど」
女「…………………」
少女「そろそろ、アカウント経由のハッキングも終わる。後でじっくり見てみるといい――――」
≪WARNING!!:-174cgk=...Unable to connect with the puppet≫
少女「――――――――な、にッ……!!」
女「……どうしました」
81 :
◆aUbK72/AnA
[sage]:2016/07/02(土) 22:46:54.75 ID:kdhH8zi40
少女「――――――――ッッッ!!!」バチイッ
女「大丈夫ですか!?」
少女「ああ、何とか……身代わり刺しといて正解だった、危うく焼かれてお陀仏さ」
少女「……向こうに、気付かれた。あのセキュリティフラグ、やはり正規の挙動はしてなかったんだ」
女「……つまり、それって」
少女「最初から泳がされてたってわけ。ページの権限を書き換えて、ダウンロードが済ませられるようになるまで――」
少女「ダウンロードの際に、一瞬だけこっちの回線を開いた。おっさんも焼かれた。居場所とアクセス元、しっかりバレたよ」
少女「……僕としたことが。とんでもないものに、手を出してしまったらしい」
女「……ごめんなさい、ダフネ」
少女「慰めないでよ、却ってプライドが傷つくから。……実行部隊の到着か、空爆要請か。いずれにせよ、数十分とかからないはずさ」
少女「僕はとっととトンズラさせてもらうよ。また新しい戸籍を買わなきゃならない」
少女「家財道具を纏める。君は早く逃げるんだ。幸い君のデータは漏れてない。後で連絡を寄越すから」
女「……分かりました。お元気で、ダフネ」
少女「うん、君こそ。その女には気をつけるんだよ、ラティーナ」
女「――言われなくとも、最初から」
タッタッタッタッ…………
82 :
◆aUbK72/AnA
[sage]:2016/07/02(土) 22:57:31.25 ID:kdhH8zi40
◇ ◆ ◇ ◆ ◇
≪――――The next station is Shibuya.The door left side will open.≫
≪Watch your step when you leave the train――――≫
女「………………」ガタンゴトン、ガタンゴトン、ガタンゴトン…………
女「……………………」ガタンゴトン、ガタンゴトン、ガタンゴトン、ガタンゴトン……
女「…………………………」プシュー……ピンポーン、ピンポーン
女「……………………」スック
女「………………」Pi……<残金 136円>
女「……………………」
女「………………………………」
『――――――――――パブリック・アドバタイザーが、午後7時をお知らせします』
83 :
◆aUbK72/AnA
[sage]:2016/07/02(土) 22:58:46.11 ID:kdhH8zi40
とりあえず今夜は一旦ここまでです
深夜に気力があれば濡れ場まで行くかもしれません
>>63
未だに私含め、アマもプロも多くのSFがあそこから抜け出せてないってのはある種恐ろしいですよね
84 :
以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします
[sage]:2016/07/02(土) 23:21:07.78 ID:Psj+T+0rO
乙
待ってる
85 :
以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします
[sage]:2016/07/03(日) 02:13:14.28 ID:mpE6BoxGO
サイバーパンク的な世界観を描く場合まずブレードランナーの呪いにかかると誰かが言っていたな
乙
86 :
以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします
[sage]:2016/07/03(日) 04:37:09.78 ID:UkES70S6O
乙
話も濡れ場も続きが楽しみだ
87 :
以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします
[sage]:2016/07/03(日) 09:01:39.65 ID:4mrYS7UYo
おつおつ
88 :
以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします
[sage]:2016/07/03(日) 16:40:52.58 ID:FKK/9HJGo
面白い
89 :
以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします
[sage]:2016/07/04(月) 23:27:23.07 ID:Ztcycmrlo
乙
90 :
以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします
[sage]:2016/07/12(火) 22:49:53.77 ID:YNoJCVph0
乙です
車内アナウンスはこの世界でもクリステル・チアリだろうか?
91 :
以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします
[sage]:2016/07/20(水) 22:31:21.93 ID:PtW26IKRO
あれ?
続きは?
92 :
以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします
[sage]:2016/07/25(月) 15:40:57.91 ID:rldg2iLsO
支援
93 :
以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします
[sage]:2016/07/29(金) 12:25:57.05 ID:n7ysQVzJO
待ってる
94 :
以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします
[sage]:2016/08/14(日) 23:08:48.24 ID:8XaBi6XA0
まだですか?
95 :
以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします
[sage]:2016/08/30(火) 17:33:28.05 ID:mqGdjsygO
待ってる
96 :
以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします
[sage]:2016/11/10(木) 09:10:01.85 ID:uhE07aA3O
ほしゅ
97 :
以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします
[sage]:2016/11/24(木) 15:35:20.08 ID:ogwDpjtoO
はよ
98 :
以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします
[sage]:2017/04/14(金) 18:02:12.46 ID:czbT1ygQO
待つわ
99 :
以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします
:2017/04/24(月) 14:14:57.32 ID:Kq7f7YEko
ほ
100 :
以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします
[sage]:2017/04/26(水) 21:48:23.07 ID:f3qEN16ko
待ってるぞ
101 :
以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします
[sage]:2017/05/12(金) 15:06:40.07 ID:a0BNdJYwO
まってる
102 :
以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします
[sage]:2017/09/21(木) 19:41:53.95 ID:nXKgbAwWO
待ってる
103 :
以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします
[sage]:2017/10/17(火) 18:56:24.74 ID:99rYKPHpO
ほ
104 :
以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします
:2018/08/29(水) 07:40:15.37 ID:lrAG26oO0
ほ
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