咲「和ちゃんが男子になっていまいました」

Tweet

202 : ◆uFgKAeBDKs [saga]:2016/09/25(日) 22:40:34.93 ID:fsZ6MkbU0

咲さんは、普段より一層だらしのない笑みを浮かべる。

髪をさらに梳いて、首筋を見て思い出した。


和「あ……首筋のところとか。跡になってないでしょうか?」

咲「どうだろ。でも制服着たら多分隠れるから」

和「……だといいですけど」


和(これがピロートークってやつでしょうか)

和(でも一晩寝てるから厳密には違っていたりして…?)


いまいち思考がまとまらないまま。

睦言を交わしてるみたいで、だんだん恥ずかしくなってきた。

いや、睦言そのものなのかこれは。
203 : ◆uFgKAeBDKs [saga]:2016/09/25(日) 22:43:05.36 ID:fsZ6MkbU0

咲「はー……」


咲さんは目を閉じてひとつため息を吐いてから続けた。


咲「すーっごい、きもちよかった……」

和「うそ。最初はあんなに」

咲「うん。でも、それも含めてよかったかな、って……。で、あの……和ちゃんのほうは?」

和「……無我夢中でした」


それ以外に言えることが何もなかった。


和(最後の方なんて、訳もわからないまま腰を振っていたような気がする)

和(そして、咲さんに導かれるまま、中に……///)


思い出すと手のひらに汗をかきはじめてしまう。

無意識に記憶を辿ってしまい、腰が震えた。

204 : ◆uFgKAeBDKs [saga]:2016/09/25(日) 22:46:01.33 ID:fsZ6MkbU0

咲「無我夢中?」

和「え? ええ、まぁ」

咲「無我夢中……」

和「…? な、なんですか?」


『無我夢中』という言葉にやたら食いついてきた咲さん。


和(なんでしょう……何か変なことでも言ってしまったでしょうか)


咲「……ちゅー…」

和「へっ?」


半目のまま、すぼめた唇を寄せられる。

こちらからも出迎えようと顔を近づけると、お互いに触れ合う前、一瞬だけ目が合う。

すると、咲さんは恥ずかしそうに手を振りながら顔を隠した。


咲「ご、ごめんっ。ちょっと思いついただけなの! お願い忘れてっ!」

和「えっ……あ、はい…」

和(キス、したかったな…)


体を起こすことも億劫なほど疲れていて、咲さんと言葉を交わすたびにクラクラしてくる。

でもこの眩暈が、疲労によるものなのか。それとも咲さんの色香によるものなのかはわからなかった。
205 : ◆uFgKAeBDKs [saga]:2016/09/25(日) 22:47:52.89 ID:fsZ6MkbU0

和「知らなかったです、咲さんが……こんな。いえ、何でもありません」

咲「……ダジャレくらい、いいじゃん…」


和(エッチだったなんて、と言おうとしたのに…)


和「いえ、あの、ダジャレのことではなくて……」

咲「そういうフォローはいりませーんっ」


そう言って私から毛布を巻き上げ、一人毛布に包まり顔を隠してしまう。

拗ねてしまった彼女を、布団越しに撫でる。


和「……想像し続けると現実になるって、本当なのかもしれません」

咲「……?」


不思議そうに、咲さんがひょこ、と布団から顔を出す。
206 : ◆uFgKAeBDKs [saga]:2016/09/25(日) 22:52:17.88 ID:fsZ6MkbU0

和「咲さんの傍にいられて、こんな朝を迎えられるなんて」

和「こうだったらいいな、という想像が、最近になってことごとく叶っているんです」

和「あなたのおかげですね」

和「ありがとう、咲さん」ニコッ


咲「そんな、お礼なんて」タシタシ

和「これからはもう、恐ろしい想像はしないようにします」

咲「ふふっ、悪いことばかり起きちゃ困るもんね…」アハハ

和「はい」

咲「よしよーし…」ナデナデ


咲さんの腕が布団の隙間から伸びて、私の二の腕を撫でる。

なんだかいっぱいいっぱいな感触がある。


きっと数日は絶対に思い出してしまうだろう。数日で済まない気もかなりする。

下手したらずっと思い出し続けるくらいの――。

207 : ◆uFgKAeBDKs [saga]:2016/09/25(日) 22:53:55.89 ID:fsZ6MkbU0

――傷をつけられた。

つけることができた。つけてもらえた。

多分そうなんだと思う。

これが初めての味――


和「この世界で、私だけが知ってる咲さん」

咲「うん」

和「咲さん、咲さん」ギュムッ

咲「えへへ…あったかぁい…」

208 : ◆uFgKAeBDKs [saga]:2016/09/25(日) 22:57:21.04 ID:fsZ6MkbU0

コンコン


甘くて気だるげな会話を遮るように、ドアが数回ノックされる。


「咲―、もう昼だぞー。寝てるのかー? 開けるぞー?」


ガチャ

突然、ドアの金具が音を立てて開く。


和「ええっ!?」

咲「あ、やっ、ちょ、ちょっと待っておと――」

界「朝から何騒いでんだ、いいからはよ起き――ぇ」


咲「あわわ…」全裸

和「…………っ」全裸


裸のまま二人してベッドで寝そべるシーン。

咲さんは布団を被っているものの、私は咲さんに布団をはぎ取られ包み隠すものなく全裸状態。

この状態で咄嗟に、下半身と一緒に胸も隠そうと腕が動いたのは、きっと私が確かに女子であった所以――
209 : ◆uFgKAeBDKs [saga]:2016/09/25(日) 22:58:34.27 ID:fsZ6MkbU0

和「…………」


現実逃避でどうでもいいことに思考が巡る中。

時間が凍っていた。


界「えっ……え?」

咲「はぅぅ〜」

和「……。お、おはよう、ございます…」


辛うじて朝の挨拶をしたのは、はたして正解だったのだろうか。

でも、褒めて欲しいとは思う。褒めて咲さん……!!


界「っ…す、すまん……っ!!」


けれどその一言に我に返ったお父様は、慌てた様子でドアを乱暴に締め、逃げるように去っていった。
210 : ◆uFgKAeBDKs [saga]:2016/09/25(日) 23:00:32.33 ID:fsZ6MkbU0

和「…………」

咲「…………さ、最悪……」ずーん


この世のすべてに絶望したかのような顔をしている。

人生で最も幸せに包まれて目覚めた朝は、どん底と思えるような一日の始まり。


和「え、え〜と…」

咲「…………」

和「お父様にも、見られてしまいましたね……」

咲「うん、ね……」ショボーン

和「………」


フォローする振りして、傷口を抉っていくスタイル。

まるでフォローになってない言葉に、思わず頭を打ち付けたくなった。
211 : ◆uFgKAeBDKs [saga]:2016/09/25(日) 23:08:31.22 ID:fsZ6MkbU0

界「……」

咲「……」

和「……」


初対面での印象が良かっただけに、この重苦しい雰囲気での朝食はキツイ。

朝食が一人当たりの量が少なく、けれどしっかり三人分として用意されている辺り、一応拒否されている訳ではないらしい。


和(いや、でも……うーん? あーもうくっそ、動いてください私の頭っ!)

和(一つ思うのは、このまま無言のまま朝食が終わってしまうのは、流石に不味いということ)

212 : ◆uFgKAeBDKs [saga]:2016/09/25(日) 23:09:41.62 ID:fsZ6MkbU0

和「……。あ、あの、お父様……っ?」

界「だ、誰がお義父様だ……っ!」

咲「うぅ……」


和(…………さすがに、そこまで自惚れていません)

和(でも、ここで『そのニュアンスではありませんよ』だなんて言い返したら、きっともっと怒られそう)


咲さんのお父様はご機嫌ナナメだし、咲さんも所在無さげで今にも泣いてしまいそう。
213 : ◆uFgKAeBDKs [saga]:2016/09/25(日) 23:11:28.43 ID:fsZ6MkbU0

界「ん、んんっ……」

界「あー、なんだ。二人はその、付き合って、いるのか?」

和「え、いや」

咲「……そうっ、付き合ってるの!」

和「咲さん…?」

咲「好きでもない人と、お泊りなんて…」


和(この呟きは、私の告白に対する言葉ということで捉えていいんですか……?)


懸命に私の疑惑の視線から逃げるその態度に物申したい半面、私の機嫌はもううなぎ登り。
214 : ◆uFgKAeBDKs [saga]:2016/09/25(日) 23:13:22.86 ID:fsZ6MkbU0

和(今は話を合わせておいて……)

和(でも後で、しっかり咲さんを問い質して、きちんと言葉にして伝えてほしいな、とは思う)


和(たとえ咲さんが恥ずかしさから泣いてしまっても……)

和(……泣いてしまったら、許してあげないこともありませんけど)

和(そこはまぁ、その涙の意味にもよりますか)


ここまでの思考、コンマ1秒。

男になった私は、凄まじく強い(確信)。
215 : ◆uFgKAeBDKs [saga]:2016/09/25(日) 23:18:17.36 ID:fsZ6MkbU0

和「……。咲さんの恋人にしていただけました、原村和と申します」

和「じぶんどきにお邪魔してしまい、申し訳ありません」

和「ふつつか者ですが、何卒、宜しくお願い致します」深々


界「あ、いえいえこちらこそ……咲を宜しくお願いします……」深々

和「ええ、こちらは結納でも入籍でも何でも……」深々

咲「ちょ、ちょっと二人していきなり何言ってんのっ!? やめてよね!?」
216 : ◆uFgKAeBDKs [saga]:2016/09/25(日) 23:18:52.36 ID:fsZ6MkbU0

和(私の腕に抱き付きながら必死に何かを叫ぶ咲さんの隣で、ふと考える。)


受け入れてもらえたのかはわからない。

今の言葉ももしかしたら社交辞令かもしれない、

それでも、それが本心になってもらえるように頑張ろう。


和(女に未練はない……)

和(男として生きようと、そう決めたから――)

217 : ◆uFgKAeBDKs [saga]:2016/09/25(日) 23:25:32.28 ID:fsZ6MkbU0

和「咲さん!!」


咲「えっ、あ……な、なにかな?」

和「幸せにします」

咲「えっ……///」

和「必ず、認めてもらえるように努力しますから!」


和「だから咲さん、私…………うぐぅっ!?」ゴリッ

咲「!? な、なに? どうしたの!?」


和(咲さんにプロポーズしようとしたら、真っ先に夜の営みという単語が思い浮かび)

和(ついには昨夜のセックスを思い出して勃起してしまいました……)


和(何を言ってるかわからないかもしれませんが、とりあえず私が性欲旺盛の最低男だということは間違いない……)
218 : ◆uFgKAeBDKs [saga]:2016/09/25(日) 23:27:14.19 ID:fsZ6MkbU0

和「す、すみませんっ…………お手洗いを、貸してください……っ」ガクッ

咲「だ、大丈夫……? 手伝おうか?」

和「いえ……大丈夫ですから、放っておいてください……」

咲「う、うん……」


和(ひとつ、学んだことがあります……)

和(男子の性欲は思いの外、凄まじいということ)

和(昨晩、あれだけ咲さんに絞り取られたというのに……)

和(今はもう……咲さんとセックスすることばかり頭に浮かんでいる)
219 : ◆uFgKAeBDKs [saga]:2016/09/25(日) 23:35:14.26 ID:fsZ6MkbU0

和「ああっ……咲さん、咲さん……っ」シコシコ


和「うっ……」ドピュッ


どぴゅ、どぴゅ、どぴゅっ



和「ふぅ…………」


和「……」


和「……」



和「………私って、最低ですね…」ズーン
220 : ◆uFgKAeBDKs [sage saga]:2016/09/25(日) 23:37:46.10 ID:fsZ6MkbU0
とりあえずここまでです。
221 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2016/09/26(月) 08:43:14.86 ID:dMdQo4xjo
乙
続きも期待
222 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2016/09/26(月) 13:12:46.61 ID:hakA4f530
乙です~
咲さんちゅーかわいい
223 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2016/10/19(水) 01:26:18.68 ID:isKGFuTK0
待ってるよ
224 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2016/11/16(水) 21:28:35.68 ID:SwfBl1JHo
ほ
225 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2016/12/02(金) 14:17:49.04 ID:xs3WyMmv0
ほ?
226 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2017/03/17(金) 23:44:49.59 ID:3f2GtiU4o
エタ...
227 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2017/12/25(月) 08:04:46.81 ID:XQvZH4wSo
1年以上音沙汰無しか…
207.27 KB Speed:0   ↑ VIP Service SS速報R 更新 専用ブラウザ 検索 全部 前100 次100 最新50 新着レスを表示
名前: E-mail(省略可):

256ビットSSL暗号化送信っぽいです 最大6000バイト 最大85行


スポンサードリンク


Tweet

荒巻@中の人 ★ VIP(Powered By VIP Service) read.cgi ver 2026/05/10 (Base By http://www.toshinari.net/ @Thanks!)
respop.js ver 01.0.4.0 2010/02/10 (by fla@Thanks!)